自動車排出ガス専門委員会(第63回)議事録

日時

令和2年4月15日(水)15:00~17:00

場所

WEB会議システムにより開催

議事次第

1.開会

2.議題

(1)微小粒子状物質等に関する対策について

(2)特殊自動車の排出ガス低減対策について

(3)その他の自動車排出ガス低減対策等について

3.閉会

配布資料一覧

資料

資料63-1  微小粒子状物質等に関する対策について(案)

資料63-2  特殊自動車の排出ガス低減対策について(案)

資料63-3-1 WLTPのClass1、Class2の車両に適用される試験サイクルの導入について(案)

資料63-3-2 アイドリング規制の見直しについて(案)

参考資料

参考資料1 微小粒子状物質等に関する対策について

議事

15時00分 開会

【森山補佐】 そうしましたら、定刻となりましたので、ただいまより、中央環境審議会大気・騒音振動部会第63回自動車排出ガス専門委員会を開会させていただきます。

 本日の会議は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からウェブ会議での開催とさせていただいております。

 環境省事務局の説明資料につきましては、ホームページにて後日公開させていただく予定でございまして、議事録につきましても委員の皆様のご確認が終わり次第、同様に公開させていただく予定ですので、何とぞよろしくお願いいたします。

 出席者の確認ですが、本日は岩本委員よりご欠席のご連絡をいただいているところでございます。

 そうしましたら、開会に当たりまして、小野水・大気環境局長よりご挨拶申し上げたいと思います。

 局長、どうぞよろしくお願いいたします。

【小野水・大気環境局長】 水・大気環境局長の小野でございます。

 先生方、日頃から環境行政、それから自動車排出ガスの行政についてご支援をいただきまして、大変ありがとうございます。

 先生方、ご承知のことと思いますけれども、新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言も出されておりまして、環境省においては三密を避けるということでテレワークの活用でありますとか、ウェブ会議の徹底を図っております。このため、本日の専門委員会についてはウェブ会議での開催とさせていただいております。普段の対面の会議と違っていろいろと不都合な点もあろうかと思いますけれども、どうぞよろしく積極的なご審議をお願いいたします。

 さて、今日の専門委員会でございますけれども、主として自動車からの微小粒子状物質対策、2点目は特殊自動車の対策についてご審議をいただきたいと考えております。

 まず、微小粒子状物質対策でございますが、昨年10月に微小粒子状物質等専門委員会を合同開催いたしました自動車排出ガス専門委員会におきまして、基本的な方向性を示していただいております。つまり一つ目としては、PM2.5の環境基準達成のためには固定発生源及び移動発生源のいずれにおいても引き続き対策を進めていくということ。二つ目といたしましては、自動車のPM対策は、測定技術や国際的な動向を踏まえて、PMの粒子の数の規制の導入について検討を進めるという2点でございます。この方向性の下、今回の委員会ではPMの粒子数規制に関して具体的な内容をご審議いただきたいと考えております。

 一方、特殊自動車でございますが、ガソリン・LPG特殊自動車に関しまして、欧米で既に採用されている過渡モードの導入等についてご審議いただきたいと考えております。

 本日は、この他にも二つほど議題があり、ちょっとウェブで開催するとしては大変でございますけれども、どうぞ委員の先生方におかれましては普段と変わりなく忌憚のないご議論をいただければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

【森山補佐】 小野局長、ありがとうございました。

 それでは、議題に入る前に、まず資料の確認をさせていただきたいと思います。事前に電子ファイルで共有させていただいたものを、今、画面でも共有させていただいておりますが、まずは議事次第がございまして、続いて、資料の63-1の微小粒子状物質に関する対策について、続いて、資料の63-2特殊自動車の排出ガス低減対策について、続いて、資料の63-3-1として、WLTPのClass1、Class2の車両に適用される試験サイクルの導入について、そして、資料の63-3-2として、アイドリング規制の見直しについて、最後に、参考資料の1として、微小粒子状物質等に関する対策についてというところで、資料63-1の参考資料の位置づけとなっておりまして、主に前回の専門委員会の資料を抜粋したものになっております。

 何か不足等がございましたら、また画面が見づらいなどございましたら適宜、事務局までお申しつけいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、以降の進行は大聖委員長にお願いしたいと思います。

【大聖委員長】 本日は、コロナの感染の予防ということでこのような形で進めますけれども、皆さん、よろしくお願いいたします。

 次期答申、つまり第14次答申ですけれども、これに向けてPM、PN関係の議論、特殊自動車関係、WLTPのサイクルの件、それから最後に、アイドリング規制の見直しということになっておりますので、事務局のほうから逐次、これらについてご説明願った上で、皆さんのご意見をいただきたいと思っております。活発なご審議、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、まず議題の1としまして、微小粒子状物質等に関する対策について、事務局からご説明願います。よろしくお願いします。

【森山補佐】 そうしましたら、議題の1につきまして、資料63-1に沿って事務局からご説明させていただきます。

 こちらの議題については、前回の10月に開催した自動車排出ガス専門委員会のほうでも議題で上げさせていただいておりまして、そこで、その際は微小粒子状物質専門委員会のほうと合同で開催させていただいております。その際に、微小粒子状物質の環境基準の達成状況や発生源寄与割合などを踏まえて議論を行った結果、大きく分けて二つの方針が共有されております。

 一つ目が、自動車だけではなく、固定発生源も含め、総合的な取組が必要であること。2点目といたしましては、自動車におけるPM2.5低減対策については、最終的な決定は自動車排出ガス専門委員会のほうで行うというものの、現行の質量法は測定限界が課題とされておりまして、また、国際調和の観点からも、欧州などで実施されているPM粒子数規制、PN規制のほうを導入することが適当であるという、この二つの方針が共有されたところでございます。

 それを受けて、本日の審議、検討の内容に入っていきますが、次のページ、ご覧いただいて、まず、こちらは前回も共有させていただいた資料になるのでポイントだけかいつまんでご説明させていただければと思います。

 米国につきましては、PM重量のほうを強化するという方向で、少し別の方向を向いてはいるものの、欧州を初め、中国や韓国につきましても排出ガス規制のほうでPN規制を入れているというところでございます。こちらが、なのでPN規制を入れるという方向が国際的なトレンドになっているということが言えるかと思っております。

 次のスライドをご覧いただければと思うんですけども、こちらが現在の日本と欧州のPM規制の比較となっております。こちらもポイントだけ述べさせていただくと、日本と欧州において、まず乗用車などの試験モードにつきましては、WLTCというものを使っているんですけども、フェーズが、欧州が超高速フェーズを含んだ4フェーズ、日本が超高速フェーズを除いた3フェーズとなっているところが違いであるというところでございます。

 一方で、重量車のほうの試験サイクルにつきましては基本一致しておりまして、あと、ガソリンの重量車につきましてはサイクルは一致していないですが、こちらはそもそも実体がないようなところでございますので、あまり問題にはならないのかなと考えているところでございます。

 欧州で今現在、導入されている基準が6×1011となっておりまして、これはディーゼル重量車のWHSC、定常サイクルのほうだけ8×1011と違う値になっておりますが、この6×1011というのが今回、許容限度などを議論する際の一つのスタート地点になってくるかと考えております。

 続いて、次のページ以降で、許容限度目標値の案についての検討となっております。

 まず、基本となる許容限度目標値の設定の考え方といたしましては、1点目につきましてはPM2.5の環境基準の達成状況につきましてはいまだ100%になっていないこと。また、自排局のほうが一般局に比べ未達成の割合が高いという状況を踏まえますと、許容限度目標値は技術的に実現可能な最も厳しい値とすることが適当なのではないかと考えられます。

 その目標値の技術的な達成可能性の検討に当たっては、既に国内外の自動車メーカーで実用化している技術、GPFなどがございますので、それを踏まえることが適当なのではないかと考えられます。

 一方で、その実用化されている技術などがあるものの、欧州と日本につきましては、走行実態や道路事情など違いもございますし、それが原因で試験モードのほう、フェーズが異なっているという状況もありますので、このフェーズ違いによる影響というのは確認する必要があるのではないかと考えられます。

 続きまして、許容限度目標値の検討に関するメーカーヒアリングの結果となりまして、これも要点を絞ってご説明させていただきますと、まず、乗用車や貨物車につきましては、まず、ガソリン乗用車などのグループにつきまして、一番低いもので1.5×109レベルのものから、ぎりぎりのもので4×1011レベルのものまであります。こちらのトレンドは、ディーゼル車のほうもほぼ同様でございまして、一番低いもので108レベルで、一番ぎりぎりのもので2.8×1011レベルのものとなっております。

 重量車のほうも、一番小さいほうが107レベルとなっているわけですけども、一番ぎりぎりのもので3.5×1011程度となっておりまして、幅はあるものの、概ね欧州の規制値から比べるとマージンは少しあるのかなと考えているところでございます。

 また、許容限度目標値の検討にかかる要望といたしましては大きく2点挙げられておりまして、先ほど話が出ましたWLTCのフェーズ違いの点ですけども、一つが、PNの排出量が低速領域において多く排出されるということが指摘されておりまして、そのため、超高速フェーズのない日本のほうが単位走行距離当たりの排出量が多くなると。そのため、測定時のばらつきも踏まえて、フェーズ違いを考慮した規制値としてほしいというのが一つ目です。

 二つ目につきましては、試験燃料の規格につきまして、欧州の規格と比べて、蒸留規格値の上限幅が広いということからPN排出量が多くなる影響が想定されます。そのため、日本の規格を欧州と同等にするか、規格の違いを考慮した規制値としてほしいといった、大きく分けてこの二つの要望が挙げられているところでございます。

 また、次の8ページ目に移っていただいて、こちらは環境省の調査結果になりますが、環境省の過年度調査においても国内のガソリン直噴車についてフェーズ違いによる影響を確認したところ、おおよそどの車両においても1.2倍から1.5倍程度、日本の3フェーズのほうが排出量が多くなっているという状況が確認できましたので、要望にありましたフェーズの違いというのは概ね妥当なのではないかと考えているところでございます。

 続いて、9ページ目のほうに進んでいただきまして、許容限度目標値の最終的な検討になるんですけども、日本と欧州などにおいて、乗用車に適用されている試験モードのフェーズ違いはあるものの、欧州で採用されている既存技術を活用できることから、日本における単位走行距離当たりの排出量は欧州と同じ規制値とすることが可能なのではないかと考えられます。これにより、欧州よりも実質的に厳しい値となるということが言えるかと思っております。

 また、ディーゼル重量車につきましては、欧州と試験モードが同一でございますので、先ほど申し上げたようなフェーズ違いといった課題はないものと考えられます。

 また、ガソリン直噴車のトラック・バスの区分につきましては、そもそも該当する実車両がないということなので、この辺りは論点にならないのかなと考えているところでございます。

 最後に、日本と欧州の試験燃料の規格の違いについては要望として挙げられておりますが、認証試験の取扱いにおいて、我が国の市場における燃料性状や国際調和の動向を踏まえて検討されることが望ましいのではないかと考えられることから、ここでは考慮をしておりません。

 以上を踏まえて、許容限度目標値につきましては、数字上は欧州と同じ数字を持ってくるのが良いのではないかと考えているところでございます。

 続きまして、適用時期の案につきまして、11ページ目をご覧いただければと思うんですけれども、1ポツ目が先ほどと共通しておりまして、達成状況を見て、可能な限り早く新しい規制を適用したほうがいいのではないかと。2点目といたしましては、検討に当たっては、メーカーにおける設計変更の考え方や、生産や品質管理の体制の準備期間を考慮する必要があるのではないかという、大きく分けて、この2点が挙げられるかと思います。

 続いて、先ほどと同様、メーカーヒアリングの結果になるんですけども、国内自動車メーカーさんは概ね3から5年であれば対応可能であるというようなことを申し上げておりまして、重量車メーカーさんは少し幅があるのですが、0.5から5年と。海外自動車メーカーさんも少し幅がありまして、既に諸外国の規制を導入しておりますので、特にリードタイムが必要ないとおっしゃっている会社から最大で4年必要とおっしゃっている会社まであるという状況でございます。

 リードタイムに関する要望といたしまして、ガソリンを燃料とする日本専用車が今回この規制の対応のためにGPFを新たに搭載するためにフルモデルチェンジが必要となる車種もあることから、開発を考慮した適切なリードタイムとしてほしいといった点が挙げられております。

 続いて、13ページ目が適用時期に関する検討になりまして、まず一つ目が、新たな規制に対応するためには、車両認証や生産管理などの準備に要する期間が必要でありますので、仮に設計変更が必要ない場合であっても、設備導入に8カ月、性能の確認に10カ月、認証準備から車両認証までに16カ月程度で、合計3年弱程度必要だと言われております。

 また、開発・設計の変更につきましては、ディーゼル車については、既にDPFが装着されておりますので、大幅な設計変更までは生じないのではないかと考えられます。

 一方で、ガソリン車につきましては、既にPN規制が導入されている欧州向け車両で採用されている技術を活用することができるとは考えられるものの、日本の走行実態に合わせた調整が必要とされております。また、先ほどの要望にあったように、特に日本専用車両にあっては、車体の構造の変更を含む設計変更が必要となる可能性がありますので、ディーゼル車に比べ長い準備期間が必要と考えられます。

 このような検討を踏まえますと、適用時期については、ディーゼル車につきましては、準備期間3年の令和5年末までと、ガソリンを燃料とする自動車につきましては、準備期間4年の令和6年末までがいいのではないかということが考えられるかと思います。

 また、この資料には記載されてないんですが、その他の論点として考えられる事項といたしまして、昨今のコロナウイルスへの世間の状況を踏まえて、少しそれを考慮する余地を用意するかどうかといった点が、ほかの論点としては考えられるかと思いますので、それについてもご意見をいただければと思っております。

 続きまして、残りの2ページが規制導入による効果となりまして、まず14ページ目が、許容限度目標値レベルでの話になるんですけども、このPN規制を導入することにより、欧州の規制値である6×1011の規制を行うことにより、相関関係から質量換算した場合、0.52mg/kmということになりますので、現行の5mg/kmと比べて、およそ10分の1になるということが考えられます。

 また、規制の導入による効果の総量削減のほうといたしまして、これがいろいろな仮定を置いているのですけども、例えば新車販売が今後も横ばいになると、あと車齢分布は今後も不変であるという形で、推計対象を今回のPN規制の対象となる乗用車とバスとトラックに絞った場合の総排出量につきましては、PN規制がない場合がケース①で、PN規制を2023年に導入した場合がケース②になりまして、比較した場合、2028年時点ではおよそ8%の削減、2033年時点ではおよそ11%の削減になると推定されております。

 資料の説明としては以上となります。

【大聖委員長】 はい。それでは、皆さんからまずお名前を告げた上で、質問をしていただければと思います。いかがでしょうか。

 14ページで、アメリカの規制値が示してありますが、モードが違いから単純な比較ができないですけども、この2025年のPM規制については、トランプ政権の意向によってどうなるかわかりませんけども、0.63ミリグラムで、マイル当たりをキロメートル当たりに直した値です。この値に対して、PN規制によって、PMの値がそれを下回る値になるだろうと推察されます。それをつけ加えておきます。

 いかがでしょうか。何かご意見、ございませんか。

【塩路委員】 今ちょうど出ている図なんですけれども、このプロット点はどういう条件で測定したものなんでしょうか。

【森山補佐】 こちらにつきましては、環境省過年度調査の値を取っておりまして、WLTCサイクルのものとJC08のものが含まれていたかと思います。

【塩路委員】 なるほど。という事は、そのモードでこの相関に何か傾向が変化するとか、そういうことはあまりないんでしょうかね。

【森山補佐】 そうですね、すみません、そこのモードを分けた形での解析はしていないですが、恐らく傾向としては特に違いはないんではないかと考えております。

【塩路委員】 今回、アメリカ、欧州の4フェーズではなくて、3フェーズでやるということですので、欧州の場合でも、これ4フェーズでやったときでも6×1011で米国の規制よりもかなり厳しくなる。それに対して日本は3フェーズだから、もっと厳しくなるというふうに、これは見えるんですよね。

【大聖委員長】 そうです。それは前の8ページで、今、塩路委員が言われたことは比較しているわけです。

【塩路委員】 そうですよね、1.2から1.3倍ということなので。

【大聖委員長】 ただ、ちょっと6.0の10の11乗のラインが破線で横に引いてありますけど、これを見ると、A・B・C車は規制値案をクリアしているわけで、技術的に可能なことを示しているわけですね。

【塩路委員】 もう既にクリアしているということですよね。

【大聖委員長】 そうです、はい。ですから、そういう事情があるので、D・E・Fは対策が十分でないということですが、そういう全体の状況から技術的には可能だと考えていいと思います。

【塩路委員】 わかりました。ただ、ここの資料には含まれてないんですけれども、GPFの再生の方法が、低速走行が長いとかなり厳しいということがあるので、市場で導入するときにはかなり難しい話になるかなと思いました。

【大聖委員長】 ただし、車の使い方については、欧州でも、低速で使うことが多いユーザーもいるわけで、これに対してしっかり適合しているわけです。トラブルを起こしたという例をあまり聞いていませんので、これは対応できているのではないかと判断されると思います。

【塩路委員】 そういう議論が作業委員会であったので、一応ちょっとここで繰り返しておこうと思いました。

【大聖委員長】 そうですね。

【塩路委員】 この結果、その直噴車、直噴ガソリンを戦略的にどういう車種にこれからの燃費規制をクリアするために開発していくかというところに影響するかなと思いましたので、一応ちょっと確認のために発言させてもらいました。ありがとうございます。

【大聖委員長】 14ページの図で、塩路委員から指摘があったモード別にプロットの色を変えていくことはできますか。

【森山補佐】 はい、そちらは可能かと思います。

【大聖委員長】 そうですか。それから、これらは、すべてフィルターは付いていないのですね。

【森山補佐】 そうです。環境省過年度調査で、現在、国内で販売されている車両に対して行ったものですので、GPFは入っておりません。

【大聖委員長】 それでは、ただし書きとして加筆しておいていただけるといいと思います。G-DIとは書いてあるんですけどね。

【森山補佐】 承知いたしました。ありがとうございます。

【塩路委員】 ということは、先ほどの8ページのA車からF車というのも、これは全部、GPF、なしか。あっ、書いてありますね。

【大聖委員長】 そうなんです、ないのです。

【塩路委員】 GPFなしなんですね。わかりました。

【大聖委員長】 頑張ればGPFなしでクリアできるのです。

【塩路委員】 欧州に出しているのも、半分はGPFがついていませんから、それはそうだと思います。

【大聖委員長】 そういうシステムをうまく開発すればいいということとです。

 ほかにいかがでしょうか。ご意見、ありませんか。今日の議論ではこれが一番大きな論点になると思っています。

【森山補佐】 事務局でございます。1点よろしいでしょうか。先ほど説明の中で新型コロナウイルスの状況を踏まえるべきかどうかというお話をさせていただきましたが、補足情報がございまして、今、メーカーさんから聞いている状況としましては、各社さんとも工場を停止している状況だと聞いております。例えばトヨタさんですと国内5工場の7ラインの稼働の停止と、マツダさんですと国内2工場の全ライン生産停止と、ホンダさんですと国内2工場の減産台数の精査中であると。そういった形で、基本的に国内乗用車メーカーさん、8社さんは基本的に減産されているという状況です。この辺りも踏まえて、先ほど少し論点として提示させていただきましたコロナウイルスの状況をリードタイムに少し考慮するかどうかという点をご議論いただければなと思っております。もちろん今、まだ状況がいろいろ変わっていることかと思いますので、あまり具体的にという話は難しいかもしれませんが、定性的にそういった余地を認めるかどうかという点がポイントなのかなと思っているところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【大聖委員長】 いかがでしょうか。ご意見はありませんか。

 具体的に、新型コロナウイルスというような具体的な文言は報告書には書けないと思いますけれども、社会経済的な原因で厳しい状況が発生して、研究開発の遅延が予想されるような場合には、その時点でまた考慮すると、そんなようなことになるのではないかと思いますけれど、工場が止まるというのと研究開発がそれで遅滞するというのは、ちょっとまた別の話ではないかなと個人的には思っております。

【小渕委員】 今の件ですけれども、延長した場合、規制が周回遅れになる、つまり欧州とか中国がさらに先の厳しい規制に行ってしまうという可能性はないでしょうか、事務局にお聞きしたいと思います。

【酒井室長】 次のステップとしては、PN規制については、今議論しているのは23年にご審議をいただいていますが、次のステップとして、国連においては徐々に粒子数を小さくしてということは議論されておりますが、その規制の導入の時期と今回、日本の23年度の規制の導入時期が同じになる、もしくは逆転してしまうということは今のところ想定はしておりませんし、そこは大丈夫かなと見ております。

【小渕委員】 コロナで遅延しても大丈夫ということですね。その辺も考慮して遅延を決めるにしても考慮しなければいけないが、大丈夫ということですね。

【酒井室長】 はい、そうです。

【小渕委員】 了解しました。

【大聖委員長】 ほかにご発言はございませんか。

【飯田委員】 最後のスライドで、今回の規制がインベントリーに程度影響を及ぼすかという数値です。PN規制をPMの削減率で示すことで良いか。というのが1点目です。

 2点目は、8%ないしは11%というマスベースの低減率は少ないですが、微小粒子の領域がこれでカットできますということ、健康に対する、あるいは肺の疾患に対して負荷を低減する効果を期待するものであるというニュアンスが必要と考えております。これについて、皆さんのご意見を確認させていただければと思っております。よろしくお願いします。

【大聖委員長】 先生のおっしゃるとおりで、私もそれをちょっと追加的に言おうかなと思っていたところで、ご指摘ありがとうございます。これは14次報告書の中では、しっかり書き込むことが必要だと思っています。

【飯田委員】 はい、ありがとうございます。

【大聖委員長】 より粒径の小さいほど、やはり健康に影響するという点で、より有害だということですので、これが大幅に減るということですね。ちゃんとしっかり書き込む。

【塩路委員】 今、飯田先生の言われたのはもっともなことなんですけれども、この図は、むしろ質量規制で今の10分の1になってもそれほど効果がないということを、自排専のこの専門委員会の資料として出しているものであって、この14次答申のときにどういうふうな出し方をするかというのは、また議論のあるところだし、今言われた小さいものが肺疾患にどう影響するかとかいう話はもちろん書き込むべきだと思うんですけれども、この資料自体をどう出すかというのは、また議論のあるところかなと思うんです、14次答申のときにですね。

【飯田委員】 ええ、そういう意味です。決して反対しているとか、この計算が間違っているとか、そういう趣旨ではございません。塩路先生のおっしゃるとおりだと思います。

【塩路委員】 わかりました。ということは、今、飯田先生の言われた、小さいところの粒子がどれぐらい減るんだという資料が作れればいいんですけれどね。それができるのかな。

【飯田委員】 なかなかそこが難しいかなと。

【塩路委員】 ちょっと難しいかもしれませんね。

【飯田委員】 今のデータがそこまで実はそろっていないので、ここまでしか書けなくて、そこについては今後また検討が必要でありますという一つの課題として残るという理解でいるんですけども。

【塩路委員】 ありがとうございます。そのとおりです。

【大聖委員長】 この資料自体が公開されるのですよね。

【森山補佐】 はい、公開されます。

【大聖委員長】 公開されますので、今のご指摘を踏まえて、欄外にでもそれに加えて粒より微小な子状物質が抑えられる効果もあると記すなど、後で事務局と相談したいと思いますけども、追記しておくことが必要だと思います。

【塩路委員】 わかりました。賛成します。

【飯田委員】 はい、ありがとうございます。

【大聖委員長】 文案は考えさせてください。

 有意義なご指摘、ありがとうございました。ほかにありませんか。

 それでは、また何か思いつきましたら戻っていただいても結構ですけども、先に進ませていただきたいと思います。

 これを事務局案ということで、今ご指摘いただいたものも考慮して進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、次の議題に移らせていただきます。議題の2ですけれども、特殊自動車の排出ガス低減対策についてということで、事務局のほうからご説明願います。

【森山補佐】 そうしましたら、資料63-2といたしまして、特殊自動車の排出ガス低減対策について、事務局から説明させていただきます。

 こちらの議題につきましては、以前、平成29年の専門委員会で優先的検討事項に挙げて以降、今回が初めてというところでございまして、なので、先ほどの議題とは異なり、最初からご説明させていただければと思っております。

 まず、第13次報告において、この議題につきまして今後の検討すべきものとして挙げられておりまして、下の四角の後半、「また」以降をご覧いただきたいのですけども、ガソリンまたはLPGを燃料とする特殊自動車について、現行の試験サイクル、こちらがC2モードという定常モードが今採用されておりますが、これに追加して過渡サイクルの導入やブローバイガス対策について併せて検討する必要があるとされております。

 続いて、3ページ目に移っていただいて、これを受けて、平成29年12月の自動車排出ガス専門委員会において、今後の優先的検討課題としてこのテーマを取り上げるということが挙げられまして、進め方といたしましては、定常モードである7モードの見直しと、過渡モードの導入の検討につきましては、環境省の調査事業を基に検討を行うと。また、ブローバイガス対策につきましては、関係業界へのヒアリングを参考に導入を検討するという方向性で検討しております。

 続きまして、5ページ目に行っていただいて、まず現状の比較になりますが、こちら日本と米国と欧州の規制値やサイクルを並べたものになります。ポイントといたしましては、緑でハイライトされている箇所がサイクルになりますが、日本は7モードと呼ばれる定常モードが入っておりますが、米国や欧州につきましては定常モードに比べて過渡モードが入っております。米国や欧州で少し状況は異なりまして、米国につきましては、全出力帯においてLSI-NRTCと呼ばれているモードが採用されておりますけども、欧州につきましては定格出力が56kW以上か未満かで適用されるサイクルが変わっておりまして、56kW以上の領域については定常モードも8モードで、過渡モードもNRTCと呼ばれている日本ではディーゼル車に適用されているモードが採用されていると。サイクルの詳細については後ほどのページでまた改めてご説明させていただきます。

 そういった違いがあるという点と、あと、米国や欧州などにつきまして、こちら定常サイクルと過渡サイクル、両方入れているのですけれども、規制値としては同じ値を採用しているという点と、あとは日本と外国の違いといたしまして、諸外国においてはHCとNOxの合算値で規制をかけているところ、我が国においてはHCとNOx、それぞれごとに許容限度、目標値を定めているという点が異なるところかなと考えております。

 また、米国や欧州、すみません、ちょっと小さいですが、※3のほうで書かせていただいておりますが、COが最大20.6と、HCとNOxが最大2.7まで許容されるんですが、この※3のほうで書かせていただいている、この換算式は満たす必要がありますので、両方の最大値は両立することはできないと。片方を排出するなら、もう片方は減らさなきゃいけないというトレードオフの関係が規制に設定されているという点が少し特徴的かなと考えております。

 続いて、6ページ目、こちらは参考ですけども、ディーゼル特殊自動車につきましては、現状、日本と米国と欧州で、モードについてほぼ調和されておりまして、定常モードは8モード、過渡モードはNRTCというモードを採用しているところでございます。こちらは今回の主要な議題ではございませんのでご参考とさせていただきます。

 続きまして、調査を行う各試験モードの詳細な説明になりますが、まず、定常モードにつきましては、既に日本で採用されている7モードというのがございまして、これはEUの56kW未満と、米国の全出力帯で採用されているものでございまして、ISOにおいてもガソリンエンジンの試験サイクルとして設定されております。

 また、もう一つ、7モードに類似するものとして、RMCというものがございまして、こちらは7モードと同じ出力の試験になるんですけども、それを連続して行うという違いがございます。こちらは米国において7モードと選択制になっております。

 三つ目としましては8モードとなっておりまして、これは基本的にディーゼル車用のサイクルではありますが、EUにおいては56kW以上のところのガソリン・LPG特殊自動車にも適用させているというものでございます。

 過渡モードにつきましては、大きく分けて二つございまして、一つが先ほど出てきたLSI-NRTCと呼ばれているもので、こちらがEUの56kW未満と米国の全出力帯のガソリン・LPG特殊自動車用のサイクルとして採用されているものでございます。

 もう一つが下半分のNRTCでございまして、これはディーゼル特殊車用として基本的には採用されているわけですけども、欧州につきましては56kW以上のガソリン・LPG特殊自動車で採用している試験サイクルとなっております。

 続きまして、このような現状を踏まえた検討の中身となりますが、まず、ガソリン・LPG特殊自動車の現状としまして、10ページ目をご覧ください。こちらも要点のみご説明させていただきますと、国内のガソリン・LPG特殊自動車につきましては、業界ヒアリングの結果、一部の農機を除き、ほぼフォークリフトになっているということがわかっております。

 また、3ポツ目になるんですけども、ガソリン・LPGフォークリフトは原則国産エンジンを搭載しておりますので、また、エンジンを製造しているのが国内2社に限られておりますので、その国内2社のエンジンを調査することができれば、日本のガソリン・LGP特殊自動車の実態はほぼほぼ把握できているのではないかと考えられます。

 輸出につきましては、2ポツ目になるんですけども、業界ヒアリングの結果、定格出力が56kW以上のガソリン・LPG特殊自動車を欧州に輸出している国産エンジンメーカーはないということがわかりましたので、先ほど、56kW以上のところ、欧州、少し特殊なサイクルを適用させているということはあったんですけども、そこに対して経験を有している日本メーカーさんはいないということが確認できております。

 続きまして、11ページ目になりますが、こちらが平成30年度と平成31年度で行いました環境省の調査事業の概要となりまして、まず、日本において採用すべきサイクルを検討するに当たって、調査用モードとして国内の代表的な作業モードというのを作成いたしておりましては、これはフォークリフトの燃料消費率の試験法としてJISのほうで定められているモードに従って、回転数やトルクのデータを取得いたしまして、そこから日本の代表作業モードを作成しております。

 実際作成したサイクルが12ページ目のほうにございまして、こちらの左上が環境省調査で4種類のフォークリフトの測定データから作成したJTCサイクルと呼ばれる日本の代表サイクル。

 右上がそのバージョン違いとなるんですけども、欧州で56kW以上のところが別のサイクルに適用されているということで、厳密に言うと出力帯が少し異なるんですが、最大出力が環境省調査で行ったフォークリフトの中から最大出力であったものが43kWのものでございましたので、そのフォークリフトが作業サイクルのみから作ったJTCサイクル、JTC-HDと名づけておりますが、こちらが右上のサイクルとなっております。

 この二つのサイクルも含めて、下半分に提示しております各エンジンの4型式について試験サイクルの調査を行っているところでございます。

 13ページ目以降がその調査結果を踏まえた検討になってまいります。

 まず、①といたしまして、欧州において採用されているディーゼル特殊車用のサイクルのNRTCと8モードにつきまして、そのNRTCとLSI-NRTCの出力比を求めたところ、NRTCのほうが1.5倍程度高い出力になっておりますというのと、ガソリン特殊自動車エンジンを用いてNRTCで測定を行った場合、LSI-NRTCに比べ、CO及びNOxで2.7倍と、HCで1.9倍と全ての物質で多い排出量となっております。

 こちらの傾向は8モードでも同様となっておりまして、下半分ですけども、その8モードと7モード、下、時間比率のモードの概要を書かせていただいているのですけども、8モードはそもそも7モードと比較して高負荷・高回転の領域での試験となっておりまして、排出量につきましても、8モードのほうが7モードと比べてCOで4.3倍、HCで2.1倍と、NOxで17.2倍と全ての物質で多い排出量となっております。

 これらのことを踏まえると、このNRTCと8モードにつきましては、もともとディーゼル特殊自動車用として作成されたモードでありますので、出力が高いということからガソリン特殊自動車用の試験サイクルとして用いると適切な評価が行えない可能性があるのではないかと考えられます。

 続いて、米国の全出力帯や欧州の56kW未満で採用しているLSI-NRTCにつきましては、調査用のJTCモードとLSI-NRTCモードの相関を確認したところ、NOxについて特に強い相関が得られております。よって、NOxについては我が国の使用実態に即した結果になっているのではないかと考えております。

 あと、15ページ目になりますが、こちらが定常モード、7モードの見直しと、また、定常モードでありますRMCの導入についての検討になりますが、7モードの測定結果につきましては上半分のグラフをごらんいただければと思うんですけども、NOxについては基本的には過渡モードであるLSI-NRTCのほうが排出量が多いという、縦軸のほうにプロットしておりますが、LSI-NRTCのほうが排出量が多いという状況になっておりますが、COやHCにつきましては7モードのほうが排出量が多いケースが見受けられたというところが一つポイントになってくるのかなと考えております。

 また、下半分の表ですけども、現行使われている7モードとRMCの比較を行ったところ、現行の国内7モードの規制値はRMCでも満たしているというところと、RMCと7モードでどちらのほうが排出量が出やすいといった特徴も物によって異なるというところがわかるかと思います。

 続いて、16ページ目がメーカーヒアリングを行った結果となりますが、簡単に申し上げますと、米国式の7モードとLSI-NRTCを用いるような試験方法でしたら対応が可能だと。一方で、欧州のような56kW以上のところにディーゼルサイクルを持ってくる方法につきましては、そもそも輸出自体の経験がないということもあるかと思いますが、対応が難しいと言われています。

 以上の状況を踏まえまして、案といたしましては、まず①になりますが、8モードやNRTCにつきましては、もともとディーゼル特殊自動車用の測定モードでございまして、環境省の調査の結果からも負荷が高過ぎる可能性がありますので、採用することは難しいのではないかと。

 2点目といたしましては、LSI-NRTCにつきましてはJTCモードとLSI-NRTCのNOxの排出量の試験結果で強い相関性がありまして、また現行の7モードで排出量が多いということから、LSI-NRTCの導入によりNOxの低減を図ることができると考えられます。

 3点目といたしましては、7モードにつきまして、CO及びHCでLSI-NRTCよりも排出量が多いという結果が出ましたので、規制緩和とならないよう、引き続き7モードについては採用することが適当なのではないかと考えられます。

 以上の②③の結果から、過渡モードについてはLSI-NRTCと、定常モードにつきましては7モードを併用することにより、大気環境の改善につながるのではないかと考えております。

 引き続き、4点目といたしまして、RMCにおける排出量につきましては国内7モード規制値を満たしておりますので、7モードと選択制として導入しても特段問題ないのではないかと考えております。

 以上の結果から、LSI-NRTC及び7モードと選択制としてRMCのような形で規制することが適当なのではないかと考えているところでございます。

 続きまして、18ページ目がブローバイガス対策の導入の検討についてとなりますが、こちらが19ページ目のほう、非常にシンプルな内容となっておりまして、制度としては導入されていないものの、各社さんにおいて技術的には既に対応されているというところが分かりましたので、こちらにつきましては制度として導入しても問題ないのではないかと考えているところでございます。

 続きまして、20ページ目以降が許容限度目標値と適用時期の検討の話になってきますが。

 まず、メーカーヒアリングのまとめといたしましては、少し欧米における認可値につきまして確認しております。こちらは定常モード、過渡モード、両方を聞いておりまして、少し幅がありますが、例えばCOの過渡モードにつきまして、欧州向けで低いものは1.16と、高いもので14.86というようなレンジになっておりますし、ほかは、例えばNOx、7モードのNOxにつきまして、例えば一番低いものだと0.00、一番高いもので0.53と、少しレンジがあるのかなというところで、恐らくメーカーさんの設計思想によって少しレンジが出ている形かなと考えております。

 また、導入に必要な期間につきまして、LSI-NRTCを導入する場合につきまして、まず現行の国内許容限度目標値を維持したままサイクルだけ導入する場合は4~5年、欧米並みの許容限度目標値に強化した場合は4~5年、また欧米より強化した許容限度目標値の場合は少し幅が開きまして4~7年という回答が得られているところでございます。

 これらを踏まえて検討事項としては、まず一つ目が、米国や欧州の56kW未満の規制値につきましては、以下に示している換算式が適用されておりますが、我が国においては物質ごとの許容限度をこれまで定めてきたというところが一つポイントになるかなと思っております。

 メーカーヒアリングの結果につきましては少し幅があったんですけども、内容を見てみますと、COについては7モードとLSIともに最大で15g/kWh以下の結果となっておりまして、ただ平均値につきましては15g/kWhを下回っております。HCにつきましては、7モードの最大値で現行の許容限度目標値に近い値にはなっておりまして、平均値につきましても許容限度の半分程度の値にはなっているわけですけども、LSI-NRTCについては最大値でも非常に低い値となっていることが分かっております。

 NOxにつきましては7モードの欧米認可値の最大値が現行の許容限度目標値に近い値となっておりまして、LSI-NRTCの最大値で現行の許容限度目標値の半分程度の値になっておりますが、平均値では非常に低い値となっておりまして、7モードでは0.06と、LSI-NRTCでは0.14という関係になっています。

 また、別の視点の考察といたしまして、特殊自動車と同様の技術を採用しているガソリン・LPG自動車、乗用車などにつきまして、そちらのNOxの許容限度目標値につきましてはHCの2分の1程度の値になっているという現状がありますので、そちらも参考になるのではないかと考えております。

 適用時期につきましては、まず特殊自動車に関して過去の答申から規制の開始までが4~6年となっておりまして、メーカーヒアリングの結果につきましても、許容限度目標値の強化の幅にもよりますがも、欧米並みの許容限度目標値、LSI-NRTCを導入する場合については、車両の開発も考慮して4~5年で対応可能との回答がありまして、欧米の規制値より強化する場合は4~7年の回答があったというところでございます。

 以上の状況を踏まえまして、23ページ目が提案となっておりますが、各物質の許容限度目標値につきましては定常モードと過渡モードで同じ規制値とすることとしまして、COにつきましては現行の20から下げまして15、HCにつきましては現状の0.6を維持しつつ、NOxにつきましては、ほかのガソリン乗用車などでHCとNOxで2対1の関係があるというところを踏まえて半減させまして0.3とするというのが適当なのではないかと考えております。

 適用時期につきましては、上記の許容限度目標値に対応する場合、実質的に欧米よりも厳しい値にはなるわけですけども、4~7年かかると言っている状況を踏まえまして、ただ特殊自動車以外のガソリン・LPG自動車で既に採用されている排ガス低減技術の実態を踏まえますと、準備期間4年、令和6年末までで対応可能なのではないかというところで、そちらの適用の開始時期としては令和6年末までということを提案させていただいております。

 資料の説明としては以上となります。

【大聖委員長】 ありがとうございました。

 それでは、ご意見のある方、お名前をおっしゃってから、ご意見を述べてください。よろしくお願いします。

 全体を見渡してみますと、技術的には対応可能な範囲にあり、適用時期も4年程度であれば、それが可能なのではないかなと思っております。とりわけ、触媒ですけれども、容量を増やすことで結構対応できるのではないかなと思います。それが推察されるのが13ページ、ちょっと出していただけますでしょうか。

 13ページで、ここに二つの条件がありますけれども、ここでNRTCになりますと、パワーとしては1.5倍になっているのですね。ということは、要するに空間速度がより高いような触媒の使い方をするために排出ガスがかなり悪化してしまうということが出ておりますので、触媒容量を増やすということで対応できるのではないか。

 提出を求めている触媒の大きさなんかを見ましても、メーカーによってかなり大幅に違いますね。コストのこともあると思いますけれども、そういう状況なので、触媒と燃料供給システムの制御といったところで対応できる範囲ではないかと思っております。

 ご意見はありますか。よろしいでしょうか。

【飯田委員】 今まで定常モードと、それからLSI、Large spark ignition engineのNRTCをアンドの形で組み合わせて一定の体系を作るという案、これについては今の大聖先生のご意見も含めて、反論するところではないんですが、COの規制値について皆さんのご意見をお伺いして、情報共有を持ったほうがいいかなと思っております。なぜかというと、もともと56kW以下の小さいエンジンの中には三元触媒が使うのが難しいものもあって、HCとNOxの足し算で規制してきた流れがあるので、COの許容値は高くなっているんですね。15gというような、膨大な排出量を許しているわけです。

 これは自動車ではありませんが、カトリーナ台風のときにアメリカで6人でしたか、携帯発電機の屋内使用で亡くなりました。それから、先の北海道地震でも2人の方が亡くなっています。ということで、小型の作業自動車を、閉鎖空間で使うと排出ガスによる直接のダメージ、死亡というようなことが起きてしまいます。今回の議論はあくまで大気環境に対する規制ですが、環境省として健康を確保する、あるいは死亡させないかという観点からすると、閉鎖空間で使った場合一酸化炭素中毒を作り得る十二分なポテンシャルがある排出量です。だから、どこかで明記しておく必要があるかなと思いました。皆さんのご意見を伺っておきたいところです。

 以上です。すみません、長くなってしまいました。

【大聖委員長】 ありがとうございます。

 私もCOは非常に気になっておりますけれども、アイドルを含めて、一酸化炭素中毒ということが、閉鎖空間の中の作業環境として起こり得る可能性はあると思っています。ただ、実際にそういう使い方をしているわけではなく、そういった車種で、使い方をする場合には、今はEVにかなり大きくシフトしております。それから大きなエンジンはディーゼルが主なので、COの問題はまずないと思われます。そういう状況もあるということです。

 事務局のほうから何かありますか。

【酒井室長】 今の飯田先生のご指摘の屋内での使い方に関しては、この場でちょっと答申にどう書くかというのは厳しい内容かなと思っております。本来、自動車の個々の性能について、大気環境を改善するための規制値なりを決めていただくところですので、できましたら屋内での使用に関しての注意事項みたいなものは答申に書かずに、あくまでも専門委員会の中での審議として、こういう注意喚起なり、ご意見があったということは議事録なりで残させていただきたいと思っておりますが、そのような形でいかがでしょうか。

【飯田委員】 そのとおりでして、大気環境のために作った、モードと規制値の案であります。しかし、環境省としたら、やっぱり国民の健康を守る、あるいは死亡させないという視点で体系を整えているわけですから、これが大気環境の視点で作られたものであり、閉鎖空間で使用された場合CO被毒による死亡をギャランティする数値ではないことを踏み込んで書けませんでしょうかね。やっぱり難しいですかね、体系的に。

【酒井室長】 難しいかなというのが正直なところですが、少しお時間いただけますか。

【飯田委員】 もちろんです。今日、まずはそういうコメントがあったということで、お願いいたします。

【酒井室長】 分かりました。

【飯田委員】 ありがとうございました。

【大聖委員長】 例えばアイドルでのCO規制なんかもそういう面がありますね、実は。アイドルで長時間、例えばガレージなんかで運転していると中毒になるという、そういうことはあります。そういうこととも関連しているんですけど、大気環境との関連でいうと、先の論点かなと思います。

【飯田委員】 いや、アイドルだけではなくて、出力を出しているときにNOxとHCは抑えられているんだけど、COが大きいという、いわゆるフューエル・リッチのオペレーションです。だから、15gというところを許しているわけで。もちろん船外機で、水上スキーで、直接吸い込む可能性があるものとか、発電機も自動車ではありません。だけども、同じ状況は起こり得るという思いがありましたので、発言させていただきました。酒井さんのおっしゃるとおりで、後ほどご検討いただいて、可能な範囲でということで結構です、よろしくお願いします。

【大聖委員長】 十四次答申で何がしかのそういうニュアンスを含めたいと個人的には思います。ありがとうございました。

【小渕委員】 15ページを見せていただけますか。これの下のほうの測定結果を見ますと、COの排出量は軽く10以下になっているのに、規制値を10ぐらいまでにしないといけないというのはどういうことなんでしょうか。【森山補佐】 今のご質問の趣旨としましては、もう少し低くても達成できるのではないかといったようなご指摘でしょうか。

【小渕委員】 そうです。モードということがあるかもしれませんが、資料を見落としているかもしれませんので、教えていただけますか。

【森山補佐】 一つが、7モードだけではなくてLSI-NRTCと過渡モードのほうでも同じ許容限度を守らなければいけないというところもあって、またそういった過渡モード対応車になってくると、先ほどの測定結果につきましては現在の日本で販売されているエンジンに対する測定結果になりますが、過渡モード対応後どうなるかというと、一つ参考になるのが欧米における認可値なのかなと考えておりまして、そこでCOが多く出ているケースもあるというところも踏まえて、15ぐらいまででしたら対応可能なんじゃないかというような考え方でおります。

【小渕委員】 分かりました。一応理解しました。ほかの委員の方がどうお考えか、ご意見を聞きたいと思います。

【大聖委員長】 どなたか発言はありますか。

【小渕委員】 繰り返しになりますが、モードが過渡モード、LSI-NRTCにすると15というのはかなりきつい規制になるということでしょうか。

【森山補佐】 先ほどの回答にもう一つ追加させていただきますと、欧米で使われている換算式がございまして、これにHC0.6、NOx0.3を入れますと、COが17.7になるという形になっておりますので、そう考えると欧米よりも数値的にも厳しい値になると考えております。

【小渕委員】 分かりました。了解しました。

【大聖委員長】 ほかに意見はございませんか。

 今いただいたご意見は14次答申の中で何らか盛り込むような形で、説明を加えたいと思います。

 ほかにご意見はございませんでしょうか。特殊自動車の排出ガス低減に関する対策ということで、事務局の案をベースとして進めさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 では次に、議題(3)その他の自動車排出ガス低減対策等について、まずはWLTPのクラス1、クラス2の車両に適用される試験サイクルの導入について、事務局からご説明を願います。

【森山補佐】 それでは、資料63-3-1に沿って、事務局からまずご説明させていただきます。

 ページをめくっていただいて、2ページ目になりますが、こちらの議題につきましてはもともと優先的検討課題には挙げられていなかった項目になりますが、その後の国際的な議論の状況を踏まえて、議論する必要があるのではないかというところで、議題として挙げさせていただいております。

 まず、もともとは第12次答申の際に、我が国としても国際的に調和しているモードであるWLTCのほうを導入させていただいているところでございますが、右下の車両のクラス分けというのがございまして、Power Mass Ratio、出力と重量の比ですね、そちらの大小によってPMRが34以上のものがクラス3と呼ばれているカテゴリーになりまして、それ以下のものがクラス1・2と呼ばれているものでございます。こちらのクラス1・2と呼ばれている区分につきましては、日本で走行実態がなかったというところでございまして、そのため、国際的な議論の中で、クラス1、クラス2に適用させるサイクルを検討する際も、日本以外の国の走行実態データが考慮されておりましたので、当時はクラス3a、クラス3bの試験サイクルを導入していたところでございます。

 一方で、その後の展開といたしまして、WLTPのUNR化という流れがございまして、それは国連の中の協定規則の話になってくるわけですけども、もともとWLTPは右下のほうに挙げられております世界技術規則と、GTRと呼ばれているもののほうに記載されておりまして、こちらは承認の規定を含まないものになっております。それが今度、WLTPに関するGTRを左側の統一基準のUNレギュレーション、UNRと呼ばれているものに移していくという議論を現在行っておりまして、こちらになってくると相互承認の対象になってくるという点で状況が変わってきております。

 現在、次のページ、5ページ目に移らせていただきますと、WP29の排出ガス・エネルギー部会、国連における自動車の排出ガス・エネルギーを検討する専門家の部会になるんですけれども、そこで相互承認のために、先ほど、すみません、重複しますが、WLTPが規定されているGTR15を、国連規則であるUNR-WLTPを策定する動きがありまして、それが、この間の2020年1月のGRPEのほうで承認され、今後、WP29のほうでも承認される予定となっております。これが承認されて、我が国が採択し、相互承認の対象とするためには、これまで日本が導入してこなかったクラス1、クラス2に適用される試験サイクルについても導入する必要がございますので、このため、ここでクラス1、クラス2に適用される試験サイクルについて導入すべきかどうかというのを、ご議論いただければと思っております。

 続いて、7ページ目に移っていただいて。

 まず、こちらが現状の日本で導入しているWLTCのクラス3aとクラス3bに適用されるサイクルになっております。真ん中のほうにグラフを表示させていただいておるんですけども、似たようなサイクルになっているんですが、3aのほうが若干緩やかなサイクルになっているところでございます。現在これが適用されております。

 一方で、続いて8ページ目になりますが、WLTPのクラス1とクラス2に適用されるサイクルは、真ん中にグラフで表示されているとおりでございまして、これは低出力車による低速走行が主でございますインドなどの走行実態データを考慮して策定されたサイクルになっておりまして、我が国にはクラス1とクラス2の車両の走行実態がほとんどなかったため、我が国の走行実態がそもそもないので考慮もできなかったというところがあって、我が国の走行実態が考慮されたサイクルにはなっておりません。

 WLTCのクラス1のほうは低速フェーズと中速フェーズで構成されておりまして、WLTCのクラス2のほうは、クラス3のフェーズと同様、低速、中速、高速、超高速という形で4フェーズになっております。こちらの超高速フェーズにつきましては、加盟国のニーズにより除外することができるという点で、その点もクラス3のサイクルと同様となっております。

 このような状況を踏まえまして、試験サイクルの案の検討といたしましては、クラス1、クラス2の車両に適用される試験サイクルにおいては、先ほど申し上げましたとおり、我が国に車両がそもそもないというところで走行実態が考慮されていないものの、逆に、我が国においては該当車両がほとんどないということから環境への影響は極めて限定的であるのではないかというところで、国際調和の観点を踏まえて、UNR-WLTPを採択することによる相互承認を可能とするために、クラス1、クラス2の車両に適用される試験サイクルは導入してもいいのではないかと考えているところでございます。

 適用されるサイクルにつきましては、クラス1につきましては、もともとGTRに規定されているとおり、ローフェーズ、ミドルフェーズ、ローフェーズを採用することいたしまして、クラス2に適用される試験サイクルについてはGTRに規定されているロー、ミドル、ハイという3フェーズとさせていただき、エクストラハイ・フェーズにつきましては加盟国のニーズにより除外することが可能でございますので、現状のクラス3と同様に除外するのが適当なのではないかと考えております。

 続きまして、許容限度目標値につきましてなんですけども、既にクラス1とクラス2の車両に適用される試験サイクルを採用している欧州におきまして、適用される試験サイクルによらず、用途や基準質量や区分により規制値を設定しております。我が国においても軽貨物自動車について、最高速度によって適用する試験サイクルを変えてはいるわけですけれども、試験サイクルによらず、同一の規制値を設定しているところでございます。

 以上の状況を踏まえて、クラス1、クラス2の車両の許容限度目標値につきましても、現在の我が国における3a、3bの車両における許容限度目標値と同じ値にすればいいのではないかと考えているところでございます。

 参考に、12ページ目のほうに現在の許容限度目標値を載せさせていただいております。こちらの欧州のほうを見ていただければ分かると思いますが、特に適用される試験サイクルによってというよりは、車両カテゴリーや基準質量などによって許容限度目標値を変えているという状況になっております。

 最後に、導入時期についてなんですけども、少し特殊な形となっておりますが、UNR-WLTPの発効に関する国連のスケジュールは上に書かせていただいておりますとおりになっています。UNR-WLTPの国連の議論については我が国も積極的に参加しておりまして、発効と同時に採択を行う予定となっておりますので、国際調和を目的とした議論となっておりますので、導入時期についてはUNR-WLTPの採択の時期に合わせることが適当なのではないかと考えております。

 資料の説明としては以上となります。

【大聖委員長】 ありがとうございます。

 では、ご意見をお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。名前をおっしゃっていただいて、ご意見をください。よろしいでしょうか。

【塩路委員】 今のページなんですけども、答申に書くときもUNR-WLTPの採択時期に合わせるという書き方にするということなんでしょうか。

【森山補佐】 その予定でおります。

【塩路委員】 答申の書き方の問題だけなんですけど、今まであまりこういうふうな形で書かれていなかったかと思うので、ちょっとそれは答申が出てきてから、また議論させていただきたいと思います。

【大聖委員長】 採択を行う予定にしているという書き方が、断定的ではないという意味ですね。

【塩路委員】 いや、それもありますし、割と、ふわっとしたような書き方に全体がなっている。ちょっと書き方の問題なんですけどね。そのときに。

【大聖委員長】 国際基準調和の問題というのが背景にあるわけですけど。

【塩路委員】 全体としては何も意見はありませんので、これでいいかと思っております。

【大聖委員長】 よろしいでしょうか。

 それでは、一応事務局の案をベースに進めさせていただければと思います。どうもありがとうございました。

 それでは、その次の議題なんですけれども、アイドル規制の見直しについて、お願いします。

【森山補佐】 それでは事務局のほうより、資料63-3-2に沿って、ご説明させていただきたいと思います。

 アイドリング規制の見直しについて、まず2ページをごらんください。

 こちらは今後の自動車排出ガス低減対策の在り方についての13次答申の中で、今後の検討課題として挙げられておりまして、上の四角のほうに書かれているんですけども、一つは四輪車のCO規制値の強化、もう一つが二輪車と四輪車のHC規制の排出の可否について検討すべきであると書かれておりまして、これを踏まえて優先的検討課題に挙げられているところでございます。

 四輪車のアイドリング規制の見直しについてになりますが、こちらは先ほども話題に挙げさせていただきましたが、現在、国連の中で乗用車の試験サイクルにつきましてUNR化する議論を行っておりまして、UNR化の議論については、またタイプ1と呼ばれる排出ガス試験や、燃料抽出試験や耐久試験をまず優先的に議論して、それを含めて議論しているところでございますが、アイドリング試験なども、ほかの試験タイプとしてございますので、将来的にアイドリング試験のほうがUNR-WLTPに入る可能性があるというところで、このような状況は踏まえる必要があるのではないかと考えております。

 また、アイドリング規制、HC規制の廃止の可否につきましては6ページ目をごらんいただければと思いますが、こちらはCOの濃度とHCの濃度をプロットしたものになりますが、強い正の相関が見られないというところから、COを規制強化することによってHCの濃度が下がるとは限らないということが言えるかと思いますので、HC規制を廃止することは難しいのではないかと考えております。

 まとめといたしましては、四輪車のアイドリング規制値の見直しにつきましては、現在UNR-WLTPに含まれる可能性がございますので、UNR-WLTPに関する議論の方向性を見極めた上で、しかるべきタイミングで、また別のタイミングで再度検討することとしたいと考えております。

 一方で、アイドリングのHC規制の廃止の可否につきましては、CO濃度とHC濃度に相関がないことからCO規制でHC規制を代替することが適当ではないということが考えられるかと思いますので、HC規制については引き続き維持することが適当なのではないかと考えております。

 非常に短いですが、資料の説明としては以上となります。

【大聖委員長】 どうぞ、ご意見をいただければと思います。

 四輪車のアイドル規制の見直しということですけど、しかるべきタイミングで再検討するということであります。UNRでの議論を踏まえてということになります。断定的なことは、ここでは言っておりません。資料、HC規制に関連することも同様です。HCの規制も重要だということですね。いかがでしょうか。ご意見ございませんか。

【塩路委員】 アイドリング規制の考え方については、もうこれでいいと思うんですけども、資料の後ろに参考とありましたよね。ここの説明はないんですか。これの説明がなかった。

【大聖委員長】 ちょっと簡単に説明していただけますか。

【森山補佐】 大変失礼いたしました。

 こちらについては、すみません、参考でつけさせていただいておりますが、現状のアイドリング規制値の一覧となっております。

 また、アイドリング規制の目的につきましては、ガソリン車の排出ガス低減装置が使用過程において性能維持されていることを確認するために行っているというところが、アイドリング規制の目的として挙げられております。

 短いですが、現状の制度の概要として、参考資料として載せさせていただいているところでございます。

【塩路委員】 装置の故障も検知していると、これはOBDという意味ではないんですよね。アイドリング規制が装置故障の検知も兼ねているというふうに思ったらいいんですかね。

【森山補佐】 そのとおりかと思います。

【大聖委員長】 これは車検のときに、チェックを受けるんですよね。

【森山補佐】 はい。車検のときのチェックとなっております。

【大聖委員長】 ですから、それを超えれば触媒の問題なのか、あるいは燃料供給側の不具合なのかということで、チェックを受けるわけですね。車検のときのトラブルの調査というのを国交省で行っていて、データがあります。それを見ると、結構ありますね。これは使用過程の問題です。排気浄化を維持するために、要するに新車としてどうあるべきかという問題につながってくると思います。もちろんOBDの方でトラブルのデータがメモリに記憶されていますので、これとの関連でHCなりCOが基準値よりも多く出てくれば、どこかのトラブルが原因だということが分かるわけです。

【塩路委員】 ということは、OBDもあるんですか。ちょっとその辺を知っていなかったので。

【大聖委員長】 車検のときには、そこまで見ているかどうか分かりませんけど、まず排ガスを直接測定しているのです。

【塩路委員】 分かります。スキャンツールでOBDのデータというか、そういうスキャンツールで見るわけですよね。

【大聖委員長】 見るわけです。規制値を超えていれば、スキャンツールで見るということになるのではないですか。

【塩路委員】 チェックするのかな。

【大聖委員長】 トラブルとしては、O2センサーの問題になるわけですよね。だから、時々ありますが、O2センサーの交換などが行われているようです。

【塩路委員】 分かりました。

【飯田委員】 ちょっとしつこいようですが、ガレージの中の閉鎖空間でエンジンの始動、それから大雪のときにスタックして、腰の高さぐらいの雪積からエンジンをかけて脱出するケース、脱出できずに夜、凍死防止の暖房のためにエンジンをかけ続けなきゃいけない事態が起こるので、それも考慮した数値であり、また車検ごとにもチェックするという体系になっていると理解しております。

 そんなふうに捉えられてはいかがでしょうか。もし間違っていたら、ご指摘いただきたいと思うんですけども。

【大聖委員長】 このアイドルの排出ガス、特にCOですけども、これは使用過程での話なので、結局、初期の性能というのが、使用過程でも保証される必要があり、特にCOには注目しているということです。といいますのは、ご存じのように車というのは、使用過程車に対しては、車検では負荷試験ができませんので、一番悪い条件でCOを測って、それで適応を求めているということになります。ここでなぜこういうパーセントなのかということを議論することが目的ではないものですから、この程度にさせていただければと思います。よろしいでしょうか。二つのことでちょっと説明しているわけです。

 以上でよろしいでしょうか。また追加的なご意見があれば、事務局のほうに今週中ぐらいにお寄せいただければと思っております、個人的には。

【飯田委員】 どうもありがとうございます。ちょっと音声が途切れてしまって聞き取れないところもあったんですが、基本的には、まとめ案のとおり、UNR-WLTPで議論されるということ、そこで再検討されるということで、賛成です。

【大聖委員長】 ありがとうございました。

 ほかにご意見はございませんか。

 それでは、ご異論がないようでしたら、原則、事務局案ということで進めさせていただければと思います。

 全ての議論が終了いたしましたけれども、進行のほうを事務局にお返ししたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【森山補佐】 大聖委員長、ありがとうございました。

 そうしましたら、今回の議論を踏まえまして、それぞれの検討議題につきまして、中身について、一定の方向性で合意されたかと思いますので、それを踏まえて作業委員会のほうで報告書案を取りまとめた上で、また次回の専門委員会の場で委員の皆様にご審議いただく予定でございます。

 また、先ほど大聖委員長のほうからご発言がございましたとおり、もし何か追加でコメント等がございましたら、今週中をめどで、事務局のほうに連絡いただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それ以外に何か、全体を通じてご質問などございますでしょうか。よろしいでしょうか。

【大聖委員長】 今日いただいた資料の中で、ちょっと細かい点でこうしたほうがいいのではないかという修正点も含めて、ご意見をいただければと思います。私もちょっと、また気がついた点がありましたので、後で事務局のほうにお伝えしたいと思います。

 以上です。どうもありがとうございました。

【森山補佐】 大聖委員長ありがとうございました。

 そうしましたら、以上をもちまして、第63回自動車排出ガス専門委員会のほうを終了させていただきたいと思います。長時間のご審議ありがとうございました。また引き続きどうぞよろしくお願いいたします。