自動車排出ガス総合対策小委員会(第2回)議事録
開催日時
令和8年7月9日(木)10:00~12:08
開催場所
環境省水・大気環境局会議室3(WEB会議併用ハイブリッド方式)
出席者
(委員長) 飯田 訓正
(臨時委員) 大久保 規子
森川 多津子
(専門委員) 織 朱實
草鹿 仁
村木 美貴
(オブザーバー) 石田 真也
小林 雅文
東條 左絵子
中里 直之
丸山 健二
(事務局) 大森水・大気環境局長
平澤モビリティ環境対策課長
篠原モビリティ環境対策課総括補佐(総括)
吉本モビリティ環境対策課課長補佐
木村モビリティ環境対策課係長
議題
(1)第1回小委員会におけるご意見と対応状況等について
(2)自動車排出ガス総合対策に関するヒアリング
[1]一般社団法人UTMS協会
[2]一般社団法人東京都トラック協会
[3]全国公害患者の会連合会
(4)その他
資料一覧
資料1ー1 第1回小委員会におけるご意見と対応状況(概要)
資料1-2 大気環境濃度の推移と規制の時期との関係性の推移
資料1-3 自動車NOx・PM対策に係る施策による排出削減効果の算定
資料1-4 ご議論いただきたい論点について
資料2-1 一般社団法人UTMS協会提出資料
資料2-2 一般社団法人東京都トラック協会提出資料
資料2-3 全国公害患者の会連合会提出資料
資料3 今後の自動車排出ガス総合対策の在り方の検討の進め方について
参考資料1 自動車排出ガス総合対策小委員会 委員等名簿
参考資料2 中央環境審議会大気・騒音振動部会自動車排出ガス総合対策小委員会(第1回)議事録
参考資料3 エコドライブ活動による燃費改善と交通事故低減
議事録
【木村モビリティ環境対策課係長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、中央環境審議会大気・騒音振動部会第2回自動車排出ガス総合対策小委員会を開会いたします。
私、本日司会を務めさせていただきます、環境省水・大気環境局モビリティ環境対策課の木村と申します。よろしくお願いいたします。
本日は、ご多忙にもかかわらず、ご参集いただきまして誠にありがとうございます。
本日の会議は、対面とオンラインのハイブリッド方式での開催とさせていただいており、事前登録いただいた方に傍聴いただいております。
オンライン参加の委員、オブザーバーの皆様におかれましては、何点かご協力をお願いいたします。
ご発言の際以外は、カメラ及びマイクをオフにしていただきますようお願いいたします。
ご発言を希望される場合には、挙手ボタンを押していただくようお願いいたします。また、議事録作成の関係上、委員長から指名を受けた方から、お名前をお伝えいただいた上でご発言をお願いいたします。
通信トラブル等ございましたら、チャット機能にて、事務局までお知らせいただきますようお願いいたします。
本日は、委員総数の過半数の先生方にご参加をいただいております。定足数の要件を満たしていることから、小委員会として成立していることをご報告申し上げます。
なお、横田委員におかれましては、ご都合によりご欠席との連絡をいただいております。
続きまして、資料の確認でございます。事前にメールでご案内しておりましたとおり、議事次第のほか、資料1-1から1-4、2-1から2-3、資料3、参考資料1から3となっております。過不足等ございましたら、事務局までお申しつけいただくようお願いいたします。
これより先の議事進行については、前回に引き続き、飯田委員長にお願いをいただいております。
なお、会議の冒頭カメラ撮りについては、ここまでとさせていただきます。ご理解、ご協力をお願いいたします。
それでは、飯田委員長、よろしくお願いいたします。
【飯田委員長】 おはようございます。飯田です。
それでは、第2回小委員会を始めさせていただきます。こちら、議事次第にございますとおり、議事の1番、第1回小委員会におけるご意見と対応状況等について、それから、2番が自動車排出ガス総合対策に関するヒアリングということで、お三方に今日はおいでいただいております。どうもお忙しいところありがとうございます。続いて3番と4番の今後の検討の進め方、その他ということで進めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
それでは、早速ですが、この議事次第に従いまして、まずは(1)第1回小委員会におけるご意見と対応状況についてということを事務局のほうから説明をお願いいたします。
【吉本モビリティ環境対策課課長補佐】 環境省水・大気環境局モビリティ環境対策課の私、吉本と申します。
私のほうから、第1回小委員会におけるご意見と対応状況等についてということで、資料1-1を最初に使ってご説明させていただきます。
資料1-1ですが、前回委員の先生方から様々なご意見をいただきました。ゴシック体で書いているところが令和4年の答申のときの目次を引き出した形なんですけども、その項目に照らし合わせて、各委員からいただいた意見を整理したものでございます。宿題として残っていたところについて、回答のあったところを明朝体のほうで記載しているという形にしております。
1ページ目のほうなんですけども、自動車排出ガス対策の実施状況と評価のところについてですが、森川委員から質問をいただいておりました。
これは総量削減計画の進捗状況について、令和5年度の達成率が非常に高くなっているということで、何か理由があるのかということだったんですけれども、令和8年度の、まず排出量の目標値というものは、前回の目標値を設定したときに、令和2年度のときの目標値を据え置いたものとなっているというところでございます。
令和2年度の車種別の排出ガスの規制区分構成率について、目標を設定した頃の前提とした車種の排出ガスの規制区分の構成率と実際の令和2年度のときの構成率を比較したところ、より新しい排出ガス規制区分に該当する車両の構成率が高くなっていたということが分かりました。
すなわち、令和2年度の目標の設定時の想定以上に車両の代替が進んでいたと。その結果、新しい規制基準に適合した車両への更新が進展していた。それによって目標値をクリアしていたというところが要因だと考えているところでございます。
1ページ目は、ほかの部分につきましては、特に質問、ご意見はなかったんですけども、2枚目のほうに参ります。
2枚目のほうなんですけれども、(6)の各施策による排出削減効果というところで、草鹿委員と織委員から意見をいただいておりましたが、これにつきましては、後ほど資料1-2、1-3を使ってご説明をしていきたいと思いますので、ちょっとここでは説明を飛ばさせていただきます。
織委員から、排出ガス規制に伴って、プラスアルファでどのような効果が出てきているかということも併せて出していく必要があるのではないかということで、ご意見をいただいたところでございます。
これにつきまして、参考になる文献として、後ほど、また確認いただきたいんですけど、参考資料3として、ちょっと古い論文にはなるんですけれども、実際にエコドライブとか、そういった副次的な効果があるのかというところを検討された論文がございまして、その内容をこの部分に記載しております。
燃費向上によってCO2の削減、あるいは交通事故の削減につながっているというのが確かに確認されているというところでございました。
続きまして、資料1-1の3ページ目のほうに参りますが、森川委員、そして小林先生からご意見をいただいているところだったんですけれども、NOxの排出量またはPMの排出量と走行量の関係において、走行量はそんなに下がっていない、あるいはそれほど増えていないというものに対して、一方で排出量が上がっているというようなところもあったというところで、その理由を確認するべきではないかというところ。あるいは、交通量と渋滞とかの関係だとか、そういったところでご意見をいただいたところでございます。
排出量の算出のときですけども、まず、各車種別の排出係数に車種別の走行量を掛け算して、排出量というものを算定しております。なので、全ての車の最終的に総排出量を計算するんですけれども、総走行量が減少あるいは横ばいであっても、排出係数が相対的に大きい普通貨物車あるいは特種車の走行量が増えている場合は、その結果として排出量が増加することがあるというところが分かっております。
一例として、千葉県さんの例を挙げますと、令和4年度から令和5年度にかけてNOxの排出量というのは、ちょっと増えているところもあるんですけれども、実際に確認したところ、排出係数が大きい普通貨物車や特種車の走行量が増加しているということが分かっておりまして、これによってNOxの計算値ですけども、排出量が増加した一因になっているのではないかというふうに考えているところでございます。
続きまして、3ページ目の下のほうなんですけれども、草鹿委員からご質問をいただいていましたが、令和10年度の車種構成を将来予測のときにどういうふうに考えているかというところで、EVトラックとか、そういったものを加味しているのかというところだったんですけども、前回の第1回で出した資料においては、将来予測における車種構成というのは、EV、HVといった分類では考慮されておりません。将来予測をするためには、現状のEVとかHVの車種構成も把握しなければいけないところなんですが、その情報がないということで、将来予測はちょっとできなかったというところでございます。
3ページ目から4ページ目のちょうどページの境目のところなんですけれども、森川委員から流入車の車種構成について、NOx・PM法の指定地域外の平均的な車種構成を条件としていることということでよいかということでご質問をいただいたところでして、答えのほう、4ページ目の頭のほうになりますけれども、流入車の車両構成なんですが、NOx・PM法の指定地域外を「使用の本拠地」とする車両のナンバープレート調査による走行割合を基礎とした上で、それぞれ首都圏、愛知・三重、大阪・兵庫の各都市圏のNOx・PM法指定地域外における保有台数の構成で補正をしているというふうになっているところでございます。NOx・PM法の指定地域外の全国的な車種構成から、より一層近いところの車種構成を使って計算をしているというところで、ご理解いただければと思います。
以上が資料1-1の説明になります。
途中で説明を飛ばしました資料1-2、1-3に係る質問のところについては、次の資料のほうで説明をしているところでございます。
資料1-2なんですけども、先ほどの1-1の質問と併せて見ていただければいいと思うんですけども、草鹿委員から、前回、排出ガスの規制値が大気濃度に及ぼす影響、あるいは排出ガスの重量と測定局の濃度の関係を整理することが必要じゃないかと、あるいは織委員からは、どういった政策が環境基準の達成に効いているかとかいったところでご意見をいただいたところでございました。
その上で、大気環境濃度の推移と規制の時期との関係性の推移ということで、資料の1-2としてまとめております。
1枚目の下のほうに図1、これがNOx、2ページ目に図2のNO2、3ページ目にSPMの三つグラフを載せているんですけども、これはそれぞれ何を示しているかといいますと、平成13年度のときの全国あるいは首都圏、愛知・三重、大阪・兵庫それぞれの地域圏における平成13年度のときの濃度を基準点におきまして、そこから各年度での年平均値がどのように相対的に下がっていったのかということを示しているグラフでございます。よりゼロのところから大きく下がっていったところほど濃度がより減少してきたものというふうに認識していただければいいかなと思いますし、この青い折れ線で書いているのが、これは全国の指定地域以外の、8都府県以外の平均値になりますけれども、これに比べて首都圏は赤、愛知・三重は緑、大阪・兵庫はオレンジの折れ線グラフにしていますけれども、その開きが大きければ大きいほど、各それぞれの都市圏において、全国平均よりも濃度の減り具合が大きくなっている、より対策などの効果が表れていると。もともとが濃度が高かったという事情ももちろんあるんですけども、濃度の下がり具合が大きくなっているというふうに見てもらえればいいかと思います。
まず、図1、NOxの年平均値なんですけども、こっちは徐々に傾向としてなんですけども、はっきりとこのタイミングからはすごく青い線とその他の色の線が開きが大きくなったというところはないんですけども、徐々に濃度が低下しているというところが分かってきたところでございます。
図2、NO2のグラフにつきましても、NOxと同じように、じわじわと青い線から各都市圏の濃度差のグラフの開きが大きくなっているというところでございます。
SPMなんですけれども、こちらも同じように青い折れ線グラフに比べて下がっていっているところですけども、特に1か所、特筆すべきところとして、この首都圏、赤のところの②番と④番のところで、少しだけ下がり具合が大きくなっているところなんですけども、ちょうどここが②番で書いている平成15年度のディーゼル車運行規制が始まったところ、平成18年のディーゼル運行規制の強化があったところというところで、ここで濃度の下がり具合がちょっと大きくなっているというのが分かっているところでございます。
加えまして、さらに我々環境省のほうで、これは各都市圏というよりは、全国的な結果になりますが、国内全体の一次排出された物質の排出インベントリというものがあるんですけども、こちらのほうを確認したところ、データがあるのは2012年度から2022年度になるんですけども、自動車の排出量の寄与というのが、ここ約10年でNOx、あるいは粒子状物質につきましては一次排出のPM2.5ということで整理をされているものなんですけども、こちらのほうにつきましても、排出量に占める割合というのが下がってきているということが確認されているというところでございます。
ここまでが1-2の説明となっております。
さらに、続きまして1-3なんですけども、自動車NOx・PM法に係る施策について、各施策によってどういった排出削減の効果があったかというものを調べたものがこちらの資料になります。
先ほど、資料1-1の説明の中で、排出量というものは、排出係数と自動車走行量の掛け算になっていますというふうな説明をしましたけども、その概念図を示したのがこの図1なんですけれども、それぞれの四角で囲んだ部分の面積に当たる部分が総排出量になるという考え方でございます。これがいろんな施策によって、この四角で表した面積の部分が図2に示すとおり、いろんな施策によって、この部分が小さくなっていくんですけども、四角形が小さくなった要因が、排出係数が下がったことによるのか、あるいは走行量の減少によって効果が表れたのかというものを解析したものが、概念図として図2に示したものになります。
この考え方に基づいて、各NOx・PMの指定地域の対象の8都府県において、それぞれで基準年度は平成21年度あるいは22年度になるんですけども、基準年度に比べて令和6年度、グラフによっては、都府県によっては令和2年度で示しているものもあるんですけども、主な施策別の排出削減量を算定した、どういった施策がどれぐらい相対的に効いているかというものを示したものが図3、図4となっております。
図3はNOxの排出削減効果、図4はPMの排出削減効果について示したものでございます。図3のほうはNOxなんですけども、薄水色で示しているところ、自動車の単体対策の推進というものが大きく効いているところが多かったという結果になっております。
3ページ目のほうに参りまして、PMのほうなんですけども、一部の自治体は、薄水色と濃い青色の単体対策、あるいは車種規制、流入車規制を全て水色で表しているので、合算したような形になっているんですけども、いずれも水色、あるいは濃い青色のところが大きいというところで、単体対策あるいは車種規制、流入車規制の実施というものがこれだけ大きく各都府県の排出量の削減に効いているというところが分かっているというところでございます。
1-3、ここまでが前回いただいた意見ということで、この後、ここまでの結果と、この後、第2回、そして次回第3回、また後ほど説明いたしますが、第3回の小委員会で、今後ヒアリングを行っていくわけですけども、ご議論いただきたい論点として、こういった観点を踏まえ、各都府県の指定解除の検討状況に関する考え方、総量削減基本方針に定める目標及び施策についてということで、こういった論点を念頭に置きながら、先生方にはヒアリングのほうを行っていただきたいというふうに考えているところでございます。
私からの説明は以上になります。
【飯田委員長】 吉本さん、どうもありがとうございました。
第1回目に委員の皆さんからいただきましたご意見あるいは論点について、事務局よりその回答および対応について、資料1-1を用いてご説明いただきました。
それでは、ただいまのご説明に関して、ご意見、ご質問等ありましたら、お願いいたします。
森川委員、どうぞ。
【森川臨時委員】 森川です。ご説明ありがとうございます。回答についても、いろいろ書いていただいてありがとうございます。
最初に私がした質問に対して、つまり排出量の目標値をすごくよく達成していたということで、代替が想定以上に進んだということだったんですけれども。想定以上に進んだと、これ、恐らく全国規模というか、どこの指定地域もそうだったと思うので、何か理由が分かったら教えていただけますか。なぜ新しい車をみんな買っていたのか。例えば、エコ減税とか、そんな施策があったかどうかとか、もし分かっていたら教えていただきたいんですけど。
【吉本モビリティ環境対策課課長補佐】 環境省、吉本です。
すみません、そこまでの解析というものはできていないというところが現状というところでございます。
【飯田委員長】 草鹿委員、どうぞ。
【草鹿専門委員】 どうもありがとうございました。技術的な話でいうと、まずコモンレールですね、電子制御噴射方式のディーゼルエンジンが1997年から出てきて、それから、あとディーゼル・パティキュレート・フィルターが2003年ですよね、だから平成15年になるのかな。
それから、あと大きいのが軽油の低硫黄化ですね、これも2003年から出てきて、これは何でいいかというと、EGRという排気再循環、Exhaust Gas Recirculationという排気をもう一回給気に戻して、燃焼温度を下げてNOxを減らすというテクノロジーですね。
それから、平成17年か18年ぐらいから尿素SCRが、最初に出たのは2005年ぐらいなんですけれども、本格的に出てきたということと、その後は高圧縮比化だったり、ディーゼル・パティキュレート・フィルターとSCRを組み合わせたものとか、あと平成28年から2ステージターボだとか、ロープレッシャーEGRとかが段階的に入ってきて、単体対策がやっぱり非常に効いてきて、新型車の買換えが早い政令指定都市は、やっぱり早く落ちているんだなというのは、非常によく。規制とともに技術というのは入ってくるので、顕著に出てきたんじゃないかなと思っていて、施策が成功しているんだなというのは確認できると思います。
それから、あとSPMのほうは、新短期規制のときというのは、恐らくディーゼル・パティキュレート・フィルターというのが2002年に日野さんから最初出たのかな。DPRと当時言われていましたけど。ですから、そこから全車DPFを搭載するようになってきて、図の3でいうと、①から③のところの傾きと、それから③の先から⑤でぐっと傾きが落ちていますよね。これは、多分ディーゼル・パティキュレート・フィルターの効果が非常に大きかったということで、これはやっぱり排ガス規制が成功している例だなと思って。僕の技術の観点からいうと、非常に分かりやすい図で、どうも今日はありがとうございます、示していただいて。
【飯田委員長】 ほかにいかがでしょうか。
織委員、お願いします。
【織専門委員】 ありがとうございます。単体規制が非常に効果があるというのは明らかだと思うんですけど、そうはいっても、やはり単体規制プラス何が効果があるのかというのが地域ごとに違うのはどうなのか。例えば、愛知県とか車両規制の、流入規制の効果なんかもこの中に入っているわけですので、そこをどう切り分けて、地域ごとに何が効いているのかというのを今後どのように継続していくのかという検討がすごく必要になってくると思うんですね。なので、データが十分にないというところが、今のところかなりあるかなと思うので、そういった施策をどこを維持して、どれを減らしていくのか、地域ごとにそういった観点で少し、これからデータを集めるときに、気をつけて集めていったらいいんではないかなというふうに思っています。
単体規制が効いているのは間違いないので、これは強力な方法としてがつんとできるんですけども、そこから後、どうしていくのかというところが、今のデータの少なさでは手詰まり感がすごくあるかなと思うので、そこのところをどうするかというところだと思うんですね。
また、全体的な政策パッケージで考えていくと、エコドライブの副次効果を見せていただいていて、CO2削減とか交通事故減少というのが効果として挙げられているんですけど、社会面から考えていくと、じゃあ健康被害の減少とか、物流効率改善とかにどういうふうにプラスのところがあるのかというところも重要な部分だと思うんですね。企業負担と社会便益のところをやっぱり政策に引き込んでいくためには、そういったデータですとかヒアリング、多分、今日お話しされると思うんですけれども、NOx、PM、CO2削減だけではなくて、健康被害、それから、今本当に大きな問題になっている物流効率というところにエコドライブとかも、効いてくるんだったら効いてくるでいいのかなと思うので、その辺のところがやっぱりデータが欲しいなという気がしております。
以上です。
【飯田委員長】 はい、草鹿委員、どうぞ。
【草鹿専門委員】 今のところは、資料1-3の1ページの自動車の多分、物流効率、走行量に係ってくると思うんですよね。だから、物流を高効率化すると、配送のときの走行量が効率化されて減ってくる、あるいは積載効率を機械で上げてくるとかいうところで、走行量が減ってくるというようなことなので、多分、織先生は、この図の1でいうと、四角形の横軸のところを詰めるのには、まだ余力が相当あるんじゃないかというようなご意見なので、それはごもっともな話だと思います。
ただ、やっぱり運送業界を担っているのは、九十何%以上はもう零細企業なので、なかなか大手のようにITを駆使して物流の高効率化というのが進んでいないので、その四角形の横軸を下げるということであれば、やはりそこを次の施策で攻めていくという手はあろうかとは思いますけれども。
【飯田委員長】 ほかにいかがでしょうか。
はい、Webサイトからですね、大久保委員、お待たせしました。マイクをオンにしてご発言お願いします。
【大久保臨時委員】 どうもご説明ありがとうございます。
2点ございまして、1点目は簡単な質問ですけれども、資料1-1の3ページで、将来の車種構成のお話が出てまいりまして、もともと将来予測に関しては、データが十分になかったということをおっしゃられていましたけれども、それはその段階のときで、現在、今後を考えていくに当たって、データの将来予測がどこまで行くのかということが、先ほどのご説明ではよく分からなかったので、現状でもなかなか将来予測の車種構成が分からないというお話なのか、今後はそろってくる可能性があるというお話なのか、それをもう一度確認させてください。
それから、資料1-2のほうでは、各地域ごとのグラフが出ていて、大変興味深く拝見しました。全体としては下がってきているけれども、その傾きの違いが、例えば首都圏と大阪・兵庫では、結構どのグラフについても差があって、それぞれいろいろな施策を取ってきたわけですけれども、ここの傾きの違いですよね、特に首都圏と大阪・兵庫圏との違いということが出てくる要因は、NOx・PM法で指定をかけていない区域の影響があるのかとか、その辺りの要因分析を何かなされていれば教えていただきたいと思います。
以上、2点です。
【吉本モビリティ環境対策課課長補佐】 ご質問ありがとうございます。環境省、吉本です。
1点目の質問につきまして、現時点で、これからのことを考えていく上で、EVとかHVの車種構成が分かるかというところの質問かなというふうに理解したんですけども。我々も、すみませんが、今の場で持ち合わせているものがなくて、我々もどういったことが分かっているのかというのをもう一回精査して確認していきたいと思います。
もう一つの質問の方も、傾き、確かに細かく見ていくと、ちょっとずつ違うところというのはあるんですけども、それぞれの傾きにおいて、確かに違うところもあると言えばあるんですけども、そこまでの詳細な解析までは、現時点ではできていないというところが今の状況でございます。
以上になります。
【大久保臨時委員】 ありがとうございます。単体規制、それから流入規制以外に何か周辺が効いている部分もあるのかなと思ったものですから、ありがとうございます。
【飯田委員長】 よろしいでしょうか。
草鹿委員の手が挙がりましたね、草鹿委員、どうぞ。
【草鹿専門委員】 じゃあ、私のほうから代わって答えますと、政府のグリーン成長戦略で、商用車については、総重量8トン以下は、2030年までに新車の販売で電動車が20~30%という目標がございます。それから、2040年までに電動車または脱炭素燃料車100%を目指すという目標がございます。それで現在、令和6年3月末時点で、グロス・ビークル・ウェイトですね、総重量8トン以下の営業用トラックは、保有率でいうと、電動車の保有率は3.7%、それからゼロエミッション車ですね、EVとFCVが1.06%。ただ、これは新車販売じゃなくて保有率なので、ちょっと低い数字にはなっているんですけど、このぐらいの割合なので、ちょっと数が非常に政府目標に対しては少ないというのが現状なので、なかなかその先も、僕も調べたんですけど、ちょっと読めないというのが現状だと思います。大久保委員、よろしいでしょうか。そんな感じです。
【大久保臨時委員】 ありがとうございます。確かに目標はあるのだけれども、どういうふうに推移するのかというのが難しいというお話で理解いたしました。ありがとうございます。
【飯田委員長】 各委員からご意見あるいはQ&A、ありがとうございました。
織委員の、どういう政策がどこに効いたのか。自動車の走行量減少と、排出係数の減少とは、どんな重みづけで寄与したのか。それらからどんな将来構想を描くのかが変わってくるでしょう、というご指摘でした。資料の1-3の2ページと3ページに、削減効果を書いていただいているわけですが、ここでパーセントに加えて、絶対量でこれだけ下がりました。と表現をすると分かりやすいかも知れません。
また、一番最初に森川委員が質問された、何で低エミッションの車が一気に普及したのか、という点は、草鹿先生からご説明のあったとおり、一番大きかったのは、ディーゼル重量車に、尿素SCR、およびディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)の技術が開発され、排気再循環(EGR)技術を用いなくても、快適に走行する車両が市場投入されたことでしょう。併せて、燃料中の硫黄成分が少ない軽油が供給されて、触媒システムが使えるようになりました。
エンジンはEGRなしの高い燃焼温度でフルに元気よく作動することができて、NOxおよびPMの排出物は、触媒システムで解決できるということになり、結果として、エンジン出力が向上し、レスポンスも向上し、運転のしやすさも向上しました。それは多分ユーザーにとっては、こんな走りがいいんだったら、ちょっと高くても絶対楽だよね、それから燃費もいいよねという。もちろん、尿素水を入れなきゃいけないから、ちょっと手間は増えますが、尿素水の補給は燃料を入れるのと同時でもいいし、それより少ない機会でよいので、それで一気にそれが進んだと。
PMについても、DPFの装着で排出量は1/100のオーダーで低減し、劇的な効果が出ました。同図において、横軸の走行距離と縦軸の排出係数とを掛け合わせた四角形の面積が総排出量を表しています。縦軸の排出係数が小さい車両が出現して、横軸はそれらの車両が沢山距離を走行しているという、そういう構図と読み取れます。
電気自動車を導入すれば、この縦軸がゼロに限りなく近いので、横軸の総走行距離が伸びでも排出量は増えない。最終目標はそこにあると思います。指定地域を走行する車両を、尿素SCRとDPFを組合せた排気触媒システムを装着した車両に入れ替えることが排出ガスの削減に有効です。それに併せて、織さんの言われた走行量そのものを、物流の工夫やテクノロジーを使って減らすことも有効であると思います。
また、指定地域に入ってくる車について、排出ガス係数の大きい車を制限することも有効と思われます。これについては、その施策をできた地域と、なかなかそこまではできなかった地域とがあると思います。これらも図の横軸の効果で示されるところです。
どういう政策がどこに効いたのか。同図の自動車の走行量と、排出係数の掛け算となる視点から評価することも、有効なアプローチになり得ると思います。
施策と効果について、加えてその効果に限界があるのかないのか、といったことについても、将来に向けたご議論いただければ幸いです。
先日の1回目と本日の2回目にて、いろんな視点から、将来に向けたヒントになるところを沢山のご意見いただけたことを感謝いたします。
すみません、私の発言が長くなってしまいました。予定の時間が来ましたので、1番の議題は一旦閉じさせていただいて、次の2番に進ませてください。
次は、自動車排出ガス総合対策に関するヒアリングです。
今日、お三方にご準備をいただいております。ヒアリングは、個別にそれぞれのお話をいただいて、その後、ご質問、議論をさせていただくという順番で進めさせてください。
最初は、一般社団法人 UTMS協会さんです。よろしくお願いいたします。
【小林オブザーバー】 UTMS協会の小林です。よろしくお願いいたします。
UTMS協会は、警察交通の研究開発とか標準化というところを行っている団体になります。
本日は、交通の円滑化に取り組んでおります交通管制システムについて、ご説明させていただければと思います。
次のページをお願いします。こちら、交通管制システムの機能の概要を記載したシートになっております。交通管制センターは、各都道府県警ごとに運用されておりまして、下に情報収集とありますけれども、路上に車両感知器と呼んでいる車の存在というのを計測する感知器がつけられていまして、これで交通情報を収集しています。収集された情報に基づいて、主に信号の制御、青時間のコントロール、それから交通情報の提供というところを主にやっているシステムになります。
次のページをお願いします。まず信号制御というところで、いろいろ高度化等も進めているんですけども、簡単な概要というところでご説明させていただきます。
先ほども申し上げましたように、交通管制センターでは、収集された交通情報に応じまして、遠隔で信号の青時間をリアルタイムにそのときそのときの状況に応じて変えております。変えている内容というのが、下にちょっと絵を描いていますけれども、信号が青、黄、赤と回る一周の長さですとか、交通の流れごとに種々のとかって言い方したりするんですけれども、交通の流れごとに青時間、どういうふうにそれを配分するか、これがスプリットと呼んでいるものになります。もう一つ、車が路線を走りやすくするという意味で、隣り合った交差点との青時間の開始時間というもののずれを交通状況に応じて調整すると。これ、オフセットという言い方しているんですけれども、こういった三つのパラメータをその都度見直して、遠隔で制御しております。
こういった遠隔で制御されている交差点を集中制御交差点といいまして、都市部中心に集中制御化が進められております。
次のページ、お願いします。こちらは交通情報、よく道路上で見られる情報板と呼んでいるものになります。こちらも先ほどの感知器から集めた情報で遠隔制御をしながら交通情報を提供しています。いろんな文字をどこまで書けるとか、ここだけ書けるとかというので、種類は幾つかあるんですけれども、予想時間を提供したり、この先渋滞、迂回してほしいというようなことを提供しているものになります。
次のページをお願いします。これは一つのサブシステムのご紹介になるんですけれども、PTPS、公共車両優先システムと呼んでいるものです。これはバスが交差点に接近したときに、それを感知器で見つけまして、バスが走りやすいように青時間を延長したり、赤時間を逆に短縮してあげたりということで利便性を向上して、公共交通に車からモーダルシフトということを動かして、交通需要も減らすようなところも狙いとしたシステムになります。現時点というか、情報としては1,000kmぐらい全国、路線長としては導入されています。
UTMS協会では、ちょっとNOxとかという形では評価していないんですけれども、CO2の排出量というものの削減効果というのを評価しています。ここに記載しているように、導入路線長1,000kmに対して年間636t、CO2の排出量が削減されているという試算を行っています。
次のページ、お願いします。こちらが交通管制システムの役割というところを三つ挙げさせていただきました。
まず一つは交通渋滞の減少ということで、交通状況に応じて交通信号を的確にコントロールして、交通情報板や所要時間等で適切な交通情報を提供することで、交通渋滞とか混雑が減少することを期待しています。
もう一つ、交通公害というところでは、停止回数が少なくなりますので、停止・発進時に排出される排気ガス、騒音が減少されることが期待できますので、交通公害の発生抑制に寄与するものと考えております。
併せて燃料消費が減りますので、省エネルギー、CO2の排出量とか環境保護にも貢献するというふうに考えています。現在、信号というのは、大体全国で21万か所ぐらいあるんですけれども、そのうち、先ほどの交通管制センターから遠隔で制御されているのが7万か所ぐらいございます。集中化されていない場合は、決められた青時間で動いているんですけれども、集中化すると、交通状況に応じて自動で信号制御が最適化されるということで、そのときによる、CO2なんですけれども、排ガス込みでも試算しております。その記載としては、180万tぐらいのCO2が削減できるというような試算をしております。
次のページ、お願いします。こちら、その根拠というか、基礎数値なんですけれども、ちょっと古いんですけども、令和3年にどれぐらい減っているかみたいな調査がされていまして、そこの基礎数値をベースに、先ほどの効果指標というのを算出したものになります。詳細はちょっと割愛させていただきます。
次のページ、お願いします。それ以外の最近の取組としましては、経産省さんが行われているSIPということで、戦略的イノベーション創造プログラムというのがあるんですけれども、そこに参画をUTMS協会もしておりまして、ここでは自動運転という形のところに実現に向けた取組を行っています。
内容としましては、車の運転を助けるというか、自動運転を助けるということで、インフラと車が協調して安全で円滑な交通の実現に寄与するということで、今後、ターゲットは信号情報を車に提供するということをやっています。
二つ絵がございますけど、一つが路上に作られた無線機から直接信号情報を提供するというもので、よりリアルタイム性があるものになります。
もう一つが携帯網を使って提供するということで、こちらは広く路側機に依存しないという形で、広域に情報が提供できるという形で、そういった二つのモデルについて研究開発が進められています。
上の部分で700メガ、吹き出しがございますけれども、こちら、ITSに専用に割り当てた無線帯域がございますけれども、従来、警察だけしか使えていなかったものが、改正がありまして、民間ですとか、自治体とかが使えるようになりましたので、今後、普及ということを期待しているところでございます。
次のページ、お願いします。今後の要望・展望ということで、NOx・PMの削減というところでは、いわゆる交通の円滑化、寄与が大きいだろうというふうに考えています。UTMS協会では、先ほどの交通管制システムの高度化に加えまして、車のほうですね、協調型ITSといっていますけれども、通信でつながる車が今現在増えていますので、インフラだけで単独で今までやっていたものを車とも協調しながらということで、交通の円滑化を進めて、NOx・PMの削減にもつなげたいというふうに考えております。
以上となります。ありがとうございました。
【飯田委員長】 小林様、ご説明ありがとうございました。
それでは、ただいまのご説明に対して、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。
大久保委員、どうぞ。
【大久保臨時委員】 大変興味深いご報告をありがとうございます。
2点質問がございまして、1点目が集中制御をする場合に、交通情報というのは車の情報だと思うのですけれども、歩行者の方、例えば高齢者や障害者の方がこれくらいで渡り切れるだろうと思っているときに、時間が変わると影響を受けるという可能性もあると思うのですけれども、重要なシステムだと思いますので、歩行者考慮というのがどういうふうになされるものなのかが1点目の質問です。
それから、2点目はPTPS、こちらも公共交通へのモーダルシフトを考える上では重要だと思います。それで、この定時性確保効果がどのぐらいあるのか。また、バス停などで信号の直前で止まってしまうと、また渋滞とは別の、車の流れとは別の流れで止まると思うのですけれども、そういうものをどのように考慮できるのかという辺りを、すみません、もしよろしければ教えていただければと思います。
以上です。
【小林オブザーバー】 ご質問ありがとうございます。前者につきましては、場所によってちょっと違うんですけれども、歩行者のセンシングを検知するというのが一つ課題にはなります。多くのところでは、なかなか歩行者を検出するまでの感知器とか、そういうのはあまり多くはついていないというふうには思うんですけれども、一応歩行者の時間と点滅する時間というのがあるかと思うんですけれども、歩行者の青時間というのは何よりも優先されていまして、遅い人、大体1m毎秒ぐらいの速度が横断に必要だというふうに考えて、その歩行者の青時間は必ず出すというような形で行っています。
最近は、それに加えまして、スマホを使ったりして信号機とつながるようなことで、信号情報を歩行者に提供したりとか、そういうことで安全により寄与するような取組も進んでおります。
二つ目のPTPSですけれども、数字はちょっとあるんですけれども、今、ちょっと企画がどれだけ効果あるか。先ほどの効果の基になったのが、短縮時間をベースに算出するんですけど、すみません、ちょっと今、記憶があまりなくて正確なことが申し上げられなくて、申し訳ございません。
もう一点、何でしたっけ。PTPSの。
【大久保臨時委員】 バス停で。
【小林オブザーバー】 検出位置というところをバスでどこで検出するかというところが、バス停を越えたところでバスの位置を検出したりとかということで対応したりはしています。ただ、交差点にすごく近いところにあるところとなると、なかなかぎりぎりで延長できないとか、そういうことはあったりはしますけれども、なるべくどこで検出するかというようなところで最適化の検討を行っております。
【大久保臨時委員】 ありがとうございます。細かい調整や、また場合によっては、双方向のサービス、歩行者に対する、そういったものも含めて状況が進んでいるという様子が分かりました。ありがとうございます。
【飯田委員長】 はい、ありがとうございました。
ほかにご意見、ご質問ございますでしょうか。
飯田から1点だけお願いがあるんですけども、今回のお話は、道路インフラ、あるいは信号機、それから道路構造も含めて、そこをいかに有効に制御していくかという視点の改善でした。これは非常に大事なポイントなんですが。一方で、コロナ禍の折には、全てスマホを持っている人たちがどういう動きをしたかということで、感染の予防に物すごく効果を発揮しました。それと同じように、自動車のナビゲーションシステムというのも、あるA社が、お客さんがみんな自動車会社と契約すると、自分が今どこを走っているかというのを全部クラウドに上げる。そうすると、この管制で、ここが混んでいますよと知らせなくても、そこを走っている車がいると、そこは時速10kmでのろのろなんだ、5kmベースなんだ、いや、すいすい走れているんだというのが分かりますので、ある人がA地点からB地点まで行きたいというときに、それらの情報を全部、その時刻における所要時間を算出することで、ここの道を通れば一番早く行けますよという情報を与えることができるんですね。そうなると、実は全ての人、あるいは車両がプローブ、検査システムになっていて、それで一番、その瞬時、最短経路が示されていくと。
問題は、これがA社さんだけだと効果があるんですが、A社さんもB社さんも同じシステムを使うと、いや、これが短く行けるぞというと、みんながそれを選んでいくと、逆に混んでしまうということが出てくる。そうすると、個々の車両だけではなくて、個々の車両に対して、何か道路インフラ側でできることで管制をして、飛行機と同じように、この高さ飛んでくださいね、ちょっと待ってくださいねということでさばく必要があるんですね。必ずこれらのシステムと個々の車両のデータとの融合を考えないと、次がなかなか突破できないという技術課題があるので、今日はそこのお話がなかったものですから、その辺の将来展開はどのような展望を描かれているのか、もし試みがあったら教えていただきたいというのが私からの質問です。
【小林オブザーバー】 ありがとうございます。先ほど、プローブ情報のお話がありましたけれども、今、やはり主に民間で車の情報を集められているということで、交通管制システムには直接入ってこないということなんですけども、ちょうど今、民間からプローブ情報を交通管制システムにも活用するという活動を進めているところでございます。先ほどの全体最適というか、経路誘導みたいなお話があったときに、ドライバーの行動変容をどこまで動かせるか、インセンティブを与えられるかというところは、すごく課題かな。どういう情報の提供の与え方をしたらいいかというところが一番の課題かなというふうには。
【飯田委員長】 要するに、ソリューションは出るんだけど、誰にどういうふうにソリューションを与えたらよいか、というところまで組み立てないと、実は効果がないということですね。釈迦に説法ですが、そこが最終ゴールだと思いますので、その辺のところをぜひいろんな関係者で調整して整えていただきたいと思います。ありがとうございました。
ほかにご意見、ご質問ございますでしょうか。
ないようでしたら、一旦ここで区切らさせていただいて、次に進ませていただきます。
次は、一般社団法人東京都トラック協会さんからご説明をお願いいたします。
【中里オブザーバー】 東京都トラック協会、業務部の中里でございます。どうぞよろしくお願いいたします。着座にて失礼させていただきます。
当協会におけます排出ガス削減に向けた取組につきまして、ご説明させていただきたいと思います。
まずは資料2ページを御覧ください。エコドライブは、環境保全の運転として世界中で推奨されており、日本でも環境省、警察庁、経済産業省、そして国土交通省が中心となって推進してございます。
また、同時に、エコドライブは安全運転にも寄与していることから、エコ安全ドライブとも呼ばれているところでございます。
トラック運送事業者に対して、地球環境保全に関するより積極的な取組が求められていることから、当協会では、2006年に会員事業者を対象として「グリーン・エコプロジェクト」と命名いたしましたエコドライブ推進事業を立ち上げたところでございます。
本事業を立ち上げる前段といたしまして、国内各所で交通公害裁判が行われ、国、地方自治体、自動車メーカー等がその責任を問われ、和解や原告団の主張が認められ、公害問題から環境問題へ時代が移り変わりました。
特に注目されたのは、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例が施行され、東京都に隣接する神奈川県、千葉県、埼玉県及び横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市の8都県市も同様の条例が施行されました。これらの条例は、車両の運行規制と記憶してございます。
一方で、国のNOx・PM法は車種規制であり、2001年6月に公布され、小型トラックであれば8年、普通トラック9年を限度として車検の更新ができないこととなり、2003年10月から実施されました。また、2006年4月に改正省エネ法が施行され、トラック運送事業者に省エネ計画の作成とエネルギー使用の定期報告が義務づけられ、二酸化炭素の排出量の報告が求められるようになりました。トラック業界には、これまでにCO2の排出量のデータがなく、算出基礎となる燃料使用量から整備しなければならなくなりました。しかしながら、大半の事業者は中小企業であり、各事業者がそのようなデータ管理することは困難でございました。
資料3ページを御覧ください。そのような中で、運送事業者が環境に関してできることとしては、一つ目として、環境性能優良トラックを導入すること。二つ目として、先進機器の活用や点検・整備を強化すること。三つ目として、アイドリングストップを含み、ゆっくり発進、ゆっくり停止のエコドライブの実践をすることが挙げられると思います。
当協会では、独自のエコドライブ活動といたしまして、協会内に設置いたしました環境委員会において企画いたしました、満タン法による燃費データの収集であるグリーン・エコプロジェクトを2006年7月に立ち上げ、推進することとした次第でございます。
資料4ページを御覧ください。グリーン・エコプロジェクトを実施するに当たり、経営者、管理者、ドライバー、全ての従業員一人一人が環境意識を高め、社会貢献、社会責任を主軸とした環境CSRを目指すとともに、継続的なエコドライブ活動を実践することにより、環境優良事業者として信頼性の高い運送事業者へ転換することを目指すことといたしました。
そのために、次のことを基本的な考え方といたしました。一つ目として、ドライバーにエコドライブの意識を理解してもらうために、シンプルで分かりやすい内容とすること。二つ目として、実践を促すため、車両添付用のステッカーや工夫した教育資料の作成を行うこと。三つ目として、管理者とドライバーがエコドライブのコミュニケーションを円滑にできるようにする資料を作成すること。四つ目として、セミナーへの参加対象者は、代表者、運行管理者、またはドライバーの代表者として内容をしっかり伝えられる者とすること。
これらのことを踏まえ、立ち上げの2006年当初におきましては、25社、車両数549台でスタートした次第でございます。
それでは、どのように実施するのか、資料5ページを御覧ください。グリーン・エコプロジェクトにおけるPDCAサイクルでございます。
まずプランですが、会社として、各車両の燃費目標を設定いたします。
続きまして、Doとして、ドライバーは、プロドライバーとしての運転を実践します。ここでは業務における運転で、ゆっくり発進、ゆっくり停止を実行することとなります。たとえ渋滞に巻き込まれても、慌てず落ち着いてゆっくりとエコドライブを心がけるとともに、安全運転に専念します。
続いて、Checkとして、走行管理表への記載でございます。走行管理表では、燃料給油時に日付、曜日、オドメータ表示を記載するとともに、燃費を算出して記載します。
なお、毎月の最終日において、目標燃費に対する評価として、ドライバーがコメントを記入し、管理者へ提出します。また管理者は、ドライバーのコメントと記入された数値を基に、コメントを記載して当協会へ提出することとなります。
なお、この走行管理表への記入は手書きで行います。ここで特に手書きにこだわるのは、燃費の数値が正確に取れること、最もシンプルな方法で、高価な機器は不要であること、特別な人材も不要であること、ドライバー全員が同一レベルで取り組めること、安価で取り組めて効果は最大であるということからでございます。走行管理表は、車両1台ごとに登録番号別に用意されており、ドライバーは給油のたびに満タンにして、その時点でのオドメータの距離、給油量及び燃費を手書きで記入します。
資料6ページを御覧ください。これは運行管理表の記入例を示しております。ドライバーは、給油のたびにこの作業を繰り返すことで、自身の運転による燃費を細かく意識することになるとともに、手書きで行うことで、ドライバーが燃費をはじめ、運転に関する内容をあらゆる角度から思い起こし、自らの気づきが生じることとなります。
例えば、安全運転による対価を報酬と考えると、それは目に見えません。安全運転を持続するには根気が必要ですが、通常の安全運転では報酬は感じにくい、感じられないところでございます。しかし、何事もない安全な日々は、すばらしい報酬と認識されるべきであり、安全運転した結果は、実質的、精神的報酬と認識されるべきと考えます。
このような考え方の基は、自分の運転行動を考え、燃費改善を行い、安全運転につなげ、意識を高め、気づきを表示させるための手書きにあると考えているところでございます。
資料7ページを御覧ください。当協会では、送付を受けた走行管理表を基に燃費結果表を作成し、管理者へ返送しています。この内容を管理者が確認することで、修正点を明確化し、ドライバーに対して、燃費のみならず、安全運転に関する適切なアドバイスを行うなど、ドライバー一人一人に対するコミュニケーションを図るためのツールとして使用していただいているところでございます。
資料5ページに戻りますが、Actionとして、管理者は当協会で開催するセミナーに参加することとなります。セミナーは、毎月開催されるステップアップセミナーと、3か月に1回開催される継続セミナーがあります。
資料9ページを御覧ください。ステップアップセミナーは、グリーン・エコプロジェクトに参加した事業者が運行管理表への記入方法、オドメータの全桁記入、実際に入れた給油量の有効桁数、なぜ運行管理表の記入は手書きがよいか等、基礎的なことから実行における注意事項をはじめ、実施方法に至るまで、グリーン・エコプロジェクトを実施する上で必要な知識の習得を行います。
また継続セミナーでは、グリーン・エコプロジェクトを自社で活用するための実践的取組として、最近発生した事故速報、熱中症対策ですとか、燃費の豆知識等について、作成したリーフレットを用いて説明し、それを参加した管理者が持ち帰ってドライバーに対する教育に役立てることとしているところでございます。
これらのセミナーは、管理者育成のために行うもので、ここで改善点の確認を行い、各社に持ち帰りドライバー教育へ生かすこととなります。このPDCAサイクルを回すことによって、会社においては、ドライバーにエコドライブが身につき、安全運転が醸成され、燃料コスト削減につながります。社会には、CO2削減、安全運転による安全確保が保持されることとなります。
資料8ページを御覧ください。ここでは実施しているセミナーのコンセプトを記載してございます。具体的には、会員はいろいろな荷主がいるため、この荷主は千差万別であり全て異なることから、その荷物に合った教育を行うこととしています。そして、一方的でなく、少人数制による対話形式で行うこと。さらには、燃費結果表と照らし合わせながら、現場で発生した課題の解決を目標としてございます。
資料10ページを御覧ください。これはセミナーの実施風景でございます。セミナーは、オンライン参加も含め、10人前後の少人数制で対話形式で行っています。これは各参加者が発言する機会を持つとともに、参加された皆さんのたくさんの意見を聞くことにより、参考として比較し、よい情報を取り入れることにつなげていくところでございます。
資料11ページを御覧ください。これはセミナーで提供する資料、リーフレットの例でございます。セミナーに参加した方々が持ち帰り、各社のドライバーに対して行う教育のためのリーフレットでございます。毎回、各テーマについて作成し、概要を分かりやすく説明するとともに、ポイントを示すことで、ドライバー教育に役立てることとしているものでございます。
また、資料12ページを御覧ください。上段は、提出された運行管理表を基に返信される燃費結果表と、下段は、セミナーで使用する配布用リーフレットでございます。季節に応じたタイムリーな情報や、右折時には歩行者、左折時には自転車に注意など、事故速報に絡めた注意事項をまとめた資料などを用意し、配布しているところでございます。
資料13ページを御覧ください。冒頭申し上げました継続的なエコドライブ活動を実践することにより、環境優良事業者として、信頼性の高い運送事業者へ転換することや、実践を促すことを目的として、グリーンプロジェクト参加事業者としてステッカーを作成し、車両後部、右下部に貼り付けることとしてございます。令和8年3月末時点において、546社、1万8,840台が参加しております。これは東京都内の営業用貨物自動車が、この時点で9万9,961台であることから、約20%の車両が参加していることとなります。
グリーン・エコプロジェクトは、昨年度で19年実施してまいりました。本活動による効果といたしましては、資料14ページを御覧ください。開始から毎年、平均燃費向上率は18.2%であり、また資料15ページを御覧ください。燃料の削減量は約13.5万kl、CO2削減量は約35万480t-CO2となってございます。なお、交通事故低減率は25.8%でございます。
資料にはございませんが、グリーン・エコプロジェクトは、これまでに国連エコドライブカンファレンスにおいて、2014年、15年、16年にその取組について紹介してまいりました。また、平成19年には地球温暖化防止活動環境大臣表彰において、環境大臣賞を受賞し、平成21年には東京都環境表彰における知事賞、平成27年には交通関係環境保全優良事業者等国土交通大臣表彰、令和5年には第2回クルマ・社会・パートナーシップ大賞において、SDGs貢献賞を受賞いたしました。その他、数多くの賞をいただいているところでございます。
一方で、課題も見えてきているところでございます。具体的には、グリーン・エコプロジェクトは当協会の主たる施策であるものの、この参加者は全会員の20%ぐらいにしかならないということ。また、走行管理表への記載は手書きによることが理想であるものの、システムへの入力作業に多大な時間と経費がかかり、予算を圧迫している状況でございます。今後、これらへの対応が必要と考えているところでございます。
次に、16ページを御覧ください。当協会では、環境性能にすぐれた次世代トラックの導入として、CNG、ハイブリッド、電気、FCトラックへの導入に関して助成制度を設けてございます。また、エコドライブマネジメントシステムやドライブレコーダー、リトレッドタイヤへの助成事業も実施しています。
次世代トラックの導入に関する助成制度につきましては、限られた予算での執行のため、膨大な経費のかかる次世代トラックの導入については、十分な助成ができている状況ではございません。しかしながら、次世代トラックの導入に関し、大手の運送事業者が導入している中で、何らかの施策に通じることがあるのであれば、中小企業の意見が反映されなくなってしまうことが心配されるところでございます。当協会の会員は、中小企業が主たる会員であることから、次世代トラックの導入が1台でもできるよう、会員に対して国や東京都、LEVO等の助成内容も併せてお知らせすることで、普及促進及び施策への対応に貢献したいと考えているところでございます。
また、CNGや水素ステーションの設置場所は、東京の東側、臨海地区に集中しており、必然的に西側の地域での導入は難しい状況でございます。たとえ高額なCNG車、FC車を導入できたとしても、東京都から一歩外に出ると、ステーション数が極めて少ない県もあることから、短距離やルート配送でしか使うことができず、またステーションにおいて燃料を満タンにしても、一旦帰庫することで満タンではなくなってしまうことから、インフラ整備が必要と考えているところでございます。
さらに、EV車専用の充電設備におきましても、乗用車用の設備が充実してきたと感じるところではございますが、大型車用の設備が少数であることから、EV貨物車の導入が進まない要因でもあると考えます。このようなことにおける改善や導入をお願いしたいとも考えております。
直接関係ないことへの発言となってしまいましたが、まとめといたしまして、管理者がセミナーに参加し、プロジェクトの意義をよく理解し、全ドライバーの走行管理表による教育が徹底されれば、エコ安全ドライブの効果はさらに高まると考えています。トラック燃費向上によるCO2削減を目指して、エコドライブの普及促進を図ってまいりましたが、グリーン・エコプロジェクトの参加事業者は、エコドライブ活動によって管理者の管理能力が向上し、組織の体質が強化され、個々のドライバーの意欲が向上し、環境保全に対する意識が高まっていると考えています。
さらに、近年、再発が危ぶまれております不正軽油の使用について、グリーン・エコプロジェクトの参加社には、決して不正軽油を使用する者はいないと断言いたします。昨今の車両価格やエネルギーコストの上昇、人手不足の深刻化といった経営環境の厳しさは、依然として続いており、トラック業界を取り巻く状況は大きく変化していると認識しているところでございます。とりわけ当協会の会員の多くを占める中小規模の事業者にとっては、環境対策を進めるに当たっての負担が一層大きくなっている状況でございます。現在、本委員会において、自動車排出ガス総合対策の在り方について検討いただいておりますが、今後検討を進めていくに当たりましては、こうした現場の実態や環境変化を十分に踏まえてご検討いただきたいと考えております。
説明は以上でございます。ありがとうございました。
【飯田委員長】 中里様、ありがとうございました。
それでは、ただいまの東京都トラック協会様のご説明について、ご質問あるいはご意見ございましたら、よろしくお願いします。
織委員、どうぞ。
【織専門委員】 織です。ありがとうございます。
本当にこの委員会が始まってから、トラック協会さんがすごく頑張ってくださっていて、当初は、どちらかというとCSR的な観点だったんですけれども、エコドライブを推進することによって事故率が下がっているということもあり、積極的に進めていただいている施策の一つだと思います。
さはさりながら、実際にかなり物流が圧迫されている中で、それぞれの運送業者さん、また、先ほど草鹿先生もおっしゃったように、中小企業が多いという中で、こういったプラスのことをさせるというか、運行管理表の記入例ですとか、いかにいいことだといっていても、実際に営利とどれぐらい結びつくのかというところもあって、実施に対する強制力じゃないですけど、実行力というか、その辺の普及といいますか、課題的なものとか、どうなんでしょう。ちょっと聞きにくいことなんですけど。
【中里オブザーバー】 ご質問ありがとうございます。ご指摘のとおり、私ども、主たる施策なものですから、会員皆さんに参加していただきたいというのが本来の考え方でございます。しかしながら、先ほど申し上げたとおり、会員20%が参加しているというところでございまして、参加率のアップを今いろいろと考えているところでございます。前回の委員会におきましても、同じ内容で発表させていただいたところでございます。そのときにも、インセンティブは何かという話をいただいたんですけれども、なかなかインセンティブ自体を設けるということが難しくて、例えば表彰関係ですとか、そういったものは今、設けてやっているところではございますけれども、テーマといたしましては、今、先生からご指摘がありましたとおり、いかにして参加率を上げるかというのは、一つテーマということで今考えているところでございます。
以上でございます。
【飯田委員長】 織委員、よろしゅうございますか。
【織専門委員】 今のは、いかに促進するかというお話なんですけど、もう一つは、この取組が実際に削減につながっているかどうかのデータがいかに集められるのかなというところなんです。
SOx、NOx、CO2のほうは多分やっていらっしゃると思うんですけれども、いわゆる健康被害に直結するようなところについても効いているということがあれば、逆に別の面から東京都の補助ですとか、そういうのを引き出す可能性もあると思うんですけれども、効果を定量的にある程度データを集めていって、そういったものもあれば、施策的には推していけると思うんですけれども。
【中里オブザーバー】 ご質問ありがとうございます。CO2に関しましては、走行距離と係数を基に計算できるかと思うんですけども、NOx・PM効果の件につきましては、なかなか難しいところがございます。また、私どものところでは、実際に走行しているドライバーが運転してきたものを基にしてのものなものですから、そういったことを考えますと、今、先生からご指摘いただいたようなNOx・PMというところの視点というのは、なかなか難しいのかなと考えているところでございます。
【織専門委員】 ありがとうございます。
【飯田委員長】 ほかにいかがでしょうか。
グリーン・エコプロジェクトと、エコドライブ、あるいはエコドライブ活動を積極的に推進していただいているところです。エコドライブ活動はエコモビリティ財団さんが事務局となり、東京都トラック協会、全日本トラック協会、国交省、環境省、警察庁、学識経験者らが参画し、早稲田大学の大聖先生が委員長として展開してきました。環境省も環境大臣賞を設けていただいております。
最初は、エコドライブそのものを表彰しようという考えがあったのですが、いや、そうではなくて、運転に従事する方々がエコドライブという行為を、元気よくいつまでも安定して継続できる仕組み作りを、エコドライブ活動と名付けて、その活動を実践する事業者の活動そのものを表彰することになりました。各事業所では、イベント、講習会、勉強会、ドライバーの表彰を行うなど、いろいろな工夫が生まれました。そしてコンクールに応募された中から、優秀な事業者には、たとえば優秀賞、環境大臣賞、国土交通大臣賞として表彰をします。受賞者は、エコ・ドライブ活動の取組内容を講演で発表してもらうルールにして、手の内を明かしていただきまして。結果として、他の事業者の方も、これはうちでも使えるとか、これはうちでは駄目だけど、こう工夫すれば役に立つ、みたいなことで。有益な方法や手法が公表されることで、全国に広まりました。
大聖先生が論文に書かれた今日の資料である論文には、エコ・ドライブ活動を導入すると、燃料消費量の減少だけでなくて、事故の件数および程度が減ることが分かりました。そうであれば、事故減少の効果について調査してまとめて、大聖教授が事務局の担当者と共著で自動車技術会に論文投稿されました。
燃費は必ず10%ぐらい減りますし、事故のほうも10%以上、平均すると減っていくということが分かりました。
はい、織委員、どうぞ。
【織専門委員】 私、保険会社に勤めておりまして、フリートの保険料の算定において、事故率というのは非常に大きなポイントなんですけれども、例えば化学業界でレスポンシブル・ケアをやって保険料率を下げてほしいという検討を20年ほど前に経産省からお願いされたことがあるんですけど、要はこの行為と事故率が下がっていることの因果関係が明確になるある程度のデータがないと、保険料率を下げられないんですね。ただ、もし今、大聖先生の研究等って、本当にある程度事故率低減に寄与しているみたいなデータがあれば、保険料率の低下というものというのは、結構大きなインセンティブになるのかなという新たな保険の構築みたいな、算定のということも一つの方法としてはあり得るのかなと、今お話伺っていて思いました。
【飯田委員長】 織委員、ありがとうございました。
事務局の財団のほうから保険会社とも情報共有があると良いということがヒントになりました。ありがとうございました。
ほかにご意見、ご質問はございませんか。
ないようですので、3番目のヒアリングに進めさせていただきます。また質問があれば戻っていただいても結構ですので、よろしくお願いいたします。
ここで、全国公害患者の会連合会の皆さんに会場に入っていただきます。少々お待ちください。
(入室)
【飯田委員長】 それでは、全国公害患者の会連合会からのご説明をお願いいたします。
【早川弁護士】 どうも弁護士の早川と申します。
今日は、こういう機会をいただいて、本当にありがとうございます。
私の経歴も含めて、ちょっと自己紹介しておきたいんですけども、私は昭和53年4月に弁護士になりました。それで当時、その年の4月に起こされた西淀川の大気汚染公害裁判に被害者側弁護士として関わりました。その年の7月11日だったと思いますけども、NO2の環境基準が緩和されたということがありました。それ以後、公害健康被害補償法の指定地域解除の過程もつぶさに関わってまいりました。そういう立場からご意見を申し上げたいと思います。
私、気候変動問題についても、これまで28回のCOPに参加してきました。そういうことも含めて、ちょっとご意見を申し上げたいと思います。
NO2の環境基準について、最初に発言したいんですけども、NO2の環境基準は、従来0.02だったということはご承知のとおりですね。日平均値で。それが0.04ないし0.06のゾーンということになって、環境基準には、ゾーン内、またはそれ以下であることというふうに書かれております。ということは、0.04をクリアすればいいということではなくて、それを維持し、それ以下にするというのが環境基準には含まれているというふうに理解しています。0.06ppmを超える地域については、7年間で達成しろということになっていたと思いますけども、それは到底達成できなかった。実は昭和54年の7月末に、大阪に当時の大気保全局長、山本さんとおっしゃいましたけども、来られて意見交換しました。そこで山本さんが年平均値0.03、日平均値0.06については、私は説明できないという文書を作られて、そこに署名されました。1週間たたずに、かかりましたけども、そういう経験をしてきました。だから、私は環境基準については、そういった立場でずっと関わってきました。今でも0.02が正しいというふうに思っています。
大気環境の現状についてですけども、確かに道路沿道も含めて大気環境は改善されてきたんです。私が関わっている大阪西淀川区でも、道路沿道測定局を含めて、NO2もSPMも、実はPM2.5も環境基準を達成しています。しかし、国交省と毎年道路対策について連絡会を開催していますけども、国交省は、なぜ下がったのかについてはよく分からないという回答をされますね。この連絡会というのは、西淀川公害裁判が最後に和解しました。5,000万円ぐらいの賠償金を我々のほうは放棄するということを条件に、毎年道路問題についての意見交換会をやるということでずっと続けています。その中で、大気汚染の状況についても意見交換するんですけども、なぜこうなったのかについては、明確にはよく分からないと。多分、実際上、交通量はそんなに下がっていないんですね。単体規制がかなり進んできたと私は思うんですけども、その年の気象条件もいろいろあると思いますけども、私はやはり、なぜ改善してきたかはちゃんと検討すべきだと思っています。そうでないと、今後の見通しも立たない。対策も立たない。もし交通量が減ったために下がってきたならば、交通量が増えたら、また元に戻っちゃうわけですよね。単体規制でしたらば、それはそれで維持されるんでしょうけど。そういったことをちゃんと対策を前提として検討してほしいというのが大気汚染の現状についての意見です。
それから、もう一つは、大気汚染公害被害者についてですけども、大気汚染の環境基準を考える上で、やっぱり弱者というのが非常に重要だと思っています。認定患者のかなりの部分が老人であり、子どもたちですよね。だから、そういう意味では、大気汚染に対する弱者を考えなきゃいかん。とりわけ大気汚染公害被害者は、健常に比べて何十倍もの感受性を持ってしまう。はるかに低い濃度で反応してしまうということが起こると思っています。そういうことのために、環境基準なんかを考える場合に、やっぱり安全率が検討されるべきだと思います。かつては、やはり2分の1ぐらいの安全率を考えたと思います。発がん性だと、もっと高いと思うんですけどね。だから、そういったことをぜひ考えた上で、いろんな対策を検討してほしいというのはお願いです。
それから、最近、光化学スモッグの環境基準の見直しが行われましたけども、私どもも意見を出しましたけども、これは大幅な緩和だと思っています。基準値自身も緩和されましたけども、8時間平均ということになって高値が平準化されてしまうという意味でも大幅な緩和だったと考えていまして、反対したんですけども、結果的にそうなってしまいました。
それで、問題は、光化学オキシダントは、なぜか全然改善していませんで、全国的にね。そういうことをどう考えるか。光化学オキシダントが既にぜん息などの呼吸器疾患に罹患している被害者の皆さんの健康を考えると、やはりこういった大幅な緩和というのは、私どもとしては容認できないという意見。
あと、測定局についても、この間、報告書(事務局注:「地方分権改革に関する地方公共団体からの提案に係る事務処理基準の見直しについて」https://www.env.go.jp/air/osen/monitoring_review.html)が出ていたと思うんですけども、私は安易に測定局が削減されるべきではないという考え。大気汚染というのは、やっぱり地域によって特色がありますので、激甚地もある。とりわけ道路について見れば、この交差点が非常に濃度が高いとかというのがあるわけですね。だから、そういうふうな定点において継続して観察することが非常に重要だと思う。場所が移動したりすると、比較ができなくなってしまうということがあると思います。
私は気候変動問題もやっていますので、最近、1948年からずっとマウナ・ロアでキーリングさんが観測してきた二酸化炭素の測定局をトランプさんが廃止にしようとした。予算をつけなかったという。予算は復活したようですけどね。それで、あれもずっと物すごく苦労してキーリングさん親子が測定してきたことが、今の世界の気候変動問題にとって非常に大きな要因になって役立っているということがあると思うんですね。だから、そういう意味では、それと即比較しようとは思いませんけども、やっぱり一つの場所で継続して測定していくということの意味は非常に大きいと思います。
とりわけ道路沿道の測定局については、やはり物すごく場所によって特色がありますからね、激甚とそうでないところで。そこのところはきちっと考えて、測定局の検討については、自治体任せにするのではなくて、環境省もきちっと自治体との協議、それから監督をしてほしいというふうに思っています。
あと、気候変動問題との関係ですけども、日本も世界も、運輸部門からの排出が総排出量の約20%を占めている。これは気候変動対策にとっては非常に大きな要素ですよね。それで、自動車公害対策と気候変動対策というのは共通していると思っている。自動車公害対策で交通量が減れば、その分だけ温室効果ガスの総量も減る。電気自動車になれば、その分減るということですから、共通していると思っています。だから、自動車公害対策というのは、気候変動対策としても極めて重要だということをぜひ認識していただきたい。そして、その上での道路沿道対策も考えてほしいというのが意見です。
それから、自動車NOx・PM法の指定地域解除についても、今後検討するということのようですけども、これは極めて重要な法律だと思っています。大気汚染が深刻な大都市圏において、自動車から排出されるNOxとPMの総量を減らして、空気をきれいにするための法律。総量規制というのは非常に重要だと思っています。
そして、もしこれを検討される場合には、大気環境の改善傾向の要因についての十分な解析、検討がなされるべきであると同時に、やはり健康被害状況の疫学調査というものがきちっとなされて、被害者の状況も把握してほしいと思っています。
ここには書きませんでしたけども、正直言って、最近の環境省の疫学調査に対する考え方は、私は大きいと思っている。
私、今、水俣病裁判にも関わっているんですけども、疫学というのは、最近のEBMといいますけども、証拠に基づく医学、それから発がん性の問題についても、疫学調査が最も重視されるということです。疫学調査の中には、必ずしも効果を表さない調査があったとしても、メタ分析といいますけども、全体としてそういう方向性があるならば、それはそれで尊重して影響を考えていくべきだと私は思っている。そういった視点が最近の環境省の水俣病に対する答弁についても、この間の光化学スモッグのときにも、やっぱりそこがちょっと我々と見解が違うなと思っていまして、もう少しきちっと検討してほしいので、意見があれば意見として、我々とも意見交換してほしいと思っています。そういうことをぜひ今後対策に当たって、委員の皆さんには検討してほしいなという意見です。
以上です。ありがとうございます。
【飯田委員長】 早川さん、どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの全国公害患者の会連合会からのご説明につきまして、ご意見、ご質問ございましたら、委員の皆さんからお願いいたします。
草鹿委員、どうぞ。
【草鹿専門委員】 どうもありがとうございました。
幾つかちょっと、素人なのでお伺いしたいんですけれども、まず交通被害の公害ということで、どういう症状とか症例があるのかということと。
それから、本会に入会している会員数というのは、多分、被害を受けられた方の何%かであって、交通関連の方がどれぐらいの会員数がおられるのかというのと、それというのは潜在的には、会に入られていない方も含めるとどのぐらいの人数がいらっしゃるのかというのと、すみません、たくさん聞いて。みんな多分ここのメンバーは、ゼロにしたいと思っているメンバーが今日は多いふうにお伺いするんですけれども。あとは地域によって違いがあるとかという、この辺りをもし分かれば教えていただきたいということです。
【全国公害患者の会連合会 事務局長 増田氏】 全国連合会の事務局長をしております。私、東京の患者会の事務局長をしていまして、東京でぜん息を発症した人間です。
今、本当に全体的に公健法のほうの患者さんが3万人を切るかどうかというような状況ですけれども、今、私たちが運動を中心的にもう一つやっているのが、未救済の患者さんということで、公健法が新規申請を打ち切った後にできた患者さんを救ってくださいというふうなことでやっているわけです。もう公健法で全国で入っている患者さんって本当に減っていて、今、全国のどこの患者会でも本当に存亡の危機というか、高齢化でなかなか跡を継げる人もいない。それと同時に、やっぱり新しい患者さんというか、会員を迎えるために、かつて我々はいろんな病院を訪ねて、会の拡大をやっていたわけですけれども、実は個人情報保護法ができたために、会員さんの名前とか、そういうのが一切医療機関から情報として提供されなくなったために、ほとんどもう新規の患者さんを迎えることができていない。
東京ですけれども、東京は大気裁判をやって、もう大分になりますけど、2008年から東京の制度というのがスタートしていますけれども。東京の裁判、高裁和解で結局、東京全域のぜん息患者を医療費の無償化という形を勝ち取りました。あのとき、知事が石原都知事で、皆さんもご存じでしょうけど、ペットボトルの黒い煤を見せて、これがまき散らされているんですと。それで、実はあの人たち、環八沿いに住んでいて、お孫さんがやっぱりぜん息患者だったんですよね。そういうこともあったのかなというふうに思います。
そういう形で、東京は、要するに上告しないということで、東京に制度を作るという画期的な和解をしたわけですよね。今でもまだ全体の患者、3万人ぐらいいます。都条例の患者がですよね。
実は、もう10年ぐらい前になるんですけれど、東京都の制度も新規認定をやっぱり打ち切らざるを得ない。要するに、資金が枯渇したわけ。裁判和解したときに200億も基礎のお金を作って、自動車メーカーと東京都と、それから東京都の高速道路公団、あそこも入って作ったんですけど、資金がやっぱり5年で枯渇したという。
ただ、そのときに私たち、一生懸命運動して、そしてまた東京都の全ての医師会に要請行動をかけました。東京都、いっぱい医師会あるんですけれども、そのときに50を超す医師会が賛同してくれまして。要するに、この制度ができたことによって、ぜん息患者さんがとにかく非常に症状も安定して状況がよくなったということで、それをお医者さんですから、感じていますよね。
そういう中で、それだけの医師会が声を上げたということで、自民党会派、全ての会派が賛成して、制度は存続できたんですけれども、残念ながら新規認定が打ち切られてしまう。一番ピーク時で9万人を超しました、患者さんは。今、3万人に減っていますけれども、ピークでは9万人を超しました。
それと、残念なことに18歳以下の子どもの患者さんが、今度は、だから18になると打ち切られてしまうわけですよ、制度がなくなったために。18までの子どもの制度というのは、いまだに活きています、東京都は。18歳までの子どものぜん息の医療費はただになっている。ただ、今、子どもの医療費の無料化という形が全国あちこちでできて、そういう形でどんどん人数は減っているんですけれども、残念ながら、そこから中等症、要するに重症、そういう方たちが相当数いて、その人たちがそこで打ち切られてしまうわけですよね。それはやっぱり我々としては大きな問題だというふうにして、全国にやっぱり制度を作りたいなということで進めているわけです。
それで、道路の沿道公害ですけれども、私も50歳で発症したんですよね、今75歳ですけれども。息子はもう小児ぜん息でずっとかかっていましたけど。50歳で発症して、それで今の会に誘われて入ったわけですけど、その中でやっぱり気がついたことは、自分が今まで住んでいた場所は、どんな場所に住んでいたのかということですよね。息子は、もう小児ぜん息でひどかったですけれども、息子がやっぱり江東区に住んでいて、橋の際のところの交差点のところに我々は住んでいたんですよね。そうすると、夜中になるとトラックが急ブレーキをかけると、アパートが揺れるような、そういうふうな。すぐそばだったんですけどもね。やっぱりそういうところに住んでいたのが大きな原因かなと。
それと、今、東村山に越しましたけれども、ちょうど私が住んでいるのは、新青梅街道と府中街道の三角地点に挟まれた場所に住んでいて、よくよく後から聞いてみると、その近くではずっと小児ぜん息が非常に大きく発生している場所だというふうなことで、やっぱり道路沿道というのが何だかんだ言ってもひどい状況でした。私は東村山に引っ越しても、家のベランダの手すりは毎日拭かなきゃならないほど、黒い煤、べっとりする煤がついている状況でした。しかし、今は相当、もう本当に汚れなくなっています。それだけ車の性能がよくなったんだというふうに思っています。
それと、東京都がやっぱり大きかったのは、東京都から始めた、要するにトラックの進入を止めましたよね、はっきり言って。環八なんかも止めています。それがすごく東京都の場合は大きな効果があったんだと思っています。
それと、私たち、道路沿道だけじゃなくて、面的汚染が進んでいるんだということを主張していましたけれども、東京都の制度も要するに管理予測ですよね。意外なことに、国立市がすごく多いんですよ。三多摩のあんなに多い文教都市で、そんなに車も走っていないだろう、なぜだろうというふうに考えてみると、あそこは中央高速が抜けているんですよね。中央高速、ご存じのように、朝の6時からもう渋滞始まっていて、すごい状況ですけれども。やっぱりそういう道路の影響というのは大きいんだと思っています。我々、PM2.5をすごく重視して、私たちの裁判の後にPM2.5の基準が作られました。一生懸命運動して。やっぱり小さくなればなるほど遠くへ飛んでいく。簡単には沿道で重くてすぐに落ちるような代物ではないというふうなことを私たちは思っていますけれども。
それと、全国でやられていますけれども、大気汚染の測定運動というのがずっとありまして、もう長いことやられているんですけれども。東京の場合、我々も参加してやっているんですけれども、やっぱり患者さんの自宅というのは、全体の平均より常に高く出るんですよ、患者が住んでいるという場所は。だから、やっぱりそれは何か関係があるんだなというふうに思っています。
それと、やっぱり感受性が強くなる。本当に私も今、こうやって声枯れているのは、薬のせいで声枯れているんですけど、何種類か変えているんですけど、やっぱり私の場合は、この声枯れは収まりませんね、はっきり言って。あとは、やっぱり激しい運動はなかなかできないというふうなことで、そういう意味では、本当に道路沿道の基準というのは、簡単に緩めるものではないということと。
それと、やっぱりこれだけきれいになってきたのは、それなりにメーカーさんも努力をしてよくしてきた。だからといって、じゃあここでやめていいんですかということですよ。我々は0.2を求めていっていますしね。
やっぱりどうしても経産省との絡みで、環境と経済の調和を図るというふうな、こういうことを言われていますけれども、環境庁が、公害国会になって作られたときに、一番最初に議論されたのは何かといったら、そこの問題だったと思うんです。
経済と環境の調和を図るというふうに言っていたのを、それでこういうことも起きてしまったではないのと。だから、どっちを優先するというふうに考えるんですかと。要するに、調和を図って間を取るんですかと。やっぱり環境を守って、人間の健康を守ることが第一じゃないですかという議論で始まったはずなんですよ。ところが、ここ何年かの議論を聞いていても、必ず経済の関係の方から出てくるのは、経済と環境の調和だということをまた言い出しているということで、すごく気にしています。
やっぱり我々としては、環境を守る環境省であってほしいし、また、この委員会の方たちも、そういう方向での議論をしていただきたいなというふうに思っております。
以上です。
【草鹿専門委員】 どうもありがとうございました。
【早川弁護士】 若干、病気について補足しますけどね、これは公害健康被害補償法に規定されているのは、ぜん息と慢性気管支炎と、それから肺気腫ですよね。
ぜん息というのは、発作性の気道の収縮です。要するに、気道というのは空気が通る道ですよね。1本が2分割して、大体22か23回ぐらい分割して、最後は肺胞という袋に入る。そこでガス交換するわけですけども、この気道が刺激によって収縮してしまうのが、ぜん息だと。
患者さんと話していますと、要するに呼吸ができなくなるんですよね。息が吐けないという言い方しますね。吸えないんじゃなくて吐けない。
それで、慢性気管支炎というのは、持続的なせき・痰症状。2年間2か月以上という定義がされていますけども、そういうすごい痰なので。痰が出るからそれを吐き出すためにせきをするということなんですね。
肺気腫になると、もう肺胞が壊れますから、しぼんだぶどうの房みたくなって、呼吸ができなくなる。となると、もう本当に、2階になんか全然上がれなくなりますね。歩くのもできなくなる。そういったひどい患者さんが、今は少なくなりましたけど、正直ね。私が大気汚染に関わっていた頃は、何人か亡くなりましたから、担当した患者がね。
今、WHOが言っているのは、世界で800万人の大気汚染被害者がいる。これ、室内汚染も、それから大気汚染被害も含めてということになっていますけども、相当な数、まだいらっしゃる。そういうこともありまして、日本がどのくらいかというのは、やはりきちっとした疫学調査をやらないと分かんないですよね。そこら辺も含めて、今いろんな対策を考えてほしいというのが私の意見ですけども、大体私の知る限り、私も素人ですけど、弁護士ですから、化学よく分からないし、医学も分かんないけども、大体我々が理解しているのはそういうこと。
【草鹿専門委員】 どうもありがとうございました。
【飯田委員長】 大久保委員、ご発言をお願いします。
【大久保臨時委員】 本日は、患者会から貴重なご意見をありがとうございます。
指定解除に当たっては、もともとこの検討会におきましても、地元あるいはステークホルダーの理解がいただけるようなきちんとした説明責任を果たすこと、そしてまた合意形成の重要性ということが指摘されてきたところでございますけれども、本日は、その一端の一つとして、国レベルでの意見交換、意見をお伺いする機会であったというふうに、それ自体が大変重要なことであると評価しております。
先ほども患者会のほうから、今後もこうした意見交換の機会が重要であるというご意見が出ましたし、また国だけではなく、関係都府県におかれましても、そうしたことをプロセスとして重視していくことが指定解除の一つの必要な要件であるということを改めて確認したいと思います。
本日のお話では、それぞれ情報収集のところでは測定局の問題、それから分析のところでは、健康影響分析、削減の要因分析と対策の問題と三つそれぞれに分けてご指摘をいただきましたけれども、私から質問としましては2点ございます。
一つは道路連絡会のお話がございましたが、対策側で連絡会で提案されてきたことの中で、なかなか実現が難しかったことで、ぜひ実現してもらいたいと思っていることがあれば、これは環境省所管事項とは限らないと思いますが、何かありましたら、ご指摘いただければと思います。
それからもう一点は、調査の件で、疫学調査の方法等について、ご意見がございましたけれども、水俣はともかくといたしまして、大気に関しまして、エコチル調査、ずっと続けてきておりますけれども、こうしたことの活用について、あるいは何かご意見がありましたらお伺いできればと思います。
以上、2点です。
【早川弁護士】 よろしいですか。私たちが道路連絡会でお願いしていることは、基本的には交通量を減らさないと汚染は減らないと思っていまして、そのための、とりわけ大型車両の規制ですね、夜間の規制とかいろいろありますけども、それを何とかしてほしいというふうにお願いしています。
それと、その一つの指標としてロードプライシング、これは実は大阪地域ではロードプライシングが行われて、私はそれは一定の効果があったと思うんですけども、要するに高速道路といっても、交通量がそこで減るわけないけども、非常に海側に高速道路があるので、やっぱり汚染は減りますからね。そういうためのロードプライシングというのは行われていて、それはもうちょっと金額を上げてもらえれば、もうちょっと効果があるんじゃないかとお願いしているんですけども、なかなか資金的な問題もあって難しいわけですね。関東のほうはまだやられていないみたいですね。
だから、とりわけ大型車の交通量を減らすということが重要だと思う。よくバイパス作るんですけどね、渋滞対策でね。大体あれ、一定期間やると、またそちらも満杯になっちゃう。利便性があればそっちに行きますから。だから、そういう意味では、基本的な抜本的な交通対策というのは、道路構造を変えていくというか、大きな道路を作らないとかいうようなことでやるしかないんだろうと思っていますけども、そういうことをぜひ対策として考えてほしい。
今の時代ですから、大阪では五十日払いとあって、5日と10日にわっと集金に回るんですよ。それをなくすだけでも随分変わるだろうなと思って、そういうお願いもしているんですけども。そういった、やっぱり交通量を減らす対策法が一番重要で、その一つがロードプライシングという方法だと思っています。
以上です。
【増田氏】 ロードプライシングなんですけれども、東京の場合はロードプライシングでやりようがないんですよ。どこに逃がすのということなので。どこに逃がしても詰まってしまうということで。ただ、今、東京の道路連絡会に警視庁とよく話をしているのが、警視庁も努力をして、激甚交差点からほかのルートにトラックを逃すというふうな努力も非常にしていただいていて、結構これについては効果が出ているのかなというふうに思っています。
それと、今私たちが重視しているのは、やっぱり交通の手段を変えていただきたいということですよね。車から公共交通機関に、そしてまた自転車にということで、自転車道を整備するというふうなことも今東京は力を入れて、国土交通省と東京都とやっています。自転車道をもっと整備してもらいたい。
ただし、今の日本の道路事情からいうと、非常に厳しいですよね。ただ、法律まで作ったのにかかわらず、なかなか自転車道が作られて行かないということと、それと、この4月から始まった青切符問題ですね、これでやっぱり、もっときちんとやってもらいたいということをやっているんですけど、今、多分国交省と警察庁と話合いを進めているんでしょうけれども、とにかく自転車道を作ってもらいたいというふうなこともやっています。
いずれにしても車を減らすというふうなことと、それと、やっぱり自動車の電動化を急いでもらいたいということです。やっぱりきちっと政府のほうで電動化の強い方針を出さない限り、なかなか進まない。残念なことに、EVのほうから日本の自動車メーカーが手を引き出したようなニュースも昨今聞かれるんですけれども、ちょっとそこも気になっているところです。環境省のほうとしても、イニシアチブを発揮していただいて、電気自動車の普及に力を入れていただきたいなというふうに思っている次第です。
以上です。
【大久保臨時委員】 ありがとうございます。
今までの経緯を踏まえたいろいろな貴重な情報をいただきました。もしエコチル関係の活用方法についてご意見がありましたら、お答えいただいていない部分だと思いますので、もしありましたらで結構ですけれども。
【増田氏】 エコチルで随分貴重なデータが随分出てきているんですけれども、なかなかそれが私たちのほうの全体をつかむ方向に出ているのかなというふうに思っているんですけど。あれだけやっぱりこういうエコチル調査のようなことをさらに広めたものを、特に私たちのぜん息関係に向けたデータをもっと収集していただきたいなとも思っています。
【大久保臨時委員】 ありがとうございました。
【飯田委員長】 大久保委員、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
森川委員、お願いします。
【森川臨時委員】 森川です。貴重ないろいろなご意見をありがとうございます。
私も非常に賛同する部分も幾つかございますし、分かっていないところもありますので、ちょっと教えていただきたいのが、新規の会員さんというんですか、公害患者さんの会員はすごく減っているということと、新規の認定はもうできなくなったというのは、これはどうしてなのかというのが一つと。
あと、やっぱり疫学調査はすごく大事だと思っていて、濃度が下がりましたと。それでもやっぱり、そういうぜん息の患者さんとかはまだ新規に発症されることもあると。疫学調査って非常にセンシティブな部分もあって、私たちが例えば研究しようと思っても、なかなかデータも入らないと。そういうことで、やっぱり国のほうで疫学調査をもう少しやれるといいのかなというのは感じておりまして。今までもこれからも、そういう意味の疫学の気管支炎ですとか、そういう関連の調査というのはされていますかということと、例えば3歳児、6歳児のサーベイランス調査がございますけども、それとNOx・PM法とかの関連みたいな調査はされていますかと。これは患者さんのほうではなくて、ちょっと環境省さんのほうにもお聞きしたいと思うんですが、その2点です。
【増田氏】 実は、私は患者会の立場で、原告の立場に立って物をいいますけども、NO2が緩和されて、基本的に空気がきれいになったという宣伝がされました。もう今出ている大気汚染被害者は、ニセ患者だという宣伝がされましたね。それが指定地域解除につながっている。それで、88年の3月末をもって新規の認定をしなくなった。
だから、そういう意味では認定患者は増えなくなったわけですね。ただ、従来の認定患者については、対策を維持するとなったのが87年の国会だったんですね。それで、その頃からは新規患者さんは全然いなくなったから、どんどん減っている。
ただ、さっき東京都の話がありましたけども、裁判もやっていて、自治体レベルの救済というのはされたところもあった。だから、そういう意味で認定患者は、もう今は増えることはないんですね。
【大森水・大気環境局長】 すみません、ちょっとそこは環境省が補足させていただいてもよろしいでしょうか。
もともと公害健康被害補償法という法律がございまして、そこですと、一定の地域で大気汚染、その時点ではSOxに結構着目していましたけれども、そういう地域で大気汚染が非常に激しかったことをもちまして、一定地域で、さっき早川さんがおっしゃいましたが、ぜん息とか、慢性気管支炎とか、そういう疾病にかかられた方は、原因のいかんを問わず、公害健康被害補償法で認定をされて補償が受けられるという制度ですね。基本的には補償費と医療費を負担させる。その負担については、全国の工場、それと一部自動車重量税からの引き当てのお金によって、その補償費の財源にする、そういう制度ができたわけでございます。
その後で、だんだん大気汚染の状況が改善したということがございまして、もともとはかなりその制度が大きな割り切りによって、ぜん息というのは、いろんな議論があるんですが、いろんな原因でなり得るものではあるんですが、医学的にも見て。大気汚染の状況が非常に激しかったということをもって、かなりの割り切りに割り切りを重ねたと我々もちょっと説明、当時しておりますけれども、そういうことで指定されていたのが、大分大気汚染の状況も改善したということで、先ほどご説明のあったように、1988年に法改正があって、地域指定の解除がなされたということになります。患者会の方からは、いろいろご批判はずっといただいているところでございますけども、制度として地域指定解除がされたので、それ以降、国としては新規認定を行っていない。ただ、今まで認定された方については、ずっと補償費、医療費を支給させていただいている、こういうことになっております。
【森川臨時委員】 ありがとうございます。
ただ、1988年ですか、それ以降も結構SPMとかNOxのほうは、逆に改善されてきていたかというと、そうではないような気もするのですけれども、もうそこはそれで見直しもなかったということなんですね。
【大森水・大気環境局長】 すみません、やはりその当時のぜん息の有症率がすごく高いという、そんな状況もあったものですから、本当に割り切りに割り切りを重ねて、また、大気汚染物質の濃度について、全国的にそういうレベルになるような状況がその後あったかというと、そうではなかったので、再指定などは行っていないという状況になっております。
【平澤モビリティ環境対策課長】 すみません、先ほどお話ありましたNOx・PM法と調査のお話、あったと思うんですけれども、調査につきましては、ちょっと私、今手元に情報がないので、またしっかり勉強させていただきたいと思いますけれども。NOx・PM法につきましては、これはもう大気環境基準の確保が著しく困難な地域というのを指定して、大防法の上乗せで行っているという、そういう法体系になっておりますので、そういう趣旨に基づいて規制を行っているということであります。
【飯田委員長】 どうもありがとうございました。ほかにご質問、ご意見等ございますでしょうか。
特にないようであれば、早川弁護士さん、それから、増田さん、どうも今日はありがとうございました。
多角的な視点から、いろんなことについてお話しをいただいて、また委員からの質問に的確にお答えいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
(退室)
【飯田委員長】 続いて、3番の今後の検討の進め方ということについて、事務局から説明をお願いいたします。
【吉本モビリティ環境対策課課長補佐】 再び環境省の吉本です。
簡単にですけども、今後の流れの確認ということで、資料3のほう、まとめております。
本日は、7月9日、第2回の小委員会ということで、事業者と患者会の方々とヒアリングのほう、いただいたところでございます。
次回、また秋頃に、今度は第3回、ステークホルダーの自治体の方々ということで、関係8都府県の方々にヒアリングのほう、行うというところで、その後、取りまとめに向けた検討を進めていくというところでございます。
下に注釈もつけておりますけれども、現時点の予定ということで、審議状況によっては適宜見直しを行うというふうにしているところでございます。
私からは以上です。
【飯田委員長】 はい、ありがとうございました。
事務局からは、今日の3件に加えて、秋口頃に指定地域の各都道府県の皆様方にヒアリングを行います。各地域のご事情等についてご説明および質疑応答させていただきます。よろしくお願いいたします。
4番のその他に進めさせていただきます。その他について、事務局から説明をお願いいたします。
事務局からは特に報告事項はないということです。委員の皆さんから何か、全体の進め方等も含めて、ご意見がございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
森川委員、お願いします。
【森川臨時委員】 森川です。
ちょっと事前の説明のときも申し上げたんですけれども、ヒアリングの中に九都県市の連合ですか、ありますよね。そこの方からの意見があったらどうかなと思ったんですけど、いかがですか。
【篠原モビリティ環境対策課課長補佐】 ありがとうございます。ご意見いただきましたので、こちらでまた検討させていただきたいとは思います。
【飯田委員長】 はい、ありがとうございました。ほかにはよろしいですか。
ないようですので、これで今日の小委員会、閉じさせていただきます。本日はご多忙のところご参加いただき、誠にありがとうございました。
【吉本モビリティ環境対策課課長補佐】 すみません、事務局からなんですけども、最後ですけども、本委員会の議事録につきましては、また事務局のほうで案を作成しまして、委員の皆様にご確認いただいた後、ホームページのほうで公表をすることとしていますので、またご協力のほどよろしくお願いいたします。
私からは以上です。
本日はどうもありがとうございました。