産業構造審議会環境部会地球環境小委員会・中央環境審議会地球環 議事録

開催日時

平成25年3月29日(金) 08:30~10:00

議事録

○飯田室長  本日は朝早くからご多忙のところをご参集いただきまして、誠にありがとうございます。本日の会議でございますが、前半と後半で2つの会議がございます。まず8時半から10時までということで、2012年度の産業構造審議会地球環境小委員会、中央環境審議会自主行動計画フォローアップ専門委員会の合同会合を開催させていただきます。そこで自主行動計画の2011年度の実績などについて、ご審議をいただきたいということでございます。その後、10時10分から12時まで、産業構造審議会地球環境小委員会及び中央環境審議会地球環境部会の合同会合を開催させていただいて、京都議定書の目標達成計画における経済産業省及び環境省関連の施策の進捗状況について、ご審議をいただきたいと思っております。あわせて、最近の地球温暖化対策の状況についてもご報告をさせていただきます。
 前半の部分と後半の部分で、中環審の委員の先生方には入れかわりということでございますので、少し間をあけて入りたいと思っております。
 委員の交代でございますけれども、本日、産業構造審議会地球環境小委員会及び中央環境審議会専門委員会、ともに委員の交代がございましたが、時間の都合もございますので、名簿の配付をもってご紹介にかえさせていただきたいと思っております。
 それでは、まず冒頭に経済産業省の大臣官房審議官、環境問題担当の川上からごあいさつを申し上げます。よろしくお願いいたします。

○川上審議官  改めまして、委員の皆様方にはお忙しい中ご参集をいただきまして、ありがとうございます。
 まず、最初の部の会議につきましては、ただいま飯田からご説明いたしましたように自主行動計画の評価・検証、それと低炭素社会実行計画の策定状況などについて、ご審議をいただくということでございます。
 申すまでもありませんけれども、自主行動計画は京都議定書目標達成計画における産業部門の中心的な対策として位置づけられております。産業部門につきましては、1990年比で1割以上の排出削減を達成するなど大きな成果を上げていると考えております。この自主行動計画は今月で終わりを迎えます。今後、各業種の達成状況につきましては目標期間の2008年から2012年度、5年間の実績に基づいて評価をされることになります。自主行動計画の目標、内容は産業界の自主性にゆだねられるべきものではありますけれども、その達成が社会的に要請されていることも考えまして、皆様にご審議をお願いしたいと考えております。
 また、産業界におかれましては、自主行動計画に続く計画であります低炭素社会実行計画の策定を推進されておられます。自主行動計画策定業種には、引き続きこの低炭素社会実行計画を策定していただきたいと考えております。この新しく策定していただく計画が今後の温暖化対策の中心的取り組みとなることを、私どもとしては期待をしております。
 政府といたしましても、計画をしっかりとフォローアップしていくことが必要であると考えておりますし、その設定した目標値や新しい技術をベースにしたものであり、また最大限の導入を見込んでいることについてしっかりと確認をし、また世に説明をしていくということが必要であると考えております。ライフサイクル全体での削減、海外への貢献といったようなことにつきましても、積極的に削減ポテンシャルを提示していただくことを期待しておる次第でございます。
 委員の皆様におかれましては、各業種のこれまでの取り組みや今後の計画について率直なご意見をいただくとともに、産業界の自主的取り組みが今後も推進、評価されるようぜひお知恵をいただき、バックアップをいただきたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○飯田室長  ありがとうございました。
 大変恐縮でございますが、カメラはここまでとさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本会議の議事進行を、産業構造審議会地球環境小委員会の山地委員長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○山地委員長  おはようございます。今回から、産構審地球環境小委員会の委員長を務めることになりました山地でございます。よろしくお願いいたします。
 今、話がありましたように自主行動計画。これは我が国独自のユニークな取り組みでありまして、産業界が業種ごとに自ら行動目標を決め、その進捗状況を政府がチェックしていくという仕組みでございます。京都議定書第一約束期間、2008年から2012年でございますが、我が国は年度で行っておりますので2012年度、もうあと数日で終わりますが、まさにこの自主行動計画が終わろうとしているところでございます。ただ、この第一約束期間の中にリーマンショックがあり、東日本大震災、それから東京電力福島第一原子力発電所の事故と、いろいろ不測の事態もあって今日に至っております。そういう激変する環境の中で積極的に自主行動計画に取り組んでいただいて成果を上げていること、大変結構なことだと考えております。
 本日は2011年度、昨年度の活動についてのフォローアップでございます。重要な機会でございますので、忌憚なくご議論いただければと思っています。
 それでは、改めまして、2012年度産業構造審議会環境部会地球環境小委員会、中央環境審議会地球環境部会自主行動計画フォローアップ専門委員会の合同会議を、今から始めさせていただきます。
 今から議事に入ります。まずかなり大部の資料が配付されておりますが、この資料について事務局から一連の説明をお願いいたしまして、その後でまとめて議論をしたいと思います。
 それでは、資料の説明をお願いいたします。

○飯田室長  お手元の資料でございますけれども、分厚い資料がついてございますが、本日は資料3―1、2012年度自主行動計画評価・検証結果及び今後の課題等(案)、それから4―1の低炭素社会実行計画に関する策定状況及び今後の課題等(案)についてということで、ご説明を申し上げたいと思います。
 それでは、資料3―1を御覧ください。ここはパワーポイントでございます。
 こちらを御覧いただきまして、めくっていただきますと目次の次の1ページ目でございます。2012年度自主行動計画の評価・検証についてということでございます。
 京都議定書目標達成計画において、自主行動計画をフォローアップするということで位置づけられております。本日は経済産業省の関係する41業種の自主行動計画及び低炭素社会実行計画についてご審議いただくわけですけれども、これらにつきましては、これまで7つの業種別ワーキンググループを設けまして評価・検証を行ってきたところでございます。
 この7つのワーキンググループにつきましては、真ん中よりちょっと下の箱にございます化学・非鉄から始まりまして、電子・電機・産業機械ワーキンググループの7つございます。それぞれ昨年12月に断続的に開催いたしまして、こちらに座長の先生方を記載させていただいておりますが、取りまとめいただきまして、本日、フォローアップの合同会議に臨んでいるということでございます。
 2ページ目を御覧ください。目標達成状況でございます。
 結果概要の箱を御いただきますと、2011年度実績でございますが、2010年度に比べますと目標達成業種が少なくなっております。
 箱の下の表を見ていただきますと、 (1)で京都メカニズムクレジット活用後の排出量に基づく評価とございますが、昨年度、29業種だったのが、今年度、目標達成業種が27業種になっております。こちらは、原子力発電所の長期停止などによる電力排出係数の悪化といったような原因が主なのかなと考えられております。
 そこで (2)でございますけれども、電力排出係数を仮に電気事業連合会で目標を達成したというように係数を固定して、自らの努力が明らかになるようにしてみますと、昨年度、29業種の達成だったものが34業種の達成になっているということで改善をされております。
 さらに単年度だけでなく、目標達成期間の2008年度から2011年度までの4年間の平均で評価をいたしますと、30業種が目標を達成しておりまして、電力の係数を固定いたしますと33業種が達成しているという状況でございます。
 3ページ目には CO2排出量の推移が書いてございます。昨年度につきましては、2010年度に比べまして軒並み CO2排出量は増加をしております。電力係数を固定してみますと、そこは若干減っておるわけでございますけれども、基準年度で比べましても、やはりエネルギー転換部門や業務部門につきましては減らしているということが見てとれます。
 4ページをお開けください。このフォローアップの合同会合でいつも使わせていただいている資料でございますけれども、横軸に目標未達成か、目標達成か。縦軸で CO2排出が減ったか、増えたかということでございまして、4象限に分けて整理をしております。
 ここに書いておりますように左側が若干増えている。目標未達成のところがふえているということでございますが、下の5ページを御覧いただきますと4ヵ年平均でみております。これでみますと大分話が違ってまいりまして、目標達成業種がかなりふえているということがみてとれるかと思います。
 6ページ目を御覧ください。今回、目標未達成の業種が11業種ございました。11業種の名前と、それから目標指標、基準年度、目標水準、実績その他が書いてございます。
 この中でも CO2原単位、排出量をとっている3つの業種につきましては、右側の2つの箱に(参考1)電力係数固定と書いてありますが、こちらを御覧いただきますと、それらの業種も電力の係数を固定すれば達成できているというような状況でございます。残りの8つにつきましては、引き続き厳しい状況ということでございます。
 次の7ページ目を御覧いただきますと、この11業種につきまして今後の見通しについてヒアリングをいたしましたので、総括的にまとめております。2012年度、まだ1年残っておりますので、2012年度の排出見通しをお示しいただいて、その中で達成できるというようにおっしゃっておられる業界の方は○ということで書いてございます。達成が難しいという方は×というように書いてございますけれども、その隣の枠で今後のクレジットの調達を検討される意思があるかどうかを今年度、確認いたしましたところ、○のところはクレジットを調達してでも達成するというようなところでございます。×のところはまだ現在、検討しないというようなことでございます。
 目標の達成見通し、考え方については、右側に抜粋して記載をしてございます。いずれも CO2、電力の原単位なんかですとか、あるいはリーマンショックのもとで、生産が非常に落ち込んで原単位が悪化したようなことが未達の原因であるということを記載してございます。
 8ページ目を御覧いただきますと、これまで京都メカニズムクレジット、あるいは国内クレジットなどを、どれほどご償却いただいたということでまとめて記載をしてございます。
 それから9ページ目でございますけれども、今後の課題ということでございます。これもワーキンググループでいろいろな観点からご審議いただきましたが、まず赤い箱の1番で、目標未達成業種の確実な目標達成ということでございます。先ほど審議官からもお話し申し上げましたとおり少なくなってしまって、これからこのように難しいわけですけれども、2つ目のパラグラフで、いまだ目標を達成していない業種についてはとありますが、やはり自主行動計画は5ヵ年での実績に基づいて評価をするということでございますので、この秋にいろいろな数字が出たところで、また改めてご審議いただきたいと思っております。いずれにせよ、自主行動計画の目標、内容はあくまで自主性だということではございますが、その達成は一方で社会的な要請でもございます。こういったことを踏まえ、さらには座長からもお話がありましたように東日本大震災、あるいはリーマンショック。日本全体で目標を達成しているかどうかといったさまざまな観点を踏まえて、総合的にご評価をいただきたいと考えてございます。
 この次に書いてございますけれども、目標達成のために京メカを使っておられる方々がいらっしゃるわけですが、この秋の段階ではまだ全部出切っていないと。CDM理事会の審査がまだ終わっていない可能性があるものでございまして、この秋の段階では速報値的に一度、評価をいたしまして、確報値としては来年の今ごろ日本全体のCDMが確定するころに、改めて確定をしたらどうかと考えております。
 それから10ページ目でございますけれども、各業種における取り組みの評価でございます。これも総合的なさまざまな観点があろうかと思います。目標の達成期間がどれほどかということもございます。一方で達成できているというのは、目標が甘かったのではないかという懸念もあろうかと思います。目標値に対する目標の達成率ですとか、あるいはチャレンジして目標を引き上げ、リスクをとっているかということがどれくらいあるのかといった点ですとか、震災その他の努力についても総合的に評価をする必要があると思って、必要に応じて専門の検討会などを開催させていただいて、いろいろ評価の視点をみていただいたらということでございます。
 その後、ライフサイクル全体での貢献ですとか、東日本大震災の影響を受けてエネルギーの係数を固定した考え方をしたとか、あるいは取得した京都クレジットの今後の取り扱いということで、キャリーオーバーをどうするかということについてもございました。低炭素社会実行計画に、こういったことを反映していただきたいというのがございます。
 以下、参考資料でございますので、割愛させていただきたいと思っております。
 続きまして、資料4―1でございますけれども、低炭素社会実行計画についてご説明申し上げたいと思います。
 4―1でございますけれども、ページをめくっていただきますと1ページ目にこれまでの経緯がございます。2009年12月に経団連さんで自主行動計画に続く新たな計画として、この低炭素社会実行計画と名前を変えまして、中身を変えまして策定、推進されていくことを表明されております。その後、産構審でもご審議されていまして、2010年11月から主要9業種につきまして経団連で低炭素社会実行計画を公表されております。ただ、その後、東日本大震災が発生いたしまして、エネルギーをめぐる環境はかなり変わりましたので、その後、さらに大変更いたしまして、12年9月に15業種について第三者評価委員会というものを経団連で独自でされまして、結果を公表されております。12月にこのワーキングでヒアリングをさせていただきまして、2013年1月に36業種分の低炭素社会実行計画を経団連が取りまとめて発表されております。
 2ページ目を御覧ください。こちらにつきましては自主行動計画から低炭素社会実行計画、中身がどう変わったかということでございます。
 まず、策定業種ですが、日本全体では 114業種策定いただいたわけですけれども、今のところまだ52業種ということでございます。
 計画の内容ですが、自主行動計画では自分の製造プロセスにおける排出削減を主にやっていたわけですけれども、今回、その数字は改めて策定し直して、コミットメントという形で社会にコミットしていただくということですが、それに加えまして3つ。1つは、ライフサイクル全体でみた低炭素社会。自分の製品の普及・開発などで、運輸部門、業務部門、家庭部門などでの排出削減をみていると。それから国際貢献、さらには革新的技術の開発といったような少しウイングを広げて、業界の低炭素社会づくりへの貢献を示しているということで内容的にも充実をしております。
 3ページ目でございますけれども、ヒアリングの視点、どんな視点があったかということをまとめております。ワーキンググループで議論になりましたのは箱から下でございますけれども、まずそもそも低炭素社会実行計画をつくっているのはどこかということがありました。それから今回の計画は、最先端技術の最大限の導入というものをうたい文句にしております。本当にその技術が最先端なのかどうか。あるいは、それが本当に一部ではなく、最大限導入された形になっているかどうかといったことについて随分ご質問がございました。さらに自主行動計画の目標から変更した場合には、それは何でなのかということについてのご議論もございました。
 4ページ目でございます。計画の策定状況。今回、経済産業省の業種で41業種、自主行動計画があったわけですが、策定していただいている分は24業種ということでございます。
 5ページ目に計画策定済みの業種の名前、それから未策定の業種の名前というものが書いてございます。未策定の業種につきましても、その後、追跡いたしておりまして、幾つかの業界については策定されたというご報告を受けておりますけれども、いずれにせよ、エネルギーの問題ですとか、日本の CO2動向ですとか、こういったものがまだ決まっていないので位置づけられないというパターンがほとんどでございますので、そういったものが明らかになってきた時点で改めて検討したいというようなご報告をいただいております。
 飛ばせていただいて7ページを御覧いただきますと、主要9業種の低炭素社会実行計画の概要が書いてございます。コミットメントの数字、それから削減ポテンシャルです。低炭素製品の開発・普及、技術移転等による海外貢献、それから革新的技術開発。こういったものについて、ここに掲げられているような目標値を掲げてございます。
 ちょっと補足いたしますが、BAUと書いてありますが、ビジネス・アズ・ユージュアルでございます。例えば鉄鋼連盟さんの例でいいますと、2005年でテクノロジーが固定された場合、2020年の排出量、生産量がこうだと思ったらどれぐらい CO2が出たかどうかということをベースラインといたしまして、そこから技術の削減について同じ生産量でも CO2がどれだけ減ったかということで、例えば鉄連さんの場合には 500万トン減る。そういった考え方で使っております。
 8ページ目でございますけれども、今後の課題ということで整理させていただいております。自主行動計画の特に透明性の向上ですとか、情報発信ですとか、こういったことについてはご議論がございましたので、ぜひ引き続きやっていただきたいということでございます。
 それから2番目でございますけれども、未策定業種があるわけでございます。自主行動計画に参加されてこられた方、あるいはそれまで参加されておられなかった方についても、ぜひこういった取り組みを進めていただきたいと思っております。
 9ページ目でございますけれども、先ほど申し上げましたようにBAT(ベスト・アベイラブル・テクノロジー)ですね。最先端技術の最大限導入になっているかどうかということについても、説明をしっかりとしていただきたいというようなご意見がたくさんございました。それからライフサイクル、海外貢献といったことについても、可能な限り定量的にしっかりといただきたいというご意見がございました。
 10ページ目からPDCAについてでございますが、今後とも審議会においてしっかりフォローアップをしていきたいという話が (1)です。
  (2)でございますが、これまでは策定した業種を呼んでいろいろいってきたわけですけれども、策定していない人もしっかり呼んで、策定状況については必要に応じてフォローアップしていきたいということが (2)でございます。
  (3)ですけれども、いろいろエネルギーの状況などまだ不透明でございまして、温暖化の目標について今後、検討されていく可能性があるわけですけれども、こちらについて中間年度である2016年度を目途に、計画の大幅レビューをしてはどうかということでございます。
 以上でございます。
 追加でちょっと幾つか資料が出ていますので、紹介だけさせていただきます。参考資料1でございますが、これはワーキンググループにおきましていろいろ質問がございまして、ペーパーによる回答というものをみたものでございます。こちらについてもつけてございますので、みていただければと思っております。
 それから参考資料3―1というのがございます。これが自主行動計画の総括的な評価の実施についてということでございますが、こちらは昨年夏に自主行動計画に基づいて何でやったのですかとか、目標をつくるときにどう考えたのですかとか、それから引き上げたときにはどのような考え方だったのですかというあたりについて、業界の方、企業の方、それから産構審、中環審の委員の先生方にいろいろな形で多面的な評価をしていただいて、アンケートを実施いたしましたので、それをつけてございます。
 参考資料2になりますが、先ほどちょっと申し上げましたように2012年度末における低炭素社会実行計画の策定状況について追跡調査をしておりまして、大手家電流通懇談会さん、日本ショッピングセンター協会さんは計画をつくっておられるということで、ご報告をいただいております。未策定の業種についても、その後どういう考え方でいくかということについて聞きましたので、それをまとめていただいております。そんな状況でございます。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それでは、自主行動計画ではワーキンググループを設けて、フォローアップワーキンググループがそれぞれ担当の業種をまとめて議論をしていただいております。議事概要が資料4―2の後半についておりますが、それにつきまして各ワーキンググループ座長から報告をお願いしたいと思います。ワーキンググループは7つございますので、時間の関係で1件3分程度でお願いしたいと思っております。
 それと順番でございますが、まず松橋委員からお願いし、あと佐久間委員、橘川委員、それから私、残りは座長ご欠席のため事務局から説明させていただきます。
 それでは、まず自動車・自動車部品・車体ワーキンググループの松橋委員からお願いいたします。

○松橋委員  ただいまご紹介いただきました松橋でございます。
 資料4―2の35ページを御覧ください。我々の自動車・自動車部品・自動車車体ワーキンググループの議事概要をご説明させていただきます。御覧のような日時、場所で審議をさせていただきました。
 6.議事概要のところを御覧いただければと思います。全般的な指摘。
 まず、2020年の実行計画策定に当たっては、旧来の行政組織や業界団体といった縦割りのバウンダリのもと、同じ枠組みで本当によいのかお聞きしたい。要するに自動車・自動車部品・自動車車体というのは非常にすそ野が広く、ものすごくたくさんの企業のサプライチェーンで構成されているものですから、それをそういう縦割りでできるのでしょうかという。これは古くて新しい問題で、ここの回答にありますように業界の中でも大変苦労して議論してきたところであると。また製造だけではなくて、ここに書いてあるハイブリッド自動車のように、燃費の改善によって走行時に CO2削減に大きく貢献するというのがあるのですが、これをどのように業界での対応にするとか。そういったようなことをするというと、またこれは難しい問題があると。しかし、大きくいうと製造そのものというよりは走行時の貢献。すなわちライフサイクル的な貢献という観点がこれからも非常に大きくなってくるでしょうから、この点、非常に難しい問題ではあるのだけれども、業界としてそういったことの評価にも取り組んでまいりますと。
 一方で、いわゆる乾いたぞうきんといいますか。自動車関連は、非常に真摯に省エネ、 CO2削減に努力をしてこられて、なかなかこれ以上のポテンシャルは少ないですが、しかし、手を緩めずに今後も努力をしていくと。こういうところが全般的な視点の中にあるところでございます。
 サプライチェーンを全般つないでいくような集計の措置をしていったらどうかというようなこともございますが、今いったようにLCAの観点も非常に重要だと認識していると。今後、その辺の評価方法を確立していく努力をしていきたいということでございます。
 それから各業界で取り組まれている対策、あるいはベスト・アベイラブル・テクノロジーといわれているものについて横展開していくことが必要であるという意見に対して、横展開の取り組みにはある程度、今後一層努力していきたいと。それからベスト・アベイラブルということについて具体的な基準というか、区別ということが重要であると。何がベスト・アベイラブル・テクノロジーであるのかということですが、さっきいいました横展開と絡めて申しますと、何が横展開できるのかということを含めて今後努力していくということでございます。
 低炭素社会に関しては情報発信力ということが非常に重要で、消費者にアピールしていくということが重要であると。その点に関しましては、やはり製造より燃費という指標が消費者に訴えるということで、それによる CO2削減の貢献度を消費者にアピールしていくのだということを、フォローしていきたいということでございます。
 それから部品工業会様からは、部品ということですけれども製品価値の情報発信ということは非常に悩んでいるという。これもLCAとの絡みでアドバイスをいただきながら、整理していきたいということでございます。
 目標設定の段階、目標の妥当性を評価するためのエンゲージメントを機能させていくことを考えてほしいということに対しては、現在、日本経団連で低炭素社会実行計画の策定において第三者評価委員会というものを設置して、各方面の専門家の先生方からご意見をいただきながら、それを反映させていくことをやっておりますということです。
 それぞれの団体に対して、日本自動車工業会、日本自動車車体工業会関連では、低炭素社会実行計画に関して28%の削減という目標値について深掘りできないのかというご質問に対しては、基本的には2020年の生産体制を2007年度レベルに回復させるという。その設定値のもとで目標値をつくっていると。もし状況が変わってきた場合には目標値を引き上げることも考えますと。さらに、原単位での目標設定ができないのかという質問がありました。
 一方、日本自動車部品工業会からは、総量目標から原単位目標へ変更することになった経緯を教えてほしいと。逆に、部品工業会は原単位目標で設定しているわけでございます。これも古くて新しい問題で、総量なのか、原単位なのか。自主行動計画のころからずっと業界において続いている問題でございます。もちろん総量は景気動向に左右されるものでございまして、生産量そのものが落ちれば当然 CO2排出量も落ちるわけでございます。一方で原単位は一見左右されないという考え方もございますが、やはり景気が落ち込んできて、事業所の稼働率が落ちますと原単位が悪化するわけでございます。
 したがって、原単位にしても、総量にしても、これはすべて景気の動向であり、事業所の稼働率であり、そういうものにすべて影響されるわけでございまして、古くて新しい大変難しい問題でございます。今後もその辺、それぞれの業界の状況にかんがみながら、悩ましいところであるのだけれども努力をしていきたい。それぞれの目標設定の中で努力をしていきたいということでございます。
 以上でございます。

○山地委員長
 ありがとうございました。
 それでは、鉄鋼ワーキンググループを担当の佐久間委員、お願いいたします。

○佐久間委員  それでは、鉄鋼ワーキンググループから報告させていただきます。
 審議結果は、29ページ以降に議事概要を示してございます。ご承知の方も多いかと思いますが、鉄鋼業は粗鋼生産量1億トンを前提としまして2010年度の鉄鋼生産工程におけるエネルギー消費量を、基準年の1990年度に対して10%削減という目標を掲げております。こういった目標に対して、2011年度についてどうやるかということは30ページに書いてございますが、2011年度は 9.3%減で、それから4年間の基準年を考えた指標として、2008年から2011年度までの4ヵ年平均で見ますと11.2%ということでございまして、ほぼ目標を達成できる状況になっているということであります。
 委員の方々のご意見では、非常に厳しい前提条件の中で、鉄鋼業はよく努力をされているというようなご意見が多かったというように理解をしております。それから鉄鋼業に関しましては、非常に厳しい制約。粗鋼生産量1億トンを前提としているということをまずいっているわけですが、その中で努力された結果、業界の設備投資等は主に環境対策に集中的になされておりまして、一部の設備の老朽化などが目立っている状況になっております。こういった問題をクリアして、今後の業界の安定に取り組んでいただきたいと思っております。
 その中でされたご意見をみますと、従来のエコプロダクトによる貢献の評価の精度を上げるとともに、エコソリューション、いわゆる環境対策技術を継続することによって出す。製品エコプロダクトを中心に貢献する取り組みを、業界として発信することがよいのではないかというようなご意見をいただきました。
 以上でございます。

○山地委員長  ありがとうございます。
 それでは、電子・電機・産業機械等ワーキンググループ、それと化学・非鉄金属ワーキンググループ。2つのグループのご担当でございますが、橘川委員、お願いいたします。

○橘川委員  それでは、まず順番からいって化学・非鉄金属ワーキンググループ、23ページからであります。
 3つの点。2011年度の電力係数を踏まえた実績、それから電力係数を固定化した実績、2008年から2011年までの4ヵ年平均の実績、この3つを考え合わせて、3つとも目標を達成していないというのが日本化学工業協会と日本伸銅協会ということでございますので、ここについて今後チェックを強めていかなくてはいけないのが全体の結論になりますが、25ページ以下のところで3分間、重要だと思われる点だけをピックアップしたいと思います。
 下から3つ目の原単位を目標としているのに生産量が落ちて、仮に原単位が下がってしまう。どういう評価をするか。これが非常に問題だということが1つ出ました。
 それから一番下のポツです。本当にBATをやり切っているのかどうかという説明が、まだ足りないところが多いのではないか。これをちゃんとやるべきだという意見。
 26ページ、上から2つ目のポツですけれども、割と排出量が大きい会社ばかりをみているけれども、確認すると、小さいところに目を向ける必要があるのではないかという意見が出ています。
 それから上から5つ目のポツですが、これから低炭素社会実行計画をつくるときに目標指標を変えた。これは化学が変えたわけですね。原単位から量へ変えたわけです。そういうときには説明をしてもらいたいということ。LCAの方法で取り組もうとしている業界があるのならば、それを目標値に入れたらいいのではないかという意見があります。
 もう既に出ていますけれども、全体として原単位を目標にすると生産量は過大になりがちである。そして排出量を目標にすると、生産量が過小に目標を立てがちだ。この問題をどうするのかというのが、今後計画を立てるに当たって重要ではないかという意見がありました。
 これが化学・非鉄金属ワーキンググループのほうです。――続けてよろしいでしょうか。

○山地委員長  はい。

○橘川委員  続きまして、57ページからですけれども、電子・電機・産業機械等業種の審議結果について申し上げます。
 これも先ほどいいましたように3つのキーワード、2011年度の電力係数及び電力係数を固定、4ヵ年平均ということで考えますと、3つとも達成していないのは日本工作機械工業会ということで、これが今後のチェックポイントの重点ということになるかと思います。
 同じように重点的な意見をピックアップしていきますと、59ページ、一番上ですけれども、目標の達成自体もそうなのだけれども、どういう要因で達成したか。その点の説明が弱いところが多いというのが1つ出ました。
 それから、ここのグループは低炭素社会実行計画を決めていないところが多いです。これはエネルギー基本計画が決まっていないとか、 CO2の目標が決まっていないということがいわれるわけですけれども、私自身、エネルギーにかかわっていますけれども、そう簡単に決まりそうにないようで、もしかすると数字が出てこないかもしれないなんて話も、この間、総合部会で出てきました。そういうことをいっていると堂々めぐりになってしまいますので、何か一定の条件のもとで計画をつくるということが必要なのではないか。このように思います。
 それから、これは工作機械にかかわるところで60ページにトップダウンと、下から3つ目のボトムアップ。日本工作機械工業会はボトムアップでかなり先進的な事例をやっているのですけれども、結果として達成できないということで、ボトムアップとトップダウンをどう組み合わせるかというのが1つの大きな問題となりました。
 あと最後ですが、60ページ、上から3つ目、この業態はライフサイクルを考えるときに、アフターサービスというのがかなり重要な業界が多いです。そのアフターサービス、メンテの部分をどうやって今後、計画課題に取り込んでいくのかが重要な論点だというような意見が出ました。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございました。
 次は資源・エネルギーワーキンググループですから、これは私が座長を務めましたので、私から説明させていただきます。
 資料は49ページからございます。1ページめくっていただくと、裏側の50ページのところに総括的な表がございます。このワーキンググループでは電気事業連合会さん以下、8業界団体を対象としております。
 この表をみていただいてわかりますように、左から3番目のカラムの目標水準と、その次の2011年度実績をみますと電気事業連合会さんが大幅に増加しているのと、日本ガス協会さんはほぼ同じ数値。丸めると同じですが、ぎりぎりちょっと未達になっている。それから石灰石鉱業協会さんが、20%目標のところが7%にとどまっているということでございます。
そういうことでございますけれども、CO2排出量。右側から4つ目のカラム。低炭素社会実行計画のところでは3つ目のカラムにありますように、電気事業連合会さんが4億トンというオーダーの排出量に対して、あとは石油連盟さんで 3,750、それから特定規模電気事業者さんが 677万。あとは数十万トンというオーダーでございまして、やはり一番問題になるのは皆さんご想像のとおり電気事業連合会ということになります。
 これに関しては議事録の中のところにも少しありますが、52ページあたりでしょうか。これに議論が集中したわけですけれども、先ほど少し説明がありましたがなかなか需要が見通せないということがあるので、目標達成についてもなかなか見通しが難しい。ただ、クレジットを含めて第一約束期間中ぎりぎりまで、できる限りの努力は行うということであります。
 それから低炭素社会実行計画のところについても、先ほどの50ページの総括表の一番右に書いてありますが、主要な電気事業連合会がまだ検討中でありまして、これは先ほど来話がありますように原子力政策とか、エネルギー政策が不透明な状況でなかなか見通せない。ただ、これだけでは話が進まないので、先ほど橘川委員からもあったようにシナリオをつくって、ある程度の幅をもったものにして構わないので計画を示していただけないかという要求があったのですけれども、なかなか幅も難しいというような議論がございました。今現実に確かに難しいと考えております。
 そのほかについては若干未達がございますけれども、何とかおおむねトータルとしては順調に執行しているというところでございます。
 資源・エネルギーワーキンググループからは以上にいたしまして、残りは座長ご欠席ということもありまして、飯田室長から流通・サービスと、それから製紙・板硝子・セメント等、この2つのワーキンググループのご説明をお願いいたします。

○飯田室長  それでは、簡単にご説明申し上げます。
 ページで申し上げますと40ページに、まず製紙・板硝子・セメント。中上座長がご欠席でございますので、私からご説明申し上げます。
 40ページの表を御覧いただきますと、この中で今年度未達は日本印刷産業連合会とプレハブ建築協会ということでございますが、いずれも CO2排出量でございますので電力原単位の悪化が非常に大きいということだと思っておりまして、4年間平均でみてみると、いずれも目標を達成できるということでございます。
 中の議論を御覧いただきますと、皆様方と同じなのですが、本当に低炭素社会実行計画につきましてはベスト・アベイラブル・テクノロジーなのかとか、あるいは染色業界さんから自主行動計画に入っているとクレジットがもらえないというような話があって、そこの関係がどうなのかというご質問がございます。これは4月から統合されて、そういう問題がなくなってきたということで申し上げております。やはり消費者関連のいろいろな業界が多いものですから情報提供ですとか、みえる化の重要性などがご指摘をされました。
 続きまして、流通・サービス業界につきまして46ページでございますけれども、こちらにつきましては単年度でみますと日本貿易会さんが実績が目標に満たないですが、これも CO2でございますので、原単位を固定しますとできるということでございます。
 ただ、そのほかに日本フランチャイズチェーン協会さんや、それから情報サービス産業協会さんの一部のところなのですけれども、こちらについては4年間平均でも達成できていないということでございます。それから低炭素社会実行計画につきましては検討中の団体が非常に多くて、この点も議論になりました。
 主な議事の内容ですけれども、こちらの流通・サービスにつきましては原単位といっていますが、床面積×営業時間でしたり独特の原単位をつくっていただいているところが多いわけでございます。この横ぐしをどう通すかというのは、去年もそういう議論があったのですが、ことしもそういう議論がございました。あとは低炭素社会実行計画につきまして、しっかりとやっていただきたいというご意見が随分ございました。
 私からは以上でございます。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それでは、資料の説明の最後になりますけれども、事務局から試行排出量取引スキーム、2011年度の実績に関して報告をお願いいたします。資料5でございまして、これは市場メカニズム室長の奥山様からお願いいたします。

○奥山室長  資料5を用いまして、試行排出量取引スキームの目標設定参加者の実績などにつきまして、簡単にご説明いたします。
 資料をおめくりいただきまして1ページ目でございますが、説明の概要です。趣旨としましては企業などが目標を設定し、その目標の超過達成分やクレジットの取引などを活用しつつ、目標達成を行う仕組みとしておりまして、目標としては、総量目標または原単位目標を選択可能というようなことにしております。クレジットにつきましては超過達成分の排出枠に加えまして、国内クレジット、京都クレジットを用いることができます。また参加者につきましては、目標設定参加者以外に取引参加者も参加することが可能となっております。
 2011年度の結果につきまして、2ページ目を御覧ください。2011年度の目標を設定した者、80者ございましたけれども、実排出ベースで57者が超過達成、23者が削減不足ということになっております。
 削減不足の21者につきましては不足量の借り入れ、試行の排出枠や京都クレジット、それからクレジットの償却・購入を活用した結果、目標は達成できたというようになっております。そのほかの2者につきましては目標未達成ということになっておりまして、こちらにつきましては2011年度が最終年度ということで、さらに翌年度のボローイングができませんので、目標未達成ということで終わったものでございます。第三者検証につきましては、80者のうち25者が受検をしていたということになっております。
 3ページ目をおめくりください。目標達成状況について内訳をもう少し詳しく書いておりますが、57者のうち9者。こちらにつきましては昨年度までのボローイング分を償却して、残りの52者はバンキングをするという形で翌年度以降に回しております。他方で不足をした23者でございますが、3者は過去にバンキングの排出枠を活用し、8者が外部クレジットを活用し、18者がボローイングを活用したということになっております。
 2011年度の結果は、以上のとおりでございます。

○山地委員長  どうもありがとうございました。
 以上で、資料の説明は終わりでございます。
 したがいまして、ここから本日ご説明のありました内容について委員の皆さんからご質問、ご意見等いただきたいと思います。ただ、時間が限られており、後半の部でもまた議論する場がございますので、ここでの議論は、自主行動計画にできるだけフォーカスしたテーマについての議論ということにしていただければと思います。ご発言ご希望の方はネームプレートを立てていただければ、順番に指名いたしますので、ご発言いただきたいと思います。
 それでは、どういう角度からでも結構でございますので議論をお願いいたします。――まず内山委員、どうぞ。

○内山委員  今回の経団連の自主行動計画。最終年度である2012年度の結果はまだですが、今2011年度までの結果がでており、大体方向がはっきりしたと思います。評価期間はやはり2008年から2012年の間にすべきと私は思っています。なぜかというと2010年度からの変動が大きく、単年度で見るといろいろな面で問題があると思います。2012年度までの5年平均ですと、90年度比で経団連全体で10%削減する予測が出されています。要因分析から、削減の大きな原因は、生産活動量当たりの排出量の変化、これがマイナス13%ということであって、原単位が大幅に削減したことは高く評価できることではないかと思います。そういうことを考えますとこの自主行動計画、個々の業種で見ればまだ課題は残されていますが、それなりの機能を十分に果たしたと思いますので、今後ともこういった自主行動計画を我が国独自の方法論として、できれば最適な方向へ展開していただきたいと思っております。
 今後については、、現在新たな計画として進んでいる低炭素社会実行計画は、ライフサイクルから製品や技術の環境負荷をみることが大事だと思います。ご存じのように産業部門に対して、民生あるいは運輸といった部門における排出量が非常に増加しており、産業界がそういった部門に対して協力的な仕組みをつくるということが大事になってきています。
 2点目は、海外への展開です。そういう点では日本の優れた環境技術を国際展開するためにも国は積極的に支援し、産業界企業が海外での活動をしやすくすることが大切です。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございました。
 幾つかネームプレートが立っているのですが、森口委員、増井委員の順番でいきます。あと辰巳委員、小林委員、島田委員という順番でまいりたいと思います。
 まずは森口委員から、どうぞ。

○森口委員  中央環境審議会側から参加させていただいておりまして、今回、3つのワーキンググループに参加させていただきました。
 資源・エネルギーワーキンググループ、エネルギーにかかわることについての感想が1点、それからその結果のところで2点、申し上げたいと思います。
 資料3―1の中で、7ページになりますでしょうか。電気事業連合会で目標の達成見通し、考え方の抜粋が記載されておりますし、また参考資料1でお配りいただいた中の冒頭にも書かれておるのですけれども、先ほど山地委員長からもご説明ございましたとおり第一約束期間、2012年度末までの原単位目標。あるいは、さらにその先の見通しにかかわる議論がございます。確かに開催時点ではまだ冬の暖房期を乗り切っていないということがございましたが、幸か不幸か、ワーキンググループからこの全体の部会、合同会合までの間に3ヵ月、時間があいてしまいましたので、これは取りまとめの会合ということで、あくまでワーキングで議論されたことをここでということかもしれませんけれども、第一約束期間、あと3日という時点でクレジットの調達については見通しがつかないとしても、調整前の排出係数についてはかなり確度の高い数字がわかる。この会合においては、やはり何も情報が出てこないというのはちょっと残念な気がいたしますので、そうしたところについての透明かつ誠意ある情報提供、情報開示をお願いできればということを申し上げたいと思います。
 あと今後、中長期的な見通しにつきましても非常に不確実で、業者として見通しにくということはあろうかと思いますけれども、需要側の立場としては排出係数がどの程度の幅で変動するのかということについて、何らかの情報が早目にないと投資行動等にも差しさわりがあるかと思いますので、そういった点につきましても何らかの形で、なるべく早い段階で見通しを示していただければなと考えております。
 2点目は横断的なことでございまして、資料3―1では9ページ、あるいは資料4でも繰り返し書かれておりますライフサイクル、あるいは海外貢献に関するところでございます。
 1点目で申し上げた電力排出係数については、いわゆるスコープ2にかかわってくるところでありますけれども、さらに広い間接的な排出、スコープ3的なとらえ方は重要であろうということについては全くそのとおりだと思います。スコープ3につきましては環境省、経済産業省合同での取り組みが進んでおりますが、そこに中心的にかかわらせていただいておりますので、これについてぜひとも環境省の中で取り組んでいきたいと思います。
 また、そのことと海外での削減への貢献ということにつきましては、議定書のもとでの厳しい枠組みでは難しいかと思いますけれども、これまた幸か不幸か、議定書第二約束期間についてはかかわらないということかと思いますので、そういうことの中でのよりフレキシブルな仕組みですね。資料でも書かれております二国間オフセットというようなことも活用しながら、ぜひ日本の技術力で世界での CO2削減に貢献するということについては強調いただきたいと思います。
 3点目は、ここの審議会での議論の少し外に出てしまうかもしれませんけれども、資料4―1の最後のページに今後のPDCAサイクルについての課題が書かれております。もちろん経済産業省、ほかの業種の割合が大きいわけですけれども、政府によるフォローアップは経済産業省、環境省以外の所管業種についても行われておりまして、私、実は厚生労働省の所管業種のフォローアップの検討会の座長をご存じのように務めております。そういった中で両省合同審議会のフォローアップに比べて、それ以外の所管業種のフォローアップの位置づけということが、やや明確ではないような気がいたしますし、またここにお集まりの専門の先生方の耳にも、なかなかそういうものが届きにくいのではないか。政府全体としての、すべての経済活動にかかわるフォローアップをどのように進めていくのかということにつきましては、この第一約束期間での取り組みの成果を踏まえ、今後ぜひ政府全体として、特に経済産業省、環境省が中心となって、その枠組みについてもお考えいただきたい。ちょっと3点目はこの枠を超えているかと思いますが、なかなか申し上げる機会がないものですから、この機会をおかりして申し上げました。
 以上、3点でございます。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それでは、増井委員、お願いします。

○増井委員  2点ございまして、1つは自主行動計画に関するところなのですけれども、今、森口委員からもお話がありましたが2012年度の見込みがどうなっていくかということで、既にいろいろな統計等も月単位ではありますが出ておりますので、そういうところで、これまでのいろいろ取り組みというのが2012年度にどう反映されているのかといったあたりが非常に、この目標達成全体の話を考えますと重要かと思いますので、このあたりはぜひできるだけ早く示していただきたいというのが1点目でございます。
 2点目は低炭素社会実行計画に関してのところなのですが、資料4―1の7ページ目のところに主要9業種の削減目標を書かれているのですけれども、コミットメントとしての削減目標の数字が並んでおりますが、ただ、指標としては各業種別々であるということで、こういうコミットメントとは別に共通の指標。例えば CO2削減量ですとかに沿って、これは表で示されたところですけれども比較できるような、そういう数字というのも参考値でも結構ですので、示すことが必要ではないかなと思っております。
 あと、これに関しまして電力と将来の見通しがよくわからないということ。それはごもっともではあるのですけれども、そうとはいえ、いろいろな将来の見通しを出している業界もありますので、幅をもたせてでも結構なので、それぞれの業界ごとにどのような数字を今後見通すのかといったあたりは、ぜひ示していただきたいと考えております。
 それに関しまして、BAUからの CO2削減量ということを示しています業界も幾つかございます。先ほど事務局からも、BAUというのはどういうものなのか。口頭での説明はございましたけれども、具体的にどのような形で提示されているのか。恐らく業界ごとに違う可能性もありますので、BAUというのはどういうものなのか。また、それをどのように見通したのかといったあたりの説明というのも明示していただければと考えております。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それでは、小林委員、お願いいたします。

○小林委員  恐れ入ります。何点か申し上げたいと思います。
 まず1点目は、資料が届くのが遅いものですから概要をみておりません。そういう中での意見ということで、ご了承いただきたいと思います。
 まず1点目、目標について達成しているかどうかということで評価されているのですが、実際には目標そのものが、例えば CO2総量であったり、また原単位であったり、原単位についても排出係数が固定であったり、変動であったり、それからエネルギーの原単位等々、いわゆる設定方法が全部違うわけですね。それを一括して今まで目標で設定されている。その目標に対して達成したかどうかという評価をずっとやってきたわけですが、今回3.11という問題で経済状況が大きく変わってきた中で、こういうものについてどう評価するかというのが重要だと思うのです。
 そういう意味で単に目標を達成したかどうかだけで評価するのではなくて、本当にその業界がどのように努力をされたか。また、その努力の結果がどう評価されていったかということが重要だと思うのです。これも第三者評価委員会で議論されるわけですから、その辺についても、例えば目標値そのものが甘いものもあれば、相当背伸びして努力されている業界もあります。ただ、背伸びして努力している業界が達成していないからといって、それを非難するというのもどうかと思いますし、逆に甘い設定をしたところで達成したといって大見えを切るのもどうかと思います。そういう点について、やはり2012年度の評価に当たって、その辺も含めてかっちりと評価をしていきたいなと。ぜひそのような資料を出していただければと思います。
 あわせて、先ほど申し上げた3.11による電力排出係数の増加変動によって、各業界ではどういう影響が出たかということを含めて評価すると同時に、次の目標設定に当たってもその辺を検討していただきたい。
 2つ目の大きな問題で京都メカニズムだけではなくて、国内排出量取引をもっと使っていただきたい。要するに大企業についてはあれなのですが、中小企業についてはなかなか努力ができておりません。この排出量取引で中小企業を引き上げていくということが重要だと思いますので、この辺についてもう少し視点を置いていただきたい。つまり国内排出量取引について、もっと業界で参加していただくことをぜひお願いしたいと思います。
 3点目ですが、よく乾いたタオルの議論が出るわけですが、いわゆるハードの技術についてはそうかもわかりません。ただ、問題は人の意識。いわゆる企業における従業員等の意識改革がまだまだできていない。その意識改革によるソフトの省エネというのは、まだまだできるのではないかと考えております。そういう意味で、その辺についても今後目標に組み込んでいただければと考えるわけです。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございました。
 この後は辰巳委員、島田委員、杉山委員、崎田委員、秋元委員という順番でまいります。
 それでは、辰巳委員、よろしくお願いします。

○辰巳委員  どのページがどうというわけではなくて、今全体を通して伺ったお話で3つぐらい、ちょっとお話したいなと思って手を挙げました。
 まず1つは、原単位か、総量かということは景気動向等でいろいろ変わってくるのだというお話がありましたが、それはそのとおりだと思っております。どうして両方とも出されないのかなというように私は思っていまして、片方だけで出すのではなくて両方ともお出しいただければ、そうでないと便利なほうというか、いいほうを出されているというように勘ぐる可能性もありますもので、双方ともお出しいただけるような形にしてもいいのかなというように私は思ったのです。それが1つ。
 それから今までのお話の中にも出てきたと思うのですけれども、今回、経団連さんの自主行動計画というお話でしたが、少なくとも経産省さんが押さえている範囲で経団連以外の事業者がたくさん、まだまだ中小企業という話もありましたし、いらっしゃると思いますし、それから私は今、森口先生がおっしゃった、それ以外の省庁が把握している事業者があるというお話があったので、そのように、それ以外の事業者さんの全体的に日本としての把握を、やはりどこかで見せてほしいと思いました。
 3つ目ですが、今日何度もLCAの考え方が重要だというお話が出てきて、まさに私はそのように思っておりまして、私は消費者で、物を買ったり使わせてもらっている立場なのですけれども、経産省さんでお取り組みになっていたカーボンフットプリントというのがありまして、もう5年越しになるのですけれども、なかなかああいう考えが広がらないなと思っています。せっかく一生懸命取り組んできていたのが残念だなと思っていたのですけれども、こちらの側でLCAの考え方を、やはり重要だと考えて今後取り入れていくのだというお話がありましたので、ぜひ、カーボンフットプリント、つまり、製品それぞれのライフサイクルの CO2排出量、の取り組みを進めていただけるといいなと思って、聞いておりました。
 情報提供という話もあったのですけれども、そういうものがきちっと情報提供されることによって、家庭での CO2排出量というようなところに関心が向き、私たちが選ぶときの大きな参考情報にもなると思います。それから同じようにライフサイクルで非常に低炭素の検討をされた製品であっても、その先、消費側の使い方によっては本来の機能を発揮できない部分がいっぱいあるのですよね。例えば車でもそうですけれども、たとえ低燃費のものが出てきても運転の仕方が悪いとその効果がということで、つくる段階の方たちはぜひ使い方まできちんと、このように使ってくれれば本来の性能が十分発揮されますよというところまで、情報提供してほしいなと思ったのです。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございます。
 それでは、島田委員、お願いします。

○島田委員  私もかれこれ6、7年ほどフォローアップに携わらせていただきまして、きょうはこういった企業、あるいは業界団体の取り組み、評価のあり方や体制、情報の持ち方について、少しコメントさせていただきたいと思います。
 大変ご努力いただいて業界団体さんが各企業の情報を集約し、それを政府が取りまとめ、このような非常に手間をかけた政府の審議会を数回重ねてやって、それなりの一定の評価の機能はあるとは思うものの、一歩踏み込んだ厳正なフォローアップになっていたかという感じも通してみると、物足りない感じがしなくはないというような印象をもっております。
 その原因の1つとして、やはり企業側とか業界団体側がもっている情報と、政府や評価する体制がもっている情報の圧倒的な差が1つの原因として思っております。次期の低炭素社会実行計画ではBATの評価をされるというように伺っておりますけれども、ここをどこまで踏み込んで厳正にできるかは1つの試金石ではないかと思っています。
 そういう意味で参考資料1につけていただいた最後のページの別添2をみてください。自動車工業会さんへの質問に対する回答というのがヒントになるのではないかと思ってよく読ませていただきました。政府側、この場合、環境省が2020年の普及度を低位、中位、高位の3段階で示しておりその中位と比較してここまでやるというようなところですね。欲をいえば高位の比較もあっていいのではないかと思いますが、それが最大限なのかどうかの評価のやり方も今後重要になるのではないかと思います。
 一方で政府側は省エネ法、それから温対法に基づく算定・報告制度とか、あるいは昨今、産業界向けの排出抑制指針の策定が進んでいると聞いております。また自治体側でも条例等の制度に基づいて、かなり企業の個別ミクロな情報を持っているのではないかと思います。そういった個々の取り組みの情報と、自主行動計画で提出される集計した情報と突き合わせて、ダイナミックにやり取りできるようなメカニズムも必要ではないかと感じております。
 まとめますと、やはり評価される側と評価する側の一定の緊張感がないと、厳正なフォローアップといってもやや上滑りになるおそれもありますので、そういったところを政府、あるいは我々がよく勉強し、ここはもっとできるのではないかということを、本当に真にやりとりできるような場に今後していきたいと思っております。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございます。
 それでは、杉山委員。

○杉山委員  自主的な取り組みの大きな要素としては、私が理解していますのは省エネルギー、それなりのまず一定の経済性のもとで経済合理的なもの、それから経営の改善につながるものがあって、それで進めようという企業側のあり方を理解していますが、ただ、そのときに必ずしも十分な情報を有していなかったり、あるいは情報があっても企業内で十分使いこなせないということがあって。そういうことが時に、それを省エネ障壁とかいいますけれども、その障壁を取り除くために業界団体から情報提供するとか、業界一丸となって取り組みを進める。そういった側面が自主的な取り組みにはあるのかと私は理解しております。最近では行動経済学とか、組織の経済学とか、新制度派経済学とか、そういう言い方で呼ばれておりますけれども、まさにこの自主的な取り組みの中心的な役割というのは、そういったところにあるのではないかと理解しています。
 そのようにして見たときに、先ほど来、数値目標に関して、それだけにあまり注目して評価するのはいかがなものか。むしろ行動面ですね。どのような行動をしたかということも、あわせて評価したほうがいいというご意見が幾つかあって、私もそれは全く賛成でして、数値目標自体は経済情勢の変化とか、あるいは震災などによって、その達成について不確実性があるのですけれども、より重要なのは底流としてきちんと省エネルギーなり、 CO2削減なりの行動を起こしていることだと。
 BATという言い方で、新しい省エネルギーの技術を最大限導入するということについては言及があるのですけれども、私はこれを少し広げるというか。BATの中に含まれるものだと思うのですが、いわゆるソフトのエネルギー管理の活動をきちんとしているということ。我が国では省エネルギー法のもとでエネルギー管理が義務づけられていたりして、かなりの程度進んでいるのですけれども、やはり業界団体が取り組むことによって、より効果的に中小の事業者を含めて省エネルギーに関するノウハウというものがうまく普及していくのではないか。
 そういった側面で、エネルギー管理に関するベストプラクティスといったもの、広い意味でのベストテクノロジーですけれども、そういったものが普及する。そういったことを実施する活動を実は多くの業界団体さんが取り組んでおられるということを、この資料を拝見していてよく理解できますので、そちらの評価もあわせて行う。きちんと、そういう底流で努力をしている。その結果、数値目標というものが再度できていくわけですけれども、そのプロセス面、行動面についての評価ということをもう少し強調していくと、自主的な取り組みというものの意義がもう少しよく認知されていくのではないか。そのように思いました。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それでは、崎田委員。

○崎田委員  私は温暖化対策の産構審、環境省中環審の合同部会に初めて参加させていただくのですけれども、これまで温暖化対策は環境省のほかの委員会と、国土交通省の温暖化対策の委員会など、ずっと参加してまいりました。あと内山先生が委員長を務められた経団連の第三者評価委員会などをやらせていただきましたので、個別の事業者さんや業界からはかなりいろいろお話を伺ってきました。
 それで今回、全体の資料を拝見して2011年というのは本当に大変な年でしたけれども、その1年だけではなく、京都議定書の対象年全体の4年間でみるとどの業界もかなり頑張ってくださっている、その方向性自体には大変、私は評価をさせていただきたいと思っています。
 ただし、先ほどからいろいろご意見が出ている原単位か、総量かということに関しては、景気がいい方向に向かっているときと、悪い方向に向かっているときと、どっちのほうが高く出るかというのは傾向が違いますので、できましたら両方に対してきちんと視点をもっているように、そういう懐の広さを業界の方はもっていただければありがたいと思っています。
 少し厳しい見方をすれば、今回発表いただいた中で、資料3―1の7ページで目標未達の業界という一覧があります。中を拝見すると、それぞれ大変な事情があって難しいというのはよくわかりますけれども、こういう業界がこれからどのように取り組んでくださるかを見守るというか、はっきりいえば、きちんとみていく体制づくりは重要なのではないかと思っております。
 なお、次の資料4―1の2ページのところに、自主行動計画から低炭素社会実行計画へというところで、まだこちらの策定をしている業界が自主行動計画の半分に満たないという数字が出ています。この低炭素社会実行計画に、多くの皆さんはいろいろな要素をきちんと盛り込まなければいけなくて、つくるのが大変なような印象を受けているのではないかと、私は非常に驚いています。詳細にみていただければ、削減ポテンシャルに関して自らの事業運営だけではなくて製品とか、二国間取引とか、技術開発とか、こういう大事なところをちゃんと認めていこうという総合的な視点を強めていくわけですので、私は多くの事業者さんが新しいポジティブシンキングのきっかけになるのはここなのだということをきちんと考えて、実行計画を立てていただきたい。そのようにもっていくのが、これから大事なところなのではないかと思っています。よろしくお願いします。

○山地委員長  ありがとうございました。
 次、秋元委員なのですが、その後、大塚委員長、木村委員、岡委員、村井委員。そこまででご発言を打ち切りということで、よろしゅうございますか。――そういう順番で進めさせていただきます。
 では、秋元委員。

○秋元委員  3点ありまして、ちょっと重なる部分もあるのですけれども、まず1点目、今回もいろいろ評価ということで、要因も含めて出していただいていますので、かなり状況はわかってきているのだろうと思います。
 私の解釈からすると、まず CO2排出削減目標を掲げて、総量を掲げていた業種は比較的よく達成していて、達成できないというのは電力原単位が悪化した部分がかなり多いと。それ以外に関してはエネルギー原単位目標を置いていた部分が、非常にこのところの景気が悪いということを反映して、達成が難しいということなのだろうと思います。
 ただ、全体を考えたときに、もちろん総量を下げるということは非常に重要なわけですけれども、総量を下げるというのは、消費段階で我々がどういう行動をとるかということが非常に重要で、しかも世界でどのように消費が抑制されているのかというところが重要ですから、そこを含めた形で考える必要があって、それを業界に求めるのはなかなか難しいところがあると私は考えていまして、業界はそれなりに稼がないといけないわけですから、そういう意味では、私、個人的には、やはり原単位のほうが望ましいかなという感じで思っています。もちろん総量というのは、全体の消費をどのように抑制していくかという別の政策が必要だと思いますので、そこは別にしながら、基本的には原単位でどのように産業関係をされているのかということが重要だろうという認識をもっています。
 2番目ですけれども、これも何人かの委員から何度も強調がありましたけれども、数値よりももっとどういうことを達成して、これが実現できて、何がよかったのか、何が悪かったのかということを逐一よく見ていくと。そして、それを今回参加していないもっと中小の企業のところに、そういう情報を共有できるようなものをしっかり開示していくということが非常に重要だろうと思います。まだここに参加している企業は比較的大き目の企業で、対策がよくとられているところだと思いますけれども、ほかがわからない。わからないから CO2削減できないところが非常に多いのでわかりやすくそういうものを、ぜひ何がうまくいったのかということを開示していくというプロセスが今後重要かと思います。
 最後のポイントは、非常にこの自主行動計画というのは海外でも、日本でもそうですけれどもわかりにくいところがありますし、なかなかそういう情報が海外にも伝わっていないという部分がありますので、これだけ非常に努力をされて、成果も上げてこられたので、政府を含めて、海外にいかにこの成果をうまく発信していくのかということを今後1年、2年かけてやっていってほしいと思います。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございます。
 それでは、大塚先生。

○大塚委員  ごく簡単に4点申し上げたいと思います。
 既に出ている議論はできるだけ避けていきたいと思いますけれども、自主行動計画の2011年度の実績につきましては未達のところも幾つかございますので、資料3―1、7ページに出ている、先ほど飯田室長にご説明いただいたところですけれども、そのうちのクレジットとかの調達の検討意思がないようなところもございますので、こういうところについては、ぜひ未達のところは穴埋めをしていただくように検討していただきたいということがございます。その場合、業界単位だけでなくて、中の企業間の分担を明らかにしていっていただきたいというところもございます。
 それから低炭素社会実行計画についてでございますけれども、なお目標が設定されていないとか、検討中の業種もたくさん残っていますので、そういうところについては当然のことながら、今後の計画策定に向けてのスケジュールを明らかにしていただきたいということでございます。
 さらに、これについても目標達成の蓋然性を高めるということから達成できなかった場合のクレジットとか、いろいろな方法があると思いますけれども、方法についてぜひ示していただけるとありがたいと思いますし、そのときに業種の中の企業間の責任分担についても明らかにしていっていただきたいと思います。
 それから最後に、試行的な排出量取引のスキームについてですけれども、あまり取引が進んでいないという状況になっていると思いますが、1つお伺いしておきたいのは資料5の2ページのところで上から3つ目のポツで、その他の2者が目標未達成となったということです。これはその後、どういう扱いなのかということをちょっとお伺いしたいのと、全体的に仕分けの対象に入っているかどうかも含めてかもしれませんが、2011年度の試行排出量取引スキーム、あるいは試行排出量取引スキーム全体についての検証というのが必要だと思いますので、その点についてどのようにお考えかということを質問として申し上げておきたいと思います。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それでは、木村委員、どうぞ。

○木村委員  目標達成の大きな制約要因になっているということで、大変申しわけなく思っております。
 それで電気事業全体としてでございますけれども、森口委員、増井委員からも数字の示し方ということでお話がありましたが、私ども2008年から2011年度までの4年間、資料の中にもございましたけれども2億トン余りのクレジットを取得して、目標達成に向けて取り組んでいるという状況であったわけですけれども、現段階におきまして2012年度のクレジットの取得予定量につきまして、まだ見通しを得ることができなかったものですから、それで数字的な問題としてお出しすることができなかったということでございます。不確かな数字をお出しするとかえってご迷惑をおかけすることもあるということもございまして、そのような状況になっております。よろしくお願いします。

○山地委員長  では、岡委員。

○岡委員  議論になっております原単位か、総量か、指標の選び方についてですが、短期の突発的な事柄で検討するということは温暖化問題上の本質にとってそれほど重要なことではない。できれば、そういうことに影響されにくい。例えば中期的な正常稼働率のもとでの原単位。そういうものを工夫する必要があると思います。
 もう1つは質問ですけれども、資料4―1の7ページ、低炭素社会実行計画のBAUからの CO2削減量。2020年の生産量と2005年の技術をもとにBAUを測定したという説明があって、2020年の生産量についてはどのような想定をされているのか。もしわかりましたら教えてください。

○山地委員長  それでは、村井委員、どうぞ。

○村井委員  今回から出席させていただきまして、いろいろな計画を読みこなしていないですが、ちょっと私、2点ほどお伺いしたいというか、お聞きしたいと思っております。
 まず、説明で出た業界のヒアリングの結果でも委員に提示があったということでございますけれども、今後の、今ですとあと3日ぐらいで期限が切れてしまうと。自主行動計画の、これが続くのかどうかちょっとわからないですけれども、次の低炭素社会実行計画を新たに設定されていない業界さんがいらっしゃるという。これは、いろいろな国の方向が十分示されていないから明確に計画をつくれないのか。あるいは、今の計画をしばらく同じような形で前進していくという形があるのですけれども、やはり社会的情勢からしますと何もないというのは、国民の方々から十分ご理解いただけない可能性があるのではないかというようなことで、自主的とはいえですね。ただ、国が早期に新たな方向性を示していただけますと、まだ計画をつくっていない業種も次の計画を早期に立てていくだろうと考えております。
 あと1点はBATの問題ですけれども、済みません、私、個人的によくわからないのは、業界全体でBAT(ベスト・アベイラブル・テクノロジー)というのを普及していって、その中から企業の体力によっていろいろな選択肢というような形にやるのか。その辺の中身がちょっとわかりませんので、もう少し具体的なBAT。ある業界ではこういうものがBATですよとか、具体性を示していただければ非常にありがたいなと。我々としても、それを参考にまた議論ができるのではないかなと思っております。よろしくお願いいたします。

○山地委員長  どうもありがとうございました。
 以上で一連の議論を終わりたいと思いますけれども、最後に中環審を代表して大塚委員長から一言、いただければと思います。

○大塚委員長  どうも恐れ入ります。
 では、中環審の委員長をさせていただいておりますので一言、申し上げさせていただきたいと思います。
 本日、議論いたしました自主行動計画の2011年度の実績につきましては、東日本大震災の影響による電力排出係数が悪化したにもかかわらず、多くの業種において目標を達成されていることを率直に評価したいと思います。最終年度である2012年度はもう数日で終了いたしますけれども、目標の達成が難しいという業種につきましては京都クレジットの活用など、最後まで目標達成に向けて取り組みをぜひ進めていただきたいと考えております。
 次に、これからのことでございますけれども、我が国は京都議定書の第二約束期間には参加いたしませんが、カンクン合意に基づいて2020年までの削減目標の登録、それからその達成に向けた進捗の国際的な報告・検証を通じて、2013年度以降も引き続き地球温暖化対策に積極的に取り組んでいくことになります。
 産業界の2013年度以降の取り組みである低炭素社会実行計画におきましては、温室効果ガスの削減対策をこれまで以上に実施していただいて、世界に対して我が国の温暖化対策への積極的な姿勢を示していっていただきたいと考えている次第でございます。産業界におかれましては、低炭素社会実行計画の目標とか取り組み内容につきまして、より野心的なものになるように検討するとともに、最大限の努力をもって取り組みを進めていっていただきたいと思います。
 以上でございます。

○山地委員長  ありがとうございました。
 以上の議論を踏まえて、自主行動計画の評価・検証ということにさせていただきます。
 ご発言の中で質問等ございましたが、事務局で今答えられるということがありましたら簡単にお願いしたいと思います。

○飯田室長  それでは、1つは小林委員から資料が遅いというご指摘がございました。いつも申しわけございませんけれども、目標がばらばらなので本当に努力したのかというご指摘だったと思いますので、これはちょっと触れたかと思いますけれども、この秋に単に達成、未達成だけでない、本当にどういう努力があったのかということもできれば検証したいと思っております。
 あと私からは、岡先生からBAUの考え方ということで2020年の指標、生産量をどうやっているというところですが、生産量は結果として振り返ったときにどうあろうとも2005年の技術基準があって、2020年を振り返ったときの技術基準があって、差し引きすると生産量で何千万トンを削減できる。そういうことでございますので、本当は今の時点からきっちり見通す必要はないのかもしれませんけれども、例えば鉄鋼についていうと1億 2,000万トンをベースに 500万トンぐらいのカバーがあるとすれば、いずれであっても CO2削減量は 500万トン減らすことで考えているということでございます。もちろんほかの部会は、また別途ご説明させていただきます。

○奥山室長  大塚委員長からご質問のありました目標未達成の場合の排出量取引の扱いですけれども、目標達成ができなかった場合になりましても企業などの公表といったことをやるべきではないと、出すということは考えておりません。こちらにつきましては現在、WEBサイトなどでもこのような形で掲載してございます。
 ただ、本日、委員からの多くの提言といったものを今後、検討に生かすということは重要だと思っておりますので、毎年、アンケート調査を行っております。これを補いますようなヒアリングを今後、内閣官房、経産省、環境省の運営事務局で行われていくような際は、目標未達成の参加者にも協力を呼びかけて、どういった経緯で達成しなかったのかというような事情はきちんと把握していきたいと思っております。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それで、これから2012年度の自主行動計画の評価・検証結果及び今後の課題、それから低炭素社会実行計画に関する策定状況及び今後の課題等につきましてはパブリックコメントに付しますが、今日いただいた議論を踏まえて必要に応じて修正いたします。その修正の取りまとめについては私に一任いただくということで、よろしゅうございますでしょうか。
     (「異議なし」の声あり)
 どうもありがとうございます。
 それでは、大体予定のように進行しまして、ほぼ10時に近くなってまいりましたが、最後に事務局から連絡事項等ありましたらお願いいたします。

○飯田室長  修正後の最終版につきましては、後日、事務局より委員の先生方に郵送させていただきたいと思います。
 また、本日の議事につきまして事務局で議事録を作成させていただきまして、皆様にご確認をいただいた後で公表させていただきたいと考えております。
 本年度はこれでということですけれども、2012年度、最終年度につきましては、いろいろなデータがそろってくることしの秋から冬にかけてまた日程を調整させていただきまして、この場でご審議いただきたいと考えております。
 以上でございます。

○山地委員長  それでは、本日の第1部はこれで閉会でございますが、この後、10時10分から引き続いて産業構造審議会地球環境小委員会、中央環境審議会地球環境部会の合同会合を開催いたします。本日はご出席いただいて、ありがとうございました。

――了――