中央環境審議会地球環境部会地球温暖化対策計画フォローアップ専門委員会(第1回) 議事録

開催日時

令和4年3月24日(木)13:00~15:00

場所

WEBによる開催

議題

(1) 我が国の温室効果ガス排出量の増減要因について

(2) その他

配付資料

議事次第

資料1:中央環境審議会地球環境部会地球温暖化対策計画フォローアップ専門委員会委員名簿

資料2:地球温暖化対策計画フォローアップ専門委員会の目的等と今後の予定

資料3:議論の前提(地球温暖化対策計画、我が国の温室効果ガス排出量等)

資料4:排出量増減要因分析(2019年度確報値)

資料5:新型コロナウイルス感染症の影響

参考資料1:地球温暖化対策計画フォローアップ専門委員会の運営方針について

参考資料2:参考資料

議事録

午後1時00分 開会

地球温暖化対策事業室長

 環境省でございます。定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会地球温暖化対策計画フォローアップ専門委員会第1回を開催いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日の専門委員会は、新型コロナウイルス感染症対策のため、WEBにより開催させていただきます。開催の状況はインターネットで同時配信し、動画は、会議後、議事録公開までの間、WEB上で公開予定です。

 WEB会議の開催に当たり、何点かご協力をお願いいたします。

 通信環境の負荷低減のため、カメラの映像は原則オフにしていただき、御発言の際のみオンにしていただきますようお願いいたします。事務局側も発言する場合を除きオフにさせていただきます。

 また、ハウリング等を防ぐため、発言する際以外はマイクの設定をミュートにしていただきますよう御協力をお願いします。

 御発言を希望される場合には、御自身のお名前の右側にある手のアイコン、挙手ボタンをクリックしてください。

 また、発言が終わりましたら、ボタンを再度クリックし、挙手を解除していただくようお願いいたします。

 もし、挙手ボタンを押しているのに事務局側が気づかない等ございましたら、チャットにてお知らせいただければと思います。

 通信トラブル等何かありましたら、右下にありますチャットに御記入いただくか、事務局までお電話をいただくよう、よろしくお願いいたします。

 次に、本専門委員会には、資料1「委員名簿」に掲げる、委員、オブザーバーに御参画いただくことにしております。大変失礼ながら、時間の都合により、名簿の掲載をもって、御紹介に代えさせていただきます。

 このうち、地球環境部会の部会長指名により、委員長を下田委員にお願いしております。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日は、委員6名全員に御出席いただいており、定足数の要件を満たし、専門委員会として成立していることを御報告いたします。

 会議の開催に当たりまして、冒頭、小野地球環境局長より御挨拶申し上げます 。

地球環境局長

 地球環境局長の小野でございます。

 委員の先生方におかれましては、お忙しいところ、御参加いただきまして誠にありがとうございます。また、本専門委員会、今後、議論、どうぞよろしくお願いいたします。

 昨年10月に、2030年度46%削減、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けるという、新たな2030年度の目標の裏付けとなる対策・施策を取りまとめました地球温暖化対策計画を閣議決定いたしました。

 この新たな目標は、2050年カーボンニュートラルと整合的で野心的な目標でございまして、その実現は決して容易なものではないと考えております。だからこそ、これまで以上に現状把握や進捗管理が重要となってくるというように考えておりまして、そういう背景の下で、この度、中央環境審議会地球環境部会に、地球温暖化対策計画フォローアップ専門委員会を新たに設置させていただいたところでございます。

 温室効果ガス排出量の増減要因につきましては、例えば、新型コロナウイルスの影響なども含めまして様々なものが考えられますので、是非、先生方から専門的・技術的な検討を深めていただければと考えております。

 また、2030年度の目標実現に向けては、国民一人ひとりの地球温暖化対策の現状等に関する理解をさらに深めていただく、醸成するということが必要でございます。そのためにも、効果的かつ分かりやすいデータ・ファクトの示し方について、御議論をお願いしたいと考えております。

 このような検討結果を踏まえて、例えば進捗が遅れている対策・施策というものがあれば、その強化を機動的に検討するといった、より実態を踏まえた効果的な気候変動対策の実施につなげていきたいと考えております。

 本日は、自由闊達なご議論をどうぞよろしくお願いいたします。

地球温暖化対策事業室長

 ありがとうございました。

 それでは、地球温暖化対策計画フォローアップ専門委員会の下田委員長に、御挨拶をいただくとともに、以降の議事進行をお願いしたいと思います。下田委員長、よろしくお願いいたします。

下田委員長

 ただいま御紹介いただきました下田でございます。

 この委員会、非常に重要な委員会だと思っておりまして、また、先日開催されました中央環境審議会の地球環境部会においても、いろいろな、この専門委員会に対する様々な御要望をいただいているところでございます。それらにできるだけ応えるように進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、早速議事に入らせていただきます。

 本日は、議事次第にありますとおり、1番目の議題として、我が国の温室効果ガス排出量の増減要因について、2番目として、その他となっております。

 本日は、まず資料2、3、4、5を事務局からまとめて説明いただきまして、議題1番について討議を行う形としたいと思います。

 それでは、事務局から御説明をお願いします。

地球温暖化対策事業室長

 それでは、資料に基づきまして、順次、資料2、3、4、5の順に御説明させていただきます。

 まず、資料2でございます。地球温暖化対策計画フォローアップ専門委員会の目的等と今後の予定ということでございます。

 地球温暖化対策計画には、進捗状況の点検を毎年厳格に行うということとされております。

 また、2030年度において、2013年度から46%削減、50%の高みに向けて挑戦を続けていくということに向けて、進捗管理の重要性がさらに高まっておりますので、従前ございました温対計画の中の各対策・施策の進捗状況の点検に加えて、温室効果ガス排出量等の要因分析の手法の専門的・技術的な検討、目標達成に向けた定量的な分析の在り方について、本専門委員会で御議論をいただくということでございます。

 「また」の部分でございますが、目標実現に向けて国民一人ひとりの地球温暖化対策の現状等に関する理解の更なる醸成、これが必要でございますので、進捗状況の効果的な示し方、分かりやすくどうやって示していくかということについても、御議論をいただきたいと考えております。

 予定としましては、本日、第1回目、増減要因についての御議論をいただく予定でございます。

 2回目は4月上旬ということで、環境省の関連の対策・施策の進捗などについて御議論をいただく予定としております。

 3回目以降につきましては、データ等の整備状況を踏まえて、必要に応じて開催ということでございます。

 参考として、進捗管理のところの部分、温対計画の中身が書いてございますが、1パラにございますとおり、国として、可能な限り具体的な見通しを示し、高い目標を掲げて、民間企業が挑戦しやすい環境をつくることが必要とされております。

 2パラにございますとおり、2050年カーボンニュートラルと整合的で野心的な目標として、46%、50%の高みに向けて挑戦を続けていくということを決定しておりまして、この2030年度46%削減目標というものの実現は、決して容易なものではなく、全ての社会経済活動において脱炭素を主要課題の一つとして位置付け、持続可能で強靭な社会経済システムへの転換を進めることが不可欠とされております。

 こういう観点から、御議論をいただきたいということでございます。

 資料2は以上です。

 続けて、資料3でございます。資料3につきましては、議論の前提(地球温暖化対策計画、我が国の温室効果ガス排出量等)ということでございます。

 スライドの1ページ目は、先ほど申し上げた中期目標と長期目標の関係ということでございます。

 2ページ目からが地球温暖化対策計画ということで、3ページ目にございますとおり、地球温暖化対策計画改定、昨年の10月22日にエネルギー基本計画とともに閣議決定をされております。一番右の従来目標、26%削減に比べて大幅に削減目標を深掘りし、46%削減ということを目指すということになっております。

 4ページが、この計画に位置付けております主要な対策・施策ということで、部門別に産業部門、業務部門、家庭部門、運輸部門、エネルギー転換部門の主な対策が記載されております。

 5ページ目が、それ以外の非エネルギー起源CO2、メタン、一酸化二窒素、代替フロン等4ガスの取組、吸収源の取組というものが記載されておるということでございます。

 6ページ目にまいりまして、我が国の温室効果ガスの排出量ということで、7ページ目、2020年度(速報値)ということで、公表しておる最新のものでございますが、2013年度比でマイナス18.4%ということになっておりまして、2014年度以降、7年連続で減少しているという状況でございます。

 8ページ目でございますが、赤枠のところ、二酸化炭素(CO2)の排出量につきましては、2013年度比でマイナス20.8%ということで、2020年度の速報値としては削減が進んでおるということでございますが、2019年度比がマイナス5.8%となっておりまして、後ほど資料5でも御説明しますが、コロナの要因が考えられるということで、削減の対策を順調に進めるということについて、いま一段の取組が必要ということかと思っております。また、赤枠の二つ目、下のところは、HFCsということで、オゾン層を破壊する特定フロンを代替するフロンの普及が進んでいるということで、オゾン層保護対策が進んでおるところでございますが、気候変動対策を進めるに当たっては、より低GWP、もしくは温室効果ガスの排出量の少ない冷媒に置き換えていく、自然冷媒に置き換えていく等の取組が今後必要になるということでございます。

 9ページ目を御覧ください。先ほど申し上げたとおり、2019年度から20年度の断面で見ますと、産業部門や運輸部門が大きな削減となっておりまして、他方で家庭部門は排出量が増えているという状況になっております。

 10ページ目を御覧ください。CO2の部門別排出量ということで、直接排出、発電等の生産者側で計上した直接排出で言いますと、エネルギー転換部門は4割の排出量、こういうことになりますが、それを需要側に割り振った間接排出で見ますと、それぞれ右側のような図の排出量の状況になっているということでございます。

 11ページ目が、右から2番目の2030年度の削減率に対して、2020年度の削減率(速報値)として、どこまで進んでいるかということについての分析でございます。

 12ページ目を御覧ください。温室効果ガス全体として、2014年度から20年度の直近7年間の年平均減少量で、そのまま機械的にトレンドで伸ばしていく、直線上で伸ばしていくとどういうことになるかということでございますが、2030年度時点で、2013年度比45%減ということで、温対計画改定前の26%削減ということに対しては、削減が順調に進んでいるという評価になろうかと思いますが、コロナも踏まえた直近の削減を踏まえても、従来のトレンドでは46%に届かないということになりますので、より一段、一層の取組が必要ということになろうかと思います。

 13ページを御覧ください。13ページは、温対計画、2013年度から2030年度のところで46%削減するときの内訳として、活動量、経済自体を成長させていく中で、活動量については横ばいかやや減という中で、省エネ、省CO2などの対策・施策を進めていくことによって、46%削減プラス吸収源対策を進めるという内訳になっているという図でございます。

 14ページ目が、エネルギー起源CO2の部分だけ取り出したものでございますが、こちらも、経済成長していく中で、活動量は横ばいかやや減という中で、対策・施策を進めていくというのが目標になっているということを表しております。

 15ページ目は、参考までに、エネルギー基本計画が策定されたときに、資源エネルギー庁より示されました2030年度におけるエネルギーの需給見通し、最終エネルギー消費の部分につきまして、2013年度に比べてBusiness As Usual、対策前の最終エネルギー消費量がやや減の中で、さらに省エネ対策を深掘りしていくという計画になっているということでございます。

 16ページ目は、電力需要でございまして、電力需要は2013年度に比べて、Business As Usual、対策前より増えるという見通しであるところを、節電などの努力により減らしていくという計画になっているということでございます。

 資料3の説明は以上でございます。

 資料4でございます。資料4は、2019年度確報値ということで、要因分析を行うに当たって、確定している値での分析が必要ということになりますので、資料3は2020年度速報値でお示しした部分もございますが、資料4につきましては、現時点では2019年度確報値での分析ということでございます。御了承いただければと思います。

 1ページ目でございます。温室効果ガス全体として、2013年度から2019年度までに、削減量としては約2億トンということになっておりますが、この大部分はエネルギー起源CO2の排出量の削減ということになっておりまして、一番下のところで言いますと、一番左側の電力のCO2排出原単位が改善されたという部分と、左から3番目、エネルギー消費効率要因ということで、省エネなどが進んだというところが大きな要因ということでございます。他方で、右側にございますとおり、6.5ガスについては、2013年度から19年度で増えているという状況でございまして、増えている理由としては、代替フロン等4ガスの活動量、フロンの使用量が増えているということが原因ということでございます。

 2ページ目を御覧ください。同様の増減要因の分析について、その後行っていきますが、いわゆる茅恒等式を使いまして、「CO2排出原単位要因」、「エネルギー消費効率要因」、「活動量要因」、大きくこの3つに分解しまして分析を行っております。

 3ページ目を御覧ください。3ページ目を御覧いただきますと、1人当たりGDP要因ということで、赤いところは上に伸びているということで、経済成長などはしつつ、その下にございます緑色、電力のCO2排出原単位要因、もしくは電力や電力以外のエネルギー消費効率要因によって削減が達成されているという状況が御覧いただけるかと思います。

 その状況を数値化したものが4ページ目ということになりまして、1番下の赤いところ、1人当たりGDP要因、ここのGDPが増えている中で、CO2排出原単位要因、エネルギー消費効率要因のところで削減がなされているということでございます。

 5ページ目は、実質GDP当たりの温室効果ガスの総排出量ということで、GDP当たりの温室効果ガス総排出量は順調に減少しているということでございます。

 6ページ目は、1人当たりの温室効果ガスの総排出量ですが、2013年度以降、順調に削減がされており、右側の図のようになっておるということでございます。

 7ページ目は、参考といたしまして、電源構成の推移ということでございます。

 8ページ目は、そのうち火力、石油・天然ガス・石炭の火力からの排出量の推移でございます。

 9ページ目が、原子力発電所の設備利用率のトレンドと、それを踏まえた使用端のCO2排出原単位の推移、電力のCO2排出原単位の推移ということでございます。

 10ページ目が、再生可能エネルギーの発電量の推移と、それを踏まえた9ページと同じ使用端のCO2排出原単位、電力のCO2排出原単位の推移を示しております。

 11ページ目からは、部門別の分析ということになりまして、産業部門でございます。

 12ページ目にございますとおり、産業部門、経済活動要因が増えている中で、エネルギー消費効率要因のところが卓越しているということでございます。

 13ページ目に、数値で御覧いただけますとおり、経済活動要因としてはプラスになっている中で、エネルギー消費効率要因と電力の係数の部分が大きく寄与して削減、全体として削減になっているという様子が御覧いただけるかと思います。

 14ページ目は参考で、製造業の実質GDP当たりのエネルギー起源CO2排出量のトレンドでございます。

 15ページ目は、鉱工業生産指数の推移ということでございます。

 16ページ目、製造業の主要6業種におけるエネルギー消費量のトレンドということでございます。

 17ページ目、製造業のエネルギー消費量、エネルギー消費原単位及びCO2排出原単位ということで、どちらもトレンドとしては、原単位としては減っている傾向が見られるかと思います。

 次が18ページ目でございます。業務部門につきましては、活動量としては業務床面積を用いておりまして、これから説明します業務と家庭につきましては、冬の暖房、夏の冷房の影響が、活動の中で占める要因が大きいということがございますので、気候要因による増減ということで、経年に対して、冬が寒いとか暑いとか、夏が寒いとか暑いとかという要因も付け加えて、気候要因というものが加わっております。

 19ページ目を御覧いただきますと、業務部門につきましては、電力のCO2排出原単位の寄与率が大きいということでございます。

 20ページ目にございますとおり、業務床面積としては増えている中で、電力のCO2排出原単位のところが大きく寄与しているという様子を御覧いただけるかと思います。

 21ページ目のところが、床面積が増える中で、床面積当たりのエネルギー消費量、もしくは第3次産業活動指数、ITA当たりのエネルギー消費量というものは、トレンドとして減少傾向にあるということを御覧いただけるかと思います。

 22ページ目は業務部門のCO2排出原単位の推移、23ページ目は業務部門の電力の使用端のCO2排出原単位の推移ということで、参考でお付けしております。

 24ページ目が家庭部門でございます。家庭部門につきましては、活動量として世帯数を置いております。先ほどの業務部門と同じように、気候要因による排出量の増減分というものが加わっております。

 25ページ目、御覧いただきますと、業務部門と同様の傾向で、電力のCO2排出原単位の要因が大きいところが御覧いただけるかと思います。

 26ページ目にございますとおり、世帯数が増えている中で、1人当たりのエネルギー消費量が減っているというところと、CO2の排出原単位が減っているというところが要因として大きいということでございます。

 27ページ目にございますとおり、世帯当たりのCO2排出量としては、緑色の線のように減少の傾向ということでございます。

 28ページ目の世帯当たりのエネルギー消費量、29ページ目の1人当たりエネルギー消費量、同様の傾向で、順調に下がっている傾向になっているということでございます。

 30ページ目が運輸部門でございます。運輸部門につきましては、活動量、総旅客輸送量、もしくは総貨物輸送量を活動量として取っているということでございます。

 31ページ目にございますとおり、運輸部門につきましては、電車以外は電力を使わずに、ガソリンと軽油の消費量が卓越しておりますので、傾向としては、輸送機関のエネルギー消費効率の要因というところが寄与度として卓越しているということでございます。

 32ページ目、数字で御覧いただきますと、一番左下のところの要因が一番大きいということでございます。

 33ページ目は、旅客輸送量当たりのCO2排出量のトレンドでございまして、順調に下がっているということでございます。

 34ページ、貨物輸送量当たりのCO2排出量につきましては、近年、横ばいではございますが、大きなトレンドとしては減少傾向にあるということでございます。

 35ページが旅客の輸送モード当たりのCO2排出原単位ということになりまして、自家用乗用車が一番大きく、鉄道が一番少ないというのが、輸送モードごとの原単位の違いということになります。

 36ページ、貨物につきましては、航空が1番原単位が大きくて、鉄道が1番原単位が小さいという状況を御覧いただけるかと思います。

 37ページからの技術的補足のところにつきましては、38ページ、要因分解式としては、このように各部門、分解をしていますということでございます。

 39ページ、気候要因の算出方法ということで、平年に比べて暖冬だったり寒波が来たりということで、暑いか寒いかというようなことについての感応度の分析を行っているということでございます。

 40ページにございますとおり、家庭とか業務の部分は、排出量の中に占める空調の割合が大きいというところがございますので、気候要因を使って分析をしているということでございます。後ほども若干出てまいりますが、例えば2020年度の冬季につきましては、2019年度よりも暖かかったということがございますので、排出量としては減る傾向になるというようなことが示されております。

 41ページ、42ページにつきましては、要因分解で使用した統計の一覧でございます。御参照いただければと思います。

 資料4は以上でございます。

 次に、資料5でございます。資料5につきましては、もう少し短期的な分析ということで、資料4につきましては、2013年度から19年度の中期的なトレンド分析ということでございますが、直近の新型コロナウイルス感染症の影響について分析したものが資料5でございます。

 1ページ目を御覧ください。1ページ目の赤字のところにございますとおり、コロナ無かりせばケースに対しまして、実際の排出量につきまして、差分がどのぐらいあるかということについての簡易的な分析を行ったということでございます。2019年度につきましては、2020年の2月、3月の2か月分を分析しておりまして、2020年度は12か月分、合計しまして14か月分の分析を行ったということでございます。図にございますとおり、産業・業務・運輸のところにつきましてはコロナの影響をかなり受けているだろうと、それによってCO2の排出量が下がっている部分があるだろうということが分析されておりますが、家庭部門につきましては、テレワーク、リモートワーク、こういうものによって、むしろ家庭で過ごす時間が長くなっているということもあり、家庭部門はCO2排出量が増えているのではないかという分析になっております。

 2ページ目を御覧ください。産業・業務・運輸につきましては、それぞれ今申し上げたとおり減っているということで、それぞれIIP、ITA、ガソリンや軽油の消費量との関係でも整合的ということでございます。家庭部門については増加が推計されておりますが、電力消費量が増えているというようなことで、確認できるかなということでございます。

 3ページ目以降が、それぞれの活動量の状況でございますが、2019年2月から2020年1月のところに対しまして、黄色のところ、2021年2月以降のところについてのトレンドを見ますと減少傾向ということでございます。

 4ページ目、業務部門につきましては、ITAにつきまして減少傾向ということでございます。

 5ページ目の家庭部門につきましては、減少傾向の月もございますが、増加傾向の月もあるというところを御覧いただけるかと思います。

 6ページ目が運輸部門ということで、ガソリン消費量のところでございますが、全般的に減少傾向ということでございます。

 7ページ目が、自動車部門の軽油消費量ということになりますが、若干上がっているところもございますが、基本的には減少傾向ということでございます。

 8ページ目、エネルギー転換部門ということで、事業用の発電電力量を参考までに載せておりますが、基本的には減少傾向になっているということでございます。

 9ページ目、これを踏まえて、19年度と20年度の速報値の比較を行っております。

 10ページを御覧ください。エネルギー起源CO2全体として見ると、1人当たりのGDP要因が、先ほどの資料4とは異なりマイナスとなっておりまして、エネルギー消費効率要因の電力、CO2排出原単位要因の電力のところがそれぞれプラスになっていると、こういう傾向でございます。

 11ページ目からが部門別でございますが、産業部門につきまして、経済活動要因がマイナスになっており、エネルギー消費効率要因や電力のCO2排出原単位のところがプラスになっているという状況を御覧いただけるかと思います。

 12ページ目が業務部門ということになりまして、経済活動要因が下がっている中で、エネルギー消費効率要因と電力のCO2排出原単位のところがプラスになっているという、同様の傾向でございます。

 13ページ目の家庭部門でございますが、家庭部門につきましては、1人当たりのエネルギー消費量が増えておりまして、その中で、電力の係数も増えているという状況になっております。

 14ページ目が、最後、運輸部門ということになりますが、輸送量の要因のところがマイナスになっており、エネルギー消費効率要因、輸送手段の構成比の要因、いずれもプラスになっているという状況でございまして、コロナの影響を受けて、活動量要因で削減されている部分もあるので、もう一度、活動量要因のところを増やしつつ、対策要因によって減らしていくと、こういうトレンドに乗せていく必要があるというのが資料5の分析でございます。

 私からの説明は以上でございます。

下田委員長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの説明を踏まえまして、御意見を頂戴したいと思います。御発言を希望の方は挙手ボタンをクリックしてください。是非、幅広く委員やオブザーバーの御意見をいただきまして、先ほどの資料2にありましたような目的・検討事項、これを達成するように議論を深めていきたいと思っておりますので、忌憚のない御意見をお願いしたいと思います。なお、1回の御発言は5分以内にまとめていただきますように、御協力をお願いいたします。いかがでしょうか。

 まず、では、山下委員から手が挙がっておりますので、お願いします。

山下委員

 ありがとうございます。聞こえていますでしょうか。

下田委員長

 はい、聞こえております。

山下委員

 よろしくお願いいたします。

 御説明をありがとうございました。

 今回の専門委員会、この専門委員会では、温暖化対策計画の進捗状況の点検に当たって、どのような見せ方が効果的か、あるいはどのような情報が必要かという視点から検討を進めるものと理解しています。

 その上で、本日お示しいただいた一連の指標を見て、まず、第1に受けた印象を申し上げますと、資料3、現状の確認というところですが、スライドの12にあります2050年度までの推移の図にあるように、現在までに取られている政策・対策によって、順調にカーボンニュートラルに向けた温室効果ガスの削減が実現しているという印象です。

 しかしながら、2050年のカーボンニュートラル目標の達成に向けて策定されましたエネルギー基本計画も、地球温暖化対策計画も、必ずしも十分な資金、政策、あるいは技術的な確証を得て、積み上げて定められたものではありません。

 また、現在の国際的なエネルギー市場の混乱に代表されるように、社会経済、あるいは国際情勢の状況変化によるたなエネルギー安全保障上の課題、また、先日の地震と季節外れな悪天候の組合せでもたらされた電力需給の逼迫、これに象徴される震災後様々な要因から脆弱化しているエネルギーシステム上の課題など、直感的には、この図に示されたように、今後も大過なく順調なトレンドが続くとは見通せないと予想されます。

 恐らくは、資料3、資料4で示されたような様々な分析は、現在までの効果を確認するだけではなく、従来からの対策だけでは十分対応できないと想像される今後のさらなる削減に向けて、どの分野、どの技術、どの対策について、今後さらに、どう追加的な対策や資金面での支援が必要になるか、これを考えるための資料の1つとして、有効活用できるような指標を考えることが求められていると思います。

 その観点から、事務局にもお考えいただきたいのは3つのポイントかと思います。第1に、どこを出口にするのか。お示しいただいたような分析結果をどのような目的に使うのか。これは、国民の理解を助けるというだけではなくて、例えば本専門委員会の親委員会ですとか温暖化対策計画の本部、さらにはエネルギー基本計画を議論する会議体も当たるかと思います。第2に、大きなマクロ視点からのチェックで何を導くのか。今、既に御説明いただいた、様々な大きな視点でのチェック、これだけでは不十分なところについては、さらに第3に、より詳細で細かい分析データ、これはどこまで要因分析や背景を理解する必要があるのか。先ほど申しました、他の会議体での検討との関係はどうなのか。こういった3つのポイントを確認する必要があるのかと思いました。

 その際に、マクロ視点からの検討は、他の省庁とも関係しますので、例えば行動に着目して、クリーンエネルギー戦略でもポイントとなっている「地域」あるいは「ライフスタイル」に関連して、家庭・業務・運輸といった部門を深掘りしていくべきではないかと思います。

 例えば資料4、スライド26の家庭部門の要因分析を見ますと、世帯当たりの人数は減りつつ世帯数が増えており、今後は一層の核家族あるいは独居世帯に向けた対策が重要になることが見てとれるかと思います。

 また、今回の分析にはありませんでしたけれど、地域別の観点から、都市部と農村部別などの切り口もあるかもしれません。目にする国民一人ひとりが、自分の行動によって何が変わるかといった視点で考えて行動できるようになれば理想ではないでしょうか。

 また、コロナ禍の影響については、1度減少した後、経済社会活動が戻るにつれて、第1にリバウンドしたもの、そして第2に、そのまま減少が続いているものに整理した上で、リバウンドを抑える対策、あるいは減少が続いていて構造変化が見られるのであれば、新たな構造や人々のライフスタイルの変化に対応した新しい対策を考える必要があると思います。

 そのような検討に資するような指標やデータ整理がなされれば、先に挙げた足りない分野への追加対策や新たな対策、支援策などを検討する一助になるかと考えます。

 まず、全体を見渡した上での感想めいたものも含まれておりますが、以上になります。ありがとうございました。

下田委員長

 ありがとうございました。

 続きまして、増井委員、その後、折茂委員、堀井委員、勢一委員でお願いします。

増井委員

 どうもありがとうございます。

 まずは事務局に、御説明ありがとうございました。

 先ほど御発言された山下委員と重なるところもあるのですが、まず、全体を俯瞰するという意味では非常にいい資料になっているかと思います。ただ、進捗管理ですとか、2050年ゼロを目指すといったことに資する資料としましては、より対策が実感できるような形に資料を作っていく、そういう必要があるのではないかなと思います。

 具体的には、やはりマクロな数字だけでは、なかなか何をどうすればいいのかというのがよく分からないといったところがありますので、より詳細な分析、例えば地域別、特に民生、家庭ですとか、業務であれば地域別ですとか、あるいは産業につきましても業種別、あと家庭につきましても、高齢化とか、年齢区分によってどう違うのかというような、より詳細な分析・解析というのが必要になってきて、そういう、それぞれのカテゴリーにおいて、どういう対策が今後必要になってくるのかということが求められるのではないかなと思います。

 そういった中で、社会経済に関する要因、それと技術的な要因、あと、さらには施策に関する要因、これはカーボンプライシング等も含めて、もちろん、まだ十分ではないところもあるかもしれませんが、そういう、それぞれの要因に分けて、きちんと示していく。今回の資料でも、茅恒等式に合わせて示していただいてはいますけれども、より具体的に、特に技術等で、どの程度下げてきたのか、今後下げられるポテンシャルがあるのかといったところも数字を示していくことが重要ではないかなと思います。

 それで、ちょっと1点御質問といいますか、お聞きしたいところなのですけれども、資料4のところ、要因分解のところで、気候要因といったところが挙げられております。最後、参考資料に、気候要因の算出方法についてということで、資料もスライドも作っていただいているのですけれども、気候ということを考えたときに、40枚目のスライドで、特定の地域に偏らないように選定された15地域の月平均気温偏差は以下のとおりとあるのですけれども、やはり実際どれだけ気温が上昇したのか、変化したのかという、その気温変化に対応するような形で、電気あるいは他のエネルギーの消費量が変わってくるところもありますので、こういう偏りをなくすほうがいいのか、あるいは、ある程度、人口の分布に従うような形で評価したほうがいいのか、その辺りも、ちょっと検討していただく必要があるのかなということと、こういう気温の変化に影響するのは、例えば冷暖房ですとか給湯とか、そういう特定の用途になりますので、やはりそういう意味でも用途別の評価というのは必要になってくるのではないかなと思います。

 あと、最後に、先ほど山下委員からもお話がありましたコロナの影響、特に、リバウンドさせないために、どういうふうなことを心がける必要があるのか。こういうふうなことが、やはり国民へのメッセージとして非常に重要ではないかなと思いますので、今回は、どちらかというと現状の分析ということではあったかと思いますが、今後、コロナから脱コロナ、アフターコロナというようなことを考えたときに、今後どういうふうなことを我々国民として心がけていく必要があるのかという、そういう面のメッセージも必要になってくるのではないかなと思います。

 以上です。ありがとうございます。

下田委員長

 ありがとうございました。

 続きまして、折茂委員、お願いいたします。

折茂委員

 本日は、どうもありがとうございます。

 まずは事務局の皆様ですが、ここまで分析されるというところも非常に大変だったというふうに思いますので、まずは、このような分析、ありがとうございましたというところでございます。

 その前提で、今お二人の委員からも御意見があったところとも少し重なる部分はございますけれども、今回のフォローアップの趣旨というところも踏まえたときに、私、民間企業の観点から、少しお話しさせていただければというふうに思っております。

 まず、冒頭の御説明にも少しございましたけれども、今回、非常にアンビシャスな目標が設定されたというところで、設定した目標をここから10年、20年、30年かけて、どう実現をしていくのかと。そのために、このフォローアップというところが、非常に、自分たちが今いる地点が一体どこにあるのかということをきちんと明確にするということと、そこから目指すべきところまでの道のりとか、そのギャップ、こういったところも明確にした上で、どうゴールにたどり着いていくのかと、そこをしっかり見ていくための確認として、非常に重要だというふうに理解してございます。

 その観点で、国民としても、国民一人ひとり、それから産業界、それから地域、こういったところがそれぞれできることをしっかりとやっていくというだけではなくて、最大限ストレッチをしていかないと、2050年のカーボンニュートラルというところは、なかなか実現し得ないものだというふうに思っておりますので、まずは、そこは一体、自分たちがやってきたことがどれぐらいの効果があったのかということと、それから、何が足りないのかということを明確にしていくのが非常に重要ではないかというふうに思っております。

 これは国民一人ひとり、それから産業界の感覚でもございますけれども、やはりカーボンニュートラルの話というのは、重要だと分かっていても、自分の今、目前でやっていることがどれだけの効果を生んでいるのかということが、正直申し上げると、なかなか実感しにくいものでありますし、したがって、どこまで努力すればいいのだろうかと、そういった気持ちにも、どうしてもなってしまうというところがございます。

 そういう観点で、施策一つ一つがどういった効果があるのかということを、まず非常に分かりやすい形でつくっていくということが重要ですし、あと、もう一つ、非常に重要だというふうに考えておりますのは、今回、一定のブレークダウンをしていただいておりますけれども、政府全体の方針としても、どの領域でどれぐらい削減をしていく、いつぐらいには技術的な進化がこれぐらいあるはずだから、これぐらいのCO2の削減とかGHGの削減というものが見込まれるのではないのか、こういった検討は各種委員会等で行われているわけですけれども、そういったところも参考にしつつ、非常に、それぞれのステークホルダーで、一体何をどうやってほしいのかという明確なメッセージとともに、それを裏付ける形で分析結果をお示しいただけると、それぞれのステークホルダー、国民一人ひとり、産業界、産業界も、産業界というものは存在しなくて、それぞれのやはり業界、あると思いますけれども、それが、今、立ち位置はどこで、自分たちが目指すべきものは何なのかということが非常にクリアに分かっていくと、やることも、おのずと明確に見えてきますし、その辺りが政府のほかの施策の方針とも連携した形でいくと、よりスムーズに進んでいくのではないかというふうに考えてございます。

 そして、もう1つ、今お二人の委員からも最後ございましたけれども、ここまで、2021年までのところというのが、今、分析結果として出てきているわけですけれども、今回、コロナによって大きく変化した部分と、それから、実はまた、ライフスタイルも含めて揺り戻しになってくる部分というのがあると思います。そういったところも、何は残って何は変わっていくのかといったところを見据えながら分析に織り込んでいっていただけるとよろしいかなというふうに考えてございます。

 以上です。どうもありがとうございました。

下田委員長

 ありがとうございました。

 それでは、次に堀井委員、お願いします。

堀井委員

 どうも、大阪大学の堀井です。

 資料4と資料5について、コメントをさせていただきます。

 まず、資料4の要因分析なのですけれども、CO2の排出をこのような形で見える化するということは非常に重要で、大変大きなお仕事をされていると思います。

 2ページの式なのですけれども、CO2の排出の式ですね、これを見てみますと、経済成長というのがこの中に入っています。国内総生産/人口というのがあるのですけれども、これが1人当たりのGDPなのですけども、経済成長すると、この部分が大きくなります。そうすると、この式に基づきますと、CO2が増えてしまうということになってしまいます。もちろんCO2を削減するというのが目標なのですけれども、同時に政府としては経済成長をしていきたいという、そういう目標も当然ありますので、ここにトレードオフが発生するということになります。ですので、なかなかその両立が難しいという話が出てくるかとは思います。

私は経済成長を分析しているのですが、経済成長というのは、量的な成長と、それから質的な成長の合計だというふうに考えていまして、それを実質GDPと我々は呼んでいます。 例えば、コロナのショックがあって短期的に経済成長が落ちましたと、そういう2020年、21年のケースを考えると、そういう場合は、基本的には量の減少、量の変化となります。そうすると、CO2がそれによって変動するということになります。一方、例えばカーボンニュートラルの目標とか、そういう長期的なGDPの変化を考えると、長期的なGDPの変化は、基本的には質の変化というのがかなり大きいというふうに考えられています。

 例えば、自動車産業のGDPというのが伸びていますけれども、具体的に、生産している車の台数がそんなに増えているわけではないのですね。そうではなくて、付加価値がだんだん上がっているというふうになってきています。

 そう考えると、先ほどのトレードオフという、成長と、それからCO2削減の両立を考えたのですけれども、量的拡大ではなくて、付加価値とか質を上げていくという、そういう経済政策というのも、実はCO2と成長、実現、両方する上では結構重要かなと。

 今御覧になっている式で言いますと、質が上がった場合というのは、国内総生産が上がるのですけれども、物質量が増えないとエネルギーの量はそれほど増えないということなので、エネルギー消費効率要因とありますけれども、ここが改善するという形になってくる。基本的には、今回の分析では、エネルギー消費効率要因というのは省エネという立場で見ていて、もちろん、それはすごく大事なのですけれども、それにプラスして、GDPが質の向上によって上がっていくというのも非常に重要なので、ですので、そういう質を上げていくようなイノベーションとか、そういうものがどういうふうに、この問題に効いてくるかというのも見えてくると非常にいいのではないかなというふうに思います。それが1点です。

 もう1点は、コロナの影響についての資料5になります。今回、コロナでCO2がかなり減ったのですけれども、2つの要因が大きく分けてあると思います。1つは生産とか消費が落ちて、先ほど申し上げましたけど、GDPが落ちたという、そういうことがあります。それは今後、そのショックというのが和らいでいくと元に戻るというふうに考えられます。もう一つは、テレワークの推進によって、例えば通勤とかの人流が減ったということがあります。

テレワーク等というのは、実は海外の例なんかを見ると、将来、結構続くのではないかというふうに考えられていまして、アメリカなんかだと、かなり定着をしていくというふうな話を聞いております。テレワーク全体として、CO2にどういうふうな影響があるかということなのですけれども、分析によると、家庭部門では、実は、少しCO2は増えてしまっているんですね。だけども、それよりもかなり大きな割合で旅客の運輸からの排出が減っていると。ただし、貨物は少し上がっているのですけど、運輸部門でかなりマイナスになっているということがあります。もちろん旅客運輸の部分ではGDPが減ったから排出が減ったという効果もあるのですけれども、テレワークの効果もあるはずなので、テレワークの長期的な効果というのがどれぐらいCO2に影響を与えるかというのを、できたらそういうのが、相対的な影響が分かると非常にいいなというふうに思いました。

 もし、仮にテレワークを推進することでCO2が減るということであれば、カーボンニュートラルを目指す施策というのは幾つもあると思うのですけれども、その中でテレワークの比率はどれくらいかと、そういう指標も入れていくというのも一つ、もしかしたら有益かもしれないなというふうに思っています。

 テレワークというのは、もちろんCO2に関係する可能性はあるのですけれども、その他にも、例えば女性の社会進出とかライフワークバランス、あるいはDX、デジタル化というのも、テレワークが進んでいくと、当然、全てオンラインになって、DXも必然的に進んでいくので、そういう意味でも非常に重要な施策と思います。環境面からもそういうのを進めるのがよいのかどうなのかというのが、もし分かってくると、将来的には非常によいのかなと思いました。

 以上です。

下田委員長

 ありがとうございました。

 続きまして、勢一委員、お願いいたします。

勢一委員

 ありがとうございます。勢一です。

 既に多くの委員から御指摘がありましたけれども、私も重なりつつも、少し意見を申し上げたいと思います。

 まずは、事務局に興味深い資料を御用意いただきまして、お礼を申し上げます。かなり幅広い分野のいろいろな数値から分析ができておりまして、大変参考になります。データから何を読み取るか、どこをさらに深掘りするかというところを、この委員会では議論するということなのかなと思っております。

 他方で、本専門委員会のミッションというのがなかなかフォーカスしにくいなというふうには感じておりまして、既に御指摘がありましたけれども、他の会議体との関係性などは、やはり意識をして議論する必要があろうかと思いますので、この辺り、事務局から補足等いただきますと、ありがたく存じます。

 今回、このようなデータをかなり詳細に工夫して整理してくださって、議論ができること、これ自体に価値があるかと思っています。データを継続的に収集し、集積して、分析・検討が可能な状況を維持していくこと自体が、こういう分野にとっては非常に重要であると思っています。

 資料4では、2013年度と2019年度の比較をしていくことで、いろいろ見えてきたことがあります。排出原単位の要因がかなり大きいことは、これまでの間に、技術開発を含め、各部門での取組が一定程度進んできたことが明らかになった部分ですね。これも毎年の基礎データが蓄積されてきたことによる成果だと思っています。こうしたデータは、もっと積極的に活用するのが社会全体の利益になるかなと思っていました。特に、経年変化を把握していくことも重要で、ある施策の成果が何年後に発出するかというのは、実は不確定な場合も多々ありますので、それを見るためにも、毎年の蓄積が鍵ですので、こういう対応を続けていくこと自体も求められる点になろうかと思います。とりわけ、国内外の動向、特に想定外の出来事が起こり得ますので、それを受けて軌道修正するためには、やはりこうしたデータに基づくフォローアップが不可欠なのだというのを再認識したところです。

 そういう点では、基礎データについては、社会的に共有して、社会全体で利用、そして検証が可能な状況にするという対応が必要なのかなと思っています。特に、研究者や専門家に向けてはそうした対応で、一緒に利用してもらって取組を進めていただくことに期待ができるのではないかと思います。

 国民レベルでも、やはり、こうしたデータをしっかり活用できる環境が必要で、ただ、専門性が高いデータが多いので、それを少し紐解いて周知できるようなネットワーク、これが必要かなと思います。少なくとも、既存ネットワークで活用できるものはたくさんあろうかと思いますし、例えば、温対法に根拠を置く活動推進センター、これは地域センターもありますので、こうしたチャンネルを使っていくことも、周知という意味では、選択肢になるかと思います。国民レベルでも、意識して行動選択をしてもらうのが施策につながる部分かなと思います。

 他方で、国民の自由な活動を制限することは難しいですので、行動変容を促す施策も、今後は一層重視をしていく必要があるかと思います。ライフスタイルの変化による影響、既に幾つも御指摘がありましたけれども、どのような影響があり得るのかについては少々複雑ですので、多様な要因からの相互作用であるとか、各部門の取組間の連関も見ていくことが必要で、これは難易度が高いかなとは思っています。特に、人口減少、少子高齢化、これがどのような変化をもたらすのかと。先ほど、1人暮らし、特に1人暮らしの高齢者が増加するというような指摘もありましたし、医療施設、介護施設の増加も、当然ここにはつながってくると思います。

 また、コロナ禍で、公共交通から自家用車への移動が今起こっていますが、これが今後どのような変化になるのか。テレワークの指摘もありましたけれども、テレワークの普及、浸透が今後どのような変化を地域にもたらすのかと。この点は、まちづくりとの整合性の部分も必要になってくると思いますので、脱炭素型の都市設計、どのような要素が必要になってきて、それが都市と農山漁村でどのくらい違うのかというようなところも意識をするのが必要だろうと思います。

 さらに、ウクライナ危機のようなこと、現在、トリガー条項の発動をめぐる議論なども出ていますけれども、こうした想定外の変化による制度運用、これが及ぼす要因、かなり不確実性が高くなりますので、こういうことを見ていくために、どのようなデータが追加で必要かというところも検討が必要かと思います。

 あと、若干、悩ましく感じていた点としましては、例えば、地域レベルの例でいきますと、改正温対法により導入された地域脱炭素のスキームがありますけれども、これが、今後、進捗状況の評価にどのようにつなげて見ていくことができるのかは、課題かと思っています。特に、再エネ導入と地域の生活空間の確保とが利害対立になっていて、地域紛争も起こっています。こういうような社会的な要因が排出抑制の障害になる場面も十分考えられますので、この辺りをどのように考慮して施策に移すことができるのか、同時に進行する関連施策とのつながりも要考慮事項かなと思っております。

 取りあえず、私からは以上です。

下田委員長

 ありがとうございました。

 それでは、ここまで各委員から幾つか御質問があったかと思いますので、事務局、環境省から御回答いただけるものがあれば、お願いいたします。

地球温暖化対策事業室長

 各委員より詳細な中身を御覧いただいた上での含蓄のある深いお言葉、ありがとうございます。

 今回は、まず1回目ということもございますので、木を見て森を見ずということにならないように、全体像のところをまず分かりやすくお示ししたということでございまして、本日の御意見を踏まえまして、第2回、第3回という形で、徐々にどちらを、御意見がございましたとおり、深めていくか。それを深めていった上で、どうやって各ステークホルダーに分かりやすく伝えられるのかということについて、追求をしていきたいというふうに考えております。

 あくまでも統計の話になるので、過去の分析ということになりますので、よくあるバックミラーを見つつ運転をすると、こういうことになるわけでございますが、その中で、新しい状況は日々起こっていくということになりまして、コロナ以外の要因として、エネルギー価格の高騰でございますとか、この前の地震、悪天候による電力の逼迫というような、いろいろな最新の課題が出てくるということになろうかと思います。そういうものにつきましては、今年度だけではなく、次年度以降、統計が出てきたところも踏まえまして、今年度は資料5という形でコロナについての分析ということになりましたが、次年度は、おそらくエネルギー価格高騰の影響みたいなところも含めて、要因分析が必要になるかもしれないなというふうに考えておりますので、資料4のような形で、中期的なトレンドというものは変わらず追いかけつつ、資料5のように、個々のトピックのところを深掘りしていくという形で、なるべく立体的に分析が進められないかという形で進めていきたいと思います。

 出口、目的につきましては、各ステークホルダーにお知らせするということに加えて、政策形成の一環にしていくということも、御指摘のとおり、大変重要だと思いますので、地球環境部会でございますとか温対本部などに、どのように分かりやすく報告していけるかということにつきましても、御指摘を踏まえて検討していきたいと思います。ありがとうございます。

 詳細分析につきましては、どういう形で分析していくのがいいかということで、今日御指摘いただいた地域別のようなものがいいのかどうかというようなところも含め、それぞれ、また個別にも御相談しながら、分析の深め方、下田委員長とも御相談しながら、どういうふうにブレークダウンして、さらに分析を深めていくかということを検討したいと考えております。

 コロナの関係につきまして、幾つか御意見をいただいておりまして、テレワークなどを例に出していただいております。アメリカは、テレワーク実施率、民間の調査だと8割を超えていたりして、イギリスも4割ぐらいですが、日本は2割ぐらいとかということで、ちょっと各国、状況がそれぞれあるということかと思いますし、おそらくテレワークを単純にやると、家庭部門の省エネとか断熱とかが進んでいないと、単純に家庭部門での排出量が増えてしまうということと、業務ビルにつきましても、出勤する人数は少ないけれども、コロナ対策とかで換気を強化しているということで、エネルギー消費原単位は悪化するというようなことになってしまって、単純なテレワークというだけだと、家庭部門や業務部門が、それぞれ効率が悪くなって排出量が増えてしまうというような面もあろうかと思いますので、そういうところがなるべくデータを示しつつ、立体的に分析が進めるように、エビデンスを用意できるものから順次用意していきたいと考えております。

 他方で、こういう形で、この専門委員会にもございますとおり、WEBでの会議というものを行うことによって、時間が有効に活用できるとか、移動に伴うCO2排出量が減るというようなことについては、今まで役所の会議というのは基本対面でとなっていたわけですが、これから、コロナの後も、対面の方は対面で、WEBの方はWEBでという形で、ハイブリッドも含めて、多様な働き方の中で、多様な御意見をいただけるような形のところについては、引き続き進めていくということも重要だろうと思います。そういうことについて、どういうふうに分析できるかということを、さらに検討を深めていきたいと思います。

 あと、増井委員からいただきました気候要因のところ、15地点のところについては、世帯数での重み付けというものは今現在しているところでございますが、もうちょっと改良の余地があるのかどうかということにつきましては、引き続き、御指導もいただきながら分析を深めていきたいというふうに考えております。

 その上で、折茂委員からございましたとおり、今、我々がどこにいて、これからどこに向かうのか。ギャップがどうあって、そのギャップを埋めるために、どういうことをやっていかないといけないのかということ、まさに政府としてやっていかないといけない分野かなと思っております。それをできるだけブレークダウンして分かりやすく、各ステークホルダーが腹落ちする形で示せるかということが、究極的には、この専門委員会で御議論いただく目標かなと思っておりますが、そこのところ、どこまでできるかということをチャレンジしていきたいと考えております。

 また、堀井委員からいただいたGDP、質を上げていくという形の成長ということにつきまして、まさに、それを実現することによって、経済を成長させつつ温室効果ガスは減らしていく世界にしていくということが、総理からも御指示いただいている新しい資本主義ということなのかなというふうに理解しておりまして、そういう形で進んでいるかどうかということが、どういう指標を使えば分析ができそうかということにつきまして、よく検討を深めていきたいと考えております。

 勢一委員からございました他の会議体との関係ということでございますが、もともとこの温室効果ガスの排出量の統計というのが、いわゆる加工統計の二次統計、三次統計ということになりますので、今回お示しした資料4の41ページ、42ページにございますとおり、各省の統計分析を用いた上での分析ということになりますので、それぞれ各省でいろいろ会議体を設置されて、分析されている面もおありになるかと思いますので、それを参考にしつつ、こちらでも引用しながら分析を深めていく。それによって、こちらからフィードバックできるものがあるのであればフィードバックして、インタラクティブにしていくということが極めて重要かなということを、御指摘を踏まえて思いましたので、その辺をどういうふうにやっていけるかということを、御指摘を踏まえて検討したいと思います。

 また、基礎データの共有、検討とか、どういうふうにネットワーク化して、この情報を伝えていくか。行動変容を促すナッジのような施策、どういうふうにやっていくか。それぞれのセクターで、縦割りになることなく、セクターカップリングも含め、連関をどう見ていくかという辺り、難易度が高い宿題をいただいたということでございますが、できる限り、我々でどういう分析ができるか、ちょっと考えていきたいというふうに思っております。

 まずは、そういう意味で、再エネにしても、いい再エネを増やし、抑制すべきところは抑制するというようなことについて、環境省でも再エネの情報データベースみたいなものをつくって、俯瞰的に、直観的に、視覚的に、どこに再エネを設置するのがよさそうかということが分かるような情報データベースなどもつくっておりますので、そういうものも活用しながら、どうやって施策を展開していくかということ、また議論を深めていきたいと考えております。

 一部については、第2回のときに、いろいろ推進方策や施策をこういう形で進めていますという形で御紹介さしあげる部分もあろうかと思いますが、引き続き、2回目に向けて検討を深めていきたいと考えております。

 取りあえず、事務局からは以上でございます。

下田委員長

 ありがとうございました。

 私からも少し御意見を申し上げたいと思いますけれども、やはり、この委員会の目的といいますか、落としどころとして、大きく2点がありまして、1つが、今いろいろ委員から御意見をいただきましたけれども、地球温暖化対策計画の2030年あるいは2050年の目標を達成していくために、何を、どういう分析をして、PDCAサイクルでいうとチェックのところに当たるのだと思うのですけれども、次の対策にどうつなげていくか。そのために、どういう分析をするかということを御議論いただくということが1つですね。

 それから、もう1つが、この1番下の段落にある国民一人ひとりの地球温暖化対策の現状に対する理解を醸成していくということであります。ちょうど今、この2年間コロナウイルスの問題があって、行動変容で感染防止をするために、マスコミとか政府がいろんなやり方で、進捗状況といいますか、感染者数とか、重症者数とか、こういう数字を出されているわけですけれども、その話をこの温暖化対策計画の中に移し替えたときに、どういう国民に対する情報の提供をすれば温暖化対策の達成につながっていくのかということを議論するということがあると思っております。

 その点で少し、3点ほど御意見を申し上げると、出し方ということでいうと、やはり環境白書のようなところに、こういうものをしっかり出していかないといけないなというふうに思っております。それから、その中身のことでいいますと、本当に、山下委員が冒頭でおっしゃられたように、資料3の12ページが、このグラフだけ出ていけば、もう国民は何もしなくても順調に温暖化対策が進んでいくんだというふうに理解されてしまうと思いますけれども、各委員からありましたように、決してそういう状況にはなっていなくて、やはり、このグラフに対する解釈を正しくつけてやる必要があるというふうに思っております。

 その意味で、本日の資料の中でいうと、例えば産業部門でCO2、GDPを落とさずに排出量が減っているというふうにはなっておりますけれども、各産業別で見ますと、例えば鉄鋼業のような素材のところが、生産量が下がっていると。これが、いわゆる脱物質化のような形で、鉄というのを必要としないような社会に移行していて、それで下がっているということでいえば、サステナブルな削減というふうに言えるのかも分かりませんけれども、例えば、日本でつくらなくなっただけで、他の国に生産が移ってしまったために、他の国では逆にCO2が増えているというようなことになれば、これはサステナブルな削減とは言えないわけでありまして、そういうところの分解、分析が必要だというふうに思っております。

 それから、先ほど増井委員からもありましたけれども、家庭部門に関しては、私はもっと気候要因が大きくなるというふうに思っておりまして、この25ページのグラフでいうと、1人当たりのエネルギー消費量要因がそんなに毎年で変わるとは思いませんので、もっと気候要因に寄っていて、私どもの独自の計算でいえば、年間の削減量の半分ぐらいになっている年もあるというふうに思っております。これは、2013年がたまたま気候的に家庭のエネルギー消費量が大きくなる気候要因であったということが影響しているわけでありまして、こういうことは、もう少し分析を進めて、対策の効果ではない部分があるということは、やはりちゃんと伝える必要があるというふうに思っております。

 それから、これまでこの親委員会の地球環境部会ですとか、それから、その前の地球温暖化対策計画を決める委員会で出てきた意見の中でいうと、1つは施策の評価をしっかりしてほしいということがございました。ですから、今日出てきたマクロな指標と、次回以降出てくると思いますけれども、地球温暖化対策計画等に掲げられているそれぞれの施策の進捗状況との関係付けというのを見ていく必要があるだろうなというふうに思っております。

 それから、同じ委員会で出ておりましたのは、イギリスの気候変動委員会、これは国から独立した委員会なのですけれども、議会に報告書を出すことになっていて、その報告を見ておりますと、ちょうどここで議論しているような、これまでの温暖化対策の評価、それから、それぞれの施策の評価ですとか、いろんな指標の変化、それから、最新版ではコロナウイルスの影響の評価というのが非常に丁寧に書かれておりまして、こういうものを参考にしながら少し御検討いただければなというふうに思っております。

 今、ちょっと私が申し上げたようなところも含めまして、ぜひ委員だけではなくて、オブザーバーの皆様からも御発言を頂戴したいと思いますけれども、いかがでございましょうか。

 大下様、お願いします。

大下氏

 日本商工会議所の大下と申します。発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。また、事務局からは大変多岐にわたる、精緻な分析の御説明をありがとうございます。

 皆さんがこれまで御発言された内容と重なる部分もあると思うのですが、先ほどもお話がありました、他の会議体との関係というところで、温暖化あるいは脱炭素に関連する環境省、経産省の幾つかの会議体に参加をさせていただいておりますので、少し発言をさせていただければと思います。

 日本商工会議所としては、これまでも温暖化対策、あるいは脱炭素の取組について、日本の企業の大半を占める中小企業も含め、企業の具体的な行動に結びつくように、分かりやすい全体像と道筋をしっかり示していく必要があるということを述べてきました。これまで、様々な会議体で、様々な資料、あるいは施策の説明をいただいていますけれども、その中でも、今回お示しいただいた資料4の要因分析は極めて重要な内容ではと感じています。

 ちょうど昨日、経産省のクリーンエネルギー戦略合同会合で、脱炭素に関する各産業セクターにどのような技術があって、今後どういうことが期待されるのか、どこに重点を置いていくのかという議論をしてきているのですが、各産業の脱炭素に関わるつながりを示す俯瞰図が資料で示されました。こうした各産業の関連性を示す俯瞰図に、今回お示しいただいたような要因分析、産業ごとに、どの部分で排出が行われ、どの要素で温室効果につながっているのか、あるいは温室効果の対策につながっているのかということを、組み合わせて示していくことで、全体像と道筋を、数値、データの面で裏付けることになるのではないかと思います。

 2つ意味があると思っています。1つは、これも、どなたかからかお話がありましたが、国の施策、政策を検討していく上で、こうした分析をしっかり精緻なものにして、説得力のあるデータに基づいた政策検討を行っていくことが、これまで以上に重要なのかなと思います。日本はどの技術に優位性があって、どの技術ならば可能性があるのかという要素、あるいは、その技術が本当にビジネスにつながって、さらなる対策を進めていくための利益をどれだけ生み出し得るのかという要素を組み合わせていくことで、温暖化対策の推進と経済成長を、しっかりバランスを取りながら進めていく。そのために、どこに重点的に施策、予算を落とし込んでいくのかを考える上で、このデータ分析が、非常に役に立っていくのだと思います。データに基づいた施策の評価、効果検証、見直し、あるいは新たな施策の検討に活用されることを期待したいと思います。

 もう一つは、企業や家庭の取組の促進にどうつながるかです。ここは精緻さと同時に分かりやすさが非常に大事かと思います。2050年までという極めて長い期間、活動を続けていかなければなりません。しかも、成果が、残念ながら目に見える形ではなかなか示せません。そういう意味では、こういった形で、数字で、しかも全体のつながりを示した上で、どこをどうスイッチを押せば、どれだけ効果があるのかということを一定の方式で示すというのは非常に重要かと思います。

 環境省の炭素中立型経済社会実現小委員会で今、地域の社会や中小企業、消費者、生活者の方々の行動変容をどう促すかという議論をスタートしていますけれども、そうした行動変容のうち、どれが効果的で、どれに優先順位を置くべきなのかを考える上でも、やはり重要な要素になるのではと思います。経産省、環境省で、産業政策、あるいは地域、生活者に対する働きかけにデータをしっかり組み合わせて、データに基づいた政策、施策の展開を進めていくという意味で、今回の分析がさらに進められ、活用されることを大いに期待をしたいと思います。

 私からは以上です。ありがとうございます。

下田委員長

 ありがとうございます。

先ほどの質問を受けての委員からの2回り目の御発言でも結構でございますし、他のオブザーバーの皆様からの御意見でも結構でございます。いかがでしょうか。

 では、オブザーバーの、経団連・長谷川様、それから、その次に折茂委員、お願いいたします。

長谷川氏

 経団連の長谷川でございます。発言の機会をいただきまして、どうもありがとうございます。

 私どもといたしましても、今回のフォローアップは非常に重要だと考えており、何人かの委員の方からもお話がございましたけれども、非常に野心的な目標に向かって、どのように取り組んでいくかについて、しっかり積み上げた議論をしていくべきだと考えております。

 また、資料2にもありましたように、国民に対する呼びかけといいますか、取組を働きかけていくためにも、しっかりとした説得力のあるファクトベースの分析を行って、それを示していくことが非常に重要と思っております。

 その上で、今回、削減の要因分析に事務局が大変労力を割かれており、それを踏まえて議論を進めるということになっていますけれども、その中で、費用対効果の高い対策を進めていくのが良いと考えられるところ、個別の対策のコストについての議論ないしデータが必ずしも示されていないのではないかと思いました。これについてはどのようなお考えか、質問させていただきます。

 それに若干関連して、今、部門別にも削減目標が目安という形で示されていますが、これを、非常に固い目標として考えるのか、あるいは、もう少し柔軟に考えた上でフォローアップしていくのか、今後のスタンスも教えていただければというふうに思います。

以上でございます。

下田委員長

 ありがとうございます。

 折茂委員、お願いします。

折茂委員

 ありがとうございます。

1点、少し、これまでの議論とは角度の違う意見となりますけれども、せっかくこういった形でフォローアップをして、国民、産業界、こういったところにメッセージを出していくのであればというところですが、せっかくですのでグローバルな観点というのも入れてみてはいかがかなというふうに考えております。

 その心といたしましては、弊社、ボストン・コンサルティング・グループという名前のとおり、グローバルに50か国、90拠点ある会社でございますけれども、こういった中で弊社の気候変動、サステナビリティ領域のエキスパートと話をしていくと、やはり日本の取組というものは非常に注視されていると。当然、曲がりなりにもGDP世界第3位というところでもございますし、それからSBTを取得している企業数とか、こういったところを見ても、非常に日本、頑張っているじゃないかというような声も聞かれます。

 なので、そういったところで、日本がこれまでこれだけのことをやってきているということをしっかりグローバルに謳っていくということは、非常に、他国にとっても興味関心を満たすというところも、もちろんそうですし、非常にいい影響を与えられるのではないかなというのが理由その1と。

 もう1つは、政府と民間企業とは少し違うかもしれませんけれども、やはり、その辺りのこういった開示の動きというのは、特に、気候変動の取組を含めて、開示の動きというのは非常に大きな流れとして民間企業では起こってきているところでございますので、こういった、これまでの取組の成果、それから今後というところの開示も、どんどん行っていくということは非常に重要なことではないかと思っております。

 そのときに1点ございますけれども、注目されている一方で、説明が長いと聞いてもらえないというのがグローバルでの当たり前のことかと思いますので、いかにシンプルに伝えていくのかというシンプルなメッセージと、それを裏打ちするシンプルな分析、一投入魂といったようなものも併せて意識をしてつくっていけるとよろしいかなと、そんなふうに考えてございます。

 以上です。ありがとうございます。

下田委員長

 ありがとうございます。

 続きまして、増井委員、その後、畠中様、それから堀井委員で、その後、事務局から回答をお願いします。

 では、増井委員、お願いします。

増井委員

 どうもありがとうございます。

 今、折茂委員からお話がありましたグローバルという観点からいきますと、ちょうど今、IPCCのワーキンググループ3、緩和の総会があって、AR6に向けた最終的な議論が行われていますので、そういったところも、ぜひ紹介していただければと思います。

 事務局からは、先ほどは、御回答も含め、ありがとうございます。ステークホルダーに対して有効なメッセージをということで、きめ細かいメッセージの発出というのが必要になってくるかと思うのですが、特に、先ほど、どなたかも御発言がありましたけれども、まちづくりというような長期的な対応から、今すぐできるもの、あるいは、例えば機器の買換えというような中期的にできるもの、そういう時間的な見通しというのが違ってくると取組も違ってくる。

 特に、長期をいかにして考えるのかということ。短期的に、例えば、投資回収年数を、もう1年、2年というふうな形で考えると、なかなか省エネ技術等は選択されませんけれども、長期で見ると、そういう省エネの技術というのが非常に、コスト的に見ても重要になるというようなメッセージ、分かりやすいメッセージが必要になってくるのではないかと思いますので、その辺り、是非一緒に検討していただければと思っております。

 あと、ステークホルダーに対応するということでもう1点申し上げさせていただきますと、今回、経団連の長谷川様も参加されておりますが、経団連さんでもカーボンニュートラル行動計画ということで、こちらは経産省、環境省も入って毎年フォローアップされております。そういういろいろな計画等のフォローアップ、あるいは評価というのが行われているかと思いますので、次回以降、そういったところもあわせて示されるのかなと。日本全体で、どういう形で脱炭素というのを実現していくのか、その辺りをボトムアップの形で示していただけるといいのではないかなと思っております。

 最後、資料でも、今日、示していただきましたけれども、なかなか今の対策だけで2050年ゼロというのは達成することができないのだという、そこはやはり強いメッセージとして出しておく必要があるのではないかなと思いますので、あまり悲観的になり過ぎてもちょっと駄目なのですけれども、楽観過ぎることもないというような、そういうメッセージが非常に重要になってくるかと思いますので、その辺り、ぜひ一緒に検討できればと思っております。

 以上です。ありがとうございます。

下田委員長

 ありがとうございます。

 続きまして、温室効果ガスインベントリオフィスの畠中様、お願いします。

畠中氏

 畠中です。よろしくお願いします。

 この大事な場で発言の機会をいただきまして、どうもありがとうございます。

 まず、資料4の13ページの辺りについて、ちょっと細かめのコメントがございますけれども、こちらはCO2の排出原単位要因について、購入電力、自家用発電、自家用蒸気発生、その他燃料といった形で分けての分析というふうになっておりますけれども、これは、どのように分けるかとか、そもそも分けるかどうか、それ次第で要因の分析結果が少し変わってきたりということがあろうかと思いますので、エネルギーの構成要因ですとか、そういったことも考慮に入れてみるのも一考かと思いますという点が1点。

 もう1点は、国民への情報提供といった、広く社会全体の便益となるというようなお話がほかの委員からございましたけれども、昨今、様々な観測データが入手できるようになって、かつその情報が早く公開されたりして、おり、観測からの排出量の把握の精度が上がってきているような状況である一方で、こういった総排出量というのは、例えば、この絵に示されているような要因の積み上げであったり、言い換えますと活動量と排出係数などから積み上がって排出量ができてきているというような状況がございますので、そういった排出量などが固まったら、なるべく速やかに、観測などから得られる情報ほどには早くは出ないですけれども、比較的速やかに情報提供することによって、こういった要因分析の付加価値というのも高まると思いますので、早めの情報提供と、あとは、例えば分析をするに当たって必要となるバックデータが、例えば、まだ公開されていないから分析作業が進みにくいといったようなことがあるのであれば、そういったデータを提供してくださるところへの働きかけですとか、そういったことに少し注力して早めを目指すというのでいかがかと思っております。

 以上になります。ありがとうございます。

下田委員長

 ありがとうございました。

 それでは、堀井委員、お願いします。

堀井委員

 どうもありがとうございます。

 先ほどのテレワークの件について、アメリカなんかだと80%ぐらいテレワークをしているのが日本だと20%ぐらいしかないという、そういう話があって、影響が限定的かもしれないという話をいただきました。本来、日本は人口密度が高くて通勤もかなり密になるので、テレワークをする便益が本当は大きいはずなのですけれども、そうなっていないのは、恐らくデジタル化が進んでいない、例えば判子が必要だとか、そういうふうな理由で進んでいない面もあるのかなと思います。

 ただ、政府の施策としては、デジタル化を進めていくという、そういう立場でもありますので、もし仮にデジタル化が進んでテレワークもやりやすくなった場合どうなるのかというのは、例えば先進事例であるアメリカのケースでどうなっているか、あるいは、アメリカでテレワークが進んだ結果CO2がどういうふうに影響を受けるのかという、そういう先進事例も参照されて、その知見を日本の政策に生かしていくのも一つの方法かなというふうに思いました。

 オフィスで出社人数が減っても、なかなか効率が悪くなるだけだという話もあったのですけれども、効率が悪くなっても、それは一時的な話であって、本当に出社人数が減ればオフィス面積自体を減らすという動きも若干出ております。例えばリクシルという会社だと、自社ビルを売却してオフィスを9割削減する、NECでも4分の1削減するというような話を聞いておりますけれども、そういう長期的な影響も、もしかするとあるかもしれないので、そういう点についても今後検討いただければと思います。

 あと通勤に関してなんですけれども、テレワークがなくなりますと、当然、通勤が減るわけなのですけれども、地方におきましては、かなりの部分、自動車で通勤をしておりますので、そこにおけるCO2の排出の削減というのもかなりあるかと思います。ただ、実際、現状では地方でテレワークがそこまで進んでいないということで、影響は限定的なのですけれども、これも、やはりデジタル化が進んでいってアメリカ型になりますと、かなり大きな影響が出る可能性があります。それについても、今年というわけではないと思いますけれども、将来的に注視していただければというふうに思います。

 以上です。

下田委員長

 ありがとうございます。

 勢一委員から手が挙がっておりましたので、勢一委員にお話しいただいて、その後、事務局に回したいと思います。お願いします。

 勢一委員、お願いします。

勢一委員

 ありがとうございます。勢一です。追加で失礼いたします。

 1点の追加です。先ほど、他の会議体との連携について御回答いただきまして、ありがとうございました。重要な点だと思いますので、是非、よろしくお願いしたいと思います。

 やはり他分野との連携は難易度が高いというところも踏まえて、こちらも御検討いただけるということでありがたいのですけれども、要因分析と施策展開と、どちらにも関わってくるところになりますので、是非お願いしたいと思います。

 他分野の連携では、他省庁との連携、組織としての連携の面が1つはあります。関連する会議体相互の連携であったり、関連する施策間の連動というところです。相乗効果を目指すのが非常に重要かと思います。

 また、他分野の連携では、環境省内の連携も同時に重要だと思っています。特に、今ホットな分野としては生物多様性があります。国家戦略が、今、策定作業中ですけれども、こちらとの連携も必須であろうと思います。脱炭素と生物多様性保全がWin-Winになるような施策を展開することは、環境省内でも縦割りを解消して取り組んでいただくことになろうかと思います。生物多様性保全では、30 by 30の目標なども掲げられていますので、これを実現することで気候変動適応や吸収源対策とも関わりますので、この辺り、どのようなデータがあると比較ができるのかというところ、少々悩ましいところではありますけれども、御検討をお願いしたいと思います。

 以上です。

下田委員長

 ありがとうございました。

 それでは、ここまでの御意見、御質問に関して、事務局から御回答をお願いします。

地球温暖化対策事業室長

 ありがとうございます。

 下田委員長からございましたとおり、目標達成のために、チェックの部分について、どういうふうにやっていくのかと。精緻に、かつ分かりやすくということで、理解醸成の観点も忘れずに、ということだと思いますので、この点、専門委員会で次回以降も議論を深めていきたいというふうに考えております。

 資料3の12ページ目については、下田委員長からおっしゃっていただいたことと事務局としても思いは一緒でございまして、46%削減というのは大変なことだということで、むしろコロナのような活動量がかなり削減された状態のトレンドを含めた上でも、オン・ザ・トラックにはなっていないということだと認識しておりまして、専門委員会で御意見、御知見を深めていただいて解釈を正しくつけるべきというのは、そのとおりかなというふうに思いますので、どういう形でまとめていけるか、引き続き検討していきたいと思います。

 あと、産業などの部門について、もしくは家庭などの気候要因、こういうものについて、さらに議論を深めていくということ、地球環境部会から御指摘いただいた施策との関係、もしくはイギリスの気候変動委員会のレポートなどを参考にした分析フォーマットの検討、こういう御指摘をいただいたかと思いますので、そこにつきましては、よく御相談させていただきながら、どういう形で1年目、トライアルできるかということについて検討を深めていきたいと思います。

 毎年度のフォローアップということになりますので、この初年度で必ずしもこなし切れないものも、もしかしたらあるかもしれないのですが、その場合は2年目のフォローアップに向けて検討を深めていきたいというふうに考えております。

 また、大下様からいただきました政策の検討に使えるもの、もしくは企業とか家庭に分かりやすく伝えるもの、行動変容、何が対策として効果的なのかということを分かりやすく伝えるということは極めて重要かと思っておりまして、御意見、アドバイスをいただきながら、うまく進めていければというふうに考えております。

 長谷川オブザーバーからございましたとおり、野心的な目標でしっかり積み上げた議論をしていくということ、ファクトベースでの分析ということは極めて重要だというふうに我々も考えておりまして、そういうことができるように、この専門委員会の議論、資料を充実させていきたいというふうに考えております。

 対策のコスト、費用対効果の高い施策というところが、これもいろいろ御議論をいただいてということになろうかと思いますが、なかなか事務局も悩ましいなと思っているのが、例えば住宅の断熱みたいなものについて、短期的に見れば、かなりCO2の費用対効果は悪いということになるわけですが、長期的に見れば、人々のQOLを高めつつCO2の排出削減を進めるという上では必須な議論ということもあろうかと思いまして、国交省、経産省、環境省、3省で住宅建築物の対策を強化していくというような取りまとめも行っているところでございますので、そういう短期的な部分の費用対効果というものと、長期的な進めていかないといけない施策というのを、どういうふうにバランスを取ってお示ししていくか、もしくはバッテリーのように、今入れると高くて、なかなか費用対効果も悪いけれども、学習曲線によって5年後とか10年後にはかなり安くなって有望な対策になる、こういうものをどうやって育成、育てていくか、需要、マーケットをつくっていくかということも重要かと思いますので、どういう形で総合的な費用対効果というものが出していけるのかというところについては、引き続き、いろいろアドバイスいただきながら、どういうものが示せるか検討していきたいと思います。

 また、部門別の目安につきましては、基本的には全体の46%の削減というものに対する目安ということだと認識しておりますが、何もないと、どこを目指していいかどうか分かりにくくなるということもあっての目安というふうに認識しておりますので、対策・施策の進捗状況やフォローアップの状況を踏まえた上で、温対計画やエネルギー基本計画、3年ごとに見直しの過程もございますので、1年ごとにころころ変わる目安ということではないかとは思いますが、数年単位で対策・施策の状況も踏まえて見直していく必要があるのかどうかも含めて、いろいろ考えていく必要があるところなのかなという認識でございます。

 折茂委員からございました、グローバルに、日本が世界にどう分析するかというのと、世界の状況がどうなっていて、それが日本で参考にできるところがあるのかどうかということかと思いますし、TCFDなどを踏まえて東証プライムなどでの開示の動きなど、いろいろな動きが今あるということだと思いますので、そういうものも参考にしながら、今日御議論いただいているのは国全体としてのGHG排出量の見える化ということだと思いますが、それと並行して各ステークホルダーのGHG排出量の見える化とか対策・施策というのが進んでいく中で、どういうふうにうまくそれを、全体とそれぞれのセクターの動きを分かりやすく開示できるかということについて、知恵を絞っていきたいと考えております。

 増井委員から、IPCCのワーキンググループ3の総会が今開かれているという話がございました。今の見通しでは4月4日にワーキンググループ3のレポート公表予定というふうに伺っておりますので、それを踏まえて、第2回になるか第3回になるかということはあろうかと思いますが、どこかの段階でワーキンググループ3、御議論いただいている中で参考になる部分については御紹介するようにしたいと思います。

 カーボンニュートラル行動計画のフォローアップ等々、対策・施策の進捗状況をあわせて示していくことが重要という御指摘、そのとおりかと思いますので、次回以降、検討を深めていきたいというふうに考えております。

 また、電力部門をどこまで分けて分析するかとか、排出量の観測精度が上がっているというところについて、衛星データもございますが、DX、デジタルトランスフォーメーションを踏まえて、エネルギー消費量、電力部門を中心に早く把握する方法というのが各ステークホルダーでできるようになってきているということと認識しておりますので、そういう細かい事業所単位での創意工夫みたいなものを、どうやって早くフィードバックして全体のマクロのトレンドにつなげていくかということ、宿題をいただいたということだと認識しておりますので、どのような検討ができるか考えていきたいと思います。

 また、堀井委員からいただいたご意見につきまして、すみません、私の言い方がちょっと適切でなかったかもしれないのでお詫び申し上げますが、テレワークは進めていく方向、必要だと思っておりまして、そのためにデジタル化、デジタル自体の排出量は増やさずに、デジタルを活用して、どういうふうに人々のQOLなどを高めていくか。もしくは、御指摘いただいたとおり、オフィスに出てくる人が少なくなれば、床面積自体を減らすというような企業の動きが出てきているということは承知しておりまして、これが長期的なトレンドになるかどうかというところについては、いま少し統計などの情報を見ていかないといけないのかなというふうに認識しているところでございます。

 通勤、地方部、DXが進んだ中で自動車の排出量が減るというところはあろうかと思いますので、そういうところもきめ細かく見ていきたいと思っておりますが、本日の段階だと、すみません、若干エビデンスにまだ欠けるところがございますので、もう数年、もう1、2年、状況を見つつ、直感を支えるバックデータ、エビデンス、こういうものをどれだけ揃えられるかということにチャレンジしていきたいというふうに考えております。

 他の会議体、他省庁との連携、各セクター、省庁だけでなく地方自治体、民間企業の皆様、業界団体も含め、連携、相乗効果を発揮していくということは、極めて、この分野、重要だと思っておりまして、環境省で今日お示ししたものは、日本全体の動きをGHGの排出量という面から見ているわけですが、それ以外の日本のいろいろな政策なり取組などがある中で、それを立体的に、CO2やGHGの面から見たらこうなのだけれども、それ以外の面から見たときにどうなっていて、日本全体として、いい形で取組が進むためにはどうしたらいいかということを、是非議論、検討させていただければと思っております。

 そういう意味で、隗より始めよということで、環境省の中におきましても、炭素中立小委員会などでカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミー、どういうふうに相乗効果を発揮させるのか。もしくは、御指摘いただいた生物多様性、ネイチャーポジティブのところと気候変動対策、どういうふうにトレードオフをなくし相乗効果を発揮していくのかというところは議論が進んでいるところでございますので、そちらの議論も適宜御紹介しながら、この専門委員会としても議論をさらに深めていければというふうに考えております。

 事務局からは以上でございます。

下田委員長

 ありがとうございます。

 ほぼほぼ予定の時間になっておりますけれども、今の加藤室長のお話も含めて、何か補足はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、本日は非常に活発な御議論を頂戴いたしましてありがとうございました。本日御議論いただいた論点を含めて、次回以降も引き続き議論を深めていきたいというふうに思います。

 それでは、最後に議題2番のその他について、何かございましたら事務局から説明をお願いします。

地球温暖化対策事業室長

 本日のところは、議題2の、その他については特にございません。

下田委員長

 それでは、以上で本日の議事は全て終了でございます。円滑な進行に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。

 それでは、事務局にお返しいたします。

地球温暖化対策事業室長

 委員の皆様、オブザーバーの皆様におかれましては、本日1回目ということで、大変活発な、深い、専門的な御議論をいただきまして、大変ありがとうございました。

 事務的な御連絡でございますが、本日の議事録につきましては、事務局で作成の上、委員の皆様に御確認いただきました後に、ホームページに掲載をさせていただきます。

 次回、第2回の専門委員会につきましては、詳細が決まり次第、別途、事務局より御連絡を差し上げます。

 以上でございます。

 本日、闊達な御議論をありがとうございました。今後とも引き続きよろしくお願い申し上げます。

 以上でございます。

午後2時56分 閉会