中長期の気候変動対策検討小委員会(産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会地球温暖化対策検討WG合同会合)(第6回) 議事録
日時
令和3年5月14日(金)13:00~15:30
場所
WEBによる開催
議題
1.関係省庁からのヒアリング
配付資料
議事次第
資料1:中央環境審議会地球環境部会中長期の気候変動対策検討小委員会委員名簿
資料2:産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会地球温暖化対策検討WG委員名簿
資料3-1:主なヒアリング事項
資料3-2-1:環境省大臣官房環境計画課 資料
資料3―2-2:環境省地球環境局地球温暖化対策課脱炭素ライフスタイル推進室 資料
資料3-3:国土交通省総合政策局環境政策課 資料
資料3-4:経済産業省産業技術環境局環境経済室、環境省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室、農 林水産省大臣官房政策課環境政策室 資料
資料3-5:資源エネルギー庁長官官房総務課戦略企画室 資料
参考資料1:下田委員提出資料
参考資料2:杉山委員提出資料
議事録
午後 13時00分 開会
○梶川室長
こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから第6回中央環境審議会地球環境部会中長期の気候変動対策検討小委員会・産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会地球温暖化対策検討ワーキンググループ合同会合を開催いたします。
本会合は、環境省、経済産業省の両省が共同で事務局を担いまして、私、今回の事務局を務める経済産業省環境経済室長の梶川でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、中環審、産構審、それぞれの委員全員、御出席いただいております。定足数をしっかりと満たしますので、合同会合として成立することを御報告いたします。
本日の合同会合についての留意事項ですけれども、新型コロナウイルス感染症対策のため、ウェブにより開催させていただきます。開催の状況はインターネットで同時配信し、動画は会議後、議事録公開までの間、ウェブ上で公開する予定でございます。
ウェブ会議の開催に当たりまして、幾つか御協力をお願いいたします。通信環境負荷低減のため、御発言の際を除いてカメラの映像はオフにしていただきます。御発言の際のみオンにしていただきますようお願いします。事務局側も発言する場合を除き、オフにさせていただきます。また、ハウリングを防止するために、発言する際以外はマイクの設定をミュートにしていただきますよう御協力をお願いいたします。
本日ですけれども、先ほど全員出席と申し上げましたが、伊藤委員と髙村委員が会議の途中で御退席されると伺っております。
それでは、以降の議事進行を産構審ワーキンググループの山地座長にお願いしたいと思います。山地座長、よろしくお願いいたします。
○山地座長
産構審側のワーキンググループの座長を務めております山地です。本日は私が進行役を務めさせていただきます。
本日、議事次第にもありますとおり、関係省庁からのヒアリングを行うことになっております。早速議事に入っていきたいと思います。
最初に事務局から、今日のヒアリングについて御説明をお願いいたします。
○梶川室長
まず、資料3-1、今投影されていますけれども、主なヒアリング事項をここに記載しております。現行の温対計画に記載されている対策・施策の進捗状況、また現行の温対計画策定時以降の新たな対策・施策、また2050年カーボンニュートラルに向けた取組、この辺りについて具体的にヒアリングをしていただくことになっております。
まず、今日ですけれども、初めに、ライフスタイル分野について環境省より説明をいただきます。次に、国土交通省分野について国交省から御説明いただきます。次に、J-クレジットについて事務局から御説明いたします。最後に、エネルギー分野について資源エネルギー庁より説明をします。委員の皆様につきましては、忌憚のない御議論をどうぞよろしくお願いいたします。
山地座長、よろしくお願いします。
○山地座長
それでは、早速ヒアリングに入りたいと思います。今説明がありましたが、環境省、国土交通省、事務局、資源エネルギー庁、この順番でそれぞれ最大10分で説明をお願いしたいと思います。
では、まず環境省から御説明をお願いいたします。
○松田課長(環境省)
それでは、環境省の資料について説明をさせていただきます。お手元の資料3-2-1に基づきまして、まず最初に、国・地方脱炭素実現会議及び地域脱炭素ロードマップ骨子案について御説明させていただきます。
ページをめくっていただきまして、この会議はどういった位置づけのものかということであります。特に2050年までのカーボンニュートラルを実現するために、地域の取組と国民のライフスタイルに密接に関わる分野を中心にロードマップをつくっていこうと。あわせて、それを実現するための国と地方の具体的な方策について議論する場として、昨年12月25日に第1回の会議を開催して、その後、関係各方面の皆様からのヒアリングを4回行いまして、それと併せて地方自治体の首長さんとも議論しまして、そのロードマップの具体化を進めて、4月20日の第2回でロードマップの骨子案について議論いただいているところでございます。
おめくりいただきまして、次のページです。地域脱炭素ロードマップ骨子案の主なポイントでございます。ロードマップの基本シナリオになりますけれども、地域の豊富な再エネポテンシャルを最大限活用して、2050年脱炭素と経済活性化、防災等の地域課題の同時解決を目指すということにしています。今後5年間に対策を集中実施して、100か所以上の脱炭素先行地域をつくっていく。また、屋根置き太陽光や省エネ住宅などの重点対策を全国で実施することで地域の脱炭素モデルを全国、そして世界に広げていこうということを基本シナリオとしております。
ロードマップの実現のための具体策としては3本柱ということで、地域の脱炭素イノベーションということです。地域ごとの課題に照らした事業の実施に取り組んでいく。その取組について、国の地方支分部局が水平連携をして、人材派遣や資金の継続的、包括的な支援を提供していく。
2つ目にライフスタイル分野になりますが、ライフスタイルイノベーションということで、CO2の排出量の見える化、企業や地域のポイントを活用していく、またナッジを活用していく、こういった取組です。
3つ目にルールのイノベーションということで、温対法案に基づく地域再エネの目標や促進地域の設定。風力発電等の促進のための環境アセスの最適化。また、地熱発電開発の加速化。住宅、建築物の脱炭素化に関するロードマップをつくっていく。このような内容を今の骨子案としてまとめているところでございまして、よりさらに深掘りをして、5月下旬から6月上旬頃に地域脱炭素ロードマップを取りまとめていく予定となっています。
次のページにおきまして、今回はライフスタイル分野ということでありますので、主にライフスタイルイノベーションの取組、こちらの骨子案に示されているものを紹介しておきます。
まず最初に、CO2削減ポイントやナッジの普及拡大ということで、主に4つのポイントを記載しています。また、左下に脱炭素アンバサダーの率先行動ということで、生活の中で再エネ電気の導入とか住居についての取組等、こういった取組を率先行動していくということを記載しております。右下にCO2排出の見える化ということで、カーボンフットプリントに関する取組をもっと進めていこうということを記載しております。
最後のページは参考までです。2050年、二酸化炭素排出実質ゼロを表明している自治体がかなり増えてきているということで、ゼロカーボンシティを宣言することで、今後地域のカーボンニュートラルを進めていくことにコミットメントしている自治体がかなり増えてきている。こういった自治体をより支援していくための政策についてしっかり環境省としても検討していきたいと考えています。
私からは以上になります。
○小笠原課長(環境省)
続きまして、資料3-2-2に基づいて御説明します。環境省地球温暖化対策課長の小笠原と申します。
まず1ページ目でございますけれども、2019年における家庭部門のCO2排出量は1.59億トンで、2013年より23.3%削減しております。排出係数の改善や家庭での省エネの取組の努力、進展等によって排出量は減少傾向でございます。現行の温対計画の目標を前提とすると、排出係数の改善以外で14%、あと4%程度の家庭の努力が必要といったことになっております。
それから、1ページ飛ばしまして3ページ目でございます。環境省において、家庭部門のCO2排出実態統計調査というのをやっております。最新の調査によりますと、世帯当たりの年間CO2排出量は2.72t-CO2となっております。
1枚飛ばして5ページに行きまして、この統計調査によりますと、例えば冷蔵庫の製造時期は2016年以降に製造されたものの割合が年々増加していて、新しい効率のいい機器への買換えが進んでいる。それから、居間におけるLEDの使用率なども年々増加していて、買換えが進んでいるという状況。
それから、次の6ページでございますけれども、気候変動に関する世論調査を実施しております。脱炭素社会について知っていたのが68.4%、それからCO2削減の取組について積極的に取り組みたい、あるいはある程度取り組みたいという合計で91.9%と非常に高い数字となっております。
7ページでございますが、ライフスタイル関係の対策・施策の進捗状況でございます。民間の進捗状況でいくと、クールビズ、ウォームビズ、家庭エコ診断、エコドライブ、カーシェアリング。C、D、D、A、Aと進捗の芳しくないものとよく進んでいるものが分かれております。全体の削減量としては、エコドライブ、カーシェアリングなどの進展によって、2030年の削減見込み量を既に上回っている状況でございます。
それから8ページでございますけれども、現行の温対計画には、ざっくりと危機意識醸成の取組推進、ノンステートアクターとも連携しながらCOOL CHOICEの展開等を通じた行動変容の促進という2つの内容が書かれております。
9ページでございますが、危機意識の醸成については、例えば2100年未来の天気予報ということで、身近な天気予報を題材にして、1.5℃目標を達成した場合、それから達成できなかった場合を比べて、どのように影響が生ずるのかということを認知してもらうための動画を制作しております。それから、若年層向けにはアニメの作成、活用といった取組もしているところでございます。
それから10ページでございます。気候変動×防災ということで、「おしえて!カミナリ先生」といった個人が実践できる取組だとか企業、自治体等の取組を紹介して、危機意識醸成、行動変容を訴求するための動画を作成。それから、オリンピック・パラリンピック委員会との連携で、トップアスリートがCOOL CHOICEの取組を呼びかける動画の制作を行っているところでございます。
それから11ページで、旗印としてCOOL CHOICEで賢い選択を促すということで、脱炭素型の製品、サービス、行動を促すキャンペーンを行っております。
12ページでございます。その一貫として、昨年11月から「みんなでおうち快適化チャレンジ」という、コロナ禍に対応しておうちの時間が長くなる中で、断熱リフォーム、ZEH化、省エネ家電への買換え促進といったことを関係業界と連携して呼びかけているところでございます。
それから13ページでございます。キャンペーンを行うに当たっては、インセンティブと一緒にキャンペーンを行っていくということで、ZEHの補助金、それから断熱リフォームへの補助といったことをキャンペーンと一緒に展開しながら行動変容を促している。14ページはZEHのマンションタイプの補助でございます。
それから15ページ、そのほかのキャンペーンの展開ということで、5つ星家電への買換えキャンペーンであるとか、宅配便の1回で受け取るキャンペーン、エコ住宅のキャンペーン、エコカー買換えキャンペーンといったこと。
それから16ページでクールビズ、ウォームビズ、スマートムーブといったキャンペーンをやっているところでございます。
17ページでございますが、地域地球温暖化防止活動推進センターが各都道府県政令市等にございまして、地域に根差した普及啓発活動を行っているところでございます。
それから18ページでうちエコ診断とございます。これは専門の資格を持った診断士が一般家庭の受診者に対して、その家庭の状況に応じてこういった省エネ、省CO2対策を講じるなどの具体的な提案を行う仕組みを行っております。今年からはウェブツールも公開して、より一層、効果的にやっていきたいと考えております。
19ページ、ナッジといった行動科学の知見も活用しております。
20ページでございます。今後の取組の方向性としては、先ほどの国・地方脱炭素実現会議の議論を踏まえた取組であるとか、「みんなでおうち快適化チャレンジ」キャンペーンを通じたZEH化や断熱リフォームを補助と一体的に誘導していくといったこと。それから、COOL CHOICEの取組の一環として、再エネ導入、調達を積極的に後押ししていくこと。それから、エコドライブ等の取組と補助をセットにしたゼロカーボン・ドライブキャンペーンの展開。それから、食ロスといった脱炭素型のライフスタイルのいろいろな取組との連携。それから、温対法改正によって、地域センターの業務に事業者向けの普及啓発が追加されたことも踏まえた取組を展開していきたいと思っています。
22ページは御参考までに、こういったキャンペーンと一体として展開していくZEH、断熱リフォームの支援、それから再エネ電動車の購入補助の3点です。
以上でございます。
○山地座長
ありがとうございました。では次、国土交通省より御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○松家課長(国土交通省)
国土交通省総合政策局環境政策課の松家です。資料の2ページ目、CO2排出量の部門別内訳です。左側がエネルギー生産ベースで見た内訳ですが、4割が発電所による発電によるものです。国交省が関わる部門では、運輸分野がガソリン車、ディーゼル車による排出により約2割を占めています。こうした観点で見ますと、電源の脱炭素化を進めていくとともに、運輸部門については、ガソリン車等から電動車への転換など、電化を進めていく必要があります。真ん中は、エネルギー消費ベースで見たものです。運輸部門に加えまして、家庭・業務の民生部門で約3割となっています。この運輸・民生部門で約5割占めるところ排出削減に向けて、省エネ対策、再エネ、あるいは水素等の利用推進などを複合的に進めていくこととしております。
3ページ目は、これまでの2030年度26%削減目標に向けた省エネ対策の部門別削減目標の内訳です。赤く囲った部分が国交省の関わる対策として推進してきているところでございますけれども、今般、46%削減、さらに50%の高みに挑戦するという新たな目標が設定され、さらに削減量を上積みして対策を講じていく必要がございます。
4ページは、これまでの26%削減目標に向けて取り組んできた施策について、毎年度、施策の点検を行っており、本年3月に公表された地球温暖化対策計画のフォローアップにおける国交省の取組の進捗状況について、整理しています。
5ページ目、業務・家庭部門の評価です。それぞれの施策項目毎の目標値に対しての直近の進捗状況を評価してございます。建築物の新築、改修については、それぞれC、B評価、住宅の新築、改修については、それぞれB、C評価となっています。
次の6ページ目が運輸部門でございます。例えば、トラック輸送の効率化については、A評価となるなど、施策ごとの進捗状況をそれぞれ評価してございます。いずれも従前26%目標に向けた評価でございますけれども、今般の46%という新しい削減目標に向けて、この進捗状況も踏まえまして、さらにそれぞれの施策についての削減目標をしっかり拡大していく、特に進捗が進んでいるところについては、さらに上積みをし、また遅れているところについても対策を強化しながら、削減目標を下げずに、さらに上乗せできるところをしっかり取り組んでいこうということで、検討させていただいているところです。
7ページ目、カーボンニュートラルの実現に向けまして、様々な産業分野のイノベーションを促進するグリーン成長戦略を実行していくため、昨年末、経済産業省を中心に関係省庁連携しながら実行計画を取りまとめており、14の重要分野のうち、国交省が関わるものとして12分野での施策を推進することとしています。
8ページは、特に国交省が主に関わる分野として住宅・建築物、物流・人流・土木インフラ、船舶分野について、イノベーションに関わる施策を整理しています。
9ページ目、その他、エネルギー関連産業、あるいは様々な産業部門においても、関係省庁と連携しながら、国土交通省として貢献しうる施策を推進することとしています。
10ページ目、こうした取組も含めて、国交省全体としてグリーン社会の実現に貢献するために、社会資本整備審議会・交通政策審議会の環境部会・技術部会合同で「グリーン社会ワーキンググループ」を設置し、有識者のご意見をいただきながら、「国土交通グリーンチャレンジ」という形で、脱炭素社会、気候変動適応社会を含めて、国土・都市・地域空間でのグリーン社会実現に向けた分野横断的な取組を、6つのテーマで整理し、重点的に進めていくこととしています。
11ページ目は現在ご審議いただいている概要です。1つ目は、省エネ・再エネ拡大等につながるスマートで強靱な暮らしとまちづくり。地域空間の中での脱炭素、あるいは適応策を推進していくこととしています。特に先ほど御説明した住宅・建築物の分野において、削減目標に対する進捗が少し遅れている状況の中で、この4月に、改正建築物省エネ法が全面施行となり、その際に規制強化したものについてもしっかり取り組んでいくことで改善をしていく。さらには、その改正の際にまだ積み残しであった住宅分野での省エネ基準の適合義務づけといったことも含めて、今後、カーボンニュートラルをしっかり達成していくための更なる規制強化も含めたロードマップを作成すべく、関係省庁が連携しながら、検討を深めているところでございます。ZEH、ZEBの普及促進、既存住宅の再エネ改修、あるいはそれに取り組む上で不可欠な中小工務店の体制強化ということも含めて検討しております。
また、再エネの最大限の導入拡大に向けた国交省としての貢献として、様々なインフラ空間、あるいは公的賃貸住宅、そうしたところでの空間を活用した太陽光発電のできる限りの導入拡大、それから下水道バイオマスや下水熱の利用推進など、地域再エネの利用を拡大することとしています。
あわせて、面的な都市空間の中でのCO2削減に向け、コンパクトシティの取組や、少し限定した街区単位での様々な脱炭素化の取組を重点的に支援することもしっかり取り組んでいきたいと考えております。
12ページ目は、グリーンインフラを活用した自然共生地域づくりです。CO2吸収源ともなる都市緑化も含めて、自然環境が有する多様な機能を活用したグリーンインフラの社会実装を進めることにより、環境、防災・減災、地域振興などに複合的に取り組むこととしています。
13ページ目は、運輸部門で、先ほど申し上げた特に自動車の電動化が大きな課題になっています。その普及促進を図ることと併せて、電動車を活用した交通・物流サービスの新しい展開や、それを支える、例えば、EV充電器の公道設置社会実験等を通じ都市・道路インフラの整備強化を図ってまいります。
14ページ目は、自動車単体の取組以外でも、デジタルとグリーンによる持続可能な交通・物流サービスの展開といたしまして、ソフト、ハード両面から渋滞対策、道路交通流の円滑化を図ってまいります。また、公共交通については、今コロナ禍でも大変厳しい状況でございますけれども、こうしたエッセンシャルサービスが持続可能な形になるように、CO2削減にも貢献する公共交通の利用促進、あるいは自転車利用促進を図ってまいります。
あわせて、物流の分野につきましても、グリーン物流の推進という形で、物流DX、デジタル技術も活用したサプライチェーン全体での輸送の効率化、ドローン物流の実用化を推進するとともに、船舶、鉄道、航空機の分野での次世代グリーン輸送機関の普及など、総合的に取り組んでいくこととしています。
15ページ目、港湾・海事分野におけるカーボンニュートラルの実現、グリーン化の推進です。特に水素、燃料アンモニアの大量かつ安定・安価な調達を確保する国際サプライチェーンを構築して、新しい次世代のエネルギーへの転換を図っていく、その拠点として港湾の機能強化を図りながら、CO2を今大量に排出している発電分野や様々な製造産業分野と連携しながら水素等の需要創出、供給拡大を図っていく。
あわせて、船舶の分野でも、造船事業は、中国、韓国との国際競争において厳しい状況にあり、カーボンニュートラルの分野で世界に先駆けて水素やアンモニア燃料船の商業運航を実現し、国際競争力の強化とカーボンニュートラルへの貢献を同時に実現していく戦略を描いております。
さらに、洋上風力発電の導入促進に向け、今、促進区域における事業者選定の手続きも進められておりますが、洋上風力発電の建設や維持管理の基地となる港湾の機能強化も図ってまいります。
最後16ページ目でございます。様々なインフラ分野のサービスを提供する段階での省エネ化の推進を図るとともに、それをつくる段階において、省CO2に資する材料等について、品質・コスト面等の評価も行いながら活用を促進するとともに、建設施工の段階での省エネ化や脱炭素化に向けた技術革新を進めるなど、インフラのライフサイクル全体でのカーボンニュートラル、資源循環の取組を推進していくこととしています。
○山地座長
以上ですね。では、次、事務局から御説明をお願いいたします。
○内野企画官(経産省)
経産省環境経済室・内野と申します。
資料3-4に基づきまして、J-クレジット制度の御説明をさせていただきます。この制度は、経産省、環境省、農水省で運用してございますけれども、今回の合同会合は経産省が事務局ということで、私から御説明させていただきます。
まず1ページ目、制度の概要でございます。省エネ・再エネ設備の導入、それから森林管理等によります温室効果ガスの排出削減、吸収量をクレジットとして認証する制度でございます。認証の考え方としては、何もしなかった場合のベースライン排出量と比べて、どれだけプロジェクトによって排出削減ができたかを認証する制度になってございます。
認証されたクレジットは購入できることになってございまして、購入した者は、温対法、省エネ法の報告、自社の製品のカーボンオフセット、それからRE100等の国際的イニシアチブへの対応に活用しているということでございます。こうした資金循環を生み出すことによって、環境と経済の好循環を促進する制度でございます。
2ページ目が運営体制でございますけれども、制度の管理者といたしましては、経産省、環境省、農水省となってございまして、運営委員会、認証委員会には技術の専門家等の有識者の方々に入っていただいて運営を行ってございます。
3ページ目がクレジット化の対象でございます。大きくは省エネ、再エネ、森林管理ということでございますけれども、より細かく、現在63の方法論をつくっておりまして、排出削減等の考え方、あるいは削減量の算定方法などを有識者から構成される運営委員会で国際的な議論を踏まえながら適切に設定をしているということでございまして、そうしたことによって、信頼性、質の高いクレジット制度の運営を行っているところでございます。
4ページ目が温対計画でのJ-クレジット制度の位置づけでございます。分野横断的な施策として、このJ-クレジット制度を着実に実施していくこととされてございまして、あわせて、J-クレジット等を活用したカーボンオフセットの推進を国民運動として展開していく、このように位置づけられてございます。
次の5ページ目が温対計画の目標の達成状況でございます。計画策定時に設定された目標が青のラインでございまして、実績が黄色のラインになってございます。実績が目標を上回りそうであったということを踏まえて、2018年3月のフォローアップの際に目標を引き上げてございます。引き上げられた目標が緑のラインとなってございます。実際、2020年度の認証量は目標を上回ってございまして、2030年度の目標につきましては、さらにもう一度引上げができないかということで今、検討しているところでございます。
6ページ目でございますけれども、目標の引上げも行いまして、その達成のためにこれまで行ってきた改善策を書いてございます。
①でございますけれども、新たな技術や商品等の動向を踏まえまして、方法論を追加しております。最近ですとプラグインハイブリッド、それからバイオ炭の方法論を策定してございます。
②補助金由来と書いてございますけれども、実は補助金を使って再エネ、省エネの取組を行う者の削減量を国がまとめて手続をして、クレジットとして認証しまして、それを国が入札を行いまして、さらに、元々補助金を導入して削減できたということなので、入札の売却益は国庫納付するという取組を行ってございます。その補助金とJ-クレジットのリンケージを使える補助金を増やしているということでございまして、今年度から新たにプラグインハイブリッドの補助金もJ-クレジットとリンケージできるようになってございます。
それから③でございますけれども、中小企業等を対象としまして、全国で説明会を行って周知を行ってございます。
④でございますけれども、その他、ユーザーにとって使い勝手がいいように幾つか制度改善をしてございます。
7ページ目がクレジット活用の状況でございます。左のグラフが活用量の推移でございますけれども、2016年度以降に温対法の報告、緑の部分、それから青のオフセットで多く活用されている状況でございます。
それから、右のグラフでございますけれども、これは先ほどの補助金由来のクレジットの入札における落札価格でございまして、これが上昇傾向にあるということでございます。こうしたことからも、例えばサプライチェーンによるグリーン化の要請ですとか、あるいはESG投資の流れなどもございまして、クレジットが注目を集めているということの証左ではないかと考えてございます。
次の8ページ目でございますけれども、これまでの取組と評価、それから今後の課題でございます。これまでの評価といたしましては、国が運用する制度として信頼性があると。他方で、制度がしっかりしているがゆえに、需要に供給が追いついていないのではないかという指摘もございまして、いかにして質を確保しながら供給拡大していくのかというのが今後の課題として2.(1)に書いてございます。
(1)の2番目の矢印でございますけれども、CORSIAというICAOで採択された国際航空のためのカーボンオフセットのスキームがございまして、現状で言うと、コロナによる需要減がありまして、国際航空の排出量をクレジットでオフセットしたいというニーズが出てきていないのですけれども、恐らく2024年ぐらいになると需要も回復して、それによって排出量をクレジットでオフセットしたいという需要が出てくるであろうと言われております。
現在、J-クレジット制度はCORSIAでオフセットできるクレジットとしては登録されていないというのが現状でございまして、国内での排出削減の取組のクレジットを国際的な活動に使うのがどうかという議論はあるところでございますけれども、国内のエアラインに聞いてみると、国内のクレジットがあるのであれば、それをぜひ使うことを検討したいとおっしゃっていただいております。いずれにしても、そういった状況を踏まえて、どう対応していくかというのを検討していく必要があるということで記載させていただいております。
それから、(2)の1つ目でございますけれども、制度の永続性ということでございます。今のところ2030年までの制度になってございますけれども、国の方針としてしっかり継続するということを明言して欲しいといった声がございます。それから利便性を向上してほしいという声もございます。
そういった課題も踏まえて、今後どのようにJ-クレジットを活性化していくかというところが次の9ページ目でございます。
まずは、先ほど申し上げたように需要が伸びていく中で、いかにして供給を拡大していくかということでございまして、森林、中小企業等でしっかりと今ある取組をクレジット化につなげていくことが必要ではないかと考えてございます。森林に関しては林野庁さんが中心に考えていらっしゃいますけれども、全国の森林整備法人への働きかけですとか、モニタリングの簡素化といったことを検討されてございます。
中小企業に関しましても、周知をしっかり行っていくということかと思いますけれども、例えば、省エネ機器のメーカーの方から中小企業の方にアプローチをしていただくといった手法も考えられるのではないかと考えてございます。
それから、補助金のところでございまして、実はJ-クレジット制度全体から見て、補助金由来のものというのは結構なポーションを占めているのですが、かつては太陽光ですとか燃料電池の補助金を使ってクレジット化するということがあったのですけれども、現状、太陽光とか燃料電池の補助事業自体がなくなってしまったものですから、今J-クレジットとリンクしている補助金というのが、現状だと電気自動車とプラグインハイブリッド自動車だけになってございまして、ほかの補助金でもJ-クレジット化できないかということで、今関係部局と協議をしているところでございます。
それから(2)でございますけれども、水素、アンモニア、CCUS等、新たな技術も踏まえて方法論を追加していくということ。
それから(3)は、逆に需要側でございますけれども、オフセットの取組をしっかりと推進していくということでございます。
2.制度環境整備ということでございまして、(1)永続性の確保ということで、先ほども申し上げましたが、2030年までの制度となってございますところを、しっかりと2050年に向けて必要な制度として明確化していきたいと考えてございます。
(2)でございますけれども、環境省さんのほうで申請のデジタル化、電子化を進めておられます。
(3)でございますけれども、今、エネ庁のほうで再エネ価値取引市場の検討が進められておりまして、その動向も踏まえて、非化石証書等、他の類似制度との連携を考えていこうということでございます。
(4)自治体との連携とございますけれども、自治体自身が森林管理者であったり、あるいは自治体が交付している補助金があったりしますので、その辺りでうまく自治体とも連携できないかということで記載してございます。
最後、10ページ目、11ページ目は御参考で、カーボンプライシングの現在の検討状況でございます。炭素税、国内排出量取引のみならず、クレジット取引についてもしっかりとスコープに入れて、カーボンプライシングを成長に資するという観点からどう制度設計すべきか検討している最中でございます。
11ページ目にスケジュールを書いてございますけれども、経産省、環境省それぞれの研究会・小委員会で御議論いただいてございまして、夏頃までに中間整理、年内に政府として一定の方向性を取りまとめる予定となっております。
私からの説明は以上でございます。ありがとうございます。
○山地座長
ありがとうございました。それでは、最後になりますが、資源エネルギー庁から説明をお願いいたします。
○西田室長(資源エネルギー庁)
それでは、資料3-5に基づきまして、エネ基の現在の検討状況を御説明させていただきます。
まず、資料の3ページを開いていただけますでしょうか。エネルギー基本計画、3年に一度の見直しをやっていまして、昨年10月から議論をスタートさせております。以後、ヒアリング、個別のテーマなど議論を深めておりまして、昨日までに12回議論を行って、カーボンニュートラルの実現に向けた課題や対応の方向性、2030年に向けた政策の在り方について議論を深めているところでございます。
それから4ページに行っていただきまして、御紹介がありましたので、新たな目標について私からは言及しませんが、一番下のところでございます。2050年のCNとか2030年の新たな目標を目指すためのエネルギー政策というのはどういったものがあるかということで議論を深めております。
5ページへ行っていただきますと、エネルギー政策を議論する上で外せないポイントとして、3E+Sの点があります。これについて議論のスタートの時点で改めて再整理をして、これをベースにして議論を進めております。
まず安全性が大前提ということは論をまたないと思いますけれども、その上でエネルギーの安定供給をしっかり確保する。この中でもエネルギーの安定供給といったときに、やはり近年、資源・エネルギーの選択に当たってのサプライチェーンの構築とか技術自給率といった点もしっかりと踏まえなければいけないということ。あとは、実際にダメージを受けたときの早期復旧、レジリエンスの観点とか、そういったこともしっかりと考慮しながら考えていかなければいけないということでございます。
3.にあります経済効率性も、これから脱炭素化とかを進めていくと、一定程度コストが増えていく可能性がございますので、そのコストをできるだけ抑制していく、そうした取組をしっかり進めていく必要があるかなと思っております。
そして、環境適合は言わずもがなですけれども、いかに温室効果ガスを削減できるか、最大限削減に向けた取組が必要と。改めてこういう3E+Sの観点を整理して議論を進めております。
6ページをお願いいたします。現在の検討状況でございます。一番左側が2013年の発射台でございまして、そこから19年足元、30年の現行目標、そしてこれまでの検討状況という形で流れていっております。
これまでの検討状況のところを見ていただきますと、まず現行目標が2013年から30年までの期間1.7%成長、経済成長シナリオで置いておりますけれども、足元2013から19年までは実績が出ていますので、それを反映して全体の対策のエネルギー需要を今計算しているところでございます。そうしますと、実際に2013から30年の成長率は、全体でならすと大体1.4%程度になっていくと。あわせまして、主要製造業の生産見通しの見直しなども行ってございます。
その次の段、省エネ量です。現在、資源エネルギー庁の中で議論を続けておりまして、そこに5,800万キロリットル、先ほども国交省さんの資料にありましたけれども、これは現状5,030万キロリットルのものを5,800万キロリットルまで深掘ると。さらに今、ここから200万ぐらいは積み上がっておりまして、その点についてさらなる精査を現在続けてございます。
その下、脱炭素電源比率ですが、従前は44%という目標に対しまして、現在それの深掘り、最大限の拡大ということでありまして、現時点で再エネにつきましては2,900億キロワットアワー程度の導入を見込みまして、そこからさらなる積み増しの議論をしている状況でございます。
それから、原子力については安全最優先で再稼働を進めるということと、火力は非化石比率をできる限り下げる方向で検討してございます。それから、水素、アンモニアによる発電のような新しい可能性についても追求中という状況でございます。
ページをめくっていただきまして7ページです。カーボンニュートラルへの転換のイメージということで、これも類似をお示ししていますが、改めまして、電力、非電力とありますけれども、電力部門を脱炭素化していき、それでもって非電力部門の電化を進めていく。それだけだと対応が難しいところは水素とかメタネーション、合成燃料といったものを組み合わせながら、最後どうしても出てしまうものは、炭素除去技術により対応という大まかな戦略で進めていくわけですけれども、それを目がけてどういったことをやるかということを今まさに議論を深めております。
それから、ちょっとページを飛んでいただきまして、ページを振っていないのですけれども、15ページを御覧いただけますでしょうか。エネルギー基本計画、非常に多岐にわたる分野の議論が必要でございまして、主要な論点ということで、現在そこに書いてあります論点1から9、大まかに分類するとこういう形になりますけれども、議論を深めております。
エネルギー政策の見通し全体というのは総論的な話ですが、論点2としては燃料や鉱物資源をどうしていくか。そして、エネルギー需要対策、再エネ、原子力、火力、水素・アンモニア、そして電力市場とかガス市場といったようなエネルギーシステム改革をどう進めるか。そして分散型エネルギーリソースをどう活用していくかといった論点について現在議論を深めております。以後、簡単にどういった論点がさらに具体的になるかということを御紹介させていただきます。
16ページへ行っていただきますと、最初の総論のところは、矢羽根にありますけれども、2050年のカーボンニュートラルとか2030年の新たな削減目標を見据えますと、これから産業構造もどんどん大きく変わっていくであろうと。そうした中にあって、産業競争力の維持強化につながるようなエネルギー政策とはどうあるべきかといった論点を議論してございます。
次のページへ行っていただきまして、その産業競争力の強化にもつながりますけれども、やはり2050CNという野心的なものを達成しようと思うと、相当のイノベーションが不可欠でありまして、どう取組を進めていくのか、そしてどう実現に結びつけていくかという観点でも議論をしております。
それから18ページであります。そういったCNですとか新しい削減目標といった環境面の要素は非常に重要なのですけれども、一方で3E+Sのバランスの追求は外せないという指摘が審議会のほうでも多数出ておりまして、改めて環境の問題と3E+Sのバランスをどう取っていくのか。
それから下でありますけれども、その中でもやはり安定供給が第一という状況でございますので、将来にわたって安定供給を確保していく上ではどういった点に留意すべきかといった論点を議論してございます。
次のページへ行っていただきまして、燃料・鉱物資源の論点につきましては、矢羽根にありますけれども、2050とか2030を見据えていきますと、これまでと同様に化石燃料を使い続けるのはなかなか難しいのではないかと。そうしたときに脱炭素化技術とうまく組み合わせながら、どう使っていくのかという論点。
それから20ページへ行っていただきますと、今の話ともリンクするのですが、脱炭素化と調和した形で化石燃料を使っていく上で、資源国とかアジア諸国と新しい関係を構築していかなければいけない。それを具体的にどう進めていくのかといった議論もしてございます。
それから21ページへ行っていただきまして、一方で、流体燃料、化石燃料は引き続き必要、当面は使うという状況になっていますが、脱炭素という要請に加えまして、過疎化といった地域ごとの課題によっては、エネルギー供給網の縮小が既に始まっている状況にございます。そうした中にあって、エネルギー供給のアウトレットの重要な役割を果たしているSSみたいな供給網をどう維持していくのか。突然、明日から電化になりましたということにはなりませんので、そうしたトランジションを含めどう考えていくのかといった論点も議論しております。
それから22ページへ行っていただきまして、需要対策ということであります。需要サイドの対策は、これまでも国交省さん含めてありましたけれども、やはり省エネを徹底的にやるということと、非化石エネルギーの拡大を図ることが基本戦略だと思います。これらの取組をさらに進めていくためにどういった取組が必要かといった論点。
それから、23ページからが供給サイドであります。再生可能エネルギーということでありまして、矢羽根にありますが、2050のCNとか2030年の新目標を見据えますと、再エネの主力電源化で最大限やるということは政府方針だと思いますが、それをやっていく上でも、急峻、山がちな国土の中でどうやって適地を確保していくのかといった論点。
24ページに行きますと、再エネを導入、拡大していく上で、やはり調整力を確保して系統整備といったような課題を――これは安定供給が第一という前提に立ちますと、それを損なわないような形で支える調整力、系統の整備をどう進めていくかといった論点。
25ページですけれども、再エネを導入していく上でのもう一つの課題は、やはりコストをいかに抑制できるかといった論点。
26ページですけれども、再エネを主力プレーヤーとして拡大していく上で、いかにそれを国内の産業育成につなげていくか、地域に裨益するような産業を育てていくかといった論点も重要でありまして、こうした観点からも議論をしてございます。
それから、次の27ページですが、ここからが原子力でございます。原子力につきましては、確立した脱炭素電源という役割がありますので、とにかく安全性の確保を大前提として最大限活用していく。その上でどうしたことが必要になるかということで28ページに行っていただきますと、何といっても安全性の向上は不可欠でございまして、そのための新しい技術開発ですとか、そういったことは官民で取り組んでいく必要があるのではないか。
それから28ページの下ですけれども、これから最大限使うというときに、やはり長期運転の在り方をどう考えていくかといった論点も議論してございます。
それから29ページでございます。そうした原子力を将来にわたって活用していくとなると、技術基盤、人材基盤といったものを維持していかなければならない中で、将来の方向性についてどう考えるのかといった議論も行ってございます。
それから30ページ、当然、原子力を持続的に活用していく上では、使用済み燃料の問題の解決も不可欠でありますので、この取組を進めていく必要がある。
それから31ページは、当然、国民の信頼回復が全ての大前提ですので、信頼を十分に得るためにどうしていくのかといった議論を原子力については行ってございます。
それから32ページは火力であります。火力も引き続き使っていかざるを得ないという状況でありますが、安定供給を大前提として、脱炭素化されない火力というのを下げていけるか。そのときに下げていく観点としては、やはり他電源の供給変動を補う調整力の機能とか、比率を落としていって稼働率が下がっていったときに、そのコスト負担をどう考えるかといったような、なかなか難しい論点がありまして、そうした議論をしてございます。
それから33ページ、これから重要な新しいエネルギー源として大きな役割を果たす水素、アンモニアといったものについても、どうやって導入を拡大していくのかという議論もしてございます。
それから34ページは、エネルギーシステム改革ですが、今回が電力の本格自由化後初の議論ということでございまして、自由化されていく電力市場、ガス市場と環境適合性というのをうまく組み合わせながら、どう持続的にシステムを回していけるのかという論点。
あと35ページになりますけれども、自由化とか安い再エネが入ってきますと、その安定供給に必要となる電源の投資、そうした中でどう確保していくのかといった論点も議論してございます。
それから最後、36ページでありますけれども、分散型エネルギーリソースということで、再エネが入ってきますと、どんどん分散型が可能になってくると。果たす役割も多岐にわたっていろいろな可能性が出てきますので、それを日本に根づかせて導入拡大していくにはどうしたことを進めるべきかといった論点について議論してございます。
ちょっと今、こうしたかなり多岐にわたる論点について議論を深めておりまして、冒頭ありましたけれども、今後も国際会議の動向を踏まえながら、引き続き議論を加速していきたいと思っております。
私からは以上です。
○山地座長
どうもありがとうございました。それでは、今までの説明につきまして、各委員から御質問、あるいは御意見等いただきたいと思います。本合同会合で今までもやっていますように、中環審、産構審の委員交互にそれぞれ50音順で発言をいただいておりますけれども、前回、第5回は中環審側の委員から50音順の頭から回しましたので、今回は産構審側の委員から50音順で後ろから御発言ということにしたいと思います。ただ、途中で退席される方がおられます。特に伊藤委員が途中退席ということで、この順番でいくと後ろのほうになりますので、まずは伊藤委員に御発言いただいて、その後、このルールによって発言を回していきたいと思います。
ということで、まず伊藤委員、よろしくお願いします。
○伊藤委員
御配慮いただきまして、ありがとうございます。どうもすみません。
まず、エネルギーに関してなのですけれども、今御説明いただきましたように、やはりCO2の問題だけではなくて、これは産業を支える、それから安全保障という面においても重要な側面が幾つかありますし、3E+Sは大原則として十分考慮していかなくてはいけない問題だと思っております。それに資源がない、そして面積も非常に狭い島国の日本ということも考慮していかなくてはいけないと思っております。
再エネ比率を上げていくということは重要なのですけれども、中身をどうするかということは、もうちょっと議論してもいいのかなと思っています。今の段階では、太陽光発電にかなり偏っている状況なのですけれども、日本の面積的に考えると、もうそろそろ限界に来ているのではないかというのが印象としてあります。
先ほど、環境省の地域脱炭素ロードマップで屋根置きの太陽光発電を進めるということがありましたけれども、太陽光パネルについては、中国依存度が非常に高いということ、それから景観の問題とか反射光トラブルとか様々な弊害も起きてきているので、確かに災害対策という面で自立できるというのは非常に重要なことではあるのですけれども、もし導入するのだとすれば、かなり前に申し上げましたが、例えば球形の太陽光発電みたいなものも出てきていますし、そういう新しい技術による国産の太陽光発電を後押しする政策も重要になってくると思います。
それから、中身なのですけれども、太陽光発電以外で、やはりベースロード電源になるような、ちょっと時間はかかるかもしれませんが、埋蔵量という意味では非常に大きなエネルギーを持っている地熱なども根気よく進めていったほうがいいと思います。それから、森林による吸収率を高めるという意味では、間伐材を活用するバイオマス発電というのももう少し比率を高めていけばいいのかなと思っております。
それから、お話にもありましたけれども、再エネ比率を高めるということでは、今の段階では調整のための火力発電もそれだけ必要になることになる。そうすると、その分のCO2の排出はどうするのか、あるいは調整のためだけの火力発電をどう維持していくのか、そのコストはどうなっていくのかということはしっかり考えないといけない。そうなると、再エネを主力電源にするためには、蓄電池、あるいはバーチャルパワープラントとか、そういう技術がしっかり確立していくということが条件になってくるのかなとも思っています。
そう考えると、やはりベースロード電源になるCO2を排出しない原子力発電というのは、安全性が確認されたものから再稼働していく必要があるのかなと思いますけれども、これも先ほど指摘がありましたように、国民の信頼をどうやって回復し、確立していくのかというのは、まだまだ道半ばとも思いますし、バックエンドの問題もしっかりと道筋をつけていく必要があると思います。
最後にもう一点、J-クレジットに関しても、興味が高まってきている、需要が高まってきているという点においては非常にいいことだと思うのですけれども、私が企業の方々とお話しすると、まだまだ認知度が低いという感じがしております。特に中小企業などについては、なかなかCO2削減に取り組めない中で、やり方によっては新たな収益につながる可能性もあるものだと思いますので、これはメリットも含めて周知を徹底していく必要があるかなと。そのためには、地域の企業と付き合いがある、地域の金融機関などと連携してやっていく必要があるのかなと思っております。
以上です。ありがとうございました。
○山地座長
ありがとうございました。伊藤委員に対して言っているのではなくて、実は私、先ほど発言を忘れていたことがありまして、毎回申し上げているのですけれども、多くの委員に参加していただいておりますので、御発言は3分以内を厳守してということでお願いしたいと思います。
伊藤委員は産構審側でございましたので、次、中環審側のあいうえお順の下からということで、吉高委員、お願いいたします。
○吉高委員
ありがとうございます。最初の環境省様のヒアリングのことから順番にコメントさせていただきたいと思います。
まず、地域の取組ですけれども、今、ウッドショックということで木材が逼迫していて、地方の山がはげ山状況になっているということを聞きます。また、金融機関は、最近は太陽光発電に関して、これまでの条件よりもかなり緩くして融資していると聞きます。脱炭素先行地域を100か所以上創出し、ドミノ倒しで脱炭素化は重要かとは思いますが、同時に、再エネのゾーニングですとか、耕作放棄地の転用の規制緩和、そして、伊藤委員が言われたJ-クレジットについて、例えば森林クレジットのファンド組成による里山保全の支援とか、ESG金融の観点から、様々な政策の整備が望まれていると思っております。
ライフスタイルの分野では、見える化の政策として、またナッジを引き起こすためにも、カーボンフットプリントのデータ整備は重要かと思っております。カーボンフットプリントの認証制度があったかと思いますが、その政策は現在どうなっているのかお聞きしたいと思います。全ての消費活動にカーボンフットプリントをつければ、かなりの行動変容になると思います。
そして、国土交通省様の10ページのスライドなのですけれども、左下のグリーンインフラのところだけにグリーンボンドが入っております。通常、海外でグリーンボンドの資金使途として言われる、グリーンインフラとは、再エネとか温暖化の緩和の部分が含まれますが、資料に記載されている緑化や防災はグリーンボンドの資金使途ではありますが、地方自治体債などで、あまり社債の使途としては使われません。気候変動対策推進のための有識者会議で麻生財務相がおっしゃったようなグリーン国際金融センターを日本につくり、グリーンボンド発行を増やし投資家を集めていくには、こういった表示の仕方は投資家に向けては誤解を生むのではないかと感じました。なぜ、ここでグリーンボンドなのかということを教えていただければと思います。
次に、J-クレジットでございますが、最近、資産運用会社や銀行などと話しますと、カーボンニュートラルに向けてJ-クレジットの活用なども評価軸の検討を始めているようですが、ご指摘があったような制度の利便性とかボリュームの面では、やはり使いにくいと思っております。先ほどウッドショックの話をいたしましたけれども、日本の森林資源をもう一度見直すためにも、全体的なクレジット制度について見直しを検討していただきたいと思っております。
そして、最後にエネルギー分野でございます。非常に多くの論点があったということ、理解いたしました。議論の中心は、まず主電源となる再エネとディマンドサイドで、これらが重要であること、つまり、ここに書かれております論点の順番が、エネルギー基本計画の目次の順番になるのかと思ったのですが、いかがでしょうか。もしそうであれば、火力はひとくくりにするのではなく、やはり、カーボンニュートラルに向けトラジションのために、当面必要だと思われるガス火力と、それ以外の石油、それからフェードアウトを目指す石炭、これらを別に整理して考え、2030年に向けたロードマップを考えていただくほうが国民や投資家、金融機関などには分かりやすいように思いました。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○山地座長
ありがとうございました。それでは、産構審側に戻りまして、山下委員、お願いします。
○山下委員
ありがとうございます。山下です。
まず、基本政策分科会の情報共有をいただきまして、ありがとうございました。2030年までの限られた期間では、既に利用可能な技術あるいは取組を、最大限に深掘りすることが重要な鍵になると思います。省エネとともに、まずは既存の伝統的なゼロカーボン電源として、再エネだけでなく、原子力の最大限の活用が極めて重要です。加えまして、化石燃料の脱炭素化技術を磨くことで、新たな目標の着実な実現に向けて国が前面に立ち、強力に推進する覚悟を持っていただきたいと思います。
次に、環境省からの御説明で、ライフスタイル分野で様々な取組があることを改めて認識しました。特に印象に残り、鍵になると思いましたのは、スライド20にあるデータとナッジの各政策への実装で、行動変容を前向きに後押しするという点です。スライドの22にも主体的な意識変革や行動変容の促進とあります。個人個人が省エネやGHG削減などの効果を認識し、自発的に考えて判断し、行動するようになれば、温暖化対策だけでなく、SDGsへの対応をライフスタイルに組み込むことも可能です。誰かからの要請や強制ではなく、自発的に行動することが大切で、納得して行動することが社会を動かします。
脱炭素社会実現への貢献を強く意識する次世代が増え、自発的に行動することが世の中を変えていくと期待します。そのきっかけをつくるには、今、機器やサービスを提供している企業、新たな生活様式を支援する自治体や政府、データを分析して分かりやすく提供する研究者や教育機関、業界団体、意思決定をしているリーダー層など産官学と、既に活動を始めている若者の知恵とアクションが必須です。新たなライフスタイルへの転換に向け、しっかり結果に結びつけていただきたいと思います。
また、J-クレジット制度は、もともと中小企業クレジット制度が土台にあったと承知しております。初心に戻り、中小企業を念頭に置いた対策に活用すべきだと考えます。既に何度も御指摘があったように、中小企業での温暖化対策を進めるには資金フローの拡大が必要ですが、J-クレジット制度がその一助になる可能性があります。企業のネットゼロ目標設定やRE100宣言が進む中、クレジットを利用することへのインセンティブの付与やJ-クレジット制度を利用しやすくする工夫が必要です。例えば、中小企業向けの期限つき補助金の創設や、プログラム型と呼ばれる設備メーカーが中小企業の設備導入プロジェクトを取りまとめ一括申請する、中小企業の手続費用を削減する仕組みなどが重要です。
最後に、国交省の港湾、海事、あるいは航空分野について質問がございます。この会合は国内対策を議論する場ではありますが、新たなゼロカーボンエネルギーのコストを下げるには、今後の需要開拓が重要であり、国際海事機関や国際民間航空機関による脱炭素化の取組は供給側にとっても重要です。航空を含めて国際バンカー対策はどうしようとされているのでしょうか。
以上になります。ありがとうございます。
○山地座長
ありがとうございました。では、次は中環審側の山口委員、お願いいたします。
○山口委員
よろしくお願いします。
まず、環境省から説明がありました脱炭素先行地域の創出、それから地域に貢献する形での促進区域の設定など、地域と共生する形での再エネの拡大が望ましいと思うのです。こういう取組は、脱炭素社会の実現につながるだけではなくて、地域のエネルギー自給率を高めて、地方創生にもなります。地域の再エネの導入が進まなければ、外部からの化石燃料主体のエネルギーを購入することになって、地域経済は赤字になりますが、地域と共生する再エネの導入が進めば、地域からお金を漏らさない仕組みにつながります。
私が取材してきました地域では、地熱バイナリー発電とか小水力発電、それから森林資源を生かしましたバイオマス発電など、それぞれ小規模ではありますが、各地域の一般世帯分を賄えるだけの電気を生み出して、お金を生んで、地域を元気にしていました。こういう小さな積み重ねを全国に広げていただきたいと思います。
それから、国交省の御説明にありましたグリーン社会の実現に向けた取組、どれも大変興味深かったのですが、特に2035年までの新車販売の電動化に向けてなのですけれども、電気自動車の充電スポットの拡充が欠かせないと思うのです。こういう中で、公共施設や商業施設などの充電器の数が2020年度に初めて減少に転じて3万基を割ってしまったということなのです。充電スポットが増えなければ、電気自動車への乗換えも遅れると思います。
ちなみに、国の補助金が多く出されました2014年度は、2016年にかけて充電スポットの設置数が急速に伸びましたが、それ以降は補助金の額が減って伸び悩んでいると聞いています。今後は、都市部のマンションなどへの充電設備設置の後押しですとか、それから高速道路のサービスエリアでの急速充電器の拡充も含めまして、充電スポットを増やす施策が必要ではないかと思います。
アメリカは、2030年までに充電スポットを50万か所、EUが2025年までに100万か所を目指すといいます。国交省さんに伺いたいのですが、日本でもこういう大きな目標を掲げることは難しいのでしょうか。
それから、3点目なのですけれども、2030年までの太陽光発電の拡大についてなのですが、設置場所が限られる中で、住宅ですとか建物の屋根の利用が鍵を握ると思うのです。やはり都市部の屋根を見ると、まだまだパネルが乗っていないですよね。初期費用ゼロ円の自家消費モデルの導入は、利用者にとっても、それから分散型社会の構築にとってもメリットが大きいです。
ただ、普及させるには、やはり補助金の下支えが大切になります。それから、ペロブスカイト太陽電池、非常に軽量で折り曲げが可能ですから、古い住宅ですとかビルの壁にも設置ができます。一部のメーカーでは、2025年の実用化を目指しています。さらなる開発のスピードアップに向けて支援が重要だと思います。
以上です。どうもありがとうございました。
○山地座長
ありがとうございました。次は産構審側の長谷川委員でございます。よろしくお願いいたします。
○長谷川委員
御指名ありがとうございます。私から3点申し上げたいと思います。
まず1点目、エネルギーについてです。大変多岐にわたる、かつ網羅的な御議論がされていることがよく分かりました。御説明にもありましたとおり、また伊藤委員もおっしゃったように、S+3Eの適切なバランスが極めて重要であると考えております。とりわけ、経済と環境の好循環を創出するという政府全体の方針に照らしますと、財政やエネルギーコストの観点は極めて重要と考えております。特に産業界の需要家が直面するエネルギーコストに十分配慮しながら御検討をお願いできればと考えております。
また、2050年カーボンニュートラル、2030年46%削減というそれぞれ極めて野心的な目標を考えますと、原子力の継続的な活用は不可欠だと考えております。安全性の確認された原子力発電所につきまして、地元の理解を得て再稼働を進めていただくことはもちろん、人材も含めた事業基盤の観点から、2050年カーボンニュートラルに向けてリプレイス、新増設、バックエンドについてもしっかりエネルギー基本計画に盛り込んでいただきたいと考えております。
2点目は、J-クレジットについてです。御説明にありましたとおり、現在、カーボンプライシングについては、経済産業省、環境省の検討の場で検討がなされているところです。J―クレジットは、削減のためのインセンティブという意味でも、また成長に資するカーボンプライシングを考えていく上でも、1つの有力なオプションであると認識しております。RE100などを背景に、自主的なクレジット取引へのニーズは今後ますます高まっていくと見られております。クレジット市場の育成、活性化を進めていくことが重要な時代が来ていると考えております。
その上で、今も御説明ありましたとおり、クレジット取引が健全に機能する1つの前提として、クレジットが安定的に供給される環境が重要と考えております。この点、先ほど御説明がありましたとおり、目標が引き上げられたことは高く評価したいと存じますが、引き続き割り当てがない、調整されないということを大前提に、クレジットの質を確保しながらしっかりと供給側の環境整備を行っていただきたいと考えております。
3点目は質問です。環境省から御説明がありました地域脱炭素ロードマップの資料3-2-1、あとライフスタイル分野の資料3-2-2についてです。これはそれぞれの取組みにひもがついたような形で、地球温暖化対策計画の中で数値目標が盛り込まれると考えればよいのでしょうか。
また、地域脱炭素ロードマップについて、今後、予算が手当てされると理解していますが、想定している予算規模や、内容、本予算か補正予算かといった点についても教えていただければと考えております。
以上です。
○山地座長
ありがとうございました。それでは、中環審側に移りまして、薬師寺委員、お願いいたします。
○薬師寺委員
ありがとうございます。3点申し上げます。
まず、環境省から御説明のありましたロードマップについてでございます。3ページにございます脱炭素先行地域、これはモデル地区でやっていくということで非常にいい取組だと思っておりますけれども、やはり全国で地域特性が大分違っておりますので、その地域特性に応じた目指すべき姿を示していただけるとありがたいと考えております。やはり全国いろいろな地域で取組が並行して進められるという形にしていただくことがとても大事だと思っております。
それから2点目でございますけれども、国土交通省から御説明のありました、資料で申しますと10ページ、11ページの部分でございます。まちづくりに関してでございますが、10ページの資料でいうと一番左上のところでございます。例えば、都市のコンパクト化という取組自体が低炭素化につながるということでございますけれども、ぜひ改めて、まちづくりにおいて地域の低炭素化というのが、ある意味、地域課題の1つでもあるのだという重要性を国としても明確に打ち出していただけると非常にありがたいと考えております。
それから、11ページの左下の四角の中の3つ目に、都市部での面的なエネルギーの効率的な利用の推進という項目がございます。これも都心の中心部では非常に重要な取組だと考えておりまして、例えば大都市の中心部におきまして、こういう面的なエネルギーの効率化を目指すような設備投資に対して何か支援をいただけると非常にありがたいと考えております。
最後3点目でございます。プロセスの透明化ということなのですけれども、とにかく今、2030年目標の設定について、関係者だけではなくて一般市民の方の関心も、かつてないほど非常に高まっております。当然、エネルギーミックスなどについては、新聞などでもかなり報道されているのですけれども、例えば、最終的な削減目標が示されたときに、家庭部門でどの程度減らさなくてはいけないかということも重要な要素になってまいるかと思います。
そういうときに、例えば一般的な家庭で目標を達成するためには、どの程度の省エネが必要なのだというような分かりやすいイメージを策定するプロセスから見せていただいて、やはり家庭部門でもここまでやっていただかないと、2030年46%というのは極めて厳しいのだと。それに対して、ちょっとそれは無理とか、もっとできるとか、目標設定のプロセスに一般国民も参加できるような工夫も必要ではないかと考えています。
以上です。ありがとうございました。
○山地座長
ありがとうございました。では、次は産構審側の竹ヶ原委員、お願いいたします。
○竹ヶ原委員
どうもありがとうございます。いただいた御説明に沿ってコメントないし質問をさせていただきます。
まず、環境省から御説明いただいた件ですけれども、本日のテーマがライフスタイルということなので、民生部門を中心に御説明いただいたと理解しました。地域の脱炭素ロードマップは、当面の集中期間に何をやっていくかという点で考えると、やはり2030年に向けて地域に存在している産業構造の転換といいますか、トランジションの影響を強く受けると思います。したがって、モデルケースの御検討に当たっては、民生部門に限定せず、産業界、自治体、そして地域にある金融機関、ここら辺を巻き込んだ包括的な御議論を進めていただければと思います。こうしたプラットフォームがうまく形成できて、それがドミノ倒しになっていくと、まさに理想的な展開になるのではないかと。これはコメントでございます。
次に、国交省様からいただいた御説明ですが、改めてカバレッジの広さと影響の大きさが印象的でした。個別にいうと、船舶では、御説明資料にもありましたIMOの議論で先導された経緯もあって、トランジションの分野では、一番検討が進んでいると理解しています。加えて、前回も議論になりましたけれども、冷蔵倉庫、コールドチェーンの話ですとか、物流分野ですとか、やはり所管されている産業も影響が非常に大きいので、同様にトランジション、あるいはその後のネットゼロに向けたロードマップも国交省さんが先頭に立って検討していただければ金融としてもありがたいと思います。
その関連で、モーダルシフトについて、あまり進捗が芳しくないという御報告が資料にありました。これは質問ですが、恐らく西日本の集中豪雨の影響で鉄道が使えなくなってしまったこともあるのかなと感じております。もしそうだとすれば、モーダルシフトを今後進めていく上では、やはりインフラのレジリエンスの強化、いわばこれは適応策になると思うのですが、こことセットでどう進めていくかという枠組みも必要ではないかと思います。この辺りどのようにお考えか、もしお時間があれば聞かせていただければと思います。
もう一つ、建築物ですが、新築中心の御説明ではあったと思います。住宅について少し記載がありましたけれども、既存のストックの脱炭素への変遷といいますか、改修はどう進めていくかが、極めて重要な気がいたしますので、この分野の方向性など、もしお時間があれば後でお聞かせいただければと思います。
次に、J-クレジットですが、これは今後、企業が2050年に向けて、サイエンスベースドなネットゼロの戦略をつくっていく上で、非常にポテンシャルが大きいのではないかと個人的には思っています。最後の最後、残ってしまった残存排出量を中立化する上で、それに使えるクレジットになるかどうかというのは比較的重要な論点のような気がしますので、ぜひ2050年に向けた長期の視点ですとか、CORSIAのところでも御説明があったように、国際的な枠組みとの整合性ですとかを深めていっていただければと思います。
最後、エネルギーについては、今後全てを規定いたしますので、御説明いただいたように、本当に厳しい制約の中で大変だと思うのですが、3E+Sのコンセプトを生かした設計図の提示を期待しております。
以上です。ありがとうございました。
○山地座長
ありがとうございました。では、中環審側の三宅委員、お願いいたします。
○三宅委員
ありがとうございます。それでは、私から2点、J-クレジットに関してとエネルギー基本計画の見直しにコメントをさせていただきたいと思います。
まず、J-クレジットなのですけれども、J-クレジットですとか非化石証書、グリーン証書とかという環境価値と実際の電源を分けて取引するという考え方は、脱炭素社会への移行を推進する上で需要側の企業として大変重要だと考えています。特に移行期は、どうしても一定量必要だと思っていますし、示していただいた資料の中でも、再エネ発電由来のクレジットが注目されているということでもそれが分かると思います。
ただ、J-クレジットは現状、非化石証書と比べても絶対量が少ないことが課題だという御指摘もあって、本当にそのとおりだと思っておりますので、そういう視点でもう一度見直されるということなのですが、ちょっと立ち返ってみると、そもそも3種類必要なのかということは、もう一回考えていただければと思います。その辺りの整理をしていただいて、もうちょっとシンプルで分かりやすい制度にしていただけると、もっと促進されるのではないかと思っています。
特に非化石証書に関しては、今回はJ-クレジットなのでちょっと違うかもしれないのですけれども、需要家企業が直接購入できないということが課題で、今後より幅広くコーポレートPPAを拡大させるということは、FIT依存を下げる上でも大変重要であり、ぜひ検討していただければと思います。J-クレとか非化石証書は、全体の成長に資するということを考えてやらなければいけないというコメントがありましたけれども、それに加えて、ぜひ再エネの追加性を促進させる制度につくっていただけたらと思っております。
2点目、エネルギー基本計画に関してでございます。再エネの導入促進に伴うコストの話は本当にとても大切ですし、その種類、メニュー提案とかということもすごく大事だと認識いたしました。ですが、特にコストの話をするときに、例えば太陽光は(FIT)依存度が高いというコメントもありましたが、現状、太陽光に関しましては、コーポレートPPAという市場ベースで十分にFITの外で導入可能な世界が現実にできつつあります。市場経済の中できちんと経済合理性が得られるような状態になりつつあるのですけれども、もう一歩、規制を緩和することで絶対量を拡大することが可能だとも思っております。
資料3-2、基本計画の見直しに向けた検討状況の資料の11ページにも記載があるとおり、新規分での稼働のところで政策強化を検討いただいていると記載されています。ここの内容は、私どもとしても期待しているところであります。イオンのような大型商業施設も、まだ平面駐車場の屋根への設置など、追加したいけれども、例えば固定資産税ですとか建蔽率の範囲から除外をしていただくなど、もうあと一歩、規制緩和、もしくはサポートがあれば、企業として追加の負担や制限の軽減ができると。そうしたら拡大のスピードが格段に上がるのではないかと思っております。
以上です。
○山地座長
ありがとうございました。次は産構審側と中環審側、両方の委員を務める髙村委員、お願いいたします。
○髙村委員
ありがとうございます。ヒアリングに御協力いただいてありがとうございます。
まず、資料3-2-1に関わるところです。国全体のカーボンニュートラルを実現する上で、やはり地域という場が非常に重要だと思います。結果的には、地域という空間というか場が脱炭素、ゼロエミッションに近づいていくという積み重ねの中でしか国全体のカーボンニュートラルは実現できないと思います。
その意味で、地域の場で、今様々な検討をされている省庁、自治体の施策がどうしっかり展開できるか、統合的に展開できる地域と国の連携、もう一つは、省庁間の様々な施策がうまく統合的に地域で展開できる、これをどう具体的に進めていくか、その連携体制についてぜひ御検討いただきたいと思っております。これが1つです。
それから2つ目が、資料3-3、国交省さん、どうもありがとうございます。グリーン社会ワーキングでも随分時間をかけて議論しているところで、その成果を出していただいておりますが、竹ヶ原委員もおっしゃいましたけれども、50年カーボンニュートラル、あるいはそれと整合的な30年目標という意味では、国交省さんの役割は非常に重要だと思っています。特に、どうしてもインフラが低炭素型に転換していかないとなると、インフラ、土地利用、空間利用を所管されている国交省さんの役割は、かつてなく大きいと思っております。これは自動車でありますとか水素の展開、住宅、建築物も様々な場面で、グリーン成長戦略の中でも重点化されておりますけれども、ぜひ頑張っていただきたいというエールでございます。
3点目が、資料3-4のJ-クレジット制度についてであります。カーボンプライシングの研究会、委員会でも議論されているところでありますけれども、自主的なクレジット制度が持っている利点と課題があると思っていまして、特に自主的な場合には、このクレジット制度が長期的にどれだけ移行を促すシグナルを発することができるか、どういう形でそれが可能になるかといった課題はあると思っております。こうした議論は、ぜひ両省のカーボンプライシングの議論の中でさらに深めていただきたいと思っております。
他方で、クレジットそのものの制度は、やはり排出削減の努力に価格がつくことになりますので、足元での脱炭素化、低炭素化の取組のインセンティブになることは間違いありませんし、さらに、排出削減がなかなかできにくい分野の事業者にとっては、総体的に安く、負担を抑えて当面削減を進める目標を達成できるという方向だと思います。その意味で、拡充の方向性、スライド9の内容については、基本的に賛成であります。とりわけ長期の制度であることを政府が保障するという点については、早急にやっていただきたいと思っております。
J-クレジットに特化したところでは3つほど、細かいのですけれども重要な点を申し上げたいと。1つは、ICAOのクレジット対応というのをぜひ進めていただきたいと思っております。もちろん、国内でJ-クレジットを使っていただくのは重要なのですけれども、国際的なメカニズムを使うのはどうかという議論がひょっとしたらあるのかもしれませんが、国際的な制度の下で使わざるを得ない分野の事業者が国内で確実にいらっしゃる中で、海外のクレジットを購入して使っていただくというよりは、やはり間違いなく国内にしっかり削減努力の資金化、そうするとそのお金が国内にもあるということにもなります。
さらに、クレジットの国内需要をつくり出すということにもなると思っていまして、まさに削減のインセンティブが国内に生まれるということでもあると思います。その意味で、ぜひICAO、クレジット発行のスキームをそれぞれICAOの下で認定しておりますので、それに対応するようなJ-クレジット対応を進めていただきたいと思います。
これに関わって、森林クレジットについても、今モニタリング制度の見直しとありますけれども、ぜひ森林クレジットも、こうしたICAO対応も含めた対応ができるようにしていただきたいというのが2点目です。
最後は、これは三宅委員に既におっしゃっていただいたのですけれども、クレジット制度が複数ございますので、連携という形で提案されていますが、場合によっては整理、統合、分かりやすさの向上ということを進めていただきたいと思います。
最後、資料3-5のところでございますけれども、どうもありがとうございました。この間、非常に多くの会議で議論をしてきている話だと思います。スライド4に書いていただいているように、2050年カーボンニュートラル、あるいはそれと整合的な30年目標の枠組みの中で今エネルギー政策をしっかり議論されていると思っております。
その上で、特に温暖化対策の点から2つ申し上げて終わりたいと思うのですけれども、1つは、3E+Sについてです。まさに改めてこれを確認するということでありますけれども、やはり脱炭素化という大きな公的な政治目標、政策目標がある中で、実は先ほど口頭ではおっしゃったのですが、もう少し複眼的に3E+Sという枠組みを考える必要があるのではないかと思います。
1つの例は、今日も御説明がありましたけれども、再エネの導入が拡大する中で、やはり電力市場の価格が総体的に下がる傾向にあって、それによって電力の設備形成に課題が起きているということでありました。そういう意味では、再エネが卸電力市場の価格を総体的に下げていく効果があるということは、場合によっては3E+Sをうまくマネージすると、経済性にも貢献し得る余地がある。あるいは山口委員から、社会的課題の解決に結びつくような地域の活性化の御紹介がありました。そういう意味で、3E+Sというのをもう一度、この間の大きな流れの中で脱炭素の定義を改めて見直すことが必要ではないかというのが1点目です。
そして最後は、ぜひこれは検討の中に入れていただきたいのですが、梶山大臣もおっしゃっているように、やはり再生可能エネルギーの主力電源化最大限導入に当たっては、それに適合的な親和的な電力システムをどうつくっていくか、そのルール、市場をどう見直していくかということが非常に重要だと思っていまして、恐らくこれはエネルギー基本計画の中にいろいろ入ってくるのだと思いますけれども、1つは、やはり脱炭素化、今回のエネルギー基本計画の見直しの中では、それを1つ重要なエリアとしてハイライトしていただくことがいいのではないかと思っております。
以上です。
○山地座長
ありがとうございました。では、次は中環審側委員の増井委員、お願いします。
○増井委員
ありがとうございます。私からも3点あります。
まず1点目は、全体についてなのですけれども、先月、日本のNDCの深掘りというのが示されたところですので、まだそれに対応する形で十分に取組の深掘りというのはできていないかもしれませんが、30年から50年にかけて具体的にどのような対策で深掘りしていくのか、またシームレスに対策を導入していくのか、そういったところについての御説明、お考えがあれば、ぜひお聞かせいただきたいと思っております。
特に住宅ですとか発電所、あるいはインフラ、こういったものは寿命が非常に長いですので、2050年にゼロということを考えた場合でも、今から十分対応していかないと、2050年近くになって足かせになる、あるいは座礁資産になるというおそれもありますので、この辺り、2030、2050の関係をどのように考えていらっしゃるのかをぜひお聞かせいただきたいと思います。
2点目は、環境省さんから御説明ありました、国・地方脱炭素実現会議、地域脱炭素ロードマップです。既に複数の委員から御指摘がありましたけれども、地域での取組は非常に重要かと思います。ただ一方で、国全体の目標、ロードマップ、こういったところとどこまで整合しているのか、トップダウンとボトムアップ両方から議論していくことが非常に重要ですので、相互にどのように意見交換をするのか、こういったところはぜひお聞かせいただきたいと思います。
また、ライフスタイルにつきましても見える化は非常に重要だと思いますし、今後、一般国民の取組は非常に重要になると思います。積極的に一般国民の皆さんが、これならぜひ取り組んでいきたいと思えるような資料なり情報提供をお願いしたいと思います。
最後、エネルギー基本計画、経産省さんですけれども、まさにエネルギー基本計画の見直しというのは、脱炭素に向けての根幹部分であります。追加でいろいろな情報が入ってきて、取りまとめが大変かと思いますけれども、論点の整理だけではなくて、できるだけ早く中身を示していただきたいと思います。
その中でも、今回も幾つか論点を挙げていただきましたけれども、2点目のところとも関係しますが、需要側の対策というのは非常に重要であると認識しております。エネルギーの個別供給の姿だけではなくて、需要側をどう捉えるのかということ、もちろん論点として掲げられてはいますけれども、ぜひその辺りも深く、広く議論していただければと思います。
以上です。ありがとうございました。
○山地座長
ありがとうございました。では、次は産構審側委員の杉山委員、お願いいたします。
○杉山委員
事前に意見を書面で提出しています。参考資料2ですので、それに沿ってお話しいたします。
まず第1に、温暖化対策にかかる総額について、政府は明確にすべきです。
再エネ全量買取り制度の実績を参考にすると、約3%のCO2削減のために毎年3兆円の賦課金が徴収されています。1%のCO2削減のために毎年1兆円程度の費用がかかっています。26%から46%まで深掘りするとなると、その差は20%です。単純に計算しても、追加で毎年20兆円の費用がかかることになります。人口1億人とすれば、追加で毎年1人20万円、4人家族世帯であれば80万円と莫大な負担になります。総額でどの程度の費用がかかるのか、政府は明確にして国民に示すべきです。
2、政策のカーボンプライシングを実施すべきです。
費用の高騰を防ぐための制度設計として、政策のカーボンプライシングを提案します。全ての政策について、実施前、実施中、実施後に、何円の費用で何トンのCO2が削減できるか計算し、毎年レビューすべきです。その際、一定の炭素価格を設定し、政策を合理化する指針にすべきです。2017年の地球温暖化対策プラットフォーム報告書では、日本の温暖化対策費用は既に1トン当たり4,000円を超えています。
以下を提案します。炭素価格を1トン当たり例えば4,000円と設定する。政策は全てこの炭素価格を用いて費用対効果を分析し、それを参考として安全保障なども考慮しつつ、政策実施の可否を決める。
3、J-クレジット等について。
日本の製造業が海外IT企業などのサプライチェーンに生き残るためには、日本は再エネの比率を上げなければならないという意見がありますが、原子力が再稼働すれば、日本はEU、米国と比べてゼロエミッション電源が不足しているわけではありません。重要なことは、CO2のクレジットやゼロエミッション電力を必要とする企業が安価に購入できる制度をつくることです。性急な再エネ大量導入はコストアップになり、企業の競争力をそぎます。
4、災害についての統計データについて。
災害に関する統計データの整理と分析を事務局は体系的に実施して本会合に提出すべきです。そして、それをベースとして本会合で議論すべきです。挙証責任は、国民に多大な負担を課する温暖化対策を実施しようとする事務局側にあります。以上は第1回会合から毎回意見し、両座長の賛同も得ていますが、いまだ実現していません。事務局に次回会合までの資料提出を求めます。
5、第4、5回会合での江守委員資料に関して。
詳細は添付1、2を御覧ください。以下は時間の都合でポイントのみ述べます。
降水量の変化について。江守委員は、1975年以降という短い期間を切り取って大きなトレンドを見いだし、それが地球温暖化の影響であるかのように説明しています。しかし、このような短い期間のデータから係る結論を出すことは誤りです。
台風について。江守委員意見には、東京への接近数が増えているとありますが、まず第1に、論文では地球温暖化との因果関係ははっきりしないと結論してあります。第2に、もっと重要なことですが、接近数が増えているのは過去40年間です。これは長期的なトレンドを読み取るには短か過ぎます。実際のところ、1950年以降という長期間で見ると、東京へ接近する台風は増えていません。この論文を根拠にして、東京への接近数が増えているとして、それをあたかも地球温暖化の影響であるかのように言うのは誤りです。
気候モデルの気温上昇について。気候モデルシミュレーションの大半が過去の気温上昇を過大評価していることは、厳密な統計分析の結果として指摘されています。
気候モデルのチューニングについて。モデルでは、チューニングという習慣が広範に存在します。そこでは気候感度などの出力結果を見ながら雲のパラメータなどを操作しています。いまや気候モデルは多大な経済負担を伴う温暖化対策を実施すべきか否かを検討するために使われているのですから、民主的な意思決定に資するため、モデルはブラックボックスであることをやめ、チューニングをどのように行っているか、その過程を詳しく記述して、透明性を高くすべきです。このようなモデルのチューニングについての情報を整理、分析し、この合同会合に資料提出することを事務局に要請します。
それから、最後1点だけ付け加えます。太陽光発電の話がよく出ていますが、今非常に重要な問題は、世界の太陽光発電の約半分は新疆ウイグル自治区のシリコンを使っているということで、米国は今、これに制裁をするかどうかという検討もしています。中国製の太陽光パネルを使わないということになると、アメリカの経験では、パネルのコストは倍増近くするといわれています。この点は日本のエネルギー問題を考えるに当たって、今後非常に重要になる。シリコンやレアアースなどの調達の中国依存をどのように考えていくかということを資源エネルギー庁の方にお伺いしたいと思います。
以上です。
○山地座長
ありがとうございました。では、次は中環審側委員、下田委員、お願いします。
○下田委員
下田でございます。意見書を出させていただきましたので、その内容をかいつまんで説明させていただきます。
私、需要側、特に民生、運輸部門のところでずっと仕事をしているのですけれども、これらを占めている住宅とか家電、建築、設備、乗用車、供給処理施設というのは、我が国の技術水準が高くて、世界の脱炭素化に対して貢献できる分野であると考えています。これらの分野で脱炭素技術への需要を高めて、さらなるイノベーションを生み出し、脱炭素化とグリーンリカバリーに貢献するためには、継続的で意欲的な政策による性能向上と、その普及のための国民の参画が必要であります。特に脱炭素化を達成していくためには、豊かな世帯、あるいは意識の高い世帯だけではなくて、全ての世帯がこれに参加していく必要があります。
そのために、国民や家計の共感を得ていくためには、コストですとか投資回収といった経済的な合理性だけではなくて、これらから構成される人々に魅力のある脱炭素社会のまちの姿、今日も脱炭素先行地域というお話がございましたけれども、これを示していくことが大事だと考えています。そのとき、海外の同様な取組と比較して、我が国は各機器の要素技術は非常に優れているのですけれども、要素を都市とかコミュニティ全体で組み合わせていくシステム化、それから脱炭素化だけではなくて、SDGs全体に配慮して魅力あるまちとかライフスタイルを創造するデザインのところが遅れていると考えています。
普通、国がイノベーションに対して支援というときには、要素技術にシフトしがちですけれども、こういう2点についても何らかの支援をしていただければと考えています。私はよく言うのですけれども、脱炭素化技術がレストランのメニューのカロリー表に見えてしまうのではなくて、その技術がコベネフィットも含めて魅力のあるメニューにならなければ、大規模な普及は望めないと考えています。
それから、ライフスタイルのイノベーションに関しては、例えばテレワークを考えるときには、それに配慮された住宅とかオフィスとセットに考えるというように、ハードと一体となって初めて魅力あるものになると考えています。そういう意味で、今日の環境省さんの資料は、割とそこに配慮されていたと思っております。
それから最後、建築、住宅の省エネルギーですけれども、今日の資料でもD評価で遅れているということですが、これは寿命が長くて、次世代に対する責任の大きいところですから、次世代に良好なストックを残すためにも、住宅の省エネルギー性能の向上などについて早急な対応が必要だと思っております。
私どもの研究でシミュレーションを行った結果では、既存の技術を導入するだけで2050年にはエネルギー消費量が半分くらいにできると思っております。一方で温対計画を見てみますと、新築とか既築の省エネルギーは国交省で、建物の中で使っている機器とかエネルギーマネジメントは経産省で、建物の中のワークスタイルとかライフスタイルは環境省ということで所管が分かれているのですけれども、いまやこれらを統合して、温室効果ガス実排出量で管理する仕組みづくりが必要だと考えております。
以上です。ありがとうございました。
○山地座長
ありがとうございました。では、次は産構審側の小川委員、よろしくお願いいたします。
○小川委員
小川でございます。よろしくお願いします。本日は3点コメントさせていただきます。
1つ目は、エネルギー基本計画の見直し状況について。2030年の削減目標実現に向けた土台となる極めて重要な計画で、経済面をはじめ様々な側面から国民生活や産業活動に大きな影響を及ぼすものであるということで、先ほどから多くの委員の御指摘がありますように、3E+Sを念頭に置いて、多方面に考慮した検討を行っていく姿勢が非常に好ましく、これからもぜひやっていただきたいと思います。
残り9年で達成すべき計画であるということでありますので、その内容は具体的なものでなければならないと思います。省エネ量の積み上げ状況が記載されておりますが、このように具体的なアクションを積み上げた計画でないと実効性に乏しく、実現がおぼつかないと思います。炭素税や排出量取引というように一律に適用する政策よりも、こういう具体的な政策がぜひ望ましいと思います。
2点目は、長期戦略の見直しでございますが、2050年のカーボンニュートラルに向けた姿勢を内外に提示する、国家の推進体制、それから政策支援など、大きな枠組みを提示するものと理解しております。再エネや電気自動車等の実用化に近い既存技術だけでは、全体の脱炭素化は実現できません。鉄鋼業をはじめ多くの産業分野では、脱炭素技術はいまだ開発の初期段階にあるというのが実情であります。研究開発等への公的な支援は極めて重要だと思います。グリーンイノベーション基金など、中長期の技術開発を支える制度を欧米に劣らない規模で整備し、企業のチャレンジングスピリッツを鼓舞する形で運営していただきたいと思います。
さらに、開発された技術を実装するために、既存の技術やインフラを廃棄し、新しくつくり直すために膨大な費用がかかります。これらはトランジションファイナンスで支援することになると思うのですが、そこで調達した資金は事業で収益を上げてお返ししていくことが必要であります。グリーン技術を用いた経済活動が事業として成り立つようにするための支援や制度が求められていると考えております。
脱炭素技術を開発し、社会実装できたとしても、そのオペレーションは高コストになる可能性が高いと考えます。高環境性能イコール高価格を受容できる消費者の購買行動の変容も必要だと考えます。ここでも国民の正しい理解が必須であると思います。国内に向けて、国民各層が負担すべきコストについてもしっかりと発信することが必要だと考えます。
最後にJ-クレジットに関して、低炭素技術の先に実行できるものから先行して実行して、普及を図るというのがポイントだと思うのですが、これは脱炭素技術が実際に開発、普及するまでの間の重要なことであると考えます。日本では、既に優れた技術がたくさん存在します。これらの普及は、国内よりも海外、特に産業化の著しい新興国でより大きな効果が見込めると思います。国内やクレジットということにとらわれることなく、国際貢献との位置づけで評価する新たな制度をつくれば、地球全体でCO2削減に貢献して、国際評価を高める上での効果も大きい政策になるのではないかと思います。
以上であります。
○山地座長
どうもありがとうございました。では、次は中環審側の小西委員、御発言をお願いします。
○小西委員
ありがとうございます。今回、日本の温暖化対策のまさに要でありますエネルギー基本計画のお話もしていただきまして、ありがとうございます。国土交通省さんとエネ庁さん、最後にプロセスについて意見と質問をさせていただきたいと思います。
まず、資料3-3なのですが、竹ヶ原委員もおっしゃったように、国土交通省さん、カバレッジの広さやインパクトの大きさで、本当にこれからの脱炭素化社会において大きな役割を果たされるとこの資料からも改めて感じております。運輸の脱炭素化ですとか再エネ推進、洋上風力のための港湾整備とか、かつ激甚化する温暖化の影響に対する防災適応策とか、本当にますます重要だと思っております。
御説明いただいた本日の資料は、5,030万キロリットルと26%削減時代のものと理解したのですが、これまさに46%を受けて、これからさらなる施策が必要だと書かれているのですけれども、どのような追加、深掘りをされるのか、重要なものだけで結構ですので、御説明いただけたらと思っております。
続いて、資料3-5のエネルギー基本計画に対してなのですが、先ほど山下委員もおっしゃったように、2030年まで本当に限られた9年ですので、今できることを積み上げていく。いわゆる2050年にかけての技術開発と分けて考える必要があると思っております。その点からいきますと、先ほどの国土交通省さんの役割も非常に重要な、省エネの深掘り、今の5,030万キロリットルから5,800万キロリットル、さらに200万キロリットルの可能性があると御説明で伺ったと思うのですが、例えば5,030というのは、2013年度比で10%程度だと思うのですけれども、私たちも計算していますWWFのエネルギーシナリオでは、その倍が可能だと試算できておりますので、またぜひいろいろ御参照いただけたらと思っております。
そしてまた、6ページの主要製造業の生産見通しの見直しということで、例えば鉄鋼とかエチレンの生産見通しがどのように変わっていくのかということもお聞きできればと思っております。もちろん鉄鋼に限らないのですけれども、電化が非常に重要ですので、2030年までにできる範囲でということを考えると、電化率を高めていくことによってCO2が非常に減少すると思いますので、その辺りのことについてもお聞きできればと思います。
あと、脱炭素電源比率、今までは44%なのですが、日経新聞で本日、2030年に6割程度といった報道もあったのですが、23ページのヒアリングされた御意見の中で、野心的な数字がヒアリングされた団体から出ているのに比べると、現状の数字は風力も太陽光も大変低いとありますが、私どももそう思います。
例えば風力の産業団体のJWPAさんも、36ギガワットまで可能だということをおっしゃっております。我々の計算でも風力42、太陽光161ギガワットまで現状の電力システムのインフラで可能だと試算しているのですが、昨日の基本政策部会でも様々な分析をされているのですけれども、ほかに例えば100%エネルギーシナリオも現実、日本に2つございますので、環境省さんでやられたように、いろいろ今8つの研究機関のシナリオがあると思うのですが、そういったものもぜひ参照していただけたらと思っております。
あと最後、今後のプロセス。G7ぐらいまでに46%を反映するエネルギーミックスを出すのではないかみたいな話を聞いているのですが、今後のプロセスについてお聞きできればと思います。
以上です。
○山地座長
ありがとうございました。では、次は産構審側の井上委員、お願いいたします。
○井上委員
よろしくお願いいたします。
都市緑化の推進について、まず申し上げたい。都市開発が進み、目まぐるしく環境が変化する都市部で緑地を保全することは非常に重要だと思っております。ただし、相続税の問題から所有権者が手放さざるを得ない状況も一面であるように思います。また、弊社は4年前に工場を新しく建設した際に、法令に定められた広さの緑地を設けました。緑地を設けたことで奨励金制度はあったが、緑地の継続維持に対し優遇措置はありませんでした。市や区によっては、基準以上の緑地に対する固定資産税の軽減措置があります。各自治体でもこのような取組を推進していただけるとありがたい。
また、先ほど申し上げた相続税、固定資産税上の優遇措置を含め、中小企業が緑地面積の増加に取り組みやすくなるような措置を講じていただければ大変ありがたい。また、緑地は樹木が大きくなればなるほど剪定や維持のための植樹に費用がかかり、維持管理が大変だというのが事実。また、生産緑地などについても2022年の問題があり、市街化区域内においても緑地、田畑などの土壌の面積を継続維持できるような優遇措置もお考えいただきたい。
また、J-クレジット制度について、以前より申し上げておりますが、J-クレジット制度の活性化は、「成長に資するカーボンプライシング」のために有効だと思っております。J-クレジット制度は、企業にとってCO2排出削減のインセンティブとなり得るものでありますが、J-クレジットによる取引量には、まだまだ伸び代が期待されます。J-クレジットを含めたベースライン型の民間クレジット取引の活性化を通じて、効率的なCO2削減を推進していくべきであると思います。
各地商工会議所に対する調査においても、J-クレジット制度の認知度が課題と指摘されています。今後特に中小企業の自主的な取組を促すような現行の環境価値取引が企業にしっかり認知され、活用されていくよう求めたい。
あわせて、中小企業がこうしたクレジット取引に積極的に取り組めるよう、メリットを分かりやすくお伝えしいただきたく、また、より簡便な参画手続の検討など工夫を施していただきたい。
最後に、資料3-2にございますように、エネルギー基本計画見直しに関し、昨日、5月13日に日本商工会議所として、「『エネルギー基本計画』の見直しに対する意見」を発出いたしました。この意見は2050年と2030年の時間軸に分け、それぞれを見据えたエネルギー政策の在り方について申し述べたものでございます。「3E+S」を前提として、2050年カーボンニュートラルに向け、国主導の下、官民一体となった革新的なイノベーションにチャレンジするべきであること、そして新時代に向けた大きな成長につなげる「経済と環境の好循環」を目指すといった考えを基に我々の主張を申し述べております。日商のホームページでも公開しているので、お時間があれば御確認いただきたいと思います。
○山地座長
どうもありがとうございました。では、50音順の下からということでいきますと、次は中環審側の小委員会委員長の大塚委員長になります。よろしくお願いいたします。
○大塚委員長
ありがとうございます。最初に大きいことだけ3つほど申し上げて、あと細かい話を少しさせていただきたいと思っています。
1つは、非化石価値取引市場に関して、現在検討がなされていると思いますけれども、ぜひ資源エネルギー庁様におかれましては、これが温暖化対策の計画とも大きく関係しますので、こちらで少し詳しくお話しいただきたいということをお願いしたいと思います。
それから、もう一つ、これもちょっと大きいことなのですけれども、気候変動防止の執行に関しまして、ドイツでは法的拘束力のあるセクター別の目標を設定して、所管の大臣が責任を負うという仕組みを取っていますが、ドイツのように地方分権が推進されているところでもそんなことをやろうとしているということです。法的拘束力があるというのは日本では無理だと思っていますけれども、例えば国交省様のように、これだけたくさんのことをなさっている場合に、ある部分に関して、当初の予定、予想と比べて費用がとてもかかるということが分かって、ちょっと進捗が難しいという場合に、ではもう一つのところで埋め合わせをするとか、そういうことが実際には多分必要になってくるのではないかとも思いますので、そういう所管の省が目標の達成に関して責任を負っていただくという仕組みを、曲がりなりにでも取っていただけると、結構実際的ではないかという感じがします。
先ほど杉山委員が言われたのは、結構リジットで、私はそこまで言うつもりはないですけれども、費用対効果で実際に想定していたことと大分違ってくるということは多分あると思います。そういう場合に、ものすごくコストがかかっても、目標を立ててしまったから絶対にこれだけはやるのだということとか、あるいはばらばらにそれぞれのところで対処しているというのは、多分あまり望ましいことではないので、今回もいろいろ出していただいているのですけれども、今までの計画も割とそういうところがあって、それぞれの数値を出して、あとはそれぞれの官々でやっていくという形にして、全体として統合するということがあまりなかったところが、ちょっと問題があるのではないかと思いまして、ぜひ御検討いただけるとありがたいと思います。
以上の2点はすごく大きい話です。
それから、環境省側の委員長を務めさせていただいていますので、申し訳ありません、資源エネルギー庁様ですが、ちょっと資料の提出が遅かったので、とても大変でいらっしゃると思いますけれども、もしできたら、もうちょっと早めにお願いしたいところがございます。
それから、細かい点としては、資源エネルギー庁様に関してですけれども、スライド13枚目のところで系統安定化の費用が0.1兆円となっていますが、この間、電力広域的運営推進機関から、地域間の電力をやり取りする送電網の容量を従来の2倍にするのに4.8兆円かかるという話が出てきていますが、この1,000億円というのは少ないのではないかと思うのですけれども、この辺はどのように考えればいいかということを教えてください。
それから、34枚目のスライドに関しては、小売の電源種の開示に関して、今は努力義務ですけれども、これも前回も申しましたが、2030年46%削減ということを考えると、ぜひ義務化していただきたいと思います。
それから、国交省さんに関しては、住宅に関して新築の省エネ基準適合の義務化を御検討なさっているということで、ぜひその御検討を進めていっていただければ大変ありがたいと思います。
それから、スライド4枚目に関して、住宅の生産団体連合会の指標の変更が必要ではないかということで、これもぜひよろしくお願いしたいと思います。
もう一つ、鉄道のモーダルシフトに関して、先ほどどなたかもおっしゃったところと関係しますが、どこまでのことをなさろうとしているかがちょっとはっきりしないと思いますので、それは教えていただければありがたいと思います。
最後、J-クレジットについてですけれども、非化石価値証書とJ-クレジットの連携として、具体的にどういうことをお考えかということを教えていただきたいのと、もう一つ、J-クレジットは私も若干関わらせていただいていて、どんどん進めていっていただければと思っているのですが、他方で、これは先ほど御説明いただいたように、まさにベースライン・アンド・クレジットでございますので、2050年にゼロを目指すとすると、2050年には論理的にはクレジットを使えなくなってしまうということになってしまうので、そこをどう考えていったらいいかという問題があるということをぜひ御検討いただきたいと思います。
以上でございます。恐れ入ります。
○山地座長
ありがとうございました。これから中環審側の委員が続きますけれども、江守委員、お願いいたします。
○江守委員
ありがとうございます。細かい点はあまり詳しくありませんので、私からは大まかな考え方について2つ申し上げたいと思います。
1つは、ライフスタイルのところで、特に資料3-2-2のCOOL CHOICEとか行動変容という辺りで、ここは自分自身かなり関わってきたところではあるのですけれども、意識変革とか行動変容という言い方をするのですが、基本的に国民が気候変動について理解して、危機意識を持って、自分の生活から出るCO2を減らしてくださいということを促されているというように理解していますけれども、国民が本当に気候変動を理解して危機意識を持ったら、例えば先日ヒアリングをした若者団体のように、国民は政府に対して声を上げると。例えばNDCをもっと引き上げるべきだとか、石炭火力の建設を止めろとか、そういうことを言い出すわけですよね。今の政府の姿勢というのは、そういう声を受け止めるような形にはなっていないのではないかと思います。それにもかかわらず、国民に危機意識を持ってくださいという言い方をしているのは、ある意味で大きな矛盾ではないかと思っています。
ですので、政府と国民のコミュニケーションの在り方が古いままであると。これを脱炭素時代のものに抜本的に考え直す必要があるのではないかというのが、以前からたまに申し上げていることです。その1つの可能性が、何度も申し上げているように、無作為抽出型の気候市民会議ではないかと思っております。
ナッジというのもあって、ナッジもいいのですけれども、ナッジというのは、ある意味では国民の行動を自分で選択しているように感じさせながら、実は操っているみたいな面がありますので、透明性の高いプロセスを経て使っていただきたいと思います。
それから、2つ目はエネルギーについてで、髙村委員もおっしゃったのですが、3E+Sということについて申し上げたいと思います。3E+Sは必ず出てくるのですが、金科玉条みたいにして出てくるということに疑問があります。なぜかというと、3EもSも非常に重要な観点であることには全く異論はないのですけれども、例えばそこに含まれていない世代間公平性であるとか、都市と地域の公平性であるとか、そういった価値はその中に入ってきていないと思います。
3E+Sというのは、そこにカバーされている基準が満たされているかどうかチェックするのには機能するのですけれども、同時に、それを言い続けている限りは、そこにカバーされていない価値を無視するための装置になってしまっているのではないかと。3E+S自体を問い直すような議論が必要なのではないかと個人的には思っております。
以上です。ありがとうございます。
○山地座長
ありがとうございました。では、次も中環審側委員ですけれども、石井委員、お願いいたします。
○石井委員
ありがとうございます。私からは2点申し上げたいと思います。
1点目は、今日の御説明の中に資源国アジアとどう付き合うかという大変重要な論点があったと思います。そもそも私たちが何でネットゼロをやろうとしているか、あるいは2030年の高い目標に向かって頑張ろうとしているかというと、やはり世界全体で持続可能にならなくてはいけないというグローバルな大きな目的があって、それは私たちのためでもあるからなのですが、グローバルなネットゼロということを考えたときに非常に重要なファクターは、まさに東南アジアの石炭火力発電がどうなるかということです。現在、石炭火力発電は、ヨーロッパやアメリカでは低下してきておりますけれども、東南アジアでは依然としてその比率がとても高くて、しかもこのままではその傾向が続くと予測されているわけです。
こういう現状の中で、今、国際社会では、どうやったら東南アジアの石炭火力を、今すぐやめるということではなくて、早期の引退を支援できるかというスキームについても議論が活発になってきています。提案されている一つの例ですと、石炭火力発電の早期稼働停止と再生可能エネルギーをその分加速化して入れるという目的のため、国際開発機関、そしてバイの公的機関、それから民間の長期資金等からのファイナンスを組み合わせたファシリティーをつくって、国ごとに支援していくというような考え方です。
ADB等でも検討が始まっていると聞いており、そうした施策を日本としても支援していくということについての議論が、もう少しあってもいいのではないかと思っています。日本の中では、東南アジアがまだ発展するために石炭火力が必要だとか、あるいは日本がやめたとしても中国が代わりにやるのだからというような理由で、今の東南アジアの石炭火力発電の現状維持をよしとするような議論も聞こえるのですけれども、東南アジアの脱炭素が進まないことは、日本のためにも世界のためにもよくないし、アジアのためにもよくないと思います。こうした国際的な枠組みの中で日本が何をできるか、日本のネットゼロとアジアのネットゼロを一緒に考えるという試みがあってもいいのではないかと思います。
最後に1点だけ、今日の非常に重要な議論は、やはり行動変容をどう促すかということだと理解しました。いろいろな省庁がいろいろな分野で既にいろいろなことをなさっていて、大変すばらしいと思ったのですが、やはり横串としてあるものというのは、環境負荷をどうやって測定して、それを見えるような形でそれぞれの意思決定者に渡していくかということだと思います。環境負荷の見える化は、すごく長く話題にはなっているけれども、実はあまりまだ進歩が見えていないと思います。
J-クレジットについても、これはカーボンプライシングのような、よりシステマティックなものが入る過渡期のものでそれに代替されていくものなのか、政策目標も結構ばらばらに見えるので、J-クレジットの本当の役割がもう少し議論できるとよいのではないかと思いました。
ありがとうございました。以上です。
○山地座長
ありがとうございました。事務局が用意したシナリオでは、委員の発言はここまでなのですけれども、進行役を務めている私も委員の1人であるので、時間も押しているので、本当に簡単ですけれども、2点ほど申し上げさせていただきます。
1つは、ライフスタイルのところですけれども、やはり聞いていると、どうも従来の国民運動といわれたものの延長上の話が出ているように私には受け止められてしまったのです。リモートワークの推進とかシェアリングエコノミーの推進とか、こういうのも当然ライフスタイルを変えていくわけで、これは経済社会システムの大きな変革なのですけれども、そのためには、やはり環境省さんは、経産省とか総務省とか、そういうところと連携という以上にもっと一体になってやらなければいけないのではないかと思ったということが1つ。
2つ目は、J-クレジットのところなのですけれども、実は私、J-クレジットの運営委員会の委員長なのですが、本体のところではなくて、これは杉山さんが言ったのだけれども、参考という扱いでカーボンプライシングの説明があって、その一番下にインターナルユースとある。企業が内部的に使うというのだけれども、それ以上に政府が政策の評価にシステマティックに使うということ、ちょうどアメリカのソーシャルコストオブカーボンみたいに制度化すべきではないかと思っています。
現実には、送電線の増強の費用便益分析とか、これも私が座長ですけれども、基本計画改定に向けた発電コスト検証ワーキングでの発電コストの中に仮置きしたカーボンプライシングが入っているのですが、これをもうちょっと普遍的に制度化したらどうか。ただ、これはどこの誰に言えばいいかがよく分からないのです。案外、この事務局かもしれないので、これは言っておきます。
私からは以上で、これで一通りの発言なのですけれども、時間が押してきていまして、今日御説明していただいた方には誠に恐縮なのですが、非常に多くのコメント、質問が出されましたけれども、短時間で御回答いただきたいと思っております。シナリオだと最大5分なのですが、そうすると予定の時間がちょっとオーバーしますから、本当に最大5分でお願いしたいと思います。
もう一つは、これ提案ですけれども、時間が限られている中で、この場で回答してもなかなかはっきりしないところがあるので、できれば文書で、後で皆さんに回していただくということでいかがかと思うのです。よろしくお願いします。ということで、最初はライフスタイル分野について、環境省さんからお願いいたします。
○小笠原課長(環境省)
環境省地球温暖化対策課長の小笠原です。ライフスタイル関係、国・地方脱炭素実現会議にていろいろ質問、貴重な御指摘をいただいてありがとうございます。
まず、長谷川委員から、温対計画に数値目標を盛り込むのかどうかという御質問をいただきました。ライフスタイル関係、クールビズ、カーシェアとかエコドライブ、目標を盛り込んでまいります。それから、脱炭素ロードマップ関係については、現在検討しているところでございます。
それから、地域脱炭素ロードマップの関係で、予算についてどういう方針かという御質問をいただきました。どのような予算が必要かも含めて現在検討しているところでございます。
それから、髙村委員から、各省の施策が地域でどのように統合的に展開されるかという御指摘をいただきました。非常に重要な御指摘かと思います。例えば今、国会で審議中の地球温暖化対策法の推進法において再エネ促進地域をつくっていくという話、これは太陽光も含めた適地確保のために、自治体に汗をかいていただきながら取り組んでいくという仕組みなのですけれども、その際に、再エネ特措法、FIT法のほうの認定との関係でありますとか、系統にどうつなげるかといったエネ庁さんのほうの制度との接合は非常に大事でございますので、今連携して相談しながら取り組もうとしているところでございます。
それから、増井委員から、国・地方の関係、相互に意見交換しているのかという御質問をいただきました。国・地方脱炭素実現会議の中でも意見交換をしておりますし、執行団体とも御相談をさせていただきながら、国の取組、地方の取組がうまくシナジー効果を生じてやっていけるように取り組んでまいりたいと思います。それから、一般国民に取り組んでいただけるような情報提供にも取り組んでまいりたいと思います。
それから、江守委員から、気候市民会議についての御指摘を何度かいただいておりますけれども、引き続き今回もいただいております。どのようなコミュニケーションの在り方がよいのかというのは検討してきております。環境省としては、大臣自身がZ世代と環境省の法案についての意見交換会の取組もしていたり、あとは気候市民会議的な取組として、自治体だと例えば札幌市などでそういった取組もされているところもございます。どのようなコミュニケーションの仕方が国民の意見を反映していく上でいいのかということを引き続き検討してまいりたいと思います。
それから、山地座長から、従来の国民運動の延長線ではないかという御指摘をいただきました。そういうことも踏まえて検討していきたいと思います。我々としては、普及啓発ということにいかに効果を持たせるかということで、キャンペーンとともに実際の補助、断熱リフォームの補助金とか、そういうものと絡めてインセンティブとともにやっていくであるとか、ナッジとうまく絡めて国民に働きかけていくということ。
それから、シェアリングエコノミーの関係では、指標自体にカーシェアリングとかも含めて取り組んでいるところでございます。経産省、環境省の連携という意味では、国・地方脱炭素関係のロードマップのところにも見える化をどう図っていくかということでは、カーボンフットプリントそのものについては、梶川さんからコメントがあるのではないかと思いますので、私からは控えますけれども、カーボンフットプリントの活用なども含めたCO2の見える化といったことに関係省庁とも連携しながら取り組んでまいりたいと思います。
とりあえず私からは以上でございます。
○山地座長
ありがとうございました。では、次、国土交通省から御回答をお願いします。
○松家課長(国土交通省)
国土交通省です。多くの先生方から国土交通省の施策、役割について、幅広い分野で大きな役割を担うことについて、エールを含めてご指摘をいただきありがとうございます。しっかりと役割を果たしていきたいと考えております。
何人かの先生方から、住宅・建築物の省エネ対策や太陽光発電の導入についてご指摘をいただきました。そうした分野での省エネ対策の強化を一層図っていく必要があるとの認識の下で、ZEH・ZEBの普及促進や、住宅の省エネ基準の適合義務づけといったことも視野に入れながら、取り組んでまいりたいと考えております。既存住宅の対策の重要性についてもご指摘をいただきました。地震から命を守るための耐震化もなかなかも進んでいない状況でございますけれども、断熱改修の促進など、様々な支援のあり方を検討していきたいと考えております。いずれも今、経済産業省、環境省とも連携した対策強化についての検討を進めており、ロードマップを作成することとしています。
地域の取組について、様々な形で環境省との連携も含めてのご指摘をいただきました。薬師寺委員からはコンパクト化の取組を含めた地域の低炭素化の重要性をしっかりと示すべきであるとか、あるいは下田委員からもまちのデザインを魅力ある形で示していく必要性についてご指摘いただき、そうしたご意見を受け止めて取り組んでまいりたいと思います。
薬師寺委員から御指摘いただいた都市部の国際競争力を高める観点からの面的なエネルギーの効率化を促進するための補助については、現状もございますけれども、さらに都市の街区単位でのそういった取組、あるいは住宅、建築物の省エネ対策、都市緑化の取組など、複合的な取組を重点的に支援していくようなことも検討して、対策を強化していきたいと考えております。
また、自動車の分野について、山口委員から、自動車の電動化の普及促進に当たってのインフラ強化の必要性についてご指摘いただきました。国交省としては、都市・道路インフラの整備強化の観点から、EV充電器の公道設置社会実験などの取組を進めてまいりたいと考えておりますし、民間が行う充電施設の整備拡大については、経済産業省とも連携しながら、ご協力できることに対応していきたいと思います。
また、吉高委員からグリーンボンドの取組など、グリーンインフラに限定しているのではないかというご指摘ですが、政府全体としてグリーンファイナンスの重要性をうたっていますし、資料の10ページ目の一番上のところに横断的視点として、グリーンファイナンスの活用を国土交通省の分野でも広く進めていこうと考えてございます。資料ではグリーンボンドの表現についてはグリーンインフラの部分にのみ記載していますが、委員御指摘のとおり幅広い分野で活用が進むように各省庁とも連携しながら取り組んでいきたいと考えております。
また、山下委員から、国際海運、国際航空の分野での取組、まさに脱炭素に向けて国際的なルールづくり、これは我が国が先導していくというところで様々提案をして、これまで進めてきてございます。こうしたルールメイキングの仕組みに沿った技術開発、船舶の分野でも日本の造船業の国際競争力を高める上で大事なテーマであり、世界に先駆けてゼロエミッション船の商用運航を実現していくこととしています。また、航空の分野についても運航方式の改善や環境性能に優れた資材等の新技術導入といった取組も含め、ルールメイキング、技術開発の両輪で戦略的に取り組んでまいりたいと思います。
また、モーダルシフトについて、竹ヶ原委員、大塚委員長から御指摘いただきました。鉄道分野では御指摘のとおり災害の関係であまり進んでいないという状況もございますけれども、今後、輸送力の増強、輸送品質の改善といったことも含めて強化をしていきたいと考えてございます。
また、増井委員から、住宅やインフラについては、2050年と悠長に構えるのではなくて今からやらないと、そのストックが2050年までに残っていくと、まさに御指摘のとおりかと思います。2050年の長期を見据えつつ、2030年までに重点的に取り組むために今から対策を強化すべきことについて、時間軸の観点も入れながら、取り組んでいく必要があると考えています。
最後に小西委員から、26%からさらに46%にというところの対策強化についてご指摘いただき、これがまさにご説明した10ページ目以降で今、国交省として精力的に検討を進めているところでございます。こうしたところをこの夏に向けてもしっかりとまとめて、実行に移していきたいと考えてございます。
私からは以上です。
○山地座長
ありがとうございました。では次、J-クレジットについて、事務局から回答、それから環境省さんと農水省さんも関係していますので、もし御発言が必要でしたらお願いいたします。よろしくお願いします。
○梶川室長
J-クレジットについて御説明します。
まず、2050年のカーボンニュートラルというものに向かって、これからクレジットの需要がより上がっていき、供給をしっかり拡大していくべきといった御指摘をいただきました。その上で、幾つか御質問と御要望があったかと思っていまして、4点ぐらい、個別の委員の方のお名前を挙げるというよりは、集約して御回答したいと思います。
まず1点目としては、認知度、使いやすさ、あと中小企業にとってメリットという話があったところです。これはまさに我々が問題意識を持って取り組むべき部分だと思っておりまして、認知度については、これまで各地域の経産局などを活用しながら説明会などをやっていますけれども、やはりもう少し周知の仕方、あとほかの施策との連携の中で人を集めるとか、そういったことをやっていく必要があります。
あと、使いやすさの部分については、デジタル化の予算を環境省が取っていただいて、ここをしっかりとやっていこうということになっていますので、よりメリットがあるような形で利便性を上げていきたいと思っているところでございます。
2点目に、J-クレと非化石、あとこれは民間の制度になりますけれども、グリーン電力証書という3つの制度について、少し整理したらどうだという御議論もあったかと思います。これはそれぞれ成り立ちが違う部分があり、国がやっているのか民間がやっているのかという違いもございます。ただ、いずれにせよユーザーの目線から、よりよい制度にしていくという観点は見直しが必要かと思っています。
特に非化石のところについては、この委員会ではなくてエネ庁のタスクフォースで議論されておりますが、最終需要家が購入可能な制度になるような議論が今なされておりますので、そういった取組をしていくということ。
あと、J-クレにつきましては、クレジットの種類として省エネ、再エネ、森林とありまして、特に再エネのクレジットについては、電力の証書と似たような考え方があるのではないかということで、ここについての整理が1点論点かと思っています。これは非化石の見直しの中で再エネ価値取引市場というものをつくるという議論がございまして、そこと再エネクレジットについてどういう連携ができるか、それをユーザー目線で見直していくということはやっていきたいと思っているところでございます。
3つ目は、髙村先生からあったICAOとの関係です。これは様々な論点がございますけれども、具体的に日本のエアラインを含めてニーズもあります。実際、国交省さんからもJ-クレに関してCORSIAエリジブルにできないのかという議論もいただいておりますので、いろいろな論点を整理した上で、あるべき方向性を議論していきたいと思っております。
4つ目は、必ずしもJ-クレの話ではないのですけれども、そのベースとなるカーボンフットプリント、これは吉高委員から御質問がありました。もともと経済産業省で実証事業をやっていたところでございまして、今どこの団体でやっているかと申しますと、一般社団法人サステナブル経営推進機構というところがございまして、ここ最近、産環協から独立されたところですけれども、ここがカーボンフットプリントの認証事業をやっております。我々、経産省の事業は、永続的にずっと経産省がお金を出し続けるということではなくて、ある程度イニシャルを出しながら、それを民の力で回していくというのが我々の趣旨でございますので、うまく民に行ったものをどのように活性化していくかということも検討しなくてはいけないと思っているところでございます。
すみません、全ての質問にお答えできたか分かりませんが、とりあえず私からは以上でございます。
○山地座長
では、最後ですけれども、資源エネルギー庁さんから回答をお願いします。
○西田室長(資源エネルギー庁)
大量にいただきましたので、まとめていきたいと思いますが、まず、資料の提出が遅かったというのはお詫び申し上げます。大変申し訳ございません。
それから、御質問いただいたところを幾つか回答いたしますと、13ページの系統安定化のところは、まさに前回の2015年のときに策定した今のミックスの前提となっているところのものでして、これは見直しの最中でございます。それから、スケジュール的にミックス、G7までに出すのかという点について、あと6割という数字などについては、まだ固まったものは全くございません。今検討中ですが、報道機関が随時報道しているという状況でございます。
それから、鉄鋼の生産の見通しとかは、もともとオリジナルを2030年1.2億トンで見ていたものを、今は9,000万トンという形にしております。エチレンのほうは今の目標の据え置きという形にしてございます。
それから、目次です。論点は単純に議論の順番に整理しただけでして、別途、目次みたいなものは昨日の基本政策分科会でも御紹介させていただきましたので、そちらを見ていただければと思います。
御質問的にはそんなところかなと思いますけれども、いろいろ縷々御指摘いただきました。3E+Sについて、新しい考え方も必要ではないかとか、金科玉条でないほうがいいのではないかという御指摘もいただきましたが、まずは3E+S、特に安定供給というのは、我々としてエネルギーを安価で安定的に届けるというのが責任あるエネルギー政策としては外せないと思っていますので、その他の価値観ももちろん重要だと思いますが、これを外すことなく議論していきたいと思っております。
その上では、やはりコストの面とかが極めて重要でございまして、まず足元2030年ですが、ここに向けてしっかりとコスト低減を図っていくというのは大変重要な課題だと思っております。
その上で、再エネもまだもっと高みがという御意見もいただいておりますが、今まさにどこまで積めるかというのを議論しております。目標が野心的なので、それに向けて当然、我々も野心的に考えていかなければいけませんけれども、そこには一定のリアリズム的なところの要素も必要でございますので、その間をうまくしっかりと、これは環境省さんとも今議論しておりますので、その辺を含めながら地域にどれぐらいが入るかといった観点も含め議論していきたいと思います。
それから、原子力についてもコメントいただきまして、我々も国民の理解をしっかり得るべくやっていかないといけないと思っていますし、国が前面に立ってやっていくというのも当然のことだと思います。バックエンドの話も議論が進んでいますが、これも着実にやらないとなかなか御理解が進まないということも重々承知しておりますので、着実に進めていきたいと思ってございます。
それから、再エネのところで、もう一歩の規制緩和的な話がございましたけれども、もはや2030年、2050年を見ると、再エネというのは主力電源だと思っていますし、これを最大限導入するというのは、我々としても進めていくということでございます。ただ、一方で別の価値から生じているいろいろな規制があることは事実なので、そことの調整はこれからしっかりやっていかなければいけないと思ってございます。
あと、地熱とかバイオマスといったものもどこまでいけるか、まさに今の規制の話ともリンクしますけれども、こういったところも最大限やるためにどうしていくかということを考えながらやっていきたいと思いますし、需要対策についてもどこまで深掘れるか、これはもうちょっと議論をしっかりやっていきますけれども、対策とともに需要側へのアプローチもしっかり考えていきたいと思っております。
残り9年という短い間なので、あまり突拍子もないことはできませんので、一定程度、地に足をつけながら野心的な目標に向けた絵姿を描いていきたいと思ってございます。
私からは以上です。
○山地座長
ありがとうございました。既に予定の終了時間を過ぎておりますので、議論はこの辺りまでとしたいと思います。
事務局が用意してくれた進行シナリオの中でも、さらに御質問、御意見がございましたら後日、事務局に御提出くださいとなっておりますので、この対応でいきたいと思います。それから、御説明していただいた方の回答についても、限られた時間での回答でしたから、文書にしたほうがいいと思われるところがあれば用意していただいて、委員の間で共有させていただければと思っております。
ということで、今日の進行としてはここまでですけれども、事務局から何か連絡事項等あればお願いいたします。
○梶川室長
委員の皆様、あと関係省庁の皆様、本日もどうもありがとうございました。本日の議事録につきましては、事務局で作成の上、委員及び発表者の皆様の御確認をいただいた上でホームページに掲載をするということにさせていただきたいと思います。
あと今、座長からもありましたけれども、さらに御質問等ありましたら、事務局に御提出をお願いします。
次回の開催については、また詳細が決まり次第、別途御連絡を申し上げます。
以上でございます。
○山地座長
それでは、以上で閉会とさせていただきます。本日は長時間にわたり御議論いただき、ありがとうございました。
午後 15時30分 閉会