中央環境審議会地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」第7回会合議事録

日時

平成13年6月20日(水)10:00~12:00

場所

東條インペリアルパレス 千鳥の間

出席者

(委員長)西岡 秀三
(委員)小高 松男
佐土原 聡
水谷 洋一
渡辺 征夫
木谷 収
槌屋 治紀
森田 恒幸
(事務局)小島大臣官房審議官
山田大臣官房審議官
後藤総合環境政策局調査官
竹内地球温暖化対策課長
石飛地球温暖化対策課調整官
世一地球温暖化対策課課長補佐

議題

  1. 目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ(案)について
  2. その他

配布資料

資料1-1目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ(案)
資料1-2目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ(詳細版)(案)
資料1-3目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ参考資料
温室効果ガス削減対策技術シート
温室効果ガス削減対策と効果
一般均衡モデルを用いた運輸部門の限界削減費用の検討
EUにおける部門別の温室効果ガス排出削減の経済性評価について
資料2温暖化対策の経済性評価-数量モデルによる評価-
参考資料1エネルギー転換部門の現行施策の評価と今後の削減ポテンシャルへのコメントに対する回答
参考資料2目標達成シナリオ小委員会第4回会合議事録

議事

午前10時03分開会

○西岡委員長 定刻を過ぎておりますので、今から中央環境審議会地球環境部会目標達成シナリオ小委員会の第7回会合を開催いたします。
 まず、議事に入ります前に資料の確認をお願いいたします。

○世一課長補佐 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 お手元の資料の一番上が「議事次第」でございます。それから、座席図。資料1-1としまして、「目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ(案)」でございます。資料1-2はそれの詳細版の案でございます。資料1-3が中間取りまとめの参考資料でございます。資料2は「温暖化対策の経済性評価-数量モデルによる評価-」でございます。これは最終的には資料1-2の中間取りまとめの中に入れ込みたいと考えております。
 それから、参考資料1としまして、「エネルギー転換部門の現行施策の評価と今後の削減ポテンシャルのコメントに対する回答」。これは水谷先生からいただきましたご意見に対する回答を用意させていただきました。それから、資料1-3もそうですけれども、参考資料2も先生方のみの配付でございまして、「シナリオ小委員会第4回会合の議事録」でございます。 以上です。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 不足している資料がございましたら、事務局にお申し出でください。
 本日は12時までの審議を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
 また、いつものことですけれども、これまで同様、本委員会は原則公開としておりまして、会議の議事録も出席された委員のご了承を得て公開することとしたいと思っております。よろしくご承知おき願います。
 お手元に「議事次第」がいっておりますが、本日の主要な議題はただ一つ、「目標達成シナリオ小委員会中間取りまとめ(案)」についてのご審議でございます。この小委員会も第7回になるわけでございますが、あと1回残しております。ほぼまとめのときに入っているわけでございますが、これまでは個別の技術のポテンシャルあるいはコストといったものを検討してまいりまして、それが大体まとまりました。前回はそのまとめ及び今回行うモデルによる検討とどうすり合わせるかという議論があったわけでございます。本日はその結果について報告いただき、ご審議願いたいと思います。
 7月9日に開かれます地球環境部会に報告することになっておりまので、その前にもう一度、6月28日にこの会議を開きまして、最終の確認をしたいと思っております。今日の議論でまだ足りないところについては、22日までにご意見をいただきたいというのが事務局の意向でございます。そういうことを踏まえまして、本日のご審議をお願いしたいと思います。前回の議論を踏まえますと、これまで我々が個別技術についてやってきた、どこまで減らせられるかという議論に対して、マクロな、あるいは、ボトムアップ型のモデルを用いて検討したものと、どのように比較できるだろうかということがポイントではないかと考えております。
 まず、最初に事務局からこれまでの作業についてご報告いただき、その後、協議に移りたいと思います。それでは、事務局、どうぞ。

○石飛調整官 それでは、資料に基づきましてご説明いたします。
 資料1は3種類ございまして、資料2というのがございますが、最終的な中間取りまとめの中心的な内容を資料1-1という本体にしたいと考えております。それから、資料1-2が「詳細版」と書いておりますが、資料1-1の背景説明、その他さまざまな資料を1-2ということでまとめております。これは主としてこれまでの小委員会に提出してご審議いただきました資料を中心にまとめたものでございます。資料1-3は、毎回提出してまいりました対策技術シートを一部修正したものを本日用意させていただいております。さらに、資料2は後ほどご説明します数量モデルによる評価で、これは最終的には資料1-2の「詳細版」の中に組み込む予定ですが、本日は議題の一つということで別の資料にさせていただきました。
 今からのご説明は2つの要素がございます。まず、今までの部門別のご審議の中でいただきましたさまざまなご指摘を踏まえて修正した箇所を簡単にご紹介したいと思っております。その後に、経済性の評価ということで、前回作業の途中段階のご報告をいたしましたが、その後の作業の成果を、ボトムアップ方式のものと経済モデルによる評価結果についてのご説明を後段でいたしたいと思っております。
 それでは、最初に資料1-2をごらんいただきたいと思います。これまでの資料の中で修正した点を簡単にご紹介したいと思います。ページを追ってご紹介します。
 まず14ページ、15ページは、最初の委員会でご説明いたしましたケースの設定と活動シナリオでして、15ページの一番下にございますように、経済性評価をするにあたってケース1、ケース2という2つのケースを想定して今まで議論をしていただいたわけでありますが、コスト評価の段階に至って2つのケースをやるのは煩雑になるということもありまして、温暖化対策の削減量からすると厳し目のケースである、今後原発が7基新設されて運転が開始されるというケースをもとに検討を行ったという断り書きをしております。
 少し飛びまして60ページをごらんいただきたいと思います。図50は1台当たり走行距離の推移ということで、自動車の種別の走行距離の推移を示したグラフでございますが、私どもの作業に誤りがありまして、以前は軽乗用車の1台当たりの走行距離が減少しているというグラフを示しておりましたが、実際にはこのような推移をしているということですので、訂正させていただいております。
 89ページからは、リサイクル、循環型社会の形成という大きな流れ、方向性と温暖化対策のかかわりということで、これもいろいろとご議論いただきました。それをある程度整理いたしまして、90ページの図80のようにまとめさせていただいたということでございます。もちろん、大筋では温室効果ガスを減少させる方向にいくわけでありますが、中には温室効果ガスを増大させる要因になるものもありますので、そこを温暖化対策の兼ね合いからどのように調整して対策を進めていくか、という点が留意事項として挙げられることを明記させていただきました。
 次の91ページに、分散型電源という節を設けました。これまで主要な電気事業者からの大規模集中型の供給システムが中心でしたが、最近は技術の進歩により燃料電池やマイクロガスタービンのように非常に高性能の分散型のエネルギー供給システムが出てまいりまして、そういったものが普及する可能性が大きいわけであります。分散型は需要地に近接していることから、さまざまな利点があるわけですが、コージェネレーションシステムのように、熱を有効に使わないと効率が下がってしまうということもありますので、需要と供給がマッチするような地域のシステムとして考えていく必要があるといったことを述べております。
 続きまして、95ページでございます。ここからは最近の小委員会でご審議いただいたところになりまして、追加的な削減量を計画ケースからさらに削減可能なものということで算定してきたわけです。94ページの下からですけれども、その際幾つかの留意点があったわけでございます。
その中の大きなものが、[1]にありますように、電力消費削減等によるCO2 の排出削減量と費用の基本的な考え方でございます。電力の場合には、直接消費する場所でCO2 を排出するわけではなくて、発電所から供給されるわけですから、発電所でのCO2 の排出をどういうふうにとらえるかということによって、CO2 の削減量が変わってくるわけであります。今までの削減ポテンシャルでは、全電源の平均、全国の平均的な電源構成に基づいてCO2 の排出量を計算するというやり方、それから、火力発電所に置き替えるといいますか、それを削減していくという考え方をとった場合には、火力発電所の平均的な排出係数を用いる考え方でポテンシャルも計算してきたわけであります。
 それでは、どちらが事実かということについては、全国一律に数字を決めるわけにはいかない、非常に複雑かつ難しい問題になってきています。そこで、ここですべての問題を解決できるわけではありませんので、このコストを計算するにあたっても、一定の仮定を置く、もしくは幾つかのケースを考えて、それに基づいて算定していきたいということを考えたわけです。具体的には、本日お示した案では95ページの下の方にありますように、先ほど申しました[1]から[3]まで、全電源平均で対応する場合、火力の平均で対応する場合、さらに最近IPP等で伸びておりますし、ベース電力としても使われている石炭火力、これはCO2 の排出係数は一番大きいわけでありますが、これを置き替えるとした場合、この3つを想定して、今後の費用の算定を考えるということを提案させていただいております。
 96ページに具体的に排出係数はどのぐらいになるかという例を出しております。送電端の係数と需要端の係数、これは送電の際の損失がありますので、それにより若干数字が異なるわけですので、排出係数でもこのような差が出てきておりますので、これに対応したケースを考えていきたいということでございます。
 97ページは、今回の算定で対象にできなかった対策技術が幾つかあるということを紹介しております。表32は基本的には前回お示ししたものと同じようなものでございますし、その下にございます「追加的削減費用の算定はできるが、対象から除外した対策技術」ということで、原子力発電の利用率向上については、前回委員の方から「ポテンシャルとしては必ず入れるべきだ」というご指摘をいただきましたので、ここに書かせていただいております。後ほど算定の結果を申し上げますが、利用率向上の場合のコストも表の中に加える形で用意しております。
 97ページの一番下の「十分な検討ができなかった対策技術」ですが、前回の委員会でご指摘いただきましたバイオ燃料の活用、これは非常に有望視されておりますが、残念ながら今回間に合わなかったものです。それから、、家庭用の電圧の230V化につきましては、ヒアリングの際にご意見と提言をいただいたもので、これについても検討すべきではないか。それから、踏切一旦停止義務の規制緩和も、検討の過程で上がってきたわけでありますけれども、今回間に合わなかったということで、断り書きを書かせていただいております。
 少し飛びまして、 101ページをごらんいただきたいと思います。これも前回の小委員会でご指摘いただいた内容で、中には単位当たりのコストが高いものが含まれております。一番高い例では都市の緑化がありますが、緑化することによって温暖化防止に役立つものでありますので、算定の対象にしているわけであります。都市の緑化というのは都市政策の中で景観の改善や都市の快適性を上げるといった、さまざまな観点から進められてきておりますので、これをすべて温暖化対策のためにやるということでコスト計算をしているので非常に高くつくという一つの制約条件があります。
 そこで、「不確実性評価」という見出しをつけておりまして、費用の算定の確実性がどのぐらいあるのかということ、それから、温暖化対策とそれ以外の目的のどちらのウエートが大きいかということを分類して、評価をしてみたわけです。項目としては、[1]費用低下、今後技術がさらに改善される、また量産効果が出てくると、製品を生産するためのコストが下がってくるわけですが、それがどの程度下がってくるかをこの時点で予測するのは難しいわけですので、ここでは定性的に将来可能性が高いと思われるものに○印をつけて、それ以外のものと区別をするような評価をしてみたわけであります。2番目は、先ほど申し上げた温暖化対策以外の目的はどういうものがあるのか。どちらに比重があるのかを評価してみたわけであります。
  102ページにまいりまして、不確実性の評価でありますが、個々の対策技術について全体として費用算定の不確実性をA、B、Cと分けて考えたわけであります。確実性がプラスマイナスの比較的小さいものから、中くらいのもの、さらに評価結果にバラツキがある可能性があるもの、こういったことで分類をしてみたものでございます。その結果は後ほどご説明したいと思います。
  104ページに飛びまして、個々の対策の費用を計算した結果、削減量と費用の集計をしてグラフを描く作業をやっていくわけでありますが、 104ページの上の方には、グラフの意味に加えてさらに今後の検討をする際に、環境税のような経済的な措置を導入するといったこと、さらに今回対象にできなかった対策技術を加味した場合、それがどういうふうになるかということを定性的に紹介したものでございます。今回網羅できなかった対策技術、コストの非常に安いものから高いものであり得るわけですが、総じてこういったものを追加するとこのグラフが右の方にシフトしていくことが期待されるわけです。また、環境税の効果も、税率等の条件設定によりますが、このグラフを右側に、さらに下方に相対的に押し下げていく効果があることを記述しております。
  110ページでございますが、内容の説明は後でご紹介いたしますが、先ほどの不確実性評価を行った結果を、表33、表34の一番右側の欄に価格の低下、別の目的があるかどうか、コスト計算の確実性の評価をこういうふうな形で加えております。
  111ページも、先ほど申し上げましたように、表34の下の方に原子力発電利用率の向上を紹介しております。ただし、注意書きがございまして、原子力の利用率の向上については、一定程度、具体的には現在利用率が80%強前後で推移しておりますが、計画ケースで85%になると見込んでおりまして、ここでかなりの削減量を見込んでいるわけです。さらに、削減ポテンシャルとして、今まで検討した中ではこれを一層推し進めることで利用率が90%になるということで、非常に高い利用率まで上げることを想定した場合には、この表のような削減量と費用、マイナスの費用が見込まれるということをつけ加えております。
  120ページから、コスト計算に加えて主要な課題と対策手法の選択肢でございます。これは<改訂中>と書いておりまして、申しわけございませんが、現在作業が進行中であります。表の一番上の右から2つ目に「考えられる対策手法の選択肢」とございますが、これについても多くのご意見をいただきましたので、なるべくこの中に反映するようにしたいと考えております。これはすべて今後導入するということをこの場で決定する性格のものではございませんので、その点を明らかにして、国内制度小委員会での検討に委ねることをはっきりと出す意味で、シナリオ小委員会ではそういうことを提示することを明確にしたわけです。
 その他、細かい訂正はかなりさせていただいておりますし、今の表も含めまして、最終的な調整が終わってないところが若干ございますが、今説明しましたような作業を進めさせていただいたわけでございます。
 次に、後段の「ボトムアップ方式による経済性評価」につきまして、前回は十分な結果をご報告できませんでしたので、その後の作業の進んだところをご紹介したいと思います。同じく資料1-2の 106ページをごらんいただきたいと思います。
 「ボトムアップ方式による経済性評価」の結果でございますが、追加的な削減費用の把握ということで、個々の対策技術についてコスト計算したものを、費用の安いものから順に積み上げて、それをグラフにしたものです。
 一つお断りしなければなりませんが、前回、削減費用の計算をする際に電力に関する排出係数をどうするかということで、全電源平均と火力平均と石炭の3つのケースについて計算すると申し上ましたが、残念ながらその作業が間に合いませんでしたので、出来上がり次第ファックス等でお示しするということでご容赦いただきたいと思います。
 今日お示ししているグラフは1本だけで、これは火力平均のグラフでございます。この火力平均の排出係数を用いた場合の追加的な削減総量は約1億 3,600万トンCO2 で、基準年の6ガスの総排出量に比べて約11%程度の追加的な削減総量になったわけです。図86は例えば10年、15年といった設備の法定耐用年数を使って計算したものでございます。
それから、 107ページの図87は、投資回収リスクを考慮した分析で、民間企業、産業分野、業務分野では投資回収年数は3年と言われておりますので、3年で計算した場合、また、家庭の電化製品等も5年という割り切りをして計算してみた場合のものでございます。比較していただきますと、投資回収年数を3年等に設定した場合、コスト計算としては非常に厳しくなってくるわけでありまして、マイナスの削減費用になっているものが、左のグラフに比べて右のグラフはかなり少なくなっていて、プラスの削減費用に転じているという傾向がおわかりいただけると思います。
 それから108ページの追加的な費用別の削減量の把握でございます。これも火力平均のものです。図88の一番上の出発点が 108%ということで、計画ケース2の排出予測量を出発点にしております。そこから費用の安いものから順番に削減の方向に向かっていくということで計算をしております。これの法定耐用年数での計算結果でございますけれども、追加的な削減費用が0円以下、マイナスの費用のものが 3.5%あり、さらに 5,000円までのものが 1.1%、 5,000円から1万円のものが 0.9%、1~5万円のものが3%、以下ここに示しているとおりの数字になっております。
 これを見ますと、1万円以下のものを全部ひっくるめますと、 5.5%になりますので、 108%から 5.5%を引くと 102.5%になります。さらに、5万円までにいくと99.5%ぐらい、10万円までの対策も含めると98.3%ということで、費用の大きいもの、さらに今回費用の算定ができなかったものも削減量としてはカウントしておりまして、最大限いきますすと95.1%というところまでは、今回の追加的な削減量で削減できる可能性があるということがわかったわけであります。
 図89は投資リスクを考慮したケースを示しております。これを見ますと、マイナスの費用で済むものが 1.0%、 5,000円までのものが 1.2%、1万円までが 1.6%、5万円までが 3.0%、以下ここに示すとおりでございまして、同じく1万円までのところを見ますと、合計で 3.8%ですので、 108%から引くと 104.2%。5万円までで 101.2%、10万円までで99.2%。すべてのものを含めると95.3%という結果がわかったわけでございます。
 今の総括的なグラフを個別の対策技術ごとに並べたものが 110ページからの一覧表でございます。これはすべての部門を取り混ぜて出しておりますので、それぞれの価格分類別にさまざまな技術が入っているのがおわかりいただけると思います。マイナスの費用のところも、家庭、民生の業務部門、産業部門での新たな設備を導入することによって最終的にはペイする、または、それ以上にマイナスのコストになってしまうものもかなりあることがわかりました。また、こういうものが量産されると価格はさらに低下しますので、追加的な削減費用のマイナスがさらに大きくなることが期待されます。
 逆に非常に高いところ、 111ページの10万円以上というところをご覧いただきますと、ここにもさまざまな技術がございますが、概してインフラの整備でかなりの投資を要するものが結構あります。これについては別目的という欄に◎を付したものが非常に多くございますが、温暖化対策でやるというよりも、他目的でやっているものが、温暖化防止の観点からも非常に有効であるということに着目して、総合的に施策を進めていくことが必要であるし、そうしないと価格が高いということから対策が進みにくいという性格も持っていることがわかるわけです。
 以上が、ボトムアップ方式による積み上げの計算の結果でございます。
 続きまして、経済モデルの評価結果の説明に移らせていただきます。

○竹内課長 資料2、「温暖化対策の経済性評価 -数量モデルによる評価-」でございます。
 背景・目的、モデルの概要、それから、4ページのベースラインのシナリオ、5ページの目標値、これらについて前回ご説明させていただきました。二酸化炭素の排出量を基準年のマイナス2%まで削減するという前提で、その際の炭素税の額、それによる経済への影響などについて、6つのモデルで分析をしていただきました。
 6ページでございますが、そのうちの最初のAIMエンドユースモデルによるシミュレーションでございます。ここでは、基準ケースとして技術一定ケースということで、現行のエネルギー消費技術の使用シェアが将来変化しないといったときのシミュレーション結果でございます。
 それから、対策といたしまして、対策ケースが2つございます。1つは炭素税、1トン当たり3万円の炭素税を導入したケース。ここでは、各主体が技術の初期コストとエネルギーコストの両方を勘案し、合理的な選択を行うという前提でございます。それから、対策ケース2は、炭素税プラス補助金ということで、トン当たり 3,000円の低額の炭素税を導入し、その税収を二酸化炭素排出削減技術への補助金として還流するということでございます。
 8ページ、9ページにこれら基準ケース、2つの対策ケースの結果を載せております。8ページの下の方でございますが、対策ケース1のトン当たり3万円の炭素税を導入したケースでは、二酸化炭素排出量は、2010年は90年に比して98%、マイナス2%。部門別に見ますと、産業部門92、家庭95、業務98、運輸 115、エネルギー転換93というふうになっております。
 9ページの上の表7のような技術や設備に 3,000円の炭素税の税収を補助金として還流させるというケースが9ページの下の表8でございます。ここでも2010年の排出量は90年の98%、マイナス2%ということで、各部門別の排出量が出ております。
 それから、10ページ、後藤先生のモデルでございますが、ここでは基準ケース、対策ケースとありまして、対策ケースは2010年時点でマイナス2%にするために必要な炭素税は3万 4,560円と推定されました。これに伴う経済的影響については、GDPを基準ケースとした場合、2010年の総額で 0.7%減少という結果でございます。それらについては12ページの下の表にございます。二酸化炭素排出量は2010年、2000年比で98ということでございまして、その経済的な影響を各部門、産業分野ごとに見てまいりますと、このような影響があらわれるということでございます。一番下には炭素税額が3万 4,560円と記載しております。
 13ページは、MARIAモデルによるシミュレーションでございます。この対策ケースは、目標を達成するために必要な炭素税はトン当たり1万 3,148円と推定されます。それから、経済への影響では、基準ケースとの比較において、2010年でGDP損失がマイナス0.4%ということで、その結果が14ページに出ております。2010年の排出量は、90年に比して97ということになっておりますが、炭素税額1万 3,148円ということでございます。
 15ページは、 SGM日本モデルによるシミュレーションということで、対策ケースは3つございまして、1つは政府支出を増大させる、2つ目は国債の償還などによって金融市場に資金を供給する、3つ目は所得税の還付によって家計へ還流するというケースがございます。その結果は17ページにございますが、それぞれの還流方法によって国内総生産への影響が違ってくるということでございます。対策ケース1、政府支出の増大の場合は BaUに対して 0.3%の損失。対策ケース2の金融市場への還流の場合はマイナス0.06%の損失、家計への還流の場合はマイナス0.28%の損失ということでございまして、一番下の炭素税額はそれぞれこのようになっております。
 次は、18ページのAIMのマテリアルモデルによるシミュレーションでございます。ここでは対策ケースは2種類ございまして、このモデルは廃棄物の分野も一緒に分析できるということでございますが、対策ケース1では、ほかのモデルと比較を行うために廃棄物の分野を用いずに炭素税の額、経済への影響を推計しております。
対策ケースBでは、廃棄物対策がもたらす副次的効果を推計するということで、その中で対策ケースが2つございます。1つはリサイクルのレベルを現状のレベルに固定する、2つ目はリサイクルを拡大するということでございます。19ページの表15にございますような廃棄物対策を、ケースB-2 ではつけ加えるといったときのそれぞれの炭素税額。
 それから、国内総生産への影響でございますが、21ページに対策ケースA、対策ケース B-1、 B-2ということで結果が出ております。いずれも二酸化炭素排出量は98、マイナス2ということになっておりますが、国内総生産の比較を見ますと、対策ケースA、廃棄物を考慮しないという場合ではマイナス0.54%のGDP損失、廃棄物対策、リサイクル対策を考慮した場合、現状のレベルのリサイクルを行った場合には、国内総生産へのマイナスはマイナス0.94%。それから、リサイクルをさらに進めるといったときにはマイナス0.60%というGDP損失があり、それぞれの炭素税の額は3番目に示しておりますが、対策ケース B-2の1万 5,409円というのは、この3つのケースの中では一番低いわけでございます。
 22ページは、WWFシナリオによるシミュレーションでございます。ここでは、AIMエンドユースモデルをベースとして、下の表20にございますような最新の技術革新、あるいは、サービス経済による新しいシステム等々をつけ加えていったときに、どこまで二酸化炭素の削減がなされるだろうかということでございます。23ページの下の表21にございますように、2010年で90年比マイナス10%程度まで総量で下げることができるのではないかということでございます。
 それから、24ページは全体のシミュレーション結果の比較でございます。まず炭素税の額でありますが、2010年で90年比、二酸化炭素排出量はマイナス2%とするために必要な炭素税の額は各モデルによって異なりますけれども、1万 3,000円から3万 5,000円の範囲になりました。エンドユースモデルないし後藤先生のモデルは、技術データの範囲を拡張することによって、炭素税額がより低い結果となる可能性もありますし、廃棄物対策や大気汚染対策など温暖化以外の対策とあわせて実施することによって、炭素税額は低額になることもあり得るということでございます。
 25ページは、その経済的措置(炭素税)の導入が我が国経済に与える影響でございます。90年比2%減とするために必要な炭素税を導入した場合のGDP損失の基準ケースとの比較においては、0.06%から0.72%の範囲になりました。GDP損失と炭素税の額をグラフにプロットしたものが下の図1でございます。
 26ページは、先ほども出てまいりましたWWFシナリオでは、将来の技術や、現状のコストでは市場性を持たないような技術を対象にしてみますと、90年比マイナス10%程度の削減も可能だと、対策ポテンシャルがあるということが明らかになったということでございます。
 まとめとしては5つございます。まず、炭素トン当たり1万 3,000円から3万 5,000円程度の炭素税の課税により、2010年において90年比マイナス2%とすることは可能であると。これは限界費用が1万 3,000円から3万 5,000円程度までの対策技術の導入によって、マイナス2%までとすることができるということでもあると。
 それから、炭素トン当たり 3,000円という額の補助金であっても、その税収を技術のための補助金として最適に還流することができれば、トン当たり3万円の炭素税の導入と同程度の導入インセンティブ効果を発揮すると。
 3つ目に、マイナス2%となるように炭素税を課税した場合のGDP損失は、0.06%から0.72%の範囲内であり、軽微なものであると。
 それから、温暖化以外の対策もあわせて実施することによって、コストなど経済損失は小さくなるであろう。
 さらに、今後の技術導入コストや技術導入に係る施策によっては、マイナス10%程度のポテンシャルを持っているのではないか。こういった点が今回の計量モデルによる評価としてまとめることができると思われます。

○石飛調整官 それでは、最後に資料1-1で最終的なまとめをご説明したいと思います。
 1ページの「はじめに」は、これまでの検討経緯と目的を書かせていただいておりますが、2は2010年の排出削減の見通しということで、2ページにケースの設定と追加的削減量の意味合いを示した図を載せております。3ページ目は、これも毎回示しておりますが、活動量のシナリオでございます。4ページは、出発点である計画ケースの排出量予測、ケース1、ケース2をグラフで示したものでございます。5ページの表3は、それを表にしたものでございまして、計画ケース1では 105、計画ケース2では 108と、今までご紹介したとおりでございます。
 それから、(3)の削減ポテンシャルにつきましては、検討会での結果を受けて、さらにこの小委員会でのご指摘を受けて精査しております。6ページにその結果を掲載しております。計画ケースにさらに精査した後の削減ポテンシャルを加えたものを計算してみますと、表4にありますように、ケース1では、低位と高位がそれぞれ、94または88、計画ケース2では91または97。これは基準年を 100とした場合の指数でありますけれども、こういうポテンシャルが考えられるということがわかったわけです。表5は、今のものを部門別に分けた削減のポテンシャルでございます。
 表6は、今回初めてお示しする表でございます。これは地球温暖化対策推進大綱の策定時に見込みました部門別・ガスの種類別の削減割合、排出量と、今回の検討で出されました排出量、これは計画ケースの場合の排出量と追加的な削減量を考慮した後、こういうものを差し引いた場合のそれぞれの部門別・物質別の排出量がどうなるかということ。さらに、その削減割合が基準年の総排出量を 100とした場合どういうふうになるかということを示したものでございます。排出量、削減量は後でごらんいただければと思いますが、ここでは削減割合だけを大綱の数字と今回の小委員会での検討結果を見比べていただければと思います。
 エネルギー起源CO2 でいきますと、大綱では BaUからプラスマイナス0まで抑えるということに対して、今回の結果では、幅がありますけれども、プラス1%からマイナス5%まで削減できるのではないかと。非エネルギー起源CO2 、CH4 、N2 Oは、マイナス 0.5という大綱の見込みに対してマイナス3ぐらいまではいけるのではないか。それから、HFC等3ガスにつきましては、プラス2の増加まで抑えるという見積でありましたが、最近の対策の取り組み状況、または削減の可能性を考慮すると、マイナス2からマイナス3まで抑えられるのではないか。これを合計いたしますと、大綱ではマイナス0.5 となっていたものが、今回の追加的な削減量まで考慮するとマイナス4ないしマイナス12というところまで可能性としてはあるということがわかったわけです。
 次の8ページからは、個々の対策技術の評価に基づき、その積み上げでの経済性評価をした結果でございます。8ページは算定方法で、これは前回ご紹介したとおりでございます。9ページは、先ほどご紹介いたしました削減量と費用の関係を図にしたものでございます。図4は追加的削減費用別の削減量を示したものでございます。
 10ページ、11ページは、対策技術の価格分類別の一覧表でございますが、これも先ほどと同じ表でございます。
 12ページからは、これも先ほどご紹介しました数量モデルによる経済性評価の主な結果を抜粋して紹介しております。それが12ページから15ページの上までです。14ページの図5でございますが、ちょっと間違いがございます。先ほどの資料2でお示しした図の方が正しいものでございますので、次回は訂正したものを用意させていただきたいと思います。
 最後に、15ページのまとめを紹介したいと思います。今回、対策技術の積み上げという形での経済性評価を行ったわけです。削減対策の中には温室効果ガスの削減という効果だけではなく、省エネに伴うエネルギー費用の削減という利益を伴う場合がありますので、特に民生や産業部門では設備投資費用を考慮しても利益を得られる、マイナスになるというケースが数多くあることがわかったわけでございます。
 それから、耐用年数で計算した場合に、追加削減費用が 5,000円以下で、追加削減量が 100万トン以上期待できるという対策は、高性能工業炉の導入や、噴霧器で使用するHFCの代替、自動販売機の省エネ化、潜熱回収型給湯器の導入、廃プラスチックのセメント原燃料化、家畜糞尿処理方法の変更、廃プラスチックの発生抑制、スクラップ鉄の転炉投入等々が有望な対策として考えられるものを挙げております。
 そうは言いましても、マイナスの費用であってもなかなか進まないという現状はございますので、場合によっては制度的な課題、社会的な課題をさらに検討した上で、こういう課題を克服して、優先的に対策が進むようにする必要があるのではないかという、課題の提起をしているわけでございます。
 次の段落でございますが、今回検討した対策技術はすべての技術を網羅するには至っておりません。また、エネルギーを節約するとか、自動車の走行量を抑制する、なるべく自動車に乗らないように心がけるといったようなこと、それから、活動量抑制を誘導する経済的な措置は含んでおりませんので、こういうボトムアップ的な積み上げの方式では、京都議定書で定められた目標を達成するための総費用が幾らになるかを正確に見積もることは難しいであろうと。そういう制約条件はあるけれども、今回の計算結果の最終的な結論だけを申し上げますと、基準年に比較して排出量をマイナス2%のレベルにする。それまでにどのぐらいの費用がかかるかを計算して、平均で見ると炭素トン当たり1万 1,000円程度で可能であるということがわかったわけでございます。
 次に、6つの経済分析モデルによる計算結果でありますが、先ほどご紹介いたしましたように、基準年に比較してマイナス2%レベルに抑えるという設定条件で分析をしたわけです。その結果、炭素税としては、ここには3万円程度と書いてございますが、先ほどの結果をそのまま引用すれば、1万3,000円から3万 5,000円程度ということになりますので、後ほど訂正させていただきます。導入によってその程度の削減が可能であると。そのときのGDPのロスは0.06ないし0.73%に抑えられるという結果が得られたということでございます。
 最後に、今回優先度が高いと判断された対策につきましては、早急に具体的な検討に入るべきである。推計結果につきましては、さまざまな制約条件がありますので、それらを克服するため、また、より精緻な推計にするために、国民の各界各層からの批判、意見を取り入れて、より確実なものにすべきである。また、国民一人ひとりの負担はできるだけ公平にして、経済的にも優れた効率的な削減を可能とし、かつ我が国の求めるべき将来像にあったシナリオへと継続的に改善していく必要があるということでございます。
 少し抽象的でありますが、今回の計算結果を受けまして、今後の国内制度の構築に向けての検討につなげていくべきであるということで、国内制度小委員会への反映と、その後の検討結果に反映していくべきということを付言という形で書かせていただいております。
 大変長くなりましたが、資料の説明を終わらせていただきます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 ただいまご報告がございましたように、目標達成シナリオ小委員会の「中間取りまとめ(案)」がまとまっております。これについてご審議願いたいんですが、約1時間ございますので、できたら今日中に主要な議論と言いますか、ご意見を出し尽くして、最終的なまとめに持っていきたいと思っております。
 いろいろと細かい点もあるかと思いますけれども、主として資料1-1に書かれている論理が、我々がやってきた作業を踏まえて正しく反映されているかということ、あるいは、「中間取りまとめ(案)」に追加すべき項目はどんなものがあるかといったことを、皆さんにお伺いしたいというのが一点ございます。また、その前に幾つか報告があり、かつ先回の議論を踏まえての修正もございましたけれども、これが十分反映されているかといったこともご意見の中に入ってくるかと思います。
 以上のようなことを念頭に置いてご審議願いたいと考えております。それでは、ご意見をいただきたいと思います。
 私の方から一つ。これは質問ということではないんですけれども、資料1-1の16ページ、一番最後のところです。この委員会ではこういう決めをしたけれども、さらにそれを推進していくためにどういった手段を検討してもらいたいといったことを書くのも一つの役目ではないかと思っております。それを追加してもらいたいんです。ここにはあまり十分書かれていないようですので。
 水谷委員、どうぞ。

○水谷委員 報告全体の整合性ということで、私の理解が足りないのかもしれないんですが、質問させていただきたいと思います。整合性ということでは、資料1-2の詳細版の内容と資料2の数量モデルによる評価の部分の整合性というのが一番問題になってくると思うんですね。おわかりと思うんですが2点あります。
 1つは、資料2の27ページの結論でいきますと、6種類の数量モデルを使って2%削減に相当する炭素税の税率について求めたら、1万 3,000円から3万 5,000円まであったと。そうすると、90年比2%減とすることが可能であると、こういうことだったんですね。これと積み上げ型のものがありましたね、資料1-1だと9ページにあたるものですね。これとの整合性がどうなっているのか。
 資料1-2だと 108、 109ページ、ここはどうなっているのかということが疑問になりまして、これだと2%減の場合にあたるのかなと。私の理解が違っているのかもしれませんが、5万円から10万円、あるいは、10万円以上の部分ですね、これは投資回収を掲げてあるんですけれども、ここまで導入しないとだめだという結論になると。片方のモデルの方では、そんなところまで必要なくて、限界費用が1万 3,000円から3万 5,000円でいいんだという計算。この整合性をどう説明していくかという問題があると思うんですね。
 そして、その背景にあるものを少し考察しますと、この6つのモデルで、例えば原発の新規設置基数の想定は違っていると思うんですね、各モデルで。あるいは、資料1-2の詳細版で示された技術について、想定した技術と各モデルで導入が想定された技術の整合性の問題もあると思うんですね。それらが違っているので、技術導入のための費用、あるいは、限界費用が違ってくるという結論になっていると思うんですけれども、その2つの整合性をどういうふうに説明するかという点がポイントだと考えます。

○西岡委員長 今の点について、委員の方のご意見を。
 森田委員。

○森田委員 このモデルの役割というのが、第1回、2回の委員会では積み上げ方式だと、幾つかのセクター間のインタラクションとか、マーケットを通じたフィードバックがなかなか反映できない部分があるというようなことがありまして、例えば炭素税をかけたとしても、需要が落ち込んで価格が全体的に下がると。あるいは、逆にエネルギーの需要を抑制するということで、より効果が高いものと低いものと両方があると。そういうようなものをボトムアップで積み上げたものを補完する計算をしたらどうかということはかなり大きなニーズだったというふうに記憶しております。私の目から見ますと、1万 3,000円から3万 5,000円ぐらいの範囲で、炭素税とここは書いてありますけれども、限界費用がおさまったというのは、積み上げ方式をやっていくとこのぐらいの幅に落ちつくんだなというような感じを持っていました。
 と言いますのは、今から5年前ぐらいにこういうモデルの比較をやったときには、トン2万円から10万を超えたようなかなり大きな幅があって、それとボトムアップと整合させるというのは非常に難しい話だったんですね。だから、インタラクションをかなりやらないと、ボトムアップのやり方ではだめなんじゃないかというような議論さえもあったんですね。ところが、今回ある前提条件を合わせてやってみますと、大体1万 3,000円から3万 5,000円の範囲に入った。エネルギーのマーケットの効果も入れたり、需要を抑制する分も入れて、この範囲におさまった。こういうボトムアップの結果出てきた限界費用というものの見積りは、それで検討した部分で政策に反映してもいいというような示唆を得たのてはないかと理解しています。
 これから見ると、トン1万から3万ぐらいまでの技術導入が当面の目標となって、このあたりの技術を徹底的に、どうやって導入したらいいかというところから検討を始めればいいし、今回のボトムアップの検討は非常に妥当なものであるというメッセージを送ることも大事だと思うんですね。ですから、今回の数量モデルによる検討というのは、むしろボトムアップの検討の正当性というんですか、妥当性を支持するような結果だとご理解いただければいいかなという感じがします。
 それから、まとめの2番目に、こういった限界費用が即炭素税ということではなくて、税のかけ方によって炭素税のレートを限界費用よりも下げることができるというメッセージ。ボトムアップの積み上げでやっているものが即炭素税というふうに、限界費用即炭素税というふうに認識しないでいただきたいということのメッセージが2番目ですね。それから、積み上げ方式では直接的なコストのみをカウントしているわけですけれども、それをマクロ経済的なコストに直したらどのくらいかということで、参考値を示したということが3番目のメッセージですね。これも今から5年前ぐらいは 0.5%から6%ぐらいの幅があったんですが、今回ある前提をそろえたら割と小さな範囲におさまったというのも、このあたりに推計結果が落ちついてきたなという意味でも参考になる数字ではないかと思いますね。
 それから、4番目のメッセージは、マクロ経済コストを下げる方法は幾つかありますよということを、今回は示唆しているということですね。最後のメッセージは、技術のポテンシャルはまだまだあって、引き続きこういった技術調査とか、コストを下げるための技術革新の可能性を今後とも検討していくべきですよという、まさに今回の数量モデルが単独でメッセージを出して、その整合性をぎしぎし詰めていくということではなくて、ボトムアップの積み上げというものに対して、この程度の積み上げをやっていけば政策に役に立つし、このあたりのところを注意してさらに検討を進めてくださいというメッセージとして受け取っていただければ、非常に役に立つのではないかなという感じがいたしますね。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 ほかに何かございませんか、佐土原委員。

○佐土原委員 この会議が始まったころにポテンシャルの意味を議論していたと思うんですけれども、今回、2010年ごろまでに例えば98%、2%減らせるというような結果が得られたとして、そこが意味しているところは、今回の検討でポテンシャルというのは最大限普及した場合と、これから10年間で買い替えとか普及がどのくらい進むかといった視点は、今回の中に盛り込まれているのか、あるいは、ポテンシャルという意味で、普及すれば最大限、ポテンシャルを活かせばそこまでいくということなのか、その辺の結果の意味をどう解釈したらいいかということを教えいただきたいと思います。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 ほかにご意見ございますか。槌屋委員。

○槌屋委員 今の水谷委員のおっしゃったことはすごく重要なことを問題提起していると思うんですけれども、モデルでは限界費用が1万 3,000円から3万 5,000円、積み上げだと、先ほどの 108ページの結果にあるように、同じマイナス2%にするためにはトン5万円ぐらいから10万円ぐらいまで入れないといけないということなんですね。しかし、 106ページ、 107ページにあるサプライコストカーブを見ると、これはCO2 ですから、先ほどのトン当たりでいうと 3.6倍しないと話がわかりにくいんですが、2%に対して、横軸がCO2 が 2,000万トンから1億トンぐらいのところが違っているではないかというお話なんですね。
 2つ問題があると思うんです。1つは、積み上げていくとトン5万円ぐらいになるんですけれども、実際には削減費用はマイナスになっているようなもの、あるいは、t-c当たり0円のものでも、導入量を、削減ポテンシャルとは言いながら、10年間ではこのぐらいのことしかできないであろうというような数字を入れているんですね。ですから、もしそれ以上の環境税のようなものが課税されると、削減の量がもっと増える可能性が一方である。ですから、これ全体は環境税をかけた場合はこのカーブが変わってくると私は感じます。
 単にポテンシャルを積み上げたカーブと課税するということが、トン当たり幾らだからということで全く同じように議論できない部分を含んでいるということを申し上げたい。

○西岡委員長 渡辺委員、どうぞ。

○渡辺委員 私はこういう点は素人なんですが、今の槌屋先生のお話とダブルんですけれども、私はある意味では全く別個のものと理解していたんです。例えば炭素税をかけると、今日は暑いけどクーラーをとめちゃおうとか、ガソリンが上がったからドライブをやめて電車でどこかに行こうとか。これは全く別な世界が入ってくるから、両者を同じ土俵に乗せるというのは若干違うんじゃないか。人間が我慢して何としかしてしまうという部分が今の市民生活では非常に多いわけですよね。その贅沢な部分というのか、我慢できる部分が炭素税で増幅されるということですから、両方なければいけないと思うんですけれども、両方の数値を比較するのは少々無理があるなという気がします。

○西岡委員長 どうもありがとうございます。
 今の論議をまとめなければいけないんですが、まず最初に大きく、各個別技術でコストとポテンシャルを積み上げていった作業と、モデルでやった作業との関連をどう見るかということで、これは主として森田委員の解釈が言われたわけであります。もう1つ、槌屋委員のおっしゃったことは、技術の積み上げで描いたコストカーブについては、どういう手を打ったらどうなるかという話はここではまだ論議されてないというふうに感じました。それをつけ加えることになるんでしょうけれども、事務局としては今ありました幾つかの論議について、何か回答はございますか。

○石飛調整管 積み上げとモデルとの差でございますが、水谷委員からご指摘がございましたように、ベースラインシナリオと申しますか、基本フレームの中で大概のものは両者共通していますが、原子力発電所の基数が、6つのモデルでやった場合には、7と13の間ということで10基でやりました。積み上げの方は7基でやっているものですから、3基分で概ね 1.5%ぐらい差が出てきます。
 モデルでやった方はCO2 だけですけれども、概略版の9ページの「追加費用別の削減量」のレンジを見ますと、6ガス全体では、先ほどのご指摘ではマイナス2%だと5万円から10万円のレンジに入ってしまうので、単純には比較できませんが、原発の基数だけ 1.5%程度差し引きますと、マイナス2ではなくマイナス 0.5ぐらいと。その程度であると、1万円から5万円のレンジにははまるということで、より近くなるということは言えようかと思います。

○西岡委員長 最初に提起されました、幾つかの前提の問題はございますけれども、技術の積み上げの計算、シナリオと言われているものでやったものと、数量モデルを使ったものとの位置づけについては、今の主として森田委員が解釈されたようなことでよろしゅうございますか。
 それでは、次の論点ですが、技術の積み上げのコストカーブと政策効果との関連についてはどういう具合になさいますか。委員の方でこうするべきだということがございましたら、どうぞ。

○石飛調整官 先ほど何人かの委員からご指摘いただいた点は、私どももそのとおりの考え方を持っております。例えば資料1-2の 104ページは先ほどご紹介いたしましたけれども、今回、積み上げ方式によって追加的な削減費用を算出し、それと削減量のカーブを引いたわけでございます。
 図84は模式的に描いたものでございますけれども、今回引いたカーブが左上のカーブといたしますと、さらに未算入の効果、これは対策を増やすということもあります。また、それ以外の効果、これは非常に難しいわけでありますが、大気汚染防止の効果とかさまざまな効果を仮にこういうグラフに入れられるとすると右側にシフトしていく。また、ここには環境税を代表例として書きましたけれども、こういうものを入れると、コストとしては下がっていくことが理論的には言えるということであります。
 こういったことをさらに政策的な検討を加えることによって費用はもう少し削減できるという先ほどのご指摘は、私どもも同じ認識に立っていると考えておりまして、こういった検討を引き続きやっていかなければいけないと考えております。

○西岡委員長 今の積み上げの方でコストカーブのグラフが出ていますけれども、具体的に何が起こるかというと、これからもっと減らしましょうと言われたときに、コストのマイナスの方については今まであまり考えていなかったが、自分たちも得になるからやってみようという話で、うまくPRをするとやってもらえる部分であるかもしれないと。だんだんコストがかかるようになりますと、補助金でももらえればやってもいいなとか考え始めますし、コストがだんだん高くなってくると、それじゃやめとこうかという話になるわけでございますね。
 そこに、例えば環境税といったような政策を導入することによって、相対的にその技術が安くなるということで、またもう少し入るかもしれない。あるいは、直接その技術に優先的に補助金がもらえれば大いに頑張りたいということもあるというふうにしていくわけです。ただ、そういうボトムアップの話だと、森田委員の解説にもありましたように、それがエネルギーの需要全体を左右するといった効果が戻ってくるということを考慮しないで、そういう話を進めているという話でありますから、そういう点を十分考慮する。
かつまた、前に山地委員から「1つの技術を導入することによってほかの技術も入りやすくなったりするというような相乗的な効果等々については、コストカーブからの類推ではできない」という話がございましたけれども、そういうことも含めて、果たしてそういう考え方でどのくらいの範囲に落ちつくだろうかということを検討してみたというのが、数量モデルによる範囲の設定ということではないかと思っております。
 また、今のような比較とか、どういう意味を持っているのかということを考えることによって、いろんな対策が出てきたり、さらに次の作業が出てくるのではないかと考えております。
 いかがでしょうか、ほかに。事務局からのご意見、もしくは委員の方のご意見。
 まず水谷委員からお願いします。

○水谷委員 私が最初に申し上げた点については、資料1-2と資料2の内容との関連について、取りまとめに入れるだけではなく、説明を付した上で入れ、誤解を受けないように。そういうことでおまとめいただきたいと思います。
 もう1点は、ヒアリングの際に自動車工業会の方がおっしゃったと思うんですが、こちらの検討の詳細、根拠についてはちゃんと公表していただきたいという話をされましたね。もう1つ、申し上げにくいんですが、経済産業省の総合資源エネルギー調査会の検討では、重要な考察について多部門一般均衡モデルを使っているそうで、その内容を公開するというスタンスをとっているわけです。
 この審議会も公開されているわけですが、資料2の内容については、具体的な詳細についてはほとんどわからないものですから、問い合わせがある場合も考えられるわけですね。また、これをもとに炭素税の妥当な税率等について主張していくということが今後つながるのであれば、特にそういう可能性があると思います。そのときにどういう対応をとるかということについても話しておかなければいけないと思っています。
 資料1-2のボトムアップ型と言われているものについては、かなりの程度詳細な根拠を示していると思いますけれども、資料2の数量モデルの評価についても、どういう対応をとるかということをあらかじめ考えておいた方がいいということでございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 今の点について、まず第1点の1と2の関連についての説明は別途入れてもらいたいということ、私もそうしてもらいたいと思います。何か意見があったら言っていただきたいと思います。
 第2点のモデルの方をどこまで公開するかについて、今どのように考えておられますか。
 森田委員。

○森田委員 今回、数量モデルの計算については、経済産業省の総合エネルギー調査会のモデルのようにインハウスとして、それをすべての根拠としてある政策を立案するというタイプのものではなくて、ボトムアップの妥当性を裏打ちするために参照するという形で、研究者に対して事務局からお願いがあったものなんです。もちろん、この結果について学会レベルで公表していくということであって、インハウスモデルとして公表するというのにはあたらないだろうということですね。ですから、この結果は既にいろんな形で公表されておりますけれども、今回の計算結果はそれぞれの方が自主的に学会を通じて発表するという形で対応していいのだろうと考えられます。
 それから、佐土原委員のご質問に答えていいですか。

○西岡委員長 どうぞ。

○森田委員 数量モデル全般的に、仮定としてどのような技術を、ポテンシャルを極端に入れていくとか、あるいは、推計値が楽観的か、あるいは、悲観的な部分が入ってくるかということなんですけれども、佐土原委員のおっしゃる技術モデルについては、コストが安ければ、それを徹底して入れるということを前提としておりますし、経済モデルではマーケットが非常にスムーズに調整するということを想定しておりますので、ある意味では非常に楽観的だと思います。
 その一方、技術の前提は非常に保守的です。今ある技術を前提にして、なおかつそれがコストとしてはそんなに大きく下がらないということですね。ですから、コストはこの10年間でほとんど変動しない。ところが、ある政策を入れるとそこでイノベーションが誘導されて、民間の技術開発に対する投資が行われている。それで一気にコストが下がる場合もよくありまして、歴史上もよく観察されているんですけれども、そういった効果を一切入れていないということがございます。また、マクロの経済モデルにおいても、過去のエネルギー効率の改善をそのまま踏襲するという形でやっていて、そこに新たな政策による技術革新の効果というのは入れていませんね。そういう意味で保守的ですね。
 ですから、その2つがありますので、徹底して楽観的でもないし、また徹底して保守的でもないという、そこは非常に解釈の難しいところだと思います。

○西岡委員長 今の件について、佐土原委員、よろしゅうございますか。
 それでは、先ほどのモデルの件について、事務局側はどうお考えになっていますか、モデルの公開等について。これはそちらとやっていただいた皆さんとの話し合いと言いますか、契約と言いましょうか、それに基づくものですから、それを言っていただければいいんですけれども。

○竹内課長 それぞれのモデルをお持ちの先生方とご相談させていただきたいと思います。

○西岡委員長 じゃ、そのようにしていただきます。
 先ほど私はちょっと詰めが甘いところがあったんですが、槌屋委員がおっしゃった政策を打ったときにはコストカーブがどうなるかというような検討は上手くできるんでしょうか。 104ページの図ではこうなりますよと理屈は示してありますが。

○石飛調整官 図84に示した考え方に基づいてこれがどうなるかという検討は、委員や今回のモデルを計算していただいた先生方にもご相談をする必要があると思います。今回は時間的に間に合わなかったので、どのぐらいかかるかわかりませんが、そういったご指摘をいただきましたので、今後の作業課題として考えていきたいと思います。

○西岡委員長 ほかに何かご意見ございますか。

○水谷委員 ボトムアップ型で積み上げたコストと経済モデルとの税率は関係ないというか、同一のものとしてはいけないんだという理解はできるんですが、環境税を入れたときにコストカーブはこう変わりますよというふうに書いてしまうと、グラフで描いたことと説明との整合性がまたとれなくなってしまう可能性があると思います。

○西岡委員長 一挙に横にずらすとか、そういう意味のものだと、それは無理だと思うんですね。説明で、ボトムアップはボトムアップでこっちでやっていて、税とか何かはこれに対してどういう……。図84をもう少し説明するということになるんでしょうかね。
今の件について何かありますか。

○渡辺委員 先ほど申し上げようと思ったんですが、計量モデルについては全く知らないので、素朴な疑問として、炭素税を入れれば電力料金なりガソリン税なりに反映すると思うんですね。そうすると消費者のビヘイビアは変わってくると思うんですよ。その要素はこういうところには入れないものなんですか。

○西岡委員長 いや、入っています。

○渡辺委員 入っているわけですか。

○西岡委員長 モデルの方には入るけれども、積み上げは……。

○渡辺委員 入らないですよね。ですから、先ほど私の話とか、今の水谷先生のお話もそうですが、これはそんなに合わないだろうと思うんですね。積み上げは現存のものをそのまま積み上げているわけですからね。そういう気がします。

○西岡委員長 以上のようなご意見がありましたので、そのあたりを考慮して、今の槌屋委員のご要望についても考えなければいけない……。
 ちょっと待ってくださいね。まず、木谷委員のお話から。

○木谷委員 先ほど事務局からのご説明で、モデルと積み上げの前提条件の原発の3基の違いというのはかなり大きいので、あれについてどこか違っていて、その違いがどれぐらいあって、先ほどご説明があったようなことを何らかの形で報告書に入れておいた方がいいのではないかという気がいたしますので、ご検討をお願いしたいということが1点です。
 それから、もう1つ、積み上げの技術関係の一覧表の中で、別目的で資金投入をすれば話が違ってくるというのは、ここに◎あるいは△をつけたもの以外でかなりあると思うんですね。例えば木質バイオマスで間伐材の利用の問題は農水省でも緊急かつ重要な問題として考えていますし、こういった問題は別の立場から、国土保全的な考えとか国土の環境問題と絡んで別な方針が必要、あるいは可能性があるかと思います。
 こういったものは幾つかあると思いますので、そういうものについてはもう一度検討して、落ちているなと思われるものは○あるいは△等追加していただいた方がいいのではないかという気がいたします。

○西岡委員長 ほかにご意見ございますか。
 済みません。もう1つ、先ほどの話で、槌屋委員の問題提起はそんなことでよろしゅうございますか。

○槌屋委員 現在のモデルの作業の中には、今日出たようなコストカーブのデータは入ってないと思うんですね。このコストカーブが横軸に削減量をとって、縦軸に金額をというのは、日本ではこういう研究は一切されてなかったわけです。この委員会でやるといったから、そんな短期間でできるのかなと思ったら、ものすごい腕力でこれを。これからまた相当修正すると思うんですが、初めてこういうのが日本で出たわけですね。これは今のほかのモデルに入ってないと思うんですね。この情報をモデルをつくっている方たちに渡すことで、モデルは非常に変わると私は思います。
 そのときに削減ポテンシャルの推定という定義がかなり曖昧なんですよ。例えばコージェネレーションを2010年にどのぐらいのコストでどのぐらい入るかというと、過去5年間にこのぐらい入ったから、今後10年間にはこのぐらい入るだろうというふうな量、あるいは、1年間にコージェネレーションのシステムを製造販売している人たちがこのくらいの規模だから、10年間でこのくらいというようなことで計算するわけですよね。環境税が入った場合に起こる状況というのはそういうものではなくて、それは非常に経済性があるとなったら、どっとその分野は拡大するわけですね。だから、削減ポテンシャルというのをどういうふうに定義するかによって、このカーブは非常に変わってしまうという面があるということなんです。

○西岡委員長 おっしゃることはわかるんですが、これからさらに研究してよく調べていかなければいけないものがたくさんありますね。
 ほかにご意見ございますか。
 だらだらと議論を続ける必要はありませんので、今日はこれで大体出尽くしたというなら、幾つかございました宿題を十分考慮して、最後の委員会ではきちんと筋の通ったいいものにして出てくることを期待しております。
 ほかにご意見ございましょうか。

○渡辺委員 これは単純なことなんですけれども、資料1-1の10ページの表7と8の示し方なんですが、追加的削減量が先のベースに書いてあって、追加的削減費用が次の列にありますね。私は前の方に追加的削減費用を持ってきた方が表として見やすいし、図との関連もつかみやすいかなと思うんです。小さな修正ですけれども。

○西岡委員長 ほかにございませんか。
 佐土原委員。

○佐土原委員 前回も指摘したんですけれども、資料1-1の10ページの表7の一番下に地域熱供給というのがありまして、その削減のポテンシャルのところが、前回から修正されているんですが、第1回目のときに参考資料として出したものが計算上はかなり正確に出ていまして、 178万トンの炭素換算トンというのがあります。将来的なポテンシャルということでしたら、それを入れていただくのがいいのではないかと思いますので、事務局の方と話をしたいと思います。

○西岡委員長 よろしくお願いします。
 ほかにどうでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、今日のメーンの審議であります議題1についてはこれで終わります。
 次は、その他ということでございますが、事務局、何かございますか。

○石飛調整官 次回は最終的な中間取りまとめを目指していこうと思っておりますが、本日いろいろご指摘いただいた点について早速検討して、この「取りまとめ(案)」に反映していきたいと思います。
 本日はまた十分な議論の時間がなかった関係もありまして、ごらんいただいてお気づきの点等ございましたら、今後ご指摘いただきたいと思っております。また、今日ご欠席の委員の方もいらっしゃいますので、早急にお配りいたしまして、ご欠席の委員にもご意見を賜るように事務局で手配をしたいと思っております。
 そこで、冒頭、委員長からもご発言いただきましたけれども、私ども事務局にご指摘があれば、今週の金曜日までに何らかの形でご提出いただければ、来週の委員会に的確に反映させていきたいと思っておりますので、可能な限り今週中ということでご協力を賜りたいと思います。
 その他に関しては以上でございます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 次回は、第8回になりますけれども、6月28日、木曜日の午後3時から当会館3階「扇の間」ですから、ちょうどこの上になるかと思いますが、そこで予定しております。
 議題は、今日のご意見を入れて最終的な報告書の報告があるかと思います。今日は委員のご出席があまりよくなかったんですが、ほかの委員の意見を集約しておいてください。そうしないと、最後になってまた違う意見が出ると手順としては困るかなと思いますので。
 ほかになければ、これで本日の審議は終わりたいと思います。どうも皆さんありがとうございました。

午前11時47分閉会