中央環境審議会地球環境部会「目標達成シナリオ小委員会」第2回会合議事録

日時

平成13年4月9日(月)10:00~12:00

場所

東条インペリアルパレス6F 九重の間

出席者

(委員長)西岡 秀三
(委員)内山 洋司
太田 勝敏
木谷 収
大聖 泰宏
藤井 美文
水谷 洋一
渡辺 征夫
浦野 紘平
小高 松男
佐土原 聡
槌谷 治紀
松尾 陽
山地 憲治
(事務局)山田大臣官房審議官
後藤総合環境政策局調査官
竹内地球温暖化対策課課長
石飛地球温暖化対策課調整官
世一地球温暖化対策課課長補佐
田中地球温暖化対策課課長補佐

議事次第

  1. 今後の審議の進め方について
  2. 民生部門における現行施策の評価と今後の削減ポテンシャルについて
  3. 非エネルギー起源二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素に係る現行施策の評価と今後の削減ポテンシャルについて

議事

午前10時00分開会

○西岡委員長 それでは、まだお見えになっておられない委員の方もいらっしゃいますが、定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会、この小委員会の名前は「目標達成シナリオ小委員会」でございますが、これの第2回会合を開催いたします。
 本日は、議題の1つとして民生部門の施策に関する審議をいたしますけれども、委員として出席していただいております中上委員が所用のためご欠席ということで、同じく住環境計画研究所の佐川研究主幹にオブザーバーとして来ていただいております。
 それでは、議事に入ります前に資料の確認をお願いしたいと思います。

○補佐 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
 まず一番上にありますのが議事次第でございます。その裏側に委員の先生方の名簿をつけてございます。それから座席図。資料1としまして、今後の審議の進め方について(案)でございます。資料2、民生部門における現行施策の評価と今後の削減ポテンシャルという資料がございます。資料3、非エネルギー起源の二酸化炭素並びに、メタン及び一酸化二窒素に係る現行施策の評価と今後の削減ポテンシャル。資料4、EUにおける部門別の温室効果ガス排出削減の経済性評価についてという資料です。それから最後ですけれども、参考資料としまして、佐土原先生からご提出いただきました「日本全国の地域冷暖房導入可能性と地球環境保全効果に関する調査研究」概要でございます。皆さんございますでしょうか。
 それから、補足ですけれども、お手元に次回以降の開催の出欠確認表がお配りしてありますので、出欠の可否をご記入いただいて、お帰りの際に事務局までお渡しいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○西岡委員長 不足している資料ございましたら事務局の方に申し出ください。
 それでは、本日は10時から始まりますが12時までの審議を予定しておりますのでよろしくお願いいたします。
 また、本委員会は原則公開としておりまして、会議の議事録についても出席された委員のご了承を得て公開することになっております。よろしくご承知おきお願いしたいと思います。
 それでは、議題の最初でございますけれども、今後の審議の進め方についてに移りたいと思います、これにつきましては、前回皆様から一巡、我々はこの委員会でどういうことをやるべきかということについていろいろとご提案、ご議論いただきましたが、これを踏まえまして、事務局及び私の方で今後どうやって審議を進めていくかについてまとめましたので、事務局から報告していただきます。これにつきましては、この委員会自身が地球環境部会のもとに、国内制度小委員会というのが別にございますし、それからこの温室効果削減に向けては周囲の委員会を並列して動かしているようにも見られますので、そのあたりも含めまして今後の審議のやり方について事務局から説明をいただきたいと思います。

○調整官 それでは、資料1に基づきまして、審議の進め方についてご説明申し上げます。
 まず、京都議定書の目標達成に向け、2010年時点における対策のあり方を検討するということを、この小委員会の当面の審議目標にしていただければと思っております。前回の小委員会でもご指摘のありましたそれ以降の2020年を展望した対策のあり方につきましては、前回のシナリオ小委員会でシナリオ検討会での検討結果をご説明したわけですけれども、この2020年を展望した対策のあり方につきましても、引き続きこのシナリオ検討会で検討していただく予定にしておりますので、またそれがまとまり次第、小委員会にもご報告を申し上げましてご審議いただくということを考えておりますので、当面は2010年をターゲットにするということをお願いしたいと考えております。
 その下に、目標達成シナリオ小委員会と、もう一つの国内制度小委員会の連携関係と検討の流れを表にしております。大きく2つに分けて(1)現行施策のレビューということで、現行施策の中心になっておりますのが地球温暖化対策推進大綱に基づく対策であります。この目標達成シナリオ小委員会では、まずシナリオ検討会での検討結果を一つのベースにして、対策技術の定量的な評価をしていただきたいと思っております。そして、それを受けまして国内制度小委員会では、現在のさまざまな大綱に基づく施策の進捗状況の評価、各施策の定性的評価ということで、主として制度的な面に着目した評価をしていただきまして、最終的な大綱の全体的な評価をする。あわせて、今後の課題ということになりますが、問題点・改善点の洗い出しをやっていただくというのが現行施策のレビューの分野でございます。
 それから、(2)今後の対策の大枠案について、これも前回ご説明いたしましたとおり目標達成シナリオ小委員会では、シナリオ検討会での検討結果を受けて、コスト・ポテンシャルの評価、⑧の中で有望な技術についての制度的・社会的制約条件がどういうものがあるかという条件の整備、さらに⑨制約条件を乗り越えるための政策手法のメニューの提案ということで、主として技術論からのアプローチをしていくということをお願いしたいと思っております。
 それから、国内制度小委員会では、昨年末にレポートが出されました旧中央環境審議会での小委員会、ここでポリシーミックス、それから基盤メカニズムの検討の一部がなされたわけでありますけれども、こういうものを上の(1)のところから、現行施策の問題点・改善点を引き継ぎましてさらに検討していく。あわせて、諸外国の制度のレビューも行いまして、比較論的なアプローチを行う。そして、最終的な制度のあり方をご審議いただくということを考えております。
 続きまして2ページに、目標達成シナリオ小委員会での議論の進め方につきまして、前回もいろいろとご指摘をいただきました。それをある程度私どもとして整理して、このような考え方でというのを示したのがこれでございます。
 一番上にシナリオ検討会の成果があり、また部門別の現行施策の評価をして、さらにこの中に含まれていない新たな対策技術につきましても、今後の審議の中で加えていくということを新たな作業として加えております。それらの削減ポテンシャルを精査し、またコストの評価をして、コストとポテンシャルの評価の結果、非常に有望だと考えられるものにつきましては、さらに制度的・社会的な課題を整理し、またそれを克服するために必要な対策手法について、こういう対策がいいのではないかという提案をしていただく。その結果をデータベース、対策技術シートのような形で整理をしてみようと。さらに、そういうものの中から重要度、優先順位の高いものとしてどういうものがあるかということを評価しまして、それを国内制度小委員会に報告して制度的な議論に結びつけていくことを考えております。
 この中で○を加えたものが前回の小委員会で出されたご意見を反映したものでございます。もちろん、これ以外にも部門間の相互関係を明確にすべしであるとか、部門間にわたるポテンシャルをどう扱うか、それから運用面でのマネジメントが大切である。社会システムを検討する必要がある。さまざまなご意見もいただきました。これにつきましては、ある程度シナリオ検討会の報告の中にも含まれているものがございますけれども、さらに今後の審議の中で、さらに検討を深めていきたいと思っておりますが、当面前回のご指摘を受けて、こういう形で進めさせていただければというご提案でございます。
 そして3ページには、先ほど申しました対策技術シート、個々の対策技術について、こういった形で、まずわかりやすく削減のポテンシャルや、コスト、課題などを整理するシートをつくって、そしてこれを出発点にしてご審議をいただければと考えておりまして、既に資料2、資料3ではこういったシートの案に基づきまして、対策技術の整理をさせていただいております。
 そういう個々の対策技術についての検討をした上で、最後の4ページにありますように、これは考え方をわかりやすく図にしたものでございますけれども、個々の削減技術につきまして、コストの小さい技術から並べていきまして、目標達成のために必要なコストがどのぐらいかかるかということを解析することができるわけであります。横軸が排出削減量でして、縦軸が炭素換算の温室効果ガス1トン当たりの削減費用がどのぐらいかかるかという原単位を表しております。そしてそれを掛け合わせたものが黒塗りにしている部分ですけれども、この面積が必要なコストということになるわけでありますので、削減量とそれにどのくらいのコストがかかるかということが、まず荒っぽく計算ができるということになるわけであります。グラフの中に1つの曲線が書いてありますけれども、これを結ぶとこういう曲線になりまして、どのくらいの費用がかかってくるかということもわかってくるわけでありまして、こういう意味でのコスト・ポテンシャルの評価をした上で、実際の対策に結びつけるような技術がどういうものかというのを洗い出す、そういった作業をやっていきたいと思います。
 このグラフは、表題にもありますように、部門別の検討をすることもできますし、最終的にはすべての部門を横断的に見る、日本全体における排出削減量と費用の関係、こういった解析もすることができますので、最終的にはこういうことを目指してコスト・ポテンシャルの評価をやり、制度化に結びつけるようなご審議をしていただきたいと考えております。
 以上でございます。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 今、話がありましたように、まず1つは2010年という京都議定書で定められましたターゲット、これに向けてどこまでポテンシャルがあるだろうかということを集中して論議したいということが1つであります。それから、もう一つやり方ですけれども、この委員会につきましては、技術の方から見た積み上げスタイル、もとのスタイルといいましょうか、そういう方からいってみようということで、制度委員会はどちらかといいますとトップダウン的になるかもしれませんがやってみようということであります。一つ一つの技術を検討するうちにどういう制度が望ましいかということをどんどん出していただいて、それを国内制度小委員会の方に持ち上げてさらに検討するということになるかと思います。
 4ページの先ほど一番最後にご説明になった絵というのを今さら持ち出すほどのものではございませんけれども、我々の目的というのは最終的にこういう絵をかくことでございますけれども、実際前回の議論の中では、一体この費用というものがいろいろな要因で決まるからそう簡単にはいかないぞという話もあったと思いますし、それからX軸方向、すなわちポテンシャルが一つの技術でどこまでカバーできるかといった、この幅だってそう簡単ではないだろうという話もありました。あるいは、こうやって並べていってるけれども、全部の技術はとてもじゃないけれどもピックアップできない。まだまだ、すき間的な技術もあれば、それから技術のお互いの相関でもって、こっちをこれだけにすると隣のがこれだけ減るよとか、いろいろな関係もこれありということもあったかと思います。しかしながら、まず一つ一つ詰めていって、どこまでそういうことができるのか、こういう技術的な検討をお願いするのが第1であります。
 第2が、このグラフの例えば点線で書いてありますのは、目標値を達成するためにどれくらいのコストまでかけなければいけないかということになるかと思いますけれども、このコストを、例えば補助金であるとか、税金であるとか、いろいろな制度でもって一挙に上がったり下がったりすることが可能であるということであるかと思います。あるいは、一つ一つの柱、例えば一番左側の柱でマイナスになる。これは、何もしないでノーリグレクトでいく分ですけれども、そうじゃない一番右側の方になりますと、なかなかコストがかかる。この技術に特有の何か制度があるかと、もちろんそれは個別のものじゃございませんし、制度といいますからいろいろな技術に横断的なものであるべきでございますけれども、例えば一番右の柱を減らす、あるいは幅を広げる、それにはどういった制度があるだろうかといったことをケーススタディ的にやっていこうというのが2つ目の課題かと思うんです。
 この委員会では、できましたらコスト、あるいはポテンシャル量、そしてこの量をなるべく拡大し、かつ費用を少なくするような個別の施策はないのか、そしてさらにそれを大きな施策にまとめるにはこういう方法があるよということをボトムアップの立場から、どんどん上げていこうというぐあいに考えております。
 以上が、審議の進め方でございますが、審議の進め方につきまして、何かご議論ございますか。
 なお、全体のスケジュールといたしましては、かなり急ピッチに、6月までにこの割と積み上げ的な作業につきましてはどんどん進めていきたいというぐあいに思っております。それから、その間にいろいろな、次にはこうやったらいいよという意見が出るかと思いますが、それは6月以降に、あるいは検討会におろして検討するスタイルになるかというぐあいに考えておる次第であります。
 いかがでしょうか。ご意見をいただきます。どうぞ。

○内山委員 基本的に、この供給曲線を求める方法でやっていくことに異存はありませんが、ちょっとこの技術シートについて、若干補足をお願いしたい件があります。
 1つは、ポテンシャルというのは、結局技術の性能に給料をかけたことになると思うんです。このシートですと、1つの単位技術の性能がどのくらいであるのかというのがちょっと読みとれないと思うんですが、できればどこか技術の概要でも構いませんが、1つの技術がどのくらい性能を向上しているか、そしてそれがどのくらい普及しているのか、それによってトータルのポテンシャルが、ここに書いてある削減量、あるいはコストもどのくらいになっていくというふうな説明のシートにしてほしいということです。
 それから、もう一点ですが、この間の議論もそうだったと思うんですが、既存の技術だけを使って削減がどれだけあるかというような見通しを考えている点が非常に強くあるんですが、どうしても今後需要がふえていく新たな技術の発生というものが、特に民生部門等には多々あるんじゃないかと思うんです。例えば、情報技術とかそういったものですね。そういったものに対して、需要をどういうふうに押し上げていくようになるのか、そういったことも技術として評価していただきたいというふうに思います。

○西岡委員長 ありがとうございました。ほかにご意見ございましょうか。水谷委員。

○水谷委員 これは意見というよりもご確認なんですが、前回第1回の会合の際に、シナリオ調査検討会ですか、その報告書の概要と説明があったときに、この小委員会の役割の関連で、たしか竹内課長の方からこの「シナリオ調査検討会の方では検討できなかった強化ケースを実質的にはここで審議していただきたい」というようなご発言があったと思うんですが、それを受けて私も発言しましたけれども、きょうのご説明との関連でご確認させていただきますと、強化ケースということは一定の形で政策を強化することを前提にして、これぐらいの排出削減ができますよという一つのシナリオを描くということなんですね。そういうふうに私は理解していたわけですけれども、今日のお話だと、そういうシナリオを描くということはしない、この小委員会ではいわゆる技術ポテンシャルの中でコスト・ポテンシャルを評価することと、技術ポテンシャルを最大限実現していくような政策の一つのメニュー、オプションを提示するだけであり、一つの幅を持った、さっき申し上げたような強化シナリオの提示までは必要がないと説明しなおされたと私は理解させていただいたんですけれども、その点そういう理解でよろしいかどうか確認させていただきたいと思います。

○西岡委員長 それでは、今の件につきましてお願いします。

○調整官 お答えいたします。
 きょう用意いたしました資料1では、先ほど委員長からご指摘ありましたように、当面COP6再開会合までの非常に短い期間での検討ということを念頭に置いたものですが、前回事務局からご説明いたしましたとおり、さらに次のステップとしてはこういう個々の技術の積み上げの議論の上で、いわゆる強化ケースというものに相当するような対策のあり方に移っていく必要があると思っておりますので、今のご指摘はさらにこの次のステップとして、そういうものを恐らく夏以降、秋、冬にかけて、審議をしていただくということをお願いしたいと考えております。

○西岡委員長 ありがとうございました。今の件よろしゅうございますか。
 私の考えも今のお話のとおりで、差し当たってとにかく絵とマップいっぱい出して向こうの方に制度というものがある程度こういうのがあるよということでさらにこちらに戻してもらって、それが強化ケースになっていくんじゃないかと思っています。この段階でいろいろなことおっしゃってもらうのは非常に結構だと思っていますので、どうぞ余り強化ケースということにこだわらずに、こうやればもっといくんじゃないかというのをどんどん出していこうというのがこの段階での作業です。
 ほかにございませんか。
 それでは、次の議題に移りますが、次は民生部門における現行施策の評価と今後の削減ポテンシャルということで、まずどんな作業をしているかにつきまして、事務局の方からのご説明をいただき、その後皆さんのご意見を伺いたいと思います。それでは、石飛調整官お願いします。

○調整官 それでは、資料2に基づいて、民生部門における現行施策の評価と今後の削減ポテンシャルをご説明します。
 資料の最初に総論的な文書がありまして、最後には先ほどご説明いたしました各対策技術のシートが添付されております。この資料の全体をまとめる形で1ページ目に概要というのがございますので、まずここをごらんいただきたいと思います。
 1番、温室効果ガス排出量の現状と現行施策の評価ということで、これにつきましては前回の検討会の報告書の中でもある程度触れられておりますので、簡単にご紹介したいと思います。現状までの増減分につきましては民生部門では総排出量の約22%を占めておりまして、98年度は90年度比で12.6%増加になっております。民生部門のうち業務部門の排出量を見ますと、これは90年比16%という非常に大きな伸びを示しておりますが、これは産業構造の転換による業務床面積の増加とOA機器等の普及が要因になっていると考えられます。
 それから、家庭部門の排出量につきましては9%増加で、断熱性能や機器の省エネ性の向上はありますが、住宅の延床面積や冷暖房設備等の住宅水準の充実化がそれを相殺する形になっているのが特徴でございます。
 今後の削減ポテンシャルと主要課題ですが、業務部門では使用機器の高効率化は、温暖化対策としての側面以外に省エネ効果と普及の進展による機器の費用低減効果をもたらします。さらに今後トップランナー基準の対象機器が追加されれば、高効率化がさらに進展しますので、そういう対策が必要になってくるであろう。
 それから、建築物の断熱性能をさらに向上させるために、建築物への断熱性に関する一定の規制をかけるであるとか、大規模事業者への指導等の現行制度の運用強化を図る。また、一方で融資、税制等の経済的な措置を検討するということが必要ではないかということでございます。
 それから、家庭部門では新たな機器が普及してきておりますので、トップランナー基準の対象機器を拡大するということで、機器の高効率化を進める必要がある。
 また、住宅の中で省エネルギーの基準適合住宅の普及を促進するための普及・啓発情報提供、また何らかの経済的なインセンティブを検討する必要がある。
 最後に、コスト意識を通じた省エネルギー意識を醸成するということとITを活用した家庭内機器の制御システム、事業サイドのマネジメントをもっと向上させるということが今後の課題として上げられております。
 それでは、2ページ以降簡単にご説明をしたいと思います。
 排出量の現状と推移につきましては、先ほど概要でお示ししたとおりでございます。グラフが2つございます。民生部門を業務と家庭に分けたものでございます。
 3ページにまいりまして、上の方にグラフがありますけれども、これは1世帯当たりのCO2排出量の推移で、家庭の排出量がどういうことが要因になって増加しているかを示しております。
 それから、他部門との関係ということで、下の図をごらんいただければわかると思いますけれども、エネルギー転換部門、産業部門、それから農畜産関係、廃棄物との間でいろいろなやりとりがあった上で民生部門の排出量が影響を受けるということがあるわけです。
 4ページにまいりまして、要因分析、これは前回簡単にご説明をしましたが、家庭部門では世帯数が非常に伸びている一方で世帯人員が減っている。下のグラフで住宅の床面積がふえている、また暖房設備等が充実してきているということで、総じてエネルギーの消費原単位は上がってきているわけでございます。
 5ページの住宅の断熱性能の向上ということで、これは新築の住宅につきましては、断熱性のよい住宅のウエートがどんどんふえてきています。それが左のグラフですが、右の図を見ますとストック全体ではまだまだ従来型の住宅が多いということで、ここが一つの課題となっているわけであります。
 下の図8は、省エネ基準で地域別になっておりますけれども、段階的に基準が強化されていることがわかります。
 6ページにトップランナー方式による省エネの推進ということで、現在の基準を示しております。
 それから、その下に太陽熱温水器・太陽光発電の導入ということで、次の7ページにグラフが幾つかございます。太陽光発電は図9にありますように、順調に伸びてきていますが、これまで促進してきた国の助成制度の今後の成り行きにかかっているところが大きいわけであります。
 それから、真ん中の図10は太陽熱温水器ですが、これは逆に普及状況としては減少傾向にあります。図11もそれを示しておりますので、このままでは今後大きく伸びることは難しい状況であることがわかります。
 8ページには、我が国の潜在的暖房需要ということで、住宅設備が充実してくることに伴って暖房需要も伸びる可能性があります。その際にエネルギー使用の量がふえるのに合わせて、正比例で温室効果ガスの排出量もふえるということになりますと、非常に難しい状況になりますので、エネルギー消費量はある程度伸びるにしても温室効果ガスの排出量をなるべく伸ばさないためにも、例えば地域の熱供給のあり方を検討していく必要があるといったとが書かれております。
 9ページから業務部門でありますけれども、部門別の床面積、それから床面積当たりのエネルギー消費原単位の推移が紹介されております。床面積はごらんのとおり右肩上がりになっています。
 10ページにまいりまして、業務部門でも省エネ法のトップランナー基準が適用されて、個々の機器、設備を見ますと、それぞれ基準が浸透していっているということでの効果は当然あるわけであります。
 一方、建築物につきましても省エネ基準、PAL、CECという、断熱性能と設備のエネルギー効率に関する基準が設定されています。下のグラフの点線または実線がこの基準値で、実際の建築確認申請の際の申請値はこの折れ線グラフのように、十分この基準をクリアしているものが大半になっていますので、このままですと今後の新たな削減効果がどんどん出てくるとは必ずしも言えないのではないかということであります。また、竣工後のエネルギーの実際のマネージがうまくいっているかどうかということも、何ら規制がないために、この効果がどのくらいきいているかがなかなか把握できないのが現状でございます。
 それから11ページにまいりまして、従来からあった第1種の管理指定工場に加えて、98年の法改正で第2種エネルギー管理指定工場制度が創設されましたが、エネルギー管理者の選任が必要になりますけれども、特に目標値を定めることを求めているわけではありませんので、どれだけの効果が実際あがっているかということは、十分把握されていない状況です。
 それから、業務部門でも、主として公園、道路等の公共施設で太陽光発電が導入されてきておりまして、一般の施設につきましてはNEDOの補助事業等が若干あるということであります。
 12ページの未利用エネルギーの導入機会は、都市計画等に大きく依存するため、これは都市施設としていかに進めていくかということが重要になってきているわけであります。
 13ページからは2010年の予測値であります。これも前回ご紹介しましたけれども、大綱に比べてどうかということを13ページの上の方に書いています。
 それから14ページに大綱の個々の技術との比較ということで、大綱には表2の左側にありますように、民生部門ではこういう対策をやって、それでこのぐらいのCO2を削減しますと。CO2の削減量は個別具体的には出ていませんが、大きな括りとしては示されております。シナリオ検討会での検討結果が右側に出ておりますが、計画ケースでは、大綱の目標値を上回る推計結果となってます。
 そこで15ページからの削減ポテンシャルの検討をしたわけでございまして、これも前回簡単にご紹介しましたが、表3に示しましたように、家庭部門、業務部門、それぞれでこういった対策を講じることによって、削減ポテンシャルとしてはこのぐらいの量が見込まれるということを示しております。
 16ページにはコスト-ポテンシャルの評価ということで、それぞれのポテンシャルと、その導入にかかる追加費用を示しています。きょうは時間の関係で個別にはご説明できませんが、技術評価シートの計算結果だけを16ページの表4、表5に載せております。ポテンシャルとして大きいものは、家庭部門では、例えば制御による省エネルギーや、待機電力の削減、ヒートポンプ給湯器などがあげられます。それぞれまだ十分な検討がなされておらず、空白が多くて大変恐縮でございますけれども、今後さらに埋めるとしまして、現状ではこういった数字が出てきております。表5も全く同様でございまして、追加費用がまだ作業の途中段階で空白が多くて申しわけございません。
 17ページからは、そういう技術のポテンシャルがあることはわかったけれども、それを導入するに当たっての課題と対策手法について、個々の技術評価シートにあるものをピックアップして載せたものでございます。
 18ページは同じく業務部門でのそれぞれの課題、必要な対策手法、副次的効果で、これもまだ空白が多くて恐縮でございますけれども、引き続き作業は進めてまいりたいと考えております。
 以上が本論でありまして、19ページからは推計上の課題ということで、この分野に限りませんけれども、統計データが必ずしも十分でないためにいろいろな推計を行う上での数値の乖離が生じてきてしまうといったようなこと、それを解決するために統計データの整理、またその解析を一貫して行える体制が必要になってくるということを書かせていただいております。それが20、21ページにわたってございます。
 22ページには、削減ポテンシャルの推計上の課題と留意点ということで、ポテンシャルの計算が十分にできていないものもあります。その代表的なものが表10に書かれております。一部、試行的に技術シートをつくりまして計算をやった例もございますが、まだ作業ができていないものがあるわけです。もちろんこの表10にない新たな対策技術もあると思います。これについてもご審議いただきまして、追加が必要であれば作業に加えていきたいと思っております。
 それから、(2)コスト評価の課題・留意点につきましても、もとのコストの評価が非常に難しいというのは委員長からのご指摘のとおりでございますし、ここでは一つの仮定として、仮にすべてのものが100%普及したという状態を考えてコストを計算しておりまして、その理由が23ページに4つほど書かせていただいております。
 24ページ以降は各部門の対策と効果の関係を図にしたものを紹介しております。
 それから26ページ、表11はすべての部門に共通ですけれども、今後の対策技術シートのコード表をこのような形で設定したというものでございます。今回は、④民生部門の家庭用、業務用に当たりますので、すべて技術シートに、④aまたはbというコード番号が記載されております。
 27ページには、28ページ以降の対策技術シートの一覧表が載せられております。
 28ページ以降は、先ほどの説明でご紹介いたしました対策技術シートでございます。まだ、課題や対策手法、副次的効果のところが十分な検討が進んでおりませんで、この辺は事務局としても作業を急いで、いずれかの機会にご報告するように努力をしたいと思いますけれども、この状態で何かこういうこと注意すべし、よく検討すべしというご指摘がありましたら、それを踏まえてさらに検討させていただきたいと思います。
 簡単ではございますけれども、資料2のご説明を終わらせていただきます。

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 今の資料2のお話で幾つか疑問、あるいは作業に対するご意見があるかと思います。私もあるんですが、まず資料4をちょっと見ていただいて、簡単にEUなんかこういうことをやっているよということで、我々の作業の一つのヒントになるような話があるかと思いますので、簡単にお話をいただけませんでしょうか。

○地球温暖化対策課長 それでは、資料4に基づきまして、欧州委員会が管理局全体を対象にして、民生などの分野でどんな対策があり、その経済性がどうかという評価を最近、3月のものでありますけれども、しておりますので簡単にご報告申し上げます。
 2ページでございますが、民生部門ということで、家庭業務のCO2の排出削減の経済性評価ということでありますが、排出量の現状ですが、90年のEUにおける民生部門からの排出量は11億6,200万トン、全体の39%、温室効果ガスの中の30%。それから、転換部門の間接排出分のうちの46%が民生部門という現状がございまして、それで技術向上がない場合の2010年の排出見通しが家庭部門で12%増、業務部門で57%増ということでございますが、それに対してここにあるような対策、後で表でご説明しておりますが、対策を講ずる。そうしますと、下にございますように、削減見通しということで、2010年までに家庭部門で1億9,000万トン、業務部門で1億2,600万トン、全体で3億5,000万トンの直接排出量削減が可能。それから、さらにエネルギー転換部門における間接削減によって3億6,000万トン、合計6億7,700万トンのCO2の削減が可能ということで、下にグラフがございますが、これはCO2だけじゃございませんで、メタン、N2O、それからHFCの排出量も入っておりますが、90年で11億8,400万トン、これが2010で28%ふえる。それに対して対策を講じて、全体で90年に比してマイナス29%になるという見通しでございます。
 そこで、3ページでございますが、家庭部門における潜在的排出削減量とコストということで、CO2とHFCに分けてございますが、それぞれ上の省エネ型テレビ・ビデオから始まって先進暖房システム:ヒートポンプというところまでがCO2の関係ですが、それぞれ初期投資とエネルギーコストの対策によるエネルギーコストの削減分から導き出した右欄のCO21単位当たりの削減コストということになりますが、それを安い順番から並べているわけであります。HFCは1つだけですが、家庭用冷蔵庫ということでコストが弾かれております。
 4ページでは、業務部門におけるコストの評価ということで同じようにCO2、省エネ型オフィス機器の最もよい例から始まって新高効率省エネサービス、マイナスの大きい方からプラスまで並べてあります。HFCにつきましてもそれぞれ安い順に並んでいるというようなことで、5ページにございますように、これをグラフにいたしますと、家庭部門では1990年7億5,000万トンの排出量がございましたが、2010年何も対策しないと8億4,300万トン。ここから削減コストゼロ以下で可能な削減量が白いところでございまして、削減コストゼロから20Euro/t-CO2でありますけれども、可能な削減量が黒い部分ということで、一番下の4億4,900万トンというところまである程度コストをかけると削減されるというのが過程でございます。同じように、業務部門におきましても、左のグラフの方はCO2だけではございませんで、メタンとN2Oが入っておりますが、同じようにコストゼロ以下のものでどこまで下げられるか、ゼロから20まで、あるいは50以上まで含めてどこまでかという見通しがなされております。
 その次以下はメタンなどのところでご説明申し上げたいと思いますが、このようなことでEU諸国では基本的に環境庁の間ではエネルギーコストを上げるということと、それから外壁の断熱とか屋根断熱に対して補助金を出すといったところが典型的なこれも一つの手法だというふうに言えるかと思います。
 以上です。

 そこで、3ページでございますが、家庭部門における潜在的排出削減量とコストということで、CO2とHFCに分けてございますが、それぞれ上の省エネ型テレビ・ビデオから始まって先進暖房システム:ヒートポンプというところまでがCO2の関係ですが、それぞれ初期投資とエネルギーコストの対策によるエネルギーコストの削減分から導き出した右欄のCO21単位当たりの削減コストということになりますが、それを安い順番から並べているわけであります。HFCは1つだけですが、家庭用冷蔵庫ということでコストが弾かれております。
 4ページでは、業務部門におけるコストの評価ということで同じようにCO2、省エネ型オフィス機器の最もよい例から始まって新高効率省エネサービス、マイナスの大きい方からプラスまで並べてあります。HFCにつきましてもそれぞれ安い順に並んでいるというようなことで、5ページにございますように、これをグラフにいたしますと、家庭部門では1990年7億5,000万トンの排出量がございましたが、2010年何も対策しないと8億4,300万トン。ここから削減コストゼロ以下で可能な削減量が白いところでございまして、削減コストゼロから20Euro/t-CO2でありますけれども、可能な削減量が黒い部分ということで、一番下の4億4,900万トンというところまである程度コストをかけると削減されるというのが過程でございます。同じように、業務部門におきましても、左のグラフの方はCO2だけではございませんで、メタンとN2Oが入っておりますが、同じようにコストゼロ以下のものでどこまで下げられるか、ゼロから20まで、あるいは50以上まで含めてどこまでかという見通しがなされております。
 その次以下はメタンなどのところでご説明申し上げたいと思いますが、このようなことでEU諸国では基本的に環境庁の間ではエネルギーコストを上げるということと、それから外壁の断熱とか屋根断熱に対して補助金を出すといったところが典型的なこれも一つの手法だというふうに言えるかと思います。
 以上です。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 それでは、今の民生部門の報告に対するご議論をいただきたいと思っておりますが、私の感想といたしましては、まだ十分作業の方が間に合ってないなというのが一つの感想でありまして、これはもう少し後ほど詰めてもらう必要があるなということを思います。それから、極めて短時間の間にご説明いただいたので、ちょっと十分そしゃくできないところもあるかと思いますが、ご専門の方々にはもうおわかりのことなのかもしれません。
 それで、これからにご議論いただきますのは、最終的な目標は何度も申しますが6%削減がどこまでポテンシャルがあるだろうかということで、どこをどうやればいいかということが最終目標であります。十分ここで報告のあったことでいい技術がピックアップされているか、そしてそれに対する計算、あるいはやり方が正しいだろうかという確認です。今回、民生のことについて全部ここで、この短時間の間で論議をし尽くすということはもちろん到底できない話でございますので、きょうの議論を受けて後ほどまた詰めていく作業は別途やっていきたいというぐあいに思っております。
 そこで、きょうは最初ということもありまして、できたら民生のどこかを取り上げまして、ケーススタディ的にこういう問題があるんじゃなかいといったことについて議論をしていったらいいんじゃないかと。既に、内山委員につきましては、最初に普及の問題、あるいは新しい情報技術がどう進んでいくかといった問題提起がございました。
 それでは、皆さんのご意見をいただきます。それから、できたら札を立てていただくといいですね。

○渡辺委員 私、ここで議論するのは余り慣れてないんですが、民生の場合特に普及率の部分が非常に重要ですよね。どういういい技術であっても、それが一般人に知れ渡れないといけない。それをやっていこうという、これは事業だったらばかなり専門家がいるわけですが、家庭の場合は主婦だったり、何かそれにアプローチしなきゃいけないということで、このプロセスの中で私は普及のためのマスコミ対策なり、環境教育なりという部分の重要性というのは非常に高いなという気がするんです。私自身は、温暖化問題にかなり関心持っていたとしましても、普通のマスコミ、あるいは新聞等でいろいろ触れている部分を見ると、最近は非常に議論が少ないです。単にCOP3がどうだったという、非常に表面づらを流れただけで一般人が何か関係しているよというふうに思う議論が非常に少ない。翻って、私ども廃棄物に関係しているんですが、ダイオキシンだとか、あるいはリサイクルという問題については非常に議論が盛んですが、温暖化の問題に関しては、それを副次的に扱われるというのが非常に少ない。この辺について何か特別なアプローチが必要なんじゃないかなという気がするんですがどうなんでしょうか。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 それでは、一巡回りますので槌屋委員お願いいたします。

○槌屋委員 サプライ価格が出て、これによって計算するという非常に統一した手法でいいと思うんですけれども、もうサプライ価格は書かれ出してから15年ぐらい経過していますが、一番左側で最もコストが安い方法というのが最も有名なのがここに取り上げられていない。それは、照明で例えば100ワットの白熱灯は現在電球型の蛍光灯だったら22ワットで済むということはよく知られているんです。この部屋についている電球を見ても白熱灯が幾つも使われているわけなんです。これは、サプライ価格では一番費用がマイナスで、例えば電球または白熱灯を蛍光灯に変えると、計算では700時間から1,000時間でもとがとれるというのがわかっているんですが、そういうことがそこに入ってなくて、技術的にはいろいろそれぞれの技術の効率を上げるというふうになっているんですが、そういう白熱灯を蛍光灯に変えるというようなことが入り込んでないので、ぜひそういうものを入れてほしいと思います。
 それから、電気冷蔵庫の効率向上についても、これについてはトップランナーの省エネ推進基準が出てますが、トップランナーは現在わかっている効率基準をターゲットにして決めているだけですから、ここではもっと高いレベルの省エネ基準というのをいろいろかつては効率のいい冷蔵庫をたくさんつくられているわけですから、そういうものを入れて検討していただきたいと思います。
 それから、ITを利用した家庭内の制御方式というのは、非常におもしろいし興味があるんですが、具体的にはどういうものなのか教えていただきたいと思います。
 以上です。

○西岡委員長 ありがとうございます。
 それでは、次へまいりまして木谷委員。

○木谷委員 家庭用のエネルギーの使用量の実態は非常に幅があります。かなり昔の個別調査の例ではそうでした。最近の例を教えていただきたいんですが、少なくともその後器具の自動化が随分進んでますので、良くなっていると思いますけれども、やはり大きな幅があると思います。EUの表でも最低値を示していますけれども、これも多分幅を念頭に置いたやり方だろうと思います。特に、1次エネルギー別の数量については、器具別の分離が難しいので、幅を入れた押さえ方しかできないだろうと思います。例えばある調理器具でガスを使うと、この程度で済むはずのものが、実際はその2倍、3倍使っているという例がいっぱいあるわけです。ですから、そういった実態調査に基づいた対応策をもう少し検討する必要があると思います。

○西岡委員長 ちょっと戻りまして大聖委員。

○大聖委員 民生と交通運輸のちょっと関連について言及したいと思いますけれども、業務と家庭というのは、実は交通運輸の部門でいいますと物流ですとか、業務で車を使うというような分野と、それからプライベートユースということとつながっているんですね。その辺のリンクを考えますと、例えばいろいろ先ほど来お話に出てますようなIT技術、インフォメーション・テクノロジーというのがこれからの業務のあり方を変えていくと思いますし、家庭での消費行動が変わっていくと思いますが、それに関係して物流ですとか、プライベートな移動というのが変わってくるわけですから、そういったもののリンクをどこかで言及していただく必要があるんじゃないかなと。一方、会社の外を出ますと、これは移動の世界になるんですけれども、建物としては移動と固定の違いではありますけれども、強く結びついているんだということをぜひどこかで言及していただきたいと思います。
 特に、最近のインターネットですとか、Eコマースですとか、ああいったもので物が不必要に動かす必要がなくなってくるという側面もあるし、新たな物流をふやすという側面も両サイドに持ってますので、その辺のつながり非常にこれから複雑になってきてなかなか読めない面もあるし、逆にそういったところを対策していく、あるいはそういったものの導入によって効果が上がるというような数字が具体的に見えてくる必要があるんじゃないかと思います。これは、非常に大きな面だと思います。ここ10年ぐらいの動きとして。

○西岡委員長 浦野委員。

○浦野委員 2つございまして、1つはちょっとまだ私そしゃくし切れてなくてご質問なんですけれども、15ページの表3に各対策の削減ポテンシャルが出ております。この数字と後ろにある技術シートの削減量というのがあるわけですけれども、これの関係というのはどうなっているのかというのをもうちょっと説明していただきたいというのが1点。
 それから、もう一点は同じく関連している酸ガス関係との関連ですけれども、冷蔵庫、エアコンにも今フロン関係を使っているわけですけれども、これはかなり大きく変わる可能性がある。それとの関係、あるいはビルや住宅の断熱にも一部酸ガスが使われているということで、これとのクロスもいずれ考えていただかないといけないというふうに思っていますということだけコメントさせていただきます。

○西岡委員長 内山委員。

○内山委員 今回の推計は、今まで実際にやってきました削減ポテンシャルは経済性や制度を無視して推計した値だと。それに対して今回はより現実的な視点からそれがどの程度達成可能かというところをある程度シナリオを考慮しながら進めていくというのが目的だと私は認識しているんですが、そうなりますと非常に大きなポイントは先ほど渡辺委員もご指摘しました普及率の問題だと思います。これは、極めて難しい問題でもあると思いますが、2010年なんて非常に短い期間ですから普及するのかということです。例えば、幾ら性能がいいものがあったとしても、消費者が既に製品を持っていれば買いかえるということはできないわけです。ですから、技術がたとえいいものがあっても既に消費者がちょっと前に買ってしまったら、それを新たに買いかえることはなかなかできないわけですから、そういう点での普及率の評価というのは、単にコストが出てくれば、それで既存の値段と比較して安いから普及するというものじゃないわけです。特にこういう需要の場合は非常に重要な点としてありますので、そういったところを正確に理解、把握できるような資料をできる限り準備していただきたということを要望いたします。

○西岡委員長 山地委員。

○山地委員 皆さん指摘されていることなんですけれども、この対策に当たり現状では大分落ちもあるんじゃないかなという気がするんですね。表になって数量化されているものは明らかに、さっきの照明なんかは大分そうなんですけれども。でも図21、22を見ると、もう少し範囲必要じゃないのをカバーしようというフレームを持っておられるんです。だから、余り時間を使って一々ご指摘する必要はないんじゃないかと思いますが、多少気がついたところでいえば、家庭部門であれば太陽電池を導入しようということで、例えば総合支援エネルギー調査会の方で家庭用で2010年まで数万キロワットという考え方ですから、当然カウントできるんじゃないかと思うんです。あるいは、太陽熱温水器もしかりですし。それから、2010年までどのくらいかわかりませんけれども、少なくともガス事業者関係のところは、家庭用の燃料電池の導入を考えているわけですし、まずオプションにどんなものがあるかというのを系統的に上げていって、それから定量化していくというステップが必要なんじゃないかと思います。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 水谷委員。

○水谷委員 枠組み的なことなんですが2点です。
 1点目は、コストポテンシャルで評価されているのは、前のシナリオ調査検討会で先にポテンシャルの部分で追加的に上げられた技術だけなような気がするんですけれども、計画ケースの中でもう取り込まれているものについてもちゃんとコスト評価していくべきなんじゃないだろうかというふうに思います。特に、計画ケースの中で盛り込まれている民生の部分は、いわゆるトップランナー基準が適用された機器なんかの場合なんですね。計画ケースでは基準を達成するということを想定しているんですけれども、それ以上のエネルギー消費効率の向上は可能だということは明白になっている機器もあるんです。そういうことも踏まえて、検討会に余り引きずられることなく、廃止削減のポテンシャルを持った技術についてはすべて部分を評価していくという方がいいのではないかというような気がいたしますということが1点。
 もう一点は、ご確認なんですが、先ほどから普及率のお話があるんですが、資料2の23ページに書いてあります原則普及率100%、普及率というと普通ストックベースで押さえる言葉だと理解しているんですが、ここでの普及率というのはつまりフローベースでの技術導入率のことなんですよね。そうでしょうね。そうすると、先ほど内山先生とか山地先生がおっしゃったような問題について少し整理がされるのではないのかなというふうに思うんですけれども。以上2点です。

○西岡委員長 松尾委員。

○松尾委員 15ページの表3の結論的な削減ポテンシャルの大きさを見積もった表でございますが、これを拝見すると、ここに落ちている技術項目あるよというご指摘は別として、今上げられているものを見ていくと、その削減ポテンシャルの最も大きいものが家庭部門では制御による省エネという項目で、業務部門ではビルのエネルギー管理システムという項目で、非常に大きな数値が計上されているわけですが、この辺はいわゆるハードの技術ではなくて、ソフトなマネジメントのレベルでの効果を期待しているわけなんですが、これが具体的に何ゆえ、どういう技法を使うことによってこんなに大きなポテンシャルが見込まれるのかというところがちょっと私にはよくわかりませんので、といって余り詳しいお話をここで伺うのも適当じゃないのかもしれませんが、何かもうちょっと説明していただける部分があればありがたいなと思う次第でございます。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 それでは、もう一度回りまして佐土原委員。

○佐土原委員 2点で、今までもいろいろ議論出ていることなんですけれども、私も普及率に関してここの設定はどう考えるのかというところで、例えばいろいろ買いかえをすれば、ライフサイクル的に見れば非常に日本全体でふえてしまうというようなこともあるとすれば、現実的に買いかえてそれを少し促進するというようなところでのポテンシャルを見るというのが非常に現実的なことになるんじゃないかということが1点です。
 それから、2点目は1ページ目のところに家庭部門、一番下ですが、コスト意識を通じた省エネルギー意識を醸成するという文言があるんですけれども、果たしてコスト意識だけで一般の家庭の方が動くかというともう少し環境に対する意識というようなことに貢献するということもあると思いますので、コスト意識ということだけでなくても、もう少し広げてもいいのではないかというふうに考えております。
 以上です。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 太田委員。

○太田委員 いろいろ対策が15ページなどのお話がありましたが、質問という意味ではまず需要サイドの取り扱いですよね。需要サイドを一応与えられたものとしてその中で供給的な技術でこれならできるということであれば、これは一つのスタンスだと思います。自動車とかそちらの方では、むしろ需要そのものをやっていかなければいけないんです。そういう話が出てきているわけです。当然、民生の中でもそういう話があって、例えば世帯がどんどんふえていきます。これを政策対象とするのは難しい、あるいは業務にするのも難しい。それをどう収容するか、配置するか、例えば床面積に換算する、あるいは戸建て住宅にするのか、むしろマンション形式でやった方があといろいろなエネルギー対策上にいいとか、そういう大きなストーリーが欠けて、そのまま現在の需要ベースに来ているんじゃないかと。私たちそういう需要ベースをどこかできちんと前提にして議論した上で、短期といえどもそういうものを考慮していただいて、同じ戸建てをつくるんだったら既成市街地でやってもらった方がよくて、完全ニュータウンの方がおもしろいものになりますという種類の話です。そんなことをどこかで整理してほしいということです。
 15ページの表の中でサマータイムの導入、これはむしろ輸送量を増やす話だと思うんです。そうなりますと、私の理解ではこれだけはちょっと異色です。それから、文献のとり方が私の理解では業務でのエネルギー消費が減って、逆に家庭でふえるのかなという話と、これは先ほど大聖委員からお話がございましたが、交通では逆にものすごくふえるだろうということなんです。ですから、プラスマイナスを見る仕組みが必要で、これはかなりサマータイム導入で減るような計算になってますが、内容とそのときの連鎖反応、他部門にどういう影響してどういうサマータイムを考えているからこういうふうになるんだということがないとちょっと議論は進まないかなという2点です。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 それでは、大体一巡しましたので、幾つかの点について事務局の方で答えていただきたいと思いますが、現在のところ山地委員のご指摘に代表されましたようにもう少し広い範囲で、それから水谷委員、槌屋委員も同じことおっしゃいましたけれども、広い範囲で技術の選択が要るのではないかなというのがまず第1点かなと思います。
 それから、第2点が普及率というのをどう考えるか。これは細かい定義の問題もございましたけれども、どのように普及率を高めていくことに対するポテンシャルはどれくらいあるのかといった議論もあったかと思います。
 それから、最後に非常に難しい問題ではあるんですが、需要をどう考えるか、結局これから生活自身が向上すれば、全体のいろいろな意味での需要のポテンシャルは大きくなるわけですけれども、それを社会システム的に変える必要がどういうものがあるかといった議論があったかと思います。
 もう一つ私の方で出していただきたかったのは、またもう一回ご意見伺いたいと思いますけれども、もう少し制度に関してはこうやったらいいんじゃないかなというご意見もこの際ちょっといただいた方がいいのではないかなと思っております。
 それでは、事務局の方で今のいろいろなご質問に対しまして返答をお願いしたいと思います。

○調整官 まず事務局の方からお答えいたします。
 それから、もし私の方で十分なお答えができない場合には、佐川さん、もし必要であればご発言お願いしたいと思います。
 まず、1番の技術を広い範囲でとらえるべきだということで、それは冒頭申し上げましたように、まだ対策技術として取り上げているものが十分でないという認識を私どもしておりますので、山地先生からのご指摘もありましたように、もう少し広げる努力はしていきたいと思っております。なお、照明等につきましては計画ケースの中で既に一部削減量を見込んでいるものもありますが、今回は削減ポテンシャルの部分だけ出したということで少しわかりにくかったかと思いますけれども、今後どういうふうな形で技術シートを用意するか、より広げる方向で考えていきたいと思っております。
 それから、2番目の普及率につきましては、先ほどストックでなくてフローの普及率と理解しているがというご指摘がありましたけれども、非常に大きな割り切りをしておりまして、今のところストックとして全部普及した場合を想定して、コスト計算をやったということだけご説明させていただきたいと思います。
 それから、どう高めるかということにつきましては、今でも例えば地球温暖化対策推進法に基づいて、全国の都道府県に推進センターというのが設けられることになっておりますけれども、そういった取り組みのまだまだ不十分なところをどう高めるかというそもそもの問題もあります。またどのくらいをポテンシャルとして見るかにつきましても、それぞれの対策技術について、精査してより細かいものを用意していかなければいけないと思いますが、最終的にはかなりの割り切りが入らざるを得ない分野なのかなというふうに思っております。この点につきまして、もしさらにこういうところを具体的に調べてほしいというご指摘があれば、我々としてもそれに沿った形での検討をしていきたいと思っております。
 それから、需要をどう考えるかということにつきましては、例えば民生の中でITを活用した技術にどんなものがあるかというご指摘がありました。これにつきましては、例えば省エネナビだとか、パソコンを通してのエネルギーの消費量を解析して先月に比べてどうだというような試験的、もしくは一部実用的なネットワークのエネルギー管理システムが家庭の中でも導入されてきておりますので、それらの普及が進めば、かなりの効果が出てくるのではないかと、我々としても期待しているところでございます。
 また、社会システムにかかわるような住宅のあり方そのものにも立ち入って検討すべしというご指摘もありました。確かに、住宅そのものの需要であるとか、またさらに世帯人数が少なくなってくるとことは、将来の条件として考えていかざるを得ないと思いますし、また住宅の形式そのものについても一定の枠がはめられるかどうか、これは国民の選択にもよるものでございますので、一概に断言はできませんけれども、そういった社会システムに関係するようなものでも、対策技術の延長線上でこういうものが考えられるともっといいというようなものがあれば、なるべくこの中でも整理をしていきたいと考えておるところでございます。
 十分すべての答えができておりませんが、とりあえず今委員長が整理した範囲では以上でございます。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 あと、松尾委員の方からソフトの部分はどういうぐあいに考えるかというお話がありましたがいかがでしょうか。

○調整官 松尾委員からのご指摘で制御による省エネとか、それからビルのエネルギー管理システムは、住宅に関しては、IT技術を使ったネットワークシステムで家庭の中でのエネルギーの管理、引いてはCO2の排出量の管理ができるという手法が導入されてきつつありますので、そういうものの普及を考えております。
 また、業務用ビルではエスコ事業に代表されるような取組をさらに強化していくということ、もちろんその中にはより高度なITを使ったようなシステムも入ってくると思いますけれども、今のところはこれらの普及を図っていくということでポテンシャルを考えております。

○西岡委員長 皆さんのご意見のうちの多くは、今のポイントが1つあると思うんです。個別の技術はもちろんいいんだけれども、先ほど太田委員の方からありましたように、大きく都市のあり方、あるいは個別の住宅のあり方を審議、ガイダンスをやれば大分違ってくるんじゃないかといったことがございますね。これは、少なくとも今の報告書見た限りでは余り明示的には書いておらないんですけれども、確かにこれは大きな意味を持っているんじゃないかなと私も感じるわけです。それについて、ある程度の確認が要るし、またその効果をどうやってやるのかというのもご専門の方のご意見伺わないといけないと思うんですが、入れ込んだ方が多分いいんではないかなと思います。
 まだ、ちょっと予定の時間よりおくれておりますけれども、何かもう一巡私が申し上げましたように、こういう制度も要るんじゃないかというのがございましたら、ご意見をお伺いしたいと思いますがいかでしょうか。
 まず、藤井委員の方から。

○藤井委員 今、委員長がおっしゃった関連でいいますと、家庭部門というのがもし一般の消費者が住んでいる場所だというふうに考えるならば、今日本の制度にも少しずつ法律でグリーン調達の話だとか、グリーンコンシューマーの話だとかという仕組みが少しずつはやりつつあるわけです。私も戸建ての住宅についてちょっとやったケースがあるんですけれども、日本の場合いわゆるその辺の工務店さんがつくっている住宅というのがまだすごく大きな比率を占めていて、話を聞きますと、専門ではないのでいい加減なこと言うかもしれませんが、標準化も非常におくれているとか、断熱のようなものはもちろん入っていますけれども、まだ工夫の部分はたくさんあるわけです。先ほどの話にもありましたように、いろいろなガイダンスといいますか、グリーン調達というかグリーンコンシューマーにかかわる情報提供がうまくなされれば、豪華な飾り窓よりもいろいろとエネルギーにいいようなものを選んでくるオプションの可能性があるわけで、そういう意味では改善効果というのは積み上げていくと結構大きいのではないかという気がします。
 そういう意味では、先ほども佐土原さんの方からお話がありましたけれども、民生部門という家庭部門はディスカウントベースが非常に高いので、将来を余りみてくれないわけで、身近を見てしまうという意味では価格の効果も大きいんですが、価格よりもそういう情報提供の方が大きいんじゃなかいということが1点。
 それから、これは産業部門も同じなんですが、人のことは余り言えないんですが、基準シナリオといいましょうか、基準ケースがビジネス・アズ・ユージュアルのケースがどういうふうに立てられるかによって、それからどのくらい削減できるかということを今一生懸命議論しているので、トータルで議論するときには基準シナリオの技術イメージというのが一つは議論になるはずだと思うんですけれども、例えばウオシュレットみたいなものがどんどん入ってきたとか、パソコンがまだまだ入るだろうとか、生活においてまだまだエネルギーを使ってCO2を出したいという要望ははたくさんあると思うんですけれども、その辺のポテンシャルといいましょうか、逆のつまり削減ではないところのエアコンも一つあると思うんですけれども、特にCO2排出量の基準シナリオをつくる上での技術シナリオみたいなものも一つは非常に重要なポイントになるのではないかと思うんですが、その辺についてもしコメントがあればぜひ教えていただきたいと思います。

○西岡委員長 小高委員。

○小高委員 先ほどから出ている普及率の話なんですけれども、普及率というのは、まず最低ラインとして、例えばガステーブルとかエアコンとかをとったときに、その出荷台数というので大体検討がつくだろうと。これが、ベースラインになって省エネ対応のものにどれだけ変えていくか。マキシマムが100%になるだろうと。多分、実際にはその間にあってなるだけ100に近づけるような、税制的な面とかそういうものでインセンティブを与えていくということになるだろうと思うんですけれども。このちょっと位置づけというのが、ポテンシャル議論するんだということであれば100%普及ということにポテンシャルとしてあるんですけれども、それをどこまで現実的な議論まで持っていくかということだと思うんです。それがもう一つ。
 あとは、非常に相互の分野がいろいろ関連してきて大きな話になってくると社会構造全体まで変えていくような必要があるんじゃないかという議論がありましたけれども、ここがそこまで大きい話を議論するのかどうかということをちょっと伺いたいんですが。

○西岡委員長 渡辺委員。

○渡辺委員 先ほどの普及率にかかわって幾つか伺いたいと思うんですが、1つは、先ほどの対策法に絡んで各自治体に担当者がいるというふうなお話があったんですが、なかなかそれが一般のところに普及していないというのが問題だと思うんです。ちょっと、話は長くなりますけれども、私交通省にいてずっと公衆衛生の分野の新しい技術、いわゆる数十年前になりますけれども、例えば改良便所だとか、改良何とかというふうなものが民生に普及していったプロセスというのが戦後の一時期の五、六十年前にあったんです。現在は、官側がそれほど大きな指導力を持っていないというのが一つ問題ではあるわけですが、そういう部分を行政側が何らかの形で用意していくというのが必要なのかなという気がするんですね。省エネ普及率というような形で、そこにいけばいろいろな情報が得られると。現在でも確かに市役所なんかに行くといろいろなパンフレットはあるわけですが、そこにアクセスする人がほとんどいないと思うんです。もうちょっとそれに対してインセンティブを与えるようなものが必要だと。それには、確かに先ほど言ったようなマスコミの役割が多いわけですが、マスコミだけに期待できないという部分が一つあるんです。
 もう一つ、電力だとかガスだとかというのは電力会社やガス会社さんがやっているわけです。彼らにとっては量がふえる方がいいわけで減ってしまうと困るんじゃないかなという部分がちょっとあって、例えばガスの先ほどどなたかが言ってましたが、今月はふえたよとか減ったよとかというのを普通の主婦はそんなに認識してないんです。去年に比べてことしのあれはどうなんだというふうなこともほとんどの人が認識していない。それをより認識することによって、もうちょっとクーラーの使用料を削減しようとかそういうものが出てくると思うんですが、電力会社なりガス会社なりに、もうちょっと省エネ、省資源に協力するようなシステムができないかなと。この委員会と枠が外れるかもしれませんが、ちょっとそのようなことを考えております。

○西岡委員長 内山委員。

○内山委員 先ほどからいろいろ聞いてますと、どうも対策として今回技術だけでなくて、ほかの面も考慮しなければいけないものが結構出できたような気がしたんですけれども、技術ですと民生というのは価格弾力性が小さいものですから、余り価格効果がない。どっちかというと消費者がブームで製品を買うんじゃないかと思うんです。つい先日、確かに4,000件のアンケートをやったんですが、どのくらい省エネ効果としてコストが上がったら買いますかといったら、約エネルギー価格が4割以上上がらないと買わないと、これじゃかなりの人がそういうふうな形で、そういうふうに考えると5%、10%ぐらいの価格効果は余りないということです。そういうことで、これはかなりどのくらい省エネ機器が普及していくかというのは難しい問題だということを基本認識として要るんじゃないかと思います。そういう点で、どっちかというと先ほど佐土原委員もおっしゃってましたが、環境意識というものから、そういうブームをつくるようなことも必要かなというような感じがします。
 もう一つ、技術だけではなくて今回はライフスタイルの問題、先ほど省エネライフだとか、それからサマータイムだとか、制御による省エネ、これはどっちかというと技術にも関連はあるんですが、どっちかというとライフスタイルの問題かなと。これが入ってくるとかなり不確実性は大きくなるなという気がしますけれども、しかしそれは無視できない問題だなと思います。そういう点で、まず技術とライフスタイル的な問題を分けてほしいということです。
 それから3番目は、インフラの整備という問題があったと思うんです。家庭の住宅断熱効果をよくする、あるいは二重窓にするとかいろいろな問題があろうと思いますが、そういうことが2010年までにどのくらい達成できるかという大変難しい問題がありますけれども、それが進むとこの中に導入する家電製品等の量も少なくなってくるというのがあるわけです。あるいは、照明もそれだけ必要性がなくなってくるということがあるわけです。そういうことによる副次効果というのがインフラにはあるわけで、それとの関係、その辺も少し新たな方向を明らかにしてもらいたいというふうに思います。

○西岡委員長 浦野委員。

○浦野委員 ちょっと私都合がありましてここで抜けさせていただくので一言だけですが、今までのご議論を聞きますと、技術的、コスト的な部分がこの委員会のメーンであって、制度的なものは一応別の小委員会でやり取りをするということになっているわけですが、かといって民生部門は特にライフススタイルであるとか、制御、あるいは意識改革といったようなものが非常に重要であるという意見が出ております。その辺の少し、今内山委員からもご指摘ありましたけれども、技術的なものとしてどうだという議論と、それを普及するための制度なり、教育なり、その他の情報提供なりという部分等少し整理して、詳しいことは制度委員会に出すとしても、その辺を分けて少し議論しないと話が混乱している。
 それからもう一つは、ポテンシャル技術として100%ということはある意味では供給ベースでは100%に2010年に成り得るかもしれない。要するに、新規に出すものはそうするということになっても、先ほど来あった普及率という問題は100%にはまずあり得ないわけですから、その辺のポテンシャルを議論をしているのか、それを2010年までにどこまでいくんだという議論をしているのかというのを少し整理しないと、話が混乱しているような気がするので、それはぜひ整理をお願いしたいと思います。

○西岡委員長 どうもありがとうございます。
 きょうは、最初の委員会のケーススタディということで皆さんにいろいろ言っていただこうということで活発な議論が出たと思っております。
 当初、我々の作業のベースラインは技術的な点、あるいはコストを突き詰めるというところにあると思いますし、私の今の意見ではそれはそれでキープしようというぐあいに考えております。しかしながら、多くの意見が、それも大切だけれども、それをどう普及させるか、それをどうポテンシャルとして考えるかといったことにあったかと思います。私、これから10年、2012年が一番最後で10年ありますから、前の10年1990年を思い出していただくと、かなりいろいろな面で技術的だけじゃなくて、社会的システムとしても変わってきたところあるし、またそれがだんだんと効果を発揮してきたなというぐあいに考えます。そうしすまと、結構個別の技術進歩だけでなく、それをバックアップする周囲の社会的システムというのも結構きくんじゃないかなという気もいたします。そうやって考えてみると、作業の方は大変かもしれませんけれども、個別技術ということをコアにして、それを推進するための種々のインフラストラクチャー、考え方、制度、政策等についてもこの中でかなり書き込んでおく、そしてそれを考慮しながらポテンシャルというのを考慮していくということになるんじゃないかと思います。
 今、幾つか出ましたご意見に対して事務局の方で何か回答ございましょうか。

○調整官 今、西岡委員長がおまとめいただいた方向に沿って、どこまでできるかわかりませんけれども、2010年、約10年間ということを見据えて今何ができるかということをベースにして、技術、コスト、さらに社会システム的な面をどういうふうに整理するか、ご指摘を踏まえてもう一回検討してみたいと思います。

○西岡委員長 それでは、時間もございませんので、この案件につきましてはこれで終了したいと思います。
 続きまして、もう一つ議題がございますが、これは多分いささか時間切れになると思いますが、非エネルギー起源二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素に係る現行施策の評価と今後の削減ポテンシャルについてということでご審議をいただきたいと思いますが、まず事務局の方からご説明いただきたいと思います。

○調整官 それでは、資料3に沿ってご説明をいたします。
 同じように、最初のページに概要という1枚紙を用意してありますので、これをまずごらんいただきたいと思います。
 まず、現状と現行施策の評価でありますけれども、最初のパラグラフ、1998年度の非エネルギー起源CO2排出量は90年比で9%増加ということでございますが、廃棄物のさまざまな取り組みによりまして、2010年には90年度比でマイナス4%の削減ができるという見通しでございます。
 また、メタンにつきましては、98年は90年比で、11%減少しておりますけれども、廃棄物の取り組み、それから下水処理の高度化、家畜の生産性改善などによって15%まで削減できるという見通しでございます。
 それからN2Oは90年度比で17%増加しておりますけれども、アジピン酸の製造過程での排出抑制、それから廃棄物、下水処理での取り組みによりまして、2010年にはマイナス13%まで削減できるということであります。
 今後の削減ポテンシャルと主要課題といたしまして、廃棄物の分野ではそもそも廃棄物の発生抑制、有効利用、それから水質保全等の目的で対策を実施してきています。これらはすべてではありませんが、温暖化対策と両立するものが多いわけですので、そういうメリットを生かしながら普及を進めていくということになります。ただし、適正処理の観点からは最終処分場の延命化を含めて、なるべく減量化する必要がありますので、焼却処理の推進が大きな方向としてあるわけですけれども、温暖化対策の観点からは廃プラスチックについてもなるべく焼却量を削減した方がいいわけです。こういった面もありますので、それぞれどういう対策が最もいいかを総合的に検討する必要があるだろうということを書いております。
 それから、対策・技術の中には廃プラの高炉利用、廃棄物発電・排熱利用のように間接的に温室効果ガスを削減できるものがあります。事実、こういうものを検討対象にしていますが、これらの間接的な効果をどの部門の効果とするかということについて、まだ十分議論が収束しておりませんので、それを検討する必要がある。そのことがひいては、間接的な効果がある対策をさらに推し進めることになるということを書かせていただいております。
 次に、2ページ以降の説明に移りたいと思います。
 まず非エネルギー起源CO2の排出量は90年比で9%増加でございます。2ページのグラフごらんいただきますと、1996年をピークに97年、98年は減っておりますが、その上の説明にもありますように、セメント製造時のCO2の排出量が減ったことがきいているということがわかります。
 それから、メタンの排出量は90年度比で11%減少ということで、排出発生源としては2ページの下の方に書いてあるようなものが考えられるということでございます。
 3ページにはそのグラフが掲載されております。
 次に、一酸化二窒素は90年度比で見ますと10%増加しております。発生源は、工業プロセス、農・畜産系、それから燃料の燃焼に伴うものがありまして、中でもエネルギー由来のもの、廃棄物の焼却が増加に大きく寄与していることがわかります。工業プロセスは98年度は減っておりますし、99年以降はさらに減ることが予想されております。
 4ページ、他部門との関係ということで、さまざまなルートを通じてのやりとりがありますので、そういうところも十分見ながら、この部門の削減のあり方を検討する必要があるということを述べております。
 5ページから要因分析と現行の対策についての評価でありまして、まず農業・畜産部門では90年度比で98年度はメタン、一酸化二窒素の合計でありますけれども、約8%ぐらい減少していることが紹介されております。
 また、その下には有機性資源の循環利用推進協議会の設置や、家畜排せつ物についての法律が制定されて、さまざまな取り組みが始まりつつあるということを紹介しております。
 6ページの廃棄物部門でありますけれども、統計値は96年度のデータですので少し古いのですけれども、焼却量としてはふえているということを紹介しております。
 また、下の表ではダイオキシン対策、また食品リサイクル法等による再資源化などの取り組みがなされつつあるという紹介をしております。
 7ページには工業プロセス部門ということで、CO2に関しては先ほど言いましたように、セメント製造時の排出量がセメント需要の落ち込みによって減少したということであります。
 それから、N2Oにつきましてはアジピン酸製造時に発生するN2Oの回収・破壊、これが99年度に実際に導入されましたので、その効果が今後大きくきいてくる、約9割が回収・破壊されるということでありますので、工業プロセスとしてはN2Oが非常に大きく削減できるものと期待されております。
 8ページは、2010年の排出量の予測であります。非エネルギーのCO2の2010年排出量は90年度比で96%ということで、これは大綱策定時の見通しよりも下回るという結果になっておりまして、セメント製造時の排出等の減少が大きく寄与しているところです。
 それから、メタンの排出量は90年度比で15%減少ではありますけれども、大綱策定時の22%減少という目標までは達していません。理由としては、廃棄物のリサイクル促進で埋立量そのものは減っていくわけでありますけれども、メタンの発生には時間的なずれがありますので、2010年にはまだその効果が顕在化していないということでございます。
 9ページは、一酸化二窒素の排出量、これは13%減少になると見込まれますが、大綱時の見通しに比べると、まだもう少し削減が必要だという状況であります。これは、先ほど申し上げましたアジピン酸の製造に伴うN2Oの回収で大きく削減されるけれども、それ以外にはまだまだ十分に削減がされていないということによるものです。
 10ページには大綱で示された個々の技術との比較を示しております。非エネルギー起源CO2では、廃プラの発生抑制・リサイクルの推進、それからCO2排出量の少ない混合セメントの利用拡大によって、削減量がかなり見込まれるということになっております。
 一方、メタン等のさまざまな取り組みがありますけれども、先ほど申し上げましたように廃棄物の埋立に関して時間的なずれがございますので、まだ効果が顕在化しない。
 それから、一酸化二窒素につきましては、工業プロセスでの対策は進むが、それ以外のものはまだまだ効果を上げていないということが、大綱時の個々の技術の比較で言えるのはないかということでございます。
 11ページから削減ポテンシャルであります。中ほどの図をごらんいただきまして、2つの数字がありますけれども、左側が低位水準、右側高位水準ということで、幅で示しております。ポテンシャルの大きいものを上げますと、混合セメント等の利用拡大であるとか、家畜の糞尿処理、これは低位と高位でかなり幅があります。焼却に伴う排出量をリサイクル等で削減をする。また、稲作での水の管理方法の変更による削減などが大きなところだというふうになっております。
 12ページのコスト-ポテンシャルの評価ということで、これも業種別に挙げております。ポテンシャルにつきましては、表5にありますように、家畜の消化管内の発酵から施肥に至るまでのポテンシャルと、費用対効果でこのぐらいになるということです。これも、先ほどの民生と同じように個々の対策技術シートから拾い上げた数字でございます。
 13ページには同じく廃棄物分野の対策です。これも、埋立、下水処理、焼却それぞれのポテンシャルと対策・技術名、費用対効果に示しています。
 14ページ、工業プロセスでございまして、これはいずれもセメントに関係するのでありまして、高炉セメント、フライアッシュセメント、混合セメントの利用拡大、これはまだ費用対効果の計算が載っておりません。それから、エコセメントの利用拡大によるポテンシャル等の効果はここに挙げられているとおりでございます。
 15ページからは、こういう技術の導入に当たっての課題と必要な対策手法ということで、農業分野では表に示したようなことでございまして、ポテンシャルとしてはかなりあるわけでありますけれども、こういうことを普及するための、啓発も必要ですが、導入に向けてのさまざまなインセンティブが必要であるといったことが紹介されています。
 続きまして、廃棄物の分野でもさまざまな対策によるポテンシャルがあります。これは流通・小売業者や消費者というさまざまな関係者の協力が得られることが必要になってまいりますので、関係者への普及啓発と協力を得るための施策の準備が必要になってくるということであります。また、先ほど申し上げましたけれども、廃棄物の処理対策と両立するものがあればそうでないものもあるので、そこはどういうふうに総合的に考えていくかということが課題として挙げられます。
 17ページ、工業プロセスの分野、これは先ほどのセメントの関係でありますけれども、個々の技術面での課題が残されておりますので、その解決のための技術確立、そして普及啓発が必要だということを述べさせていただいております。
 それから8番の推計上の課題とコスト評価の課題・留意点のところには、ここでも一定の割り切りをいたしましたということを書かせていただいております。
 ちょっと、はしょって申しわけございません。18、19、20ページは先ほどと同じように対策と効果の関係を表した図でございます。
 21ページは先ほどと同じコード表でございます。
 22ページ以降は、対策技術シートで、削減ポテンシャル、コスト評価での計算過程でおいた条件、こういったものも含めた形で載せてあります。さらに、課題、対策手法もなるべく対策技術ごとに挙げられるものは可能な限り挙げたものでございますので、ごらんいただければと思います。
 以上で、資料3の説明を終わらせていただきます。

○西岡委員長 それでは、続けて資料4の方で簡潔にお願いいたします。

○地球温暖化対策課長 同じく欧州委員会の方でメタンにつきまして、経済性の評価されております。
 7ページのところは、化石燃料の精製・輸送・分配からのメタンの削減量とそのコストでございます。やり方は先ほどの民生のCO2と全く同じでございまして、コストの安いものから順番に並んでおります。
 それが8ページでは、90年と比較してどこまでコストごとの段階において下げることができるかということで、最終的には95が27まで下げることができるというのが化石燃料の限界になろうかと思います。
 それから、廃棄物からのメタンの削減につきましては、10ページのところに同じく削減コストが対策ごとに出ております。そのグラフが11ページにございまして、90年と比較して100.4まで下げることができるということです。
 13ページでございますが、農業部門のメタン、N2Oということでありまして、同じように腸内発酵から始まって、さまざまな対策ごとのものが掲載されております。その結果が14ページでございまして417から354に下げることができるということでございます。
 
 以上です。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 それでは、これまでと同じように、この疑問についても皆さんのご意見を一通りお伺いしたいと思います。時間が押してきまして、予定時間まであと10分強しかございませんが、ちょっと無理かもしれませんがやりましょう。どうですかご意見。
渡辺委員。

○渡辺委員 埋立地から出るメタンについてなんですが、EUの方に入っていて私どもの方に入ってないのが埋立地のガスの回収して燃焼させるという部分なんです。この議論の多分以前の委員会で私自身がちょっと失念していたこともあって、ここに出てこなかったんてすが、これは私非常に有望な技術だと思うんです。日本の場合、私の感覚的なあれですが、東京湾の埋立地から出るメタンが多分全体の半分とか3分の1とか非常に大きな量になっているんじゃないかなと。ほかのところは意外と少ないかなという気がするんです。ですから、既に東京都は一部回収して焼却なんかもしているんですが、これをもうちょっと定量化してきちんとこの中に入れたらいかがかなと今考えております。

○西岡委員長 水谷委員。

○水谷委員 ご確認のようなコメントばかりで申しわけないんですが、資料3の17ページ、コスト評価の課題・留意点というところで、こういう割り切りをしましたよということで、対策技術を導入したことによるプラスの経済効果については、一定に無視した部分がありますというようなこととか、あるいは追加的なコストという面が明確に分離できない部分は、本体部分とあわせてと書いてありますが、これはこの点についてはこういう割り切りもあり得るかとは思うんですけれども、ただし部門ごとに統一した方がいいということは間違いないだろうということだと思います。そういう関係で、さきの民生部門に少し戻ってしまうんですが、民生部門はどうだったんだろうかと。つまり、民生部門で技術の導入コストのところについて、ちょっとご確認したいんですが、例えば導入コストは非常に高いんだけれども、エネルギーコストの削減効果も高いという技術については、導入コストからちゃんとエネルギーコストの削減額というものを引いているんだろうかと。引いていないと、そもそも資料1の4ページの裏のようなマイナスになるようなコストポテンシャルなんか出てこないわけです。だから、引いていらっしゃるとは思うんですけれども、その点は統一性との関連でご質問というか、コメントをさせていただきたいと思います。。

○西岡委員長 今の件だけについて何か。

○補佐 資料1の4ページに先生ご指摘のようにマイナスの費用、当然ながら省エネ効果等のあるものについては、こういうマイナスの費用の結果になるわけでありますけれども、ちょっと時間が短かった関係で我々の方も準備が不十分だったんですが、シートの方が追加費用を算定することになっていまして、ちょっとお願いしている委託先のコンサルの方で追加費用ということなので、少なくともゼロ以上になるということで、その辺がちょっと意思の疎通が十分にできなかった関係で、その辺は改善して統一したいと思っております。

○西岡委員長 藤井委員。

○藤井委員 1点だけ廃棄物の取り扱いなんですが、特に一般廃棄物のプラスチックの回収の省エネポテンシャル、あるいはCO2削減ポテンシャルというのは産業部門でやっているとかなり大きいということがわかったんですが、これについては割と保守的なシナリオしか描かれていなくて、排出抑制だけというふうに書いてあるんですけれども、リサイクルというんでしょうか、還元材料の利用ということだけじゃなくて、焼却も含めて混合セメントの場合には還元材料として位置づけられているのでいいわけですが、セメント利用の場合には燃料ですので、今セメント会社がこういうふうに簡単に受け入れる状況じゃないわけで、容器包装リサイクル法の話を少しCO2削減にうまく結びつけるような技術対策とその制度の話を書いておく必要があるのではないかという気がいたします。そのポテンシャルはかなり大きいのではないかというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

○西岡委員長 ほかにどうでしょうか。
 では、事務局の方で今のご意見に対してお願いします。

○調整官 渡辺委員と藤井委員からご指摘いただきました件につきましては、もう少し整理してポテンシャルの中中につけ加えていくようにしていきたいと思っております。
 それから、コストの評価につきましては、部門別でもまた部門間でも非常に複雑な要因がありまして、なかなか最適な方法が見出せなかったのですが、なるべく統一した方針で出せるようにしていきたいと思っております。

 以上です。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 それでは、よろしゅうございますか。
 再度申し上げますけれども、十分な資料がまずそろっておらない。それから時間が足りないということで、また後ほどこの検討があるかと思います。
 それでは、一応この課題につきましての討論をこれで終わらせていただきまして、次の議題ですが、もう一つお手元に参考資料といたしまして、次の議題ですが佐土原委員の方から日本全国の地域冷暖房導入可能性と地球環境保全効果に関する調査研究の概要ということでいただいております。佐土原委員の方で何かこの資料についてコメントがございましたらよろしくお願いします。

○佐土原委員 簡単に説明いたしますが、地域冷暖房ということで、産業からの廃熱、あるいはコージェネレーションの熱などを複数の建物で利用するというようなプラントを設置し、配管を敷設するというような施設になるわけですが、こういうものが日本全国でどのくらい普及する可能性があるかということについて検討した、細かい資料は次のページ以降にありますので、時間があれば目を通していただきたいと思います。
 概要が1ページ目に書いてありまして、方法としては今東京都などを中心に136地点、下の図にあるような形で普及が進んできておりますけれども、この東京都で地域冷暖房推進地域というものの抽出条件というのがあって、こういうものを基準にして日本全国の床面積データ、それから再開発、新開発のデータ、集合住宅の更新などを考えて抽出した結果1,302地区というのが抽出されました。そこに、ごみ焼却場や工場からの廃熱、あるいは河川、海水からの熱を利用できるということで、ある距離以下にあるものについてはこういうものを抽出していった結果、7割程度が低温未利用、あるいは高温未利用が使えるというような結果になりました。
 最終的に3番のところにありますように、日本全国で民生用熱需要が原油換算にしますと229万キロリットルの省エネルギーのポテンシャルがあるということで、94年時点の民生用熱需要の3.5%、CO2の削減に関しては178万トンの量が削減できるという結果になったという資料でございます。これは、ポテンシャルということですので、これに今後10年間でどのくらい普及が進むかというようなことを考えて今回のポテンシャルに組み込んでいただければ、産業用などと民生とのまたがった未利用のエネルギーやCO2の削減といった対策のポテンシャルが拾えるのではないかというような資料としてお使えいただければと思います。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 この地域冷暖房をまとめてやるといったのは、前の資料だとどういうぐあいに入っていったんでしたっけ。

○調整官 検討会での検討経緯をちょっとご紹介いたしますと、きょうはお配りしておりませんけれども、佐土原先生がおっしゃったとおり、廃熱の有効利用については一応産業部門の中で検討していただくということで作業をしてきたわけでありますけれども、最終的なポテンシャルとしては、現在のいろいろな状況、産業界での廃熱利用の今後の可能性等を考えた上で、ポテンシャルとして載せるにはさらに議論をする必要があるということで載せなかったという経緯がございます。現状ではどの部門にも入っていませんので、委員ご指摘のとおり、民生と産業にまたがる対策技術として何らかの形で検討する必要があるという問題意識をもって、本日、佐土原先生にご紹介をお願いした次第でございます。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 この地域冷暖房をまとめてやるといったのは、前の資料だとどういうぐあいに入っていったんでしたっけ。

○調整官 検討会での検討経緯をちょっとご紹介いたしますと、きょうはお配りしておりませんけれども、佐土原先生がおっしゃったとおり、廃熱の有効利用については一応産業部門の中で検討していただくということで作業をしてきたわけでありますけれども、最終的なポテンシャルとしては、現在のいろいろな状況、産業界での廃熱利用の今後の可能性等を考えた上で、ポテンシャルとして載せるにはさらに議論をする必要があるということで載せなかったという経緯がございます。現状ではどの部門にも入っていませんので、委員ご指摘のとおり、民生と産業にまたがる対策技術として何らかの形で検討する必要があるという問題意識をもって、本日、佐土原先生にご紹介をお願いした次第でございます。

○西岡委員長 このような総合関係になるようなものでは一つのチャレンジですので、今後の報告書の中にうまくインテグレートしていただきたいと思います。
 今の佐土原委員の参考資料及びご説明に何かございませんか。
               (発言する者なし)

○西岡委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、きょうは民生部門と非エネルギー起源の二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素に係る現行施策の評価と今後の削減ポテンシャルについてご審議いただきましたけれども、本日の各委員からのご指摘も踏まえて、次回の国内制度小委員会に報告することにしたいと考えておりますが、これで大体時間もぎりぎりですので、次回お手元の今目標達成シナリオ小委員会の出欠確認表を必ず出していっていただきたいんですけれども、第3回は4月26日になりますが、ここではたしか運輸の関係、これはどこで何をやるかというのはどうなっているんですか。

○調整官 次回は、運輸部門とHFC等の3ガスについてご審議をいただきたいと思っております。その次の5月10日が産業部門とエネルギー転換部門です。その後の5月31日、6月14日、それ以降は未定でございますけれども、部門別にいただいたご指摘を取りまとめるような方向でご審議をいただきたいと思っております。これは、また委員の方々にご相談しなければいけませんが、場合によっては主な業界、もしくは各部門について学識経験者の方においでいただいて、少し議論に加わっていただくような場を第5回目以降用意することも、今後の進捗状況に応じてご相談させていただきたいと思っております。

○西岡委員長 きょうの議論で私が感じましたのは、ちょっと急いでやってますので、作業自身が最初に言いましたようにまだ進んでおらなくて、これをどう並行してさらに進めていくかということがあるかと思います。
 このあと2回で一通り運輸から産業全部やるわけで、その審議を終えた後、もう一度多分それを見直して詰めていく必要があります。そのためには、きょう皆さんに出していただいたご意見をなるべく早めに盛り込んでおいて、その次でまたもとのところで引っ掛かるようなことがないような作業の仕方をやっていただきたいと思っております。また、先ほど私の方で申し上げましたように、まだ中途のものでございますけれども、国内制度小委員会の方にも同時に並行して報告し、そしてまた向こうでもこういう検討をしてもらいたいという話があるかもしれませんが、そういうフィードバックを続けていきながら、ここ数回やっていきたいというぐあいに考えております。
 以上のような、今後の進め方を考えておりますけれども、そのことも含めまして何かご意見ございましょうか。水谷委員。

○水谷委員 ここでの時間は限られておりますので、私も本日の資料を含めてもう一度読み直したいと思います。そのコメント等は文書の形で事務局の方に提出させていただきたいと思うんですが、この場でご了承いただければと思います。

○西岡委員長 非常にありがたい話でございまして、また事務局の方も個別に委員の方にお願いして精査することもあるかと思いますのでよろしくお願いいたします。

○内山委員 ちょっと確認したいんですが、きょう皆さん方で議論した結果を踏まえた資料というのはいつごろまた提出されるんでしょうか。

○調整官 先ほど委員長からのご指示もありましたので早めにきょうのご指摘の意見を盛り込んだ形のものを用意させていただきたいと思っております。いつ出すかというのはまだ我々としても具体的な計画を持っておりませんけれども、なるべく早く民生と非エネルギーにつきましては、修正版の形で委員の皆様にごらんいただくというように作業を進めていきたいと思います。

○内山委員 その場合、できれば委員会の前にメールかなんかで送られた方がここでの議論が効率的じゃないかと思いますのでお願いします。

○西岡委員長 おっしゃるとおりだと思います。これは作業の方の関係で難しい点もあるんですけれども、ぜひ前もって一度目を通す時間がないと、せっかくのこの審議の時間がむだになりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 ほかにございますか。

(発言する者なし)

○西岡委員長 それでは、本日のシナリオ小委員会をこれで終わりたいと思っております。
 次回は4月26日でございますので、よろしくご出席、ご審議いただきたいと思います。 どうもありがとうございました。

午後零時10分閉会