中央環境審議会地球環境部会2020年以降の地球温暖化対策検討小委員会・産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会約束草案検討ワーキンググループ合同会合(第2回)議事録

○小見山環境経済室長  定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会2020年以降の地球温暖化対策検討小委員会、産業構造審議会約束草案検討ワーキンググループの合同専門家会合を開催いたします。

 私は、事務局の経済産業省環境経済室長の小見山でございます。よろしくお願いいたします。

 本日は、まだおそろいでない方がいらっしゃいますが、委員総数の過半数の委員にご出席いただいておりますので定足数に達しております。

 本日の審議は公開とさせていただきます。

 まず配付資料の確認でございますが、資料のホッチキスをほどいていただきまして配付資料一覧でございますが、まず資料1が中環審メンバーの委員名簿でございます。

 資料2、産構審側の委員名簿。

 資料3、気候変動に関する政府間パネル第5次評価報告書の公表について。

 資料4、横長のパワーポイントでございますが、代替フロン等4ガスの削減対策。

 資料5、これも横長のパワーポイントでございますが、廃棄物分野における地球温暖化対策。

 資料6、低炭素社会実行計画について。

 資料7、鉄鋼連盟の資料。

 資料8、日化協の資料。

 資料9、製紙連の資料。

 資料10、セメント協会の資料。

 資料11が電機・電子業界の資料。

 資料12が自動車工業会、車体工業会の資料ということになってございます。

 あと参考資料1から4がついているということでございます。

 資料の不足がございましたら、あとでも結構ですので、事務局までお申しつけください。

 それでは、早速議事に移りたいと存じます。

 以降の議事進行は、産業構造審議会約束草案検討ワーキンググループの山地座長にお願いしたいと思います。

○山地座長  夕方5時からということでございますが、よろしくお願いいたします。

 前回は、中環審側の浅野先生が司会されましたので、今回は産構審側の私が司会を務めさせていただきます。

 今回、関係省庁、それから、関係業界の方の説明を受けつつ、具体的な対策、施策の検討を進めてまいりたいと思います。

 議事次第にありますように、本日の議題は、IPCC第5次評価報告書統合報告書について、次が非エネルギー起源の温室効果ガス削減対策について、3番目が低炭素社会実行計画についてでございます。

 まず1番目と2番目の議題に関する資料、これが資料3から5でありますが、事務局から続けて説明していただき、その後、ご発言をご希望される委員からご質問とかご意見をお伺いしたいと思います。

 ではまず最初に、環境省さんから資料3、IPCC第5次評価報告の統合報告書について説明をお願いします。

○小見山環境経済室長  ここでテレビカメラの方、退出していただければと思います。よろしくお願いします。

○竹本研究調査室長  環境省研究調査室長の竹本と申します。

 資料3とあと参考資料2も参考につけさせていただいております。IPCCの第5次評価報告書統合報告書の公表についてでございます。

この会議は第40回総会でございますけれども、10月27日から31日、デンマーク・コペンハーゲンにおいて開催されました。そして評価報告書統合報告書の政策決定者向け要約、SPMが承認・公表されるとともに、統合報告書の本体が採択されました。

 参考資料2は、そのSPMをつけさせていただいております。

 この統合報告は、昨年9月に公表された第1作業部会報告書、自然科学的根拠、本年3月に公表された第2作業部会報告書、影響・適応・脆弱性、4月に公表された第3作業部会報告書、緩和及び関連する特別報告書の内容を横断的にとりまとめたものでございます。この報告書では、人為的な温室効果ガスの排出による気候変動の現状及び今後の見通しについての最新の知見が参加国のコンセンサスでとりまとめられておりまして、今後の温暖化の国際、国内の政策に活用されていくものと考えております。

 めくっていただきまして2ページ目でございますけれども、一番上のパラにございますように、120カ国から600名が出席しておりまして、我が国からは文部科学省、経済産業省、気象庁、環境省などから計17名が出席しております。

 続きまして3ページ以降は別紙でございます。

 こちらはサマリー、SPMのヘッドラインを翻訳してまとめてきたものでございます。時間がございませんので重要なところだけ申し上げたいと思います。

 まず観測された変化及びその要因でございますけれども、気候システムに対する人間の影響は明瞭であり、近年の人為起源の温室効果ガスの排出量は史上最高となっている。

 続きまして気候システムの観測された変化。

気候システムの温暖化には疑う余地がないというふうに断定しております。

 続きまして気候変動の原因でございますが、最後のセンテンス、この人為起源の温室効果ガスの排出で、この効果は他の人為的要因と併せ、気候システムの全要素において検出されており、20世紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な原因であった可能性が極めて高いと書かれております。

 続きまして気候変動の影響につきましては、ここ数十年、気候変動はすべての大陸と海洋にわたり、自然及び人間システムに影響を与えている。

 一番下のSPM2をごらんいただきたいのですけれども、最後の2行、気候変動を抑制する場合には、温室効果ガスの排出を大幅かつ持続的に削減する必要があり、排出削減と適応を合わせて実施することによって、気候変動のリスクが抑制されることとなる。

 次の4ページをごらんいただきます。

 SPM2.1、将来の気候の主要な駆動要因。

 二酸化炭素の累積排出量によって、21世紀後半及びその後の世界平均の地表面の温暖化の大部分が決定づけられる。この累積排出量と温暖化の関係につきましては、第1作業部会で出てきた今回の新しい知見でございます。

 続きまして将来の気候システムの変化。

 地上気温は、評価されたすべての排出シナリオにおいて、21世紀にわたって上昇すると予測されている。多くの地域で、熱波はより頻繁に発生し、またより長く続き、極端な降水がより強く、またより頻繁となる可能性が非常に高いとしています。

 続きまして、2つとばしてSPMの3でございます。

 適応、緩和、持続可能な開発に向けた将来経路でございます。

 適応と緩和は気候変動のリスクを低減し、管理するための相互補完的な戦略であるということが示されております。

 1つとばしましてSPM3.2、緩和及び適応によって低減される気候変動リスク。

 現行を上回る追加的な緩和努力がないと、たとえ適応があったとしても、21世紀末までの温暖化は深刻で広範にわたる不可逆的な世界規模の影響に至るリスクが高いレベルから非常に高いレベルに達するであろう、高い確信度と書かれております。

 めくっていただきましてSPM3.3、適応経路の特徴でございます。

 適応は気候変動影響のリスクを低減できるが、特に気候変動の程度がより大きく、速度がより速い場合には、その有効性には限界がある。

 次が3.4でございます。緩和経路の特徴。これが今回の統合報告のハイライトであると考えております。

工業化以前と比べた温暖化を2°C未満に抑制する可能性が高い緩和経路は複数ある。これらの経路の場合には、CO及びその他の長寿命の温室効果ガスについて、今後、数十年間にわたり大幅に排出を削減し、21世紀末までに排出をほぼゼロにすることを要するであろう。そのような排出の実施は、かなりの技術的、経済的、社会的、制度的課題を提起し、それら課題は、追加的緩和の遅延や鍵となる技術が利用できない場合に増大すると記されております。

3つとばしましてSPM4.3でございます。緩和のための対応の選択肢。

緩和の選択肢は、各主要部門で利用可能である。緩和はエネルギー使用及び最終消費部門の温室効果ガス排出強度の低減、エネルギー供給の脱炭素化、土地利用部門での正味の排出量の削減及び炭素吸収源の強化といった対策を組み合わせる統合されたアプローチを用いた場合、費用対効果が高くなり得るとされております。

最後に9ページに図が掲載されております。SPM10という図でございますが、これはこれまでの3つの作業部会の3つの成果を組み合わせたものでございます。(A)は第2作業部会、温度の上昇とそのリスクの関係を示したもの、(B)が第1作業部会で公表された二酸化炭素累積排出量と気温の上昇の関係、(C)が第3作業部会で公表された安定化レベル、濃度と2050年までの排出削減量の関係を示したものでございまして、これを見ることで気候のリスク、気温上昇と直近の2050年までの排出削減量がリンクをされました。

例えば2°Cの上昇幅、ちょっと図が日本語を超えたことで消えておりますが、世界平均気温の世というところが2°Cになります。この場合、450ppm近辺で安定化をしなければいけないということが大体わかります。これに相当する累積排出量が2.9兆トンということでございます。この場合、2050年までに2010年比50%削減をしなければいけないということでつながっておりますので、逆にこれがベースラインということになりますと50%プラスになり、1000ppm以上のレベルになり、4°C気温が上昇するということが一目でわかるようになった。こういった知見が統合することでより明確に理解できるということでございます。

以上でございます。

○山地座長  ありがとうございました。

それでは、続いて議題(2)のほうに移りますが、まず資料4について環境省と経済産業省から、資料5については環境省からご説明をお願いいたします。

まず資料4の説明を環境省さんからお願いいたします。

○熊倉フロン等対策推進室長  環境省フロン等対策推進室長の熊倉でございます。

 私からは資料4に沿いまして、代替フロン等4ガスの対策についてご説明をいたします。

 最初のページでございますが、これまで代替フロン等の3ガス、HFC、PFC、SF6につきましては、産業界による自主行動計画に基づく取り組み、フロン回収・破壊法等の法令に基づく冷凍空調機器等に使用されるフロン類の回収・破壊について取り組んでまいりました。これらの取り組みによりまして、京都議定書第一約束期間における平均排出量は約2400万トンと基準年比約53%減となりまして、目標を達成しております。

 次のページでございますが、しかし、オゾン層破壊効果を有する特定フロンの排出削減に伴いまして、冷凍・空調機器分野においてHFCへの代替が進み、温室効果ガスの市中ストックが増加傾向にございます。市中ストックの増加に伴い、追加対策を講じない場合、2020年における代替フロン等3ガスの排出量は現在の約2倍程度となると懸念がされます。

 次のページをおめくりください。

 また、フロン回収・破壊法等に基づく回収につきましても、グラフのとおり、回収量は増えてはございますが、回収率は3割程度にとどまっております。また、機器の使用中の排出が想定以上になっておりまして、追加対策を講じる必要があると考えたところでございます。

 次のページは、これは機器の種類別の排出量を参考までにお示ししたものでございます。

 次の6ページをお願いいたします。

 今、申し上げました課題を解決するために、昨年6月にフロン回収・破壊法を抜本的に改正いたしまして、フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律と名称を改めました。本資料では略称としてフロン排出抑制法と言っております。

 この法改正によりまして、従来は回収と破壊のみの義務付けだったものが、フロンの製造・輸入、フロン使用機器の製造・輸入、それから、フロン使用機器の使用の段階も規制の対象といたしました。また、回収業者を充填回収業者と改めまして、充填基準を設けることにいたしました。加えまして、新たに再生業という業を創設いたしまして、回収したフロンを破壊だけではなくて、再生をして、新規の製造量の削減にも資することにいたしました。

 このようにフロンのライフサイクル全体をカバーする法体系として総合的な施策を推進していくということにしたいと考えてございます。

 次の7ページでございます。フロン排出抑制法に基づき、制定予定の告示の内容でございます。

 目指すべき姿としてフロン類の段階的な削減を着実に進め、フロン類を中長期的には廃絶することを目指すとしております。本法に基づく対策による削減見込みといたしまして、BAU比で3割、6割の削減を考えてございます。

 次のページはフロン類を製造・輸入する事業者に対して国が判断基準を示し、製造・輸入するフロン類の低GWP化・フロン類以外の代替等を求めるという取り組みでございます。

 その次のページに判断基準の方で示します製造・輸入量の削減の見通しというものでございます。具体的数値で示すことにしてございます。

 次の10ページはフロン類使用製品の製造業者等に求める取り組みでありまして、ノンフロン、低GWP化について国が対象となる製品を指定し、その製品の製造・輸入業者に対して温室効果低減のための目標値、目標年度を定めて製造・輸入業者それぞれに出荷する製品区分ごとに加重平均したGWP値で目標達成を求めるという制度でございます。

 次の11ページが具体的なノンフロン、低GWP化のために、こういう冷媒等に変えていくのだという方向性を示したものでございます。

 その次の12ページでございます。第一段で指定する予定の製品の種類と目標値、目標年度でございます。

 続きまして13ページでございます。こちらは機器のユーザーに求める取り組みでございます。

 業務用冷凍空調機器からの使用時の漏えいが課題でございますが、それを防止するため、ユーザーに対して機器の管理にかかる判断の基準を示しまして、定期的な点検や、フロン類の漏えい時の修理、繰り返し充填の防止などを求めることにしてございます。

 次のページでございますが、管理者に対しては漏えい量が一定量以上、具体的には年間1000トン-CO以上ある場合には国に報告を求め、国が集計し、その事業者ごとの数値を公表する制度を導入いたします。

 次の15ページでございますが、管理者の取り組みの裏腹としまして、フロン類の充填を行う業につきまして、都道府県知事に業登録をし、整備不良のまま繰り返し充填することの禁止など充填に関する基準の遵守を求めることにいたします。

 次の16ページでございます。

 今まで申し上げた内容は、中環審、産構審の合同会議でのご審議を経まして、パブコメも終了してございます。政省令告示として年内に公布して来年4月から施行する予定でございます。

 代替フロン等対策については、当面はこのフロン排出抑制法に基づく規制措置、それから、今日は触れませんでしたが、様々な財政的支援措置によって強力に推し進めてまいりたいと考えてございます。

 以上で私からの説明は終わります。

○大木オゾン層保護等推進室長  続きまして経済産業省より補足的な説明をさせていただきます。

 フロンの対策について、不案内の方もいらっしゃるかと思いますので簡単に紹介しますと、フロンは大気中に放出されますと、COに比べて100倍から数万倍の温室効果を有するということで、大気中に放出させないということがポイントになります。

 その排出源というのは今、紹介がありましたけれども、大きくは3つありまして、まず工場、フロンのガスをつくる工場、そしてそれをエアコンなんかに充填する工場、そしてもう1つがエアコンなどを使う使用段階、そこからスローリーフというのがあるわけです。最後は機器を廃棄する段階、ここは今紹介がありましたけれども、回収・破壊をしなければ大気中に放出されてしまう。この3つがあります。

 これまでの対策というのは、京都議定書の第一約束期間で、こちらを大きく履行している1つのポイントになりましたけれども、工場のフロンの排出というのを産業界の自主行動計画によって達成し得たということが歴史になっています。

 そして今後のフロン対策は、今紹介がありましたけれども、市中にこれから代替フロンというのがふえていく、HFC、温室効果の高いものがふえていくという時代になってきますので、工場から民生、業務用、そういったところにシフトしていかなければいけないということでこの法律ができたということです。

 本法の規制の対象ですけれども、資料をめくっていただきたいのですが、6ページに全体の概要がありますが、ユーザーのところには、スーパーで使われる緑色のショーケースという絵がありますけれども、その上流のコールドチェーンでいきますと、冷凍漁船ですとか、水揚げ後の冷凍倉庫、冷凍食品工場、それらを結ぶ運搬、そういうところも対象となります。業務用の冷凍空調を使う医療、介護法人ももちろんそうですし、学校法人、中央省庁や地方自治体の施設も対象になります。

 こういったものを踏まえまして、これから約束草案の数字を定めていくわけですけれども、今日、紹介があった7ページの試算の数字ですけれども、こちらについては今後、数字として計算していかなければいけない。具体的にはIPCCの5次報告のベースに変えていかなければいけないということですとか今後再計算がが必要になります。

 それと次の9ページで幾つかBAUという言葉で数字がありますけれども、こちらはガスメーカーが生産をする量、輸入する量でありまして、機種からの排出の見通しではありません。

 最後に大きく全体の概要ということで紹介しますけれども、指定製品制度については、今後、紹介がありましたとおり、順次機器のほうがGWPの低いもの、ノンフロンのものに変わっていくということで、機器のほうの入れかえが進んでいって排出抑制が進んでいくということになります。

 一方、ユーザーのほうの取り組み、こちらにつきましては、今後、原則、修理しないと充填できないということになりますので、これを徹底していけば排出量というものは減らすことができると考えています。

 最後に紹介がありましたけれども、回収量のところなんですけれども、こちらにつきましては、回収相当分、こちらのほうをUNFCCCとの関係では、総排出量から引くことができるということになっていますので、こうした対策を全体をすることによってフロンの対策、こちらのほうは大きく数値のほうを削減に寄与できるのではないかと考えています。

 以上です。

○山本廃棄物・リサイクル対策部企画課長 それでは、引き続きまして、廃棄物・リサイクル対策部企画課長の山本でございますが、資料5に基づきまして、廃棄物分野における温暖化対策のご説明をいたします。

 めくっていただきまして全体の排出量のところですが、円グラフにありますように、廃棄物分野では全体の2.6%というところであります。第一約束期間でみますと、基準年をマイナス4.6%下回るという形で一定の貢献をしているところでございます。

 次のページのところですが、廃棄物分野における温暖化対策の位置付けということで、循環型社会の形成ということが大きな目標ですが、そこに温暖化対策を総合的に取り組んでやるということで、廃棄物処理法に基づく方針、あるいは循環基本法の基本計画、それから、施設整備の5カ年計画であります廃棄物処理施設の整備計画の中にもきちんとそのあたりを位置付けて総合的な取り組みを実施しております。

 次の4ページ目のところに対策の進捗と評価というところですが、こちらに廃棄物発電等によりますエネ起COに資する部分と、それから、廃棄物処理そのもので焼却に伴う非エネ起COの排出、あるいは処分場からのメタンの排出、あるいは焼却に伴うNOの排出といったところで具体の目標を設定をして取り組んでおりますが、一番右側のところに評価と書いてありますように、大体目標を達成する形でいっております。一部容リプラの分別の見込量が下回ったというようなこともありますけれども、全体としては目標設定したところに沿って進捗をした。今回、これを踏まえまして、さらに深堀りできるところはしっかり深堀りしていこうということでございます。

 5ページ目はIPCCの第5次評価報告書における廃棄物分野の評価というところですが、特に廃棄物そのもの処理からの排出ということだけではなくて、ここに書いてありますように、廃棄物のリサイクル、利用促進を通じまして資源や化石燃料の需要の削減という効果もありますし、減らすことそのもので廃棄物処理から出てくる温室効果ガスも削減できるということで、ここのピラミッドにありますように、いわゆる排出の削減のところ、あるいはリユース、あるいはリサイクル、こういった優先順位に沿ってしっかりやっていくことが重要ということがうたわれてございます。

 次の6ページ目のところが廃棄物分野での温暖化対策の考え方ということですが、こちらは最初の箱囲みの中に書いてありますように、インベントリ上で計上されている廃棄物分野というだけではなくて、ごみ発電によるエネ起COへの貢献といったことも含めて総合的に取り組んでいきたいと考えております。

 大きくはここの下にあります4つの箱にカテゴリーが分けられると思いますが、これらの箱の書いてある中身をしっかりやっていくということで取り組んでいきたい。大きくは排出抑制とかリユースの部分、それから、2つ目の箱にあります処理プロセスそのものからの排出抑制ということと、リサイクルの推進、それから、エネルギーとしての活用、こういう4つのカテゴリーでしっかりやっていこうということであります。

 次のページに数値目標を今後どう設定いくのかというところの考え方を書いてありますが、こちら大きくは排出抑制のところは、今のところ、ここは例えばと書いてありますように、現時点で目標が決められるであろうということで、具体的にもう数値設定について検討を深めているところということであります。

 これ以外にも、今はちょうどプラスチックの容器包装のリサイクルに関しては制度的な見直しもしておりますので、そういった中でしっかりと取り組んでいこうということですが、現時点で数値の目標を設定しようとしている分野としてここにあげているものが具体的にあります。排出抑制のごみの有料化によるものも今回新たにつけ加えております。

 それから、埋立処分場から出てくるものもしっかり抑えていこうということで、有機物の直接埋め立てをやめるとか、準好気性埋め立てを進めるとか、そういったこと。

 それから、特に力を入れていきたいのが廃棄物発電ということで、一廃、産廃両分野においてしっかりと導入をしていこうということでございます。

 以下8ページ目からはそれぞれ先ほどの4つのカテゴリー分けに沿って具体的にどういう対策を考えているのかということで書いておりますが、これを個別にご紹介をしていると時間がかかりますので、ここではさまざまな計画への位置付けでありますとか、指針ガイドラインの策定でありますとか、施設整備、モデル事業とかの展開でありますとか、あるいは産業界では、全国産業廃棄物連合会には自主行動計画、こういったようなことをそれぞれのカテゴリーごとにしっかりと取り組んでいこうということで今具体的に検討を進めております。それが12ページまで個別の施策ということで書かせていただいておりますが、あと13ページ以降は関連する有料化の実態でありますとか、ごみ発電の実態でありますとか、その辺の参考情報ということであとでごらんいただければと思っております。

 以上でございます。

〇山地座長  ご説明ありがとうございました。

 ただいま説明していただいた議題の(1)と(2)に関することについて、今後、委員の皆さんから自由にご発言いただきたいのですが、それに先立ちまして、先ほど資料4の最後のところにもありましたが、浅野先生は中環審のフロン等対策小委員会の委員長でもあられますので、何かコメントがありましたら最初にお伺いしたいと思います。

〇浅野小委員長  先ほど事務局から説明がありましたように、これまでのように回収・破壊だけではなくて、フロンのメーカーの責任、あるいは製品のメーカーの責任、こういったようなところにまで大きく視野を広げて全体のシステムをきっちりつくろうというのが今回の改正のねらいでございました。

 実際には、しかし、なかなか難しい問題もあるわけです。フロンを全部やめてしまうということは、代替物質がきちっとできてこなければそう簡単にできることではありませんし、フロンがあるおかげで、ある意味では適切に、余りエネルギーをかけないで冷房、暖房ができるというようなことがあるので、その効率が悪くなってしまうと、フロンは消えても、別のところで代替の負荷がかかってしまうということがございますので、そのような点とのバランスを考えなければなかなかこの施策をうまく進めることができないということがございます。

 それから、ガス・メーカーに幾らお願いしても、製品メーカーのほうがちゃんとノンフロン、低フロンのものをつくってくださらないと、ガスメーカーはやはりしようがないという面がありますから、両者の連携が極めて重要だということです。そこでその両方にちゃんとにらみをきかせることができるような制度にしようというのでかなり苦労したわけですが、幸い大変事務局が頑張ってくださいましてここにまで至ることができました。

 この制度がこのとおりちゃんと動いていきますと、できればという目標ではありますが、中長期にはフロン廃絶を目指すというところが実現できるのではないかと期待をしております。

〇山地座長  ありがとうございました。

 それでは、委員の皆さんからご発言をお願いしたいのですが、いつものように名札を立てていただければと思います。できるだけ一通りで回していきたいなと思っておりますので、ご発言をご希望の方は名札を立てていただければと思います。

 今みたところで、従来の慣習ですと、私が司会のときは中環審側から回していくというのを大体やっておりましたので、まずは末吉さんからお願いいたします。

 それと時間管理もありまして、発言は2分半以内でお願いするということになっておりますので、ご協力をよろしくお願いいたします。

〇末吉委員  トップバッターにご指名いただいてありがとうございます。前回、欠席して申しわけありませんでした。

 IPCCの報告に関連してちょっと総括的な意見を申し上げたいと思います。このIPCCの発表を受けた海外メディアはこういっていましたね。世界のトップクラスの科学者が出した最も明瞭な警告である、ウォーニングである。ですから、私はこの最終報告、統合報告書を承認した国の一つとして日本は世界とセンスオブアージェンシー(切迫感)を共有すべきだと思いますし、最低2℃の共有もすべきだと思っております。

 私はこれまでグリーン金融とか、企業の社会的責任でこの問題をみてまいりましたけれども、そこで1、2、申し上げたいことがあります。

 1つは明らかに世界が経済モデルを変えるという動きが始まったわけでございます。個別の企業が何をどうするかという話だけではなくて、いってみればサプライチェーン全体、あるいは消費者、社会、政府、社会の構成員が総体として新しい経済モデルや社会モデルをつくって温暖化対策をとっていく。そうしないとこの問題は解決できない。そういうような非常に大きなとらえ方をしているように私にはみえます。これはOECDがいっているグリーンエコノミーを目指すのだということを聞くまでもありません。ですから、そういった視点をどうもつかですね。

 社会や経済のモデルを変えるということは、それぞれの国の総力戦だと思います。産業界だけが取り組む話でもないし、消費者だけでもないし、家庭だけでもない、あるいは政府の方針だけでもない。ですから、国全体がもっているさまざまな力を最大限引き出していって、どういう社会や経済をこれから日本がつくっていくのか、そういった視点をもってこの議論をすべきだと思っております。

 当然お金のかかる話ですけれども、私の記憶によれば、IEAがエネルギー関連でこれから必要なお金ということでいっておりますが、これまでの従来の延長線上でいっても50兆ドルぐらい2050年までにかかる。こういう再生可能エネルギーとかクリーンエネルギーに傾斜したエネルギー供給をするとしても、50数兆ドルですむのだ。ですから、基本的にはかけるお金はそんなに違わないはずだ。だとしたら新しいエネルギー体制をつくるためにお金を使うということは当然ではないかと思っております。

 今日はニューヨークタイムズの報道で読みましたけれども、米中が合意に達したそうですね。これをニューヨークタイムズは、ランドマークのアグリーメントだと評価しておりますし、私は非常におもしろいなと思ったのは、米国の担当者が、アメリカと中国はこれまで何でも反対する悪者のイメージをつくってきた。英語でアンタゴニストという言葉を使っていました。これでこの悪者のイメージが払拭できるのではないかというようなこともいっておりました。ですから、私はこれからの日本の目標を決めていく議論をするうえでは、やっていない国との比較で、何で俺たちがやるのが必要なのだというような発想ではなくて、我々がこれから議論して決めていく、やっていくことが将来の日本をつくっていくのだとすれば、どういう日本、どういう経済や社会を我々は10年、20年、30年後にもつべきなのか、そういった視点からの議論をぜひ進めていただきたいと思います。ですから、そういう目標をもてれば恐らく日本の目標を世界に高く売りつけることができるのではないか。そういうことすら思っております。

 ですから、ぜひ21世紀を日本が最も繁栄できる世紀にするには、我々は何をしなければいけないのか、そういった視点をもちたいと思っております。ありがとうございました。

〇山地座長  ありがとうございました。

重要なご指摘でございますが、最初のご発言の例とするにはちょっと長かったので、半分程度で以下よろしくお願いいたします。

〇大聖委員  資料4と5に関連して発言したいと思いますけれども、日本でこのようにまじめに取り組んでいる、そしてまた成果があがるような見通しがある中で、やはり世界に目を向けますと、新興国でのこういった使用済みの機器からのフロンの排出とか、廃棄物の増大、こういったものがありますので、日本でやられているような取り組みをぜひこういった新興国にでも活用できるような、そういう枠組み、戦略をぜひ構築していただいて、それが国際貢献になり、しかも日本のクレジットをうまくカウントできるような、そういう戦略をぜひお願いしたいと思います。

 日本で排出するこれらの量というのは、実はグローバルにみますと非常にわずかといっていいと思うのです。減らす技術、努力、政策、そういったものをぜひ新興国のほうに展開していただきたいという期待でございます。

 以上です。

〇山地座長  ありがとうございました。

〇藤野委員  私は資料3とあと参考資料2についてコメントさせていただければと思います。

 竹本室長からご指摘がありましたように、資料3の5ページのSPM3.4の2行目、今後数十年間にわたり大幅に排出を削減し、21世紀末までに排出をほぼゼロにすることを要するであろう。非常に重たい、非常に重要なメッセージだと理解しております。それを説明する資料としまして、同じく9ページ目に(A)だったり(B)の図ですけれども、影響のリスクの話です。これもやはり2°Cがかなり厳しいところで、2°Cが守れないと大規模な特異現象ですら中程度も出てしまうようでは、とても後世に確かな地球を渡すことができないのではないかというようなメッセージではないかと思います。

 これを守るためには、右に累積総排出量があって、これは具体的に参考資料2のSPMの8ページ目のパラグラフのところに、英語で書いていますけれども、2°C以下に抑えるためには66%の確率で2900ギガトンCOの排出量に抑えないといけない。実はもう2011年までに1900ギガトン出しているのだ。残り1000ギガトンですね。今の排出量で出していくと、およそ30年でこの容量に達してしまうというようなことに対して、先ほど末吉委員からありましたけれども、米中の合意があって、アメリカも2050年、80%を念頭に2025年の目標を出したと理解しております。

 ここの確率の読み方は、資料3の10ページ目のところがよく出てくる表なのですけれども、どちらかといえばとか、可能性が高いとか、こういった表現であるのですが、この66%とか50%、飛行機に乗るときに、66%の確率の飛行機に乗るのか乗らないのか、50%だとこれはどういう意味なのか、確かな地球を将来の世代に残していくという意味では、少しでも確率の高い未来をやはり残して、世界で5番目の排出量を出している我が国ですから、率先した責任というものがここから読み取れるのかなと思います。

 以上です。

〇村上委員  資料4の代替フロンのことですけれども、断熱材に発泡断熱材というのがございまして、これはここでいう代替フロン、一部使ってございますけれども、これは徐々に徐々に漏えいしていくわけです。ですから、私は前に相当詳しい計算をしたのですけれども、断熱をして、省エネでエネルギーが減ったよりも、そのプラス分よりも漏えいによる温暖化効果のほうが大きいという結果が出ておりまして、ですから、ぜひそういう温暖化効果が少ない発泡材を開発するような努力もしていただきたいと思います。

 以上です。

〇安井委員  私も資料3について若干コメントさせていただきたいと思いますが、藤野委員にご説明をされてしまった部分もあるのですけれども、5ページでございます。今回確かにハイライトと考えられるのはこのSPM3.4と、それかその前のページのSPM2.1だと思いますが、このあたりの文章を読んで、温暖化の議論に相変わらず信奉している方々が多い日本社会がどうやって受け取るかというのは非常に大きな問題で、そのあたりにどういう情報を加えるかによって、今日、3番目の議題で議論されますようなこういった実行計画がどのように受け取られるかというのも決まるのではないかという気がするのです。

 それを考えますと、例えば3.4に書かれているこの事実を一体どういうふうに読んでもらいたいのかというメッセージがやはりもう少し強烈に出たいなという気がするのです。それをこの間からどうやって説明したら一番いいのだろうと考えてきたのでありますけれども、やはり今までこういうふうにやってきたことが、とにかく過去にない現象なので、これをどういうふうに理解してもらうか。例えばこれを読んだときに、だけどそのあとしばらく減少していけば、そのうちまた気候は戻るよねというふうに感じる人が多いのではないか、現状だと。実際にはそうはいってないのですね。

 むしろCOと地球の関係というのは、実をいうと、東京都民が出す廃棄物と、中央防波堤、最終処分地の容量と同じなのだ。要するにそのうち排出できなくなって、本当にゼロにしないと困るのだよというようにこれを受け取ってもらいたいのですけれども、なかなかそういうふうに理解ができないのではないか。そのあたりの工夫をもう少し何か我々を含めてやらないといけない。要するに一般市民への広報の仕方をかなり工夫しなければいけないな。そういう印象でございました。

〇高村委員  IPCCの報告書については、既にこれまで他の委員の先生方がおっしゃいましたので、そちらについては申し上げません。

 前回、温暖化の国際交渉会合で欠席をいたしましたので、全体に関わる点で1つ発言させていただこうと思います。特に今日の米中の首脳合意の発表を見ましても、2大排出国が本気で2015年に合意をしようということをアピールしている内容だと理解をしています。温暖化交渉会合でもアメリカなどは6月までにみんな出そうという発言をしておりましたが、それは日本が提出した意見の中にも書いてありますように、各国が約束草案を出したあと、国際的な協議を行うということが一つのプロセスとして想定をされて交渉されているということだと理解をしています。

 その意味で、何が申し上げたいかといいますと、こうした約束草案の国際的な協議のプロセスを含め、国際交渉のプロセスのスケジュールに照らして、この議論を、事業者等も含めて国民の関心も非常に高い、この議論をどういうふうに進めていくのかということ、特に国際交渉の中で、日本がきちんとプレゼンスをもちながら決めていくためのスケジュール感とそのためにやるべきことを明確にしておく必要があるのではないかという点であります。

 より具体的な話ですけれども、2つ目の点は、代替フロン、資料4に関わるところであります。これは非常に努力をしていただいて、いい内容になっていると僣越ながら思っております。といいますのは、経産省、環境省のワーキングで、具体的に現状が今どうなっていて、それを削減するためにどういう政策措置がどこまで必要かというのをかなり詰めて議論をしていただいて、どれだけの削減量が見込めるのかということまで出していただいている点です。恐らくこういうプロセスがほかのセクターについても必要で、今後の議論にとって、全体として非常にいいモデルになるのではないかと思っております。

 ただし、少し細かな点で2点だけ申し上げますと、1つは新規用途、あるいは新規にこういったフロンを使うようなケースについてどう抑制していくかという点についてはぜひ今後ご検討いただけないかというのが1つであります。といいますのは、一定のヒートポンプ給湯器に、HFCから転換したCOをあらためてフロン系ガスに転換するというような動きがあるという話も聞いています。要するに新規用途の規制を、後戻りがない形でどういうふうに実施していくかという観点からです。

 もう1つはもっとマイナーな点ですが、フロン法では基本的にHFCも含めてフロンと定義をしていると思います。「代替フロン」はもちろんオゾン層破壊をするフロンを代替していくものとして開発されたと思いますが、どうも「代替フロン」と呼ぶといいイメージを伴うので、これは国民運動にも関わりますけれども、もう代替フロンという言葉をお使いにならないで、法令に合わせてHFC等の4ガスとか、あるいはフロン類のガスといったような形でお書きいただいてよいのではないかと思っております。

 以上です。

〇高橋委員  2点質問させていただきます。

 まず、IPCCの第5次報告書をどのように政府として評価しているのかについて少しお考えをいただけたらなと思います。とりわけCOの累積排出量と、世界平均気温上昇の比例関係については、2℃目標を念頭に世界平均気温上昇に上限を設定するとすれば、累積排出量の上限値が決まるということになろうかなと思います。

 10ページの表にシナリオが示されていますが不確実性があるということを踏まえながらも2°Cを達成するということになれば、500ppmのシナリオでいくということも想定されるわけですけれども、累積排出量の考え方によれば、残された量はそれほど多くないと考えられますので、政府はこの500ppmを目指すということになるのかということについてもお考えがあればお聞きかせください。

 次に、代替フロンの資料4についてですが、2ページのフロン3ガスの京都議定書の第一約束期間の削減目標については、達成したことが記されてあります。しかし、この第一約束期間以降の削減目標については提示されていませんが、フロンの基準年マイナス39.5%を今後も継続されるのかについて少しお考えがあればお聞きしたいと思います。

 以上でございます。

〇山地座長  ありがとうございます。

 幾つか質問という形でしたけれども、一通りご発言をお伺いしてから事務局、政府のほうから回答をいただきたいと思います。

〇豊田委員(黒木代理)  今日は豊田が中東のほうに出張しておりまして出られなかったので、一応説明資料を彼が残していきました。今回の資料集の一番最後に委員からのご意見・豊田委員ということでありますので、これにつきまして私が代理でご説明させていただきたいと思います。

 1.ですけれども、今回の報告書、非常にいろいろ注目されるところがあって、特に2100年時点の気温上昇というのを初めて出したということがAR4版と違いますが、さらに2°Cに抑える可能性のシナリオとしまして、450ppm、500ppm、550ppmの複数が提示されたということが我々が一番注目している点でございます。

 表の1、簡単にまとめましたけれども、単純に10%~90%値ですと450ppmシナリオでは1.5~1.7°C、500ppmシナリオの over shoot がない場合では1.7~1.9というところで、その下も含めて2°C以下がかなりの確率でできる。ただしこれにはアンサータンティ(不確実性)が非常に大きいので、そのほかのアンサータンティでいうと、先ほど藤野委員のいわれたように、確かに66とか50に変わっていくかもしれません。

 いずれにしても、今回のAR5の枠組みでは、この450と650の間、RCP4.5との間に新しく500と550、しかも2つに分けたシナリオを示したということを我々は一番注目しております。

 一方で、私どもエネ研として分析したものが次のページの上のほうのグラフ1ということで書いてありますが、これは私どもが先月発表いたしました中期エネルギー需給見通しでのCOの排出量のパスなんですが、リファレンスに対して技術進展ケースプラスCCS、これはほとんど余りコストに依存せず、最大限技術的に入れられたらどこまで減るかというシナリオなんですが、これでも残念ながら450ppmシナリオのカテゴリーには入ってきません。読みにくいのですけれども、下の紫の線が450ppmのカテゴリー、それから青色の塗りつぶしのところが500、それからその上が550ということで、大分パスを上はずれております。このままいくと550まで突き抜けてしまう、これを相当下げなければいけないということがわかると思います。

 文章に戻っていただいて3.ですけれども、これでみてエネ研が非常に対策に後ろ向きかというと、いやそんなことはなくて、最大限の対策をやっていこうということはいっておる。これについては省エネの推進、再生エネルギーの導入、原子力の活用、すべてやったとしても450ppmシナリオには相当届かないということがあります。

 もう1回2ページ目に移っていただいてグラフ2ですけれども、これが我々が想定したCOの削減のそれぞれのポテンシャルです。省エネもかなり無理をしています。ほかのもそうです。それから、CCSもかなり相当入れているということでございますが、これでも残念ながら半減には届かない。かなり厳しいところにある。この省エネのシナリオでも、実はGNP当たりのエネルギー消費量、中国、インド、アメリカは8割削減しなければいけない、インテンシーが8割下げるというかなり無理をしたシナリオですけれども、これでも450ppmには到達しないということを理解していただければと思います。

 最後に4.なんですけれども、先ほどから排出量の絶対量が決まっているということなんですが、実は450ppmシナリオ、500ppmシナリオにしても、最後のところ2050年以降の後半はマイナスになるということを想定していますので、このマイナス分を想定すると、もう少し前半の排出量があるということになります。それはもちろん絵にかいた餅でしようがなくて、COをマイナスにするような、ネガティブミッションするような技術の開発が必要でございまして、人工光合成を通したCOの固定化技術とか、宇宙発電とか、そういうような画期的な技術が2050年以降に出てこないとこれはどうしようもないということなので、そういうことができるような技術開発を進めるような体制にもっていかれたらと思います。

 2ページの最後の下のところにCO固定化のイメージが書いてあります。要するにCOを使って有機化合物をつくって、これを服とか、材料とかにして固定化するという技術でございます。

 以上が豊田が皆様にシェアしたい意見でございます。どうもありがとうございました。

〇佐藤委員  佐藤でございます。

温暖化対策を進める上では、自主的な取り組みを進めるということと、いろいろなルールを変える、ルールを変えるということはすなわち法律等を改正するということの2つの取り組みが同時に相乗効果をもって進めることが必要だと思います。

 今回はフロン回収法と廃棄物分野に関する資料でございますので、これについてコメントさせていただきます。

 まずフロン回収法については、取り組みの当事者を広げて、また範囲も広げたということでは非常に先進的な取り組みであると思います。ただし、それぞれの規制の対象となる人たちにとって、その対応にどの程度の費用がかかり、これによって温暖化に対する貢献がどのぐらいできるかという費用対効果が十分に検討されたのかということ点の検討が重要です。今後政省令で、法律の強化内容が示されてくると思いますが、その中で十分配慮いただきたいと思います。

 例えば機器のメーカーが本来根本的な対応をすれば、非常に効果が高いと思います。それに対して機器の現実の利用者が対応できることというのは限定されていますし、無過失の場合もあると思います。また、リース機器のように、使用者と所有者が異なっているというケースも相当程度あると思いますので、現実に即した政省令を定めることによって、最も効果の高い、またトレードオフを考えても、その効果を十分に計算できるような規制というのをお願いしたいと思います。

 廃棄物分野についてでございますが、廃棄物分野でもまだ私はかなり取り組める部分があるのではないかと思います。この資料にも幾つか記載されておりますが、例えば資料の12ページの廃棄物のエネルギーとしての活用、これについては廃棄物発電が限られておりますが、排熱の有効利用についてはかなりのまだ伸びしろがあるのではないか。この点について、これを促進するような法律が余り整備されていないと思いますので、その可能性とそれの効果を十分考えて制度化をすることを、検討されてはいかがかと思います。

 それから、収集運搬の効率化という点でございますが、この点も以前から廃棄物の物流があまり効率化されてないという指摘がございました。資料の9ページでございます。この中に廃棄物処理の広域化、それから、収集運搬方法の見直しという点がございますが、こういう点についても、恐らく法律を改正することによってどの程度のCOが削減できるかということを検討していただきたいと思います。例えば拡大生産者責任に基づく対策を努めた場合には、市町村の収集運搬がどのぐらい減るかとか、それから、協業化、すなわち複数の収集運搬業者が大型車両と中型車両を上手に組み合わせて輸送するというような、あるいは鉄道、船を組み合わせて輸送するというような方法によってどの程度CO2が減るかということを試算した上で、それを促進できるような制度というのをつくるということを検討していただきたいと思います。

 以上でございます。

〇木村委員  経団連で環境安全委員長を務めております木村でございます。発言の機会をいただき、ありがとうございます。

 本日は第2回目ということですけれども、第1回目を欠席いたしましたので、私からは2点お話したいと思います。

 1点目は繰り返しになるかと思いますけれども、産業界の基本的な考え方を改めて申し上げたいと思っています。今回の報告書にもありますとおり、温室効果ガスは地球規模で削減するということが求められております。国内の対策に関する議論はとかく国内の排出量を減らす点に目がいきがちですが、どうすれば地球規模での削減に貢献できるか、という視点を常にもつべきです。当然のことながら国内の排出量の対策は重要でありますけれども、常にそういう地球規模の視点をもち続けながら議論をする必要があると思っています。その点、産業界といたしましては、先端技術の開発と、その地球規模での普及ということに一層取り組み、技術で温暖化対策に貢献する決意であることを強調しておきたいと思います。

 2点目は、今回のこの報告書の取り扱いについて意見を申し上げたいと思います。

 今日の資料では政策決定者向けの要約版、SPMだけが紹介されていますけれども、政策決定者向けの要約版は既に各国政府のチェックを経たものと理解しています。客観的かつ科学的観点からの見解を把握する意味でも、技術的要約版、TS、あるいは本文そのものを理解する必要があると思っています。したがいまして、政府がIPCCの報告書について言及される際には、技術的な見解なども交えながら丁寧に説明していただければ非常にありがたいと思います。

 以上でございます。

〇小倉委員  IPCCのこの報告をみて、日本がどう貢献すべきかという点について感じたところを申し上げたいと思います。

 平均気温上昇を2.0°Cに抑える道筋についてまとめられているわけで、適切なレベルについては2.5°Cなど、いろんな議論があると理解しております。いずれにせよ、上昇巾を出来るだけ下げなければいけないことは事実でしょうし、日本の削減量もそれなりにきちんと出していくということも重要であると思っています。

 ただ、一方で、中国や米国といった大規模排出国比べて、削減量自身は数量としてそれほど大きな貢献ができないという部分もあって、そういった意味では、よくいわれることでありますけれども、日本の技術を世界に普及していくということがまさしく大きな貢献の一つであろうと思います。ではどうするかということなのですが、私は日本鉄鋼連盟の一員ですが、例えば鉄鋼製品は、日本でつくる場合が一番CO排出量が少ないことが分かっています。そのCO2削減のための技術を世界で普及させたいということになるわけですけれども、その際大事なこととして、今ある技術を2つに大きく分けて考える必要があるだろうと思っています。今ある技術でCOが削減できるものと、COを削減するために開発が必要な技術とに大きく2つに分ける必要があると思うのです。

 世界の産業をセクターに分けて、例えば鉄鋼、電機だとか、そういったセクターに分けて、各国から具体的な削減数量が出たときに、それが今ある技術でできるのか、新たに技術を開発しなければいけないのかということをきちんと2つに分けて精査して、そのうえで今ある技術はすぐ各セクター内で導入が進められるような仕組みを各国でつくってもらうことを提言していったらどうかと思っています。

 日本はそういった技術による貢献を重視する意味から二国間クレジットなどの仕組みを提案してきているわけですので、今申し上げたような世界の技術を2つにきちんと分けて、今ある技術でできる削減はすぐにでも実現できるような仕組みもぜひ日本から提案していただいて、日本の技術力を活かした貢献でIPCCの報告に応えていくということを行なったらどうかと思っております。

 以上です。

〇秋元委員  IPCCの報告書、ようやく統合報告書が出て、私はIPCCのプロセスにリードオーサーとして関わってきたので感慨深いものがあります。

 やはりIPCCの報告書のメッセージとして気候変動問題に非常に強く取り組んでいかないといけないということが明白になっていると思いますので、日本としてもこの問題に対して本当に真剣に取り組んでいく必要があるだろうと思います。

 ただ、一方ですけれども、前回もこの委員会でコメントさせていただいたあとに若干意見があって、それに対する反論もできなかったのですけれども、今日もたくさんIPCCのコメントがありました。ただ、私はまさにこのIPCCの排出シナリオの章のリードオーサーでしたので、ここに関しては多分日本では一番よくわかっていると思います。末吉委員がIPCCトップクラスの研究者が集まってというふうにいわれて非常に光栄なんですけれども、その中で私はここをまとめてきました。ただ、非常にこれは難しい議論で、ほとんど理解されてない方が多分多いと思うのです。例えば資料の中でSPM3.4のところで、2°Cに至る排出経路は複数あるといっているのは、まさにこの豊田委員からのペーパーにあるように、2°Cといってもたくさんの濃度の考え方、確率の考え方によってたくさんあるということを文章を変えたものがこういうふうになっています。ただ、このたくさん、複数あるというところだけ取り出すとそういうメッセージが伝わってこないのです。そういうものが何かひとり歩きするような形で違ったメッセージになっていっているというのが非常に懸念すべきところがたくさんあります。また、2°C目標というのも、必ずしもIPCCはポリシーリラヴェントなまとめをするので、2°Cにすべきということは一切いってないわけです。IPCCはただ、ポリシーリラヴェントなことをまとめるということになっていますので、政治が2°C目標ということを議論しているので、2°Cに割とフォーカスをあてたような形でまとまっている部分もあるので、そこも誤解しては絶対いけないと思うのです。

 そういう中で、もう少しあとは気候感度の問題も非常に難しくて、気候感度もなかなかいろいろな経緯がある中でこういうふうになってきているので、その理解も非常に必要だと思います。ただ、2分半という時間をいただいているだけなので、ちょっと言葉だけでは説明できないので、できれば次回、少しショートペーパーを出したいと思うので、その理解がないとなかなか我々の目標の考え方というのはここを依拠しないといけないと思うので、それをぜひ次回やらせてください。今日だけではご説明できないので、そういうのがIPCCのコメントです。

 ほかに関しては、廃棄物のところだけ1点なんですけれども、やはりこういうところで削減を強化していくということは非常に重要で、自主行動でもレビュープロセスをうまくやることによって削減に寄与してきたと思いますので、このあたりもしっかりレビュープロセスを評価していくということは重要かなと思います。

 どうもありがとうございました。

〇山地座長  ありがとうございました。

 途中から参加されたので最後になりましたが、大塚委員お願いいたします。

〇大塚委員  大学で会議があって、遅くなって申しわけありません。

 IPCCに関して1点と、フロンに関して2点、簡単に申し上げたいと思いますが、IPCCに関しては、ネガティブエミッションのような議論、研究もぜひ続けていただきたいと思うのですけれども、ただ、それだけに頼っているわけにもいかないので、どうすべきかを真剣に考えなければいけません。IPCCのメッセージは今、秋元さんがおっしゃったような話をまたぜひお伺いしたいと思いますが、今回、COの累積の排出量と気温の上昇とが比例しているという話が出てきているのですけれども、これをどのぐらい真剣に受け取るかということをぜひ考える必要があると思っていまして、これを本当に真剣に受け取ると、ネガティブエミッションの問題がうまくいかないとすればですが、今後30年ぐらいの間にゼロエミッションにしなくてはいけないということに世界的になると思われますが、そうすると世界でCOの排出量の配分をしていくということを考えなくてはいけないということに素直に考えればなりそうです。しかし国際的にはむしろそちらの方向ではなくて、逆に各国で自ら目標を立てるという方向に変わってきている、逆の現象が発生しているようなところがあって、それをどうみるかということをぜひ考える必要があると思います。

 いずれにしてもトップダウンで決めるべきことと、それから、ボトムアップで積み上げていくことと、両方の間をとるようなことを我が国で考えていくべきではないかということがございますが、今の点について、事務局のほうでどうお考えかということもぜひ教えていただけるとありがたいと思います。

 それから、フロンに関しては2つございますけれども、1つは世界的にみるとモントリオールフロンの問題があり、特にアジアの国々でこれからフロン類が排出されてしまうので、ぜひこの回収について考えなくてはいけないということがあり、これはフロンについて担当していらっしゃる環境省も経済産業省もよくご案内のことであるし、前向きに取り組んでおられると思いますけれども、JCMを使ってやっていくということがあると思いますし、さらに国内でこれから温暖化対策の目標を立てるときに、アジアの国とか、ほかの国での回収に関して日本が協力して何か減らすということをぜひやるべきだと思うし、それを別の目標として立てるのか、国内の目標に入れるのかというところは両論があると思いますので、ぜひそういう議論もしていくべきではないか。それが先ほど経団連の方がおっしゃった地球規模での削減ということにつながります。フロンの排出係数がご案内のように非常に高いので、是非検討しなければと思います。

 それから、フロンについてもう1つですが、フロンに関してはフロン類法が制定されて、上流のほうでの対策が強化されて、私も審議会に若干関わらせていただきましたが、回収率のほうは3割ということをどうするかという問題が残っていますので、回収率3割でもほかの国に比べればよくやってはいるのでしょうけれども、6割にするというようなことも一応目標としては立てていたので、今後これをどうするかということはぜひ教えていただければありがたいと思います。

 以上です。

〇山地座長  もう一方、途中から参加された竹内委員、どうぞ。

〇竹内委員  おくれまして申しわけありません。竹内でございます。

 資料について申し上げますと重複が出てしまうかもしれませんので、ちょっと離れた観点から申し上げたいのですが、ちょうど今日は米中がそれぞれの目標を共同発表したというような報道がございました。すわ日本は何%の削減目標とするか、恥ずかしくない数字を……というような議論になりがちですが、大変生意気ながら、ある程度長いこと国連の気候変動交渉をみておりますと感じることが2点ございます。

 1点は、この数字の実効性はどこまであるのか、ということです。裏付けのある目標値を出すのであれば、産業界からのヒアリングやコンサルテーションが必要かと思いますが、少なくともこの夏にUSチェンバーオブコマーズ(米国商工会議所)の方に伺ったところでは、何ら政府と産業界との間ではそうしたやりとりはまだないとおっしゃっておられました。また中国についても2030年頃にピークアウトということ程度を「目標」として良いのか。ぜひ交渉で米中の実効性ある取り組みを引き出す、それを前提として交渉していただきたいという点が1つ。

 もう1つはもうちょっと大きなお話になりますけれども、数字ゲームのむなしさといいますか、この国連交渉だけで実際に削減はどこまで可能なのだろうという点です。UNのプロセスはこれほど多くの国が参加する枠組みはほかにありませんし、もちろん牽引役としての意味はあるかと思います。しかしながら、基本的に温室効果ガスが人間の経済活動によって排出されるものである以上、経済活動、ビジネスに根ざした、もっといえばその中に溶け込んだ取り組みが排出量を減らすことができるのだと考えております。

 例えば日本の鉄鋼業界は、APPやインドとの二国間技術協力などで大変高く評価されていると伺っております。こうした技術協力が行われるために、政府に求められる取り組みは何かといえば、1つは「場」の設定、2つ目は相手国側の政策誘導・政策策定支援ではないかと思います。

 1の「場」の設定としては、先日もありましたICEFなどを立ち上げていただいております。そうした場でぜひ日本政府から発信していただきたい考え方が、日本がCOP15の前から提唱していたセクトラルアプローチ、技術を最もよくわかっている産業界が責任をもって削減量の見通しを出すというコンセプト、これの利点です。当時はちょっとまだ早かったかもしれませんけれども、各国がプレッジ&レビュー方式で目標を提出するという今の価値観においては非常に有効な考え方であると思っております。

 セクトラルアプローチは当時は理解されにくかったわけですけれども、日本は自主行動計画、あるいは低炭素社会実行計画というものによって実際に削減に成功してきた実績を残しました。ぜひ来年のICEFでそのレビューをするというようなワークショップがあればと期待をしております。

 2の政策策定支援でございます。日本が持つような高効率技術が普及するためには、例えば有利な融資制度であるとか、二国間クレジットといった支援政策、あるいは途上国の側で省エネ基準の導入などが必要となると思います。地味に聞こえますが、国連のCTCNに寄せられている途上国の要望の多くは、実は政策策定の支援であるというお話がございますし、私自身、先日、ミャンマー政府の方たちにエネルギー・環境政策についてお話を申し上げてきたのですけれども、日本の省エネ法であるとか、自主行動計画といったスキームに非常に高い関心が寄せられていたということも申し添えたいと思います。

 日本政府の皆様には、ぜひ対外的には日本がすべき、日本の技術による世界での削減がどうやれば可能になるのか、ここに知恵と体力を使っていただきたい。国内的には、国民に対する説明責任を果たしつつ、国民を巻き込んだ削減が図られるようにしていただきたいと考えております。

 最後にまとめますけれども、日本としての目標を他国の動向に合わせて議論するのではなくて、実態のある議論していただきたい。その議論のうえで目標を出していただきたい。京都議定書の経験を踏まえれば、他国に引きずられて目標を出すのは二度とやるべきではないと思っております。そうした数字の追っかけっこではなくて、日本にしかできない、世界でほかに例のない貢献というところをして行くべきであると思います。

 最後に1点だけ、フロンについては海外での削減も加えていただければありがたいなと思います。その1点だけ加えて以上でございます。

〇山地座長  一通り委員の方からのご発言をいただきました。

 多くはコメントという感じでございますけれども、幾つか質問もございましたので、ここで事務局のほうから答えられる範囲でお答えいただきたいと思います。

 まず環境省さん、お願いできますか。時間が迫っているので回答も簡単にお願いします。

〇竹本研究調査室長  多くの委員の方々からコメントをいただきました。例えば末吉委員、あるいは藤野委員などから危機感というものについて強調されておりました。確かに会場に参加した政府の出席者、あるいは執筆者、皆さん非常に危機感をもっておられた。特に途上国の代表が、もう温暖化の影響というのは避けられない、緩和が十分なされないとますますリスクが高くなるということを非常に危機感をもっておられた。大幅な削減を実行するためには、長期継続、かつ大規模な技術、CCSが何度もリファーされておりましたけれども、そういったものを大規模な展開をしていく。さらにコレクティブアクション、1カ国だけでなく他国で連携しなければいけないといったことが強いメッセージとして出されたと考えております。

 安井委員のほうからアウトリーチのお話がございまして、全くそのとおりでございまして、大変重要な知見なんですけれども、内容が大変難しい、秋元委員からもお話があったように大変難しいということで、やはりこういった専門的な知識を伝えるコミュニケーターの役割が重要であると考えております。

 それから、これはご質問ですが、高橋委員からございました。この報告に対する評価なんですが、これについてはあくまでもIPCCは政策に関しての決定をする場所でありませんので、科学的知見を提供するということで、我々もできるだけ政策決定に有効な数字とか情報をできるだけ盛り込むようにという基本スタンスで臨んでおりますので、そういう意味ではドラフト段階よりもずっとよくなったものと思っております。

 具体的な長期目標といった点については、そこでは特段判断をしておりませんし、世界各国もその点について何か変更が必要だというような議論はございませんでした。あとはロンガーレポート、本体についても当然重要だと思っております。それから、グローバルな取り組み、事実、それぞれ全くおっしゃるとおりで、そういった視点が報告書にも盛り込まれておりますので、十分留意していきたいと思います。

〇熊倉フロン等対策推進室長  続きましてフロン関係でございます。

 特に国際展開についてたくさんご意見をいただきました。それを踏まえて検討してまいりたいと思います。

 それから、高橋委員の方から京都目標のパーセンテージは維持されるのかというご質問がありましたけれども、これについてはさらなる深堀を検討したいと考えておりまして、7ページの指針のところにもBAU比の削減見込みというのが書いてございます。追加対策の具体化に伴い、さらなる検討を深めていきたいと考えてございます。

 それから、佐藤委員の方から、努力に見合った効果が見込まれるのか、検討経緯についてのご質問がございました。例えば、今回の規制で点検・修理の義務というのがございますけれども、点検をすると漏えい発見の確率が高まるであるとか、点検をすると漏えいが防げて、機器の効率も上がって、電力使用量の削減にもなるというような費用対効果の分析もしつつ、今回の案を作ったところでございます。

 私の方から以上です。

〇山本廃棄物・リサイクル対策部企画課長  廃棄物分野につきましては、いずれも有用なご指摘をいただいたと理解しておりますので、しっかりそれを受け止めて検討に活かしてまいりたいと思います。

 以上です。

○山地座長  経済産業省さんのほうから、あるいは事務局から。

〇小見山環境経済室長  事務局としては、一応お答えすることは十分ないのではないかと考えております。

〇山地座長  司会を進行していますと時間管理というのが一番重要なのですが、今日は難航しておりまして、もう1つ議題の(3)というのがあります。これは低炭素社会実行計画についてですが、資料番号をみていただくとわかるように、資料6以降ありまして数がございます。説明だけでかなり時間が予想されるのですが、余りプロトコルを丁寧にいわれると時間がなくなりますので、できるだけ簡潔に説明していただいて、そのあと委員の皆さんから自由討議というふうにまいりたいと思います。

 それでは、まず最初の資料6ですが、これは総括的なものですので事務局からお願いします。

 それでは、まず最初の資料6ですが、これについて総括的なものについて。

〇小見山環境経済室長  資料6に基づきまして総括的なご説明を申し上げます。

 もう既に5月に茅先生のほうからご説明があった内容の若干復習になるのですけれども、まず開いていただきまして2ページ目でございます。

 自主行動計画の時代は、114業種中84業種が目標を達成し、そのうちいいあんばいの目標達成率であると評価される100から150%の目標達成率が114業種中52業種、そのうち26業種がフォローアップの過程で目標を引き上げてきたということでございます。

 おめくりいただきまして3ページ目に茅先生の研究会でございますが、その内容を4ページ目にポイントを記してございますが、第一約束期間の間、自主行動計画によって1997年から10%削減した目標を掲げ、7%の超過達成しているということでございます。

 1枚おめくりいただきまして5ページ目、その結果、90年から第一約束期間を比較しますと産業分野だけ削減が達成されているということでございます。

 6ページ目がその結果、茅先生の研究会の評価でございますが、これまで十分高い成果をあげてきたという評価をいただいたということでございます。

 7ページ目にそれを受けた政府の解釈であります。

 9ページ目までとんでいただきまして国際的な発信でございますが、シンポジウムを開いたりしておりますが、IPCCの場でも、第3ワーキンググループで肯定的な評価をいただいているということでございます。

 10ページ目、自主行動計画、20年以降、低炭素社会実行計画と名前を変えているということでございます。

 最後のページでございますが、2020年以降でございますが、経団連が7月に参加業種に対して年内の計画策定を要請されたということで、今日はそのうち6業種について、まだ最終的に決定されてないところも含めてご報告いただくということになっているということでございます。

 以上でございます。

〇山地座長  ありがとうございました。

 それでは、まず日本鉄鋼連盟さんから資料7の説明をお願いいたします。

〇桑迫地球環境委員長(日本鉄鋼連盟)  日本鉄鋼連盟でございます。ご説明申し上げます。

 資料3ページからごらんいただきたいと思います。

 日本鉄鋼連盟の低炭素社会実行計画、フェーズⅡ、2030年目標の中身でございますけれども、大きくはエコプロセス、みずからの生産工程、それとエコソリューション、これは海外での削減への貢献、エコプロダクト、私どもがつくっている製品がお客様でお使いいただくときに使用段階での削減に貢献する。これを3つのエコと呼んでおりますけれども、それと2つ事例を書いてございますが、革新的な技術開発及び導入、この4つの柱でこの低炭素社会実行計画に取り組んでまいりたい。これが私どもの考え方でございます。

 国の削減目標の中で関係いたしますのはこのうちエコプロセスということでございますけれども、4ページ目でございます。

 今般、私ども2030年の目標は、2005年を起点といたしまして、ある前提のもとでに900万トンの削減を織り込ませていただくという計画を策定いたしました。ちなみに現在の2020年目標が500万トンの削減ということでございます。なりゆきベース、BAUに対して500万トンということでございますので、起点を同じ2005年と置いた場合には400万トンの深堀りを今回織り込ませていただいたということでございます。

 中身は表に向かって右側に青い色のところで①から⑤まで大きな項目がございます。①から③までは鉄鋼製造プロセスにおける主要なエネルギー消費プロセスにおいてそれぞれの削減を図るということ。

 ④は先ほど環境省の廃棄物・リサイクル対策部よりご紹介がございましたけれども、私どもも容器包装プラスチックの関係で削減ポテンシャルをもっていると考えておりまして、これは制度が整えば、この200万トンの削減もさせていただこう。

 それと⑤番目が革新的技術の開発導入ということでございます。

 時間がございませんので5ページをごらんいただきたいと思います。

 先ほどの900万トンという削減目標でございますが、この数字自体は、私どもの排出量からみますと約5%程度の削減という形になります。この5%というのがどういうところかということについてここでご紹介をさせていただきたいのが、国際エネルギー機関、IEAが整理をいたしております世界の鉄鋼業の省エネポテンシャルの国際比較というものがございます。これはIEAのグラフをそのままもってきているのでちょっと見にくくて申しわけございませんが、この表の中で、各国ごとに青い棒グラフと赤いプロット、点が書いてあると思います。この赤い点のところにご注目いただきたいのですが、この中でのジャパン、赤枠をくくっておりますけれども、日本の省エネポテンシャルは1GJ/t steel ということでございまして、1トン当たり1GJの削減ポテンシャルが残っているとごらんいただきたいと思います。これはほかの国との比較において、OECDに加盟しているヨーロッパも含めて、日本が世界で最も削減ポテンシャルが小さいということでございます。逆にいうと、一番省エネは進んでいるというのがIEAの見立てでございます。

 この時の私ども1トン当たりのエネルギー消費は21.8GJ/t steel、 約20超のエネルギー消費でございますので、この1GJの削減ポテンシャルというのがまさに5%程度に相当いたします。今回の目標5%程度というのは、このIEAの評価しております私どもがもっております削減ポテンシャルを追求したレベルにあるという見方もできるという参考データでございます。

 そのあとに6ページにエコソリューションというのがございます。これはいろいろな、特に中国、インド等製鉄の発展途上国において、日本で既にもっております設備を導入しますとこれだけの削減ポテンシャルがあるという中身でございまして、2030年において世界で毎年8000万トンCO削減に貢献できるだろうと考えております。これは政府がご検討されていますJCMの取り組みがさらに進めば、さらにこれは深堀りも可能ではないかと期待しております。

 その次のページ、エコプロダクト、これは既に私どもがつくっております製品、このうちの5品種だけをピックアップしておりますけれども、それぞれの需要家のところでこういう削減に貢献していると評価しているということでございます。

 あとは革新的技術開発等のご紹介をしてございますが、説明は割愛させていただきます。

 私のほうからの説明は以上でございます。

〇山地座長  ありがとうございました。

 では引き続きまして日本化学工業協会さんから資料8のご説明をお願いいたします。

〇松本常務理事(日本化学工業協会)  日本化学工業協会でございます。資料8、ポイントだけご説明申し上げます。

 4ページ目、5ページ目をごらんになっていただきたいと思います。

 私ども2020年までの目標として、今、経団連の低炭素社会実行計画の中でフェーズⅠのところで、BAU、ビジネス・アズ・ユージュアルから150万トン削減するという目標を掲げて今活動しているところでございます。

 実はその前提となるものを4ページ目に入れてございますけれども、石油化学からはじまって機能性化学品等々の比率をこういうふうな格好に想定してつくられたものが2020年のものでございます。

 申しわけございません。現在2030年のこの比率をどういうふうに考えたらいいかということを今検討中でございまして、最終的な数字、2030年の目標数値は12月に機関決定をさせていただきたいと思っております。イメージとしては5ページ目に書いたような数字で今検討を進めているところでございます。

 それから、つけ加えまして、私ども部門を越えた連携というのは非常に重要であるということを前々から世界の化学工業協会の中でも申し上げてきております。

6ページ目をごらんになっていただきたいと思います。

 6ページ目が実は製造で関わるところのエネルギー使用、そしてCOの排出に加えまして、全ライフサイクルの中でどれだけ削減できるかという貢献を我々は提案してきておりまして、昨年、7ページ目でございますけれども、世界化学工業協会協議会、ICCAとそれからWBCSDとの間で連携して、この削減貢献量の算出のガイドラインというのをまとめました。実はこれは今LCA学会でこの流れを受けながら、排出削減貢献量算出のガイダンスであるとか、GHGプロトコルもそういうことを今議論が始まっているところでございます。私どもそういうところともやはり連携しながら、一産業ではなくて、私どもの製品がどれだけ世界で削減に貢献するかということを整理して発信するということも続けていきたいと思っておりますし、実績をまとめていきたいと思っております。

 それから、その事例として8ページ、9ページにございますが、これはご参考でみてください。国際貢献についても事例としていろいろございますが、ここは割愛させていただきます。

 1点だけ、化学は今までとは違うプロセスをこれから生み出すことの可能性のある産業でございます。ゲームチェンジャーになる産業でございます。COを原料にして新たな材料をつくっていく、そういうことを我々は考えていかなくてはいけないし、今国家プロジェクトも進めているところでございます。ここのところを我々としては力を注いで、研究もそこに資源を集中して進めていきたいと考えております。 以上でございます。

〇山地座長  ありがとうございました。

 それでは、日本製紙連合会さんから資料9の説明をお願いいたします。

〇中川技術環境部長(日本製紙連合会)  かいつまんでご説明いたします。

 私どもの今までのまず温暖化対策のほうですけれども、4ページをごらんになっていただきたいと思います。

 ここで今までの投資と、それから、削減の率が出ております。私どもの産業、特徴的なのは、下のほうにちょっと青っぽいところが省エネ投資でして、上のほうが燃料転換投資です。このようにバイオマスボイラー等を投資することによって化石エネルギーを非化石のものに変えることによってCOを削減したというのが特徴的なところです。

 ただし今はバイオマス等はとり合いになっておりますので、今後ちょっと減ってきているのと、FITの開始に伴ってちょっと先行きが厳しい状況になっております。

 それから、6ページをごらんになっていただきたいと思うのですけれども、これが私どものフェーズⅠの2020年の低炭素社会実行計画です。ここでは大きく139万トンをBAUで減らすことになっていますけれども、これでも一応バイオマスの貢献が一番大きいという形になっております。

 それから、私どもの産業に特徴的なのは、植林によってCOを吸収、固定するということがありますので、7ページをみていただきたいと思うのですけれども、約2億トンぐらいの量になります。

 それで9ページをごらんになっていただきたいと思いますけれども、これが2030年の検討状況です。私どもも化学業界さんと同じく12月に機関決定という形に考えております。これはまだあくまでたたき台ですので、基準年も今のと

ころ2008年から2012年の5年間の平均としていますけれども、場合によっては少し見直すことも検討しています。ただし、今のところ、例えばこの2008年から2012年、5年間の平均をした場合は75万トンですから、フェーズⅠに比べると半分ぐらいになるという形です。それ以外には植林によって吸収固定の分と、それから、新たなところですと、ナノセルロース等の新素材が出てくる可能性がありますので、それによって、先ほどの化学さんと同じように、LCA的な貢献が出てくると思います。

 それから、あと用紙の軽量化というのも日本が一番進んでいますので、これを世界に広げれば国際貢献にもなると考えております。

 私どものほうもバイオマス産業として循環型産業、それから、温暖化対策に貢献したいと考えています。

 以上です。

〇山地座長  続きましてセメント協会さん、資料10の説明をお願いします。

〇坂本幹事長(セメント協会)  セメント協会です。

 フェーズⅡとして低炭素社会実行計画、これはフェーズⅠを一応踏襲しまして、2ページにありますように、国内企業活動による省エネ設備の普及、それから、熱エネルギーの代替廃棄物の拡大、これが一番大きな要素となります。

 そのほか2番、3番にありますように、コンクリートを舗装に使った場合のCOの削減効果、またその他国際貢献ということになります。数字的なことを申し上げますと、3ページ、目標と手段といたしまして、企業活動の中では、セメントの製造エネルギーの原単位削減を目標としたいと協会としては考えております。

 その手段としては省エネの設備の導入、それから、エネルギーの代替廃棄物の使用量アップということになりまして、この省エネの設備については、4ページ目に、14年から30年まで各社でやり終える省エネ設備投資を記載しております。

 セメント業界、かなり昔から省エネに取り組んでおりましたので、補完的にできるものについてはかなり進んでいるということで、ここに書いてあるような投資は必ずしも非常に高効率というわけにもいきませんし、設備投資についてはかなり高額であるということで、当然各社の投資状況ということには多少影響するという内容でございますけれども、一生懸命やっていきたいということからその辺の数字を出しております。

 5ページ目に、もう1つのエネルギーの代替廃棄物の拡大ということを何とか進めようということを考えておりますが、これも水産なんかと一緒なんですけれども、セメントの焼成炉の中で代替エネルギーとして寄与するものでなければなかなか活用するということはできません。そういう廃棄物は、かなりいろんな業界で既に利用拡大が広がっているということがございますので、現時点で画期的に大幅に原単位を入れかえていくというような新たな廃棄物はなかなか見出せてないというのが現状でございます。

 6ページに一応目標設定をいたしました。先ほど申し上げましたように、原単位での目標設定をしております。フェーズⅠと同様に、10年度比で進めていきますと、約50MJ/t-cem の削減ということ、3410MJ/t-cem.以下を目標としたいと考えております。パーセンテージでいうとなかなか少なめにみえるのですけれども、これはフェーズⅠを踏襲しておりますので、対10年比で示してございます。業界的にいえば、90年比で示せば、恐らくこれは10%強ぐらいの削減率になろうかと思います。

 今、数字としてはこの省エネの設備投資を主に主体とした削減目標を出しております。残りの効果については次の8ページ以降に書いてありますけれども、10ページ、一言だけこの辺についてお話しさせていただきたいのですけれども、平成22年から実は革新的セメント製造プロセス基盤技術開発ということで、エネルギー対策推進部のほうで旗ふりをいただきまして、新しい省エネ技術を開発しようということで、この期間に今後の検討課題ということまではとりまとめてございます。今後、この辺を何とか少しずつ30年の目標の中には入れ込んでいきたいということでは考えてございますけれども、現時点で織り込むことはなかなか難しいと考えており、今回の目標設定をさせていただいたところでございます。

 以上でございます。

〇山地座長  ありがとうございました。

 では続きまして電機・電子温暖化対策連絡会さんから資料11の説明をお願いいたします。

〇実平議長(電機・電子温暖化対策連絡会)  電機・電子の報告をさせていただきます。

 1ページ目が私どもの業界の特徴ということで、家庭用、あるいは産業用、運輸、それから、発電に至るまであらゆるところに製品を供給させていただいているということが1つの特徴でございます。

 左の下にありますのはGDPの平均成長率、これくらい今までありましたし、今後も成長していきたいと思っているところであります。

 右側は電子産業分野における日本国我々のシェアが書いてございます。その下は国内の雇用にも一定規模の貢献をしているよということを書かせていただいているわけでございます。

 2ページ目です。

 かなり振幅が大きいよということを書いてございまして、2000から2013年までの状態で情報通信、電気機械、電機電子の全体、電子部品とかデバイスの関係、山高ければ谷深しということで、これくらいの振幅があるということで、特に電子デバイスのところは、半導体を中心にしてかなり振幅が大きくて、変導体といわれるゆえんでもあるというところでございます。

3ページ目が我々の計画の骨子であります。ライフサイクル視点での対応ということで2つございます。1つは今日のメーンイシューでありましょう、生産プロセスのエネルギー効率の改善、抑制、CO発生抑制という点と、それから、製品サービスによる排出抑制の貢献ができるのだといったところであります。この辺を2本柱、本当は4本柱ですけれども、やっていきたいということでございます。

 4ページ目が今回の2030年に向けた約束といいますか、目標であります。2012年を基準年度として、これは省エネ法に該当するわけでありますけれども、毎年1%ずつ改善をしていくということで、1年目は99、2年目は99に0.99を掛けて98.01、さらにその次は97.03ということで、2020年には92.27%ぐらいにもっていく、つまり7.7%の削減をするということを進めておりまして、2030年もこの延長線でやりたいと考えているところであります。そうしますとここにありますような16.55%の削減という形になっております。

 それから、5ページ目は、棒グラフが累積のCO排出削減量ということになっていまして、折れ線グラフは単位COを削減するにあたっての削減量投資額というのですか、みていただければ、段々投資額が大きくなってきていますよという状況下にありまして、2012年はちょっと下がっていますが、景気の落ち込みがあって、余り高い投資ができなかった。お金をかけることができなかったということでありまして、管理強化のところを強化した、そんな意味合いでございます。その辺の様子はその下に書いてございます。

 それから、6ページ目は、デバイスと家電製品で世界的に効率をどうやっているのだろかということを比較をしたものであります。各社の財務報告とか、環境レポートとか Carbon Disclosure Project のデータコードを使いながらやってきたということでございます。みていただければわかるように、ほぼ世界トップクラスだなという認識であります。

 7ページ目は、ライフサイクルのLCAのデータでございまして、製品はいろいろあって、製品ごとにどこに重きがあるかというのは違うのでありますけれども、おしなべていいますと、大体製造段階で20%で、それ以外、お客様で使っていただくところが80%というのが我々の製品の特徴でございます。したがって、お客様で使っていただくところの効率を上げるということで世界に貢献していきたいというあたりを8ページに書いてございます。

時間がないので省略をしますが、9ページ、10ページは新しい技術をどんどん取り込んでいきたいということを書いてございます。

 以上です。

〇山地座長  それでは、最後になりましたが、日本自動車工業会、日本自動車車体工業会さんから資料12のご説明をお願いします。

〇石田主査(日本自動車工業会・日本自動車車体工業会)  それでは、日本自動車工業会、日本自動車車体工業会のご説明をさせていただきます。

 まず1ページ目をごらんいただきたいと思います。

こちらは国内の生産活動に伴うCO低減目標についてご説明しております。グラフの一番左端は1990年の排出量990万トンを示しております。我々はこれを一番右側の棒に示すように2030年に662万トン、33%低減することを目標といたしました。

 1枚めくっていただきまして、目標設定の考え方について説明いたします。

 設定方法としましては、2005年の台当たり原単位に2030年生産台数を乗じて、それに次世代車生産時に増加するCOを加算しBAUを算出しました。次世代車は従来車に比較して20%生産時のCOが増加すると定義いたしました。そこからみずからの努力分などを引いて先ほどの目標値を算出しました。

 なお、この目標値の位置付けは、従来の自主取り組みで行ってきたように、取り巻く情勢や取り組み状況に応じてみずから目標値を見直すPDCAサイクルを回す所存でございます。

 1枚めくっていただきまして3ページです。ここでは主体間の連携についてご説明します。

 我々自動車業界は関連業界と連携して、ハイブリッド車、PHV車、電気自動車、水素社会も見据えた燃料電池自動車といったバッテリーを活用した車両の開発、普及に取り組みます。また、EVパワーステーションを活用したV2H、V2Lといった自動車の新たな活用も訴求します。

 ITSやエコドライブなど低炭素社会実現に向けた統合的アプローチを実施していきます。我々はこれらによって大きなCO削減が可能だと考えております。

 1枚とばしていただきまして5ページでございます。ここでは我々の国際貢献についてご説明いたします。

 我々自動車業界は、海外におきましても、日本で培った技術を最大限活用した製品によりCO削減に取り組みます。途上国に向けてはさらなる効率化を実現した内燃機関の自動車を中心に、また先進国に向けては次世代自動車を中心にその普及に向け努力します。

 また、生産工場においても、我々が日本で培った生産技術を最大限活用することを視野に、現地の実情に合わせて省エネ対策を導入していくつもりです。これによって大きなCO削減が海外でも可能だと考えております。

 それでは、最後8ページに移っていただきたいと思います。これまでの説明をまとめてご説明いたします。

 まず我々自動車業界は、30年、CO662万トン、90年比33%に向け削減に取り組んでいきます。

 次に生産工程での省エネにとどまらず、次世代車の積極投入など主体間連携を一層強化し、運輸部門のCO削減に貢献していきます。

 また、エコドライブの普及に積極的に取り組んでいきます。

 そして海外においても、現地の実情に併せ、グローバルなCO削減に取り組んでいく所存でございます。

 以上でございます。

〇山地座長  ありがとうございました。

 資料をご説明の方には大変ご協力いただいて、ほぼ予定の時間内におさまっておりますが、全体としてはかなり時間予定がおくれておりますので、今後ご協力をよろしくお願いします。

ここからは議題(3)についての自由討論ということでございます。いつものようにネームプレートを立てていただきますとご指名いたしますので発言していただきたい。ただ、先ほどは2分半以内でお願いしましたが、あんまり2分半を守らなかった人もいるのですが、今回は最大でも2分にしましょう。それ以内で。本当は1分といいたいのですけれども、2分以下にしてください。といっても発言を抑制する気はもちろんございませんので、貴重な機会ですから、ぜひご意見をお聞かせいただければと思います。少し名札が立つのをみて、ある程度調整して、要するに時間のある程度予見性をもちたいと思うのでよろしくご協力をお願いしたいと思います。

 今回もまた先ほどと同じように中環審側の委員の方から順番にご発言ということにさせていただければと思います。

〇大塚委員  重要と思うところから話しますのですみません。鉄鋼さんと自動車業界さんについて意見とかコメントをさせていただきたいのですけれども、これに関しては、同じような話なのですけれども、1.2億トンという粗鋼生産量というのを出しておられますが、これがどうかという、ちょっと過剰ではないかという問題があるかと思います。また、これは別に自主行動計画についてもいっていたことなのですけれども、排出量の総量だけでなくて原単位もぜひ目標を立てていただきたい。総量との両方の目標を立てていただけるとありがたいということでございます。

 さらに鉄鋼さんについては、私は日本にもちろん存続して頑張っていただきたいところもあるのですけれども、CCSのようなことをやはり排出量が多いのでぜひお考えいただきたいと思いますけれども、そういうことはご検討いただけないかということでございます。

 次に自動車工業界さんですが、こちらに関しても同じような問題なのですけれども、1990年の自動車の生産量が1400万台で、今1000万台弱になっておられますが、今回、出されている1ページの目標ですとGHG33%減というのは、生産量の減少とほとんど変わらないので、これから日本でたくさん工場をつくって頑張っていただければ、それはそれでいい数字になるのですけれども、多分そういうことにはなりそうにないので、そうすると、これは生産量の減少に比例しただけの目標を立てておられるということになってしまいますので、ぜひこれも原単位目標も出していただきたいですし、生産量、排出量についても少し保守的なものをお出しいただけるとありがたいということでございます。

 さらに2ページですけれども、次世代車は従来車に比べて20%COが増加と書いてありますが、これはできたらもっと減らしていただきたいのですけれども、どういう理由でこういうふうになっているか教えていただきたいということがございます。

 それから、全体的なこととしては、自主行動計画のフォローアップに私も関わらせていただきましたが、先ほどの資料6の6ページの一番下のところにありますように、提言として今後やっていかなくてはいけないことは実はそれなりにたくさんございますが、一番下に書いてあることと関係しますけれども、進捗管理とか目標設定の妥当性についての当面のプロセスをきちんとつくっていくということが非常に重要だと思います。フォローアップに関してはより実質的なものを求めていくべきだと思いますので、それを低炭素社会実行計画についても申し上げておきたいと思います。

 さらにここは意見が分かれますけれども、目標が達成できなかった場合には、JCMなどを買っていただいて補完していだたくことによって実効性を確保できると思いますので、意見として必要であることを申し上げておきます。

 あとダブルカウントが業界団体の削減量に関して出てこないように調整するとか、BATを着実に実施していただくということについてもぜひお願いしたいということを申し上げたいと思います。早口ですみません。

〇山地座長  質問が含まれておりますけれども、ご発言をまとめてあとで一括して回答をお願いしたいと思いますので、恐縮ですけれども、少しメモするなりして対応をお願いいたします。

〇末吉委員  2点だけコメントです。

 1つは、今世界で始まっているような企業のビジネスプラクティスを変えようと動きだと思うのですね、これは会計原則から始まって、情報開示、消費者が変わる、タックスいろいろあります。投資の世界もそうです。そのビジネス慣行を変える動きは国境を越えて動き始めております。ですから、日本になくても世界で始まれば、必ず日本企業は影響を受けます。それが1点です。

 それから、今は業界ごとの取り組みを詳しくお話しいただきました。大変ご努力に敬意を表しますけれども、世界の現実というか、ビジネスの現実は個社ベースですね。例えば投資がどの企業に投資するかを決めるかはベストインクラスで選びます。業界だけではありません。あるいは消費者が選ぶのは最終的に個別商品です。ですから、業界全体の取り組みもさることながら、個社の取り組みをもっと国内や世界に売り出す必要があるのではないかと思います。

 ありがとうございました。

〇大聖委員  まず次世代車の製造に伴うCOの増加に関してですけれども、これは少しやはりアバウトなので、もう少しブレークダウンした定量的な数字をぜひお示しいただきたいと思います。

 それから、燃料電池自動車というのは期待されておりますけれども、2030年ではそれほど普及の拡大というのは望めないかと思いますけれども、本当に長期の戦略を考えますと、水素の位置付けをどうするかということが非常に重要かと思います。その一方で、例えば以前ですと、鉄鋼ですとか化学の分野では副生水素がありますよというお話がありましたけれども、最近、それが聞かれなくなりましたので、その辺はどのようにお考えかということを確認したいと思います。

 それから、何度も申し上げますけれども、こういった産業分野というのはグローバルな戦略、大局的な見方というのが非常に必要ですので、その辺を具体的に進めるような、そういう取り組みをぜひお願いしたいと思います。

 それからもう1つは生産量なのですけれども、車のほう、2030年で1170万台ということでありますが、今、国内の市場が減少しております。それから、海外での工場展開というのは進行しておりますので、こういった数字がどれぐらいのリアリティーがあるのか、そういったこともお尋ねしたいと思います。

 以上です。

〇藤野委員  まず資料6につきまして、3ページ目、自主行動計画の総括的な評価に関わる点とか、こちら私もオブザーバーで出させていただきまして非常に勉強させていただきました。BAT、ベスト・アベイラブル・テクノロジーをできるだけ取り入れようとか、あと定量的な目標を立てて総量的な削減につなげたとか、または責任をもって削減して、一部担保をするなりもしながらも、高い倫理観をもちながら自主的に取り組んだというところについて非常に高く評価したいなと思っています。

 さらには8ページ目にありますが、自主的取り組みに関するポータルサイトというものでデータも公開されていろいろな方から評価されるようにするというところで、先ほど末吉委員から個別の企業の話もありましたが、さらに透明性を高める、データ公開につなげるというようなことにつなげていただけたらと思います。

 そのあと各業種の方からご説明いただきましたが、弊所でもいろいろシミュレーションモデルを通じて試算したいところがあるのですけれども、ちょっと今日だけではお聞きできないところもあるので、書面を通してまたお聞きできたらと思います。

 最後に日化協の松本様のほうから化学業界、ゲームチェンジャーになり得るというところは非常に重要なメッセージでして、やはり今想像できないようなイノベーションを起こしていかないと先ほどの目標値には到達しないというような中で、今後、低炭素社会実行計画というものが日本のよき市民であることは当然ですが、世界のよき市民として高い倫理観をもって取り組んでいかれる。日本はCOP21に向けてフランス等とともにリーガルフレームワークが大事だ、必要だといっている中で、高い自主を目指すということが大事なのかなと思います。

 以上です。

〇高村委員  2分といわれたので、いくつか細かな各業界のご報告についてはあとで質問を出させていただく形とさせていただければと思います。

 まず限られた時間で各業界が情報を出していただきありがとうございました。この部門は非常に大事だと思っておりまして、ご存じのとおり、直接排出量で見ると、日本の排出量の7割は産業、それから、業務、エネルギー部門から由来しているというふうに考えると、日本の約束草案を検討する上で、この部門にどういう取り組みがなされ、どういう施策がとられるべきかというきちんと議論する必要があると思っております。

 その観点からは、今回、エネルギー転換部門、エネルギー部門のご報告がなかったと思いますが、これは後日出てくるということでよろしいでしょうか。これは事務局に対するご質問であります。

 先ほど2°Cの議論がありましたけれども、確認を事務局にするまでもないと思いますが、2015年合意に至るところまででカンクンで合意をした長期目標に関する国際合意を日本は変えるという立脚点で約束草案を議論するとは考えていらっしゃらないと理解をしています。科学的な議論はきちんとしたほうがいいと思っておりますけれども、非常に重要なのは、温度の目標の観点からみても、今の水準の削減では足りないということは委員のどの方も指摘をされていたところだと思っています。そういう意味では、どうやってこの部門においても対策を強化するのか、どこにどれだけのポテンシャルがあって、どれだけのコストがかかるのかというのを、これは業界の自主的な取り組みというだけではなくて、この部門の施策の一つという位置付けだと理解をしていますので、国がそうした観点からきちんとみていく必要があろうかと思います。それは自主的にどこまでできるので、具体的にはどういう政策措置が必要かという点も含めて見ていくということで、先ほどのフロンについて検討したケースと同じであります。

 先ほど竹内さんがおっしゃったように、アメリカにぜひ聞いてみていただければと思いましたが、アメリカが聞かれると同じように、日本を含む主要国は、京都議定書のときよりもより一層具体的な目標の想定が国際的に問われるという点が京都議定書の時とかなり異なる、その意味でフェーズが変わると理解をしています。

そうした観点から、業界さん何でやってないんですかと問うという趣旨ではなく、約束草案をつくるときに、その想定がどうなっていて、日本の目標がどういう前提で組んでいるかということを国際的に説得的に示すことが求められていることから、やはりここできちんと議論する必要があるという観点から3つお願いがございます。

1つは大塚委員からもありましたけれども、業界の活動量想定についてであります。これは業界の気持ちとして将来もやはり活動を伸ばしたいとご自身は当然思っていらっしゃると思うので、それがこういう数字で出てくるという気持ちは非常にわかるのですが、他方で政府の目標草案を作るときに、どこにどういうポテンシャルがあって、それがどれぐらいできるものかをみていく上では、この活動量想定をしっかり第三者評価をする必要があるのではないか。これは中環審の藤井委員からも出ていた意見だと思います。この間ずっといわれていたと思いますけれども、一方的にやるのではなくて、業界と一緒に情報を交流しながらきちんとやる必要がありますが、第三者の評価が必要ではないかということであります。

それから、2つ目の点でありますけれども、自主行動計画を国のこの部門の施策というふうに位置づけるのであるとしますと、目標や達成の見通しの想定として用いられているいくつかの想定を示していただく、情報をいただくということが必要だと思っております。例えば、これは経団連の行動計画の文章にもありますけれども、BATというのが一体各業界が、何を想定していらして、そのBATにどのように基づいて目標値を出していらっしゃるのかというのはぜひ伺いたいと思いますし、実際に目標が未達の場合、大塚委員の発言にもありましたけれども、そのときはどういう対応をするのかといった点です。

それからもう1つは2020年の目標に向けた進捗、つまり今の進捗、目標の立脚点がどこにあるのかという点についても情報を出していただくことをお願いできればと思います。

そして最後の点でありますが、これも情報の点でありますけれども、恐らく多くの事業者さんはまじめにやっていらっしゃると思うのですが、他方で自治体で計画書制度を行っているところなどのデータの評価を行いますと、同じ業種の事業者さんでかなりのばらつきがあります。これはさっきのBATの議論とも関わるのですが、個社の名前を出していただく必要はないと思いますけれども、個別企業の取り組みの分布といいましょうか、これは小売などでは既に先行してやられているケースがあると思いますが、個別企業の取り組みの状況についてばらつきの情報を出していただきたいということであります。これはいずれも先ほど申し上げました、目標の前提を明らかにすることが国内的にも国際的にも重要だという観点からお願いをし、この議論をぜひもう1回、あるいはもう2回、改めて検討する場を設けていただきたいと思います。

以上です。

〇竹内委員  1分で終わります。

先ほど大塚委員のほうから鉄鋼、自動車についてBAUが高いのではないかというようなご指摘がありましたけれども、2030年の経済成長率、エネルギーミックスについて国が明確に示せていない現状があるわけでございます。産業界の目標値の高低を議論するよりも、この制度に組み込まれている「レビュー機能」を活かして、達成が見通せた時点で目標の深堀りを求めるということ、この制度の利点であるレビュープロセスをしっかりやるという方が有効なのではないかと研究する立場としては思います。

もう1つ、これは次回の話かもしれませんけれども、日本で排出量が増えている業務、民生部門について、ここをどう削減するかの議論というのは、産業界の削減の議論と同様、しっかりと行う必要があるのではないかと思います。

以上です。

〇佐藤委員  佐藤でございます。

自主的取り組みというのは非常に重要でございますが、これを支援するルールを整備することが重要であると思います。

例えば企業が温暖化対策の取り組みを進める上で、金融の支援というのは非常に重要でございますが、そういう取り組みを進める上で、金融業界がどうやって支援ができるのか。そのためにはどういうルールづくりが必要かという点です。最近企業の環境報告書というのが若干停滞しているというのですか、情報を出すということの価値が余り社会に評価されていないという印象を受けます。そういう意味では、企業の取り組みが、例えば金融の有価証券報告書やその他の方法で、金融業界やその他の取引先に評価されて、企業が自主的取り組みを推進することを応援し、それによって企業の当初の達成目標を大幅に超過できるというような状況づくりというのが国に求められているのではないかと思います。

それからもう1点は、公共工事等を通じて、企業は自治体と連携して仕事をしています。日本はこれから高齢化、あるいは過疎化というものが進んでいくことが予想されますが、そういう中で、低炭素化とそれから地域の活性化、これをウィン・ウィンの形で達成するような企業モデルというものを支援するような国の政策が必要だと思います。

以上でございます。

〇山地座長  ありがとうございました。

〇木村委員  各業界から説明があったとおりでございますけれども、経団連の動きを少しご説明したいと思います。

 フェーズⅡに関し、各業界に参加していただくべく、先般、経団連の会長名で文書を発信して、年内に策定していただきたいと依頼しているところでございます。

 具体的には事務局から個別に訪問しながら折衝を重ね、概ね、各業界とも前向きに動いてもらっていると思っています。

 こういう状況を踏まえて、政府におかれましても、低炭素社会実行計画を政策の柱に位置づけていただきたい、こういうふうに思っているところでございます。

 以上です。

〇山地座長  ありがとうございました。

〇小倉委員  鉄鋼連盟も同じでございまして、他の産業界も同じではないかと思うのですが、温暖化対策については自主的取り組みで今後ともきちんとやっていきたいと考えています。今回の鉄連の数値目標はそれなりの努力を積上げた結果であるわけですけれども、説明資料の中にも記載がありますように、将来の開発技術がかなり含まれております。繰り返しになりますが、政府には既に利用可能な技術でできる削減はすぐにでも実行すべきであるということをぜひ世界に向けて主張して日本の技術による貢献を促進していただきたい。我々産業界としては技術開発を含めてきちんとした目標を自主的に立てて、それを着実に実行する形で取り組んでいきたいと思います。

 以上です。

〇秋元委員  2030年目標というと、企業から非常に遠い距離で、それに対して数値を出してきていただいたというのは非常に感謝申し上げたいと思います。非常に難しい数値の出し方になったのだろうと思います。

 ただ、結局やはり我々として、日本としてこのタスクとしては、国別総量目標を多分出さないといけないということだろうと思います。そうしたときに、いろいろ今日お伺いしても、BAU比で幾ら削減とか、エネルギー原単位でどうかという数値が出てきていましたので、それをどうやって国別総量目標のところに積み上げていくのか、プロセス、計算の仕方とか、そういうものに関して非常にこれから難しい作業が必要だなというのは率直な感想です。

 そういう中で、やはり一国民として考えると、こういう業界さんが非常に生産量をむしろ上げて、成長戦略に寄与していってもらいたいというのが率直な感想で、ただ、その中でやはりお話がありましたように、グリーンな製品をつくって、世界にそれを売り込むような形で世界ベースでCOを減らしていくというのがやはり一番あるべきグリーン成長の姿だと思いますので、そういう中で、先ほどフロンの話もちょっとありましたけれども、トレードオフがやはりあるので、そこを余りがちがちにプロセスのところだけを削減を考えると、結局グリーン成長に世界ではつながらないということになりますので、そこは柔軟にある程度は考えていきたいと思います。

 ちょっと数値は中身はまだみていませんけれども、米国は今日の報道ですと26から28%といったような数字が出てきていまして、レンジがあるというところは少し注目すべきところで、日本もやはりそういう生産活動量等の見通しが非常に不透明な中で、少しレンジをもって考えるということは十分考えていったらいいのではないかなと思いました。

 以上です。

〇山地座長  ありがとうございました。

非常に貴重なご意見をいただきましてありがとうございます。

 横断的なこととか、あるいは制度の枠組みに関することに関してはあとで事務局のほうからお答えをいただくことにして、個別のそれぞれ業界ごとに対してご質問もございましたので、なければ特にお答えがない場合にはパスしてよろしいのですけれども、先ほどのご発言の順番に、まず鉄鋼連盟さんからお願いできますでしょうか。

〇桑迫地球環境委員長(日本鉄鋼連盟)  大塚先生からCCSについてのご発言がございましたので、ご参考までにご説明をさせていただきますと、私どもの革新的製鉄プロセス技術開発コース50というのがございまして、これは水素で還元をして発生全体を減らすこと、それと発生するCOを分離する、ここまでの技術開発を私どものタスクとして検討しております。ただし、分離したCOの処置については、国により収集運搬、そして貯蔵のインフラ整備をご検討いただきたい。そこにもっていくためのCOの分離までは私どもとして技術開発をやらせていただきたい。こういう役割分担で進めさせていただいているということでございます。これが1点。

 それと生産量、先ほどご指摘がございましたように、将来フレームが明確に示されてない中のことでありますので、こういうことではあるのですが、ただ私どもとしては1億2000万トンが過大であるという根拠をもてない状態でございます。と申しますのも、2007年度の粗鉱生産量実績は1億2151万トンでございます。鉄鋼生産というのは循環しております。他の業界もそうだと思いますけれども、リーマンショック以前も水準にいろんな業界がどんどん今戻っているというトレンドがある。それと日本でしかつくれない鋼材が、特に海外において需要が伸びているという実態もございますので、私どもでは1億2000万トンプラスマイナス1000万トンという形で前提を置かせていただいていますけれども、この程度をみておくのがむしろ健全である、安全である、こういうふうに私どもとしては考えているということを一言申し上げておきたいと思います。

 あと大聖先生、水素のお話のご発言がございました。水素につきましては、先ほど申しましたように、水素を還元で使うというようなところで私どもは技術開発要素の中に織り込ませていただいて、多量発生産業であるのは事実でございますけれども、そういうことで今考えているということでございます。

 ありがとうございました。

〇山地座長  では化学工業協会さん、お願いします。

〇松本常務理事(日本化学工業協会)  関連でございますが、やはり大聖先生のほうからご質問があったととらえておりますけれども、私どもの資料の11ページのところに人工光合成と書いてしまっておりますけれども、その中で化石資源からではなくてという文章を入れてございます。自然エネルギーから水素を作るという社会を目指していくための研究開発、そういうことを取り組むということは旗を降ろしておりません。我々としてはそういうことを進めていくということを前提でこれからいろいろ開発をしていきたいと考えております。

〇山地座長  製紙連合会さんはよろしいですか。

 次はセメント協会さんはよろしいですか。

 電機・電子さん。

〇実平議長(電機・電子温暖化対策連合会)  特段の個別のご質問はなかったように思っていますけれども、2つばかりコメントをします。

CCSですが、CCSは私どももカーボンダイオキサイドをキャプチャーしているところまではやっているのですが、Sがなかなかないので、ただそれをうまく使おう、ユーセージというところ、光合成等、よくご存じのように、COをリッチな環境下だと光合成がより進む、植物がよく育つということがありますので、その辺のあたりを関係する皆さんと一緒にやれればなということで、私どもは地方自治体と少しやっていますよということがコメントの1つ。

 2つ目はベスト・アベイラブル・テクノロジーの議論があったと思いますけれども、私ども電機・電子のBATは何だろうといろいろとあって、いろいろ考えてきたのですけれども、1つだけこれはいえるなと思ったのは、半導体のメモリーのような話です。微細加工をどんどん進めていくわけですね。今は最初に線幅15ナノメートルとかなっていまして、微細加工をしていくと、単位面積当たりのメモリーの容量がふえますとか、容量当たりの消費電力が減りますよということで、これはいえるなと思って、これはかなり世界に誇れる。ほかのところの組み立て系だとなかなか難しいなと思っているのですが、組み立て系は大ざっぱにいえば空調、照明、それから製造設備ということですね、LEDにかえるだとか、空調はいろんな効率のいいものにかえる、製造設備を個々にどうあたっていくかというのは今後の議論かなと思っていまして、遊んでいるときが結構あるのです。加工してないとき、そこをどう止めていくかというような議論を今それぞれ詰めているところでありますけれども、それが一律にものがいえるような状態でないというところだけはご存じでしょうけれども、そういうところで困っています。

〇石田主査(日本自動車工業会・日本自動車車体工業会)  自動車でございます。

 まず次世代自動車、20%生産時にCOがふえるという根拠でございますが、こちらは実際に次世代自動車をつくっていらっしゃる会員会社さんのデータをいただきまして参照しております。

 もう1つは水素の位置付け、FCVのさらなる普及ということでございますが、今回の目標値の算出にあたっては政府の次世代自動車戦略2010、こちらにある数字を参照として使わせていただきました。

 また、1170万台ということでございますが、こちらはリーマンショック前の2007年度にはこれだけの数字の台数を製造しておりまして、リアリティーのないような数字ではないと我々としては判断しております。

 以上でございます。

〇山地座長  最後に事務局から。

〇小見山環境経済室長  事務局から質問1点と、高村先生から今後の審議の予定という話があったと思いますけれども、今後どのような審議をしていくかとまだ前回お示しした以降のことは決まっておりませんが、先生のご指摘を踏まえてエネルギー産業、また、エネルギー産業以外の産業も含めて報告できないかと検討しているところでございます。

 あと1点だけ、藤野先生から情報公開の件、ご評価いただきましたけれども、非常に重要だと思っておりまして、今回も言及できませんでしたけれども、参考資料3に各業種の見通しを横串で比較できるような資料をつけておりますので、今後もこういうことを続けていきたいと考えております。

〇山地座長  ありがとうございました。

それでは、コーチェアであります浅野先生から一言いただきたいと思います。

〇浅野小委員長  大変興味深い報告を各産業界からお出しいただいたと思います。特に長期的な見通しをもって技術開発を進めたいというお話がありましたが、大変心強く思っていまして、やはり目先のことだけではなくて、2030年、2050年ということであればきわめて重要であると考えています。ぜひこれは単に産業界、企業というよりも国全体の取り組みとして何かここでシステム的に考えなければいけないということを、先ほど高村委員もいわれましたけれども、フロン対策に関する今回の法改正とその施行準備の作業を通じて経験をしていますので、その経験をぜひほかの分野にも活かせるのではないか、そう思いながら今日、お話を聞いておりました。

〇山地座長  どうもありがとうございました。

 本日は、非常に貴重な意見を多数いただいたのですけれども、なかなか司会進行の時間管理が悪くてもう既に10分余り超過しているところでございます。

 反省しているところとしては、IPCCの統合報告書が出たので報告いただいたのですけれども、それに関する議論というのはちょっとこの時間では無理だったという感じがいたします。冒頭申し上げたように、できるだけ具体的な対策、施策に関してご意見を賜りたいということが趣旨でございます。

 私から一言いわさせていただきますと、もう繰り返し指摘されていることですけれども、やはり直接の生産プロセスから出てくるCOの削減というだけではなくて、鉄鋼業界さんが整理されたように、今ある効率的な技術の移転というのもありますし、それから、製品、プロダクトを通した削減があり、その次にイノベーションがあるということですね。この位置づけで国際展開して我が国の貢献をちゃんと理解していただけるようなシステムをつくっていく、やはりこの方向ではないかなと私は個人的に去年の議論から通して思っているところであります。

 フロンに関しても、そういう国際的な視点からみた評価というのが今日もご指摘されましたけれども、やはりその点が我が国にとっては一番肝心なところかなと思って伺っておりました。

 長々いうつもりはもちろんございません。以上で私の発言は終わりまして議事は終了したいと思いますが、最後に事務局から連絡事項等をお願いします。

〇小見山環境経済室長  連絡事項1点だけでございます。

 議事録につきましては、事務局でとりまとめを行い、委員の皆様にご確認いただいた後、ホームページに掲載させていただきたいと考えております。

 それから、次回でございますが、12月5日の午前9時から11時を予定しております。

〇山地座長  では以上で今日の会合を終わります。

 どうもありがとうございました。