中央環境審議会2013年以降の対策・施策に関する検討小委員会(第11回) 議事録

日時

平成24年3月2日 9:00~11:55

場所

全国都市会館「第2会議室」

議事次第

  1. 1 開会
  2. 2 議題
    1. (1)ワーキンググループからの報告について
    2. (2)その他
  3. 3 閉会

配布資料

資料1 エネルギー供給WG資料
資料2 今後のスケジュール
参考資料1 エネルギー供給WG参考資料
参考資料2 電源評価整理表
参考資料3 化石燃料を巡る主な論点
(平成24年2月22日第13回基本問題委員会 資料6)
参考資料4 火力発電について
(平成24年2月22日第13回基本問題委員会 資料7)
参考資料5 化石燃料の現状と課題
(平成24年2月22日第13回基本問題委員会 資料8)

議事

午前 9時02分 開会

低炭素社会推進室長
それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会2013年以降の対策・施策に関する検討小委員会第11回会合を開催いたします。
本日は、委員総数23名中過半数の委員にご出席いただく予定となっております。また、本日の審議は公開とさせていただきます。それでは、以降の議事進行は西岡委員長にお願いいたします。

西岡委員長
皆さん、おはようございます。まず例によりまして、資料の確認をお願いいたします。

低炭素社会推進室長
それでは、議事次第に続きまして、資料1といたしまして、エネルギー供給WG現時点でのとりまとめという冊子。そしてそれに続きまして、エネルギー供給WGの資料についてという1枚紙。資料2が、今後の検討スケジュールについてという1枚紙でございます。そのほか、参考資料といたしまして、分厚いものが参考資料1。そして、参考資料2といたしまして、電源評価整理表フォーマット(案)というもの。参考資料3といたしまして、化石燃料を巡る主な論点。そして、参考資料4からが、資源エネルギー庁の総合資源エネルギー調査会の資料でございますが、火力発電について。参考資料5が、化石燃料の現状と課題についてというものでございます。不足がございましたら、お申しつけください。

西岡委員長
どうもありがとうございました。よろしゅうございますか。
それでは、今日の議事でございますけれども、今日のワーキンググループからの報告はエネルギー供給ワーキンググループでございます。まず、報告を受けた後、皆さんのご討議に入りたいと思っております。
まず、座長の大塚委員と、それから倉阪委員から、お二人続けて検討内容の発表をいただきます。宜しくお願いします。

低炭素社会推進室長
それに先立ちまして、関係会議体の動向等がございますので、ご報告いたしたいと思います。
資料1の後ろの次につけております、エネルギー供給WGの資料についてという資料でございます。まず、今日報告いただきます資料の中身につきまして2点ございまして、系統対策費用についての記述もございます。こちらにつきましては、これに関する試算につきましては、一昨年12月に地球環境部会でとりまとめていただきました中長期ロードマップ(中間整理)におきまして、必要な追加費用の1項目といたしまして、電源系統対策費用というものを示していただき、その後、最新の状況も踏まえつつ、エネルギー供給ワーキンググループにおきまして議論を深めていただいたというものでございます。この、今日お示しいたしますワーキンググループの資料に示されております、系統対策費用に関する試算につきましては、この小委員会、また部会におきまして、地球温暖化対策に関します複数の選択肢の素案を議論いただくというための素材として、ご提供いただくというものでございます。
関係審議会、エネルギーであるとか原子力、こういった関係審議会におきまして、選択肢の原案に関する議論が現在進展してまいっているところでございまして、今後エネルギー・環境会議のもとに設置されておりますコスト等検証委員会におきまして、Call for Evidence等の結果も踏まえまして検討が再開されまして、その中で系統対策費用について検討がなされるという予定になってございます。
また、固定価格買取制度に関する内容も含まれておりまして、こちらの内容につきましては、同様に中長期ロードマップ(中間整理)におきまして一定の過程を置いた上で、投資回収年数などを考慮した価格の試算の結果を示していただいたところでございまして、その後、最新の知見も踏まえつつ、ワーキンググループにおいて議論を深めていただいたというものでございます。
本日の資料におきましても、再生可能エネルギーの買取価格に関連する部分については、一定の過程を置いての試算例を示していただいておりますし、また、その他関連する部分につきましても、選択肢の素案を議論いただくための素案として提示いただくというものでございます。
また、関連の会議体の流れといたしまして、再エネ買取法に基づく調達価格と算定委員会における議論がなされるわけでございますが、その方向性について予断を与えるものではないという性格ということでございます。事務局からは、以上でございます。

西岡委員長
どうもありがとうございました。検討の前提についてのお話がございました。それでは、大塚委員、お願いいたします。

大塚委員
では、エネルギー供給ワーキンググループの現時点のとりまとめについて、お話しさせていただきます。この後、倉阪座長代理から、再生可能エネルギーのところの詳しい話をしていただきますし、荻本委員からも後でお話しいただきますが、最初に全体的なところを私から、35分お話ししたいと思います。
お手元の資料1のエネルギー供給WG現時点でのとりまとめというのをご覧いただければと思います。スライド2が、委員の名簿でございます。
スライド3のほうに移っていただきますけれども、東日本大震災とか原発事故を踏まえたこのワーキンググループでの検討課題でございますが、基本方針として、エネルギー・環境戦略に関する選択肢の提示に向けてという、昨年の12月のエネルギー・環境会議の決定を受けて、複数の選択肢を、温暖化対策との関係で提示するということを目的としています。
原発への依存度低減のシナリオというのが前提になっておりますが、その上で省エネをまず進める、それから二つ目に再生可能エネルギーを進めると、さらに化石燃料をクリーン化するということを踏まえた上で、その上で需要家が主体となって分散型エネルギーシステムへの転換というのを図るという趣旨でございます。
四角の中の、箱の中に移りますけれども、安全・安定供給・効率・環境という、Safety+3Eの要請に応えるために短期と中期と長期からなる革新的なエネルギー・環境戦略を策定するということになっておりますので、これを踏まえて検討いたしました。
そして、2050年に温室効果ガスの排出量を80%削減するということを見据えて、2020年、2030年の時点で、先ほど申しましたように、再生可能エネルギーの普及拡大、化石燃料のクリーン化・効率化、需要家が主体となった分散型エネルギーシステムの転換に向けて、どういう対策・施策を講じていくかということを検討し、とりまとめたということでございます。
次のスライドに移ります。火力発電所につきましては、エネルギーセキュリティと経済性、それから化石燃料のクリーン化・効率化というバランスをどうやって図るかということを特に検討しています。
それから、コジェネ等の分散型エネルギーにつきましては、熱利用、それから需要側でのセキュリティ向上という非常に密接した型の特徴を活用すると、特徴をどうやって生かすかということを中心に検討いたしました。
再生可能エネルギーにつきましては、いつまでにどのぐらいの量が導入可能なのか、どうすれば導入が進むのかということを検討し、さらに電力の系統安定性についての定量分析もいたしております。
そして、国民負担が、どうしても再生可能エネルギーを増やすときに増えるものですから、受益と負担との関係を考えて、国民がどこまで受け入れられるかどうかということについての選択肢を示したということでございます。
そこで、中長期的に低炭素社会を実現するために目指すべき姿といたしまして、2020年には、再生可能エネルギーの普及促進策が有効に機能し、一次エネルギーの供給に占める割合を拡大して10%以上にするということが、既に温暖化対策法案とか現行のエネルギー基本計画にございますけれども、これを2020年までに達成することを目指しています。
そして、地域の活性化とか地域の雇用の創出に大きな役割を再生可能エネルギーが果たすということでございます。また、化石燃料のクリーン化と効率化を進めて、コジェネとか燃料電池等の分散型エネルギーの普及も進展しているという状況を目指しています。
2030年には、大量の再生可能エネルギーを受け入れるための社会システムの変革が進んで、再生可能エネルギーと親和的な社会システムを構築するということを目指しています。この時点では、化石エネルギーに比べてコスト競争力を持つような再生可能エネルギーの導入というのを義務化するということでして、具体的には熱ですね、再生可能エネルギー、熱について義務化を考えています。それから、化石燃料のクリーン化・効率化、コジェネ、燃料電池等の分散型エネルギーの普及が更に加速するとともに、調整電源としての役割を果たすということを、この時点では目指しているということであります。
さらに2050年には、再生可能エネルギーがエネルギー供給の主役の一つとなり、またCCSが行われており、水素エネルギーの活用も行われている。我が国の持つ最高水準の環境エネルギー技術が世界に普及しているというようなことが目指されております。
次に、火力発電についてでございます。既に現行のエネルギー基本計画におきまして、スライド7にあるような記述がございます。目指すべき姿としては、単位発電量当たりのCO2の発生量の削減を図り、BATの技術を入れるということでございます。
具体的な取組としては、石炭火力発電については、新増設とか更新される場合には、原則としてIPCC並みのCO2の排出量を抑制する、排出量に抑制する。さらに、将来に向けてゼロ・エミッションの石炭火力発電の実現を目指すということでございます。
また、2020年頃のCCSの商用化を目指した技術開発の加速化を図るとともに、今後計画される石炭火力の新増設にあたっては、CCS Readyの導入を検討するということで、CCSが入れられるように敷地等の確保をしていただくということを考えています。また、商用化を前提に、2030年までに石炭火力にCCSを導入することを検討するということとなっております。
石油とLNGと石炭の特徴でございますけれども、スライド8にございますように、石油は、燃料貯蔵が容易でございまして、可採年数は40年から46年に、ちょっとオイルスタンドとかの影響で伸びていますけれども、環境性はLNGの1.4倍のCO2が出ると、あんまりよくはないということです。経済性は、価格が高くて、変動が大きいということで、あまりよくないということで、あまり使わないほうがいいような位置づけになります。
次に、LNGでございますけれども、LNGは、燃料の調達先が分散していますし、それからシェールガスなど新規の供給源が出現しているということもございますし、さらに環境性能は一番いいということがあります。ただ、経済性としては、原油価格と連動して変動が大きいということで、弱みもあるということでございます。
次に石炭ですけれども、石炭は資源量が豊富で、調達先が分散していて安定しているということがございますけれども、可採年数は一番長いのですが、中国がたくさん使うようになったために、最近では可採年数は多少減っているということがございます。環境性につきましては、一番よくないということでして、LNGの1.9倍でございます。価格は安くて安定しているということで、環境性へのマイナスが非常に気になるというところでございます。
スライド9は、石炭火力とLNGの火力を比べた場合に、2004年には達成コストは5.7と6.2ということで石炭のほうが安いですが、2030年には大体同じぐらいになるのではないかということが、コスト等検証委員会で打ち出されていますので、その紹介でございます。
スライド10でございますけれども、火力発電は計画から稼働までの期間が長いので、火力発電についての論点についてはこのように集約されるというふうに考えています。
ここでは、直近と2020年までと2020年以降の三つに分けて考えています。まず短期的には、既存の火力が、石炭火力というのは、ベース電源として稼働率が高くて、当面の供給不足には、LNG火力とか石油火力の稼働率向上で対応することになるのではないかという考え方を示しています。
さらに、2020年頃までにつきましては、火力については、建設に一定の期間を必要としますので、2020年頃までには建設・稼働が可能なものは既存の計画分の石炭火力、これ現在3基ございますが、それからLNG火力10基ございますけれども、これに基本的には限られるのではないかということが考えられます。
さらに2020年以降につきましては、火力発電につきましては、エネルギーセキュリティの確保が必要と考えられますけれども、省エネとか再エネについて一定の導入が見込まれるという中で、再エネの電力の調整電源として火力発電の活用を考える必要があるということなどを踏まえながら、どういう火力発電の電源構成を目指すべきかということを検討すべきであるということでございます。
スライド11は、現行のエネルギー基本計画でございますけれども、既に石炭とLNGの火力につきましては、設備容量につきましては、2007年度と2030年とあまり変わっていませんが、発電電力量については、石炭についてもLNGについても、稼働率は低くしているという状態が既に想定されていたということを示しています。
そこで2013年以降の火力発電の建設を見据えた基本的な考え方についてでございますけれども、火力発電は、省エネの進展とか再生可能エネルギーの普及に応じて、徐々に減少していくということが考えられるわけですけれども。他方で、Safety+3Eの観点から、再生可能エネルギー由来の電力を大量導入した時の電力システムの安定運用とか電源のバックアップということを行うために、必要不可欠な電源として設備容量を一定程度確保するということが必要だということが考えられます。
そこで、2013年以降に建設する火力発電につきましては、2050年の時点でも稼働しているということが見込まれることから、2050年に80%削減するということを見据えるとですね、火力発電については、導入の際には、その時点での最新の高効率の設備を導入するというBATの技術を入れるということが必要となりますし、さらに将来的にCO2を回収・圧縮する設備の建設を見越してCapture Readyとすることが必要になってくるということでございます。
その上で、火力発電の発電電力量の構成につきましては、化石燃料のクリーン化という観点から三つの案が考えられるのではないかということでして、案の1といたしましては、電力需要に応じて、火力発電の建設・更新を行うわけですけれども、これは石炭火力とLNGの火力をほぼ対等にするという考え方でございます。案の2は、石炭火力発電については、リプレースのみに限るということで、できるだけガスにシフトしていくという考え方でございます。案の3は、石炭火力発電については、リプレースのすべてはしないということで、ガスに最大限シフトしていくという考え方でして、この三つの案が考えられるのではないかということをお示ししております。
次に、コジェネ等の分散電源についてに移りたいと思います。コジェネの特徴については、そちらにゆだねますけれども、スライド15に移りまして、こちらは、コジェネは熱の利用というのが非常に重要だということを示しております。
コジェネの普及の見通しでございますけれども、従前のエネルギー基本計画では、2030年に1100万キロワットの普及を想定しておりましたが、ここでは3000万キロワットまで普及を拡大するということを打ち出しています。どこを変更したかということですけれども、そちらにございますように、現行の自家発補給契約料金の引き下げを行うということとか、系統への逆潮流の際には最低でも回避可能原価での買取を行うということとか、自家消費分についても一定の支援措置を講じる。こういうことを前提として、従来の基本計画よりもかなり普及を拡大するということを打ち出しております。
コジェネにつきましては計画から稼働までの期間が短いので、幾つかの論点がございます。2013年以降熱需要が存在し、省エネ・省CO2が見込まれる需要家に対して積極的に導入するということが考えられるのではないかということでございます。効率的な熱利用が行える範囲で、調整電源として一定の役割を果たすことが考えられるのではないかということでございます。
さらに、今回防災の観点からの熱需要に関しては、需要に近い側に建設をしておくことが非常に重要ですので、防災拠点となりうる施設にこのコジェネのシステムを入れるということが大いに期待されるところでございます。
基本的な考え方として、今申し上げたような、熱需要が存在して、省エネ・省CO2が見込まれる需要家に関して積極的に導入を図るということと、調整電源としての一定の役割を果たすように社会的な仕組みを整えていくということでございます。
では次に、「再生可能エネルギーについて」に移りたいと思います。再生可能エネルギーにつきましては、なぜ再生可能エネルギーの導入を加速化する必要があるのかということが重要でございますけれども、これにつきましては、スライド21から出ております。第1に、温室効果ガスの削減という点ですけれども、ライフサイクル全体についても、再生可能エネルギーについては、化石燃料の発電に比べてCO2の排出を大幅に削減できるというメリットがございます。
それから、エネルギー自給率の向上という観点からも、再生可能エネルギーは非常に重要な手段でございます。
また、化石燃料の輸入金額を削減できるという意味でもメリットがございます。2011年の暫定的な数字ですが、4.4%、日本のGDPの4.4%分が化石燃料の輸入金額に使われているということですけれども、これを削減できるということでございます。
それから、産業の国際競争力の強化という点で、今のところ再生可能エネルギーが成長市場になっていないということがございますので、これを、国際競争力を強化するという観点からも重要でございます。個別機器とか素材の競争力をさらに図るというためにも、再生可能エネルギーの内需拡大というのは有効でございます。
それから、雇用の創出という点でも、再生可能エネルギーは有効でございまして、設備の設置、メンテナンス、バイオマスの資源収集などの雇用が発生いたします。
さらに、再生可能エネルギーは、地域に根差したものになるというところがございますので、地域の活性化という観点からも重要でございます。
また、災害等によって集中型のエネルギーの供給が途絶えた場合でも、再生可能エネルギーは最低限必要なエネルギーの供給源として活用できるというメリットがございます。
このような点が、再生可能エネルギーの導入を加速する必要性として指摘できると思われます。
再生可能エネルギーの導入見込み量の推定でございますけれども、こちらにつきましては、後から倉阪さんに詳しくご説明いただきますが、低位のケース、これは、東日本大震災の前から考えていたものでございますけれども、それと高位のケースとして、2050年時点で環境省のポテンシャル調査にある導入ポテンシャルを最大限顕在化させるということを目指して想定したものを挙げておりまして、その間の中位というのを想定しています。
スライド31に移りますが、IRRという税引前のファイナンスで使う収益率とか利益率でございますけれども、これが10%を超える数字になりますと、単年度で想定を大きく超える普及・拡大が進んでしまって、かえって太陽光発電の継続的な普及とか拡大が阻害されるということが、太陽光について今、既にドイツとかスペイン等で明らかになってきておりまして、10%だとちょっと非常に高いということで、これが高位のケースとして考えています。
8%程度だと順調に普及するということで、これを中位のケースとしています。3%となると住宅用の太陽光の普及は進むけれども、中規模、大規模の発電事業が進まないということが見込まれておりますので、3と8の間の6%というのを低位ケースとして想定しています。
さらにスライド32では、地熱に関しまして、今般、国立・公定公園等の外縁部から1.5kmの範囲を開発可能とした平成22年度の環境省ポテンシャル調査における導入ポテンシャルを採用したということが、従来とちょっと違っているところでございます。
再生可能エネルギーの普及の見通しでございますけれども、一次エネルギーの供給ベースにおきましては、直近年と比較して、2020年には1.3から2.1倍、2030年には2倍から3倍になるということを見込んでおります。
発電電力量ベースにおきましては、2020年には発電電力量の2割前後、2030年には2割から4割程度を見込んでいます。2030年につきましては、この低位というのが2割で、高位というのが4割で、中位というのが3割でございまして、これによって負担のバランスが変わってくるということであります。
先ほど申しました再生可能エネルギー導入の七つのメリットを定量化したのが、スライドの35でございます。それぞれについて数字で示したということであります。雇用の創出については、2012年から2020年平均で30から48万人ということですけれども、これについては太陽光と風力でそれぞれ輸入の比率が違ってきますので、一定の輸入の比率を前提とした数字でございます。太陽光については、スライドの27にもありましたように、建設・設置のところで、特に雇用創出の効果が期待されます。
次に、電力需給調整でございますけれども、こちらも後から倉阪さんに詳しくご説明いただきますが、再生可能電源の大量導入によって、電力の需給調整をしなくちゃいけなくなるのではないかと、電力の安定供給に影響が生ずるのではないかという問題が発生します。
ここで非常に大まかな話だけいっておきますと、従来検討とされていた蓄電池の導入というのを考えずに、広域的な運用で、再生可能エネルギーはいっぱい入ることができるのではないかということを考えておりまして。具体的には需要の能動化と揚水発電の利用、それから再生可能電源の出力抑制という三つのものを順番に対策を実施することによって、大量の蓄電池の導入ということを避けることができるのではないかというのが、ここでの考え方でございます。
スライド40にございますように、これによって従来、スライド40の下のほうですけれども、低位・中位・高位とそれぞれ9.1兆円から19.3兆円、系統対策費用がかかるというふうに考えられてきましたが、右にあるように、3兆円から5.1兆円というふうに、大幅に系統費用は少なくなるものと考えています。
スライド41は、それのより詳しい数字でございますけれども、既往検討に基づくケースと本分析に基づくケースの大きな違いは、蓄電池のところが、本分析に基づくケースにつきましては、なくなっているというところでございます。
次に、支援策ですが、再生可能エネルギーの導入の見込量を達成するために必要な買取価格というのは、スライド43のようになるだろうと考えています。また、ここで重要なのは、IRRが買取価格を決める際に重要な要素でございまして、ここでの数字はいろんな仮定を置いたものであり、変更できるようなものでございます。
スライド43につきましては、買取価格を機動的に下げる必要が、場合によってはあるということを示しています。
スライド44以降についても、倉阪さんに後で詳しくご説明いただきますけれども。太陽光の価格があまりに高くて市場が過熱したという場合に、機能的に価格を下げないとスペインのように失敗することになりますので、思ったより普及をしたら、その次の年はもっと下げるというような対応をとる必要がございます。これについて、ドイツでは、あらかじめ明示して価格の、固定価格の買取の低減率を提示化していますけれども、それと同様のことを我が国でも行うべきではないかということでございます。
スライド45は、先ほどちょっと言い間違えましたけれども、ここにあるのは、仮定を置いた数字でございまして、IRRが買取価格を決める際には最も重要な要素でございます。
それから、スライド46でございますけれども、これは回避可能原価についての基本的な考え方を示しています。買取総額がすべて需要家の新たな負担になるというものではなくて、その中には、例えば火力発電所を使うことによって、本来は必要となった費用も含まれていますので、そういう回避可能原価というのが買取総額の中には含まれているということを示しているものでございます。ですから、消費者にとっても、需要家にとっても、あるいは電力会社にとっても、この回避可能原価の分というのは、もともと本来、負担することが必要だった費用であるということを示しています。
上の青い部分で、電力需要家負担というところは重要でございまして、これがサーチャージの単価となって、需要家の負担となるということでございます。これをどのぐらいにするかということが、スライド34の2割から4割のどのぐらいの普及率につながるかということと関係するわけでございます。
それから、スライド48でございますけれども、買取制度によってどういう効果があるかということですが、先ほど申しました低位と中位と高位に分けて、それぞれ2030年時点で156円/月、それから291円/月、553円/月というような負担額となりまして、それぞれ再生可能エネルギーの発電量の導入を2割・3割・4割とすることに対応するわけでございます。このどれを選ぶかということが問題となるわけでございます。
それから、スライド50、51はちょっと飛ばしまして、スライド52に移りますけれども、これは太陽光を高く買い取るのはなぜかということでございますが、電力とかCO2の削減という価値以外に、技術革新の効果というのがあるということでございます。そのピンクの部分というのが外貨の原価でございますけれども、将来太陽光が安くなるということが見込まれるので、将来の利益を前倒しして持ってくるという、負担と受益の維持転換というのを行うと。そういう技術革新効果というのがあるんだということを示しております。
スライド53ですけれども、これは再生可能エネルギーの熱に注目する必要があるということを示しています。
それから、スライド54ですが、その熱に関しまして、調達の義務化をするということが考えられますけれども、まずエネルギー供給事業者に対して、一定量のグリーン熱証書の調達を義務付けるという制度を構築するということが考えられます。
もう一つは、新築建築物の建築主に対して、グリーン熱の利用が義務化された場合に、グリーン熱証書の代用を認めるということが考えられまして、これ、一種のクレジットを買うことができるという考え方でございます。マル1は、供給側のほうに義務付けをするということで、マル2のほうは、需要家のほうに義務付けをするということでございます。既に、マル2につきましては、京都府とか京都市で、1は始めているような状況がございます。
スライド55でございますけれども、再生可能エネルギーの導入化をして、このような非経済障壁があるということでして、それに対する施策として、スライド56のようなことを考えています。データベース整備とか廃棄時における処理システム、さらに電力需要調整システムの構築、それから風力に関して、出力抑制については、電気の送り手と受け手の間で、出力抑制に伴う逸失利益の取扱いに関するルール作りというのが問題となります。
これは風力発電に関して解列をお願いするということがまれにございますけれども、その場合にトラブルが起きる可能性もございますので、あらかじめ出力抑制に関してルールを作っておいて、協力をしていただくと。その場合には、半額を補てんするというようなルールを例えば作るということが考えられます。さらに、接続義務に関しても、紛争が起きる可能性はないわけではございませんが、一般電気事業者のほうが一義的な挙証責任を負うという方向で、中立的な第三者がADRを行うということが考えられます。あと、そこで整備が進むように国が関与するということとか、配電電圧の昇圧などが考えられます。
スライド59以降は、現在申し上げたことをロードマップに追加したものでございまして、最後にスライド65でございますが、留意点といたしましては、2020年の再生可能エネルギーの導入見込量を達成するためには、買取による支援とあわせて、非経済障壁の克服とか金融面での支援も同時に進めていくという必要がございます。
特に中小水力とか温泉発電のような小規模な再生可能エネルギーに対しましては、自治体とか地域の金融機関、企業、地権者などが連携したビジネスモデルが有効でございまして、地域の果たす役割が大きいということでございます。
それから、小規模の分散型の再生可能エネルギーが大量に普及した場合のメンテナンスの体制とか廃棄時の費用負担についても、事前に検討しておく必要がある。
また、固定価格買取制度の運用につきましては、物価上昇時に、物価スライド制のような形で価格が変わっていくということが検討されるべきではないかという問題がございます。
それから、再生可能エネルギーの導入による便益の分析につきましては、将来的に輸入比率が増加した場合にどうかということをあらかじめ考えておく必要があるということでございます。
それから、電力の需給調整の分析につきましては、モニタリングデータの収集等による更なる精緻化が必要であるということです。
非経済障壁の克服については、国全体で連携して、規制の見直し等を進めていく必要がございます。
現時点での検討結果のとりまとめといたしましては、火力発電及び分散型電源につきましては、火力発電については、安全・安心と3Eを踏まえながら、2050年を見据えて、建設時及び運用時に石炭火力とLNG火力についてどういう基本的な考え方を選択するかによってCO2の排出量が変わってきます。
コジェネ等の分散電源につきましては、熱需要がありますので、熱利用があり、省エネ・省CO2が見込まれる需要家への導入を進めていく必要がございます。
再生可能エネルギーの導入加速化の必要性については、7点、先ほど申し上げたことがございます。
導入見込み量については、三つのケースを想定いたしました。買取価格については、2020年時点の導入量に対してIRR8%を満たす価格を基本として想定しています。一次エネルギーの供給量は2020年で1.3倍から2.1倍、発電電力量に占める比率は2割から4割というのが2030年ですけれども、見込まれています。
それから、電力需給調整システムの検討につきましては、系統対策費用を大幅に抑制できる可能性が示されたということであります。
導入支援策についても、先ほど申し上げたとおりでございます。
非経済障壁につきましては、課題を抽出して、克服するための施策を検討する必要があるということで、幾つかの細かい点について申し上げたところでございます。
ちょっと風邪を引いておりまして、大変ご迷惑をおかけしまして申し訳ありません。以上でございます。

西岡委員長
それじゃあ、倉阪委員のほうから、お願いします。

倉阪教授(エネルギー供給WG座長代理)千葉大学法経学部総合政策学科
私のほうから、今ご覧いただいた資料の33ページに、まず普及見通しの表がございます。これの具体的な内訳について、参考資料の1の3-3.再生可能エネルギーの導入見込量について、こちらの資料をご覧ください。こちらに基づきまして、より詳しく補足をしていきたいと思います。
再生可能エネルギーの導入見込量の前提条件が、3ページ(通し番号39)から後、詳しく書いてあるんですが、こちらにつきまして、個別にエネルギー種ごとにご説明をまず差し上げたいと思います。
資料の6ページですね、こちらが今、大塚委員からご説明いただきました、導入見込量の総括のグラフでございます。これの具体的な内訳が、次の7ページに書いてあります。発電見込量の電力量の比率、こちらが8ページに書いてあります。これも既に大塚先生のお話にあったと思いますので、飛ばしていきたいと思います。
全体の部分を飛ばさせていただきまして、中小水力発電の導入見込量について、こちらのシートから個別にご説明を差し上げます。
14ページをご覧ください。中小水力発電の導入見込量につきまして、中小水力発電につきましては、規模区分別に買取価格を検討すると、そういった観点から導入見込量を想定をしております。ほかの再生可能エネルギーも同様でございますが、今回からコスト等検証委員会の想定に基づきまして、初期投資の5%をすべて廃棄コストという形で見込んでおります。
低位につきましては、3.11前の見込みという形で置いております。高位につきましては、平成22年度の環境省ポテンシャル調査におけるポテンシャル量を全量顕在化していると。その間を中位という形でとっているところでございます。
中小水力発電のポテンシャルにつきましては、平成22年度の環境省の調査におきまして、15ページに書かれてありますように、地点ごとに設備容量が出されているところでございます。
次の16ページでございますが、この設備規模区分に応じて発電単価が異なるということでございます。したがいまして、規模区分ごとに買取価格を設定する必要があるのではないかということでございます。
次のシート17ページにつきましては、導入見込量をグラフとしたものでございます。
18ページにまいります。18ページにおきましては、買取価格の考え方を書かせていただいております。導入見込量につきましては、その目指すべき導入見込量、中小水力発電については決めた上でIRR8%を満たすための買取価格を算出すると、そういう論理構造でやっているところでございます。
19ページに、その買取価格の具体的な、一案というか、これが出されております。ここでご覧いただきますように、マル4のところですね、1000キロワットから100キロワットという小さいところにつきましては、IRR8%を確保しようと思いますと100円を超えてしまうと、こういった形になっております。
したがいまして、ここにつきましてはですね、別途の支援策か何か、例えば安全・安心であったり、コミュニティの持続可能性であったり、そういった別途の観点から補助金等の支援策をやっていって、その普及をしていかざるを得ないのかなと。固定価格買取だけで、ここの部分が進むとは思っていないというまとめでございます。
次に、地熱についてご説明を差し上げます。21ページをご覧ください。地熱発電の導入見込量の考え方でございます。地熱につきましては、事業特性といたしましてリードタイム、事業が実際にその計画されてから運転開始までの期間が長いということがございます。2020年ということにつきましては、現在、運転開始が見込まれているところだけカウントをするという形でございます。
高位につきましては、このポテンシャル調査の全量を顕在化させるという形でございます。この、それぞれのところでですね、低位・中位・高位で変わってきているところは、温泉発電の取扱いでございまして、そちらについてドリームケースを採用するか、ベースケースを採用するかという形で、ポテンシャル、導入見込量を書いているところでございます。
22ページをご覧ください。地熱発電の導入ポテンシャル、特に従来型の大きな地熱発電につきましては、今般、国立・国定公園の外側から斜め掘りをして資源を採掘しても構わないというような方向が出されておりますので、そちらについて、そのポテンシャルが大幅に増加をしているという図でございます。
発電コストにつきましては、23ページにありますように、地点によって発電コストが異なるところでございます。
24ページ・25ページ、これが現在計画をされているそのものでございまして、特に2020年の導入見込量といたしましては、秋田県の山葵沢(わさびざわ)の、この25ページに書いてある事業だけ取り上げているということでございます。
26ページに地熱発電の導入見込量が書かれております。2050年には、両者合わせて743から792万キロワットということでございます。温泉発電の分が傾斜がかかっておりますが、それほど大きくないということでございます。
27ページでございますが、買取価格を方式ごとに分けております。フラッシュ方式といいますのは、従来型の大きな地熱発電でございます。バイナリーというのは、熱量の低いところでも発電ができるような、そういう工夫をした方式でございまして、バイナリーのほうが高いということでございます。実際に温泉発電に関してバイナリーで、松之山温泉、新潟県の温泉で今、実証実験が始まっているところでございます。
28ページでございますが、こういう低温のところのバイナリーと、温泉発電は、さらに松之山の発電コストを考えながら、それぞれその区分を分けて、そのIRR8%が確保できる買取価格を設定したところでございます。
次に、バイオマス資源に行きます。30ページをご覧ください。バイオマスにつきましては、今年度バイオマス資源の調達費用を考慮するということを行いました。低位ではですね、2020年以降横ばいというような形でございますが、高位においては、現状の導入ポテンシャルを全て利用して、国産材利用促進に伴う林地残材の利用量の増大も想定をしているということでございます。
31ページにその、今度は熱利用のほうですね、そちらについても書かれております。こちらも高位においてはそのポテンシャルをすべて有効利用していくというような考え方でございます。
熱利用につきまして、次の32ページのところが、発電と熱利用の導入ポテンシャルということでまとめた資料でございます。このバイオマスについての考え方ですけれども、33ページに書かれておりますけれども、発電だけで利用するということではありません。従来から薪炭利用という形でですね、熱利用もやられてきた分野でございますので、そちらについても同様にカウントをしております。それぞれ導入見込量を満たす区分においてですね、PIRR(プロジェクトアイアールアール)、内部収益率8%を確保するという買取価格を算出をしたところでございます。
次の34ページに書かれておりますように、いろんな利用の方法はあるわけですけれども、直接の燃焼利用とガス化して利用するという両方の分け方で考えているところでございます。
35ページは、飛ばさせていただきます。それぞれ、発電と熱利用を両方使うところは、シェアを2分の1というような形で暫定的に置かせていただいているところでございます。
36ページから、ちょっと2枚飛ばさせていただきまして、38ページをご覧ください。38ページにおきまして、発電につきましての導入の見込量が書かれているところでございます。
39ページが熱利用についての導入見込量ということでございます。
この導入見込量を達成するための、その買取価格ということでございますが、40ページでございます。バイオマスの発電についてはですね、下の表では左のほうが発電のほうでございます。買取価格が、低位では13円/キロワットアワーということでございます。高位においては、林地残材系が30円/キロワットアワー、廃棄物系が33円キロワットアワーというような値となっております。熱利用については、買取価格ということではなくて、これは支援策ということでございます。例えば熱証書ですね、そういったものをこう設定をして、それを導入をしていくということで、同じようにIRR8%というところでどのぐらいの証書価格が必要かということが書かれているところでございます。
次に、太陽光発電にまいります。太陽光発電につきましては、42ページをご覧ください。太陽光発電のコストにつきましては、導入地点による差というのが小さいということで、こちらについてはですね、ちょっと考え方が変わってくるんですけれども、固定価格買取制度の買取水準によって、どの程度の反応があるのかという形の試算になっております。したがいまして、IRR8という水準は中位の水準でございます。高位についてはですね、IRR、この場合は10というような水準で設定したら、どの程度出てくるかと。それから、低位については、もう少しIRRを抑える6%というような水準でどの程度反応するかと、そういう推計をしているところでございます。
43ページに書かれておりますように、ドイツの事例から考えますと、10%が上限であろうと、こういうような考え方でございます。一方で、その6%下がっていって、さらに下げられるとですね、ほとんど反応しないということも書かれております。したがって、6から10ということで置いたということでございます。
太陽光発電については、44ページでございますが、導入量が多くなれば価格は下がると、こういうようなことが想定をされているわけでございます。将来的には、国際価格に収れんをしていくというふうに考えております。現在のところは、日本企業のほうの価格が若干高いということでございます。
太陽光発電コストにつきましては、廃棄コストも含めた形で設定をしておりまして、将来的に、2020年までにですね、戸建で20万円/キロワット、新築で18万円/キロワット、メガソーラーで19万円/キロワットと、こういうようなレベルに低下をしていくというふうに考えております。このコストにあたりまして、整地代ですね、土地代のようなもの、借地料、こういったものは入っていないということでございます。
46ページに、低位のシナリオが書かれております。低位シナリオでは、現状と同じ程度の支援を継続をするという考え方でございます。
この結果、47ページにありますように、2020年の導入量は2600万キロワット等々というふうになっているところでございます。中位におきましてはIRR8%、住宅の場合は、投資回数年数10年というような形で設定をしているものでございます。
特に48ページのこの右下のグラフでございますが、3年間ブースト期間というものが置かれているということでございます。これはFIT法の中で書かれているものを入れております。その結果が、49ページに書かれているところでございます。
50ページには、高位のシナリオが書かれております。IRR10%というような、その水準での支援ということでございます。
51ページに、その2030年の導入量が1億キロワットを若干超えてくると、こういうようなシナリオになっているところでございます。
52ページでございますが、国内の産業の技術革新の誘発・競争力の維持のために、一定規模の国内市場の確保が必要だというような考え方でございます。低位シナリオでは、残念ながら、世界の導入スピードとの差が拡大をしていって、世界の企業が日本に売りに来ると、こんな形になってしまうということでございまして、日本では売れなくなるということですね。そういう形になってしまうということでございます。
さらに、変換効率の設定でございますが、53ページにありますように、現在の変換効率で置けるところにすべて置いたら、2050年の低位というような、こういったポテンシャルになるわけです。これが全量を出現するような形になるわけですが、2050年までの間に変換効率が上がるだろうということで、この2050年の高位のシナリオでは、変換効率が10%上がるということを想定をして、同じ設置面積でも導入量が増えるというような試算をしているところでございます。その結果が、54ページに書かれているシナリオということでございます。
55ページから74ページまでは飛ばさせていただきます。参考資料ということでございますので。
次に、風力発電のほうにまいります。76ページをご覧ください。76ページにおいては、風力発電の導入見込量の考え方が書かれております。風力発電につきましては、風力発電協会の想定を参考にして、2050年の中位と高位のシナリオを書かせていただいております。その際に、各電力会社の発電設備容量、導入ポテンシャルの制約というものを考慮して、見込量を算出をしているところでございます。
具体的に申し上げますと、次に77ページに書かれておりますように、風力については、ポテンシャルは地域的に偏りがございまして、東北・北海道にかなり偏っているという状況になっております。洋上についてもですね、同様に北海道・東北に偏っているということでございます。その際に、79ページをご覧ください。79ページにありますように、2020年までには、既設の地域間連系線の積極的な活用を前提として、導入見込量を設定をすると、こういうような形でございます。
これが、80ページにまいります。80ページにおきましてはですね、さらに2030年・50年ということになりますと、東日本の一体運用、西日本の一体運用というものを前提にしながら、導入量は拡大していくと。さらに、その需給のディマンド側のコントロールというようなもの、あるいは電力貯蔵設備の有効活用と、こういうようなものも想定をしていきながら、たくさん入れていくということをやっているところでございます。
若干飛ばさせていただきます。海洋エネルギーにつきましてはですね、89ページでございます。今回新たに導入したものでございますが、89ページにおきまして、波力発電と潮流発電、両方を想定をして、今、若干入ってくるということをやったところでございます。
どういうものが考えられるかということでございますが、波力発電につきましてはですね、95ページをご覧ください。設置イメージとしてですね、洋上の風力発電と組み合わせて設置をするというようなことを考えております。洋上風力の間に波力発電機を入れていくと、こういうような考え方、これが沖合浮体でございます。さらに、沿岸で固定をして利用するというものも入れておりまして、96ページに書いてありますように、沿岸固定式と沖合浮体式、両方につきまして導入見込量を書いたということでございます。
さらに、潮流発電というものですね、こちらについても考えてみました。イメージとしては、101ページに若干絵が描いてあるんですけれども、いろんな形で海の中に置いたりというようなことをやっていくイメージでございます。
その結果、海洋エネルギーの導入見込量、若干戻りますが、99ページに導入見込量のまとめがあるところでございます。
さらに、ざっとまた飛ばさせていただきまして、111ページから後、太陽熱利用ですね、こちらについての導入見込量の考え方が書かれております。112ページでございますが、導入見込量について、買取、関係団体の目標、導入ポテンシャルを踏まえて、推計をしたところでございます。導入ポテンシャルとしてはですね、113ページにありますように、家庭部門の給湯用エネルギー消費の30%ぐらい行けるんじゃないかと、こういうような見込みでございます。
114ページにありますが、ソーラーシステム(強制循環式)が主に普及していくだろうということで、1台当たり50万円ぐらいのコストに収れんしていくのではないかということでございます。
115ページにありますが、この太陽熱については買取価格ではなくて、経済的支援、これは証書のようなものですね。それに加えて、経済面以外の課題、強制的に押し売りをするような会社があって、社会的にはちょっと、その信頼度が落ちたりとかということもありましたので、そのあたりの回復をしていくということもあわせて考えていくということで、117ページに熱利用の導入見込量が書かれているところでございます。
以上が、ざっとでございますが、大変申し訳ございませんが、導入見込量についての補足説明でございます。
さらに、ちょっとお時間いただきまして、3-4.電力需給調整システムについての説明をさせていただきたいと思います。その次についているものでございます。よろしいでしょうか。
大量の再生可能エネルギーを導入した場合ですね、やはり電力の安定供給に影響が出る可能性があるということでございます。この3-4の2ページ(通し番号175)、これは大塚先生の説明にもありましたけれども、説明について、調整についてはですね、1時間レベルでの需給バランスを確保するとともにですね、短周期変動についてカウンターで調整をしていってならしていくと、そういった両方の調整力が必要だということでございます。
昨年度はですね、4ページにありますように、配送でネットワークの形、こういったものを示したわけでございます。今年につきましては、6ページをご覧ください。
今年度の分析におきましては、太陽光と風力、特に変動をもたらし得る再生可能エネルギーについて、両方が大規模に導入されるというときに、どうなるかということをやったところでございます。その際にですね、地域ブロック別に分析をしております。特に東北と東京の一体運用、西日本の一体運用ということを導入した場合、どうなるかということをしております。
それから、需給バランスと調整力の両面から、系統制約を分析をしております。その際に、ディマンドサイドのコントロールですね、PV、電気自動車であったり、それからヒートポンプの給湯機、そういったもののマネジメント、さらに揚水発電の活用、そういうようなものを最大限やった場合、それでもだめな場合には、再生可能電源、例えば風車を解列するとか、そういった形で調整をしていくと、こういうような考え方にしたところでございます。
7ページにありますように、震災後ですね、各電力会社の24時間365日の実績データが得られるようになりました。これを使っております。8ページにありますが、出力のならし効果というものも考えております。
9ページも、その、これは個別の変動について今どうなっているかという、時刻別のパターンも勘案しているということでございます。
10ページが、その優先順位でございますが、まず需要の能動化をやっていこうと、これはプライシングを変えるとかですね、いろんなことをやらないといけないと思いますが、こういったことをやっていく。さらに、揚水発電等を利用し、最終的に出力抑制をやるということでございます。
11ページにありますが、発電単価の安い順に火力を稼働していくというような考え方で進めているところでございます。
12ページでございますが、今回、前提とした導入量につきましては、2030年の高位ケースを選んでおります。太陽光と風力の2030年断面での高位ケースで需要、需給変動がどうなのかということでございます。その際に、13ページにありますように、火力発電、揚水発電の調整力の想定、容量比5%、20%というような調整力を持つということで想定をしているところでございます。
14ページから後はですね、具体的な分析のイメージでございますので、飛ばします。5月の1日と書いてありますのは、負荷が最小になっているときでございます。負荷が小さいときに、再生可能エネルギーがたくさん入ると変動を起こすということでございます。その際に、解列をする比率がどのぐらい必要かという分析をやったところでございます。
分析結果のまとめでございますが、17ページでございます。特段の対策を講じない場合は、年間発電量の6%要らないというか、解列をすると、抑制をするということになります。そうすると、再生可能エネルギーの発電事業者の収益性も下がってくるということでございます。しかしながら、需要の能動化、それから揚水発電の活用を行うとですね、出力・抑制率は約0.2%ということで、ほとんどやらなくていいと、解列しなくていいという状況でございます。ただ、地域別等々、若干補足しないといけないところがございます。
18ページにありますように、感度分析も行っております。能動化対象設備が少なくなった場合とか、変動率が上がった場合とか、風力発電の変動率が上がった場合等、こういったものが検討をしたところでございます。
19ページでございますが、広域運用をやっていった場合とやらない場合、どういうふうに違うかということでございます。東日本の場合ですね、一体運用をすると、ちゃんと運用した場合はですね、揚水まで活用すると0.2%でいいわけですが、ばらばらにした場合は、東京は大丈夫なんですけれども、東北は41%出力抑制をしなきゃいけないということでございますので、東日本の一体運用というのは、不可欠だという結論でございます。
それから、20ページでございますが、北海道についてはですね、今回のものではですね、今のところ独立で試算をしました。その結果、対策をした場合でも10%解列をしないといけないと、出力抑制しないといけないということでございまして、こちらにつきましてはですね、さらに需要を移すとかですね、連携性、系統連系を強化するとか、そういったことが必要であるということでございます。
21ページにありますように、まとめでございますが、今回ですね、震災後出てきた各電力会社のデータを使うことができたわけですけれども、さらに太陽光・風力の出力データの解析が必要であるとともに、今回の結論の重要な点としては、広域融通というのが大きなポテンシャルを有するということでございます。これをちゃんとやっていけば、効果な蓄電池をたくさん置いてですね、発電、各発電家の調整をするというような効果が、社会的にコストの高い調整策をやらなくても、そちらを最小限に抑えながら、この再生可能エネルギーを大量導入することができるのではないかという方向性が出てきたということで、私の補足を終わらせていただきます。

西岡委員長
はい、どうもありがとうございました。荻本委員からも、つけ加えるところがございましたら、お願いします。

荻本委員
補足の補足となります。今の3-4.電力需給調整システムについての資料の2ページを見ていただけますか。はじめにというところで、再生可能電源の大量導入に伴う課題(1/2)というページです。ここを見ていただきますと、局所的課題と大局的課題と二つあります。再生可能エネルギーがたくさん入ってきたときの電力システムのイメージということを頭に描いていただきたいんですが、配電線とか送電線は、発電側と需要側をつなぐパイプのようなものです。ですから、このパイプに太さの制約があったりすると、電圧が変動したりしてしまうというようなのがですね、局所的課題というところに書いてあります。
メインの資料に、こんな対策費が必要というようなページがございました。あけていただけるとすれば、それは40ページ、41ページになるんですが局所的な課題に対してその対策案があって、そのコストにつながっているという構造になっています。
この数兆円のオーダーのコストを解消するために、局地的な課題に関しては、配電線のところのパイプがどうやら細い可能性がある。また、細いときには幾つかのSVCという言葉が出てくるんですが、いろんな設備をくっつけて、横からサポートしてあげるといいかもしれない。ただ、それには非常に大きなお金がかかるというようなことが、こういう資料を見て、よく見ていただくと分析されているということになります。
この局所的な課題を解く一つの可能性というのが、メインの資料の58ページのところにあります、配電電圧の昇圧という言葉が、58ページのちょうど真ん中の下ぐらいに出てきます。またはその少し上にですね、無効電力制御というような言葉が出てきます。極めて電気的な言葉でわかりにくい話ですが、要はパイプが細くて詰まりぎみになるところを、パイプを太くできないだろうかというのが配電電圧を昇圧するという考え方で、細いパイプの向こう側にいろいろ変動すると電圧が変わってしまうので、太陽光発電の装置自身がその変動をしないような動きができないかというようなところが、無効電力制御方式。
非常にわかりにくいんですが、ありとあらゆる手を使って、大きな投資にならないようにしよう。または、配電電圧昇圧というのは非常に大きな投資に実はなるんですけれども、将来、電力システム、またはエネルギーシステムを低炭素化をするということに、電力化をするということが非常に有効であるとすれば、それに対する必要なインフラをちゃんと整備していこうという、そういう組み合わせを考えているというふうにご覧いただければいいかなと思います。
難しいほうの大局的課題です。大局的な課題は、補足の資料の2ページですが、どんなに太いパイプで結んでも、供給側と需要側が常にバランスしていないと電気(電力システムの運用)がなかなかうまくいかない。それを直接解決するためには、バランスをするためのバッテリーが非常にたくさん要りますというのが、またメインの資料で、対策費に出てきているわけです。この考え方では、非常にたくさんのバッテリーが必要になってコストがかさむので、それをいろんなその調整力を集めて何とかならないだろうかというふうに考えたのが、この大局的課題を解いている3ページ以降になるという話になってまいります。
要は、発電側が変動する、需要側も変動する、そういう世の中に入ってきます。火力発電の割合がだんだん下がるということは、電気の発電量をいつでも自由に調整できる便利な発電所、火力発電所が減っていくということになるわけです。ですから、それをそのままにしておくと、バッテリーが要ると。でも、その前にやれることがないかということをいろいろ考えていて、先ほど需要を調整できないかというような言葉が出てきたのは、今までは発電所だけが電力システムの需給調整をしているのに対しを、需要側が一緒になって調整できないか。またはその揚水発電所もそれに活用できないか、または火力発電所も今以上にたくさん調整にできないかということをモデル化をして、今回、分析したわけです。
このページのまとめのところ、21ページをもう一度見ていただければと思うんですけれども、この検討というのは、従来もいろんなところで行われてきて、対策費までいろいろ出されてきました。これに対し、今回は、現在手に入る最善の知見をもって、または今期待できるICTの技術とかスマートグリッド的な概念も含めて、最大限投入したら、こういうことになる可能性があるだろうというところまでを分析しました。しかし、21ページのところに、赤字で書いてあるように、一応の需給バランスを確保する見通しは得られましたが、ただし、例えば太陽光発電、または風力発電がたくさん入ったときにどんな変動をするのかということは、実はよくわかっていない。これから、だんだん設備量が増えていって、ならし効果という言葉も出ましたが、トータルでどのぐらい変動しそうなのかというのがわかっていく。または発電予測という技術が入ってきて、ちゃんと将来を予測して運用できるようになっている。そういうものがトータルとして働いて、全体を最適化していくんだろうというふうに思います。従って、最善の計算はした。ただし、いろいろまだわかっていない点もあるんで、それは詳細、今から定量化していかないといけないというところにあるということを補足させていただければと思います。
あと、参考資料の2について、別の話になってしまいますが、ここに星取表のように、電源の特性をマル・バツ・三角をつけたというような表がございます。この資料ですね、非常に便利な資料でございまして、安定供給はどういう特性を各電源が持っているか、または経済性はどういう特性を持っているかというようなことを、コスト等検証委員会の結果も含めて整理したものです。非常にわかりやすく整理されて参考になるというふうに考えて我々用意はしたんですけれども、もう少しブラッシュアップしないといけないかなとは思っております。
ただ、これを見るときに一番大切なのは、そもそもどういう属性を持たないといけないか。一番上の欄にある、安定供給、それから経済性、環境性、または安全性、そういうものを評価しないといけないのか、評価するとすればどういう指標で見るのかということが合意できてきますと、この表を使って、最新の知見を入れ直すことによって、一番いい電源の組み合わせを考えていけるというふうに思っているところです。3E+Sというような言葉、いろんな政府の見解でも出ておりますけれども、本当にそれをどう実現するのかという最善の組み合わせをつくるということに、こういう考え方を是非活用できればいいかなというふうに思っております。以上です。

西岡委員長
はい、どうもありがとうございました。非常に大部の作業をしていただきまして、また、非常に綿密に書かれているということで、すぐには全部を理解できないところもあるかもしれません。ですけれども、一応ですね、ここで我々のマンデートである再生可能エネルギー、あるいは化石燃料のクリーン化、さらには需要家が主体となった分散型エネルギーの転換といったことをどこまでできるかということをカバーしていただいたと思っております。
いつものとおり、あまり時間がなくなってまいりましたけれども、今日は部会のほうからも7人の委員の方もお見えになっております。これからのディスカッションでございますけれども、例によってですね、お二人ずつぐらいまとめてご質問願って、それから今発表なさったお三方に答えていただくというプロセスで行きたいと思っております。手短にですね、ポイントを突いた質問、あるいはご意見をいただきたいという具合に考えております。宜しくお願いします。
それでは、渡邊委員のほうからお願いできますか。

渡邊委員
ありがとうございます。資料1の3ページに、このワーキングの検討課題があります。私はエネルギー供給ワーキンググループではエネルギー全体に関する検討を行うものと思っておりました。しかし、エネルギー供給ワーキンググループでは「再生可能エネルギーの普及拡大」「化石燃料のクリーン化・効率化」「需要家が主体となった分散型エネルギーシステムへの転換」という、三つだけしか検討対象として示されておらず、全体像の検討をどこでやるのかということについてお聞きしたいと思っています。
また、これらの検討対象を評価する際も、全体のキロワットとキロワットアワーのバランスが示されていない状況では、個別に評価することもできないと考えております。
特に再生可能エネルギーの評価「いつまでにどのくらいの量が導入可能なのか」という評価に関して、三つの評価軸が必要だと考えます。
一つはポテンシャル。ポテンシャルに関してはこのワーキンググループでも、さまざまな検討がされていると思います。それからコスト。コストに関しては選択肢を検討する際、議論し、評価していくことになるのかと思います。しかし、一番重要なのは、やはり系統の受容性だと思います。入ってくる再生可能エネルギーを、実際に運用できるのかどうかということです。
前回の技術ワーキングでも申し上げたことですが、2050年に3.8億キロワットの再生可能エネルギーの設備が入るとされています。この膨大な再生可能エネルギー発電設備をどうやって運用するのかについてお聞きしたのですが、まだそのお答えをいただけておりません。私はどう考えても、実現可能性が低いと思っております。こういった前提に基づき、2050年、CO280%削減を原子力なしで達成できると主張されても、納得できるものではありません。想定する時代の需要全体と供給設備全体の構成を示していただかないと、本日のお示しいただいた内容も評価できないと思っております。
12ページの「火力発電の建設を見据えた基本的な考え方」に「将来的にCO2を回収・圧縮する設備の建設を見越して敷地の確保(Capture Ready)を前提」と書かれております。また一方で同じ文章内に、「CCSの商用化を目指した技術開発を加速する」とも書かれております。実は現時点において回収技術もまだ技術開発途上にあります。
技術開発に取り組んでいる段階で、その技術を使った施設の建設を見越して敷地を用意しようとしても、どれだけの面積を用意したらいいのかということが全くわからない状況です。極論すれば、例えば船で回収するような設備が実現する可能性もありえます。つまり、CCSの敷地確保を今すぐ求めても、どれだけの敷地・設備を準備していいのかもわからない現段階では、全く評価することができないと思います。この部分は現在のエネルギー基本計画に書かれているよう「石炭火力についてはCCS Readyの導入を検討する」とするのが適切ではないかと思っております。
それから、同じページに、案1、案2、案3が示されております。この案は化石燃料のクリーン化という観点だけから出されているようですが、本来3Eの観点から案をつくるべきだと考えます。エネルギーセキュリティという観点から、石炭火力は重要な位置づけを占めています。そういう観点なしで評価するのは、無理があると考えております。
次に17ページに、コジェネのことが書かれております。タイトルに「コージェネレーションシステムは計画から稼働までの期間が短い」とあります。一方で10ページに、大規模電源は計画から稼働まで10年、20年程度かかると書いてあります。この差の大きな要因は、環境アセスだと思います。コジェネレーションシステムは一つ一つが小さいので、アセス不要となっていて、そのため、計画から稼働までの期間が短いということになっているようです。
電力会社は今、古い火力発電所を撤去し、同じ場所に最新鋭の発電所をつくるという、「スクラップ・アンド・ビルド」を進めようとしております。これは最新鋭設備により当然NOX・SOXという面でもより良くなりますし、効率面・CO2排出という面でも改善されますので、3Eの観点から非常に望ましく、現在進めております。
ところが、そのスクラップ・アンド・ビルドおいても新設と同じようにアセスが必要となっています。さらに、法改正でSEAも導入されるとなると、ますます大規模電源には長い期間が必要になってまいります。コジェネレーションシステムの計画から稼働までの期間の短さを評価するのであれば、3Eの観点から見て望ましい石炭火力のスクラップ・アンド・ビルドを早く立ち上げるためにも、コジェネレーションシステム同様にアセス不要というような観点も必要ではないかと考えます。そういう観点からの検討も是非お願いしたいと思っています。
また、コジェネレーションシステムについて「調整電源としての一定の役割と責任を果たす必要がある」と記載されておりますが、これも重要だと思っております。
それから、②の項目に、コジェネレーションシステムについて防災拠点となりうる施設に積極的に導入を図ることを考えるとあります。よく防災拠点の強化に分散型電源・コジェネレーションシステム導入は有効と聞くことがありますが、それは使用する燃料の確保まで自立している分散電源に当てはまることで、燃料を他から調達するものには必ずしも当てはまらないと思います。例えばLNG基地からガスの供給を受け、コジェネをやっている場合を火力発電所と比較した場合、防災面、津波・地震の観点から見ても、リスクは変わらないと思います。防災拠点への導入に関しては、分散型電源とされるものの中でも、選別して導入することが必要なのではないかと思っております。
41ページの、系統対策費用の既往検討と今回分析を比較した表ですが、既往検討と今回分析の差は、既往検討の蓄電池と揚水発電新設をカットして、風力のSVCをつけただけとなっています。最初に申し上げましたように、全体のキロワット・キロワットアワー(設備容量、需要構造)がわからないのに、ここに示された対策費用が本当にこれで大丈夫なのかという評価も不可能だと思います。蓄電池と揚水発電新設をカットすると、相当量の再生可能エネルギーの出力抑制が必要となるのではないかと思います。
また、前回からの繰り返しになりますが、2050年で3億8,000万キロワット入る場合、この蓄電池・揚水発電新設なしでどうやって運用するのかということを是非お示しいただくよう、お願いしたいと思います。

伴委員
私自身は、今の渡邊委員のような専門的な知識はあまり持ち合わせていないのですが、ちょっと一つだけお聞きしたかったのは、参考資料に、電力、再生可能エネルギーの電力のキロワットアワーの数字があったと思うんですが、その中で水力、非常に重箱の隅をほじる感じなんですが、大規模水力が235キロワットアワー、中小水力発電、これが464キロワットアワー、直近年とおっしゃっているんですが、2010年でも740億ですから、これ足せばほぼ似てると思うのですが、我々のイメージからすると、その大規模がたったそのうちの4分の1なのかというのが、少し疑問に思うわけです。結局、水力というのは事業用発電であることが多いと思うのですが、中小水力というイメージとは少し違うものがあって、これは少し分ける必要があるのではないかと思っています。
それから二つ目で、先ほどのいろんな系統の話があるのですが、太陽光っていうのはお昼だけですから、夜も含めて考えたときに、風力に伸びてほしいという個人的な意見を持っているんですが、問題は、例えば北海道は非常にポテンシャルがあるのですが、北海道の中ですら、結局その線がない。先ほどご説明の中で、系統に関して新設を全然考えてないようなのですが、例えば風力とかそういうものを考えたときに、例えば北海道電力がそういう新たな風力発電のための送電網をつくることができるかどうか、そういうことまでちゃんと考えていらっしゃるのか、この2点少しお聞きしたいと思っています。

西岡委員長
はい、どうもありがとうございました。それでは、ちょっと先に大塚委員のほうから、特に一番最初に、全体が見えないと調整できないという、それはちょっと事務局のほうに先に位置づけをお願いします。

低炭素社会推進室長
エネルギー全体、またCO2全体の議論につきましては、この後エネルギー関係でいきますと、非常に重要な需要部分の産業であるとか住宅建築物、こういったところの検討状況につきまして各ワーキンググループからご報告をいただきますし、また先日聴取いただきました自動車も、非常に大きな電力という面もありますし、あと直接ガソリンなどを使うという面もありますので、需要側・供給側両方のワーキンググループの素材を聞いていただいた後、それを統合した形で事務局から全体像をお示しをして、ご議論をさらに深めていただきたいというふうに思っておりまして、今のところの予定で行きますと、3月15日までで各ワーキンググループからの報告を終えていただくということですので、それを統合したものを事務局からさらに提示をさせていただき、議論を深めていただきたいというふうに考えております。
また、今回発表いただいております詳細な検討につきましては、2020年、30年を中心にご議論いただいているというところでございまして、そういったところの話を深めていただきたいということでございます。全体像につきましては、以上でございます。

西岡委員長
どうもありがとうございました。大塚委員お願いします。

大塚委員
今、事務局からお答えいただきましたように、渡邊さんのご質問の最初の点につきましては、先ほどもちょっと言いましたが、このエネルギー・環境会議の昨年の12月の決定を前提に、一番がい然性の高そうなことを想定して検討しているということでございます。
それから次に、再生可能エネルギーの評価についてでございますけれども、系統の需要性につきましては先ほど来ご説明したところでございますが、需要の能動化とか揚水発電とか、あるいは出力の抑制ということを考えて検討するということですが、もし、さらに必要でしたら、ちょっと荻本さんに後で追加して、補足していただければありがたいと思います。
それから、12ページのCapture Readyのことですけれども、ここを検討するというふうにするかどうかについては、確かに議論があったところでございますが、仮に船で海底のほうに運んでいくということをする場合でも、やはり一定の敷地にそれを蓄えておくことは必要ですので、後からそういうことができないということになっては困るもんですから、一定の確保をお願いしたいということでございます。
それから、案の1から3についてどういうふうに考えていくかということですけれども、確かに石炭火力については一番安定しているという側面があることは否定できませんが、スライド8に挙げたようなそれぞれの特徴がございますので、温暖化との関係では、CO2の排出原単位が一番気になるということです。
それだけでは、必ずしも理由にならないかもしれませんけれども、先ほどちょっと申しましたように、2020年時点を考えたときには、既に10年ぐらい建設まで時間がかかりますから、今から新しく石炭火力をたくさんつくるということは、ちょっと難しいだろうということがございます。これについてもアセスの話がさっきございましたので、そっちのほうに話がちょっと飛んでいきますけれども、アセスの話はちょっと後でいたします。
それから、コスト検証委員会では、スライド9にあるように、2030年の時点では、石炭とかLNGはほとんどコストは変わらないというふうに試算されているということがございます。
それから、石炭火力については、IGCC(石炭ガス化複合発電)を入れても、排出されるCO2の原単位はほかのものよりはやはり高いもんですから、そこが少し限界があるのではないかということがございます。
案の1・2・3というふうに挙げましたけれども、仮に2のようにリプレースをするにしても、これからリプレースする石炭火力発電所というのはかなり多いもんですから、それを全部リプレースするだけでも、かなり大変なことではないかなというふうに考えているところがございます。
それから、アセスとの関係につきましては、これはアセスのほうで検討されていることでございますけれども、リプレースについては、新規に発電所をつくることに比べれば比較的、それを考慮した上で、全く同じではないようなアセスの手続を考えようとしているわけですけれども。しかし、リプレースだからといって、例えば野生生物との関係とか、あるいは排出量との関係とか、いろいろ新しく考えなくちゃいけないことも残っているもんですから、アセス不要というわけにはちょっと残念ながらいかないということがございまして、アセスのほうではそういう検討が進められているところでございます。
それから、揚水発電と蓄電池をカットしているところについては、これもちょっとすみません、荻本さんに後でお答えいただければと思います。
あと、伴先生のほうのご質問については、倉阪さんにちょっとお答えいただきますので、すみませんが宜しくお願いします。以上です。

倉阪教授(エネルギー供給WG座長代理)千葉大学法経学部総合政策学科
じゃあ、私のほうから補足しますが、2050年にどういう技術が使えるかというのはですね、恐らく政策の結果なんですよ。今の技術で2050年を考えるっていうのは、やはりやめていただきたいと。電力について、今回ですね、荻本さんを中心に電力についての調整でやりましたけれども、2050年になるといろんな畜エネルギー技術が開発されてくると思うんですね。熱をためる技術であったり、いろんな技術があって、それで調整をしていく。
今回、解列という形で捨てることもやりましたけれども、そんなもったいないことではなくてですね、それをやるんであれば、熱の形でためておくとか、いろんなことで活用をしていく、そういう知恵を働かせるような、そのための技術を開発するだけの余地が2050年断面ではあるはずなんです。なので、2050年に揚水と蓄電池、あるいは原発がないとだめだというような議論をするのは、やめていただきたい。
それで、大規模電力につきましては、これはあまり検討が、正直やられておりません。大規模電力の運用についてもですね、やり方によってはかなり増やすことができると。水利権との関係等ですね、そういったことで現在抑え目に運営をしているやつを変えるということもできるはずだということもございますし、いろんなことがございますので、まだ検討対象としてやる価値がある球だと思いますけれども、それについては、具体的にはこの検討会というか、ワーキンググループでやっていないということでございます。
それから、風力を活用するための連系線等の強化につきましては、この資料1の56ページ、こちらをご覧いただきたいと。こちらについてですね、次世代のエネルギー供給インフラの整備の推進のためにですね、新たに必要とされる基幹系統や域内の基幹送電線の整備に対して、国が主体的に関与して支援を行うと。こういったこともやっていきながらですね、必要なインフラを導入していくということなのかなというふうに考えております。

荻本委員
大分お答え出尽くしてますが、2点。まず本文41ページの、先ほどご指摘のあった蓄電池と揚水が横棒になっている点について、これはですね、2012年から30年までの数字だということで、先ほどご回答があったように、2050年の姿ではない。
それから、その上で蓄電池と揚水発電、これは既設は使っているわけです。新設は、必ずしも要るとは限らないというような意味です。この点も、やはり先ほどおっしゃいました3E+Sですね、その中の経済性というものを見たときに、蓄電池を入れるのがいいのか、揚水発電を新設するのがいいのか。または、今回、割と積極的にとりましたのは、ある範囲であれば積極的に発電抑制を受け入れて、それが0.何パーセントとか、1%オーダーだったら、それは恐らく、厳密には比較していませんが、経済的にはいいはずというようなところで、こういう数字をつくっているということになります。ご指摘のように、もう少し検討する余地ありというのは、認識しているところです。

渡邊委員
「将来的にCO2を回収・圧縮する設備の建設を見越して敷地の確保(Capture Ready)を前提としつつ」という記述に関し、船で実施するということの可能性について申し上げましたが、技術開発途上であるため、当然現段階ではジャストアイデアでしかありませんが、ストレージのための船ではなくて、キャプチャーするための船というのも、将来的にはありえるということをお話しいたしました。そうなると、もともと敷地を事前に用意しておく必要はないのではないかという意味で、「船」についてお話したわけです。一定程度敷地の確保が必要と大塚先生がおっしゃったのですが、そもそも、その「一定」がわからないのに、確保するというのもなかなか難しいので、やはり「CCS Readyの導入を検討する」が、現段階での適切な表現ではないかと考えます。
それから、先ほどの全体のバランスがわからないという話に対しては、事務局のほうから「全体像は後日提示する」とのご説明がありましたので、ご説明があるまで保留という形で聞かせていただきたいと思います。

西岡委員長
どうもありがとうございました。それでは、則武委員。

則武委員
膨大な資料で読み込めていないんで、間違った質問をするかもわからないんですけれども、聞きたいことですけれども、ちょっとポイントだけ確認したいのが、まず今、政府と民間企業である電気事業者との関係がよくわかっていないんですけれども。今回のような資料の中で、調整が非常に重要であったり、将来に向けて発電所の増設とかしないといけないというときに、民間企業の考えだけでできるものなのかなと、その辺はどうなのか。特に調整については非常に重要で、先ほどの話の中でも、東日本全体として調整するのが有効であると言っている中で、現状の企業、発電、電気事業者との関係の中で、できるのかなというのが少し心配であり、政策としてはその辺の確認も必要ではないかなと思います。
それと、あとは細かい点なんですけれども、本文の資料の8ページに、石油、LNG、石炭の特徴の比較という中に、考えないといけない点として、可採年数で、石炭は10年間たっただけで100年以上可採年数が減っている。LNGとかは、10年たっても可採年数が2年しか減っていないというような状態で、これについては、単なる可採年数というよりも、2030年ぐらいにこの可採年数はどうなるのかという予測が必要ではないかなというふうに思います。
それと、本文の資料の中の29ページに、非常時のエネルギーの確保という中に、住宅用太陽光発電の自立運転というのが書かれているんですが、これについては、全量買取制度との関係はどうなるのかなと。全量買取をする状態で、個々の家庭がこういう自立運転というのを非常時はやっていいことになるのかどうかというとか、その辺はちょっとどう考えられているのかな。それができなくなるなら、こういうところに載せるのはまずいんではないかなと思います。以上三つだけ。

冨田委員
ありがとうございます。2点コメントをしたいと思います。1点目は、再生可能エネルギーの普及についてですが、資料1の33ページのところでグラフがあります。20年・30年・50年、低位・中位・高位というところで、どんな再生可能エネルギーがどの位普及するだろうかということが書かれています。
私がご説明を伺って理解したのは、それぞれの再生可能エネルギーについて、IRR(内部収益率)をベースに低位・中位・高位の普及量を検討し、それを足し合わせてこのグラフをつくったということではないと思いました。
私の関心の一つは、それぞれの再生可能エネルギーの競合、競争についてどう考えるのだろうかと。IRRが同じであったとしても、必要なコストは当然違うわけで、ある再生可能エネルギーを高位で普及させるよりは、別の再生可能エネルギーを低位のレベルで普及させたほうがよりキロワットアワーが出るということもあるわけで、言い方を変えれば、限界削減費用の考え方をある程度考えるべきではないだろうかと。ただ、CO2の限界削減費用だけで決めていいかというと、またそれも違うだろうと。限界削減費用は高いけれども、別のメリットがあるので普及させるという整理の考え方が必要ではないかなと思いました。
それから、2点目はですね、先ほど渡邊委員がコメントされました、コージェネの防災拠点の話ですけれども。資料にも書かれていますように、導管等が耐震化されているという、これは消防法の中の非常用発電設備の必要要件ということで、溶接された鋼管でつながっている中圧供給については、信頼性が高いということを表していますけれども、系統電力だけではなくて、こういった防災電源、コージェネがあること。それから、場合によっては、さらにバックアップのボンベ燃料を蓄えるというようなことで、さらに信頼性を上げるという考え方は当然あると考えます。以上です。

西岡委員長
どうもありがとうございました。以上につきまして、大塚委員のほうから。

大塚委員
則武委員の最初のご質問に関しては、民間企業だけでは十分でない、先ほど倉阪さんがお答えになったような送電線の強化とか等々もございますので、国とか自治体の加入というのは、重要になってくると考えております。
それから、則武委員の二つ目のご質問の可採年数についてですけれども、2030年時点の予測ということでございましたが、ちょっと可能な限り対応してみたいと思っています。LNGに関しては、可採年数があまり減っていないのは、シェールガスが出てきているからでございまして、それぞれいろんな理由がございますけれども、ご指摘については、それを踏まえてできるだけ対応したいと思います。
三つ目の全量買取の話は、後で倉阪さんにお答えいただきます。
それから、冨田委員のご質問に関しましては、再生可能エネルギーのそれぞれの間の競争をどう考えるかということですが、当初競争力がなくても、後からコストが下がって競争力が出てくるものもあるものですから、一応そこは別々に考えておりますが。それについてもちょっと、後から倉阪さんにお答えいただければありがたいと思います。すみません、宜しくお願いします。
それから、さっきの渡邊委員の最後の点でございますけれども、船でキャプチャーをするというのだと相当のCO2の量になりますので、船だけではちょっと十分じゃないんじゃないかというふうには考えているところがございまして、船だけのCCSではちょっと難しいのかなと思っています。赤井委員のほうがご質問、詳しいですよね、どうも、恐れ入ります。

倉阪教授(エネルギー供給WG座長代理)千葉大学法経学部総合政策学科
まず、非常時のエネルギー供給と固定価格買取制度の整合性ですけれども、今、導入される住宅用についてはですね、余剰電力の買取という形になるかと思いますので、非常時に自分で使うということであればですね、その余剰電力の分が減るというだけでございますので、そこは制度上の何らかの調整が必要ということでもありません。
それから、当然、削減費用、限界削減費用だけではなくてですね、さまざまな効果を考える必要があって、資料ではですね、資料1の52ページにちょっと整理はしておりますけれども、社会的な価値ですね、エネルギー自給率の向上であったり、日本に固有で豊かな電源をちゃんと活用するとか、産業的な普及効果であったり、あるいは大塚委員が言及された将来の技術革新ですね、こういったものを先取りをするとか、こういう形でエネルギー種ごとに考えざるを得ない部分というのが今回あったということでございまして、統一的に限界削減費用がどうかとか、そういった議論はしていないところでございます。

西岡委員長
はい、どうもありがとうございました。一瞬ですけれども、赤井さんのほうで、先ほどのCCSの話を短く、ご見解を。

赤井委員
渡邊委員おっしゃったのは、船というよりも、発電所の敷地の外に浮体式の構造物を置いて、その中にキャプチャープラントをつくったらどうかと。私も全く同じ考えを持っていまして、少し検討を始めてはいます。そういうことを考えている人間もいるということだけ、ご承知おきください。

西岡委員長
どうもありがとうございました。それじゃ、大聖委員、それから荻本委員と続けたいと思います。

大聖委員
一部お答えがありましたので、繰り返しになるかもしれませんけれども、ちょっと発言させていただきたいと思います。
いろんな再生可能エネルギーを電力に換えるということですけれども、これを利用する際、国際的な技術競争力というものが根底にあって、そのような視点も考慮すべきではないかなと思います。日本国内だけで、例えば単にキロワット時当たりの価格が安いという尺度だけではなく、外から入ってくるものもあり得るわけで、最近ですと、太陽パネルなどは外のほうが安い場合があります。見かけ上安くても、それは外貨が外へ出ていってしまうという話なので、やはり成長戦略との結びつきみたいなものをセットで考えないと、常に長期的に見た技術立国としての我が国の地位が危うくなるのではないかなという気がいたします。
それから、こういったいろいろ発電システムの中で、原材料は輸入しているわけですが、それでどれだけ付加価値を生んでいるのかというようなことも、すごく大事ではないかと思っています。
そういう中で、電力のコストの中身の中で、原料の輸入依存度というものをしっかり押さえておく必要があると思いますし、特にその最たるものが化石燃料です。それは、そのまま燃やしてしまうわけですから、かなり原価としての負担が大きいということもあります。その辺の技術戦略、それから国際競争力、そういったものも加味した考慮がどっかで必要ではないかなと思っております。以上です。

荻本委員
私からは、委員として1点ですね。例えば本文の15ページのようにですね、コスト検証委員会により発電コストというものが検討されて非常に話題になりますし、いろいろ使えるデータにはなったと。ここで重要なのは、再生可能エネルギーに関しては、例えば風力の発電コストが、ちょっと数字がすぐ出てきませんが、ある幅で表されていているわけですが、ある新聞の報道では、ついに風力発電の一番安い部分は何々発電より安くなったというような記事がありました。
しかし、大切なことは、それが本当であるかないかということではなく、どのあたりがボリュームゾーンなのか、どういうコスト分布になっているのかということであって、それもやはり3E+Sの中の経済性、あとは渡邊委員が言われたように、どれだけ使えるかというのに直結してまいります。
ですから、コスト検証委員会では、コストだけではなく、その資源量、また導入可能量についても、立派なとりまとめをしています。ただ、これ自体は非常にわかりにくい、確定が難しい数字でありますが、再生可能エネルギー導入の検討をやるときには、この観点もあるんだということで認識いただくことがよりよいと思っています。

大塚委員
大聖委員のご質問に関しましては、確かにその点は重要だと思っておりまして、スライド35と27が関係いたしますけれども、国際競争力を持つことが非常に重要だと考えています。
太陽光と風力に関しては、雇用の創出について、2012年から20年に30から48万という数字の前提としては、太陽光輸入2%、風力が7割っていうことになっていまして、ちょっと今と多少違ってきているんですけれども、それによって多少の違いはあるんですけれども。太陽光に関して言えば、スライド27にあるように、設備の製造よりも、建設とか設置のほうが雇用の効果が大きいものですから、雇用の効果は大きいというふうに考えています。ただ、いずれにしても、国際競争力の問題は、私も非常に重要だと思っております。
それから、原材料の輸入に関して、化石燃料との関係ではスライド24に、先ほど申し上げましたように、化石燃料の輸入金額は莫大なものになっておりますので、これを少しでも削減するというのは、非常に大きな意味があると思っています。荻本委員のご指摘に関しては、そのように認識して、対応させていただきたいと思います。

西岡委員長
どうもありがとうございました。じゃあ、大野委員、それから赤井委員になりますね。

大野委員
それでは、本文の29ページに関して質問させていただきます。ここで系統から分離した電源、スマートグリッドなんかの話が出てくるんですけれども、このスマートグリッドについては、いろんな方がいろんなことをおっしゃっているんで、私もよくわからないんですけれども、ここの資料で示されているビジョンからすると、どうも非常用というところにありますから、あんまりメインの電力システムとしては期待していないというふうに受け取った。もうちょっとその辺、このスマートグリッドなんかはどういうふうにご覧になっているのか。やっぱりあくまで非常用ぐらいしか使えないよと見ていらっしゃるのか、ちょっとコメントしていただけるとありがたいです。

赤井委員
失礼、幾つかあるんですけれども。先ほど渡邊委員もおっしゃった本文の12ページですか、そもそもの火力の基本的な考え方のところで、案1・2・3があるんですけれども、何かここの記述がですね、コメントですけれども、特定のものにキャップをかけるような考え方はどうなのかなと。これはやはりほかの、何ていうんですかね、先ほど荻本さんが星取表とおっしゃいましたけれども、ああいったいろんな観点を踏まえて決めていくものであって、現状の設備容量を上回るような範囲内で更新を認めるとかですね、こういった表現が何かちょっとひっかかるなという気がします。
それから、ここもそうなんですけれども、いろんな参考資料にも、LNGシフトみたいな言葉があるんですけれども、もう専門家の方がよくご存じのように、やはりセキュリティの観点から問題があるということと、それから2050年、80%と考えたときに、LNGであろうと、CCSをしないと80%は到底達成できないと。そうしたときに、LNG火力でCCSをやったときの削減コストは、石炭火力よりもはるかに高いものにつくということも、認識しておく必要があるかと思います。
それから、雇用創出なんですけれども、これ、いろんなIRRの設定とか、そのあたりで考慮されているんだとは思うんですけれども、これはコメントというか質問なんですけれども。IPCCの再生可能エネルギーの特別報告書のほうの執筆のプロセスでですね、その当時、スペインのある大学から、雇用創出、グリーン何とかによる雇用創出というのは嘘だと、間違いだというようなペーパーが出てですね、それに対して、アメリカの再生可能エネルギー研究所が反論ペーパーを書いたりとかですね、そういった。ちょうどそのタイミングで執筆者会議をやっていて、関係者がもう私の属していたグループの中で、私からすると、何かもうみっともないような、ヒステリックな議論を交わしていたということもあったんですけれども。
そのスペインの論文によると、たしか、正確ではないんですけれども、雇用創出が、例えば1人雇用ができたときに、同時に2人、2.何人失われていると、それがスペインの現状だと。そういったことをきちんと考えないで、当時オバマがそういうグリーン・ニューディールとかいうようなことをやったのは、また失敗するよというようなコメントを書いたと思うんですけれども。そのあたり、そういったことをご検討になっているのかどうか。それから、そういうことにならないような制度設計をここで考えられていたということなのか、そのあたりを確認させていただければと思います。
それから、この資料とか、それからいろんなところで、社会的費用とかですね、CO2対策費とか社会費用とか、いろんな言い方しているんですけれども。例えば社会的費用で、コスト等検討小委員会でもそうなんですけれども、CO2の対策費と称して、何かあまり根拠のない4,000円とか2,000円とか、そういった値がぽんと出てきていると。これ、多分クレジット価格はこんなもんだからということでやっているんでしょうけれども。
そういうものを言うんなら、単にCO2のクレジット価格はのせたという表現をすべきだし、社会的費用というとどうしても私は、いわゆるソーシャルコスト、外部コストを含んだほうにとってしまうんですけれども、そういうときには、もしそれがそうだとしたら、CO2だけじゃなくて、どんな技術だって大量導入したときには何らかの社会的費用がかかって、典型的な例は、風力による景観損失によるコスト増というのはもう言われていますし。それから、ヘッドニングプライシングで一定の値があるというのもどこでも評価されていますんで、そういったことまで含めた評価をすべきだなというふうに思っています。
それから、ロードマップのところにですね、以前のロードマップだと、化石燃料のところ、同じところだったか、別のページだったか、原子力のロードマップっていうのが入ってて、今こういう時代だから、原子力のところはこの検討から外したということでいいのかもしれないんですけれども、何か一言必要なのかなという気がします。入れろとか言っている意味じゃないんですけれども、それが一言必要かなという気がします。
それから、需給調整の話で、これは荻本さんに伺ったほうがいいのかもしれませんけれども。参考資料の需給調整のCaptureの11ページにですね、原子力・一般水力・火力の負荷配分の考え方というところで、ここで原子力もちゃんとディスパッチできるわけじゃないんですけれども、原子力に負荷配分がされているというのが前提でスタートした分析だということになっているんですけれども、その原子力、ある一定の割合を担った上で、2000何十年、30年まででしたっけ、需給調整力分析がされているのかどうかという、これは確認させていただきたいということです。
それから、この手の分析をすると、供給信頼度もきちんと、多分分析されると思うんですが、供給信頼度については、何か結果が出ているでしょうかということを伺いたいと思います。以上です。

大塚委員
ちょっと、適宜分担してお答えさせていただきますが。大野委員のご質問については、ちょっと倉阪さんに後でお答えいただきます。
それから、赤井委員のご質問に関しては、幾つかお答えしますけれども、石炭火力に関して、特定のものにキャップをかけるのはどうかというご指摘でしたが、これはちょっと、先ほど幾つかお答えいたしましたように、CO2の原単位が一番、残念ながらよくないということをちょっと気にせざるを得ないということとか。2020年までの分については、もう10年ぐらいリーダタイムがかかるので、今すぐそれを立てることは実際上難しいのではないかというようなことが、理由になっております。またリプレースもかなりの数、18ぐらいしないといけないことになりますけれども、それだけでも相当な量ではないかと思っております。ですから、キャップをかけるとかというつもり、まあまあそういうつもりでもないんですけれども、更新はできるだけ限定したほうがいいのではないかというのが、案の2とか3の考え方でございます。
それから、LNGの場合に、石炭火力のCCSの必要性が高まるという、ちょっとどういう理由でそういうことになるか、ちょっと後で教えていただけるとありがたいのですが。その点はちょっとまだ考慮していませんので、後で教えていただければありがたいと思います。
それから、雇用に関しては、再生可能エネルギーを増やすことによって、かえって減る雇用があるのではないかというのは、前、今年ではないんですが、前から議論はしていますので、計算の中に入っていますけども、ご指摘を踏まえてより精査をしていきたいと思います。
4,000円というのは、何のことでしたっけ。

赤井委員
あれはコスト等検証委員会。

大塚委員
ああ、そうですね、ちょっとここの話ではなかったようです。
風力のヘッドニングプライスとかっていうお話もございますが、確かにヘッドニングプライスというのも大事ですけれども、ちょっと現在の日本の状況というのは、もう少し、エネルギーに関してかなり身につまされた状況にあるのではないかと思っていまして、そういうのも考慮したほうがいいと思いますけれども、温暖化とそれからエネルギーの自給とかですね、あと、さっき出てきたSafetyとその3Eというところを特に重視して、今回は検討したということでございます。
それから、ロードマップの最後のところに原子力が入っていないというのは、確かに今回ちょっと削られているんですけれども、これも別にそんな何か強い意思があるわけではなくて、エネルギー・環境会議の決定をできるだけ踏まえたいということでございますので、何らかのものを入れるかどうかについては、ちょっとさらに検討していきたいと思います。以上でございます。

森嶌委員
幾つかあるのですけれども、じゃあ手短に申します。
一つは、グループの名前がですね、エネルギー供給となっていますが、エネルギー供給の中で電力に関してだけで、しかもその中で、再生可能エネルギー、さらに再生可能エネルギーの中で太陽光のほうの話がほとんどのようで、政策的には固定買取制度の話になっています。倉阪さんの話を聞くと、ほかのエネルギーも全部検討しておられるようですけれども。まとめを見ますと、ほかのエネルギーがほとんど議論されていないという問題があります。3月15日にほかのグループの報告ともまとめて、太陽光の話がこのグループの話としてぽんと部会に出てくると、部会で、これは一体どうなっているんだということになった場合に、大塚さんはどういう責任をおとりになるのでしょうか。看板が違っていたというだけではいけないので。
まず第一はですね、このエネルギー供給ワーキンググループとおっしゃるわけですから、全体の部会との関係で、エネルギー関係については、せめて、ほかのグループとの関係も考えていただきたい。例えば、今日、高位・中位・低位ということはあるのですけれども、マクロフレームのグループで高位・中位・低位と使っているのと、ここで中位・高位というのは全く違う用語です。用語をどういう意味で使っているかということを、ちゃんとほかのグループとリファーしていただきたい。
ここでは、あるエネルギー源を、たくさん導入したらこうなる、中ぐらいならこうなるというだけの話ですが、マクロフレームでは、社会の需要がこうならば、こうだと。そうすると、社会活動が違えば、エネルギーの使い方も違ってきますし、供給の仕方も違ってきます。それから、社会構成が違ってくれば電力の使い方も違いますし、それから、電力以外のエネルギーの使い方も違ってくるわけですから。そうだとすると、エネルギー供給のワーキンググループは、マクロフレームのほうと少なくともタイアップしないまでも、そっちを見ないで、こっちだけやっていたんではだめですから。まず第一点は、ほかのワーキンググループの結果を見ないで、自分のほうだけ見て勝手にやるというガラパゴス化しないでいただきたいということです。
第二点は、先ほど特別の意図がないと言われましたけれども、去年の12月の、エネルギー・環境会議の決定、それを踏まえていながら、データはおととしの6月でしたかね、現行エネルギーのデータを使っています。少なくとも、エネルギー・環境会議の決定で原子力政策に影響が出ているところで、電力の供給等について、2050年はともかくとして、2020年や、30年に全く影響がないとして大丈夫なのか。大塚さんに特別の意図はないかもしれませんが、データにゆがみが生じないかどうか。意図の有無に関わらず、この報告のように関係がないかどうか、きちんと立証していただきたいと思います。その点が第二点。
それから、第三点は、再生可能エネルギーといっても、倉阪さんがおっしゃったように、再生可能エネルギーには、例えばバイオマスや地熱や中小水力も含めて、たくさんあるんですけれども、中身を読みますと、ほとんどの議論が、せいぜい風力が入っているくらいで、おおかたは太陽光の話です。そしてFITという政策についてです。そして、エネルギー源の間の比較がほとんど入っていないのです。
先ほど則武さんかどなたかおっしゃいましたけれども、場合によっては、国民は高い太陽光を選ばないで水力を選んだり、バイオマスは今高いかもしれないけれどもバイオマスを選ぶほうがいいかもしれません。それから、さらに言えばですね、再生可能エネルギーではなくて、資源の多い石炭を使うコジェネをやったほうがいいかもしれません。また、技術開発にどんどん金を出して、CCSを開発したほうがいいのかもしれません。そういういろんな選択肢を考えるために我々は議論をしているわけですから、ドイツや何かの資料だけ使って太陽光がいいという話だけするのは適切ではないのではないか。先ほどもおっしゃったように、私もスペインに行ったときに、太陽光で雇用はどこ行っちゃったんだなどという話がありましたし、ドイツでも最近は固定買取制度はやめたらどうだなんて話もあるぐらいです。ここにある再生可能エネルギーは大変よろしいというお話を大塚さんがおっしゃったけれども、このデータは全部よその国の話で、日本にとって本当にそうなのかという証拠になるのかどうかというと、よその国の話をそのまま持ってきただけでは十分でない。もしもよその国のデータをお出しになるとすれば、それが日本にも通用するのかどうかということをちゃんとこのグループが立証していただきたい。よその話が、必ずしも日本にとっていい話とは限らない。
地熱でもですね、ドイツの地熱と日本の地熱とは違いますし。風力でも、ドイツのように広い農地がたくさんあって、風力が回っていたって牛が文句言うぐらいで、日本のように、付近の農民が「うるさいうるさい」なんて言うのとは違う。それからまた洋上風力発電をやっても、漁民が「漁業権がある」なんて言うのとは違うわけですから、その辺もきちんとしたデータを出していただきたい。
よその国でこういうデータがありますよって話だけでは、少なくとも反対する側はこんなデータでは説得されません。私は反対側に立っているわけではなくて、我々は反対する人も説得をしなきゃならないという立場にあるので、エネルギー供給ワーキンググループの作業を支援するために、このように厳しいことを申し上げるのです。

西岡委員長
どうもありがとうございました。ちょっと事務局から。

低炭素社会推進室長
原子力発電についての扱いについてお答えしたいと思いますけれども、今現在、この中央環境審議会と同時並行的に議論を進めております総合資源エネルギー調査会、また原子力委員会におきまして、原子力の選択肢の原案を議論されておるところでございまして、そのような議論と最終的にこの小委員会、また部会での統合的な姿をお見せをしてですね、議論を深めていただくという段階が来るというふうに思っております。今現在は、そういった意味でいきますと、そのまだ方向性が原案としても出ておりませんので、ここにはお示ししていないという扱いになっております。
最終的な二酸化炭素、温室効果ガスの計算などをするときには、当然それがどうなっているかという話は、同時並行的に議論しております、そのケースを当てはめて計算をするということでございます。

西岡委員長
最終的に、やっぱりそういう全体のエネルギーシステムがわからないと、CO2の排出もわからないわけです。まだその前の道具立てを今言っているという段階です。先ほどの続きで、はい、それでは大塚委員。

大塚委員
森嶌先生のご指摘を踏まえて、さらに検討していきたいと思いますけれども。幾つか、多少申し上げさせていただきますと、太陽光にそれほどシフトしているわけだけでもなくて、風力とかもかなり検討していますし、地熱とかも、ほかのバイオマスなども検討していますので、太陽光だけにシフトしているつもりはあまりなかったということがございます。
あと高位・中位・低位は、ポテンシャルを考えて最大限、いろんな制約の中ではもちろんございますけれども、最大限導入するというのが高位で、低位は、基本的に今までのエネルギー基本計画を前提にしたようなものだとどうだということで、中位はその間というふうに考えていまして、社会全体との関係については、ちょっとさらに精査していきたいと思います。
それから、データはもちろん日本のものを使っていますが、IRRのパーセンテージとかについては、ドイツとかを確かに参考にしているという、その程度の参考は、外国のものを参考にしているという趣旨のつもりでございます。

倉阪教授(エネルギー供給WG座長代理)千葉大学法経学部総合政策学科
2009年2月にですね、報告をさせていただいたものは、実は太陽光中心だったんです。その後やはり太陽光以外、特に日本独自の水力であったり地熱であったり、あるいは熱ですね、そちらについても重要だということで、今回ご報告したものについてはですね、すべての再生可能エネルギーを、可能性のあるものすべてちゃんと扱えているかなというふうに、私としては思っておりますので、ご理解いただければ幸いです。
大野さんのお話で、スマートグリッドの取扱いでございますけれども、電力の自給調整ということから考えると、広く使ったほうがいいというのが今回ご説明をした内容ですが。今回のエネルギーという中には熱も入っておりますし、あるいは中小水力であったり、バイオマスの電力であったり、そういったものについてはですね、この資料の9ページにありますように、下がったとしても、やはり高いんですね。こういったものについてはですね、実はその地域の非常時のエネルギーも含めてですね、「おらがエネルギー」という感覚でですね、地域的に入れていくというような観点も必要ではないかと。そういうことでですね、この分散的なエネルギーシステムということも重要だということを述べさせていただいたところでございます。
赤井さんのお話にもありましたけれども、特にこういったバイオマス・小水力、こういったものについて、雇用力もかなりあります。これから暖房をとるのに石油ストーブじゃないだろうと。これまで石油ボイラーでやっていたところ、石油ストーブでやっていたところはたくさんあるわけですね。そういったものについて、バイオマスに切りかえるだけでですね、地域に雇用が生まれます。そういうこう観点、視点というのはかなり重要であってですね、それも含めてこの提言を差し上げているというふうにご理解いただければ幸いでございます。

西岡委員長
どうもありがとうございました。あとお二人、山本委員、藤野委員、これでこちらのほうは締めにします。はい、どうぞ山本委員。

山本委員
すみません、ありがとうございます。1点だけお伺いしたいと思います。系統の一体運用が非常に大切だということで、理解をさせていただいたんですけれども。想定が2030年での一体運用ということでのご説明だったと思うんですが。2020年からの検討というのもあっていいのかなというふうに、ちょっと感じました。
その辺は、経産省の電力の関係の検討次第というところではあると思うんですが。2020年でどうなのかというのは、選択肢として、一体運用が入った場合どうなるのかというのも考えてもいいのかなと思いました。
ただ、実際にその一体運用が必要な状況になってくるのかとか、あるいは今回ここで想定されているような一体運用ができるような状況が2020年までに整備ができるのかという課題があるので、そういうことで2020年はここに載っていないということもあるのかと思いますが、その辺、もし何か検討されているところがあればお話しいただければと思います。

藤野委員
どうも、大部のとりまとめ、ありがとうございます。途中からなんで、とんちんかんなところがあるかもしれないんですけれども。再生可能エネルギーも含めて、エネルギー供給計画をつくるときには、地方公共団体とか市町村の役割がとても大事になっていくと思っていまして、先週の金曜日に北九州に行く機会があって、スマートコミュニティの最前の様子を見させていただいたり、あとけいはんな学園都市で、月曜日に山地先生が基調講演されて、パネルに出たときも、改めて山地先生は、需給一体のマネジメントの重要性をご指摘されていましたけれども、そういった中で、再生可能エネルギーも、今回はあまり、地域のデータも一部出ていますけれども、やはり今回3.11も受けてですね、結構市町村レベルでかなりエネルギー計画のほうも、緊急時を特に対応するために立てておかないと、いざというときにですね、あそこの電気が消えたとか、ここの電気が足りないとかっていうことになってしまうので。緊急時も踏まえて、あとそういう地域に根差したエネルギーを増やすということを念頭に置きながら、平時のエネルギー計画も立てるというような観点もこの中に入れられたらどうかなと思いました。
どうも読むと、特に最後のほうの政策ロードマップのところの59ページ目から60何ページ目かのところでですね、再生可能エネルギーの導入量の義務づけとか、そういうのは入っているんですけれども、もうちょっとエネルギー全般、地域のエネルギー、特に需要が消費者に対してエネルギー供給をきちんと責任を持てるかどうかというのは、一方で、その市町村とかそちらのほうにエネルギーの権限も大分渡していくことがあるのかわかりませんけれども、そういったところも検討しないと、本当の意味でその地域で自然エネルギーというか、地域のエネルギーというのは入っていかないかもしれないというところを、ワーキンググループのほうでどういう検討されたかというのを一つ教えていただきたい。あと、そのときにどういうデータがないとやっぱり検討できないのかな。今回は1日の電力会社のデータがあって、それを見ながら、東日本の全体の広域連携の可能性を検討されていますけれども。どういったデータがないと検討できない、本当はこういうデータがあったらよかったなというのを、ここにエネルギー供給の方々もいらっしゃるんで、協力して、そういうのができる可能性があるかなというところで、以上です。

西岡委員長
事務局のほうが、今2点について。

低炭素社会推進室長
系統の関係につきましては、ワーキンググループ、そして事務局のほうで、さらにご指摘を踏まえながら検討を深めていきたいというふうに思っておりますが、さらに加えまして、コスト等検証委員会のほうで、系統連携の対策費用につきましては、議論を深めていくという連携、予定になっておりますので、そこでは関係各省が集まりまして、議論をして深めて、ご提示できるような素材を形づくっていくという予定になっておりますので、その内容につきましても、こちらの小委員会のほうでまたご紹介をさせていただくという、両面で行きたいというふうに思っております。

大塚委員
藤野委員が言われた、地域に根差したエネルギーという観点は、あちこちに出てはいますけれども、さらにどういう形で取り入れるかを考えていきたいと思います。
倉阪さんとか、荻本さんとか、何か補足していただくことがございましたら。

倉阪教授(エネルギー供給WG座長代理)千葉大学法経学部総合政策学科
地域を主体的に考えるということはかなり重要であって、それをどういうふうな需要があるのかというのを把握をしてですね、それにどういうエネルギーを当てていくのかという具体的な検討は、地域ではできるはずなんです。特に冷熱需要のようなものをですね、ガスとか石油とかでやるというのはかなりもったいないことをいいるわけで、再生可能エネルギー熱で供給できるようなものは再生可能エネルギー熱を当てていくと、そういうようなまちづくりをしていく。こういう検討をやはり地域でできるようにする必要があるということで、ロードマップの中では61ページの真ん中あたりにちょっと書いたわけでございますけれども、さらにここを具体的に進めていく政策も重要だというふうに認識はしております。

西岡委員長
どうもありがとうございました。それではですね、部会のほうの委員の方、横山委員、お願いします。

横山委員
ありがとうございます。簡単に3点お伺いしたいと思います。1点目はですね、資料1の33ページです。導入見込量で、再エネ普及見通しが書いてありましてですね、2020年には、いろんな前提つきですけれども、7から10%程度という表現になっています。一方で、現行のエネルギー基本計画では同じように、一次エネルギーに占める再生可能エネルギーは10%以上という表現になっているわけです。これは、この資料の中にも出てきますけれども。
そうすると、原子力が縮小に向かう中で、再生可能エネルギーが現行のエネルギー基本計画よりも少ないと、10%以上に対して7から10%ということでですね、これをどう説明なさるのかですね。原子力がなくなれば、単純な考え方ですと、その分を再生可能エネルギーが補わなければならないと思うんですけれども、それがそうなっていないというのをちょっと説明していだけますか。現行のエネルギー計画のデータがあまり根拠がなく、今回きちんと精査したらこういうような状況になったのかですね、それをお願いしたいと思います。
それから、2点目は、事務局からも、原子力の扱いについてはですね、これからだということを伺ったんで、あんまりしてはならないのかわかりませんけれども、1点だけお願いしたいと思います。原子力の検討ができないということで、いろんな、つらい思いというかですね、非常に議論していく中で大変だったと思うんですが、具体的に原子力についてどんな議論をなさったのか、全然なさらなかったのかですね。
それで、政府の原子力委員会とか、総合資源エネルギー調査会とか、そういうものが出てきて政府の方針が示された段階で、ぱっとそれをこの原案に入れ込んでうまくいくのかですね、あるいは全くもう根本からやり直さなければならないのか、その辺、少し議論なさったら、教えていただきたいと思います。
それから、3点目は、これは簡単なことですけれども、スマートメーターとかのことは、計画的導入とかっていうので出てくるんですけれども。もっと大もとのスマートグリッドとかですね、そういう表現が全く出てこなかったと記憶していますが、その辺はどうお考えになるのか教えていただければと思います。以上です。

永里委員
ありがとうございます。4点申し上げます。国内の雇用を増やす観点から、外国からの輸入を防ぐための日本製部材購入の義務づけというようなことを検討しているのでしょうか。例えば、中国は風力発電で今世界一になっていますけれども、中国製の部材を、70%買わなきゃいけないというバイ・チャイニーズ政策を実施しています。雇用を考えた場合に、日本製の部材を全部使うということも含めて、考えているのかどうか。それが一つ目の質問です。
その次に、エネルギーについて。ワーキンググループでは、全日本を同じサイクルにした、50サイクルまたは60サイクルにした場合のコスト計算その他をして、計算の上でこういうことをなさっているのかどうか。
それから、西日本広域利用の中に東電が入っていますけれども、この場合も今の質問と同じで、そのサイクルはどう考えているのか。60サイクルの東電というのが存在するということでなさっているのかどうか。あるいはサイクルチェンジャーを入れているのか、その辺のことについての質問です。
3番目、エネルギー多消費産業は自家発電をやっておりまして、CO2削減のためバイオ混燃石炭火力を実施もしくは検討しています。石炭火力が一番安くあがるんですけれど、これはCO2を出します。だから今、バイオを入れて混燃するというようなことが行われているんですが、こういう検討はこの中でされているのかどうか。
それから4番目、最後ですけれど、エネルギー供給ワーキンググループで、エネルギーセキュリティ上は原子力を当然含まなきゃいけないんですが、これは私の持論なんですけれど、原子力はエネルギーセキュリティ上必要だろうし、そしてCO2削減上必要だろうし、原子力技術者の技術の維持というのも必要だろうと思っていまして、そのことについてここで触れるべきじゃなかろうかと思うんです。以上です。

西岡委員長
事務局がまず最初に。

低炭素社会推進室長
一番最初にございます、33ページ目の一次エネルギーに占めます再生可能エネルギーの比率の件でございますけれども、最終的には、先ほど申し上げましたように、すべてのワーキンググループからのご報告をいただきまして、それを統合した形で、2020年、2030年のエネルギーの消費量、また供給しなければいけない量というのを計算した上で、それをその分母にいたしまして再生可能エネルギーの比率というのを計算するわけでございますが。現段階でいきますと、その統合がまだできてないということでございますので、ここの33ページ目の部分につきましては、仮置きで、その直近の国内エネルギー供給量を分母に置きまして計算すれば、こういう値になるという目安をしておりますので、今後これは、2020年、30年の値を計算した上で計算されるものというものでございます。

大塚委員
横山委員の最初の質問については、今お答えいただいたとおりですけれども、これは一次エネルギーの国内供給量が直近年で同程度と仮定した場合の話でして、省エネを進めるということも考えていますので、この仮定のストーリーに必ずしもなるかどうかわからないということを、ちょっと申し上げておきたいと思います。
それから、原子力については政府の方針に従ってということで、スライド3にあるようなことで、これについては、エネルギー供給ワーキンググループではほとんど議論しておりません。2050年までに徐々に原発の新設は、新増設はしないで減らしていくということは議論しましたけれども。その程度でございまして、それほど精密な議論はちょっとしていないということを申し上げておきたいと思います。
スマートグリッドの話は、ちょっと後で倉阪さんにしていただきます。
それから、永里さん、永里委員のご質問の最初の点は、私も気にしている点ではありますが、WTOとの関係がございますので、これは政府のほうで何か、よほどのことをお考えになって、覚悟して何かやるかどうかということですので、ちょっとこのエネルギー供給ワーキンググループで何か対応したり考えたりするような事柄では、残念ながらないのかなというふうにちょっと思っております。
それから、原子力に関しては、ご指摘のことはある程度理解はしていますが、先ほど申し上げたようなことでございまして、一番がい然性の高いところをちょっと前提にして考えたということです。

倉阪教授(エネルギー供給WG座長代理)千葉大学法経学部総合政策学科
スマートグリッドにつきましてはですね、62ページのロードマップのほうではですね、スマートグリッドの整備、進化というような形で書かせていただいておりまして、それを軽視しているというようなことではございません。全体のシートとして上がっていないというだけでございますので、ご理解いただければ幸いでございます。
それから、日本製の義務づけを行うかどうかということに関連してですけれども、例えば性能保証であったりですね、リユース・リサイクル等、廃棄になったときの引取義務づけであったり、そういったものを求めていくようなことも将来的には必要、将来を見越して必要ではないかと。そうなった場合、結果的に日本企業がメリットは出てくると、ケアができるという面でメリットが出てくる、こういうような議論はあるかと思いますが。そこは、具体的にこの報告に至るぐらいの制度で議論しているわけではございません。
原子力については、政府全体の方針があるかと思いますけれども、将来的には原子力も枯渇性のものですので、必ずしもそのエネルギーセキュリティがそれで向上するというふうには、私自身は、個人的には考えておりません。

荻本委員
周波数の統一という話題があります。今回の検討は、2030年に想定される再生可能エネルギーを無駄なく使うということで、こういう手があるというところまでをやったということで、50・60を統一するという検討はしておりません。将来ですね、その経済性も見て、バッテリーとかほかの技術との動向も見て、見直すというときに可能性はあると思っております。
なお、これに関しては、政府の別の委員会でも検討されているということがございますので、そちらもウォッチしていきたいかなと思っています。

倉阪教授(エネルギー供給WG座長代理)千葉大学法経学部総合政策学科
混燃についてはですね、今回バイオマスの発電という形で扱いましたのは、その単体としてのものでございますので、混燃については扱っていないということでございます。

西岡委員長
どうもありがとうございました。
今の原子力をどう検討するかという話は、たしかもう既に担当者もやっておりますけれども、こちらも、必要な部分についてはやっておく必要があるかなと私は思っていますが。
それからです、そうですね、雇用の問題だとか、今の政府が決めなきゃいけないWTOの話なんかあります。このあたりは多分、シナリオの中でケース分けみたいな感じが出てくるんじゃないかなと思っています。
それでは、あと2人、高村委員、それから及川委員。

高村委員
ありがとうございます。4点、コメントでございます。一つ、まず大前提としてですけれども、全体として非常によく検討されているというのが、正直な印象でございます。特に再生可能エネルギーについて言いますと、これ、言い過ぎかもしれませんが、総合エネ調で議論されているところでは、まだ出てきていないようなところまで入った検討だというふうに思っております。中でもコジェネの役割、これは短期的に非常に重要だというふうに、これは私の同僚も試算をして、やはり2020年までに電力需要を賄いながら、省エネはしますけれども、やはり二酸化炭素の排出量を抑えていくという意味では、コジェネの役割は非常に重要だという指摘をしている研究もしておりまして、この点は符合するところでございます。
それからもう一つ、系統の一体運用の点についても、こちら、例えば本文のほうといいましょうか、資料のところの40ページにありますけれども、この想定というのは、この間例えば国際エネルギー機関の風力タスクホースで、大量に風力の再生可能エネルギーが入ったときの調整の問題について、系統の問題について検討した結果なんかが出ていますけれども、それとほぼ同じ方向性を向いているものというふうに思いまして、そういう意味で、全体として非常によくできているというふうに思って、拝見いたしました。
二つ目の点でございますが、特に再生可能エネルギーについて、温室効果ガス削減以外の多様な便益をきちんと列挙してくださっているという点で、とりわけ関心があるのは、雇用の創出のところであります。結論に異論があると言いますよりは、もし私が考えているのと、間違ってなければ是非入れていただきたいというふうに思っておりますのは、やはり分散型電源としての再生可能エネルギーの特質として、やはりその効果というのは、非常に地域的に幅広いという点があるのだろうと思います。
そういう意味では、さらに加えて言えば、再生エネルギーの賦存量に関して言えば、いわゆる非都市地域、とりわけ東北・北海道なんだと思いますけれども。そういう意味では、被災地における雇用の創出という点に大きな効果が期待できるという意味では、地球環境部会で示している評価のポイントとして、やはり重要な点ではないかと思いますので、その点もし、そういう理解が正しければ、盛り込んでいただければというふうに思っております。
3点目でございますけれども、これ、藤野委員、あるいは倉阪委員のほうから指摘のあった点でありますけれども、やはり実際にこの、とりわけ再生可能エネルギーを現実に地域に導入するには、地域の主体性、それから同時に、地域の住民との中で合意をどうつくっていくかという問題があるというふうに思います。もちろん、無駄な規制というものは、取っ払っていく必要があると思いますけれども。とりわけ地域の住民が、それによって生じる環境影響も含めて、きちんと情報を得て判断ができるような、そうした基盤はきちっと持った形で導入を進めていくことが必要じゃないかと思います。といいますのは、やはり実際にその導入をしようとしたときに、地域できちんとその受け入れが受容されないということですと、やはり導入、仮に無理に導入をしようとしても、広がっていかないというふうに思うからであります。
最後の点でございますが、これはむしろ事務局、あるいは国家戦略室のほうに依頼、お願いかもしれませんが、例えば渡邊委員も含めまして、あるいは多くの委員が、ほかのエネルギー、ここで検討していないエネルギーとの関係ですとか、系統全体の問題についてどうなのかというご質問があったと思うんですけれども。もちろん、それぞれの場面で、場所でですね、それぞれの分掌で議論をされていると思いますけれども、ここで出てきているような、特にエネルギー供給ワーキングで整理をされたような問題というのは、是非今、まさに表裏一体で進んでいるエネルギー政策の検討の場で供用していただきたいという点であります。
もちろん、それをもとに検討するというのは、それぞれのフォーラムといいましょうか、場の問題ではありますが、しかしながら、少なくともこういう議論がされているということを、そこに参画して検討されている委員の目にきちんと届けていただきたいという、そういう強い要望でございます。これは早い段階で、まさにエネルギーミックスの議論も総合資源エネ調でされていると思いますので、早い段階で検討中のものとしてで結構ですので、出していただきたいと思います。以上です。

及川委員
バイオマスエネルギーについてちょっとお尋ねしたいんですけれども、ここでいうバイオマスっていうのは、主に木質系のバイオマスということだと思うんですが。そのときに、日本では、去年の7月ですか、現在木材の自給率が20%しかないんですけれども、10年間で50%に引き上げるということが閣議決定されているわけですね。そういったことで、林業と非常に関係が深いんですけれども、林業との相互調整といいますか、その辺をどういうふうにされたのかということを一つお伺いしたいと思います。
それから、現在、京都議定書の第一約束期間ですけれども、森林の管理で3.8%の削減をするということで、大規模に間伐を進めているわけですね。ですから、間伐材が大量に出ているわけなんですけれども、そういったものを利用してバイオマス発電のほうに使うとか、そういったような計画は進んでいるのかどうか、それをお尋ねしたいと思います。以上です。

大塚委員
最初の高村委員のコメントにつきましては、ほとんどコメントだったと思いますので、参考にさせていただければ思いますし、その中で、特に分散型電源についての非都市地域とか被災地での雇用に大きな効果が期待できるという点については、是非書き込んでいきたいと思います。以上でございます。

倉阪教授(エネルギー供給WG座長代理)千葉大学法経学部総合政策学科
今回対象にしたバイオマス資源につきましてはですね、参考資料1の3-3のほうの34(通し番号70)、35ページぐらいに書いてありますが、必ずしも木質系だけではございません。ただし、木質系のほうが、可能性というか、が高いということは言えるかと思います。具体的にそれをどう進めるかという議論まではしておりませんが、先ほど若干コメントをいたしましたように、現在、石油等でですね、その熱をとっている部分についてですね、地域的にバイオマスに置きかえていくということは、可能性は高いのではないかというふうに考えております。

西岡委員長
どうもありがとうございました。

低炭素社会推進室長
そのほかの同時並行的に議論が進んでいる審議会などとの連携という形で、どのような形で情報を提供させていただけるか、調整をしていきたいというふうに思っております。
その関連で行きますと、ご質問がありました林業につきましても、農林水産省、農林政審などが、今吸収源についての議論を深めておりまして、地球環境部会にもご報告いただけるということだと考えておりますので、またその段階におきまして、いただきましたご質問につきましてもお伝えしていきたいというふうに思っております。

西岡委員長
どうもありがとうございました。井上委員、お願いします。

井上委員
原子力については、議論を先送りするということなので、この場ではあえて申し上げません。コストの検証の点から、1点ご質問と1点お願いがございます。
一つは、8ページの次にコスト等検証委員会の棒グラフが載っておりますが、先ほどからもお話があったように、この中にはたしか4,000円程度のCO2削減コストが含まれているということですが、これはそのような額ではできようがない。それをやはりこの委員会できっちり検証しながら、必要によって、このコスト検証委員会の中を再検証、修正しながら進めるのですね、それは新エネについてもそうですね、という確認が一つです。
それから、全体を通して細かいところが読み込めてないのですが、一言で申し上げますと、新エネについてはハッピー・ハッピー、それからコジェネ分散電源についてもハッピー・ハッピー、これは固定買取制度でもってそのコストをどこかに負担をすると。そういったことに事業性が成り立つようにすると。しかしそのコストは一体どこに転嫁されるのか。これは既存の我々電気事業者の電気代によって回収するのか。それから調整力、すなわち動きもしない大型の調整電源やバッテリーを持つ費用、系統増強等の費用も、すべて既存の電気事業者に乗せて費用回収をするのか、あるいは税金なのか。これによって、国民への電気代というか、エネルギーのコストは変わってくると思います。産業界への負担になるのか、家庭への負担になるのか、業務用なのかと。そういったところも、どこにどういったコストが転嫁されるのかということを分析した結果を是非とも示していただきたい。
我々電気事業者は、高品質な電気を安定的に安全に、それから低廉にと、安い電気をお届けするということで今まで使命を帯びてやってきたわけでございまして、その辺がどう変わるのかということを是非とも示していただきたい、これをお願いしておきます。

西岡委員長
どうもありがとうございました。まず、事務局のほうから、スタンスを。

低炭素社会推進室長
今回ワーキンググループにおきまして、さまざま試算をさせていただいておりますけれども、その例えばバックデータであるとか前提条件につきましては、コスト等検証委員会におきまして、モデルプランと、計算に用いた値を使ってつくっておりますので、その整合性はとって、作業をやっておりますけれども。その中身について、また今回の試算結果などもご覧いただきながら、さらに議論を深めていただきたいというところでございます。
また、コストにつきましては、先ほど来申し上げておりますが、全体の姿が出てこないとどのような総合コストにあるのかなどが計算、その段階にならないとできませんので、その段階でまたお示ししながら、ご議論を深めていただければと思っております。

西岡委員長
どうもありがとうございました。渡邊委員。

渡邊委員
先ほど高村先生から「議論中の検討内容をエネルギー政策の検討の場に供用するべき」という事務局へのお願いがありました。しかし、私は冒頭に申し上げたように、委員として中身について全然納得できておりません。そのため、現段階の当小委員会の資料を外部にお示しされるのは心外です。十分ここで議論し、納得できるものを出していただきたいと思っておりますので、宜しくお願いいたします。

西岡委員長
そのあたりはいかがですか。

低炭素社会推進室長
どのようなものを提供するのか、また先方の議論にどう資するのかという関係もございますので、お話しいただいた内容も踏まえながら、先方と調整をしていきたいというふうに思っています。

西岡委員長
どうもありがとうございました。いや本当に、表裏一体というのが、どのあたりでどう表裏一体なのかというのも大きな問題かと思います。
本日は、非常に大部の調査の結果、研究の結果を示していただき、どうもありがとうございました。
それから、非常に効率的に皆さんのご意見を伺うことができたと思います。まだまだこの、これは最初の、言ってみれば、たたき台プラスアルファのとこまでかと思いますし。それから、先ほど一番最後にもお話がございましたように、国民の負担がどうなるかとかですね、そういう話はもう少し上のレベルで、またここでもやらなきゃいけないことだと思いますので、是非そのようにお願いしたいと思っております。どうもありがとうございました。
それでは、次、資料2ということで、これはスケジュールでしょうか。

低炭素社会推進室長
それに先立ちまして、全体を通じて幾つかございましたけれども、例えば輸入依存度がどれぐらいなのかということも、ご質問がございました。それにつきまして、コスト等検証委員会の中では、各電源におきまして、燃料費・資本費などという分けがなされておりまして、燃料費の部分は輸入されているものというふうに思いますけれども、例えば資本費の中がどれぐらい分解できるのかなどについては、調べてみたいというふうに思っております。
また、今回幾つかのケース分け、案という形でお示ししましたけれども、地球温暖化の観点に加えまして、コスト、またエネルギーのセキュリティなど、多方面の検討が必要だということでございますのは、ご指摘のとおりだと思いますけれども。特にエネルギーセキュリティの観点からどう考えるのかということにつきましては、なかなか定量化が難しいかとは思いますけれども、もし視点、考え方、データなどがございましましたら、提供いただけると幸いかと思っております。
最後に、例えば、出てきます社会的費用などという言葉につきまして、確かに統一がとれているかどうか、いま一度チェックをした上で定義を明確にして、ご議論に提供していきたいというふうに思っております。
最後に、資料2に今後の検討スケジュールというもので示してございますけれども、裏面に、3月に入ってのスケジュールが記載されてございます。次回7日からが住宅・建築物ワーキング、地域づくりワーキンググループというもの。そして15日に、低炭素ビジネスワーキンググループのご報告ということで、こちらで各ワーキンググループからのご報告、ご議論というのが一段落するというところでございまして、その後統合したものを見ていただきながら、議論を進めていただければというふうに考えております。以上でございます。

地球温暖化対策課長
次回日程につきましては、今ご説明いたしましたように、3月7日を予定しております。詳細につきましては、追ってご連絡を差し上げたいと思っております。
また、議事録につきましては、事務局でとりまとめまして、委員の皆様へご確認いただきました後に、ホームページに掲載をさせていただく予定でございます。宜しくお願いいたします。

西岡委員長
それでは、本日の議事、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

午後 11時55分 閉会