産業構造審議会化学・バイオ部会地球温暖化防止対策小委員会中央環境審議会地球環境部会フロン類等対策小委員会第4回合同会議議事録
日時
平成24年9月24日(月) 15:00 ~17:22
場所
全国都市会館 大ホール
議事次第
- 開会
- 議題
- (1)冷凍空調機器の冷媒管理について
- (2)その他
- 閉会
配付資料
- 資料1
- 冷凍空調機器の冷媒管理のための政策のあり方について
- 資料2
- 冷媒管理体制実証モデル事業中間報告(概要)
(一般社団法人 オゾン層・気候保護産業協議会提出資料) - 資料3
- 日冷工の排出抑制の取り組みと冷媒管理の制度化に関して
(一般社団法人 日本冷凍空調工業会提出資料) - 資料4
- 冷媒管理についての取組と効果・必要性
(一般社団法人 日本冷凍空調設備工業連合会提出資料) - 資料5
- フロン回収・破壊法の改正に向けて~使用時漏えい対策~
(東京都提出資料) - 参考資料1
- 今後のエネルギー・環境政策について
午後3時00分 開会
○和田地球温暖化対策課長 それでは、まだおそろいでない先生もいらっしゃいますが、定刻となりましたので、産業構造審議会化学・バイオ部会地球温暖化防止対策小委員会、それから中央環境審議会地球環境部会フロン類等対策小委員会の第4回合同会議を開催いたします。
本日の審議は、公開とさせていただきます。
本日は、両小委員会とも過半数の委員にご出席をいただいており、定足数に達しております旨、ここでご報告したいと思います。
フロン類等対策小委員会につきましては、青木委員、奥委員、黒木委員、小林委員よりご欠席の旨の連絡をいただいております。また、大阪府環境農林水産部、大西委員の代理として、同じく同部の江口様にご出席いただいておりますので、あわせてご紹介をさせていただきます。
○岩松オゾン層保護等推進室長 地球温暖化防止対策小委員会につきましては、岡嶋委員、角田委員、名尾委員よりご欠席の連絡をいただいております。また、日本チェーンストア協会の小松委員の代理として、イオン株式会社の鈴木様にご出席を本日はいただいております。なお、浅野委員におかれましては、1時間ほど遅れていらっしゃるということでご連絡をいただいております。
○和田地球温暖化対策課長 それでは、早速ですが、初めに環境省、経済産業省とも、前回の会議より局長が異動により交代してございますので、それぞれより一言ご挨拶申し上げます。まず、環境省地球環境局、関局長よりお願いいたします。
○関環境省地球環境局長 環境省の地球環境局長、関でございます。
9月上旬の異動でこちらに着任させていただきました。それ以前は、除染の担当をしておりまして、1年ほど福島で、後ほどご挨拶いたします菅原局長と一緒にやっておりましたけれども、今回の原発事故を受けて、放射性物質による環境汚染をどういうふうに除去するかということで大変苦労いたしまして、なかなか前には進まなかったわけであります。9月の初めの異動で、こちらを担当させていただくようになりました。
委員の皆様方には、大変お世話になっておりまして、改めてよろしくお願い申し上げます。
ご承知のように、今後のエネルギー環境政策につきましては、先般の革新的エネルギー、環境戦略を踏まえまして推進するということを閣議決定したところであります。地球温暖化対策につきましては、これと密接に関係するわけでありますけれども、その中で2050年には温室効果ガスを80%削減しようというのが、この戦略の中でも改めて位置づけられておりまして、私どもとしましては、長期的、計画的に温暖化対策というのを進めていきたいと、このように考えております。
この合同会議におきましては、現在、精力的にフロン類の排出についてご議論いただいておるわけでありますけれども、代替フロンというのは温暖化係数も高くて排出量も増加している分野でもありますので、温暖化対策の観点から、早急に対策を行うことが重要だと認識しているところであります。引き続き、先生方のご議論を、ご指導のほど、よろしくお願いいたします。
○和田地球温暖化対策課長 それでは、続いて、経済産業省製造産業局の菅原局長より一言ご挨拶をお願いします。
○菅原経済産業省製造産業局長 9月14日付で製造産業局長に就任しました菅原でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
前職は、今、関局長からもありましたけれども、産業技術環境局長をやっておりまして、経産省の中でのCO2対策の元締めといいますか、担当局長を2年間やってまいりました。その間、いろいろ産業界にもお願いしまして、京都議定書達成のためにということで、まずはやってきたわけでございます。先ほどもありましたけれども、先般、革新的エネルギー環境戦略というのが政府エネ環会議で決定いたしました。その中で、CO2の問題については、今後原子力の稼働率がどうなるか、再生エネルギーの導入がどうなるかによって、日本国全体の目標というのは、これからの議論になろうかとは思いますけれども、本日ご議論いただきますフロン対策というのは、そういうものにかかわらず着実に進めていくべき重要な課題であるというふうに認識しております。
非常にテクニカルな部分もあると思いますけれども、これについては産業界の皆さんはもちろんですけれども、学識経験者の皆さんの知恵をいただきまして、必要な対策をしっかり、環境省ともども、この点については手を合わせて進めていきたいと思いますので、どうぞご審議のほど、よろしくお願いいたします。
○和田地球温暖化対策課長 続きまして、両事務局におきまして人事異動がございましたので、新たな事務局メンバーをご紹介したいと思います。
先ほどご挨拶させていただきました、関地球環境局長でございます。
それから、三好審議官でございます。
それから、正田地球環境局総務課長でございます。
私、進行役を仰せつかっております、地球温暖化対策課長の和田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それから、地球温暖化対策課の課長補佐の香具でございます。
○岩松オゾン層保護等推進室長 では、経済産業省につきまして、ご紹介申し上げます。
先ほどご挨拶申し上げました、菅原製造産業局長でございます。
渡邊大臣官房審議官でございます。
経済産業省の異動は、以上でございます。
○和田地球温暖化対策課長 それでは、第3回の開催では、産構審地球温暖化防止対策小委員会の中井小委員長に進行をしていただきましたので、今回は中環審フロン類等対策小委員会の冨永小委員長に進行をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○富永委員長 両小委員会交互にということでございますので、今回、私が進行役を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
それでは、議題に入ります前に、本日の配付資料について事務局のほうで確認をお願いします。
○和田地球温暖化対策課長 それでは、お手元の資料でございますけれども、議事次第1枚と委員名簿1枚の次から、資料の1、続きまして資料の2、3、4と5まで、パワーポイント形式、横書きのものの資料が続いてございます。その後、参考資料の1でございますけれども、今後のエネルギー環境政策についてということで、横書きの資料が配付されてございます。
資料の不足、不備などございましたら事務局までご一報いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それから、お手元に、資料番号は振ってございませんけれども、パンフレットとして省エネ自然冷媒冷凍等装置導入事例集というものと、それから黄緑色の報告書を1部ずつ配付させていただいておりますので、ご確認いただければありがたいと存じます。
それでは、先生よろしくお願いいたします。
○富永委員長 よろしいでしょうか。
それでは、これから議事に移らせていただきます。
今回は、冷凍空調機器の冷媒管理についてという議題に絞って集中的に議論を行いたいと思いますが、それに先立って、事務局、それから一般社団法人オゾン層気候保護産業協議会、JICOPさんですね、それから同じく日本冷凍空調工業会、日冷工さん、それから日本冷凍空調設備工業連合会、日設連さん、並びに東京都、それぞれ、この方々からご説明をお願いすることになっております。それで、まず、事務局から冷凍空調機器の冷媒管理のための政策のあり方について、資料1に基づいてご説明をお願いいたします。
○岩松オゾン層保護等推進室長 それでは、事務局からご説明申し上げます。
本日の議題は、冷媒管理、すなわち冷凍空調機器の使用時における冷媒の漏えいを防止するための対策についてでございます。資料1の「冷凍空調機器の冷媒管理のための政策のあり方について」をご覧ください。
事務局からは、まず、本件につきましての検討の背景や経緯、検討に当たっての論点をご説明しまして、その後、私どもの委託事業として実施してきております実証モデル事業の中間的な結果について委託先から、これまでの取組等について業界団体から、それぞれのご紹介いただきます。その上で、東京都からは法執行実務を担っている地方自治体の立場から、本件についての制度設計についてご提案をいただく予定でございます。
本日につきましては、以上の全体を踏まえて制度設計のあり方、方向性につきまして、委員の先生方に議論をいただきまして、次回の審議会において、それを踏まえて具体的な制度設計についてご検討いただきたいと、こういうふうに考えてございます。
それでは、資料1のご説明に移ります。
資料1の2ページをめくっていただきますと、冷凍空調機器からの冷媒の漏えいについての現状と見通しでございます。
冷凍空調機器の分野では、現在、新たに製造される機器が、代替フロンHFCへ転換いたしまして、HFCの市場ストックが急速に増加しているという状況でございます。この市中ストックの増加に合わせまして、大気への排出量も増加してきています。前回検討いただいた冷媒転換等を含まない状態ですと、将来の一定期間にわたって増え続ける予測でございます。具体的には、左下の図のようになっておりますけれども、2020年には2010年の2倍程度の排出になる見込みでございます。その際、冷凍空調分野の排出というのが全体の8割を占めるということになります。
右下の囲みでございますけれども、市中のストックから排出されるルートというのは二つに大別されます。一つは機器使用中の漏えいでございまして、もう一つが廃棄時の漏えいということになります。このうち、使用時の漏えいにつきましては、整備不良や経年劣化により、機器本体や配管に故障や不具合が生じて冷媒が漏えいするというものでございまして、廃棄時につきましてはフロン回収・破壊法による回収と破壊が義務づけられているところでございますけれども、現状で回収が未実施ないし十分な回収がされないという理由で、相当部分が漏えいしているということでございます。これら等を合計いたしましたものが全体の排出量ということになってございますが、割合にいたしますと、冷凍空調機器からの排出量のうち、使用量が大体6割、廃棄時が4割というような計算になってございます。それが、真ん中の下のグラフでございます。
続きまして、3ページでございます。
こちらは、使用時の漏えいが機器別にどのような状況になっているのかというのを整理したものでございます。表の左側に代表的な冷凍空調機器の種類を列挙しておりまして、上の四つが冷凍冷蔵機器、下の三つ、ビル用PACと書いてあるものから下が空調機器ということになっております。2009年に私どもがサンプル調査を実施いたしましたが、その際に使用時の冷媒漏えいが従前の想定より多いということが判明しております。表の中で、右の方に毎年の漏えい割合、従前と現在というふうになってございますけれども、この従前というのを調査結果を踏まえて修正した結果、毎年の漏えい割合として、現在の欄に書いております割合に推計を直しているということでございます。
この結果、特に中型と大型の冷凍冷蔵機器では、漏えい割合が10%を超えるものが多い。この別置型ショーケースから大型冷凍機まででございますけれども、例えば小売店などで使われております別置型のショーケースについて見ますと、16%ということでありまして、平均的には6年程度で冷媒の全量が漏えいするという計算になります。
一方で、空調機器につきましては、この赤字の漏えい割合というのは数パーセント程度でございますけれども、数が多い、具体的には、特に家庭用エアコンなどでは1億台というような台数がございますので、排出量全体で見ると数百万トンに達するというような数字になっております。
続きまして、4ページです。これまでの議論の経緯でございます。
以上のような状況を踏まえまして、産構審及び中環審におきまして、フロン対策の柱として、この使用時の漏えい対策をどうするかという点についてご検討いただいてきたわけでございます。ここでは、産構審における中間まとめのポイントを要約しております。去年の2月でございます。
この上の使用時排出の抑制に係る課題という部分でございます。まず、基本的な問題意識として、機器の管理という行為自体は、機器を直接使用しているユーザーが行うべき部分があるという点がございますけれども、一方で、ユーザーの多くは知識が十分でないとか、あるいは漏えいについて把握できていないということで、ユーザー単独で漏えい対策を行うには限界があるという指摘があったということでございます。このため、まずメーカー及び設備業者において、漏えいの発生しづらい機器の開発、施工を行うことが重要である、それに加えて、メーカー、設備業者、ユーザーの三者が、それぞれ連携しながら積極的な取組を進めることが不可欠で、国は、そのための環境整備を行うというふうに整理をしております。
下の冷媒対策の方向性というところでございます。まず1番目の丸は、メーカー、設備業者、ユーザー三者の連携による世界最高水準の冷媒管理体制の構築を目指すということでございます。このための具体的な取組といたしまして、その下に整理してございますが、まず実証モデル事業によりまして、冷凍空調機器の所在把握や冷媒の排出量把握・メンテナンスに係る仕組みというものを施工して実証するということが、1点でございます。2点目といたしまして、機器メーカー、設備事業者において、冷媒漏えいの少ない機器づくりや施工技術向上に向けた自主的な取組を行うということでございます。3点目として、普及啓発活動を行うということとしております。
これらの点につきましては、その後の取組状況等につきまして、この後、続けてご説明があるところでございますが、ちょっと今簡単にご紹介をいたしました。
5ページでございます。
以上のような議論の際には、産構審の冷媒対策ワーキンググループというのを設置いたしまして、学識経験者、メーカー、設備業者に加えまして、さまざまなユーザー団体、自治体からもご参加いただいて検討してきたということでございます。右の欄が冷媒対策ワーキンググループの検討経緯でございます。
6ページにまいります。
先ほどの対策の方向性を取りまとめた時点から現在までの取組といたしまして、実証モデル事業というのがございました。この実証モデル事業につきましては、当省の委託事業といたしまして、メーカー、設備事業者、ユーザー、自治体等にご参加をいただいて、23年度、24年度と進めてまいりました。このうち24年度のモデル事業の中間的な結果につきまして、この後、委託先でありますオゾン層・気候保護産業協議会から詳しいご説明をいただくことになっておりますので、ここでは調査の概要についてご説明いたします。
まず、この上の囲みでございますが、この事業の目的でございます。これは冷媒管理の取組を実際に施工してみまして、実現可能性を検証するということ、これが第1点。もう一つが、対策による費用や効果を検証するということでございます。大まかに整理しまして、主に前者につきまして、昨年度の事業において検証を実施いたしまして、24年度事業では調査母集団の調査や費用対効果の検証を行ってきております。
23年度事業におきましては、左の囲みでございますが、冷媒管理の取組について、施行した結果、実行が可能という結果を得ております。5月に行われました第2回の合同会議の際に、こちらにつきましてご説明しておりますので、詳細は割愛させていただきます。
24年度の結果につきましては、後ほどご紹介するということでございます。
7ページはモデル事業の実証イメージということで、このモデル事業運営委員会というのに関係者さまざま幅広く入っていただきまして検討を進めているという参考でございます。
続きまして、8ページでございます。
冒頭、HFC排出量の推計についてご紹介申し上げましたけれども、これは日本全体の排出量を市中の機器ストックと漏えい割合に基づいて推定したという数字でございます。それに対しまして、実際に各事業者が排出している量は幾らなのかということにつきましては、この8ページにございます地球温暖化対策の推進に関する法律、通称温対法に基づく温室効果ガスの排出量の算定と報告、公表制度がございます。この制度の概要につきまして、このページで整理をしておりますが、冷媒として使われるHFCにつきましても、温室効果ガスとして報告対象になっております。ただし、この法律上では、現にある使用時漏えいのうち、一部のものしか算定方法が定められていない関係で、算定対象となっていないということで、実際に排出量として届け出られる量には使用時の漏えいの多くの部分が含まれていないということでございます。このため、下の囲みでございますけれども、類似の枠組みの中で、使用時の冷媒排出というのをトータルで把握する仕組みがあれば政策的に有用なのではないかというふうに考えられるところでございます。
最後、9ページでございます。
使用時漏えい対策に関する主要論点ということでございます。この部分につきましては、本日のその他の説明も踏まえまして改めてご議論いただきたいというふうに考えておりますけれども、冷媒管理について制度設計していく観点から、論点と考えられる点を列挙しております。
一番上の丸でございます。まず、冷媒の使用時の漏えいの防止という政策目的からいたしますと、機器メーカーや設備業者の努力として、この後ご説明があるような取組ですとか、前回出ました冷媒転換などの取組も当然必要でございますけれども、一方で、機器を直接使用されている機器ユーザーにおかれましても一定の管理努力が求められるのではないかという点でございます。これが第一のポイントでございます。
その上で、制度設計に当たりまして、留意すべきと考えられる点を幾つか挙げております。第一が費用対効果ということでございます。これは、幾つかの面がありまして、まずそのユーザーが行う管理努力に対して、どのぐらいの排出削減が得られるか、また、コスト的なメリットがあるのかということ。また、行政といたしましても、管理監督等を効果的に行うことができる仕組みがつくれるのかというところでございます。第二に、冒頭も申しましたとおり、冷凍空調機器というのは、大小、形態、いろいろなものがありまして、管理方法も多種多様である、かつ、使われているところも多種多様であるということでございます。これら全てに一律規制の網をかけることが可能なのかという点でございます。そうした意味も加味いたしますと、ユーザーの自主的努力というのを引き出すということも重要なのではないかということでございます。第三の点でございますけれども、漏えいが生じた場合に、営業形態によっては直ちに修理が困難、例えば冷凍冷蔵機器につきましては24時間稼働が前提になっているというようなケースも多いというようなことでございます。直ちに修理するのが困難なケースがあるといったこともお伺いしております。そうした観点からも、日常からのメンテナンス等によりまして、こうしたケースを防止していくのが重要ではないかということです。特に、大型で漏えいによるリスクの大きいものについては、そういう傾向があるのではないかということでございます。第4点目で、使用時漏えいがかなり多いというのは冒頭ご紹介しましたとおりでございますが、この原因といたしまして、故障や不具合が生じても修理せず冷媒を繰り返し充填しているというようなケースがあるというご指摘があります。こういう行為につきまして、どう考えるかということでございます。
その他、どういう観点に留意する必要があるか、これは補足でございます。
これらの点につきまして、本日、説明、全体を踏まえまして意見交換をしていただければというふうに思っております。
当方からの説明は以上でございます。
○富永委員長 ありがとうございました。
引き続いて、今のお話にもありましたけれども、今年度、経産省で実施している冷媒管理体制実証モデル事業について、委託先のオゾン層・気候保護産業協議会から中間報告の説明をお願いしたいと思います。
なお、ご質問などにつきましては、このご説明の後でお願いいたします。では、どうぞ。
○瀬下氏 オゾン層・気候保護産業協議会の瀬下でございます。よろしくお願いします。
今、岩松室長のほうからお話がありましたように、私ども略称JICOPと申しますが、JICOPでは、今年度の冷媒漏えい対策のモデル事業を受託をして、調査を進めてきております。今日お話しするのは、おおむね傾向は出てきたと思いますが、その中間報告でございます。今日は、どういう対象の機器で行ったのか、どのぐらいの漏えいが見つかったのか、その後の処置はどうされたのか、どこで漏れていたのか、それから、もし定期点検をやったらこのぐらいの削減効果が期待できるのではないだろうかという、そのあたりの論点についてお話をしていきたいと思っております。まず、2ページをごらんください。
先ほど岩松室長からもお話がありましたように、今回のメインの対象機器は、基本的に設備事業者あるいはメーカーさんとかの何らかのいわゆる日常保守契約、何らかの保守点検契約、メンテナンス契約の対象となってない機器がメーンでございます。それを、この中では新規という形で表現いたします。それから、昨年度は基本的にはメンテナンス契約がされている機器でございましたので、それを継続というふうに表現します。下の表に書いておりますように、9月18日までの集計値ですと、新規が890台、継続が376台でございまして、トータルで約1,300台の機器が定期点検が実際に行われたということでございます。今回、もう一つ大事なのは、点検でもし漏えいが見つかったときに、どういう処置をするかということでございます。この辺は、経産省さんのほうからご指示がありまして、そういうことについてもきちんと調べているわけです。ただ、今回はモデル事業でございますので、法的強制力はありませんから、修理などの処置については、一番下のパラグラフに小さい字で書いているように、基本的に、もし漏えいが見つかったらば、なるべく業界団体さんのガイドラインに従ってほしいのだけれど、原則としては消費者の意向を踏まえてくださいということで、強制をしているということではございません。
続きまして、3ページ目でございますけれども、3ページ目は、今回の調査対象の機器というのがどういうふうな分布になっているのか、どういう用途の機器が、どのくらいあるのかということを表した、このパイチャートになっております。先ほどご説明あった日本のストックの分布に比べると、やや低温ですね、プロセス冷却とか低温系が多い分布になっております。やや空調系が少ない分布になっているということで、多少、その辺で相違があるということですけれども、大体の大型機器は網羅されているのではないかなというふうに考えております。
次が、結局点検をしたらどれだけ漏れていたのかという、今回の、いわゆる中間報告での評価ということになります。真ん中に書いてある表が、その結果になりますけれども、継続の場合では、今回376台の熱源に対して漏えいが確認されたのは8台。それから新規では、890台のうち110台に漏えいが確認されているということでございます。もちろん、これは、単純に冷媒補充がされたということにおいて漏えいとしているわけではございませんで、例えば回収量がきちんと充填量と同じものは、漏えいではない。あるいは、単純な修理事例は、これは排除する。そういう形で、この漏えい事象を評価して、このぐらいの数値になっているということでございます。先ほど申し上げましたように、継続と新規の差異は何かということですけれども、この標本の差異は、単純にメンテナンス契約がされているかされていないかということでございますので、この下の囲みに書いてありますように、やはり何らかの定期的なメンテナンスが行われている機器設備というのは、そうでないものに比べて漏えい事象の発生確率が明らかに低いのではないかということがわかると思います。
昨年度の比率は、確かに0.5%、1%未満だったと思いますので、そういうことからしても、やはりこのメンテナンスをするということは、やはり予防保全につながっているのではないかというふうに推測されます。
次に5ページ目になりますが、どういうふうにまとめているかということですけれども、例えば一番目の、この表の上の産業用パッケージエアコンというのをごらんください。これは、初期充填量が45キロの機械です。今回、20キロ充填しました。回収量はゼロだということになった場合に、漏えい量が20キロであるというふうに判断をいたします。場所はろう付け部、要因は振動、それで、修理はしましたということです。ほかにもいろいろな項目がありますけれども、主にこういうような感じで調査がされているということでございます。
この5ページの表は、継続のものでございます。6ページが、新規の表になります。字がすごく小さいですが、こういうような形でまとめられているというふうにご理解いただければというふうに思います。
では、今度は、どこで漏れているのかというような調査が7ページ目になります。
7ページ目の左側が漏えい部位、どこで漏れていましたかということに対しての回答です。これは、一体型機器ですとか、現地施工配管とか、室外機、室内機というふうな形で書いてあります。一体型機器というのは、業務用では、よく冷水をつくる機械ですね、チリングユニットと申しますが、そういったものが代表的なものかと思いますけれども、こういうのが一体型機器と申します。それから室内機、室外機というのは、空調だとわかりやすいんですけれども、低温系ですと、例えば室外機はコンデンシングユニット、室内機はショーケースというような形でお考えいただければと思います。これを見ると、これはかなり特徴的な結果が出てきておりまして、現地施工配管、例えば現地で工事をしている部分で漏れがあるのはたったの13%に過ぎない。それ以外は、全て機械で漏れているという、そういう結果が出てきております。これは、別に日冷工さんを誹謗しようということでは全くないんでありますけれども、今回非常に珍しい結果です。今まで私が知っている結果ですと、6・4だったり半々であったりというのが多いんですけれども、今回はほとんど機械側で漏れているという結果になっております。
それから次に、右側ですね。右側に漏えい箇所というパイチャートがございます。今度は漏えい箇所ですね、どういう部位が、どういうところが漏れているかというところですけれども、この結果は、例えばフレア部とかフレア部、ナットと、いわゆるフレア部そのものと分かれています。フレア部だとかフランジシート、それからろう付け部、溶接部とありますけれども、部品表面を除くと、これほとんどが接続部であるということからして、基本的には配管の接続部からほとんどの漏えいが発生していると。ただ、部品表面からというのも15%ほどあるというような形になっているということです。全て継ぎ手接続部であるというような形が7割以上を占めているのではないかということが、これでわかると思います。
それから、左下に行って、考えられる要因ですけれども、これはプルダウンメニューで選定をしていただいているのですけれども、やや抽象的なんですけれども、やはり経年腐食あるいは経年劣化、それから振動というようなものが大きなところになってくると。ただ、この経年というのが、本来の意味の経年なのかどうかというのは、ちょっと次にまた評価をさせていただきます。大体こういうような分布になっている。これを見ると、やはり長いこと使っていると、やっぱりだめになるのかなというようなイメージが出てくると思います。
右下が、これがかなり重要な図で、まず、もし漏えいが確認されたら修理をしたのかしないのかという結果であります。こうなると118例の漏えい事例の中で、修理をしたのが105例、やはり修理をしないというのが13例あったという結果でございます。ただ、こういったお願いを、これはユーザー、使用者の方にしているわけですけれども、ガイドラインに従ってくださいというふうなお願いをすると、大体9割ぐらいの方は修理をしていただけるという結果になっているということです。
次のグラフ、8ページのグラフですけれども、先ほど経年で漏れるという話をさせていただきましたけれども、本当にそうなのかなというのを、評価をしてみた図でございます。縦軸は頻度をあらわしています。回数ですね。いわゆるその設備の台数。横軸は、これは漏えいの事象、漏えいの箇所を書いていて、その下に小さい字で0から33まで書いてありますけれど、これが設置、いわゆるその設備が新しくつくられたときからの年度、いわゆる年次をあらわしているということです。その下の矢印で222とか298というふうに書いているのは何かと申しますと、例えば一番左側の222は、設置後5年未満の若い機械が今回の母集団にどのくらいあったか、1,000台のうち222台ありましたということを表しています。5年から10年が298台ありましたということを表しています。これを見ると、時間がたったから壊れる率が高いというのは、どうもそんなことないのではないかなという感じがしてくるわけです。
次のグラフもごらんいただけますか。
これは要因ごとに整理したものですけれど、これを見ると、1年未満のものでも経年劣化なんていうことが既に書かれていると。4年目とか7年目とかいうところにも経年というのが出てくるということで、どうも、これは本当に長いこと使ってきたから壊れたとかいうことではなくて、壊れるものはとっとと壊れているのではないかというような印象も持つわけです。確かに、設置が25年以上たったものは30サンプルなり、結構台数が、数台あるということから見ても、やはり比率は多いと思いますけれども、全体として見ると、それほど、いわゆる経年に対して故障頻度が、例えばリニアに上がっていくというようなケースは、今回の場合では見られなかったということでございます。
それから、先ほど、見つかったとき修理をしない事例があるということであったんですけれども、それに関して、これ、実は今回のモデル事業の中の、いわゆる定期点検をしてくださいというふうに頼んだ事業者さんではない、別な地域の事業者さんに集まっていただきましてアンケートの調査をいたしました。問いは、漏えいが見つかっても修理しない事例がありますか、もしあるならば、どういうような理由によりますかというようなアンケートをさせていただいております。これはまだ、全てが集まっておりませんで、まだせいぜい27人程度の評価でございますけれども、なぜ修理をしないのかという事由でございますが、一番大きいのは、漏えい箇所特定が困難あるいはできない。それから、所有者の意向というようなものが大体大きなところで、そのほかには、漏えい量が少ないから修理しないとか、機器の停止が不可能とか、応急処置とか、修理は物理的に困難な部位というような形があります。未記入の中で言いますと、メーカーが補修部品を手配してくれなかったとか、あるいは非常に抽象的ですけれど経済的な理由とかいろいろなものがあります。この中で、これを見ていただくとわかるように、明らかに物理的にできない、あるいは困難であるというのは、漏えい箇所が特定が困難あるいはできないということと、修理が物理的に困難な部位という、この大体3割でありまして、そのほかの理由は、これは基本的には、物理的理由ではなくて、人文・社会学的な理由になっているというふうに思います。
これについては、まだ今後も、ちょっとデータの拡充を図っておりまして、もう少しきちんとした結果を近日中にお出ししたいと思っております。
次が、この定期点検というのは、どのくらいの費用がかかるのかという評価でございます。これは、今回の、実際に点検された方にアンケートをとって調査をしているということでございます。
左上の図は、今回の、いわゆる定期点検に対してかかった費用は幾らですかというものに対する回答です。これを見ますと、やはり2万円未満が一番多くて、3万円未満、次は4万円未満という形で続いております。平均的には2万一千数百円、約2万2,000円ぐらいの、いわゆる点検費用というふうになったということでございます。
下の二つは、もしこういったものが定期点検といったようなものが何らかの形で制度化していったときに、年に2回、もしやるとしたら、あなたはお客さんに幾ら請求しますかという問いに対しての回答でございます。左側は、何らかの、その設備に対して業者さんがメンテナンス契約をしてない場合、右側が、もともとこの設備は、いわゆる保守対象になっている、メンテ契約が行われている設備というときの、いわゆる価格の差異があらわされているというものです。メンテナンス契約がない場合については、これは年2回というふうに聞いておりますので、後で2で割って、1回分を出しておりますけれども、やはり平均は2万1,526円ということで、今回の点検に要した費用と、ほぼ同じであると。ただ、もしメンテナンス契約をしているということになりますと、多分、例えばフィルターをかえに行くときに、ついでに、いわゆる漏えい点検をしようみたいな話になるので、多分コスト安になるのではないかというふうに予想されますけれども、約1万2,000円と、ほぼ半額になっているということがわかると思います。
これが、点検費用に関するアンケートです。すなわち、定期点検は1回約2万円かかるというのが、日設連さんのガイドラインに従ってやると、1回当たり約2万円かかるということでございます。
これから、いよいよ、例えば定期点検をしたときに、どのくらい排出量なり、いわゆる漏えい量が削減されるのかという評価になります。それに関して、まず12ページをごらんください。
そのためには、例えば漏れたとき、漏えいしたときに、大体平均的にはどのくらいのスピードで漏れるのだろうというのを、ある程度推測しないと評価ができないので、それを推測するということにいたしました。どうやって推測するかというと、去年のモデル事業と今回のモデル事業の中で繰り返し充填をしている機械があるわけですね。そのときに、2回以上、もし繰り返して充填しているケースがあるとすれば、1回目充填して、それで2回目充填するまでの期間、例えば2カ月、2カ月後に、またさらに5キロ充填したということになるとすると、その5キロを2カ月で割ったのが漏えいスピードであるというふうに判断することができるということから、今回、そういう事例がありました、約40例に関して漏えいスピードを評価してみたわけです。そういたしますと、圧倒的に、やはり1日100グラム以下というのが多いんですけれども、算術平均値でいうと、一日当たり約230グラムという形になります。ところが、やはりこれだけ幅広いと、なかなか算術平均値というのは適切ではないと思いまして、中央値をとるということにして、今回のモデル事業の場合の平均的な漏えい速度を120グラムと、一日当たり120グラムのスピードで漏れるのだというふうな形にして、今後検討していくということにいたしました。
では、それを使って、その漏えい速度を使って、どういうふうに定期点検による効果を出すのかというのは、次のページでご説明いたします。
まず、仮定として、定期点検をする効果というの、まず1年単位で考えるというふうにします。それで、まず定期点検をしてから、あとの残りの1年間は修理をした機械は漏えいをしないという前提に立ちます。これが本当かどうかというのは今年度末の評価というのがまたできるわけですけれども、その1年間は漏えいしないとします。それから、修理をしない機械は、前述の一日当たり120グラムでずっと漏れ続けると。ただし、ずっと漏れ続けていてしまうと機械が動かなくなるので、機内の残存冷媒量が65%になった時点で再充填されるというロジックになっております。したがいまして、もし、例えば定期点検をすると、今回の結果を使いまして約9割の方が修理をします。だけど、1割の人が修理をしません。修理をしないと、ずっと漏れ続けて65%になると再充填を繰り返すというような、ルーティンになっていると。修理をすると、少なくとも修理をした時点からは1年間は漏れません。ただし、修理する前に補充された冷媒はカウントされますという形で、定期点検をした場合には、そういうことが起こるというふうにします。定期点検をしない場合は、先ほど申し上げましたように、65%になるまで漏れ続け、さらにまた65%から100%に補充され、さらにまた漏れ続けるという、そういうことになるということで評価をしています。ここでの、ですから評価は、定期点検をしない場合は、漏れても修理をしないという前提が入っているということでございます。ですから、若干極端な評価になっているということはお許し願いたいと思います。
そういうふうにしますとどうなるかといいますと、例えば上のほうの表で新規を見ていただきますと、定期点検をすると、今回の890台においては年間予測漏えい量は2,421キログラムになるだろうという結果になります。
一方、定期点検をしない場合ですけれども、890台については4,818キログラムというふうになる。したがいまして、その差し引き約2,400キログラムが冷媒漏えいの削減量になるということでございます。
同じく継続の場合ですと、予測漏えい量が、定期点検をした場合189キログラムに対して、しない場合は350キログラムになるということでございます。もちろん、これは、例えば点検をしなければ、こういう小さい漏えいであっても修理するのだという方もおられるでしょうから、極端な類推であるということは申し上げるまでもありませんけれども、ですから今回の予測では、定期点検をやることによって、おおむね5割ぐらい減るのではないかという傾向が見られるということが言えるのではないかなと思います。
最後のページは、中間報告のまとめをざっと書いておりますので省略させていただきまして、私のご報告を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○富永委員長 ありがとうございました。
まだ、この後幾つかの説明がありまして、全てのご説明が終わった後で全体の質疑応答や意見交換の時間を設定したいと思いますが、とりあえず、ここまでの説明で何か質問ございましたら、手短に伺いたいと思います。全体的なことに関しては、後ほどご発言ください。
発言される方は、お手元の、このネームプレートを立てていただいて、私の方からの指名に従って順にご発言いただきたいと思います。
○永里委員 全体の話は後ということなので、非常に簡単な、ケアレスミスではないかと思われるのですが、今のオゾン層のほうのお話です。11ページの右隅上のほうに、ぽちが三つあるのですけれど、3番目のぽち、「メンテナンス契約が無い場合の費用とは」というのは、これ「ある場合の費用」ではないんでしょうか。
○岩松オゾン層保護等推進室長 そのとおりでございます。申しわけございませんでした。
○富永委員長 それでは、一応、もうお一方、どうぞ。
○松野委員 今回の中間報告の結果は、2009年の調査で新たにわかった漏えい率との関係が整合的であるのかどうかということを確認しようという調査なのか、整合性を保とうみたいなことは、もう余り気にしていない調査なのか、教えてください。
○岩松オゾン層保護等推進室長 先ほど申しましたとおり、今回のモデル事業につきましては、まず、使用時漏えい対策というのが実際にできるのかというのを実証したり、あるいは、その排出量削減の効果がどのぐらいあるのかという目的でやっているものでございます。調査のサンプルのほうも、ちょっと実際の機器の分布とは少しずれてございます。ですので、基本的には両者は別のものというふうにお考えください。
○瀬下氏 岩松室長に若干追加。
確かに、そういうことで、目的がもう違っているのと、機器分布が違うんだということをご理解いただきたいと思います。ただ、その上で簡単な比較をすることはできるわけでございます。
先般の経産省さんの2009年の調査結果というのは、いわゆる冷媒のストック量基準で考えたときに、全業務用冷凍空調機器で約7.5%の排出係数になっていたと思います。今回の、例えば13ページの下の図、これは定期点検を実施しない場合のということでごらんいただきたいんですけれども、そうすると、例えば継続と新規を仮に合わせますね、簡単に言うと合わせます。そうすると、いわゆる冷媒充填量の総和は、これで大体6万キログラムになってくると思います。それに対して、予測漏えい量、これは、もし定期点検を実施しない場合ですけれども、そうすると、大体約5,200ぐらいになる。ということはどういうことかというと、今回の調査結果で粗々とわかることは、定期点検を実施しないともし仮にしたときの漏えい率は約8%から8.5%になるということなので、先般の経産省さんの評価値とは、非常に近いというふうな感じがしております。もちろん、岩松室長がおっしゃったように、当然、機器の分布も違います。今回は低温機器が多いということなので、ちょっと多目に出やすい。それから夏場の調査であるということで、1年を通してのものではないというような前提を置きますけれども、ざっとした評価からすると、かなり近い数値になるのではないかなというふうに考えております。
以上です。
○大塚委員 資料の1のほうに関して、ちょっと質問させていただきたいんですけれども、今の資料2との関係も含めてということになりますが、現在の制度でうまくいってないことについて、2ページで改修時に料金支払いの必要があることが背景として上がっています。それでユーザーのほうに自主的努力を引き出すというのが9ページとかに主要論点として出ていて、これはこれで一つの考え方だと思ってはいるのですけれども、自主的努力と言っている限りは、この2ページにあるのと同じ問題が、メンテナンスの費用か、あるいは点検費用に関して、同じ問題が発生する可能性は極めて高いと思います。それについて、どうお考えになっているか、教えていただければありがたいと思います。
○岩松オゾン層保護等推進室長 事務局でございます。
今ご指摘の点、最後の主要論点としてご説明したところについてのご質問かと思いますけれども、これは自主的努力のみによるべきであるというふうに、ここで整理しているわけではございません。自主的努力も必要ではないかということで、選択肢として全く排除しているわけではございません。むしろ、どういったやり方が適当かというのを、ちょっとこの後のご説明も踏まえてご議論いただければと思っております。
○富永委員長 それでは、これからは産業界における冷媒管理の取組、それから地方公共団体からの提案ということで、日冷工、日設連、それから東京都から、それぞれ説明をお願いすることになります。
まず、日本冷凍空調工業会の岸本委員から、お願いいたします。
○岸本委員 それでは、日冷工における排出抑制の取組と冷媒管理の制度化に関してご説明をしたいと思います。以前に発表した内容が一部含まれておりますけれども、まとめ直しておりますので、これに沿って説明をしたいと思います。
まず、2ページですけれども、排出抑制の取組の中で、日冷工の温暖化対策については三つの基本方針があります。
一つ目は、やはり自然冷媒あるいは低GWP冷媒の転換を促進するということであります。いろいろな次の冷媒というものについて検討してまいりましたが、なかなかいい冷媒がないんですけれども、その中でも、一部の機器には使用できる冷媒というものが開発されております。下の例は、三つ挙げてございますけれども、例えばCO2を使った冷媒のショーケースですね、こういったものが開発されて、実用化されてます。それから真ん中の絵は、空気冷媒の冷凍システムということで、究極の冷媒ですね。空気ですから、冷媒を吸い込んで圧縮してそのまま捨ててしまう。また吸い込んで冷媒する。そういう仕組みであって、非常に超低温、マイナス50度とか60度の冷凍をすることができます。現在、フロンで、このマイナス60度の冷凍というのは、実はHCFCの冷媒しかありませんで、これが2020年にサービス用も全廃されます。したがって、それにかわるものとして、こういう空気冷媒のものが開発されて、一部実用化になっているというところであります。それから一番右は、CO2とアンモニアの二元の冷凍システムですね、こういったものも開発され、一部製品化が進んだということでございます。
それから2番目は、冷媒回収の促進ということで、冷媒の「見える化」を平成20年から実施しております。こういったラベルを張って啓発をしています。それから、冷媒回収事業者の講習を進めることによって技術力の向上をさせようということで、既に累計で5万2,000名が登録されています。
それから、冷媒の漏えいの対策としては、設計から工事までのガイドラインというものをつくっておりまして、点検制度構築による稼働時の漏えいの低減というものを図っております。
3ページ目は、機器製造事業者の課題ということで、なかなか冷凍空調機器というのは、いろいろな部品、あるいは配管を組み合わせておりまして、そのほとんどが溶接等で接続されているということで、そこが一番漏えいの多いところでございまして、その辺をどう減らすかということの取組でございます。ここには四つ書いてありますけれども、まず生産工場内においては、今までの窒素等の試験から、より感度の高いヘリウムを使用した気密試験等を実施しているということで、これは、次のページ、4ページの参考資料1のところに、このヘリウムを使った実績というのが出ております。ヘリウムというのは非常に分子量が小さいものですから、冷媒の漏れに対しては非常に大きな感度を持っているというところで、市場の漏れが大きく低減したという実績がございます。
それから戻っていただきまして2番目、生産工場内における「ろう付け」の作業向上です。こういったものも、温度管理だとか形状を最適化することによって、人為的ミスを減らしたり、その作業向上による漏えいの防止というものをやっております。
それから3番目以降が、参考資料の4から10に書いてあるところでございますけれども、メンテナンス契約の促進ということです。既にメーカー各社は、特に大型機器を中心に定期点検等のメンテナンス契約の推奨をしております。契約内容は、各社いろいろなメニューがございまして幅が広いですが、定期点検をして、不良の早期発見、それによる漏えい防止というものを図っております。
それから4番目が、冷媒漏えい点検制度構築に向けた取組ということで、これは日設連と共同で実施しておりますけれども、漏えい点検資格者講習のテキストの編集、点検資格者の養成、そういったものを主にやっております。
4ページ以降は、これらのことの資料でございまして、4ページ目は、先ほど申し上げたとおりです。
5ページ目は、これは全てホームページから引っ張ってありますので、実名の会社名が入っておりますけれども、5ページ目は、ダイキン工業の工程での冷媒漏れ検査の例であります。こういうことをやっているよという例です。
それから6ページ目においては、これは低圧系のフロンを使用したターボ冷凍機ですけれども、機内に外気が侵入すると非常に問題が起きるということでありまして、こういったものを機外に排出する自動抽気装置というのがつけられているのですけれども、これは、冷媒も一緒に排出されてしまいますので、この途中に吸着タンクを備えたものを開発したという例でございます。これは、エバラさんの例ですね。
7ページ目は、ダイキン工業の保守契約の事例でございまして、保守契約をすれば、こういう点検内容を行い、それによって、オンラインによる故障予知もある程度できますよと、いうようなことの例でございます。
8ページ目は、同じくパナソニックのメンテナンスサービスの例でありまして、こういうメニューで実施していて定期点検をすることによって予防保全を行うというものです。
9ページ目は、これ日立アプライアンスと三菱重工の、これは遠隔監視システムですね、そういったものの例が挙げてございます。
それから10ページも、今度は修理とか故障ということよりも、省エネルギーのサービスをこれで行うということで、最適な運転をできるように、この遠隔監視を活用して実施をします。これはダイキンと東芝キヤリアの例でございますけれども、こういうような活用等をしております。
それから11ページ目は、長期修理費無償のサービスの事例ということで、ダイキン工業あるいは日立アプライアンスの事例で、こういうような長期補償を狙った契約のシステムがあるという例です。
12ページ目も、同じようにメンテナンスサービスの事例でございまして、ダイキン工業の事例と、それから東芝キヤリアの事例として、定期点検項目で、こういった冷媒漏れの点検というものもやって、早期な不具合の発見をし、修理に結びつけるということをしております。
それから13ページ目は、これは日冷工のホームページに載せている例でございますけれども、メンテナンス契約をきっちりすることによって、性能がその都度復帰をいたしますので、ユーザーの方に消費電力を削減することができます。点検することによって機能の低下、性能の低下を防げるということで、これは漏えいだけを言っているわけではございませんけれども、メンテをすることによって、結果的にはランニングコストの削減ができると、そういったような提案の資料でございます。
それから14ページ目は、冷媒管理の制度化に関してということのまとめでございます。最初のほうは、フロンの排出抑制というのが重要だということなんですけれども、排出抑制を具体的に進めるには、冷媒の出荷から機器の使用時、回収、再生、破壊までの一連の冷媒の動きを一元管理する体制が必要だということを言っております。そのためには、機器登録などの機器の所在把握が必要ではないかと。要するに、機器がどこにあるかわからないということでは、メンテもできないし、例えば廃棄時の機器をいつどういうタイミングでいつ廃棄したかと、全然わからないわけで、その辺が重要ではないかということです。機器の所在把握ができて初めて充填量もつかめるし、あるいは冷媒漏えいの点検によって冷媒のトレーサビリティーが明確になるということであります。
なお、こういうことをすることによって、冷媒のストック量や回収量が評価できるし、既に今、冷媒の回収率は30%と言われてますが、では、残りの70%はどこに行っているのかというようなことも、もう少し明らかになるのではないかと思います。
それから、こういったもの、一連の行程管理票を電子化することによって、こういったツールとして活用することで容易な冷媒の一元管理の仕組みにもつながるということであります。したがって、機器の所在把握、冷媒の初期充填量を含めた冷媒のトレーサビリティーがわかるログブックの記載、冷媒の再生・破壊までの行程管理票の活用などは、冷媒管理体制をつかさどる一連の重要な事項であり、メーカー、設備業者、ユーザー及び行政の密接な連携・協力のもと、そういった責任ある推進役になって対応していかなければならないということです。今まで冷媒の漏えいとか排出抑制に対してはいろいろなことを議論されてきましたけれども、実効性を高めるには、こういったことをある程度制度化しなければいけないのではないかなというふうに考えています。
15ページは、それの一つの提案ですけれども、まず目的は、冷媒の排出抑制による地球温暖化防止です。
そのための方法としては、機器と冷媒の一元管理であります。それから、定期点検による予防保全を行うこと。先ほどJICOPから発表がありましたけれども、かなり成果があるという結果が出ております。それから、冷媒の取扱技術者による作業を行うということで、やはり専門の業者が行う必要があるだろうと思います。それから、こういったものを管理するには、手書きではなかなか大変なので、電子行程管理票の導入が必要ではないかということで、下の絵は、設置して機器の登録をしてから廃棄のところの冷媒の流れ、点検、修理等を記録をするということで、最終的に排出量の報告とか、そういったものが国とか自治体に報告することになるのですけれども、ここには一元管理する何らかの組織団体が必要だろうと思います。この登録とか、いろいろな報告を各自治体に、その都度出していたのでは、自治体はすごい負担になりますので、その間に入る、こういう組織団体が要るのではないかなという、そういう絵でございます。
それから、16ページ以降は海外の使用時排出に関する取組の事例を紹介しております。
一部でございますけれども、カリフォルニア州では、定期点検の規則がありまして、ここに費用とか回数が書いてあります。それから、EUでは、Fガスの規則等がありまして、冷媒の量において、6カ月に一回とか、年に一回とか、定期点検の義務、記録、あるいは資格の制度というのがございます。
17ページ目は、取組の事例でございますが、オランダのSTEKのシステムでは、定期点の制度化とか、それから訓練センターでの技術者の育成などを規定して認定制度を設けているということです。それから、英国でも、こういったような仕組みというものを持っているというふうに聞いております。
18ページ以降ですけれども、これ、あるメーカーの社内のデータなんですが、お客様が異常を訴えてサービスが修理をするわけですけれども、そのときに、当然修理するときに冷媒回収しますが、そのときの冷媒が、大体、この黒い点ぐらいにばらついている。少なくとも、先ほどJICOPの中で60%ぐらいという数字が出たと思うんですけれども、大体、このデータも、その辺のところに数字がありまして、それより下、つまり半分ぐらい冷媒が漏えいした状態で修理依頼が来るということでございます。これが、定期点検等をすれば、もう少し早い段階で漏えいの有無を捕まえられて、修理することによって排出抑制につながるのではないかなというデータです。
それから19ページ目は、これは、やはりあるメーカーの冷媒量が減少したときの消費電力の増加分というもののシミュレーションです。家庭用のエアコンなんですが、冷媒量がずっと減ってくると、実は電気代もふえてきます。ところが、これはあくまで冷房が主体でありまして、暖房は、下の赤い線になっているように、冷媒量が減っても、余り消費電力が増加しないという結果です。特に冷房は、非常に大きな電気代が増えるということがシミュレーションでわかっていますので、早い段階で捕まえられれば、排出抑制にもなるし、お客様にとってみれば電気代の削減にもつながるというシミュレーションでございます。
それから20ページ目は、冷媒が漏れたときに消費電力がどう増加するかというシミュレーションでございまして、定期点検による性能の保全というのも非常にある意味では重要だと考えられます。これは排出抑制もそうですけれども、消費電力の削減には大きくつながるということのデータです。
それから21ページ目は、これもあるメーカーの社内の資料なんですけれども、点検等によって、ある不具合が発見され、これを調査分析をした結果、これは、ほかにもあり得るだろうということで、その事象を水平展開して、同じような機器、同じような種類のものの点検をしたことによって、いろいろな故障の案件が事前に防げたという事例であります。例えば、キャビテーションによるピンホールが発生したとか、防振ゴムの劣化による振動の増加、それから熱交換器の側板と配管が接触して徐々に亀裂したとか。これは、どこか1カ所出れば、ほかのところでも出る可能性があるので、そういうものを水平展開したということです。それは4番、5番とも、そういったようなことをやったということで、これは、社内でも当然クレームが出たり、修理に行ったり、あるいは定期点検しているものもありますので、そういったものを水平展開して予防を図っているという事例でございます。このデータは1社のデータですけれども、各社とも同じような内容のことをやっているだろうと思います。
最後は、まとめでございます。冷媒管理の制度化に関してということで、実証モデル事業の結果からも管理の効果が確認されてきていると。定期的な検査というのは相応の効果が見込まれるのではないか。これらを推進するためには、所在把握などの管理制度が必要であるということで、冷媒の漏えい防止だけではなく、回収促進も効果があるだろうと思います。
先ほど、オゾン室の最初の説明にもございましたように、行政、消費者もそうですけれども、負担をかけずに社会コストが最小にするということが必要だろうと思います。
これは、三つ目は、なかなか自主的なものというのは効果が出にくいということもあるので、ある程度の法制化が必要ではないかというふうに考えております。
それから、その次は、今説明した話ですけれども、冷媒が漏えいしたまま運転し続けると、消費電力も増大することになるので、漏えいの低減というのはエネルギーの適正な利用にも有効になるということがわかっております。
それから、今フロン類の取扱の事業者というのは、いろいろな資格があるのですけれども、これをある程度整理をして、一本化に近いところまで持っていく必要があるのではないかなと、そういうふうに思っております。
○富永委員長 ありがとうございました。
引き続きまして、日本冷凍空調設備工業連合会の鳥波委員、お願いいたします。
○鳥波委員 それでは、資料4、「冷媒管理についての取組と効果・必要性」です。一般社団法人日本冷凍空調設備工業連合会、略称日設連でございます。
それでは、早速説明をさせていただきます。
開いていただきまして、2ページ目でございます。タイトルとしては、「業務用冷凍空調機器、冷媒排出抑制対策の方向性」と書いてございますが、これは、第1回の合同会議、第3回のこの合同審議会の会議からピックアップしてございます。この点については、既に先ほど来から事務局のほうからもご説明がございましたので、重複をできるだけ避けますが、次の説明のために、何点か重ねて説明をいたします。
まず最初に、第1回の合同会議におきまして、最初のポイントとして、メーカー、設備業者、ユーザー3者の連携・協力を推し進め、世界最高水準の冷媒管理体制の構築を目指す。
次に、2点目としては、このため、実証モデル事業――先ほど来ご報告がございましたが、ここでは冷媒の漏えいについて、あるいは機器の所在確認ということが取り上げられてございました。
また、3点目としましては、設備事業者団体において、施工技術向上等に向けた新たな自主的取組を開始し、というふうに第1回の合同審議会の中ではご提起をいただいてございます。
日設連としましては、この3点について、本日、ご報告をしてまいります。
なお、第3回合同会議に示されました「冷媒転換」と「冷媒管理」、「冷媒回収・破壊の強化、再利用」等々につきましては、改めてということでございますので、本日はここのところを触れずに進めてまいります。
続いて、3ページ目に参ります。フロンの排出抑制に向けての取組でございますが、これは、先ほどの方向性を仕分けをしてございます。
左のほうに、機器の所在把握。それから次、使用時排出の抑制、そして冷媒回収率の向上と、このように三つに仕分けをしておきました。
まず、機器の所在把握でございますが、これは、これまでご説明がございましたように、まず、冷媒管理をするに当たりまして、では、冷媒管理というのは一体どういう形で管理をしていくのかといいますと、やはりこれは機器を、結果として管理することにほかならないのではないかと、こう考えてございます。そうなりますと、この機器の登録をきっちりとしていくというのが、冷媒管理の基本的なベースの制度になるというふうに思います。
2番目には、今度は、機器使用時の排出抑制ということになりますと、先ほど来からも説明がされておりますが、日冷工・日設連等々、我々業界のほうでガイドライン、それから、この手順についての制度をつくって、現在、この啓発・啓蒙並びに技術者の確保等について、既に進めてございます。
この二つの現在我々が進めているところを受けまして、その結果何が期待されるかというのを右側に書いてございますが、一番最初、機器の所在把握については、[1]として市場ストックの把握、それから②に排出量の管理・評価に重要な効果があるだろうと。
また次に、使用時排出の抑制ということになりますと、これは先ほど来からの実証モデル事業の効果の検証、あるいは定期漏えい点検の実施の効果等々が報告されましたが、あわせまして、施工標準の普及・啓発活動の積極的な推進を図っていくということになろうかと思います。
これは、右に書いておきましたが、冷媒管理体制の制度化と法制度への反映が実効性を確保する点においては非常に重要なことだろうというふうに、日設連は考えてございます。
次、4ページ目に参ります。
4ページ目では、使用時漏えい防止に向けての取組におけるフロン類の排出による影響ということで、フロンの漏えいが発生した場合、温暖化に直接、ダイレクトに影響の出る温室効果ガスが排出される。それから、下のほうに、フロンが漏えいということになって、システム効率が低下する。それから、電力の消費量の増加。それから、CO2の排出量の増加で、左に、これが温暖化に対する間接影響ということで、インダイレクトで影響してくると。なお、その反対側で、一番上の左側に書いておきましたが、一方では、保全費用が増加するということになります。これについては、先ほどもいろいろそのコストについてもJICOPさんのほうから報告がございましたので、次に5ページ目に参ります。
使用時漏えいの発生原因、これを整理してみますと、使用時漏えいの発生原因には、設置・整備時起因と稼働中の経年劣化、不適切な使用など使用時起因がある、このように仕分けてございます。対策の方向性としては、[1]として漏えいをさせない施工管理、②に稼働中の機器について実効性のある漏えい防止対策、③に漏えいによる直接・間接的な環境、事業活動への影響の周知というふうに、三つに切り分けておきました。
なお、[1]の漏えいさせない施工管理、つまり設置・整備時起因ということで、そこのカテゴリーは、冷媒配管の接続方法等々、そこに6点ほどお示しをしてございます。
それから次に、使用時起因ということでは、やはり経年の劣化、振動、こすれ等々の、いわゆる事故に類するもの。それからもう一つは、保守サービスにおける修理技能者の技量不足というのもご指摘もございまして、この辺の強化が必要だと。また、それ以外に、やっぱり現在の高圧ガス保安法等々の作業基準、作業手順というのが本当に厳守されているのだろうかというような点も、問題があるということでございます。
次、6ページに参ります。
ただいま申し上げた、この使用時設置、それから使用時に起因することを防止する使用時漏えいの防止策の4本柱ということで、書き分けてございます。
一番最上段にあるのが、冷媒漏えい防止ガイドライン。それから、冷媒配管工事の施工標準。つまり、これは設置時の起因に基づく対応でございます。次の漏えい点検の修理ガイドライン、それからフルオロカーボン漏えい点検資格者規程、ここは使用時における漏えい防止について、ここでまとめてございます。
次に、7ページに参ります。
今、申し上げたこの区分に従いまして、フルオロカーボン漏えい点検資格者規程というものを既に日設連はつくりまして、現在、資格の講習会を進めているところでございます。これは、点検資格者の、受験に当たってのスキームをお示しをしてございます。受講資格、それから講習の科目、実施内容、それから修了考査を経て、合格というような評価をしてございます。業務範囲としては、「漏えい点検資格者の業務範囲は以下とする」ということで、六つほど書き分けてございます。
次のページ、8ページへ参りまして、現在、この漏えい点検資格者の育成状況ということで、取りまとめてございます。昨年の3月以来、講習会を実施してまいりまして、現在、24年6月現在で2,718名を既に育成をしてございます。さらに、この受講、特に昨年3月から立ち上げたわけですが、あの大震災がございまして、当初予定よりも大幅にずれてまいりましたけれども、実数の育成の達成状況は以下のようになっておるということでございます。まだまだ資格者は不足しておりますので、これからもスピード感をもって育成に当たるという状況でございます。
次、9ページに参ります。
先ほど来、施工技術の向上に向けた取組ということで書きとめましたが、機器設置、それから整備の段階での「漏れない」「漏らさない」冷媒配管の確かな施工を目指してということで、日設連としては、24年、本年の2月に、「冷凍空調設備の冷媒配管工事―施工標準―」というものを取りまとめてございます。この中身は、技量・知見等、そのところを規定いたしまして、最終的には施工技術力を有する事業者の認証に向けた取組としてまいりたいと考えてございます。
そこに、背景と行動計画をお示ししてございます。いずれにしましても、ここの品質保証という点から見て、現在、これまではなかなか、この技術者というものの資格を制度化しているというところがございませんので、ここでは、その技術者をきっちりと認証等々によりまして位置づけをすべきではないかと考えてございます。
その内容は、次のページに書きました。10ページ目に示してございます。施工標準の構成ということでございます。
○富永委員長 ちょっと恐縮ですが、時間が押しておりますので。
○鳥波委員 わかりました。時間も押しているということでございますので、それでは、後ほどの資料を、重なっているところは省略させて、進めてまいります。
この冷凍空調施設の事故についてというのは、これまでも何回かお示しをしてございますので、割愛してまいります。
それから、次の12ページ、ここは定期漏えい点検にかかる想定メリットの階層イメージということで、これも先ほど来から、費用につきましては、それぞれ報告されてございますので、ここのところもそれでお目通しをいただければと思います。
以下、13ページ、14ページ、15ページと、これはそれぞれのステージにおける費用と、それからユーザーメリット等々について書きとめてございます。
続いて、18ページに参ります。
18ページは、機器使用時の排出抑制のための冷媒管理体制についての要望をまとめてございます。では、黒丸の重要なところだけ、タイトルだけ申し上げます。
実証モデル事業の成果を踏まえた冷媒管理体制の法制度化が必要ではなかろうかということで示してございます。機器の所在把握のための登録制度。それから2番目として、定期漏えい点検制度。それから3番目に、ログブック等が必要ですと。
また、下の黒丸のところでは、設置工事についてもきっちりと対応が必要であり、施工品質を確保するため、施工技術と安全の管理に習熟し、高圧ガス販売届済み事業者に特定するよう法制度への盛り込みをお願いしますと、こういうことを言っています。そんなところで取りまとめて、我々の要望としてございます。
以下、冷媒管理制度についての提言。これは先ほどの日冷工さんと重なりますので、割愛をさせていただきます。
また、20ページも同じように割愛させていただきまして、最後に21ページ、ここのところだけお願いをいたします。
昨年の7月の第1回の合同会議におきまして、東日本大震災について中間報告をさせていただいてございます。それ以来、本年の3月まで、この震災復旧の支援等々を重ねてまいりましたが、その中で、我々が、我々のこの冷凍空調冷熱業界というものはどういう立ち位置だったのか、改めて俯瞰してみますと、(1)のところの大規模災害における冷凍空調設備の役割、第二のライフラインとして、非常に貴重な役割を果たしているということを、改めて感じてございます。
それから、それに伴って、以下、課題がたくさん出て、整理をしてございます。どちらにしましても、この冷凍空調が果たす役割というのは大変社会のインフラとしては重要性を担っておるということでございます。
以上、雑駁になりましたが、ご説明とさせていただきます。ありがとうございました。
○富永委員長 ありがとうございました。
それでは、最後に、東京都の山本委員から、提案についてのご説明をお願いいたします。
○山本委員 それでは、東京都の山本でございます。資料5のほうをご覧いただけますでしょうか。
1枚おめくりいただいて、2ページからということで、背景ということで書いておりますが、私どもの問題意識といたしましては、対象となります冷凍空調機がかなりの数、膨大な数になりますので、そういった機器のうち、漏えいしているものをどうやって効率的に把握をして、対策を講じていくかということを考えていかなければいけないだろうということで、少し今回提案をさせていただこうというふうに思っております。それから、先ほど、前半のほうで事務局等、実証モデルのご説明がございましたけれども、メンテナンス契約のある機器では漏えいが少なくて、メンテナンス契約のないものについては、10%、12%ほどの機器で漏えいがあったということですので、こういったことから行きますと、どうやって定期的な点検、メンテナンスをちゃんとしていただくようにしていくかと、そういう体制をつくっていくことが重要だろうということを書いてございます。
次の3ページでございますが、そういった背景を踏まえまして、ご提案ということでまとめさせていただいております。
まず、[1]としては、これまでもご説明がありましたが、日設連さんや日冷工さんのほうでつくられております漏えい対策に関するガイドラインを活用いたしまして、国のほうで、漏えい対策に関する保守管理基準を制定して、機器の所有者に対して、その遵守義務を課していくというのが必要ではないかというふうに考えております。
そして、[2]でございますが、現行の第一種フロン回収業者を廃止をしまして、新しく第一種フロン回収取扱業者、仮称というふうにしておりますけれども、新設して、そちらに移行していただくということを考えてはどうかというふうに思っています。この取扱業者については、一定の技術者がいるですとか、漏えいガスの検知装置を持っているというような要件を課して、そちらのほうに移行していっていただくということではどうかというふうに思っております。
ただ、その取扱業者の中にも、区別をして、回収だけを行う従来どおりの回収業者さんもいらっしゃると思いますので、回収だけを行う事業者さんと、漏えいに伴う補充と回収を行う業者を、区分して登録していくということではどうかと思っています。そして、この取扱業者のみに、そのフロン類の補充なり回収を限定する。現在であれば、機器の廃棄者は回収業者への引き渡し義務がございますので、そういった規定を補充についても設定していってはどうかというふうに思っております。
そして、[3]、4ページでございますけれども、現在、回収業者さんからは、毎年度、都道府県に対してフロンの回収量の報告をしていただいておりますが、今度、新しい制度に、我々が考えているものの中では、その取扱業者さんに同じように毎年度都道府県に回収量と補充量、漏えいに伴う補充量を報告をしていただいてはどうかというふうに思っております。
そして、4番目、[4]ですけれども、補充に伴う、補充の報告対象となる情報、機器の所有者、機器種別、補充量等については、その取扱業者さんに一定期間の保存を義務づけて、保存をしていただくというふうなことをしていってはどうかということです。
それから、[5]ですが、その取扱業者さんのところへ都道府県が立入調査を行うことができるようにして、その立入調査の結果、充填量に対して補充量が多い機器所有者や、継続的に補充をしているような機器所有者に対して、都道府県が指導を行うようにしていくというふうなことを考えてはどうかということでございます。その場合、指導を行って、指導に従わない場合は、機器所有者に罰則を課すというふうな担保措置も加えて設定をしていったらどうかというふうなことでございます。
5ページ目が、今の関係を図に落としたものでございますので、こちらは、ご覧をいただければというふうに思います。
そして、6ページ目でございますが、期待される効果ということで整理をしております。
実証モデルでもございましたように、漏えいしている機器はある程度限定されてまいりますので、全ての機器の管理状況も把握するのではなく、そういう漏えいしているものを効率的に捕捉するという仕組みが必要だろうということで、今回は、提案させていただいた中では、既存の回収量報告の仕組みを使いまして、いわゆる大幅な制度改正を伴わないで、効率的に使用時漏えい機器を把握することができるのではないかというふうに考えています。
また、設備事業者さんですけれども、我々の提案の中では取扱業者ということになりますけれども、ここと連携して、機器の整備時などに所有者に対して適正な管理を怠る場合は、法律違反になりますよということを周知していただいて、メンテナンス契約を促していくということが、この仕組みを使うことでできるのではないかというふうに思っております。
そして7ページ、最後、まとめというところでございますけれども、繰り返しにはなりますけれども、市中で稼働している台数が膨大に上りますので、例えば都道府県が立入調査をして適正化を図っていくといっても、現実的には限界がございます。やはり、そういう意味では設備事業者さんとうまく連携をして、機器の保守管理の遵守義務をどこまで機器所有者に周知して、徹底していけるかというところがポイントになろうかと思っておりますので、そういう意味では、この辺をうまく利用して、効果的に活用していくような仕組みが必要ではないかということでございます。
説明は以上でございます。
○富永委員長 ありがとうございました。
これまで、日冷工、日設連、それから東京都からご説明があったわけですけれども、これらそれぞれにつきまして、ご意見がある方は、まず先に伺って、その後の時間を少しとって、最初申し上げたように、冷媒管理制度全体の論点についてご意見を伺うというふうに、2段階にしたいと思いますので、とりあえず、ただ今の三つのご説明についてのご質問が、あるいはご意見がございましたら、名札をお立てください。
○浅野委員 切り分けられますかね、そんなに。
○富永委員長 そうですね。では、もう一緒にいたしましょう。時間のほうも制限がありますので。
それでは、今の二段階に分けるというのはやめまして、この直前にありました三つの説明と、制度全体についてのご意見を、一緒に伺うことにいたします。名札をお立ていただいていますね。
では、浅野委員からどうぞ。
○浅野委員 事務局が出されているペーパー、さっき大塚委員がご指摘になった点については、私も気になります。「以下の点に留意する必要があるのではないか。一律の規制には限界」と書いてあるのですけれども、これは、「規制」という言葉で何をイメージしているかによって、こういう表現になってしまうのだろうと思います。
先ほど山本委員が、大幅な制度改正を伴わなくてもできる、ともかくこういう改正はどうかというご提案があったのですが、これは極めてノーマルな提案だと思ってお聞きしました。ただ、考え方はやっぱり大きく変えるということが前提になるのだろうと思うのです。現行法は、ユーザーに責任があるということについては、かなり曖昧なままになっている。それをやはりちゃんと責任を持ってもらうというふうに変えないと、話が進まないのだろうと思うのですね。
今、たまたまアスベストについて別のところで検討をさせられているものですから、全く同じ問題があるわけで、これは出野さんがたびたびおっしゃっていますけれども、解体時にはここでの問題と同じ問題が生じています。今日、たまたま読売新聞の投書欄に、実際にはフロンなどは全部解体のときはお金がかかるから余計なことするなと言われて、みんな出しちゃうという、業者さんの嘆きの投書が掲載されていることに気づきましたが、ますますこれは問題だと思ったわけです。やはり、法的責任をちゃんと負ってもらうということを前提にした上で、では、何をやってもらうかということは、丁寧に考えていかなきゃいけない。法的責任を負わせることが規制なんだから、それは無理なんだというふうに考えたら、もうどうにもならないのではないでしょうか。
つまり、責任があるのだから、ちゃんとメンテナンスの義務、メンテナンスは自分ではできないのだから、ちゃんとした業者さんにやってもらうのが義務ですよ、それをやらなかったらだめと考えることは、当たり前だし、それから所在がどこにあるかを届けるのは、公害規制のイロハのイでした。多くの課題についてこれまでこういうことをやってきているわけだし。それから、自ら公害を発生させることをやっちゃいけないというのは、もう基本です。公害は厳しかった時代には、事業者さんが自ら技術を持っておられることが前提ですから、こういった扱いは当たり前と思っていましたけれども、では、技術を持っていない人は何の義務もないのかというと、そんなことはないわけで、やっぱり技術があろうがなかろうが、出している人が責任を負うというのが出発点であって、その点はまずはっきりさせるということが必要ではないかと思います。
その上で、アスベストとの比較をいろいろ考えていくと、やはり所有者、保有者に最終的に費用負担を含むちゃんとした理解と協力を求めなきゃどうにもなりませんという点は共通ですが、アスベストと違って、フロンのほうは、所在さえはっきりしてしまえば、所詮、補充やメンテということを必ずやるわけです。アスベストの場合には、一遍建築をつくったら、解体まではあまり関係がないんですけれども、こちらはずっと保守をやっているのだから、その意味では登録をしてくださいとか、ちゃんとメンテをやってくださいということが言いやすいのではないか。
アスベストは、今ごろになって幾ら追っかけても、この建物にアスベストが使われているのか全然わからないという状況がどうも出てきているのですね。ですから、本当に大変な金をかけて調べなきゃいけないということになってしまうわけですが、そうならないような手だては幾らでもできるこのフロンに関しては、今日、ご提案に賛成ですけれども、まず発想法を大きく変えるという、そこのところは共通に理解をしなければいけないのではないかと思います。
○富永委員長 ありがとうございました。
宇都委員、どうぞ。
○宇都委員 フランチャイズチェーン協会の宇都でございます。
まず、JICOPの資料によると、実証モデルの結果、ユーザー都合による未修理について、定量的に出ています。全体の中の11%が、漏えいしても修理をしないでいると。そして、その内訳を見ると、本当のユーザーの意思が入っているのは半分前後ではないかと思われます。全体の中で5%が、ユーザーの意思で漏えいしていると。95%はユーザー以外の意思で漏えいしているという報告内容をきっちり認識して、ユーザーの責任範囲や工事店の責任範囲をよく考えていただきたいなと思っております。
あと、保守契約による効果の報告も、これは非常に実態に合っていると思います。
日冷工さんからは、こちらも保守メンテの重要性というのがありましたが、我々も非常に賛成をしております。そういう中で、社会コストが最小になる全体最適な仕組みをつくっていただきたいなというのが、ユーザーからのお願いでございます。
そういう中で、工事の資格のある業者への特定ですね。やはりここがユーザーから見たら一番大事ではないかなと。ユーザーがお金を出さないと放出を行うような工事店には、発注が行かない、イコール、工事の資格がないように、きっちりと、資格のある業者の特定する形でやっていただきたいなと思います。
また、具体的な解決案として、都のほうから提案された案につきましては、非常にユーザーから見ますと理想的な案に近いと思っています。
以上、意見です。ありがとうございます。
○富永委員長 ありがとうございました。
河野委員、どうぞ。
○河野委員 すみません。東京都さんにちょっと質問があるのですけれども、提案は面白く、興味深く聞いたんですが、これ全体の中で、要するに、その前の二つの資料3と資料4のほうの中に入っている前提条件にある機器登録とかログブックの作成であるとか、どこにどういうものがあるのかをまず把握しようという部分があったと思うんですが、ちょっと私が聞いていた感じだと、東京都のこれだと、全ての機器の、どこにあるかとか、そういう状況を把握するのはかなりコスト的にも、実現的にも、手間からしても、時間がかかるので、あまりそこは全体を把握するということではなくて、むしろメンテをやっている人たち、新たにつくる第一種フロン類取扱業者というのを新設して、そこと連携をとっていくことで、全体の補填をしている人たち、あるいは場所を把握していって、そこを網をかけていくということなのかなと思ったんですが、ちょっとその理解の仕方は間違っているかもしれませんし、その機器登録というところをどういうふうに考えられているのかというのを、質問なんですけれども。
○富永委員長 山本委員、どうぞ。
○山本委員 東京都でございます。今お話しいただいたとおりで、特に機器の所在を把握するとなると、かなり大変なことになることが想定されますので、そこはせずに、漏えいに伴う補充がされたところをタイミングとして捉えていこうというふうに考えております。恐らく、この100万台とか、そういうオーダーになってきますと、我々、いろいろな届け出手続を行っておりますけれども、去年あったものが今年はないとか、去年ないはずだったものが今年出てきて、よく聞いてみると去年はあったとか、とても合理的には考えられないような状況が出てきて、それを正しく修正しているだけで、コストが、時間と労力がかかってしまうので、漏えいの取組を促していく、指導をしていく前に、適正に届けてもらうための作業が、非常に時間がかかってしまうのではないかということを恐れております。
例えば今年の状況を、来年の例えば6月までに届けてくださいということになっていても、届出期限までに必ずしも出てきません。それが出てくるのが半年遅れる。半年後に出て、都道府県なりで集計されたデータが、使えるものになってくるのは次の年になる。そうすると、指導に入ろうと思うと、2年前のデータで入るということに、多分なると思うんですね。そうすると、その状況がわかっている人がいないとか、実態が変わってしまうということが容易にありますので、そうすると何のために届けているのかということがわからなくなってしまうのではないか。それと、その届ける側の機器所有者側の負担もかなりあると思いますので、そういう意味で、しっかり把握しよう――まあ、おおよそ把握するのであればいいとは思うんですが、しっかり把握しようと思うと、かなり難しい制度になってしまうんではないかなというふうに思って、こういう提案をさせていただきました。
○富永委員長 よろしいですか。
飛原委員、どうぞ。
○飛原委員 飛原でございます。この冷凍空調機器における冷媒問題については、GWPの小さい冷媒への転換というのが本質的な対策であって、この冷媒管理、あるいは機器管理というのは、時限的な、ある時期存立する制度だということをよく認識した上で議論を進めていただきたいと思います。
それで、GWPの小さい冷媒への転換を促進するということを考えますと、この機器の管理、あるいは冷媒の管理については、非常に限られた分野、限られた機器についてのみを対象とし、非常に大きな社会的コストをかけないことを念頭に入れて制度化をしていただきたいと思います。すなわち、どのような用途の機種であるか、どれぐらいの容量の機器を対象とするか。それから、対象とする冷媒のGWPを幾ら以上のものにするかといったような制約を明確に議論するということが必要だと思います。例えば冷媒は、GWPが1,000以下のものは管理対象としないというのも考慮すべきだと思っております。
以上です。
○米谷委員 米谷でございます。時間もございませんので、端的に2点だけ申し上げたいと思います。
まず1点目ですけれども、先ほど山本委員からご説明のありました環境局さんのご提案に大賛成でございます。お話にありましたように、一元管理ありき、まず一元管理をしてからでなければ、この使用時の漏えい防止ができない、管理体制が整えられないという考え方ですと、非常なコストがかかるばかりで、なかなか実効性が上がらないように思われます。そういった意味で、環境局さんのご提案というのは、非常に実効性があり、コストもかからないということで、現実的なご提案だと思います。
それから、もう一点でございますけれども、施工における資格制度の創設という、これは工事を施工するという私ども建設業界の立場から言いましても、ぜひお願いをしたいという、2点でございます。
以上です。
○富永委員長 松野委員、どうぞ。
○松野委員 何点か申し上げさせていただきます。
モデル事業なんですけれども、もう少しわかりやすいような形で、どういうふうな考え方でやっているのかということ、また提示のあり方も、こうすると大分減るのだなというようなこと、例えば機器の種類によって漏れ方が違うということが随分言われているわけですから、そういうようなところもはっきり分けて、規模などもわかるように提示していただけるとありがたいなと思いました。
それから、実際、やってみなければわからないということになっていますけれども、経済学的に考えると、ほかの産業における温暖化対策に比べると、費用対効果はきっといいはずです。多分、フロン1キログラム当たり、フロン1キログラム当たりの価格ぐらいの、だからCO2 1トン当たり何千円というレベルの限界削減費用となり、ほかの分野におけるものよりはいいはずなんです。それゆえ、日本全体から見るとやったほうがいいんですけれども、それぞれの機器の所有者の方にやっていただくのは、一般には難しい。それはなぜかというと、今やっていないわけで、今やっていないということは、企業の経営者の方が、これは割に合わないと思っているわけです。そういう方々にやっていただくというのは、一般的には難しい。
これを、規制でやっていただこうというのも難しい。というのは、対象者が多過ぎて、県の職員の方1人当たりの数がものすごく多過ぎるわけです。できれば、そういう場合には、自主的に、定期点検をやったほうがいい、メンテナンス契約を結んでやってもらったほうがいいということで持っていってもらえたらいいわけです。先ほども挙がっていた、フロン代だけではなくて、電気代を込み込みで考えると、ちゃんと点検したほうが安上がりなんですというようなこと、もしそのことにうっかり気づいていない経営者の方がいたら、それをよく周知する、実際メンテナンス契約を結んでいるところもあるわけですから、結んでいないようなところにさらに結んでいただくような形で、点検をやってもらう、というように進めていただくのがいいのではないかなということを考えました。
それから、東京都の方に伺いたいのは、東京都の発表の中で、漏れているところは一部なのだからという話があったんですけれども、それは、東京都の独自の調査とかデータがもとにあるのかということを、ちょっと伺いたいです。
○山本委員 その漏れているところが一部というのは、実証モデルでの今日ご報告があった内容でいくと、漏れているのがある程度限定されるのではないかというふうに考えているというところでございます。
それから、あとちょっと補足で、機器の所在というデータを一元化して、行政が把握するという手続はなくても、各機器の補充量とかメンテナンスの状況を全く把握しなくていいというふうに考えているわけではなくて、保守管理はしっかり徹底していく必要があるので、各機器所有者さんが自分の持っている機器をちゃんと把握をして、管理をする。補充しなければいけない状況になっているかどうかというのは、管理をしていただくというのが基本だと思っておりますので、その点については、日冷工さんとか日設連さんがお話しされていた定期点検や点検記録等は、重要なことだというふうに思っております。
○富永委員長 だんだん時間が残り少なくなっておりますので、恐縮ですが、手短に、ご協力いただきたいと思います。
花井委員、どうぞ。
○花井委員 私は専門家ではないものですから、違った観点から少しお話をさせていただきたいと思います。
冷凍空調機器を使う職場で働いている方が大変多く労働組合にも組織されております。今回、この問題について、現場の労働者の皆さんからお話を伺ってきました。漏えいということについて、ステッカーを貼るなどといった見える化の取組が進んでいるとは聞くのですが、地球温暖化について、代替フロンの排出が非常に大きいという話は全く伝わっていないようです。いろいろな対策を講じるに当たって、その機器を使って働く人たちに、温暖化と代替フロンの関係についてきちんと伝わるように、啓発や教育のあり方なども、対策としてぜひ考えていただきたいということを、要望として述べさせていただきます。 以上です。
○富永委員長 ありがとうございました。
西薗委員、どうぞ。
○西薗委員 2点、お願いといいますか、意見を出させていただきたいと思います。
一つは、ちょっと質問に近いものなんですけれども、日冷工さんのほうの14ページのところのまとめの――すみません、途中のところですかね。非常にいいことが書いてありまして、「排出抑制を具体的に進めるには、冷媒の出荷から」という3行目ですかね。「機器使用時、回収、再生、破壊までの一連の冷媒の動きを一元管理する体制がいる」ということで、今回、この使用時漏えいのことがずっと問題になっておりますのも、廃棄時の回収だけではなくて、その途中段階の量的な動きから考えると、かなり漏えいが多いであろうということが議論の出発点であったというふうに思います。
現時点で、この冷媒の出荷についてですけれども、これは岸本委員のほうではお答えいただけるかどうかわかりませんが、機器の出荷量から冷媒の量というのは推定できるものなんでしょうか。
つまり、機器の出荷量は、多分、日冷工さんは出しておられると思いますけれども、それで全体の冷媒量というものは推定できるかどうかということです。
○岸本委員 機器の出荷量から、出荷時に入っている冷媒量ですか。
○西薗委員 いえ、全てこの、つまり冷媒として使われているフロンの量ということです。
○岸本委員 機器を出荷するときに、メーカーの工場でどのぐらいの冷媒量を使って出荷したかというデータは推定できます。
○西薗委員 冷媒が入っていないものも含めて、現場施工のものも含めて、大体全体の冷媒量というのはつかめるかどうかということ……。
○岸本委員 現場施工というのは、都度のデータがないんですけれども、冷媒の生産量というのはわかっています。それから出荷量はわかっていますね。そういうのからいうと、ある程度の推定はできます。
○西薗委員 そこのところで、その出荷量の話なんですけれども、どうも多分、今、公にはなかなか冷媒の出荷量のデータというのがつかめなくて、この辺り、一番の分母ですから、出発点の量ですから、やっぱりここら辺のところはきちんとしていく必要があると。
今、多分2007年ぐらいから後は、その冷媒出荷量があまり公には出てないと思いますので、それは出す必要があるだろうという点が一点です。
それから、もう一点は、先ほどから議論になっていることですけれども、こういう日冷工さん、日設連さんのきちんとした管理が必要であるというご意見、私も大変賛成で、特に事務局のほうが最初に出された、先ほどから論点になっている、何人かの委員の先生が出された9ページの「一律の規制には限界」という言い方には非常に抵抗を感じます。
というのは、やはり東京都さんが言われているように、山本委員さんが言われているように、そこのところを確かに突き詰めていくと、行政的には非常に手間が大き過ぎるというようなご意見はわかりますけれども、基本的にはやっぱり定期点検の義務づけというのは法律ですべきだというふうに思うんですね。これは、やはりこの問題がもともと起こった背景から考えても、定期点検というものがされてないということに、この漏えいの原因があるということが、今回の調査でもかなりはっきりしているわけで、姿勢としては、やはり定期点検の義務づけというのが原則ではないかというふうに思います。
そういうことを考えますと、少しユーザーの自主的努力を引き出すということだけでは、これ、先ほど、「も」というふうな、岩松室長のほうからの説明もありましたけれども、やはり自主的努力だけでは、これはいかんともしがたい。基本的には、点検の義務づけからがスタートなんだろうと。
その場合に、機器の登録等が必要ということは当然のことですけれども、それに関しては、どういうところで線引きをするのか、どういう種類のものを扱うのか。確かに、飛原委員のおっしゃるように、時間的にはある程度先の区切りのあるものかもしれないけれども、現在の使用状況から考えれば、20年間はそういうことをやっていかなければいけないという内容ですから、これは放っておいて改善する問題ではないというふうに考えます。
以上です。
○富永委員長 ありがとうございました。
では、永里委員、どうぞ。
○永里委員 時間が押しているので、たくさん言いたいことがあるのですけれど、まず、資料1のページ3に書いてあります、別置ケースの16%、現在の漏えい率というのからして、6年で全てもう漏えいしちゃうというふうな、こういう状態というのは非常に大変なことだと思いますので、これに関しましては、私としても、その機器の提供者と、それから施工業者の乖離というのが非常に大きいでしょうし、それに対して、今回いろいろ皆さんご提案なさっています。法改正もあれば、それから自主的な努力もあれば、いろいろ書いてありますけれども、ここは心して、今回出されているものをちゃんと努力してやっていくべきだと思います。これは私の意見です。
次に、資料1のページ3の中で、1台当たりの2020年の成り行きベースでいくと、使用時のHFC漏えい量が最も多いのは大型冷凍機であります。よって、この大型冷凍機対策も重要な対策になるのですが、ところが、JICOPの資料2の資料によりますと、ページ6になっていますけれども、大型冷凍機の掲載が出ていないんで、実例がないわけです。その実態はつかめないんでしょうか。あるいは、これ、小さな字で書いてあるので、書いてあるのかもしれないんですけれども、とにかく、実証事例の中にこのことがつかまれていないように見えたので、この実態はつかめないのかという質問であります。
次に、資料1のページ8のほうの一番最後のほうに書いてあります――ページ8にはこういうことが書いています。「現在の算定方式では使用時の漏えいの大部分は算定できない。冷媒補充量を把握することで、使用時の冷媒排出量全体を把握する仕組みが必要ではないか」という、このことに関しましては、私もこう思いますので、これを進めてもらいたいなというふうに思います。
そして、実は、日設連のほうのご説明の中で、最後に震災の問題が出てまいりました。この震災の問題――実は私の質問は、日設連がお答えなさるのが適当かどうかというのは別で、ここに書いてあることは、自然冷媒に変える動きというのがずっと行われていたわけですが、今回のこの大震災で起きた大型冷凍倉庫はどうなったんでしょうかと。すなわち、昔、アンモニアを使いまして大型の倉庫で冷凍をやっていましたけれども、これはちょっといろいろと問題があるということから、国が補助金を出しまして、フロンに転換させました。しかし、このフロンがまた地球温暖化問題その他で悪さをするということで、今また今度はアンモニアを減らした冷媒システムが考えられていて、例えばそれは、日冷工の中にも、そういうような図が出てきておりまして、自然冷媒とアンモニアを――これは、資料3の2ページに、CO2/NH3冷媒自然循環冷凍システムなんていうものが使われていまして、これが北海道その他に使われています。仙台にも2台入っているということは紹介されておりますが、私が質問するのは、要するに昔の大型冷凍のアンモニアを使った倉庫は震災でどうなったんでしょうか。そして、今入っているこの新しい自然冷媒冷凍システムは大丈夫だったんでしょうかという質問でございます。
もう一つあります。東京都が出された、3ページに出されているのですが、制度改正に向けた提案で、「第一種フロン類取扱業者(仮称)」となっているのですが、これは4ページ以降にいろいろと書いてありますけれども、今までの第一種フロン回収業者というのは有名無実だったとか、そういう実態をつかんだ上での、この法改正を提案なさっているのでしょうねということでございます。
以上です。
○江口代理 大阪府でございます。今までの先生方のご議論の中で、浅野先生だと思いますけれども、いろいろ挙がっている対策の中で、一つだけやればいいということではなくて、総合的にいろいろな方策を進めていくのがいいのではないかというお話があったと思います。私ども大阪府も、前回の資料にございましたような、自治体として、今、現実的に取り組めるものとして、例えばほかの部局との連携としまして、高圧ガス保安法の関係の情報をもらって、幾つかヒアリングを行うというようなことをやっているところでございます。
そういう中で、先ほどの東京都さんのご説明を聞かせていただきまして、私も非常にごもっともだし、これはいいなと共感したところでございます。細かいところは少し気になりますけれども、例えば補充量の報告をとって、その補充量の多いところ、あるいは、継続的に補充しているところに対して指導を行うというのは、現実的にやりやすいなと感じております。また、所有者に、フロン回収・破壊法の法令を周知していくにはなかなか手段が難しいわけですけれども、例えばメンテに入っている設備業者が、その機器の所有者に周知・啓発をしてもらうことが有効ではないかと、私ども、先ほど申し上げたヒアリングの中ででも、強く感じているところでございます。
もちろん、それに対して、浅野先生がおっしゃられた、もう少し抜本的な対策も重要だろうと思いますし、経済的なインセンティブですとか、あるいは一元管理とか、これはどれかをやればいいというわけではないとも思います。
我々、特に自治体としては、今すぐやれることをやっていく。
例えば、先ほどのほかの部局との連携として、群馬県さんがやっておられるような建設リサイクルの情報もいただいて、ヒアリングを行うようなことも始めたところでございます。そういう我々がすぐ取り組めることと併せて、一元管理のような制度の設計が必要なものとか、コストが非常にかかるようなものとかを組み合わせていくということが大事だと思います。そのためには、やはり今非常に問題になってきている使用時の漏えいを、その量や機器の種類、原因などについてまずきちんと把握して、それに対して、年度ごとの削減目標を決めて、その達成プログラムを組むロードマップをつくっていくというのが非常に重要なのではないかなと思いました。
以上です。
○富永委員長 ありがとうございました。
○大塚委員 最初に、東京都に質問をさせていただきたいんですけれども、資料5の4ページにありますように、最後は、指導に従わない場合は罰則までお考えになっているので、ある意味、最後のところはよくお考えになっていると思うんですが、これは立入調査をした結果ということになっているので、先ほど来少し議論が出てきた、定期点検義務違反についての罰則というのは考えておられないということでしょうか。その辺をまずお伺いしたいところでございます。
それは、お答えを後でいただくとして、2点だけ申し上げておきたいと思いますけれども、1点は、先ほどお話がございましたように、私も、GWPが小さい機器の促進を考えるべきであって、この考え方は時限的なものだということを、よく肝に銘じたほうがいいとは思います。ずっとこれが続くとか、これが大々的にやっていくというようなふうにあまり考えずに、GWPが小さいものを促進するのが基本的には大事だということは、肝に銘じておくべきではないかと、まず思っています。
それから、もう一点でございますけれども、基本的に、浅野先生もおっしゃったように、ユーザーの責任ということを打ち出して規制をしていくということで、監視のコストが特にかかると思いますけれども、あるいは、メンテナンスの費用とか、行政ではなくて民間のほうにかかる社会的コストも結構高くはなると思いますが、それが、先ほどいろいろご議論が出ているところだと思いますけれども、どこまで、効果との関係で見合うのかというのは、結構大事な問題になってくると思いますので、どの道、これを導入されるときには、政策評価を政策評価法との関係でなさらないといけなくなると思いますので、ぜひ、費用便益分析的なものをやっていただく必要が高いのではないかと思っています。
メンテナンスの費用がかかることに関しては、さっき松野委員がおっしゃったように定期点検をしたほうが冷房の電気代が減るというようなことがあるとすれば、そういうことはよくお話しいただいたほうが、ユーザーの理解は得やすいのかなということを思いました。
以上です。
○浦野委員 よろしいですか。
○富永委員長 浦野委員。
○浦野委員 私、大塚委員とかなり意見が同じですので、あまり繰り返さないですけれども、代替化することが第一です。GWPは、代替物は数分の1から数百分の1、あるいは1000分の1ぐらいになるものもあるわけです。それに比べると、こういう制度をつくって減らせるというのは限られているわけですから、中長期的には代替化を一生懸命やるというのが第一だということを、念のためもう一回申し上げておきます。
それから、義務づけが大事だというのはそのとおり、それは当たり前だといえば当たり前ですけれども、合計で1億2,000万台あって、個別の家庭はまず無理だと。それから、小型冷凍冷蔵機器も無理だとしても、それ以外が1,200万台ぐらいはある。これを全部登録させられるかというと、多分できない。義務づけてもできない。
それから、義務づけることは制度的には必要ですけれども、実は今の法律でもいろんなことが義務づけられているけれども、守られないんです。ですから、義務づけさえすればできるという考え方は妄想だと私は思っています。いかに抜け道を減らすかという知恵を絞らないと、義務づけだけではうまくいかない。では、なぜうまくいかないかというと、知らないということがまず一番ですけれども、知らないふりをするというのもかなりある。それはなぜかというと、やっぱり経済的な問題なんですね。最後はお金勘定なんです。先ほどの電気代のメリットもあるし、漏えいによる補充量の少なくて済むというふうな、いろんなメリットがあるわけですけれども、それをまず周知すること。同時に、一方では、フロン自身が安いんです。例えば点検したり、修理したりすると、それなりのお金がかかる。安いフロンでちょこちょこ充填していたほうが経済的だということも現実にはあるわけですから、やはりフロンに対して何らかの経済的な措置が必要です。代替化の促進という意味でも、本気で考えなきゃいけない時期に来ているのではないかというふうに私は思います。
それからもう一つは、設備関係とか、工業会関係が資料を出されている提案は、制度を指定法人が行うということになっているのですね。指定法人というのは、誰がお金を出すんですか。デポジット制度がある、自動車リサイクルでは可能ですが、誰の負担でやり切れるのか。また、今の廃棄物のマニフェストもそうですけれども、結構うまくいかないところがたくさんあるのですね。
業界さんがこの制度をやったときに、環境省の出された資料の3ページの漏えい量のどのぐらいが現実に減らせられるということを考えているのでしょうか。家庭はできない。小型もできない。ほかにもできないのがある。登録を義務づけられるもののうちで、実際に登録されて、さらにメンテナンス契約されたものだけの漏洩量がおよそ半分になるわけですから、どれだけのコストと手間をかけてやるかというのはかなり問題がある。
そういう意味では、東京都さんの提案のほうがまだ現実的だというふうに思いますが、心配しているのは、東京都さんとか大阪さんのような力のある自治体はある程度やれると思いますけれども、そういうところに手のかけられない自治体もたくさんあるので、そういうこともしっかり踏まえて制度設計をしないと、実質的に尻抜けになってしまう。東京都さんでも、立ち入りはあまりできそうもないという前提になっているわけで、ましてやほかの自治体ではほとんど監視できない状態になります。その様な状態を踏まえた上で、制度をどうつくり上げていくかというのが大事だと思いますので、ぜひその辺、よくお考えいただきたい。
○富永委員長 ありがとうございました。
では、浅岡委員。手短にお願いします。
○浅岡委員 わかりました。いろんなご意見をお聞きし、詳しく報告いただきましたので、全体の問題をよく理解できました。浅野先生がおっしゃるように、排出源についてちゃんと把握をするというのが出発だと、本当にそのとおりだと思いますが、一方で、東京都の方が、実態から現場に即さないとおっしゃっておられる現実もあるのだということも、それはそれで理解をいたしますが、何らかの調和的な方法をお考えになることは必要なのではないかと思いました。
それは、一つには、排出源の所有者だけが問題なのではなく、メーカー、設置管理をされている事業者、そして所有して使用している者、その三者がそれぞれに関わり、それぞれの、質の違う責任を負っているわけでありますから、もし登録をする義務があるとすれば、義務者は所有者だけではなくて、一番中身に介在する設置・管理をしている人、この人が最もよく事情を知る人であります。メーカーとの関係も一番よく知る人でありますから、この方を中心にしながら、三者がそれぞれ責任を負う形をとり、どこに一番ウエートを置くかという制度設計を考えることが必要です。また、大規模に、大型の排出源をたくさんお持ちになっているところについては、そうした事業者管理ができない話ではないのではないかと思います。
これらは、仕組みのつくり方の問題だろうと思います。HFC等に頼らない冷媒をつくっていくと。メーカーさんの仕組みを変えていただくということに、フロン税でもつくっていくことは大変大きな促進だと思いますけれども、それを進める一方で、やはり20年、30年、もし使い続けるものが今もなお出ているのであれば、少なくとも新規のものについて、そうした管理をし、管理上漏えいが確認できるものはちゃんと把握ができると、この仕組みの制度設計は、考えようはあるのではないかと思いました。
それから、電気代節約等の効果につきましては、この夏などももっと言っていただいていたら、もっと節電効果もあったかもしれませんが、工業会の方の資料の、資料3の13ページと19ページとでは、暖房に対する効果が違っております。13ページでは、ノーメンテナンスの方は暖房コストも上がると。これは、直接ではなくて、点検する中で、ほかのことも見つかるからという趣旨なのかもしれないと思うのですけれども、ちょっと図が違うように思いますので、ご説明があればと思います。
それから、資料1の3ページの数字、特にBAUの数字というものは、どういう計算でこうなっているのかという説明もしていただき、トータル量としてどれくらいの量をお考えになっているのか、もともとのところも含めて、ウエートづけを考える上でも、お聞かせいただければと思いました。
以上です。
○富永委員長 ありがとうございました。進行のほうも不手際で、大分時間を超過しておりますけれども、今日の目的が、一応この問題について、皆様のご意見を一通り伺うということですので、ちょっと時間の超過についてはお許しいただきたいと思います。
それで、さらにいろいろご意見もおありかと思いますが、これにつきましては、後ほど直接事務局のほうにご連絡いただくということで、一応この議題についてはここで終わらせていただきたいと思います。
○大塚委員 すみません。さっきの質問について、東京都に簡単に答えていただいてよろしいでしょうか。
○浅野委員 書面でもらったらどうですか。
○富永委員長 そうですね。では、時間の関係で、その他にもう一つ、短い議題がありますので、書面なりでという形で、大塚委員のほうに、先ほどの質問についてはお答えいただけるということで、よろしいでしょうか。
それでは、最後に、お手元に配付されている参考資料1で、「今後のエネルギー・環境政策について」ということに関して、事務局のほうから、簡単にご説明いただきたいと思います。
○和田地球温暖化対策課長 時間も超過してございますので、参考資料1、ご用意させて、配付させていただいておりますという旨だけ、ここでご紹介させていただければと思っております。9月14日の革新的エネルギー・環境戦略の策定につきまして、先般、9月19日でございますけれども、閣議決定を行っております。この内容につきまして、お手元に参考資料としてお配りしてございますので、そのことだけご承知おきをいただければと思います。
以上でございます。
○富永委員長 では、これにつきましては、後ほどご覧いただいた上で、またご意見があれば事務局のほうにお届けいただければと思います。
それでは、ご意見をまだお持ちの方、おありと思いますけれども、一応本日の議事については以上で終わります。
事務局のほうから、どうぞ。
○和田地球温暖化対策課長 大変ありがとうございました。
本日は、貴重なご意見と活発なご議論をいただき、誠にありがとうございました。
次回は、10月22日に開催する予定でございます。
なお、議事録につきましては、事務局で取りまとめを行いまして、委員の皆様方にご確認いただきました後に、ホームページに掲載をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
それでは、本日の第4回合同会合はこれにて終了させていただきたいと思います。
本日はどうもありがとうございました。
午後5時22分 閉会