産業構造審議会化学・バイオ部会地球温暖化防止対策小委員会中央環境審議会 地球環境部会フロン類等対策小委員会第2回合同会議
日時
平成24年5月28日(月) 15:00 ~17:25
場所
ホテルフロラシオン青山 孔雀の間
議事次第
- 開会
- 議題
- (1)2回合同会議の開催について
- (2)平成23年度のフロン類等対策に関する検討状況について
- (3)2013年以降の対策・施策に関するフロン類等対策に係る議論について
- (4)今後の検討事項について
- (5)その他
- 閉会
配付資料
- 資料1
- 第2回合同会議の開催について
- 資料2
- フロン類等対策に係る経済的手法の検討について
- 資料3
- フロン回収・破壊法に関する課題及び対策について
- 資料4
- 冷媒管理体制構築のための実証モデル事業(平成23年度分)に関する中間報告
- 資料5
- 2013年以降の地球温暖化対策に係る代替フロン等3ガス分野の検討について
- 資料6
- 今後の検討事項について
- 参考資料1
- 中央環境審議会地球環境部会フロン類等対策小委員会 フロン類等対策の現状と課題及び今後の方向性について(中間報告)
- 参考資料2
- フロン類等対策の現状と課題及び今後の方向性について(中間整理)(要旨)
- 参考資料3
- 産業構造審議会化学・バイオ部会地域温暖化防止対策小委員会代替フロン等3ガスの排出抑制の課題と対策の方向性(中間論点整理)
- 参考資料4
- 代替フロン等3ガスの排出抑制の課題と対策の方向性(中間論点整理)(概要)
- 参考資料5
- 第1回合同会議(平成23年7月19日)における主な御意見
- 参考資料6
- フロン類等対策に係る経済的手法の検討について(詳細)
午後3時00分 開会
○室石地球温暖化対策課長 それでは、定刻でございますので、産業構造審議会化学・バイオ部会地球温暖化防止対策小委員会と中央環境審議会地球環境部会のフロン類等対策小委員会の第2回合同会議を開催いたします。
本日、両小委員会とも過半数の委員にご出席いただいておりまして、定足数に達しております。
また、本日の審議は公開とさせていただいております。
本合同会議については、昨年7月に開催された第1回の合同小委に続いて開催されたものでございます。
まず初めに、環境省地球環境局長の鈴木より一言ご挨拶を申し上げます。
○鈴木環境省地球環境局長 鈴木でございます。
今日は、お忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます。
昨年の7月から少し間があきましたけれども、第2回の合同会議ということになります。
本日は、また後で議事のご紹介もあると思いますが、それぞれのところで、この間にご議論いただいたことを踏まえまして、さまざまな点について検討してまいりましたので、そのご報告をし、さらには議論を深めていただければというふうに思っております。
ご承知のとおり、政府全体としては、エネルギー・環境会議という大臣レベルの会合のもとで、エネルギーミックスと地球温暖化の議論を表裏一体で、議論するという作業をずっと年明けから続けております。中央環境審議会の地球部会のほうでも、総合エネルギー調査会のご議論を踏まえながら、温暖化についてのいろいろな議論をしていただいております。
その中で、フロン関係で申し上げますと、従来、オゾン層の破壊になっておりましたフロンにつきましては、次第にそのストックが減少していることもありまして、排出も減ってきているということではございますが、逆にHFC等につきましては、冷媒等での需要がだんだんストックとしても大きくなってきておりますので、今後、排出が相当出てくる可能性があるということで、今後の温暖化対策にとりましては、こうしたHFCの管理というのが非常に大きなものになっていくのではないかなというふうに危惧しているところでございます。
本合同審議会におきまして、さまざまな観点から、どのような対策が考えられるか、またどういうふうな制度等をとったほうがいいかというご議論いただきまして、私どもも、そうした考えに沿ってきちっとこの管理をしていかないと、将来の温暖化対策はなかなか難しくなるのかなというふうに危惧しているところでございます。
大変お忙しいところ、お集まりいただいて恐縮でございますが、こうした点も十分ご念頭に置いていただきまして、私どもにご示唆をいただければというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○室石地球温暖化対策課長 続きまして、経済産業省製造産業局の上田局長より一言ご挨拶を申し上げます。
○上田経済産業省製造産業局長 経済産業省の上田でございます。
本日は、この合同会議にお集まりいただきましてありがとうございました。
このフロン対策でございますけれども、ちょっと私的なことになりますけれども、ちょうど今から20年ぐらい前ですか、1990年ぐらいだったと思います。私自身は、実は環境省にいたことがございました。そのときに、このオゾン層保護法という法律を初めてつくったとき、環境省の課長補佐をやっておりまして、今から考えると、それ以後、長い時間が経過したものだと思うわけであります。当時、モントリオール議定書をつくりまして、それでオゾン層、オゾンホールがあったりして、とにかくこれを何とかせんといかんということでやってみて、当時は、代替フロンというのは非常にいわば正義の味方だったわけでありますが、その後、この気候変動物質、温暖化対策物質ということで、この代替フロンというのも、そっちの観点からむしろ問題だということになってくるわけでございます。
そういう意味におきましては、何となくこの議論をすると、やや僕は、いつも環境省にいるのではないかという思いをするんでありますが、経済産業省としても、環境省と協力しながら、この対策をしっかりと実効的で、具体的な対策というものをしっかり進めていきたいと考えております。ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○室石地球温暖化対策課長 第1回の開催におきましては、産構審地球温暖化防止対策小委員会の中井小委員長に進行していただいておりました。
今回につきましては、中環審のほうのフロン類等対策小委員会の富永小委員長に進行をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○富永委員長 それでは、ご指名でございますので、本日、私が進行役を務めてさせていただきます。
早速、議題に入りますが、その前に事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○室石地球温暖化対策課長 お手元に、議事次第が一番上に配られているかと思いますが、資料リストについてはその裏側のほうに配付資料として書いております。
資料の1が第2回合同会議の開催についてという1枚紙でございます。資料2がフロン類等対策に係る経済的手法の検討について、資料の3がフロン回収・破壊法に関する課題及び対策について、資料4が冷媒管理体制構築のための実証モデル事業に関する中間報告、それから資料の5が2013年以降の小委員会での代替フロン等3ガス分野の検討について、資料6が今後の検討事項について、それから参考資料として、参考資料1が、これは23年3月の前回の中間整理の、中環審の資料が参考資料1、それから参考資料2が、それを簡単にまとめました1枚紙、参考資料3が産構審で中間整理をしていただいた資料でございまして、参考資料4がそれを簡単にまとめたものとなっております。それから、参考資料5が第1回合同会議の主なご意見、それから参考資料6がフロン類等対策に係る経済的手法の検討についての詳細版ということになっております。
不足がございましたら、事務局までお申しつけくださいますようお願いいたします。
○富永委員長 よろしいでしょうか。
それでは、本日は、両小委員会から多数の委員の皆様、ご出席いただいておりますが、前回、昨年7年19日から、大分、時間もたちまして、変更のあった委員の方も多数おられるかと思いますので、この際、両小委員会について、委員の皆様のご紹介をお願いしたいと思います。
最初に、中環審のフロン類等対策小委員会の委員の方々については環境省の事務局から、続いて一部の委員は重複しておられますけれども、産構審の地球温暖化防止対策小委員会の委員については、経産省の事務局のほうからご紹介をお願いいたします。
○室石地球温暖化対策課長 それでは、私どもの中環審のほうのフロン類等対策小委員会の委員のご紹介をいたします。まず、今、司会をいただいております富永小委員長でございます。
それから、気候ネットワーク代表の浅岡委員。
続きまして、一般社団法人全国解体工事業団体連合会専務理事の出野委員。
横浜国立大学大学院特任教授の浦野委員。
大阪府環境農林水産部産業廃棄物指導課長の大西委員。
首都大学東京教授の奥委員。
続きまして財団法人ひょうご環境創造協会顧問の小林委員。
一般社団法人日本冷凍空調設備工業連合会副会長の鳥波委員。
株式会社旭リサーチセンター代表取締役社長の永里委員。
群馬大学教授の西薗委員。
日本労働組合総連合会総合政策局長の花井委員。
東京大学大学院教授の飛原委員。
明治大学教授の松野委員。
なお、本日、大塚委員はご欠席、また青木委員、坂本委員、米谷委員からもご欠席という連絡をいただいております。
以上でございます。
○河本化学物質管理課長 それでは、引き続きまして委員名簿の裏側になりますけれども、産業構造審議会側の委員をご紹介させていただきます。
この地球温暖化防止対策小委員会では、実はこれまで産業界の自主行動計画の検討に重点を置いておりましたが、今後はこの冷媒管理制度に関する検討をより重点的に進めるということで、一部、委員長と相談いたしまして、委員の構成を見直しております。
それでは、ご紹介させていただきます。
まず、東京工業大学名誉教授の中井小委員長であります。
続いて、福岡大学教授の浅野委員です。
オゾン層・気候保護産業協議会事務局長の上村委員です。
続いて、フランチャイズチェーン協会、宇都委員です。
主婦連合会副会長の角田委員です。
日本冷凍空調工業会専務理事の岸本委員です。岸本委員におかれましては、中環審と重複の委員ということになっております。
それから、日本フルオロカーボン協会事務局長の北村委員です。
読売新聞東京本社編集委員の河野委員です。
続いて、日本チェーンストア協会、小松委員です。
それから、重複しますけれども、日本冷凍空調設備工業連合会副会長の鳥波委員です。
それから、同じく重複いたしますが、東京大学名誉教授の富永委員です。
それから、日本自動車工業会副会長・専務理事、名尾委員です。
続いて、東京大学大学院教授の飛原委員です。飛原委員も中環審と重複をされております。
続いて、兵庫県農政環境部環境管理局長の森川委員です。
それから、東京都環境局環境都市づくり担当部長の山本委員の代理で千田様です。
なお、島原委員、岡嶋委員、松本委員におかれましては、本日は欠席のご連絡をいただいております。
以上でございます。
○富永委員長 ありがとうございました。
それでは、最後に両事務局のご紹介もお願いいたします。
○室石地球温暖化対策課長 それでは、環境省のほうからご紹介いたしますが、先ほどあいさつをさせていただきました鈴木地球環境局長でございます。
梶原審議官でございます。
地球環境局総務課長の米谷でございます。
私、司会をしております温暖化対策課長の室石でございます。
それから、フロン等対策推進室長の髙澤でございます。
続けて、経済産業省の上田局長でございます。
経済産業省の川上審議官でございます。
化学物質管理課長の河本課長です。
オゾン層保護等推進室長の紺野室長でございます。
化学物質管理課の木尾課長補佐でございます。
以上です。
○富永委員長 ありがとうございました。
それでは、これから議事に移りたいと思いますが、まず議題の1、第2回合同会議の開催について、開催の趣旨、検討内容などについて、これは事務局からご説明いただきたいと思います。
○室石地球温暖化対策課長 資料1でございますけれども、その前に、本日は委員の方もかなりご異動されているということで、小委員長のほうからもご要望がございましたが、前回の第1回会合のときを思い出していただくという意味なども込めまして、中間整理のほうのご説明など、ほんの少し時間をとらせていただきたいと思います。
参考資料の2をご覧いただきたいと思います。これは、参考資料1のほうに本体がついておりますが、中環審の小委のほうでの中間整理を昨年の3月にさせていただいたもので、要旨ということになっております。現状と課題で、ノンフロン製品の導入・普及が進んでいない、それから、使用中の冷蔵・冷凍・空調機器からの冷媒フロン類の漏えいが大きい、それから、フロン回収・破壊法に基づくフロン類の回収率が低い水準で推移しているという問題意識のもとで、裏をめくっていただきますと、課題解決に向けての対策の方向性ということで4つ大きくございます。まず1つ目が、ノンフロン製品等の開発・普及の推進ということで、技術開発の推進であるとか普及のための手段をとるということが書かれております。それから、②で、冷媒フロン類の使用時排出対策ということで、機器使用者とか機器製造事業者、設備業者、都道府県、国等が一体となって、機器使用者が的確に管理するための取組を進めていくとか、あるいは業界団体のほうで作成されましたガイドライン等を参考として、制度化を念頭に置いて検討していくといったことが書かれております。それから、③のほうで、回収・破壊制度の充実・強化ということで、法律の施行状況について、さらに詳細な実態把握が必要だが、その結果を踏まえまして、既存制度を改善していくべきだということ、それから冷媒フロン類全体の管理にかんがみて、家庭用エアコン等についても、冷媒の回収促進方策を検討していくべきといったようなこと、そして④については、今日また後ほど説明をいたしますが、経済的手法の活用に係る検討を行うべしということでございます。
以上が中環審のほうの小委のほうの中間整理の簡単なご説明ですが、参考資料の4のほうに、こちらは参考資料3が本体でございますが、産構審の小委でおまとめいただいたものの中間論点整理を簡単にまとめさせていただいたものでございます。基本的に合同で前回会議をやったということからもおわかりいただけますように、中環審のほうの小委とほぼ内容は同じでございますが、この2枚物の最後のページ、代替フロン等3ガスの排出抑制の課題と対策の方向性ということで、物質代替促進の方向性として書かれておるところ、この部分が中環審の小委との差分になっております。各分野における対策の方向性として、そこに5つ点がございまして、カーエアコン分野、それから断熱材の分野、エアゾール分野、マグネシウム鋳造分野、洗浄剤・溶剤分野と、そういったものの方向性が示されております。また、分野横断的対策の方向性として、ここに書いてある3点についてやっていくべしという方向性が示されているということでございます。
以上のように、中間整理で大きく方向性というのを示していただいたということでございます。
今日は、参考資料の5のほうに、第1回合同会議のご意見もつけさせていただいておりますが、ちょっと時間もございませんので、こちらのほうはお読みいただくということにさせていただきたいと思いますが、こういったような背景がこれまでにあったということでございます。
ということで、資料1に戻らせていただきたいと思います。資料1のほうで、今回の「第2回合同会議の開催について」と題しまして、趣旨と検討内容、そしてスケジュールについてご提案をさせていただいております。
開催趣旨につきましては、先ほど申し上げましたように、第1回合同会議で交互に開催していくということ、それから23年度に両省が行っておりました検討結果の取りまとめを受けまして、これを踏まえて、今後の対策を検討していくために、第2回の合同会議を開催するというものでございます。
検討内容につきましては、経済産業省の冷媒管理制度モデル事業と環境省の経済的手法の検討の結果を踏まえまして、具体的方向を検討するということで、特に代替フロン等3ガスについては、冷凍空調機器からの排出が近年大きく増加していること、また今後さらに増加する見込みであることに加えまして、フロン回収・破壊法について、19年の法改正から5年を経過しているということもございまして、制度的な対応を含めて検討していくということでございます。
スケジュール的には、本日、第2回を開かせていただいた後には、少し頻度を上げさせていただいて、月に1回程度を目途にして、本年秋には見直し期限を迎えるということを念頭に置きながら、精力的に議論を行わせていただきたいというふうに考えております。
資料1の説明は以上でございます。
○富永委員長 ありがとうございました。
前回とのつなぎといいますか、前回のものを簡単にまとめていただきました。それから、この段階で何かご質問がございましたら承りますが、それから後のご質疑のときには、これまでもそういたしましたけれども、発言される方は名札を立てていただいて、それをこちらから、座長から指名いたしますので、その順でご発言いただくことにしたいと思います。
いかがでしょうか、今のご説明について何かご質疑はございますか。
特にないようでしたら、それでは次の議題の2のほうに進みたいと思います。
議題の2は、平成23年度のフロン類等対策に関する検討状況について、これは両省の事務局からそれぞれご説明いただきますが、資料の2と資料3に基づいて環境省、引き続いて資料4に基づいて経産省からご説明いただきたいと思います。
○室石地球温暖化対策課長 それでは、資料2に基づきまして、まず経済的手法の検討についてご説明をいたします。
これは、平成23年度の秋から年度末にかけまして、請負先の検討会の形で進めさせていただきました。その検討会の中におきましては、まず西薗先生に座長をお願いいたしまして、そのほか小委員会の委員からも何人かご参加をいただきまして、中身についてまとめさせていただいております。
おめくりいただきますと、大きく言いますと3種類の経済的手法の活用についての案が書かれております。詳しい内容は、参考資料の6のほうに本体をつけさせていただいておりますが、このポンチ絵といいますか、パワーポイントのほうで説明をさせていただきます。
「フロン類対策への経済的手法の活用に向けての検討」と題しまして、背景はちょっと飛ばさせていただきますが、検討方法として、既存の経済的手法について情報収集を行った。これは、参考資料6のほうに細かくは書いてございますが、情報収集の結果を参考に、A、B、Cの3パターンを想定して、具体的な課題等を整理してみたというものです。
「フロン税について」と題したパワポのほうをご覧いただきたいと思います。制度のイメージのところをご覧くださるとわかりますように、この場合のある種、主役は冷媒メーカーでございまして、冷媒メーカーが国のほうに税金を納めると、言ってみると庫出税のようなイメージになるわけです。税金の分については、価格が転嫁されて、価格が転嫁された分は、機器ユーザーに転嫁されていくであろうというふうに図が組み立てられております。
税率としては、ここで考えましたものとしては、地球温暖化対策のための税の税率、今回、上乗せされる予定の部分として、CO2 1トンあたり289円をフロン類に適用した場合にどうなるかということで、その場合、現状のフロンの量というのを考えますと、税収規模が、大体、年間200億円程度になるだろうということでございます。
課題のところに書いてございますけれども、価格転嫁がそういうふうにうまくいくのかというものが1つ、それから冷媒価格上昇による機器ユーザーの行動変化が、あるのや、ないのやというところ、確実にあるのかという点、それから税率の設定方法の妥当性ということで、冷媒価格に対しての額がこれで妥当なものかといったような話、それから税収の使途として、この場合、使途の例のところに、研究開発の援助であるとか、ノンフロン機器の購入補助であるとかというふうに書いてございますが、こういったものがこれでいいのかどうかということ。例えば今の政府の状況におきまして、この税収に対しての新しい特会を設けるというようなことは、多分、制度的にはなかなか難しいというふうに考えますと、特会に入らない税収について、一般会計に入ったものは、確実にこの用途に回っていくのかどうかという、そういう問題もあろうかと思います。受益と負担の公平性といったようなこともあると思います。それから、用途に応じた制度の適用除外ということで、ごく少数、数%というふうに聞いておりますけれども、製造されるもののうち冷媒用にならないものの取り扱いをどうするのかという問題も残っておるかと思います。ただ、回収義務がないということで考えますと、そういった冷媒用ではないものも悪者として一緒に取り扱っても、そう問題はないという考え方もあろうかと思います。
それから、課題として挙げてはおりませんけれども、結局、価格転嫁されていくという中において、まじめにやっていらっしゃる機器ユーザーの方も、最終的には負担するということになることに、不公平感がもしかするとあるかもしれないと、そういったようなお話もあるかと思います。
おめくりいただきまして、デポジット制度についてということで、制度イメージとしては、例えば自動車リサイクル、車を持っていらっしゃる方なんかは、あらかじめお金を払って回していくというものについてのイメージがおわかりかとも思いますけれども、この場合、購入時と廃棄時と、両方、図が描いてございますが、機器メーカーが預託金を出すと、資金管理団体がそれを管理するということで、機器メーカーから機器ユーザーが買うときに、預託金をユーザーさんが機器メーカーにお払いして、それが預託金として資金管理団体に保たれる、プールされるという流れです。そのかわり、その回収券を機器ユーザーさんはそのかわり持っているという状態になります。廃棄するときに、機器ユーザーさんがその回収券というものを示すことによって、資金管理団体のほうから回収費用が回収業者に払われていくということになります。この線の流れが、回収券の流れが見えるように描いていないのかもしれませんけれども、例えば回収券に半券をつくって、それで機器メーカーまで回収券が渡っていって、冷媒引き渡し、破壊業者にその半券を渡して、破壊業者がその回収券の半券をまた資金管理団体に示すと、破壊費用が払われるということで、デポジットされたお金を廃棄時に、管理団体から戻してあげるというような仕組みを構築してはどうかということでございます。
対象機器としては、年間、新規に出荷される業務用冷凍の空調機器として100万台ということが想定されますので、これはまあまあの規模になるのではないかというふうに思われます。
預託金の用途として、廃棄時の払い戻し金が1台大体平均7,000円、フロン類の回収・破壊費用というのが1台平均8万2,000円ということで、これは、目安ではありますけれども、というのはその機器によって大きいものから小さいものまであるので、例えば自動車リサイクル法なんかでも、大きい自動車と小さい自動車では値段を変えているように、これも、本当に本格的に運用するときというか、制度をつくるときには、値段を変えなきゃいけないと思うんですが、一応、目安として平均でこれくらいの値段だというふうに仮置きしてみますと、870億円ですか、7,000円足すから8万9,000円だから890億円ですか、890億円かかるというふうになりますけれども、その1%を事務運営費に回すとすると、資金管理団体のほうでは運営費として8.7億円ぐらいになるのかなということになる。規模感としてご覧いただきたいと思います。
課題としては、デポジットを取るときに必ず生じることですけれども、預託金の額とか払い戻し基準の設定を厳密にしなきゃいけないということとか、機器の使用期間が長期にわたるので、なかなか大変だと、1対1対応なのか、今、使用している機器にも適用するのかという問題が発生するかと思います。例えば、自動車リサイクル法の場合ですと、制度ができてしばらくは、当然、払い戻しがほとんどされないので、自動車リサイクル法の資金管理団体にどんどんお金が積み上がるということで、管理団体の人が随分心配していたという昔の歴史もあるわけですけれども、自動車の場合、数年、7年ぐらいたてば廃車が行われるのに対して、デポジットで、もし1対1対応だということでいいとすれば、かなりの長期間お金がたまり続けて、それを管理しなければいけないという状態になります。30年ぐらいということになるかもしれません。ということになると、積み上がっていく一方のそのお金をどうしておくのかと。自動車リサイクル法のときのことをちょっと調べてみましたら、運用益が上がらないように、お金をとにかくまじめに保管するというやり方だったようです。なかなか大変なことになるかと思います。既存の機器についての制度適用の可能性ということ、ですから、では30年間ずっとお金を持っておくんではなくて、払い出していくのかという話をどうするのか、もちろんそうすると、フリーライダーとか、いろいろなただ乗り論とか、いろいろな話が出てくるということ、それから用途に応じた制度の適用除外ということで、極端に大きいものとか極端に小さいものというのを外すべきなのかどうかと、そういったような問題もまだ課題として残るなというものでございます。
次に、メーカーによる課金制度についてということでございますけれども、これは、一見、デポジットにかなり似た図式になっておるんですけれども、デポジットの違いとしては、これは、この場合はメーカーが主役になっているということでございまして、制度イメージとして、機器メーカーのほうでつくるようなイメージですけれども、メーカー団体が、寄り集まって、お金を出し合ってですか、つくるようなイメージです。管理法人をつくるという中で、機器ユーザーは、デポジット的に、機器メーカーに対して、購入するときに、ある種の課金をお渡しすると、もちろんその機器の代金も払うわけですが、それにプラスその課金というものをお払いして、それが管理法人に預託される。廃棄時は、その廃棄される場合に、この管理法人のほうから払い戻しがなされるということで、機器メーカーが破壊費用や回収費用を払っていくということになるわけです。結局この場合は、機器メーカーが、ある種、オールマイティーにそのあたりのお金の動き、機器の動きというのを把握しているということが前提になろうかと思います。
課金額としては、キログラム当たり大体6,000円ぐらいになるのかなということですけれども、それから預託金の用途としては、回収の破壊費用と情報管理、これは管理法人の運営費なんかのことも含んでおりますが、プラスその機器ユーザーさんが、忘れず回収業者に回してもらうために、普及広報、ちゃんとこれは、課金をいただいて、機器ユーザーさんに、廃棄時にはもう既にお払いいただいた課金をもとに負担なくと言えばちょっと変ですけれども、廃棄時には負担なくちゃんと回収・破壊されるんですよという広報をして、機器ユーザーさんから物を出していただくと、変なところに回さないようにしていただくという広報も要るのかなということです。
課題としては、メーカーが、ユーザーに関する情報を把握する仕組みの構築が要ると、先ほどオールマイティーにと申し上げましたけれども、そういう仕組みが要るであろう。その場合に、外国はどうするかとか、フリーライダー、ただ乗りをどうするとか、いろいろな問題、そこの制度を始める前のものはどうするとか、デポジットと同じような問題も出てくる。それから、設置時に、回収・破壊費用の想定が難しい機器の預託金額をどう設定していくか。それから、機器の使用機関が、これも長期化する。この辺は、下の3つはデポジットと同じものですけれども、既存の機器についての制度適用の可能性や用途に応じた制度の適用除外を考えなければいけないといったような問題点が出てくるであろうというふうに考えております。
いずれにいたしましても、この経済的手法はやはりなかなか難しいものでございまして、つくったときの規模感であるとか、課題の整理等まではできておりますけれども、もう少し検討が必要かなというのが事務局としての思いでございます。
それから、引き続き資料3のほうのご説明をいたします。これは「フロン回収・破壊法に関する課題及び対策について」というふうに題しておりますが、これにつきましては、23年度の7月ぐらいから作業を開始いたしまして、これも年度内に取りまとめさせていただいたわけなんですけれども、アンケートをさせていただきましたが、そのアンケート結果をもとに、有識者、これも、西薗先生に座長をしていただき、両小委員会の先生方にも何人か入っていただいて、構成している検討会議の中で対策というものを有識者の方に考えていただいたと、その対策について挙げさせていただいておるというものです。アンケートについては、回収・破壊の業者とか建設業、つまりは解体をするような方々とか、ユーザー、そういった方々にアンケートを送らせていただいたものでございます。
色が4種類ついておりますけれども、現行法の施行強化で取り組むべきというのが黄色、自主行動での取組が緑色、今の法律の改正が必要な事項というのが赤色、それからその改正した後の運用でできそうだというのが青色、他法律への組み込みが必要な事項が紫色、すみません、5種類です、申し訳ありません、紫色として整理をいたしております。
それで、これも全部ご紹介しているとちょっと細かくなり過ぎますので、専ら赤い色に沿って申し上げたいと思いますけれども、一番最初、赤い色は、課題②の行程管理票の確実な活用ということで、行程管理票について、フロン類の処理まで、行程管理票制度の対象範囲の拡大、フロン類が、ちゃんと破壊されたということが確認されるところまで管理票制度を拡大していくべしと、整備時回収における行程管理票の交付の義務化といったことが挙がっております。
次のページにまいりまして、赤い部分、課題③の特定解体工事元請業者の確認、説明の確実な実施というところで、対策の(2)で、業務用冷凍空調機器の有無を確認できる仕組みの検討ということで、特定解体工事元請業者、業務用冷凍空調機器所有者が、業務用冷凍空調機器の有無を確実に確認できるという制度が要るであろうということ、それから特定解体工事元請業者の説明義務ははっきり担保することを強化する。
それから、対策(3)として、事前確認書の保管義務ということで、事前確認書及びその写しを特定解体工事元請業者と業務用冷凍空調機器所有者の双方が、一定期間保管することを義務化すると、例えば3年間といったことがご提案として出されております。
それから、3ページのほうにまいりまして、課題の⑤で、第一種フロン類回収業者の技術力の向上ということで、(6)から(11)まで赤い色になっておりますが、フロン類回収業の登録方法の確立ということで、回収業者さんを確実に把握していくということ、十分な知見を有する者に該当する資格の明確化ということで、資格を限定していくということ、それから対策(8)として、十分な知見を有する者による回収作業の実施の義務化ということ、それから実務経験内容の明確化ということ、実務経験だけをもって、新規登録可能という措置は認めないほうがいいのではないかというご提案もいただいております。それから、フロン回収装置・回収容器の所有の義務化ということで、ある一定規模以上の機器、装置を所有していることなど、基準を設定すべしというご提案、それから第一種フロン類回収業登録の更新方法の見直しということで、5年間一度も実績がないような場合は、更新を認めないといったようなことを明記してはどうかというご提案でございます。
それから、課題⑥として、フロン回収に係る費用の支払いの徹底ということで、見積書・発注書におけるフロン類の回収費用の明確化であるとか、対策(4)としては、第一種フロン類引き渡し受託者数の限定ということで、重層構造を軽減するといったようなこと、それから次のページにまいりまして、課題⑦として、逆有償の許可は、ちょっとこれは構造が難しいんですけれども、現在の制度というのは、破壊業者に渡すしかないということになっておりまして、再利用するとか加工するとかという人に行くというものに対して、なかなかリサイクルといいますか、そういうのが進みにくい制度になっているということになっておりますものですから、逆有償してはいけないという形になっておるものを逆有償でもいいよということによって、より再利用が進むようにしてはどうかということで、引き渡し義務を徹底するというように書いておりますけれども、心としてはしっかりした人に渡すということを忘れないような形で、制度を構築するという意味でございます。
それから、課題⑧として、「都道県知事が認める者」の明確化ということで、フロン回収・破壊法の省令で、都道府県知事が認める者の要件を明確化するべきというご提案もいただいております。
その他ということで、現在のフロン法は、10年たっておりますけれども、強化されていないというところで、その他として挙がっているものとして、業務用冷凍空調機器の種類を明確化する、家電リサイクル法以外の機器について対象としていくべしというもの、それから罰則の強化ということで、廃棄物処理法などがどんどん強化されていくのを受けて、環境規制の法律も、他法令では罰則を強化しているという状態がございますが、フロン法のほうでは、つくられて以来まだ罰則の引き上げは行われていないということを考えると、厳罰化していいのではないかということ、それから回収したフロン類の所有者の明確化ということで、第一種フロン類回収業者に帰属すると思われるんですが、現場では、その所有権というんですか、その機器を持っていた方なのか、それともその回収した人なのかということが明確でない。これも先ほどの逆有償の話に結びつくようなことだと思うんですけれども、業者さんが、これはリサイクルに回したいというふうに思われても、その機器の所有者さんが、これは自分のものだから、そんな勝手なことはしないでくださいというような話もあるのかなと。その辺をうまく今の実態に合ったようなふうにするためには、所有権を明確化するということは1つ案としてあるのではないかということかと思います。
それから、対策の(4)は、経済的手法の検討ということで、これは、先ほどご説明したものについて、検討が深まれば法律にもなるかなという意味で書かせていただいております。
以上です。
○河本化学物質管理課長 それでは、続いて資料4、冷媒管理体制構築のための実証モデル事業(平成23年度分)に関する中間報告ということでご報告をさせていただきます。
まず、事業の目的でございますけれども、これは、前回の第1回の合同会議においてもご報告をさせていただいておりますけれども、今後の冷媒対策の方向性としては、機器メーカー、設備業者、機器ユーザーの三者の連携による冷媒管理体制の構築を目指すことが必要だと、そのために、機器の所在の把握であるとか、あるいはユーザーによる漏えい量の把握等々の冷媒管理対策について、試行的に、具体的に実施してみて、その実現可能性や効果等を検証するための実証モデル事業をしようということになったものでございます。
平成23年度、昨年度につきましては、現在あるガイドライン、業務用冷凍空調機器フルオロカーボン漏えい点検・修理ガイドラインと、これは日本冷凍空調設備工業連合会のほうで策定されたガイドラインがあるわけですけれども、これに基づく点検の現実性、具体的なコストであるとか、あるいは点検事項がどうであるか等々について基礎的な検証を行いました。
具体的には、実際に現実に市中で稼働している4,000台に対しまして、実際に定期点検を実施、点検結果や冷媒補充量等を記録していったということでございます。
具体的な実施結果あるいは今後の予定等々については、別紙にまとめておりますので、簡単に木尾補佐のほうからご報告をさせていただきます。
○木尾化学物質管理課長補佐 別紙のほうをご覧いただければと思います。23年度の実施内容でございますが、先ほどご説明させていただきましたとおり、昨年の、参考資料の4のほうでも書かせていただいてございますけれども、昨年の中間論点整理、参考資料のほうは、中間論点整理のほうで、世界最高水準の冷媒管理体制の構築を目指すということで、実際にどういう冷媒管理体制をしくかと、あり得るかということで実施をさせていただいてございます。
実施内容については、基本的には設備業者さんとメンテナンス契約を結んでいるもの、まずはメンテナンス契約の結んでいるものを4,000台ぐらい、この中には、いわゆる冷凍ショーケースでございますとか、ビル用のマルチエアコンとかはございますけれども、そういうものを中心にして、実際に先ほどの日設連さんのガイドラインをベースにして、そのガイドラインの点検項目で、実際に足りるんですか、足りないんですか、足りるとして実際にワークするものでしょうかということを検証させていただいているものでございます。
実際のその機器のその種類の内訳等々は3ページで書かせていただいております。
4ページ以降でございますが、かなり技術的なんでございますので、ちょっとはしょって説明させていただきますけれども、基本的には、その漏えいの点検方法、いわゆるシステム漏えい点検でございますとか間接法でございますとか、いろいろな点検方法はございますけれども、そのガイドラインにのっとって、こういう点検方法が、ワークするんですか、しないんですかということをチェックさせていただいてございます。
次でございますけれども、漏えい点検の手順として、どういう点検記録をつくるのか、あるいは運転日誌をするのか、点検記録の記録事項としては、どういうことを記録すれば、実際に後々ワークするものになるのかということを点検させていただいております。
その上で、ちょっと技術的になりますので飛ばさせていただきまして、8ページでございます。平成23年度の実証モデル事業として、先ほど申し上げました機器を対象にして点検させていただいてございます。点検の結果、こういう点検制度を実施することによって、どういう結果が得られるのか、期待できるのかということでございますけれども、ある意味、予想されたことでありますけれども、詳細な点検によって漏えい結果を明らかにすることはできると、このガイドラインによって点検結果を明らかにすることはできる。その上で、きちんと、その点検箇所が漏れている場合には、その部品を交換しますとか、あるいは接続部の増し締めをするとか、そういった対策をすることによって、漏えいの防止というのは、基本的にはきちんとできるのではないかという結果は導き出させていただいております。
その上で、ちょっと冒頭、行ったり来たりで申し訳ございませんけれども、冒頭の資料4に戻らせていただきます。
それで、今後どうするのかということでございますが、4ポツで、今後の予定のところに書かせていただいてございます。平成23年度の今回のモデル事業によって、こういう冷媒管理制度、このガイドラインに基づく冷媒管理制度というのは、基本的にはフィージブルなものだろうと、ワークするものだろうと、これによって、冷媒管理がきちんとできると、漏れをきちんと防いで、その上で対策をすれば、冷媒の漏れというのは防止できるだろうという結論を持ってございます。
その上で、今後は、24年度は、間もなく開始しようというふうに思ってございますけれども、今度は、メンテナンス契約が提携されていないような中規模の機器についても、モデル事業の対象にさせていただいた上で、今度は、その例えば費用対効果、こういう冷媒管理制度をつくることによって、当然、一定の費用がかかりますんで、その費用とその漏れる、漏れを防ぐその効果と、費用対効果を考えながら、その冷媒管理制度の対象とするような機器の種類ですとか、あるいは範囲ですとか、そういうものについてのこの合同会議でご審議をいただくときの必要な資料、情報の収集を行っていきたいと、そのように考えてございます。
以上でございます。
○富永委員長 ありがとうございました。
それでは、これまでのご説明に対して、ご意見あるいはご質問がありましたら、お手元の名札をお立てください。
よろしいですか。
それでは、産構審側の委員の方からご指名したいと思いますが、浅野委員、どうぞ。
○浅野委員 環境省の報告のうち、資料の3についてですが、これは、アンケート調査を行って、その結果、アンケートに対する回答をさらに分析して、こういう問題点があると、この点はこのようなことができるんではないかという整理をされたと、そういう理解でよろしいのでしょうか。特に、赤い色がつけられている点については、かなりなるほどなと思う部分がありますし、これは、今後法改正を含めて、法的な手当てを考える場合に、検討の材料としては、かなり興味深い材料であろうと思うわけです。場合によっては、これをすっと整理するだけでも、かなり改正法案の中身を埋めることができるぐらいまでの整理ができているのですが、どういうプロセスでこの資料ができてきたのか、その経過がよくわかりません。もとのアンケートがどういうアンケートで、その集計結果に関しては何かちゃんとした報告書みたいなものがあるのか、それとも全くないのか、大変カラフルでわかりやすい資料であるだけに、背景事情がちょっとよくわからないので、追加のご説明をいただければということです。
○富永委員長 お願いします。
○室石地球温暖化対策課長 今、浅野委員がおっしゃったとおりのつくり方でございまして、アンケート自体は、回収業者とか破壊業者、それから建設業者とか解体業者とか、そういったユーザーとか、そういったプレーヤーの方にいろいろアンケートのとった結果を、西薗先生を委員長にいたします、それから両小委員会の先生方にも入っていただいた検討会をつくりまして、そこで対策を検討して、こうやってまとめさせていただいたという手順でつくっております。報告書については、ちょっと今、取りまとめ中です。
○浅野委員 では、さらにヒアリングのような形ではなくて、最初から質問項目がちゃんと用意してあって、それに対する回答を得たのか、それともヒアリングを行った結果のとりまとめなのか、その点はどうだったのでしょうか。最初から質問項目がちゃんとあって答えてもらうんなら、その前提としての議論がどこかで行われているはずだから、どうかなと思ったわけです。
○室石地球温暖化対策課長 ヒアリングまではしておらないんですけれども、項目については、ある種、決めてアンケートをつくっております。
○浅野委員 記述法がとられた、かなりの部分は自由に書いていただくという、そういうアンケートだったと理解してよろしいですね。
○室石地球温暖化対策課長 はい、そうです。
○浅野委員 わかりました。
○富永委員長 では、角田委員、お願いします。
○角田委員 地球温暖化に非常に強い影響を持つこのものに対して、非常にフロンの回収が依然として低いということからいきますと、これをいろいろな形で、今、進めていただいているんですが、どのように進めていくのか、依然として事業者への意識啓発ということが強く迫っていかなければならないんではないかと思っております。と申しますのは、私、大阪のほうで、フロンの回収ということで、非常に事業者とも話し合いをしたり、それから要望書を出したり、それからチェックをしに行ったり、店頭にチェックをしに行ったりしたんですけれども、なかなか現場ではフロンについて認識が薄いわけですね。私は、非常にいい形で動いているのはありがたいんですが、これをどんなふうに事業者や国民に啓発といいますか、教育していくのか、啓発していくのか、この部分が同時進行でないと、到底これは動いていかないんではないかというふうに感じております。
それから、もちろんその費用助成ということで力を入れていただかないと、なかなか今、厳しい時代でございますので、そういうことについては、事業所も大変ご苦労の多いことでございますので、ぜひそういうことにも、同時進行でお考えをいただくようなこともお願いしたいと思っております。
○富永委員長 これはご意見ということで承らせていただきます。
それでは、その次に北村委員、どうぞ。
○北村委員 資料2の経済的手法についてちょっとコメントを申し上げます。
この方法というのは、一番の根本は公平でなければいけないということだと思うんでございますが、例えば、今、フロン税ということが、ここに書かれておりますが、今、冷媒メーカーだけが、フロンを供給しているわけではなくて、かなり今ほかの商社等が輸入していたり、あるいは機器そのものに入っている場合もかなりございます。ですから、メーカーだけに課金するというようなやり方は、なかなか公平性を確保するというのが難しいんではないかというふうに考えております。
○富永委員長 ご意見ですね。
河野委員、どうぞ。
○河野委員 すみません、環境省に質問と、あとちょっとどちらにかわからない質問が1つです。
1つは、この資料3にありますけれども、基本的には、これは、なぜ3割ぐらいの回収にとどまっているのかというのは、私自身はよくわからないので、環境省としてその辺の実態調査みたいなのをやるつもりがあるのかということと、これは一つのアンケートですよね。もうちょっとどういうふうなことをすれば、回収・破壊法の今ある3割にとどまるところがアップするのかというのをどういう調査するなり、どういうふうに考えておられるのかというのが1点です。
もう一点は、もうちょっと大きいことなんですけれども、そもそもこれは、モントリオール議定書の対象にこのHFCもするという議論が、前からアメリカは要望していて、インド、中国は反対して、日本は、議論することは賛成だが、立場がまだ決めていないという状態だったと思うんですが、それは、現在も変わりがないのか、あるいは何かその辺で動きがあるのか、何かあれば教えていただきたいということです。
○富永委員長 そちらで。
○室石地球温暖化対策課長 まず、実態をどう把握していくのかというところというか、その前におっしゃったのは、そもそもなぜそんなに低いのかということからくるんだと思いますけれども、今回、方向性として示させていただいておる維持管理の部分の強化ということにも関わってくると思うんですが、そもそもそういうどこにどういったものが置かれているかということ自体が、把握されていないというところがそもそもの根本問題でございまして、アンケートを出すといっても、わかっているところはわかっているんですが、そもそもわかっていないところが多過ぎて、そういうわかっていないところには、当然、アンケートも行きようがないと。もちろん冷凍冷媒機器を持っていらっしゃるともう断定してもいいというか、そのスーパーであるとか、あるいはコンビニとかには確実に置いてあるわけですから。ただ、それが、どこの住所の、それでそれがどれくらいの規模のということは、実ははっきりわかっていないという部分が大きいものですから、そこをまず何とかしなければいけないというのが、まず出発点としてあって、そのための対策をこれからまた考えていかなきゃいけないと。例えば、では管理台帳をきちっとつくるとか、ちょっと先の話になってしまいますが、そういうご議論をいただかなきゃいけないということかと思っております。
それから、後半のほうのご質問、モントリオール議定書でHFCを対象にするのかという議論については、今までのところは、それに賛成するという国の数の問題でなかなか進んでこなかったという点はあると思うんですが、だんだん議論としては、そちら側にそちら側に、つまり対象にすべきというふうに傾いてきているというふうに我々も思っておりますので、まだ明確にはなっておりませんけれども、そういう国際会議での方向性としては、対象にしていく方向に流れていっているというふうに我々も認識しております。
○河本化学物質管理課長 先生、モントリオールのほう、よろしいですか。
○富永委員長 はい、どうぞ。
○河本化学物質管理課長 今、先ほど環境省さんからもお話がありましたけれども、モントリオール議定書のいわゆる一番大きな会議、MOPというのが11月ということでありまして、今それに向けて政府としてもいろいろな考え方を整理していかなきゃいけない段階にあるわけですけれども、先ほど環境省さんもおっしゃいましたけれども、我々も、もともとそのモントリオール議定書の対象としている例えばHCFCと今回、議論しているHFCが、基本的な用途であるとか、もうほとんど基本的には代替しているわけですから、そういう実態的な関係というのが、非常に共通性が当然あるということですので、これをモントリオール議定書の中に、HFCを入れていくというのは、目的を変えるような大きな話ですので、簡単に政府の指針にささっというわけにはいかないかもしれませんけれども、そういう方向も、当然、視野に入れて、これからしっかり議論していく必要があるんではないかなというふうに考えております。
○富永委員長 よろしいですか。
○小松委員 すみません、環境省さんの資料の経済的手法の検討についてというところなんですけれども、いろいろやり方を考えてやっていかないといけないと思うんですが、このフロン税についてなんですけれども、税収の規模が年に約200億程度というものの根拠はどういうものなのか、ちょっと教えていただきたいなと思います。
○室石地球温暖化対策課長 ここにトン数が書いてありませんけれども、その上の税率にありますトン当たり289円というものをCO2換算で考えた場合、つまりGWP係数を考慮に入れて、掛け算を冷媒に対してしていった結果、200億円ぐらいに、すみません、ちょっとここにそれぞれの冷媒の出荷トン数と書いてございませんけれども、それの合計でGWP係数を掛け算したというか、考慮した上でこれぐらいになるという、そういう計算をしております。
○小松委員 GWP……。
○室石地球温暖化対策課長 GWPは、グローバル・ウォーミング・ポテンシャルということで、温暖化効果をCO2に換算した場合、例えばある種の冷媒フロンの冷媒が3,000だとすると、CO2として289円ということであれば、その3,000倍のお金をかけるべきであろうと。ただ、CO2と比べるとフロンの量自体は機器に含まれているものなので割と少ないものですので、そんなに目の玉が飛び出るような課金というわけではないと思っておるんですが、計算としてはそういうやり方をしております。
すみません。今、データのほうですけれども、冷媒フロンの販売量として2007年の実績で年間3.29万トンあるということで、これに先ほど言ったGWPの係数が2,000ぐらいであるというふうに仮定して計算をいたしまして、200億円というデータを出しております。
○富永委員長 よろしいですか。
では、名尾委員。
○名尾委員 ありがとうございます。
フロン税のところでいろいろ課題があるというご説明が先ほどありましたけれども、自動車リサイクル法で、自動車のユーザーは、既に預託金を車の購入時に払って、それで100%近い形で回収・破壊が行われておりますから、そこにこのフロン税がかかりますと、そのユーザーには、二重規制というか、二重の負担を強いるようなことになると思うんですが、そういう問題意識、先ほどご説明があったときにはなかったんですけれども、いかがでしょうか。
○室石地球温暖化対策課長 プラス、加えて家電リサイクル法のほうも考慮に入れなければいけないということかと思います。
○富永委員長 松野委員ですね。
○松野委員 経産省さんに質問させていただきたいんですけれども、先ほど実証モデル事業について説明される中で、今年もある程度のコストの計算をしたということでおっしゃられていたので、それは、CO2トン当たり減らすのにどれぐらいのコストがかかるというような結果が得られたのかということを1つ伺いたいのと、それとこれはまだ始まったばかりというようなことになるかもしれませんけれども、そもそもなかなか回収・破壊が進まないということも、何かの義務づけというのが、このフロン問題に当たってはなかなかうまくいかないというようなことがあって、それでほかの方法はないのかというようなことを言っているわけで、この定期点検なんていうことも、これまで企業がやっていないことを義務づけるというような、もし何かやってもらうということにする場合は、通常は、それは、今までやっていないことをやるということはコストになるわけですから、企業はやりたくないというふうに普通考えられると思います。そうした場合、このどういう方策でこれをやらせるということを担保するということで考えていらっしゃるのか、教えていただきたいということです。
○木尾化学物質管理課長補佐 すみません、1点目のそのコストの問題でございますが、ちょっと説明が不十分だったかもしれませんが、これは、23年度の事業のほうは、1社当たり、この点検をすると何万ぐらいかかりますとか、そういう意味でのコストを計算しているわけではございませんで、例えば油漏れを点検しますとか、局所的な凍結を点検しますと、その点検項目との関係で、余り何か異常なコストをかけないで点検できますよねということの確認ということでございますので、むしろその1社当たりどれぐらいかかるかという話は24年度の事業のほうでやらせていただこうというふうに思ってございます。
すみません、2点目の話でございますが、ご指摘のとおり、もちろんこの今メンテナンス契約を結んでいる人はともかくして、メンテナンス契約を結んでない人は、特に全く純粋に新しくコスト増という形になると思います。そこは、法律で、ある程度、義務づけしていくということだと思いますけれども、そのとき費用対効果をある程度考えつつ、特に行政サイドの、これは何かまじめに全国で家庭用なんかも入れると1億2,000万台ぐらい冷凍空調機器はあるわけでございますけれども、それをすべて対象にすると、もう膨大な行政コストもかかりますので、どの程度、合理的な執行体制が組めるんですかということを考えながら、費用対効果も考えた上で、基本的には法律として行政的な制度を検討していく必要があるんだろうなというふうに思ってございます。
○富永委員長 よろしいですか。
○松野委員 では、どういうことではどういうコストだったということをこれはちょっと参考に教えていただけたらと思うんですが。
○木尾化学物質管理課長補佐 すみません、今、手元にございませんので、後ほどご報告させていただきます。すみません。申し訳ございません。
○富永委員長 永里委員、どうぞ。
○永里委員 ありがとうございます。
経済的手法に関してと、それからフロン回収・破壊に関してと2つ質問したいと思います。
まず、経済的手法に関してですが、経済的手法のA、フロン税についてですけれども、京都議定書の対象ガスで、分野も冷媒用だけでいいんでしょうかという質問です。半導体用、洗浄用、発泡用などのガスは京都議定書第二約束期間における対象ガスに追加されていますが、フロン税はこの冷媒用だけでいいんでしょうかという、そういう趣旨です。
それから、経済的手法B、Cに関してですけれども、既存の冷凍空調機にも課金できる仕組みが必要なんではないかと私は心配するんですね。理由は、その既存機器を長く使おうという方向が働くんではないかと、課金をすれば。そうすると、省エネの面でマイナスになるだろうし、既存機器を概して、温暖化係数の大きな冷媒を使用しておりますが、長く使おうということで、温暖化の面でマイナスになるんではなかろうかという、こういう心配しております。
そして、次の質問ですが、フロン回収・破壊に関してですけれども、平成23年度の実証モデルの事業で3,850台の数字が出ていまして、さらに読んでいきますと、35台しか漏えいしていないというような事業がありまして、すごく優秀な結果であるというふうに私は読んだんですけれども、この辺についてはこんなものなんでしょうかという質問です。
それから、この次の議題にかかっていくんでしょうけれども、平成24年度事業では、メンテナンス契約していない機器を対象として・・・・・・この辺のことは、後でまた質問しましょうか。
では、以上でございます。
○室石地球温暖化対策課長 まず、前半のほうのご質問でございますが、フロン税をかける対象がこれだけでよいのかと、例えばそのほかのSF6とか、いろいろなものがあるではないかというお話だと思うんですが、私ども、念頭に置いたときに、一応その半導体洗浄とか、そういったものについては、工場内で使われているということもありまして、HFCのほうと違いまして漏えい量がこれからどんどん増えていくというわけではないと、工場でまたきちんと管理されているということもあって、対策もとりやすいということで、フロン税をかけるというものとしては、やはり悪さをする、これからどんどん悪さをしていくという意味で、HFCというようなものを念頭に置き、またそれが冷媒用フロンだったということで、そちらを念頭に置いて考えたということですので、逆に必要だということであれば、またそれも検討いたしたいと思いますけれども、この検討するときは、そこまでは要らないであろうという認識でございました。
それから、経済的手法について、既存のほうも課金することを検討してはどうかということで、新品を買わなくなるんではないかという、それが、また省エネでは悪影響を及ぼすとか、いろいろなご指摘をいただきましたので、そういったこともちょっと念頭に置いて、今後も検討を進めさせていただきたいと思います。
○木尾化学物質管理課長補佐 モデル事業のほうのご質問でございます。35台のお話でございます。
ご指摘のとおり、今回、35台―実際に漏えいしたのがそのぐらいということなんでございますけれども、冒頭、申し上げましたが、基本的に今回の対象は、メンテナンス契約が結ばれているところが中心で、平たい言葉で申し上げれば、基本的には優良な管理がされているところが対象なんで、基本的には想定どおりの結果なのかなというふうに思っております。むしろそういうところをベースにして、点検項目として、こういう日設連さんのガイドラインが現実的なのかどうかということを実証したかったということでございます。
一方で、3年前に経済産業省のほうから、実際に使用時漏えいというのがどの程度あるのかということを調査させていただいて、発表させていただいておりますけれども、それによると、冷凍空調機器、全体として言うと、機種にもよりますけれども、相当な漏えいが、使用時漏えいが見られるだろうということでございますので、それも含めて、今後そのメンテナンス契約をされていない機器について、こういう点検をすることによって、どれぐらいの費用対効果を得られるのかということについては、今年度早々、事業を開始させていただきたいというふうに思ってございます。
○富永委員長 よろしいですか。
では、浦野委員、どうぞ。
○浦野委員 経済的手法の検討が始まったのは大変喜ばしいことだと思いますが、どの方式も、矢印というのがいろいろあるわけですけれども、この矢印が生きなければ、何もできないわけです。矢印ということはどういうことかというと、フロンの流れがわからないとわからないわけですね。ですから、当然、所有者等の登録と、その他いろいろなことをやらなければいけませんけれども、ではこのフローが、十分わからないからできないよとか、問題ですよと言っていると永久にできないことになりかねない。そうすると、ではどこまでをやったらば、どういうことができるようになるのかということをはっきりさせなきゃいけないことと、もう一つは、やはりわからない部分が残るという前提で、ではどういう制度が現実としてあり得るのかということも考えなきゃいけない。それから、本当にお金勘定をしたときに、フロン税のほうはお金が「289円/t-CO2」と書いてあって、さっきGWPが2,000ぐらいというと、フロンは1トン当たり60万円近い値上がりになるんですよね。フロンが、数十%から2倍近い値段になるわけですけれども、それが、一体、末端の機器とかユーザーにどのぐらいのインパクトになるか。我々、自動車の冷媒なんかでガソリンスタンドに聞くと、フロンの単価のもう10倍ぐらいで売っているわけなんです。ですから、そういうことも含めて、果たしてどのぐらいの負担になるのかということも含め、ぜひこの経済的手法を煮詰めていって、できること、できないことを整理してみる必要がある。どれも満点に絶対ならないないですから、その中でやることを検討する。
それから、もう一つは、自動車とか家電はもうリサイクルシステムができているわけなので、それとうまくジョイントさせるとすると、部分的には、デポジットとかあるいは部分的にはフロン税というふうな組み合わせが可能なのかどうか、どれか1つを選ぶんではなくて、組み合わせができないかということも今後ぜひ検討して、これを煮詰めていただきたい。早い時期に、できる範囲から実施の方向に検討していただきたいというのが意見です。
それから、もう一つは、資料3のほうですが、資料3のほうも非常によく整理されていますけれども、このピンクの部分をご説明いただいたんですが、この中の3ページ目の課題⑤ということで、回収業者の技術力向上あるいはそのほかの費用の支払いというのがあるんですが、当然いいかげんな業者にいろいろなことをやらせることはよくないということは、もう誰もがわかるわけですけれども、赤が一杯あるわけで、これを果たして法律等で扱うのがいいのか、ほかの方法で扱うのがいいかということも十分議論しないと、何か何でも法律で規制強化すればいいというふうことは、必ずしも受け入れられないんではないかということもあります。
それから、もう一つは、この特定の技能や資格、特に資格とか許可をもらったものに限定するという表現があるわけですけれども、この回収業者というのと、それから引き渡し受託者とかがどういう関係にあるのかというが、わかりにくいのでご説明をいただきたいということがご質問と意見ですのでよろしくお願いします。
○浅野委員 ちょっと今のご発言に、関連してよろしいですか。
○富永委員長 はい。
○浅野委員 事務局にご説明をいただくよりも、むしろこれは、これからこの審議会で考えることだから、多分、余り早々とご説明いただいても混乱するだけではないかなという気もします。それよりも、今の浦野さんの発言を聞いていて、いや、そうだなと思った部分がありますのは、実はフロン税というものは、フロンの流れをきちっと最後まで追っかけ回すということをギブアップしたときの仕組みですね。それに対して、デポジットというのは、むしろ行方をきちっと追っかけ回そうということです。ですから、一体どっちが最適なのかという問題は、単なる手法の問題ではなくて、今ご指摘したうちのどちらの方法がこの際に適切なのか。ここで対象にしたいフロンの場合には、どっちがより適切な扱いになるのか、それから今後のありようとしても、徹底的に追跡できるようなトレーサビリティーの高いものにしていくのがのぞまれる方向なのか、それともそうではないのかとか、その辺のところに関してまだ未整理なままで、今日は、経済的手法のメニューがいきなり出てきているような気がします。
この資料の3は、大変おもしろいな先程申し上げたのは、後の最後の議題とも関連があるわけですが、まさにどのような経済的手法をとるかということと、回収したフロンの再利用を促進するということとが、あるいは全く相反する方向を向いているような面もあるような気もするわけですね。つまり、例えば回収強制するということを仮に法的にきちっと義務づけるというような場合に、ではその回収されてしまったら、もうもとの使用者には、所有権はなくなるんですね。しかしその回収されたフロンを再利用されて儲けたるは丸儲けなんですかみたいな話になりかねませんから、これはちょっと細かく整理しなきゃいけない問題も含んでいるなという気がしました。
それで、恐らくそういった点もこれからきちっと議論していかないと、どの制度を選ぶにせよ、今日の段階ではまだ準備が不足だと感じたわけです。
○浦野委員 ちょっとすみません、1点、発言し忘れたので、経済的手法というのはすぐにやれることではないですけれども、課題と対策は、すぐにやれることもあるわけだし、少し中期的にやらなきゃいけないこともある。ただ、今日、午前中に温暖化のほうの委員会がありました。2020年、30年を見越した対策というのは、低位・中位・高位というのがあるわけですね。フロン対策、いわゆる3ガス対策についても、一応、低位・中位・高位という対策が並んでいるわけなんですね、それとこれがどういうふうに関わってくるのかというのが、全然見えないので、ぜひその辺も、短期のことと中期のことを分けてわかるように今後していただきたい。
○富永委員長 主にご要望だと思いますけれども、事務局のほうから何かありますか。
○室石地球温暖化対策課長 おっしゃるとおり、まだ整理が足りない部分がたくさんありますので、今後の議論のためにも、事務局のほうで、またもう少し整理をさせていただきたいと思います。
○富永委員長 岸本委員ですか、岸本委員、どうぞ。
○岸本委員 それでは、意見と要望を言おうと思っています。まずこのフロンの問題というのは、非常に複雑な問題ですし、非常に難しいので、何か1つをやれば、それで解決するという問題ではなくて、いろいろなことを少しずつやっていって、やっと少しよくなる、そんなものだと思うんですね。
この中で、まずその経済的手法ということで環境省から資料が出てきたんですが、メニューが、A、B、Cとあって、こんなのがありますよといきなり出てきているんですけれども、経済的手法というのは、何をすればいいか、あるいはどういう条件があればできるのかと、そこの議論をしないと、何となく経済的手法というのは便利な言葉でいろいろなところで使うんですが、要は課金して税金を取る話ですよね。それにすりかえられている。200億のお金が集まれば、これは相当な金額なんで集めたいかもしれないけれども、ではそのお金を何に使うのか。例えば、ここに書いてあるんですが、研究に使うとか、それから機器メーカーのノンフロン機器の購入補助に使う。これに使ったって、フロンの排出量に余り影響はないと思うんですよ。ですから、集めたお金を例えば集めるにしても何に使うのか、そうすればどういう効果があるかというきちっと検証しないと、ただ何となくお金を集めればいいといろいろなところで話が出てくるんですけれども、これはちょっと拙速過ぎる。非常に短絡的な発想ではないかなというふうに思っています。
もちろん、いろいろなやり方があるんで、組み合わせもあります。これの基本になるのは何かというと、先ほど経産省のほうから実証事業の取組の話がされまして、機器の管理制度というのがありました。環境省の担当の方も自動車の話を例に出されていましたが、自動車というのは、完璧な機器の管理がされていまして、廃車まできっちりと管理されていますね。その流れの中でいろいろなことができるんです。ですから、基本は、そこをやっておかないと、いろいろな対策はできないだろうと思います。そういう意味では、オゾン室から説明があった機器の登録管理制度、これは、かなり有効ではないかなと思います。ただし、エアコンというのは、家庭用の小さなエアコンから産業用の何百馬力という冷凍機まで千差万別ですから、全部を一遍にやることはできない。あるレベルから少しずつやっていく。一遍にやるんじゃなくて、最初40点ぐらいでもいいからやって、50点、60点に広げていくという、そういう努力が必要です。100はできないからやめようということはないのであって、少しずつそういう努力をしていきたいと思います。
この機器の登録というのは、いろいろなところにいろいろな影響が出ます。我々メーカーもそれなりの負担を強いられるのかもしれないけれども、これはやはり少しずつやっていく必要があるんではないかと思います。そういう管理のもとで、ではどういう仕組みがとれるか。機器が管理されていないときに、どんなことをやろうとしたってうまくいかないと思うんですね。これは非常に重要なところではないかと思います。
先ほどどなたか、35件しか漏れていないのは少ないではないかと言われていましたが、正直言って私も、もっと漏れていると思ったんですが、非常に少なかったというのはなぜかというと、これはやはりメンテ管理しているところをやったからなんですね。逆に、一昨年、経済産業省の発表で、何%が漏れているという話がありましたけれども、トータル的にはあの数字が多分正しいでしょう。そうすると、逆に言うと、メンテをきっちりやれば、意外と漏れは少ないんではないかなという結果にもなったんではないかと思います。まだこれははっきり言えませんので、24年度も、この実証事業は進めて、そこをしっかりと分析をしていくということになりますけれども、そういうふうにいろいろな見方をしてやっていく必要があるというふうに思っています。
経済的手法については、いろいろな問題があります。二重課税になるんではないか。例えば、今、消費税の話もしていますけれども、この案では、フロンの価格からすれば、大体50%の税金になりますよね。これが妥当なのかどうか、あるいはデポジットだとか、メーカーから取るとか、フロン税だとか、いろいろなことが書いてありますけれども、一つ一つ問題を精査していかないと、単に何か案が3つあって、どれがいいですかねという議論にはまだならない。もっとその前に、どうするべきか、それのやる前提となる管理制度をどうするかが一番大事ではないかなと、そういうふうに考えています。
それから、もう一つ、ちょっと今日の話とは違うんですけれども、今日、フランチャイズの方が見えているんですが、例えば自然冷媒の機器というのを開発されてきていますけれども、最終的に法のいろいろな安全性の規制もあります。もちろん、しっかりしたリスク評価をしなければいけませんけれども、こういうものも同時に規制を緩和していって、そういうものが普及しやすい環境をつくるということも非常に大事なんで、それはぜひよろしくお願いしたいと、これは要望でございます。
以上です。
○富永委員長 ありがとうございました。
それでは、先の議題がありますので、この辺で、一応、質疑は終わらせていただきたいと思いますが、続きまして議題の3の2013年以降の対策・施策に関するフロン類等対策に係る議論について、それから議題の4、今後の検討事項についてで、この2つについてご説明いただくんですが、この2つは、非常に密接な関係がありますので、あわせて資料のご説明をいただいて、その後でご質疑ということにしたいと思います。
それで、資料の5に基づいて環境省から、資料の6に基づいて経産省のほうから、それぞれ説明、事務局のほうからお願いいたします。
○室石地球温暖化対策課長 それでは、資料5について環境省のほうから説明をさせていただきます。
2013年以降の地球温暖化対策に係る代替フロン等3ガス分野の検討についてということです。背景というところで、検討経緯というふうにございますけれども、冒頭、鈴木局長のほうから説明をいたしましたように、現在、エネルギー・環境会議のほうからのご要望によりまして、私ども、地球環境部会のほうで、「基本方針~エネルギー・環境戦略に関する選択肢の提示に向けて~」というものがエネルギー・環境会議で12月に決定されたものを受けまして、地球環境部会のほうで議論をしているということでございまして、(1)の3つ目の丸にありますように、夏を目途に戦略をまとめるという、そこを目指して、現在その選択肢の提示をそれぞれエネルギー・環境会議からご指示を受けて、委員会のほうでいろいろ議論を行っているということでございます。
もちろん、その地球環境部会におきましては、地球温暖化対策全般についての戦略をまとめているということでございますが、その中で、非エネルギー起源、その代替フロン3ガス分野についても、その選択肢の提示のために、現在、検討が行われているということでございます。
先ほど浦野委員からも、その辺の関係性について説明が必要であろうというようなご示唆もございましたけれども、地球環境部会のほうで、今、選択肢として議論がなされている中で、2030年なり2020年というものを見据えて、その代替フロン等3ガスの分野についても、その低位・中位・高位と、これについては、また定義については後ほどご説明をいたしますが、そういった選択肢のご議論をいただいておりますが、そこでは、ある意味、中期の方向性をお示しいただいているというような意識でございますので、こちらのほうの合同小委員会のほうで、ぜひ、その具体的な進め方、具体的な対策・施策のその実現のほう、実現に向けた現実的なご議論については、この本合同会議の中でご議論をいただきたいというふうに考えておる次第でございます。
(2)のほうの検討内容でございますが、低位・中位・高位というのが、その選択肢原案の策定のために、今、議論されているというふうに申し上げておりますが、1枚おめくりいただきまして2ページ目のほうに、その低位・中位・高位の定義といいますか、考え方というのが書いてございます。
低位というのは、現行で既に取り組まれ、あるいは想定されている対策・施策を継続していくことを想定したものである。それから、中位については、合理的な誘導策や義務づけ等を行うことにより、重要な低炭素技術・製品等の導入を促進することを想定したケース、高位ケースについては、初期投資が大きくとも社会的な効用を勘案すれば導入すべき、そういった導入可能な最大限の対策を見込んで、それを後押しするものということで、最大限努力という、そういうケースになります。
ただ、委員会での議論を聞いておりますと、その現行の低位のケースでも、今までの経緯からいけば、ここまではやるべきだといったような、そういう言い方のご意見も多々聞こえておりますので、その低位・中位・高位というものというのは、やはりそれぞれの分野で、また考え方があろうかというふうに思われます。その辺が、後ほど2番のほうで具体的に申し上げます対策イメージのところで、今部会のほうで、選択肢のために議論されている低位ケースであるとか、中位ケース・高位ケースのそのイメージが、具体化するに当たって、どれを念頭に行っていったらいいかと、あるいは採用していったらいいかと、そういったようなことについてのご意見をいただければ幸いかと思います。
2番の検討の概要のほうで、HFC等3ガス対策の概要ということなんですが、背景はちょっと省略いたしますけれども、特に冷媒用のHFCについて対策は大事であるということと、代替ガスの開発・普及が重要であるという、そういう問題意識のもとで、(2)と(3)に、冷凍空調機器の冷媒分野での対策イメージと、それ以外の分野についての対策イメージというのを(2)と(3)でお示しいたしております。
まず、(2)の冷凍空調機器の対策イメージですけれども、低位ケースのほうで、業務用冷凍空調機器のHFC冷媒管理の強化による廃棄時の回収量の向上とか、使用時の排出量の削減ということが必要であろう。それから、新規出荷されるHFC充てん機器の地球温暖化係数の低い冷媒やノンフロン冷媒への切りかえが必要であろうということ、それから高位ケースにおいては、業務用冷凍空調機器の使用時におけるHFC冷媒排出のさらなる削減、それから新規出荷される冷凍空調機器全般について、温暖化係数の低い冷媒やノンフロン冷媒へ切りかえることを最大限に推進するといったこと、それからカーエアコン用の冷媒については、既に有力な代替ガスが開発されておるわけですから、低位ケースの対策から、どんどんとそういうガスを導入していくべきであろう、導入時期を前倒して、早急にやっていくべきであろうということ、自販機については、低位ケースとして、地球温暖化係数の低い冷媒の使用を推進していくこと、それから冷凍空調機器冷媒以外のその他の分野について、(3)ですが、半導体・液晶製造については、低位ケースの対策として、製造ラインにおけるHFC等3ガスの除去装置の設置率を向上していく。それから、金属製品については、中位・高位のケースとして、マグネシウム溶解時におけるSF6の使用料をゼロにしていくということ、それから発泡・断熱材については、中位ケースとして、ウレタンフォームの製造段階において使用されるHFにかえて、代替ガスを導入していくということ、それからエアゾールにつきましては、中位ケースとして、可燃性ガスを使用したエアゾールについて、代替ガスを導入していくということ、高位ケースとして、代替物質が存在しない場合を除いて、フロンの使用量をゼロとするということ、それから洗浄剤・溶剤分野で、高位ケースの対策として、HFC等3ガスについては代替ガスを開発して転換していくということでございます。
あと、排出量の推計については、後ろのほうのグラフ、別紙のとおりということでつけさせていただいておりますので、これはご覧いただくということでお願いしたいと思います。
資料5については以上です。
○河本化学物質管理課長 それでは、引き続きまして資料6、今後の検討事項について(案)ということでご説明をさせていただきます。これについては、経済産業省と環境省の両事務局のほうで作成をさせていただきました。
先ほどご説明がありましたように、エネルギー・環境会議等におきましては、国全体の地球温暖化対策が議論されております。その結果を踏まえながら、応じながら、どういった具体的な対策をこの分野でどこまで行うかという、こういった点をこの小委員会において議論していく必要があるというふうに考えております。
それから、資料1にも出てまいりましたけれども、本年10月には、前回の改正フロン回収・破壊法の施行から5年が経過すると、ある種の見直しの時期が来るといったことなども考えて、スケジュールを考えながら、議論を行う必要があるというふうに考えております。
その検討の分野、大きな柱のまず第1番目でありますけれども、業務用冷凍空調の機器の中にある冷媒の使用時の排出抑制、それから回収率、これは廃棄時になるんですが、廃棄回収率の向上ということであります。まず、この業務用冷凍空調機器からの使用時の漏えいを抑制するために、一定規模以上の事業者について、EU等では既に一定の制度がありますけれども、こういったのも参考としながら、冷媒管理制度を導入していくことについてどう考えるかと。
具体的には、定期点検制度、点検結果の記録あるいは所有状況についての報告等が考えられると思われます。
その際に、今日も議論がありましたけれども、費用対効果あるいは国や地方自治体の事務執行の効率性等についても十分に考慮していく必要があるだろうということであります。
それから、回収につきましては、もう皆様、ご承知のように、回収率が足踏み状態にあるということで、今後、回収率を向上させるためには、費用対効果を勘案しつつ、どのような対策を行っていくかということでございます。
現行法におきましては、行程管理票の交付については、使用済みフロン類の流通過程の一部に限られている。これをフロン、現在はフロン回収業者等への引き渡し時に限られている。これをフロンの破壊業者等への引き渡し時にも拡大することによって、より管理の強化を図っていくということについてどう考えるかということでございます。
それから、2つ目の柱でございますけれども、フロン類をやはり再生して、もう一度使っていくという再生利用の促進を進めていくべきではないかという点でございます。使用済みの、現在の法律では、基本的には破壊ということになっておりますけれども、使用済みのフロン類の再生・リサイクルのほうも促進しまして、有効活用させる仕組みを整備することによって、回収率の向上に寄与するのではないかと。これにつきましては、フロン類の破壊、それから当然、破壊すれば、その分、新しく新規の製造が出てくるわけですけれども、それに伴うエネルギーの、CO2の排出量の削減でありますとか、あるいはフロン類の原料である蛍石、これについては、ご承知の方も多いかもしれませんけれども、中国であるとか、ある程度、資源の偏在があると、ある種の需給の不安定化が起こり得るということも、こういった状況も踏まえた観点からも有効ではないか。
それから、やはり使用済みのフロン類を有価で流通する仕組み、これは、再生してリサイクルをして、もう一回、使うという場合を想定しているわけですけれども、そういう仕組みを創出した場合に、回収率の向上というのは期待できるのか。また、それを具体的に進めていくための手法、効果的・効率的な政策手法をどのように考えていくか。これについては、供給量についての制限あるいは税制その他の経済的手法を含めて、どのように考えるべきかという点が大きな2つの柱でございます。
それから、第3の柱として、代替物質への転換その他ということでございますけれども、先ほどのエネルギー・環境会議の議論で、政府として、全体としてのフロン類の排出量を大幅に削減するという意思決定が行えるような場合には、やはり抜本的な対策としては、冷媒を高い温室効果、GWPを持つHFCから、よりGWPの低いもの、例えばCO2等への転換を強力に推進していく必要があるのではないか。
具体的には、やはり低温室効果の冷凍空調機器等が開発された場合に、その普及を政策的に後押しすると、推進するというために、その予算面、制度面等でどのような仕組みを整備する必要があるか。
それから、こういった冷媒転換というのは、効果というのは、市中のストックが転換されないと、効果が顕在化してこないという、その時間的な、時間がかかるということでありますので、こういった対策というのは、早目に長期的な見通しを持って、対応を進める必要があると、こういった点も考慮する必要があるというふうに考えております。
さらに、冷媒以外の断熱材、ダストブロワーなど、フロン類が使用されている製品の中には、既に代替品が開発されている分野も存在します。これは、業界団体等の自主的な取組がどんどんこういった分野で進んでいますが、その一方で、業界団体に加入していない事業者の中には、代替が進展していないという実態もありますので、こういった問題はどういうふうに考えるか。
その他、フロン類の排出量を削減策として考える事項は何かということで、本日これまでの議論は反映されておりませんけれども、事務局のほうでまとめをさせていただきました。
以上でございます。
○富永委員長 ありがとうございました。
それでは、以上の説明についてご意見あるいはご質問を伺いたいと思いますので、また名札をお立てください。
大体、発言される方は立てていただいたでしょうか。
それでは、また順にご発言いただきますが、時間も限られておりますので、今回は、お一人2分ぐらいを目処に、なるべく簡潔にご質問あるいはご意見をちょうだいできればと思いますのでご協力ください。
浅野委員、どうぞ。
○浅野委員 環境省の資料の5ですが、これは中央環境審議会地球環境部会でも同じような議論をしているわけですけれども、中位・高位とか低位というわけ方についてです。低位は現状と余り変わらないので余り問題がないんですが、中位・高位というのは、何となく定性的に分けている面もあって、しっかりやるよ、もっとやるよというぐらいの感じです。これをもうちょっと丁寧に仕分けするという仕事が残っているということは中央環境審議会でも言われておりまして、それはここでもやらなければいけないと思います。そのことと、先ほど資料6で提案された今後検討しなければならないテーマは、こんなことだろうという絞り込みとは、決して矛盾するものではないと思うわけです。ですから、大きな絞り込みの仕方としては、この資料6の3点で議論をしていくということで、私は異存がございません。
どれも矛盾するということはないだろうと思う。それぞれが独立に、なおかつ関係もあるのだと思いますが、例えばさっき申し上げましたけれども、経済的手法ということを考えた場合でも、そのことと、再生利用で有価で流通する仕組みというのは、十分両立し得るわけですね。ですから、これはこれで考えていけばいいと思います。ただ、経済的手法の話をするときには、私は岸本委員のご発言にかなり賛成なのですが、やはりまず使用されているフロンの管理制度をきちっとつくるということが、この問題に関しては重要であるならば、そちらのほうから議論するほうがいいかもしれません。それとの関連で、ではどの部分は経済的手法のどういう手法が効果的か、あるいはどのような前提での制度的整備ができたときには、これも導入できるんだというような形の整理をするのも一つの方法かもしれません。次までに、ぜひ事務局で考えてください。
○富永委員長 では、宿題ということで、宇都委員、どうぞ。
○宇都委員 フランチャイズチェーン協会の宇都でございます。
今回の検討事項についてということで、ユーザーの立場からご意見を申します。
1番目の意見は、まず、冷媒の使用時排出抑制について、個々の機器管理で対応する方向に向かってますが、ユーザーの立場からしますと、機器の管理よりもフロンの流れそのものに管理の重点を置いていただきたい。なぜかと申しますと、この機器を所有する一定規模以上ということで、多分、線を引かなきゃいけないと思うんですね。小さい機器を何億台、1億5,000万台と管理するよりも、フロンの流れの管理は、フロン製造者・取扱者・設備工事店・回収破壊者と絞って、管理できるはず、という要望を持っております。
2番目の意見は、機器の管理や、フロンの管理を行う場合、管理システム自体を安価、安いコストで維持できるようなシステムをつくっていただきたい。現状、ログブックの提案がありますが、手書きで各店舗に置いておくのは、非常に管理コストの高くつくと思われます。電子データ化、システム化を考えていただきたい
3番目の意見は管理者の責務を明確にしていただきたい。冷媒を管理するのに、冷媒漏えい点検の制度がありますが、それよりも冷媒管理の認定社、冷媒管理に必要な資格の設定をお願いしたい。また、外部委託や、それぞれの会社の従業員ができるような形で設定してほしい。ややこしい制度や難しい資格でなく、一般の方が講習を受けるだけでも認定をもらえるような形をのぞみます。
次に、フロンの再生利用ですが、こちらについては促進してもらったらリサイクルの面で非常にいいかなというふうに思っています。
さらに、代替物質への転換ということで、当社、ローソンとしましては、昨年、50店、CO2冷媒の冷蔵冷凍庫の実証実験を行いました。これは、CO2冷媒機器はでき上がっているが、施行方法が確立されていないため実証実験をやっています。ちなみに、昨年11月から50店やりました。やはり施行によるトラブルが20件まだ起きております。今年度は、2、3店の実証実験を行いますが、今後CO2冷媒機器、自然冷媒の機器を普及させていくとなれば、実証実験が必要になってまいりますので、その辺のところを今後考えていただけたらなというふうに思っております。
以上です。
○富永委員長 以上、ご要望ですね。
それでは、名尾委員、どうぞ。
○名尾委員 ありがとうございます。
資料5のご報告内容をどうも十分理解できていないので、こういうご質問をするんですが、低位・中位・高位のその選択肢をつくって、その見通しを立てて、この最後に付表のような見通しをおつくりになったというのは、もうこれはでき上がったものなんでしょうか、それともこの数字自身について今後この会議体で議論することができるんでしょうか。
なぜそういうことをご質問するかといいますと、カーエアコンについて、3ページ目の一番上のところに記述がございますけれども、確かな有力な代替ガスが開発をされておりますが、これは、日本で導入していただくためには、これまでもずっと申し上げておりますけれども、2つの問題をクリアしていただかなければならないわけでありまして、1つは高圧ガス保安法の規制緩和、それからもう一つは、供給者が、今、デュポンとハネウェルのジョイントベンチャーが1社だけ供給するということになっておりまして、その安定供給の確保ということがまだできておりません。現に、ヨーロッパも、それを理由に、今年の12月末までに施行を延期しております。ですから、そういう他律的な要因があるときに、この低位・高位という2つのケースがどういう考え方でつくられて、どういう数字がつくられたのかというのが、どうもよくわからないんでご質問しているんですけれども。
○室石地球温暖化対策課長 すみません、ちょっと私の説明が、足らないところが大分あったかと思います。申し訳ありません。
現在のその中環審の地球環境部会においての議論におきましては、ちょっと繰り返しになりますけれども、国民に、春ごろ選択肢を提示して、夏ごろにその選択肢を国民的議論の上で決定するというプロセスが控えているという中で、その選択肢を提示しようと。その選択肢というのは一体そもそも何かというと、これは、例えば2030年なら2030年に向けて、どういった対策をとっていくかということですので、例えば、今、今年であるとか来年であるとか、必ず来年やらなければいけないという対策を具体的に列挙したというわけではなくて、もう少し中期的な物の見方をして考えているということでありますし、その観点としては、温暖化対策というものの観点で考えているということでございます。
低位・中位・高位という定義は、その2ページの一番上に書いてあるとおりではございますけれども、私ども、その低位ケースで、先ほど委員がご指摘のように、例えばカーエアコンにいろいろ問題があるということ、あるいはその供給する方が1社だけしかないし、今この時点でその実現可能性というのは確実に100%あるわけではないのにねと、そういうご指摘だったかと思うんですが、繰り返しになりますけれども、これは、今年必ずこれを例えば、この低位ケースを実現しなければいけないというのではなくて、2030年なら30年、20年に向けてやっていくという対策の中で、選択肢として示されたものということでありますので、これを現実に実現していくという話になったときに、それが具体策をどうしていくかということは、まさにこの合同小委員会のほうでご議論いただかねばならないことでございますし、それが例えば2030年に向けてもやはりとてもできそうもないよということであれば、そういうご意見を承ったということで、まだ選択肢の原案のほうについては完成しておりませんので、そこについては、この合同小委でそういうご意見も出たということは認識して、その選択肢の議論がされているところにもきちっと伝えたいというふうに考えております。そういった位置関係でございます。
○名尾委員 わかりました。
○富永委員長 飛原委員、どうぞ。
○飛原委員 今日の議論をいろいろお聞きして、感想を述べさせていただきたいと思います。
昨年から、日本のエネルギー・環境状況がいろいろ変わっている中で、HFCを初めとする冷凍空調機器冷媒は、今後どうしていかなければならないかということについて、最近は変化しているのではないかと思っています。というのは、今回の議論というのは、かなり理想を追った議論でして、非常に強い規制をしていくというか、削減をしていこうということだと思いますが、そうすれば社会コストが、非常に大きいということが今回よくわかったと思います。数百億円の社会的負担をしてでも、HFCを削減していくのかだと思います。回収の促進、機器の管理あるいは経済的手法をとっても、非常に大きな社会コストを支払わなければならないという説明があり、本当にそれだけ必要なのかなと、私自身、疑問に思っています。実質的対応を考えると、やはり社会的コストはできるだけ小さくしたほうがいいと思っています。一部の国では、市中ストックはほとんど考えないような国もあるわけですので、余り市中ストックのことばかり考えて強い規制強化をしていくというのは、考え直したほうがいいんではないかという気がしています。
では、具体的にどうするかということですけれども、例えばR32のようなGWPが600から700ぐらいの冷媒をもっと積極的に推進していくというのも、全体としてのGWPを下げていくということについて言うと非常に有効なわけであります。最終的な理想論には勝てないのですが、そうすることで、実質的な温室効果ガスの削減を目指すというのも、一つの選択肢としてあり得るのではないかという気がします。これ自体は、さほど大きな社会コストを必要としないわけです。しかし,それを実施するにはさまざまな規制緩和が必要です。R32は微燃性ですので、微燃性に関する規制緩和が必要です。CO2の冷媒は高圧冷媒なので規制緩和が必要です。今、名尾委員がおっしゃったカーエアコンの冷媒についても、規制緩和が必要です。そういう規制緩和をすることによって、実質的な社会コストを下げて、低GWP冷媒あるいはGWPが現状より低い冷媒を早期に市中に投入できるようにするほうが、社会的にはいいのではないかと思っております。
以上です。
○富永委員長 千田さん、お願いします。
○千田代理 東京都の千田でございます。
今後の検討事項につきまして、東京都から2点ほど意見表明をさせていただきます。
1点目が、資料6のⅠにございます使用時の排出抑制、2つ目が、廃棄時の回収率向上でございます。
昨年の合同会議の資料では、使用時の排出抑制に関しましては、世界最高水準の冷媒管理体制を構築するということで、行政においてその機器の所在把握をすると記載がありました。
東京都といたしましては、昨年度フロン対策に関して検討を進めてきたところですが、先ほど経産省様から行政サイドの費用対効果を考慮という意見がありましたが、市中の稼働台数を考えると、行政コストは莫大になり、そしてユーザー側も、機器ごとに書類を作成することになれば、非常に負担が増えるのではないかと思います。
今後、検討事項について深く議論する際に、改めて東京都から意見表明させていただきたいのですが、既存の回収事業者の協力を得ながら、使用時の漏えいを発見、点検できないかと考えています。
2点目の廃棄時の回収率の向上に関しては、依然として回収率が3割程度でとどまっているという現状ですので、資料6に記載されているように、フロン類破壊業者への引き渡し時にも拡大ということも重要とは思っておりますが、行程管理票を使う、入り口を広げる努力をすべきではないかと考えています。
その一つとして、資料3の課題③のところに「特定解体工事元請の業者の確認及び説明の確実な実施」という点で、つまりは建物解体時での廃棄の徹底ですが、こちらにおきましては、前回の法改正で事前確認書の導入がなされたところです。しかし、委託確認書などと比較をすると、事前確認書に関しては、現状、保管義務がなく、特定解体工事の元請業者の説明義務に関する担保措置も、指導、助言に留まっています。委託確認書や引き取り証明書と同様に、保管義務を設けるとともに、立ち入りの権限ですとか、勧告・命令などの担保措置の強化も必要ではないかと思います。
以上でございます。
○富永委員長 ありがとうございました。
それでは、松野委員。
○松野委員 私は、フロン問題をフロンの関係者の間で削減していくということについては、フロン税というのは、結構いい案だなというふうには思ってはおるんですけれども、余りそれが本当の本意であるというわけではありません。というのは、温暖化問題というのは、全体で、日本全体で減らしていくということがございますので、そうした場合に、フロンを回収・破壊するのを全体で、全部、回収・破壊するのに800億円という推計値が今日出ていましたけれども、恐らく何割か、もっと少ない、多目な推計であって、もうちょっと少なくいけると思うんですね。これは、ほかの分野における温室効果ガス削減に係る費用、CO2トン当たり幾らかかるかというのを考えたときに、ずっと安いものであるということが言えると思います。ですので、必ずしもフロン関係者の間だけでお金を集めて、それをやらなければいけないということにこだわる必要はなくて、だけれども日本全体、日本経済に負担をかけない形でやるのにはどうしたらいいかといったら、フロンは徹底的に減らすということを何らかの方法でやっていく必要があると思います。
それで、ちょっと続けさせていただくと、今日、資料がありますけれども、フロンというのは、平均して1キロでCO2が2トンぐらいになるということですけれども、それの値段というのが2,000円ぐらいだということですから、CO2を2トン出さないために、つまりフロンを使わないことにユーザー等がかけられるコストというのは最大2,000円だということになります。
一方、ガソリンなんかを考えますと、CO2を2トン出すために、ガソリンは恐らく1キロリットルぐらい買わなければいけないですから、それは15万円ぐらいかかることになります。ガソリンだったら15万円ぐらいかけても、CO2を2トン減らすということが、ユーザーにとってペイする可能性がある対策だけれども、一方では2,000円ぐらいしかかけることができないということで、今までずっとすごく安いところで、余りほかの分野であれば、とても魅力的な、こんなに安くCO2が減らせるのかというような、GHGが減らせるのかというような機会が、たくさんある分野がフロンの分野であると思いますので、特に積極的に何らかの方策で、経産省と環境省が、手をとり合って、積極的に減らしていくべきだというふうに考えます。
○富永委員長 西薗委員、どうぞ。
○西薗委員 今、松野委員のほうから提案がありましたけれども、もともとフロンというのが、非常に温室効果、もちろんオゾン層の件ももともとありますけれども、環境負荷が高いということを考えれば、しかるべきここにお金が投入されるというんでしょうか、これは、税という形がいいのか、あるいは何なのかわかりませんが、やはりきちんとした対策をしていくということが基本にあると思うんですね。
その場合に、今、松野委員のほうからもご提案がありましたけれども、例えば使用時排出の件を考えましても、確かに管理制度をつくるということは一つの理想ですけれども、その行政コスト、それから時間の点を考えても、すぐ明日から効果が上がるという形にはなかなかならないだろうと。その場合に、例えば今日、途中の議論の中でも浅野先生のほうからご指摘がありましたが、税のようなものは、その追跡をあきらめたときに、フロン税のようなものをというようなお話、ああ、なるほどなと思いながら聞いておりましたけれども、将来的に理想的な管理制度を目指すとしても、やはり即効的な方法としては、何らかの経済的な手法あるいは簡単に言えば税のようなものでしょうか、それで何らのか環境負荷に対する負担をとることにして、その中でそれをまた財源として、何らかの対策を考えるというような、特にその場合には冷媒代替、その方向になるべくシフトするような方策を考えていくというのが、最終的には一番効果が上がるんではないかというふうに私は思っております。
その中で、1つ、CO2等の比較の話が、これも松野先生のほうから今ご提案がありましたけれども、経済的手法の中でも、検討する中で話は出てきたんですが、いわゆるクレジット、これをCO2との、CO2オフセットの中でこのフロンを導入していくと、当然のことながら、対策費用としては、フロンのほうが、安く上がる場合が多いんですけれども、一番の問題点としては、結局、回収そのものは法令で義務づけられておりますので、回収の部分で追加性を考えるといっても、なかなか理論的な整合性の問題は多分あるだろうと思いますが、漏えい等までを含めて考えれば、デフォルトに対してどのくらい漏えいを防げたかということでクレジット認定ができれば、これは、対策費用としてはかなり有利になる可能性はありますので、今回の具体的な議論の提案の中にはありませんでしたけれども、そういうCO2との比較の中でのクレジット制度等の導入についても十分考えられますし、そのフロンというもののやはりGWPの大きさを考えれば、そのあたりの手法は十分検討に値するだろうというふうに思っております。
○富永委員長 永里委員、どうぞ。
○永里委員 続けざまに同じような話になって恐縮なんですが、中央環境審議会地球環境部会で私が言っているのは、日本の温室効果ガス削減技術が世界で採用され削減に貢献したら、応分の日本のCO2削減分としてみなすというようなことを言っているわけです。そういうことで考えますと、先ほどの、飛原委員、松野委員、それから西薗委員、みんな同じような考え方で言っていらっしゃるわけなんです。私から見たら同じ考えになるんです。すなわち、社会的コストもしくは国民生活に与える影響を最小にして、最大の効果を出すというようなことが重要だろうと思います。だから、フロンだけで考えたときにはこうなると、しかしフロンと別の、フロン以外のことを考えたら、むしろフロンのほうでやったほうがいいとなったら、フロンのほうをむしろ強化してやるべきだと。
そういう点で、この資料5と6というのはよくできておりまして、私は、これは、今の時点では、こう書かざるを得ないというふうに思っているんですけれども、この5と6を達0成する、実現するためには、世界的に温暖化ガスをどうしたら削減できるかという視野で、日本の技術を使っていくようなことで考え、その日本の技術の中で、フロンについては、どうあったほうが、すなわちフロンのほうにお金をかけたほうがいいのか、税金とか課金とか、もしくはフロン以外のほうでやったほうがいいかと、そういう見地で検討してほしいと。すなわち中央環境審議会の親委員会のほうの考えで、国民生活に与える影響を十分考慮して検討してほしいと、こう思います。
以上です。
○富永委員長 ありがとうございました。
浦野委員、どうぞ。
○浦野委員 先ほど地球部会との関連を検討ということで、ここでいろいろ出てきたわけですが、私は、実は、地球環境部会は、ほかの分野すべて民生とか、その他全部を含めて、しかもそれをエイ、ヤアとまとめて、原発どうするかということも非常にシンプルに選ばざるを得なくて、選択をしています。ところが、ここは3ガス分野についてのみ議論するわけですから、もう少しきめ細かく実際的なことを考えなければいけない。
そのときに、低位・中位・高位というふうに、ばっと分けるのではなくて、やはりタイムスケールもあるわけですね。2020年というと、もうあと7、8年しかないですから、短期に近いわけですね。2030年というと、まだしばらくありますので中期に近い。だから、本来、2050年に温室効果ガス80%削減しなければいけないというのは先進国で合意されているわけですから、そういうところに向けた長期的なものも考えなければいけない。その時間スケールをちゃんと入れ込みながら考えなきゃいけないし、そういう意味では、今のまま、低位のままでやるということはないとすると、2020年は中位であるけれども、2030年は高位ぐらいねらえるというのがむしろ自然なわけです。しかし、中環審の地球部会のほうは、そういう時間変化ごとに、ケースを選ぶことができないわけですけれども、こちらは、その辺もちゃんと詰めることと、それから、例えば冷媒分野は、高位の対策が2020年にできるのか30年にできるのか、その先かというようなことも含めて考える必要がある。また、冷媒分野の中でも、大型の場合と小型の場合ということで違うでしょうし、その他の分野でも、例えばエアゾールみたいな話とSF6のような話は全然違うわけですので、それぞれ個別にどこまでできるのかということを今後詰めていって、選んでいかなきゃいけないと思っています。
私個人としては、いろいろな情報を聞いてみますと、やはり代替化というのは思いのほか早く進むかもしれないと思っています。そうすると、代替化の推進とか、漠然と書いてありますけれども、2030年ごろにはかなり代替化が進んでしまう可能性がある。その辺もう少し具体的に詰めてみる必要がある。
そうした場合に、今度、資料6を見たときに、1、2、3という対策が書いてあるわけですけれども、1は、どちらかというと短期に取り組まなければいけない、中期的にも効果がそのうち出てくるというものですし、2の再生利用のほうも短期から始まって中期ぐらいになる。3が代替への転換ですか、どっちかというと中期から長期にかかるわけですけれども、逆に言うと、3の代替化が進むと、1や2というのはそれほど重要ではなくなるんですね、先ほどの1、2に、特に1に対する行政コストとか、事業者というかユーザー負担、その他社会的負担を考えると、実は3に行ってしまうのが一番むしろコスト的に安いかもしれない。代替物とか代替物を使った機器は、高くなる、高くなるという話があるんですが、実は、CFCをHCFCとかHFCに代替するときも、材料はすごく高くなって、とても採算が合わない、合わないというのがメーカーなどの主張だったわけですが、実際やってみるとそうはならなかったということもあります。今、代替物質もいろいろな提案がされてきていますので、2030年にはかなり代替化されると考えられる。2030年を考えるときと、2020年ぐらい、あるいは当面を考えたとき、対策がまぜこぜに書かれているような気がします。、環境省の報告やまとめでもそうですが、やはり代替化が抜本的対策で一番優先すべきことだというふうに私は思いますので、それをどういうふうにして、それができないときにほかのことをどうするかという考え方で、議論を進めていったほうが、先ほどの社会コストも含めて、より効果的なんではないかというふうに思います。
○富永委員長 出野委員、どうぞ。
○出野委員 解体業会の出野と申します。
1点だけお願いをしておきたいと思いますけれども、先ほど回収率が30%、非常に低いと。その主な原因は、建設、特に解体業者に責任があるんじゃなかろかと、こういうお話がありましたけれども、以前からそういう話が出ております。それに関連をして、業者の教育、啓発をしなければいかんとか、あるいは規制強化をするとか、その中の一環として経済的手法を持ち込もうと、そこから話が始まったように私は記憶しております。この30%を何とか上げると、その一番いい方法といいますか、一つの方法として経済的手法があると、これを有効に活用しましょうと、こういう話から始まったと思いますけれども、そのときに、一番最初の議論で、庶民的な発想で申し訳ないんですけれども、先生方のおっしゃることと全く同じなんですけれども、なるべくコストをかけないこと、管理制度をつくるとか、そういうことにお金をかけるんだったら、フロンがトン2,000円ぐらいしかしないんだったら、例えばフロンをトン2万円ぐらいに上げて、価値を上げて、みだりに放出をさせないような、そういう仕組みをつくったほうがよっぽど効果的であると、こういう議論をしたと思うんですけれども、そういう原点に返って、ぜひ経済負担をかけないように、国民にも、業者にも、市場原理に任せて、うまくいくような、そういう仕組みをぜひお考えいただきたいというふうにひとつお願いしておきたいと思います。
以上でございます。
○富永委員長 では、浅岡委員、どうぞ。
○浅岡委員 浦野先生がおっしゃられたこと、私も感じています。作業として、本当に朝の議論から見ますと、一つ一つ流れが目に浮かぶ形で詰めながらやれるというのが、この分野の特徴で、かつそれなりの何か排出削減量を稼ぐことができて、やはりここでしっかりやらないと大変だなというのが今朝の話でもあったと思いますので、そうしたこの計算結果をここに書いてくださっているんですけれども、その内訳のようなことも一つずつ点検しながらやるという作業が実務的にやれるといいなと思います。
そういう作業をするときに、時間枠というのはやはりすごく重要なことだなと思いました。特に、その冷媒を中心にとおっしゃられる話は、もう前からそういうことでお聞きしていまして、この小さいところから大きなところまであるということはありますが、このたくさんの冷媒の使った機器、冷凍関係の機器があるといいましても、大手の一定の大手の事業者で把握の管理下にあるもののウエートがどれくらいだ、かなりの部分は、大型のものとか、本当にばらけているんではなくて、そこそこ、大型のチェーン店といいましょうか、そちらにあるのではないか。この小口の事業者には、小型の数があっても、容量としては小さいんじゃないかと思ったりいたしまして、そのばらつきの実情なども見ながら、コストをかけないでやれる方策というものも見えてくるかなと思ったりいたします。ちょっと実情がよくわからないんですけれども、通常そういう偏在しているのではないかなという想像です。
それから、もう一つ、浦野先生がおっしゃられたように、本当に代替品ができてくるというのは、もう世界的なこういう脱フロンへの流れというのははっきりしているわけでありますし、やはり早いのではないかと私も直観的に思うんですね。今、再生可能エネルギーでも、太陽光のようなところでも、もうクロスオーバーしたと、ヨーロッパはみんなそう思っているわけですよね。まさかというぐらい早かったと。日本が、国内で遅れているから、その感覚がちょっと遅いところもあります。そうすると、その代替していくときというのは、これも一遍にではなくて物によってだと思うんですけれども、代替時にかわりのノンフロンガスを入れるときに、前のものをどう回収するのかというのは、また全然別のところで、フロンにだけ課金していてもできないんですよね。だから、そうすると、代替品をどう管理していくのかということもあわせて頭に置きながら考えておかないと、建物の解体時だけではなくて、そうしたときに抜けてしまうかもしれないと思ったりいたしました。
いずれにしても、この部分は、しっかり対策をとって、地球規模であれ、国内規模であれ、事業者にとってもそれがメリットになるような方策というのを工夫し得るところではないかと思いますので、やっていただきたいと思います。
○富永委員長 ありがとうございました。
一通りこれで、ご意見、ご要望は承ったんですけれども、はい、どうぞ。
○浅野委員 最後のほうでのご発言が、どうしても印象が強く残るので、やはり一言、言わなくてはならないと思うのですが、この検討は、地球環境部会でやっている大きな検討という枠組みの問題と、もう一つは、そのフロン回収・破壊法の5年の見直しということと両方を含めた検討ですから、方向性として、全体はこうだという議論と、それから、しかし、にも関わらず現在の法律で十分でない部分をどうするかという点の議論の、両方をやらなければいけません。代替のほうだけやれば、もうこの委員会は終わりというのではないということは、もう一遍、確認しておかなければいけないと思います。
○富永委員長 ありがとうございました。
○浦野委員 今、浅野先生がおっしゃったとおりだというふうに私も思っておりますけれども、3ガス対策として、中位・高位・低位の考え方もそこら辺を少し仕分けして議論しなきゃいけないと思います。ただ先ほど議論で、この資料6の代替のところに、「政府としてフロン類の排出量を大幅に削減するとの意思決定が行われる場合には」という、これが前提条件になって、そのときは代替を強化しなきゃいけないみたいに書いてあるんですが、これは少なくともやめてほしい。政府の決定とは別の話であって、やはり2030年にそれなりの削減、あるいは2050年に大幅な削減をするとしたときに、この委員会ではどうするのがよいかをいろいろ検討するのであって、誰かが決定したらやりますよという、それがないとやりませんよみたいにとられる文章は、少なくともやめてほしいということを追加的に申し上げます。
○浅野委員 その点についてはそうかもしれないと思います。代替について産構審はかなり議論をしてきて、当面のある時間幅の中で言うと、これはできる、これはできない、難しいだろうという検討はさんざんやってきているんですね。その時間軸がちょっとこの中で若干混乱をしているかもしれませんから、これは、当面、直ちに加速するかどうかということになると、産構審のこれからの議論では、いろいろ問題点がまだあるねという議論があった。その流れで出ている言葉なんです。だから、長期的に、さっきの高位・中位・低位という、その話とこの文章とではまだちょっと整合性がない面がある、それは浦野さんの言われるとおりだと思います。
○富永委員長 ご協力いただいたお陰で時間がまだ少しございますので、言い残したというご意見があれば、お一方、お二方ぐらい。
はい、どうぞ。
○永里委員 先ほどから議論があるとおり、この小委員会で議論されていることで、地球温暖化対策に、社会的コストも含めて、すごく効果があるというようなことを示してほしい、もしくはこれをやったらかえってえらい高いものになるということだったら、それはまた全然違う方向に行くんだという、そういう議論もあっていいんではないかと思います。
以上です。
○富永委員長 はい、どうぞ。
○浦野委員 度々発言で恐縮なんですが、ここでフロン類の排出量という言葉が度々出てくるんですけれども、これはあくまでもCO2換算された排出量の意味が主に使われていると思うんですね。ですから、その辺は気をつけないと、代替化したとき、当然、GWPは全然変わっていないわけなので、3ガス等の排出量とか排出削減という話とCO2換算の排出量というのが混乱するので、この用語をきちっと使い分けて、CO2換算の排出量のときはCO2換算排出量、それからフロン類の排出量を区別する。それからフロン類という場合、3ガス以外の代替物でもフッ素化合物は結構あって、それはフロン類として入れるのか入れないのかという議論もありますので、ここで言うフロン類はこういうものであると明確にする必要がある。それに比べてGWPが非常に小さいものは、フロン類と言わないとか別にきちっと用語を決めるかしないとおもいます。今後の議論で混乱すると思いますので、フロン類の定義と、それからCO2換算したのかしないのかということを明確に区別した議論あるいは用語の使い方をしていただきたい。
○富永委員長 用語のきちんとした定義が必要だということですね。
それでは、まだご意見はあろうかと思いますが、そろそろ予定した時間でもありますので、さらに追加のご意見がある場合には、事務局のほうに書面などでちょうだいできればというふうに思います。
それで、今回は、前回から10カ月ぐらいというかなり長い期間を置きましたが、今後は、多分、最初のご説明でありましたけれども、今後はもっとしばしばこういう合同会議を持たれることであろうと思われます。今回は、非常に基本的な問題から具体的な問題まで、考え方について、あるいは具体的な点についても非常にいろいろなご意見をちょうだいしましたので、これらは事務局のほうでひとつよく検討していただいて、次回の合同会議までにそういったことを盛り込んで、とりまとめていただきたいと思います。
当面の法改正の方向性といったようなこともあります。それから、経済的な手法の問題とか、いろいろな手法のタイムスケールの問題もありますし、いろいろと整理が必要ですけれども、今日は、フリーディスカッションのような形で,皆様のご意見を承っておりますので、これは、事務局のほうにまとめはお願いするということにしたいと思います。
一応これで予定した本日の議事は以上ですけれども、事務局のほうから、本日のディスカッションについて、もし何かご発言があれば、これまでご意見の全部について特に一つ一つ事務局のほうから対応していただいていませんでしたので、もしあればまとめてお願いします。
○室石地球温暖化対策課長 それでは、事務局からは、事務的なご連絡事項を申し上げたいと思います。本日は、貴重なご意見、ご議論いただきまして大変ありがとうございました。
次回の日程はまだちょっと未定でございますが、近く事務局から改めて開催の日程調整、ご案内をまたさせていただきたいというふうに思います。
また、本日の議事録につきましては、事務局で取りまとめを行いまして、委員の皆様にご確認いただきました後に、ホームページで掲載をさせていただく予定でございます。よろしくお願い申し上げます。
○富永委員長 それでは、本日は、長時間にわたって大変有益なご意見をちょうだいして、ありがとうございました。
これをもちまして、本日の第2回合同会議は終了させていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。
午後5時25分 閉会