国内排出量取引制度小委員会(第11回)議事録

日時

平成22年8月31日(火)15:00~17:05

場所

砂防会館 別館1階 淀・信濃

議事次第

  1. 1 開会
  2. 2 議題
    1. (1)制度オプション案について
    2. (2)その他
  3. 3 閉会

配付資料

資料1 キャップ・アンド・トレード方式による国内排出量取引制度 制度オプションについて
参考資料1 キャップ・アンド・トレード方式による国内排出量取引制度について
~制度設計における論点の整理~
参考資料2 中央環境審議会地球環境部会(第90回)(8月3日開催)における主な指摘事項

午後3時00分 開会

○上田市場メカニズム室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会国内排出量取引制度小委員会の第11回会合を開催いたします。
 本委員会では6月から7月にかけて個別論点の整理を行ってまいりましたが、本日より制度オプションについての議論をお願いしたいと考えております。
 本日は、委員総数14名中過半数の委員にご出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことをご報告します。
 なお、笹之内委員はご欠席で、説明員として、トヨタ自動車環境部環境室長・担当部長の岡山様に参加いただいております。
 また、8月に環境省で人事異動がございましたのでご紹介申し上げます。
 地球環境審議官の南川でございます。
 大臣官房担当審議官の清水は、遅れて来ることになっております。失礼いたしました。
 地球環境局の担当審議官の梶原でございます。
 私、市場メカニズム室長の上田でございます。以後よろしくお願い申し上げます。
 本日の審議は公開とさせていただきます。
 以降の議事進行は植田委員長にお願いいたします。

○植田委員長 それでは、始めさせていただきます。
 まず、事務局のほうから配付資料の確認をお願いいたします。

○上田市場メカニズム室長 お手元の資料をご覧ください。
 本日、配付資料は、資料1といたしましてご議論いただきますキャップ・アンド・トレード方式による国内排出量取引制度、制度オプションについてというものが1点と、あと参考資料として2点つけさせていただいております。
 これに加えて、委員の皆様限りではございますが、大野委員から7月に開催された大都市環境保全主管局長会議における国への提案書、また影山委員から今回の資料1についての書面コメント、これをいただいておりますので、委員限りとして席上配付させていただいております。
 以上でございます。

○植田委員長 よろしいでしょうか。
 それでは、議事に入ります。
 本日は、制度オプションに関する議論ということで、その1回目ということになりますが、資料1のたたき台についてご議論をいただきたいと考えております。議論は前半と後半に分けさせていただきたいと思っておりまして、事務局に資料の説明をお願いした後、前半は、特に2ページにございますが、全体の構成の考え方についてということで少しご議論をまとめてお願いしたいと思います。後半は個別具体の記述内容についてご議論いただくと、このようにさせていただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、まず事務局から資料の説明をお願いいたします。

○上田市場メカニズム室長 それでは、お手元の資料1に基づきまして説明をさせていただきます。
 1ページおめくりいただきまして、まず、制度オプションの提示についてということで趣旨を書かせていただいております。
 まず、最初のところで、本小委員会では、これまでヒアリング等を踏まえ、キャップ・アンド・トレード方式による国内排出量取引制度の設計上の論点について個別に審議してきたということ、経緯を書いております。
 また、その整理に際しては、国内外の先行事例等も踏まえ、考えられる選択肢を提示し、その特徴、検討の視点、留意点等を明らかにしつつ、あるべき方向性について検討を進めてきたところでございます。
 こうした議論を踏まえた結果、さまざまな意見があったが、論点によっては一定の方向に意見の集約が可能であると考えられるもの、また、依然意見が分かれるものなどがあり、今後、後者については一定の方向を見出すこと、前者についてはさらに深掘りした検討を進めることが必要であるというふうな認識に至っております。
 このため、これまでの議論を整理・集約していくとの観点から、大きく意見の分かれる部分を制度のオプションとした上で制度の全体像を具体的に整理することとし、まずは、以下のとおり提示した制度のオプションのたたき台に対し、その整理の方法や検討課題の割り振りが妥当か否か、これが先ほど委員長が言われた1回目のご議論でございます。その次に、各記述の内容が妥当か否か、これが2回目の議論になりますが、ご議論いただければと考えているところでございます。
 2ページをご覧ください。
 2ページは、制度のオプション、たたき台のイメージでございます。こちらは、たたき台と銘打っておりますが、あくまでも事務局でこれまでの議論を踏まえてこういう形で考えられないかということの提案でございまして、本日、皆様から活発なご意見をいただいて、適宜資料の中に反映していきたいと考えているものでございます。
 四角の中に書いてある文言は先ほどの提示についてのエッセンスでございます。具体的にはその下に<1>と<2>で大きく2つに分けたところが、先ほどの前者、後者というところで、<1>が一定の方向に意見の集約が可能と考えられる事項、<2>が意見が分かれる事項、<2>のところをオプションという形で再度整理したものが、その横にA、B、Cと書いてあります。
 <1>の中はさらに2つに分けております。1については概ね共通認識が得られると考えられる事項であります。2については今後の具体的な議論により制度に反映が可能な事項ということで、2についてはもう少し具体的な議論をした上でないとなかなかその議論についての集約は難しいかもしれませんが、その議論の進むべき方向性、作業の方向性について一致ができるかということで提案をさせていただいているところでございます。
 <2>番については、そこに書いてある3点、大きくは2点ですが、3つの論点、電力の扱いを間接の排出とするのか直接の排出とするのか、また排出枠の設定方法について有償なのか無償なのか、総量なのか原単位なのか、これらの論点をA、B、Cという形で分けて書いてあります。
 Aについては、できる限り原理原則に忠実に、環境への配慮というのを最大限考えるものを組み合わせたらこうなるんではないかというのがAでございます。電力は直接で、総量方式で、かつオークションと、有償割当にしたいと。
 また、それとは反対に、事業活動への配慮、こういった点を重視しまして組み合わせたものというのがCでございます。電力は間接で、なおかつ総量方式でなくて原単位方式と。
 Bというのはそれぞれの中間といったようなものでございます。
 これらについてこういったA、B、Cの組み立て方、Aの中身、Bの中身、Cの中身、それについてもそれぞれ意見があろうかと思いますので、お伺いできればと考えているところでございます。
 3ページをご覧ください。
 3ページについては、これは再掲でございますが、制度設計に対しての基本的考え方と。今回、オプションという形で整理をさせていただきましたが、その議論の参考としてこういった基本的考え方に照らしてそれぞれ議論を進めていくべきであろうということでございます。具体的には、先ほどのA、B、Cというオプション、これらについて先々今度はどういったところがいいところで、どういったところが課題なのかといった評価もしなければいけない、そういったときの物差しになるものと考えますし、また4ページに書いてありますたたき台の導入意義といったものを議論する際にも、こういった基本的考え方に照らして議論を進めていくことになろうかと考えております。
 4ページからが具体的なたたき台の案でございます。最初に2ページでお示しした構成に従って項目ごとに整理をしております。
 <1>の1の概ね共通認識が得られると考えられる事項、これにつきましては最初に導入意義というものの記述を載せております。これにつきましては、これまで論点整理等で提示をさせていただきました導入意義の文章を基本的にはそのまま掲載しておりますが、今まであまり十分な議論ができなかったところもあるかもしれませんが、今回こういう形で整理をする中で皆さんに再度十分にご議論いただければと思っているところでございます。
 [1]、文章[2]、[3]というところは、基本的に我が国の置かれている状況にかんがみて、温室効果ガスの排出を確実かつ効率的に削減する仕組みが必要であると、そのためには、それを確認するためには、透明かつ公平なルールで各事業所の排出削減を促して、削減を担保する仕組みが必要であるということを記述して、[4]のところで今回のキャップ・アンド・トレードという仕組みが必要ではないかということで提言をさせていただいて、整理をさせていただいているところでございます。
 [5]は、その際の留意事項ということで、リーケージ、マネーゲームの防止等について記述をしているところでございます。
 5ページをご覧ください。
 5ページは対象期間でございます。対象期間につきましては、2つの三角で書いてありますけれども、早期の制度開始が望ましいという観点から、当面、2013年から2020年、これを2期間に分けて実施してはどうかと考えております。
 また、低炭素社会構築を実現すると、そういうシグナルを社会に発信するという観点から、2050年に至る経路(パス)も可能な限り設定してはどうかと考えております。
 今後の検討課題としては、長期的な排出経路の設定方法、このパスをどういう形で設定するかというのが課題になろうかと考えます。
 対象ガスにつきましては、排出量の約95%がCO2であるということにかんがみて、制度開始時点ではCO2を対象としてはどうかということでございます。
 その他の温室効果ガスについては、MRV等の観点から検討しつつ順次追加していくということにしてはどうかとしております。
 今後の検討課題としては、非エネルギー起源のCO2のうち、廃棄物起源のものを対象とする場合のモニタリングのフィージビリティー、廃棄物の燃料利用への影響についての評価、こういったものを課題として挙げております。
 次は、排出枠の総量でございます。
 こちらにつきましては、産業部門、業務部門、エネルギー転換部門を中心とする制度としてはどうかというのが提案でございます。
 また、その総量というものは、実施可能な対策技術を積み上げつつ真水分15%、20%、25%のケースについて行っている中長期ロードマップの検討を踏まえ設定し、進捗状況を点検するとしてはどうかと考えているところでございます。
 部門別の削減ポテンシャルなど定量的な検討・把握、これが今後の検討課題になろうかと思っています。
 6ページは、それらの参考データとして、現在、ロードマップ小委員会で議論されているデータを再掲させていただいております。
 7ページをご覧ください。
 排出枠の設定対象というところですが、大きく3つに分けまして、まず1つ目、[1]設定段階ですが、これにつきましては、CO2を排出する者に対して直接的に排出削減インセンティブが働く、また既存制度との親和性、それを考えて「川下事業者」を対象としてはどうかというのが提案でございます。
 適用単位、これにつきましてはいろいろご議論ございましたが、これまでの議論を踏まえて、企業を単位としてはどうかと考えております。
 ただ、排出量のモニタリング、報告、検証。これは基本的に事業所ごとに行うことが考えられる。また、その負担を考慮しなければいけない。そういったことも考えて、対象事業所の排出量について事業所単位で一定の裾切り水準を設けて対象とすることが妥当であろうと。実際にその企業の排出量というのは、その裾切り基準以上の事業所の排出量の合計としてみなすということとしてはどうかと考えております。また、その組織の内部統制が機能し、可能な場合には企業単位でMRVを行うと、こういったことも考えるのかというのは選択肢として考えております。
 事業所等の新設、閉鎖の扱い。これにつきましては、公平性の観点から新規参入者に対しても既存事業者と同様に排出枠を交付するといったことが必要かと考えております。
 また、閉鎖等の異動時の扱いについても検討が必要であると考えます。
 検討課題としては、事業所の定義(範囲)の明確化、裾切り値の検討、連鎖化事業者、特定輸送排出者等を対象とする場合の適用単位の設定方法等を検討課題として列挙しているところでございます。
 (6)は費用緩和措置でございます。
 バンキング・ボローイングですが、バンキングについては早期削減を促す効果が期待できることから認めると。
 ボローイングのほうは、逆に将来の不遵守リスクが高まることから、認めないことが妥当としてはどうかというのが提案でございます。ただし、排出枠の交付時期によっては、実質的に次年度からボローイングすることも可能といった事例も生じてくるかと考えております。
 外部クレジット、これにつきましては、国内の制度対象外における削減・吸収量に対して発行するオフセット・クレジットと、海外の京都メカニズム等の下で発行されるクレジットなどが想定されるわけですが、これらのうち、一定の信頼性が確保されたものについて利用を認めることとしてはどうかと考えております。ただし、無制限にこれを認めた場合、制度対象セクターや国内での削減が進まなくなるおそれがあることから、一定の量的制限を設けてはどうかと考える次第でございます。
 検討課題としては、その場合の量的上限の設定をいかにすべきか、また使用可能なクレジットの要件の設定等をいかにすべきか、これらが課題であろうと認識しております。
 国際リンク、これにつきましては、制度の調和性について慎重な検討を行いながら、将来的な課題として位置づけるということとしては当面どうかと考えております。
 最後に、戦略的リザーブ、これにつきましては、不測の事態に備えて政府があらかじめ一定量の排出枠を保持すると、そういった仕組みについて検討してはどうかと考えております。
 9ページをご覧ください。
 遵守期間・ルールにつきましては、遵守期間については、基本的には義務履行状況を毎年チェックするためにも単年度としてはどうかというのが提案でございます。
 不遵守の場合の適切な罰則等の措置も必要となろうかと考えております。
 検討課題はそこに書いてあるとおりでございます。
 次は(8)、排出量のモニタリング・算定・報告・公表・第三者検証でございますが、これについては、統一的なルールの下で行うことが必要であるということから、制度対象者とは独立した立場で算定結果を検証する第三者機関の存在が不可欠であること、またISO等を参考にしながら、ガイドラインの整備、検証機関の登録を進めることが必要であるといったことを考え方として挙げております。
 検討課題はそこに列挙しているとおりでございます。
 10ページは登録簿でございます。登録簿につきましては、現行の京都クレジットを管理する国別登録簿システム、これを参考として登録簿システムの整備が必要であろうと考えております。また、制度の効率的な運用のため、実績や義務の遵守状況、これを把握するための管理システム等もあわせて整備する必要があるというふうに考えております。
 (10)は適切な市場基盤ということでありますが、課題としては、先ほどの登録簿に関するもの、また取引の法的基盤に関するものに加えて、取引に関するルール、会計上・税務上のルール、流通インフラ等の整備、こういったものが課題であろうというふうに考えております。
 以上が、<1>の1に含まれるものでございます。
 11ページからは、<1>の2に関するものでございますが、今後、具体的な議論により制度に反映が可能な事項として数点挙げております。
 まず、排出枠の設定等に際しての配慮ということで、[1]は国際競争力や炭素リーケージの影響への配慮というものを挙げております。
 これにつきましては、2つ目の三角になりますけれども、制度設計の際には、国際競争力や炭素リーケージの影響に配慮する観点から、そこに書いてありますのは、炭素集約度、貿易集約度でございますが、以下のような基準を設定し、それに該当する業種・製品について排出枠の設定等において配慮を行うことが必要ではないかという提案をさせていただいております。
 検討課題としては、そこに書いてありますように、具体的な基準の設定、また実際に業種・製品、どのようなものが対象となるのかといったこと、その結果、どんな形で配慮するのか、これらがすべて検討課題になってこようかと考えております。
 2つ目ですが、これは国内外での排出削減に貢献する業種・製品への配慮ということで、LCAに関する議論として、これまでもこの小委員会で何度か議論をいただいた案件でございます。これらにつきましては、1つ目の三角の途中からになりますが、国内外で排出削減に貢献する業種・製品について、排出枠の設定等に当たり一定の考慮を行うという方針で作業してはどうかと考えております。
 ただ、その次の三角になりますが、制度対象者以外の削減量を制度対象者の削減としてカウントすることの整理、具体的な削減量の算定手法、削減効果の評価手法など技術的な課題、これを特定して解決策を検討していく必要があるという認識の下で、その次、検討課題ですが、対象製品の要件設定、削減量の算定方法、ルール化、具体的な配慮の方法、こういったものを検討していかなければならないと考えております。
 13ページをご覧ください。
 その他ということで、ポリシーミックスについて掲げさせていただいております。
 ポリシーミックスについては、中長期目標実現のため、主要3施策、その下に列記しておりますが、それを中心とした各施策の役割分担を明確化し、適切なポリシーミックスの下で対策を進めることは重要と、こういう認識の下で進めることとしたいとしておりますが、具体的には諸外国の例を見ると、実際に排出量取引と温暖化対策関連税制との調整を行っている例、これは非常に限定的であるということではありますが、各施策間の整合がとれるように排出量取引制度において配慮すべき事項、こういったものがどのようなものがあるか検討するということで作業を進めてはどうかと考えております。
 具体的な作業につきましては、検討課題に書いてありますが、他施策との役割分担との整理、施策全体の効果・影響の検証を行うということ、また施策間の整合がとれるよう、排出量取引制度においてそれらの検証結果を踏まえて配慮すべき事項はどのようなものがあるのか、こういったことの検討をするというような作業の進め方をしてはどうかと考えているところでございます。
 最後、14ページからは、意見が分かれる事項ということで大きく3点ございます。
 1つは、これは繰り返しになりますが、電力の扱いということで、直接排出でとらえるのか、間接排出でとらえるのか。また、排出枠の設定方法というところで、設定方法の組み合わせはいかにするか。無償割当、また有償割当、いずれなのかということ、さらに原単位方式というものを総量方式と比較してどのように扱うのか、これらの論点を整理する必要があるということでございます。
 それぞれの論点として挙げたものについての整理表、比較表につきましては15ページ、16ページ、17ページに列記しておりますが、これらについては過去の論点整理で使った資料を基本的にそのまま引用させていただいておりますので、この場での説明は割愛させていただきたいと思います。
 18ページをご覧ください。
 それらの論点をある一定の考え方に基づいてオプションという形で整理したものを3案提出させていただいております。
 オプションAは、電力の直接方式で総量方式かつ有償割当というものでございます。この電力の取扱いは、基本的にはカバー率、また事業者のインセンティブと考えて直接排出するという考え方で整理するということでございます。
 排出枠の設定方法、これにつきましては、効率性、公平性、透明性の観点から有償割当としてはどうかというところでございます。
 電気事業者以外の者のCO2排出、これにつきましては当該排出者が排出枠の設定対象になるということでございます。これに関しては、原則有償割当としつつ、当初は無償割当を認める考え方もあるという整理でございます。
 無償割当を認める場合においては、制度対象者に対して原単位の改善のみを義務づけた場合、生産量増加に伴う排出量の増加については何ら手当てがされず、総量削減が担保されないといった指摘も記述させていただいております。
 排出枠は遵守期間の期首に交付することになるのかという整理をしております。
 19ページをご覧ください。
 オプションのBでございます。こちらは先ほどとは異なり、電力間接の方式で、総量方式でありますが、無償割当、またそれに加えて、電力間接方式に加えて電力の原単位規制というものを付加するというものでございます。
 電力の扱いにつきましては、需要家側に直接的な排出削減インセンティブが働くと、また既存制度との親和性、これを考えて間接排出方式とするということであります。
 また、一定の基準値まで原単位を改善するよう電力事業者に対して義務づけを行うというのが追加された案でございます。電気事業者が当該義務を達成できなかった場合には、基準値と実績との差分のところに発電量を乗じて排出量分に相当するクレジットの調達をお願いすることになります。
 排出枠の設定方法、これにつきましては、総量削減というのを担保しつつも、当分の間は無償割当とすると、オークションは将来的な検討課題というふうに位置づけております。実際の無償割当の方法としては、ベンチマーク設定が可能な業種・製品についてはベンチマーク方式、それ以外についてはグランドファザリング方式を想定しております。
 また、排出枠については遵守期間の期首に交付することになろうと想定しています。
 最後のオプションCでございますが、こちら電力間接方式プラス原単位方式ということで、電力需要家側に直接的な排出削減インセンティブが働く、既存制度との親和性があるということで、ここの理由については先ほどのBと一緒ですが、間接排出方式とするということであります。
 枠の設定方法につきましては、原単位の改善のみを制度対象者に義務づけるということです。制度対象者に選択をゆだねるということも考え方としてはあるかもしれないというふうに提案しております。
 ただ、その場合、総量削減というものが担保できないといったところも、その制度の特徴として書かせていただいております。
 実際には、超過削減の交付というものは排出量確定後になりますので、事後精算という形になろうかと考えております。
 21ページには、これら3つについて、いずれの選択肢をとるにしても、議論として整理をしておかなければいけない今後の検討課題ということであります。ちょっと大部になりますし、この課題自体はこれまでの論点整理ができておりますので、この時点では説明は割愛したいと思います。
 以上、資料説明を終わらせていただきます。

○植田委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまご説明いただきましたが、先ほど申し上げましたように、前半といいますか、全体の構成の考え方を中心にまずご意見をお願いしたいと思います。いつものように、お手元のネームプレートを立てていただきましてお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 では、大野委員。お願いします。

○大野委員 ありがとうございます。
 全体の構想の考え方というか、全体にどこにも入っていないことについてちょっと意見を申し上げたいのですが、よろしいでしょうか。
 それは国と地方の関係ということについてですが、このテーマに関しましてはここの委員会でも大分いろいろな意見が出ました。それから、今までの検討事項にも入っていましたし、4月にパブリックコメントを募集したものの中に入っておりますが、どういうわけか今回のペーパーの中には国と地方の関係が一つも書いていないというのはどうしてなのかと、私、理解できないんですね。
 これは再三、私、申し上げましたけれども、既に日本国の中では東京都が実際にキャップ・アンド・トレードを開始しておりますし、埼玉県が来年から都とかなり似たフレームの制度を開始いたします。それから、キャップ・アンド・トレードではありませんけれども、ベースになるだろう温室効果ガスの報告書制度のようなものは全国33の自治体がやっているということであります。
 日本の環境行政というのは、今までのいろいろなものを振り返ってみても、地方自治体が先駆的に実施した制度がいろいろな検証を経て、全国制度になってきたという経緯がございます。
 そうした経緯から考えましても、このペーパーの中で国と地方の問題が触れられていないというのはいかにも奇異であるというふうに言わざるを得ないというふうに思っております。もちろん、どんなふうに国と地方で進められていくかということに関してはいろいろな意見があると思いますが、この点について全く触れられていないというのはおかしいだろうというふうに思います。
 さらに、実際に今までの取組の成果を考えると、国に先んじて取り組んできたような制度につきましては、何らかの共存するような方向が示されてもいいのではなかろうかと思っています。そのことは、一つには国と地方が積極的な役割を果たすという意味もありますし、もう一つは、国だけに権限が集中して、国の機関が肥大化しないという方向からいっても妥当な方向だろうと思っています。
 委員限りでご配付をしていただきましたけれども、7月に大都市環境主管局長会議というのがございました。これは東京以外にも19の政令指定都市ですね、東京、大阪、横浜等々、日本の代表的な政令指定都市の環境行政の責任者が集まる会議があるんですが、そこの一致した要望として4点の申し入れをしております。その中でも、国と地方が積極的な役割を果たす制度にすべきであるという意見を申し上げていますので、ぜひこの点についてご配慮願いたいと思います。
 今、国と地方という行政機関の問題だけを申し上げましたが、実はこれはそれにとどまりませんで、先行している東京や、あるいは埼玉の制度、これまでに既に削減に取り組んでいらっしゃる事業者の方がいらっしゃいます。こうした方たちが削減のクレジットを既に取得しているということもあります。国の制度が始まる場合に、こうした先駆的な取組をされている事業者の方の努力が正当に評価されることは、絶対に必要なことだろうと思っております。
 そうした意味も含めまして、国と地方の関係について、意見を踏まえた記述をしていただきたいということをまず申し上げたいと思います。

○植田委員長 ありがとうございました。
 影山委員、お願いできますか。

○影山委員 大野委員と意見の中身は全く違うのかもしれませんが、私もこの委員会に出させていただいていろいろな意見を言わせていただいております。さらに、紙まで出して意見を言っているわけでございますが、今回の取りまとめで、これまでの意見というのをほとんど考慮していただいていないという印象がございます。参加させていただいてはいるんですけれども、全く耳を傾けていただいていないという印象がありますので、それについては非常に遺憾に感じます。ぜひ今後の議論においては私の意見を最大限取り込んでいただけるようにお願いしたいと思います。
 その上で申し上げますと、この制度オプションのイメージというところで、一定の方向に意見の集約が可能と考えられる事項、概ね共通認識が得られると考えられる事項と書いてございますが、これについてはあまり深い議論に至っていない、実質的な議論がされていないという項目が数多くございます。例えば対象期間についてもあまり深く議論したということは記憶にございませんし、排出枠の総量についても同じ思いがあります。そういうものについて、概ね共通認識が得られると考えられる事項に整理するというのは、全く理解できないものでございまして、この区分について今後再整理をお願いしたいと思います。
 さらに、2番に今後の具体的な議論により制度に反映可能な事項の中で、国際競争力ですとか炭素リーケージへの配慮措置、あるいはライフサイクルでの評価、ポリシーミックスのあり方という事項がございますが、これらの事項は、今後の具体的議論により制度に反映が可能な事項ではなく、制度の前提となる、根幹となるような事項であると申し上げてきたと思います。
 ですから、こういったものを排出量取引に反映できなければ、排出量取引そのものを断念することも含めて検討しなければいけない事項だと思いますので、ここに書いてあるような今後の具体的な議論により制度に反映が可能な事項という意味合いではないと考えます。この点についてもぜひご配慮をお願いしたいと思います。
 意見の分かれる事項として書いておられるものも、これだけではないと思いますので、ここも再整理が必要と考えます。
 制度の共通認識が得られると考えられる事項の中に導入意義が書いてございますが、この導入意義についてひとこと言わせていただければ、キャップ・アンド・トレード、排出枠を設定し、総量削減を促す制度を創設するという記述がございます。これを導入意義として概ね共通認識が得られると考えられる事項に入れておられますが、これについては全く意見が異なるところでございますので、賛成できないと申し上げたいと思います。
 後ほど文章等についてはまた述べさせていただきます。
 以上でございます。

○植田委員長 ありがとうございました。
 そうしたら、岡山説明員、お願いできますか。

○岡山説明員(笹之内委員代理) ありがとうございます。
 今、影山委員からのお話がございました、かなり似た意見でございます。
 私のほうから1つ、制度設計に対しての基本的な考え方と、3ページに整理いただいておりますけれども、この点に関しましては影山委員からもペーパーが出ておりまして、私のほうからも、ここはやっぱり一番大切なところであって、ここの議論を尽くして、そういう共通の認識を持った上でそれぞれの制度の議論をすべきではなかろうかという意見を再三述べさせていただいたかと思います。ここは参考1ではなくて、今後の議論の指標となるべきところと、ここの議論をもっともっと尽くさなくちゃいけないと思います。
 そういう中で、ここの基本的な考え方について3点述べさせていただきます。
 1つは総量削減が達成できることと、もちろん非常に大事なことではございます。ただ、日本の温暖化政策を考えますと、それ以上に地球規模での温暖化対策に実効性があるかどうかと。言いかえますと、地球規模での排出削減ですとか炭素リーケージを起こさせないとか、日本の根幹でございます技術開発を普及したりとか技術開発を促進したり、少なくとも阻害しないとか、そういう観点を明確にすべきではないかと思います。
 2つ目がこの3にございます公平性の確保でございます。弊社も始め、日本の企業というのは海外で闘っております。それが日本の経済活動の大きなところを担っているというふうに自負しております。海外企業等を含めた公平性という観点が非常に重要じゃなかろうかと。この観点というのは、輸出にさらされている企業もそうですし、日本で技術開発をしていくんだと、日本の国力を落とさないんだということを考えますと、その基盤となります電力であるとかエネルギーとか、そういうものが本当にどれだけ影響が出てくるのであろうかという観点で公平性というのは議論されるべきではなかろうかというふうに思います。
 あとは3点目でございますけれども、先ほどの話にもございましたけれども、基本的な考え方のところに環境と経済の両立とかLCA的観点からの事業者の取組を促進するとか、そのような非常に大事な点をやはりここで明確にして、共通の認識をさせていただきたいというふうに思う次第でございます。
 また、2つ目に関しましてはこの分け方でございます。概ね共通認識が得られると考えられる点とか、そういうような分け方をしていただいておりますけれども、この内容につきましても、先ほどから影山委員もございましたが、やはり議論させていただいたこととかなり違うなという点を思わざるを得ないというふうな点がございます。
 細々としたことは後で述べさせていただくとしますけれども、特に最初の4ページ目のところのキャップ・アンド・トレード方式による国内排出量取引制度の導入意義という点に関しまして、[3]から[4]へのところ、なぜキャップ・アンド・トレードが必要であるかというところに論理の飛躍があるというふうに言わざるを得ないかと思います。私ども、工場で活動しているのは、1トン、2トン、そのぐらいの単位でCO2を削減しております。たとえ1トン2,000円の価値がついても、それを売るというようなことがインセンティブにはつながっておりません。むしろそういう活動を積み上げていかに生産の効率を上げていくのかと、CO2というのはエネルギー費や原材料費や労務費や、ひいてはさまざまな企業の活力を上げていく活動の中の一環として考えられているだけでございます。排出量取引が導入されて、過剰分を売るということがメーンのインセンティブになるというふうには考えておりません。その点も踏まえて、この導入意義というところを再度議論させていただければと、ないしはこの共通認識が得られるというところで来るのではなく、まだ議論があるところというふうにお考えいただきたいというふうに思う次第でございます。
 以上です。

○植田委員長 ありがとうございました。
 それでは、冨田委員。

○冨田委員 ありがとうございます。
 今の岡山説明員のご意見と重なる部分もありますが、非常に大事な部分ですので、私の考え方をお話ししたいと思います。
 私もこの3ページのところの基本的な考え方が非常に大事だということは、この小委員会の中でも、それから中環審の地球環境部会の席でも発言してきたところでございます。決して参考というレベルではないだろうということ、それからその後に個別の論点で出てきます国際競争とか炭素リーケージ、こういうところをなぜ配慮しなければいけないのかということを考えると、元にある考え方に、経済の成長だとか、あるいは雇用の安定、あるいはエネルギー安定供給と、いわゆる温暖化対策の基本法案の目的に書かれていた配慮事項、こういうところがあるからこそ、そういう国際競争とか炭素リーケージというのを考えなくてはいけないというふうにつながるのだと思います。
 したがって、この基本的な考え方、1から6までありますが、その前に本来、日本の対策として考えるべきことというのがあると。個々の論点について議論するときには、そういうことも配慮するのだという、そういう筋立てになるのではないかと思います。
 総量削減が達成できることというところについても、これまでも何度か発言させていただいていますけれども、この総量って何なのかなということです。この文章の一番上のところには、制度がカバーする対象全体からの排出量の上限というふうになっていますが、そうするとその制度の対象となる人たちの総量でしかないわけですね。日本全体は視野に入っていないというふうにも考え方としてはあり得ると。ましてや、地球からの削減というところについては視野が抜けているのではないかというようなことにもつながるわけで、この総量の削減というのを、どこを視野に入れて制度を考えるのかというところについても、この場でもう少し議論が必要ではないかなと考えます。
 したがって、その次のページにある導入意義のところに飛ぶのも、この基本的な考え方、もっとベースにある3つの基本法案にある基本的な考えを踏まえてどうだろうかというふうに論理立てが必要ではないかなと思います。
 それから、これも何度かこの小委員会の席、また地球環境部会の席でも発言させていただいておりますけれども、電気に関わる対策の導入においてどれだけCO2が削減できたかという対策の評価ですが、CO2削減量の算定について考え方が様々あるということの整理しかされていないわけですが、それに関して何らの記述もないというところに関して、私、甚だ懸念をしております。
 意見だけを申し上げているとなかなか前に進まないかなと思いますので、質問させていただきます。
 例えば私が100キロワットの太陽光発電を導入しました。年間にすると大体10万キロワットアワーの発電ができるということに相当すると思いますけれども、そのときにCO2削減量はどれだけになるのだろうかと、どれだけが見込めるんだろうかと、その評価に関して政府あるいは環境省としてお答えはお持ちなのでしょうか。私の知る限り、政府としては考え方が決まっていないと理解をしています。そういう基本的なベースの中で、どういう排出量取引をやるのかということについて、ぜひお答えをいただきたいと思っております。この答えがないのであるならば、制度設計をする前提として、まず、論点として認識していただきたいと思います。
 以上です。

○植田委員長 ありがとうございました。
 それでは、諸富委員、お願いします。

○諸富委員 ありがとうございます。
 私自身は、このオプションについてというペーパーを読ませていただいて、大変高く評価されるべきじゃないかというふうに考えています。世界的に見ましても、排出量取引制度をめぐる議論の状況は皆様ご存じのとおりで、アメリカでは上院において制度を議論して導入する、排出量取引を組み込んだ法案を上げていくということを断念したということが大きく報道されているとおりです。しかし、日本国内の議論では、アメリカがやらないから日本もやらないという方向ではなくて、低炭素経済へ向かう新しい潮流の中で、日本がきちっとした制度を確立して、経済システムを低炭素型に向けていくための非常に大きなステップをこの制度で始めていくと、新しいステップを踏み込んでいくと、そういうかっちりした制度をここでつくっていくべきではないかというふうに考えます。
 そういう意味で、ここに整理されたオプション3つのどれがいいかという議論はさておき、極めて明快な論点整理がなされて筋の通ったオプション案ではないかというふうに思います。
 もちろん、委員の方々がおっしゃった、特に産業にとっての国際競争上の論点というのはきちっと議論をこれからしていく必要があると思います。国際競争上の配慮を制度の中にきちっと組み込んでいくことはもちろん重要なんですけれども、それがなければ、この制度そのものを入れてはならないという入り口論で議論が止まってしまってはならないと思います。基本的には、この制度を入れることがむしろ日本の産業のあり方そのものを低炭素経済へ移行していくこと、それによってむしろ日本の産業構造が転換していくことによって、むしろ日本の国富が新しく増大していくというような筋を描いていくこと、それが本当は重要なんだろうなというふうに思っております。
 オプション案について若干だけ、A、B、Cということで整理がなされておりますけれども、Aのオプションについて、有償での配分というふうになっているわけですが、これがなぜなのかだけちょっと1点質問させていただければと思います。
 これは無償配分であってもよいのではないかなというふうに思いますが、有償配分だけでなくて、有償若しくは無償配分としておいても、これはおかしくはないものではないかなというふうに思います。
 それから、7ページ目にはMRVと適用単位の議論がなされておりますけれども、モニタリング、報告、検証(MRV)は基本的に事業所ごとに行うことが考えられるというふうにあるわけですが、基本的には事業所ごとに行われるわけですが、会社単位というふうにしてやることも場合によっては考えられるということなんですけれども、この点については極力これは、これまでも議論してまいりましたように、透明性を確保する観点から事業所単位でやっていくべきではないかなというふうに思います。
 大野委員が触れられた国と地方の関係ということについては、国の制度が直接排出になるのか間接排出になるのかという論点とも関わってまいりますが、都がこれまでやってこられた実績というのを大野委員から強調されておりましたけれども、何らかの形で国と地方の役割分担ということについても議論はやはりしておくべきでないかというふうに私も考えております。実際に、都道府県が担当する場合には恐らく間接排出を対象とすることになるんでしょうけれども、まちづくりや都市づくりとの関係から、地方が、家庭や運輸、そして業務部門に対して排出削減のスキームをつくっていくことについて一定程度の役割を担っていくということは、それなりの合理性があるというふうに思いますので、例えば国は大規模な排出源を対象とし、恐らく直接排出をカバーしていくけれども、都道府県についてはそれ以外の分野を対象とし、一種の役割分担をしていくというような国と地方の役割分担についても一定程度触れておくことは必要ではないかなというふうに思いました。

○植田委員長 ありがとうございました。
 ちょっと確認ですが、今、オプション案について、Aについておっしゃられたのは、オプション案の括弧の中のところを有償割当、もしくは無償割当としたらどうかと、こういう理解でいいですか。

○諸富委員 そうですね。必ずしもどちらかというわけではございませんで、無償で始めて有償に移行していくということも十分あり得るわけでございますので、無償若しくは有償でよろしいのでは。

○植田委員長 ありがとうございました。
 それでは続きまして、明日香委員。

○明日香委員 どうもありがとうございます。3点あります。
 今の諸富先生の話ともちょっと重なるんですが、まずいわゆるカーボンリーケージなり国際競争力なり、ほかの国があって、日本があって、日本でどうするかという議論なんですが、そのときに、例えばの話ですけれども、日本国憲法をつくるときに国連憲章がどうだこうだというのを前提にして多分つくらないと思うんですね。または、どこかの無法国家があって、悪いことをしている国があるから自分の国も悪くていいんだと、全く議論の本質というのは同じでして、ほかの国がやらないから、自分たちはやらないなり、自分たちはやらなくてもいいような制度をつくるというのは話が違うのかなと、それこそ何のために温暖化対策をやっているのかなということかなとは思います。
 あと2番目は、オプションの案で、今、諸富先生もお話があったと思うんですけれども、たしか上田室長がオプション1は環境に配慮したというようなことをおっしゃったと思うんですが、それは多分ちょっと間違えでして、基本的に25%削減されるなり、日本である程度キャップをかければ、環境配慮というのは同じだと思うんですね。基本的に問題はどこにどれだけ経済的な負担を担わせるかということでして、よく私なんかも言うんですけれども、結局、トレードオフの話だと思います。よく国民負担なり産業界の負担という話があるんですけれども、産業界の負担を少なくすれば国民負担が大きくなるんですね。そこはマスコミの方もよく誤解していて、国民負担と産業界の負担というのをごっちゃにしています。EUでもアメリカでも何回も議論になっているのは、産業界に甘くする、負担を小さくするイコールこれは国民の負担を重くすることだと、あるいは国民がオークションの場合はその使えたお金を産業界に上げているだけだというふうなことで、どんどんオークションになり、有償配分に流れているんですね。本来であれば日本でもそういう後発者の利益というか先発者の経験をもとに議論するべきなんですけれども、そこら辺まだ日本は甘いのかなという気がしています。
 3番目はLCAなんですけれども、これも何回も私も言っているんですけれども、いわゆる省エネ家電のLCAを考えたときにそれは補助金、通常の家電との比較差の分をクレジット化して補助金で上げるというような案で幾らぐらいになるかとちょっと計算をしてみました。エアコンだと、例えば10万円のエアコンを通常機器とのLCAも考慮した排出量の差というのは大体97キログラムなんですね。年間で補助金だとすると194円ぐらいです。冷蔵庫も250円ぐらいです。だから、省エネ家電の場合は非常に補助金としては小さいのであまり効果はないと思います。ハイブリッド自動車も多目に見積もっても多分年間千円幾らです。だから、本体の価格に比べると非常に小さいと。一方、原子力発電とか、そういう比較的大きな設備投資の場合は全くCDMと同じで、補助金額としては、もし排出削減分を全部計算するとウン百億円とか、そういうものになります。なので、恐らく省エネ家電の場合は補助金として制度としてあまり効果がないでしょうし、大きなものに関してはCDMと全く同じで何百億円になりますし、それは補助金として持続的なのか、それともその原資をどうするかということを考えなきゃいけないと。少なくともLCAというのは深く考えると、そういう数字なりそういうことを議論しているのだということは認識してもいいのかなとは思います。
 以上です。

○植田委員長 ありがとうございます。
 それでは、有村委員、お願いします。

○有村委員 私も諸富先生とかなり重なるところがあるんですけれども、まず第1点として、これまでのかなり長い時間かけてきた議論をきれいにまとめていただきまして、非常に評価に値するものだというふうに理解しております。
 ただ、全体としてはこういったような方向性だとは思うんですけれども、何点か意見を申し上げたいと思う点がありまして、1つは2ページの<1>の1で概ね共通認識が得られると考えられる事項というところで、対象期間や対象ガス、排出枠の設定対象などに関してかなり議論してきたような私は認識をしておりますけれども、排出枠の総量に関しては十分に議論をされたのかなとちょっと思ったというふうに認識をしております。
 それから、先ほど大野委員からありましたけれども、国と地方の役割ということに関してはかなり議論は出ていたと思うんですけれども、それが触れられていないという点に関しては、それを明確にする必要があるだろうというふうに思います。これは対象事業者からすると、多分、両方規制が入ると非常に混乱が起こる可能性もありますし、その辺を整理していく必要というのは非常に重要であるというふうに思います。
 それからあと、諸富委員もおっしゃられましたけれども、オプションの中でAですね、2ページのAのところで「電力直接+総量方式(有償割当)」だけになっておりますけれども、恐らく単純に無償割当で考えるという考え方もあるということになるかと思いますので、それも明らかにしたほうがいいのかと思います。
 それからあと、3ページにいきまして、これを参考とするかどうかという議論が出ましたけれども、恐らく排出量取引というのは、例えば1番目、果たして本当に総量削減なのかというご批判も出ましたけれども、我々が今ここで議論しているのは国内の総量のある部分の総量を効率よく削減していこうと、そのための制度としてすごく効率的な制度じゃないかということで議論を進めているんだと思うんですね。それだけですべてが解決するというわけではないので、例えば企業の国際競争力に関して排出量取引だけで何か問題が起きてそれで対応するとかいうことではなくて、ほかのいろいろな対応の仕方もあるんだという点で、その辺は我々のほうも、排出量取引がすべてを解決するというわけではないと、そういった点はちゃんと理解する必要があるというふうに思っております。
 以上です。

○植田委員長 それでは、大塚委員、お願いします。

○大塚委員 全体についてという座長の話だったので、全体についての話だけをとりあえず申し上げたいと思いますが、特に産業界の方々からいろいろなご意見があったのでちゃんと議論しなくちゃいけないと思っていますけれども、影山委員から特にペーパーが出ていますが、ちょっとそれは後に回して、岡山説明員と冨田委員からもご意見ございました。3点ほどまず申し上げておきたいと思いますけれども、1つは地球規模での削減というのはもちろん大事なんですが、私もそのとおりだと思っていますが、ただここは国内の削減をとりあえず考えていて、しかも排出量取引を導入するときには排出量取引の対象になるところの方の削減を考えていますので、地球規模の削減、もちろん配慮事項とかでは考えたほうがいいことではあるんですけれども、ここでは制度対象者の削減を考えるということであると思います。しかも、国の方で25%削減というのを出していますので、それをある程度考慮せざるを得ないという制約があるかと思います。
 それから、もう一つ申し上げておきたいのは、4ページの[4]のところで「このため」というふうに書いてあるので、[3]と[4]の間の飛躍とかということを結構指摘された方々が多かったと思いますけれども、これは別に[3]とだけ関わっているんじゃなくて、[1]から[3]全部と合わさって「このため」になっているので、特に例えば[1]の排出総量の確実かつ効率的な削減というのは[4]につながっているわけですね。だから、[3]と[4]だけのことを、間のところの論理のことをご指摘いただいても、そういう趣旨で多分作っているのでないのではないかと思います。
 それからもう一つ、やはり地球規模での削減の話に関して、制度の対象の上限を作るということに関して地球規模の視点が抜けているというご指摘がございましたが、これについてり各国の割当をすることが基本的な考え方であるということを考えたときに、その点からする制約というのはどうしてもあるということではないかと思っています。
 それから、影山委員のペーパーとの関係でちょっと申し上げておきますと、まず<1>の1についてですけれども、概ね共通認識が得られると考えられる事項でございますが、今、有村委員が言われた総量についてはちょっと私もまだ検討があるいは必要かと思いますが、それ以外の点についてはあまりご意見がなかったのは、基本的にこれでいいというふうに思われていたから意見がなかったというのが私の認識でして、恐らくそういうことではなかったかと思っております。
 それから、2つ目の今後の具体的な議論によって制度に反映が可能な事項でございますけれども、これは議論を深めるべきだと私も思いますが、これは国内排出量取引の制度設計をするときにまさに配慮していくことが必要な事項でして、しかもこれに関しては大体のところはこういうことを配慮するということに関して意見が集約されてきていたのではないかと考えております。ここが前提で、これが決まらないと排出量取引について議論ができないというものではないと思いますので、これに配慮しながら排出量取引の話をしていくということではないかと思います。
 それから、意見が分かれる事項でございますが、私はこの電力の取扱いと排出枠の設定方法が最も意見が分かれたところだというふうに認識しておりまして、それ以外に関してはもちろん意見の違いはあったと思いますけれども、基本的には割と細かい意見の違いでして、そういうものを含めてもし考えると、一人一人意見が違うことに確かになってしまうかと思いますが、やはり審議、議論をしていく上では大体の大きなところから共通点を見出していくというのが普通の審議の仕方だと思いますので、このところは別にこれでそれほど問題ないのかなというふうに考えています。
 それから2つ目に、制度設計に関しての基本的な考え方についてというところでございますけれども、この地球規模のことは先ほど申し上げたとおりでございまして、これは配慮事項として考えていくということだと思いますので、制度の設計に関しての基本的な考え方というほどのことでは多分ないと思うんですけれども、これとは別に配慮事項というのが必要なものがあって、その中に入れていくべきことであろうと思います。
 それから、3として公平性が確保できることは国際競争力の配慮も含めるべきだというご趣旨ですが、国際競争力の配慮、私も非常に重要だと思っているんですけれども、これが公平性に入るのか、社会的重要性に入るのか、ちょっとどこに入るかよくわかりませんが、どこかに入れるか、あるいは配慮事項として挙げるかということを検討していくべきではないかと思います。
 それから、紙の裏の方にいって、記載されている項目に加えて基本的な考え方として以下の内容を付加すべきだというご趣旨ですけれども、これもやはり社会的重要性とか、あるいは環境と経済の両立というようなこととの関係で問題となってくることだと思いますけれども、これも配慮事項として考えるか、あるいは公平性とか社会的重要性の中に入れていくということではないかと思います。
 最後に、導入意義の問題ですけれども、導入意義については今申し上げたように[3]と[4]が飛躍するという点は先ほど申し上げたとおりでございます。産業界の方々は、特に完全に賛成というわけにはもちろんいかないとは思っているところもあるんですけれども、今までご議論なさってきて、導入のこともお考えになりながらご議論なさってきたのじゃないかというふうには思っておりまして、微妙なところではございますけれども、もしこの書き方がおかしいということであれば、さらにご意見をいただければありがたいと思っています。
 以上でございます。

○植田委員長 それでは、末吉委員。

○末吉委員 ありがとうございます。二、三の点からちょっと意見を申し上げます。
 まず最初は、こういう議論をする基本的なベースってどこに置くかという点なんですけれども、私、非常に印象的なシーンを覚えております。これは多分去年のある温暖化に関する国際会議だったと思うんですけれども、若い女性がTシャツで壇上に上がって、その胸にロゴが書いてあるんです。そのロゴに何と書いてあるかというと「How old will you be in 2050?」と書いてあるわけです。2050年にあなた方は何歳になっているんですかと。これは非常に若い世代から、議論をしている上の世代、この社会を動かしている、経済を動かしている世代への大きな問題提起だと思うんですよね。私はこういったことを考えると、ここに参加していない世代もたくさんいるわけです。
 そこで、僕は申し上げたいのは、アクションをとらないコストというのをどう考えるべきかと、そのコストは一体誰が負担するんだと。アクションをとることは当然コストがかかります。それは現代世代でしょうし、今のビジネスかもしれません。でも、その2つのコストを本気で比較しているんですかという話なんです。
 ですから、そこのところの見えないコスト、私は、それはある種のオポチュニティーコストだと思いますけれども、それとの比較というようなのもやはりベースに置かないと、今日の目の前に見える今日計算できるコストだけの多寡で議論を進めていいのかというのが基本的な私のまず第一のコメントであります。
 それから、次はこの小委員会の運営の今後のことについてでありますけれども、それはミッションに関することだろうと思うんですけれども、これまでいろいろな議論を重ねてたくさんの提案が出ました。いろいろなオプションが、あるいは考え方が出ているんですけれども、そもそもいろいろなやり方を、手段をずっと同じテーブルに並べて、どっちがいいのかという議論はいつまでもやっていいんでしょうか。私に言わせれば、思想もインタレストも違う人たちが、それぞれの立場からこれがベストだというのを並べたオプションの選択というのでは、私はいたずらに時間が流れるだけじゃないかと思います。そろそろそういったことは打ちどめにして、ある種の理念、何のためにこの温暖化対策を我々はとらなきゃいけないのか、そういったところから本当のたたき台、基本形をつくるべきじゃないかと。ここにイメージとかたたき台と書いてありますけれども、普通、たたき台といったら何か全体像が全部できているのを僕はたたき台と思うんですけれども、オプションを幾つも並べて、それを一つ一つ思想もなしにたたいて本当にたたけるのかという話であります。
 ですから、そろそろ基本的な考え方に基づいて一つの完成形をつくるべきじゃないかと。その完成形に対してみんなが意見を言っていく、その中で初めてどういったオプションがこの分野ではこのタイミングではあり得るのかと、そういった議論になるべきじゃないかと思います。
 ですから、私の考えでいけば、一つの完成形というのは、例えばこの制度の目標が2020年だとしたら、2020年に我々が世界の中で持つべきこの制度はどういったものなのか、それをしっかりと持つべきじゃないでしょうか。それに至るロードマップとして、当然ながらスタート時点では、まず導入期間として慣らし運転するときに、いきなり完成形を持ち込んだってそれはどんないい制度だってうまくいきません。だとしたら、今の現実の中で導入できるようにするにはどういうオプションをそこにつけ加えるべきか、あるいは2年、3年たって一つの慣らし運転ができれば、この制度が本当に定着していく、さらに最終形の目標に向かっていくにはどういう修正を加えていかなきゃいけないのか、最後のステージで本当の完成形をどう作っていくのか。多分そこの間に世界の情勢もいろいろ変わるでしょうから、最終形にも新たな情報が入ってきての修正だってあり得るんだろうと思うんですね。
 ですから、今日のas of todayのインタレストとか見えているものだけでの選択の議論は、私は、これ以上しても、意味がないとは言いませんけれども、よりよりものを作るためには次のステップに移ったほうがいいような気がいたします。
 ですから、この小委員会のミッションとも絡む話ではありますけれども、こういうものをみんなで作りたいですよね、作るべきじゃないでしょうかというものをそろそろ作って、それに対するさまざまな意味での各ステージにおけるオプションをどう入れ込むのが本当に現実的なのかというような議論がこれからあってしかるべきじゃないかというのが私の意見であります。
 どうもありがとうございました。

○植田委員長 ありがとうございました。
 それでは、則武委員、お願いできますか。

○則武委員 ありがとうございます。
 個々の点については幾つか意見がありますけれども、全体ということで、こういう形で整理して議論できるのは望ましいことだと思っておりましたのでいいと思います。
 幾つか申し上げますと、やはり排出枠の総量についてはもう少し議論が必要かなというふうに思います。特に5ページとかに書かれておりますが、総量は真水分15、20、25のケースについて行っているロードマップの検討を踏まえてとなっておりますけれども、排出枠の総量、基本的には真水分だけではなくて、外部クレジットを導入するんであれば、クレジットを含めた考えが総量の中に必要だと思いますので、その点も必要ではないかなと思います。
 それと、ちょっと全体として、クレジットのところで議論すればいいのかもわかりませんが、二国間協定のようなものをどう扱うのかとか、そういった点も必要ではないかなと思います。
 それと、細かな点ですけれども、先ほど諸富先生からありましたが、逆にオプションBはなぜ無償割当だけになっているのかというのが、なぜかというのがわからない、両方ありではないかなと思います。
 以上です。

○植田委員長 ありがとうございました。
 それでは、武川委員、お願いいたします。

○武川委員 ありがとうございます。
 先ほどの大塚先生のご発言とかなりの部分重なるんですけれども、私も特に産業界の方のご意見を伺っておりまして、おっしゃることは非常にわかるんですが、ご意見の位置づけというか、どうご意見を今後位置づけていくかという点について、国際競争力であったりリーケージ、あるいはライフサイクルであったりポリシーミックスというものが決まらないと制度の設計の議論に入れないとか設計できないんだということでもないのかなと、むしろこういったことというのは制度を設計した上で、そこから生じ得る弊害がもしあるとすればそれにどう対応していくべきなんだろうかと、こういう形で考えればいいので、そこはまさにここに書かれているように今後検討していくし、何となくこういう方向かなというのは、ライフサイクルにしても競争力にしても、何となくではありますが、見えていたのかなという感じがしておりまして、この辺りもう少し柔軟に考えられないかなという感想を持ちました。
 それから、あと議論されていない部分もあるじゃないかというところも、確かに議論の質、量というのはむらがあったのは事実なんですけれども、大きく分かれた部分というのは、ここに書かれている、まさにオプションに書かれている部分だったのかなというふうに思っておりまして、逆にそうじゃないということであればやはり議論したほうがいいであろうという感想を持ちました。
 以上です。

○植田委員長 ありがとうございました。
 一応、一通りご発言いただいたかと思います。幾つか重要なご質問、コメント的なことがございましたのでちょっと室長のほうから。

○上田市場メカニズム室長 どうもご意見ありがとうございました。これまでいただきました意見につきましては、実は最後に次の日程というのをご紹介することになりますけれども、今回の議論、引き続いて再度また継続してやりたいと思っておりまして、その際に今回のいただいた意見を踏まえて資料をリバイスしたものをまたご議論いただこうと思っております。
 その中で幾つか、いただいたすべてに答えられるわけではありませんが、簡単にコメントいたします。
 大野委員初め何人かの方からご指摘がありました国と地方の関係でございますが、これについては実は位置づけようとは思っております。ちょっと時間が足りなくて入っておりませんが、2ページで言いますと、<1>の2のところに国と地方の関係というものを、そこ、<2>の1と<1>の2のところだけは「等」が入っているんですが、すみません、ここ、まだちょっと作業が追いつかなくて、これまで国と地方というのは環境行政ではたくさんの議論の積み重ねがありますので、そういったものも検証しながら正確に書かないといけないのかなと思っておりまして、次回の資料では、本日そのほかの委員からもご意見がありましたご指摘も踏まえながら何らかの整理をしたいと考えております。
 また、影山委員から、参加しているけれども、意見を何か反映してもらっていないなという感じがするというご意見があったんですが、我々としては例えば1の<2>とかというところを、それぞれご指摘いただいたものをこういう方向で対応していこうということで作業していこうということでお示ししているところですので、我々としては一生懸命何ができるか考えてやっているところではございます。ただ、それぞれの立場で受け止め方は違うかと思いますけれども、これからもいただいた意見については真摯に受け止めて考えていきたいと思っております。
 その中で例えば共通認識のところでございますけれども、分け方ですね、1番であまり議論がなかったのに、意見の集約は可能と考えるというところに括るというのは早計ではないかという点ですが、これについては大塚委員からご意見ございましたけれども、我々としては、意見がなかったことをもってそれで集約とまでは言わないんですけれども、非常に白熱した議論があったところと、幾つかの委員からご意見があって、特に反論がなかったところということでこういうふうに整理をしているんですが、これも結果としてもう事実として集約が可能と考えられた事項とか過去形みたいに書いているわけではなくて、今日の議論、また次回の審議会の議論でこういう形で集約できるんじゃないでしょうかという提案として示させていただきました。
 したがって、今回の議論、また次回の議論を踏まえてこういうふうな整理ができていけばいいのかなと我々としては考えております。
 基本的考え方についても多くのご意見をいただきました。その中で特に3ページの1番、総量削減というのは、これはどこを指すのかということですが、そのほかの委員の方からも意見ございましたが、基本的には国内の総量削減というのは確実に担保される仕組みということで、国内というのを念頭に置いております。ただ、ご指摘のリーケージとか、そういったものについては施策として配慮すべき事項ということで大きな課題として挙げるべきということで、2ページで言いますと<1>の2というところに位置づけていると、一応、資料を作った際の考え方はそういうふうに整理をしているところであります。
 あと、冨田委員から太陽光を例にとってご質問、ご意見をいただきましたけれども、これらについて、実際に今回のたたき台というものは細かいところまで書いていない、確かに事実です。そこが大切なんだというご指摘もあろうかと思いますが、まず今までの議論をどういうふうに集約、整理をしていくのかと、手順を1つずつ踏んでやっていこうということで、具体的な今回数字とか、そういう定量的なものをあまり書いておりませんが、1つずつ議論を積み重ねていく中でご指摘のような考えについても我々として整理ができたらなと思うんですが、今の時点ではすぐにその答えが私のほうからこうだというものは言えるものはございません。むしろ検討課題としてしっかり書いていないじゃないかということであれば、もう一度資料を見直して、具体的にどこに書けるかというのは考えておきたいと思っております。
 あと幾つか指摘をまだまだたくさんいただいたところはあるかと思いますが、あともう一つ、末吉委員から、そろそろオプションではなくてもう完成形を目指すべきではないかというご指摘がございました。今回のオプションというのも、2ページの整理の仕方を見ていただくと、なるべく集約の方向に向かえるものであるところはそういうふうに整理できるんじゃないかということで、全体がオプションじゃなくて、一部のところをオプションという形でかなり集約できませんかということで、<1>のところは、ご指摘のような形で整理ができないかと提案をしているところですので、全く全体がぶらぶらとオプションになっているわけではないと。ただ、どうしても分かれるところについては個別の論点という切り口で個々に議論をしていると、これまでの議論を超えることができないかもしれないので、一つの考え方としてそれぞれの論点を組み合わせして整理をしていけば、何かしら整理の道が見えていくのかなということで、それが非常にまどろっこしいということであれば、我々もここで踏みとどまるつもりはないんですが、スピードというのもアップしていかないといけないと思うんですが、他方、議論が十分でないというご議論もあるかもしれません。その辺バランスをとりながらやっていきたいと思っています。基本的に全体がオプションではなくて、できるだけ集約できるものは集約しよう、議論の論点の熟度によって、一括して全部まだまだ未熟なんだという状況ではないということを示したく、こういうような手順をとっているところでございます。
 そのほか、いただいたご意見につきましては、次回の資料に反映すべく、また作業を進めたいと思っております。
 以上です。

○植田委員長 今のご発言に対して再度ご意見あるかと思いますけれども、今日は1回目ということもありますので、あとの個別具体の記述内容についてもご意見をいただいておきたいということでございます。2巡目ということになりますけれども、これもネームプレートを立てていただきまして、ご意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 もちろん、先ほど言い足りなかったと、こういうことがございましたらそれも加えていただいて結構でございます。ただ、時間があまりありませんので、ポイントは絞っていただきたいと考えております。
 では、大野委員、お願いできますか。

○大野委員 私も先ほど前提を言いませんでしたけれども、このように今までの議論を取りまとめて1つの形に整理していただくのは非常にすばらしいかと思いますので、ぜひこの方向で進めていただきたいと思っています。
 その上でなんですが、個別の問題ということで申しますと、7ページなんですけれども、適用単位の問題であります。ここで幾つか意見を申し上げたいんですが、ここでは排出削減のための設備投資等の判断は「企業」として行うものであるため、企業単位とするというふうになっているんですけれども、ここがちょっと理由になっていないんじゃないかなと、僕は、正直に感じます。
 東京都の制度は事業所単位でやっております。1,400ぐらいの事業所が対象なんですけれども、例えば大手のディベロッパーですと、その1,400の中で30ぐらいの対象事業所を持っております。事業所単位の仕組みとなっているため、企業として投資等の判断をしないかと言えばそんなことはないわけでありまして、大手のディベロッパーさんは東京都の制度の30の事業所を全部考えて、その中でどこに投資をすれば一番効果的であろうか、どこが超過削減量を生み出しそうで、どこが足りないかということを考えて、まさに企業全体としての最適な投資判断をされるわけです。別に30の事業所に制度適用単位が分かれているから企業としての判断をしないというわけではありませんので、この「企業として投資判断を行うから企業単位だ」というのは全く理由になっていないんじゃなかろうかというふうに思います。
 逆に、ここでは企業の排出量は裾切り基準以上の事業所の排出量の合計というふうになっておりますので、これであれば、要するに事業所単位でやるということと全く変わりがないんだというふうに思います。例の省エネ法が事業所単位から企業単位になったのは、例えば今までの省エネ法ですと年間のエネルギー使用量の原油換算で1,500キロリットル以上のものを対象とするというふうになったわけですね。それを例えばコンビニが入らないというふうなことで連鎖化事業みたいなものも含めて対象にしようということになったわけです。キャップ・アンド・トレードの制度設計はそういう考え方じゃないですよね、これだけの範囲であれば。一定というのに、例えばコンビニというのを1店舗と考えますと、普通、年間の原油換算で45キロリットル以上ですから、例えば45キロリットル以上のものは全部キャップ・アンド・トレードの制度対象にしようなんていう考え方ではないんだと思うんですよね。それはそれでキャップ・アンド・トレードの制度体制として様々な観点からみても全く無理ですから。もし、コンビニ1店舗まで含めてキャップ・アンド・トレードの制度対象にしようという考えなのであればそう言ってほしいんですが、ここでは恐らくそうじゃないんだと思うんです。そうでないのであれば、事業所単位にすることのほうが合理的であろうというふうに思います。
 3点目に、特に業務系を考えていただきますと、要するにビルですよね。ビルというのは、これは例えば東京駅の前の新丸ビルとか森タワーとか見ていただくとわかりますが、1つのビルという物理的な単位の中にいろいろな、テナントとしての企業が入っているんですよ。企業単位だというふうにやった場合に、これのエネルギー消費量をどうやって集計するのですか。そのビルの中でどの部分がどの企業の排出だというふうに集計するのですか。これは省エネ法では切り分けていますけれども、省エネ法は一定の推計をしてみなしているんですよね。これは省エネ法だからいいんですよ、削減義務ではなく、努力義務だから。1トン1トン厳密に判定して削減できなかったならばペナルティーもいくという、こういう総量削減義務と排出量取引制度、キャップ・アンド・トレード制度を導入するときに、多くのビルは単にテナントビルだけじゃなくて、デパートの場合でも、あるいは本社ビルの場合でも、1つの建物の中には、相当部分が違う企業が入っているんですよ。それを事業所単位の合計で切ろうなんてできないんですよね。実際にそのような方法は、私、できないと思います。だから、こういうことはやめていただいて、実際の制度設計を考えていただければ、まず申し上げましたように事業所の合計としてやっても企業単位で判断もするし、実際にMRVは事業所単位でやるならば、もともと事業所単位なわけですから、これはもう事業所単位というふうにしていただけないだろうかと、そうするのが一番合理的ではなかろうかと思っています。EUは設備単位ですよね。EUは設備単位でやっているけれども、企業としての判断ができないような話は聞いたことなんかありませんので、この企業として設備投資の判断だから企業単位だというのは全く理由になっていないだろうと考えます。
 それが個別の意見では大きなところでございます。
 あとはオプション案の考え方ですが、これも末吉委員が言ったことと、私、共鳴する部分が多いんですけれども、3つの案が出ておりまして、一番最後は原単位ですよね。これは確かに議論の中で原単位か総量削減かという話もございましたが、積極的に原単位の排出量取引制度を導入したらいいんじゃないかという意見は多分なかったと思うんですね。もちろん、影山委員ほか産業界の委員からいろいろな総量削減が難しい話はございましたけれども、だからといって原単位の排出量取引制度をオプションにしようという答えは、私、なかったと理解しているんです。もともと基本的な考え方として総量削減はやろうということですから、総量削減をやる制度として排出量取引制度を考えると、原単位では実現できないことは明らかなわけですから、この3つのオプションの1つとして原単位の制度を入れるというのはおかしいんじゃなかろうかと。総量削減では問題があるという意見があったということを付記するのはいいと思うんですけれども、わざわざ3つのオプションの1つとして原単位のオプションを挙げるというのは、今までの委員会の議論からしても妥当ではないんではなかろうかと、このように考えています。
 以上であります。

○植田委員長 ありがとうございました。
 では、影山委員、お願いします。

○影山委員 どちらかというと先ほどの議論の延長のほうが多くなるかもしれませんが、意見させていただきますと、まず全体の議論として私が最初に申し上げましたように、制度の個別の議論についても意見もさせていただきますし、議論もさせていただきますと。ただし、排出量取引の導入に合意したわけではなく、排出量取引が本当に日本のCO2削減に対しても有効なのかどうかというところもあわせてそれも議論してほしい、議論させていただきたいということを申し上げてきたのです。ここで言えばライフサイクルでの評価、個別の企業にCO2のキャップをはめることによって、下流で大幅なCO2削減ができるかもしれないのに、営業を制限してしまうということになる。これが本当に日本全体のCO2削減に資するのかどうかということについてもよく議論をしないと、排出量取引を入れることが日本のCO2削減に有効かどうかわからないので、議論をきちんとやってくれということを申し上げています。
 それから、ポリシーミックスの議論については、この前のご説明で、税金を入れるという話が環境省からも経済産業省からも出ていると。それから、全量固定買取制度ですね、再生可能エネルギーの買取制度もかなり議論をされており、もしそういうものが導入された時に、この排出量取引に一体どういうことを期待するのですかということになる。そのこともわからないままに制度の議論をしてもしようがないのではないかと。意見がなかったから、もうこれは(共通認識として)いいじゃないかという話ではなく、前提がよくわからないので意見も言えないということではないかと思います。
 ですから、排出枠の総量についてはいろいろ議論がありましたが、排出量取引だけで削減をするわけではないのですから、一体どれだけやるかというのが全く決まっていない状況だったので議論をしていなかったわけです。それを一定の方向に意見の集約が可能と考える事項に入れるというのは、これはもう全く問題外だと思います。
 ですから、基本論としてそういうものをしっかりと踏まえて、このたたき台を作るなら作っていただきたい。私が話した意見を全くここには反映していただいていないと考えております。これもぜひ考慮していただきたいと思います。
 大塚先生からかなり丁寧に私の意見書に対するコメントがありました。紙を持っていない方もおられると思いますが、今申し上げた内容でほぼお答えしているかと思います。基本的考え方の中に、これは産業界の委員からかなり意見を申し上げましたけれども、総量で削減が達成できること、これは国内で25%はともかくとして、何らかの目標値を作るというのは、これはこれで意味があると思いますけれども、海外に対して、日本の企業が国内で生産をしたものを海外に出して、海外のCO2削減に資するようなものについてどう見るのかということについては、もう少し議論が必要ではないかと。先ほどの国内と同じように、太陽光パネルの部品のように、いいものをたくさん生産している企業にCO2削減の枠をはめることがいいのかどうかということについても議論をしていただきたいと思います。ですから、国内だけではなく海外についても考えていくべきではないかというのが、私の意見でございます。
 それから、意見書に書いてございますのは「技術開発の開発・普及を促進する/阻害しないこと」と書かせていただいております。これは技術開発の普及・促進が今後のCO2の大幅削減には欠かせないことだと思いまして、それを阻害するような対策であれば、やるべきではないので基本的考え方に(技術開発の普及・促進を)入れて欲しいと書きました。それから環境と経済の両立、あるいはLCA的観点からの事業者の貢献、最後にエネルギー安全保障の確保という4点を書かせていただきまして、この4点については基本的な考え方としてぜひ入れていただきたいと考えてございます。
 先ほどの導入意義について、これも大塚先生のほうから、資料の4スライド目は[3]と[4]の間だけではなく、[1]から[3]の総合に対して[4]があるというご説明がございましたが、私の意見の中に入っていますように、日本の総量削減ですら、排出量取引によって効率的に行われるかどうかということについては疑問がございますので、この[1]から[3]すべてに対する[4]であったとしても、この[4]の記述については大いに異論がございます。ですから、これを共通認識が得られると考えられる事項の中に入れるのは私としては賛成できないということでございます。

○植田委員長 ありがとうございました。
 では、岡山説明員、お願いします。

○岡山説明員(笹之内委員代理) ありがとうございます。
 先ほどの末吉委員さんのお話にございました、きちっと遠くを見て、今本当にどういう制度が必要なのかと議論しなくちゃいけないというのは全くそのとおりでございまして、私ども、地球温暖化問題に取りかからないと将来はないというぐらいの危機感を持って取り組んでいる気概を持っております。そういう意味でも、この日本で今どういう制度が本当に必要なのかと、それが日本が将来ともにわたって繁栄して、しかも地球温暖化問題に貢献していけるためには本当にどういう制度が必要なのかということを本当にぜひ議論させていただきたいというつもりでここに参加させていただいております。
 そういう意味でも、先ほどの繰り返しでございまして申し訳ございませんけれども、3ページ目の本当に何をなすべきなのかと、ここを本当に議論させていただきたいと。それをもって各制度が一つ一つ照らし合わせてその目標を達成し得るのかどうかという検証をさせていただきたいと。
 したがいまして、例えば4ページのキャップ・アンド・トレードが必要であるという論理展開は、この3ページ目の基本的な考え方のどれに照らし合わせてこれが導き出せるのかと。また、5ページ目の対象期間の中長期目標の達成に向けて早期の制度開始が望ましくという点に関しましても、先ほどの基本的考え方のどこからこれが言えるのか。対象ガスに関しましても、モニタリングの精度や排出量の把握可能性を考慮すると、これがどこに対応していくのかということをもう一度整理しておく必要があるんじゃないかという点で、すみません、繰り返しな点でございますけれども、再度述べさせていただきました。
 あと、細かな点でございますけれども、適用単位に関しまして、私ども、実は連結という形で、いろいろな工場で稼働率を上げるために、非常に機動的に生産単位を見直したりということをフレキシブルにしております。それがひいてはCO2排出の削減につながっていると思っております。そのような企業のフレキシビリティーを損なうようなことなく、CO2削減が進むというようなことが必要かと思います。また、同様なことが業界単位でも行われていると、OEMですとか非常に競争しながらも協調していく面もございます。例えば業界でCO2を減らすという意味は、強いて言えばいかに生産性が高い企業が勝ち残っていくかと、いかに低CO2の、私どもの会社ですと車を売っていく、それで市場に受け入れられていただく会社が勝っていくかと、そういう競争の面と、ただ業界ではそれでCO2が下がっていくという面もあわせ持っております。そういう面も含めてこの適用単位というのはどういう議論が必要なのかということをもう一度議論させていただければというふうに思う次第でございます。
 以上でございます。

○植田委員長 では、冨田委員、お願いします。

○冨田委員 ありがとうございます。
 国際競争力とか炭素リーケージ、こういうところは配慮するということなのでいいのではないかということだったと思います。簡単に言えば。ただ、それが単に制度を作って配慮すればいい事項なのでしょうか。それともそもそも基本法案に書かれている経済の成長だとか雇用だとか、そういったような観点から見て、仮に問題があるということであるならば、その制度の設計、制度の導入自体もそれに沿った、大もとの目的に合致しない制度をつくることにならないようにすべきと思います。ですからどこを基準に基本的な考え方を持つかというところがやはり一番肝心なところだと思います。
 それから、個別のところですけれども、これは小委員会、かなり回数を重ねているので、いつの回だったかはっきり覚えていませんが、南川地球環境審議官、当時官房長だったと思いますけれども、小委員会が始まる冒頭のごあいさつの中で、国の排出の中期目標が必ずしも制度の対象となる人たちの削減率、目標になるとは限らず、実行可能なところをやっていただくという考え方を示されたと思います。排出枠の総量、ページでいくと5ページのところですけれども、国の目標である、まだはっきり決まっていませんが、真水分何%にするかというところが、それは国としてあるわけですけれども、制度の対象として考える範囲が幾つなのかと、国の目標とどういうリンクをするのだろうかと、それからさらに個別の企業あるいは事業所に対してどこまで求めるのかというところが、論理的にどういう筋道でそこに至るのかが見えていません。突然飛んでしまうのが枠の与え方であるグランドファザリングだとか、あるいはそのオークションだとか、あるいはベンチマークだとか、そういう考え方に飛んでしまうので、国の目標とどうつながっているのかというところが見えないと。そこについての考え方についてどういう筋道で考えていったらいいのかというところを考えていただく必要があるのではないかなと思います。
 それで、時間も限られていますので、この小委員会の中での発言だけではちょっと足りないかもしれないので、次回については書面で意見を出したいと思いますが、1つお願いがあるのは、今回、影山委員から意見が出ていますけれども、委員限りということではなくて、傍聴者を含めて、あるいはインターネットで公開というのが当然次にあると思うんですけれども、そういう形で全体の議論に資していただきたいということをぜひお願いします。
 以上です。

○植田委員長 ありがとうございました。
 最後の件は私もそのほうがいいかなと思っておりますので、また後で確認したいと思います。
 則武委員、お願いします。

○則武委員 あまり細かい点は別としまして、今、冨田委員が言われたのも同じなんですけれども、排出枠の総量という5ページにありますけれども、まずこのキャップ・アンド・トレード方式の制度で日本の排出量のどの部分を対象とするのかというのを具体的に示す必要があると思います。その上でないと、どういう制度がいいのかというのが若干変わってくると思いますので、そこの部分を明らかにした上で本当に事業所がいいのか、企業がいいのかというような議論も具体的な点で出てくる必要があるんではないかなと思います。
 それで、もう一つは5ページに、先ほど申し上げましたが、排出枠総量のところに真水分15%、20%、25%になっておりますが、これにつきましては真水分が15%であれ25%であれ、真水15%でクレジットを海外で10%というようなことをするのだとしたら、その場合も排出枠の総量は25%削減で設定しないと成り立たないと思いますので、そこの点ははっきりすべきだと思います。
 それから、やはり先ほどの排出量のどの部分を対象とするかという中で、これはリーケージとかの部分で議論すればいいんだと思いますが、リーケージの対象となる部分については、その場合、除外する等の議論もあってもいいんではないかと、本当に必要かどうか議論は必要ですが、その上で除外というようなこともあってもいいんではないかなと思います。
 それから、ポリシーミックスで、13ページのところに温暖化対策関連税制との調整というようなことがありますけれども、税につきましては単に温暖化対策関連税だけではなく、例えば法人税減税というような法人税の部分も含めた形で税制については考える必要があるんではないかと思います。それで、それぞれポリシーミックスで日本の排出量のどの部分を削減するためにこの制度を持ち込むんだと。例えば税で、温暖化対策税でこの排出量の、例えば家庭の部分を減らすために寄与させるものであるとか、キャップ・アンド・トレード方式では業務部門を対象とするんだとかというような形で検討していかないと、ポリシーミックスについては十分な検討ができないんではないかなと思います。ただ、詳細の制度については、この委員会の中はキャップ・アンド・トレードに関してだけでということなんだと思いますけれども、それから11ページに排出枠設定等に際しての配慮ということがありますが、この検討課題のところには特に配慮業種・製品の検討ということがありますけれども、やはり業種特性に応じた設定というのがあってもいいんではないかなと思う。一律の方法で、例えば無償配布だとかグランドファザリング等につきましても、業種特性に応じた設定をするということも可能なんではないかなと思いますので、その辺も必要ではないかなと思います。
 あと細かな点、若干ありますけれども、別に文書で出すんであればそうさせていただきます。

○植田委員長 ありがとうございました。
 では、武川委員、お願いできますか。

○武川委員 3点ありまして、最初の2点は書きぶりの問題なんですが、3ページで「基本的考え方」というふうになっていまして、確かによく読んでみるとこれは参考というふうになっていまして、非常に重要なところなのでもう少し位置づけを変えるのもどうかなと。あと、先ほど来、技術の普及であったりエネルギー安全保障や環境と経済の両立というところがないんじゃないかというご指摘もあるんですが、恐らく公平性であるとか5の社会的受容性の中でお考えなのかなと思うので、もう少しそこがわかりやすくなるような形で記述を補充するということはあり得るのかなという気がしております。
 これが1点目で、2点が4ページなんですが、いろいろ確かにご意見を伺ってみると、産業界の方は最初に思い返してみると、排出量取引制度の導入には賛成するわけではないと、ただ制度設計について議論をしましょうということをおっしゃったような記憶があって、そうなんだとすると、それも一つのご見識で、その中でここだけ読むと導入したほうがいいんだというようなことにも読めるような気もするので、もう少し書きぶりとして何か工夫をする余地もあるのかなというのは、伺っていてそういう気もしてきましたんで、一体どの辺りが今回の委員会の中でまさに共通認識が得られそうな部分なのかという観点から少し書きぶりを考えてもいいのかなと、こういうふうに思いました。これが2点目です。
 3点目がちょっと細かい話なんですが、7ページで先ほど来出ている適用単位なんですけれども、これは私もちょっと何回かの委員会で少し発言させていただいたんですが、これを読むと基本的に私の理解では、事業所単位ということをおっしゃっているのかなという大野委員の認識と同じでして、日本法上、法人格があるのは法人や自然人だけなので、企業単位で義務を課して企業単位に割り当てるというのは、これはもうある意味当たり前と言えば当たり前であるということなので、問題はMRVをどういう単位でやって、あとは義務をどういう単位で割り振っていくのかというところの議論なのかなと思っていまして、ですからこの記述に異論があるというわけではないんですけれども、1点言うとすれば、もう少し今後の議論に応じて柔軟に変えられるような余地も持っておいたほうがいいのかなと。先ほど、業務部門、ビルの場合にはこうだという話と工場の場合にはこうだというお話が出たんですが、そこの議論、実は私、あると思っていまして、実は業務部門と工場とで微妙に何がいいかというのは違う可能性もあるのかなという気もしているんですね。その辺りも踏まえて適切な単位で課していくと。ただ、最終的には法人格としては企業になるし、MRVの単位は事業所になるという、ここが動かなければいいのかなという、そんな感じはしております。
 以上です。

○植田委員長 では、諸富委員、お願いします。

○諸富委員 私も、委員の先生方のご意見を伺っていると、やはり定量的な評価を一度、制度設計をきちっとした上で、そのインパクトについての評価も本当はしてみるべきではないのかなという気がいたしました。影山委員から本当に排出量取引制度を入れたら削減が進むのかとか、それからそれがどれぐらいのリーケージをもたらし得るのかとか、こういった論点を本当に議論するには材料が必要で、そのためにはオプションA、B、Cとあって、少なくともCはともかくとしまして、A、Bについて一度制度をきちっと組んでみた上で、それを入れた場合にどういったインパクトがあるのかというのをやはり定量的に評価して、その結果を今度もう一回フィードバックして、その結果を委員で共有した上で、ではこういうインパクトがあって、こういう影響が出るので、ここの制度のこの部分はやはりこうしたほうがいいのではないかというような議論の進め方をすべきじゃないかなと。今はかなり抽象的に制度の善し悪しを制度論として議論しているので、特に影山委員がおっしゃったような論点になかなか現状では応え切れない部分もあるのかなというふうに思いまして、そういうことを予定されているかどうかちょっとわからないんですが、必要ではないかなというふうに思いました。アメリカでもやはり法案が出てきますと、EPAでもどこでもきちっと計算をして、こういうインパクトが出ますよという、一応そういうものがばっと出てきますよね。やはりそういった議論のプロセスを日本でもきちっと入れていく必要があるかなというふうに思います。
 その関連ということで言いますと、やっぱり6ページに参考として出していただいているような間接、直接に分けて、これはロードマップの議論を援用していただいているわけですけれども、このような議論というのは、つまり日本における排出削減目標を置いた場合に、各部門にどうやって排出削減努力を割り振っていくのかという議論にほかならないわけですけれども、これはやはり最終的にはキャップの設定につながって極めて重要な論点ですよね。ここをやはり実は委員の皆様方からも議論が出ていまして、本当は議論しないといけないのではないかなというふうに思います。ここをちょっと避けてきた部分がございまして、そういう意味ではこれをどういうふうに各部門に割り振っていき、本制度の対象をどういうふうに定めていくのかという部分ですね。特に各部門に割り振っていく場合に、産業業務その他の、あるいはエネルギー転換分に割り振っていく場合に、その削減ポテンシャルを評価して割り振るのか、限界費を均等化させるように割り振るのか、あるいは過去の排出実績をとるのか、あるいは将来の成長可能性あるいは排出増加可能性ということも含むわけですが、こういったことを考慮するのかとか、一定の何らかの割り振りの公平性基準についての考え方を示した上で、キャップ設定に至る道筋はこういうふうになりますというような考え方もやはり本当は議論をして、そういった形できちっと制度を組んでみた上で一定の評価にかけるというようなプロセスを踏まれてはというふうに思います。
 以上でございます。

○植田委員長 ありがとうございました。
 それでは、明日香委員。

○明日香委員 今、諸富先生からお話があって、私もまさにそうだと思うんですが、誰がやるのかなというのがあります。今のは冗談なんですけれども。
 あともう一つ、すみません。定性的にはもうA、B、CでAが一番日本全体での目標を達成するためのコストというのは小さくなると。Bが2番目に安くて、3番目のCが一番日本全体としてはコストが高くなるということは明らかだと思います。定量的にもうちょっと細かいところというのは、インパクトをどういうふうに考えるかでまた難しくなってくると思うんですね。最終的にもしカーボンリーケージなり価格転嫁することによって需要の低下ということであれば、どの産業がどの程度あるかというのはある程度計算はされています。我々のグループも海外のグループも、多分、有村委員のグループもそれほど大きなインパクトはないという。ですが幾つかの産業はありまして、その産業に対してはこういう保護措置をつくるべきだというようなロジックはそれなりに我々は構築しているつもりですので、次回、誰が発表するかわからないんですけれども、そういうのをもっとメッセージとして強く出していきたいとは思っております。
 あとは、なぜ排出量取引制度かということなんですが、私、個人的には比較的もう議論はしてきたと思うんですね。参考の3ページ目の考え方ということで、逆にオプション、多分、炭素税、排出量取引制度、規制的手法、その3つぐらいしか大まかに分けてありませんので、その3つの中でどれが一番安く確実に削減できるかというと、もうほぼそこら辺の議論ははっきりしているのかなと私は認識しています。もしそうじゃなかったら、逆にどういう制度が安く確実に早く削減できるかというのを教えてほしいかなと、そういう対案がないとあまり話は先に進まないのかなと思います。
 最後に、すみません、LCAのところで、私、さっきちょこっとお話ししたんですが、先ほどの話というのは、省エネ家電の場合は、例えば排出枠を2,000円程度と仮定したときに補助金の額としては数百円なり数千円だと。ハイブリッド自動車の場合でも数千円レベルだというので、補助金としてはあまり効果はないじゃないかと。もし本当に補助金なりをつくるんだったらもうちょっと選択的、集中的にハイブリッド車の研究開発にお金をかけたほうが国としては賢いやり方なのかなとは思います。
 すみません、それにちょっと関連するんですけれども、二国間の輸出なりLCA的な話で国内外ということがよく話題に出るので昔の話を申し上げますと、かつてカナダが天然ガスを輸出することに対してクレジットを要求したことが国際交渉においてあります。2000年です。それというのは、アメリカに対して輸出するときに、天然ガスをカナダが輸出しなかったらアメリカでは石油なり石炭が代替的に使われると、その差分というのを計算して、1年当たり7,000万トンでそのクレジットをカナダ政府が要求しました。幾つか批判が出まして、アメリカとEUが猛烈に反対をしましてぽしゃっています。なので、少なくとも国際的な合意においてそんな簡単にもらえるものではないということです。そのときの一番のやはり批判というのは、使用段階で排出削減が行われることが製造段階でのより大きな排出を認める理由にはならないという理由だったと思います。
 以上です。

○植田委員長 では、有村委員ですね。

○有村委員 最初に、オプションが幾つか出ているわけですけれども、私も大野委員が言われたみたいに原単位方式のトレードというのは実はあまりここでは議論してこなかったように認識しておりますので、若干ここまでの議論の総括としては違和感があるなというふうに言えると思っております。
 それから、リーケージに関する国際競争力と炭素リーケージの問題ですけれども、これは11ページに書かれておりますが、「規制の強さが国により異なる場合」というふうに書かれてあるとおり、これは実は排出量取引だけの問題ではなくて、温暖化対策をすればどうしてもしている国としていない国の差は出てくるので、そのような問題だというところは1つ確認しておく必要があると思うんですね。これは環境税で同じような強い規制を行う場合とか、あるいは自主的な経団連の自主行動計画でもそれなりの強度の自主目標を自分たちで掲げることになれば、結果的には多少なりとも一時的に、短期的には国際競争力上大変なことになるかもしれませんし、炭素リーケージというのもそういう意味で伴うものだと。その中で排出量取引の場合には何らかの対処方法があるんではないかという辺りを明日香委員の研究グループも研究されていますし、我々のところでも研究していて、それは世界中いろいろな経済分析があって、ある程度結果は出ているというところだと思います。
 それで、実際に諸富委員から、いろいろなオプションを定量的に評価するんだという話になると、これは例えばかなり実際のモデルとここで現実の世界の制度と完全に整合的に結びつけてきれいに評価するということになると、なかなかそこは時間がかかることだろうなと。そこのところは恐らく重要なところではありながら、すぐにぱっと答えを出すというのは非常に難しいのではないのかなというふうに思っております。
 それから、リーケージへの影響の配慮方法ということでは、ここでは具体的には書かれていませんけれども、具体的な配慮方法の検討ということで今後の検討課題ということに書かれていますが、例えばアメリカで提案されていたリベート方式であるとか、あるいはEUでやられているようなベンチマーク方式とか、あるいは財務省の関税局で研究されていた国境調整の考え方もあって、それらに関しては我々のところでもある種の計算はして、効果の分析というのはしております。
 以上です。

○植田委員長 ありがとうございました。
 そうしたら、大塚委員、お願いします。

○大塚委員 全体に関して4点ほど申し上げておきたいと思いますが、1つは影山委員がおっしゃってくださったことですが、LCAに関して、明日香委員からのお話もあったように日本からの輸出分に関して海外の削減のクレジットを得るということに関しては、これはちょっと協定を結んだりしないといけないので、そんなに簡単にはいかないと思うんですね。ですから、これは、多分、日本国内だけの話としてはすぐには対応できることはなかなか難しいかなと思います。それ以外のLCAは検討していくべきだと思いますし、それを検討すれば日本でCO2削減にすら排出枠取引が有効でないとかということにはならないと思いますので、先ほどのご指摘との関係でいけば、そこを配慮すれば日本での排出枠取引は有効だということになるんじゃないかとは思いますけれども、いかがでしょうかということが1点でございます。
 それから、排出枠取引の導入意義の4ページに関して、3ページのところとの関係で、この制度の設計に際しての基本的な考え方の関係で排出枠取引がどういう導入意義があるかということは、まさに4ページに書いてあるように、3ページの1の総量削減の達成と2の効率性、3の公平性と透明性、これが理由になっていると思いますので、それは4ページにかなり論理的に書いてあるということではないかと思っております。
 それから、私はご指摘の国際競争力等々の問題は配慮事項として非常に重要だと思っているので、そこは産業界の方々がおっしゃることはよくわかるつもりではいるんですけれども、ただこれは配慮事項であって、基本的な考え方にはちょっと入らないのかなというのが多いかなとは思っていまして、というのはやはり目的は何といってもCO2の削減ですので、当たり前のことですが、そのときの配慮事項ということではないかと思いますので、配慮事項だからといって大事でないということでは全くないので、それは位置づけだけの問題かなと思いますけれども、整理の問題としてはそういうことになるんじゃないかなと考えています。
 それから、細かい点につきましては、後ろからになっちゃいますけれども、複数の方がおっしゃったように、20ページの原単位方式に関しては私も前に申し上げたことがありますけれども、原単位方式だと総量削減というまさに今の基本的な考え方の第一が達成できなくなるので、オプションとして置くのはどうかなというふうには思いますが、いろいろなご配慮があってのことかもしれませんけれども、私自身の考え方としてはそのように考えております。
 それから、ちょっと戻っていくと12ページのところでLCAの議論がありますが、恐らくここで一つの分かれ道、意見の分かれることになるのは、最初から割当をするときにLCAのことを考慮して割り当てるのか、それともオフセットのようなことを考えるかということは多分議論が出てくると思いますので、私はオフセットのほうがいいと思っていますが、そこはさらにご議論いただければと思います。
 オフセットがいいというふうに私が考える理由は、割当のときにはどういう技術開発がなされているかというのがはっきりわかっているわけではないので、後からはっきりわかるのではないかと思うので、割当のときLCAを考慮するのは実はかなり難しいのではないかと。大体どのぐらい売れるかというようなことまで最初に考えて割当をするとかというのはちょっと不可能かなというふうに私は思いますので、オフセットのほうがいいと思いますけれども、オフセットに伴う面倒くささというのはもちろんあることは否定できないところですけれども、この辺はさらにご議論いただければと思っています。
 それから、8ページのところで戦略的リザーブを入れていただいて大変ありがたかったと思いますけれども、費用緩和措置はぜひいろいろ考えていく必要があると思いますので、こういう戦略的リザーブのようなことも含めながら検討していく必要があると思います。
 それから、7ページのところで閉鎖のところは検討が必要で、あまり書いてありませんが、これは前から言っているように岡先生等の議論もございますので、既に割り当てたものについては閉鎖を年度の途中にした場合も取り返さないと、ただ次の年からは閉鎖したことを前提に割り当てるというのが基本的な考え方かなと思っておりますので、意見として申し上げさせていただきます。
 以上でございます。

○植田委員長 ありがとうございました。
 では、末吉委員、お願いします。

○末吉委員 すみません、いつも最後になっちゃって。次回以降の議論の視点というようなことでちょっと個人的な感想を申し上げます。
 温暖化というのは明らかにリスクですよね。これは、もう産業だろうが、個人だろうが、家庭だろうが、消費者だろうが明らかにリスクだと思うんです。とすれば、それはコストを伴いますよ、リスクですから。だから、この議論の前提に、コストを回避するという話じゃないですよね。コストは相当程度覚悟しなきゃいけない。その上でこの制度をどう作るかという話だろうと思います。ただ、一方では、環境産業が伸びることによって受けに行っている企業だってあるわけでしょう、売り上げが伸びているところ、あるいは物すごい投資をし始めているところ。こういったことを考えるとこれはオポチュニティーですよ。明らかにそういうチャンスが生まれ始めております。いや、むしろ国策として税金を使ってそのオポチュニティーを作っていこうという世界の流れも出てきます。そうすれば、明らかにリスク・アンド・オポチュニティーの中で我々は本当の選択を迫られていると。ですから、この制度のオプションの選択という意味は、実は日本の経済が、10年、20年、30年後にどういった産業構造を持つのか、どういった産業を持つのか、もっと言えばどういう個別企業を持ちたいのかですよね。
 ですから、既存産業、既存企業の中の選択も始まるし、今、手にしていない未来産業、未来企業の選択も始まっていくんだと。そうしたことが日本全体でうまくいかないと、日本の将来はないわけですよね。
 現に、我々は戦後の経済復興の過程で何が起きたかというと、結局は大幅な産業構造の入れかえだったじゃないですか。個別企業の名前だってがらがら変わりましたよ。だから、これだけの経済発展があったとすれば、将来においてやいわんやであります。ですから、私は、これから本当の選択が始まる、そういったことをベースにしての制度設計のあり方を考える、そういった議論をぜひやりたいと思います。
 ですから、これは真実の、本当の選択をどうするかということでの議論も私はぜひする必要があると思う。念のために申し上げれば、すべてを厳しく切るという話じゃなくて、いろいろな努力をされているところの企業をどうやってエンカレッジしていくのか、支援していくのかというところと同時に、そういう努力がないところにもっと努力してほしいというエンゲージメントをどうしていくのかですよね。その結果として我々国全体あるいは社会全体、消費者がさまざまな産業や企業の個別の選択をしていくと、そういった時代が私は始まったような気がしております。

○植田委員長 ありがとうございました。
 多くのご議論をいただきましてありがとうございました。幾つかやはり事務局、室長の方から回答・コメントしていただいたほうがいいかと思いますのでお願いします。

○上田市場メカニズム室長 まず、オプションの作り方で、Cについてこれまでのこの委員会の中であまりそういうオプションという議論に結びつくようなものはなかったんじゃないかと複数の方からご意見いただきました。これについて私も、これまでの議論、着任してからいろいろ議事録等を読ませていただきましたけれども、若干そのデメリットについての意見というところに終始していて、メリットについての議論というのはこの場でなかなか言いにくかったのかもしれませんが、なかったのかなと思っています。ただ、先の国会で廃案にはなりましたが、基本法案の中で、今回、原単位方式もちゃんと記述をして検討すると挙げられている状況の中で、今回この審議会の中で具体的にどういう案が考えられるのかというものをご議論していただいているわけですが、この中での議論というのはもちろん皆さんそれぞれ代表していろいろ意見いただいて、我々としても受け止めていいものにしようとしているんですが、その背景で多くの方がこの議論の行く末を見守られていると、その中には多くの国民の方とかもいらっしゃるんで、あの法律に書かれた議論はどうなっているんだろうかという説明責任を果たす意味でもオプションとして扱う必要があるのか、それとももうその前提として合意事項という形でやるのかというのは少し慎重に判断したほうがいいのかなと思ってあえてオプションとしたわけでございます。事業者の代表の方から、ここはもうオプションでなくてもという意見があっても、総意となればそれはそういう形で書こうかと思うし、また個別にいろいろご意見を伺いたいと思います。オプションとして加えたのはそのような事情でございます。
 また、排出量の総量のところには多くの方から、1巡目、2巡目ご意見をいただきました。これは半分以上の方から言われたと思います。今回のご指摘を踏まえて、どこまで少し書き込めるか、中で議論をして、次回の資料に供したいというふうに考えております。
 そのほか、いただいた意見についてはまた事務局で座長と相談してできる限りのものは反映をして、次回の議論に供したいと思います。
 以上でございます。

○植田委員長 ありがとうございました。
 大変貴重なご意見をいろいろいただきました。私としてもこの制度オプションということにつきましてもう少し進化させたものとして次の議論に進めたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 最後に連絡事項ということでお願いできますでしょうか。

○上田市場メカニズム室長 ありがとうございました。説明の中でも申しましたが、次回日程を既に調整させていただいております。具体的には9月10日に開催を予定するべく準備しております。詳細については各委員に追ってご連絡をさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。議題等については、本日の議論を踏まえたさらなる検討ということで、本日の資料をベースに改善したものをまたご議論いただきたいと思います。あわせて、冨田委員から今回ご要望がありました意見の提出でございますが、もし紙でというものがあるのであれば承りたいと思います。今回、たまたま直前にいただいて、ちょっとほかの方に周知する期間がなかったもので委員限りとさせていただきましたが、この場で資料の扱いについて次回そのようにすることを申し伝えさせていただきます。
 以上でございます。

○植田委員長 では、これで本日の議事を終了したいと思います。
 どうもありがとうございました。

午後5時05分 閉会