中央環境審議会第65回地球環境部会・産業構造審議会環境部会第地球環境小委員会合同会合(第24回)議事概要

日時

2007年10月17日(水)9時00分~12時00分

場所

東海大学交友会館 阿蘇・朝日・東海・三保の間

出席委員

石谷小委員長代理、浅野部会長代理、中上座長、内田委員、江原委員、角田委員、松尾委員、小川委員、小林委員、藤江委員、青木委員、碧海委員、秋元委員、浅岡委員、飯田委員、石坂委員、浦野委員、及川委員、大塚委員、鹿島委員、木下委員、黒田委員、河野委員、佐和委員、塩田委員、鈴木(正)委員、須藤委員、高村委員、内藤委員、名尾委員、永里委員、長辻委員、西岡委員、福川委員、三橋委員、森嶌委員、山口(光)委員、山本委員、米本委員、横山委員


1.

経済産業省所管業種の自主行動計画フォローアップ[2](電機・電子、自動車、流通・サービス業等における地球温暖化対策の取組)について

 経済産業省から資料1、各業界から資料2~20について説明が行われた。

2.

委員の発言及び質疑

○石谷座長

  • まずは電機・電子・産業機械等ワーキンググループ、それから自動車・自動車部品・自動車車体等ワーキンググループをまとめてコメントしたい。
  • 両ワーキンググループが対象とする自動車、電機機械、各種産業の特性について、2つの点を強調したい。1つは、これら産業は日本の代表的輸出産業であって、高度な性能と信頼性によって世界的にトップレベルの競争力を保って、いわば日本の経済、エネルギー資源確保を支えている産業と言える。その中で省エネ、あるいはCO2削減に努力しているということは高く評価されると思うが、一方では競争力に打ち勝つ要因にもなっているということで、今後もますますCO2削減をお願いしたい。
  • もう1つは、基本的にエネルギーを消費する最終製品を製造している業種であること。その高度な機能と品質に加えて高い省エネ性にも特徴があり、世界的にも省エネ、CO2削減に貢献しているのではないか。結果として、世界に冠たる省エネ機器が実現できて、産業競争力も維持しているという点である。
  • LCA的観点からは、CO2削減は製品のライフサイクル全体で評価すべき点もあり、使用段階のエネルギー消費、CO2排出の大きな両製品が特に製造段階のみならず、民生・運輸部門の削減効果にも貢献しているということを考えておいていただきたい。
  •  こういった位置づけの両産業が当初の目標を達成し、さらにその強化に努力していることは日本のCO2削減努力を世界に示すことになり、極めて意義のあることである。
  •  今後、さらに相当な努力が必要だと思うが、その実現を強く望みたい。
  • 個別産業については、ご説明がありつけ加えることはないが、特に省エネ製品を世界規模で拡大することが望ましい結果をもたらすということは理解されている。産業として製造量が伸びれば、その反面でCO2排出全体量も当然増加する可能性がある。それを省エネ努力によって原単位の改善に努力することが重要であり、そういった意味で電気機械が製造プロセス、材料の変換など、各種のエネルギー増加要因の中でなお不断の努力でその削減に努め、再度の引き上げ、それも現在の実績を超えた引き上げを表明されたことは評価できるとともに、その実現を強く望みたい。
  • 自動車関連は絶対量で削減をコミットしており、その実現に努めてきたが、その中で実績超過は既に実現している。ただ、今後、自動車製造のさらなる伸びも期待され、その絶対量確保は容易でない中、絶対量の目標を捨てずに、当初目標からさらに目標を引き上げられるということは、非常に大変な努力だとは思い、高く評価できる。
  • 関連する自動車産業、特に部品工業かと思うが、部品の高度化や輸出増加など、現状かなり厳しい状況にある中で、目標達成の決意が示された。非常に難しいと思うが、これも経緯を見守っていきたいと思う。
  • 建設機械産業については原単位を目標にしているが、今のところ目標を2年連続で達成している。ご検討いただいているとのことだが、可能であれば目標の引き上げをぜひ早急に実現していただきたい。
  • その他、未達のところについては、それぞれいろいろ難しいところがあるかと思うが、目標達成の努力を引き続きお願いしたい。
  • 産業界がこういった大変なご努力で削減を進めている反面で、負担の公平性という観点からみて、民生、あるいは業務部門の省エネが遅れているわけだが、ぜひ早急な改善を進めていただきたい。
  • 家庭部門については、省エネ法改正など、今後の努力が一層必要だということを痛感している。その中で本ワーキンググループの対象となる製品が最初に申し上げたように省エネに非常に大きく貢献するということ、したがってその普及促進を加速することが省エネと産業の両方の発展に対してともに意義があるということをつけ加えたい。

○中上座長

  • 今年、WG単体で深めた議論が出来なかったことは残念。
  • 流通業は、お客様に不便・不快快を与えないことが重要なポイント。事業者の努力は当然だが、お客様にご理解頂くことも重要。消費者に対する普及・啓発が大切。今年、百貨店協会では店内温度を引き上げたが、消費者の反応として大きな反対はなく、事業者と消費者は歩み寄っていると思われる。
  • 各流通団体において、大幅な努力を行っている。例えば大規模・長期の投資となるESCO事業について関心が持たれており、導入事例も増えている。また、省エネ型設備の導入について、経営者の理解も深まっている。こうした取組によって、原単位が年々改善している。ただ、天候に大きく左右される面もあり、実績値をにらみながら情報修正をする努力を行っている。昨年と引き続き、百貨店協会、チェーンストア協会は原単位が改善したが、その他の団体についても、出来るだけ改善努力を進めていく意気込みである。
  • 流通業界の自主行動の参加率向上については、リース事業協会、大手家電流通懇談会が新たに自主行動計画を策定、またショッピングセンター協会が次年度からの参画を目指している。貿易協会からの報告もあったが、流通部門というよりもオフィス部門の省エネが大半である。他の部門にも参考になるので、情報を発信していきたい。

○委員からの発言及び質疑

  • 電機電子4団体に対して、特にCO2排出量の目標についての言及がなかったが、例えば自動車業界では今後設備を増強する状況でCO2排出量の目標を設定しており、電機関係業界でCO2排出量の目標設定が困難な理由を伺いたい。
  • 自動車に関して、自動車は多くの部品から構成されているが、ユーザーにとって、完成車メーカー、部品メーカーを分けて考えることは難しい。部品から完成車に至るまでのトータルのエネルギー消費がどうなっているのか。車種毎にライフサイクル的な目標を設定することができないか。
  • 自動車工業会に対して、資料の1頁の2010年目標と4頁の表を比較すると、目標10%削減に対して、2006年では25%削減となっている。生産量が大きく伸びていく中で、これだけの努力に対しては大きく評価したいが、そういった中で今後の削減目標について12.55%削減と修正されたわけだが、さらに努力をしていただいて、現状の25%削減を2010年目標として頂きたい。
  • 日本自動車部品工業会に対しては、90年比7%削減、原単位については20%削減となっているが、資料の5頁の表にある2010年度の見通しの出荷額を前提とすると、原単位20%削減はCO2排出量で13%増となる。今後出荷額増が続いたとしても、削減目標についてはCO2排出量の総量を第一目標として、7%削減をぜひ維持してほしい。
  • チェーンストア等の民生部門に対しては、国民に大変近い業種である。そういう意味で、是非さらなる削減努力をお願いしたい。現実には個別の店舗等で10%以上の削減をしている店舗が結構ある。そういうのがモデルとして出てきているので、そういうところをぜひ見習っていただきたい。この辺を参考にして、協会と各業界でぜひ削減をお願いしたい。
  • 電機電子4団体に対して、目標を引き上げているので評価したいが、2006年に既に36%の削減実績があるので、更なる深掘はできないか。また、改善要因については260万トンとの具体的数字が書かれているが、悪化要因についての定量的記載がない。試算の根拠を教えてほしい。更に、資料では、世界半導体会議では我が国がリーダーシップを取って総量削減の目標を掲げている。業界として、総量を全面に出す検討をする時期ではないか。
  • 日本産業機械工業会に対して、総量目標を設定しているが、CO2排出原単位を見るとかなり悪化している点は注目したい。
  • 日本ベアリング工業会と日本建設機械工業会に対して、原単位目標を掲げているが、CO2総量目標を設定してほしい。
  • 日本工作機械工業会に対して、エネルギー原単位とエネルギー消費量を目標として設定しているが、エネルギー原単位を見ると直近の2004年の値と目標の値がほとんど同じである。生産額に応じて原単位は変わると思うが、生産額がほぼ同じであれば、原単位が同じということは改善していないことになるので、更なる深掘を御願いしたい。加えて、CO2総量目標を設定してほしい。
  • 自動車4団体は総量の目標設定を行っており高く評価出来る。他の団体も、是非とも総量を目標としてほしい。自動車4団体に対して、自動車産業全体で省エネ、省資源、省CO2に取り組むことが可能なはずであり、4団体で統一した自主行動計画、数値目標の設定はできないか。無理であればその理由を教えてほしい。
  • 日本チェーンストア協会、日本フランチャイズチェーン協会など4団体について、床面積と営業時間帯のエネルギー消費量を指標として採用しているが、本気で温室効果ガス削減を考えているのか疑問。営業時間が延びれば延びるほど、目標達成は容易となる。CO2削減に対しては、営業時間の延長、24時間化が問題であると考えるが、各業界の見解を伺いたい。
  • 店舗毎に省エネ促進をする余地はあると考えている。省エネ診断など、他人の目で見ることが必要。現場の感覚では、修繕や定期の設備更新の時期に合わせて省エネ改修を行うことによって、まだまだ省エネを促進する余地はある。
  • 新たに参画した業界と情報交換して、取組が進めていくことを期待したい。
  • CO2削減、目標達成に対する産業界の取組について、地域に持ち帰って各団体に伝えたい。自主行動に力を注いでいる業界への支援として、産業界の取組の話を伝える場を設けてほしい。
  • 日本チェーンストア協会、日本百貨店協会、日本フランチャイズチェーン協会などは、消費者との接点が多いので、全国に発信するとの観点からの取組が見込まれる。一層の取組を進めてほしい。グリーン物流など、物流対策に積極的に取り組んでほしい。
  • 大手家電流通懇談会に対して、もう少し前向きの話を伺えるのかと思ったが、そうではなく残念。新聞等で廃家電問題が以前から取り上げられているが、電機業界は今後電器製品の買換が進むことが予想されているが、そのような状況で大手家電が一つにまとまっていないのは問題。
  • 今年日本百貨店協会が目標値を引き上げたが、昨年目標値を引き上げた日本フランチャイズチェーン協会などが今年目標値を据え置きした事情は理解できる。この10数年で店内に様々な設備が増えており、そのような状況で現在の原単位を維持しているということは、企業として努力があったものと思う。今後更に努力するためには、業種別のモデルを作る、店長レベルでインセンティブを働かせるなど、ソフトの対策が必要。
  • 小売り、サービス業は、生産と消費が同時に行われ、他の業種のような単なる生産ではない。例えば、店舗は1平米で100ワット程度使用しているが、コンビニに10数人の消費者が来店していたら、その10数人が家庭で電気を消した分でイーブンになる。家庭とのトレードオフがる点は認識すべき。したがって、営業時間が問題だと安易には言えない。小売り・サービス業は、消費者が生産に参画している点が重要。
  • レジ袋が話題となっているが、レジ袋がないことで2~3人が車で店舗に来たら、削減効果はなくなってしまう。郊外型店舗で行うとマイナス効果になる。消費者行動へのインパクトを考えるべき。
  • 自販機、ゲームセンターなど、まだカバーしていないものが沢山ある。報告いただいた業種を問題視するのではなくて、むしろこのような他の業種のカバレッジを上げる努力を継続していただきたい。
  • 流通業界は民生部門として報告されているが、流通業界は産業界のサプライチェーンのアンカーとしての役割が大きいので、流通業界が産業界にどのような頼み方をするかで、産業界の物流効率を大きく左右する。商品の調達の物流にかかる取組を促してほしい。流通事業者の環境報告書を見ると、店舗に来るトラックの台数、走行距離、積載率等を毎年報告している事業者もある。事業者の中でそれらの数字を定量化する作業をしてほしい。数値の把握手法が難しい場合もあり、国はこれを調査研究のテーマに取り上げても良いのではないか。

○電機電子4団体

  • 総量目標の設定可能性について複数コメントを頂いたが、総量目標が困難な一番の理由は、CO2排出量に大きな影響を及ぼす半導体やディスプレイデバイスの製品開発の技術革新が激しく、またその伸びも大きいので、2012年を見通して予測するのは困難であるためである。このことから、影響の受けにくい原単位を目標として採用している。また、この業界は景気変動が大きいのも理由の一つである。
  • 悪化の要因については、この業界はデバイスが大きなウェイトを占めているが、2006年度におけるデバイスの売り上げは全体の3割程度だったのが、2010年度にはこれが4割程度に上がることが見込まれている。原単位の値は、組み立てとデバイスで4倍異なるので、原単位が4倍多いものが10%増えると、原単位で15%程度悪化することとなる。

○自動車工業会

  • 自動車メーカー、車体メーカー、部品メーカーなど、複数メーカーをトータルで考えられないかとのご指摘については、企業が3つの団体に会員になっていれば良いが、そうではない。また、自動車部品以外の部品も製造している場合もある。このような事情もあり、現在は、それぞれの団体が独立した目標を掲げている。しかしながら、3つの団体は常日頃連携しており、また個別企業においても、部品メーカー、車体メーカー等がお互い連携している。
  • 車種毎にライフサイクル的な評価ができないかとのご指摘については、現実の生産工程では複数の車が同じラインで生産されていることもあり、車種毎に正確な評価を出すのは難しい。持ち帰って検討したい。
  • 25%削減を新たな目標に設定すべきではとのご指摘については、一定の見通しが立てば目標の見直しは検討したいが、今後増産も見込まれており、現時点で25%削減の見通しは立っていない。

○日本自動車部品工業会

  • 京都議定書はCO2排出量の削減を課題としており、当面はCO2排出量を第一の目標として進めたい。

○日本チェーンストア協会

  • お客様と近い立場にいることは痛感している。温暖化対策の意識を高めるとの観点から、業界としても責任を感じている。
  • 3Rを進めてほしいとのご指摘については、お客様のご協力を得ながら一層の取組を進めていきたい。
  • 原単位の分母の考え方については、経済的な要因も踏まえ設定時に議論を重ねてきたものであり、業界の全体像を反映し易いのではないかという観点から床面積と営業時間を採用した。
  • レジ袋については、お客様の行動を変える一つのきっかけと考えている。

○日本フランチャイズチェーン協会

  • 総量目標を採用すべきとのご指摘については、コンビニエンスストアに関して言えば店舗数の拡大が続いていることから、床面積と営業時間を分母とした消費電力量の原単位を採用している。
  • 24時間営業の問題については、営業時間は平均23.6時間でここ数年変化はない。最近は病院、学校などに出店する場合があるが、この場合は通常店舗よりも営業時間が短い場合が多く、今後営業時間が延びることはないと思われる。
  • 省エネ診断等による客観的な課題の整理をしてはどうかとの指摘に対しては、昨年、東京都と共同で作業を行い様々な課題を指摘頂いたところである。今年は名古屋の店舗について名古屋市と共同作業を行っている。
  • 消費者への情報発信については、環境報告書、ホームページ等に加えて、地域では環境をテーマにした催事等が行われており、協会として出店している各企業が積極的に取り組むことで推進を図っていきたい。
  • 物流に関しては、店舗の使用エネルギーとしてこれまでは電気の使用量のみを温暖化対策の主眼としてきたが、運輸部門における実績のデータ整備に着手している。大手数社においては、共同配送センターにおける使用燃料の総量、車輌台数などの数字の把握が進んでいる。次回以降、精緻な報告ができるよう努力したい。

○日本百貨店協会

  • 消費原単位については、営業時間は延びず減少傾向にある一方、床面積については、消費者のニーズに応えて、特に大都市圏において上昇傾向にある。原単位において、床面積と営業時間は欠かせない。ただ、いろいろな指標は考えていくべき。
  • 国民へのPRについては、ポスターを作るなど、特に力を入れている。お客様に強制するのでなく、お客様に考えてもらうことが重要。
  • 物流では努力しており、一つの方法として電子タグによる物流効率化に取り組みたい。

○委員からの発言及び質疑

  • 消費者へのPRについて、今回報告を行った業界は国民に近い業界。
  • 店頭にアドバイザー的な人を置いて、CO2削減したいと思ったときに情報を提供できるようにしてはどうか。例えば、照明機器についてはアドバイスが必要。
  • 全体としてかなりの削減努力がなされており、評価したい。
  • 原単位で削減されていてもCO2量で増えている場合、CO2の発生の内訳を分かり易い図表で示し、その経年変化を明らかにしてほしい。更に削減が可能な部分と困難な部分を分かり易く説明してほしい。
  • チェーンストア、コンビニ、百貨店は、店舗による差が非常に大きく、削減ポテンシャルがあり、この部分を深掘してほしい。チェーンストア、コンビニにおいては、過去5年間の実績よりも目標が低い。もっと真剣な取り組みが必要ではないか。店舗によって5倍から10倍の差があるが、これを埋めればかなりの削減が可能ではないか。
  • 自分の出しているエネルギー量をきちんと把握することが必要。隠れている部分、見過ごしている部分があるように思われる。例えば、研究所の問題、一過性で行うイベントなどであり、今後考慮してほしい。また、最終消費に近いところでは、消費者が企業の行動を見て、自分で考えるようになることが必要。消費者に、大きな物、豪華なものを買ってはいけないとは言えないので、例えばテレビでは消費電力を平均値からのズレで示すのも一案。百貨店に来る場合、駐車場は無料だが、同じ系列で経営されている電車で行くと高い料金を取られるといった矛盾もあり、改善してほしい。
  • 前回と今回で経済産業省所管の一番削減効果があると思われる業種が揃った。目標達成計画は背水の陣である。他の省庁もまじめにやる必要があるが、削減量はたかがしれている。ヨーロッパのヘッジファンドは日本をねらっている。国内から海外に膨大な資金が流れることは妥当ではない。ヘッジファンドを喜ばせることをやるべきではない。産業界の取組を促すだけでなく、年末に向けて、業務・民生部門の削減に本気で取り組む必要がある。
  • 一般的に、排出量取引は有効、日本の自主行動計画は甘いと言われている。しかし、EUの排出権取引がどれほどの効果があるのか不明である。他方、日本の自主行動計画はとても厳しい内容であり効果がある。両者を比較した資料を是非提出してほしい。
  • 資料11の3頁の下の表を見てほしい。生産額はデコボコが激しいが、2002年から2006年までは順調に伸びている。生産量が増えれば確実に原単位は下がる。この表は見事にそうなっている。原単位で考える意味を検討する必要がある。
  • 年々、自主行動計画の意識が深まってきている。また、産業部門に限られていたものが業務部門や運輸部門など他の部門にも波及してきている。今後、この運動を更に深掘・拡大し、目標達成計画の中心としてほしい。
  • 京都メカニズムについて、温室効果ガスを日本で減らそうが海外で減らそうが同じであるが、そのお金を海外で使うよりも、国内の遅れた部門などに使って目標達成することを真剣に考えてほしい。
  • 電機電子に対して、2010年までの追加的削減努力の具体的な内容と効果、その費用について、詳細な情報を頂きたい。また、カバレッジの問題として、4団体で359社が参加しているとのことだが、加盟団体全体の数か確認したい。更に、昨年までは団体の第三者検証を行っていたと記憶しているが、今回その記載がない。状況を教えてほしい。
  • 全体にかかわる話として、今回百貨店業界より目標数値の設定方法について、それぞれの類型毎にどのような状況にあるかについて最大・最小値を出しているが、重要なデータである。これは他の団体でも提示できないか。
  • 省エネ機器の導入について詳細に書いて頂いているところだが、温室効果ガスを使用しない冷蔵・冷凍機器の導入目標・回収目標にも言及してほしい。
  • 流通部門の取組は良くやっているとの印象を受けた。是非御願いしたいのは、積極的な取組を国民にPRしてほしい。今後、国民の意識を変えていく必要があるが、国民が日常生活で接する身近な場所はコンビニ、スーパー、百貨店である。そういった場所で、店頭にその店舗の取組に関するポスターなどが貼ってあれば、国民も自分も取り組もうと思うのではないか。
  • 産業界等が精一杯頑張ったものの、それでも目標を達成出来なかった場合、海外の金融機関が得をするという結果になることは避けてほしい。
  • コンビニ協会に対して、CO2削減を図るために国民の意識改革が必要であることは明らかだが、利便性を犠牲にした痛みの伴うライフスタイルの変更が必要である。例えば、業界は深夜の営業時間を3分の1減らすなどの自主的検討をしているのか。
  • 全体の印象として、目標が設定されるとかなりのところまで行くことが分かった。
  • いくつかの業界は原単位目標を設定しているが、最終的な目標はCO2総量を減らすことであり、原単位を指標として採用するのであれば、その値を大いに減らしてほしい。日本チェーンストア協会、日本フランチャイズチェーン協会などについて、直近の実績よりも緩く目標を設定しているのは問題。年末に向けて、厳しい目標を設定するのか。
  • 流通業界において、運輸部門の検討もされているとのことだが、具体的・定量的な提案があっても良いのではないか。
  • 2010年の目標値について、第一約束期間は2008年からスタートするので、2008年から2010年までの各年のデータを示してほしい。
  • 流通部門について、エネルギー原単位の採用は問題。分母と分子を恣意的に選んでおり、それを目標として設定しているのはおかしい。総量を目標とするよう行政指導してほしい。
  • 電機電子において、半導体などでは技術革新があるので今後どうなるか分からないという理由で原単位を採用しているが、技術革新によってどれだけCO2が削減されるのかの研究は当然行うべき。
  • 消費者が24時間営業を期待しているから、それに応えるのが流通業界の務めであるとの考えは止めてほしい。コンビニなどは、常識的な営業時間に短縮しても良いのではないか。
  • 京都議定書はCO2排出量を6%減らすもの。原単位だけでなく、CO2排出量を目標としてほしい。
  • 自動車業界に対して、CO2排出量を指標として採用している点は評価したいが、足りない場合は京都メカニズムを利用したいとの説明があった。もしCDMを獲得したら国に無償で移転するということを確認したい。
  • これだけの業種が揃っている国は他にはほとんどない。アメリカくらい。これだけの業種がこれだけ取り組んでいるというのは世界初である。ヨーロッパとアメリカでは、自主的手法が上手くいくとは考えていない。企業は短期の利潤極大を目指して活動して、罰金がないと取り組まないものと考えられている。我が国でこれだけの規模でこれだけのことを行っているということを海外に発信していく必要がある。この情報、少なくともデータを英語で海外に出してほしい。
  • 自動車について、他国との比較のデータを出してほしい。また、日本企業は海外の自主的取組も守るのか確認したい。
  • 大手家電流通懇談会に対して、省エネ家電製品の販売促進について、メーカー側とどの程度連携を取っているのか。
  • コンビニの24時間営業について、例えば午前0時から5時まで全ての店舗が閉店した場合、CO2削減にどの程度の効果があるのか。
  • 京都メカニズム活用の補足性について、政府はどのように考えているのか。

○日本自動車部品工業会

  • 京都メカニズム活用に関して、まずは省エネの積み上げが大切と考えている。その上で、未達分は京都メカニズム活用を検討したい。クレジットの国への移転については検討中。

○日本フランチャイズチェーン協会

  • 24時間営業の見直しによるCO2削減効果に関しては、店舗で営業時間を短縮する場合、例えば朝7時から夜11までの16時間営業に切り替えると、その前後で開業・閉店の作業があり、実質的には18時間程度となる。これを前提に考えると、照明関係は約4.5%の削減となる。冷蔵・冷凍機器はそのまま稼働する。空調関係は0.98%程度。営業時間短縮による売り上げ減に関しては、一店舗当たりの深夜営業の売上額は約12万円であり、売上額全体の18%程度を占める。物流に関して、深夜に商品の配送を行うシステムになっており、これら深夜配送により7%程度の燃費節約になっている。また、店舗経営者にとって開店・閉店作業は厳しい場合もあり、24時間営業という形が一つのビジネスモデルになっている。

○大手家電流通懇談会

  • この業界では、このような取組を行うとの地合を作るだけでも大変なこと。社会的価値観を企業間で共有することで、家電量販店への見方を受け止めることがないと業界の体質は変わらないのではないか。
  • 省エネ家電製品に関するメーカーとの連携については、省エネセンターや経済産業省で省エネ表示を共通化しているが、これを活用するためメーカーとはかなり密接に連携している。

○電機電子4団体

  • 省エネ努力として、今後、250億円から350億円の投資を予定している。
  • カバー率について、359社でほぼ100%のCO2をカバーしていと考えている。
  • 第三者認証については、今年も実施しているが、今回は時間的余裕がなかったので、改めて報告したい。

○日本自動車工業会

  • 欧州との自主約束の件は、メーカーとしては最後まで諦めず対応していきたいと考えている。
  • 各国との自動車の燃費比較については、今後検討したい。

○徳田環境省地球温暖化対策課長

  • 排出量取引制度に関する資料については、排出量取引制度については追加対策として11月から12月にご議論いただくことになっており、その際に提出したい。
  • 京都メカニズムの補足性については、我々としては当然補足的手段として考えている。国内において努力するのが第一である。

○藤原経済産業省環境経済室長

  • 京都メカニズムの活用については、あくまで補足的手段であるとの原則の下、まずは省エネ対策などの国内対策を優先して頂くことが大切である。但し、CER等を購入しないと目標達成できない業種もあることは理解頂きたい。別途、現在の京都メカニズムでは、資金が海外に流出してしまう等の御指摘もあり、いわゆる「国内CDM」制度創設のための検討会も開催しているところ。
  • 2010年度のデータの位置づけについては、経団連の方でもルールを整備して頂いたが、5年間の平均という意味である。
  • 目標指標の選定については、中間報告等にもあるように、行政からもCO2排出量を可能な限り採用されたいと要請はしている。但し、本件は自主行動計画における「自主」との定義にもかかわってくる問題であり、目標指標の選定は各業種に委ねられているとの点で、最終的には業界の判断だと整理している。
  • 英語で国際発信すべきとのご意見については、これまでも多くのご指摘を頂いてきており、行政の側としてはより一層の努力をしていきたい。
  • 対象業種以外の業種にも自主行動計画を拡大すべきとのご指摘については、政府を挙げて自主行動計画の拡大の運動を今春から行っているところであり、その成果として新規策定業種として今回発表させて頂いたところである。
  • 「ここに挙がっている業界を問題視するのではなく」とのご発言があったが、冒頭ご説明させて頂いたが、自主行動計画は、閣議決定にもある通り、一定の厳格性をもって関係審議会による審議を行うことが極めて重要と認識しており、その点は誤解のないようお願いしたい。

3.その他

○石谷小委員長代理

  • 産業構造審議会・総合資源エネルギー調査会自主行動計画フォローアップ合同小委員会、中央環境審議会自主行動計画フォローアップ専門委員会への報告については、各ワーキンググループの座長から行われる予定である。

○藤原経済産業省環境経済室長

  • 本日の御発言に追加すべき意見・コメント等がありましたら、一週間以内に書面にて事務局にお送り頂きたい。また、議事概要についても、送付後一週間でご確認頂きたい。
  • 次回は、他省庁所管のフォローアップについてご審議頂く予定であり、日程は10月23日(火)の15時30分から18時30分まで、場所は御茶ノ水ビジネスセンターとなっている。

(文責 事務局)