地球環境部会(第131回) 議事録

日時

平成28年3月28日(月)10時00分~12時00分

場所

TKPガーデンシティ永田町 バンケットホール1A

東京都千代田区平河町2-13-12 東京平河町ビル1階

議事録

午前10時00分開会

○低炭素社会推進室長

皆様、おはようございます。

定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会を開催させていただきます。

私、事務局の環境省の関谷と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

本日の審議は公開とさせていただきます。現在、委員総数23名のうち、過半数の委員の皆様にご出席をいただいております。定足数要件を満たしておりまして、部会として成立していることをご報告いたします。

まず、浅野地球環境部会長よりご挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○浅野部会長

久しぶりにというか、合同会議の機会が多いために、地球環境部会単独の開催がなかなかできないのですが、本日は単独の開催をいたします。毎年、環境基本計画の点検をやることになっておりますが、前回同様、今回、優先的取り組み事項のうちの「地球温暖化に関する取り組み」関しては本部会で点検作業を進めることになりますので、それをどのように進めたらいいかということについては、他の審議会の思惑などは一切関係なしに当部会で勝手に議論すればいいわけですから、単独の開催ということになりました。あわせて、合同会議でも既にいろいろと報告は承っておりますが、改めて、その後の動き等も含めたご報告を承ることにしています。本日の会議は、前半、まず環境基本計画の進捗状況の点検のやり方について、皆様方から忌憚のないご意見を伺いたいと思っておりまして、その後、報告を受けて、また質疑応答ということにしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○低炭素社会推進室長

ありがとうございました。

続きまして、環境省地球環境局長、梶原より一言ご挨拶いただきます。

○地球環境局長

おはようございます。

本日は、年度末の大変お忙しい時期にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。この部会については、今月も4日に産業構造審議会との合同会合ということで、地球温暖化対策計画案についてご審議を賜ったところでございます。その計画案につきましては、15日の地球温暖化対策推進本部におきまして、取りまとめ、現在、パブリックコメントのプロセスにかけさせていただいているところでございます。計画案の中では、2030年26%削減するという中期目標の達成に向けた道筋を明らかにいたしますとともに、長期的な目標として、2050年までに80%削減を目指すということを基本的な方向という形で位置づけさせていただいたところでございます。今後、パブリックコメントの結果を踏まえまして、5月の上旬ごろには閣議決定をいたしたいと考えているところでございます。

先ほど、部会長のほうからお話がありましたように、本日は、第四次環境基本計画の点検といたしまして、地球温暖化対策に関する部分についてご議論を賜りたいというふうに考えております。環境基本計画それ自体は、策定後5年を経過する平成29年を目途に見直すというふうに伺っております。その意味で、今回の点検につきましては、第四次環境基本計画の点検の最後の点検ということだと認識をしているところでございます。

また、本日は、さまざまな最近の動きについてもご紹介をさせていただきたいと思っております。活発なご意見を賜りますようお願いを申し上げます。

○低炭素社会推進室長

それでは、ここで、カメラの方がいらっしゃいましたら退席をお願いいたします。

ここで、配付資料の確認をさせていただきます。議事次第の次の紙に配付資料の一覧がございます。資料1が当部会委員名簿でございます。資料2-1、第四次環境基本計画第4回点検の進め方について、資料2-2、第四次環境基本計画「地球温暖化に関する取組」の点検について、2-3が「地球温暖化分野」重点検討項目(案)でございます。資料3-1、地球温暖化対策推進法の一部を改正する法律案の概要、3-2、同法律案について、資料4-1、地球温暖化対策計画(案)の概要、資料4-2が地球温暖化対策計画(案)でございます。資料5、地球温暖化防止のための国民運動の推進体制の強化について、資料6が「家庭からの二酸化炭素排出量の推計に係る実態調査 全国試験調査」の結果(速報値)について、資料7、環境省における二国間クレジット制度(JCM)の取組状況、資料8、環境省におけるエネルギー対策特別会計を活用した主要補助事業の取組状況について。

それから、参考資料が幾つかございます。参考資料1が第四次環境基本計画重点分野「地球温暖化に関する取組」(抜粋)です。参考資料2が、この第四次環境基本計画の進捗状況について、2年ほど前に点検をしていただいた際の報告書の(抄)でございます。参考資料3、少し分厚い冊子になっておりますけれども、地球温暖化対策計画(案)における対策の削減量の根拠ということでございます。それから、このリストにはちょっと掲載できておりませんけれども、その下に、末吉委員からのご意見ということで、2枚紙の参考資料をお配りさせていただいております。資料は以上になります。もし不足などございましたら、事務局のほうにお申しつけください。

では、以降、議事進行は浅野部会長にお願いいたします。

○浅野部会長

それでは、早速、第四次環境基本計画の点検について、お諮りをしたいと思います。

資料2に基づいて、事務局から説明いただきます。

○低炭素社会推進室長

では、資料2-1から2-3を主に説明させていただきます。まず、資料2-1をご覧ください。この資料は今回の第4回点検の進め方についてでございます。この資料自体は、昨年11月20日に開催されました中央環境審議会総合政策部会で既に使われました資料ということでございますので、基本計画全体の点検の進め方についてご説明させていただきます。

最初の囲みのところにございますけれども、第四次環境基本計画、平成24年に閣議決定しておりますが、その後、毎年、進捗状況の点検を行ってきております。平成25、26の2カ年で全ての重点分野等について一通り点検を行いました。これを踏まえて、平成27、28の2年間では、その後の施策の進捗状況、また、前回の点検におきまして審議会よりご指摘いただいた事項の進捗状況を含めて、全ての重点分野について改めて点検を行うということとされました。今回、平成28年の点検におきましては、平成26年に行いました点検と基本的に同様の重点検討項目について検討を行うということとされたところでございます。

今回の点検でございますが、環境基本計画は策定後5年を経過した時点を目途に計画の見直しを行うということとされておりますので、今年の点検が第四次の環境基本計画の最後の点検となります。このため、今回の点検におきましては、施策の進捗状況の確認ということはもちろんですけれども、審議会でご指摘をいただいた事項について、次期の計画の策定に資するものとなるような総合的な見地からの今後の課題等について記述を行うということとされてございます。

点検作業の全体のスケジュールでございますが、1ページ目の下から2ページ目にかけてございます。2ページ目に行っていただきまして、上のほうに関係府省の自主的点検等とございますが、この4月以降、各府省の自主的点検、そして、(3)の中央環境審議会での点検が並行して進められることになります。この「4月頃~7月頃」と書いてございますけれども、この期間に総合政策部会における横断的な重点分野での点検作業と並行しまして、各個別の重点分野については、関連する部会での点検を行っていただくということでございます。地球環境部会においても、その流れで地球温暖化についての取組に関する点検を行っていただくということでございます。

7月頃までに部会での点検作業を終えていただきまして、7月頃~11月頃にかけまして、今度は総合政策部会のほうにおきまして、各部会での点検結果の報告などを踏まえて、全体の点検報告書(案)のご審議をいただき、その報告書(案)につきましては、パブリックコメントに付すということになってございます。その上で点検報告書を取りまとめいただき、11月頃を目途に閣議報告をさせていただくということになります。また、その内容につきましては、平成29年における年次報告等への反映が行われるということになってございます。

2.重点点検分野等を書いてございます。この中で、今年の重点点検分野として、事象面に分けた重点分野の中に、地球温暖化に関する取組というのも入っているということで、今日、お願いをする次第でございます。

3ページ目に、細かな表が載っておりまして、今後の予定とございます。総合政策部会のほうで行われる横断的な分野の点検というのに並行しまして、下のほうに他部会というふうにございます。一番上の黒丸に、地球温暖化に関する取組ということで、平成26年に続きまして、平成28年に2回目の点検を行っていただくということでございます。

4ページ目に行っていただきまして、重点検討項目でございます。各個別分野の重点項目につきましては、各関連部会において審議・決定するということとなってございます。後ほど別資料でご説明をさせていただきます。

4.に地方ブロック別のヒアリングとございます。これは点検全体に関してのヒアリングということで、本年は、東北、関西、中国の各地方ブロックで行うということと聞いてございます。

続きまして、資料2-2でございます。「地球温暖化に関する取組」の点検についてでございます。1.は、今もご説明しましたが、この分野につきましては、平成26年に続きまして2回目の点検となります。

2.の点検スケジュール案でございます。地球環境部会において、今日を含めまして、都合3回のご審議をいただきたいと考えてございます。本日につきましては、重点検討項目案についてご審議・ご決定をいただきたいと思います。その後、各省において調査票に平成26年度、そして平成27年度分の施策の進捗状況についての回答をいただき、環境省において点検報告書案を作成いたします。その報告書案につきまして、6月目途、恐らく6月の早めのほうと思いますけれども、6月目途に、その報告書案のご審議、関係府省へのヒアリング等を必要に応じ実施するということとしたいと思っております。3回目の地球環境部会(6月目途)と書いてございますが、これはどちらかというと、後ろのほう、あるいは7月にかかるかもしれません。そのくらいのタイミングで点検報告書案のご審議をいただき、取りまとめ、総合政策局のほうに提出をするという段取りでございます。その後の段取りについては、先ほどご説明をしたとおりでございます。

続きまして、資料2-3でございます。地球温暖化分野に関する取組の重点検討項目(案)でございます。先ほど途中でご説明をいたしましたが、今回、2回目の点検ということで、基本的には、前回、1回目の点検の際の重点検討項目を今回も点検をしていただくということでございます。

1としまして、国内における温室効果ガス削減の取組についてでございます。検討内容の詳細につきましては、前回の点検以降の主な進捗を触れさせていただいてございます。2013年以降の取組として進めてきたということと、それから、昨年の7月に中期目標を決定したと。さらに、この約束草案及びパリ協定を踏まえまして、地球温暖化対策計画(案)を策定し、現在パブコメを行っているというところでございます。点検項目については、a)、b)、c)とございますが、エネルギー起源CO2の排出削減対策、そして次が、その他の温室効果ガスの排出削減対策、そして、森林等の吸収源対策ということでございます。

裏側、次のページに行っていただきまして、重点検討項目2でございます。国際的な地球温暖化対策への貢献でございます。こちらにつきましても、検討項目詳細のところは、最近の動きを書いてございます。パリ協定の採択ということ、それから、国連の交渉以外の場でもG7等での取組を行っているというところ、また、我が国の取組として、二国間クレジット制度の活用等が行われているということでございます。点検項目としましては、a)~c)までの項目、二国間、あるいは地域における対策、そして、多国間、国際機関との協調的施策でございます。

それから、もう一つございます。重点検討項目3でございます。気候変動の影響への適応に関する取組でございます。前回26年の点検の際は、この3は実はございませんでした。その後、我が国においても、適応に関しては施策の進展もございましたので、今回、この重点検討項目として取り上げることとしたいと考えてございます。検討内容の詳細のところにございますとおり、IPCCの第5次評価報告書において、この気候変動の影響に関しては、新たな知見とともに、こうした内容か示されたところでございます。また、我が国としましても、政府全体の適応計画ということで、昨年の11月27日に閣議決定をしたというところでございます。こうした観点から、今回、適応に関する取組についても検討を実施したいと考えているところでございます。資料の説明は以上でございます。

○浅野部会長

ありがとうございました。

それでは、ただいま点検について、概略の説明並びに今回の地球部会での点検の項目の案についてご説明いただきました。少し補足をさせていただきますと、本来ならば、今ある計画の点検をしていけばいいわけですが、先ほど事務局の話もありましたように、計画策定後5年目を迎えることになりまして、来年度は新しい計画の策定作業にかからなければならないということでございます。ですから、今回の点検は、単に今ある計画の点検にとどまらず、次の計画をどういう内容にしたらいいのかということについても触れていく必要があると思います。とりわけ、現在の計画のどの点がまだ不十分であるかという点や、こういう新しく取り上げなければいけない問題があるのではないかといったことを取り上げて、議論をして、適切な提言をしていくということは、次の計画につながるだろうと思っておりますので、その辺りを含めたご議論を各部会にもお願いをしております。とりわけ地球環境部会については、この問題は大変深刻でございまして、現行の基本計画をつくったときには、日本の温暖化対策についての目標の数字がペンディングの状態であったわけです。その状態で基本計画をつくらざるを得なかったと。さらに、2012年に京都議定書で定めらた日本の目標を達成できるかどうかがよくわからないというようなことが書いてあるわけですが、そういう状態でつくられた計画でありまして、その当時は、国の温暖化対策の新たな計画や方針がもっと早く決まるだろうという思惑もあったものですから、計画期間であっても、新しく国の方針、目標が決まったときには、それに合わせて、必要な場合には計画の見直しをするということもあり得るということも記述したわけです。しかし、結果的には、幸か不幸か、不幸なのだと思いますが、ようやく今度の5月、もうほとんどこの計画期間の終わりごろになって、やっと新しい目標が決まるということでありますから、ある意味ではどうにもならないのですが、しかし、前につくった計画には責任がありますので改めて丁寧に読んでみたんですが、まあ、そんなに外れていないなと思いました。また、割合にちゃんと書いてあるとおりに世の中が進んでいるなという気もします。ですから、安心はできるわけですが、さらに、この先どうすればいいかということを考えなければいけないと思います。とりわけ適応については、まだ計画ができたばかりだから、何も言うことはないと多分各省が言ってくるだろうと思うのですけれども、省によってかなり温度差がありまして、やらなければいけないと思っている省と、まあ、あまりやりたくないなと思っている省があるようです。ですから、やらなくてはいけないと思っておられる省は、積極的に既に取組を始めておられますし、省としての方針なども決めておられるということもあるわけですから、決してできないわけではありません。それから、地方公共団体に対する適応への取り組みへの呼びかけについては、環境省もかなり積極的にこれまでも進めてきていて成果が上がっておりますので、この点については、今後、適応の具体的な取組を積極的に各省や地方公共団体にしていただくということのためにも、ぜひ今回の点検ではしっかり触れておく必要があるだろうと考えまして、項目を追加してもらったということでございます。

ということで、ちょっと補足を申し上げましたが、この点検に関して、ご意見があればお聞かせをいただければと思います。ご質問でも結構です。新しく委員になられた方もあると思いますので、制定時の経過についてはご存じない方もいらっしゃるのかもしれません。どうぞ、ご発言をご希望の方は、いつものとおり、名札をお上げいただけますでしょうか。どうぞご遠慮なく。それでは、原澤委員、どうぞ。その後、大塚委員、そして、髙村委員、末吉委員、荻本委員、長辻委員、この順番でお願いいたします。

○原澤委員

トップとは思わなかったものですから、ちょっとうろたえていますが、すみません。第四次の基本計画、先ほど部会長のほうからご説明があったように、非常に不確実な段階での計画づくりということだったと思うんですけども、ただ、長期目標として80%削減とか、適応というのが、日本の環境政策の中で初めてうたい込まれたという意味では、また、今回、温暖化基本計画の対策計画ができて、それがもう実現化するという段階に来たということで、方向性としては間違っていなかったということだと思います。

ちょっと3点あるんですけども、一つは、パリ協定で温室効果ガスの低排出発展戦略というのが、今後の検討ということになってしまったので、やはりこの部会を含めて議論をして、次の環境基本計画の中にしっかりうたい込んで、国際的にもアピールしていく必要があるのではないかというのが1点目です。

それと、現在、温暖化対策計画をつくっているわけなんですけども、ちょっと合同部会でも発言させていただいたんですけども、適応策というのは、現在の政策的な問題もあって、一緒に扱うことはないという理解だと思うんですけども、ぜひそこをいわゆる削減策と適応策、一緒に総合的に考えていく視点が非常に重要になってきているのではないかと。もし、そうでないとすると、適応策をやる自治体のほうは非常に混乱をする可能性もあったりする。そこをちゃんとガイドしていくというのが、次の課題にはなってきているのではないかと思います。

もう一つは、国際的な努力をやっぱりしていかなきゃいけないということで、JCMとか新しいものについてはやっぱり積極的に評価しつつ、それを次の計画に入れていくというのが大事だと思います。ちょっとこれは後のほうでご説明もあるかと思うんですけども、民生部門のいろんなデータが出始めてきたということもあったりするものですから、そういったデータをちょっと先走っちゃうんですけども、しっかり分析して、それを対策に生かすというようなことが、特に国民運動とかいうのが非常に重要な役割を持っているかと思いますので、そういった点が非常に重要だと思いました。点検をやってほしいというのではなくて、さっき、部会長もお話があったように、次の計画づくりにぜひ考えてほしいという点を3点挙げさせていただきました。以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

大塚委員、どうぞ。

○大塚委員

一言で終わりますけども、浅野先生が先ほどおっしゃっていただいたように、4年前の温暖化対策の計画の策定以降、状況が変化しているということがございます。特に石炭火力が増えているということがございまして、今後どうなるかというのも非常に重要な問題になっていると思います。場合によっては、2030年度の目標が達成できるかどうかが危ぶまれるということも出てくると思いますので、そういう温暖化対策計画が前に立てられたときの状況から大分変わってきているということも踏まえて、ぜひ点検を進めていっていただきたいと思います。既に計画に記載してあるということだけでなくて、新しく状況が変化したところに対して、政府がどういうふうに対応できるか、対応しているかということも含めて、点検を進めていっていただければと思っております。そうすることによって、初めて次期の計画につなげていくことができると思いますので、その点をぜひご注意いただきたいと思います。以上でございます。

○浅野部会長

ありがとうございました。

髙村委員、どうぞ。

○髙村委員

ありがとうございます。

2点申し上げたいと思っております。一つ目は、これは部会長の浅野先生、あるいは事務局からもありましたけれども、今回の点検の一つのやはり重要な点というのは、次期のやはり計画の策定にきちんとつながっていくということが重要な点だということを考えますと、やはり2030年の26%の目標、あるいは2050年の80%、これは既に第四次環境基本計画の中に入っていると思いますけれども、これに照らして、各関係府省庁、あるいは地方自治体のところで、どういうふうに取組が進捗をしてきていて、同時に、その取組の進捗だけでなく、それぞれの取組の分野でどういう排出の動向にあるのかということを踏まえて、課題出しをしていただくというのをお願いできないかなというふうに思っております。ある意味で、これは原澤先生がおっしゃった低排出戦略の準備の過程にもなると思うんですけれども、今の計画の実施の中で、その評価の指標として、30年目標と50年目標に照らした課題出しということをお願いしたいということが一つ目です。

それから、二つ目は、これはサブスタンスというか、特に焦点を置いていただきたいと思っている項目でありますけれども、やはり30年、50年というタイムスパンで見たときに、やはりインフラの低炭素化というのを明確に、意識的に、計画的に行っていくことが非常に重要だというふうに思っております。建築物、都市、交通、エネルギー、非常にやはり一度つくると、そんなに簡単に壊すことができない。このインフラをどういうふうに、やはりうまく変えていくかということが戦略として非常に大事だと思っていまして、特に建築物、都市、交通辺りは、ここの辺りは恐らくもうビジネスのほうが先に動き出していらっしゃると思います。他方で、このインフラの多くのところが、自治体の意思決定というんでしょうか、自治体の政策が非常に重要なところでもあると思っています。エネルギーに関しても、例えば地域での熱の面的利用等々含めた自治体主体の政策打ち出しというのが非常に大事だと思っていまして、この分野について、先ほど、30年、50年に向けた課題出しをというふうに申し上げましたけれども、自治体等からもその課題というものを出していただいて、国にとって、こうした低炭素インフラへの転換を図るためのどういう取組が必要かということがわかるような、今回、点検にしていただけないかというふうに思っております。以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

末吉委員、どうぞ。

○末吉委員

どうもありがとうございます。

出席がちょっと危うかったものですから、勝手ながらペーパーを出させていただきまして、失礼いたしました。

私自身も、四次計画と、2030年あるいは2050年との関連をどうするのかというのは非常に重要だと思っております。皆さんもそうお感じになっていると思うんですけど、この分野の変化は、現実が全ての予測や予想や計画を上回って変化しております。こういったことを考えると、四次計画、あるいは次の計画がどうあるべきかということは非常に重要だと思っております。中でも私が関心が深いのは、社会と経済のグリーン化であります。グリーンイノベーションも一緒に書いてあるんですけど、こちらはイノベーション技術ですから、皆さん、具体的に議論ができるんですけれども、社会のグリーン化とか、経済のグリーン化というのは、一体何を意味するのかですよね。ライフスタイルや都市のあり方、あるいは、これからの成長分野や産業構造がどうなっているのか、あるいはエネルギーの問題、それから金融がどうなっていくのか、こういったことを考えますと、2050年に向けてのエンドレスの流れ、計画が始まっていると。全てにおいて非常にリードタイムが長い作業であると。それから、当然ながら、リニアな変化じゃなくて、いわゆるリープフロッグ的な変革がどんどん起きてくる。こういったことをしますと、言葉の上で事後的に何でも言えるようなゼネラルな表現ということもいいんですけれども、やはり相当程度、このグリーン化の具体性といいますか、焦点をどうするのか、こういったことを意識した議論をしていく必要があるんじゃないかと思います。特に私が心配しておりますのは、明らかに新しい国際競争が始まっておりますし、その国際競争の中身は、新たなルールの競争が始まっております。ぜひ、こういった視点を踏まえての議論ができればいいなと思っております。以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

荻本委員、どうぞ。

○荻本委員

今までご発言いただいた内容で、時間軸であるとか、主体というようなキーワードが出たと思います。私は、これはちょっと別の角度から見てお話をさせていただきたい。それは先ほどの三つ、CO2の量とか、いろんな目標の値があります。あれは恐らく究極的な目標値が書いてあると。何を言っているかというと、究極的な目標値を満たすために何をしないといけないかということを考えるときに、定石としてはそのプロセスを評価するという、最終指標ではなくて、補助事業というのが非常に重要になると思っています。つまり、5年ごとに見直しをしたとしますと、あと3回しか見直さないうちに2030年になってしまいます。ですから、最終目標だけを見ていると、どうしても時間遅れが出てきてしまって、3回目に間に合わなかったね、おしまいということになりがちだと思います。なので、その補助事業、将来を決めるような我々の考え方、または取組方のプロセスがどう変わっているのかということを見ていくのが非常に私は大切だろうというふうに思っています。

ちょうど車で言うと、アクセルを踏んだり緩めたりすればスピードが変わるので、ある時点に、予定した時間まで行けるということ自体を管理するというのは非常に大切なんですが、そもそもそういう車を我々はうまく改良して持っているのかというプロセスを見ていかないと、ずっと踏んだんだけど、全然行かなかったねということになりかねないということが、非常に私は懸念されます。

既にお話があったように、国民運動ということは、1億人がそのプロセスの中にいい意味で巻き込まれるのか、または、自治体といえば、何千もの自治体が、また、いい意味でそういうプロセスに巻き込まれるのかということ自体をエスタブリッシュしていかないと、行き着かないんだという要素が出てくると思います。これは、従来、発電所を重点的に対策をすれば、やってきたということから、もっともっと緻密な非常にたくさんのものを相手にしたことを評価していかないといけないということになるのではないかと思います。そういうプロセスの中には、データがどのくらいアベイラブルになったかというようなことも含まれると思います。ぜひ、キーワードとして、プロセスも見るんだというような評価をしていただけないかなと。それを5年後にやるのではあまりにも遅いと思いますので、今回の評価の中でも、そういうプロセスというのをどのくらい見れるのかということは、新しい、新しいと言ってはいけないですね。より重点を置く視点として考えていただけたらと思います。以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

長辻委員、どうぞ。

○長辻委員

私のほうは、適応策、新たに入ったテーマですけれども、これに関して、関心を持っております。国民にとって非常に身近な事象に接する部分でもあるし、それからまた、生活に密接に関わる部分でもあるということで、この適応策をうまく使うことによって、国民全体の地球温暖化に対する意識、啓発という、非常に大きな役割を果たすことになるだろうと思います。ただし、この適応計画は、実際に進めていくに当たって、非常に難しい問題がいっぱいあるだろうと思います。例えばテーマの分野の多様性、多岐の分野にわたっているということ、それから、不確実性を伴うということ、そういったことを考えますと、これが、適応計画が決まったのは去年の11月ですよね。そのときにも言われたと思うんですけれど、その情報のプラットフォームの整備をどうするかとか、それから、各主体に情報を広く提供する必要があるのだけど、どうやっていくのかと。つまり、情報の体系化、共有化、これが大事なことになるわけですけれども、これがどこまで、どのような形で、去年の11月から現在に至るまで進んでいるのか、また、その方向はどういうふうに見えてきているのかということを知りたい。それから進捗管理が難しいので、これは先行している諸外国の例を、その調査に行くと伺っていたと思いますが、これが、実際、どこまでなされているのか、この辺をお尋ねしたいと思います。

また、適応策の遂行に当たってはモニタリングという非常に地道な作業が必要になるわけですけれど、これは、ともすれば、このモニタリングという仕事は衛星で手っ取り早くできるという方法で、全部、代替されていくという流れがあるようなんですけれども、これはやはりフィールド調査という、現場に研究者が足を運んで実態を見るということを並行してやっていくことが大切で、その重要性もこの中で点検できるような仕組みがあればいいと思っております。以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

それでは、ただいま点検についてご意見をいろいろいただきました。多くのご意見は、これから点検の作業の中に生かしていけばいいと思いますが、長辻委員からのご発言がありました情報のプラットフォームについては、既に作業が進んでいますので、この辺について、竹本室長からお答えください。

○研究調査室長

ご質問ありがとうございます。

適応の情報プラットフォームにつきましては、これまで運用してきました地球温暖化分野の地球観測の連携拠点というのがございます。これが、今、国立環境研究所に設置されているんですけれども、これを拡大しまして、適応分野の情報の収集ですとか、自治体などの取組を支援するために情報提供できるような、そういったプラットフォームの構築をこれから国環研とも相談をしながら、立ち上げに向けて準備をしていくという状況でございます。

また、海外の調査でございますけれども、今、まさに進めておりまして、今月、欧米諸国の調査を行っておりまして、また引き続き調査を行い、取りまとめを行っていきたいというふうに考えております。以上です。

○浅野部会長

どうもありがとうございました。

プラットフォームについては、もう自治体からもかなり要望が強く出ていますので、かなり準備が進んでいるというふうに私も伺っております。ありがとうございました。

ほかに何か、点検についてご発言はございますか。よろしゅうございますか。

それでは、ただいまいただきましたご意見を踏まえながら、事務局としては、今後、点検の作業の準備に取りかかっていただきたいと思います。

それでは、次に、資料3、資料4、資料5、資料6、資料7、8、これだけございます。事務局は一括して説明をして、ご質問を承りたいというふうに言っておりますので、少々乱暴だなと思いすが、そのようにさせていただきます。

○地球温暖化対策制度企画室長

市場メカニズム室長、制度企画室の小笠原と申します。まず、資料3-1の地球温暖化対策推進法の一部を改正する法律案についてご説明させていただきます。この通常国会に提出しているものでございます。背景といたしましては、まず、パリ協定の採択を踏まえ、我が国の2030年26%削減目標の達成のために、民生部門は40%という大幅な削減が必要でございます。そのために、下の図にありますように、省エネ法に基づく「規制」でありますとか「税制」とか「補助金」といった、そういう施策をやっていくわけでございますけれども、さらに、国民一人一人の意識の変革やライフスタイルの転換というのをお願いするための普及啓発というのを抜本的に強化する必要があって、そのために、低炭素な「製品」、「サービス」、「ライフスタイル」の賢い選択というのを促すCOOL CHOICEというのを大々的に展開していきたいというのが趣旨でございます。

1点、この関係で、末吉先生から、民生部門4割削減について、国民がどういうふうに達成するのかということを含めて、ちゃんと説明するべきというご意見をいただいているところでございます。この40%というものは、例えば家庭でいきますと、要素分解しますと、家庭側の省エネ努力で16%、それから、電力の排出係数、電力側の努力でもって24%の改善というふうに分解されるものでございます。この電力部門の24%の改善につきましては、温対計画に盛り込んでおりますのと、環境大臣からも今年の2月9日に、どういうふうにしていくかという政策パッケージを発表させていただいたところでございますけれども、そういった電力側の努力と、省エネ法等による政策措置で達成していくものでございます。したがって、家庭側のほうでは、この16%の省エネ努力というのをお願いしていきたい。そのためには、いろんな機器の買い換えとか、省エネ努力によって達成されるものでございますけれども、そういったことを下支えするための普及啓発を強化していきたいというのが、この法律の一つの趣旨でございます。あわせて、国際協力を通じた温暖化対策や地域レベルの温暖化対策も一層推進していきたいというのが、この法律改正の背景でございます。

それで、下の箱の方に行きまして、改定する規定の内容は割とシンプルなものでございまして、一つ目として、温暖化対策計画に定める事項として普及啓発を明記する。二つ目としては、地球温暖化対策計画に定める事項として国際協力というのを明記する。それから三つ目として、地域における温暖化対策については、自治体に策定をお願いしている実行計画について、共同して策定することができる旨を規定する。それから、実行計画の記載事項の例示として、都市機能の集約等を追加するという改正でございます。

もう一つ、資料3-2で、加えて説明をさせていただきます。この改正、法律改正のみならず、法律改正とともに実態的に対策をどういうふうに強化していくかというところも含めた施策の強化でございます。

まず一つ目の、国民運動の強化という、1ページと書いてあるところでございますけれども、まず地球温暖化に関する危機意識の浸透といいますか、そのIPCCの報告といった正しい知識を国としてしっかりと普及啓発をしていく。その上で、いろんな業界、家電、住宅、自動車であるとか、鉄道、バス、物流とか、いろんな業界とタイアップをしながら、重層的・波状的な普及啓発を展開していく。それによって、緑色の箱で、1、2、3とありますけれども、三つのアクション、一つとして低炭素の製品への買換、それから、二つ目として低炭素サービスの選択、三つ目として低炭素なライフスタイルの転換、こういったものを国民にお願いをするための普及啓発国民運動を展開していきたいというふうに考えております。

それから、2ページ目に行きまして、国際協力を通じた温暖化対策の強化ということで、パリ協定におきまして、2度より十分下方に抑えると。それから、今世紀後半には温室効果ガスの排出と吸収をバランスさせるよう急激に排出を削減するということを踏まえて、国際的な対策を強化していかなければいけません。そういうことを踏まえて、この法律改正を踏まえてなんですけれども、下のほうで、JCMを、この後も別途の資料でご説明をいたしますけれども、これを強化していくとともに、二国間、それから地域でいうと、日中韓であるとか、ASEAN+3、それから、今年、ホスト国であるところのG7とか、いろんなチャンネルを、あらゆるチャンネルを通じて国際協力を強化していくというものでございます。

それから、3ページ目に行きまして、自治体の地域レベルでございますけれども、一つ目の改正事項は、温暖化対策の実行計画、自治体が定める実行計画について、複数の地方公共団体が共同で策定できる旨を規定するものでございます。これによって、例えば、その下の図にありますようなバイオマスを例に挙げますと、供給する側の農村と、使う側の都市とが連携をすることによって、広域的に取り組むことによって、こういったものの利用が促進されること、また、その区域をまたぐ公共交通の利用が促進されること、こういったことを期待しているところでございます。

それから、二つ目の改正事項が、実行計画の記載事項に都市機能の集約というのを例示として加えるというものでございます。これによって、少子高齢化を踏まえて、都市計画のサイドでコンパクトシティに向けた取組が進んでいるところでございますけれども、これは環境の観点から見ても、CO2の排出が減り得る取組でございますので、環境部局と都市部局が連携をして、コンパクトシティに向けた取組を進めていきたいと、そういった改正でございます。資料3-1関係は以上です。

○低炭素社会推進室長

続きまして、資料4-1と4-2についてご説明申し上げます。資料4-1、4-2は、地球温暖化対策計画(案)についての資料でございます。今月4日の日に、産構審との合同会合におきましてご審議をいただきました地球温暖化対策計画(案)でございますが、冒頭、局長の挨拶にもございましたけれども、その後、委員の皆様からのご意見も踏まえながら、パブコメ案を策定いたしまして、今月15日の日に地球温暖化対策推進本部を開催しまして、案を取りまとめ、同日からパブリックコメントを実施をしているところでございます。

資料4-1でございますけれども、4日の合同会合の際には、この概要の資料がございませんでしたが、その後、作成をいたしましたので、今日は改めてお配りをしてございます。内容について、大きな要素につきましては、4日の日にお諮りをしたものから大きな変更はございませんので、本日は、委員の皆様からいただいたご意見で、反映をさせていただいたところの主なところだけご紹介をさせていただきたいと思います。

まず、概要のほうで、全体構成を改めてご確認をいただければと思います。2ページをご覧ください。全体構成でございます。はじめにの後に、1章から4章までございます。1章が地球温暖化対策推進の基本的な方向ということで、目指すべき方向として、中期目標、長期目標がここに書いてございます。また、基本的な考え方として6点書いてございます。

それから、第2章が温室効果ガス削減目標でございます。こちらには2030年度の目標、そして、2020年度の目標について書いてございます。計画期間は、閣議決定の日から2030年度までと。

それから、第3章が、第2章の目標の達成のための対策・施策ということでございまして、国、地方公共団体等の基本的役割、そして、具体的な対策・施策を温室効果ガスのガス別、あるいは部門別、あるいは横断的施策、基盤的施策といった形で整理をしてございます。

第4章が進捗管理方法等ということでございます。

また、別表がありまして、別表につきましては、個々の対策に関する目標を記したものになってございます。

資料4-2の計画(案)のほうで、主な修正点だけ簡単にご説明をさせていただきます。まず5ページ目でございます。この辺りは、はじめにということで、経緯が書いてございますが、一番最後の5ページ目の3行目~4行目にかけまして、パリ協定においては、各国は貢献の目的を達成するため、緩和に関する国内措置を遂行すること。各国の次の貢献は、その時点の貢献を超える前進を示すことという形で、このパリ協定の重要なポイントを書かせていただいております。

それから、6ページ目に、長期的な目標を見据えた戦略的取組がございますが、この24行目のところから、「1.5℃に抑える努力を追求すること」といった形で、パリ協定の長期目標について、より詳細に記述をさせていただきました。

続きまして、8ページ目、29行目、全ての主体の意識改革等でございますが、こちらで、前回、人材育成に関するご意見をいただきましたので、こちらに「それらを伝え実践する人材の育成」という形で、基本的な考え方に位置づけさせていただいたところであります。

それから、飛びまして、29ページ目でございます。こちらは家庭部門の取組の中で、住宅の省エネ性能の評価・表示制度のところでございますが、ここ、29ページ目の冒頭に、「Non-Energy Benefitの観点も含めて評価するCASBEE等の充実・普及促進を図る」という形で、Non-Energy Benefitの位置づけを明確にさせていただきました。

それから、55ページ目でございます。こちら、基盤的な施策ということで、その一つとしまして、気候変動に係る研究の促進、観測・監視体制の強化がございます。この観測・監視に関しましては、それが地球温暖化対策の基盤ということで、非常に重要であるとご指摘をいただきましたので、6行目~8行目に関しまして、そのような位置づけについて追記をさせていただいたところでございます。

それから、最後、66ページ目でございます。進捗管理でございますが、66ページ目の冒頭の「また、」から始まる段落ですが、パリ協定に基づく目標の提出サイクルでございますが、最初が2020年度までに、また、それ以降、5年ごとということで、ここの部分、今後のプロセスを明確にすべきというご意見をいただきましたので、その旨、追記をしたところでございます。主な修正点は以上のようになっております。

今後の予定でございますけれども、資料4-1の最後のページをご覧いただきたいと思います。今後のスケジュールです。パブリックコメントでございますが、30日間ということで、3月15日~4月13日までの、今、実施をしているところでございます。その後、パブリックコメントに対する対応を政府のほうで行いまして、現在の予定ですと、5月上旬ごろに地球温暖化対策推進本部におきまして閣議決定案を取りまとめ、また、この最終的に計画の閣議決定を予定しているところでございます。資料4-1、4-2につきましては、以上です。

○地球温暖化対策課長

それでは、続きまして、資料5をご覧ください。地球温暖化防止のための国民運動、普及啓発の推進体制の強化でございます。先ほど小笠原からご説明を差し上げました地球温暖化対策推進法の改正とも連動いたしまして、取り組んでいこうと、国民運動を強化していこうと、その一環でございます。4割削減、因数分解の説明がございましたけども、いずれにしろ、家庭部門、業務部門、それぞれで省エネ対策、相当の強化が必要になってまいります。規制、税制、補助金といった、こういった政策が中心になってまいりますが、それに加えまして、国民一人一人の意識改革、ライフスタイルの転換を図るための普及啓発、これを抜本的に強化をしていきたいと思っております。法案の審議と連動しながら、あるいは、先立って取り組んでいく必要があると考えてございます。

そこで、2の推進体制でございますが、二つございます。一つはCOOL CHOICE推進チームというもので、環境大臣をチーム長として、経済界、地方自治体、消費者団体、メディア、NPO、関係省庁などをメンバーとする推進チームを組織してやっていきたいと思っています。このチームで普及啓発の進め方、基本的な方針、あるいは実施計画、そのほか、視点も広げまして、消費生活やライフスタイル転換のための取組に関する提言・助言を行っていただこうということでございます。また、このチームの下に、分野別、例えば省エネ家電ですとか、あるいは住宅の省エネリフォームとか、そういう分野ごとに作業グループを設置して、より機動的に活動をしていただこうというふうに思っております。

もう一つが、関係省庁の連絡調整チームでございます。これは地球温暖化対策推進本部幹事会、このもとにこの連絡調整チームを設置しようと思っております。

3点目、進捗管理でございます。この普及啓発、環境省が中心になって取り組んでいく必要がございますので、環境省で地球温暖化対策計画に沿った普及啓発の実施計画というものをつくっていこうと考えております。この計画の中では、適切な目標、これは最終的にほかの施策とも相まって、家庭部門、これだけ減らしますという、こういう目標とリンクさせる必要がございますが、それを最終目標としつつ、先ほど荻本委員からもご指摘がありましたけども、適切な指標の設定をして、毎年、進捗状況の評価を行い、PDCAをしっかりやっていこうと思っております。そのやり方でございますが、外部専門家による点検・評価、これをまず環境省の中で行った上で、中央環境審議会、この地球環境部会が中心になろうかと思いますが、そこでその評価結果を審議していただくと。さらに、その結果をこれまで取り組んでおります地球温暖化対策計画の点検・評価の審議会体制の中に反映していっていただくと、こういう形で進めたいと思っております。以上です。

○低炭素社会推進室長

続きまして、資料6のご説明を差し上げます。「家庭からの二酸化炭素排出量の推計に関する実態調査 全国試験調査」の結果(速報値)でございます。今後、約4割という大幅な削減が必要となっております家庭からのCO2排出実態に関しまして、今後の対策の検討等に幅広く活用することを目的としまして、環境省のほうでは、この家庭からの排出の実態調査につきまして、現在、試験調査を行ってきたところでございます。この発表は、平成26年10月から27年9月までの約1年にわたりまして、全国10の地方の約1万6,000世帯を対象に行いました全国試験調査の結果を速報値としてまとめたものでございます。調査自体は、住民基本台帳からの無作為抽出による調査員調査とインターネットモニター調査、二つの方法を併用して行っております。

ページをめくっていただきまして、3ページから4ページにかけて、調査事項というのがございます。調査事項として、1から9まで書いてございますが、こういった内容について調査をしたものでございます。

5ページ以降が、結果になっております。主なところをかいつまんでご説明させていただきます。まず図1というのがございまして、これは世帯当たりのCO2排出量でございます。ざっと見ますと、1世帯当たり、大体年間のCO2排出量が3.5t、そのうち約7割が電気の使用に伴うもの、ガスの使用に伴う排出が約2割、灯油による排出が約1割でございます。次のページの図2をご覧いただきますと、そのうち、照明、家電製品等が約5割、給湯と暖房がそれぞれ約2割という結果になっております。

その下の図3ですけれども、住宅の建て方別の結果というのがございます。これで見ますと、戸建て住宅の世帯では、集合住宅の世帯の約2倍の排出量になっているという結果になっております。

次、8ページでございます。今度は地方別の結果というのをまとめております。図6です。これで見ますと、CO2排出量の最も少ないのが関東甲信地方、そして、最も多いのが北陸地方ということになっております。これには気候の条件ですとか、建て方、あるいは世帯類型など、さまざまな要素が影響しているものと思っております。

続きまして、10ページをご覧ください。10ページ目は、世帯人数とCO2排出量を見たものでございます。世帯人数が増加しますと排出量は増加するんですけれども、一方で、1人当たりの排出量を比較いたしますと、世帯人数が多い世帯ほど1人当たりの排出量は少なくなっている。図10が戸建て住宅ですが、戸建て住宅の4人という世帯で見ますと、1人当たりは1.25tでございます。これを1人世帯と比べますと、約半分をちょっと下回るぐらいになっているものでございます。

それから、13ページをご覧ください。13ページは、省エネルギー行動の実施状況とCO2排出量というものを見たものでございます。省エネルギー行動、さまざまございますが、ここでは図16にございます18の行動について見てみました。これはさまざまな実施状況がありまして、例えば(16)とか(17)の辺りの照明とかコンロの使い方については、かなりの方が実施しているのに対しまして、例えば(13)モデムとかルーターの電源を時々オフにするというようなことについては、実施していない方が非常に多いというものでございます。

これについて、14ページのほうで見ていただきますと、図17で例えば見ていただきますと、この省エネ行動について、実施率が例えば80%より大きく、100%以下の世帯の排出量が3.78tとなっております。これを戸建て全体の平均値である4.43と比べますと、1割以上少なくなっているということがこの調査から見てとれます。省エネ行動による削減の可能性が認められる結果となっております。

今後の予定ですけれども、これは今回、速報値ということでございます。今回のこの調査結果の最終的な結果等は、今年の6月ごろに改めて公表する予定でございます。また、この結果を踏まえて、本格的な調査に向けて、最終的な調査の設計などを来年度(28年度)は行いまして、本格調査につきましては、平成29年度から実施をする予定としております。資料6は以上でございます。

○国際企画官

市場メカニズム室の国際企画官をしております、水野と申します。資料7をご説明いたします。環境省におけるJCMの取組状況につきまして、ページをめくっていただきまして、2ページになります。JCMですけれども、2013年1月に初めてモンゴルと署名してから約2年経過しました。2年の間にさまざまな実プロジェクトが立ち上がっておりまして、既にいろいろな国で、いろいろな技術で削減に貢献をしているところでございます。

3ページ目に、JCMの進捗の表がございまして、一番下の欄に合計値がありますけれども、現時点で16カ国と、国によって濃淡ありますが、相手国との合同委員会を既に30回開催しております。そして、JCMプロジェクトとして、相手国政府の了解も得て登録したものが10件、クレジットの算定方法に関する方法論、これも相手国の承認を得たものが21件と。そして、一番右、これは必ずしも相手国の承認を得たものではなく、環境省、それからNEDOさんが実施しているさまざまな資金支援事業の案件が世界で68件、この68件が、後々、プロジェクトとして登録されていくということを期待しております。

4ページ、めくっていただきますと、JCMでは、京都議定書のCDMでいろいろな課題や批判があったことを踏まえて工夫をしておりまして、例えば手続に関しましては、いろいろな手続がありますけれども、CDMと比べて大幅な短縮を実現できているというところでございます。

5ページには、クレジットの算定方法、つまり、承認方法論の21件という、まだ数がそれほど多くありませんが、内訳を見ますと、ほぼ4分の3が省エネということになっておりまして、これはCDMでなかなかその省エネが進まなかったということも踏まえて、なるべく省エネ、大変大事な技術でありますし、日本の強みでもありますので、省エネを進めやすい制度として進めております。

6ページ、その方法論ですけれども、様々なものがありますけれども、一番上に工夫のポイントを書いておりまして、簡素化する、それから、実際にモニタリングするときの件数というか、そのモニタリングする場所を削減する。それから、世界全体での削減に貢献すると。どうやって実施しているかというのは方法論によって違いますけれども、この事例で挙げますと、ちょっと左下のグラフになりますけども、もしJCMがなければどうなっていたのかということを考えるというのが必要ないといいますか、ある程度、保守的に効率を設定しまして、この効率よりも上であれば、それは追加的な削減として考えましょうということで、方法論を簡易にしております。

7ページは、これは先ほど申し上げましたように、相手国のまだ承認を得たものではありませんけれども、環境省で資金支援をしております事業59件の内訳でございまして、約半分が省エネ、そして、3割が再生エネルギーとなっておりまして、省エネ、再エネを中心に進めているところでございます。

8ページ、9ページに、具体的なプロジェクトの事例ですけれども、8ページは、これはセメント工場における廃熱の回収発電、これはインドネシアで、今、1件、工事を進行しているところでございますが、これは例えばJFEエンジニアリングさんの試算によりますと、アジアの4カ国で年間合計180万t近いポテンシャルがございます。また、9ページ、これはアモルファスという高効率な変圧器、これはベトナムで、今、第一弾ということで、南部で導入しておりますけれども、既に中部での採択が決まっておりまして、さらに北部へということで、全国的な水平展開の最中にあります。

10ページ目以降は、ご参考ということで、10件の登録プロジェクトの概要、それから、21件の承認方法論のそれぞれの内容をご紹介しておりまして、さらに、15ページに、環境省の資金支援事業、細かいですけども、国別に示しております。

それから、最後に16ページになりますけれども、3月に、特にアジアの国を中心に招きまして、東京でJCMのワークショップを開催しまして、環境大臣、副大臣、政務官のご参加を得まして、各国との意見交換、それから情報共有を実施させていただきましたことをご報告させていただきます。以上でございます。

○地球温暖化対策課長

それでは、資料8をご説明したいと思います。環境省におけますエネルギー対策特別会計を活用した主要補助事業の取組状況でございます。

1枚目、1ページをご覧ください。こういった分析については、引き続きやっていくことといたしておりまして、まず最初の分析ということで、24年度の予算、それから、補正並びに25年度当初と、この2.5年分の事業について行ってみました。今回対象にしましたのは設備導入補助、設備を入れてCO2を直接削減するという16事業をピックアップしまして、25年度末までに交付決定がなされました604件の実績を取りまとめております。補助金の総額といたしましては約100億円でございます。今回、これに含めていないものとしまして、技術開発とか普及啓発、あるいはグリーンニューディール基金というのがございます。グリーンニューディール基金につきましては、これはまた別途、それだけに関して同様の分析をしてみたいというふうに考えております。

4ページをご覧ください。年度別の実績でございます。左側から、件数、補助額、それからCO2削減量でございます。税収、財源が増えておりますので、それに応じて、こういった件数、・補助額などが伸びているということでございます。右下に費用対効果、補助額を1年当たりのCO2削減量に法定耐用年数を掛けたもので割りました。1t減らすのに補助金0.9万円というのがこの16事業のトータルのものでございます。

次のページをご覧ください。次は部門別に整理をしてみました。産業、民生、運輸、エネルギー転換でございます。環境省は、民生部門を中心にということで考えておりますが、16の予算事業につきましても民生部門が中心で事業を実施させていただいております。右端、費用対効果のところをご覧いただきますと、民生部門の費用対効果、産業部門と比べて倍ほどお金がかかるという特徴があることがわかりました。

次のページ、6ページをご覧ください。事業者規模別に整理してみたものでございます。大企業、中小企業、それから自治体に関しましては、都道府県、大都市、中小都市という分類でございます。民間企業を対象に重点的に事業が、補助が行われています。地方自治体の中では、特に中小都市を対象に重点的に事業が行われているということでございます。

次のページ、7ページをご覧ください。どういう設備に補助金が使われているかということでございますが、左側の円グラフが全部門で整理したもの、右側が民生部門でございます。両方とも高効率設備、これは照明と空調と給湯でございますが、これが一番多くなっております。それから、高効率業務機器、これはコンビニエンスストアのショーケース、こういったようなものでございます。この二つが二本柱といいますか、多くなっているということでございます。産業、民生に共通する機器ということで捉えられるかと思います。

次のページ、8ページでございますが、今の導入設備について、大企業、中小企業、地方自治体の別に、それぞれどう導入されているのかというのを見たものでございます。左側が全部門、右側が民生部門ということでございます。先ほどの円グラフと同様の傾向が出ているということでございます。

次のページ、9ページをご覧いただきたいと思います。これはその設備のうち、高効率設備について、これが一番多いということで、さらに分解をして、照明、空調、給湯、その他ということで、この四つに分けて、どれが一番導入されているのかというのを分析したものでございます。取り組みやすい照明あるいは空調といったところが、件数、補助額、それから、CO2削減実績につきましても、多い傾向にあるということでございます。

10ページを飛ばしまして、11ページをご覧いただきたいと思います。今度は視点を変えまして、地域別、全国8地域別に件数の分布を見たものでございます。全ての地域、正確に申し上げますと、47都道府県全てで事業を実施しているところであります。一方で、関東、中部、近畿、三大都市圏、ここで7割以上ということで、そこに集中しているということが言えるわけでございます。

次のページは、この地域別について、CO2削減量で整理をしてみました。左側の棒グラフでございますが、部門別CO2排出割合というのを全国で見たものと、部門別CO2削減割合を、対象とした補助事業の実績で見たものでございます。民生部門で補助事業については実績が上がっているということでございます。それをさらに地域別で分解したものが、右側の日本地図に載っている部分でございます。地域別のCO2削減量では三大都市圏で8割ということでございます。民生部門中心にそれぞれの地域で対策が、補助事業が行われて、実績が出ているということでございます。

最後、13ページでございます。以上をまとめまして、今後の対策に向けた視点でございますが、民生部門、主体が多いのは中小企業、それから、あるいは自治体も含めれば中小都市ということで、比較的サイズが小さい事業者の方々が多いので、そういったこともわきまえて、水平展開による波及効果も含めて、効果的な支援をしていく必要があると考えております。

また、高効率設備、照明、空調、ここを中心に入っておりますが、これらに加えまして、給湯についても含めて、全般的に導入を推進していきたいと思っております。また、引き続き、全国各地で事業を実施していく必要があるというふうに思っております。そのために対策技術の多様化、低コスト化に向けました技術開発、あるいは効果的な技術・設備についての情報提供というのをしっかり行っていく必要があるだろうと思っております。

それに加えまして、この設備補助だけでなく、金融、リースなど、社会・経済システム全体のグリーン化についても、この事業の中で充実させていく必要があると思っております。

そのほか、地域の特色を踏まえた低炭素地域づくり、あるいはさまざまな主体における低炭素化の取組意識の向上、こういったものについても取り組んでいく必要があると考えております。

今後も、この同様の分析というのを毎年行って、審議会にご報告していきたいと思っております。以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

それでは、種々、いろんなご報告をいただきましたが、ご質問、ご意見を承りたいと思います。どうぞ、ご質問、ご発言をご希望の方は札をお立てください。予定でも結構です。よろしゅうございましょうか。

それでは、後で質問に対するお答えをいただく時間を若干とっておきたいと思いますので、大体40分ぐらいではおさめたいと思います。今、札を立てておられる方が11人ということです。それでは、南部委員から順番に、こちらのほうにお願いをいたします。

○南部委員

ありがとうございます。

資料3について意見を申し上げたいと思います。地球温暖化対策として、地球環境の維持という観点から、国民一人一人の意識改革やライフスタイルの転換を図るための普及啓発は、まさしく重要であると認識をしております。連合も積極的に協力をしていきたいと思っております。資料3には、省エネ製品などの低炭素な製品・サービス・ライフスタイルの「賢い選択」という表現がございます。一方で、環境配慮計画や容器包装の簡素化など、直接「省エネ製品」でないものの、これまで多くの企業が3Rの観点から環境保護を推進してきた経緯を踏まえ「間接的に低炭素につながるもの」も今回のCOOL CHOICEの「賢い選択の範疇」に、ぜひ、加えていただければという意見でございます。

そして、この「賢い選択」につきましては、消費者が選択しやすいように、その趣旨が見てすぐにわかるような表示も必要であるかと考えております。また、「賢い選択」の普及・啓発についても、ぜひご対応をお願いしたいということの2点でございます。以上でございます。

○浅野部会長

ありがとうございました。

冨田委員、どうぞ。

○冨田委員

ありがとうございます。

2点申し上げたいと思います。1点目は、複数の資料にまたがる話ですが、国民運動についてでございます。昔から言われていることでありますけど、なかなかうまく進展できません。特に国民一人一人の意識の改革、ライフスタイルの転換といっても、なかなか変わっていかないところが難しいところだと思います。例えばこの意識の改革はどういうことかと考えたときに、常々思っているのは、使えるものも捨てるというぐらいの意識の改革が必要ではないかなと思います。何を申し上げているかといえば、エネルギー消費機器は昔に比べて、最近のものは非常によくなっていることは広く知られていますが、いざ自分の立場に立ってみて、使えているものまで買い換えるということまで行っていないと思います。新しく買い換えるときに、より省エネのものに買い換えるというのは当然のことなのですが、自分自身の経験からしても、もっと早く買い換えておけば、エネルギー消費量はもっと減ったのにということを実感しております。そのくらいのことを考えていただく必要があるのかなと思います。これは環境基本計画にもつながる話で、日本人が持っている「もったいない」という環境に関する非常な美徳がまだまだ強いと思います。温暖化対策よりも「もったいない」というほうがまだ勝っているということだと思いますが、そのバランスが、非常に難しいですが、必ずしもそうではないというぐらいの意識改革をぜひこれからも考えていただきたいと思います。

もう1点目は、資料6についてでございます。このような全国的な調査がようやく始まり、また、かなり大規模な調査でることを非常に評価したいと思います。、今、資料6で出ているのは速報値でありますし、それから概要ということなので、本格的な調査結果というのはもう少し違う資料になるのかもしれませんけれども、全ての結果、数字として出ている結果がCO2で表されているというところが気になっています。

先ほど小笠原室長からご説明があったように、民生分野における40%の削減というところでは、電力の係数のことと消費量の削減のことに因数分解ができるとおっしゃられていましたけれども、CO2で表現している限り、因数分解ができていないということだと思います。一方、調査の中身としては、エネルギー消費量はデータとして持っていらっしゃるわけですので、ぜひエネルギー消費量のところも併記していただくなどの対応が必要ではないかなと思います。特に来月から電気の自由化、来年4月からガスも自由化ということが控えているわけですが、供給者が変わることによって、CO2の量というのは変わってくるということになると思うので、そこのところはぜひエネルギー消費量を削減したのか、供給側の対応で変わったのかというところを分けて分析できるような体制に持っていっていただければと思います。以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

髙村委員、どうぞ。

○髙村委員

1点だけでありますけれども、資料8についてです。まとめた形で出していただいて、大変全体像が見えて、ありがたいと思っております。今後の方向性として幾つか記していただいているところに、一つ、要望でございますけれども、現在もそういうプロジェクトを重視されていると思うんですけれども、どうしてもエネルギーというと、電気の議論が主流になってきがちだと思うんですが、やはりエネルギー需要の4分の3が電気以外のところですので、そこのところをどうするかという視点は、引き続き重視をしていただきたいというふうに思っております。

プロジェクトはそういう方向で立っていると思いますけれども、申し上げている一つの理由というのは、先ほど最初の議題のところで、自治体さんのニーズを踏まえてというふうに申し上げたのですが、自治体さんのほうから、これは環境省さんだけじゃなくて、類似の事業は総務省さんとか経産省さんもお持ちなので、環境省さんの事業ということではないのかもしれませんけれども、例えば熱の面的利用をしようと思ったときに、熱導管が補助の対象にならないので、なかなかその事業ができないというようなお話も聞いていて、一番やはりそこが自治体としては、費用的には非常に大きな負担だと思っていらっしゃるというお話を聞いております。そういう意味で、これは一つの例ですけれども、プロジェクトの柱と同時に、そのプロジェクト、この補助の対象がうまく自治体さん等々のニーズとかみ合っているかどうかというところは、ぜひあわせてご検討いただきたいというふうに思っております。以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

末吉委員、どうぞ。

○末吉委員

ありがとうございます。

2点あります。まず、家庭についてです。内訳のご説明ありがとうございました。とはいえ、16%、随分ハードル高いんだと思うんですね。それで、ぜひご認識いただきたいのは、家庭におけるCO2の排出源は、基本的に全て消費行動から起きているはずです。何の消費かというと、それは産業界やビジネスがつくり出す製品やサービスの消費です。とすれば、家庭部門で削減をするには、いい意味の無駄の排除、場合によっては、やせ我慢して使わない。生活の質を落としてでもというのはあるんですけれども、それでは元も子もありません。やはり生活の質を上げながらCO2を減らしていく。それには産業界やビジネス界が提供する商品やサービスをより省エネ化する以外にないと思います。その際、ぜひもっとよく説明していただきたいのは、そういったことをすることは、CO2を減らすだけではなくて、究極的にはコスト的にもペイするんだと。単なるコストが増えるのではなくて、いわば投資的な意味のコストであって、結果としては全体がペイするんだと。お金的にもペイしながら、CO2が減り、しかも生活のクオリティはよくなるんだと。そういったことをぜひよく説明する必要があると思います。

その関連で申し上げますと、計画案のほうですけども、例えば第2章、第3章で、スペース的にあるのは、どうやってCO2を減らすのか、どこでCO2を減らすのかの記述が大半なんですけども、私自身は、その結果として、あるいはそのことを実現するために、第1章の基本的考え方にある環境と経済と社会の統合的向上をどう図っていくのか、この統合的向上の結果、環境や社会や経済はどうなっていくのか、そういったことも、もっとハイライトして説明していかないと、どこでどうCO2を減らすのがいいのかの話だけに終わってしまうと。そうなれば、やはり冒頭の議論のとおり、2030年あるいは2050年を見据えた場合のこの連続で続いていく、国や社会を変えていく、そういう努力が非常に小さく見えてしまうというような気がしてなりません。以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

下田委員、どうぞ。

○下田委員

2点申し上げたいと思いますが、まず資料6の調査につきまして、先ほど冨田委員からありましたように、エネルギーの単位で示すとか、あと、できれば機器の保有状況とか、購入状況のところまで調べていただければ、国民運動だけではなくて、家庭部門のCO2排出の進捗管理全体に非常に有効なツールとなると思いますので、ぜひそういう形で進めていただきたいということと、また、スマートメーターとか、インターネットとか、こういうモニタリングの技術自体が日進月歩の状況にございますので、ぜひそういうモニタリング技術の開発も含めて、推進をしていただきたいというふうに考えてございます。

それから、もう一つは、地方公共団体ですけれども、今回、事務事業、それから区域政策編、それぞれについて、やはり大きな役割が期待されていると思うのですが、そのためには、その計画策定マニュアル、恐らく改定されると思うんですけれども、そういうものがいつごろ出てきて、いつごろから地方公共団体の仕事が進められるのかという、スケジュール感をぜひ示していただきたいというふうに考えてございます。以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

荻本委員、どうぞ。

○荻本委員

数点述べさせていただきます。まず、資料4-2、対策計画(案)という辺りなんですが、最後に出てくる、国民に参加してもらうというためには、その考え方の基本というのが極めて重要です。そういう意味では、この計画の中に出てくるいろんな言葉が正しく定義されていて、正しい方向のものがちゃんと採用されているということには、これ自体がもう決まりなんでしょうから、継続的にブラッシュアップをしていただきたいと思います。

例を挙げれば、資料3-2に自治体をまたいだバイオマスというような例が出てまいりました。これの言っているところは、地産地消ではだめだということを言っているようなものです。つまり、地産地消と言っているのは、この中でしか需給しないよという制約をはめているということなんですね。それが当たるときには一向構わないんですけれども、この例にあるように、そういう制約がもしまずいとすれば、必ずしもそれにこだわるものではないということを表しているような気がいたします。

同じような話の例で、ZEBですとかZEHというもの、これは家でゼロにしましょうという制約をはめているということになります。そういう家が売りやすいとか、いろいろ事情はおありだとは思いますが、本来、日本全体として何を実現していけばいいのかということに立ったときに、どういう言葉を使っていけば、より国民が正しく理解をするのかということは永遠の課題であろうと思っております。

次に、資料5と6の辺りは、先ほど、私、コメントさせていただいたようなことがもう着々と行われているというような例ということでありますので、ぜひ進めていただきたいと思います。

ちょっと脱線なんですが、資料7で、アモルファス変圧器という事例が出されていました。ちょっと脱線なんですけれども、これは日本でも必ずしもたくさん導入されていない機器が、ベトナムでこのような規模で導入されているということは、ちょっと興味があって、一体どういうたてつけになって、どのくらいの経済性で、何が行われているのかというのはちょっと気になるところでございます。

例えば9ページにある電柱の絵と、吹き出しの変圧器の絵は、とても電柱の上に乗らないような変圧器の絵が描いてございます。極めて専門的な分野なので、いろんな人が関わる中でいろんな資料が出てくるのは構わないんですけれども、このベトナムでこれだけやるとすれば、本当に仕上がりとして効果的ないいものが選択されているのか、気になるところでございますので、脱線気味ですが、ぜひチェックをお願いしたいと思います。

最後に、一番申し上げたいところは資料8になります。たくさんの人たちに加わってもらうという意味では、情報を提供するのがとても重要で、基礎データを収集しているというのが、ここまでの資料にございました。その8を見ると、いろいろな分析がしてありまして、非常に豊富なデータがあるということがわかります。ただ、これはもしかすると、この審議会のメンバーに関しては、このようなまとめ方で一向構わないということはいいと思います。ただし、いろんな人がこのデータを使うということを考えたときに、どの地域のどういう人が何を選ぶために、何をするためにこの情報を利用するかという、この視点というのをぜひ大切にしていただければと思うわけです。それは、その視点というのは、その技術または製品を入れようとしている個人、または一つの会社が見るときに、このような情報をどう見せればいいのかということがあろうと思います。または、自治体の政策担当者が、何か手を打とうといったときに、どのようなデータが分析されていればいいのかというようなこともあろうと思います。

例を言いますと、1人世帯なのか、3人世帯なのか、5人世帯なのかということで、どういうヒートポンプ給湯器なのか、ガス給湯器なのか、どんなものを選べばいいのかということにスペシフィックに答えられるかどうか。または、そういう機器を提供するメーカーさんであるとすれば、どのような機器を設計して製造すれば、より効果的にこの施策に協力できるのか、そういういろんな人の視点で、既存のデータをどこまで分析できるのかということが重要だと思います。キーワードで申し上げますと、データのドリルダウン、またはその集計方法ということに尽きます。そう言ってしまえば身も蓋もないですが、同じデータをいろんな視点に対して展開して、その視点を持った人に有効なデータを提供できるような体系というのをぜひ少しずつつくっていただければよいかなというふうに思っております。以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

大塚委員、どうぞ。

○大塚委員

4点ほどありますが、一つ、地球温暖化対策推進法の改正の件ですが、21条の排出抑制の指針については、これは別に法律は改正しないわけですけども、現在の指針で十分かどうかという問題が恐らくあると思うんですけども、これに関しては、何かお考えになっておられるかというのをお伺いしておきたいと思います。

それから、もう一つは、JCMに関してですが、今回の温対法の改正では、CDM等の今までのものに仕組みについての若干の改正を予定されていますが、JCMは告示のほうでおやりになっていらっしゃるんですけども、この取引に関しての制度について、法制化の必要は多分今はないとお考えだと思いますが、量がもし出てくれば、J-クレジットも含めて、何か法制度も考えていただいたほうがいいのかもしれません。その点はどうお考えになっているかというのが2点目でございます。

それから、三つ目ですけれども、民生とか家庭、特に家庭の部門で電力との関係がやはり重要になってくると思いますけども、これは環境省の管轄ではないので恐縮ですが、排出係数に関しての開示の義務づけを、現在、ガイドラインのほうではされていませんので、これでどのぐらい開示されるのかというのは結構問題になってくると思いますが、新聞によると、どの電源かに関して開示を実際にされているのは3割程度というのが報道されているようですけども、排出係数も同程度でしょうか。その辺をお伺いしておきたいと思います。開示を排出係数にされていることは、温暖化との関係で特に問題ではないと私は思っていますが、開示の義務づけはされませんでしたので、それによってどういう結果が出てくるかというのが、それこそ、国民運動をしていくときに、再生可能エネルギーを選んでくださるかとかということに直結してくるものですから、極めて重要だと思いますが、もしその数字をお持ちでしたら教えていただきたいのと、今後の見通しも教えていただけるとありがたいと思います。

それから、4点目ですが、これは確認ですけども、JCMに関しては、どんどんやっていっていただければと思いますけども、他方で、パリ協定で途上国も約束草案を出したので、どのぐらい拡大していくかということに関しては、なかなか難しい面もないわけではないかと思いますが、この資料4-2の計画の中の67ページの(2)の26行目のところですけれども、「JCMのほか、国際貢献としては産業界による積極的な取組」というふうに書いておられますが、前から産業界においては、CO2の排出を抑制する性能をもつ製品の販売についても、積極的な取組の中に多分お考えになっておられたと思いますが、それは入っていると考えてよろしいですか、確認をさせていただければと思います。以上でございます。

○浅野部会長

ありがとうございました。

村木委員、どうぞ。

○村木委員

ありがとうございます。

申し上げたいことは、大体資料5のところになるんですけれども、まず一つが、進捗管理のことが書かれていると思いますが、環境省として適切な目標とか指標、それからあと、進捗状況の評価というのがあるかと思いますが、この辺り、地方とやっぱり協力していかないとと思うので、それを特に積極的に進めていただいて、その目標・指標は地方でも分野別により積極的に進めていただきたいと思います。

もう一つが、ライフスタイルのことが書いてあると思うんですけども、都市部門で考えていくと、ライフスタイルという観点だと、家電とか自動車って、比較的CO2の話よりも、非常にそれに変えていったほうがお得だという、いつもお金で提供して、それが消費者たちには一番わかりやすい方法なんだと思います。先ほどから、なかなか買い換えが進まないというお話もあったと思いますが、私は、それ以上に難しいのは、建物でのグリーンビル化だと思うので、これを積極的に進めることをより進めていただきたいと思うのと、ストックについても同じだと思います。例えばイギリスだと、最初は公的な建物からスタートして、今は賃貸とか分譲とかオフィスもそうですけれども、グリーンビルのほうがランニングコストが少ないということをマーケットに提示するという、取引の段階でのそういった指標の提示というのがあるので、マーケットに選ばせるような方法も少し検討していったほうがいいのではないのかと思いました。

もう一つ、最後に、コンパクト化の話があったと思いますが、これ、都市部門との協力の必要性ということも言われていたと思います。ただ、富山の例が出ていたと思いますが、これ、富山でうまくいっているのは市長の強力なリーダーシップだと思いますので、都市部門だけとの協力ではなかなか進まないので、その辺りのこともご検討いただければいいかと思います。以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

村上委員、どうぞ。

○村上委員

ありがとうございます。

環境省の大変包括的な活動のご紹介をありがとうございました。3点申し上げます。一つは、民生部門の40%の件でございますけど、冨田委員も少し指摘されましたけども、寄与率が電力が24で、省エネが16と、これ、ほとんどの国民、それから建築関係者も、これは建物をつくる側も、ユーザーの側も、皆さん、建築で省エネを40%をやらなきゃいけないと思い込んでいると思うんですよ。ですから、これ、僕は少し説明の仕方を考えていただけるとありがたいと。といいますのは、40というと、これはストックなんかを入れると、とても初めから不可能だとわかっているわけなんですよね。ですけど、16なら、これは頑張ればできるという非常に現実性が出てきて、建築関係者に勇気を与えると。それが1点ですね。

二つ目に、国民運動、これは大変結構なんでございますけども、これ、過去、いわゆる我慢の省エネ的な国民運動はなかなか成功しないというのは明らかでございます。例えば住宅の断熱、1980年ですか、省エネ法以来、延々と36年もやっていますけど、なかなか進まないと。なぜかというと、経済合理性があまりにも悪いということで、要するに、幾ら断熱に金をかけても、それに見合うような光熱費の削減というのは、日本ではほとんど絶対的に得られないという現実がございまして、ですから、広い意味での経済合理性でございますね。コベネフィット等も入れて、そういうものを国民が協力したくなるような仕組みを考えて、その運動を展開していただきたいと。

それから、三つ目、資料6で大変立派な調査がございまして、ぜひこれを早めに公開していただきたいと。これは無限の試算でございまして、今はこういうものを非常に幅広く利用する、ビッグデータを利用するポテンシャルは日本に随分ございますから、早め、早めに公開していただけるとありがたいと思います。以上でございます。

○浅野部会長

ありがとうございました。

藤井委員、どうぞ。

○藤井委員

ありがとうございます。

私は、この国民運動ですが、これからやろうとしているときに水をかけるつもりはないんですけども、あまり効果を期待できないな、というのが正直な感想であります。というのは、地球温暖化問題に対する意識を持たせるというのは、運動をすることによって、意識の高い方もそれなりに増えていくとは思うんですけども、そうした人々が国民の過半数になるというのは、別に日本人に限らず、どの国でも非常に難しいと思います。温暖化現象がよほど逼迫した状況でないと、運動によって、「ああ、そうだよね」、「じゃあ、そうしましょう」というふうには簡単にならない。運動をする人たちの、何というか、手応えみたいなものはあるかもしれませんけれども。ただ、そうはいっても、国民運動をやるのですから、水をかけているだけじゃだめなので、少し言いますと、先ほどから出ておられるように、コストを削減するというだけでは、人はなかなか動かない。

私自身も、最近、家の電球が一つ切れて、これを換えようと思ったら、電気屋さんが、その部品はもうないから、家の証明全体を、LEDにしろと言われました。そんな費用は予定していないよということでやめました。ほかの方はもっと意識が高いかもしれませんが、やっぱり普通の人はコスト削減だけでなく、プラスの効果がないとなかなか動けない。過去の例を見れば、エコポイントをやりましたね。エコポイントは買い換え促進にはいいですけれども、一度、買い換えてしまうと、もう次の行動に続かなくなってしまう。家電業界の苦しくなったのは、エコポイントによる消費の前倒しとその後の需要減も一つ影響しているんじゃないかなと思います。やるとすれば、特定の品目を対象にするのではなく、全般的に消費物質全体を対象とし、それに民間企業がやっているマイレージとかポイントとか、ああいう制度自体には期限がなく、かつ、それぞれのポイントについては、例えば3年から5年間の間で使わないとポイントが消えるという形で、多様に展開できるような制度を、例えば国がコスト削減に加えた「プラスの効果」としてやっていくとか、はどうでしょうか。その「温暖化ポイント」は、民間のマイレージと互換性を持たせるなども一つ考えられるかなと思います。資料6のこのアンケートも非常におもしろいのですが、地域によって住民の意識や行動に随分違いがあるということですね。これを前提としますと、一律の国民運動ではなくて、自治体と組んで、地域ごとの活動にしていくのがいいのではないでしょうか。それから住宅の場合ですと、保有形態によって人々の行動パターンも違うわけですね。そういうきめの細かい活動にしていく。それによって、今言ったインセンティブであるようなプラスアルファのマイレージポイント等もつけ加えたりするということを息長くやっていかないと、3年や何年かで効果が出るとは思わないということです。

それからもう一つ、補助金の評価で、トン当たり9,000円ということですが、。これが高いのか低いのか、ちょっとよくわからない。これを例えば今のCO2のEU-ETSなどの例と比較すると、非常に高いことになる。もちろんEU-ETSとは対象が違うのですが。もう少し政策的な評価を出していただきたい。それから、温暖化対策を推進していくのは、自治体等が今後、軸になっていくと思います。そういう場合のファイナンスは、やはり補助金と自治体の財政だけでは回らないと思います。そこで、「金融のグリーン化」を対策に入れていただいていると思うのです。今、欧米あるいは中国も含めてですが、G20の議長国の中国も含めてやろうとしているのは、グリーンボンド市場なり、グリーンファイナンス市場を本気でつくろうとしています。つまり、それは民間市場のお金を使おうということです。国の財政資金には限りがあり、さらに財政事情を考えれば、十分なファイナンスはできない。したがって民間の資金を、とりわけ自治体のやろうとしている活動に振り向ける必要がある。例えば公共交通のクリーン化とか、自転車のカーシェアリングなどもそうです。こうした事業はみんな、キャッシュフローが回りますので、仕組み方によっては、十分にグリーンボンドで賄えるというか、民間の資金を使えるということです。その辺にまでつなげていただきたい。

最後にもう一つ、JCMの件です。この資料の一番最後を見ると、各国での展開のところで、中国とインドが抜けています。グローバルな温暖化対策では、今、まさにこの2カ国をどうしていくかというのが世界の課題です。2カ国も一生懸命に、対策をとろうとしておられると思いますので、JCMで、わが国と2カ国との関係をぜひ、構築していただきたい。特にこの2カ国は、自ら国内対策をそれぞれ独自でやっていかれようとしています。質問は、JCMのクレジットの件です。途上国が独自に国内対策をやっていく場合に、その対策とJCMクレジットの連動性、整合性という点は、どうなのか。中国の場合は2017年には全国版のキャップ・アンド・トレードを導入すると言っています。仮にJCM案件を、中国との間でやる場合、中国国内でのC&Tのクレジットを、JCMの中で取り込んでいけるのかということも論点になると思います。これは、日本と途上国の双方にとって大事なことです。途上国の国内対策をJCMの中に取り込んでいけますよというような制度の運用が可能ならば、途上国や、新興国へのJCMの普及にもつながっていくのではないかなと思います。以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました。

原澤委員、どうぞ。

○原澤委員

2点、質問ですけども、1点目は、資料5の国民運動の推進体制ということで、多分これは国レベルの体制ということで、今後、体制づくりを強化していくということだと思うんですが、地域においては、これまで推進センターとか推進員という形で活動を進めてきて、例えば適応を考えると、影響とか適応は地域問題になるわけですから、こういった既にあるセンターとか推進員をさらに強化していく必要があるんじゃないかと思うんですけども、ちょっと予算も減りつつあるみたいなところもあったりするかと思うんですが、環境省としてどう考えているか、ちょっとお聞きしたいのが1点目です。

2点目は、資料6の速報値ということではあるんですが、非常に興味深いデータが出ていると思いました。これを踏まえて、今後、対策・評価等につなげていくということで、非常にいいと思うんですけども、それと関連で、二つ、ちょっとお聞きしたいのは、一つは、調査員調査とインターネットモニター調査を併用されているということで、一般的にインターネット調査は少し対象者に偏りがある。具体的に、インターネットにアクセスできないと答えられないわけですから、特に高齢の方々が入ってこないんじゃないかという、そういう調査の方法についてあると思うんですが、この辺、併用されたということの意味と、結果が得られた、そんなに差はないということで、両方をあわせて検討するということのようでありますけども、ちょっとここを教えていただきたいのが1点目です。

もう一つ、3ページの調査事項の中に、太陽光発電についても調べられたということで、ちょっとその結果のほうにはその辺は出てこなかったんですけども、いわゆる太陽光発電を設置した戸建ての住宅、あるいは世帯というのは、ちょっと非常に興味深いデータになっていくのではないかと思います。といいますのは、昨年の夏も、ピークカット、かなり戸建ての太陽光発電がカットしていたのではないかと。一方、メガソーラーは、なかなか系統の問題があって、今後、うまく入っていないということで、戸建ての太陽光発電というのは、結構いわゆる民生といいますか、国民的なところでも非常におもしろい対策になってきているのではないかと思いますけども、何かこの調査の中で、そういった太陽光発電、あるいは太陽光発電のある戸建ての家が、何か特徴的なグループを形成しているかどうか、もしお気づきの点があれば教えていただきたい。もしやっていなければ、今後、ぜひ分析の中でそういった解析をしていただければと思います。以上です。

○浅野部会長

ありがとうございました

中根委員、どうぞ。

○中根委員

資料3-2の一番最後のページの、自治体をまたぐバイオマス資源の利用促進という例の中で、森林のバイオマスを使った発電の絵が描いてありますが、これは非常に森林の吸収源の維持や持続可能な森林保全のためにも、非常に重要な取組だと思っています。その中で、間伐材が森林に放置されざるを得ないというような、そういうことがあるとか、未利用材を使っていくときに、木の枝、根などの、そういう本当に木材にならないものを使うことが大事かと思うのですが、そういうものがどの程度、未利用材としてバイオマス発電に使われているのかということについて実態がどの程度把握されているのでしょうか。また、チップやペレットを製造する際に、バイオマス発電のときに出る熱を使っていくということが大事ですが、それがどの程度行われているのか、そのあたりの実態把握が大事なのではないかと思います。

それから、先ほどの切り捨て間伐の話ですが、切り捨てられているからといって、そういうものを集めて、バイオマス発電の材料に使うということもあり得ると思うのですが、所有権の問題、廃棄物の扱いをどう解決するか、資金や費用の問題をどう解決すれば可能になるか、制度、補助が有効に機能しているかどうか、についてどの程度調べられているのか。絵に描いているように回っているのかどうか、その辺りの実態把握はどの程度なされているのかを教えていただければと思います。

○浅野部会長

ありがとうございました。

長辻委員、どうぞ。

○長辻委員

この家庭からの二酸化炭素排出量の資料6について、グラフを見ていて、教えていただきたい、確認したいということが出てきましたので、お尋ねします。この地域別のエリア分けですけれど、新潟県は、分け方によって、どこに入るかが変わることがあるんですね。関東甲信、北陸、東北なのか、その区分けが明確でないと、勘違いを起こすことになるので、新潟がどこに入っているかということを一つお尋ねしたい。それからライフスタイルで見るならば、関東甲信というのは全然違うところの気候帯が入っているので、これは関東と甲信を分けるべきだと思います。

また、このグラフを見ていて不思議なのが、北陸が大変エネルギー消費、それからCO2の排出も多いということ、これはなぜなのかというのが非常に疑問なのでと。

あともう一つ、不思議なのが、沖縄ですね。8ページで見ると、このエネルギー消費と、それからCO2排出、沖縄の電気の使用量は少ないんだけど、電気からのCO2排出がやたら多いんですよね。これはなぜなのかと。以前ならば、沖縄には原子力発電がなかったので、3.11以前ならば、これは理解できるのですが。同じように不思議なことに、北陸が、また電気によるCO2排出が非常に多い。北陸電力の管内は水力が多いので、なぜこんな結果になるのかよくわからないというようなところがいろいろありますのでお尋ねします。一番の疑問というのは、エリア分けの件でして、確認をしておきたい。あと、どこにもこのエリア分けの定義が入っていないので、これはやはり必要であろうと思います。

○浅野部会長

ありがとうございました。

実は、適応計画を考えるときに、そのような議論をやっていまして、ブロックをどう割るのかというのは大変難しいと。環境省の地方事務所の割りでやったら、もう全然だめだろうというような、こんな議論をやっていまして、やっぱり日本海側のほうを全部一まとめにしないと、例えば適応などは全然議論ができないのではないかといった議論をやっていますので、おっしゃることはよくわかります。

それでは、報告順に答えていただきますが、質問としては、大塚委員からのご質問がありました。これは小笠原室長からお答えください。4点ありました。それから、あとは、ほとんど今のご質問は関谷室長のところに行きそうなのですが、まずは、そのお二人に答えていただいて、その後、関係する担当者からも補足をお願いします。

○地球温暖化対策制度企画室長

小笠原でございます。大塚先生から、排出係数の関係の義務づけについてご質問をいただきました。排出係数につきましては、まず小売営業ガイドラインのところで、排出係数の開示が望ましい行為として位置づけられております。これは、この4月から適用されるものでございますので、現段階ではまだ開示はほとんど進んでいないと思うのですけれども、4月以降、進んでいく、望ましい行為としての開示が進んでいくものというふうに考えております。

それから、もう一つ、算定公表制度の対象事業者さんが排出係数を算定するのに必要なデータとして、小売電気事業者に協力を求めて、これまでも出してもらっているところでございますけども、4月以降についても、新規の参入事業者についても協力を求めて、出してもらって、これは国が全て開示をいたしますので、そういったことは引き続きやっていく予定でございます。

○浅野部会長

直接には法改正にはつながらないので、小笠原室長に答えろというのは無理かもしれませんが、21条の指針、現状のままでいいのかというのがありましたね。これは誰が答えてくださいますか。それでは、今の点は松澤課長、どうぞ。

○地球温暖化対策課長

温暖化対策計画(案)の中で、51ページのところに、非常にゼネラルな形でありますけれども、温室効果ガス排出抑制等指針に基づく取組ということで、今後の取組の方向について記載させていただいております。より低炭素なエネルギーの選択を行うことなどの取組を含む対策メニューの拡充を図るというのが一つの方向でございます。

それから、もう一つは、未策定の分野、これは電力の小売とか、エネルギー転換というのは未策定の分野の代表選手ですけれども、できるだけ早期に策定、公表するという第二の方向をここに記載させていただいております。ちょっとまだ具体的に、シャープにどうやっていくかというところは決まり切っておりませんので、温対計画の記載について、ご説明をさせていただくということで、ご容赦いただければと思います。

○浅野部会長

それから、じゃあ、ついでに、今、マイクを持っておられますので、先ほどのご質問で……。

○市場メカニズム室長

すみません、JCMの法制化について。

○浅野部会長

それはちょっと待ってください。原澤委員から、推進体制について、温防センターをどうするんだ、推進はどうするんだ、環境省の考え方を示せというのがありましたね。それからあと、下田委員から、地方公共団体に対するマニュアルはいつごろ示すんだというのがありました。それはそっち。それじゃあ、松澤課長、原澤委員からのご質問で。

○地球温暖化対策課長

地方推進センター、あるいは推進員ということで、地域の取組についてでございます。私どもは、支援だけでなく、どういうふうに全国センターと地方センターが連携していくか。それから、地方センターと自治体が国とどう連動していくかという観点から、見直すべき部分は見直しをしていきたいと。今、全国で55カ所ございますけれども、本当に55カ所の体制で引き続きやっていく必要があるのかということも含めて、ちょっと時間をかけて検討をさせていただこうと思っております。

○浅野部会長

すみません、場合によっては5分ほど会議を延長させていただきます。JCMについて、では、小笠原室長、簡単にお願いします。

○市場メカニズム室長

JCMの法制化について、大塚先生からご意見をいただきました。現段階では、まず実態をしっかりと作っていくことに、我々、傾注をしておりまして、現段階ではそういうことで考えております。

○浅野部会長

それから、藤井委員からのJCMについての指摘がありました。これはご意見ということで承っておいてよろしいですか。

○国際企画官

私の方から、JCMと中国につきましては、確かに排出量取引の導入とともに、CDM的な方法論を活用した、C-CCRという中国独自の制度を始めておりますので、今のところ、中国のETSとJCMをリンクさせるという話はございません。

インドにつきましては、今、継続的に政府間で協議をしているところであります。

それから、他の国につきましては、ご指摘ありましたように、JCMはクレジットを分け合いますので、相手国にクレジットが入るという面で、相手国の国内政策としても位置づけられますので、ほかの国はそういった視点でJCMに取り組んでいるというところでございます。

○浅野部会長

それでは、あとは関谷室長から。

○低炭素社会推進室長

まず、下田先生から、地方公共団体の実行計画の策定の準備に向けたご質問がございました。策定マニュアルにつきましては、現在、策定に向けた準備を行っていまして、本格的には4月以降、マニュアルの内容を検討していく予定としております。いつまでに完成するかという日程は未定ではありますけれども、できるだけ早く公表したいと考えております。

それから、資料6に関して、幾つかご質問をいただきました。まず、エネルギー消費量も示すべきではないかということでございます。今回はごくごく限られた内容の資料でございますが、例えば図7というのにはエネルギー種別の消費量を示しておりますので、できる限り、わかりやすい資料を報告内容にしていきたいというふうに思っております。

それから、調査が、調査員調査とインターネット調査を併用しております。これはやり方として、インターネットのほうが特に偏りが多いかということで言うと、それぞれ、そういう特徴を有しておるということでございます。今回も両方の結果で、一部のグラフについては、それぞれ、違いが少しはあるというところを示しておりますけれども、いずれにしても、これを併用していくことで、費用対効果も含めて考えつつ、設計をしていきたいというふうに思っているところでございます。

○浅野部会長

太陽光について。

○低炭素社会推進室長

太陽光発電につきましては、調査内容に発電量とか消費量とか入っていますので、データはございますので、それは、今後、適切に分析をしていきたいというふうに思っております。

それから、地域のお話がございました。新潟県につきましては、北陸に入っています。この地域分け自体は、いわゆる国勢調査と同区分にしているということでございますので、そういったほかの統計との考え合わせやすさということを考慮して、こうしてございます。

また、地域ごとの違いで、なぜ沖縄がというような、なぜ北陸がという話があったんですが、基本的には平成26年の電力排出係数によるものと考えております。例えば沖縄につきましては、この都市の排出係数が0.816、関東で見ますと0.505、北陸については0.647という形になっておるということでございます。

○浅野部会長

あと、バイオマスについて調べているかというご質問でした。

○低炭素社会推進室長

すみません、今日お示しをしているのは概念図というところもございますので、今日、ちょっとお答えできる用意はございません。

○浅野部会長

調べておいてほしいという、優しい質問でありましたので。

それでは、予定の時間を少し過ぎてしまいました。あと、私が最後にまとめで何かを言えということですが、余計なことを言っても時間がかかりますので、どうもありがとうございました。

それでは、事務局からお願いいたします。

○低炭素社会推進室長

皆様には、大変活発なご議論をありがとうございました。

本日、大変大部な資料も多うございますので、もし、郵送をご希望の方がいらっしゃいましたら、そのままお席に置いていただければ結構でございます。

また、議事録につきましては、事務局で取りまとめをいたしまして、委員の皆様にご確認をいただきました後、ホームページに掲載をさせていただきます。以上でございます。

○浅野部会長

それでは、本日はこれで閉会いたします。どうもありがとうございました。

午後0時00分閉会