中央環境審議会地球環境部会(第11回)議事録

1.日時

平成15年12月18日(木)10:00~12:00

2.場所

虎ノ門パストラル 5階 ミモザ

3.出席委員

 

4.議第

  1. (1) 海洋汚染対策について
       ロンドン条約96年議定書の締結に向けた取組
  2. (2) 気候変動枠組条約第9回締約国会議(COP9)について
  3. (3)地球温暖化防止月間における普及啓発活動について
  4. (4) 第5回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM5)について
  5. (5) その他

5.配布資料

 
 

6.議事

午前10時07分開会

○石野総務課長 ただいまから中央環境審議会地球環境部会第11回会合を開催いたします。
 本日は、現在までに全委員40名中20名の委員がご出席でございます。私どもにあと7名の委員がご出席と伺っておりますので、先に、挨拶、資料の確認等を行わせていただきます。
 それでは、浅野部会長、よろしくお願いいたします。

○浅野部会長 本日は、お集まりいただきましてありがとうございました。
 会議に先立ちまして、小島地球環境局長からご挨拶をお願いいたします。

○小島地球環境局長 地球環境局長の小島でございます。地球環境部会の委員の皆様方におかれましては、日ごろから地球環境保全推進にご尽力をいただいております。この場を借りて厚く御礼を申し上げます。
 本日は、1つの審議案件、3つの報告案件をお願いしております。まず、審議案件でございますが、海洋汚染対策についてご議論をお願いしたいと思います。
 廃棄物の海洋投棄に関する規制を定めましたロンドン条約、これを強化する96年議定書、これが近々発効する見込みとなっております。この96議定書の早期締結に向けまして、今後我が国の廃棄物の海洋投入処分をどうするかということにつきまして、清水委員長を中心に10月まで4回にわたり行われました海洋汚染環境専門委員会におけるご審議、これから約1カ月間のパトリック・コメント、これを経た上で報告書案を取りまとめていただきました。本日、当部会でご審議をいただきまして、ご了承を得られましたならば、浅野部会長には報告書を、当部会の答申案として中央環境審議会の森嶌会長にご報告をいただいた上で、環境大臣に対して答申としていただきたいと考えております。
 2点目は報告案件でございますが、地球温暖化対策でございます。前回ご議論をいただきました温暖化対策の国際的対応に関する報告書につきましては、現在、国内外においてパブリック・コメントに付しているところでございます。次回の会合でご報告ができるものと思っております。
 今月の1日から12日まで、イタリアのミラノにおいて気候変動枠組条約第9回締約国会議、いわゆるCOP9が開催されました。世界の 180を超える国々から約 4,000人が参加されました。日本からも小池環境大臣が政府代表として出席いたしました。今回の会議は、世界各地で異常気象が起こり、また気候変動に関する取組が各国で進みつつある中で開催されました。
 閣僚級会議では、議論の段階から行動の段階に踏み出すための重要な第一歩として、京都議定書の早期発効の必要性が再認識されました。また、吸収源CDMの実施のルールというものが今回の会議で確定いたしました。また、アメリカ、ロシアを初めとする各国代表と、相次いで2国間の会談を行いまして、京都議定書の発効に向けた働きかけ、あるいは今後の環境分野に於きます協力等について意見交換を行いました。そのほかにも、日本の取組をアピールするためのイベントを現地で開催をするなど、様々な日本の取組を世界に向けて積極的にアピールいたしました。
 このように、温暖化対策の重要な第一歩であります京都議定書の発効に向けて、国際的な努力が続けられておりますが、それとともに今回は、国内における温暖化防止月間の取組についてもご報告をさせていただきたいと思っております。
 もう一つのテーマは、第5回の日中韓の三カ国環境大臣会合でございます。環境大臣会合は、各国持ち回りで行っておりますが、今回は中国の北京で開催されました。この日中韓三カ国環境大臣会合は、北東アジア地域あるいは地球規模の環境問題に関するこの三カ国の対話と関係強化を目的に開始されたものであります。今年は小池環境大臣始め、中国、韓国の環境大臣が出席をして、気候変動問題などの地球環境問題、あるいは黄砂や酸性雨、日本海の海洋汚染という北東アジア地域の環境問題、あるいは循環型社会をそれぞれの国でどう形成していくかという各国の国内の問題につきまして、活発な議論が交わされております。
 本日は、この日中韓三カ国の環境大臣会合の成果につきましてご報告をさせていただきます。ちなみに、来年は日本でこの三ヵ国の会議を開催することになっております。
 最後になりますが、来年の1月からはいよいよ温暖化対策推進大綱の評価・見直しに関するご審議をお願いしたいと思っております。地球環境部会の委員の皆様におきましては、今年に劣らず来年もご協力お願いをするということになります。改めてお願いを申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。

○浅野部会長 どうもありがとうございました。
 続きまして資料の確認をお願いいたします。

○ 事務局 資料の確認をさせていただきます。
(資料確認)

○浅野部会長 資料についてもし不足ございましたらお知らせいただきたいと思います。
 本日の議題につきましては、先ほど、小島局長のご挨拶にあったとおりでございますので、繰り返すことを省きます。
 ただいまから12時まで、約2時間弱の審議を予定しておりますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、まず本日の議事の1でございまして、海洋汚染対策について、ロンドン条約96年議定書の締結に向けた取組、この議題について取り上げます。
 事務局から説明をお願いいたします。

○荒井環境保全対策課長 それでは、お手元の資料の1、今後の廃棄物の海洋投入処分の在り方について、海洋環境専門委員会報告、及び資料2、同報告書の概要をご覧ください。座って失礼をさせていただきます。
 前々回及び前回紹介をさせていただきました。海洋汚染の要因となります廃棄物の海洋投入処分等につきましては、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約、いわゆるロンドン条約により国際的に規制が行われておりますが、1996年に議定書が採択をされ、海洋投入処分等に、より厳格な管理体制を導入することが求められております。
 この議定書は、近々国際的に発効するものと考えられ、我が国としてもその締結に向けた準備を進める必要がございます。本年8月5日付で環境大臣から中央環境審議会に対し、今後の廃棄物の海洋投入処分等の在り方について諮問を行い、中央環境審議会会長から地球環境部会に付議されました。このため、清水専門委員長のもとで海洋環境専門委員会が設置されまして、4回の審議の後、専門委員会報告書(案)が取りまとめられ、前回、本部会に報告されたところでございます。
 その後、1カ月間のパブリック・コメントの募集を行いまして、その結果も踏まえて資料1の専門委員会報告書が取りまとめられました。本日は、先ほどの小島局長の挨拶にもありましたとおり、この報告書を基に本部会において最終的なご審議をいただき、答申案をおまとめいただきたいと考えております。
 資料内容の説明に入ります前に、清水委員からお話をいただければと思います。

○清水委員 専門委員会の委員長を仰せつかっております清水でございます。簡単にご紹介させていただきます。
 今、ご説明にありましたように、パプリック・コメントを10月末から12月1日まで募集をいたしましたら5件、個人が2件、団体が3件ございました。報告書の基本的な原則としてあります陸上処分、予防的取組、汚染者負担、こういった原則に関しては当然でございましょうけれども、反対は全くありませんでした。陸に置けない部分もあるから海に処分のできる道は残しておいた方がいいというご意見もいただきましたけれども、それは議定書にも報告書にもあるとおりでございます。
 実際にどんな意見が届いたかということに関しましては、これから事務局からご説明をいただきますけれども、基本的にはいただいたご意見の趣旨はすべて、ここでもご紹介をいたしました専門委員会の報告書に盛り込まれていると思いますので、その修正の必要は多分ないだろうというふうに思います。後ほどご審議をいただきます。よろしくお願いいたします。
 では、すみませんが荒井課長から少し内容のご説明をお願いいたします。

○荒井環境保全対策課長 それでは、資料の 1-1、今後の廃棄物の海洋投入処分等の在り方について、海洋専門委員会報告書をご説明させていただきます。ちょっと長時間にわたるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
 まず、目次をご覧ください。全体的な構成でございますが、まずロンドン条約96年議定書を巡る動きと我が国における廃棄物等の海洋投入処分管理等の現状を紹介した後、3のところでございますが、今後の廃棄物等の海洋投入処分等の在り方に係る基本的な考え方を述べてございます。
 次に、廃棄物等の海洋投入処分実態等の概要とその評価といたしまして、96年議定書の附属書Iに照らしまして、個々の廃棄物等に対する評価を行いまして、それから今後の廃棄物等の海洋投入処分管理制度の在り方を附属書IIの規定を勘案して整理をしております。最後に、「おわりに」といたしまして、専門委員会のコメントが述べられてございます。
 参考資料といたしましては、1から6までロンドン条約96年議定書の概要等が添付されております。
 それでは、「はじめに」でございます。
 「はじめに」では、基本的な認識といたしまして、沿岸域の開発を含む陸上起因の汚染等による海洋環境の悪化が指摘されていますが、ロンドン条約に基づく国内的な対応等がとられているということで、我が国周辺海域におきます水質、底質等の汚染状況に大きな変化は認められてないということが述べられております。
 しかしながら、国際的に見ますと、海洋環境の保全に関しては予防的な取組、プレコーショナリー・アプローチの考えが定着をしており、この考え方に基づいて96年議定書が採択をされています。この議定書に基づきまして、海洋投入処分等について、より厳格な管理体制を導入することが求められているということでございます。
 この議定書の締結に向けた、今後の廃棄物の海洋投入処分等の在り方につきまして諮問があったということで、本海洋環境専門委員会では、地球環境部会での審議に資するために諮問事項に関する調査・検討を行い、ここにこの報告書がまとまったというものでございます。
 2ページ目は専門委員会の委員の皆様の名簿でございます。
 3ページ目でございますが、ロンドン条約96年議定書を巡る動きでございます。96年の議定書でございますけれども、海洋投棄及び洋上焼却を原則禁止いたしまして、海洋投棄を検討できるものを限定列挙する方式を採用する附属書I、これは3つ目のパラグラフに書いてございます。それから、海洋投棄する場合にはその影響の検討等に基づいて許可を発給すること、附属書のIIでございますが、これを義務づけてございます。実際の運用のためにいろいろなガイドラインが定められております。概要につきましては、参考資料の1に書いてございます。
 議定書の発効要件でございますけれども、現行ロンドン条約の締約国15カ国を含む26カ国以上の批准、加入の後30日目に発効することになってございます。2003年10月現在で18カ国のうち現行条約締約国が15カ国でございますが、条約事務局等によりまして、早期に発効が見通しされているということで、2004年から2005年になるということでございます。
  1-2でございますが、世界的な海洋投棄の現状と我が国の位置づけということでございまして、浚渫物についてはほとんどの国で海洋投棄がございまして、今後とも継続することが見込まれる状況でございます。下水汚泥につきましては次のページでございますけれども、99年以降主要国で下水汚泥の海洋投棄を実施しているのは、我が国と韓国のみと考えられています。産業廃棄物等でございますけれども、これにつきましてはロンドン条約に基づく報告を行った締約国の中では、廃棄量、投棄品目、数ともに我が国が世界最大となっているということでございます。表1にその概要が示されています。
 次のページに、我が国におきます廃棄物等の海洋投入処分、管理等の現状でございます。ロンドン条約に対応した国内制度の概要につきましては、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(海防法)、それから廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)によりまして、国内的な担保がされてございます。
 現行法でございますが、[1]から[5]までです。まず、廃棄物及び水底土砂につきまして、海洋投入処分可能品目に該当するかどうかということが決められております。その品目ごとに定められた判定基準を充足することというのが[2]の条件でございます。そして、排出海域、排出方法とも法律上定められておりまして、処理業の許可を受けた処理事業者が排出船登録をした船で排出をするという仕組みになってございます。
 次に、廃掃法上の廃棄物でございますけれども、一般廃棄物、産業廃棄物の別のほかに海洋投入処分可能な品目が水底土砂ということで、5つに分類された水底土砂がございまして、異なった取り扱いが定められてございます。後ほど詳細が出てまいります。
 判定基準でございますが、これはその品目が含有する有害物質の濃度が一定値以下であることを定めたものでございます。海域につきましては、A、B、C、Fというふうに分かれております。図1、次のページに出てございますけれども、これによりまして、廃棄物の処分が継続的に実施されておりますのは、B海域の一部、あるいはC海域中の主要港湾に接近した特定の海域でございまして、A海域につきましては、かつて重金属類を含む水底土砂の処理物等が投入処分されていましたが、近年は実施されていません。
 この現在の仕組みの考え方ということでございますけれども、海洋環境の保全のために必要な事項は、法律制定時にすべて考慮されている。そのため法律上定められた要件を遵守していれば、海洋投入処分による海洋環境に悪影響は発生しないということを前提とした概括的な仕組みという形で理解できるかと思います。
 次に、7ページでございます。廃棄物の海洋投入処分に関する従来からの取組ということで、我が国の基本方針、これはロンドン条約の締約国会議等で国際的に表明しているものでございますが、3つございます。1つは陸上処分の原則ということでございまして、海洋を処分場所として安易に認めないということで、基本的に陸上でやるということでございます。2つ目が、海洋投入処分の禁止の継続ということでございまして、国内的に海洋投入処分が禁止されてきた廃棄物については、条約にかかわらず引き続き海洋投入処分禁止をするということでございます。3つ目が、海洋投入処分量の削減ということでございまして、今後海洋投入処分量の抑制に努めていく。ロンドン条約によって許容されている廃棄物についても、量の抑制に努めていくということでございます。これは国際的に表明をしている考え方でございます。
 3といたしまして、今後の廃棄物等の海洋投入処分等の在り方に係る基本的な考え方でございます。96年議定書締結に向けての基本的な考え方といたしまして、我が国は予防的取組の考え方を尊重し、海洋環境保全について、より一層前向きかつ主体的に取り組んでいくべきということでございます。先ほど述べましたとおり、我が国は最大のレベルの海洋投棄国であるということでございます。特に産業廃棄物ですが、我が国の今後の取組には、世界的にも大きな関心が寄せられるところでございます。また、国際的に見ましても、ヨハネスブルグサミット等におきまして、海洋汚染関係の条約の批准の促進が要請されているところでございます。
 これらに基づきまして、8ページでございますけれども、4つの項目が上げられています。1つは、海洋関係についてはいまだ科学的に不明な点も多いということでございます。予防的取組の考え方を原則とした取組を進める必要があるということでございます。そして、海洋国として我が国が国際的な責任を確実に果たす必要もまたあるということでございます。我が国としては、国際発効に遅れることなく、96年議定書を締結することを目指して、早急に国内体制の整備を図る必要があるというのが1点でございます。
 2つ目といたしまして、96年の議定書で海洋投棄が禁止されることとなる廃棄物等、後ほど出てまいりますが、これにつきましては速やかに海洋投入処分を中止するための措置をとるべきであるということでございます。
 3つ目でございますけれども、その他の廃棄物につきましては、我が国として国際的に表明している陸上処分の原則を維持強化いたしまして、海洋投入処分量の減量化を一層進めることを基本とするべきであるということでございます。
 4つ目でございますけれども、その上でなお海洋投入処分を継続せざるを得ない廃棄物等につきましては、96年議定書の求めるところに従って、新たな海洋投入処分管理の仕組みを整備するべきであるということでございます。
 次に、附属書I、実際に投棄を検討してもよい品目でございます。それに対する考え方が3つございます。まず、我が国で海洋投入処分が認められております廃棄物等のうち、廃火薬類、これは不発弾あるいは不用弾を含みますが、こういう廃火薬類及び不燃性の一般廃棄物、ごみピット汚水等でございます。これらにつきましては、附属書Iに認められた海洋投入処分が検討できる品目に該当しないということでございます。これらの廃棄物の海洋投入処分を速やかに停止するための措置を講じる必要があるということでございます。
 それから、2つ目でございますけれども、附属書Iに掲げられた品目には該当するけれども、既に海洋投入処分を中止した廃棄物等、それから近々海洋投棄処分を中止することとされている廃棄物等でございますが、これらについては今後の見通しを精査の上で、順次廃掃法の上で海洋投入処分ができる廃棄物品目から削除していくことが適切ということでございます。
 それから、3つ目が水底土砂のうち、特定水底土砂、有害水底土砂及び指定水底土砂の海洋投入処分は96年議定書の趣旨からして中止することが適切であるということでございます。
 それから、次の附属書IIへの対応でございます。附属書IIは、新たな廃棄物管理の許可の仕組みということになってまいりますけれども、これも4点ございます。附属書IIに対応するために現行の制度を見直しまして、個別の排出事業者ごとに審査を行って、期限を持った許可を発給する制度を設ける必要があるということでございます。また、2つ目は、許可を受けた廃棄物等が適法に排出されることを、国が確実に把握できる制度も必要ということでございます。
 これらの制度構築に当たりましては、予防的取組の考え方を踏まえて、環境への潜在的影響の適切な検討等を求めるということによりまして、予防的取組を確保するということが必要だということでございます。
 3つ目が、汚染者負担原則の考え方を踏まえまして、排出事業者が潜在的影響の検討や環境監視の実施にかかる負担を担う制度にする必要があるということでございます。
 4つ目でございますけれども、附属書のIIに沿った制度をつくるということでございまして、それが廃棄物評価ガイドライン、これは附属書IIに添付されております。ガイドラインということで、強制力はございませんが、これをできるだけ尊重していくということでございます。
 これらの海洋投入処分管理の流れは、図の2、10ページにございますが、このようになるというふうに想定されます。まず、海洋投入処分可能な廃棄物品目への適合が確認された後、廃棄物の発生量を減らす取組の実施をし、実際に有害金属等の含有量等、判定基準への適合を確認し、排出海域を選択して、潜在的影響の検討、監視計画の立案をした後許可の申請をし、そして許可を受けるということでございまして、排出を実施した後には監視を行い、必要な場合には許可の更新等を行うというような流れでございます。
 次に、廃棄物等の海洋投入処分実態等の概要とその評価ということで、今ご説明申し上げました考え方の基礎になるような情報と、それぞれについての個別の考え方を述べてございます。参考資料4に個別の表がございますので、適宜ご参照いただければ幸いでございます。
 まず、11ページでございますけれども、一般廃棄物の中の廃火薬類でございます。これらは不良弾・不用弾・不良誘導弾、それから不発弾、押収爆発物・猟銃用廃火薬類等の3つに分けられています。
 まず、不良弾等でございますけれども、これは自衛隊から生ずるものでございまして、海洋投入されておりますものは平成14年度で 616トンでございます。これらにつきましては、海洋投入処分を中止すべきということでございます。不発弾でございますが、第二次大戦の旧軍及び米軍等に起因するものでございます。現在、約30トンが海洋投入をされてございます。これは96年議定書を締結するためには、海洋投入処分を中止しなければならないということでございますけれども、不発弾の処理は国の責任において陸上処分に移行されるべきものであるというご指摘でございます。
 現時点では、所管が明確でないとの理由から、十分な体制が進展していないということでございますけれども、国できちんと態勢を強化すべきであるというご指摘をいただいております。
 次のページでございますが、押収爆発物、猟銃用廃火薬類等でございます。これは、刑事事件において押収された爆発物等でございまして、海洋投入処分されたものが 0.5トンございます。それから、猟銃用の廃火薬類でございますけれども、これは銃砲所持者が持っていて不用となったものを警察が依頼を受けて引き取ったものでございます。自衛隊で海洋投入処分をされています。
 これはやはり、海洋投入処分を中止しなければならないものでございます。ただし、特に猟銃用廃火薬等につきましては、陸上処理の要請と治安維持上の要請の両立を確保すべく、回収、廃棄の仕組み等の条件整備について、生産者を含む関係者間で検討されることが望まれるということでございます。いずれにしましても、これらの廃火薬類につきましては、海洋投入処分を禁止すべきということでございます。
 2番目の不燃性一般廃棄物でございますが、こちらも海洋投入処分を禁止するべきということでございます。ごみピット汚水でございますが、2つの自治体が現在やっておりますが、これを中止すべきということでございます。ためます汚泥というのは、単独浄化槽を設置する家庭の雑排水の沈殿槽にたまった汚泥でございますが、これらも海洋投入処分を行っているのは1つの自治体ということでございます。これも投入処分を速やかに中止すべきであるということでございます。
 浄化槽に係るし尿・汚泥でございますけれども、こちらは海洋投入処分を継続してもよいものということでございますが、現在、投入を行っているのは 282自治体ございます。平成10年1月に廃掃法の施行令が改正されておりまして、既に新たな海洋投入処分は全面的に禁止されております。また、既存のものについても、平成19年1月末までに中止することとされてございます。このために着実かつ計画的にこの計画を行い、処理をし、海洋投入処分を可能なところから中止すべきであるというご指摘でございます。なお、投入する場合には、潜在的影響等の検討が、今後附属書IIに基づいた影響評価が必要になるということでございます。
 産業廃棄物の赤泥でございますけれども、これはアルミナを製造する工程において発生する不溶性の残渣でございまして、現在、3事業者が投入を行っております。96年議定書締結後も海洋投入処分を検討することができるというものでございます。これにつきましては、非常に大量であるということで、直ちに中止は困難ということでございますけれども、国際的に削減努力を表明しているということもございまして、海洋投入処分の中止を視野に入れつつ、段階的に海洋投入処分量を削減していくことが必要というご指摘でございます。
 次の14ページでございますが、建設汚泥でございます。シールド工法等を用いる建設現場から発生するものでございまして、中間処理の後に海洋投入処分されたものが、平成12年度で108 万トンございます。これにつきましては、議定書締結後も海洋投入処分を検討することができるということでございますが、建設リサイクル推進計画の着実な推進により有効利用を行いまして、海洋投入処分量を削減していくことが必要ということでございます。
 動植物性残渣のうちの梅漬調味廃液でございますけれども、これは和歌山県で、梅漬製造工程で発生する不用となった調味液でございます。約 5,000トンが投入されてございます。96年議定書締結後も海洋投入処分を検討することができるというものでございますけれども、中止に向けて取り組んでいくことが必要というご指摘でございます。
 家畜ふん尿でございますけれども、海洋投入処分を行ったのは2件、2戸だけでございまして、96年議定書締結後も、今後海洋投入処分を検討することができるということでございますけれども、体制を整えて海洋投入処分を中止することが可能であろうというご指摘でございます。
 その他でございますけれども、下水汚泥、砂糖製造業廃糖蜜液、焼酎の蒸留粕、それから動植物性残渣のうちの柑橘缶製造時の残渣につきましては、海洋投入処分をやめる予定になってございます。これらについては、着実に海洋投入処分の中止を行うということが重要ということでございます。
 水底土砂でございますけれども、浚渫された水底土砂ということでございまして、海洋投入処分されたものは年間 200万トンから 300万トン程度でございます。96年の議定書締結後も海洋投入処分を検討することができるということでございますけれども、今後は有害物質を含むもの等を除いた、現在のいわゆる一般水底土砂のみを海洋投入処分できるものと考えるべきであるということでございます。
 水底土砂につきましては、その区分等につきまして参考資料3の16ページに特定水底土砂、有害水底土砂、指定水底土砂、それから一般水底土砂の判定基準等、現在の制度が紹介されています。判定基準につきましては表の2に書いてございまして、各水底土砂の中身につきましては、表の2、表の3、表の4に、あるいは表の5にその分類基準が示してございます。海域につきましても投入できる海域が指定されています。特定水底土砂、有害水底土砂はA海域へ固型化して排出でございますが、現在実績はございません。指定水底土砂につきましても実績はございません。
 本文の16ページにお戻りをいただきまして、今後の廃棄物等の海洋投入処分管理制度の在り方でございます。制度の基本骨格についての考え方ということでございます。海洋投入処分許可の申請主体につきましては、廃棄物等についての十分な情報を持っており、かつその発生量の削減や投棄場所の選択等を実施可能な立場にあります排出事業者とすることが適切であるというご指摘でございます。
 2番目の海洋投入処分許可の審査主体につきましては、「国」とすることが適切であるということでございますけれども、廃棄物等の発生量の抑制等の審査につきまして、地方公共団体が非常に知見等もあるということでございまして、必要に応じて地方公共団体との連携を確保できる仕組みとする。それから、これらの既存の制度との整合を図る必要があるというご指摘でございます。
 市民関与のあり方でございますけれども、透明性の確保等の観点に留意して、市民関与の機会を確保する必要があるということと、それから制度化に当たりましては情報の公開と意見聴取の範囲を国民一般に定めるなど、適切な市民関与のあり方を定める必要があるということでございます。
 また、ここで参考資料の36ページ、図で書いてございますが、市民関与の考え方としては、制度設計段階での関与、それから個別審査段階での関与、この2つの観点が重要というご指摘をいただいております。
 本文17ページの方にお戻りをいただきまして、許可の有効期限でございますけれども、実態を適切に把握しながら処分を実施するためにも、許可の有効期限は余り長期とならない、適切な期間とする必要があるということと、一律にその期間を決めるのではなく、柔軟に定めることができる仕組みとする必要があるということでございます。
 次に、附属書IIが求める審査の対応への考え方でございますけれども、廃棄物抑制審査等でございますけれども、これにつきましては18ページに3つのご指摘をいただいております。まず、排出事業者が以下の事項について申請時に明らかにする仕組みを設ける必要があるということで、a、b、cとございますが、廃棄物等の種類と発生過程、発生量等、海洋投入処分量の最小化の検討、そして廃棄物等の性状の検討でございます。
 それから、2つ目といたしまして、排出事業者に対しまして、定量的な削減数量等を可能な限り記述するように求めていくということが必要ということでございます。また、産業廃棄物と浄化槽に係る汚泥・し尿、水底土砂では、発生形態等に差異があるということについての配慮が必要ということでございまして、実際に着実な履行を行うためには、国がガイドライン等によりまして具体的な検討内容等を明確にしていくことが適当であるというご指摘でございます。また、国はいろいろな技術情報を収集整理しておくべきというご指摘でございます。
 次の行動基準でございますけれども、これは、その基準を超える場合には原則として投棄を禁じること等を判断するために設けるべきと定められている基準でございます。我が国では、先ほど言及いたしました有害物質に係る判定基準を設けておるということでございまして、最低限の仕組みは既に運用されているということでございますけれども、3点、19ページの上にご指摘をいただいております。
 現時点で、有害物質に係る判定基準が適用されていないものというのが、浄化槽に係る汚泥・し尿ということでございまして、今後96年議定書締結のためには、この判定基準を定めることが必要ということでございます。
 それから、特定水底土砂、有害水底土砂、指定水底土砂につきましては、海洋投入処分の可否を判断するための基準として、統合して一本化することが必要ということでございます。さらに、将来的には、海洋生態系保全の観点を加味した判定基準の確立について検討していくことが必要ということでございます。
 排出海域でございますけれども、これにつきましては、海洋還元型の廃棄物は、廃棄物が拡散されやすい海域、非還元型で水底に沈ませるというものにつきましては、水深の深いところに捨てているというのが現状でございますけれども、これにつきましては2つのご指摘をいただいております。
 これまでの海域、それまでのあり方を尊重しながら、合理的な海洋利用の観点、それから廃棄物の一般的な性状等から、廃棄物等の品目ごとに排出海域を包括的に定めて、海洋投入処分を企画する排出事業者が、当該海域区分の中から投入処分を実施しようとする海域を選定して、アセスメントを行った上で処分地点を選択するという方法が適切であるということでございます。ただし、現在の排出海域につきましては、別にその設定の見直しを行うということでございます。
 それから、現在設定をされております排出海域の見直しにつきましては、有害物質を判定基準値以上含む廃棄物等の排出海域として設定されているA海域は、廃止することが適切であるというご指摘でございます。また、緊急避難時の廃棄物等の排出海域として、廃棄物等の性状や危険性等におきまして、的確かつ迅速な対応を可能とする仕組みを新しくつくるべきであるというご指摘をいただいております。
 それから、現在、形式的には他国の経済水域や公海であっても海洋投入することができることになってございますけれども、21ページにございますように、我が国の排他的経済水域に相当する海域内に、廃棄をできるとして指定される海域は限るべきというご指摘をいただいております。
 排出方法でございますけれども、現行の排出海域制度を基本的に存続させる場合には、排出方法についても原則として維持すること。それから、将来的には排出事業者が潜在的な影響の検討結果を踏まえて、適切な排出方法を選択するというような、弾力的な制度にすることも考えられるということでございます。
 次に、潜在的な影響の検討でございますが、こちらは22ページでございます。排出事業者の役割といたしまして、廃棄物の抑制審査等の事項に加えまして、aからcに掲げました項目についても、申請時に明らかにするということでございます。2番目でございますけれども、これらにつきましては、国が法令またはガイドライン等におきまして、きちんと明示をするということでございます。また、国はさらに広く情報を提供する仕組みをつくるべきということでございます。また、専門家の意見等も取り入れて、審査には妥当性、客観性を確保するべきということです。
 それから5番目でございますけれども、海洋環境への過大な負荷が発生しないものと評価できる基準、免除基準でございますが、これを設定いたしまして、これを満たすものにつきましては、潜在的影響の検討を免除する仕組みを設けること。それから、簡易な検討を認めること等についても、その妥当性について制度導入の段階でさらに検討する必要があるというご指摘でございます。量が少ないもの等についての検討ということでございます。
 6番目の監視でございますけれども、これは排出事業者による監視と合わせまして、国におきましても監視・調査を充実していく必要があるということでございます。[2]でございますけれども、排出事業者が実施した結果につきましては、調査実施後速やかに年1回程度以上の頻度で国に報告されるように制度化する必要があること。それから[3]でございますけれども、特に、許可時に予測し得なかった影響が、当該処分により生じていないことを確認する必要があるということでございます。[4]でございますが、もし予測外の影響あるいは重大な影響が生じた場合でございますけれども、それについてはどういう対応をするかというのをあらかじめ定めておく必要があるということでございます。
 7番目でございますけれども、許可の見直し・更新につきましては、定期的に許可を見直しして、適切な場合のみ許可を継続する制度をつくるということでございます。また、国は許可更新の要件等をあらかじめ定める必要があるということでございます。
 その他の措置といたしまして、96年議定書で定められております洋上焼却でございますけれども、25ページの[1]と[2]に書いてございますけれども、領海基線より外側では、陸上に起因する廃棄物の洋上焼却を、現在は法律上できることになってございますけれども、禁止する必要があるということでございます。ただし、実態的には行われておりません。また、さらに内水での洋上焼却についても、速やかに中止するように措置を講ずることが適切であるということでございます。現在、全国で2件ほど実施されております。
 最後に、「おわりに」でございますけれども、ここでは、専門委員会の認識といたしまして、「予防的な取組」に基づいて対応をすべきということで、是非96年議定書の締結に向けた対応を早く取るべきということでございます。これは大変大きな意義があるものではないかということでございます。
 ただし、今までいろいろな対応がなされてきたということでございますけれども、努力が十分でない分野というのが5つ目のパラグラフに書いてございます。その中の例といたしまして「第二次大戦に起因する不発弾」については、たらい回しにされないようにというご指摘でございます。
 以上が資料の 1-1の概要でございまして、次に資料の 1-2でございますけれども、これは専門委員会報告書の概要のまとめでございます。資料の 1-1を説明させていただきましたが、ポイントといたしましてここに書いてある3つがあるかと思います。四角で囲ってございますが、我が国は国際発効に遅れることなく96年議定書を締結することを目指し、早急に国内体制の整備を図る必要がある。そのために、96年議定書上で海洋投棄が禁止されることとなる廃火薬類等については、速やかに海洋投入処分を中止すること。それから、継続をせざるを得ない廃棄物等につきましても、議定書の求めるところに従って、新たな許可制度を構築し、的確に管理していくことが必要であるというご指摘でございます。
 次に、パブリック・コメントでございますが、 1-3をご覧いただきたいと思います。「今後の廃棄物の海洋投入処分等の在り方について(案)」に対する意見の集計結果ということでございます。
 これは、専門委員会報告書に対しまして、10月31日から12月1日まで募集を行った結果寄せられましたご意見の概要と、それらに対する専門委員会の考え方でございます。意見は、個人2件、団体3件、項目にいたしまして26項目が寄せられておりますが、結果として、先ほど清水委員長の方からお話がございましたが、報告書(案)の修文は行ったところはございません。
 簡単に紹介をさせていただきますと、まず、ご意見の概要という左側の欄でございますけれども、例えば今後の廃棄物等の海洋投入処分等の在り方に係る基本的考え方のところでは、新しい制度につきまして、安全側に立って絶対に影響が生じないようにやるべきであると。あるいは、どうしても陸上における処分ができないものは、安全を確認した上で海洋投棄ができるようにすべきというようなご指摘をいただいておりますが、報告書(案)の中では、例えば3-1、3-3等におきまして、96年議定書の予防的取組の考え方を踏まえて、同議定書の求めるところに従った制度とすべきということで、このような安全側に立ったという考え方に則っているということでございます。
 また、2番目の安全を確認した上で海洋投棄ができるようにすべきというようなご指摘につきましても、附属書I、附属書IIに従いまして、新たな海洋投入処分管理の仕組みの中で整備すべきであるということで、報告書の中に記載をされているという考え方でございます。
 同じようにいたしまして、附属書IIへの対応、あるいは廃棄物等の海洋投入処分実態の概要とその評価、それから次の2ページにまいりまして、今後の廃棄物等の海洋投入処分管理制度の在り方につきましてご指摘をいただいた点がございますが、右側の欄にございますように、報告書の中で記述されているもの、あるいは今後政府部内で具体的な制度を作っていく場合での考慮すべき事項ということで、対応としては専門委員会の報告書の中で答えているのではないかという専門委員会ご判断をいただいております。
 長くなりましたが、以上でございます。

○浅野部会長 どうもありがとうございました。
 少し専門的な内容を含むものでございまして、専門委員会でも時間をかけてご審議をいただいた内容でございますので、従来と違って丁寧にご説明をいただきました。
 清水専門委員長から何か補足がございましたらどうぞ。

○清水委員 簡単にちょっと補足をさせていただきます。
 今、お聞きいただきましたように、パブリック・コメントに関して特に申し上げますけれども、報告書(案)は本案のあり方を述べたものでございますけれども、制度の具体的な話は方向だけを示した。それに対してご提案では、かなり制度の具体的なところもご提案をいただいたところもございます。これは、今後の制度づくりに参考にできればさせていただこうということになろうかと思います。
 実際には、ご提案いただいた趣旨は既にすべて盛り込まれておるというふうに考えております。したがいまして、96年議定書上、海洋投棄が禁止されていても、海洋投入処分が速やかに中止すべきであるということ。それから、その他の廃棄物につきましても、海洋投入処分の減量化を進めることを基本として、やむを得ず海洋投入する場合でも、96年議定書に盛り込まれた予防的取組と対外的に表明している最小化三原則の考え方を踏まえまして、この議定書に沿いました新たな海洋投入処分管理制度を構築すべきこととしています。専門委員会の報告書の枠組の中で対処できるということでございまして、繰り返しになりますけれども、報告書(案)には変更を加えないことというふうにいたしました。
 したがいまして、この資料 1-1を、海洋環境専門委員会の最終的な結論として報告をさせていただいたわけでございまして、慎重にご審議をいただきまして、冒頭局長からもありましたように、この場でもって答申として取りまとめるというふうにしていただければ、大変幸いでございます。よろしくお願いをいたします。

○浅野部会長 それでは、ただいまご説明を申し上げたとおりでございます。従前から中央環境審議会のこの種の案件についての取り扱いでございますけれども、例えばアセス法の場合でも、こんな条文を入れろというような答申はいたしておりません。考え方をきちんと示しておく。その上で後、どのような法律をお作りになるかは政府部内のお話であるということでありますから、ただいま清水委員長からお話がありましたように、少し細かい手続についてのパブリック・コメント等については、必ずしも今回の答申の中に含めるということは適当でない部分もございますことをご理解いただきたいと思います。
 それでは、これまでに中間報告をいただいて、パブリック・コメントの前にもご意見を伺っておりますが、今日はできればお認めをいただきたいということでございます。ご意見がございましたらお伺いをしたいと思いますがいかがでございましょうか。
 どうぞ、廣野委員。

○廣野委員 清水委員、大変どうもありがとうございました。
 私、ここに書いてあります資料 1-1最初のところの3の「今後の廃棄物等の海洋投入処分等の在り方に係る基本的考え方」、それから5番目の「今後の廃棄物等の海洋投入処分管理制度の在り方」、それから最後に「おわりに」というところにある精神と申しますか、そういうのをすべて私は賛成です。
 ただ、ちょっとお伺いしたい点がありまして、それは何かというと、ページ数で言いますと4ページのところの上の方の3に[2]、[3]のところがあるのですが、こういうことが書いてありますね。そしてその下に表があるのですね。これを見ると、明らかに専門委員会もいろいろ議論している中で、「下水汚泥及び産業廃棄物等の海洋投入実績」ということがあって、相当の数例が書いてありますね。ちょっと私が気になるのは、当然海に囲まれる国と海に囲まれていない国とあるわけですが、そういう場合にも全く同じやり方で考えるのか。特にその場合に、これはちょっとほかの分野ですけれども、例えば私たちは特にODAなどをやっている場合には、総量でいうよりも、例えばGDPの何%とかという、そういうような扱い方をするわけです。ということからすると、今度の海洋投入実績の場合でも、例えばGDP当たりどのぐらいのトン数が行われているのか。あるいはまた1人当たりどのぐらいのトン数が投入されているのかという、こういうようなもう少し細かなデータということについて言及があり、なおかつそれについて議論が行われたのかどうか。その点、確かめたいと思います。

○浅野部会長 はい、どうぞ、清水委員。

○清水委員 今ご指摘をいただきましたのは、表1でございますけれども、そこの中にもありますように、報告のないところもありますし、それからかなりはっきりしない部分もあるということで、今ご指摘いただいたことをすべて委員会で議論をしたということにはなっておりません。ただ、やむを得ない事情も多分あるのだろうということでございまして、報告されている限りでは、日本はやはり随分多いということは疑いのない事実でございますので、それをもとにして議論を進めたということでございます。
 余りちゃんとしたお答えになっておりませんで申しわけありませんが、そういうことです。

○浅野部会長 よろしゅうございましょうか、廣野委員。

○廣野委員 よろしゅうございます。
 そうすると、先ほど私言いましたように、基本的な考え方は全部賛成ですからそれでよろしいのですが、ただそういうときに、今申しましたような点からの考慮をした場合に、例えば海のあるところの物の管理体制のあり方とかそういうのが変わってくるのかどうか。それとも全く同じであるのか、その点。

○清水委員 基本的には変わらないと思います。

○浅野部会長 既にこれは議定書の枠組の中で考えるということであれば、国際的な水準で言えば変わらないというご認識だろうと思います。
 天野委員、どうぞ。

○天野委員 議定書の精神を踏まえて、非常に綿密なご検討をいただいてありがたく思っておりますが、この議定書にあります2つの重要な原則について、先ほどのパプリック・コメントに対応する際にいろんなご意見があって、これはあるいは正しいと思われてご意見を出しておられるのですけれども、それに対しては議定書の予防といっているものを原則にしたものだからということでお答えになっておられたわけですが、私はこの2つの原則について、少し議定書の求めているところとこのあり方についての専門委員会の方のご見解というのが、必ずしもきれいに重なっていないのではないかというような気がいたします。
 これは見解の相違と言われればそれまでですので、私はこのあり方について自体に意見を言っているのではなくて、むしろこれを実際に細かい規則に直すときに、十分に議定書の原則を踏まえていただきたいということを感じておりまして、1つは汚染者負担の原則というのがありますけれども、9ページを見ますと、事業者が実施をするときの費用を負担すべきだというとらえ方になっているのですね。ところが議定書の方は「bear the cost of pollution……」ですから、汚染に伴う費用を原因者が負担するということで、取り組む費用だけではないのですね。考えようによっては非常に広い範囲を含む原則ですので、その当たりをちょっと狭く解釈しすぎているのではないかというような感じもするわけです。
 それからもう1つの予防的アプローチの方は、8ページの[1]のところで「予防的取組の考え方を原則とした取組」と。大変回りくどい言い方になっておりまして、「予防的原則に基づいた取組」ということとは大分違う印象を受けるわけです。それでは、この原則は具体的にどこで適用されているかというのを見てみますと、19ページの排出海域を選択する際にそういう原則を考えて選択をしなさいということが1つと、それから21ページに、ここでは潜在的影響の検討ということで4つ項目を挙げて、かなり広範に述べておられるのですけれども、5番のところでは太字のところがないですね。
 ここのところでは、一応委員会で結論を出されて、こういうふうな考え方をとるのだということがわかるのですけれども、21ページの方では、こういう方法とこういう方法のどちらを考えるのか検討しようというふうな表現が残っておりまして、これは実際に予防的アプローチを5番のような項目に適用する際には、細かい具体的な例の中でこういうことを決めるというふうに私は理解しておりますので、その辺もよく予防的アプローチ、この議定書が考えているアプローチに従って細かい点を決めていただければと考えております。
 以上でございます。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 委員のただいまのご発言は、コメント、ご意見ということで議事録にとどめるということでよろしゅうございましょうか。

○天野委員 はい。

○浅野部会長 ありがとうございました。
 佐和委員、どうぞ。

○佐和委員 2点申し上げたいと思います。
 予防原則という考え方は、1980年代のドイツで生まれたといいますか、広まった考え方なのですね。結局、よくそれに対する一番対立的な意見というのは、科学的知見が不充分なときに慌てて対策をとる必要はないと。これは地球温暖化の問題についても科学的知見が不十分ではないかということをアメリカあるいはロシアも最近ではチラッと言ったりしていますけれども。
 そういう考え方に対して、ひょっとすると危ないかもしれないと。それは科学的にはもちろん証明されていないけれども、替わりのものがあれば何もそういうものにあえて手をつける必要はないのではないかというのが予防的原則なのですね。つまり、陸上でちゃんと処分できるものをわざわざ簡単だからといいますか費用が安くつくからということで海に捨てる。そうすると、海に捨てると海洋環境等にどういうふうな影響が及ぶかということは、科学的には証明されていなくても、そういう安易なことは避けるべきだと。つまり、地上で処分できるものは地上で処分しようというのが予防的原則の基本的な考え方なわけです。
 ですから、これはモトギリさんなんかもいらっしゃるのですけれども、要するに遺伝子組み換え食品などに関しても、ヨーロッパでも予防的原則に従ってそんな組み換えしないもので十分食糧は足りているじゃないのと。だからそれを食べればいいのであって、ほんとに食料不足になれば大量生産ができるような遺伝子組み換えの食物を加工して、その食品を食べざるを得なくなるけれども、今のところちゃんと足りているときに何でそんなものを食べなければいけないのかと。ひょっとすると危ないかもしれない。確率は非常に低いかもしれないけれどもというのが予防原則なのですね。
 これ、15カ国から署名といいますか、しているというのを見ても、やはりオーストラリアとかニュージーランドのように海に囲まれた国を別にすれば、やはりそういう予防原則という観点から環境問題を考えるという国が圧倒的多数を占めているということですね。やはり予防原則というものを環境の問題を考えるときの一番基本原則としてわきまえるかどうかというところがやはりポイントだと思うのです。それが1点。
 それともう1つは、これは温暖化に関係することですけれども、カーボン・シークエストレーションというのがありますね。要するにカーボンを隔離するといいますか、あるいはシャーベット状に固形化して海に捨てると。これについては、日本はその技術開発に世界で最も熱心な国なのですけれども、仮に技術的に今のところはいわゆる費用対効果という点からして、10電力会社がつくった石炭の発電所から出てくる煙からCO2を分離してそれをシャーベット状に固形化して海に捨てると。それは1日の量でも膨大な量になるらしいですね。それについてはまだ実用化されていないから、恐らくまだ対象品目にはなっていないわけですけれども、ゆくゆくは仮にそういう技術が実用化される、費用対効果的に見合うようになったときにどうなのかということなのです。
 せっかく開発して、ところが地上に捨てるというと、もちろんどこか炭坑の跡とかそういうところに捨てればいいといいますけれども、あんなものは容量的にたかが知れていて、1年もしないうちに満杯になってしまうわけです。そうすると無辺の捨てる場所といったら海しかないわけですよね。そして、こういうカーボン・シークエストレーションに大変熱心な方は、貯留という言葉を使っている。投棄するのではなくて貯留しておくのだというようなことで、何となく言い逃れをしているような気がするのですけれども、それらについて何か情報があったらお教えいただきたい。
 以上です。

○浅野部会長 それでは、ご発言を先にいただきますので、横山委員、お願いします。

○横山委員 改めて報告書を読んでみて、非常に厳しく書かれていて、私は全面的に賛成、これで是非答申していただきたいと思います。
 一方で、やはりこれを読むと、廃棄物の海洋投棄がのんべんだらりと行われていたという印象が非常に強いのですね。例えば下水汚泥なども日本と韓国だけとか、産廃に至っては世界最大だと。それから最大のレベルの海洋投棄国だというようなことまで言われているわけで、なぜこんなふうになったのかという説明がないと、一般の人がこの報告書を読むとほんとに無策だったのではないかという印象を強く受けると思うのです。
 それから、中身は96年議定書の発効に遅れることなく締結するのだというふうに書いてあるのですけれども、発効しそうだから締結するのだという感じで、日本は率先してこの発効に向けて何かをやるという姿勢では、どうもないような感じがして残念なのですけれども。
これについて、環境省が全部ということではないのはよくわかっているのですが、事務局としてそれをどんなふうに考えているのか、それを一言聞かせていただければこれで答申することには全く賛成なのですが。

○浅野部会長 わかりました。
 高橋委員、どうぞ。

○高橋委員 ありがとうございます。今、何人かの方からあったコメント、恐らく何らかの意味で精神が含められるものになると思うのですが、それを含めて、これは非常にすばらしい作業ですので、私は今あるものそのものの内容に関しては何らオブゼクションはございませんが、1点だけ、ちょっと気になりますのは、この分野、例えば3ページ目の脚注3のところに現在批准または加入した18カ国というのが載っていますが、その中の数カ国、こういう国に対してできるだけこの議定書が有効に機能するように、こういう場合には通常技術協力の情報が入っているわけなのですが、この議定書そのものに入っているのかどうなのか。
 もし入っているとすれば、その執行をもこれに含めるべきではないかという感じがいたします。もし入っていないのだったら、入っていないけれども、やはり日本としてはそれを重要だと思うということで、例えばこの脚注3のところでは、アンゴラ、グルジア、南アフリカ、トンガ、トリニダッド・トバコ、バヌアツなどというのが入っていますが、将来的にはもっと多くの途上国がやはりこの分野では非常に大事な存在になっていくと思いますが、そういう国に対しては、もしでき得れば国際的な技術協力、メカニズムというのを日本が提案していく。それができないまでも日本は2国間協力をしていくということが何らか、精神としてこの段階ではここに入っていていいのではないかという感じがいたしますので、その1点だけがつけ加われば、さらに私は賛成しやすくなるというふうに思います。

○浅野部会長 はい、わかりました。
 それでは、ただいままで出されたご意見、ご質問のようなものがございます。まず、清水委員長から何かコメントがございますか。
 どうぞ。

○清水委員長 いろいろご意見をいただきまして、それから大方にはご賛成をいただいて大変ありがとうございました。
 1つ、予防的取組に関してちょっと申し上げれば、もともとが拠っております議定書、それからこの報告書も、影響がはっきりしないものはとにかく捨ててはいけないのだという、非常に影響をきちんと把握をして、それが大丈夫なものだけを捨てることを考えてもいいということにしておりますので、そういうところでもって、取り壊しなり、アプローチというものが問われているということ。
 それから、一番最後に高橋委員からいただきました技術協力の問題に関しましては、議定書にはたしか入っていなかったと――私ちゃんと覚えていませんが――後で事務局からちゃんと答えていただきますが入っていないと思います。ただいまのご提案は、今後どのように取り組むかを少し検討させていただければと思いまして、今直ちにどういうふうにということはちょっと申し上げられないと思うのですが、そんなことでお考えをいただければと思います。
 あとは、すみません、事務局からお願いをいたします。

○浅野部会長 では、事務局。

○荒井環境保全対策課長 それでは、佐和委員の方からご質問がございましたカーボン・シークエスーションの話でございますけれども、以前、ノルウェー沖におきまして実験をするという申請があったときに、ノルウェー政府がその許可をしなかったことがございますが、それは理由が2つございまして、1つはIPCCの場でその技術についてきちんと議論をされていない、位置づけがはっきりしないということと、それからもう1つは、オスロ・パリ条約という海洋汚染防止の地域条約がございますが、それとこのロンドン条約でどういう形の整理になっているかはっきりしないということ、その2つの理由でたしか許可をされなかったというふうに理解しております。
 ロンドン条約の締約国会議では、二酸化炭素の扱いにつきましては、きちんとした見解が確立していないということが現状かと思います。これは当然ロンドン条約ができたときにはそのようなことは想定されていなかったということでございまして、日本政府の立場としても、私どもの理解では今後必要に応じて議論をされるべきものというふうに理解をしてございます。
 それから、2つ目の横山委員の方からご指摘がございましたが、発効に遅れることなくというよりも、むしろ日本は率先してやるべきではないかというご指摘でございますけれども、こちらにつきましては、海洋汚染の関係では、日本は海洋大国ということもございまして、できるだけ率先した取組をしようということで、例えばトリブチル・スズの規制等につきましては、条約はまだ発効してございませんが批准をしてございます。本件につきましては、ロンドン条約の体制ということではきちんとやってきたということで、専門委員会でも評価をいただいているとは思いますが、96年議定書によりさらに強化をするということです。国内的ないろいろな事情がありまして、その中で今まで延びてきたということでございます。
 それから、3番目の高橋委員の方からご指摘をいただきました技術協力及び援助、途上国に対する関係でございますけれども、これは専門委員会におきましては、国内体制ということで議論を中心にしていただきましたのでご紹介をさせていただいておりませんが、議定書の13条で技術協力及び援助の項目がございまして、締約国はその国際海事機関(IMO)における協力を通じて、あるいはその他の国際機関と協力いたしまして、この議定書に規定する投棄により生ずる汚染を防止し、軽減をし、あるいは実行可能な場合には除去するための2国間、それから多国間の援助を促進するというような項目がございます。
 本件につきましては、日本政府全体といたしまして、国際海事機関IMOを通じまして、様々な形での支援をしているところでございます。もしさらに技術協力が必要ということでございましたら、それはご意見として受け賜わりたいと考えております。
 以上でございます。

○浅野部会長 よろしゅうございましょうか。
 それでは、まだあと報告事項が3件ございますので、できましたらこのあたりで質疑を打ち切りたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
 それで、ただいまの専門委員会からの報告という形で報告をいただいたわけでありますが、いかがでございましょうか。この専門委員会の報告の本文中、27ページをおあけいただきたいのですが、27ページの最後の2行に「中央環境審議会答申が取りまとめられることを望む」という文章がございますが、これをそのまま審議会答申とするというわけにはまいりませんから、この2行については申しわけないけれども削らせていただいたものを、専門委員会からのご報告ということで受けとめさせていただきたい。
 普通でしたら別紙を用意するべきところなのですが省略をさせていただいて大変申しわけございません。他の部会と同じような少し雑駁な扱いでございますけれども、この2行のところは当部会に対する専門委員会のコメントでございますので、これを受けとめましたので、ここは削らせていただいて、「別紙専門委員会報告のとおり当部会の答申とする」ということをお認めいただきたいということでございます。
 ただいま出されました委員からのコメントにつきましては、議事録には当然とどめさせていただきたいと思いますし、横山委員のおっしゃったことは私の一番最初のときにちょっと申し上げたことと同じでございまして、どうも困ったものだということを申し上げたわけであります。
 いかがいたしましょうか。高橋委員からのご指摘の点について、確かに重要なご指摘ではあろうかと思いますし、議定書に13条の規定があるということであれば、この部会ではさらに13条について十分留意すべしというご意見が出たことを、何らかの形で付記をするということで、私に答申の文章の取りまとめをご一任いただけますでしょうか。
 よろしゅうございますか。

○高橋委員 はい。

○浅野部会長 それでは、今の13条に関して、委員会の方への重要なご指摘ということで、何らかの形でそれをこの専門委員会報告につけ加えるということを答申の中に入れる形で、本日これを答申としてご承認をいただいたということでよろしゅうございますか。
(異議なし全員)

○浅野部会長 ありがとうございます。
 どうも清水委員長、長い間大変難しい問題を丁寧に取り扱っていただいてありがとうございました。改めてお礼を申し上げます。
 それでは、残り時間がやや少ないようですが、本日の議事の2でございます。
 気候変動枠組条約第9回締約国会議についてのご報告をお願いいたします。

○牧谷国際対策室長 国際対策室長の牧谷でございます。座って説明させていただきます。
 資料 2-1及び資料 2-2でございます。気候変動枠組条約の第9回締約国会合、いわゆるCOP9の報告でございます。12月1日から12日までミラノでこの会議は行われました。今回はハンガリーでの開催でございます。
 ここで、いろいろな交渉及び10日及び11日においては閣僚級円卓会合というものが行われました。(2)にありますように、閣僚級円卓会合、全部で3つのセッションがありましたが、このうち第1セッションにおいて小池環境大臣が共同議長を務め、政治レベルでの自由闊達な意見交換に大きく貢献をしたわけでございます。
 この円卓会合について、最後に議長総括が出ておりまして、これが資料 2-2の仮訳でございます。
 このほか、小池環境大臣は米、露、英等々と2国間会談を行いまして、京都議定書の非締結国への締結の促進、気候変動問題における各国との協力体制等々についての意見交換を行いました。さらに、サイドイベントとして、小池環境大臣のイニシアチプで我が国の地球温暖化対策についての取組についてのプレゼンテーション及び意見交換も行いました。
 (3)の評価でございますけれども、取りまとめられました議長総括におきまして、我が国が重視し、主張してきた項目がきちんと入っております。まず、京都議定書の関係でありますが、重要な一歩であり、その早期発効が重要であるという点、これが盛り込まれました。IPCC三次報告書についても、これが確かな科学的根拠を提供するものであるという認識が記されました。さらに、排出削減、気候変動への影響の対応のために、すべての国のさらなる努力及び共通ルールの構築の必要性が書かれました。それから、技術につきまして、技術の移転、技術の革新はともに進められるべきであり、相互補完的であること。それから、CDMの速やかな実施が重要であることが書かれました。
 このほか、国内では吸収源のCDMの実施など、積み残されていた実施細則が確定をした等々の成果がございました。
 次回、COP10は、アルゼンチンが立候補しておりまして承認をされております。
 2番の個別問題の討議結果でございますが、時間も押しておりますのでポイントのみ。(4)の吸収源のクリーン開発メカニズムでございます。これが国内におきます一番大きな課題でございました。ここで実施ルールが決定をいたしましたけれども、具体的には、まず非永続性の関係でございます。これは吸収源に特有の問題でございまして、山火事や伐採によって、一度吸収をした炭素が放出されてしまう可能性がありますが、こういった非永続性に対して期限つきのクレジットを用いることが合意されました。それから、事業の追加性につきまして、排出源CDMと同様の記述で規定をされております。それから、簡易な手続によって実施が認められる小規模CDMというカテゴリーが認められております。それから、社会経済的影響あるいは環境影響の分析についての項目が決まったこと。それから、再植林の基準年として1989年末とされたという点等が合意をされております。
 これが主だったところでございますけれども、そのほかに(1)から(7)にありますような交渉が行われ、合意されたものもありますし、一部積み残しというものもありましたが、大体において我が国の主張が通ったのではないかと考えております。
 以上でございます。

○浅野部会長 それでは、ただいまの報告につきまして、何かご質問がございましたらどうぞ。
 どうぞ、福川委員。

○福川委員 一つお伺いしたいと思いますが、この紙の裏側で、(3)で途上国支援のことが書かれていて、「後発途上国基金に関し、支援範囲の拡大を要求する途上国側との協議が難航したが云々」ということで、次に持ち越されたということですが、ここを少し説明していただけるとありがたいのですが。

○浅野部会長 他にご質問ございますか。
 佐和委員。

○佐和委員 裏側のページの(4)ですけれども、(イ)ですが、「取得されるクレジットの非永続性を考慮して、期限つきクレジットを用いることとされた」と。さっき火災とか、森林火災のことをおっしゃいましたね。森林火災のみならず、要するに材木として伐採して使うということがあるわけです。私はもともとCDMにその吸収源を入れなかったというのは非常によく考えた考えだと思ったわけです。
 というのは、例えば先進国といいますか、日本が国内に植林して、30年先に伐採したということになれば、伐採したときには排出ということになるわけです。つまり、差し引きゼロ、オーバータイムにはバランスがとれるわけですね。途上国に植林したことによって、そこでクレジットが発生すると。伐採する権利というのは、それは途上国にあるわけですね。だから、そういう意味では、つまりクレジットだけ与えておいて伐採したときには、途上国の場合だと何も関係ないわけですね。排出そのものが関係ないわけですから。その意味では、この吸収源をCDMに入れないというのは非常に合理的だなと思っていたのですが、結果的にはああいうことになったと。
 それで、ここで僕がお伺いしたいのは、期限つきクレジット云々というのは、もう少し具体的に言うとどういうことなのですか。

○浅野部会長 他にご質問ございますか。あれば一括してお尋ねをしたいと思いますが、よろしいですか。
 では、今の2点をお答えください。

○牧谷国際対策室長 特別気候変動基金及び後発途上国基金でございますけれども、これはいずれも条約に基づく基金でありまして、これまでこれを運用するための検討がCOPで続けられてきましたが、後発途上国基金につきましては、前回のCOP8で一部具体化しておりまして、後発途上国における適応の計画、NAPAといっておりますけれども、このNAPAをつくるためのワークショップを開くことが今までのところ決まっておったところでございます。
 今後、NAPAができましたならばそれを実施する局面に入っていくわけでございますけれども、それをにらんで、どのような指針をさらに作っていくかということが今回のテーマでありまして、結果的には、まだ十分具体性を持った指針になってはおりませんけれども、途上国からの非常に強い要請を踏まえて一歩進んだ指針が出たということでございます。
 特別気候変動基金については、この基金の対象とされております4つの分野、すなわち適応、技術移転、緩和、それから経済多様化の4つのうち最初の2つ、すなわち適応と技術移転についてプライオリティーをつけることが既に確認をされておりましたが、今回さらにそれ以外の2つの分野についても、できるだけ実施するようにするために、今後それに対する締約国の意見提出を求めることが決まっております。
 次に、非永続性の問題ですが、これにつきましては伐採や森林火災による再放出に対して、5カ年という期限を設けまして、5年ごとに炭素蓄積量を検証し、認証することを義務づけたということでございます。仮に5年ごとの検証によって森林が残存しているということが確認できれば、クレジットの再発行が可能ということが認められたということでございます。

○佐和委員 しかし、その5年間に火災が起きたり伐採されたからといって、それがクレジットからマイナスされるというわけではないですね。

○牧谷国際対策室長 その場合はクレジットが失効すると。

○佐和委員 失効すると。

○浅野部会長 5年間有効ではなくて、途中で失効するのですか。今のご質問の趣旨は……。

○佐和委員 5年間についてはとにかくクレジットを与えると。その間に何が起ころうともそれは有効であると。

○浅野部会長 かどうかということですね。

○高橋研究調査室長 研究調査室長でございますが、補足いたします。
 一つの大きな考え方として5年ごとにモニタリングをして、植林した木が残っているかどうかというのを確認するということがまず大前提でございます。その上で、クレジットについては期限を設けております。一応2種類ございまして、短期と長期とございます。短期は発行された約束期間の次の約束期間の終了時に一度失効すると。自動的に失効すると。あるいはクレジット期間というクレジット全体の期間を通して、それが終わるともう失効すると。そういう二通りございます。いずれにしましても5年ごとに確認をいたしまして、もしその山が燃えて残っていなければ、例えば再発行できないとかということで……。

○佐和委員 再発行はできないのはわかるのですが……。

○高橋研究調査室長 できないということは、失効して、ただ失効しても再発行できないですから、クレジットも無効になってしまうということで、委員のご指摘の問題は解決されるということでございます。

○佐和委員 つまり、事後的に無効になるということですか。

○高橋研究調査室長 はい。若干時間のずれはございますけれども、長期に見れば、それはキャンセルされるということで、燃えた森林のクレジットが有効になるということはないようになっております。

○佐和委員 当該の5年間についてもというか……。

○高橋研究調査室長 5年間は――燃えた瞬間に消えるわけではなくて、それがチェックされて、その後で……

○浅野部会長 それはありますけれども、全体で見れば、長期に見ればそれはもうキャンセルされているという形になりますか。

○佐和委員 それ以降にはということでしょう。ということですね。

○牧谷国際対策室長 はい、趣旨はそういうことだと思います。

○高橋研究調査室長 それで、失効したものは、ちゃんとしたクレジットで補填をしなければならないということがございますから、そうするとやはりすなわちゼロになってキャンセルされるということになります。

○浅野部会長 よろしゅうございますか。運用上、それぐらいしか方法がないのだろうなとは思いますね。
 それでは、あと2件のご報告がございまして、大変恐縮でございますが、この2件は続けてご報告をいただきたいと思います。

○清水地球温暖化対策課長 地球温暖化対策課長清水です。資料3、12月の地球温暖化防止月間における普及啓発活動についてご報告したいと思います。
 これは、前回の部会のときに、インターネットでどのような広報をしているのかというようなご質問もありましたので、それに対するご報告も兼ねたという形にしたいと思っております。
 資料3の1ページ目の上の方を見ていただくとおわかりなのですが、京都で開催されましたCOP3、これが12月に開催されたということがありまして、平成10年度から12月を地球温暖化防止月間と定めまして、全国的に国民運動のキャンペーンをやっております。
 この資料3の1ページ目に全国の地図がありまして、いろんなことをやっております。これが本年度における活動の報告になっております。左上の方にセミナー24件、展示6件、実践調査3件、新聞37件、テレビ・ラジオ40件というような形で全国的に広く運動が展開されたということでございます。
 実はこの部会の委員の方々の中にも、深くかかわって活動していただいたような方も大変多くございます。例えば右の方に「ライフスタイル見直しフォーラム2003」など、これは連合の久保田委員にも関わっていただいたり、そういうことがございますし、それから左側で「市民が進める温暖化防止2003」ということで浅岡委員。あるいは「グリーンエネルギーの普及拡大を私たちの手で」ということは、兵庫のセンター、小林委員が案内するようなことでやりました。この部会のメンバーの方々にも深くご協力いただいていることを、この場を通じて感謝したいと思います。
 それから、その中で、右の方の二重四角で「地球温暖化対策地域推進全国大会」というのがございます。これは後でまたご報告したいと思います。
 1枚めくっていただきまして、インターネットによる情報発信であります。これは前回ご質問がありました点になりますが、環境省では2つ大きなホームページを持ってキャンペーンを進めております。1つが「環のくらし」ホームページということであります。これはヒット件数、8カ月間で 140万件ということですから、年間 200万件程度のヒットがあるというページになっております。環境省で「環のくらし」推進のための「環のくらし会議」というようなキャンペーンを行っておりますが、その関連ということで、各種イベントあるいは「エコライフ予報」というようなことも含めて取組を行っております。
 それから、(2)で、「全国地球温暖化防止活動推進センター」のホームページであります。これは地球温暖化対策推進法に基づいて指定されました全国センターのホームページであります。これは地球温暖化関する各種データ、あるいはeラーニング的な、教育的な資料なども含めた形のホームページになっております。
 インターネットの世界では、Googleという名前の検索エンジンが非常に有名な形になっております。それはランキング的に運用が多いものから順番に出るわけでありますが、「地球温暖化」という名前で検索をしますと、この地球温暖化防止活動推進センターのホームページが一番トップに立つというような形になっておりますので、客観的にも大変評価の高いホームページになっているのではないかと思っております。これは、大体年間 100万件のヒットという、そういうレベルのホームページになっております。
 それから、次のページ、めくっていただきまして、一番最初のところで全国大会が載っておりましたけれども、そのご報告であります。
 本年、12月7日に千葉県の幕張メッセで、推進員の中の1割程度、それからそのほかの参加者を含めて 400人程度の参加を得まして全国大会を開かせていただきました。この中には環境大臣、千葉県知事などを含めてやったわけでありますが、特にこの中の委員であります桝本委員に来賓挨拶という形でお願いしました。それから、全国センターの代表という形で、これは運営委員会の議長を三橋委員にお願いしておりますので、参加いただいたという形で、企業あるいは地域からの発表を含めた形で、こういった形で行っております。
 それから、次のページで地球温暖化防止活動環境大臣表彰というようなことも、あわせてその日に表彰を行いました。これは、平成10年から毎年行っているものであります。今年は19団体、この中にありますように、技術開発・製品化部門、あるいは対策技術普及・導入部門など、次のページにいきまして6部門を含めて審査会を設けた中で選定しまして表彰を行っております。個別の中身については割愛させていただきたいと思います。
 それから、参考1におきまして、全国で行いました各種イベントの個別表を載せておりますので、ご参考にしていただければと思います。
 私からは以上です。

○浅野部会長 それでは、引き続きまして日中韓三カ国環境大臣会合の結果について、報告お願いします。

○田中環境協力室長 環境協力室長の田中でございます。第5回日中韓三カ国環境大臣会合が先週土日に開催されましたので、その概要についてご報告させていただきます。
 今回は、第5回目の会合ということでありまして、局長が申し上げたように、毎回各国持ち回りで開催しておりまして、今回は中国、北京における開催でございました。日本側は小池環境大臣でありますが、中国側は解振華(シェ・ゼンホア)国家環境保護総局長、韓国側が韓明淑(ハン・ミョンスク)環境部長官のそれぞれ環境大臣といわれる方々の参加を得て開催をされました。
 全体を通じて、局長のご挨拶の中にもありましたけれども、地球環境の問題、それと北東アジア地域の問題、各国が特に共通して抱えるような問題ということを中心に議論が行われました。
 1ページ目の4(1)のところをご覧いただきたいわけですが、まず全体を通じて、特に中国などにおきましては、今後も引き続き相当の経済開発、経済発展が見込まれるわけですけれども、それに伴って様々な環境問題も懸念されるところであります。そういう意味で循環型社会の形成を初めといたしまして、経済成長と環境保全とを両立させていこう、統合させていこうというような積極的な認識が各大臣から示されたというふうに思います。
 それから、この大臣会合のもとで、個別の各種のプロジェクト、具体的には一番下、参考として掲げてございますけれども、各種のプロジェクトも毎年行っているところでございまして、その進展状況のレビュー等を大臣レベルで行いました。いずれのプロジェクトもかなり具体的に着実に進展しているということでありまして、今後もそういったものを拡充・発展させていこうというご提案がありました。例えば韓国の大臣などは、子供への環境教育ということが非常に大切だということで、日中韓ともに共通して抱えるような問題について、共通して使えるような何か材料を作ってはどうかというような具体的なご提案もございました。
 2ページ目をご覧いただきたいのですけれども、それから各国の国内の対策、環境政策の進展の状況についてそれぞれ各国から報告をし、大臣がそれに対して評価をするというセッションがございましたけれども、特に中国においても韓国においても循環型社会、循環経済の構築というところに大きな関心を置いてございますし、その中に拡大生産者責任ですとか、汚染者負担の原則といった重要な考え方についても視野におさめて、そういったものを構築していきたいというようなご発言がございました。
 それから、非常に関心の高いところとして、中国で2008年にオリンピックが開催されますけれども、グリーンオリンピックという方向で努力をしていくというようなことのご発言がありましたけれども、韓国はこの面で最近の経験がございますので、こういったことも踏まえて協力したいというようなご発言もされました。
 それから(4)で、北東アジア地域の問題でございますけれども、ここは非常に近年各種の問題について様々な具体的な取組が進展をしているところでございます。例えば酸性雨の問題については、モニタリングネットワーク、それから共同研究、両方の取組が進んでおりますけれども、こういったものについても三大臣の力強いコミットメントが示されました。海洋汚染についても北西太平洋地域海行動計画の各種プロジェクトなり事務所の設置なりが、今進展しているところでありますが、韓国も含めて早期実施、早期構築に対して発言がございました。
 また、黄砂の問題ということで、最近の黄砂の深刻な現象もありましたので、中国、韓国を含めて非常に関心が高いわけでありますけれども、アジア開発銀行(ADB)と地球環境ファシリティー(GEF)の協力を得て、UNEP等が現在行っているプロジェクトを中心に議論がなされましたけれども、そういった現在進行しているプロジェクトを踏まえて、この地域においてモニタリングと早期警報システムづくりをどんどん進めていこうというような、この面においても各大臣から力強いご発言がございました。
 それから、地球環境問題ですけれども、我が国は地球温暖化対策、気候変動の問題について発言をいたしました。各大臣とも、議定書の早期発効に向けて三カ国が働きかけを強めていこうというふうなことで一致いたしましたし、その上でそれぞれの立場、あるいは各国の状況の違いはありますけれども、必要な努力をしていこうということでは一致いたしました。ただ、中国なり韓国なりは議定書上の立場、あるいは今後の動向ということにおいても、それぞれ少し状況が違いますので、その状況の違いについてはご発言がございました。
 それから、ヨハネスブルグサミットのフォローアップというふうに6番で書いておりますけれども、昨年のヨハネスの実施計画を具体的行動として、この地域においても取り組んでいこうということですが、この関連で、特に来年3月に韓国におきまして、済州島で第8回UNEP特別管理理事会、グローバル閣僚フォーラムが、初めてアジア地域において開催されるということがございますので、韓国の方からこれに対する協力の要請がございました。特に中国なども――昨年のヨハネスはアフリカ地域で開催されたものですから、アフリカ地域の固有の問題ということにフォーカスがありましたけれどもそういった意味で――今回UNEPの大きな会合がアジア地域で行われますので、アジアに特有の問題ということに是非焦点を絞った会合にしてはどうかというようなご提案がございました。
 そういった非常にフランクな意見交換が大臣間で行われ、建設的な議論ができたというふうに評価ができるのではないかと思います。局長からもありましたが、来年は日本で開催するということでございますし、6回目ということで第2順目の締めくくりということですので、相応の準備をして臨みたいというふうに思っております。
 以上でございます。

○浅野部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの2つのご報告について、ご質問がございましたらお受けいたします。
 よろしゅうございましょうか。
 浅岡委員、それから福川委員、佐和委員。

○浅岡委員 私は、これそのものに対する質問というのではなくて、先ほどの国内について意見を言おうかなと思っていたのが遅れましたので、あわせて申し上げたいと思います。

○浅野部会長 すみません、あと5分です。

○浅岡委員 今、日中韓の報告と国内の報告とをご紹介いただいたのですけれども、日中韓については、ご説明もあり、書面でもかなり趣旨がわかりますが、COP9の報告については、非常にわかりにくい報告書であると思いました。そのことを申し上げておきたいと思います。
 これは、日本政府代表団の書面となっておりますから、外務省が作成されたというものではなく、また慌しい中でつくられるのだと思うのですけれども、全体の内容がどうであったのかということを、我々が国民の立場からこの書面を見ましたときに、この会議は京都議定書の発効に向けてどういう役割があったのか、どんな意義があったのかと理解しているのかということを伝える、あるいは理解することが非常に難しい。
 全体の総括として、議長総括を発出したということと、最後の評価というか、日本政府の主張がどのように入ったというふうに書いているだけですから、日本政府の主張がそのまま総括の中に入ったものが総括としてできてよかったというふうに読めるようなものに見えるのですけれども、むしろ、やはり総括全体の中で、最初に、このものがこういう点で意義があったという点について、線を引かれている部分もありますが、特に冒頭のあたりは具体的に書いていただきたいと思います。
 文章的におかしいなと思うのは、(3)の評価のところの(ロ)のところは、これは忙しいからでしょうけれども、科学的根拠を提供することではなく、してきたことであることを反映させたということだと思いますが……。
 (ハ)のところでありますが、「すべての国のさらなる努力及び共通ルールの構築が必要であること」を主張し、それが盛り込まれよかったと見えます。共通のルールというのは何かということでいろいろな意見がある中、京都議定書ではないルールが必要であると言っておられるように読めなくもないような文章になっておりますけれども、この総括を拝見する限りでは、そうした共通のルールとして言われているところはもっと限定された領域で、6ページ27項目にありますように、技術移転、クリーナー・プロダクションにおいてというところであります。
 非常にわかりにくく、必ずしも会議の趣旨を伝えていないものではないかなと。その点について意見を申し上げておきたいということでございます。

○浅野部会長 福川委員。

○福川委員 ちょっと遅れたので、局長のご挨拶にあったら申しわけありませんが、この2ページ目の(5)にある「気候変動枠組条約の究極の目標の達成に向け、あらゆる努力を行うべきとの認識に立って取組を進める」ということですから、第二約束期間の取り扱い、反応について、中国側に何か働きかけをなさったか。これは会議の上でもあるいは場外でもいいのですが、何か中国にこういうことに入れというようなことを言ったか、そういう根回しをなさったか、あるいは反応はどうであったか。もしお差し支えなければ教えていただきたい。

○浅野部会長 佐和委員、どうぞ。

○佐和委員 簡単な質問なのですが、日中韓の2ページ目の(5)の地球環境問題のところに、気候変動ということがあったのですね。私は、クライメイト・チェンジを気候変動と訳したのでは大変な誤訳だと思うのです。チェンジという言葉を英語の辞書で見ても、変動という言葉は1つも出てきません。気候は変動するのは当たり前なのですね。ですから、やはりむしろ変わるということなのです。だから、異変という言葉がいじり過ぎるかもしれないけれども、気候が変わるということなのです。それを変動と訳したというのは……。そこで私が聞きたいのは、中国語でも「気候変動」というのですかということです。

○浅野部会長 それでは、シンプルな質問と、答えられればというご質問とですが、よろしくお願いします。

○小島地球環境局長 日中韓の会合でございますけれども、第一約束期間の京都議定書に関しては、ここに書いてございますように三カ国は一致して京都議定書の早期発効が必要だと、こういうことで意見の違いはありません。
 それから、第二約束期間以降というか、2013年以降のこの議論について、共通のルールということは、中国側からすれば参加することを意味することになります。環境保護総局のサイドからすれば、国内的に温暖化対策を進めるということが基本的な考えではございますが、国際的な取組はやはり外交部が最終的に判断をするということでもございまして、そこはそれぞれの国でいろいろの立場がございます。しかし、事柄自体は重要な問題であって、最終的なコミュニケでございますけれども、現時点ではそこに深く立ち入るということではなくて、コミュニケの文案で三カ国が了解をしたということでございます。

○浅野部会長 中国語ではどうかということは。

○田中環境協力室長 すみません、今、中国語のオフィシャルな文書を持ち合わせていないのですが、少なくとも新聞記事を見ますと「気候変化」というふうに書いているようです。

○浅野部会長 よろしゅうございましょうか。

○佐和委員 その方がよろしいですね。

○浅野部会長 それでは、先ほど出していただいてご承認をいただきました答申の、今後の取り扱いについて総務課長から説明お願いします。

○石野総務課長 先ほど、答申案をご決定いただきました。今後は、中央環境審議会の議事運営規則に従いまして、森嶌会長のご同意を得ました上で、最終的な答申としていただきたいと考えております。近日中にこれを予定しております。環境省といたしましては、答申を踏まえまして、海洋汚染防止法を改正する法律案を次期通常国会に提出する予定でございます。

○浅野部会長 それでは、本日は予定の時間でございます。議事録につきましては、後ほど事務局からお送りいたしますので、皆さんでお目通しをいただきたいと思います。
 なお、次回の部会でございますが、1月30日を予定しておりますので、是非ご出席をいただきますようにお願い申し上げたいと思います。1月は、30日には前回中間取りまとめ案をつくりましたことについての、パブリック・コメントの結果のご報告をいただくということがございます。

○佐和委員 時間は。

○浅野部会長 時間は何時ですか。

○事務局 3時からです。

○浅野部会長 15時でございます。1月30日の15時からを予定しております。場所等は追ってご通知申し上げます。
 次回は大綱の評価・見直しに関する作業も始まるということでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日はこれで部会を終了いたします。
 どうも長時間ありがとうございました。

午後12時01分閉会