中央環境審議会 地球環境部会産業構造審議会 産業技術環境分科会 地球環境小委員会合同会合(第39回)議事録

議事録

○小見山環境経済室長  定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会、産業構造審議会地球環境小委員会の合同会合を開催したいと思います。
 まだご到着になられていない委員の方がいらっしゃいますが、到着され次第、委員総数の過半数が出席賜る状態ということで、このまま進めさせていただきたいと思います。
 本日の審議は公開とさせていただきます。
 まず配付資料の確認をさせていただきたいのですが、資料1が経済産業省の「産業・民生・エネルギー転換部門における地球温暖化対策について」、資料2が「環境省の地球温暖化対策」、資料3が国交省の「民生部門における地球温暖化対策」、資料4が「前回合同会合までにいただいた主なご意見」でございます。参考資料1が第37回の議事録、参考資料2が中央環境審議会地球環境部会の報告書の抜粋、参考資料3が大橋委員、杉山委員、中根委員、藤井委員からのご意、参考資料の4から8につきましては、前回ご説明をいただいた各部門及び今回ご説明いただく各部門について、対策・施策の一覧をまとめたものでございます。まだ精査中でございまして、対策効果指標、 CO2の排出量等未記入の部分もございますが、成果物のイメージとして添付いたしましたので、ご参照いただければ幸いです。資料の不足等がございましたら、事務局までお申し出いただければと思います。
 それでは、早速議事に移りたいと存じます。以降の議事進行は、産業構造審議会地球環境小委員会の山地委員長にお願いしたいと思います。

○山地委員長  今回の議事進行は山地が担当しますので、よろしくお願いいたします。
 早速議事に入りますけれども、今回も前回同様に関係省庁の説明を受けて、具体的な対策・施策の検討を進めてまいりたいと思います。
 本日の議題は議事次第にありますとおりでございまして、地球温暖化対策の推進に向けた具体的対策・施策についてということで、最初に産業部門の対策・施策でございます。②とあるのは、前回に続き今回2回目ということでございます。2番目に家庭、業務その他部門の対策・施策。3つ目がエネルギー転換部門の対策・施策。第2番目の議題がその他となっております。
 資料4ですが、これは前回までのご発言をまとめたということで、改めての説明は割愛させていただきます。今日は具体的な対策・施策に関する資料1から3について関係省庁から説明していただき、その後、ご発言をご希望される委員から質問やご意見を伺うということにします。議事次第には部門ごとに書いておりますけれども、複数部門にわたって1つの省が担当する場合がありますから、今回は各省ごとに説明していただくということにいたします。
 最初に経済産業省から資料1の「産業・民生・エネルギー転換部門における地球温暖化対策」について、説明をお願いいたします。

○飯田総合政策課長  それでは、資料1をお手元に出していただいて、エネルギー政策における貢献ということで、現在の産業・民生部門における地球温暖化対策についてご説明をさせていただきます。
 現在、総合資源エネルギー調査会でも別途エネルギー政策全体の見直しの検討を進めておりまして、その中でもこうした課題については取り上げて議論しているところでございます。
 まず2ページ目です。最初に今の現状、どうなっているかというところでございますけれども、これは非常に長い、オイルショック以降のエネルギー供給構造の変遷を示しております。石油依存度、オレンジ色の部分がずっと低減してきておりますけれども、震災以降、この図でいきますと、紫色の原子力が2010年、11%だったものが1%に、大幅に減りまして、それを補う形でその下のオレンジの石油が40から44、それからグリーンの天然ガスは19から25というようにふえてきておりまして、現在、2012年断面ではこういう供給構造になってございます。
 3ページ目をお開きいただきたいと思います。そうした中で、最終エネルギー消費はどうなっているかということでございます。全体をみていただきますと、長いカーブではGDPが 2.4倍になっているのに対して、最終エネルギー消費は 1.3倍ということで、特に一番下の産業部門は全体が伸びている中で 0.9倍ということで、非常に効率化努力を進めてきているところでございますけれども、この震災以降、2010年から2012年については、全体ではマイナス 4.2%と。その中で、特に家庭、産業部門は5%超の減少という状況になってございます。
 次のページ、4ページ目をお開きいただきたいと思います。その中で特筆すべき分野として再生可能エネルギーでございます。様々な施策を講じてきたわけですけれども、2009年に余剰電力買取制度、それから2012年7月から固定価格買取制度を導入したことによりまして、それまで年平均の伸びが8%だったのに比べまして、13%と。後でご説明いたしますけれども、特に固定価格買取制度導入後は大幅に再生可能エネルギーの導入が進んでいる状況でございます。
 続いて5ページ目でございます。エネルギー消費がそういう実態で推移する中で CO2の排出量はどうなっているのかということでございますが、みていただきますと、真ん中の表で電力分以外というところは、2010年に比べまして CO2排出量は減っております。省エネ等の取り組みによって減っておりますけれども、先ほどみていただいた原子力が石油、それから天然ガスに置きかわったことによりまして、電力分については相当程度、CO2 排出量がふえておりまして、エネ起 CO2は2010年に比べて2012年はかなり増加しているというのが足元の立ち位置でございます。
 次に飛んで7ページ目をお開きいただきたいと思います。先ほど申し上げましたけれども、エネルギー政策について安定供給、それからコスト低減の観点も含めて責任あるエネルギー政策を構築することが必要で、基本施策策定に向けて、ここに書いてあります委員の先生方、きょういらっしゃる委員の何人かの方にもお願いしておりますが、検討を進めてきておりまして、8ページ目に、その中でも温暖化対策について議論した中で、どういうご意見が出たかということを簡単にご紹介させていただきます。
 1つは8ページ目の一番上ですけれども、 CO2対策で、短期で効果があるのは原子力と。再エネは現時点で非常に価格が高いということで、長期的な取り組みということで、導入速度については現実性を踏まえた議論が必要であると。それからCOP19に向けてCO2 削減の数値目標を設定する報道がありましたけれども、数値目標は需要と供給を一体として示すことが必要ではないかというご意見。それから、国内では非常に取り組みが進んでいて、これ以上削減するのは難しいから海外で貢献すべきだという議論は、それはそれでわかるのだけれども、やはり足元でもしっかりやるべきだと。それから、世界的に目標づくりが進む2015年のCOP21ぐらいまでには定量的な数字を出すべきではないかというお話がございました。
 省エネについては、省エネ余地については余り大きな議論というよりは、むしろ現場をみて、こまめにいろいろな余地を探していくことが非常に大事だというご意見。
 再エネについては、固定価格買取制度で再エネ導入を拡大したのはいいことだけれども、エネルギー源のバランス、コストの問題をみて、実態調査を踏まえて、しっかり把握した上で考えるべきではないかというお話。それから、再エネについては地元の状況を個別に押さえて、地産地消という形で進んでいるのですけれども、具体的な形でしっかり検討すべきではないかというような議論が出されておりましたので、ご紹介をさせていただきました。
 10ページ目でございますけれども、ではエネルギー政策全体の中で、温暖化に貢献するためにどういう取り組みをしているかと。様々やっております。これはほかの省庁の方のご説明があると思いますけれども、研究開発を含めて、さまざまやっておりまして、代表例をここに書いてございます。民生分野につきましては、住宅・建築物の省エネ基準の段階的適合義務化。トップランナー制度の拡充。燃料電池を初めとした技術開発・低コスト化。それからスマートコミュニティの拡大、エネルギーマネジメント産業の確立。産業部門については、パワーエレクトロニクス等の研究開発・事業化。運輸部門については、次世代自動車の普及・性能向上。
 供給サイドでは、再生可能エネルギーで固定価格買取制度や系統強化、それからアセスメントの迅速化。火力発電では石炭火力の高効率化、それからコジェネの導入加速化、原子力発電の活用ということで取り組んでおりますけれども、幾つかの例について、資料に基づいて最近の取り組み、新しい取り組みについてご説明させていただきます。
 12ページ目をみていただいて、これが我が国における省エネ政策の全体像でございます。規制的な措置、ある意味、取り組みを義務化すると。事業者に対して省エネ措置を、定期報告等義務化しつつ、年1%の削減努力を求める。それから、トップランナー規制を導入するといった規制的な措置と、その下に書いてございますけれども、新たな設備を導入するために補助金、利子補給を行うような支援措置。設備投資に対する税制措置。それから研究開発、高性能ヒートポンプや断熱材等に対する補助金。省エネ意識の向上に向けた情報提供・国民運動、そういう取り組みを全体では進めてきております。
 13ページ目に、そうした中で特に規制的措置の、ある意味基礎となっている省エネ法という法律がございまして、これは石油危機を契機として、かなり昔、1979年に制定されたものでございますけれども、これまでずっと強化をし続けてきております。工場・事業場、運送事業者等については一定の規模、例えば特定事業者についてはエネルギーを1年間に 1,500キロリットル以上使用している者、運送事業者についてはトラック 200台以上保有している者といった、政策効果を意味があるものにするために、一定以上の規模の者に対して、ここに書いてあるような報告義務ですとか、管理者の設置義務ですとか、計画の提出義務を課して、省エネの取り組みを進めていく仕組み。それから左下にございますけれども、トップランナー制度ということで、義務を課して、全体を、技術的に非常に高いレベルに追いつかせていくと。今、26機器指定されておりますけれども、次々に新しい機器を加えて取り組んでいるという仕組みでございます。
 14ページ目、これはトップランナー制度の1つの効果でございますけれども、エアコンについては、2001年から2011年までに省エネ効率は30%改善しておりまして、こうした規制によって取り組みを後押ししているところでございます。それからある意味、全く新しい、下に支援と書いておりますが、住宅・ビルのネット・ゼロ・エネルギー化を推進するために、そうした高性能機器等の導入を支援するための補助金として、今年度 110億円ですけれども、26年度は 152億円要求いたしまして、むしろ先進的な新しい取り組みをどんどん加速していくと。業務・家庭部門において加速していくという取り組みをしているところでございます。
 15ページ目、恐らく国交省さんからもご説明があると思いますけれども、さまざまな取り組みをしていく中で、特に先ほどみていただいた業務・家庭部門の対策は、産業部門等に比べてもまだまだ余地があるのではないかというようにみられているわけですが、そうした中で、この熱の出入りをみていただくと、まさに窓等の開口部について非常に熱の出入りが大きいものですから、この部門についてなにがしかの対策を講ずるとか、暖房の需要で多いものですから、そうしたところで省エネを進めることが効果があるだろうということで、16ページ目でございますけれども、トップランナー制度の対象に、直接エネルギーを使用しない断熱材、それから窓、サッシとガラスについて、制度を改正して、新たに対象に加えました。ここに書いてございますけれども、一般のグラスウールと高性能グラスウール、アルミサッシ+単板ガラスと複合サッシ、こういうものがございますが、トップランナー制度の対象にして、断熱材、窓の性能を上げていくということを今回新たに取り組ませていただこうと思っております。
 それから17ページ目ですけれども、非住宅建築物については、例えば省エネ基準適合率が現在9割まで行っております。新築については9割行っています。住宅については、従前2割未満だった省エネ基準適合率は、住宅エコポイント制度等を導入して、現在5割まで向上しておりますけれども、こうした住宅・建築物の省エネ向上についても取り組んでいきたいと思っております。
 18ページ目でございます。家庭用燃料電池は世界に先駆けて2009年、我が国で初めて市場化いたしました。本年5月現在で 4.2万台普及しておりまして、これは2030年に向けて 530万台。価格は2016年には70万から80万を切ることを目指して、 200億円程度を来年度要求しておりますけれども、予算措置等を講じて拡大をさせていきたいと思っております。
 それからちょっと飛んでいただいて、21ページ目をお開きいただきたいと思います。運輸部門における取り組みで、先ほどみていただいた運輸部門については約 600の運送事業者、それから 850の荷主が省エネの規制対象になっておりまして、自動車についてはトップランナー制度を導入して、95年に比べて2010年には約5割、燃費が改善しております。
 それに加えて、21ページの下に書いてございますけれども、トラック運送事業者、タクシー事業者、海上システム輸送に伴う省エネの実証をするための新たな実証予算を55億円、来年度要求で手当てをすることを考えてございます。
 続きまして再エネでございまして、23ページ目をお開きいただきたいと思います。申し上げるまでもございませんが、再エネはコストが高い、それから出力の変動幅が大きい、立地制約から設置可能地点が限られるということが課題でございまして、したがってその3点、コスト、出力の変動、立地可能地点について、そのボトルネックを解消していくことが導入拡大につながっていくことになると思います。
 まずコストについて24ページ目をお開きいただいて、先ほど申し上げました固定価格買取制度を導入いたしまして、電気事業者に国が定めた価格で買い取りを義務づけることとしました。買取価格、買取期間は経産大臣が調達価格等算定委員会の意見を聞いて決めるということで、特に法施行後3年間は特に利潤に配慮して運用するということに法律上なってございます。そこに書いてございますけれども、例えば事業用太陽光発電については、24年度はキロワットアワー当たり税抜き40円で20年間買い取るのが、導入加速化によってシステムコストが低下し、今年度はキロワットアワー当たり税抜き36円ということで買取価格が低減してきておりまして、導入が進んできているところでございます。
 25ページは、そうした中で導入が進めば進むほど、ある意味、負担分はふえていくわけでございます。現在は、24年度の賦課金は標準家庭でキロワットアワー当たり0.29円、月当たり87円だったものが、25年度では月当たり120円ということで、導入の拡大に伴って金額がふえてきているということでございます。
  26ページ目は系統強化でございます。これだけ高い価格で買うといっても、系統の制約で導入が進まなければ、それがボトルネックになるわけでして、例えば風力の適地でありながら送電網が脆弱な地域を特定風力集中整備地区というように指定いたしまして、そこの系統の強化について、風力関係の民間事業者等がSPCをつくって系統事業をやるのですけれども、国が半分補助をするという仕組みになっております。25年度 250億円、来年度も 250億円要求しておりますけれども、そうした取り組みをして系統強化をすることと、それから系統強化するだけでなくて、むしろ出力の変動を、大型の蓄電池を導入して緩和するということもございまして、通常、発電側につけるのですが、そうではなくて、系統の中に大型の蓄電池をつけて、そこで変動を吸収するための――これは24年度の予備費で約300億の予算をとって、大型の蓄電池を導入ということも進めてきているところでございます。
 27ページ目は絵を描いてございますけれども、太陽光と風力の適地、変動が大きいのを吸収するには、もちろんそのエリアで蓄電池を設置したり、系統強化するというのもあるのですが、より大きな系統につなぐことも重要でございまして、北海道と本州を、北本連系線を強化してつなぐことで、それで風力、太陽光の適地である北海道に再エネを大量に導入して、その発電した電力を全国で使っていくというために広域連系の強化というものも課題になっておりまして、これから進めていくところでござます。
 27ページ目は絵を描いてございますけれども、太陽光と風力の適地、変動が大きいのを吸収するには、もちろんそのエリアで蓄電池を設置したり、系統強化するというのもあるのですが、より大きな系統につなぐことも重要でございまして、北海道と本州を、北本連系線を強化してつなぐことで、それで風力、太陽光の適地である北海道に再エネを大量に導入して、その発電した電力を全国で使っていくというために広域連系の強化というものも課題になっておりまして、これから進めていくところでござます。
 28ページ目はもう1つの課題でして、今、風力、地熱については3~4年程度、環境アセスメントにかかるといわれております。ここについて、この下に書いてございますけれども、環境影響調査しか行わない期間について、いろいろなそれ以外の、配慮書手続とか方法書の手続をあわせてやることで、3~4年かかるアセスを短期化するというための取り組みを環境省さんと一緒に連携をいたしまして、26年度、約30億円超の予算を要求して、進めていきたいと考えております。
 29ページ目は地熱でございまして、地熱は価格も安いですし、それから日本は地熱の資源量は世界3位ということで非常に期待されておりますけれども、設備容量は52万キロワットということで限定されております。これについては、適地が国立・国定公園内に限定されていることがあるものですから、規制の緩和ですとか、それから下に一部、農業との共生事例を書いておりますけれども、地元と共生を図る中で、しっかりこの拡大を進めていきたいと思っております。
 それから30ページ目でございまして、先ほどちょっとみていただきましたが、原発がとまっている中で、やはり火力を使わざるを得ない面があるわけでございます。そうした中で、高効率の火力発電の導入を進めていくというのも重要な課題でして、アセスメントの明確化、迅速化ですとか、火力についてもより高効率な火力の開発を進めていくということで、ここに石炭、それからLNG火力についての開発の取り組みが書いてございますけれども、こうしたものを積極的に進めていくと。
 それから31ページ目でございますが、特に震災後、重要性が認識されたコジェネも非常に効率が高いものですから、この導入加速化も必要だということで、昨年、資源エネルギー庁の中にもコジェネ推進室をつくりまして、サポート体制を確立するとともに、補助金の拡大、それから制度面からの環境整備を進めて、コジェネの導入支援というのを進めていきたいと思っております。
 33ページ目以降は、そうしたさまざまな取り組みをまとめて記載したものを整理して、お配りしておりますので、それもぜひご参照いただければと思います。
 以上でございます。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それでは引き続き環境省から資料2「環境省の地球温暖化対策」について説明をお願いいたします。

○和田地球温暖化対策課長  それでは資料2につきまして、環境省のほうから「環境省の地球温暖化対策」ということでご説明させていただきます。
 早速1ページ、2050年の温室効果ガスの削減目標というところがございます。これは2050年までに温室効果ガス全体で80%削減ということにつきまして、革新的な省エネ、それから再生可能エネルギーの大幅導入といった観点で実現していくというところのコンセプトを示しているところでございます。
 次に2ページ目になりますが、イメージよりももう少し具体的な概念としてお示しするとどういうフレームワークになるかというところでございます。2050年80%に向けてということで、まずは一段目が最終エネルギーの消費量を4割程度削減、いわゆる半減ぐらいの勢いで削減するという観点。それから自然エネルギーについては、さらにその需要の半分、約5割を賄うようなイメージ。さらには、カーボン・キャプチャー・アンド・ストレージということで、CCSについて約2億トンということで、今の3つのテーマを合わせると80%の基本コンセプトという形でお示ししているところでございます。
 次に4ページでございますけれども、業務部門、それから家庭部門における温室効果ガスの排出の状況でございます。グラフをごらんになっていただきますとおわかりになるかと思うのですが、業務も50.9%、家庭部門も48.1%増ということでございますので、90年比おおむね 1.5倍ということになろうかと思います。その意味では、環境省では専ら業務、家庭部門という民生部門を中心に温暖化対策を展開している、これまでもしてきたところでございます。
 次に5ページ目でございます。社会システムのイノベーションというキーワードで、豊かな暮らしの実現に向けた減エネとなっております。減エネと、少しとがった言葉になっておりますけれども、平たくいいますと、もう一段の省エネというようなイメージであります。絶対量の削減の減エネと書いてありますけれども、そういうところまで必ずしも行かなくても、従来の省エネよりももう一段踏み込んだところにチャレンジをするというようなところについて、温暖化対策の一環で環境省としても積極的に予算などを投入して支援していくということをあらわしたものでございます。
 具体的には、その下に、例えば戦略の1、2、3とございますけれども、おおむね今年度、または来年度のエネルギー特会の予算フレームワークにおける具体的な事業の概略を中心にしたもので、階層別に実態把握、技術の実証、それから具体的な技術を世の中にビルトイン、導入していくというような事業について、それぞれ展開しているところでございます。
 次が6ページでございますけれども、どちらかというと技術でというよりはライフスタイル変革に伴って減エネにチャレンジをするという戦略の部分をあらわしたものでございます。こちらはいわゆる暮らし方のイノベーションで、さらなる、もう一段とがった省エネルギーができるのかといったところです。具体的な取り組みとして戦略1から、ライフスタイルに着目した排出実態の把握、同じくライフスタイルに着目したモデル事業の実証、さらには具体的な取り組みを展開、浸透させていくための取り組みというところで、例えば国民運動などを中心に戦略を展開しているところでございます。
 次が7ページになりますけれども、住宅・建築物における水準の設定というところで、こちらは国土交通省さん、それから経済産業省さんとの連携のもとで省エネ基準を上回る誘導基準としての低炭素建築物基準の策定をさせていただいたところでございます。国土交通省さんからも付言があると思いますので、ここでは詳細は割愛させていただきます。
 それから8ページであります。既存住宅・建築物の低炭素化というところでございますが、いわゆるストックといわれる部分の低炭素化が遅れているということもございまして、1つには環境省、従前から、必ずしも金融手法との連携というところは余り大きく掲げておりませんでしたけれども、ファイナンス、金融との連携を念頭に置いた環境不動産の促進といった観点、それから先進技術は費用対効果の高いものについて、特に強力に導入普及を促進するというフレームワークのものを具体的な事業として展開しているところでございます。最初のほうは環境不動産促進というところで既に今年度からも動いているところでございます。
 次が9ページでございます。既築建築物への診断・運用改善というところで、真ん中の左にグラフがございますけれども、縦の赤線のところが横軸のゼロになってございます。小さくて恐縮ですが、3年で投資回収ができるというところで、ここに位置するものはちょうど3年ということなので、プラマイゼロになるのですけれども、それよりもコストがマイナス側、いわゆるコスト的にメリットになる技術についても、必ずしも十分に導入されていない、または認知もされていないというところがございますので、これについては削減ポテンシャル診断でありますとか、データ、ESCOのフレームワークを使いながら、ポテンシャルの顕在化に取り組んでいるところでございます。
 次が10ページでございますけれども、低炭素ライフスタイルの促進というところでございまして、これは2000年に入ってから環境省が主に、特に家庭部門などを中心に温室効果ガスの削減が進んでいないということもありましたので、普及啓発を中心に旗振り役をしっかりやって、国民の皆様方に温暖化対策の重要性、さらには具体的なアクションにつなげていただくというところについて、フレームワークを組んでいるところです。具体的には、10ページは家庭向けエコ診断ということで、低炭素ライフスタイルの促進を支援するという観点で、気づいていただいて、具体的な取り組みを提案するというエコ診断というものを展開しているところでございます。
 それから11ページ、こちらのほうもライフスタイル変革の一環で国民運動というキーワードでございます。まだ今月いっぱいまでクールビズの期間でありますけれども、クールビズを初めとしてウォームビズ、それからスマートムーブ、ライトダウンキャンペーンなど、いわゆる気づきのところの部分、さらには具体的なアクションにつなげる普及啓発活動というものを大きな旗振り役として、今後も引き続き強力に推進していきたいと思っているところでございます。
 今のところまでが民生・家庭部門における環境省の温暖化対策でございますけれども、その次がエネルギー転換部門ということで、主に再生可能エネルギーを他省のさまざまなところと連携しながらというところについてご紹介させていただきたいと思っています。
 13ページ目になりますけれども、まず再生可能エネルギーに入る前に、エネルギー転換部門の概略でございます。2011年のエネルギー転換部門の CO2排出量ということで、全体では9割以上を占めている部分でございますけれども、発電に伴う CO2の排出量ということで申しますと、90年比では49.2%の増加、前年比、2010年との比較でまいりますと16.1%の増加という概況になっているところでございます。
 次が14ページでございます。一般電気事業者の発電電力量と CO2の排出量の推移というところでございますが、原発の稼働停止の関係もあって、火力発電量の増大がありまして、それに連動して CO2の排出量が大幅に増加していると。前年度比の 1.1倍と、10%増になっているところでございます。特に火力発電の中でも石炭火力に着目しますと、1990年と比べますと約 3.6倍ということでございまして、他方ではLNG火力の部分が増加傾向でありまして、前年度比 1.1倍という状況もあるところでございます。
 15ページ目でございますけれども、東電の火力電源入札に関連する関係局長級会議のとりまとめとなっております。東電の石炭火力の関係で、今後の方針というところを経済産業省さんとともにまとめたところでございますけれども、まず1点目は、国の計画目標と整合的な形で電力業界全体の取り組みが確保される必要があるといった観点。それから、いわゆるBAT、最良の技術をしっかり採用いただくというところについて、実効性を担保する一環でBATの具体的な事例などを国がしっかりと例示を表していく。それから、中期目標との関係というところでは、天然ガス火力超過分に相当する部分について、さまざまな対策を講じていただくというところの観点。それから2050年の部分を見据えて、CCSの技術が後々導入できるような観点というところも言及させていただいているところです。なお、このとりまとめの中では、エネルギー転換部門における温暖化対策推進法における排出抑制指針の策定というところについてもとりまとめさせていただいたところでございます。
 16ページでございますが、こちらはCCSでございまして、エネルギー特会の予算のフレームワークを活用しまして、経済産業省さんとの連携プロジェクトというところで具体的な、例えば貯留適地の調査事業などとか、環境に調和するような、しっかり配慮しているようなCCSの導入といった事業についても展開しているところでございます。
 17ページは飛ばさせていただきまして、18ページでございます。再エネによる自立・分散型低炭素エネルギー社会というキーワードでございまして、まさに再生可能エネルギー、もちろん CO2対策というところでもすぐれた位置づけにありますけれども、いわゆる自立・分散型電源としても非常に有望であるということで、地域の活力を引き出すといった観点も注目されるのではないかということで、地域と連携しながら再生可能エネルギーを導入していくといった部分について環境省が担っているところでございます。
 そこにもありますように、もちろん先ほど経済産業省さんのほうからございました太陽光発電というのもあるのですけれども、どちらかというと、もう一歩、背中を押すという部分が足りない風力とか地熱、バイオマス、さらにもう二歩ぐらい背中を押さなければいけない海洋エネルギーなどについて、予算のフレームワークを活用して推進しているところでございます。
 次も飛ばさせていただきまして、20ページでございますけれども、浮体式洋上風力発電というところでございます。昨年、少し小さいタイプの 100キロワットスケールについて、世界では初めての構造建築物スタイルでハイブリッドスパー型というので、昨年5月に実証実験をスタートしたところでございますが、今般、正式には月内中になると思いますけれども、出力でいうとちょうど20倍にした2メガワット級というものを、同じ場所の長崎県五島の椛島沖というところで、こちらも実証実験が開始されると。いわゆる商用スケールの実証が初めて開始されるというところでございます。
 今回、この実証で商用スケールで浮体式ということで、台風による影響に耐えられるか、それから漁協との調整、それから環境アセスメントとの調和性などというところも大きくノウハウを蓄積できるのではないかと思ってございます。
 それから21ページについては潮流発電。こちらも、海洋国家というところでございますので、潮流発電なども芽があるのではないかということで、少しポテンシャルの発掘に取り組んでいきたいところでございます。
 22ページのところは、既に先ほど環境アセスメント手続の簡略化というところでプレゼンがございましたので、こちらのページは割愛させていただきます。
 24ページからでございますけれども、ここは今、大きく民生分野、家庭・業務部門の取り組み、それからエネ転がある再エネの関連での取り組み、両方に横断的に関連するようなところということで、最後に横断的ということでご紹介をさせていただきたいと思います。24ページは地方公共団体の、これは温暖化対策推進法上、実行計画の策定とリンケージしながら温暖化対策を進めていくといったもの。
 25ページにつきましては、これも参考で、具体的に地方の力をしっかりポテンシャルを活用しながら再エネ、それから、いわゆるとがった省エネ、減エネに取り組んでいきたいという予算をビルトインさせていただいているところでございます。
 次が27ページに飛んでいただきまして、環境金融による低炭素投資の促進というところでございます。そこには下のほうに大きく箱が3つございますけれども、環境と金融、環境とファイナンスというアプローチで温暖化対策に取り組むという観点で、1つ目のオレンジの箱が地域低炭素投資促進ファンドというところで、いわゆる初期の資金が必ずしもうまくモビライズできないようなプロジェクトについて、背中をもう1つ押してあげるといったことで、出資を通じたファンド支援。それから環境金融の拡大の観点での利子補給というフレームワークを使った温暖化対策。それからリースのフレームワークで、リース自体に一部補助を出すというフレームワークに着目したものもございます。この3つ、それぞれにつきまして、28、29、30に、少し具体的なポンチ絵でフレームワークを描かせていただいたところでございます。
 環境省からは以上でございます。

○山地委員長  どうもありがとうございました。
 続きまして、資料3の国土交通省による「民生部門における地球温暖化対策」について、説明をお願いいたします。

○堀江地球環境対策室長  国土交通省の民生部門における地球温暖化対策といたしまして、住宅・建築物及び下水道分野について、それぞれ担当課長からご説明させていただきます。

○伊藤住宅生産課長  国土交通省住宅局でございます。まず住宅・建築物の省エネ性能の向上についてご説明をさせていただきたいと思います。1ページをおめくりいただきたいと思います。
 私どもが担当させていただいておりますのは、先ほど経産省からお話がありました省エネ法、この資料でいいますと、ちょうど同じものを12ページ、13ページに載せさせていただいております。省エネ法のうち、住宅・建築物の部分について主に担当させていただいておりまして、この1ページの左側にありますように、これが今やっていること。これに基づいて進めなければいけない方針を右側に書かせていただいております。
 まず住宅・建築物の省エネ化と書いてありますが、非住宅についてはこの4月から、また住宅についてはこの10月から省エネ基準の見直しをさせていただいております。具体的な内容は2ページ、3ページに書かせていただいておりますが、断熱は断熱、設備は設備というものに対して、総合的な一次エネルギー消費量としての基準を入れる、あるいは住宅につきましては、今まで断熱だけだったのについて、設備も含めて、あるいは新エネも含めて評価できるような一次エネルギー消費量の基準を入れるというような形での改正をさせていただいております。
 また、そこの下にありますように、先ほど環境省さんからもご説明がありましたが、ページでいいますと4ページの低炭素まちづくり法、通称エコまち法といっておりますけれども、それについての低炭素建築物の認定制度というのも昨年の12月から始めさせていただいておりまして、これは従来の一次エネルギー消費量よりもさらに省エネのもの、あるいは低炭素に寄与するものを認定して支援すると、こういう仕組みになっております。
 これに基づきまして、もう1回1ページに戻っていただきまして、今後、やっていくべきことということでございますが、まず省エネ法に基づく規制です。先ほどご紹介がありましたとおり、住宅についてはまだ半分弱という形になっておりますので、これを何としても上げていかなければいけないと思っております。住宅の供給構造は1万戸以上の大きな住宅メーカーといわれる方から、1人とか2人でやられているような大工、工務店さんというものまで、非常に幅広い方がいらっしゃるわけですが、そうした中で特に中小の方々の取り組みがどうしてもおくれがちでございますので、これについての講習会を含めての支援、それから先ほどございましたが、新築について、住宅・建築物の段階的な省エネ基準の適合義務化に向けた具体的な検討を始めさせていただいているところでございます。
 2つ目は評価・表示ということです。より省エネ性能の高いものが市場の中で供給されて、選択されるような方向にするということが非常に大事だと思っておりまして、ページでいいますと、5ページにありますようなCASBEEに関する取り組みのほか、6ページにありますように、今回の省エネ基準の改正に伴いまして、住宅については住宅性能表示制度の見直しを今、しているところでして、より高い性能のものが表示されて、選ばれるということを応援したいと思っていますし、また非住宅につきましても、既存を含めて、そういう評価ができるような計算の仕方についてもあわせてお示しをしたところでございます。
 また、そのインセンティブでございますが、次の7ページ以降でお示しさせていただいておりまして、税、あるいは融資、それから9ページには予算を書かせていただいていますが、より先導的なものについての支援、あるいは中小工務店がやられるようなゼロエネルギー住宅の支援。特に今後、課題になります改修に対しての支援というものを中心にして、支援をさせていただいているところでございます。
 以上でございます。

○山地委員長  ありがとうございました。引き続き国交省よろしくお願いします。

○松本下水道企画課長  続きまして、下水道企画課長の松本と申します。よろしくお願いいたします。
 資料18ページ以降でございますけれども、衣食住の住宅に比べて、何で下水道でエネルギーを使っているのかとか、わかりづらい面もありますので、資料には入っておりませんが、簡単にお話しいたしますと、皆様、使われたお水をフラッシュされたり、流された後、その後が下水道の世界に入ってくるわけでございます。下水管は基本的に自然流下で処理場までもってくるというような設計をしておりますが、当然、地形との関係で、若干ポンプアップしたりというようなところでエネルギーをまず1つ使います。それから処理場に入ってきますと、大体地下に入ってまいりますので、そこでまた処理水をポンプアップするときに使います。さらにその後、水処理をしてまいりますけれども、水処理は生物処理をしておりまして、バクテリアに食べていただくのですが、バクテリアに対してエアレーションで空気を与えていかなければいけないというようなことでまた電気を使わせていただいています。その後、バクテリアの死骸が汚泥という形になるのですが、これを適切に処理をしませんといけませんので、焼却をしたり、あるいは脱水をしたりしていくというようなことで電力なり燃料なりを使わせていただいている。あるいはその過程で N2Oが出てきます。そのようなことで、温暖化ガスが発生をしているというような状況でございます。
 お手元18ページの資料の真ん中左のグラフでございますけれども、2005年時点で大体 696万トン、日本の排出量の 0.5%ぐらいだと思いますが、排出しているという状況でございます。ただ、下水道はまだ今、普及を進めている段階でございまして、こちらに書いてございますように、普及は6%ぐらい、この6年間でふえておりますが、その間に実績ベースで34万トンほど CO2を減らしてきているというようなことでございます。
 どこから出ているのかということでございますが、先ほどいいましたように、電力が大体6割、汚泥を焼却する際に不完全で N2Oが出てくるということ、あるいは水処理の過程で N2Oが出てくるということで3割というのが主なところでございまして、これに対して3つほど対策を組んでございます。
 1つは省エネで電力を減らすということでございます。2つ目は再生可能エネルギーということで、バクテリアの死体ですので、有機物が入っておりますので、有機物をバイオマスとしてどう使うかというようなことを中心にやっております。3つ目は汚泥の焼却の際の N2Oを高温焼却によって減らすというようなことをやっているところでございます。
 それぞれご説明いたしますが、19ページでございます。省エネでございますけれども、今ほど述べた電力に対してどのようにやっているかということですが、一番多く使っているのは水処理工程の47%ということでございまして、これにつきましては、大規模事業所は先ほど来ご案内のある省エネ法の対象になりますので、特定事業者の計画は我々が指針を出して指導しております。その中で、エアレーションの泡をなるべく小さくすると表面積がふえるものですから、溶解の効率がよくなるというようなことで、超微細気泡を入れ、処理水量の変動に対して、インバータを入れると非常に効率化しますので、これらで従来型より5割弱減らすような機器を開発いたしまして、それを指導しているというような状況でございます。
 それから汚泥の脱水工程や揚水ポンプでも電気を使っているものですから、ここら辺につきまして、来年度予算要求で省エネ評価制度をつくっていきたいと思っております。そのようなことで、省エネ製品をどんどん入れていきたいと思っております。
 それから、これは省エネのカウントになってしまうのですけれども、下水管の中を流れている下水は空気と温度差があるものですから、その下水熱を利用することによって社会全体としての省エネを図るというようなことで、下水熱の利用につきましても、現在、取り組んでいるところでございます。これにつきましては法改正もして、民間でできるようなこともやりましたし、今、産学官でやっているところでございます。
 次のページでございますが、2つ目の再生可能エネルギーでございます。これはバイオマスが集まってまいりますので、全部発電に回せば40億キロワットアワーぐらいあるのですけれども、当然まだそこまで行っておりません。今、13%ぐらい使わせていただいている状況でございますが、これにつきましては高効率で消化――メタン菌がございますので、メタンガスに変えまして、それから発電をするというような事業をやったりとか、あるいは真ん中でございますけれども、メタンガスは CH4でございますから、そこに高温の水蒸気を当てますと水素に改質できますので、2015年から燃料電池自動車の普及がございますので、水素ステーションまでに変えられるような、本当に化石由来ではないクリーンな水素を供給するような実証事業を来年度要求しているところでございます。
 また、下水バイオマスを燃焼させないで固形燃料に変えますと、石炭の5~6割のエネルギーが出る下水バイオマス固形燃料SSFという、これは今、JIS化を経産省さんと一緒にやらせていただいておりまして、26年度にJIS化する予定でございます。現状も石炭火力に石炭代替燃料として入れておりますけれども、基準化されることによって、さらに普及されたらいいかなということで進めているところでございます。
 最後に N2Oの排出でございますけれども、 N2Oにつきましては、汚泥焼却で大体66%、水処理で34%出てまいります。汚泥焼却につきましては、 850度以上で燃やすと N2Oはほとんど出てこないということで、60%ぐらい減ります。それをさらに、こちらに世界初のターボ焼却炉というのですが、今年から入れているのですけれども、ターボでさらに過給圧で燃焼させることによりまして、 N2Oの発生を8割減らすというような技術開発をいたしまして、そちらをどんどん進めていきたいと思っております。
 それから、先ほど述べた固形燃料でございますけれども、焼却するかわりに固形燃料化しますと、99% N2Oの発生が減りますので、焼却のかわりの固形燃料化も進めております。これも安価に進めるための技術開発、普及を努力しているところでございます。
 さらに水処理工程の N2Oにつきましても、溶存酸素量をうまくコントロールすることによりまして N2に変わるというようなことで、そこら辺の技術実証予算も来年度予算要求をしているという状況でございます。
 以上でございます。

○山地委員長  どうもありがとうございました。
 以上で各省からの説明は終わりまして、今から委員の皆さんのご発言をいただきたいと思います。いつもどおり、発言をご希望の方はお手元の名札を立てていただきたいと思います。今日は中環審側から順番に回っていきたいと思います。ただ、時間が迫っておられる方におかれましては、お申し出ください。優先的にご発言いただきたいと思います。また、代理の方もいらっしゃいますが、恐縮ですがまずは委員優先ということでお願いいたします。一連のご発言の中で質問等いただくこともあると思いますが、それについてはご発言の終了後、各省から回答をお願いしたいと思っております。これも毎回のお願いとなり恐縮ですが、時間が限られておりますので、発言は簡潔にお願いしたいと思います。
 事前に内山委員が11時頃ご退席と伺っておりますので、まず内山委員からどうぞ。

○内山委員  所用がありまして途中退席しなければならないので、先に発言させていただきます。ありがとうございます。
 2点ほどコメントさせていただきます。まず産業部門の対策ですけれども、一次エネルギー総供給の約6割は非電力、すなわち電力生産以外で消費されています。そのエネルギーのほとんどが化石燃料であって、特に産業と運輸の部門で多く使われています。グリーンイノベーションといいますと、とかく電力変換部門に目が向けられがちですけれども、最も大きなイノベーションが求められているのは、産業と運輸部門における低炭素化ではないかと思います。本日の資料1の35ページから37ページに示されています対策を重点化し、積極的に推進していくことを切にお願いいたします。
 電力部門についていえば、国内経済の回復とか、2020年東京オリンピック景気などから、電力需要の伸びを期待したいところですけれども、一方で節電キャンペーンもあります。向こう10年間は電力需要の伸びは頭打ちになるかと想定されます。発電設備の量は原子力発電を含めますと十分に確保できている状況にあります。停止している原子力発電所の再稼働が CO2の排出抑制と経済性で最も効果があり、日本のエネルギー安全保障にも有効であるということはいうまでもありません。しかし、原子力に対するマスコミや人々の不安や批判を考えますと、安全性を確認し、地元の合意を得ることが不可欠で、全てが再稼働するまでには時間がかかります。その間、天然ガスや再生可能エネルギーを企業や国民が経済的に負担できる範囲で導入していかざるを得ません。来年4月からは消費税率も8%になります。企業の国際競争力を損なうことなく、かつ消費者の消費意欲の減退につながらないように、電気料金の値上げの額と期間をみきわめることが大切になります。それは同時に原子力発電所の再稼働時期とも関係していると思います。
 次に、再エネの固定価格買取制度についてです。固定価格買取制度によって、太陽光発電を中心に再エネ設備の導入量が増加し、新しいビジネスモデルが数多く生み出されていることは大変好ましいことではないかと思います。今後は、買い取り価格を見直しつつ、制度をしばらくの期間、継続していくことが望ましいと判断します。しかし同時に、この制度の効果についての検証が必要になります。それは費用対効果、地域振興への貢献、そして国産技術の国際的競争力向上についての検証であり、その分析をぜひお願いしたいと思っております。
 以上です。

○山地委員長  どうもありがとうございました。
 ほかに途中で退席されるので、先に発言ご希望の方、いらっしゃいますでしょうか。――よろしければ、先ほど申し上げたように中環審側から時計回りにまいりたいと思います。
 それでは、井上委員、荻本委員、冨田委員、末吉委員の順にお願いします。

○井上委員  きょうはエネ転部門ということで電力に対するご意見がたくさん出ようかと思うのですが、順番がこちらからですから、前回、いろいろ自主行動計画についてご意見をいただきましたので、それを踏まえて発言させていただきます。
 まず経産省の資料5ページと環境省の資料14ページを開けていただきたいのですが、我々の、5年間の自主行動計画を震災後も何とか諦めずに、「原単位を90年から2割減」という目標を達成すべくクレジットも最大限活用して頑張ってまいりましたけれども、最終的には原単位としては3%程度の減にしかならなかったと。それがここに数字にあらわれていますように、経産省の資料では震災以降 6,500万トン、1億 1,200万トンということで排出量が増加しております。環境省の資料で電源構成が出ておりますが、電源としては水力を中心とした再生可能エネルギーが1割で、あとの9割をどう補うか。震災前は原子力が3割あったわけですが、これがほぼゼロになったわけですから、これを火力で補ったということでございました。原子力の稼働率で申しますと、震災前の2010年が67%だったものが、最終的には2012年が4%になったということのあらわれが数字に出ているものと思います。
 環境省の資料で申し上げますと、石炭が90年と比べて 3.6倍となっていますが、実はLNGも90年と比べると 2.4倍になっていますので、ここの表現の仕方が少しミスリードになるのではないかと。同じくキロワットアワーが、90年と比べますと、震災前の2010年で36%増えています。 CO2も同じように36%増え、原単位はほぼイーブンだというところが、この数字の正確な読み取りかと思いますので、よろしくお願いします。
 我々は目標達成できませんでしたが、引き続き低炭素社会実行計画として、今はまだ具体的目標として数字は挙げられておりませんが、例えば東電の川崎、中部の上越、沖縄・吉の浦のLNGコンバインド火力新設しております。同時に、これは3Eの同時達成にも資するということで鋭意進めているわけでございますが、再生可能エネルギーの太陽光も、去年だけで 7,000キロワット、累積合計で電気事業者自ら19地点、8万キロワットを開発しております。
 それから需要部門の取り組みにおいても、高効率ヒートポンプの普及、残念ながら節電をお願いしている関係上、なかなか言い出しにくいところがあるのですが、これは高効率な機器として今後も普及が必要だということで、温暖化対策としては位置づけていってほしいというところでございます。
 今後、電気事業連合会はいつになったら目標を出すのだということでございますが、エネルギー政策、それから原子力の位置づけが決まらない中、火力の開発計画ともかかわってまいりますので、なかなか数字としては難しい。ただ、自主行動計画の5年間の反省を踏まえて、我々が努力の及ぶ範囲がどこなのか、それから電力システム改革等も見据えて、今後、我々がコミットすべき目標はどうあるべきなのかというのを今、内部で検討しているところでございます。いずれにしましても、火力については、BATの採用ということで進めていきたいと思っております。
 それに関連しまして、火力入札で、電気事業者全体の目標を示せということと、BATの採用というのが環境省の資料15ページに書かれております。ここの上の四角の中の見出しも、石炭火力は環境面に課題だということを書かれておりますが、あくまでエネルギーとして3つのEのバランスの中での開発が必要、ということを申し上げておきたいと思います。
 最後に、アセスの簡略化という話がございましたが、風力、地熱に加えて、環境改善できる火力のリプレイスは、例えばもう法的な対象から外してしまうぐらいの簡略化ができないかと、いうことを電気事業連合会として申し上げてまいりました。今回、国のほうから大胆な簡略化が示されて、我々も一生懸命、これに沿っていこうと思いますが、配慮書という手続がありますので、ご期待に応えられるほど迅速化できるかどうか、引き続き検討してまいります。ただ、基本は環境影響評価の観点から、あくまで技術的に、科学的にアセスを進めていく、ということで、来週開かれるアセスの検討会でも意見を申し上げたいと思います。
 以上です。

○山地委員長  どうもありがとうございました。
 それでは荻本委員。

○荻本委員  数点申し上げます。
 まず言葉の問題なのですけれども、地産地消という言葉とか、自分で立つという意味の自立という言葉がこの中に出てきます。例えば、運びにくいもの、エネルギーであったり、ものであったりを地産地消するということは正しい話ですし、災害時に自分で立つということも非常に重要なことだとは思います。ただ、逆に、その対象が電力とかガスとか、ネットワークと一緒に使われるものを考えるときに、地産地消、または自分だけで立つというのは非常に間違った印象を国民全体に与えるというように私、感じます。こういう議論をやるときに、1つ1つの言葉というのはより大切にやっていかないと、思わぬそごになってしまうということですので、私がここで申し上げた例が正しいかどうかということは個別にみていただくとして、言葉は大切に使っていただければと思います。
 あとは、キロワットとキロワットアワー、ここでいうまでもないと思いますが、これもこのごろの新聞では、原子力発電所3基分の太陽光発電が入った、または再生可能エネルギーが入ったというメジャーな新聞もあるわけですけれども、ヨーロッパ、欧米では、そういう報道は全くありません。要するに欲しいのはエネルギーなのでという観点に立てば、キロワットで議論する余地は全くないわけです。ですから、言葉は大切にできないかなということであります。
 2点目は、短期的には原子力、長期的には再生可能エネルギー、先ほど内山委員がいわれた産業部門や運輸部門にも、そういうものが使える環境をつくっていくということは非常に大切なので、どうしても視点が手前に来ますが、長い目でみて、原子力も使うし、再生可能エネルギーも可能な範囲で入れていくためには、どういう構造を実現しないといけないのかという議論を少しずつ進められないかなと。
 それで、若干西洋かぶれの発言になってしまいますけれども、ヨーロッパ、またはアメリカの一部の電力システムであれ、エネルギー受給は、もうそういう領域に行っています。それで非常に大きな成功をしているというわけではなくて、非常につらい状況になっています。ですから、それをつぶさに調査をしたり、チェックしていただいて、どういう問題点が既に起こっていて、それにどう取り組まれているのかというのものを、できればこういう資料の中と照らしていただきたい。私からみると、1つ1つが間違っているとは思えないのですけれども、ほとんどつまみ食い状態ということで、トータルのイメージが全くできていないというような気がいたします。
 その1つの例は、ヨーロッパでは2年前に動かした天然ガス火力が、稼働率がほとんどゼロになって、長期停止に入っているというような事例がもう実際に散見されます。それは、天然ガス火力が要らないからではなくて、今の制度になじまなくて、本来は価値があって、使っていかないといけないのだけれども、事業性がなくなって、脱落していくと。これがもう現実のものです。ですから、エネルギー問題というのは CO2でみたり、いろいろなものでみるのですけれども、社会の1つの部品としてみたときに、ここで審議される制度と非常に関係していますから、大切にして、育てていかないといけないという視点もあります。ともあれ、外をみて済むものは、ぜひみていただいて、全体の議論に生かしていただきたいと思います。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それでは冨田委員、お願いします。

○冨田委員  3つのプレゼンに共通するコメントとして2つ、それから質問を1つさせていただきます。
 コメントですけれども、今回、いろいろな分野における課題認識をされて、こういう施策をとっていくとことをご紹介いただいたと思います。これが参考6、7、8のように、個々の対策でどのくらいの効果を生じるかといったことに集約されていくのだと思いますが、対策そのものについての意見というよりは、それがどのくらいのタイムテーブルの中で、どういうマグニチュードで行われるのかということについて余りご説明がなかったと思います。日本全体の数値目標の設定ができるかどうかというのは不透明ですけれども、個々の対策において、どのくらいの効果があるのかということについてはこれからやっていかなくてはいけないことなので、そこをぜひ注目していきたいと思います。その際には、それぞれの施策のパフォーマンス、費用対効果について、横並びでみていくという必要があると思っております。
 それから2点目ですが、これも今回の施策は、どちらかというと単体、建物であったり、固有機器であったり、比較的わかりやすいことについて紹介されていたと思います。しかし、それ以外のことはやっていらっしゃらないということではないと思います。申し上げたいのは、例えば面的利用だとかまちづくりだとか、なかなかやりにくい施策というのも手をつけられていると思いますので、そういうことまで含めて、今後、温暖化対策としてやっていかなくてはいけないということを考えると、そこにもぜひ光を当てていただきたいと思います。
 質問ですけれども、経済産業省さんへの質問で資料の中には入っていなかったのですが、省エネ法を改正されて、ピーク電力を抑制しようという施策が取り入れられています。これ自体は非常に大事なことだと思いますが、温暖化の観点からみたときにどういう影響があるのか、それともニュートラルなのかということについて、お教えいただければと思います。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それでは末吉委員、長谷川委員、原澤委員、藤井委員、村井委員の順でお願いします。

○末吉委員  さまざまなご発表をいただいてありがとうございました。大変力強く思いました。ただ、全体をお聞きしていて、少し感じることがあります。それは、議論を進めていく上での視点をもう少し広げられないかということであります。きょうのご発表の位置づけからの制約だろうと思うのですけれども、おおむね国内要因の話、足元という言葉を使われた方もいらっしゃいましたが、現時点での話がほとんどでありまして、私は、やはりこういった議論をするときには、国内の問題を、例えば海外が解決している事例があれば、こういったような解決方法があるのだと。そのようなのを一緒に議論したほうが、私はよりよい政策、よりよい結果を生むのではないかと思います。
 例えば再生可能エネルギーでいけば、コストが高い、適地がない、変動があるのだと。でも、これは世界で解決しているところはたくさんあるのではないかと思うのです。あるいは時間をかけてです。ですから、そういったことも一緒にテーブルにのせながら議論をしないと、国内要因で一生懸命やったつもりで、気がついてみると世界のトップランナーからは非常に離されてしまっていると。そのようなことが起こり得るのではないかと懸念されます。
 それから、やはり現時点でコストを比較すると、それはこれまで政策でうんと支援されたところが安いのは当たり前です。安くなければおかしいです。物すごいお金も時間もかけてきたわけですから。でも、これから5年、10年、20年後に我々がもつべきエネルギーはどういったことが必要なのかとしたら、それをどうやって育てるのかという時間の経過、将来からみる視点、こういったことも非常に重要だと思います。
 それからもう1点、これは少し具体的な感想なのですけれども、3つのご発表で共通していたのが低炭素な建築物、あるいは住宅という話がありました。その点でちょっと感じるところがあります。これは非常に重要なので、うんと進める必要があると思うのですけれども、低炭素な建物とか住宅は、恐らくエネルギーコストが安いとかゼロとかですよね。というようなことで考えてみたら、物件の価値が高いのではないかと思うのです。低炭素でない建物からすると。そうすると、物件の価格に低炭素な投資をしたことが反映されるような制度というのはできないのでしょうか。例えば 100万円の投資をしたとしたら、その投資が低炭素化を実現して、住宅価格、建築価格、例えば 200万円価格アップがあるのだと。そういったことをもう少しパブリックに認知できるような制度があると、 200万円住宅価格が上がるなら 100万円投資したっていいではないかというような判断が生まれるのではないかと思います。
 それから一般のところでいけば、多分、投資をするにはお金が要ります。恐らく銀行にローンを借りるという話になると、その部分が、借りるときではなくて、どうやって返済するのかという問題も出てくると思いますので、低炭素な住宅や建築物の低炭素投資に対する貸し出しの債権がどこに帰属するのか。例えば物件に帰属する、借入人を物件とするというような制度ができないのかとか、ぜひそういったことも議論できればいいなと思っております。
 ありがとうございました。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それでは長谷川委員、お願いします。

○長谷川委員  まず再エネ関連で申します。再エネ可能エネルギーの開発普及は長期的に考えまして、大変重要なものと思っております。ただ、先行して固定価格買取制度が導入されました欧州では、国民負担の急増などから制度の大幅な修正ですとか見直しがされていると聞いております。やはりこういう場で、そこがどんなようになされているのかというのも教えていただいた上で、このような制度が再生可能エネルギーの効率的な普及ということで用いられますように、よりよいものになるように願っておりますので、先達に学ぶというようなこともありますので、欧州の事例などをぜひ教えていただきたいと思います。
 それから省エネ関連でございますけれども、将来の具体的なエネルギー需要を見直す、見通すときには、成長戦略との整合性を確保するとともに、国民の負担も含めまして、省エネの実現可能性ということを丁寧に検証していただきたいと思っています。
 以上でございます。

○山地委員長  ありがとうございます。
 それでは原澤委員、お願いします。

○原澤委員  3点ほどコメントと質問です。資料2、環境省の説明の資料なのですけれども、4ページのところで、家庭部門と業務部門が最近 CO2ふえていると。ただ、一方、エネルギー消費量は減っているという状況で、この辺は丁寧に説明しないと、一般の方々にはなかなか誤解を招くのではないかと。先ほどお話があったように、火力で CO2が出ているということなので、こういった資料を出されるときには、もう少し説明をしっかりしていただきたいなというのが1点目です。
 そうしますと、もう民生、業務ではどうしようもない、減らせない部分が入ってきているというのも重要な、今後の対策を考える視点ではないかと思います。震災前は、ほかの部門は減っているけれども、業務、民生はふえているというようなことがあって、まず民生、業務の対策という話があったわけですが、どうも中身をみてみるとそうでもない状況になってきているのではないか。やはり全部門がトータルで減らしていくというようなことが重要になってくるのではないかと思います。
 そこで質問は、こういったエネルギー消費量は減っていながら CO2がふえているというところの要因分析というのが非常に重要になるかと思うのですけれども、その点について、環境省のほうでもしやられているのであれば簡単に教えていただきたいと思います。
 2つ目は、8ページにあります低炭素住宅の話は非常に重要だと思います。個別な建物だけにかかわらず、社会システムとしても、そこにありますようなラベリングといったような手法も結構対策として重要になってくるのではないかと思います。例えばEUとかドイツでは、既にこういった仕組みで社会システムとして定着させてやっているということもありますので、ぜひ検討いただければと思います。
 3点目は、国民運動のところでクールビズ、ウォームビズ、またいろいろな考え方が入ってきて、私は進んでいると思うのですけれども、ただ、データにあります参加の企業とか参加の個人が 100万人ということで、これは当初の数字そのままがずっと維持されているというようなことで、やはり認知率という面からすると、もう少し違った指標を使って対策の進捗状況を図るなど、少し工夫をして、さらに国民運動を進めるような対策も必要になっているのではないかと思います。
 以上、3点です。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それでは藤井委員、お願いします。

○藤井委員  3点あります。
 住宅については、各省それぞれ共通してご報告いただいて、取り組みの内容はよくわかるのですが、共通して、既存住宅なり既存の物件への対策というものがまだまだ不十分であると思います。新築の場合は当然、新たに建築基準許可するときにチェックできるわけですけれども、既存住宅は、ほっておいていいわけではありません。幾つか提案はありますが、例えば欧米では、既存住宅を含めて、まずエネルギー効率性の評価については義務化する方向です。私は昨年、イギリスにいたのですけれども、住んでいたボロなアパートでも、契約するときにまず、環境評価、 CO2の排出量などの建物の評価基準みたいなものが契約書と一緒についてきます。もちろんそれを改善するかどうかは、それぞれ持ち主の資力等にかかわってくるわけですけれども、新築だけではなくて、既存住宅の取引の際でも一定の環境評価を必ずやるという制度を導入しています。そうすると、そこから環境配慮した住宅への市場のインセンティブがわいてきて、既存住宅の省エネ性能もレベルアップしようという意欲も出てくる。レベルアップすれば賃料もアップするということになってくると思うのです。ですから、既存住宅対策をぜひ力を入れてやっていただきたいと思います。
 もう1つは、石炭火力の問題です。この3ヵ年で CO2排出量が伸びている部分は、原発の稼働が止まっているということで当然の結果ですけれども、原発稼働がないからといってCO2排出量がいくら増えてもいいという議論で、今後、何年もいけるわけではありません。すでに石炭火力については、欧米では原発の稼働、あるいは停止とは関係なく、削減していく方向が示されています。アメリカでも削減の方向に来ているわけです。ですから、我々も原発稼働の議論をすると同時に、現在増えている石炭火力問題をどうしていくのかという対策はやっていかなければいけない。
 私は日本でこれまで考えてきた川下型のキャップ・アンド・トレード制度の見直しが必要だと思います。環境省はJVETSによって、制度導入の練習はしました。しかし、なかなか日本では普及しなかった。各国の状況をみてみますと、まず電力からキャップ・アンド・トレードをやっていますね。アメリカもそうですし、ヨーロッパもそうです。まず今回、我々は電力の中で、原発による発電ができない部分を何に代替するのかということを考えねばなりません。その分当然、コストアップすることは受け入れねばなりません。その際、代替エネルギー発電をLNGにするのか、再生可能エネルギーにするのかということを議論するとともに、全体の排出枠をつくらないといけない。どの国も緊急の対応はしようがないのですけれども、もう福島事故から2年半も石炭火力シフトの発電体制を続けているわけですから、その辺をしっかり議論していかなければいけないと思います。
 最後はアセスのところです。アセスを短縮するということは望ましいと思うのです。ただ、ここで指摘されているような、国と地方自治体の審査の期間の短縮と、情報の共有の簡略化ができるなら、これらの措置は実は、今までにもできていて当然のことではないでしょうか。ですから、もちろん、国、地方の手続の共通化等はあらゆる政策で進めていただきたいと思いますが、その一方で、もしも短縮化によって評価自体が手抜きになってしまうことがないように、評価の部分において、ひょっとしたら国なりが評価体制をサポートする必要があるかもしれません。短縮した期間の中で、十分な評価、審査が求められるような場合については、必要ならば国がサポートするというようなことも考えていただきたいと思います。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それでは村井委員、村上委員、村木委員、和貝委員、大塚委員の順にお願いします。

○村井委員  1つ、これはどなたにお聞きしたらいいかわかりませんけれども、これで恐らく各省庁さんの事業というのはほぼ終わりに近いのかなと。その中でバイオエタノールです。今までずっとお聞きしていますと、これは我々国民も含めて、何かアクションを起こさない限り、 CO2は下がらないのです。ところが、バイオエタノールをガソリンに混合しますと、自動車を運転する限り、 CO2は必然的に落ちていくわけです。その辺が今後、いろいろな税法上の問題とか、業界さんの問題とか、いろいろあるのでしょうけれども、諸外国ではやはり相当やっておられますし、5%なり、あるいは10%とか、そういう議論も、私の記憶では、自工会さんのご努力で10%ぐらいエタノールを混合しても支障はありませんよとか、聞いたこともございます。これをすれば必ず落ちますよというものがありますので、何かその辺ができないのかなと、素朴な疑問でございます。
 2点目はちょっと藤井委員と重複するかもわかりませんけれども、アセスメントの手続きについてです。いろいろな形で、私は地方の制度をつくるときに直接タッチしておりましたけれども、調査に着手させたら、もう事業を認めたことになるという住民と議論してきました。その辺は方法書なりを提出してからというようなことが今の制度であるわけですけれども、何か短縮する場合にはこういう形で十分皆さん方の不安を払拭できますという、そういう説明をしていただけたら非常にありがたいなと。
 3点目ですけれども、すみません、私、BATばかりずっといっているのですが、電事連さんにはBATという形でいろいろ具体的に挙げていますし、また今回の環境省さんの資料でも、省エネの建設でBATということが入っています。やはり各業界さんにも、こういうものを今、想定しているのですよと。だから、これぐらいが削減目標になるのですというような、そういうシナリオというのをお示ししていただけたらありがたいなと思っているところでございます。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

○山地委員長  ありがとうございました。
 村上委員、お願いします。

○村上委員  民生部門の対策で2つコメントを申し上げます。新築対策とストック対策でございます。
 新築のほうは、義務化がタイプによってめどが立ったわけでございます。ただ、これは国交省さんには釈迦に説法でございますけれども、いうのは易く、行うは大変ということでございまして、特に住宅の場合、全国の大工さん、工務店さん、多くのところ、まだほとんど断熱工事に接したことがないという事例、いっぱいございまして、義務化となると、そういう全国の大工さんに全部、技術の研修をしていただかなければ、大混乱が起きるわけでございます。5~6年前ですか、姉歯事件が起きた後、建築基準法の大きな改正をやって、大混乱が起きた経験がございまして、これは巨大システムの変換でございますから、十分に準備をしていただきたいと思います。これまた自治体の行政も非常に大変でございまして、霞ヶ関で義務化といって、それで済むというような簡単なものではございません。
 2番目にはストック対策でございます。対策というものはストックのほうがはるかに重要でございまして、例えばEUでは、リノベートEUということでストック対策に大変力を入れておりまして、日本でもぜひ、今まで以上に頑張っていただきたいと思います。例えば、ストック住宅 5,000万戸に対して新築は80万戸程度でございまして、新築がいかにうまくいっても、トータルでみるとなかなか改善は進まないということで、ストックは私有財産ですから規制は無理でございます。ですから、建物オーナーのインセンティブとかモチベーションに依存せざるを得ない。しかし現状では、省エネ対策をやってもオーナーに便益が少ないということで、ほとんど進んでいないわけでございます。いかにしてオーナーをその気にさせるかということになりますと、省エネ対策を伴う高ベネフィット、これを体系化することと、もう1つは金融支援と、この2つがないとストック対策は進まないと思います。ひとつよろしくお願いします。
 以上でございます。

○山地委員長  ありがとうございます。
 では村木委員、お願いします。

○村木委員  簡単に申し上げます。今まで先生方がご指摘くださったこととほとんど変わらないのですが、私も最初に申し上げたいのは、既存住宅ストックについてです。きょうの環境省さんのご説明の8ページにも、既存住宅ストック、ラベリングによる省エネ改修の推進、これはとても大事だと私も思います。ただ、このページの左下にある「環境不動産に入居していない理由」というところで気になったのが、やはり3割が「環境不動産が少ない」と。つまり、新築についてはそれなりの情報があっても、既存の建物というのは、入りたい人がいてもその情報が少ない。そうすると、その情報の提示というのをどうやっていくのかということで、やはりラベリングのようなものは必要な気がします。
 もう1つ、この中で「賃料が高い」というのも出てくるのですが、これも情報の提供の仕方で、賃料は一般住宅よりは上がるかもしれませんが、結果的にランニングコストが下がるという、この情報も同時に提供することが、最終的にはマーケットの判断というのは幾らかというところと関係してくるので、それをどうやって提示するかということだと思います。そうしますと、国交省さんの説明でも新築の等級評価、こういうのもありましたが、これがすごく難しいのはわかっているのですけれども、中古でもある程度評価できるような仕組み、これがマーケットにわかりやすくわかるような、そういうものを検討されていくことというのはとても大事な気がします。
 あともう1つ申し上げたいのが、きょうは個別の建物の話がほとんどだったと思うのですが、都市の面で考えると、個別建物プラス面的な対応という2つがセットだと思いますので、非常にやりづらい面的なことも、できれば議論していただけるとありがたいかなと思いました。
 以上です。ありがとうございました。

○山地委員長  ありがとうございます。
 それでは和貝委員、お願いします。

○和貝委員  環境省からのご説明についての質問とコメントをさし上げたいと思います。
 資料2の5ページ、戦略目標、戦略1のところで、「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度の基盤整備」とあります。既に省エネの方向では環境省に報告・公表制度はございますけれども、減エネということについて特定の何か施策、具体的なものがあるかどうかということでご説明をいただければと思います。
 それからコメントなのですが、それと少し関係しますけれども、資料の27ページ、28ページのところで、地域低炭素投資促進ファンドの創設ということで提言をされていらっしゃると思うのです。これは資金の流れだけを書いている図なので、28ページのところにはあえて書いていないのかもしれませんが、民間からの資金について、対象事業の状況についての報告、あるいは公表という情報を民間に提示しないと資金が集まらないというようなことにもなりかねないと思いますので、そちらをご考慮いただきたいと思います。
 以上でございます。

○山地委員長  ありがとうございます。
 大塚委員、お願いします。

○大塚委員  3点申し上げたいと思います。
  経済産業省さんのほうの27ページが関係しますけれども、電力の送電網に関して、特に再生可能エネルギーを今後普及させていくときに、広域の連系を図るというのは非常に重要でございまして、送電網の強化が必須でございますが、今回、そのような事業も開始していただくということは大変いいことだと思っています。
 今後のことなのですけれども、今、電力さんの送電網というのが一方であり、国のほうで税金を使って系統を強化していくというときに、今後の広域連系強化のときの費用負担をどのようにしていくかというのは結構大問題なのだろうと思います。税金を投入した以上は、それは国のものとして扱っていかざるを得ないと思うのですけれども、それでも強化にはなりますのでいいとは思うのですが、電力さんのほうにやっていただくということはもちろんあり得ると思います。その辺について、今後、どう考えていくかということに関して、現在、経済産業省さんがどうお考えかということをお伺いしたいということでございます。
 2点目でございますけれども、やはりこれも経済産業省さんの24ページのところですが、固定価格買取制度について、ちょっと前に新聞報道があったように、太陽光に集中しているという問題も現在のところ、出てきてしまっていますが、その上で実体がないものも結構起きていることが話題になってしまっています。現在、経済産業省さんのほうで予算チェックをされているかと思いますけれども、その辺の状況についてご説明いただけるとありがたいと思います。これは気をつけないと、再生可能エネルギーのイメージを下げるので、ぜひ気をつけていただく必要があるところかなと思っています。
 3点目です。固定価格買取制度については一部で批判もあるところかと思いますけれども、私の意見としては、これから固定価格買取制度で再生可能エネルギーのコストを下げていくというのがもともとの目的ですので、今やめてしまうと、下がらないうちにやめてしまって、負担だけが残るということになるかと思いますので、ぜひ継続していただけるとありがたいと思っております。
 以上でございます。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それでは、中上委員、豊田委員、杉山委員、崎田委員の順によろしくお願いいたします。

○中上委員  いっぱいあるのですが、手短にやらせていただきます。
 今の大塚委員の話からしますと、新エネにはFITがあるのですけれども、省エネにはなぜないのかと。キロワットアワー当たりきばったら30銭ぐらいついているということは、総額でいくと 3,000億円ぐらいの額が投入されていることになるわけですが、これを省エネに入れていただければ、かなりいろいろなことができるのではないかと思うので、ぜひ政策的にいろいろ考えていただきたい。
 それから、家庭用の増加がいつも話題に上って悪者にされるわけですが、原澤委員と同じで、中身をよくみて議論していただきたい。簡単に分解すれば、世帯数の増加と1世帯当たりのエネルギー消費の乗数で総量が決まるわけですけれども、90年ベースにしたとしても、3割ふえているのは世帯数でありまして、最新の情報でいくと、90年と一番新しい住宅では、1世帯当たりのエネルギー消費は減っているわけです。5%ぐらい減っているわけですから、どこをどうすればいいのかというと、もう少し中身をみないと――世帯数を減らせなどということをいう人は誰もいないと思います。現時点を3割減らすというのは、恐らくレベルからすると1970年代ぐらいの消費水準でいろいろ切り盛りしろということになるわけですが、そういう情報も含めて渡さないと、すぐに数字がふえたからこれが悪いという言い方をするのはいかにも短絡的だと思います。
 そういう意味でもう少し付言させていただくと、ストック対策についても先ほどイギリスの話がございました。ヨーロッパ、イギリスやドイツなどですと、住宅は 100年とか50年とかという、すごい古い建物がいっぱいありまして、ここの省エネ性能は極めて劣っているものですから、ストック対策というのは非常に重要なわけです。しかもそういうところに、むしろ所得の低い方が入らざるを得ないということになっているものですから、貧困者対策とセットになって、非常に重要な政策テーマになっているわけです。日本の場合は幸か不幸か、30年ぐらいで建てかえてしまうというもったいないことをやっているわけですから、事情も違うのではないかと。さらに付言しておけば、ヨーロッパの一家庭当たりの暖房用エネルギー消費量は、わが国の3倍~4倍位も多い。従って省エネ改修による省エネルギー効果も大きいと言うことです。これは感想であります。
 それからESCOの視点がございましたが、欧米でESCOがを適用しているのは専ら官庁とか公共建物が主体です。日本の場合はどういうわけか民間が多いわけであります。なぜ官庁で進まないか。国の施設で導入されたのは経産省の建物1棟だけでありまして、ほかの、全ての国の建物についてESCOは適用されていないわけです。この調達については見直しをなさっているというように伺っておりますけれども、十分ここは慎重にやっていただきたいと思います。中央官庁がやるということは、すなわち地方官庁にも大変大きな影響をもっているわけでありますから、ぜひ注力していただきたいと思います。
 それからエコリースについてのご指摘がございました。エコリースについては一部、私どももお手伝いしておりますが、エコリースの対象品目に、ここで話題となるような省エネ製品の指定が非常に少ないのです。省エネ製品。したがって、制度は非常にうまく回っておりまして、あっという間にリースの予定量もはける、年内に多分、全部消化してしまいそうでありますが、省エネに対しては意外とそれが対象となっていっていない。工作機械などにかなり振られてしまっているということがありますから、ここは、恐らく環境省だけではなくて、経産省のほうともご相談して、この対象品目についてもう少し精査していただきたいと思います。
 それからエコまち法とかスマートコミュニティとか、今、そういうのがはやりでございますけれども、いろいろな委員からご指摘ございましたが、面的な利用を含めて、こういうコンパクトシティとかという方向になりますと、それがどれほど具体的に省エネなり、省 CO2にコントリビュートしているのかということを精査して、そういう数値を明示していただけることがあれば、タウンプランニングとかおやりになる方もそれを参考にして、いろいろな展開があるのではないかと思います。日本にはCASBEEという、世界にないようなすぐれた――村上先生がおやりになっているわけですが――評価手法があるわけですから、そういった手法を駆使して、ぜひこれをやっていただきたいと思います。
 それから最後になりますけれども、地方自治体のお話が出ておりまして、先ほど環境省さんのご説明の中では、比較的大都市がそういう行動計画をお立てになることについてはうまくいっていると思いますが、特に農水省の関係になると思いますが、農村です。 2,000地域ぐらいある農村地域における、こういった政策の展開ができないだろうか。私、昔、農村総合整備モデル事業というのをやったことがございまして、あれで非常に大きな効果があったわけですから、農水省レベルで、まさに地産地消、それから小さい自治体レベルでの対策に踏み出していただければいいのではないかと思いました。
 以上です。ちょっと長くなりました。済みません。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それでは豊田委員、お願いします。

○豊田委員  多様な対策についてのご説明、ありがとうございます。私から1点コメントと1つ質問がございます。
 コメントは、今までも多くの委員の方から再生エネルギーについてのお話が出ましたけれども、再生エネルギーについて、ぜひ海外の事情を調べてご紹介いただきたいのです。既に相当程度わかってきていて、買取制度のために、ドイツもスペインも大いに高コストに苦しんでいると思います。スペインについてはもう凍結もしているようです。ドイツも、家庭用が15%、産業用が25%ほどサーチャージで電力料金が上がってしまって、買取価格それ自身を事実上下げるような作業も始めているというのが実態だと思います。
 その観点から、これは経産省からご説明いただいた資料1の25ページのコスト、賦課金の話は、短期的には恐らくこれはこのとおりなのだろうと思います。環境省さんのご説明で、過去1年間で23ギガワットほど再生エネルギーが入って、実際には3ギガワットぐらいしか発電に至っていないという観点からみて、中長期的には、ここの数字、25年度で 0.4円/キロワットアワー上がっているということは、少々過小評価なのではないかなというように懸念をしています。私のほうの研究所で、少なくとも認定された23ギガワットが全て発電に回ったとすると、20年間で16兆円を超える課徴金になって、結構複雑な計算をしないといけませんが、それを1年に直してみると、1円弱/キロワットアワー上がることになって、産業用で、既に1年分だけで6%ぐらいの価格上昇になるという試算がございます。したがって、正しいかどうかというのはお役所のほうで一度計算をしていただきたいのです。少なくとも正確な情報を多くの国民に知っていただく必要があるのではないかというように思います。個人的にはリバランスをしたほうがいいと思っています。すなわち、高い買取価格であるため、太陽光だけに集中しているのが、もう少し風力や地熱にも入るようにした仕組みがいいということですけれども、どのようにするのかも含めて、ご検討いただければと思います。
 質問は、きょうのご議論の前提になるお話なのですけれども、9月の末にIPCCの第5次報告が出ています。全てではなくて、ワーキンググループIしかまだ出ておりません。報道では第4次報告と同じような中身で報告されているように思うのですが、私どもの理解では、気候感度の下限が下がっていると思っています。今まで気候感度が2~ 4.5℃であったのが、1.5~ 4.5℃に下がっているわけです。その結果として450ppmCO2-eqが2℃なのかどうかについて、どうも明確にいっていない感じがしております。非常に難しいレポートなので、私自身も十分に読み切れていないのですけれども、私どもが今、前提として、いろいろ議論しているものが、このIPCCの第5次レポートによって変わってきているのではないかと考えています。ここについて、今、お役所の皆様がどのようにお考えになっておられるかというのが質問でございます。何が変わって、何が変わっていないのか、何らかの形でお答えいただければありがたいと思います。
 以上でございます。

○山地委員長  ありがとうございました。
 杉山委員、お願いします。

○杉山委員  私からは事前に資料を提出させていただいていまして、参考3のところで2番目になります。これに沿って、かいつまんでお話しいたします。
 きょうもさまざまな施策をご説明していただきました。共通点は、革新的な技術開発が必要であるということだったと思います。私がここで申し上げたいのは、その革新的な技術開発というものを実施するための手段についてであります。国の政策として国プロをやったり、あるいはそのほかの措置をすることで技術開発を促進するという側面はもちろんあります。それは実績もあります。ただ、それだけに集中すると、より大事なことを見落とすということを心配しております。より大事なことというのは、科学技術全般の進歩があって初めて温暖化対策の革新的な技術開発もできるということであります。
 このことをご説明するために、少し書き物をしているのですけれども、技術進歩とは何かということについてはかなり理解がされてきていると。それは、本質的には既存の技術を組み合わせてやっていくことです。例えば温暖化の技術に関しても、風力発電技術というのは造船の技術、磁石の製造技術、それから流体計算です。水や空気の流れのシミュレーションと、そういったさまざまな技術の恩恵を受けて、それで今の風力発電技術というのはあると。それから先日、パナソニックさんが人工光合成技術というのを発表したのですけれども、これもLEDの技術ですとか半導体製造の技術、そういったものを活用すること、組み合わせることでできるようになってきている。そういったいろいろな分野の、温暖化以外の科学技術の集積があって、それを使うことで初めて革新的な温暖化対策の技術もできるということで、このことはパテント、特許を分析しても、確かにエネルギーの技術といっても、化学とか機械工学とか、さまざまな技術分野の進歩の恩恵を受けて初めてできますねということがわかっています。それから複雑系の理論というのが少し前にはやりましたけれども、その中でブライアン・アーサーという方が、技術進歩というのはそういう既存の技術の組み合わせでできるものだと。したがって、そういう科学技術の広範な蓄積があって、それが活発に動くことで新しい技術はできていくと、そういった方向性を体系的にまとめたわけです。
 このことが、日本の温暖化の革新的技術開発にどう示唆があるかということなのですけれども、科学技術の一般的な全体の進歩が必要であると。そのためには科学技術そのものの蓄積と、それが製造業とも一体となって蓄積されていなければいけない。そういった基盤があるのは、実は日本以外に、世界広しといえどもアメリカ、ドイツとか、数えるほどしか、そういう底力をもった国はないわけで、したがって日本に求められる温暖化問題の解決の役割というのは、まず何より、その科学技術全般の進歩を進めることで、それによって、本当に革新的な温暖化対策技術を生み出せるようになることであります。科学技術全般の進歩なしに革新的な温暖化対策技術だけぽこっとできるかというと、絶対にそういうことはなくて、どのような温暖化対策の革新的な技術も、さまざまな分野の進歩の恩恵を受けなければいけないということです。
 このためには、経済活動全体が活発でなければいけないと。そうでなければ、科学技術の進歩も進まないということであります。
 ということで、私がちょっと懸念するのは、政府の方、いろいろな施策を考えて、実施していただくのは大変いいことだと思うのですけれども、それから技術開発のプログラムも結構なのですけれども、あくまで本体の幹の部分です。活発な経済活動があって、それによって科学技術全般の進歩が進む、その本体を損ねない範囲での費用対効果というものをみきわめながら、さまざまな施策を実施していただきたいというように考える次第です。
 私からは以上です。

○山地委員長  ありがとうございます。

○崎田委員  今回の資料を拝見しながら思ったのですが、エネルギー基本計画の委員会にも参加をさせていただいていて、あそこで私はいつも、地域に根ざしたエネルギー、地域の未利用エネルギーをしっかり活用して、地域の新しいエネルギーをつくる、そして産業をつくって、地域活性化を図ることが重要と発信しています。そういう視点を大事にしていきながら、地域にどれだけのポテンシャルがあるかを考えていけば、それでは足りないエネルギーが、もっと大規模電源、火力発電とか原子力とか、そういうエネルギーが一体日本でどのくらい必要になるかということが長期的な視点でみえてくるはず。そういう中でバランスのいいエネルギー政策をしていくことが重要なのではないかというように、考えています。
 そういう視点で今回の資料を拝見していて思うのは、省エネ政策、新エネ政策、そしてそれを地域で面的に広げるという政策が、国交省と経済産業省と環境省から全体的に出ています。問題は、これをどのように、全ての政策を有機的に地域社会がしっかりと活用して、そういう新しい地域社会づくりにつなげていくか、そこが重要なのではないかと思っています。
 私は、個別には省エネ法などはどんどん厳しくしていただくしかないと思っていますが、それに対する金融や税制の優遇政策とか、いろいろな対策が深まっていくということが大事だと思っています。そういう全体を推し進めるときに、やはり自治体とか、大規模開発するときの不動産会社とか、そういうところが斬新な目標値を立てて、新しい地域づくりを推進するとか、そういうところが大事だと思っております。
 先日、ドイツで環境自治体を視察した際に、これまでのまちづくりより50% CO2を削減した地域づくりの設計を、というようにデザイナーさんに公募し、選定されたプランをまちにしたというところを拝見してきました。1つ気づいたのは、そういうところのプランというのは、みんながぎりぎりになって厳しく暮らしているのではなくて、ゆったり暮らしています。例えば交通政策を大事にするからこそ、再開発団地の入り口に大きな駐車場をもってきて、中は公共交通政策にする。家はパッシブソーラーハウスを、共同住宅でつくっていき、道々には非常に緑がたくさんあって、子どもたちがそこで遊んでいるとか、いろいろな世代の方がゆっくりと歩いておられる。やはりこういう環境共生型のまちというのは暮らしやすく楽しいまち、心豊かなまちにつながっているというのを強く感じました。そういう地域づくりをしていくには、大きな牽引力が必要なのではないかというように思いました。
 そういう視点からいきますと、ここは温暖化対策のところですので、こういう政策をつなげていくと、どのくらい CO2削減ができるのかという数字の積み上げというのは、私は可能だというように感じておりました。ただし、エネルギーの排出源単位の数字の高さとかいろいろな障害がありますので、世界にどれだけの数字が約束できるかというと、やはり余り大きな数字を出せる状態ではない。そういうことを考えれば、世界に貢献できる数字というのは、2015年ぐらいにちゃんと出す。だけれども、今の段階ではできるところまではきちんと発言をする、少し低い数字で幅のある数字で出していくとか、そのくらいの政策をとってもいいのではないかと、私は感じて伺いました。
 短く、細かいことを2つ申し上げたいのですが、1つは環境アセスを短縮するという話。私は、今の状況では仕方がないと思いますが、せっかく改正をした配慮書手続など、早め早めに地域とコミュニケーションするという、この仕組みを入れるということこそが、やはり信頼づくりにつながると思いますので、こういう仕組みのいいところはつなげながら時間を短くするという、このところをしっかりやっていただければと思います。
 もう1点、今回の発表の中で国土交通省さんが下水道に関して非常に細かくお話しされたということは大変新鮮だと思っております。ここのところは今後、大変重要になってきますし、新しい地域を開発するのだったら、下水道が地域のエネルギーの基盤になるぐらいの、そういう新しい都市開発というのが必要だと思っておりますので、そういうことを踏まえて、温暖化対策の面的な広がりの輪の中にきちんと情報を入れていただくというのは、これからも大変重要だと思っております。よろしくお願いします。

○山地委員長  ありがとうございました。
 次、橘川委員、亀山委員、岡委員、大橋委員、秋元委員で一巡ですが、予定の時間まであと10分なので、12時には終わりそうにありません。この後、各省からのご回答もありますので、少し延びるというようにお考えいただきたいと思います。もちろん、できる限り簡潔に行いたいと思います。
 それでは橘川委員、お願いします。

○橘川委員  資料1、2、3について、それぞれ1点ずつです。
 資料1だけ表紙に省庁の名前がないのですけれども、これは経産省のものだと考えてよろしいのですか。それで、8ページに基本政策分科会で出された意見というのが書いてあるのですけれども、私は発言したのですが、ここに書かれていませんのでいいますが、地球温暖化で効果を上げるためには、COPだけではだめだと思います。COPだと、コップの中の嵐みたいな議論になりまして、国別アプローチで、結局地球大での効果が上がらないということになると思いますので、中国、アメリカ、インド、ロシア、日本、要するに排出量が多い国が集まって、そこに韓国、カナダ、オーストラリアぐらいを加えた、そういう枠組みをもう1個セットして、ボトムアップを進めていくという、この話が入らないと、本当に効果ある地球温暖化対策は出てこない、このように思います。
 それから資料2なのですけれども、2ページに2050年の一次エネルギー供給量のグラフというのが書いてありまして、非常に注目すべきことに、原子力ゼロということになっているのです。経産省のほうの基本政策分科会で、一次エネルギーについても電源ミックスについても、基本計画でミックスの数字をいわないと。テレビの討論で茂木大臣に聞いてもいわないということをいっていますので、我々が議論しなくても環境省が決めてくださるのだったら肩の荷がおりると、こういうことになるのですが、本当に原子力ゼロということで政府としていいのかどうかというのは、私は余り反対しませんけれども、反対する方も多いのではないかと思いますので、気になるところであります。
 それから資料3ですけれども、私も崎田委員と同じで、きょう、ここに来て一番よかったなと思ったのは下水の話を聞けたことです。ただ、非常に単純な話なのですが、何で上水は出てこないのかなという話と、それから下水のところで小水力の話、一応18ページでいわれているのですけれども、余り具体的施策で出てこなかったのです。多分、小水力のことを考えると、上下水道というのは農業用水とともに非常にポテンシャルがある分野だと思いますので、ここのところの話を聞きたかったなと。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それでは亀山委員、お願いします。

○亀山委員  簡単に3点、お話ししたいと思います。
 1つは今回配付されて、説明はなかったのですが、参考資料4から8までの、この表です。これは各施策が一覧でわかるようにまとめていただいていますので、特に対策効果のところでアウトカムが空欄ですけれども、入れる意気込みは非常に評価したいと思います。
 やはりこうやってプラットフォーム化して、各施策が全体でどういう効果があるのかということを国民にもみえるようにし、かつ海外にも、日本は本格的にこうやってきめ細かな省エネをやっているというのをPRする上では、まずこういう資料づくりが重要かと思います。できましたら、備考のところに経済成長へのインパクトというようなところも入れて、こういう施策が、地球温暖化対応が最終的には経済効果を生み出すというロジックをぜひ考えていただければと思います。
 2つ目は、経済産業省さんの説明で19ページは省略されたのですが、国の政策で省エネ効果が生み出されているエネルギー使用合理化等事業者支援補助金、これが非常に意欲的に、昨年の 310億円から 700億円と増額されています。これはものすごい省エネ効果を生んでいる施策です。今年度も1回で全部、この予算がはけた理由は、省エネ設備のリース活用ががかなり進んでいるということです。特に、中小企業が盛んに応募してきた理由は、大手の銀行がリース会社を通じて応募してきているということで、環境省さんの説明にもあったように、やはり省エネリース政策というのが、特に資金のない中小企業で、省エネ技術は導入したいけれども、資金がなく待っていたというところにかなり、堰を切ったような応募になったと思います。これは投資効果としてでいいのではないかと思いますので、ぜひ省エネリース支援というのをもっと積極的に考えていただければと思います。
 最後は、今までは省エネ効果が高いものは自前でやれという政策で、これは成長率が高いときは先が読めたのですけれども、今は先が読めない時代です。今後は、省エネ効果が高くて投資額が高いもの、つまり大型の省エネについては、ぜひ政策の上でも支援をしていっていただければ、量的な省エネ効果が上がるのではないかと思います。
 以上、3点です。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それでは岡委員、お願いします。

○岡委員  資料1の28ページ、環境アセスメントの短縮の話ですが、前倒しの環境調査、これは実証をやるということですから、これから問題点がいろいろ出てくるのだろうと思いますけれども、普通方法書の段階であれも調べろ、これも調べろというのが出て、それから調査に入るわけですよね。そうすると、それと並行しながら、あるいはその前に調査していたことが、それでは不十分だということになることは十分考えられると思います。そういう場合、本当にこれでうまくいくのかなという疑問があります。
 それで、そもそも地球温暖化対策のための風力発電、地熱ですから、時間スケールを考えると、7年後、10年後に十分な量の風力、地熱が導入されていればいいわけですよね。そういう中でアセスメントを1~2年短縮するということにどれほどの意味があるのだろうかなと思っています。
 それから資料3の20ページに下水汚泥の固形燃料化の話を紹介されましたが、固形燃料化にもいろいろ技術があって、技術によってはかえって CO2をふやすということもあると思うのです。例えば熱で乾燥させて固形燃料化するといった場合に、単純焼却よりもCO2 をふやしてしまうとか、あるいは減らすとしても微々たる減少でしかないとかいうことがあると思います。その辺の評価はどうされているのかなということを聞きたいと思います。
 それから、この会議の成立に関することです。始まってから今まで、委員の過半数がこの場に座っていた時間というのは一瞬もないと思いますが、それでも成立するのですか。
 ここからは意見ですけれども、定足数とか会議の成立というのは、物事を決めるための会議について必要な要件ですよね。この会議みたいに、各委員が好き勝手な意見をいうだけで何も決めないようなときに定足数は問題にしなくていいのではないかと思うのですけれども、そういう運用はできないのでしょうか。

○山地委員長  ありがとうございました。定足数の件は後ほど事務局から回答いただきます。
 大橋委員、お願いします。

○大橋委員  日本商工会議所の環境エネルギー委員長を務めております大橋でございます。よろしくお願いいたします。
 私、実は第34回の合同会議から委員を拝命いたしました。途中からなのですけれども、やむを得ず出席がかなわぬことが多くありまして、これまで35回と38回の2回の意見表明にとどまっております。しかし、もうそろそろ、この会合も終盤にさしかかりつつあるように伺っておりますので、この機会に総論的な意見を述べさせていただくことをご容赦いただきたいと思います。
 本日、資料としまして、詳細を参考資料3に添付しておりますので、そちらをごらんいただきながら、お話を聞いていただければと思っております。
 4点あるのですけれども、要点のみを簡潔に述べます。簡潔がどれぐらいかかるか、ちょっとわかりませんけれども、ご承知おきください。
 まず1つ目でございます。行動目標について、根拠の不確かな数値を出すことは、非現実的ともいえる25%削減目標と同じ誤りを繰り返すことになり、厳に慎むべきではないかと思っております。これに関しましては、山地委員長を初め複数の委員がいわれるように、仮に幅をもったものであっても、数値目標を出すことは難しいのではないかと思っております。したがいまして、新たな行動目標をコミットすることで我が国の積極的な姿勢を世界に示すこと、これが非常に重要になってくると認識しております。
 2つ目、日本の技術を生かした CO2排出削減による国際貢献についてでありますが、これもいろいろといわれていますけれども、我が国に蓄積されております世界最高水準の省エネルギーあるいは環境保全技術を世界に、とりわけ新興国、あるいは途上国へ移転、普及させることで、地球規模での CO2削減に貢献することが可能だと思っております。その実例ですけれども、少しだけいいますと、セメント、鉄鋼、発電、ゴミ焼却炉などのプラント、さらには鉄道システム、ハイブリッドの自動車とか建設機械、燃料電池、省エネ家電なども、その一翼を担う技術だと認識しております。
 また、将来的に CO2フリー水素チェーン、これは石炭由来のもの、それから再生エネルギー由来のものがあると思いますが、低炭素社会、水素社会の実現に向けた技術開発なども、我が国が先頭に立って推進していく分野ではないかというように思っております。
 3つ目ですが、物づくりを得意とする我が国の経済成長と低炭素社会の両立を図っていくための成功の鍵というのは、 CO2クレジット化――要するに金融商品化――そんなものではなく、先ほどもお話がございましたが、やはり産官学、ファイナンスの連携によるたゆまぬ技術革新しかないと考えています。私の資料の3ページのサイクルの絵をみていただいたらわかるのですけれども。そのために重要なことは、この技術が世界に正当に評価され、保護される環境整備が必要であります。そして、その技術の対価が正当に還元されて、すなわちお金になるわけです。それが戻ってきて、次の新しい技術をもう一段進める源泉になると。この技術革新の健全なサイクルを回し続けるということが非常に重要だと考えております。したがいまして、政府におかれては、国内的には革新的な技術開発を推進し得る環境整備、国際的には、外に向かっては新興国、途上国への既存技術の移転の働きかけ、二国間オフセットメカニズムを含めた仕組みづくりに取り組んでいただきたいと思います。
 4つ目です。全国 514商工会議所の会員企業のほとんどである中小企業にとりまして、死活問題となるのは電力コストの上昇でございます。中小企業が抱える問題につきましては前回、38回のところで意見を述べさせていただいておりますので、省略させていただきます。ただ、1点だけ追加させていただきたいのですが、今日、全国で停止中の原子力発電は、エネルギーの安定供給、経済性に加え、地球温暖化対策としても現実的で重要な電源でございます。したがいまして、政府におかれては、安全確保を前提とした原子力発電の再稼働を実現し、これからの地球温暖化対策の計画の中にぜひ織り込んでいただきたいと思っております。既に何人かの委員の皆様から、今日もご指摘がございましたが、再生エネルギーについても最大限の導入ということではなく、国民負担を抑制しつつ、導入を進める仕組みをつくる必要があるのではないかと私は思っています。
 個人的な話になりますが、私、8月に家内と2人の自宅に太陽光発電を置きまして、CO2削減に貢献すると同時に、FITのメリットを享受しているのでありますけれども、あえて国民負担金を抑制しつつ、導入を進める仕組みにしていただけたらというように考えている次第です。長々とありがとうございました。

○山地委員長  ありがとうございました。
 それでは秋元委員、お願いします。

○秋元委員  少しおくれてきて、政府の説明は全く聞けていないのですけれども、委員のコメントを聞いて、3点ほどコメントさせていただきたいと思います。
 1つは、委員のコメントの中で、石炭火力が世界的に減少してきているという話がありましたけれども、実際問題、今、起こっていることは、欧州の中ではEU EPSのキャップが緩んでしまって、価格が下がっている。そして米国のシェールガスが拡大したことによって石炭が追い出されて、結局イギリスは急激に石炭火力が増大しているというのは事実ですし、ドイツもまさに原子力を抑制した部分を石炭で置きかえているという事実があるわけで、その辺の事実をしっかり認識して、やはりキャップはそんなに簡単ではないと。うまく機能していないということをよく理解した上で――しかも中国、インドというところは相変わらず非常に大きな石炭火力のニーズがあるわけで、そういうところにいかに我々、日本として貢献していくのかという、バランスをもった対応が必要だろうというように思います。それが1点目です。
 2点目、再エネの固定価格買取制度の話がありました。すぐやめるのはどうかという話があって、コストを下げるために導入すべきだというご意見もありましたけれども、今の制度はコストが下がらない制度になっていると思うわけで、要は、価格は高いほうを維持していたほうがだんだん利益が出るような仕組みになっていますから、なかなかコストが下がっていくようなインセンティブが働きにくい形になっていると思うのです。しっかり固定価格を、レベルを切り下げていかないと、国民の負担ばかり大きくなって、別のところに正当な利益ではない形で利益供与がなされるという形になりかねないし、技術開発も促進しないというように思いますので、私も固定価格買取制度は、やめるかどうかは別として、早急なる見直しが必要だと思います。
 最後、3点目は、これは基本政策分科会のほうでも申し上げたことなのですけれども、エネルギー需要だけの見積もりというのは非常に難しくて、供給がどうかによって、需要の対策というものも変わってくるわけですから、エネルギー供給と需要の一体的な検討がなされないと、 CO2削減のどのあたりが目安になってくるのかということもみえてこないと思いますので、一体とした議論が必要だと思います。
 以上です。

○山地委員長  ありがとうございました。
 これで委員の方から一通りご発言いただきまして、もし代理の方で発言のご希望がありましたらお願いします。よろしいでしょうか。
 それでは、今までご意見いただいた中に質問等も含まれておりますので、各省から、それらに対する回答をいただきたいと思います。これも時間がオーバーしていますので、簡潔にお願いしたいのですが、まずは経済産業省からお願いいたします。

○飯田総合政策課長  それでは簡潔に。さまざま、海外の状況を調べるべきだとか、いろいろなご意見をいただきました。そうしたものはしっかり受けとめさせていただきたいと思います。ご質問にだけ簡潔にお答えしたいと思います。
 省エネ法改正をして、今までの省エネだけではなくて、電力ピーク対策についてもプラスに評価する形で新しい制度を導入すると。これが温暖化にどういう影響があるのかというご質問を頂戴しました。これは、例えばピーク対策のために蓄電池などを入れれば、むしろその分のエネルギーがふえる場合もなくはないのですけれども、そこは省エネを推進する範囲内で評価することとしております。これが結果として温暖化にどう効くかについては、定量的には全く――目指しているものはピークを落とすということと全体エネルギーを減らすということで違うものですから、直ちにこれはこういう方向に効くということは、制度的には申し上げられないような中身であると考えております。
 大塚委員から、再エネを導入するときに系統対策は必要であって、その費用負担をどうするのかと。非常に重要なご指摘だろうと思います。基本的には、系統の費用は電力会社に出していただくと。例えば北本連系線を強化する話も、電力会社さんがされます。他方で、そうすると、それが強化されないから再エネが入らないということになりますので、ここでご紹介させていただいた系統強化のためのSPCに補助金を出していくという仕組みを新たに導入したり、蓄電池を置くということを国費でやっております。
  いずれにせよ、コストはかかります。国費で出すのか、それとも電力会社さんにやってもらうのか、ないしは再エネを入れる方に負担してもらうのか、という問題があります。それをどうしていくかは、今、必ずこうだというように申し上げる状況にないのですけれども、これから再エネが入ってくるに当たっては、そのルールをしっかりつくっていかないと、それがネックになるものですから、これはしっかり検討させていただきたいと思っております。
 もう1点は、FITで入ったものについて、報告徴収を現在行っているところでございます。その状況ということですが、今、その報告を資料として事業者から提出いただいている最中でございまして、できるだけ早いタイミングでまとめて、精査をして、内容をお示ししていきたいと思っております。今の段階でいつというところまでは決まってございません。
 豊田委員から、再エネのコストは過小ではないかというご指摘をいただきました。ここにご説明させていただいているものは、今、はっきり明らかになっているものでございます。ご指摘いただきましたとおり、認定されているものが全部動けばとか、そういうことは仮に試算はできるかもしれませんけれども、今まさにそれを報告徴収しているところでございまして、この資料からは落とさせていただいているところでございます。
 それから、橘川委員のご意見を書かなかったから、逃げるために資源エネルギー庁の名前を書かなかったわけではございませんで、決してそういう意図はございません。これは資源エネルギー庁の資料でございますし、今回のプレゼンに関係あるものだけ抜かせていただいたので、そういうことになっておりますので、既にいらっしゃいませんけれども、お許しいただきたいと思います。
 それから1点だけ、亀山委員からご紹介いただきました、私どもの資料の産業部門のところにつきましては、基本的には省エネ法の体系の中でやっているので、ご説明を割愛させていただきましたが、省エネ補助金、本当にご説明いただきましたとおり、今年非常に利用が進んできておりまして、それは恐らく今、エネルギー価格が上がっていることも影響しているのだろうと思います。したがって、これのみならず、いろいろな税制側の、政府内で検討されておりますけれども、そういう設備投資を促していくことでむしろ経済成長と CO2削減を両立させることは非常に大事でございまして、そういう対策は力を入れてやらせていただきたいと思っております。
 とりあえず以上でございます。

○山地委員長  ありがとうございます。
 続きまして環境省、お願いします。

○和田地球温暖化対策課長  それでは環境省のほうからですが、ご指摘、幅広く色々いただきましたところについては非常に重要なご指摘ということでしっかりと頑張っていきたいと思っています。今、ここでは時間の制約もございますので、ご質問いただいた点と、それから一部補足の説明をさせていただければというところがございますので、そこに絞ってと思っています。
 まず1点目は原澤委員から、実はこれはもう既に中上委員から補足いただいたところでもあるのですけれども、国土交通省さんの資料の14ページのところに、家庭部門の関係でいえば、世帯数当たりの消費量は減っているけれども、世帯数の増加によってエネルギー消費がふえていますというところ、これだけでは完全ではありませんけれども、引き続きこのような要因分析をしっかりやっていくという点と、それから世帯数を減らすとか、そういうところまでをターゲットにしているわけではありませんというところを補足説明させていただければと思っています。
 次に和貝先生で、算定・報告・公表制度の基盤の整備のところで減エネとの関係ということでご質問いただきました。資料で書かせていただいている制度の基盤整備というところで申し上げますと、こちらは予算要求上のプロジェクトなのですけれども、報告の円滑化、データ処理の円滑化ということで電算システム化しようというところを予算要求で入れさせていただいていると。したがいまして、この関係で特に減エネとの直接的な云々というプロジェクトではございませんけれども、基盤の整備の一環で電算化を目指しているところでございます。
 それから補足が1点ございますのは、中上先生のほうからESCO、エコリースなど、さまざまいただきましたけれども、農村地域におけるモデル事業も重要ではないかと。非常に強く受けとめなければいけない点かと思っていまして、エネルギー特会でも農林水産省との連携事業で、いわゆる農村地域にハイライトした連携事業というところも今年度から特に強化して、来年度も引き続きと思っているところでございます。
 もう1点、橘川先生から上水道のほうは? というところがあったのでございますけれども、説明が資料から抜けておりました。下水道の説明は国交省さんからありましたけれども、環境省のほうでは、厚生労働省さんとの連携で、浄水場での再エネ導入、それから省エネ導入、さらには導水管の落差を利用した、いわゆる水力発電みたいなものも事業で展開をするというところを要求の中に入れさせていただいているところです。
 残りの、橘川先生の原発の件、それからAR5の関係は土居室長のほうからお願いします。

○土居低炭素社会推進室長  IPCCの報告についてですが、現在、政府の中で詳細の分析を行っているところでございます。政策判断に活用していくという観点からは、来春に出てまいりますワーキンググループII、IIIの結果も含めまして総合的に議論を進めていきたいと考えております。
 また家庭部門での要因分析につきましては、きちんとしたデータをとるという観点から、現在、統計化を目指して事業を進めておりますので、精緻なデータに基づきながら、正しい政策が打てるようにしていきたい、基盤を整備していきたいと考えております。
 また、2050年の姿についてお示ししておりますが、こちらにつきましては昨年、中環審でご議論いただいた際のデータでございます。二酸化炭素の面で一番状況が厳しいケースでも80%削減ができるのかどうか、またどのような施策を考えていくべきなのかという検討をした結果をお示ししているものでございまして、こちらにあります姿がエネルギーの姿であるということを示すものではないということは、追加をしてご説明をしたいと思います。
 以上でございます。

○山地委員長  環境省さん、以上でよろしいですか。
 続いて国土交通省、お願いします。

○伊藤住宅生産課長  国土交通省でございます。住宅建築物に関しまして、非常に貴重なご意見、どうもありがとうございました。主に既存の話と、それからまちづくりの話と、新築に絡んだ話をいただいたかと思います。
 まず既存でございますが、ご指摘のとおり、既存対策というのは非常に大事なのにもかかわらず、我々のほうも十分手がついている状況ではないというようには認識をしております。現在の状況を申し上げますと、「CASBEE-既存」という格好での表示もございますし、先ほどちょっと申し上げましたように、非住宅に関しましては、既存も含めて、一次エネルギー消費量だけでの評価ができるような評価の仕組みについて、この10月に公表させていただいたところでございます。ただ、住宅につきましては、先ほど日本の住宅は非常に短命であるというお話がありましたけれども、新築については長寿命化住宅の基準をつくっているのですが、既存のものをリフォームして長寿命化するという基準はないものですから、今、リフォームで長寿命化するための基準をつくっております。当然、それの関連するものとして、確かに技術的に非常に難しいところはあるのですけれども、既存住宅の省エネルギー性能についても性能表示の検討をぜひ進めたいと思っております。そういうことを通じまして、既存対策、あとはもちろん補助ですとか、あるいは融資、税というのも資料に載せておりますが、そういう誘導策も含めまして、積極的にやっていきたいと思っております。
 それから2点目、まちづくりの話でございます。先ほど低炭素の認定建築物の話だけを私、しまして、大変ぬかっておりまして、申しわけありませんでした。もともと低炭素まちづくり法、通称エコまち法自体は、都市機能の集約化ですとか、あるいは公共交通機関の利用促進、そういった低炭素まちづくりを市町村単位でおつくりいただくというようなことを考えておりまして、当然、まちの構造そのものの中での低炭素化――どれぐらい数量化できるかという議論は確かにありますけれども――を進めていかなければいけないというように思っています。さらにコンパクトシティ化についての都市の再編についての議論もあわせて、またさらに進める格好で検討をさせていただいているところでございます。
 また、これも説明していませんが5ページのCASBEEにつきましては、「CASBEE-まちづくり」ですとか、あるいは「CASBEE-都市」といった格好での面的な評価、総合的な評価というものも入れておりまして、公共団体でも、こういったことについての取り組みを進めていただくという方向にあるということをご報告させていただきたいと思います。
 また面整備につきましては、なかなか評価が十分できていないところでありますけれども、先導的なモデル事業等において応援をさせていただいているところでございます。
 それから3点目、新築のお話でございます。住宅・建築物について、2020年までに省エネ基準の適合義務化という目標を掲げて、これも段階的にやるということをお示ししているわけでございますが、ご指摘のとおり、非常に戸数が多いということを考えますと、公共団体の審査体制を、それを外部化するかとか、そういうのも含めての話ですとか、それから今現在、大工、工務店などに対して、かなり大規模な講習会を実施していまして、今回の省エネ法の改正の中身の周知徹底も含めまして――先ほど姉歯の話がございましたけれども、耐震構造偽装事件のときに基準を強化したら住宅着工ががくんと落ちるような、あるいは建築着工そのものがとまるようなことが実質上起きてしまいましたので、そういうことにならないように、審査側、事業者側、それから個々の建築主の方、その人たちが円滑に、そういうことについて受け入れていただけるような環境整備をしていかなければいけないと、このように思っております。
 それから新築について、あるいは既存もそうですが、要は省エネをきちんとすれば、それについて評価が上がるようにするべきである、あるいはそれについて応援するべきであるというお話がございました。低炭素の認定建築物、あるいは先ほどちょっと申し上げた長寿命化をする長期優良住宅につきましては、税などにつきましても、通常の税よりも深掘りして応援するという格好にしていますし、あるいは住宅金融支援機構の融資などでも金利の引き下げをしたりとかいう格好で、いろいろな形で応援をしているところでございますが、あわせてノン・エナジー・ベネフィットとしての、健康に対する貢献とか、そういうのも含めて、省エネ、あるいは断熱のいい住宅、建築物が、どういいかということについてのPRもぜひしていきたいと。どうしても建物価格は市場で決まるものがあって、我々としても本当はいいものが高くなればいいなというように思っているのですが、必ずしも十分にそれが反映されていない状況でございますので、先ほど申し上げました住宅の性能評価とか、要はラベリングと、それと合わせての税だとか融資だとか、そういう支援策を通じまして、市場が適切に評価していただけるように、我々としても頑張っていきたいと思っております。

○松本下水道企画課長  下水道関係につきまして、若干ご説明申し上げます。まず下水道関係の取り組みにつきましてご関心をもっていただきまして、本当にありがとうございます。
 最初に橘川先生からありました小水力発電の話でございますけれども、時間の関係でバイオマスの話を中心にお話し申し上げたのですが、現在、どのくらい発電しているのかというのをお示しいたしますと、23年度実績ですが、バイオマスの消化ガスの発電で41カ所、 1.4億キロワットアワー。それに次ぎまして、下水処理場は広い面積をもっておりますので、いろいろな土地の利用とかも含めてやっておりますが、風力発電が5カ所で 669万キロワットアワーでございます。その次が太陽光発電でございまして、これが34カ所、 257万キロワットアワーでございます。最後に小水力発電も10カ所やっているのですが、 118万キロワットアワーでございます。これは下水に集めている間のときには汚水が入っておりますので、夾雑物とかがあって発電には回せませんので、処理水からの発電を小水力でやるのですけれども、その際、処理場というのは先ほど申し上げましたようにアンダーで入ってきますので、そんなに揚げられません。それで公共水域に出すときも落差がほとんどないので、余り落差で稼げないということで、10カ所で 118万キロワットアワーということでございます。
 次に岡先生から、固形燃料化で CO2がふえてしまうのではないかというようなご指摘を賜りました。実は今、 N2O対策も含めて、焼却炉で燃やしているものをなるべく固形燃料に変えていくという方向で考えております。そういたしますと、焼却炉は自燃しないので追い炊きしているのですけれども、当然焼却炉ですと水分ゼロになりますが、こちらの固形燃料は10%ぐらいの含水率で上がってきますので、使用エネルギーは恐らく少ないのではないかと思いますが、今、手元にデータはありません。
 あと、先ほどお示ししました廃熱利用をして固形燃料にしていくのがいいかなと考えておりまして、今、ベストな形として考えて進めておりますのは、消化ガスをとりまして、そこで発電をします。発電しますと、幾ら発電効率が高くても40でございますので、残りは熱になります。その廃熱を利用して固形燃料化をいたしまして、それで固形燃料を出していくと。その固形燃料なのですけれども、先ほどJIS化をやっている話を申し上げましたが、なかなか受け入れていただける石炭火力が少のうございまして、電事連の方もいらっしゃるので、ぜひお願いをしたいと思うのです。結構遠くまで運ばないといけませんので、そこで CO2が出ているということもあるかもしれませんけれども、そんなような状況でございます。

○山地委員長  ありがとうございます。定足数の件について、事務局から回答をお願いします。

○小見山環境経済室長  岡先生の質問にお答えいたします。
 定足数が問題となるのは物事を決める時でございますが、ご案内のとおり、本合同会合は我が国の地球温暖化対策・施策について具体的なご議論をいただく場として大変重要であると考えておりまして、1人でも多くの先生からご意見をいただきたく、進めているところでございます。岡先生を始め、お忙しい中、ご参加いただきました委員の方々に改めてお礼を申し上げたいと思います。

○山地委員長  それでは本日、各委員からのご意見、ご質問をいただき、各省からも回答をいただきましたが、これらの議論を踏まえて、中央環境審議会の地球環境部会長として浅野先生に一言お願いしたいと思います。

○浅野部会長  これまで、個々の施策について議論を重ねてまいりました。これまでの委員のご発言の記録等をずっと拝見してみますと、個別の施策について、適切なコメントを多々いただいていると思います。きょうも関係各省が一生懸命ご発言に対しての説明をされたのですが、しっかりいわれたことを聞いて、それをどう自分たちが生かしていくかということが大事なのであって、くどくど説明されなくてもいいのです。記録をきちんと読んでいただいて、生かせるものは生かすということをぜひしていただきたいと思いますし、この合同会議としても、これまで有用なコメントをたくさんいただいていますので、これらをちゃんと整理をして、こういう対策・施策はこのように進められることが望ましいというようなことについて、きちんとした方向性が出せるようにとりまとめていく努力をしなければいけないと思います。
 冨田委員をはじめ何人かの委員から面的な取り組みについてコメントがありました。きょう、国交省からいろいろと説明もあったのですが、よくよく考えてみると、実は京都議定書目標達成計画のとき以来の課題がまだ十分に政府の中で整理ができていない。我々も整理できていない部分があると思うのですが、つまり、目標達成計画でも冒頭の部分に抽象的にざっと面的な取り組みについて書いているのですけれども、それが個々の施策の段階になると、全部ばらばらになってしまって、縦割り化してしまうていたわけです。そこを横断的に捉えるということが、目標達成計画でも十分できていなかったものがそのまま尾を引いていて、今回、改めて対策・施策の在り方を検討するときにも、そのような面的拡がりをもった取組という切り口からの議論がなかなかできなくて、どうしても個々の施策の話になってしまうものですから、例えば、建築物についての話でもみられたような展開になっていく。そこで中上委員がイライラされると、こういうことになってしまいます。
 先ほどの国交省のご説明はわかるのですが、ここでいいたいのは実はそんなことではないのです。もっと大所高所から見て、構造的に考えなければいけない課題があるということに気がつきましたので、それが発言として出てきたということであって、今後の整理の中では、ぜひ新しい施策の展開の方向として、そのような横断的な取り組み方をどうするのだという議論ができるようにしていかなければいけない、そんなことを、きょうは感じた次第です。

○山地委員長  浅野部会長、どうもありがとうございました。
 私も今日の議論、各省の説明を聞いていまして、個別の具体的な対策・施策についてはかなり網羅的に――効果についてはまだこれから算定して一覧表を埋めるということで参考資料にもありますが、これらはいずれにしろやらなければいけないことでありますので、貴重な情報が得られ、また皆さんのご意見を伺えたと思います。
 その中で私が、対策のフロンティアとして今からもっと詰めなければいけないなと思っているのは、浅野部会長もご指摘になりましたけれども、面的とか、あるいはスマコミのようなシステムなどの社会インフラをどうするかということで、これは施策も難しいし、評価も難しいのですが、ここに取り組んでいくのは非常に重要なことだと思います。さらにライフスタイルというのですか、これになるともっと難しいのですが、これもやはり基本的には重要なことと考えております。その中で幾つか具体的なアイデアを出していただければいい。私がきょう聞いた中では、末吉委員がおっしゃった、例えばローンの債務を個人ではなくて物件に所属させていくとか、そういうことは社会インフラのようなものの形成にとっては非常に有効な手段かなと思って伺っておりました。
 いずれにしても、こういう方向で、個別の技術ももちろん大事ですが、全体として、それを受けとめる社会のインフラを変えていく、これが大事な方向かと感じました。
 予定の時間を30分オーバーしてしまいましたが。しかし有意義な議論ができたのではないかと思います。今回で部門ごとの対策・施策の審議というのは当初の予定を終えたということであります。何回にもわたって会合を開きまして、その中で貴重なご意見をいただきました。今までのご意見は資料4でまとめておりますけれども、次回合同会合で、今回の部分も含めて今までのご意見をまとめたものを提示させていただくということにしたいと思います。
 最後に事務局から連絡事項等お願いいたします。

○小見山環境経済室長  ありがとうございました。
 議事録につきましては事務局でとりまとめを行い、皆様にご確認いただきました後、ホームページに掲載させていただきたいと思います。また先ほど委員長からありましたとおり、意見のまとめについても改めてとりまとめをして、お諮り申し上げたいと考えております。次回は10月22日火曜日、15時から17時を予定しております。
 それでは、本日の議事を終了したいと思います。ありがとうございました。

――了――