中央環境審議会 地球環境部会産業構造審議会 産業技術環境分科会 地球環境小委員会合同会合(第38回)議事録

日時

平成25年9月27日 10:00~12:23

場所

経済産業省本館地下2階講堂

議事次第

1 開会

2 議題

  1. (1)地球温暖化対策の推進に向けた具体的対策・施策について
    1. ① 運輸部門の対策・施策
    2. ② 産業部門の対策・施策①

3 閉会

配付資料

中央環境審議会地球環境部会 委員名簿
産業構造審議会産業技術環境分科会地球環境小委員会 委員名簿
資料1
運輸部門における地球温暖化対策(国土交通省)
資料2
地球温暖化対策に関する経団連の考え方と取組み(日本経済団体連合会)
資料3
鉄鋼業界の低炭素社会実行計画(日本鉄鋼連盟)
資料4
化学業界の低炭素社会実行計画(日本化学工業協会)
資料5
製紙業界の低炭素社会実行計画(日本製紙連合会)
資料6
電機・電子業界の低炭素社会実行計画(電機・電子温暖化対策連絡会)
資料7
セメント業界の低炭素社会実行計画(セメント協会)
資料8
前回(第37回)合同会合までに頂いた主な御意見
参考資料1
2013年以降の対策・施策に関する報告書(地球温暖化対策の選択肢の原案について)(平成24年6月中央環境審議会地球環境部会)(抜粋)
参考資料2
角田委員、杉山委員からの御意見
参考資料3
代替フロン等4ガスに関する対策・施策の一覧
参考資料4
農林水産分野における対策・施策の一覧
参考資料5
廃棄物分野における対策・施策の一覧

議事録

午前10時00分 開会

低炭素社会推進室長
定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会地球環境部会、産業構造審議会地球環境小委員会の合同会合を開催いたします。
現在、委員総数の過半数の委員にご出席いただいておりまして、定足数に達しております。
また、本日の審議は公開とさせていただきます。
まず、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。議事次第に続きまして、配付資料一覧がございます。続きまして、中央環境審議会の委員名簿、産業構造審議会の委員名簿が続いております。
資料1といたしまして、運輸部門における温暖化対策といたしまして国土交通省からの資料。
資料2といたしまして、地球温暖化対策に関する経団連の考え方と取組みということで経団連からの資料がございます。
資料3につきましては、日本鉄鋼連盟からの低炭素社会実行計画の資料、そして1枚紙で別添が付いてございます。
続く資料4でございますが、日本化学工業協会からの資料でございまして、別添といたしまして、別添1のホチキス止め、そして別添2といたしまして1枚紙が付いてございます。
資料5といたしまして、日本製紙連合会からの資料でございまして、別添が1枚付いております。
続く資料6が電機・電子温暖化対策連絡会からの資料でございまして、別添に1枚紙とパンフレットが付いてございます。
資料7でございますが、セメント協会からの資料、本資料と別添が1枚紙で付いてございます。
資料8につきましては、前回までに合同会合でいただいた主な意見を取りまとめたものでございます。
以上が資料でございまして、参考資料が以下、付いております。
参考資料1につきましては、昨年、中央環境審議会地球環境部会でご議論いただいた、今回の関連部分を抜粋したものでございます。
参考資料2は、委員からのご意見をいただいたものを取りまとめたものでございます。
参考資料3~5につきましては、前回ご説明させていただきました代替フロン関係、農林水産分野、そして廃棄物分野につきまして、対策・施策の一覧をまとめたものでございます。まだ精査中のものもございますけれども、成果物のイメージとしてお付けしたというものでございまして、ご参照いただければと思います。
資料の不足等がございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。
それでは、カメラ撮りにつきましては、ここまでということでお願いいたします。
早速議事に移りたいと思います。
以降の議事進行は、中央環境審議会地球環境部会の浅野部会長にお願いいたします。

浅野部会長
おはようございます。
それでは、議事に入りたいと思います。
今回も前回と同様に、関係省庁、それから関係業界からのご説明を受けまして、より具体的な対策・施策の検討を進めてまいりたいと存じます。
本日の議題は、議事次第にあるとおりでございまして、まず地球温暖化対策の推進に向けた具体的対策・施策について、運輸部門の対策・施策、産業部門の対策・施策①、その他となっております。
資料8につきましては、前回までのご発言をまとめたものでございますので、改めてのご説明を割愛し、具体的対策・施策に関する資料1~7について、まず関係省庁、関係業界からご説明をいただきます。その後、ご発言ご希望の委員からご質問、ご意見をいただきたいと存じます。
では、まず最初に、国土交通省、堀江地球環境政策室長から、資料1に基づきまして運輸部門における地球温暖化対策についての説明をいただきます。

国土交通省総合政策局環境政策課地球環境政策室長
おはようございます。国土交通省総合政策局環境政策課地球環境政策室長の堀江でございます。座って説明させていただきます。
それでは、資料1に基づきまして、運輸部門における地球温暖化対策につきまして、簡単にご説明を申し上げます。ページをお開きいただきたいと思いますが、今回の資料につきましては、基本的にはCO2排出対策ということで、全て通してございますので、CO2排出対策ということでご理解いただければと思っております。
1ページでございますが、目達計画期間中の実績等々に基づきまして、運輸部門におけるCO2排出量がどのようになっているかということを簡単にご説明申し上げますと、ご覧いただきますように、我が国のCO2排出量のうち、運輸部門からの排出量は約2割弱ということでございます。この内訳でございますが、バス、タクシーも含めた自動車全体で約9割弱を占めます。さらにそのうち貨物自動車に限りますと、3分の1が運輸部門の貨物自動車という内訳になってございます。
2ページをお開きいただきたいと思いますが、それでは、運輸部門におけるCO2排出量の推移がどのようになっているかということでございますが、運輸部門からのCO2排出量につきましては、2001年度をピークに減少傾向にございます。特に貨物自動車に至りましては、96年度をピークに減少しておりまして、自家用自動車につきましては、2001年度をピークに減少傾向になっているということでございます。
目達計画上の2011年度の確定値でございますが、2億3,000万トン、運輸部門から排出をしているということで、これは90年基準年比からいたしますと5.9%増、2010年前年比に比べますと1.0%減ということでございます。基準年からの排出量の増加につきましては、今申し上げましたように貨物輸送の自家用トラックから営業用トラック、この営業用トラックはトンキロベースで見たときに自家用トラックに比べまして7分の1のCO2排出量でございますので、営業用トラックへの転換等に伴います輸送効率の改善により、貨物からの排出量が減少していると。その一方で、自家用自動車の交通需要が拡大したことによりまして、旅客からの排出量が増加をしていると、このようなことでございます。貨物自動車の排出量の減少でございますが、今申し上げましたように、自家用トラックから営業用トラックの転換ということとともに、トラックの大型化というものも進めてございます。
3ページをお開きいただきたいと思います。それでは、運輸部門における地球温暖化対策について、どのように取り組んでいるかという考え方を簡単に述べさせていただきたいと思いますが、運輸部門につきましては、自動車、公共交通、旅客、貨物を問わず、我が国の経済社会活動を維持・発展させていく基盤的なインフラとして重要な役割を占めていると考えてございます。一方で、今申し上げましたように、我が国全体のCO2排出量の約2割を占めるということで、この対策については一層強化をしていかなければいけないということを常に考えてございます。
そのときに、今後我が国が一層の成熟社会を迎えるに当たりまして、どのような交通手段の組み合わせが正しいのかと、適切なのかということ、そのベストミックスを自家用と公共の交通機関の中で考えていかなければいけないと考えてございます。
簡単に申し上げますと、要は賢い車の使い方ということを念頭に置きまして、環境負荷の少ない自動車の普及及び使用の促進、また自動車から環境負荷の少ない公共機関への誘導、これを基本的な柱としつつも、長期的には自家用自動車に過度に依存しないライフスタイル、ワークスタイルを構築する、いわゆる歩いて暮らせるまちづくりを実現するということが重要かと考えてございます。真ん中にございますが、「交通体系-まちづくり-乗り物」の三位一体の低炭素化の実現というのが肝でございます。
この際、公共交通を考える際に、特に三大都市圏と地方圏では、自動車を含めた交通機関分担率等に大きな相違がございます。それ故にそれぞれの地域におけるCO2排出量も当然違ってきますので、そういった地域性も配慮して対策を講じなければいけないということも考えなければいけない。また、技術開発や制度構築などが国際標準・ルール設定、あるいは開発途上国への技術協力にも寄与し得る場面も少なくないのでございまして、こういう意味からも世界全体の運輸部門における地球温暖化対策にも積極的に関与してまいりたいと思っております。
4ページをお開きいただきたいと思いますが、まず環境負荷の少ない自動車の普及・使用の促進についてはどういったものがあるかといいますと、まずもって自動車の単体対策、まず自動車の環境負荷を限りなく低減させるということでございまして、一つ目は燃費改善に向けた技術革新への誘導、これは経済産業省様とも共同で連携してやってございますが、省エネ法に基づく燃費基準の策定、トップランナー基準、そういったものも策定するということと、環境性能に優れたバス・トラック・タクシー等の、いわゆる自動車を普及促進するための税制、あるいは財政的な支援をしているというものもございます。
また、走行形態の環境配慮化ということでございますが、これは後ほどご説明いたしますけども、特に営業用の貨物自動車におきまして、エコドライブ管理システム(EMS)というのがございますが、これを普及促進させることによりまして、賢いトラック輸送の使い方ということを促進させるというものでございます。
また、自動車の交通流対策といたしましては、これもご案内かと思いますが、ITSによります渋滞の緩和、あるいは自転車道等の整備推進というのもあります。この自転車道等の整備推進につきましては、基本的にはトラップ調として5キロメートル未満の方々については、その一定規模が自家用車の使用から自転車に転換するだろうということを念頭に置いて、自転車道等の整備推進を図っているというものでございます。
2点目につきましては、今度は自動車から環境負荷の少ない公共交通機関へどのように誘導していくのかということの観点でございますが、一つ目といたしましては、いわゆる旅客的な話でございます。公共交通機関をより一層利用していただくということでございまして、鉄道、バス等の公共交通機関の利便性、あるいは快適性を向上させるという施策を今後も打っていきたいと思っております。乗り継ぎ向上ですとか、ICカードの普及、あるいは車両のバリアフリー化等によりまして、魅力を上げていくというものもございます。また、モビリティマネジメントの一環といたしまして、エコ通勤等の普及促進も図っていくというものでございます。
2点目が物流の効率化で、これは貨物の対策でございますが、一つ目といたしましては、そもそものトラック輸送の効率化を図ると、これは先ほどのCO2排出量の推移のところでも申し上げましたが、一層車両の大型化を図りまして輸送の効率化を図る。あるいは、自家用トラックから営業用トラックへの転換を一層促進させるというものもございます。
二つ目につきましては、これは一番物流の効率化、CO2対策として大きなものでございますが、モーダルシフトを推進させるということでございます。モーダルシフトにつきましては、トラック輸送から鉄道、あるいは内航海運への貨物輸送にシフトさせるという施策でございますが、これにつきましても引き続きやっていくということでございます。
最後でございますが、そもそもの車両ですとか機材、あるいはその運行自体の低炭素化も図ると、これも重要なことでございまして、車両機材の低炭素化、あるいは運行の効率化等による省エネ化、あるいは駅舎、あるいは空港等につきましての省エネ化を図るということの観点でCO2排出対策をしていきたいと考えてございます。
5ページ以降につきましては、今申し上げました施策を並べておりますので、簡単にご説明いたしますけども、5ページ目につきましては、自動者単体対策でございまして、左側につきましては、先ほど申し上げました省エネ法に基づきます燃費基準の策定、これによりまして、メーカー等に技術革新を誘導させるというものでございます。右側につきましては、導入補助・税制優遇ということで、税制・財政を含めて環境に優しい自動車の普及促進を図るというものでございます。
続きまして、6ページでございますが、自動車走行形態の環境配慮化ということで、EMS、先ほど申し上げましたエコドライブ管理システムというものを自動車、運送事業者、トラック事業者等へ普及促進させることによりまして、賢い貨物自動車の使い方を図るというものでございます。右側につきましては、ITSによる渋滞緩和、自転車の利用環境の整備、これ先ほど申し上げましたが、なるべく短い距離については自転車を使っていただくというようなことも図っていきたいと思っております。
7ページでございますが、これは公共交通機関の利用促進ということで、非常に漠然とした絵で恐縮でございますが、基本的には都市全体として公共交通を使うと、こういうまちづくりを進めていくというものでございます。その中にもございますように、LRTやBRTの導入等々もございますが、既存のバスの利便性を上げる等々の施策も引き続き打っていきたいと考えてございます。
8ページにつきましては、物流の効率化でございまして、トラック輸送の効率化につきましては、大型CNGトラック、あるいはトラック車両の大型化というのを促進していきたいと考えておりますし、また特に地域内の輸送につきましては、これトラック輸送が大半を占めてございますので、地域内輸送におけるトラック輸送の効率化を図るためにも、共同輸配送を一層促進させるというものでございます。
右側につきましては、これ31ftコンテナというのがございますが、基本的に現在の鉄道貨物の主流が12ftのコンテナでございまして、これが陸上の幹線輸送で使用されている10トントラック、これが主なものでございますが、それとのコンテナのフィートが合っていないというものでございまして、なかなかこれがモーダルシフトの一つ障壁になっているというものもございますので、この大きさを合わせる施策も打っていくというものでございますし、また内航海運への利用については、トラックの運転台とシャシの切り離しをできる、こういったものによりまして、内航海運へのモーダルシフトをしやすくするという施策も打っていきたいと思っております。
すみません、時間が押しておりますので、簡単にご説明しますが、9ページにつきましては、これは車両機材の低炭素化、運行の省エネ化ということでございまして、内航船舶、あるいは鉄道、航空につきましてもそれぞれ機材、運行、駅舎を含めて低炭素化の推進を図っていくということを考えてございます。
急ぎ足で大変恐縮でございますが、最後10ページ、これにつきましては冒頭に申し上げました世界全体の運輸部門における地球温暖化対策の貢献ということで、一つ事例を申し上げさせていただきたいと思っております。国際海運からの温室効果ガス排出削減対策ということで、国際海運でございますので、京都議定書の範疇外であったんでございますが、私共といたしましては、国際海運のCO2排出が今後も増加していくというIMOの非常に危惧した取組の中で、条約改正に極めて積極的に取り組んでまいりました。既成の仕組み等を39にも上るプロポーザルを提出いたしまして、IMOにおいて条約改正を米国等々と共に指導したということでございます。結果、先進国、途上国の別なく、一律の船舶の燃費規制というのが本年1月より開始しておりまして、右の表で見ていただきますと、2025年には30%削減を達しない、これに満足しない船舶というものは、そもそも開運マーケットには投入不可と、こういう条約体系ができております。
我が国といたしましては、既にこの2025年の燃費規制値は世界に先駆けて達成済みでございまして、こういったことから非常に海運の技術開発については、日本としては非常にイニシアチブがとれる部分でございます。こういったものにつきまして、今後も国際協力、あるいは国際標準化への枠組みについて積極的に関与してまいりますが、こういったものはひいては我が国の国際海運マーケットの市場拡大等々にも繋がってまいりますので、こういう国際貢献とあわせて、国際競争力を向上させて市場の拡大を図っていくということも念頭に置いております。
駆け足で恐縮でございますが、私からは以上でございます。ありがとうございました。

浅野部会長
堀江室長、どうもありがとうございました。
それでは、続いて産業部門の対策・施策についてでございます。
まず、日本経済団体連合会、椋田常務理事から、資料2の地球温暖化対策に関する経団連の考え方と取組みについてご説明いただきます。

日本経済団体連合会常務理事
おはようございます。本日はこうした機会を頂戴いたしまして、大変ありがとうございます。早速ですが、資料2の1ページをご覧ください。温暖化防止というのは、極めて重要な課題でありますが、日本企業はその解決に向けて大変優れた技術を持っており、大きな貢献ができます。そこで、経団連では京都議定書に先立つ1997年6月に自主行動計画を開始しました。また、京都議定書の第1約束期間終了後の2013年以降も、産業界として空白期間を設けることなく、取組を強化したいと考えまして、本年1月に低炭素社会実行計画を策定したところです。
3ページをご覧ください。自主行動計画には合計61業種が参加いたしました。「自主」とは言いながら、定めた目標を社会的公約と考えて、その達成に最大限努力をしております。
4ページをご覧ください。自主行動計画ではPDCAサイクルを徹底しております。特に透明性と信頼性の向上の観点から、第三者評価委員会を設置してレビューをしていただいております。加えまして、本日のような政府の審議会で先生方から貴重なご意見を頂戴することで、年々よりよいものに進化させることができたと思っております。
5ページをご覧ください。2012年度までの最終的な成果は、年内公表の予定ですが、2011年度の産業エネルギー転換部門のCO2排出量は、90年度比10.1%の減少となりました。生産活動が微増する中で2桁の排出削減を実現した最大の原動力は、原単位の改善、つまり省エネ努力にあったと思っております。
6ページをご覧ください。ここにございますように、この結果、多くの産業は世界最高のエネルギー効率を達成しております。
7ページにお進みください。自主行動計画を推進する中で、数多くの技術の開発普及が進むなど、イノベーションの創造にも寄与したと思っております。また、同じ目標を目指して企業間の連携協力が進んだことも大変有意義だったと思っております。
8ページにございますように、こうした成果から政府の「京都議定書目標達成計画」で自主行動計画は産業界の対策の柱として位置づけられました。これからご説明いたします低炭素社会実行計画も、今後政府が策定されます地球温暖化対策計画の柱に同様に位置づけていただければ、産業界にとって大きな励みにもなりますし、そのすそ野の拡大にもつながるものと思っております。
時間の関係で12ページに飛んでください。これが実行計画の全体像です。産業界共通のビジョンとして掲げたのは、2050年の世界の温室効果ガス半減に、日本の産業界が技術力で中核的役割を果たすことでございます。このため、参加業種は世界最高水準の低炭素技術やエネルギー効率の維持向上を社会に公約しております。実行計画は国内事業活動における削減、消費者等との連携による製品のLCA全体を通じた削減、海外での削減による国際貢献、そして革新的技術開発、この四本柱で構成されております。
13ページをご覧ください。この背景には事業活動のみでの削減にはどうしても限界がある一方、国内では家庭、海外では新興国の排出量が増加している。言い換えれば、削減ポテンシャルは大変大きいということがございます。また、2050年世界半減目標の達成には、ブレークスルーとなる技術が不可欠です。そこで、日本の産業界として自主行動計画よりもウィングを広げて、トータルでできることを最大限にやろうと考えたわけでございます。
14ページをご覧ください。国内の事業活動におけます2020年の削減目標は、各業種においてBAT(Best Available Technologies)の最大限導入を前提に策定され、社会的コミットメントとして確実な達成に邁進いたします。他方、主体間連携、国際貢献等につきましては、顧客や消費者、受け入れ国等の動向にもその実現が左右されますので、削減ポテンシャルと位置づけ、自らの製品・サービスが最大限受け入れられるよう取り組む予定です。
15ページにお進みください。実行計画はこれまで40業種が策定済みで、年度内には今のところ5ないし9業種が策定していただけるという予定になっております。これをさらにかさ上げすべく、我々として働きかけを強めているところでございます。
16ページをご覧ください。ちなみに現在参加している業種の中で、産業エネルギー転換部門のカバー率は、自主行動計画とほぼ同程度となっております。
最後に、17ページですが、経団連としてのPDCAサイクルをさらに強化して、計画の着実な実行と透明性の確保に努めていきたいと考えております。
私からは以上ですが、この後各業種の具体的な取組をお聞き取りいただければと思います。
以上です。

浅野部会長
椋田常務理事、どうもありがとうございました。
それでは、続いて日本鉄鋼連盟、丸川地球環境委員長から、資料3に基づいて、鉄鋼業界の低炭素社会実行計画についてのご説明をいただきます。

日本鉄鋼連盟地球環境委員長
鉄連の地球環境委員長をしております新日鉄住金の丸川でございます。
まず、資料は開いていただきまして、1ページ目に結論が書いてございますが、まずこの前段となります2012年までの、いわゆる自主行動計画でございますが、鉄鋼業はこれからご報告を年末にかけてすることになると思います。ほぼクレジットなしで達成できるのではないかというふうに思っております。そのいろんな実績や経験を踏まえて、今から申し上げます低炭素社会実行計画でございます。
今、椋田さんがおっしゃった三つの柱ということで、まず2020年までにつきましては、エコプロセス、それからエコソリューション、エコプロダクトと、この三本柱で進めてまいります。エコプロセスにおきましては、いわゆる国内での生産における工程における省エネということで、今持っております世界最高水準のエネルギー効率ということで、2020年断面で粗鋼生産量に見合う自然体に対して500万トンの絶対量を削減する、これは数値目標でございますので、お約束をいたします。
それからエコソリューション、これは培った技術を世界で、いわゆる国際貢献、社会貢献するということでございます。もしこれが広がるとすれば、2020年の断面にポテンシャルとして、これは目標ではございませんが、ポテンシャルとして7,000万トン削減されるのではないかと。
それからもう一つはエコプロダクト、先ほどの言葉で申しますと主体間連携でございますが、最終商品として使用者の方にお使いいただく断面で約3,300万トン、これも削減のポテンシャルでございます。目標ではございませんが、順次入っていけばそれぐらい効果があるのではないかと推定しております。
それから、長期的な2050年に向けまして、革新的な製鉄プロセスの開発ということで、石炭にかわります水素による鉄鉱石の還元等々、今COURSE50ということで、試験研究をやっております。これで下げていくと、こういう柱にしております。
まず、ページをめくっていただきまして、3ページをご覧ください。エコプロセスでございます。これは先ほど生産量と申しましたけれども、下の2020年の表を見ていただきたいと思います。真ん中に基準ケースというのがございまして、このときの日本全国での粗鋼生産量約1億2,000万トン。これに対しまして生産を1,000万トン上限に振らし、一方で1,000万トン下限に振らす、すなわち1億1,000万トンから1億3,000万トンの生産の幅において、この量の範囲において、いかなる場合でも技術導入で500万トン削減するという計画でございます。
これは、今持っております最先端の技術をともかく最大限に導入するということで進めてまいります。具体的には、既に導入いたしました新日鉄大分、あるいは名古屋で導入した次世代コークス、あるいは各製鉄所が持っております共同火力とか自家発の設備更新時での効率化、それからCDQ等、排熱回収設備の増強、あるいは今ご議論いただいております廃プラスチック、容リ法の見直しにおけるケミカルリサイクルの拡大、こういったものでやっていくということでございます。
四つ目のポツに書いてございますように、我々この技術でやるつもりではございますが、万が一これが達成できないという場合には、これからどういう議論があるかわかりませんが、信頼性を確保するという意味で、未達の場合は適切な方法で500万トンを担保いたします。
以上がエコプロセスでございます。
次、エコソリューションは5ページ目でございます。5ページ目に飛んでいただきまして、ただいま左側の図二つございますけども、これはパリにございますIEAとそれから日本のRITEさんが分析をしていただきまして、各国の削減ポテンシャル、あるいはエネルギー効率を調べていただいたものでございます。例えば右から二つ目に日本、Japanと書いてございますが、この棒が高くなれば高くなるほどその削減のポテンシャル、すなわち今のCO2排出量が多いということになります。これで比べますと、日本の鉄鋼業はもう限界に近いという形になっております。逆に言えば、ほかの国にこの技術を導入していけば、そのCO2は減っていくだろうということでございます。
右側に、各国がこれまで入れていただいた設備によって、2011年度で約4,300万トンぐらいの削減効果があっただろうと思っております。これが先ほど言いました2020年の場合には、7,000万トンぐらいまで貢献できるのではないかということでございます。下はその一つの例で、中国に入れましたCDQという設備でございます。右側に年次を取っておりますけども、中国の政策もございまして、CDQは飛躍的に導入されております。一つのこれはエコソリューションの例だというふうに思っております。
それから、次にエコプロダクト、恐縮でございますが12ページまで、飛んでいただきます。いわゆる先ほど言いました使用者の段階で減らしていただくということでございまして、日本鉄鋼連盟といたしまして、左側に国内と輸出で代表的な例、例えば造船、あるいは変圧器、電車といった形で、日本の鉄を使っていただくことによって、鉄鋼業の中では若干CO2は増えるんですが、最終的なユーザーが使っていただく自動車が走れば走るほどCO2は今までよりも減ると、こういうものでございます。これによりまして足元2,200万トン、これが2020年で三千数百万トンというふうにポテンシャルとしてはあるというふうに考えてございます。
最後に、革新的プロセスでございますが、今、これまでも2008年以降やらせていただきましたけれども、水素での還元と製鉄業における高炉におけるCO2の分離回収ということで、長期的な目で国のお金、共同研究をさせていただきながらこれを進めているという状況でございます。
以上でございます。ありがとうございました。

浅野部会長
丸川委員長、どうもありがとうございました。
それでは、続いて日本化学工業協会、笠井技術部長から資料4に基づいて、化学業界の低炭素社会実行計画についてご説明いただきます。

日本化学工業協会技術部長
日本化学工業協会の笠井です。よろしくお願いします。
では、資料4を使って説明させていただきます。時間の関係で、資料4の1ページの2番目の今までの省エネ・GHG排出削減努力の中の②のところの自主行動による省エネと、その二つ目のひし形です。エネルギー効率の国際比較ということで、化学・石油化学産業全体、また製品別に見るとエチレンプラント、か性ソーダのエネルギー効率において、世界最高レベルを達成しています。これは別添のほうにデータは載せております。
それから、その下にあるGHG排出量の削減につきましては、2011年のデータなんですが、これで基準年比で29%の削減を達成しています。特に代替フロン等3ガス、PFCS、SF6、HFCS、これは生産技術の構築と国からの助成金を活用して導入した稀薄排出ガス燃焼除外設備の設置によって、95年比で実に2,400万トン、日本の総排出量に対して約2%弱の非常に大幅な排出削減を達成しております。
それから、3.以降の、低炭素社会実行計画の四本柱についてご説明させていただきます。3-1では、化学産業自身の削減目標、①として参加企業・協会数とカバー率が書いてあります。カバー率は88%で、これは環境自主行動計画と全く同一のカバー率になっております。めくっていただきまして、目標値なんですが、我々の化学業界の目標値はBAU(Business As Usual)からの排出削減ということで、2行目にBPT(Best Practice Technologies)を導入することによって排出削減をしていくと記載しています。
具体的に言いますと、2020年のBAU排出量から150万トンCO2を削減します。BAUというのは2005年度を基準として、2010年度の活動量予測を行った数値です。化学産業というのは製品が多種多様ですので、業態ごとに分けて、さらにエネルギー長期需給見通しだとか、いろんな関連業界団体さんの予測値等を踏まえて活動量も設定しております。
目標指標としては、生産量の変動の影響を受けにくい、BAUからの排出削減量だということで、目標指標として選定しております。
⑤、これが一番大きいところなんですが、化学業界の削減ポテンシャルの算定の考え方というもので、BPTを導入して削減目安分を設定し、加えて省エネ努力を環境自主行動計画の努力を継続してやります。今、丸川さんのほうからお話がありましたけれども、我々もIEA国際エネルギー機関が示すBPT、これを導入することによって省エネをさらに進めます。これは設備更新時に、以下に掲げるBPTを最大限導入するということがポイントとなっております。
それから、その下の⑥で、実際BAUはどうやって検証するのかということで、これは各業態ごとに国から公表される工業統計の値及び鉱工業生産指数を使ってBAUを出して、そこから我々が目標を達成したかどうかを見るということで、透明性の高い検証方法を採用しております。
次のページに移っていただきまして、3-2低炭素製品の普及を通じた削減貢献ということで、CO2の排出削減を推進するには、製造部門でのCO2排出削減といった部分最適の視点でなく、原料採取からリサイクル・廃棄に至る、いわゆるライフサイクル全体を俯瞰した全体最適の視点からの対策が重要と考えております。下線のところなんですが、化学の役割というのは、化学製品・技術の開発・普及の推進によって、サプライチェーンを通じて社会全体のCO2の排出削減に貢献していくというふうに考えております。
こういう考え方で、一つの後になるんですが、まず排出削減の算定の透明性、信頼性を高めるガイドラインを国内でつくりました。それに沿った形で、実際に低炭素製品の定量評価を行いまして、これを2回公表しております。その事例として、下の黒字のところですけれども、付録につけているんですが、2020年1年間に製造されたLEDをライフエンドまで使用したときには、代替した白熱電球と比較して、745万トンの排出削減ポテンシャルがありますということを示しております。
あと、付録の表には全10事例載せているんですが、それを合計すると国内で1.3億トンのポテンシャルがあるという算定をしております。その次のパラグラフとして、今月、先ほど国内で作成したガイドラインをベースに、WBCSDの化学セクターとICCAという国際化学工業協会が合同で初めて国際的なガイドラインをつくりました。これを使ってその業界内、ひいてはいろんなセクターの方にも使っていただければというふうに期待しております。
ちょっと時間の関係があるので、3-3は、今申し上げましたようないろんな製品での貢献、あるいは製造技術での貢献を海外で展開しようというのが4ページ目に表になっています。これは製造技術が1個と、素材・製品の貢献が四つ、それから代替フロン等の無害化、これをあわせて世界で4億トンの削減ポテンシャルがあります。この記載したものについては、いずれも日本企業のシェアが70%以上のもの、いわゆる日本が非常に強いものを示しています。
それから、最後に3-4で、革新技術開発ということで、化学は原料面、燃料で両方で化石資源を使いますので、その両面での技術開発が必要になります。これについては、政府ともロードマップを共有・連携して開発を推進することを考えております。
開発例としては、新規プロセス開発、それから化石資源を用いない化学品製造プロセスの開発と、それから最後にLCA的にGHG排出削減に貢献する次世代型高機能材の開発を例として取り上げております。
以上です。

浅野部会長
笠井部長、どうもありがとうございました。
それでは、続いて日本製紙連合会中川技術環境部長から、資料5に基づいて製紙業界の低炭素社会実行計画についてのご説明をいただきます。

日本製紙連合会技術環境部長
日本製紙連合会の中川です。よろしくお願いします。
では、資料を開いていただきまして、まず2ページ目をご覧になっていただきたいと思います。ここで化石エネルギー原単位と、それからCO2排出原単位の推移が出ておりますけども、2003年ぐらいから急激に削減が進んだということが出ております。これは特に私どもの業界では、燃料転換を進めたということがありまして、このように急激な削減が進んだところであります。それで、今まで温暖化フォローアップの中では目標を2回切り上げたということで、なおかつこういう形で削減目標を達成することができました。それで、主な内容は3ページに書いていますような温暖化対策です。
それで、4ページのほうに行って見ていただきたいと思うんですが、これは私どもの低炭素社会実行計画ですけども、基本的には三本柱による省エネを進めたいと思ったのと、それから海外植林をさらに拡大してCO2の吸収源対策を図るということです。
それで5ページをご覧になっていただければ、これが私どもの低炭素社会実行計画です。2020年のBAUから139万トンCO2を削減するということを目標にしております。
それから、6ページをご覧になっていただきたいと思います。これが先ほどの三本柱の内容ですけども、ここに書いていますように、廃材、廃棄物の利用を進めるということと、それから省エネを進めるということです。それからもう一つ3番目としては、高温高圧型の黒液回収ボイラーを導入するという、これが三本柱です。それから、主要技術については7ページに今出ております、先ほどの高温高圧型黒液回収ボイラとか、それからバイオマスボイラ等の普及についてもここに書いてあります。
8ページをご覧になっていただきたいと思いますけども、これは先ほどの鉄鋼さんと化学さんのほうでも出ましたように、IEAの出している削減ポテンシャルです。日本は右から3番目のほうにありますように、もう世界でも一番削減余地がないというくらい削減が進んでいるということがご覧になっていただけると思います。
それから9ページは、特に海外植林によるCO2の吸収の量を出していますけれども、約2億トンぐらいになるということになっております。特に私どもの場合は、海外植林を90年度以降本格化したということもありまして、海外植林の寄与がかなり大きいということもあります。
それから、最後に10ページ目ですけども、私どもの低炭素社会実行計画、始まったばかりですけども、ちょっと今、危惧されることは、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度、これの影響で、バイオマス発電のほうに廃材を取られることが懸念されますので、その辺がちょうど2015年ぐらいにそういったバイオマス発電も本格化することが予想されますので、2016年ぐらいでその辺の状況と、それから低炭素社会実行計画の状況も見て、この辺で見直しをしたいというふうに考えています。
以上です。

浅野部会長
中川部長、どうもありがとうございました。
それでは、電機・電子温暖化対策連絡会、小野寺議長から、資料6についてご説明をいただきたいと思います。

電機・電子温暖化対策連絡会議長
電機・電子温暖化対策連会の小野寺でございます。
電機・電子業界の低炭素社会実行計画につきましてご説明をさせていただきます。まず、1枚目めくっていただいて、1ページ目になります。冒頭、電機・電子業界の事業特性についてご説明させていただきます。
ご承知のとおり、電機・電子業界は、産業・業務・家庭・運輸からエネルギー転換(発電)に至るまで、あらゆる分野に製品を供給してございます。そこに写真がございますが、電気機器、重電・発電機器、電子部品・デバイスと、こういった広範囲な製品を手がけてございます。また、技術革新や経営のグローバル化によって成長力を高め、国内経済を下支えしているという業界でございます。世界に目を向けますと、右側の円グラフの上のほうを見ていただければわかりますけども、電子情報産業の世界生産に占める日系企業の生産割合でございますが、19.4%と、こういった構図になってございます。
2ページ目をご覧いただければと思います。電機・電子業界の低炭素社会実行計画の重点取り組みにつきましてご説明させていただきます。電機・電子業界は、エネルギーの安定供給と低炭素社会の実現に資する「革新技術開発及び環境配慮製品の創出」を推進し、グローバル規模での温暖化防止に積極的に取り組むと、こういう考え方をもとに低炭素社会実行計画を計画してまいりました。ライフサイクル的視点によるCO2排出削減でございますけども、重点取り組みとしましては、図の中の黒丸にありますとおり、生産プロセスのエネルギー効率改善及び排出抑制、それからもう一つの黒丸の製品・サービスによる排出抑制貢献、この二つが大きな目玉となります。
3ページ目をご覧いただければと思います。生産プロセスの目標につきましては、業界、参加企業等の共通目標といたしまして、2020年に向け、エネルギー原単位改善率年平均1%、これを共通目標とさせていただいてございます。グラフにありますとおり、2012年を基準年度としまして、2020年に向けて7.73%以上を改善するというのが目標の達成値でございます。目標達成のコミットメントでございますが、参加企業は、あらかじめ、「2020年に向けて、エネルギー原単位改善率年平均1%」の目標達成へのコミットメントを宣言して参加、こういうことになります。万一業界が目標未達成の場合につきましては、未達成企業が経済的手法などの活用により清算を行うと、これが大きな目玉でございます。
目標の背景につきましては、4ページ目をご覧いただければと思います。自主行動計画に基づく省エネ努力の継続によりまして、実質生産高エネルギー原単位につきましては、90年度比、2011年度までに40%改善してございます。ただ、原単位改善は、5年ごとに評価いたしますと、直近の5年間では、ほぼ1%ということでの改善にとどまっているというのが実情でございます。
続きまして、5ページ目をご覧いただければと思います。生産プロセスの省エネ努力でございますけども、国際競争下の厳しい経済状況においても、着実に省エネ努力を我々としては継続しております。1997年度より自主行動計画を策定しまして、年間約300億円規模の省エネ投資を継続してございます。2011年度単年では240億の投資で、そこに書いてございますように約30万トンの削減をしてございますが、CO21t当たりは約8万円かかっていると、こういう状況でございます。
次、6ページになりますが、日本の電機・電子業界は今どういうポジションにあるかというのを説明したいと思います。生産効率は既にトップクラスで、ここからさらに向上を目指すわけなんですが、デバイスや家電製品につきましては、そのグラフにございますように海外企業に比べてトップクラスにあるということがわかるかと思います。
次、7ページ目に移ります。二つ目の目玉でございます製品・サービスによる排出抑制貢献につきましては、、排出抑制貢献量の算定方法の確立と、毎年度の業界全体の実績を公表してまいります。業界としましては、目標値は設定はいたしませんが、毎年度の実績を公表してまいります。一番下にございますとおり、電機・電子製品のライフサイクル温室効果ガス排出量算定方法(論)につきましては、IECにて開発、あるいは開発しているということでございます。
次、8ページにつきましては、これは国際貢献の推進でございますけども、国際貢献につきましても、国際標準化と新たな削減制度への協力によるグローバル貢献をしてまいります。
最後になります。9ページでございますが、革新的技術の開発でございますが、革新的技術開発によるグローバル温室効果ガス排出量削減に、業界として積極的に取り組んでまいりたいと思います。
以上でございます。

浅野部会長
小野寺議長、どうもありがとうございました。
それでは、セメント協会の髙橋生産・環境部門統括リーダーから、資料7に基づいて、セメント業界の取組についてのご説明をいただきます。

セメント協会生産・環境部門統括リーダー
セメント協会でございます。それでは、資料No.7に基づきまして、セメント業界の取組についてご説明をいたします。
まず、めくっていただきまして2ページをご覧ください。こちらの左のほうの図は、セメント産業の生産量を示してございます。96年度をピークにいたしまして、減少傾向が続いておりまして、ピーク時の約6割ということの産業でございます。それから、低炭素社会実行計画の参加企業でございますが、エコセメント、白色セメントを除くセメント会社、17社が全部参加ということで、カバー率は99.65%となっております。
次に、3ページをご覧ください。低炭素社会実行計画のご説明の前に、まず自主行動計画についてご説明をいたします。セメント業界の目標でございますが、2008年から12年度におきますセメント製造用エネルギーの原単位の平均を、90年度比3.8%低減という目標を掲げておりました。結果として下に書いてございます2008~12年度の平均は、3,428MJ/t-セメントということで、4.4%の削減ということで目標を達成いたしました。
次に、4ページをご覧ください。こちらが低炭素社会実行計画でございます。自主行動計画に引き続きまして、低炭素社会実行計画を策定したということで、活動期間が13年度~20年度となります。それで、経団連様のほうで四本柱と捉えていますが、その柱に沿って計画を立ててございます。
1番目が国内の事業活動における2020年度の削減目標ということで、セメント製造用エネルギーを削減いたします。それから2番目、主体間の連携の強化ということで、二つ挙げてございますが、「コンクリート舗装における重量車の燃費の向上」によるCO2の削減と、それから循環型社会構築への貢献というものを挙げてございます。それから3番目、国際貢献の推進というもので、日本のセメント製造用エネルギーの使用状況、それから省エネ技術(設備)の導入状況、エネルギー代替廃棄物の使用状況などを情報発信するということを掲げてございます。
5ページをご覧ください。まず、セメント製造エネルギーの削減でございますが、省エネ設備の普及、それからエネルギー代替廃棄物の使用拡大によりまして、セメント製造エネルギーを2010年度比で原油換算として5.6万kl削減するということでございます。ただし、この削減量は2020年度の生産量見通しを5,621万tとし、BAUを前提としてございます。
次、6ページをご覧ください。こちらのほうにこの省エネ技術の具体的なものの例示を挙げてございます。三つ挙げてございますが、一つが排熱発電ということで、できる限り排出される熱を有効に使おうというための発電でございます。そのほかエアビームクーラー、それから竪型石炭ミルの導入等によりまして、エネルギーを削減していこうと。普及率のところでございますが、2010年度の実績に対して、2020年度の見通しを書いてございます。例えば排熱発電でございますと、今、10年度実績60が20年度は68%というような見通しを立ててございます。
次、7ページをご覧ください。こちらはセメント製造におけますエネルギー代替廃棄物の使用状況を図に示してございます。こちらの使用拡大を続けて行っていくというものでございまして、製造工程並びに自家発電におきましても黄色いバーが伸びており、エネルギー代替廃棄物の使用拡大が進んでおります。これを続けて推進していくということにしてございます。
次、8ページをご覧ください。こちらは主体間連携の強化ということで、1番目といたしまして、コンクリート舗装におけます重量車の燃費の向上によるCO2の削減を目指しております。車の転がり抵抗の差によりまして、同一距離走行時の燃料消費量が変化するということで、アスファルトを100とした場合には、コンクリート舗装では95.4~99.2ということになりまして、1台当たりの削減量は少のうございますが、舗装面の材質を変えることで継続的に削減が可能と考えております。
次に、9ページをご覧ください。こちらは循環型社会構築への貢献ということで、セメント業界におけます産業廃棄物等の活用量の推移を示してございます。黒丸がセメント1t当たりの使用料でございまして、2012年度は原単位といたしまして481kgでございます。これをますます進めていくというものでございます。
10ページでございますが、こちらはそのような業界の産廃の使用によりまして、最終処分場が延命化するというものを示してございます。かなりの量、処理しておりますので、それが延命化につながっているというものを示してございます。
最後でございますが、11ページでございます。国際貢献の促進ということで、具体的な海外への進出というものはございません。日本のセメント産業におけますエネルギー関連の使用状況、それから省エネの導入状況、代替廃棄物の使用状況、それから廃棄物関連、今ご説明した利用状況を、セメント協会のホームページとか国際的なパートナーシップに参画することによって、その情報を積極的に発信していきたいと。その結果として、国際的にセメント製造業のエネルギーの削減、それから循環型社会の構築に寄与するものであると考えております。
以上でございます。

浅野部会長
高橋部門統括リーダー、どうもありがとうございました。
それでは、以上で本日予定しておりますご報告、ご発表は終わりました。この後、皆様方からご発言をいただきたいと思いますが、現在手元の時計では、予定をもう既に10分強超過しております。議論の時間をあまり短くはしたくないと思いますので、本日の終了12時ということになっておりますが、今延びました時間をプラスして、とりあえず12時10分終了ということにさせていただきたいと思います。本日は産構審側からご発言いただきますので、特に中環審の委員の先生で12時には帰らなくてはいけないという方がいらっしゃいましたらお申し出ください。
ご発言ご希望の方は、お手元の札を毎回どおりお立ていただいて、指名に従って順次ご発言をいただきたいと思います。それから、事務局、関係省庁、今日ご報告いただいた業界に対するご質問については、会合の終わりにまとめてご回答をいただくということにさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、今日は私が司会役ですから産構審の委員の方からご発言いただきますので、どうぞ産構審の方は、ご発言予定でかまいませんので早目に名札をお立てください。よろしいでしょうか。
では、秋元委員、石田委員、それから内山委員、この順番でご発言をお願いいたします。

秋元委員
どうもありがとうございます。たくさんあるんですけども、ちょっと時間がないので、幾つかだけ申し上げたいと思います。
まず資料1なんですけども、いろいろ対策が書かれていて非常にいいかと思うんですけども、特に、例えば交通流対策とかまちづくりに関係したような形の三位一体と書かれていますけども、そういう対策というのは非常に重要だと思いますし、何か単独の技術だけではなくて、システム化して対策をとっていくということは非常に重要なことだと考えていますので、こういう対策をぜひ積極的に進めていただければというふうに思います。
ただ、この資料を見たときに、その後の話でほとんど数値目標みたいな話がなくて、どれぐらいこれで貢献できるというふうに見込まれているのかとか、もしくはCO2の排出削減の数値が難しいとしても、例えばロードマップ的にスケジュールぐらいがあってもいいような気がするんですけども、ここは何か総論的な話ばかりで、スケジュール感も何もないので、もうちょっとそういうスケジュールも含めて、具体的にどういうタイミングでどういう形でどれぐらい貢献していくのかと、あとはさらに国際的にどう売っていくのかという話もあると思いますけども、そういうことを含めて、もう少しロードマップとか、あともし可能であればCO2の削減の推計みたいなものも含めて報告いただければというふうに思いました。
続いて、資料2のところで、経団連さんの低炭素社会実行計画ということで紹介がありまして、非常に私はこれまでの自主行動にしても、こういうふうなボトムアップの取組というのは非常に重要だと思っていまして、こういうやり方じゃないと削減につながらないというふうに思っています。いずれにしても、強い産業、強い経済をつくらないと、やはりそこから新しい省エネ投資とか、低炭素技術への投資というものがつながらないと思いますので、そしてそれを国際的に展開することによってCO2を大きく世界で削減していくということが非常に重要なわけで、いかに日本の製造業がさらに強くなって省エネを進めていくのかということが重要で、それに資するような対応というものが一番重要であると考えます。
そういう中で、今回も低炭素社会実行計画ということで新しくBATを取っていくんだという方向で非常にいいと思うんで、それを積極的にやってほしいと思います。ただ、ちょっと懸念事項としては、参加業種が自主行動に比べて今のところ減っているという状況だと思います。カバー率は変わらないというご報告になっていましたけども、ただ参加企業は今のところ減っているということで、やはりPDCAサイクルをしっかり回していくことが重要ですので、削減目標の数値が小さい、仮にこれ以上なかなか削減できないということで、数値が小さいとしても、積極的に参加してそれをちゃんとテーブルにのせるような形で回していくということが重要だと思いますので、その辺をぜひ進めていただければと思います。
以上です。

石田委員
よろしいでしょうか、石田でございます。
私、資料1に関してだけでございます。今、秋元委員がおっしゃったように、目標値とかシステム化、パッケージ化というのは大事だと思います。そういう観点から、村上先生おられますけれども、環境モデル都市とか未来都市の成果を、ぜひ積極的に盛り込むようなことをお考えいただきたいというのが1点目でございます。
2番目は、この中であまり強調されていないんですけれども、モビリティマネジメントでございます。モビリティマネジメントは、公共交通を使うと健康とかダイエットとか、もちろん地球環境にもいいと、あるいは子どもの教育上もいいというふうなことが、エビデンスがいろいろそろっておって、それをコミュニケーションをして自発的に変えていただこうと。日本でも小規模なんですけども、結構実例がありまして、メタ分析しますと、コミュニケーションの対象者では、2割ぐらいのCO2の削減が交通行動から認められているというようなこともございますので、そういうことを強調していただければと思います。去年の6月の中環審の地球環境部会の原案には、ソフト施策、モビリティマネジメント等を継続的に実施すると書いてあるんですけど、もっと積極的に拡大して実施するというような表現に改めていただければありがたいと思います。
3番目と4番目は個別でございます。資料1の6ページの右側に、自転車道の写真が載っております。こういう立派なものをつくるのはいいんですけども、残念ながら今現状は、こういうのの平均の区間長が1キロ弱しかできていないんです。1キロ弱の自転車レーンができても、自転車の使用環境というのはなかなかよくなりませんので、ネットワークとして広げる努力というのは必要であろうと。
多分方法はあろうかと思いますが、よくお考えいただきたいということと、最後はちょっととっぴなんですけども、9ページの空港の中の話が書いてございます。私かねがね空港のエアサイドにある車両、たくさんあるんですけれども、これ全部EV化できないかというようなことを思っております。ほとんどの時間、止まっておりますし、別に軽くなくたっていいわけですから、鉛蓄電池なんか随分使うと安くできるんだろうと。当然のことながら航空会社さんと連携が要りますけれども、インフラの整備というのはできるわけで、そういうことであの空港は全部EVだということです。特に成田とか羽田でやっていただくと、国際的な発信力というのは相当期待できますので、ぜひそういうこともお考えいただければと思いました。長くなりました。すみません。

浅野部会長
ありがとうございました。では、内山委員、どうぞ。

内山です。全体的な視点からコメントさせていただきます。
1997年に開始されました経団連の自主行動計画は、当初自主行動でなく、規制として協定すべきという批判がありました。以降、第三者評価委員会が設置され、チェック・アンド・レビューが行われてきております。私もメンバーとして参加してきましたが、この間各業界は自主的に削減に向けて積極的に努力してきております。その結果、2011年度の産業エネルギー転換分のCO2排出量は4億5,426万トンと、1990年度比で10.1%も減少しました。第1約束期間の削減目標でありました1990年度レベル以下も達成できる見通しとなっています。
この結果は協定でなく、自主行動で対策が十分に機能したということを実証したと言えます。詳しくは毎年出されています第三者評価委員会報告書をご覧いただければと思います。
今後は、低炭素社会実行計画として自主行動計画の優れた点を継承し、進化させる方針が打ち出されております。政府が温暖化対策を策定するに当たっては、我が国産業界の温暖化対策の柱として、低炭素社会実行計画が位置づけられることを望みます。
今後期待する点としまして、製造プロセスのさらなる効率改善だけでなく、民生や運輸部門の製品であるプロダクトの効率改善に産業界が積極的に貢献していくことが必要かと思っております。同時に政府としての支援をお願いします。
もう1点、海外での企業活動についてお願いがあります。国内でのより優れた温暖化対策技術の開発は重要であることは言うまでもありません。しかし、技術の市場の大きさを考えますと、新興国や途上国への技術移転はますます重要になってまいります。その際、大切なことは彼らのニーズ、すなわち低コスト、環境汚染防止に応える必要があります。新興国や途上国ではCO2削減よりも大気汚染や水質汚染の改善のほうが重要な政策課題であります。今、日本車が海外で大きく市場を獲得しつつありますが、低燃費車だけでなく、PM2.5対策の技術移転も大切であります。
鉄鋼や化学工業の技術もCO2を抑制するだけでなく、SOXやNOX対策を、セメント業界でもばいじん対策を重視した技術移転を切に望みます。産業界の海外展開は急速に進む方向にあります。低炭素社会実行計画が単にCO2を削減するだけでなく、環境保全にも図れるようになることを望みます。進出する企業には総合的な視点から、新興国や途上国での環境対策を実行することを望みます。
以上です。

浅野部会長
ありがとうございました。
続いて、大橋委員、奥平委員、今日は代理でいらしています。それから亀山委員、この順番でお願いいたします。

大橋委員
日本商工会議所の環境・エネルギー委員会の委員長を務めております大橋でございます。今日は2件、簡単に意見として述べさせていただきたいと存じます。
一つは、本日の主たる議題であります低炭素社会実行計画についてでありますが、本日経団連を初めとする各業界団体から、産業界の取組説明のあった低炭素社会実行計画というのは、現時点では安倍内閣の方針、あるいは本合同会合の目的にも合致しておるものだというふうに考えております。したがいまして、地球規模、あるいはかつ、長期的視野でもって持続的に対応していかなければならない地球温暖化対策として、地に足のついた方向性と言えるのではないかというふうに思っております。政府におかれましては、ぜひ企業の主体的な取組を支援する方向で、地球温暖化対策を取りまとめていただければというふうに希望いたしております。
それから二つ目ですが、中小企業の省エネ対策の推進について、これはあまり述べられないんですけれども、私ども全国514の商工会議所を有しております日本商工会議所は、その加盟企業のほとんどが中小零細企業でございます。そういったところから、先ほどからお話が出ています大企業と少し違った様相でございまして、大規模な、あるいは多額の設備投資だとか、あるいは人材投資、人的投資というのは極めて厳しい状況にあるというのは、皆さんご存じのとおりでございます。
しかし、どのような中小企業も地球温暖化対策については非常に高い問題意識を有しておりまして、したがいまして、商工会議所としましては、例えば省エネ診断の実施だとか、政府団体各種補助金を得るための支援事業だとか、あるいは節電への取組を支援するセミナーの開催だとか、そういった地道な活動を通じまして、省エネ、あるいは温暖化対策に取り組んでまいりました。まだ商工会議所の全国調査から見ますと、過去の数値目標の節電要請が出た際、ございましたけれども、その時点でこれに応えるべく、人件費を含むコストを顧みず、作業を例えば夜間、あるいは休日にシフトして、生産を確保するというような中小企業が非常にたくさんございました。したがいまして、政府におかれましては、できるだけ早い時期に安価で安定した電力の供給体制を確保した上で、中小企業も能動的な温暖化対策へ取り組めるような支援策を、ぜひお願いしたいというのが私の望みであります。
以上でございます。よろしくお願いいたします。

浅野部会長
ありがとうございました。
圓山代理、どうぞ。

圓山氏(奥平委員代理)
それでは、自動車産業の低炭素化の取組について、簡単にお話ししたいと思います。
一つ目は、運輸部門に関してですけれども、自動車の低炭素化に関しましては単体対策ではなくて、統合的なアプローチが重要だというふうに考えております。具体的には交通流制御、特に渋滞の緩和、それからエコドライブというふうに考えています。
それから2点目ですけれども、車と公共交通の組み合わせというのをちゃんと考えていかなきゃいけないと思いますけれども、これは用途に応じまして、さまざまな交通手段がさまざまな形態で最適化できるベストモーダルミックスというものを考える必要があると思います。車は都市部ではEVとかPHVが役割を果たします。郊外ではICEが、あるいは長距離ではFCV等、新たな技術がどんどん膨らんでいきますけれども、都市市街との公共交通とシームレスで連動するような形が望ましいと考えています。
また、自動車に搭載しています蓄電池ですけれども、これは二つの貢献が可能でありまして、一つは再生可能エネルギーの変動を吸収するということ、もう一つは災害時にバックアップとして機能すると、こういうことで、移動型の低炭素社会システムの一部として公共的な役割が発揮できるということで、ここについては産官学で革新的な技術開発が進んでいるところであります。こうしたことで、社会全体のエネルギー投資をミニマムにできるというふうにも考えています。
3点目ですが、国際貢献ということですけれども、日本の自動車の施策が幾つかありますが、燃費排気規制、あるいは革新的技術を普及させるインセンティブ、あるいは登録車検、リサイクル等のパッケージ、こうしたものを途上国に展開することで、非常に大きな炭素削減が世界的に期待できると考えておりますので、政府におかれましても検討をぜひお願いをしたいと思います。
最後に、産業部門に関してですけれども、車の製造時のCO2といいますのは、車で見ますと全体の2割と少なくて、日本全体では1%ですけれども、省エネ設備の導入等で順次削減をしています。京都議定書第1約束期間の目標はもう達成できる見込みであります。今後も継続して最大限のBest Available Technologyを導入しまして、低炭素化を進めていくということであります。
以上です。

浅野部会長
ありがとうございました。では、亀山委員、どうぞ。

亀山委員
国の政策の委員として、幾つか携わっている者として、政策に関して三つ申し上げたいと思います。
一つは、今回の発表にもありましたように、いろんな省庁が進めている省エネルギーを、やはり国として大きな省エネルギープログラムとして位置づけて、国策としてやるという姿勢をもう少し明確に示したほうがいいんではないかと思います。
それから、二つ目はやはり長期的な省エネについては、社会インフラの整備が伴いますので、省庁を超えた連携での省エネプログラムを立案していただければと思います。直近で言えば、今回経産省と文部科学省が進めましたエネルギー・キャリア・プログラムが初めての省庁連携でのプログラムと伺っております。
それから三つ目は、今回の省エネの実績を見てみますと、さらに省エネができるかどうかという、ちょっと危惧もあるんですが、実際には日本の技術ポテンシャルは非常に高いので、現場の人たちがもっとやる気を起こすようなムード、例えば省エネ大賞においては、賞を与えるだけではなくて、省エネの発表会をもっと国内的にいろんな各地でやれるような予算措置をして、省エネムードを技術者個々に高めるような政策をしていただければよろしいかと思います。
以上です。

浅野部会長
ありがとうございました。
橘川委員、それから崎田委員、佐久間委員、この順番でお願いいたします。
橘川委員、どうぞ。

橘川委員
ありがとうございます。二つ申し上げたいと思います。
低炭素社会実行計画なんですけども、経団連の方が自主行動で原単位が非常によかったと話されたんですけども、何か目標を聞いていると割と原単位が減って、総量系が増えたかなという感じがしちゃうんです。その後で電機・電子の資料6の1ページを見て、何かすとんと落ちた気がするんですけども、どうもこれから国内で生産が増えそうなところは原単位で行き、生産が減りそうなところは総量系のことを言っているんじゃないかと、こういうふうに思うんです。そうすると、一生懸命努力されているんですけど、何となく取り組みやすいほうを目標にしているようなイメージなので、私は何か全業界とも総量系と原単位系の両方の目標を持ったほうが説得力は高まるんじゃないかと、こういうふうに思いました。それが1点です。
それから2点目は、自主行動計画というのはやっぱりそれ自体が世界に対して誇れるものですし、トップランナーだとかセクター別アプローチだとかLCAだとか、事実上日本初の地球温暖化対策を生み出していったと思うんですけども、全部わかりにくいんです。これを何か文章で書こうとするときに、必ずセクター別アプローチとはとかというの、毎回毎回書かなきゃいけないところがありまして、そういう意味で言うとわかりやすくアピールするというのが大事だと思うんです。経団連が言われている主体間連携とか国際貢献というのは非常にわかるんですけど、まだちょっと曖昧だと思うんです。
そういう意味で、例えば鉄鋼から示されましたエコプロセス、エコソリューション、エコプロダクト、例えばこういう言い方なんかは一つのアイデアかと思いますので、低炭素社会ではキャッチフレーズをわかりやすくするかということを考えていただきたいと、こういうふうに思います。
以上です。

浅野部会長
ありがとうございました。
崎田委員、どうぞ。

崎田委員
ありがとうございます。国土交通省の資料と、あと経団連の皆さんに一つずつコメント、あるいは質問をさせていただきたいというふうに思っています。
私は国交省の温暖化対策の委員会にも入っておりまして、発言を普段させていただいておりますので、一つだけここで申し上げたいですが、交通技術とシステムとまちづくりと、きちんと点と線と面をつないで、しっかりと効果を上げていくという方針はできていて、私は大変進んできていると思うんですが、問題なのはそういう先進的な取組をどう全国に定着させるかというところだと感じています。
できればこういう発表のときに、こういう先進的な取組とか、そういうものを全国に定着させるためにどういうような、例えば税制とかいろいろな意味での政策を打っているのか、あるいは打とうとしているのか、そういうようなことまで入れていただくと様子が見えてくるのかなというふうに思っています。そういうことを総合化して、できれば2020年に削減ポテンシャルが全国でどのぐらいあるか、どういうことを目標にしているのか、そのくらい堂々と言い切っていただけると大変うれしいと思います。それで、先ほどの国交省さんへの質問としては、そういうポテンシャル、少し数字的なものは出ないのかということを質問させていただきたいと思います。
経団連の皆さんの発表も、各業界非常にしっかりと目標設定して取り組んでおられるというのは大変すばらしいと思って伺っていたんですけれども、やはりぜひ、今それぞれの業界は2020年目標とか、掲げていらしたりしていますけれども、そういうのを総合化して経団連として産業界全体で、2012年までは統一目標が90年比プラスマイナスゼロということが出ていますが、じゃあ2020年の統一目標としてどのくらいが目指せるのか、どういうふうに今お考えかというのを、ぜひ、せっかく日本の将来目標をどういうふうに立てたらいいのかということを検討している場ですので、皆さんのほうからそういう意思表示、あるいは決意表明、あるいは目標値とか、ご意見を言っていただければありがたいというふうに思っています。どうぞよろしくお願いします。

浅野部会長
ありがとうございました。
佐久間委員、どうぞお願いいたします。

佐久間委員
経団連自主行動計画におつき合いさせていただいた者として、一言コメントさせていただきたいと思います。
この10年間、自主行動計画に参画された企業の方々、大変な
努力をされたということは、よく承知しております。その結果が、各部門が国際的に見て最高のエネルギー効率を達成されたことだと思っていまして、関係の方々のご尽力のたまものだというふうに理解しております。その一方で、環境問題が起きてから日本の産業界は国際的な場で公平な競争ができなくなっているということを大変心配しております。科学技術立国ということを国策として掲げながら、このことが将来足かせにならないかということを個人的には懸念いたしております。
こういった問題を克服するためには、環境問題で世界各国が足並みをそろえなければ意味がありません。各国の足並みを揃えることは大変難しい問題で、実現が困難かもしれませんが、日本がその方向に向かって努力することが重要と考えます。関係省庁の方々のご尽力をお願いしたいと思います。環境問題で各国が足並みを揃えることが、恐らく産業界という目で見ても、公平な競争ができる環境が整うことになるんだろうというふうに理解をしております。
以上であります。

浅野部会長
ありがとうございました。
それでは、次は杉山委員、辰巳委員、豊田委員、この順番でお願いいたします。

杉山委員
参考2として委員からの意見を書かせていただいておりますので、大体これに沿ってお話ししますけれども、時間がありませんので、ごくかいつまんでお話をします。
自主的取組については、海外の人と話すときによく誤解を受けるのが、自主的取組しかやっていないのではないかという言い方をされることです。そうではなくて、日本政府は行政としてはもうやるべきことはかなりのレベルまでやってしまっているので、それを補完するものとして自主的取組があるという、理論的な仕分けが私は大事だと思っています。わかりやすいキャッチフレーズも、もちろん大事と思いますけども、理論的な仕分けということについてちょっとお話ししたいと思います。
温暖化対策として政府のするべきことというのは、大きく三つに分けるというふうに考えられて、一つがエネルギー価格を適正にすること、二つ目がそのエネルギー価格のもとでの合理的な企業活動を促進すること、三つ目は技術開発の支援ということであります。このうちのエネルギー価格の適正化というところについては、佐久間先生からお話もありましたけれども、日本の競争相手というのは補助金などで意図的にエネルギー価格を下げているようなところも多うございますので、日本ではこれは極めて今慎重に考える必要がある。
2番目の、所与のエネルギー価格のもとでの合理的活動の促進というところですが、これはまさに省エネルギー法が実践してきたところでして、経団連様からのご説明でPDCAのサイクルがありましたけれども、あれを各工場、各企業で回すというのが省エネルギー法の基本精神だと理解しています。
自主的取組が大事なのは、各工場、各企業の中でのPDCAの取組を省エネルギー法で推進することは結構だが、それだけではまだなおかつ手が届き切らなかったところとして、業界団体という制度的インフラを利用して、企業間の情報交換を促進し、共通の目標を持って取り組むと、そういったことを促進した点にあった。商工会議の大橋先生からのご説明もありましたけれども、中小企業の取組もそういった中で促進されてきた。ここに自主的取組というものの理論的な位置づけ、意義を見ることができます。
今ちょっと心配されるのは、温暖化対策を強化しようというときに、省エネルギー法のもともとの基本的精神、経済合理的な活動を促進するというところを逸脱して、企業活動を制約するような形で大きなコストを科すような形で、規制がもし入ってくるとすれば、それは費用対効果の悪い温暖化対策になるということを、少し危惧しています。
政府の三つ目の役割として、技術開発の促進ということがありますけれども、これはなぜ政府が出なければいけないかというと、革新的な技術開発というのは費用がかかり、失敗のリスクもあるので、一民間企業の努力だけでは、社会で望ましいレベルまで技術開発投資がなされないためです。その一方で、そういった技術が一度できると、実はその便益というのは社会全体に広く行き渡るので、だからこそ政府が支援するわけです。というわけで、研究開発・実証・普及と、そういった段階のうちで、研究開発と実証段階には政府が支援することが望ましくて、かつこれは技術立国の日本にふさわしい、また世界への貢献としてもいい役割だと思います。
その一方で、技術開発には不確実性がつきものなので、政府がどのように後押ししても失敗するものは失敗するという現実があります。そして、もし大量に普及する段階に至ってもコスト競争力がないようであれば、それに対する補助というものはどこかで打ち切らなければいけない。こういった、撤退するということも、大事だと考えます。あまりコスト競争力のない技術に大量の補助をつけ続けますと、1兆円、2兆円といったお金になってしまいますので、そういったことは経済全体としては非常に非効率です。
うまく政府の施策と、それから自主的な取組というものが相互補完的になっていくこと、そして、その理論的な位置づけをいま一度はっきりさせておくことが、大事だと私は考えております。
以上です。

浅野部会長
ありがとうございました。
では、辰巳委員、どうぞ。

辰巳委員
ありがとうございます。国土交通省さんに二つ、それから経団連さんに二つ、それから電機・電子業界さんに一つということで、簡単に説明しますが、まず国土交通省さんですけれども、ご説明いただいた中で、私としてはちょっと船のことが印象に残ったんですけれども、非常に今、食料品の自給率が4割と、かなりの輸入に頼っているわけなんですけれども、また魚類なんかも船がないと私たちが入手できないわけですけども、そういう類の視点で船のCO2削減というのがなされているのか。つまり、運ぶ海運のCO2削減、それから漁船のCO2削減とか、もしそういうことがあるならば、そういうものを商品とともに私たちに情報提供していただいて、私たちの日常の選択につながるというふうなことがすごく重要だというふうに思っておりますので、そういう意味での情報がまだ不足しているんじゃないかなというふうに思っております。
それからもう一つなんですけれども、ごく最近リニア新幹線の経路が発表されて、結構話題になっておりましたけれども、先ほど杉山委員もコストのお話をなさったんですけれども、運輸部門で強力に省エネ化を進めるということを発表されている中で、現在の新幹線の数倍のエネルギーが必要になると言われている、そういう新しい開発というものをどのように位置づけられておられるのかなということを、結構先のお話でしょうけど、2020何年かの開通とかいうお話ですけれども、今の国として運輸で省エネを図るということとの位置づけですね、よろしくご説明いただきたいと思います。
それから、経団連さんのお話ですけれども、先ほども国土交通省で消費者とのつながりという点で申し上げたんですけれども、今回も、今までもそのように伺っておりますけれども、一応ちゃんと12ページや14ページでは消費者にちゃんと情報を伝えるんだというふうなことで位置づけてくださっている、その情報提供という意味で。それで、すごくいい具体例があったりすれば各業界団体さんも、こういうふうにすればいいのかと思っていますので、そういう具体例を紹介してほしいということで、じゃあ経団連さんそれ一つ。
それから、あと電機・電子業界さんに、最後にすごく印象に残って、1トンCO2を削減するのに8万円の投資が要るというお話があったもので、今、家電等が非常に安価になっているんですけれども、そういう金額というのはどういうふうに回収されようとしているのかというのがちょっと知りたいなと思いました。
以上です。すみません。

浅野部会長
ありがとうございました。では、豊田委員、どうぞ。

豊田委員
ありがとうございます。日本エネルギー経済研究所の豊田でございます。2点だけ申し上げたいと思います。
一つは、産業と運輸と民生というふうに考えたときのエネルギー消費削減努力のバランスのお話です。今日は民生のお話がなかったんですけれども、産業についてはいろいろご説明いただいたように世界トップクラスの水準まで来ているわけで、さらに努力をしていただきたいと思いますけれども、無理な努力を求めると工場の移転というようなことになってしまうので、努力には限度があるということも認識をしておいたほうが良いと思います。
そういう観点から鉄鋼業界のご説明、大変興味深く伺いました。エコプロダクト、エコプロセス、エコソリューションというふうに分けたときに、エコプロセスにおいてはどこか限度があるが、エコプロダクトみたいなものはどんどんやっていただければいいし、エコソリューションも海外の視点を入れて進めていくという発想は、非常に重要ではないかというふうに思います。これが1点です。
それから二つ目は、今のお話に関連して運輸についてです。運輸はまさにエコプロダクトという観点から物すごく努力をしていただいていて、世界最高水準だと思いますが、これはもっとどんどんやっていくことが国際競争力の強化につながるので、それはよろしいかと思います。むしろ今日も国土交通省さんの説明に少しございましたが、利用の面においては、世界のBest Practiceと比べて、努力の余地がある。例えば都市部に自動車が入っていくときの課徴金というような発想です。運輸の面においては、エコプロダクトという発想に加えて、むしろ利用者の努力を促していくような仕組みを、さらに工夫をしていただく必要があると思います。
以上です。

浅野部会長
ありがとうございました。それでは、松橋委員、松尾委員、米本委員、ここで産構審が終わりますので、その後、中環審の委員がほとんど全員手を挙げておりますから、時間の配分へのご配慮をどうぞよろしくお願いいたします。

松橋委員
それでは、時間がないようですので、3点申し上げます。
運輸部門のご発表について、特に燃費が非常に上がっているという、これ省エネ法トップランナー基準の成功例だと思っておりまして、世界に誇れるものだと思います。ただ、先ほどいろいろなご指摘がありましたように、その他のものについてなかなか数字が出てこないと。特に私が1点ぜひご検討いただきたいのは、モーダルシフトです。これは自動車のほうから鉄道ですとか海運へのシフト、これを促すためにコンテナの統一ですとか、そういうことをされているということですが、実態としてはなかなか進んでいないんではないかというふうに想像されます。そこで、こういうもののモーダルシフトのモデル事業のようなことをぜひご検討いただいて、もう少し国として強力にプッシュするようなことをしていただければありがたいと思っております。
それから、トラック輸送に関しまして、先ほど途上国の大都市でPMの問題があって、非常に大気が悪いということがあります。東京は途上国や先進国の大都市と比べると、空気がきれいであるということは言えると思いますが、それでも高いビルから遠くを眺めますと、少し茶色いものが下のほうに見えると。これはやっぱり東京といえどもPMということがないわけではなくて、ぜひ2020年のオリンピックに向けまして、さらにPM対策ということもCO2とあわせてやっていただきたいと。それは恐らく運輸、トラックとか大型の車が多いのではないかなと想像いたしますので、ぜひご検討いただければと思います。
それから原単位の問題、経団連、それから鉄鋼業界、化学工業協会のほうから原単位のお話を伺いまして、大変日本の製造業、原単位は優れておりますし、さらに目標を定めて低炭素社会実行計画も含めて進めていかれると、非常に心強いところでございます。絶対量との関係があるわけですが、一つ鉄鋼業で見たときに、きちんと感度分析をされて、鉄鋼の生産量2020年において1,000万トン増えた場合、1,000万トン減った場合ということで、CO2を算出されておられますが、その差が2,500万トンぐらいあって、日本全体のCO2の2%ぐらいに上るんです。非常に大きい量である。
すなわちこれが単一の業界ではあるんですけれども、もちろん景気の変動も受けます。それから外需が6割ですから、海外の国際的な景気の変動を受けて、日本の鉄鋼生産量が変動しまして、それに伴って日本のCO2がそれだけで2%ぐらい増えたり減ったりするというわけでございます。これらのことから、私はやはり理想論としては総量で日本の総量をやるというよりも、もう少し鉄鋼業は世界の鉄鋼業の中で削減を検討するほうが効率的だと思いますが、それが国際交渉上かなわないならば、原単位で目標設定をするのがまだしもいいのではないかと。
それから3点目、ライフサイクルの点で化学とか電機工業会、ライフサイクルでの削減量が非常に多い。ぜひこのLCAを考慮したファイナンスをやってほしい。JBICのJ-MRVでは既に製造のところでライフサイクルの削減量を考慮したファイナンスの仕組みができつつございます。こういったものは今後、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
以上です。

浅野部会長
ありがとうございました。松尾委員、どうぞ。

松尾委員
各産業が今まで省エネルギーに努力をして世界トップレベルにあると、さらなる努力目標として低炭素社会実行計画を立ててというのは非常に大事なことだと思います。しかし、各産業がもう世界トップレベルにあるので、削減のポテンシャルそのものは非常にあまりもうないということで、削減の効率という意味では非常に難しいレベルにあろうと思います。
ただ、逆に各産業からプロダクトにおけるポテンシャル、非常に大きなポテンシャルがあるよというご説明がありました。このポテンシャルというのは産業ごとにそれぞれ言われましたので、恐らくオーバーラップして重なっている部分がかなりあるんじゃないかなと思います。実際に、じゃあトータルとしてどれだけのポテンシャルがあるのか。そのポテンシャルを実際に削減していくためにはどうしたらいいんだと。その方法なり、あるいは施策なりというところの議論が必要じゃないかと。これは恐らく各産業の発展にもつながりますし、技術の進歩になって、さらなるポテンシャルを生み出すということにもなるんで、ぜひその辺の取組というところを要望したいというふうに思います。

浅野部会長
どうもありがとうございました。
米本委員、どうぞ。

米本委員
2点、簡単に意見を述べたいと思います。
日本の産業界が大変省エネ水準で高い、達成度も高いということはいいと思いますが、京都議定書の達成目標の評価に関して、リーマンショックの評価というのを別途計算というのか、それをどこかでまとめるようなことをしていただければなというふうに思いました。といいますのは、総量、それから原単位でそれぞれ業界がご努力されてまいりましたけれども、その不況にも関わらず、どの程度成果があったのかということも含めてリーマンショックの評価をしていただきたい。
それから、国際貢献でございますけれども、これは非常に相手国に対して、下手をすると内政干渉まがい、もしくはせいぜいいってパターナリスティックなサインを述べやすいわけで、そういう意味で日本は慎重に、しかしかなり腰を入れた戦略を、あるいはポリシーを考えないといけない。その点で、これはこういう理解でよろしいのかちょっと確認したいんですけども、鉄鋼業界さんのエコソリューションの具体例というのは、これは鉄鋼業界さんが技術開発されて、その後、特許が切れた後、中国で全面展開したというふうに解釈してよろしいんでしょうか。中国はウィンウィンなら協力すると言っておるので、これは非常にいい例になると思いますので、この解釈でよろしいのかどうか、後でご教示いただきたいと思います。

浅野部会長
それでは、中上委員、高村委員、大塚委員、この順番でご発言をお願いいたします。
当初12時10分までと申し上げましたが、回答をいただく時間が必要です。そこで、もう少し延ばさざるを得ないかなと思っていますが、中環審の委員の方でどうしても途中で帰らなければいけないという方は、お手をお挙げいただけませんか。
それでは、まず中上委員にご発言をお願いし、その後、大塚委員、河野委員。

中上委員
この3人は両方に属しているので、倍ぐらいしゃべれるのかと思ったんですが、そういうわけではないんですね。では簡単に。
今のお話とも関係するかもしれませんが、今後の国際交渉において、京都の時にはEUバブルという、EUはバブルで組んできたわけですけど、そういう戦略が日本としてはないんでしょうか、アジアバブルといった。そうすれば、今の2国間であるとか、内政干渉とかということと少し違った観点から議論ができるんじゃないかと思いますが、今の東南アジアの情勢からすると極めて難しいので、事務方としてはとてもやっていられないと思われるかもしれませんが、そういう発想だってあるのではないかということを一言。
それから、総量か原単位かというのは、これは最初から問題にありまして、これは90年をベースラインにしたものですから、私が担当しました部会ですと、コンビニは当時現在の三分の一程度の店舗数だったものが増えている訳です。これは総量でやった場合は増えるのが分かり切っているものですから、とても扱えないということで、原単位でやったようないきさつもあります。その辺は業界によって違うと思いますから、慎重に取り扱いをしていただいたほうがいいと思います。
もう1点は、自主行動計画の場合にはフォローアップを各部会でやったわけですけど、今回はそういう作業なしに、一回で終わりということなのでしょうか。あれはあれで結構それなりの緊張感があったし、そこで議論することによって情報交換ができたわけでありますけど、それが疑問だなと。ここのところ欠席しているものですから、その辺が分かりませんで、後で分かればお願いします。

浅野部会長
どうもありがとうございました。では、大塚委員。

大塚委員
幾つか意見を言わせていただきたいと思っておりますが、まず低炭素社会実行計画に関して経団連に対してでございますが、BATについて、何がBATかということに関して各業界について確認をしていく必要があると思いますし、一覧化するようなことを考えていくべきではないかということが一つございます。
それから二つ目に、先ほどご意見もありましたように、統一的な数値目標をぜひ出していただきたいということと、それから今計画を出していない業種に関して、早急に提出していただきたいということがございます。さらに、未達成の場合に埋め合わせをすることはおっしゃっていただいていて大変結構だと思いますが、具体的に何をしていただくかということを教えていただければありがたいということと、自主行動計画の場合に埋め合わせをしなかった業界もおありだったので、どういうふうに確立がされるかということをお伺いしたいということがございます。さらに、ダブルカウントの問題があり得ると思いますけども、鉄鋼のところで高機能の鋼材の話があって、これは自動車業界でもカウントされていると思いますので、大変いいことだと思いますけども、ダブルカウントをどうするかという問題があると思います。
それから、国交省に対してでございますが、エコカー減税の話をしていただきましたが、現在消費税の増額が2014年に組まれていますが、その時に自動車取得税を廃止するという可能性が結構高いわけですけども、それがあるとエコカー減税自体の基盤が一部なくなりますので、その辺についてどうお考えかということをお伺いしたいと思います。さらに、鉄鋼とセメント業界に対して、東京オリンピックに関しての考慮をなされているかということがありますので、もしそれで数字が変わってくるのであれば、精査していただきたい。
さらには、セメント業界に関して8ページですけども、これコンクリートに舗装していくということですけども、国交省にこれ伺いたいんですが、騒音の問題とか、あるいは車にとってコンクリート舗装で本当にいいのかということがあると思いますので、ぜひ教えていただきたいと思います。
以上です。

浅野部会長
どうもありがとうございました。河野委員、どうぞ。

河野委員
ありがとうございます。河野です。意見・要望1点と、質問1点あります。
意見・要望は、先ほど橘川先生からもご指摘がありましたが、今日ご発表のあったそれぞれの資料のところでも、原単位で目標を示しているところとともに、ざっくり言うと2020年BAUからこのくらいCO2総量が削減できると言っているところも、両方混ざっていたと思うんですが、鉄鋼、化学、製紙はCO2総量でこのぐらいというのも示されていたと思うんですが、電子・電機、セメントは明示していなかったと思うんですけれど、今後それぞれ、今日ご発表のあったところだけじゃなくて、やはり分かりやすいという意味で、原単位でこのくらいの目標を立てている。生産量がこのくらいになるというふうに想定すると、ほぼBAUから自分たちの業界ではこのくらいの削減ができると思うと、両方で示していただきたいと思います。それから国土交通省の運輸部門、これは業界でなくて役所ですけれども、これもどのくらいのCO2総量削減になるのかというのを示していただくのは当然のことで、それがないのは大変残念に思いました。
それが意見・要望で、それから質問は短く言うと、製紙業なんですが、森林吸収量このくらい、特に海外植林においてこうだとなっていますけれども、これは結局どういうふうにやろうと進めているのか、各企業ごとにやっているのか。それを今度このぐらい削減したと示すときに、大ざっぱうちの業界で見るとこうですよということだと、世界的にも裏づけがないわけで、国内だとJ-VER制度ってありますけれど、国際的に言うとそこのところは2国間クレジットであるとか、REDDであるとか、その辺の利用ということを考えたもののトータルがこれなのかという点がよく分からなかったので、ご回答をお願いしたいと思います。

浅野部会長
どうもありがとうございました。では、高村委員、和貝委員、村上委員、村井委員、この順番でお願いいたします。
では、高村委員、どうぞ。

高村委員
ありがとうございます。まず、時間が限られて報告も発言も限られておりますので、部会長を通じて事務局、団体、国交省にお願いですが、後日、技術的な点については質問、意見を書面で出させていただきたいと思っております。
大きな点だけ申し上げたいと思いますが、国交省に関しては、秋元委員、松橋委員と同じ意見でございます。実際の施策、想定される削減量、それをどのように今後決めていかれるのか、考えていかれるのかという点についてお尋ねしたいと思います。
産業部門に関しては、13年以降の政府の政策の柱にというご発言は、非常に心強く思っております。特にBATに基づく目標設定など、より良いものにしていこうというお気持ちが非常によく分かりました。今、エネルギーコストが上がっている中では、温暖化対策の中でも特に省エネの推進というのは、企業経営にとっても非常に重要な要素だと思っております。
その上で幾つかご質問でございますけれども、1点目は参加業種の問題、これは秋元委員のご質問と同じであります。二つ目が目標の妥当性と透明性という観点で、ぜひ二つのデータについては出していただけないかというお願いであります。一つは、経団連の資料の中にもありますように、BATに基づく目標設定ということですと、具体的にどのような技術をどういうタイミングで入れていくことで、この削減目標、あるいはポテンシャルの数字が出てきているのかという、その根拠を見せていただきたいというのが1点であります。
目標の妥当性、透明性の観点でもう一つお願いしたいのは、この間フォローアップ等を行っていってみますと、確かに業界平均の効率を見ていくと良いように見える、確かに良いところもあるわけですが、実際事業所単位、あるいは管理者単位で見てまいりますと、かなりばらつきがあるということも分かってきております。これは小売りなどでフロア面積ごとに出されてもそうしたデータがございますし、自治体の計画書制度を見て、丁寧に見られた研究者の研究でもばらつきの問題があります。これは非常に重要だと思いますのは、実際の削減ポテンシャルがどこにあるのか、これはBATに基づく目標設定とも関わるところですし、事業者間での公平性という観点からも非常に重要なデータであると思っております。そういう意味で、パワーアップされる行動計画の中で、この二つについてはぜひ提示をいただきたいと思っております。
最後に、中上委員と全く同じ意見でありますが、今回非常に丁寧に限られた時間でご説明をいただきました。言わせていただきたいのが、政府の施策として行うのであるとしますと、この議論はフォローアップのあり方の議論をきっちりしないといけないと思っています。とりわけこの間のフォローアップの中で、係数問題、今回の業界ごとにも取り扱いが異なるように思いますし、マクロフレームの妥当性は昨年も議論がありました。目標設定の仕方は橘川先生のご指摘ありました。あるいは、同様の業界、業種ごとの比較可能性という点は、事業者間の公平性の観点からも非常に重要だと思います。そういう意味で、政府の施策としてこれを行うときのフォローアップのあり方について、きちんと議論を行う会合時間を設けていただきたいということでございます。
以上です。

浅野部会長
ありがとうございました。和貝委員、どうぞ。

和貝委員
ありがとうございます。情報の開示ということで少しお話を差し上げたいと思いますけども、各産業界でそれぞれの単位でBAUレベルからの削減量ですとか、あるいは原単位とかを用いておられますけれども、これはなかなか分かりにくいように思います。国レベルで標準化、あるいは共通化された形で開示されるというのが一番よろしいんではないかと思います。それから、実績のみでなくて、例えば20年目標、50年目標ございますけれども、例えば向こう5年間、近い未来の目標値というような形で、それは毎年開示されていくというような形でやれば実効性があるのではないかと思います。あわせて、国民の理解も得られるのではないかと思います。
それから、情報の開示ということであれば、情報の信頼性の担保ということも必要だと思います。ですから、これについても国レベルで何らかの信頼性担保方法を共通化するということが必要ではないかと思います。
以上です。

浅野部会長
ありがとうございました。
村上委員、どうぞお願いします。

村上委員
ありがとうございます。一つだけ産業界の方にお願いしたいと思います。
いわゆる産業、民生、運輸の三つの部門で、産業部門がどんどん減っているけど、民生はどんどん増えていると。努力が足りないんじゃないかと、私どもよくお叱りを受けるわけでございます。
今日の産業部門のご努力、大変高く評価したいと思いますけども、よく見るとやはり僕の感じでは、あれは産業部門というよりも製造部門と言うべきではないかと。民生部門は二つに分けると、民生家庭と民生業務がございまして、民生業務というのはこれ産業活動、あるいは企業活動そのものでございまして、ですから産業というならば、現在の産業、これは製造部門と民生業務、これをトータルして削減を示すと、そういう方向で今後の方向を示していただければありがたいと思います。
以上でございます。

浅野部会長
ありがとうございました。次に、村井委員、どうぞ。

村井委員
ありがとうございます。1点だけお願いしたいと思います。
経団連でBATの話がありましたし、また製紙連合会、セメント協会でも、あるいは製紙連合会がBPTというような、Practiceという、Availableじゃなく、そういう表現をされておりますけども、これからの削減の一つの伝家の宝刀のような表現がされているように思っております。その割に、すみません、私だけかも分かりませんが、BAT、BPTって何だろうかということがよく見えないので、できましたら例示というか、現在利用可能な技術は何ぞやと。あるいは、これからというのがあるかもしれませんが、少なくとも現段階で利用できるような技術をお示しいただければ非常にありがたいなと思っております。ありがとうございました。

浅野部会長
ありがとうございました。
それでは、藤井委員、原澤委員、長谷川委員、長辻委員、冨田委員、大聖委員、住委員と合計7名いらっしゃいます。残りの時間20分です。どうぞよろしくお願いいたします。

藤井委員
ありがとうございます。手短に。
各主要業界の数値を見させていただきましたが、率直に言って残念です。2020年の生産見通しについて皆さん出されているんですけれども、いずれも課題ですね。鉄鋼業1億2,000万トンとなっていますが、本当でしょうか。実態を見れば1億2,000万トンを満たした年というのは、直近で見れば1年間、2007年しかないし、他の業界もBAUの考え方がばらばらです。2020年という先を見るときに現状のBAUだけでは見ることはできない。これは当たり前のことです。その間に、技術の進歩もありますし、マーケットシェアの変化もあります。なのにBAUだけを使っている。しかもBAUの概念が定かでないというところをもう一度見直していただきたい。
化学も同じです。セメントも。一々言わなくても皆さん自身がよくお分かりだと思うんです。なぜそうなるかというと、これは推計自体に無理な部分があるのです。業界団体でまとめておられるわけですから、その中でトップ水準の企業の数字に合わすわけにはいかない(低い水準の企業に合わせているということ)。それから、審議会としての議論の大元にする場合の推計は、本来は金融マーケットで活躍されている産業別のアナリストに客観的な分析をしてもらって、それを業界の分析と比較するということが望ましい。生産推計となると、グローバルマーケットをまず見なければいけません。各産業とも、日本の企業だけが優れているわけではないのですよね。これは、当たり前です。ですから、今後の指標の推計を見ていく上においては、その辺の分析が必ず要る。
それから、審議会としてのヒアリングは、業界団体から聞くだけじゃなくて、技術進歩、BATなどについてはトップランナー企業から個別ヒアリングによって聞き取ることをぜひやっていただきたい。EUはヨーロッパ企業のBATを測るために、そういうふうにやっております。平均的にできることと、今後将来どの技術を伸ばしていけばいいのかということの推計は異なります。むろん、それぞれ企業秘密もありますから、トップランナー企業も最新のBATはなかなか開示できないでしょうけれども、そういう場合は政府が企業と秘密契約を結んででもやっていただきたい。
それから、エコソリューションなり、ポテンシャルのことが強調されています。これは確かに大事な点だと思うんですが、しかし、あまり強調する必要はないと思います。第一、強調しても実現は難しい。つまり、取らぬタヌキの皮算用であるのではないかと思います。というのは、これらはポテンシャルであって、ビジネスに結びつくかどうかというのは費用対効果、競争力、市場シェアなどというものに置き換えなければいけませんので、容易ではない。ポテンシャルを実現する努力はぜひやっていただきたいのですけれども、評価する場合は、現時点では、その程度のものであるとことを踏まえるべきだと思います。
それから質問ですが、国土交通省の貨物乗車のところ、大型化と営自転換ということを対策として言われていますが、これもそれぞれの削減への寄与率の推計をぜひ教えていただきたいと思います。
以上です。

浅野部会長
ありがとうございました。
原澤委員、どうぞお願いします。

原澤委員
手短に2点、資料2の12ページに関連してです。一つは、BATの最大限の導入というのは非常に重要だと思います。環境省も導入支援等々をやっているかと思いますけども、また経産省もやっているかと思いますけども、そういった支援を拡充して、BATの急速な普及というのをぜひ進めるべきだと思います。技術開発は大事ですけど、さらに普及という面での支援を是非お願いしたいと思います。
12ページの真ん中辺に従業員に対する啓発等々が書いてありまして、これも非常に重要だと思います。加えて、企業の持っているオフィスビルの温室効果ガスの削減といったようなものも目標設定してやっていただければ、民生・業務の対策も後押しできるんではないかと思いますので、是非よろしくお願いします。それが1点目です。
2点目が、この4月に温対法に基づいて製造業における排出抑制指針というのができたわけですけども、この辺との関係がよく分からなかったので、今の段階でお話しいただければいいと思うんですが、中小企業も含めまして、産業全体として指針に基づいて対策を進めていくべきではないかと思っていますので、是非よろしくお願いします。その際……

浅野部会長
今のはどなたに対するご質問ですか。

原澤委員
経団連の方にお願いします。その際、PDCAサイクルについてはかなり確立した仕組みになっているかと思いますけども、データの公表という面も含めて、さらに進展させていただきたいと思います。
以上です。

浅野部会長
ありがとうございました。
長谷川委員、お願いいたします。

長谷川委員
ありがとうございます。まず、経団連の低炭素社会実行計画は、日本自動車工業会も参画、策定をしております。工場の生産時のCO2を自主行動計画を通じまして、これまで順調に削減してまいりました。今後も引き続き低炭素社会実行計画を推進し、削減に努める所存でございます。したがいまして、政府におかれましては、低炭素社会実行計画により円滑に取り組めるような環境整備にご配慮をいただきたく、お願い申し上げます。
次に、運輸部門の対策・施策に関しましては、国土交通省の資料に網羅的に示していただいているところではございます。運輸部門は自動車の燃費向上、交通量の改善、エコドライブなどの統合的対策が功を奏しまして、CO2排出量削減に寄与してきたことを改めて申し添えます。
また、スライドの5ページ右にありますように、自動車単体対策としまして、税制優遇措置、環境対応車の導入補助はぜひお願いしたいところですけれども、代替燃料の筆頭であります燃料電池自動車、FCVのこともぜひ含めてご検討いただきたいと思います。加えまして、スライド6ページ右の自動車の交通流対策では、ITSによる渋滞緩和を示していただいておりまして、大変ありがたいことでございますが、高速道路だけではなく、一般道路のITSにつきましても、ぜひ推進をお願いしたいと思います。
以上でございます。

浅野部会長
ありがとうございました。
それでは、長辻委員、どうぞ。

長辻委員
日常生活に深く関わります運輸部門について申し上げたいと思います。
資料1を拝見しますと、公共交通機関の利用拡大、それから歩いて暮らせるまちづくりと書かれておりますけれども、現実社会はこうした施策は進んでいないか、もしくは後退していると思われます。どこでそういうところが見られるかというと、地方都市においてその後退現象に非常に著しいものがあると思います。具体的には鉄道の運行本数の減少、それからバスの路線の廃止、こういったものが進んでおりまして、その一方で大型病院などの利用頻度の高い施設が郊外にどんどん移転している。新設された大病院へ行ってみますと、広大な駐車場が用意されている、現実では。ですから、ますます基本的な考え方に示されている方向と違う方向に社会の歯車が回りつつあるという、そういう危惧を抱いております。
なおかつこういう施設というものは、一旦できてしまいますと、半世紀はそのままの構造が保たれますので、ここのところの取組は非常に難しいのではないかと思われますので、この現実の把握をどういうふうになさっていらっしゃるのか、それをお尋ねしたいと思います。

浅野部会長
ありがとうございました。
冨田委員、どうぞ。

冨田委員
ありがとうございます。2点コメントを申し上げたいと思います。
何回か前のこの合同会合の中で、各主体がどういう対策を進めるのか、それが非常に重要だという考え方が示されて、多くの方の賛同を得たと思いますが、今回各産業界からご説明されたのは、国内対策、主体間連携も含めて、それから国際貢献、技術開発と、それぞれの分野において自分たちがどういうことができるのかということを分析されて、それをコミットメント目標にしたり、ポテンシャルということで表明されたと考えています。
言うまでもなく、温暖化対策は、長期的かつ継続的にやっていかなくてはいけないということですので、環境と経済の両立というのは非常に大事です。そういうことを考えれば低炭素社会実行計画のように、PDCAを回していくという考え方が非常に大事で、実効性があって合理的だろうと思います。ぜひこれから策定される温暖化対策の計画において、この低炭素社会実行計画を位置づけていただきたいと思います。
2点目ですが、各業界のコミットメント目標に関して、総量ではなくて原単位目標になっている、あるいは揃っていないという、ご意見がございました。それぞれの業界の中で自分たちがこういうことをやりますといった時に、それが達成できたかどうかという評価は、行う対策によって異なってくるので、どういう指標で評価をするのがいいとかということについても、必ずしも揃うものではないと思います。
ただ、各主体が取り組む対策というのは、分解してみれば一つ一つはBATを導入するということに尽きるわけで、BATの組み合わせということになるかと思います。国の計画と整合性をとるという観点からすれば、各対策がどれだけの効果を持つのかということについて、温暖化対策の計画において、きちんと考え方を統一して示されるということが、やはり重要ではないかと思います。
以上です。

浅野部会長
ありがとうございました。
それでは、大聖委員、どうぞ。

大聖委員
国土交通省のご説明に関連して申し上げます。運輸・交通分野の多様かつ広範な取組を展開しておられるわけですけども、これをもう少し具体的に展開するということを大いに期待する立場から発言させていただきたいと思います。
よくこの運輸部門では、もっと革新的な技術はないかと問われますけども、技術はもう完全に出尽くしています。それらをどうやって実用化し、そして普及させるという取組が2020年、2030年に向けて残っておりますので、ぜひその辺に焦点を当てていただきたいということ。
それから、燃費基準が乗用車に適用されておりまして、これによって2015年度、2020年度で大幅な燃費改善が見込まれておりますし、さらにそれを超過達成する見込みの車がたくさん市場に出て来る可能性があります。そういった動向にぜひ注目していただきたいのと、もう一つはそういった法定燃費と、我々が実際にドライブするときの燃費に乖離があるのです。これをぜひ埋めるような努力もしていただきたいということ。それから、ディーゼル車はまだ排出ガス対策が宿題として残っておりますけれども、それと燃費の関係はトレードオフの関係にありますので、ぜひそれも克服するような努力をお願いしたいと思っております。
それから、ITSに関して申し上げますと、非常に情報通信技術の高度化によりまして利便性を高めるようなシステムが最近どんどん市場に出てきております。そこで、車というのは一つの情報発信源でありまして、我々プローブカーと言っておりますけども、そういったものをクラウドでうまく集めて、ビッグデータとして解析をやりますと、交通データの活用が非常に大きく進み、環境対策や交通対策に活用できるんではないか、そのような取組をお願いしたいということ。それから、我々カーライフスタイルと言っておりますけれども、エコドライブ、カーシェアリング、それから超小型モビリティですね、これもどんどん進めていただきたいということ。
それから、最後になりますけれども、全体として安全性、利便性、それから快適性、さらには公益性というのが交通分野にはあるわけですから、そういったコベネフィットをきちんと明確に提示して説明していただきたいと思っております。
もう一つ、水素のことについて申し上げます。燃料電池自動車が2015年に登場しまして、100カ所ぐらいの水素供給インフラができるわけですけども、その水素の供給源というのは天然ガスですとか、鉄鋼、化学工業の副産物、副生水素です。それで数百万台動かせるというわけですけれども、それに水素が使われるとしますと、本来使っていた水素でどこから帳尻がつくのかという、その辺の全体のCO2のバランスを含めた評価も必要ではないかと思っております。
以上です。

浅野部会長
ありがとうございました。
住委員、どうぞお願いいたします。

住委員
全体にお聞きしまして、個別的な対応とかをよくやられると思いますが、全体的なところがやはり弱いなという感じがしております。
特に経団連にお願いしたいんですが、製造業だけで成り立っているわけではありませんので、やはりそれを通してどういう社会をつくるのかという視点が非常に大事だろうと思います。一つは、業務部門のことなんですが、やはりそこに関する指針というのを出していただきたいなと思っております。多くの部分、会社の事業所等でありますので、それで日本は非常にいわゆるホワイトカラーの生産性は悪いんですね、海外と比べても。それはどうしてかと。僕はよく知りませんけど、一つは例えば無駄な労働、長時間労働等を含めていろんな仕事のやり方があると思います。
そういう観点で、もう少し労働慣行とか、そういう社会システムの部分に関する提案、非常に多くの企業体が入っていますので、大きな力になると思いますので、そういうソフトな部分に対する提案も経団連として考えていただきたいと思います。何か唯一技術力しか日本は世界に誇るのはないのかという書き方になっておりますが、それはそれでいいんですけど、「結局技術力だけなの、日本は」と言われないためにも、日本はもっと文化力もありますし、それからほとんど製造業しか出てきませんけども、21世紀はやはり製造業は大事ですが、それだけではないと思いますので、そういう部分の産業構造を含めてビジョンを示していただければと思います。
以上です。

浅野部会長
ありがとうございました。今日は、産業部門についての審議ということで準備をしておられますので、若干ない物ねだりの発言のような感じもしますが、一通りご発言をいただきました。ありがとうございました。
それでは、残り、お約束は12時10分でございましたけども、とても12時10分というわけにまいりません。大変多数のご質問、ご意見が出ましたので、まず国交省に3分間お答えをいただいて、答え切れない部分は紙でお出しいただきたいと存じます。
経団連、椋田常務理事にも3分間お願いしまして、それからあと各鉄鋼連盟以下の方には、お一方2分でご回答をお願いいたします。
その後、さらに山地委員長からコメントをいただきますので、合計しますとやはり20分ぐらい必要であろうと存じますので、この会議を12時半まで延長させていただきます。大変恐縮でございますが、今日は盛りだくさんのご報告でございましたのでいたし方ございません。
それでは、国交省堀江室長、どうぞよろしくお願いいたします。

国土交通省総合政策局環境政策課地球環境政策室長
大変貴重なご示唆をたくさん頂戴いたしまして、ありがとうございました。今、部会長からもございましたように、個々の質問につきましては、後ほど事務局と調整して文書で返させていただきますが、大きな論点について簡単にお答えしますが、一つ目といたしましては、運輸部門のCO2の2020年までのポテンシャル、スケジュール感について具体的にというお話がございました。
本日の資料1の個々の施策の紹介につきましては、当然ながらこれ運輸部門としての1例ということでご紹介をさせていただいたものでございますので、これが全てではございません。それで、2020年までのCO2排出削減のポテンシャルの件でございますけども、これにつきましても現在、環境部局等々と作業は進めております。ただ、これにつきましても、恐らく今後どういう形になるか分かりませんが、政府全体としての検討も恐らく今後おありでしょうから、そちらの方との調整も含めて、具体的にまた皆様方にお示しをさせていただければと思っております。それが1点です。
2点目につきましては、特に最後に長辻先生がおっしゃいましたように、公共交通と都市のあり方、あるいは豊田先生がおっしゃいましたように、公共交通の利用面のあり方、モーダルシフトの観点では松橋先生もおっしゃいましたけども、公共交通と車と都市を考えるときに、やはり利用者の観点、あるいはそういう利用者の方々のライフスタイルですとか生活様式、その全てについてどう捉まえていくかということが非常に肝要になってございます。
昨年12月にエコまち法という法律ができまして、こういう形で歩いて暮らせるまちづくりというものを中長期的な理念にしておりますけれども、やはり都市の構造を一つ捉まえる、あるいは人々の行動様式というものを捉まえるということでございますので、これは短期的にはなかなかすぐに実行に移し、あるいは成果が出るというものではございませんが、非常にこれ難しい問題でございます。国土交通省永遠のテーマのようなものでございますけれども、石田先生からもおっしゃいましたように、モビリティマネジメント、こういったことも含めて、人々の行動様式、考え方にどう訴えかけて都市をつくっていくのか、将来どういう都市であるべきかということを踏まえてやっていくことが非常に肝要ではないかというふうに考えてございますので、これは一丁目一番地として、今後国交省として取り組ませていただきたいというふうに思っております。
非常に貴重な、かつお答えが難しいご示唆をいただきましたけども、今後運輸部門の対策を進めていく上で、ぜひとも参考にさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。後ほど事務局と調整して、個々の質問については文書でお答えさせていただきます。ありがとうございました。

浅野部会長
ありがとうございました。
それでは、椋田常務理事、どうぞ。

日本経済団体連合会常務理事
本日は経団連の取組、あるいは経済界の取組に多くの前向きな評価をいただきまして感謝いたします。また、厳しい注文、アドバイスもいただきましたので、これを念頭に今後進めていきたいと思います。
質問につきましてお答えいたしたいと思います。
まず、参加業種につきましては、我々も理由を聞いたところ、多くの場合エネルギーが見えない、特に電力の今後がよくわからないという理由で、なかなかつくり切れないという業界が多いのが事実でございます。今後こういったものが見えてくると、また潮目も変わってくるのかなと思っておりますが、我々としても最大限拡大に努力していきたいと思っております。
目標指標につきましては、我々あくまでも目指すのは世界最高水準の維持向上と、その前提としてBATを最大限導入していくということです。このためのPDCAを回す上で、最も管理しやすい指標を選ぶということが重要だと思っております。指標というのはそのためのツールにすぎないと思っております。どういうツールを選ぶかというのは、当然業種、業態によって異なっております。我々はそれをしっかり説明責任を果たしていただきながら、各業種がしっかりとした指標を選んでいくということが重要だと思っております。
経団連としての統一目標につきましても、やはりエネルギー政策ほか、あまりにも不確定要素が多くて、現時点で全体目標を掲げることが可能な条件が整っていないというのが現状でございます。今後とも、全体目標のあり方につきましては検討していきたいと思っております。
わかりやすいキャッチフレーズは、ぜひ考えていきたいと思います。
消費者の情報につきましては、経団連の自主行動計画のフォローアップ報告書を見ていただくと、いろいろ書いてあります。例えば学校での環境教育の実施、省エネアイデアが掲載されたカレンダーを配布するとか、いろんな取組、いろんな業界がやっておりますので、それをご覧いただければと思います。
未達成につきましては、各業界で補完措置を考えていただいておりますが、実はこれから何が使えるのかということが、まだ正直よくわかっておりません。今後の国際交渉、あるいは日本の政策を見ていきながら、我々としても各業界に考えていただきたいと思っているところでございます。
BATにつきましては、これが何かということは、ご指摘のとおり大変重要でございます。例示につきましては、今日は時間がなくて説明しておりませんが、各業種それぞれの中にかなり詳しく書いておりますし、多くはIEAでも研究が進んでおりまして、IEAのBATを参考に各業界のほうで考えていただいているところでございます。
排出抑制等指針との関係につきましては、各業界、各企業が経産省、エネ庁等原課と情報交換しながら遵守している状況です。各業種から提出された実行計画には、指針が織り込み済みと考えていただいて結構です。
労働慣行も重要ではないかというご指摘は、そのとおりでございます。我々も既にこれまでの自主行動計画の中でもクールビズの推進、通勤時の公共交通機関の利用、あるいは環境家計簿を従業員に配る、こういった活動をしながら取組を進めておりますので、これは今後とも進めてまいりたいと思っております。
私のほうから以上です。

浅野部会長
フォローアップについてのご質問が複数ございましたが、フォローアップはどうなされるのでしょうか。

日本経済団体連合会常務理事
この実行計画ですか。

浅野部会長
はい。

日本経済団体連合会常務理事
これは先ほどご説明した中にしっかり書いてあるんですが、毎年従来と同様のフォローアップをしていきたいと思っております。具体的には、17ページのPDCAサイクルをご覧いただければ、フォローアップの姿、PDCAをどういう姿で回していくかというのは、全部書かれておりますので、これをご覧いただければと思います。
以上です。

浅野部会長
ありがとうございました。
それでは、丸川委員長、お願いします。

日本鉄鋼連盟地球環境委員長
まず、削減量の目標でございますが、これはいろんな予見が入らない、単に鉄の実力はどうだということをはっきりするためにこういたしました。前後1,000万トンずつ増える減る、これ全部算出式で調べましたけども、若干の増え減り、生産量が増えればよくなるとありますけども、基本的にはまず同じであろう。むしろ実力を見せようということであります。ただし、1億3,000万トンと1億1,000万トンを外れますと、考える必要はあると思います。
中国へのCDQ普及については、最初は民間がやりました。ロシアの技術を民間同士でやりましたが、このときNEDO、経産省さんの支援での省エネモデル事業がまず非常に参考になりました。その後、中国が第5次5カ年計画でCDQを入れるという国策をとっております。さらになぜ増えたかというと、中国側が自分たちで安いCDQをつくる実力を持ってきた。そのとき弊社の場合は、中国の企業と合弁をつくって増やしていったということでございます。すなわち民が始めて官が入ってというような感じで、四つのセクター、民民官官のセクターがやってきたということで増えたということであります。
BATにつきましては、APPで作成したで共通したハンドブックがございます。したがいまして、今、世の中にあるBest Available Technologyは、全てその中に入っておりますので、それをご参照いただければというふうに思っております。
東京オリンピックにつきましては、大変喜ばしいことで、粗鋼生産量も増えてほしいというふうに思っておりますけども、1億3,000万トンを超えるかどうかはちょっとよくわかりません。
それから、藤井先生からお話のありました1億2,000万トンの生産は大丈夫かということでございますが、世の中、今、世界の国際間の見通しで24億トンぐらいまで行くということでございますので、日本の鉄鋼業は海外需要を補足していくわけであります。加えて、東京オリンピックということで内需も増えていくであろうということでございますし、2020年までのことを考えますと、省エネ効率の悪い世界の鉄鋼場をつくるよりも、日本でつくったほうが炭素リーケージのことを考えると世界のCO2削減には貢献すると、かように考えております。
以上です。

浅野部会長
どうもありがとうございました。
それでは、笠井部長、どうぞ。

日本化学工業協会技術部長
化学業界です。これは村上委員のほうからご質問があったBPTという意味なんですが、資料4の化学の別添1というのに、パワーポイントの図がありまして、その中のスライド番号の15、これは削減ポテンシャルの算定例ということで、エチレン製造設備の例を漫画で描いております。このグラフの横軸は事業所で、各事業所の縦軸はエネルギー原単位なんですが、エネルギー原単位の値が小さい、効率がいい順番にずっと並べていきますと、ピンクのような曲線になります。日本は平均的には世界最高水準なんですが、それでも分布がありますので、効率が悪いところも存在しています。
このグラフにおいて、真ん中辺りにIEAのBPTというのがあります。これはIEAのこの場合2009年の報告書ですが、そこにBPTというのは商業規模で利用されている先進的技術ということで、技術的にも経済的にも成立する技術という意味です。その数値は図の7真ん中辺りのIEA12.3GJ/t、1トン当たりつくるのに12.3GJ必要だという意味です。曲線をその直線で切ると、斜線の部分はまだ効率が足りないところ、あるいは努力指導がある分ということで、この斜線の部分全部が削減ポテンシャルになります。、設備更新時にこのBPTを最大限導入すると本文にも書いておきました。ほかの製品についても本文に書いていますけど、考え方と出典は全く一緒です。

浅野部会長
どうもありがとうございました。
それでは、中川部長、どうぞ。

日本製紙連合会技術環境部長
私のほうは河野委員からの質問が1個あって。もう河野委員、先に帰られたんですけれども、CO2の吸収の件ですけども、海外で製紙企業が自らこれだけ大規模にやっているのは実は我が国だけでして、お金とそれから実際の人員を投入して海外で植林しています。それで、環境省さんのJ-VERは国内の例えばCO2のオフセットクレジットの関係で評価ですけども、海外植林については、こういった蓄積量の評価の客観的なシステムがなかったということもありまして、私どもが学識者と、それから環境省さん、経産省さん、それから林野庁の方にも参加していただいて、そういった評価認証のシステムをつくりました。それが先ほどのものです。これは基本的には2国間クレジットも一応念頭に置いて、とりあえずとにかく客観的に評価できるシステムにしようということで、ここで示したものです。
以上です。

浅野部会長
ありがとうございました。
では、小野寺議長、ございましたら。

電機・電子温暖化対策連絡会議長
電機・電子ですが、辰巳先生からご質問がありましたCO21トン当たり8万円もかかっている、その回収はということですけども、ご承知のとおり電機・電子業界、かなり厳しい経営環境にございます。そうはあっても温暖化防止、省エネというのは我々業界としても取り組まなければならない内容でございますので、今後とも企業努力、経営努力を続けながら、この取組に対しては続けていきたいと考えてございます。
以上でございます。

浅野部会長
ありがとうございました。
髙橋部門統括リーダー、どうぞ。

セメント協会生産・環境部門統括リーダー
セメント協会でございます。東京オリンピックに伴う需要想定はまだ行っておりません。当然出ることはわかっておりますけども、どの時期にどのぐらい出るかということは、まだ業界としては試算していないという状況にございます。
それから、コンクリート舗装につきましては、国交省様とも関係しますが、今、国交省様におきましてもコンクリート舗装というのはライフサイクルコスト、耐久性の上で非常に高い評価をいただいて、それを促進するということでお考えで、もう既に示されております。そういうことで燃費もよくなりますし、ライフサイクルコスト、CO2という観点で考えてみるべきと思っています。
以上でございます。

浅野部会長
ありがとうございました。
経産省、何か特にコメントございますか。

環境経済室長
低炭素社会実行計画のフォローアップについてでございますが、政府としても今後続けていくという方針でございます。どのようなやり方をやっていくかということは、自主行動計画のやり方も踏まえて、今後検討していくという状態でございます。
以上でございます。

浅野部会長
環境省、何かございますか。ございませんね。
それでは、今日のそれぞれのご意見などを踏まえまして、産業構造審議会地球環境小委員会の委員長として、山地委員長から一言お願いいたします。

山地委員長
今日は熱心なご議論をありがとうございました。
運輸部門も、それから産業界の自主的な取組も非常にすばらしいと思って聞いておりました。が、やっぱり何といっても電力のCO2原単位がはっきりしないという中で、総量的なことはなかなかコミットがしにくいなという、皆さんそういうふうに底流には思っているんじゃないかという感じで聞いておりました。
論点も、それほどだから新しいのが出てきたという感じは正直言って受けなかったんですが、運輸部門における排出目標を、自動車燃費等との個別の機器のところはあるんですけど、やっぱりドライブの仕方、運用とかモーダルシフトとかITSとか、あるいはまちづくりとか、そういうことを総合した上で、運輸部門としての総量の目標、こういうものは、これは自主行動の目標と違って、政策の目標なわけですから、ある意味努力すれば立てられるんじゃないかと思います。僕は要するに京都議定書の場合も、目達計画等を立てた場合に目標を持っていたわけですので、やっぱりそういうものはあって、その実現のために何を行動するか、そういう整理が必要なんじゃないかと思って聞いておりました。
あと、自主行動については、数値目標についてコミットして責任をとらなきゃいけないわけですから、やっぱり責任がとれるという数値かなと思って聞いておりました。ただ、それをちゃんとチェックできる透明性のあるデータベースを持っている、仕組みを持っているということが大事なんでしょうね。
あとは、今までも議論がずっと続いているわけですけど、自分自身が出すプロセスからの改善は当然やるんだけど、それに加えて、例えば国際展開して効果をあげるとか、あるいはプロダクツを利用されることによって排出量を下げるとか、そういうところも重要だということです。これはまだしかし研究の支援が必要な段階で、評価手法、ある意味国際的な標準化、そういうことを狙う段階かと思って聞いていました。特にプロダクツについての評価というのは、これは確かにあるんですね。LCAですけれど、どなたかご指摘になったけど、この評価には必ず重複もある。そこのところをどう切り分けていくか、やっぱりそこはまだこれからの大きな課題である。しかし、非常に重要な課題だと思って聞いておりました。
以上です。

浅野部会長
ありがとうございました。
自主行動計画についての議論と割合によく似たような議論もあったかなと思って聞いていたのですが、結果的には各業界の示された目標にきちっとある数字を入れていけば、最終的にはどこかで数字が計算できるということになっていれば、政策を立てる側としてはあまり困らないわけで、これでこのぐらいは行けるだろうという見通しが立ちますから、それを計画に入れるということができるわけです。京都議定書の目標達成計画のときは、そういう方法をとって、自主行動計画の数字をきちっと積み上げていけばここまで行けるということが言えたと思います。ですから、今回も同じようなことが可能ではあろうという気もしているわけです。
それから、ただ京都議定書の目標達成計画のときには、最初から6%というキャップがかぶっていて、何が何でも達成しなきゃいけませんから、それに合わせるために数字を組み上げたわけですけど、今度の場合は必ずしもそうでもないので、本音ベースでどこまでできるのかという議論をやればいい。
先ほど山地委員長がおっしゃったように、総合的に政策目標として何ができるのかという議論ができるとおっしゃったんですが、本当に今こそ真面目に議論ができるのではないかと考えます。前は何となく数字合わせみたいなことがあったので、会社に行かないで自分の家で仕事をしたらこれだけ下がりますみたいなこと、計算で出てくるんですけれど、どうも嘘っぽいんです。だから、嘘っぽさを消して、きちんと数字をここまではできるんだろうと、ここまで政策的に努力する必要があるだろうという議論はできそうな気がしますので、今日のご議論も決して無駄ではなかったかと思います。
どうも長時間、ありがとうございました。本日は時間をオーバーいたしましてご迷惑をおかけしまし。本日の議事はこれで終わりたいと思います。
最後に、事務局からお願いいたします。

低炭素社会推進室長
本日はありがとうございました。
議事録につきましては、事務局で取りまとめた上、委員の皆様にご確認いただいた後、ホームページに掲載させていただきたいと思っております。
次回は10月11日金曜日、午前10時から12時を予定しております。場所につきましては、追ってご連絡をさせていただきます。

浅野部会長
それでは、以上で本日の議事を終了いたします。どうもありがとうございました。

午後 0時23分 閉会