気候変動影響評価・適応小委員会(第9回)議事録
日時
令和8年5月26日(火)15:00~17:02
場所
WEB会議システムを併用したハイブリッド形式。併せて YouTube チャンネルでライブ配信を実施。
議事次第
1.開会
2.議題
(1)気候変動適応の取組状況について
(2)次期気候変動適応計画の構成について
(3)その他
(2)次期気候変動適応計画の構成について
(3)その他
3.閉会
議事録
羽井佐気候変動科学・適応室長
それでは定刻となりましたので、ただいまより第9回中央環境審議会地球環境部会気候変動影響評価・適応小委員会を開催いたします。
進行役を務めます環境省気候変動科学・適応室長の羽井佐と申します。よろしくお願いします。
本日の会議は現在、委員総数の過半数以上の委員にご出席いただいており、定足数に達しておりますことをご報告します。
本日の小委員会は対面、オンラインのハイブリッド形式での開催となります。この会議は、環境省の公式YouTubeチャンネルより、ライブ配信を行っています。
資料及び議事録については、ホームページにて公開とさせていただきます。
対面、オンラインのハイブリッド形式での開催となり、委員の皆様にはご不便をおかけしますが、ご了承願います。
WEB参加の皆様は、何かご不明な点がありましたら事務局まで、画面の上にあるチャット欄にてお知らせください。
続いて、資料の確認をさせていただきます。画面上に配付資料一覧を表示します。
資料は、資料1-1、1-2、1-3、資料2がございます。各資料につきましては、事前にお送りしております。WEB参加の皆様は、お手元にご準備をお願いします。
議事中、発言者以外のWEB参加の皆様は、基本的にマイクをミュートに設定してください。回線負荷低減のため、ご発言時以外はカメラの使用をお控えください。
ご発言される際は、対面参加の皆様はネームプレートを立てていただければと思います。オンライン参加の皆様は、挙手ボタンをご活用ください。委員長が順番に指名しますので、マイクのボタンを押して、ミュートを解除し、ご発言いただければと思います。なお、ご発言の際は、最初にお名前をおっしゃっていただけますようお願いします。ご発言時以外にご意見、ご質問がある場合も、チャット欄をご活用ください。
それでは、以降の議事進行を、肱岡委員長にお願いします。よろしくお願いします。
肱岡委員長
ありがとうございます。委員の先生方、お忙しい中ご参集いただき、どうもありがとうございます。
気候変動影響報告書も出て、次は気候変動適応計画をつくるという段階になってまいりましたので、ぜひ様々なご意見いただければと思います。今日もよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入りたいと思います。
本日の最初の議題は、気候変動適応の取組状況についてです。環境省、農林水産省、国土交通省から、それぞれ説明をお願いいたします。質疑応答はまとめてお願いいたします。なお、その他の省庁の取組については、参考資料をご確認ください。
それではまず、事務局である環境省より説明をお願いいたします。
柳川企画官
それでは、説明させていただきます。環境省気候変動科学・適応室の柳川です。よろしくお願いいたします。
先般3月に、こちらの小委員会を実施してから、関係省庁とも議論を進めているところでございます。先ほどご説明にもありましたとおり、本日、政府の検討状況について、本委員会でも共有させていただきたく、農水省、国交省にもお越しいただいているところでございます。
現在の取組や今後の取組について、本議事1の中で発表させていただければと思います。この後、議事2において、これまでの議論を踏まえた適応計画の構成の検討状況についてもご説明させていただければと思いますので、お気づきの点などありましたら、環境省まで御助言などをいただければと考えております。
それでは、資料のご説明をさせていただければと思います。
資料をおめくりいただきまして、右下の番号で言いますと、2ページ目を開いていただければと思います。
こちらのスライドは、状況の振り返りとして、資料中段にもございますとおり、気候変動適応法に基づき5年ごとに作成する最新の気候変動影響評価報告書を、令和8年2月16日に公表したところです。これを踏まえまして、今年度、気候変動適応計画を令和8年度中に改定する予定としております。
次のスライドも、また振り返りとなりますが、今年公表した影響評価報告書のポイントをまとめているスライドとなります。スライドの下部に記載しておりますが、今回、特に優先的に対応が必要な項目の影響について、幾つかまとめているところでございます。
それぞれの分野で、こちらのスライドの中で整理しておりまして、例えば、農林水産業の中では、水稲や果樹、農業生産基盤等について影響が指摘されておりまして、そのほか自然生態系では、沿岸域の亜熱帯生態系や温帯・亜寒帯の生態系への影響、また分布・個体群の移動などが指摘されているところでございます。自然災害・沿岸域につきましても、例えば、洪水、内水、土石流・地すべり・土砂流出について、それぞれ特に優先的に対応すべき影響ということで、影響評価報告書の中で取りまとめがされたところでございます。ただいまご説明させていただいたのは例示ですが、それ以外の分野についても、種々取りまとめさせていただいているところでございます。
続きまして、4ページ目ですが、これらを踏まえまして、今年の2月に適応推進会議を開催させていただきました。こちらは大臣を議長とする関係省庁会議となっておりまして、こちらの中で、令和8年度中に気候変動適応計画の見直しをしていく方針を確認いただいた上で議論をしているところでございます。
以上が、これまで議論の開始に至った経緯の振り返りでございまして、今年の4月の段階でも、こちらの推進会議の幹事会などを通じて、関係省庁とも議論などを進めているところでございます。
続きまして、5ページ目を開いていただければと思います。以降が環境省の施策の取組状況です。
分野別施策についてご説明をさせていただければと思います。
まず、代表的なものとして、熱中症対策についてご紹介させていただいているスライドとなっております。環境省では、熱中症対策実行計画ということで、熱中症対策についての政府全体の取りまとめを行っておりまして、そうした中で、環境省としては熱中症警戒情報の発信強化やクーリングシェルターの指定の促進といった取組を進めているところでございます。
本年度の適応計画の改定を予定しておりますが、併せまして資料の下部にも記載しております、熱中症対策実行計画についても見直す予定とされております。
続きまして、6ページ目を開いていただければと思います。自然生態系分野の取組についてまとめているスライドとなっております。
こちらも影響評価報告書の中で、自然生態系への悪影響が顕在化しているというようにまとめられております。例示として、左下で野生鳥獣の管理と外来生物対策について書いておりますが、シカの分布域が拡大してきているという観点であったり、また、外来生物の観点で申し上げれば、侵略的外来種の定着率と拡散率が今後、増加する可能性も指摘されているところでございます。
こうした中で、ヘッダーの部分の2ポツ目のところにも書いておりますが、生態系の管理・回復等のネイチャーポジティブを推進するため、野生鳥獣の管理や外来生物対策、自然共生サイトの認定促進、自然環境・生態系モニタリング等の実施を進めているところでございます。
続きまして、7ページ目を開いていただければと思います。
こちらは、今回影響評価報告書の中で、インフラ、ライフラインについても自然災害の影響を受けるということで、特に優先的に対応すべき影響として取りまとめられている中で、ご紹介させていただいております。
災害時に、こうしたインフラが被害を受けることによって、電気が使えなくなったり、水道が使えなくなったりなどの影響も指摘されているところでございまして、環境省では、地域レジリエンスの観点から、避難施設等に指定されている公共施設への再エネ設備等の導入などについて支援をするなど、取組を進めているところでございます。
続きまして、8ページ目を開いていただければと思います。
戻りまして、続いては生態系の取組に関連するところでございます。
沿岸域・閉鎖性海域についての取組としてご紹介させていただいておりまして、海水温の上昇等によって沿岸生態系の変化がもたらされ、水産資源の減少といった地域の産業・文化への影響なども懸念されているところでございます。
これに適応するために、藻場・干潟の保全・再生・創出を進めるほか、沿岸生態系の変化を捉えるモニタリングの拡充など、適応策の検討に資するよう、関係者への情報提供を行う基盤の強化などが必要と、環境省で考えているところでございます。
以上が、分野別施策として現在の環境省の取組状況のご説明でございます。
続きまして、9ページ目以降、基盤的施策についてご紹介させていただければと思います。
科学的知見、地域への支援、事業者の支援など分野横断的な取組の御説明になっております。
既にご案内のところも非常に多いかと思いますが、まず、科学的知見の充実及びその活用についての取組を御紹介させていただければと思います。
気候変動影響評価報告書などにより、全国及び地域の気候変動影響に関する科学的知見の充実なども進めているところでございます。
それ以外でも、適応策を進めるために参考となる情報を発信するために、国立環境研究所が運営しております「気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)」を通じまして、幅広い情報提供など、国立環境研究所気候変動適応センターと協力をしながら、環境省でも情報発信などを進めているところでございます。
今後につきましては、適応策の実装につなげていくという観点で、例えば、気候変動による社会・経済影響によるリスクや適応策を取ることによる効果を明らかにするなど、自治体や民間企業の意思決定を円滑化する支援というものが必要ではないかと考えているところでございます。
続きまして、10ページ目、地域の支援についてまとめたスライドとなっております。
こちら、これまで地域気候変動適応計画策定マニュアル等の各種ツールの整備しておりまして、地域の適応について推進してきたところでございます。この結果、491自治体が地域の気候変動適応計画の策定を行っており、また、地域適応センターにつきましても70センター、全国で確保されているという状況でございます。
また、気候変動適応広域協議会を7ブロックで開催しており、自治体等の関係者間の情報提供なども促進しているところでございます。
今後につきましては、地域の実践を促進していく観点では、地域課題を解決するものなど、自治体の便益が明確な適応が重要と考えておりまして、例えば、取組の実施支援として、「気候変動適応×地方創生」につながる優良事例の情報発信などを実施しているところでございます。こうしたものによりさらに地域への影響を回避・低減するためには、様々な影響に対して、予防的に適応を促進することが必要ではないかと考えているところでございます。
続きまして、11ページ目を開いていただければと思います。
こちらは、民間事業者等の気候変動適応の促進についてまとめたスライドになっております。事業者の気候変動の物理的リスク分析や適応の進め方などについて、ガイドやポータルサイトを通じて情報提供しているところでございます。
下の部分に、具体例としまして、民間企業の気候変動適応ガイドや気候変動リスク分析情報サイトなどを載せておりますが、こうしたものをAP-PLATを通じて、情報提供しているところでございます。
また、産官学の連携ネットワークを通じまして、将来予測データへのニーズを把握し、科学的知見の活用などについても促進しているところでして、今後、民間企業等の気候変動によるリスクの低減の取組に加えまして、適応に関する新たな事業の機会を創出することなどによって、事業者の競争力強化も図っていきたいと考えているところでございます。
続きまして、12ページ目を開いていただければと思います。
こちらは、国際協力の取組についてまとめているスライドとなっております。
途上国に対する気候変動適応分野の国際協力などを、ただいま推進しているところでございまして、例えば、2ポツ目にありますが、AP-PLATなども通じまして、科学的知見など、海外にも発信しているところでございます。
各国の影響評価や能力構築、適応計画に基づく取組を支援するとともに、本邦民間事業者の優れた適応技術や知見、サービス等の展開を通じまして、気候変動に脆弱な国・地域における強靱な社会の実現などについて、支援を進めているところでございます。
今後、これらの取組などが引き続き重要だと考えており、日本の先進技術の国際展開支援を通じまして、国際協力の促進と同時に、サプライチェーンの強靱化や民間企業のビジネスチャンス創出につなげていくことが重要と考えているところでございます。
最後のページ、13ページ目を開いていただければと思います。
ただいま、国際協力の観点でご説明をさせていただき、その中でも特に具体例として書いておりますが、環境省では、早期警戒システム(EWS)の導入促進といったところに特に力を入れているところでございます。
個別の取組として紹介しておりますが、COP27において、日本政府では「ロス&ダメージ支援パッケージ」を公表しており、その中でも、「アジア太平洋地域における官民連携による早期警戒システム導入促進イニシアティブ」の立ち上げを表明しております。
日本企業の持つEWS関連サービスの海外展開促進を目的としまして、関係省庁や民間企業約65社からなる官民連携協議会を通じて、途上国の脆弱層に対して、ビジネスベースで情報伝達が可能かの検証などを進めているところでございます。こうした技術支援につきましても、引き続き取り組んでいき、一層の強化など図っていきたいと考えるところでございます。
少々説明のほうが長くなりました。環境省の取組状況と今後の考え方についてのご説明は以上となります。
肱岡委員長
ご説明どうもありがとうございました。
それでは続けて、農林水産省より説明をお願いいたします。
農林水産省 古田補佐
農林水産省みどりの食料システム戦略グループの古田と申します。
農林水産省における気候変動適応に関する取組についてご説明いたします。
では、1ページ目をお願いいたします。
農林水産業は、気候変動の影響を大きく受ける産業です。スライド左上のグラフでございますが、委員ご案内のとおり、近年では2023年から2025年まで3年間、統計開始以降の最高気温を更新するなど、記録的な気温・海水温、降水日数の減少、大雨の頻度や強度の増加など、生産現場への影響が各地で発生しているところです。
具体的には、左下の写真のとおり、米における白未熟粒など品質の低下、高温による果実の日焼けの発生、海水温の上昇によるカキのへい死や豪雨による大規模な産地災害など、農林水産分野では顕著な影響が出ております。
加えて、中央のグラフのとおり、農林水産分野においても、熱中症による死亡者数の増加など、生産者自身への被害も増えています。こうした影響は、第3次影響評価報告書において特に優先的な対応が必要な項目という形で掲載されているとおりです。
農林水産省としては、右側の適応策の例で掲載のとおり、各分野で適応策を推進しております。例えば、一番上の写真ですが、高温耐性を有する品種の開発・導入を進めて、特に米や果樹、を中心に、高温などによる品質や収量の低下への対応を進めております。そのほか、高温に対応した栽培体系への転換や遮光ネットの設置など、高温障害の発生低減に資する技術や資材の普及を進めております。さらに、豪雨や渇水に強い水利施設の整備も行うほか、水産分野では三倍体カキなど人工種苗の導入などの新たな養殖方法の開発や、近年の漁場環境、魚種や漁場の変化に応じた漁法の変革などを推進しているところです。
次のページをお願いいたします。
農林水産省の近年の取組としては、2021年に策定したみどりの食料システム戦略がございます。これは生産現場だけでなく、流通、消費を含めた食料システム全体で持続可能性の向上を目指す総合的な推進施策です。気候変動対策全般を網羅しており、CO2ゼロエミッション化などを掲げ、気候変動への適応も位置づけています。
次のページをお願いいたします。
現在、このみどりの食料システム戦略から策定が5年経過しまして、最新の推進状況を踏まえ、新たな課題や、今後集中的に推進すべき取組などが見えてきたところです。
特に2030年をめどに集中的に推進すべき取組を「みどり加速化GXプラン」として取りまとめる検討を行っています。
その中には大きく4つの分野を位置づける予定であり、気候変動への適応も近年優先性が高まって位置づける考えです。
では、次のページをお願いいたします。
この「みどり加速化GXプラン」の検討に当たり、昨年度、各都道府県の栽培技術担当者や試験研究機関等、有識者の方にヒアリングを行い、適応策の実態や課題を聴取しました。
その際に出された主な意見をスライド左側に掲載しています。例えば、1点目は、適応策が現場ではまだまだ不十分であり、産地のニーズに合った品種や資材が求められていることです。2点目は、適応策があっても導入コストや効率面で課題があることです。3点目では、適応策の導入には、生産現場だけでなく、販売先などのサプライチェーンとの連携が必要という意見です。適応策を実施した作物や品種は荷姿や出荷時期などが変わる可能性があるため、実需者や消費者から理解を得て、円滑に流通させる必要があると考えています。そのほか、生産基盤の充実の必要性や、暑熱等に対応した労働環境整備の必要性が指摘されました。特に屋外で働くことの多い分野なので、熱中症リスクへの対応や作業の自動化・機械化の推進などが課題です。
これらを踏まえて、今後、検討すべき課題として、高温耐性品種等、品種や資材など適応策の効率的な開発体制の強化や、スマート技術を含めた適応策のさらなる普及、産地でまとまった普及促進やサプライチェーンとの連携により流通や小売、消費者の理解を得ることが重要であると考えてございます。
では、最後のページをお願いいたします。
こちらはご参考ですが、農林水産省では、気候変動等対応品種法案を国会に提出しております。こうした法案や、先ほどご紹介したみどり戦略の内容やみどり加速化GXプランの検討を踏まえながら、今後の政府適応計画の検討についても、環境省など関係省庁の皆様と連携しながら適応の推進に努めてまいります。
農林水産省からは以上でございます。ありがとうございました。
肱岡委員長
ご説明、どうもありがとうございました。
それでは続けて、国土交通省より、説明をお願いいたします。
国土交通省 石島補佐
国土交通省総合政策局環境政策課の石島と申します。
私から、国土交通省における気候変動適応策の取組状況につきまして、主なものをご説明させていただきます。
次のページをお願いいたします。
国土交通省では、気候変動への適応策について主にインフラ整備や気象予測等の観点から取組を進めているところでございます。特に2月に公表されました第3次気候変動影響評価の中でも、河川の洪水、内水や暑熱は、重大かつ緊急性が高く、確信度も高いとされているものと承知しておりまして、この対応は非常に重要であると考えているところでございます。
具体的な施策といたしまして、まず、左側のハード・ソフトが一体となった気候変動適応策をご覧ください。
まず、黄色着色箇所、治水計画の見直し、流域治水の加速化・深化といたしまして、1点目、すべての河川整備計画(国管理河川)で気候変動の影響を考慮した計画へ見直し、治水対策を強化しているところでございます。
また、2点目といたしまして、気候変動による災害外力の増大に対応するため、ハード対策のみならず、流域治水の加速化・深化とソフト対策と一体となった対策の一層の充実を図っているところでございます。
また、3点目、港湾における高潮や海面上昇等の気候変動の影響への対策といたしまして、多様な主体が存在する港湾関係者が協働して気候変動対策の目標設定や、ハード・ソフト一体の取組を進める協働防護の取組を推進しているところでございます。
次に、その下の黄色着色箇所、危機的な渇水への対応につきまして、渇水が生じた場合の進行状況と影響を想定しまして、対応策を時系列で整理した渇水対応タイムラインを作成しまして、地域全体での渇水への対応力の向上を図っているところでございます。
次に、右側でございますけれども、まず、健全な水循環の意識醸成に向けた普及啓発、教育として、水循環に係る意識醸成のために様々な啓発等を行っているところでございます。
また、その下、新技術や防災気象情報等を活用した防災・減災対策でございますが、1点目、ドローンやAI等の新技術の活用を進めまして、災害発生時の被害状況の迅速な把握や国民への分かりやすい情報提供、復旧、復興の迅速化等を図っているところでございます。
また、2点目、防災気象情報の高度化といたしまして、昨年の気象業務法の改正により、洪水の特別警報を新たに設けまして、国土交通省や都道府県知事と気象庁が連携をし、洪水や高潮にかかる国民への実効性の高い情報提供を図ることとしており、今年の出水期から運用開始を予定しております。
また、その下、地形分類情報の整備・情報提供といたしまして、国土地理院が整備する地図において、防災対策や土地利用計画策定等に資するよう、盛土や埋立地など、土地の成り立ちや性質を示した地図の提供を進めております。
続きまして、右側のヒートアイランド・暑熱対策のところをご覧ください。
1点目といたしまして、遮熱性舗装等の整備、屋上緑化や道路緑化等を含めたまちなかの緑化空間の創出等により、ヒートアイランド現象により生じる健康や生活環境への悪影響の軽減に取り組んでおります。
また、その下、熱中症への予防行動を促すため、熱中症警戒アラート、熱中症特別警戒アラートを、引き続き適切に運用していくとともに、今年から最高気温40℃以上となる日の呼称を、新たに酷暑日と定めたところでございまして、危険な暑さへの気づきを効果的に呼びかけてまいります。
また、このほか、熱中症対策とさらなる地球温暖化の抑制を両立する観点から、省エネ性能住宅の普及等も引き続き進めてまいります。
国土交通省からのご説明は以上でございます。
肱岡委員長
どうもご説明ありがとうございました。
それでは、ただいま説明に対するご質問、ご意見をお願いいたします。
それでは、江守委員、お願いいたします。
江守委員
ありがとうございました。
3点申し上げたいと思います。2点は環境省、1点は農水省なんですけれども、1点目は、クーリングシェルターなんですけれども、僕の家の近くにもありまして、去年の夏はうちの子どもが勉強しに行ったりとかしていたんですが、これがどれぐらい活用されているかという評価、どれぐらい行われているかというのを伺いたいと思います。どれぐらいの認知度があるかというのと、あと実際に、その必要な人に活用されているのかというところを評価する必要があるんじゃないかなと思いました。例えば、低所得でエアコンが使えない方などが活用されているのかどうかといったことです。それが一つ目です。
二つ目は、これは適応というよりは影響評価に関わる部分なんですけれども、ちょっと国際的に話題になっていることとして、IPCCが次の報告書に使うシナリオをこうしようと決めたという論文が最近出たということに対して、いろんな反応があったと。RCP8.5という一番高いシナリオが次のIPCCの報告書では除外になったということが起きています。これは、そこまで高い排出量というのはもう今後、起きないだろうということになったわけで、ある意味では、気候変動対策はそれなりには進んでいることの成果であると思うわけですけれども、アメリカなんかで、気候変動の科学や対策に対して、あえて批判したい種類の人たちが、これをこれまで、気候変動の科学というのは大げさな評価をやっていたことを認めたんだと、そういうふうに主張して、トランプ大統領もそういうポストをしたということが起きました。
日本の気候変動影響評価も結構RCP8.5を使って、その気候変動の影響が大きい場合の評価というのが行われている論文とかは結構あるんじゃないかというふうに思うので、そういうものを今後発信する際にちょっと気をつけて出していく必要があるんじゃないかと思います。かなりマニアックな論点かもしれませんけれども、あえて批判したい人たちのターゲットになってしまうおそれがあるというふうに思いました。それが2点目です。
三つ目は、農水省のご説明に対してなんですけれども、適応策として僕が注目しておりますのは、営農型太陽光発電でありまして、これはもちろん、ある意味で緩和技術ではあるんですけれども、営農者の、日陰ができるので、作業環境を高温から守るということや作物自体の温度が高くなりすぎないとか、水分が蒸発し過ぎないとか、そういった効果がある適応策のシナジーがあるものだというふうに認識をしています。
農水側から見ると、これは営農型太陽光というよりもPV活用型農業という、農業を主体にして見ていただくというのもあるんじゃないかと思うんですけれども、最近、望ましい営農型太陽光という整理が行われたというふうに承知しておりますけれども、それに基づいて、規制すべきものは規制していただいて、推進すべきいい事例というのは積極的に推進していくと。その際に、この適応策という視点で、ぜひ農水にも位置づけていただいたらいいんじゃないかというふうに願っております。
以上です。
肱岡委員長
貴重なコメント、ありがとうございます。
それでは、まず、環境省事務局からご回答お願いします。
柳川企画官
江守先生、ご指摘いただきましてありがとうございます。
まず、クーリングシェルターの関係でご質問いただきました。関係部局でも、具体的な利用方法なども踏まえて、クーリングシェルターについて、どのように推進をしていくべきかについて議論などされているようなお話も聞いておりましたので、詳細については、熱中症の対策について担当する部署にも確認の上、ご回答させていただければと思います。
また、2点目、IPCCのシナリオを決めたことに関しての情報発信についてご指摘いただきました。
こちら、今、ご指摘いただいた点も非常に重要だと考えておりまして、影響評価で言いますと、今回、1.5~2℃上昇のシナリオと、3~4℃上昇のシナリオで言いますと、一番上のところが、まさにこのRCP8.5に関係するところとして評価をしていると考えておりますが、これらの発信については、今、ご指摘いただいたところにも気をつけつつ、発信を進めていきたいと考えております。
また、農水省さんへのご質問ということで、営農型の太陽光発電について最後、ご指摘いただきましたが、こちらは今までの小委員会の中でも御指摘いただいている中で、庁内で関連している取組について、改めて確認させていただいております。省内で言いますと、地域脱炭素グループの方でも、地域共生型の再生可能エネルギーの推進ということで取組を進めておりまして、その中でも、優良事例としての地域共生型の営農型の太陽光発電については、しっかりと取り入れ、取りまとめつつ発信といったことは引き続きされているところで、我々でも確認させていただいておりまして、我々としても、まさに日陰をつくっていくというような関係での暑熱対策であったりとか、また一部の報告では、日陰をつくることによって、例えば水温が下がるとか、農業をするときの、そういったことについても言及されているものも承知はしておりますので、適応策として優良なものについては、地域共生型の優良なものについてはしっかりと、我々としても必要なものについて推進していきたいと考えているところでございます。
少し長くなりましたが以上です。
肱岡委員長
ご回答、ありがとうございます。
それでは、農林水産省様、何かあればお願いします。
農林水産省 古田補佐
ありがとうございます。
3番目のご質問について、環境省のコメントのとおり、優良事例として発信できるものもあると考えております。
我々としても、太陽光発電としての利用は重視している一方、先日、望ましい営農型太陽光発電の指針を出したように、農業としての営みが基本であることも重要と考えています。先生おっしゃられたとおり、適正な活用事例を引き続き推進していきたいと思います。
適正な優良事例は、環境省からも引き続き発信をしていただきたいと思っております。引き続きよろしくお願いいたします。
肱岡委員長
ありがとうございます。
それでは、木村委員、お願いいたします。
木村委員
環境省さんと農林水産省さんと国交省さん、全部の省庁さんにお願いがあるのですけれども、こういう取組を進められるに当たって、せっかくなので、今、こういう形で国としても適応を進めようとしていますというのを国民に届く形で広報をしっかりしていただけないかなと思っております。
というのが、気候変動に関しては、こういう被害が出ますとか、何か暗い話題が多いものですから、国としても今、こういう対策を取っていて、これから先、影響が軽減される見込みですとか、そういう少し希望の持てる話が出てくると、皆さんも安心するというか、少し気分が明るくなるのではないかと思いました。
あと、農林水産省さんについては、例えば、米が分かりやすいのですが、新しい品種をつくってもコシヒカリが強過ぎるとか、そういうこともあるので、そういった新しい品種に目を向けてもらえるような何か方策みたいなのもしていただけたらなと思いました。
国土交通省さんについては、せっかく治水の計画などを気候変動への適応を組み込んで考えられているということでしたら、それももう少し前に打ち出していただけるといいなというふうに思いました。よろしくお願いします。
肱岡委員長
今のはコメントとして受け取らせていただきます。それに関しまして、我々、国立環境研究所も、環境省さんと打ち合わせて、国交省さんとか、農水省さんの情報をしっかりと伝えるようにしますので、宿題として受け取らせていただきます。どうもありがとうございます。
木村委員
よろしくお願いいたします。
肱岡委員長
それでは、オンラインから長谷川委員、お願いいたします。
長谷川委員
長谷川です。本日は、オンラインで失礼いたします。私はコメントだけになります。農水省さんのほうにコメントです。
いつも情報共有させていただいておりますので、改めてということもないんですけれども、ご紹介いただいた中で、今後検討すべき課題、高温耐性品種などの効率的な開発体制の強化というのはぜひお願いしたいところなんですけども、今、委員からご指摘もありましたように、技術ができるということと、それが効果があるかどうかという点と、それから、実際に普及し得るかといった点を全てをパッケージとして科学サイド、あるいは食料システムの流通を含む形といろいろ巻き込んだ形でぜひ進めていただきたいなというのが1点です。
2点目は、今回適応ということで、みどり食料システム戦略の中でも適応の部分を抜き出していただいていると思いますけれども、やはり適応と緩和、その他の共便益というのが農業においては非常に強く求められることになりますので、これは適応、これは緩和といったような分け方ではなくて、それを一体的に進めるということをまた改めてお願いしたいと思います。
最後に3点目は、暑熱などに対応した労働環境整備というのは、深刻な問題として認識しております。都市のほうでかなり進んでいるところが多いと思いますけれども、うまく使える部分を共有しながら、農村部における労働環境のほうは施設なども含めて、ぜひ進めていただければと思います。
以上です。
肱岡委員長
貴重なコメント、どうもありがとうございました。
それでは、三島委員、お願いいたします。
三島委員
MS&ADホールディングスの三島と申します。貴重なご報告、ありがとうございました。農水省さんにコメント一つ、それから、国交省さんにコメント一つでございます。
農水省さんへのコメントです。民間企業の有する新たな技術といったところに関連するかと思いますが、当社は損害保険会社ですので、天候の不順、異常気象とかに関してそれを補償する天候デリバティブという保険商品がございます。
今日も出がけに商品部の経験者に話を聞いてみたんですけれども、やはりアンダーライティングのときに、一番大事なのはトリガーを決めることと言っておりました。ただ、契約主体はやっぱり農家個人個人になってしまうそうなんですね。一人一人、個人とのご契約ですと、やっぱり損保会社としてなかなか収支が取りにくいので、できればそのエリア全体でリスク評価をさせていただいて、そこに所属している農家の方を団体として引き受けると、集合体としてそんな形の引受けのほうがやりやすいというか、当社としては補償を提供しやすいというようなことを言っておりました。
なので、せっかくそういったソリューションがある中で、やっぱり実際に必要とされている方に届けられるように、届けやすいように何かその辺りをもう少し細かくコミュニケーションが取れるといいなというふうに感じましたので、そうしたところへのソリューションの一つとして、目を向けていただけるとありがたいなと。そして、必要な支援なんかも考えていけるといいのかなというふうには思っております。これがコメント一つ目です。
もう一点、国交省さんへのコメントです。、グリーンインフラを推奨されていると思いますが、今回は明示的にはその言葉は、ざっと見た感じは見つけられなかったのですけれども、その概念というのは全てに織り込まれているというふうに理解をしております。
一方で、環境省さんが推進されるネイチャーベースドソリューションとはもうほぼ同じものだというふうに考えてよくなったんでしたっけというところについて、一応、国交省さんのコメントをいただけますとありがたいです。
肱岡委員長
ありがとうございます。
それでは、国交省様、お願いいたします。
国土交通省 石島補佐
ありがとうございます。
グリーンインフラにつきましては、社会資本の整備に自然資本を活用し、そこで活動する方々のウェルビーイングの向上にも資するもので、かなり幅広く捉えているところでございます。その意味で、ネイチャーベースドソリューションズとも非常に重複するところは多いかとは思っておりますけれども、グリーンインフラはそれを社会資本整備の中に生かしていくという点で、独自の概念として打ち出して、広く広報を図っているところでございます。
本日のご説明の中では、都市の緑化というところで丸めてご説明をしてしまいましたが、グリーンインフラの重要性は、私どもも認識しているところでございまして、気候変動適応策にも当然資するものだと考えておりますので、しっかりこの重要性等を打ち出してまいりたいと思っております。
三島委員
ありがとうございます。
じゃあ、重複はするけれども用語としては使い分けていくということなんですね。ありがとうございました。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、オンラインから三村委員、お願いいたします。
三村委員
どうもありがとうございました。
今日、農林水産省と国土交通省の方から、具体的な施策の説明をいただきまして、非常に熱心に取り組んでいただいているということがよく分かりました。その上で、それぞれにご質問、コメントをさせていただきたいと思います。
それから、先ほど江守委員から出されましたシナリオの件についても、私のこれまでの経験についてお話をさせていただきたいと思います。
まず、農林水産省の方ですけれども、みどりの食料システム戦略、あるいはみどり加速化GXプランとか、非常にパッケージとしてきちんと進められているということがよく分かりました。
二つあるんですけれども、一つは、農林水産の分野というのは、よく言われている適応の限界というのが現れやすい分野だと思うんですね。それで、例えば、今でも温州みかんとかなどはもう栽培が困難になっている地域が出ているとか、気候の変化によって栽培できない地域が現れると、そういうようなこと。あるいは漁場の大規模な移動が起こるとか、そういうようなことも指摘をされています。
そういうことに対する対応は直ちにできる訳ではなくて、長い時間をかけて、次の作物を考えるとか、そういうことにしていかなきゃいけないんだと思うので、非常に難しい課題だとは思いますけれども、考えていただく必要があるんじゃないかなというふうに思います。それが一点です。
2番目は、S-18プロジェクトで、農林水産業の発展方向というようなことで、いろいろ検討をやっていただいたんですけども、その中で出てきた課題は、ご存じのとおり農家の高齢化が進んで後継者が少なくなると。そうすると適応とか、いろいろ新しいことを持ち込もうとしても、それを担う人がいないということですので、いわゆる農業の作物とか、農耕の方法とか、技術だけではなくて、農業全体をどういうふうに今後継続し、盛り立てていくのかと、そういう観点も大きな意味では適応の重要な分野だと思います。そういう点についても、ぜひ今後、検討をさらにお願いをしたいと思います。
次は、国交省の方ですけれども、流域治水とか、熱心に進めていただいて、大変優れた取組だと思います。先ほど来出ている暑熱対策なんですけども、実は2日ぐらい前にニュースを聞いていましたら、街路樹が50万本くらい減少しているというようなことが国交省のデータで紹介されたというニュースがありました。
個々の場所で、どういうふうに暑熱対策をするかというだけではなくて、都市域全体、都市計画としてどう暑熱に強い、あるいは気温を高くしないような空間をつくるかということが非常に重要だと思いますけれども、そういうことについて、どういうふうにお考えかということをお伺いしたいと思います。
最後に、シナリオの件ですけれども、S-18のプロジェクトの最初にシナリオを決めるときに、まさにその点を我々も問題にしました。それで、考えた論理は、RCP8.5というのは言ってみれば、パリ協定が合意される前のBUSINESS AS USUALの最高シナリオだというふうに捉えると。したがって、パリ協定が締結されて、国際的に脱炭素の動きが取り組まれれば、それが実際のものになる可能性は低くなっていくということを前提に、そういう意味でのリファレンス・シナリオであるというふうに考えることにしました。ただそのときには、AR6、第6次報告書では、非常に高いシナリオであるけれども、全く可能性がないわけではないというようなことで採用されていたような経緯があるので、今回の紹介されている論文などの立場とは違うということにはなります。
そういう意味で、この高いほうの限界をどういうふうに考えるのか、このシナリオについて、我々がどういうふうに捉えるのかということについて、研究者などとも協力をして、環境省としても考え方を整理して、影響評価報告書の説明についても、きちんと納得のいく説明ができるようにするというようなことも重要なのではないかと思います。
さらに言えば、今回の影響評価報告書には入っていませんけれども、AR7では、次のIPCCの報告書では、オーバーシュートのシナリオがかなり重視されるのではないかと思います。そうなると、また別の新しいシナリオの課題も出てくると思うので、このシナリオに対して、なかなか分かりにくいところではありますけれども、きちんとその時々に応じて説明ができるというようなことを準備しておくということも、重要だと思います。
以上です。
肱岡委員長
貴重なシナリオの解説、どうもありがとうございました。
それでは、農林水産省様、ここのところでもし何かコメントがあれば、よろしくお願いいたします。
農林水産省 古田補佐
1問目は、長期的にどのような産地を目指すかを、農業者の皆様自身でも産地として考えていただく必要があると思っています。そのために、農林水産省としても、影響評価報告書をはじめ、どのような影響とどのような適応策があるかについて、関係省庁の皆様とも連携しながら、産地に情報提供していくことが重要と考えています。
また、2点目のご質問も、担い手の確保、人材の確保、ほかにも機械化や農業生産基盤整備による生産性の向上など、農業全般の課題と併せて考える必要がございます。
先ほど適応策の課題でも、機械の効率性とコストの話が出ていると申し上げたとおり、適応策単独ではなく、農業全体の課題を解決する中で適応策にも資するということが多々あると思います。ご指摘のように、担い手確保をはじめ、持続可能な農業をトータルで進めることが重要と考えております。ご指摘ありがとうございました。
国土交通省 石島補佐
国土交通省でございます。
ご指摘をいただきました街路樹に関する記事につきましては、私どもも拝見をいたしました。先生ご指摘のとおり、都市、地域全体で遮熱対策を進めていくことが重要であると考えております。街路樹の数につきましては、道路整備の事情等もあるかと思いますけれども、私どもとしては、街路樹に限らず、まちの緑地形成ですとか、建物の屋上緑化なども含めまして、トータルでグリーンインフラの観点で、暑熱対策を進めてまいりたいと思っております。
三村委員
どうもありがとうございました。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、オンラインから堀江委員、お願いいたします。
堀江委員
ありがとうございます。
簡単に、2点ほどコメントを申し上げます。1点は環境省さん、1点は農林水産省さんへのものです。
資料1-1の環境省の資料の11ページです。A-PLATのコンテンツの紹介がありまして、その中にTCFDの紹介があります。ご承知と思いますが、2023年10月にTCFDは解散しておりまして、これが後続の機関に引き継がれているということで、現在はISSBがIFRSという基準を公表しています。今年度の会計から新たに、サステナビリティーに関して少し統合的な非財務情報を公表していくことが大企業のタスクとして、これが新しく導入されています。ここには解散してしまったTCFDの言葉しか載ってなかったので、どこかの段階で、こちらについても改訂が必要かと思います。関連して、A-PLATを確認したんですけど、TCFDのページを開けると、まだサステナビリティー、ISSBやIFRSに関する移行に関する情報が載っていませんでしたので、関連事項をそのうち掲載いただいたらいいのかなと思っております。
もう一つは、農林水産省の資料の1ページ目です。熱中症による死亡者が多数に上るというグラフです。私も驚いたのですが、厚生労働省が集計する労働災害の統計を見ていても、農作業者は個人事業主が多く、労災保険の適用対象になってない場合が多いので、全業種の労災統計での死亡者数の約4倍、ものすごい数、59人という人数に達していると私は感じました。
農水省さんだからこそ把握されている課題認識というふうに捉えられますが、これを一つの例として考えたときに、各省庁がご担当される中で課題認識されたものについて、それでは、この情報をどのように活用するのか、これを見てそのソリューションをどうするのか、についてあらゆる方法を柔軟に検討することが重要です。ソリューションが必ずしもその省庁の中に全てその答えがあるわけではないと推察します。例えば、もちろんビニールハウスをどうするとか、農場をどうするというのはあると思いますけど、それだけではなくて、農作業者個人に対する対策となると、ほかの省庁の対策、例えば、厚生労働省の分野で、個人個人が体温が上がらないようにするための各種の保護具は、最近どんどん市場が大きくなって開発も盛んですので、連携して検討してはどうかと考えます。課題認識されたものがほかの省庁がソリューションを提示できそうなときに、どのようにしてそこにたどり着けるのかというイメージが、あるといいのかなと思いました。
国土交通省も、街路樹がなくなって暑くなるというのは分かりますけど、それでは、通行人や働く人はどうしたらいいのかとか、国土交通省の管轄外に影響が及んだときに、そのソリューションはどこと連携したら良いのかといった仕組みがあるとありがたいと思いました。
以上です。
肱岡委員長
非常に貴重なコメント、どうもありがとうございました。A-PLATについては早急にアップデートするようにいたします。
環境省から、もし何かコメントあればお願いします。
柳川企画官
ご指摘いただきまして、ありがとうございました。
我々から説明させていただいた資料が、若干古い情報をまとめており恐縮です。
一点ご紹介をさせていただければと思いますが、ちょうど今年の3月に最新の気候変動の物理的リスクについて、評価の手引きというような形で、民間企業向けの手引きを作らせていただいております。こちらにつきましても、今、環境省から公表をさせていただいているところでございます。
こちら資料の方できちんと情報が掲載できておらず恐縮ですが、こうしたものについても、引き続き、民間企業の動向なども踏まえて、新しい情報発信ができるようにさせていただければと思います。これについては、A-PLATのほうでも掲載をさせていただいているところでございます。もう一点、農水省さん、国交省さんにもというようなお話がありましたけれど、熱中症対策という観点もありまして、それぞれソリューションを出すというようなことで、それぞれ分野横断的なところの取組という観点でのご指摘だと認識をしております。まさに、この次の議事2の方、次期の適応計画の中でも触れていくところかとは思いますけれども、それぞれ適応について、分野横断的に知見などを共有しつつ進めていくべきというところがありますので、そうした取組については、環境省でも取りまとめつつ、関係省庁の取組や連携などを推進させていただければと考えております。
やや抽象的なご説明で恐縮ですが、よろしくお願いします。
肱岡委員長
ありがとうございます。
農林水産省さんからは、何かコメントありますか。あれば、お願いします。
農林水産省 古田補佐
熱中症死亡者数については、農業分野では、屋外や密閉されたビニールハウス等での作業が多いため、被害が多い傾向がございます。
委員ご指摘のように、同じ省内にソリューションがない場合もあるため、例えば本件であれば厚労省の皆様など他省庁と連携しながら、農業分野においてどのような対策が可能かを検討してまいります。
堀江委員
ご回答ありがとうございます。
国土交通省 石島補佐
国土交通省です。私どもも、所管している分野で現場作業のある分野もございますし、それ以外にも、まちや、道路を歩いている中での暑熱をどう対策していくかという観点でも、非常に関心を持たれるものだと思っております。その意味で、私どもの中だけではなく、他の分野で取り組まれている取組が、当然私どもに関わる分野についても、ソリューションになり得るということは十分あるかと思いますので、関係省庁ともしっかり連携しながら、幅広い対策が参照されるように、その利便性等も考えながら取り組んでまいりたいと思います。
堀江委員
ありがとうございます。
肱岡委員長
どうもありがとうございました。
それでは、次の議題に移らせていただきます。
次の議題は、次期気候変動適応計画の構成についてです。
それでは、事務局より説明をお願いいたします。
柳川企画官
そうしましたら、議事2の資料について、ご説明をさせていただければと思います。それでは、資料の投影をお願いいたします。ページをめくっていただきまして、具体的な中身に入る前に、先ほど少しお話をさせていただいた、これまでの検討状況というところ、今後の進め方というところで、スケジュール案について、少しご紹介をさせていただければと思います。
これまで、先ほどお話しさせていただいた推進会議などの場所で議論なども進めているところでございまして、本日、この小委員会の場所でも、適応計画の構成について、ご助言などをいただければと考えております。
これらの議論を踏まえまして、6月頃にも気候変動適応推進会議、大臣を議長としている本体の会議におきまして、適応計画の骨子について議事を設けており、適応計画に位置づける大きな方針などにつきましては、この骨子の中で確認をしていきたいと考えているところでございます。
また、骨子の内容について、推進会議以降、取りまとまった内容も踏まえまして、より具体的な施策についても検討していきたいと考えておりまして、夏頃にはこのような骨子の内容なども踏まえつつ、個別の課題などを聞いていくという観点のヒアリングなども実施できないか現在考えているところです。
こうした検討を通じまして、秋から冬頃には計画の素案について取りまとめつつ、年度内に閣議決定をさせていただければと考えているところです。
また、検討と少し並行するような形にはなりますけれども、こうした改定の計画に基づきというふうに書いてありますが、議論の内容なども踏まえつつ、必要に応じて年度内にも、今後この適応計画を動かしていくのに当たって、必要なKPIなどについても検討を進めていきたいと考えているところでございます。
取り急ぎ、スケジュールについて、まず紹介をさせていただいたところでございました。というのが、少し前提的なご紹介になりまして、スライドをめくっていただきまして、2ページ目以降が具体的な内容でございます。
本日の小委員会の論点という形で、まとめているスライドとなっております。
まず一番初め、冒頭で、今回の現行の適応計画から次期の適応計画に向けての主な変更点というところで、かなりコンパクトではありますけれども、二つほど大きい主要なところをまとめているところでございます。
一つは、関係省庁主体の行動変容を促して、気候変動適応の実践につなげていくということを重点における計画としていくため、基本戦略を見直しておりまして、適応計画全体について刷新ているところでございます。
また、構成としまして、気候変動適応に関する分野別施策及び基盤的施策につきまして、これまで関連施策について、網羅的に整理をするような形でまとめておりましたが、今回、影響評価報告書の中でも、特に優先的に対応が必要な項目というような形でまとめられていることなども踏まえまして、こうしたものへの対応を中心に、国としてどのような方針で施策を推進していくかということを示す形に見直しをしていきたいと考えているところでございます。
こうした中で、本日の論点というところで、下の部分にまとめさせていただいておりますが、次期気候変動適応計画において、基本戦略、分野別施策の方針、基盤的施策の方針に位置づけるべき観点・視点について、本日の説明に追加して、ご意見などをお聞きできればというふうに考えておりまして、そのほか、適応を推進していくために、今後重要と考えられている対策や施策などについても、ご助言などをいただければというふうに考えているところでございます。
3ページ目以降が、気候変動適応計画の構成案という形で、具体的に現在検討している構成について、説明をさせていただければと思います。
説明をさせていただく前に、一点お詫び申し上げますが、前回までご助言いただいていた意見につきまして、資料に落とし込むことがまだできていないという状況になっておりまして、本日はこの資料のみとなっております。本日、口頭で、これまでの意見について、どのように取り入れさせていただいているかなどご説明をしつつ、お話しさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
そうしましたら、まず一番初め、4ページ目の投影をお願いいたします。
まず、その下の目標と基本戦略について、こちら記載をさせていただいております。
まず、目標につきましては、総論として、適応について目指すべき方向というような観点で、現行の気候変動適応計画とも同じような形で、引き続き気候変動影響による被害の防止・軽減、さらには、国民生活の安定、社会・経済の健全な発展、自然環境の保全及び国土の強靱化を図り、安全・安心で持続可能な社会を構築することを目指すというような観点としております。
前回、三島先生から、気候変動適応の中に人権の視点を取り入れることが重要ではないかということでご指摘をいただいたところでございます。そういった人権というところの表現と少し異なる形ではございますが、こちらの目標にも書かせていただいておりますとおり、例えば、国民生活の安定や安全・安心であったり、社会経済の健全な発展など、基本的に守られるべきものについて、これらの目標の中でも位置づけをさせていただいておりまして、総論として、ご指摘いただいた人権なども含めて、社会として守られるべきものについて守っていきたいと考えているところでございます。
続きまして、②の基本戦略についてでございます。
こちらの資料の中で、現行の適応計画における七つの基本戦略をそれぞれ列挙しておりますが、前回、資料の中で、基本戦略の検討に向けた六つのポイントというふうにお示していたと思います。前回は、こちらの資料にある七つの基本戦略にも少し近い形で、地方自治体の支援や事業者の支援など項目に分けて六つお示ししていたところでございますが、改めて、これらの関係性について整理をしまして、次期の計画の中の基本戦略といたしましては、これからご説明させていただく分野別施策であったり、基盤的施策であったり、これらについて共通する項目について、横断的に取り入れていくべき視点について、この基本戦略としてまとめさせていただく方針としておりまして、こちらの資料では四つお示しをさせていただいております。
まず、これらの基本戦略につきまして、それぞれどのようなものを検討させていただいているか、ご説明をさせていただければと思います。
まず、影響評価報告書で特定された深刻な影響に対して、適応に係る施策を重点的に実施して、効果的・効率的に社会全体の適応を推進していくということを一つ目とさせていただいております。
また、適応策の効果が現れるまでには時間を要するものが多く、気候変動影響による被害が生じる前に適応策を実践に移すという観点では、様々な影響に対して取りこぼしなく、予防的に適応を推進していくことが必要だと考えております。
また、三つ目のところ、これまでの取組により、国の情報基盤や自治体の体制構築などが進展してきておりますが、今後は関係者の適応の実践などを重点的に推進していきたいと考えております。
また、最後の四つ目の観点ですが、コミュニケーションの観点としまして、気候変動対策を通じて暗い未来だけではなく、将来世代を含む関係者が明るい未来を描くことができるコミュニケーションを推進していくということで、四つお示しをさせていただいております。
前回いただきましたご意見とこれらの反映についてご説明をさせていただければと思います。
それぞれ順に、この四つの観点でいただいた意見についてご紹介をさせていただければと思います。江守先生から前回、「適応の実施の優先順位において、既に深刻な影響が出ている人たちに対して、優先的に手当をしていくことを強調していくことや、農業従事者など脆弱なセクターについて大きなターゲットと考えるべきではないか」ということでご指摘をいただきました。
今回、重点的に実証するということで一つ目書かせていただいておりますが、まさにご指摘いただいたような社会・経済的な脆弱性といったことも考慮して、適応策の実践の促進といったことについても、適応計画の中で位置づけていきたいと考えているところでございます。
続きまして、予防的な取組として、基本戦略の二つ目について関連するご意見としていただいたものですが、奥先生に、「科学的知見が十分でなくても、予防的観点から対策も記述していくことについて記述したほうがいいのではないか」ということでご指摘をいただきました。全ての取組にも関係する観点といたしまして、こうした予防的な適応の観点について重要だと考えておりまして、今回、基本戦略にも位置づけをさせていただいたところでございます。
続きまして、基本戦略の三つ目、適応の実践という観点について関連のご意見いただいたところをご紹介させていただければと思います。
肱岡先生から、「法施行後7年が経過し、今後は、深めるや繋ぐといったことが重要な視点」というご意見をいただきました。
こちらの資料にも記載をさせていただきましたが、まさに体制整備が進んできた中、次の取組として、例えば、関係者の連携を強化していくことや、より実務的な深掘りをした知見を整理していくなど、実践に向けた施策について、今後は行っていきたいと考えているところでございます。
続きまして、基本戦略の四つ目のところのコミュニケーションの観点で複数のご意見をいただいたところ、ご紹介させていただければと思います。
沖先生から前回、「よりよい未来になるというポジティブな発信になることを期待」ということでご意見をいただきました点と、堀江先生から、「若年層で認識が進んでいないところもありますので、特に若年層なども重視したコミュニケーションなど取り入れていただきたい」ということで、ご意見いただいているところでございます。
こうした意見も踏まえまして、今般、基本戦略として、次のコミュニケーションについても位置づけをさせていただいたところでございます。
また、これ以外でも、肱岡先生から、「適応計画の周知の際、国民が実施できる具体的な適応策とセットでの発信も有効ではないか」ということのご意見と、三村先生からも、「適応計画の中で全て具体的に書けるものでないため、例えば、国民一人一人がどう行動したらいいのかというような話は、どこで示すかも含めて検討を進めるとよいのではないか」というご意見を前回いただいたところでございます。
コミュニケーションの推進に当たりましては、適応の実践が進むよう、取り得る選択肢や施策のオプションなども同時に示していくということも重要だと考えておりまして、そうした観点についても、次期の適応計画の中では取り入れていきたいと考えております。
また、国の適応計画の外の話にはなりますけれども、例えば、これまでも自治体の取組など、広域アクションプランとしてまとめられるような形でも進められてきていると認識しております。
こうした中で、国の方でも、例えば、自治体や国民でどのような適応策をとり得るかなどお示しすることについても、別途検討を進めていきたいと考えているところでございます。
また、栗栖先生から、「適応の概念の普及の観点では、言葉の認知に依拠するだけではなくて、既に生活の中に存在している実践を適応の枠組みの中で再認識できる工夫が必要ではないか」というご指摘をいただきました。
こうした中、法施行後の5年の中間まとめでも、同様にご指摘いただきまして、適応の認知度が非常に重要だと我々も考えておりまして、既に取り組まれていることも含めまして、適応の認知度の向上に努めていきたいと考えているところでございます。
以上が基本戦略に関連したご説明となります。
以降、5ページ目で分野別施策の方針をまとめているところでございます。
以降、資料の構成としては同様ではありますが、基本的にはこちらの資料はヘッダーにも書かせていただいておりますが、今回、適応計画のコンセプトとしまして、影響評価報告書の中でも、特に優先的に対応すべきとされた影響を中心に、政府の今後の施策の方針について取りまとめをしていきたいと考えているところでございます。
まず初め、農林水産業につきましては、今回、水稲、果樹、沿岸域・内水面、漁業環境などが、特に優先的に対応すべきとされたものとして挙げられているところでございまして、今後の取組としては、先ほど農水省さんのご説明にもありましたが、例えば、高温耐性品種の開発普及の推進という観点であったり、また、水産業というような観点で言いますと、高水温による水産業への被害を踏まえた環境変化に対応した種苗・養殖技術の開発推進といったことについても、検討していきたいと考えているところでございます。
続きまして、②のところですが、水環境・水資源の中では、渇水の影響ということで、水供給(地表水)への影響について、今回、特に優先的な対応が必要だと影響評価報告書で取りまとめられていることも踏まえまして、例えば、渇水対応タイムラインという形で、水系・地域全体の渇水対応力の向上について、今後、一層取り組んでいきたいと考えているところでございます。
続きまして、6ページ目が自然生態と自然災害沿岸域の取組についてまとめているところでございます。
まず、自然生態系の観点で言いますと、沿岸生態系で亜熱帯、温帯、亜寒帯について、それぞれ特に優先的な対応が必要とまとめられたほか、分布・個体群の移動についても同様にまとめられているところでございます。
こうした中、環境省の取組でございますが、保護地域や自然共生サイトを活用した生態系の保全・回復という観点であったり、また、駆除、防鹿柵の設置等による野生鳥獣被害防止の強化についても取り組んでいきたいと考えているところでございます。
続きまして、自然災害・沿岸域の取組というところで、河川(洪水)、内水氾濫、そのほか土砂流出などについては、今回、特に優先的対応が必要と取りまとめられております。
先ほど、国交省さんのご説明にもありましたが、「流域治水」の推進という観点であったり、グリーンインフラの活用の推進や、また、こうした取組以外にも防災気象情報の高度化などについても取り組んでいきたいと考えているところでございます。
また、続きまして、7ページ目のところでございますが、健康、産業・経済活動、国民生活・都市生活についてまとめさせていただいております。
健康につきましては、主として暑熱の影響が、今回、特に優先的な対応が必要な影響として取りまとめられているところでございます。環境省としましては、引き続き熱中症予防のための科学的知見の充実や注意喚起という取組であったり、また、職場における熱中症対策の徹底であったり、こうしたものも推進していきたいと考えているところでございます。
また、最後⑥のところで、産業・経済活動、国民生活・都市生活の中でも、災害などによるインフラ・ライフライン等への影響について、特に優先的に対応が必要だと取りまとめられたところでございます。
こうした中で、先ほどご説明もさせていただきましたが、地域レジリエンスの向上という観点で、自立・分散型エネルギーの推進など取り組んでいきたいと考えているところでございます。
以上が、分野別施策の方針として、現在検討中のものについてのご紹介となっております。
続きまして、8ページ目以降、基盤的施策の検討状況について取りまとめた内容となっております。
まず一番初め、全体として、基盤的施策としては、①から⑤まで取りまとめをしておりまして、地域の取組の推進、事業者の取組の推進、国際協力、また、関係省庁との連携という観点でのシナジーの促進、科学的知見の充実という5点まとめさせていただいているところでございます。
それぞれご説明させていただければと思います。
まず一番目の観点ですが、地域の取組の推進の観点というところで、便益が実感できる適応等による地域の実践の促進を位置づけていきたいと考えているところでございます。地方自治体の適応を推進していく観点では、限られたリソースの中で効率的、効果的に適応策を講じていくことが必要なため、地方創生にもつながるものなど、便益が実感できる適応策の事例創出・横展開や効果の見える化などを推進していきたい考えているところでございます。この地域の推進に関しましては、幅広く前回までのご意見をいただいたところでございまして、紹介をさせていただければと思います。
まず、三島先生から、「フェーズフリーの考え方を取り入れることで、行動につながるのではないか」というご意見をいただきました。
また、沖先生から、「適応策の推進が、他の施策とのシナジーが発揮され、国民生活や経済活動にどう効果があるのかなど、具体例を示していくということが必要ではないか」というご指摘をいただきました。
また、三村先生からも、「適応策を実施することが地域の活性化、地方創生、ウェルビーイング向上に関連があるとともに、さらにシナジーを発揮して強めていくことができるという打ち出しが重要ではないか」というご指摘をいただいたところでございます。
こうした観点の中で、こちらは資料にも記載をさせていただいているところではございますが、地方創生であったり、フェーズフリー等であったり、シナジー効果により地域課題が解決されていくことが非常に重要だと環境省としても考えております。
まさにこうしたものについては、地方自治体の方でも、より取り組みやすい適応策となっていくと考えておりまして、便益の実感できる適応策の推進などを特に重視して進めていきたいと考えているところでございます。
また、木村先生から、「地域適応センターの互助関係の形成の支援などもしてもらいたい」というご意見をいただきました。また、地域で持っている知見の集積や人材育成に関しては、公設試験研究機関などを今まで以上に活用できないかというご意見をいただいたところでございます。
ご指摘いただいた連携強化というところ、非常に重要だと考えておりまして、例示の方にも記載をさせていただいておりますが、地域気候変動適応センターや試験研究機関等との連携強化についても今後、記載できないかと検討を進めたいと考えているところでございます。
続きまして、肱岡先生からいただいた意見でございます。「知見の共有や水平展開と自然とできる仕掛けや仕組みがあるとよい」ということで、ご指摘をいただいたところでございます。
これまでも、A-PLATなど気候変動適応センターのプラットフォームを使って知見の共有をしてきたところでございまして、まさにご指摘いただいたような水平展開等が自然とできる仕掛けと仕組みは非常に重要だと考えておりまして、横展開等の知見の共有は引き続き、どのようにやっていけるかを検討しつつ、進めていきたいと考えているところでございます。
また、三村先生から、「自治体が実施する適応策と地域の長期適応計画や総合計画を関連づけることが重要」とご指摘をいただいたところでございます。自治体内の他部局との連携や計画間での連携について、次期の計画の中でも引き続き重要だと考えておりますので、位置づけていけるように進めていきたいと考えているところでございます。
また、江守先生から、地域適応センターの設置数が順調に増えていると、前回、環境省からご説明をさせていただきましたが、「十分な活動ができる規模になっているかなどを把握する必要がある」というご指摘をいただきました。
ご指摘のとおり、地域気候変動適応センターについては、様々な体制で行われているものと承知をしておりまして、自治体の体制なども含めまして、今後具体の施策を進めていくに当たり、次回、ヒアリングなども小委員会の中でできればと考えておりますので、ヒアリングをしつつ、課題感など把握をして、今後の施策について検討していきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
説明が長くなってしまい恐縮ですが、まだ幾つかご紹介させていただければと思います。
これ以外にもご指摘いただいた観点でございます。
少し順番が前後してしまい恐縮ですが、木村先生から、「既に各省で様々な技術が開発されているが、現場に実装されるまでには壁がある。開発された技術が現場に実装されるような支援が必要ではないか」とご指摘をいただいたところでございます。
今回、基本戦略の中でも、適応の実践の推進が非常に重要だということで位置づけさせていただいておりまして、ご指摘いただいた技術の社会実装についても、進むような施策を検討していきたいと考えております。
また、前回、高根沢先生から、「縦割りを打破し、他部局の計画へ効率的に適応を位置付けるための効果的なアプローチがないか」ということでご指摘をいただきました。
また、木村先生からは関連しまして、「自治体の中でも地域適応センターの知名度が低く、各自治体に地域適応センターがあることを各省庁等にも周知してほしい」ということで、分野間を超えた連携という形でのご指摘をいただいたと認識をしております。
これにつきましては、部局間や地域気候変動適応センターを含む関係者間の連携が、我々としても非常に重要だと考えておりまして、国からどのようなことができるかにつきまして、引き続き検討してまいりたいと考えております。
また、先ほどの議事1の方でも関連する話題がございましたが、木村先生から、「後継者不足も適応策が進まない一因だ」というご指摘をいただいたと認識をしております。
また、先ほど農水省からもご説明ございましたが、様々な分野の中で、後継者不足などの課題などある中で、こうした問題とセットで捉えていく必要性があると考えておりまして、我々としては、適応という分野で捉えますと、適応策を選びやすくするような意思決定の支援などできないかというところで、情報整備など、進めていきたいと考えているところでございます。
今、地域に関連するご意見としていただいたものをご紹介させていただいたところでございます。
続きまして、事業者の取組について、8ページの中で御説明をさせていただければと思います。
気候変動適応を通じた事業者の競争力強化ということで、②は書かせていただいております。企業が気候変動適応に取り組むことにつきましては、事業の持続可能性を高める上で必要不可欠であるだけでなく、新たな事業の機会創出をするなどの観点からも重要だと考えておりまして、気候変動適応を通じた事業者の競争力強化を図っていけないかと考えているところでございます。
前回、関連するご意見としまして、三島先生から、「既に適応に取り組んでいる事業者と取り組んでいない事業者のそれぞれの理由、動機の分析をさらに解像度を上げて実施していけないか」というご意見をいただいたところでございます。
現在、これまで気候リスクマネジメントの観点と気候ビジネスの課題など、我々環境省のほうでも取組を進めているところでございまして、これらの取組が一層進められるよう、実践に向けて、より精緻な検討などを進めていきたいと考えているところでございます。
続きまして、9ページへ移らせていただきまして、国際協力とシナジーの観点でまとめさせていただいているスライドになっております。
まず、サプライチェーンの強靱化等につながる国際協力の推進ということでまとめさせていただいております。日本の科学的知見や技術等を生かしまして、開発途上国の適応能力の向上に向け、引き続き支援を進めていくとともに、事業者の適応ビジネスの海外展開の活動支援なども通じまして、サプライチェーンの強靱化やビジネスチャンスの創出なども国際協力と同時に図っていきたいと考えているところでございます。
こうした中、前回いただいた意見としまして、稲田先生から、「日本と新興国・途上国との橋渡しを考えたときに、支援には三つあり、一つとしては途上国における事業者のビジネス支援、二つとして日本の影響評価や適応計画策定に関する知見等を共有することで、その国の適応力を底上げしていく支援、また、競争と還流という視点を持った支援」ということで、三つお示しをしていただいたところでございます。
また、沖先生からも、「海外で得られた知見の日本への還流も重要」ということでご指摘をいただきました。
ビジネスや技術の展開支援などにつきましては、非常に重要だと考えておりまして、引き続き、開発途上国の適応能力の向上にも努めていきたいと考えているところでございます。
また、海外の取組の知見についても、取り入れなどを図るよう進めていきたいと考えているところでございます。
続きまして、④、シナジーの促進という観点でございますが、あらゆる関係施策と気候変動適応策によるシナジーの促進ということでまとめさせていただいております。省庁一体となった推進が重要だと考えておりまして、気候変動適応策には、気候変動に対する強靱な社会の実現だけではなく、他分野とのシナジーによりウェルビーイングを向上させるポテンシャルがあるため、様々な分野の政策とのシナジー効果を発揮できるようにしていきたいと考えているところでございます。
関連したご意見といたしまして、前回、沖先生から、「適応策は地域での取組が重要。そのためには、国土計画や都市計画とのシナジーが強調されてもいいのではないか」というご指摘をいただきました。
また、江守先生からのご指摘としまして、「エネルギー安全保障や食料安全保障といった課題にシナジー効果があることと一緒に発信することが重要」というご指摘をいただいたところでございます。
こうした国土計画であったり、エネルギー安全保障であったり、食料安全保障といった大きな政策として位置づけられているものとのシナジーにつきまして、我々も重要だと考えておりまして、こうしたものにも位置づけつつ、幅広い関連施策と連携を図りながら、シナジーを生み出す施策について、政府一体となって取組を進めていきたいというように考えているところでございます。
また、続きまして、いただいている観点ではございますが、先ほど、江守先生から既に議事1のほうでもご指摘いただきました営農型太陽光発電につきましても、「悪い事例について規制をしっかりしていただいた上で、エネルギー安全保障や食料安全保障の観点からもっと推進されて良いと思っている」というご指摘をいただきました。
先ほどもご紹介させていただきましたとおり、営農型太陽光発電につきましては、地域共生型のものについては、適応に資するものも含めまして、しっかりと推進していきたいと考えているところでございます。
また、江守先生から、「脆弱なセクターとしては、子どもがある。体育館の耐熱や空調に取り組む必要がある。また、暗くても運動できるように、グラウンドへの照明設置なども進めてはどうか」というご指摘をいただきました。
これらの取組につきまして、文科省でも体育館の空調や断熱等に取り組んでいるという認識をしております。こうした個別施策についても、必要なものについて、気候変動適応計画にも位置づけられるよう検討していきたいと考えているところでございます。
また、堀江先生から、「長期的に効果が出るものについて、どういうメカニズムでシナジーが得られるのか、言葉での説明が必要ではないか」とご指摘をいただいたところでございます。
今回、適応計画の中で適応の実践の推進を進めていきたいと考えておりますが、適応に取り組むことのメリットが分かるようにしていくことが非常に重要だと考えております。
こうした中で、シナジーやベネフィットの見える化などにつきましても、取り組んでいきたいと考えているところでございます。
最後のページとしまして、10ページ目、科学的知見の取組ということで、5ポツ目、まとめさせていただいているところでございます。
基本戦略にもありましたとおり、適応の実践の促進ということで、科学的知見の充実を一層図っていきたいと考えているところでございます。
気候変動適応の推進のため、影響に関する現状分析や将来予測が必要だと考えておりまして、気候変動影響評価の発展を進めるとともに、経済・社会面からの情報や行動につながる知見を整備するなど、情報の充実及び質の向上などを図っていくことが重要だというように考えているところでございます。
こうした中、今後の取組として、社会的・経済的な脆弱性や被害の影響評価であったり、気候変動に関連した精度の高いデータの整備など、科学的知見の整備について進めていきたいと考えているところでございます。
関連した意見として幾つかいただいておりまして、ご紹介させていただければと思います。
三村先生から2点いただいておりまして、「適応だけの議論ではなく、地域やコミュニティをどうしていくかということもセットで議論していくと意見が出る」ということ、また、「皆が関心を持っている、地域の将来に関わる日常生活との接点がある話題が入り口になる」というようなご指摘をいただきました。
また、堀江先生からも、「どう生活に影響が出るのか、といったことも丁寧に説明しながら発信していくことが必要」というご指摘をいただきまして、気候変動影響や適応等、社会的にどのような影響があるか解像度を上げて、こうした科学的知見とともに発信をしていきたいと考えているところでございます。
また、葛西先生から、「感染症と気候変動の関係性に関する研究はまだ進んでおらず、研究助成金の充実が必要」というご指摘をいただきました。気候変動適応につきましては、気候変動影響の研究をベースに成り立っていると考えておりまして、研究というものが非常に重要だと考えております。影響についても、研究が進むようしっかり盛り込んでいきたいと考えております。
また、これ以外のご指摘としまして、沖先生から、「競争力を強化した結果としてのイノベーションの支援を盛り込むことも重要ではないか」というご指摘をいただきました。環境省の中で、例えば、環境スタートアップのイノベーションなども取り組んでいる中、イノベーションの取組、推進といったことにつきましても、進めていきたいと考えているところでございます。
また、前回、環境省からも少しお話をさせていただいた観点に関連しまして、今田先生から、「情報発信に当たっては迅速さ、情報の即時性が重要だと感じており、何か起こったときに気候変動の寄与を発表すると同時に、具体的に実践できる適応策についても発信できると良い」とご指摘をいただきました。即時性のある行動につながる発信についても、実施可能性含めて、今後検討していきたいと考えているところでございます。
また、木村先生から、「長期継続的な調査が必要な研究については、国から支援をしてほしい」ということでご指摘をいただきました。先ほどの葛西先生のご指摘とも関連しますが、気候変動研究については、引き続き重要だと考えておりまして、こうしたデータ整備についても、しっかりと進めていきたいと考えているところでございます。
非常に早口かつ、前回出た意見について口頭でのご説明となりまして、分かりにくいところもあったかと思いますが、環境省からの説明は以上となります。
また、少々環境省側の説明が長く、ご意見の時間が短くなってしまいましたが、この後、本日以降も含めまして、また幅広いご意見などもいただければと思いますので、ただいまのご説明につきまして、ご助言などありましたらいただければと思います。よろしくお願いいたします。
肱岡委員長
丁寧なご説明、どうもありがとうございました。
それでは、委員の先生方から、今の説明に対するご質問、ご意見をいただけますでしょうか。それでは、江守委員、お願いいたします。
江守委員
すごいというか、密度の濃いご説明をいただきまして、ありがとうございました。いろいろ、今までの意見を検討していただいていることもよく分かりました。
その上で、三つ申し上げたいと思うんですけれども、かなりこれまで、前回までに申し上げたこととかぶるかもしれませんけれども、一つは既に検討していただいているとおっしゃっていただいた脆弱なグループを重点的に適応を促進していくということに関して盛り込んでいただくということで、どうもありがとうございます。これに関して、少し今回も発言しようと思って、ちょっとAIに聞いたりとかして調べたんですけれども、海外の適応計画、幾つかのカナダだとか、ニュージーランドとか幾つか出てきたんですけれども、では、やはり適応というのを考える上で、基本的な視点として、脆弱な人たちの保護というか、これは公平性であるとか、包摂性であるとか、三島委員が以前におっしゃった人権という視点も、これに関連するものかもしれませんけれども、それはかなり基本に据えられているといったようなことがあるように見えました。日本の適応計画では、それはあまり中心には据えられていなくて、そういうことも配慮しますというぐらいに、周りにあるような感じがしましたので、今後、日本でもちょっとそういった視点というのは、もっと強調しなくていいかということを検討していく必要があるんじゃないかなというふうに個人的には感じていますということが一つ目です。
二つ目は、シナジーについて、既にいろいろご説明があったところですけれども、シナジーを強調するのは非常に重要であることはもちろんとした上で、やはりトレードオフについても言及をしたほうがいいんじゃないかと。いいことばっかりでは必ずしもなくて、トレードオフが生じそうなところをうまく調整したり、回避したり、乗り越えたりしていくということにも配慮するということは明示的に書いて、実際に取り組むべきではないかというふうに思いました。それが二つ目です。
三つ目が、よりよい未来とか、明るい未来というコミュニケーションのところなんですけれども、これはもちろんあんまり暗いイメージだけを伝えるのはよくないというところに関してはもちろん同意するんですけれども、これも以前申し上げたかもしれませんけれども、適応すれば何とかなるというフレーミングというか、ナラティブで捉えられてしまうというのは何かあんまりよくないんじゃないかというふうに思っています。
まず、だからやっぱりリスクと向き合う必要があるというメッセージは、まず必要であるように思っていて、その上で、もちろん緩和も含めて、適応も含めて、よい選択を取っていくことによって、よりよい未来というのを実現していける可能性があるんだというような、リスクを受け止めつつも前向きでいられるような、そういうフレーミングで発信していくということが、個人的には必要なんじゃないかというふうに思いました。
以上です。
肱岡委員長
貴重なご助言、どうもありがとうございました。
それでは、オンラインから今田委員、お願いいたします。
今田委員
前回のコメントに対して非常に丁寧に検討していただきまして、どうもありがとうございました。
私からは基盤的施策の⑤番のところについて、ちょっと追加の質問をさせていただきたいです。
先ほど、研究促進のための試験研究機関へのサポートみたいなことも検討するようなコメントをいただいていたんですけど、それをもう少し踏み込んで、環境省さんが欲しい情報の創出を促進するような事業を、環境省さんのほうから各専門分野に提案して、サポートしていくというようなこと、そういう方向性はないでしょうかというのが一つ質問です。
と言いますのも、前回の影響評価報告書の3章のところで、コラムが二つ掲載されていたと思うんですが、これはまさに環境省さんからご提案いただいた災害激甚化事業、それによって実施することができた研究がありまして、その成果が、最終的には影響評価報告書のほうにも貢献したということになっていたと思います。
あの事業は私も参加させていただいていたんですけど、非常によい事業で、もちろんコラムの中では、実際に過去に起こった西日本豪雨や東日本台風というのが、もし将来来たときにどんな未来が待っているんでしょうかというのを、そのときにどんな激甚化した最大災害が起こって、それに対してどういうふうに適応しなきゃいけないかということを具体的に想像できるようなコンテンツが出来上がっていました。
あれを実施するに当たっては、水門分野と気候分野の専門家が集まって、双方の研究ツールを出し合って、さらにそれをシンクタンクが中継して、一気にその分野間の連携研究を進めてくれるという、非常に短期間で効率的に成果を出すことができたんですけど、それはもともと環境省さんからご提案をいただいて、そういった事業が実施することができたという背景がありましたので、非常にいい例があるので、ああいった事業を今後もっと重点的にやる。さらに、ただ専門分野だけではなくて、農業とか、健康影響とか、そういった分野のそういった事業をやっていくようなことを盛り込むと、すごく次の計画として充実したものになるんではないかなというふうに感じました。
取りあえず以上です。
肱岡委員長
ありがとうございます。
それでは、ご回答お願いします。
柳川企画官
ありがとうございます。
まず、江守先生からいただいた観点についてから、順にお答えさせていただければと思います。
まず、一つ目いただきました公平性の観点につきましては、これまで環境省側の中でも、十分にまだ議論ができていなかったところがあるかもしれませんので、いただいた点も含めまして、どのように記載できるかなど、検討させていただきたいと考えております。
また、2点目いただいたトレードオフの観点につきましては、本日ご説明ができなかったところもありまして恐縮ですが、これまでの議論でも、今、シナジーだけではなく、トレードオフについてもしっかりと考えていく必要性があるということについてはご意見いただいておりまして、この点については、しっかりと次期の適応計画の中にも位置づけていきたいと考えております。
また、3点目、コミュニケーションの観点につきまして、本日適応の観点で明るい未来のコミュニケーションという形で、少し短めに資料に記載させていただいてしまいましたが、環境省としましては、引き続き、まず、緩和により気候変動影響をきっちりと引き下げていった中で、その上での適応策があるというような形で、両輪で回すことが重要だと考えておりますので、こうしたコミュニケーションの中でも、適応すれば何とかなるというような観点ではなく、緩和と必ずセットで発信していけないかと考えているところでございます。
今田先生のご指摘の観点につきまして、個別の施策について今回ご助言をいただいたものと考えております。
まさにいただいたようなところ、台風事業、これまで環境省で取り組んだところにつきまして、さらに発展的に、情報整備など似たような取組ができないかということで、どのようなことができるか、今後の検討の中でより具体的に詰めていきたいと考えております。ご指摘いただきまして、ありがとうございます。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、木村委員、お願いいたします。
木村委員
前回の発言についていろいろ説明いただきまして、ありがとうございます。私のほうから、時間もあまりないので手短にいきます。
まず1個目ですけども、研究支援については、地域の適応を進めるために大変重要になってまいりますので、よろしくお願いします。
それで地域の試験研究機関については、ここに出てきた経済・社会面からの研究というのを得意としている研究所を持っている自治体は、恐らくあまりないと思いますので、その辺については、国のほうにお願いできればと思いました。
あと、もう一点ですけれども、横連携であったり、地域の適応策を進めるに当たって、最近思ったことですけども、自治体のトップの考え方というのはかなり影響があるということを、最近、知事が変わりましたので大変思っておりまして、その辺、この方針の中に特に書く必要があるわけではないですけれども、そういった自治体等のトップに対しての働きかけといったことも取り組んでいただけるとありがたいなと思いました。
以上です。
肱岡委員長
貴重なご意見、ありがとうございました。
それでは、オンラインから奥委員、お願いいたします。
奥委員
ありがとうございます。前回出させていただいた予防的な対応の必要性については、スライドの4の基本戦略の二つ目の四角のところに入れていただきまして、ありがとうございました。
こちらの観点で文章は、施策の効果が現れるまでに時間を要するものが多いという理由が書いてあるんですけれども、予防的な取組が必要な理由としては、それだけではなくて、やはり科学的な知見が十分ではない場合であっても、リスクが顕在化するのを未然に防ぐと、予防するという、そういう観点も重要ですので、その科学的な知見が必ずしも十分ではないような、そういった部分にも対応をするために、この予防的な適応を推進するといったようなことを入れていただけるとありがたいなと思います。
基本戦略は、それ以降に示していただいております分野別施策、それから、基盤的施策も全体に通じるような中身をここでは書いていらっしゃるということなので、今のような科学的な知見がまだ不十分な場合でも、予防的に適応を推進するということを入れていただくと、スライドの10の基本的施策の⑤につながるような内容がそこで頭出しされるということになりますので、ちょっと記述をご検討いただければと思います。
それから、手短に言いますが、スライドの8の基盤的施策の①に関連してですけれども、やはり、地方公共団体における適応計画の策定をより一層推進していくという意味では、やはり共同策定がより広域的な連携というものに推進されていって、場合によっては都道府県と基礎自治体との共同というようなところも、スケールメリットなどを考えたときには、望ましい場合もあり得ると思いますので、そういった共同策定が分かるような自治体間連携の話というのもぜひ入れていただけるとよろしいかなと思いました。
それから、スライドの9の④ですけれども、これはあらゆる関連施策と適応策のシナジーの話ですが、先ほども少しお話が出ましたけれども、関連の土地利用計画や都市計画もそうですし、実際には、環境基本計画だとか、地球温暖化対策実行計画ともう1本で適応計画を策定している例というのが非常に多くなっていますので、そういった関連計画との併合であったり、一体的な、有機的な策定というものも効果的だというような視点も、ぜひここで入れていただけるとありがたいなと思いました。
以上です。
肱岡委員長
貴重なご意見、どうもありがとうございました。
それでは、三島委員、お願いいたします。
三島委員
ありがとうございます。
本当これまでの意見などを本当丁寧にくみ取っていただいて、反映していただき、本当ありがとうございます。まずは御礼申し上げます。
その上で1点だけ、フェーズフリーに関して、ちょっと補足をさせていただきたいと思います。もうご承知かも知れませんけれども、今月の衆院の災害対策特別委員会で、高市首相がフェーズフリーの考え方を浸透させるように社会全体の防災力を高めるということで、関係省庁への施策に、このフェーズフリーの取組を浸透させるようにというメッセージを発信したというふうに、記事で拝見しました。やっぱりこうした流れもありますので、今後もっとこのフェーズフリーという言葉は、キーワードとして前面に出てくるんじゃないかなというふうに思います。
ただ、防災の観点で、文脈で語られることが非常に多いんですけれども、その観点でいくと、適応策で既にフェーズフリーという考え方を取り込んでいるというのは一歩進んでいて、すごくいいなというふうに思うわけです。やっぱりリスクと機会はどんなものにも両面があるわけでして、リスクだけではなくて、機会に目を向けるというのがフェーズフリーの根幹にあるかと思っておりますので、ぜひ、こちらの適応計画の中でも、いろんな施策を考えていく中で、この分野でも考えられるんじゃないか、この分野でも取り入れられるんじゃないかというところに、いろいろなところにちょっとこのキーワードを照らしてみて、発信の在り方ですとか、工夫していただけるといいかなというふうに思います。
本当にありがとうございました。
以上です。
肱岡委員長
貴重なコメント、どうもありがとうございました。
それでは、オンラインから稲田委員、お願いいたします。
稲田委員
まず、前回のコメントを丁寧にご検討いただいて、御礼を申し上げます。
その上で、スライド9の3ポツ、基盤的施策の③国際協力の推進について、3点ほどコメントをさせていただきます。今日この場でというよりは、今後のご検討の材料としてコメントさせていただくという趣旨でございます。
一つ目がファイナンスでございまして、最近ですと、日本の民間金融機関さんが数千億円規模のファンドの立ち上げを宣言されて、その中の70%以上を途上国の気候変動適応に充てるという方針を掲げたりしております。例えば、ここで日本の官民の資金を動員して、適応ビジネスの海外展開を支援するというような感じで書いていただけると、後押しになるのかなと思いましたというのが、一点目でございます。
それから2点目が、政策パッケージの輸出でございますが、今日、農水省さんと国交省さんの発表を聞いていて改めて思ったんですが、割とこの日本の政策的枠組みを相手国にご理解いただけるかどうかが結構事業者様の適応ビジネスの展開にも関係するのかなと思っておりまして、例えば、結構途上国の現場に行きますと、災害の程度がそんなに重たくないヨーロッパの方々がいらっしゃって、NBS、ネイチャーベースドソリューションとインシュアランス、保険だけで何とか対策できますというような感じのお話をされたりするんですが、やはりアジアのように結構、自然災害が重たい地域ですと日本のようにしっかりとグレーインフラ、コンクリートの構造物で対応した上で、そういったNBSや保険がやっと効き目を持つということがございますので、この辺の政策パッケージをいかに相手にご理解いただくかというのも重要かと思いましたので、コメントをさせていただきます。
最後3点目、前回の繰り返しで恐縮なんですが、最近ですと、先進国から途上国に一方的な支援を行うというのはまれで、共に創っていく共創ですとか、あるいは途上国で展開したことが日本に環流されるというのが大体一般的でございますので、ぜひこの方針のほうでも、今、最後にビジネスチャンスの創出を図っていくとお書きいただいていますが、ここを何とか共創とか、環流というような表現でお示しいただけるといいのかなと思いました。
以上、3点でございます。ありがとうございました。
肱岡委員長
貴重なアドバイス、どうもありがとうございました。
それでは、オンラインから高根沢委員、お願いいたします。
高根沢委員
那須塩原市環境戦略部カーボンニュートラル課の高根沢と申します。詳細なご説明をいただきまして、ありがとうございました。
実は那須塩原市でも、今年度、気候変動対策計画の改定を予定しておりまして、影響評価報告書や策定マニュアルなどを使用して、改定を目指しているところでございます。改定に向けましては、市民や事業者に取組を理解していただくために、具体的なアクションの表記であったり、定量的な評価の設定なども検討しているところでございます。
実効性のある計画の改定を目指している中で、先日、計画の改定方針に対する審議を行う庁内会議がございました。各部局の部長、課長が出席した会議でございますが、その中で取組や改定の目的、そういったものの内容については理解はできるが、こちらを進めるに当たっては、庁内の共通認識を図ることが重要ではないかというような意見がありました。
気候変動対策計画を策定して数年が経過をしているのですが、庁内からこのような意見をもらったということが、果たしてポジティブに捉えていいのかどうかというところではありますが、取組について全庁的に理解をいただけたということは、前向きに捉えておこうということで、認識合わせを進めて、計画の改定を進めたいと思っているところでございます。
そちらを踏まえまして、ちょっと一点ご質問なんですけれども、先ほどご説明いただきました中に適応策の効果を最大化するためには、他分野政策とのシナジーの促進が必要であるということをご説明いただき、私のほうでも実感をしているところではございます。
その前の議題のところで、環境省さんや農水省さん、国交省さんのほうからご説明をいただいたとおり、各省庁の連携が図られているということも明らかであります。これらを踏まえまして、今回の計画の中、もしくは計画の概要版などに、位置づけの記載や、もしくは体系図などをつけていただくことは可能なのか、お伺いをしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、高根沢委員からの質問に対して、回答お願いします。
柳川企画官
ありがとうございます。
今、いただいた体系図の観点ですけれども、今現在のところ、まだ各省と具体的にどのような取組をしていくのかということについて、図のような形で明示的にするところまでは検討が進んでいないところではございますが、まさにおっしゃっていただいたようなところ、シナジーが重要というところは我々も考えている中で、必ずしも環境省と例えば国交省であったりとか、環境省と農水省であったりとか、分野で縦引きできないところもあるかと考えておりまして、こうした中でしっかりと連携を図りながら進めていきたいと考えているところでございます。
なかなか明示的なご回答ではなく、恐縮ではございますが、いただいたようなご指摘も含め今、後、検討を進めていきたいと思います。
高根沢委員
ありがとうございました。
自治体の庁内でも、横連携って重要とは言いつつも、なかなか実現しないのが現状であるというところにありますので、上位計画とか、そういったところで示していただけるとありがたいなと思ったご意見からです。よろしくお願いいたします。
肱岡委員長
ありがとうございました。
委員の先生方、非常に多くの貴重なコメント、どうもありがとうございました。そろそろ時間が迫っておりますので、では、最後の議題に移らせていただきたいと思います。
次の議題は、その他となっています。事務局より何かございますでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、最後に全体を通して、もしご意見、ご発言等ございましたら、お願いできますでしょうか。
じゃあ、江守委員、お願いいたします。
江守委員
じゃあ、ちょっと短く補足的に。
最初のほうで申し上げたシナリオの件で、3℃から4℃というカテゴリーがあるということに関してですけれども、新しいシナリオでは、2100年に高いシナリオで3.5℃ぐらい、ただ、それは、いわゆる気候の科学の不確実性、いわゆる気候感度の不確実性で知られるものを考慮した場合の中位の予測で3.5℃ぐらいだと思いますので、その気候感度が高かった場合、つまり、いろんな気候システムの中でのフィードバックが掛かって、高い温度が実現する可能性というのが顕在化した場合には、4℃というのは十分あり得ると。
なので、3℃から4℃というカテゴリーを高すぎると思って、見直す必要は必ずしも現時点ではないのかもしれないというふうに思いました。補足です。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、葛西委員、お願いします。
葛西委員
今のご発言に関しまして、先ほど、農水の方が出していただいた資料1-2の1ページ目に、日本の平均気温の偏差というグラフがあって、ここ数年、急激に高くなっていって、過去の事例を見ると、こういうふうに一旦高くなって、また下がってというのも見受けられるんですけれど、それにしてはちょっと何かずっと急激な上昇傾向が見られるんですけれども、こういうのを見ると、やはりRCP8.5の何か見直しというのが、本当に正しいのかどうかということを考えざるを得ないんですが、環境省の方の本当の専門ではないかもしれないですけれども、その辺りの認識、例えば、AIが予測できるとは思えないんですけれども、一時的な上昇と捉えているのか、今後もこの勢いで日本においては上がっていきそうな見込みなのかとか、その辺の何か考え、見込みなんかもしありましたら、共有していただけるといいなと思うんですけど、いかがでしょうか。
肱岡委員長
ありがとうございます。
それでは、環境省お願いします。
柳川企画官
ありがとうございます。
ご質問にもありましたが、我々のほうで、具体的にこのRCP8.5のシナリオについての妥当性については、少し言及が難しいところではございますが、環境省の立場としましては、まさにこうしたシナリオにならないように脱炭素を進めていくのが非常に重要だと考えております。
そうした中で、今後、世界を含めて日本だけではなく、脱炭素が今後、どのように進んでいくかというのが、まさにこうした今後の気候変動の状況などにも影響してくるものだと考えているところでございまして、引き続き、脱炭素施策についても進めていきたいと考えているところでございます。
概括的なご回答で恐縮です。
葛西委員
ありがとうございます。
葛西ですけれども、例えば私たちの分野ですと感染症を媒介するネッタイシマカという非常に大きい重要なデング熱媒介蚊がいるんですけれども、これが1月だったりするんですけど、平均気温が3℃上昇すると、もう関東のエリアぐらいまで、冬を越すような見込みだというふうなのがあるんですね。そうすると、でも3℃というのはなかなかもう実現しない、このRCP8.5というのは、大体2.6から4.8ということらしいので、実現しないという考えもあるんですけれども、実際、先ほどのグラフを見ると、もう110年ぐらいで3℃上昇しているようにも見えてしまうので、やっぱりその辺りの予測を、ちょっと私たちとも共有していただいていけるといいなというふうに希望したいと思っています。
よろしくお願いします。
肱岡委員長
ありがとうございます。
この委員の先生方には、江守委員をはじめ、気候モデルの専門家がいらっしゃいますし、適応の関連を考えると、例えば、それこそテムズ川みたいに、非常に高いレベルを見据えて、順番にやっていくとありますので、そういうところをうまく適応計画に組み込んでいただければと思います。
すみません、もう時間が超過しておりますので、本日の議事はここで終了したいと思います。事務局にお返しいたします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
本日は活発なご議論いただきまして、ありがとうございました。本日も活発なご議論をいただき、ありがとうございましたと申し上げるべきところだと思います。
影響評価の公表以降、着々と適応計画に関する議論を進めておりまして、関係省庁との連携につきましても、より一層強固に進めておりますので、引き続き、皆様からのご意見をいただきながら、しっかりしたものをつくっていきたいと思っております。
今日は、本当にありがとうございました。
また、対面、オンラインのハイブリッド形式でしたので、ご不便あったかもしれませんが、その場合はお詫びを申し上げたいと思います。
事務的な連絡ですが、本日の議事録は、事務局にて取りまとめて、委員の方々にご確認いただいた上で、環境省ホームページにて公開させていただく予定です。
次回、小委員会につきましては、また改めてご連絡をさせていただきます。今日はどうもありがとうございました。
それでは定刻となりましたので、ただいまより第9回中央環境審議会地球環境部会気候変動影響評価・適応小委員会を開催いたします。
進行役を務めます環境省気候変動科学・適応室長の羽井佐と申します。よろしくお願いします。
本日の会議は現在、委員総数の過半数以上の委員にご出席いただいており、定足数に達しておりますことをご報告します。
本日の小委員会は対面、オンラインのハイブリッド形式での開催となります。この会議は、環境省の公式YouTubeチャンネルより、ライブ配信を行っています。
資料及び議事録については、ホームページにて公開とさせていただきます。
対面、オンラインのハイブリッド形式での開催となり、委員の皆様にはご不便をおかけしますが、ご了承願います。
WEB参加の皆様は、何かご不明な点がありましたら事務局まで、画面の上にあるチャット欄にてお知らせください。
続いて、資料の確認をさせていただきます。画面上に配付資料一覧を表示します。
資料は、資料1-1、1-2、1-3、資料2がございます。各資料につきましては、事前にお送りしております。WEB参加の皆様は、お手元にご準備をお願いします。
議事中、発言者以外のWEB参加の皆様は、基本的にマイクをミュートに設定してください。回線負荷低減のため、ご発言時以外はカメラの使用をお控えください。
ご発言される際は、対面参加の皆様はネームプレートを立てていただければと思います。オンライン参加の皆様は、挙手ボタンをご活用ください。委員長が順番に指名しますので、マイクのボタンを押して、ミュートを解除し、ご発言いただければと思います。なお、ご発言の際は、最初にお名前をおっしゃっていただけますようお願いします。ご発言時以外にご意見、ご質問がある場合も、チャット欄をご活用ください。
それでは、以降の議事進行を、肱岡委員長にお願いします。よろしくお願いします。
肱岡委員長
ありがとうございます。委員の先生方、お忙しい中ご参集いただき、どうもありがとうございます。
気候変動影響報告書も出て、次は気候変動適応計画をつくるという段階になってまいりましたので、ぜひ様々なご意見いただければと思います。今日もよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入りたいと思います。
本日の最初の議題は、気候変動適応の取組状況についてです。環境省、農林水産省、国土交通省から、それぞれ説明をお願いいたします。質疑応答はまとめてお願いいたします。なお、その他の省庁の取組については、参考資料をご確認ください。
それではまず、事務局である環境省より説明をお願いいたします。
柳川企画官
それでは、説明させていただきます。環境省気候変動科学・適応室の柳川です。よろしくお願いいたします。
先般3月に、こちらの小委員会を実施してから、関係省庁とも議論を進めているところでございます。先ほどご説明にもありましたとおり、本日、政府の検討状況について、本委員会でも共有させていただきたく、農水省、国交省にもお越しいただいているところでございます。
現在の取組や今後の取組について、本議事1の中で発表させていただければと思います。この後、議事2において、これまでの議論を踏まえた適応計画の構成の検討状況についてもご説明させていただければと思いますので、お気づきの点などありましたら、環境省まで御助言などをいただければと考えております。
それでは、資料のご説明をさせていただければと思います。
資料をおめくりいただきまして、右下の番号で言いますと、2ページ目を開いていただければと思います。
こちらのスライドは、状況の振り返りとして、資料中段にもございますとおり、気候変動適応法に基づき5年ごとに作成する最新の気候変動影響評価報告書を、令和8年2月16日に公表したところです。これを踏まえまして、今年度、気候変動適応計画を令和8年度中に改定する予定としております。
次のスライドも、また振り返りとなりますが、今年公表した影響評価報告書のポイントをまとめているスライドとなります。スライドの下部に記載しておりますが、今回、特に優先的に対応が必要な項目の影響について、幾つかまとめているところでございます。
それぞれの分野で、こちらのスライドの中で整理しておりまして、例えば、農林水産業の中では、水稲や果樹、農業生産基盤等について影響が指摘されておりまして、そのほか自然生態系では、沿岸域の亜熱帯生態系や温帯・亜寒帯の生態系への影響、また分布・個体群の移動などが指摘されているところでございます。自然災害・沿岸域につきましても、例えば、洪水、内水、土石流・地すべり・土砂流出について、それぞれ特に優先的に対応すべき影響ということで、影響評価報告書の中で取りまとめがされたところでございます。ただいまご説明させていただいたのは例示ですが、それ以外の分野についても、種々取りまとめさせていただいているところでございます。
続きまして、4ページ目ですが、これらを踏まえまして、今年の2月に適応推進会議を開催させていただきました。こちらは大臣を議長とする関係省庁会議となっておりまして、こちらの中で、令和8年度中に気候変動適応計画の見直しをしていく方針を確認いただいた上で議論をしているところでございます。
以上が、これまで議論の開始に至った経緯の振り返りでございまして、今年の4月の段階でも、こちらの推進会議の幹事会などを通じて、関係省庁とも議論などを進めているところでございます。
続きまして、5ページ目を開いていただければと思います。以降が環境省の施策の取組状況です。
分野別施策についてご説明をさせていただければと思います。
まず、代表的なものとして、熱中症対策についてご紹介させていただいているスライドとなっております。環境省では、熱中症対策実行計画ということで、熱中症対策についての政府全体の取りまとめを行っておりまして、そうした中で、環境省としては熱中症警戒情報の発信強化やクーリングシェルターの指定の促進といった取組を進めているところでございます。
本年度の適応計画の改定を予定しておりますが、併せまして資料の下部にも記載しております、熱中症対策実行計画についても見直す予定とされております。
続きまして、6ページ目を開いていただければと思います。自然生態系分野の取組についてまとめているスライドとなっております。
こちらも影響評価報告書の中で、自然生態系への悪影響が顕在化しているというようにまとめられております。例示として、左下で野生鳥獣の管理と外来生物対策について書いておりますが、シカの分布域が拡大してきているという観点であったり、また、外来生物の観点で申し上げれば、侵略的外来種の定着率と拡散率が今後、増加する可能性も指摘されているところでございます。
こうした中で、ヘッダーの部分の2ポツ目のところにも書いておりますが、生態系の管理・回復等のネイチャーポジティブを推進するため、野生鳥獣の管理や外来生物対策、自然共生サイトの認定促進、自然環境・生態系モニタリング等の実施を進めているところでございます。
続きまして、7ページ目を開いていただければと思います。
こちらは、今回影響評価報告書の中で、インフラ、ライフラインについても自然災害の影響を受けるということで、特に優先的に対応すべき影響として取りまとめられている中で、ご紹介させていただいております。
災害時に、こうしたインフラが被害を受けることによって、電気が使えなくなったり、水道が使えなくなったりなどの影響も指摘されているところでございまして、環境省では、地域レジリエンスの観点から、避難施設等に指定されている公共施設への再エネ設備等の導入などについて支援をするなど、取組を進めているところでございます。
続きまして、8ページ目を開いていただければと思います。
戻りまして、続いては生態系の取組に関連するところでございます。
沿岸域・閉鎖性海域についての取組としてご紹介させていただいておりまして、海水温の上昇等によって沿岸生態系の変化がもたらされ、水産資源の減少といった地域の産業・文化への影響なども懸念されているところでございます。
これに適応するために、藻場・干潟の保全・再生・創出を進めるほか、沿岸生態系の変化を捉えるモニタリングの拡充など、適応策の検討に資するよう、関係者への情報提供を行う基盤の強化などが必要と、環境省で考えているところでございます。
以上が、分野別施策として現在の環境省の取組状況のご説明でございます。
続きまして、9ページ目以降、基盤的施策についてご紹介させていただければと思います。
科学的知見、地域への支援、事業者の支援など分野横断的な取組の御説明になっております。
既にご案内のところも非常に多いかと思いますが、まず、科学的知見の充実及びその活用についての取組を御紹介させていただければと思います。
気候変動影響評価報告書などにより、全国及び地域の気候変動影響に関する科学的知見の充実なども進めているところでございます。
それ以外でも、適応策を進めるために参考となる情報を発信するために、国立環境研究所が運営しております「気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)」を通じまして、幅広い情報提供など、国立環境研究所気候変動適応センターと協力をしながら、環境省でも情報発信などを進めているところでございます。
今後につきましては、適応策の実装につなげていくという観点で、例えば、気候変動による社会・経済影響によるリスクや適応策を取ることによる効果を明らかにするなど、自治体や民間企業の意思決定を円滑化する支援というものが必要ではないかと考えているところでございます。
続きまして、10ページ目、地域の支援についてまとめたスライドとなっております。
こちら、これまで地域気候変動適応計画策定マニュアル等の各種ツールの整備しておりまして、地域の適応について推進してきたところでございます。この結果、491自治体が地域の気候変動適応計画の策定を行っており、また、地域適応センターにつきましても70センター、全国で確保されているという状況でございます。
また、気候変動適応広域協議会を7ブロックで開催しており、自治体等の関係者間の情報提供なども促進しているところでございます。
今後につきましては、地域の実践を促進していく観点では、地域課題を解決するものなど、自治体の便益が明確な適応が重要と考えておりまして、例えば、取組の実施支援として、「気候変動適応×地方創生」につながる優良事例の情報発信などを実施しているところでございます。こうしたものによりさらに地域への影響を回避・低減するためには、様々な影響に対して、予防的に適応を促進することが必要ではないかと考えているところでございます。
続きまして、11ページ目を開いていただければと思います。
こちらは、民間事業者等の気候変動適応の促進についてまとめたスライドになっております。事業者の気候変動の物理的リスク分析や適応の進め方などについて、ガイドやポータルサイトを通じて情報提供しているところでございます。
下の部分に、具体例としまして、民間企業の気候変動適応ガイドや気候変動リスク分析情報サイトなどを載せておりますが、こうしたものをAP-PLATを通じて、情報提供しているところでございます。
また、産官学の連携ネットワークを通じまして、将来予測データへのニーズを把握し、科学的知見の活用などについても促進しているところでして、今後、民間企業等の気候変動によるリスクの低減の取組に加えまして、適応に関する新たな事業の機会を創出することなどによって、事業者の競争力強化も図っていきたいと考えているところでございます。
続きまして、12ページ目を開いていただければと思います。
こちらは、国際協力の取組についてまとめているスライドとなっております。
途上国に対する気候変動適応分野の国際協力などを、ただいま推進しているところでございまして、例えば、2ポツ目にありますが、AP-PLATなども通じまして、科学的知見など、海外にも発信しているところでございます。
各国の影響評価や能力構築、適応計画に基づく取組を支援するとともに、本邦民間事業者の優れた適応技術や知見、サービス等の展開を通じまして、気候変動に脆弱な国・地域における強靱な社会の実現などについて、支援を進めているところでございます。
今後、これらの取組などが引き続き重要だと考えており、日本の先進技術の国際展開支援を通じまして、国際協力の促進と同時に、サプライチェーンの強靱化や民間企業のビジネスチャンス創出につなげていくことが重要と考えているところでございます。
最後のページ、13ページ目を開いていただければと思います。
ただいま、国際協力の観点でご説明をさせていただき、その中でも特に具体例として書いておりますが、環境省では、早期警戒システム(EWS)の導入促進といったところに特に力を入れているところでございます。
個別の取組として紹介しておりますが、COP27において、日本政府では「ロス&ダメージ支援パッケージ」を公表しており、その中でも、「アジア太平洋地域における官民連携による早期警戒システム導入促進イニシアティブ」の立ち上げを表明しております。
日本企業の持つEWS関連サービスの海外展開促進を目的としまして、関係省庁や民間企業約65社からなる官民連携協議会を通じて、途上国の脆弱層に対して、ビジネスベースで情報伝達が可能かの検証などを進めているところでございます。こうした技術支援につきましても、引き続き取り組んでいき、一層の強化など図っていきたいと考えるところでございます。
少々説明のほうが長くなりました。環境省の取組状況と今後の考え方についてのご説明は以上となります。
肱岡委員長
ご説明どうもありがとうございました。
それでは続けて、農林水産省より説明をお願いいたします。
農林水産省 古田補佐
農林水産省みどりの食料システム戦略グループの古田と申します。
農林水産省における気候変動適応に関する取組についてご説明いたします。
では、1ページ目をお願いいたします。
農林水産業は、気候変動の影響を大きく受ける産業です。スライド左上のグラフでございますが、委員ご案内のとおり、近年では2023年から2025年まで3年間、統計開始以降の最高気温を更新するなど、記録的な気温・海水温、降水日数の減少、大雨の頻度や強度の増加など、生産現場への影響が各地で発生しているところです。
具体的には、左下の写真のとおり、米における白未熟粒など品質の低下、高温による果実の日焼けの発生、海水温の上昇によるカキのへい死や豪雨による大規模な産地災害など、農林水産分野では顕著な影響が出ております。
加えて、中央のグラフのとおり、農林水産分野においても、熱中症による死亡者数の増加など、生産者自身への被害も増えています。こうした影響は、第3次影響評価報告書において特に優先的な対応が必要な項目という形で掲載されているとおりです。
農林水産省としては、右側の適応策の例で掲載のとおり、各分野で適応策を推進しております。例えば、一番上の写真ですが、高温耐性を有する品種の開発・導入を進めて、特に米や果樹、を中心に、高温などによる品質や収量の低下への対応を進めております。そのほか、高温に対応した栽培体系への転換や遮光ネットの設置など、高温障害の発生低減に資する技術や資材の普及を進めております。さらに、豪雨や渇水に強い水利施設の整備も行うほか、水産分野では三倍体カキなど人工種苗の導入などの新たな養殖方法の開発や、近年の漁場環境、魚種や漁場の変化に応じた漁法の変革などを推進しているところです。
次のページをお願いいたします。
農林水産省の近年の取組としては、2021年に策定したみどりの食料システム戦略がございます。これは生産現場だけでなく、流通、消費を含めた食料システム全体で持続可能性の向上を目指す総合的な推進施策です。気候変動対策全般を網羅しており、CO2ゼロエミッション化などを掲げ、気候変動への適応も位置づけています。
次のページをお願いいたします。
現在、このみどりの食料システム戦略から策定が5年経過しまして、最新の推進状況を踏まえ、新たな課題や、今後集中的に推進すべき取組などが見えてきたところです。
特に2030年をめどに集中的に推進すべき取組を「みどり加速化GXプラン」として取りまとめる検討を行っています。
その中には大きく4つの分野を位置づける予定であり、気候変動への適応も近年優先性が高まって位置づける考えです。
では、次のページをお願いいたします。
この「みどり加速化GXプラン」の検討に当たり、昨年度、各都道府県の栽培技術担当者や試験研究機関等、有識者の方にヒアリングを行い、適応策の実態や課題を聴取しました。
その際に出された主な意見をスライド左側に掲載しています。例えば、1点目は、適応策が現場ではまだまだ不十分であり、産地のニーズに合った品種や資材が求められていることです。2点目は、適応策があっても導入コストや効率面で課題があることです。3点目では、適応策の導入には、生産現場だけでなく、販売先などのサプライチェーンとの連携が必要という意見です。適応策を実施した作物や品種は荷姿や出荷時期などが変わる可能性があるため、実需者や消費者から理解を得て、円滑に流通させる必要があると考えています。そのほか、生産基盤の充実の必要性や、暑熱等に対応した労働環境整備の必要性が指摘されました。特に屋外で働くことの多い分野なので、熱中症リスクへの対応や作業の自動化・機械化の推進などが課題です。
これらを踏まえて、今後、検討すべき課題として、高温耐性品種等、品種や資材など適応策の効率的な開発体制の強化や、スマート技術を含めた適応策のさらなる普及、産地でまとまった普及促進やサプライチェーンとの連携により流通や小売、消費者の理解を得ることが重要であると考えてございます。
では、最後のページをお願いいたします。
こちらはご参考ですが、農林水産省では、気候変動等対応品種法案を国会に提出しております。こうした法案や、先ほどご紹介したみどり戦略の内容やみどり加速化GXプランの検討を踏まえながら、今後の政府適応計画の検討についても、環境省など関係省庁の皆様と連携しながら適応の推進に努めてまいります。
農林水産省からは以上でございます。ありがとうございました。
肱岡委員長
ご説明、どうもありがとうございました。
それでは続けて、国土交通省より、説明をお願いいたします。
国土交通省 石島補佐
国土交通省総合政策局環境政策課の石島と申します。
私から、国土交通省における気候変動適応策の取組状況につきまして、主なものをご説明させていただきます。
次のページをお願いいたします。
国土交通省では、気候変動への適応策について主にインフラ整備や気象予測等の観点から取組を進めているところでございます。特に2月に公表されました第3次気候変動影響評価の中でも、河川の洪水、内水や暑熱は、重大かつ緊急性が高く、確信度も高いとされているものと承知しておりまして、この対応は非常に重要であると考えているところでございます。
具体的な施策といたしまして、まず、左側のハード・ソフトが一体となった気候変動適応策をご覧ください。
まず、黄色着色箇所、治水計画の見直し、流域治水の加速化・深化といたしまして、1点目、すべての河川整備計画(国管理河川)で気候変動の影響を考慮した計画へ見直し、治水対策を強化しているところでございます。
また、2点目といたしまして、気候変動による災害外力の増大に対応するため、ハード対策のみならず、流域治水の加速化・深化とソフト対策と一体となった対策の一層の充実を図っているところでございます。
また、3点目、港湾における高潮や海面上昇等の気候変動の影響への対策といたしまして、多様な主体が存在する港湾関係者が協働して気候変動対策の目標設定や、ハード・ソフト一体の取組を進める協働防護の取組を推進しているところでございます。
次に、その下の黄色着色箇所、危機的な渇水への対応につきまして、渇水が生じた場合の進行状況と影響を想定しまして、対応策を時系列で整理した渇水対応タイムラインを作成しまして、地域全体での渇水への対応力の向上を図っているところでございます。
次に、右側でございますけれども、まず、健全な水循環の意識醸成に向けた普及啓発、教育として、水循環に係る意識醸成のために様々な啓発等を行っているところでございます。
また、その下、新技術や防災気象情報等を活用した防災・減災対策でございますが、1点目、ドローンやAI等の新技術の活用を進めまして、災害発生時の被害状況の迅速な把握や国民への分かりやすい情報提供、復旧、復興の迅速化等を図っているところでございます。
また、2点目、防災気象情報の高度化といたしまして、昨年の気象業務法の改正により、洪水の特別警報を新たに設けまして、国土交通省や都道府県知事と気象庁が連携をし、洪水や高潮にかかる国民への実効性の高い情報提供を図ることとしており、今年の出水期から運用開始を予定しております。
また、その下、地形分類情報の整備・情報提供といたしまして、国土地理院が整備する地図において、防災対策や土地利用計画策定等に資するよう、盛土や埋立地など、土地の成り立ちや性質を示した地図の提供を進めております。
続きまして、右側のヒートアイランド・暑熱対策のところをご覧ください。
1点目といたしまして、遮熱性舗装等の整備、屋上緑化や道路緑化等を含めたまちなかの緑化空間の創出等により、ヒートアイランド現象により生じる健康や生活環境への悪影響の軽減に取り組んでおります。
また、その下、熱中症への予防行動を促すため、熱中症警戒アラート、熱中症特別警戒アラートを、引き続き適切に運用していくとともに、今年から最高気温40℃以上となる日の呼称を、新たに酷暑日と定めたところでございまして、危険な暑さへの気づきを効果的に呼びかけてまいります。
また、このほか、熱中症対策とさらなる地球温暖化の抑制を両立する観点から、省エネ性能住宅の普及等も引き続き進めてまいります。
国土交通省からのご説明は以上でございます。
肱岡委員長
どうもご説明ありがとうございました。
それでは、ただいま説明に対するご質問、ご意見をお願いいたします。
それでは、江守委員、お願いいたします。
江守委員
ありがとうございました。
3点申し上げたいと思います。2点は環境省、1点は農水省なんですけれども、1点目は、クーリングシェルターなんですけれども、僕の家の近くにもありまして、去年の夏はうちの子どもが勉強しに行ったりとかしていたんですが、これがどれぐらい活用されているかという評価、どれぐらい行われているかというのを伺いたいと思います。どれぐらいの認知度があるかというのと、あと実際に、その必要な人に活用されているのかというところを評価する必要があるんじゃないかなと思いました。例えば、低所得でエアコンが使えない方などが活用されているのかどうかといったことです。それが一つ目です。
二つ目は、これは適応というよりは影響評価に関わる部分なんですけれども、ちょっと国際的に話題になっていることとして、IPCCが次の報告書に使うシナリオをこうしようと決めたという論文が最近出たということに対して、いろんな反応があったと。RCP8.5という一番高いシナリオが次のIPCCの報告書では除外になったということが起きています。これは、そこまで高い排出量というのはもう今後、起きないだろうということになったわけで、ある意味では、気候変動対策はそれなりには進んでいることの成果であると思うわけですけれども、アメリカなんかで、気候変動の科学や対策に対して、あえて批判したい種類の人たちが、これをこれまで、気候変動の科学というのは大げさな評価をやっていたことを認めたんだと、そういうふうに主張して、トランプ大統領もそういうポストをしたということが起きました。
日本の気候変動影響評価も結構RCP8.5を使って、その気候変動の影響が大きい場合の評価というのが行われている論文とかは結構あるんじゃないかというふうに思うので、そういうものを今後発信する際にちょっと気をつけて出していく必要があるんじゃないかと思います。かなりマニアックな論点かもしれませんけれども、あえて批判したい人たちのターゲットになってしまうおそれがあるというふうに思いました。それが2点目です。
三つ目は、農水省のご説明に対してなんですけれども、適応策として僕が注目しておりますのは、営農型太陽光発電でありまして、これはもちろん、ある意味で緩和技術ではあるんですけれども、営農者の、日陰ができるので、作業環境を高温から守るということや作物自体の温度が高くなりすぎないとか、水分が蒸発し過ぎないとか、そういった効果がある適応策のシナジーがあるものだというふうに認識をしています。
農水側から見ると、これは営農型太陽光というよりもPV活用型農業という、農業を主体にして見ていただくというのもあるんじゃないかと思うんですけれども、最近、望ましい営農型太陽光という整理が行われたというふうに承知しておりますけれども、それに基づいて、規制すべきものは規制していただいて、推進すべきいい事例というのは積極的に推進していくと。その際に、この適応策という視点で、ぜひ農水にも位置づけていただいたらいいんじゃないかというふうに願っております。
以上です。
肱岡委員長
貴重なコメント、ありがとうございます。
それでは、まず、環境省事務局からご回答お願いします。
柳川企画官
江守先生、ご指摘いただきましてありがとうございます。
まず、クーリングシェルターの関係でご質問いただきました。関係部局でも、具体的な利用方法なども踏まえて、クーリングシェルターについて、どのように推進をしていくべきかについて議論などされているようなお話も聞いておりましたので、詳細については、熱中症の対策について担当する部署にも確認の上、ご回答させていただければと思います。
また、2点目、IPCCのシナリオを決めたことに関しての情報発信についてご指摘いただきました。
こちら、今、ご指摘いただいた点も非常に重要だと考えておりまして、影響評価で言いますと、今回、1.5~2℃上昇のシナリオと、3~4℃上昇のシナリオで言いますと、一番上のところが、まさにこのRCP8.5に関係するところとして評価をしていると考えておりますが、これらの発信については、今、ご指摘いただいたところにも気をつけつつ、発信を進めていきたいと考えております。
また、農水省さんへのご質問ということで、営農型の太陽光発電について最後、ご指摘いただきましたが、こちらは今までの小委員会の中でも御指摘いただいている中で、庁内で関連している取組について、改めて確認させていただいております。省内で言いますと、地域脱炭素グループの方でも、地域共生型の再生可能エネルギーの推進ということで取組を進めておりまして、その中でも、優良事例としての地域共生型の営農型の太陽光発電については、しっかりと取り入れ、取りまとめつつ発信といったことは引き続きされているところで、我々でも確認させていただいておりまして、我々としても、まさに日陰をつくっていくというような関係での暑熱対策であったりとか、また一部の報告では、日陰をつくることによって、例えば水温が下がるとか、農業をするときの、そういったことについても言及されているものも承知はしておりますので、適応策として優良なものについては、地域共生型の優良なものについてはしっかりと、我々としても必要なものについて推進していきたいと考えているところでございます。
少し長くなりましたが以上です。
肱岡委員長
ご回答、ありがとうございます。
それでは、農林水産省様、何かあればお願いします。
農林水産省 古田補佐
ありがとうございます。
3番目のご質問について、環境省のコメントのとおり、優良事例として発信できるものもあると考えております。
我々としても、太陽光発電としての利用は重視している一方、先日、望ましい営農型太陽光発電の指針を出したように、農業としての営みが基本であることも重要と考えています。先生おっしゃられたとおり、適正な活用事例を引き続き推進していきたいと思います。
適正な優良事例は、環境省からも引き続き発信をしていただきたいと思っております。引き続きよろしくお願いいたします。
肱岡委員長
ありがとうございます。
それでは、木村委員、お願いいたします。
木村委員
環境省さんと農林水産省さんと国交省さん、全部の省庁さんにお願いがあるのですけれども、こういう取組を進められるに当たって、せっかくなので、今、こういう形で国としても適応を進めようとしていますというのを国民に届く形で広報をしっかりしていただけないかなと思っております。
というのが、気候変動に関しては、こういう被害が出ますとか、何か暗い話題が多いものですから、国としても今、こういう対策を取っていて、これから先、影響が軽減される見込みですとか、そういう少し希望の持てる話が出てくると、皆さんも安心するというか、少し気分が明るくなるのではないかと思いました。
あと、農林水産省さんについては、例えば、米が分かりやすいのですが、新しい品種をつくってもコシヒカリが強過ぎるとか、そういうこともあるので、そういった新しい品種に目を向けてもらえるような何か方策みたいなのもしていただけたらなと思いました。
国土交通省さんについては、せっかく治水の計画などを気候変動への適応を組み込んで考えられているということでしたら、それももう少し前に打ち出していただけるといいなというふうに思いました。よろしくお願いします。
肱岡委員長
今のはコメントとして受け取らせていただきます。それに関しまして、我々、国立環境研究所も、環境省さんと打ち合わせて、国交省さんとか、農水省さんの情報をしっかりと伝えるようにしますので、宿題として受け取らせていただきます。どうもありがとうございます。
木村委員
よろしくお願いいたします。
肱岡委員長
それでは、オンラインから長谷川委員、お願いいたします。
長谷川委員
長谷川です。本日は、オンラインで失礼いたします。私はコメントだけになります。農水省さんのほうにコメントです。
いつも情報共有させていただいておりますので、改めてということもないんですけれども、ご紹介いただいた中で、今後検討すべき課題、高温耐性品種などの効率的な開発体制の強化というのはぜひお願いしたいところなんですけども、今、委員からご指摘もありましたように、技術ができるということと、それが効果があるかどうかという点と、それから、実際に普及し得るかといった点を全てをパッケージとして科学サイド、あるいは食料システムの流通を含む形といろいろ巻き込んだ形でぜひ進めていただきたいなというのが1点です。
2点目は、今回適応ということで、みどり食料システム戦略の中でも適応の部分を抜き出していただいていると思いますけれども、やはり適応と緩和、その他の共便益というのが農業においては非常に強く求められることになりますので、これは適応、これは緩和といったような分け方ではなくて、それを一体的に進めるということをまた改めてお願いしたいと思います。
最後に3点目は、暑熱などに対応した労働環境整備というのは、深刻な問題として認識しております。都市のほうでかなり進んでいるところが多いと思いますけれども、うまく使える部分を共有しながら、農村部における労働環境のほうは施設なども含めて、ぜひ進めていただければと思います。
以上です。
肱岡委員長
貴重なコメント、どうもありがとうございました。
それでは、三島委員、お願いいたします。
三島委員
MS&ADホールディングスの三島と申します。貴重なご報告、ありがとうございました。農水省さんにコメント一つ、それから、国交省さんにコメント一つでございます。
農水省さんへのコメントです。民間企業の有する新たな技術といったところに関連するかと思いますが、当社は損害保険会社ですので、天候の不順、異常気象とかに関してそれを補償する天候デリバティブという保険商品がございます。
今日も出がけに商品部の経験者に話を聞いてみたんですけれども、やはりアンダーライティングのときに、一番大事なのはトリガーを決めることと言っておりました。ただ、契約主体はやっぱり農家個人個人になってしまうそうなんですね。一人一人、個人とのご契約ですと、やっぱり損保会社としてなかなか収支が取りにくいので、できればそのエリア全体でリスク評価をさせていただいて、そこに所属している農家の方を団体として引き受けると、集合体としてそんな形の引受けのほうがやりやすいというか、当社としては補償を提供しやすいというようなことを言っておりました。
なので、せっかくそういったソリューションがある中で、やっぱり実際に必要とされている方に届けられるように、届けやすいように何かその辺りをもう少し細かくコミュニケーションが取れるといいなというふうに感じましたので、そうしたところへのソリューションの一つとして、目を向けていただけるとありがたいなと。そして、必要な支援なんかも考えていけるといいのかなというふうには思っております。これがコメント一つ目です。
もう一点、国交省さんへのコメントです。、グリーンインフラを推奨されていると思いますが、今回は明示的にはその言葉は、ざっと見た感じは見つけられなかったのですけれども、その概念というのは全てに織り込まれているというふうに理解をしております。
一方で、環境省さんが推進されるネイチャーベースドソリューションとはもうほぼ同じものだというふうに考えてよくなったんでしたっけというところについて、一応、国交省さんのコメントをいただけますとありがたいです。
肱岡委員長
ありがとうございます。
それでは、国交省様、お願いいたします。
国土交通省 石島補佐
ありがとうございます。
グリーンインフラにつきましては、社会資本の整備に自然資本を活用し、そこで活動する方々のウェルビーイングの向上にも資するもので、かなり幅広く捉えているところでございます。その意味で、ネイチャーベースドソリューションズとも非常に重複するところは多いかとは思っておりますけれども、グリーンインフラはそれを社会資本整備の中に生かしていくという点で、独自の概念として打ち出して、広く広報を図っているところでございます。
本日のご説明の中では、都市の緑化というところで丸めてご説明をしてしまいましたが、グリーンインフラの重要性は、私どもも認識しているところでございまして、気候変動適応策にも当然資するものだと考えておりますので、しっかりこの重要性等を打ち出してまいりたいと思っております。
三島委員
ありがとうございます。
じゃあ、重複はするけれども用語としては使い分けていくということなんですね。ありがとうございました。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、オンラインから三村委員、お願いいたします。
三村委員
どうもありがとうございました。
今日、農林水産省と国土交通省の方から、具体的な施策の説明をいただきまして、非常に熱心に取り組んでいただいているということがよく分かりました。その上で、それぞれにご質問、コメントをさせていただきたいと思います。
それから、先ほど江守委員から出されましたシナリオの件についても、私のこれまでの経験についてお話をさせていただきたいと思います。
まず、農林水産省の方ですけれども、みどりの食料システム戦略、あるいはみどり加速化GXプランとか、非常にパッケージとしてきちんと進められているということがよく分かりました。
二つあるんですけれども、一つは、農林水産の分野というのは、よく言われている適応の限界というのが現れやすい分野だと思うんですね。それで、例えば、今でも温州みかんとかなどはもう栽培が困難になっている地域が出ているとか、気候の変化によって栽培できない地域が現れると、そういうようなこと。あるいは漁場の大規模な移動が起こるとか、そういうようなことも指摘をされています。
そういうことに対する対応は直ちにできる訳ではなくて、長い時間をかけて、次の作物を考えるとか、そういうことにしていかなきゃいけないんだと思うので、非常に難しい課題だとは思いますけれども、考えていただく必要があるんじゃないかなというふうに思います。それが一点です。
2番目は、S-18プロジェクトで、農林水産業の発展方向というようなことで、いろいろ検討をやっていただいたんですけども、その中で出てきた課題は、ご存じのとおり農家の高齢化が進んで後継者が少なくなると。そうすると適応とか、いろいろ新しいことを持ち込もうとしても、それを担う人がいないということですので、いわゆる農業の作物とか、農耕の方法とか、技術だけではなくて、農業全体をどういうふうに今後継続し、盛り立てていくのかと、そういう観点も大きな意味では適応の重要な分野だと思います。そういう点についても、ぜひ今後、検討をさらにお願いをしたいと思います。
次は、国交省の方ですけれども、流域治水とか、熱心に進めていただいて、大変優れた取組だと思います。先ほど来出ている暑熱対策なんですけども、実は2日ぐらい前にニュースを聞いていましたら、街路樹が50万本くらい減少しているというようなことが国交省のデータで紹介されたというニュースがありました。
個々の場所で、どういうふうに暑熱対策をするかというだけではなくて、都市域全体、都市計画としてどう暑熱に強い、あるいは気温を高くしないような空間をつくるかということが非常に重要だと思いますけれども、そういうことについて、どういうふうにお考えかということをお伺いしたいと思います。
最後に、シナリオの件ですけれども、S-18のプロジェクトの最初にシナリオを決めるときに、まさにその点を我々も問題にしました。それで、考えた論理は、RCP8.5というのは言ってみれば、パリ協定が合意される前のBUSINESS AS USUALの最高シナリオだというふうに捉えると。したがって、パリ協定が締結されて、国際的に脱炭素の動きが取り組まれれば、それが実際のものになる可能性は低くなっていくということを前提に、そういう意味でのリファレンス・シナリオであるというふうに考えることにしました。ただそのときには、AR6、第6次報告書では、非常に高いシナリオであるけれども、全く可能性がないわけではないというようなことで採用されていたような経緯があるので、今回の紹介されている論文などの立場とは違うということにはなります。
そういう意味で、この高いほうの限界をどういうふうに考えるのか、このシナリオについて、我々がどういうふうに捉えるのかということについて、研究者などとも協力をして、環境省としても考え方を整理して、影響評価報告書の説明についても、きちんと納得のいく説明ができるようにするというようなことも重要なのではないかと思います。
さらに言えば、今回の影響評価報告書には入っていませんけれども、AR7では、次のIPCCの報告書では、オーバーシュートのシナリオがかなり重視されるのではないかと思います。そうなると、また別の新しいシナリオの課題も出てくると思うので、このシナリオに対して、なかなか分かりにくいところではありますけれども、きちんとその時々に応じて説明ができるというようなことを準備しておくということも、重要だと思います。
以上です。
肱岡委員長
貴重なシナリオの解説、どうもありがとうございました。
それでは、農林水産省様、ここのところでもし何かコメントがあれば、よろしくお願いいたします。
農林水産省 古田補佐
1問目は、長期的にどのような産地を目指すかを、農業者の皆様自身でも産地として考えていただく必要があると思っています。そのために、農林水産省としても、影響評価報告書をはじめ、どのような影響とどのような適応策があるかについて、関係省庁の皆様とも連携しながら、産地に情報提供していくことが重要と考えています。
また、2点目のご質問も、担い手の確保、人材の確保、ほかにも機械化や農業生産基盤整備による生産性の向上など、農業全般の課題と併せて考える必要がございます。
先ほど適応策の課題でも、機械の効率性とコストの話が出ていると申し上げたとおり、適応策単独ではなく、農業全体の課題を解決する中で適応策にも資するということが多々あると思います。ご指摘のように、担い手確保をはじめ、持続可能な農業をトータルで進めることが重要と考えております。ご指摘ありがとうございました。
国土交通省 石島補佐
国土交通省でございます。
ご指摘をいただきました街路樹に関する記事につきましては、私どもも拝見をいたしました。先生ご指摘のとおり、都市、地域全体で遮熱対策を進めていくことが重要であると考えております。街路樹の数につきましては、道路整備の事情等もあるかと思いますけれども、私どもとしては、街路樹に限らず、まちの緑地形成ですとか、建物の屋上緑化なども含めまして、トータルでグリーンインフラの観点で、暑熱対策を進めてまいりたいと思っております。
三村委員
どうもありがとうございました。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、オンラインから堀江委員、お願いいたします。
堀江委員
ありがとうございます。
簡単に、2点ほどコメントを申し上げます。1点は環境省さん、1点は農林水産省さんへのものです。
資料1-1の環境省の資料の11ページです。A-PLATのコンテンツの紹介がありまして、その中にTCFDの紹介があります。ご承知と思いますが、2023年10月にTCFDは解散しておりまして、これが後続の機関に引き継がれているということで、現在はISSBがIFRSという基準を公表しています。今年度の会計から新たに、サステナビリティーに関して少し統合的な非財務情報を公表していくことが大企業のタスクとして、これが新しく導入されています。ここには解散してしまったTCFDの言葉しか載ってなかったので、どこかの段階で、こちらについても改訂が必要かと思います。関連して、A-PLATを確認したんですけど、TCFDのページを開けると、まだサステナビリティー、ISSBやIFRSに関する移行に関する情報が載っていませんでしたので、関連事項をそのうち掲載いただいたらいいのかなと思っております。
もう一つは、農林水産省の資料の1ページ目です。熱中症による死亡者が多数に上るというグラフです。私も驚いたのですが、厚生労働省が集計する労働災害の統計を見ていても、農作業者は個人事業主が多く、労災保険の適用対象になってない場合が多いので、全業種の労災統計での死亡者数の約4倍、ものすごい数、59人という人数に達していると私は感じました。
農水省さんだからこそ把握されている課題認識というふうに捉えられますが、これを一つの例として考えたときに、各省庁がご担当される中で課題認識されたものについて、それでは、この情報をどのように活用するのか、これを見てそのソリューションをどうするのか、についてあらゆる方法を柔軟に検討することが重要です。ソリューションが必ずしもその省庁の中に全てその答えがあるわけではないと推察します。例えば、もちろんビニールハウスをどうするとか、農場をどうするというのはあると思いますけど、それだけではなくて、農作業者個人に対する対策となると、ほかの省庁の対策、例えば、厚生労働省の分野で、個人個人が体温が上がらないようにするための各種の保護具は、最近どんどん市場が大きくなって開発も盛んですので、連携して検討してはどうかと考えます。課題認識されたものがほかの省庁がソリューションを提示できそうなときに、どのようにしてそこにたどり着けるのかというイメージが、あるといいのかなと思いました。
国土交通省も、街路樹がなくなって暑くなるというのは分かりますけど、それでは、通行人や働く人はどうしたらいいのかとか、国土交通省の管轄外に影響が及んだときに、そのソリューションはどこと連携したら良いのかといった仕組みがあるとありがたいと思いました。
以上です。
肱岡委員長
非常に貴重なコメント、どうもありがとうございました。A-PLATについては早急にアップデートするようにいたします。
環境省から、もし何かコメントあればお願いします。
柳川企画官
ご指摘いただきまして、ありがとうございました。
我々から説明させていただいた資料が、若干古い情報をまとめており恐縮です。
一点ご紹介をさせていただければと思いますが、ちょうど今年の3月に最新の気候変動の物理的リスクについて、評価の手引きというような形で、民間企業向けの手引きを作らせていただいております。こちらにつきましても、今、環境省から公表をさせていただいているところでございます。
こちら資料の方できちんと情報が掲載できておらず恐縮ですが、こうしたものについても、引き続き、民間企業の動向なども踏まえて、新しい情報発信ができるようにさせていただければと思います。これについては、A-PLATのほうでも掲載をさせていただいているところでございます。もう一点、農水省さん、国交省さんにもというようなお話がありましたけれど、熱中症対策という観点もありまして、それぞれソリューションを出すというようなことで、それぞれ分野横断的なところの取組という観点でのご指摘だと認識をしております。まさに、この次の議事2の方、次期の適応計画の中でも触れていくところかとは思いますけれども、それぞれ適応について、分野横断的に知見などを共有しつつ進めていくべきというところがありますので、そうした取組については、環境省でも取りまとめつつ、関係省庁の取組や連携などを推進させていただければと考えております。
やや抽象的なご説明で恐縮ですが、よろしくお願いします。
肱岡委員長
ありがとうございます。
農林水産省さんからは、何かコメントありますか。あれば、お願いします。
農林水産省 古田補佐
熱中症死亡者数については、農業分野では、屋外や密閉されたビニールハウス等での作業が多いため、被害が多い傾向がございます。
委員ご指摘のように、同じ省内にソリューションがない場合もあるため、例えば本件であれば厚労省の皆様など他省庁と連携しながら、農業分野においてどのような対策が可能かを検討してまいります。
堀江委員
ご回答ありがとうございます。
国土交通省 石島補佐
国土交通省です。私どもも、所管している分野で現場作業のある分野もございますし、それ以外にも、まちや、道路を歩いている中での暑熱をどう対策していくかという観点でも、非常に関心を持たれるものだと思っております。その意味で、私どもの中だけではなく、他の分野で取り組まれている取組が、当然私どもに関わる分野についても、ソリューションになり得るということは十分あるかと思いますので、関係省庁ともしっかり連携しながら、幅広い対策が参照されるように、その利便性等も考えながら取り組んでまいりたいと思います。
堀江委員
ありがとうございます。
肱岡委員長
どうもありがとうございました。
それでは、次の議題に移らせていただきます。
次の議題は、次期気候変動適応計画の構成についてです。
それでは、事務局より説明をお願いいたします。
柳川企画官
そうしましたら、議事2の資料について、ご説明をさせていただければと思います。それでは、資料の投影をお願いいたします。ページをめくっていただきまして、具体的な中身に入る前に、先ほど少しお話をさせていただいた、これまでの検討状況というところ、今後の進め方というところで、スケジュール案について、少しご紹介をさせていただければと思います。
これまで、先ほどお話しさせていただいた推進会議などの場所で議論なども進めているところでございまして、本日、この小委員会の場所でも、適応計画の構成について、ご助言などをいただければと考えております。
これらの議論を踏まえまして、6月頃にも気候変動適応推進会議、大臣を議長としている本体の会議におきまして、適応計画の骨子について議事を設けており、適応計画に位置づける大きな方針などにつきましては、この骨子の中で確認をしていきたいと考えているところでございます。
また、骨子の内容について、推進会議以降、取りまとまった内容も踏まえまして、より具体的な施策についても検討していきたいと考えておりまして、夏頃にはこのような骨子の内容なども踏まえつつ、個別の課題などを聞いていくという観点のヒアリングなども実施できないか現在考えているところです。
こうした検討を通じまして、秋から冬頃には計画の素案について取りまとめつつ、年度内に閣議決定をさせていただければと考えているところです。
また、検討と少し並行するような形にはなりますけれども、こうした改定の計画に基づきというふうに書いてありますが、議論の内容なども踏まえつつ、必要に応じて年度内にも、今後この適応計画を動かしていくのに当たって、必要なKPIなどについても検討を進めていきたいと考えているところでございます。
取り急ぎ、スケジュールについて、まず紹介をさせていただいたところでございました。というのが、少し前提的なご紹介になりまして、スライドをめくっていただきまして、2ページ目以降が具体的な内容でございます。
本日の小委員会の論点という形で、まとめているスライドとなっております。
まず一番初め、冒頭で、今回の現行の適応計画から次期の適応計画に向けての主な変更点というところで、かなりコンパクトではありますけれども、二つほど大きい主要なところをまとめているところでございます。
一つは、関係省庁主体の行動変容を促して、気候変動適応の実践につなげていくということを重点における計画としていくため、基本戦略を見直しておりまして、適応計画全体について刷新ているところでございます。
また、構成としまして、気候変動適応に関する分野別施策及び基盤的施策につきまして、これまで関連施策について、網羅的に整理をするような形でまとめておりましたが、今回、影響評価報告書の中でも、特に優先的に対応が必要な項目というような形でまとめられていることなども踏まえまして、こうしたものへの対応を中心に、国としてどのような方針で施策を推進していくかということを示す形に見直しをしていきたいと考えているところでございます。
こうした中で、本日の論点というところで、下の部分にまとめさせていただいておりますが、次期気候変動適応計画において、基本戦略、分野別施策の方針、基盤的施策の方針に位置づけるべき観点・視点について、本日の説明に追加して、ご意見などをお聞きできればというふうに考えておりまして、そのほか、適応を推進していくために、今後重要と考えられている対策や施策などについても、ご助言などをいただければというふうに考えているところでございます。
3ページ目以降が、気候変動適応計画の構成案という形で、具体的に現在検討している構成について、説明をさせていただければと思います。
説明をさせていただく前に、一点お詫び申し上げますが、前回までご助言いただいていた意見につきまして、資料に落とし込むことがまだできていないという状況になっておりまして、本日はこの資料のみとなっております。本日、口頭で、これまでの意見について、どのように取り入れさせていただいているかなどご説明をしつつ、お話しさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
そうしましたら、まず一番初め、4ページ目の投影をお願いいたします。
まず、その下の目標と基本戦略について、こちら記載をさせていただいております。
まず、目標につきましては、総論として、適応について目指すべき方向というような観点で、現行の気候変動適応計画とも同じような形で、引き続き気候変動影響による被害の防止・軽減、さらには、国民生活の安定、社会・経済の健全な発展、自然環境の保全及び国土の強靱化を図り、安全・安心で持続可能な社会を構築することを目指すというような観点としております。
前回、三島先生から、気候変動適応の中に人権の視点を取り入れることが重要ではないかということでご指摘をいただいたところでございます。そういった人権というところの表現と少し異なる形ではございますが、こちらの目標にも書かせていただいておりますとおり、例えば、国民生活の安定や安全・安心であったり、社会経済の健全な発展など、基本的に守られるべきものについて、これらの目標の中でも位置づけをさせていただいておりまして、総論として、ご指摘いただいた人権なども含めて、社会として守られるべきものについて守っていきたいと考えているところでございます。
続きまして、②の基本戦略についてでございます。
こちらの資料の中で、現行の適応計画における七つの基本戦略をそれぞれ列挙しておりますが、前回、資料の中で、基本戦略の検討に向けた六つのポイントというふうにお示していたと思います。前回は、こちらの資料にある七つの基本戦略にも少し近い形で、地方自治体の支援や事業者の支援など項目に分けて六つお示ししていたところでございますが、改めて、これらの関係性について整理をしまして、次期の計画の中の基本戦略といたしましては、これからご説明させていただく分野別施策であったり、基盤的施策であったり、これらについて共通する項目について、横断的に取り入れていくべき視点について、この基本戦略としてまとめさせていただく方針としておりまして、こちらの資料では四つお示しをさせていただいております。
まず、これらの基本戦略につきまして、それぞれどのようなものを検討させていただいているか、ご説明をさせていただければと思います。
まず、影響評価報告書で特定された深刻な影響に対して、適応に係る施策を重点的に実施して、効果的・効率的に社会全体の適応を推進していくということを一つ目とさせていただいております。
また、適応策の効果が現れるまでには時間を要するものが多く、気候変動影響による被害が生じる前に適応策を実践に移すという観点では、様々な影響に対して取りこぼしなく、予防的に適応を推進していくことが必要だと考えております。
また、三つ目のところ、これまでの取組により、国の情報基盤や自治体の体制構築などが進展してきておりますが、今後は関係者の適応の実践などを重点的に推進していきたいと考えております。
また、最後の四つ目の観点ですが、コミュニケーションの観点としまして、気候変動対策を通じて暗い未来だけではなく、将来世代を含む関係者が明るい未来を描くことができるコミュニケーションを推進していくということで、四つお示しをさせていただいております。
前回いただきましたご意見とこれらの反映についてご説明をさせていただければと思います。
それぞれ順に、この四つの観点でいただいた意見についてご紹介をさせていただければと思います。江守先生から前回、「適応の実施の優先順位において、既に深刻な影響が出ている人たちに対して、優先的に手当をしていくことを強調していくことや、農業従事者など脆弱なセクターについて大きなターゲットと考えるべきではないか」ということでご指摘をいただきました。
今回、重点的に実証するということで一つ目書かせていただいておりますが、まさにご指摘いただいたような社会・経済的な脆弱性といったことも考慮して、適応策の実践の促進といったことについても、適応計画の中で位置づけていきたいと考えているところでございます。
続きまして、予防的な取組として、基本戦略の二つ目について関連するご意見としていただいたものですが、奥先生に、「科学的知見が十分でなくても、予防的観点から対策も記述していくことについて記述したほうがいいのではないか」ということでご指摘をいただきました。全ての取組にも関係する観点といたしまして、こうした予防的な適応の観点について重要だと考えておりまして、今回、基本戦略にも位置づけをさせていただいたところでございます。
続きまして、基本戦略の三つ目、適応の実践という観点について関連のご意見いただいたところをご紹介させていただければと思います。
肱岡先生から、「法施行後7年が経過し、今後は、深めるや繋ぐといったことが重要な視点」というご意見をいただきました。
こちらの資料にも記載をさせていただきましたが、まさに体制整備が進んできた中、次の取組として、例えば、関係者の連携を強化していくことや、より実務的な深掘りをした知見を整理していくなど、実践に向けた施策について、今後は行っていきたいと考えているところでございます。
続きまして、基本戦略の四つ目のところのコミュニケーションの観点で複数のご意見をいただいたところ、ご紹介させていただければと思います。
沖先生から前回、「よりよい未来になるというポジティブな発信になることを期待」ということでご意見をいただきました点と、堀江先生から、「若年層で認識が進んでいないところもありますので、特に若年層なども重視したコミュニケーションなど取り入れていただきたい」ということで、ご意見いただいているところでございます。
こうした意見も踏まえまして、今般、基本戦略として、次のコミュニケーションについても位置づけをさせていただいたところでございます。
また、これ以外でも、肱岡先生から、「適応計画の周知の際、国民が実施できる具体的な適応策とセットでの発信も有効ではないか」ということのご意見と、三村先生からも、「適応計画の中で全て具体的に書けるものでないため、例えば、国民一人一人がどう行動したらいいのかというような話は、どこで示すかも含めて検討を進めるとよいのではないか」というご意見を前回いただいたところでございます。
コミュニケーションの推進に当たりましては、適応の実践が進むよう、取り得る選択肢や施策のオプションなども同時に示していくということも重要だと考えておりまして、そうした観点についても、次期の適応計画の中では取り入れていきたいと考えております。
また、国の適応計画の外の話にはなりますけれども、例えば、これまでも自治体の取組など、広域アクションプランとしてまとめられるような形でも進められてきていると認識しております。
こうした中で、国の方でも、例えば、自治体や国民でどのような適応策をとり得るかなどお示しすることについても、別途検討を進めていきたいと考えているところでございます。
また、栗栖先生から、「適応の概念の普及の観点では、言葉の認知に依拠するだけではなくて、既に生活の中に存在している実践を適応の枠組みの中で再認識できる工夫が必要ではないか」というご指摘をいただきました。
こうした中、法施行後の5年の中間まとめでも、同様にご指摘いただきまして、適応の認知度が非常に重要だと我々も考えておりまして、既に取り組まれていることも含めまして、適応の認知度の向上に努めていきたいと考えているところでございます。
以上が基本戦略に関連したご説明となります。
以降、5ページ目で分野別施策の方針をまとめているところでございます。
以降、資料の構成としては同様ではありますが、基本的にはこちらの資料はヘッダーにも書かせていただいておりますが、今回、適応計画のコンセプトとしまして、影響評価報告書の中でも、特に優先的に対応すべきとされた影響を中心に、政府の今後の施策の方針について取りまとめをしていきたいと考えているところでございます。
まず初め、農林水産業につきましては、今回、水稲、果樹、沿岸域・内水面、漁業環境などが、特に優先的に対応すべきとされたものとして挙げられているところでございまして、今後の取組としては、先ほど農水省さんのご説明にもありましたが、例えば、高温耐性品種の開発普及の推進という観点であったり、また、水産業というような観点で言いますと、高水温による水産業への被害を踏まえた環境変化に対応した種苗・養殖技術の開発推進といったことについても、検討していきたいと考えているところでございます。
続きまして、②のところですが、水環境・水資源の中では、渇水の影響ということで、水供給(地表水)への影響について、今回、特に優先的な対応が必要だと影響評価報告書で取りまとめられていることも踏まえまして、例えば、渇水対応タイムラインという形で、水系・地域全体の渇水対応力の向上について、今後、一層取り組んでいきたいと考えているところでございます。
続きまして、6ページ目が自然生態と自然災害沿岸域の取組についてまとめているところでございます。
まず、自然生態系の観点で言いますと、沿岸生態系で亜熱帯、温帯、亜寒帯について、それぞれ特に優先的な対応が必要とまとめられたほか、分布・個体群の移動についても同様にまとめられているところでございます。
こうした中、環境省の取組でございますが、保護地域や自然共生サイトを活用した生態系の保全・回復という観点であったり、また、駆除、防鹿柵の設置等による野生鳥獣被害防止の強化についても取り組んでいきたいと考えているところでございます。
続きまして、自然災害・沿岸域の取組というところで、河川(洪水)、内水氾濫、そのほか土砂流出などについては、今回、特に優先的対応が必要と取りまとめられております。
先ほど、国交省さんのご説明にもありましたが、「流域治水」の推進という観点であったり、グリーンインフラの活用の推進や、また、こうした取組以外にも防災気象情報の高度化などについても取り組んでいきたいと考えているところでございます。
また、続きまして、7ページ目のところでございますが、健康、産業・経済活動、国民生活・都市生活についてまとめさせていただいております。
健康につきましては、主として暑熱の影響が、今回、特に優先的な対応が必要な影響として取りまとめられているところでございます。環境省としましては、引き続き熱中症予防のための科学的知見の充実や注意喚起という取組であったり、また、職場における熱中症対策の徹底であったり、こうしたものも推進していきたいと考えているところでございます。
また、最後⑥のところで、産業・経済活動、国民生活・都市生活の中でも、災害などによるインフラ・ライフライン等への影響について、特に優先的に対応が必要だと取りまとめられたところでございます。
こうした中で、先ほどご説明もさせていただきましたが、地域レジリエンスの向上という観点で、自立・分散型エネルギーの推進など取り組んでいきたいと考えているところでございます。
以上が、分野別施策の方針として、現在検討中のものについてのご紹介となっております。
続きまして、8ページ目以降、基盤的施策の検討状況について取りまとめた内容となっております。
まず一番初め、全体として、基盤的施策としては、①から⑤まで取りまとめをしておりまして、地域の取組の推進、事業者の取組の推進、国際協力、また、関係省庁との連携という観点でのシナジーの促進、科学的知見の充実という5点まとめさせていただいているところでございます。
それぞれご説明させていただければと思います。
まず一番目の観点ですが、地域の取組の推進の観点というところで、便益が実感できる適応等による地域の実践の促進を位置づけていきたいと考えているところでございます。地方自治体の適応を推進していく観点では、限られたリソースの中で効率的、効果的に適応策を講じていくことが必要なため、地方創生にもつながるものなど、便益が実感できる適応策の事例創出・横展開や効果の見える化などを推進していきたい考えているところでございます。この地域の推進に関しましては、幅広く前回までのご意見をいただいたところでございまして、紹介をさせていただければと思います。
まず、三島先生から、「フェーズフリーの考え方を取り入れることで、行動につながるのではないか」というご意見をいただきました。
また、沖先生から、「適応策の推進が、他の施策とのシナジーが発揮され、国民生活や経済活動にどう効果があるのかなど、具体例を示していくということが必要ではないか」というご指摘をいただきました。
また、三村先生からも、「適応策を実施することが地域の活性化、地方創生、ウェルビーイング向上に関連があるとともに、さらにシナジーを発揮して強めていくことができるという打ち出しが重要ではないか」というご指摘をいただいたところでございます。
こうした観点の中で、こちらは資料にも記載をさせていただいているところではございますが、地方創生であったり、フェーズフリー等であったり、シナジー効果により地域課題が解決されていくことが非常に重要だと環境省としても考えております。
まさにこうしたものについては、地方自治体の方でも、より取り組みやすい適応策となっていくと考えておりまして、便益の実感できる適応策の推進などを特に重視して進めていきたいと考えているところでございます。
また、木村先生から、「地域適応センターの互助関係の形成の支援などもしてもらいたい」というご意見をいただきました。また、地域で持っている知見の集積や人材育成に関しては、公設試験研究機関などを今まで以上に活用できないかというご意見をいただいたところでございます。
ご指摘いただいた連携強化というところ、非常に重要だと考えておりまして、例示の方にも記載をさせていただいておりますが、地域気候変動適応センターや試験研究機関等との連携強化についても今後、記載できないかと検討を進めたいと考えているところでございます。
続きまして、肱岡先生からいただいた意見でございます。「知見の共有や水平展開と自然とできる仕掛けや仕組みがあるとよい」ということで、ご指摘をいただいたところでございます。
これまでも、A-PLATなど気候変動適応センターのプラットフォームを使って知見の共有をしてきたところでございまして、まさにご指摘いただいたような水平展開等が自然とできる仕掛けと仕組みは非常に重要だと考えておりまして、横展開等の知見の共有は引き続き、どのようにやっていけるかを検討しつつ、進めていきたいと考えているところでございます。
また、三村先生から、「自治体が実施する適応策と地域の長期適応計画や総合計画を関連づけることが重要」とご指摘をいただいたところでございます。自治体内の他部局との連携や計画間での連携について、次期の計画の中でも引き続き重要だと考えておりますので、位置づけていけるように進めていきたいと考えているところでございます。
また、江守先生から、地域適応センターの設置数が順調に増えていると、前回、環境省からご説明をさせていただきましたが、「十分な活動ができる規模になっているかなどを把握する必要がある」というご指摘をいただきました。
ご指摘のとおり、地域気候変動適応センターについては、様々な体制で行われているものと承知をしておりまして、自治体の体制なども含めまして、今後具体の施策を進めていくに当たり、次回、ヒアリングなども小委員会の中でできればと考えておりますので、ヒアリングをしつつ、課題感など把握をして、今後の施策について検討していきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
説明が長くなってしまい恐縮ですが、まだ幾つかご紹介させていただければと思います。
これ以外にもご指摘いただいた観点でございます。
少し順番が前後してしまい恐縮ですが、木村先生から、「既に各省で様々な技術が開発されているが、現場に実装されるまでには壁がある。開発された技術が現場に実装されるような支援が必要ではないか」とご指摘をいただいたところでございます。
今回、基本戦略の中でも、適応の実践の推進が非常に重要だということで位置づけさせていただいておりまして、ご指摘いただいた技術の社会実装についても、進むような施策を検討していきたいと考えております。
また、前回、高根沢先生から、「縦割りを打破し、他部局の計画へ効率的に適応を位置付けるための効果的なアプローチがないか」ということでご指摘をいただきました。
また、木村先生からは関連しまして、「自治体の中でも地域適応センターの知名度が低く、各自治体に地域適応センターがあることを各省庁等にも周知してほしい」ということで、分野間を超えた連携という形でのご指摘をいただいたと認識をしております。
これにつきましては、部局間や地域気候変動適応センターを含む関係者間の連携が、我々としても非常に重要だと考えておりまして、国からどのようなことができるかにつきまして、引き続き検討してまいりたいと考えております。
また、先ほどの議事1の方でも関連する話題がございましたが、木村先生から、「後継者不足も適応策が進まない一因だ」というご指摘をいただいたと認識をしております。
また、先ほど農水省からもご説明ございましたが、様々な分野の中で、後継者不足などの課題などある中で、こうした問題とセットで捉えていく必要性があると考えておりまして、我々としては、適応という分野で捉えますと、適応策を選びやすくするような意思決定の支援などできないかというところで、情報整備など、進めていきたいと考えているところでございます。
今、地域に関連するご意見としていただいたものをご紹介させていただいたところでございます。
続きまして、事業者の取組について、8ページの中で御説明をさせていただければと思います。
気候変動適応を通じた事業者の競争力強化ということで、②は書かせていただいております。企業が気候変動適応に取り組むことにつきましては、事業の持続可能性を高める上で必要不可欠であるだけでなく、新たな事業の機会創出をするなどの観点からも重要だと考えておりまして、気候変動適応を通じた事業者の競争力強化を図っていけないかと考えているところでございます。
前回、関連するご意見としまして、三島先生から、「既に適応に取り組んでいる事業者と取り組んでいない事業者のそれぞれの理由、動機の分析をさらに解像度を上げて実施していけないか」というご意見をいただいたところでございます。
現在、これまで気候リスクマネジメントの観点と気候ビジネスの課題など、我々環境省のほうでも取組を進めているところでございまして、これらの取組が一層進められるよう、実践に向けて、より精緻な検討などを進めていきたいと考えているところでございます。
続きまして、9ページへ移らせていただきまして、国際協力とシナジーの観点でまとめさせていただいているスライドになっております。
まず、サプライチェーンの強靱化等につながる国際協力の推進ということでまとめさせていただいております。日本の科学的知見や技術等を生かしまして、開発途上国の適応能力の向上に向け、引き続き支援を進めていくとともに、事業者の適応ビジネスの海外展開の活動支援なども通じまして、サプライチェーンの強靱化やビジネスチャンスの創出なども国際協力と同時に図っていきたいと考えているところでございます。
こうした中、前回いただいた意見としまして、稲田先生から、「日本と新興国・途上国との橋渡しを考えたときに、支援には三つあり、一つとしては途上国における事業者のビジネス支援、二つとして日本の影響評価や適応計画策定に関する知見等を共有することで、その国の適応力を底上げしていく支援、また、競争と還流という視点を持った支援」ということで、三つお示しをしていただいたところでございます。
また、沖先生からも、「海外で得られた知見の日本への還流も重要」ということでご指摘をいただきました。
ビジネスや技術の展開支援などにつきましては、非常に重要だと考えておりまして、引き続き、開発途上国の適応能力の向上にも努めていきたいと考えているところでございます。
また、海外の取組の知見についても、取り入れなどを図るよう進めていきたいと考えているところでございます。
続きまして、④、シナジーの促進という観点でございますが、あらゆる関係施策と気候変動適応策によるシナジーの促進ということでまとめさせていただいております。省庁一体となった推進が重要だと考えておりまして、気候変動適応策には、気候変動に対する強靱な社会の実現だけではなく、他分野とのシナジーによりウェルビーイングを向上させるポテンシャルがあるため、様々な分野の政策とのシナジー効果を発揮できるようにしていきたいと考えているところでございます。
関連したご意見といたしまして、前回、沖先生から、「適応策は地域での取組が重要。そのためには、国土計画や都市計画とのシナジーが強調されてもいいのではないか」というご指摘をいただきました。
また、江守先生からのご指摘としまして、「エネルギー安全保障や食料安全保障といった課題にシナジー効果があることと一緒に発信することが重要」というご指摘をいただいたところでございます。
こうした国土計画であったり、エネルギー安全保障であったり、食料安全保障といった大きな政策として位置づけられているものとのシナジーにつきまして、我々も重要だと考えておりまして、こうしたものにも位置づけつつ、幅広い関連施策と連携を図りながら、シナジーを生み出す施策について、政府一体となって取組を進めていきたいというように考えているところでございます。
また、続きまして、いただいている観点ではございますが、先ほど、江守先生から既に議事1のほうでもご指摘いただきました営農型太陽光発電につきましても、「悪い事例について規制をしっかりしていただいた上で、エネルギー安全保障や食料安全保障の観点からもっと推進されて良いと思っている」というご指摘をいただきました。
先ほどもご紹介させていただきましたとおり、営農型太陽光発電につきましては、地域共生型のものについては、適応に資するものも含めまして、しっかりと推進していきたいと考えているところでございます。
また、江守先生から、「脆弱なセクターとしては、子どもがある。体育館の耐熱や空調に取り組む必要がある。また、暗くても運動できるように、グラウンドへの照明設置なども進めてはどうか」というご指摘をいただきました。
これらの取組につきまして、文科省でも体育館の空調や断熱等に取り組んでいるという認識をしております。こうした個別施策についても、必要なものについて、気候変動適応計画にも位置づけられるよう検討していきたいと考えているところでございます。
また、堀江先生から、「長期的に効果が出るものについて、どういうメカニズムでシナジーが得られるのか、言葉での説明が必要ではないか」とご指摘をいただいたところでございます。
今回、適応計画の中で適応の実践の推進を進めていきたいと考えておりますが、適応に取り組むことのメリットが分かるようにしていくことが非常に重要だと考えております。
こうした中で、シナジーやベネフィットの見える化などにつきましても、取り組んでいきたいと考えているところでございます。
最後のページとしまして、10ページ目、科学的知見の取組ということで、5ポツ目、まとめさせていただいているところでございます。
基本戦略にもありましたとおり、適応の実践の促進ということで、科学的知見の充実を一層図っていきたいと考えているところでございます。
気候変動適応の推進のため、影響に関する現状分析や将来予測が必要だと考えておりまして、気候変動影響評価の発展を進めるとともに、経済・社会面からの情報や行動につながる知見を整備するなど、情報の充実及び質の向上などを図っていくことが重要だというように考えているところでございます。
こうした中、今後の取組として、社会的・経済的な脆弱性や被害の影響評価であったり、気候変動に関連した精度の高いデータの整備など、科学的知見の整備について進めていきたいと考えているところでございます。
関連した意見として幾つかいただいておりまして、ご紹介させていただければと思います。
三村先生から2点いただいておりまして、「適応だけの議論ではなく、地域やコミュニティをどうしていくかということもセットで議論していくと意見が出る」ということ、また、「皆が関心を持っている、地域の将来に関わる日常生活との接点がある話題が入り口になる」というようなご指摘をいただきました。
また、堀江先生からも、「どう生活に影響が出るのか、といったことも丁寧に説明しながら発信していくことが必要」というご指摘をいただきまして、気候変動影響や適応等、社会的にどのような影響があるか解像度を上げて、こうした科学的知見とともに発信をしていきたいと考えているところでございます。
また、葛西先生から、「感染症と気候変動の関係性に関する研究はまだ進んでおらず、研究助成金の充実が必要」というご指摘をいただきました。気候変動適応につきましては、気候変動影響の研究をベースに成り立っていると考えておりまして、研究というものが非常に重要だと考えております。影響についても、研究が進むようしっかり盛り込んでいきたいと考えております。
また、これ以外のご指摘としまして、沖先生から、「競争力を強化した結果としてのイノベーションの支援を盛り込むことも重要ではないか」というご指摘をいただきました。環境省の中で、例えば、環境スタートアップのイノベーションなども取り組んでいる中、イノベーションの取組、推進といったことにつきましても、進めていきたいと考えているところでございます。
また、前回、環境省からも少しお話をさせていただいた観点に関連しまして、今田先生から、「情報発信に当たっては迅速さ、情報の即時性が重要だと感じており、何か起こったときに気候変動の寄与を発表すると同時に、具体的に実践できる適応策についても発信できると良い」とご指摘をいただきました。即時性のある行動につながる発信についても、実施可能性含めて、今後検討していきたいと考えているところでございます。
また、木村先生から、「長期継続的な調査が必要な研究については、国から支援をしてほしい」ということでご指摘をいただきました。先ほどの葛西先生のご指摘とも関連しますが、気候変動研究については、引き続き重要だと考えておりまして、こうしたデータ整備についても、しっかりと進めていきたいと考えているところでございます。
非常に早口かつ、前回出た意見について口頭でのご説明となりまして、分かりにくいところもあったかと思いますが、環境省からの説明は以上となります。
また、少々環境省側の説明が長く、ご意見の時間が短くなってしまいましたが、この後、本日以降も含めまして、また幅広いご意見などもいただければと思いますので、ただいまのご説明につきまして、ご助言などありましたらいただければと思います。よろしくお願いいたします。
肱岡委員長
丁寧なご説明、どうもありがとうございました。
それでは、委員の先生方から、今の説明に対するご質問、ご意見をいただけますでしょうか。それでは、江守委員、お願いいたします。
江守委員
すごいというか、密度の濃いご説明をいただきまして、ありがとうございました。いろいろ、今までの意見を検討していただいていることもよく分かりました。
その上で、三つ申し上げたいと思うんですけれども、かなりこれまで、前回までに申し上げたこととかぶるかもしれませんけれども、一つは既に検討していただいているとおっしゃっていただいた脆弱なグループを重点的に適応を促進していくということに関して盛り込んでいただくということで、どうもありがとうございます。これに関して、少し今回も発言しようと思って、ちょっとAIに聞いたりとかして調べたんですけれども、海外の適応計画、幾つかのカナダだとか、ニュージーランドとか幾つか出てきたんですけれども、では、やはり適応というのを考える上で、基本的な視点として、脆弱な人たちの保護というか、これは公平性であるとか、包摂性であるとか、三島委員が以前におっしゃった人権という視点も、これに関連するものかもしれませんけれども、それはかなり基本に据えられているといったようなことがあるように見えました。日本の適応計画では、それはあまり中心には据えられていなくて、そういうことも配慮しますというぐらいに、周りにあるような感じがしましたので、今後、日本でもちょっとそういった視点というのは、もっと強調しなくていいかということを検討していく必要があるんじゃないかなというふうに個人的には感じていますということが一つ目です。
二つ目は、シナジーについて、既にいろいろご説明があったところですけれども、シナジーを強調するのは非常に重要であることはもちろんとした上で、やはりトレードオフについても言及をしたほうがいいんじゃないかと。いいことばっかりでは必ずしもなくて、トレードオフが生じそうなところをうまく調整したり、回避したり、乗り越えたりしていくということにも配慮するということは明示的に書いて、実際に取り組むべきではないかというふうに思いました。それが二つ目です。
三つ目が、よりよい未来とか、明るい未来というコミュニケーションのところなんですけれども、これはもちろんあんまり暗いイメージだけを伝えるのはよくないというところに関してはもちろん同意するんですけれども、これも以前申し上げたかもしれませんけれども、適応すれば何とかなるというフレーミングというか、ナラティブで捉えられてしまうというのは何かあんまりよくないんじゃないかというふうに思っています。
まず、だからやっぱりリスクと向き合う必要があるというメッセージは、まず必要であるように思っていて、その上で、もちろん緩和も含めて、適応も含めて、よい選択を取っていくことによって、よりよい未来というのを実現していける可能性があるんだというような、リスクを受け止めつつも前向きでいられるような、そういうフレーミングで発信していくということが、個人的には必要なんじゃないかというふうに思いました。
以上です。
肱岡委員長
貴重なご助言、どうもありがとうございました。
それでは、オンラインから今田委員、お願いいたします。
今田委員
前回のコメントに対して非常に丁寧に検討していただきまして、どうもありがとうございました。
私からは基盤的施策の⑤番のところについて、ちょっと追加の質問をさせていただきたいです。
先ほど、研究促進のための試験研究機関へのサポートみたいなことも検討するようなコメントをいただいていたんですけど、それをもう少し踏み込んで、環境省さんが欲しい情報の創出を促進するような事業を、環境省さんのほうから各専門分野に提案して、サポートしていくというようなこと、そういう方向性はないでしょうかというのが一つ質問です。
と言いますのも、前回の影響評価報告書の3章のところで、コラムが二つ掲載されていたと思うんですが、これはまさに環境省さんからご提案いただいた災害激甚化事業、それによって実施することができた研究がありまして、その成果が、最終的には影響評価報告書のほうにも貢献したということになっていたと思います。
あの事業は私も参加させていただいていたんですけど、非常によい事業で、もちろんコラムの中では、実際に過去に起こった西日本豪雨や東日本台風というのが、もし将来来たときにどんな未来が待っているんでしょうかというのを、そのときにどんな激甚化した最大災害が起こって、それに対してどういうふうに適応しなきゃいけないかということを具体的に想像できるようなコンテンツが出来上がっていました。
あれを実施するに当たっては、水門分野と気候分野の専門家が集まって、双方の研究ツールを出し合って、さらにそれをシンクタンクが中継して、一気にその分野間の連携研究を進めてくれるという、非常に短期間で効率的に成果を出すことができたんですけど、それはもともと環境省さんからご提案をいただいて、そういった事業が実施することができたという背景がありましたので、非常にいい例があるので、ああいった事業を今後もっと重点的にやる。さらに、ただ専門分野だけではなくて、農業とか、健康影響とか、そういった分野のそういった事業をやっていくようなことを盛り込むと、すごく次の計画として充実したものになるんではないかなというふうに感じました。
取りあえず以上です。
肱岡委員長
ありがとうございます。
それでは、ご回答お願いします。
柳川企画官
ありがとうございます。
まず、江守先生からいただいた観点についてから、順にお答えさせていただければと思います。
まず、一つ目いただきました公平性の観点につきましては、これまで環境省側の中でも、十分にまだ議論ができていなかったところがあるかもしれませんので、いただいた点も含めまして、どのように記載できるかなど、検討させていただきたいと考えております。
また、2点目いただいたトレードオフの観点につきましては、本日ご説明ができなかったところもありまして恐縮ですが、これまでの議論でも、今、シナジーだけではなく、トレードオフについてもしっかりと考えていく必要性があるということについてはご意見いただいておりまして、この点については、しっかりと次期の適応計画の中にも位置づけていきたいと考えております。
また、3点目、コミュニケーションの観点につきまして、本日適応の観点で明るい未来のコミュニケーションという形で、少し短めに資料に記載させていただいてしまいましたが、環境省としましては、引き続き、まず、緩和により気候変動影響をきっちりと引き下げていった中で、その上での適応策があるというような形で、両輪で回すことが重要だと考えておりますので、こうしたコミュニケーションの中でも、適応すれば何とかなるというような観点ではなく、緩和と必ずセットで発信していけないかと考えているところでございます。
今田先生のご指摘の観点につきまして、個別の施策について今回ご助言をいただいたものと考えております。
まさにいただいたようなところ、台風事業、これまで環境省で取り組んだところにつきまして、さらに発展的に、情報整備など似たような取組ができないかということで、どのようなことができるか、今後の検討の中でより具体的に詰めていきたいと考えております。ご指摘いただきまして、ありがとうございます。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、木村委員、お願いいたします。
木村委員
前回の発言についていろいろ説明いただきまして、ありがとうございます。私のほうから、時間もあまりないので手短にいきます。
まず1個目ですけども、研究支援については、地域の適応を進めるために大変重要になってまいりますので、よろしくお願いします。
それで地域の試験研究機関については、ここに出てきた経済・社会面からの研究というのを得意としている研究所を持っている自治体は、恐らくあまりないと思いますので、その辺については、国のほうにお願いできればと思いました。
あと、もう一点ですけれども、横連携であったり、地域の適応策を進めるに当たって、最近思ったことですけども、自治体のトップの考え方というのはかなり影響があるということを、最近、知事が変わりましたので大変思っておりまして、その辺、この方針の中に特に書く必要があるわけではないですけれども、そういった自治体等のトップに対しての働きかけといったことも取り組んでいただけるとありがたいなと思いました。
以上です。
肱岡委員長
貴重なご意見、ありがとうございました。
それでは、オンラインから奥委員、お願いいたします。
奥委員
ありがとうございます。前回出させていただいた予防的な対応の必要性については、スライドの4の基本戦略の二つ目の四角のところに入れていただきまして、ありがとうございました。
こちらの観点で文章は、施策の効果が現れるまでに時間を要するものが多いという理由が書いてあるんですけれども、予防的な取組が必要な理由としては、それだけではなくて、やはり科学的な知見が十分ではない場合であっても、リスクが顕在化するのを未然に防ぐと、予防するという、そういう観点も重要ですので、その科学的な知見が必ずしも十分ではないような、そういった部分にも対応をするために、この予防的な適応を推進するといったようなことを入れていただけるとありがたいなと思います。
基本戦略は、それ以降に示していただいております分野別施策、それから、基盤的施策も全体に通じるような中身をここでは書いていらっしゃるということなので、今のような科学的な知見がまだ不十分な場合でも、予防的に適応を推進するということを入れていただくと、スライドの10の基本的施策の⑤につながるような内容がそこで頭出しされるということになりますので、ちょっと記述をご検討いただければと思います。
それから、手短に言いますが、スライドの8の基盤的施策の①に関連してですけれども、やはり、地方公共団体における適応計画の策定をより一層推進していくという意味では、やはり共同策定がより広域的な連携というものに推進されていって、場合によっては都道府県と基礎自治体との共同というようなところも、スケールメリットなどを考えたときには、望ましい場合もあり得ると思いますので、そういった共同策定が分かるような自治体間連携の話というのもぜひ入れていただけるとよろしいかなと思いました。
それから、スライドの9の④ですけれども、これはあらゆる関連施策と適応策のシナジーの話ですが、先ほども少しお話が出ましたけれども、関連の土地利用計画や都市計画もそうですし、実際には、環境基本計画だとか、地球温暖化対策実行計画ともう1本で適応計画を策定している例というのが非常に多くなっていますので、そういった関連計画との併合であったり、一体的な、有機的な策定というものも効果的だというような視点も、ぜひここで入れていただけるとありがたいなと思いました。
以上です。
肱岡委員長
貴重なご意見、どうもありがとうございました。
それでは、三島委員、お願いいたします。
三島委員
ありがとうございます。
本当これまでの意見などを本当丁寧にくみ取っていただいて、反映していただき、本当ありがとうございます。まずは御礼申し上げます。
その上で1点だけ、フェーズフリーに関して、ちょっと補足をさせていただきたいと思います。もうご承知かも知れませんけれども、今月の衆院の災害対策特別委員会で、高市首相がフェーズフリーの考え方を浸透させるように社会全体の防災力を高めるということで、関係省庁への施策に、このフェーズフリーの取組を浸透させるようにというメッセージを発信したというふうに、記事で拝見しました。やっぱりこうした流れもありますので、今後もっとこのフェーズフリーという言葉は、キーワードとして前面に出てくるんじゃないかなというふうに思います。
ただ、防災の観点で、文脈で語られることが非常に多いんですけれども、その観点でいくと、適応策で既にフェーズフリーという考え方を取り込んでいるというのは一歩進んでいて、すごくいいなというふうに思うわけです。やっぱりリスクと機会はどんなものにも両面があるわけでして、リスクだけではなくて、機会に目を向けるというのがフェーズフリーの根幹にあるかと思っておりますので、ぜひ、こちらの適応計画の中でも、いろんな施策を考えていく中で、この分野でも考えられるんじゃないか、この分野でも取り入れられるんじゃないかというところに、いろいろなところにちょっとこのキーワードを照らしてみて、発信の在り方ですとか、工夫していただけるといいかなというふうに思います。
本当にありがとうございました。
以上です。
肱岡委員長
貴重なコメント、どうもありがとうございました。
それでは、オンラインから稲田委員、お願いいたします。
稲田委員
まず、前回のコメントを丁寧にご検討いただいて、御礼を申し上げます。
その上で、スライド9の3ポツ、基盤的施策の③国際協力の推進について、3点ほどコメントをさせていただきます。今日この場でというよりは、今後のご検討の材料としてコメントさせていただくという趣旨でございます。
一つ目がファイナンスでございまして、最近ですと、日本の民間金融機関さんが数千億円規模のファンドの立ち上げを宣言されて、その中の70%以上を途上国の気候変動適応に充てるという方針を掲げたりしております。例えば、ここで日本の官民の資金を動員して、適応ビジネスの海外展開を支援するというような感じで書いていただけると、後押しになるのかなと思いましたというのが、一点目でございます。
それから2点目が、政策パッケージの輸出でございますが、今日、農水省さんと国交省さんの発表を聞いていて改めて思ったんですが、割とこの日本の政策的枠組みを相手国にご理解いただけるかどうかが結構事業者様の適応ビジネスの展開にも関係するのかなと思っておりまして、例えば、結構途上国の現場に行きますと、災害の程度がそんなに重たくないヨーロッパの方々がいらっしゃって、NBS、ネイチャーベースドソリューションとインシュアランス、保険だけで何とか対策できますというような感じのお話をされたりするんですが、やはりアジアのように結構、自然災害が重たい地域ですと日本のようにしっかりとグレーインフラ、コンクリートの構造物で対応した上で、そういったNBSや保険がやっと効き目を持つということがございますので、この辺の政策パッケージをいかに相手にご理解いただくかというのも重要かと思いましたので、コメントをさせていただきます。
最後3点目、前回の繰り返しで恐縮なんですが、最近ですと、先進国から途上国に一方的な支援を行うというのはまれで、共に創っていく共創ですとか、あるいは途上国で展開したことが日本に環流されるというのが大体一般的でございますので、ぜひこの方針のほうでも、今、最後にビジネスチャンスの創出を図っていくとお書きいただいていますが、ここを何とか共創とか、環流というような表現でお示しいただけるといいのかなと思いました。
以上、3点でございます。ありがとうございました。
肱岡委員長
貴重なアドバイス、どうもありがとうございました。
それでは、オンラインから高根沢委員、お願いいたします。
高根沢委員
那須塩原市環境戦略部カーボンニュートラル課の高根沢と申します。詳細なご説明をいただきまして、ありがとうございました。
実は那須塩原市でも、今年度、気候変動対策計画の改定を予定しておりまして、影響評価報告書や策定マニュアルなどを使用して、改定を目指しているところでございます。改定に向けましては、市民や事業者に取組を理解していただくために、具体的なアクションの表記であったり、定量的な評価の設定なども検討しているところでございます。
実効性のある計画の改定を目指している中で、先日、計画の改定方針に対する審議を行う庁内会議がございました。各部局の部長、課長が出席した会議でございますが、その中で取組や改定の目的、そういったものの内容については理解はできるが、こちらを進めるに当たっては、庁内の共通認識を図ることが重要ではないかというような意見がありました。
気候変動対策計画を策定して数年が経過をしているのですが、庁内からこのような意見をもらったということが、果たしてポジティブに捉えていいのかどうかというところではありますが、取組について全庁的に理解をいただけたということは、前向きに捉えておこうということで、認識合わせを進めて、計画の改定を進めたいと思っているところでございます。
そちらを踏まえまして、ちょっと一点ご質問なんですけれども、先ほどご説明いただきました中に適応策の効果を最大化するためには、他分野政策とのシナジーの促進が必要であるということをご説明いただき、私のほうでも実感をしているところではございます。
その前の議題のところで、環境省さんや農水省さん、国交省さんのほうからご説明をいただいたとおり、各省庁の連携が図られているということも明らかであります。これらを踏まえまして、今回の計画の中、もしくは計画の概要版などに、位置づけの記載や、もしくは体系図などをつけていただくことは可能なのか、お伺いをしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、高根沢委員からの質問に対して、回答お願いします。
柳川企画官
ありがとうございます。
今、いただいた体系図の観点ですけれども、今現在のところ、まだ各省と具体的にどのような取組をしていくのかということについて、図のような形で明示的にするところまでは検討が進んでいないところではございますが、まさにおっしゃっていただいたようなところ、シナジーが重要というところは我々も考えている中で、必ずしも環境省と例えば国交省であったりとか、環境省と農水省であったりとか、分野で縦引きできないところもあるかと考えておりまして、こうした中でしっかりと連携を図りながら進めていきたいと考えているところでございます。
なかなか明示的なご回答ではなく、恐縮ではございますが、いただいたようなご指摘も含め今、後、検討を進めていきたいと思います。
高根沢委員
ありがとうございました。
自治体の庁内でも、横連携って重要とは言いつつも、なかなか実現しないのが現状であるというところにありますので、上位計画とか、そういったところで示していただけるとありがたいなと思ったご意見からです。よろしくお願いいたします。
肱岡委員長
ありがとうございました。
委員の先生方、非常に多くの貴重なコメント、どうもありがとうございました。そろそろ時間が迫っておりますので、では、最後の議題に移らせていただきたいと思います。
次の議題は、その他となっています。事務局より何かございますでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、最後に全体を通して、もしご意見、ご発言等ございましたら、お願いできますでしょうか。
じゃあ、江守委員、お願いいたします。
江守委員
じゃあ、ちょっと短く補足的に。
最初のほうで申し上げたシナリオの件で、3℃から4℃というカテゴリーがあるということに関してですけれども、新しいシナリオでは、2100年に高いシナリオで3.5℃ぐらい、ただ、それは、いわゆる気候の科学の不確実性、いわゆる気候感度の不確実性で知られるものを考慮した場合の中位の予測で3.5℃ぐらいだと思いますので、その気候感度が高かった場合、つまり、いろんな気候システムの中でのフィードバックが掛かって、高い温度が実現する可能性というのが顕在化した場合には、4℃というのは十分あり得ると。
なので、3℃から4℃というカテゴリーを高すぎると思って、見直す必要は必ずしも現時点ではないのかもしれないというふうに思いました。補足です。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、葛西委員、お願いします。
葛西委員
今のご発言に関しまして、先ほど、農水の方が出していただいた資料1-2の1ページ目に、日本の平均気温の偏差というグラフがあって、ここ数年、急激に高くなっていって、過去の事例を見ると、こういうふうに一旦高くなって、また下がってというのも見受けられるんですけれど、それにしてはちょっと何かずっと急激な上昇傾向が見られるんですけれども、こういうのを見ると、やはりRCP8.5の何か見直しというのが、本当に正しいのかどうかということを考えざるを得ないんですが、環境省の方の本当の専門ではないかもしれないですけれども、その辺りの認識、例えば、AIが予測できるとは思えないんですけれども、一時的な上昇と捉えているのか、今後もこの勢いで日本においては上がっていきそうな見込みなのかとか、その辺の何か考え、見込みなんかもしありましたら、共有していただけるといいなと思うんですけど、いかがでしょうか。
肱岡委員長
ありがとうございます。
それでは、環境省お願いします。
柳川企画官
ありがとうございます。
ご質問にもありましたが、我々のほうで、具体的にこのRCP8.5のシナリオについての妥当性については、少し言及が難しいところではございますが、環境省の立場としましては、まさにこうしたシナリオにならないように脱炭素を進めていくのが非常に重要だと考えております。
そうした中で、今後、世界を含めて日本だけではなく、脱炭素が今後、どのように進んでいくかというのが、まさにこうした今後の気候変動の状況などにも影響してくるものだと考えているところでございまして、引き続き、脱炭素施策についても進めていきたいと考えているところでございます。
概括的なご回答で恐縮です。
葛西委員
ありがとうございます。
葛西ですけれども、例えば私たちの分野ですと感染症を媒介するネッタイシマカという非常に大きい重要なデング熱媒介蚊がいるんですけれども、これが1月だったりするんですけど、平均気温が3℃上昇すると、もう関東のエリアぐらいまで、冬を越すような見込みだというふうなのがあるんですね。そうすると、でも3℃というのはなかなかもう実現しない、このRCP8.5というのは、大体2.6から4.8ということらしいので、実現しないという考えもあるんですけれども、実際、先ほどのグラフを見ると、もう110年ぐらいで3℃上昇しているようにも見えてしまうので、やっぱりその辺りの予測を、ちょっと私たちとも共有していただいていけるといいなというふうに希望したいと思っています。
よろしくお願いします。
肱岡委員長
ありがとうございます。
この委員の先生方には、江守委員をはじめ、気候モデルの専門家がいらっしゃいますし、適応の関連を考えると、例えば、それこそテムズ川みたいに、非常に高いレベルを見据えて、順番にやっていくとありますので、そういうところをうまく適応計画に組み込んでいただければと思います。
すみません、もう時間が超過しておりますので、本日の議事はここで終了したいと思います。事務局にお返しいたします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
本日は活発なご議論いただきまして、ありがとうございました。本日も活発なご議論をいただき、ありがとうございましたと申し上げるべきところだと思います。
影響評価の公表以降、着々と適応計画に関する議論を進めておりまして、関係省庁との連携につきましても、より一層強固に進めておりますので、引き続き、皆様からのご意見をいただきながら、しっかりしたものをつくっていきたいと思っております。
今日は、本当にありがとうございました。
また、対面、オンラインのハイブリッド形式でしたので、ご不便あったかもしれませんが、その場合はお詫びを申し上げたいと思います。
事務的な連絡ですが、本日の議事録は、事務局にて取りまとめて、委員の方々にご確認いただいた上で、環境省ホームページにて公開させていただく予定です。
次回、小委員会につきましては、また改めてご連絡をさせていただきます。今日はどうもありがとうございました。