気候変動影響評価・適応小委員会(第8回)議事録

日時

令和8年3月16日(月)10:00~11:47

場所

WEB会議システムを併用したハイブリッド形式。併せて YouTube チャンネルでライブ配信を実施。

議事次第

1.開会

2.議題

(1)適応計画見直しに向けた方向性について
(2)その他

3.閉会

議事録

羽井佐気候変動科学・適応室長
定刻となりましたので、ただいまより第8回中央環境審議会地球環境部会気候変動影響評価・適応小委員会を開催いたします。
進行を務めます環境省気候変動科学・適応室室長の羽井佐と申します。よろしくお願いします。
本日の会議は現在、委員総数の過半数以上の委員にご出席いただいており、定足数に達しています。
本日の小委員会は対面、オンラインのハイブリッド形式での開催となります。また、この会議は、環境省の公式YouTubeチャンネルより、ライブ配信を行っています。
資料及び議事録については、ホームページにて公開とさせていただきます。
WEB参加の委員の皆様は、何かご不明な点がありましたら事務局まで、画面の上にあるチャット欄か、事前にお伝えした電話番号で、お電話にてお知らせください。
続いて、資料の確認をいたします。画面上に配付資料一覧を表示します。それに沿って、ご連絡いたします。
資料は資料1-1、1-2、資料2がございます。各資料につきまして、事前にお送りしておりますので、WEB参加の皆様、お手元にご準備をお願いします。
議事中、発言者以外のWEB参加の皆様は、基本的にマイクをミュート、カメラをオフに設定してください。
ご発言される際は、対面でご参加の皆様はネームプレートを立ててください。オンラインの皆様は挙手ボタンでお知らせください。ご発言の際は、最初にお名前をおっしゃっていただけると幸いです。
それでは、以降の議事進行を肱岡委員長にお願いいたします。どうぞよろしくお願いします。
 
肱岡委員長
皆さん、おはようございます。国立環境研究所、肱岡でございます。
先生方のご協力により、第3次気候変動影響評価報告書も無事公表することができました。どうもありがとうございました。
本日はそれを踏まえて、国の適応計画を策定するということで、今日、様々なご意見をいただけたらと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入りたいと思います。
本日の最初の議題は、適応計画見直しに向けた方向性についてです。それでは事務局より、ご説明をお願いいたします。
 
柳川企画官
それでは、説明させていただきます。環境省の柳川です。よろしくお願いいたします。
今ご説明のありましたとおり、本日次期の適応計画の検討に向けて、小委員会の中でもご助言をいただきたいと考えておりまして、お時間をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
まず、資料1-1、ただいま表示させていただいておりますけれども、主要の議題に入る前に、現行計画の進展把握と評価の検討状況につきまして、情報共有をさせていただければというように思います。
2ページ目、表示をお願いいたします。
こちらのスライドの上部のほうに、現行の計画における関連記載を書かせていただいておりますけれども、現行適応計画におきましても、この進捗管理・評価に関しまして記載がございまして、短期的な施策の進捗管理につきまして、年度ごとの指標の変化を確認するというところと、中長期的な気候変動適応の進展を把握するための指標を設定して、5年ごとに適応策の効果を把握するというふうにされております。
さらに、中長期的な評価をするために、3.評価手法等の開発というふうに書かれておりますが、PDCAの手法を開発することとなっております。
このような記載があった中で、この四角囲みの下の部分にも書かせていただいておりますが、適応に関する施策の効果を的確に把握、評価をするために、各分野の有識者で構成する気候変動適応策のPDCA小検討委員会というものをさせていただいておりまして、こちらの中で、分野別施策と基盤的施策の中長期的な評価手法について、検討を進めてきているというところでございます。
開発者評価手法につきましては、評価結果を記載した報告書を公表する予定となっております。こちらのほうはまとまってきている段階でございますので、内容について、先立ってこちらの小委員会の中でも、一部ご紹介させていただければと思います。
3ページ目のほう、表示をお願いいたします。こちらは要約をさせていただいているものの案というような形になっておりますが、こちらの資料に従って説明をさせていただきます。
報告書の中、上部四角に黄色マーカーを引かせていただいておりますが、大きく2種類まとめておりまして、一つは現行の計画の本文の中でも記載がされておりますが、国・地方自治体・国民の各レベルで気候変動適応を定着・浸透させる視点からの指標と目標の進捗状況についてというところと、二つ目、中長期的な気候変動適応の進展状況を把握・評価するための手法およびその評価結果という2種類がございます。
こちらのほうの一つ目が、この3ページ目の下の部分の表に表示させていただいているものとなっておりまして、大きくは、関係府省庁の取組の促進状況と体制整備等の支援に関する状況と、理解の促進に関する状況のものと、3種類ほどあります。
細かい数値に関して、この数値を捉えて、環境省での考え方というものにつきましては、次の資料1-2の資料の中で、ご説明をさせていただければというように思います。
続きまして、4ページ目のほうのスライドが、先ほどお話をさせていただいた開発した手法と、その評価結果についてまとめたスライドとなっております。
上段の部分についてなのですけれども、こちら、評価手法のほうを説明させていただいている部分となっておりまして、右側の図表がありますが、基本的には縦軸にあるアウトカム指標というものと、横軸のアウトプット指標という2軸で判定することとしておりまして、それぞれグラフ上の右上、右下、左上、左下のどこに分類されるかというような考え方で、A、B、Cの評価を行っております。
こちらの表の下部が、この評価手法を用いた評価結果となっておりまして、分野別施策と基盤的施策それぞれについて評価をさせていただいておりますが、下の緑色の部分に書かせていただいている部分のとおり、評価結果につきましては、「継続・強化」が最も多い状況というようになっております。
この後の議論の関係では、特に基盤的施策、右側に黄色マーカーと赤枠で囲わせていただいておりますが、こちらのほうが特に本日の議論に関係する部分となっておりますので、こちらの評価に使ったアウトプット指標、アウトカム指標につきまして、次の5ページ目と6ページ目に、参考というような形でつけさせていただいております。
5ページ目のほうを少しだけご説明させていただきますと、表の見方というようなところではございますが、一番右に「基本戦略」という灰色で書かせていただいている部分がございますが、それぞれ現行の適応計画に書かれている基本戦略としまして、例えば②の科学的知見に関するものであったり、③の情報基盤の整備に関するものであったり、④の地域に関するものであったり、こうしたもので分類して、KPIを設定しているものというようになっております。
これらの評価の数値については、時間が限られておりますので、一つ一つの紹介はこの場所では省略させていただきますが、先ほどの指標と同様に、資料1-2のほうで、これらの数字を踏まえた環境省の考え方というものにつきましては、また追ってご説明をさせていただければと思います。
資料1-1につきましては、説明は以上となります。
続きまして、資料1-2のほうの説明に移らせていただければと思います。
こちらのほうで、本日の議論を行う内容について、説明させていただければと思います。
2ページを表示いただければと思います。
現在の政府の検討状況についてというところではございますが、先ほど肱岡委員長からもご説明がございましたとおり、第3次気候変動影響評価報告書につきまして、小委員会でもご議論いただきまして、2月16日に報告書のほうを公表させていただいたところでございます。こちらの公表を踏まえまして、同月17日に気候変動適応推進会議、政府の関係省庁会議のほうを開催させていただきまして、こちらの中で、令和8年度中に気候変動適応計画の見直しをしていく方針について、関係省庁とも確認をさせていただいたところでございます。
続きまして、3ページ目のほうの表示をお願いいたします。
現在、こちらの議論のほうをスタートしまして、関係省庁とも調整のほうを開始させていただいているところでございます。今般、これらの計画の見直しをスタートしているという中で、小委員会の委員の皆様には、環境省に対して、この計画の検討に向けて助言などをいただけないかというふうに考えているところでございます。
本日の議論というところで、赤枠で囲わせていただいておりますが、計画をつくるコンセプトに当たる部分について、本日はご議論いただきたいというふうに考えておりまして、目標に当たる部分と、現行の計画で基本戦略というものが定められておりまして、こちらのほうの内容について、本日はご議論いただけないかというふうに考えております。
続いて、4ページ目、ご参考までに紹介させていただければと思いますが、現行計画では、これらの基本戦略を踏まえて、それぞれの分野別の施策と基盤的施策という、具体的な施策をまとめているパートがございまして、こちらのほうにつきましては、また別の回の中でご紹介、議論などをさせていただければというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
5ページ目のところは、こちらのほうはご案内かと思いますので中身のご紹介はいたしませんが、以前、こちらの小委員会の中で、法の施行後5年の施行状況の中間取りまとめということでまとめていただきまして、本日、この中でまとめた内容についても、幾つか参考資料などで紹介をさせていただいておりまして、これらの内容も踏まえて、本日の議論ができればというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
続きまして、7ページ目をご確認いただければと思います。
まず、本日の議論の一つとして、次期適応計画の目標の部分について、ご説明をさせていただければと思います。
緑字で上部に書かせていただいておりますが、現行の気候変動適応計画の中にも書かれている目標として紹介させていただければと思いますが、「本計画では、気候変動適応に関する施策を科学的知見に基づき総合的かつ計画的に推進することで、気候変動影響による被害の防止・軽減、更には、国民の生活の安定、社会・経済の健全な発展、自然環境の保全及び国土の強靱化を図り、安全・安心で持続可能な社会を構築することを目指す。」というふうにされております。
こちらのほうの現行計画の目標も念頭に置きつつというところではございますが、2ポツ目にもありますとおり、これらの目標達成に向けて、昨今の社会情勢なども踏まえまして、例えば次に書かせていただいているような視点などを取り込んで、見直しなどを図っていきたいというふうに考えております。
3ポツ目に「例えば」というふうに書かせていただいておりますが、国土強靭化対策等を通じて様々なリスクを最小化し経済成長につなげていく視点であったり、適応を行うことで地方創生等の便益を生みつつウェルビーイングの向上につなげていく視点とか、そういったものについてご紹介をさせていただいているところでございます。
具体的な現行計画のパートで言いますと、8ページ目に少しご紹介で書かせていただいておりますが、二つのパラグラフになっておりますが、下の部分で「視点」というところにマーカーを引かせていただいております。こうした視点について、現行の計画の中で目標というところにも書かせていただいておりますが、これは次の議論をさせていただく基本戦略という部分にも非常に関わってくる部分というようになっておりますので、基本戦略の議論とセットで、どのような視点を次の計画の中に盛り込んでいくべきかというようなところについては、ご議論いただきたく考えております。よろしくお願いいたします。
続きまして、10ページ目のほうを開いていただければと思います。
次期の計画の中の基本戦略の部分につきまして、ご議論いただくための情報としての環境省の考え方というところを、まず、ご説明をさせていただければというように思います。
まず、上部の部分ですね。こちらのほうは先ほど、後ほどご説明させていただきますというふうにお話しさせていただきましたが、資料1-1の現行の進捗状況の内容と合わせてまとめさせていただいている部分となっております。括弧書きで幾つか、No.というふうに書かせていただいている部分がありますが、こちらのほうは資料1-1の5ページから6ページの基盤的施策に関するKPIの部分と一致しておりますので、必要に応じてこちらのほうを見比べつつ、ご確認いただければと思います。
それでは、ご説明させていただければと思いますが、まず、国に関しての指標というところですが、実施されている適応の取組や予測評価に関する事業数であったり、国のほうの取組が基本的には進捗してきているというような方向もございまして、国における適用の取組も、随時進められているというように考えております。
また、気候変動適応センターに関しまして、A-PLAT、AP-PLATの情報なども充実が進められてきておりまして、情報基盤に関する整備というものも進められているのではないかと考えております。
また、地方自治体に関しての指標といたしまして、すみません、少し誤記がありますが、地域気候変動適応センターの設置状況や、地域気候変動適応計画の策定率も順調に増加をしておりまして、体制整備も徐々に進んできているのではないかというふうに考えております。
また、事業者に関しましても、事業の適応に関するA-PLATのアクセス数の増加などを見られまして、事業者における適応への関心も徐々に高まりつつある可能性があるかと考えております。
また、国民に関しましてですが、こちらのほうは資料1-1でいうと3ページの部分で、国民の認知度についての指標を出させていただいておりますが、こちらについてはあまり変化がなかったというところがございまして、一層の取組を今後進めていく必要性があるのではないかというふうに考えているところでございます。
これらを踏まえまして、下の部分、四角枠で記載させていただいておりますが、今後の基本戦略としましては、次のことが重要ではないかというふうに書かせていただいております。
こちら捉え方というふうになりますが、まとめますと、国による各種施策であったり、地方自治体や気候変動適応センターによる取組が着実に進められてきているという中で、適応を進めるための基盤というものは、整備が進んできているのではないかというように考えております。
2ポツ目は書かせていただいておりますとおり、今後こうした状況を踏まえますと、あらゆる関係者が気候変動を自分事として捉え、行動に移していくということが重要ではないかと考えております。こうした適応の実践を後押ししていくということに重点を置いた基本戦略を、今後は検討していってはどうかというように考えているところでございます。
また、3ポツ目に記載させていただいておりますが、こうした適応による行動を後押しする前提として、全ての関係者が適応策に取り組むことがそれぞれのウェルビーイング向上につながるということで、その理解促進というものが非常に重要ではないかというふうに考えているところでございます。
これらの考え方を今、環境省のほうで書かせていただいておりますが、続きまして、ページで言いますと12ページ目を表示させていただければと思いますが、次期適応計画の基本戦略の方向性(案)ということで書かせていただいております。
2ポツ目に書かせていただいておりますとおり、これはこの基本戦略の方向性の案というもので、環境省で考えているものについてご説明させていただければと思いますが、本日の主要な主題といたしまして、この次期適応計画の基本戦略に含めるポイントというところで、ご議論いただきたく考えております。
また、先ほど冒頭でもご説明させていただきましたとおり、セットでこれらを考えていく中で、必要な視点というものについても、ご議論いただけないかというように考えております。
まず冒頭、それぞれのポイントのタイトルのところを紹介させていただければと思いますが、①深刻な影響に対して適応に係る国の施策を重点的に推進していくということ、②あらゆる関連施策と気候変動適応策によるシナジーの推進をしていくこと、③適応の実践促進につながる科学的知見の充実を行っていくこと、④便益が実感できる適応等による地域の実践の促進を進めるということ、⑤気候変動適応を通じた事業者の競争力強化をしていくこと、⑥サプライチェーンの強靭化等につながる国際協力の推進を行っていくことという、こちらの六つのポイントをまとめさせていただいております。以後、これらについて環境省で考えさせていただいている案として、ご説明をさせていただければと思います。
続きまして、14ページ目を表示いただければと思います。
まず、ポイント①についてでございます。個別にポイントのほうのご説明に入る前に、少し資料の構造について簡単に説明させていただければと思いますが、一番上の「背景」と書かせていただいている部分が、これまでの進捗であったり、現在言われている課題というようなところをまとめさせていただいている部分となっておりまして、これらを踏まえて、「基本戦略に組み込む要素(案)」ということで、太字などで書かせていただいている部分、こちらのほうが次期の計画の基本戦略などに考慮していくポイントとして、環境省が書かせていただいている案となっております。
また、ご参考までにというようなところではございますが、こうした基本戦略を踏まえた中で、今後の施策の例というような形で、資料の下部を書かせていただいておりますので、そのような資料構造であるというふうに資料を見ていただいた上で、ご議論などいただければと思います。よろしくお願いします。
続きまして、説明のほうの具体的な中身に入らせていただければと思いますが、ポイント①につきまして、背景というようなところでありますが、第3次気候変動影響評価報告書では、「特に優先的に対応が必要な項目」と、そういったものを明らかにしてきておりまして、この点、国における気候変動影響の科学的知見は、現行計画の策定時と比しても、より一層充実化が図られてきていると、そのように考えております。
こうした中で、基本戦略に組み込む要素(案)とさせていただいておりますが、次期適応計画をより効果的・効率的なものとしていくためには、国が行う施策の方向性を明確にすることが重要であるというように考えておりますので、「特に優先的に対応が必要な項目」への対応を中心に、国として強化すべき施策を次期計画においてまとめていけないかというように考えております。
一方、これらの整理というものは、優先度を明確にしていくというものでありますので、引き続き、気候変動影響に対して幅広い取組を行っていく必要性がある点については留意しながら、この方向性についてまとめていくということとしてはどうかと考えているところでございます。
これらの具体的な施策の中身についてですが、施策の例というところにも書かせていただいておりますとおり、分野別施策に関しましては、特に関係府省庁の行う政策というところも、強く影響しますので、気候変動推進会議の関係府省庁会議のほうで議論を進めていくとともに、今後の小委員会において、議論など報告させていただけないかというように考えているところでございます。
続きまして、21ページ目のほうを表示いただければと思います。
ポイント②とさせていただいておりますが、こちらのシナジーの促進というような部分となっております。背景としましては、現行計画におきましても、あらゆる関係施策に気候変動適応を組み込むということが位置づけられておりまして、このような関係省庁の実施する施策間の連携というものをしっかり行っていくということが重要だと考えております。
また、第6次環境基本計画におきましても、環境分野以外の分野の政策と環境政策との統合、それによる相乗効果、シナジーを発揮していくことの重要性についても言及がされております。
また、こちらの小委員会でもご議論いただきました中間取りまとめの中でも、この適応策につきまして、関係者の抱える課題を同時に解決し、また、ウェルビーイングを向上させるポテンシャルがあるということについても言及いただいているというところでございます。
このことから、基本戦略に組み込む要素(案)にありますが、他分野の政策等のシナジーを発揮していくことの重要性を念頭に置きつつ、関係省庁のあらゆる関係施策に、気候変動適応の組み込みを進めていくということが重要ではないかと考えているところでございます。また、こうした連携を進めていく中で、トレードオフを回避していくという考え方も非常に重要だというふうに考えております。
こうしたシナジーを推進していくという考え方の中で、IPCC報告書やIPBESの報告書の中で特に指摘をされている緩和と適応のシナジーという観点と、生物多様性と、この適応施策のシナジーというところについては、特に重点的に進めていく必要性があるのではないかというふうに考えているところでございます。
こうした中、また、関係省庁とも引き続き、気候変動適応推進会議の場なども活用しながら、連携などを詰めていく必要性があるのではないかと考えているところでございます。
続いて、ポイント③の資料といたしまして、28ページをご覧いただければと思います。こちらのほうは、科学的知見の充実に関してのスライドとなっております。
背景の1ポツ目、既に先ほどもお話しさせていただきましたが、一層の現行は科学的知見の充実が図られてきているという中で、一方で、まだ必ずしも知見が十分でない気候変動影響が存在するというような点であったり、また、課題というふうにされておりますが、気候変動影響に対する脆弱なセクターの特定というようなことも、まだ十分できていない可能性があるというような状況となっております。
一方で、2ポツ目に書かせていただいておりますが、例えばDIASなどの構築による情報基盤の整備であったり、「日本の気候変動2025」の公表であったり、また、国立環境研究所のほうでも、WebGISなどによる気候変動影響の可視化などが進められてきておりまして、様々なデータ整備の取組も進められてきているというように考えております。
こうした中で下の部分、基本戦略に組み込む要素(案)とさせていただいておりますが、気候変動影響評価など、こうしたものにつきまして、引き続き最新の情報や知見の充実化というものは不可欠だというふうに考えておりまして、継続的に取り組む必要性があると考えております。
加えて、こうした情報がより一層、効果的に活用されるように、必要な情報を示していく必要性があるのではないかというふうに考えているところでございます。
また、国民の気候変動対策の理解促進の観点から、気候変動影響が国民生活にどのような意味があるかなど、一層分かりやすく発信していくことが重要ではないかというふうに考えているところでございます。
こうした中で、施策の例というようなところで書かせていただいておりますが、「例えば」というところではございますが、社会的・経済的に脆弱なセクターをより具体的に特定することを進めることであったり、また、経済的・社会的な影響の被害の程度を明らかにしていくことで、どの程度のリソースをかけていくかなど、関係者が具体的な検討につなげていく可能性があるというようなことから、こういうような施策が考えられるのではないかと考えているところでございます。
また、3ポツ目にも書かせていただいておりますが、世界的、全国的な気候変動影響に関する情報基盤の整備が進んできているという中で、情報発信を含む情報基盤の整備を引き続き行うとともに、地方自治体や民間事業者が活用できるように検討を進めていくことも重要ではないかというふうに考えているところでございます。
以上がポイント③となります。
続きまして、34ページ目を開いていただければと思います。
こちらのスライドは、地域の適応の実践というようなところについて紹介させていただいているスライドとなっております。
背景というところに記載させていただいておりますが、先ほどご紹介させていただいたKPIの指標などにもありますとおり、体制整備につきましても、一定程度進捗がしてきているというように考えております。
一方で、中間取りまとめの中でもご指摘されておりますが、知見や情報の不足というような観点であったり、他部局との調整が難航してしまっているというような観点であったり、地域のベネフィットも創出するシナジー効果のある適応策については、事例が少ないことや既にあるが評価や効果の見える化が十分ではないということ、地域適応センターの役割も重要で、こうした役割の強化が重要ではないかというふうに考えられていることなどが背景として挙げられます。
こうした中で、基本戦略に組み込む要素(案)といたしまして、地方自治体の適応策を進める観点では、取り組みやすさの観点から、地方創生にもつながるものや、日常の生活の質を改善しつつ災害時にも役立つものなど、便益が実感できる適応策について、事例の創出・横展開やその効果を見える化していくことが重要ではないかと考えております。
また、適応策を実践につなげていくに当たりまして、ノウハウの課題が指摘されておりますので、自治体が意思決定を行うために活用可能なツールの整備や人材確保などを進めていくことが重要ではないかと考えております。
また、三つ目にも書かせていただいておりますが、こうした実践を現場で進めていくという観点の中では、適応策の効果が現れるまでの時間が異なるという点につきましても、留意が必要ではないかというふうに考えているところになります。
こうした中、施策の例として書かせていただいておりますが、例えば、シナジー効果のある適応について、その効果の見える化できるよう考え方を整理することや、事例創出の取組、また優良な意思決定プロセスの横展開などの取組が考えられるのではないかということで書かせていただいております。
続いて、ポイント⑤の紹介をさせていただければと思います。41ページを表示いただければと思います。
こちらのほうは民間企業の取組について、ポイント⑤としてまとめさせていただいております。
背景というところに書かせていただいておりますが、環境省のほうでも、今まで気候変動適応ガイドの公開であったり、また気候変動リスク分析情報サイトの公開というようなところであったり、産官学連携ネットワークの立ち上げなど、「気候リスクマネジメント」「適応ビジネス」などの民間企業の取組の後押しというものが進められてきたというように考えております。
この点、企業による気候変動の物理的リスク及び機会に関する情報開示なども、実態として広がってきているのではないかと考えております。
続きまして、基本戦略に組み込む要素(案)とさせていただいているところの説明ですが、また、一層この民間企業の適応の取組を促進するという観点に当たりましては、企業にとってのベネフィットの見える化などを通じまして、民間企業の取り組みやすい環境整備を進めていくことが重要ではないかというように考えております。
また、こうした民間企業の取り組みやすさなどを考えていきますと、金融機関と連携した取組というような点も非常に重要だというように考えております。こうした中で、金融機関と連携する取組なども、金融機関も参加しやすくなるようなポイントについても留意して進めていくことが必要ではないかというように考えております。
また、三つ目ですが、民間企業が取り組みやすくなっていくというような観点で言いますと、マーケット側の需要についても重要だというふうに考えておりまして、消費者の理解増進というところも重要ではないかというように考えているところでございます。
施策の例とさせていただいておりますが、こちらのほうは今お話しさせていただいたところと、基本的には連携するところではございますが、製品・サービスベースの適用効果について見える化を検討していくということを通じて、企業の取組を促すということが重要ではないかと。その点も施策例として考えられるのではないかというふうに考えております。
最後、ポイントとしてご説明させていただきますポイント⑥の国際的な取組のところをご説明させていただければというように思います。45ページ目をご覧いただければと思います。
背景としまして、今までこの我が国が有する科学的知見や技術等を生かして、開発途上国の適応能力の向上等を進めてきているところでもございます。
また、さらにこの開発途上国等の開発において、民間主体が果たす役割の重要性なども認識されてきている中で、3ポツ目にありますとおり、民間主体の取組の規模を拡大し、より多くの国や地域への支援へつなげることも可能であるというふうに考えておりまして、民間企業の力を最大限生かした国際協力のさらなる展開が期待されるのではないかというように考えております。
下部の部分、基本戦略に組み込む要素(案)とさせていただいておりますが、引き続き、開発途上国の適応能力の向上に向け、AP-PLATを通じた科学的知見の共有やツール活用支援を含む人材育成の強化、国際ネットワークを活用した支援の推進などが求められていると考えております。
さらに、民間の取組というところではございますが、早期警戒システム(EWS)などの日本の先進技術の国際展開支援も通じまして、国際協力の促進、サプライチェーン強靭化、民間企業のビジネスチャンス創出につなげていくことが重要ではないかというように考えております。
以上が、今ご説明させていただいた六つのポイントというようになっておりますが、最後にもう一点、これらに共通する取組というようなところで、53ページのところを開いていただければと思います。
こちらのほう、国民への情報発信に関する視点というふうに書かせていただいておりますが、国民一人一人のレベルでの適応の推進も前提というようなところとなっておりますが、国が適応を推進していくという上で、国民の理解があることが基盤としては非常に重要だというふうに考えております。こうした中で、各基本戦略に関する共通的な視点というような観点で、この国民への情報発信というものを扱ったらどうかというふうに考えているところでございます。
基本戦略に組み込む要素(案)というようなことで書かせていただいておりますが、四つほど書かせていただいておりまして、緩和と適応の両輪で気候変動対策を進めることが必要というふうに考えておりますところ、気候変動問題全体でのコミュニケーションを意識して進めていってはどうかというふうに書かせていただいております。
二つ目ですが、自分事化による具体的な行動へと国民がつなげられるよう、日常生活における接点を持った情報発信をしていくことが重要ではないかと書かせていただいております。
三つ目ですが、幅広い層に対して科学的知見や適応に関する情報発信、働きかけを実施していくことが重要と考えておりまして、こうした中、多様なコミュニケーターと連携した取組が必要ではないかというように考えております。
また、四つ目、こちらのほうは国民一人一人が気候変動の影響や適応等について互いに理解して学び合えるような対話の機会を積極的に生み出していくというようなことを意識して進めることが重要ではないかというふうに書かせていただいております。
こうした中、施策の例というように書かせていただいておりますが、SNSなどの若年層が接している情報ツールの活用や、教育セクターとの連携、コミュニケーターの活用可能なコンテンツ作成など、幅広いアプローチを検討していくことが重要ではないかというふうに考えているところでございます。
当方からの全体としての資料の説明は以上となりますが、改めて議論の内容についてというようなところとなりますが、ページで言いますと12ページ目ですね。大きくは、今ご説明させていただいたようなところ、環境省のほうで次期気候変動適応計画に組み込んでいくポイントなどについて、ご説明させていただいたというところでございます。
こうした中で、基本戦略に含めるポイントについて、ご議論いただきたいというふうに考えておりますところと、また、目標のところで、冒頭ご説明させていただきましたが、必要な視点というようなところもあるかというふうに考えておりまして、これらの点について、本日ご議論いただければというふうに考えております。
長い説明になってしまい恐れ入りますが、環境省からの説明は以上となります。よろしくお願いします。
 
肱岡委員長
ご説明どうもありがとうございました。
これから70分程度、時間を取っておりますので、ぜひ先生方の活発なご議論をお願いしたいと思います。
それでは、オンラインの先生方は挙手ボタンで、会場の先生方は名札を立てていただければと思います。
それでは、まず最初に、羽井佐気候変動科学・適応室長からお願いします。
 
羽井佐気候変動科学・適応室長
ありがとうございます。高根沢委員より、事前にご質問、ご意見をいただいておりまして、初めにそちらを紹介させてください。
「資料1-1、スライド3枚目に、「行政計画への適応の視点の組み込みについて」と書かれていまして、その資料では、都道府県・政令市における適応計画の策定が完了する一方で、総合計画や地域防災計画等への適応の視点の反映割合が52%にとどまっています。本市においても同様ですが、庁内の他部局の計画に適応策を組み込ませるためには、多大な調整コスト、人員的な負担が必要となります。予算や人員が限られる中で、縦割りを打破し、他部局の計画へ効率的に適応位置づけるための効果的なアプローチはあるでしょうか。各種計画への必要性が明確であれば、他部署への働きかけや提案がしやすいと感じています。」とのご意見をいただいております。
こちら、資料1-2の34ページにポイント④として整理をしております。便益が実感できる適応等による地域の実践の促進という、この基本戦略のポイント④と非常に強く関係するコメントをいただきました。ご報告です。
 
肱岡委員長
どうもありがとうございました。
それでは、オンラインより、沖委員、お願いいたします。
 
沖委員
よろしくお願いします。
今のご意見と近いところから始めますが、やはり適応策に関しては、地域での取組というのが非常に重要だと認識しております。そういう意味では、国土計画や都市計画とのシナジーというのが、もう少し強調されてもいいのではないかと思いました。
と申しますのも、日本におきまして、今後、居住地域の大きな変化が10年、20年、まさに気候変動と同じタイミングで進んでいくと。土地利用の適正化が進むときに、どういう適応策を各地域でやっていくのかというのは、非常に重要な課題ではないかと思いますので、国土の在り方、国土の未来というのと地方創生。逆に言うと、もう地方が今後どうしていくのかを考えるときに、適応策も主流化していって盛り込むというのが非常に大事なのではないかと思いました。
また、国際協力に関しまして、日本の経験が海外で役に立つという視点が主に強調されていましたが、逆に今後の日本を考えたときに、オフグリッドの地域が出てくると、今までのような大規模集約型のインフラだけではなくて、自立分散型のインフラというのが日本でも効力を発揮すると考えられますので、海外における経験が日本のいろいろな地域に役に立つ可能性もあるという視点もあったほうがいいのではないかというふうに考えました。
また、情報提供ということに関しまして、情報があるだけだと、なかなか情報だけでは駄目だというのは、皆さん分かってはいても、なかなか難しいところではありますが、単に気候変動の適応に関する情報の提供だけではなくて、どのような選択肢、あるいは施策のオプションがあるかということ、つまり情報提供から行動知識の提供へといった翻訳も大事であるということを明記してはいかがかなという気がいたしました。
また、民間も非常に大事なのですが、その民間の競争力を持つというだけではなくて、民間の競争力の結果として、適応策の効率が上がる。あるいは、これまでできなかった適応策が可能になるといったイノベーションの視点をぜひ盛り込んでいただけるといいのではないかなというふうに思いました。
最後に、国民への情報発信、もちろんこれ、非常に重要なわけですけれども、最近学生と話していますと、気候変動の話は非常に暗い未来の話ばかりになるので、もう聞きたくないという学生が少なからずいることが最近分かってまいりました。そういう意味では、適応策によって、それを乗り越えられるし、シナジーによってよりよい国土、よりよい未来がつくれるんだといったポジティブなところも、ぜひ含めて発信していっていただくようにということを期待いたします。
以上でございます。ありがとうございます。
 
肱岡委員長
貴重なご意見をどうもありがとうございました。
それでは、木村委員、お願いいたします。
 
木村委員
広島気候変動適応センターの木村です。地域の気候変動適応センターとしての立場と、あと公設試の立場として、両方からちょっと発言をさせていただこうと思っております。
まず、国立環境研究所さんには、地域の適応センターの人材育成であったり、研究や技術面のサポートであったり、かなりサポートしていただいておりまして、ありがとうございます。引き続き、こちらについてはお願いしたいと思っているところです。
地域の適応センターの業務なんですけれども、幅広い分野への対応が必要になるということもありまして、国には地域適応センターの知識と技術力、実践力を高めるための研修を行うと同時に、地域の適応センター同士で協力し合える状況の構築を進めていただければなというふうに思っております。
この地域の適応センターで協力し合える状況と申し上げましたのは、現在、国環研さんがかなりいろいろとサポートしてくださっているんですけれども、対応可能な業務量には限りがあると思いますので、その辺を全て対応していただくというのは困難なのだろうというふうに感じております。今、環境分野の研究なんかだと、地環研同士が助け合って、かなりサポートし合って研究を進めたりとかいうことも行われておりますので、地域の適応センター間で、そういった互助関係が最終的に形成されるような状況まで、それぞれの適応センターの技術力であったり、知識が高まるといいなと思っております。そちらのほうをご考慮いただければと思います。
あと、地域ごとの知見の集積であったり、人材育成、普及についてなんですけれども、地域の実情に応じた適応策の推進ということになりますと、公設試の力をもうちょっと今まで以上に有効に活用していただけたらいいのではないかなと思っております。
といいますのも、地域の公設試の研究というのは、現場に即した地域の実情を考慮して開発されております。しかも、その開発者は、開発するに当たって、技術についてもそうですし、知識でもその辺をかなり情報集積した上で、しかも研究の途中で、自分たちもノウハウを取得しながら技術開発を行います。しかも、地域への適応技術の普及に当たっては、開発者のノウハウを持った本人が対応できるということで、かなり大きな推進力になるであろうと思っています。
ですので、この地域の公設試において、こういう推進力のある人材が活躍して、さらに継続してそういう人材が確保できるように、そういった研究、技術開発の取組が必要だと考えております。
ただ、やっぱり先ほどほかの委員さんの話でも出てきましたけども、人と予算が限られる現状なものですから、ちょっと公設試や地方公共団体だけでは限界があるなというのは感じております。
あと、他の公設試と話をしたときに、実際に環境の変化であったり、作物の生育であったりとかのベースになる地方気候変動の現状を把握して、技術開発の基礎になるデータの部分というのはすごい重要ですけれども、短期間で成果が求められる昨今においては、後回しになりつつあるということがあって、予算がつきにくくなっているということでした。こういった長期継続の必要がある調査については、複数年にわたる何らかの支援を国にお願いしたいなというふうに思っているところです。
これらを併せて、公設試での取組を推進するために、国全体でやらなければいけないような、国と公設試が一緒になってやるような研究も必要ですし、あと地域ごとに別々の課題を持っているということもあります。そのため、幅広く大きい視点のものも必要ですし、小さいものも研究課題として必要ということもありますので、大学とか国の研究機関と一緒になって、どーんと大きくやるだけではなくて、単独の公設試でもチャレンジできるような、例えば補助金であるとか、何かチャレンジできるような研究資金であるとか、そういったものについても何らかご配慮いただけると、適応策に公設試が取り組みやすくなるのではないかなというふうに感じております。
あと、このときに少しお願いしたいのが、もしチャレンジして研究費が取れたとして、さあ、やるぞとなったときに、事務的な作業が大変多かったら、事務方からクレームがついて、1回目はよかったけど、それで「これは労力的にもう無理だ」と事務方が判断してしまうと、次、チャレンジできなくなるということも起こり得たりするので、その辺もちょっとご配慮いただけたらなと思っています。
あと、技術の普及に関しては、今農水省さんであったりとか、いろいろな省庁さんで、現在もいろいろ取り組まれておられると思うので、その辺の開発された技術について、スムーズに現場に実装されるように、引き続き積極的な施策であったりとか、支援をお願いしたいと思います。実際、私も研究開発した技術を現場に実装しようとしたときに、いい技術ができたとしても、実際に現場に入るまでの壁というのが結構高くて、なかなか大変だったというのもありまして、その辺をお願いしたいなと、考慮していただければなと思っております。
あと、直接の適応策ではないのですけれども、特に1次産業ですけども、後継者の不足が問題になっているのですけども、後継者が不足していると、未来への投資である適応策に投資をしようという気がなくなるというか、もうやめるからいいよって言われてしまうという状況などが出てまいりますので、その辺については、適応策の導入が進まない原因にもなってまいりますので、後継者がどんどん現れるような、そういった魅力的な産業の推進などについては、各省庁で引き続き取り組んでいっていただきたいなと思っております。
以上です。
 
肱岡委員長
非常に具体的で、貴重なご意見をどうもありがとうございました。
それでは、稲田委員、お願いいたします。
 
稲田委員
国際協力機構の稲田でございます。本日はご説明ありがとうございました。
私どもは日本と海外、特に新興国・途上国との橋渡しをさせていただく機関でございますので、その観点で3点ほど、コメントをさせていただければと思います。
まず1点目が、ご説明いただいた次期計画の六つのポイントのうちの5番目と6番目に関することでございます。
日本と新興国・途上国の橋渡しをするといった場合に、大きく考えられる協力の在り方として、三つほど活動が考えられるかなと思っておりまして、一つは、こちらにも書いてありますとおり、事業者の方、ビジネスの活動を公的支援すると。例えば日本の企業さんが、適応に関して優れた技術とか知見をお持ちの場合に、それを例えばASEANですとか、外国に展開するときに支援をする。あるいは、その企業さんのサプライチェーンが外国に伸びている場合に、そこの強靱化を支援するということが考えられるかなというのが一つでございます。
それから2点目としましては、ただ、そのビジネスの支援をすると、企業の、あるいはビジネスの適応活動がスムーズに海外展開ができるかというと必ずしもそうではなくて、やはりパートナーとなっている相手の国の影響評価ですとか、適応計画ですとか、まさに今、日本政府のほうで進めておられている知見などを相手国に対して共有していくことによって、そういうビジネスの展開がしやすくなる環境をつくったり、さらに、より重要だとは思いますが、その国の気候変動に対する適応力というのが増えていくということが大事だと。この点が二つ目の協力の在り方かなと思います。
三つ目の協力の在り方として、これは沖先生と全く同じ点ですが、最近、先進国から途上国に一方的に支援するというビジネスモデルは、もうかなり昔のものになりつつありまして、我々が協力するときに、キーワードが二つあって、一つが、日本語で言うと「共創」、英語だとCo-Creationですか。一緒に創っていくという発想が大事だと。あと、日本が例えばフィリピンとかインドネシアで支援協力をした場合であっても、そこで得られた知見を日本に還流する。この「共創」と「還流」というのがキーワードになっているので、これが多分協力の三つ目の形態かなと思います。
なので、こういった三つの視点を、いただいているこの六つのポイントの5番目と6番目にちりばめていただけると、国際的な協力ですとか、ビジネスの支援というのも進めやすくなるのかなと思いましたので、これが長くなりましたがコメントの一つ目でございます。
それからコメントの二つ目が、科学的知見の充実。いただいた六つのポイントで言うと3番目でございますが、我々が新興国とか途上国へ支援する際に、ぜひ日本政府の取組で学びたいなと思っているのが、影響評価をしたとして、それを優先的な政策とか具体的なアクションに結びつけるために、どういう検討プロセスとか設計をされたのか、及びその経験をほかの国に出すときに、どういう点を持っていけるのかというところに非常に関心がございまして、ぜひ今後、適応計画を策定する過程で、そういったポイントについて教えていただきたいというふうに思っております。
最後、3点目でございますが、指標に関して。この六つのポイントで言うと、しいて挙げると4番目に関連するのでしょうか。国際交渉で非常に不十分な状態だとは聞いておりますが、グローバル適応指標、GGAなども策定されてきておりますので、そういった国際的に議論されている指標と、日本の適応の指標の接続ですね。どういう関係にあるのかというのは勉強させていただきたいと思っておりますし、それを我々が新興国とか途上国に支援する際に、教訓としてどんなものを持っていけるかということも、ぜひ学ばせていただきたいなと思っております。
長くなりましたが、3点でございます。
 
肱岡委員長
貴重なご意見、どうもありがとうございました。
それでは、今田委員、お願いいたします。
 
今田委員
東京大学の今田です。私からは、全体のこの計画に共通している国民への情報発信のところに関して、最近、私も国民への情報発信をいろいろ考える機会があって、いろいろ活動もしておりますので、それを踏まえて、意見を申し上げたいと思います。
先ほど沖委員もおっしゃっていたとおり、どんなに情報を準備しても、どんなにツールを充実させても、やっぱりそれを使おうとか、見に行こうと国民側が思わないと、用意するだけでは不十分だというお話もありました。
じゃあ、どういったときに国民の皆さんがアクセスしようと思われるかというところで、一つ参考になると思ったのが、我々が最近活動を始めた極端気象アトリビューションセンターというのがあるのですけど、そちらは研究業界で得られた専門的な極端現象と気候変動の関係を、即時に国民の皆さんにお伝えするというような活動なのですが、その迅速さという部分が新しい点になるのですね。これまで時間がかかっていた分析も、とにかく迅速に行って、すぐに発信するということを始めましたら、想定以上にたくさんの反響がありまして、やっぱり皆さん、何か現象を経験している、その最中に情報を発信するというのはすごく有効だと。皆さんのほうから見に来てくださるということがよく分かりました。
こういう適応策、適応計画、そういったガイドラインのようなものにも、そういう要素を入れてあげると、何か起こったときに、そういうときはこういう行動したらいいんだよみたいな、そういう情報がすぐ発信できるような、そういうプラットフォーム、また、うまくその情報をメディアなど通じて、ただ今回のイベントは、気候変動がこれだけ効いていたんだよだけではなくて、プラスで、こういうときはこういう行動をすればいいというのは、ここにガイドラインがありますよというような情報を一緒に出せるようになると、すごく有効ではないかなというふうに思いました。
それで、そういったことを考えたときにもう一つ問題になるのが、最近の極端現象は、必ずしも我々が想定していた範囲内でないような、物すごく極端なものも起こるようになってきています。そういったときに、必ずしも、準備されていたガイドラインの行動指針が適用できないようなケースも出てくる可能性があるのではないかというふうに思いまして、そういったところにも対応できるような、先ほど沖委員が行動知識の提供ということをおっしゃっていたんですけど、その提供の仕方は、例えばChatGPTのような、こういうときはどうしたらいいのかと、国民からの問いかけに対して答えが用意できるような、ちょっとAIを活用するような、そういったAIも取り込むような計画になっていると、より国民が使いやすい情報になるのかなというふうに思いました。
取りあえず、その2点になります。
 
肱岡委員長
どうもご意見をありがとうございました。
それでは、三島委員、お願いいたします。
 
三島委員
三井住友海上の三島です。事業者の立場から、3点ほど申し上げたいと思っております。
先ほど稲田委員がご指摘されたこととすごく密接に関連するのですけれども、私もポイント⑤と⑥のところ、ここにやっぱり非常に関心を持って、拝見しております。
やはり事業者の取組というのは、気候変動適応を国民的に進めていくのには非常に大きな力になると思っているのですけれども、事業者が何をモチベーションとして、これに取り組んでいるかというところの掘り下げと、そして十分に取り組めていない事業者というのは何がネックになっているのかというところ、そこをもう少し解像度を上げていかれたらいいのではないかなというふうに思っております。
というのは、TNFDのアダプターは、日本がまだ一番多くて、断トツに多いと。これは、理由としては諸説あるのですけれども、TCFDで出遅れてしまったから、日本企業はそこを取り返そうとして、金融庁なんかが頑張っているのだというのもあれば、もともと自然が豊かな国なので、事業者がもともとそういったネイチャーの資産を持っている。だったら、それを開示に使おうと、それが企業価値の向上になるよねというようなストーリーが出来上がって、それで取っつきやすいのではないかとか、何かそういった幾つかの要因があると思っているのですけれども、ここのところが、海外に適応策の展開を考えるときに、そのまま行けるだろうかというところを、やっぱり考えたほうがいいと思っているのですね。でも、それを裏返すと、海外国際協力をしていく際に、その国々の民間企業の力をやっぱり使っていかないといけないと思っているので、そこを動かすには、日本モデルの一体どういったところに普遍性があるのか、海外に通用するのかというところ、何かそういった視点はぜひ欲しいなというふうに思っている次第です。
ちょっと我々も、インドネシアのジョグジャカルタというところで20年ほど、はげ山に植林プロジェクトをしているのですけれども、植林を一つの企業がやり続けるというのは非常に珍しいと言われているのですが、話に聞くところによると、東南アジアは結構大きな財閥グループとかがあって、そういったところは、そうした社会貢献活動に結構な関心を示していたりするようなんですね。どうすればそうした貢献ができるのかという、何か事例というか、取っ掛かりを探しているというふうな、何かそういう感触を得たということも実際にありまして、それはまだまだ海外においては、事例の紹介とか、そんなものの共有が不足しているから、それがひいては気候変動や適応や緩和や、そうしたものへの統合的な取組につながるというところにつながり切っていないから、何かそんなふうなことも思いましたので、日本企業が今、いろいろと人もお金もない中で一生懸命やっている、その原動力となっているものは何なのか、それが何を期待してやっているのかというところですね。ここにぜひぜひ目を向けていただいて、そして、それを加速するにはもっと何が必要かというところにも、ちょっと目を向けていただいて、それでもって海外に展開をしていくというふうな、そのような立てつけにしていただけると、すごくありがたいなと思いました。
長くなりましたけど、2点目なのですが、人権との関連というのに、まだどこも触れられていないかなと思っていて。やはり気候変動取組というのが、もう今、人権侵害と密接に関わっていますよね。熱中症は、もういろいろなところで取り上げられておりますけれども、企業活動が起因となって、そこにもともと住んでいた方の生活、ウエルビーイングを阻害すると。これはもう、イコール人権侵害ということでもあるので、こうしたところにもリスクとしてつながっているということに目を向けることによって、国や企業が取り組むという後押しになる。やらねばならないのだというふうに、少し認識を変えると。そういうところにもつながっていくのではないかと思いますので、人権問題というのもらち外に置かずに、気候変動適応の中に取り込んでいくと、それが必要かなというふうに思います。
最後は、私どもは防災・減災取組をすごい一生懸命やっているのですけれども、すごく難しいなと思うのは、やはり人間というのは、起こるか起こらないか分からないものに、普段から耳を傾けたり、行動を変えたりということをやらない生き物ですよね。それって行動心理学的にも実証されていて、理にかなった選択だったりするわけなのですけれども、やはりこれだと困るよねということで、最近注目を浴びている概念が「フェーズフリー」というものですね。災害時だけに使うもの、やるものというものではなくて、日頃から役に立つ、使えるもの、ひいては災害時にもそのまま役に立つ。そうしたものでないと、昨今の予算不足の中では、もう準備も行き届かないということもあって、各自治体ですとか企業においても、その取組の一つの考え方として、非常に重要になってきています。
そして、気候変動適応については、自然災害に比べると、もっとコミュニケーションしやすいテーマなのですね。なぜならば、もう現実のものになっているから。でも、おっしゃるように、だんだん聞くのが嫌になってくる学生さんもいるというぐらい、暗いイメージだけでリスクコミュニケーションをするのではなくて、日頃ちょっと気をつけることでウエルビーイングがこれだけ向上するのだと。つまり適応のフェーズフリーですとか、そのようにコミュニケーションの在り方というのもちょっと工夫をしていくことによって、より加速していくのではないかなというふうに思いますので、ちょっとその辺りをぜひ取り入れて、フェーズフリーという考え方を取り入れていただけるとありがたいなというふうに思いました。
以上、三つです。
 
肱岡委員長
重要なご視点、ありがとうございました。
それでは、オンラインより奥委員、お願いいたします。
 
奥委員
ありがとうございます。都立大の奥でございます。
大きく分けて二つあるのですけれども、一つ目は、計画の目標の視点に関わる部分でして、現行計画では、気候変動適応策を科学的知見に基づいて推進していくということが書かれておりますけれども、次期計画には当然その科学的な知見に基づく施策というのも重要ですけれども、同時に先ほどのポイント③でご紹介いただいたように、必ずしも科学的な知見の充実がまだ図られていない、それが欠如している部分というのも多分に残されているわけですので、そういう意味では、科学的な知見に基づく対策プラス予防的な観点に立った対策というのも、併せて記述していただけるといいのではないかというふうに思っています。
つまり環境政策の基本原則、もしくは法原則と言っていいのかもしれませんけれども、それに基づくならば、いわゆる未然防止原則に基づく対策と、それからまだ科学的な知見が欠如している部分というのは、やっぱり予防原則、もしくは日本の環境基本計画ですと予防的な取組方策というふうに言っていますが、そういった視点に基づく対策と、やはり両面からのアプローチというのが重要だというふうに思いますので、ぜひそういった予防的な観点も盛り込んでいただけるとありがたいなと思います。
予防的な取組と、それから順応的な取組ですね。それが恐らくポイント③のところで書かれている話だと思いますので、そういった予防的な観点の盛り込みというのを、ぜひお願いしたいというのが1点目です。
それから、先ほど来、複数の委員からも出ていますけれども、やっぱり適応策がウエルビーイングの向上につながるのだということを書いていただくのがよろしいかと思うのですけれども、じゃあ、実際にどのようにウエルビーイングの向上につながるのかというところの具体的な明るい将来像というのが、なかなかすぐには想像できないというところが課題としてあるのだろうと思います。そういう意味から、恐らくポイント④ですね、それから②、⑤のところと関連するのだろうと思いますが、その適応策の推進が他の関連施策とのシナジー効果を発揮しつつ、いかに具体的に、国民や国民生活や経済活動にとってプラスの利益をもたらし得るようなものになるのかという具体例を、しっかりと見せていくというところが重要かなというふうに思っております。そういう部分での内容の充実というところを期待しております。
私からは以上でございます。
 
肱岡委員長
どうもありがとうございました。
それでは、三村委員、お願いいたします。
 
三村委員
今日のお話を伺って、非常に進んできたという印象を受けました。第3次気候変動影響評価報告書とか適応策の評価、そういうものを踏まえて、今後前進するために六つのポイントがあるのだという形で、課題がかなり鮮明に捉えられていて、今後進んでいくPDCAのサイクルがうまく動いているということが最初の印象です。
それを踏まえて、一つ目に質問と二つ目にコメントを申し上げたいと思うのですけど。
質問は、最初に教えていただいた、この情報共有の資料1-1の5ページ目のアウトプット指標の評価を見ると、この「適用の分野で個々に開発された技術の総数」というのが、年平均四つぐらいで三角になって、ここだけあまり進捗が芳しくないという印象です。S-18で適応のデータベースをつくって技術の評価もしたのですが、もっとたくさん技術は活用されているのではないかと思うので、これはどういう観点で、その新技術をピックアップされたのか、教えていただければと思います。
さて、コメントなのですけれども、私もこの六つのポイントの②のあらゆる施策とつなげるという話と、④の地域の実践の促進ということについて、コメントしたいと思います。
もう②については、多くの方がおっしゃっているのでそのとおりだと思うのですけれども、その適応策が、今回の資料にもあるように、地域の活性化だとか、あるいは地方創生、ウエルビーイング、そういうものにも非常に大きな関連があるし、一緒にシナジーをしたり、統合したりすることによって、さらに強めることができるのだという、そういう打ち出しをするのが非常に重要だと思っています。
そのためには、自治体の気候変動適応策と、自治体がそれぞれ持っておられる長期計画とか総合計画とか、そういうものとどういうふうにうまく関連づけるか、あるいは融合するかというのが非常に重要なのではないかと思います。適応計画は適応計画、その他の課題はその他の課題と分けて捉えると、どうしてもそういう融合がうまく進まない、それをどういうふうに自治体の計画全体の中に組み込んでいくかというところの工夫、あるいは方法を、今後さらに深める必要があるのではないかと。
それを行う上で、もう一つ重要なのは首長の理解ですね。市長が、どれだけそういう意味合いを理解してくださるかというのが非常に重要で、それを理解してくださっている自治体では、かなり進むというような例もあると思います。それが②の点です。
④は今もういろいろご意見が出ている点ですけれども、実は最近、茨城県内の市町村とか、あるいは北陸とか、この間大阪とかに呼ばれて、適応の話とか防災の話なんかを市民の人と交流するという機会が何度かありました。そのとき特徴的だったのは、気候変動適応だけの議論をしないのですね。自分たちの地域やコミュニティの将来をどうするかという議論の中で、気候変動の問題をどう考えたらいいかというふうに問題を設定して、議論をすると。そうすると、かなり活発に意見が出ることが分かりました。
出てきた意見の特徴的なものは、一つは事前防災ですね。タイムラインだとか、避難の準備だとか、コミュニティの中での弱者の方を支える協力とか、そういうような話ですね。
それからもう一つは、特に主婦の方とかが多いようなところで話をすると、気候変動対策というと最初に必ず出るのは、廃棄物問題をどうするかから、フードロスをどう対応したらいいかというところの話が出て、そこからそういうことをなくして、こういうふうにしたらCO2の排出も減らせるのではないかとか、適応にもつながるのではないかと、そういうような話になったり、それからさらにまちづくりとか、特に地域に特徴的な食だとか観光なんかを盛り上げるために、この問題をどう考えたらいいかという話になると、これも非常に活発に意見が出て盛り上がる。
皆さんがここで指摘されているように、日常生活との接点とか、自分たちの住んでいるところの地域の将来像と重ねて、この問題を考えることによって、この問題がまさに自分たち自身が今ここで議論できるし、考えなければいけない問題になってくるという印象を持ちました。
一つ忘れましたけど、もう一つ、都市のグリーン化というか、植林とか、都市の中での緑をどう増やすか、暑熱対策なんかも含めてそういうことができれば、我々のところはもっと住みやすくなるのではないか。そういうような話というのも、皆さんが積極的に発言される中身だったのですね。ですから、繰り返しになりますが、皆さんが関心を持っている地域の将来に関わる日常生活との接点の話題というのが入口になるのではないかというふうに思いました。
以上です。
 
肱岡委員長
ありがとうございます。
それでは、1点目の質問に関して、環境省から回答はありますでしょうか。
 
柳川企画官
ご質問いただきましてありがとうございます。
今の観点なのですけれども、まず指標がどのような形で集計されたかということのご紹介になるのですけれども、こちらは国のほうで取組の指標としてまとめているものとなっておりますので、関係省庁等から、いわゆる適応の分野というような観点で、開発をしたというような観点での数値で提出のあったものについてまとめているというものになっております。
こちらのほう、三角というようにさせていただいておりますが、この評価結果というところは、少し機械的に振ってしまっているところがございまして、今、三角となっていることのご指摘もありましたが、例えばこちらのほう、資料1の5ページの部分で、表で言うと左側に、目標の方向で「増加」というふうに書かせていただいておりますけれども、こちらのほう、趣旨としては毎年開発していく技術の数が増えていくことを、この目標の方向として考えておりまして、増加傾向にあれば、この方向性としてその評価の結果と一致しておりますので、二重丸というような形の評価となっております。
一応こちらのほう、今、元の目標の方向が増加というふうに設定されておりますけれども、コンスタントに今、開発が進んできているというような状況でありますので、必ずしも何も取組が進んでいないものではないというふうに捉えているところであります。
すみません、指標としては今、そのような形になっておりますが、三村先生からもご指摘がありましたとおり、トータルで見れば、恐らく適応に資するものとしては、もっとより多くの技術などがある可能性があるというふうに考えておりますので、そのような指標として、捉えてお読みいただければと思います。
説明が長くなり、恐れ入ります。
 
三村委員
どうもありがとうございました。
 
肱岡委員長
ありがとうございます。
これは国のほうで、適応策ですよと提出していたものの数なのですよね。
 
柳川企画官
おっしゃるとおりです。
 
肱岡委員長
なので、実際はもっといろいろ役立つものがあると思うのですけど、数え方の問題かなと思います。ありがとうございます。
それでは、オンラインから栗栖委員、お願いいたします。
 
栗栖委員
東京大学の栗栖です。私からは、市民の適応への認知に関して、意見を述べさせていただければと思います。
適応の認知に関しては、「適応」という言葉や実際の取組を知っているかという問いで図ろうとされておられますし、その目標値が現在の11%から25%へと設定されてもおられますけれども、実際には適応という言葉を知らなくても、例えば、暑さ対策のハンディファンであったり、新之助やつや姫といったような高温耐性の米だったり、色づきへの影響のないシャインマスカットというように、既に消費者の身近になっているものや行動というのが複数あって、いずれも気候変動への適応の一端と捉えることができるのではないかと思います。これらは、既に消費者の生活に非常に身近な形に存在しているのに反して、必ずしも適応という言葉と結びつけて認識されているわけではないという現状があるかと思います。
したがって、適応という概念の普及とか理解を促進する上では、必ずしも言葉の認知に依拠するだけではなくて、こういった生活の中に既に存在している実態を、適応という枠組みの中で再認識できるような工夫が必要になってくるかなというふうに感じましたので、ご意見させていただきました。
以上です。
 
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、オンラインから江守委員、お願いいたします。
 
江守委員
ありがとうございます。
大きく二つほど申し上げたいと思うのですけれども、一つ目は、ちょっと簡単なことですけれども、進捗のお話の中で、地域の適応センターの設置数は順調に増えているということだと思うのですけれども、ただ、規模が恐らく相当ばらつきがあるのではないかというふうに想像していまして。たまに地方に行ったときに、何かそういう話を聞くと、いや、適応センターができたのですけれども、専任者は1人いるかいないかとか、何かそういうところの話をよく聞くので、十分な活動ができる規模で設置されているかどうかみたいなところも、よく把握していく必要があるのかなというふうに思いました。
二つ目が本題というか大きな話なのですけれども、関連するのは、1番の国の重点施策であるとか、2番のシナジーの辺りかなと思うのですが、気候変動に適応しましょうと言ったときに、やっぱりそのキーワードで国民の関心がすごく盛り上がるということは想像しにくいというか。なので、やはりほかのいろいろな関心のある話題に絡めて推進していくということが、非常に重要になってくると思うのですけれども、直近でありますと、やっぱり国際社会は非常に不安定化していて、エネルギー安全保障であるとか食料安全保障みたいな問題というのが、急速に重要性が増しているというふうに思います。そこにシナジーのあるような形で、重要な気候変動適応の対策を、優先度を高く実施していくみたいな考え方というのは非常に必要なのではないかなというふうに思いました。
関連して、3番の科学的知見のところに少し書いてあるのですけれども、参考のところに書いてあるのですけれども、脆弱な対象、弱者が特に気候変動の影響を受けるということで、それをまず科学的知見として、そういう研究をしましょうということが書いてあるのですが、このことをやはり適応策の対策実施の優先順位においても、僕は明示的に考えた方がいいのではないかなというふうに思っています。もちろん、様々な分野の影響の様々な対象における適応ということに幅広く目配りしておくことというのは重要なのですけれども、同時に、やはりもう既にかなり深刻な影響が出ている人たちに対して、優先度を高く手当をしていくということを強調してもいいのではないかなというふうに思っています。
国の重点施策は、どういう具体的な話になるかというのは、省庁間で議論して案が出てくるというお話でしたけれども、個人的には、今申し上げたような観点から言うと、もう毎回同じことを言っていて恐縮なのですけれども、やはり営農型太陽光発電は、つまり脆弱な人たちの一つとして、やっぱり農作業をやっている人たちというのが非常に今、一つの大きなターゲットではないかと思っていて。年間数十人ぐらい、農作業をして、熱中症で亡くなっているわけですよね。営農型太陽光で、屋根があると日陰で作業がしやすいということに加えて、もちろん緩和をはじめとした様々なシナジーがあるということなので、エネルギー安全保障、食料安全保障の観点とも絡めて、これはこの機会に、もっと本当に推進されていいのではないかなと。
農水省で望ましい営農型太陽光の整理がされて、案が出てきたみたいな話を聞きますけれども、規制すべき悪い事例というのは、もう本当にちゃんと規制していただいて、一方で、推進すべきいい太陽光というのを本気で推進していくということが行われていい機会ではないかなというふうに思っています。
もう一つ挙げるとすれば、子どもでありまして、2018年に愛知県の小学生が熱中症で亡くなって、小・中学校にエアコンが一気に普及した、補正予算がついたということがありましたけれども、何かやっぱりそういう大規模なインパクトのある取組というのが、さらに必要になってきているのではないかと思っていて、次の段階としては、僕はやっぱり体育館ではないかなと。やっぱり子どもが暑くてスポーツができないとか、屋内においてやっぱり体育館の空調と断熱、これは言うほど簡単ではない、コストがかかるのかもしれませんけれども、それも含めて本格的な取組が必要なのではないかと。屋外においては、日が暮れてもグラウンドでスポーツができるように、照明とか、そういう話になってくるのかなと思うのですけれども、やっぱりこれから子どもの健全な発育みたいなことと関連して、こういった辺りは、一つの気候変動の弱者への優先度の高い対応になるのではないかなというふうに、個人的には思っています。
以上です。ありがとうございました。
 
肱岡委員長
ご意見をありがとうございました。
それでは、葛西委員、お願いいたします。
 
葛西委員
国立感染症研究所の葛西といいます。
私たちは、感染症に関する研究をやっている研究施設なのですけれども、私個人的には節足動物、蚊とかマダニが媒介する感染症の研究をやっている部署に勤めております。
昨日もこういうすごく分厚い、気候変動影響評価に関する報告書が送られてきて、今読ませていただいたところなのですけれども、何となく思うのは、もう気候変動の影響に関しては大体分かってきていて、それにどう適応していくかというような流れに来ているようにも思うんですけれども、実際、分野によってはまだまだ研究が不十分で、影響がどの程度あるかというところの評価も、まだ十分でないようなところもあるのではないかなというふうに感じています。
その一つが、私たちの感染症の分野なのですけれども、この送られてきた報告書の中を見ても、例えば、レプトスピラ、クロストリジウム、サルモネラ大腸菌、腸チフス、ロタ、ノロほか、あと私たちが関係するような蚊とかマダニが媒介する感染症のリスクがこれから増大していくということが書かれているのですけれども、研究費の助成という意味で、まだまだ十分でなくて、十分に研究がされていない。特に感染症と気候変動という視点においての研究が全然進んでいないような気が、私はしています。
今日の資料1-2でも、先ほどから木村委員とか奥委員も強調されていましたけれども、科学的知見の充実ということが強調されていながら、まだまだ大学とか公的研究機関、民間に対する研究助成金の充実というのが不十分ではないかなというふうに感じています。かつては私たちも、環境省のS-8という予算をいただいたりなんかして、ある程度進んだのですけど、それ以降、気候変動に関する研究予算が全くいただけていない状態で、例えば、文科省の基盤的研究費に、気候変動と感染症という視点で出したとしても、全然引っかからないような状態なんですね。
ですから、やっぱりこの提言書の中に、ちゃんと国が主導で、必要な分野にはちゃんと研究費を充てがうということも重要ではないかということを、ちゃんと明記していただきたいというのが私の視点です。特に節足動物、蚊とかマダニが媒介する感染症に関しては、日本人というのは特にすごく敏感なところがありまして、結構パニックになるおそれもあるようなところですので、ぜひとも国のトップダウン的に、研究助成金をもう少し整備していただくような提言も入れ込んでいただきたいなというのが私の希望です。
以上です。ありがとうございます。
 
肱岡委員長
ご意見をどうもありがとうございました。
それでは、堀江委員、お願いいたします。
 
堀江委員
ありがとうございます。私から、質問が一つ、コメントが一つございます。
まず、資料1-1の3ページで、国民の理解の促進に関しての指標の最終報告が11.4%となっています。気候変動適応法が2018年に施行されてから時間がたってきましたけども、必ずしも国民の理解が進んでいないという数字になっているようです。これがなぜ起きているのか、何か分析を公表されていますでしょうか、という点がお尋ねです。
私の勝手な理解ですけれども、調査方法や母集団の変更等も多少あったりするでしょうから、そういったことが影響していたり、適応と取組を両方とも知っていることが求められていたりする可能性もあるのかなと思っています。
気候変動適応は、大学生に聞いても、この言葉を理解している人はかなり少数です。私は熱中症対策をやっていますけども、熱中症対策を国が一生懸命進めているというのは知っているという方はかなり多いので、個別の政策は理解していても、それが気候変動適応の政策として大きく動いているのだという形で概念が整理されていないという可能性があるかなというふうに思っています。
もう一つは、年齢層によって政策への理解が異なっていて、特に若年層で進んでいないという課題へのコメントです。気候変動適応は、むしろ若年層が将来の課題として重要視していただきたいところですが、学校教育でこの言葉を取り上げていただいていません。
私は、これは入試に出すのが一番いいのではないかと申し上げていますけども、学校教育、新聞、テレビ、SNSとかで上手に発信していかないと、この数字がうまく伸びていかないのかなと思いまして、お尋ねと意見と申し上げました。
それから、別の点で恐縮ですけども、資料1-2の次期適応計画で、④便益が実感できる適応等による地域実践の促進や⑤気候変動適応を通じた事業者の競争力強化に関連して、別の言葉で言うとリスクコミュニケーションかもしれませんが、コメントさせていただきます。
各分野とのシナジーという言葉がいろいろと強調されていて、大きなシナジー効果が期待できればいいのですけども、実際にはシナジーをなかなか見通しにくい分野があると思います。労働基準の分野は、強制的に法律で決まっていて罰則があるからしなさいというやり方ですが、環境の分野は、それはなかなか難しいと思います。労働でも同じが、シナジーというのは、人間が意識できる近い将来のものしか見ていない可能性があると、私は思っています。
長期的な効果というものが、わかりやすく説明される必要があるのではないかなと思います。すぐにはシナジーが見込みにくい分野でも、長期的にはシナジーがあること、どういうメカニズムでそうなるのかということ、についてきちんと説明していくことが、この分野のリスクコミュニケーションとして、私は重要ではないかなと思っています。そうでないと、他の分野とは利害が一致しない目標だということで、優先順位が下がってしまうおそれがあるのではないかと思っています。
例えば、気候変動の影響と適用策ということで、熱中症で大きな影響があるのは、一人暮らしの高齢者です。それを自分は一人暮らしじゃないとか、高齢者じゃないという人が関係ないと思ってしまわないようにすべきであると考えます。将来、年少者が減少しますし、就業者もより忙しくなっていますので、一人暮らしの高齢者の面倒を見る人がどうしてもいないという状況が生じることを想定すべきです。すでにいろいろな技術があり、部屋の中に温度センサーをつけて、どこかで見張るとかいうようなことは地域で取り組めると思います。今のうちに、そういった仕組みづくりを進めていくことが重要であることを説明していかないと、自分のこととは分からない人たちもいるのではないかなと思います。
産業界においても、屋外で使用する機器が、気温が35度ぐらいまで耐えられれば使えるという設計になっていても、将来、頻繁に40度を超える環境できちんと動くのかという評価や対応が求められていると思います。今のうちに、やっていかなければいけないことだと思います。
サンゴ礁が減ったという事実が、どういうふうに私たちの生活に関係するのかというのは、もう少し丁寧に説明して、例えば、沿岸が侵食されること、漁業の資源がなくなること、それらが国民の生活にどういうふうに影響するのかというのを説明しながら、発信していくことが、気候変動適応策の意義を理解するために必要と思います。そして、この分野は省略語が多いことも、理解しにくさを助長すると思います。例えば、TCFDだとかTNFDだとか言ったときに、そこで思考が途切れるので、いつも丁寧に説明して、身近なものというふうに伝えるリスクコミュニケーションが非常に重要だというふうに思って、コメントさせていただきました。
以上です。
 
肱岡委員長
どうもありがとうございました。
それでは、一通り、ご意見をいただいたかと思いますが、また追加のコメント、質問等はございますでしょうか。もう少し時間がございますので、ぜひご遠慮なくお願いいたします。
それでは、先生方に考えていただいている間に、私のほうから少しコメントさせていただきます。
やはり適応を2018年に開始されたことで、7年たったわけですけども、やはり今は取組を始めたというステージだと思います。しかし、今日ご意見いただいて感じたのは、やはり深めるだとかつなぐというところが、これからの重要な視点かなと思いました。
本当に私の反省でありますけれども、例えば、環境省と国環研に定期的な打合せをさせてもらっているんですけども、じゃあ、LCCACからの希望を上に伝えてこれたのかという話を、先ほど木村委員が言われましたけど、そういうところを我々が受け取って、つなげるチャンネルとして使えていないだとか、例えばよく聞きますのは、LCCACではほかの部局に行くときに持っていっても、なぜそれをしないといけないかと聞かれると。本当であれば、環境省と国交省が、そこで一緒に取り組みましょうと言っていただければ、そういう通知が出ているからできますよねなんていう仕組みはあるのかなと。予算や人はもちろん重要で、欲しいものでありますけれども、そういうちょっとした仕掛けとか仕組みがあると、恐らく現場の皆さんもやりやすいのかなと。その中で、我々国環研も、もう少し横のつながりをしっかりやっていかないといけないのかなと思っている次第です。
それは研究もそうでして、今田委員とは時々会議が一緒で、会えるチャンスはありますけれども、やっぱり会議に出て、例えば自分が運営委員会で発言するという仕事だけしていても、それを受け取って、A-PLATにつなげるのかというところは、私としても足りていませんし、しかし、そういうことが当たり前のようにできる仕組みがあれば、それはそれで我々の業務として、情報をいただいて、世の中に発信すると。もちろん、先ほど分かるようなストーリーと言われました。そのストーリーを作ったら、じゃあ、どこで使ってもらえるのかと。さすがにそこは全て私では考えつかないので、それはもちろん自治体なのか学校さんなのか、いろいろなところで使っていただけるというような仕掛けがあれば、それはそれで今、いろいろなところで深みに行けるような状況になっていると思いますので、そういうものつなげるのところをぜひ、環境省の方が、例えばほかの省庁と議論する、この適応計画をつくるときに、少し考慮いただけるといいのかなと。
本当に非常に単純な話なのですけど、SNSも我々が頑張っても、例えば環境省さんとかほかの省庁さんが持っているのと桁が違うわけなのです。なので、一生懸命増やしたくても、本当だったら環境省のSNSに載せさせていただいたら、多分届ける先は多いのかなと。しかし、じゃあ、それはどういうルールで、どういう情報を載せていいのかというのを分かっていませんし、適応計画もできたときに、全ての省庁が一緒に同じ情報を同日に出せるのかと。そのときただ出しても、これは何だろうと、結局私たち関係ないねとなるところに、じゃあ、これはできますのでそれを読んでくださいというところが、必要であればA-PLATで作りますし、別の省庁のそれぞれのところで、それぞれ省庁が取組、個人でできることまで書いてあると、すごい難しそうな計画も我々に届くのかなという。ちょっとした工夫であって、これは何か予算が必要だとか、何かをしないといけないというよりは、所掌の中でプラス一緒にやりましょうとか、工夫しましょうということでもできるのかなと、僕は日々考えている次第でありますので、ぜひ皆さんにもご意見をいただければと思います。
時間を稼いでみましたが、何かご意見はありますか。
じゃあ、木村委員、お願いします。
 
木村委員
先ほど、各省庁さんで協力していただいて、下に下ろしていただければというお話があったのですけれども、実際に自治体の中にいると、縦割りの範囲を超えて、そもそも自治体の中での適応センターの知名度が低いとかいうことがございます。そのため、各省庁から、例えば適応策に当たることの政策というのはかなりやられていると思いますので、そこにくっつけてというのは難しいかもしれないですけど、各自治体に適応センターがありますというのを知らせていただくだけでも、国の施策の流れに乗って、適応センターがどうやら自治体にあるというのを認識してもらえるだけでも、協力するための第一歩としては大変ありがたいお話になってきますので、その辺もご協力いただけたらなと思います。よろしくお願いします。
 
肱岡委員長
ありがとうございます。
その他、ご意見、ご質問はございますでしょうか。
私から委員の先生方にご相談といいますか、このポイントが現行だと七つありまして、今六つになっているのですけども、一番後にご説明いただいた国民への周知というのは全てに関わるだろうということになっているので、ポイントに出さなくても、全てに書き込むことでいいのかと、ちょっと私も悩んでいるところではあったので、もし何かご意見があればと思います。
それでは、オンラインから三村委員、お願いいたします。
 
三村委員
どうもありがとうございました。
ちょっと今、肱岡委員長のほうから出た問合せとはちょっと違う観点です。
今日出た議論のレベルをいろいろ考えてみると、国のレベルで各省庁の間で適応計画をどういうふうに調整していくかという話と、それから主に自治体の中で実際に実行する計画をどうしていくかという話、それから、さらに事業者や個人とか地域で、具体的にどういうふうにしたら適応の取組が進むのだろうかという、レベルが違う話をしているわけです。それで、国の適応計画の中で、全てのレベルで具体性を持って網羅することができるのかどうかというのが考えていることなのですけれども、当然政府関係省庁の間での適応計画とか、あるいは自治体の適応の在り方は書かれるのだと思います。一方、今日の論点は、じゃあ、一人一人の国民は、どういうふうにそれを受け止めたらいいのか、どう行動したらいいのか。それから、特に弱者と言われている人たちに対しては、どういうふうなことをやるべきか、そういうことだと思うのです。国民一人一人が何をやったらいいかというレベルの話は、どういうところで、きちんと皆さんにそれを示して広めていくのかについて、どこまで適応計画の中で示すのか。あるいは、そこまで具体的には書けないのだとしたら、じゃあ、どこでそれを示すのかということも含めて検討されるといいのではないかと思いました。
以上です。
 
肱岡委員長
貴重なご意見どうもありがとうございました。
その他、ご質問、ご意見はございますでしょうか。
それでは、これまでのご意見を受けて、羽井佐室長、もし何かご意見等がございましたら、お願いいたします。
 
羽井佐気候変動科学・適応室長
ありがとうございます。幅広いご意見をありがとうございました。
今回もそれぞれの委員のバックグラウンドのご経験を踏まえての指摘で、相当多方面からいただいておりますので、この時点で個別網羅的にお答えをすることなく、いただいたご意見全てについて、今後の検討作業の中で反映をさせていきたいと思っています。本当にありがとうございました。
最後の三村委員からのご指摘に関し、この適応計画の役割について、改めて確認をさせていただきますと、やはりあくまで国の閣議決定する国の計画であるというところは、法律にも定められていることで、そこがやっぱり一番の重要な点になります。そのために、関係府省庁の取組とどう連携して取り組んでいけるかというのが本当に核になるので、政府としては、政府内に適応推進会議を設置して、分野別の施策に関しては、そこで議論をしながらまとめていくということが中心にはなっています。
一方で、法律にも関係主体を明記していて、現行の適用計画にも関係主体ごとの役割というのを書き表しているので、次期の適応計画で、その部分をどう書き込んでいくのかというのが非常に重要になります。国の施策として、その関係主体の行動を促していくというのは、この適用計画の中心の議題の一つになりますので、そこをなるべく解像度を上げて書くべきであるというのが、今日いただいたご意見と思っています。全て細部にわたるまで、閣議決定する計画の中で表現することもなかなか難しいので、その計画で書くべきことと、その後の適応センターとも一緒にやっていくような各種のガイドラインに書くべきこととかを切り分けて、この計画検討の段階から、ここでいただいたご意見を踏まえて、今後の施策をイメージして、どこに書き分けていくのか意識しながら検討を進めていかなければならないと感じました。
本当にありがとうございます。
 
肱岡委員長
ありがとうございます。
やはりおっしゃるとおり、その計画の細部に至って書くというものはないと思いますし、しかし、例えば読み手にとってシナジーを取り組みましょう、こういう結果がありますだとか、どういう仕組みでそれができたのかとか、実は国にはこういう仕組みがあるから、うまく使ってくださいねというのは、もしかしたらその下のガイドラインであったり、手引きみたいなものがあって、それは我々と一緒にプロモートしていくこともあるかもしれないので、ぜひ一緒に検討させていただければありがたいと思います。
それでは、ほかにご意見、ご質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、最後の議題に移らせていただきます。
次の議題は、その他となっております。事務局より何かございますでしょうか。
 
柳川企画官
最後、資料2のほうをつけさせていただいておりますので、事務局よりこちらのほうを説明させていただければと思います。
今、表示をさせていただいておりますが、今後のスケジュール(案)についてという資料のほうをお配りさせていただいております。
本日3月16日、次期適応計画の目標、基本戦略の部分について、ご議論いただいたところでございます。
今後のスケジュールとしましては、4月にもまた改めて、関係省庁の事務方で行う幹事会というものがございまして、こちらのほうで、各省施策について、ご議論などをしていきたいというふうに考えているところでございます。
また、これらの議論を踏まえまして、5月の段階でもう一度、小委員会のほうを開催できないかというように考えておりまして、この段階で4月、また本日ご議論いただいた内容なども踏まえて、分野別施策に係る検討状況のご報告と、次期適応計画の構成などについて、検討状況のご報告ができないかと考えております。
また、これらを踏まえまして、最終的には、5月にまたご意見などもいただきつつ、6月の時点で気候変動適応推進会議のほうを開催させていただきまして、次期適応計画の骨子というような形で、次期の適応計画の中で位置づけていく大きなポイントなどをまとめた骨子というものを決定していくことができないかということで考えているところでございます。
これらの骨子がまとまりましたら、7月以降も環境省含む関係省庁において、具体的な施策等の検討を進めていく予定と考えておりまして、この中で適宜、推進会議や本小委員会の委員の皆様にも、内容などについて、また引き続きご議論いただけないかというふうに考えているところでございます。
これらのスケジュールにつきまして、関係者のスケジュールなどにより変更になる可能性もございますが、このような形で、今後進めさせていただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
肱岡委員長
ご説明どうもありがとうございました。
それでは、今のスケジュールのご紹介も含めて、全体を通して何かご意見、ご質問等がございましたら、ぜひお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、皆さん、活発な貴重なご意見をどうもありがとうございました。
それでは、以上で本日の議事を終了したいと思います。事務局にお返しいたします。
 
羽井佐気候変動科学・適応室長
本日は活発なご議論いただきまして、ありがとうございました。また、年度末の大変お忙しい中、皆様お時間を取ってくださり、本当にありがとうございます。
今、直近で説明したスケジュールに関連してなのですが、この適応小委員会と関係府省庁との推進会議というのを二つ、並行して走らせることになってきまして、その二つが別個の並行のプロセスとならないように、この小委員会において、環境省がしっかりと皆様からのご助言を受ける形で、ちゃんと二つのラインがうまく二重らせんのようになるようにして取り組んでいきたいという思いでおりますので、引き続き、委員の皆様方からの環境省に対する忌憚のないご助言を賜れればと思っております。
本日の議事録につきましては、事務局にて取りまとめて、委員の皆様にご確認いただいた上で、環境省ホームページにて公開させていただく予定としております。
次回小委員会につきましては、また改めて委員の皆様方にご連絡をさせていただきます。
以上で、本日の小委員会を終了いたします。どうもありがとうございました。