気候変動影響評価・適応小委員会(第6回)議事録
日時
令和7年11月21日(金)14:01~15:53
場所
WEB会議システムを併用したハイブリッド形式。併せて YouTube チャンネルでライブ配信を実施。
議事次第
1.開会
2.議題
(1)第5回小委員会における第3次気候変動影響評価報告書に関する主なご意見を踏まえた対応について
(2)第3次気候変動影響評価報告書(案)について
(3)第3次気候変動影響評価報告書の活用について
(4)その他
(2)第3次気候変動影響評価報告書(案)について
(3)第3次気候変動影響評価報告書の活用について
(4)その他
3.閉会
議事録
羽井佐気候変動科学・適応室長
定刻を回りましたので、ただいまより第6回中央環境審議会地球環境部会気候変動影響評価・適応小委員会を開催いたします。
進行役を務めます、環境省気候変動科学・適応室長の羽井佐と申します。どうぞ、よろしくお願いします。
今日は、職員が入り口にお花を準備してくれています。少しでも爽やかな気持ちで議事が進むことを願っております。
本日の会議は、現在委員総数の過半数以上の委員にご出席いただいており、定足数に達しておりますことを、ご報告いたします。本日の小委員会、対面、オンラインのハイブリッド形式での開催となります。
また、この会議は環境省の公式YouTubeチャンネルより、ライブ配信を行っております。資料及び議事録については、ホームページにて公開とさせていただきます。
WEB参加の委員の皆様、何かご不明な点がございましたら、事務局まで、画面の上にあるチャット欄か、事前にお伝えした電話番号までお電話にてお知らせください。
初めに、3名の委員にご就任をいただきましたので、ご紹介させていただきます。名簿に沿って、ご紹介いたします。
初めに、今日はオンラインでご参加いただいています、独立行政法人国際協力機構サステナビリティ推進担当特命審議役の稲田恭輔委員にご就任いただいております。
稲田委員、一言ご挨拶をいただければ幸いです。
稲田委員
初回からオンライン参加で失礼いたします。JICAでサステナビリティを担当しております稲田と申します。よろしくお願いいたします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
ありがとうございます。
続きまして、広島県立総合技術研究所保健環境センター環境研究部担当部長の木村淳子委員にご就任いただいております。
木村様、一言お願いします。
木村委員
広島県立総合技術研究所保健環境センターの木村と申します。
今回からの参加になります。よろしくお願いいたします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
よろしくお願いします。
続きまして、那須塩原市環境戦略部カーボンニュートラル課課長補佐兼気候変動対策係長の高根沢めぐみ委員にご就任いただいております。
よろしくお願いします。
高根沢委員
皆様、こんにちは。那須塩原市環境戦略部カーボンニュートラル課の高根沢めぐみと申します。
初の参加となりますが、オンラインで申し訳ございません。一自治体としての意見をこちらの会議で申し上げられたらなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
ありがとうございます。
新たにご就任いただいた委員の皆様方におかれましては、どうぞよろしくお願いします。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。画面上には、配付資料一覧を表示しております。それに沿って、ご連絡をいたします。
資料は、資料1、2-1、2-2、2-3と3がございます。2-2と2-3に資料番号が振られていないのですが、対面出席の委員の皆様は、お手元の大きな資料、影響評価報告書の総説が資料の2-2、それから、詳細版が2-3ということになります。どうぞよろしくお願いします。WEB参加の皆様におかれましては、資料はホームページのリンクを事前にお送りしておりますので、そちらをお手元にご準備いただきまして、ご確認いただけますよう、よろしくお願いします。
続きまして、議事の進行上の注意でございます。
議事中、発言者以外のWEB参加の皆様は、基本的にマイクをミュートに設定してください。回線負荷回避のために、ご発言時以外はカメラの使用をお控えいただければと思います。ご発言の際には、対面でご参加の皆様は、ネームプレートを立てるなど、意思表示をしていただきまして、オンライン参加の皆様は、画面上の挙手機能を使っていただければと思います。こちらから委員長が順番にご指名をいたします。ご発言の際には、最初にお名前をおっしゃっていただくよう、よろしくお願いします。ご発言時以外に何かご質問などある場合、WEB参加の方々におかれましては、チャット欄をご活用いただければと思います。
それでは、以降の議事進行を肱岡委員長にお願いいたします。
肱岡委員長
国立環境研究所の肱岡でございます。今日もよろしくお願いいたします。
この影響評価報告書の発行に向けての佳境となってまいりました。今日の委員会を踏まえて、最後の詰めとさせていただきたいと思いますので、ぜひ、皆様のご意見をよろしくお願いいたします。
それでは、早速ですけれども、本日、最初の議題は、第5回小委員会における第3次気候変動影響報告書に関する主なご意見を踏まえた対応について、続けて、第3次気候変動影響評価報告書(案)についてです。
質疑応答は、まとめて説明後に行いますので、よろしくお願いします。
それでは、事務局より説明をお願いいたします。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
気候変動科学・適応室の小穴でございます。よろしくお願いします。
議題1と2に関係します資料1と資料2-1、これを続けて説明させていただきます。資料2-2と資料2-3は非常に量が多いので、今回、説明は割愛させていただいて、適宜、ご参照いただければと思っております。
それでは、まず、資料1について、説明します。
前回の小委員会でいただいた意見を踏まえた対応についてです。
次のページをお願いします。2ページ目ですが、影響評価報告書本文に関する主な意見としまして、三ついただいておりまして、一つ目がデータ等が活用されやすくなるよう検討すべきというご意見、二つ目が特に強い影響を受ける地域や対象の整理方法、これについて工夫が必要というご意見、三つ目が知見が少ない分野があるというご意見となっておりました。
それぞれご意見を踏まえまして、例えば、一番上ですと、引用の出典を明記することですとか、特に強い影響を受ける地域や対象についても、可能な範囲で整理を実施してきました。しかし、全て対応できたというわけではありませんでしたので、報告書、本日の資料、資料2-2ですけれども、報告書の総説の第5章に「日本における気候変動による影響の評価に関する課題と展望」という章を設けさせていただきまして、対応できなかった部分は、そこに課題をしっかりと記載した上で、例えば、資料2-1の2ページ目に、一部抜粋としてお示ししております一番上のところにはなるんですけれども、次期評価に向けては、「特に強い影響を受ける地域」ですとか、「特に強い影響を受ける対象」、「適応策の効果」に関する知見を充実させ、利用者にとってより利用しやすい報告書としていく必要があるというような形で、報告書に記載をさせていただきました。こちらの詳細の説明は、資料2-1のほうでまとめて説明させていただければと思います。
次のページ、お願いします。3ページ目でございます。報告書の今後の活用等に関する主な意見について、四ついただいておりました。一番上の一つ目が、自治体や事業者など、報告書を実際に活用される方のニーズをしっかり拾うこと、また、説明する機会が必要だというご意見をいただきました。こちらについては、このご意見を踏まえまして、自治体向けの説明会・ヒアリングを実施させていただきました。次のページの別紙1と右肩に書いてあるところに、説明会の概要をまとめさせていただいております。
次のページお願いします。自治体説明会の概要ですけれども、七つの地域ブロックごとに開催させていただきまして、出された主な意見として、下にまとめております。知見の整理ですとか、影響評価を地域ごとにしてほしいといったものや、適応策の効果に関する知見の充実ですとか、情報へのアクセス向上といった意見が多くありました。
一つページを戻っていただいて、3ページになります。これらの地域をまとめるというニーズに関しましては、今回、説明会をする前にも、幾つかこの報告書の取りまとめを始めた時点でも聞いておりまして、今回の評価では、この特に強い影響を受ける地域ですとか、適応策の効果に関する知見の整理に取り組みまして、一定の整理はできたと思っておりますが、やはりニーズは高いということで、このようなニーズがあるということや課題について、先ほどと同様、報告書の本体の中で課題と展望に記載をさせていただいております。
二つ目から四つ目までの意見につきましては、影響評価報告書を含む気候変動適応について、しっかりと伝えていく必要があるというご意見でした。こちらについては、議題3の中で、資料3を使って説明させていただければと思います。
資料1については、以上となります。
続きまして、資料2-1の説明をさせていただきます。
資料2-1です。第3次気候変動影響評価報告書(案)についてということで、1枚めくっていただいて、2ページ目、お願いします。
2ページ目は、気候変動影響評価報告書は何かということを記載しております。おおむね5年ごとに作成することとなっておりまして、例えば、農業・林業・水産業などの7分野において、重大性、緊急性、確信度の三つの観点で影響を評価するものとなっております。
次のページ、お願いします。3ページ目は、今回で3回目となります第3次気候変動影響評価報告書のポイントをまとめた資料となっております。上の四角の中に記載しております、四つのことを踏まえて実施したことが、今回の特徴となっております。①として、最新かつ広範な知見を反映したこと、②重大性の評価を細分化したこと、③特に強い影響を受ける地域や対象について整理したこと、④適応策及びその効果に関する知見も整理したことの四つとなっております。また、現状から将来予測にわたって、重大性、緊急性、確信度が高いなど、特に優先的に対応が必要な項目が明らかになりまして、それを、下の四角囲みの中で項目名と各項目における影響の概要について、紹介をさせていただいております。
次のページをお願いします。ここからは、先ほど説明した四つのポイントについて、少し具体的に説明をさせていただきます。まず、一つ目の最新かつより広範な科学的知見の反映につきましては、数としては、前回の約1.7倍の文献を引用することができまして、評価項目数も9項目増加させることができました。
次のページをお願いします。5ページ目につきましては、追加した最新の科学的知見の例としまして、予測モデルの改良によりまして、米の収量の減少がより早く深刻化するということが分かったという新たな知見の例を紹介させていただいております。
次のページをお願いします。6ページ目は、二つ目のより詳細な重大性の評価ということで、右の下のほうに、2次評価時のことを記載しておりますが、2次のときは2段階で重大性を評価していたものを、3次では、少し上のほうに行っていただくと、紫とオレンジと黄色ということで、レベル3からレベル1までの3段階で、今回、評価を実施しています。また、将来の影響だけではなくて、現状についても、今回、評価を実施したということが特徴となっております。
次のページをお願いします。7ページ目です。三つ目のポイント、「特に強い影響を受ける地域・対象」の整理についてです。こちら、一定程度整理ができたということと、右側には、一つの例として、都道府県ごとの暑熱の死亡率の変化を予測した知見を紹介させていただいております。
次のページ、お願いします。8ページ目です。それらの知見が報告書の中でどのように記載しているかというものを紹介しておりまして、例えば、先ほどの例では、文章としては、上の四角ですけれども、人口密度の高い大都市圏でより大きな死亡リスク増加が報告されているとか、相対的に寒冷な地域で高齢者死亡率が顕著に上昇しているといったようなことが報告されているということが整理されております。
次のページをお願いします。9ページ目でございます。四つ目のポイント、「適応策及びその効果」の整理についてです。文章では、一定の整理ができたということと、その例として、右側に、高温耐性のある品種を使った場合、2℃程度気温が上昇しても収量が維持できるといったような新たな知見があったということを紹介させていただいております。
次のページ、お願いします。10ページ目は、先ほどと同じく、この適応策の効果について、どのように本文上で記載されているかというのを紹介しておりまして、例えば、先ほどの米の例ですとか、下については、田んぼダムの軽減効果を定量的に示した知見などが整理できております。これら、水稲、米に関するものとか、今回、こちらで紹介させていただいている洪水に関する知見をはじめとして、多くの適応策の効果に関する知見に関しましては、環境研究総合推進費の総合研究、S-18の成果をこちらの報告書の中でも多く引用をさせていただいております。
次のページ、お願いします。11ページ目です。こちらは、全7分野80項目で、重大性、緊急性、確信度、それぞれがどう評価されたかというものを文章としてまとめさせていただいております。
次のページに、それを視覚的に分かりやすく表現した表を紹介しておりますので、次のページをご覧ください。12ページ目です。こちらが評価結果の一覧となっておりまして、紫が最も深刻なレベル3、黄色がレベル1というふうになっております。確信度については、アスタリスクの数でレベルを表しております。こちらも、どの分野やどの項目で影響が深刻なのかが視覚的に分かりやすくなる工夫として、今回の評価で実施した点となっております。
次のページをお願いします。13ページ目からは、各分野にどのような影響が出ているのか、また、予測されているのかといったものを紹介しております。また、影響をイメージしてもらいやすくするため、それぞれの分野で1枚程度、写真や図等を掲載して、紹介をさせていただいております。まず、こちらのページの農林水産業分野では、例えば、一番上ですが、米について、1等米比率の低下ですとか、気温の上昇による収量の減少が予測されているといったことが整理されております。
次のページをお願いします。14ページ目、水環境・水資源分野についても、例えば、一番上の四角の中で、水温の上昇やそれに伴う水質の変化ですとか、大雨による濁度の上昇などが整理されております。
次に、15ページですが、自然生態系分野では、以前からもよく知られていることではありますけれども、上から3段目、サンゴの白化現象の頻度の増加ですとか、分布の北上などが整理されております。
次のページをお願いします。自然災害・沿岸域分野です。例えば、一番上、洪水という項目の中で、洪水の発生地点数の増加ですとか、洪水時のピーク流量の増加などが整理されております。
次のページをお願いします。17ページですが、こちら、健康分野では、例えば、上から2番目の熱中症に関して、救急搬送者数の増加ですとか、死亡者数の増加、特に高緯度地域等でリスク増加があるといったことが整理されています。
次のページで、最後に、産業・経済活動/国民生活・都市生活分野では、例えば、一番上、水害等による直接的な被害だけではなくて、インフラやサプライチェーンの寸断による間接的な被害といったものも出ているということが整理されております。
次のページ、お願いします。19ページ目は、先ほど資料1のほうでも説明させていただきました、課題と今後の展望についてまとめた資料となっております。こちらに記載されている内容についてですが、まず、一番上、ニーズとして、自身が関係する地域や対象への影響ですとか、効果的な適応策を選択するために、比較可能な定量的な適応策の効果、こういったものに関する知見ですとか、それらの知見へのアクセス向上等のニーズがあったということが分かっております。
そのニーズを受けまして、今回、新たなチャレンジとして、下線を引いておりますが、「特に強い影響を受ける地域・対象」ですとか、「適応策及びその効果」に関する知見の収集整理に取り組みました。先ほどの本報告書のポイントのところでご紹介したとおり、一定の整理はできたと思っております。しかしながら、例えば、その中でも、定量的かつ網羅的な整理というのは十分にできなかったなということとか、複数の適応策の効果について、比較可能な知見などは限られていたという課題があったというふうに整理をさせていただいております。
これらの課題を受けまして、課題への対応と今後の展望について、下のほうに整理をさせていただいておりますが、まず、科学的知見の充実ということで、一番上、「特に強い影響を受ける地域・対象」や「適応策の効果」に関する知見を充実させる必要があるといったことや、こういった個々の知見の充実だけではなくて、得られた知見を総合的、分野横断的に分析する研究ですとか、それらの知見の充実に必要となります気候シナリオやデータの改良といったことが必要ということを記載させていただいております。また、それらのシナリオやデータ、科学的知見へのアクセスのしやすさの向上についても必要というふうに整理をさせていただいておりまして、これらが進展することで、最新の科学的知見を適切に政策に取り入れ、「気候変動適応」への取り組みの進展が期待されるというふうに整理をさせていただいております。
次のページをお願いします。ここまでが報告書の中身のご説明でございまして、20ページは、報告書の全体構成と活用例について、紹介をさせていただいております。想定される様々な場面に応じて活用いただけるよう、報告書本体は総説と詳細の二つに分けています。また、一般の方が導入編として見ていただくことを想定した概要資料というものも用意する予定としております。また、報告書本体につきましても、一般の方が理解しやすくなる工夫としまして、今回、影響をイメージできるような図表をできるだけ掲載したり、近年発生した、社会的関心の高い影響に関して、コラムとして総説の中で掲載をしたり、また、評価根拠の表現についても、なるべく分野間で同じような表現をする等、そういった工夫を実施しております。
次のページお願いします。最後に、今後のスケジュールですが、現在がこの赤い三角でお示ししている第6回の適応小委員会というところにはなるんですけれども、本日、報告書(案)をご確認いただけましたら、速やかに、この後、パブリックコメントに入りたいと考えております。パブリックコメント終了後は、再度、小委員会を開催させていただきまして、パブリックコメントで出された意見に対する対応等について確認いただきまして、そこで確認いただいたものを最終案として確定をしたいと思っております。その後、中央環境審議会から答申をいただいた上で、関係省庁と正式に協議をしまして、2月頃に公表というようなスケジュールを予定しております。この影響評価報告書を受けて、来年度には、その内容も踏まえて、適応計画の変更というものも予定しております。
資料1、資料2-1の説明については以上です。
肱岡委員長
どうもご説明ありがとうございました。
本日ご欠席の委員より事前にご意見を頂戴しておりますので、事務局より紹介をお願いいたします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
ありがとうございます。
この影響評価報告書の議題に関係しまして、初めに、江守委員より次のコメントをいただいております。
内閣府の世論調査を見たところ、適応についてはあまり知られていないという結果であったと理解している。適応の概念そのものの普及は容易ではないものの、それに相当する行動は既に一定程度実施されている。夏季や秋季、夏や秋の異常気象に関するテレビの特集番組等においても、影響について聞かれることがあり、影響評価報告書を紹介している。今はやや古い内容しか紹介できなかったため、新しい報告書の公表には一定のニーズがあると考えられる。最近の気候変動影響については、特に農林水産業分野において深刻化しており、現場からの悲鳴の声が上がっている。今後、そうした現場にどのように情報を届け、実際の行動につなげていくかが重要。
続きまして、長谷川委員より次のコメントをいただいています。
ワーキンググループ委員の皆様の意見がしっかり反映され、第2次評価報告書から第3次評価報告書への進展や違いが明確になりました。現段階で国内の影響や適応に関するメッセージも、より分かりやすくなったと感じています。この間、ご尽力いただいた皆様に心から感謝申し上げます。報告書の公表後は、微力ながら活用に協力させていただきます。特に若い世代の方々にも現状を伝える機会を増やしていただけるよう、ご配慮いただければ幸いです。
最後に、沖委員より次のコメントをいただいています。
第4次評価の際には、以下の三つの視点についても考慮してほしい。①暑熱による影響は、熱中症等の健康への影響だけではなく、外出する人が減り、経済が停滞するという影響が出てきている。社会経済活動への影響があるという視点。②ティッピング・エレメントと言われるような急激で不可逆な現象が起こったとき、日本にどんな影響が出るかという視点。③海外での気候変動影響がグローバル経済を通して、また、様々なものを輸入に頼っている日本にどんな影響が出るかという視点。(タイの洪水で日本の自動車産業に大きな影響が出たことなど)を想定してのコメントでございます。
以上、ご紹介でした。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、委員の先生方、ただいまの説明に対するご質問やご意見をお願いいたします。
それでは、まず、中北委員、お願いいたします。
中北委員
中北です。改めまして、どうもありがとうございます。
今回、適応効果というところをかなり前よりも突っ込んだところまで入れていただきまして、改めて敬意を表したいと思います。環境省自身の取組も適応をどんどん進められている中で、それと並行して、これも、報告書も充実しているというのはいいことだと思います。
それで、特に効果に対する情報というのは、一部、S-18のものが出て、治水に関しても出ている中、治水のほうも、これから効果の定量化というのが、これからもというより大分前から言っている大事なことで、なかなか進まないところなんですけれども、そこを進めていくというのが非常に大事である中で、今回、分野によって強弱というか、あるいは、多い、少ないというのは、どういうぐらいのイメージを持っていたらよろしいですか。例えば、治水だけはあかんと、ほかはしっかりしたところもあるよとか、何かそういうので印象があればと思います。
それから、適応も、ある分野の適応がほかの分野の適応になるというようなこともたくさんあって、これから見えてくると思うんですけれども、そこらについても、これは書いているんでしたっけ。全体を見た感じ、そういうところが見えていれば、ありがたいし、より次に向けても見えるようなことをしていただいて、それが省庁間であったり、分野間のまた協働に結びつくようなきっかけになったらいいなと思いました。
最後、適応が入っているので、この報告書のタイトルをこのままにしておきますかとかというのが、また最後ご検討いただければと思います。
どうもありがとうございました。
肱岡委員長
コメント、ありがとうございます。
それでは、3点について、事務局から回答があれば、お願いします。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
ありがとうございます。
まず、1点目ですね、適応策等に関して、特に効果に関する強弱や多い少ないに関してですが、
正確にどうというのがすぐにぱっとお答えがなかなか難しいんですけれども、やはり一覧表で評価の紫が多かった分野に関しては、結構、研究の数自体も多くて、得られた論文も多かったかなという印象は受けていますので、農林水産業分野と自然災害・沿岸域分野と健康分野、この三つの分野には、効果に関しても
一定の知見があったのではないかなと思っています。
中北委員
分かりました。ほかの分野の人にそこをちょっと読んでいただくようなぐらいの、またレコメンドしていきたいなと思いました。
ありがとうございます。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
あと、2点目の、ある分野での適応が違う分野にも効果があるかということに関しては、私が記憶している限りでは、あまりそこまでの定量的な知見を、適応策の効果に関して、そういった表現まで整理できたかというと、少しできなかったかなと思っております。
中北委員
分かりました。ありがとうございます。
そういうのも含めて、最後の19ページに、今後に関して、まとめていただいているのは、全て大事なところを含めていただいていて、ここは、学も、アカデミアももっと労力を注入すべきであるとかというようなところも含めて書いていただいていて、非常に大事ないい感じの今後の課題、展望というのを書いていただいたなというふうに思っています。僕、しゃべろうと思ったら、結局、全部ほとんど書いてあったところではありますので、どうもお疲れさまでございました。
どうもありがとうございました。
羽井佐気候変動科学・適応室長
最後のタイトルについての点は、大変興味深いご指摘です。
ひとまず、回答させていただきますと、この影響評価という事務は、気候変動適応法の第10条に基づいてやっておりまして、気候変動影響の総合的な評価についての報告書を作成するということでして、この総合的という部分で、適応効果についても勘案しているという考え方で進めております。法律に基づいて、今はこのタイトルのままが適切であるというのが私どもの考えです。
中北委員
分かりました。これは、適応法の中では、そういうのを書いているわけではないんですね。
羽井佐気候変動科学・適応室長
今申し上げたのが気候変動適応法の法律の中の第10条に影響の評価というのがあります。
中北委員
適応法をちょっと変えたほうがいいかもしれないね。
羽井佐気候変動科学・適応室長
コメントをありがとうございます。
中北委員
ありがとうございました。
肱岡委員長
ありがとうございます。
それでは、勢一委員、お願いいたします。
勢一委員
ご説明ありがとうございました。勢一です。
これまでに膨大な情報と資料を整理、分析、取りまとめいただきまして、誠にありがとうございました。対面で来て、この紙の分厚さに改めてご苦労を忍び、お礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
その上で、私も、大きく2点、質問とコメントをさせていただければと思います。
まず、質問なんですけれども、今まさに室長さんからご指摘いただいた気候変動適応法の10条です。これは、1項が影響を報告書として作成せよというので、2項に、この報告書を作成しようとするときは、環境大臣はあらかじめその案を作成し、関係行政機関の長と協議しなければならないというふうに規定されています。この法が求める協議の趣旨というのがどういうものなのかというのをちょっと確認させていただきたいというのが、一つ目の質問です。
といいますのは、先ほどご説明いただいた資料2-1の21ページで、今回の影響評価の検討スケジュール、全体像はお示しいただいています。これを拝見しますと、今回の小委員会の前に、関係各省庁との協議をしていただいています。これは、手続的に考えますと、恐らく適応策は各関連省庁がかなり多く、それぞれのところが取組をしていると。取組をしていますので、いろいろなデータ、知見を持っているはずですから、そういうのをしっかり確認するという趣旨かなと思って拝見しました。それはそうかなと思ったのですが、最終的に、中環審の答申の後に、今度は関係各省庁との正式協議という手続が入っています。こちらの協議は何をする手続になるのかと。むしろ、法が求めているのはどちらなのかなと思ったときに、条文からはどちらかというのが決まらないというか、読めないなというので、むしろ、正式協議のほうに求めている法の趣旨というところを確認させていただきたいなというのが、1点目として質問になります。
2点目、こちらはコメントに近いのですけれども、やはり、これだけたくさん影響をまとめていただいて、データ、情報としては非常に有益なのですが、社会の仕組みを見てみますと、最後のほう、総説版のところで見ますと、4.8で、連鎖的・複合的影響というところが、これは、実は、やはり現場では自治体が対応するにしても、企業が対応するにしても、複数の影響が関わってきているから、それを頭に置いて、しっかり全体像を把握して取組をしましょうねというところの啓発になるんだろうと思います。
それで、ここ、詳細版もほぼ同じぐらいの分量だったと先ほど見て思ったのですけれども、この139ページのこういう複合的影響の例というような形で、こういう図みたいなものを考えた上で対策を取っていくというのが現実としては必須なんだろうと思いました。先ほど中北委員からも、ある分野の適応策がほかの分野の適応を進めるんだというようなご指摘があって、まさにそのとおりで、例えば、地域社会というのは、今回、丁寧に書いていただいているんですけれども、この地域社会に至っては、地域コミュニティーをしっかり維持していく、災害が起こったときにもコミュニティーが機能するような形に地域をつくっていくということが、多分、適応としてはすごく大事なことに、命を守る大事なことになるんだけれども、しかし、それをやることで地域が元気になる、お年寄りが社会に参加して元気になるとか、地方創生であるとか、あとは、ソフトを含めたインフラの強化にもなるので、そういう意味では、こういう複合的な影響をうまくどこがどうつながり得るのかというところが、何か見える化、あるいは、何かリンクみたいなのがあると、もっと力強いアピールができるんじゃないかなと思ったというところがあります。
難易度が高いなと思いながらも、やっぱり重要な点だなと、中北委員のご指摘を聞いて改めて思いました。
以上です。
肱岡委員長
質問、コメント、どうもありがとうございます。
それでは、事務局からよろしくお願いします。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
勢一委員、ありがとうございます。
まず、1点目のご質問に関してですけれども、これは、実は、この協議、スケジュール上は、こういうふうに二つ協議をするみたいな形に見えてしまっていたんですけれども、趣旨としては、どちらも同じ法律の第10条に基づいた協議で、各省の関係する部分をしっかり見ていただく、知見があれば入れていただくというものを、法律に基づいて正式に協議をする前に、これは、もう本当に事務手続上の問題で、ぎりぎりになって正式協議をかけて、そこでたくさん意見が出てきても、なかなか対応できませんので、事前に協議をしていくという意味で、二つに分けています。趣旨としては、同じ協議をしていく。時間がかかりますので、まず、事前に協議をさせていただいて、それが整った段階で、法律に基づいた正式な協議は、答申の後にすぐに、あんまり期間を取らずにやっていくというような整理をしております。
2点目のコメントに関しても、おっしゃるとおり、連鎖的・複合的影響について重要だということで、ご指摘のとおりかなと思っております。今回も、この連鎖的・複合的影響について、知見を充実させたいと思って、そういうキーワードで、いろいろ検索をしたりということもしてはいたんですが、こちらの課題のところにも少し書かせていただいたんですけれども、やはりまだまだそういったものの知見を集めることがなかなかできなかったというのが現状となっております。そういったことも、できれば研究も進んでいければ、知見も増えていくのかなと思っていまして、そういった視点は必要なんだということは、メッセージとしては、一応、お伝えさせていただいた上で、現状としては、すみません、あまり、しっかりと、今回、何か新しくそういうこの分野で例えば影響を評価するとか、そこまでは至らなかったなというところが現状となっております。
中北委員
分野を越えた適応の効果も含めてですよね。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
はい。
中北委員
今、影響評価の話をされましたよね。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
はい。そうですね。適応策の効果に関しても、先ほど中北委員からもご指摘ありましたとおり、そういった知見が現状としてはあまりなかったということですので、そういったところも、今後は、もう少し充実させていって、きちんと適応策の効果が連鎖的にも、何というんですか、一つの適応策がこちらの適応策にもなるよということもしっかりと訴えていけるような整理といったことも考えていければなと思います。
ありがとうございます。
勢一委員
ありがとうございました。
確かに、なかなか複合的な影響は難しいですけれども、これこそ、走りながらじゃないですが、民間の企業などが取り組んでいるような事例とか、あとは、自治体の現場で勉強会とかもしていただいて、そういうのを横展開していただくとかというので、ぜひ、せっかくいろいろ知見が集まっていますので、うまくこれを発信して使っていただけるとありがたいなと思いました。
あと、協議のほうも丁寧にご説明いただき、ありがとうございました。そういう手続を踏んでいるんだろうというのはもちろん理解をしているのですが、法的に協議をすることの意味は、内容の正確さの担保ということもあるのかもしれませんけれども、これを基礎に、次の適応計画を改定していくことになりますので、やはり、それぞれの関係行政機関がしっかり連携してというところも、その前段階の意味もあるのかなと。現代的な政策展開では必須と思われますので、ぜひ、しっかり関係行政機関を巻き込んでやっていただければと思います。
ありがとうございました。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、木村委員、お願いいたします。
木村委員
木村です。
私からは、地域気候変動適応センターと自治体の立場から、二つ、コメントをさせていただこうと思います。
一つ目なんですけれども、既に気候変動の影響が多方面で出始めている中で、緊急性を視点に入れて、リスク評価をいただいていることと、あと、詳細報告書のほうに、特に強い影響を受ける地域・対象を整理していただいているのは、自治体や関係者も自分事として捉えてもらうために有効であろうと思いました。欲を言えばなんですけれども、文字で書かれておりますので、自分たちに関係深い項目なのかどうかというのを読んで探さないといけないという状況で、探すのが大変なんです。なので、第4次影響評価報告書に向けて、地図上に影響を色分けして表示できるような研究成果が今後増えていくと、自分たちの地域にこのリスクの影響が大きいんだなというのがぱっと視覚的に分かりやすくなりますので、自治体や事業者の人が対策を検討する手助けになるのではないかと感じております。
もう一つなんですけれども、私ども、ひろしま気候変動適応センターの業務の中で、セミナーであったりとか、広報誌の発行などで、県民への情報提供や普及啓発を行っております。情報源といたしましては、今回のこの影響評価報告書のような国が発行した資料であったり、あと、A-PLAT、論文、ヒアリングをするなど、様々なものを使っております。広報にこういった評価報告書などを使うに当たって、文章ですとか図表を引用して使いやすい形で提供していただけると、使いやすくて大変助かりますので、こちらのほうはご検討いただければなと思います。
以上です。
肱岡委員長
貴重なコメント、ありがとうございます。
それでは、事務局からお願いします。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
ありがとうございます。
影響が文字で書かれているので、なかなか見にくいというご指摘、ありがとうございました。私たちも、なるべく視覚的に分かりやすいようにという工夫は、今回、ある程度はさせていただいたかなと思っておるんですけれども、まだまだできていない部分もあるのかなというふうには思っております。そういう、例えば、研究がたくさん増えるということもできれば増えていってほしいなという願いもありつつ、そういった研究をしっかりと地図上でこちらも分かりやすくプロットして、見やすくするようにということは、何とかやっていきたいなと思っておりますので、そういったことは、引き続き、何か分かりやすい見せ方ができないかというのは検討していきたいと思っております。ありがとうございます。
2点目の文章や図表の引用をしやすいようにということですので、そういったことは、どういう形で引用していただけることができるかというのは整理した上で、実際に公表するときに、引用する場合は、こういう言葉をつけて引用してくださいですとか、そういったことが分かるようにつけて説明した上で、公表させていただきたいなと思っております。ありがとうございます。
木村委員
ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
肱岡委員長
ありがとうございます。
では、渡部委員、お願いいたします。
渡部委員
ありがとうございます。
まず、最初に前回の報告書に比べて、エビデンスが格段に増えて、量も増したというのは、大変すばらしいと思います。努力に敬意を表します。特に、影響評価を2段階から3段階に細分化したことは、非常に有益だったと思います。
つい、やっぱり、こういう報告書というと、僕は、IPCCのレポートを思い浮かべてしまうんですけれども、全体のポイントの部分、特にこういうレポートが上に上がっていけば行くほど、レポートのポイントは何なんだみたいなことが聞かれるようになってくると思うんですけれども、現状のポイントって、どっちかというと、影響評価を振り返って、評価方法が改善されてきた、あるいは、評価の指標を変えてきたみたいな説明をニュートラルに述べられていますけれども、気候変動影響そのものが最初にレポートを出して10年たって、その間に、どれほど顕著になってきて、かつ、重大な影響がどれほど認められるようになってきたかみたいな、評価ではなくて、影響そのものに関する短いポイントみたいな記述が大前提としてあってもいいのかなというふうに思います。先ほどからずっと適応の効果とかというのが出てきていますけれども、そういうのも10年前はなかった論点ですよね。それがもう既にこれだけ影響が出たので、適応が始まっている。だから、それの効果を定量化しなきゃいけないという段階に今もう来ているんだというのは、やっぱりポイントの一つになるのではないかなというふうに思いました。
適応の定量化とか網羅的な効果の評価は次回ということで、それは結構だと思うんですけれども、一方で、先ほどご説明いただいた中で、資料の9ページですかね、小項目全体の9割で代表的な適応策に関する知見を整理できたというところが、ちょっと分からなかったんですが、総説のほうですね。総説の各セクターでは、現在の状況と将来予測される影響と重大性がまとめられているんですが、この中に、文言として適応策について記述されているという、なのかなと。どういうことなのか、確認をさせていただければと思います。
先ほど別の木村委員からコメントがありました、自治体から見たときにというのは、これは、多分、次の活用の話になってくると思いますので、大体、意見に近いんですけれども、改めてまたそのときにコメントさせていただきたいと思います。
以上です。
肱岡委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局、お願いいたします。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
ありがとうございます。
まず、1点目のご意見、非常にごもっともだなと思っておりまして、ただ、少し難しいなというふうに印象としては思っております。前回のところから今回がどれぐらい例えば影響が大きくなったかというのは、なかなか定量的にここまで重大性が上がったよというのが言いにくいなというところが正直なところでして、総説版の中には、第2次評価のときの重大性のレベルと今回でのレベルの表記を完全に小項目名とかが一致はしていないのですが、恐らく近しい項目ごとで比較できるように並べて表示をしておりますので、ここで、もともと重大性が低かった項目が、今回、例えば、紫になったというところを見ていただくと、少し深刻さが増したのかなということが分かるようにというのは、意識しながらまとめさせていただいたところです。ただ、ご指摘のように、なかなか、例えば、短いセンテンスで、こうなったよというのを端的に伝える言葉というのがなかなか難しいなというのが正直なところです。
2点目のところが、9割で適応策の知見を整理できたというところが、これが資料2-3でお配りしています詳細の中で記述ができたということだけを整理させていただいております。ここの詳細の中に、適応策という括弧書きで各小項目ごとにまとめた部分をつくってございます。そこに、この9割というのは、一つでもこういう適応策があるよという、存在だけでも知見として得られた場合は書いておりますので、多くの小項目でその紹介はできたということで、約9割の整理ができたというふうにさせていただいております。ただ、やはり、こういう効果があるよということまで書いてあるのが定性的なものを含めて5割、さらに、定量的な効果まで書いてあるものとなると、3割ぐらいまで減ってしまうというような状況となっております。
渡部委員
ごめんなさい。最後の点なんですが、定性的であっても、その文言は、総説のほうにはどの程度反映されているんでしょうか。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
適応策に関しての記述は、総説のほうには各小項目ごとにというのは取りまとめていないです。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、三島委員、お願いいたします。
三島委員
三井住友海上の三島です。ご説明ありがとうございました。
私は、報告書の構成ですとか内容に関しては、もう全く異論はございません。お疲れさまでした。
その上で、2点だけ教えていただきたいなということがありまして、この膨大な文献調査を皆様がなさったということから、その知見が皆様の中に蓄積されているということを期待して教えてほしいということ、そういう趣旨なんですけど、我々も、損害保険会社として、自然災害対策とかは非常に関心を持って進めているところで、そのアプローチの一つにやはりグリーンインフラに注目しているというところがあります。記載いただいたように、田んぼダムですとかため池、特に田んぼダムのリスク軽減効果というのが顕著だったというふうにまとめていらっしゃるので、やっぱり、これが一番効果があったんだというご結論なんだろうなとは思いつつ、もし、ほかにこのネイチャー・ベースド・ソリューションとか、グリーンインフラの観点で例示として挙がっているものがあったら、ぜひ、教えていただきたいなと、ここに示している文献を全部読めないなと思って、横着をしてお伺いしております。
それに関連して、一つだけというか、コメントをさせていただきたいのは、田んぼダムですとか、そうしたものに効果があるというのは、結構、地域でも認識されつつあるとは思うんですが、ここに、どうしても地域社会が抱える社会的な問題が背景にありますよね。急速な少子高齢化であったり、人口減少によって、農業の担い手がいないということから、耕作放棄地が増えている。そういうところから河川の氾濫リスクというのが非常に高まっているというところもありますので、こうしたものに効果があるというのは分かったけれども、どうにもできない地域も日本には多くあるというところは、ちょっと留意をしておく必要があるのかなと。これは、我々自身の課題意識として持っておきたいというふうに思った次第です。
あと、もう一点、教えていただきたいなと思ったのは、ほかの自然災害のリスクとのトレードオフって、どんなふうに評価されたのかなという点です。特に目についたのがピロティ建築というところなんですけど、ご承知のように、地震に対してはやっぱり脆弱性が指摘されているのかなというふうに思いますので、そうした、何ですかね、適応については効果を発揮するものの、一方で、ほかの自然災害に対しての脆弱性が上がってしまうというようなものが、もし、あったのかというか、そこはどのように整理をされて、まとめていかれたのかなというところを教えていただければと思います。
以上です。
肱岡委員長
ご質問、ありがとうございました。
それでは、事務局、お願いいたします。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
ありがとうございます。
すみません。非常にハードルの高いご質問をいただきまして、申し訳ございません。なかなか全て知見が頭に入っているわけではなくて、どこまで答えられるかというところではあるんですけれども、先ほど、ご紹介させていただいた、田んぼダムの知見に関しては、中北委員のほうがよくご存じだとは思うんですが、一般的には、田んぼダムとかため池の効果というものは、この論文の中でも、全国的にはあまり大きくなかったという整理がされています。ただ、場所によっては、田んぼダムが非常に効果が高かったという場所があったという、そういう論文になっておりまして、全国的には、恐らくピロティ建築の効果が大きかったんだという報告がされていました。ただ、地域によって、適応策も必ずこの適応策が全国一律で有効だということではなくて、やはり地域によって選ぶ適応策というのは差が出てくるんだろうなというふうに感じておりますので、そういった意味でも、地域に関する知見というのは充実をもっとしていくといいんではないかなというふうには感じているところです。
あと、2点目のトレードオフに関してなんですけれども、もちろん、そういうトレードオフに関する論文の中で、そういったものに言及されているものに関しては、なるべく記載をするようにというのはしておりますので、具体的にどれって思い出せないんですけれども、トレードオフに関係のあることには留意するような必要があるよというようなことは記載があったかなというふうには記憶しておりますので、そういったものも、いいことだけを書くのではなくて、そういったものをしっかりと、留意するべきことは留意すべきということで書くということは意識しながら、取りまとめさせていただきました。
以上で大丈夫でしょうか。
三島委員
承知しました。大変ありがとうございました。
中北委員
グリーンインフラで、1個だけいいですか。
三島委員
はい。
肱岡委員長
先生、お願いします。
中北委員
田んぼダムの治水への効果に関しては、基本的に、田んぼダムは、周囲、ある場所の周囲には利くという評価で、最下流の基準点とか、治水の基準点とかには大々的に利くわけではないと。ただ、田んぼ、地域をまた広く貯水池にするとか、もう買い取って深くというような田んぼの使い方も別途あるんですけど、それはグリーンインフラにはならないわけですよね。
それからあと、逆に治水で河川改修をするときに、あるいは遊水地をするときに、あるいは干潟を残すとか、治水の適応が逆にグリーンインフラをつくっていくという効果は出てくると。というので、ここでは論文としてはまだ出ていないんですけれども、実際、今、治水の基本方針の見直しを一緒に国交省とやっているんですけど、その中でグリーンインフラをより有効に、あるいはまた戻すというチャンスに気候変動適応、河川改修とかがなってきていると。あるいは、そのために水の流れはこれ以上出さないとか、逆にそういうグリーンインフラベースにして治水の河川の流量を決めるとか、それぐらいの意識の高まりの中で治水に関しては今進んでいます。
三島委員
貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。
羽井佐気候変動科学・適応室長
一点、補足させてください。実はお手元の資料の総説の141ページに今後の課題と展望をまとめた頁があります。141ページの中ほどに黒丸四つぐらいで第4次に向けて評価方法を検討していく必要があるとまとめている中に、先ほど地域社会側の高齢化の問題など、そういうことも想定しつつ、社会的・経済的要素の変化に伴う脆弱性とか曝露の変化を考慮した評価方法というのが今後ますます求められているという旨を書いております。現状はそのような状況です。
三島委員
よく分かりました。ありがとうございます。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、オンラインから、奥委員、お願いいたします。
奥委員
ありがとうございます。資料2-1のスライド13から18にかけて、気候変動影響の例を分野ごとに整理していただいておりまして、非常に分かりやすい情報かと思いますが、この中で「(将来)」というふうに入っている部分につきましては、将来生じると予測される影響にそのような記載をしていただいて、その記載がない影響というのは既に生じていると。さらに、将来的にその影響が大きくなるものだという説明がアスタリスクの一つ目に書いてあるんですが、これ、将来とついている項目を見てみますと、もう実際に現象として確認されているようなものも含まれているのではないかというような気もするものもありまして、私、必ずしもこの分野の専門ではないんですけれども、ただ、報道ベースで見聞きしている情報として、既に現象が確認されているようなものも「(将来)」というふうについているようなものもあるような気がしております。
加えて、この「(将来)」というふうにある場合に、それが非常に近い将来、もう差し迫った将来なのか、それとも二、三年後、もしくは5年、10年後、もしくはさらに長いスパンでという意味なのか。将来といっても非常に幅がありますので、どれぐらいのタイムスパンで予測される影響なのかというところについての情報というのは詳細版にあるのでしょうか。詳細版まで目を通せておりませんので、そこを確認させていただければと思います。
それから、1点、非常に細かい点で恐縮なんですけれども、資料1のスライドの2枚目のところで、既に出された意見に対しての対応が示されていますが、一つ目のご意見に対して、対応の三つ目のポチですね、先ほどご説明がありましたように、今後の課題のところは総説の中で、5のところで課題と展望として記載されているというふうにありますが、この総説のページが多分違うんじゃないでしょうか。138ページと書いてありますが、140ページの間違いではないかと思いますので、修正をお願いできればと思います。
以上です。
肱岡委員長
ご質問をどうもありがとうございました。
それでは、事務局、お願いいたします。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
奥委員、ありがとうございました。
すみません。最初に2点目の話ですけど、申し訳ございません、ページ数を更新するのは忘れていました。こちら、ページ数誤りでございます。申し訳ございません。
1点目の資料2-1の13ページから18ページ目の影響の例について、「(将来)」と書かれているけれども、これは実際に今現状で起きているものではないかというご指摘です。こちら、非常に事務局でもここの表の表現は迷っていまして、今回の影響評価報告書の記載の中で、実際に現状のところにこういう影響が出てきますと書かれている場合は今何も書いていないという状況で、書かれていなかった場合に今回「(将来)」というのを記載させていただきました。ただ、もちろん分野のご専門の方とか、いやいや、現状としてそういう影響ってある程度あるよという認識等もあると思いますので、現状の整理としては、この影響評価報告書の中で、現在の状況というところで、そういう知見が明示的に示されていないものという整理をさせていただいておるんですけれども、ちょっと分かりにくいというご指摘もありましたので、その辺り、どう表していいかというのは少し検討したいなというふうに思っております。
あと、「(将来)」と書いていて、どれぐらいの将来になるのかというのは、詳細版を見ていただきますと、将来予測に関して今回の報告書を取りまとめる際に、前提となる気候のシナリオですとか社会経済シナリオですとか、その影響が何年代ぐらいに起こるのか、起こると予測されているのかというものも、可能な限り分かるように記載をするというふうに意識してまとめておりますので、詳細版を見ていただきますと、どれぐらいの将来にどういう影響があるのかということは分かるようになっております。
以上となります。
肱岡委員長
ありがとうございました。
奥委員
分かりました。ありがとうございます。
肱岡委員長
ありがとうございます。
それでは、またオンラインから、今田委員、お願いいたします。
今田委員
東京大学の今田です。
まずは、非常に充実した報告書を仕上げていただき、ありがとうございます。膨大な情報の調査と整理で大変苦労されたと思いますので、ご尽力に感謝申し上げます。
私からはコメント1点なんですが、ここ最近、非常に想定外の極端豪雨というのが出始めているのは皆さんもご存じのことと思います。これまでの科学的知見というのは必ずしもそういうものは捉えられていない可能性もあると思いますので、ゆっくりと進行する温暖化の下だけで議論されているものを多々あると思います。ですので、近年発生しているような本当に単発の未曽有の想定していなかったような豪雨というのが起こったときに、どういう影響が出るかとか、どう対応していくかというところを、次の報告書になるとは思うんですが、今、現在進行形で起こっていることを参考にしつつ、そういったものにも対応していくことが今後は必要かなというふうに思いました。
以上になります。
肱岡委員長
貴重なコメントをどうもありがとうございました。
それでは、オンラインから、三村委員、お願いいたします。
三村委員
どうもありがとうございます。今日の報告書に対して、ちょっと多いですが、四つほどコメントをさせていただきたいと思います。
最初は、ほかの方も言われていましたが、12ページにあるような影響評価の一覧が黄色とかオレンジとか紫で分け書かれて、各分野ごとに温暖化の進展とともにこんなふうに影響が起きてくるんだというのが視覚的に捉えられるようになった。これはこれまでよりも非常に進展した部分だと思います。そういう意味では、いろいろ実際の自治体の行政にも使っていただけるようなベースになったんじゃないかなというふうに思います。たくさんの方の努力の成果ということです。
2番目は、自治体のニーズで、特に強い影響を受ける地域だとか、あるいは適応策の効果を今後もっと調べなきゃいけないという話なんです。これがどうやったらできるかという話なんですけど、今回2,191件もの文献を調べて、それでマッピングして作っても、まだ足りなかったというわけです。例えば特に強い影響を受ける地域を抽出しようとすると、全国が共通のシナリオ、共通の気候変動の条件の下でどういうふうに変わるかということを俯瞰的に評価するような研究が必要だと思います。S-18ではそういうこともやらせていただいて、90項目ぐらいの成果を出したんですけれども、個別の研究者の興味は必ずしもそういうところにばっかりあるわけじゃなくて、もっと地域的な問題とか個別の分野にフォーカスした研究が多いと思うんですね。したがって、そういうものに応えようとすると、全国をカバーして共通のフレームで研究をするという枠組みを、環境省の主導の下で今後も継続する必要があるんじゃないか。そういうことを推進するというか、エンカレッジするような仕組みを考えていただく必要があるかなというふうに思います。
3番目は、S-18に関係して、田んぼダムとピロティの話なんですけど、この洪水対策の効果がどれぐらいあるかというのは、東北大学のチームが出した成果なんですけども、田んぼダムの効果は全国的に言うと7%ぐらい洪水の影響を引き下げると。一方、ピロティは68%ぐらい引き下げるということなんですけれども、田んぼダムに関しては、事務局とか中北先生が答えていただいたとおりで、全国一律に大きな成果があるわけではないと。ピロティのほうは、全国の想定される浸水域の中の建物を全部ピロティ建設にするというのは非常に非現実的です。ですから、ご意見があったように、他の地震などの災害に対しては建物を弱くするみたいな効果もあるので、これをどういうふうに使うか、それぞれの地域でどのような形で導入すれば有効になるかということは、やっぱりそれぞれの地域の特性に合わせて考える必要がある。ですから、全国評価をしてこういう値が出たというのはいいんですけれども、それを具体化するときには充分考えることが必要だというふうに思います。
最後、4番目ですけども、適応策を考えるときに、地域の将来像、ビジョンとの関係をしっかり考えることが必要なんじゃないかなと考えています。ややもすると、個別の影響に対して、こういう影響が出たからこういう対策を取ろうというふうに対応を考えるわけですけれども、もっと地域の全体の安全性をどう高めるかとか、先ほど来出ている社会的な課題の解決と併せてどういうふうな将来像を描くか。そういうのはシステミックアダプテーションと呼ばれているんですけれども、そういう変革的で総合的な適応策を考えると。地域の将来像の中に気候変動対策を位置づける。そういうことが必要だと思います。そうすると、グリーンインフラも含めた都市計画とか、あるいは地域の活性化、あるいは高齢化や人口減少への対策、そういうものと気候変動対策とを融合的に取り組む必要が出てきます。そういう方向に今後議論を進めていただくのがいいんじゃないかと思います。
これは、最後の点は、ちょっと影響評価報告書の枠組みを超えた話になるかもしれませんけども、そういうふうにすることが適応策が社会に本当に活かされる道なんじゃないかなというふうに思います。
以上です。
肱岡委員長
貴重なコメントをどうもありがとうございました。
もし事務局から何かコメントがあれば、短くお願いします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
いずれのコメントもそのとおりだなという感覚で受け止めております。また、最後の点につきましても、2番目の研究のフレームワークにつきまして、この影響評価という枠を超えて、適応計画の中での論点の一つにもなってくるのかなというふうに思ってお聞きをしておりました。どうもありがとうございました。
肱岡委員長
それでは、オンラインから、高根沢委員、お願いいたします。
高根沢委員
ありがとうございます。私、那須塩原市が、本市が酪農が盛んであるため、酪農の視点から質問をさせていただきたいと思います。
資料の8ページのほうに、泌乳牛について、多くの地域において既に適温を超えているとされております。酪農を基幹産業としているような自治体にとっては、泌乳牛の生産性の低下については地域性経済に直結する特に重大な影響として認識をされるものでございます。これは、自治体というだけではなくて、酪農家個別の経営にも大きな影響となります。
今申し上げた酪農家についても差がありまして、実態を申し上げてしまうと、やっぱり大規模なメガファームであったりとか先進的な取組をしているような方は、こういう適応策とかというのにも進みやすいというものはあるんですけれども、小規模な酪農家、もしくは事業主が高齢者や後継者がいないなどの場合ですと、将来的な課題に設備投資は難しい、至れないということが多くて、そういった場合、やはり、だったら廃業しようかなというような、そういったものの検討、選択をしてしまうというのが実情となっております。
また、市役所の庁内でも、畜産担当部署などで情報共有とか適応策の提示などを行ったとしても、現状の事業を推進することがまず優先となってしまいまして、リソースの不足というのもあるんですけれども、実行に至るまで労力を要しているところでございます。
そこで、気候変動の影響を受ける地域、対象など、あとはその他のその適応策と効果についてこのようにまとめられているかと思うんですけれども、これについて各省庁間で今後どのように反映されるのか。私、市役所の庁内の連携のアプローチのための参考になればいいなと思いますので、お聞かせ願いたいと思います。お願いいたします。
肱岡委員長
ご質問ありがとうございます。
それでは、事務局、お願いいたします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
ありがとうございます。具体の適応策を取っていく際、例えば酪農で言えば農林水産業のセクターの具体の適応策の支援については、またそれぞれの関係省庁で様々な施策について、今後推進していくということだと思います。この影響評価を踏まえた次のステップとしては、関係省庁とまた密に連絡、相談をしながら、次期適応計画の検討を進めていくという段に入っていきます。それに際しては、今、環境大臣をトップとする関係省庁の適応に関する推進会議という場がありますので、そういった場も活用しながら関係機関との調整を進めていくつもりでおります。
そういった中央省庁での連携が、各地方や自治体の皆様にとっても、分野間で横断的な施策を進めやすいようなバックグラウンドになっていけばいいなというふうに思って考えております。コメント、大変ありがとうございました。
高根沢委員
具体的な例で申し上げまして、申し訳ありません。ありがとうございました。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、オンラインから、稲田委員、お願いいたします。
稲田委員
聞こえますでしょうか。
肱岡委員長
はい、聞こえております。
稲田委員
国際協力機構の稲田でございます。本日は充実した報告書等をどうもありがとうございます。私どもは東南アジア等の新興国、途上国に日本の優れた知見とか技術を提供、協力していく機関でございまして、その観点からのコメントを二つさせていただきます。
一つ目が、先ほど来ご指摘が相次いでおります資料2-1の12ページ目、影響評価結果の一覧、非常に分かりやすくて勉強になるなと思いつつ、実務の立場から言いますと、非常にずぼらなんですが、適応策とか効果のほうもこういった感じで、表、あるいはメニューみたいなものをご提供いただくと非常に参考になるなと思いましたのが、コメントの一つでございます。
もう一つ、今回非常に膨大な研究をされたということで、勉強にはなるんですが、私どもが協力しております東南アジアですとか途上国のことを考えると、これを全部実施、協力するのはなかなか難しいかなと思いますので、何といいますか、段階的に、コアな影響評価、適応策の検討を、初期段階としてはこういうものがあって、徐々に先方の体制が整備されてきたらこっちもやっていくみたいな感じで海外展開できるといいかなというふうに考えました。
以上が2点目のコメントになります。ありがとうございます。
肱岡委員長
貴重なコメント、どうもありがとうございました。
それでは、あと、委員の先生方、何か追加の質問、コメントはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、次の議題に移らせていただきます。次の議題は第3次気候変動影響報告書の活用についてです。
それでは、事務局より説明をお願いいたします。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
それでは、資料3の説明をさせていただきたいと思います。第3次気候変動影響評価報告書の活用についてということで、説明させていただきます。
次のページをお願いします。1ページ目、報告書の活用の具体的なご説明の前に、その前提として、気候変動適応に関する情報発信の全体像、これについて簡単に最初説明させていただければなと思っております。
次のページをお願いします。2ページ目でございます。こちら、科学ベースの情報の流れの概念図をお示ししています。一番上の研究成果等が、すぐその下の気候変動影響評価報告書、こちらに取りまとめられまして、すぐ下の気候変動適応情報プラットフォーム、こういったプラットフォーム等を通じて、少し濃い色の緑色で書いております情報の受け手のほうに流れていきまして、最終的には一番下、国民の皆様に届くというようなことを模式的に表しております。これまでも、オレンジの点線で囲っております、左から、1.2と書かせていただいていますが、各省庁の取組ですとか、地方公共団体等への働きかけ等は実施しておりましたので、それについて、この後に少し簡単に説明をさせていただきます。
左下のほうに水色の点線で囲っています。ここが、今回最後に説明させていただきます国から国民の皆様への直接的な情報発信、これについて、前回、前々回と、この小委員会でもそこをしっかりと検討していくべきというご指摘を受けていましたので、そこを効率的、効果的に行うために基本的な考え方を今回整理させていただきましたので、その説明をさせていただければなと思っております。
次のページをお願いします。3ページ目です。まずは現在の取組を紹介させていただきます。各省庁の取組としましても、環境省において様々な手引き等でこの報告書の知見等が活用されておりまして、右側の他省庁では、例えば農林水産省のほうで、独自に策定している気候変動適応計画等の中で気候変動に関する知見というものが活用されております。
次のページをお願いします。4ページ目は地方公共団体等への働きかけについてです。左側に地域気候変動適応計画策定マニュアルといったものを整備させていただいたり、右にあります広域協議会、こういった活動の支援を通じて地域での適応というものを促進しております。
次のページをお願いします。5ページ目は民間企業への働きかけについてです。左側に書いています気候変動適応ガイドですとか、企業が気候変動リスクを分析するために必要な情報を整理したサイトといったものを整備しております。また、右側にありますように、産官学連携ネットワークといったネットワークを活用して情報交換等も実施して、企業の適応というものを促進しております。
次のページをお願いします。ここからは実際の報告書の活用についての説明をさせていただきます。
次のページをお願いします。7ページ目です。まず周知に関する簡単なスケジュールですけれども、2月中旬から下旬頃に報告書の公表をした後に、緑色の四角で記載しておりますが、自治体への周知ですとか、各種ホームページ、SNS等の周知を開始しまして、来年度以降になってしまうと思うんですけれども、いろいろなセミナーや勉強会等も実施する予定としています。この色がついたところを次のページで少し細かく説明しています。
次のページをお願いします。8ページ目です。こちらに実際に影響評価報告書を掲載するとか発信をしていく予定のホームページですとかSNS等を具体的に挙げさせていただいております。また、右上に、自治体の周知ということで、様々な機会を通じて情報共有をしていきたいというふうに思っております。右下は、来年度以降を想定していますが、少しターゲットを絞ったようなセミナー等も検討できればというふうに考えております。
次のページをお願いします。こちらは報告書の今後具体的にどういう活動、活用が予定されているかというものを紹介しております。例えば左側の地方公共団体におきましては、地域の適応計画の改定時等で活用予定というふうに説明会等でもお聞きしております。また、民間企業におけるリスク分析等においての活用ですとか、各省庁の報告書や関連施策等への活用も想定されております。
次のページをお願いします。ここからが、最後に、国民とのコミュニケーションに関して基本的な考え方というものをまとめさせていただいたので、紹介をしたいと思います。
次のページをお願いします。今後、国民とコミュニケーションをしていく中で意識していくべき観点ということで、右下の緑色の四角の中で観点を四つ整理させていただいております。一つ目が、シナジーという言葉で整理していますが、適応だけに絞って情報発信しても、なかなか伝わりにくいという現状がありますので、緩和ですとか防災、または健康などとしっかりつなげて発信していくというような観点。二つ目が、日常との接点ということで、日常生活の中で自然な形で目に触れるような、そういう情報発信を意識していくという観点。三つ目が、コミュニケーターとの連携ということで、国が硬めの発信をするんではなくて、国と国民との間に入っていただけるようなコミュニケーターの方と連携して働きかけていくという観点。四つ目が、情報の受け取り手の中でそれぞれそれが共有されるような、対話を促すような、そういう情報発信を意識していくという観点となっております。
これら四つの観点を踏まえまして、具体的にどういうことを取り組んでいくかというのを次のページで整理しております。次のページ、お願いします。12ページですが、具体的な取組としては大きく三つに整理をさせていただいております。
一番上のイベント・セミナー、具体的なセミナー名等も書いておりますが、今後様々なセミナー等を予定されております。その際に先ほどの四つの観点をしっかり意識して、工夫をしながら情報発信等をしていきたいというふうに考えております。
真ん中のコミュニケーターとの連携につきましては、例えば前回の小委員会等でもご示唆いただきました、気象予報士さんですとか気象キャスターの方々、そういった方々との連携ですとか、また学校の先生などとも連携して、より分かりやすく、幅広い層に対して効果的にコミュニケーションというものを図っていければなというふうに思っております。
一番下の地域社会及び日常生活における情報発信につきましては、もともと地域適応センターですとか地方公共団体が地域での活動を実施しておりますので、そういった活動を支援して、例えば対話型セッション等を実施することとか、あとはSNS等をしっかり活用して、身近な事例というものを分かりやすく発信していくなどを行っていきたいと考えております。
資料3についての説明は以上です。
肱岡委員長
ご説明ありがとうございました。
本日欠席の委員より事前にご意見を頂戴しておりますので、事務局より紹介をお願いいたします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
ありがとうございます。江守委員と沖委員からご意見をいただいております。
江守委員からは次のとおりいただいています。
コミュニケーターとの連携に関係する場、メディアをもっと明示的に出して、不特定多数に向けて発信していく機会を積極的に求めていったほうがよいのではないか。高年齢層にはテレビ、若年層にはYouTubeなど、それぞれに効果的な媒体を通じ、タイムリーに話題を発信し、幅広い層に届けることに意味がある。これまでの活動経験からも、メディアにはポテンシャルを感じており、その方向にフォーカスを向けていくことが重要。
それと、シナジーに関連して、適応だけでは限界があるので、気候変動影響を認識した機会に緩和にも目を向けてほしいというのを、一貫性のあるメッセージとして常に盛り込むくらいでよいのではないか。これまで国民は緩和が必要とのメッセージを受け取ってきたが、適応という話題が出てくることで認識が混乱するおそれがある。つまり、影響が増えても対応すればよい、あるいは温暖化はもう止まらないので適応するしかないという認識にならないよう、両者の関係を適切に伝え、納得感を持ってもらえるようにすべき。
続いて、沖委員から、教育の役割は重要、学校の先生などが授業等でそのまま使えるパワーポイントの資料などがあるといいとのコメントをいただいております。
以上、ご紹介でした。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明に対するご質問、ご意見をお願いいたします。
まず渡部委員、お願いいたします。
渡部委員
二つありまして、最初はちょっと今の江守委員の意見に絡むんですが、不特定多数向け、あるいは最初の議題で、地方自治体からの要望で、都道府県レベルでまとめたものが欲しいみたいなことなんですけれども、例えば環境省が全部やろうとするのはちょっと難しい気がしていて、映像コンテンツなんて非常に有力ですけれども、それを環境省側で作るのは大変なので、もうちょっとそこを、地方自治体だったり地方の気候変動適応センターとかが地域のメディアに呼びかけるなり、協力を促して、メディアは映像コンテンツを作るのは得意ですから、そういうのを作って、この影響評価報告書の知見をベースに、ちゃんとした映像コンテンツを作ってもらえないかとか、そういう、ある種何かうまい具合に、アウトソーシングするみたいなイメージですけど、そういうことができるとコミュニケーションのツールとして非常に役立つかなと思ったのが1点目ですね。
それから、もう一つなんですけれども、一つ前の議題の最後の19ページにちょろっと書いてあるAI、デジタル技術の活用というところですが、以前からこういう話は出ていたと思うんですが、やっぱりこれだけ詳細版が分厚くなってしまうと、ドキュメントを本来読めるステークホルダーであっても、これを読むのはしんどいと。これを分かりやすく翻訳してくれるチャットボットみたいなものがあるといいなという意見は多いと思うんですね。
これはもしかしたら肱岡さんに伺うことかもしれないんですが、推進費の研究、社会実装プログラムみたいなところで、そういったチャットボットを作りましょうとか、もしそういう何か計画があるんでしたら、ぜひ何かこの報告書が生き生きしている間に進めていただけるといいなというふうに思いました。
以上です。
肱岡委員長
ありがとうございました。私にいただいたほうは、まだそういう計画はないんですが、国立環境研究所ではそういう情報基盤を整備しようと、中にAIも組み込んでおりますので、ぜひ今いただいたアイデアを生かせるように頑張りたいと思っております。
じゃあ、次、お願いします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
前段に関係して、今回まとめた資料3の影響評価報告書の活用から、国民とのコミュニケーションをどう図っていくかという資料のつくりとしては、基本的には適応室ができる範囲の中身で書いているということになっています。実は普及啓発の取組とかは、気候変動適応センターが地域気候変動適応センターとのネットワークを持っていて、そこでやっていることとか、それから地方環境事務所の気候変動適応の専門官が広域協議会というものを回しながらやっている情報発信の取組とかもあります。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、中北委員、お願いいたします。
中北委員
ありがとうございます。11ページのところでシナジーのところを取り上げていただいているんですけど、この委員会でも僕自身もずっと言ってきたんですが、緩和と適応の、ここで言うシナジーですね、ペアとして大事な。それを最初にすごく思ったのが、緩和のシンポジウムに適応で出させてもらったときに、僕は適応関連、治水の話をした後に、企業でずっと緩和を積極的にやられている方が、あ、緩和が終わってもこれがあるんですねと言うたんですよ。だから、ありますよみたいな感じで、そのときにやっぱり両軸を、まあ研究としては両方できていなくても、バックとしての意識、このシナジーという言葉がいいんですけど、認識として、緩和というのは、あとこういうものにつながっている。あるいは緩和し切れなかったらこういうものになる。適応が必要になるとか、そういうつながりを常に両側が意識していないといけないと。そういうのをもっと構築していっていただければと。
適応側から言えば、適応をここまでしないで済むには、何度の上昇で止めているという緩和ができていればいいと。大きな意味ではそれも適応だという考え方もできるわけで、適応の側面からはそういう認識を持っていただくことによって、技術はまた別ですけれども、両者に、考え方として、区別がない世界を日本が率先してやっぱりどんどんつくっていただきたいと。
国交省も含めてそういう話もするんですけど、なかなか治水の計画論には乗らないよとか。要するに施策にまた、何というの、施策として実現していくには、また何かいろんなそちらの意味での物の考え方とかは必要だとは思いますけれども、まずは一般の人のシナジーがそうあるべきで、今まで緩和を率先して進めてこられた活動の皆さんが、もう適応が一体だというような感じで、適応に関してもそういう活動に入ってきていただくと大きな動きにはもっとなると思いますので、そこらは環境省の役割になるかなと。
あとはそれぞれの適応が、法的な部分もうまくモディファイしながら、あるいは計画論、いろんなリアルタイムの対応とかいろいろあるかもしれませんけど、そこらが緩和と適応が一体化したような感じのもの、最適解みたいなのを、より皆が求めるのが常識だというような形にしていただければと。
ちょっと長くなってすみませんね。流域治水という治水の適応として、電力のダムとか利水のダム、一応ちゃんと活用して、全体的で適応すると話したんですけど、電力のほうに関しては、より水力発電を有効に使うことによって緩和に貢献しようというのもスローガンとして入っているんですけど、まだそこらが、今、自分たちがやっている治水適応と必ずしも結びついていなかったり、技術的というより感覚、ここのシナジー的なもので結びついていなかったら、それはそれでもったいないことだと。別に国交省を非難しているわけじゃないんですけど、より皆がそういうふうなまとまり、心の中も含めて、まとまりになるというのが僕も理想の姿とずっと思っていますので、今、江守委員の元の最初のご意見、全く賛同ということで、より私の思いをちょっと今伝えさせていただきました。一般の皆さん含めて、環境省、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
肱岡委員長
非常に貴重なご意見をどうもありがとうございました。
それでは、勢一委員、お願いします。
勢一委員
ご説明ありがとうございました。勢一です。
適応室にしっかりコミュニケーションということで取組をしていただくというのは、非常にいいことだと思いますし、重要だと思います。それはそうなのですけれども、やはり先ほどもご意見が出ましたけれども、適応室だけが頑張るのではとても無理でしょうというので、各省庁のチャネルも幅広く使っていただくという、むしろ適応室がマネジメントをして、そういうのをしっかりコミュニケーションの仕組みとしてつくっていただくというのが大事かなと思います。
実際、法の下で協議をして、現状と課題は共有していただいているのですから、だから、例えば学校教育で文科省に発信していただくとか、今、流域治水が出ましたけれども、水辺の浸水の活動みたいなのはいっぱいやっておられるようなので、そういうところにここに関わっていただくとかというのはもちろんできるのかなと思います。
また、気候変動適応は地域密着のものになりますので、実は多くの自治体では緩和と適応の地域計画を一体的に策定している例があります。本来はその二つ、シナジーが必要だと今ご指摘もありました。ですので、そういう観点で自治体のほうにも取り組んでいただく。環境省でも、ぜひ本省のほうでも、温対法と適応法の連携シナジーを検討していただくというのが大事かなと思います。再エネの設置の適地を設定するときには、両方がウィン・ウィンになるようにということです。釧路湿原みたいなことにならないような仕組みというのも非常に大事かなと思っています。
あとは、先ほど室長さんからコメントがありましたけれども、コミュニケーターとかの連携は大事ですが、せっかく今ある適応のセンターが、全国に地域センターもありますので、ぜひ国環研をトップにして、そのネットワークもしっかり使っていただくというのが大事かなと思いました。
以上です。
肱岡委員長
貴重なコメントをどうもありがとうございました。
それでは、木村委員、お願いいたします。
木村委員
そうしましたら、私のほうからは、地域の気候変動適応センターの立場からちょっとコメントをさせていただこうと思います。
資料3のスライド2の中央、少し下辺りに書かれているんですけども、地方公共団体の適応センターもパンフレットであったりイベント等をやっているぞというところになるんですけれども、私どものところでも様々な普及啓発であったりとか広報を実施しております。
例えば当センターにつきましては、毎年セミナーを実施しておりまして、そのときに、必要な人にいかに情報を届けるかということが結構難しいなということを感じておりまして、努力をしているところになります。そう言いますのが、人や事業者はそれぞれ必要な情報であったり興味のある情報というのが異なっておりまして、例えばセミナーをするのであれば、ターゲットをしっかり絞って、ターゲット層に確実にセミナーの開催の情報を届けることというのが、情報を必要としている参加者に集まってもらって、効果的に普及啓発であったり情報提供をするために重要と感じているところです。
先ほど、ほかの委員の方からご意見をいただいたことにも関連するんですけども、それで、こういうセミナーを開催したりとか、あと広報誌を作るに当たっては、うちの場合でしたら広島県の情報を中心に扱ってということで実施しておりまして、そのための専用の映像化というのはやっていないんですけれども、セミナーの内容をYouTubeで後日発信というのを、講師の方の許可が得られれば実施しておりまして、そういった形で別に、今やっている業務に新しく乗せるのではなくて、ちょっと改良して何かそういった取組ができる部分があるんであれば、大変有用なのではないかと思いました。
今回、環境省のほうでも、普及啓発をされるに当たり、ターゲットを絞って普及啓発されるということでしたので、これは大変重要なことだと思っております。先ほど申し上げましたように、私たち、普及啓発とか情報共有にかなり力を入れておりますので、環境省と連携しながら進めていけたらいいなと思っておりますので、今後もよろしくお願いいたします。
私のほうからは以上です。
肱岡委員長
ありがとうございます。
何かコメント等はございますでしょうか。
羽井佐気候変動科学・適応室長
いずれのコメントもそのとおりだと思ってお聞きしています。今回、資料等、実は作るのにすごく苦労して、適応とか影響評価、科学の情報とか、何かすごく複雑な情報の流れがあって、一部だけ説明すると、どうしても説明不足になってしまうという状況がありました。国環研適応センターと地域適応センターネットワークでされている普及啓発とか、もっと紹介すべきものがたくさんあります。
各省のチャネルも借りるということに関しては、実は8ページに、今後、気象庁や農林水産省に協力していただいて、影響評価報告書そのものについて発信していくといったような記述が出ています。こういうところをもう少し深いレベルで連携していくことにつながげるべきとのご指摘として、ご意見をお聞きしておりました。どうもありがとうございます。
肱岡委員長
ありがとうございます。
それでは、オンラインより、栗栖委員、お願いいたします。
栗栖委員
東京大学の栗栖です。
特に自治体への情報発信に関してなんですけれども、各自治体では、例えばA-PLATで情報があることすらご存じないといった自治体もあって、また、環境部局や適応センターでは知っていても、例えばそれ以外に気候変動の影響を受けるような観光部局など、ほかの部局は知らない、もしくは担当者が替わってしまうとそういう情報が引き継がれないといったようなことが多くあるかと思うんですけれども、今回のこの自治体に向けた情報提供に関して、報告書の内容の情報発信だけではなくて、例えば将来の影響予測であったりとか、適応の具体的な事例などの情報がどこにあるのかということを、例えば端的に示す1枚くらいのポスターを作って、各自治体に配って貼ってもらうといいんではないかなと。そういうことができるかどうかは分からないんですけれども、そうすると、そういう情報があるんだということを、自治体内でそこを目にすることで、各担当者が分かるといったようなことにつながるのかなとちょっと思いました。
私からは以上です。
肱岡委員長
すばらしいアイデアをどうもありがとうございます。
羽井佐気候変動科学・適応室長
ありがとうございます。この資料を作った経験からすると、すごく難しそうな作業になるのですが、ちょっと考えていきたいと思います。
栗栖委員
ありがとうございます。
肱岡委員長
それでは、オンラインより、稲田委員、お願いいたします。
稲田委員
ありがとうございます。資料3の1.4の民間企業への働きかけの件で2点コメントがございまして、一つが金融機関、銀行への働きかけをもう少し強化してはどうかなというふうに考えたというのが一つ目で、緩和策で言いますと、銀行さんが2050年とかにネットゼロの目標を掲げて、当座5年ぐらいで移行計画をしますと。それに伴って、融資先の企業さんにより排出量の少ない技術とか事業モデルの推進を働きかけるという構造があると思うので、適応でもそのような形の仕組みがつくれると、よりマクロ的に適応策の推進になるのかなと。そうなると、恐らく金融庁さんとかとの連携が必要になると思いますが、そういう仕組みもあるといいなと考えましたというのがコメントの一つです。
それから二つ目ですが、これは企業さんに限らないんですが、特に我々が活動している地域ですと、適応策が必要なのでやってくださいと言うと、コストがかかるのでということで、結構敬遠されるケースもありまして、影響評価から適応策の効果に議論を移した瞬間に、やっぱりコストとベネフィットのところをきちんと出して説明していかないといけないという実務上の課題がありまして、この辺も、次の報告書でなのかもしれませんが、報告書の中で提示をいただけるといいのかなと思いました。
以上、コメント2件です。
肱岡委員長
貴重なコメント、どうもありがとうございました。
それでは、事務局、何かあれば、お願いします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
稲田委員、ありがとうございました。資料3の5ページ目の1.4、民間企業への働きかけというページの中に、先ほどおっしゃった金融庁との連携に関して一部取組のご紹介をしております。気候変動リスク産官学連携ネットワークというプラットフォームをつくっていまして、一番下に書いてあるとおりの金融庁を含む関係機関の連携で、企業向けに、リスク回避のために必要な情報というものを情報交換するような場を設けていやっています。こういう場がどんどん発展していくべきという応援コメントをいただいたものと受け止めております。
最後の、コスト・ベネフィットの話になるというのは、本当にその問題意識を持っておりまして、研究の推進というものも含めて、本当に適応策の効果というのをどう示していけるかというのが、今後のあらゆる施策、研究面でも行政面でもポイントになってくるという認識をしております。ありがとうございました。
肱岡委員長
ありがとうございます。
その他、ご質問、ご意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
本日ご議論いただいた報告書(案)につきましては、パブリックコメントに付す前に、最終的な確認を、私、委員長にご一任いただければと思いますけれども、ご異議ございませんでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、最後の議題に移らせていただきます。次の議題はその他となっております。
事務局より何かございますでしょうか。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
特にございません。
肱岡委員長
それでは、最後に、全体を通してご意見、ご発言のある方がいらっしゃれば、よろしくお願いいたします。これまでにご発言のなかった委員の先生方、もしよろしければここでご発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、委員の先生方、どうも今日はありがとうございました。
それでは、以上で、本日、議事を終了したいと思います。
事務局にお返しいたします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
肱岡委員長、ありがとうございました。
また、本日は、皆様におかれましては、活発なご議論をいただきまして、ありがとうございました。
内容を踏まえまして、第3次気候変動影響評価報告書(案)については、委員長にご相談の上で、速やかにパブリックコメントを実施してまいりたいと思います。引き続き第3次気候変動影響評価報告書の公表に向けて作業を進めてまいります。
最後に、ご紹介です。お手元にお配りしている資料の総説の実は150ページから、今回の小委員会、それから分野別ワーキンググループでお世話になった学識者、有識者の方々の一覧表がついております。本当に大変多くの有識者の皆様方に多大なご貢献をしていただきながら作業を進めてまいりました。この場をお借りしまして改めて御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
以下、事務的なご連絡ですが、本日の議事録につきましては、事務局にて取りまとめ、先生方にご確認いただいた上で、環境省ホームページにて公開させていただく予定です。
次回の小委員会は1月20日の10時から開催を予定しております。詳細につきましては、また改めて委員の皆様にご連絡をさせていただきます。
以上で本日の小委員会を終了いたします。今日は本当にありがとうございました。
定刻を回りましたので、ただいまより第6回中央環境審議会地球環境部会気候変動影響評価・適応小委員会を開催いたします。
進行役を務めます、環境省気候変動科学・適応室長の羽井佐と申します。どうぞ、よろしくお願いします。
今日は、職員が入り口にお花を準備してくれています。少しでも爽やかな気持ちで議事が進むことを願っております。
本日の会議は、現在委員総数の過半数以上の委員にご出席いただいており、定足数に達しておりますことを、ご報告いたします。本日の小委員会、対面、オンラインのハイブリッド形式での開催となります。
また、この会議は環境省の公式YouTubeチャンネルより、ライブ配信を行っております。資料及び議事録については、ホームページにて公開とさせていただきます。
WEB参加の委員の皆様、何かご不明な点がございましたら、事務局まで、画面の上にあるチャット欄か、事前にお伝えした電話番号までお電話にてお知らせください。
初めに、3名の委員にご就任をいただきましたので、ご紹介させていただきます。名簿に沿って、ご紹介いたします。
初めに、今日はオンラインでご参加いただいています、独立行政法人国際協力機構サステナビリティ推進担当特命審議役の稲田恭輔委員にご就任いただいております。
稲田委員、一言ご挨拶をいただければ幸いです。
稲田委員
初回からオンライン参加で失礼いたします。JICAでサステナビリティを担当しております稲田と申します。よろしくお願いいたします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
ありがとうございます。
続きまして、広島県立総合技術研究所保健環境センター環境研究部担当部長の木村淳子委員にご就任いただいております。
木村様、一言お願いします。
木村委員
広島県立総合技術研究所保健環境センターの木村と申します。
今回からの参加になります。よろしくお願いいたします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
よろしくお願いします。
続きまして、那須塩原市環境戦略部カーボンニュートラル課課長補佐兼気候変動対策係長の高根沢めぐみ委員にご就任いただいております。
よろしくお願いします。
高根沢委員
皆様、こんにちは。那須塩原市環境戦略部カーボンニュートラル課の高根沢めぐみと申します。
初の参加となりますが、オンラインで申し訳ございません。一自治体としての意見をこちらの会議で申し上げられたらなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
ありがとうございます。
新たにご就任いただいた委員の皆様方におかれましては、どうぞよろしくお願いします。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。画面上には、配付資料一覧を表示しております。それに沿って、ご連絡をいたします。
資料は、資料1、2-1、2-2、2-3と3がございます。2-2と2-3に資料番号が振られていないのですが、対面出席の委員の皆様は、お手元の大きな資料、影響評価報告書の総説が資料の2-2、それから、詳細版が2-3ということになります。どうぞよろしくお願いします。WEB参加の皆様におかれましては、資料はホームページのリンクを事前にお送りしておりますので、そちらをお手元にご準備いただきまして、ご確認いただけますよう、よろしくお願いします。
続きまして、議事の進行上の注意でございます。
議事中、発言者以外のWEB参加の皆様は、基本的にマイクをミュートに設定してください。回線負荷回避のために、ご発言時以外はカメラの使用をお控えいただければと思います。ご発言の際には、対面でご参加の皆様は、ネームプレートを立てるなど、意思表示をしていただきまして、オンライン参加の皆様は、画面上の挙手機能を使っていただければと思います。こちらから委員長が順番にご指名をいたします。ご発言の際には、最初にお名前をおっしゃっていただくよう、よろしくお願いします。ご発言時以外に何かご質問などある場合、WEB参加の方々におかれましては、チャット欄をご活用いただければと思います。
それでは、以降の議事進行を肱岡委員長にお願いいたします。
肱岡委員長
国立環境研究所の肱岡でございます。今日もよろしくお願いいたします。
この影響評価報告書の発行に向けての佳境となってまいりました。今日の委員会を踏まえて、最後の詰めとさせていただきたいと思いますので、ぜひ、皆様のご意見をよろしくお願いいたします。
それでは、早速ですけれども、本日、最初の議題は、第5回小委員会における第3次気候変動影響報告書に関する主なご意見を踏まえた対応について、続けて、第3次気候変動影響評価報告書(案)についてです。
質疑応答は、まとめて説明後に行いますので、よろしくお願いします。
それでは、事務局より説明をお願いいたします。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
気候変動科学・適応室の小穴でございます。よろしくお願いします。
議題1と2に関係します資料1と資料2-1、これを続けて説明させていただきます。資料2-2と資料2-3は非常に量が多いので、今回、説明は割愛させていただいて、適宜、ご参照いただければと思っております。
それでは、まず、資料1について、説明します。
前回の小委員会でいただいた意見を踏まえた対応についてです。
次のページをお願いします。2ページ目ですが、影響評価報告書本文に関する主な意見としまして、三ついただいておりまして、一つ目がデータ等が活用されやすくなるよう検討すべきというご意見、二つ目が特に強い影響を受ける地域や対象の整理方法、これについて工夫が必要というご意見、三つ目が知見が少ない分野があるというご意見となっておりました。
それぞれご意見を踏まえまして、例えば、一番上ですと、引用の出典を明記することですとか、特に強い影響を受ける地域や対象についても、可能な範囲で整理を実施してきました。しかし、全て対応できたというわけではありませんでしたので、報告書、本日の資料、資料2-2ですけれども、報告書の総説の第5章に「日本における気候変動による影響の評価に関する課題と展望」という章を設けさせていただきまして、対応できなかった部分は、そこに課題をしっかりと記載した上で、例えば、資料2-1の2ページ目に、一部抜粋としてお示ししております一番上のところにはなるんですけれども、次期評価に向けては、「特に強い影響を受ける地域」ですとか、「特に強い影響を受ける対象」、「適応策の効果」に関する知見を充実させ、利用者にとってより利用しやすい報告書としていく必要があるというような形で、報告書に記載をさせていただきました。こちらの詳細の説明は、資料2-1のほうでまとめて説明させていただければと思います。
次のページ、お願いします。3ページ目でございます。報告書の今後の活用等に関する主な意見について、四ついただいておりました。一番上の一つ目が、自治体や事業者など、報告書を実際に活用される方のニーズをしっかり拾うこと、また、説明する機会が必要だというご意見をいただきました。こちらについては、このご意見を踏まえまして、自治体向けの説明会・ヒアリングを実施させていただきました。次のページの別紙1と右肩に書いてあるところに、説明会の概要をまとめさせていただいております。
次のページお願いします。自治体説明会の概要ですけれども、七つの地域ブロックごとに開催させていただきまして、出された主な意見として、下にまとめております。知見の整理ですとか、影響評価を地域ごとにしてほしいといったものや、適応策の効果に関する知見の充実ですとか、情報へのアクセス向上といった意見が多くありました。
一つページを戻っていただいて、3ページになります。これらの地域をまとめるというニーズに関しましては、今回、説明会をする前にも、幾つかこの報告書の取りまとめを始めた時点でも聞いておりまして、今回の評価では、この特に強い影響を受ける地域ですとか、適応策の効果に関する知見の整理に取り組みまして、一定の整理はできたと思っておりますが、やはりニーズは高いということで、このようなニーズがあるということや課題について、先ほどと同様、報告書の本体の中で課題と展望に記載をさせていただいております。
二つ目から四つ目までの意見につきましては、影響評価報告書を含む気候変動適応について、しっかりと伝えていく必要があるというご意見でした。こちらについては、議題3の中で、資料3を使って説明させていただければと思います。
資料1については、以上となります。
続きまして、資料2-1の説明をさせていただきます。
資料2-1です。第3次気候変動影響評価報告書(案)についてということで、1枚めくっていただいて、2ページ目、お願いします。
2ページ目は、気候変動影響評価報告書は何かということを記載しております。おおむね5年ごとに作成することとなっておりまして、例えば、農業・林業・水産業などの7分野において、重大性、緊急性、確信度の三つの観点で影響を評価するものとなっております。
次のページ、お願いします。3ページ目は、今回で3回目となります第3次気候変動影響評価報告書のポイントをまとめた資料となっております。上の四角の中に記載しております、四つのことを踏まえて実施したことが、今回の特徴となっております。①として、最新かつ広範な知見を反映したこと、②重大性の評価を細分化したこと、③特に強い影響を受ける地域や対象について整理したこと、④適応策及びその効果に関する知見も整理したことの四つとなっております。また、現状から将来予測にわたって、重大性、緊急性、確信度が高いなど、特に優先的に対応が必要な項目が明らかになりまして、それを、下の四角囲みの中で項目名と各項目における影響の概要について、紹介をさせていただいております。
次のページをお願いします。ここからは、先ほど説明した四つのポイントについて、少し具体的に説明をさせていただきます。まず、一つ目の最新かつより広範な科学的知見の反映につきましては、数としては、前回の約1.7倍の文献を引用することができまして、評価項目数も9項目増加させることができました。
次のページをお願いします。5ページ目につきましては、追加した最新の科学的知見の例としまして、予測モデルの改良によりまして、米の収量の減少がより早く深刻化するということが分かったという新たな知見の例を紹介させていただいております。
次のページをお願いします。6ページ目は、二つ目のより詳細な重大性の評価ということで、右の下のほうに、2次評価時のことを記載しておりますが、2次のときは2段階で重大性を評価していたものを、3次では、少し上のほうに行っていただくと、紫とオレンジと黄色ということで、レベル3からレベル1までの3段階で、今回、評価を実施しています。また、将来の影響だけではなくて、現状についても、今回、評価を実施したということが特徴となっております。
次のページをお願いします。7ページ目です。三つ目のポイント、「特に強い影響を受ける地域・対象」の整理についてです。こちら、一定程度整理ができたということと、右側には、一つの例として、都道府県ごとの暑熱の死亡率の変化を予測した知見を紹介させていただいております。
次のページ、お願いします。8ページ目です。それらの知見が報告書の中でどのように記載しているかというものを紹介しておりまして、例えば、先ほどの例では、文章としては、上の四角ですけれども、人口密度の高い大都市圏でより大きな死亡リスク増加が報告されているとか、相対的に寒冷な地域で高齢者死亡率が顕著に上昇しているといったようなことが報告されているということが整理されております。
次のページをお願いします。9ページ目でございます。四つ目のポイント、「適応策及びその効果」の整理についてです。文章では、一定の整理ができたということと、その例として、右側に、高温耐性のある品種を使った場合、2℃程度気温が上昇しても収量が維持できるといったような新たな知見があったということを紹介させていただいております。
次のページ、お願いします。10ページ目は、先ほどと同じく、この適応策の効果について、どのように本文上で記載されているかというのを紹介しておりまして、例えば、先ほどの米の例ですとか、下については、田んぼダムの軽減効果を定量的に示した知見などが整理できております。これら、水稲、米に関するものとか、今回、こちらで紹介させていただいている洪水に関する知見をはじめとして、多くの適応策の効果に関する知見に関しましては、環境研究総合推進費の総合研究、S-18の成果をこちらの報告書の中でも多く引用をさせていただいております。
次のページ、お願いします。11ページ目です。こちらは、全7分野80項目で、重大性、緊急性、確信度、それぞれがどう評価されたかというものを文章としてまとめさせていただいております。
次のページに、それを視覚的に分かりやすく表現した表を紹介しておりますので、次のページをご覧ください。12ページ目です。こちらが評価結果の一覧となっておりまして、紫が最も深刻なレベル3、黄色がレベル1というふうになっております。確信度については、アスタリスクの数でレベルを表しております。こちらも、どの分野やどの項目で影響が深刻なのかが視覚的に分かりやすくなる工夫として、今回の評価で実施した点となっております。
次のページをお願いします。13ページ目からは、各分野にどのような影響が出ているのか、また、予測されているのかといったものを紹介しております。また、影響をイメージしてもらいやすくするため、それぞれの分野で1枚程度、写真や図等を掲載して、紹介をさせていただいております。まず、こちらのページの農林水産業分野では、例えば、一番上ですが、米について、1等米比率の低下ですとか、気温の上昇による収量の減少が予測されているといったことが整理されております。
次のページをお願いします。14ページ目、水環境・水資源分野についても、例えば、一番上の四角の中で、水温の上昇やそれに伴う水質の変化ですとか、大雨による濁度の上昇などが整理されております。
次に、15ページですが、自然生態系分野では、以前からもよく知られていることではありますけれども、上から3段目、サンゴの白化現象の頻度の増加ですとか、分布の北上などが整理されております。
次のページをお願いします。自然災害・沿岸域分野です。例えば、一番上、洪水という項目の中で、洪水の発生地点数の増加ですとか、洪水時のピーク流量の増加などが整理されております。
次のページをお願いします。17ページですが、こちら、健康分野では、例えば、上から2番目の熱中症に関して、救急搬送者数の増加ですとか、死亡者数の増加、特に高緯度地域等でリスク増加があるといったことが整理されています。
次のページで、最後に、産業・経済活動/国民生活・都市生活分野では、例えば、一番上、水害等による直接的な被害だけではなくて、インフラやサプライチェーンの寸断による間接的な被害といったものも出ているということが整理されております。
次のページ、お願いします。19ページ目は、先ほど資料1のほうでも説明させていただきました、課題と今後の展望についてまとめた資料となっております。こちらに記載されている内容についてですが、まず、一番上、ニーズとして、自身が関係する地域や対象への影響ですとか、効果的な適応策を選択するために、比較可能な定量的な適応策の効果、こういったものに関する知見ですとか、それらの知見へのアクセス向上等のニーズがあったということが分かっております。
そのニーズを受けまして、今回、新たなチャレンジとして、下線を引いておりますが、「特に強い影響を受ける地域・対象」ですとか、「適応策及びその効果」に関する知見の収集整理に取り組みました。先ほどの本報告書のポイントのところでご紹介したとおり、一定の整理はできたと思っております。しかしながら、例えば、その中でも、定量的かつ網羅的な整理というのは十分にできなかったなということとか、複数の適応策の効果について、比較可能な知見などは限られていたという課題があったというふうに整理をさせていただいております。
これらの課題を受けまして、課題への対応と今後の展望について、下のほうに整理をさせていただいておりますが、まず、科学的知見の充実ということで、一番上、「特に強い影響を受ける地域・対象」や「適応策の効果」に関する知見を充実させる必要があるといったことや、こういった個々の知見の充実だけではなくて、得られた知見を総合的、分野横断的に分析する研究ですとか、それらの知見の充実に必要となります気候シナリオやデータの改良といったことが必要ということを記載させていただいております。また、それらのシナリオやデータ、科学的知見へのアクセスのしやすさの向上についても必要というふうに整理をさせていただいておりまして、これらが進展することで、最新の科学的知見を適切に政策に取り入れ、「気候変動適応」への取り組みの進展が期待されるというふうに整理をさせていただいております。
次のページをお願いします。ここまでが報告書の中身のご説明でございまして、20ページは、報告書の全体構成と活用例について、紹介をさせていただいております。想定される様々な場面に応じて活用いただけるよう、報告書本体は総説と詳細の二つに分けています。また、一般の方が導入編として見ていただくことを想定した概要資料というものも用意する予定としております。また、報告書本体につきましても、一般の方が理解しやすくなる工夫としまして、今回、影響をイメージできるような図表をできるだけ掲載したり、近年発生した、社会的関心の高い影響に関して、コラムとして総説の中で掲載をしたり、また、評価根拠の表現についても、なるべく分野間で同じような表現をする等、そういった工夫を実施しております。
次のページお願いします。最後に、今後のスケジュールですが、現在がこの赤い三角でお示ししている第6回の適応小委員会というところにはなるんですけれども、本日、報告書(案)をご確認いただけましたら、速やかに、この後、パブリックコメントに入りたいと考えております。パブリックコメント終了後は、再度、小委員会を開催させていただきまして、パブリックコメントで出された意見に対する対応等について確認いただきまして、そこで確認いただいたものを最終案として確定をしたいと思っております。その後、中央環境審議会から答申をいただいた上で、関係省庁と正式に協議をしまして、2月頃に公表というようなスケジュールを予定しております。この影響評価報告書を受けて、来年度には、その内容も踏まえて、適応計画の変更というものも予定しております。
資料1、資料2-1の説明については以上です。
肱岡委員長
どうもご説明ありがとうございました。
本日ご欠席の委員より事前にご意見を頂戴しておりますので、事務局より紹介をお願いいたします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
ありがとうございます。
この影響評価報告書の議題に関係しまして、初めに、江守委員より次のコメントをいただいております。
内閣府の世論調査を見たところ、適応についてはあまり知られていないという結果であったと理解している。適応の概念そのものの普及は容易ではないものの、それに相当する行動は既に一定程度実施されている。夏季や秋季、夏や秋の異常気象に関するテレビの特集番組等においても、影響について聞かれることがあり、影響評価報告書を紹介している。今はやや古い内容しか紹介できなかったため、新しい報告書の公表には一定のニーズがあると考えられる。最近の気候変動影響については、特に農林水産業分野において深刻化しており、現場からの悲鳴の声が上がっている。今後、そうした現場にどのように情報を届け、実際の行動につなげていくかが重要。
続きまして、長谷川委員より次のコメントをいただいています。
ワーキンググループ委員の皆様の意見がしっかり反映され、第2次評価報告書から第3次評価報告書への進展や違いが明確になりました。現段階で国内の影響や適応に関するメッセージも、より分かりやすくなったと感じています。この間、ご尽力いただいた皆様に心から感謝申し上げます。報告書の公表後は、微力ながら活用に協力させていただきます。特に若い世代の方々にも現状を伝える機会を増やしていただけるよう、ご配慮いただければ幸いです。
最後に、沖委員より次のコメントをいただいています。
第4次評価の際には、以下の三つの視点についても考慮してほしい。①暑熱による影響は、熱中症等の健康への影響だけではなく、外出する人が減り、経済が停滞するという影響が出てきている。社会経済活動への影響があるという視点。②ティッピング・エレメントと言われるような急激で不可逆な現象が起こったとき、日本にどんな影響が出るかという視点。③海外での気候変動影響がグローバル経済を通して、また、様々なものを輸入に頼っている日本にどんな影響が出るかという視点。(タイの洪水で日本の自動車産業に大きな影響が出たことなど)を想定してのコメントでございます。
以上、ご紹介でした。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、委員の先生方、ただいまの説明に対するご質問やご意見をお願いいたします。
それでは、まず、中北委員、お願いいたします。
中北委員
中北です。改めまして、どうもありがとうございます。
今回、適応効果というところをかなり前よりも突っ込んだところまで入れていただきまして、改めて敬意を表したいと思います。環境省自身の取組も適応をどんどん進められている中で、それと並行して、これも、報告書も充実しているというのはいいことだと思います。
それで、特に効果に対する情報というのは、一部、S-18のものが出て、治水に関しても出ている中、治水のほうも、これから効果の定量化というのが、これからもというより大分前から言っている大事なことで、なかなか進まないところなんですけれども、そこを進めていくというのが非常に大事である中で、今回、分野によって強弱というか、あるいは、多い、少ないというのは、どういうぐらいのイメージを持っていたらよろしいですか。例えば、治水だけはあかんと、ほかはしっかりしたところもあるよとか、何かそういうので印象があればと思います。
それから、適応も、ある分野の適応がほかの分野の適応になるというようなこともたくさんあって、これから見えてくると思うんですけれども、そこらについても、これは書いているんでしたっけ。全体を見た感じ、そういうところが見えていれば、ありがたいし、より次に向けても見えるようなことをしていただいて、それが省庁間であったり、分野間のまた協働に結びつくようなきっかけになったらいいなと思いました。
最後、適応が入っているので、この報告書のタイトルをこのままにしておきますかとかというのが、また最後ご検討いただければと思います。
どうもありがとうございました。
肱岡委員長
コメント、ありがとうございます。
それでは、3点について、事務局から回答があれば、お願いします。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
ありがとうございます。
まず、1点目ですね、適応策等に関して、特に効果に関する強弱や多い少ないに関してですが、
正確にどうというのがすぐにぱっとお答えがなかなか難しいんですけれども、やはり一覧表で評価の紫が多かった分野に関しては、結構、研究の数自体も多くて、得られた論文も多かったかなという印象は受けていますので、農林水産業分野と自然災害・沿岸域分野と健康分野、この三つの分野には、効果に関しても
一定の知見があったのではないかなと思っています。
中北委員
分かりました。ほかの分野の人にそこをちょっと読んでいただくようなぐらいの、またレコメンドしていきたいなと思いました。
ありがとうございます。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
あと、2点目の、ある分野での適応が違う分野にも効果があるかということに関しては、私が記憶している限りでは、あまりそこまでの定量的な知見を、適応策の効果に関して、そういった表現まで整理できたかというと、少しできなかったかなと思っております。
中北委員
分かりました。ありがとうございます。
そういうのも含めて、最後の19ページに、今後に関して、まとめていただいているのは、全て大事なところを含めていただいていて、ここは、学も、アカデミアももっと労力を注入すべきであるとかというようなところも含めて書いていただいていて、非常に大事ないい感じの今後の課題、展望というのを書いていただいたなというふうに思っています。僕、しゃべろうと思ったら、結局、全部ほとんど書いてあったところではありますので、どうもお疲れさまでございました。
どうもありがとうございました。
羽井佐気候変動科学・適応室長
最後のタイトルについての点は、大変興味深いご指摘です。
ひとまず、回答させていただきますと、この影響評価という事務は、気候変動適応法の第10条に基づいてやっておりまして、気候変動影響の総合的な評価についての報告書を作成するということでして、この総合的という部分で、適応効果についても勘案しているという考え方で進めております。法律に基づいて、今はこのタイトルのままが適切であるというのが私どもの考えです。
中北委員
分かりました。これは、適応法の中では、そういうのを書いているわけではないんですね。
羽井佐気候変動科学・適応室長
今申し上げたのが気候変動適応法の法律の中の第10条に影響の評価というのがあります。
中北委員
適応法をちょっと変えたほうがいいかもしれないね。
羽井佐気候変動科学・適応室長
コメントをありがとうございます。
中北委員
ありがとうございました。
肱岡委員長
ありがとうございます。
それでは、勢一委員、お願いいたします。
勢一委員
ご説明ありがとうございました。勢一です。
これまでに膨大な情報と資料を整理、分析、取りまとめいただきまして、誠にありがとうございました。対面で来て、この紙の分厚さに改めてご苦労を忍び、お礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
その上で、私も、大きく2点、質問とコメントをさせていただければと思います。
まず、質問なんですけれども、今まさに室長さんからご指摘いただいた気候変動適応法の10条です。これは、1項が影響を報告書として作成せよというので、2項に、この報告書を作成しようとするときは、環境大臣はあらかじめその案を作成し、関係行政機関の長と協議しなければならないというふうに規定されています。この法が求める協議の趣旨というのがどういうものなのかというのをちょっと確認させていただきたいというのが、一つ目の質問です。
といいますのは、先ほどご説明いただいた資料2-1の21ページで、今回の影響評価の検討スケジュール、全体像はお示しいただいています。これを拝見しますと、今回の小委員会の前に、関係各省庁との協議をしていただいています。これは、手続的に考えますと、恐らく適応策は各関連省庁がかなり多く、それぞれのところが取組をしていると。取組をしていますので、いろいろなデータ、知見を持っているはずですから、そういうのをしっかり確認するという趣旨かなと思って拝見しました。それはそうかなと思ったのですが、最終的に、中環審の答申の後に、今度は関係各省庁との正式協議という手続が入っています。こちらの協議は何をする手続になるのかと。むしろ、法が求めているのはどちらなのかなと思ったときに、条文からはどちらかというのが決まらないというか、読めないなというので、むしろ、正式協議のほうに求めている法の趣旨というところを確認させていただきたいなというのが、1点目として質問になります。
2点目、こちらはコメントに近いのですけれども、やはり、これだけたくさん影響をまとめていただいて、データ、情報としては非常に有益なのですが、社会の仕組みを見てみますと、最後のほう、総説版のところで見ますと、4.8で、連鎖的・複合的影響というところが、これは、実は、やはり現場では自治体が対応するにしても、企業が対応するにしても、複数の影響が関わってきているから、それを頭に置いて、しっかり全体像を把握して取組をしましょうねというところの啓発になるんだろうと思います。
それで、ここ、詳細版もほぼ同じぐらいの分量だったと先ほど見て思ったのですけれども、この139ページのこういう複合的影響の例というような形で、こういう図みたいなものを考えた上で対策を取っていくというのが現実としては必須なんだろうと思いました。先ほど中北委員からも、ある分野の適応策がほかの分野の適応を進めるんだというようなご指摘があって、まさにそのとおりで、例えば、地域社会というのは、今回、丁寧に書いていただいているんですけれども、この地域社会に至っては、地域コミュニティーをしっかり維持していく、災害が起こったときにもコミュニティーが機能するような形に地域をつくっていくということが、多分、適応としてはすごく大事なことに、命を守る大事なことになるんだけれども、しかし、それをやることで地域が元気になる、お年寄りが社会に参加して元気になるとか、地方創生であるとか、あとは、ソフトを含めたインフラの強化にもなるので、そういう意味では、こういう複合的な影響をうまくどこがどうつながり得るのかというところが、何か見える化、あるいは、何かリンクみたいなのがあると、もっと力強いアピールができるんじゃないかなと思ったというところがあります。
難易度が高いなと思いながらも、やっぱり重要な点だなと、中北委員のご指摘を聞いて改めて思いました。
以上です。
肱岡委員長
質問、コメント、どうもありがとうございます。
それでは、事務局からよろしくお願いします。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
勢一委員、ありがとうございます。
まず、1点目のご質問に関してですけれども、これは、実は、この協議、スケジュール上は、こういうふうに二つ協議をするみたいな形に見えてしまっていたんですけれども、趣旨としては、どちらも同じ法律の第10条に基づいた協議で、各省の関係する部分をしっかり見ていただく、知見があれば入れていただくというものを、法律に基づいて正式に協議をする前に、これは、もう本当に事務手続上の問題で、ぎりぎりになって正式協議をかけて、そこでたくさん意見が出てきても、なかなか対応できませんので、事前に協議をしていくという意味で、二つに分けています。趣旨としては、同じ協議をしていく。時間がかかりますので、まず、事前に協議をさせていただいて、それが整った段階で、法律に基づいた正式な協議は、答申の後にすぐに、あんまり期間を取らずにやっていくというような整理をしております。
2点目のコメントに関しても、おっしゃるとおり、連鎖的・複合的影響について重要だということで、ご指摘のとおりかなと思っております。今回も、この連鎖的・複合的影響について、知見を充実させたいと思って、そういうキーワードで、いろいろ検索をしたりということもしてはいたんですが、こちらの課題のところにも少し書かせていただいたんですけれども、やはりまだまだそういったものの知見を集めることがなかなかできなかったというのが現状となっております。そういったことも、できれば研究も進んでいければ、知見も増えていくのかなと思っていまして、そういった視点は必要なんだということは、メッセージとしては、一応、お伝えさせていただいた上で、現状としては、すみません、あまり、しっかりと、今回、何か新しくそういうこの分野で例えば影響を評価するとか、そこまでは至らなかったなというところが現状となっております。
中北委員
分野を越えた適応の効果も含めてですよね。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
はい。
中北委員
今、影響評価の話をされましたよね。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
はい。そうですね。適応策の効果に関しても、先ほど中北委員からもご指摘ありましたとおり、そういった知見が現状としてはあまりなかったということですので、そういったところも、今後は、もう少し充実させていって、きちんと適応策の効果が連鎖的にも、何というんですか、一つの適応策がこちらの適応策にもなるよということもしっかりと訴えていけるような整理といったことも考えていければなと思います。
ありがとうございます。
勢一委員
ありがとうございました。
確かに、なかなか複合的な影響は難しいですけれども、これこそ、走りながらじゃないですが、民間の企業などが取り組んでいるような事例とか、あとは、自治体の現場で勉強会とかもしていただいて、そういうのを横展開していただくとかというので、ぜひ、せっかくいろいろ知見が集まっていますので、うまくこれを発信して使っていただけるとありがたいなと思いました。
あと、協議のほうも丁寧にご説明いただき、ありがとうございました。そういう手続を踏んでいるんだろうというのはもちろん理解をしているのですが、法的に協議をすることの意味は、内容の正確さの担保ということもあるのかもしれませんけれども、これを基礎に、次の適応計画を改定していくことになりますので、やはり、それぞれの関係行政機関がしっかり連携してというところも、その前段階の意味もあるのかなと。現代的な政策展開では必須と思われますので、ぜひ、しっかり関係行政機関を巻き込んでやっていただければと思います。
ありがとうございました。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、木村委員、お願いいたします。
木村委員
木村です。
私からは、地域気候変動適応センターと自治体の立場から、二つ、コメントをさせていただこうと思います。
一つ目なんですけれども、既に気候変動の影響が多方面で出始めている中で、緊急性を視点に入れて、リスク評価をいただいていることと、あと、詳細報告書のほうに、特に強い影響を受ける地域・対象を整理していただいているのは、自治体や関係者も自分事として捉えてもらうために有効であろうと思いました。欲を言えばなんですけれども、文字で書かれておりますので、自分たちに関係深い項目なのかどうかというのを読んで探さないといけないという状況で、探すのが大変なんです。なので、第4次影響評価報告書に向けて、地図上に影響を色分けして表示できるような研究成果が今後増えていくと、自分たちの地域にこのリスクの影響が大きいんだなというのがぱっと視覚的に分かりやすくなりますので、自治体や事業者の人が対策を検討する手助けになるのではないかと感じております。
もう一つなんですけれども、私ども、ひろしま気候変動適応センターの業務の中で、セミナーであったりとか、広報誌の発行などで、県民への情報提供や普及啓発を行っております。情報源といたしましては、今回のこの影響評価報告書のような国が発行した資料であったり、あと、A-PLAT、論文、ヒアリングをするなど、様々なものを使っております。広報にこういった評価報告書などを使うに当たって、文章ですとか図表を引用して使いやすい形で提供していただけると、使いやすくて大変助かりますので、こちらのほうはご検討いただければなと思います。
以上です。
肱岡委員長
貴重なコメント、ありがとうございます。
それでは、事務局からお願いします。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
ありがとうございます。
影響が文字で書かれているので、なかなか見にくいというご指摘、ありがとうございました。私たちも、なるべく視覚的に分かりやすいようにという工夫は、今回、ある程度はさせていただいたかなと思っておるんですけれども、まだまだできていない部分もあるのかなというふうには思っております。そういう、例えば、研究がたくさん増えるということもできれば増えていってほしいなという願いもありつつ、そういった研究をしっかりと地図上でこちらも分かりやすくプロットして、見やすくするようにということは、何とかやっていきたいなと思っておりますので、そういったことは、引き続き、何か分かりやすい見せ方ができないかというのは検討していきたいと思っております。ありがとうございます。
2点目の文章や図表の引用をしやすいようにということですので、そういったことは、どういう形で引用していただけることができるかというのは整理した上で、実際に公表するときに、引用する場合は、こういう言葉をつけて引用してくださいですとか、そういったことが分かるようにつけて説明した上で、公表させていただきたいなと思っております。ありがとうございます。
木村委員
ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
肱岡委員長
ありがとうございます。
では、渡部委員、お願いいたします。
渡部委員
ありがとうございます。
まず、最初に前回の報告書に比べて、エビデンスが格段に増えて、量も増したというのは、大変すばらしいと思います。努力に敬意を表します。特に、影響評価を2段階から3段階に細分化したことは、非常に有益だったと思います。
つい、やっぱり、こういう報告書というと、僕は、IPCCのレポートを思い浮かべてしまうんですけれども、全体のポイントの部分、特にこういうレポートが上に上がっていけば行くほど、レポートのポイントは何なんだみたいなことが聞かれるようになってくると思うんですけれども、現状のポイントって、どっちかというと、影響評価を振り返って、評価方法が改善されてきた、あるいは、評価の指標を変えてきたみたいな説明をニュートラルに述べられていますけれども、気候変動影響そのものが最初にレポートを出して10年たって、その間に、どれほど顕著になってきて、かつ、重大な影響がどれほど認められるようになってきたかみたいな、評価ではなくて、影響そのものに関する短いポイントみたいな記述が大前提としてあってもいいのかなというふうに思います。先ほどからずっと適応の効果とかというのが出てきていますけれども、そういうのも10年前はなかった論点ですよね。それがもう既にこれだけ影響が出たので、適応が始まっている。だから、それの効果を定量化しなきゃいけないという段階に今もう来ているんだというのは、やっぱりポイントの一つになるのではないかなというふうに思いました。
適応の定量化とか網羅的な効果の評価は次回ということで、それは結構だと思うんですけれども、一方で、先ほどご説明いただいた中で、資料の9ページですかね、小項目全体の9割で代表的な適応策に関する知見を整理できたというところが、ちょっと分からなかったんですが、総説のほうですね。総説の各セクターでは、現在の状況と将来予測される影響と重大性がまとめられているんですが、この中に、文言として適応策について記述されているという、なのかなと。どういうことなのか、確認をさせていただければと思います。
先ほど別の木村委員からコメントがありました、自治体から見たときにというのは、これは、多分、次の活用の話になってくると思いますので、大体、意見に近いんですけれども、改めてまたそのときにコメントさせていただきたいと思います。
以上です。
肱岡委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局、お願いいたします。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
ありがとうございます。
まず、1点目のご意見、非常にごもっともだなと思っておりまして、ただ、少し難しいなというふうに印象としては思っております。前回のところから今回がどれぐらい例えば影響が大きくなったかというのは、なかなか定量的にここまで重大性が上がったよというのが言いにくいなというところが正直なところでして、総説版の中には、第2次評価のときの重大性のレベルと今回でのレベルの表記を完全に小項目名とかが一致はしていないのですが、恐らく近しい項目ごとで比較できるように並べて表示をしておりますので、ここで、もともと重大性が低かった項目が、今回、例えば、紫になったというところを見ていただくと、少し深刻さが増したのかなということが分かるようにというのは、意識しながらまとめさせていただいたところです。ただ、ご指摘のように、なかなか、例えば、短いセンテンスで、こうなったよというのを端的に伝える言葉というのがなかなか難しいなというのが正直なところです。
2点目のところが、9割で適応策の知見を整理できたというところが、これが資料2-3でお配りしています詳細の中で記述ができたということだけを整理させていただいております。ここの詳細の中に、適応策という括弧書きで各小項目ごとにまとめた部分をつくってございます。そこに、この9割というのは、一つでもこういう適応策があるよという、存在だけでも知見として得られた場合は書いておりますので、多くの小項目でその紹介はできたということで、約9割の整理ができたというふうにさせていただいております。ただ、やはり、こういう効果があるよということまで書いてあるのが定性的なものを含めて5割、さらに、定量的な効果まで書いてあるものとなると、3割ぐらいまで減ってしまうというような状況となっております。
渡部委員
ごめんなさい。最後の点なんですが、定性的であっても、その文言は、総説のほうにはどの程度反映されているんでしょうか。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
適応策に関しての記述は、総説のほうには各小項目ごとにというのは取りまとめていないです。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、三島委員、お願いいたします。
三島委員
三井住友海上の三島です。ご説明ありがとうございました。
私は、報告書の構成ですとか内容に関しては、もう全く異論はございません。お疲れさまでした。
その上で、2点だけ教えていただきたいなということがありまして、この膨大な文献調査を皆様がなさったということから、その知見が皆様の中に蓄積されているということを期待して教えてほしいということ、そういう趣旨なんですけど、我々も、損害保険会社として、自然災害対策とかは非常に関心を持って進めているところで、そのアプローチの一つにやはりグリーンインフラに注目しているというところがあります。記載いただいたように、田んぼダムですとかため池、特に田んぼダムのリスク軽減効果というのが顕著だったというふうにまとめていらっしゃるので、やっぱり、これが一番効果があったんだというご結論なんだろうなとは思いつつ、もし、ほかにこのネイチャー・ベースド・ソリューションとか、グリーンインフラの観点で例示として挙がっているものがあったら、ぜひ、教えていただきたいなと、ここに示している文献を全部読めないなと思って、横着をしてお伺いしております。
それに関連して、一つだけというか、コメントをさせていただきたいのは、田んぼダムですとか、そうしたものに効果があるというのは、結構、地域でも認識されつつあるとは思うんですが、ここに、どうしても地域社会が抱える社会的な問題が背景にありますよね。急速な少子高齢化であったり、人口減少によって、農業の担い手がいないということから、耕作放棄地が増えている。そういうところから河川の氾濫リスクというのが非常に高まっているというところもありますので、こうしたものに効果があるというのは分かったけれども、どうにもできない地域も日本には多くあるというところは、ちょっと留意をしておく必要があるのかなと。これは、我々自身の課題意識として持っておきたいというふうに思った次第です。
あと、もう一点、教えていただきたいなと思ったのは、ほかの自然災害のリスクとのトレードオフって、どんなふうに評価されたのかなという点です。特に目についたのがピロティ建築というところなんですけど、ご承知のように、地震に対してはやっぱり脆弱性が指摘されているのかなというふうに思いますので、そうした、何ですかね、適応については効果を発揮するものの、一方で、ほかの自然災害に対しての脆弱性が上がってしまうというようなものが、もし、あったのかというか、そこはどのように整理をされて、まとめていかれたのかなというところを教えていただければと思います。
以上です。
肱岡委員長
ご質問、ありがとうございました。
それでは、事務局、お願いいたします。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
ありがとうございます。
すみません。非常にハードルの高いご質問をいただきまして、申し訳ございません。なかなか全て知見が頭に入っているわけではなくて、どこまで答えられるかというところではあるんですけれども、先ほど、ご紹介させていただいた、田んぼダムの知見に関しては、中北委員のほうがよくご存じだとは思うんですが、一般的には、田んぼダムとかため池の効果というものは、この論文の中でも、全国的にはあまり大きくなかったという整理がされています。ただ、場所によっては、田んぼダムが非常に効果が高かったという場所があったという、そういう論文になっておりまして、全国的には、恐らくピロティ建築の効果が大きかったんだという報告がされていました。ただ、地域によって、適応策も必ずこの適応策が全国一律で有効だということではなくて、やはり地域によって選ぶ適応策というのは差が出てくるんだろうなというふうに感じておりますので、そういった意味でも、地域に関する知見というのは充実をもっとしていくといいんではないかなというふうには感じているところです。
あと、2点目のトレードオフに関してなんですけれども、もちろん、そういうトレードオフに関する論文の中で、そういったものに言及されているものに関しては、なるべく記載をするようにというのはしておりますので、具体的にどれって思い出せないんですけれども、トレードオフに関係のあることには留意するような必要があるよというようなことは記載があったかなというふうには記憶しておりますので、そういったものも、いいことだけを書くのではなくて、そういったものをしっかりと、留意するべきことは留意すべきということで書くということは意識しながら、取りまとめさせていただきました。
以上で大丈夫でしょうか。
三島委員
承知しました。大変ありがとうございました。
中北委員
グリーンインフラで、1個だけいいですか。
三島委員
はい。
肱岡委員長
先生、お願いします。
中北委員
田んぼダムの治水への効果に関しては、基本的に、田んぼダムは、周囲、ある場所の周囲には利くという評価で、最下流の基準点とか、治水の基準点とかには大々的に利くわけではないと。ただ、田んぼ、地域をまた広く貯水池にするとか、もう買い取って深くというような田んぼの使い方も別途あるんですけど、それはグリーンインフラにはならないわけですよね。
それからあと、逆に治水で河川改修をするときに、あるいは遊水地をするときに、あるいは干潟を残すとか、治水の適応が逆にグリーンインフラをつくっていくという効果は出てくると。というので、ここでは論文としてはまだ出ていないんですけれども、実際、今、治水の基本方針の見直しを一緒に国交省とやっているんですけど、その中でグリーンインフラをより有効に、あるいはまた戻すというチャンスに気候変動適応、河川改修とかがなってきていると。あるいは、そのために水の流れはこれ以上出さないとか、逆にそういうグリーンインフラベースにして治水の河川の流量を決めるとか、それぐらいの意識の高まりの中で治水に関しては今進んでいます。
三島委員
貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。
羽井佐気候変動科学・適応室長
一点、補足させてください。実はお手元の資料の総説の141ページに今後の課題と展望をまとめた頁があります。141ページの中ほどに黒丸四つぐらいで第4次に向けて評価方法を検討していく必要があるとまとめている中に、先ほど地域社会側の高齢化の問題など、そういうことも想定しつつ、社会的・経済的要素の変化に伴う脆弱性とか曝露の変化を考慮した評価方法というのが今後ますます求められているという旨を書いております。現状はそのような状況です。
三島委員
よく分かりました。ありがとうございます。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、オンラインから、奥委員、お願いいたします。
奥委員
ありがとうございます。資料2-1のスライド13から18にかけて、気候変動影響の例を分野ごとに整理していただいておりまして、非常に分かりやすい情報かと思いますが、この中で「(将来)」というふうに入っている部分につきましては、将来生じると予測される影響にそのような記載をしていただいて、その記載がない影響というのは既に生じていると。さらに、将来的にその影響が大きくなるものだという説明がアスタリスクの一つ目に書いてあるんですが、これ、将来とついている項目を見てみますと、もう実際に現象として確認されているようなものも含まれているのではないかというような気もするものもありまして、私、必ずしもこの分野の専門ではないんですけれども、ただ、報道ベースで見聞きしている情報として、既に現象が確認されているようなものも「(将来)」というふうについているようなものもあるような気がしております。
加えて、この「(将来)」というふうにある場合に、それが非常に近い将来、もう差し迫った将来なのか、それとも二、三年後、もしくは5年、10年後、もしくはさらに長いスパンでという意味なのか。将来といっても非常に幅がありますので、どれぐらいのタイムスパンで予測される影響なのかというところについての情報というのは詳細版にあるのでしょうか。詳細版まで目を通せておりませんので、そこを確認させていただければと思います。
それから、1点、非常に細かい点で恐縮なんですけれども、資料1のスライドの2枚目のところで、既に出された意見に対しての対応が示されていますが、一つ目のご意見に対して、対応の三つ目のポチですね、先ほどご説明がありましたように、今後の課題のところは総説の中で、5のところで課題と展望として記載されているというふうにありますが、この総説のページが多分違うんじゃないでしょうか。138ページと書いてありますが、140ページの間違いではないかと思いますので、修正をお願いできればと思います。
以上です。
肱岡委員長
ご質問をどうもありがとうございました。
それでは、事務局、お願いいたします。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
奥委員、ありがとうございました。
すみません。最初に2点目の話ですけど、申し訳ございません、ページ数を更新するのは忘れていました。こちら、ページ数誤りでございます。申し訳ございません。
1点目の資料2-1の13ページから18ページ目の影響の例について、「(将来)」と書かれているけれども、これは実際に今現状で起きているものではないかというご指摘です。こちら、非常に事務局でもここの表の表現は迷っていまして、今回の影響評価報告書の記載の中で、実際に現状のところにこういう影響が出てきますと書かれている場合は今何も書いていないという状況で、書かれていなかった場合に今回「(将来)」というのを記載させていただきました。ただ、もちろん分野のご専門の方とか、いやいや、現状としてそういう影響ってある程度あるよという認識等もあると思いますので、現状の整理としては、この影響評価報告書の中で、現在の状況というところで、そういう知見が明示的に示されていないものという整理をさせていただいておるんですけれども、ちょっと分かりにくいというご指摘もありましたので、その辺り、どう表していいかというのは少し検討したいなというふうに思っております。
あと、「(将来)」と書いていて、どれぐらいの将来になるのかというのは、詳細版を見ていただきますと、将来予測に関して今回の報告書を取りまとめる際に、前提となる気候のシナリオですとか社会経済シナリオですとか、その影響が何年代ぐらいに起こるのか、起こると予測されているのかというものも、可能な限り分かるように記載をするというふうに意識してまとめておりますので、詳細版を見ていただきますと、どれぐらいの将来にどういう影響があるのかということは分かるようになっております。
以上となります。
肱岡委員長
ありがとうございました。
奥委員
分かりました。ありがとうございます。
肱岡委員長
ありがとうございます。
それでは、またオンラインから、今田委員、お願いいたします。
今田委員
東京大学の今田です。
まずは、非常に充実した報告書を仕上げていただき、ありがとうございます。膨大な情報の調査と整理で大変苦労されたと思いますので、ご尽力に感謝申し上げます。
私からはコメント1点なんですが、ここ最近、非常に想定外の極端豪雨というのが出始めているのは皆さんもご存じのことと思います。これまでの科学的知見というのは必ずしもそういうものは捉えられていない可能性もあると思いますので、ゆっくりと進行する温暖化の下だけで議論されているものを多々あると思います。ですので、近年発生しているような本当に単発の未曽有の想定していなかったような豪雨というのが起こったときに、どういう影響が出るかとか、どう対応していくかというところを、次の報告書になるとは思うんですが、今、現在進行形で起こっていることを参考にしつつ、そういったものにも対応していくことが今後は必要かなというふうに思いました。
以上になります。
肱岡委員長
貴重なコメントをどうもありがとうございました。
それでは、オンラインから、三村委員、お願いいたします。
三村委員
どうもありがとうございます。今日の報告書に対して、ちょっと多いですが、四つほどコメントをさせていただきたいと思います。
最初は、ほかの方も言われていましたが、12ページにあるような影響評価の一覧が黄色とかオレンジとか紫で分け書かれて、各分野ごとに温暖化の進展とともにこんなふうに影響が起きてくるんだというのが視覚的に捉えられるようになった。これはこれまでよりも非常に進展した部分だと思います。そういう意味では、いろいろ実際の自治体の行政にも使っていただけるようなベースになったんじゃないかなというふうに思います。たくさんの方の努力の成果ということです。
2番目は、自治体のニーズで、特に強い影響を受ける地域だとか、あるいは適応策の効果を今後もっと調べなきゃいけないという話なんです。これがどうやったらできるかという話なんですけど、今回2,191件もの文献を調べて、それでマッピングして作っても、まだ足りなかったというわけです。例えば特に強い影響を受ける地域を抽出しようとすると、全国が共通のシナリオ、共通の気候変動の条件の下でどういうふうに変わるかということを俯瞰的に評価するような研究が必要だと思います。S-18ではそういうこともやらせていただいて、90項目ぐらいの成果を出したんですけれども、個別の研究者の興味は必ずしもそういうところにばっかりあるわけじゃなくて、もっと地域的な問題とか個別の分野にフォーカスした研究が多いと思うんですね。したがって、そういうものに応えようとすると、全国をカバーして共通のフレームで研究をするという枠組みを、環境省の主導の下で今後も継続する必要があるんじゃないか。そういうことを推進するというか、エンカレッジするような仕組みを考えていただく必要があるかなというふうに思います。
3番目は、S-18に関係して、田んぼダムとピロティの話なんですけど、この洪水対策の効果がどれぐらいあるかというのは、東北大学のチームが出した成果なんですけども、田んぼダムの効果は全国的に言うと7%ぐらい洪水の影響を引き下げると。一方、ピロティは68%ぐらい引き下げるということなんですけれども、田んぼダムに関しては、事務局とか中北先生が答えていただいたとおりで、全国一律に大きな成果があるわけではないと。ピロティのほうは、全国の想定される浸水域の中の建物を全部ピロティ建設にするというのは非常に非現実的です。ですから、ご意見があったように、他の地震などの災害に対しては建物を弱くするみたいな効果もあるので、これをどういうふうに使うか、それぞれの地域でどのような形で導入すれば有効になるかということは、やっぱりそれぞれの地域の特性に合わせて考える必要がある。ですから、全国評価をしてこういう値が出たというのはいいんですけれども、それを具体化するときには充分考えることが必要だというふうに思います。
最後、4番目ですけども、適応策を考えるときに、地域の将来像、ビジョンとの関係をしっかり考えることが必要なんじゃないかなと考えています。ややもすると、個別の影響に対して、こういう影響が出たからこういう対策を取ろうというふうに対応を考えるわけですけれども、もっと地域の全体の安全性をどう高めるかとか、先ほど来出ている社会的な課題の解決と併せてどういうふうな将来像を描くか。そういうのはシステミックアダプテーションと呼ばれているんですけれども、そういう変革的で総合的な適応策を考えると。地域の将来像の中に気候変動対策を位置づける。そういうことが必要だと思います。そうすると、グリーンインフラも含めた都市計画とか、あるいは地域の活性化、あるいは高齢化や人口減少への対策、そういうものと気候変動対策とを融合的に取り組む必要が出てきます。そういう方向に今後議論を進めていただくのがいいんじゃないかと思います。
これは、最後の点は、ちょっと影響評価報告書の枠組みを超えた話になるかもしれませんけども、そういうふうにすることが適応策が社会に本当に活かされる道なんじゃないかなというふうに思います。
以上です。
肱岡委員長
貴重なコメントをどうもありがとうございました。
もし事務局から何かコメントがあれば、短くお願いします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
いずれのコメントもそのとおりだなという感覚で受け止めております。また、最後の点につきましても、2番目の研究のフレームワークにつきまして、この影響評価という枠を超えて、適応計画の中での論点の一つにもなってくるのかなというふうに思ってお聞きをしておりました。どうもありがとうございました。
肱岡委員長
それでは、オンラインから、高根沢委員、お願いいたします。
高根沢委員
ありがとうございます。私、那須塩原市が、本市が酪農が盛んであるため、酪農の視点から質問をさせていただきたいと思います。
資料の8ページのほうに、泌乳牛について、多くの地域において既に適温を超えているとされております。酪農を基幹産業としているような自治体にとっては、泌乳牛の生産性の低下については地域性経済に直結する特に重大な影響として認識をされるものでございます。これは、自治体というだけではなくて、酪農家個別の経営にも大きな影響となります。
今申し上げた酪農家についても差がありまして、実態を申し上げてしまうと、やっぱり大規模なメガファームであったりとか先進的な取組をしているような方は、こういう適応策とかというのにも進みやすいというものはあるんですけれども、小規模な酪農家、もしくは事業主が高齢者や後継者がいないなどの場合ですと、将来的な課題に設備投資は難しい、至れないということが多くて、そういった場合、やはり、だったら廃業しようかなというような、そういったものの検討、選択をしてしまうというのが実情となっております。
また、市役所の庁内でも、畜産担当部署などで情報共有とか適応策の提示などを行ったとしても、現状の事業を推進することがまず優先となってしまいまして、リソースの不足というのもあるんですけれども、実行に至るまで労力を要しているところでございます。
そこで、気候変動の影響を受ける地域、対象など、あとはその他のその適応策と効果についてこのようにまとめられているかと思うんですけれども、これについて各省庁間で今後どのように反映されるのか。私、市役所の庁内の連携のアプローチのための参考になればいいなと思いますので、お聞かせ願いたいと思います。お願いいたします。
肱岡委員長
ご質問ありがとうございます。
それでは、事務局、お願いいたします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
ありがとうございます。具体の適応策を取っていく際、例えば酪農で言えば農林水産業のセクターの具体の適応策の支援については、またそれぞれの関係省庁で様々な施策について、今後推進していくということだと思います。この影響評価を踏まえた次のステップとしては、関係省庁とまた密に連絡、相談をしながら、次期適応計画の検討を進めていくという段に入っていきます。それに際しては、今、環境大臣をトップとする関係省庁の適応に関する推進会議という場がありますので、そういった場も活用しながら関係機関との調整を進めていくつもりでおります。
そういった中央省庁での連携が、各地方や自治体の皆様にとっても、分野間で横断的な施策を進めやすいようなバックグラウンドになっていけばいいなというふうに思って考えております。コメント、大変ありがとうございました。
高根沢委員
具体的な例で申し上げまして、申し訳ありません。ありがとうございました。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、オンラインから、稲田委員、お願いいたします。
稲田委員
聞こえますでしょうか。
肱岡委員長
はい、聞こえております。
稲田委員
国際協力機構の稲田でございます。本日は充実した報告書等をどうもありがとうございます。私どもは東南アジア等の新興国、途上国に日本の優れた知見とか技術を提供、協力していく機関でございまして、その観点からのコメントを二つさせていただきます。
一つ目が、先ほど来ご指摘が相次いでおります資料2-1の12ページ目、影響評価結果の一覧、非常に分かりやすくて勉強になるなと思いつつ、実務の立場から言いますと、非常にずぼらなんですが、適応策とか効果のほうもこういった感じで、表、あるいはメニューみたいなものをご提供いただくと非常に参考になるなと思いましたのが、コメントの一つでございます。
もう一つ、今回非常に膨大な研究をされたということで、勉強にはなるんですが、私どもが協力しております東南アジアですとか途上国のことを考えると、これを全部実施、協力するのはなかなか難しいかなと思いますので、何といいますか、段階的に、コアな影響評価、適応策の検討を、初期段階としてはこういうものがあって、徐々に先方の体制が整備されてきたらこっちもやっていくみたいな感じで海外展開できるといいかなというふうに考えました。
以上が2点目のコメントになります。ありがとうございます。
肱岡委員長
貴重なコメント、どうもありがとうございました。
それでは、あと、委員の先生方、何か追加の質問、コメントはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、次の議題に移らせていただきます。次の議題は第3次気候変動影響報告書の活用についてです。
それでは、事務局より説明をお願いいたします。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
それでは、資料3の説明をさせていただきたいと思います。第3次気候変動影響評価報告書の活用についてということで、説明させていただきます。
次のページをお願いします。1ページ目、報告書の活用の具体的なご説明の前に、その前提として、気候変動適応に関する情報発信の全体像、これについて簡単に最初説明させていただければなと思っております。
次のページをお願いします。2ページ目でございます。こちら、科学ベースの情報の流れの概念図をお示ししています。一番上の研究成果等が、すぐその下の気候変動影響評価報告書、こちらに取りまとめられまして、すぐ下の気候変動適応情報プラットフォーム、こういったプラットフォーム等を通じて、少し濃い色の緑色で書いております情報の受け手のほうに流れていきまして、最終的には一番下、国民の皆様に届くというようなことを模式的に表しております。これまでも、オレンジの点線で囲っております、左から、1.2と書かせていただいていますが、各省庁の取組ですとか、地方公共団体等への働きかけ等は実施しておりましたので、それについて、この後に少し簡単に説明をさせていただきます。
左下のほうに水色の点線で囲っています。ここが、今回最後に説明させていただきます国から国民の皆様への直接的な情報発信、これについて、前回、前々回と、この小委員会でもそこをしっかりと検討していくべきというご指摘を受けていましたので、そこを効率的、効果的に行うために基本的な考え方を今回整理させていただきましたので、その説明をさせていただければなと思っております。
次のページをお願いします。3ページ目です。まずは現在の取組を紹介させていただきます。各省庁の取組としましても、環境省において様々な手引き等でこの報告書の知見等が活用されておりまして、右側の他省庁では、例えば農林水産省のほうで、独自に策定している気候変動適応計画等の中で気候変動に関する知見というものが活用されております。
次のページをお願いします。4ページ目は地方公共団体等への働きかけについてです。左側に地域気候変動適応計画策定マニュアルといったものを整備させていただいたり、右にあります広域協議会、こういった活動の支援を通じて地域での適応というものを促進しております。
次のページをお願いします。5ページ目は民間企業への働きかけについてです。左側に書いています気候変動適応ガイドですとか、企業が気候変動リスクを分析するために必要な情報を整理したサイトといったものを整備しております。また、右側にありますように、産官学連携ネットワークといったネットワークを活用して情報交換等も実施して、企業の適応というものを促進しております。
次のページをお願いします。ここからは実際の報告書の活用についての説明をさせていただきます。
次のページをお願いします。7ページ目です。まず周知に関する簡単なスケジュールですけれども、2月中旬から下旬頃に報告書の公表をした後に、緑色の四角で記載しておりますが、自治体への周知ですとか、各種ホームページ、SNS等の周知を開始しまして、来年度以降になってしまうと思うんですけれども、いろいろなセミナーや勉強会等も実施する予定としています。この色がついたところを次のページで少し細かく説明しています。
次のページをお願いします。8ページ目です。こちらに実際に影響評価報告書を掲載するとか発信をしていく予定のホームページですとかSNS等を具体的に挙げさせていただいております。また、右上に、自治体の周知ということで、様々な機会を通じて情報共有をしていきたいというふうに思っております。右下は、来年度以降を想定していますが、少しターゲットを絞ったようなセミナー等も検討できればというふうに考えております。
次のページをお願いします。こちらは報告書の今後具体的にどういう活動、活用が予定されているかというものを紹介しております。例えば左側の地方公共団体におきましては、地域の適応計画の改定時等で活用予定というふうに説明会等でもお聞きしております。また、民間企業におけるリスク分析等においての活用ですとか、各省庁の報告書や関連施策等への活用も想定されております。
次のページをお願いします。ここからが、最後に、国民とのコミュニケーションに関して基本的な考え方というものをまとめさせていただいたので、紹介をしたいと思います。
次のページをお願いします。今後、国民とコミュニケーションをしていく中で意識していくべき観点ということで、右下の緑色の四角の中で観点を四つ整理させていただいております。一つ目が、シナジーという言葉で整理していますが、適応だけに絞って情報発信しても、なかなか伝わりにくいという現状がありますので、緩和ですとか防災、または健康などとしっかりつなげて発信していくというような観点。二つ目が、日常との接点ということで、日常生活の中で自然な形で目に触れるような、そういう情報発信を意識していくという観点。三つ目が、コミュニケーターとの連携ということで、国が硬めの発信をするんではなくて、国と国民との間に入っていただけるようなコミュニケーターの方と連携して働きかけていくという観点。四つ目が、情報の受け取り手の中でそれぞれそれが共有されるような、対話を促すような、そういう情報発信を意識していくという観点となっております。
これら四つの観点を踏まえまして、具体的にどういうことを取り組んでいくかというのを次のページで整理しております。次のページ、お願いします。12ページですが、具体的な取組としては大きく三つに整理をさせていただいております。
一番上のイベント・セミナー、具体的なセミナー名等も書いておりますが、今後様々なセミナー等を予定されております。その際に先ほどの四つの観点をしっかり意識して、工夫をしながら情報発信等をしていきたいというふうに考えております。
真ん中のコミュニケーターとの連携につきましては、例えば前回の小委員会等でもご示唆いただきました、気象予報士さんですとか気象キャスターの方々、そういった方々との連携ですとか、また学校の先生などとも連携して、より分かりやすく、幅広い層に対して効果的にコミュニケーションというものを図っていければなというふうに思っております。
一番下の地域社会及び日常生活における情報発信につきましては、もともと地域適応センターですとか地方公共団体が地域での活動を実施しておりますので、そういった活動を支援して、例えば対話型セッション等を実施することとか、あとはSNS等をしっかり活用して、身近な事例というものを分かりやすく発信していくなどを行っていきたいと考えております。
資料3についての説明は以上です。
肱岡委員長
ご説明ありがとうございました。
本日欠席の委員より事前にご意見を頂戴しておりますので、事務局より紹介をお願いいたします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
ありがとうございます。江守委員と沖委員からご意見をいただいております。
江守委員からは次のとおりいただいています。
コミュニケーターとの連携に関係する場、メディアをもっと明示的に出して、不特定多数に向けて発信していく機会を積極的に求めていったほうがよいのではないか。高年齢層にはテレビ、若年層にはYouTubeなど、それぞれに効果的な媒体を通じ、タイムリーに話題を発信し、幅広い層に届けることに意味がある。これまでの活動経験からも、メディアにはポテンシャルを感じており、その方向にフォーカスを向けていくことが重要。
それと、シナジーに関連して、適応だけでは限界があるので、気候変動影響を認識した機会に緩和にも目を向けてほしいというのを、一貫性のあるメッセージとして常に盛り込むくらいでよいのではないか。これまで国民は緩和が必要とのメッセージを受け取ってきたが、適応という話題が出てくることで認識が混乱するおそれがある。つまり、影響が増えても対応すればよい、あるいは温暖化はもう止まらないので適応するしかないという認識にならないよう、両者の関係を適切に伝え、納得感を持ってもらえるようにすべき。
続いて、沖委員から、教育の役割は重要、学校の先生などが授業等でそのまま使えるパワーポイントの資料などがあるといいとのコメントをいただいております。
以上、ご紹介でした。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明に対するご質問、ご意見をお願いいたします。
まず渡部委員、お願いいたします。
渡部委員
二つありまして、最初はちょっと今の江守委員の意見に絡むんですが、不特定多数向け、あるいは最初の議題で、地方自治体からの要望で、都道府県レベルでまとめたものが欲しいみたいなことなんですけれども、例えば環境省が全部やろうとするのはちょっと難しい気がしていて、映像コンテンツなんて非常に有力ですけれども、それを環境省側で作るのは大変なので、もうちょっとそこを、地方自治体だったり地方の気候変動適応センターとかが地域のメディアに呼びかけるなり、協力を促して、メディアは映像コンテンツを作るのは得意ですから、そういうのを作って、この影響評価報告書の知見をベースに、ちゃんとした映像コンテンツを作ってもらえないかとか、そういう、ある種何かうまい具合に、アウトソーシングするみたいなイメージですけど、そういうことができるとコミュニケーションのツールとして非常に役立つかなと思ったのが1点目ですね。
それから、もう一つなんですけれども、一つ前の議題の最後の19ページにちょろっと書いてあるAI、デジタル技術の活用というところですが、以前からこういう話は出ていたと思うんですが、やっぱりこれだけ詳細版が分厚くなってしまうと、ドキュメントを本来読めるステークホルダーであっても、これを読むのはしんどいと。これを分かりやすく翻訳してくれるチャットボットみたいなものがあるといいなという意見は多いと思うんですね。
これはもしかしたら肱岡さんに伺うことかもしれないんですが、推進費の研究、社会実装プログラムみたいなところで、そういったチャットボットを作りましょうとか、もしそういう何か計画があるんでしたら、ぜひ何かこの報告書が生き生きしている間に進めていただけるといいなというふうに思いました。
以上です。
肱岡委員長
ありがとうございました。私にいただいたほうは、まだそういう計画はないんですが、国立環境研究所ではそういう情報基盤を整備しようと、中にAIも組み込んでおりますので、ぜひ今いただいたアイデアを生かせるように頑張りたいと思っております。
じゃあ、次、お願いします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
前段に関係して、今回まとめた資料3の影響評価報告書の活用から、国民とのコミュニケーションをどう図っていくかという資料のつくりとしては、基本的には適応室ができる範囲の中身で書いているということになっています。実は普及啓発の取組とかは、気候変動適応センターが地域気候変動適応センターとのネットワークを持っていて、そこでやっていることとか、それから地方環境事務所の気候変動適応の専門官が広域協議会というものを回しながらやっている情報発信の取組とかもあります。
肱岡委員長
ありがとうございました。
それでは、中北委員、お願いいたします。
中北委員
ありがとうございます。11ページのところでシナジーのところを取り上げていただいているんですけど、この委員会でも僕自身もずっと言ってきたんですが、緩和と適応の、ここで言うシナジーですね、ペアとして大事な。それを最初にすごく思ったのが、緩和のシンポジウムに適応で出させてもらったときに、僕は適応関連、治水の話をした後に、企業でずっと緩和を積極的にやられている方が、あ、緩和が終わってもこれがあるんですねと言うたんですよ。だから、ありますよみたいな感じで、そのときにやっぱり両軸を、まあ研究としては両方できていなくても、バックとしての意識、このシナジーという言葉がいいんですけど、認識として、緩和というのは、あとこういうものにつながっている。あるいは緩和し切れなかったらこういうものになる。適応が必要になるとか、そういうつながりを常に両側が意識していないといけないと。そういうのをもっと構築していっていただければと。
適応側から言えば、適応をここまでしないで済むには、何度の上昇で止めているという緩和ができていればいいと。大きな意味ではそれも適応だという考え方もできるわけで、適応の側面からはそういう認識を持っていただくことによって、技術はまた別ですけれども、両者に、考え方として、区別がない世界を日本が率先してやっぱりどんどんつくっていただきたいと。
国交省も含めてそういう話もするんですけど、なかなか治水の計画論には乗らないよとか。要するに施策にまた、何というの、施策として実現していくには、また何かいろんなそちらの意味での物の考え方とかは必要だとは思いますけれども、まずは一般の人のシナジーがそうあるべきで、今まで緩和を率先して進めてこられた活動の皆さんが、もう適応が一体だというような感じで、適応に関してもそういう活動に入ってきていただくと大きな動きにはもっとなると思いますので、そこらは環境省の役割になるかなと。
あとはそれぞれの適応が、法的な部分もうまくモディファイしながら、あるいは計画論、いろんなリアルタイムの対応とかいろいろあるかもしれませんけど、そこらが緩和と適応が一体化したような感じのもの、最適解みたいなのを、より皆が求めるのが常識だというような形にしていただければと。
ちょっと長くなってすみませんね。流域治水という治水の適応として、電力のダムとか利水のダム、一応ちゃんと活用して、全体的で適応すると話したんですけど、電力のほうに関しては、より水力発電を有効に使うことによって緩和に貢献しようというのもスローガンとして入っているんですけど、まだそこらが、今、自分たちがやっている治水適応と必ずしも結びついていなかったり、技術的というより感覚、ここのシナジー的なもので結びついていなかったら、それはそれでもったいないことだと。別に国交省を非難しているわけじゃないんですけど、より皆がそういうふうなまとまり、心の中も含めて、まとまりになるというのが僕も理想の姿とずっと思っていますので、今、江守委員の元の最初のご意見、全く賛同ということで、より私の思いをちょっと今伝えさせていただきました。一般の皆さん含めて、環境省、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
肱岡委員長
非常に貴重なご意見をどうもありがとうございました。
それでは、勢一委員、お願いします。
勢一委員
ご説明ありがとうございました。勢一です。
適応室にしっかりコミュニケーションということで取組をしていただくというのは、非常にいいことだと思いますし、重要だと思います。それはそうなのですけれども、やはり先ほどもご意見が出ましたけれども、適応室だけが頑張るのではとても無理でしょうというので、各省庁のチャネルも幅広く使っていただくという、むしろ適応室がマネジメントをして、そういうのをしっかりコミュニケーションの仕組みとしてつくっていただくというのが大事かなと思います。
実際、法の下で協議をして、現状と課題は共有していただいているのですから、だから、例えば学校教育で文科省に発信していただくとか、今、流域治水が出ましたけれども、水辺の浸水の活動みたいなのはいっぱいやっておられるようなので、そういうところにここに関わっていただくとかというのはもちろんできるのかなと思います。
また、気候変動適応は地域密着のものになりますので、実は多くの自治体では緩和と適応の地域計画を一体的に策定している例があります。本来はその二つ、シナジーが必要だと今ご指摘もありました。ですので、そういう観点で自治体のほうにも取り組んでいただく。環境省でも、ぜひ本省のほうでも、温対法と適応法の連携シナジーを検討していただくというのが大事かなと思います。再エネの設置の適地を設定するときには、両方がウィン・ウィンになるようにということです。釧路湿原みたいなことにならないような仕組みというのも非常に大事かなと思っています。
あとは、先ほど室長さんからコメントがありましたけれども、コミュニケーターとかの連携は大事ですが、せっかく今ある適応のセンターが、全国に地域センターもありますので、ぜひ国環研をトップにして、そのネットワークもしっかり使っていただくというのが大事かなと思いました。
以上です。
肱岡委員長
貴重なコメントをどうもありがとうございました。
それでは、木村委員、お願いいたします。
木村委員
そうしましたら、私のほうからは、地域の気候変動適応センターの立場からちょっとコメントをさせていただこうと思います。
資料3のスライド2の中央、少し下辺りに書かれているんですけども、地方公共団体の適応センターもパンフレットであったりイベント等をやっているぞというところになるんですけれども、私どものところでも様々な普及啓発であったりとか広報を実施しております。
例えば当センターにつきましては、毎年セミナーを実施しておりまして、そのときに、必要な人にいかに情報を届けるかということが結構難しいなということを感じておりまして、努力をしているところになります。そう言いますのが、人や事業者はそれぞれ必要な情報であったり興味のある情報というのが異なっておりまして、例えばセミナーをするのであれば、ターゲットをしっかり絞って、ターゲット層に確実にセミナーの開催の情報を届けることというのが、情報を必要としている参加者に集まってもらって、効果的に普及啓発であったり情報提供をするために重要と感じているところです。
先ほど、ほかの委員の方からご意見をいただいたことにも関連するんですけども、それで、こういうセミナーを開催したりとか、あと広報誌を作るに当たっては、うちの場合でしたら広島県の情報を中心に扱ってということで実施しておりまして、そのための専用の映像化というのはやっていないんですけれども、セミナーの内容をYouTubeで後日発信というのを、講師の方の許可が得られれば実施しておりまして、そういった形で別に、今やっている業務に新しく乗せるのではなくて、ちょっと改良して何かそういった取組ができる部分があるんであれば、大変有用なのではないかと思いました。
今回、環境省のほうでも、普及啓発をされるに当たり、ターゲットを絞って普及啓発されるということでしたので、これは大変重要なことだと思っております。先ほど申し上げましたように、私たち、普及啓発とか情報共有にかなり力を入れておりますので、環境省と連携しながら進めていけたらいいなと思っておりますので、今後もよろしくお願いいたします。
私のほうからは以上です。
肱岡委員長
ありがとうございます。
何かコメント等はございますでしょうか。
羽井佐気候変動科学・適応室長
いずれのコメントもそのとおりだと思ってお聞きしています。今回、資料等、実は作るのにすごく苦労して、適応とか影響評価、科学の情報とか、何かすごく複雑な情報の流れがあって、一部だけ説明すると、どうしても説明不足になってしまうという状況がありました。国環研適応センターと地域適応センターネットワークでされている普及啓発とか、もっと紹介すべきものがたくさんあります。
各省のチャネルも借りるということに関しては、実は8ページに、今後、気象庁や農林水産省に協力していただいて、影響評価報告書そのものについて発信していくといったような記述が出ています。こういうところをもう少し深いレベルで連携していくことにつながげるべきとのご指摘として、ご意見をお聞きしておりました。どうもありがとうございます。
肱岡委員長
ありがとうございます。
それでは、オンラインより、栗栖委員、お願いいたします。
栗栖委員
東京大学の栗栖です。
特に自治体への情報発信に関してなんですけれども、各自治体では、例えばA-PLATで情報があることすらご存じないといった自治体もあって、また、環境部局や適応センターでは知っていても、例えばそれ以外に気候変動の影響を受けるような観光部局など、ほかの部局は知らない、もしくは担当者が替わってしまうとそういう情報が引き継がれないといったようなことが多くあるかと思うんですけれども、今回のこの自治体に向けた情報提供に関して、報告書の内容の情報発信だけではなくて、例えば将来の影響予測であったりとか、適応の具体的な事例などの情報がどこにあるのかということを、例えば端的に示す1枚くらいのポスターを作って、各自治体に配って貼ってもらうといいんではないかなと。そういうことができるかどうかは分からないんですけれども、そうすると、そういう情報があるんだということを、自治体内でそこを目にすることで、各担当者が分かるといったようなことにつながるのかなとちょっと思いました。
私からは以上です。
肱岡委員長
すばらしいアイデアをどうもありがとうございます。
羽井佐気候変動科学・適応室長
ありがとうございます。この資料を作った経験からすると、すごく難しそうな作業になるのですが、ちょっと考えていきたいと思います。
栗栖委員
ありがとうございます。
肱岡委員長
それでは、オンラインより、稲田委員、お願いいたします。
稲田委員
ありがとうございます。資料3の1.4の民間企業への働きかけの件で2点コメントがございまして、一つが金融機関、銀行への働きかけをもう少し強化してはどうかなというふうに考えたというのが一つ目で、緩和策で言いますと、銀行さんが2050年とかにネットゼロの目標を掲げて、当座5年ぐらいで移行計画をしますと。それに伴って、融資先の企業さんにより排出量の少ない技術とか事業モデルの推進を働きかけるという構造があると思うので、適応でもそのような形の仕組みがつくれると、よりマクロ的に適応策の推進になるのかなと。そうなると、恐らく金融庁さんとかとの連携が必要になると思いますが、そういう仕組みもあるといいなと考えましたというのがコメントの一つです。
それから二つ目ですが、これは企業さんに限らないんですが、特に我々が活動している地域ですと、適応策が必要なのでやってくださいと言うと、コストがかかるのでということで、結構敬遠されるケースもありまして、影響評価から適応策の効果に議論を移した瞬間に、やっぱりコストとベネフィットのところをきちんと出して説明していかないといけないという実務上の課題がありまして、この辺も、次の報告書でなのかもしれませんが、報告書の中で提示をいただけるといいのかなと思いました。
以上、コメント2件です。
肱岡委員長
貴重なコメント、どうもありがとうございました。
それでは、事務局、何かあれば、お願いします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
稲田委員、ありがとうございました。資料3の5ページ目の1.4、民間企業への働きかけというページの中に、先ほどおっしゃった金融庁との連携に関して一部取組のご紹介をしております。気候変動リスク産官学連携ネットワークというプラットフォームをつくっていまして、一番下に書いてあるとおりの金融庁を含む関係機関の連携で、企業向けに、リスク回避のために必要な情報というものを情報交換するような場を設けていやっています。こういう場がどんどん発展していくべきという応援コメントをいただいたものと受け止めております。
最後の、コスト・ベネフィットの話になるというのは、本当にその問題意識を持っておりまして、研究の推進というものも含めて、本当に適応策の効果というのをどう示していけるかというのが、今後のあらゆる施策、研究面でも行政面でもポイントになってくるという認識をしております。ありがとうございました。
肱岡委員長
ありがとうございます。
その他、ご質問、ご意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
本日ご議論いただいた報告書(案)につきましては、パブリックコメントに付す前に、最終的な確認を、私、委員長にご一任いただければと思いますけれども、ご異議ございませんでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、最後の議題に移らせていただきます。次の議題はその他となっております。
事務局より何かございますでしょうか。
小穴気候変動科学・適応室室長補佐
特にございません。
肱岡委員長
それでは、最後に、全体を通してご意見、ご発言のある方がいらっしゃれば、よろしくお願いいたします。これまでにご発言のなかった委員の先生方、もしよろしければここでご発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、委員の先生方、どうも今日はありがとうございました。
それでは、以上で、本日、議事を終了したいと思います。
事務局にお返しいたします。
羽井佐気候変動科学・適応室長
肱岡委員長、ありがとうございました。
また、本日は、皆様におかれましては、活発なご議論をいただきまして、ありがとうございました。
内容を踏まえまして、第3次気候変動影響評価報告書(案)については、委員長にご相談の上で、速やかにパブリックコメントを実施してまいりたいと思います。引き続き第3次気候変動影響評価報告書の公表に向けて作業を進めてまいります。
最後に、ご紹介です。お手元にお配りしている資料の総説の実は150ページから、今回の小委員会、それから分野別ワーキンググループでお世話になった学識者、有識者の方々の一覧表がついております。本当に大変多くの有識者の皆様方に多大なご貢献をしていただきながら作業を進めてまいりました。この場をお借りしまして改めて御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
以下、事務的なご連絡ですが、本日の議事録につきましては、事務局にて取りまとめ、先生方にご確認いただいた上で、環境省ホームページにて公開させていただく予定です。
次回の小委員会は1月20日の10時から開催を予定しております。詳細につきましては、また改めて委員の皆様にご連絡をさせていただきます。
以上で本日の小委員会を終了いたします。今日は本当にありがとうございました。