地球環境部会(第154回) 議事録
開催日時
令和7年12月15日(月)10時00分~12時28分
開催場所
環境省第一会議室
(WEB会議とのハイブリッド形式による開催)
議題
(1)適応の取組の更なる推進について
(2)グリーン製品・サービスの需要喚起策について
(3)国内外の最近の動向について(報告)
(4)その他
議事録
午前 10時00分 開会
総務課長それでは、定刻となりましたので、ただいまから第154回中央環境審議会地球環境部会を開催いたします。
事務局を務める、地球環境部局総務課長の松田です。どうぞよろしくお願いいたします。
本日の部会は対面とWebでのハイブリッド開催として、YouTubeの環境省動画チャンネルで同時配信しております。
本日は、委員総数25名中、20名の委員にご出席いただく予定ですが、現時点では17名の方にご出席いただいておりまして、定足数の要件を満たし、部会として成立していることをご報告させていただきます。
また、本年4月以降、地球環境部会の委員の交代がありましたので、新任の委員の方を紹介したいと思います。
まず、電気事業連合会の田熊委員です。一言お話いただければと思います。
田熊委員
おはようございます。電気事業連合会の田熊でございます。
本部会の議論に貢献できるように努めてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
総務課長
次は、日本公認会計士協会の鈴木委員です。一言ご挨拶いただければと思います。
鈴木委員
日本公認会計士協会の鈴木と申します。本日から参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
総務課長
次は、日本商工会議所エネルギー・環境専門委員会の山本委員です。一言ご挨拶をお願いします。
山本委員
おはようございます。日本商工会議所、山本でございます。一生懸命務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
総務課長
ありがとうございます。もう1名日本労働組合総連合会の林委員も新任の委員として就任いただいていますが、本日ご欠席です。
ご紹介は以上でございます。以降の議事進行は、下田部会長にお願いいたします。
下田部会長
皆様、おはようございます。それでは、早速、議事に入らせていただきます。
議題の1番目は、「適応の取組の更なる推進について」に関しまして事務局からご説明いただき、その後に質疑応答を行いたいと思います。
今回、地球環境部会の開催に当たりまして、私からお願いいたしまして、事務局から、各委員に関しまして事前に任意でのご意見・ご質問の提出をお願いしておりました。事前にいただいたご意見をあらかじめ資料として取りまとめることで、効率的な議事運営、議論を深めていくということ、それから、欠席の皆様を含めまして、委員のご意見を可能な限りお受けすることができるのではないかということでお願いしたところでございます。この後の会議の進め方に関しましては従前と同じでございます。委員の皆様におかれましては、その事前にご提出いただいた内容に沿ったご発言でも、それ以外のご発言でも結構でございます。このような進め方について、今日行ってみまして、後日、ご意見等を事務局にお寄せいただけましたら、また、今後改善させていただきたいと思ってございます。
それでは、肘岡委員及び事務局から説明をお願いいたします。
気候変動科学・適応室長
気候変動科学・適応室の羽井佐と申します。
資料2-1を画面に投映していただけますでしょうか。ありがとうございます。
本年、第3次影響評価報告書の公表に向けた作業を進めております。来年度、その結果を踏まえ、政府の気候変動適応計画の見直しを進めていく予定です。
本日の説明対象は第3次影響評価報告書です。影響評価・適応小委員会の委員長であり、さらに専門的な検討を行うために環境省が設置した分野別ワーキンググループを率いていただいた肱岡委員にご説明をお願いしております。なお、肱岡委員の説明の後に、資料2-2に、委員から事前にいただいたご意見一覧をつけていますので、そちらについて私の説明の中で触れさせていただきたいと思います。肱岡委員、どうぞよろしくお願いします。
肱岡委員
よろしくお願いします。
気候変動影響影響評価報告書(案)について報告させていただきます。
この報告書ですけれども、気候変動適応法に基づき、最新の科学的知見を踏まえて、おおむね5年ごとに作成しております。これまで、平成27年、適応法の以前に報告させていただいたものを第1次とし、令和2年に第2次の第2回を公表して、これが第3回となります。報告書ですけれども、農林水産業から国民生活・都市生活までの7分野において、重大性、緊急性、確信度の3つの観点で影響を評価しております。評価の体制ですけれども、中央環境審議会の意見を聞いて策定するものであり、部会の諮問事項は気候変動影響評価・適応小委員会へ付託され、さらに環境省が設置する専門家による分野別ワーキング、ここでは6つのグループを設置しておりますけれども、ここで専門家において案を取りまとめて作成しております。
第3次の報告書のポイントですけれども、IPCCの報告書にありますように、やはり最新かつ広範な科学的知見をまず反映するというところ、さらに、今回は第2次と比べて影響の重大性の評価を2段階から3段階に細分化いたしました。また、気候変動適応は地域性が大きいということで、特に影響を受ける地域や対象を整理するということ、さらに、これを適応計画につなげるということで、適応策及びその公開に関する知見の整理という4つの視点で実施しております。現状から将来予測にわたって重大性・緊急性・確信度が高いなど特に優先的な対応が必要な項目というものが明らかになってまいりました。特に優先的な対応が必要な項目等は下に示しておりますけども、例えば水稲、コメの収量・品質低下等々が挙げられます。やはり今、気候変動影響に直面しているということで、将来のその深刻度を踏まえた評価を行っていただいております。
次をお願いいたします。この紫で示しておりますのはレベルの3というものになりますけれども、このレベルの3、さらに括弧内の点が3つあるのが確信度というものになります。なお、研究の進捗度によっては、なかなか学術論文等が出ていないものもありますので、レベル3でありながら、括弧の中のスターの数が1つであるものもあれば、しっかりと知見が集まってきた3つというものがあります。現状と、さらに1.5℃とか2℃上昇したとき、さらには3℃上がった場合に対して、このレベル3が、全て紫のものに関しては非常に緊急度が高い、その影響度が高いというところで、今すぐ取り組まないといけないということを判断しております。
次をお願いいたします。ここから分野別になります。ここは農林水産業の例ですけれども、将来、生じると予測されるものには(将来)と書いておりまして、この両括弧の将来が、この括弧の赤の(将来)がないものに関しましては、もう現在、既に影響を生じており、将来、さらにそれが将来悪化するということが予測されております。さらに、下線部分に関しましては、今回の評価、第3次の評価において、さらに追加されたり、内容が更新されたものとなります。
8枚目が水環境・水資源、9枚目が自然生態系分野、次が自然災害・沿岸域分野、次が健康分野、次が産業・経済活動/国民生活・都市生活分野、ここまでが分野別の事例となります。
特に、この産業経済と国民生活・都市生活分野におきましては、なかなか、まだ研究の進捗が進んでいないというところになりまして、今後の研究が必要となります。
次をお願いいたします。最後に、この第3次気候変動影響評価報告書案の日本における気候変動による影響の評価に関する課題と展望というものがまとめられております。まず、ニーズですけれども、やはり関係する地域や対象への気候変動影響や、効率的・効果的な適応策をどう取捨選択・実行すればよいのかと、これは比較可能な定量的な適応策の効果というものは、まだなかなか知見が集まっておりません。必要とされ集めなくてはなりません。もちろん、その知見に対して、自治体の関わった企業、また一般の方が、いかに知見を使えるか、アクセス向上・分かりやすさの向上など利活用のしやすさが必要とされております。この課題ですけれども、この第3次評価報告書におきましては、最初にご紹介させていただきましたように、「特に強い影響を受ける地域や対象」・「適応策及びその効果」に関する知見の収集・整理に取り組もうということを目標としてまいりましたけれども、やはり80という多数の小項目等がありますので、全てにおいて定量的かつ網羅的に整理できたとは、まだ言えないということで、今後、例えば、ある項目に対して複数の適応策が、仮にそれがどれぐらいの効果があるのかというのを、比較可能な知見というものをこれから集めていかないといけないということが課題となりました。課題への対応と今後の展望ですが、やはり、科学的知見の充実というものが求められております。地域、どこの地域別の影響の度合いもありますので、その「地域や対象」、「適応策の効果」に関する知見を充実させることが必要ですし、さらに科学的な知見を総合的、かつ分野横断的に、今までは、1つの分野、1つの項目に対して非常に研究がなされてきましたけれども、やはり分野間、例えば項目間の影響の連鎖もありますし、例えば、1つの適応策が2つにも効果があるケースもあるかもしれません。なかなか、そのような研究はまだまだ足りないと考えております。もちろん、社会は随分変わっておりますので、気候シナリオ、社会・経済シナリオ、最新のものをいつでも使えるように、かつ、精緻化が必要だと考えております。影響は、やっぱり遠い将来の話ではなくなってまいりましたので、今、何が起きているのかというのは、やっぱリアルタイムで、それをモニタリングすることも必要ですし、そのための収集方法に関しましても、AIを使ったり、デジタル技術を使う、活用などを含めて検討が必要だと思います。先ほど申し上げましたように、連鎖的・複合的影響の評価というものに関しましては、まだまだ足りておりませんので、もちろんシナジー、トレードオフについても研究を進めないといけないと考えております。評価方法の改善が必要と書いておりますけれども、第2次から第3次において1つの工夫をされましたけれども、今後も、適応策の効果とか、その脆弱性の考え方等々を、今後も、より検討していかないといけないと考えております。そして、このような知見が、我々一般国民に対して、いかに使いやすいものになるのかを考えて、こういうものを促進しながら、全気候への適応への取組を加速していかなければならないと考えております。
以上となります。
気候変動科学・適応室長
肱岡委員、ありがとうございました。この内容につきまして、事前に部会の委員からご意見をいただいております。意見は大きく4つに分けられます。1つ目が評価結果の解釈、2つ目が次期評価に向けての課題、3つ目が国際協力、最後、4つ目が評価結果の周知に関わるご意見でした。
1つ目の評価結果の解釈につきましては、下田部会長より、影響が顕在化する前に適応に取り組むべきことを強調すべき、熱中症のように影響が甚大なものについて、より直接的な介入を含むような施策が必要といった旨のご指摘をいただいております。関係省庁、関係部局と連携して取り組んでまいります。
2つ目の次期の評価に向けての課題につきましては、亀山委員より、地域の知見を評価に反映する、あるいは、地域ごとのより柔軟な影響評価の実施を推奨する、山戸委員から、適応策の効果についての分析をより充実させるべき旨、林委員からは、「公正な移行」の文脈で失業者数などを評価すべき旨、ご意見いただいております。いずれの点も、今回の影響評価で工夫した点と関係しております。一例として、今回引用した文献のおよそ2割は学術論文以外の報告書などでありまして、また、文献化されていない事象についてはコラムでまとめるなどの工夫を行いました。適応効果とか脆弱性についての情報も整理いたしました。次期評価に向けても、この方向を強めたいと考えております。
3つ目の国際協力についてのご意見、船越委員から、第4次報告書で国際貢献も評価するとよいのではないか、あるいは、適応の発信にAZECを活用できるのではないか、山戸委員から、日本の影響評価の知見を生産拠点のある途上国に共有すべき旨など、意見をいただいています。適応の国際協力については法律に基づいて取り組んでおりまして、アジア最大級の適応に関する会議アバンフォーラムで日本の貢献を発信しているほか、COPのセミナーなど様々な機会を活用しています。近年は、官民連携で気象の早期警報システムを途上国に実装促進するイニシアティブを強化して進めているところです。また、A-PLATという適応の知見共有やツール提供のWebサイトの運用もしています。適応計画の改訂を進める中で、さらなる国際貢献の方向性を議論していきたいと考えています。最後の評価結果の周知につきましては、下田部会長から、スライド6の影響全体の表をイラスト化すべきといったご助言をいただいております。そのほか、多様なご意見をいただいていますので、以降のスライドの中で言及させてもらいます。
先ほどのスケジュールのスライドへと進んでいただきまして、今後の予定ですが、現在、パブリックコメントを実施しております。ご意見を踏まえて、再度、気候変動影響評価適応小委員会にお諮りし、答申をいただいた上で、2月頃の公表を予定しています。
次のスライドは説明を省略しまして、16ページに進んでください。ここから影響評価報告書の公表に合わせて国民とのコミュニケーションの強化を進めていくことにつき、概要の説明をします。
次のスライドをお願いします。第3次影響評価報告書そのものについては、左上のとおり環境省の他部局のWebサイト等においても連携して発信する予定です。また、関係省庁の公式SNSにおいても発信に協力していただく予定としています。また、右上に書いてありますとおり、公共団体向けにも多様なチャンネルや媒体で発信し、右下、事業者向けにはターゲットを絞ったセミナーの開催を予定しております。下田部会長より、ここに出ているメディアに限定することなく、伝わる方法で実施すべきである旨、また小西委員からは、ターゲットを絞ったセミナーの対象として、地方銀行協会などをご示唆いただいておりますので、ご助言を踏まえて対応してまいりたいと考えています。
次のスライドをお願いします。公表された影響評価報告書は、様々なマニュアルやガイドラインにその内容が活用される予定です。地方公共団体や地域適応センターについては、計画策定マニュアルなど、それから、中央、民間企業向けには物理的リスク対応マニュアルなど、右側、関係省庁向けには、それぞれの計画や手引等において活用される見込みです。小西委員から国民参加事業に参加した自治体への丁寧なフォローアップを、林委員からは自治体への周知と国県による具体策の牽引が必要、山崎委員からは自治体の防災計画や、これまで想定していない計画にも反映させていくことが必要とのご指摘をいただいております。今後も、ここに掲げたような技術的な指針の類いを充実させてまいりたいと考えております。
次のスライドをお願いします。また、気候変動適応法施行後5年の施行状況取りまとめの際にも、影響と適応について国民とのコミュニケーションを強化していくべき旨、小委員会からご意見を頂戴しておりまして、ここに掲げているとおり、右下の4つの観点に留意してコミュニケーションを図ってまいりたいと思います。1つ目が、緩和など他分野とのシナジーにより関心を持っていただく接点を増やす。2つ目が、例えばスポーツにおける熱中症など日常生活との接点を増やす。3つ目が、環境省と国民との間をつないでいただけるコミュニケーターと連携する。4つ目、届いた情報が、対話を通じて横に広がるような発信、こういったものに取り組んでまいりたいと考えております。
次のページをお願いします。こちらは、やや具体的な今後の活動について整理をしております。
田中委員から、周知については、分野別から暮らしの視点にまとめ直すとよい。また、企業の取組の効果の見える化と、消費者が参加できる仕組みが大事といったご意見をいただきました。デコ活とも連携しながら、新しい発想を取り入れ、自分ごとになるように取り組んでいきたいと考えております。なお、科学に関する発信と、特に緩和や適応のシナジー発信につきましては、資料の4-1、ページで言うと23ページから27ページまでに整理しておりますので、こちらも併せてご覧いただければと思います。
最後に、次のページで、本日ご議論いただきたいポイントを表示しております。第3次影響評価報告書をどう活用し、各主体の適応策の推進を図っていくべきか。次の影響評価報告書に向けての期待や適応策の推進方策につきまして、大所高所からご議論いただければと思います。
以上で説明を終わります。ありがとうございます。
下田部会長
ありがとうございました。事務局には、事前にいただいたご意見・ご質問に関して、この資料の中に入れていただくようにお願いをしております。それでは、ただいまのご説明に関するご質問・ご意見等をいただきたいと思います。
会場参加の委員はネームプレートを立ててください。また、Web参加の委員は挙手ボタンでお知らせください。運営の都合上、まず、会場参加の委員からご発言いただきます。その後、Web参加の委員を順番に指名いたしますので、それまでお待ちいただきますようお願いいたします。有村委員が10時半頃ご退出ということですが、何か先にございますでしょうか。
有村委員
ありがとうございます。後半部分に関しては意見も既に提出しておりますが、前半部分に関して意見を提出していないので一言だけ申し上げたいと思います。まず、報告の取りまとめ、ありがとうございました。肱岡先生をはじめ、すばらしい研究をベースにした適応の状況が分かるような報告書を発表されるということで、非常に期待しております。1点だけ、前半部分に関しては、我々、実感してきている気候変動の現象、それから、それに対して適応がとても大事だと我々は認識をするわけですけれども、これを一般の方、特に若い方にきっちりと伝えていくということが非常に大事ではないかと思っていまして、そのときの情報の伝達の仕方というのが、かなり変わってきているということを意識しながらやっていく必要があると思っています。いろんな情報を、新聞、テレビ、あるいはホームページなどで発信しても、なかなか若い人に届かない。若い人に届くには、SNSを使った情報発信というのが、やっぱりとても大事になってくるというのを、昨今の選挙でも言われておりますし、私の最近の例で言いますと学生のゼミ募集で全く同じ体験をしまして、ゼミのホームページがちゃんとあるんですがなかなか応募が集まらない、公募しても集まらないときに、学生がインスタを始めたら、一気に応募者が増えたという、そんなものなんだというのを私自身も体験しまして、若い学生さんに、そういった形で伝えていくための手段というのはとても大事だと思います。あと、もう1点、それに関連して言いますと、日本の学校教育というのは、環境省の努力もあってか、非常にすばらしい環境教育を世界水準でされていると思うんですが、でも、その環境教育を受けた若い方が社会人になっていくときに、これは必ずしもつながっていかないというようなところ、ギャップを感じるところがあるんですよね。そこを埋めるような意味でも、こういったすばらしい報告書を若い方に届く形で発信していくということが大事なのかなと思っております。
以上になります。ありがとうございました。
下田部会長
ありがとうございました。それでは、井田委員、田中委員、江守委員の順番で、まず井田委員、お願いします。
井田委員
ありがとうございます。事前に意見を出していませんが、A-PLATって非常にいいなと思っておりまして、活用させていただいて、我々も活用しているし、多くの人が活用しているようなので、ぜひそれを充実させていただきたいというのが1つなんですけど、有村先生もおっしゃったように若い人に伝わらないんですよね、ホームページは見に行かないので。これは、有村先生のおっしゃるとおり、インスタとか情報伝達の仕方というのを真面目に考えていかないと関心のない人には全然伝わらないと、セミナーとかを幾らやっても、関心のある人は集まるけども、関心のない人には全然伝わらないということになるので、重要な論点だと私も思う。
あと、有村先生は教育のことをおっしゃっていましたけど、小学校とか、教育の場にどう生かして、どうつなげていくのかというのが、あまり今日の説明では聞こえなかったんですが、これは社会人教育を含めて、これを教育、教材として活用していくことを考えていくべきだと思います。あと、ご説明がありましたけど、もう1つ重要なのは、緩和と適応を一緒に考えるというのがIPCCでも言われていることで、このままだと適応の失敗というのがやってきてしまう。6ページを見ると、これ4℃になったら紫ばっかりですよね。こういうコミュニケーションって非常に重要だと思うので、このままいくとどんどん大変なことになります。だから、適応も大事だけど緩和も大事なんですとセットで考えて、特に、私も最近、若い人と話をしていると、本当に将来、自分のことが不安でしようがないとか、今でもこんなに高温なのにもっと上がったら大変だというのは、若い人の危機感が非常に高まっているので、この時系列というか、今、ちょっと先、もっと先みたいなことで、2℃、3℃、4℃になったときという将来シナリオを含めていかに大変になるか、コミュニケーションとして、これを題材としてこれを使っていくことが重要だと。それを言わないと、それを言いつつ、やがて適応の失敗等もやってくるので緩和を一生懸命やらなきゃならないんですよと、適応だけでなくて一緒にコミュニケーションをやると、将来がこんなに大変だというのは、cost of inactionの話にもなってくるので、だから今コストをかけて対策を取らなきゃならないんですよというような、こんなことが非常に大変になりますというのではなくて、もっと幅広い文脈の中に緩和とコストを考えるという、幅広い文脈の中にこれを置いたコミュニケーションが大事だと思っている次第であります。
長くなりましたが、以上です。
下田部会長
ありがとうございます。次、田中委員ですね。その後、江守委員、小西委員お願いします。
田中(里)委員
田中です。発言の機会をありがとうございます。事前に意見を提出していて、そこに重なる部分はあるかもしれませんが、改めて、要点をお話させていただければと思います。
先ほど事務局から4つの視点と評価について示されましたところ、この効果の定量的な評価というのが、やはりとても難しいわけなのですが、そのためにも、まず目指す姿の共有をいま一度しっかりやっておきたいなと思います。理想の姿に向かうためのアプローチがこの適応策であって、そこの中に自分たちがどういう役割を担えるか、地域全体でできるか、あるいは業界で何ができるか、皆さんの視点がクリアになると多くの方が参加もしやすいと思います。そのためにも、今回精緻にいろいろ組んでいただいていますので、この根拠となるエビデンスをどう出していくかとかというところ、先ほど下田部会長からも、あの1枚のイラストをきちっと見える化したほうがいいんじゃないかというお話、まさにそのとおりで、例えばそれをベースにした動画などが有効です。先ほどもお話の出たインスタとか、動画を若い人はみんな見ていて、自分がライフスタイルのお手本とする人たちの生活を少し模倣してみたり、憧れてみたり、取り入れてみたりということをしますので、そういう中に入っていただくことができるとよいのかなと思っています。また、6ページの、今の段階でも紫色のレベル3が相当あるということが、大きな危機感になると感じます。例えば、今年もニュースになった、広島でカキが全滅ですとか、昔から伝統的にやってきてもう何百年も続くお祭りがその日程にできないとか、花火大会なども中止が多くてもう夏に花火が見られないんじゃないかとか、激しいゲリラ豪雨があるとか、たくさんの変化が起きています。このまま何もしないとどんどん私たちの生活が壊れていくことを認識するきっかけの出来事でもあり、メディアで報道されるときなどにも、このニュースとともに、例えば、適応策でどんなことをやっていくべきなのかとか、そこまで深くいけるかどうか分からないですが、ニュースが出たときに、それが今後の問題となるから、今見過ごしてはいけないといったメッセージを出していけると良いと思っています。3つ目は、やはり分野横断の連携はすごく重要だと思っていますが、連携するにはそれぞれの、最初のビジョンのところですが、個者が何を大事にしていて、どの部分で専門性を打ち出せて、横連携できるかということが、もっと議論できるといいなと思います。今パブコメの段階ということで、地域への示唆もありましたが、つくったものを地域で応用してもらうだけではなくて、地域ならではのやり方とか、得意な切り口が結構ありますから、そのような意見もぜひ出していただきたい。魅力的なアイデアがあれば、横展開、水平展開も他地域にできると思いますので、このパブコメが環境省及び広く社会ということだけではなくて、社会の個者同士もここでの情報共有ができるような、そういった新しい感覚を持ちたいです。本当に環境は全ての人に大事な観点ですので、それがつながるとよいと思ったところでございます。最後に、インフラとか技術開発も、この部分からできていくと思うのですが、そのときにも、例えば耐熱性の作物を開発したり、治水のインフラ整備などがなされるときに、新しい技術も出てきますし、今本当に、大学発ベンチャーも、環境オリエンテッドなベンチャーはすごくたくさんあります。そういう若い人たちが孤軍奮闘しているようなケースも見られますので、頑張っている若い人たちにスポットを当てて、その人たちを、若者がまずは応援しようみたいな流れになるように情報の後押しを環境省からも行っていくことができるとすごく活性化すると感じます。よろしくお願いいたします。
下田部会長
ありがとうございます。では、江守委員、お願いします。
江守委員
江守です。僕は、適応に関しては小委員会の審議に参加させていただいておりまして、意見も反映いただいております。事前には提出しなかったんですが、改めて3点申し上げたいと思います。
1つは、既に井田委員からご指摘があったところですけれども、適応の発信をするときは、やっぱり緩和をセットで常に発信していってほしいと僕も感じております。環境省で既に実践していただいているようにお見受けしますけれども、特にこれが重要だと思うのは、やはり適応を特に強調すると、やっぱり適応だけしていればいいのかという新しいメッセージのように受け取る人が出てきてしまうような懸念とか、あるいは、緩和はもう諦めて適応しなくちゃいけなくなったんじゃないかと受け取る人が出てくる懸念があるように思います。ビル・ゲイツが最近メッセージを出して、脱炭素は重要だけれども、これからは途上国の健康とか食の問題にもっと投資をしていくみたいなことを発信していて、何かちょっとそういうふうにシフトしているような雰囲気も感じている人がいるんじゃないかと思うので、常に緩和というのは引き続き重要であることをセットで発信していただきたいと思います。
2つ目ですけれども、第4次に向けての課題で、社会的・経済的要素の変化に伴う影響の評価というのも、もっと注視させる必要があるということを書かれましたけれども、これは非常にそうだと思っていまして、たまたま昨日の日経新聞で『適応格差』という記事があって、特に、例えば農業で適応が必要になったときに、高齢の農家というのはやっぱり対応しきれないし、諦めてしまうところが多いんじゃないかということで、適応の能力とかリソースに非常に格差が出ていて、それが経済的な格差を広げてしまうことが指摘され始めているので、こういった観点を、今後、充実させていく必要があると思いました。
3点目、事前に亀山委員が提出されている意見を拝見して、地域の懸念をもっと取り入れていただきたいと、そのとおりだと思ったんですが、具体的に、例えば、今で言うと、やっぱり熊が増えていることが気候変動の影響かどうかということを心配している声が聞かれます。これは、今の影響評価報告書の案にも少し触れられていますけれども、僕自身の理解としては、気候変動が主因ではないけれども影響している可能性はあるのかなと思いますので、そういったこと、分からない点であるとか、気候変動は主因ではないですよとか、そういったことも含めて、まだはっきりとその論文等で解明されていない問題に関しても社会の関心が高い面について、多面的に説明していく必要があると思いました。
以上です。ありがとうございます。
下田部会長
ありがとうございます。では次、小西委員、それから勢一委員、田熊委員です。
小西委員
ありがとうございます。事前に、スライド別に意見は出させていただいたので、今日はそれ以外にお話を伺いながら思ったことを3点お話しさせていただきます。
1点目は、具体的にどのように国民の皆さんに知っていただくかといったときに、私は、もともと気象キャスターだったんですけれども、テレビで、今回これだけ猛暑でありながら、実際に毎日毎日、熱中症にならないために水を飲みましょうとか、そういったことはさんざん言われるんですけれども、そのときに、気候変動と結びつけて話題にするという気象番組が非常に日本は少なかったと思います。これがBBCとかだったら、もうほぼ毎日のようにつながっているので、そういった普段目にする、特に民放の天気予報などにもっと取り上げてもらうためにはどうすればいいのかなということを、例えば日本民間放送連盟と具体的に連携してみるとかはいかがかなと思いました。というのは、もう私も20年前の経験なので、役にはあまり立たないと思うのですが、当時、天気予報をやるときに、あまり気候変動と結びつけると、スポンサーからのプレッシャーがあってできなかったんです。結構大手のスポンサーがつきますので、そういうことで結構縛られるということがありました。というのは、日本の気象キャスターというのは、大抵の場合、社員ではなくタレント業で、オーディションに受からなければ、仕事を得られないことになりうるので非常に影響されるんですね。今もあまり実態は変わってない気はしますので、今は、多分スポンサーもかなり意向は変わっているかなと思いますので、なぜテレビの気象番組で、気候変動と日常的に結びつけて語らないのかといったところを日本民間放送連盟とお話、連携していかれるといいのではないかなという気がいたします。それが具体策としての1点目です。
2点目が、やはり教育ですけれども、私も大学で、私は環境学部ではなく、一般の学生に、全員に環境を教えなさいという意向で、そのような教育をしております。環境省のA-PLATを使って影響を調べさせて、適応策を調べさせて、それをビジネスにみたいなことで必ずやらせるんですけれども、その関連で、結構ヨーロッパ系の大使館の教育担当者とお話しするときに、ドイツとかは、小学校・中学校で義務教育としてこの環境教育があるということをよく言われていまして、日本では、なかなか義務教育の中で、この気候変動問題というものがあまり取り上げられる機会がなくて、例えば国語でよく取り上げられる、国語の文章の中に気候変動の問題が取り上げられて、割と国語で知っているという子が多いのです。ここは、例えば文科省さんのご協力を得て、義務教育の中に取り入れていく、あるいは、大学の中で必ずA-PLATのこの教育を入れなければならないみたいなことを1つの条件にしてしまうとか、そういったことで具体的に取り入れてもらうということを、関係省庁とやっていけるといいなと思っております。
3点目が、これは江守委員が、まさにとてもすばらしい論文を出されていて、私もそれを読んでそうだなと思って見ていたんですけれども、今回のCOP30の文章で、初めて1.5℃オーバーシュートが所与のものとして書かれました。その1.5℃は、このままの削減では、なかなか達成が非常に困難になっているけれども、1回オーバーシュートして、その期間と規模をなるべく小さくすることに、今の事態は認めざるを得ない状況になっていることが、今回、世界に向かって1つの発信になったと思っております。ということで、次回のこの報告書には、その1.5℃が、諦めるのではなく、例えば、これぐらいの期間で、これぐらいの規模になってしまった場合の影響はこうで、それをこれぐらいの期間で、この規模で抑えられたらこうなるみたいな、そういった1つの発信というか、恐らく研究というよりは、そのコミュニケーションを出すときのやり方かもしれないですが、それが1つ、今後必要と思います。そうでないともう無理だ、パリ協定の長期目標は無理じゃないかという論調が結構覆ってしまうと思うので、そこも1つ、この報告書で、是非次回お願いしたいと思っております。
以上です。
下田部会長
それでは、勢一委員、お願いします。
勢一委員
ご説明ありがとうございました。勢一です。私は小委員会に関わっておりましたので、あえて発言しなくてもいいかなと思ったのですが、若干気がついた点がありましたので、大きく2つ発言させてください。
1つは、小員会でかなりいろいろな意見を委員の皆さんが出されて、私もそれを聞きながら、議論に参加してとても勉強になりました。ただ、今日の資料に、小委員会で出てきた主な意見といったご紹介がなくて、実際に、緩和・適応の一体化であるとか、あとは見える化、情報発信の課題というのはたくさん出てきたので、それを先ほどの事前提出意見のような形で少しまとめてご紹介いただけると、ここでいただく意見がさらにワンステップアップするような気がいたしましたので、その点、ぜひ次回以降にご検討いただけるとありがたいなと思ったのが1点目です。
もう1点目は、皆さんの事前提出と今日のご意見を伺っていて、予防的アプローチが非常に大事な分野だというのを改めて私も認識いたしました。その場合には、やはり今回の影響評価を踏まえて、具体的な施策を地域レベルでつなげていくというところが重要で、そういう意味では、熱中症など、まさに市民に身近なところで適応の情報発信も併せてしていただくとか、あとは防災・減災で地域のレジリエンスを高めるというところは、まさに喫緊の課題になっていますので、そことつなげていただくというのが大事かなと思いました。別の研究会に参加していたときに、国土強靭化の地域計画の策定について内閣官房が策定ガイドラインを出しているが、しかし、そこには適応計画についての言及がないという指摘がありました。こういうところを国でつなげていただくと地域につながるかなと思いましたので、2点目としてご意見をさせていただきました。
以上です。
下田部会長
ありがとうございました。続きまして、田熊委員ですが、その後、オンラインで山本委員、田中委員でお願いします。
田熊委員
田熊でございます。ご説明ありがとうございました。私からは、電力事業者の視点から発言させていただきます。
まず、第3次影響評価では、最新かつ、より広範な科学的知見の反映や評価書への改善をしていただきまして感謝申し上げます。猛暑や豪雨に伴うライフラインの影響、発電設備へのリスク、地域ごとの電力需要の変化などが非常に丁寧に整理されており、適応計画の見直しに向けた重要な基礎資料になると思います。ご案内のとおり電力インフラにつきましては、既に電力各社がBCPや防災計画の高度化、設備の強靱化に取り組んでいます。今後も、こうした事業者の取組や最新の知見を共有いただくことで、企業側のリスク評価、投資判断の基盤として、一層活用しやすくなると考えております。引き続き、事業者の取組の後押しをお願いいたします。
なお、適応計画につきましては、各分野の既存の計画や、施策と整合的に整理・策定され、各主体の適応実施に役立つこととも期待をしています。
以上でございます。
下田部会長
ありがとうございました。それでは、オンラインで山本委員、田中委員、その後、大塚委員でお願いします。
山本委員
山本でございます。報告の取りまとめ、またご説明ありがとうございました。各委員がお話しされたように、適応策を進めていくためには、気候変動の影響についても、誰もが当事者意識を持って理解、把握した上で、危機感を持ちながら備えていくことが大切だと考えています。その上で、各委員の事前の意見を踏まえた、事務局の説明にもあったかもしれませんが、民間企業の立場として3点、意見を申し上げます。
まず、1点目、伝え方です。気候変動の影響が深刻化する中で、各自が当事者意識を持ち備えていくためには、資料にも記載していただきましたとおり、情報の伝わり方が重要だと考えます。内容を単に発信するだけではなく、誰に、何を理解してもらいたいのか、どのような行動につなげたいのか、国民、企業、もちろん自治体など、それぞれの受け手の状況に応じて、理解しやすい形で提供されることが必要です。それにより、初めて危機感の共有や具体的行動につながると考えます。
特に、資金や人材などのリソースが限られている中小企業が円滑に適応するために、例えば中小企業向けに、具体的な事業リスクや対策コストを見える化して示すなど、企業が参加しやすい、実効性の高い内容にすることも必要だと考えます。
その上で、2点目は、ライフライン事業者の視点でお話しさせていただきます。国民生活や企業活動を支えるライフラインの寸断は生活の根幹に関わると考えます。気候変動の影響によって、ライフラインが寸断する可能性を検討、把握して、その結果を踏まえて、企業のリスクマネジメントへ組み込むことも必要だと考えます。これらの取組の実効性を高めるという視点では、この評価報告書を各主体でどのように活用してもらいたいのか、Web上などでの周知にとどまらず、関連する各業界団体にも積極的に周知し、リーダーシップを発揮してもらいながら、事業者の備えを促す周知、指導の強化を図っていくこと、また、所轄官庁にも制度面などで後押しをしていただき、施策推進することも効果的だと考えます。
最後、3点目は企業側の視点となりますが、企業が自らのリスクの評価をする際には、事業所単位での気温上昇や海面上昇、豪雨などの影響予測情報が不可欠と考えます。そのために、検索のしやすさなど具体的な情報へのアクセス性の向上も必要となり、企業が直感的に理解できる分かりやすい周知と解説も必要だと考えてます。
いずれも、理解から危機感、そして行動へ至る一連の流れがそろってはじめて効果が発揮するものと考えますので、全ての関係者が役割を分担しながら、適応への実効性を高める取組を着実に積み重ねることが重要ではないかと考えてます。
以上です。
下田部会長
ありがとうございました。それでは田中委員、お願いします。
田中(加)委員
ありがとうございます。田中加奈子でございます。よろしくお願いします。私は普段、緩和策や脱炭素化の方策について関わることが多いために、今回の適応についての包括的なご発表、本当に大変勉強になりますし、しっかり、このように検討されている状況に対して的を射たというか、的確な政策決定に今後つながるのだろうと大変安心感がございます。気候変動といいまして、その人為的な排出増加そのものと、GHGの濃度上昇と、気候のそれによる変化、それから、それが自然と社会への影響、そして、その発展そのものに影響するといった、そういったぐるっと回った動的なサイクルが、実際、そういった関係がある中で適応をしっかりやっていくことが影響するところは、まさに社会のシステムであるわけでして、今回のご検討は、その社会や自然といったところへの影響について、適応策がどうあるべきだということも踏まえて、すばらしい示唆を与えていると考えているんですけれども、もう少し踏み込んでいただければいいのかなと思います。その動的な関係の中で、その原因の緩和をしっかりやってほしいというのは、従前からもそうですし、今回も、委員のご意見にもおありだったんですけれども、そこはもちろんですが、私がお伝えしたいのはそこではなく、適応を考えることが、どれだけ脱炭素化を目指す社会に影響があるかというところなんですね。つまり、動的な影響の順番で言えば、影響を受けた社会が、今度はどのように発展するかという次のサイクルのところの話です。で、そこはできればシナジーを絶対目指してほしくて、相殺される部分がもしあるのであれば、どうしたらそこを和らげられるのかといったところも重要なのかと思います。現在、IPCCの第7次評価報告書の作成が始まっていまして、公表されている情報からだけを踏まえた上での私の個人的な印象としてお伝えしますと、今回、学際的なアプローチが強調されているなという感じがございます。例えば、第1回の会合、気象科学と影響適応、そして緩和策、そのそれぞれ3つをばらばらにしたものが合同開催されています。とりわけ、気候変動に関する事象の大きな、そういった関係性、先ほどのような関係性ですね、動的な関係というのをより深く考えていくタイミングは、まさに今なのかなと思っています。今年の秋にイギリスの気候学関係の学会で、気候変動の影響適応についての学会がありまして、参加させていただいたんですが、そこでは、例えば原子力などエネルギーの産業の方とか、自治体の統合的な戦略、自治体からの統合的な影響に、戦略についての話が実際にあったりしていました。実際に、誰がアクターなのか、誰が動くのかと考えると、企業であったり、地域のコミュニティーとか自治体であったりするわけなんですけれども、大小、あるいは目的は様々な中、お金も人材も限られたリソースで、どのタイミングで、どのタイムフレームで、何に投資をしなきゃいけないのかというところを、皆さん、本当に、まさに見極めなきゃいけないことがずっと続くわけで、そういったときに適応策と緩和策の統合的な戦略というのは求められる段階だと感じています。事業には、サプライチェーンのどこに影響があるかという、そのせいで脱炭素化戦略がどう影響していくのかというところですし、地域の発展についても、同じ土地を使って、同じ人たちが住んでいらっしゃって、そこでの活動で何が影響し合うのかということだと思います。影響のそういった、その相互の、次の段階の影響の定量的な変化とか、定性的な変化とかが出されることで、今どこに、次にどこに注目すべきかよい示唆を与えることが可能になるんじゃないかと思います。
2点目、有村委員をはじめ何人かの委員の皆様がおっしゃった教育ということについて、以前から私も意見をお伝えしておりまして、特に、初等教育から当たり前になるようにというスタンスで重要性をお話ししてまいりました。内閣府の会議に出させていただいたときも、10年ぐらい前ですかね、それぐらいから続けて申し上げたことがあったんですけれども、ただ今回、もう少し高い年齢層について、どう盛り立てていくのかというお話がありまして、そのとおりだなと思って聞いていて、SNSの活用について、手元に届く情報に盛り込んでいくというのは、本当に非常に重要と思います。以前若い世代は、自分が若かった頃もそうですが、何となくついているテレビだとか、意識が高い人たちは通学時の新聞とかで目にしていたことが、今は、ただただ、ほとんどの人がスマホを見ていると、特に選んで探しに行くのではなく、お薦め情報として手元に届いてしまうという、そこの部分に入れ込む仕掛けは非常に重要かと思います。その点で言うと、初等教育は、やはり別に考えなきゃいけないと思い直しまして、今ここで申し上げているわけですが、今は小学生もスマホを持つことが確かに多くはなっているんですけれども、とはいえ学校では禁止されていたり、持ち歩きは禁止されていたりとか、あるいは、他国に至っては、実際にもう見せないという規制が入ることも少しずつ考えられているというのはニュースで拝見しています。ですので、そこに頼らずに、地道に初等教育、義務教育でカリキュラムとして進めていただければと思います。10年前にその発言をした頃に比べると、かなり子どもたちの問題意識も、むしろ大人より高くなってきたなと思うことは実際にございます。とはいえ、一度固めたものを、何年も同じことを繰り返すのではなくて、今回の評価の件なども含めて、例えば入れていくとか、あるいは科学からのメッセージ、例えばIPCCの報告書にもですが、年を追うごとに表現が断固としたものになったり、増えていったり、より有機的にどんどんつながっていったりということもございますので、ぜひ毎年、お子さんたちにお伝えするメッセージ自体は改定していただければいいのかなと思います。
以上です。
下田部会長
ありがとうございました。では次、大塚委員、その後、伊香賀委員、高村委員でお願いします。
大塚委員
すみません、大塚です。
4点ほど申し上げさせていただきたいと思いますが、1つはエピソードのような話で、地域のセンターの人にうかがったので、その話を少ししておきます。農業・漁業との関係が特に、どうやって妥協していくかというのは大事だと思うんですけれども、今回、この環境科学との関係で、このような影響評価が出てきたのは非常に重要だと思っていますが、これを、実際に農業・漁業関係者にどういうふうに提供していくかということになると、なかなか実は大変で大事なことであり、得になることであってもなかなか進まないことがあるということです。特に農業に関しては、自治体の方が何か情報を伝えて、例えば売れる農作物に変えるといったことをしてもらおうと思っても、そんな情報を伝えると、従事しているのは高齢者が多いので農業をやめてしまうだけだという話も聞いていて、実際にはなかなか伝えることもできないという状況があるようです。さらに、また別の問題として、例えば、お茶の問題とかで、対応するお茶をつくる話でも、例えば、関西だと、滋賀と京都と奈良とでは、それぞれ別々につくっていて、競争状況にあるので、それらの人たちで協働してやるということはなかなかできず、農業をやっていく上でいろんな工夫をされているわけですけど、お互いの秘密として情報交換し合わないというようなこともあるらしくて、なかなか一筋縄ではいかないということのようです。他方で、魚については、温暖化のせいで、例えばブリが北上しているという話があって、今は北海道の羅臼町辺りでブリがとれるようになっていて、今まではとれなかったブリがとれるようになっているということです。漁業の場合、対応しやすい部分もあるのかもしれませんけれども、新しい魚に適応して、新しい魚に価値があるのであれば、そちらに移っていくということをやらなくちゃいけなくて、すぐに移行できる場合もあると思うんですけれども、なかなか移行できない場合もあると思います。結局は各地域で考えざるを得ないんですけど、国としては、各地域でそういうことを考えることを促していただくことになるのだろうと思います。
第2点ですけれども、先ほど来、ご指摘があるように、私も社会の適応、対応を気にしており、既に幾つか出てきていると思いますけども、緩和とか防災レジリエンスとか、生物多様性とか、ほかの課題を同時解決するような、明るい地域コミュニティーを目指すような、そういうビジョンをぜひつくっていただきたいと思います。結局は地域でやらざるを得ないんですけども、国はそれを支援することを、ぜひお考えいただきたいと思います。そういう意味では、この気候変動に対する適応というのは、地域の将来ビジョンに密接に関係しており、これを検討せずして地域の将来ビジョンはないぐらいのことになってきているので、ぜひそういう意識を持って、地域循環共生圏も関係しますけれども、同時解決を目指すという方向に進んでいただきたいと思います。
第3点ですけれども、手法との関係で言うと、情報としてこれを提供するのは極めて重要なんですけれども、先ほども申し上げたように、地域で必ずしもすぐに動くとは限らず、得になることでも、今までのしがらみとの関係でなかなか動かないということがあります。それでも、得になることは徐々にやっていただけると思うんですけれども、そうでもないものはナッジの手法を使うとか、あるいは、何らかのインセンティブを与えることも国としてお考えになる必要があると思います。ESGを適応と結びつけるのもこれと関係しますけれども、TNFDなどによってその企業の適応に関する評価をして、企業に対して適応をどんどん進めていただく手法を取るということもあると思いますし、熱中症はある種の規制をするというようなこともあるかもしれませんけれども、そういう様々な手法を使ってインセンティブを与えていくというのは極めて重要だと思います。
最後に、もう1点だけですが、制度化との関係では、河川法の目的規定や、都市計画法の目的規定に、現在、適応策は入っていません。都市計画法と温対法との関係の連携規定があることはあるんですけど、これは緩和に限られているので、ぜひ、法改正との関係で検討をしていただきたいと思います。また、公正な移行とか、賢明な移行とかという議論がありますけれども、適応との関係も、市民参加をしながら、適応あるいは移行していくという発想は、日本ではちょっと弱いので、ぜひこの点は、もう少し議論していただきたいと思っております。
下田部会長
ありがとうございます。では、伊香賀委員、お願いします。
伊香賀委員
私からは1点、住宅とか住まい、あるいは暮らしの点についての発言させていただきます。
まず、5ページに熱中症の急激な増加ということで、下田部会長もコメントされておりましたけれども、熱中症による死者数が増えている、その8割は住宅内で死亡しているという報道もございますが、その適応策側の観点で、夏の外気温上昇のことだけが取り上げられていて、冬の問題が解決したわけではなくて、冬の外気温も確かに数度、以前から比べると上がっていますが、人間の体温、深部体温37℃に比べると、数度上がったところで冬のリスクが減ったということではないわけです。結果的には、冬場の死者数、年間、日本では60万人。その多くは、心臓と脳と呼吸器の病気、寒さが原因する病気で命を落としていますし、あと、お風呂での溺死も倍増していますし、家の中での転倒による死亡も1.3倍になっているということで、実は、冬の対策のことが、実は何も記載されていなくていいのだろうかというのが懸念点でございます。12ページに、改めてその表で、住宅・住居のページ、それから健康的な暮らしの表記がございますが、夏の熱中症対策とか、あるいは、暑くなり過ぎて睡眠が悪くなって健康を害する話だけを取り上げると、その冬の問題がどこかに消えてしまう点を懸念しております。住宅の断熱強化とか、冷暖房の適切利用という点では、適応策の中でも冬の問題を忘れちゃいけないよという点と、それから、先ほど言った断熱とかの話は緩和策とセットで聞く話でもありますので、何か国民へのメッセージを伝えるときに、冬の問題がもう解決済みかのような間違ったメッセージにならないように、ぜひご検討いただきたいと思います。
以上です。
下田部会長
ありがとうございます。では次、高村委員、それから西薗委員、鈴木委員で、一度これで切らせていただきたいと思います。では、高村委員、お願いします。
高村委員
既にコミュニケーションについて、特に若い世代に焦点を置いたコミュニケーションについてご指摘があったかと思います。あまり重複しないように、3点、4点申し上げたいと思うんですが、コミュニケーションの関係で、井田委員や江守委員がおっしゃった点、大変重要だと思っていまして、何かというと、気候変動の影響から、足元で国民の、私たちの命と生活を守るという意味での適応策の重要性と、将来の影響、リスクを低減する排出削減策ということのために排出削減策が重要であるということを、やはりしっかり伝えていく必要があると思います。オーバーシュートについてもご指摘がありましたが、これも恐らく両方の観点からコミュニケーションしなければ、間違った伝わり方をする1つの例だと私も思います。これが1点目です。
2つ目が、特に、そのコミュニケーションの点で、本日も企業、あるいは企業団体の委員の皆様からのご指摘もありましたが、企業、事業者自身も、1つの契機は情報開示だと思いますが、気候変動のリスク分析、レジリエンス戦略の構築というのを、特に大手企業はされていると思います。気候変動リスクを、やはり統合した企業経営という方向に、こうした適応の気候変動の影響の分析というのがしっかり生きる必要があると思うんですが、残念ながら私の周りでは、非常に苦労して丁寧に作っていただいている報告書が、あまり知られていないという印象を持っております。環境省でも例えば暑熱リスクですとか、農水省でも、農業あるいは食品・飲料関係の分野のリスク、あるいは機械、それから国交省でも治水や港湾といったそれぞれの所管ごとに重点領域で、この事業者の気候変動リスク分析とレジリエンス戦略構築に資するガイダンスとかを作成されていると思うんですが、重要なリスク、あるいは重要な場所、あるいは企業で広く共通するものなど、環境省の所管を超えるところもあると思いますが、この気候変動の影響の報告書を基に、こうしたより具体的な、突っ込んだといいましょうか、焦点を置いた企業、事業者へのガイダンスといったようなものは、ぜひ今後も発展させていただきたいと思います。
3点目は、これは山本委員などからもご指摘があった点ですけれども、やはり企業の観点からも、つまり、事業者のサプライチェーン、バリューチェーンがどこにあるかということもありまして、自治体、地域レベルでの気候変動影響リスクの分析と、それから、それに対する適応策の強化というのが非常に重要になっていると思います。そういう意味で、A-PLATなどによる情報提供は、地域についてもしていただいているんですが、やはり地域での適応の計画実施が一体どういう状況にあって、どこに課題があるのかという点は、改めて一度見てみる必要があるのではないかと思います。
最後、今回も影響の報告書をまとめていただいたんですが、やはり、こうした研究を進めるということが非常に重要だと思っています。どうしても気候変動の影響リスクは幅広く、表れ方も地域によって異なるということで、地域も少し解像度を上げた、国内での気候変動影響リスクの研究も必要ですし、同時に国際的にも、やはり気候変動の影響リスクに関する情報が得られないという声も事業者から聞いていて、そういう意味では、国際的に連携して、どう気候変動影響リスクの研究を進めるかという点についても、検討をさらに進めていただきたいと思います。
以上です。
下田部会長
西薗委員、お願いします。
西薗委員
西薗です。多くの委員が、既にいろいろ述べられていますので、なるべく重複しないように申し上げたいと思います。
まず、1点、このような第3次評価報告を取りまとめていただいて大変参考になり、ありがとうございました。研究の方向性としては、当然、科学的な根拠に基づいて、このような全体の報告をまとめていくことは、我々のベースとしてはとても重要なことだと思いますけれども、一方で、私も学生を教える立場にあり、特に、興味のない学生に対してのコミュニケーションということで、一例として考えますと、やっぱり自分が当事者になっていることを考えるわけですね。つまり、網羅的には彼らは見ていませんので、そうするとコミュニケーションの問題ですけれども、何が伝わるかというと、例えば、私は群馬に住んでおりますので、何といっても今年の夏、41.8℃を伊勢崎で記録しておりますけれども、熱中症というのは全ての学生にとっての関心事です。これは学生だけではなくて、恐らく群馬県民全員にとっての関心事です。それで、実際に農作業中の熱中症死なども出ておりますので、これはもう年齢にかかわらず、興味を持っていることになりますので、やっぱりコミュニケーションの場合には、まず、その当事者、これは先ほどから出ている地域性のことになりますけれども、そこで何が一番当事者であるのかということを意識したコミュニケーションが必要だということと、それから、先ほど来出ております、その適応と緩和の関係ですけれども、多くの人はその被害者としての意識を持っているわけですよね。つまり、これだけ暑くなって、どうすればいいんだという現実の問題として捉えているわけですけれども、一方で緩和にどういうふうに意識の上でつながっているかというところが、やはり弱いのかなと思います。ですから、これも一例ですけれども、私は、HFCとイオンガスのほうで、冷媒ガスのことをやっておりますので、この適応の中では、もう今、空調の必要性というのは言うまでもないと思いますけれども、一方で、空調を使った場合に、その空調の管理が、エアコンの管理がきちんとできているか、これは業務用の場合には、フロンの管理というのは、管理者という立場で、フロン排出抑制法で義務づけられてはいるわけですが、一方で、それを全く認識していない方も、管理者の立場でありながら認識していない方もたくさんおりまして、結果的には、冷媒の放出につながっていると。冷媒は、ほとんどの場合、HFC等4ガスに当たるガスを使っておりますので、非常に高い温室効果を持っておりますから、やっぱり、ここは自分が被害者であると同時に、そういう管理しなければならないという、その緩和につなげるほうの意識をどう醸成するかというところがとても重要と思っております。それから、これは次の議題のグリーン製品のほうにもつながると思いますが、当然、その場合、エアコンなどの選択でも、だんだん選択肢が増えてきておりまして、温室効果の低いガスであるとか、あるいは、ショーケースなどの場合には自然冷媒を使ったものも出てきておりますので、そういう辺りのところにも、どうやってつなげていくかということが大変重要と思います。
以上です。
下田部会長
ありがとうございます。それでは、最後に鈴木委員、お願いします。
鈴木委員
この中の取りまとめ、それからご意見、大変勉強になります。ありがとうございます。簡潔に2点だけをお話しさせていただきます。
まず1点、皆様がよく発言いただいておりました教育についてですけれども、私ども会計士協会でも、会計教育の必要性を訴えまして、特に初等教育で織り込んでいただきたいという活動をしてまいりました。その中で知ったことなんですけれども、学習指導要領の改訂が10年に一度しかないというところで、そこに訴えていく必要があって、次の改訂がかなり間近に迫っているということで、もし、その初等教育に盛り込むのであれば、至急対策する必要があるかなという点が1点目です。
2点目ですね、事業会社様の代表の方を前に大変僭越ではございますが、この活動が持続可能であるという点が非常に大事であると、私どもも、持続可能な社会構築のために何ができるかということを考えていったときに、その点を注意して活動しております。特に日本の場合、近江商人の「三方よし」のような、こちらも利益が出て、社会のためになるという、そういった視点を織り込んでいく、それが先ほどの緩和というものにつながっていくのかもしれませんが、そういった視点、我慢するだけではないという視点も忘れずに見ていくということが大事であると考えております。
以上でございます。
下田部会長
ありがとうございました。活発なご議論をいただきまして、大変ありがとうございました。私から2点だけ付け加えさせていただくと、1つは、世の中にいろんな情報がある中で、これだけ丁寧に作っていただいた報告書が、一般の人が検索したときにちゃんと出てくるように、行き渡るように工夫していただきたいということと、それから、やはり熱中症による死亡者の急増はすごく気になっておりまして、やはり災害級の暑さというのであれば、他の災害と同じように災害級の予算をつけていただいて、しっかり命を守っていただきたいと思いました。
特に事務局からはございませんでしょうか。
気候変動科学・適応室長
多様なご意見を、本当にありがとうございます。適応計画の改訂に向けて、いただいた助言を反映していきたいと思いますし、評価報告書の公表などを含めて、効果的にアプローチできるように考えていきたいと思います。
今日はどうもありがとうございます。
下田部会長
ありがとうございました。今後の施策に生かしていただくということで、よろしくお願いします。
次に、議題の2番、グリーン製品・サービスの需要喚起策について、事務局から説明いただきまして、その後に質疑応答を行いたいと思います。先ほど、議題1のときと同じように、事前にいただいた意見、ご質問に対して、説明の際に回答を含めるようにお願いをしております。
それでは、事務局からの説明をお願いします。
地球温暖化対策課長
資料3-1をご覧ください。地球温暖化対策課長の杉井でございます。グリーン製品・サービスの需要喚起策についてご説明をさせていただきます。1ページをご覧ください。
これまで、どちらかというと、この上流部分、企業による排出削減について様々な取組をさせていただいているところでございます。加えまして、来年度からはGX-ETS、排出量取引が開始されますので、特に、多量排出事業者においては、自社の排出削減が求められるというところでございます。一方で、自社の排出削減だけではなくて、サプライチェーン全体の排出削減を目指す、いわゆるScope3の排出量の把握、算定、そして削減の動きも広まりつつありまして、財務情報開示においては、一部の企業に開示を義務づけるという取組、動き、検討が進んでいるようなところでもございます。こういった動きに合わせまして、カーボンフットプリント(CFP)などによって製品の排出量を把握、削減する取組も徐々に広まりつつあるところでございまして、環境省でも、昨年度末には、CFPの表示ガイドも作成したところであります。ただ、一方で、グリーンスチールやSAFなど製造工程で排出削減を実現した原料等を利用した製品、サービスなどにおいては、バリューチェーン全体の排出削減につながるという形にはなっていますけれども、ZEB、ZEHやEVなどのように機能面で具体的な差が生じにくいというところもありますので、需要側で、なかなかこういったものが分かりにくい、積極的に参加する、選択するという環境がまだ生じていないというところもございます。また供給側でも、こうした製造工程での排出削減には、どうしても追加的な費用が生じますので、需要が見込めない限り、こうした積極的な追加的費用を投じるような取組に踏み出しにくいという状況も生まれてきたところでございます。
こうしたことも踏まえまして、本年5月に、グリーン製品の需要創出によるバリューチェーン全体の脱炭素化に向けた検討会というものを立ち上げさせていただきまして、検討していったところでございまして、これは2ページ目にもございますように高村委員に座長を務めていただきまして、検討を進めてきたところでもございます。ここに言うグリーン製品の範囲、定義につきましては、下田部会長、それから亀山委員からもご指摘をいただいたところでございます。我々も、その「グリーン製品」というワードでいいのか、仮称という形でさせていただいておりますけれども、それから、先ほど少し言及をしましたけれども、対象となる範囲、製品の範囲については、どこまで対応とするのかということについては、後ほど紹介をさせていただきます新たな検討会で検討をさせていただきたいと思っているところでございます。
飛びまして、5ページ目に移っていただければと思います。検討会におきましては、こうしたバリューチェーンの排出削減につきまして、原材料の上流部分が先行する取組である川上先行型、あるいは、完成品やメーカー、小売の取組が先行している川中先行型、それから、バリューチェーンの主要部分が地域で完結している地域主体型の3つのパターンに分けて、課題と必要な施策について検討したところでございます。
6ページ目にございますように、検討の結果、必要な施策としては、Aとしておりますグリーン製品の需要喚起、Bとしておりますバリューチェーン内での企業連携、それから、C-1としておりますサプライヤー・エンゲージメントの推進、それから、C-2としております地域の中小企業支援に分類して、その主な取組につきまして、次のページにあります7ページ目でまとめさせていただいております。
7ページ目にありますように、取組は非常に広範に及ぶところでございますけれども、検討会の中では、特に何よりも、全てのこの取組の中で、3つのパターンの中でも重要である施策Aの取組については、政府として、いち早く優先して取り組むべきというようなご意見も頂戴しているところでございます。また、この取組、委員の皆様からもご意見をいただいておりますけど、非常に難易度が高い、なかなか、実際に消費者まで取組がつながっていくには、いろいろなアプローチが必要だということもございまして、今回、委員の皆様のご意見をいただきたいという議題とさせていただいたところでございます。なお、林委員から、中小企業の取組支援についてもコメントを頂戴しております。今回の資料、施策Aを中心にしておりますので詳細を載せておりませんが、この7ページにもございますように、施策C-2などにおきまして、意欲ある中小企業が排出量の見える化、それから削減取組に取り組めるよう、引き続き、様々な形の支援をさせていただきたいと思っております。
8ページ目に移っていただきまして、このグリーン製品、仮称でございますけれども、需要喚起に向けての取組の1つとして、ここでは評価・表示スキームについて紹介をさせていただいております。詳細につきましては、次の9ページ目にある新たな、明日から開始することになりますけれども、検討会で議論を開始する予定でございますけれども、山崎委員からご指摘がありましたスキームの透明性ですとか、船越委員からご指摘がありましたグリーン購入法における取組との連携、あるいは、小西委員からご指摘のございましたグリーンウオッシュの対応などについても留意して、具体的なこの評価・表示のスキームというものを検討していきたいと考えているところでございます。
さらに、10ページ目にございますように、来年度予算で検討している中では、この評価・表示スキームに加えまして、こうした具体的なこのグリーン製品と呼ばれているものの需要創出に向けたモデル事業も進めていきたいと思っております。グリーン製品の需要を満たすためには、その価値を需要側で理解してもらうということも重要でございまして、山戸委員からもご指摘がございましたけど、その際の教育なども非常に重要ですし、販売手法なども工夫が必要だと考えております。こうした点について、モデル事業では、実際の小売業者等々と連携をしながら実証する予定でございまして、その際には、田中委員からご指摘のございましたコミュニケーションの在り方ですとか、有村委員からご指摘がございましたランダム化比較試験など、これまでの消費者選好評価における手法などにも留意して、検討が必要と考えているところでございます。全体の取組は、こういった形でございますけれども、江守委員、小西委員、有村委員、亀山委員等から、カーボンプライシングについてご指摘を頂戴しております。当然ながら、グリーン製品とそうでない製品が、価格面で差別化が進んでいって、実際、脱炭素に向けた取組が進んでいない製品が、より価格的に不利な状況に持っていくということは重要であると思っております。やはり、そういう意味で、より高いお金を出さないと脱炭素の取組が進まない、そういうボランタリーな取組に頼るというのは、決して最終的に目指すべき姿ではないと理解しているところでございます。船越委員からも、規制的措置の必要性についても言及いただいたところでございます。冒頭に言及させていただいたように、このカーボンプライシングの取組につきましては、これまで環境税の取組がスタートしておりまして、さらに、来年度からGX-ETSが開始されるところでございます。まだまだ、そういう意味で開始の段階でおりますので、それだけで十分であるとは我々は理解をしていないところではございますけれども、こうした取組も踏まえつつ、その際に炭素価格の話もございましたが、まさにGX-ETSにおける上限価格、下限価格の設定についても、これから議論させていただくところでございますし、そういった中で、こういった取組と併せて、段階的にこういったものが評価されるということは並行して取組を進める必要があると考えておりまして、そういう意味では、両者を並行して取組を進めることが必要だと考えております。また、山戸委員からご指摘がございましたけれども、消費者の行動変容がないと、結局のところ評価・表示、そういう意味での価値の情報提供がされても、そこに届かないという部分があると思います。先ほどの適応の議論の中でも、その届け方というのが結構難しいということも重々我々も承知しておりますので、その部分も含めて、モデル事業のみならず、こういった取組を進めるに当たっては検討が必要だと考えております。
GHGプロトコル等の国際標準との関係ですとか、あるいは、船越委員からご指摘がありましたGXリーグ、それから、小西委員からもご指摘がありました財務情報開示等、バリューチェーンの排出削減に向けては、様々な取組が今現在進んでいるところでございます。当然ながら、そういった取組の中での削減というものも事業者の方々で進んでいくところではございますけれども、こうしたもの、国際標準との動き、場合によっては国際標準に積極的に打ち出すと、今、まさにGHGプロトコルとか検討が進んでおりますので、そういったことも含めて、この取組がしっかり、国際的にも、それからバリューチェーンの取組にも反映されるように、並行して連携を進めていく必要があると考えているところでございます。
こうした取組をする中で、12ページ目にもございますように、今回様々なご意見を頂戴しておりますけれども、この脱炭素化に資する取組により排出削減価値を有する製品、サービスが消費者の商品選択につながるために、どういうふうに需要を喚起する取組が必要かということ、あるいは、今紹介させていただきました取組も含めて、その実施に当たって留意すべき点等についてご意見を賜ればと考えているところでございます。
私からの説明は以上でございます。
下田部会長
ありがとうございました。それでは、ただいまのご説明に関するご質問、ご意見等をいただきたいと思います。また、会場から先にしたいと思いますけど、先に座長の高村先生、この時点で何か一言ありますでしょうか。
高村委員
ありがとうございます。私から今の時点ではございません。
下田部会長
ありがとうございます。それでは会場から、まず井田委員ですね、それから小西委員、勢一委員の順番でお願いします。
井田委員
江守委員が意見を出していらっしゃるんですけれども、私はそれに全く賛成で、いろいろ伺いたいことはあるんですけど、例えば、ちょっと別の話ですけど、MSCとかFSCとかASCとか、国内にちゃんと持続可能なラベルのついたものというのは出回っています。ただ、日本は海外に比べて全く普及していないと。なぜかというと、1つの理由は、ドメスティックなずるずるの国際標準にならないような選べるスキームというのができてしまっているというのが1つ。あと、見えない、売れないので、先にお金をかけても社会的に評価されず、企業は誰も、高いお金をかけてMSCを取らないという悪循環がある状況は、このCFPにしようが、どんなラベルにしようが変わらない共通した問題だと思うんですよ。なぜそういうことになったか、例えばMSCとかを考えると、企業の規制もなく水際規制は不十分で、安い商品がどんどん入ってきてそっちが競争力を持ってしまう。課徴金や税もない、罰則も緩いということで進まないというのが、持続可能な国際標準を持ったラベルが、いかに日本で進まないかという現状の理由ですよね。それと同じことが当てはまると思うんです。
今ちょっと言及がありましたけど、皆さんのおっしゃっていることですが、IMS、ISOとか、イギリスのPAS2050とか、グリーンプラ、GHGプロトコルとか、カーボントラストなどいろいろあるわけですよね。新たに、国際的なグローバルスタンダードに適合するような基準を、また別に、ドメスティックにつくって、それを表示するんですか。それって、コストベネフィットがすごく悪いと思うし、むしろ、その国際的なものをやろうという企業のマイナスになると、MSCの代わりにMELが普及して、MELになってしまうとかいうのと、FSCの代わりにSGECになってしまうという同じことが起こると思うんですよね。重要なのは、もうグローバルスタンダードがいっぱいあるわけですから、その中で適切なものを見て、もちろん日本型に修正することは必要かとも思いますけれども、それを国内で普及させるということをどうしたらいいかという、企業にそれを対応できるように仕向けるという政策のほうがずっとコストベネフィットがいいはずだし、正しい方向じゃないですか。また新たな、国際的に評価されないようなドメスティックなCFPの基準をつくって表示して、それでどうするんですかと思ってしまいます。あと、さっきも学生と最近話をしていると言ったんですけど、学生も分かっているんですよね。MSCとかFSCの話をするし、食ロスがいっぱい出ていて、ファストファッションの商品は環境影響が高いから買いたくない。ただ、お金がないからどうしてもコンビニでプラ包装の商品を買ってしまうし、そういうものに手を出してしまうんだと。並行して進めるとおっしゃったんですけれども、そこが解決しない限り、また、このCFPの表示とかって新たな表示システムというのは、全くコストベネフィットの悪い、無駄と言うとちょっと言葉は非常に悪いですけども、製作コストとベネフィットの得られるものというのが非常に緩いものに、非常に悪いものになってしまうんじゃないかという大きな懸念を持っていますということを申し上げたいと思います。
下田部会長
では、小西委員、お願いします。
小西委員
ありがとうございます。井田委員が、ほとんどおっしゃっていただいたんですけど、私も、江守委員の意見に非常に賛同を覚えております。
3点お話しさせていただきたいんですけれども、まず1つが、やっぱり本当は、脱炭素というのは、大量排出の企業の行動変容が一番重要だと思っておりまして、そこに影響を与えるためには、やはり機関投資家の行動だと思うんです。それでいくと、ここA、B、C、Dとあって、Aに焦点が当たっているんですけれども、Scope3のカテゴリー15の金融機関の投融資先の排出削減というところ、ここのサプライチェーンのところを強化していくようなスキームというものを、それも考えるべきではないかなと思っております。すなわち、もちろん国内だけではなく、国際的な機関投資家が日本企業を選ぶ際のこの基準というものを、これをいかにサポートしていけるか、日本の政策と整合的にやっていけるか。恐らくトランジションファイナンスの委員会と同じ発想なのかもしれませんけれども、日本独自のというよりは、やはり、グローバルスタンダードで見た場合の日本製品が選ばれるようにしていくには、どういうスキームが必要なのかという、Aだけではなく、こちらのB、Cのほうも検討を、フォーカスしてもいいのではないかというのが1つです。
もう1つ言いたかったのは、やはりMSCとかASCとかもそうですけれども、ラベルをつくっても、本当に選んでもらうのは難しいんです。なかなか、このラベリングという手法自体が機能するということが、過去の例で、あまりうまくいっている例がないと思っています。ですので、そこに政策資源を投下するということが、本当にまた一つ、功を奏するのかなという、最初に有村委員がおっしゃったような、やっぱりどの政策が今まで効果があったのかというところからも見ていくといいのではないかなと思っております。
あと3点目が、もう1人の委員の方のご意見でもあったと思うんですけれども、やっぱり国際スタンダードの例えばSBTIとかCDPとか、そういったところとも整合的になるようなスキームをつくってほしいという、産業界の委員の方のご意見がありましたけれども、実際日本だけでしか通用しないようなものではなくて、グローバルスタンダードで通用させようと思った場合、特に欧州市場中心にグリーンウオッシュの法律が非常に紆余曲折ありますけれども、どんどん、2024年から入ってきています。これ24か月以内に国内法になっていきますので、CBAMと並んで2026年からはヨーロッパ市場を相手にするには、このグリーンウオッシュの様々な法に適合していく必要があります。やっぱりそこはSBTIとか、そういうグローバルスタンダードと非常に連動していく内容になっていっていると私は理解しておりまして、ですので、グローバルスタンダードで最初からいくのが日本にとってもダブルスタンダードに、国内の基準に適合しても、国際スタンダードには適合できないといったようなことにならないようにすることが、非常に重要だと思っています。その観点からいくと、まず第一に、日本のカーボンプライシングが、2026年から入ってきますけど、これぐらいの予想で、いずれこういうふうになるような見込みの基という、そこの間のトランジションをこのスキームで補うという前提が、グローバルスタンダードに適合するためには、一番重要かと思っております。そうでないと、今回のこのグリーン製品という名前だけれども、既にグリーンウオッシュとして指摘されてしまうということが、ヨーロッパ市場ではあり得ることになりますので、最初から日本企業の製品が選ばれるようなスキームになるということが重要ではないかと思っております。
以上です。
下田部会長
それでは勢一委員、その後、田中委員、江守委員の順番でお願いします。
勢一委員
ご説明ありがとうございました。勢一です。既にお2人の委員のご発言に賛同してということで、少し違う観点からコメントをさせていただければと思います。
本日の説明の中でも、グリーン製品の定義と対象は、これから議論をというお話でしたけれども、どういう形で設定するかによって対応が変わってくるのかなとは感じております。環境の視点から見れば、かなり広く捉えないといけないけれども、広げれば広げるほど難易度が高いということになると思います。環境省のイニシアティブでどこまでできるのかというターゲティングと、あとは、やはりそうはいっても、オールジャパンでやっていって、取り組めるところとうまく分けて組合せていくというのも大事なのかなとお話を伺って感じていました。市場を変えていかないと、消費者のマインドも変わらないのかなというところで、バリューチェーン、サプライチェーンの構造改革のためには、消費者だけでなく、消費者を通じた生産者への行動変容のメッセージを出していく。そのためには意識醸成も必要なんですけれども、やはり市場メカニズム、経済的インセンティブにつながっていくことをやらないと変わらないのではないかと実感しているところです。それぞれによって、働き方は違うと思いますけれども、図の中に自動車が入っていましたので、自動車もターゲットなのかなと思って見ますと、まさに今、自動車へガソリンの暫定税率の廃止であるとか、あと環境性能割の停止、廃止の議論が進んでいます。もちろん産業政策を含めていろいろな要素を考慮して決めるものではあるのですが、環境の視点から見れば、これはグリーン製品の選択につながらない政策が一部動いていることになろうかと思います。そういう意味では、他の制度への関与とか、その制度が入ることによって出てくるデメリットの補填というような観点も必要ですし、そういう意味ではほかの分野との協調も考えていただけるとありがたいと思います。
以上です。
下田部会長
ありがとうございました。では、田中委員お願いします。
田中(里)委員
田中です。ありがとうございます。「グリーン製品」と便宜上言ってしまいますけれど、グリーン製品は良いものだろうと思いつつ、高いから買わない、買えないとなる。高いことには理由があったり、意味があったりするわけですが、なかなか出口戦略を想定できないものというのは広がりが難しいとなります。高くても売れるものというのはブランドとか、推し活とか、好きなものとか、そういうふうになりますね。そうすると情報やコミュニケーションの力がとても大事ですし、接点を作り、広げていくという方法が一つだろうと考えられます。例えば、事前の意見にも企業の事例を記しましたが、スターバックスがスタンプジャーニーという企画を実施していて、習慣でいくスタバ、出張先や旅先で入ってみたスタバ、仕事に集中するために訪れるスタバなど、そこで何を飲んだか、自身のライフログをスタバとの関係性の中で取れるものになっています。環境省もこれまで様々なエコポイントやインセンティブを企画して実現されていますけれども、これが14ページにもあるように、どうしても短期的になってしまうと、もったいない面もあります。環境省からこういうポイントを付与しますとか、お店で買うとこうなりますという情報を、今、大多数の人が保有しているスマホを活用して、スマホの中で、自分のグリーン購入生活のようなものが常に実感できるような、そういうアプリなり、見える化ができると意識も変わるのではないかと想像します。自分自身で常に見えるという状況にしていくことは、一つの有効な手だと思います。オーガニックを選んで買う人もいますし、自分の健康と気候変動、環境、ライフスタイルというのが、リンクすることで変えられると良いです。また、何といってもこの14ページにもありますけれども、BtoCとか、BtoGとか、ここはすごく重要で、企業が今、Scope3に取り組む中で、実現には時間も費用もかかり、ここはプライム企業においても容易ではないと見てとれます。そのときに、投資家から環境への活動が評価されるには、同時に業績や株価が上がってないと、投資家は評価をしないわけです。そのためにもBtoGの起用を積極的に行い、Gの需要を企業が取り込むことができれば、信頼感につながりますし、それが中期では果たせなくても長期計画の中では確実に果たせるという見通しが立てば、国も企業も推進していけるということになります。中小企業にも個別の対応を取られている中、地域の中小企業でも、それこそ緩和策に貢献する独自の環境技術を持っている会社があります。一生懸命アピールをして導入してもらおうと努力をされていますが、成長のためには、品質向上やエビデンスなどの自己努力に加えて、お墨つきというか、実績が必要です。大手や公共で導入されると、それが実績になって広がるスピードが早くなると想定されます。だから、きっかけづくりを、これまでも、BtoGなどのよかった点、反省点とか、もしかしたらあるのかもしれないですけれども、この出口戦略を明確にしておくということは、成長戦略にもつながっていくかなと期待をし、環境ベースの成長戦略が果たせるかなと思います。
以上、よろしくお願いします。
下田部会長
ありがとうございました。それでは次、江守委員で、その後はオンラインで大塚委員、船越委員の順番でお願いします。では、江守委員、お願いします。
江守委員
ありがとうございます。この話は、結構ビジネス方面の人とかからも聞かれて、自分なりに考えていたんですけれども、基本的には評価、表示とかはいいと思いますし、お店に行ってですね、そのグリーン製品とグリーンじゃないものが売っていて、グリーンのほうは高いですと。性能は変わりませんと。意識の高い消費者は高いほうを買ってくださいと言ったら、買ってくれる人はいるかもしれないですけど、それでいいんですかという感じが非常にしています。環境省、もちろんこれが最終形ではないというご説明だったと思いますけれども、ちょっと何を考えたかというのを、井田委員と小西委員からもサポートいただきましたので、恐縮ですけれども、事前意見をちょっとざっと読み上げさせていただきたいと思います。
性能は変わらないのに価格が高いものを購入するのは、実質的には寄附に等しいと思います。社会システムの変革に必要なコストを意識の高い人の寄附に頼るというのは政策として健全なのか疑問を感じます。または高所得者でも環境意識が高くなければ負担しなくてもよくて、低所得者でも環境意識が高ければ負担する、あるいは負担しなくちゃいけないけども余裕がなくて負担できなければ、そういう人たちは罪悪感を覚えるかもしれない。そういう構造は非常に不公正であると思います。
以下は素人意見なんですけれども、グリーン製品の追加コストは性能が変わらないのであれば、グリーンではない製品にも一律に広く薄く転化した方がいいんじゃないでしょうか。それによってグリーン製品を製造していない、あるいはその割合が低いメーカーとの価格競争力が問題になるんであれば、ほかの委員からもご指摘があったように、カーボンプライシングによって解決されるべき問題ではないかと思います。また製品の値段が一律に上がることで国民負担が問題になるのであれば、低所得者に対する補助などで緩和すべきか、あるいは、もっとシステム全体としてみればシェアリングとかリースを進めることによって、その製品製造への依存度を社会全体で下げることによって緩和を志向するべきではないかと思います。より一般的に言えば脱炭素社会への移行において、どうしても追加コストがかかる部分について、そのコストの配分、分配にかかる政策というのは公正性を十分に考慮して検討されるべきだと思います。個人の意見としては社会全体で広く薄く支えることを基本として、負担能力の小さい人たちや排出の責任が小さい人たちを補助するような仕組みで補完するのがいいと思います。
以上です。ありがとうございます。
下田部会長
ありがとうございました。それでは、オンラインで大塚委員お願いします。
大塚委員
多くの委員の方と同じ意見ですけども、これ自体もちろんやっていただくのはいいことだと思いますけども、やはり善意の人たちだけの意思に頼るというのはちょっと政策としては矮小化してしまうところが残念ながらありますので、やっぱりカーボンプライシングのような経済的なインセンティブを与えることを中心に考えていったほうがいい、現在それが進みつつあるということではあると思います。
二つ目に、企業との関係では小西委員がおっしゃったように、投資家にとって分かりやすい基準をつくるというのはそれなりに意味があると思いますが、ただヨーロッパとか世界との関係の問題があるので、そのつくり方に関しては、ご指摘があったように気をつけないといけないと思います。
三つ目に、私が申し上げておきたいのは、グリーンウオッシュとの関係では、一部の企業に対して、NGOとかから既にクレームが出ていることです。EUではグリーンウオッシュの指令も策定されており、参照しなくてはいけないと思いますが、日本国内でのグリーンウオッシュとの関係の問題については、今後訴訟が起きる可能性もあると思いますので、ある程度の基準を出していただくことはあってもいいと思っています。ヨーロッパとの関係は確かに問題になると思いますし、別の基準をつくると日本の企業の方はヨーロッパに対応するのと日本の中で対応するのが食い違うという問題が出てくるかもしれませんが、EUは結構厳しい対応をするので、日本的な感覚とは少しずれる可能性もあると思っていて、それをつくることは日本の事業者にとっても、あるいは日本の消費者等々との関係でも、それなりに重要なことではないかと思っています。グリーン製品であることと、グリーンウオッシュが何かということとの間には、溝が当然ありますので、そこを検討していただくのは環境省としてもそれなりに大事だと思っています。
以上です。
下田部会長
ありがとうございました。それでは、船越委員、その後、山本委員、伊香賀委員でお願いします。
船越委員
船越です。事前にペーパーにまとめて意見を出させていただいていますので、その中の私がポイントと思っている3点をここではご紹介させていただきます。
1点目は、定義の問題です。一般的にはグリーン製品はほかの製品と比べてCFPの絶対値が低いものと、こういうふうに捉えていると認識しますけども、この捉え方ではやっぱり排出削減のインセンティブにはならない限界があると思います。脱炭素のためには、やはりCFPを従前、今までよりも下げる努力を奨励すると、こういったことが重要ですので、絶対値の低い、高いではなくて、従前より下げるということを大事にすることがポイントであろうと思っております。そういう意味で排出削減価値を反映したGX製品という新たな概念整理が必要だろうと思いますし、環境省が所管されているグリーン購入法でも、この辺りのご理解が、特にGXスチールについては、かなり進んでいると思いますので、この辺りが大きなポイントだろうと思っています。
2点目は、資料の9ページ目でも指摘されていますけども、その既存製品と性能が変わらないけれども、排出削減価値を実現するために、抜本的にプロセス転換を伴う、したがって、高コストとなる、それは別に日本でやってもどこでやってもそういった抜本的なプロセス転換を伴う、そういった場合があるという指摘が非常に重要だろうと思います。少し我田引水かもしれませんけど、特に鉄鋼、セメント、化学原料の素材、さらにはSAF燃料などもまさにそうだと思いますが、そういった取組を是非に進めるという概念整理が必要だろうと思います。言い換えると、その性能が変わる、あるいは改善するもの、あるいは高コストにならないものは、まさにその市場原理によって市場が形成されるということですので、そういったものに対して政府が対策を論じる必要はないと思います。したがいまして既存製品と性能は変わらないものの排出削減価値を実現するために高コストになってしまう、それをGX製品と呼ぶのだろうと思いますが、その市場創出が最大の課題ということだと述べさせていただいております。では、その市場創出についてどういうステップ論があるのかということで、ステップ論を記載させていただいておりますけれども、今回のこの検討の枠組みの中で、そうしたGX製品を対象に含めていただいて、是非議論を進化させていただくことを大いに期待しています。先ほど環境省からもありましたけれども、同じような趣旨で経済産業省でもGXリーグの在り方研究会という中で、同趣旨の議論が始まっております。GXリーグでの議論と相互に刺激を与え合って、かつ相互に補完、総合させて、速やかに具体的な措置の成案化に進むことを期待します。
以上です。
下田部会長
ありがとうございました。それでは、山本委員お願いします。
山本委員
ご説明ありがとうございました。脱炭素化の実現に向けては、資料のとおり、サプライチェーン全体での推進が必要だと考えます。その上で事業者として3点述べさせていただきます。
まず1点目、分かりやすさです。消費者の需要喚起には分かりやすさが非常に重要と考えます。例えば、グリーン製品とGX製品にはどのような違いがあるのか、両者は名称が似ており、ラベルが複数存在する場合は事業者、消費者共に選択が難しくなると考えます。そのため、統一的な評価や表示の在り方を整理することで、消費者は環境価値の高い製品を理解しやすく、また企業にとっては求められる水準を把握しやすくなります。消費者と企業、双方にとって分かりやすい制度となることが重要だと考えます。
2点目は、事業者の取組への評価についてです。脱炭素社会の実現に向けては、様々な選択肢や道筋がある中で、グリーン製品として評価される脱炭素に資する取組において、脱炭素だけではなく、資源循環やネイチャーポジティブなどほかの環境要素や製品の利用、廃棄時の排出量削減など、事業者の多様な取組を評価されることが望ましいと考えます。
3点目は、バリューチェーン全体での推進です。様々な場所で議論されていますが、サプライサイドの企業努力だけでは市場は広がらないと考えます。需要喚起に向けた検討会も開催されると認識しておりますが、環境価格の価格転嫁を受入れやすくする市場環境の整備、デマンドサイドの意識づくりが重要と考えます。環境整備や意識づくりをしっかりと進めていくこと、また、いろいろな取組について、国内に多数占める中小企業への負担にも配慮していただき、取り組みやすい仕組みにすることが必要だと考えます。
以上です。
下田部会長
ありがとうございます。では次、伊香賀委員、その後、吉高委員で一度切らせていただきたいと思います。
伊香賀委員
ありがとうございます。私からは建築物のライフサイクルカーボン削減との関連で発言したいと思います。
まず、環境省と経済産業省が発表しているサプライチェーンを通じた温室効果ガスの算定ガイドラインの問題点についてでありますけれども、建物への投資額にある一定の排出係数を掛けることで、国際的に整合した計算ができ、Scope3の計算ができるというガイドラインに現状なっていて、多くの不動産会社が今採用している計算の開示になっております。そうしますと、例えば、その省エネ投資とか、あるいは再エネ設備の投資とか、当然脱炭素につながるためには余分な工事費用がかかるわけで、頑張っている不動産会社ほど、そういう脱炭素の投資が増えて、結果Scope3の排出量が増えてしまうという、おかしな算定ルールが現状使われております。そうしますと、何も努力しない、何の脱炭素の努力をしなくて、いかに安く工事を請け負わせるかという不動産会社ほど得をする、それが建築関連のグリーン製品の普及を妨げている大きな環境ではないかなという問題意識をもっておりまして、そういう意味では、このガイドラインの改定を早く進めていただけないかという点でございます。現状、内閣官房、それを受けた国土交通省で、建築物のライフサイクルカーボンの算定方法の改定作業、積み上げベースのものに変えるという方法は今、検討中ではありますけれども、あわせて環境省のガイドラインについても整合が取れるような改定を是非お願いしたいと思います。
以上です。
下田部会長
ありがとうございます。吉高委員で、その後、高村委員にお願いします。吉高委員、お願いします。
吉高委員
今、建築物の件につきましてご意見ございましたけれども、私自身経済産業省のグリーン鉄や、繊維、それから農林水産省の食品ロスや、食品物のCFPなどの施策に関わっておりまして、一方でグリーン事業者に関する公正取引委員会の「グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法上の考え方」とか、様々な施策が様々な省庁でされているところで、この脱炭素に資するグリーン製品の表示スキームの消費者への訴求というのは、それぞればらばらにされているように思います。まずここの整理をきちんとしていただいて、その上でここに書かれている、グリーン製品というものが何なのかというのをはっきりさせないと政策的に一貫性が見えなくなってくる気がしますというのが、まず第一点でございます。
一方で、この表示スキーム、評価スキームは、各省庁でされているところ、既に民間で始めているところがございまして、これらを、どこがどのように進め、既存の政府のスキームとの関係していくのかというのが分からないと感じております。
グリーン鉄では、経済産業省で報告書も出しており、関係業界で、様々なやり取りなどもされたと聞いておりますし。このバリューチェーン、サプライチェーンと示されているときに、違う関連業界と業界がどう対話しているのか、その過程、進捗なども見えるといいと思っています。実際のところ、先ほどから他の委員もおっしゃっていますけれども、人の意識変容で行動変容を起こすというところには、かなり限界が来ていると思っています。今後インフレが進み、排出量取引制度などが入り、カーボンプライシングが導入されますと、エネルギーの価格にも影響してまいります。そういった折、こういった評価、表示スキームやその実証支援で十分足り得るのかということを根本的に考え直す必要があろうと思っています。すなわち、ソフトな政策とハードな政策について、どのように今後長期的に変えていくのか、これも重要な検討事項かと思っています。
以上でございます。
下田部会長
ありがとうございます。それでは、最後に高村委員からお願いします。
高村委員
事務局からお答えがあると思うんで、あくまで個人的な意見であります。
本日議論いただきたい事項にあるように、皆様からご指摘があった点というのは、非常に重要な点だと思います。何かというとグリーン製品の普及を、製品の表示、消費者の自主的選択だけに任せるのがいいのかと、その政策だけでやるんですかという、そういうご指摘が一つあったと思います。カーボンプライシングをはじめ、ほかの政策との連携をしっかりどう図っていくかということが多分必要な事項だと思います。
あわせてもう一つはやはり製品の評価をする、表示をするに当たっても、その前提になる算定や評価の基準というのが適切かどうかというご指摘をいただいていると思いました。若干感想として、基準と言われるものが、ここで取り扱うものが何なのかということをしっかり議論するということを事務局からもご紹介あったと思うんですけれども、ここで提案されている内容はそのオペレーションの製品のカーボン排出だけではなく、ライフサイクル全体を見た、まさにCFPという概念で表されていると思いますが、その製品の基準について主に検討していこうということであろうと思います。そういう意味で、企業の取組の評価、これもまた別に開示の議論があるわけですけれども、こうした製品の基準に焦点を当てながら、今でも既に日本に複数ある、あるいは異なる基準表示がある中で、どういうふうにしていくかということを広く検討すべきだというご意見だと理解いたしました。私はこのタイミングでこちらを検討することは、結論どういう検討になるかは置いても必要だと思っていまして、一つはやはり伊香賀先生がもともとイニシアチブを取って進めていただいて、今もご発言ありましたけれども、建築物のライフサイクルカーボンの届出をするという仕組みが検討されていて、恐らくこの提案としては2028年度から開始をするということで検討が進んでいると理解をしています。その中でやはり建材や設備や施工等々含めて、非常に幅広い製品や、あるいはサービスのライフサイクルカーボンの評価が始まるので、やはりこのタイミングで、その表示基準をどういうふうにしていくかということは、検討する非常に重要なタイミングではないかと思います。
環境省におかれても、特に先ほど田中委員からあったと思いますが、BtoG、グリーン調達のところの政策について所管されていると思いますので、そうした観点からも、このライフサイクルカーボン製品の算定評価、表示というものをしっかり検討し、所管の政策だけでなく、ほかの政策とのカーボンプライシング、あるいは、ほかの政策との連携を考えていくということを、私個人としてもお願いをしたいと思っております。
以上です。
下田部会長
活発なご議論ありがとうございました。いろいろ伺っておりまして、やはり先ほどの議題も含めて、いかに伝えて、いかに行動変容を促して、それをまた公正で、また効果的にやるための制度設計という辺りは、これ有村委員の意見にあったんですけれども、もう少し研究しないといけないところがあるんだろうと、特に日本人のマインドということを少し反映しながら、こういう政策と並行して、研究を促していただくということも大事だと思いました。
事務局から何かございますか。
地球温暖化対策課長
非常に多様な、一部は厳しいご意見も頂戴いたしました。まさに、いろいろな形でラベルというものが浸透していないという背景も踏まえてですね、その表示、ラベルがいいのかというところも、手法のことも含めて、まさに検討していかなければいけないと考えておりますし、特に国際標準、それから今、様々な取組が進んでいる中で、屋上屋を重ねる形ではないということが重要だということは我々も重々認識しているところでございます。その上で分かりやすく、いろんな指標をという、なかなか非常に難しい宿題をいただいたと思っておりまして、本日いただいた、様々なご意見、まさに明日から始まる検討会の場で、しっかり受け止めさせていただいて、どういう形がいいか、我々もゴールをまだセットしているわけではない状況でもございますので、検討させていただきたいと思いますし、繰り返しになりますけれども、これだけが、この手法だけで解決する問題では決してないということは我々、重々認識しておりまして、そういう意味では環境を脱炭素に向かった価値がより評価をされるということ、それは金銭的に逆にプラスに評価をされるということが本当は重要なところでありますので、そういったことをつくるためにはやはり意識啓発だけでは無理というのはまさに我々も肝に銘じておりますので、そこに向けた制度というものを中期的には考えていかなければいけないと思っておりますので、それも含めてビジョンを描けるようにしていきたいと思っております。
いろいろな貴重なご意見ありがとうございます。
下田部会長
ありがとうございました。あと二つ、大事な議題がございますので、続けさせていただきます。議題の3番、国内外の最近の動向についてということで、事務局から報告いただきまして、その後、質疑応答にしたいと思います。
総務課長
それでは事務局から資料4、国内外の最近の動向につきまして、できるだけ手短にスピードアップして説明したいと思います。
まず資料4でございますけども、3ページ目を見ていただければと思います。地球温暖化の現状ということでありますが、議論の前提になりますけど大気中のCO2濃度が年々増加して、WMOでは2024年が観測史上最も高い年と。世界全体の年平均気温が工業化前と比べて1.5℃上昇したと発表しているというところであります。
その次の4ページ目にいきまして、これは各国のエネルギー起源のCO2排出量の推移ということでありますけども、この排出量が年々増えているということですが、主要排出国、中国、アメリカ、インドなどの取組が鍵を握るということであります。
その次の5ページ目にいきまして、各国の温室効果ガスの削減目標、NDCの状況ですが、今12月10日時点で日本を含めて119か国の機関が提出済みという状況であります。そういった状況の中で、6ページ目にいきまして、今年の11月10日から22日にかけて、COP30がブラジルのアマゾン川の河口のベレンで開催され、石原環境大臣が日本政府代表として、交渉団長として参加をして、閣僚級の交渉会合にも参加をして、また精力的にも2国間協議を行っていただいたというところでございます。このCOP30に臨むに当たりましては、アメリカがパリ協定から脱退するなど世界的にエネルギー情勢の不確実性が増す中で、パリ協定の枠組みと、その目指す1.5の目標を堅持して、多国間の連携を強化していくということがしっかり確保できるかどうかというのがポイントであったということでありまして、石原環境大臣からもナショナルステートメントをはじめとして、この点をしっかり、パリ協定10周年経過して、交渉の段階から実施の段階へ移行していく必要があるんだという前提で、お話もして、結果的に「ベレン・ポリティカルパッケージ」が取りまとめられるに至ったということで、気候変動の影響に対する危機感は世界的にも高まってきて、その軽減回避策の実施促進のための合意がなされてきているということであります。
6ページ目の特に資金の部分につきましては、2035年までに適応資金を少なくとも3倍に増やす努力を呼びかけること、また個別議題の中でも適用に関しては進捗測定のために指標を採択したということでありますが、完全な合意には至らず、また次年度以降に検討を継続したということがございますけども、このような形で脱炭素の必要性が確認できたと考えております。
それでは、9ページ目にいきまして、これは2030年度目標に向けた2023年度の実績の進捗ということで、今2023年度の温室効果ガスの排出吸収量は2013年度比で27%減少と、各セクター別に見ていただければと思います。
10ページ目にいきまして、今、小委員会を立ち上げまして、この温室効果ガスの削減の進捗管理の取組について、今フォローアップの強化に取り組んでいるところでございます。
11ページ目は実際、対策ごとの進捗率がどうなっているかということをお示ししております。
12ページ目にいきまして、環境省の主な脱炭素政策ということで、地域や暮らしを切り口に家庭業務部門を中心とした排出削減、またバリューチェーン、資源循環を切り口に産業等の排出削減も併せて行っております。加えてフロンの取組についても進めるとともに、アジア等のCO2削減にはJCMを通じて進めているところでございます。
13ページ目にいきまして、地域脱炭素でございます。地域脱炭素ロードマップに基づきまして、地域脱炭素推進交付金等を通じて、今、地域脱炭素を進めてきており、14ページ目にいきまして、脱炭素先行地域につきましては、第6回まで選定をして、今90提案を選定して、3提案は辞退したということですが、残りの部分も含めて2025年度までに100か所の選定をしていこうというものであります。
15ページ目にいきまして、温対法に基づく促進区域を設定をして、地域関係者との合意形成を図りながら、再エネを促進する区域を設定して今、進めてきているところであります。
一方で、16ページ目にいきまして、一部のメガソーラーについて、地域との共生が課題になっている事例が出てきているのでないかという指摘が出てきております。そういうこともございまして、地域共生と規律強化に向けた関係省庁連絡会議を設置しまして、関係する土地利用規制に関する法律や、電気事業法等の制度的な部分につきまして、どういったことができ得るかという点について、関係省庁と連携して、今対策の検討を進めているところでございます。
17ページ目にいきまして、住宅建築物の脱炭素化についても、やはり新築だけではなくて既築にも、いわゆる断熱化が重要だということで、環境省でも脱炭素化のための補助事業を実施して鋭意進めているというところと、また先ほどの議論もございましたけれども、建築物のライフサイクルを通じて出てくる、LCA、こういったものを制度構築に向け検討中ということで、環境省でも、SHK制度等を所管する観点から議論に貢献していきたいと思っております。
18ページ目にいきまして、「デコ活」による連携・サポート、国民の行動変容を促すために、今、脱炭素化の製品、サービスの社会実装型の取組支援、情報発信等を進めてきているところでございます。
19ページ目にいきまして、バリューチェーンの中堅・中小企業のGXの取組ということで、地域ぐるみの脱炭素経営の推進のために、いろいろな事業を行っていることを紹介しております。
20ページ目にいきまして、フロンについても、先ほど少しご指摘ございましたけれども、フロンについては、2023年は前年よりは排出量が減っているわけでございますけども、地球温暖化の対策計画に示されている数値目標に向けては、より一層の取組が求められておりまして、フロン排出抑制法について、2019年の改正法の施行から5年が経過したことから、来年から、中央環境審議会フロン類等対策小委員会、また産業構造審議会フロン類等対策ワーキンググループの合同審議会で議論を実施できないかと考えております。
21ページ目は、そのフロンの排出量の内訳ですが、使用時と廃棄時、それぞれ課題があり対策の検討が必要であるということであります。
22ページ目にいきまして、SHK制度についても、廃棄物の焼却に係る排熱の取扱いや、木材製品を使った木造建築物についての吸収量の取扱い等につきまして、今年度中に省令改正を行っていく予定であります。
23ページ目でございます。これは先ほどの適応についての議論と非常に関わりがありますが、気候変動に関わる世論調査を行いまして、気候変動の問題についての認知は約9割ということでしたが、適応の認知度は約5割という低い水準だということで、効果的な情報発信を行うことが重要と考えております。
24ページ目にいきまして、気候変動についての懐疑論が一部SNS等で発信されているところもありますけども、我々とすればIPCCの知見につきましてできるだけ分かりやすく情報発信をしていくと、小林前副大臣からも発信していただいていますけども、我々としてもしっかりやっていきたいということであります。
25ページ目にいきまして、先ほどの議論にもございましたが、気候変動対策の自分事化がやはり必要不可欠だろうということで、緩和と適応の一体的な情報発信、デコ活と適応のコミュニケーションを今後さらに一体的に進めていきたいと思っております。
具体的には次の26ページ、27ページにございますけども、まずはデコ活の情報発信について、例えば断熱リフォームなどが非常に分かりやすいですが、この取組は緩和だけではなくて適応にもつながっていくと、こういう個別の取組の部分について、例えば適応と合わせた形で気候変動の自分事化としても対策に取り組んでいけるように、デコ活を通じて、さらに認知・意欲・実践の更なる向上に取り組んでいけるように考えられないかと思っております。
加えて、27ページ目の適応コミュニケーションについては、先ほどそれぞれの地域の課題がいろいろあって、それぞれに応じた発信の仕方があるのではないかと話がありましたが、まさにそういったことを念頭に、受け手に伝わることを意識したコミュニケーションの視点を取り入れて情報発信をして、適応というものも自分事化できるように進めていきたいと思っております。
次に、28ページ目からが国際ということでありますが、アジアをはじめとする世界の排出削減にも貢献していこうということで、AZECの枠組みも活用して、アジア諸国のルール形成・脱炭素化・持続可能な発展にも貢献していこうということで、パリ協定6条ルール等に従ったJCMの着実な進展、また脱炭素都市づくりということで日本の都市と海外の都市との都市間連携を進めていくといった取組を行うべく、令和7年版の環境インフラ海外展開基本戦略、31ページを見ていただければと思いますが、そちらの見直しをしております。具体的にどういうことを行っているかという部分について、例えば29ページ目を見ていただければと思いますが、例えばASEANとの関係で、各国で温室効果ガスの削減目標、長期目標を策定する必要がありますが、策定の仕方だったり、あとは企業の透明性の、日本で言うSHK制度を海外でも導入していくような取組だったり、隔年透明性報告書の作成の仕方だったり、こういう脱炭素政策の形成支援もあわせて行って、JCMプロジェクトの形成と相まって、海外での脱炭素も進めていきたいと思っております。
説明は以上になります。
下田部会長
それではただいまの説明に関しまして、ご質問、ご意見をお受けいたしたいと思います。まず、会場からいかがでしょうか。井田委員からお願いします。
井田委員
時間がないのでポイントを絞りたいんですけど、一つは、ご説明の中になかったんですけど、ICJの勧告的意見というのがあって、なぜそれがここで紹介されないのかなと思ったんですが、あそこで言われたように、環境省として気候正義というのをどう考えて、これからどう展開していくというふうにお考えなのかというのを伺いたいというのが一つ。
あと、ロードマップの議論、COP30であったんですけれども、COPの外出しで議論をするとか、4月には多分、脱炭素、化石燃料からの脱却がテーマになるもので、多分環境省は、日本政府としては非常に後ろ向きなんじゃないかと思うんですが、コロンビアとオランダが議長になってやると。それを含めて、COP外で行われていくロードマップであるとか、化石燃料からの脱却について、国として、環境省として、どう関わっていくのかというのも伺いたいというのが一つ。
フロンのことも多分ここで伺うのがいいと思うんですが、この排出が多いというのは昔から結構言われていたことで、こういう形で出てきたのってあんまり見なかったかなと思うんですが、排出の問題というのは前から言われていたと、これは家庭というよりもやっぱり大型冷凍機とか空調を持っている企業の取組が不十分だったと考えていいのかという、この右のグラフと左のグラフを合わせたようなデータを見せていただきたいというのが一つです。維持管理をやっていますと言っていて駄目だったということだと思うんですけども、これだけ使用時の排出量が多かったというか、誰の責任で誰が間違っていて、これをどうするのかお考えを伺いたいと思います。ようやく減ってきたときもご指摘のように目標には全く程遠いと。次の議題で小委員会をつくるということを伺っていますけども、下流だけでなく、上流、中流の使用時を含めて、これからどういうふうにやっていくのかというのを早急に考えなければならないと思うんですけども、今の段階で、どういうことを考えて、これから対策を進めていくのか伺いたいと思います。
下田部会長
では小西委員お願いします。オンラインでご希望あれば、今、挙手をお願いします。
小西委員
今まさに井田委員がおっしゃったんですけれども、COP30の結果で、最後まですごくもめたのは適応資金の3倍化、それと35年に5年延ばしたりとか、化石燃料については結局83か国程度が賛同しながらCOP外になった。これやっぱりバーターでこういうふうになっているので、今もうご存じのようにパリ協定は本当に非国家アクターの動き、そして、いわゆるこの指止まれ方式の国の集まりですね。今回議長イニシアティブですけれども、そういったところもすごくパリ協定の重要な、今回のハイライトだったと思いますので、正直この概要に化石燃料ロードマップの話、COP外になったということが入っていないということについて、政府の報告はすごく影響力があるので、入れてほしいなと思っております。
以上です。
下田部会長
ありがとうございます。それでは、オンラインで大塚委員お願いします。
大塚委員
フロンに関しては最初にもう20年前以上かと思いますが、検討会が始まったときから経済的手法の活用に関しては議論があって、結局入れられずにきているんですが、低GWPのフロン冷媒に変わることが大分可能になってきているので、そういう意味では状況が変わっていると考えられるのではないでしょうか。ある種の税とか賦課金ですけれど、2028年からは化石燃料賦課金も導入されますので、そういう検討も考慮に入れてもいい時期に来たかなと一応思いますので、一言だけ申し上げておきます。
以上です。
下田部会長
それでは、西薗委員お願いします。
西薗委員
西薗です。今、フロンのことが話題に出ましたので、21ページ目を見ていただきたいんですけど、実は廃棄の部分で、これから審議会でも扱うことになると思いますけれども、家庭用のエアコンの排出量が意外と多いんです。これは制度設計の問題ですけれども、家庭用のエアコンからの冷媒回収が義務付けられていません。さらに家電リサイクルの仕組みとして、消費者が自ら持ち込むというような制度になっており、後払いになっております。ですから、やはりこの辺のところの問題が出てきていると感じております。これは課題ということで、以上です。
下田部会長
ありがとうございます。それでは他にないようですので、私が一言だけ申し上げると、2030年に向けて、やはり地域脱炭素とかデコ活という施策、本当にこれから大事だと思うんですけれども、この今日の資料でいうと、これからやることだけが書かれていて、これからはKPIをつくっていただいて、その進捗を見せていただきたいなと思いました。
今のご質問等に関して何か事務局からご回答ございますでしょうか。
総務課長
先ほど井田委員からICJのお話ございました。ICJの勧告も受けて、日本政府としてはNDCとして、2050年カーボンニュートラルに向けて対策をしっかり実施していくということでありますので、温暖化対策法やGX法等に基づいて、着実にCO2緩和の対策をしっかり進めていく、こういうことに尽きるんだろうと思っております。
また、COPでの、化石燃料からの移行についてのご指摘がございましたが、COPでの中身につきまして、まだちょっと具体的ではないところもあるということではありますけども、やはりこの化石燃料をどうするかというのは、それぞれの各国の立場というものもあるんだろうと思います。この点、我々としても今後、こういった化石燃料の移行についての議論がどうなっていくかというのは、しっかり見極めていきたいと思います。
次にフロンでございます。フロンにつきましても、長年の課題である部分があるんですが、やはり使用時と廃棄時、これがそれぞれにわたって高いと。使用時については、井田委員から話があったとおり、大どころのところが課題ではないかというところはあるんですが、廃棄時の部分については、業務用エアコンだけではなくて、家庭用エアコンについてもいろいろ課題がありそうだと、この辺について、今別途、環境再生・資源循環局でヤード環境対策のようなことも取り組んでいまして、エアコンの廃棄の仕組みから漏れ出てヤードに流れていくものもあるように聞いておりますので、こういった部分の対策も含めて、いろいろな排出減に関する対策の検討を是非進めていきたいと思います。
また部会長からお話のあったKPIの進捗の部分につきましても、こちらも何ができるか考えていきたいと思います。
下田部会長
ありがとうございました。その他、いろいろなご意見、今後の政策に生かしていただきたいと思います。それでは最後に議題の4番につきまして、事務局からお願いします。
総務課長
資料の5-1と5-2にございます小委員会の規程改正ということで、現在、地球環境部会の下にフロン類対策小委員会がございますけども、小委員会の名称を、フロン類の正式名称であるフルオロカーボン対策小委員会に変更するとともに、他の小委員会の規程と同様の内容に見直しができないかと考えております。また、気候変動影響評価適用小委員会がございますけれども、今後この小委員会において気候変動影響評価報告書を決議いただくに際して、設置規程の4番目のところに小委員会の決議は部会長の同意を得て部会の決議とすることができるとする規定を追加できないかと考えております。
以上、二つの小委員会の規程改正について、ご審議のほど、よろしくお願いいたします。
下田部会長
かなり古い規程を今に合わせるということでございますが、何かご意見、ご質問ございますでしょうか。それでは、この二つの小委員会の設置に関する改正案を承認したいと思いますけれども、ご異議ございませんでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
下田部会長
それではご異議ございませんでしたので、そのように決定させていただきます。
それでは、本日の議論は全て終了でございます。円滑な進行にご協力いただきましてありがとうございました。遅くなりまして申し訳ございません。それでは事務局にお返しします。
総務課長
下田部会長、皆様、ありがとうございました。
最後に締めくくりのご挨拶として、地球環境局長の関谷より一言申し上げます。
地球環境局長
関谷でございます。本日は予定を超過して、大変申し訳ございませんでしたが、大変熱心なご議論ありがとうございました。
今日、主には二つの議題ございまして、いずれも、事前にいただいたご意見、またそれを踏まえて今日さらに突っ込んだご意見も頂戴しまして、私どもの取組が、それぞれ、これから展開していくに当たって、非常に示唆に富む内容をたくさん含んでいたと心から思ってございます。なかなかいずれも、ご指摘あったように、一筋縄ではいかない、あるいは長年うまくいっていないんじゃないかというようなところもあるものばかりであります。また、特に後半の議題については、非常に厳しいご意見もいただきました。私ども、今回施策を展開するに当たって、必要性についてそこの部分は自信を持って言っているんですけれども、十分かというところは、必ずしもそういうつもりで言っているわけではもちろんございません。そのタイミングで、まずは必要なところをやっていくというのが、今こういう形でのご提案になっておりますけれども、まず現在のタイミングで、これをやっていくということが、日本国内での緩和も、あるいは適用も必要なことなんだろうと信じておりますけれども、そういった中でも、その先も見据えて、しっかりビジョンを持ってやっていけというお話だったと思います。その辺も、きちんと我々の中でも消化をし、また適切にそれをビジョンなり、そういった形で示していくと、そういったところが重要というご指摘と思いますので、そうしたご指摘も踏まえながら、今後進めていきたいと思います。また、国際的な動きについて、非常にこれまでと違う動きも多々見られるところもあります。我々としては、まずはCOP30を終えて、これまでと変わらず、ぶれずに引き続き脱炭素に向けてやっていくということは制度全体で確認できたと思い、また世界全体の動きにもなっていると思っておりますので、その部分はしっかりとこれからも国内外でも、訴えながらやっていきたいと思ってございます。
本日はどうもありがとうございました。
総務課長
最後に事務連絡でございますけども、本日の議事録につきましては、事務局で作成の上、皆様にご確認いただいた後、ホームページに掲載をさせていただきます。
また次回の日程は決まり次第ご連絡を差し上げます。
それでは、以上で地球環境部会を閉会とさせていただきます。誠にありがとうございました。
午後 0時28分 閉会