地球環境部会(第149回) 議事録

開催日時

 令和4年6月28日(火)16時00分~18時30分

開催場所

 WEBによる開催

議題

(1)国内外の最近の動向について(報告)

(2)その他

議事録

午後 4時00分 開会

総務課長
それでは、定刻となりましたので、ただいまから第149回中央環境審議会地球環境部会を開催いたします。
事務局を務めます地球環境局総務課長の西村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、委員の皆様の総数28名中、現時点で22名の委員の皆様にご出席いただいており、後ほど、また2名の皆様にご参加いただくことになっておりますので、定足数を満たしております。部会として成立していることをご報告いたします。
また、本日の部会がWEBでの開催とし、ユーチューブの環境省動画チャンネルで同時配信をしております。
それでは、冒頭、地球環境局長の小野より一言ご挨拶を申し上げます。

地球環境局長
地球環境局長の小野でございます。
委員の先生方、大変暑い中でございますけれども、どうも、この審議会に参加いただきまして、ありがとうございます。
前回は1月に開催されました。その場で、炭素中立小委員会、それから、温対計画のフォローアップ専門委員会の二つの会議体について設置するということで、ご了解をいただいておりまして、それぞれ、炭素中立小委員会については大塚委員長、それから、フォローアップ専門委員会については下田委員長の下で、精力的にご検討していただいております。
炭素中立小委員会のほうにつきましては、後ほど詳細を説明いたしますけれども、5月12日付で中間整理ということで、中間的なまとめをしていただきまして、これにつきましては、経済産業省のほうで実施しておりますクリーンエネルギー戦略の検討過程にもインプットをしております。
それを踏まえまして、岸田総理が5月19日の官邸で開催されました有識者懇談会の中で、グリーントランスフォーメーション投資のための10年ロードマップというのを今後示していく。
その中で、今後10年間に150兆円超えの投資を実現するために、成長志向型カーボンプライシング構想を具体化する中で、裏づけとなる将来の財源を確保しながら、20兆円とも言われている必要な政府資金をGX経済移行債(仮称)で先行して調達し、速やかに投資支援に回していくことと一体で検討しているというようなご発言もございました。
さらに、本年夏に官邸で新たにGX実行会議を設置して、先ほど来申し上げておりますようなことの議論をさらに深めていくという、こういう大きな動きにつながってきているところでございます。
環境省といたしましても、さらに炭素中立小委などの場を活用しながら検討を深めて、政府全体の議論にしっかりと貢献してまいりたいと考えております。
また、フォローアップ専門委員会につきましても、下田先生の下で精力的に検討を進めまして、一部は今年のフォローアップの中に反映されておりますし、来年に向けまして、検討をさらに深めていただくということにしているところでございます。
本日は、このような報告をさせていただいた上で、委員の先生方から、様々なアドバイスをいただきたいと思います。
本日の議論を踏まえて、さらにその二つの委員会、さらに環境省のほうで検討を深めてまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

総務課長
ありがとうございます。
それでは、以降の議事進行は大塚部会長にお願いいたします。よろしくお願いします。

大塚部会長
よろしくお願いします。
それでは、早速、議事に入りたいと思います。
本日は、議事次第のとおり、議題が一つ用意されております。
議事の進め方につきましては、議題1につきまして、事務局からまずご説明をいただき、その後で質疑応答を行いたいと思います。
それでは、議題1につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

総務課長
事務局の西村でございます。
議題1といたしまして、国内外の最新の動向についてのご報告をさせていただきたいと思っております。
冒頭、局長のほうからもありましたが、前回、1月にこの地球環境部会を開催していただきまして、そこで様々なご意見いただいたわけでございますが、その後、幾つかの流れで検討してきております。
まず最初に、私のほうから、岸田総理大臣のクリーンエネルギー戦略という検討の流れで、ここに貢献するために立ち上がった、今、画面に出ておりますけれども、炭素中立型経済社会変革小委員会、こちらで2月から5回にわたって会議を開会して、中間整理をしていただいておりますので、まず、これについてご報告いたします。
冒頭、タイトルが出ておりますけれども、「脱炭素で我が国の競争力強化を」ということで、このサブタイトルは、山口環境大臣自らの命名でございます。
内容も、総理がおっしゃっているとおり、環境を成長のエンジンに、環境と経済の好循環にという内容でストーリーができておりますので、そういう内容を見て山口大臣がつけてくださったタイトルかなというふうに考えております。
内容について、大部になりますので、かいつまんでご説明をさせていただきます。
冒頭、まず、気候変動対策の現在地点1から5ということで、国内の目標がこうなっているということ、それから、世界的な1.5℃目標、この目標に向けては、世界全体で、早く、大きな削減をしていくことが求められるという認識、さらには、国、世界の目標のみならず、グローバルマーケットの動きが大きなドライバーになっているという点。
これが、金融、あるいはサプライチェーンを通じて、中小企業にまで影響が及んできているというような状況認識を示してございます。
さらには、IPCCの最新の報告が順次まとまっておりますので、そうした知見についても、確認をしております。
とりわけ、5でございますけれども、今年の前半にはウクライナ危機というものが勃発してしまいまして、エネルギーの需給が逼迫しております。改めて、エネルギーの安全保障、S+3Eの重要性を認識しつつ、温暖化対策についても、しっかり取り組んでいくというような意識が示されております。
ここからが本編になりますけれども、大きく言いまして、総論と各論になっておりまして、総論の部分を2枚ほどご紹介させていただきたいと思います。
11ページ目と12ページ目でございまして、11ページ目、まず、ゴールというふうにしておりまして、岸田総理の問いかけ、新しい資本主義、ここでの気候変動というものについて、ご議論いただいたわけでございますけれども、目指すべき経済社会像ということで、あるべき社会のゴールをまずは確認しようじゃないかということで、このページが出来上がっておりますけれども、太い字で書いてございますが、絶えず柔軟に進化を続ける「サステナブルな経済社会」ということで、ある種、オーソドックスなSDGsと直結しているような目標を掲げていただいているところでございます。
少し分解して、ページの下のほうに、経済、環境、そして、幅広い価値、また、地域、世界、そして、個々人の幸福ということで、あるべき社会像について、書き下していただいているところでございます。
こうした、あるべき社会、ゴールを目指していく精密な道筋というのを描くのは難しいわけですけれども、足元からの方向性をコンパスという形で示してはどうかと、そういうご議論になりまして、出来上がったのがこのページでございます。
ここのコンパスというのは、脱炭素ですとか、あるいはクリーンエネルギーといった、そういう我々が直接扱っているテーマの一歩手前のレイヤーのようなテーマになってございます。
四つの柱を掲げてありますけれども、投資の拡大、人材の育成、それから、DX、さらには国土・土地利用ということで、あるべき社会に向けて、これら四つの要素というのは、いずれも非常に重要な要素になってくるということだろうと思います。
その際に、サステナブルな経済社会づくりに向けても、この4本の柱をしっかり取り扱っていくのが重要なのですけれども、その際に、カーボンニュートラルになるように、サステナブルな経済社会づくりとカーボンニュートラルな社会というのが同一の軸に乗っかってくるように、この投資、人材育成、DX、あるいは国土の利用、これらを進めていく必要があると。そういう認識をお示しいただいたものというふうに考えてございます。
冒頭、局長のほうからありましたとおり、ここでも、いの一番に掲げている投資の拡大という点につきましては、岸田総理大臣も官民で150兆円の投資をしていこうじゃないかということを早速掲げてくださっておりまして、中央環境審議会のインプット、経産省のクリーンエネルギー戦略にもさせていただきましたけれども、政府全体の検討の流れにつながってきているかなというふうにも思っております。
また、人材ですとか、あるいは、DXとカーボンニュートラルを、どううまくチューニングしていくか。あるいは、国土の利用、土地の利用の在り方というものも、人口減少の中で、これから非常に大きな課題になってくると思います。こうした点についても、今後、検討を深めていく必要があるかなというふうに考えているところでございます。
このような総論を掲げていただいた上で、脱炭素に向けた各論が残りのページで展開されておりますけれども、環境省らしく、地域の分野、それから、暮らしの分野、それから、横断的な取組ですけれども、国際、金融、サプライチェーン、カーボンプライシング、さらには、脱炭素を超えて、資源循環ですとか自然資本、適応との統合的なアプローチで、カーボンニュートラルを考えていこうじゃないかと。こういう考え方で、この中間整理をおまとめいただいているところでございます。
詳細についてのご説明は割愛させていただきますけれども、このような中間整理を中央環境審議会のほうから出していただきまして、それを経済産業省のクリーンエネルギー戦略の検討の場にご報告させていただきました。
参考資料1-2という資料もつけさせていただいておりますけれども、これがクリーンエネルギー戦略の中間整理の概要ペーパーでございます。萩生田経済産業大臣が5月19日に開催された官邸での会議で報告をしたものでございます。
まず、第1章ということで、エネルギー安全保障の確保ということで、現在の喫緊の課題について、話を整理されております。
第2章ということで、改めて炭素中立型社会に向けた経済・社会、産業構造改革と題しまして、エネルギーを起点とした産業のGXということで、水素・アンモニア、洋上風力、蓄電池というふうに緑のラベルが見えますけれども、次のページにわたりまして、重要な分野についてのロードマップが示されております。さらには、カーボンニュートラルに向けたエネルギー部門のトランジションで見るということも描かれているところでございます。
今出ている画面の右下のところですけれども、第3節という形で、地域・くらしの脱炭素に向けた取組ということで、字数は少ないのですけれども、環境省の中央環境審議会からのインプット、ここで要点をまとめていただいているところでございます。
なお、官邸でのクリーンエネルギー戦略の会議では、ここの部分を3ページに拡大したペーパーで山口環境大臣から地域と暮らしの脱炭素のプレゼンテーションをさせていただいております。
さらに、その次のページに参りまして、グリーントランスフォーメーションを実現するための社会システム、インフラの整備に向けた取組ということで、五つの柱というものが示されております。
1番目に予算措置。これが、冒頭、小野局長からもお話のあった予算に関わる部分でございます。2番目に規制・制度的措置。3番目に金融パッケージ。4番目にGXリーグの段階的発展。そして、5番目にグローバル戦略(アジア・ゼロエミッション共同体構想)ということで、これらの柱が示されており、また、このページの右のほうにございますけれども、一定の試算がなされまして、10年間で150兆円の投資が必要ではないかというようなことも、ここで示されているわけでございます。
こうした政府の、本体は160ページの大部に及びますけれども、クリーンエネルギー戦略を踏まえまして、5月19日に官邸でのクリーンエネルギー戦略に関する有識者懇談会が開催されております。画面にこれから総理の指示というものが出ますが、これが、冒頭、小野局長のほうから要点をご説明されたものでございます。
冒頭のほうで、クリーンエネルギー中心の経済・社会、産業構造に転換をし、気候変動問題に対応していくことは、これまでの資本主義の負の側面を克服していく、新しい資本主義の中核的課題。併せて、こうした取組は、投資拡大を通じた経済成長を実現し、国民生活に裨益するものと。このような基本認識の下に、総理がこのように述べられているわけでございまして、以下、要点の赤いところだけ申しますけれども、グリーントランスフォーメーション投資のための10年ロードマップ、これを今後示していくということであります。五つの政策、イニシアチブを盛り込むということで、先ほどご紹介した5本柱について、総理自らご紹介をされているわけですけれども、核心部分として、今後10年間に150兆円超の投資を実現するため、成長促進と排出抑制をともに最大化する効果を持った成長志向型カーボンプライシング構想を具体化する中で、裏づけとなる将来の財源を確保しながら、20兆円とも言われている必要な資金をGX経済移行債(仮称)で先行して調達し、速やかに投資支援に回していくことと一体で検討していくというふうになされているところでございます。
この具体的な検討でございますけれども、一番下のところにございますが、本年夏に、官邸に新たにGX実行会議を設置し、さらに議論を深め、速やかに結論を得ていく考え、経済産業大臣を中心に、環境大臣をはじめ、関係大臣と緊密に連携をして議論をまとめてもらいたいと。このように総理のほうからご指示をいただいておりまして、これが現在の政府の最新の状況というふうに認識をしております。
その次のページに、今年の骨太の方針もつけてございますけれども、総理のご発言を忠実に引き写したような内容になってございまして、そういうことで、今年前半、中央環境審議会でもご議論いただき、また、政府全体としても議論をした結果、こういう時点に至っているということかなと思っておりまして、後半、総理のほうからもGX実現会議を設置してというふうにございましたけれども、さらなる検討が進んでいくというふうに思っておりますので、本日は、現在の状況等について御報告させていただきましたので、今年の後半の検討に向けて、委員の先生方からまた忌憚のないご意見をいただければというふうに思っているところでございます。
以上、クリーンエネルギー戦略の流れについてのご説明をさせていただきました。
この後、その他、国内外の最近の動向についてということで、国際的な動き、地域の動きについて、順にご説明をさせていただきます。

国際連携課長
それでは、続きまして、資料2をご覧いただければと思います。
国内外の最近の動向についてということで、まず、私、国際連携課長の大井のほうから、国際的な動向につきまして、ご説明をさせていただきます。
その後、順次、担当の課室のほうから説明をさせていただきます。
国際の今年1年の主要スケジュール、特に気候変動の関係ということで、この2ページ目にお示しをしてございます。
大体半分が終わったところということでございますけれども、今年前半には、例えば、2月末の国連環境総会UNEAでありますとか、それから、5月末、約1か月前ですけれども、G7の気候・エネルギー・環境大臣会合、また、ストックホルム人間環境会議から50周年を記念したストックホルム+50の会議などが開かれたところでございます。
また、本日までということでございますけれども、G7サミットがドイツ、エルマウにて開かれているところでございます。
今年後半に目を向けますと、来月、国連の会議でございますけれども、パリ協定とSDGsのシナジー強化に関する会合ということで、これは、日本環境省がホストするという格好で、東京国連大学で開催をする予定でございます。
また、G20の大臣会合が8月末、それから、11月6日から18日にCOP27、エジプト、それから、その翌週、11月15日から16日にはG20のサミットがインドネシアで開催されると。また、日時は未定となっておりますけれども、IPCC総会におきまして、第6次評価報告書の統合報告書が承認され、公表されるという、こんなスケジュールが予定をされてございます。
次のスライドに行っていただきまして、時系列、順序が逆になるのですけれど、G7の大臣会合でございます。
G7の大臣会合は、今年、ドイツが議長国でございまして、G7国にG20議長国のインドネシアの招待という形で参加して開催をされました。我が国からは、大岡環境副大臣、それから、細田経済産業副大臣、両副大臣が出席ということでございました。
ポイントでございますけれども、まず、ロシアによるウクライナ侵攻、これが及ぼしている影響というのはかなり大きいということで、それへの非難とかウクライナとの連帯を表明。また、気候変動、生物多様性の損失とか汚染、これを三つの危機という言い方で取り上げまして、これに統合的に対応する必要性を確認したというところでございます。
特に気候変動に関しては、パリ協定の実施、これを強化していくというコミットを再確認した。1.5℃に抑えるために、この10年に緊急かつ野心的で包括的な行動を取ることにコミットすると、こういうことでございます。
資源効率性・循環経済に関しては、ベルリン・ロードマップということで、新たな作業計画を策定したということ、また、海洋、海の取組に関して、オーシャン・ディールというものを採択したということでございます。
こうした取組につきまして、特にベルリン・ロードマップの策定などについては、日本からも積極的に貢献したところでございます。
コミュニケ要点は、ざっとご覧をいただければと思います。
次に行っていただきまして、ベルリン・ルードとか、そういうのを飛ばしていただきまして、時間が逆戻りになりますけれども、UNEAにつきましてですけれども、UNEAは、ご案内のとおりかもしれませんが、国連環境計画の意思決定機関ということで、国連の中の環境に関する最大の意思決定機関でございます。
2年に1回開かれておるのですけれども、コロナの影響もありまして、昨年は1部だけ開催をした。今回は第2部という形で開催、再開セッションを開いたということでございます。
全部で14本の決議が採択をされておりますけれども、この中で特に重要なのは、プラスチック汚染対策に関する決議でございます。プラスチック汚染を終わらせるという、そういうサブタイトルがついておりますけれども、海洋環境におけるプラスチック汚染を含むプラスチック汚染が深刻な問題になっていることを懸念し、この問題に関する法的拘束力のある国際約束を作るための政府間交渉委員会、これを設立することを決定したところでございます。
この政府間交渉委員会は、今年の後半から作業を開始して、2024年までに作業を完了することを目指すということでございます。
次のスライドに、具体的な国際約束はどういうものを、どういう目的で、どういうものを含むのかという、そういうスケッチもこの決議の中では書かれているところでございます。
プラスチックの持続可能な生産と消費を促進するとか等々でございます。
次に行っていただきまして、6月頭に開かれましたストックホルム+50でございます。
国連人間環境会議、1972年、ストックホルムの会議、これから50周年を記念したイベントでございました。我が国からは、正田地球環境審議官が出席をされたところでございます。
全体、会合の成果としましては、議長による発言という形で、全ての繁栄にとって健全な地球に向けた行動を加速するための鍵となる勧告ということで取りまとめられているところでございます。
次に行っていただきまして、来月予定しておりますシナジー評価に関する国際会議でございます。
パリ協定、気候変動はSDGsの中の一つのゴールでもあるわけでございますけれども、特に、気候変動とほかのゴール、エネルギー、水、その他との関連性が非常に強いということでございまして、これは、パリ協定と、それから、ほかのSDGsのゴールを同時に達成していくシナジーを追求し、また逆に、お互いに阻害し合うトレードオフを回避するということが大事だと、そういう認識の下で、国連でSDGsを担当しております国連経済社会局、UNDESAとUNFCCC、気候変動枠組条約事務局が協同しまして、こういう国際会議を2019年から開催しております。今回は、第3回の会議ということになるのですけれども、日本で開催ということになった次第でございます。
次に行っていただいて、具体的には7月20日と21日に東京の国連大学で、オンラインでつないだハイブリッド形式で開催したいと思っております。
先ほど申し上げた国連の2機関以外にも、様々な国際機関、あるいは、研究機関に参加をいただいて、パリ協定とSDGsのシナジーにつなげる具体的な事例を集めるということで、実務的にディスカッションしていきたいというふうに思ってございます。
将来的には、こうした議論が次のポストSDGsの議論にもつながるのかなと思っておりまして、日本としても、こういった議論にしっかり参画をしていきたいというふうに考えております。
次に行っていただきまして、ここから先、COP27の概要につきましては、青竹室長のほうからよろしくお願いします。

気候変動国際交渉室長
気候変動国際交渉室長の青竹でございます。
COP27の概要でございますけれども、本年は、11月6日から18日に、エジプトのシャルム・エル・シェイクで開催の予定でございます。
主要な交渉の論点でございますけれども、まず、緩和については、「緩和の野心と実施を緊急にスケールアップするための作業計画」の議論をしていく、それから、2030年までの野心に関するハイレベル閣僚級ラウンドテーブルが開催されるということでございます。
適応については、適応に関する世界全体の目標にかかるグラスゴー・シャルム・エル・シェイク作業計画の進捗に関する議論を行ってまいります。ロス&ダメージにつきましては、サンティアゴ・ネットワークの早期運用化に向けた取組と資金支援であったり、資金支援の取決めについて話し合うグラスゴー対話というのも立ち上がっておりますので、こちらに関する議論が続いてまいります。
そのほか、資金ですとか、グローバル・ストックテーク、市場メカニズム、透明性に関する議論などが行われる予定となっております。
また、議長国エジプトから、COP27の期間中には、日ごとのテーマとして、資金、適応、水、脱炭素、科学、ソリューションなど、様々なテーマを掲げて、プログラムを実施していくというようなことも発表されております。
我が国としましても、気候変動に対応するための行動の実施が加速化されるように貢献していきたいというふうに思っております。
以上でございます。

脱炭素化イノベーション研究調査室長
続きまして、IPCCによる科学的知見の提供につきまして、ご報告いたします。
脱炭素イノベーション研究調査室長の河村でございます。
IPCCは、世界の政策決定者等に対して、科学的知見を提供して、気候変動枠組条約の活動を支援するという目的で、1990年以来、評価報告書を出しているところでございますが、現在は、第6次評価サイクルにあるということでございます。
2018年の10月に1.5℃特別報告書というものが公表されまして、1.5℃を大きく超えないためには、2050年前後のCO2排出量が正味ゼロとなることが必要という見解が示されたところでございますが、それ以降、2021年8月に第1作業部会報告書が出まして、人間の活動が温暖化の原因であると初めて断定されたということでございます。
続いて、第2作業部会が2022年2月に報告書を公表したところでございますけれども、こちらで、人が引き起こしている気候変動というものが、自然と人間に対して広範囲にわたる悪影響とそれに関連した損失、損害を自然の気候変動の範囲を超えて引き起こしているということで、人間による影響というのがより強く結びつけられるような形の報告書が出ているということでございます。
さらには、2022年4月に出されました第3作業部会、こちらは緩和に関する報告書でございますけれども、オーバーシュートしない、1.5℃を僅かに超えない、あるいは、限られたオーバーシュートを伴って温暖化を1.5℃に抑える、あるいは、温暖化を2℃に抑えると、そのような形で経路をたどってシミュレーションをしていきますと、世界の温室効果ガスの排出量は、2020年から遅くとも2025年よりも前にピークに達して、そこから下げていかなければならないという予測が公表されたということでございます。
このような一連の科学的報告書をまとめた統合報告書が出ますと、第6次評価サイクルの締めくくりということになりますが、今現在、統合報告書の公表時期につきましては未定となっていると、こういう状況でございます。
私からは以上です。

脱炭素社会移行推進室長
ここから国内ですけれども、脱炭素室の室長の小岩です。
まず、2020年度温室効果ガスの排出量の確報値が出ましたので、ご報告します。
2022年度は、総排出量は11億5,000万トン、吸収量が4,450万トンでして、総排出量から吸収量を引くと11億600万トンとなっておりまして、基準年の2020年度比で21.5%減となっております。
削減量の内訳でございますが、2013年度と比較しますと、活動量の増減によって0.05億トンのCO2が増加しているのですけれども、削減対策等によって2.6億トン、吸収量で0.45億トンのCO2が減少しております。2030年度に向けては、あと3.5億トン減らすと目標を達成する見込みとなっております。
次、お願いします。排出量の変化の要因分析をしております。これは、温室効果ガス全体について、2013年度から2020年度を分析したものでございますけれども、全体では、2億5,900万トン減少をしておりまして、そのうち、エネルギー起源CO2のほうはかなり、2億6,800万トン減少している一方、エネルギー起源CO2以外、いわゆる6.5ガスについては900万トン増加というふうになっております。
次、お願いいたします。こちらが、エネルギー起源CO2全体を2013年度から2020年度で比較をしたものでございますが、エネルギーCO2排出量全体では、2億6,800万トン減少をしておりまして、この減少の要因としましては、再エネの増加とか原発の再稼働とかで、電力の排出原単位が改善したということですとか、省エネ機器の普及とか生産効率向上によって、エネルギー消費効率が改善したといったようなことでございまして、一方で、1人当たりのGDPが少し増加をしておりまして、これが増加要因となっております。
次、お願いいたします。次は、2019年度から2020年度だけを取り出したものなのですけれども、こちらを見ると、コロナ禍の影響が非常に出ておることが分かります。
全体としては、6,120万トン減少しているのですけれども、減少の主な要因が、コロナ禍における経済の停滞ですとか、エネルギー多消費産業のシェアが低下したことによるエネルギー消費効率の改善というところで、減少しております。
増加要因は、逆に、テレワークとかで、家庭での活動が増えたということで、家庭でのエネルギー需要が増加をしまして、電力の部分が効率の悪化をしているといったところが増加の要因になっています。
次、お願いいたします。この次が、温対計画のフォローアップでございます。6月17日に地球温暖化対策推進本部において取りまとめをしております。
こちらに向けて、フォローアップ専門委員会のほうでご審議をいただきました。その結果を基に取りまとめを行いまして、この本部での取りまとめにつながっております。
まず、個々の対策・施策について、AからEで評価をしておりまして、Aについては、2020年度の実績が既に2030年度の目標水準を上回っているというものでございます。Bが、このまま取組を続ければ目標水準を上回ると考えられるものでございまして、Cが、このまま取組を続ければ2030年度に同程度まで行くというものでございます。Dが、逆に目標水準を下回るという対策でございまして、Eが、データが得られないものということになっております。
次、お願いします。こちらが一覧表でまとめたものでございますけれども、2020年度の削減率が全体22%減なのですけれども、部門ごとに見ていくと、エネルギー起源CO2については、産業部門、業務その他部門が23%減で、家庭が20%減、運輸が18%減、エネルギー転換部門が23%減となっておりまして、大体、2割減ぐらいになっておるのですけれども、一方で、非エネルギー起源のCO2が7%減とか、あるいは、HFC等4ガスが47%といったようなことで、この辺り、改善が必要になっているところでございます。
次、お願いいたします。次から、A、B、C、Dのものを円グラフで示したものなのですけれども、削減とか吸収の見込量を円グラフにしたものでございます。
全体で見ますと84%がC評価となっておりまして、A評価は1%だけ、B評価が4%となっております。それに対して、D評価が7%といったような結果になっております。
次、お願いいたします。こちらが、各部門ごとのものを並べたものですけれども、円グラフの大きさが各部門の排出削減を見込めるような大きさになっております。
一番大きいのが、やっぱりエネルギー転換部門でございまして、こちらについては99.7%がC評価といったことになってございます。
1、2、3、4、6、7がちょっと小さくて見にくいので、次から大きな円グラフにしておりますので、次、お願いいたします。
1が、産業部門(製造事業者等)でございますけれども、C評価が53%、B評価が22%で、それに対して、D評価は25%なっております。
次、お願いいたします。業務その他部門は、B評価が22%、C評価が41%、D評価が37%となっております。
次、お願いします。家庭部門でございますが、C評価が53%となっておりまして、あと、A評価も18%となっております。一方で、D評価は27%と、少し対策が必要なところが残っているということです。
次、お願いします。運輸部門でございます。運輸部門は、A評価、B評価、C評価が、結構、大半を占めておりまして、D評価は2%ということになっております。
次、お願いいたします。エネルギー起源CO2以外のところでございますが、ここは、C評価が35%で、D評価が32%ということになっておりまして、E評価も結構まだ残っているので、カウントの仕方を、いろんなデータを得るための工夫も必要になってくるのかなと思っています。
次、お願いします。吸収源のほうでございますが、吸収源については、C評価が80%である一方、農地土壌炭素吸収源の辺りはD評価で2割になっております。
以上です。

地球温暖化対策課長
続きまして、ライフスタイルの関連でございます。
地球温暖化対策課長の小笠原でございます。
『食とくらしの「グリーンライフ・ポイント」推進事業』というところなのですけれども、脱炭素型ライフスタイル転換を促進していくために、環境配慮行動へのポイントを増やしていこうという趣旨の事業でございます。
令和3年の補正予算でグリーンライフ・ポイント事業というのが101億円ついておりまして、これは、環境配慮製品・サービスの選択等の消費者の環境配慮行動に対して、企業や地域等がポイントを発行する取組について、準備経費を支援することによって、こうした取組を拡大していこうと、そういう事業でございます。
3月から5月の中旬にかけて公募を行いまして、26件を採択しております。
具体的には、ショッピングセンター最大手のイオンモールさん、ゆめタウンさん、それから、スーパーだと、サミット、エーコープ近畿さん、それから、Eコマースの関係では楽天、電力関係は東電エナジーパートナー、ポイントサービスとしてはNTTドコモのdポイントですね、それから、いろんな自治体、地域団体等の幅広い主体によって、蓄電池ユーザーの節電協力であるとか、太陽光発電導入、省エネ家電の購入、小型家電の回収への協力とか、プラスチック製のカトラリー等の辞退等々の様々な取組に対して、いろんな環境配慮ポイントを発行する取組に対する支援を行って、こうした取組を全国に広げていきたいというふうに考えております。
現在、二次公募をまた追って採択するとともに、引き続き、その後も応募を受け付けているところでございます。
次のページ以降は参考で、具体的な企業と、どこでどんなポイントを発行するかというのをリストにしております。ご参考までです。

環境計画課長
計画課長の松田です。
38ページでございますけども、改正温対法が今年の5月25日に成立しまして、民間企業の意欲的な脱炭素事業に、継続的、包括的な資金支援の一環として、財政投融資、産業投資を活用した出資等を行う脱炭素化支援機構を設立するということになりました。
今年の10月に設立できるように、今、準備の作業を進めているところでございますけども、従来から、グリーンファイナンス機構というところから再エネ設備の出資を行ってきたところなのですけども、今まで以上に、この再生可能エネルギー以外の省エネ設備とか、あと、資源循環の取組とか、森林吸収源対策の取組とか、様々な脱炭素ビジネスに出資等の支援ができるような形で取り組んでいきたいというところでございます。
その次の39ページ目をお願いします。
こちらは、昨年、改正温対法が成立をしまして、それで、再エネの促進区域の仕組みができたというところでございます。その中身については、今年の4月に施行されたということでございますけども、市町村が協議会等をつくって、再エネに関する促進区域をつくる。その中で、再エネ事業に環境保全の取組とか、地域の経済・社会への取組、こういったものもその中に位置づけるということにしております。
それを受けて、事業者は促進区域において事業計画をつくって、市町村の計画に適合するような形で認定の申請を行って、その上で、市町村がその事業計画の認定をする。
認定をされたときには、アセス等のワンストップ化の特例を受けたりするような形で、認定の効果が得られるというところでございます。
その次のページ、40ページ目をお願いします。
こちらが脱炭素化先行地域ということで、地域脱炭素ロードマップを昨年6月につくったというところですが、そこで、少なくとも100か所の先行地域をつくっていこうと。2025年度までに脱炭素に向かう地域特性に応じた先行的な取組実施の道筋をつけて、2030年までに、2050年のカーボンニュートラルを前倒しして実施をしていくというものであります。
その先行地域については、日本にも、北から南まで、例えば、大都市から中山間エリアまで様々なエリアがあるわけでございますけども、それぞれのエリアにおいて地域課題を解決していく。住民の暮らしの質の向上、こういったものも脱炭素と引っかけて実現をしていこうと、そういう取組を目指していこうということでございます。
次のページに行きまして、脱炭素化先行地域です。
第1回目の選定を今年の4月26日に行いました。全部で79件の計画提案をいただいたところですけども、有識者会議の皆さんの評価を踏まえて、26件の先行地域を選定しております。
具体的な地名の部分については、その下に示すとおりでございますけども、第2回目の公募について7月26日から行うということで、今、準備を進めているところでございます。
次のページに行っていただければと思います。こちらは、26の地域の中の6つの事例を少し紹介しております。
左の上は上士幌町ということで、畜産ふん尿処理のバイオガス発電という部分ですね。ここで電力と、このふん尿処理、こういったものについて課題を解決していくということ。
あと、真ん中の横浜市の大都市型の脱炭素モデル。また、右に行って、松本市のゼロカーボンパーク。また、左下の米原のソーラーシェアリングの取組。また、真ん中の下の姫路のゼロカーボンキャッスル構想。また、右下の知名町・和泊町の離島でのゼロカーボンということで、いろいろな地域特性を踏まえた様々な取組というのを選定しているというところでございます。
以上です。

フロン対策室長
それでは、この資料は最後になりますけれども、フロン対策室長の豊住より、フロン対策につきまして、ご説明を申し上げます。
フロン排出抑制法は、2025年、代替フロンの排出量の急増、これを背景といたしまして、フロン類の使用の合理化や管理の適正化を求めるとともに、フロン類の充塡業の登録制及び再生業の許可制の導入等を措置する改正を実施いたしまして、平成27年に施行いたしました。
このときの改正フロン法の附則によりまして、この5年間の施行状況を踏まえて、昨年の11月以降、中央環境審議会地球環境部会フロン類等対策小委員会、それから、産業構造審議会製造産業分科会化学物質政策小委員会フロン類等対策ワーキング、これらの合同会議におきまして、この改正部分につきましての施行状況について検討を行いまして、今回、報告書を取りまとめたところでございます。
報告書におきましては、こちらに掲げてありますとおり、フロン類の実質的フェーズダウン、フロン類使用製品のノンフロン・低GWP化の促進、第一種特定製品管理者の判断基準、それから、次のページに行っていただきまして、再生行為の適正化、証明書による再生・破壊完了の確認、フロン類の算定の漏えい量報告・公表制度、充塡・回収行為の適正化につきまして、現状の施行状況を踏まえてご議論をいただきまして、おおむね当時期待されたフロン類の排出抑制の機能をしているという形での評価をいただきました。
一方で、カーボンニュートラルに向けた取組、このフロンを取り巻く状況等を踏まえまして、それぞれの改正事項について直面する課題を抽出いたしまして、今後取り組むべき内容ということで、多数挙げていただいたところでございます。
加えて、下のところにございますけれども、平成28年度、地方からの権限移譲の提案につきましては、今回の点検の場で併せて検討するとしておりましたところ、今般、関係者への調査結果や現在の施行状況を踏まえまして、検討いたしました結果、現時点での移譲につきましては時期尚早ということで、今後、制度、経験の蓄積等によって、適切な環境が整った時期に改めて検討を行うと結論づけられたところでございます。
フロン対策につきましては、以上でございます。

大塚部会長
どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの説明内容につきまして、ご質問、ご意見等がございましたら、挙手ボタンをクリックしていただければと思います。
現在、事務局で挙手している方を確認しておりますので、しばらくお待ちください。
では、藤村委員、お願いします。

藤村委員
最初ですね。ありがとうございます。
2点意見と、2点質問です。
1点は、1月、総理がエネルギー供給構造だけでなく、産業構造、暮らし、地域の在り方全般へ取組が必要、また、環境省については、国民の理解促進ということをおっしゃっていますけれども、3月に内閣府が行った脱炭素への取組実態調査によると、実行しているというのが上場企業で43%、非上場では10%という数字が出ているんですね。消費者についても、まだまだ理解が足りないという部分もあります。
この会議の冒頭から私ずっと言っておりますけども、やはり、なぜ脱炭素が必要なのかということをもっともっと丁寧に知らせていく必要があるのではないかなと思います。それによって、今後の投資ということにも結びつくというふうに思います。
それから、2点目の人材育成なんですけれども、脱炭素、経済のための人材育成ということで、これはすごく偏っているように見えて、これでは、これまでの効率性を求める教育と変わらないなという感じを受けました。
参考資料1-2で述べられていますけれども、脱炭素というのは長い時間がかかるわけですから、中長期的視点で、子どもから大人まで、情報や知識を経験とか議論を通して、実践に結びつける教育、環境教育をやっていただきたいなというふうに思います。
ナッジもいい点があると思うんですけれども、このままだと、あまり物事を考えない人間がますます増えていくのではないかなと危惧をしているところもあります。
それから、質問ですけれども、この中間報告を見ると、全てが経済発展のためという印象がとても強いです。国の方針だから仕方がないと言えばそうなんですが。ただ、常々申していますけれども、脱炭素は別に経済成長のためだけではないと思うんですね。経済はもちろん大切なんですけれども、経済が発展したからといって人間が必ず幸せになるわけではないし、社会が持続するわけでもない。国連の幸福度ランキングは、日本は54位ですよね。こういうことから見ても、少し何か違うんじゃないかなと。
小委員会設置の際に、経済とか技術だけではなくて、人とか社会の持続性とか、価値観とか、幸せとか、幅広いところで議論をしてほしいということをお願いしました。
11ページで少し触れられていますけれども、この部分、この報告を見る限り、それがすごく薄いように思われます。一体、この小委員会で、こうしたことについて、どのような議論が行われているのか、ちょっと教えていただけたらうれしいなと。
それから、もう一点の質問は、2030年目標50%というのはどこに行っちゃったのかなと。46から50と言っているにもかかわらず、全て46で書かれるんですよね。せめて、46から50というところを抹消しないでいただきたいなと。これはどういうことなのかなという点を質問させてください。
以上です。

大塚部会長
ありがとうございます。
では、中根委員、お願いします。
中根委員、どうぞ。

中根臨時委員
ありがとうございます。
資料2のご報告、ありがとうございます。とても精力的に施策を推進していらっしゃることがよく分かりました。
もう一つですけれども、これらの施策の元になる方向性や考え方について、まとめてくださった資料1-1について、感想とともにコメントをさせていただきます。
AからDのどれもがしっかり取りまとめられており、炭素中立型経済社会変革小委員会の方々にお礼申し上げます。
委員の方々のご専門と、それを環境政策に生かしたいという熱意のたまものと考えております。
個人的には、Dのトータルな環境保全と炭素中立型の経済社会の内容に特に共感する内容がたくさんありました。
長期間存在する研究費ですので、環境省にとっては空気のような存在になっていると思いますが、それぞれのご研究について知れば知るほど、その大切さが分かります。
なお、行政的には、環境省の1部局の一つの課室が担当する一つの調査研究費にすぎないかもしれませんが、環境省全体のエビデンス・ベースドの環境政策への貢献の原動力になっている研究ということは、多くの委員の方々も実感しているところと考えます。
そういう意味で、環境省全体として、環境研究総合推進費を持続的に大切にし、発展させていただきたいと思いますが、地球環境局がその先頭に立っていただきたく、お願いする次第です。
これは、この委員会などの検討のベースとして重要ということで、コメントさせていただきました。
以上です。

大塚部会長
田中委員、お願いします。

田中委員
ありがとうございます。田中里沙です。
充実した内容の資料及びご説明をいただき、感謝を申し上げます。
目指すべきサステナブルな経済社会というのは、誰かが個別に頑張るよりも、全体の力で上がっていくことが有効であると、今日も説明を伺いながら感じました。
本業は元より、自分の領域の前後左右にも関心を持ち、配慮をして、それによって協力体制で目標が達成できるように、連携や協業の事例もこれから増やしていけるとよいと思っております。
その上で、人材育成とセットで実現する内容もご紹介いただきましたけれども、最近、企業では人事考課の中に、脱炭素及び環境SDGsの取組、活動の成果を反映する動きが出ています。特に上場企業の取締役の評価においては、環境に寄与する業績連動の評価を行うことが公表、強調されるケースもありますので、これらの情報も集約していけるとよいかと思います。環境省で連携されている形があれば、また後で見させていただければと思います。
また、ライフスタイルや消費者との連動において、注目すべきは、34ページ辺りでご説明いただいたグリーンライフ・ポイントがありました。企業が自らの顧客との接点の中で、リーダーシップを取ることはとても有効だと思います。先日、航空会社が提供するグリーンな燃料の機材を利用して出張をした場合に、その航空会社が「エコ出張をしてくれました」と言ったお墨つき的な証明書を企業や企業人に発行するという取組をニュース等で拝見しましたけれども、企業や自治体が、顧客や住民にお得なポイントだけではない、モチベーションと広報効果のある証明書を出す企画は今後有効に感じます。BtoBやBtoC別に、工夫がいろいろできますので、このような事例も共有して活性化が図れますと、GXが一気にさらに加速するのではないかと期待します。意見と質問が混在しましたが、どうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。

大塚部会長
ありがとうございます。
では、石上委員、お願いします。

石上委員
ありがとうございます。
中間整理の12ページの表のところですね。人材育成についての重要性について記載いただいているんですが、今後の方向性ですね、そういったものが政府のリードで予見可能性を確保するということが非常に重要だというふうに思います。
その上で、国や民間、教育機関が連携して、人材育成に力を入れていくこともできますし、企業が、働く人々の学び直し、職業能力開発もすることができるようになるんではないかなというふうに考えています。
ただ、大企業と中小企業の対応力の差についてもしっかり認識していただいて、そういった対策、移行支援の対策も、ぜひよろしくお願いをしたいというふうに思います。
さらに、やはり万が一、このことによって不本意に離職をしたとしても、再度のチャンスがある機会が保証されるというセーフティーネット、これも重要だというふうに思っておりますので、失業なき労働移動が施行されるべきだというふうに考えます。
また、ここにあります官民の投資の大幅拡大というところなんですけども、これは当然、こういった資金を振り向けていくことは非常に重要だと思いますけれども、その中でも、やはりESGの考え方、人権や労働などの要素、こういったことをしっかり重視していくことも重要だというふうに思っておりまして、一定の指標の確立、これも必要だというふうに思います。ぜひ、こういった環境整備も力を入れてほしいというふうに思います。
最後に、地域の問題ですが、既にモデル地域の事業もスタートをしました。地域でも、この脱炭素を目指す中で様々な影響が出るというふうに私たちは考えておりまして、そういった意味では、地域経済、これをしっかりどう支えていくのか。国によって影響を受ける地域、人々、こういった人たちの雇用の創出や地域経済の新たな活力、こういった点をしっかり重要視していくことが必要だというふうに思いますし、これは国全体の成長につながっていくんだというふうに思います。
地域も含めた社会対話を通じて、しっかり議論を進めていくことが重要だと。我々は何度も申し上げておりますが、公正な移行というものがしっかり確立されることが重要だというふうに考えております。
以上です。

大塚部会長
ありがとうございます。
では、右田委員、お願いします。

右田委員
ありがとうございます。網羅的なご報告をいただきまして、ありがとうございました。
2点申し上げたいと思います。
第1に、クリーンエネルギー戦略に関してであります。
前回、この部会でも申し上げましたように、グリーントランスフォーメーションの実現に当たって忘れてはならないのは、我が国産業の国際競争力を維持・強化していく視点であります。
グリーントランスフォーメーションに向けては、革新的技術の開発とその実装、社会インフラの総入替えや新規整備など、莫大な投資が必要であります。
この点について、ヨーロッパ、アメリカ、中国といった、我が国の主要な競争相手国が既に革新的技術の研究開発から、商用化、社会実装までを視野に入れた産業支援策を展開しており、我が国もこれに劣後しない規模のグリーンディール政策の展開が必要であるというふうに申し上げてきたところ、先般、岸田総理より、クリーンエネルギー戦略の中で10年ロードマップを策定していくこと、民間投資の呼び水として今後10年間で20兆円の財政的支援を行うという方針が示されましたことは、まさに英断であり、経済界として高く評価しております。
経済界としては、グリーントランスフォーメーションへの挑戦を通じて、我が国産業の競争力強化、ひいては日本経済の持続的発展に貢献していく決意であります。
政府におかれては、今後、10年ロードマップの策定に当たり、水素サプライチェーンやCCUSのためのインフラ整備等、市場原理だけでは取組が進まない分野への財政的バックアップや、民間投資にインセンティブを与える研究開発税制の拡充、規制改革等の実行をぜひともお願いしたいと思います。
2点目は、G7での議論についてであります。
今回のG7においても、気候変動関連のテーマの一つとして、グリーンな製品の定義が議論されております。来年は日本が議長国になりますが、今後の国際交渉においては、パリ協定の精神を踏まえつつ、科学的・技術的な知見に裏打ちされた議論、国益の観点を踏まえた交渉をお願いしたいと思います。
例えば、鉄鋼に関して申し上げれば、G7メンバーは軒並み鋼材輸入国であり、日本は鋼材輸出国として異なる立ち位置となります。今後の国際ルールの議論に当たっては、欧米主導の耳触りのよいコンセプト先行のルールメイキングに流されることなく、その背後にある国ごとの産業構造の違い、国益の違いも十分に踏まえ、科学的・技術的な知見に裏打ちされた議論、プレッジ・アンド・レビューというパリ協定の精神を踏まえた議論を展開していただき、日本が不利益を被ることのない交渉をぜひお願いしたいと思います。
私からは以上です。

大塚部会長
どうもありがとうございます。
5名の委員にお話をいただきましたが、この辺で一旦区切りまして、事務局からご回答をしていただいて、また次のターンで各委員にお話しいただくことにしたいと思います。
では、よろしくお願いします。

総務課長
それでは、担当課室長で手分けをしてお答えをさせていただきたいと思います。
初めに、私、西村のほうから幾つかお答えさせていただきたいと思います。
藤村委員のほうから、炭素中立小委員会の中間整理に関しまして、経済発展のため、経済成長のためという色が濃いのではないかというご指摘がございましたけれども、それも入っておりますけれども、経済成長のほうのみというよりは、やはり経済と環境の好循環と、こういう頭で構成をされているのかなというふうに思います。
また、人材のところですとか、ややその辺りの多様な価値観についての議論が薄いのではないかというお話もございました。
言及いただいた11ページのところに、その辺りの議論を載せてございますけれども、小委員会のほうの議論では、やはり多様な価値観を大切にしていく話ですとか、あるいは人々の幸福、Well-beingですとかQOL、そういった議論も多々あったかと思います。
また、別途、石上委員が今おっしゃってくださいましたように、人材育成の観点から、公正な移行ということをよく考えて議論していくべきじゃないかというようなコメントも小委員会のほうでもございまして、そういった内容も、薄く見えてしまったかもしれないですけれども、取り込んで作成をしたつもりでございまして、決して、そうした多様な価値を軽視した議論ではなかったということはご報告をさせていただきたいと思います。
また、2020年50%というご指摘もあったのですけれども、まさに中間整理の一番最初、4ページのところですけれども、気候変動対策の現在地点1ということで、一番最初にご紹介させていただきましたが、ここをご覧いただけますと、「2050年カーボンニュートラル」ということと、「2030年度46%減、さらに50%の高みに向けて挑戦」ということを掲げさせていただいているところでございます。
それから、中根委員のほうから推進費を大切にというメッセージを頂きましたので、地球環境局一同、しっかりそのようにさせていただきたいというふうに思っております。
また、グリーンライフ・ポイントについてのご指摘をお願いしてよろしいですかね。

地球温暖化対策課長
では、ナッジ、デジタル関係のところで、藤村委員から、なぜ脱炭素が必要なのかということをもっと知らせていく必要があるのではないかというご指摘、そのとおりかと思います。
何で脱炭素に取り組むことが必要で、そのために、では、どんなことが国にできて、そうすると、どんな効果があるのかといったことを、いろんなところに断片的な情報はあるのですけれども、そういうのを国民にコンパクトに知らせるためにはどうしたらいいのかということも、併せて考えていきたいと思います。
それから、ナッジで、考えない人間になるのではないかと、そういう指摘もありましたけど、ナッジのよさもあり、ポイントのよさもあり、それからご指摘あったような環境教育のよさもあり、いろんな普及啓発というもののよさがありますので、ナッジだけでもない、ポイントだけでもない、いろんなツールを、どれについてもしっかりとやっていきたいというふうに考えております。
それから、田中委員から、グリーンライフ・ポイントみたいに、消費者とのインターフェースを持つ企業が消費者との関係で積極的にリーダーシップを取っていただくことの重要性という指摘をいただきました。
炭素中立小委の中間取りまとめの中でも、こういった部分の重要性をうたっているところでございます。政府自身の情報発信というのは限られる部分がございますので、国民が日常的に触れるところの企業さんによる環境配慮製品の販売であるとか、そういった中での取組というのは非常に重要ですので、企業とのコラボというのを引き続き、より強化していきたいというふうに考えております。

総務課長
再び、また西村のほうから少しお話しさせていただきたいと思いますが、田中委員のほうからは、ESGの流れだと思いますけれども、人事考課の中で環境への取組を反映させるとか、取締役の評価にというようなお話もございまして、そういう情報も集約してというご指摘がございましたので、確かにESGのEとGに関わる大きなポイントかなというふうに思いますので、その情報の集約を試みてみたいと思います。
それから、石上委員のほうから、学び直し、あるいは、その職業能力開発、大企業と中小企業の対応力の違いを踏まえた移行支援をというようなお話もございまして、その辺りは小委員会のほうでもご意見をいただいたところでございまして、環境省としても学校教育と連携した環境教育みたいなところは、これまでも長年やってきておるんですけれども、産業構造の転換ですとか、移行に伴う学び直し、そういったテーマについては我々もこれからというところがございますので、ご指摘いただいたことを踏まえて、またいろいろ教えていただきながら検討してまいりたいというふうに思っております。
また、人権とか労働とか、そういった面の指標の確立というご指摘もございまして、環境省としては、ESGの流れの中で環境に関する様々なガイドというのは出しているところなのですけれども、ソーシャルに関するガイドというのは、昨年、金融庁のほうでソーシャルポンドガイドラインというのを取りまとめをしております。内容は私も詳細に承知をしてないのですけれども、環境のほうは主に環境省、ソーシャルのほうでは金融でということでやっておりますので、そちらも後で確認をしてみたいと思います。
右田委員のほうからは、クリーンエネルギー戦略の今後の検討について、あるいは、G7の今後の交渉についてコメントを頂きました。
クリーンエネルギー戦略のほうについてはまさにおっしゃるとおりでございまして、後半戦、また政府全体で検討が進んでいくと思いますので、環境省としても適切な貢献をしてまいりたいというふうに考えております。

国際連携課長
右田委員のほうから、G7につきましてもご意見を頂戴いたしました。
来年、日本がG7議長国を務める。その詳細につきましてはまだこれから、今年のドイツでの議論も踏まえながら検討していくということになりますけれども、ご意見いただいたとおり、科学的・技術的な根拠に立脚した、地に足のついた議論をするということ。特にパリ協定の実施のフェーズになっておりますので、いかに脱炭素社会を実現していくかと、こういう議論をする中で、しっかり日本の強みを打ち出していきたいというふうに考えております。
ご意見、ありがとうございました。

大塚部会長
よろしいでしょうか。
ご丁寧に答えていただきまして、ありがとうございました。
では、江守委員、お願いします。

江守臨時委員
ありがとうございます。
僕からは三つ申し上げたいと思います。二つは、先ほど藤村委員がおっしゃったことと割と重なるんですけれども、違う言い方で申し上げます。
一つ目、成長の問題ですけれども、何の成長を目指しているのかということを、少し議論が必要ではないかというふうに思いました。
僕の認識では、物質エネルギーの消費の成長というのを目指してしまうと、これは非常に脱炭素と整合しにくい。幾ら技術によって脱炭素のエネルギーをここで置き換えていこうとしても間に合わないということが、最近多く説得力のある研究を見るようになってきたというふうに思っています。
ですので、物質エネルギーの消費は抑制したい。その上でWell-beingの、成長していきたいというようなことであれば話は分かるんですけれども、何を成長させるかという議論は、政府としての見解がございましたらお聞かせいただきたいと思います。
二つ目はNDCに関することなんですけれども、昨年のグラスゴーの気候合意で、その時点でのNDCを集めても1.5℃の目標には全く足りないので、必要に応じて各国見直して、翌年末までに提出してほしいという要請があったというふうに理解しております。
これは、日本としてはどういう対応をしているというふうに理解したらよろしいかを教えていただきたいと思います。
必要がないという認識であるのか、それとも、必要は必要なんだけれども、このタイミングでは検討が間に合わないということであるのか、何らかのその議論が必要なのではないかというふうに思っています。
三つ目なんですけれども、これは資料には出てこなかったんですけれども、気候市民会議という、以前から何度か申し上げさせていただいているんですけれども、無作為抽出型の、民主的に気候政策を、提案を議論するという手法がいろいろなところで行われていて、今度、日本でも武蔵野市と所沢市で行政主導で行われることになっています。そのほかにも、いろいろとこれをやりたいという動きが出てきたりしています。
それから、先日、若者のグループが環境大臣に気候市民会議をやってほしいという要望を出したというふうに伺っておりますので、改めて気候市民会議について、どのようなスタンスをお持ちかということを環境省にお伺いしたいというふうに思います。
以上です。ありがとうございます。

大塚部会長
ありがとうございました。
では、下田委員、お願いします。

下田臨時委員
ありがとうございます。
3点申し上げたいと思いますが、まず、先ほど藤村委員もおっしゃったんですけれども、このクリーンエネルギー戦略に関して、総理の指示として、三つあったうちの一つが、国民一人一人の理解促進ということになっているのに、これに対して、受けて書かれているのは、27ページの左上のところだけというのは少ないのかなという気がいたしました。
大半の国民は、カーボンニュートラルというと、海上での洋上風力とか、遠いところで再エネが進んでいくだけの話と思っているのではないかという危惧がございます。
例えば、資料2の32ページに家庭部門でこれだけ取り組まないといけないという対策がリストアップされているのですけれども、恐らく、ほとんどの国民はこの内容を知らないんじゃないかというふうに思っております。
ですから、いろんな面で広報活動というのは大事だというふうに思っております。それから、ここにいろいろな対策が書かれておりますが、ここの周知がまず大事ではないかというふうに思います。
それから、2番目ですけれども、これも石上委員等からありました人材育成ですね。
これは大学等がリカレント教育を行って、公正な移行を果たしていくというのがこれから大事だと思っています。これは、そんなに時間の余裕がある話ではなく、急ぐ話だと思っています。どのような人を対象にして、どんな教育をして、どんな仕事についていただくのかということを具体的な事例として、あるいは、実際の事業として示していかないといけないのではないかなというふうに思っております。
それから、人材という意味では、地域には地球温暖化防止活動推進センターがあって、そこではいろんな人材がいらっしゃるわけですけれども、そこの今後の役割というのも、もしお考えがあれば教えていただきたいと思います。
それから、3点目は、今日の説明では出てこなかったかも分かりませんけれども、資料2の9ページにニア・ゼロ・エミッション素材というものがあって、これはどういうことなのか、もしよろしければ詳しく教えていただければというふうに思いました。
以上です。

大塚部会長
ありがとうございます。
では、小和田委員、お願いします。

小和田臨時委員
ありがとうございます。
私のほうから、資料1について、3点ほどコメントさせていただきたいと思います。
まず、今回の資料のサブタイトル「脱炭素で我が国の競争力強化を」という視点でございますが、これについて、商工会議所として賛同させていただきたいと思います。
実際、5月に日本商工会議所が発出した意見書においても、「カーボンニュートラルへの挑戦を我が国の新たな成長のエンジンとすべき」と申し上げております。我が国には、カーボンニュートラル関連の優れた技術、そして、それを担う企業あるいは人材が多数存在しておりまして、これを我が国の産業の競争力強化につなげるということが強く求められているのではないかと感じてございます。
こうした企業の技術開発、あるいは量産化によるコスト削減、海外への移転、特にアジア等への進出につきまして、スピード感をもって推進していくことが必要であり、政府に対しては資金面での継続的な支援、とりわけ民間の積極的な投資とイノベーション、これを促進するような施策をぜひ展開していただきたいと要望いたします。
また、一方で、財源の議論についても必要不可欠であり、成長に資するという観点で、ぜひ国民の理解を求めながら、具体的な、かつ現実的な検討を進めていただきたいと思っております。
加えて、先ほど右田委員からもございましたけれども、企業活動がグローバルに展開する中において、日本企業は海外への技術移転等を行っており、二国間クレジット制度では、こうした海外での活動が評価されるような仕組みになっています。ぜひ、この二国間クレジット制度をはじめ、戦略的に、このような海外での取組が企業のカーボンニュートラルに資する取組として評価されるように、国際間での交渉について政府においては一層力を入れていただきたいと、そのようにお願いしたいと思います。
2点目につきましては、カーボンニュートラルの実現に向けた取組において、エネルギー政策の観点からの議論というのは欠かせないと感じてございます。エネルギー政策の基本的な考え方である「S+3E」、これを大前提に考えるべきであり、とりわけ中小企業にとりましては、昨今のエネルギー価格の高騰、あるいは電力需給逼迫がまさに経営にそのままダイレクトに影響を与えるものでございます。
我々としましては、環境施策を推し進めていくことは非常に重要なのですが、一方でエネルギーの観点からすると、安定供給と経済性の視点をいま一度、考えていただきたいと考えてございます。
その観点からも、エネルギーの多重化や多様化を図りながら、5月の日本商工会議所の意見でも申し上げましたとおり、「賢く」考えて、「優しく」社会を変えていくことが必要です。
つまり、今回のカーボンニュートラルの挑戦があまりにも急激に展開されることによって、これが経済に対してマイナスな影響がないよう、十分に配慮した政策を進めていただきたいと考えてございます。
最後、3点目、資料1のスライド17ですが、大変分かりやすく取りまとめていただいていると感じてございます。
資料に書かれてありますとおり、地域の特性、あるいは地場企業の業種、規模によってカーボンニュートラルにおけるトランジションの経路や時間軸、これが非常に大きく異なるものと考えてございます。
また、地域における地域資源、それは分散型エネルギーの活用を通じたエネルギーの地産地消、あるいはレジリエンスの強化といった、他の社会課題とも重ね合わせてカーボンニュートラル政策を進めていくということが重要だと感じてございます。
各地域の商工会議所も一緒になって、こうした施策を官民協働で進めてまいりたいというふうに思っております。具体的には、商工会議所については既に「知る・測る・減らす」といった観点で支援を取り組み始めております。
「知る」はカーボンニュートラルの意味やその必要性についてまずは理解していただくこと、「測る」は実際の排出量を把握すること、「減らす」はいかに排出量削減に取り組んでいくのかといった観点で進めておりますので、この点におきましても、国や自治体様のぜひ支援をいただきたいと思っております。
私からは以上でございます。

大塚部会長
ありがとうございました。
では、勢一委員、お願いします。

勢一委員
ありがとうございます。勢一です。
詳細な説明、たくさんの資料をご用意いただきまして、ありがとうございました。
こういう形で横断的に見ていくというのは非常に大事だと思っています。
まさに、GXということで脱炭素、経済発展、さらにWell-beingですね。こういう方向性で政府全体として推進するということは、全府省の連携が求められることで、難易度は高いけれども意味がある取組なのであろうと思っております。
私からは3点、コメントをさせていただきたいと思います。
まず1点目ですけれども、この脱炭素の取組では、地域脱炭素のところの実効性が非常に重要になってくるということ。私も法改正に携わりましたので、非常に実感しています。
他方で、人口減少が進む地域の中では、国土の利用の在り方が大きく変わっておりまして、今後もさらに変わっていくという状況にあります。こういう状況の中ですので、再エネ導入の加速ということもチャンスではあろうかと思います。
ただ、現状では地域で再エネが迷惑施設化している問題状況があり、その解消として温対法改正のときに地域ゾーニングによる国土利用の整序であるとか、あるいは地域貢献を求めることが盛り込まれた経緯もあります。
ですので、そうした地域脱炭素の取組においても、再エネの導入の部分だけではなくて、地域の多様性に沿った、多様なWell-beingが実現できるような体制をしっかり整える、あるいは環境整備をすることが大事な局面になってきていると思います。
簡単ではないですけれども、各地域が自らしっかり考えて取り組んでいけるような整備と後押しを引き続きお願いしたいのが1点目です。
2点目ですけれども、こうした脱炭素をめぐる動きを、環境省の視点でもう少し深掘りしますと、気候変動と並ぶ危機として、先ほど生物多様性の喪失は国際的にも課題になっている状況にあります。
実際に、我が国でも30by30を掲げていまして、こちらの政策との両立は非常に重要な視点になるだろうと思います。その点では、省内の連携も非常に重要となる局面になってきていると考えております。
例えば、保護区をどう見るかという点でも、自然公園区域や特定の保護区は、バッファーを含めて指定をされているわけですけれども、現行の指定の状況は、今のような大規模な再エネ導入を想定していない形での指定になっています。そういう点では、今回の脱炭素の加速を契機に、全省で関連分野との協調を一層強化することが必要になるだろうと思います。再エネを導入していくためにも、そういう政策が必要であると思います。
こうした取組は、やはり見える化をしていただいて、地域と共有をしていく、地域と同じ方向を目指すという形も併せて大事になると思います。OECMの推進にも資すると思いますので、この辺りの省内の連携をぜひしっかりやっていただきたいというのが2点目です。
最後、3点目ですけれども、温対計画のフォローアップには私も携わりましたので、一言コメントをさせていただきます。
今回のフォローアップでは、これまで蓄積されてきた幅広いデータを活用して、要因分析をして見える化した部分、非常に意味がある作業だったと思います。携わってくれた職員と関係者の皆様にお礼を申し上げたいと思います。まさにEBPMの基礎をやっているような作業であったと思います。
こうした幅広いデータを広く公開することで、多様な研究者や専門家にも分析をしてもらって、そうした知見を活用して、さらに要因分析を進めるという作業が、これからは必要になろうかと思います。特に、今回、フォローアップのデータを見ていて、コロナの影響がもちろん大きく出ているわけですけれども、日本の場合と欧米諸国とで出方が違うというような現象が見えています。
今後、どのように変化していくのかというところ、日本独自の要因分析も必要になってきます。このためには多様な知見の導入が必要になろうと思いますので、これからも引き続き多様な研究者の方、専門家の方とも連携してやっていただければと思います。
私からは以上です。

大塚部会長
ありがとうございます。
2点目については、42ページのところに関係しています。
では、高村委員、お願いします。

高村委員
ありがとうございます。私のほうから発言したいのは3点ございます。
1点目ですけれども、資料1の9枚目のところに非常に適切に記されているというふうに思っておりますけれども、昨今のウクライナ情勢、それから、日本固有の要因はあると思いますけれども電力の需給逼迫、こうした状況下で、エネルギーの供給不安ですとか、あるいは、エネルギー価格の高騰、ボラティリティーの拡大といったような点から考えても、気候変動対策、特にスライドの9枚目に書かれている徹底した省エネ、それから自立分散型の再エネ推進などを、やはり加速するということが、エネルギー安全保障の観点からもそうですし、それは企業の活動にとっても、国民生活にとっても、供給の確保と、それから家計や企業の経営に与えるエネルギーコストの低減という観点からも、非常に重要だというふうに思います。
その点から、ぜひお願いをしたいなと思っているのが、昨年の10月に国の温暖化対策計画を立てたところではありますけれども、しかし、こうした状況の中で、具体的に施策あるいは対策の加速、前倒しや積み上げの可能性があるところがないかという点について、一度、改めて見ていただけないかということです。
これは、数字を引き上げるというだけではなく、例えば、実際に対策・施策を行う際に基盤となる情報基盤ですとか、制度が合致をしていないといったようなところも含めて、どういう課題があるかの洗い直しをしていただけないかということであります。
これは、例えば一つの例でありますけれども、先ほど田中委員が気候変動対策やサステナビリティ対応について、企業の役員報酬にどういうふうに組み込まれているかといったご指摘がありましたけれども、これは恐らく、今、議論になっている国際的なサステナビリティ情報開示の中の今の素案の中で、まさに、企業のサスエナビリティー情報開示の一環として、こうした役員報酬への組み込みということが行われているかどうか、どう行われているかということが、開示項目の候補の中に入っているからという点もあると思います。
今申し上げたのは、特に企業を取り巻く気候変動、さらには、サステナビリティに関わる開示、それから、それに伴う投融資の動きというのが、ウクライナ情勢等々がある中でも、むしろ加速をしている感がありまして、そういう意味で、先ほど言いました、改めて施策の加速、前倒し、積み上げを、あるいは、やるべき課題が何かということを洗い出していただきたいというのは、外的な状況が非常に大きく動いている。
その中で、先ほどあった日本企業の、あるいは産業の競争力を維持しながら、気候変動対策をドライバーにしていくということだとすると、おのずと、昨年10月に決めたばかりではありますけれども、改めての見直しが外的要因としても必要になっているのではないかというふうに思うからです。
それは、恐らく2025年に改めてNDCの見直しをして提出をし直すということがパリ協定の下でありますけれども、2035年の目標を提示することが推奨されていると理解をしていますが、そうした、2025年対応にもつながってくる、そうした準備の過程にもなるというふうに思っております。これが1点目です。
二つ目は、炭素中立小委の議論を今日紹介いただきましたが、その過程を見ても、本当に、気候変動問題はほかの環境問題や経済社会問題とも関連をしていて、しかも脱炭素化を本当にしようと思うと社会経済のあらゆる局面に関わる。先ほどのお話にありましたように、地域もあれば、当然、国民の認識にも関わりますし、企業活動、金融、そして労働者、公正な移行って、非常に幅広い問題を念頭に対応しなきゃいけない。
これは、循環経済や先ほど指摘があった自然資本との関係もそうだと思います。
省内の連携を、この間も様々にしていただいていると思っておりますけれども、例えば先ほどありました企業のサステナビリティ情報のディスクロージャーなどは、恐らく省内の別の担当課、西村さんが前に担当課長のところだと思いますけれども、そうしたところとの連携が、具体的に必要だと思いますし、あるいは他省庁との連携が、特に地域との関係で非常に重要になっているのではないかというふうに思います。
一つの例は、国交省で今回、航空法、空港法の改正が可決されていますけれども、地域の空港のゼロ・エミッション化を2030年までに、空港全体としてやるという目標を掲げていらして、まさに地域の脱炭素の拠点、あるいは、地域との連携の可能性もある取組だと思っています。
これは同じように鉄道にも広がっていて、今回、脱炭素先行地域の中にも、そうした取組が先行されていると思います。
この連携を、先ほど言いました課題の洗い直しとともに、どう進めるかというところを、ぜひ一度、検討いただけないかというふうに思います。課題ごとかもしれませんけど、しかしながら、それはどういう課題があるかという認識をともに、ほかの省庁とつくりながらやっていくことが必要かなと思いまして申し上げます。
最後、簡単ですけど、脱炭素先行地域のところで、非常に具体的に2点お願いしたいところがあります。
一つは、これは自治体からも要望が来ているのではないかと思いますけれども、どういう脱炭素先行地域を選定するかという基準を、できるだけ明確にして示していただくのがいいのではないか。環境省として、国として進めた、あるいはこういうモデルをつくってほしいというメッセージ、シグナルにもなると思いますし、あまりこういうことをやったことがない自治体にとっても取り組んでみようかと思わせる、そうした契機を与えることにもなるというふうに思っております。
二つ目は、先ほどの制度を見直してほしいものの、ある意味でマイナーな一環ですけれども、温対法の改正の議論の中で、やはりゾーニングが必要。再エネの導入にとってもしっかりゾーニングをすることが重要だという議論が強くあると思います。
そのときに、熊本県だと思いますけれども、市町村と連携してゾーニングを、市町村だけではなかなかできないので、県が主導してやってらっしゃると思うのですが、これが国の補助金の規律との関係で、一つしかゾーニングの補助を得ることができないというお話を伺っております。
これは、様々なサムリージョンごとにゾーニングをされようとしていて、それを県が主導していただくというのは大変ありがたい取組だと思うんですけれども、今は一つの例ですけれども、この脱炭素先行地域の基準の明確化と、それから、それを進めるために、ほかのそれを支える制度との整合性について、いま一度確認いただきたいなというふうに思っております。
以上です。

大塚部会長
ありがとうございます。
では、5人にお話しいただきましたので、事務局からお願いします。

総務課長
先ほどに続きまして、また様々なご意見をありがとうございます。
まず、江守委員からのご指摘でございます。
成長というのは何の成長なのかと、さらに言うと、物質エネルギーの量のことなんだろうかと、そういうご趣旨のご質問だったかと思います。
今の成長というのは、簡単に言うとGDPの成長率ではかられていることが多いと思いますけれども、今、岸田内閣で総理がおっしゃっている新しい資本主義、様々なことがこの中で議論されておりますけれども、一つ大きな分野として、人への投資、人的資本投資というようなものが取り上げられているのが、それが我が国で低迷していると言われる生産性が高まり、これがまた成長につながっていくという意味だろうというふうに思っておりますので、そこは決して物量のみでの成長ということではなく、人のいろいろな、様々な知見ですとか、技術ですとか、そういうものが高まることで生産性が増して、より豊かになっていくと、そういうものを根っこに新しい資本主義と言われているのではないかというふうに私は理解をしているところでございます。
それから、NDCについては、後で大井課長からこの後お話しいただこうと思いますけれども、気候市民会議につきましては武蔵野と所沢の事例を教えていただきましたけれども、そういった取組が各所で行われているというのは大変ありがたいことだというふうに思います。
今日も様々に出ましたけど、なかなかまだ脱炭素ですとか気候変動についての認識は広まっていないよというご指摘をいただいておりますので、様々なところで議論を深めていただけるということは大変ありがたいことだというふうに思っております。
また、若者会議の皆さんが、先だって大臣室にいらっしゃいまして、私は同席できなかったのですけれども、ご議論されたというふうに聞いております。
実は、若者会議の皆さんが大臣に提言を持ってくるに際しまして、事前に彼らの中で討議を尽くして議論をするという日が数か月前にございまして、私は、そこにゲストで呼んでいただいたのですけれども、それこそ高校生もいらっしゃるような、大学生もいらっしゃるような、学生さんたち中心の集まりだったのですけれども、極めて関係する制度ですとか、あるいは現状を広く深く勉強された上で提言をつくられておりまして、同席をして、それぞれの提言についてコメントを求められた私としても、もう脂汗を流しながら必死になってお答えをさせていただいたわけなのですけれども、そうして老若男女を問わず、また、各地で議論していただけるのは大変ありがたいことだというふうに思っております。
では、大井課長、お願いします。

国際連携課長
江守先生のほうから、2点目として、グラスゴー気候合意、それから日本の目標の関係についてということでご質問いただきました。
昨年のグラスゴー気候合意では、今年の年末、2022年末までにパリ協定の基本目標に整合するように各国のNDCを再検討して、評価を強化することを締約国に要請すると、こういう内容になってございます。
日本の目標に関しては、日本は2050年のネットゼロ、カーボンニュートラル、これに整合的なものとして2013年度比46%削減、50%の高みを目指すと、そういう目標を掲げておりまして、このグラスゴー気候合意の要請に関してはもう既に対応済みと、そういう解釈、理解でございます。

地球温暖化対策課長
下田委員から頂いたところで、これは資料1の27ページですかね。一人一人の理解促進について、スライド27の左上だけでは少ないというご指摘をいただきました。
27ページについて細かく説明をしてなかったので申し訳ないですけれども、このスライドの意味合いは、今まではクールチョイス、クールビズといったことで普及啓発の取組をしてきたわけですけれども、まだまだ十分に浸透していない中で、さらに何をしたらいいのかということを四つの方向性で議論しているというのがこの紙でございます。
これは1だけということではございません。1のところで言っているのは、国民が何をしたらいいのかということを、消費者のメリットも含めて分かりやすく示すべきじゃないかと。これは、「ゼロカーボンアクション30」という、具体的な30の選択肢について、そのメリットも含めて、先ほどご指摘もあった気候変動に関する科学的知見を含めて提供するといった話に加えて、2として、では、取り組んだときのインセンティブみたいなことが必要じゃないかということで、これはグリーンライフ・ポイント事業に取り組んでいるということ。
それから、三つ目として、情報提供の仕方として、取組意欲を喚起するような情報提供が必要じゃないかということで、ナッジ手法の活用、さらにナッジ事業の規模を拡大して社会実証を進めるといったようなこと。それから、次の文脈ですと、製品・サービスのCO2の見える化についても、適切な情報提供と併せて進めていくべきではないかといったこと。
それから、四つ目として、情報発信の主体・媒体の多様化ということで、先ほどもBtoC企業さんの取組の重要性というご指摘をいただきましたけれども、政府自身の情報発信の効果というのが限られている中で、BtoC企業さんをはじめとした、いろんな主体から情報発信していただくことの重要性ということを、こういった四つの方向性で今後取り組んでいくことが必要じゃないかということをここで書いておりますので、若干長いのですけども補足させていただきます。
それから、地球温暖化防止センターについてもご指摘をいただきました。
直接は地域センターの文脈でご指摘をいただきましたけれども、地球温暖化防止の全国センター、それから地域センター含めて、どちらも温対法に基づく指定法人でございます。
温対法の指定法人としてライフスタイル転換に向けて、これらの全国センター、地域センターというのは重要な役割を担っているものと認識をしています。
こうした法律に基づく指定法人という仕組みを、環境省とこういった指定法人が連携して、より一層、ライフスタイル転換に向けてどのように有効に連携しているかということは、まだまだこれは十分じゃないところがあると思いますので、どうやったらそこを強化して効率的・効果的にやっているかということを考えていきたいと思います。ありがとうございます。

総務課長
それでは、小和田委員のご指摘のうち、JCMに関わるところを西川さん。

国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官
国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室の西川です。
小和田委員からご指摘いただきました二国間クレジット制度をはじめとした海外での取組が、特にカーボンニュートラルの取組としてきちんと評価されるような国際交渉をお願いしたいというご指摘がありました。
おっしゃるとおりでございまして、昨年のCOP26の中でも6条実施ルールの合意形成に日本として貢献をしてきたということがございます。
資料としては、34ページに記載をさせていただいております。
今後はこの6条ルールの世界的実施という段階に移ってまいりまして、34ページでも記載させていただいておりますが、「質の高い炭素市場」の早期かつ着実な実施というところを、環境省としても国際交渉をリードして形成に後押ししていきたいと思っております。
これによって、日本企業の国際展開の支援にもつながりますし、また、国内での削減目標の達成にもクレジットの活用ができるような体制を後押ししていければと思っておりますので、引き続きご支援いただければと思います。

総務課長
小和田委員からは改めて、やはり3Eをというご指摘もございました。
中間整理のほうの、そのページもご紹介させていただきましたけれども、おっしゃるとおりだというふうに考えてございます。
高村委員からも、ウクライナ、3Eの話がございました。
賢く、優しくやっていくという話、それから、IPCCなんかが警鐘を鳴らす、できるだけ早く削減していくと、この両方を頭に置きながら、引き続き悶絶しながら取組を考えていきたいなというふうに考えているところでございます。
また、中間整理の17ページにご言及いただきまして、地域の脱炭素を進めながらレジリエンス、その他、様々な意味を考えていくべきではないかというお話は、全くそのとおりだというふうに思っておりまして、ぜひ、今後とも、そういう取組を進めていきたいと思っております。
それに際して、各地の商工会議所も一緒に、協働で進めたいとおっしゃっていただいた点、大変ありがたいと思っております。地域の脱炭素の取組は、自治体とも連携して進めておりますけれども、自治体も、地域の企業ですとか、地域の金融機関のサポートを受けて、ようやく地域の脱炭素を進められるというふうに考えておりますので、全国の商工会議所の皆さんにそのように思っていただけるのは大変ありがたいと思っております。
私も日商さんにご紹介いただきまして、今月は新潟と甲府と高松の3か所の商工会議所にご挨拶に行ってまいりました。この物価高で中小企業が非常に大変だという地域経済の実情を聞かせてもらうということもございますし、一方で、脱炭素取組の必要性というものをサプライヤーたる中小企業としてもしっかり認識しておられて、環境省がご提供するいろいろな支援のメニュー、こういった点も非常にありがたいというふうに関心を持っていただいておりますので、今後とも連携を考えさせていただきたいというふうに思っております。
「知る・測る・減らす」につきましては、炭素中立小委のほうでも日商の大下様からご紹介いただいたところでございまして、こうした点について、今後、環境省として新たな支援策を考えてまいりたいというふうに思っているところでございます。

地球温暖化対策課長
勢一委員からの、特に脱炭素をめぐる省内の連携ということについてご指摘をいただきました。
おっしゃるとおり、温対法の促進区域について検討する過程でも、省内の自然部局との連携ということも随分ありまして、国立公園課とも随分いろいろと議論をしたものでございます。
国立公園にとどまらない、より広い生物多様性も含めて、省内の連携は重要でございますので、より一層取り組んでまいりたいと思います。

総務課長
それでは、高村委員のご指摘でございます。
小岩室長からも後で補足があればと思うんですけれども。
温対計画については、もうご案内のとおりでございますけれども、フォローアップという作業に向けてやってございますので、ウクライナ危機を踏まえた外的要因による変化というのはどう出てくるのか。正直言って、まだ見え切っていないというのが率直な私の印象ではございますけれども、今後、さらに事態の推移を見守りながら、まずはフォローアップの中でやれることはやってまいりたいなというふうに思っておりますし、高村委員のほうからは、より根本的な検討の見直しが必要なんじゃないかというご示唆をいただいたというふうに思っておりますので、今後ともご議論させていただければというふうに思っております。

脱炭素社会移行推進室長
高村先生の前に、勢一委員のほうから、フォローアップのデータについて、いろんな先生方に活用できるように公開していったらどうかというようなご意見がございました。
今、そういった形では公開できていなくて、PDFファイルだけを公開するみたいな感じになっちゃっていますので。ただ、環境省のデータだけではなくて、ほかの省庁さんとか、いろんなところからのデータを用いておりますので、少し関係者と相談をしながら、どういった公開の仕方があるか考えていきたいと思っておりますし、いろんな要因分析が必要になってくると思いますので、多様な研究者と連携していきたいと思っております。
また、高村先生からのご助言については、今、西村課長からお話があったとおりでございますが、フォローアップの中で、個々の施策について、しっかり分析をしておりまして、A~Bまで目標を上回る取組というところも評価をしたりとかしておりますので、そこをしっかり精査をするとともに、海外の動きとかも分析をしながら、2035年の目標をどうするかとか、そういった検討につなげていきたいと思っております。
以上です。

総務課長
高村委員の二つ目のご指摘でございまして、とにかく気候変動は、もう何にでも、ありとあらゆるものと関連をしているのでというのは、本当に我々も検討すればするほどそのように感じておりまして、引き続き、我々は、限りがありますけれども、できる限り俯瞰的に物事を見て、幅広いところと連携を試みながら進めていきたいと思っております。
省内の開示に関連する経済課とは無論連携をしながら、地球環境局は常に作業しておりますし、関係省庁も、高村先生におっしゃっていただいたとおり、地域においては、インフラを所管するような関係省庁をはじめ、いろいろなところと接点が出てきておりますので、これまでも連携事業というのを様々にやってきておりますけれども、より一層深めていきたいなというふうに思っているところでございます。
それから、先行地域については、松田課長、お願いしてもよろしいでしょうか。

環境計画課長
松田です。脱炭素先行地域について、ご質問、ご意見がございました。
思うに、高村先生は、恐らくどこかの自治体の方から、何でうちが落ちたのだというようなことも含めてお話があったのかなというふうに推察いたしますけれども、我々は、ガイドブックとか、いろいろな参考資料を通じて、どういったエリアであれば脱炭素先行地域に選定されやすいかという部分については、これまでもお示ししてきたところですけれども、今回、第1回の26か所を選定したという、こういうプロセスを、経験を踏まえて、第2回の先行地域の募集要領ですね、評価に非常に大事なポイントというのを、より具体的に明示をするような形にして自治体の方にお示しするようにしていきますので、少しでも改善をして、自治体の方にいい取組を検討していただきたいなと。
小和田委員からもお話がありましたけれども、商工会とか、地域の関係者の巻き込みもしっかりやるというのは非常に大事な部分だと思いますので、そういった点も含めて、しっかり評価いただくような形にしていきたいと思います。
加えて、関係省庁との連携という話もありましたけれども、今回の先行地域に選ばれたプロジェクトですね、例えば農業分野との連携とか、あとは、まちづくりとの連携とか、あとは系統をどのように使うかとか、いろいろと関係する省庁との取組との連携というのが、複合的に行うものが非常に評価が高かったんだと思います。
我々も、関係省庁の事業を行う場合は、どういったものが予算として使えるかということも、あらかじめ関係省庁とも相談しながら、支援ツールというのも公表していますし、多くの自治体において、様々な省庁の事業をパッチワークのように使って脱炭素先行地域をつくられるような形で、我々もしっかり取り組んでいきたいと思います。
また、ゾーニングについても、勢一先生と高村先生からも、ご質問、ご意見がございました。
先ほど小笠原課長からの話もありましたけれども、よい再エネと悪い再エネ、そういったものがあるんじゃないかと。我々とすれば、改正温対法の施行を通じて、促進区域を作って、地域で、ここのエリアは再エネ導入を進めていこうと、その中で地域に裨益するようなものを整備していこうと。
一方で、守るべきところは守るということで、促進区域以外のところで、特に、こういったエリアは自然が豊かだったり、安全性に問題がありそうなところというのは、アセスの仕組みとか、あと、事業規律の仕組みとか、いろいろな土地利用規制の仕組み、こういったものを活用しながら毅然とした対応を取っていくと、こういうような姿勢を我々もお示ししながら進めていきたいなと思います。
また、ゾーニングについて、熊本県さんのお話も少し出ていましたけれども、これは単純に予算が足りなくなってしまった問題というのがありまして、当初と補正で合計25億円ありまして、その予算があれば、我々としては、結構、地域の方に使っていただけるかなと思ったのですけれども、思ったよりも地域脱炭素のうねりというのが非常に高まっていまして、予算の確保をもっとしなければいけないなというところでございます。
その点、来年度の予算に向けて我々が頑張っていかなきゃいけないなと思います。
以上です。

大塚部会長
ありがとうございました。時間が足りなくなってきているので、ご回答を少し簡潔にお願いしたいと思いますけれども、では、田中加奈子委員、お願いします。

田中臨時委員
ありがとうございます。詳細な、そして広範囲にわたる資料説明ありがとうございました。
サステナブルな経済社会の実現ということで、投資拡大や人材育成、それからDXと合わせたGX促進ということ、とてもよい進め方だと私は評価しています。
繰り返し、過去の会合などで申し上げてきたのですけれども、将来の社会に対して、脱炭素以外のところで起きる社会の変化と合わせて、資源循環など、ほかの視点も取り入れつつ、脱炭素を目指すということが大変重要で、そのときに経済活動が環境への対応により促進される好循環を起こすことというのは本当に重要であるという思いを強くしました。その思いに応えていただいている方向性で、とてもうれしかったというわけです。
特に資料1-1の14ページの人材育成で、幾つかご意見はあったようですけれども、私は変わり得る社会を想定した、そこの就労アクターを育てていくという意味で、初等教育から社会人まで全ての年齢層に向けての教育や、雇用機会に応じるような育成スキームを盛り込んでいただいているという点で、とてもよい方向だと思っています。
まさに、前回、地域の雇用や、特色ある教育という点でコメントさせていただいたのですけれども、今回の内容では、その人材育成イメージについてもありましたので、ありがたいなと思いました。
書かれていたかもしれないですが、あえて申し上げると、どれだけ、トランジションに合わせて、人材もトランジションしやすくなるかというところをもう少ししっかりやっていかないといけないかなと思っています。
いいビジョンがせっかくあっても、技術も、需要もあっても、そのシステムを動かす、その脱炭素という将来の社会のシステムを動かす人がなければ達成できないので、引き続き、絵に描いた餅に終わることなく、実現に向けて育てていっていただきたいと思います。
二つ目ですが、投資の促進ということで言えば、技術開発や研究開発やイノベーションは、本当にどこまでいっても重要な鍵だと思っています。
技術を用いるという社会は、どんな将来社会でも、もはや否定できないわけですし、この中で組み立てられる仕組みというのは、結局のところ、そのとき存在している、あるいは少し見通しできているような技術をベースにするというわけなので、例えば、がらっと技術が変われば大きく変わるわけですし、そういう意味でも、国や企業による将来技術、それから、研究開発の投資というのが、中期も長期も大変重要じゃないかと思っています。
少しずつ投資家の意識の変化もあり、ESG投資というような表れはありますが、長期の脱炭素に向けた投資の促進というのは、なかなか企業の経営環境では難しい局面もある場合もあって、丸投げではなくて、今回お示ししているような、政府も一体となった盛り上がりを作って、そして、経済移行債のような具体的な後押しがあると本当によろしいかと思います。
くぎを刺すようでいうと恐縮ですが、どうか、実行可能性とか仕組み自体がサステナブルであってほしいかと思っています。
今、長期と申し上げてしまったのですけど、実際には2030年が一つの目標に置いているところが多いし、2050年というタイミングがあると思います。
2030年というのはたった8年ですし、2050年も30年切っていて、新しい革新的技術が社会に出るまでという期間でいうと、もう既に待ったなしの状態かなというふうに思いますので、ぜひ、スピード感を持って実現に向けて進めていただきたいと思っています。
そして、短期的に見える成果だけではなくて、このような長期的にゴールをにらんだときの企業の努力を奨励して促進する仕組みというのを考えていただきたいと思っています。
以上です。ありがとうございます。

大塚部会長
では、小西委員、お願いします。

小西委員
ありがとうございます。包括的にまとめていただいて、いろんなことが、もうこの中に網羅されているかなと思いました。
私のほうからは、今後についての進め方について3点申し上げて、あと、2点、コメントと、それから感想を述べさせていただきたいと思います。
まず、この今後の進め方について、これから官邸に設置されるというGX実行会議というのが一番その場になっていくのかなと思うんですけれども、まず、1点目に、この資料1-1の13ページにすごく明確に書いてくださっている、この「勝負の10年」というのが非常に重要だと思っております。
ですので、今後、進め方として検討される際に、往々にして、長期に必要となってくる、例えば吸収除去のような新規の技術開発、イノベーションに重きが置かれるような結論になることが、割とこれまで多いかなと危惧しておりまして、もちろん、それも重要な今の取組なんですけれども、非常に重要なのは今後の10年、ここで少なくとも46%削減、50%の高みを目指すということを実現することが、日本もコミットしています1.5℃にとっても本当にクリティカルなところですので、そこに向けての動きと、それから2050年に向けての取組というものを明確に分けて進めていただきたいなと思っております。
今回、IPCCも言っておりますように、2030年までに50%削減は、例えば、自動車のEV化とか、省エネ、再エネで可能だと。
うち、50%のうちの半分は20ドル以下でできるといったような知見も表されておりますので、2030年に向けて、まず、しっかりと46%、50%を目指す方策というものを検討するということを明確にしていただきたいなと思っております。
そして、2番目としまして、今の話と一緒なんですけれども、2030年、これから年末のCOP27に向けて、また各国に削減目標の引上げが要請されています。
本当に現状のままでは、絵に描いた餅ですので、日本も、少なくとも50%に引上げということが、非常に世界的にも求められていると思います。
ご存じのように、COPの場というのは、まるで脱炭素化に向けての国の産業政策と企業の脱炭素化技術の何か見本市みたいな形になっていますので、COP27に向けて議論を収束させて、何らかのアウトプットをCOP27で世界に向けて示すということが非常に日本にとっても重要なPRの機会にもなりますので、タイムラインとして、これこれの政策を入れるとか、これこれの施策をやっていくみたいなことで、実質的に50%以上の引上げにつながるようなアウトプットをここまでに出していただく。しかも、タイムラインとともにということが非常に重要なことではないかなと思っております。
3番目ですけれども、このGX実行会議も含めて、様々な、多様なステークホルダーが入るということが非常に重要だと思っています。
もちろん、ステークホルダーとしての委員だけではなく、いろんな多様な団体、独立系の研究機関とか、市民社会も含めた形でヒアリングの機会があること。そして、国民が意見を言えるような場、本当に時間が短いので、どこまでということはありますけれども、これまでのパブコメにとどまらないような形で、国民に問う形も含めて話し合っていけるようなオープンな場にしていただきたいなと思っております。
そして、2点、感想とコメントなんですけれども、この場は、委員同士の会話も本当は活発にしていいとお聞きしていましたので、今回、カーボンプライシング、この成長に資するというところから、さらに踏み込んだ表現で総理もご発言なさっていまして、今回、経団連さんのGXに向けてという中でも、キャップ・アンド・トレードに向けての具体的な制度設計の提案というものが出てきたことを非常にうれしく思って拝見しておりました。
カーボンプライシングだけではないんですけれども、一つ大きな重要な施策ですので、これまで研究会の調査ばかりだったのが、いよいよ具体的な制度設計に入っていけるのかなと非常に期待しております。
その中に向けてお聞きしたいことが、今まで経団連さんのこの中にも書いてあるんですけれども、GXリーグがスタート地点としてよいものではないかということと、この中でもGXリーグというのが事実上のスタート地点になってきているのかなというふうに資料から見えますので、このGXリーグというのが、例えば、今は経産省さんの中で話し合われているんですけれども、環境省がどのように関わっておられるのか。
先ほど高村委員もおっしゃっていたんですけれども、これから省庁を挙げての連携で、もちろん環境省と経産省だけではなく、その他の省庁も含めて話し合っていくということが非常に重要だと思っていますので、この体制についてお聞きできればと思っております。
クリーンエネルギー戦略中間整理の中でも、120ページに、例えば、「投資誘導のGXリーグ」という言葉もありますが、投資だけではなく、2030年に向けての排出削減ということの中に、このカーボンプライシングというのは非常に重要なことだと思っておりますので、130ページには排出削減と投資の促進をより強力に促す仕組みへと発展させていくというようなことが書いてありますので、非常に期待しております。
以上です。

大塚部会長
すみません。既に6時を過ぎてしまいましたが、まだ、5人ほどの方の手が挙がっております。
誠に申し訳ないのですけど、6時20分ぐらいまで延長させていただこうと思いますので、よろしくお願いします。
既に三村委員が退席されてしまったのかもしれませんが、チャットにご意見をいただいております。申し訳ありません。
では、西尾委員、お願いします。

西尾臨時委員
西尾でございます。では、1点だけ申し上げたいと思います。
2030年の温室効果ガス排出量目標に向けて、温対法の成果がどうかということについて、きちんと評価をされている、進捗も含めて目標達成水準別に整理し管理されているというのは大変重要かと思います。
この部分で、未達成部分、あるいは達成が困難であるという部分に関して、今後、どうしていくのかということについて、ぜひとも考えていただきたいということと、それ以外に、今回、いろいろな施策が説明されているかと思いますけれども、例えば、食と暮らしのグリーンライフコンテスト推進事業であるとか、あるいは、再エネ促進区域の選定であるとかといったような、その他の施策が、温対法との関係じゃなくていいんですけれども、結果的に削減目標に向けた、あるいは2050年カーボンニュートラルに向けて、どこに対して、どのぐらい、どう貢献できるのかというようなこととの関係がよく分かりませんので、別に結びつけて考えなくてもいいとは思いますけれども、今回、たくさんのお金を使って、たくさんの事業者、様々な消費者たち、あるいは地域が、魅力的なプランで、カーボンニュートラルの社会実現に向けていろんなプランを出していますけれども、その成果をきちんと定量的に図り、どの部門のどの部分の削減につながるのかということについて少し意識して整理していく必要があるんではないかというふうに思います。
総理の指示である環境省の役割として、地域社会の主体的な取組の後押し、あるいは、国民一人一人の理解促進、あるいはライフスタイル変革といった側面では、今、例示させていただいた食と暮らしのグリーンライフ・ポイントだとか、あるいは、再エネ促進区域の選定というのは大変有意義だと思うんですけれども、結果的に、そういう、単に意識変革ということだけではなくて、それがどこの部分の温室効果ガスの削減につながる、あるいは、単に2030年、あるいは2050年というのは通過点であって、その先もずっとサステナブルなライフスタイルに向けて、ステークホルダーが自ら役割を担って、きちんとそれに対して貢献していく、それを通じてやりがい感を感じて、Well-beingということにつながっていくんだろうと思いますけれども、そういう道筋の中で、どう効果を測定して管理していくのかということについても、きちんとお示しいただく必要があるかなというふうに思います。
以上です。

大塚部会長
では、大江委員、お願いします。

大江臨時委員
大江でございます。
私は、先行地域事業につきまして、これがスタートして大変期待しております。こうしたことが住民を巻き込んだ大きな力になるというふうに思っております。
ただ、こうした、いわゆるモデル事業というのは、ともすると一過性といいますか、選ばれるときはいいんだけれども、そのうち、よく分からなくなってしまうというケースも多いのが実情です。
ですので、今回のその地域の取組が継続した取組として発展していくことができますように、ぜひとも環境省としてフォローしていただくとともに、取組の成果が脚光を浴びるように、分かりやすく公表していただいて、メディア戦略にもつなげていただきたいと思いますし、実際に担ってきて成果を上げている方々の元気が出るように後押しをしていただきたいというのを心から願っております。よろしくお願いいたします。
以上です。

大塚部会長
ありがとうございました。
では、紀ノ岡委員、お願いします。

紀ノ岡臨時委員
ご指名ありがとうございます。電気事業連合会の紀ノ岡でございます。
クリーンエネルギー戦略の中で、投資の拡大ということが大きくクローズアップされておりますし、また、今回の中間整理の中においても強調されているようにお見受けいたしております。
その中で、2050年というスパンにおきまして、カーボンニュートラルを実現するためには、長期的な視点でのイノベーションが重要であることは言うまでもありません。
他方で、事の性質上、イノベーションというものは、やはり不確実性を伴うということも忘れてはならないというふうに思ってございます。
したがいまして、その実現を100%当てにするということはできないし、また、すべきでもないということは、やはり認識しておく必要があると思います。
こういうふうに申し上げますと後ろ向きに聞こえるかもしれませんが、エネルギーという国の根幹に関わる問題については、そういうシビアな認識が必要であろうと思ってございます。
イノベーションに果敢にチャレンジしつつも、並行して、そこに向けた道筋、いわゆるトランジション期において、既に確立された技術を最大限活用して、着実に排出源を削減していくということも重要であろうと思います。
その意味では、今回の資料1の13ページの右下に、脱炭素技術の時間軸のイメージを記載いただいておりますし、また、今回、直接なご説明はございませんでしたが、事前にいただいた参考資料1-3の1ページの右下のほうがよりイメージしやすいと思いますけれども、「官民の脱炭素技術の規模感・タイムフレーム」というものが図示されておりますが、これが非常に重要であるというふうに思ってございます。
ここに示されておりますように、足元から、大体2030年代中頃までにおきましては、既存の最高技術、つまりBATの社会実装が投資規模におきましても大きなウエートを占めるということでございます。
特に電気事業という視点で申し上げますと、エネルギーの自給率の非常に乏しい我が国におきまして、既に確立された技術である原子力はCO2削減効果はもちろんのこと、電力の安定供給にも大きく貢献できる、こういったことから、今般の需給逼迫や燃料価格高騰の抑制にもつながり、まさしく現時点において、S+3Eの同時達成が可能な優れた方策の一つであると考えてございます。
クリーンエネルギー戦略におきまして、原子力については、再生可能エネルギーと同様に最大限の活用というふうに明記されておりますし、その重要性について、今後、より一層、しっかりと考えていく必要があると思ってございます。
したがいまして、GX実行会議での議論が進むと思いますけれども、経産省さんと連携をしつつ、原子力の活用についても建設的な議論をよろしくお願いしたい。
環境省さんのメインフィールドでございますデマンドサイドにおける取組という意味におきまして、既存の確立された技術という点から申し上げますと、ヒートポンプ、これは費用対効果を踏まえても極めて有効な技術でございます。まだまだポテンシャルもあると思いますので、その普及により一層注力いただきたいと思います。
最後に、このデマンドサイドの取組ということでは、総理から山口環境大臣にもご指示があったというふうに資料の中にも記載いただいておりますけれども、地域社会が主体的に進める脱炭素の取組の後押しや、国民一人一人の理解促進、暮らしの変革についての具体策の検討、これが非常に重要であるということだというふうに思います。
2050年カーボンニュートラルという大きな目標に向かっては、事業者のみならず、地域社会や国民も含め、あらゆる主体が一丸となって取り組むべきであり、そのために国民の行動変容も重要な要素の一つであります。
したがいまして、脱炭素を実現するための環境の価値や、それに伴う負担についても、社会全体で支えていくということが必要であります。そのような点も今後の論点として深めていただきたいと思います。
以上です。

大塚部会長
では、井田委員、お願いします。

井田臨時委員
ありがとうございます。時間がないので急ぎますけれども、2つ意見と2つ質問みたいな感じなんですが、勢一さんからご意見があったんですけれども、コンパスの中で、カーボンニュートラルに向けた国土と地域利用というのが書き込まれたというのは、私は非常に重要だと思っておりまして、これは別の審議会の場でも申し上げたことがあるんですけど、土地だけじゃなくて、海まで含めてなんですけども、国土利用のグランドデザインというものを、脱炭素時代、ネイチャーポジティブ時代、人口減少時代という中で、誰かが書かなきゃいけないと思っておりまして、その中で再エネのゾーニングであるとか、防災であるとか、脱プラスチックとか、ネイチャーとカーボンのリンクというようなことが出てくると思うので、これは、ぜひ、環境省が音頭を取って、環境省だけではできないと思うんですけれども、国交省であるとか、農水省であるとかと一緒になって、大きなグランドデザインというのを描くということを、せっかくここまで描いたので、今後、進めていっていただきたいというのが一つ。
あと、二つ目は、カーボンタックスというか、カーボンプライシングなんですが、右田委員からもご指摘があったように、お金がかかるんで、投資が必要なんです。
だから、今、化石燃料の値段が上がって厳しい時代ですけれども、だから、今でこそ、今やるというんじゃなくて、例えば2030年までに向けて、どんどん上げていきますというようなシグナルを出すことが重要で、炭素税の議論というのはもう加速していかなければならないというふうに思います。
これは提案というか、私の意見なんですけれども、今までのように、制度を、環境省と経産省で別の審議会なり、検討会が動いて、別々に議論してというのではないと思うので、これも環境省から音頭を取って、財務省であるとか経産省を含めて呼びかけて、一緒になって制度設計をしていくというようなことをしていくべきではないかというふうに思います。
これから質問ですけども、フロンですが、47%プラスというのは衝撃的な数字ですよね。これまで何度も申し上げているように、これは環境政策の大失敗だと私は申し上げていますけども、これって0.58が、30年に0.2になると思いますか。
思っているかどうかというのを、まず、伺いたいというのと、思っているんだったら、なぜ、どうやってそれを実現するのかというのを伺いたい。
さらに、衝撃的なのは、A、B、これは全部Bでこれだけ増えちゃったというのならいいんだけど、A、B、2件あるんですよね。ということは、現状の政策が大失敗であるということの証明だと僕は思います。
何度も申し上げているように、本当に厳しいことをやらないとフロンは減らないです。それに関してどういうことを考えているのかという、これは今まで何度も聞いてちゃんとした答えが返ってきていないんですけど、この場できちんとしたお答えをいただきたい。
もう一つは、資料にないんですけども、プラスチックの件なんですが、私は、50年脱炭素といったら、絶対50年に今のように石油で作ったプラスチックを大量に焼却しているという姿はないと思うんですが、温暖化対策部局からして、今の、大量に石油由来プラスチックを焼却しているということを、どう処理して、どう取り組んで、2050年に脱炭素を実現するのかというのを、ぜひ、見解を伺いたい。
というのは、ご存じだと思うんですけれども、90年代にダイオキシン対策で入れた焼却炉がそろそろ古くなって、建て替えというようなことがいろんな自治体で議論になっていますので、これを、今後30年にわたって、石油のプラスチックごみの、石油だけじゃないです、プラだけじゃないです、生ごみの焼却もそうですけれども、焼却をやってCO2を出すというのをロックインするようなものですよね。それを放っておいていいとお考えですかというのを伺いたいと思います。
以上です。

大塚部会長
では、山戸委員、お願いします。

山戸臨時委員
ありがとうございます。
日頃から、環境省には、我々民間企業の取組を後押しする施策や方針を打ち出していただいていることに、改めて感謝申し上げます。
我々自動車メーカーといたしましても、電動車の開発、普及の担い手としてカーボンニュートラルに最大限貢献してまいりますので、政府には引き続き、我々民間企業の取組を後押しいただければと思っております。
そういう中で、二つ簡潔にご質問させていただきたいと思います。
一つは、先ほどご説明をいただきましたG7の「気候クラブ」の設立についてです。この気候クラブが、どのような性格のもので、日本政府として、どのようなスタンスで関与していくお考えなのか、現時点で決まっていることがございましたら教えていただきたいと思います。特に、参加することによって生じる具体的なメリットや、新たに課せられる義務があるのかどうかといった点に関心がございます。お分かりになれば、ご教示賜りたいと思います。
二つ目は、今年11月のCOP27に関してです。
資料の中に、交渉の主要論点として、「緩和の野心と実施を緊急にスケールアップするための作業計画の議論」とございます。既に、日本は2050年カーボンニュートラルを掲げるとともに、昨年はNDCとして2030年度目標の最大限の引上げを行ったばかりと認識しております。
一方、まだ目標の引上げが行われていない国も多数ございますが、パリ協定でも「共通だが差異ある責任」が認められていると理解しており、各国ごとに様々な事情があるものと思います。
そうした状況の中、この作業計画では、どのように「緩和の野心と実施を緊急にスケールアップ」することを考えておられるのか、現時点でお分かりのことがあればご教示いただきたいと思っております。
また、COP27では、先進国から途上国に対する資金支援も大きな論点になると報じられております。資料中に、「ロス&ダメージ」や「資金」に関する記載がございますが、もし現時点で交渉上の大きな争点になると想定されている具体的な事項があれば、教えていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。

大塚部会長
では、藤本委員、お願いします。

藤本臨時委員
ありがとうございます。お時間ないところ、すみません。
2点、意見として申し述べたいと思います。
一つ目は、9ページ目のところで、先ほど高村先生もおっしゃっておられましたけれども、ウクライナ情勢に関連して、国際的にかなり原油の相場なども変わってきており、気候変動対策にも大きな影響があるのではないかと思っております。
この点に関しては、提言などで取組をされると思うのですが、状況によっては、何かしらの対策というか、政策などで対処していかないと、産業や企業の体制がうまく整わないのではないかという気もしております。まだ、今すぐということは難しいと思いますが、今後、状況がある程度見えてきたところで、この気候変動対策にどういう影響が生じるのかということは分析をいただければと思っております、というのが1点目です。
2点目でございますが、45ページ以降のところで、ESG金融と情報開示がございます。
先ほど来、ほかの先生方からもご意見がございましたが、このグリーンファイナンスに関して、環境省様の取組というのも非常に先行的に進んでいるということでございますが、先ほど出ておりましたソーシャルボンドは金融庁であり、トランジション・ファイナンスの基本方針は経産省であり、各省庁間の連携を進めていく必要があると思っております。既に連携を取られていらっしゃると思いますが、よろしくお願いいたします。
また、このESG金融を進めていくためには、何らかの企業側からのメリットがないとこれを使っていくということに、なかなかそこまでいかないのかなと思っております。グリーン・ウオッシングの問題などもございますし、きちんとしたグリーン・ファイナンスを適用するということであれば、それなりのもの、ここにも補助というのがございますが、より一層の支援となるものが必要ではないか、それがグリーン・ファイナンスの促進につながっていくのではないかと思います。また、併せて、開示に関してでございますが、49と50ページ目のところにもございますように、現在、サステナビリティの開示基準が国際的には検討がされていて、国内でもこれから検討がされると考えておりますが、その排出量データが適時に取れるのかという観点が、実務的には課題になりそうだと認識してございます。
この点、データを適時なタイミングで収集できるような体制であったり、必要な法整備というものについて法改正も必要かもしれませんので、ぜひ金融庁様と連携していただいて、実務的に可能となるようにご検討いただきたいと思っております。
私からは、以上でございます。

大塚部会長
最後に、温対法の改正で、昨年、電子化して非常に早くしたと思いますが、まだ足りないということだと思いますので、引き続き、検討が必要かと思います。
ここで事務局から回答をいただきたいと思います。
5名の先生からはチャットで意見を提出いただきましたので 、こちらの回答は後で事務局のほうからメール等で出させていただき、委員全員にお分かりになっていただけるような形で回答させていただくことにしたいと思います。
では、ご意見いただいたものについて、回答をお願いします。

総務課長
すみません、時間を超過しておりますので。
ご意見も多々いただきました。今後の検討の進め方ですとか、あるいは、今後の事業の進め方について、各委員からご意見をいただきましたので、これについては、しっかりそれを参考にさせていただいて進めるということで、一括してお答えさせていただきたいと思います。
以後、質問に限ってお答えをさせていただきたいと思います。
四つあったかと思っておりますが、まず第一に、小西委員のほうから、GXリーグと環境省の関わりについてご質問いただきました。
これについては、全面的にサポートしてというふうな姿勢でございます。具体的に、今後どのようにというのはこれからなんですけれども、環境省としても、こうした分野で過去に様々な蓄積がございますので、必要な貢献をしていければというふうに思っておりますし、いろんな機能が備わったといいますか、いろんな活動をしていこうという場だと思っておりますので、それに合わせてご一緒させていただければというふうに思っているところでございます。
次に、井田委員のほうから、フロンのご指摘をいただきましたので、お願いします。

フロン対策室長
フロン対策室の豊住でございます。
井田委員からご質問いただきました。ご質問ありがとうございます。
代替フロンにつきましては、ご案内のとおりで、排出が増加傾向にございます。これは、ご承知のとおり、特定フロンから代替フロンへの転換、オゾン層保護対策の推進に伴って、代替フロンに転換してきたということが大きな背景になっています。
現状、排出量は、世の中の空調や冷凍・冷蔵倉庫のおなかの中にある冷媒ですね、これの量によって排出量というのが決まってくるという形になりますので、その結果として、やはり増加をしてきているということでございます。
その中で、使用時の漏えいを抑えていくということで、平成25年に改正いたしておりまして、その効果につきましての評価が、現状E評価となっており、すなわち、その効果がまだ数字として評価できるだけの情報というか、分析が、細かいところまでできていないということで、現在その点を関係省庁と連携して進めているというところでございます。
また、D評価になっております廃棄時の回収は、これはまさに令和元年の法改正で措置をしたところでございまして、その成果が今後現れてくると考えているところでございます。
加えまして、この上流側で脱フロンを進めていくということが、根本的な解決につながっていくと考えておりますので、本日の資料1-1のほうにお示ししておりますけれども、環境省としましては、代替フロンから自然冷媒へと転換をしていくということを基本的に進めていきたいというふうに考えているところです。

総務課長
井田委員から、フロンと併せてプラのお話もございました。
資源循環局のほうでも、廃棄物関連の排出をどのように減らしていくかというようなロードマップの検討をなされておりますし、今回の炭素中立小委員会におきましては、地球環境局を中心とした検討ではありましたけれども、その資源循環と炭素中立を統合化していく第一歩として連携した検討をさせていただいたところでございます。
ご質問に対して、はっきりとこうだというものはございませんけれども、そうした統合検討を進めていく中で、だんだんと答えを見いだしていければというふうに思っているところでございます。
それでは、最後に、山戸委員からのご指摘についてお願いします。

気候変動国際交渉室長
まず、気候クラブについてご質問がありました。気候クラブについては、今年の2月のG7の首脳声明において、G7を超えて参加を得て、広く開かれた、協力的で国際的な形で設立することを探究するといったことが決定されておりまして、5月の気候・エネルギー・大臣会合においても、気候クラブの野心的な気候行動の推進に向けて初めての議論が行われたというようなところでございます。
詳細については、まだ、今後、いろいろな各セクションで検討が行われているというようなところでございますけれども、全ての国に開かれたパートナーシップとすることが必要だというふうに考えておりまして、日本としても議論に貢献をしていきたいというふうに考えてございます。
それから、二つ目の質問でございましたCOP27に向けての緩和作業計画についてでございますけれども、こちらについては、各国からいろいろな意見があるところでございます。
また、そのスケールアップについても、野心のスケールアップ、それから実施のスケールアップと、いろんな意見がございますところ、この後、様々なサブミッションですとか、ワークショップを実施し、内容を詰めていくということですので、こちらについても、作業計画がきちんとできるように貢献をしていきたいというふうに思います。
ロスダメについても、資金のお話がございました。まさにその資金に対しては、グラスゴーの対話ということで、対話が始まったというふうなところでございますので、そちらの話をよく聞きながら、対応についても考えてまいりたいと思います。
以上です。

大塚部会長
よろしいでしょうか。井田委員の指摘されたプラスチックの焼却に関しては、私が一点補足しますが、循環部会のほうで、現在、循環経済工程表を作りつつあって、8月にできるという予定ですが、その中でリサイクルを優先すること等についても出てきます。さらに、発生抑制を最優先するということも出てきます。
では、その他につきまして、何かございますでしょうか。

総務課長
特にございません。

大塚部会長
あとは、さらにご質問、ご意見がございます場合には、後日、事務局に直接ご連絡いただきますようお願いいたします。
それでは、本日の議事はこれで全て終了いたします。
どうもありがとうございました。
最後に、事務局にお返しします。

総務課長
大塚部会長、どうもありがとうございました。
委員の皆様におかれましては、大変活発なご議論をいただきまして、大変ありがとうございました。
本日の議事録につきましては、事務局で作成の上、委員の皆様にご確認いただきまして、ホームページに掲載させていただきます。
次回の日程は、決まり次第、ご連絡をさせていただきます。
それでは、以上で、本日の地球環境部会を閉会とさせていただきます。
どうもありがとうございました。

大塚部会長
ありがとうございました。

午後 6時30分 閉会




(別添)部会長から言及のあったチャット経由の意見等

三村委員
地域の脱炭素トランジションについて
政策、施策の多様なラインナップが整えられてきたことは理解しました。一方で、地域の関係者の間ではこれらについてほとんど知られていないことを懸念します。他の委員からも多く指摘がありましたが、社会経済全体のトランジションは社会の大きな転換であり、地域自身がそれを考え、取り組むための関係者の連携の仕組みが重要だと考えます。自治体、地域企業、商工会議所、大学、コミュニティ等が連携する仕組みをどう作るかが重要だと考えます。
脱炭素(緩和策)と適応策の統合について
近年の猛暑、豪雨災害などの激化は、適応策の必要性が増していることを示しています。適応策は、防災や農林水産業、自然保護など地域課題とのつながりが強いため、脱炭素と適応をどう統合的に進めるのかを検討すべきと考えます。

赤渕臨時委員
資料1-2の6つ目のポツに、「成長促進と排出抑制をともに最大化する効果を持った、成長志向型カーボンプライシング構想」という記述がございます。これにつきましては、カーボンプライシングにより得られる収益を今後のGX投資に回していくといった、成長志向かつ低炭素志向の資源の再配分が行われることは、わが国社会にとっても望ましいものと考えられます。そのための制度設計と社会実装が早急に図られるべきと考えております。環境法の観点からは、原因者負担原則の観点からもこのような制度は支持されるものと考えられます。
資料2、温対計画フォローアップに関する34頁にございます、エネルギー起源CO2以外の取り組みにつきましては、相対的にみれば進捗が芳しくないようにみえます。これについて、温対法、あるいはそれ以外の仕組みによって、今後どのように取り組んでいくのか、何かお考えがあればお教えいただきたいと思います。

亀山臨時委員
気候変動と生物多様性との両立です。G7会合では昨年の英国も今年のドイツも気候変動と生物多様性を同じ重みづけで提示しています。さきほどの再エネゾーニングに関するご意見もこれに関連しますが、環境省からしか出せない観点ですのでNature-based Solutionsの観点を入れ続けていただきたいです。
また関連して、今回資料2p.21にて吸収源による吸収量が減っていることが気になりました。農林水産省のご担当かとは思いますが、最近多くの国で植林活動が盛んになっていますので、日本も国内木材の有効利用と植林を脱炭素戦略の一部としてきちんと入れ込んでいただきたいです。

吉高臨時委員
炭素中立型小委員会の中間とりまとめのご説明、ありがとうございます。キーワードの一つが連携あると思います。先ほど、大井さんからもSDGsとパリ協定のシナジーとイベントの話がありましたが、自治体に伺い街づくりの支援をしておりますと、脱炭素先行地域、デジタル田園都市構想、SDGs指定都市をしろと上から降りてくるそうです。資料1のdに関して、連携の中に、こういった他の政策との連携もいれていただきたいと思います。
また、改正温対法において、脱炭素支援化機構ができたこと大変うれしく思います。出資等を行うだけでなく、債務保証がはいるということは本当にすごいことです。金融機関が相当のリスクがとれることになります。10月の設立に向けて、ファンドデザイン期待しています。金融庁のサステナブルファイナンス有識者会議においても発言させていただいましたが、このような資金導入に関して省庁連携協議会を設定してもらいます。
クリーンエネルギー戦略の総理の発言で、今後10年間に150兆円超の投資を実現するため、成長促進と排出抑制をともに最大化するとありますが、構想を具体化するために、さきほど、高村先生も指摘されているが、今回のウクライナの件で各国が戦略をしぼりつつある。 加速化させるために、あらゆるオプションをと補助金を出しているがもう少し選択と集中のような戦略がいるのではないかと思っている。一方、間接金融が中心の日本において、グリーンボンドなどでの150兆規模のファイナンスの起こすのは難しく、クライメイトテックのビジネス化が必要かと思います。例えば、スタートアップに限ることなく、プライベートエクイティに対して個人の金融資産が2000兆円、このような個人資産が動くようにできないか、考えております。

荻本臨時委員
中間とりまとめ、およびクリーンエネルギー戦略のそれぞれにおいて、その内容が必要十分である事について、何らか確認されているでしょうか、それともされていないでしょうか。(文章の中で外形的に表現されていることが重要と思います。)
第一点の未来版ですが、将来の加除修正に向けて、そのタイミング、手続きなどが、具体的に文章上で示されているでしょうか。外的・内的条件は変わりつつあります。文章上示されている範囲を超えて、どのような手続きで加除修正が考えられるか、質問させて下さい。