フロン類等対策小委員会 産業構造審議会 製造産業分科会 化学物質政策小委員会 フロン類等対策WG 合同会議(第11回) 議事録

議事録

フロン類等対策小委員会 産業構造審議会 製造産業分科会 化学物質政策小委員会 フロン類等対策WG 合同会議(第11回)議事録 [PDF 517KB]

○豊住室長

大変お待たせいたしました。定刻を少々過ぎまして、大変申し訳ございません。

これより、産業構造審議会製造産業分科会化学物質政策小委員会フロン類等対策WGと中央環境審議会地球環境部会フロン類等対策小委員会の第11回合同会議を開催いたします。

本日はお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。私は、環境省フロン対策室の豊住と申します。本日、議事に入るまでの間、事務局として進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

本日は、産業構造審議会WGと中央環境審議会小委員会のそれぞれ過半数の委員にご出席いただいておりまして、定足数の要件を満たし、合同会議として成立していることをご報告いたします。

なお、産構審の福田委員、中環審の奥委員、片山委員がご欠席と伺っております。また、産構審の佐藤委員、中環審の日本ビルヂング協会の鈴木委員におかれましては、少々遅れてご参加となっています。また、両審議会委員であります筧委員は14時頃に退席される予定とお伺いしております。

本日の合同会議は、新型コロナウイルス感染症対策のため、ウェブにより開催をいたします。開催の状況はインターネットで同時配信しております。

ウェブ会議の開催に当たりまして、何点かご協力をお願いいたします。通信環境の負荷低減のため、カメラの映像は基本的にオフにしていただき、発言時のみオンにしていただくようお願いいたします。また、ハウリング等を防ぐために、発言される場合以外は、マイクの設定をミュートにしていただきますよう、お願いいたします。接続不具合等のトラブルがございましたら、コメント欄にお名前、不具合内容を打ち込んでください。事務局にて対応させていただきます。よろしいでしょうか。

次に、資料の確認をいたします。委員の皆様には、事前に資料をメールでお送り、またはダウンロードしていただいてございますので、そちらをご覧ください。また、説明時には画面上にも資料を投影いたしますので、適宜ご参照ください。

資料は、資料番号なしの議事次第、資料一覧、委員名簿、資料1としまして平成25年改正フロン排出抑制法施行5年経過における状況と課題について(案)、資料2としまして平成25年改正フロン排出抑制法の施行状況の評価・検討に関する各報告書目次について(案)、それから、参考資料1といたしまして平成25年改正フロン排出抑制法施行5年経過における点検・検討について(第10回合同会議資料)でございます。また、参考資料2といたしまして気候変動対策及びフロン類対策に関する直近の状況について、委員提出資料1といたしまして東京都の筧委員提出資料、委員提出資料2といたしまして日本冷凍空調工業会の岡田委員提出資料がございます。資料に不足等はございませんでしょうか。不具合等がございましたら、コメント欄に打ち込んでいただければと存じます。

次に、今回交代されました委員のご紹介をさせていただきます。委員名簿をご参照ください。

飛原委員は産構審の委員をご退任されまして、今回から産構審の座長として齋藤座長にご就任いただきました。飛原委員は、中環審の委員として引き続きご参画いただきます。また、本日ご欠席でございますが、産構審に新たに福田委員に、中環審にはご退任の春田委員に代わりまして片山委員にご就任いただいております。

それでは、開催に先立ちまして、事務局を代表いたしまして、環境省地球環境局長の小野より、一言ご挨拶申し上げます。

○小野局長

環境省地球環境局長の小野でございます。本日はご多忙のところご参加をいただきまして、ありがとうございます。また、日頃より環境行政へのご理解とご協力、とりわけオゾン層の保護及び温暖化対策にご尽力いただきまして、感謝を申し上げます。

10月の末から11月の上旬にかけまして、英国のグラスゴーで開催されました気候変動のCOP26においては、我が国も積極的に交渉に参加をいたしまして、市場メカニズムをはじめとする重要な交渉議題で合意に至りました。また、世界的により強力な気候変動対策の必要性が確認されたところであります。フロン排出抑制対策につきましても、COP26の決定文書におきまして、二酸化炭素以外の温室効果ガスの排出を2030年までに削減するための、さらなる行動を求めるという形で位置づけられております。

我が国におきましては、2050年カーボンニュートラルの整合的で野心的な目標として、2030年度において温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けていくということといたしております。

一方、我が国の温室効果ガスの排出量は、2014年度以降、6年連続で減少しております。ただ、ガスの種類別で見ますと、代替フロンのみが残念ながら増加傾向にあります。また、我が国の代替フロンの排出量は、2019年度において温室効果ガスの排出量全体の約4.1%を占めております。

先月改定を行いました、地球温暖化対策計画において掲げる2013年度比排出量55%削減という高い目標を達成するためには、更なる努力が必要な状況にございます。

我が国の代替フロンの排出抑制対策は、平成13年度のフロン回収・破壊法制定から今年でちょうど20年を迎えました。オゾン保護対策に加えて、気候変動対策としても対策の必要性が高まる中、数度の法改正を行ってまいりました。平成25年の改正では、法の役割が格段に拡大され、製造事業者、ユーザー等の役割が追加されるとともに、法律の略称もフロン排出抑制法へと改正されたところであります。

この合同会議におきましては、平成25年改正法の附則に基づきまして、法施行から5年後の状況を点検・評価いただくこととしております。この排出抑制対策が引き続き効果的に推進されるよう、委員の先生方からのご指導、ご意見をよろしくお願いいたします。

以上で私の挨拶とさせていただきます。

本日もよろしくお願いいたします。

○豊住室長

それでは続きまして、経済産業省製造産業局の新川審議官より一言ご挨拶を申し上げます。

○新川審議官

経済産業省の製造産業局担当の審議官をしております新川でございます。よろしくお願いいたします。本日はご多用の中、委員の皆様におかれましては、本合同会議にご参加いただき、誠にありがとうございます。

平成25年に改正されましたフロン排出抑制法が平成27年に施行されてから、早5年が経過しております。その間に、モントリオール議定書キガリ改正を受けまして、我が国ではオゾン層保護法による代替フロンの製造、消費量の段階的削減を開始しております。

最近では、世界的な脱炭素化の流れの中、我が国は2050年カーボンニュートラルを宣言するとともに、地球温暖化対策計画の改定を行っております。フロン排出抑制法においても、平成25年改正を受けて、フロン類使用見通しを策定するとともに、指定製品制度により低GWP製品への転換を図るなど、代替フロンの削減を進めております。

本日の会合では、この改正フロン排出抑制法について、これまでの施策を具体的にご説明し、この効果の点検に係るご議論をいただきたいと考えております。ぜひ委員の皆様には、忌憚のないご意見をいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

○豊住室長

本会合は、環境省、経済産業省が共同で交互に事務局を担うことになっております。本日の第11回合同会議の開催に当たりましては、中環審側の中根座長に司会進行をお願いしたいと思います。それでは、中根座長、よろしくお願いします。

○中根座長

中根でございます。委員の先生方におかれましては、ご多忙のところご参集いただきましてありがとうございます。

それでは、これより議事に入ります。本日は議事次第にあるとおり、平成25年改正フロン排出抑制法施行5年経過における点検について、平成25年改正フロン排出抑制法の施行状況の評価・検討に関する報告書 目次について、その他となっております。

時間も限られておりますので、資料1及び資料2について、まとめて事務局からご説明をお願いします。

○田村室長

経済産業省オゾン層保護等推進室長の田村でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

それでは資料1を用いまして、改正法の施行5年経過に係る点検について、ご説明させていただきます。

次のページをお願いします。

こちらが、これからご説明する内容の構成になっています。平成25年改正の背景、法改正以降の動きをご紹介した後、当時の法改正項目ごとに我々が何をやり、その結果どうなって、これから何が課題かということをご説明いたします。

また、最後の4ポツですけれども、これは一部の都道府県からいただいたご提案です。こちらも今回併せてご議論いただければと思います。

次のページをお願いいたします。

それでは、平成25年改正の背景について、ごく簡単にご説明いたします。

スライドは3ページになります。もともとフロン法は、制定当時、フロン回収・破壊法でして、機器廃棄時のフロン回収を対象としてきました。一方で、機器使用時もフロンが廃棄時と同じくらい漏れていることがわかったなど、フロンのライフサイクル全体で包括的に対策することが必要になりました。そのため、平成25年にフロンのライフサイクル全体をカバーするフロン排出抑制法に改正しまして、平成27年に施行しました。

次のページをお願いします。

その際の主な改正項目が、こちらにある5点となります。

①がガスメーカーによる取組。ライフサイクルの蛇口に当たります。②が機器・製品メーカーによる取組で上流になります。③と④が中流でして、③が機器ユーザー、④が充塡回収業者を対象としています。

そして下流に当たる部分の再生業者、破壊業者へとつながります。

これによりまして、下の図にあるようにライフサイクル全体をカバーする法律となりました。今般はこの5点について、ご議論いただければと思います。

次のページ、5ページ目をお願いいたします。

ここでは、フロン法改正からこれまでに何があったかを簡単にご説明したいと思います。これらの内容を踏まえながら、ご議論いただければと思います。

次、6ページ目へ進みます。

まず一つ大きな変化が、モントリオール議定書キガリ改正になります。これによりまして、HFCが国際条約に基づく規制の対象となりました。これを受けて、オゾン層保護法を改正し、代替フロンの製造、輸入の割当てを開始したところでございます。

次、7ページ目に進みます。

一方、それまでのCFC、HCFCからの転換により、左下にあるグラフの青い部分のように、冷媒用途としてHFCの市中ストックが急増してまいりました。

8ページ目に参りまして、そうしますと、この左下のグラフにありますとおり、おのずとHFCの排出量が増えてしまいます。そのため、既に市中にあるHFCのストックも大気中に排出されないようにしなければならなくなりました。

9ページ目に進みます。

そのため、機器廃棄時のフロン回収率をさらに向上させる必要がありました。これを受けて、令和元年にフロン法の廃棄時回収部分を改正して、翌年の4月に施行したところでございます。

10ページ目に進みます。

こちらが、令和元年改正の概要になります。フロン回収済み証明書の交付、機器引取時におけるこの証明書の確認、こういったことを義務づけております。

11ページ目に進みます。

これらの変化を踏まえて、現在ではフロンのライフサイクル全体で大気中への排出量を抑制する仕組みになっております。

次、12ページ目に進みます。

廃棄時のフロン回収につきましては、事業者への周知徹底、自治体への協力と全国パトロール、回収率の向上を目指した実証試験などの施策を展開しているところでございます。

13ページへお願いします。

特に最近の動きとしましては、地球温暖化対策計画の改定がございます。HFCにつきましては、2030年までに、2013年度比で55%削減するという高い目標を掲げてこれからチャレンジしていくこととしております。

次のページ、14ページに進みます。

こちらは昨年度宣言したカーボンニュートラル2050で、2050年に温室効果ガスの排出を実質ゼロにするということといたしました。フロンの分野でも、これに果敢に取り組むとして、この5月に取組の方向性を取りまとめていただいたところです。こちらのページが蛇口と上流の部分、15ページ目が中流と下流で、取りまとめいただいた内容になっております。

次、16ページ目に進みます。

前置きがちょっと長くなりましたけれども、今回のメイントピックになります平成25年改正項目の施行状況と評価について、ご説明したいと思います。

17ページ目です。

まず最初が、蛇口の部分に当たるガスメーカーによる取組です。平成25年改正では、フロン類の使用見通しを定め、毎年、製造、輸入事業者から報告してもらい、その達成状況を確認することとしました。

18ページ目です。

この図のブルーの点線が、フロン法改正当時に定めたフロンの使用見通しになります。この後に、キガリ改正がありまして、緑色で示したいわゆるキガリの階段が決まりました。そうしますと、このブルーの点線では2029年には階段にぶつかってしまいますので、2020年に使用見通しを改定して、赤の点線に沿って代替フロンの製造、消費を削減していくということといたしました。

19ページ目になります。

2019年度実績ですけれども、フロン類を製造、輸入している37社から報告を受けて、前年比で3.9%の減少であることを確認しました。

20ページ目になります。

一方で、2020年度目標まであと554CO2トン減らす必要があります。この達成状況について、事業者からの報告を受けて、現在取りまとめているところでございます。ただ、既にオゾン法で製造輸入の割当制度を導入しましたので、むしろそちらできちんと蛇口を閉めれば、おのずと使用見通しは達成できるものと我々認識しております。

21ページ目です。

むしろ、我々が心配しておりますのは、こうやってフロンを絞っていきますと、冷媒が不足した際に社会的な影響があるのではないかということです。そのため、フロンに代わる冷媒の開発をNEDOのプロジェクトで進めているところです。

22ページになります。

その結果、こちらのスライドにありますとおり、既に一定の成果が得られているところです。一方で、低GWPの冷媒は、例えば微燃性があるなど、HFCにはない特徴がありますので、これにどう対応し、どう受容していくかということが、今後の課題だと思っています。

23ページ目です。

ということで、1点目の項目につきまして、こちらのスライドにまとめました。まず、現状としては、改正フロン法に基づいて使用見通しを定め、これをキガリ改正に合わせて改定し、国内出荷量を着実に削減しています。よって、今後もこの使用見通しに基づいて、オゾン法との両輪でHFCの段階的削減を着実に履行していくことと思っております。

また、次世代冷媒や次世代機器の開発を引き続き進めることも重要です。これらによりまして、蛇口の部分でフロン類の実質的なフェーズダウンをこれからも進めていきたいと思っています。

24ページ目をお願いします。

続いて、フロン類使用製品のノンフロン化・低GWP化の促進で、これはライフサイクルの上流に当たります。この部分の平成25年改正における目玉は、何といっても指定製品制度の導入です。最もGWPが低い製品をトップランナーとして、一定の年数でその製品分野において目標とするGWPを達成する制度となっております。

25ページ目です。

実際に、既にこれだけの製品分野で目標とするGWP値と目標年が決められております。これにさらに製品を追加しているところでして、例えばこの④にありますビル用マルチエアコンディショナー、これが今年新たに追加されています。

26ページになります。

実際に目標年に達した製品ですけれども、順調に目標値を達成しています。このように指定製品制度は今のところ平成25年改正時の目的どおりに機能していると我々は考えています。一方で、このままのペースでキガリ改正やカーボンニュートラル2050を達成できるかというと、そういうわけではございません。

27ページ目です。

この図は、今回初めてお示しするものですけれども、かなり強引なシナリオとして我々作成しました。まず、2030年に使用見通しの1,450CO2トンまでHFCを削減するには、全ての冷凍空調機器を平均したGWP値が450以下でなければならないと試算しています。もちろん機器ごとに凸凹はありますけれども、とにかく全機器を平均すると450という試算になっています。

また、2050年にフロンの排出を実質ゼロにしようとすると、そこから機器寿命を遡って、だいたい2036年頃には新規出荷機器はGWP10以下ではないと、これも達成が難しくなるのではないかと考えています。

どうしてもフロンを使わなければならない機器、そういうものも残るかもしれませんが、それらについても完全な漏えい対策と廃棄時の全量回収が必須になります。このような現実を乗り切るためには、我々冷凍空調機器のセグメントを細分化し、どの機器の低GWP化が難しいか、だったらどうしたらいいか、そういったことをきめ細かく考えていかなければならないと思っております。

28ページです。

その点で、既にある自然冷媒機器は、できるだけ早く導入することが重要と考えています。そのため、環境省が導入補助金を提供し、既に一定の実績を上げているところです。

ということで、上流の製品分野について、29ページにまとめました。

フロン法改正で導入した指定製品制度は既に14製品が指定され、目標年を迎えたものは目標としたGWPを達成しました。よって、改正フロン法の指定製品制度は一定の効果を上げていると我々は考えています。

一方で、2030年には製品全体の平均でGWP450以下に抑えなければならないという厳しい現実がございます。そのため、製品のセグメントを細分化し、低GWP化が困難な機器を特定して、それらに対しては漏えい防止と全量回収の対策、そうでないものについてはノンフロン化・低GWP化の推進という、そういう見極めをできるだけ早くつけることが必要だと我々は考えています。

私からの説明は以上、上流までです。ここからは環境省からご説明いたします。

○豊住室長

ここからは環境省豊住よりご説明をいたします。

平成25年改正事項の業務用冷凍空調機器使用におけるフロンの漏えい防止といたしまして、30ページに業務用冷凍空調機器における使用時の漏えい対策の重要性、必要性について記載をしております。業務用冷凍空調機器から漏れるフロンの約7割が使用時に発生していることから、次、31ページに記載のとおり、第一種特定製品の管理者に対しまして、管理者の判断基準を定めて機器の適切な場所への設置や機器の点検、漏えい発見時の対応、そして点検記録の保存等を求めております。

次、この管理者判断基準導入後の点検実施状況について、アンケートを行いましたところ、32ページのとおり、算定漏えい量報告・公表制度で報告となった特定漏えい者等におきまして、率にして約98.5%について、点検を実施していると回答しました。なお、特定漏えい者以外の点検実施状況の把握は困難ではありますが、東京都冷凍空調設備協会による調査結果によりますと、特に小規模の飲食・小売店におきまして法定点検の認知度が極めて低いという状況が明らかになっております。

また、33ページには、法定点検を実施した結果、漏えいが発見できた割合を示しており、機器の種類や規模により、点検した機器の0.5~7%の割合で、漏えいが発見されてございます。

34ページには、管理者判断基準によって漏えいの発見に関するアンケート結果をまとめております。法定点検が導入されたことによりまして、管理体制の強化や現場での感度や意識向上につながったと答えております。

35ページには、管理者判断基準導入と併せて、都道府県による管理者への指導、監督権限が導入されたことから、立入検査や指導・助言件数が増加傾向にある状況が見られる一方で、都道府県からは管理者全てを把握する制度がないということが課題として上げられております。

また、36ページにありますように、機器点検へのIoT活用の要望を受けまして、日本冷凍空調工業会によるガイドライン等を踏まえ、現在、管理者判断基準の見直しに向けた調整を行っています。

37ページでは、管理者へのフロン排出抑制法の周知につきまして、国としましても様々取り組んでおりますので、こちらにご紹介をさせていただきます。

38ページですが、管理者判断基準に関する今後の課題といたしまして、下の枠になりますけれども、中小事業者等への制度の周知徹底、都道府県による積極的な指導監督を促すための取組の必要性、IoT等の技術発展に伴う積極活用を掲げております。また、使用時漏えい対策による漏えい状況の改善につきましては、インベントリーに用いられる漏えい係数の見直しなどの分析を進めることとしております。

また、39ページでございますけれども、平成25年改正では、フロン類算定漏えい量報告・公表制度が導入されました。これは、管理する機器全体から、年間1,000tCO2以上の漏えいが生じた場合に、国に報告することとされているものでございます。また、フロン類の回収のみならず、充填についても都道府県の登録を受けた者が行うこととされまして、充填量及び回収量につきまして、登録事業者から管理者に対して証明書が交付されることとなりました。この手続につきましては、紙でのやり取りに代えまして、情報処理センターを利用することによって、電子的に行うことも可能です。

情報処理センターの位置づけや利用状況につきましては、40ページのとおりでございます。

また、フロン類算定漏えい量報告・公表制度につきましては、41ページにお示しをしております。

この制度によりまして報告される冷媒の漏えい量の全体に対するカバー率は、左下の表でございますけれども、当初は59%でありましたが、現在43%となってございます。

また、42ページにございますとおり、同制度の報告者の半数につきましては、毎年報告をおこなっているという状況でございまして、報告者が固定化される状況でございます。また、特定漏えい者数や業種、報告されるCO2換算での漏えい量につきましても、5年間を通じて大きな変化は見られない状況となってございます。

この制度導入による効果につきましては、43ページにヒアリング結果を示しております。1,000t-CO2という値を下回るということを一つの目標といたしまして、様々な漏えい対策の強化がなされていることが示されています。

44ページにありますとおり、当報告制度の電子報告率につきましては、現在33%となっておりますけれども、現在、地球温暖化対策推進法に基づいて、デジタル化、オープンデータ化が進められております温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度につきまして、新電子報告システム、EEGSと呼んでおりますけれども、この開発が進められているところでございまして、フロンについても同システムでの報告が可能となる予定です。フロンの報告者の約90%は、この温室効果ガスの報告対象者となっているという実態がございますので、今後フロンにつきましても、電子報告率が向上するということが期待されております。

45ページにつきましては、温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度の見直しにつきましての参考でございます。

46ページですが、フロン類算定漏えい量等の今後の課題と取組といたしまして、下の囲みでございますが、今後、さらに漏えい実態を把握する意味でのカバー率が低下する、こういった場合における制度の点検の必要性や、情報処理センターの利用率向上の必要性を掲げております。

次に、47ページから改定事項の(4)、充填回収行為の適正化についてお示ししております。平成25年改正までは、回収業者につきましては、都道府県知事の登録を義務づけておりましたが、充填業者につきましても同様に登録が必要となり、作業基準が設けられると共に、充填証明書及び回収証明書の管理者への交付が義務づけられたということでございます。

48ページには登録事業者の数の推移を、49ページには充填回収量や台数の推移をお示しいたしました。

登録事業者数は増加、充填回収量は微増傾向、特に機器の廃棄時の回収は、増加の傾向となってございます。

充填回収量の内訳につきましては、冷媒種ごとではなく、CFC、HCFC、そしてHFCの種類までの把握にとどまっておりまして、CO2換算での把握はできていないところでございます。

また、50ページから52ページに、都道府県による充填回収業者の指導・監督状況をお示ししています。登録業者数の増加によりまして、事務負担が増大する中で、登録業務や充填回収量報告に係る事務の効率化が課題となっております。

今後の課題といたしまして、53ページでございますけれども、下の枠のところ、登録制度は都道府県の事務でございますが、優良事例の共有などによる効率化が望ましいと考えられるとしております。また、報告については、事務のデジタル化と実態把握のための冷媒種ごとの報告の可能性を検討する必要があると考えているところでございます。

次に、54ページに()といたしまして、再生・破壊業者による適切な処理についてでございます。これまで、破壊業者のみ大臣許可制となっておりましたが、再生業者につきましても、同様に大臣の許可制とし、また、管理者が自らのフロンの処理段階を確認できるように、その工程の管理の強化がなされました。

55ページには、再生業者数と再生量の増加の傾向、それから破壊業者数と破壊量が減少している傾向をお示ししております。

56ページには、フロン類の再生についての内訳等をお示ししております。

57ページには、国による再生業者への指導監督状況をお示ししておりまして、昨年、立入結検査等を行った結果、適切な再生、破壊を行っていなかった許可業者が認められたことから、法施行以降で初めてとなりますが、再生・破壊業者に対する勧告を実施いたしました。そのほかにも、許可業者への指導強化が必要な事案が散見されているという状況でございます。

58ページにまとめましたとおり、今後、冷媒の不足の可能性も念頭に、適正な再生制度の運用が必要でございまして、特に昨今の許可業者の不適切事例等を踏まえて、国による指導強化が必要ではないかと考えられます。

最後に、59ページ、地方からの権限委譲の提案についてです。

本件は、平成28年度に、一部の都道府県から地方分権提案として出されたものです。具体的には、60ページに記載しておりますとおり、第一種特定製品管理者への指導監督権限について、政令市・中核市への権限委譲を行うという提案となっており、今回の見直しに併せて検討を行うものでございます。

都道府県がフロン法に基づいて有する指導監督権限は、61ページにお示ししておりますとおり、第一種特定製品管理者のみならず、整備実施者、充填回収業者、解体工事元請業者等、多岐にわたっております。

62ページは、繰り返しになりますが、管理者や充填回収業者への立入検査等の実施状況をお示ししております。

63ページに、この課題について都道府県からいただいたご意見の一部を載せてございます。水濁法、大防法等の指導や立入検査と一体的に行うことの効率性に言及したもの、権限委譲の前提としての現状での実績やノウハウの蓄積の不足、フロン類の問題がオゾン層保護や地球温暖化といった広域的な課題であることを踏まえた慎重な検討を求めるようなご意見等となってございます。

今後は、64ページにお示ししますように、政令市や中核市のご意見も聞き、現状の課題や実態を踏まえて、次回審議会において方向性をお示しする予定としております。

駆け足となりましたが、資料1の説明は以上となります。

○中根座長

ありがとうございました。それでは、質疑応答に移りたいと思います。質疑応答は、14時55分頃まで受け付けたいと思いますので、ご発言される方はコメント欄にお名前をご記入ください。ご記入いただいた方から順に指名いたします。ご質問いただく際には、配付資料の中で関連するページがございましたら、そのページを明示していただいた上でご質問いただければ、質問箇所が明確になりますので、ご協力をお願いいたします。なお、本日、時間の関係上、ご意見は一巡となります。お一人2、3分で、お願いいたします。

進め方ですが、5名の方からご意見、ご質問をいただいたところで、事務局より回答し、その後次の5名の方のご意見、ご質問に移るようにしたいと思います。

まず最初は、委員資料をご提出いただいております、東京都の筧委員、日本冷凍空調工業会の岡田委員より資料のご説明及びご意見を頂戴できればと思います。

その後、コメント欄にお名前をご記入いただいた順に指名いたします。ちょっと時間が遅れぎみなので、2、3分のうちの2分に近いほうにしていただければと思います。

それでは、筧委員、お願いいたします。

○筧委員

東京都の筧です。私からは、既に皆さん新聞等でご案内のことかもしれませんが、この度、都内でフロン排出抑制法違反で書類送致された事案がありましたので、それの紹介をさせていただきます。事案の概要ですけれど、八王子市の解体現場でフロンをみだり放出させたという事案でございまして、下に(1)自動車販売会社と書いてありますが、具体的には東京スバルという会社が、八王子の建物解体現場で業務用エアコンのフロン排出をさせたという疑い、フロン排出抑制法第43条違反となる委託確認書を交付しなかった疑いということで、それから、同時に下請の建物解体業者である興建総業がフロン排出抑制法第86条違反のみだり放出ということで、今回書類送致されたというものでございます。

フロン排出抑制法施行後の事件としては、これは全国で初めてということになります。

警視庁と東京都では、フロン排出抑制法の改正を機に、連携して不適正事案の撲滅に当たってきたわけでございます。今回の事案も、警視庁のチームが見回り中に発見して、東京都が立入検査をしてリークディテクターによってフロンが排出されているということを確認して、その後、立入検査や事情聴取を行いまして、今回勧告、是正指導を実施してきたというものでございます。

事案の特徴としては、みだり放出の実行行為者だけでなく、今回発注者の違法行為についても送致がされたということでございます。

一番下に書いてありますように、今回の事件化が一つのリーディングケースとなって全国のみだり放出の取締りが進展することに期待しております。

それから、参考までに、東京都の立入検査の様子をお示しします。上はリークディテクターでフロンが実際に漏れていないかどうかを探知しているところで、下の二つの写真は、今回の事案において配管の切断部等からフロンを採取しているところの様子でございます。加えて、参考までに東京都のフロン排出抑制法に係る取組について、ここに簡単に書かせていただいております。廃棄時漏えい対策として立入調査などを行っております。立入調査件数は、令和2年4月から今年の10月までで7,493件で、勧告件数としては24件、それから、同時に使用時の漏えい対策もやっております。立入指導や、動画配信、それから、フロン排出削減のための有効性を検証するためのモデル事業なども行っております。

それから、ノンフロンショーケースについての補助も行っておりまして、今年は既に160件の補助を行っているところでございます。

報告は以上でございます。

それから、先ほど説明いただいた件について、東京都から一つ申し上げたいと思っておりますのは、47ページの資料に少し関係するのですが、充填回収業者は、いろいろな立場でお仕事をされているのですけれども、自治体だけではなかなかフロンの解体業者とか管理者の指導をしていくというのは限界がありますので、ぜひ全体の底上げを図るために充填回収業者も自治体のそういった指導的な仕事を補完するような立場で働いていただけるような、そういう制度ができたら良いのかなと思っているところでございます。今後の課題になると思いますけれども、ぜひ検討していただければ幸いでございます。

私からは以上です。

○中根座長

どうもありがとうございました。

続きまして、日冷工、岡田委員から資料のご説明とご意見、よろしくお願いします。

○岡田委員

日冷工の岡田です。聞こえておりますでしょうか。

本日は限られた時間の中、発言の機会をいただきましてありがとうございます。資料の説明をさせていただきますけれども、はじめに、基本的な考え方ということで第1項にありますけれども、業界としても2050年のカーボンニュートラルに向けて再生可能エネルギーと位置づけられておりますヒートポンプの普及と、それから、HFC冷媒からグリーン冷媒への転換というところを積極的に推進していきたいというふうに考えております。

その中で、特に具体的な製品の目指すべき方向としましては、第2項にお示ししております、これも従来から申し上げておりますS+3Eですね。安全性、環境性、省エネ性、そして経済性という、これらバランスの取れた製品づくりということを非常に重要視して考えております。

ただ一方で、具体的にグリーン冷媒化に進んでいくためには、かなりクリアすべき課題が残っているということで、第3項のこの表ですけれども、これは一番左のところに冷媒の種類を書いておりますけれども、緑色でハッチングした部分がグリーン冷媒と呼ばれるものです。横軸は、先ほどのS+3Eの視点での課題をまとめたもので、オレンジ色で示した部分が主に課題を示しております。グリーン冷媒というのは、低GWPという環境性においては言うまでもなく目指すべき方向ですけれども、一方でそれ以外の安全性、それから省エネ性では残念ながら短所があるという、いわゆるトレードオフの特性を持っております。

これらの課題を克服していかなければ、なかなかグリーン冷媒への転換が進まないということで、先ほど経済産業省の田村室長からもご説明がありましたが、個別製品ごとにグリーン冷媒化への抱える問題というのは異なっておりますので、全体を数字としては最終的に平均的なGWPという形で捉える必要はあるのですけれども、具体的に進める上では、個別セグメントごとの議論が今後さらに重要になってまいりますし、これらを一つずつ解決することで指定製品制度にのっとったグリーン冷媒化推進ということが必要と考えております。

具体的な課題で特に大きいテーマが、やはり省エネ性と安全性です。先般、第6次エネルギー基本計画が閣議決定されておりますけれども、冷凍空調分野では特に業務部門、それから家庭部門での機器の省エネ化がよりクローズアップされてきております。

ここの1ページ目の下のところでお示ししている図ですけれども、これはあくまでも一つの事例ですけれども、機器の製品ライフサイクルにおけます消費電力によるCO2の間接排出量と冷媒漏えいによるCO2の直接排出量の割合を示した図になっております。概ねどの製品も製品寿命が長いということもありまして、省エネ性に起因するCO2の間接排出量というのが全体の排出量に占める割合というのは大きく、この省エネ性を犠牲にするということはできませんので、こういったところのバランスが非常に重要だということはご理解いただきたいと思います。

一方、安全性に対しましては、2ページ目のところになりますけれども、機器でこの安全対策をきちんとやるということはもちろん必須の内容ですけれども、実際に市場への普及を考えた場合には、機器の対策だけでは必ずしも十分ではなくて、施工やサービス、こういったときの作業時の課題ですとか、あるいは、製品が、最後、廃棄される場合の廃棄時の処理、こういった問題も並行して対応策を考えていく必要があるというふうに考えております。

既にグリーン冷媒化されている製品もたくさん世の中には出ておりますけれども、これは第4項に示すように、条件として充填冷媒量が非常に少なかったり、あるいは、冷媒配管が全て工場の中で完結していて現地での工事が要らないといったような製品、それから、省エネ性につきましても、それぞれの機器の冷媒の利用温度帯によりまして大きな省エネロスがないというような、こういった条件が整ったものについては、製品化、あるいは市場への普及というのが問題なく進めることができておりますので、この裏返しになりますけれども、第3項でご説明したような課題を抱えている製品というのは、それぞれ個別の状況は異なりますので、セグメントごとの詳細な検討、対応策が必須と考えております。

そのためには、第5項でお示ししております通り、普及のための施策、あるいは環境整備というのが不可欠になりまして、それぞれのステークホルダー、これはユーザー様から施工サービスの業者様など含めて、ご理解とそれから対応についても必要だというふうに考えております。

最後に、今日は時間が限られておりますので詳しいことはあまりお話しできませんけれども、中・長期的には、冷媒管理も含めた機器管理のための新たな仕組みの必要性、あるいは、サーキュラーエコノミー視点での冷媒回収や再生に関する施策というのも機器の冷媒転換と併せて非常に重要と考えておりますので、ここはメーカーというよりも中・下流に関する対応ですけれども、取組の強化をお願いしたいというふうに感じているところでございます。

引き続き、業界としてもカーボンニュートラルに向けて前向きに取り組んでまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

以上でございます。

○豊住室長

先ほどのご説明の際に資料2につきましても併せてご説明の予定でした。飛ばしてしまい申し訳ございません。

資料2といたしまして、今回の評価・検討に関する報告書をまとめたいと考えておりまして、その目次案をこちらにお示ししております。

1、平成25年改正時の背景等といたしまして、こちら、先ほどパワーポイントでご説明をいたしました内容を中心にまとめたいと考えております。同様に、2、法改正以降の代替フロン排出量の推移及び政策等の動き。それから、3、改正項目の施行状況及び施策の評価等ということで、こちらはメインになってまいります。そして、最後に4といたしまして、地方からの権限移譲の提案について。このようにおまとめしたいと考えております。

先ほど併せてご説明すべきでございましたけれども、順番が前後いたしまして恐縮でございます。こちらのほうにつきましてもご検討、よろしくお願いいたします。

以上でございます。

○中根座長

どうもありがとうございました。東京都、筧委員、日冷工、岡田委員、大変貴重な情報とコメントをありがとうございます。

3名の方から追加でご意見、コメントをいただいて、それから事務局にご回答をいただくということにして、切りたいと思います。

まず、作井委員、西薗委員、飛原委員の順番にお願いします。

それでは、作井委員、お願いします。

○作井委員

こんにちは。作井です。どうもありがとうございます。

資料の27ページの低GWP機導入に対して非常にアグレッシブな計画を出されていて、工業会のほうもそれに向かって前向きに対応されるということで素晴らしい計画だと思います。気になるのは、業務用冷凍空調機器の寿命は非常に長いので、例えば2036年以降、GWP10以下の冷媒の機器以外、出荷がなくなっても、従来のHFCの冷媒を使った機器はまだまだ市場にたくさんあると思います。

今、市場にどのくらい業務用機器があるかと言いますと、我々JRECOの試算では、3,000万台ぐらいだと思っています。その根拠は、例えば街にある自動販売機をイメージしていただきますとわかりやすいと思います。飲料用自動販売機は日本全国で220万台あります。その数と対比して想像していただくと、例えばビルの屋上などに設置されている業務用機器を含めてその数は、自販機の10倍以上ではないでしょうか。

今後サービス用のHFC冷媒が利用できなくなるというのは非常に大きな問題になると思います。今まで以上にフロン排出抑制法の遵守の徹底が必要です。資料30ページに使用時の冷媒漏えいが、全体の冷媒漏えいの7割と書かれています。漏えいの7割が機器の使用時に発生しているということは、ほとんどの方がフロン類、HFCについてもご存じないし、大企業の経営者もご存じない方が多いと思います。フロン排出抑制法遵守の徹底を国民的課題とすべきです。

回収した冷媒については、できるだけ再生を行う方向にする。そして、大きな会社の社内規定は、以前のフロン回収・破壊法をベースとして回収した冷媒は必ず破壊としている。今後は、社内規定を再生も破壊も確実に処理をしたことであるとして、どちらでも可というような形に変えることが必要ではないか。

さらに、自動車リサイクル法についてです。使用済自動車の再資源化等に関する法律が正式の名称です、その中ではカーエアコンで使用しているR-134aについては回収して全部破壊と規定しています。今後、キガリ改正で生産規制されているHFCですので、破壊でなく再生して再利用する検討が必要だと思います。

資料18ページにあるキガリ改正の階段的な削減について、ある時期足りなくなった場合は、この階段の緑の許された範囲中で生産し備蓄をすることも将来、検討することが必要ではないでしょうか。

以上です。

○中根座長

続きまして、西薗委員、お願いします。

○西薗委員

西薗です。よろしくお願いします。

ただいまの作井委員の発言とも関係することと思いますけれども、改正から、5年間たちまして、上流、中流、下流、それぞれにいろいろな対策がなされてきたとは思いますが、その中でも上流に関しては、27ページの導入シナリオが出てきたというところは、今回非常にトピック的なわけですけれども、そのほかにも指定製品制度の機能なども先ほどご説明いただきました。

それから、中流に関しては、まだなかなか課題は多いと思いますが、漏えい防止の対策が進んでいるということは言えると思います。

問題は下流かなと私も思っています。48ページにまず現在の回収量についてのデータがありますが、この、上のグラフが回収業者の登録数の推移ですが、右肩上がりになっているのですけれども、その下にある回収量の推移を見ますと、ほぼ横ばいで、もう少しはっきり分かりますのが9ページになります。9ページに回収の将来目標が書いてありますが、2020年で50%、既にこれは過ぎているのですけれども、2030年で75%という目標はあるのですが、なかなか現状のこの推移では、そこに行かないだろうと考えております。つまり、やはり下流に関して、特に回収に関しては、今までは企業の社会的責任の中で行われてきたと思いますけれども、かなり抜本的に仕組みを考えていかないと、とてもとても目標達成はできないのではないかというふうに思います。

この5年の見直しを契機に、この下流部分のてこ入れというのを私は絶対に必要であるというふうに考えます。

以上です。

○中根座長

ありがとうございます。では、飛原委員、お願いします。

○飛原委員

飛原でございます。

今回はフロン排出抑制法、施行5年たっての評価だと思いますけれども、当初の期待したとおりの成果が得られたと思っています。

その理由は、まだまだ抑制が容易な状況にあるということだと思うんですね。今後、これからどんどん厳しい状況が進んでいく中で、排出量の抑制をしていかなくてはいけないということですので、皆さんにエールを送って頑張ってくださいと申し上げたいと思います。

それで、2点ほど、将来についてお話ができればと思うのですけれど、14ページに、カーボンニュートラル2050に向けての資料がありますけれども、この蛇口、あるいは上流のところを考えると、やはりGWP10前後の超低GWP冷媒の開発、そして普及が最も重要かなという気がしております。超低GWP冷媒には自然冷媒もありますし、一部のフルオロカーボンもあると思いますので、その開発というのがまず最も重要なものの一つかというふうに思います。

二つ目は、次のページにあります、中流のところなんですが、2030年以降のフロン類の製造販売をキガリ改正の一番最後の目標に近づけていくということになると、相当の努力をしなくてはならなくて、これまで考えられていた技術の徹底ということでは対応し切れないというふうに思っています。

したがって、最終的なキガリの目標、あるいはカーボンニュートラル2050を達成するためには、これまで使ったことのない新規技術とか、これまで採用していない社会システムといったようなものを導入していかないと、そういったものの実現は難しいのではないかというふうに思っています。

以上です。どうもありがとうございました。

○中根座長

ありがとうございました。ここで一旦、事務局からご回答をお願いします。

○豊住室長

それではまず、環境省のほうから、いただきましたご意見、ご指摘につきましてコメント等をさせていただきます。

まず、筧委員からいただきました、自治体の様々な業務の中でもっと充填回収業者が自治体をサポートできるような仕組みをということでご意見をいただいております。確かに現場との接点となります登録業者ですね。こういった関係者の担い得る役割につきましては、今後考えていく必要があるというふうに考えたところでございます。ご意見、誠にありがとうございました。

それから、作井委員からいただきましたご意見の中で、やはりフロン対策の周知のお話がございました。こちらは、私どもも日々感じているところでございまして、本日も様々実施しております周知活動につきましてもご紹介をさせていただきましたが、今後もこの点、強化していく必要があると考えているところでございます。

また、回収しましたフロン類の再生、破壊につきまして、基本的にフロン排出抑制法の体系の中では、再生と破壊、いずれも選択できるという形になってございます。再生に当たりましては、やはり使用時の漏えいの問題といったものがございますので、この点をしっかりと対策を取りながらやっていく必要があろうというふうに考えているところでございます。どうしてもストックとしてフロン類が残っていくということに関する課題というのを考えていかなければならないと考えております。

なお、自動車リサイクル法に関する点につきましては、今回の検討の内容ではございませんので、ご意見として承らせていただきたいというふうに考えております。

それから、西薗委員からいただきました下流対策ですね。廃棄時回収率につきましては、私ども非常に課題ということで考えておりまして、したがいまして、令和元年に回収率を向上させるための対策強化ということでフロン法の改正をさせていただいたところでございます。こちらにつきましては、また令和元年の法改正の施行の状況を踏まえつつ、議論していきたいということで考えておりますので、今回は主に平成25年改正事項でございますけれども、令和元年の法改正の施行の効果といったものはまた、改めての機会でしっかりと見ていきたいと思っておりますので、その際、ぜひご助言等いただければと考えております。

○田村室長

経済産業省からです。

時間もありませんので、ごく簡単に回答させていただきます。

岡田委員、セグメントごとのアプローチを、ご支持いただきましてありがとうございます。ぜひまた一緒に検討させていただければと思います。

作井委員からありましたサービス冷媒不足は、我々も深刻な課題だと考えています。どういう冷媒がこれから不足していくかを見ながら、ではどれの再生を強化していくかというように、きちんと冷媒種ごとに考えていかなければいけないと考えております。

飛原委員、エールをいただきましてありがとうございます。我々も技術開発はぜひ頑張りたいと思っております。

以上です。

○中根座長

それでは、どうもありがとうございました。それでは、次のラウンドに入ります。5名の方、大塚委員、佐藤委員、赤穂委員、チェーンストア協会鈴木委員、花岡委員の順にコメントをお願いします。

まず、大塚委員、お願いします。

○大塚委員

恐れ入ります。ありがとうございます。丁寧にご説明いただいてありがとうございました。

特に申し上げておきたいところは2点ほどございます。一つは先ほど来、ご議論がありますように、だんだん今のフロン類がなくなっていって困る事態が出てくるかもしれないということがご議論にありました。先ほどもご議論がございましたように、再生が重要になってきますので、適正な再生、質を維持した再生を重視していっていただきたいと思います。

西薗委員のほうから下流のところがまだ問題だという話をご指摘いただきましたが、私もそのように思っています。令和元年の法改正の状況も見ていきたいとは思いますが、この再生のところが重視されてくることになると、放出してしまったら経済的には損をしてしまうという感覚を皆さんが持っていただくようになると、下流対策に少しは役に立つことになるかという気もいたしております。

それから、最後のところで中核市とか政令市への管理者に対する指導監督権限とか立入検査の権限の権限委譲のところがございましたけれども、まず都道府県において実績を積み上げていただいてからでいいのではないかということを申し上げておきたいと思います。

それから、質問ですが、48ページのところで充填量と機器整備時の回収量がちょっと減少していると思いますけれども、この理由を教えていただけたらありがたく思います。

加えて、東京都の筧さんのほうから先ほどご説明がございましたけれども、3ページのところで「フロン回収を委託しても発注者に責任が及ぶことが広く認識され」というふうに書いていただいているのは大変興味深く拝見しましたが、これは、やはり委託の際に法令で定めた委託確認書を交付しなかったからということでしょうか。そういうことで発注者にも責任が及ぶというふうに理解してよろしいわけでしょうか。それだったら、ある種、気をつけていればいいということではもちろんあると思うのですけれども、念のために確認させていただければ幸いです。

あと、温対法のほうでデジタル化を進めていますので、それとセットでこちらのフロンのほうも、充填・回収量の報告等のデジタル化をしていっていただけるということ、大変いいことだと思いますので、どんどん進めていっていただければと思います。

以上でございます。

○中根座長

続きまして、佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員

佐藤でございます。

2点ございます。まず、デジタル化について、電子による管理票のシステム推進のためには何年度までに何%を電子化するというような高い目標を設定して、進捗状況をみながら達成できるように手続の簡素化、支援の方法を検討することが必要だと思います。電子化を進めることによって、操作性だけではなく透明性も向上すると思いますので、自治体のデジタル化と併せて、全体のフロンの漏えいを把握する制度の全ての面でのデジタル化を進めるということが法律の精度を上げると思います。

それから、もう一つは、自治体の権限についてなんですが、どの自治体に移すにしても、担当者の方々には、毎年法改正により非常にたくさんの業務が増えていく状況であり、負担感があると思います。したがって、効率化や民間の活力利用により、自治体の方の負担をまず減らすということが非常に重要だと思います。

例えば、事業者の自主的な管理を強化して、教育訓練をすることによって、ミスや違反がなくなり、報告内容も適正化するということがあると思います。事業者の自主的管理を上げる方法については、例えば環境省が行っているエコアクション21とかISO14001などの環境マネジメントシステムをサプライチェーン全体で取得することを推進して、それが入札における加点事由や、ESG投資にも結びつくというように、自主的取組をすることが事業者にとってメリットがあるというシステムを重要視することがよいと思います。

故意に法令違反をするのはごく少数であり、多分、知識がないとか現場で周知徹底されていないということがいろいろなトラブルの原因だと思います。自主的な取組で法令違反をなくすというシステムを国がどうやって支援するか、それによって自治体の担当者の負担も軽減すると思います。

フロンだけではなくて大気汚染も水質汚濁も廃棄物も全ての法令遵守はそういう自主的取組によって推進されるという制度を国としてもっと高めていくことが、結果として自治体の担当者の事務の簡素化につながるのではないかと思います。

以上です。

○中根座長

どうもありがとうございました。続きまして、赤穂委員、お願いします。

○赤穂委員

ありがとうございます。

私も、まず27ページのグリーン冷媒・機器の導入シナリオについて意見を述べたいと思います。一応、2036年という期限を目安として今回出されたということで、あと15年あるといえばありますが、15年しかないということでもありますので、果たしてそこまでに実現できるのかということをしっかりと把握する必要があるかと思います。

その上で、開発の方向としては、先ほど日冷工さんもおっしゃっていましたけれども、省エネ性能とか安全性とか、あと、LCA全体ですね。生産から使用、廃棄までの温室効果ガスの排出全体を見た上で、その上で、今回、トップランナーとしてどういうものが適切かというのをしっかりと強化して導入していく必要があるかと思います。

その上で、いずれにしても、今ある機器を単に入れ替えるとか、ガスを入れ替えるというだけでは済まない状況になってくると思います。ユーザーさんに例えば機器は設置面積が大きくなりますよとか、僅かですけれども燃焼性がありますよというようなことをしっかりと周知して、今までのような使い勝手とか対応とは異なるということを理解して購入してもらう必要があります。そういう意味で、やはりなるべく早い段階で将来の予見ができるように情報を早く出していくということが重要かと思います。それが買換えの背中を押す情報提供をすることになるかと思います。

それと、53ページの、温室効果ガスの排出の報告についてですが、今までHFCという種別だけであるということが、今後を考えれば適切ではないと思っています。きちんとしたガス種を把握してCO2換算をして、どれだけ排出しているのか、どれだけ漏えいしているのかということをしっかりとユーザーさんが把握できるような仕組みを取っていくことが必要かと思います。

デジタル化への対応というのは、これは当然ながら、必ずやっていかなければならないものであると思います。

以上です。

○中根座長

どうもありがとうございました。次、チェーンストア協会の鈴木委員、お願いします。

○鈴木委員

ありがとうございます。チェーンストア協会の鈴木です。

まさに、今、赤穂委員からあったとおり、私も27ページのグリーン冷媒・機器の導入の実効性、これを高めて行くということが、我々、ユーザーにとっても非常に重要な指標になろうかというふうに考えております。

スーパーマーケットは、一度導入すると壊れるまで、冷え続ける限り、どうしても使ってしまう傾向もありますので、そうした中でやはり計画的に機器を更新していくときに、ある程度の指標が出てくるということは、非常に有効なんではないかというふうに考えています。

他方、先ほどもあったとおり、まさに、既に今年、来年とか、そうはいっても、足元でどんどん導入していくわけなのですけれども、そのときにやはりこのまだ現行冷媒を導入している限り、またどこかのタイミングでこういうグリーン冷媒・機器に入れ替えなければいけない。そのときには、単純に機器のコストだけではなくて、例えば工事や例えば配管、もしくは先ほどあったとおり、今までの設置スペースでは足りないとか、こういったことで非常に入替えについてはハードルがどんどん高くなってくるということを踏まえると、その辺りの予見性といったところを非常に早く、我々としても知っておくべきだと思いますし、それを想定した店舗づくりなんかも検討する必要があるというふうに考えております。

あとは、省エネとか、そういったところも踏まえて、経営側から見たときのメリット、もしくは、こうしたグリーン冷媒、自然冷媒を積極的に導入する企業を少し推奨するようなプログラムなんかがあっても非常に効果的ではないかというふうに考えております。

以上でございます。

○中根座長

ありがとうございました。続きまして、花岡委員、お願いします。

○花岡委員

ありがとうございます。国立環境研究所の花岡です。

私から3点述べさせていただきたいと思います。

1点目は、他委員と同じように、資料1のスライド27のグリーン冷媒及びその機器の導入シナリオに関する点です。カーボンニュートラルの目標の実現に向けて、このようなグリーン冷媒への転換を推進していくことは長期的に必要な対策だと私も思っています。そのためには、将来の目標時点から逆算していつまでにどの程度、グリーン冷媒に転換していく必要があるのか、といった今回新たに示していただいたようなロードマップを検討していくことが、今後、非常に重要だと思っています。引き続き議論を深めていただきたいと思っています。

ただ、この際に、将来からの逆算だけではなくて、現実の対策からの延長と比較したときに、いつの時点でどの程度のギャップがあるのか、というギャップの議論が次に必要になってきます。

そこで、例えばスライド18にあるようなフロンの使用見通しや、スライド25のような現状の政策目標、さらには冷媒の使用機器の販売動向だとか寿命期間だとか、そういう情報と比較をして、今回新たに示していただいたロードマップがいつの時点でどのようなギャップがあり、どのような障壁があるのかという情報をさらに次回までに整理していただけると、議論を深めていくことができるのではないかと思いますので、ご検討をよろしくお願いします。

2点目は、そのギャップと障壁を整理していただいた後の議論についてです。グリーン冷媒をどのように促進していくのかという議論と同時に、特に重要な軸として、現行の冷媒の回収や生産及び破壊処理の議論の徹底があると思います。やはりまだグリーン冷媒の見通しが立たない機器があるといったことやコスト的な制約、または制度的な制約があると報告いただいていますが、その場合、グリーン冷媒を大幅導入するまでの橋渡しの対策が必ず必要になってきます。その橋渡しの対策としての再生利用といったものをいつまでに、どの程度までなら許容できるのかといった相場観の把握や、あとは、今までも議論されてきましたが、その回収対策、漏えい対策、破壊処理対策のパッケージの徹底的な議論を引き続き検討していっていただきたいと思っています。

3点目が、回収、漏えい、破壊処理対策の強化の際の管理者に関する点になります。中小事業者や小規模の管理者を含めて、今、管理者は関係者が非常に多い点が課題であると伺っておりますが、IoT技術の活用に関する議論について、漏えいの検知だけじゃなくて、QRコードを使うなど、機器の販売や冷媒の充填、冷媒の回収、破壊処理などにも効果的にIoTの技術を使って簡易に情報を吸収して整理できるような枠組みをぜひ検討していっていただきたいと思っております。

以上、よろしくお願いします。ありがとうございます。

○中根座長

どうもありがとうございました。今回のラウンドでは、グリーン冷媒に関する上流と、それから、また中流と下流ですね。それがカップルしていくというようなご議論が多かったと思います。例えば、回収して再生をすると中流に移るとか、それからグリーン冷媒を開発するけれども、それを使える機器をどういうふうに入れていくかというのはギャップによる、そういう意味で、非常に重要なご指摘があったと思います。事務局からお願いします。

○豊住室長

中根座長、どうもありがとうございます。まさに今、まとめていただいた部分がこれから考えていかなければいけないところではないかというふうに考えております。

私のほうから幾つかちょっと細かい質問等もいただいたところについて回答を申し上げます。

大塚委員から、充填量の推移で、令和元年に減少している理由は、という御質問ですけれども、単年で下がっている状況ですので、現時点でその背景については分かってございません。細かい冷媒種などのデータがないというところの課題、先ほど申し上げたとおりでございますけれども、そういった中で、今後、アンケートなどを実施しまして状況を見ていきたいというふうに考えているところでございます。

それから、全体的に報告等のデジタル化ですね。大塚委員、それから佐藤委員、また花岡委員からのご意見もつながる部分だと思いますが、可能な限り、報告等のデジタル化を進める中で、全体、その事務の効率化あるいは実態の把握をしていくよう努めていきたいと考えております。

これにつきましては恐らくCO2換算でのデータの把握などもこういった中でより深めていかれるところではないかというふうに考えております。

また、佐藤委員から事業者の自主的な取組を促す仕組みということで、様々な環境の認証ですとか、そういったところの活用というアドバイスをいただいております。こういったところも今後検討したいと考えております。

環境省のほうからは以上です。

○田村室長

経済産業省からです。

赤穂委員、鈴木委員、ありがとうございました。

ユーザーへの周知、それから予見性を高めるという観点ですが、私どもは、やはり機器のセグメントごとにそういったことも示していければと思っております。

その点におきまして、花岡委員からありました、試算を現実に落としていくことがこれから重要だということ。これはおっしゃるとおりだと思いまして、それをまさに機器のセグメントごとの検討の中でやっていきたい。ただやはり赤穂委員からありましたとおり、省エネ性やLCA全体など相反する事象が幾つもありまして、その中でバランスを見つけなければいけない。それを機器ごとにやると私どもは考えておりますので、こちらちょっとお時間をいただいて、検討させていただいた上で、フロン法における指定製品制度に反映させていきたいと考えております。

以上です。

○中根座長

どうもありがとうございました。

次のラウンドに行く前ですけれども、まだ残り5人の委員からのコメントをいただいています。1人2分でコメント、ご意見等よろしくお願いします。

それじゃあ次のラウンドは米谷委員、高村委員、中村委員、大沢委員、山崎委員です。まず日建連、米谷委員、お願いします。

○米谷委員

私から大きく2点のことについて取り上げたいと思います。

まず一つ目が筧委員からご説明いただきました送検事例ですね。あれに関しては、発注者を含めて送検をされたという点において、ある意味フロン排出抑制法の実効性が上がる大きな一歩ではないかなというふうに思っております。リークディテクターですか、そういったものを使ってというような辺りも私は初めて知りました。

この事案に関して教えていただきたいのですが、これは送検された建物解体業者が元請だったのでしょうか。あるいは元請は解体業者の上にまた別にいたのかという辺りが私の立場ですと大変関心のあるところです。もしもほかに元請がいたとしたら、元請としては事前の説明は既に発注者に対してしていたけれども、発注者がそれに対して適切な指示を出さなかったということになるのかなという辺りで、元請の位置づけがよく分からないなというところがあっての質問です。

こういった件が増えることによって、やはり発注者、施工者ともに大変身の引き締まる思いがすることと思いますので、今後も立入調査をしっかりやっていただきたいなというふうに思います。こういった事例を業界内の講習などでも利用することで業界全体の意識も高めていきたいと思っております。

以上が1点目です。

2点目として、回収率の低迷の話というのがずっと言われ続けているんですけれども、最近私が思っておりますのは、これはやっぱり捕捉できていない漏えいの部分というのがあるのではないかということを強く感じております。と申しますのは、工事中に人為的なミスによって漏えいさせてしまうことが意外にあるということを最近認識しております。新設時の工事施工不良とかということではない部分が結構ありまして、例えば新築工事の中で既に設置していた屋上の設備機器に作業員が運んでいた資材をぶつけてしまって損傷させ、フロンを漏えいさせてしまったとか、改修工事において今後も活かしていく配管と撤去する配管とを取り違えて撤去しようとしてしまったために、フロンが漏えいしてしまったという、そういった話を聞くようになりました。

前回の法改正に私も関わっていましたけれども、そのときは使用中に徐々に漏えいしていくといったイメージしか持っていなかったのですが、実態としてはこうした工事中にばっと放出してしまって、CO2換算で何十トンというオーダーでの漏えいというのが実際にあるということは環境省さんにも知っていただき、こうした数値も捕捉するよう注意喚起する必要があるのではないかと考えております。

併せて、そういった場合の漏えい量が、当然これは1,000トンの計算をする上でカウントすべきものだと思っていたところが、今回環境省さんとお話をして認識をしたんですけれども、その後充填されれば報告対象のカウントをされるけれども、充填されなければ報告対象としてはカウントされないというお話を伺って、それもどうなのかなということを強く感じています。

充填しようがしまいが、放出してしまったものは放出してしまったものとしてカウントすべきではないのかなということも感じているところです。

以上です。

○中根座長

ありがとうございました。続きまして、東京大学、高村委員、お願いします。

○高村委員

ありがとうございます。

先ほど冒頭に小野局長からご挨拶もありましたけれども、COP26でやはり1.5度のパリ協定でいくと努力目標を決意を持って目指すということ、それからそれゆえに30年に向けても対策の強化ということを確認していると思います。

今回蛇口上流から下流まで間違いなく以前に比べて対策強化されていると思いますが、しかしながら、スライドの8でお示しいただいているように、今エネルギー分野で減らしてきたものを代替フロンの排出増で相殺をしているという状況があるのは間違いがないので、しかもこれから排出増が見込まれるということを考えますと、やはりさらに50年カーボンニュートラルに向けて蛇口上流から足元まで対策を加速していただくことが不可欠で、私はこれ総括するときに、この認識はどこかにしっかり書いていただく必要があるのではないかというふうに思っております。これが1点目です。

それから二つ目ですけれども、皆様もおっしゃっていたように、漏えい対策も非常に重要なんですが、既に市中に出たものをどう回収するかが非常に大変で、そういう意味では今から出ていくものに対しての上流対策はしっかり根本的に強化をすぐしていただく必要があると思います。

今回そういう趣旨で対策を今後の対策として示していただいていると思っておりまして、特にスライドの27は皆さんおっしゃっていたように、50年カーボンニュートラルからしっかりバックキャストをして導入の見通しというもの、どういうところを目指して技術開発をし、対策を取っていくのかということを示していただくと大変ありがたいと思います。

これは日本冷凍空調工業会からもございましたけれども、機器によって代替可能性とか冷媒転換の課題が違うとすると、今回ご提案もいただいているように、もう少し細かく機器のセグメント用途、場合によっては丁寧に戦略といいましょうか、対応策を考える必要があるのかなというふうに思います。

そうすることで、あるセグメントについて可能なものについては、より積極的に目標値の引下げなどの対応をしていただくことで、グリーン冷媒への転換というのを加速ができるのではないかと思います。

今日スライドの26で実際にこの間に目標を達成して新たな冷媒への転換の進行しているものについてもご紹介がありました。先ほど言ったセグメントごとにしっかり代替可能なもの、転換が可能なものについて目標を引き下げていくことで、逆にそういう製品を提供できる事業者に市場のアドバンテージがちゃんと与えられるようにしていくということが、代替可能なものの市場化というものを事業者の皆さんのところで市場の利益を得ながら進めていただくということになるかと思います。

最後は花岡委員からあった点も、ご趣旨がそうじゃないかと思って聞いておりましたが、再生に関してです。私はこれもしっかりセグメントごとに、あるいは用途ごとにしっかり検討していただく必要があるように思っていまして、といいますのは、やはり既に低GWPの冷媒が、あるいはゼロ冷媒があるのに、市中に高いGWPが補充という形で安易に出ていくことへの懸念を持っております。

逆に代替がないものについてはしっかり再生を使っていくということも同時に必要だと思っているんですけれども、したがってここのところもしっかり製品あるいはそのセグメントごとにしっかり検討いただければというふうに思います。

以上です。

○中根座長

ありがとうございました。続きまして、中村委員、お願いします。

○中村委員

ありがとうございます。

まず、ご説明ありがとうございました。

改正法施行後の状況については、5つの項目においていずれも現時点では進捗はまずは良好であるということで理解いたしました。

私のほうからは2点ほど短めにコメントさせていただきます。

1点目は細かいことで恐縮ですが、資料1の中で、今後の課題と取組というのを同一欄に記載されておりますが、今後、対応可能な取組と、課題もあってそれに対して今後どう取り組むのかといったことと、あとはまた何々が望ましい、何々ではないかといったこれから要検討である内容が半ば混在しているように思いました。

まずは2030年が目指すところで、そう時間があるわけではありませんので、優先的に解決すべき課題と取組、あとはさらに時間を要するような課題などを明確に記載いただいたほうが、より分かりやすいのではないかと思いました。

2点目は本日、岡田委員よりご提出いただいた資料の内容についてです。現在、ご存じのとおり、住宅の省エネルギー基準の義務化ですとか、その上の誘導水準の検討、またエアコン等のトップランナー基準の次期水準についても別途検討されているところでもありまして、この辺りは2030年目標に向けて性能をより強化する方向で進んでいるところでもありますので、省エネ性能とのバランスの取れた対応策というのはやはり必要になってくると思います。

今後、ますますヒートポンプ技術は重要な位置づけとなりますので、他審議にはなりますが、総合的に見てどうあるべきかというのはご調整などご検討いただければと思いました。

以上です。よろしくお願いいたします。

○中根座長

ありがとうございました。では、大沢委員、お願いします。

○大沢委員

よろしくお願いします。

私からは何点かあります。まず先ほど岡田委員や他の委員の皆さまから話があるように、P27の資料のグリーン冷媒使用機器の導入促進に当たりましては、機器側はリスク評価等を行い、かなり高圧ガス保安法が緩和されてきています。先ほど米谷委員からも話がありましたように、工事事業者としてはちょっと耳が痛いですが、グリーン冷媒を使うに当たっても、工事側の技術というのもきちっと確立する必要があると思います。その辺もぜひ検討課題の中にも入れていただきたいと思います。

次に53ページ目のデジタル化の話です。特に回収量報告の部分のデジタル化の話については、冷媒種ごとの報告と書かれています。当然ながらそれはより実態を把握するためには必要なことだとは思っておりますが、手間だけ増えて現実は難しいと思っています。

デジタル化は重要だということは我々もよく分かっていますが、充填回収業者は非常に中小零細企業が多くて、実はこの業界、非常にデジタル化が遅れております。回収量報告についても手計算でやっている部分があると思っています。だからといってデジタル化を遅らせるということはナンセンスかもしれませんが、そういったことも配慮しながら、またユーザーさんも大企業の方々はデジタル化が進んでいますが、中小のユーザーさんは多分できていないところが多いのではないかと思っていますので、そういうところも配慮しながら皆さんが対応できるような方向で進んでいければいいと思っております。

次に、63、64頁、自治体の権限委譲のところですが、我々がどうのこうのというわけではありませんが、きちっと指導監督ができる体制を整えられるのであればどちらでもいいと思っています。そういった観点からもぜひ検討していただきたいと思っています。

 最後に、58頁の再生の話です。先ほどから再生についていろいろ出ていますが、やはり再生は非常に重要だと思っています。いろんな議論があると思いますが、ただ再生するに当たって、もちろん回収をきちっとしなくてはいけない。回収促進を図るということ。あと問題は、回収した冷媒をどう再生センターまで運ぶか。ロジスティクスの構築というのは非常に重要だと思っています。49条の議論もありますが、ぜひそういったロジスティスクを構築することが再生への近道だと思いますし、回収への近道だと思っていますので、ぜひいろいろご検討いただければと思っています。

以上です。

○中根座長

どうもありがとうございました。続きまして、山崎委員、お願いします。

○山崎委員

私どものほうから1点意見を述べさせていただきます。

資料は10ページになります。10ページに示されていますとおり、ユーザーから解体現場、最後の廃棄・リサイクル業者ということで、それぞれのポイントで規制が強化されて、フロン類の回収が確実に行われる仕組みが進められてきているかと思うんですけれども、我々の業界はこの廃棄サプライチェーンの一番最後の廃棄物リサイクル業者というところをやっているわけなんですけれども、我々の実感として、我々のところまで機器が回ってきていないなということがありまして、まさにこれは現行の回収率38%と2020年目標の50%、この数字の乖離の部分かなと思っているのですけれども、我々のところに来る前の段階で、別のルートに流れてしまっている可能性もあるのかなと。

特にフロンが含有されている機器、業務用冷蔵冷凍機器等は、非常に金属価値が高い製品でございまして、特にここ1年ぐらいご存じの方はご存じかと思うのですけれども、金属相場が非常に高騰しております。鉄が1年で倍以上、銅については1年で35%以上ということで、非常に金属相場が高騰したことで、その機器自体の金属価値が高いということで、これがやはり経済原則ですね、環境原則というよりも経済原則で動いてしまっている。いわゆる高く売れるところに流れている可能性がある。輸出ルートを含めてと想定されております。

なので、ここをきちんとこの10ページにあるような流れで最終のところまで適正にリサイクルできるような、フロンが回収されて適正にリサイクルの流れに持っていくためには、やはり直接罰の導入であったり、あと都道府県による指導監督。先ほど東京都の筧委員のほうからもお話があったように、ああいう書類送致の事例、そういったことの共有化も含めて、この罰則等も含めた周知徹底、こういったものがやはり今後の運用として求められているのかなというふうに考えております。

以上でございます。

○中根座長

どうもありがとうございました。東京都の筧委員がご退出なさいましたので、先ほどの大塚委員、それから米谷委員のご質問につきましては、追って事務局から確認、ご回答させていただきます。

それでは、事務局からコメント等お願いします。

○豊住室長

ありがとうございます。それでは環境省から、関連部分につきましてですけれども、米谷委員からいただいておりますSHK、フロン類算定漏えい量報告・公表制度の対象以外の分の漏えいについての情報提供、どうもありがとうございました。今後、そのフロンのフローというものをしっかりと捉えていく中で、こういった課題についても対応していかれればというふうに考えております。

それから、回収量報告についてのデジタル化について、大沢委員からご意見をいただいております。当然デジタル化と負担軽減ですね、こういったものとしっかりセットでというふうに考えております。

それから山崎委員からいただきました機器の回収は、廃棄物・リサイクル業者のほうに回っていないのではないかというところで、これは様々な視点があるかと思います。先ほど申し上げましたように、フロンの流れ、こういったものを把握するということも併せてするとともに、今回東京都、筧委員からもご紹介がありましたように、やはり改正法をしっかりと施行をしていくというところで、国としましても関係都道府県にこういった事例をお聞きしながら、しっかり施行していただくというように支援していきたいというふうに考えてございます。

○田村室長

経済産業省からです。

高村委員、ありがとうございました。

セグメントごとの目標引下げ、まさに我々が指定製品制度の中でやりたいことですので、これを進めていきたいと思います。その際に、中村委員からご指摘のありました省エネについても、セグメントごとの機器ごとに異なるものだと思っておりますので、これとGWPとのバランスを考えながら進めていきたいと思います。

以上です。

○中根座長

どうもありがとうございました。次のラウンドで時間的に最後かと思いますが、齋藤座長、出野委員、大石委員、福田委員、それから日本ビルヂング協会、鈴木委員からはチャットでご意見いただいていますので、代読させていただきます。

それでは、齋藤座長、お願いします。

○齋藤座長

齋藤でございます。ご説明ありがとうございます。

非常に重要な意見、皆様のほうから出されたと思っておりますので、簡単にコメントさせていただきます。ここまでの排出抑制に関する検討ですが、ライフサイクル全体のバランスを見てよく検討されていると思っています。引き続き偏ることなく全体として排出抑制を強化していただければと思います。

上流側のほうでは実質的なフェーズダウンであれば、蛇口を絞ったり、NEDOプロジェクトも確実に進展しているようですので、新しい機器開発をすることで、一歩一歩進んでいくと思います。

一方で、下流側のほうに関してですが、やはり皆さんから度々指摘があるように、回収がどのようになっていくのかと。これから50%、70%、もっと言えばカーボンニュートラルを達成しなければならない2050年には100%に少しでも近づけるような技術ができてくることが重要だと思います。

冷媒回収のプロジェクトに直接携わらせていただいたこともあり、現状技術のままでは限界があると感じておりますので、ここにも技術革新がなされることを期待しています。それほど難しい技術ではないと思っておりますので、これが重要だとの認識になれば、メーカーはじめ検討を進めていただけると期待しています。

最後に、やはり次世代冷媒、グリーン冷媒というのは、GWPが低いので、地球温暖化防止には非常にメリットがありますが、可燃性がある冷媒も増えてきます。毒性があることもある。機器性能が悪くなるものが多いのが現実です。

カーボンニュートラル実現のために機器の性能も大幅に上げていかなければいけないため、物量を投入せざるを得ないという状況かと思います。先ほど金属の価格が上昇している話もございましたけれども、銅、アルミはじめ、高級金属を多用しますので、大幅な価格上昇につながらないようにきちんと対応していくことが重要だと思っています。冷凍空調技術というのは今回のコロナの問題もありましたように、人の生命を守らなければならない技術にもなっていますので。

こういったことで、次世代冷媒の負の側面もきちんと認識して、冷媒の漏えいがなく回収もうまく進むように、さらには高級金属を多用しますので、機器のリサイクルですとか資源循環等ともうまく連動させて、経済的な効果も生まれるようなバリューチェーン全体として新しい社会システムが構築されていくことにも期待をしております。

引き続きよろしくお願いいたします。

○中根座長

どうもありがとうございました。次に、出野委員、お願いします。

○出野委員

下流の業界の解体業界から意見と申しますか、ほとんど感想に近いのですが、2点ほど発言させていただきたいと思います。

1点目が資料の9ページ。先ほどから何回も話題になっておりますが、回収率が30%前後にとどまっていたところ、2015年以降38から39%になっています。これが統計的に有意差があるのかどうか分かりませんけれども、若干あるのかなという感じもしますので、何が効果があったのか、何か効いたのか検証していただく必要があるのかなと思います。我々業界としても考えたいと思いますけれども、環境省、経産省でもこの辺りの検証を少しお願いしたいと思います。

私も地方に行くことが多いのですが、やはり都市部よりも地方、それから大きな業者、スーパーゼネコン等よりも中小の業者、大きな現場よりもやっぱり中小の現場、この辺りがやはりフロン回収に対する認識があまり高くないということは感じております。

ということで、この辺りの対策を今後またしっかりとやっていかなければいけないのかと思っております。

具体的には先ほど先生からありましたけれども、回収技術ですね、解体現場に行ったら既に電源が落ちて回収できないとか、そういうのは簡単に克服できるわけですから、そういう規制とか、あるいは配管内の残留フロン、これがなかなか回収しづらいと。そういう技術的な問題。それからフロン税などの経済的な手法ですね、これをもう少し活用を早くやっていただきたいと。前々から議論はありますけど、なかなか実現しないということもありますので、よろしくお願いしたいと思います。

広報周知の不足もありそうです。先ほど言いましたように、中小零細業者、あるいは地方の業者、周知徹底されていないようです。平気でフロンのみだり放出が行われる、断言してもちょっとまずいかもしれませんけど、そういう話も伝わっております。そこの辺りをもう少し徹底しなければいけないというふうに考えております。

2点目が東京都の摘発の話ですけれども、平成14年からしばらく全国的に2件か3件の摘発で、今回の法令改正で全国初となる。つまり、合計しても3件から4件というので、これは極めて少ない。一罰百戒かもしれませんけれども、もう少し摘発を増やして、ちゃんとした業者が悪徳業者に駆逐されないようにしていただきたいと思っております。

あとはこの摘発に関しまして、先ほど米谷委員の話もありましたけど、発注者の責任とみだり放出をした実行者の責任、もちろんこれは問われなきゃいけないと思うんですけど、その間に入っている元請業者の責任、これは前回も強調したんですけど、元請業者の責任の強化といいますか、元請責任がどのぐらい認められるのか、どのぐらい問われるのかというところに注目をしております。仕組み的にもやはり元請業者の責任、この辺りの強化をぜひ図っていただきたい。

ついては再委託とか再々委託とか、責任の所在が曖昧になるようなものは規制して、あくまでも元請責任、これの強化を図っていただきたいと思います。

以上、2点です。ほとんどは感想に近いのですが、よろしくお願いします。ありがとうございました。

○中根座長

どうもありがとうございました。

大石委員、お願いいたします。

○大石委員

ありがとうございます。

私のほうから手短に3点お願いいたします。

まず1点目は、最初の上流のところで、新冷媒のお話が出ておりました。かねてからCO2ですとか、アンモニア等の自然冷媒、それから微燃性のある新冷媒についての話は出ておりました。ですが、使用においての課題や経済性の面から、なかなか進んでいないということだと思います。ただし、先ほどからお話がありますように、次の新冷媒を待ち続けるだけではなく、現在わかっている冷媒のマイナス面について消費者・ユーザーが正しく認識することで導入を進められるところはできるだけ速やかに進めていく必要があるのではないかなと思っております。

そのような意味からも、消費者、ユーザーへの周知も含めて新冷媒の開発ということを、ぜひ進めていただければと思うというのが1点目です。

それから2点目として、漏えいの話です。やはり先ほどのお話にもありましたように、中小の事業者さんですとか飲食店、特に小さい店舗などはなかなか漏えいしているという意識がないということでした。が、これは消費者の側も同じでして、確実な温暖化防止策が、このフロンの確実な回収であるということをもっと理解する必要があると思っています。例えばエアコンの回収などにおいても消費者がその意識を持つだけで、ある程度の漏えい防止ができるのではないか、と思っておりますので、ぜひこの点の周知も進めていただきたいというのが2点目です。

加えて家電リサイクル法においても、エアコンの回収率というのが際立って低く、テレビ、冷蔵庫、洗濯機が7~8割であるのに対し、エアコンは4割にもならないという事実があります。先ほどからありますような資源価格の高騰により正しい回収ルートにまわりにくい、ということも理由の一つではあると思うのですが、やはり双方の法律、家電のリサイクルという意味と、それからフロン回収という意味の両方で、国全体で取り組んでいかないと、なかなか回収率の向上というのは目指せないのではないかと思っています。ぜひ今後も、双方でしっかり取り組んでいただければありがたいと思います。

以上です。

○中根座長

どうもありがとうございました。続きまして、福田委員、お願いします。

○福田委員

私のほうも非鉄全連として下流対策のほうになります。我々のような業界団体に属さないスクラップディーラーなどでは、フロン排出抑制法の改正にもかかわらず、変わらずフロンの含有機器の受入れをして、その場でみだり放出をさせるような事例ですとか、あるいはチェックを怠って家電リサイクル品、または業務用冷凍冷蔵機器をフロンガスの含有有無にかかわらず受入れをして、そのまま取り扱ってしまうというような事例がかなり散見されているように感じております。

先ほど出野委員のほうからもありましたけれども、特に業界団体に所属していない業者に関してはかなりひどい状況じゃないかなということは今でも感じておりますので、ぜひこの辺りの実際の法の運用というものを進めていっていただければと思います。廃掃法のほうの有害使用済機器ですとか、ああいったところとの連携ですとか複合的に法規制をかけていくということで、より防ぐことができると思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

以上です。

○中根座長

どうもありがとうございました。日本ビルヂング協会の鈴木委員からは、音声がうまく伝わらないということでチャットでご意見いただきました。代読させていただきます。

我々の業界も2050年カーボンニュートラルを目指し、オフィスビルのまず省エネ化を進めていく状況ですが、グリーン冷媒に移行する際、効率が低下することのないよう対策を進めていただきたいと思います。

ということです。このラウンドのご意見では、その前もありましたけれども、家電リサイクル法や廃掃法との連携というのが重要だというご指摘があったと思います。事務局からご意見をお願いします。

○豊住室長

有田委員からもコメントをいただいておりますので、こちらもお願いします。

○中根座長

有田委員からのコメントを代読させていただきます。

27ページ、グリーン冷媒・機器の導入シナリオにつきまして、簡単ではないと思いますが、期待しております。幾つかご意見はございますが、まず代替のないものは再生という高村委員の意見は私も同じように考えておりました。

また、新技術の活用は必要だと思いますが、回収等に関わる人材育成や安全対策に関わる人材育成を同時に進めていただきたいと考えております。

以上です。

ご意見、コメントにつきましては、ここで打ち切らせていただきまして、また残ったご質問等ありましたら事務局に届けてもらうということで、お願いしたいと思います。

それでは、齋藤座長をはじめ5名の委員からのご意見、コメントに関しまして、事務局からご回答をお願いします。

○豊住室長

それでは、環境省からですけれども、全体を通じましてフロンの対策と一緒に循環、リサイクル、そういったものともしっかりと連携してという視点が重要というようなご意見をいただいたかと思います。

この点は令和元年の法改正で措置された部分でございますけれども、今後の施行に当たって、その視点をしっかりともって進めていきたいというふうに考えております。

○田村室長

経済産業省です。

有田委員、グリーン冷媒への期待、ありがとうございます。ぜひ頑張っていきたいと思います。

ただ、齋藤座長からありましたとおり、やはり次世代冷媒にはどうしても負の側面がある。全ての条件を満たす冷媒というのはなかなか難しいということで、我々機器側での対応をきちんとセグメントごとに考えていかなければならない。

そのとき鈴木委員からありましたとおり、効率の低下などはある程度は受け入れなければいけない状況なのかもしれませんが、それをどれだけ抑えていけるかということも検討の一つではないかと思っています。

また、このマイナス面のユーザーへの周知ということで、大石委員からありましたとおり、この機器を使っている方には、このような負の側面があるということを、具体的に説明できる形で対応していきたいと考えています。

以上です。

○中根座長

どうもありがとうございました。一通りご意見をいただきましたので、今後の進め方について事務局よりご説明をお願いします。

○豊住室長

委員の皆様方、大変多数ご意見をいただきまして誠にありがとうございました。今回いただきましたご意見も踏まえて、事務局にて報告書案を作成しまして、次回の合同会議でご審議いただきたいと考えております。

また、中村委員からは、今後の課題の部分につきましては、時間軸などに分けてというご意見もいただいております。そういった点も気をつけながらまとめていきたいと考えております。

以上でございます。

○中根座長

どうもありがとうございました。

次に、議題3、その他について、事務局よりご説明お願いします。

○豊住室長

その他でございますけれども、今後の予定につきましてお知らせをさせていただきます。

本日資料1につきましていただいたご意見を踏まえまして、追加の整理などを行いまして、資料2でお示しいたしました、平成25年改正フロン排出抑制法施行5年経過にかかる点検についての報告書目次案、こちらに沿いまして報告書案を取りまとめまして、次回第12回合同会議でお諮りしたいと考えております。

次回の会議は来年、年明けまして2月から3月頃開催したいと考えておりますので、後日、委員の皆様には日程調整のご連絡を差し上げますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○中根座長

議題3については以上ですが、よろしいでしょうか。ございませんか。

それでは、以上をもって、産業構造審議会製造産業分科会化学物質政策小委員会フロン類等対策WG・中央環境審議会地球環境部会フロン類等対策小委員会第11回合同会議を終了します。

本日いただきましたご意見等を踏まえ、事務局においては取りまとめに向けて作業を進めていただきたいと思います。

それでは、議事進行を事務局にお返しします。

○豊住室長

中根座長、委員の皆様、本日は忌憚のないご意見をいただきまして、誠にありがとうございました。

当合同会議では、簡単な議事概要及び詳細なご発言を記載しました議事録を作成しまして、後日公表する予定にしております。議事録案は後日事務局から委員の皆様にご確認をいただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。

なお、議事録掲載までの間、本日の会議の様子をYouTubeにて公開をいたします。配信先URLにつきましては、配付資料に掲載されております経済産業省、環境省両省のホームページ上に配信開始後に掲載をいたします。

それでは、以上をもちまして、第11回合同会議を終了させていただきます。どうもありがとうございました。