中央環境審議会地球環境部会地球温暖化対策計画フォローアップ専門委員会(第5回) 議事録

開催日時

令和5年4月28日(金)10時00分 ~ 12時30分

開催場所

WEBによる開催

議題

(1)環境省とりまとめの対策・施策の進捗について

(2)委員からの情報提供

(3)その他

資料一覧

議事次第

資料1:中央環境審議会地球環境部会地球温暖化対策計画フォローアップ専門委員会委員名簿

資料2:2021年度における地球温暖化対策計画の進捗状況(概要版)

資料3:2021年度における地球温暖化対策計画の進捗状況(詳細版)

資料4:環境省関連対策・施策について

資料5:増井委員提出資料

参考資料1:IPCCAR6解説資料

議事録

午前10時01分 開会


脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 定刻となりましたので、ただいまから、中央環境審議会地球環境部会地球温暖化対策計画フォローアップ専門委員会第5回を開催いたします。
 私、環境省脱炭素社会移行推進室の小福田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の専門委員会はWEBにより開催させていただきます。開催の状況はインターネットで同時配信し、動画は会議後、議事録公開までの間、WEB上で公開予定でございます。
 WEB会議の開催に当たり、何点かご協力をお願いいたします。
 通信環境の負荷低減のため、カメラの映像は原則オフにしていただき、ご発言の際のみオンにしていただきますようお願いいたします。事務局側も発言する場合を除きオフにさせていただきます。
 また、ハウリング等を防ぐため、発言する際以外は、マイクの設定をミュートにしていただきますようご協力をお願いいたします。
 ご発言を希望される場合には、ご自身のお名前の右側にある手のアイコン(挙手ボタン)をクリックしてください。また、発言を終えられたら、ボタンを再度クリックし、挙手を解除いただきますようお願いいたします。万が一、挙手ボタンを押しているのに事務局側が気づかない等ありましたら、チャット等でお知らせください。
 通信トラブル等ございましたら、チャットにご記入いただきますか、事務局までお電話いただきますようお願いいたします。
 本日は、山下委員以外の7名の委員にご出席いただいており、定足数の要件を満たし、専門委員会として成立していることをご報告いたします。
 また、本日は、個別対策・施策の担当課室も参加していることに加え、国立環境研究所からも議題2の関係者に参加いただいております。
 それでは、以後の議事進行を下田委員長にお願いしたいと思います。下田委員長、よろしくお願いいたします。
 
下田委員長
 はい。皆様、おはようございます。
 それでは、早速議事に入らせていただきます。
 本日は、議事次第にございますとおり、1番目といたしまして、環境省関連対策・施策の進捗について、2番目といたしまして、委員からの情報提供、3番目、そのほかとなってございます。
 まず、議題の1番に関しまして、資料の2及び3について、事務局からまとめて説明いただいた後に、続けて資料4につきまして、環境省関係課室からの説明をいただきます。その後、まとめて討論をさせていただきたいと思います。
 それでは、事務局から、まず資料の2と3について、説明をお願いいたします。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 それでは、脱炭素室より、資料2に基づきましてご説明させていただきます。
 私からは、2021年における地球温暖化対策計画の進捗状況の環境省取りまとめの対策・施策の概要についてご説明させていただきます。
 次のページ、お願いいたします。まず、冒頭、2021年度の温室効果ガス排出量の確報値について、簡単に触れさせていただければと思います。
 先週、確報値が公表されまして、2021年度の排出・吸収量は11億2,200万トンとなりまして、2022年度比で2.0%増加、2013年度比で20.3%減少というような結果が出ているところでございます。
 こちら、昨年度の専門委員会でも議論させていただきましたけれども、2020年度は新型コロナの影響が大きく出ていたというところではございますけれども、それの揺り戻しが見えているということなのかなと考えているところでございます。
 次のページをお願いいたします。こちら、排出量等を部門別に示した表でございます。黄色い部分が2021年度の最新の実績というところになってございます。この表で部門別に分解いたしますと、やはり目立つところとしましては、産業と業務、あるいは運輸について、若干排出量が増加しているというところが分かる一方で、家庭部門については、排出量が昨年度と比べて減少しているというところは見てとれます。先ほども申し上げましたとおり、間違いなく新型コロナから、いわゆる、巣籠もり需要ということからのリバウンドみたいなところが、如実に表れているのかなというふうに考えているところでございます。
 また、右から二つ目の列に、ABCD評価、後ほど詳細ご説明いたしますけれども、環境省施策のフォローアップの進捗状況について、併記させていただいているところでございます。こちら、以降のページで詳細ご説明させていただきます。
 次のページをお願いいたします。こちらもおさらいというところでございますけれども、毎年、A、B、C、D、E評価の5段階の評価を、それぞれの個別対策・施策について実施しているところでございます。
 Aは2030年度の目標水準を既に上回っているもの。Bはこのまま続ければ2030年度に目標水準を上回ると考えられるもの。Cが2030年度の目標水準と同等のもの。すなわちA、B、Cは同等以上、同等もしくはそれ以上、順調に進んでいるものでございます。その一方で、Dはこのままだと目標水準を下回るもの。Eはそもそも、定量的データが得られていないものというふうになってございまして、D、Eは進捗が好ましくないというふうに評価されるものでございます。
 次のページ、お願いいたします。環境省取りまとめの対策・施策について進捗状況を行った結果は、A評価のものが1件、B評価のものが4件、C評価のものが16件、D評価のものが8件、E評価のものが1件というふうになっているところでございます。
 順調に取組が進んでいる対策・施策は21件、追加的な取組が必要だと考えられる対策は8件というところでございます。
 その部門別のA、B、C、D、E評価の内訳を下の円グラフで示させていただいているところでございます。以降のページで詳細をご説明させていただきます。
 こちら産業部門でございます。産業部門で、環境省だけ、1点だけ施策を所管しているところでございまして、こちら、燃料転換の推進というところがございます。こちら、C評価というふうになっているところでございます。
 次のページ、お願いいたします。こちら、業務部門でございます。A評価が1点、B評価が2点、C評価が4点、D評価が1点というところでございますけれども、例えば、Aのプラスチック容器包装の分別、リサイクル推進であるとか、Bの廃棄物処理業における燃料製造・省エネ対策と、産廃処理施設における廃棄物発電の導入など、いわゆる廃棄物関連の施策が、比較的順調に進んでいるというようなところが見てとれます。
 唯一、D評価というふうになっているものが、ウォームビズというところでございまして、この1点のみがD評価というところでございます。
 次のページ、お願いいたします。次は家庭部門でございます。家庭部門はB評価が1点、これは食品ロスの削減、C評価のものが1点、こちらいずれも浄化槽関係の対策でございます。
 その一方でD評価となっているものが3点ございまして、クールビズ、ウォームビズ、あと、家庭エコ診断、この3点がD評価というふうになっているところでございます。
 その次、お願いいたします。次は運輸部門でございます。運輸部門はかなり順調で意外と評価が上がっているというところでございまして、エコドライブがB評価、カーシェアリングがC評価というところで、いずれも予定どおり及びそれ以上に進んでいるというようなところでございます。
 次、お願いいたします。最後、エネルギー起源CO₂以外の対策・施策でございます。こちらは、C評価の部分6点ございまして、ノンフロン・低GWP化の推進、あと、廃プラのリサイクル、これらフロン関係の自主的な取組の推進、廃油リサイクル、廃棄物最終処分量の削減、あと、準好気性埋立構造、こちらC評価でありますけれども、ちょっとこちらは、他のところに比べて、Dのところが多くなってございまして、D評価につきましては、フロン類の回収の促進、バイオプラの普及、廃家庭用エアコンのフロン類の回収、あと、産廃処分場の準好気性埋立構造の採用、こちら4点がD評価、唯一、E評価になっているものがございまして、業務用冷凍空調機器の使用時におけるフロン類の漏えい防止、これはちょっと、唯一、E評価となっているというようなところでございます。
 以降のスライドは、先ほど、A、B、C、D、E評価のバックデータということになってございますので、詳細は割愛させていただきますので、後ほどご覧いただければというふうに考えてございます。
 資料2の説明は以上でございます。
 資料3も、さらに細かい、詳細のデータでございます。先ほど申し上げました排出量の、今回、A、B、C、D、E評価のデータのほか、環境省においてどういう対策、施策を行っているかということを記載させていただいているものでございますので、私からの説明は割愛させていただきます。
 私からの説明は以上でございます。
 
下田委員長
 はい。ありがとうございました。
 それでは、続きまして、資料の4につきまして、関係の課室から説明に入ります。
 説明の順番ですが、廃棄物関連、2番目、脱炭素型ライフスタイルへの転換、3番目が代替フロン等4ガス、4番目が二国間クレジット制度、5番目が地域脱炭素ロードマップ関連、6番目が再生可能エネルギー・省エネルギー関連、この順番でそれぞれ説明をお願いします。
 それでは、1番目、廃棄物関連から順に説明をお願いします。
 
廃棄物適正処理推進課廃棄物処理システム脱炭素係長(北垣)
 廃棄物関連でございます。まず、廃棄物適正処理推進課から説明させていただきます。
廃棄物分野の取組ということで、1ページ目でございまして、自治体の一般廃棄物処理施設から生み出されるエネルギーを利活用していくような取組を、これまでから支援、推進しております。
 具体的には、自治体が整備する廃棄物処理施設から、周辺地域に電気や熱を送る、エネルギーを送るといった施設整備の費用を支援しているところでございます。
 また、温暖化対策に資するようなごみ処理施設の技術的な課題の解決に向けて、モデル事業、実証事業を行っております。
 続いて2ページ目でございますけども、上のグラフでは、一般廃棄物処理施設でのごみの焼却量の推移を示しております。令和3年度で約3,300万トンと徐々に減少しているところでございます。
 また、下のグラフですけども、ごみ処理施設の集約化、ごみ処理の広域化が進んできておりまして、焼却施設数が令和3年度で1,028施設となっております。24時間稼働の施設の数も、全体に対しての割合が徐々に増えてきておりまして、ごみ焼却炉の燃焼の高度化ということで、温室効果ガスの削減にも寄与しているところでございます。
 私からは以上でございます。
 
廃棄物規制課課長補佐(切川)
 続きまして、廃棄物規制課からのご説明をさせていただきます。
 予算は、廃棄物処理×脱炭素化によるマルチベネフィット達成促進事業というものになってございまして、事業内容が2ポツに記載されておりますけれども、(1)の①に記載の廃棄物の熱回収設備については、単純焼却ではなくて、熱回収をしていこうということで、発電設備つきの焼却炉に補助をしてございます。
 また、②廃棄物から燃料を製造する設備については、主にRPFの製造設備に対する補助ということで、「及び」に記載がありますけれども、廃棄物燃料を受け入れる設備と、セメント焼成キルンにフラフを燃料として利用するという導入設備への補助を行ってございます。
 (2)のPCB廃棄物の対応ということですけども、脱炭素と組み合わせるということで、PCB使用照明機器のLED化ということも支援してございまして、調査と設備に対する補助を行ってございます。
 いずれの事業につきましても、単純な脱炭素というだけではなくて、地域活性化だとか、災害廃棄物への対応、これを要件とするということで、マルチベネフィットを達成し、地域循環共生圏の構築を促進する事業となってございます。
 説明は以上になります。
 
リサイクル推進室室長補佐(彦坂)
 この6ページ目について、リサイクル推進室からご説明をさせていただきます。
 バイオマスプラスチック類の普及のための施策として、環境省において、従来の化石由来の素材の代替となるバイオマスプラスチックの実証、設備導入の支援を実施しております。
 資料の左側については、省CO₂型のバイオマスプラスチックの転換社会実装の実証事業を実施しております。
 また、右側については、こちらも省CO₂型のバイオマスプラスチックの製造設備等の補助事業を実施しております。この二つの事業によって、企業の取組を後押ししています。
 令和4年4月にプラスチック資源循環法も施行されたところでございまして、それも通じて引き続き、これらの取組を実施してまいりたいと考えております。
 以上です。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 では、次、ライフ室からお願いいたします。
 
脱炭素ライフスタイル推進室室長(井上)
 脱炭素ライフスタイル推進室室長の井上でございます。
 次のスライドに行っていただけますでしょうか。脱炭素型ライフスタイルへの転換というところでございます。
 2021年度、2か年、前の取組のご紹介でございますけれども、この5月からクールビズ、スタートいたしますが、そういったクールビズ、ウォームビズみたいなクールチョイスという取組を、推進をしてまいりました。
 次のスライド、お願いいたします。さらに、2年前の2020年度におきましては、CO₂の見える化、こういったところで算定・表示といったものの支援でありますとか、真ん中にございますような、ナッジ、気づきを与えて行動を促していくような、そういった実証事業というものを実証し、昨年度から、ナッジとデジタルというものを掛け合わせたような大規模事業というものに着手をしてございます。
 さらに、ポイントを活用することで消費者の行動を促すようなグリーンライフポイントという事業を、昨年度、100億円くらいの予算を確保して実施をしたところでございます。
 さらに全般的な取組については、ゼロカーボンアクション30という取組の指針みたいなものをまとめたというのが、経緯でございます。
 最後のスライド、次のスライド10に行っていただきますと、大きく、今回、脱炭素というところで、温暖化対策から大きくシフトチェンジしておりますので、昨年の10月に、脱炭素につながるような豊かな暮らしを創る国民運動という、ちょっと長い名前なんですけれども、こういった暮らしづくりそのものについての取組というものを、右下にございますような、企業、自治体、団体の皆さんと一緒になって進めていく官民連携協議会というものも新しくつくりながら、取組を進めてきているところでございます。現時点、この官民協議会、会員数が600の数を超えてございまして、そういったところと連携をしながら、取組を進めているところでございます。
 脱炭素室からのライフスタイル転換の、今、足元の取組も含めて、ご説明、以上でございます。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 次、フロン室、お願いいたします。
 
フロン対策室室長(豊住)
 はい。フロン対策室長の豊住でございます。
 代替フロン等4ガスですけれども、主たる排出を占めますのは、代替フロン、HFCとなっておりまして、この対策について中心にご説明を申し上げます。
 次のページ、お願いいたします。HFCの排出の多くを占めるのは冷媒用途となっておりまして、温暖化対策計画におきましては、こちらについて主に各対策、評価指標というのが設定をされているところでございます。HFCの排出の多くを占めますのは、業務用の冷凍空調機器の冷媒由来となっておりまして、この排出につきましては、オゾン層保護法及びフロン排出抑制法によりまして、フロン類の製造、輸入から廃棄時の回収に至る、上流から下流までのライフサイクル全体についての対策が講じられているところでございます。上流側の規制に関しましては、経済産業省にて施策が講じられておりますけれども、本日は時間の都合上、まとめて、私よりご説明を申し上げます。
 上流側が製品製造分野におけますノンフロン、低GWP化の推進につきましては、2016年に合意されましたモントリオール議定書キガリ改正を受けまして、オゾン層保護法に基づいて、左上の図のように、2019年から生産量、消費量の段階的削減が開始をされております。水色の棒グラフはフロン類の出荷実績とはなっておりまして、議定書の削減義務も達成し、かつ、赤い点線で示しております、フロン排出抑制法に基づく使用の見通しも下回るという運用がなされてございます。
 また、フロン類の使用の合理化を推進するために、相当量のフロン類が使用されている製品につきましては、環境影響度低減の目標値、それから目標年度を定めまして、製造業者ごとに達成を求める指定製品制度を実施いたしてございます。2022年3月には、左下に示す表のとおりに、新たに6製品について、目標値、目標年度を設定いたしまして、現在、20区分の目標値、目標年度が設定をされてございます。
 製造事業者等の取組状況につきましては、毎年、経済産業省の審議会にてフォローアップが行われております。
 次に、中流側ですけれども、業務用冷凍空調機器の使用時におけますフロン類の漏えい防止につきましては、フロン排出抑制法に基づいて、機器の管理者に対応して、漏えい防止対策をやっているところでございます。令和4年8月に関係告示を改正いたしまして、漏えい、または故障等を常時監視するシステムを用いて監視をすることで、3か月ごとに義務づけられている簡易点検に代えることができるとする措置を講じてございます。
 今後、デジタル技術を活用したシステムの導入によりまして、漏えいの防止、早期発見につながるということに期待されております。なお、昨年度に引き続きまして、その効果については、定量的に把握をすべく、調査を継続しているというところでございます。
 次のページをお願いいたします。また、現在、経済産業省及び環境省では、役割分担の下で、次世代冷媒技術の開発、それから、自然冷媒機器導入の推進を行っておりますので、こちらのスライドでご紹介をさせていただきます。
 次のページ、お願いいたします。業務用冷凍空調機器の廃棄時の回収対策でございますが、これを強化いたしました改正フロン法を2020年4月に施行してございます。都道府県によります立入検査や実施調査の件数の合計ですけれども、左側の図のように増加傾向にございまして、昨年11月には、右側に写真をお示しさせていただいてございますけれども、警視庁はフロン排出抑制法規制違反で、引取等実施者を逮捕、管理者等を書類送検したということを公表いたしております。元年改正法の規定の初の適用事例ということで、西村環境大臣の談話を発表いたしますとともに、都道府県に対しましては、研修会での情報共有ですとか、専門派遣等を行って、法の施行の支援を行っているところでございます。
 また、右下の図でございますけれども、回収作業時のフロンの取り残しに関する技術的要因の対策を取りまとめて、充塡回収業者向けの手引きといたしまして、「ビル用マルチエアコンからの確実なフロン類回収のためのガイドブック」、こちらを作成して、公表したところでございます。
 以上のような取組を実施してございますが、真ん中の図でございますけれども、最新の2021年度の廃棄時改修率は40%となっており、
 温暖化対策計画に掲げます2030年の対策指標の達成に向けましては、一層の周知、取組強化が必要と考えているところでございます。
 このほかに、産業界における排出抑制にかかる自主的な取組促進に関しましては、その取組状況を経済産業省の審議会において、毎年フォローアップしているところでございます。
 次に、家電リサイクル法につきまして、リサイクル推進室からお願いいたします。
 
リサイクル推進室室長補佐(金井)
 では、続きまして、リサイクル推進室より、廃家庭用エアコンのフロン類の回収・適正処理について、状況をご説明いたします。
 家電リサイクル法は、いわゆる家電4品目のリサイクルを推進するための法律です。令和4年6月に中央環境審議会から意見具申が行われておりますが、その中でもエアコンの回収率向上は、大きな課題の一つとして指摘をされております。
 製造業者等の指定引取場所における引取台数の推移、また、回収率の推移のグラフをお示ししておりますが、家電4品目全体で言うと、法律が着実に施行されている一方、資料右下にあるように、廃家庭用エアコンの回収率向上が課題となっております。
 その対策については、違法回収業者やヤード業者等の実態把握を踏まえた効果的な対策の実施・検討、また、ホテルや賃貸住宅等を含む排出事業者や消費者への普及啓発等に重点的に取り組むこととしており、昨年度から検討会を設置して、その具体策を検討しているところでございます。
 以上でございます。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 次、インフラ参事官室、お願いいたします。
 
国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室参事官(水谷)
 地球環境局で参事官をしております水谷と申します。
 17ページをお願いします。二国間クレジット制度、JCMでございますけれども、途上国等に優れた脱炭素技術を普及、導入して、対策を実施することで、我が国、それから途上国双方のNDCの達成に貢献するというものでございます。途上国の脱炭素移行、それから、我が国の脱炭素技術の海外展開にもつながるものでございます。
 JCMのパートナー国でございますけれども、概要の二つ目になりますが、2025年目途に30か国程度とされているところでございますが、この1年足らずで、9か国を新たに追加いたしまして、現在26か国というふうになってございます。下の米の2行目のセネガル以降が、昨年から以降、署名した国というふうになります。
 それから、JCMに関しては、温対計画との関係では、このスライドの一番下のところに書いておりますけれども、NDCの達成に活用するため、官民連携で2030年までに、累積で1億トン程度を国内外排出削減、吸収量で目指すということになってございます。
 行ったり来たりで恐縮ですけれども、概要の1ポツの二つ目のポツに戻りますが、2021年までの採択案件の見込み累積削減量が約1,800万トン、2022年度までの採択案件まで含めますと2,000万トン以上ということになっております。1億トンという目標に対しては、順調に推移しているものというふうに考えております。
 次、20ページをお願いします。先ほどの1億トン目標でございますけれども、環境省ですとか経産省が出している資金支援による案件化に加えまして、いわゆる、そうした公的支援なしに、民間資金を中心とした、いわゆる、民間JCMというものも併せて考えるということになってございます。民間のほうでも、JCMクレジットの活用への関心も高まっているというところでございます。そうした中で、今年3月になりますが、スライドの下のほうになりますけれども、「民間資金を中心とするJCMプロジェクトの組成ガイダンス」というものを策定してございます。こちら、経産省、環境省で中心となって策定したものでございます。詳細は割愛させていただきますけれども、パートナー国と調整中のプロジェクトにつきまして、プロジェクトの内容を簡単に記した、PINと呼ばれるプロジェクトアイデアノートというものを事前にお見せしながら、2国間の合同委員会での確認というか、承認を得るというような手続を含むものをご提示しているということでございます。今後、このガイダンスの普及を進めてまいりたいというふうに考えております。
 こうした公的支援、それから民間資金を中心とするJCMプロジェクトを中心として、2030年までの累積1億トンという目標に向けて、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 地域グループ、お願いいたします。
 
地域政策課課長補佐(三田)
 地域政策課の三田でございます。地域脱炭素ロードマップ関連についてご説明させていただきたいと思います。
 次のページ、お願いします。左の図にあります地域脱炭素ロードマップ対策・施策の全体像にありますとおり、2025年度までに、少なくとも100か所の脱炭素先行地域の計画を立てて、2030年度までに実行をする。また、全国で脱炭素の基盤となる技術について重点対策を実施ということです。この二つの柱を中心に、様々な施策・対策のロードマップとして取組を進めているというところでございまして、2021年度の進捗としましては、令和4年1月から第1回の脱炭素先行地域の募集を行ったということでございます。ちょうど本日、第3回の結果が公表されておりまして、現時点では62地域の脱炭素先行地域を選定済ということになってございますので、参考までにお知らせいたします。
 あと、この募集の際に、脱炭素先行地域づくりのガイドブック、さらに、脱炭素を地域で面的に進めるために、様々な分野の脱炭素の取組が必要でございますので、地域脱炭素の取組に対する関係府省庁の主な支援ツール、枠組みを公表しているところでございます。
 また、脱炭素先行地域をはじめ、事業、先ほどご説明した重点対策を含めて、脱炭素事業に取り組む地方自治体等に、複数年度にわたって継続的かつ包括的に支援するスキームとして、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を創設するために、2022年度の当初予算200億円を計上したということでございます。
 次のページ、お願いします。また、地域の実施体制構築と国の積極支援のメカニズム構築ということで、地域に対して、地方環境事務所をはじめとして、国の地方支分部局が連携して支援を行っているというところでございまして、2021年度の進捗としましては、人材につきまして、地域での再エネ導入計画、視察等を行う支援を34地域において提供しております。また、地域のエネルギー主体を構築支援するためのオンラインセミナーの開催をしておりまして、約680名が受講しています。その他、内閣府との連携としまして、地方創生人材支援制度の中で、グリーン分野を新設等されておるというところでございます。
 また、情報・技術支援につきましては、再生可能エネルギーの導入ポテンシャル情報を提供しており、REPOSと呼んでおりますけれども、このシステムの改修等を行ってございます。
 また、資金支援でございます。先ほど説明した交付金に加えて、脱炭素の様々な取組に投融資、資金供給を行う官民ファンド、株式会社脱炭素化支援機構の設立に向けて、法案を提出等準備を行ったというところでございます。これは2021年度の進捗でございます。
 以上でございます。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 地球温暖化対策課、お願いします。
 
地球温暖化対策課課長(井上)
 はい。地球温暖化対策課長の井上でございます。続きまして、再生可能エネルギー・省エネルギー施策につきまして、ご説明をさせていただきます。
 27ページをお願いいたします。2030年度温室効果ガス削減目標、2030年度の全電源に占める再エネ比率36から38%を実現するため、環境省として、二つ目のポツにありますとおり、再エネ横断的な取組として、自治体関与による地域共生・裨益型再エネを推進しております。
 また、個別には、2030年度の再エネ導入拡大には、設置までのリードタイムが短い太陽光発電の導入拡大が不可欠であります。環境省として、国、地方公共団体における公共施設での率先実行、民間企業におきます自家消費型太陽光を促進しておるところでございます。さらには、風力発電促進のためのアセスメント制度の最適化について検討を詰めるほか、地熱開発加速化や廃棄物発電の導入についても取り組んでいるところでございます。
 以降、それぞれにつきまして、簡単にご説明をいたします。
 28ページでございますが、まず、自治体関与による地域共生・裨益型再エネについてでございます。ページがちょっと前後して恐縮ですが、36ページをご覧いただければと思います。地域共生型の再エネの導入につきまして、まず、大きなスタンスをご説明させていただきます。地域資源であります再エネの最大限の導入のためには、地域における合意形成が図られ、環境に適正に配慮し、地域経済や防災などの環境に貢献する地域共生型の再エネを増やすことが重要だと考えております。このため、左側の箱に記載していますとおり、環境省においては、温対法に基づく、地域脱炭素化促進事業、脱炭素先行地域などの取組を進めております。一方で、右の箱に記載しているとおり、環境アセスメント制度により、環境への適正な配慮とパブリックコンサルテーションを確保し、不十分な事業に対しては厳しく対応するということとしております。
 これを踏まえまして、個別策についてご説明をさせていただきます。
 また、戻っていただきまして、29ページをご覧ください。ありがとうございます。
 先ほどご説明がございました脱炭素先行地域でございますが、昨年度以降、既に3回公募を実施しておるところでございます。
 30ページをお願いいたします。脱炭素先行地域の選定状況でございますが、先ほどお話ありましたとおり、本日、第3回公募に対する選定結果が公表されておりまして、新たに16提案を選定したということになります。今回の選定も含めまして、これまで、トータル62提案を選定したということになります。
 31ページをご覧いただければと思います。これも、先ほど、ご説明ありましたとおりですが、こうした地域脱炭素を実現するための支援パッケージとして、昨年度におきまして、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金、そういったものを創設したところでございます。詳細は先ほどご説明ありましたので、省略させていただきます。
 飛びまして、33ページ、お願いいたします。次に、温対法に基づきます地域脱炭素化促進事業制度についてでございます。令和3年通常国会におきまして、温対法を改正し新設された制度でございますが、これは、国や都道府県が定める環境配慮の基準に基づきまして、市町村が、再エネ促進区域や再エネ事業に求める環境保全・地域貢献の取組を、自らの地方公共団体実行計画に位置づけまして、適合する事業計画を認定するという仕組みでございます。昨年4月から施行ということで動いておるところでございます。
 34ページをお願いいたします。今年4月現在の促進区域の設定状況でございますが、9市町村が促進区域を設定しております。現時点では、ご覧いただければ分かりますとおり、再エネの種類は太陽光、区域は公共施設の屋根や公有地が中心となっておりますが、環境省におきましては、促進区域のゾーニングについても、別途支援を行っておりまして、今後、そうしたゾーニングに基づく促進区域を増やしていきたいというふうに考えているところでございます。
 ページ飛びますが、37ページをお願いいたします。これまで申し上げた施策も含めまして、地域共生型再エネをさらに推進するため、ここにあります、「地域脱炭素を推進するための地方公共団体実行計画制度等に関する検討会」を立ち上げ、昨日になりますが、第1回会議を開催させていただきました。
 ページ、飛びますが、39ページをお願いいたします。次に、再エネの種類ごとの具体的な施策につきましてご説明をいたします。
 まず太陽光でございます。40ページをお願いいたします。政府実行計画でございますが、令和3年10月に改訂を行いました。その内容ですが、上の四角囲みの二つ目のポツでございますが、2030年度までに2013年度比で50%削減することを目標とし、その実現のための施策の一つとしまして、真ん中左にございますが、設置可能な政府保有の建築物、敷地も含みますが、約50%以上に太陽光発電設備を設置することを目指すということとしております。
 41ページをお願いいたします。この太陽光発電につきまして、まずは各府省に対しまして、政府保有の全ての建築物について新規設置の可能性を調査したところでございます。書いておりますとおり、新規導入のポテンシャルは1万3,272件、容量ベースで610メガワットでございました。単純に考えますと、この50%以上につきまして、太陽光発電設備を設置するということとなります。今後は、各府省等で2030年度目標に向けた太陽光発電に関する整備計画を策定いただき、さらに導入を進めていくということとしております。
 42ページをご覧いただければと思います。地方公共団体につきましても、ここにありますとおり、地球温暖化対策計画におきまして、政府実行計画に準じて取組を行うことが求められておるというところでございます。
 43ページをお願いいたします。地方公共団体の公共施設におけます太陽光発電の設置実績でございますが、建築物の数では約3万件、容量ベースでは761メガワットでございます。現在、国同様、新規導入ポテンシャルにつきまして、調査、整理を行っているところでございます。
 44ページをお願いいたします。続きまして、自家消費型の太陽光発電につきまして、環境省では、ここにありますとおり、PPAやリースなど、初期費用ゼロで太陽光発を導入できる仕組みの支援を行っているところでございます。
 45ページをお願いいたします。その実績ということでございますが、四角囲みにありますとおり、屋根太陽光と駐車場太陽光合わせまして、令和3年度、令和4年度ともに、約200メガワット分につきまして、採択をしておるということでございます。
 46ページをお願いいたします。続きまして、風力・地熱・廃棄物発電につきまして、簡単ではございますがご説明をさせていただきます。
 47ページをお願いいたします。風力発電につきましては、ここにありますとおり、地球温暖化対策計画に基づきまして、下にありますとおり、陸上、洋上風力それぞれの特性に応じ、環境配慮を効果的・効率的に確保できるよう、陸上についてはより適正な立地、手続の合理化を図る観点での制度設計、洋上風力につきましては、環境省がアセスの一部を実施するセントラル方式の導入を含めまして、風力発電に係る環境アセスメントと制度の見直し、そういったものを進めていく方針でございます。
 ページ飛びまして、49ページをご覧いただければと思います。続きまして、地熱発電についてでございますが、2021年4月に策定しました地熱開発加速化プランに基づき、下の図にありますとおり、自然公園法、温泉法等の運用の見直しを行いました。例えば、自然公園法に関しましては、従来、国立国定公園の第2種、第3種特別地域内における開発は原則認めないという方針だったものを、小規模な地産地消型の地熱開発や、自然環境との調和が図られた優良事例については、積極的に認める方針に転換をしております。さらには、温泉事業者等の地域の不安や自然環境への支障を解消するため、昨年度から、全国各地の地熱開発地域での温泉モニタリング事業等を実施しております。あわせまして、地域における合意形成等の伴走支援のため、地方環境事務所に地熱専門の担当官の配置も進めておるところでございます。
 ページ飛びますが、51ページをご覧いただければと思います。先ほど冒頭説明がありましたが、廃棄物発電につきましては、四角に書いていますとおり、広域化・集約化が進み、ごみ焼却施設は減少しておりますが、廃棄物発電を行う施設数は増加しております。下に例示で挙げておりますとおり、鹿児島市や熊本市のように、廃棄物処理施設が地域のエネルギー供給センターとしての役割を果たしているところも増えてきておると認識しているところでございます。
 ページ飛びまして、53ページをご覧いただければと思います。そのほか、関連する施策としまして、昨年の通常国会におきまして温対法を改正し、脱炭素に資する多様な事業への投融資を行う官民ファンドとして、新たに「株式会社脱炭素化支援機構」設立しておるところでございます。
 54ページをご覧いただければと思いますが、まだ立ち上がったばかりでございますので、支援実績としては3件ということになりますが、支援の相談も多数寄せられていると聞いております。脱炭素に必要な資金を供給してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 55ページをお願いいたします。また、2030年代後半に排出の増加が見込まれます、太陽光パネルをはじめとします再エネ発電設備のリサイクル・適正処理に関する対応の強化に向けまして、制度的対応も含めまして、具体的な方策について検討することを目的に、環境省、経済産業省が共同事務局の有識者検討会が立ち上がっております。今月の24日に第1回会合を開催しておるところでございます。
 続きまして、56ページをお願いいたします。最後に、省エネ、とりわけ住宅・建築物の脱炭素化について触れさせていただきます。
 57ページをお願いいたします。環境省におきましては、戸建住宅、集合住宅の省エネ、省CO₂、高断熱化を支援しております。これまでの支援実績でございますが、下にありますとおり、令和3年度になりますが、戸建住宅では約6,900戸、集合住宅で約3,700戸と、ZEH全体の約10%に当たる補助実績がございます。
 58ページをお願いいたします。次に、ZEBについてでございますが、災害時の活動拠点となる施設を中心としましたレジリエンス強化型と、それ以外の建築物に分けまして、レジリエンス強化型に補助率を高く設定するとともに、民間だけでなく、地方公共団体の施設も対象にしておるというのが特徴でございます。これまでの実績になりますが、下にありますとおり、令和3年度でございますが、新築・既築で合計54件を支援しておるということになります。
 59ページをお願いいたします。新築住宅につきましては、2025年度から建築省エネ法によりまして、省エネ基準が適用されることとなりますが、既存住宅につきましては、現状でございますが、約9割が省エネ基準を適合していないという状況にございます。一方で既存住宅につきましては、財産権などの問題もありまして、規制措置といった対応がなかなか取りにくいというのが現実でございます。そういった意味でも、既存住宅につきましては、補助、融資、税制措置などを活用しながら、省エネ、省CO₂対策を支援することとしております。住宅の省エネ対策としまして、令和4年度第二次補正予算におきまして、国土交通省、経済産業省、環境省の3省が連携しまして、リフォーム支援策を講じております。特に環境省におきましては、窓の断熱改修を担当しておるということになります。
 以上でございます。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 環境省からの説明は以上でございます。ありがとうございました。
 
下田委員長
 はい。ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明を踏まえまして、ご意見等を頂戴できればと思います。
 ご発言を希望の委員の方は、挙手ボタンをクリックしてください。ぜひ、幅広く委員やオブザーバーのご意見を頂戴しまして、議論を深めていきたいと思いますので、ぜひ、忌憚のないご意見いただければと思います。
 なお、ご発言、3分以内にまとめていただきますように、ご協力をお願いいたします。
 では、お願いします。いかがでしょうか。
 大塚委員、お願いします。
 
大塚委員
 最初に、ちょっと細かいことですがお話します。一つは、クールビズとかウォームビズに関して、必ずしも進捗がうまくいっていないようですが、これについては、対応については、どういうふうにお考えかということを、まず一つお伺いしておきたいと思います。
 それから二つ目ですけども、細かいことですが、フロンに関して、漏えいについてはEということになっているんですけども、漏えいに関しては、多分、なかなか定量化というのは難しいと思うので、ずっとEのままでいくんじゃないかという気もしますが、これについては、どういうふうにこれから考えていくかという、やや細かいことですが、気になるところですので、お伺いしたいと思います。
 それから第3点ですけど、JCMに関しては進展していて大変いいことだと思っていますけども、この26か国との間のクレジットの配分については、なかなか難しいことだと思いますが、日本との配分については、交渉はどんな状況になっているかとか、これからの打開策とかがあるかについて、教えていただければと思います。
 以上です。恐れ入ります。
 
下田委員長
 ありがとうございます。回答は、何名かいただいてから、まとめてさせていただきたいと思います。
 次に、増井委員、お願いします。
 
増井委員
 どうもご説明ありがとうございました。
 私からも何点かあるんですが、まず、2020年から2021年について産業の増加というのが、やや気になるところでして、昨年度行われたような、詳細な定量化についての分析というのが、今後行われるのかどうか、それを1点聞かせていただければと思います。
 2点目が、今回は環境省の所管といいますか、範囲の分析だったんですが、他の省庁も同じような評価というのを行っているのかどうか、その点もお聞かせいただければと思います。
 先ほど、大塚先生のほうからもご指摘がありましたが、ライフスタイルの転換がDということで、削減の寄与そのものとしては非常に小さいんですけれども、こういう結果を見せられますと、ある意味、意識に訴えかけることの限界というのもあるのかなということで、別途議論されております、カーボンプライシングとかいうような、そういう経済的なメリットを、やっぱり前面に押し出した、そういう施策への展開というのも必要になるのかなと考えますが、その点について、環境省のほうで検討されていることがあれば、教えていただければと思います。
 最後になるんですが、資料の11枚目のスライドで、プラ製容器の包装廃棄物のところにつきまして、分別収集量がCとして評価されているんですが、省エネと排出削減量はAになっているということで、その点の関係、結果の関係について、簡単で結構ですので、ご説明があればいいかなと思いました。
 以上になります。ありがとうございました。
 
下田委員長
 はい、ありがとうございました。
 続きまして、折茂委員で、その後、勢一委員、堀井委員の順番でお願いします。
 では、まず、折茂委員。
 
折茂委員
 まず、大変短い時間で、このように数値を取りまとめていただきましたこと、それから、皆様の取組について非常によく理解することができましたということで、まず感謝申し上げたいと思います。
 その上で、数字のところ、ちょうど2030年ということを見据えたときに、46%減ということを想定しますと、今、折り返し地点に来ているということかというふうに理解しております。そういった中で、マイナス20%というところが、どういうふうに見るのか。ここからマイナス26%していかなければいけないということだと思いますけれども、これを実現していくに当たって、幾つかの、これまでのところは、一定やりやすい、数字が出やすいところが寄与してこの数字になってきたかと思いますが、恐らく、道のりとしてはより厳しくなってくるんではないかというふうに理解してございます。
 そうしたときに、施策のA、B、C、D、E評価というところ、非常に分かりやすいなというふうに思う一方で、あとは、施策のインパクトと難易度、そういったものを組み合わせながら、2030年度のマイナス46%というところを、どのように数字を達成していくのか。施策の濃淡づけが必要な時期に来ているのではないかというようなところも、少し考えているところでございます。
 例えば、代替フロンの辺り、非常にインパクトが大きい。一方でC評価、D評価のところが多いもの、こういったところをどうアクセルを踏むのか、どうなのか、この辺りについて、今時点でお考えのところをお聞かせいただければというふうに考えております。
 以上です。
 
下田委員長
 ありがとうございます。
 勢一委員、お願いします。
 
勢一委員
 はい、ありがとうございます。勢一です。丁寧なご説明ありがとうございました。
 かなり多岐にわたる分野で、これを取りまとめてどう検討するかも、なかなか悩ましいのかなと思ったところです。
 私からは大きく2点、質問とコメントをさせていただければと思います。
 一つは廃棄物処理に関わるところです。資料4の5ページ、廃棄物処理のマルチベネフィットというところのご指摘、非常に重要だと思いました。一つの施策が複数の効果を発揮するという視点で狙っていく取組、今後、多様な分野で必要かなと思ったところです。
 そういう意味で、1ページ前の一般廃棄物の焼却炉の推移のところを見てみますと、これはどう理解するかとちょっと悩ましかったのですが、トレンドとして焼却量は減っていないように思われます。
 これまでリサイクルの取組、いろいろ進めてきているところですが、それでもやはり、この分野では3Rが十分進んでいないと見るべきなのか、あるいは、施設の高度化が、かえって焼却量を減らさないほうに作用しているのか。この辺りは廃棄物処理全体において、どのように評価すべきなのか、よろしければ分析を教えていただければと思います。
 別のところで、廃棄物の発電、廃棄物の焼却の発電施設が地域エネルギー供給を担うという、熊本の例などもご紹介いただいて、そういう点では、地域のレジリエンスの強化に活用する形でのマルチベネフィットもあり得ると思いますので、この辺り、ご説明を追加でお願いできればと思います。
 以上が1点目です。
 もう1点目は、私も家庭部門のところについてです。コロナの影響と、そのリバウンドはあるのですが、コロナの経験を経て、社会の働き方とか暮らし方は変わってきているはずです。この委員会もオンラインで開催しておりますし、こうした新しいライフスタイル、新たな視点からライフスタイルの変革を促すための取組という点では、現在の施策内容自体を再検討すべきステージに来ているのではないかと思っております。
 特に今お示しいただいているD評価の部分、この指標や取組は、今後もなお適切なのかという点も、要検討かと思います。クールチョイスで行動変容を促すことは重要だと思いますが、DX時代のライフスタイルに、これまでの取組が見合うのかどうか。クールビズ、ウォームビズを、このまま2030年まで同じような形で進めていくのかどうか。先ほどご指摘ありましたけれども、カーボンプライシングなど、より直接的なインセンティブに変更していく、移行させていくということもあり得るかもしれませんし、また、最近、注目されている地域脱炭素の一環として、国民への啓発の部分は、そこに組み込んでいって、住民の意識改革であるとか、脱炭素の必要性について地域で共有して、それを地域主体の取組を促す一つのツールにしていくこともできるのかもしれないと思いました。ポストコロナを契機に、施策の見直しであるとか、推進体制の再構築も選択肢かなと思ったところでございます。
 私からは以上です。
 
下田委員長
 はい。ありがとうございます。
 それでは、ここで、一度切らせていただきまして、事務局から回答させていただきたいと思います。堀井委員、恐れ入りますが、しばらくお待ちください。
 ではお願いします。
 
脱炭素社会移行推進室室長(伊藤)
 すみません、脱炭素室長の伊藤です。私から、まず全体的なフォローアップの仕方などについて、1回ご回答したいと思います。
 まず、増井委員からありました、全体のフォローアップのやり方ですが、前回、少しお示ししたところもありますけれども、計画のフォローアップは、農水、国交、あるいは経産、皆さんそれぞれの審議会でフォローアップなどをしている状況もありますので、一つは5月末ですね。経産省と合同で、農水省さんと国交省さんも入れて、フォローアップをするということを考えております。
 ただ、農水、国交については、それぞれでフォローアップをしているので、状況の報告という形にはなろうかなと思いますけれども、ただそこは、それぞれ各省の報告も聞いていただくということを考えております。
 その上で、6月末には温対本部での報告というのがありますので、増井委員がおっしゃった詳細な分析というのは、環境省施策のところは、また、前回と同じように、この後、8月くらいに、この専門委でやれたらということを、今想定しているというところであります。
 それから、大塚委員からありましたフロンの漏えいについての指標ですとか、あるいは、折茂委員からあったようなお話、あるいは勢一委員からもありました、まず、指標や施策の見直しというのは、現行、46%と温対計画のひもづけの中で、それを進捗確認しているという状況ですけれども、今後の指標とか施策の在り方というのは、引き続き考えていきたいというのが、現時点のお答えになります。その上で、フロンの漏えいのEというところも課題にはなっているので、今のところ回答はないですけれども、何かしらできることがあれば、考えていきたいというところであります。
 それから、折茂委員からあった濃淡づけのところは、基本的にはやっぱり、DとかEというところを、なるべくA、B、Cにいくというところが雑駁なご回答にはなるんですけれども、ここは、つかさつかさで政策をいろいろ考えていくというのが方向かなと思っております。
 取りあえず、以上です。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 個別のご質問があったかと思いますので、まず、ライフ室から何かございでしょうか。ご回答お願いできればと思います。
 
脱炭素ライフスタイル推進室室長(井上)
 はい。脱炭素ライフスタイル推進室井上でございます。種々のご指摘、誠にありがとうございます。
 まず、大塚先生からクールビズの関係で、ここのDの状況を踏まえて、今後の対応をどうしていくんだという、こういったお話ございました。ご説明の中で触れたように、新しい国民運動というのが、昨年10月からスタートしてございます。
 今年の5月からも、今年の5月1日から9月30日までをクールビズの実施期間としてございますが、先週、今月、大臣からも発表してもらいましたけれども、こちらも、かなりクールビズそのものは定着をしてまいりましたので、この期間というところは、この5月1日から9月30日というところで、これを毎年、この期間にしていきますということと、単にネクタイを外してというところだけではなくて、もう既に大きく、働き方、暮らし方、変わってございますので、TPOに応じた服装そのものを自由化していくというようなお話。さらにサステナブルファッションという新しいトレンドがございますので、こういったものをしっかり取り入れていただく。さらに、5月のタイミングは熱中症の対策も重要な時期でございますので、それと合わせ技で取組を進めていく、こういった単なるクールビズではなく、そこのタイミングを捉えた新年度のほうの取組というものを推し進めていくというような形の対応でございます。
 さらに、増井先生からも、こういったものを進めていくためのカーボンプライシングというお話もございました。こちら、ちょうど4月の中旬にG7札幌、気候関係エネルギーの会合もやってまいりましたが、その中でも、この家庭部門も含めた、いわゆる受容側対策、こちらについて、G7で初めて、そういった項目の中での重要性が明示されまして、その中でカーボンプライシングとか、プライスシグナルという言い方でございますが、こういったものを通じた行動変容というものも大変有効だということの確認もしてございます。
 そういったことも通じて、このG7、日本主導でございますが、この受容側対策というところでの行動変容とかこういったものを、しっかり強力に進めていきましょうと。そのためのG7のプラットフォームというのも作っていきましょうと、こういったところの合意もなされたところでございまして。
 そういった中で、プライスシグナル、経済的なインセンティブ、もしくは経済的じゃない社会的なインセンティブとか、リワードみたいなものも、デジタルも含めて様々なツールがございますので、こういったものを駆使して、いわゆる普及啓発というところから、社会実装、実践のほうにつなげていくというようなことを、先ほどご紹介した国民運動、官民協議会の600を超えるような主体の皆さんと一緒に、事業という形で進めていきたいなというふうに考えてございます。
 さらに、勢一先生からも、この時代に合ったようなライフスタイル転換ということで、施策そのものの見直しであるとか、指標の見直し、さらに、カーボンプライシングに加えて地域脱炭素、こういったところの中での全案の取組というものを進めていくべきじゃないかというご指摘、おっしゃるとおりだと思ってございます。
 まさに、施策そのものも、普及型から実践、実装型にという話と、これに応じて、今後の指標というところも、衣食住、移動、買物、様々な生活全局面で暮らしの見直しという、暮らしをよくしていくということですね。我慢するとか、制約するとかという温暖化対策ということではなく、そういった暮らしをよくしていくというところと脱炭素を両立させていく、こういったところにシフトしていく必要があると思ってございまして、それを進めていくためのプライスシグナルの話は、先ほど申し上げたとおりでございますが、今、多くの自治体、二百、三百の自治体の皆さんとも一緒にやってございますが、地域脱炭素の中で、いかにそれを市民、消費者のところに届かせていくか。これは実は、実際の悩み事でもあったりいたします。そういったところ、そこにつなげていくためのデジタルツール、DXという話も、今、企業の皆さんともちょっと検討を進めている話もございますので、そういったところも含めた施策というもので消費者にしっかり届かせて、この時代に合った、次の時代につなげていけるようなその施策というもので、背中を押していきたいと考えてございます。
 取り急ぎ、私からは以上でございます。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 フロン室、何かございますでしょうか。
 
フロン対策室室長(豊住)
 フロン対策室でございます。大塚委員、それから折茂委員から、フロン対策につきまして、ご質問をいただきました。
 まず、私のほうからは、折茂委員からいただきましたフロン排出につきまして、増加傾向にあって、C、Dも多くてということで、これからどうしていくんだというところについて、お話をさせていただければと思います。
 
やはり、まず代替フロンにつきましては、まず背景といたしまして、過去にオゾン層破壊物質である特定フロンからの転換ということで、この代替フロンの使用が増加してきたというところがございますので、そういった点でいいますと、現在、市場のストックとして、非常に多くの代替フロンが存在しております。
 したがって、その使用時の漏えい、そして廃棄時における排出といったものが増えてきたということでございますけれども、先ほど、ご説明を申し上げましたように、代替フロンにつきましては、生産と消費の削減というものが2019年から開始をされており、
この二つ前のスライドを見せていただければと思うんですけれども、このように削減が始まってまいりましたので、こちらがストックの減少に今後効いてくるということになりますので、今後、代替フロン排出の削減が実現されてくるというふうに考えてございます。また、2ページ後にしていただければと思いますけれども、ストックとしては、やはり代替フロン、まだまだたくさんあるわけでございますが、それを廃棄時に回収する、これはフロン排出抑制法に基づいてしっかりやっていかなければいけないわけですけれども、その現場は非常にたくさんございます。これを都道府県でしっかりと施行していただくわけでございます。例えば、東京都さんの例で……。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 すみません、手短にお願いします。
 
フロン対策室室長(豊住)
 すみません、申し訳ありません。
 任意の実地調査などもされているように、こういった取組によって都道府県の施行能力を上げていくということによって、しっかり、廃棄時においても、対策の効果を上げていきたいというふうに考えております。
 大塚委員からのご質問に関しましては、こちらに経済産業省さん、入っておられるかと思いますので、お願いできますでしょうか。
 
経済産業省オゾン層保護等推進室(児玉)
 経済産業省オゾン層保護等推進室の児玉と申します。では、手短に回答させていただきます。
 
大塚先生からご指摘いただきました業務用冷凍空調機器のフロンの漏えいについて、使用時漏えいについて、E評価の点についてですが、ご理解のとおり、なかなか実測というのは難しいため、推計するしかないと考えておりますが、その推計に使う使用時排出係数については、平成25年度のフロン法改正ですとか、先ほども豊住室長からご説明いただいた常時監視システムを簡易点検に代える制度ですとか、実態、制度も進みまして、管理者による点検がきちんと行われれば、実態的にその排出漏えい率も下がっているんじゃないかと考えられますので、より実態を踏まえた排出係数の見直しの検討を続けているところでございます。
 昨年度も、温室効果ガス排出量算定方法検討会の分科会でも、有識者の皆様を交えて議論を進めているところでして、今年度も行う予定なので、有識者の皆様からのこれまでいただいたご指摘も踏まえて、引き続き環境省とともに、きちんとした排出係数を設定して政策効果を反映できるように検討を進めていきたいと思っております。
 以上とさせていただきます。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 次、インフラ参事官室から、JCMのクレジット配分についてご回答いただけばと思います。
 
国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室参事官(水谷)
 はい。大塚先生のクレジット配分についてのご質問に対して回答させていただきます。
 基本的には、JCMで補助制度がございますけれども、その補助金の割合に応じて、日本側としてクレジットを取得するというのが基本的な考え方でございます。こうした考えにつきましては、JCMパートナー国を一同に集めた会合の場でもお伝えをしているところでございます。
 他方で、途上国としても目標達成に使うということで、いろいろお考えがあるというのは事実でございます。いずれにいたしましても、クレジット配分を含みます、様々なJCMに関連する手続について、今、各国とそれぞれ調整のほうを行っております。2021年のCOP26での6条ルールの合意というものを踏まえまして、そうした手続の修正等がありますので、それと併せて調整を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 次、リサイクル推進室から資料2の、増井委員からご指摘の資料2の11ページの評価の整合のところについて、何かご回答できることがあればお願いいたします。
 
リサイクル推進室室長補佐(彦坂)
 リサイクル推進室です。申し訳ありませんが、ご指摘の点については、確認の上、後日ご回答させていただきたいと思います。申し訳ありません。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 あとは、適正課でしょうか。勢一先生からのご質問の回答をお願いできればと思います。
 
廃棄物適正処理推進課廃棄物処理システム脱炭素係長(北垣)
 廃棄物適正処理推進課です。勢一委員の焼却施設の件ですけども、自治体のごみ焼却量が減るとともに、全体の施設数自体も減っておりまして、意味としては、8時間だけ稼働して止めたりするような小規模な施設が減って、ある程度の規模があり、連続的に稼働し、発電が行えるような、エネルギーを供給できるような焼却施設の数が、横ばい微増しているというような状況でございます。
 あとは、マルチベネフィットの件もすごく大事だと思っております。熊本市、鹿児島市の例も出させていただきましたが、自治体のごみ処理施設でも、多面的な価値の抄出と言いますか、地域のエネルギーセンターや、レジリエンスの強化、防災の拠点、あとは環境学習、教育の拠点などにも廃棄物処理施設を使っていただいていますので、そういった自治体の創意工夫の取組を、環境省としてもいろいろ支援をできたらというふうに思ってございます。
 以上でございます。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 一旦、事務局から、回答は以上です。
 
下田委員長
 ありがとうございました。
 それでは、また、委員からのご質疑に移ります。
 堀井委員ですね。その後、高村委員でお願いします。
 まず、堀井委員、お願いします。
 
堀井委員
 はい。堀井です。私のほうから、小さいことですけども、幾つかございます。
 まず、公共施設に太陽光パネルを設置して50%の目標をするというのは、非常にいいことだと思います。地方公共団体と話がありましたけれども、できれば、例えば、独立行政法人とか、なるべく広く広げていけばいいかなと思います。
 それに関して、ZEHとか、ZEBという話がありましたけど、国立の施設についても、太陽光による発電だけじゃなくて、断熱等によって失われるエネルギーというものもありますので、国立の施設、あるいは、地公体、あるいは独立行政法人におけるエネルギーの効率化を考えると、発電だけではなくて、断熱とか、あるいは窓の改良とかそういう方向も、一定の目標を定めて進めるのがいいのかなと思いました。
 現在、公募型で幾つか採択されているということですが、どれくらいの割合を断熱化するという目標があってもいいのかなというふうに思いました。
 2番目はライフスタイルについてですが、消費者の社会公正等を高めながらやっていくという考え方は、非常にいいと思いました。ウォームビズ、クールビズがあまり進んでいないということですが、温暖化に対する影響は、ウォームビズのほうが結構大きいわけですよね。
 ということは、恐らく、単に暖房温度の設定というだけではなくて、やはり建物の断熱化が進んでいないというのが結構大きな問題と思います。つまり、暖房温度の設定が目標通りに下げられないのは、断熱が悪いと壁際が寒いとかということもあると思うので、やはり建物の断熱化が非常に重要なのではと思いました。
 それから、ライフスタイル関連では、1時間の時間を創設するという非常に面白いスライドがありましたけれども、実現すれば非常にすばらしいと思うんです。どういう形で出てくるかというのがもう少し分かると、皆さんの支持も得やすいのかなと思いました。
 特に、以前も申し上げたんですけれども、テレワークで通勤の交通量が減ったり、あるいは通勤時間が減ったり、あるいは、地方居住でテレワークをされて、それで通勤時間が減ったりとかいう形で、環境の改善と時間の創出というのが両立すれば、非常にすばらしいのではないかなと思いました。
 次は地熱についてなんですけれども、地熱は、恐らくCO₂全体に対するインパクトというのはそれほど大きくはないというふうに理解していますので、今回もご説明ありましたように、環境とか温泉業者とうまく折り合いをつけていくというかが重要と思います。もちろん地熱を活用すること自体は、ある程度の意味はあるんですけど、それより、やはり日本が持つ国立公園とか自然環境を重視して慎重に進めていただいて、最終的には国立公園の利用者、あるいはそこで、例えば旅館とかされている方も含めて皆さん得をするような形で進めていただくのがいいのかなと思いました。
 最後、フロンについてなんですけれども、今回、結構ショッキングな写真がありまして、違法業者がフロンをたくさん捨てているような写真もありました。私は素人ですが、こういう業者に対して罰則がどれぐらいなのか、例えば、罰則最高50万円とか、結構限られた金額の罰則のようですが、それが本当に実効的なのでしょうか。
 取締りをすごく力をかけているということなんですけれども、業者としては、最悪捕まっても50万円ならリスクを冒してそういう不法なことをしてしまうかもしれません。もしそういうことあるのなら、罰則の強化も検討の視野に入れることもあり得るのか、その辺りをお聞きしたいと思います。
 以上です。
 
下田委員長
 ありがとうございました。
 では、次、高村委員、お願いします。
 
高村委員
 ありがとうございます。
 前回欠席しましたので、既に前回お話があったのかもしれないんですけれども、このタイミングの、特に今年、今年度のフォローアップって、極めて重要だというふうに思っています。というのは、2030年の目標、あるいは30年を超えた施策の、削減のための施策の作り込みという意味で、ここでしっかりフォローアップをして、その施策をさらにどう作り込んでいくか。効果が出てくる時間も考えると、このフォローアップ、特に今年度のフォローアップというのは、しっかりしていく必要があるというふうに思っています。
 既に委員の先生方からもお話が出ているわけですけど、フォローアップが、しっかり施策の課題、あるいは効果が出ていない施策があるとすると、その課題が何なのかという、課題の同定に結びつぐ必要があるというふうに思っていまして、今日、私もこの後ちょっと言いますけれども、やはり、何が課題で、どうやってそれに対処するのかというのを、ぜひ考えていただく、この会議を受けて、考えて検討いただきたいと思っています。これは1点目です。
 二つ目が、本日、2021年度の温室効果ガスの確報値をいただいたんですけれども、この、まだ発表されて直後だと思いますので、もし、どういうふうに分析をされているのかという点、もし、今の点であれば教えていただきたいと思います。まだ出たばかりなので、もしあれでしたら、次、ないしは、分析をぜひしていただいて、お示しいただきたいというふうに思っています。
 20年度はコロナの影響で、恐らく需要も縮減をして、排出量が減った。21年はむしろそのリカバリーといいましょうか、経済の復興で需要が増えたというのは一つの要因だと思うんですが、19年度の確報値と比較をしたときに、エネルギー起源のCO₂などは、確かに減っているんですけれども、今日、先生方からご指摘をいただいているところでいくと、フロン系は19年度よりも、残念ながら着実に増えているんですね。
 つまり、コロナの影響云々ではなく、恐らく施策のところに、一つのやはり大きな課題があるんだというふうに思っていまして、先ほどの課題の同定という意味でいくと、やはり、一つ検討していただくべき点ではないかと思います。
 3点目ですけれども、今日、環境省さん所管の施策のフォローアップをしていますが、今日のご報告を伺っても、そして、先ほど言いましたように、やはり、次の何が課題で、どうやって施策の効果を出すかという観点からいくと、明らかに、関係省庁間で、その課題にどうやって対処をするかという作りつけをしていただかないといけないんじゃないか。これはさっきのフロンがまさにそうだと思っていまして、下流と上流というあれで、ストックを、どうやって、できるだけ排出しないようにするかということと同時に、上流を絞っていかないと、排出は、恐らく下方に転じていかないという課題だと思います。
 したがって、それぞれ同定された課題に対して、関係省庁で、どうやってこれの施策の効果を上げるのかという議論につなげていただきたいというふうに思っています。実際はいろいろ工夫して、今、進めていただいていると思っていまして、再生可能エネルギーのところも、適正規律ですとか、地域共生型の再エネの検討、経産省さん、エネ庁さんと一緒にやっていらっしゃると思いますし、この間、住宅についてもそうだと思っています。
 ただ、その上で、先ほどのフロンに加えてぜひお願いしたいと思っている点が、一つはやっぱり、再生可能エネルギーです。今、進行中だと思いますけれども、20年度から21年度、20%、電源構成の20%を超えたというのはすごいことだと思う反面で、20年度から21年度の伸びというのは、0.4ポイントにとどまっていると思います。
 これは、やはり30年の目標との関係でも、これ、どうやって増やしていくかというのは、非常にやはり、重要な課題になっていると思っていまして、やはり、この点はもう一度、その観点から関係省庁間で、ソリューションといいましょうか、施策の効果を上げる方策というのを検討いただきたいと思います。
 フロンはさっき言いました。もう一つ、堀井委員がおっしゃった既築の住宅対策のところです。省エネ、それから同時に再生可能エネルギーの活用という観点からもです。
 最後、環境省さんの所管のところ、主な所管のところで二つです。質問でもあり、要望でもあるんですけど、これ、政府実行計画のほうの話ではあると思うんですが、本日資料にも若干書いてあったので。
 先ほどの再エネをさらに増やしていくというところの一つのやはりドライバーとして、政府自治体の電力調達がどうなっているか。これは、実態として、今なかなか、電力調達、厳しくなっているというふうにも聞いています。こちらのてこ入れが必要な政策分野だと思っておりますので、実態について、もし今、ご報告いただけるようなら教えていただきたい。課題と併せてね。
 二つ目はクレジットのところです。これ、JCMだけでなく、Jクレジットもそうなんですけれども、今回G7の環境大臣会合でも、質の高いカーボンマーケットというのをしっかり打ち出していただいて、大変よかったと思うんですが、これはやはり、CORSIA対応も含めて、環境社会配慮を織り込んだクレジットというのが、まさに欲しがられている、需要に応えるクレジット。それは同時に、クレジットというのは排出削減を促していくということだと思うものですから、いかにこのJクレジットとJCMを、質高の、場合によってはルール改正も含めてしていくかと、ここ、一つ課題だと思っていまして、これについて、もし、お答えがあればいただければと思います。
 以上です。
 
下田委員長
 はい。ありがとうございました。
 そのほか、オブザーバーの皆様等で何かご発言ございますでしょうか。
 インベントリオフィスの畠中さん、よろしくお願いします。
 
インベントリオフィス畠中氏
 ありがとうございます。
 今、高村委員のほうからもございましたけれども、この節目でのフォローアップが、今、非常に大事ということで、2030年に向けた方向づけ、方向性が正しいかということ、正しい道筋につけていくという意味において、大事な節目ということに同感です。
 私のほうから、ちょっと細かいところですけれども、資料、何人かの委員が既に触れられておりますけれども、資料2の9ページのところで、環境省さんの施策の中で、やはり規模感が大きいところはどこかなというふうに見ますと、やはりフロンの使用時の漏えいということと、あとは廃棄時のところ、それから、ガス製品製造分野におけるノンフロンであるとかの推進ということが、規模感でいうと大きいということで、そういう絶対量が、やはり、いろいろ施策や排出源がある中で、どこに注力していくかを考えたときには、やはり大きいところに注力していかれるのがよいのではないかと。
 環境省さんの施策部分に限らず、政府全体ということになるのかなと思うんですけれども。まず、そこが重要だと改めて思われるということです。
 あとは、結果ですね。削減の結果を、きちんと確認評価できるものに注力していくというのが大事かと考えております。やはり、定量化ができるとよいというのと、定量化できないものも、きちんと社会全体での脱炭素化を進めていくとか、また、脱炭素の我が事化といいますか、身近なものにしていくということを進めていく意味で、非常に重要だと思いますので。
 それが、さらには、より大きな脱炭素に強力に効いてくるような、インフラロックインとかを避けるための大きな意思決定とかをしていくための、社会全体での合意形成に役立っていったりもすると思いますので。
 絶対量が大きいところに注力していくということ、それから、結果を確認評価できるものを大切にしていくということ、定性的なものにも、それぞれきちんと着実に進めていくということが大事かなと思っております。
 それから、もう一つ、資料4なんですけれども、これはご説明、特にはなかったんですが、大事な点なので、少し、念のため注意喚起させていただきたいんですけども、93ページのところで、吸収量の絵が描いてある、もう1枚前ですかね。ありがとうございます。これのグラフなので、引用している吸収の数字が入ったものですけれども、これは、いわゆるNDCの文脈で使っている吸収量の値とは違うものになっておりますので、一応、資料化はされているので、注意喚起させていただきます。
 以上です。ありがとうございます。
 
下田委員長
 では、下田のほうから少し発言させていただきますが、資料2の9ページのフロンの問題ですね。4,000万トンぐらいあるんですけれども、オーナーが非常に重要な役割を示すということで、ビルオーナーが持っているエアコンと、それからコールドチェーンが持っている冷蔵機器の比率がどれくらいになっているか。どちらのほうのインパクトが大きいのかというのを、ちょっと分かれば、教えていただきたいと思います。
 それから、資料4で、私は10ページに書いていただいたような、こういう分かりやすいい絵を国民に共有するということがすごく大事だと思っています。これ、いろんな審議会とか、環境省の方の講演では拝見したことがあるんですけど、これ、どういうふうに実施されているのかというのを教えていただきたいのと、できれば、温対計画の中で、大体それぞれの普及率というのを見込んで数字をつくっているので、屋根置きの太陽電池だったら、戸建住宅の何割くらいに期待されているとか、そういう情報もあればいいなと思ったんですけれども。その辺についてご意見あれば教えてください。
 それから、これも出てきましたけども、41ページから42ページにかけての国の施設とか地方自治体の太陽光発電に関しては、ここは、かなりコントロールの効きやすいところだと思うので、地方自治体の実行計画だと、温室効果ガスの目標値というのは割とよく議論されているんですけれども、もう具体的にどれくらいの容量の太陽電池を、何年までにつけるという、定量的な目標まで言ったほうが、ここが動きやすいのかなというふうに思いました。
 それから、最後の57ページ辺りからのZEHとか住宅の省エネの話なんかもそうなんですけれども、やはり最後に評価されるのは温室効果ガスの排出量の削減ですので、こういう施策、新築、改築に対する施策がどれぐらい効果があったのかという、それぞれフォローアップできる、政策ごとにフォローアップできるようなことを、できれば考えていただければなと。この辺りは、例えば、家庭CO₂統計のようなものを充実させていくところで拾っていけるんじゃないかなというふうにも思いました。
 私からは以上でございます。
 それでは、事務局から、ただいまの質問に関しまして、回答していただきたいと思います。
 
脱炭素社会移行推進室室長(伊藤)
 脱炭素室の伊藤です。まず、私から全体の、特に、高村委員からございました2点、まず、要因分析のところですけれども、先週金曜日に確報値を出させていただいたところは、これまでと同じように、部門別とガス別を示したところまででございまして、冒頭、小福田からもありましたけど、いわゆる、産業、運輸が増えていて、家庭が下がっているというような結果ですが、要因分析については、次のフォローアップ専門委辺り、恐らく8月くらいかなと思いますけど、できるだけお示しできたらと思っております。
 それから、同じく高村委員からありました、課題の同定の必要性というところで、特に各省連携でどう効果を上げていくかというところでございますが、先ほど少し申し上げた、次の5月末の、経産省と合同の政府全体のフォローアップの中で、まずは関係省庁からプレゼンをいただくんですが、特に、できるだけ各省連携施策を中心に、プレゼンを今お願いしようとしているので、まさにおっしゃっていただいた効果をどう上げるかというところも含めて、ご意見を賜ればと思ってございます。
 取りあえず、私からは以上です。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 次、井上課長、お願いできますでしょうか。
 
地球温暖化対策課課長(井上)
 地球温暖化対策課長の井上でございます。
 様々な意見、ありがとうございます。
 まず、資料4でいきますと、40ページ辺りの政府実行計画のところに関してのご質問もございましたので、まとめてお答えします。
 堀井委員から地表地方公共団体のみならず、独立行政法人などに広げるべきではないかということでございます。これにつきましては説明しませんでしたが、地球温暖化対策計画、あと政府実行計画の細則を定める実施要領におきまして、各部署を所管する独立行政法人、特殊法人、国立大学法人に対しまして、この政府実行計画に準じた計画の策定及び、それに基づく取組を促すと、そういった取組状況を把握し、環境省が連携結果をまとめるというような整理になっておりますので、これについてもしっかりやってまいりたいと思っております。
 合わせまして、ZEH、ZEBにつきまして、あと、様々なものにつきまして目標みたいなもののご指摘がございました。40ページの真ん中右側でございますが、建築物というところで書いてございますが、今後予定します新築建築物の事業については、原則ZEB Oriented相当以上として、2030年度までには新築建築物の平均でZEB Ready相当となることを目指すとか、その下にLED照明100%とか、そういったことで、それぞれに目標を定めておるところでございます。こういったものにつきましても、環境省のほうで、そういった進捗をしっかり点検してまいりたいというふうに思っております。
 あと、委員長からありましたけれども、国・地方協団体、太陽光発電に関しましての計量的な目標ということでございますが、今回の地球温暖化対策計画、この裏打ちとなります、エネルギーミックスの積み上げの中で、国・地方公共団体における太陽光発電ということで、64GWという目標が実はございます。
 そういったこともありまして、41ページのところで件数だけではなくて、ポテンシャルということで、容量ベースで分析をしておるというのが、そういった趣旨でございます。
 実際、建物だけじゃなくて、特に地方公共団体の場合は上下水道、学校施設、様々余地があると思っておりますので、我々としてもしっかり、そこのところを進めてまいりたいと思っているところでございます。
 あと、高村先生のほうから再エネのところでございますが、2021年ということで20%を超えた。ただ、伸び率が低いということでございますが、各省連携ということでございますが、ちょうど今月の4日に再エネ水素の関係閣僚会議というものが開かれまして、再エネに関しまして、関係省庁での連携ということへのアクションプランというものを取りまとめたというところでございます。
 そこには供給側、需要側、さらにはペロブスカイトのような新しいもの、そういったものについて各省で連携していくような施策が盛り込まれておりますので、恐らくそれにつきまして、今後、各省連携しながらフォローアップをしていくということでございます。
 もう一方で、増えない原因の一つ大きいところはこういう、伸ばすところもありますが、もう一方で、高村先生ご案内のとおりでございます事業連係ということで、一部の方でございますが、やはり悪い方がいて、迷惑施設化というところがプレイアップされておる、そこが問題だと思っております。
 それに対しましても、昨年度の経済産業省、国土交通省、農林水産省、環境省のほうで、まさに事業連係ということで、各省連携でどういったことをやっていくかということを取りまとめております。そういったことについても、またフォローアップを含めてしっかりやっていくものだと思っております。
 最後になりますが、委員長のほうからZEH、ZEBのCO2の効果、定量的なものにつきましても、今後どういった形でフォローアップしていくかということは、関係省庁を含め検討してまいりたいと思います。
 あと、個別に地熱・放熱について、地熱、あと高村先生からありました地方公共団体の再エネの電力調達の話につきまして、それぞれ何かコメントをいただけるならば、自然局、あと地域グループのほうからそれぞれお願いしたいと思います。
 以上です。
 
温泉地保護利用推進室室長補佐(北橋)
よろしいでしょうか。自然局温泉室の北橋でございます。環境省の地熱加速化チームのリーダーもさせていただいております。
 地熱発電につきましては、堀井先生ご指摘のとおり、いわゆる大規模と言われるものも数万kwということで全国での再エネ比率に与えるインパクトはなかなか大きくないところはあるんですけども、一方でうまく活用できた場合では、その発電効率の高さ、あるいは熱利用も含めた地域への裨益という面で、非常に有望なエネルギーということもございます。
 自然との共生をうまく進めていくということは大前提でございますけれども、我々環境省としても、資料のページ77にゼロカーボンパークの資料も載っておりますけれども、国立公園内で利用者にもメリットがある、それから、国立公園を支えていただいている主要な利用拠点としての温泉地にもメリットのある再エネの導入というのを進めていきたいというふうに思っているところでございます。
 発電に限らず温泉熱の有効利用というのは、温泉地域の脱炭素に対して非常に重要な施策だと思っていますので、地域に寄り添って進めていきたいというふうに考えております。ありがとうございます。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 地域政策課、お願いします。
 
地域政策課課長補佐(三田)
高村先生からいただきました電力調達に関してでございます。
 地球温暖化対策推進法の施工状況調査で、再エネ電力調達を行っているの地方団体の状況も調査しておりまして、基礎自治体ベースで令和3年度は13.6%だったものが令和4年度は22.1%ということで、8.5%増えているという状況でございます。
 この再エネ電力調達に限った課題というものは調査しておりませんけれども、事務事業編の実行、推進に関しての課題ということで、一般論ではありますが、人員不足、専門的な知識不足、財源不足等々が挙げられているところでございまして、環境省としても、より実行を意識した計画のみならず、実行を意識した情報提供、支援をより強力に進めていきたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 ありがとうございます。
 では、フロン関係を手短にお願いできればと思います。
 
フロン対策室室長(豊住)
 
フロン対策室でございます。堀井委員、高中委員、畠中さん、下田委員長より、フロンに対してご意見・ご質問をいただきました。
 手短にというところでございますけれども、やはりフロンに関しましては、施策の効果が発揮されるまでにタイムラグがあるといったところがございますし、また、現在評価いただいている部分、施策効果の反映というところで少し時間は要しているといった状況がございます。
 そういったこともありつつも、やはり不断に施策の効果といったところを、しっかりと点検していくことが重要だと考えておりますので、いただきましたご指摘、しっかりと受け止めてまいりたいというふうに考えております。
 下田委員長からいただきましたフロンの排出におけます冷凍冷蔵と空調との割合というところで、手元にデータがございませんので、この辺りは少し確認をさせていただいて、後日、データをご提供できればというふうに考えております。
 以上でございます。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 脱炭素ライフスタイル推進室、手短にお願いできればと思います。
 
脱炭素ライフスタイル推進室室長(井上)
 ありがとうございます。堀井先生のほうから頂戴いたしました、ウォームビズ&クールビズの、特にウォームビズの断熱化の必要性のところはおっしゃるとおりだと思っています。そういったところは、補助金と合わせて住宅奨励のキャンペーンというものも実施をしてまいりますので、そういうことでしっかり国の対策というところを評価してまいりたいと思っております。
 さらに1時間、1日当たり24時間を25時間にという形で、時間創出のところは、まさにおっしゃっていただいたテレワークというのは、そのデジタルワークのほうの話が一つと、あと次世代自動車、こういったところは数値的には大きくなってございます。自動運転の話でございますね。
 というところでは、まさにデジタルを駆使してというところで、そのテレワーク、あとは、ワーケーション、地方移住、こういったところを自治体とも今は連携しながら、その取組を促してまいりますので、そういったことを企業、自治体をタイアップで進めていきたいと思っています。
 ありがとうございます。以上です。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 ありがとうございました。
 最後に、質の高い炭素カーボン等、水谷参事官から何かありましたらお願いいたします。
 
国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室参事官(水谷)
 はい、質の高い炭素市場の関係ですけれども、本件は6条ルール対応ということで、JCMにつきましては質の高いクレジットの実現ということを目指してやっているというところがございます。
 人権ですとか、ジェンダーですとか、SDGsといった環境社会ファイルということを盛り込んだ形で既に進めているところでございますし、またそういったことをパートナー国とのルール改正の中でも提案をしているところでございます。
 加えまして、環境省で指導してやっています6条実施パートナーシップの中でも質の高い炭素市場ということで能力構築等を進めていっているところでございます。
 以上でございます。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 ありがとうございました。環境省側の回答は以上でございました。ありがとうございました。
 
下田委員長
 ありがとうございました。一通りご意見を頂戴したかと思いますけれども、特に追加はよろしいでしょうか。
 それでは、議事の2番目に移らせていただきたいと思います。
 それでは、増井委員から情報提供をいただけるということでございますので、増井委員からご説明をお願いします。
 
増井委員
 資料のほうも共有させていただきましたが、ご覧いただいていますかね。
 本日はお時間をいただきまして、どうもありがとうございます。
 この審議会は2030、2050年の脱炭素社会に向けてということで、本日も2030年の目標に向けて、その進捗を評価したということなんですけれども、その2030から先2050、どういうふうにいろんな施策、取組を進めていかないといけないのか、そういったところが先ほど高村委員のほうからもご指摘ありましたけれども、今後重要になってくるであろうということで、我々国立環境研究所の中でAIMという統合評価モデルを使って、2050年までの姿、道筋というのを描いております。その結果を本日紹介させていただけるということで、お時間をいただきどうもありがとうございます。
 この2050年の結果そのものにつきましては、2年前の総合資源エネルギー調査会のほうでも報告させていただいたんですけれども、今回はそれから前提を更新したり、対策等を新たに追加したという更新版であるということをまずはご理解いただければと思います。
 2030年以降の様々な対策について、2030年までに導入されようとしている対策で十分なのか、あるいは、それからさらにどれぐらい追加していかないといけないのかということで、既にいろんな会議、GX実行会議等で2050年、こういったものが必要だというような、そういった議論も行われておりますけれども、そういう様々な対策を踏まえまして、実際、2050年までに、どういう形で対策を導入し、また、その結果、実際にこの2050年に脱炭素が実現できるのかといったところ辺りを、シミュレーションを行っているところでございます。
 分析に当たりまして、将来について3つのシナリオを設定しております。
 まずは、シナリオAというのが「脱炭素技術進展シナリオ」ということで、2030年までに導入される対策、それが同様の速度で普及していくということを考えております。
 それに対しましてシナリオBというのは、さらに2030年以降、対策を加速させていくということで、2050年にネットゼロを実現させるという、そういうシナリオになっております。具体的には先ほどのスライド、一つ前のスライドにあるような新燃料ですとか、再生可能エネルギーのさらなる普及、CCUS、ネガティブエミッション技術、こういうふうなものを大量に導入するということを考えております。
 シナリオCといたしましては、この革新技術に加えまして社会変容と呼ばれるもの、こちらは生活の水準等はもちろん維持をしていくことに加えて、マテリアルの効率的利用ですとか、ICTを利用した移動の削減、こういうふうなものを使ってネットゼロというのを実現していくというシナリオ、この合計3つのシナリオを考えております。
 詳細につきまして、前提等につきましては、24枚目以降に記載しておりますので、そちらを参照していただければと思います。
 対策の考え方なんですけれども、全部で5つ検討しております。
 まずは、社会変容に代表されますサービス需要量の低減、あと、省エネに代表されますエネルギー効率の改善、3つ目が電化ということで、燃料を直接消費するのではなくて電気に変える、それによって追加的に省エネなんかの効果も得られると。4番目がエネルギーそのものの低炭素化ということで、再生可能エネルギーの導入、こういったことを考えております。
 ただ、それだけでは不十分で、ネットゼロを実現させるためにはネガティブ排出技術といったことの導入、この5つの柱をどのように導入すればいいのかというふうなことを、このシミュレーションモデルを使って検討しました。
 それぞれの対策、対応の中身につきましては、こちらの表に書いてあるとおりでございまして、それぞれ具体的にどれぐらい導入すればいいのかというふうなことを、今検討されているものと合わせまして、実際に定量化したという形になっております。
 また、社会変容に関しましては、なかなかこれを定量化することは困難なのですが、こちらのスライドにあるような形で、それぞれの生産量ですとか、あるいは、移動量、こういったものが一定程度の量を低減することができると、可能になるというふうなことを前提に計算をしております。この点、サーキュラー経済、サーキュラーエコノミー等、様々な取組が進展していくということで、脱炭素とは別に、こういうふうなものを想定した上で、その脱炭素にどう貢献するのかということを見ております。
 定量化に当たりましては、2年前のものと同様なんですけれども、応用一般均衡モデルと呼ばれる経済モデルを使って、マクロフレームと呼ばれるものを推計をして、それをベースにサービス需要量を想定いたしまして、エネルギー需要モデルを使って個別のエネルギー、また実際にエネルギーを使う技術、それがどの程度普及していくのかというふうなことを分析しております。
 一方で、再生可能エネルギー、電力につきましては、このエネルギー需要モデルは1年という単位で分析をしているんですけれども、1年単位の分析では不十分ということで、1時間単位の需給バランスというのを見るための電源モデルというものも別途開発し、こちらと合わせまして、実際どの程度の再生可能エネルギーの設備があれば大丈夫かということを検討しております。
 技術進展シナリオ、2030年の温対計画をそのまま維持する、それと、2050年脱炭素で排出量を実質ゼロにする、それらの違いが生じる主な対策をこのスライドに取りまとめております。詳細は省かせていただきますけれども、2030年以降は対策をさらに加速していかなくてはいけないということで、どういう取組をどの程度、実現していかなきゃいけないのか、そういったところの情報を今回説明したいと思っております。
 具体的に、最終エネルギーの消費量というところなんですけれども、現状2018年と比べまして、この技術進展シナリオにつきましては39%減、革新技術シナリオにつきましては46%減、それに社会変容シナリオを組み合わせますと、現状のエネルギー消費量と比べて半分の50%減になるという、こういう結果になっております。
 右側のグラフは、エネルギーの内訳ということで、技術進展シナリオでは、まだ化石燃料の消費量が若干残っているわけなんですけれども、革新技術シナリオ、社会変容シナリオでは、そういったものがもう極力減らされて、その代わりに水素ですとか合成燃料、さらにはバイオマスというようなエネルギーに転換され、また電化率も50%を超えるというような結果になっております。
 新燃料につきましては、こちらに書いてありますような前提を想定しております。全て国産で賄うというのではなくて、一定程度の量を輸入すると、アンモニアは全て輸入という、そういう想定ですけれども、こういう想定の下で計算をしております。それぞれ水素、合成燃料、アンモニアがどういうふうなところで需要されているかというふうなことも、こういう形で計算をしております。
 水素に関しましては合成燃料の製造、あるいは、運輸、産業、こういったところで主に使われております。
 合成燃料につきましては、産業ですとか、運輸、家庭、都市ガスへの代替、こういったところで活用されております。
 アンモニアにつきましては、主に発電ということで、一部は運輸、船舶に使われているという、こういう結果になっております。
 電力につきまして、電力需要、先ほど申し上げましたように、省エネという効果、それと、あと電化が進むということで、電力の需要量そのものは技術進展シナリオにおいてもほぼ横ばいで、ほかの革新技術シナリオ、社会変容シナリオでも、最終エネルギー消費として見たときには、現状と比べてほぼ横ばいというような結果になっております。
 一方で、革新技術、社会変容シナリオでは新燃料の製造、こういったところに大量のエネルギーが必要、電力が必要ということで、現状と比べると4割程度増加するという結果になっております。
 発電電力量の内訳ということで、右側のほうが粗分類ということで、7割以上が再生可能エネルギー由来のエネルギー、こちらが革新技術と社会変容シナリオで、技術進展シナリオでも7割弱が再生可能エネルギーから供給されるということで、再生可能エネルギーの主な内訳というのは太陽光と風力、特に洋上風力といったところが重要になってきております。
 一次エネルギーの国内供給という観点から見たときに、やはりこの再生可能エネルギーの量というのが非常に増えているということですけれども、この再生可能エネルギーの大部分は国内で供給されるということで、エネルギーの自給率そのものでいきますと、現状10%程度のものが、2050年、特にこの革新技術ですとか、社会変容シナリオにおきましては、6割を超える66%の自給率になると、技術進展シナリオにおきましても、半分、50%になるというような結果になっております。
 その結果、輸入額そのものは現状と比べまして、2018年と比べまして、約10兆円程度低下するという結果になっております。一部、水素等の新燃料の輸入も増えてくるわけなんですけれども、全体として見たときには10兆円程度低下するという結果になっております。
 CO2の排出量、温室効果ガスの排出量につきましての結果なんですけれども、この技術進展シナリオにつきましては、一部産業等で化石燃料を消費するということで、大体300MtCO2程度の排出になっています。
 それに対しまして、革新技術ですとか社会変容のシナリオ、こういったところでは発電においてネガティブエミッション技術、こういうふうなところも導入されるということ、また、産業部門における化石燃料の消費、こういったところは大幅に削減されるということで、ほぼゼロを達成することになっております。
 温室効果ガス排出量全体で見ますと、さらに、それ以外の森林吸収等を含めたネットエミッション技術、こういうふうなものが導入されることによりまして。
 すみません、ちょっとお待ちください。
 様々なネガティブエミッション技術の導入が見込まれまして、排出量がゼロになるとおい、こういう結果になっております。
 この技術進展シナリオから革新技術シナリオ、あるいは、社会変容シナリオ、この間がどういうふうな取組でどれだけの削減、300Mtぐらいの削減になっているのかという結果を示したのがこちらでございます。
 中身をエネルギー需要側とエネルギー供給側、その他の温室効果ガスの排出というふうに分けて評価をしております。全体的にはCCUSですとか水素、バイオエネルギー等の新たな燃料、さらには、電化、電力の脱炭素化、こういうふうなところで、それぞれ排出削減というものが実現しております。
 また、社会変容と革新技術の間では、特にサービス需要の減少、削減、こういうふうなところが大きく寄与しているということで、その分、ほかのところでの取組がやや緩和されるという、こういう結果になっております。
 あと、こういう2050年までに脱炭素を実現するに当たって、どれぐらいのお金が必要になってくるのかという、その投資額、総投資額の合計というのも推計をしております。
 こちらは固定シナリオという、技術を現状で固定した仮想的な場合と比べて、どれぐらいの投資額、追加的な投資額が必要になるのかということで、その部門別にどういった投資額が必要になるのかということを推計をしております。
 技術進展シナリオから革新技術シナリオに拡大していく、対策を深掘りしていくということに当たりまして、それぞれの分野でどれだけのお金、追加投資が必要になるのか、また、社会変容を実現するということによって、どの程度の投資が不要になってくるのかということを、この図では示しております。
 技術進展シナリオにおきましては、2021年から2050年までの30年間で約200兆円の追加投資が必要になるのに対しまして、革新技術シナリオでは300兆円、社会変容シナリオでは250兆円ということで、社会変容シナリオの実現、これによりまして、この脱炭素に向けた追加投資が50兆円程度、この30年間で減らすことができるということで、この社会変容シナリオの重要性というものが示唆されるのではないかなと思っております。
 こちらがまとめになります。時間の都合上、繰り返しはいたしませんが、それぞれ需要側、供給側、あと、それ以外の分野、それぞれでの脱炭素に向けた取組の必要性、重要性というようなことを示すことができたのではないかなと思っております。
 実際にこれらをどう実現していくのか、達成していくのかということ、また、技術だけではなくて、この社会変容との比較、先ほどは投資額の変化についてご説明いたしましたけれども、新燃料の需要ですとか、発電電力量を多少減らすことができるということで、この辺り、脱炭素社会の実現性を高めることにつながるということで、技術に加えて、我々の社会そのものをどう変えていくのかといったことも重要になってくるかなと思っております。
 今回、一連の結果を説明させていただきましたけれども、今後もより詳細な分析ですとか、さらなる社会変容の可能性及びその効果、こういったところはまだ十分ではありませんので、今後さらに検討していきたいというふうに考えております。
 残りは参考資料ですので、詳細は省かせていただきます。
 どうも、ご清聴ありがとうございました。
 
下田委員長
 はい、ありがとうございました。それでは、ただいまのご説明に関しまして、ご意見等を頂戴できればと思います。ご発言を希望の方は挙手ボタンをクリックしてください。ぜひ幅広く委員、オブザーバーのご意見を頂戴しまして、議論を深めていければというふうに思ってございます。
 いかがでしょうか。ご発言は3分以内にまとめていただきますように、ご協力をお願いいたします。いかがでしょうか。
 堀井委員、お願いします。
 
堀井委員
 ご報告をいただき、ありがとうございました。
 私、経済を専攻しておりまして、ご報告は非常に参考になるなと思いました。一つは社会変容の影響が非常に重要であるということ、つくづくおっしゃるとおりかなと思いました。
 社会変容が起こった場合というのは、GHGゼロに対する投資額が少なくていいということなんですけれども、他方で、その社会変容を起こすためにやっぱり投資というのが必要になってくるのではないかと思います。
 例えば、DX投資など、より情報化を進めていく、脱物質化を進めるということ自体投資が必要です。また同時に経済厚生というか、生活の水準を落とさずにそういうことをするためには、より新しい技術とか、技術進歩が必要になってきます。
 そういう方向の投資というのが必要になってくるので、必ず全体についての投資が減るかどうかというのは、その状況によると思います。ただ、経済厚生を高めるという方向はは非常に望ましいのではないかなというふうに思いました。
 また、少し細かい質問なんですけれども、新燃料を今回の計算では70%ぐらい、主にその洋上風力等で生産するということになっているのかなと思うんですけれども、その見通しというのはどれぐらい大丈夫そうでしょうか。洋上風力というのは非常に有望な技術ではあると思いますが、その進展技術ですかね、現在の技術を例としたケースでも、その自給率は50%になるということで、かなりたくさん生産できると拝見しました。現在の技術での見通しがどうかということも、もし可能であれば教えていただけれないかと思います。
 あと、貿易収支に関するところで、燃料の輸入費用も下がるということだったんですけれども、その将来的なエネルギー単価がどうなっていくか気になります。2050年に向かって、特に日本と世界の間で、経済成長の差があります。日本が今は経済成長があまりよろしくないということによって、輸入価格というのが上がっていますよね。
 ですので、将来、エネルギーの輸入価格が日本のGDPに対して相対的に上がっていくと、より厳しい状況になる。ということは、逆に言うと、よりこの自給率を高めるということが必要なんですけれども、そういうことも含めてその見通しを教えていただければと思います。
 以上です。
 
下田委員長
 はい、続きまして、大塚委員ですね。その次に折茂委員、お願いします。
 大塚委員。
 
大塚委員
 どうもありがとうございました。見通しが少しでもたつということで、大変貴重な試みでありがとうございます。
 私がお伺いしたいことは2点ございますけれども、一つは、この11ページのところで国内生産70%、輸入30%というふうに新燃料に関してされていますが、このパーセンテージが必ずしもこういうふうになるとは限らないと思いますけども、これは国内生産100%とか、あるいは、50%とかにすることによって、どういうふうに他が変わってくるかということに関して、もし何かシミュレーションしていらっしゃることがありましたら、教えていただければと思います。
 それから、GDPへの影響とか、各産業への影響がこの結果どういうふうになるかということは、まだ、これからおやりになっていただくと思いますが、もし何か既にやっていらっしゃることがあれば、教えていただければと思いますし、その中でどういうふうに現在の産業を移行させていくかということが出てくるかと思いますので、今、何かお分かりになっていることがあれば教えていただけるとありがたいと思います。
 以上でございます。
 
下田委員長
 はい、折茂委員、お願いします。その次、高村委員、お願いします。
 
折茂委員
 ありがとうございます。私からの意見は、どちらかというとコメントのようなものになりますけれども、お話しさせていただきたいと思います。
 まずは、非常に重要な試みと、その内容をご共有いただきまして、ありがとうございました。その上で少し思いましたのは、こういったこのシナリオのようなものが、国として複数あると。いろんな試みがあるというのはいいものである一方で、何か国としてよって立つシナリオというのが一つに集約されていくと、様々な施策を検討していく上での基盤ができて非常によろしいんではないかというふうに考えました。
 特に前半戦での議論と合わせて考えていきますと、2030年、ひいては2050年というふうなところを見据えていったときに、それぞれの施策で相当な産業界、個人、自治体、国、こういったところでの努力が必要になってくると。
 そういう中で、同じ方向、こういったシナリオをこちらに向いて国として向かっているんだという、何か指針のようなものにこういったシナリオがなっていくと、様々な施策も国民の目も向いていきやすいんではないかというふうに考えましたので、このシナリオの精査というところをされていった上で、国として何か一つよって立つようなものに仕上げていけるとよろしいのかなと、そのように考えました。
 以上でございます。
 
下田委員長
 はい、続きまして、高村委員、お願いします。
 
高村委員
 ありがとうございます。精査報告、ありがとうございます。
 ご指摘いただいている社会変容の重要性というのを、全体的としてコスト効率的に排出を減らしていくというのは非常に重要だというご指摘、大変重要な点だと思います。
 これも堀井委員もおっしゃった点につながるかもしれませんけれども、やはり、政策、施策をどういうふうに作っていくかというのは、同時に課題だというふうにも思っていまして、これはそういう意味では、環境省さんのところで、あるいは、政府の施策のところで示唆されるものがあれば、教えていただきたいというのが1点目です。
 2つ目は、そうした施策の中で、これは多分スライドの8に電源モデルの制約条件で書かれていたところだと思うんですけれども、この間にエネ庁さんなどで行ってきた分析でも、それから、OCCTOですね、電力広域的運営推進機関ですかね、すみません、間違っていたら申し訳ないんですが。
 OCCTOさんのところで系統のマスタープランを作っているところでも、やはり一つに重要な議論だと思っていますのは、再生可能エネルギーのkWh当たりの発電コストは低減をする。しかし、それを電力システムに統合していくコストをどうやってやはり低減していくかというのは課題だと。
 これは、エネルギー基本計画の議論の中でも、大体共通した認識だったと思います。
 そのときに再生可能エネルギーのある意味で自家消費地産地消、あるいは、需要側の立地誘導といったような点が、その送電線の拡充などとともに非常に重要になっていて、そこに社会変容の一つの一環でもあるというふうに思っています。
 ですから、それをどう促していくかという政策が必要ということでもあるんですが、増井さんに2つ目の質問は、この電源モデルはそこのところが考慮されていない、一種モデルの制約だということですけど、この部分を入れ込んでいく可能性、あるいは、それを入れ込むことでの想定されるインパクトということを、もしお分かりの点があれば教えていただきたいというふうに思っております。
 あと、すみません。若干、想定のところでご質問なんですけれども、スライドの2、これ多分、国のいろんな政略、戦略の数字を使っていらっしゃるのであれなんですが、例えば、水素還元製鉄も自動車も、かなりこの間、この想定しているよりも早い速度で技術の展開が進んでいるように思っているんですけれども、ここをそういう意味で見直しをしていただけるとありがたいと言いましょうか、そこ技術のこの間の展開の速度を見越した想定値の検討もしていただきたいなと思っております。
 その一環として、これ、極めてクラシフィケーションな質問なんですが、スライド9のところの洋上風力の50年技術進展シナリオという、50年に4,500というのは、これはそもそも国のところで2040年の目標になっていると思うんですけれども、この数字正しいですかという質問です。
 以上です。
 
下田委員長
 はい、ありがとうございます。
 勢一委員、お願いします。
 
勢一委員
 ご報告、ありがとうございます。勢一です。非常に重要な試みだと思いましたし、興味深い分析をいろいろと勉強させていただきました。まだ十分理解できていないところもあるのですが、非常にありがたい機会をいただいたと思います。
 このようなシナリオを分かりやすく国民と共有していくことで、日本全体で幅広い議論ができるということ。それが次へのインセンティブにつながるという意味では、今後、これをどのような形でみんなで共有していくかも重要であることを、改めて実感をいたしました。
 私からは、制度や規制がこうしたシナリオにどのように作用するのかというところを、伺っていて気になったところがありまして、そういうところについては、どのぐらい検討可能なのか、反映可能なのか、何かお考えとか取組がありましたら、教えていただければと思ったところです。
 制度や規制は硬直的な古いルールが残っていることで社会変革の足かせになると、よく諸外国との比較で日本は批判されることが多いわけですけれども、他方でうまく進むべき方向性を先取りして、インセンティブを利かせるような形で制度が支援をするということもあり得るのではないかと感じたところです。
 ごく身近な例ですと、先ほど、ワーケーションなど、新しい働き方と、ブレジャーなども推進されていますけれども、多様な選択をしたいと思ったときに、ビジネスマンの出張ルールが硬直的だったら選べないとか、特に公務員の方々は実感されているのかなと思ったりしますけれども、こうした様々な分野にある細かな規律まで含めて、社会を上手に変えられる方向が、シナリオの充実に変わってくるのかなと感じたという部分がございます。
 雑駁な形で質問させていただいて恐縮ですけれども、何かご知見ございましたら、ご説明いただきますとありがたいと思います。
 私からは以上です。
 
下田委員長
 はい、ありがとうございました。ほかに委員からご質問ございませんでしょうか。オブザーバーの方もよろしいでしょうか。
 では、最後に私から一言。世の文脈というか、あと2年ぐらいしたら、2035年の話をしないといけないんですけれども、こういう分析でやはり2035年を見たときに、2035年の目標をやはりどの辺にしないと2050年が見えてこないとか、2035年に対する何かアドバイスがあればいただきたいなと。
 特に、建物周りは、基本的には今は全部アベイラブルな技術ばかりで、利用可能な技術ばかりで構成されている対策ですので、加速しようと思えばできると思うんですけれども、その辺りも含めて何かあれば教えてください。
 すみません、増井委員に多数の質問をまとめてお答えいただくことになりますが、いかがでしょうか。
 
増井委員
はい。どうもご質問、コメントをありがとうございました。最初にお断りさせていただきますと、まだいろんな可能性、不確実性の一部しか評価できておりませんので、今後、さらに充実させていく、ケースを設定していくということは必要ではあると認識しております。ただ一方で、ケース設定が多くなりますと、何をやっているのか分からないということにもなりかねませんので、ちょっとその辺りは注意をして、公表する際には注意していきたいと思っております。
 まず、堀井委員のほうからご質問がありました、社会変容のための投資は必要なのではないかということで、その点はごもっともというか、そのとおりでございます。ただ一方で、DX等に関しましては、温暖化のためにやるというよりは、我々の社会を豊かにするというような観点からも必要なものになってきますので、その辺は分けて評価をしております。そういうことで実際にはDX等に向けた投資というのも必要にはなってくるんですけども、温暖化対策がなくても導入されると考えて、この中では評価はしていないという形になります。
 貿易収支に関しまして、燃料の単価、こちらはスライドの最後ですかね、31枚目にエネルギーの価格の想定を記載しております。IEAですとか、あるいは、国の見通し、こういうふうなものを参考に、今回、輸入額がどうなるのかというようなことを計算をしております。もちろん、この辺、単価が変わればこの輸入額も変わってくるというのはご指摘のとおりではありますので、その点も今後いろんな将来の不確実性の幅というような形で示していきたいと思っております。
 将来の不確実性の幅という観点から行きますと、大塚委員のほうからご指摘ありました、この水素を30%輸入といったところについての想定、こちらもいろいろやって行かないといけないとは思っております。
 また、輸入先で本当にそのグリーンなものから必要なエネルギーが作られているのかということも、本当は考えていかないといけないところではありますので、その点は今後の課題というふうにさせてください。よろしくお願いします。
 GDPへの影響等につきましては、この全体のフレームワークの中で、経済モデルのほうに今回説明した結果を反映をさせて、フィードバックさせて、改めて計算、評価するということが必要になってまいります。研究としては、そういったことも含めて取り組んでいるわけなんですけれども、まだちょっとすみません、そこまで結果が出ておりませんので、結果が出ましたら、改めてご紹介したいと思っております。
 あと、高村委員のほうからありました、特に電源モデルですね、この辺りご指摘いただいたような点、考慮していないものを今後考慮していくのかということについて。この電源モデルそのものは、日本を10地域に分けて、地域間の電力融通というふうなことも検討はしております。もう既にそこは検討しております。そういう中で、どういう形で今後分析を深めていけばいいのかというところ辺りは、我々の内部でもう検討しており、今後お示ししていきたいというふうに思っております。
 技術展開が速いというのはもうご指摘のとおりでございまして、特に電気自動車の普及等につきましては、もう我々が想定していたもの以上に普及しつつあるというところですので、この辺の想定の見直し、こういうところにつきましても、ある程度、一定程度幅を持って分析していく必要があるだろうと認識しております。
 勢一委員のほうからご指摘ありました、規制がどう作用するのかというところなんですけども、このモデルはあくまで費用という観点からのみ評価をしておりまして、最も安い技術を選択していくということで、規制、制度というのが、どう影響してくるのかというところをより詳細に見るというのは、ちょっと難しいところかなと個人的には思っております。ただ、実際にこういう技術がこれだけ普及していくだとか、そのためにどういうふうなことが必要になってくるのかというのは、一般の方に説明していく際には必要不可欠なものになってまいりますので、その点はこういう定量的なものと定性的なストーリーというのを組み合わせて紹介していくことが必要ではないかなと思っております。
 2035年、下田委員長のほうからご指摘のありました2035年のところなんですけれども、こちらのグラフにございますように、一応、今回は現状から2050年まで、なおかつ、その2030年につきましては、NDCを通るという前提での試算結果になっております。それで、2035年はどの程度を通らないといけないのかというような計算は既にしてはおりますけれども、ここで示しているものだけでいいのか、あるいは、さらにもっと重要な要素が抜け落ちていて、さらに詳細な検討が必要になってくるんではないかというようなことも含めて、今後はさらに追加で検討をしていきたいなと思っております。
 幾つか抜けているところがあるかもしれませんが、すみません、今日は我々のチームで実際に計算をしております日比野も出席しておりますので、日比野から一部回答をさせていただきます。
 
国立環境研究所(日比野)
 それでは、一緒に分析を行っております、国立環境研究所の日比野のほうから何点か回答させていただきます。
 新燃料の輸入率、それに伴う洋上風力の可能性当たりのご説明がございました。今回の新燃料の割合につきましては、OECDやG7を見ますと大体エネルギー需給率が7割ぐらいになっているので、まずこの出発点として、新年度についても7割国内生産して供給していくということを、ちょっと出発点としてやらせていただきました。その結果、非常に電力消費量が多くなり、発電の洋上風力のポテンシャルにもかなり依存するところが出てきました。
 今回はこういう結果になり、非常に洋上風力はまだ立ち始めたところでありますので、非常に顕在化は難しいところでありますので、取りあえずこういう結果になりましたというところであり、また、大塚先生からもご指摘があったように、この7割、3割ほか、どう関係が変わってくるかというところにつきましても、まとめのほうにも書かせていただきましたけど、今後、シナリオ分析をしていく中で、この比率が変わっていくとどうなるかというのをちょっと見ていきたいというふうに思っております。
 当然、国内需要を落とせば、その分、電力消費量は落ちてということになるんですけれど、やはり再生可能エネルギー、太陽光、風力が増えてくる中で、どうしても余ってしまう時間帯、それを水素を作るところに当てはめているという面もありますので、国内で水素を作らなくなると、その電気の行き先がなくなり捨ててしまうという面も生じたりします。その辺りのバランスの中で、この比率を変えていくとどうなっていくのかというのを、ちょっと引き続き見ていきたいというふうに思っているところでございます。
 あと、発電の中でのその系統への影響ということでいきますと、今は蓄電池や送電の強化、系統の強化辺りはもう既に分析に入っておりまして、その辺りを織り込んでの総電力量が電力価格は上がらないというような結果になっているところでございます。
 ただ、この需要側について、その在来の電力がどう立地が変わってくるかというだけではなくて、この新燃料を作ったところでどうなっていくのかという辺りも、非常に重要性を増してきますので、その辺りを含めても、また引き続き分析をしていく所存でございます。
 あと、高原委員から450kwが正しいのかというご指摘でございましたけれど、技術進展シナリオは基本、今のペースの延長で問い想定を目指して作ったシナリオであるんですけど、洋上風力については2030年の目標が非常に低いので、その延長だと、もうほとんど大した量にならないので、今、取りあえずこのケースは2040年の事業化しているワットの上限値の45を使って、このケースは分析したというところでありまして、ですので、一応、2040の事業化の目標をそのまま使っているので、正しいのかということであれば、それを引用していますということのご回答になります。
 私からは追加で以上です。
 
増井委員
 以上になります。
 
下田委員長
 はい、ありがとうございました。
 それでは、非常に活発なご質疑とご回答をいただきまして、ありがとうございました。
 どうぞ。
 
脱炭素社会移行推進室室長(伊藤)
 恐れ入ります。脱炭素室、伊藤でございます。一言だけ。
 今、折茂委員と高村委員からありました、政府全体としてシナリオをどう使っていくかということで、まずもって増井先生、それから皆さんをはじめ、国環研の方々に今回このようなシナリオ分析をご紹介いただいて、心から感謝を申し上げたいと思います。
 やはり、やはり次、2025年次の次期NDCの検討に向けて、いろいろ政府全体としてもシナリオ分析も勉強しながらということだと思っております。そこはエネ研の分析もあるでしょうし、我々こういった分析もぜひ参考にさせていただきたいと思っているところです。
 また、高村先生から現時点での政策への示唆はというお話もございましたが、我々、現状ではご紹介いただいた、増井先生からあった18ページ、19ページ、特に18ページのところのいわゆる社会実装が十分に進まなかった場合のGHGネットゼロの達成は難しくなるとか、こういったところを深掘りというか、環境省のほうでまた分析をいろいろされるんじゃないかなと思いますし、いろんなものを勉強させていただいて、施策に生かせたらなというところが現状のポイントでございます。
 まずもって感謝申し上げたいと思いますし、ぜひ、こういったものを勉強させていただきながら、施策も含めて考えていきたいと思っておるところでございます。
 以上です。
 
下田委員長
 よろしいですか。はい、ありがとうございました。
 それでは、資料として参考資料というのがついてございますが、これにつきましても増井委員から簡単にご紹介いただけるということですので、恐れ入りますが、増井委員、よろしくお願いします。
 
増井委員
はい、どうもありがとうございます。
 こちらのほうはもう既にご案内のとおり、IPCC の第6次評価報告書の統合報告書が先月に公表されました。公表資料に関連する政策決定者向け要約の解説資料として作成したものでございます。
 本日はもうちょっと時間がありませんので、こういうふうなものを作成したという、そのご紹介にとどめさせていただければと思いますが、こちらに書いておりますURLに、この資料とともに、これまで国環研のほうで作成してまいりました、ワーキンググループ3の報告書の資料ですとか、解説動画、また、この統合報告書に関しまして所内の執筆者が何人かいるわけなんですけれども、そういった者がオンラインイベントということで「執筆者と深掘り!気候変動の最新知見と、これから」という、そういったイベントを行いました。そのときの動画、資料、こういったものも公表しておりますので、ぜひ、ご関心ありましたらご覧いただければと思います。
 本当に1ページだけ、この解説資料の構成ということで、もう既に1.1℃気温は上昇しているということで、今の行動というのが今後何千年にもわたって影響を与えるということで、様々な損失や損害というのがもう発生していて、適応策等も行われているんですけれども、必要なところとはまだまだ大きなギャップがあるといったことが示唆されております。特にこの委員会にも関わります、緩和策に関しましては、バジェットの話が掲載されておりまして、今のまま行きますと、もう10年程度で1.5℃のバジェットを使い果たしてしまうこと、そういう危機的な状況の中で我々は今、行動しないといけないという、そういう非常に強いメッセージが、サイエンスのほうから示されておりますので、そういうメッセージを受けて、環境省をはじめ日本政府もぜひ取組を強化していただきたいということで、こういう資料を作っております。
 資料のほうの説明は以上になります。どうもありがとうございました。
 
下田委員長
 増井委員、貴重な資料のご説明をありがとうございました。
 それでは、ちょっと大分時間過ぎてまいりましたけれども、最後、議題の3番、その他でございますが、事務局から何かございますでしょうか。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 特段ございません。
 
下田委員長
 ありがとうございます。
 それでは、最後に今後の進め方につきまして、私からコメントをさせていただきたいと思います。
 当地球温暖化対策計画の進捗状況につきましては、これまでいろいろご議論いただいたところでございますが、今後のアクションとか、あるいは、今後の計画等に生かしていただくために、これまでの種々の議論を取りまとめたような資料を作るべきかというふうに考えております。
 その際には、先ほどの増井委員からの情報提供、あるいは、インベントリの分析内容を踏まえて議論してまいりたいというふうに考えてございます。
 委員の皆様から特段異議がございませんでしたら、次回の単独の委員会のときにこの議論を経まして、この専門委員会としての1枚取りまとめたものを出したいというふうに考えてございますが、いかがでしょうか。
 
(異議なし)
 
下田委員長
 ありがとうございます。それでは、ご異議ありませんでしたので、次回に向けまして事務局には温室効果ガス排出量の要因分析などを進めていただきまして、今回の増井委員からの情報提供なども踏まえまして、次回の専門委員会で議論させていただければというふうに思います。
 それでは、以上で本日の議事は全て終了でございます。円滑な進行にご協力をいただきまして、誠にありがとうございました。事務局にお返しさせていただきます。
 
脱炭素社会移行推進室室長補佐(小福田)
 ありがとうございます。
 委員の皆様におかれましては、大変活発なご議論をありがとうございました。本日の議事録につきましては、事務局で作成の上、委員の皆様にご確認いただきました後にホームページで掲載をさせていただきます。
 次回につきましては、詳細が決まり次第、ご連絡申し上げます。
 以上でございます。今後ともよろしくお願いいたします。
 本日はどうもありがとうございました。

午後12時31分 閉会