2021年度 中央環境審議会地球環境部会低炭素社会実行計画フォローアップ専門委員会(第1回) 議事録

開催日時

令和4年2月28日(月)10時30分~12時00分

開催場所

WEBによる開催

議事録

10時30分 開会

地球温暖化対策課長

 それでは、時間になりましたので、ただいまより2021年度中央環境審議会地球環境部会低炭素社会実行計画フォローアップ専門委員会の第1回を開催いたします。本日はご多忙のところご出席いただき、誠にありがとうございます。

 新型コロナウイルス感染防止対策のため、本日はオンラインにて実施させていただきます。

 委員の皆様のお名前は資料1、委員名簿をご覧ください。本日は、秋元委員、馬場委員、伏見委員が都合により欠席となります。

 また、本日は関係府省庁も参加しております。資料1の下部に記載した府省庁のうち、公正取引委員会、消費者庁、財務省、厚労省、国交省、会計検査院は欠席となります。

 審議は公開させていただき、ユーチューブで同時配信いたします。通信環境の負荷低減のため、ご発言の際を除き、カメラをオフ、マイクはミュートでお願いいたします。

 それでは、ここで委員長から一言、ご挨拶をいただきます。大塚委員長、お願いいたします。

 

大塚委員長

 どうも。委員長を拝命しております、大塚でございます。

 本日は、政府実行計画のフォローアップにお集まりいただきまして、ありがとうございます。地球温暖化対策につきましては、この1年で大きな進展がございました。昨年6月には、地球温暖化対策推進法が改正され、2050年のカーボンニュートラルの法定化が行われました。

 また、昨年10月には、2030年度の新たな削減目標の実現に向けた、新しい地球温暖化対策計画が閣議決定されました。これと同時に、政府実行計画につきましても、地球温暖化対策計画を踏まえて、2030年度の削減目標や取組内容を深堀りするなどの改定が行われています。2050年のカーボンニュートラル、新しい2030年度の削減目標の実現に向けては、これまで以上の取組が求められております。そうした中、政府自身が自らの温室効果ガスの削減によって、一層率先して取組を行うということが重要でございます。また、政府の率先実行は、地方自治体や事業者、国民などの積極的な取組を促すものとも考えられております。

 それで、本日は、改定前の計画に基づく2020年度の取組実績をフォローアップしていただきます。政府実行計画のPDCAのサイクルをしっかり回す観点から、関係府省庁の取組状況についてご議論いただきまして、新しい計画に基づく今後の取組へのご示唆をいただきましたら、ありがたく存じます。

 本委員会での議論を踏まえまして、関係府省庁におかれましては、取組の分析を行い、今後の取組をさらに推進していくことが重要でございます。また、環境省におかれましては、関係府省庁の取組状況を取りまとめていただくことが求められておりますので、しっかりとリーダーシップを発揮していただきたいと考えております。

 委員の皆様におかれましては、政府におけるさらなる取組が進みますよう、積極的なインプットをお願いいたします。

 また、政府におかれましては、本日の審議結果を来年度以降の計画の実施及び点検にもつなげていただきますよう、よろしくお願いいたします。

 私の挨拶は以上でございます。

 

地球温暖化対策課長

 どうもありがとうございました。

 それでは、以下の進行を、大塚委員長にお願いいたします。

 

大塚委員長

 はい。では、議事に入りたいと思います。本日は、事務局から資料について、まず説明をしていただいた後で、ご審議いただくことにいたします。時間も限られておりますので、効率的に審議を進めていただきたいと考えています。

 まず、資料2及び3につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

 

地球温暖化対策課長補佐

 大塚委員長、ありがとうございます。事務局、地球温暖化対策課でございます。

 資料2及び資料3につきまして、ご説明をさせていただきます。

 資料2につきましては、投影しておりますとおり、2020年度における政府実行計画の実施状況の概要を記してございます。資料3のほうは詳細ということでございまして、本日の説明につきましては、資料2を用いてご説明をさせていただきたいと思います。

 今、投影しております資料2でございますが、2020年度の実施状況の概要でございまして、次のページをお願いいたします。

 目次でございます。政府実行計画の概要、1でございます。2として、2020年度の実施状況でございまして、その中で2-1~2-4まで個別の事項がございまして、その上で2-5でまとめと評価としてございます。

 また、説明は簡単にさせていただきますが、最後、参考資料ということで、3-1、3-2ということで、各省庁の排出量ですとか、ベンチマーク指標の比較について掲載をしてございます。資料、次のページ以降をお願いいたします。

 まず、政府実行計画の概要のほうでございます。政府実行計画の策定ということで、一番上の黒ポツが三つございますけれども、温対法に基づく計画でございまして、政府自身の事務事業に関する温室効果ガスの排出削減計画でございます。

 こちらについては、二つ目の黒ポツですが、平成28年5月に政府実行計画が閣議決定されまして、平成28年、2016年度~2030年度を対象期間とした計画がつくられております。その上で、2021年、昨年の10月に新しい計画が閣議決定されてございます。

 2020年度までは平成28年の計画で、2021年度以降は、昨年改定された計画ということでございまして、その上で、今年度は2020年度の実施状況でございますので、平成28年の計画のフォローアップという形になってございます。

 一番下でございます。本日ご意見を伺いたいポイントということで、2020年度の実施状況の評価をしていただくとともに、先ほど大塚委員長のご挨拶にもありました、今後の取組への示唆ということでインプットをいただければというように考えてございます。次のページ、お願いします。

 こちらがフォローアップの対象となります、平成28年の計画の概要でございます。固まりが大きく三つありまして、一つ目が右上の赤い枠、削減目標でございます。2020年度までに2013年度比で10%削減という目標、それから30年度までに40%削減という目標でございます。下半分の左側でございますが、温室効果ガスの排出源ということで、電気、燃料、公用車、それぞれについての記載、それから、下半分の右側、黄色い枠のところが、関連する取組についての記載になってございます。

 以下、この三つの固まりに大きく分けまして、ご説明をさせていただきます。次、お願いします。

 まず、政府全体の温室効果ガスの排出量についてでございます。削減目標の対象と記載してございます赤い部分でございますが、こちらが政府実行計画の目標の対象となる排出量でございます。航空機、船舶、ごみ焼却といったようなものを除いた、政府の事務事業からの排出を対象としてございます。次、お願いいたします。

 温室効果ガスの総排出量がどうなったかということでございまして、上の薄いブルーのところでございます。2020年度の政府全体の温室効果ガス排出量については、前年度比2.7%減少、その上で基準年度である2013年度比で14.7%減少ということでございまして、目標としておりました10%削減という目標については、達成したという形になってございます。次、お願いいたします。

 排出量の増減率の内訳分析ということでございます。下の絵のところでございますが、点線の左側が今回、先ほど申し上げた基準年度比-14.7%ということでございます。こちらの要因ということで点線の右側でございますけれども、青いバー、下に伸びておりますのが削減の方向、それから赤いバーのところが排出の方向でなってございまして、大きく効いてきているのが電気の排出係数の変化ということでございます。次、お願いいたします。

 こちらが府省庁別の温室効果ガス排出量とその要因分析ということでございまして、各省庁さんの排出量ですとか、公用車とか、電気とか、燃料消費量のそれぞれを一覧の形にまとめたというものでございます。

 また、次のページ、11ページ目が電気の消費に関わる部分を取り出した表になってございます。今回からCO2排出係数、電気の係数についても一番右側に参考で記載をさせていただいてございます。

 12ページ目でございます、府省庁別の温室効果ガス排出量の割合ということでございます。こちらは各省庁さんのお持ちの施設の数ですとか、そういったようなものに大きく左右される部分でございますけれども、こういったような割合で各省庁さんの排出があるということでございます。

 以上が温室効果ガス排出量の全体像の状況でございまして、次に、エネルギー使用に関する具体的な削減の目標の部分ということで、電気、それから施設の燃料使用量、そして公用車の燃料使用量について説明させていただきます。

 まず、電気でございますけれども、施設の単位面積当たりの電気使用量の状況でございます。一番上の薄いブルーのところで、2020年度の単位面積当たりの電気使用量でございますが、前年度比で僅かに増加、0.6%増加で、基準年度の2013年度に比べますと、3%超の減少ということでございます。次、お願いいたします。

 次は施設の燃料使用量の絶対量でございます。こちらにつきましても、上の薄いブルーのところで、前年度比で3.5%増、2013年度比で3.1%増ということでございます。こちらについては燃料使用量が増えているということでございますけども、2020年度ということで、各省庁さんからの報告を見ますと、コロナの関係で換気を行った関係で、空調利用が増えたといったような報告もございまして、そういったようなものが考えられるのではないかというふうに考えております。

 次の16ページ目が公用車燃料使用量と、併せまして次世代自動車の導入割合についてもグラフに記載をしてございます。

 まず、燃料使用量のほうでございます。上のブルーの中でいきますと一つ目の丸ですが、燃料使用量前年度比で20.9%減少、それから、基準年度である2013年度に比べまして、35.5%減少ということでございます。グラフでいきますと、下のオレンジ色の部分でございます。大幅に2020年度、減少してございまして、こちら各省庁さんの報告を拝見しますと、こちらもコロナの関係で、オンラインでの会議が増えたといったようなこともあって、公用車の使用頻度が減ったということが一つ要因として考えられるかと思っております。

 併せまして、次世代自動車の導入の割合のところでございますが、上のブルーのところでいきますと、23.8%、前年度から2.7ポイント増加。それから、2013年度比で13.7ポイント増加ということでございます。グラフでいきますと、下の黄緑色のような色の部分でございます。年々増加はしておりまして、これも燃料使用量の減少の一因かというように思っております。

 次の17ページ目でございます。こちらが各府省庁さんの次世代自動車の導入割合でございます。各種類ごと、府省庁ごとに整理してございまして、一番右側に次世代自動車の構成比の割合を記載してございます。各省庁さんそれぞれの取組が進んできている中と思いますが、府省庁さんによって取組の進捗が様々という状況でございます。

 18ページ目。次が取組の具体例ということでございます。

 19ページ目をお願いいたします。省エネ診断の実施率ということでございます。こちらも計画の中で省エネ診断を実施していこうということでありまして、第1段階、第2段階と、左下に記載している施設を対象に取組を進めてきてございます。傾向としては、昨年度から微増しておりますが、横ばいというような状況でございます。

 20ページ目、次が省エネ診断の実施率を府省庁別に整理した数字でございます。

 また、次の資料が、建物別に分けて集計したというものでございます。

 22ページ目が、BEMSの導入率でございます。こちらにつきましても、BEMSの導入を進めていくということで、左下にある建物を対象に進めておりますが、昨年度から横ばいという状況でございます。

 23ページ目に、BEMSの機能ですとか、その活用事例ということでございます。下にグラフと表をつけております。機能のほう、どういうものを持っているかというのが、左下。それから、下半分の右側で、各省庁さんでどのように活用をされているかということでございます。データの収集ですとか、それを活用した設備の運転の改善とか、そういったような取組がされているということでございます。

 24ページ目が、BEMSの導入率の省庁別の数字を整理してございます。

 25ページ目が、用紙の使用量でございます。こちらが毎年度減ってきておりまして、ペーパーレスが進んでいるのかなというように考えてございます。

 次のページが26ページ目でございます、LEDの導入率でございます。こちらも電力の消費量に関わる部分でございますけれども、LEDの導入率につきましては、上のブルーのところで、2020年度において22.8%という状況でございます。前年度から4.0ポイント増加、それから基準年度から16.3ポイント増加ということで、増加傾向にはございます。現状としては、2割強というような状況でございます。

 次、27ページ目が、各省庁さんごとにLEDの導入率を示した、整理した表でございます。こちらも先ほどの次世代自動車同様、府省庁さんによって導入割合が様々になっているという状況でございます。

 次のページ、28ページ目でございます、単位面積当たりの上水使用量でございます。こちらにつきましては、上のブルーのところで、前年度比1.3%減少、それから2013年度比で5.3%増加というふうな状況になってございます。

 次が、取組の中で廃棄物の部分でございます。

 30ページのとおりでございます。廃棄物につきまして、廃棄物の量と、あとは可燃ごみの量と、それぞれ数字を取ってございます。基準年度に比べましたら、いずれも減少ということでございます。前年度に比べますと、僅かに増加というような状況でございます。

 次がまとめと評価でございます。32ページ目でございます。今申し上げた中身につきまして、整理した資料でございます。一つ目の白丸のところでございます、温室効果ガスの総排出量につきましては、基準年度の2013年度に比べて14.7%削減ということでございまして、2020年度目標は達成したという状況になってございます。

 次の白丸のところが、温室効果ガス総排出量以外の状況についてでございます。一つ目の黒ポツのところが電気でございます。電気の使用量につきましては、数字としては3.2%減少ということでございますが、照明の間引き点灯、それからLED化、また省エネ機器の導入等々による削減が進んだかというように考えてございます。LED照明につきましては、先ほどご説明差し上げたように、現状増えておりますが、22.8%にとどまっているという状況でございます。

 次の黒ポツが施設の燃料使用量でございまして、こちらはコロナの関係もあってか、空調稼働の増加などによって、基準年度から増加をしているという状況でございます。

 また、公用車の燃料使用量につきましては、次世代自動車の導入ですとか、テレワーク・オンライン会議に伴う公用車の使用頻度減少といったようなことによって、基準年度から35.5%ということで削減が進んでいるということでございます。

 また、次世代自動車の割合につきましても、13.7ポイント上昇ということでございますが、2割強ということでとどまってございます。

 また、省エネ診断ですとか、BEMS、それから用紙、上水の関係を、下二つの黒ポツにまとめてございます。

 最後の白丸でございますが、冒頭申し上げたように、政府実行計画につきましては、昨年10月に改定をされてございます。新たな削減目標等々を達成するために、これまで以上の取組をより一層進めていく必要があるということでございます。

 新しい計画について、最後、次のページでご紹介をさせていただいて、説明を終えたいと思ってございます。

 政府実行計画の改定ということでございます。昨年の10月に閣議決定されておりまして、上の緑色の部分の黒四角二つ目でございます、全体の温室効果ガスの排出削減の目標につきまして、2030年度までに50%削減ということでございます。基準年度は変えず2013年度比ということでございますが、削減を旧計画は40%としておりましたところから、10ポイント繰り上げているということでございます。その上で、目標達成に向けた取組につきまして強化してございまして、具体的には、その下に写真等々がございます取組内容のところをご覧いただきますと、まず、ハードの部分でいきますと、太陽光発電と新築建築物と記載してございまして、太陽光発電につきまして、設置可能な政府保有の建築物の約50%以上に設置することを目指すということで、数値目標を新たに設定したというところでございます。

 また、建築物の省エネ性能につきましては、新築建築物のところで、2030年度までに新築建築物平均でZEB Ready相当となることを目指すということで、省エネ性能の一定水準以上のものを造っていくということを計画に記載してございます。

 また、財・サービスの調達の関係では、その下の行でございますが、公用車につきまして、フローベースで来年度以降、全て電動車、それから、ストックベースでも2030年度までに全て電動車ということでございます。代替可能な電動車がない場合等を除いた形での目標設定になってございます。

 その右側、LED照明でございますけども、こちらにつきましては、2030年度までに100%ということにしてございます。

 また、電気の調達につきましては、一番右でございます、再エネ電力調達のところで、2030年までに調達する電力の6割以上を再エネ由来の電力にするといったような目標にもしているということでございます。

 また、廃棄物の3R+Renewableといったようなところの計画の取組も記載をしてございます。

 事務局からの説明は以上でございます。

 最後に、今後の予定でございますけども、計画の実施状況及び本日いただいたご意見につきましては、地球温暖化対策推進本部幹事会に報告いたしまして、その後、環境省ホームページで公表させていただくという予定でございます。

 説明のほうは以上でございます。よろしくお願いいたします。

 

大塚委員長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまご説明のございました内容につきまして、ご質問、ご意見等がございましたら、ご発言をお願いいたします。ご発言のある方は挙手ボタンを押して、お待ちください。事務局から順に指名をさせていただきます。

 それでは、藤江委員、お願いします。

 

藤江委員

 ありがとうございます。2点ほどお尋ねします。1点目は、CO2排出削減というベネフィットに対して、コストがどうだったのかというところです。電力とか燃料に関しては、当然減っているわけですから、単価の上下はあるとしても、多分そのコストは減ることになると思います。それに加えて、例えば管理の方法を変えるとか、設備をリプレースするとか、様々なことをされていると思うんですけれども、対策に関するコストというのは把握されているのかどうか。もし把握されているのであれば、どうだったのでしょうというのが1点目です。

 2点目は、BEMSが随分導入されているようですけれども、一概にBEMSといっても、その中身、つまりどういうところがより効果的だったのかということを把握しておられるんであれば参考になると思いますので、その点も聞かせていただければと思います。

 以上でございます。よろしくお願いします。

 

大塚委員長

 少しまとめて先生方のご質問、ご意見を伺って、まとめて事務局にお答えいただきます。

 では、川本委員、お願いします。

 

川本委員

 川本です。3点ほどお尋ねします。今回の整理された資料ということで見ていきますと、政府実行計画の場合、省庁によって出先機関の大変多い省庁もあろうかと思います。そういった省庁の形態の違いというものが、どのように今回の結果に反映しているのかという点、ご説明がなかったように思いますので、補足をお願いします。それが一つ。

 それから、14.7%減という数字だけを見ると、まあまあという感じはするんですが、それの多くが、ほとんどが排出係数ということが一つの要素になっているわけです。実態的に、実際的には、それ以外の項目の削減が望まれるところですけれども、それについてどのように考えになっているのか、評価されているかというのをお尋ねしたいと思います。

 あと一つ、具体的な項目として、LEDの導入というのが比較的容易ではないかと思われるんですけれども、今日のご説明にありましたように、予算措置がないですとか、あるいは何年経たないと取替えができないといった、割と旧来的な制限、制約を引きずっているところがありますので、それをどうこうしないと、やはり2030年の100%という目標というのはなかなか難しいとも思われるんですが、そういった面でどのような対応を取っていこうとされておられるのかお聞きしたいと思います。

 以上です。

 

大塚委員長

 ありがとうございます。

 では、森口委員、お願いします。

 

森口委員

 ありがとうございます。大きく分けて、2点。1点目は電力に関わるところ、2点目は電力以外についてコメント、質問を兼ねて発言させていただきます。

 今日、今回11ページに、府省庁別の電気使用に伴う温室効果ガス排出量という表をおまとめいただいて、これは大変分かりやすくおまとめいただいて、ありがとうございます。先ほど川本委員からもご発言がありましたように、排出量減の大部分が排出係数の変化によるものであり、かつ、これは府省庁により若干のばらつきがあるかと思いますけども、多くの府省庁では電力に伴う間接排出分が主であるということで、この電力排出係数の変化というものが非常に大きく影響しているというふうに理解をしております。

 ただ、11ページを見ますと、府省庁の間にそれなりのばらつきがあり、かつ、2013年~2020年に向けて積極的に排出係数の低い電力を調達されようとしたのではないかと思われるところと、必ずしもそうではないんじゃないかと思われるようなところがございます。

 それに関して、先ほど藤江委員からの第1点目のご発言とも関連するんですが、コスト等ですね、再生可能エネルギー100、RE100の調達なども恐らく進めておられ、それも実行計画の中でも触れられたところですけれども、そういったところのコスト増というものが、これは財務省、あるいは会計検査院、今日もお入りになっているのかもしれませんけども、コスト増というところとの兼ね合いの中で、どのように各府省庁で電力調達先の、あるいはその仕様の決定をされているのか。あるいは、それに関して、府省庁統一的に何らかの指示なりをされているのかどうか、そういった辺りを分かる範囲で教えていただければなと思います。

 この電力の排出係数は、欄外にも書かれているように、基礎排出係数の公表値を用いているということですけれども、現在、固定価格買取制度、FIT電源についての排出係数の考え方ですとか、そういったところは私も長年関わらせていただいていますけれども、再生可能エネルギーを導入しても、必ずしも、今のルールで言うと、排出係数が一気に下がるわけでもないといったところも含めて、この辺り、民間事業者さん、非常に今、苦慮されているというか、やや当惑されているところもあるかなと思いますけれども、電力ユーザーとしての府省庁は、この辺りの排出量の電力分の排出量をどのように受け止めておられるのか。今日は、主に事務局、環境省からのお答えになってしまうのかもしれませんけども、せっかく各府省庁もお入りになっているので、この電力調達に関わって、どういうふうに各府省庁でお考えになっているのかという辺り、ちょっともし可能であれば、お聞かせいただければなと思います。

 1点目がやや長くなりました。2点目は、電力以外でございます。これも今日の資料で言いますと、各府省庁当たりの面積当たりのエネルギー使用量という最後のほうの資料に、電気の部分と燃料の部分に分けたような数字も出てまいりまして、燃料が関わってくる府省庁、ある程度、偏りがあるといいますか、先ほど川本委員のほうから、地方の部署があるところと、そうでないところというお話もございましたし、オフィスではない、より現場に近い形態の事業を持っておられるところについては、燃料の部分が効いてくるかと思います。ですから、政府全体としては電力が中心になるんだとは思いますけれども、電力以外の燃料をお使いになるところにつきましては、こちらも再生可能ですけども、バイオ燃料の導入といったことも、場合によっては入ってくるのではないかなと思います。

 ですから、電力が中心になりつつも、電力以外の排出量が無視し得ないところについて、何らかのそういった検討なり、取組がなされているかどうかということが分かれば、教えていただければと思います。

 以上、2点でございます。

 

大塚委員長

 ありがとうございました。

 では、醍醐委員、お願いします。

 

醍醐委員

 私からも、2点ございます。先ほど来、多くの委員からもご指摘がございましたが、BEMSや、あるいは省エネ診断、非常にそのインストールの率が高くなっていることは、高く評価できようかと思いますが、先ほどコストの話がございましたが、それによる結果としての効果のほうですね、それもなかなか明確にはなってないんじゃないかなと思いますので、実際に省エネ診断を実施した結果の省エネ量だったりだとか、あるいはマネジメントシステムによる効果というところを、なかなか定量的にというのは難しい面もあろうかとは存じますけども、定量化していただければという気がしております。

 それと、もう一つは、2030年に50%削減まで頑張ろうと。それに対して、一つ、新築の建物に対しては、ZEB Readyまで挑戦的に考えようというようなことは、非常に先進的な取組として望ましいと思う一方、じゃあ今から2030年に向けて、更新予定の建物がどれだけあるのかというのは少し気になるところでもありますし、もちろん、今使っている建物を省エネ性が悪いからといって、また新たに建て替えるのを、更新を早めるというのが望ましいかどうかという議論もあろうかと思います。

 そういう意味では、建物というのは、非常に寿命も長いものですから、逆に言えば、2030年までに今からZEB Readyの基準でもって新たに建てたとすると、今度またその先の2050年にも、新しく建てた建物、まだ二十何年かしか経たないわけですから、間違いなく使っているんだと思うんです。そう考えると、2050年に使っているであろう建物が、果たして今のZEB Ready、今の足元を見れば非常に先進的な取組かと思う一方、さらに将来の2050年というところを見ると、本当にそれで満足な基準なのかというところは、少し個人的には疑問に思ってしまいます。

 そういう意味では、少し話をまとめますと、今の建物、それからいつ更新予定の建物、それはやはり2030年というのは、やや建物に関しては、目途として短いようにも思いますので、もう少し先まで踏まえた上で、そういった計画を検討していただけるというのが、さらにその将来を見据えた上では重要かなというふうに思っております。

 以上になります。

 

大塚委員長

 ありがとうございました。では、この辺で一旦切らせていただいて、事務局にお答えいただこうかと思いますが、よろしいでしょうか。お願いします。

 

地球温暖化対策課長補佐

 ありがとうございます。藤江委員からいただきました、削減に対してのコストの評価というところでございますが、それにつきましては、このフォローアップ調査の中で、特段その把握ができていないというのが実態でございます。事実関係としては、すみません、コストは把握できていませんというのが現状でございます。

 また、BEMSの導入について、どういう効果があるかといったようなご質問、藤江先生ほかにもいただいてございます。BEMSについては、23ページに今回記載をしてございまして、機能について、計測・表示みたいなものはついておりますが、例えば自動制御みたいなところまであると、より省エネも進むんじゃないかといったような話もございまして、こういったような機能別にまとめたりとか、あとは、各省さんがどういうふうに活用しているかということで、右側の表がございますけれども、こちらの中で、例えば総務省さんなんかでいきますと、季節に応じた運転の最適化に活用されているとか、あとは法務省さんのほうで、消費量を監視しながら運転の調整をしたといったようなことですとか、あとは空調運転の最適化といったようなことも活用がされているということでございまして、こういったような取組には生かされているというのが現状かなというふうに思っております。

 一方、醍醐先生からご指摘いただいたとおり、こういったようなものの定量化がどこまでできるのかということについては、なかなか難しい面もあるのかなというふうに思っているところでございますけれども、こういったようなものをどういうふうに生かしていくかということも含めて、引き続き、フォローアップをしていきたいというふうに考えております。

 川本先生からいただきました、省庁ごとの形態による排出の違いということでございまして、こちらにつきましては、各省庁さんの排出のパイチャートがあったかと思いますが、やはり省庁さんによってお持ちの施設の数とか、ご指摘いただきました出先の数といったようなもので、やはり大きく変わってくるという面があるかと思っております。

 あとは、防衛省さんの事務事業の中での施設の多さですとか、あと国交省さんも各種現場での管理のためにいろんな施設をお持ちになっているとか、あとは法務省さんのほうでも、行刑施設というか、拘置所、刑務所の類いの24時間稼働しているような施設もたくさんお持ちということかと思っておりまして、そういったような施設の特徴、お持ちの施設の特徴に応じて、排出の割合が変わってくるといったようなことがあるかと思っております。一方で、霞ヶ関が中心の府省庁さんのほうでいきますと、全体の比率から見ると、量は少なくなってくるのかなというふうに思っております。

 また、排出係数の件でございますけれども、こちらにつきましては、ご指摘のように電力係数の改善というのが、今回大きく効いてきているということでございます。その中で、森口委員からもご指摘いただきましたとおり、電気を積極的に選んでいくという、ユーザー側としてできる行動もやっていくということが今後も大事かなというふうに思っているところでございまして、新しい計画でも、再エネの調達をしっかりやっていこうということが記載をされている中で、係数をどういうふうに評価の中に見ていくのかということも、新しい計画の中でしっかり電気の扱いについては考えていきたいということかと思っております。

 また、川本委員からいただきましたLEDの話でございますけども、こちらにつきましては、ご指摘のように、なかなか各府省庁さんの声としては、予算の措置ですとか、あとは耐用年数みたいな話がございまして、こういったようなものを計画的に取り組んでいくということが重要かなというふうには思っておりますが、それに加えまして、初期費用のほうがなるべくかからないような導入の仕方とか、府省庁さんのそれぞれの工夫みたいなところでできるような部分もあるのかなというふうに思っておりまして、そういったようなところを進めていくということが重要かなというふうに考えております。

 また、森口委員からいただきましたご意見でございますけれども、係数のお話につきまして、コストの話もありましたが、電力調達のコストについても、同様に把握はできておりませんという状況でございます。

 また、再エネを調達しても係数は下がらないということで、今の基礎係数を使って評価をするということですと、なかなかそこは反映しづらいということで、温対法のほうの調整後排出係数による評価というものも、今後、併せて並べていくということかと思っております。今回も参考のほうで、参考となるように温室効果ガスの排出量のグラフを8ページ目のほうに、調整後排出係数を用いた場合の温室効果ガスみたいなものも併せて併記はしてございますが、来年度以降、電力を積極的に選ぶという観点で、どういうふうに評価していくかということにつきましては、先ほど申し上げたとおり、引き続きそのフォローアップの中で考えていきたいというふうに考えております。

 また、燃料をどうするかというのは、ご指摘のとおり、2050年カーボンニュートラルを見据えて非常に重要な論点かと思ってございます。まだ燃料のカーボンニュートラル化に向けた取組が進んでいるとはなかなか言いにくい状況かと思っておりますが、新しい計画の中で、2050年に向けて、2050年のカーボンニュートラルを計画的に取り組んでいくということを記載しているところでございまして、その中で、燃料についても考えていかなきゃいけない課題かなというふうに思っています。

 醍醐先生から、最後いただきました、ZEBの部分でございます。ご指摘のように、2050年まで残るストックということで重要だと思っていまして、建築物の省エネ性能ということをしっかり取り組んでいかなきゃいけないというふうに考えております。その上で、2050年カーボンニュートラルを見据えてどうするかということについては、先ほどの燃料の件も含めて、各省庁さんで計画的に今から考えていただくということを、新しい計画のほうに位置づけてございます。そういったような中で、2050年カーボンニュートラルを政府としてしっかり達成できるような取組というものを、来年度以降、まずはしっかり進めていく必要があるかなと思ってございます。

 一旦、事務局からの回答は以上でございます。

 

大塚委員長

 ありがとうございました。コストなどの関係については、前からも議論になっていますが、いろいろご意見がございましたので、また来年度以降は気をつけていただく必要があるかなと思います。

 また、LEDに関しまして、先ほど川本委員からご質問がございましたが、今日は各省庁にもおいでになっていただいていますので、何かご説明をいただけるとありがたいのですが。ちょっと申し訳ありませんが、導入率が低いほうの省についてお伺いしたいんですけども、まず。文部科学省、いかがでしょうか。

 

文部科学省

 もしもし、音声、聞こえますでしょうか。

 

大塚委員長

 ちょっと声が小さいんですけど。

 

文部科学省

 すみません、接続がうまくいってないんですか。音声、聞こえますでしょうか。

 

大塚委員長

 はい、大丈夫です。

 

文部科学省

 文部科学省は、今現在、LEDについては検討中のところではあるんですけれども、ただ、LEDに適した配線に関する工事なども必要になるため、今現在、担当と併せて検討中でございます。

 以上になります。

 

大塚委員長

 ありがとうございました。

 では、恐れ入ります、防衛省、いかがでしょうか。

 

防衛省

 防衛省です。聞こえますでしょうか。

 

地球温暖化対策課長補佐

 はい。聞こえております。

 

防衛省

 防衛省なんですけど、一応、各幕・機関、計画的にはやっているところなんですけれども、なかなか予算等が限られている中で、少しずつしていくような形になっていますので、今の状況になっていると思われます。

 以上です。

 

大塚委員長

 どうぞよろしくお願いいたします。

 では、外務省、いかがでしょうか。

 

外務省

 聞こえるでしょうか。

 

大塚委員長

 はい、聞こえます。

 

外務省

 外務省のほうでも、これまで予算要求しつつ、できるところをやっているところでございます。研修所とか飯倉別館というような各施設では、例えば・・・45%かというところもあるんですが、やはり本省庁舎はなかなか予算要求の観点でなかなかできていないので、こちらも今後やっていく予定でございます。

 以上です。

 

大塚委員長

 どうぞよろしくお願いします。

 逆に、導入率が非常に高いところですけど、何か工夫しておられることとかおありでしたら、宮内庁、いかがでしょうか。

 

宮内庁

 宮内庁です。聞こえますでしょうか。

 

大塚委員長

 聞こえます。

 

宮内庁

 私どものほうは、省庁自体、さして大きいところでは、建物も施設も、庁舎のほうもそれほど大きいところではありませんので、以前から計画的に導入を始めておりまして、このパーセンテージになっているということでございます。

 

大塚委員長

 はい、分かりました。どうもありがとうございます。

 では、警察庁、いかがでしょうか。

 

警察庁

 警察庁です。聞こえますでしょうか。

 

大塚委員長

 はい、聞こえます。

 

警察庁

 警察庁においても、計画的に整備計画に基づいて、順次導入しているというところですけども、2019年と20年に比較的大規模な施設で更新がありましたので、その関係で大きく伸びたところがありますけれども、今後は、計画に基づいてやっていくので、順次、鈍化する部分もあるかと思います。

 以上です。

 

大塚委員長

 ありがとうございます。

 人事院、いかがでしょうか。

 

人事院

 人事院でございます。計画的に順次進めておりまして、比較的、今回割合が伸びたのが、公務員の研修所に多く蛍光灯がありまして、それをLED化したことによって、割合が上昇しております。

 以上です。

 

大塚委員長

 ありがとうございます。

 それでは、委員の先生方のご意見、ご質問のほうに戻っていきたいと思います。

 では、東川委員、お願いします。

 

東川委員

 聞こえますでしょうか。

 

大塚委員長

 はい、聞こえます。

 

東川委員

 政府の取組規模にはとてもかなわない規模でありますし、防衛の業務のことはよく分からないのですが、同じ行政機関として、また皆様よりはより国民の皆様に近くて、声も聞こえてくる自治体の者として、感想のようなものを述べさせていただきます。

 民間企業さんのお声として、ますます厳しくなる国内外の脱炭素化の活動のレベル、金融、投資機関からのニーズについて、役所に対して、できるものならやってみろとか、役所でもできないのに、社会の中で厳しく生き抜いて顧客に応えていかなきゃいけない民間の我々ができるわけないだろうみたいな声をよく聞きます。加えて、民間における脱炭素の商品やサービスを普及、促進させたいなら、役所こそ率先して需要喚起すべきという声もよく聞きます。

 こういった体験を持ちながら、政府の計画を拝見していきますと、民間企業さんとしては、業界団体さんが毎年作成している低炭素実行計画について、行政から指導や進行管理なんてされたくない、なんて内心思っている方がいるんじゃないかと感じました。

 BEMSにつきましても、これを導入するとか現在の負荷状況に合わせて機器を制御するなんていうのはもう当たり前でして、現在の状況とか天気予報を勘案して、将来予測までやりながら省エネに取り組むというのが、もう今や当たり前になっています。国が進めていらっしゃいますような、積極的な企業の賛同を得てGXリーグ制度を創設するという取組も大切なのですが、そこで取引される環境価値の創出には、省エネ機器の導入などが必要ですので、環境価値がより市場に出回って企業が購入しやすくなるように、国の側でも率先導入とか率先設置、有効利用を一層図っていただきたいと感じました。

 ただ一方で、行政が税金を使ってこういった機器を購入しようとすると、あるいは人手をかけてきめ細かい制御なんてやろうというと、一般の方から見て、ぜいたく品のような扱いを受けなくもないということで、従来品を設置、購入したり、使い続けなくてはならない事態というのも、同じ行政として分からなくもないです。

 東京都では、気候変動対策を進めるべく、これまで東京2020大会に向けて、あるいは2030年に向けて、都有施設のLED化や省エネ仕様の機器への交換などを積極的に進めておりますが、国と一都道府県とでは規模が全然違うと言われればそれまでなんですけど、すみません、LED化、その他の取組は都のほうが政府より進んでいます。これは、決して費用度外視で進めてきたからでなくて、LEDをはじめとした省エネ設備は、初期投資こそ必要ですが、設備の寿命全体で見たエネルギーとか経費を考えますと、運用時で消費されるものが最も大きな割合を占めますので、これらを半分にできる省エネ機器への交換というのは、長い目で見れば費用を安くできるからなのです。釈迦に説法を重ねて恐縮ですが、もし震災などの災害が発生した場合には、比較的早く復旧できるインフラである電力を使って動かせる設備や機器を備えておけば、災害対策としても有効ですし、これらの設備購入の促進というのは、何よりコロナ後の国内産業の活性化にも資することができると思料します。

 政府におかれましても、ぜひ改訂後の計画につきましては、2030年までに達成なんて言わずに、我々のような地方自治体レベルが、より安価に、また住民の理解を得ながら2030年までに省エネ機器への交換が進められるよう、率先して前倒しで達成を目指してくださればいいなと考えました。

 長くなりまして、すみません。

 以上です。

 

大塚委員長

 ありがとうございます。

 では次、齋藤委員お願いします。

 

齋藤委員

 齋藤でございます。

 非常に多くの施設がある中で、LED化ですとか、次世代の自動車の導入ですとか、いろんな環境の取組をきちんとなされておりますし、データの整理も大変だったと思いますが、よく整理されていることが分かりました。

 既にほかの委員からもお話がありましたけれども、全体として、整理がされると、結局原単位頼みなのかなというふうにも、見えてしまうと思いました。

 Society5.0の実現という視点で見ると、大事なところは全体最適化をどうやってうまく実現していくのかが非常に重要だと思っております。建物であれば、空調機器の性能を上げて、空調機器からの電力消費を減らす。それから建物を高気密・高断熱化して空調の負荷そのものを減らす。もちろん供給側の電力の脱炭素化というのも必須ですが。個別にばらばらと最適化をして、全体としての最適化をしていかないと、例えば空調機器だけに極端な負荷がかかってしまって、産業が大きくゆがむとか、ガラパゴス化するとか、産業界が海外に逃避するとかまでちらほら聞こえてきておりますので。

 これもほかの委員からもお話がありましたが、BEMSの導入がかなり進んできているという話があった一方、空調負荷が増えている。一体どうなっているのかなと不思議に感じたところです。

 新築の建物であれば、ZEB化がどんどん進んでいって、脱炭素化が進むのは、よく分かるのですが、2030年までに全部新築になることはあり得ないですし、かといって、全省庁でいきなり全体最適化しろ、脱炭素化しろと言っても、簡単ではありません。これだけの大きな組織でありますので、無理なこともよく分かっておりますので、既存の建物でも、まい取組の事例があるのであれば、ぜひ示していただければと思います。あまりそういう事例がないのであれば、各省庁で一つでも、二つでも結構かと思いますので、全体としてうまい取組をした何か象徴的なものを作り出していただくよいのではないでしょうか。

 例えば環境省は、今度引っ越をしてリノベをする話も聞きましたので、リノベでどれだけ脱炭素ができるのか。可能でしたら示していただくと、脱炭素化に弾みがつくのではないかと思っています。

 以上です。

 

大塚委員長

 ありがとうございました。

 では、吉田委員、お願いします。

 

吉田委員

 吉田です。

 取組に関しては、事前の質問なども踏まえて、比較的特に問題はないなと感じております。公用車なんかの答申がもしかして、運用の量が少ない車両なんかが取り替えられたりとか、そういうことも懸念したんですが、そういうことも特にない。十分に考慮されているというふうに聞きましたので、電力の原単位頼りということはありますが、全体としては有為なことではないかと思っています。

 一方で、この政府の中の話は結構なんですけど、業界、民間の業界の温暖化対策計画の委員会全体を見て感じたこととしては、やっぱりScope3の取組というのが、徐々に注目されてきているという中で、今回、政府内というのでは範囲外なのかもしれないんですけど、そこが一言も触れられていないというのは、ちょっとどうなのかなと。もちろん、Scope3の排出量は省庁で計算するべきとは申しませんが、少なくとも環境省、経産省でサプライチェーンの温室効果ガスの算定のガイドラインという一定のインフラを既に作られているということを、もう少しアピールして、普及させていくという取組というか、そういうこともこの場でおっしゃっていただけるとよろしいかなと思いました。

 コメントに近いですけど、以上です。

 

大塚委員長

 ありがとうございます。

 では、大江委員、お願いします。

 

大江委員

 大江でございます。

 政府実行計画のご説明、ありがとうございました。それで感じておりますのが、2020年の数字ということですけれども、実はその後のコロナの関係で、公的部門に関しましては、自治体も含めましてコロナの対応というのが熾烈を極めておりまして、電気の使用量が増えているんじゃないかなという状況にありますので、今後情勢が変わるんじゃないかなと思います。なかなか予断を許さない状況ではないかなと。今後の計画、進捗状況の中では、公的部門こそ大変じゃないかなと感じているところでございます。

 そういう意味で、LEDの話、先ほど来出ているんですけれども、政府におかれまして22.8%というので、ちょっとやっぱり低いのかなという印象を受けます。しかし、従来の蛍光灯、電球はもう部品がなくなってきていますので、民間の部門など、例えば住宅なんかはそれが原因でどんどんと加速しているというような状況もございます。このLEDに関しましては、外的な要因も比較的受けにくい分野で、粛々と取り組みやすいんじゃないかなと思いますので、2030年に100%と言わず、それはそれとしましても、例えば中間的に5年間で80%にするとか、少し加速するような取組を行って、シンボリックなものとしていただいたらいいんではないかなと思いました。

 以上でございます。ありがとうございます。

 

大塚委員長

 ありがとうございました。

 では、中上委員、お願いします。

 

中上委員

 ありがとうございます。

 お聞きしておりまして、初期の頃に比べたら、はるかに内容も充実して、しかもご参加いただけるというかご同席いただける省庁の方々も、初期の頃はほんの数省庁しかなかったんですけど、もうかなり、ほとんどの方々にご出席いただいて、議論が一緒にできるというのは隔世の感がございますけれども、ぜひ、口幅ったい言い方ですけれども、我が事としてこの問題を捉えていただかないと、環境省が音頭を取って、何かデータを出せと言っているわけではなくて、今回首相ベースでゼロにするというアナウンスが出たわけでございますから、ぜひ我が事として取り組んでいただけるようにお願いしたいと。それは国民、我々も消費者も、一般の当たり前、同じことでございます。

 幾つかもうお話が出ていますので、若干重複しますけど、先ほど来出ていますLEDなんですが、これも家庭用のエネルギー消費の中で家電製品に関わる消費が、ぐーっとここのところ、ここ10年ぐらい、劇的に下がっているんですが、この大半はLEDによるものだというふうに推定されます。かなり効果の高い手法でございますので、ぜひこれは今の大江委員のお話にありましたように、前倒しでもいいからやっていただきたい。ただそのときに、いつも問題になるんですけども、財源がないということですので、これはよく物入りな状況ですから理解できますけれども、どうして役所の場合、ESCOのような手法が取れないんだろうかと。海外では、官公庁に対するESCOのコミットメントというのが一番大きくて、絶対に潰れることのない事業体でございますから、長期間の契約を組んでも、ESCO事業者にとっては何らその不安がないので、最も大きなマーケットがこの官公庁だと言われますけれども、ぜひ、そのESCOだけではないと思いますので、LEDだけじゃないと思います。ESCOビジネスモデルの活用ということを、ぜひ再度ご検討していただきたいと思います。役所の場合には、財産管理の問題がありますから、リースというのは難しいのかもしれませんけど、何とかその辺をうまく工夫して、前倒しにできるようなことをやっていただきたいと思います。

 それと、これも二、三の先生から委員の方からご指摘がございましたけど、省エネ診断をやるのは結構なんですけど、診断結果がどう生かされて、どういう事業に結びついて、具体的にはどんな省エネが行われたのかと、その説明がないものですから、省エネ診断をやっただけでは、決してこれは何もそこから現実にエナジー・セービングができるわけじゃなくて、診断結果に基づいてどのような省エネを実施したのかというところが、それが実際の効果になるわけですから、そこも含めて、お手数ですけどぜひこれはブレイクダウンしていただきたいと思います。

 同じことが齋藤先生からもお話がありましたけれども、BEMSなんですけど、BEMSも百花繚乱の嫌いがありまして、本来ならばよく分かりませんけれども、国全体でまとめてテクノロジープロキュアメントのような形で仕様書を作って、こういうふうなエネルギーマネジメントシステムを発注したいから、それを開発して、あるレベルのものを選んで納めてくれというふうな発注の仕方をすれば、相当ドラスティックにコストも下がると思いますし、しかも仕様が一定化されれば、このような判断をするときに数値が横並びで、極めて明瞭に、明確に定量的に判断できますから、そういう手法を海外では、特に北欧なんかでは、テクノロジープロキュアメントは、政府がいろんなシステムについて大成功を収めたという実施例もあるわけでございますから、この辺もぜひご検討していただきたいと思います。

 あとは、全般的には皆さん集まっていただいて、こういう議論を一緒にできるということに、これに越したことはございませんので、粛々と進めていただきたいと思います。

 ただもう一点、全体のエネルギー消費量としては少ない二、三%でしたか、公用車の部分なんですけど、これがなかなか進んでいないと。これも先ほど来の何か、耐用年数だとか保有期間だとか、いろいろ制約があるんだと思いますけれども、この辺も願わくば省庁間で下から上げるんじゃなくて大臣レベルで、大臣が我が省庁の公用車を全て次世代にするというぐらいの決断をしていただくと、あっという間にこれは進むんですね。ぜひ、ここはボトムアップよりも関係省庁の大臣の方々に、トップの方々に、号令一下、進めろというふうに言っていただくのが一番手っ取り早いんじゃないかと思いますけど、そういうふうな提言というのは、ここからはできないんですかね。

 以上です。ありがとうございました。

 

大塚委員長

 ありがとうございました。

 では、事務局にお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。

 

地球温暖化対策課長補佐

 ありがとうございます。事務局、地球温暖対策課でございます。

 まず、東川委員から民間企業様を含めたお声をご紹介いただきまして、その上で企業様の取組を促進するためにも、政府としてしっかりやるべきというご指摘をいただきまして、まさにそのとおりかなというふうに思っております。

 一方で、役所の調達の特性ですとか、そういったような点で、どういうふうに予算要求をして税金としてしっかり使っていくかといったようなところも、パブリックセクターとして、自治体さんとも共有する部分かと思っておりまして、そういう中で例えば省エネ機器のランニングでのコスト回収といったようなところのご示唆もいただいたかと思っておりますし、BCPみたいな視点もいただいたのかなと思いますので、ぜひご指摘いただいたような形で、政府としての取組にも生かしていければというふうに考えているところでございます。

 また、齋藤委員からいただきました全体最適という視点は、非常に重要でございます。個別の機器も良いものを導入し、また建物の省エネ性能も高め、またその調達する電力も良くし、ということで、冒頭のほうの先生方のご指摘にもその排出係数の部分頼みというご指摘もありましたけれども、というわけではなくて、やはりしっかりまずは足元の省エネを徹底してやっていくということが同時に重要だということで、改めて申し上げさせていただきまして、そういう全体の最適化に向けた取組を進めていきたいというふうに思ってございます。

 そういう中で、モデル的な取組ということでご指摘もありましたけれども、環境省のほうの庁舎移転というところでも今準備を進めておりますし、そういったような各省庁さんが参考となるような事例みたいなものをお示しすることで、取組を進めていくというご示唆についても、大変ありがたく受け止めさせていただければと思っております。

 また、BEMSにつきましてもご指摘いただいておりまして、こちらについて、やはり先ほどもありましたが、BEMSもいろんな機能がありまして、中上先生からもありました、それをどう活用するかというところで、やはり分析とか自動制御とか、そういったような機能を持ったものを入れていくといったようなことも重要な視点で、それをさらに活用して実際の省エネにつなげていくというところが重要かと思っておりますので、引き続き取組を進めていきたいと思ってございます。

 また、吉田先生のほうからは、Scope3についてご指摘をいただいてございます。おっしゃるように、今回は計画の主眼は、あくまで政府が出しております事務事業からの、いわゆるScope1、Scope2といったような部分を対象とした計画で、その部分をまずしっかり削減していこうという思想で紹介をさせていただいております。その上で、各企業さんについて、環境省とか、経産省さんとも連携して、企業さんのScope3、サプライチェーン全体の排出量をどういうようにマネジメントするかという取組、我々もやっている中で、政府としてどういうようにそこに取り組んでいくのかというところは、持っていくべき視点ということでご示唆いただいたかというように思ってございます。企業さんの取組の促進と併せまして、政府としても、計画の中でScope3的な調達の話ですとか、というのは記載がございますけれども、そういう形でのまとめ方というのを今していないという状況ではございます。まずしっかりScope1、2に取り組んだ上で、3についてどういうふうに取り組んでいくのか、特に調達というところを通じて何ができるかというところが引き続きの課題かなと思います。

 大江委員からいただきましたとおり、LEDが低いということでございます。そこについては、先ほども各省庁さんから取組の中身、コメントをいただきましたけれども、環境省も含めてしっかり取り組んでいくということで、前倒しも含めてというコメントをいただきました。計画的にやる中で、LEDの導入のメリットみたいなところとか、あとは初期費用の部分の何かいいアイデアなんかも含めまして、取組の加速ができるかどうか、引き続きそのフォローアップをしっかりやっていきたいというように思っています。

 それから、中上先生からいただきました各省が我が事としてということで、全体的にコメントをいただいたかというように思います。今回も各省庁さん、ご協力いただいて参加いただいていますし、新しい計画の中でも、各省庁さんがしっかり参画して、このフォローアップをやっていくということが明文化されてございますので、来年度以降もしっかり各省庁さんにご協力いただきながら、進めていきたいと思っております。

 またその意味で、ESCOですね、ご指摘いただきました初期費用の部分をどういうふうにマネジメントしていくかというところは、行政としても予算の関係も含めて、しっかり考えていかなきゃいけないかなと思っております。LEDのみならず太陽光のほうでも、似たようなPPAモデルとかいろんなやり方があると思っておりますし、リースみたいなことも課題があるのかもしれませんが、初期費用を下げるという意味であるのかなということで、初期費用をいかに課題としてそこを解決していくかという手法として、ご指摘いただいたESCOも含めて、引き続きその研究をしっかりしていきたいというように思います。

 また、省エネ診断の部分は、先ほどBEMSもありましたけども、どういうように取組につながっているのかということで、今回も資料として各省庁さんの事例をご紹介させていただきましたけれども、BEMSのほうは、そこの部分のフォローアップがどういうようにできるのかというところについて、新しい計画の下でまた考えていきたいと思います。

 テクノロジープロキュアメントについても、勉強させていただきます。ありがとうございます。

 公用車につきましては、そうですね、大臣レベルでというお話をいただきまして、昨年10月に決めた政府実行計画、閣議決定ということで、政府全体として意思決定をしたという計画でございます。その中で、来年度以降、そのフローでしっかりやるというのと、2030年のストックでしっかりやるということで、そういうレベル、大臣レベルでの意思決定ということで、計画をつくってきてございます。それをしっかり実施をしているかどうか、この委員会で来年度以降も引き続きご審議いただきたいというふうに思ってございます。

 事務局からは以上でございます。

 

大塚委員長

 ありがとうございます。

 中上委員からご指摘があった公用車の件で、次世代自動車の導入割合を見ますと、多くないほうで三つの省ぐらいについてちょっとお伺いしたいのですが、農水省さんがやはり導入率がまず低いんですけど、農水省はいかがでしょうか。農林水産省はいかがでしょうか。何かコメントをいただけますでしょうか。

 

農林水産省

 農林水産省です。聞こえておりますでしょうか。

 

大塚委員長

 はい、聞こえています。恐れ入ります。

 

農林水産省

 お世話になっております。

 この分母となっております公用車の中に、出先機関の作業で使う車が相当数入っております。例えば、国有林の管理に使う小型の四駆ですとか、なかなかまだ選択肢がないものがございまして、このような低い状況となっているものでございます。一方で、事務用の代替車があるものについては積極的に取り組んでございまして、この霞ヶ関で運用している公用車につきましては、全て次世代車に、具体的には電動車にもしているということでございまして、可能なものはどんどん、できるだけ置き換えを進めていきたいと考えております。

 以上です。

 

大塚委員長

 ありがとうございました。

 では次に、防衛省、いかがでしょうか。

 

防衛省

 すみません、防衛省です。

 一応やはり、うちとしても計画的には実施しているんですけれども、やはり予算等いろいろありまして、今の状況になっております。ただ、本省の市ヶ谷のほうについては、90%ぐらいは次世代車ということで努力している状況です。

 以上です。

 

大塚委員長

 どうぞよろしくお願いします。

 三つ目が国交省ですけども、今日はご欠席のようですが、後で書面等で伺うことにしたいと思います。(※)

 ほかにはいかがでしょうか。中上委員、もう一度ということでしょうか。

 

中上委員

 すみません、ちょっと聞き忘れたんですけれども、いいですか。

 

大塚委員長

 はい、どうぞ。

 

中上委員

 各施設って、一くくりにしてありますけど、これ、施設の中身というの、大体皆似たようなものと考えていいんでしょうか。何か随分、施設といっても、府省庁によって全然内容が違うような気がするんですけど、その辺も若干補足のコメントがないと、読むほうが間違って解釈してしまうかもしれない。その辺はどうなんでしょうか。施設というのは、大体皆、横並びにそろっているんでしょうか。我々が施設というと、建物か何かイメージしちゃいますけども、この中に言っているところの施設というのは、どうなんでしょう。

 

大塚委員長

 ちょっと後で伺います。

 では、森口委員どうぞ、お願いします。

 

森口委員

 2巡目で恐縮ですが、中上委員からご発言がありましたが、私も気になりましたのは、私も今、国立研究開発法人で同じようなことを検討しなければいけない立場におりますけれども、研究機関でもオフィス的なところと実験施設等で、全く床面積当たりのエネルギー消費量と違いますので、オフィスが主ではあるとはいえ、防衛省さんであるとか、法務省さんなんかであれば、また違う形態があるかなと思うんですよね。ですから、単純に床面積ということでも、もう少し用途で純粋にオフィスのところとそうでないところを少し区切って報告いただくとか、中上委員もおっしゃったように、当初に比べれば随分進展してきたと思うんですけども、せっかく進展してきたので、もう一段階きめ細かに検討いたしませんと、LEDの話も出ておりましたけれども、床面積当たりということの中でも、どういう用途の床面積当たりなのかということを、そろそろ区別したフォローアップをしていただいたほうがいいのではないかなと感じましたので、2巡目ですけども、発言をさせていただきました。

 

大塚委員長

 ありがとうございます。

 では、事務局でお答えいただいてもよろしいでしょうか。

 

地球温暖化対策課長補佐

 ありがとうございます。

 今、中上先生、それから森口先生から、施設の用途についてのご指摘をいただいております。おっしゃるとおり、各省庁さんがお持ちの施設、様々な用途のものがございます。一般的に霞ヶ関にあるものはオフィスビルが建ち並んでいる状況でございますけれども、いろんな省庁さんでそれぞれ固有のものがございまして、先ほども申し上げたような、例えば法務省さんとかですと刑務所みたいな用途のものもございますし、あと環境省でいけば、ビジターセンターとかそういったような用途、公園管理みたいなものもございます。あとは各省庁さんもお持ちかもしれませんが、研修所のようなものもあれば、あとは病院のようなものをお持ちの省庁さんもいらっしゃるということで、非常に省庁さんの事務事業によって様々であるということでございます。そういう中で、解像度を細かく、特にオフィスとオフィス以外で分けたほうがいいんじゃないかという森口先生のご示唆をいただいておりまして、また中上先生からのご指摘、森口先生からのご指摘も踏まえて、解像度をどう上げられるか、調査の実務的な部分もあると思いますので、その辺も踏まえながら、より各省庁さんの実態が分かる、ご努力も含めて分かるような形にできるかどうかみたいなところは、課題として承りたいと思います。ありがとうございます。

 

大塚委員長

 ありがとうございました。

 ほかにはいかがでしょうか。

 時間少し、まだございますけど、よろしいでしょうか。

 じゃあ中上委員、お願いします。

 

中上委員

 すみません、さっきから3回目ですけれども。

 これもちょっと言い忘れたんですけれども、齋藤先生からのご指摘の中にもあったかもしれませんけど、各省庁でやっぱり大口の何かエネルギー消費装置、シチョウ省庁でいくと空調設備みたいになると思いますけど、そういったもの、ヴィンテージといいますか、どのくらいのものが入っていて、いつ頃作り替えるのかというのがあると、我々も先行き、この時点で替えるから今のところまだ手をつけていないんだというのが分かるんですけども、そういう極めて大口のエネルギー消費装置のヴィンテージといいますかね、その設置年次みたいな、そういうのが分かるような情報が付け加わると、もう少し具体的に対策につながっていくんじゃないかと思います。調査を厄介にするかもしれませんが、ぜひその辺もまた、どこかお考えに入れていただいて実行していただければと思います。建物を建て替えるなんていうのは、まさにそういうふうなスケジュールの一つかと思いますので、よろしくお願いします。

 

大塚委員長

 じゃあ、森口委員、お願いします。

 

森口委員

 恐れ入ります。中上委員のご発言に触発されて乗るというのを繰り返して恐縮です。3巡目でございますが、今の中上委員のご発言とも少し関係するかもしれませんが、以前も発言したことがあるんですが、いわゆるオフィス部門については、合同庁舎方式を採られている場合に、どこのイニシアティブで対策ができるのかというのは、大変難しいところがあろうかなと思います。民間事業者でも、自社ビルですとか自社施設については、比較的動きやすい部分がありますが、雑居ビル的なところといいますか、業務部門と呼ばれる中の随分多くのところがそういった形になっていて、テナントとして入っておられる事業者さんは、自分たちのコントロール下でできることが非常に限られてまいりますので、そういったところ、東京都さんから民間事業者の痛みが分かっていないのではないかというような趣旨のご発言があったと私は理解しておりますけども、そういった観点でも合同庁舎におけるこういった問題というのを、どういう形であれば解決、改善可能なのかというところもぜひ次年度辺り、少し具体的課題としてお聞かせいただければなと思います。

 

大塚委員長

 では、事務局、お願いします。

 

地球温暖化対策課長補佐

 ありがとうございます。

 中上先生、また森口先生から、さらなるご指摘をいただいております。

 中上先生からいただきました施設の、特に大口の設備単位ではどういうヴィンテージになっているかとか、更新の計画がどうなっているかというところまで見られると、より分かりやすくなるんじゃないかというご指摘は、そのとおりかと思いつつ、一方で実際に各省庁さんのフォローアップ調査の中でどこまでどう取れるかというところが、実行可能性の部分との兼ね合いかなと思っておりまして、先ほどの施設の用途みたいなところも含めて、どう精緻化していくと実態がよく分かって取組が進むのかという中で、併せて考えさせていただきたいなというように思ってございます。

 また、合同庁舎につきましても、森口先生がおっしゃるように、管理をしている省庁とテナントで入っている省庁とございます。そういう中でちょっと、直接違うかもしれませんが、電気の契約なんかを見ても、オーナー、管理をしている省庁さんの取組だったりするといったようなこともありまして、そういう中でこういう政府実行計画をつくって、省庁全体で取り組むという方向性は、各省揃えてきているということになります。そのうち具体的に合同庁舎単位でどういうように、誰の発意でどう取り組むかというところが、ご指摘の点かなというように思っていまして、そこも実際どういう課題があってというところを把握しながらやっていく必要があるかなと思います。私の聞いている限りですと、地方の合同庁舎で、今取組をしようという各省さんが、連携して検討していただいているような事例もあるようでございますので、今回の計画の改定とかフォローアップみたいなところを契機にいたしまして、各省連携の取組を進めていくということが重要であるかなというふうに思っています。そういう事例とか、今は出てきたら横展開をしていくということが一つあるかなというふうに思ってございます。

 以上でございます。

 

大塚委員長

 ほかにはよろしいでしょうか。

 様々な点についてご指摘いただきましたので、次年度に向けてさらに検討を進めていただければありがたいと思っております。コストとの関係について、コストパフォーマンスについて検討してくださいという話とか、具体的にはLEDと次世代自動車が多かったと思いますが、さらに調整後の排出係数についても、並べて評価を出してくださいとかですね。燃料に関して、2050年のカーボンニュートラルに向かって非常に重要になってくるという話、それから全体の最適化が必要であるという話、BEMSについてのその効果について、きちんと検討していただきたい、Scope3との関係で、調達についてさらに検討してほしい、ESCOのような手法を導入してはどうか、それから施設はオフィスと実験施設などでは大分違う、その辺も検討していただきたいなど、様々な非常に重要なご指摘をいただいたと思います。どうもありがとうございました。

 では最後に、事務局から一言お願いしたいと思います。よろしくお願いします。

 

地球温暖化対策課長

 地球温暖化対策課長の小笠原でございます。

 今日は様々なご意見をありがとうございました。

 それから各省の皆様も、お忙しいところご出席いただき、ありがとうございます。

 この政府の実行計画、昨年10月に改訂をいたしましたけど、これまでのものと全く違うものになっております。政府自体の目標自体が2050年カーボンニュートラル、それから2030年、46%削減というように、全く質が変わっているように、政府実行計画自体も2020年までの目標は10%だったわけですけれども、2030年に向けては、政府自身の目標が50%ということに、今までの、今回の10%の目標は、もう達成しているわけでございますけれども、急激に減らしていかなければいけないと。そのために、我々もこの50%削減という目標を作るために、どう対策を積み上げるかというのは、相当我々も議論を中でいたしました。その大変な目標をちゃんと積み上げなきゃいけないということで、まず積み上げる対策として、まず省エネをどう進めるか、エネルギーの使い方をどう合理化するかということで、LEDについては、2030年までにほぼ全ての施設の耐用期間が来るということで、2030年までに100%というように置いております。

 それから自動車についても、マーケットにおいて2035年に電動車ということになることを踏まえて、前倒して2030年までに全て電動車、フローベースのものについて、もう来年度から電動車とすることを原則とするというようなこととして、この電動化を進めていくといったこと。ただ、エネルギー使用の合理化を進めていくだけでは50%にたどり着かないということで、再エネの活用ということで、一つは太陽光発電の設置。設置可能な政府保有の建築物の50%以上に太陽光発電設備を設置するという、2040年に100%を目指して2030年に50%という、そういう線を引いた50%以上。設置可能なというのをどう捉えるかというところはあるんですけども、そういった50%という数字でございます。これ自体も、実現するためには非常に各省さんのご協力を含めて、非常に努力を要するものでございます。さらに、電力についても、再エネ電力の調達を2030年までに60%以上を再エネ電力とするといった、こういった目標を設定するとともに、民間に協力を求めている政府として率先実行するためには、これをしっかりと絵に描いた餅ではなくて、実行していかなくてはいけない。そのために我々もしっかりとフォローアップをしていかなきゃいけないし、各省の協力を本当に仰いでいかなきゃいけないというそういう状況でございますので、この委員会でのフォローアップもしっかりとお願いしたいということと、各省さんにも多大なるご協力をお願いできればというふうに考えております。

 特にこの太陽光発電の50%設置、設置可能な建築物の50%設置というところについては、非常に各方面の関心が高くて、内閣府の再エネタスクフォースさんですとか、再エネ関係の議連さんなんかのほうからも関心が高いもので、ここについては、そういった各方面も含めてフォローアップがされると思いますので、各省におかれましては、ぜひともご協力のほどお願いいたします。

 それから、コストの話について、今日、度々議論が出ました。基本的には各省のいろんな調達の中に脱炭素というものを内在化させるということで、脱炭素自体の別の予算があるわけではないので、各省の予算の中、環境省は環境省ですけれども、その予算の中でこういったことを見ながら取り込んでいただくということになります。財務省からも各省予算の重点化により対応いただきたいというふうに、主計局からもそのように言われております。

 その一方で、東京都の東川さんからもご指摘がありましたとおり、LEDなんかはトータルで見たら、初期投資はあるんですけれども、トータルで見たらコスト減につながるものでございますし、そもそも耐用年数が2030年までに来る、2030年と言わずもっと早くというご意見もありましたが、それに向けて取り組んでまいりたいと思いますが、2030年に向けては耐用年数が来る、その中でトータルで見ればコストが減るということ。一方で再エネ電気の調達とかについては、再エネ価値の調達に伴って、コストがその分上がる可能性もあるものでございますが、その辺り、調達の工夫によって、コストを下げるといったこともあります。環境省のほうでも、公共調達、再エネ電力の調達に際して、マニュアル等を公開して情報提供しておりますので、そういった情報も提供しながら、いかに合理的に、効率的に再エネ電力を調達するかということについて、環境省としても各省さんに対して情報提供させていただきたいというふうに思います。

 というわけで、来年、年度途中でちょっと計画が切り替わっていて、各省さんにおかれましてはなかなか2021年度の取組、途中段階からというところもございますが、2050年カーボンニュートラルに向けて、政府自身がちゃんと率先実行しなきゃいけないという厳しい状況にあることをご理解いただいて、何とぞ各省さんにおかれてもご協力のほどお願いしたいという私からのお願いでございます。

 すみません、この場をお借りしてお願いさせていただきました。

 

大塚委員長

 小笠原課長、どうもありがとうございました。

 今後、地球温暖化対策推進本部幹事会に本委員会の議事を報告するため、本日の審議の概要を作成することとなりますが、その内容につきましては、私にご一任いただくということでよろしいでしょうか。

 もし異議がございましたら、お声を上げていただければと思います。

 

(異議なし)

 

大塚委員長

 はい、ありがとうございました。では、そのようにさせていただきます。

 環境省様におかれましては、先ほどお話がございましたように、きっちりリーダーシップを発揮していただけるようでございますので、どうぞよろしくお願いします。

 最後に、事務局から連絡事項等がございましたらお願いいたします。

 

地球温暖化対策課長

 本日は、活発なご議論ありがとうございました。

 議事録は、事務局で取りまとめを行い、委員の皆様にご確認をいただいた後、ホームページで公表いたします。

 

大塚委員長

 それでは、本日はこれで閉会いたします。長時間にわたりまして、ご議論をいただきまして、ありがとうございました。

12時00分 閉会

委員からの質問に対する各府省庁の後日回答

(※)に対する回答

 国土交通省においては、これまでも、災害対応車等の代替可能なものがない場合を除き、公用車の更新に伴う次世代自動車の導入を進めてきたところです。

 今後とも、新たな政府実行計画を踏まえ、代替可能なものがない場合を除き、電動車の導入を計画的に進めることとしています。