2020年度 中央環境審議会地球環境部会低炭素社会実行計画フォローアップ専門委員会(第1回) 議事録

1.日時

令和3年3月1日(月)10時30分~12時00分

2.場所

WEBによる開催

3.議事録

午前10時31分 開会

地球温暖化対策課長

 それではお時間になりましたので、始めさせていただきます。

 私、環境省の地球温暖化対策課長の小笠原と申します。

 ただいまより、2020年度中央環境審議会 地球環境部会低炭素社会実行計画フォローアップ専門委員会の第1回を開催いたします。本日はご多忙のところご出席いただき、本当にありがとうございます。

 新型コロナウイルス感染防止対策のため、本日はオンラインで実施させていただきます。

 委員の皆様のお名前については資料1、委員名簿をご確認いただければと思います。

 本日は、秋元委員、齋藤委員、馬場委員、東川委員が都合により欠席となります。

 審議は公開とさせていただき、ユーチューブで同時配信いたします。通信環境の負荷低減のため、ご発言の際を除き、カメラはオフ、マイクはミュートでお願いいたします。

 それでは、ここで大塚委員長から一言ご挨拶をいただきます。

大塚委員長

 委員長を拝命しております大塚でございます。

 本日はどうもありがとうございます。

 政府実行計画フォローアップの委員会にお集まりいただきまして、お忙しい中どうもありがとうございます。

 皆様にご案内のとおり、昨年の10月に菅総理が2050年カーボンニュートラルを宣言されました。これを受けて、政府はもとより自治体・企業を含めて、世界のほかの国々と歩調を合わせて、脱炭素社会の実現に向けて大きく動き出したと感じています。

 このような中、政府自身が脱炭素社会の実現に向けて、自らの温室効果ガスの削減に率先して取り組むことが重要です。政府の率先実行は、政府自らの温室効果ガスの排出量の削減に資するだけでなく、自治体、事業者、国民などの積極的な取組を促すものと考えられます。

 政府自身の削減計画である政府実行計画に関しましては、地球温暖化対策計画の中で関係府省庁の取組状況について中央環境審議会の意見を聞いて、PDCAサイクルを強化していくこととされています。

 関係府省庁におかれましては、当委員会の議論を踏まえて取組の分析を行って、今後の取組をさらに推進していただくことが重要です。

 また、環境省におかれましては、関係府省庁の取組状況を取りまとめていくことが求められておりますので、しっかりとリーダーシップを発揮していただきたいと思います。

 委員の皆様におかれましては、政府におけるさらなる取組が進むように忌憚のないご意見をお願いいたします。

 また、政府におかれましては、本日の審議結果を来年度以降の計画の実施及び研究にもつなげていただきますよう、よろしくお願いいたします。

 私の挨拶はこれで終わらせていただきます。

地球温暖化対策課長

 どうもありがとうございました。

 それでは、以降の進行は、大塚委員長にお願いいたします。

大塚委員長

 それでは、議事に入りたいと思います。

 本日は、事務局から資料についてご説明いただいた後でご審議いただくこととします。時間も限られておりますので、効率的に審議を進められればと思っております。

 まず、資料2及び3につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

地球温暖化対策課長

 それでは、資料2には政府実行計画の実施状況の概要を、それから資料3として詳細をそれぞれまとめております。以下、資料2を用いてご説明させていただきます。

 まず、資料2の4ページでございますけれども、皆様ご承知のとおり、地球温暖化対策推進法に基づいて、政府が自らの事務事業に関する、どう削減していくかという計画である政府実行計画を策定するものとされておりまして、現行計画は2016年の5月に温対計画と併せて、閣議決定されております。

 先ほど大塚委員長からもありましたとおり、政府実行計画の推進については、地球温暖化対策推進本部幹事会、これは内閣官房副長官補をヘッドとする会議で行うこととされております。

 環境省は、関係府省の実施計画の点検結果を取りまとめて、中央環境審議会の意見を聞いて、その意見と合わせて点検結果を地球温暖化対策推進本部幹事会に報告するものとされております。今般、2019年度の実施状況を取りまとめたため、中央環境審議会からの意見を聞くのが今回の趣旨でございます。よろしくお願いいたします。

 では、次のページをお願いいたします。

 5ページが、これも皆様ご承知のとおり、政府実行計画の目標でございます。全体の削減目標として、2020年までに2013年度比で10%削減、それから2030年度までに40%削減という目標を掲げております。

 エネルギー使用等に関する具体的な削減目標として、それを細分化したものとしては、電気については、事務所の単位面積当たりの電気使用量を2013年度比で、2020年度までに2013年比で10%削減。燃料については10%削減。公用車についても燃料使用量を2013年度比で15%削減といった目標。

 それから、関連する取組の具体例としては、省エネ診断について、まず第一段階として、2017年9月末までに霞が関の中央庁舎全て、第二段階として2019年度までに1万から5万平米未満の官庁舎の全て、あるいは1万平米未満の代表的な施設。BEMSの投入について、第一段階として、霞が関の中央庁舎全て、5万平米以上の大規模な官庁舎。

 それから、財やサービスの購入、使用に当たっての配慮として、LEDの導入割合を2020年度ストックで50%、用紙の使用量を2020年までに10%削減。公用車に占める次世代自動車の割合を2020年度までに40%、2030までにはほぼ全てといったこと。それから、上水使用量、廃棄物の量についての目標がございます。

 6ページは、そのほかの数量的目標を含まない具体的な細目措置について項目を挙げております。

 10ページに飛んで、現段階の実施状況でございますけれど、まず、温室効果ガス、政府の事務事業からの全体につきましては、前年度比で3.0%減少、2013年度比で11.7%減少ということになっております。2020年度の目標が2013年度比で10%削減でございますので、全体の目標としてはそれを超過達成しているという状況でございます。

 一方で、2030年度の目標は、今、現段階40%削減となっておりますので、この先に向けては、より一層の削減が必要という状況でございます。

 11ページに行きまして、この削減の内訳分析でございますけれども、2013年度比で11.7%減少してるうちの10.9%排出係数の変化という。電力について、再エネ、原子力が2013年度として増えていること等による排出係数の変化による削減というのが、大きな割合を占めている。公用車等の起用についてはマイナス0.5%で、施設の燃料使用についてはマイナス0.2%といった費用の増減率の内訳の分析でございます。

 飛びまして、16ページに行きまして、今度は施設の単位当たりの電気使用量でございますけれども、2019年度の単位面積当たりの電気使用量は前年度比で0.9%減少、2013年度比で3.2%減少でございます。これは目標的には2020年度に10%削減というものに対して、3.2%減少という状況でございます。

 次、17ページで、今度は施設の燃料使用量ですが、これは目標が2020年に10%削減というものに対して、2013年度比で0.004%増加、ほぼ横ばいという状況でございます。

 それから18ページに行きまして、公用車の燃料使用量と次世代自動車の導入割合でございますが、公用車の燃料使用量は前年度比で7.7%減少、2013年度比で18.7%減少ということで、これは目標が15%削減ですので、目標を超過達成しているという状況でございます。

 一方で、次世代自動車の割合は21.2%。これは2013年度からは11.1ポイント増加してるわけですけれども、2020年度の次世代自動車の割合の目標が40%ですので、そこから比べると低い割合という状況でございます。

 22ページに行きまして、省エネ診断の実施率でございますが、第一段階、50施設中43施設が省エネ診断を実施済み、第二段階対象455施設の374施設が省エネ診断を実施済みという状況でございます。

 26ページに行きまして、BEMSですけれども、第一段階対象の26施設中19施設がBEMSを導入済みでございます。

 27ページ、BEMSの機能活用事例でございますけれども、全施設に計測表示機能がある。一方で、分析機能、自動制御機能を有するBEMS導入施設は三、四割と半数満たない状況であります。BEMS導入施設の機能性を活用してると回答したのは94%で、具体活用事例としては、データ分析による省エネ対策の検討周知や設備運用の最適化等が挙げられております。

 29ページに行きまして、2019年度の用紙の使用量は、2013年度比で15.7%減少でございます。これは目標が10%削減ということなので、目標よりも超過達成しているという状況でございます。

 30ページでございますけれども、省エネ対策上はLEDが結構効くわけでございますけれども、2019年度のLEDの導入割合は18.9%。2013年度から12.4ポイント増加はしておりますが、目標は、そこに書いてある、2020年度までにストックで50%でございますので、来年1年の努力はありますけれども、まだまだ低いという状況でございます。

 32ページに行きまして、単位面積当たりの上水使用量ということで、単位面積当たりの上水使用量は、2013年度比で5.8%増加。目標は、2020年度に10%削減ですので、これは逆に原単位としては増えてるという状況でございます。

 34ページに行きまして、廃棄物・可燃物の量でございますが、2019年の廃棄物の量は、13年度比で37.4%減少、これも廃棄物の量は削減に努めるということにより削減している。可燃物の量は、2013年度より10.5%増加ということで、これは増えているという状況でございます。

 そして全体、今までの話をまとめたのが36ページでございます。

 相対的に見て、温室効果ガスの排出量削減についての取組は徐々に進んできており、公用車の燃料使用量や電気の排出係数の改善により、基本としては電気の排出係数の改善が大きいわけでございますけれども、2019年度は基準年度である2013年度に比べ11.7%の削減となった。これは、目標を見たら2020年度10%削減というものなので、2019年度に超過達成しているという状況でございます。

 排出量以外の数量的目標の達成状況につきましては、事務所の単位当たり電気使用量は基準年から3.2%減少、これは目標10%に対してまだ3.2%。

 それから、LEDの導入割合は目標50%に対して12.4ポイント上昇し、18.9%、まだまだという状況。

 用紙使用量は、目標10%減に対して15.7%減少と、超過達成している状況。

 エネルギー供給設備等における燃料使用量については、基準年度と同水準ということで、目標は10%減ですが、減ってないという状況。

 事務所の単位面積当たり上水使用量については、基準年から5.8%増加。目標は10%減少。

 公用車の燃料使用量は基準年度から18.7%減少し、2020年度の目標15%減というのは達成している。

 次世代自動車の割合については基準年度から11.1%上昇し、21.2%になってるけれども、目標は40%。

 LEDの導入率は18.9%、次世代自動車の導入率は21.2%となっており、引き続き導入をより一層の努力が必要という状況であります。

 省エネ診断の実施率は、第一段階対象施設の86%で、2020年度の実施予定の施設を加味しても、100%とした目標を達成しない見通しであり、未達の府省庁について取組を促す必要がある。

 2019年度末時点のBEMS導入率は、政府全体で第一段階対象施設の73%で、BEMS活用事例の紹介等により、未導入施設への導入促進。導入施設でも活用促進を図っていく必要がある。2020年度の削減目標達成に向けて、LED照明の導入、省エネ診断の実施、BEMSの導入を一層進めていくことにより、事務所の電気使用量やエネルギー供給施設等における燃料使用量の削減を推進する必要があるというのが、事務局作成資料における実施状況のまとめでございます。

 以下の参考資料をつけておりますが、説明は省略いたします。よろしくご意見のほどをお願いいたします。

大塚委員長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまご説明のありました内容につきまして、ご質問、ご意見等を頂きたいと思います。ご発言がある方は、挙手ボタンを押してお待ちください。事務局から順に指名させていただきます。

 では、川本委員、お願いします。

川本委員

 川本です。

 では、9ページ目、直接のご説明はなかったスライドかと思いますけれども、全体での温室効果ガス排出量の推移の円グラフが載っているところですけれども、そこで左の2013年度と右の2019年度で、ごみ焼却が0.86%から4.0。削減目標の対象の範囲外という整理になりますけれども、増加が見られるわけで、その比率、割合が大分高いと見えるわけですけれども、これは今日のこのご説明の中で直接ありました廃棄物の値の変化、これが飛んで34枚目のスライドで、結論として、2013年度比で1割の増加という、これと比較して考えるべきものかと思いますが、そうすると可燃物の量で見ていきますと、約1割、7.0が7.7になってる。先ほど0.89が4ちょっとでしたから、先ほどの円グラフのほうの比率が大分増えているということは、恐らく相対的にほかのものはよく減ってるんだけれども、ごみ焼却起因の温室効果ガスの量がそれほど減っていないということを表しているんだろうと思うんですが、そうすると34枚目のスライドの1割、10%ぐらいは増えてますよというのと、やっぱり乖離があるかな。どこかにもうちょっと増えている要因があるように思われるんですが、その辺りのことをもう少しご説明いただけたらと思います。それが一つです。

 それから、32枚目の二つ前のスライドで上水使用量というのがあって、これは結論のところにも記載があって、前年度比では減っているということだけれども、2013年度比で約6%の増加ということで、世の中節水が大分浸透していて、あまり明確な文献的根拠があっていうわけではないんですが、工場などでは節水が相当進んでいますので、逆に水道のセクターとしては、節水は呼びかけるけれども、水の使用量が減るというのが痛しかゆしのところがある。

 ただ、こういう政府の関係では増えているので、何とも面映ゆいところがあるわけですけれども、この要因が一体どこにあるのか、節水型の水道関連の部材は相当普及している、それこそウォシュレットに至るまで相当浸透しているはずであるのに、なぜ6%も増加するのか、この要因もやっぱりよく吟味する必要があるんだろうと思います。これは二つ目です。

 それと、先ほどの廃棄物に関連で、数値目標の対象外だというような整理のようですけれども、ごみの量なんというのは量的な目標は設定しやすい部類かと思いますので、歴史的になぜこれが数値的な目標の設定外になっているのかというのも、ご説明いただけるとよろしいかと思います。

 以上、お願いします。

大塚委員長

 ありがとうございました。

 二、三名の方にお話しいただいてから、事務局にお答えいただきたいと思いますけど、ほかにはいかがでしょうか。

 藤江先生、お願いします。

藤江委員

 どうもご説明ありがとうございます。

 今のご質問といいますか、ご指摘と似たような内容ですけれども、目標というか見込みと実際の乖離が大きいところや、あるいは結構達成しているところがあろうかと思いますけれど、特に乖離が大きい場合について、要因分析がどの程度なされているのか。

 例えば、見通しが甘かったのか、予算が足りないのか、努力不足なのか、ほかに予期せぬ要因があったのか等々あろうかと思います。

 そういった観点から、いかにチェックし、そのチェックの結果をフィードバックして、改善していただくというシステム的な取組がどういうふうになされているのか、なされようとしているのか、その点について簡潔にご説明いただけたらありがたいと思います。

 以上です。

大塚委員長

 ありがとうございます。

 では、森口委員お願いします。

森口委員

 ありがとうございます。

 3点ばかりになるかと思いますけれども、申し上げたいと思います。

 政府実行計画のフォローアップという仕組みができるようになってから比較的新しいかと思いますけれども、各省、特に産構審中心に行われてきた業種別のフォローアップなどにも長く関わらせていただいておりましたので、その辺りも含めて発言をさせていただきます。

 冒頭に大塚座長からもご発言ありましたように、2050年ネット・ゼロに向けて、新しい大きな動きがあるわけで、今回のフォローアップにその動向が間に合っていなかった部分もあろうかと思いますけれども、こういう足元からの着実な取組を見ていくということと、2050年を見据えて今何をやるべきかということとの間に、やはりどうしても距離感があるかなと思います。そういう意味では新しいフェーズに入ってると思いますので、各省のほうでも、そういうフェーズで考えていただければありがたいなと、これは各業種にも申し上げているところであります。

 そういった意味で、このフォローアップをこういうふうに地道にやることも重要なんですけれども、一方で2050年に向けて、かなり大きく仕組みを変えていかなきゃいけないんじゃないかなと思うんですね。ですから、せっかくの機会ですので、そういった議論もぜひこの場でしていただければなと思います。

 そのことは、この後各論で申し上げることにも関わっていくんですけれども、やはりこれまでの政府の予算の使い方などの仕組みの中で、いろいろな制約があって、取組が進まない部分もあるんじゃないかなと思いますので、それは各省のご努力だけでは済まない部分もあるんじゃないかなと思います。

 今日、財務省ご参加かどうかは分からないんですけれども、特に車両、公用車の買換えなんかということになりますと、当然お金をつけていただけないことにはできないというようなことがあると思いますので、そういったところをもし本音として関係各省のほうからお聞かせいただけるようなところがあれば、教えていただきたいなと思っております。

 今もう既に2点目に入りかけておりますけれども、特に公用車に関して言いますと、絶対数の台数の多い農水省さん、国交省さんのデータを拝見すると、台数が多い割にはなかなか導入が進んでいないように見えます。多分これは本省部門ではなく、地方に多くの事務所等をお持ちですので、そういったところで、現業に関わるところがあって、こういう状況になっているのではないかなと思います。そのあたりの状況の中で、自動車への買換えが進まないご事情があれば、教えていただければなと思います。

 併せて、電気の排出係数が出てきていて、それが全体としては排出削減のほうに貢献しているんだと思いますが、これは全体としてのトレンドとして、再生可能エネルギーの導入などで、全体の電気の排出係数が下がっている中での恩恵かなと思います。

 同じことを民間の事業者、業種ごとのフォローアップの中でも申し上げているんですけれども、率先して、多少値段が高くても、排出係数の低い電気を買うということを各業種では既にやっておられるわけですけれども、政府の場合、なかなかそれが進みにくい。これは各省の判断でできないところ多々あろうと思いますので、これは政府全体としてやっていただかないと、そういう仕組みにできない部分があると思うんですけれども、ぜひその辺りの取組についても、お考えいただければと思います。これはどこに向かって申し上げればよろしいのか分からないんですけれども、せっかくの機会ですので、申し上げたいと思います。

 あと、3点目はこれはなかなかフォローアップの仕組みの中では尽きないところがあるかもしれませんけれども。

 今回報告されているのは、オフィスプラス公用車の部分だと思うんですけれども、現業に近い部分のフォローアップも非常に重要ではないかなと思っています。

 これは以前にも申し上げたんですけれども、これは国ですけれども、地方公共団体になりますと、かなり現業部門を持っておられる。上下水道、排水処理等持っておられるということですね。そこの排出抑制というのは非常に重要になってまいります。

 国の場合でも、これは国直轄ではなくて今は法人化しているので、ここに入らないと思うんですけれども、例えば、厚労省さんは国立の病院をお持ちであります。私、厚生労働省のフォローアップの座長を十数年続けておりますけれども、ここでは医師会、私立病院はフォローアップの対象になってるわけですけれども、病院という業種を考えますと、大学病院であれば文科省、国立病院機構であれば、独立行政法人的なものとしてのフォローアップのに関わってくるかと思います。

 今のこのフォローアップの仕組みがある種の縦割り的になっていて、業態としては、近くてもなかなか意見交換をする場がないところがあると思います。主に政府の実行計画のフォローアップというのは、オフィス部門的なところですので、ほかの省庁でやっているオフィスのフォローアップとも共通性がいろいろあるかと思うんですけれども、ぜひこのフォローアップの仕組みも、業態というか、エネルギー消費の形態の近いところの中で情報交換、情報共有ができる仕組みというのもぜひ考えていただきたいなと思っております。

 これ、恐らく温暖化対策関係の法律の大きな見直しの中でやらざるを得ないのかなと思いますけれども、そこのキーパーソンであります大塚先生が座長であるということも含めまして、少しこのフォローアップの域を出ているかもしれませんけれども、申しおきしたいと思います。

 長くなりましたけれども、私からの意見、以上3点でございます。

 

大塚委員長

 どうもありがとうございました。

 財務省は今参加されてないみたいですけれども、環境省のほうから伝えていただくことになると思います。

 では、事務局から今の3名の先生方のご発言に対しまして、ご回答を頂ければと思います。

地球温暖化対策課長

 ご意見ありがとうございます。

 まず、川本委員からいただきました9ページの廃棄物のところなんですけれども、この赤い線が引っ張ってあるところが政府の削減目標の対象で、ここで言うごみ焼却というところは、赤い線の範囲に入っておりません。

 ここの部分は、主として環境省が現状として行っている福島の旧避難区域における、いわゆる福島県内における廃棄物の処理、仮設焼却炉を環境省自身が設置して、早期に処理をするということでやっているものでございますので、これも早期に処理をするという目的の中でやっておりますので、この実行計画の中に含めてカウントすることが適当ではないのではないのかということで、この政府の削減目標の対象から外した中でという整理をして、あの実行計画にはその旨を書いているところでございます、

 そういう意味で、ご指摘をいただいた廃棄物、可燃物の量、34ページのところでは、こういった福島における廃棄物の量をカウントしてない、それ以外の可燃物についての量ですので、統計的には別のものということでございます。

 それから、2点目、上水が増えている要因ですけれども、各省から出てきた要因も聴取をした中では、施設の人員が増えたことに伴い使用量が増えたといったことであるとか、老朽化による漏水などという要因が出てきているところでございます。

 それから、藤江委員から頂きました乖離が大きい場合の要因分析ですけれども、それぞれの省庁から要因も含めて出していただいて、それを基に分析を行うという、相対的に言えばそういう仕組みでございます。

 ただ、その分析及びフィードバックが十分かどうかというところは、ご指摘のとおり改善の余地してるところはあるんだろうと思っております。

 それから、森口委員から頂きました2050年カーボンニュートラルに向けた取組、そもそも2050年カーボンニュートラルに向けどうするか、政府全体でいいますと、ご承知のとおり、2050年カーボンニュートラルに向けてどう取り組んでいくかという話と、それから2030年の目標をどうするのかという話、2030年の目標についてもこのままでいいのだろうかと。

 昨年3月、野心的な削減努力に基づき、意欲的な削減目標に見直すといったことも政府として宣言を国連に提出をしているわけでございますので、2030年の目標についても、国全体の目標についても今後見直されていく中で、政府実行計画の2030年の目標、40%削減というのが変わる可能性も大いにあるところでございます。

 したがって、現状2020年の目標は達成はできそうな感じであるんですけれども、そこで胸を張っていても、それでは不足というか、2030年40%削減という現行の目標自体、結構厳しいものでございますし、それがさらに深掘りされる可能性もございますので、それに向けて、政府実行計画の対策メニューをどう評価していくかということは、現在既に各省庁に相談を始めているところでございますので、2050年に向けた取組ということとともに、この2030年の目標見直しも予測、考慮した対策の在り方というのを政府内で検討、調整、相談をしているところでございます。

 そういった文脈の中で、いろんな対策メニューとして、自動車の買換えをどうしていくのかというのも当然メニューの一つになってきます。一旦、自動車を買ってしまうと、購入という形だと耐用年数ずっと使いますよということだと、既に今年買ったものが、2030年までずっとあるかどうかみたいな、2030というのはそんなに先の話でもございませんので、そういう話も出てきます。

 そういう中で環境省自身も検討する中で、購入じゃなくてリースとかで、もっと短い年数で対応できるものにして、順次切り替えていくとか、そういう現行の予算のルール上でもリースの活用とか、そういったことも含めて対応していくことは可能だと思われますので、そういったことも含めて省内でも検討しておりますし、各省とも相談をしていこうとしているところでございます。

 それから公用車、農水省さん、国交省さんの事情について、農水省さん分については農水省さんにお答えいただくとして、紙に書いておりましたのは、18ページのところで、実際は自動車の購入がない例として、各省から回答出てきたのは、交換基準年数、走行距離が更新基準に達してないというのは、これは既に買っちゃった車がまだ耐用年数過ぎてないという。購入しちゃった場合にはこういう縛りはかかってくるのであれば、そこは購入にするのか、リースにするのか、みたいなところで対応し得るものかと思いますけれども、車種が限定され、車両価格が高額という、特に道の悪いところを走るような車種が限定されてるんじゃないかというところは、今後の車種の増加に期待する部分もあり得ますし、車両価格が高額というところは、これは物によってそういう場合もあるでしょうから、かと言って予算総額が増えるわけではないので、その中での工夫といったことが必要になるだろうと。環境省自身も、電動車とかを増やしていく中で、どうやって予算でやりくりするかという検討をしているところでございます。

 それから、電気の排出係数について、これ政府全体として取り組む必要があるんじゃないかというお話がございました。これは特に今後、大幅削減に、現行の2030年、40%削減に向けて取り組んでいく場合においても、省エネ努力だけでなくて、電力の排出係数の改善というか、再エネ等のゼロエミッション的にはどう活用していくのかということは、もう避けて通れない課題だと思っておりまして、そこは各省庁さんとも相談をさせていただいている。ここ2030年に向けた対策メニューをどうするかという中で、各省庁と相談をさせていただいてるところでございます。

 それに先立って、12月10日付で内閣官房行政改革推進本部事務局と環境省と連名で、再生可能エネルギー電力の調達についてということで、ちょっとこれ12月に割と突然各省にお願いをしたので、もう既に来年度の電力の調達を始めてる機関とかもありましたので、各省に再エネ電力の調達についてお願いをする中で、各省施設のうち、既に入札手続を開始している施設と、実施困難な施設を除き、令和3年度分の電力について、再生可能エネルギー比率を30%以上の電力調達を実施することというお願いをしているところ。可能な施設については、30%ぐらい再エネが入ってる施設の調達を始めてくださいよという、そういうお願いもしているところでございます。

 さらに、次の実行計画に向けて、2030年度目標達成に向けて対策をどうしていくかという中において、こういった再エネ調達みたいなものを位置づけるということも含めて、政府全体として取り組んでいくことを含めて、現在相談をしているところでございます。

 それから、法律上は実行計画の対象は政府の事務事業ということになっておりますけれども、グリーン購入法とかだと、独法とかに対しても、そういった取組を促すようなことがあることも念頭におありかもしれません。現行の温暖化対策推進法は、政府事務事業というものを対象にしておりますので、国立病院とか独法とかの対象になっておりませんけれども、そういったこと、主体も含めてどのように取組を促していくのかということは、引き続き検討していきたいと思っております。

 私のほうから以上でございます。

大塚委員長

 ありがとうございました。

 では、お二人はいかがでしょうか。

 醍醐委員、お願いします。

醍醐委員

 先ほど来の先生方のコメントとも近い部分も出てこようかと思いますが。

 一つ私が気になりましたのは、省エネの診断率、非常に高く実施率が上がってきている。あるいは、エネルギーマネジメントシステムの導入率も上がってきているというのが見える一方で、その目標としては比較的適当なというか、ただそれは手段の実施としての目標であって、最終的な目標はやはり電熱の省エネだと思うんですよね。

 そういうところで、最終的な結果を見てみると、電力消費だったり、燃料消費というのはそれほど大きくは変わっていない。最終的に排出温暖化係数の変化分が大きく結果としては見えているというのが少し残念なところというか、省エネ診断は実施されている、BEMSも入っている、けど、電熱の省エネは余り進んでいないというのが、この結果からの直接的な解釈になってしまうのかなという気がしております。

 そういう意味では、一つあまり手段が目的になってしまうのは望ましくないかなと思いますので、本当の電熱の省エネに向けた取組というのを、そういう意味では今の省エネ診断とBEMSだけではもしかしたら不十分という解釈であるならば、もう少し次のステップを考えなきゃいけないわけですし、あるいは、それがうまく活用できていないというのであれば、その導入率の次のステップというのをどうマネジメントしていくのかというところになろうかと思いますので、今のそれらの単純に目標として設定した手段としての省エネ診断や、BEMSの導入というの結果がどうなっているのかというのは、少し解釈をしていく必要があろうかなというのが一つです。

 という反面、先ほど来の先生方のコメントのように、2050年に向けて、今の仕組みを大きくパラダイムチェンジしていかないことには、恐らくそこには向かっていかないのは明らかであります。

 そういうところを考えると、排出係数がこれだけ下がってきたというのは、ある意味人のふんどしの効果というところはあろうかとは思いますが、ただ各セクターでの役割というのもあろうかと思いますね。

 今回これはもちろん政府の事務事業ですが、ほかのフォローアップのところでも、各業界に閉じてその評価をしていたのでは、ともすると、各業界だと少し増エネになってしまう。なんだけども、その取組が、ほかのセクターでのその増エネ分のはるか何倍もの効果で省エネになるということは考えられるわけですよね。

 そういう意味で、単純にセクターの直排出だけを見るのでもなくて、その活動によって、どれだけ社会全体で減らせている効果があるのかというような、その取組の解釈というのは非常に重要ではないかと、ほかのフォローアップのところに出させていただいているときも、再三申し上げさせていただいているところです。

 そういう意味では、政府の役割の一つとして、もちろん事業者さんの努力が大きなことは確かだと思いますが、この再エネ導入率が上がって、温暖化係数の排出、原単位が下がってというのは、一つ政府としては政策が功を奏したと、ある種言える部分ではなかろうかとも思うわけです。

 そういう視点で考えますと、例えば、先ほどの次世代自動車も、当然ながら政府が主導して、次世代自動車を導入していくというのは重要かとは思うものの、例えば、既に普及しているような次世代自動車を導入して、自分たちの排出を削減するというのは一つですが、さらには、例えば、黎明期にあるような技術のものを率先して導入することで、メーカーにそういったまだ黎明期にある技術の導入、あるいはそのさらなる技術開発、あるいはそれが実際に動くことによって次の技術的課題も見えてきますから、そういったような次のマーケットをつくっていくような取組ができないかとか、あるいは、それがある種政府だからこそできる取組のような気もしますし、それがさらに社会全体のそういった次の技術体系の普及につながっていく。

 あるいは、先ほどの再エネの話も少し考えるところありまして、確かに政府が主導して、再エネ導入率の高いような電源を買うというのは、もちろんそれは一つの方向ではあるんですが、でもそれもマーケット全体の状況によりけりじゃないかと考えるところもあります。

 例えば、再エネ電源を購入したい人のほうが多くて、供給側が足りていないというときにそんなことをしてしまうと、どっちかというと人の分を分捕るということになってしまうように思うんですよね。

 そういったことが起こっては本末転倒になりますので、そういう意味では自分たちの再エネ導入の電源を買った結果、供給が増えたというような解釈までも少し取組の結果の解釈というか、そういったところまでセットでやっていっていただかないと、本来政府としてやるべきことが、実際の政府以外のところのマーケットの脱炭素化に向けての取組に寄与しているかどうかというところは、必ずしも明確ではないのかなというような気もしますので、少しそういった視点も持って、お取組については検討いただけたらなというところでございます。

 以上になります。

大塚委員長

 では、中上委員お願いします。

中上委員

 ありがとうございます。

 二、三点、コメントと質問ですけれども。

 一つ目の質問は診断なさってるんですけど、この診断はどういうふうに活用されているんでしょうか。診断しただけじゃ意味がないんで、これをどう活用されているかということを一つお聞きしたい。これが一つです。

 それから、この種の実行計画の検討に私も森口さんと同じように、幾つかほかのもの出てきて、座長も幾つかやりましたけれども、通常はここで言う各省庁さんからのような立場で、各業界団体からご報告いただいて、我が団体ではこういう努力をしてこうなりましたとこういうご報告をいただくんですが、国の場合は環境省が全部まとめてやっているもんですから、全部が掌握し切れていないのかどうかはよく分かりませんが、若干情報が未精査、まちまちなところがあるんじゃないかという気がしております。

 本来はもう今までと違って、これも森口さんからお話がありました50年に向けて大変なアナウンスが出てるわけで、宣言したわけでございますから、各省庁がもう今までとは全く違った対応で、これに立ち向かっていただけないだろうか。

 ですから、本来ならば、各省庁からの独自の問題点、課題、その目的、それから努力なさった実態というのをご報告いただくという形にするのが一番いいんじゃないかと思いますけど、省庁も多過ぎるので、なかなかそうもいかないのかなという気はしますけれども、ぜひその辺もご検討いただきたい。

 もしそれがうまくいかないというんであれば、環境省さんのほうで何らかのフォーマットをきちっとしつらえて、最低限この各省庁間での差異が出ないような形での情報収集と、それから方向性をまとめていくということに対して、もう一回考えていただく必要があるんじゃないか。今までとはやっぱり全く違った立ち位置にあるんじゃないかと、私は思っています。

 それからもう一つですけれども、こういう官庁の場合には調達をなさっているわけですが、これは省庁別に調達が行われているんでしょうか、それとも一括して調達をするような、アメリカでいうような調達庁のような立場はないんでしょう。

 と申しますのは、この調達が政府ベースですと、相当まとめると大量になりますから、例えばLED一つ入れるにしても、相当コストを安く、大量に調達することによって仕入れることができる。すなわち、置き換えることができるというようなことが取れるんじゃないかと思いますけど。そういう調達がどうなっているかということについて、ちょっと教えていただきたいと思いました。

 そういった意味からしますと、これも森口先生のほうからお話がありましたけど、予算執行上で大変難しい局面が幾つか出てくると思いますけれども、以前から私申し上げたかもしれませんが、ESCOのような民間資金を活用して、投資回収を同時に合わせながら置き換えていくというような、もう一度やっぱりお考えになったほうがいいんじゃないかと思います。

 大規模なところは、かなり手当が進んできてるようですが、これからは小さいところをどうするかとなると、小さいものについてはESCOでもなかなか対応はし切れないんですけれども、同種類のものであれば、まとめて一括して同じ標準化した技術仕様でできるとなれば、これは民間ビジネスでも結構対応できると思います。そういった点についても、これからは違った観点から位置づけて取り組んでいただく必要があるんじゃないかと思います。

 私からは以上です。ありがとうございました。

大塚委員長

 どうも、大変有益なご指導ありがとうございます。

 では、大江委員、お願いします。

大江委員

 はい。大江でございます。

 事務局の皆様、本当にご苦労さまでございます。

 私は、やはり2050年のカーボンニュートラルということを思ってしまうわけですけれども、今回のコロナにおきまして、推奨された様々な新しい働き方というのがあると思うんですけど、例えば時差出勤であるとか、断続的な在宅勤務といったようなことがあると思うんですけれど、これがコロナの対策としては非常に有益だということでしたが、環境、温暖化対策という観点から見てどうなのかという検証は、必要なことなんじゃないかなと思っております。

 併せまして、政府の実行計画とは離れますが、国民サイドで申しますと、新しい生活様式というのがあるわけなんですけれども、これが例えば出前を推奨するとか、オンラインショッピングをどんどん進めるとかいったような方向性で、これからのアフターコロナの時代に定着していくということもあろうかと思うんですけれども、これも行き過ぎてしまうと、環境政策上はどうなのかなと感じております。

 例えばオンラインショッピングなんかですと、必要以上にごみが出てしまうといったことがございます。こうしたことを考えますと、政府の実行計画で、今後アフターコロナも見据え、そして2050年も見据えますと、政府として例えば長時間労働を是正するといった新しい働き方というようなことと、国民全体としての簡素なライフスタイルということを改めまして思い出していただく、ある意味非常に重要なきっかけの時期に来ているんじゃないかなと思っております。そういう意味でコロナで少し緩んだり、今まで進めていたことが忘れてしまいがちになっているところをこのカーボンニュートラルの視点でチェックをして、これから2050年に向けた国民的なムーブメントというのはどうあるべきかというのを発信していただければ、非常に効果的ではないかなと感じておりますので、こうした観点からも、政府の実行計画として取り組んでいただければと思っております。よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

大塚委員長

 ありがとうございます。

 では、3名になりましたので、事務局からご回答をお願いします。

地球温暖化対策課長

 様々ないろんなご指摘ありがとうございます。

 まず、醍醐委員から、省エネ診断の活用についてご指摘をいただきました。おっしゃるとおり、省エネ診断をすること自体が目的ではなくて、どう活用していくかというところが大事でございます。

 そうした点については、省エネ診断した後の活用が十分でないというような部分もあろうかと思いますので、どのようにこれを活用していくのか、それを目的たる削減に生かしていくのかというところは、よく検討していきたいと思います。

 それから、次の黎明期にあるような技術というのを、いろんな技術開発の補助金とか委託費とか、いろんな形で支援していく中で国として導入していくという、燃料電池車なんかでも、初期のころから国も導入したりみたいなことをしておりましたけれども、国として黎明期にある技術を支援していくために、委託補助から自ら購入みたいなことも含めていろいろ支援していくというのは、重要なことかと思います。

 それから、再エネを国として導入していくときに、供給が足りないような状況になったら本末転倒じゃないかというご指摘、そういったこと的確な指摘かと思います。

 併せて、国としても再エネを増やしていけるように、再エネの大量導入、現時点では2030年エネ比率 22から24ということになっておりますけれども、2050年カーボンニュートラルに向けては、再エネの大量導入というのが必要なことは言をまたないところでございますので、前の調査のほうでも、総合エネルギー調査会の大量導入小委員会等で検討していて、そういうところで政府としてしっかり検討していくというのと、環境省自身としても、今回地球温暖化対策推進法の改正の中で、地域はその再エネに協力していくような仕組みも導入していったりしてますんで、エネルギー調査を中心として関係各省、協力しながら再エネの大量導入に向けて条件整備に取り組んでいきたいと考えております。

 それから、中上先生から報告につきまして、各省庁から現状この環境省からまとめて報告をしてるわけですけれども、各省庁から報告すべきじゃないかというご指摘をいただいてました。報告の仕方について、関係省庁も非常に多くありますので、どういった形が適当かは引き続き検討していきたいと思います。

 関係省庁から一応個票も出していただいて、資料3の後ろには、出していただく個票もつけているところでございますけれども、こういった個票の在り方も含めて、どういったことが適当かということについては引き続き検討していきたいと思います。

 それから、調達については、各省庁で予算が別々の構造になっておりますので、調達については省別の調達となっております。

 ESCOについては、制度としては可能なのでございますけど、なかなか国の実際の手続上、一旦ESCOのための調達をするみたいなところが、なかなか国の仕組みにはまりにくくて、なかなか進んでないと聞いております。

 それから大江委員のほうから、コロナから新しい生活様式というものの影響、それを境にどう対応していくかということがご指摘をいただきました。日本も似たようなものがありましたけど、IEAがレポートを発表しておりまして、2020年、コロナの影響で在宅勤務によって家庭でのエネルギー消費が増加する一方、運輸、通勤は、エネルギー量削減効果が大きく、平均で合計ではエネルギー消費が減少するという、そういった報告が出ております。

 全体としても排出量自体としては、経済活動が縮小してることもあって、排出量としては2020年については減少する、6%とか、数パーセント減るという試算が様々な機関によってされているところでございます。

 一方で、住環研さんも試算をされてたかと思いますけれども、新しい働き方に伴って、オフィスとかの排出量は減る一方で、家庭の電力消費量が増えているという、そういった新しいライフスタイルにどういうふうに対策を打っていくのかというのは、非常に重要なことかと思います。

 環境省も11月からのおうちでの生活時間が長くなっている。そこで排出量が増えているよねということを踏まえて、おうち快適化キャンペーンという、省エネ家電の買換え、それから、ZEH推進、断熱リフォームの推進ということで、特に断熱リフォームの推進については補正で40億円の予算もつけて、同時に国交省さんでも住宅グリーンポイントをされてますけれども、そういったコロナの新しい生活様式に対して、どう排出を減らしていくかということのキャンペーンを始めているところでございます。

 さらに、2050年カーボンニュートラルに向け、コロナプラス2050年カーボンニュートラルという補助強化の中で、どのようなライフスタイルを国民に訴えかけていくのかというのは、これは環境省としてもしっかり問いかけていかなければならないと思っております。

 私のほうからは以上でございます。

大塚委員長

 そろそろ時間になりますが、伏見委員から手を挙げていただいておりますので、伏見委員、お願いします。

伏見委員

 伏見ですけれども、と名前の変更がうまくいかなくて、委員Cになってますけど、申し訳ございません。

 先ほどのに関連するんですけれども、紙の使用量もかなり2020年度になってると、減るのではないかなということは予測されるんですけれども、そのデータというのは、現時点であるのでしょうか。

 あともう一つ、細かいお願いなんですけど、単位がトンと千トンと万トンと、いろいろ混ざってるんですけど、ちょっと万トンの表記ですと、4桁になって一つずれてくるので、比較してるときに桁が分かりにくくなりますので、できれば、トンと千トン単位での表記に統一していただけると、異なるデータの比較がしやすいかなと思いますので、ご検討くださると幸いです。

 私からは以上です。

大塚委員長

 吉田委員。手短にお願いします。

吉田委員

 公用車についてお伺いしたいんですけど、公用車の買い換える基準というのは何か用意されているのでしょうか。

 要するに、余り走らない車だったら、むしろ買い換えないほうがよい場合もあるでしょうし、たくさん走ってる車でしたら、法定耐用年数を待たずに買い換えてもよいでしょうし。その辺りを何か基準を一覧表か何かにつくっておけば、むしろそれがLCA的に製造時のCO2を下げるメーカー側へのモチベーションになってよいかなと感じました。

 私からは以上です。

大塚委員長

 では、事務局からお願いします。

地球温暖化対策課長

 ありがとうございます。

 2020年に向けての紙の使用量については、今年度これは2019年のデータでございますので、2020年に向けてはまた来年度調査を行うことになります。

 単位についてはすみません。そろってなくて、見にくくて申し訳ありません。万トンだと確かに見にくいですので、千トンかトンかで統一するようにしたいと思います。

 それから、公用車については、一律の買換えの基準というのがあるわけではございません。ただ、購入したものについては、一般的に割と耐用年数前に変えることは会計的には変えにくいというような面はあろうかとは思いますが、一律の基準があるわけではございません。

 以上です。

大塚委員長

 どうもありがとうございました。

 最後に私から一言だけ申し上げておきますが、やはり先ほど、小笠原課長からもございましたように、各省庁の再エネの導入というのが一つ大きなポイントに今後なってくると思います。

 あと、LEDに関してあまりご議論がありませんでしたが、LEDの導入も非常に重要なポイントになってくると思います。

 各委員におかれましては、様々な重要な点をご指摘いただきまして、どうもありがとうございました。特に中上委員がおっしゃった各省庁について、どういうふうにしていくかはこれから検討されますが、何らかの形で報告をしていただくような方向が一つは考えられるかなと思います。

 これは政府の実行計画に限った問題ではありませんが、大江委員からおっしゃっていただいた、現在コロナとの関係で行われていることのうち、環境との関係で今後何を残し、何を変えていくかといった点のことは、環境省としても非常に重要なポイントではないかと考えております。

 では、時間となりましたので、本日の議論はここまでとさせていただきます。

 最後に、事務局から一言お願い申し上げます。

地球温暖化対策課長

 今日は本当お忙しいところお集まりいただき、貴重なご意見をいただきありがとうございました。

 今後の予定でございますけれども、計画の実施状況及び本日頂いたご意見について、地球温暖化対策推進本部幹事会に報告して、その後、環境省のホームページで公表する予定でございます。

 また、今後、地球温暖化対策計画の改定と併せて政府実行計画についても、2030年どのように取り組んでいくかということが、現行計画2020年10%削減というところまでの対策メニューしか入っておりませんので、2030年の目標達成に向けて、実行計画にどのような対策メニューを盛り込むかというところは、今政府として政府内で検討しているところでございます。

 併せて、そういったことについては、地球温暖化対策計画の関係と併せて政府実行計画についても改定することを予定して、政府内で調整していきます。

 本日頂いた意見、参考にしながら取り組んでいきたいと思いますので、本日はどうもありがとうございました。

大塚委員長

 では、本日の議事につきましては、事務局で議事録を作成していただき、委員の皆様にご確認いただいた後で、公表していただくことにいたします。

 また、地球温暖化対策推進本部の幹事会に報告いたします中央環境審議会の意見の内容につきましては、私にご一任いただきますように、よろしくお願い申し上げます。

 それでは、本日はこれで閉会いたします。長時間にわたりまして議論いただきまして、ありがとうございました。

午前11時42分 閉会