フロン類等対策小委員会 産業構造審議会 製造産業分科会 化学物質政策小委員会 フロン類等対策WG 合同会議(第7回)議事録

日時

平成30年12月18日(火)10:02~11:49

中央合同庁舎5号館2F 講堂

議事次第

1.開会

2.議題

 (1)フロン類の廃棄時回収率向上に向けた要因分析と今後の対応について

 (2)その他

3.閉会

配付資料

資料1 フロン類の廃棄時回収率向上に向けた要因分析と今後の対応について(案)

参考資料1 実態調査及び要因分析の詳細

参考資料2 関係者ヒアリングの実施について

参考資料3 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(オゾン層保護法)の一部を改正する法律について

参考資料4 平成29年度のフロン排出抑制法に基づく業務用冷凍空調機器からのフロン類充塡量及び回収量等の集計結果について

参考資料5 フロン排出抑制法に基づく平成29 年度のフロン類の再生量等及び破壊量等の集計結果を公表します

参考資料6 平成29 年度 フロン類算定漏えい量報告の集計状況(速報)

参考資料7 経済的手法に係る検討経緯

参考資料8 第6回合同会議議事録

議事録

午前10時02分 開会

○皆川室長 それでは、定刻となりましたので、産業構造審議会製造産業分科会化学物質政策小委員会フロン類等対策WGと、中央環境審議会地球環境部会フロン類等対策小委員会の第7回合同会議を開催いたします。

 本日はお忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。私は事務局の経済産業省オゾン層保護等推進室長の皆川でございます。本日の議事に入りますまでの間、事務局として進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 今回から合同会議におきましても、東京都環境局環境改善部長の筧委員にご参加をいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

 また、本日は奥委員、高村委員がご欠席。また金丸委員からは遅れてのご到着となる旨のご連絡をいただいておりますが、両委員会ともに過半数の出席となり、定足数を満たしていることをご報告いたします。

 なお、これまで産業構造審議会の委員としてご活躍をいただいておりました須川先生でございますけれども、この度任期満了に伴い、ご退任をされております。これまで長らくご尽力をいただきましたこと、この場をお借りいたしまして、改めて感謝を申し上げます。

 また、本日はタブレットを使用いたします。何か不具合等ございましたら、遠慮なく挙手をいただけましたら担当の者が参りますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、本日の配付資料の確認をさせていただきます。タブレットの中に置いておりますファイル名、読み上げさせていただきますので、皆様フォルダの中にファイルがあるかどうかをご確認をお願いいたします。

 まず最初に、01議事次第、02配付資料一覧、03委員名簿、04座席表、それから資料1とございまして、それから後は参考資料が1、2、3、4、5、6、7、8までございます。以上の13個のファイルを本日配付してございます。もし資料の不足、不具合等ございましたら、事務局までいつでもお申しつけください。

 それでは、議事に移りますので報道関係の撮影はここまでとしていただきますようお願いいたします。

 議事進行は産構審、中環審、それぞれの長が交互に務めることとなっておりますので、本日第7回の合同会議では、産構審の飛原座長に議事進行をお願いしたいと思います。

 それでは、飛原座長、よろしくお願いいたします。

○飛原座長 皆さんおはようございます。飛原でございます。本日の議事進行を承りました。どうぞご協力をよろしくお願いいたします。

 初めに、本日の議事につきましては公開といたします。議事概要につきましては、前回と同様、事務局の文責において作成していただきまして、速やかに公表していただくこととなっております。詳細な議事録につきましては、後日皆様のご確認を経た上で公表することになっております。

 それでは、本日の議事に入りたいと思います。

 本日の議事は一つだけでございまして、議事(1)としてフロン類の廃棄時回収率の向上に向けた要因分析と今後の対応についてでございます。資料1をご覧いただきたいと思います。それにつきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○馬場室長 環境省のフロン対策室長の馬場と申します。資料1についてご説明させていただきます。

 資料1、1枚目からでございます。まず背景・経緯ということで、2017年の温室効果ガス排出量の速報値でも、温室効果ガス排出量全体では前年度から減少している一方で、代替フロンについては前年度比や2013年度比で大きく増加をしております。

 モントリオール議定書のキガリ改正を受けて、製造・輸入が新たに規制される中で、使用時漏えい対策や廃棄時回収対策についても早急に取り組む必要があります。使用時漏えいについては、平成27年4月に改正フロン排出抑制法が施行されまして、機器のユーザーを管理者として位置づけまして、定期点検等を課す等の施策が講じられたところでございます。

 一方、フロンの廃棄時回収率については、フロン回収・破壊法施行以降、10年以上3割程度で低迷しております。平成27年のフロン法の施行により、管理者が位置づけられ、ユーザーの認識が高まって、回収率が一定程度向上しておりますが、引き続き4割弱にとどまっております。温対計画では、2020年50%、2030年70%という目標を設定しておりまして、早急な対策が必要でございます。

 

 こうしたことから、昨年の9月12日の合同会議におきまして、廃棄時回収率の向上に向けた議論が行われました。その中で廃棄時回収率は3割台である一方で、台数の率が23年、24年ごろから上昇傾向となり、27年には7割まで向上しているということがわかってきました。そのため、この要因をはっきりさせないと適切な対策が打てないということで、要因分析をさらに詳細化していくことが必要だということになりました。

 そこで、実施した調査でございますが、環境省のほうで2つのアンケート調査、去年の11月の日設連調査、さらには昨年12月の台数の上位100社調査を行いました。両調査から一定の有用な知見は得られたものの、全体像を把握するデータが得られなかったため、平成30年度にあらためて、充填回収業者全体の実態が把握できる調査を実施いたしました。

 具体的には平成29年度のフロンの回収実績について、機種別、規模別、つまり大・中・小の内訳の情報をアンケート調査で収集しました。全国の回収実績に影響が大きい、台数とか量が多い事業者につきましては、2,000事業者に全数アンケートを発出。それ以外の台数と量の少ない事業者4万4,000については、1,500を無作為抽出してアンケート調査をしました。

 これとは別に、平成29年度の法定報告がございまして、これは大・中・小の区分はないのですが、機種別のデータがありますので、これを先ほどのアンケート調査で拡大推計をして、法定報告の大・中・小の内訳を求めました。

 これと廃棄機器推計、いわゆる分母でございますが、この分母の機種別、規模別の台数・量を比較することで、乖離の要因と回収率が低迷している要因の分析を行いました。

 まず乖離拡大の要因でございます。昨年9月12日の審議会において、乖離の拡大が生じている理由として、一つは小型の機器がたくさん集まっているものの小型の機器は、フロンがほとんど入っていないので量が取れないのではないかという仮説。または作業不足、技術的な制約が、大きくなっているのではないかという仮説、そのような可能性が示されました。

 それを検証するために関係業界にヒアリングをしたところ、非常に冷媒量の少ない小型機器、家庭用ウオーターサーバーとかビールサーバー、こういうものが分子において回収台数として報告されているんですが、分母については計上されていないということが原因であることがわかりました。ヒアリングの結果、そのような形で台数率がデータ上増大した一方、量への影響は小さいため、廃棄時回収率に影響がほとんどなかったことが、この乖離の拡大が生じた原因だというふうに考えられます。

 これを具体的に定量的に計算したものが次のページでございます。

 5ページの上の折れ線グラフでございますが、紫色がフロンの量の推移でして、青色が台数の推移でございます。これを①、②というふうに修正しておりますけれども、①は実は分母でこれまで別置型ショーケースの台数カウントを室内機の台数で行っていたことが判明したので、これを室外機に修正したのが①修正でございます。それをした上で、先ほどのウオーターサーバー、ビールサーバーを除外いたしましたのが②の修正でございます。これをすることで、台数と量の乖離が平成14年以降と同程度に縮小したということでございまして、ここ5年来の乖離の拡大は、これが原因であったということが確認されたわけでございます。

 以降につきましては、自販機に加えて家庭用ウオーターサーバー、ビールサーバーを除いたデータを用いて解析を進めるさせていただきます。

 6ページでございますけれども、冷媒未回収の要因仮説ということで、概念図、まず要因としてどのような要因があるかを整理したものでございます。要因Aは、機器廃棄時に冷媒回収が行われなかったこと(のみ)に起因するもの。先に要因Cをご説明いたしますが、これは機器は引き渡されたのだけれども、作業不足や技術的制約により回収されなかったもの。要因Bは現状、フロンの回収作業が行われていないのですが、仮にフロン回収作業が行われたとしても、要因Cと同様に作業不足や技術的制約により回収されないであろうという量でございます。それらを絵にしたものが下の棒の絵でございます。下に引き渡し実施された機器について要因Cが存在し、引き渡し未実施の機器について要因AとBが存在するということでございます。

 なお、ここで廃棄時回収率37%となっておりまして、これは今年の10月に公表した廃棄時回収率38%と1%差があるのでございますが、これにつきましては先ほどのウオーターサーバー、ビールサーバー、自販機を除外した等の事情により、差が生じているものでございます。

 したがいまして、こういうふうな概念整理をすることで、要因Aが回収実施台数率、台数を向上させる施策で冷媒回収率を改善し得る上限。BとCというのは台数を上げることに加えて、回収実施機器における回収量向上も図る施策を行うことで改善し得る上限というふうに解釈できます。

 その要因分析を行った結果がその下の表でございまして、いわゆる冷媒未回収分、63%について要因AからCに分解をいたしました。

 まず(参考)というところで、廃棄時残存冷媒量内訳100%の内訳というふうにございますが、灰色のハッチがかかっているところが、いわゆるボリュームゾーンでございまして、毎年おおよそ1万tのフロン類が廃棄をされております。温暖化係数、例えば2,000として掛け合わせると2,000万tCO2換算とか、それぐらいのオーダーになるわけでございますが、そのうちのボリュームゾーンというのは中型の空調、小型の空調、それから中型の冷凍冷蔵でございます。

 ここについて要因分析A、B、C分けましたところ、要因Aについてはこれら三つについて、それぞれ引き渡しが十分に行われていない結果、要因Aの下のところですが、29~37%になっています。要因BとCは中型の空調に特異的に見られておりまして、それぞれ要因Bが13~20%、要因Cが17~22%ということでございます。これの幅になっておりますのは後ほどご説明いたしますが、推計手法による差異でございます。

 8ページに参りまして、参考までに廃棄時推計データにおける台数と1台当たり回収量とも比較をいたしました。その結果、やはり中型空調、小型空調、中型冷凍冷蔵については台数ベースで引き渡っていない。一方で、中型の空調については1台当たり回収率が十分ではないというふうなところが得られます。

 9ページに参りまして、具体的なイメージでございまして、大型というのは大型のターボ、スクリューのようなものでございまして、中型空調というのは、いわゆるビル用マルチエアコンのような、タコ足のすごく配管が長いものでございまして、小型空調というのはいわゆるパッケージエアコンと言われるようなものでございます。また中型冷凍冷蔵というのは、いわゆる別置型と言われる室内機と室外機がばらばらに設置されるようなものを中心に中型のものでございまして、小型はいわゆる一体型のフロンの量が少ないものでございます。

 その下でございますが、データ分析からの示唆として、要因Aが29~37%で最大ということでございます。うち、中型冷凍冷蔵、小型空調、中型空調で大半、すなわち2020年の50%を達成するためには、これらについて台数率をよくすることが不可欠でございます。一方で要因B、Cについても相当程度ありますので、これについても1台当たり回収率の改善について並行して取り組む必要があります。

 また、今回の調査で解体についてもデータを得ております。10ページでございますけれども、解体につきましては特有の阻害要因が想定されまして、鍵括弧の中で小さい文字で書いてございますが、例えば解体工事の多重下請構造の中で、回収作業が行われないような、そもそもフロンが回収されない要因A関係の阻害要因ですとか、それから回収作業上の制約、例えば暖気運転をするための電源がないとか、十分な時間が確保できない、そのような要因C関係の要因、それぞれございます。

 それについてアンケートで行った結果は、下の表のとおりでございまして、これを考察いたしますと、次のページでございます。

 11ページに参りまして、データ分析からの示唆は以下のとおりということで、まず中型空調、小型空調につきましては、建物の平均寿命というのは通常50年ぐらいです。機器の平均寿命は15年ということで、機器が2~3回更新されて、3~4回目に建物とともに廃棄される実態にあることが考えられます。

 そうしますと、空調機器が廃棄される機会のうち、あわせて建物が廃棄される機会の確率は、大体3割ぐらいになるはずです。ところが、先ほどの前のページを見ていただきますと、回収実施台数に占める解体の割合というのは15%程度になっておりまして、相当程度低いということで、建物解体時における回収実施台数率は低調であると考えられます。

 ちなみに、空調機器が廃棄される機会のうち、あわせて建物が廃棄される機会が3割だと仮定した場合の解体と解体以外、解体以外というのは設備更新時ですが、これを比較した場合の評価がその表となっておりまして、解体時は3割ぐらいしか回収されていない。機器更新時には7割程度回収されているというふうな評価になります。

 一番下ですが、中型冷凍冷蔵につきましては、ビルの解体と建物と機器の所有者が異なる場合がございます。なので、建物解体と同時に廃棄が行われるとは限りませんでして、解体の前に別途撤去されているケースがございますので、このデータだけでは評価が難しいのですが、ただ先ほどの中型冷凍冷蔵の回収台数が相当程度不足しているということもあわせて考えれば、廃棄機会を問わず低調であると考えられます。

 12ページでございますけれども、建物解体時の1台当たりの回収率につきましては、ほかの廃棄実施の場合と同程度ということで、これらにつきましてはヒアリングでもこれらの分析を支持する意見をいただいております。

 次のページでございます。

 このようなデータが得られたわけですが、そのデータを受けて回収率向上に向けた具体的な課題を抽出するために、さまざまな関係者の方々にご協力いただきまして、ヒアリングを実施いたしました。その結果は以下のとおりでございまして、まず要因A関係でございますが、大手ユーザーは環境対応やISO14000など、コンプライアンスの認識が高く、きちんと引き渡しを実施している可能性が高い。また設備機器の更新時に伴う廃棄につきましては、一般に機器を更新する、納入する設備業者が廃棄もあわせて同時に請け負うので、ここは冷媒回収が実施されている可能性が高い。一方で、冷媒引渡義務に関する認識の薄いユーザーを中心に、設備業者が介在しない解体時の廃棄とか、それからあとは店舗が退店するときの中型冷凍冷蔵機器の廃棄、こういうところについて回収実施漏れが存在している可能性があるということでございます。

 このようにユーザーの認識とか廃棄の状況に応じて、冷媒回収の実施状況に差があるということから、こうした状況によらず、ユーザー全員が義務を履行することができる仕組みを求める意見が多く寄せられました。

 次のページでございまして、廃棄物・リサイクル業者にヒアリングをいたしました。一つ目でございますが、現行法上の仕切りに従いますと、廃棄機器が廃棄物・リサイクル業者に流れてくる際には、三つのパターンがございまして、一つ目のパターンは、廃棄物・リサイクル業者が自ら充填回収業者としてフロンを回収する。二つ目のパターンは、引渡受託者として他者にフロン回収を委託する。三つ目として機器をひきとった時点で冷媒回収が完了している必要があるということが想定されますが、その三つ目のパターンについて、それを確認する手段が法的に位置づけられておりません。

 廃棄物・リサイクル業者は、廃棄機器を受領したときに、三つ目のケースについてみだり放出の懸念があるので、きちんと冷媒回収済みであることを自主的に確認しております。下に※で書いておるような、さまざまな取組をしていらっしゃいますが、法令に位置づけられていないことから、ユーザーから確認用の提出書面が得られない場合もあるということでございます。

 一方で、フロン回収が行われていない廃棄機器をそのまま処分しているですとか、未回収の機器からフロンを放出しているというふうな事例もございます。廃棄機器の機会が限られ、冷媒引渡義務を履行する認識が薄いユーザーについては、まさにこのユーザーから廃棄機器を引き取る廃棄物・リサイクル業者が適切に対応することで、引渡義務の履行を促進することが可能ということでございます。また現時点でこの業者に対する報告徴収、立入検査の権限はないということでございます。

 次が自治体からのヒアリングの結果でございまして、建設リサイクル法の建物解体届の情報が共有されれば、現場を把握する手段となり得るのですが、情報提供要請をしても目的外使用の懸念や要請先の自治体の条例上の制約がございまして、情報提供を断られる場合があると。このため先般、経産省・環境省名と国交省名でその情報提供を促進すべき通達を出したんですが、当然この条例の範囲内に限定されることになります。

 次の課題として建物解体現場への立入検査権限がないと、これは解体現場になると事業所ではなくなったとみなされるためでございます。

 その次でございますが、解体元請業者には、第一種特定製品の有無の事前説明義務があるんですけれども、その写しの保管義務がないということで、また解体元請業者に対する立入検査、報告徴収の権限もない。またヒアリングをすると、この事前説明書面の存在を知らない事業者も多く存在するというふうな状況でございます。

 また、ユーザーには廃棄機器に関する帳簿保管義務がないので、廃棄実施がされた時期が正確に把握できないというところもございます。

さらに現行は間接罰でございまして、多くのユーザーでは反復・継続性がないので、罰則が意味をなさないということも意見としてございました。

 要因Cにつきましては、ビル用マルチエアコンでございますけれども、①として特に配管長が長いので、抵抗が大きく回収時間がすごくかかる。それから②として電磁弁があり、電源がない状況下では、その電磁弁の間で回収残を残してしまう。それから③として室外機がビル屋上に設置され、スペース上大型回収機を使いづらいという場合もあるという指摘がある一方で、そうした点は阻害要因にはならないというご指摘もございました。

 また、中型空調は冷媒サージタンクを有する機器が多く、ポンプダウンが可能なので、電源があれば、中型冷凍冷蔵に比べて回収しやすいはずとの指摘もありましたが、また一方で、その逆のご指摘もございました。ここについては、さまざまなご意見がございました。

 それを受けて15ページでございますけれども、課題と対応の方向性ということでございます。(1)としてまず普及啓発を拡充していくと。一つ目の丸でございますが、これまでさまざまな関係者が周知を行って、一定の成果は得られたけれども、多くのユーザーにとっては廃棄機会が限定的なので、ユーザーが法についての十分な認識なしに、廃棄を実施するケースが依然として多く存在しているのゃではないかと。

 そこで、廃棄を行う廃棄等実施者と直接接する事業者、具体的には設備業者、解体工事の元請業者、それから廃棄機器を引き取る廃棄物・リサイクル業者から廃棄等実施者に説明がなされて、次の(2)、(3)で提案するような実効性のある仕組みと相まって、全ての廃棄等実施者が法を遵守する環境とすることが必要ではないかと。

 一方で、これらの事業者は必ずしもフロン回収を主たる業としないケースもございますので、この法の重要性について、ユーザー等に説明するためのツールを有していないケースがございます。また、これらの事業者が属する業界が連携して取り組むことで、面的な広がりが期待されるということでございますが、現状そういう場がない場合もございます。

 そこで対応の方向性でございますけれども、まずは一つ目の丸でございますが、国は(2)、(3)によりユーザーがフロン法を遵守する仕組みを整理するとともに、全国説明会やユーザー別の説明会を開催するなど、率先して普及啓発を実施し、環境整備を行うと。

 その次の丸でございますが、先ほどの直接ユーザーと接する業者さんが、ユーザーに説明するときに簡単に説明できるパンフレットとか手引きを国が中心となって作成し、業界団体を通じて展開することで、現場での説明・周知を強力に推進することが必要ではないかということでございます。

 (2)の都道府県の指導・監督の実効性向上の課題の部分につきましては、先ほどの自治体のヒアリングの中身と重複いたしますので、スキップさせていただきまして、対応の方向性というところでございまして、制度的な対応を検討してはどうかということで、①で他法令の届出情報を要請できる旨の明確化。②として解体現場や解体工事元請者への適切な指導・監督が実施可能な仕組み。③としてフロン引渡義務違反の直罰化。④として都道府県の指導・監督において、ユーザーが廃棄した機器の有無を事後の立入検査でも把握するための方法の整備ということでございます。

 また(3)でございますが、廃棄機器を引き取る者に対する冷媒回収実施の確認の仕組みということで、最初の二つの丸につきましては、先ほどご説明しましたが、廃棄物・リサイクル業者は自主的に確認しているのですが、統一されていないということでございまして、またフロンが回収されないまま処理をしている業者もいるということでございまして、次のページ、18ページに参りますけれども、ユーザーから廃棄機器を引き取る廃棄物業者やリサイクル業者に対し、引き取りの際に、ユーザーが冷媒回収を実施したことを確認できるように制度上位置づけるということが必要ではないかと。

 また冷媒回収を実施したことを確認できない場合における適切な対応を求め、廃棄機会が限られる多くのユーザーの引渡義務の履行を促進することが必要ではないかということで、対応の方向性としては、機器を引き取る者に対して冷媒回収実施の有無を確認の上、適切に対応することを求め、また、回収が実施されたものか確認できる仕組みを整備してはどうかと。

 (4)でございますが、要因B、Cにつきましては、中型空調についてさまざまな仮説がございました。そこで対応の方向性としては技術的知見を有する者の協力を得て、技術面から要因分析を進める場を立ち上げてはいかがかと。関係者でヒアリング、さらには必要に応じ試験等を行って、技術的な制約、回収方法等の両面から要因分析を進め、制度面、技術面での具体化を検討するというのが案でございます。

 以上が本体でございまして、あと参考資料につきまして、かいつまんでご説明させていただきたいと思います。資料1で、さまざまな定量的な推計を行っているわけでございますが、それの根っこになるデータが参考資料1でございます。まず1ページ、2ページでございますけれども、いわゆる分母と言われる廃棄時推計をどうやって求めているかということを、おさらいしてございます。

 それから、次にずっといっていただきまして、6ページでございますけれども、今回どうやって推計したか、どうやって要因分析を実施したかの絵でございまして、アンケート調査を標本として、法定報告である充填回収量報告、赤の囲みになっていますが、分子に拡大推計をして、これを分母である廃棄時推計と比較をすることで、それぞれの機種ごとの大・中・小の比較をして、どういう要因でどういう機器が引き渡っていないのか、どういう機器が回収されていないのかという評価をしたということでございます。

 その次のページにまた絵がございます。アンケート調査の発出先でございまして、1年間に500台以上扱っている、もしくは500kg以上回収している青いところは全国で2,000事業者いるのですが、これについては全数の調査をし、500・500以下のオレンジ色については1,500にアンケートのサンプル調査をしたということでございます。

 この調査の結果、業種によって各特性が認められまして、9ページの絵でございますが、500台よりも少ないけども、500kgよりもたくさん回収している人たちというのは設備業者さんがすごく多かったと。一方で、500台以上回収している業者さんというのは、産廃業者がすごく多かったと。500・500以下については両方ともに少ない事業者だという業種特性が認められました。

 それから、11ページでございますけれども、分子につきまして台数ベースで業種別に比較をいたしますと、産廃業者が小型の機器をたくさん集めているということで、台数ベースでは産廃業者がすごく多くて、設備業者とか建設業者、紫とか青につきましては、1割とか2割ぐらいの程度でございますが、一方で次のページ、12ページの上の図でございますけれども、量ベースで毎年回収されている量を比較しますと、紫と青が増えまして、やはり設備業者、建設業者が集めており、産廃業者さんが集めている量というのは少ないというふうな結果が得られております。

 今回の実施したアンケート調査につきまして、きちんとサンプルが得られているのかということで、15ページでございますけれども、アンケートの回答をしてくれた事業者の回収台数と回収量をプロットしており、一つ一つの点が1事業者になります。16ページは、法定報告のプロットを同様にしたものでございまして、これを比較していただきますと、オレンジのL字型と青のL字型とほぼ同じ形をしておりますので、いわゆるアンケート調査結果というのは、法定報告を十分反映できるだけのデータが得られているというふうに考えられます。

 それから、33ページでございますけれども、表3-16ということで、先ほど産廃業者さんがさまざまな自主的取組をやっているということでございますが、こういう形で、80程度の業者のうち行程管理票をチェックしているのが38、ステッカーの添付を求めている、その他さまざまな取組が行われているというバックデータでございます。

 それから、ウオーターサーバーとビールサーバーを全体からデータを控除したというところでございますけれども、そのデータも後ろのページのほうに入れておりまして、49ページと51ページに具体的なデータが出ておりますので、ご覧いただければと思います。それをもとにウオーターサーバー、ビールサーバーを控除した上で拡大推計の方法として、52ページにございますような六つのパターン、これは先ほどの推計結果の幅があった原因なんですけれども、六つのパターンで推計を行った、この六つの概念整理でございます。

 最後になりますが、それぞれの分析結果を整理してございまして、いわゆる廃棄時推計と言われる分母のデータにつきましては、60ページでございますが、これが廃棄時推計全体でございまして、これと先ほどのパターン1~6、そのうち1と2についてはデータの精度から除却しておりまして、パターン3~6につきまして、計算をした結果がその以降の表として整理をされております。

 事務局からの説明は以上でございます。

○飛原座長 ありがとうございました。

 ただいまの事務局からのご説明に対しまして、委員の皆様からご質疑、それからご意見をいただきたいと思っております。

 ただ、本日は多くの意見がいただけるんじゃないかというふうに想定しておりますので、なるべくご意見は簡潔にお願いいたします。非常に委員の方々、数が多いものですから、簡潔にご意見をいただきたいということと、それからできるだけまとめてご意見をお願いします。後でもう一回言おうというふうに二つに分けたりとか、そういうことではなくて、なるべく1回でご意見をいただける、あるいは質疑をいただきたいと思っております。

 それでは、例によりまして名札を立てていただきたいと思います。立てた順はなかなかわかりにくいので申し訳ありませんが、こちらから順番に、立てた方の名前を呼ばせていただきますので、順番にお願いいたします。

 それでは、赤穂委員、お願いします。

○赤穂委員 ありがとうございます。

 アンケート結果で、ちょっとデータの回収率が少ないかなとは思いますが、そこから推計しても、とにかくまだまだ回収できていないところの課題というのは、もう十分見えてきたかと思います。やはりこの解体時の廃棄の段階で大きな課題があるということがわかったということで、ここをしっかりと立入権限を得て、またその前の情報提供を得て、そこをしっかり監督するということが大事であろうということは十分に理解できました。

 あと一方、機器の問題ですね。回収がしづらいような機器があるんではないかという仮説のもとで、これはいろんなご意見が恐らくメーカーさんとかからもあったのかなと思いますが、やはりメーカーも責任として回収しやすい機器を最初から設計するということを、これからぜひ考えていくべきだと思いますので、ここら辺は、今後新たな研究会というのを立ち上げて、一緒に検討していくということですので、ぜひそれに期待したいと思います。

 ということで、監督権限を強めるということ、また直罰化もいたし方なしと思いますので、今回の課題についてそのように意見を述べておきたいと思います。

 以上です。

○飛原座長 ありがとうございました。

 事務局から回答があることもあるかと思いますけれども、何人かの委員の皆様のご意見を伺った後、幾つかまとめて事務局より回答をさせていただこうかと思っております。

 じゃあ、続きまして有田委員、お願いします。

○有田委員 アンケート調査の結果、要因分析ありがとうございました。

 一部は予想していたとおりでしたが、対象外のウォーターサーバーなどが入っていたということが分かり、回収率が上がっていない理由が分かったとしても、先ほど赤穂委員からも出ましたように、空調の今後の設計、今からの設計はそういう回収しやすいものに変えていただきたいです。先ほど資料の中の18ページですか、課題の中で出されたような仕組みを、しっかり整理していただきたいというふうに思いました。

 以上です。

○飛原座長 ありがとうございました。

 それでは、続きまして大石委員、お願いします。

○大石委員 ありがとうございます。

 要因分析についてさまざま調べていただきまして、その中で私が一番気になりましたのは、これ毎回申し上げているんですけれども、家庭用のエアコンのことです。フロン法では回収の対象にはなっていないのですが、フロン回収という意味では、これも事業用のものと同じ問題を抱えているわけで、回収率が少ない、イコールフロンの回収が遅れているということがあるわけです。

 その要因を考えたときに、今回の調査の結果にもありましたように、ユーザー側の理解というものが、まずは第一ですけれども、それ以外の解体事業者、引越事業者などの取り外すときの意識といいますか、そういうものがかなり足りないのではないかと。それがフロンの回収を妨げているのではないかというのを大変感じますので、やはりこれはほかの省庁、国交省などと協力してやっていかないと、なかなかこれ以上の回収率というのは進まないのではないかということで、ぜひお願いしたいというのが一つです。

 それから、あと事業者の場合には監督といいますか、都道府県がどれだけ熱心にこれに対して指導するかというところで、回収率というのは大きく違ってくると思います。先ほど懲罰の話もありましたけれども、本当に回収率を上げようと思えば、都道府県の関与というか指導は絶対不可欠だと思いますので、ぜひそこのところも回収率向上させるために行っていただきたいと思います。

 以上です。

○飛原座長 ありがとうございました。

 それでは、大沢委員、お願いいたします。

○大沢委員 ありがとうございます。

 今回の調査結果は我々の感じている肌感と近いような内容だと思っておりますが、一部ちょっと違うかなというのもありま。実態はまだ我々もよく把握していないところがありますので、我々も実態について会員等に確認して取り組んでいきたいと思っております。

 それで何点かありますが、16ページのところになります。普及啓発のところで、国のいろいろな取組が必要ではないかということが書かれております。ただ、ここに書かれていることは説明会とかパンフレットとか、今まで取り組んだことを、また一生懸命やりますよということが書かれております。それはそれで非常にいいと思いますが、さらにもう一段上の踏み込んだ啓発をしていただければと思っております。これまでもやってきておりますので、それでもなかなか効果が上がってきておりません。さらにまた一段上の何かの取組みをお願いしたいと思っています。それから都道府県の協議会、こちらも我々としてはぜひ再構築をしていただいて、いろいろな関係機関と連携強化を図りながら取り組んでいければと思っております。

 それからあと幾つか書かれていますけども、今後立ち入りとかいろいろ点を強化していこうという中で、書類、エビデンスですね、こういったものはきちんと整理する。例えば事前確認書の保存とか、ログブックなどの点検記録簿の機器廃棄後の保存、引取証明書の提出、例えば点検済み、回収済みシートを貼るとか、そうすることによって回収後、事後の確認がしやすくなる。そういった制度をぜひお願いしたいと思っております。

 それから、最後に都道府県の中での情報共有、いろいろ条例上とか法律上の制約があって、なかなか横のつながりが難しいということが書かれておりましたので、ぜひこれも何とか制度化を図っていただいて、都道府県の間の中での情報共有がうまくできるような制度、これをぜひお願いしたいと思っております。

 以上です。

○飛原座長 ありがとうございました。

 では、筧委員、お願いいたします。

○筧委員 ありがとうございます。

 解体時の機器の廃棄時の回収が足りないという要因分析で、指導監督を行う東京都といたしましても、全力を挙げて回収率の向上等に尽くしていきたいと思っております。

 それで、実際私どもが解体工事現場に立ち入りを実施した際には、よく機器の事前確認書が現場にない例が多いということで、あるいはフロン機器のことがわかる人が現場にいないというようなことで、実際その機器があるのか、ないのかがよく確認できない例が非常に多いということで、この都道府県の指導監督の実効性の向上のところにもいろいろ書いていただきましたけれども、例えば、事前確認書を現場にきちんと置いておくというか、例えば掲示するなど、現場立ち入りをしたときに確実にそういうことが確認できるような仕組みがあればいいのかなと、このお話を聞いて感ずるところでございます。

 以上です。

○飛原座長 ありがとうございました。

 それでは、金丸委員。

○金丸委員 すみません、遅れてきて申し訳ございません。

 今回の調査、非常に大変だったと思いますけれども、事務局のほうでありがとうございます。幾つか確認とそれから意見を言わせていただければと思います。

 まずアンケートなんですけれども、アンケートは充填回収業者に行ったという結果ですよね。その確認が一つ。

 それから、引渡義務違反というところで、直罰化の話とかも出ておりますけれども、これはユーザーに対してということですね。それから、ユーザーがもしそういったことの認識がなく、ここに指摘があるように、それを引渡業者さんに先に指示をしなかったという場合、受け取ったほうの責任とか、あるいは何かやらないといけないことに対しての法律の範囲とか、そういったものはないんでしょうか。

 というのは、全体としてこれアンケートに基づいた結果であり、そこから類推される可能性、あるいは推計というものに基づいて、この対策は課題と対応の根本ということが出ているかと思うんですけれども、その中で、前文にあります課題と対応の方向で、多様な関係者が一体となった総合的な取組が必要ではないかというふうに書かれてはいるんですけれども、実際に課題と対応、特に対応のところを見ると、ユーザーに対する結構厳しいものが出ているんではないかなというふうに正直思います。ちょっとバランス的には全体で取り組む話と、それから確認できないけど類推されている話が、そのままユーザーの責任になっているような対応になっているのかなというふうに、印象的には思っております。

 特に直罰化ということであれば、そのことを認識しなかったり、その指示をしなかったということに対して、受けた側に対しての責任はどうなのかとかいったところを、少し両輪で考えていかないといけないんではないかなというふうに思いますし、認識不足については、ユーザーだけではなくて、業者側の認識不足も指摘されていますので、例えば説明会はユーザー側にだけですかというような、周知徹底するのはユーザーだけですか。ユーザーに徹底すれば全てが解決するという話ではないと思っていますので、両方に対しての普及啓発して、説明会が必要なのではないかなというふうに思っておりますので、そのあたりもご検討いただきたいなというふうに思います。

 全体として、少し対応がユーザーに対する責任のみが明確になっていて、それ以外のところは少し曖昧なので、少しこの課題と対応についてはバランスを欠いているのではないかというふうに思っております。実際にこれはもし本当に直罰だとか、そういった形でやるのであれば、認識できていないユーザーに対するアンケートとか、あるいはヒアリングを、私もヒアリングを実は受けました。でも私は「認識している」というふうに答えました。ちゃんと行程

管理票もありますし、それに基づいて実施をしていますよということを説明したんですけども、そうできていないというユーザーがいるんだと、それが多くいるんだという認識であれば、そこに対するもう少し調査、あるいはなぜそうなのかといったところの原因を、もう少し確認していただく必要があるんではないかなというふうに思いましたので、よろしくお願いいたします。

○飛原座長 ありがとうございました。

 では、ちょっとこのあたりで区切りをつけて、事務局より回答があればお願いいたします。

○馬場室長 まず、赤穂委員と有田委員から、メーカーの責任として回収しやすい機器を製造していくことも考えていくべきではないか、今後、研究会を立ち上げるということなので、そこでしっかり議論していくべきだというご意見をいただきました。そこはしっかりと議論をしていきたいと思っております。

 それから、家庭用のエアコンについても回収率が低い、おっしゃるとおりでございまして、そこにつきましては去年、廃棄物処理法とバーゼル法を改正いたしまして、いわゆる有害使用済機器という形で家庭用エアコンを位置づけまして、規制が強化されておりまして、まずはそこの取組で、きちんと家庭用のエアコンのフロンが回収されるように進めていくということを現在進めております。

 それから、大沢委員から、国でもっと踏み込んだ普及啓発ということでございますが、もし今回、解体元請者でございますとか、廃棄物業者というものを新たに位置づけるということになりますと、まさにユーザーと直接相対でやりとりをする業者に対して国としても踏み込んで、すっと差し出せるようなパンフレットのようなものを作成をして、さらに踏み込んだ啓発をしていきたいと思います。

 それから、筧委員から事前説明の確認書を立ち入りの際に確認できればということでございますが、事前確認説明書の保存義務を創設できますれば、例えば自治体の運用において、立ち入りをする際に事前にこういう書面を準備しておいてくださいねというふうな形で対応していただくことなど運用面での検討が必要かなというふうに考えております。

 それから、金丸委員からユーザーの責任だけではなくて、受け取ったほうの責任、さらには全体にバランスをとってということでございますが、本日いただいたご意見を十分踏まえて、次回、関係者全体のバランスをきちんと整理をさせていただきたいと思っております。

 ○飛原座長 それでは続きまして、作井委員からご意見をお願いします。

○作井委員 作井でございます。詳細報告ありがとうございました。

 フロン排出抑制法、その前の平成19年の改正フロン回収・破壊法も含めて、いろいろな活動を行ってきた中で、総論・各論含めて気づいた点を述べさせていただきたいと思います。

 まず回収を促進するためには、冷媒の再生が大切だと思っております。モントリオール議定書の規制物質の中にあるハロンは、消火剤で使われていますが、十分回収してうまく運用しているので、冷媒でもできないことはないと思っております。

 今後は、キガリ改正でHFCの生産がどんどん削減されるなか、冷媒を回収し再生するというのは非常に大事なことだと思っております。ただし、今後HFCとHFOを混合させた多種の低GWPの冷媒が上市されていきますが、これらはHFCのカテゴリに入りますので、フロン排出抑制法の範疇に入り回収しなくてはなりません。ただし、再生は難しいと思いますので、輸入業者、あるいは製造会社が引き取るようなスキームを作ることが必要と思います。

 それから、点検記録簿はフロン排出抑制法で作成と記録が義務づけられております。一方、管理者の中には、自分の会社には空調機何台、冷凍機何台、冷媒種と冷媒量はどのぐらい保有しているのか把握されているところもありますが、棚卸をされておらず把握されていないところが多いと思います。機器と冷媒の棚卸を行って初めて、例えば算定漏えい量の1,000tという数値がが、自分の保有している冷媒総量の中でどの程度の値なのか需要度を把握できる。廃棄冷媒の回収量についても管理者が機器と冷媒の棚卸をして管理して把握しているからこそ、回収量が適切か否か判断できるということで、棚卸をして把握することが大切だと思います。

 平成19年に始まった行程管理制度とフロン排出抑制法は時期がずれているので、名称等を含めた考え方の統合が必要と思っております。例えば点検記録簿は、1冷媒回路に1枚です。ところが行程管理表は1枚に廃棄機器を複数台記入することが可能なので、個々の機器からの回収量の管理も検証もできない。例えば廃棄機器50台から冷媒を回収して、実際はもっと冷媒が入っていたにもかかわらず、引取証明書に回収量10kgと書いても、これは正式な引取証明書でありしんぎについては検証ができないことになる。したがって、点検記録簿が1冷媒回路に1様式であれば、行程管理表も1冷媒回路に1様式であるべきだと思います。

 それから細かい話になりますが、廃棄等実施者というのが従来の行程管理表上の名称のことですが、これは管理者に統一すべきじゃないかなと思います。そして充填回収業者が引取証明書と回収証明書を間違えて公布していることがある、機器廃棄時に回収証明書を間違えて交付すると算定漏えい量の合計から減産されることになります。例えば引取証明書の名称を「廃棄冷媒引取証明書」とすれば間違いは軽減するのではないか。

 長くなりますが、管理者は廃棄した機器の台数、冷媒種、廃棄した冷媒の量などの管理と把握とその保存義務が必要ではないかなと。さらに、事前確認書の保存義務を解体業者、管理者、取次者、充填回収業者、そしてそれに対応する点検記録簿と実際に廃棄した機器の行程管理票の管理と保存が必要です。

 さらに、例えば廃棄時の回収量が点検記録簿に記載されている冷媒量から著しく少ない場合については、管理者と充填回収業者がそれを説明する理由書を、都道府県に提出する等のことが必要ではないでしょうか。それと直罰の話が出ましたけど、引取義務だけの直罰でなくて、フロン排出抑制法全般にわたっての直罰の検討が必要だと思っております。

 以上でございます。

○飛原座長 いろいろと細かいところまでありがとうございました。

 続きまして、佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 これから日本は少子高齢化になるため商店街、店舗の閉鎖や廃業が起きてくると思います。そういう中で、このフロンをいかに周知徹底しながら回収していくかというのは、非常に重要な局面だとに思います。

 まず、業務用厨房機器等は、中古品も市場があり、古物商の方々が購入する可能性があります。中古品の販売等の際フロンをどのように管理しているかは、今まであまり認識されていませんので、ステークホルダーを特定して、その人たちに対する周知徹底が必要だと思います。

 また、建物を解体する場合には所有者、発注者、元請、下請、こういう人たちが連携していますが、現場に入るのは下請業者のケースがほとんどです。解体現場では、できるだけ早く、できるだけ安くということが優先されがちであり、フロンに対する配慮が足りない可能性があります。

 重層的な契約関係で行う解体工事の中で、どうやって関係者の連携、所有管理、それから適切なフロン回収ができるか、啓蒙していく必要があると思います。特に所有者は、解体現場には関心がないということが多いわけですから、発注者、元請等がアスベストでも非常に重要な役割を担っていくわけです。

 こういう工事に関わる人たちが相互に確認義務とか報告義務、自治体に対する届け出というものをするということで、連携することによって、ユーザーの責任を果たしやすくする、あるいはユーザーの無知を補充できると思います。そして直罰を入れる場合でも、そういう連携ができるというもとの中で、政府が援助などをして直罰規定を考えるということが重要です。私は直罰規定というのは、やはり企業にとっては非常に大きなコンプライアンス違反になるということで、効果は大きいと思います。実際に検挙される件数は少なくても、規定があるということが、教育の中では非常に重要でありますので、それはぜひ活用していただきたいというふうに思います。

 以上です。

○飛原座長 ありがとうございました。

 続きまして、中村委員、お願いいたします。

○中村委員 非常に貴重な分析結果をお示しいただきまして、ありがとうございます。

空調の中型の部分で冷媒の回収率が少ないということでお話がありましたけど、14ページ目で要因C関係で配管長が長いですとか、あとは連携がとりにくいといったことも書かれておりました。

 これに関わるところでいきますと、建築で実際に関わるのは設備設計者だと思いますが、設計者というのは、設計から解体までライフサイクルを考えて設計をされているわけですけど、その中に設備機器の冷媒を回収しないといけないいった認識自体が、そこまで設計者のほうにはないのかもしれないなというのがありまして、18ページのほうに記載のある内容については、まだいろいろな意見があるので、これから課題分析をされるということもありますので、もし分析した結果、いろいろ技術的なものがわかってきて、設計者に対しても何かしらそういった認識といいますか、促す必要があるということであれば、16ページ目の対応の方向性というところで、国、都道府県、ユーザー団体の関係事業者のところに、例えば設備の設計者の方もここに含めるのかどうかというのを一つ検討してはどうかなと思います。

 以上です。

○飛原座長 ありがとうございました。

 続きまして、米谷委員。

○米谷委員 米谷でございます。私のほうからも4点お話させていただきたいと思います。

 まず参考資料の11ページなんですけれども、私ちょっと驚きました。この回収台数ということでいくと、産廃処理業者が非常に大きなウエートを占めているということなんですが、この台数の中にはウオーターサーバーやビールサーバーは含まれていないのでしょうか。

○馬場室長 含まれております。

○米谷委員 そうすると今議論をしようとしているものと違うベースなのですね。

○馬場室長 そうです。

○米谷委員 わかりました。そうであれば、議論を同じ土俵に乗せるために、それらの台数は除いていただいたほうがいいのではないかなという気がいたします。ここで処理業者さんに関して、どこかで「中間処理」という言葉があったので、これらの方々は設置している場所での回収ではなく、処理施設まで運び込んでの回収という形になるのでしょうか。

○馬場室長 そうです。

○米谷委員 処理業者の中でも大手のところが処理施設で回収しているのはしっかりやっていると認識をしていますが、小規模のところでの回収であったり、あるいは設備系ではない建設業者の回収という部分が、本当にちゃんとやられているのかというところが少々心配な気はいたします。もし可能であれば、これらの回収状況について、さらに深掘りをしての調査をしていただけると、そこから出されてくる問題点も、ひょっとしたらあるのではないかなという気がいたします。

 それから、先ほど佐藤委員のほうから重層下請の話がございますけれども、これは以前から申し上げていることですけれども、フロンに関して引渡受託者が何社でも入れるという状況、これは非常に大きな問題だと思っております。今、廃棄物の処理委託と同じように、せめて引渡受託者は二次までで、それ以降の補填するような行程管理表は使わない形にするという、まずはそれが大前提だ思っております。

 実態として、この機器を受け取る側、ユーザーと直接接触をする側についての規制もかけるということは、実効性はあるのかと思いますけれども、それ以上にぜひともボリュームゾーンのユーザー側の業界への周知を、強くお願いしたいと思います。そうした中でパンフレットをつくるということを強調されていらっしゃいますけれども、フロンに関しては、従来からパンフはいろいろつくられていると思っているんですが、それが行き渡らないところが問題だと思っております。そこの部分の改善というものを、ぜひ考えていただきたいと思います。

 例えば、建設リサイクル法の届出者に対して、必ずそのパンフレットを渡してもらうとか、そういった対応がとれるといいのではないかと思います。

 以上です。

○飛原座長 ありがとうございました。

 それでは、続きまして牧野委員、お願いします。

○牧野委員 非常にわかりやすく資料をまとめていただきまして、ありがとうございました。

 私も管理者としてフロン法をしっかりと認識して、適切にフロンを回収していくことが大切かなと改めて感じております。一方、資料に記載されていますとおり、建物寿命50~60年と考えた中で、空調機の更新については、恐らく2回、多くて3回だと思うんですけども、その2回、あと解体のときに1回ということで、ご記載のとおりかなと思っています。更新解体のこの周期で考えますと、15年から20年に1回のスパンということになりますので、私どもにとってはこれは日常的な業務ではないというのも事実なのかなと思っています。

 そういった面で考えますと、日常的な業務でやられています、資料の中にも記載があるとおりですけども、廃棄物業者さん、リサイクル業者さん、設備業者さんの対応を強化してもらうことで、より一層回収が進むのではないかなというふうに、我々は考えております。

 管理者、工事側が双方でチェックし合って体制を構築できるように制度設計をお願いできればと考えております。

 以上です。

○飛原座長 ありがとうございました。

 では、花岡委員、お願いします。

○花岡委員 この度の詳細な要因分析の資料、本当にありがとうございます。詳細資料はまだ読み切れていませんが、今後の議論の方向について、3点ほど意見をさせていただきたいと思います。

 今回の議論の目的は、温対計画の2020年までに50%、30年までに70%廃棄時回収率の達成ですが、そのパーセントの意味が何に対するものなのかを確認させていただいたところ、CO2換算ではなく、冷媒の重量トンでの換算と伺いました。ただ、温暖化対策として、フロンを回収したときの効果を議論していますので、ぜひCO2換算での回収対策の効果も示して頂きたいと思います。

 特にこの委員会に出席するに当たって、日本国インベントリーを確認してきましたが、日本国インベントリのフロンと呼ばれている全体の排出量のうち、冷媒フロンの排出量が直近の3年間で大体8割ぐらいを占め、またHFCの排出量のうちの冷媒フロンの排出量は大体9割ぐらいを占めているので、冷媒の回収率向上に向けたここでの議論は、日本国インベントリー報告に直結します。さまざまな方々が、冷媒の回収率を向上させようと努力されているので、ぜひ日本国インベントリーとの議論に直結させ、CO2換算でも表示することで対策の効果を示すことも重要ではないかと思います。

 2点目ですが、日本国インベントリーを確認したとき、日本国インベントリーの回収率のデータと本会議の議論の回収率のデータが一致していないため確認したところ、本会議での議論にはCFCとHCFCの冷媒も含まれています。CFCとHCFCは京都議定書対象ガスではないですが、強力な温室効果ガスであります。回収対策を取ってもCFC、HCFCを重量トン換算で表示すると対策効果が小さく表れてしまうのですが、CO2換算で表示すると温暖化対策としての効果は非常に大きいことが分かります。日本における廃棄時冷媒回収対策による温暖化対策への貢献、その努力を国内外に示すためにも、ぜひ1点目の指摘のようにCO2換算で、かつCFC、HCFCも含めた形で廃棄時回収率の向上の効果を示すと、今後、この議論の展開していく上で重要ではないかと思います。

 3点目ですが、資料1の14ページや17ページに今後の対策について書かれており、ほかの委員の方々がご指摘されている通り、法の一層の強化については私も同様に思いますが、それらの議論と同時に、他にも冷媒の回収率の向上のためにはデータの管理の仕方も非常に重要ではないかと思っております。

 回収破壊処理の現場を詳細にわかっておりませんが、紙と電子媒体の両方で回収破壊処理データを管理されていると伺っております。回収現場にはコンピュータが苦手な方々もいらっしゃるので電子媒体ではなく紙でデータを収集管理されている場合もあると伺っております。廃棄時冷媒回収対象の機器には、冷媒充填量や充填冷媒などの情報のラベルが貼られていますが、今後のアイデアとして、廃棄時冷媒回収率のデータ管理を向上させるために、ぜひそのラベルの横にQRコードを貼ってはいかがでしょうか。     QRコードがあると、電子機器の操作が苦手な方でもスマホでもタブレットでもピッと読み込みすれば簡単に全部の情報が収集できます。QRコードをラベル横に表示することを普及させて、それを用いてデータ管理すると、今後の冷媒回収率のデータ管理の向上に有効ではないかと思うので、ぜひご検討よろしくお願いします。

 以上3点。

○飛原座長 ありがとうございました。

 それでは、根岸委員、お願いします。

○根岸委員 群馬県の根岸です。

 2点お話をさせていただきたいと思います。

 まず1点目は、都道府県の指導、取り締まりについて、先ほどからいろいろ意見が出ていますが、我々マンパワー的には必ずしも十分な状況にない中で対応をとることになって、幾つかのポイントがあるかなというふうに思っていました。

 一つ目が、まず効果の上がるポイントを明確にして、対象者の絞り込みを行うということ。それと2点目が法的な権限を整理をするということ。3点目が効果的な義務の設定と重みづけを行うということ。そして4点目が、状況を確認をするための手段を確保するということ。これらが重要なポイントかなというふうに思っていました。今回この要因分析、それと対応の方向性ということで、間違いがないかなと思いますので、ぜひ具体化を実現していっていただけたらなというふうに思います。

 2点目なんですが、これは全体を考えると、費用負担という観点からいくと、やはりユーザーの負うべき役割というのは大きいかなというふうに思っております。特に日本の、かなり幅広くて、数も多いという中で、これらはここにもいろいろな関係団体の方も来られたり、そうした関係者全体で普及啓発の観点という努力をする必要があるかなというような気がします。

 以上2点ということです。

○飛原座長 ありがとうございました。

 それではここでまた2回目のまとめをしたいと思いますが、このあたりで事務局よりご回答があればお願いいたします。

○馬場室長 作井委員と佐藤委員から制度の具体的な中身についてさまざまなご提案いただきましたので、しっかり検討させていただきまして、次回ご議論いただきたいと思っております。

 それから、中村委員から設計者の位置づけでございますが、これも今後、中型空調の解析を進める中で、設計者にもぜひ果たしていただきたいというところが出てくれば、ぜひともご協力をお願いしたいと思っております。

 それから、米谷委員からも制度的な部分についてさまざまご提案いただきましたので、ここはしっかりと検討させていただきたいと思います。

 牧野委員からのご意見も、しっかりと検討させていただきます。

 それから、花岡委員から温対計画の回収率が物量ベースになっているんだけども、CO2換算でやるべきではないかと。あとはCFCとHCFCも含まれた形で今あるということにつきましてなんですが、このフロンの廃棄時回収率につきましては、15年来CFC、HCFC、HFC、3種類全て含めた形で物量ベースで評価、検証して行っていたという経緯がございまして、こういうふうな指標になっているわけでございます。一方でそれぞれのいわゆるCO2換算をした効果につきましても、もちろんHFCについてはインベントリーで公表されておりますし、それからCFC、HCFCにつきましてもCO2換算した放出量が、PRTR法に基づく推計値という形で、国のほうが計算をして出してございます。そのような形でさまざまな場で、指標をCO2換算した値も含めて適切に公表をしていきたいと思っております。

 それから、根岸委員からも制度的なご提案ございましたので、しっかりと検討させていただきます。

 以上でございます。

○飛原座長 どうもありがとうございました。

 それでは、西薗委員、お願いします。

○西薗委員 要因分析、非常にわかりやすくしていただいてありがとうございました。

 わかりやすいんですけれども、さらに印象づけるために私は要因Aは「しなかった」、要因Cは「できなかった」という用語で頭の中に詰め込んで考えておりますが、この二つの課題をどう解決していくかということが、これからの方向性ということになると思いますけども、もちろん「しなかった」のほうについては、もうこれまで多くの委員の方が述べていただいているように、周知の徹底であるとか、それから直罰化であるとか、都道府県の権限強化、あるいは多重下請の制限だとか、そういうようなことは全て有効だと思いますので、ぜひそういう方向で検討していただければというふうに思います。

 それで、当然この「しなかった」というのは、法の趣旨から言えばみだり放出に当たるわけですから、当然法違反ということで、現在では直罰ではありませんけれども、将来的にもっと厳しくしていくという方法が、やはり必要だと思いますけども、できなかったということに関しては、要因分析の原因として14ページ、要因C関係のところで、ここを読みますと確かにといいますか、関係者がいろいろな仮説があるというようなお話でしたが、大きく分けますと、ポンプダウンをすればできるじゃないかということと、それからそういったことはやりづらいんだというようなお話とがあると思いますけれども、先ほど来出ている機器の設計云々というのは、新しい機器に関して配置するのが20年分ぐらいのものですかね。そうすると、今ある機器をとにかくやらなきゃいけないわけですから、今ある機器がうまい設定になっているかどうかということは、保障の限りではないわけです。その中でできなかった場合に、できなかったということで仕方がない。これはもう残っちゃっているけども仕方がないよというのは、果たしてみだり放出にならないのかという、根本的なそこに非常に疑問があります。

 ですから、できるものだけやるというのでは、この法の今の状況から考えて全く不十分ではないかということになりますと、じゃあどうすればできないということが解消できるかというお話ですが、それは私は技術屋ではありませんので、まさにここにお集まりの委員の皆さんにそういう方向でご検討していただきたいというお願いがありますけども、ポンプダウンしていなくても、電源がなくてもできるという方向を確立しなくてはいけないということが一つあると思います。

 例えば、それは非常にこの状況を見ますと、時間がかかるという場合、別の例で挙げますが、今EVが普及しつつありますけども、恐らく個人ユースで走行距離が限られている人は便利に使っていると思いますが、車を例えばトラックであるとか、事業で使っている方はなかなかEVというのは難しいですよね。なぜかというと、エネルギーの充填速度が遅過ぎる。つまりガソリンや軽油オイルに比べると、多分、今10分の1ぐらいしかエネルギーが、スピードで入りませんので、そんなことをしていたら途中でとまっちゃって仕事にならないと。

 これは、このフロンのことも同じようなことがあって、回収が十分なスピードでどんな条件でも行われれば、もっとスムーズに行われるだろうけれども、今法的には回収率というのもそれほど高いことを要求しておりませんし、いろいろガイドライン等で、技術基準はありますけれども、そのとおりにやっていたんでは、例えば、真空にしてもらいましても時間がかかり過ぎちゃって、これはもうできないからしょうがないんだというお話になってしまうのではないかなというふうに想像します。

 ですから、条件が十分でないところでも、つまりポンプダウンを全員の人に要求するというのは、この法律の趣旨を知らなかった人もたくさん、恐らく同じぐらい大変なことですから、だから現場によって必ず条件の悪いところが出てきても、それにも対応できるというような仕組みを、ぜひ検討していただきたいというように思います。

 以上です。

○飛原座長 ありがとうございました。

 それでは、中根委員、お願いします。

○中根委員 SDGsに一人も取り残さないという言葉がございますけど、まさに1台も取り残さないという決意で取り組んでこられました担当者のご努力に感謝申し上げたいと思います。

 特に要因Aのポイントといいますか、対応のポイントが明確になったので、ピンポイントで普及啓発をするとともに、他の環境法制はほとんど直罰だと伺っておりますので、みだり放出の抑止直罰化というのは大きいのではないかと私も思います。

 このようにピンポイントに対策していくということを、要因Aに対してしっかり行うと同時にやはりもう一つ、草の根といいますか、全国的なアナウンスというのが一方で有用、あわせて重要なのではないかと思います。

 先ほど、大石委員から家電、家庭のエアコンについてお話がございましたけども、今回対象になっていませんけども、家庭ではエアコンを処分するときに、フロンをきっちり回収破壊、あるいは再生してほしいけれど、どうしたらそれができるのかわからないと考えている国民の皆様が非常に多いわけです。それに対して環境省、経産省、自治体さんは知っていらっしゃるわけで、わかりやすくこうしたらいいんだということをアナウンスして頂くということが大事ではないか。

 なぜ大事かといいますと、家庭で回収への意識がしっかり浸透しましたら、「お父さんやお母さんが働いている職場のエアコンの廃棄はどうなっているんだろう。法律違反だったら大変だね。」という会話が家庭で行われるようになってきたら、非常に効果が大きいのではないかと考えています。こういうこともあわせてピンポイントの対策と同時に、全国にアナウンスすることを考えて頂きたい。

 それから、3点目です。HFCの回収・破壊・再生が本日の話題ですけれども、日本ではCFC、HCFCも同時に回収しています。このHCFCとHCFCの、回収・破壊している量の温暖化への効果、CO2換算の効果は同じぐらいだという試算があります。そういうことで、この回収率向上の温暖化対策への効果は、実は2倍あるということなんです。そういうことで、まさにだからこの回収・破壊を50%、70%、先ほどご指摘いただきましたけれども、CO2換算で増やしていくということは、極めて大事だと考えています。

 以上です。

○飛原座長 ありがとうございました。

 それでは、小熊委員、どうぞ。

○小熊委員 今回こういった調査と要因分析によって、かなりの部分について具体的な対策の検討に資する知見が得られたんではないかと思います。その上で今回、出された対応策について、幾つかご意見申し上げたいと思います。

 一つは機器廃棄時のユーザーの冷媒回収の実施に関してでございます。先ほど対応として廃棄時における説明と周知を徹底するというようなご説明がありましたが、これはあわせて、あらかじめ更新や機器を新設するときの制度の説明をきちんと徹底をすることが重要ではないかと思います。

 また、周知とあわせて、そのユーザーが機器を廃棄をするときに、一体どの業者に依頼をすれば、きちんと回収をしていただけるのかということに非常に悩むんではないかというふうに思われますので、例えば地方自治体において適切な回収が行えるようなリサイクル業者、回収業者のデータベースを整備をし案内をすることや、自治体への相談窓口を明確にすることも必要ではないかと思います。

 二つめに、廃棄時の回収における費用の問題でありますが、制度上はこれから検討されるということだと思います。回収費用については、機器の使用者責任として廃棄費用に上乗せをするのか、建物の解体費用に上乗せをするのか、あるいは機器の製造者責任として、製造機器メーカーが負担するのか、負担が一者だけに偏ることのないようバランスよくご検討いただければというふうに思います。

 三つめは、機器製造メーカーや回収業者に対しての問題でございます。まずは回収しやすい機器の開発や設計が進められるべきと考えますので、促進のためのインセンティブについてもご検討いただければというふうに思います。

 また、今回挙げられておりました要因Cとして、ある程度ヒアリングの中で、どういった技術の不足があるのかということは明らかになりましたが、作業不足の部分については、十分な要因を把握ができていないのではないかと思います。人手が足りないのか、あるいは業者の意識が低いのか、こういった部分もあわせて分析いただいて、業者の取り組みが進むようなこともご検討いただければと思います。

 以上でございます。

○飛原座長 どうもありがとうございました。

 では、大塚委員、お願いします。

○大塚委員 今回、フロン分析をしていただいて、随分検討されていただいて、大変よかったと思っております。

 フロンは気体であり、もちろん無臭ですので、非常に扱いにくいという、なかなか不法放出をしてしまってもなかなか対応ができないという、非常に困難な問題がもともとあるわけですけども、今回の対応は、私は目玉は二つあると思っていて、一つは廃棄物・リサイクル業者に冷媒回収実施後の確認してもらうという部分をとるという、義務づけをするということだと思うんですけども、これが一つ大きいと思います。

 もう一つは、先ほど来お話がありましたように、ユーザーに対して冷媒フロン引渡義務の直罰化をするという点で、この二つは今回の目玉だろうというふうに思っていて、方向性としては賛成したいと思います。特にこの廃棄物業者、リサイクル業者に対して、お願いをして、こういうことをしてもらうというのは、産廃に関して環境省が中心になって、今まで優良な廃棄物業者を育成してきたという、まだ道半ばではあるんですけども、そういうことの結果、信頼できる方々たちと対応できるようになったということが、大変喜ばしいことだと思っております。

 それは、前提としてはそういうことなんですけども、まずは廃棄物業者、リサイクル業者についてはさっき米谷さんが言われたように、さっきのウオーターサーバーが入っているような話だと、台数のところで7割というのがちょっとぐらぐらしてくると、この人たちにお願いするということの前提が崩れたりする可能性があるので、そこはしっかり環境省が対応してほしいというか、ちゃんと説明していただきたいというのが1点と、それからこれは佐藤委員から言われたことですが、解体とか引っ越しとか、いろいろなところで関連する業者が多岐にわたりますし、所有者とか発注者のところも含めて、関係者がたくさんいらっしゃることになりますので、その中で誰を中心にターゲットにして対応していただくかというのは非常に重要だと思いますが、ここは廃棄物業者とリサイクル業者ということになっているんですけど、ここで元請ということを多分、元請、下請の場合、元請ということになると思うんですけども、ここはきちんと対応、はっきりさせておいていただいたほうがいいかなということがございます。佐藤委員が言われたことは、私も賛成です。

 それからもう一つのこのユーザーのほうですけども、引渡義務違反に対して直罰をかけるというのはいいと思いますが、大気汚染防止法と水質汚濁防止法の2010年改正のときに、1970年から直罰にはしていたんだけども、記録の保存義務がなかったので、直罰にしていてもあまり十分な対応ができなかったということがあって、改正をしたということがあったんですけれども、それと似たような話が、ここにも関係するかなというふうに思いますが、既存情報の保存というのは、そういう意味で非常に重要なので、ユーザーの既存情報の保存という話がどこかなくなっているような気がしたんですけど、どこかに書かかれていましたよね。もしあったらすみませんが、それは極めて重要だということを申し上げておきたいと思いますので、既存情報の保存の義務はつけていただく必要があるんじゃないかということを申し上げておきます。

 以上でございます。

○飛原座長 ありがとうございました。

 それでは、浦野委員、お願いします。

○浦野委員 組合はこのいろいろな関係の事業者さんが努力して、いろいろやっております。

 今各委員からもいろいろな改善の意見がありまして、それぞれ有効だと思いますけれども、それらだけでは、今までの延長線で大幅な改善は非常に難しいと私は思います。

 じゃあどうしたらいいか。警察でとか直罰ということは警察も絡むわけですけれども、技術的な問題もありますし、故意に出したのか、周辺に漏れたのかというのは、はっきりしないから警察は動けないんです。ですから、直罰で警察的なことをやるのは事実上は無理だと私は思います。

 そうすると、じゃあ何で対策をとるのかというと、大変難しいですけども、自治体とか多種にわたる業者の認識を改善する以外にないと思うんです。これ以外にやって、それなりに効果はあると思うんで、大幅な改善は難しいと思います。じゃあ認識を改善するというの、世の中の認識を改善というのは、結構大変なことなんですけども、そのためには非常に簡単な、一見してすぐ問題点がわかるようなパンフ、例えばA4、1枚で表だけ、裏側に細かいこと書いてもいいんですけども、表側だけで、あ、そうなんだ。え、そんなことがあるんだというふうにわかるようなものをつくる。それは何かあったら破かれちゃう。フロンというのは、温暖化に対して非常に影響をするということですから、地球温暖化がどんな影響が出て、よくあるテレビで氷が崩れていくような絵が出ていますけども、そういう非常にインパクトのある、温暖化の悪影響がどんな将来、自分の代はいいとしても、子どもや孫の代にはかなり大きな影響を与えるんだ、あるいは作物とかいろいろなものに影響を与えるんだ、それをわかりやすく目で見てわかるものを出す。

 その中でやはりフロン対策という、CO2とかいろいろありますけど、フロン対策というのは比較的容易に対策ができるから、これはしっかりやらきなゃいけないんだという、ほかのこともあるんですけれども、フロン対策も非常に重要だし、またやりやすいんだということをわかるようにするというのが非常にいいんじゃないかと思います。こういうぱっと見でわかる資料をつくって、これを自治体とか関係者に配る。関係者も業界もフロンメーターもありますし、装置メーカーもありますから、簡単な、いろんなところがありますので、そういう直接機器を扱っている末端の業者にも、たったA4、1枚で、フロンやっぱり回収しなきゃまずいよねというようなことがわかるものをしっかりつくって、やるということに、かなりの力を注ぐべきだというふうに私は思います。

 それから、地球環境問題ですから、日本だけでやっても必ずしも効果が出ないので、そういう簡単なパンフレットを英訳して、それを英語でも中国語でも、何語でもいいですけども、翻訳をして、関係のところに配る。今カラーコピーでも何でもできますから、それを配布してやっていく。外国でフロン回収をやっている日本の業者もいますし、いろんなことでそういう対応をとることがなかなか重要で、技術的なことより認識の改善にどうやって効果を出していくかということに力を注ぐべきだと私は思います。

○飛原座長 どうもありがとうございました。

 それでは、最後になりますけれども出野委員、お願いします。

○出野委員 解体業連合会の出野と申します。しんがりを務めさせていただきます。

 以前から解体業者悪人論といいますか、解体業者悪者論がずっと蔓延といいますか、ありましたけれども、本日も払拭できずに、むしろ再確認をいただいたということで、針のむしろに座っている心境でございます。

 ただ、解体業者、重層下請の末端で仕事をしておるわけですけども、最終的にはそこを解体業者さえ締め上げれば、この問題は解決できると、そういう安易な発想ではなくて、できたらオールジャパンで取り組んでいただきますように、業界としてはお願いをしたいと思っております。

 細かい話になりますけども、本日の対策等につきましては、経産省、環境省の案について、基本的には業界としては賛成ということで意見を申し上げさせていただきたいと思います。

 細かい話で4点ほど意見を述べさせていただきたいと思いますけども。

 まず、1番目に中型の空調冷凍機器、これが問題であると。ターゲットが少しはっきりしたと。これは機器に対するターゲット、照準でしょうけども。あとは業者に対して、どの業者が一番ターゲット、照準を合わせたらいいのかと、こういう問題があるんでしょうけども、ほとんどが解体業者をターゲットにやれば何とかなるんじゃなかろうかという結論のように読み取りました。

 ということで、今までは闇に鉄砲みたいなことだったんでしょうけども、少し照準が定まったということで、そこらあたり集中的に攻撃をしていただければ、少しはまだ成果があるんじゃないかと思っております。

 それから、2番目にこれも常々申し上げておりますけども、各法律関係の連携、特に建リ法との連携、建リ法、それからこのフロン、最近はアスベストが非常に問題になっておりますけども、ここらあたりはてんでんばらばらにやられているというお話を、前からずっとしておりますけども、ぜひ今後ともこの連携をして、例えばの例ですけども、一括をして届け出ができるとか、指導を受ける場合に一括して指導を受けられるとか、そういうことで個別にやらずに、ぜひまとめてやっていただきたいというのが、業界としての希望でございます。

 それから、3点目に直罰化の話がありましたけども、廃棄物処理法あたりで直罰化をして、非常に前進をした。野焼き、違法投棄、ほぼなくなったということで、フロンあるいは石綿等についても直罰をやればかなり効果的ではなかろうかという話は聞いておりますけども、基本的には賛成です。ただし、やるからには徹底してやっていただきたいと。この法の網をくぐり抜けて、正直者がばかを見るといいますか、そういうことのないように、やるからには徹底をしてやっていただきたいと、中途半端なことはやめていただきたいと、こういうお願いをしておきたいと思います。

 それから、4点目に廃棄物、最後に機器を処理をする処理業者の話が出ておりましたけども、処理業者はフロンの抜き取りを確認した上で引き取る。そのための施策といいますか、制度を設計するという話がありましたけども、これも一応賛成という立場をとらせていただきたいと思います。

 ただ、そういう引き取りを抜き取った証明書がないとか、あるいはそういうことをやっていない機器が、もし処理業者に回った場合に、処理業者が受け取り拒否と、こういう事態に陥ったときにどうするかと、そういう手当てもついでに一緒に考えておいていただければというふうに思います。引き取り手がない。じゃあどこへ持っていくんだと、捨てちゃえということにならないように、ぜひそこらあたりの手当てもよろしくお願いしたいと思います。

 最後になりましたけども、これまでの解体は適当にやっていると、こういう時代がずっと長く続きましたけども、ようやく解体はしっかりやらさないといかんと、こういう世の中になったかと思います。

 ということで皆さん方にも今後ともご指導、ご鞭撻賜りますようにお願い申し上げまして、締め。挨拶というわけじゃないですけど、締めさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

○飛原座長 どうもありがとうございました。

 それでは事務局から、ご回答があればお願いします。

○馬場室長 まず西薗委員からポンプダウンなしでも、電源なしでも回収できるような回収機の開発とか性能向上というご意見でございますが、これにつきましてもまさに要因B・C対策の技術的な検討の中でしっかりと検討していきたいと思います。

 それから、中根委員から全国草の根アナウンスでわかりやすくPRして、いわゆる特定フロンを含めれば、2倍の温室効果ガスの削減効果があるということで、しっかりとPRしていくということで、対策のほうできちんとやっていきたいと思っております。

 それから、小熊委員からはどのような業者に依頼すべきか、その相談窓口ですとか、それからバランスよく費用の問題、関係者をバランスよく検討すべきというご意見いただきましたので、対策をこれから検討を進める上で、しっかりと踏まえさせていただきたいと思います。

 それから、大塚委員からデータの話。先ほどすみません米谷委員からもデータの話がございまして、私、答弁漏れしてしまいましたが、それは後ほど五味からご説明させていただきます。

 それから、大塚委員から既存情報の保存のところが資料から落ちているんではないかということでしたが、わかりづらくて恐縮ですが、17ページの対応の方向性の④のところに記載をしてございます。

 それから、浦野委員から直罰で警察が取り上げるのは無理ではないかということでございますが、これまでいわゆるみだり放出として立件された事案というのは1事案しかない。なかなか立件が難しいんですが、今回、引き渡し義務違反を直罰にするに当たって書面の保存義務とか、しっかり検討させていただきまして、きちんと実効性が上がるように、次回までにしっかりと検討させていただきたいと思っております。

 それから、フロン対策の効果について、英訳でぱっと見た者がわかるものを出して、世界に対してもPRしていくべきということも、しっかりと検討させていただきたいと思います。

 それから、出野委員からさまざまな建物解体の届け出の一括化とか、やるからには徹底して直罰化とか、それから仮に廃棄物業者が受け取り拒否をした場合に、受け取られなかった第一種特定製品の動きの手当てを考える必要があるんではないかというところでご意見いただきましたので、これもしっかりと検討させていただきたいと思います。

 以上でございます。

○五味課長補佐 米谷委員と大塚委員からご指摘があった、廃棄物業者のデータの件ですけれども、米谷委員ご指摘の、最初のグラフ、11ページに関しては、特に何の補正もしない状態でのデータになりますので、ウオーターサーバーもビールサーバーも自動販売機も、全てまぜこぜになっております。除いたものをできるのかと言われると、作業は一応試みています。念のために一言だけ申し上げると、上にさらにオレンジの人たちがおりまして、ここでも自動販売機、ウオーターサーバー、ビールサーバーは実は取り扱っておりますので、全て産廃業者が自動販売機とウオーターサーバーとビールサーバーしかやっていないというわけではないということは、ご理解をいただければと思います。

 もう1点、今回は廃棄物業者に確認をしていただこうという趣旨は、別に廃棄物業者にそもそも充填回収業登録を義務づけるとか、処理基準そのものに回収を義務づけるということを趣旨としているわけではなく、自分が回収しようとしまいが、フロン回収されているのかどうかと、自分が回収できないのであれば、回収をちゃんとされているものを確認した上で処分してほしいという趣旨で検討しているものですので、廃棄物業者自身が必ず全て充填回収をしなければいけないという趣旨で検討しているものではないので、その点はご理解いただければと思っております。

 以上です。

○飛原座長 それでは最後に中環審側の委員長をしていただいております浅野委員に、全体としてのご意見をいただければと思います。

○浅野委員長 多くの委員からご指摘がありましたように、事務局が大変努力をされて推計をきちっと出していただいたということについて、私も深く感謝をしたいと思います。

 対応方針について、概ねあまりご異論がなかったと考えますので、出されている方向性に沿って、今日ご指摘のあったご意見も踏まえて、次の段階での取りまとめ案を事務局でしっかりご準備いただければと思っております。

 大分、この問題は、大気汚染防止法にもとでの、建物解体にともなうアスベスト粉じんの飛散防止について議論をしたときと状況が似てきているのなというのが、ここでの建物解体のときのフロンの飛散防止についても印章です。建物解体工事に際するアスベスト粉じん飛散防止については大防法改正で、かなり丁寧に手当てをしたわけですが、1点だけ違うのは、建物解体工事に伴ってアスベスト粉じんが出るかどうかということについては、意外と建物の持ち主さんがご存じないことが多い。だから、まず解体工事をやる前に調査をした上で、持ち主さんにその結果をちゃんと説明をすることを義務づけているのですが、こちらのフロンのほうは、もう既に前回の改正のときに、そのことをかなり意識した改正をしているんです。

 つまり従来の、もともとこの法律がスタートしたときは、廃棄のときのフロンの回収・破壊だけを考えて制度をつくっていたのですが、使用中の漏洩の管理もやらなくてはいけないという問題が出てきましたので、それで定期的にきちんと管理をしてください、そうして、その管理の結果については、必ずユーザーさんに報告が行くはずですから、持ち主さんが、自分のところにある機器が法対象の機器であるかどうか知らないということはあり得ないはずということになるわけです。そういう前提で前回は法改正をしています。ですから解体のときに知らなかったということを言わせることはないということです。この点はすでに前回の改正で手当て済みであるということを忘れではいけないと思います。

 だからそれを前提にした上で、なおかつそこに仮に漏れがあるようだったら、そこを埋めなきゃいけないと思いますけども、そうじゃなければそこはわかっているはずだということになります。その上で持ち主の引き渡しについての義務違反があった場合の直罰規定を定めることについて、ご議論があったわけですけども、このことについて、は私は佐藤委員のおっしゃるとおりだと思うのですが、環境法令の中では直罰規定があって、それが実際どのぐらい動いているかというのは、環境白書をご覧になればわかると思うのですが、ほとんど動いていないのです。大防法はまずゼロです。水濁法が1桁。廃掃法は結構ありますけどそんなものです。しかしやはり直罰があるということの重みが大変大きい。

 ですから、佐藤委員もおっしゃったことなんですけども、そのことの持っているPR効果というのは、ものすごくあるだろうと思うんです。前回あるいは前々回のこの小委員会で、委員から出されたご意見の中で、現場ではどうせ罰則はないでしょう、ばれたってそんなものというような声を結構聞かれるというご発言がありました。そのご発言を聞いて多くの委員がこれはおかしい、やはり直罰を入れなきゃいけないという意見があったと思うのです。

 今回、事務局は、みだり放出行為への直罰を避けて、引渡義務違反についての直罰にしておられるのは、これまでの委員会での委員の発言からいえば、少々腰が引けているという不満は残るんですけども、それでも一歩進んだなと思います。直罰は、実を言うと環境法令の中でもそんなにたくさんあるわけではありません。大気汚染防止法、水質汚濁防止法、基準違反のところだけが直罰です。あとはみんな命令をかけて命令違反処罰ということになっております。一方、廃掃法はもう多くの方のおっしゃるとおり、とにかく不法投棄であれば、たちまち物すごい罰金が来るという直罰がついているわけです。

 ところで廃掃法は廃棄物の中で、気体状のものを入れていません。固体状のものか、液体状のものしか廃棄物にならないということになっていますので、気体状のものはどんなに勝手なことをやっても、廃掃法にひっかからないんです。それはどうしてかというと、きちんと大気汚染防止法その他の法律が機能するはずだという前提があるんです。

 そうすると、このフロンについては大防法では十分に扱っていませんから、この法律にも直罰規定がないので、今まで法令上の穴があいていた。だからそこを直罰入れることにするには何ら問題がない、こんなふうな考えができるだろうと思います。実際にはそれはどのぐらい適用されるかということよりも、やはり今度は直罰がつきましたというだけで、事の重要性をかなり認識していただけることになると思いますから、ご懸念もあるかもしれませんが、バランスを失しないようにということを考慮した上で、この大防法の方向性に沿って事務局ではさらに検討を進め、次回の会議までにみんなが納得できる案を出していただければと思います。

 よろしくお願いいたします。

○飛原座長 浅野委員長、どうもありがとうございました。

 委員の皆様、ご意見どうもありがとうございました。たくさんのご意見をいただきまして、事務局において本日の意見を踏まえて、総合的な対策案として次回、整理して、後半発表していただきたいと思っています。

 次回の合同会議は来年になって開催される予定でございますけれども、そのときには法令改正を前提にした、より具体的なご提案があるというふうに思っております。したがいまして皆様も次回の合同会議、極めて重要でございますので、ぜひご出席いただき、その取組について、またご意見をいただければと思っております。

 それでは今後の予定について、事務局から説明をお願いいたします。

○皆川室長 次回の合同会議は、来年1月16日水曜日の10時半から12時30分での開催を予定してございます。

 なお、16日はその前の9時から10時でお時間を頂戴し、産業構造審議会のフロン対策ワーキンググループの単独での会議も予定してございます。産業構造審議会側の委員の方々におかれましては、朝早くかつ連続での開催になりまして、お時間をおかけいたしますけれども、委員の先生方、ご協力のほど何とぞよろしくお願いいたします。

 それでは、本日の第7回合同会議はこれにて終了いたします。皆様ありがとうございました。

午前11時49分 閉会