薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会PRTR対象物質調査会、化学物質審議会管理部会、中央環境審議会環境保健部会PRTR対象物質等専門委員会合同会合(第4回)議事録

日時

平成20年6月18日(水)10:00~11:30

場所

主婦会館プラザエフ カトレア

議事次第

  1. 1 開会
  2. 2 課事
    1. (1)化管法対象物質の選定について

      • [1]化管法対象物質見直し合同会合報告(案)に対する意見募集の結果と対応案について
      • [2]化管法対象物質見直し合同会合報告(案)について
    2. (2)その他
  3. 3 閉会

議事録

○木村環境安全課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから厚生労働省薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会PRTR対象物質調査会、経済産業省化学物質審議会管理部会、環境省中央環境審議会環境保健部会PRTR対象物質等専門委員会によります第4回目の合同審議会を開催いたします。
 本日は、環境省が事務局の取りまとめをさせていただきます。私は、環境安全課長の木村でございます。よろしくお願いいたします。
 また、PRTR対象物質等専門委員会の内山座長が本日の議事進行をさせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、まず初めに会の成立について、確認させていただきたいと思います。各会ともそれぞれ現在定足数に達してございますので、本合同会合は成立しておりますことを御報告申し上げます。
 それでは、続きまして、お手元の配布資料について確認させていただきたいと思います。
 お手元の議事次第に記載してございます配布資料名と資料を御確認していただければと思います。まず、委員名簿、それから資料1として、第3回合同会合議事録案、これは委員限りでございます。それから、資料2としまして、合同会合報告案に対する意見募集の結果についての案、それから資料3といたしまして、合同会合報告案、それから資料3-2としまして、見直し後の化管法対象物質数の概要案、それから資料3-3といたしまして、合同会合報告案の修文箇所一覧案、それから参考資料1としまして、現行化管法対象物質の有害性・ばく露情報、参考資料2としまして、追加候補物質の有害性・ばく露情報、参考資料3としまして、一連の物質群や元素及びその化合物として取り扱う候補、参考資料4としまして、候補物質ごとの有害性・ばく露に関する詳細情報、そして参考資料5としまして、農薬残留対策総合調査の概要でございます。
 なお、委員限りといたしまして、平成12年当時の答申につきましては、現在コピーしてございまして、でき次第皆様方にお配りする予定でございます。
 もし報道機関の方がおられましたら、カメラはここまでといたしますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、座長、ひとつよろしくお願いいたします。

○内山座長 それでは、内山でございますけれども、今日は、持ちまわり座長ということで私が合同座長を務めさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
 議題に早速入りたいと思いますが、まず初めに前回議事録の確認でございますけれども、これは既に各委員に御確認をいただいておりますので、さらに今日御覧になって特段の御意見等ありましたら、6月25日までに事務局の方に御連絡いただければと思います。その後、ホームページ等で公開されることになりますので、よろしくお願いいたします。
 前回までの御議論をいただきまして、少し宿題が出ましたので、その後いろいろ調整していただきました。そして、パブリックコメントも行って、今日はその結果とそれに対応する案、それから最終案について、おまとめいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず議題1の化管法対象物質の選定についての[1]化管法対象物質見直し合同会合報告(案)に対する意見募集の結果と対応案についてということでございますので、事務局からまず説明をお願いいたします。

○瀬川環境安全課長補佐
 それでは、資料2に基づきまして、会合報告案に対するパブリックコメントの結果について御説明差し上げます。
 意見募集の概要でございますが、パブリックコメントは1カ月、規定によってとらせていただき、告知方法は電子政府の窓口、それから関係3省のホームページで掲載をしております。
 それから、意見提出方法は、電子メール、郵送、FAXで受け付けをいたしました。
 御意見の提出件数ですが、25団体、個人の方々からお寄せいただき、のべ意見数で50でございます。お寄せいただきました御意見の概要とそれに対する専門委員会、部会、調査会としてのその考え方の案について資料2にまとめさせていただいております。
 具体的な考え方につきましては、別紙ということでまとめさせていただいておりますが、それぞれ物質の出入り、あるいはその本文にかかりますところで、御意見の結果、変更があったところを中心に説明をさせていただきます。
 まず、資料2の2ページでございますが、本文に関しましては、訂正に当たるものがございませんでした。ただし、本文の5ページでございますけれども、御意見№6番で、失効農薬の取扱いについての御意見がございました。失効農薬につきましては、農薬取締法によって製造、加工及び輸入が禁止されておりますので、この旨を記載しております。
 それから、8番以降は、個別の物質にかかる御意見でございます。
 別表2は、第一種指定化学物質の表でございますけれども、アントラキノンについてです。これは、in vivo陽性の根拠データとした文献の中に、in vivo陽性、in vivo陰性とされているデータがそれぞれ併記されておりまして、当該試験結果、それからそのほかの試験の結果を先生方に精査していただきまして、in vivo陽性と判断する根拠として不十分という判断をいただきましたので、変異原性をクラス外に修正し、結果として第一種指定化学物質の候補から削除しております。
 3ページ目の御意見の№9についても同様でございます。
 それから、3ページ目の御意見№14番でございますが、ジエタノールアミンでございます。これにつきましても、甲殻類の48時間EC50の数値を記録いたしましたAQUIREのデータをひいておりますが、当該試験結果を精査しましたところ、ジエタノールアミンと脂肪酸の反応性生物についての試験結果であったということから、当該試験結果不採用といたしまして、第一種指定化学物質の候補から削除しております。
 次のページにまいりまして、御意見№16番から18番まで、これがステアリン酸ナトリウムとオレイン酸ナトリウムに対する御意見でございます。
 それぞれ御意見に対する考え方は一緒でございまして、環境中で不溶性であるカルシウム塩となることから、環境中での毒性の発現がないと考えられることから、その生態毒性をクラス外に修正、その結果、ステアリン酸ナトリウムについては、一種指定化学物質から、オレイン酸ナトリウムにつきましては、第二種指定化学物質からそれぞれ削除しております。
 №19番、20番は、ともに水素化テルフェニルについての御意見でございます。2つ異なる御意見でございまして、生態毒性に関する御意見、それから作業環境許容濃度についての御意見でございました。
 結果、両方精査をしていただきまして、作業環境許容濃度について現状のとおりとした結果、第一種指定化学物質の候補のままでございます。
 その次のページ、5ページ目にございますが、23番、24番、25番がそれぞれ物質名称に関する御意見でございました。専門家の先生方と御相談の結果、それぞれ名称をCAS番号、あるいはIUPAC命名法に則り正式名称に修正をしております。
 6ページ目にまいりまして、32番、33番についても同様にCAS番号に一致するように名称を修正しております。
 それから、7ページにつきましても同様でございまして、CAS番号と物質名の不一致を訂正し、名称を修正しております。
 それから、35番以降は、物質群にかかるものではございませんが、その他として、御意見をいただいたものをまとめております。
 その他の36番の御意見でございますが、これは農薬の製造輸入量に関する御質問でございます。
 結果として、シメトリン、農薬でございますけれども、これは既に現行の第一種指定化学物質になっておりますが、いったんその作業の途中で誤って削除してしまいました。これは第一種指定化学物質の候補に修正をいたしております。
 それから、次のページにまいりまして、43番でございます。こちらは、ピラゾレートの健康慢性毒性についてということで、こういった報告も見た方がいいのではないかというコメントをいただきました。
 その試験結果についてなどを精査していただき、ピラゾレートについては第一種指定化学物質の候補に修正をいたします。これは現行の一種指定化学物質ですが、作業の途中で落ちております。
 それから、御紹介させていただくのは最後ですが、47番、9ページでございます。
 様々な農薬が環境省が実施いたしました「農薬残留対策に関する総合調査」、「農薬残留対策総合調査」の方で新しくモニタリング結果が示されているということがございまして、この結果、シメトリンについてモニタリング結果がございましたので、第一種指定化学物質の候補に修正をしております。
 「農薬残留対策総合調査」の概要につきましては、本日、参考資料5としておつけしております。
 パブリックコメントに対する回答として、主に物質、あるいは物質群について変更があったところを主に説明させていただきました。説明は、以上でございます。

○内山座長 ありがとうございました。
 今回は、のべ件数で50件あまりのコメントをいただきまして、それに対してそれを事務局、あるいは委員の方々と相談の上でまとめていただきました。
 今は、主にその結果、修正されたところを中心に御説明いただきましたけれども、以前に前もって委員の方々にもファイルが行っていると思いますので、今日、御説明がなかったところでも、こういう対応はおかしいのではないかということがありましたら、何かコメントございましたら、御意見いただければというふうに思いますが、いかがですしょうか。

○亀屋委員 事前に意見を事務局の方にお送りしているのですが、少しちょっとよくわからないので教えていただきたいのですけれども、まず最初に、この委員会のミッションは個別の物質についてのチェックもさることながら、全体の考え方とかルールを整理しておいていただきたいということは再三再四、初回の委員会から申し上げているところなんですけれども、そういった中で、例を挙げて説明させていただきますが、36番のシメトリンの件なんですけれども、シメトリンが総合調査の方で対象になってくるというのはそのとおりだろうなというふうには思っているのですが、その上の方に書いてある、農薬要覧の2006年度版、これにはシメトリンの製造輸入量がのっかってないという記述があるのですけれども、これは御指摘のところにもあるように、個別の製剤に含有率を掛け合わせて積み上げれば、10トンを超えていることは明らかですし、それから国の方で、非対象業種の推計をやっている中でも、これまでシメトリンをきちんと第一種として推計をされているわけですね。国の方もきちんとそのように認識されていると思うので、ここの36番の上の方に書いてあるデータは示されていないといった表現をルール化されてしまいますと、次回からもこういった物質、事務局によれば、このデータが少し信頼性がないので、示してないのだという御説明をいただきましたけれども、ちょっとここの部分をルール化するのは不合理ではないかなというふうに感じておりますので、御検討いただきたいというふうに思っております。
 それから、16番から18番のところなのですけれども、オレイン酸ナトリウム、それからステアリン酸ナトリウムというのがのっかっておりますが、これも当初からいろいろ議論があった物質ですけれども、前回のリストが出てくる前に、オレイン酸はナトリウム塩になってないものですね。これは非常に溶解度が低いので、対象からはずすと。だけれども、ナトリウム塩は、溶解度がそれなりにあるので、リストアップしたというような御説明を受けております。
 ただ、今回また溶解度があまりないということでもございますので、この辺、どういった元情報を使われて判断されたのかというのは、どこかにきちんと記録として、それがルールになると思うのですけれども、残していただきたいなというふうに考えております。これは、オレイン酸ナトリウムだけではなくて、ステアリン酸ナトリウムについても同様でございます。
 幾つか例を申し上げたのですけれども、具体的に細かなものを入れるとか入れないといったところの判断で、いろいろな根拠情報を用いられていると思うのですけれども、それがすべて委員に示されたわけでもございませんので、どこかそれをきちんと整理をして、ルールとして明記をして、残しておいていただかないと、また次の物質選定もありますし、そのときに専門家の方がまた変われば、ルールが変わってしまうというのもこれまた非常に困ることですので、ぜひその辺、再三ですけれども、よろしくお願いしたいと思います。

○内山座長 何か事務局の方からございますか。

○瀬川環境安全課長補佐 亀屋先生、御指摘どうもありがとうございました。
 シメトリンの農薬要覧に関しましては、平成12年2月の答申の際からこのような整理をさせていただいております。個別に積み上げをしていくとどうしても製剤と原体でダブルカウントになるということで、これまでにもそういった御説明を差し上げているところでございます。
 ルールを明確化すべきという御指摘でございますけれども、そのとおりだというふうに思っておりまして、平成12年2月の前回答申を踏襲するということを今回第1回で先生方から御意見をいただいたところですが、さらにその詳細を本日いただこうとしております報告の参考資料の方につけさせていただいております。
 これについて、先生方からこうした方がわかりやすいとか、あるいは網羅的かといった観点での御意見をいただいております。また、資料3-1、報告の方の参考資料につけております内容については、次の議題の方で説明をさせていただこうと思います。
 それから、先ほどのオレイン酸に関しましては、事務局の方で、当初オレイン酸ナトリウムに関しては、溶解性が高いということで御説明差し上げていましたが、今回のパブリックコメントにおきまして、環境水中の挙動が問題になるのではないかという御指摘をいただきました。環境水中で、カルシウム、あるいはマグネシウムといった元素の存在によって恐らく不溶性になることが多いであろうという御判断をいただきましたので、オレイン酸及びステアリン酸ナトリウム、それぞれについて別表2、別表3の方から削除させていただいております。
 パブリックコメントでいただいた意見で、これまでの御説明にプラスして知見が得られたところを直しております。そういった意味で御指摘いただきましてありがとうございました。

○内山座長 よろしいですか。

○亀屋委員 シメトリンの件ですが、前回を踏襲したということですけれども、その後も何年も続けて環境省さんの方でも対象業種の方で、シメトリンの排出量70トンというふうに推計されているわけですので、十分に検証したりとかデータの信頼性を見る期間もあったのではないかなと思います。ですので、踏襲は原則としては第1回の委員会の方でお認めいただいたことだと思うんですけれども、やはりこういったものを、単に前回こうやったからというので紋切り型でやるのではなくて、やはりこういう御指摘に対して、丁寧に答えていかなければいけないのではないかなと感じております。

○内山座長 若林先生、どうぞ。

○若林委員 事務局ではないのですけれども、生態毒性についてちょっと補足させていただきますと、生態毒性を試験する場合には、なるだけ自然の環境条件に合ったような試験方法を用いてするということで、OECDのガイドラインとかそういう環境省のガイドラインができています。
 だから、結局スタンダードは何かと言うと、そのガイドラインに沿った試験をやって、毒性があらわれるかどうか。それは実は自然環境の水質になるだけ近づけてあるということでございます。

○内山座長 亀屋先生の御指摘の1つは、この36の解答欄にもう少し詳しく書いた方がいいという面もありますでしょうか。
 製造輸入量のクラスは従来どおりの国内生産量、輸入原体量、輸入製剤量の和として算定すると現在のクラスは現状どおりになってしまうのだけれども、環境省が推計したものの中には、そういう値が出てきているということで、ほかの物質も全部入れ直すと大変ですけれども、このクラスは現状どおりとしますというのは、これはただ足せば、現状どおりになってしまうということですね。
 ただ、実際には、もう少し詳しい情報を集めればある程度の他の量が出てきていると。それをどう表現するかということだろうと思います。
 御意見に対する考え方のところで、少しそういうところを書き込みましょうかね。

○木村環境安全課長 もう少しそのあたり、どういうふうな書き方をするか、事務局の方で検討させていただきたいと思います。

○内山座長 それから、若林先生の御指摘の方は、単なる物質の溶解度というよりは実際の生態毒性の場合は、環境中に出てきたときの条件で今まで試験をしているので、そちらの方も加味して考えた方がいいと。単にその物質の溶解度等だけからではないという、そういう御趣旨でよろしいでしょうか。
 何か御意見ございますか。
 恐らく、最初にスクリーニングなりピックアップしていくときはその物質がある程度水に溶けやすいかどうかということはある程度の基準を持ってピックアップしていかなければならないと思うので、そこら辺のところは以前の12年のときに大体のガイドラインというのはありましたか。溶解度、この程度のもというのは。特に決められてはいないですか。

○瀬川環境安全課長補佐 先生方のお手元には平成12年2月の答申というのをお配りさせていただいていると思いますが、その際には、特段の溶解度に関する数量的なものはなかったように記憶しております。
 ただし、前回、あるいは前々回の先生方の御指摘の中で、溶解度をどう見るのかという御質問がございましたので、今回の物質リストアップにつきましては、亀屋先生の御指摘を踏まえ、どういったデータをもとに溶解度を判断したのかということをつけております。
 資料の中で残していく、あるいは答申の中でもとになるルールとして残していくと、両方の形で継承ができるようにということを今回亀屋先生の御指摘ありましたので、事務局としても気をつけたところでございます。

○内山座長 ありがとうございます。
 今、お手元にも行っているかと思うのですが、12年のときの答申には別紙として具体的な選定基準というのがいろいろ書いてあります。そこのところで溶解度というのは、どのぐらいのものが水に溶けやすいものを最初にピックアップしていくのかというようなところ、これは別表になっていますので、答申案の外なのですけれども、そこら辺のところで少し今回の経験、あるいは亀屋先生の御指摘も含めて、少し充実させていければいいかなというふうに思いますが、何か御意見ございますでしょうか。そういう方向でよろしいでしょうか。
 そのほかに何かございますでしょうか。
 菅野先生、どうぞ。

○菅野委員 6番ですけれども、考え方の内容は大体わかるのですが、なお書きで、農薬取締法が書いてあるところが、ちょっと違和感があるので、それは、「先ず」なのではないかと思うのです。農薬取締法でこれがなくて、なおかつ、使われなくなったから「はずれた」という意味ですよね。その方が親切なんじゃないかと思うのですが。
 もう1つ気になったのは、同じ成分が他の用途で使用されている場合、これは担保しようがないのですか。それとも実態が、把握しようがないということでしょうか、ここの部分は。

○瀬川環境安全課長補佐
 最初の方、まずということで始めるべきだということは、そのとおりかと思いますので、このカラムの中の文章の順番を直させていただきます。ありがとうございます。
 それから、登録失効農薬の場合、販売されないが回収命令が出されない限り使用は規制されない。失効しても同じ成分が他の用途で使用される場合があるということでございますけれども、失効しても同じ成分がほかの用途で使用される場合があるということは事実というふうにお伺いをしております。
 ただ、それも含めまして、失効農薬の検討をしていただいているというふうに思っておりますので、それについては特段ここではお答えはしておりません。

○内山座長 今の説明は、失効農薬とされても、そこに使われている物質が、新たに使われてくることがあるということですが、私は農薬のあれはあまり詳しくないのですが。上路先生いかがでしょうか。

○上路委員 基本的な考え方といたしましては、農薬というのは、農薬取締法にのっとって使用されることになっており、登録がきちんとされていないものは使ってはいけないというのが原則です。
 ですから、失効したものについては、もちろんここに書いてあるように、製造、加工、輸入というものは禁止されるのですけれども、現実に商売上といえるのですが市場に出ていってしまっているもの、あるいは農家さんが持っているもの、それについては今までの使用方法を遵守すれば使ってもいいということになっているんですね。
 ですから、前提に、使用方法遵守というところが当然のことあって残留性とか、いろいろな問題を含めて、使用方法というのが定められていますので、それにのっとって使ってもいいということになっているのが今の状況です。
 最初に申したとおり、大原則は、登録されていない農薬は使ってはいけないということですので、市場に出てしまったものはそういう形で使っても認めますというのが現実です。
 ということで、ここに書いてあるのはどういう形でまとめていくのかは非常に難しいのですけれども、今御指摘があったように、失効農薬というものは製造、加工、輸入というものが禁止されていると。これが一番最初だと思います。
 ただし、このコメントの中に使用が規制されてないというのは、そのとおりなので、それにどういう回答をするのが一番わかりやすいのかというのは、もう少し工夫が必要になるかもしれません。ちょっとわかりにくいのですけれども、以上です。

○内山座長 そうしますとこれは、別のモニタリングデータで実際に環境中にまだ存在していれば、除外されずに、残っていくようになっていますので、これが数年間、環境中で、モニタリングで出てこなければ、これはもう新たにまた大量に使われることはないというふうに考えてよろしいのでしょうか。

○上路委員 ただし、今回の見直しにおいて、対象物質に指定するか指定しないかというときに、失効農薬でもなおかつモニタリングにして検出されてないということが今までの検討してきた内容だと思っていますので、もう既に失効農薬でなおかつモニタリングの結果として検出されてないという前提があると思っています。

○内山座長 わかりました。ほとんど使われていないというところをちょっと確認していただいて、多分はずしたということはモニタリングでも出てないと思いますので、モニタリングでも数年間出ていないのではずしたと、そういう表現であれば問題ないかと思います。

○瀬川環境安全課長補佐 承知いたしました。事務局の方でそのあたりもう少し工夫して、表現させていただきたいと思います。

○内山座長 前川委員どうぞ。

○前川委員 前回の会議でもちょっと申し上げたかと思うのですけれども、前回の指定、今回の見直しで、かなり移動するものがあると。その移動するもののかなりのものが農薬である。しかも今のお話のように失効農薬というレッテルをはられていれば話はいいのですけれども、かならずしもそうじゃない。使用実態が不明というような形のものが結構ある。そういうものの中に、新たに毒性試験でむしろ毒性が強まっているようなデータが新たに出てきているにもかかわらず、削除というようなことが入っているケースがあったように思いますので、今の書き方に関して、特にモニタリングが大事だと思いますので、注意していただければと思います。

○内山座長 中杉先生どうぞ。

○中杉委員 そのほかの用途でという話は、私の誤解かもしれませんけれども、例えば今具体的に言うと、ベンチオカーブは農薬ですけれども、農薬以外の使い方がされている。農薬として失効してもほかの使い方をしていれば当然入る、こういう薬品で使っていればそこで入るということを書かれているのではないかと思います。
 もう1つは、失効農薬というのは、登録しないと失効するわけですよね。だから、再度登録をすれば戻ってくるわけです。そういう意味では、そこら辺は変動が出てくるのですけれども、これは毎年、毎年、それを見直すことはできないので、何年かごとにその時点でということで判断をしていくことになるだろうと思います。
 それから、使用した、少し使われているだろうと言われても、そこら辺のところは実際に届出をしなさいと言われていたときに、多分届出の対象になる製造事業者の方だけですよね。農家が届出をするということになりませんから、そういう意味でいくと、ほとんどその製造してないということであれば、失効しているのであれば、届出ということはないだろうと。
 ただ、最初のころに申し上げたかもしれませんが、農薬については使用しているというところは推定をしていく、そこのところはどうするかという話がもう1つありまして、これは、国の方でやる話ですから、例えば対象にならなくてもそういうことはフォローしていってくださいよということはどこかにたしか入れていたというふうに思いますので、そこら辺のところはそういう形で対応していくのだろうと、先ほど上路さんが言われたような、出ていったものが残って云々の話は、そういうふうな形で対応していくということになるんだろうと思いますので、ここで改めて第一種、あるいは第二種という形で指定することはないのではないかと思います。

○内山座長 あとでまた見直しについての報告案のところで少しそういうところも出てくると思いますので、農薬に関しては前川先生の御指摘のあったことも含めて、また後で、もう一回そこがちゃんと書かれているかどうか見直したいと思います。
 そのほかにございますでしょうか。
 それでは、パブリックコメントに関しましては、今、御指摘いただいた2カ所、修正した方がいいというところがあったと思いますので、また後で、修正の上、公表していきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、次に、化管法対象物質見直し合同会合報告(案)について、事務局から御説明をお願いいたします。

○瀬川環境安全課長補佐 それでは、資料3-1、3-2、3-3に基づきまして、調査会、管理部会、専門委員会の報告の案を説明させていただきます。
 まず、資料3-1が本文になります。
 1枚めくっていただきまして、その背景からでございますが、平成12年2月の関係審議会答申に対しまして、具体的な選定基準が定められ、それに従って、物質選定が行われているということを背景に書かせていただいております。
 2ページ目の四角囲みにある中は、法律の趣旨でございます。今回、先生方に御議論いただきました第一種指定化学物質PRTR、それから第一種、第二種、あわせましてMSDSの対象化学物質でございますけれども、第一種指定化学物質に関しましては、法においては人の健康、それから動植物の生息、生育の支障、恐れ。それから、当該化学物質の自然的作用による化学的変化により容易に生成する化学物質が[1]に相当するもの。そして、オゾン層破壊物質、これらのものを扱い、かつこういった化学物質が継続して環境中に存すると認められる化学物質、これが第一種指定化学物質ということでございます。
 MSDSのみの対象となります第二種指定化学物質は、当該化学物質が継続して存することとなることが見込まれる化学物質ということで、環境中の存在状況によって、第一種と第二種とが区分されている状況でございます。
 具体的には、現行政令におきましては、第一種指定化学物質が354、そのうち人に対する発がん性があると判断され、特定第一種指定化学物質については12。第二種、MSDSのみになります第二種指定化学物質が81ございます。
 これをもとにいたしまして、昨年8月、中環審、それから産構審におきまして、化管法対象物質も含め、化管法の見直しについての御議論をまとめていただいております。
 3ページ目にその化管法対象物質についてのまとめ部分を抜粋しております。
 3つのパラグラフがございますけれども、まず最初のパラグラフが化学物質、製造、輸入、それから使用の実態、そして毒性にかかる情報が更新されてきているので、これらに基づいて指定化学物質を見直すべきであるということ。
 それから、第2パラグラフに関しましては、化学物質管理を巡る国際的な状況の1つといたしまして、化学品の分類及び表示に関する世界表示システムGHSとの整合化を目指すべきということ。それから、第3点は、今後とも必要に応じて指定化学物質の見直しを行うべき。
 この3つが、化管法見直しの中間答申の中にまとめられております。
 3ページ目の2.以降が対象物質の見直しの考え方でございます。
 基本的な考え方として現行の指定化学物質の選定基準を尊重しつつ、有害性に関する新たな知見、GHS、国連勧告、これは2003年7月でございます。それから、PRTR制度運用開始後の国内外の状況変化、こういったものを含めて物質の再選定を行っております。
 それで、まず有害性の判断基準でございますが、詳細についてはまた後ろの方にもまとめさせていただきますが、ここでは簡単に有害性の判断にかかる項目を列挙しております。
 評価方法が確立して一定のデータ、実績のある項目として発がん性以下9番までを対象項目として選定、各項目について具体的な選定基準を設定しております。
 御議論いただきまして、上記9項目を今回の判断基準とすることが適当と結論をいただいていると考えております。
 有害性の項目、それから具体的な選定基準は現行のものを引き続き採用する。これは下から3行目です。
 それから、GHSとの更なる整合化の推進に関しましては、前回、第3回でも事務局から説明いたしましたが、今後国内外の関係制度との連携を図りながら検討を進めてまいります。
 次のページにまいりまして、4ページ目でございますが、特定第一種指定化学物質でございます。
 前回答申では、有害性ランクで発がん性クラス1、人発がん性があるということを1機関以上が指定している物質でございますけれども、これを特に重篤な障害をもたらす物質として特定第一種指定化学物質に指定をしております。
 一方、先ほど、触れましたGHSにおきまして、発がん性のみならず生殖細胞変異原性、それから生殖毒性について取り上げております。
 このため今回の選定におきましては、発がん性、生殖細胞変異原性、生殖発生毒性につきましてもカテゴリーの一番厳しいものの物質を特定第一種指定化学物質の候補としております。
 次が有害性の情報源でございますが、有害性データに関する情報源、現在非常に多ございますが、最新の科学的知見を踏まえた情報源に更新をするということでございます。
 別表1ということで掲げておりますが、6ページ以降でございます。
 有害性情報の収集整理のための情報源として前回答申の情報源、そしてGHSの危険有害性分類事業の情報源を列挙しております。
 こういった情報源の中から有害性に関する情報を持ってくるわけでございますけれども、特に、4ページに戻りまして、優先順位の高いものとして発がん性に関するIARCの評価、そして経口慢性毒性に関するWHO水道水質ガイドラインの値、EPA水質クライテリア、そして日本の水質汚濁にかかる環境基準値、それから要監視項目の指針値、そして大気の方でございますが、吸入慢性毒性におけるWHO大気質ガイドライン、それから日本の大気汚染環境基準値ということについては、前回答申同様、優先的な取り扱いをしております。
 それから、環境での存在に関する判断基準ですが、現行基準、第一種指定化学物質について、1年間の製造輸入量が一定量、100トン以上。農薬、それから特定第一種指定化学物質については10トン、オゾン層破壊物質については、累積の製造輸入量が10トン、ちなみに農薬で、農薬以外の用途がある場合というときは、2つのクライテリア両方で見ております。
 また、一般環境中で、最近10年間に複数地点から検出されたもの、このモニタリングのそのデータをどこまで取るのかというものも過去の本合同部会におきましてお示ししておりますが、複数の信頼できるモニタリングデータセットの中で、複数地点から検出されたものであって、現時点で全く製造輸入量などの取り扱いがないということが明らかなもの。不明ではなく取り扱いがないことが明らかであるもの。これを除いたものを対象としております。
 また、第二種指定化学物質につきましては、1年間の製造輸入量が1トン以上のもの。または、一般環境中で最近10年間に1地点から検出されたものとしております。
 それから、既に化管法、PRTR対象物質になっているものにつきましてですが、PRTR排出移動量がゼロであった物質は22物質。それから、届出外排出量がゼロであったものが10物質等々、これらにつきましても前回本合同部会で御議論いただきましたが、例外的な物質を除いて環境への排出があるということが明らかになりましたので、環境中での存在に関する判断基準としては、現行の基準を引き続き採用し、データについては、過去10年間直近のものを用いるということでございました。
 物質選定でございますが、これらの考え方に基づき、別表2に、第一種指定化学物質と特定第一種指定化学物質。別表3で、第二種指定化学物質をお示ししております。
 3.今後の課題でございますが、これは前回の本合同会合におきまして御指摘をいただいた内容を特にまとめております。
 今回、化管法対象物質から除外される物質については、環境での存在、製造輸入量または一般環境中での検出にかかる判断基準を満たさなくなったものでございます。
 ただし、有害性の観点からは先ほど座長からも御指摘いただいたように、引き続き注意を要する物質でございます。
 このため、このような物質につきましては、登録失効農薬などを除きまして、製造輸入量の把握、一般環境中での存在の監視に努める必要があると考えております。
 また、このような物質についてMSDSの提供でございますが、自主的な取組みとして継続していただくことが望ましいと考えております。
 それから、今回の対象物質見直しにおきましては、対象除外物質の確認の際に、初期リスク評価の結果を用いております。
 次回の見直しというふうにありますが、中間答申におきましても今後とも見直すことが必要とされておりますし、また環境中の管理、環境への管理という観点からは化学的な知見の集積に応じて見直すべきだということであろうと思いますが、今後の評価作業の進展に応じて、初期リスク評価の結果のより一層の活用の検討、それから次回の見直しにおきましては、物質選定基準とGHSとの一層の整合化を目指すということ。
 それから、これも御指摘をいただきましたが、付随的生成物の選定に向けた排出量把握方法の確立など、こういった課題について引き続き取り組む必要があると考えております。
 今後の課題の部分が、前回の部会の御指摘に沿って記述をした部分でございます。
 1ページをめくっていただきまして、6ページ目からが別表1として、有害性情報の収集・整理のための情報源でございます。
 エンドポイントごとに前回答申で用いました情報源とそれからGHSの危険有害性分類事業の情報源、そしてその今回の対象物質選定に用いた情報源ということで列挙しております。
 先ほど申し上げたように、幾つか例えばIARCの発がん性に関する判断など、優先的に取り扱うものもございます。別表1が、9ページまで続いております。生態毒性まででございます。
 別表2が、第一種指定化学物質とそれから特定第一種指定化学物質の候補リストになります。
 基本的には、「あいうえお」順で列挙しております。番号は、仮に振っております番号でございます。
 10ページからまいりまして20ページ目までが第一種指定化学物質。21ページ目からが第二種指定化学物質でございます。
 それから、23ページ目の次のページが参考資料となっております。参考資料、今回PRTR及びMSDS対象化学物質の選定基準の詳細としております。平成12年答申を踏まえということでございますが、詳細についてやはり記録にとどめた方がいいということで、亀屋先生からも御指摘いただいておりますので、有害性の範囲などにつきまして非常に一般的と思われるもの以外と申しましょうか、特に気をつけて判定をした部分についてまとめをしております。
 今回の化管法対象物質の具体的な選定基準、前回答申のものを引き続き採用しておりますけれども、選定基準の時点修正や前回答申で記載していない事項の明確化などを行ったものでございます。
 まず、有害性の範囲、発がん性でございますが、発がん性はIARCを優先的な情報源といたしまして、クラス1、EPAの方で人発がん性に関するアセスメントクライテリアの方が若干変更になっております。
 例えば、A、B1、B2というのが従前からのクラス分けでございましたが、新しいクラス分け、CaH、Carcinogenic to Humans、これは2005年のクライテリアで、それからK、Known as human carcinogens、96年のガイドライン、こういったそのガイドラインをもとに区分されたものについても情報源として追加をしております。
 それから、次のページ、2ページ目が、変異原性になっております。
 変異原性に関しましての分類自体は、これも前回答申同様でございますが、1番、in vivo試験において陽性であるというものが優先的に取り扱われるということが明示されていないという御指摘がございましたので、前回答申同様でございますけれども、明示をし、in vivo試験が陽性の場合は、これを採用ということを書いております。
 それから、経口慢性毒性ですけれども、これも区分自体は前回答申と同じでございます。NOAEL、LOAELについて原則として投与期間1年以上の試験結果を用いるというものを明記しております。
 次のページに参りまして、吸入慢性毒性、それから作業環境許容濃度から得られる吸入慢性毒性でございます。
 吸入慢性毒性に関しましても、アンダーラインを引いておりますけれども、原則として投与期間1年以上の試験結果、それから作業環境許容濃度から得られる吸入慢性毒性、これも先生方から御質問がございまして、もともとの考え方として、急性毒性に該当するようなものというのは除外されているということを明確にすべきだということで、上部・下部気道、皮膚刺激等に症状が限定されるものとして明確化しております。
 次の4ページ目が、生殖発生毒性、これに関しましては、前回答申と特段の変更はございません。
 生殖発生毒性に関しましては、数値的なクライテリアというのは、物事の性質上ございませんので、EUのリスク警句をもとにその分類をしております。
 次が感作性、その次が生態毒性でございます。
 生態毒性に関しましても、先ほど、若林先生から御指摘いただきましたとおり、OECDテストガイドラインを基本とする条件に合致する試験結果のみを用いております。
 生物種、エンドポイント、それからばく露時間などでございます。
 それから、次のページにまいりまして、参考資料5ページからでございます。
 生態毒性の欄に書いておりますけれども、難水溶性物質につきましては、水溶解度が目安としておおむね1mg/Lの物質について、毒性値、水溶解度との比に関して記述をしております。
 また、前回答申同様、水混和性溶剤を使用した試験結果というのは、OECDテストガイドラインでも認められておりますので、引き続き判定には用いております。
 それから、次のページにまいりまして、これが参考資料の6ページでございますけれども、揮発性物質についても、その判定に用いる、用いないということの判断を書いております。
 それから、最後、9項目ですけれども、オゾン層破壊物質、これについてはオゾン層破壊物質が対象物質でございます。
 最後の7ページですが、前回答申の選定方法の詳細からの補正事項とありますが、記載されていない事項の明確化、それから新しいクライテリアの分類が発生しているものに関しましては、組み入れをするという時点修正をしております。
 資料3-1については以上でございます。
 資料3-2は、物質の入れ替えを図示したものでございます。
 左側に現行435物質、真ん中に見直し案ということで、今回おまとめいただきました563物質がございます。
 内訳を現在の見直し案ということで申し上げますと、第一種指定化学物質が463、内数で特定第一種指定化学物質が15、第二種が100とあります。それから、除外候補とありますが、現在の見直し案ですと、現行対象物質となっているものから85物質が抜けることになります。この85物質は、※3にございますけれども、最新の有害性情報が物質選定基準に合致しない、有害性の観点、それからばく露が小さいこと、それから初期リスク評価でリスクの懸念が小さいもの、こういったものを除外しております。
 ただ、先ほど本文でも書きましたように、環境中のモニタリングですとか、製造輸入量の把握などについては、引き続き実施をしていきたいというふうに思っております。
 資料3-2については以上でございます。
 それから、資料3-3でございますが、前回お示しした合同会合報告案からどこが直っているのかということをまとめております。
 表のページがそのパブリックコメントをいただいた結果に直したもの、次のページが申し訳ございませんが、その物質名称について、IUPAC命名法等々、あるいは既存法令との関係で、見直しをしたものでございます。
 表のページから行きますと、上の3つ、アントラキノン、ジエタノールアミン、それからステアリン酸ナトリウム、これらが第一種指定化学物質からの候補から削除するというものです。
 それから、下から4つ目と下から3つ目になりますけれども、ピナソレートとシメトリンは第一種指定化学物質に追加をするもの。それから、第二種指定化学物質の中からオレイン酸ナトリウム、これは下から2番目ですけれども、これが削除になっております。
 それから、後ろのページ、物質名称についての修正でございますが、ISO、IUPAC命名法、それから既存法令で複合的にチェックをかけております。これらの物質名につきましては、最終的に政令に直していく段に、法制局の御審査も受ける必要がございますので、最終的なものとしては、ちょっと変わる可能性はもちろんあるのですが、事務局としてはIUPAC命名法、既存法令などに準拠した名称としてこれらを用いたいということでございます。
 資料3-3については以上でございます。

○内山座長 ありがとうございました。
 前回からの修正点も含まして、御説明いただきましたけれども、御意見、御質問ございますでしょうか。
 中杉先生、どうぞ。

○中杉委員 資料3-1の5ページのところなのですが、今後の課題のところで、先ほど私が発言したのとちょっと矛盾してしまうのかなと思ったところなのですけれども、5ページの3の課題の4段落目で、このような物質については登録失効農薬等を除き、引き続き、製造・輸入量の把握や一般環境中での存在の監視に努める必要がある。
 ということで、登録失効農薬等を除きというふうに書いてあるのですが、この登録失効農薬というのは、製造・輸入量がないから把握できないということで、そうなのかもしれないのですが、先ほど申し上げたように、もう一回登録される可能性があるので、この登録失効農薬等を除きというのは要らないのではないか。等は何なのだろうか。
 これは、製造輸入量というと矛盾が出てくるのだけれども、製造輸入状況の把握という表現にして、こういうものもやはり見ていくということで、国として監視していただくことが必要なんじゃないかと思いますので、ちょっと先ほど私が申し上げたことと矛盾してしまいますので、少し修正をした方がいいのではないかということで申し上げました。

○内山座長 上路先生、何か御意見ございますか。

○上路委員 今、中杉先生の方から御指摘のとおり、登録失効農薬についても使用実態がまだ残っているということになりますので、環境中でのモニタリングというのはやはり続けなければいけないということになると、この登録失効農薬という言葉を削除していただいた方がいいのではないかと思っています。

○内山座長 入れる必要はないと。むしろ積極的にそういうことで、登録失効農薬も含めて監視していくと。

○上路委員 含むと書くのも大げさですから、この用語を除いていただければと思います。

○瀬川環境安全課長補佐 事務局としてもそのような方向で修正させていただきます。

○内山座長 これは、御指摘ありましたように登録失効農薬等を除きというところを削除して、それから引き続き製造・輸入状況の把握と、中杉先生、おっしゃいましたですか。

○中杉委員 製造・輸入量というとあれなので、登録されるかどうかと見るのは製造・輸入量の把握にならないので、もう少しそこを広げて、状況という言葉の方が正確ではないかということで申し上げました。

○内山座長 これも単に製造・輸入量の統計データを眺めて、確認するだけではなくて、もう少し細かく状況ということで監視していくということですが、これもよろしいですね。ありがとうございました。
 そのほかございますでしょうか。城内先生。

○城内委員 3ページの下から4行目、また、これらの項目と判定基準については、GHSの母体となった云々で、最後に現行のものを引き続き採用することとする、という文章があるのですが、ちょっと意味がわかりません。今までのプロセスを考えてくると、そういうことかということはわかるのですが、こういうものが英文になって出ていくと、日本ではこの物質の選定にはGHSがベースになったと思われるような書き方なのです。
 それは、その上の箱の中でもそうなっていますし、それ以降でもGHSという言葉がよく出てきていますが、現実にはこれはGHSはほとんど関係ないというか、選定については関係してないわけです。
 それはGHSのための分類基準を使ったということと特定第一種指定化学物質のところでこういう項目を入れましたということについてはそうですけれども、トータルとしてみて、GHSとはそれほど関係ないところで行われたわけです。それは良いとか悪いという問題ではなくて、現実的にそうだったということを考えると、GHSという言葉はあまりこの中に入れない方がいいのではないかと思っています。
 というのは、今までもそうだったのですが、日本でGHSをある法律に導入しましたとか、こういうプロジェクトをしていますということは、すぐ世界に発信されます。そうすると外国ではGHSを導入するということは、こういう形で導入するということではないので、かなり誤解を受けています。国内的に今後、GHSをベースにして考えなければいけないのですよということをアピールするということは必要だとは思いますが、外国の流れから見るとかなり特殊な方向ですので、少し表現を変えた方が誤解されなくていいかなと思いました。

○内山座長 大変重要な御指摘いただきましたが、何かその点についてほかの先生方の御意見ございますか。
 そうしましたら、これは確かにおっしゃるように、9項目はGHSの分類にならっていると言いますか、それを参考にしたということで、それと特定第一種のところの生殖の関連する変異原性、これは新たにそれを加えたということですが、これを英文で見てみると、GHSを導入したというふうにとられる可能性があって、それは誤解を受けるということですので、ここを少し具体的にどういうふうに書いていったらいいか、御意見いただければと思います。

○城内委員 特定第一種指定化学物質のところで、GHSではこのような判定基準を用いていると紹介したということはいいと思いますが、先ほどのお話の9項目というのもこれは全然GHSとは関係なく、従来の選定方法で選んでいます。
 ですので、その辺を少し考慮いただいて、書き直していただければ良いと思います。

○内山座長 わかりました。それはちょっと私も誤解していましたので、そうしたら下から5行目のこれらの項目と判定基準については、GHSの母体となったOECD/IOMCの有害性分類基準を参照したものであるということを踏まえ、ということをこれは削除してしまっても文章は通じると思いますので、これを削除すると、これらの項目と判定基準については、今回の見直しにおいては有害性の項目及び具体的な選定基準は現行のものを引き続き採用することとする。
 これで文章はつながると思うのですが、それでしたらよろしいでしょうか。中杉先生、どうぞ。

○中杉委員 多分、上の方で、GHSを入れて、頭に入れてないよという話ではないのだろうと思います。今回の議論的には。そういう意味で、そこの部分の、母体となった云々をすっきり削除するのか、あるいはそこの部分を、なおの後に持ってきて、少し修文しなければいけないか。
 GHSの母体となったこれらの基準と言いますか、そこの分類基準を参照しているが、というような表現で、GHSとの更なる整合化の推進について云々と書いてしまうと、その方がこの趣旨は生かせるのではないだろうか。その部分を一部分後ろに持ってきて、今回の基準については、現行のものを引き続き採用する。ですけれども、なおのところに、一応GHS、OECDの有害成性分類基準、そういうものを参照にしている、さらに今後は、GHS云々というふうにつなげることで、必ずしもGHSをそのまま使ったのではないよということが見えてくるのではないかと思いますけれども。

○内山座長 いかがですか。城内先生。それもしっくり来ない。

○城内委員 外に出ていったときに、彼らは絶対にそれを理解できないですよ、ということを言いたいだけなので、私はここで決まって、そうしますと言えば別に異論はありません。
 ただ、我々がやっていることは、外国から見て、GHSを導入するということとは全然概念が違うので、また誤解されるのではないでしょうかという、そういう懸念があるだけなのです。

○内山座長 いかがでしょうか。
 今回の親委員会の方、これもGHSとの整合性を踏まえ、上の方では、整合化を目指すべきであるということですね。特定第一種指定物質については新たなエンドポイントを追加するということを言っていますので、考え方として、なお以下の、現在のGHSとの更なる整合化の推進に関しては、というので、あまり書いてないと、更なるというのは、あまり意味がなくなってしまうので、中杉先生がおっしゃったように、なおで、今、削除した文章をそこに入れて、更なる整合性はというふうにおっしゃったのだと思うのですが。
 次のページには、特定第一種指定化学物質について、現行基準で生殖細胞変異原性を特定第一種の指定化学物質に加えたというところが、GHSを加えたというのを、エンドポイントを加えたということになっているのですが、その全体の考え方としてはGHSとは違うよという御指摘です。これは、考慮したが、ぐらいではやはり誤解を受けますか。GHSの有害性分類基準を考慮したが、ということで。

○木村環境安全課長 城内先生から、このOECD/IOMC、確かにこれはGHSの母体となって、我々としては今回はGHSの考え方として持っていきたいというふうに考えておるわけですけれども、GHSの細かなところでまだ決まってない部分、また国際的にも整合性がとれていない部分もございまして、そのあたりは今後また別のところで検討していきたいと思っているわけです。
 思いとしては今回ここに記載させていただいたところでございますけれども、今、御指摘のように、誤解があるということでございましたら、このGHS以下の、踏まえまでを削除させていただいて、その次の4ページのところでは、GHSにおけるエンドポイント、新たなものを加えるというようなことで、審議会としての方向性というのは出るかと思いますので、もしできればそのような方向でさせていただければいうふうに思います。

○内山座長 城内先生、それでよろしいですか。
 それではそのように、今、課長からお話があったような修文をさせていただきたいと思います。
 そのほかにございますでしょうか。
 時間はまだ十分あるのですが、大体御意見は出たと思いますので、今御指摘のあった今後の課題というところとそれから3ページの下2行を先ほど申し上げたようなことで修正させていただいて、報告案にしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、大筋においては、報告の内容に御賛同いただけたものと思いますので、本日いただきました御意見、御提案につきましては、本合同会合終了後にもう一度私と江馬座長、それから前川部会長、事務局と相談いたしまして、最終的に必要な部分を修正したいと思います。
 また、薬事・食品衛生審議会の薬事分科会、化学物質安全対策部会と中央環境審議会の環境保健部会におきまして、部会委員の皆様に御説明したいというふうに思います。
 それでは、本報告案について必要な修正は私とそれから江馬座長、それから前川部会長と事務局に御一任いただくということで報告の内容は一部修正の上、御了承いただいたといたしますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは、最後の議題ですけれども、その他ですけれども、事務局から何かございますでしょうか。

○木村環境安全課長 今後の段取りでございますけれども、化学物質審議会の管理部会につきましては、本日、取りまとめいただきました報告書を答申とさせていただきたいと考えてございます。
 また、中央環境審議会につきましては、7月11日に環境保健部会を開催する予定となってございまして、そこで内山座長から御報告を賜り、また薬事・食品衛生審議会につきましては、7月15日に化学物質安全対策部会を開催させていただきますので、そこで江馬座長から御報告をいただくということで、化管法対象物質の指定の見直しについての答申として取りまとめさせていただきたいと考えているところでございます。
 また、答申を受けまして、私ども、速やかに化管法の政令につきましても改正作業というものに取りかからせていただきたいと考えているところでございます。
 また、本日の議事録につきましては、原案を作成いたしまして、委員の先生方に御確認いただきまして、御了承を得た後に、各省のホームページに掲載する予定でございますので、ひとつよろしくお願い申し上げます。
 事務局からは以上でございますけれども、今回は、合同会合の最後の会となってございますので、各会の座長でございます内山座長、前川部会長、江馬座長から一言ずつお言葉をちょうだいいたしまして、またその後に事務局を代表いたしまして、環境省からは石塚部長、経済産業省からは照井次長、そして厚生労働省からは山本室長からそれぞれ御挨拶を申し上げさせていただきたいと思います。
 それでは、まず内山座長からひとつよろしくお願いいたします。

○内山座長 それでは、皆様、本当に4回にわたりまして、熱心な御討議ありがとうございました。
 見直し案につきまして、本日何とかまとめることができたと思います。
 今回も、今後の課題ということで、いろいろ宿題をいただきましたので、むしろ我々の務めとしては、これからのまた次の見直しに向かって、今回出た課題をまた一つ一つ、解決に向けて進めていくと、こういうことも私どものこの委員会、あるいは委員の責務と思っておりますので、今後またどうぞよろしくお願いしたいと思います。
 私の方からは以上でございます。本当に、皆様の熱心な御討議ありがとうございました。

○前川部会長 前川でございます。今回、何とかこの見直し案が終了いたしました。本当にありがとうございました。
 私が申し上げるまでもなく、御承知のように今欧州の方では、REACHもスタートしたということで、やはりこれからあと、化学物質の管理というのは、全世界的な問題になってこようかと、あるいはなっているというように思われます。
 今回、この見直し案に関しましても、非常に多数のパブリックコメントをいただきまして、我が国におきましても、関係の皆さん方にはこの管理という問題に関して、重要性を認識していただけているのではないかと思います。
 このとりまとめに関しまして、御協力いただきました委員の先生方及びパブリックコメントを寄せていただきました方々に厚く御礼を申し上げます。
 本当にこれからが大変だろうと思います。内山先生もおっしゃいましたように、これからが本当の勝負どころであろうというように思っております。
 どうもありがとうございました。

○江馬座長 江馬です。お忙しい中、熱心に討議いただきまして、ようやく案をまとめることになりました。感謝申し上げます。また事務局におきましても忙しい中、いろいろと作業をしていただきまして、同様に感謝いたします。どうもありがとうございました。

○石塚環境保健部長 環境保健部長石塚でございます。化管法対象物質の見直しに関する合同会合の委員の皆様方におかれましては、昨年10月以来、計4回にわたりまして大変御熱心な御議論を賜ったところでございます。まず環境省を代表しまして、厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 おかげさまをもちまして、本日、化管法に基づく第一種並びに第二種の指定化学物質の指定の見直しにつきまして、合同会合の御報告というものを頂戴することができたところでございます。今回の報告書を受けまして、PRTRの対象物質等専門委員会に置いては、今後中央環境審議会の環境保健部会の方でこの報告書を御議論いただきまして、答申としてとりまとめていただくということを考えております。
 その後、化管法の対象物質の見直しにつきまして、速やかに化管法の政令の改正というものを行いまして、見直し後の新たな対象物質について関係者への周知徹底というものを図ってまいりたいと考えております。
 具体的に申しますと、これらの物質の排出量、それから移動量を算出するためのマニュアルの改訂、あるいはPRTR届出の手続きに関する手引きの改訂、そして届け対象物質となります、それを取り扱う業者に対します説明会といったものの開催などを行っていきたいと考えているところでございます。
 これまでの精力的な御審議に改めて御礼を申し上げますとともに、今後とも引き続き私ども、事務局に対しまして、御指導、御鞭撻を賜りますことをお願い申し上げまして、私から御礼の御挨拶にかえさせていただきます。本当に長い間ありがとうございました。

○照井製造産業局次長 経済産業省製造産業局の照井でございます。
 本日、化管法の対象物質の見直しということで、新たにと言いますか、563物質という物質を選定していただきました。
 私事でございますけれども、平成12年にこの化学物質管理促進法ができまして、435物質、短期間のうちに数多くの物質を選定していただきまして、この新たな化学物質の管理の仕組みであります化学物質排出把握管理促進法という名前は長いわけですけれども、非常にユニークな新しい法律ができて、どのような運用になるのかというのを大変心配はしていたわけでございますけれども、法律の施行以来、順調に化管法の運用がなされまして、おかげさまで化学物質の排出量も漸減しているという状況でございます。
 そういう経緯を見るにつけまして、感慨深いものがあるわけでありますけれども、御存知のように、この化学物質排出把握管理促進法というのは、化学物質を自主的に管理していくというためにPRTRとMSDSというこの2つの制度を手段としたという非常にユニークな優れた法律ではないかというふうに私どもは考えているわけであります。
 そういう意味で、新しく物質が追加になったわけでございますので、これらの物質について適正に管理されていくことを私どもとしてもさらに推進してまいりたいというふうに思っているところでございます。
 先ほどからもさまざまな方から御意見がありましたように、化学物質の適正な管理ということに対する国民の関心、それから世界的にもいろいろな仕組みが動き始めているという状況でございます。
 御存じのように、化管法、化審法の見直しの議論も今やっているところでございますので、さらによりよき仕組みになるように私どもとしても努力してまいりたいと思いますので、引き続き御協力のほどをお願いしたいというふうに思っております。
 最後になりますが、今回の大変精力的な御尽力に対しまして、感謝を申し上げまして、私の御挨拶とさせていただきます。まことにありがとうございました。

○山本化学物質安全対策室長 挨拶の連続で恐縮でございますが、厚生労働省からも一言御挨拶を申し上げます。
 委員の皆様方には、非常にお忙しい中、今回の化管法の化学対象物資の見直しの検討に御協力いただいきまして、どうもありがとうございました。
 この会議は、昨年の10月から始まりまして、4回行われたわけですけれども、毎回、大量の資料を短い期間に、各先生方に御覧いただきました上で、熱心に御検討いただきましてまことにありがとうございました。
 おかげさまをもちまして、非常にしっかりした議論ができたのではないかというふうに考えております。
 今回の物質見直しはこの化管法が制定されて以来、初めての物質見直しでありまして、単に物質の見直しをするというだけにとどまらず、今後の物質指定のあり方全体についてもいろいろな議論ができたのではないかというふうに考えております。
 今日おまとめいただいた報告書の内容においても、今後さらに検討すべき内容というのが提示されておりましたけれども、これについても引き続き我々の方でも取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 先ほどちょっと御紹介がありましように、私ども厚生労働省におきましては、本日の報告書を受けて、来月の15日に予定しております薬事・食品衛生審議会の部会において、これをお諮りした上で、答申をいただいて、その後に所要の行政上の措置を進めていきたいというふうに考えております。今後ともよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

○内山座長 それでは、委員の皆様におかれましてはこれまでの間、大変長く熱心な御議論をいただきまして、ありがとうございました。
 以上で、化管法見直しの合同会合を終了したいと思います。どうもありがとうございました。