中央環境審議会環境保健部会 化学物質評価専門委員会(第31回)議事録
1.日時
令和7年12月24日(水) 10:00~12:02
2.議事
午前10時00分 開会
○塚田課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会環境保健部会第31回化学物質評価専門委員会を開催いたします。
委員長に議事進行をお願いするまでの間、一時的に進行役を務めさせていただきます、私、環境省の化学物質安全課長の塚田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、先生方におかれましては、お忙しいところご出席いただきまして誠にありがとうございます。
本日は15名の委員及び3名の参考人の皆様に出席いただいておりまして、現時点におきましても本専門委員会が成立していることをご報告させていただきます。
また、昨年度まで当委員会の委員でおられました青木先生、柴田先生には、本年度引き続き参考人としてご出席をいただいております。
また、本年度、今回より当委員会における新たな委員として宇野先生、大野先生、加藤先生、四ノ宮先生、中島先生にご参加をいただいております。
各先生方から一言ずつご挨拶をいただければと考えておりますが、よろしいでしょうか。
まず、宇野先生、よろしくお願いいたします。
○宇野専門委員 鹿児島大学の宇野と申します。よろしくお願いします。
○塚田課長 ありがとうございます。
続きまして、大野先生、よろしくお願いいたします。
○大野専門委員 国立環境研究所の大野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○塚田課長 ありがとうございます。
続きまして、加藤先生、よろしくお願いいたします。
○加藤専門委員 東京都環境科学研究所の加藤と申します。よろしくお願いいたします。
○塚田課長 ありがとうございます。
続きまして、四ノ宮先生、お願いいたします。
○四ノ宮専門委員 大妻女子大の四ノ宮と申します。よろしくお願いいたします。
○塚田課長 ありがとうございます。
続きまして、中島先生、お願いします。
○中島専門委員 国立環境研究所の中島と申します。よろしくお願いします。
○塚田課長 ありがとうございました。先生方、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
本日は、昨年度までと同様、WEB会議との併用での開催とさせていただいております。
また、当委員会は、運営方針に基づき公開とさせていただいておりますので、本日はYouTubeを用いてライブ配信を行っております。
WEB会議及びYouTubeライブ配信に当たっての注意事項をご説明させていただきます。
○西川専門官 注意事項についてご説明いたします。
本委員会はYouTubeライブ配信で公開してございますが、WEB会議の開催に当たりまして、以下のご協力をお願いいたします。
一つ目でございますけれども、ご自身の発言以外のときは、WEBご参加の先生方はマイクをミュートにしていただければと思います。
また、二つ目でございますが、こちらは対面ご参加の先生もWEBご参加の先生も、ご発言に当たりまして、最初にお名前をおっしゃっていただければと思っております。
三つ目でございますが、お聞きになっている音声、途切れがちの場合は、ビデオをオフにすること等で回線の負担が軽くなることもございますので、こちらで解消をお試しいただければというふうに考えております。
今回、審議に当たりまして、紙資料、タブレットまたは事前のダウンロード資料をお送りしていただいております。こちらの電子資料等、審議に当たりましてはご確認いただければと考えております。
また、音声が全く聞こえない等の場合は一度ご退室いただきまして、再度ご参加いただくことをお試しいただければと思います。
お困りの場合は、Teamsのチャット機能でお知らせいただくか、化学物質安全課までお電話いただければと思います。
また、本委員会でございますけども、速記記録作成のため、録音させていただいてございます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○塚田課長 それでは開会に当たりまして、環境省環境保健部長の伯野より一言ご挨拶を申し上げます。
○伯野部長 環境保健部長の伯野でございます。
本日は大変ご多忙の中、本専門委員会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
また、平素より、先生方におかれましては、環境保健行政の推進にご理解、ご協力、そしてご尽力いただきまして、誠にありがとうございます。この場を借りまして、厚くお礼を申し上げる次第でございます。
さて、ご案内のとおり、環境省においては、化学物質が環境を経由して人の健康や生態系に有害な影響を及ぼす可能性を環境リスクとして捉えて、その化学的な評価とリスク低減のための取組を実施しているところでございます。その一環としまして、本専門委員会のご助言をいただきながら、化学物質環境実態調査及び化学物質の環境リスク初期評価を実施してきたところでございます。いずれも化学物質管理施策の基礎的な事業として位置づけられております。
これらの調査結果については重要な基礎資料としまして、化学物質審査規制法や化学物質排出把握管理促進法、水質汚濁防止法、大気汚染防止法などの化学物質管理施策へ活用しているところでございます。
今後とも最新の知見や技術等を反映しながら適切に実施していく必要がございますので、委員の皆様方におかれましては引き続きのご助言をお願いできればと考えております。
本年も本日の専門委員会を迎えるまでに大変多くの方々にご協力をいただく中で、様々な検討会等での議論を重ね、報告書案等の作成を進めてきたところでございます。本日、最終的なご評価をいただきました後、速やかに評価結果の公表を行いたいと考えております。
最後になりますが、委員の皆様方におかれましては限られた時間ではございますが、ぜひ忌憚のないご意見をいただきますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、私の冒頭の挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
○塚田課長 ありがとうございました。
続きまして、本日の配付資料の確認をさせていただきます。
○西川専門官 よろしくお願いいたします。
配付資料につきましては資料1の委員名簿から、資料2-1の令和6年度化学物質環境実態調査結果(概要)。資料2-2の令和6年度化学物質環境実態調査結果報告書(案)。資料2-3、令和7年度化学物質環境実態調査の進捗状況。資料2-4、令和8年度化学物質環境実態調査の実施方針(案)。資料2-5、令和5年度化学物質環境実態調査結果の活用状況。資料3-1、環境リスク初期評価の進捗状況。資料3-2、化学物質の環境リスク初期評価(第24次取りまとめ)の結果の概要(案)。資料3-3、化学物質の環境リスク初期評価(第24次取りまとめ)結果(案)。参考資料1がストックホルム条約第12回締約国会議の結果概要。参考資料2が残留性有機汚染物質検討委員会第21回会合の結果概要となっております。
事前の電子媒体での送付や本日机上の紙資料、あるいはタブレットでの配付としておりますのでご確認いただければと思います。
また、ご不足、不備等がございましたら、大変恐縮でございますが、ご指摘いただくか、あるいは別途メールにてご案内させていただいておりますWEBサイトの資料をご確認いただければと考えております。
資料の不備等、お気づきの点はございますでしょうか。
○塚田課長 それでは、ただいまより議事に入らせていただきたいと思います。
白石委員長、どうぞよろしくお願いいたします。
○白石委員長 白石でございます。ご指名ですので、議事の進行を務めさせていただきます。
それでは、早速ですが、最初の議題に入ります。
議題の1ポツですが、化学物質環境実態調査の結果、進捗状況等についてということで、令和6年度の化学物質環境実態調査、いわゆる黒本調査の去年度の結果と、令和7年度調査の進捗状況につきまして報告があるということでございますので、資料2-1から2-5に基づきまして、事務局より資料の説明をお願いいたします。
○西川専門官 ありがとうございます。
議題1の化学物質環境実態調査の結果(概要)等につきまして、化学物質安全課、西川よりご説明いたします。
まず資料2-1、画面共有しておりますが、WEB参加の先生方もこちら映っておりますでしょうか。この資料等に基づいてご説明させていただきます。
まず、化学物質環境実態調査でございますけれども、この調査では、実際に試料の採取分析等を行って調査を行ったその翌年度、1年間をかけまして、調査結果の解析、分析、精査等を行いまして、この本委員会においてご報告させていただくという形でこれまで進めさせていただいております。
このため今年度、令和7年度の中央環境審議会環境保健部会化学物質評価専門委員会、こちらの委員会におきましては令和6年度の調査結果についてのご報告となるものでございます。
資料2-2が、こちら詳細な内容を含んだ調査結果報告書でございまして、いわゆる黒本、「化学物質と環境」というタイトルの本になるものでございます。
ただ、こちらは500ページ超とボリュームが大きいものでございますので、本日は、概要として取りまとめております資料2-1に基づいて、主にご説明させていただければというふうに考えております。
それでは、資料2-1の1ページ目からご説明させていただきます。
資料2-1の1ページ目に経緯がございますが、化学物環境実態調査、こちらは化審法の制定時の国会で附帯決議を踏まえまして、昭和49年度から一般環境中における化学物質の残留状況の把握、これを目的に行っているものでございます。これまでに、およそ50年かけて本調査を継続して実施してきたところでございます。
こちらの調査の内容でございますけれども、平成14年度以降は環境省内の化学物質関連の施策を所管している部署から要望がありました物質、これに基づいて調査を行うという体制になっておりまして、また、平成18年度以降は調査目的に応じて、初期環境調査、詳細環境調査及びモニタリング調査の3種類に分けて実施しているところでございます。
続きまして、2の調査の進め方のところでございます。
調査対象物質の選定においては、各環境法令を所管する部局からの調査要望がなされた物質、これについて絞り込みを行った後、令和5年度(2023年度)に開催された本委員会において評価を得て選定された物質を令和6年度の調査対象として実施しておりました。
(2)が調査内容でございまして、まず、アの初期環境調査でございます。これにつきましては、一般環境中の高濃度が予想される地域等での調査を行い、残留の有無が主に検討される化管法の指定化学物質の指定プロセスなどの施策で活用する基礎資料としての調査を行っているものでございます。
初期環境調査、調査物質数を記載しておりますが、令和6年度の調査では10物質(群)を調査対象としておりました。
次に、イの詳細環境調査でございます。こちらは全国的なばく露状況を検討する必要がある化審法の優先評価化学物質のリスク評価等で活用することを目的として行っているものでございます。
2024年度は4物質(群)を調査対象としております。
最後のウのモニタリング調査でございますが、こちらは化審法で特定化学物質として指定された物質やストックホルム条約の対象物質等につきまして一般環境中での残留状況の経年的な変化、これを把握するという目的で実施しております。
こちら令和6年度(2024年度)におきましては、POPs条約対象の物質の中から総PCB等の11物質(群)、これらを調査対象としております。
続きまして、3の調査結果でございます。
アの初期環境調査でございますが、調査結果のより詳細なものは別表1に記載しているところでございまして、さらに詳細なデータは先ほどのとおり資料2-2、黒本になっているところでございますけれども、概要といたしましてこちらに基づいてご説明いたします。
初期環境調査の調査結果として、水質の調査でございますが、こちら7調査対象物質(群)を調査し、1物質(群)りん酸トリエステル類が検出されております。
底質については、2対象物質を調査し、1物質、トリブチルアミンが検出されました。
大気については、4調査対象物質(群)を調査いたしまして、4物質全ての群が検出されております。具体的にはアリルアルコール、1-アリルオキシ-2,3-エポキシプロパン、プロパナール、りん酸トリエステル類でございます。
続きまして、イの詳細環境調査でございます。水質につきまして、3調査対象物質(群)を調査いたしまして、全物質(群)のアクリル酸及びそのエステル類、アルキル硫酸及びその塩類、N,N,N-トリメチルドデカン-1-アミニウムの塩類、これらが全て検出されております。
底質につきましては、1対象物質(群)アルカノール類を調査しておりまして、これが検出されております。
大気についても、1対象としてアクリル酸を調査し、検出されております。
ウのモニタリング調査でございますが、こちらは後ろの別表3に基づいてご説明させていただければと思います。
別表3-1、こちらが水質と底質での結果をまとめたモニタリング調査の検出状況の表でございまして、また、これの次のページでございますけれども、別表3-2、こちらは生物と大気の一覧表となっております。
こちらの表に基づきますと、例えば総PCBのところでは1地点が水質では不検出だったものの46地点では検出されておりまして、最高値が1万で、平均値が90というふうになっております。この表ではこれらのように全体的に記載しておりまして、媒体によっては一部不検出というようなものもございますところでございますが、メトキシクロル以外については何かしらの媒体のいずれかの試料から検出されているというような状況が見られておりました。
続きまして、このモニタリング調査、先ほどのご説明のとおり継続的な調査を行っているものでございまして、解析ができる程度、長期にわたって実施している物質につきましては、11ページの別表3-3から3-5までのように経年変化の解析結果もまとめているようなところでございます。
別表3-3、こちらが2002年度から2024年度の水質での解析結果となっております。検査状況などによっては表の下に記載しておりますような形で記号、注2のような形で記載しておりましたけれども、解析の指標をもろもろ変化させる必要があるというところで記号のつけ方は用意しているところでございますが、全体としては減少傾向あるいは横ばいというような形での結果が得られているところでございます。
別表3-4、こちらは底質の経年分析結果でございます。これらも水質と同様に総PCB、HCB、PFOS、PFOAについて見ておりますけれども、概ね全体的に減少傾向あるいは横ばいというような結果が認められております。
別表3-5、こちらが大気と生物の結果でございまして、こちらはペンタクロロベンゼン、ヘキサクロロブタ-1,3-ジエンについても見ておりますところ、HCBは横ばいというところもありますけれども、全体としては減少傾向という状態となっております。
資料2-1でご説明する黒本調査結果の概要は以上でございます。
資料の12ページから13ページにおきましては、こちらの調査結果の解析にご協力いただいた関係の検討会の先生方のお名前を記載させていただいているものでございます。
続きまして、資料2-3のご説明に移ります。
資料2-3、こちらは令和7年度の化学物質環境実態調査の進捗状況として、今現在、今年度実施している調査についてのご説明となります。
先ほどの内容でございましたとおり、今年度も引き続き初期環境調査、詳細環境調査、モニタリング調査の3調査を実施しております。
2の精度管理でございますけれども、初期環境調査、詳細環境調査では複数の分析機関が同一の化学物質の分析を行うため、分析機関の差異などが生じている場合に事前に把握して対策を行う必要があることから、ラウンドロビン・テストの実施や有識者の立入調査などといった精度管理についても実施しております。
また、モニタリング調査については、単一の分析機関による分析であるものの過年度からの継続性を担保するため、こちらは国環研及び有識者が分析機関への立入検査を行い、実施状況が適正であるということの確認を行うという形で有効性等の精度管理を行っております。
2ページ目の表1、こちらが、表1以降が今年度の調査対象の物質でございまして、表1は初期環境調査対象物質でございます。今回調査媒体は、生物は初期環境調査で行っていないので書かれていないですけれども、6物質ございまして、5-エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エンが水質と大気、ジアクリル酸ヘキサメチレンが水質と底質、4,4'-ジアミノジフェニルエーテルが水質、ジイソプロピルナフタレンが大気、ジベンジルエーテルが大気、4,4'-ビス(2-スルホスチリル)ビフェニル-2ナトリウム、こちらが水質調査となっております。
要望施策については右の欄に記載させていただいております。
表2が詳細環境調査でございまして、こちら今回はいずれも水質のみとなっております。
こちらは3物質(群)が対象となっておりまして、調査対象は記載のとおりのアルケンスルホン酸及びヒドロキシアルカンスルホン酸並びにそれらの塩類と、α-(ノニルフェニル)-ω-ヒドロキシポリ(オキシエチレン)と、ノニルフェノールでございます。
3ページ目の表3、今年度のモニタリング調査対象物質でございます。基本的には前年と同様のところではあるものの、先ほどの表で不検出であったメトキシクロル、こちらに替えまして、ストックホルム条約で今年度新たに廃絶対象として指定されたLC-PFCA、長鎖ペルフルオロカルボン酸、こちらの一部を調査対象としております。
なお、ストックホルム条約に係る結果概要については、議題3のその他のほうでご説明いたします。
続きまして、資料2-4でございます。
資料2-4、こちら令和8年度、来年度以降の調査対象の方針というところの検討でございまして、前半のところは今までどおりの記載になっておりますので、1回割愛させていただきますけれども、3ページ目以降、こちらが調査要望が来ている物質の中で令和7年度に分析法開発を行っている物質の一覧でございます。
こちら、化学物質環境実態調査では、冒頭でご説明いたしましたとおり関係部署からの要望に基づいて調査を実施しているというところでございますけれども、環境中での分析方法がない、あるいは求める検出濃度に到達していないというものもございまして、そういったものに関しては、本調査の中で分析法の開発を行った上で実際の測定に進むこととなっているものでございます。このため、この別添1のページで開発を行っている物質のうち、今年度開発がうまくいったものについて来年度の検討対象として進められるものになります。現在、28物質が令和7年度の分析法開発の調査対象となっております。
5ページ目の別添2でございます。これは既に調査要望物質のうち既存の分析法があるものでございますので、こちらはその既存の分析法を利用することで来年度以降すぐ調査に移れるというものでございまして、別添2として取りまとめております。
続きまして、7ページ目の別添3でございます。こちらは今年度までにまだ分析法の開発に着手できていない要望がある物質でございまして、これらについては分析法を開発した上で将来的に令和8年度以降調査をする可能性があるものとして参考として記載させていただいております。
こちら記載の個々の物質につきましての詳細な説明は省略させていただければと思いますが、別添1につきましては先ほどのとおり28物質(群)開発対象となっておりまして、5ページ目以降、別添2の23物質(群)、こちらは既存の分析法があるものでございますので、これらのものから来年度以降の調査対象の可能性があるものとして選定されるものでございます。別添3の今後調査対象となり得るものとしては25物質(群)があるものでございます。
最後の資料2-5の資料でございます。こちら、令和5年度調査結果の活用状況でございます。
こちらは、昨年度の本委員会で評価をいただいた上で令和6年度の「化学物質と環境」、いわゆる令和6年度版の黒本として公表した調査結果、こちらについて要望部署にフィードバックを行いまして、どのように活用されたかのアンケートを取った結果、こちらをまとめたものでございます。
2ページ目以降、別表1が令和5年度の初期環境調査での結果の概要と、要望部署での活用状況を取りまとめたものでございます。
また、5ページ目以降が令和5年度の詳細環境調査、こちらについての活用状況の結果となっております。こちらも個別物質の説明につきましては割愛させていただければと思いますけれども、例えば詳細環境、エチレングリコールモノメチルエーテルでございますけれども、こちら環境リスク初期評価からの要望物質で、環境リスク初期評価の対象物質選定に活用しているというような形でのフィードバックを行っているものでございます。
以上、資料2-1から2-5まで簡単にご説明させていただきました。以上、どうぞよろしくお願いいたします。
○白石委員長 どうもありがとうございました。
結果の取りまとめに当たっては、専門家から構成される検討会で別途精査、解析等いただいたということですので、どうもありがとうございます。この場にも何名か検討に参加していただいた方もいると思いますけど、どうもありがとうございました。
そういうことですので、本委員会において評価等に入る前に、それぞれの検討会で座長を務めています、私も含めて、中杉参考人、柴田参考人より補足などの説明をいただきたいと思います。
まず、化学物質環境実態調査精査等検討会及びモニタリング調査の結果に関する解析検討会の座長をさせていただいています私から若干補足説明いたします。
まず精査検討会のほうですけども、これは今回大分委員が変わられたのでちょっと全体像を申し上げますと、調査自体は調査の手引きというものに基づいて行われておりまして、そこに精査の手順等も書かれております。それに基づいて精査するんですけれども、調査は、手引き上は確定した分析法がございまして、それに基づいてやってくださいねと、改変は若干許されるんですけど、そういった形でやられて報告書が出てまいります。
その報告書、一部紙ベースもある、電子ベースなんですけど、文書ベースもあるし、デジタル化されておりまして、そのデジタルデータも加味しながら精査していくんですけれども、かなり内容、詳細まで見るので、3日間、丸1日かけまして、このデータを精査しております。
精査の基準に基づいて、いろいろ精査するんですけれども、毎年のことなんですけれども、まず保存性でかなりいつも問題になります。最近、分解性の早い物質が多いものですから、それの保存期間というのが白本上は7日間と設定されていまして、そこまではチェックされているんですけどそれ以上はチェックされてないということで、それをオーバーするケースがあって、そのたびに保障を求めるような作業が次年度発生するということがございます。
もう一つ、分析法が確定して、それでお願いするんですけれども、それを全く変えてしまうというケースが今回ありまして、それで、それに基づく確認に結構手間、若干手間取ったというところがございます。
それ以外は特段問題ないんですが、例えば、資料2-1の8ページ目をご覧いただくと注4というのがございまして、そこに書いてあるとおりなんですけれども、これは分析法のほうというよりも標準物質の問題がございまして、そこで若干注が書いてあるということでございます。
精査委員会としてはその程度ですかね。
モニタリング調査の結果に関する解析検討会のほうは、これも非常にデータが素で、1年に1回、何か所かしかないデータで経年変化を出すという非常に難解なテーマを与えられておりまして、それで、解析法は随分進捗いたしまして、それに基づいてやっているんですが、例えば、11ページ目を見ていただくと、11ページの別表3-3のところにいろんな記号が、注2のところに記号がついてありますけれども、これはそれぞれ解析方法が違うんですけれども、それに基づいてやらせていただいたと。これは従来どおりで、特に変更ございません。
特にモニタリングのほうで言っておくべきだと思われるものは、黒本本体のほうですかね、ここにも載っていますかね、半減期みたいな表現があるんですけれど、どこでしょうかね。特にここには載っていないのかな。2-1に載っていますか。ないですかね。ないですね。ここの表現方法が本文にあるんですけれども、あくまでも全体の解析に使った地点の全体像であるという形で注記を変えております。
それから、大気の分析なんですけれども、PFAS類なんですが、これは採取方法によって値が異なるということが明らかになりまして、以前から問題になっていたんですけど、それが環境省さんの調査でも明らかであるということで、そこに関して注記を入れると。サンプリング方法では異なりますということの注記を入れたというところが補足としては大事な点かなと思います。
以上です。
続いて、初期環境調査及び詳細環境調査の結果に関する解析検討会の座長を務めておられる中杉参考人、ご発言をお願いします。WEBでしょうか。
○西川専門官 中杉先生、マイクをオンにしていただいてもよろしいでしょうか。
○中杉参考人 すみません。
○西川専門官 ありがとうございます。音声、聞こえました。
○中杉参考人 初期評価と詳細評価の解析検討会のほうの簡単なご報告をしたいと思います。
結果について、概要は西川さんのほうからご説明いただいていますけど、初期評価については34ページに一覧表、検出結果が出ています。基本的には、これを見ていただくと、西川さんもご説明いただきましたけれども、水質については、りん酸トリエステルということで群として調べたものについてのみ検出されたということでございます。
底質については、トリブチルアミンだけ、それから大気については全て検出されたということでございます。
そのほかに、詳細評価のほうについては何ページでしたっけね。ちょっとごめんなさい、後ろのほうに飛んでしまいます。100ページのところでしょうか。100ページのところでアクリル酸及びそのエステル類ということで、これは水質と、大気はアクリル酸だけですけど、検出されていて、アクリル酸のエステル類の中には不検出のものもありますけど検出されたものもある。アクリル酸が一番高いんですけど、そんな形で出ています。
デカノールですけど、デカノールは底質のほうですね。底質だけ調べたんですが、底質はいずれの項目も検出されたということです。
それからもう一つは、アルキル硫酸及びその塩類ですけど、これについては、一部のものは不検出ですけども、1物質を除いては全て検出されていると、これは水質ですね、ということでございます。
そのほかに、これらの結果を眺めて、少し解析をするということなんですけれども、一応解析検討会のほうでは、これまで過年度の調査がある場合に過年度の調査との比較をするということをやっています。過年度の調査の結果と比較して、濃度が高くなるということは一般にはないですけど、どのくらい低くなっているかということをやったんですが、POPsの場合と違って毎年調査するようなことはやっていませんので、ほとんど明確に変化があるというのは見えておりません。3物質だけがそういうことができました。
これは資料2-2の66ページです。りん酸トリブチルですけれども、これは3地点で調査をやって、そのうち2地点は一応下がっている、平塚と長野ですね。この2地点は、66ページですけど、これは下がっているけど、神戸市のほうはあまり下がっている傾向は見えない。これ、三つ下がっていると、全体として下がっているというような判断をするんですけど、この場合は2地点において減少が示されるということしか言っていません。
なお、減少というのは、これも不確かな、あまり十分な調査ではないので、1桁下がらないと下がらない、1桁上がらないと上がらないというふうな評価にしていますので、なかなかそういう判断ができないところになっています。
二つ目が詳細調査のほうですけど、103ページのアクリル酸の水質ですけれども、これは12地点やったんですが、検出された、濃度が高かった2地点、これに対しては、過年度に検出された値よりも低くなったということでございます。三芳町と川崎港ですかね。この二つがそういう判断になりました。
それから、アクリル酸の大気の場合は、2地点で調査をやったんですが、札幌のほうは過年度より低くなったけど、四日市のほうはそういう判断はできなかったということでございます。
それからもう一つ、調査物質と排出源の関連性について判断ができるものは判断をしたということでございます。
どういう判断かというと、下水処理場、家庭用で使われるもの、影響を強く受ける地点と、それからPRTRの届出事業所の近傍と。これは調査地点を選んだときに、一部のものについてそういうものを調べてもらいました。そういうものを加えてもらいましたので、そういうことでやってみるとどうかということでいきますと、りん酸トリエステル類の2物質、55ページと56ページですね、この2物質と、59ページのりん酸トリス(2-ブトキシエチル)、それからりん酸トリブチル、これはいずれも下水処理場の影響を受けるということで、一般的なところからのものが多いんじゃないかと。
それからアクリル酸類も、これもアクリル酸類、一部のものについてそういうことが言える。
それからデカノールも同様で、詳細調査のトリメチルドデカン-1-アミニウム塩類、これも下水処理場の影響を受けるんじゃないかというふうに考えております。
それから、PRTR届出事業所の周辺というのは、詳細調査の中でアクリル酸メチル、105ページのところですけれども、八代市の結果が、これが事業所の近くであるんじゃないかということで考えております。
それからもう一つは、ドデシル硫酸及びその塩類の水質ですけど、131ページのところで、川崎港の京浜運河扇町地先の濃度、それから山口県の笠戸湾の濃度が、近くに事業所があるのでその影響を受けているんではないかというような判断をしております。
あと、これはこの専門委員会の仕事ではないんですけど、要望されたところでの結果で、いろいろそれに対して、仮にこの委員会で検討すればどうかというのを出しておりますけど、これはそれぞれの結果を要望先に提出して、そちらで判断をいただくということになるかと思います。
どうしても初期環境調査、詳細環境調査、やはり制限がありますので、調査地点、調査物質、頻度等もですね。今言ったような解析が十分できるというのはなかなか難しいように思います。
簡単ではございますけど、以上でございます。
○白石委員長 ありがとうございました。
では続きまして、POPsモニタリング検討会の柴田参考人、ご発言をお願いします。
○柴田参考人 柴田です。
先ほどご説明いただきましたように、POPsモニタリング検討会においては、基本的にはまず精度管理に関するところで確認をしております。
一般的な精度管理の項目ですけれども、例えばその検量線の直線性の話ですとか、それからブランクが出ていないこと、操作ブランクとトラベルブランクがないこと、それから実際の測定結果の確認もしております。それから二重測定を行う、それからサロゲート添加で現在は測定をしておりますので、その回収率がきちんと取れていること、そういったところを基本的に全部調べた上で、さらに各分析機関を視察して、実際の測定のクロマトグラムを眺めて、クロマトのきれいさとか、例えば高分解度の質量分析であれば質量分析器の設定が外れてロックマスの落ち込みがないかとか、そういったところも含めて確認をして精度管理を行っております。
そうした結果として、基本的に今回の報告については正しい分析が行われているというふうに判断をしているんですが、先ほど委員長のほうからもご指摘がありましたように、実はPFOSに関して、しばらく、大体数年ぐらい前からなんですけれども、そのハイボリュームサンプリングとミドルボリュームサンプリングといって、ハイボリュームのほうは24時間で1,000m3を引くというのを3日間繰り返します。ミドルボリュームサンプリングのほうはその7分の1のスピードで1週間、やっぱり1,000m3を引いて、その値を測定結果とするという、そういうやり方をしているんですけれども、その二つでどうもPFOSの相対的な割合が違うのではないかという議論が起こりました。実は取っている場所が違うので、単純に比較はできないんですけれども、そういうことがあって、2023年と2024年の2回にわたって環境安全課のほうで地方の環境研にお願いをして、同じ場所でそのミドルボリュームサンプリングとハイボリュームサンプリングを比較するということを行った結果として、PFOSとPFHxSというスルホン酸を持っている物質については、どうもミドルボリュームで測定をしたほうが二、三倍から数倍ぐらい増えてくる傾向があるようだということが分かってまいりました。まだちょっと点数が少ないので、議論するのはまだ早いかもしれませんけれども、何が起きているのかはちょっと今不明であります。
フッ素系の界面活性剤については、PFOAに関して、PFOAのようなカルボキシル基を持っているものについては、末端がアルコールになっているテロマー体と呼ばれているものが空気中を飛んでいって、それが酸化されてカルボキシル基に変わるという反応が起きることは分かっているんですけれども、スルホン酸系のPFOSとかPFHxSについて、ちょっと何が起きているのか今のところよく分からないということで、恐らく考え得るとすれば、まずサロゲートがきちんと回収できていますので、捕集中に破壊しているとか分解しているということはなさそうであります。そうするとあとは前駆体のようなものが飛んできていて、それが捕集中に何か変更するんだろうかというところが残っています。ただ、これも文献を調べる限りではそのような反応というのが今のところ報告されておりませんので、今、分析機関のほうの協力を得て何が起きているかをこれから調べようとしているというような状況であります。
あとはデータのほうに関してなんですけれども、全国のデータについては先ほど西川専門官のほうからもご説明がありましたように、いろんなPOPs系については減少傾向にあるものが非常に多い、あるいは横ばい傾向ということがこれまで報告されております。ただ、全国の結果とは別に環境省のほうでは、ストックホルム条約の有効性評価に資するということで、沖縄の辺戸岬と、それから五島列島の福江島で毎月POPsのサンプリングを行っておりまして、そのデータを報告しているんですけれども、その結果を見ますと、ちょっと不思議な傾向を示すものが二、三見つかってきております。
一つはPCBなんですけれども、この資料の長いほうの2-2の501ページのところに、沖縄と、それから福江島におけるPCBの測定結果というものが載せられておりますけれども、501ページの一番上の図ですね。それをちょっと見ていただくと、先ほどあったように、全国のPCBの大気中の濃度というのはここ何年かずっと減少傾向にあるんですけれども、沖縄のデータを見ると、むしろ上がっているのかなと思えるような傾向が、沖縄及び福江島ですけれども、ちょっと逆に増えているのではないかというような傾向が見えております。
これは少し詳しく調べてみると、実はPCBの中でも2塩素化体だけが増えてきている。それで、2塩素化体をさらに細かく見ていくと、11番と呼ばれている異性体だけがどうも突出して大きくて、しかもそれがどうも増加傾向にあるようだというような様子が見えてまいりました。
11番、実はPCBの測定法では11番だけを測定するということは普段していないんですけれども、これについては分析機関の協力を得て、11番の測定データがそろってまいりましたので、今後それを解析してみて経年的にどうなるかということをきちんと解析していきたいというふうに思っています。
それからもう一つ、これはちょっとしばらく前からご説明しておりますけれども、ヘキサクロロブタ-1,3-ジエンと言われている物質があります。これは512ページに同じく高頻度の測定結果が求められておりますけれども、512ページの真ん中の図ですね。これは2015年にまず意図的な製造がストックホルム条約に追加されて、2017年に非意図的な製造についても対象とするということで追加された物質です。このヘキサクロロブタ-1,3-ジエン自体は、どうも意図的には作っていなくて、トリクレンとかパークレンとか塩ビモノマーとか、そういう塩素系の物質を作るときにできてしまう物質ということで、昔はできてしまうので何か有効利用しようという形で1980年代ぐらいまではどうも欧米でも日本でも使われていたようなんですけれども、毒性が強いということで、それ以降製造されてできてしまうともう分解して焼却処理してしまうという形で先進国では処理をされてきています。
しかしながら、この大気中の測定をしてみると、そもそも2016年の段階で、これはちょっと見えにくいですが、大体1,000pg/m3ぐらいというPOPsの中でもちょっと突出して濃度レベルが高い物質だったんですけど、それが2017年以降、非意図的な製造がストックホルム条約に載って以降に急速に濃度が増えてきていて、非常にがたがたしながら、かなり高い濃度レベルを維持しつつ、少しずつ下がっているように見えるんですけれども、かなり高いレベルが今でも観測されるような、最近でも観測されるような、そういう物質であります。
これについては日本が2021年にストックホルム条約の有効性評価のために地域レポートをまとめた際に日本のデータでこのHCBDが増えているよということを報告して以来各国の注目を集めて、カナダでは特に昔採取してあった捕集剤をこのデータを見て再分析し、それ以前、2000年代の半ばぐらいから2010年の後半に至るところのデータを去年と今年報告されています。それを見ると、どうも最近20年ぐらいの間にじわじわと増えてきている、それが日本では2017年ぐらいから急激に増え、カナダのデータを見ると2018年、1年遅れて2018年から急激に増えてきているというような結果が見えてきておりまして、どうも条約のその非意図的な製造というのが条約の対象になったところで、どこかから比較的量の多い発生が出てきているのではないだろうかということを疑わせるような結果になってきております。
その辺りも、今ちょうどまた次の条約の有効性評価のための地域レポートの取りまとめというのが進んでおりますので、その中でさらに解析が進むことを期待しております。
簡単ですが、以上です。
○白石委員長 ありがとうございました。
各四つの検討会の座長から補足説明いただきました。
ただいまの説明も踏まえた上で、資料及び説明内容について、ご質問、ご意見等がございましたらお願いします。いかがでしょうか。
○西川専門官 WEB参加の先生は、Teams上でご挙手のボタンを押していただければと思います。
○白石委員長 よろしいでしょうか。
では、鈴木委員、お願いします。
○鈴木専門委員 ありがとうございます。貴重な調査結果どうもありがとうございました。
これは非常に大事な調査だと、一つちょっと私の感想ですけれども、資料2-5かな、活用状況という報告がありまして、これ、前も私、言ったのかもしれないですけど、この要望部署における調査結果の活用状況って書いてあるんですけれども、どちらかというと私のような人間の感覚であれば、化管法で活用されたとか、EXTENDで活用されたとかいうほうがよいのではないかと。というのは、別にこの調査の結果は決して環境省だけで使われるものではないと思いまして、この説明はまたそういう趣旨を持っていると僕は思いますので、EXTENDは環境省の所管かもしれませんが、化管法であれば他省庁さんも自動的に使っていることになると思いますし、この調査は、そこまで調べるのは大変ですけれども、もしかしたらほかの省庁さんや、もしかしたら民間企業さんでさえ活用されるところがあるかもしれませんので、そこまで調べるのは大変だと思いますけれども、少なくとも私であれば、要望部署における活用というよりは、化管法で有効だとか、関係省庁においても有効だと書いたほうがいいんじゃないかなと思いました。
以上です。
○白石委員長 事務局、ご回答をお願いします。
○西川専門官 ありがとうございます。こちら詳細環境調査のほうの例えば[3]4,5-ジクロロ-2-オクチルイソチアゾル-3(2H)-オンなんですけど、これは要望部署は化審法で、回答としては第二種特定化学物質への指定の検討に当たるというようなところで回答いただいているところなので、おっしゃるとおり、化審法、これは環境省だけではなくて経産省との共管もありますので、その中で化審法での指定対象物質にするということは要するに化審法に直接影響を与えているということになりますので、こちらの要望部署における活用状況の記載ぶりにつきまして、もう少し分かりやすくなるように、書き方については引き続き検討して、来年度以降は対応したいと思います。
○白石委員長 ありがとうございます。
鈴木委員、よろしいでしょうか。
では、記載方法は検討していただくということで、今後お願いします。
ほか、いかがですか。
青木参考人、お願いします。
○青木参考人 同じ資料2-5のことで、やはり活用状況、この調査がどのような形で活用されるかということは非常に重要なことだと思います。
それぞれ担当部局では活用していただいているんですが、少し具体的なところも申し上げますと、この資料2-5の5ページにあります多環芳香族炭化水素類、これは化管法のほうから要望があったということなんですが、その一番右の欄にございますその活用状況について見ますと、私もいささか関与させていただいているということもあって申し上げるんですが、これに2項目めの活用状況の、複数化学物質の環境リスク評価に係るガイダンス、それから次にあります有害大気汚染物質の優先取組物質であるベンゾ[a]ピレンの健康リスク評価、それによって類縁化合物のばく露濃度ということをちゃんと把握しておく必要があるわけですけれども、そういう点で具体的に活用させていただいて、特にこの物質に関してはいろいろな地方公共団体のほうで注目されている物質だと思いますので、今後とも大いに活用していただけるのではないかというふうに思っております。
以上でございます。
○白石委員長 ありがとうございました。
どうぞ、堀口委員。
○堀口臨時委員 すみません、事務局に1点確認なんですけど、今先生方が活用方法について意見を述べられていますが、先ほどご説明の中で、どんなふうに活用したのかというところを関係部署にヒアリングというか調査をされたということでしたよねと。
その関係部署が省内だけであれば、そこを明確にした上で記載しておけば、またそれはよくて、別途他省庁を含め、自治体とか、そういうところまで調査をしろとは、ちょっと私は言いかねるので、そういうところでも、例えばこういうことに生かされていたとか、コメントを書くなり、活用していただきたいと書くなり、何かそういうところでもいいのかなというふうに思いました。
それで、私の認識は、何か省内で皆さんにお尋ねしたというようなところのご説明だったかと思うんですけど、それでよかったでしょうか。
○白石委員長 お願いします。
○西川専門官 ありがとうございます。
ご認識のとおり、調査結果は毎年度この委員会が終わった後とかでフィードバックさせていただいて、その後5、6月ですかね、に次年度の調査対象物質の要望とかを刈り取る際に、同じようにアンケートの形で、去年お渡ししたデータはどう使われましたかということを確認しております。先ほど、なので、堀口先生のご理解のとおりでございます。
また、ご意見をありがとうございます。おっしゃるとおり環境省内にアンケートをする形になっておりますので、省内のほうではどの法律でどのように使われたかは確認できるところでございますので、そこは現在の内容を含めて、より拡充しつつ、また、自治体や他省庁の情報等については直接調べることが難しいところでありますので、アンケートのほうで補足情報として、その他、何か他省庁でも活用していますか、自治体でも活用していますか、のような、より追補的な、より拡張的な情報を得られるような形でちょっとアンケートを考えているのだと思います。
そのような理解でよろしいでしょうか。
○白石委員長 ありがとうございました。
ほか、よろしいですか。
では、櫻井委員。
○櫻井専門委員 データのさらなる活用に向けた公開ということについて、質問と意見を述べたいと思います。
現在、黒本調査の結果、毎年PDFのファイル、数表として公開されております。相当な蓄積がありまして、いろんな用途に活用していける貴重なデータが蓄積されていると思っております。
どうですか、例えば国際的な活用、もちろん国内も含めてですけれども、いろいろな形で活用していくときに、例えば、ある化学物質のデータだけ全部抜き取りたいとか、ある化学物質のある地点でのデータだけ抜き取りたいというときに、今は、ある意味手作業でその毎年のPDFのファイルから取ってこなければいけないという状況ですけれども、それをデータそのものの形でダウンロードできるようなデータベースといいますか、そういう形での公開というのが非常に活用に向けて有効かなというふうに考えております。
環境省のほうでそのような公開に向けた取組の進捗とか、あるいは今後の見通し等があれば教えていただきたいと思います。
○白石委員長 では事務局、お願いします。
○西川専門官 ご指摘いただきありがとうございます。
ご指摘のとおり、今見ていただいている資料2-2のような形のものは、環境省のホームページでまとめて掲載しているところでありつつも、現状のところ基本的に全部PDFファイルというようなところで、活用が難しい状態となっているのは認識させていただいております。
それを踏まえまして、現在、化学物質環境実態調査、黒本のデータのデータベースは作成しているところでございます。ただ、ちょっとそちらの進捗状況はあまり芳しくない、別途のセキュリティー対応、アップデートの対応等もございまして、そちらのほうを優先していまして、もう少々公開に時間がかかるところではありますので、まず暫定的な対応といたしまして、エクセルデータ、毎年度の分の調査データのエクセルデータなどの掲載等ができないかについて、ちょっと今現在考えているところでございます。そのような形で最終的にはデータベースを完成させることで全部好きなように好きな形式で、好きな地点で、好きな物質でというような形式を望みつつも、取りあえずは毎年度の調査データのエクセル表のダウンロードということで実施できればというふうに考えております。
○白石委員長 ありがとうございました。
大野委員、よろしくお願いします。
○大野専門委員 個別の話で恐縮ですが、資料2-4、別添1のところに、今、分析法開発を行っている物質というのがあります。その中で11、16、17、18ですとか、この辺りの物質、水質と大気の分析法を開発されているということです。その中で要望施策として環境リスク初期評価から要望が上がっているということなので、ちょっとご質問なんですけれども、確かに初期評価のほうの生態リスクの評価のほうで底質の評価は行っていないので要望は上げていないと思うんですけれども、多分これらの物質はどちらかというと、水質よりも底質に分配されるほうが多くて、並びに資料2-5のほうの別表2の令和5年のほうの様子を見ますと、ピレンですとかクリセンですとか、どちらかというと大気の問題だと思うんですが、大気のほうで測っていて、水質も測っているものは底質も測っていたりするので、要求下限を求めたりなど、難しいところはあると思うのですが、多分底質のほうも測っておいたほうが、恐らく将来的なリスク評価には役立つのではないかと思います。多分水質しか要望は上げられてこないかもしれないんですが、そのようなときに物性を見て、底質のほうも検討するというような方向でもご検討いただくとよいのかなと思いました。
以上です。
○白石委員長 事務局、お願いします。
○西川専門官 ありがとうございます。そうですね、おっしゃるとおりで、水質よりも底質が出やすいというところ、承知いたしました。
ちょっとすみません、現状の黒本のシステムのところが要望部署からの調査対象物質及び調査媒体を含めてのご意見をいただいていて、それを踏まえて、分析表があるかどうか、あればそれを使う、なければ開発を行うというような形でございましたので、ちょっとすみません、現状ですと、まだ、この例えば2-ニトロフルオレンですと、底質についての要望をいただかないと、なかなか調査対象物質、分析法の開発は難しいところはあるかなというふうには考えております。
○白石委員長 よろしいですか。どうぞ。
○大野専門委員 もし可能であれば分析法開発のほうの委員の方々、自主的にというか、そういうような意見に基づいて物性を見て自主的に開発を進めるというのもよいのではないかと思いました。
先ほどあと1点言い忘れましたが、もし水質と底質を測るようなことがありましたら、できるだけ近隣のところで採取をしていただくと、そのほうがデータの比較ですとかリスク評価に使いやすいというふうに思いますので、採取する地点のご検討もいただければというふうに思います。
○白石委員長 事務局、いいですか。
○西川専門官 承知いたしました。そうですね、水質も底質も、できるだけ近隣にするように対応できればと思います。
○白石委員長 ありがとうございます。
大分予定の時間をオーバーしているので、さらにご質問があれば。
○西川専門官 中杉先生が。
○白石委員長 中杉先生ですか、お願いします。
○中杉参考人 白石先生、よろしいですか。
○白石委員長 手短にお願いします。
○中杉参考人 ちょっと今の議論、ここの黒本調査の成果の活用方法なんですけど、基本的には要望したところに情報を挙げれば、その活用自体は情報をもらったところですよね。もらったところがどうするか、後で言う環境リスク初期評価なんかもそうなんですけど、そこの結果がどうだという話が、もう一つ大きい話なんですね。ちょっとそちらのほうでもう一回議論、十分議論したほうがいいので、ここではこういう状況で測ってくれと、こういうものを測ってくれと、これは要望部署のほうから出す話です。基本的には、私もさっき申し上げました、調査がなかなかできない、予算のほうで、これはPOPsもだんだん数が増える一方で予算は増えない、そこのところをどうやりくりするかということで悩んでいるということですから、ちょっとこれは、そういう意味では要望調査のほうに、こういうものはできないよと断ることもあるわけですね。一方だけ要望を出されても困るんじゃないかというふうに私は思います。部外者が余計なことを言って申し訳ありませんが。
○白石委員長 ありがとうございます。
ほか、よろしいでしょうか。
それでは活用状況ですかね。ご返答がありますか。
○西川専門官 大丈夫です。
○白石委員長 活用状況と、あとデータですかね、データの活用状況、2点に対していろいろコメントがありましたが、それをご検討いただくということにして、本日、何か決めることはありますかね。
○西川専門官 今日いただいたご意見は来年度の関係部署への聴取、アンケートに反映できればと思いますので、よろしければ、すみません、今年度はこのままとさせていただければと思いますが、いかがでしょうか。申し訳ございません。
○白石委員長 検討いただくということで、それはお願いしたいと思いますけれども。
本日は、そうすると2-1ですかね、2-1について公表したいということでよろしいですか。
○西川専門官 はい、ご指摘のとおりでございます。2-1について。
○白石委員長 それでは、なるべく早く公開したいということらしいので、資料2-1につきまして、この形で、特段修正意見はございませんでしたので、公開するということでよろしいでしょうか。
では、そのように取りまとめさせていただきます。
○西川専門官 すみません、今、誤植を1か所見つけてしまいました。この簡単な平仄修正等はさせていただきます。
○白石委員長 それは座長預かり、確認で進めさせていただきたいと思います。
それでは、大分時間をオーバーしてしまいましたので、次の議題に入ります。
化学物質の環境リスク初期評価、いわゆるグレー本の第24次取りまとめについてです。
資料3-1から3-3に基づきまして、事務局より説明をお願いします。
○川原室長補佐 環境リスク初期評価の進捗状況について、環境リスク評価室の川原のほうから紹介させていただきます。
資料といたしましては、3-1で環境リスク初期評価の進捗状況、こちらは環境リスク初期評価の概要とこれまでの取組、そして今年度の取りまとめをまとめたものになってございます。それから資料3-2につきましては、リスク評価の判定方法について、あるいは今年度の評価の結果の概要ということになってございます。これは3-1よりも具体的なものに触れたものになってございます。それから資料3-3につきましては、まさにグレー本の案ということになりまして、最終的にはこちらのようなグレー本として発刊されますが、その案を示したものになってございます。
本日は主に資料3-1と3-2を中心にご説明さしあげます。
それでは資料3-1をご覧ください。環境リスク初期評価の進捗状況についてでございます。
1ポツ目といたしまして、化学物質の環境リスク初期評価についてでございますけれども、化学物質の環境リスク評価、これは基本的な考え方といたしましては、化学物質の用量と反応、あるいは影響、これを整理する有害性の評価と、化学物質の曝露量を見積もる曝露評価というものを行いまして、両者を比較することによってリスクの程度を判定するといったものでございます。
化学物質の環境リスク初期評価におきましては、環境リスク管理のための施策への活用を念頭に置きつつ、環境中に存在する多数の化学物質の中から相対的に環境リスクが高い可能性がある物質をスクリーニングするための一歩、初期評価として実施するものになってございます。
ここでは、健康リスク初期評価では化学物質の人の健康に対するリスクを評価しておりまして、生態リスク評価では、化学物質の主に水生生物に対するリスクを評価することを言いまして、ここで両方行ったものに関しまして環境リスク初期評価というような言葉を使ってございます。
2ポツ目でございます。これまでの取組ですけども、当該調査につきましては平成9年度より着手してございまして、これまで、昨年度まで23次取りまとめを行ってございます。環境リスク初期評価といたしましては328物質、それから生態リスク初期評価のみ、生態のほうのみを行ったものが104物質、こちらの結果をこれまでに公表させていただいているところでございます。
2ページ目、下段の3ポツ目になります。今年度の結果を含めた24次の取りまとめになってまいりますけれども、環境リスク初期評価を行ったもの、これは6物質、今年度行ってございます。それから健康リスク評価のみを行ったものが1物質、生態リスク初期評価を行ったものが3物質ございます。それぞれ結果を取りまとめてございます。
(2)物質選定についてでございますけれども、こちら物質選定につきましては、先ほどの黒本調査のほうでも少しございました、似たような形ですけれども、環境省内の化学物質管理施策の関係部局、例えば水・大気局さんであったりだとか、化学物質安全課さんだとかからニーズを聴取いたしまして、その中から、先ほどありました黒本調査、モニタリングの情報だとか等々を踏まえまして、優先度が高いもの、こちらを選定いたしまして、物質選定、ニーズ方式と言いますけども、してございます。
また、過去に評価した物質につきましても、有害性情報であったりだとか、あるいはモニタリングデータなどが充実してきたもの、更新されてきたものに関しましては、再評価という形で行ってございます。
今年度取り扱いました具体的な物質名につきましては、表2から4にまとめてございまして、物質名と選定理由についても併せて記載をさせていただいているところでございます。
4ページ目、こちらの検討に対する体制につきましてですけれども、リスク評価、この環境リスク初期評価全体を総括する企画委員会というものが一番上にございまして、そして先ほどリスク評価については曝露と有害性の情報を比較という話を申し上げましたけども、具体のその検討を行う曝露評価分科会、ここでは曝露に関する情報を精査いたしております。用途などをはじめ、環境省のモニタリングデータ、それからPRTRの排出量の情報であったりだとか、そういった情報を整理していくといったようなことをしてございます。それから健康リスク評価分科会では人に関する有害性情報、動物実験、哺乳類を主とした実験動物のデータ等も含めて精査をすると。それから生態リスク評価分科会においては水生生物を中心とした有害性情報、これら、それぞれ精査をいたしまして、指標となる影響、それとその値を検討しております。
これ以外にも、発がんに関する情報を精査する発がんリスク評価ワーキングであったりだとか、あるいはQSAR、これは物質の構造等から有害性を推定するようなものですけれども、こちらの活用の方法についての検討であったりだとか、あるいはリスク評価の高度化に向けて個別な検討テーマ、例えば現時点ですと免疫毒性であったりとか、あるいは金属類の評価、こういったことにアドホック的なワーキングを設置いたしまして、検討させていただいているというところでございます。
こちら7ページ以降は過去の評価結果をつけたものでございますので、今回説明は割愛させていただきます。
続きまして、資料3-2に移らせていただきます。こちらが第24次の取りまとめ結果の概要等になってございます。
こちらの資料につきましては、リスク評価の判定方法だとか、あとは本年度の評価の概要を記載させていただいているということでございます。
はじめにの部分ですけども、これは先ほどと少し重なる部分がございますけれども、環境省では環境リスクを低減させる環境施策に向けた最初のステップとしてこの環境リスク初期評価が位置づけられているといったところでございます。
少し繰り返しになりますので、飛んで2の(4)のところ、こちら評価方法でございますけれども、環境リスク初期評価では環境リスク初期評価のガイドラインというものがございまして、こちらに基づいてリスク判定を行ってございます。
健康リスク評価につきましては一般毒性だとか生殖発生毒性など、非発がん性の影響、あるいは発がん性の影響について対象としてございまして、閾値のある場合とない場合、それぞれについて判定を行ってございます。有害性に閾値があると考えられる場合には無毒性量等を予測最大曝露量あるいは濃度等で除した値、これはMargin of Exposureと言います。MOEといった値をもって評価をするということでございまして、有害性に閾値がないような場合であったりする場合には、がんの過剰発生率だとかを指標として用いて評価しているというところでございます。
生態リスク評価につきましては、ここでは対象とする生物において、いわゆるPEC/PNEC比、これは予測環境中濃度と予測無影響濃度の比、これによって判定してございます。
それぞれどういった値になったらどういった判断をされるかというのが、こちらの表に示させていただいております。
その上で、さらに特異的な用途の情報であったりだとか、あるいはPRTRの排出量の情報であったりだとか、あるいは有害性情報に関しましては必要に応じて先ほど述べましたQSARだとかで追加情報、こういったものを含めた上で総合的な判定をしておるというところでございまして、基本的にこの環境リスク初期評価におきましては、先ほどのスクリーニング評価という位置づけでございますので、より安全側に立脚したリスク評価を行っているというところでございます。
この環境リスク初期評価の結果につきましては大きく三つに分かれてございまして、リスクの可能性があると考えられる場合には詳細な評価を行う候補、これは黒本、黒判定と言ってございますけれども、それが一つ目。それから2番目が、関連情報の収集が必要と考えられる、これをグレー判定と言ってございます。もう一つ目が、現時点では作業の必要がないと考えられるもの、これは白判定というふうなことで申し上げてございます。
詳細な評価を行う候補と判定された物質に関しましては、例えばニーズ、要望をいただいた部局にお返しをした上で、詳細な評価に向けて本結果を活用する、していただくということにしていただいたりだとか、あるいは関連情報の収集が必要とされた物質に関しましては、必要に応じて有害性情報の収集であったりだとか、継続的な環境濃度の監視だとか、あるいは、必要に応じてですけれども分析法の開発だとか、より感度を高めるだとか、そういったようなことへの参考にしていただき、関連のデータの充実に努めていただくというふうになってございます。
3ページをご覧ください。こちらが今年度、環境リスク初期評価を行ったものの結果となってございます。
先ほど申し上げましたとおり、環境リスク初期評価では6物質、健康リスク初期評価では1物質、生態リスク初期評価では3物質、評価を行ってございます。
今回ご承認いただけますと、24次の取りまとめにより健康リスク初期評価は334物質、それから生態リスク初期評価では430物質を取りまとめられたということになります。
(2)の部分、結果になります。
今回の評価では、健康リスク初期評価では4,4'-スルホニルジフェノール、これはビスフェノールSと言われる物質ですけれども、経口曝露の観点から黒判定となりました。
それから、さらなる関連情報が必要と考えられる物質といたしましては、吸入曝露の観点でフラン、それから亜鉛及び化合物、それから経口曝露の観点で4,4'-ジヒドロキシジフェニルメタン、これはビスフェノールFと言われる物質、それからリン酸トリフェニルが判定されました。それ以外は白判定となってございます。
生態リスク初期評価におきましては、4,4-スルホニルジフェノール、これは先ほどと同じですね、ビスフェノールSと、あとはイベルメクチンと言われる物質、これが黒判定となってございます。また、さらなる関連情報の収集が必要と考えられる物質といたしましては、ヒト健康と同様に、ビスフェノールFと言われる物質、それからリン酸トリフェニル、それから、こちらは生態のみを行ったエチレンジアミンがグレー判定となってございます。それ以外の物質に関しましては、白判定というふうになってございます。
少し飛びまして資料3-2の7ページをご覧ください。
こちらは個別の評価結果を表にまとめたものでございまして、こちらの見方ですけれども、左から物質名、曝露経路、それからリスク評価の指標、試験動物に関わる情報、それからキーデータのエンドポイント、曝露評価、それから評価に用いた指標、それから総合的な判断の結果という順番で並んでございます。
以降は、黒判定となった物質とグレー判定となった物質につきまして、番号に添ってご説明さしあげようと思います。
まずヒト健康のほうからですけれども、環境の1番、4-4'ジヒドロキシジフェニルメタン(ビスフェノールF)でございます。こちらの物質に関しましては、ビスフェノールAの類似構造で、特殊エポキシ樹脂であったりだとかポリカーボネート樹脂、それから感熱紙などとなってございます。
こちら経口曝露におきましては、有害性情報から影響の指標といたしまして、マウスの肝臓における脂肪滴の増加であったりだとか、脂質の沈着、トリグリセリドの増加、こういったことが指標となってございまして、LOAELを基にした無毒性量等が0.0004mg/kg/dayとなってございまして、こちらのデータを採用としてございます。この値から得られたMOEにつきましては110超となってございましたが、これは限られた地域の公共用水域のデータでございますけれども、こちらから算出した値のMOEが67となっていることから、総合的な判断といたしまして、情報収集を行う必要があるグレー判定ということになってございます。
吸入曝露につきましては大気への排出経路だとか存在形態の知見がないこと、それから大気中に分配される割合が低いということが物性上考えられるので、現時点においての作業の必要はないと考えられたということでまとめてございます。
続きまして、環境の2番をご覧ください。こちらに関しましてはビスフェノールSという物質でございます。こちらもビスフェノールAと化学構造が類似する物質でございまして、用途としては似たような形ですけれども、感熱紙に使われたりだとか、あとは一部難燃剤の原料、それからエンプラ原料だとかに使われているという報告がございます。
経口曝露の影響、評価の指標につきましては、生殖発生毒性におきまして、妊娠ラットへの経口投与試験から得られた仔動物の肝細胞内の脂肪含有率の増加、肝脂肪細胞の増大だとかということを指標といたしまして、LOAELの0.4μg/kg/dayから導出した0.04μg/kg/dayを無毒性量といたしました。こちらから得られたMOEは0.24となりまして、先ほどご説明いたしました指標でどういった判定をするかというところでMOEが10未満となってございますので黒判定というふうになってございます。
吸入曝露につきましては先ほどのビスフェノールFと同様の理由で白判定となってございます。
続きまして、環境の4番、フランでございます。フランは合成樹脂や化学物質を合成する際の原料、溶剤などに使われているものでございまして、一部は天然にも存在する物質となってございます。
こちら、発がん性に関しましてはIARCの発がん性分類で2Bというふうに位置づけられている物質でございます。
経口曝露につきましては、ラットの試験から得られた無毒性量等で0.002mg/kg/dayとなってございまして、また発がん性につきましてはスロープファクターから求めると1.5×10-7未満というふうになりまして、白判定となってございます。
吸入曝露につきましては、この経口曝露の無毒性量を吸入曝露の毒性量に換算するとMOEが1.3となりまして、また、がんの過剰発生率は3.4×10-6ということでグレー判定という判定になってございます。
続きまして、リン酸トリフェニルです。こちらの物質に関しましては、合成樹脂だとか、合成ゴムの可塑剤、難燃剤、安定剤として使われているというご報告がございます。
経口曝露につきましては、マウスのメスの前胞状卵胞数の減少、こちらをLOAELといたしまして0.2mg/kg/day、こちらを無毒性量等といたしまして、算出したMOEは1,100となりましたが、総合判定におきましては直近3年間の環境排出量をこちらから経口曝露を算出すると、1.0μg/kg/dayとなりまして、こちらの値を用いてMOEを算出すると20となることでグレー判定としていただいてございます。
吸入曝露につきましては白判定となってございます。
続きまして、健康1番、健康リスクのみを行った物質ですけれども、亜鉛及びその化合物となります。こちらの物質に関しましては、食事からの摂取量と水道水質の基準が設定されるということで、経口曝露は今回のリスク評価の対象外としてございます。
吸入曝露につきましては、疎水性の表面処理をしていないナノ粒子、エアロゾルを使ったラットの実験、こちらの試験から得られたLOAELから無毒性量等を算出してMOEを求めますと0.91となってございまして、また、総合的な判定といたしましても限られた地域の大気濃度を基にしたMOEが0.26という結果が出てございまして、リスク評価上は詳細な評価を行う候補というふうに、判定に該当するとされました。
一方で、この亜鉛及び化合物につきましては、大気中に様々な形態で存在するという報告があることと、あとは生態内での代謝だとか、体内動態、これに関する知見も限られておりまして、有害性に関して不確実性が多いということで総合的な判定といたしまして引き続き情報収集に努める必要があると、グレー判定ということで判定させていただいているところでございます。
続きまして、生態リスク評価に関してでございます。
少し戻りまして、環境1番、ビスフェノールFでございます。こちらの生態に関する有害性情報につきましては藻類、甲殻類、魚類、3種で得られてございまして、キーデータといたしましては甲殻類の慢性毒性値、こちらから求めましたPNECが0.0032μg/Lとなってございまして、公共用水域の平均濃度を参照したPEC/PNEC比は0.3未満となりまして生態リスクの判定ができなかったんですけれども、総合判定といたしまして、限られた地域の公共用水域の濃度、こちらが、0.015μg/Lという情報がございまして、これを用いるとPEC/PNEC比が0.5となって、総合的な判定として情報収集に努める必要があると判定をされたところでございます。
それから、環境2番のビスフェノールSでございます。こちらにつきましては、キーデータは魚類の慢性毒性の値でございます。公共用水域でのモニタリングデータの濃度というものも報告されてございまして、これらを用いてPEC/PNEC比を出すと、淡水・海水でそれぞれ8.4超、それから0.78超ということになりまして、詳細な評価を行う候補と判定されてございます。
それから環境の6番、リン酸トリフェニルについてでございます。こちらにつきましては、甲殻類の急性毒性から得られたPNECが0.9μg/Lということ、それから、こちらを用いてPEC/PNEC比を出すと、淡水と海水でそれぞれ0.5と0.01未満となりまして、生態リスクの判定といたしましては情報収集に努める必要があると、グレー判定というふうになってございます。
それから、この物質に関しましては、2005年ですけれども、第4次のときに一旦評価をされておりまして、その際は白判定となってございましたけれども、今回新しく有害性情報が、低い値の有害性情報、それから環境中濃度も高まってきているということで白判定からグレー判定に変わったというところでございます。
続きまして、イベルメクチンになります。イベルメクチンに関しましては、主な用途は医薬品及び動物用医薬品となってございます。有害性情報といたしましては3種生物で得られてございまして、特に甲殻類に強い有害性を示してございます。甲殻類の有害性情報から導出したPNECに関しましては、甲殻類の慢性影響ですけれども、PNECが0.00000003μg/Lとなってございます。環境中の濃度ですけれども、公共用水域、淡水域では0.004μg/Lとなってございまして、海水域で概ね0.000019μg/L以上、0.000032μg/L未満というふうになってございまして、こちらのデータからPEC/PNEC比を算出すると、それぞれ160,000及び600以上1,000未満といった値になってくるというところでございます。したがいまして、生態リスクの判定といたしましては詳細な評価を行う候補、黒判定というふうになってございます。
続きまして、生態の2番のエチレンジアミンです。こちらはキレート剤として用いられる物質でございまして、エチレンジアミン四酢酸の原料であったりだとか、エポキシ樹脂の硬化剤などに使われる物質となってございます。
こちらにつきましては甲殻類の慢性毒性のデータですね、こちらを用いましてPEC/PNECを算出いたしますと、淡水域と海水域でそれぞれ0.1と0.04未満ということになってございましてグレー判定というふうになってございます。
こちらにつきましても、2004年度に一度評価を行ったものの再評価となってございまして、今回モニタリングデータが得られたということで、判定ができなかったところがグレー判定というふうになってございます。
資料3-2の5ページ、4ポツになってございます。今後の対応にございますけれども、今後はこれらの評価結果に関してご承認いただいた際には環境リスク初期評価の第24巻として公表させていただくということになってございます。また、個別物質ごとに関しましては要約を作成いたしまして、インターネット上でも公表させていただく予定となってございます。
QSARの取扱いにつきましては、こちらはガイダンスのほうも拡充してまいりましたので、今回資料3-3、このグレー本の案の一部に、後ろのほうに附属資料としてその検討内容を付記させていただいているということでございます。
それから今回黒判定となった物質に関しましては、要望部署であったりだとか、あるいは関係部局、あるいは地方公共団体のほうに情報提供を行いまして、それらの部局と緊密な連携を図ることによって各主体の取組への活用をいただければというふうに思ってございます。
それから、さらなる関連情報の収集が必要と判定された物質、これはグレー判定という物質ですけれども、こちらにつきましても、関連部局と連携いたしまして情報収集の拡充を図っていくといったことになってございます。
今後の環境リスク初期評価についてですけれども、こちらにつきましては最新の科学的知見を活用いたしまして、ガイドラインにつきましてもOECDなど国際機関の試験方法だとかを参照しつつ、新しい試験を取り組んでいくといったところでございます。
それからQSARにつきましても、こちらはまだ運用自体が始まってからさほど時間もたっていないということでございまして、いろいろな事例を積み重ねていってガイダンスのほうも必要に応じて見直していくといったことを考えてございます。
取り扱う物質についても、こちらも引き続き環境省内の関係部署からニーズを伺ったりしつつ、優先度が高いと思われる物質に関して取り組んでいくといったことを考えてございます。
それから環境リスク初期評価の検討についてですけれども、近年、先ほども少し触れましたけれども、例えば環境中での存在形態が環境要因によって変化するような金属類の考え方であったりだとか、あるいは最近ですと化学物質の複合影響に関する事例研究であったりだとか、あるいは、こちらはウェルビーイングに関係するかもしれませんが、免疫毒性に関してだとか、そういったことに関しましても検討を開始させていただいているといったところでございます。
私からの説明は以上となってございます。よろしくお願いいたします。
○白石委員長 ありがとうございました。
資料3-1の5ページ、6ページにあるように非常にたくさんの専門家からご意見をいただいて出来上がったということでございます。どうもありがとうございます。
専門家から構成される各分科会で座長をされておられる委員、参考人からちょっとご意見を伺いたいと思いますけれども、大野委員、山本委員、青木参考人より補足説明などございましたら一言ずつお願いします。
まず、曝露評価分科会の座長を務められた大野委員より発言をお願いします。
○大野専門委員 曝露評価分科会の座長を務めさせていただいております大野でございます。
曝露評価の観点からは三つほど述べさせていただきたいと思います。
まず、黒判定になりました二つの物質についてです。
一つ目はビスフェノールSになります。こちらは、曝露のほうは実測値に基づいてリスクを算定した結果、健康リスクの経口と、それから生態リスクで黒判定となっております。
こちらの物質ですが、先ほど川原補佐からもご説明がありましたとおり、ビスフェノールAの類似物質ということで、いわゆる代替物質という形になっています。今回ビスフェノールAの類似物質としてビスフェノールSと、それからF、それからAFの三つの物質について、ある意味同じ年に集中的に評価を行いました。時間もないので生態リスクのほうだけを申し上げますと、ビスフェノールSが黒判定、Fがグレー判定、それからAFが白判定という結果になっています。
ただし、これらの物質を個別に評価していくのは一つ、やや限界があるかなというふうにも思っているところでございます。
一つとしては、例えばこういうふうにリスク、詳細な評価をするような判定を行いまして、実際に詳細な評価をするまでには、やはりまたタイムラグがあるんですが、その間に現時点でもいろいろな新たな代替物質が開発されて市場に出ていくということになっておりますので、このような中でこのグループ、いわゆる可塑剤だったり、あるいは紙の中の顕色剤のようなものに使われる物質についてどういうふうにグループとして考えていくかというのは一つ重要ではないかと。我々としては、初期評価で上がってくればこのような評価をいたしますけれど、この後どうすればいいかというのはなかなか難しい問題ではないかなというふうには思ったところでございます。
また、モニタリングのほうもやはり詳細な、正確なデータを出そうとしますとかなり時間がかかりますので、その間に新たな物質が出てきてどこまで管理し切れるのかなというようなところでして、この辺りの考え方はなかなか難しいかなというふうに思いました。
それから二つ目がイベルメクチン、これは生態リスクのほうだけ、生態リスクの1番でしょうか。非常にPEC/PNEC比が高い値になっております。これは医薬品あるいは動物医薬品として使われているものでございまして、使用している場所は分かるというか、使用しているものは医薬品としてなので、それを使っているところがどういうことなのかというところですとか、どういうふうな排出がされているのか実態をつかんでいくことが、こちらに関しては次の段階として大事なのではないかと思います。ただ、生態毒性のほうが非常に強いので、こちら、検出限界と兼ね合いがつかない状態になっていますので、これはリスク評価というよりは管理をどうしていくかというところで議論をしていく必要があるのではないかなというふうに思います。必ずしもリスクの懸念がない段階まで下げられるかどうかというのは分かりませんが、まずは段階的に検討を進めるのが重要ではないのかなというふうに思いました。
もう一つ、グレー判定の中からリン酸トリフェニルという物質がございます。こちらはグレーの判定ということで、さらに情報収集を進めていくということですが、こちら曝露評価分科会においては、環境省の要調査項目存在状況調査で実施しましたGC-MSを用いた自動同定・定量データベースシステム、いわゆるAIQS-GCというものを用いましたスクリーニング分析結果を基に曝露濃度の検討をさせていただきました。
こちら、従来のように対象物質の検量線を作成する形ではなく化学物質の同定・定量ができるために効率よく様々な物質の分析結果が得られる一方、公定法に基づく従来の分析結果と比べれば定量性の精度が落ちるということ、あるいは誤同定の場合もあり得るということで、曝露評価分科会の中で新しいタイプのデータをどのように活用するか議論いたしまして、今後これから数年かけて議論は続けていくと思うんですが、現状でこのような形で行っております。
まず、AIQSによる定量分析結果は評価対象物質ごとに定量性の妥当性を確認します。その際に、対象となる一つ一つの物質について見て、曝露評価分科会のほうで判定していくということで対応を取らせていただくことにいたしております。
今回はリン酸トリフェニルに対してこのような判定を行いまして、この物質に関してはAIQSのデータでも比較的信頼性が高いであろうというふうに判定いたしまして、この測定データを採用いたしました。
以上でございます。
○白石委員長 ありがとうございました。
では続いて、生態リスク評価分科会の座長を務められた山本委員より発言をお願いします。
○山本臨時委員 国立環境研究所の山本です。
これ、声は聞こえていますでしょうか。すみません、接続確認していなかったので、聞こえていますでしょうか。
○白石委員長 聞こえています。
○山本臨時委員 それでは生態リスク評価分科会の座長を務めました山本のほうから補足を説明させていただきます。
今回9物質が対象になりましたが、黒判定が2物質、それからグレー判定が3物質というふうになりました。こちらの概要については既に環境省、川原様のほうからご説明されています。
黒判定になった2物質について少しだけ補足をさせていただこうと思いますが、先ほど大野委員からも説明がありましたけれども、一つPEC/PNEC比が非常に大きいものとして、イベルメクチンという駆虫剤があります。これは委員の先生方はご存じだと思いますけれども、ノーベル賞を取られた大村先生が開発された寄生虫剤になりますけれども、これはPEC/PNEC比が非常に大きい値、環境中での濃度と今回PEC/PNECの根拠となった甲殻類の慢性データ、オオミジンコの繁殖毒性試験が0.0000003μg/Lということで非常に低い値なんですけれども、この値については専門家の中でかなり低いということで慎重に査読を行いましたけれども、これについて特に瑕疵が見つからないということですので、甲殻類の急性データと比べても非常に低いというところが特徴なんだと思いますが、甲殻類がほかの生物に比べて非常に感受性が高いということなので、今後詳細な評価を行う際には特に甲殻類の情報の追加情報を収集して、詳細な評価をやっていく必要があるのかなというふうに考えております。
それから二つ目の黒判定ですが、ビスフェノールS、こちらも説明がありましたけれども、ビスフェノールAの類似物質になっております。この物質はビスフェノールAもそうなんですけれども、以前から内分泌かく乱様作用ですかね、エストロゲン様作用があるということは言われている物質でもありまして、魚類の慢性毒性が比較的低い値になっていて、こちらも急性毒性の値との比、ACRが非常に高いという物質になります。ゼブラフィッシュの短期の繁殖毒性試験相当の試験の値が根拠になっています。0.05μg/L未満ですかね、ということになっておりまして、PEC/PNEC比は8.4ということですので、こちらについても今後より詳細な調査が必要ではないかと考えています。
グレー判定については3物質ありますが、ビスフェノールFですね、こちらは曝露の話がありましたので、大野委員からありましたので、こちらは省略をさせていただいて、残り2物質、リン酸トリフェニルとエチレンジアミンですが、これは環境省、川原様のほうから概要説明がありましたけれども、再評価の物質になっていまして、前回白判定だったリン酸トリフェニルについては今回新たなデータが、有害性のデータが見つかりまして、PNECは小さくなってグレー判定になったということです。それからエチレンジアミンのほうは前回、これは曝露のほうが評価できなかった、判定ができなかったということですけれども、こちらについてはグレー判定になったということになっております。
時間もありますので、私からの補足は以上になります。
○白石委員長 ありがとうございました。
では続いて、健康リスク評価分科会の座長を務められた青木参考人よりご発言をお願いします。
○青木参考人 青木でございます。
今年度は、先ほど川原様のほうからご紹介いただきましたように環境について、環境・生態両方を評価する物質、6物質、それから健康だけ評価する物質、1物質を行いました。
主に、いわゆる黒判定、それからグレー判定になったものを中心に、先ほど川原様のほうから詳細のご説明をいただいたんですが、ある意味専門家として重要と思った点について、特に影響、評価手法について少し具体的にお話ししたいと思います。
まず、資料3-2の7ページ、添付資料1となってございますが、これを見ていただくのが一番いいのではないかと思います。
まず順番にいきますと、環境の1番、先ほどから話題になっておりますビスフェノールFですね、これは別称でございますが、それに関しては、これは中長期の曝露による、投与による毒性から得られたエンドポイントなんですけれども、肝臓における脂肪滴の増加等々、いわゆる脂質代謝に関する影響でございました。
実は、昨年度のこの専門委員会でも指摘されたところなんですけど、やはり、従来、もちろんこれは実験病理学上の変化を的確に捉えていくということがこのリスク評価にとっては非常に重要なんですが、近年、生化学的あるいは分子生物学的な指標も同時に捉えている実験というのが増えてまいりまして、そういう観点からこの環境1番の経口曝露、この知見は、同時にいわゆる脂肪滴の増加等々ばかりでなく、いわゆる血清・生化学的な意味での、ちょっと古い言い方ですが、生化学的な意味での脂質代謝に与える影響という、脂質代謝にこの物質が影響を与えたのではないかということを示す知見が複数取られていまして、したがって、脂肪滴の増加等々の影響というのを一番用量の低い影響としてエンドポイントで採用したということでございます。これはいわゆるグレー判定ですね。
それで環境2番、これは詳細な評価を行う候補としてのビスフェノールS、これは経口でございます。これはやはり同様に、これは生殖発生毒性試験での肝細胞内の脂質含有量の増加を指標として評価を行いました。実際、同時にやはり生化学的な指標を見ておりまして、脂肪量、いわゆるこの脂肪の含有量の増加等の指標も見ておりまして、それでこれをエンドポイントで採用し、それで総合的な判定として詳細な評価を行う候補の物質とした次第でございます。
次に、環境の4番の吸入曝露でございます。これは発がんのデータ、これをエンドポイントとして使ったわけでございますが、この評価に当たりましては初期リスク評価ではしばしば用いられる方法なんですけど、必ずしも吸入曝露のいい実験がなかったということがございましたが、経口曝露での発がん実験がございました。それから発がんの強さを示します指標でありますスロープファクターが求められておりますので、そのスロープファクターから吸入曝露の指標となりますユニットリスクにいわゆる曝露経路の換算を行いまして、その結果として、発がん性の閾値なしと考えるリスク評価を行ったわけでございます。その結果として、グレー判定ですね、さらなる情報収集、関連情報の収集に努める必要があるという判定を行いました。
次、環境6番、リン酸トリフェニルでございますが、これは前胞状卵胞数の減少という典型的な生殖発生毒性の影響が見られたところでございます。これについてもやはり同時にエストラジオール等の性ホルモンの減少が見られる、かつ、それを示すだけの、それに対応する遺伝子発現の変化が見られたということがございまして、これをエンドポイントといたしました。ほかに化管法のデータから、いわゆる曝露評価も行いまして、それと併せて総合的な判定としてグレー判定、さらなる関連情報の収集に努める必要があるという評価を行っておる次第でございます。
それから最後の健康の1番、亜鉛及びその化合物でございます。先ほど川原様のほうからご説明がございましたとおり、この有害性評価は鼻腔の嗅上皮変性または再生を取ってございますけれども、これは酸化亜鉛のナノ粒子の曝露による知見でございます。これは、当然リスク評価の場合は、曝露評価のデータとの突き合わせを行うわけでございますが、従来の方法に従ってMOEを求めますと0.91となります。
しかし、ここで非常に大きな問題がございまして、それは有害性評価、いわゆる影響評価の指標を取ったときの物質が酸化亜鉛のナノ粒子を取ってございますが、実際、今度環境からの曝露を見たときに、亜鉛化合物、これには様々な化学形、あるいは物性のものがあるわけでありまして、それを直接的に比較するということは、この初期リスク評価がもちろん安全側を見るということが大前提ではあるんですけれども、曝露評価で想定される亜鉛の化学形態と、酸化亜鉛しかもその粒子というデータがある程度の乖離が見られるというところから考えて、今回はさらなる情報収集に努める必要がある、つまりグレー判定とさせていただいた、そういう次第でございます。
以上でございます。
○白石委員長 ありがとうございました。
それぞれの座長から非常に詳細な補足説明をいただきましてありがとうございます。
ただいまの補足説明を踏まえた上で、資料、説明、内容に関してご質問、ご意見等がありましたらお願いします。
お願いします。
○野原専門委員 すごいたくさんの資料をまとめていただいてどうもありがとうございました。国立環境研の野原です。
青木先生にちょっとお伺いしたいんですけれども、ビスフェノールSについては、資料の7ページですけれども、これの根拠となったのは、妊娠期曝露による子どもの例ということでよろしいでしょうか。
○青木参考人 そうですね、仔の影響ですから、そうです。
○野原専門委員 分かりました。そうしますと、この書き方なんですけれども、母親にこの量を投与すると子どもにこのような影響が見られるというような書き方にしたほうが誤解がないのかなと思いました。
その理由は、多くの化学物質がやはり妊娠期曝露で、その胎児期に子どもに伝わった場合には非常にセンシティブに影響が出ますので、直接曝露の場合とはかなり桁が違うぐらいに少ない量でも影響が出ますので、そのことは書いたほうがよいのかなと思いました。
というのは、そうしますと、でも妊娠期間というのは限られていますので、例えばマウスだと20日間、人だと9か月とかいうことになりますけれども、その後のリスク評価に関しても考え方が違ってくるのではないかなと思いました。
○青木参考人 ありがとうございます。一応、書き方の問題になってくると思うので、一応本文をちょっと参照して、もし必要な部分がありましたら、つまり、どこまで踏み込んで、この総括表に書いて、一覧に書いたらよろしいかということもございますので、ちょっとその点はこの資料3-3にある書き方を踏まえて、ちょっと検討させていただければと思います。
○野原専門委員 すみません、もう一点いいですか。時間がなければ。
○白石委員長 どうぞ。
○野原専門委員 あとは内容に関してなんですけれども、このビスフェノール類は、恐らくその胎児期曝露、妊娠期曝露によってセンシティブに代謝系に影響が出やすいということだと思うんですね。
ところが、この頂いた資料を見せていただきますと、例えば、ビスフェノールAFでは妊娠期曝露による子どもの代謝系への影響というのは低い用量では行われていない、高い用量で試験が行われていまして、高用量ですと、どちらかというと体重は抑制になる。低用量ですと体重増加が起こるというようなことの事情がありますので、その辺りもご考慮されたのかどうかということが、すみません、少し気になりました。
ただ、生態系影響と非常に相関があって、ビスフェノールFとかSとかAFの関係に相関が出ていますので、それなりの物質としての特徴なのかなと思いますけど、その点、少しだけ懸念がありましたので、もしお答えいただければありがたいです。
○白石委員長 これは青木先生でよろしいですか。
○青木参考人 当然新しい試験が出てきましたら、それは改めて検討し直すことになると思います。
ただ、現状において、これは初期リスク評価ですので、我々として新たに自前で検討することは行えませんので、もしご興味があればぜひ実験していただきたいと思います。
○野原専門委員 ありがとうございました。
○白石委員長 ありがとうございます。
ほか、いかがですか。事務局のほうから。
○西川専門官 オンラインから、小池先生と、その後、中杉先生からあります。
○白石委員長 小池委員、お願いします。
○小池臨時委員 国立環境研究所の小池です。ご説明ありがとうございました。
私は健康リスク評価のほうに関わっておりますが、そちらに関するコメントです。
今年度の評価では、ビスフェノール類のビスフェノールF、S、AFが対象になりましたが、これまでのご説明にもありましたとおり、これらはビスフェノールAの代替物質として使用されているものですので、ビスフェノールAの評価の状況や、その結果との比較の必要性が健康リスク分科会でも挙げられていました。
しかしながら、このビスフェノールAの初期評価は第3巻で実施され、こちらは多分2004年だったと思いますが、約20年前の情報なので、このまま参照することはできないという問題があり、まずビスフェノールAの再評価を実施してからこの類縁物質のF、S、AFを評価するべきであったと考えているところです。
こういった代替物質とか類縁物質というのが非常に増えているで、同様のケースは今後も生じる可能性があります。その場合はまず基本となる物質の初期評価が直近で行われているかどうかを確認して、そうでない場合は、その再評価を先行して実施するとか、類縁物質をまとめて評価するというような手順も考慮していく必要があるのではないかと思います。
以上、コメントです。
○白石委員長 コメント、ありがとうございます。
事務局、よろしいですか。進め方だと思いますけど。
○川原室長補佐 小池先生、ご指摘ありがとうございます。
そうですね、おっしゃるとおりかと思います。ビスフェノールに関しましては、検討会のほうでもご指摘いただいたこともありまして、今後その横並びで、ビスフェノールAも含めて横並びで見られるようにビスフェノールAのほうの情報収集、こちらのほうも進めていく予定となってございますので、また今後似たようなケースがあった場合には背景情報だとかも含めて検討してまいりたいと思います。ありがとうございます。
○小池臨時委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○白石委員長 では、青木先生。手短にお願いします。
○青木参考人 ちょっと一般論になるんですが、やはりこの初期リスク評価での有害性評価値というのは結構いろんなところで参照されているというふうに聞いております。
ですから、安全側ももちろん見ていくということはとても大切なことなんですが、やはりその辺りの信頼性に関してはかなり緊張感を持って見ていかなくてはいけないと思っている次第でございます。
以上でございます。
○白石委員長 ありがとうございます。
では、中杉先生、WEBからお願いします。
○中杉参考人 よろしくお願いします。
ちょっと気になることだけ確認したいと思いますけど、先ほど山本先生がご説明した16万でしたっけ。1万6,000か。あの数字というのをどういうふうに評価するかというのはやっぱり難しいと思うんですね。環境リスク初期評価についても、実際に要望部署に戻したときにどう評価するかということもありますので、それがどうなったかというのは、ある程度、後で求められる話だろうというふうに思います。
そういう意味でいくと、これを実際にどこがということは、これから調べていけばあれなんですけれども、実際に本当にそういうふうになっているんだろうかって、この0.0000と並んでいる数字のところで、甲殻類でしたかね、どういう状態になっているのかというのを何らかの評価をしていかないと生態リスク評価自体が本当にどういう意味を持っているのか、環境リスク評価での生態リスク評価というのは、どういう意味を持っているのかということを問われるような感じがするんですね。これは環境リスク初期評価の中でできるかどうか分かりませんけど、何らかの形で対応しておかないと後々困るんではないかなというふうに思います。
以上です。
○白石委員長 ありがとうございます。
これは事務局、よろしいですか。
○川原室長補佐 中杉先生、ありがとうございます。
そうですね。この要望いただいた課室とも調整をしながら今後のことについても検討していこうと思います。
それから、山本先生からもご指摘があったとおり、この甲殻類の毒性に関しての部分、この辺りももう少し詳細に見ていく必要があるんじゃないかと思いますので、その点も含めて、今後検討させていただければというふうに思ってございます。
○白石委員長 ありがとうございました。
大分時間がオーバーしているんですけれども、よろしいですか。
小川委員、お願いします。
○小川臨時委員 手短にすみません。
亜鉛については、ナノ粒子についての検討結果というお話なのですが、ナノマテリアルとほかのものでは生体反応が異なるということがほかの被験物質でも見られているので、この文書においてもナノマテリアルの実験からのデータであることが分かるようにしておいたほうがいいのかなと思ったのですが、いかがでしょうか。
○川原室長補佐 それも一応本文のほうには書いてあるんですけれども、この総括表にどういうふうに書き込むかということで、ちょっと任せいただきたいと思います。
○白石委員長 ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。
大変申し訳ありません。進行がちょっと不手際で時間を十分取れなかったんですけれども、よろしいでしょうか。
よろしいようでしたら、ちょっと資料3-2のほうで若干修正、検討が必要な文言がございますが、例えば、「この」のところですかね。「この」というところと、亜鉛のところですかね。修正が可能ならするということでございますが、その修正は座長確認ということでよろしいでしょうか。
もしもよろしければそのような形で、ほかのものについては修正がございませんので、全体をご承認いただけたということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。
それでは、議題、その他に移りたいと思います。
参考資料1と2について簡潔にご説明をお願いします。
○西川専門官 ありがとうございます。ご説明いたします。
参考資料1、こちらストックホルム条約第12回締約国会議の結果概要でございまして、本年の4月28日から5月9日の開催でございました。
こちらではクロルピリホス、中鎖塩素化パラフィン、長鎖ペルフルオロカルボン酸とその塩及び関連物質、これらが廃絶対象として追加されました。
続きまして、参考資料2のほうでございます。
こちら、残留性有機汚染物質の検討委員会(POPRC21)でございまして、9月29日から10月3日にローマ・イタリアで開催されておりました。
こちら、非意図的生成物であるポリ臭素化ジベンゾ-p-ジオキシン及びジベンゾフランとポリ塩素化臭素化ジベンゾ-p-ジオキシン及びジベンゾフラン、いわゆる臭素化ダイオキシン、これを非意図的生成物として附属書Cへの追加しようとしていたところでございますが、こちらは審議がまとまらず、議論を継続するということになりました。
ご報告、以上でございます。
○白石委員長 ありがとうございます。
最近の動きのご紹介ということでご報告を承ったというふうにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
以上で予定していただいた議題は終了になります。
事務局より連絡事項等があればお願いします。
○塚田課長 本日は改めましてどうもありがとうございました。
本日ご報告いたしました黒本調査、それから環境リスク初期評価の二つの議題につきましては、近日中に結果の概要を公表、報道発表する予定としております。
また、令和6年度化学物質環境実態調査の結果報告書、それから第24次環境リスク初期評価結果の詳細版につきましては、会議の中でのご意見等を検討いたしまして、今後さらに内容を精査した後、年度内を目途に公表することを考えておりますので、併せてご承知おきくださいますようお願いいたします。
また、次回の委員会につきましては、来年度の同時期の開催を検討しております。時期が近づいてまいりましたらまた必要なご連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
事務局からは以上でございます。
○白石委員長 ありがとうございました。
以上で第31回化学物質評価専門委員会を閉会といたします。どうもありがとうございました。
午後0時02分 閉会