中央環境審議会環境保健部会 化学物質評価専門委員会(第26回)議事録

1.日時

令和2年12月17日(木) 10:00~12:00

2.議事

午前10時01分 開会

○山本環境リスク評価室長 それでは定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会環境保健部会第26回化学物質評価専門委員会を開催させていただければと思います。

 本日、進行を務めさせていただきます環境リスク評価室長の山本です。よろしくお願いいたします。

 本日は、先生方におかれましては、お忙しい中、御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、武林委員より御欠席の連絡をいただいており、現時点で16名の委員が御出席です。また、平成26年度まで当委員会の委員でおられました中杉先生には、昨年度に引き続き、参考人として御出席をいただいております。

 本日は、新型コロナウイルスの感染拡大防止等の観点から、WEB会議とさせていただいております。また、当委員会は、運営方針に基づき公開としていることから、本日は、YouTubeを用いたライブ配信を行っております。これに関しまして注意事項・お願いを御説明させていただければと思います。

 WEB会議の画面に表示をしており、また、委員の先生方には、昨日メールでも配付をさせていただいておりますので、WEB画面で確認できない場合には、そちらを御確認いただければと思います。

 まず初めに、本委員会はYouTubeライブ配信で音声のみ公開しております。また、Web会議の開催に当たり、今から申し上げる点について、御協力をお願いいたします。

 まず初めに、御自身の御発言以外のときは、マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。また、御発言に当たりましては、最初にお名前をおっしゃっていただいてから、御発言をお願いできればと思います。また、お聞きになっている音声が途切れがちの場合には、ビデオオフをお試しいただければと思います。回線負荷が軽くなり、音声の途切れが解消される場合がございます。なお、事務局はビデオを常時オフにさせていただく予定であります。

 審議に当たっては、お手元の資料を御覧いただければと思います。また、音声が全く聞こえない場合は、一度WEB会議システムから御退出いただき、再度御参加いただくことをお試しいただければと思います。お困りの場合には、Webexのチャット機能でお知らせいただくか、環境リスク評価室まで連絡をいただければと思います。また、速記録作成のため、録音させていただいております。よろしくお願いいたします。

 それでは、開会に当たりまして、環境省より一言御挨拶を申し上げます。本来であれば、環境保健部長の田原が参りまして御挨拶をする予定すべきところでございますが、別途公務のため、欠席させていただいておりますので、環境安全課長の太田より御挨拶を申し上げます。

○太田環境安全課長 おはようございます。環境省環境安全課長の太田でございます。

 委員の皆様方におかれましては、年末の大変御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。中央環境審議会環境保健部会第26回化学物質評価専門委員会の開催に当たり、田原環境保健部長に代わりまして、一言御挨拶申し上げます。

 環境省では、化学物質が環境を経由して、人の健康や生態系に有害な影響を及ぼす可能性を「環境リスク」として捉え、その科学的な評価とリスク低減のための取組を実施しております。そのための事業として、本専門委員会での御助言をいただきながら、「化学物質環境実態調査」及び「化学物質の環境リスク初期評価」を実施しております。いずれも化学物質管理施策の基盤的な事業と位置づけ、継続して実施してきているところでございます。

 今後とも最新の知見や技術等を反映しながら、適切に実施できるよう努めてまいりたく考えております。

今年度も本日の評価専門委員会の日を迎えるまでに、多くの方々に御協力いただき、また各検討会等において活発な議論が重ねられてまいりました。本日は、それらの検討結果をお示しして、最終的な御評価等をいただきたく考えております。

 それでは、委員の皆様方に忌憚のない御意見を賜りますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、冒頭の御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○山本環境リスク評価室長 それでは、続きまして事務局メンバーが人事異動により交代しておりますので、紹介させていただきます。7月1日付で環境安全課に飯野保健専門官が着任いたしました。

 続いて、お手元には、事前に郵送させていただきました本日の資料を確認させていただきます。

(配付資料確認)

 資料に不備等ございました場合、大変恐縮ではございますが、別途送付させていただいております電子媒体の資料を御覧いただければと思います。

 それでは、議事に入らせていただければと思います。櫻井委員長、よろしくお願いいたします。

○櫻井委員長 それでは、議事進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 最初の議事に入ります。化学物質環境実態調査の結果、進捗状況等について、ということで、令和元年度の化学物質環境実態調査、いわゆる黒本調査の昨年度の結果と、令和2年度調査の進捗状況等につきまして報告があるということでございますので、資料2-1から2-5に基づきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○飯野環境安全課保健専門官 環境安全課の飯野でございます。資料2の各資料にのっとって、化学物質環境実態調査、いわゆる黒本調査について御説明をさせていただきます。

 まず、資料について訂正がございますので、先にお配りした正誤表にお示ししているとおり、訂正させていただくとともに、お詫びを申し上げます。なお、その多くが資料2-2の黒本調査結果の原稿(案)における誤記等であったことから、これらの修正点を反映させた上で、結果を公表させていただく予定でおります。

 それでは、資料2-1を御覧ください。令和元年度黒本調査結果の概要を説明した資料となります。

 黒本調査では、試料採取、分析を行った翌年度の1年間で、その結果を精査、解析するという流れで行っております。このため今回は、令和元年度の調査結果について、今年度精査等を行った結果を御報告させていただきます。

 調査物質の構造式、調査地点等の情報を含めた令和2年度版「化学物質と環境」、いわゆる黒本の原稿(案)については、資料2-2が該当するのですが、こちらは約500ページ以上の資料になっておりますので、本日は概要について取りまとめました、この資料2-1を用いて御説明させていただければと思います。

 まず1ページ目の1.経緯の部分を御覧ください。本調査は、昭和49年度に「化審法」制定時の附帯事項を踏まえまして、一般環境中における化学物質の残留状況を把握することを目的として開始されており、これまで40年を超えて行われてきた歴史の長い調査でございます。

 2段落目、中ほど以降にありますとおり、平成14年度以降、現在では環境省内の化学物質関連施策を所管する部署から要望があった物質を中心に、調査を進めてきております。

 2.のところに、調査の進め方について記載させていただいております。

 まず(1)の調査対象物質になります。令和元年度の調査対象物質は、一昨年、平成30年の本委員会を経て選定されたものとなっております。

 続きまして、(2)の調査内容についてですが、本調査は、それぞれの目的に沿って平成18年度より初期環境調査、詳細環境調査、モニタリング調査の三本立てで実施をしております。

 まず、アの初期環境調査についてでございますが、本調査は、一般環境中の高濃度が予測される地域で調査を行い、主に化管法の指定化学物質の指定や、その他化学物質による環境リスクに係る施策についての基礎資料とすることを目的としております。

 次の2ページ目、冒頭の内容になりますが、こちら初期環境調査は、今年度22物質(群)を対象に調査を行いました。

 次に、イ、詳細環境調査についてですが、こちら主に化審法の優先評価化学物質のリスク評価を行うことを目的に、一般環境中における曝露状況を検討する調査となっておりまして、令和元年度は7物質群を対象に調査を行っております。

 最後のウ、モニタリング調査につきましては、化審法の特定化学物質、ストックホルム条約の対象物質、またはその候補物質を対象といたしまして、一般環境中における残留状況の経年変化を把握するために実施しております。

 令和元年度は、ストックホルム条約の対象物質に当たる13物質群と、同条約の対象物質への追加が検討中である1物質を加えた計14物質群について調査を行っております。

 次に、3.として、調査結果の概要を記載しております。こちらは資料2-1の5ページ以降に、別表として物質ごとの検出状況をまとめた表を添付しておりますので、それに従って御説明をさせていただければと思います。

 それでは、5ページ目の別表1を御覧ください。まずは初期環境調査における検出状況を表したものになります。

 各調査物質について、左から物質名、媒体、実施年度、検出頻度、これは検体ごとと地点ごとに分かれて記載されておりますが、検出範囲、そして検出下限値の順で記載しております。

 また、今回の調査では、調査対象の物質の中に、医薬品としての用途を持つというものが含まれておりまして、これらについては括弧内に別名として、医薬品としての成分名も併記させていただいております。

 また、表中、文字が太字になっているものがございますが、こちらが令和元年度の調査結果でございます。

 また、過去に調査の実績がある物質については、今回の結果と併せて、その当時の結果も記載させていただいております。併記されていないものについては、令和元年度が初めての調査の対象になったというものでございます。

 また表中、例えば調査番号4、アモキシシリンのように、物質名の隣に※印がついているものがございますが、こちらは注釈に示されているとおり、PRTRによる届出排出量等の情報を考慮して選定した地点が含まれているというものでございます。

 それでは表に戻っていただきまして、調査番号順に御説明させていただければと思います。

 まず、調査番号1、アジスロマイシンでございます。こちらは今回が初めての調査でございまして、25地点中9地点で検出されております。

 続きまして、調査番号2、アゾキストロビン類。こちらも今回が初めての調査でございまして、E体、Z体両方を測定しております。E体については28地点中14地点で、Z体については28地点中4地点で検出されております。

 続きまして、物質番号3、o-アミノフェノールについてでございます。こちらは過去にも調査がなされておりまして、今回の調査で3回目の結果になります。25地点中24地点で検出が確認されております。

 続きまして、調査番号4、アモキシシリンについてです。こちらは今回が初めての調査でございまして、24地点中15地点で検出がされております。

 調査番号5、シアナミドについてですが、こちらも、今回が初めての調査でございます。25地点中14地点で検出がされております。

 調査番号6、1,3-ジオキソランについてです。こちらも今回が初めての調査でございまして、17地点で全てが不検出でございました。

 調査番号7、3-[[(ジメチルアミノ)カルボニル]オキシ]-1-メチルピリジニウム、別名としてはピリドスチグミンについてです。こちらも、今回が初めての調査でございまして、26地点中19地点で検出がされております。

 調査番号8、(4-{[4-(ジメチルアミノ)フェニル])フェニル)メチリデン}シクロヘキサ-2,5-ジエン-1-イリデン)(ジメチル)アンモニウム=クロリド)別名、マラカイトグリーン塩酸塩についてでございますが、今回、2回目の調査でございまして、23地点中5地点で検出がされております。

 調査番号9、N,N-ジメチルビグアニド塩酸塩、別名、塩酸メトホルミンについてですが、今回が初めての調査でございまして、27地点中26地点で検出がされております。

 調査番号10、セリウム及びその化合物についてですが、今回2回目の調査でございまして、25地点中25地点全てで検出がされております。

 調査番号11、タリウム及びその化合物についてですが、水質と大気で測っておりまして、水質については3回目の調査、24地点中全ての地点で検出がされており、大気については2回目の調査でございまして、13地点中13地点全てで検出がされているという状況でございます。

 調査番号12、2-(1,3-チアゾール-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール、別名チアベンダゾールについてですが、今回で2回目の調査でございまして、26地点中11地点で検出されております。

 調査番号13、チアムリンについてですが、今回が初めての調査でございまして、27地点中7地点で検出がされております。

 調査番号14、N-ニトロソジエチルアミンについてですが、水質と大気で測っておりまして、水質は3回目の調査でございます。25地点中全てで検出されております。一方、大気は初めての調査でございまして、19地点中全ての地点で検出がされております。

 ページをめくっていただきまして、調査番号15、N-ニトロソジメチルアミンでございますが、こちらも水質と大気両方で測っておりまして、水質は3回目の調査でございますが、26地点中全ての地点で検出がされております。大気については2回目の調査でございまして、同じく19地点中全ての地点で検出がされております。

 調査番号16、バルプロ酸についてですが、今回が初めての調査でございまして、27地点中9地点で検出がされております。

 調査番号17、ピリジンについてですが、大気で測定されていまして、今回で3回目の調査になります。19地点中全ての地点で検出がされております。

 調査番号18、ピリメタニルについてですが、今回が初めての調査で26地点中全ての地点で不検出でございました。

 調査番号19、3-ベンジリデンカンファーについてですが、今回が初めての調査で28地点中全ての地点で不検出でございました。

 調査番号20、ベンジル-p-ヒドロキシベンゾエート、別名ベンジルパラベンでございますが、今回が初めての調査でございまして、27地点中1地点で検出がされております。

 調査番号21、ポリフルオロ酢酸類についてですが、こちらモノ・ジ・トリと3物質を測っておりまして、今回が初めての調査になるのですが、モノ体とジフルオロ体については28地点中全ての地点で不検出。トリフルオロ体については、28地点中全ての地点で検出がされております。

 最後の調査番号22、レボフロキサシンですが、今回が初めての調査でございまして、26地点中20地点で検出がされております。

 以上が、初期環境調査の結果になります。

 続きまして、詳細環境調査の結果ですが、ページを進んでいただきまして、7ページの別表2を御覧ください。令和元年度の調査は7物質群について調査を行っております。こちらも先ほどの初期環境調査と同様、令和元年度の調査結果については太字で示しております。また、過去に調査の実績があるものについては、その結果も併記させていただいております。こちらも同様に、調査番号の順に御説明させていただきます。

 調査番号1、イソシアヌル酸についてです。こちらは、過去に一度調査を実施しており、今回が2回目の調査になります。30地点中16地点で検出がされております。

 続きまして、調査番号2、環状ポリジメチルシロキサン類。こちらは簡略のため、シロキサン類と言わせていただきますが、今回が初めての調査でございます。三つの物質について測定しておりまして、オクタメチルシクロテトラシロキサンにあっては、11地点中9地点。デカメチルシクロペンタシロキサンについては、11地点中全ての地点で検出がされております。ドデカメチルシクロヘキサシロキサンについては、11地点中8地点で検出されております。ただ、これらシロキサン類については、次のページ、8ページ目の下、注2にも記載がございますとおり、今回の表に載せている結果は生物の結果なのですが、このほかに水質においても2019年度に調査を実施しておりましたが、その分析結果に疑義が生じておりまして、本物質は、2020年度も引き続き調査対象となっているということもございましたので、その結果も踏まえて、2019年度の結果を採用する否かも改めて判断することとしておりまして、本書には掲載しないということとしております。これを踏まえました令和2年度の対応については、後の資料、資料2-3においても補足で説明をさせていただきます。

 それでは、表に戻っていただきまして、調査番号3、クラリスロマイシン及びその代謝物でございます。クラリスロマイシンについては、過去に一度調査をしておりまして、今回が2回目の調査になります。30地点中19地点で検出がされております。一方の代謝物14-(R)-ヒドロキシクラリスロマイシンについては、今回が初めての調査でございまして、30地点中26地点で検出されております。

 調査番号4、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、別名BHTでございますが、こちらは古くは1976年度から断続的に調査をしておりまして、その表の一番右側に検出下限値の欄がございますが、一部「不詳」としつつも括弧内で数値を示しているというものがございます。こちらは8ページの注3にも記載させていただいているとおり、本物質は、過去に調査を行った際に、検出下限値に関する記録が残されていなかったことから、検出された中で、最小値を参考値として括弧書きにおいて数値で示させていただいているというものでございます。今回の結果についてですが、水質においては29地点中3地点で、底質については29地点中全ての地点で、生物については、12地点中9地点で、それぞれ検出がされております。

 ページめくっていただきまして、調査番号5、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ステアルアミドについてですが、今回が初めての調査でございまして、水質において32地点中30地点、底質において28地点中15地点で、それぞれ検出されております。

 調査番号6、N,N-ジメチルアルカン-1-アミン=N-オキシド類。こちらは合計で四つの物質について調査がされておりまして、一つ目のN,N-ジメチルデシル-1-アミン=N-オキシドについては、初めての調査でございまして、30地点中8地点。2番目のN,N-ジメチルドデシル-1-アミン=N-オキシドについては、過去にも調査がなされておりまして、今回が3回目の調査になるのですが、30地点中19地点で検出がされております。三つ目のN,N-ジメチルテトラデシル-1-アミン=N-オキシドについても、今回が初めての調査でございまして、30地点中10地点で検出がされております。最後のN,N-ジメチルオクタデシル-1-アミン=N-オキシドについても、今回が初めての調査でございまして、30地点中全ての地点で不検出でございました。

 最後、調査番号7、ビス(N,N-ジメチルジチオカルバミン酸)N,N-エチレンビス(チオカルバモイルチオ亜鉛)、別名ポリカーバメートについてですが、二つの物質を対象に調査が行われており、一つ目のN,N'-エチレンビス(ジチオカルバミン酸)については、今回が3回目の調査でございまして、22地点中2地点で、二つ目のN,N-ジメチルジチオカルバミン酸については、今回が2回目の調査でございまして、22地点中15地点でそれぞれ検出されております。

 以上が、詳細環境調査の結果でございます。

 さらにページを進んでいただきまして、9ページ目を御覧ください。別表3-1から3-2、3-3、3-4、3-5に分けまして、モニタリング調査の結果をお示ししております。御存じのとおりモニタリング調査につきましては、残留状況の経年変化、すなわち増加・減少傾向を把握することを目的としておりまして、9ページ目の別表3-1では水質と底質による結果を、次のページ、10ページ目の別表3-2においては、生物と大気の結果をまとめております。各物質の検出範囲、検出頻度と幾何平均については、お示ししているとおりでございます。

 それぞれ番号が振られているかと思いますが、こちらはストックホルム条約の物質ごとに割り振られている固定の番号をつけておりまして、今回調査を行っていない物質については、表に載せておりません。要するに、番号が連続していないというのは、これが理由となっております。

 また、初期・詳細環境調査では、ナノグラムオーダーで結果を記載しておりましたが、モニタリング調査では、各媒体共にピコグラムオーダーになっております。すなわち、初期・詳細調査の1000分の1のオーダーでモニタリング調査の結果が示されているということでございます。

 続きまして、12ページ、別表3-3を御覧ください。2002年度から令和元年度までの経年変化のうち、水質に関する分析結果を掲載しております。モニタリング調査を実施したもののうち、数年間のモニタリングデータが蓄積された物質を対象に、統計解析の結果をお示ししているものになります。ただ、あくまで環境濃度の比較でございますので、環境リスクの大小とは直接結びつかないのですが、POPsの濃度レベルは、総じて横ばい、または減少傾向にあるという結果になっているのがお分かりになるかと思います。

 次に、13ページでございますが、別表3-4。こちらは、底質の結果でございます。こちらも水質と同様、横ばい、または減少傾向にあるという結果になっております。

 また、ページを進んでいただきまして、14ページ。別表3-5においては、生物及び大気の経年変化を分析したものになっております。こちらについても、横ばいまたは減少傾向となっております。

 最後に、15ページから16ページを御覧ください。本調査結果を取りまとめるに当たっては、こちらに記載しております各種検討会で審議をいただき、専門の先生方に結果の精査や解析等を行っていただきました。そのメンバーリストを載せております。

 続きまして、資料の番号では2-2になるのですが、先ほども申し上げたとおり、500ページ以上になりますので、各物質の詳細な説明は割愛させていただきます。

 続きまして、資料2-3を御覧ください。こちらは、本年度、すなわち令和2年度の調査、黒本調査の進捗状況についてまとめたものになります。

 まず、1.調査内容でございますが、本年度も初期環境調査、詳細環境調査、モニタリング調査の三つの体系で調査を実施しているところでございます。

 その下、2.精度管理についてでございますが、初期・詳細調査につきましては、本年度も一部、地方環境研究所において分析の業務に協力をいただいておるところでございまして、複数の機関が同一の分析を行っております。このため、分析機関ごとに特定条件等が若干に異なるということがございまして、これによって結果に差異やばらつきが生じるやおそれがございます。それを事前に把握し、必要な対策を行うために、実際の分析を行う前に、共通の標準物質などを配付して、ラウンドロビンテストを実施し、精度管理の担保を行ってまいりました。

 なお、ここでいうサロゲートとは、抽出から測定に至る各工程の変動を補正する目的で、試料そのものに添加する物質を指しております。

 また、ラウンドロビンテストというのは、複数の分析機関から同時に結果が報告されるものについて、それらの結果に大きな差がないことを評価するために実施される試験を指しております。

 ここまで従来の精度管理の手法を説明させていただきましたが、先ほど資料2-1で御説明させていただいたとおり、シロキサン類の事案を受けまして、環境省といたしましては、例えば分析機関に立ち入るなど、直接的にその分析機関の精度管理体制等を確認するという体制を取ってきていなかったということもございましたので、今年度からは、今、まさに一部は実施しているところですが、(2)でお示ししているとおり、ラウンドロビンテストを実施するところはしていただくことに加えて、ラウンドロビンテストの実施が必要ないところについては、精度管理用に濃度が未知のものを配付いたしまして、いわゆるブラインドテストを実施することとしているほか、(3)にも記載がございますが、一部の分析機関を対象に立入調査を実施することとしております。

 なお、この立入調査については、下にも記載がございますが、従来、モニタリング調査では、継続して実施してきたという経緯がございましたので、その仕組みを初期・詳細調査にも取り入れたというものになります。もちろん依然としてモニタリング調査については、分析機関が年度ごとに変わる可能性もあるということもございますので、調査の継続性を担保する観点から、国立環境研究所をはじめとした有識者の方々に御協力いただきまして、分析機関への立入調査を行い、実施状況が適切であるということを確認することを続けております。

 さて今年度、調査している物質媒体については、2ページ以降に記載しております。

 まず、2ページ目の表1を御覧ください。まず初期環境調査についてですが、今年度は10物質群を対象としております。脚注にもございますが、◎で示しているものは今回が初めて調査する物質、○でお示ししているのは、過去に調査を実施しているものになります。一番右側には要望施策を書かせていただいております。

 次に3ページ目の表2を御覧ください。詳細環境調査についてですが、今年度は7物質群について調査を実施しております。繰り返しになって恐縮ですが、御覧いただけるとおり、今年度もシロキサン類については、水質と生物の2媒体で調査対象としております。また、今年度も昨年度に引き続き、同じ分析機関が請け負うということになっておりますので、1ページ目で御説明させていただいたとおり、立入検査等は既に実施しておりまして、当該分析機関においては、精度管理体制等が十分であるということを有識者による確認を受けた上で、分析業務に当たっていただいております。これ以外の分析機関にあっては、適宜立入調査等の実施を進めていく予定としております。

 次の4ページ目、表3を御覧ください。こちらはモニタリング調査の対象物質ですが、今年度はストックホルム条約の対象物質及びその候補物質から、合計11物質群を対象に調査を実施しております。

 これらの調査結果につきましては、来年度の本委員会で御報告させていただく予定としております。

 続きまして、資料2-4を御覧ください。こちらは、来年度、すなわち令和3年度の黒本調査の実施方針について御説明をさせていただきます。

 1ページ目にもございますとおり、来年度の調査も今年度と同様に、初期・詳細・モニタリング調査の3体系で実施させていただく予定でおります。

 このうち初期・詳細環境調査については、次のページ、2ページ目から現在の準備状況と今後の方針をお示しさせていただいております。2ページ目から4ページ目まで、別添1といたしまして、現在、分析法の開発を行っている物質として、33物質群を記載しております。これらについては、本年度中に分析法が確立したものから調査を進めていくことを考えております。

 続きまして、5ページ、6ページ目を御覧ください。別添2といたしまして、11物質群を記載しております。表に記載させていただいている物質ですね。その隣に記載している物質媒体との組合せについては、省内の要望部署から調査の要望をいただきまして調整をさせていただいたものでございます。こちらについては、既存の分析法がございますので、来年の調査においては着手可能なものとなります。

 次に、7ページ目から9ページ目を御覧ください。こちらは別添3でございます。こちらに書かれている物質群につきましては、要望をいただいたものになるのですけれども、今後、分析法の開発が必要なものとして挙げさせていただいているものになります。

 これらの分析法開発の可能性などについて、専門家の意見をいただきながら絞り込んだものになります。今後、このリストを基に、地方環境研究所などと調整を行いまして、調整のついたものから、来年度の分析法を開発するということを予定しております。

 以上、差し支えございませんでしたら、この方針に基づいて進めさせていただければと考えております。

 最後に、資料2-5を御覧ください。こちらは昨年の本委員会で御確認いただきました平成30年度の調査結果について、各要望部署における活用状況を取りまとめたものになります。

 2ページ目から4ページ目。こちらに書かれているのが、初期環境調査の結果についてでございます。

 5ページ目から8ページ目。別表2に書かせていただいているのが、詳細環境調査の活用状況になります。これは詳しい御説明は割愛させていただきますが、いずれも関係部署において調査結果を広く活用いただいているというふうに考えております。

 大変長くなりましたけれども、ここまでが資料2、化学物質実態調査に関する御説明となります。説明は以上でございます。

○櫻井委員長 どうもありがとうございました。結果の取りまとめに当たっては、専門家から構成される検討会議で別途精査、解析等をしていただいているということでございますが、本委員会において評価等に入る前に、それぞれの実務者会議で座長を務められた白石委員、中杉参考人、柴田委員から補足説明などございましたら、一言ずつ御発言をお願いしたいと考えております。

 まず、「化学物質環境実態調査結果精査等検討会」及び「モニタリング調査の結果に関する解析検討会」の座長を務められた白石委員から御発言をお願いできますでしょうか。

○白石委員 白石です。精査の検討会とモニタリングの検討会の座長を務めました。

 精査の検討会は3回実施しまして、例年のとおり様々な問題点はございましたが、時間の関係で細かい点は省き、特に今回問題となったシロキサン類の水質の測定についてだけ御報告したいと思います。

 シロキサンの水質の分析につきましては、2回目の会議と3回目の会議で検討がなされました。報告書に相当な不備がございまして、それに関する修正を事務局で加えたものを2回目の会議にかけていただき、それを基に検討を加えたのですが、それでも不整合が認められるということで、もう一度報告書を分析機関で検討するよう指示を出しまして、全面的な見直しをしていただき、その上で最終での報告書を頂いた上で、第3回目の会議で検討を加えております。

 その最終報告書もいろいろ不備がございまして、物質の名称をD4、D5、D6と省略させていただきますけども、そもそもこの分析法から御紹介しますと、同位体を標識したサロゲートを添加し、サロゲートと対象となる物質の分析値の比から求めるという方法で、どんなことをしてもほぼ正常な値が出るような分析法だったのですが、D6に関しましては、検量線の傾き、レラティブリスポンスが非常にばらつくという状況でした。本来ならば、簡単に言いますと、何回やっても1に収まるはずなのですが、0.5だったり、1だったり、8だったり、2だったりと非常にばらついており、そもそもおかしいということになりました。

 IQ比というのは、スペクトル、厳密にはスペクトルを見ている訳ではないのですが、そのスペクトルが毎回変わっているような測定値でございまして、D6については全て欠測とすべきであろうというのが、その時点での結論でありました。一方、D5とD4に関しましては、D6と同じような傾向は若干認められるのですが、精度管理データを見る限り、D4に関してはそれほど逸脱はしていないだろう、ただ測定自体が非常に怪しいということがございまして、検討会も3回で終了なのですが、その後も、解析を加えるということで、検討委員の方々に検討していただきました。その結果、特に問題だったのはIQ比で、スペクトルが異常であるということです。添加したサロゲートと、本来、ネイティブと同様なスペクトルからシフトしているだけの同様のスペクトルを与えるはずなのですが、それが異常にばらついていると。

 同時に測定した場合、両方とも同じようにばらつけばまあよいのですが、そのばらつき方がまちまちであり、そもそもの測定原理を守れていないということで、D5に関しても欠測とするのが適当であろう、D4に関しても当然欠測とするのが適当であろうということですが、D4に関しましては、割と安定性があったということで、D5もそうですが、通常認められるような測定の範囲内のデータに仮に絞ってみたらということで、ばらつくデータは捨てて、検量線が正常でありサンプルの測定も正常であろうと思われるデータを抽出してみた結果、D5に関しては1地点だけ、D4に関しては半分弱の地点がそれを満たすということで、精査の検討会としては、測定自体が曖昧であるから全て欠測とするという結論にするということではなく、ある程度の条件を満たすところは測定にばらつきはあるにしても記録しておこうということで、それを抽出して記録し、報告したということでございます。

 ただ、後段の初期環境調査の検討会では、そもそもばらつきが大きいというデータなので、保留にし、黒本には載せないという結論に達したという経緯でございます。

 なお、こうなった原因についてはよく分からないのが実情です。本来、装置がきちんとメンテナンスされていれば、そういうことは決して起こらないはずなので、何か原因があるはずですが、よく分かっていません。

 モニタリングにつきましては、例年のとおり、この調査で開発された統計的な方法で、増減傾向を把握いたしました。1点だけ、資料2-1の14ページの注4をご覧いただきたいのですが、調査時期について本来温暖期に行われるべきものが、去年は11月頃までずれ込んだところがございまして、気温の影響を受けるδ-HCHについてはそのデータを除いて解析を加えたということでございます。以上です。

○櫻井委員長 ありがとうございました。続きまして、「初期環境調査及び詳細環境調査の結果に関する解析検討会」の座長を務められた中杉参考人から御発言をお願いいたします。

○中杉参考人 中杉でございます。簡単に御説明いたします。

 精査検討会で検討いただいたデータを基に、我々の検討会では経年的な変化がどのぐらいあるかということと、もう一つは、排出量との関連を少し見ていこうというようなことをやっております。

 個々の物質については、環境省から御説明をいただきましたので省かせていただきますけれども、全体としては、過年度の調査の結果と比べて大きな変化は見られませんでした。個々の地点を見ると変化しているものもありますが、その傾向は全体的に同じ方向とは必ずしも言えないということもあり、そのような判断をしました。

 ただ、詳細調査の6-2のN,N-ジメチルドデシル-1-アミン=N-オキシド、資料2-2の119ページになりますが、これについては総じて高い値のような感じがあったのですが、分析法の改良がなされたことが原因であろうということで、環境濃度が増加したという判断はしておりません。

 それから、排出量との関連を少し見てみたのですが、全体としてPRTR排出事業所の近傍から高濃度になっているという状況は、明確には判定はできませんでした。ただ、BHTについて、化審法の優先評価化学物質のリスク評価において予測された高濃度地点で最大値が検出されたことは、必ずしもPRTRそのものではないのですけども、そういうところが見えたかなという感じがします。

 それからもう一つ、PRTRでは排出量のデータがあまり出てきてはいないのですが、いわゆるPPCPsについては、やはり下水処理場の下流地点で検出される例が多いことが分かりました。当たり前の話ですが、やはり下水を通して出てくるのではないかということが想定されそうな感じがしております。

 それからもう一つ、過年度からの経過という点で、N-ニトロソジメチルアミン、60ページの初期の15番目ですけれども、2015年度に1地点で非常に高い濃度が検出されており注目していたのですが、今回の調査ではその地点は他と同じ程度でした。前回なぜ高かったのか原因は分からないのですが、何か一過性のものであろうと判断させていただきました。以上でございます。

○櫻井委員長 ありがとうございました。続いて、「POPsモニタリング検討会」の座長を務められた柴田委員から御発言をお願いいたします。

○柴田委員 それでは御報告いたします。「POPsモニタリング検討会」では、分析法の精度管理を中心として行う分科会を2回、それから全体の検討会を1回開いております。

 分科会のほうでは、データを基に、いわゆる精度管理の観点から確認しまして、特段大きな問題はないという結論になっております。

 それから、先ほど飯野専門官からも御説明がありましたように、今年度の担当分析機関の視察も行っておりまして、いろいろと中の確認等を行っております。それからさらに、これは最近始めていることですけれども、各分析機関が使っている定量用の検量標準の相互比較を始めておりまして、今年も問題ないことが確認できました。

 それから、さらに今年初めての経験ですけれども、平成14年に採取された生物サンプルの一部について今年度の測定項目を測定するということを併せて行っております。その結果を平成14年当時の測定結果と比較して、PCB等、同じ物質については、いわゆる二重測定の範囲内できちんと数字が合うことを確認できました。それから、新しい物質については、過去の汚染状況が分かり、今後非常に重要な情報になるのではないかと考えています。

 以上のように、基本的な精度管理上は問題ないということですけれども、ただ、最近取り組んでおります短鎖塩素化パラフィンにつきましては、まだ一部の試料で妨害の除去が不十分ではないかという結果が出ていて、今後さらに検討が必要であろうと考えられます。

 短鎖塩素化パラフィンにつきましては、国際的にもまだ分析法の確立が課題である状況ですので、こうした国内のモニタリング調査における経験を、条約の下のグローバルコーディネーショングループにも報告し、情報交換・意見交換を通じて今後の分析法確立を目指していきたいと考えています。

 それから、生物試料の一部につきまして、採取困難になってきて継続が難しくなってきている事例が時々出てくる状況が続いてきております。特に二枚貝が最近少しずつ採れるところが減ってきていて、洞海湾など大分前にもういなくなってしまっておりますし、今年も横浜港でムラサキイガイが採れないといった状況が見られており、モニタリングは長期継続が基本でありますので、この生物モニタリングを今後どのようにきちんと継続できるかについて、例えばこういう事態が発生したときにどうするかということを検討していくべきであろうということが課題として浮かび上がってきております。

 あと、報告事項になりますけれども、モニタリング結果につきましては、現在ストックホルム条約のほうで、地域レポートの第3回目の集約作業が行われております。こちらの方に、タイミングの関係で昨年度の黒本の結果を中心として、日本のデータとして集約して記載をしております。例えば、先ほど御説明ありましたトレンド解析についても、昨年度の報告のトレンド解析結果を英訳して掲載をしております。

 それから、沖縄の辺戸岬と五島列島の福江島における高頻度測定の結果についても、10年間のデータをまとめて報告しておりまして、そういった結果の中からは、例えばDDTが10年間の間に有意な減少傾向を示している、あるいはヘキサクロロシクロヘキサンについても有意な減少結果を認められると、その一方で、ヘキサクロロブタジエンについては、どうも2011年以降、急速に増えているようだといったような状況が出てきております。以上です。

○櫻井委員長 ありがとうございました。それでは、各委員からの補足説明も踏まえた上で、資料及び説明内容に対して御質問、御意見等がありましたら、お願いいたします。

○小山委員 小山です。資料2-1、令和元年度の化学物質環境実態調査結果の初期環境調査において、マラカイトグリーンを測定されていますが、魚体内ではこのマラカイトグリーンはすぐ代謝されてロイコマラカイトグリーンという物質に変化し、それが非常に安定して存在していることが報告されています。環境水中ではいかがなのでしょうか。

○櫻井委員長 いかがでしょうか。水質だけここにデータは記載されていますが。今すぐにお答えできる資料はないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○小山委員 生物濃縮実験などを行った時に、魚体内でマラカイトグリーンがロイコマラカイトグリーンになって安定になり、それが蓄積してかなり高濃縮になるということで問題になっています。昔は水産用医薬品として使われていましたが、今は禁止されていて、環境中ではあまり存在しないだろうと思っていたのが、2019年に23検体中5検体で低濃度ですが検出されていると。なおかつ低濃度ですから、もしかしたら魚体内と同じように環境中でマラカイトグリーンがロイコマラカイトグリーンになって安定的に存在している可能性はないのかなと疑問に思いましたので、質問させていただきました。もし、今すぐに答えられる材料がないということであれば、調べていただいて後日お知らせいただければと思います。

○櫻井委員長 ありがとうございます。これについては事務局の方でフォローしていただくということでよろしいでしょうか。

○小山委員 はい、結構です。よろしくお願いします。

○櫻井委員長 ありがとうございます。その他何か御質問、御発言ございましたらどうぞ。

○谷口委員 谷口ですが、3点ほど教えていただきたいと思います。まずは資料2-1の別表2、7ページですね。物質番号4番のBHTですが、水質の2019年度のデータの検出下限値が35と過去のものより高くなっています。同じく8ページの物質番号6-2についても下限値が7.6と過去のものより高いのですが、何か合理的な理由があるのでしょうかという質問です。

○櫻井委員長 まず、これについてはいかがでしょうか。どなたかお答えいただくことは可能でしょうか。

○中杉参考人 中杉です。私も個々のものについて具体には分かりませんが、詳細の検討会でもよく議論になります。他の物質とまとめて一斉分析をしたりすることで、どうしても検出下限が上がってしまうこともあります。それでいいのかどうかということは一つの議論としてありますけども、有害性・毒性を踏まえて各要望部署から出されている要求検出下限があり、それに沿った形で検出できるようにやっています。私どもの検討会の委員からもその質問はたびたび出てくるのですが、他の物質と一緒に分析することで上がるというようなこともあるということで今のところは整理されています。必要な場合には、当然下げてやらなければいけないとは思いますが。

○櫻井委員長 はい。お答えありがとうございます。

○谷口委員 谷口です。よく分かりました。どうもありがとうございました。二つ目の質問ですが、13ページに底質の経年変化の結果が出ております。ここで減少傾向や横ばいといったことが記載されておりますけれども、これは日本全体で見た状況だと思うのです。しかしながら、個々の海域や河口域で見れば、必ずしも横ばいではなくて減少しているということもあるのだろうと思うのですが、その辺の状況が詳細でなくていいのですが、教えていただけたらと思います。

○中杉参考人 個々の地点を見ていくと、高くなるところ、低くなるところ、あるいは検出下限を下げたので検出率としては一気に上がってしまうところなどもままあります。それも含めて、全体の傾向として見て、上がり傾向あり、下がり傾向ありといった整理をしています。

 ただ、これも難しい話であり、例えば底質などではそれほどでもないのですが、採取する地点が少しずれることで濃度が変わってくることもありますし、水の場合では、一日の中でもどの時間に採取するかによって変わったり、大気では風向きで変わるというようなことがあり、明確には言えないのだろうとは思います。経年変化を見る場合、その辺りも含め、多くのデータがそろって一つの方向を向いていると考えられた時に、変化があると整理しています。

 それがないときは、個々についてはこういうところもあったということでしょうけれども、全体としてはあまり変化がなかったという整理にしています。明確な判断基準がある訳ではないのですが、全体を見ながら、検討会の中で整理しています。以上でございます。

○谷口委員 どうもありがとうございました。私もこの表にあるような評価は難しいことだろうと思います。引き続きよろしくお願いしたいと思います。それから三つ目ですが、資料2-5は、平成30年度の調査結果を今後どう活用しようかということだと思うのですが、実は今年度はPRTRの対象物質の見直しを行っており、これまでの調査結果をかなり活用したのではないかと思っております。資料に追加して欲しいということではないのですが、どのように活用がされたのか、環境省から一言コメントをいただければありがたいと思います。

 この分析をしている地方の環境研究所の職員たちに、自分たちの成果がどのように世の中に役立っているのかを知ってもらいたいと思い、一言コメントをお願いしたいと思う次第です。以上です。

○飯野環境安全課保健専門官 環境省環境安全課の飯野です。コメントありがとうございました。今、いただいた意見についてですけれども、本日、PRTR関係の部署の担当者が本委員会に出席しておりませんので、一度引き取らせていただいて、コメントのような形でお返しさせていただくということでもよろしいでしょうか。

○谷口委員 結構でございます。よろしくお願いします。

○中杉参考人 谷口委員の御質問について、今回はPRTRの改定において候補が挙がってから結果が出てきているということになり、今回確定した数字として本委員会にお出ししている訳ですが、それから使うとなると少し遅れてしまっているということになります。今回は環境省内で事前に仮の数字としてPRTRの部局に提供されているのだろうとは思いますが、要望等を受けた後に分析法の開発に時間がかかったりすることもあるので、全体としてその辺りも含めてうまくいくのかは、私自身も心配をしているところです。要望部署と黒本の担当部署が密に連絡を取り合ってうまく調整をしていただかないと、要望したが、その結果は作業が終わってから出てきたということも生じかねないとは思いますので、よろしくお願いいたします。

○櫻井委員長 はい。御要望として承りました。それでは、時間も押してまいりまして、次の議題もあるところですが…

○関澤委員 すみません、関澤ですがよろしいですか。

○櫻井委員長 はい、ではごく簡単にお願いできますでしょうか。

○関澤委員 谷口委員の御質問に関連してですが、資料2-1の別表3-3以降で、経年変化を示す矢印が実線のものと点線のものが混じっており、これらはそろえていただいたほうがいいのではないかと思いました。

○飯野環境安全課保健専門官 環境安全課の飯野です。今、御指摘のあった矢印の点線と実線の部分ですが、12ページの表の下に注釈を設けておりまして、これらはそれぞれ実線と破線で違う意味の内容として区別しております。

○関澤委員 ありがとうございました。

○櫻井委員長 それでは…。

○遠山委員 遠山ですが、よろしいでしょうか。

○櫻井委員長 先生、誠に申し訳ないのですが、次の議題がございまして、この場での御質問等は控えていただけるとありがたいのですが。

○遠山委員 はい、分かりました。

○櫻井委員長 申し訳ありません。これまでいただいた御指摘等の内容としては、調査結果の概要そのものについて修正しなければならない点はなかったと存じますので、別途事務局の方でフォローしていただき、必要に応じて報告書本体には追加等が生じることはあろうかと思いますが、今回の調査結果の概要そのものはこの形で公表させていただくということで、御了解いただけますでしょうか。

(異議なし)

○櫻井委員長 特に御異存ないようでございますので、そのようにさせていただきます。ありがとうございます。

 それでは、次の議題に入ります。化学物質の環境リスク初期評価、いわゆるグレー本の第19次取りまとめ等についてでございます。資料3-1から3-3に基づき、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○鈴木環境リスク評価室長補佐 環境リスク評価室から御説明させていただきます。時間が押しておりますので、恐縮ですが駆け足で御説明させていただきます。

 資料3-1が環境リスク初期評価の進捗・検討体制等についての資料、資料3-2が今回の初期評価の取りまとめ結果概要の案、資料3-3の分厚いものが個別の物質の評価文書案を束ねたものになります。

 まずは資料3-1を御覧いただければと思います。化学物質の環境リスク初期評価は平成9年度から実施しておりまして、環境リスク管理のための施策を念頭に置きながら、多くの化学物質の中から相対的にリスクが高い可能性がある物質をスクリーニングするための初期評価という位置付けになります。

 具体的には資料3-1の1.にございますように、人の健康及び生態系に対する有害性評価、それから曝露評価、両者の結果を比較してリスクの判定ということで行っております。曝露評価については黒本調査の結果なども活用しております。

 2.にございますように、第18次取りまとめまでに健康・生態両方のリスク評価を行ったのが286物質、生態のみのリスク評価を行ったのが92物質になります。評価文書はいわゆるグレー本として、環境省のウェブページ上で公開しております。本日お配りしています資料3-3の分厚いものが実際のグレー本の案になりますが、この資料は本日は必要に応じて参照させていただくこととし、御説明は資料3-1と資料3-2だけでさせていただきます。

 2ページを御覧ください。中段の3.で今回の評価物質について記載してございます。

 健康リスク・生態リスク双方を対象にした評価が11物質、生態リスクだけを対象に4物質、合わせて15物質の評価を行っております。物質の選定に当たっては(2)にございますように、環境省内の規制当局等からの要望物質を中心に、また、環境モニタリングで検出された物質も含め、専門家の御意見をいただきつつ選定したものになります。具体な物質名は3ページの表2、3にございます。

 4ページには検討体制がございます。物質の選定から曝露情報、有害性情報の収集を経て、リスク評価文書の案を取りまとめるまでに専門家で構成される検討委員会でご検討いただいております。全体を、内山委員を座長とする「企画委員会」で総括していただき、その下に中杉参考人を座長とする「曝露評価分科会」、青木委員を座長とする「健康リスク評価分科会」、楠井委員を座長とする「生態リスク評価分科会」があるという体制でございます。

 それから、発がんリスク評価や、生態毒性におけるQSAR(定量的構造活性相関)活用については、ワーキンググループも設置しております。今回、生態毒性について毒性試験の知見が十分になく、QSARを用いた考察も含めて検討することとされた物質が1物質ございまして、その有害性の程度に関する議論を中心に行っていただきました。

 5ページ以降はこれまでの評価の概要を参考につけているものでございますので、資料3-2の説明に移らせていただければと思います。

 資料3-2の1ページ目の内容は資料3-1で概ね御説明しておりますので、2ページ目から御覧ください。

 (2)の評価結果の活用でございますけれども、環境リスク初期評価では、リスクの程度に応じて大きい順に「詳細な評価を行う候補」、「関連情報の収集が必要」、「現時点では作業の必要がない」という3段階に分類してございます。詳細な評価を行う候補又は関連情報の収集が必要と分類された物質につきましては、曝露源に応じて大気環境課、水環境課、その他関連の規制当局にフィードバックし、詳細評価の実施を促したり継続的な監視を行ったりしております。

 具体的な評価の方法について、3ページの(5)を御覧ください。健康リスク・生態リスクともに基本的な考え方といたしましては、有害性と曝露量を比較することでリスクの程度を評価しております。

 ①のリスクの判定でございます。まず、健康リスク評価についてはMOEの評価、それから過剰発生率による評価を行っております。生態リスクの評価についても同じように、予測環境中濃度(PEC)、予測無影響濃度(PNEC)の比による判定を行ってございます。これらは有害性試験及び環境中濃度の実測値を基に行っております。

 次に、②の情報収集の必要性に関する総合的な判定ということで、リスクの判定結果を踏まえつつ、PRTRデータ等を用いたモデル推計結果等の参考情報も用いながら、専門的な観点から総合的な判定を行っております。これにより、実測値に基づくリスクの判定では「現時点では作業は必要ないと考えられる」となっていても、総合的な判定では「情報収集が必要」になる場合も生じます。

 3ページの一番下から4ページにかけて、初期評価においてはその趣旨に鑑み、環境リスクが高い物質を見逃してしまうことがないように、なるべく安全側に立脚した取扱いを行っていることを記載しております。

 続きまして、4ページで、今回の第19次取りまとめの結果について御説明させていただきます。環境リスク初期評価として健康リスク・生態リスクの両方を対象としたのが11物質、生態リスク初期評価だけのものが4物質ございまして、それぞれ①、②の表にまとめております。①の環境リスク初期評価の11物質では、A欄の詳細な評価を行う候補となった物質はありませんでした。また、これよりもリスクは小さいけれどもさらなる関連情報の収集が必要とされた物質はB欄になりますが、健康リスクで4物質、生態リスクで5物質となりました。健康リスクに関しましては曝露経路が経口か、吸入かも記載しております。

 その他の物質はC欄になりますが、有害性に対して曝露量が十分小さく、現時点ではさらなる作業の必要は低いとの判定でございます。表の下に注がございまして、テトラヒドロメチル無水フタル酸、無水マレイン酸については、生態リスク初期評価を実施しなかったとございます。これらの物質は分子内に二つカルボキシル基がありそこから水が取れた、いわゆる酸無水物と言われるものでございまして、水中では速やかに水と反応し、これらの物質の形態では存在しないため、このような整理になっております。

 5ページの②は、生態リスク初期評価のみを行った4物質でございます。A欄の詳細な評価を行う候補と判定されたものが1物質ございました。さらなる関連情報の収集が必要な物質は3物質ございました。個別の物質につきましては7ページ以降の表を用いて御説明させていただきます。

 まず、健康リスク初期評価を行った11物質の結果一覧が7ページから8ページにございます。

 表の見方としては、左から順に、物質名、経口、吸入それぞれについて無毒性量等、エンドポイント、曝露評価、それらを基にMOE・過剰発生率、それから、参考情報も踏まえた専門家判断としての総合的な判定を記載してございます。

 先ほどの表ではAからCと申し上げておりましたが、この表では判定結果が記号で記載されております。詳細評価を行う候補が■、更なる関連情報の収集が必要なものが▲、作業の必要性が低いものが○と記載してございます。

 これらの評価物質について、関連情報の収集が必要とされたものを中心に御説明させていただきます。

 まず環境3のジエタノールアミンでございます。こちらは総合的な判定は経口曝露で▲となってございます。ラットの貧血、腎症や尿細管の鉱質沈着などが見られ、公共用水域の淡水を摂取するという仮定の下でMOEが97となり、▲(更なる関連情報の収集が必要)となりました。

 続いて、環境5のテトラヒドロメチル無水フタル酸でございます。こちらは総合的な判定が吸入曝露で▲となっております。ヒトで鼻炎、息切れなどが見られ、一般環境大気中の濃度のデータはなかったのですが、PRTRデータを用いたモデル計算の結果も考慮すると、排出源の近傍でMOEが100を下回る地点が出てくる可能性があるということで、総合的な判定が▲(更なる関連情報の収集が必要)となりました。

 続いて、環境6の2-ナフチルアミンでございます。こちらは総合的な判定が経口曝露で▲となってございます。サルの膀胱腫瘍が見られ、限られた地域の飲料水データ、過去の公共用水域淡水等のデータと合わせて、がんの過剰発生率が7.2×10-6未満となってございます。▲と○の境目は過剰発生率10-6になるのですが、7.2×10-6未満だとどちらの可能性もあることから、▲(更なる関連情報の収集が必要)となってございます。

 続いて、8ページの環境10の無水マレイン酸でございます。こちらは総合的な判定が吸入曝露で▲となっております。ラットの鼻部粘膜上皮の過形成が見られ、一般環境大気中の濃度は得られていないのですが、PRTRデータを用いたモデル計算の結果も考慮すると、排出源の近傍でMOEが100を下回る地点が出てくる可能性があるということで、総合的な判定が▲(更なる関連情報の収集が必要)となりました。健康リスクについては以上でございます。

 続いて、9ページから生態リスの初期評価を行った15物質の結果一覧がございます。生態リスクについては、■(詳細な評価を行う候補)とされた物質が1物質ございまして、▲(更なる関連情報の収集が必要)が8物質ございました。多くございますので、代表的なものを用いてかいつまんで御説明させていただきます。

 まず、9ページの表の見方ですが、左から順に、物質名、有害性評価に用いた試験結果に係る生物種、急性/慢性、エンドポイント、アセスメント係数、予測無影響濃度(PNEC)、予測環境中濃度(PEC)、PEC/PNEC比、そして総合的な判定となってございます。

 まず、詳細な評価を行う候補とされた物質として、生態2のエストロンでございます。この物質は卵胞ホルモン(エストロゲン)の一種であり、主に医薬品として用いられているということでございます。メダカの試験結果、公共用水域の淡水における実測濃度から、PEC/PNEC比が1.6になり、1を超えておりますので、■(詳細な評価を行う候補)となってございます。

 続いて、関連情報の収集が必要とされた物質でございますけども、環境中の実測データを用いて評価されたものが5物質あったのですが、時間の都合上、これらの御説明は割愛させていただきます。

 環境8の2-フェニルフェノールを御覧ください。こちらはPNECは算出されておりますが、PECを設定できる環境中の実測データが得られなかったため、PEC/PNEC比は算出できなかったのですが、参考値として、過去の実測データやPRTRデータを用いて推定した河川中濃度をPECの代わりに用いると、PEC/PNEC比が0.1以上となる地点が出てくる可能性があるということで、総合的な判定が▲(更なる関連情報の収集が必要)とされてございます。

 同様に、PECを設定できる環境中の実測データが得られなかったため、参考値を用いて総合的な判定を行ったところ▲になったものがもう一つございまして、環境6の2-ナフチルアミンでございます。

 次に、環境11の2-メトキシ-5-メチルアニリンを御覧ください。

 こちらは有害性評価やPECの欄に(―)が記載されており、毒性値に関し、PNECの算出に使える試験データに関する文献が見つからなかったということでございます。先ほど申し上げましたように、この物質について、「生態毒性QSAR活用ワーキンググループ」において、毒性の程度についてQSAR予測値等を用いて考察を行っていただきました。その結果を踏まえての総合的な判断としては、必ずしもリスクが低いとは言い切れないということになり、総合的な判定は▲(更なる関連情報の収集が必要)となりました。

 次の10ページは、再評価物質の新旧の結果の案になり、今回再評価を行った物質は1物質ございます。表の見方は、左から前回の評価結果ということで、有害性評価、アセスメント係数、PEC/PNEC比、総合的な判定がございまして、右側に今回の評価結果、それから変更の概要が記載されております。

 表にございますo-アニシジンにつきましては、第2次取りまとめで生態リスク評価のみ行われておりますが、今回この物質について健康リスク評価を行うことになったため、併せて生態リスク評価についても改めて評価を行ったということになります。総合的な判定の結果は○(さらなる作業の必要性は低い)のまま変わらずということでございます。

 生態リスク評価につきましては以上でございます。

 恐縮でございますけども、同じ資料3-2の5ページに戻っていただければと思います。この結果を踏まえての今後の対応について、簡単に御説明させていただきます。

 4.今後の対応についてでございます。

 (1)の結果の公表につきましては、今後、インターネット上でグレー本として公表予定ということでございます。

 (2)につきましては、「詳細な評価を行う候補」とされた物質、今回1物質ございましたけども、関係部局等に評価結果の情報提供を行って、連携を図って取組への活用を求めるということになろうかと思います。

 (3)でございますが、今回も再評価の物質がございましたけども、今後も必要に応じて再評価を行うスキームで続けてまいりたいと思います。

 6ページになりますが、(4)の今後の課題・評価対象物質でございます。今後も様々な新しい知見なども踏まえ、必要に応じてガイドラインの見直し、それからQSARの活用や、候補物質の絞り込み方法の改良等を課題として挙げているところでございます。御説明は以上でございます。

○櫻井委員長 どうもありがとうございました。先ほどと同様、取りまとめに当たっては専門家から構成される分科会などで別途御議論いただいたとのことですので、本委員会において審議に入る前に、それぞれの分科会などで座長を務められた中杉参考人、楠井委員、青木委員から補足説明をお願いしたいと思います。時間も押しておりますので、やや簡潔にポイントをよろしくお願いいたします。まず、曝露評価分科会の座長を務められた中杉参考人よりご発言をお願いできますでしょうか。

○中杉参考人 中杉です。3点だけ申し上げます。一つは、先ほど環境省からも御説明がありました酸無水物が2つございます。酸無水物について、水経由の曝露の方は、完全に分解して酸無水物ではなくなっているだろうということで曝露評価をしておりません。大気経由の曝露については、大気の測定データがなかったのですが、PRTRの排出データがございましたので、大気中では一部分解はするかもしれないけれども完全に分解するほどのことはないだろうということで、少し安全側に見るということも含めて、PRTR排出データを基にモデルを用いて推計し、曝露評価に用いております。

 それから2つ目が、これは7番と8番の物質ですが、これらは食品添加物として使われている物質でございまして、食品のデータがございます。マーケットバスケット調査で食品添加物の残留状況を見るということで、そのデータがいずれも不検出なのですが、検出下限が非常に高い数字であり、そのまま使うと完全に安全ではないということになってしまいます。環境リスク初期評価は環境経由の曝露を評価しており、食品添加物の影響を見ている訳ではないということで、食品添加物の残留を見るための調査の結果を採用してしまうと過大すぎる評価になるだろうということで、採用しないことにしました。

 それからもう1つ、前回からの課題としてあるのが、これまで国の調査結果を中心に曝露評価に用いてきていたところ、文献調査の結果も同様に使っていこうということでございます。その方法について1年間かけて検討してきているのですがまだ確定できていないため、今回は前回と同じような形でやりました。7番の4-ヒドロキシ安息香酸プロピルについて、文献調査の結果を使って総合的な判定としての曝露評価を行ってございます。以上でございます。

○櫻井委員長 ありがとうございました。続きまして、生態リスク評価分科会の座長を務められた楠井委員より御発言をお願いいたします。

○楠井委員 楠井でございます。生態リスクの分科会は4回開催いたしました。3点ほど申し上げたいと思います。

 1点目は、先ほどの環境省からの説明にもありましたが、QSARの活用ということです。今回、2-メトキシ-5-メチルアニリンを対象について、利用できる毒性値がない中でワーキンググループで検討していただきました。QSARに関しても魚の急性毒性のデータしか得られず、藻類、甲殻類については得られなかったため、今回はさらにQSARクラスを構成する参照物質の毒性値も活用した検討を行いました。

 その結果、特に甲殻類の慢性毒性が強いことが分かりましたが、その中でも、この物質と構造が類似するものでは毒性値が大きく(毒性が弱く)、構造類似性が比較的低いアニリンや2-ナフチルアミン等では毒性が強いということになりました。ただし、構造類似性が低いものを別クラスとして扱うことができるだけの根拠がまだ十分にないということで、これらも含めた幾何平均値を採用してPEC/PNEC比を求めた結果は0.1未満にはなったのですが、総合的に見てPEC/PNEC比が0.1以上となる可能性が十分に低いと判断することは難しいのではないかということで、総合的な判定としては▲(更なる関連情報の収集が必要)となったということでございます。

 2点目は酸無水物です。これは先ほど何度も話が出ておりますが、それに加えて、被験物質として酸無水物を使ったという報告はありました。しかしながら、加水分解が非常に速く、数十秒あるいは分単位で半分以上なくなってしまうため、毒性値として採用できないということで、生態リスクについては判定しないという結果になりました。

 3点目は今回唯一■(詳細な評価を行う候補)となったエストロンです。試験法は内分泌かく乱作用を見るためのものもあるのですが、初期評価におけるエンドポイントとしては産卵数、受精率といった成長、繁殖に関わる指標で評価しております。ビテロジェニンの発現はもっと低い濃度で見られるのですが、従来の成長、繁殖という指標で判断した結果ということです。以上でございます。

○櫻井委員長 ありがとうございました。続きまして、健康リスク評価分科会の座長を務められた青木委員から御発言をお願いいたします。

○青木委員 健康リスク分科会の座長を務めさせていただいております青木でございます。本年度、先ほど御担当から御説明ありましたように、11物質について3回の分科会を開催し、議論させていただきました。その結果、資料3-2の4ページにサマリーがございますが、11物質のうち4物質について更なる関連情報の収集が必要な物質として挙げさせていただきました。

 これらの物質のうち、吸入曝露の2物質はともに酸無水物でございまして、中杉委員からも御説明がありましたとおり、曝露情報については実測値ではなくPRTRデータからの推定値を用いてございます。そういう意味で安全側の評価をさせていただいております。

 経口曝露に関しては、ジエタノールアミンがございますが、これは従来から行われております無毒性量と、予測された曝露量の比、つまりMOEの値を基に、▲(更なる関連情報の収集が必要)と判定させていただきました。

 それから、2-ナフチルアミンに関しては、曝露情報が限られているということも踏まえ、▲(更なる関連情報の収集が必要)と判定させていただきました。

 全体としては、資料3-2の7ページ以降の添付資料にありますように、従来はMOEを算出して評価を行ってまいりましたが、より広範な情報収集を行って曝露評価を行うということで、PRTR情報等からの曝露量の推計を行いそれに基づいたリスク評価を行う、いわゆる総合的な判定も行う物質も増えてまいりました。今後様々な物質についてリスク評価を行っていく上で重要な方法だと思いますが、更なる情報収集が必要とされるものに関しては、曝露に関する情報収集が必要と考えられるものが多く、評価文書案ではそのような点を個別に指摘させていただいております。以上でございます。

○櫻井委員長 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明等を踏まえまして、御質問、コメント等がありましたら、どうぞ御発言ください。

○小山委員 小山です。私が関わっている生態リスク初期評価において、詳細な評価を行うべき物質がこれまでにも幾つか指摘されております。これについて、先ほどの事務局からの説明では関係部局との連携によって対応するということですが、これまでに詳細な評価を行う候補とされた物質について関係部局と連携した結果こうなったという例はございますでしょうか。

○鈴木環境リスク評価室長補佐 事務局からお答えいたします。詳細な評価を行う候補とされた物質にについては関係部局に共有しておりますが、これまでの一例としては、ノニルフェノールが水生生物の保全に係る水質環境基準に追加されるかなり前に、この初期評価において詳細な評価を行う候補との結果をいただいて水環境課にも共有しており、基準策定に向けた流れにおいて役立ったものと認識してございます。関係部局においても詳細な評価を実際に行うとなると一つの物質で何年もかかりますので、その先はなかなかスムーズにはいかないところはございますが、引き続き連携してやってまいりたいと思ってございます。

○小山委員 ありがとうございました。

○櫻井委員長 そのほか、何かございますでしょうか。

○鈴木委員 鈴木です。一般的なコメントでありますけども、今回、有害性評価、曝露評価とも予測的な方法が積極的に使われてきていることは、環境リスク初期評価の目的、必要性からすると、適切、必要な流れだと感じております。

 一方で、段階的なリスク評価というような言い方もありましたが、同じモデル、手法であっても、目的によって評価、意義というのは変わってくると思いますので、そのような点をそれぞれ異なる施策の間でしっかり活用していくためにも、この予測的な方法を初期リスク評価においてどのように活用するかということを順次明確にできるよう御検討いただければと思っております。以上です。

○櫻井委員長 ありがとうございます。今後の課題として承ります。その他ございませんでしょうか。

(なし)

○櫻井委員長 特にないようでございますので、それでは、今回、提出されております化学物質の環境リスク初期評価第19次取りまとめにつきましては、この資料をそのまま公表するということでよろしいでしょうか。

(異議なし)

○櫻井委員長 御異議ないようですので、そのようにさせていただきます。ありがとうございました。それでは、議題のその他といたしまして、参考資料1について事務局から説明をお願いいたします。

○飯野環境安全課保健専門官 環境安全課の飯野です。お手元に参考資料1を御用意ください。こちらはPOPs条約に基づく国内実施計画の改定に関する御報告でございます。国内実施計画というのは、POPs条約において締約国に求められている義務の一つでございまして、締約国は国内実施計画を策定し、定期的に更新するとともに、締約国会議に提出するということとされております。

 我が国においては、定期的に4年ごとで改定をしておりまして、前回改定は平成28年のものでございます。その間にPOPs条約において新たに新規の物質が追加されているということもございましたので、それに対する国内の条約の履行の状況等についてまとめたものが国内実施計画になります。

 こちらについては我が国の国内法令における規制については、主に化審法が該当するのですが、そのほか農薬取締法等もございますので、関係各所協力の下、国内実施計画の改定作業を進めてまいりました。その内容については、11月の関係府省庁連絡会において確定いたしまして、その内容については環境省のウェブサイトでも公表させていただいているところでございます。また、条約事務局にはこれを英訳したものを12月1日付で登録させていただいたところでございます。御報告は以上です。

○櫻井委員長 はい。ただいまの参考資料の説明は、この専門委員会に関連する内容についての最近の動きの紹介ということでございますので、これは報告を受けたということでよろしいでしょうか。特に御質問等なければ、そのようにさせていただきます。

(なし)

○櫻井委員長 それでは、特にないようですので、以上で予定していた議題は終了になります。事務局より連絡事項がありましたら、どうぞお願いいたします。

○山本環境リスク評価室長 事務局でございます。本日は長時間にわたり、誠にありがとうございました。本日御報告いたしました黒本調査と環境リスク初期評価の二つの議題につきましては、近日中に結果の概要を公表する予定としております。また、令和元年度化学物質環境実態調査結果報告書、いわゆる黒本調査及び第19次環境リスク初期評価結果、いわゆるグレー本の本体につきましては、会議の中での御意見・御指摘を踏まえ、今後さらに内容を精査した後、年度内を目処に公表することを考えておりますので、併せて御理解賜りますようお願いいたします。

 また、次回の委員会については、来年度の同じくらいの時期に開催を予定しております。時期が近づきましたら、必要な御連絡、調整等をさせていただくことになろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。

○櫻井委員長 では、以上で第26回化学物質評価専門委員会を閉会いたします。どうもありがとうございました。

午前11時51分 閉会

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