中央環境審議会環境保健部会 化学物質評価専門委員会(第24回)議事録

1.日時

平成30年12月19日(水)15:00~17:00

2.議事

午後2時59分 開会

○山本環境リスク評価室長 それでは定刻より少し早い状況でございますけれども、冒頭から御出席予定の委員の先生方おそろいですので、ただいまから中央環境審議会環境保健部会、第24回化学物質評価専門委員会を開催させていただければと思います。
 本日の進行を担当させていただきます、環境リスク評価室長の山本と申します。本年の9月1日付で着任をしております。よろしくお願いいたします。
 また、本日は、先生方におかれましては、お忙しいところ御参集いただき誠にありがとうございました。以後、着座で失礼いたします。
 本日は、武林委員、篠原委員より御欠席との連絡を事前にいただいております。また、岡田委員より15分程度到着が遅れる見込みとの連絡を事前にいただいております。
 現時点で13名の委員が出席されております。
 また、平成26年度まで当委員会の委員でおられました中杉先生には、昨年度に引き続き、参考人として御出席をいただいております。
 それでは、開会に当たりまして、環境保健部長の梅田より一言御挨拶を申し上げます。
○梅田環境保健部長 環境保健部長の梅田でございます。
 本日は年末で大変お忙しいところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。また、先生方におかれましては、平素より環境保健行政に御理解、御協力を賜っておりますこと、この機会をおかりしまして改めて御礼を申し上げたいと思います。
 環境省におきましては、化学物質が環境を経由して人の健康や生態系に有害な影響を及ぼす可能性を環境リスクとして捉え、その科学的な評価とリスク低減のための取組を実施しているところであります。そのための事業として、本専門委員会で御助言をいただきながら、化学物質環境実態調査及び化学物質の環境リスク初期評価を実施しております。これらはいずれも長く続いている事業ではございますが、化学物質管理施策のまさに基盤的な事業と位置づけております。今後も最新の知見や技術等を反映しながら適切に実施できるよう努めてまいりたいと考えております。
 本年も、今日の、この評価専門委員会を迎えるまでに多くの先生方に御協力をいただきまして、また、さまざまな検討会などで議論が重ねられてまいりました。本日、最終的な御評価などをいただきました後に、速やかに結果の公表に進めることができればと考えております。
 先生方の忌憚のない御意見をいただくことをお願い申し上げまして、簡単でございますが、冒頭の御挨拶とさせていただきます。
 本日もどうぞよろしくお願いいたします。
○山本環境リスク評価室長 続きまして、事務局に人事異動がございましたので紹介をさせていただきます。
 7月13日付で環境安全課長に瀬川が着任しております。
○瀬川環境安全課長 瀬川と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○山本環境リスク評価室長 続きまして、本日の資料の確認と、先生方のお手元にございますタブレットの使い方につきまして、簡単に御説明をさせていただきます。
○鈴木環境リスク評価室室長補佐 (タブレットの操作方法を説明)
○山本環境リスク評価室長 よろしゅうございますでしょうか。また随時お困りのことがございましたら、近くの職員にお声がけをいただければと考えております。
 なお、本日の会議は公開となっております。
 それでは、議事に入らせていただければと思います。
 櫻井委員長、よろしくお願いいたします。
○櫻井委員長 議事進行を務めさせていただきます。
 それでは、最初の議題に入ります。
 化学物質環境実態調査の結果、進捗状況等についてということで、平成29年度の化学物質環境実態調査、いわゆる黒本調査の、29年度の結果と30年度調査の進捗状況等についての御報告ということでございます。
 資料2-1から2-5に基づきまして、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○藤井環境安全課専門官 それでは、御説明いたします。環境安全課でございます。
 それでは、資料2の各資料に沿いまして、化学物質環境実態調査について御説明をさせていただきます。
 お手元のタブレット、資料2-1をご覧ください。平成29年度の調査結果の概要の資料となっております。化学物質環境実態調査では、試料の採取、分析を行った翌年度の1年間で結果の精査、解析等を行っております。このため今回は、平成29年度の調査結果について、今年度の精査等を行った結果を御報告いたします。
 調査物質の構造式、調査地点等の情報を含めた「平成30年度版化学物質と環境」、いわゆる黒本の案は資料2-2になりますが、400ページを超える大部となっておりますので、概要について取りまとめた、この資料2-1を使って御説明いたします。
 まず、1ページの1.経緯の部分をご覧ください。本調査は、昭和49年度に化審法制定時の附帯決議を踏まえまして、一般環境中における化学物質の残留状況の把握を目的として開始されておりまして、これまで40年を超えて行われてきた調査となっております。
 2段落目、中ほど以降にありますとおり、平成14年度以降、現在では、環境省内の化学物質関連施策を所管する部署から要望があった物質を中心に調査を進めております。
 次に、2のところに、調査の進め方について記載をしております。
 まず、(1)の調査対象物質になります。平成29年度の調査対象物質は、一昨年、平成28年度の本委員会を経て選ばれたものとなっております。
 (2)の調査内容ですが、本調査はそれぞれの目的に沿って、平成18年度より初期環境調査、詳細環境調査、モニタリング調査の三本立てで実施をしております。
 まず、アの初期環境調査でございますが、本調査は一般環境中で高濃度が予測される地域で調査を行い、主に化管法の指定化学物質の指定やその他、化学物質による環境リスクに係る施策についての基礎資料とすることを目的としております。
 次の2ページ冒頭の内容になりますけれども、平成29年度は15物質の調査を行いました。
 イの詳細環境調査についてですが、こちらは主に化審法の優先評価化学物質のリスク評価を行うことを目的に、一般環境中における曝露状況を検討する調査となっておりまして、平成29年度には10物質の調査を行っております。
 ウのモニタリング調査につきましては、化審法の特定化学物質、ストックホルム条約の対象物質、また、その候補物質を対象といたしまして、一般環境中における残留状況の経年変化を把握するために実施をいたしております。平成29年度はストックホルム条約の対象物質に当たる13物質群と、ストックホルム条約対象物質への追加を検討中のペルフルオロオクタン酸を加えた計14物質群について調査を行っております。
 次に、大きな項目の3として調査結果の概要を記載しております。こちらは5ページ以降に別表として物質ごとの検出状況をまとめた表を添付しておりますので、そちらで御説明をさせていただきます。
 まず、5ページの別表1をご覧ください。初期環境調査における検出状況になります。
 今回御報告いたします平成29年度の調査結果は、各物質左から4列目、実施年度の欄より右の列を太字にしております。なお、表には今回の結果とあわせて、過去に調査の実績のある物質は、その調査当時の結果も併記いたしております。
 引き続き、別表1をご覧ください。個々の調査物質の名称の後ろに※をつけているものにつきましては、PRTRによる届出排出量等の情報を考慮して選定された物質が含まれていることを示しております。
 まず、調査番号8のナフトール類など、一斉分析法を用いて測定したものがございまして、これらは分析法ごとにまとめて、物質群として記載をしております。
 今回の調査の結果、環境中から検出された物質と媒体につきまして上から見ていきますと、まず、調査番号5、N,N-ジシクロヘキシルアミンの水質、それから調査番号7、ジメチルジスルフィドの水質、以下8番、ナフトール類の2物質の水質、12番、ピリジンの水質、13番、フルオランテンの底質、14番、3-メチルピリジンの水質、15番、りん酸化合物3物質の水質、計7物質群となっております。
 この中から、特に大きく2つほど御説明をさせていただきます。
 初期環境調査、調査番号の9番、1-ニトロピレンの大気をご覧ください。前回の平成2年は15地点中14地点で検出されておりますけれども、今回、平成29年度は13地点いずれも検出されておりません。これは検出下限値が平成2年に比べて上昇していることが考えられます。平成2年の調査では、環境中での存在状況の把握を目的に、ほとんどの地点で検出が可能となる高感度な分析法を使用いたしましたけれども、現在は、当時の分析法で用いた検出器が調査で使用されることがほとんどなくなりまして、また、今の調査に必要な精度管理のデータも取得されておりませんでしたので、調査実施のために新たに分析法を開発する必要が出てきたところです。今回の調査に向けて、分析法開発ではハザード情報をもとに設定した検出下限値を満足すること、また、多くの地方公共団体が使用できる汎用性の高い分析法の開発に留意して開発を行いましたところ、必要となる検出下限値よりも厳しい感度まで検出でき、化学物質関連施策における検討のために十分なデータとなっておりますので申し添えさせていただきます。
 次に、12番のピリジンをご覧ください。今回の水質の調査では21地点中12地点で検出されておりますが、平成10年の検出頻度では11地点中2地点ですので、今回、検出頻度が増加しております。これは、一番右側の欄の検出下限値の欄をご覧いただきますと、平成10年が100ng/Lであるのに対して、今回は19ng/Lと感度が鋭くなったことによるものです。一方で、検出下限値の最大値は、平成10年は410ng/Lであるのに対して、平成29年度は2,300ng/Lまで増加をしております。実際には、調査した地点の1地点でのみ2,300ng/Lという濃度を示しており、ほかの地点では、高いものでも2桁という濃度でしたので、当該1地点の結果によって検出範囲が広がっているという結果となっております。
 なお、14番の3-メチルピリジンも、今の12番のピリジンと同様に、検出頻度が過去の調査に比べて増加しておりますけれども、こちらは、より小さい検出下限値まで測定できることになったことにより検出頻度が上昇した典型的な例であると言えると考えております。
 以上が初期環境調査の結果となります。
 次に、詳細環境調査の結果ですが、同じく資料2-1の6ページ、別表2をご覧ください。
 今回は10物質群について調査を行っております。今回の調査の結果、環境中から検出された物質と媒体を順に見ていきますと、調査番号1、長い物質ですけれども、別名ポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテルの水質、以下、調査番号2のエチレンジアミン四酢酸の水質、3番のデシルアルコールの水質及び底質、4番、トリフェニルホウ素及びその化合物の水質、5番、トリメチルベンゼンの水質、7番、ナフタレンの水質及び底質、8番、ニトリロ三酢酸及びその塩類の水質、9番、ニトロベンゼンの大気、10番、メタクリル酸の大気、計9物質群となっております。この中で特に2つほど御説明をさせていただきます。
 まず、6ページの一番最初、調査番号1のα-アルキルで始まる物質をご覧ください。非常に長い名称となっておりますけれども、本物質につきましては、1行目の最後にありますとおり、アルキル基の炭素数が9から15まで、つまり炭素数で全部で7通り、それから2行目にありますとおり、オキシエチレンの重合度で1から15まで15通り、計7×15で105物質の同時分析を行っております。ただ、定量を行うために必要となる濃度既知の試薬が炭素数が12のものでしか入手できなかったため、定量が行われた炭素数12のドデシルエーテル類のみ結果概要には記載を行っております。
 なお、その他の炭素数の結果につきましては、炭素数12のものの定量結果をそのまま適用することにより、測定値を類推した参考値として、資料2-2の黒本の中に結果を記載しておりますことをあわせてお知らせいたします。
 次に、6ページ、下から4つ目、7番のナフタレンをご覧ください。昭和51年度には不検出でしたが、平成29年度には水質、底質いずれも検出されております。これは検出下限値を比較していただきますと、水質・底質ともに大きく検出感度がよくなっていることが理由の1つとなります。特に底質につきましては、全地点で検出され、昭和51年度の検出下限値10ng/g-dryよりも高い2,400ng/g-dryという濃度で検出されているところがあります。これは昭和51年当時の調査地点5地点が限定された地域で、全国調査を行ったのが今回初めてであることによるところがあると考えられます。
 なお、前回の調査地点と同一の地点はありませんので、増減傾向については資料2-2の黒本案の中でも記載をしておりません。
 詳細環境調査の結果は以上となります。
 続きまして、同じく資料2-1の7ページからになります。
 モニタリング調査の結果について御説明をさせていただきます。モニタリング調査につきましては、ストックホルム条約の対象物質で、国内では化審法の第一種特定化学物質で、製造・輸入等を原則禁止されているものを対象としておりまして、一般的な環境で地域代表性のある地点を選定して残留状況の経年変化、言い換えますと、増加・減少傾向を把握することが中心となりますが、7ページから8ページには、別表3-1として水質・底質、また、9ページから10ページには別表3-2として生物・大気についての検出範囲、頻度と地点の幾何平均値について示しております。
 表の一番左側に調査物質番号がございますが、この調査物質番号はストックホルム条約の対象物質ごとに固定しておりまして、平成29年度に調査を行っていない物質は表に記載しておりませんので、番号が一部飛んでいることになります。
 また、初期・詳細環境調査はナノグラムオーダーで結果を記載しておりましたが、モニタリング調査では、各媒体とも、さらに1,000分の1のピコグラムオーダーとなっておりまして、対象物質が試料に含まれる場合には、可能な限り定量できるように調査を実施しております。
 次に、11ページ、別表3-3をご覧ください。モニタリング調査の主な目的となります経年変化の解析のうち、水質に関する結果を記載しております。モニタリング調査を実施したもののうち、数年間のモニタリングデータが蓄積された物質を対象に統計解析を実施しております。これまでは、物質調査番号11のヘキサクロロシクロヘキサンまでを対象としておりましたが、昨年から、水質の場合、14番、17番といった12番以降の物質につきましても解析の対象にできるものは加えております。あくまでも環境濃度の比較でありまして、環境リスクの大小とは直接結びつかないことは御了承いただけますと幸いですが、この水質のデータの特徴としては、全体として見ると、矢印または階段状の記号が右下がり、つまり濃度としては横ばい、もしくは漸減傾向にあるという解析結果となっております。
 次いで、12ページをご覧ください。表3-4として、底質の解析結果を記載しております。
 また、13ページに表3-5として、生物及び大気の経年変化の結果となっております。
 いずれの媒体も、解析の結果、横ばい、もしくは右下がりの漸減傾向にあるという結果になっております。
 なお、比較的最近にモニタリングを開始しております物質につきましては、現段階では経年変化の解析の対象とはしておりませんが、調査結果が蓄積しましたら統計解析の対象として加えることになるかとは思います。
 資料2-1はこれで最後になりますけれども、14ページ、15ページをご覧ください。本物質の結果につきましては、調査結果の精査、そして解析など、こちらに記載しております各種の検討会にて専門家の先生方に事前に検討を行っていただき、資料2-2の黒本案として取りまとめをいたしております。
 続きまして、資料2-2をご覧ください。
 400ページ超の内容となっておりますけれども、「平成30年度版化学物質と環境」、いわゆる黒本として公表を行います現段階の案となります。本年度の黒本では、平成29年度の調査結果について公表することを予定しておりますが、実際に製本する際には、こちらに調査結果の概要や、これまでに調査を行った化学物質の調査結果一覧なども加えますので、これより若干ページ数が増えることになります。
 概要につきましては、資料2-1を使用して御説明させていただきましたので、この資料では特に増減傾向について記述した2物質について御説明をさせていただきます。
 資料2-2の60ページをご覧ください。お手元のタブレットでは画面上のほうにファイルの保存位置が記載されていると思いますが、そのすぐ下の資料内の画像部分をタップしてツールバーを表示していただきまして、ページ番号に60と入力していただけるとスムーズにご覧いただけるのではないかというふうに思います。
 初期調査、12番目のピリジンの結果となります。一般に、過去に調査を行ったことがある物質のうち、今回の調査と同一地点で調査した結果があり、同一の増減の傾向が見られるものについて、この資料2-2、黒本案の本文でその比較に関する記載を加えるようにしております。
 60ページ下の表が、61ページ最初のほうまで続いておりまして、過年度に同一地点で調査されていた地点、6地点の結果が記載されております。このうち②の荒川河口は、平成10年度の測定値の最大値が310ng/Lであるのに対し、平成29年度は43ng/Lまで約10分の1に低下しております。また、③の隅田川河口につきましても同様に、10分の1程度に濃度が低下しております。
 このことをもって、60ページ本文中、下から4行目の後半から、6地点中2地点で減少傾向が示唆される旨を記載しております。
 次に、64ページをご覧ください。14番の3-メチルピリジンの結果となります。こちらも64ページ下から65ページにかけて、同一地点における過去の調査結果の比較がなされており、先ほどのピリジンと同様に、③の荒川河口、それから、④の隅田川河口の濃度が、前回の平成6年の結果に比べ、いずれも今回の濃度は数十分の1に低下しております。
 この結果をもって、64ページ中ほど、「現在までに得られた調査結果から」で始まる段落の2行目後半から4行目初めにかけて、13地点中2地点において減少傾向が示唆される旨、記載させていただいております。
 今年度は初期、この後の詳細環境調査を通し、増減について触れたのは、これまで御説明させていただいた、この2物質のみとなっております。今年度公表の平成29年度化学物質環境実態調査に関する御説明はここまでとなります。
 続きまして、資料2-3をご覧ください。こちらは本年度、平成30年度の調査の進捗状況についてまとめたものになります。
 まず、1ページの1、調査内容にありますとおり、本年度も初期・詳細・モニタリングと3つの体系の調査を実施しております。
 1ページの下の2、精度管理についてですが、初期・詳細環境調査につきましては、本年度も一部の地方環境研究所に分析の御協力をいただいておりまして、複数の分析機関が同一物質の分析を行っておりますので、分析機関ごとに条件が若干変わってしまう可能性がありまして、結果に差異やばらつきが生じるおそれがあります。それを事前に把握して対策を行うため、実際の分析を行う前に共通の標準物質などを配布して、ラウンドロビンテストを実施し、精度管理の担保を行っています。
 また、モニタリング調査につきましては、分析機関が年度ごとに変わる可能性がありますので、調査の継続性を担保するために、国立環境研究所を初めとした有識者の方々に御協力をいただきまして、分析機関への視察を行い、実施状況が適切であることの確認に努めております。
 今年度調査をしている物質、媒体は2ページ以降に記載をしております。
 まず、2ページから3ページの表1をご覧ください。初期環境調査は◎で示しております、初めて調査をする物質を中心に、昨年度よりやや多い19物質群を対象としております。
 次に、3ページ中ほどからの表2をご覧ください。詳細環境調査は10物質群について調査を実施しております。こちらも◎で示した昨年度に分析法の開発が完了し、初めて調査をする物質が中心となっています。
 次に、4ページの表3にまいります。モニタリング調査の対象物質ですが、今年度はストックホルム条約の対象物質及びその候補物質から20物質群の調査を実施しております。
 12番のペルフルオロヘキサンスルホン酸は、ストックホルム条約の追加について検討されている物質として、今年度、水質・底質について初めて調査を実施いたしております。
 これらの調査結果につきましては、来年度の本委員会で御報告させていただく予定としております。
 続きまして、資料2-4をご覧ください。来年度、平成31年度の化学物質環境実態調査の実施方針(案)について御説明をいたします。
 冒頭、1ページの3段落目にありますとおり、来年度の調査も今年度同様、初期・詳細・モニタリングの3体系で実施いたします。いずれも平成21年度に開催された化学物質実態調査のあり方に関する検討会の検討結果に沿って調査物質、媒体等を選定して調査を実施する予定です。
 このうち、さらに初期・詳細環境調査について、次のページから調査に向けた現在の準備状況と今後の方針をお示ししております。
 2ページから4ページまで、別添1として、現在、分析法開発を行っております31物質群を記載しております。これらのうち、本年度中に分析法が確立したものを対象に来年度の調査の実施を考えております。
 次に、5ページをご覧ください。別添2として、9物質群を記載しております。表に記載しております物質と媒体の組み合わせは、省内関係部署から調査要望のありましたもののうち、既存の分析法があることから、来年度の調査の着手が可能なものとなります。
 なお、過去に調査を実施しておりまして、再度調査が必要なものや、ほかの媒体との同時調査の希望がありまして、その分析法の開発を待って調査の開始をするもの等も、この中に含まれております。
 続きまして、6ページの別添3に参ります。調査要望があった物質のうち今後、分析法の開発が必要な物質・媒体、22物質群についてまとめております。これらは分析法開発の可能性など、専門家の意見をいただきながら絞り込んだものになります。今後、このリストをもとに地方環境研究所などと調整を行いまして、調整がついたものについて来年度に分析法開発をすることを予定しております。
 以上、差し支えございませんでしたら、この実施方針(案)で進めさせていただきたいと考えております。
 続きまして、資料2-5をご覧ください。
 こちらは昨年の本委員会で御確認いただきました、平成28年度の調査結果の活用状況について取りまとめたものになります。
 次の2ページから4ページまでの別表1が初期環境調査になります。全部で15物質群となっておりまして、表の見方としては、右から2番目の列に要望部署と要望理由、それから、一番右側の列に調査結果の活用状況を記載しております。
 次に、5ページから9ページまでの別表2が詳細環境調査の活用状況になります。詳細の御説明は割愛させていただきますけれども、いずれも関係部署において調査結果を活用させていただいていると考えております。
 大変長くなりましたけれども、ここまでが資料2の化学物質環境実態調査に関する説明となります。
 以上でございます。
○櫻井委員長 ありがとうございました。
 結果の取りまとめに当たっては、専門家から構成される検討会議で別途精査、解析等をしていただいたということでございますが、本委員会において評価等に入る前に、それぞれの実務者会議で座長を務められた白石委員、柴田委員、中杉参考人より補足説明などございましたら、一言ずつ御発言をお願いしたいと思います。
 まず、化学物質環境実態調査結果精査等検討会及びモニタリング調査の結果に関する解析検討会の座長を務められた白石委員より御発言をお願いできますでしょうか。
○白石委員 では、経緯を御説明します。
 精査等検討会は、これまでと同様、年3回、一日ずつかけて精査いたしました。精査の方法は、基本的にこの調査は、分析法開発でできた白本をもとに分析をするということになっておりますので、その分析法に載っているか、それが要求する要件を満たしているかどうかについて、まずチェックを加えました。
 あと、サンプリング等に関しましては、分析法にも書いてあるのですが、そのほかに調査実施の手引きというものがございまして、それに準拠しているかどうかということで、サンプリングの保存期間等についてもチェックを入れたということで、サンプルの保存期間に関しましては、大分少なくなってきたのですが、今年も数例、サンプルの保存に不備がある、あるいは処理の過程で長時間要してそのままであったようなものが多少見受けられまして、それにつきましては欠測という処置をとっております。その後、個々の報告書を見まして、そのクロマトグラムが妨害を受けているかどうか、ディテンションタイム、あるいはその他の同定が適切であるかどうかについてチェックを加えました。
 分析はいわゆる白本に準拠してやることになっているのですが、個々の測定機関で若干改良することがございまして、次に述べますけども、ある物質につきましては、非常に物質数が多かったのですが、若干の改良を加えて感度は上がったのですが妨害がちょっと多かったということで、若干苦労して3回の検討会以降も引き続き検討して、ようやくデータとして成り立ったということでございます。
 資料2-2の17ページをご覧いただくと、そのようなクロマトグラムの精査の結果、検出データであるか検出下限値以下であるか、あるいは妨害を受けているものは不定定量値として、それ以下であるかというようなデータが出てきます。そういったデータを決定したということです。それを、全体を見まして、不定定量値を統一検出下限値にするのか、あるいは、ある機関の検出下限値を統一下限値にするのかとか、なるべく測定データ、検出されたというデータを生かすという形で統一下限値を決定させていただきました。
 そうした結果がここに出ている数値でございます。例えば、104ページに、α-アルキル-ω-ヒドロキシポリ(オキシエチレン)、アルキル基が云々というものがございます。これは白本の分析法があり、地方の環境研はその分析法でやっていただけたのですが、民間の測定機関の方が少し改良を加えて感度は上がったのですが、妨害が非常に多かったということでございます。ですので、例えばここに出ている資料の測定値は問題ないのですが、個別の資料では、それぞれのポリ(オキシエチレン)のオキシエチレンの数がいろいろあるんですけども、そのうちの一部が欠測であるというようなものも含まれておるということです。ポリ(オキシエチレン)=ドデシルエーテルの部分ですね。
 参考値となったものは、これは、もともと白本のほうでも分析法が完全にはできていなかったというのは、実は標準物質が存在していない工業製品ということで、それを検定して、ある程度検定して、正確に検定できないものですから、定量の確度ですね、定量精度はよいと思うのですが、定量値の大きさですね、確度が、少しトレーサビリティーがないということで参考値というふうにさせていただいております。ただ、その参考値といっても、2倍、3倍変わるようなものではないと思っていますけれども、一応、トレーサビリティーが確保できないということで参考値とさせていただいているということです。
 それから、107ページ、エチレンジアミン四酢酸ですが、これは126ページのものと同時分析で、環境中では塩の状態になっており、エチレンジアミン四酢酸そのものをはかることができませんので、合計値というふうになっておりますので、ここを少し、タイトル等を変えたほうがいいかなというような気がいたしました。
 精査検討会の主立ったところはそういったところです。
 それから、モニタリング解析検討会のほうですけども、これは経年変化の解析をするということで、219ページにどのような統計解析をしたかということが示してありまして、実際に行ったことは前年度と変わりませんが、内容をより的確に表現したほうがよいのではないかという意見がございまして、このフローは、より正確な形で書かせていただきました。濃度データが出てきますが、それに対して、初めの四角で媒体別に分ける、解析期間のうち、2年度以上調査を実施していない地点のデータを除外する、それをベースにして統計解析をするということです。その中でndの地点が3分の1を超える年度が一年度もないようなものが初めの対象で、結論としては実線の矢印のような形で出てまいります。
 それから、ndが2分の1、それ以外のものに対してndの地点数が2分の1を超える地点がないかどうかということで2つに分けまして、ブートストラップ法で検定するということをやっております。
 ndがそれ以上あるようなものにつきましては、低濃度地点数の地点数が増加しているのか減っているのか、検出限界以下のものが増えているか減っているかということで解析し、この3通りで解析した結果が、次のページから続く、例えば227ページにあるような矢印として表記されております。
 全体的に減少傾向であるということで、例えば総PCBを見てみますと、半減期という言い方も、環境試料からの減衰速度みたいなもので半減ですけども、それが7年ぐらいであろうか。下の括弧の中、信頼区間ですので、そのようなものであるというようなことがわかるようになりました。この半減期と表記しているものは、3カ年以上同様の減少傾向が見られたものについては、このような表記をさせていただいているというところであります。
 2つの検討会については以上です。
○櫻井委員長 ありがとうございました。
 続いて、初期環境調査及び詳細環境調査の結果に関する解析検討会の座長を務められた中杉参考人より御発言をお願いいたします。
○中杉参考人 環境安全課のほうから詳細に御説明いただいたので、追加することはあまりないのですが、1つだけ、先ほど少し話がありました、詳細調査でピリジンの2,300ng/Lという非常に高い数字が出たことでございますけれども、これは継続調査をやっている2地点については少し下がってきている傾向があるという整理をしている中で過去最高が出たということですが、これは、結局はPRTRの結果を使って、もとの高いところをもう少し調べていこうというふうな考え方で見つけられたということなので、それは、それなりの成果が出たというふうに考えています。実際に初期リスク評価等で評価をしていくときに高いところのデータがつかまらないと、これまでの調査が無駄になってしまうということがあって、前から改良していたのですが、そういう成果が出たものだろうというふうに考えていますが、ただ、少し厄介なことに、これは水質の調査なのですが、その近くでPRTRのデータで選んだというのは、大気への排水量届出しかなかった。水質での排出届出がないところで水質濃度が高かったというミスマッチがあります。これは化管法のほうの届出が間違っているかとかという話があるのですが、そこら辺のところを少し、課題としてはありますけど、そういう形で、排出量の高い、濃度の高いと考えられるところをしっかり捉えていく必要があるということを如実に示しているのだろうと思います。
 後で、環境リスク初期評価のほうで2地点、PPCPs関連のものをはかっているところがあるのですが、その2地点が同じ場所なんですね。実際には、その地点というのは、過去に廃棄物の不法投棄があった場所で、廃棄物由来ではないかと当初は考えていたのですが、現在は下水道の処理場のごく近くということで、家庭で使って出てくるようなもの、系統のものはPRTRで必ずしも排出の届出が出てこないということになりますので、そういうものが用途としてあれば、そういうところは必ず入れるようにというふうなことを少し考えていったほうがいいのかな、その2物質が見つかったところというのは今後も有力な調査候補になるだろうと思います。そういうところで少し精度を上げていかないと、黒本調査の結果を有効に使うという意味で、少しずつよくなっていますけど、まだまだ改良していかなくてはいけない部分があるだろうと感じました。
○櫻井委員長 ありがとうございました。
 続いて、POPsモニタリング検討会の座長を務められた柴田委員からお願いいたします。
○柴田委員 それでは、御報告いたします。
 POPsモニタリング検討会のほうは、分析法分科会という専門部会を3回、それから全体の検討会を1回開いております。3回分科会を開いた最大の理由は、現在、ストックホルム条約に新しく追加された短鎖塩素化パラフィンについて、まだ分析法として世界的にも確立できているという状況ではない中で、何とか白本調査でこれまで行われてきた検討なども踏まえつつ、より信頼性の高い測定結果を出すためにどのようなことができるかということを、委員の皆様方からコメントをいただきながら分析機関と一緒に改良していくというような流れがございまして、そういったことから分科会を特に3回開いております。これについては、1つは産総研が非常に、幸いなことに、製造管理用の標準物質を大量につくっていただきまして、いわゆるラウンドロビンの測定のトライアルが昨年度実施されました。そのトライアルに分析担当機関にも参加していただきまして、データを出していただくことができましたので、分析法について、例えばGC/MSを使った方法とLC/MSを使った方法の比較がそこでかなり細かく検討できたということがございます。その辺りを、分析法分科会のほうでもデータを見ながら確認したのですが、まず、高分解能の質量分析装置を使えばGC/MSもLC/MSでも、標準物質については非常に、お互いに資する結果が出たというところが、まず第1点です。
 その上で、まだ残っている課題としては、例えばLC/MSを使った方法ですと、質量分解能が大体2万ぐらいまでは行くのですが、まだ中鎖の塩素化パラフィンからの落ち込みというものが、そこまで必要数を上げると除けるんだけれども、通常のLC/MSの分配能では排除がうまくできないというところも見えてまいりまして、現在、LC/MSの通常の測定法の中でどのような補正法を使えば、より信頼性の高いデータが出るかというところも検討を続けているということでございます。
 それから、もう一方で、GC/MSを使った方法の場合には、分解能はやはり1万を超えるような高い測定質量分解能を持っているのですが、実際に環境試料をはかってみますと、例えば生物試料のようにPCBの非常に高い濃度のものの中の短鎖塩素化パラフィンをはかろうとすると、その必要分解能が1万を超えていても、またPCBの妨害が出てしまうということがわかってまいりました。そういう辺りについては、さらに細かい検討が必要であろうということで、まず全体として、GC/MSとLC/MSを使った方法のお互いのデータの整合性がとれることは確認できたのですが、まだそれぞれに妨害の出方が違うところがあって、そこについてはさらなる検討が必要であろうということが見えてきているという状況であります。
 それから、もう一つ、今回大きな課題の1つであったのが、ヘキサクロロブタ-1,3-ジエンについて、大気中の測定結果、資料2-2の397ページの「平成27年度及び29年度における大気について」の数字を見ていただくとおわかりいただけるかと思うのですが、もともと平成27年度に測定を再試した時点で既に幾何平均値として1,100pg/m3という、これまでのPOPsの中では最も高いほうの数字を出していたのが、27年度では1,100、28年度は850であったのが、平成29年度になって4,200という形で、急に増えてきたというところがございます。まずは、その分析法自体に何か問題がなかったのかということで、データのほうは精査いたしましたけれども、基本的に問題はないということが確認できました。
 これにつきましては、もう一つ、環境省のほうで、沖縄と、それから五島列島のほうでも連続的なモニタリングをされておりまして、その結果を比べても、やはり同じような結果になっているということから、恐らく昨年度、急激に、このHCBDの濃度が上がってきているというふうに考えてよいんだろうと思います。
 ヘキサクロロブタ-1,3-ジエンにつきましては、もともとトリクレン、パークレン等の有機塩素系の溶媒をつくるときの副生成物としてできてしまって、それを昔は何とか使おうということで利用してきたけれども、最近では少なくともOECD諸国、先進国ではこういったものは全て燃焼、焼却処理されているということになっておりますけれども、どうもこういった数字の急上昇を見てみますと、どこか環境中に大量に発生された経緯、特に条約に載った前後で少し、環境中に大量に出てきたような経緯がもしかしたらあるのかもしれないというところが気になっておりました。これについては、平成30年度についても引き続きモニタリングされますので、その結果を見ながら、さらに検討が進むということを期待しています。
 以上です。
○櫻井委員長 はい、ありがとうございました。
 それでは、今まで御説明いただいた内容について、御質問、御意見等ございましたら、どうぞ御発言をお願いいたします。
 どうぞ。
○関澤委員 どうもありがとうございます。冒頭に藤井専門官からかなり詳しい御説明があったのでよく理解ができたのですが、例えば資料の2-1の5ページの別表1で、検出下限値が最近になって大きくなっているものが幾つかあるので、これがどういうわけかなと思いました。それで、御説明では、分析法の検討の結果こういうふうになっていると経緯を説明していただいたのでわかったんですが、まず検出下限値が、例えば最近になって大きくなった場合、それから、検出頻度が逆に、最近になって非常に高くなった場合についてもその理由について御説明がありましたが、この辺については、表を見ただけではなかなか、これはなぜなのかということが理解しにくいように思いました。なので、これをいろいろ活用していただく、地方公共団体などで利用する場合に、理解しやすいように、藤井専門官から御説明のあったような分析法の検討の経緯をどこかに書き加えていただくといいのではないかなと思いました。
○櫻井委員長 いかがでしょうか。
○藤井環境安全課専門官 そうですね。御意見をいただきましてありがとうございました。基本的には、そういった検出下限値と、それから検出頻度との関係につきましては、例えば、これはどうしても概略、概要の資料となりますので、なかなか詳しく書けないという事情はあるんですけれども、例えばこの資料2-1の2ページをご覧ください。2ページの一番下になります。「なお、調査結果には、過去の調査においては不検出で今回初めて検出された物質が含まれているが、これは検出下限値を下げて調査を行ったこと等によるものと考えられる」と、一般的なことについては、こういったところに記載されております。どうしても、その概要のところにそこまで詳しく書けないなという事情はありますけれども、あとは本文中にどこまで書いていくのかとか、そういったところはあるかと思いますので、資料2-2、つまり黒本のほうにどう生かしていくのか、そういったことをまた引き続き検討していきたいなというふうに考えております。
○関澤委員 はい、お願いします。
○櫻井委員長 はい。そのほか、何かございますでしょうか。
○遠山委員 白石委員の御説明に関して伺いたいと思います。資料2-2の103ページの物質の分析に際して、n=12のものだけは標準物質があると、残りはないということですね。n=12に関しては定量ができるけれども、ほかのn=12以外のものは、建前から言えば定量はできないと考えてよろしいでしょうか。もしそうだとすれば、先ほどの御説明のような形で言われる必要はないのではないかなと思いました。つまり参考値にもならないかもしれないということではないのですか。
○白石委員 いえ、標準物質はCの12の一定の仮定を置いてます。C12のものと感度が同じである、例えばC12と13はこの分析法では感度はそれほど変わらないだろうという仮定を置いています。それで、その仮定のもとで参考値と書いてあるものの含有量を出しています。
○遠山委員 標準物質そのものが、もう工業製品で、まじりものが入っているものだということですか。
○白石委員 混合物ということです。PCBも混合物で、同じような分析法になるのですけども、そこの含量がよくわからない。工業製品から入手したデータでは、そこまで成果のほうが出てないので、こちらのほうでC12の標準物質は入手できましたので、それぞれのものを標準として検定したと。まじりものを標準として使っています、だから、ほかのものについて…。
○遠山委員 n=12のものだとすると、それぞれは単品なわけですよね。それで定量するのはわかるのですが、ほかのn=12以外のものだとすると、そのGC/MSなんかで出てくる場所というのは違うわけですよね。
○白石委員 違います。
○遠山委員 で、物が違うのに定量ができるのですかね。
○白石委員 例えば、UVで定量することをお考えになるのと同じなのですが、例えばベンゼン環が同じようなベンゼン環を同じだけ持っているというのであれば、標準のものと、で、感度はほとんど変わらないだろうと。それをもって、その対象を定量すると。で、その定量したものを標準として使うと。そこの定量のところに若干の仮定が入っているので、参考値としたということです。
○遠山委員 僕はその専門じゃないので、専門家がそういうことで間違いがないというのであれば、了解いたしました。
○櫻井委員長 いかがでしょうか。ほかには特にないようで、もう一つ、どうぞ。
○遠山委員 先ほどの関澤委員の御指摘、非常に重要だと思います。要は、検出下限値をやたらと動かしていると、恣意的に、何か環境省の都合で上げたり下げたりしているのではないかとい思う人も場合によっては出てくるかもしれないので、その理由をちゃんと書いたほうがいいのではないかという趣旨です。関澤委員、そういうこと、そういう理解でよろしいですか。ちょっと言い方は悪かったかもしれません。
○関澤委員 恣意的にとは言わないまでも、なぜなのかということがはっきりすれば、読まれた方は理解しやすいと思います。
○藤井環境安全課専門官 よろしいでしょうか。少しだけ補足をさせていただきますと、この分析法開発に当たりましては、もともと化学物質関連部署、要望部署のほうから、ここまでは満たしてくださいねという要求検出下限値があります。それを満たすように基本的には開発を行っています。なので、今回出てきているもの、そういう意味では全く問題があるものではありません。
 ただ、確かに過去のものから比べるとちょっと感度が上がったりしているよね、というものもあります。それはやはり、ほかの物質、同時分析するものとの関係とか、いろんな事情もありますので、その辺も踏まえて、どういったような記載をするのかとか、その辺は、繰り返しになってしまいますけれども、書けるのがどこまでか、いろいろ考えながら検討させていただきたいと思います。
○櫻井委員長 よろしいですか。
 この概要の中には、書き方としては詳細に当たる必要もないと思いますので、黒本の中で少し書き方を工夫していただくということでよろしゅうございますか。
○瀬川環境安全課長 はい。
○櫻井委員長 ほかには。
○白石委員 ちょっと気がついたことですが、資料2-1の6ページ目の4番目のトリフェニルホウ素及びその化合物に※がついておりますけれども、「※を付した調査対象物質は、調査地点にPRTR届出排出量の多い地点の周辺を含むことを意味する。」となっておりますので、ここの※はとったほうがよろしいんじゃないかと思いますけども。
○櫻井委員長 トリフェニルホウ素及びその化合物。これはどうなのですか、考慮されていないということですか。
○白石委員 多分、把握されていないんですね。ホウ素のときは。
○中杉参考人 多分、御指摘としては、トリフェニルホウ素の、地点選択でホウ素をやっているけど、実際はかっているのはそれだけではないので、ほかの物質が入っていれば、そちらが高い可能性があるということだという御指摘だと思いますけど、確かにそのとおりかもしれません。
○藤井環境安全課専門官 調査地点の中にPRTR地点が含まれていないという御指摘かと思ったんですが、そういうことですよね。
○白石委員 はい。
○藤井環境安全課専門官 今ちょっと確認いたしました、トリフェニルホウ素及びその化合物ですけれども、一応、調査地点として、例えば具体的に申し上げますと、荒川河口ですとか川崎の京浜運河だとか、そういったところを入れている。
○白石委員 ホウ素じゃないですか。ホウ素なので、地点を選んだときにはPRTRのホウ素のデータを使って選んだと想像するのですが、この化合物自体とは直接の相関は多分ないと思いますので。
○櫻井委員長 ホウ素とトリフェニルホウ素とは直接関係がないだろうということですか。
○藤井環境安全課専門官 ちょっと確認して適切に記載をいたします。すみません、今すぐ確認をいたします。
○櫻井委員長 じゃあ、その部分だけ確認。
○藤井環境安全課専門官 はい。事実を確認します。
○櫻井委員長 では、そろそろ時間になってまいりました。特にほかになければ先へ進みたいと思いますが、この時点で何かありますか。よろしいですか。はい。
 平成29年度化学物質環境実態調査結果の概要、これは、この資料2-1をもとに近日中に公表したいということがまず1点で、それについては、今のポイントだけ1つ確認していただくということ。
 それから、平成29年度化学物質環境実態調査の報告書、平成30年度のものにつきましては、資料2-2をもとに、来年3月末を目途に公表するということで御了承いただけますでしょうか。
(異議なし)
○櫻井委員長 はい。では、そのようによろしくお願いいたします。
 次に、議題2に移りたいと思います。化学物質の環境リスク初期評価(第17次とりまとめ等)について、まず、資料3-1から3-3に基づきまして、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○鈴木環境リスク評価室室長補佐 環境リスク評価室から、資料3-1から3-3を御説明させていただきます。
 まず、資料3-1を開いていただければと思います。環境リスク評価室では、平成9年から化学物質の環境リスク初期評価に着手しております。この初期評価は、環境リスクの管理政策を念頭に置きながら、多数の化学物質の中から相対的にリスクが高い可能性があるものをスクリーニングするために行ってございます。
 具体的には、1.の冒頭にございますとおり、人の健康及び生態系に対する有害性を特定して、「有害性評価」と「曝露評価」を行い、その結果を比較することでリスクの判定をしてございます。曝露評価については、黒本調査の結果なども活用してございます。
 それから、2.にございますように、これまで健康、生態、両方で262物質、生態のみで96物質の評価を行ってございます。この結果、いわゆる「グレー本」といたしまして、環境省のホームページで公開しているところでございます。
 本日、お配りしている資料3-3の分厚いものが、そのグレー本の案となってございますけれども、今日はこの資料は適宜参照しながら使わせていただくことにいたしまして、御説明は資料3-1と3-2でさせていただきたいと思っております。
 それでは、資料3-1の2ページで今回の評価物質について御説明させていただきます。
 3の(1)でございますが、健康リスクと生態リスクの双方を対象とした評価が13物質、それから、追加的に実施した生態リスク初期評価が4物質、あわせて17物質の評価となってございます。
 これらの物質選定については、(2)にございますとおり、環境省内におきまして、水環境課、大気環境課を初めとする規制当局からの要望物質を中心といたしまして、さらに、環境モニタリングで検出された物質を加えまして、専門家の判断で選定しております。
 具体的な物質名は、3ページの表2、表3にございます。
 4ページ目は、環境リスク初期評価の検討体制となってございます。物質選定から曝露評価、毒性情報の収集を経まして、リスク評価の案を取りまとめるまで、専門家による検討委員会において検討されております。検討体制が図のとおりでございまして、まず、内山委員を座長とする企画委員会で全体を総括してございまして、中杉参考人を座長とする曝露評価分科会、それから、青木委員を座長とする健康リスク評価分科会、楠井委員を座長とする生態リスク評価分科会という体制でございます。また、発がんリスク評価ワーキンググループ、金属のリスク評価検討ワーキンググループも別途設置いたしまして、それぞれの分野について整理していただいてございます。
 続いて5ページ目以降は、過去の評価の概要というものを参考につけているものですので、説明は割愛させていただき、資料3-2をご覧いただきたいと思います。
 資料3-2の1ページ目は、先ほど資料3-1でいたしました御説明と同じような内容でございますので、2ページから御説明させていただきます。
 まず、(2)評価結果の活用でございます。環境リスク初期評価では、リスクの程度に応じて大きい順に、詳細な評価を行う候補、関連情報の収集が必要なもの、現時点ではさらなる作業の必要がないものという3段階に分類しております。
 詳細な評価を行う候補及び関連情報の収集が必要と分類されたものは、曝露源に応じて、大気環境課、水環境課、その他関連の規制当局にフィードバックし、その次の詳細評価の実施や監視強化などといった取組を促すといったことをしてございます。
 具体的な評価方法が3ページにございます。(5)評価の方法になりますけれども、健康リスク、生態リスクともに、基本的な考え方といたしましては、毒性情報に対して曝露情報を比較するということで、リスクの程度を評価しております。健康リスク評価については、MOEの評価若しくは過剰発生率、いずれも表がございますけれども、これらによる評価を行っているところでございます。
 生態リスクの評価についても同様に、予測環境中濃度のPECを予測無影響濃度のPNECで除してPEC/PNEC比で判定を行ってございます。
 その下の※ですが、情報収集の必要性に関する総合的な判定ということで、リスクの判定結果を定量的に行ったものを踏まえながら、その他PRTRのデータなどを用いながらモデル推計等も行いつつ、専門的な観点から、総合的な判定を行っております。
 それから、このページの一番下から4ページにかけてのところでございますが、初期評価に関しましては、その趣旨に鑑みまして、環境リスクが高いものを見逃してしまうことがないように、なるべく安全側に立脚した取り扱いを行ってございます。
 それから、別途検討が行われているナノ材料や内分泌かく乱作用に関しての評価は、現状では本評価の対象とはしておりません。
 続きまして、4ページの「3.環境リスク初期評価(第17次とりまとめ)の結果について」で、今回のとりまとめ結果を御説明させていただきます。
 (2)の①の表をご覧いただきますと、今回、A欄の詳細な評価を行う候補となった物質は、健康、生態ともにございませんでしたが、これらの物質よりもリスクが小さいけれども、さらなる関連情報の収集が必要とされたB欄の物質については、健康で6物質、生態で2物質となりました。健康に関しましては、経口曝露か吸入曝露か、それぞれについて表記しております。C欄の物質については、毒性に対して曝露量が十分小さいということで、現時点ではさらなる作業の必要は低いと判定してございます。
 なお、B欄の物質には全て名称に*がついてございますけれども、こちらは、表の後ろにある注の2行目以降、*で始まっている箇所にございますように、既存の関連情報を総合的に勘案して判断しさらなる関連情報の収集に努める必要があると判定した物質、いわゆる評価結果の一覧表では(▲)としてきた物質となります。こちらの表でございますが、前回まで、B欄の物質はB1、B2の2つに分けており、(▲)としていた物質はB2となっていたところ、前回の専門委員会で、この評価結果の記載の表をもっとわかりやすくとの御指摘をいただき、その対応の一環として簡略化させていただきました。
 5ページの(2)の②の表では、追加的に実施した生態リスク初期評価ということで、生態評価のみ行った4物質につきまして、いずれもさらなる関連情報の収集が必要と判定されてございます。
 個別の物質について、表を用いて御説明させていただきたいと思います。7ページの健康リスク初期評価の結果一覧に13物質の評価結果がございます。この表では、左から順に、経口、吸入それぞれについての無毒性量、エンドポイント、曝露評価、それから、それらを総合しましてMOE・過剰発生率、それから、専門家の判断による総合的な判定を記載してございます。前回までは、総合的な判定の左に1つ、有害性と曝露評価から算出したリスクの判定を記載してございましたが、こちらも表を簡潔にするという意味で、今回からは削除しております。
 先ほどの表ではA~Cと分類しておりましたけれども、この表においては記号によって判定欄を記載しておりまして、詳細な評価が必要なものが■、さらなる関連情報の収集というのが▲、作業の必要がないというのが○となっております。また、記号に括弧のついた(▲)は、これはモデル推計の結果などを加味した総合判断ということでございます。
 個々の評価物質につきましては、関連情報の収集が必要になったものを中心に御説明させていただきます。
 まず、上から3つ目の3-クロロ-2-メチル-1-プロペンでございます。総合的な判定は吸入で(▲)となっておりまして、エンドポイントの欄にございますように、ラット・マウスについて腎臓の相対重量減少、それから体重増加抑制といった知見がございました。これらから得られたLOAELを慢性曝露に補正して無毒性量等を設定し、一般環境大気の予測最大曝露濃度から、MOE2,600となります。この結果からは判定は○になりますが、一方で、PRTRデータを用いましたモデル計算の結果を考慮いたしますと、MOEが100を下回る可能性があり、総合的な判定といたしましては、情報収集が必要、すなわち(▲)としてございます。
 次に、4番目のジエチレングリコールでございます。総合的な判定が経口に関して(▲)となってございます。ラットの結晶尿、腎機能の変化が見られまして、曝露量が把握されておらず健康リスクの判定ができなかったのですが、この物質は非常に生産量が多いのと、水と自由に混和して、水域に排出された場合には、ほぼ全てが水域に分配されると予測されるという物性から、総合的な判定としては、健康リスクの評価に向けた経口曝露の情報収集が必要、すなわち(▲)としてございます。
 次に、6番目の3,3’-ジメチルベンジジンでございます。総合的な判定が経口に関して(▲)となってございます。ラットの体重増加の抑制、肝細胞の変性などが見られ、ラットの全腫瘍の発がんも見られました。
 こちらは、公共用水域淡水を摂取すると仮定しまして、MOEが4万1,000超、それから、過剰発生率が1.0×10-6未満となっており、これの結果からは、判定は○になるのですが、PRTRの届出排出量におきまして下水道への移動量が多くなっていることが確認されていることを踏まえますと、過剰発生率が10-6以上となる地点が出てくる可能性があるということで、総合的な判定といたしましては、情報収集が必要な(▲)となってございます。
 次に、8ページ、9番目のピペラジンでございます。総合的な判定が経口で(▲)となってございまして、これは、イヌの知見から得られた無毒性量等をもとに、公共用水域淡水を摂取すると仮定し、MOEが28万と大きな数字になりますが、こちらもPRTRの届出排出量における下水道の移動量を考慮し、MOEが100を下回る地点が出てくる可能性があるということで、総合的な判定としては(▲)としております。
 その下の10番目のヘキサメチレンジアミン、総合的な判定が吸入で(▲)となってございます。ラット・マウスの鼻腔組織の変性が見られ、一般環境大気中の濃度からはMOEが3,100となりますが、PRTRデータを用いたモデル計算の結果を考慮すると、排出源の近傍ではMOEが100を下回る地点が出てくる可能性があるということで、総合的な判定としては(▲)としてございます。
 最後、13番目のメタクリル酸2.3-エポキシプロピル、総合的な判定が吸入で(▲)となってございます。マウスの嗅上皮・腺の呼吸上皮化生などが見られまして、それから、ラットの中皮腫についての発がんも見られました。ユニットリスクの値を記載してございますけれども、前回の専門委員会で、定量的な発がんリスク評価のケーススタディとして、スロープファクター、ユニットリスクについて既存の知見がない物質について、独自の計算を行ったケーススタディの結果を御報告させていただきましたが、その後、この手法をガイドラインに盛り込みまして、今回この物質が実際に初期評価に適用する第1号となってございます。
 結果といたしましては、一般大気中の濃度からはMOEが21超、それから過剰発生率が4.0×10-6未満となりますが、PRTRデータを用いたモデル計算の結果を考慮いたしますと、排出源の近傍ではMOEが100を下回る可能性、それから過剰発生率10-6以上となる可能性があり、総合的な判定は(▲)としてございます。
 健康リスクについては以上でございまして、引き続き、次の9ページの生態リスクの初期評価の結果を御説明させていただきます。生態リスクについては、関連情報の収集が必要とされた物質が6個ございますので、それを中心に御説明させていただきたいと思います。
 9ページの表では、左から、物質名、試験が行われた生物種、急性/慢性の別、エンドポイント、アセスメント係数、予測無影響濃度のPNEC、予測環境中濃度のPEC、これらを比較したPEC/PNEC比、そして総合的な判定の順に記載してございます。
 まず、9番目のピペラジンでございます。PEC/PNEC比が0.0001となっておりますが、PRTRの届出排出量における下水道への移動量を考慮すると、PEC/PNEC比が0.1以上となる地点が出てくる可能性があるということで、総合的な判定としては(▲)としてございます。
 次に、10番目のヘキサメチレンジアミンでございますが、PEC/PNEC比は淡水で0.07、海水で0.0001未満でございますけれども、PRTRデータを用いたモデル計算の結果を考慮すると、PEC/PNEC比が0.1以上となる地点が出てくる可能性があるということで、総合的な判定は(▲)としてございます。
 続いて、10ページは、生態リスクのみ行っている4物質の表になります。総合的な判定はいずれも情報収集が必要となってございますけれども、1番目のジクロロ酢酸、2番目のトリクロロ酢酸、それから3番目のブロモホルム、いずれも判定の経緯が似ておりまして、まとめて御説明させていただきます。
 これらの物質は、PNECは算出されておりますが、PECが設定できるデータが得られず、PEC/PNEC比の値が算出できませんでした。参考値といたしまして、水道原水のデータや過去の公共用水域のデータを考慮すると、PEC/PNEC比が0.1以上となる地点が出てくる可能性があるということで、総合的な判定としては、情報収集が必要(▲)としてございます。
 4番目のロキシスロマイシン、こちらは抗生剤でございますが、PEC/PNEC比が淡水で0.5ということで、こちらは総合的な判定が▲となってございます。
 11ページでございますけれども、生態リスク初期評価のうち6物質については、以前評価を行った物質の再評価という形になってございます。表の左側に前回の評価結果といたしまして、有害性評価、アセスメント、PNEC、PEC、総合的な判定を記載しており、右側に今回の評価結果、それから変更の概要という数行の文章を記載してございます。表のセルをグレーにした部分は、知見が前回から置きかわった部分でございます。個別の説明は割愛させていただきますが、前回は6物質中5物質の総合的な判定が×、すなわち現時点ではリスクの判定ができないとされていたところ、今回は(▲)になったものが3つ、○になったものが2つとなってございます。
 生態リスクの評価については以上でございます。
 恐縮ですが、同じ資料の5ページに戻っていただければと思います。5ページの下のほうにございます「4.今後の対応について」を御説明させていただきます。
 まず、(1)結果の公表ということで、先ほど申し上げましたように、今後、インターネットの上に「グレー本」として公表予定でございます。
 それから、6ページ、(2)関係部局等との連携でございますが、今回は詳細な評価を行う候補とされた物質はございませんでしたが、さらなる関連情報の収集が必要とされた物質について、個々の評価の内容を踏まえて関係部局との連携を確保し、環境中の存在状況、有害性の知見などの情報の充実を図ることを考えてございます。
 また、(3)環境リスク初期評価の再実施ということで、今回も6物質ございましたが、今後も必要に応じて再評価を行うというスキームで続けてまいりたいと思います。
 それから、(4)今後の課題につきましては、今年度、発がんのスロープファクター、ユニットリスクの既存の知見がない物質について、独自の計算を行う手順をガイドラインに盛り込み、実際に1物質について適用したところでございますけれども、今後もさまざま新しい知見などを踏まえ、必要に応じて見直しを行っていくほか、QSARの活用や、候補物質の絞り込みの改良等々を課題として考えているところでございます。
 「グレー本」の資料3関係については、以上でございます。
○櫻井委員長 ありがとうございました。
 先ほど資料3-1の説明の中で、今回の取りまとめに当たって、専門家から構成される分科会などで別途御議論いただいたということでございますが、本委員会で審議に入る前に、それぞれの分科会などで座長を務められた中杉参考人、楠井委員、青木委員から補足の説明などがございましたら、一言ずつ御発言をお願いしたいと思います。
 最初に、曝露評価分科会の座長を務められた中杉参考人、よろしくお願いします。
○中杉参考人 先ほど黒本のところで申し上げたのが1つでございます。1番目の6-アセチル1,1,2,4,4,7-ヘキサメチルテトラリン、資料3-3では42~43ページとなりますが、それから一番最後の生態の4番と書いているロキシスロマイシン、資料3-3の374ページですが、これらについては、一番高いデータは下水処理場から出てきているところであるということで、こういうPPCPsの類のものは、そういうアプローチが必要だなと思っています。来年はPPCPsがたくさん黒本の測定の対象になりますので、そういう地点を選んではかっていただくことが必要ではないかなと思っています。それが1つです。
 それから、2つ目は、下水道移動量、前回もありましたが、PRTRの結果で、公共用水域に排出している量よりも下水道へ排出している量が非常に大きい物質が、今回も2物質ありました。例えば、6番目の3,3'-ジメチルベンジジンでは、資料3-3の150ページでPRTRの結果、153ページで推計の結果を示しておりますが、下水道への移動量で、それが下水処理場でどのくらいの量が処理されて環境に出るかを推計したものです。下水道の移動量は、それがどこの川へ出てくる下水道なのかも届出がなされており、場所が特定できますので、6番目の3,3'-ジメチルベンジジンと9番目のピペラジンについては、下水道移動量から、それが川に出たときの量を推計するという形をとって判断しております。
 それから、もう一つ、先ほどの事務局からの説明にもありましたけれども、生態の1~3、資料3-3の336ページ、349ページ、363ページになりますが、これらにつきましては、環境中の実測データだけではあまり問題ないのではないかというような結果も出るのですが、水道原水の結果、これは水道絡みではかられているものですが、そういうものを参考にしたり、それを参考にしながら過去のデータに戻ってみるということで、それらの結果を生態リスクの分科会のほうにお送りして判断していただいたということでございます。
 それから、もう一つは、資料3-3の261ページのヘキサメチレンテトラミンですけれども、この物質は、川に流してしまったものが浄水場の消毒用の塩素と反応してホルムアルデヒドが発生してしまうという事故があった物質でございます。一番高い濃度としては、非常に高い測定結果があったのですが、その物質をかなりの高濃度で出していた事業場によるものであり、この事業場ではその後対応がなされていて、もう排出濃度が下がっているということで、その測定結果は採用しないことにし、2番目に高い測定結果を用いて影響評価をしているということでございます。
 それから、もう一つ、一番難しかったのが、資料3-3の113ページ、4番目のジエチレングリコールです。これは環境の測定結果がございません。曝露のほうとしては、PECがこのぐらいだということをお示しすることができないので、いろいろ工夫をしてみました。一方で、これは、生態のPNECのほうが、50mg/Lという非常に高い濃度でございます。それについては、河川中のBODの濃度が大体どれぐらいであろうか、排水中のBOD濃度がどのくらいであろうか、それが全部ジエチレングリコールだったらどのくらいの濃度になるだろうかというようなことを算定してみました。非常に安全側を見て、仮にBODの全てジエチレングリコールとなると、BODの基準を少し超過する程度になり、完全に安全であるとは言い切れないのですが、そんなことはあり得ないだろうと考えられるといった情報を生態リスク評価分科会のほうにお出しし、生態リスク評価分科会のほうで、そういう情報を踏まえて総合的な判断をしていただいたということでございます。基本的な考え方としては、環境中濃度をはかってしまえばいいのかもしれませんが、そういう必要があるだろうか、そこまでは要らないのではないかという判断、また後で楠井先生から御説明があるかと思いますが、そんな判断をさせていただいております。
 以上でございます。
○櫻井委員長 ありがとうございました。
 続いて、生態リスク評価分科会の座長を務められた楠井委員からお願いします。
○楠井委員 それでは、少しだけ申し上げたいと思います。
 今回評価した物質で3番目の3-クロロ-2-メチル-1-プロペンですが、毒性データが2種しか今回はなかったということで、しかも、環境中の濃度もない、ただ、実際には水系の排出の実態は非常に少ないので影響は少ない可能性もあるということだったのですが、毒性データについてQSARなども活用しながら今後考えようということで、資料3-3では105ページになりますが、十分な知見が得られなかったため、QSARの予測値を用いた考察も含めて検討して、有害性情報の充実を図った上で、今後検討するという形に取りまとめております。
 それから、中杉参考人からもお話がありましたが、4番目のジエチレングリコール、これは資料3-3では126ページのところになりますが、毒性データは豊富にありまして、PNECも50mg/Lと非常に高いという結果ですが、問題は環境中の濃度がないということでした。そのため、逆にPNECの値に相当する濃度が環境中にあったとして、この物質の分解性、それからBODの換算値を求めて考えても、いわゆるE類型での基準には至ることがないだろうという専門的な判断で、現実の水域のBODから考察をしたエチレングリコールの存在状況ということを考えるとこれを超過することはないだろうと、かなり推測を重ねた形ですが、判断しております。
 それから、11番目のヘキサメチレンテトラミンですが、こちらにつきましても、先ほど中杉参考人からありましたように非常に高い値がありますが、逆にPNECの値は得られなかったということに表の形式上はなっております。ただ、実際には、毒性試験を行う中で、限度試験という試験がございまして、これ以上の値でないと影響が出てこないという、その最大値の値が仮に毒性値だということで考えてみますと、安全であろうという評価になっております。
 以上でございます。
○櫻井委員長 ありがとうございました。
 続きまして、健康リスク評価分科会の座長を務められた青木委員からお願いいたします。
○青木委員 健康リスク評価分科会の御報告でございます。
 都合3回、先生方にお集まりいただきまして検討させていただきました。13物質のうち、詳細な評価を行う候補、あるいは総合的な判断で詳細な評価を行う候補物質はございませんでしたが、先ほど事務局から詳細に御報告をいただいたとおり、さらなる関連情報の収集に努める必要があることを総合的に判断された物質が6つあった次第でございます。
 総合的な判断に関しては、情報収集に努めるという必要があるというのが、曝露評価のほうの課題でございまして、先ほど中杉参考人のほうから御説明があったところで、特にジエチレングリコールに対しては、毒性影響としては、比較的よく知られている物質なわけですけれども、その曝露情報がないというのは正直意外なところでもございました。こういう問題点があるということがわかってきたというのは、社会的に見たときに、この初期リスク評価の大きな役割になってきたのではないかというところが感じられたところでございます。
 それから、13番目のメタクリル酸2,3-エポキシプロピル、これは先ほど事務局からも御説明があったように、この専門委員会で御議論いただいたことを出発点といたしまして、情報が得られているものについては発がん性について独自にユニットリスクを算定し、それをもとにリスク評価をしてみようという取組の実質的な第1号になったものでございます。私どもの健康リスク評価分科会、さらに具体的な作業をその下にある発がんリスク評価ワーキンググループでも議論させていただいて、ここにありますような結果が得られたわけですけれども、今後ともこれを進めていきたいというところでございます。
 以上でございます。
○櫻井委員長 ありがとうございました。
 ただいま各委員からの御説明もございました。それらを踏まえて、委員の皆様、御質問、御意見等がありましたら、どうぞ御発言をお願いいたします。
○西川委員 資料3-2につきましては、本文中の記号と添付資料1の表が一致していて非常に見やすくなったと思います。ありがとうございました。
 それから、もう一つ、発がん性がエンドポイントとなる場合に、スロープファクター、ユニットリスクを導入していただいたこと、非常によかったと思います。
 全体としては、この案に特にコメントはありませんけれども、まず総論的なコメントとして、腫瘍がエンドポイントの場合、閾値あり、なしというのは遺伝毒性の試験を総合的に判断していると思うのですが、どうもその判断がどのようになされているかがよくわからないので、今回のように誘発したという試験がたくさんある場合には、閾値なしということでよろしいかと思うのですけれども、もう少し知見が少ない場合、ちょっと迷うことがあると思うのですが、その辺り、いかがでしょうか。
○青木委員 まさに迷うところでございまして、初期リスク評価の趣旨を踏まえると、安全側に考えていく、つまり閾値なしのリスク評価を中心に考えていくことになると思いますが、そこは、それぞれの化学物質の特性を見ながら、専門家の先生の御判断をいただきながら決めていくことになるのかなと考えております。
○西川委員 遺伝毒性のところの記載を見ますと、誘発した、誘発しなかった、と羅列で記載されているのみであり、最後のまとめにはないのですが、健康リスク評価で発がん性がある場合、これは閾値なしの前提で評価しますということになっているのですが、ちょっとつながりがよくわからないところがあると思います。
 したがって、遺伝毒性の試験のところで、これは遺伝毒性があるから閾値なしなどといったつなぎがあると、非常に読みやすいのかなと思いました。
○青木委員 ガイドラインのほうの、確かに、従来は自らモデルを計算しないという前提で書いておりましたので、その点、もう一回見直して、先生の御指摘のことを検討していきたいと思っております。
○西川委員 今後、御検討いただければと思います。
 それから2点目は、QSARについて、生態影響については具体的に活用していくということになっているのですが、化審法などでは、遺伝毒性についてQSARのデータを相当蓄積していると思うのですけれども、それを活用していく考えはないのでしょうか。これは誰に聞いたらよろしいでしょうか。
○青木委員 その点については、分科会のほうでは、まだ具体的に議論をしたことはございません。ただ、御指摘の点、重要だと思いますので、来年度に向けて利用の可能性があるかどうかについては考えたいと思いつつ、何かありますか、事務局。
○鈴木環境リスク評価室室長補佐 まずは勉強させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○西川委員 特にAMES試験については、データ的に相当蓄積があると思いますので、御検討をよろしくお願いいたします。
 それから、個別のコメントになりますけれども、資料3-2の7ページ、初期リスク評価結果一覧というところで、二、三、確認したいところがあります。まず、5番目の物質、このラットの試験における尿細管の硝子滴、好塩基性変化について、内容を見ますと、どうも雄ラットだけに見られています。したがって、これは雄ラット特有のいわゆるα2uグロブリン絡みの変化ではないかと想像しますけれども、その辺りはいかがでしたでしょう。
○青木委員 御指摘のとおりだと思います。ただ、そこは、初期リスク評価ということで、エンドポイントとしてこういう論文等に記載されているものを活用していくという立場に立っております。もし仮に詳細なリスク評価を行うことが必要となった場合には、別途そこで議論が必要になってくるんじゃないかなと思っております。
○西川委員 恐らくα2uグロブリンまで確認していないと思うのです。そういう意味で、安全サイドに立った評価をされたというふうに勝手に理解しましたけれども、そういうことですよね。
○青木委員 そのとおりです。
○西川委員 それから、細かい点ですが、資料3-2の7ページの2番目の物質で、甲状腺濾胞上皮の「肥厚」とあるのは「肥大」の間違いではないでしょうか。後で確認していただければと思います。それから、3番目の物質で、吸入の試験、ラット・マウスで腎の相対重量の減少と体重増加抑制とあり、普通、体重が減ると相対重量が増えるので、変だと思って確認したところ、腎臓のほうはラットで体重増加抑制はマウスと別なんですね。したがって、これがわかるように書いていただいたほうが混乱がなくなると思います。
 以上です。
○青木委員 はい検討いたします。
○櫻井委員長 ありがとうございました。
 ほかに何かございますか。はい、どうぞ。
○遠山委員 3点質問させていただきます。1つは、資料3-2の5ページなどで、▲と(▲)、■と(■)に分かれている旨の御説明があり、その中で、括弧がついているほうは「既存の関連情報を総合的に勘案して判断し」という修飾付がついていましたが、括弧がついていないほうは、その部分がなくて、ただ「さらなる関連情報の収集に努める」とのことでした。一般の消費者がこれを見てすぐに趣旨を理解することは非常に難しいのではないかと思われますので、将来的にでよいのですが、本当に分ける必要があるのであれば、もうちょっと明確な判断基準をつくったほうがいいし、そこまでしなくてもよければ、括弧を外して一まとめにしたほうが、むしろわかりやすくなるんじゃないのかなと思います。
 もう一点は楠井委員に伺いたいのですが、資料3-3の105ページの3-クロロ-2-メチル-1-プロペンのところで御説明がありましたが、QSARの実際のリスク評価への使用に関して、学術的な意味で知りたいところもあるのですが、実際に特定の類似の物質があって、その毒性がわかっている場合であれば、それをもとにQSARを使って類推することは可能かと思うんですが、全くその辺の知見がない場合に、QSARだけ使って類推するというのはかなり難しいのではないかと思うのですが、特にこの物質に関していかがでしょうか。
○楠井委員 この物質についても、QSARの値は、KATEなどの値が出ていまして、まだ詳細は検討していないのですが、類似の構造を持つ物質などであれば使えるのではないかと。これまでもアプリオリにQSARで出た値を使うということはしておりませんし、今まで見ている感じですと、定量値として見るとやはり厳しいものがあり、相対的な毒性の大きさを見るというか、カテゴリーアプローチという形では活用できるのではないかということで、生態のほうでもQSARの使い方についての仮の方法論はつくっております。ただ、実際にそれを発動した事例はまだないと言ってもいいかと思いますが、今いただいた御指摘も我々も重々感じておりますので、そこら辺は注意しながら、適用できるかどうか見極めたいと考えております。
○鈴木環境リスク評価室室長補佐 遠山委員からいただいた1点目の御指摘については、私どもも検討の中で整理できればと思ったところでありまして、例えば、○としているものについても、これまでは○と(○)とがあったのですが、さらなる作業の必要性がないところはいいだろうということで括弧はとって○で統一しております。一方、▲、■のものについては、少しニュアンス的に違いがわかるようにしたほうが、今のところはいいのかなというのと、ガイドラインとの整合という意味で、具体的には、ガイドラインにはPEC/PNEC比なり、MOEなりの実測値による値を出せた場合には括弧のないものとしているのですが、ガイドラインのほうも変えていかないと、その辺の整合が、見た方にとってむしろわかりにくくなってしまうかなというところもありまして、来年度以降も引き続き検討していきたいと考えていたところでございます。
○遠山委員 あと、3点目ですが、いろいろ個別の物質に関して、今回、曝露評価をしているわけですが、1つの同一の媒体で、今回、調べられたようなさまざまな物質が同時にどれだけ存在していて、そのときの全体の曝露の可能性、つまり、複合曝露と言えばいいのかもしれませんが、そういった形での評価というのもどこかにあってもいいのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。将来的な問題かとは思いますが。
○中杉参考人 もう一つ前の一番最初の御質問に対しては、私もそのように主張しました。もう少し括弧を外すべきという主張をして、そのぐらい自信を持って出さなくてはいけない、責任を持って委員会としては、また、環境省としても出さなくてはいけないと私も考えています。
結局、生態と健康でうまく折り合わなかったというか、委員会全体としてどういう評価をしていくか、我々がどういう手順で整理をしているかというのは、去年の御指摘を踏まえて、流れをつくろうとしているところで、まだあまり進められていないのですが、来年は多分示すことができるだろうと思っています。それらを踏まえて、その中でも含めてやろうというふうに思っています。
 それから、複合曝露については、これは非常に難しいと私は思っています。というのは、相加、相乗、拮抗といったいろいろな作用をどう考えていくかという話になってくると、非常に難しいだろうと、また、そのときに調査したものだけで評価をするというのがいいのかどうかというようなこともあり、全体をリスク評価するのは難しいだろうと個人的には考えています。
○遠山委員 影響の側での相乗、相加、拮抗などといったところまでの議論ではなく、少なくとも曝露評価をするという観点からすると、同一の媒体にさまざまな物質がどういう組み合わせで存在するかということを、全てについて調べるのは難しいかもしれませんけど、事例として特徴的なものだけでもいいと思うのですが、出しておくことは考えられないものでしょうか。
○中杉参考人 以前、国立環境研究所にいたころに、最終処分場の浸出水の中に有機物がどのくらいあるかを調べました。GC/MSを重点的にやったのですが、そのときに調べられたものを、後でTOC換算して足し合わせると全体のTOCの値の何%ぐらい捉えているだろうかという計算をしてみると、多い場合で数%、ほとんどの場合は1%以下でした。そういう情報を出して誤解を与えることを、私は非常におそれます。今、黒本調査でこれだけ調べていますが、全体からするとごく一部であり、大部分のものとして何かあるかというと、いわゆるBODの分解性有機物のようなものが多いといったところで、全体の割合をどうだというふうな、曝露だけ出すのも非常に難しいと思います。今回はかったものは、その中のごくごく一部しか示すことができない、もちろん、割合の大きなところを占めているのは毒性が高くないものだろうとは思いますけど。
○青木委員 いわゆる複合曝露は非常に重要な課題だと、個人的には思っています。実際、ヨーロッパなり米国では、ある程度公的な場所で議論が始まっていると聞いておりますので、この場面の議論からは少し離れてしまうことになってしまうかもしれませんが、今後、考えていく必要があるのではないかなと思っております。
○櫻井委員長 ありがとうございました。
 そのほか何かございますか。よろしいでしょうか。
 いろいろ検討課題を新しく御提示いただいてありがとうございました。
 では、今回出していただいた資料3-2をもとにして、概要でございますが、近日中に公表するということ、これについては一、二、小さい修正点がございましたけれども、それを修正の上、近日中に公表するということ、それから化学物質の環境リスク初期評価(第17次とりまとめ)につきましては、この資料3-3をもとに、来年の3月末を目途に公表するということで御了承いただけますでしょうか。
                   (異議なし)
○櫻井委員長 ありがとうございます。
 それでは、残りの議題、その他といたしまして、本日配付されている参考資料、POPRC14の結果について、事務局から説明をお願いいたします。
○藤井環境安全課専門官 それでは、お手元のタブレットから参考資料1をご覧ください。よろしいでしょうか。
 ストックホルム条約の関連のものになりますけれども、条約の対象物質への追加を検討する専門家会議、残留性有機汚染物質検討委員会の第14回会合が今年の9月にローマで開催されました。対象物質への追加等の最終決定をする会議としては、締約国会議、いわゆるCOPがありますけれども、この会議はその前の段階という位置づけになります。
 今回の概要は、1ページ目の上、3分の1のほうにあります枠で囲んだ部分をご覧ください。上から2段落目になります。本会合では、ペルフルオロオクタン酸とその塩及びPFOA関連物質をストックホルム条約の廃絶対象物質に追加することについて、来年のゴールデンウイークごろに開催されます予定の締約国会議に勧告することが決定されました。また、ペルフルオロヘキサンスルホン酸につきましては、リスクプロファイルの審議は終了し、次のリスク管理に関する評価を検討する段階に進めることが決定されました。
 また、3段落目にありますとおり、既に条約の対象物質になっておりますペルフルオロオクタンスルホン酸等につきましては、条約で認めることのできる目的、個別の適用除外が定められておりますけれども、その見直しが行われ、その検討結果につきまして、来年春のCOPに勧告することが決定されております。
 参考資料に関する御報告は以上となります。
○櫻井委員長 ただいま最近の動き、当委員会に関連する最近の動きということで御紹介がありました。これは報告を受けたということでよろしいでしょうか。
 以上で予定した議題は終了になりますが、何か追加の御質問などはございますか。
○藤井環境安全課専門官 委員長、よろしいでしょうか。
○櫻井委員長 どうぞ。
○藤井環境安全課専門官 先ほど、黒本の関係で、資料2-1のところで、白石委員から御指摘のあった点について御回答させていただきたいと思います。
 資料2-1をご覧ください。6ページ目の別表2になります。資料2-1の6ページ目、別表2の(4)の物質です。結論から申し上げますと、この※のところをどうするかという話で、結論としては、削除したいと考えております。
 状況としては、白石先生から御指摘がありましたとおり、PRTRデータ自体は調査対象物質のトリフェニルホウ素及びその化合物、そのものではございませんで、より大きなくくりになりますホウ素化合物としてPRTRの排出移動量の届出がされているもの、そのデータをもとに地点を選定していたという状況ですので、調査対象物質そのもののPRTRデータではないという状況になりますので、そういう意味では、ここを削除させていただきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○櫻井委員長 はい。他に何かございますか。
                    (なし)
○櫻井委員長 特にないようでございますので、以上で議題を終了とさせていただきます。
 事務局から連絡事項がありましたら、お願いします。
○山本環境リスク評価室長 次回の委員会につきましては、来年度の同時期の開催を予定しております。また時期が近づきましたら日程調整等で御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 以上で、第24回の化学物質評価専門委員会を閉会させていただければと思います。ありがとうございました。

午後4時56分 閉会