中央環境審議会環境保健部会化学物質評価専門委員会(第18回)議事録

1.日時

平成24年12月25日(火)

2.議事

午後2時00分 開会

○戸田環境リスク評価室長 それでは定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会環境保健部会、第18回化学物質評価専門委員会を開催いたします。
 本日は、先生方におかれましてはお忙しいところご参集いただきまして、ありがとうございます。
 本日は、内山委員、武林委員、篠原委員よりご欠席との連絡を事前にいただいております。現時点で出席予定の先生方、全ておそろいでございます。16名中13名の委員が出席されておりまして、定足数を満たしております。今回の本専門委員会から、井上前委員にかわりまして、西川委員にご参画いただいておりますので、ご紹介をいたします。

○西川委員 国立衛研安全センターの西川と申します。よろしくお願いします。

○戸田環境リスク評価室長 ありがとうございます。また、本日は環境リスク初期評価におきまして、健康影響評価部分のとりまとめを行う分科会の座長をお務めいただいております、国立環境研究所環境リスクセンターの青木先生に、オブザーバーとしてご参加いただいております。

○青木オブザーバー 青木でございます。よろしくお願いいたします。

○戸田環境リスク評価室長 それでは開会に当たりまして、環境保健部長の佐藤より一言ご挨拶を申し上げます。

○佐藤環境保健部長 環境保健部長の佐藤敏信でございます。
 本日は年末の大変お忙しい中、お集まりをいただきまして、本当にありがとうございます。
 また平素より、環境行政、とりわけ化学物質対策につきまして、ご尽力、ご指導を賜っておりますことに、この場をかりて厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 もう、今日の議題でもありますから、申し上げるまでもありませんけれども、この専門委員会のご評価をいただきまして、私ども化学物質環境実態調査、それから化学物質の環境リスク初期評価を実施してきております。これまでご指導いただいているわけですが、本年もこれら二つの事項について、先生方からご指導、ご評価をいただくべく準備を進めておりまして、ちょっと年末ぎりぎりとなりましたが、少しでも早く、しかも年内にということで、ちょっと馬力をかけまして、今日のこの日を迎えて、お集まりをいただいたという次第です。
 今も申し上げましたが、二つあるうちのまず一つ目、化学物質環境実態調査、いわゆるエコ調査と呼んでおりますけれども、昭和49年以来これまでに1,222物質を調査してきたわけですけれども、その結果化学物質と環境ということで、いわゆる「黒本」としてとりまとめられまして、関係機関等々で活用をされております。今日は平成23年度において実施いたしました35物質群に対する評価をしていただいて、それから平成24年度調査の進捗状況や、それから平成25年度調査の実施方法試案についても、ご意見を頂戴できればというふうな感じで考えています。
 二つ目は、「化学物質の環境リスク初期評価」で、これがついに第11次とりまとめということになりました。これは平成9年度から進めてきておりますけれども、第11次とりまとめの準備ができました。今日、先生方にこの場でご検討いただきまして、とりまとめを行いたいと思います。これも私が言うまでもありませんが、10次とりまとめまでに291物質の初期評価を行ってきたわけですけれども、本日の物質を加えまして305物質ということについて、初期評価がまとまることになります。今日、忌憚のないご意見を頂戴いたしまして、とりまとめをお願いをしたいと思っております。
 いずれにしましても、今日は限られた時間でございますけれども、ご指導賜りますようお願いをいたしまして、ごく簡単でございますが、冒頭の挨拶にかえさせていただきます。どうかよろしくお願いします。

○戸田環境リスク評価室長 それでは環境省環境リスク評価室長の戸田でございますけれども、着席のままで失礼いたしますが、まず配付資料につきまして確認をさせていただきます。最初に議事次第がございますが、議事次第に配付資料のリストがございますので、一々資料の名前は申し上げませんけれども、上から資料1、資料2-1、資料2-2が冊子になっております。その後資料2-3、2-4、2-5、3-1、3-2とございまして、3-3がまた分厚い冊子でございます。その資料の後、参考資料がございまして、参考資料1、参考資料2とありまして、参考資料3のほうが概要とその冊子で二つに分かれておりますので、ご注意いただきたいと思います。最後に参考資料4ということでございます。もし何か不備がございましたら、事務局のほうまでお申しつけいただければというふうに思います。
 それから、本日の会議につきましては、公開とさせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入らせていただきたいと思いますので、櫻井委員長、よろしくお願いいたします。

○櫻井委員長 それでは早速最初の議題に入ります。化学物質環境実態調査の結果、進捗状況等についてということでありますが、平成23年度の化学物質環境実態調査、いわゆるエコ調査の23年度の結果と、それから24年度調査の進捗状況等につきまして、報告がございます。資料2-1から2-5に基づきまして、事務局から資料の説明をお願いいたします。

○事務局(環境安全課) 事務局でございます。では資料2について、ご説明させていただきます。
 まず資料2-2、厚い冊子でございますけれども、こちらが最終的に黒本としてまとめられるものでございます。資料2-2につきましては、1点、訂正箇所がございます。148ページ、149ページ、見開きになりますけれども、このページにあります表3-1から表3-3におきまして、体重の表記と体長の数字が逆転してございます。申し訳ございません。また、表3-1のムラサキイガイ、そして表3-3のムクドリの体重、体長の数値ですけれども、大きいほうから小さい値へと幅記載が逆になってございます。こちらにつきましても申し訳ございませんでした。
 では、資料2-1でございますけれども、こちらが厚い資料2-2をとりまとめたものということでございまして、資料2-1を用いましてご説明させていただきたいと思います。なお、資料2-3、2-4、2-5につきましては、その後に説明をさせていただきたいと思っております。
 ではまず資料2-1、平成23年度化学物質環境実態調査結果(概要)、こちらをご覧いただけますでしょうか。まず1.経緯でございますが、発端といたしましては、昭和49年の化審法制定時の附帯決議を踏まえまして、一般環境中の既存化学物質の残留状況の把握を目的として始められた調査でございます。平成23年度の調査で38年目と、長きにわたって調査を行っているものでございます。現在では環境省内の各担当部署から調査要望をもらいまして、それらを中心に調査対象物質を選定し、調査を進めております。
 さらに、平成22年度より今日的な施策課題に、より迅速かつ適切に対応して化学物質に係る各種の施策について一層有効に活用するための、排出に関する情報も考慮した調査地点の選定だとか、モニタリング調査における調査頻度などを見直して調査を行っているところでございます。
 続きまして2.調査の進め方でございますが、平成23年度の調査対象物質の選定につきましては、担当部署から要望をもらいまして、一昨年のこの専門委員会におきまして、このような物質を調査するということについてご評価をいただき、実施をしているところでございます。調査の内容といたしましては、アの初期環境調査、イの詳細環境調査、ウのモニタリング調査と、三つの調査がございます。まずアの初期環境調査でございますが、平成23年度につきましては、14物質を調査対象とさせていただいております。
 2ページ目をご覧いただけますでしょうか。イの詳細環境調査でございますが、こちらにつきましては4物質群を実施させていただいております。次にウのモニタリング調査でございますが、当モニタリングにおきましては、対象となりますPOPs条約対象物質は17物質群ございますが、このうち国内使用実績があっても、近年の濃度変化が見られない物質だとか、国内の使用実績がない物質等につきましては、調査頻度を3年または6年に一度とする化学物質環境実態調査のあり方に関する検討会でのご意見を踏まえまして、平成23年度につきましては、この17物質群のうち14物質群を調査対象として調査を行っているところでございます。さらに、ペルフルオロオクタン酸等の3物質群を加えました計17物質群、こちらをこのモニタリング調査という形で実施しております。
 続きまして2ページの3.でございますが、調査結果です。まず初期環境調査の結果でございますが、2ページ目のアにその概要を記載してございます。平成23年度は水質及び大気について調査をしております。具体的な結果につきましては、5ページの別表1に記載がございますので、そちらをご覧いただければと思います。5ページの別表1でございますが、過去の調査結果もあわせて併記をさせていただいております。平成23年度の結果は、ちょっと見づらいかもしれませんが、太字で記載をさせていただいております。また、1番、2番、5番、6番、8番、9番、11番、12番、13番に、※が調査対象物質名の右側についております。こちらの物質につきましては、排出に関する情報を考慮した地点において、調査を実施したものなります。
 さて、媒体別にご説明いたしますと、水質につきましては物質調査番号で申しますと、3番、4番、5番、7番、9番、13番、14番の7物質、こちらについて調査を行っております。そのうち5番のコバルト及びその化合物、7番の1,2,4,5-テトラクロロベンゼン、そして13番のメタクリル酸n-ブチルにつきまして、過去にも調査をしたことのある物質でございます。過去の調査におきましては、いずれも不検出という結果になっておりますが、今回の調査では5番のコバルト及びその化合物、こちらが全地点で検出となっております。検出の理由といたしましては、一つには過去の調査により今回の調査における検出下限値がぐっと下がったこと。より低値まで検出が可能になったこと。また、排出に関する情報を考慮した地点を調査地点として設けている、こういったことが考えられるかと思います。
 3番、4番、10番、14番、こちらにつきましては、今回が初めての調査でございまして、そのうち3番のイソブチルアルコール、10番のフルオランテン、そして14番のメチル?ベンゾイミダゾール-2-イルカルバマート、こちらが多くの地点で検出というような結果になっております。
 続きまして大気についてですけれども、物質調査番号でいいますと、1番、2番、6番、8番、9番、11番、12番、13番の8物質になります。そのうち2番のアリルアルコール、6番の1,3-ジクロロ-2-プロパノール、11番の4,4'-(プロパン-2,2-ジイル)ジフェノールについては、過去に調査したことのある物質でございまして、過去の調査においては不検出、もしくは1地点のみ検出というような結果になっておりますけれども、今回の調査においてはこれら3物質につきましては複数地点で検出となっております。検出の理由としては、先ほどの水質と同様のことが考えられるということでございます。1番、8番、9番、12番、13番につきましては、今回が初めての調査ということになります。そのうち13番のメタクリル酸n-ブチルについて検出がされているところでございます。
 以上が、初期の環境調査の結果でございます。
 次にイの詳細環境調査の結果ですけれども、また2ページに戻っていただきまして、3.ですが平成23年度は水質と底質、そして生物について調査を行っております。具体的な結果につきましては、6ページ、先ほどの次のページに別表2というものがございまして、こちらのほうに記載がございますので、こちらをご覧いただければと思います。
 この表も先ほどと同様に、過去の調査結果もあわせて載せてございます。そして今回の23年度の調査結果については太字にさせていただいています。1番、2番については同じように※がついていますけれども、先ほど同様、排出に関する情報を考慮した地点が含まれるものに、こういった印をつけさせていただいているところでございます。
 媒体別にご説明をさせていただきます。水質につきまして、物質調査番号で申し上げますと、1番、2番、3番、こちら3物質群について調査を実施しております。このうち1番のクロロアニリン類、2番のο-ジクロロベンゼンにつきましては、過去に数回調査をしたことのある物質でございます。過去の調査においては、何度か検出されたことがあり、今回の調査では3物質群とも検出となっております。3番の2,6-ジ-tert-ブチル-4-sec-ブチルフェノール、こちらにつきましては今回が初めての調査でございまして、不検出という結果になってございます。
 底質、こちらにつきましては物質調査番号で申しますと、3番と4番、こちらの2物質群について調査を実施し、いずれも今回が初めての調査でございまして、そのうち4番のペルフルオロアルキル酸類、こちらが検出となってございます。
 最後に生物につきましてですが、物質調査番号で申しますと3番について調査を実施。こちらについては、今回が初めての調査、こちらにつきましては不検出というような結果が今回出ております。
 以上が、詳細環境調査の結果というふうになっております。
 続きまして、3ページ目に戻っていただきまして、モニタリング調査の結果について、その概略を3ページに記載してございます。モニタリング調査につきましては、3ページに[1]と[2]で区分けをさせていただいております。[1]は継続的に調査を実施している物質、[2]につきましては、それ以外の物質というふうにさせていただいています。
 まず[1]ですけれども、水質、底質につきましてですが、濃度の地域分布を見ますと、例年どおりでございますが、人間活動の影響を受けやすい地域で、相対的に高い傾向を示すというようなことが比較的多く見られました。生物につきましては、人口密集地帯近傍、そういった沿岸域での魚類で高目の傾向を示しているところでございます。大気につきましては、温暖期、寒冷期の2回、測定をさせていただいておりますが、例年どおり温暖期のほうが寒冷期よりも全国的に濃度が高くなるといった傾向がございました。
 [2]のその他の物質についての結果の概要ですが、水質、こちらは9調査対象物質群のうち、8つが検出。底質につきましては同じく9調査対象物質群については、全て検出がされております。生物につきましては、8調査対象物質群のうち7つが検出されております。大気につきましても、8調査対象物質群のうち6つが検出となっております。検出の状況の詳細につきましては、ページでいいますと、7ページから8ページに、別表3-1、こちらが水質・底質に関するものです。9ページから10ページ、こちらは別表3-2になりますけれども、生物・大気について記載をさせていただいているところでございます。
 [1]の継続的に調査を実施している物質に該当するものといたしましては、7ページをご覧いただければと思いますけれども、上から物質調査番号順に1番、2番、4番、5番、7番、8番、10番、11番の8物質群となります。残る12番から20番までの9物質群は、[2]に該当するものとなります。
 なお、8ページの表の注釈1に記述してございますけれども、物質調査番号が飛んでいるもの、3番のアルドリン、6番のDDT類、そして9番のトキサフェン類につきましては、先ほども申し上げましたが、調査の進め方というところで説明しました、あり方に関する検討会でのご意見を踏まえまして、調査頻度を見直した物質群でございます。平成23年度に調査を実施していないため、こちらの番号は飛んだ形の表となってございますので、ご留意いただければと思います。
 [1]の8物質群につきましては、統計学的な手法による経年変化、解析結果を11ページから13ページ、別表の3-3から3-5にかけてですけれども、記載をさせていただいているところでございますので、そちらをご覧いただければと思います。別表3-3が水質、別表3-4が底質、そして別表3-5が生物と大気の経年分析の結果となりますが、平成14年度から23年度の分析結果につきましては、いずれの媒体においても総じて横ばい、または漸減傾向にあると考えております。
 昨年、本委員会におきまして、調査物質によっては高濃度から低濃度まで、測定濃度範囲が非常に広範囲に及ぶデータでもあり、これらを一緒にして平均した値で、経年変化について評価するのは適当ではないのではないかというようなご意見をいただきまして、これを踏まえまして、今回は厚い資料2-2でございますけれども、179ページをご覧いただけますでしょうか。資料2-2の179ページに[1]~⑤まで番号が振ってございますけれども、[2]の中段、なお書きに記載されておりますけれども、残差分布に複数のピーク等が存在する場合などについて、こちらについては高濃度地点群と低濃度地点群に分けて、経年変化について解析をさせていただきました。そして全体データによる経年変化の傾向と矛盾がないかどうかを別途検討させていただいております。この結果、両者に大きな矛盾がないというふうに確認をしております。
 なお、経年変化解析の手法につきましては、昨年同様のやり方でやっておりますけれども、黒本をご利用いただく方々に、理解の一助とさせていただくために、資料2-2の一番後でございますけれども、320ページから323ページにかけまして、この解析に関する部分を参考資料という形で一部資料をつけさせていただいたところでございます。
 [2]の、その他の物質についての調査結果の概要でございますけれども、こちらについては水質について12番から20番までの9調査対象物質群、こちらについて調査を実施したところ、13番のヘキサブロモビフェニル類が未検出な他は、全て検出となってございます。底質につきましては12番から20番までの9調査対象物質群において、全て検出。生物につきましては、12番から19番までの8調査対象物質群ですけれども、12番のクロルデコンが未検出の他は全て検出。大気につきましては12番から18番、そして20番を合わせた8調査対象物質群について調査を実施しましたが、12番のクロルデコン、そして13番のヘキサブロモビフェニル類が未検出な他は、全て検出となってございます。
 資料2-1の4ページをご覧いただければと思います。調査結果の活用でございます。調査結果につきましては、「化学物質と環境」いわゆる「黒本」に、最終的にとりまとめ、要望部署に調査結果を返します。各種の化学物質関連施策に活用されることとなります。調査結果が要望部署でどのように扱ったかについて情報をもらうべきと前回、こちらも本委員会でご意見をいただきましたので、こちらについての活用状況につきましては、後ほど資料2のほうで説明させていただこうと思います。なお、化学物質環境実態調査の結果のとりまとめに当たりましては、調査結果の精査や解析など、14ページ、15ページにございます検討会において、専門家による事前の検討を行っていただいた上で、本資料として上がってきているという状況でございます。23年度の調査に関する部分については、以上となります。
 続きまして、駆け足で申し訳ございませんが、資料2-3、平成24年度化学物質環境実態調査の進捗状況について説明をさせていただきます。こちらの資料でございますけれども、今年度実施している調査の進捗状況でございます。調査につきましては「初期」「詳細」「モニタリング」と、23年度と同様の3体系で実施。なお昨年同様、一般環境中において排出に関する情報も考慮しながら実施となっております。精度管理については、従来のとおり、分析機関の差異だとかばらつきがございますので、こういったものについては標準物質の配布等をするとともに、ラウンドロビンテストを実施し、精度管理を担保しているところでございます。
 また、モニタリング調査につきましては、分析機関が年度によって変更ということもございますので、こちらについても継続性を担保するため、国立環境研究所にご協力をいただきまして、分析機関への立ち入りを有識者と一緒に行って精度管理の確認に努めているところでございます。こちらについては2ページから4ページに「初期」「詳細」「モニタリング」という調査別に表にまとめてお示しをさせていただきました。
 続きまして資料2-4、こちらは平成25年度化学物質環境実態調査の実施方針(案)でございます。25年度以降につきましてですけれども、こちらについても先ほどと同様、「初期」「詳細」「モニタリング」と、3体系でやらせていただきたいというふうに考えております。対象の調査物質の選定につきましても、関係部署から要望を聴取して調査を実施する方針でございます。
 まず過去に要望があった物質でございますが、今年度に既に分析法開発に着手した物質について、2ページから3ページにかけてですが、別添1という形で表にまとめさせていただいております。また、化審法、環境リスク初期評価など、関係部署から新たに今回、調査要望のあった物質につきましては、4ページから6ページに別添2という形で、表にまとめてお示しをさせていただいているところでございます。こちらについて差し支えないようであれば、この物質、この媒体の中から、調査を進めさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
 最後、資料2-5になります。こちらは平成22年度化学物質環境実態調査の活用状況になります。昨年本委員会において、本調査結果が要望部署でどのように扱ったかについて、回答をもらってはというご意見を踏まえまして、今年度より関係部署から調査要望をもらう際に、あわせて平成22年度化学物質環境実態調査について、要望部署における調査結果の活用状況を聴取いたしました。初期環境調査結果に係る活用状況を別表1、そして詳細環境調査につきましては別表2、それぞれ一番右側のカラムに、黒本のデータですけれども、その活用の状況について記載をさせていただいているところでございます。
 以上で資料2、黒本に係る説明は終わりとなります。

○櫻井委員長 説明が終わりました。どうもありがとうございます。結果をとりまとめるに当たりまして、今もご紹介ありましたが、専門家から構成される検討会議で別途精査解析等をしていただいたわけでありますが、この委員会においてまず今、いろいろご意見等をいただく前に、それぞれの実務者会議で座長を務められた白石委員、中杉委員、柴田委員から補足説明などございましたら、一言ずつご発言をお願いしたいと思います。
 まず化学物質環境実態調査結果精査等検討会と、もう一つモニタリング調査の結果に関する解析検討会の座長を務められた白石委員よりご発言、お願いできますでしょうか。

○白石委員 では、ご説明申し上げます。
 精査委員会は例年のごとく、制動管理データについて精査させていただきました。1データに基づいて分析法の検討、変更状況、資料の保存性の検討等を含めて、今年度はラウンドロビンテストに関しても幾つか考察をいたしました。その結果、検出下限値等を設定し、次の委員会にご報告しております。
 モニタリングのほうですけども、昨年度解析方法について詳細な記載がなかったものですから、説明文書というものを資料の一番最後のところにつけさせていただきました。最尤法というものを用いて経年変化を一次回帰ですけれども、一次回帰をするという手法で傾きがあるかないかについて検討を行うことというものでございます。高濃度地域と低濃度地域等があるんですけれども、含めて解析した場合と、それぞれ解析した場合について差異があるかどうかについて検討させていただきました。結果は事務局が説明されたとおりであります。以上です。

○櫻井委員長 ありがとうございました。続きまして初期環境調査及び詳細環境調査の結果に関する解析検討会の座長を務められた中杉委員から、ご発言をお願いいたします。

○中杉委員 事務局でご説明いただいたので大体尽きているのですが、若干補足をしておきます。
 今年の結果から排出に関する情報を考慮した調査というのが始まりました。排出に関する情報というのは具体的にいいますと、化管法による排出状況、排出の多い地点を選ぶということでございます。事業所だけから化学物質が出ているわけではないので、これで全ての排出の多い地点が網羅できるというわけではございませんけれども、それと大気などについては調査頻度の問題がありますので、実際に我が国で化学物質の濃度が高い状況を全部つかまえられているというふうな、必ずしもそういうわけではございませんけれども、一歩前進ということでございます。
 具体的には、初期調査で14物質中9物質、それから詳細調査で4物質群のうち2物質が、発生源を考慮した調査が行われております。そういうことで、一歩前進ではないかというふうに感じて。これは後でまた初期評価のところに実際に反映されていますので、そこでもご紹介をしたいというふうに思います。
 それから、過去の調査の結果との経過を見ているんですが、全体に検出下限が年次ごとに変わるので、なかなか難しいんですけれども、それぞれのデータを見て検出、不検出、それから実際の数値に矛盾がないかというところまで踏まえた形で評価をしまして、明らかにという、それも複数地点で明らかに一定の傾向が出ているものというものを変化があると。あるとまでは言わないんです。そういう傾向は見られるという示唆をします。具体的に今回は幾つかの物質、そのような検討を行ったのですが、ほとんどはあまり変わっていないけど濃度推移の傾向はわからないということで結論がございました。
 1物質だけ、資料2の81ページに挙げてありますm-クロロアニリンにつきまして、この水質のデータでございますけれども、具体的に数字の表としては82ページのほうでございます。3地点ほどで過去と比較をして矛盾がない地点がございまして、それらの地点はいずれも濃度が下がってきているのではないかということで、「低下傾向が示唆される」という表現を使ってございます。そのほかの変化が認められないものについてはあえて触れないということで、淡々と検出される、検出されない、このぐらいの数字だということを記載してございます。以上でございます。

○櫻井委員長 ありがとうございました。続いてPOPsモニタリング検討会の座長を務められた柴田委員からご発言をお願いいたします。

○柴田委員 それではごく簡単に補足いたします。
 POPsモニタリング検討会のほう、分科会として、分析分科会を持っておりまして、そちらのほうの委員に先ほど説明いただきましたように、平成24年度の分析を担当する機関の立ち入り視察というものを実施いたしました。その結果を踏まえて少しまた適切な仕事をしていきたいというふうに考えています。基本的に大きな問題点等は特に見つかっておりませんけれども、24年度につきましては入札の結果として、これまでとは違う機関が、今回一部参加をされるということになっておりまして、現在かつて測定した資料を改めてお渡しして、分析をお願いしておりまして、その結果を踏まえて、もう一度分科会のほうで検討するという流れで進めております。また、データにつきましては、その分析法分科会、それから親委員会のモニタリング検討会のほうで検討を行った結果、特に大きな問題点というのは見つかっておりません。
 ただ、ちょっと二つほどございまして、一つは大気のPCBに関してなんですけれども、実は以前ハイボリュームサンプラーに起因する低塩素系のPCBの汚染というものが見つかった経緯がございましたけれども、実は今年になってまた別の場所で、別のデータがつくりましたハイボリュームサンプラーで、同じような事例が見つかってきております。これは今回直接サンプリングの結果に響いていることとはあまり確認できておりませんけれども、例えば今回の結果についてはその装置の製造に使った接着剤にPCBが含まれていたんではないかという話が出てきておりまして、こういったことがやはり起きるとすると、サンプラー自体の製造そのものを含めて、もう少し見直しをしなければいけないかなというところが一つの大きな課題として見えているんではないかと思います。
 それからもう一つ、これはむしろリスクを考える場合に、ご議論いただければというふうに考えて、それは分析の中心ですので、そこまではちょっとカバーできないんですけれども、PFOSとかPFOAなどのフッ素系の界面活性剤について、PFOSの場合には製造工程の過程で非常に多くの枝分かれをした気体がつくられることがわかっておりますけれども、実際に分析をしておりますのは、実は直鎖状の部分だけを測定をするというやり方で定義をして、数字を出しています。
 実際の環境資料のデータを見てみますと、やはりいつも直鎖状とそれから枝分かれしたものの割合が一定というわけではありませんで、それぞれいろんな場所によって、あるいは試料によって、比率がやっぱり変わってくるという結果が見えております。それからもう一つ日本の多分これは比較的大きな特徴ではないかと思うのですけれども、フッ素系の界面活性剤の中でPFOAとかPFNAなどのカルボン酸を末端に持つようなタイプのものについても、実は末端が枝分かれしているiso-体と呼ばれている物質が、日本では割合によく検出されます。この検出頻度とかその濃度についてもやはり場所によって随分違うんですけれども、この最終的なとりまとめのほうが、実はまだ直鎖状のデータだけしか出ておりません。そういう意味で、その辺りの枝分かれをしたものを含めたリスク評価というものを考えていかなければいけないのではないかというふうに考えるんですけれども、その辺り表に出ている数字も含めてでないという辺りが、ちょっと今後の課題ではないかなというふうに考えております。以上です。

○櫻井委員長 ありがとうございました。ただいま各委員から補足説明をいただきましたが、それも踏まえて、今日の資料、それから説明内容に関しまして、ご質問、ご意見等がありましたらお願いいたします。

○遠山委員 今日のご説明で非常によくわかったんですが、概要版と資料2-1と資料2-2との関係ですが、資料2-2のほうには概要に書かれているような全体図は入ってこないんでしょうか。要はこの本の中にやはり全体の概括的な、今までも同じだったのかもしれないんですが、概括的な全体像の要するにこの資料2-1ですね、これに相当するような特に経緯であるとか、進め方であるとか、そういうものが入っていたほうが、わかりやすいだろうというのが第1点です。
 それから第2点は、先ほど中杉先生からご説明があって、多少はわかったんですが、排出に関する情報を考慮した調査地点の選定を行ったということで、これは私、確かに一つの進歩だと認識しています。ただ、どういうふうに考慮したのかというのが、願望の問題と先ほどおっしゃったんですが、それによって調査の結果にも影響してくるものですから、少なくとも排出に関する情報を考慮した調査地点で、先ほど中杉先生がおっしゃったようなことを含めて、報告書に入れておいていただけると、来年度以降の資料としても有効に使えるかなと思います。そういうことを言ったほうがいいのではないかというのが私の意見です。

○櫻井委員長 報告書の改善方向に関するご意見でしたが、いかがでしょうか。

○事務局(環境安全課) 遠山先生どうもありがとうございます。
 一つ目にいただきましたご意見につきましては、先ほど資料2-2が黒本調査のもととなりますというふうに説明いたしましたが、正確ではございませんでした。正確にはこちらのほうにさらに数ページ、前のほうに概略を示したような文章が入った形で、最終的に製本されますので、そちらのほうには記載はされるというふうにご理解いただければと思います。
 二つ目にいただきましたご意見につきましては、確かに排出に関する部分について記載が少し不十分かもしれません。今回につきましては、前回も同様ですけれども、PRTRの集計、排出量だとか、そういった情報は記載させていただいています。ルール的には排出に関するデータを入手しまして、多いほうから地点を考慮して選ばせていただいているところではあるのですが、こういった各調査につきましては、地方自治体のご協力のもと、成り立っているところもございまして、各自治体のご理解をいただいた上で、どうしてもここについては地点とあわせて追加で調査が困難というものも中にはございまして、できる限り排出量の多いところから順番に選んでいるところではございます。

○遠山委員 そういったことも含めて、いろいろご苦労があったのはあると思うんですが、例えば目次でいいますと、この資料2-2-2の1ページの目次ですが、3の調査地点及び実施方法の中の(2)とか(3)の調査地点、あるいは資料の採取方法とか、その辺りに、少し今のような排出に関する情報に対してのこととか考慮したんであれば、そういうことが読めるような文章を入れておいたほうが、本来であれば適当じゃないかなというふうに思うんです。

○事務局(環境安全課) そこにつきましては、先生のご意見を踏まえまして、少し記載ぶりについて考えさせていただきたいというふうに思っております。ありがとうございます。

○櫻井委員長 これは今日報告書(案)となっておりますが、二つご指摘のあった一つについては特段の問題はない。それから今の部分については少しご検討いただいて。

○事務局(環境安全課) 正式なものは、年度末までに作成となりますので、そちらの中で適宜修正させていただこうというふうに思います。

○櫻井委員長 それでよろしいでしょうか。そのほか何かございますか。どうぞ。

○香山委員 柴田委員がご報告された、ハイボリュームサンプラーからPCBが出たというのは、どの程度のものであって、もちろん検出下限がどんどん下がってきているので、そういうものまで検出できたということだとは思うのですが、その濃度はどの程度だったかということと、そのデータをどういうふうに処理をされたかということに関して、ちょっと教えてください。

○柴田委員 私がご紹介しましたのは、実は地方自治体のほうでの経験値で、以前のデータはもう既に処理されていますので、今年の例を紹介いたしますと、地方自治体のほうの独自の分析の結果で、実は低塩素のPCBの割合が極端に高いという、ちょっと異常なパターンが見えてきて、その結果をいろいろ調べているうちに、実はハイボリュームサンプラー自体のデザインの中の、先ほど言ったようにちょっとどうやら接着剤が高いというようなんですけれども、特定の部材にそのPCBの汚染源があるようだということが、今突きとめられつつあるという状況です。そういう意味でここに響くかどうかも実はまだ確認できていません。

○櫻井委員長 そのほか何かございますか。どうぞ。

○小山委員 分析の対象とするもの、水・大気・底質・生物ですが、どの媒体を分析するかという決め方、枠組みというのをちょっとご説明いただけますか。特に生物が、ブチルフェノールだけ分析して、ほかのもので、例えば生物の植生が高いのでやったのかなと思うと、パーフルオロの物質があまり分析していないということもあって、ちょっとそこの枠組みを教えていただきたい。

○事務局(環境安全課) 基本的に媒体につきましては、各部署から要望があった際に、化学物質だけでなく、どういった媒体についてこの物質をはかってもらいたいという情報もあわせていただいておりますので、それをもとに全ての媒体ではなくて、要望部署から出たもの、物質媒体に対して、こちらでは一般環境の情報にするために調査を行うというふうになってございます。

○櫻井委員長 よろしゅうございますか、どうぞ。

○中杉委員 別件で追加の補足なんですけど、資料2-5で活用状況のご報告を事務局からいただきました。多くは初期リスク評価で使うというのと、それから化管法で対象物質の選定に供するという話でございました。初期リスク評価の活用については後で少しお話をしますけれども、化管法の対象物質の選定については実際に、仮に化管法の対象リストを決めるのはこのエコ調査の委員会の責務ではございませんので、何もできないんですが、仮にやってみると、やはり従来の考え方で化管法の対象になり得るかもしれないものが見つかっております。具体的には化管法の対象物質選定基準のばく露のほうで複数地点で見つかった場合には対象物質に選定するというようなこともございますので、それに該当するものが対象となっていないものの中にあるというようなことでございます。ただ化管法のほうは対象物質の選定はその都度その都度に行うのではございませんので、次回に選定の見直しの時期に来たら、そういうものが入ってくる。そこでエコ調査の結果が生きてくるというふうに考えています。

○櫻井委員長 よろしゅうございますか。ほかに何かありますか。

(なし)

○櫻井委員長 それではないようですので、この実態調査につきましては、以上のご議論で済ませまして、次へ進みたいと思います。
 次は、化学物質の環境リスク初期評価(第11次とりまとめ)についてでございますが、まずこの議題につきましては、グレー本、事務局のほうで資料3のほうを使ってご説明いただけると思います。どうぞ。

○事務局(環境リスク評価室) 担当変わりまして、今度環境リスク評価室のほうからご報告いたします。資料3-1から3-3が関係資料になりますが、3-3がこのとおり分厚いものですので、本日の説明では基本的には割愛させていただきます。
 3-1の資料になります。環境リスク初期評価の進捗状況ということで、今次のとりまとめまでどのような時間経過に沿って作業を進めてきたかという流れですとか、今回のとりまとめ物質の選定理由について概要をご説明いたします。
 1.の化学物質の環境リスク初期評価についてという部分ですが、中身はもうほとんど言わずもがな的な内容でありまして、我が方の環境リスク初期評価ではヒトの健康のリスク評価、それから生態影響のリスク評価、この両方をやっておりまして、まず[1]ですが、それらについての用量-反応関係を整理する「有害性評価」それから[2]として「ばく露評価」をやりまして、[3]としてその両者を比較、基本的には割り算ということですが、そういったことによってリスクの程度が大きい、小さいというのを判断しております。
 この初期評価の事業ですが、当省といたしましては、その後例えば水・大気局などでやるような環境リスク管理のための施策というのを念頭に置きまして、その対象物質の粗々な選定作業をやるという感じだったと思いますが、非常に、あまたある化学物質の中から、相対的に環境リスクの高そうな物質をスクリーニングという目的で評価をやりまして、初期評価的な評価を行って、健康及び生態の両方でリスクの高そうな物質を抽出するということをやっております。
 2.これまでの進捗ですが、この事業は平成9年度からやっておりまして、これまで10回のとりまとめで、合計196物質について、人健康と生態の両方の評価をやってきたという意味です。それに追加的に、生態リスクだけ評価しているという物質がありまして、それが95ということで、合計約300の物質について評価をし、結果を公表してきております。その評価結果というのが、先ほど座長のほうからご紹介のあった、いわゆる「グレー本」という形のグレーの表紙をつけた冊子ということで公表しているものであります。
 今回の11次とりまとめですが、そういうことで、今回のとりまとめですが、まず大体次のページの図1をご覧いただければと思うんですが、過去パイロット事業から始まって、今回11次のとりまとめまでの年次スケジュールみたいなものを表示しておりますけれども、毎度毎度対象物質を選んで、その年のうちに評価結果を出すという形ではなくて、概ね2年とか3年かけて情報を集めて、それで評価結果を出すというようなスケジュールでやっておりまして、今般11次のとりまとめについては、その対象物質の多くは平成22年度、2年前に選定して初期評価に着手した物質ということになっております。
 具体的には、その次のページの表1、さらにその次の表2という表にまとめられた物質になりますが、健康と生態の両方を評価した物質として18個、表1の1番のアクリル酸エチルから始まって18番のメタクリル酸メチルまで、この18物質です。これを評価しておりまして、それから生態リスクのみを評価したものが次のページの表2、2,2'-アゾビスイソブチロニトリルから5番のメルカプト酢酸の5物質という形になっております。
 3-1-2のページに戻りますが、物質の選定につきまして、簡単にご説明しますと、3-1-2のページの(2)のところになりますが、先ほどエコ調査の説明でもあったのと同じような感じでして、我々環境省内の関係部局、特に水や大気の規制を行っている部局になりますが、そういったところからこういう物質について評価をしてもらいたいというニーズをとるということ。それから4行目になりますが、これは我々の部屋のほうで選定している作業のやり方になりますが、環境安全課さんのほうの、例えば黒本調査の中で検出率が高かったものですとか、化管法のPRTRの届出排出量の多かったものといったようなものを選定しまして、その中から専門家の評価も踏まえて、この18なり5物質を選定するというようなことをやってきております。
 具体的な選定理由、この表1、表2にも書いておりますが、例えば1番のアクリル酸エチルですと、化管法の届出が大気、公共用水域ともに多かったという理由ですとか、例えば4番目のイソブチルアルコールをご覧いただきますと、これは環境モニタリング調査の検出物質ということで、特に大気から検出が多かったということでピックアップしている。それから9番のコバルトなんていうのは、要望物質(大気環境課)とありますが、これは大気環境課さんのほうから評価してくれという形で要望が上がってきたものでして、このように大気から要望が上がってきたら、では大気だけの評価をするかというとそうではなくて、大気・吸入の評価、それから経口毒性の人健康の評価、さらには生態リスクの評価、全てをやるというような形で進めております。
 このほか、過去に既に評価済みの物質であって、最近になって例えば新たな黒本調査のデータが出てきて、それを使って評価すると、どうも過去の評価と結果が変わりそうだというようなものについても、再評価という形で評価をして、データのアップデートを図っているということであります。
 それで、3-1-5のページまで飛びますが、こちらが本日この専門委員会にご報告するまでの下検討の組織でありまして、今年度につきましては、国立環境研究所さんのほうに委託をするという形で、国環研の中にとりまとめの企画委員会、それからその下にばく露評価と健康リスク評価と生態リスク評価のそれぞれの分科会を設置して、そちらのほうで検討いただいたということであります。
 続きまして資料3-2で、今回の評価結果の概要についてご説明いたします。1.の「はじめに」は省略させていただきます。2.の初期評価の概要についてですが、概ね3-1の資料と中身が重なってきますけれども、先ほど、ちょっと前にも申し上げたとおりで、独立行政法人国立環境研究所さんの協力を得て、これまで継続的に評価をしてきているというものであります。
 位置付けについて、(2)ですが、初期評価というのは多数の化学物質の中から相対的に環境リスクが高い可能性がある物質というのをスクリーニングして、その後に続けていくという、最初のステップだというふうに位置づけておりまして、具体的にはこの図にありますが、リスク初期評価に必要な情報ということで、ばく露、毒性に関する情報、世の中さまざまあるんですが、それをまず集めていきます。集めてきてもその情報だけでは、それぞれの物質についてリスクが大きいのか小さいのか、見てもわからないということで、一つ下にいきまして、環境リスク初期評価の実施ということで、ここで粗い評価をすると。その後、下向き矢印と上向き矢印がありますが、基本的には下向き矢印が重要かなと思っておりまして、我々がやった初期評価結果を規制担当部局、水・大気局ですとか保健部の中にもそういう部門はありますが、そういったところに情報をお渡ししまして、必要に応じてより詳細な検討、あるいは管理の実施をしていただくという流れになっております。
 これが基本の流れですが、環境リスク初期評価の実施から上向きの矢印があるわけでして、評価結果を毎年度公表しております。その公表結果を踏まえて、例えば自治体さんのほうでさらなる調査が進むとか、そういった物質を取り扱っている各企業さんのほうで自主的な取組が進むとかということも期待しているものでありまして、そういった各関係者の取組の中からまた元のところに矢印が戻りますが、新しいリスク評価に必要な情報というのが出てくることを期待しているという感じになります。
 次のページにまいりますが、初期評価においては評価結果を大きく3段階に評価しておりまして、詳細な評価を行う候補という物質、それからそこまでのリスクは高そうではないけれども、関連情報収集に必要というふうに考えられる物質、さらに三つ目として当面作業は必要ないという物質というのがあるんですが、そういうふうに分けまして、特に詳細評価が必要ですとか、関連情報の収集が必要となったものにつきましては、関連部局との連携のもとで、さまざまな優先的対応をとっていくということにしております。
 (3)(4)はほとんど資料3-1と重なりますので、省略いたします。
 (5)の評価の方法でございます。この事業での初期評価のやり方でございます。初期評価のやり方は、ガイドラインというのを定めておりまして、今年ですとこの資料3-3の分厚いやつの前半のほうにガイドラインが入っておりますが、詳しくはご説明しませんけれども、そういった形であまたの物質を統一的な方法論にのっとって評価しております。具体的には資料3-2-2ページに戻りますが、(参考1)というふうにありますけども、まず最初に健康リスクについては、無毒性量等という呼び方をしておりますが、さまざま動物実験データですとか、ヒトのデータとかあるわけでして、そういったところから得られるNOAEL、LOAELといった数字を、統一的な評価ができるように規格化をする。
 具体的にはLOAELが得られたものについては、例えば10で割って、仮のNOAELを出すとか、あるいは短期の動物試験結果しか得られなかった場合には、またそれを、そこから得られたNOAELを10で割って、仮の長期の試験があったとしてのNOAELに変換するとか、そういったことをやっていきますが、そういった無毒性量と、それから予測される最大ばく露量、あるいはばく露濃度の比をとりまして、無毒性量まであと何倍の開きがあるのか、MOEと呼んでおりますが、これを計算します。その計算した結果、10を下回れば詳細評価の候補、10~100であれば情報収集、100を超えれば現時点で作業は必要ないという評価にしております。生態リスクについても同じような考え方ですが、PECとPNECを求めまして、その比をとって、PEC/PNEC比が1を超えれば詳細評価の候補、その1桁下が情報収集、2桁以上下は作業の必要なしという形の評価にしております。
 この先が参考2になるんですが、先ほど黒本のほうで中杉先生からも補足説明があったようなお話になるんですけれども、基本的には予測最大ばく露量とか、予測環境中濃度のPECというのは、全国を対象にして行っている調査、具体的にはほとんど黒本調査ということになりますが、そういった調査で得られた最大値というのが基本的にとってきております。ただしかしながら黒本調査で出てきた最大濃度というのが、本当に日本の最大値を反映しているのかという問題は、常につきまとうわけでございまして、そこら辺をカバーすべく、ここに書いてありますが製造量、用途、物性、さらには化管法に基づく届出排出量で、何かモニタリングを行った地点よりももっとたくさん排出のある場所があるのかないのかとか、そういった情報を踏まえながら、参考1のところに書いた評価について、必要に応じて修正を行って、総合的判定として、例えば評価を1段階厳しくしたりというようなことをやっております。
 いずれにせよ、なお書きになりますが、この初期評価をやる中で、とにかく次のリスク管理をやる水・大気局といったところへ、検討の候補物質をピックアップして渡していくという作業の特性を考えると、環境リスクがちょっとでも高そうな物質というのが見逃されることがあってはならないということで、常々ごく安全側に立った評価になるような評価をしておりまして、その結果、過剰に安全化を図っていることもなきもしもあらずなんですが、なるべく多くの物質が情報収集の必要とか、詳細評価の候補という形で上がるようにしているところであります。
 前置きが長くなりました。ようやく3.で今回の結果の概要でございます。前々から申し上げているとおりで、今回の評価では健康と生態、両方を対象にしたものが18物質、生態についてだけ評価したものが5物質ということで、その結果が下に表で示しております。詳細評価を行う候補として選ばれたものが、健康リスク初期評価ではインジウム及びその化合物、生態のほうではコバルト及びその化合物と、次のページになりますが、生態リスクだけを評価したもの、5物質の中から一つ、塩素酸がピックアップされております。この3物質です。
 これらの物質について、少し詳し目な資料が後ろのほうの3-2-6ページから先の表でまとめております。3-2-6ページをご覧いただければと思います。まず健康リスク初期評価の結果について並べたのがこの表になります。この中で健康のほうでとにかく詳細評価判定となったのが5番のインジウム及びその化合物でございます。この物質はいわゆるレアメタルとして知られるもので、例えば液晶用の透明電極の材料に使われたりとかというようなものであります。
 こいつについて有害性の知見というところに無毒性量等として吸入のほうですが、0.00013mg/?、そういう数字が入っております。この物質はもともとIARCのほうでは2Aという評価で、ヒトに対して恐らく発がん性ありというふうにされております。また、発がん性について実験動物のほうでは発がん性があるよという結果が幾つか得られているんですが、この物質の発がんは、酸化ストレス等が関与するものであって、閾値があるんじゃないかということを示唆する報告もありまして、いずれにせよヒトでの知見は十分でないということで、今回の評価では、ヒトに対する発がん性の有無については、判断できないというふうにいたしました。
 その結果、閾値の存在を前提として非発がん影響に関する知見に基づいて無毒性量等を設定しておりまして、その結果が先ほどの表の3-2-6ページの表にありますとおり、無毒性量等、0.00013mg/?、ラットの細気管支/肺胞の過形成や、マウスの肺胞タンパク症などというものがエンドポイントとなって決まっているものであります。この無毒性量に対して一般環境大気の最大のばく露濃度が0.00035μg/?ということで、比をとりますと4ということで、総合的な判定として詳細評価の候補となっております。
 一方、この物質の経口毒性につきましては、先ほどMOE4の上の欄を見ていただければと思うんですが、MOEで43万以上ということで、ほとんど影響はないです、リスクはなさそうということになるんですが、実はここの43万超というのを計算するに当たりまして、経口ばく露評価の中で、食べ物からどれだけ入ってくるのかという情報が結局得られませんでした。それから水についても黒本での調査結果はそれなりに低い数字しかないんですが、PRTRでたくさん排出していますよという事業場の近傍の濃度をモデルで計算して、そこからMOEに計算してやりますと、実はずっと大きくなって93ということもありまして、そこら辺を踏まえると、43万超という数字だけ見て安心しているわけにもいかないだろうということで、さらなる情報収集が必要ということで、評価を一つランクアップしているところであります。
 このように、MOEの評価から総合的な最終的な評価に至るところでランクアップをしたという物質は、ほかにも結構ありまして、この表の中ですとアクリル酸エチル、キノリン、3-クロロプロペン、9番コバルト、次のページにいって11番のジシクロペンタジエン、13番の1,3,5-トリメチルベンゼン、それから14番のバナジウム及びその化合物という辺りが、今ちょっと経口と吸入とごっちゃに言いましたが、どちらかでとにかくPRTRの結果などを踏まえて最終的な評価が少し厳しいものにシフトしているというものであります。
 ちょっとだらだらした説明で恐縮ですが、次のページにまいりまして、3-2-8ページです。こちらが健康リスク初期評価で過去に一度評価しているものを今回再評価したというものであります。グレーの網掛けのある部分が、再評価の結果、何がしかの数字なり評価が変わった部分でありまして、いずれもばく露評価部分の数字、つまり環境の濃度が新しいデータが得られたということであります。有害性の情報については、いずれも網掛けはありませんので、特に新しい情報はなかったということです。こちら5物質について再評価をしておりまして、最終的な判定が変わったのは3物質、2番と振ってある、一番上にあるアクリル酸ブチルと、10番と振ってある酢酸2-エトキシエチル、それから一番最後の18番、メタクリル酸メチルで、いずれも過去の評価では環境の濃度情報がなくて、その結果そういう情報を集めましょうねという評価になっていたものが、何がしかの環境濃度の情報が出てきて、結果的には今後の作業の必要はなしという判定に確定したという感じになっております。
 次、3-2-9ページにまいります。今度は生態リスクのほうであります。こちらは表の真ん中辺り、9番のコバルト及びその化合物が詳細評価候補ということで上がったものであります。この物質は例えばリチウムイオン電池の材料ですとか、各種合金の材料、磁性体の材料、そういったものに使われる金属でありまして、有害性評価としては緑藻類の慢性毒性の生長阻害のNOECが一番低い毒性値ということで、それをアセスメント係数で割ってPNECが0.38μg/Lとなっております。
 これに対してPEC、環境中の最大濃度が淡水で9.1、海水で0.45ということで、PEC/PNEC比をとりますと、淡水、海水、いずれも1を超えるということで、詳細検討候補となっております。ただし、金属ではしばしばあることだというふうに伺っておるんですが、ここで算定したPNECの0.38という数字が、実は非常に小さい。どのように小さいかといいますと、こういった化学物質の生態毒性をはかるためには、ある種の実験動物を使って実験をするんですが、その際に例えばミジンコなどを使う。ミジンコを飼うための水というのもまた調合してつくるんですが、その水に添加しなさいと推奨されているコバルト濃度というのが、この0.38より濃いというような状況でありまして、果たしてこのPNECで本当に毒性評価は正しいのかという部分は、いずれ詳細な検討が要るのかなというふうに考えられる、そんな結果でありました。
 次のページにまいります。3-2-10ページで、追加的に生態リスク評価だけを行った5物質についての評価ですが、3番目の塩素酸がPEC/PNEC比が1を超えるということで、これも詳細評価の候補となっております。
 それからさらにその次のページ、3-2-11ページになります。こちらは生態リスク評価の再評価の結果について、以前の結果と今回の結果を比較しております。健康と同じで、こちらもグレーの網掛けをした部分が何がしか新しい情報が得られた、あるいは評価結果が変わったという部分でありまして、合計9物質評価をやっておりますが、過去の評価よりも厳しい評価になった物質は、うち二つでありまして、環境1のアクリル酸エチルと、環境8、上から3番目の3-クロロプロペンの2物質が、過去の評価は作業の必要なしとか、評価できないというふうであったんですが、今回情報収集が必要ですねという評価に変わっております。
 雑駁ではございますが、ざっと今回の評価結果の中でも、特に詳細な評価が必要となった物質を中心にご説明してまいりました。資料3-2-4ページに戻っていただきたいと思いますが、ということで、この二つの表について今ご説明してきまして、(4)留意事項でございます。これは毎年書いていることではありますが、特にこの初期評価、安全側に立った評価をやっているということになりまして、今回の結果から詳細評価が必要となったものについて、直ちに環境リスクの抑制が必要であるというふうに判断されるわけではありませんということを、ご留意いただきたいと思います。
 4.今後の対応であります。ここも例年とほとんど同じような内容ではありますが、まず(1)で結果の公表ということで、本日この資料の形で内容についてご了解いただければ、本日夕方にこの資料の形で今回の評価結果の概要というのは公表されます。さらに年度末を目途に、若干の語句の修正などをして、この資料3-3のほうについても最終的にグレー本としてとりまとめて公表をするということを考えております。
 それから重要なのが(2)で、関係部局の取組誘導ということでありますが、こちらはもう既に私から水・大気局なり関係する部局に話は伝え始めておりますが、特に詳細な評価を行う候補とされたような物質について、大気環境課なり、水環境課なりに評価内容をご説明し、必要なアクションをとっていただくということをやっていこうと考えております。
 その他(3)として、ここで得られた評価結果をとにかく公表して、一般消費者あるいは企業の方に活用いただく。さらにはGHSの導入みたいな場面でも活用をいただくということで、有効活用を図っていきたいということ。
 (4)として特に関連情報収集が必要とされたような物質について、今後とも、これは我々のほうでですが、関連情報を収集していって、場合によっては再評価をするという形で集めた情報を使っていきたいというふうに考えております。
 それから最後(5)ですが、今後の対応として、これも毎年同じようなことを書いておりますけれども、評価の方法論について、まず評価のガイドラインについて、今後も適切に見直しを行うということ。それから外国OECD等で試験法やリスク評価の方法について、新しい検討があればそういったものを取り入れていきたいというふうに考えております。
 それから三つ目の丸は、若干今年新しいことを書いておるんですが、化審法が改正されまして、あちらのほうでおよそ世の中にある全ての物質がリスク評価の対象となったという動きがあります。しかしながら、化審法のほうではここに書いてあるとおりですが、基本的には工業化学物質と呼ばれるようなものが化審法でカバーされる範囲ということになりまして、非意図的に環境中あるいは廃棄物の処理過程等々で生成するような物質とか、用途が化審法でカバーする範囲以外、薬とか農薬とかありますが、そういったものに及ぶような、とにかくさまざまな用途を持つような物質、そういったものについて、なかなか化審法の評価だけではカバーし切れないということもございますので、引き続き我々のほうでそういった物質についても評価をしていくということを考えておりまして、具体的には今申し上げたとおりですが、非意図的に生成する物質とか、天然にも存在するような物質のようなものに重点を置いて、この事業を進めていきたいと考えております。
 ちょっと最後乱れてしまいましたが、説明は以上になります。

○櫻井委員長 ありがとうございました。それで、ただいまのご説明の中でやはり前回と同じように今回のとりまとめに当たって、専門家から構成される分科会などで、別途ご議論いただいているわけですが、ここで審議に入ります前に、それぞれの分科会などで座長を務められた中杉委員、楠井委員、青木委員から補足説明ございましたらご発言をお願いいたします。
 まずばく露評価分科会の座長を務められた中杉委員からご発言をお願いいたします。

○中杉委員 先ほどエコ調査のほうで発生源を考慮したということがありました。発生源を考慮していただいた物質、13物質あるんですが、そのうち初期評価に関わるのが4物質でございます。3物質については発生源を考慮した結果を踏まえても、特段の作業の必要なしという、いわゆる白判定という判定になりました。1物質だけコバルトが、先ほどご説明ありましたように詳細評価の候補になっております。
 コバルトみたいな物質は、従前は自然界にも存在しますので、バックグラウンドの濃度と測定した結果がどうなんだという議論をよくしていたんですが、今回は発生源の近くで、考慮した調査をしていただいた発生源の下流のところが一番高かったものですから、これは何らかの人為的な行為が関わって、その濃度になっているんだろうということで、従前に比べてはっきりと人為由来の生態リスクがあるんじゃないかという判断ができたということでございます。
 なお、コバルトにつきましては、もう一つ、先ほど事務局からも若干ほかの生態影響のほうでお話がございましたけれども、人健康のばく露のほうでもビタミンB12はコバルトの化合物でございまして、そのばく露量というのは結構な量になります。実際にはコバルト換算でどのぐらいだというのは明確に出せなかったんですけれども、そこら辺を考慮しなければいけないんですが、今回はそれは入れずに、とりあえずビタミンB12を除いた形で一応評価をしてございます。ただビタミンB12というのはどのぐらいの摂取になるのかというのは、これは摂取量の目安みたいな数字がございますので、そういう数字がこのぐらいだということは記載をしてございます。
 それからもう一つだけ、自然由来で絡みそうなのがバナジウムでございますけれども、このバナジウムにつきましても自然由来のものについては一応入れない形で評価をしております。ただ1地点、自然由来以外だろうと考えられる地点の中で、最高濃度が検出された地点がございまして、ここの地点は近傍に廃棄物の不法投棄の場所でございまして、そこからバナジウムが出ているかどうかという詳細な情報はなかったんですけれども、やはりそういうちょっと問題がありそうな場所のデータは採用しないで、2番目の濃度のところを採用するという形にしてございます。そういうふうな形でばく露評価を行いました。

○櫻井委員長 ありがとうございました。続いて生態リスク評価分科会の座長を務められた楠井委員からご発言をお願いします。

○楠井委員 ただいまもう既にお話ありましたように、今回生態リスクの候補で挙げられましたコバルトについては、既に培地の中に含まれているという意味では、必須もあるんですが、また今の詳細手順でやっていきますと、それよりもちょっと低い濃度にあるということもあると。ただこれは初期リスク評価としては仕方がないということで、詳細リスクに入る場合にはそういったこともちょっと考慮して行う必要があるだろうと。それとあと同様に金属については、やはり前から言われているように、生物利用可能性ということがあります。今はそういったことをちょっと考慮していないんですが、今後こういった金属等を扱うときにはやはりそういった要素も考慮しながらやっていく必要があるかなということでは、これは今後の課題かと思っております。以上です。

○櫻井委員長 ありがとうございました。それから健康リスク評価分科会の座長を務められた青木先生、よろしくお願いします。

○青木オブザーバー 青木でございます。ただいまご担当のほうから説明いただきましたように、健康リスク評価のほうでは詳細な評価を行う候補としてインジウムが挙げられました。これは実はインジウムは最近、労働環境ではばく露のほうで非常にいろいろ検討がされている物質であります。実は2011年、我が国で論文になったのがその時点なんですけども、得られました最近の試験を活用させて、吸入ばく露のデータですね、これを活用してこのような形で評価をさせていただきました。
 それからあとBの関連情報収集が必要になるという物質、あわせて七つございますが、これも先ほど久保補佐のほうからご説明がありましたように、いわゆる従前のリスクの判定から総合判定というふうに行った場合、たまたまかもしれませんが、このランクにあったものが吸入ばく露が多うございますので、やはり今後のこういう健康リスク評価というのは考えていくときに重要な知見になったんではないかなというふうに思っております。
 それから、金属の問題、ばく露それから生態、それぞれご指摘ございましたが、やはり金属について今後、これもたまたまかもしれませんが、詳細な評価を行う候補に今なってございます。やはりいろいろ丁寧にやるもの、どのように評価していくか、健康リスクから見れば金属だけではないんでしょうけれども、それをどのように評価していくかということは、今後の課題であるように考えております。以上でございます。

○櫻井委員長 ありがとうございました。それではただいま補足説明も踏まえた上で、資料及び説明内容に対しましてご質問、ご意見等がありましたらどうぞ。

○香山委員 ちょっと青木委員からご指摘があったインジウムの人へのばく露というのは、労働現場でのばく露が一番大きなもので、環境リスク評価という観点から見て、それをどのように一般国民に広げていくのかという、やっぱりアプローチの仕方というのをどうされるのか。特に排出が多いような汚染物質、化学物質の近傍の住民の環境を評価するということに関しては、極めて重要な知見であると思うのですが、それがどれだけ環境に排出されているかというデータを付記したような形で、調査を今後進めていくということになるのでしょうか。

○櫻井委員長 いかがでしょうか。どうぞ。

○事務局(環境リスク評価室) 最終的には我々というよりは、大気のリスク管理をつかさどる大気環境課なりの判断になってくるとは思いますが、我々としてはやはりこういう評価結果が出たよということを伝えた上で、まずは発生源、近傍のモニタリングをもうちょっと丁寧にやってもらって、実際のばく露実態がどの程度であるのかというところを詳細に調べてもらいたい。その上で必要があれば、リスク管理に向けて、これまでの通常の流れですと、大気の環境基準ですとか、大気濃度の指針値といったものをつくって、それに基づいて規制なり、規制に至らないまでも排出事業者に対する指導という形で進んでいきますので、それを進めていっていただきたいと思っております。

○香山委員 ありがとうございます。

○櫻井委員長 よろしゅうございますか。

○香山委員 はい。

○櫻井委員長 ほかに何かありますか、どうぞ。

○関澤委員 今後の対応というところで、環境リスク評価の初期評価ガイドラインについて、資料3-2で記されていますが、二つ、環境省にとり特に重要と思われることで、指摘しておきたいところがあります。ひとつは、自然環境中にもともと存在する物質で幾つか、バナジウムなど問題ありと思われる物質がかなり見つかりました。そういったものについての考え方を、明確にしていかないと、環境省としてどういう対策をとれるのか、とれないのか、そもそも自然環境中にあるものについての考え方の検討が必要だと思いました。
 それから二つ目は、部会でも申し上げましたが、環境媒体の中からは、当然ながらさまざまの複合的ばく露があり、複数の共通の毒性メカニズムを持つ物質、あるいは共通の標的に作用すると思われる物質があるわけです。これらに対し、一般に言われる複合という話とは別ですが、個々の物質での評価だけでなくて、複合的に共通の作用メカニズムを持つ物質などに対し、国際的にも検討されているような考え方をどう取り入れていくのか、ぜひ検討していっていただければと思います。

○事務局(環境リスク評価室) ご指摘、どうもありがとうございます。まさにここへ来る前の前段階のところでも同じことを言われていて、まだちょっと忙しくてなかなか検討できていないんですが、自然界で高濃度になるような物質について、基本的にはリスク評価の段階では自然由来だろうが人為由来であろうが、よほど不法投棄的な特別な事情があるものを除けば、同じように扱ってリスクが高い、低いという判定をするんだと思います。
 その上で、対策をするところで、じゃあどうしましょうかというところで、ごく簡単に言えば、やはり人為的な発生源から出るものはその人為的発生源に対して何らかの対策を行っていただくということになるでしょうし、自然から出るものであれば、そういった対策はできないんですが、さはさりながら、そこに住んでいる方は何らかの形でばく露を受けてしまうことがあると。大気でそう言われるとどうやるのか、ちょっとよくわからない。三宅島から逃げてくるような話になってしまうのかもしれませんが、水とか食品であれば、例えば水道の取水源の問題とか、あるいは水道の浄水処理の問題とかで解決できる部分もあるかもしれませんし、何かとにかくケース・バイ・ケースでやり方を考えていくという話になるのかなと思います。
 いずれにせよ、ちょっと保健部の所掌範囲を超えるので、あまり私がべらべらしゃべるのもいかがなものかという気がしますが…

○戸田環境リスク評価室長 ちょっと幾つか補足しますが、とりあえず、まずインジウムの件ですけども、これ毒性量をどこで取るかというので、やはりいろいろ議論がありまして、資料3-3、分厚くて恐縮ですが、142ページに吸入ばく露でどういうのを取ったというのがあります。ここではインジウム、スズ酸化物のLOAELをいろいろ補正してやっているということでありまして、これは本来、本当に毒性をしっかりやるんであれば、こういうハザードのところをしっかり攻めないといけないんだと考えられるんですけども、現在の知見でやってみると、このぐらいしかなかったというようなところでありまして、この辺はさらなる課題になるんじゃないかなと。なかなか哺乳類の毒性試験を本当にそんなにたくさんできるのかというと、これなかなか難しいところがありますが、現在の知見ではこういうことであったということであります。
 あと、自然界に存在する物質をどうするかということにつきまして、これは環境省というのは一般環境を扱うところですので、それが自然由来であっても、それはまずは評価のところでは、それはひとしく評価をするわけですけれども、そうは言ってもなかなか自然ばく露がかなり大きい物質について何らかの評価を下す場合には、やはりコミュニケーションが大事でございますので、その辺についてまずは初期評価といえども、できる限りもう少し踏み込んでハザードやばく露のデータを集めつつ、もし情報収集が必要だということになった場合には、これは黒じゃないんだよと、別に情報収集してさらなる評価の候補になったとしても、だからといって今、危険が生じているわけではないんだよという、そういうコミュニケーションは大事だというふうに考えております。
 複合的な影響につきましては、これは昨年度、実は多環芳香族炭化水素について、例えばベンゾピレンはいいとして、フルオランテンとか、数十物質を個々に評価するというようなことをやっていたものですから、これはそんなことをしても仕方がないので、これはまとめて評価するとどうなるだろうという勉強はしているところであります。ちょっとまだそれを公表する、このグレー本に盛り込むところまでいっていないんですけれども、あわせて環境安全課のほうで複合影響の評価手法の検討などもやっておられますので、ちょっとこの辺いろいろもう少し勉強しながら、少なくとも複数物質をまとめて同じような毒性基準を持つようなものについては、まとめて評価するというふうな方向性に持っていけないだろうかということは考えておりますので、この辺はまたご指導いただければというふうに思っております。

○櫻井委員長 よろしいでしょうか。ではどうぞ。

○西川委員 資料3-2-2ページにMargin of Exposureによる健康リスクと生態リスクの判定基準が書いてあります。それで、これは発がん性をどういうふうに考慮するのかなと思って、資料3-3を見てみますと、246ページのコバルトでは発がん性を考慮して5で除してとあります。一方、インジウムのほうは、143ページの下のほうの段落に、発がん性を考慮して10で除してと書いてあります。何か数値を決めるルールというのはあるんですか。

○青木オブザーバー そこのところ、確か少し違っているところがあるんです。インジウムのほうがより安全を振ったほうがいいんじゃないかというふうに、ある判断でUFを出していただいたということでございます。

○西川委員 あくまでも発がん性の強度を考慮してということなんですか。

○青木オブザーバー 考慮というか、実際に例えばインジウムの場合はヒトでの発がんの知見があるということで、たしかそれは一律だったと思うんですけど、そういうことを考慮させていただいたということでございます。

○事務局(環境リスク評価室) ルール上というお話になりますと、資料3-3の14ページのところになりますが、14ページの(3)[1]ア(ウ)になりますが、発がん性から設定した場合はその影響の重大性を踏まえて、さらに原則10(場合により1~10)で除して算出ということで、この辺りがまさに健康リスクの分科会のほうでの基本になっているというところかと考えております。(注:この発言は、正しくは(3)[1]ア(イ)の「無毒性量を非発がん性影響から設定した場合であっても、ヒトで発がん作用があると考えられる場合には、さらに最大10で除して算出」であり、原則10ではなく最大10の誤りであった。)

○青木オブザーバー そのとおりでございます。インジウムの場合……。

○櫻井委員長 インジウムは原則をとった。

○青木オブザーバー ええ、原則をとったということでございます。

○櫻井委員長 インジウムはヒトの発がんのデータは、たしかなかったと思うんですけれども。動物のデータの確からしさだと思うんですけれども。

○青木オブザーバー 失礼しました。そうですね。ヒトの直接的な関連性というのは、議論ではございませんね。ただ動物実験の確からしさとか、そういう観点からでございます。失礼いたしました。

○櫻井委員長 ほかに何かありますか。
 もう大体議論も尽きたようで、幾らでもあるかと思いますけども、時間のあれもありまして、遠慮しておられるかと思います。一応この議論のとりまとめとして、今日の概要版につきましてはこのまま公表すると。それからグレー本につきましては若干の修正等は、今ご指摘は特になかったんですが、自主的な修正はあるかと思いますけれども、3月末ごろまでにまとめたらということで、ではそういうことでよろしゅうございますか。

(はい)

○櫻井委員長 ご了解いただけたと思いましたので、そうさせていただきます。なお、先ほどの黒本のほうにつきましても、同じことをきちっとご了解を求めるのを怠りましたので、順序は変わりますけれども、概要版はこのまま、多分今日とか……。

○事務局(環境安全課) 黒本につきましては、概要については27日、明後日でございますけれども、プレス発表させていただきたいと思います。

○櫻井委員長 27日に発表されるということですね。

○事務局(環境安全課) はい。黒本の正式なものにつきましては、年度末までに修正をさせていただきまして、出したいというふうに考えております。

○櫻井委員長 今日のご指摘事項が若干ございましたので、それを考慮して修正したらと。

○事務局(環境安全課) はい。

○櫻井委員長 ではそういうことでご了解いただけますでしょうか。

(異議なし)

○櫻井委員長 ありがとうございます。では以上で今日の主な二つのテーマにつきましては、ご了解をいただきました。
 それでは、残りの時間でその他ということでありますが、4件ほど案件がございますので、事務局からお願いいたします。

○事務局(環境安全課) では参考資料の説明をさせていただきます。環境安全課からは参考資料の1~3について、ご説明をさせていただきます。
 まず参考資料1、残留性有機汚染物質検討委員会第8回のPOPRC8の会合結果についてでございます。この委員会につきましては、POPs条約の第8条に基づき設置されているものでございまして、条約対象物質の追加について検討を行う委員会でございます。新たに提案された規制候補物質について、スクリーニング、リスクプロファイル、リスク管理に関する評価、こういった検討プロセスを経まして、締約国会議への勧告を行う委員会でございます。今回の第8回会合の結果でございますけれども、まず前回の7回で既にPOPs条約対象物質という形で、締約国会議に勧告することが決定されましたヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)につきまして、POPs条約上の位置づけについて議論がされまして、建築用のビーズ法発泡ポリスチレン及び押出発泡ポリスチレン、こちらについて用いるHBCDの製造及び使用を適用除外としつつ、附属書Aに掲載することを締約国会議に勧告することが決定いたしました。
 そのほかの議論された物質といたしましては、塩素化ナフタレン、そしてヘキサクロロブタジエン、こちらについてリスク管理に関する評価案を作成するステップへ、そしてペンタクロロフェノールにつきましては、リスクプロファイル案を作成するステップに進みました。短鎖塩素化パラフィン(SCCP)につきましては、リスクプロファイル案について議論をしたのですが、なかなか議論が収束せず、次のステップに進めるか、2015年のPOPRC11で再度議論するということとなりました。またその間につきましては、新たな科学的知見を収集してリスクプロファイル案を改訂するという取り決めになりました。
 続きまして参考資料2、こちらは平成23年度東日本大震災の被災地における化学物質環境実態追跡調査結果の公表についてでございます。東日本大震災の被災地の沿岸域周辺においてですが、環境基準等が設定されていないものの、有害性等が懸念されるPOPs及びPRTR届出対象物質等の残留状況を把握するために、平成23年度に実施したモニタリング調査の結果に関する資料でございます。ページを振っておらず誠に申し訳ございません。本資料の最後に、平成23年度、24年度、今年度でございますけれども、こちらについての追跡調査の実施状況も別添という形でつけさせていただいております。なお、この追跡調査につきましては、来年25年度まで継続いたしまして、25年度には総括的な結果を公表したいというふうに考えてございます。
 最後参考資料3、POPs条約に基づきます国内実施計画の改定等についてでございます。POPs条約の対象物質が年々追加等がなされております。こういったことを踏まえまして、昨年より関係省庁連携のもと、平成17年に初めてつくった国内実施計画というものがあるのですが、こちらの国内実施計画の改定作業を行ってまいりました。本年8月に関係省庁連絡会議におきまして、改定国内実施計画を決定し、同月締約国会議に提出しております。ご参考までに、改定いたしました国内実施計画を製本させていただきまして、皆様方に配付させていただいているところでございます。
 なお、締約国会議に提出いたしました国内実施計画の改定版の英訳版、こちらにつきましては環境省ホームページに掲載させていただいておりますので、ご興味のある方はそちらからご覧いただければというふうに思っております。
 環境安全課からは以上でございます。

○事務局(環境リスク評価室) 続きまして、リスク室になります。参考資料4になりますが、先ほどの資料3-2の説明とかなりかぶる話にはなりますけれども、環境リスク初期評価の今後の方向性ということで、昨年度検討した結果について、今回ご紹介させていただいているところであります。
 1になりますけれども、そもそも何でこのような検討をしたかという背景でございますが、4-1の1の2パラ目、「一方」からになりますけれども、化学物質審査規制法、いわゆる化審法が平成21年5月に改正されまして、全ての既存化学物質を対象として、きちんとリスク評価をしましょうという法律の仕組みに変わりました。これを受けまして、では我がほうの環境リスク初期評価との関係はどういうふうに整理しましょうかということで、当時整理したものでございます。
 次のページにいっていただいて、(2)に今後の環境リスク初期評価の考え方が書かれておりますが、4-2の1ページの一番上のパラを読んでいただいたほうがいいかもしれません。化審法のカバーする範囲のお話になりますけれども、結局化審法が改正されて、全ての既存化学物質がその対象となって、リスク評価が行われるようになったわけですが、そうはいっても、例えば農薬取締法ですとか、薬事法のほうでカバーするような用途、農薬用途、薬、医薬品の用途、そういった用途から環境中に出てきて、人なり生態系がばく露されるようなケースについては、化審法のリスク評価の対象外となってしまっていると。
 さらに言えば、その下の「このように」のパラになりますが、ばく露経路で全てが化審法でカバーされているわけでないだけでなくて、そもそもばく露経路ですとか、生成機構がわからないような物質も存在するというようなことを踏まえると、(2)になりますが、環境リスク初期評価として、とにかく実環境中に、どこから来たかわからないけれども存在する化学物質が人の健康に及ぼすリスクとか、環境中の生物に及ぼすリスクについては、何か評価をすべきだろうということで、我がほうではそういったものを評価しますと。具体的には化審法のほうで対象から外される石油製品中の含有物とか、廃棄段階で出てくるような物質なんかを対象としますというのが基本的な考え方として浮かびますということです。
 では具体的な評価はどういうふうにしていくかというのが2)になりますが、評価の対象物質として、先ほどの資料の繰り返しになりますけれども、用途ごとの規制法による対応ではカバーし切れないような物質も選定します。あるいは用途が多岐にわたっていて、いろんな法律にまたがっているような、そういった物質についても対象とし、具体的にはこれまでどおり省内の関係部署からニーズのある物質を拾うとか、三つ目のポツになりますが、モニタリングで検出されるような物質を評価するということは、当然これからも継続していくんですが、その際に非意図的に生成する物質とか、次のページになりますが、天然にも存在する物質、金属化合物など、こういったものにどこまで重点を置けるかという問題があるんですが、そういったものも環境リスク評価室の初期リスク評価の対象としていきたいというふうに考えているわけであります。
 次の(ⅱ)になりますが、評価の進め方としましては、二つ目のパラになりますけれども、化審法の下で行うリスク評価というのは、ばく露情報として化審法に基づいて届け出された製造数量などのデータが基本となって評価が行われるわけですけれども、我々の行う環境リスク初期評価では、とにかく引き続き環境の実測データをベースにやる。どこから環境中に排出されたかわからないけど、とにかく環境の濃度としてこうなっていますというものをベースにやり、さらにそこでカバーし切れない部分について、PRTRの届出排出量をもとにしたモデル予測結果とか、そういったものを加味しながら評価をしていくというふうにしたいというふうに考えております。
 それから4-3のページの3)になりますが、これも先ほどご指摘のあった内容になりますけれども、今後の課題として、例えば複合ばく露、共通の毒性作用メカニズムを有する化学物質群をどう評価するかといった話とか、生態のほうでは底生生物の生態リスク評価をどうするのか、それから生物利用可能量を考慮したリスク評価をどのように行うかという辺り、今後の課題と考えておりまして、その評価の方法論等を詰めていった上で、その方法論が固まってきたところについては順次取り入れて、今後の初期評価に生かしていきたいというふうに考えております。以上です。

○櫻井委員長 四つの資料をご説明いただきました。もし何かご質問等ございましたら。よろしいでしょうか。

(なし)

○櫻井委員長 それでは予定の時間よりちょっと早うございますが、予定していた議題、終了になります。事務局より連絡事項があれば、お願いいたします。

○戸田環境リスク評価室長 それではご審議ありがとうございました。
 先ほどの座長からもご説明ございましたけれども、本日ご指摘いただいた内容につきまして、盛り込むべきところは、年度末までにとりまとめる資料の点だったかと思いますけれども、修正を行いたいというふうに考えておりますが、環境リスク初期評価につきましては本日、環境実態調査につきましては27日に、概要版を記者発表させていただくという点につきましては、特に修正意見等ございませんでしたので、このままで公表させていただきたいというように考えております。
 黒本及びグレー本の本体につきましては、今後内容を精査した後、年度内を目途に公表したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 本日の配付資料につきまして、非常に大部でございますので、そのまま机の上に置いていただければ、後日事務局から送付いたしますので、よろしくお願いいたします。また、次回の委員会につきましては、来年度の同じぐらいの時期の開催を予定しておりますので、よろしくお願いをいたします。以上でございます。

○櫻井委員長 以上で、第18回化学物質評価専門委員会、閉会といたします。
 ありがとうございました。

午後3時52分 閉会