中央環境審議会環境保健部会化学物質評価専門委員会(第10回)議事録

1.日時

平成18年3月2日(木) 14:00~16:00

2.場所

環境省第1会議室(合同庁舎第5号館22階)

3.出席者(敬称略)

(事務局) 上家環境安全課長 森下化学物質審査室長 他

4.議題

  1. 平成16年度化学物質環境実態調査結果
  2. 平成16年度化学物質環境実態調査結果を読み解くための市民ガイドブック
  3. 平成17年度化学物質環境実態調査の進捗状況
  4. 平成18年度化学物質環境実態調査の実施方針
  5. その他

5.議事

【事務局】 定刻になりましたので、中央環境審議会環境保健部会第10回化学物質評価専門委員会を開催いたします。
 本日はお忙しい中ご出席いただきまして大変ありがとうございます。
 本日は、内山委員、森田委員、若林委員から欠席のご連絡をいただいております。開催に必要となります定足数を満たしておりまして、本専門委員会は成立していることを冒頭ご報告いたします。
 この専門委員会の委員長に関しましては、中央環境審議会運営規則第9条に基づきまして、中央環境審議会環境保健部会長が指名することとなっております。佐藤環境保健部会長のご指名によりまして、委員長は中央労働災害防止協会労働衛生調査分析センター所長の櫻井先生にお願いしております。よろしくお願いします。
 はじめに、資料の確認をお願いいたします。
 お手元の議事次第の中ほどに配付資料一覧がございます。このうちの資料1~資料7と参考資料1-1~参考資料6については、「中央環境審議会環境保健部会化学物質評価専門委員会(第10回)資料」にまとめて綴じさせていただいております。その本を1枚開いていただきますと、目次がございまして、各資料のページ数が書かれておりますので、今後のご説明の中でご参照いただければと思います。それから別添になっておりますものが、まず資料8、「平成16年度PRTRデータの概要等について」がございます。それから資料9が、化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)に関する資料でございます。参考資料7が「PRTRデータを読み解くための市民ガイドブック」でございます。
 資料に不足等ございましたらお申し付け願います。
 それでは、本日の会議の公開についてご説明いたします。本日の会議は、公開により中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合に当たらず、また、特定な者に不当な利益若しくは不利益をもたらすおそれがある場合にも当たらないと考えられますので、公開とさせていただいております。
 議事に先立ちまして、上家環境安全課長よりご挨拶を申し上げます。

【上家環境安全課長】 環境安全課長の上家でございます。本日はお忙しい中お集まりいただきましてどうもありがとうございます。
 本日の専門委員会では、旧黒本調査、去年から「化学物質エコ調査」と呼ばせていただいておりますが、これにつきまして、旧体制での結果の最終、平成16年までかつての小さな枠組みでやっていたわけですが、その枠組みでの結果を本日ここでご審議いただきまして、公表させていただくという部分が1点。
 それに伴いまして、エコ調査をもっと広く国民に知ってもらいたいという意味で、少し分かりやすく説明をするようなガイドブックの案というものも作ってみましたので、それについてご意見を賜りたいというのが2点目。
 それから、平成17年度、今年度のものにつきましては、現在進行中でございまして、進捗状況についてご報告を申し上げる。
 4点目は、平成18年度、来年度どのような物質を選定して進めていくかについてご議論いただく。
 このような形で非常に盛りだくさんのご議論をいただき、ご審議をいただくことになっております。短い時間の中でたくさんの資料をご覧いただくことになって大変恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。

【事務局】 それでは、以降の進行を櫻井委員長にお願いしたいと思います。お願いいたします。

【櫻井委員長】 それでは早速議事に入ります。まず議題1、「平成16年度化学物質環境実態調査結果」、議題2、「平成16年度化学物質環境実態調査結果を読み解くための市民ガイドブック」、これは内容が同じものを扱うということでございますので、あわせて議事に入りたいと思います。まず事務局から説明をお願いいたします。

【環境安全課】 それでは、説明させていただきます。まず冊子を用いて、その中の資料1~4にかけて説明したいと思います。
 まず、資料1でございます。この資料に関しましては、左右の端のところにこの冊子全体のページが振ってございますので、説明に際しましては、その端の部分のページでお話をさせていただきたいと思います。
 まず1ページ、資料1でございます。平成16年度化学物質環境実態調査結果のとりまとめでございます。この資料に関しましては、114ページまで続いてございます。
 1ページ目を1枚めくっていただきまして3ページ目でございますが、まず最初に化学物質環境実態調査の概要がまとめてございます。
 続きまして、5ページに関しましては、検討の体系図でございます。
 さらに1ページめくっていただきまして6ページになりますが、こちらの方は平成16年度初期環境調査結果をまとめたものでございます。
 さらにページをめくっていただきまして19ページになりますけれども、こちらの方が平成16年度に行った暴露量調査結果のとりまとめでございます。
 さらにページをめくっていただきまして26ページからになりますけれども、こちらの方がモニタリング調査結果のとりまとめでございます。
 続いて資料2に移りたいと思います。ページの方は115ページになります。平成16年度化学物質環境実態調査結果のまとめでございます。
 「経緯」のところは割愛いたしまして、115ページの中ほどでございますが、「調査の進め方」のところから説明させていただきます。
 まず、この調査に先立ちまして物質選定を行いました。こちらの方は、平成16年4月28日及び5月19日に開催いたしました化学物質環境実態調査物質選定検討会の中で検討を行い、物質を選定いたしました。そして調査を1年行いまして、今年度に入りましてからその調査内容に関しての検討を行いました。
 本日の化学物質評価専門委員会を迎える前に、まず初期環境調査に関しましては、平成17年7月5日及び9月5日に「初期環境調査の結果に関する精査検討実務者会議」を行いました。さらにそこで結果を精査した上で、平成17年12月13日、本年の1月17日の2回にわたりまして、「初期環境調査の結果に関する解析検討実務者会議」で内容を検討・吟味いたしました。
 さらに、暴露量調査とモニタリング調査に関しましては、116ページをご覧いただければと思いますが、平成17年11月24日及び本年の1月26日に「モニタリング及び暴露量系調査の結果に関する解析検討実務者会議」で吟味いたしました。
 そのような形で先ほどの資料1がとりまとめられたものでございます。
 続いて調査結果でございますが、それは116ページからでございます。まず初期環境調査に関しましては、今回の調査では水質10物質(群)中2物質(群)、具体的には括弧書きのところでございますが、4-アミノフェノール、ピリダフェンチオン、底質7物質に関しては4物質、ジコホル、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ペンタブロモジフェニルエーテル等々検出されたということでございます。詳細は通し番号の11ページに返っていただきまして、表1にまとめてございます。
 それから暴露量調査に移りますが、117ページ、暴露量調査に関しましては、例えば水質2物質(群)中1物質(群)、N,N'-ジメチルドデシルアミン=N=オキシドでございますが、大気に関しては3物質(群)中3物質全て、食事に関しては2物質(群)中2物質、ペルフルオロオクタンスルホン酸とペルフルオロオクタン酸でございますが、検出されたということでございます。
 結果に関しましては、具体的には、通しページの24ページでございますが、表2-1にとりまとめてございます。
 続いてモニタリング調査でございますが、モニタリング調査に関しましては、POPs条約の対象物質11物質(群)(ヘキサブロモベンゼン等)とその候補であるヘキサクロロシクロヘキサン(HCH)の分析を行っております。
 結果に関しましては、32ページ、33ページをご覧いただければと思います。32ページの方がモニタリング調査の検出状況の一覧でございまして、33ページの方がそのときの定量及び検出下限値の一覧となっております。
 さらに、118ページに戻っていただきまして、「調査結果の活用」でございますが、各調査結果は、「化学物質と環境」としてまとめられ、環境中の化学物質対策の基礎情報として、環境省内の化学物質対策関連部署、関係省庁及び自治体等において活用されることになっております。特に、初期環境調査において検出された物質は、化審法とか化管法の対象物質の選定や環境リスク初期評価の対象物質の候補として、暴露量調査に関しましては、同じく環境リスク初期評価のための暴露量推定の基礎資料として、さらに、モニタリングデータに関しましては、POPs条約への対応ですとか、あるいはその候補物質選定の基礎的なデータとして活用されることになっております。
 詳細に関しましては、それぞれの要求部署の方から説明をさせていただくこととします。その資料に関しましては、資料3にまとめてございます。ページの方は123ページになります。

【櫻井委員長】 それでは、担当部署から説明をお願いします。

【環境安全課(PRTR)】 環境安全課のPRTR担当でございます。私の方から簡単にこれまでの環境実態調査結果の施策への活用状況についてご説明いたします。
 既に先生方ご案内のとおり、化学物質排出把握管理促進法(化管法)に基づくPRTR制度が施行されまして既に4年たっています。先週の金曜日に第4回目の公表をさせていただいたところでございますが、データは平成13年度のデータからあがってきておりまして、13年データにつきましては、15年3月に公表したということでございまして、それ以降、123ページの上に書かせていただいていますとおり、環境中に排出量の多い物質を中心に、PRTR制度の精度の検証を確認するため、排出量の多い順に物質を選定して、それをエコ調査の方に反映させていただこうということで調査を進めてまいっております。
 ただ、15年度からですので、まだ2年しかたっていない。特に、分析法が開発されていない物質については、分析法を開発した後、調査を実施ということで、実際にその結果が出てきたのはまだ数物質しかないところでございますけれども、現在出ております、例えばここに記載させていただいております代替フロンのHCFC-141bとか、界面活性剤に使われているLAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、こういった物質については、かなり広範囲にわたって検出されているということで、PRTRデータに合致したものになっているのではないかと考えております。
 後段の部分、今後の話につきましては、また要望理由のところで詳しくご説明させていただきたいと思います。以上です。

【森下化学物質審査室長】 化学物質審査室長でございます。私どもの方からは2点ご報告させていただきます。
 まず1点目ですが、ご案内のように、化学物質審査規制法は平成15年に法律の改正がなされております。生態影響の観点からの規制の導入、あるいはリスクに応じた規制システム、ハザードからリスクへの対応ということでございまして、そういった新しい法律の改正内容を踏まえまして、現在、必要な技術的な検討を行っているところでございます。例えば第三種監視化学物質、新しい法律の中で導入された、生態影響の観点から監視の対象となる監視化学物質というのがございますけれども、環境中での検出状況、そういったことを踏まえながら、必要に応じて、特定化学物質といいます規制対象として指定をしていくというプロセスが法律の中に規定されております。そのベースになるのがこの化学物質環境実態調査ということになっております。
 もう1点でございますが、今年の1月16日に中央環境審議会から答申を1ついただいております。第一種監視化学物質としてこれまで指定されておりましたベンゾトリアゾール系の物質、名称はその下に書いてございます、長い名称のものでございますが、このベンゾトリアゾール系の物質について、第一種特定化学物質として指定することが適当であるという旨の中央環境審議会のご判断をいただいたということでございます。第一種特定化学物質となりますと、原則、製造・使用ができないということになりますが、今後、政令改正が必要になってまいりますので、必要な手続を進めているところでございます。
 また、この物質による環境汚染があるのかどうか、そういうことをきちっと押さえておく必要があるということで、平成17年度の調査対象物質として要望させていただいて、調査も進んでおりますが、その結果も踏まえて、適切な対応を進めていくということを考えております。
 以上です。

【環境リスク評価室】 環境リスク評価室でございます。環境リスク評価室では、環境リスク初期評価を実施しております。この委員会でもご審議をお願いしているところでございまして、前回の委員会で、第4回に続いてご審議をお願いし、既に先生方のお手元に製本したものを郵送させていただいたところでございますけれども、その中で、実測データを基に暴露評価を行っておりますので、そのデータにエコ調査の実測データを活用させていただいております。
 また、過去に環境リスク初期評価を行った物質について、実測データがなかったために暴露評価ができなかった、こういった物質についてもエコ調査をお願いしておりまして、そのデータにつきましては、今後、再評価作業を別途行うこととしておりまして、そこに活用するということで、ただいま検討しているところでございます。

【環境安全課】 ただいま各担当部署の方からその活用の方向性あるいは状況に関して説明をいただきましたので、続いて候補の部分で説明させていただきたいと思います。資料の方は資料4になります。お手元にはカラーのもの、こちらの方がイメージがより実際に配付させていただくものと近いということがありますので、カラー刷りのものをご用意させていただきました。
 まず、このガイドブックを作成した目的でございますが、エコ調査に関しましては、これはまさに環境保全の観点から化学物質の分析を担当されている関係者の方には広く活用されているものでございますけれども、こういった国の取組に関して、やはり国民の方にも広く広報していきたいということを主な目的として今回このガイドブックの作成に相なりました。
 具体的には、参考資料7、「PRTRデータを読み解くための市民ガイドブック」でございます。このガイドブックに関しましては、PRTRの届出の制度に関して、非常に広報の観点から役立つツールとして活用しておりますので、エコ調査に関しましても同様に広くその存在ですとか、あるいは活用を進めていきたいということから作成させていただいたものでございます。
 ごく簡単に内容に触れていきたいと思います。まず1ページめくっていただきまして目次でございます。項立てとしましては、「化学物質エコ調査はこんな調査です」ということから始まりまして、「化学物質エコ調査はこうして行われます」、そして3章目に「化学物質エコ調査はこんなことに役立てられています」と。そしてさらに、最後のページでございますが、この後に、先ほど資料1でご説明させていただきました、具体的にはもう1冊別刷りの「化学物質と環境」でございますけれども、このコンサイスな内容に関して、この市民ガイドブックのカラー刷りの後に送付させていただきまして、このような形で色刷りのものと別冊の「化学物質と環境」がセットになって1つの市民ガイドブックということで、PRTRデータのものもございますけれども、このような形で作成したいと思っております。
 それでは、カラー刷りの方にもう少し入っていきたいと思います。目次を今説明しましたので、その次のページでございますが、まず「化学物質エコ調査はこんな調査です」と。ページでいきますと、2ページ目に移りますが、「空気や水の中の化学物質を調べています」。
 それから、4ページにいきまして、「どんな化学物質を調べているの?」ということでございます。
 さらに、6ページに関しましては、「どんな調べ方をしているの?」ということで説明をさせていただきました。
 ページを繰っていただきまして、第2章、「化学物質エコ調査はこうして行われます」。まず10ページ、「分析法を開発します」。それから、12ページにいきまして、「分析に使う試料を集めます」。さらに「分析のための準備をします」。そして「分析機器を使って分析します」。それから分析結果の整理ということで、これがエコ調査の本でございます。
 3章にわたりまして、次は「化学物質エコ調査はこんなことに役立てられています」ということで、まず「化学物質の製造や輸入に関するルールづくりに役立てられています」あるいは「PRTR制度の対象物質を決めるのに使われます」。そして「他の国々と一緒に化学物質を見はっています」。そして26ページにわたりますが、「安全か安全でないかを判断するために使われます」ということでございます。
 このような形でエコ調査に関して説明した上で、今年度の結果も後ろに添えてということで考えております。
 最後になりますが、今、各委員の先生お2人に1冊ということで、真ん中に置かせてもらっておりますけれども、このエコ調査、「化学物質と環境」でございますが、こちらに関しましては、今年度製本するものからは、非常にコンパクトにまとまった「化学物質と環境」の方に内容を変えていきたいと思います。そして、これまで、旧黒本でございますけれども、必ず巻末にCD-ROMが付いていたのですが、この中に、具体的にはこれまで表記したものに関しても盛り込んでいく。さらに具体的にお話ししますと、この冊子の231ページの参考資料1-1から744ページまでございますが、こちらの部分がエコ調査の本として収載していたのですが、この箇所に関しては、今後はCD-ROMの方に譲る。具体的に使われる先生方におかれましても、CD-ROMですとか、この内容すべて環境省のホームページに公開してございますので、そういった磁気情報の方が非常に活用しやすいという話がありますので、その部分に関してはCD-ROMの方に移行します。それで今年度のいわゆるエコ調査、旧黒本調査のものは非常にコンサイスなものにしていきたいと考えております。
 説明の方は以上です。

【櫻井委員長】 大変量の多い資料でございます。それに引き比べて、時間的制約で簡潔な説明でございましたが、いかがでしょうか。議題1、議題2、どちらでも結構でございます。ご質疑、ご討論、お願いいたします。

【中杉委員】 議題2の方で、カラー刷りのものでいくと、Iの2、4ページのところにポイント1というのがございます。ここに「人や生物へどのくらい影響があるか」とありますけれども、これはエコ調査をしてどのくらい影響があるかを調べるのではないのかという感じがしますので、これはたぶん「おそれがあるかどうか」という表現になるのではないかというのが1つ。
 もう1つは、同じようなことで、26ページの真ん中に四角の枠がありまして、その一番下に数式が書いてあります。「影響の程度×体に取り込み量=環境リスク」となっていますけれども、「環境リスク」、確かに「リスク」という言葉の本来の意味からいくと、そこで確率みたいのができますけれども、一般にいわれている「環境リスク」というのは、上にも書いてありますように、「おそれ」ということですので、「リスクの程度」とかいう話になって、そうすると、「影響の程度」のところは「影響の強さ」のような表現の方が適切かと思います。

【櫻井委員長】 「影響の程度」は「影響の強さ」のような表現がいいのではないかと。「環境リスク」の方は「程度」を入れた方がいいと。

【中杉委員】 「環境リスク」の方は「程度」のような表現がよろしいのではないでしょうかというのが私の意見です。

【櫻井委員長】 ほかに何かありますか。

【上家環境安全課長】 平成16年度の結果の中で、結果も余りにかいつまんでの説明で内容に踏み込んでいないので大変恐縮ですが、結果の中である程度注目すべき点としましては、暴露量調査のところでPFOS、PFOAを測ってみたところ、検出があったという点、それからモニタリング調査の方では、昨年度もそうでしたが、国内で使用記録のないトキサフェン類、マイレックス類が生物及び大気中から検出されているというような点あたりは若干注目すべき点かなということで事務局では受け止めております。
 もう1点は、ヘキサブロモベンゼンにつきましては、POPs候補ということで注目しているわけでございますが、そういうものも検出されております。それと有機スズ化合物につきましても、既にトリブチルスズ等については対応済みでございますが、底質、生物からも検出されたと。こういうあたりが個別の物質としては注目すべき点かと考えております。
 全体で言いますと、物質数、媒体数が非常に多いということで、一覧すると大きな本になってしまい、その結果、詳細な情報はあるのだけれども、なかなか一般の人たちにも伝わりにくいし、本当の関係者の方以外ではなかなか見ていただけないという嫌いがあったということで、今回、ダイジェスト版で印刷をしつつ、実際にデータをお使いいただく方のために、CD-ROMを充実させてお配りしたいということを考えた次第でございます。補足は以上でございます。

【池田委員】 2つ質問があります。1つは言葉の問題なのですが、「化学物質エコ調査ってどんな調査?」というパンフレットで、ひらの文は「です・ます調」で書いて、「モニタ」というタカみたいなやつが出てきますが、それは「である調」で統一してある、そういう理解でよろしいですか。

【上家環境安全課長】 はい。

【池田委員】 ただ、「である調」に抵抗を感じる人は結構多いのではないでしょうか。上から下向いて話す。これは土地によって語感が随分違うと思うのですが、「です・ます調」の方がおだやかでいいのではないかという気がします。それが1つです。

【上家環境安全課長】 そのようにいたします。

【池田委員】 もう1つは、CD-ROMはこちらにも付いてくるのですか、それとも、それは別扱いになるのですか。

【上家環境安全課長】 概要版に付ける予定でございます。

【櫻井委員長】 私、4ページのところで、このエコ調査、「38物質群」あるいはそのあと、「平成17年度は86物質群」と「群」という言葉の意味がはっきり分からなくて、説明しておいた方がいいかなと思いました。

【環境安全課】 では、説明させていただきます。

【櫻井委員長】 それから、あら探しばかりいたしまして、7ページの真ん中の図ですが、右の単位のところの説明が「生物」となっているのは、これは泥ですかね。

【環境安全課】 そうです。

【上家環境安全課長】 そこを確認させていただきますとともに、7ページの真ん中のグラフ、軸が少し不適切で、59年から62年ないにもかかわらず空欄があるので、これもやめることといたします。これは昭和49年からの全体のグラフの一部を切り取ってここにお示ししたために中途半端になっておりますので、こういうところも今後整え、それか

ら底質の説明として「泥」という言葉も少し説明を加えた上で載せるようにいたします。

【櫻井委員長】 ほかに何かお気づきの点はございますでしょうか。

【遠山委員】 化学物質エコ調査を準備される方も大変だっただろうと思いますし、また、こういう作業は大事だと思うのですが、なきゃないでいいのですが、目の前に出てくると、いろいろ気がついてしまうものですから。まず、どういった方々を対象にしているのか。小学校1年生ぐらいの人から対象にしているのか、それとも中学生以上なのか、高校生ぐらいなのか、それが第1点です。それによって、一々ルビが全部に付いていますが、そこまで余り付けていると、何か国民を愚弄しているようにも見えないわけでもないし。それから、漢字だけの問題ではなくて、漢字の方はそのように丁寧にほとんどすべてにルビが振ってありますが、化学の用語とか、かなり難しい言葉が定義もされずに使われている。「ヘキサン転溶」の「転溶」なんて言われたって普通は分からないと思います。そういうことをはじめとして、そういう意味でのバランスを考えられた方がいいのかなというのが第1点です。
 それから内容的なものでは、これも分かりやすさという点で書かれたのだと思うのですが、26ページ、先ほどの中杉先生のご質問のところと関係するのですが、「影響の程度×体に取り込む量=環境リスク」というのは、正しくないと思っているのです。要するに「環境リスク」ということを説明するのだとすれば、前の2つの表現を変えなくてはいけないし、「影響の程度」と「体に取り込む量」の方に重点があるのだとすると、「環境リスク」の言葉を変えなくてはいけないというような関係になっていると思うので、こういうあたりを分かりやすく説明するというのでご苦労があるだろうとは思うのですが、このままだとちょっとまずいかなという気がいたします。

【上家環境安全課長】 ご指摘いただいたこと、ごもっともで、今日ご審議いただきたい一番の点は、こういうものを出すことについてよろしいかどうかご意見を伺った上で、それに向けて、事務局だけの知恵で急いで作ったということで、専門家の先生方からご覧いただいて、後ほどご指摘をいただければ大変ありがたいと思っております。
 それから、対象としては、モデルにしました「PRTR市民ガイドブック」と同様に、中学生以上、一般の方々までということを考えております。ルビをどこまで振るかというのも問題ですが、科学用語を一般の人たちは読み方もなじみが実はないのだということが分かりまして、できるだけルビを付けた方がいいのかなと思った次第です。ただ、余りに一般名称に「分析」なんていうのに付けるのはちょっといかがなものかと。一定の仕切りをこちらでもう一度検討したいと思いますが、詳細については、お手数ですが、後ほど事務局へご意見をいただけると大変助かります。よろしくお願いいたします。

【関澤委員】 先ほど来、遠山先生、中杉先生からご指摘のある26ページの「環境リスク」という言葉をもちろん皆さんに分かっていただきたい。私もリスクの方に関係しているのですが、表題でそもそも「安全か安全でないか」という言い方は、ちょっとリスク的な言い方でないので、日本語ではそう皆さん使いたくないのでしょうが、「危険の程度」とか、そういった方がより本当にはリスクだと思うので、「危険性の程度を判断するのに」という、地震でも台風でもみなそのきらいの程度ですから、その方がシロかクロかという印象を与えてしまいますので。
 あと、今おっしゃった対象についてなんですが、ここで専門家の方々のご意見はもちろん聞くのはよいことですが、相当レベルの専門家の方だけでなくて、むしろこれを後で仲介していく、例えばニュースのメディアの方とか報道の方とか学校の先生、そういった方が読んで、これは何だということを少なくとも理解していただける、その方たちの質問に十分答えていくということが大事かな。一般の方に聞いても、そういう方は様々なレベルがあり得ますので、少なくとも環境省として直接接せられるプレスの方とか、そういう方にまず見ていただくことが大事かなと思います。

【中杉委員】 今お2人の先生のお話を伺っていて、「安全か安全でないかを判断するのに使われます」というのも一つのですが、実際には1番で書いてある「化学物質の製造や輸入に関するルールづくりに役立てられています」とか「PRTR制度の対象物質を決めるのに使われます」というときは、安全か安全でないかを判断しているのではないだろうか。たぶんここは全部つながってしまうんですよね。だから、これを使ってそういうふうにやって、その後どう使っていくかというところを具体的に流れで書かれた方がいいような感じがしますね。これだと、ここまでやって、あとどうなるの? というしり切れトンボですし、それの一番最初に結果を評価して、「安全か安全でないか」という表現がいいか、どのぐらいの大きさの影響がある可能性があるかどうかということをまず見極めるとか、先ほど前の方で私が申し上げた、どの程度の影響があるのかということを見極めて、その結果が化学物質の製造・輸入だとか、PRTR制度の対象物質を決めるとか、その他にも使えるわけですね。そういうふうな流れを作られた方が理解がよくできるのではないかと思います。

【櫻井委員長】 ほかに何かございますか。

【篠原委員】 ちょっと細かい話になってしまいますが、12ページ、「分析に使う試料を集めます」というところで、4行目に「化学物質エコ調査では、工場の近くや道路際などのように、化学物質がたくさん……」とあるのですが、道路際にたくさんあるというふうに書くと、道路際の民家というのは非常に問題があるとなるので、これはちょっと工夫が要るのではないかと思います。

【櫻井委員長】 このような資料を出すことは大変いいことだと、皆さんうなずいておられます。これは大変努力の要るお仕事で、事務局も本当に頑張っていらっしゃるという気がいたします。今いくつかご指摘があったことにさらにお気づきの点、事務局の方に直接ご意見を出していただいて、より良いものにするという方向でぜひ事務局の方で頑張っていただきたいと思います。
 次に進んでよろしいでしょうか。
 それでは、この先は、議題3と議題4をまとめてご説明いただいて、時間が十分ございますので、皆さんから十分ご意見をいただきたい、そういう段取りになっております。それでは、事務局の方から説明をお願いいたします。

【環境安全課】 それでは、資料5を使って説明させていただきます。157ページです。
 まず、平成17年度化学物質環境実態調査の進捗状況です。こちらの方は、調査体系を「初期環境調査」「詳細環境調査」「暴露量調査」「モニタリング調査」及び「ヒト生体試料調査」の5つの調査体系として取り組んでおります。
 さらに、化学物質環境実態調査の支援事業といたしまして、「暴露量推計支援事業」、「環境試料保存事業」及び「分析法開発事業」に鋭意取り組んでいるところでございます。
 168ページをご覧いただきますと、それを体系的に絵にしてございます。化学物質環境実態調査に関しましては、化学物質審査規制法あるいは化学物質排出把握管理促進法、環境リスク初期評価、ExTEND2005あるいは条約対応等その他の化学物質対策に活用されるということでございますが、柱としては、本年度、平成17年度から新たにこの調査にあっては初めてヒトの生体試料を用いた調査も取り入れております。
 さらに、この調査自体を支援するということで3つの部門、より高感度な分析法の開発とか、環境試料の保存事業--分析法が新たに開発された場合あるいは新たな知見が得られた化学物質に関して、迅速にその当時さかのぼって分析を行うために試料を保存しておくという事業、それから、実際にはなかなか詳細にすべてのものを実測するわけにいかないということもありますので、暴露量の推計をするための事業も並行して支援事業として行っております。
 同じく169ページは、平成17年度の調査の体系でございます。基本的にこの調査に関しましては、2年で完結する形には現在なっておりますが、現行は太枠で囲ってあるところまで進んでおります。
 それでは、157ページに戻りまして、調査の内容ですが、初期環境調査に関しましては、平成17年度はN-メチルアニリンなど34物質を調査対象としております。そして、メリカプト酢酸など76物質について分析法の開発の対象として取り組んでおります。
 具体的には159ページをご覧いただければと思います。159ページが調査対象物質でございます。
 次の160ページは分析法開発に着手している物質でございます。右側のカラムにそれぞれ該当する媒体ごとに丸が付いてございます。例えばメリカプト酢酸であれば、水質に関しての分析法開発に取り組んでいるところでございます。
 さらに詳細環境調査の方に進みますが、こちらの方は、17年度はクロロベンゼンなど14物質を調査対象として取り組んでおります。また、トリクロロニトロメタンなど22物質について対象としております。
 詳細は162ページをご覧いただければと思います。
 同じく163ページの方が詳細環境調査の対象物質にあって、現在分析法の開発に着手しているものでございます。
 続いて164ページでございますが、こちらの方がモニタリング調査の対象物質でございます。
 それから165ページは暴露量調査のものでございます。例えば2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸に関しては、現在、水質に関して暴露調査の方に取り組んでおります。一番下の4-ニトロ-3-メチルフェノールに関しては、室内空気の方に取り組んでおります。
 166ページに移りまして、こちらの方は暴露量調査のための分析法開発に取り組んでいる物質でございます。農薬のアルディカーブに関しましては、水質、底質、生物に関して分析法開発に取り組んでおります。
 それから167ページでございますが、ヒト生体試料調査に関しましては、POPs条約対象物質等のPOPsに関しましては、母乳、臍帯血、母体血、水銀等重金属に関しましては、母乳の代わりに胎盤等も含めて調査をしております。
 158ページに戻っていただきまして、さらに推計支援事業ということで、調査の支援事業とか精度管理事業にも取り組んでおります。
 平成17年度の進捗状況に関しては以上でございます。
 続いて、173ページでございますが、資料7を用いて説明させていただきます。
 その前に、171ページ、資料6をご覧いただきたいと思います。こちらの方が、平成18年度の化学物質環境実態調査の実施方針でございます。
 はじめに、化学物質環境実態調査の実施方針でございますが、化学物質対策施策を遂行するためには、環境中の残留実態を把握することが必要である。このために、化学物質対策の関連部署からの要望を受けて調査を行うものとしたいと思っております。
 具体的には、調査は、目的、調査媒体あるいは要求感度の観点から、「初期環境調査」「詳細環境調査」「暴露量調査」「モニタリング調査」及び「ヒト生体試料調査」並びに「暴露量推計支援事業」として分類して実施したいと考えております。
 2つ目でございますが、平成18年度の化学物質環境実態調査の具体的な実施方針でございます。こちらの方は、自治体の特に分析機関の方からの要望がありまして、従来は年度が明けてから物質の選定を行っておりました。そうしますと、具体的に調査にかかる対象物質が決まるのが6月末から7月。そうしますと、契約自体も8月、9月とずれ込んで、サンプリング時期もずれるということがありました。しかしながら、今年度に関しましては、農薬に関しても調査を行いたいということで取り組んでおりまして、その関係上、具体的に契約等に関してもかなり早い段階から取り結び、そして調査にとりかかっております。こういった実績も踏まえまして、さらに自治体からの要望というか声も真摯に受け止めまして、今年度に関しましては、この年度内に調査対象物質を固めていきたいと思っております。
 そのために具体的には、昨年の10月、12月、そして今年1月の3回にわたり要望物質をそれぞれの要望部署の方に依頼しまして出していただきました。そのような形で、まず、2.のところでございますが、具体的な実施方針としまして、対象物質の選定ということで、調査対象物質の収集を既に行っております。
 それから対象物質の決定でございますが、これは各担当部署からの要望に基づきまして、来年度予算の範囲内で18年度の対象物質を最終的に選定していきたいと思っております。
 それから、必要に応じ、これは当該年度、18年度において分析法の開発を行っていきたいと思っております。
 さらに、具体的な調査実施計画でございますが、平成17年度より実施している農薬調査につきましては、散布時期を考慮して、年度初頭から試料採取及び分析調査を実施したという実績がございます。また、モニタリング調査の大気媒体につきましては、平成15年度から既に温暖期、寒冷期の2回に分けた調査も取り組んでいるところでございます。
 一方、地方自治体分析調査機関からは、化学物質環境実態調査を円滑に推進するためには、委託契約を年度当初から結んでいただきたいとする要望があがっているところでございます。
 このために、平成18年度からは、上半期の調査を基本としつつ、第2期調査として、時期を考慮して調査をすべき物質であるとか季節変動の影響を考慮すべき物質に関する調査を実施するという形で、第1期調査、第2期調査という形で分けて取り組んでいきたいと思っております。
 次のページをご覧いただきますと、平成17年度、今年度に関しては、既に調査結果の集計作業に入りつつありますが、平成18年度の真ん中のカラムを見ていただきますと、まずは本日の専門委員会の中でこの調査方針に関して審議いただきまして、その上で、4月から、これが基本となりますけれども、第1期調査、そして9月から第2期調査ということで進めていきたいと思っております。
 実施方針の基本部分に関しては以上でございます。
 続いて、要望理由に関してそれぞれの部署の方から説明していただきたいと思います。

【環境安全課(PRTR)】 それでは、資料の173ページからご説明させていただきたいと思います。
 PRTRの部分でございますが、先ほどご報告申し上げましたとおり、従来はPRTRデータを検証するために、排出量が上位でこれまで調査実績のない物質を推薦してきたところでございます。この下の図に書かせていただきましたとおり、届出・届出外データの信頼性の確認を平成15年度以降のエコ調査で実施しております。
 一方で、化学物質排出把握管理促進法(化管法)は7年後に見直しするという法律上の附則事項がございます。7年後と申しますと、平成19年3月以降ということになりますけれども、19年度以降に必要に応じて法律、PRTR制度を見直すことになっておりまして、当然その中でも対象物質を変えていく必要もあろうかと考えております。
 そこで、PRTR対象物質でございますが、基本的な選定の根拠は、有害性があるもので、かつ暴露の程度が高いものということになっています。有害性は、例えば発がん性とか変異原性とか経口慢性毒性とか、そういった毒性があるものでございます。一方で暴露の情報はといいますと、生産量・輸入量が比較的大きいもの、具体的には100トン以上、発がん性とか農薬については10トンでございますが、そういったものとか、あるいはエコ調査、いわゆる一般環境中の調査において複数地点で検出されているもの、こういったものがPRTRの対象になり得るという中環審の答申がございます。それを受けて、平成17年度、今年度の前半から、有害性が比較的高いけれどもこれまで環境実態調査の実績がないものについて推薦してきたところでございます。
 具体的にどういった物質があるかと申しますと、資料の178ページ以降に掲載させていただいております。ここからずっと要望部署は「環境安全課(PRTR)」と書いていますけれども、その横に要望理由を書かせていただいております。ポイントが3つございまして、例えば1番目の物質、178ページの一番上の行に書いていますけれども、読み上げますと、PRTR制度の届出対象物質の妥当性を検討するにあたり、現在対象とされていないが一定の有害性が認められる物質について、その環境残留状況を確認するため調査を要望する。
 それと4番目の物質でございますが、これも基本的には同じことなんですが、化管法の施行状況を検討するにあたり、現在は第2種に指定されている、つまり現在、化管法ではPRTR制度の対象にはなっていない物質であるけれども、実態調査がされてなかったので、実態調査をして、もしここで暴露の状況がかなりの程度のものとなれば、第1種になり得るもの、その候補物質ということで、こういったものを挙げさせていただいております。
 それと、同じページの10番目の物質、下から2つ目でございますが、こちらは、本年度の当初に要望させていただいて、そのときに既に分析法の開発をご了承いただいた物質でございますけれども、特に、現在、第1種の指定物質、既にPRTRの対象になっている物質ですが、排出量が100kg未満と少ないので、対象から外す候補物質ということで、こういったものを挙げさせていただいております。それがずっと185ページまで続きます。
 186ページからは分析法開発の対象物質ということで、これも理由は全く同様でございまして、18年度にこういった物質の分析法を開発していただこうということで、これが190ページまで続いております。
 それから191ページ、19年度以降に、つまり再来年度以降に調査を実施していただきたい物質ということで、1番目の物質から記号で恐縮ですが、AF-2と書いていますけれども、これは物質名は付いていますが、こういった物質を挙げさせていただきました。この表3の19年度以降というのは、実は製造量・輸入量のデータから判断して、余り量的に多くないということで、優先度的にはそんな早急に測定する必要もないだろう、むしろこの前の190ページまでの物質、これらは製造量・輸入量が比較的大きい物質なので、こういった物質を優先的に測定していただきたいということで挙げているところでございます。これが214ページまで挙げているところでございます。
 以上です。

【環境安全課(健康影響)】 続きまして、化学物質の内分泌かく乱作用問題における化学物質環境実態調査の活用方法についてご説明いたします。173ページに戻っていただきまして、下の部分に書いてございます。
 化学物質の内分泌かく乱作用、いわゆる環境ホルモン作用問題について、環境省では、昨年の3月に「化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省の今後の対応方針について-ExTEND2005-」を公表し、平成17年度からはこのExTEND2005に基づいて取組を進めているところです。
 このExTEND2005の特徴としましては、2点掲げておりますが、まず、試験を実施する試験対象物質の選定にあたっては、まず暴露の可能性を評価する。そのために、この化学物質環境実態調査結果を活用するということにしております。
 次に、ExTEND2005では、人工の化学物質だけではなく、天然由来の物質(人畜由来のホルモン、植物エストロジェン等)も視野におくこととしております。このため、平成17年度の要望物質としては、エチニルエストラジオールやエストラジオールを要望しましたし、平成18年度は男性ホルモンのテストステロンとかケトテストステロン等も要望物質として掲げております。
 以上です。

【森下化学物質審査室長】 それでは、ページをおめくりいただきまして、174ページでございますが、化学物質審査室の方から、私どもの化学物質審査規制法を担当している部局からのニーズということで2点ほど申し上げたいことがございます。
 化学物質審査規制法に基づく規制対象物質として特定化学物質というものがございます。第一種、第二種とありますけれども、製造・輸入等の規制がかかるということでございますが、そういった規制がきちんと働いているのかどうか、その効果を検証する必要がございます。このため、こういった化学物質の環境中での残留状況について継続的な把握が必要であるということで、測定の要望を行ってきております。
 もう1つ違う種類のタイプの化学物質といたしまして、化審法に基づく監視化学物質というのがございます。これは第一種、第二種、第三種と3種類あるのですが、いずれにおきましても、これらの化学物質について想定されるリスクを考慮いたしまして、必要に応じて、そういったものをつくっておられる、あるいは輸入されておられる事業者の方に有害性の調査指示といいまして、毒性等をチェックしていただくということを行政命令をかけることが可能になっております。また、その結果を踏まえまして、規制が必要かどうかを検討していく。そういう化学物質審査規制法の流れになっておりますので、こういった場合のリスクを評価するための基礎的な、基盤的な情報として、環境中の濃度の把握が非常に大事になっておりまして、そういった対象となる化学物質を測定の対象として要望しているというのが2点目でございます。

【環境リスク評価室】 環境リスク評価室でございます。先ほどもご説明申し上げましたとおり、環境リスク初期評価を実施しておりまして、この中で、暴露評価でエコ調査の結果を活用させていただいているところでございます。
 当室のエコ調査の要望物質の選定理由といたしましては、大きく2つポイントがございます。まず1つが、環境リスク初期評価に着手した物質のうち、暴露情報が不足する可能性がある。具体的に申しますと、環境測定データがないとか、直近、概ね10年を考えておりますけれども、データがないような物質。2点目といたしましては、過去に環境リスク初期評価を行った物質のうち、暴露の情報が不十分であったためにリスクの判定ができなかったもの、このような視点から要望物質を選定しているところでございます。
 なお、環境リスク初期評価の対象物質につきましても、このエコ調査と同様でございまして、関係部局から評価を行う必要性のある物質を聴取いたしまして、その中から専門家のご意見を踏まえて選定しているところでございます。つきましては、初期評価の結果については、関係部局にフィードバックして、ご活用いただいている。このようなスキームになっております。
 以上でございます。

【野生生物課】 続きまして、自然環境局の野生生物課でございます。野生生物課では、野生生物の保護を担当としております。そこで要望させていただいているところですが、その背景といたしましては、175ページでございますけれども、我が国は、残留性有機汚染物質(POPs)による環境汚染を防止するための国際条約であるPOPs条約を批准しているわけですが、対象把握物質の対策が急務となっているところです。ご案内のとおり、環境中に放出されたPOPsは、植物連鎖を通じて生態系の高次捕食者である、例えば猛禽類などに蓄積されるというような事例が知られておりまして、特にこうした猛禽類はもともとの生息数が少ないのですが、それだけではなく、さらに生息数が減少する、繁殖成績が低下するといったことも起こっているところでございます。
 このため、当課としては、POPs条約に対応しますとともに、絶滅のおそれのある野生動植物種の保存法という法律に基づく国内希少野生動植物種の中で、特にクマタカ、オオタカといった希少な猛禽類、これは当課の方で繁殖状況のモニタリングも行っているところですけれども、こういったものの保護方策の検討に資するために、こういった猛禽類の体内へのPOPsの蓄積状況を把握する必要があることから要望させていただいております。

【大気環境課】 続きまして、水・大気環境局大気環境課でございます。当課では、大気汚染防止法上で「継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれのある物質で大気汚染の原因となるもの」として有害大気汚染物質が規定されておりまして、そちらについての対策を行っているところでございます。
 具体的に「有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質」として、234物質リスト化されておりまして、そのうち、全部ではございませんで、優先的に取り組んでおります物質については、大気環境モニタリング、環境基準の設定あるいは事業者による排出削減の対策といったものをこれまで実施してきておりまして、それ以外の物質については、なかなか大気中の濃度の実態というものが十分把握されていないものもございまして、それらについて今回ご要望した次第でございます。
 ただ、そういったものすべてを要望すると数が多いものでして、今回については、まずPRTR対象物質につきましては、大気中への排出量のデータがございますので、おおよその大気中の状況を推定することが可能であるといったことがございますので、まずこれを除いております。あと、製造・輸入量が少ないものについては、相対的に大気中で検出される可能性が低いと予想されますので、今回は1000トンというところで線引きさせていただいておりますが、それ以下の物質は要望から外しております。
 繰り返しになりますが、今回要望した物質としては、有害大気汚染物質の可能性のある物質234物質のうち、これまでに当課で行っております有害大気汚染物質のモニタリングあるいはエコ調査が実施されておらず、PRTR対象ではなく、製造・輸入量が1000トン以上の物質、こういったものを要望しております。
 以上です。

【農薬環境管理室】 水・大気環境局農薬環境管理室でございます。ページをおめくりいただきまして、そちらの方にまとめさせていただきました。
 農薬環境管理室におきましては、農薬取締法に基づきまして、農薬の登録の可否の判断基準となります登録保留基準を定めております。この登録保留基準のうち、水産動植物の被害に係る登録保留基準、水質汚濁に係る登録保留基準につきましては、最近、基準の考え方の見直しがございまして、環境中予測濃度と毒性評価に基づく基準値の比較によりまして、事前のリスク評価を行った上で基準値の設定を行うこととしております。一方で、基準値設定後に実環境中での農薬濃度に基づく事後的なリスク評価を充実させまして、必要に応じて追加的なリスク管理措置を実施するということ、それから基準値設定値のリスク評価手法の改善というものにつなげていきたいと考えております。
 この事後的なリスク評価におきまして、「化学物質環境実態調査」の結果を活用したいと考えておりまして、今回、18年度におきましては、農薬のうち、PRTRデータから排出量の多いもの、生物濃縮の懸念されるようなlogPowの大きい農薬、こういったものを要望物質として選定しているところでございます。
 参考のところに書かせていただきましたのは、水産動植物の被害に係る登録保留基準における事前のリスク評価のスキームを模式的に書いたものでございまして、左側にあります環境中予測濃度を環境モデル及びシナリオに基づき算定して、基準値との比較を行って、登録の可否を判断しているわけですが、この環境中予測濃度が妥当に評価されていることの検証という意味で使いたい、こちらのエコ調査の結果を活用していきたいということでございます。
 以上でございます。

【環境安全課】 178ページから表のところを説明していきたいと思います。
 タグが付いてございますが、まず178ページは、初期環境調査の対象物質一覧でございます。
 続きまして186ページでございますが、表2に関しては、初期環境調査の分析法開発対象物質一覧でございます。
 続きまして191ページでございますが、表3は、平成19年度以降に初期環境調査が必要とされる物質の一覧でございます。
 続いて215ページでございますが、表4は、詳細環境調査の対象物質一覧でございます。
 続きまして218ページは、表5でございますが、詳細環境調査の中における分析法開発対象物質一覧でございます。
 続きまして224ページ、表6は、モニタリング調査の対象物質一覧になっております。
 続いて225ページからは暴露量調査の対象物質一覧で、食事調査、そして227ページが室内空気の調査、229ページが野生生物の蓄積状況調査でございます。
 そして最後、230ページでございますが、表8は、ヒト生体試料調査の対象物質一覧でございます。

【櫻井委員長】 議題3、4に関わる資料についての説明が終わりましたが、ご質問、ご討議、何でも結構でございます。ご意見を賜りたいと思います。

【関澤委員】 まず191ページ、平成19年度以降に初期環境調査での対応が必要な物質ということで、たまたまこのページにあがっているわけですが、主にアミノ酸の加熱生成物がたくさんあがっていますね。これについては、普通の焼け焦げの状況でできるということが分かっていて、そのできる量は、人が焼き肉とか焼き魚を食べても、一生涯暴露されてもたぶん普通の焼け焦げの条件では発がんに至らないであろうという結論にだいぶ昔になったわけですが、そういうことの中で、誰というか、野生生物でも何でもですが、実際にどの程度こういうものが環境中で生成する可能性があって、このものの、主に水に溶けにくいと思うのですが、どういった生物に、どんな影響があるということを推定してやろうとされているのか、かなり疑問を私は持ったわけです。物質選定について、その辺の背景をきっちりと調査して選んでいただきたいと、全部の物質について今見るわけにいかないので、思います。お金を使って手間をかけるわけですから、その辺を慎重に検討していただきたいというのが1点目。
 もう1つは、176ページ、農薬等の水産動植物の被害に係る登録保留基準における事前のリスク評価、ここでPECとか、登録保留基準値という中で「魚類、甲殻類及び藻類の急性毒性から決定」と書いておりますが、欧州委員会等でもいろんなやり方、OECDなどでも出ておりますが、その場合に「安全係数」とかいう考え方も適用されていると思いますけれども、日本の環境省ではどういう考え方を使われようとしているのか、私が知らないだけかもしれませんけれども、それによって実際相当違ってくるのではないかと思いますので、ご説明いただきたいと思います。

【環境安全課(PRTR)】 前段のご質問に関することですが、今回あげさせていただいているのは、機械的にPRTRの対象の条件として有害性と暴露の条件があると。有害性の条件に引っかかったもので暴露情報がないものについてあげさせていただいているのですが、この表3につきましては、平成19年度以降に対応するということなので、実際、具体的に環境中にどれだけ出てきそうだとか、そういった周辺情報は現在収集中でございまして、例えば有害性があるというだけで選別するのではなくて、薬剤、製薬製品、薬みたいなものについては、基本的には、人体に取り入れた後、代謝されるわけですから、そういったものは当然省いていくべきだろうと考えております。その辺につきましては、来年までには精査させていただきたいと思っております。

【環境安全課】 今の点で補足ですが、それ以降、環境安全課の方でこういった要望物質を集計しまして、リスト化していく上で、具体的には「化学物質要覧調査検討実務者会議」というのを設置いたしまして、本委員会の委員であられる中杉先生に座長をお願いして、振るい分けております。
 例えば表3の方で、まさに19年度の話があがっておりましたが、194ページをご覧いただきますと、例えば塩化パラフィンとか、こちらの方は備考欄に「除外審議済」とございます。さらには195ページではオゾンも「除外審議済」、さらに202ページでございますが、多臭素化ビフェニル、214ページでございますが、硫酸ジイソプロピル、こういったものは「除外審議済」とございます。この意味するところといいますのは、例えば塩化パラフィンでしたら、近年調査を既に実施済みのものとか、あるいは多臭素化パラフィンに関しては、現在、分析法着手の段階である。硫酸ジイソプロピルに関しては、要調査項目の方で対応がなされている。さらにオゾンに関して言いますと、非常に強い酸化剤なので、そのままの形態で測るのは難しく、代替物として活性酸素などの形態で仮に測ったとしても、それがオゾンだけの寄与によるものなのかどうかがイマイチ分からない。そういうことで、こういったものは調査に着手することは余り好ましくないということも検討しておりまして、今、関澤委員からお話のありました件に関しましても、そういった観点から検討すべきではないかという意見をいただいていますので、そういった観点から今振るい分けを鋭意進めております。

【中杉委員】 今、事務局からお話がありましたように、私がお手伝いしております。実際問題として、19年度以降についてはまだ検討していません。実務者会議のところでも検討してない段階ですので、当然出てくれば、実際どのようになるかという話はチェックしていく。従前は物質選定委員会がつくられてやっていたわけですが、その後、環境省のあれで、事務局サイドが要望した物質は全部あがってくるということで、その中で、実際にはこんなものを測ってもしょうがない、測らなくてもいいというものは出てくるので、それははねていく。たぶんその作業をする前のものが表3に載っていると解釈していただいた方がいいと思います。

【農薬環境管理室】 それでは、先ほど関澤委員からの農薬の登録保留基準についての質問についてお答えします。
 水産動植物の被害に係る登録保留基準につきましては、平成15年3月に基準の関係の法律改正を行いまして、昨年の4月に告示が施行されているところでございますが、制度導入にあたりまして、いろいろな議論がございまして、実環境中で本当に農薬による生態影響が懸念される状況にあるのか、という議論もありまして、なかなか実際の環境中でそういうものが見えない部分もありました。さはさりながら、少なくとも現行生物、その当時はコイに対する毒性のみに基づく基準でございましたので、もう少し評価対象生物種を増やすべきではないか。それから、毒性に基づくものでしたから、もう少しリスクベースの基準にすべきではないか。それから、当時は水田使用農薬についての基準しかなかったわけですが、畑地で使用される農薬についても評価対象にすべきではないか、というような議論がございまして、そのあたりの見直しを行いました。
 その中で、現行の農薬取締法上は、水産動植物の被害が著しいものとなる場合に登録が保留されるという規定になっております。そういったことから、急性毒性をベースにして、そこに生物種の違いによる種差を考慮して、不確実係数を魚類、ミジンコの場合に10、藻類の場合は特にそういった不確実係数を置いていないのですが、急性毒性試験の結果で、不確実係数で割った値の3種の生物種の中から最も小さい、要するに毒性が強いものを用いて基準値を設定する、そういう仕組みにしております。

【関澤委員】 後半の部分の追加でよろしいですか。先週たまたま農水省の農業環境技術研究所で農薬の環境動態のプロジェクトの会議に出させていただいたのですが、ご存じのように、農薬は一時的に降雨強度に応じて急激に流出して、ほとんど河川中には見られなくなるということがはっきりしておりますが、PECといった場合に、PECとしてどういう値を使うかということで、今まで検出された一番高い濃度を使うという手法もあるし、いろんなやり方があるわけです。たまたまスポット的に年に1回、そのプロジェクトの調査でもそういうことがはっきり出ているのですが、たまたま高いデータが、散布の数日以内に降雨強度が非常に強いときに一気に流出して、あとはほとんどなくなるということが一般的なわけですが、どういった値をPECとしてお使いになると今のところ決めていますか。

【農薬環境管理室】 PECの算出方法につきましては、基準値設定の際に中環審でもご議論いただきまして、決めているところでございますけれども、3段階に分けて、まず、第1段階としては、非常に厳しめに、単位面積当たりの使用量とか、一定のモデルに基づいて計算する、そういうものとして作っております。第2段階、第3段階にいくに従って、より現実的に、例えば第1段階では、一定のシナリオに基づきまして、計算式だけで計算するような形になっているわけですが、第2段階になりますと、もう少しモデル工場のようなところで試験をした結果を用いて計算する。さらに第3段階になりますと、実工場での試験結果をもとにPECを計算する。そういう形で、第1段階では簡単に、しかしながら厳しい値が出るような形で計算をしておきまして、それで基準値をクリアできないものについては、第2段階、第3段階とより現実的な値に近づけるということにしております。
 農薬は一時的に大量に出るというお話をされておりましたけれども、そのモデルにおきましては、当然、短期間に流出するということを想定してモデルを組み合わせているところでございます。

【関澤委員】 ということは、厳しめにやるということですね。もう1つは、農薬の環境動態について、農水省の主な研究所でも十分なモデルはまだないという認識を持っておられたようですので、その辺を十分現実に即してやっていかないと、ただただ厳しめにやっていくというのが本当によろしいのかどうか、十分ご検討いただきたいという要望です。

【農薬環境管理室】 まさにモデルの検証という意味でも今回の化学物質環境実態調査の結果も活用させていただいて、さらにモデルについてのブラッシュアップを図っていきたいと思っております。

【花里委員】 今のことに関してコメントさせていただきたいのです。私は生物の毒性をやっていますけれども、農薬の場合は短期間にピークが出るということですが、大体、試験生物はミジンコだとか藻類という寿命が短いものですから、短期的に影響があってもわりと回復しますので、そういう議論が出てくると思うのですが、あくまでもこれは試験をしやすい生き物であって、感受性が高いものである。一つの物差しとして使うという考え方でいいと思うんです。例えば水生昆虫などのように1年に1世代なんていうのは、一時的に影響を受けると、それが成長の抑制になって、次の繁殖にまで影響を及ぼすという危険もありますので、そういう点では、より安全な方で考えてやっていくという今の考え方でいいと思います。ただし、今後研究を進めていく上で、どの程度実際の影響があるのかどうか、どこまで短期間のピークを評価していいかというのは、今後の課題というのが現状ですので、安全側に立って考えるということでとりあえず今はいいのではないかと私は思います。

【関澤委員】 だから、研究段階ということと、登録保留基準という実際のそこで落とすというところの行政的な決定との違いをはっきりさせないとまずいと思います。研究段階としては「まだはっきりしないので」という言い方は通用するのですが、登録保留基準というのは、基準ですから。

【花里委員】 それはそうですけれども、ただ、問題が起きては困りますから、より安全なところで設定しておくというような考え方で私はいいのではないかと思っています。

【池田委員】 別のところで、農薬とはちょっとはずれてしまいますが、167ページをご覧いただきますと、ヒト生体試料というのが出てきまして、ほぼ同じような表が230ページに出てきて、こちらではPOPs関連でこの調査をやるのだというのが出てきます。167ページの調査媒体の欄を見ますと、これは一般住民ではなくて、母子保健関連で考えておられるというのがうかがわれるのですが、そのように理解してよろしいでしょうか。あるいは何検体ぐらい、あるいはどういう分布で集めようとしておられるのか、そのあたりをお教えいただきたいというのが1つです。
 もう1つは、これは先ほどご紹介いただきました物質の選定のところで、大部分が要望部署として環境安全課となっていますが、ご存じのように、3省合同の物質審査をやっていて、特に既存点検でこれは環境調査をやった方がいいのではないかというのが時に出てきます。あれはここに入ってくるのかどうか、あるいはどんな格好で入ってくるのか、そのあたりもお教えいただきたい。

【環境安全課】 1点目は、確かに母子保健の観点からということで、検体数に関しましては、PCBをはじめPOPsの物質に関しては65検体を考えております。重金属に関しては1000検体を行うこととしております。

【池田委員】 水銀以下が1000ですか。

【環境安全課】 はい。

【上家環境安全課長】 補足いたしますと、ヒト生体試料調査そのものが、環境実態調査の中でのヒト生体調査、本来ならば、母子保健に限ったものではないということは承知しております。ただ、生体試料の入手の困難さ等いろいろありまして、どこから着手するかということで、平成17年度、今年度からこういう枠組みを作ったわけですが、その時点では、こういうようなところから着手していこうというふうにしたわけでございまして、先生方からご意見をいただき、予算が獲得でき、そして、一般的な日本人の平均の血液を調べるべきだ、協力をするべきだという機運が全体に出来上がれば、美しく日本人の生体試料における化学物質残留濃度とかいうものも出していけるかと思うのですが、なかなか着手したばかりで、できるところをやっている。それから緊急性がある、一番関心の高いところからやりたいということも含め、ここから着手しているという状況でございます。

【森下化学物質審査室長】 2点目のご質問でございますが、例えば既存化学物質を点検していくプロセスの中で、新しい情報が見つかって、その環境中での濃度をきちんと確認するような必要がある、そういう状況はよくあるといいますか、重要なステージだと考えておりまして、その際には、適切に迅速にこの実態調査の中で分析していただくということを私どもの担当である化学物質審査室の方から安全課の方にお話をした上で、分析法開発、そして調査というこのスキームの中に盛り込んでいただくということを慎重にやっております。
 また、試験の対応が必要だということになりますと、例えば今回、ベンゾトリアゾール系の物質は、新しく毒性が明白になったわけでございますが、こういったものはできるだけ前倒しで迅速にその結果を出していくということで、今回も特別の対応をしていただいて、早めに結果を出していくということもやろうとしているところでございます。

【中杉委員】 今の池田先生のご質問、最後の方の絡みで、先ほど申し上げましたように、今度の新しい形は全部たくさんやるということですが、その前、物質選定の委員会がありまして、そのときは物質選定をやるということで、私もとりまとめさせていただいたのですが、そのときは個人で物質選定を出すということで、私も井上先生、池田先生と一緒に化学物質の審査を担当していますので、既存物質の点検をやって、これは見るべきだというのは提案させていただいて、調査をする候補としてあげてもらった。ただ、そのときは調査する物質には限りがありますので、必ずしも調査する物質にはならなかったのですが、そういう方向は当然あるのだろうと思います。
 それともう1つ、全般の話なんですが、これはどこまで配慮していただいているのかということにも絡むのですが、これは要望の目的に応じて調査の仕方が当然変わってくるべきだろう。例えば化学物質の審査の場合ですと、これは一般環境といっても、いろいろあります。全く一般環境で、化学物質の審査で化学物質の規制をしていこうということになると、個々の発生源で抑えられないようなものが問題になってくるだろう。そうなると、日本全国余り排出とは関係なくによく見つかるということが一つの論点になってくるだろう。そうなると、PRTRの排出量のデータとは余り関係なく、平均的に測る、まさに一般環境を測るということになると思います。
 一方、環境リスクの初期評価をやるときは、一応そこでやった結果によって、この物質は特段対応ないよという判断を一つ下します。そういうときには一番濃度が高そうなところをつかまえなきゃいけない。これは発生源のすぐそばという意味ではないのですが、例えばPRTRで排出している河川の環境基準点で測ってみるとか、そういうメリハリが必要だろうと思います。ですから、これはPRTRの物質選定でも、PRTRの排出量が少ないものをどうするかという話のときは、当然のことながら、排出している事業所があるところの一般環境で測って、ここでも出ないのだから、対象から外してもいいのではないか、という議論になってくるのだろうと思いますし、PRTRの対象物質を選定するときに、全く情報がないものは当然平均的なところで測らなきゃいけない。そういう意味で、来年からすぐできるか、自治体の協力を得なきゃいけないので、非常に難しいと思いますけれども、そういう意味で少しメリハリをつけていただければと思います。

【香山委員】 中杉先生のご意見に関連しているので、ここの場で発言させていただきたいのですが、この環境エコ調査で予算をどのくらい毎年使われてきて、どのくらい増えているのか、維持されているのか、もちろん財政状況によりますので、今後どうなるかというのも分からないと思います。それが第1点です。
 次は、今後、追加して調査すべき物質というものがあがってまいりますけれども、今後これは減らしてもいいだろうというやり方ですね、どういう基準で減らそうかということ。この物質はやめておこう、あるいはもう少し簡便な方法で全体的にグループとしての総量を測ればいい程度の測定法に変えようと、そういうステップはどうされているのでしょうか。効率的な予算の運用という意味においてです。

【上家環境安全課長】 まず予算でございますが、平成16年度、今回データを出させていただいたものまでで申し上げますと、エコ調査本体の部分で2億7000万、それと、いわゆる環境ホルモン対策、SPEED'98等、他の関連の予算でおよそ2億の予算がございましたので、それには若干いろいろなものも入っていますが、4億7000万以内の予算でやっておりました。
 平成17年度、今年度からエコ調査本体がおよそ7億、つまり、2億7000万で昭和50年代からずっと毎年毎年減りはしないのだけれども増えもしないということでやってきたものを、平成17年度に約7億、大体3倍弱まで増やしたわけですが、それにPOPs等の予算も含めますと9億5000万になります。これを何とか維持していきたいと考えております。
 このようにもともと2億7000万であったものが7億以上使えるということになりましたため、これまでは行政需要に十分応えられず、物質選定委員会で一定の枠の中で優先順位をつけるために、委員の先生方にいろいろな状況をご判断いただいて、非常に小さな席を順番をつけてやっていただいていた部分がかなり増えた。ただ、平成17年度、先ほど進捗状況でお示ししましたように、バーンと増えると、分析法がないものが大量にあるということで、平成17年度については、予算が増え、対象とすべき物質、みんな調べることができるようになったにもかかわらず、調べる前に分析法開発に追われたというのが現状でございます。
 今後しばらくは分析法開発をしつつ、行政需要を十分満たしながらいけるのではないかと考えておりますが、その中で、先ほど中杉先生からもご指摘ありましたように、どの物質をどのように試料採取して、どのように分析するべきかということについては、技術的内容もありますので、実務者会議の場で改めてそれぞれの場面で先生方のご意見をいただいて、実施していくことになろうかと思います。ただ、大枠につきましては、この場で先生方にご議論いただかないと第一歩が進めないということで、今日全体をご覧いただいたということでございます。
 先ほど関澤先生からもご指摘のありました平成19年度以降のものにつきましては、あくまでもこの場では平成18年度をどうするかのフレームをお考えいただき、それに沿ったものとしてこのようなものがありますということをご案内したまでで、それ以降のものについては、まだ全く未定稿のままここにお示ししたということで、不十分な説明になったところはおわび申し上げます。
 以上でございます。

【櫻井委員長】 ほかに何かありますか。

【篠原委員】 186ページに初期環境調査の分析法開発対象物質一覧があるのですが、全体を見ますと、検出限界がずらっと書いてあるので、分析法がたぶんあると思います。検出限界があるということは、分析法がどこかにあるものなので、ここであがってきた理由、これはどういうことなのか。

【上家環境安全課長】 これは検出下限値の目標値を出しております。つまり、既存の分析法では検出下限値がずうっと高いものがある場合もありまして、少なくとも検出下限値、このぐらいのレベルを目指した分析法の開発をするという目標値でありまして、実績値ではございません。

【遠山委員】 2つ質問ですが、1つは今の分析法の問題で、2つ目は物質選定の件です。分析法ですが、今、分析法の下限値で目標値を出してあるというお話ですが、要は、目標値というものがどのように設定されているかということです。つまり、環境リスクの方からの立場からいえば、リスクを評価する上で必要最大レベルの検出限度があればいいわけで、それをやみくもに、「化学物質エコ調査ってどんな調査?」の10ページに書いてありますように、「化学物質があるかないかを調べることが求められているので、ごくわずかな量でも、正確に測定できるような分析法が必要」だと書いてしまうと、非常に微量な、ゼロに近いようなものまで分析できるように、とにかく分析法を開発するというのが自己目的化するようなことにもなりかねませんので、分析法の検出下限値の目標値というのは、私の考えでは、少なくとも環境省のこのエコ調査に関していえば、環境リスクを評価するに必要な限度の検出力があればいいと考えていますが、それについて第1点。

【環境安全課】 今、遠山委員からご指摘のありましたとおり、各要求部署の方からは、環境リスクを評価するに足るだけの目標検出下限値というので来ております。ただ、化審法に関しましても改正がなされまして、これまでの「健康影響」から「生態系影響」ということで、非常に体積の小さいミジンコとか珪藻、そういった類のものの影響ということになりますので、勢い目標検出下限値としてはかなり薄いところまで要求されております。しかしながら、その背景としては、環境リスクを評価するに足るだけの要求感度というところになっております。

【上家環境安全課長】 補足いたします。この検出下限値につきましては、低ければいいということで設定したものではございません。要望部署からこれだけのものが必要と言われたものをここに載せているというのが状況でございまして、必要とされるものを載せているつもりでおります。つまり、こちらが自由に設定したものではなくて、リスク評価をするためにこれだけの下限値が必要と言われたものをそのまま掲載したというのが現状でございます。

【遠山委員】 そういうふうに言われると、論理的に回答していただいたようには聞こえないのです。

【中杉委員】 私も若干そこら辺の事情をご説明しますと、一番いい例は、環境リスク初期評価をやり、毒性値と比べてみたときに、この検出下限では評価できない。例えばPNECよりも検出下限値が高いと、不検出でも評価できない。せめてPNECのところまで下げてほしい、というような形で出ていると解釈していただければと思います。

【遠山委員】 2点目は物質選定の件で質問ですが、先ほどの内分泌かく乱のところで人畜由来の環境ホルモン様の物質なども対象に入ってくるという話もありましたが、例えば、今、欧米で問題になっているような医薬品とか化粧品とか、こうしたものが環境中に出てきて、それがひょっとしたら環境リスクに関係するようなこともあるかもしれないという指摘もあるわけですが、こうした物質を今後対象とする予定があるのか、あるいは私は知らなくて、既に対象になっているものもあるかもしれませんが、これについて教えてください。

【環境安全課】 医薬品等に関しましても既に対象物質として取り組んでおります。

【遠山委員】 どのようなものが入っているか分かりますか。

【上家環境安全課長】 後で個別にはお示しいたしますが、医薬品等について、特にホットスポットでは確実に問題があるということは既に言われていて、病院等ではそういう取組も始めているということも、研究者に会ってヒアリングをしたりしておりますし、その上で、エコ調査で調べるだけの使用量があるものは何なのかという洗い出しも既に進めておりまして、そういう意味では医薬品その他、家庭で使われるような物質についても対象とする方向は既に進めているところでございます。

【遠山委員】 今度は対象の場所の問題、つまり試料を採取する場所の問題ですが、基本的には、この黒本調査その他、工場の周辺であるとか、先ほど議論になりました道路周辺であるとか、そういうところではなくて、「化学物質エコ調査ってどんな調査?」というパンフレットには余り詳しく書いてありませんけれども、簡単にいえば、余りそういう局地的な汚染がないところを選んでいるというふうに書いてあると思うんです。ところが、実際問題になるのは、エコの問題も含めて、局地的な汚染があるところが問題になるわけですから、そこを意図的に外してしまうと、これは逆の意味で意味がないことをやっているということになりますから、バックグラウンドを測るということは、それはそれで大事かもしれませんが、すべてがバックグラウンドレベルを測っても意味がないので、先ほどの医薬品だけではないですが、基本的には、ある程度汚染といいますか、そうした影響が起こり得るかもしれないようなところも調べないと、実際にはエコ調査もヒトの健康リスクも含めて調査にならないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

【上家環境安全課長】 実際の採取場所は、自治体等にゆだねているところもありまして、細かな指定はできませんが、ただ、工場の排水口直下というようなホットスポットではない。そうは言いましても、与那国島とか、そういう汚染がないと思われるところまでわざわざ行っているというわけでもなく、淀川の河口みたいなところを採取場所にしているという意味では、一般的とは言いながらも、本当にホットスポットそのものではないにしても、一般に汚染されている可能性が高いところを普通に採取しているというふうに認識しております。ただ、これは直接環境省が水を採取したりしに行っているものではないことから、自治体にある程度お任せせざるを得ないという問題はございまして、実務者会議等では、どういうところで採取したかということも含めてご議論いただき、一般的な汚染の状況を把握するという観点から外れることのないような採取場所を自治体にはお願いしているところでございます。

【環境安全課】 先ほどの医薬品の話ですが、179ページの一番上、12番ですが、フェノバルビタールに取り組むこととしております。

【櫻井委員長】 あるいは3つ目のフェナセチンもそうですね。

【環境安全課】 そうです。

【櫻井委員長】 ほかに何かありますか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、平成18年度の調査について案が提示されたことについて、いろいろご意見を出していただきました。それも検討課題としながら、基本的にはこの線で進めていただくということで、皆様のご承諾を得たというふうにいたしたいと思います。ありがとうございました。
 特段議論もございませんでしたが、調査時期を1期から2期に分けるとか、迅速に対応する努力も大変払っておられる。それに、対象物質が何倍にもあがっているというようなことで、事務局サイドの努力も大変なことだと思いますが、引き続き頑張っていただきたいと思います。
 それでは、続きまして議題5の「その他」ですが、何かありますでしょうか。

【事務局】 その他、幾つか報告事項を予定しております。PRTRの集計結果の公表、GHSの分類結果の公表についてご説明させていただきます。

【環境安全課(PRTR)】 それでは、資料8に基づきまして、平成16年度PRTRデータの概要等について簡単にご説明させていただきます。
 今回、紙の節約ということで、字が小さく印刷しておりますのはご容赦いただければと思います。
 1ページ目に記載させていただいていますとおり、先週の金曜日、2月24日に第4回目のPRTRデータを公表させていただきました。
 <今回のポイント>の中ほどでございますが、届出事業所数につきましては、今回は
 40,341事業所ということで、昨年度と比べて約700減少した。届出排出量につきましては、27万トンということで、昨年度は291千トンで、若干減少したという結果でございました。届出移動量につきましては、23万トンということで、前年度と比べてわずかに減ったということでございます。
 その下は、当方の解釈でございますが、事業所数の減少の割合に比べて届出排出量が減っているということで、事業者による化学物質管理の改善が進んでいると考えていいのではないかと解釈しております。
 その下、届出外排出量、これは届出事業所に該当しない事業所あるいは一般家庭とか自動車の排ガス等々からの排出量、これは国、経済産業省と環境省が推計することになっていますけれども、こちらにつきましては、数字だけ書かせていただきますが、357千トンでございます。届出外の推計につきましては、毎年度、推計に用いるデータも異なっていますので、前年と比較して云々という評価はできませんけれども、前年よりもより信頼性の高い推計値が得られているのではないかと思います。
 ポイントを簡単にご説明いたしますと、ずっとページをめくっていただきまして、7ページのところに、どういった業種から届け出られているかということを書かせていただきました。4万事業所のうち、見ていただければ分かりますが、右の欄の中ほど、燃料小売業者、これはガソリンスタンドのことでございますが、こちらが18,000事業所、約半分を占めております。それ以外で申しますと、左の欄の中ほどの化学工業とか下の方の金属製品製造業とか、こういった製造業分野からの届出が多うございます。
 9ページのところに円グラフがございまして、これが全体の状況を端的に示したものでございますが、これは届出の排出量と移動量を一緒にした形で示させていただいています。右半分が排出量、左が移動量になっていまして、排出量のうち、ほとんどが大気への排出となっています。移動量につきましては、廃棄物としてがほとんどを占めています。
 10ページに棒グラフがございますが、こちらは排出量・移動量の上位10物質を示しておりまして、トルエン、キシレン、塩化メチレンみたいな溶剤系の物質とか、あるいは鉛とかクロムとか、そういった金属系の届出が多く見られております。
 それから12ページの上の棒グラフ、これは業種別にどうなっているかということでございます。これも排出量と移動量を一緒にしたグラフを示していますが、やはり化学物質原体を扱っている化学工業からの排出量が多い。2位として輸送用機械器具製造業、これは車とか船舶、航空機等の製造を行っている事業所ですが、こういったものが、例えば塗料とか、そういった部分で溶剤等を使っているということから、排出量はトップになっています。こういった状況になっているということでございます。
 それから14ページでございます。これは国が推計する届出外排出量の構成の割合でございます。4つ分類しておりまして、右上の部分、対象業種からの届出外排出量、これはPRTRの対象は従業員数が21人以上で、かつ1年間の化学物質の取扱量1トン以上と決まっていますので、それに該当しない、つまり小規模の事業所からの排出、これが17%を占める。その下、右下でございますが、非対象業種からの届出外排出量、これは対象業種になっていない業種、例えば建設業とか運送業とか、そういったものも入るのですが、そういったところが30%、それから下のところ、家庭から、これは一般家庭で使われる洗浄剤とか防虫剤等の排出ということで17%、左上が移動体、これは自動車、船舶、航空機等からの排出量ということで36%占めている。
 次のページでございますが、15ページの上の円グラフは移動体からどういったものから排出されているかということで、先ほど申しましたように、自動車とか二輪車が多くなっております。
 15ページの日本地図は、都道府県別にはどうかということでございますが、いわゆる太平洋ベルト地域の都道府県から多く出ています。北海道も比較的色濃くなっていますけれども、冒頭申し上げましたように、届出の約半分が燃料小売業、ガソリンスタンドということで、北海道はガソリンスタンドが多いので、結果的に多くなっています。
 あとは詳細なので、後ほどご覧いただければと思います。
 以上です。

【環境安全課】 資料9の説明でございます。GHSに関してでございますが、これは化学品を危険有害性ごとに分類をして、その危険有害性のラベル表示を行う場合、あるいは安全データシートを作成して提供する場合の世界的な統一ルールを定めたものでございまして、2003年7月に国連からその導入が勧告されたものでございます。
 勧告によりますと、2008年までには世界的にこれを実施していこうということになっておりまして、関係法令、今説明をいたしました化管法などもその一つでございますが、などで表示あるいはデータシートの作成を義務づけているものについて、このGHSに合わせた方法に変えていくという作業を、法令を所管する各部署で対応しているところでございます。
 本来、行政的な対応はそれで終わって、あとは個別の事業者ごとにそれぞれの取り扱う化学品について表示やデータシートを作成していくということをやっていただくことになるわけですが、必ずしも十分なハザードに関する情報を持ち合わせておられないような事業者の方も多いということがありまして、そういった方々も含めて、分類をする際の参考となるように、関係省庁が協力しまして、この事業を行っているものでございます。
 環境省、厚生労働省、経済産業省が協力をしてやっておりまして、各法令の対象となるような1,500の物質を対象に、実際に世の中にあるハザード情報を集めまして、分類を行って、その結果を公表しております。
 今回、その公表の第1弾としまして、労働安全衛生法の対象になる98の物質について去る2月16日に公表しております。実際には独立行政法人の製品評価技術基盤機構化学物質管理センターのホームページに載せておりますので、またご参照いただければと思います。
 今後、その他の物質についても随時追加的に公表していく予定としております。
 以上でございます。

【櫻井委員長】 ご説明は以上ですね。何か質問がありますか。

【遠山委員】 時間もかなり押しているようですから、簡単に教えていただきたいのですが、PRTRの資料8の読み方ですが、例えば7ページで、一般廃棄物処理業とか産廃の処理業に関しては、届出物質の種類数が41とか49、実際使っている届出物質の数というのは334、ということは、残りの部分、要するに使った分と捨てた分の差というのがどうなのかという質問です。
 それから、同じように資料8の18ページですが、例えば業種別の届出事業所数・排出量・移動量の同じところで下の一般廃棄物処理業と産廃の処理業のところが、そこに書いてある届出排出量・移動量合計というのが116,156とか、514,062とかいう数字がありますが、実際の全業種合計が499,504,283、99.9%以上ということになってくると、もちろん同じ年に使ったものが全部捨てられるわけではないので、タイムラグがあったり、実際つくっているところで大気に飛散したり水に流れたりとかいうものもあると思うのですが、実際使った分と捨てた分との差というのがどのくらい今把握できているのかというのが私の質問です。それがこのデータから読めるのかどうかということ。

【環境安全課(PRTR)】 前半のご質問ですが、7ページの届出物質種類数、例えば一般廃棄物処理業は41物質ということは、合計は334物質ということでございますが、一般廃棄物処理業として実際届け出られた数を単純に数えれば、41物質の種類であったということでございます。

【遠山委員】 そうすると、実際に使っている側というのは、334種類使っていることになりますよね。最初の質問も2番目の質問も同じことを聞いているのですが。

【中杉委員】 私が答えるのはおかしいのかもしれませんが、普通、扱っている物質を届け出るのですが、一般廃棄物処理業と産業廃棄物処理業は、基本的に扱っている物質はないわけです。何が入ってくるか分からないということで、届出を義務づけられたダイオキシンと排水基準の項目、大気はどうでしたか、何かそういうものに限られている。41物質はたぶんそれを少し上回っていて、自主的に届けられているところは一部は届けている。PRTRの一つの問題点としては、廃棄物として移動したものがその後どうなっているかは、残念ながら今のところ情報がないということです。

【櫻井委員長】 よろしいでしょうか。
 ちょうど予定の時間になったようですが、事務局、最後に何かございますか。

【環境安全課】 どうもありがとうございます。「化学物質エコ調査ってどんな調査?」という市民ガイドブックでございますけれども、大変短い時間で恐縮ではございますが、来週の金曜日、3月10日までに事務局までいろいろとお気づきの点をご連絡いただければと思います。よろしくお願いいたします。

【事務局】 それから、本日の会議録でございますが、事務局でまとめまして、委員の方々のご了解をいただいた上で、各委員に配付させていただくとともに、環境省のホームページに載せるなどで公開させていただきたいと思います。
 事務局からは以上でございます。

【櫻井委員長】 ただいまの件につきまして何かありますか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、以上で議題は終了いたしましたので、今日の会議は終了とさせていただきます。ありがとうございました。

-了-