熱中症対策小委員会第2回_議事録

日時

令和8年9月8日(火)13:00 ~ 15:00

場所

対面及びオンライン(Microsoft Teams)併用

配布資料

資料1:これまでの議論のまとめと今回の議論のポイント
資料2:気象庁提出資料
資料3-1:自治体、産業界等の関係主体の取組の促進・支援について
資料3-2:愛知県豊田市提出資料
資料3-3:京都府京都市提出資料
永井委員提出資料
資料3-4:国立環境研究所提出資料
資料4:熱中症警戒アラート等の情報発信のあり方について
参考資料1:令和8年熊本地震における熱中症対策

議事録

1. 開会
 
環境省(高山)
 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、中央環境審議会環境保健部会第2回熱中症対策小委員会を開催いたします。私は環境省熱中症対策室の高山でございます。よろしくお願いいたします。本日の会議は、対面とオンラインのハイブリッド形式での開催としており、環境省の公式YouTubeチャンネルにてライブ配信を行っております。なお、資料及び議事録につきましては、後日、環境省のホームページにて公開をさせていただく予定です。本日オンラインで参加の委員の皆様におかれましては、何かご不明な点がありましたら、事務局まで画面の上にありますTeamsのチャット欄からご連絡いただくか、もしくは事前にお伝えいたしました電話番号にお電話をお願いいたします。  
 続いて、本日の資料の確認をさせていただきます。資料は議事次第に記載されている配付資料の一覧にありますとおり、資料1から資料4、そして参考資料1となっております。資料の不足などがございましたら、事務局までお知らせください。  
 続いて本日の委員の出席状況ですが、本日は上田委員がご欠席と伺っております。委員総数8名のうち、7名の委員にご出席をいただいておりますので、定数を満たしていることをご報告いたします。また、本日は気象庁、それから自治体から、愛知県豊田市環境部環境政策課の浦野副課長、京都市環境政策局地球温暖化対策課の本間課長、そして国立環境研究所気候変動適応センターの岡室長にもご出席をいただいております。  
 続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。環境省大臣官房審議官の大井、環境保健部企画課長の大倉、環境保健部熱中症対策室長の小笠原でございます。  
 続いて本日の留意事項をお知らせいたします。会議中、発言をされている方以外の皆様におかれましては、基本的にマイクはミュートに設定をお願いいたします。また、回線の負荷を回避するために、ご発言されている時以外はカメラの使用をお控えくださいますようお願いいたします。画面の上にありますカメラのアイコンをクリックいただき、カメラをオフにお願いいたします。ご発言される際は、対面でご参加の先生方におかれては挙手をお願いいたします。オンラインでご参加の委員の先生方におかれては、画面の上にあります挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。委員長が順番に指名をいたしますので、マイクのボタンを押してミュートを解除いただき、カメラもオンにしていただいた上で、ご発言をお願いいたします。ご発言の際は、最初にお名前をおっしゃっていただきますようお願いいたします。ご発言される時以外にご意見やご質問がある場合には、チャット欄に記入をいただければと思います。  
 それでは、以降の議事進行を大塚委員長にお願いいたします。
 
大塚委員長
 大塚でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  
 熱中症対策実行計画の改定に向けて検討しているわけでございますけれども、年間1,500名を超える死亡者が出ているという中で、どうしていくかをまさに検討しているところでございます。本日は気象庁、自治体、産業界からのヒアリングをさせていただき、どのような実行計画の改定をしていくべきかについて、ぜひ検討していただければと思います。忌憚のないご意見をお願いいたします。  
 本日の議題は議事次第にありますとおり、(1)これまでのまとめと今回の議論のポイント 、(2)関係省庁からのヒアリング(気象庁)、(3)自治体・産業界の取組及びヒアリング(豊田市、京都市、国立環境研究所)、(4)熱中症警戒アラート等の情報発信のあり方について、となっております。  
 まず議題(1)これまでのまとめと今回の議論のポイント、資料1につきまして、事務局からご説明いただきまして、その後で質疑応答に入ります。それでは事務局からご説明をお願いいたします。
 
2.議事
(1)これまでの議論のまとめと今回の議論のポイント
 
環境省(小笠原)
 環境省熱中症対策室の総括補佐を務めております小笠原と申します。よろしくお願いいたします。私から資料1を用いて、これまでの議論のまとめと今回の議論のポイントについて説明をさせていただきます。  
 まず1ページ目をご覧ください。「1.熱中症対策実行計画とは」については、第1回においてご説明しておりますので、本日は説明を省略し、必要に応じてご参照いただく形とさせていただければ幸いです。また、「2.熱中症対策実行計画の改定に当たっての論点」についても、論点案の5点について、第1回において委員の皆様に了承いただき、セットされたものとなっています。こちらも詳細な説明は省略させていただければ幸いです。  
 続いて2ページの「第1回熱中症対策小委員会におけるご議論のまとめ」をご覧ください。第1回でいただいた主なご意見を事務局にて整理したものとなっております。上から順に紹介いたします。  
 まず、目標のあり方に係るご意見として、「熱中症による死亡者数等についての目標設定については、気候変動等のシナリオ別に検討すべき」「直近の搬送者数や死亡者数が増加傾向にある要因についても検討すべき」とのご意見をいただきました。  
 次に、熱中症死亡者数の将来推計についてです。こちらは井上研究員からヒアリングを行い、気候要因と人口要因のそれぞれのシナリオに応じた死亡者数の将来推計についてヒアリングを行った結果が記されております。  
 次に、関係省庁の役割分担と連携のあり方に係るご意見として、「気象庁からのヒアリングも行うべき」「熱中症対策について防災の観点からも関係省庁と連携して検討を進めるべき」「屋外労働者に対する規制も重要」とのご意見をいただきました。  
 最後に、その他のご意見として、「国と地方公共団体の役割分担と連携についても検討すべき」「熱中症対策として適応策のみならず緩和策をどのように促進するかについても検討すべき」「熱中症警戒情報等の基準についても引き続き検討すべき」とのご意見をいただきました。  
 これを踏まえ、本小委員会における議論のスケジュールを改めて整理したものが次のスライドです。3ページ目の「小委での議論スケジュール(案)」をご覧ください。第1回では論点の(1)と(2)について議論いただきました。今回はまず論点の(2)として、委員からのご意見を踏まえて気象庁からのヒアリングを行います。次に、論点(3)である「自治体、産業界等の関係主体の取組の促進・支援」の関係で、愛知県豊田市、京都府京都市、国立環境研究所からヒアリングを行います。最後に、論点(4)である「熱中症警戒アラート等の情報発信のあり方」について議論いただくこととしています。第3回においては、計画改定の方向性について議論いただくとともに、先ほどご紹介した第1回における委員からのご意見を踏まえて、「緩和と適応をつなげるための情報発信のあり方について」「災害時における熱中症対策のあり方について」も議論いただくこととしております。そして、第4回に計画改定の方向性の取りまとめをいただければと考えております。スケジュールについては以上でございます。  
 次のスライドをご覧ください。このスライドは参考として熱中症被害の状況についてまとめており、熱中症による救急搬送者数、また死亡者数の推移を示しております。救急搬送者数については本年7月末までの数値となってございます。  
 次のスライドをご覧ください。こちらも参考でございますが、第1回に井上研究員から発表いただいた熱中症死亡者数の将来推計について、事務局にて1枚のスライドに整理したものとなっております。必要に応じてご参照いただければ幸いです。私からの説明は以上でございます。
 
大塚委員長
 ありがとうございました。論点や前回議論の振り返りをしていただきました。前回の議論の内容に対して、もし追加でご質問がございましたらお知らせください。よろしいでしょうか。  
 それでは本委員会においては、事務局案のとおり、熱中症対策実行計画の改定に向けて議論を進めることとします。本日の委員会におきましては、(2)関係省庁の役割分担と連携のあり方について、(3)自治体、産業界等の関係主体の取組の促進・支援について、(4)熱中症警戒アラート等の情報発信のあり方について議論を行う方向で進めます。  
 では、次の議題に進めさせていただきます。
 
(2) 関係府省庁からのヒアリング(気象庁)
 
大塚委員長
 議題(2)関係省庁からのヒアリングにつきまして、資料2について気象庁からご説明をお願いいたします。
 
気象庁(新保)
 気象庁大気海洋部気候情報課の新保と申します。よろしくお願いいたします。私からは、気象庁が行っております熱中症対策に資する情報提供についてご説明申し上げます。  
 今、表示いただいている資料の上の囲みにございますけれども、1つ目、2つ目のポツで記載がございますが、環境省と共同で発表しております熱中症警戒アラートにつきましては、気象庁では気象庁ホームページ等で周知等しております。また、環境省におきまして熱中症特別警戒アラートが発表された際には、気象庁ホームページ等で周知するとともに、X(旧Twitter)で国民へ気象解説情報等を通じて呼びかけているところでございます。今年1つございましたのが、最高気温が40℃以上の日を「酷暑日」と定めることで、暑さへの一層の警戒を呼びかけるということをしております。皆様ご承知おきのとおり、今夏は延べ36地点で酷暑日となりまして、昨年までの一番多かった時で30地点でございましたので、まさに暑い年になったということでございます。  
 この資料の下半分で気象庁が提供する気温の見通し等ということでまとめた資料がございます。「今日」というところから上から下に向かうほど、その対象とする予報の期間が長くなるような記載になっております。一番上、「今日」というところではアメダスや推計気象分布という記載がございますが、まさに観測等に基づいて実況をお伝えするもの、その先、天気予報や天気分布予報、週間天気予報という中で、7日先まで最高気温の見通し等をお伝えしております。また、その先は2週間の気温の見通しを「2週間気温予報」でお伝えしており、極端な「かなり高い」となる気温が想定されるときに「早期天候情報」というものも提供しております。ここに記載はございませんが、その先、さらに1か月先や3か月先に対して、1か月予報、3か月予報というものを提供しております。  
 次のスライドをお願いいたします。この気象庁が提供しております情報に関しまして、特に1週間より先の情報の高度化につきまして、有識者の先生方に今般ご議論いただいたところでございます。「1週間から数か月先の情報の高度化に関する検討会」を設置いたしまして、この8月に報告書が公表されたところでございます。資料の中の半分より下のところで模式図的に示してございますが、気象庁からは2つの柱に沿って情報提供していくべきという提言をいただきました。  
 1つは①と書いてございますが、社会全体で利用する公益性の高い情報として、現在提供している情報を高度化していく。それにより、早めの防災対策や事前の対応のための情報として使っていただく。これらが熱中症の対策にも使っていただけるものと考えております。もう1つ、②と書いてございますが、下の方にございます産業分野での高度な利用を支援する情報として、報道機関や民間気象事業者の皆様にサービスを充実していただき、きめ細かな情報提供をしていただくことで、また国民の皆様への活動に資する。その中にはやはり熱中症の対策というところも含まれてくるものと考えております。  
 次のスライドをお願いいたします。先ほどのスライドでご説明した1番で、気象庁から直接提供する情報の高度化というところをお話しさせていただきましたが、その具体をこのスライドでまとめております。上から3つほどございますが、1つは2週間先までの情報として、現在提供しております週間天気予報と同様の情報を2週間先まで延ばしていくということを検討しております。これにより、特に現在2週間先に関しましては5日平均の気温の情報として提供しておりますが、それが日ごとの情報として見えますので、より最高気温が非常に高い日が発生するような予測が見えてくることとなり、熱中症対策にも活用いただけるのではないかと考える次第でございます。中段にございます1か月先までというのは、今、気象庁で提供しております1か月予報の高度化になりますけれども、この中では気温の予報期間を細分化するということを考えております。3週目、4週目が今は合わせたものとして提供しておりますが、これを細かくし、3週目、4週目個別に提供するという状況になります。また加えて、かなりの高温の可能性というものを提供するということも始めたいと考えております。これらの情報の高度化の実現でございますが、2030年に向けて準備ができたものから順次実施していく計画でございます。私からの説明は以上になります。
 
大塚委員長
 ありがとうございました。それでは、ただいまのご説明に対するご質問やご意見をお願いいたします。いかがでしょうか。どうぞ。
 
横堀委員
 横堀です。聞こえておりますでしょうか。
 
大塚委員長
 はい。お願いします。
 
横堀委員
 ありがとうございます。ウェブから失礼いたします。2週間先まで予報が出るということですけれども、暑さ指数に関しては、どれぐらい先までその予測ができうるものでしょうか。現状について、どれくらいの精度で、長期の予測ができるとすればどれぐらい先までの期間なのか、もしよければ教えていただければと思います。ありがとうございます。
 
大塚委員長
 まとめてご質問いただけますか。奥委員、お願いします。
 
奥委員
 「かなり高い」という表現が出てくるのですが、「かなり」というのはどのレベルなのか、基準がありましたら教えていただければと思います。以上です。
 
大塚委員長
 他にはいかがでしょうか。では、今の2つのご質問に関して、気象庁、お答えいただけますか。
 
気象庁(新保)
 ありがとうございます。1つ目のご質問に関しましては環境省からご回答いただければと思います。2つ目について私からご回答いたします。今ご質問ございました1か月先までの情報の中で、かなりの高温といった時の「かなり」とはどういうものかでございますが、過去30年間で現れた気温のうちの3つの年、1/10に相当する気温が「かなり」に当てはまります。高い方では30個のうちの高い方の3個が「かなり高い」、低い方の3個が「かなり低い」に相当いたします。以上でございます。
 
大塚委員長
 はい、ありがとうございます。環境省、いかがでしょうか。
 
環境省(小笠原)
 環境省の小笠原でございます。WBGTについては気象庁のデータ等を活用させていただいておりますが、現在公表しているのは2日後までのデータになってございます。
 
大塚委員長
 はい。よろしいでしょうか。今田委員、お願いします。
 
今田委員
 東京大学の今田です。ご説明どうもありがとうございました。今の予測情報は今後どんどん高度化されていくという話を気象庁にしていただきました。一方で、今、環境省からご説明があったとおり、WBGTに関しては2日後までの予測情報が提供されているということですけれども、ぜひそのWBGTについてもより先の予測情報を、ぜひ気象庁と協力しながら出せると、この委員会の方向性として良いのではないかなというふうに思いました。ぜひそういった議論も入れていただくとよいのではないかと思います。以上、コメントになります。
 
小野委員
 現在の環境省のWBGTは、日射、風速、湿度ですね、若干補正等は入っていますけれども、これをベースにして算定します。ですから、それぞれの指標について、気象庁の方である程度長期予報できるようになれば、WBGTについてもできるとは考えています。
 
環境省(小笠原)
 小野先生、ありがとうございます。まさに先生がおっしゃったとおり、気温だけでなく湿度や風速、日射等も含めた指標となっておりますので、その予測の精度等も含めて、先生方にご意見いただきながら、今後、必要に応じて気象庁とも連携して進めてまいりたいと考えてございます。
 
大塚委員長
 寺川委員、お願いします。
 
寺川委員
 気象予報士の寺川奈津美と申します。よろしくお願いいたします。気象庁の方への質問です。2週間先までの気温の予想の精度というのは、どの程度の精度になるのでしょうか。今でも1週間先までの気温の予想というのは、だんだんと精度が下がっていく傾向にあると思いますが、2週間先までの気温の予想がそれぞれどのくらいの精度で出せるのかをお聞きしたいなと思います。
 
大塚委員長
 気象庁から回答をよろしくお願いいたします。
 
気象庁(新保)
 気象庁でございます。ご質問ありがとうございます。今の時点で明確に数字を準備しておらず恐縮でございますけれども、ご指摘のとおり、予報期間が長くなるほど予測精度は下がっていくところでございます。提供する段階になった際には、どのくらいの予測精度があるものかをちゃんと確認して、皆様にお伝えした上で利用していただけるよう図っていきたいと考えているところでございます。すみません、答えがないというのが恐縮ですが、以上でございます。
 
寺川委員
 ありがとうございます。暑さ指数が2週間先まで出たらすごくよいなと私も思っていますが、気温の予測精度がそこまで伴わないのであれば、実際、暑さ指数の予想というのはもっと難しくなるのかなと思います。湿度や日射等の予想も踏まえた上でということで、かなり難しいものになると感じますが、予測精度の向上を願います。お願いいたします。
 
気象庁(新保)
 はい。予測精度の向上にも努めてまいります。ありがとうございます。
 
大塚委員長
 ありがとうございました。それでは次の議題に進めさせていただきます。
 
(3)自治体、産業界の取組及びヒアリング
 
大塚委員長
 議題(3)「自治体、産業界の取組及びヒアリング」について、まずは資料3-1を環境省から説明をお願いします。
 
環境省(小笠原)
 環境省の小笠原でございます。私から資料3-1を用いて、自治体、産業界等の関係主体の取組の促進・支援について説明いたします。次のスライドをお願いします。大きく3点に分けて、気候変動適応法に基づく自治体の取組状況等、自治体独自の取組状況、産業界における取組状況等の順番に説明いたします。
まず、気候変動適応法に基づく自治体の取組状況等についてです。3ページをご覧ください。指定暑熱避難施設、いわゆるクーリングシェルターに関して説明いたします。市町村長はその市町村内の一定の要件を満たす施設をクーリングシェルターとして指定することができ、特別警戒アラートの発表時には、当該施設の管理者によりあらかじめ定められた開放日時等において開放されることとされています。環境省においては、クーリングシェルターのマークを定め、また、指定・設置に関する手引きを公表しております。
 続いて4ページです。クーリングシェルターを指定している市区町村数や施設数についてです。まず、スライド左側の棒グラフをご覧ください。令和8年8月20日時点では、1,259の市区町村、すなわち全市区町村の7割以上の自治体に1つ以上のクーリングシェルターを指定していただいております。次に、スライド右側の棒グラフをご覧ください。クーリングシェルターの施設数は合計で27,156施設が指定されています。
 5ページをご覧ください。クーリングシェルターの指定や運用等に係る課題について、これまで有識者検討会等においていただいた指摘を整理しております。上から順に紹介いたします。まず、検討会等においていただいた主なご意見として、「クーリングシェルターの活用方法や設置位置等について改めて検討すべき」「災害時のクーリングシェルターのあり方についても検討すべき」「クーリングシェルターを未だ設置していない市町村も多いのではないか」とのご意見をいただいています。また、自治体等からいただいた主なご意見として、「気候変動適応センターの機能を拡充し、クーリングシェルターに関する政策の検討に活用すべき」「熱中症特別警戒情報が発表されていない平時におけるクーリングシェルターの活用についても検討すべき」「クーリングシェルターの指定や整備に対して財政措置をすべき」とのご意見をいただいています。環境省として、引き続き地方自治体におけるクーリングシェルターの指定の促進に努めつつ、指定された数を増やしていくということにとどまらず、クーリングシェルターの配置など、どのような形で住民の方々に活用いただくかも含めて、いただいたご意見を踏まえて検討してまいります。
 続いて6ページをご覧ください。熱中症対策普及団体についてです。市町村長は、気候変動適応法に基づき、地域で普及啓発や相談対応等を行う法人を熱中症対策普及団体に指定できます。これにより、民間団体や企業等とも連携し、熱中症リスクの高い方への声かけなどを地域の実情に応じて実施していただくことを想定した制度でございます。熱中症対策普及団体の指定状況については、令和6年度の3自治体・16団体から、令和7年度には9自治体・24団体へと増加しています。
 次に、自治体独自の取組状況等についてです。この後、自治体の方々からご発表いただくため、私の方からはごく簡単に2つの事例を紹介いたします。一例目は千葉県いすみ市における「涼み処」です。涼み処にアンケートとウォーターサーバーを設置し、飲料水を提供するだけでなく、地元の高校の生徒の協力により視覚的に涼しく装飾を行うことで、より立ち寄りやすく、親しみやすいスペースを提供いただいています。
 次のスライドをご覧ください。二例目は石川県小松市です。高齢者などの見守り活動として、社会福祉協議会、民生委員、地域福祉推進員が連携し、水、熱中症啓発チラシ、クーリングシェルターのチラシを配布し、エアコンの適切な使用等、熱中症への注意を呼びかけています。
 最後に、産業界における取組状況等についてです。こちらも簡単に取組例を紹介いたします。まず、スライド上部をご覧ください。団体・企業における取組動画の紹介です。環境省では専用ウェブサイトにおいて、団体・企業が行っている熱中症予防に関する取組や活動について動画などで発信を行っており、例えば、企業における入浴習慣に関する取組や、企業と行政が連携した普及啓発活動について紹介しています。
 次にスライド下部をご覧ください。気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)と呼ばれる国立環境研究所が運営しているサイトにおいて、民間企業が実施している熱中症対策や熱中症予防のための商品・サービスを紹介しています。例えば、左下の画像のとおり冷やしタオルの販売や、中央の画像のとおり画像から人々の熱中症リスクを測定しようとする取組などを紹介しております。最後に右下の画像では、国立環境研究所の研究者への熱中症に関するインタビューも掲載しております。私からの説明は以上でございます。
 
大塚委員長
 ありがとうございます。では続きまして、自治体からのヒアリングに移ります。資料3-2、3-3につきまして、それぞれ愛知県豊田市環境部環境政策課浦野副課長、京都市環境政策局地球温暖化対策課本間課長にご発表をお願いいたします。では、まず豊田市からお願いいたします。
 
豊田市(浦野)
 ご紹介いただきました豊田市環境政策課でございます。私、浦野と申します。よろしくお願いいたします。本日はこのような機会をいただき、感謝いたします。早速ではございますが、当市の熱中症対策について説明をさせていただきます。
 はじめに、当市におけるクーリングシェルターに係る取組についてご紹介いたします。
 クーリングシェルターについては、当市では改正気候変動適応法の施行に先行し、令和5年度から試行的な開設を行った上で、令和6年度から本格的に運用しております。指定施設の状況についてですが、本資料では今年の7月時点の施設数147で記載しておりますけれども、本日時点では民間施設が12施設増加し、合わせて159施設の公共施設や民間施設を指定して、涼み処として活用いただいております。主な取組としましては、熱中症警戒アラートの発表期間である4月下旬から10月下旬に合わせて平時から開放していることや、令和8年度からはGoogleマップ上で施設の位置を表示できる2次元コードを市ホームページ上で公開しており、市民がいつでも近隣のクーリングシェルターの位置を確認できるようにしております。また、オリジナルの啓発グッズとしてのぼり旗やうちわ等を制作し、各施設に配布しております。その他、民間の協力施設を随時募集しており、社会貢献意識が高い事業者様から随時申請をいただいている状況です。課題としましては、市内各地に一定数が指定されているものの、一部に少ない地域がございますので、当該地域に事業所がある事業者様に対して、指定に向けた呼びかけを行っているところです。
 続いて、関係部局との連携についてご紹介いたします。当市では、令和6年度からすべての部局の副部長を招集して開催される「健康危機管理庁内会議」において、熱中症対策を協議する体制が構築されております。会議への付議事項につきましては、事前に環境部環境政策課、保健部健康政策課、消防本部救急課が担当レベルで協議を行った上で、議題や説明資料を整えて会議に臨んでおります。イベント実施時の対応や要配慮者への訪問時の対応、関係団体との連携、職員自身の熱中症対策などを含めると、ほとんどの部局で関連がございますので、各部局の副部長に自分ごととして捉えてもらい、全庁的な対策につなげていくという点で、ある程度この体制が機能していると考えております。また、本年4月には先ほどの会議における協議を踏まえ、「豊田市版熱中症対策ガイドライン」を策定し、各部局の実情を踏まえ、必要な対策を推進できるような情報提供を行うとともに、合わせてeラーニングによる全職員向けの研修も行っております。課題としましては、一部に当事者意識の薄い所属があるため、引き続き庁内会議等を活用し、意識の向上を図っていく予定でございます。
 次に、企業等との連携に係る取組についてご紹介いたします。当市では大塚製薬株式会社様と包括連携協定を締結しており、共同で啓発事業を実施しております。今年度は4月から熱中症対策アンバサダー講座として、主に市職員や公共的な団体職員向けにオンデマンド方式の講座を展開しております。また、6月3日には豊田労働基準監督署とも連携し、企業向けの熱中症対策セミナーを開催し、トヨタ自動車様などの取組紹介を行ったほか、参加者にはスポーツ飲料やアイススラリーなどを配布いたしました。その他、人気アニメ『はたらく細胞』との連携によるオリジナルの啓発動画を一部のクーリングシェルターで放映しております。また、ご覧のような啓発ポスターの制作も行っております。課題としましては、高齢者等のターゲット層に対して、より効果的な啓発を行うための事業展開が必要と考えております。
 最後に、高齢者へのアウトリーチに係る取組についてご紹介いたします。主に高齢者の市民向けの講座として、去る5月9日には地域の高齢者への発信力の高い元中日ドラゴンズ監督の立浪和義さんをゲストにお迎えし、日本生気象学会の熱中症予防研究委員会委員であります愛知みずほ大学の刑部様を講師として、高齢者とともに熱中症対策について楽しく学べるイベントを開催いたしました。また、高齢者サポート向けのハンドブックやイベント出展などの際に配布する啓発チラシの制作を行い、市のホームページ上で公開しております。ハンドブックについては、庁内の各所属を通じて民生児童委員や高齢者クラブの役員、地域包括支援センター職員等、日常的に高齢者と接する方々に配布し、日々の見守り等にご活用いただいております。課題としましては、本年も7月下旬に最高気温が40℃以上となる酷暑日が本市においても続きました。急激に気温が上昇する時期に、いかにして熱中症にかかる高齢者の数を減らしていくかということについては、今後さらに検討の余地があると感じております。
 駆け足での説明で申し訳ございませんが、以上で豊田市からの発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。
 
大塚委員長
 はい、ありがとうございます。京都市、お願いいたします。
 
京都市(本間)
 京都市環境政策局地球温暖化対策室の本間と申します。よろしくお願いいたします。本日、京都市の環境政策局と保健福祉局の合同で、京都市の実施している熱中症対策についてご説明させていただきます。
 次のスライドをまずご覧ください。はじめに、京都市の概要をご説明させていただきます。令和8年8月時点で京都市の人口は142万8,000人、世帯数は76万世帯となっております。面積は827平方キロメートルになっております。次に、京都市における気候変動の影響についてですが、猛暑日の増加や、豪雨による土砂崩れ、河川の増水、日本鹿の増加によるチマキザサなどの林床植生の減少や害虫による稲の坪枯れ被害など、さまざまな影響を受けています。次のスライドをご覧ください。
 特に気候変動による暑熱の影響についてですが、京都市の猛暑日日数の推移を見ると、2025年には過去最多となる61日を記録し、これまで最も多かった2024年の54日を上回り、観測史上初めて60日を超えました。右のグラフに移りまして、熱中症搬送者数の推移についてです。この猛暑日の増加に伴って京都市における熱中症搬送者数の増加も懸念されておりまして、ここ数年は1,000人前後という高い水準での推移となっている状況です。次のスライドをご覧ください。
 このような状況を受けて、環境省の取組も踏まえまして、京都市でも気候変動適応法に基づくクーリングシェルターの設置を進めています。市有施設については要件を満たす施設を全庁で募り指定しておりまして、また民間施設についても本市のホームページで随時募集を行っているところです。また、ホームページ上で行政区別の一覧を掲載して、市民の皆様に周知をさせていただいている状況です。他都市と異なる点としましては、京都市では熱中症対策の一層の推進の観点から、ご協力いただける施設については警戒アラートの発表がない場合でも、暑さをしのぐ場として一般にご利用いただけるよう運用させていただいています。また、一部の京都市の市有施設では、外出時の水分補給に活用できるマイボトル用の給水機も設置し、啓発を行っているところです。また、京都市におけるクーリングシェルター数と受け入れ可能人数は、運用当初の令和6年5月時点では市有施設のみでしたけれども、現在では市有施設と民間施設を合わせて322か所、受け入れ可能人数も4万4,000人を超えまして、大幅に増加することができております。これは郵便局や大型商業施設などの民間施設のご協力もいただいていることが大きな増加要因と考えております。次のスライドをご覧ください。
 京都市では、気候変動適応法に基づきまして、高齢者の方々など熱中症になりやすい方への見守りや声かけなどの取組を促進することを目的として、令和6年度より熱中症対策普及団体の指定を進めています。業務内容は、熱中症対策について本市に所在する事業者や市民に対する啓発活動及び広報活動、市民からの相談対応や必要な助言の実施などとしております。次のスライドをご覧ください。
 熱中症対策普及団体の指定については、すでに熱中症予防に関する取組を実施されている団体や連携協定を締結している企業にお声がけさせていただき、令和8年8月末時点で14団体を指定しております。また、先日、大塚製薬株式会社様からご紹介いただきました薬局を経営する株式会社ゆうホールディングス様にも申請いただきまして、現時点では15団体を指定しております。高齢者が集う場所や高齢者と関わる機会を捉えた予防啓発、本市主催の講演会への協力、啓発資材などの提供を通して、本市の熱中症予防啓発の取組にご協力いただいております。次のスライドをご覧ください。
 京都気候変動適応センターについてご紹介させていただきます。気候変動適応法に基づきまして、京都における気候変動の影響と適応に関する情報の収集・分析・発信を行う拠点として、京都府と京都市、総合地球環境学研究所の3者共同で、令和3年7月に設置しました。暑熱分野につきましては、令和7年度は熱中症搬送者の年齢などの属性を分析することで、暑熱に対する地域社会の脆弱性とレジリエンスの分析を行いました。
 最後に、日々取組を進める中で感じておりますより効果的な熱中症対策手法の検討、熱中症対策を推進するに当たっての課題について、簡単に述べさせていただきます。クーリングシェルターにつきましては、施設数は着実に増加させておりまして、民間のご協力もいただいて取組が進んでいるというふうに感じておりまして、特に今年度特徴的なものとして、大学やお寺について一例ずつではありますがご協力をいただくことができました。また、市内の多くの郵便局からもご協力いただくことで、今年度指定数を大幅に増やすことができたと考えております。熱中症予防の観点で、より効果的な対策としてミスト設備の普及拡大を目指しているところですが、市の財源も少ないところもありまして、民間の取組に委ねている状況にあります。また、京都気候変動適応センターの研究では高齢者の道路における熱中症搬送者数が多いことが判明しておりまして、京都市内は建物の高さ規制もありまして、日陰をどのように創出するかというのが課題かなというふうに考えております。また、市民への熱中症予防啓発の取組の1つとしてチラシやポスターを活用した啓発を実施しておりますけれども、費用対効果の観点から啓発方法について効果測定を求められているものの、現在の取組が救急搬送者数の減少につながっているかどうかなどを測定することが難しく、効果測定が難しいと感じております。また、熱中症対策普及団体の指定につきまして、申請時の必要書類の多さが申請のハードルになっているというふうに考えております。また、指定を受けるメリットが感じにくいといったことも、新規申請及び指定が進みにくい状況の1つかというふうに感じております。以上で、簡単ではありますけれども京都市の取組をご説明させていただきました。よろしくお願いいたします。
 
大塚委員長
 はい、ありがとうございました。2つの自治体からヒアリングをさせていただきましたが、大阪府の永井委員から資料の提出があると伺っております。永井委員、ご説明をよろしくお願いいたします。
 
永井委員
 皆様、こんにちは。大阪府医療監をしております永井と申します。今日はお時間いただきありがとうございます。私の方から追加の資料で、今、皆様にお届けしていただいていると思いますけれども、私どもの監察医事務所、こちらが取り扱った、熱中症で亡くなられた方の分析をしてまいりましたので、お時間をいただければと思っております。資料をおめくりください。
 監察医事務所と申しますのは、そもそも死体解剖保存法に基づいて設置しておりまして、全国でも3か所しかない制度です。大阪市内で亡くなられた異状死体、この異状死体と申しますのは自宅や職場、外出先などで死因が不明の急死、また不慮の事故、あるいは自死、自殺、その他の疑いがある死体などについて、法医学の専門であります監察医が死因を究明するというものでございます。令和7年度実績で、1年間で5,712件の検案をしておりまして、CT、解剖数それぞれ記載のとおりやっております。5年間を振り返ってみますと、この検案において熱中症で亡くなられたということで死亡診断がついておりますのが、グラフに書いておりますように、2024年は全国的に多かった年ですけれども87名の方が亡くなられ、2025年は44名ということで、毎年たくさんの方が熱中症の死亡だということで診断がついております。冒頭申し上げましたように、これは異状死としての扱いだけですので、医療機関に救急搬送されてそちらで臨床的に診断がなされた熱中症の死亡者は含まれておりませんのでご注意ください。5月から9月に取り扱ったご遺体の数が真ん中の表のところに書いておりますけれども、それに占める熱中症死亡者数の割合ということで2%と書いております。最近では3%、4%ぐらいが検案の中の熱中症死亡ということになっております。
 次のページをご覧ください。次は月ごとに10日ごとに区切りまして、5月から書いておりますけれども、2025年の亡くなられた方の数です。6月下旬から7月、8月に向けて数が多いことがわかるかと思います。この時の近畿地方の梅雨明けが6月27日でございましたので、その後からやはり死亡される方が増えているということになります。だいたい毎年同じような傾向となっております。
 次をご覧ください。こちらが3年間分を見た結果であり、水色の棒グラフの方が亡くなられた実数です。また、梅雨明けの印を黄色と赤い枠線で入れております。その後に気温だけではございますけれども、35℃の猛暑日ラインを超えた日を赤塗で書いておりますが、梅雨が明けて35℃に初めて達したあたりから、この水色の亡くなられた棒グラフが増えてくるというのがお分かりいただけるかと思います。その後も35℃になる時はありますが、亡くなられる方は徐々に減りまして、やはり梅雨が明けて最初に35℃を超えてくる時期、ここが非常にポイントかなと思います。
 次のページをご覧ください。1つ拡大をしております。先ほどと同じ2018年です。梅雨が明けて初めて35℃を超えてくると、亡くなる方が毎日おられるということになりますし、1日に7人、8人ということで大阪市内だけでも異状死として上がってくるという傾向がございます。ですので、私どもとしましては、やはりこの梅雨が明けて最初に35℃を超えるまでにどれだけ啓発普及をしておくかということが大事ではないかなということで、最重要対策期間ではないかと大阪府でも考え、この時期に知事による会見を開催するなど、できるだけ報道にも取り上げていただくようにはしております。
 次のページをご覧ください。亡くなられたときのお部屋の温度ですけれども、これは自宅での発見例のみですが、部屋の気温を測ってみますと30℃から38℃ということで、非常に暑い部屋で亡くなられて発見されているということも分かっております。
 次のページをご覧ください。性別年代別の内訳を記載しておりますけれども、ピークは70代にございまして、男性の方が32名、女性の方が12名ということで、男性の方が2倍以上、2.5倍ぐらい多い数になっております。これは男性が亡くなりやすいというよりも、隣の円グラフを見ていただいても分かりますように、異状死として発見されている方の7割が独居でございますので、独居の60代、70代の男性の方が異状死として発見されているという見方ができるのではないかと思います。また一方で、同居家族がいながらも1/4ぐらいの方は室内で亡くなられているということになります。
 次のページをご覧ください。熱中症で亡くなられた方が普段の自立度がどれぐらいだったかということで、一般的なイメージとしてはなかなか自分のことができない高齢者、超高齢者というイメージを一般の方は持たれるかもしれないですけれども、8割以上の方が自立ということで、日常生活を自分で送られていた方でした。逆に申しますと、いろいろな支援が必要な方はそういった支援の目が入りますので、異状死という発見のされ方はされずに、それまでに医療機関へつなぐことができたのではないかというふうに考えております。その下の小さな円グラフですけれども、普段の介護サービスを利用していたかどうかということで、自立生活の方が8割を超えておりますので、サービス利用なしも70%を超えております。亡くなられた方の発見の場所ですけれども、居室内、リビングだったり寝室であったりということで日常的な生活をする場が6割を超えておりまして、自宅でも玄関とか廊下、洗面所などで2割の方、あと屋外が16%ということでございました。
 次のページをお願いします。聞き取り等で分かった範囲ではありますけれども、死亡前の体調の変化を訴えていたかどうかということで、一番多いのが「特になかった」という一番下にありますけれども、そういう方もおられます。一方で元気がなくぐったりとしているとか、何らかのしんどさを訴えていたという方もおられました。あと発見された後の病院搬送の有無ですけれども、これは明らかに死亡の兆候が出ております時には不搬送となりますので、搬送なしの方が75%ということでした。自宅で発見された36名のうちのエアコンの使用状況を右の円グラフに示しております。エアコンがついていたというのは22%ですけれども、それ以外の方はエアコンが止まっていた、あるいは使われていなかった。その理由を見ますと、「停止中」というのがその中で50%、あるいは故障中、そしてそもそも設置がなかったというのもかなりのパーセンテージを占めていることが分かります。
 次のページをお願いします。死亡者数をこのようにまとめてみますと、やはり高齢者、そして独居の方で自宅内で亡くなっている、エアコンを使われていない方が多いという4つの傾向が見て取れるかなと思います。ですので、冒頭申し上げましたように、ポイントといたしましては梅雨が明けて初めて35℃になる頃、そこから2、3週間をしっかりと住民の方に啓発していくということが大事かなと思っております。また、普段元気な方で自立されている方であっても起こりうるということも、住民の方にしっかりと届ける必要があろうかと思います。エアコンの使用についてはもう一般的に言われているとおりでございます。
 最後、都道府県にいくつか照会をかけさせていただきました。全国衛生部長会を通して照会しましたら、多くの自治体で、先ほど市の方からお話がありましたけれども、都道府県としても取り組んでいるという代表的なものを記載しております。企業と連携した熱中症の対策やイベントなどを開催して、その関係機関には企業や自治体、医療機関だけではなく大学などにも入っていただいている都道府県もありました。また、熱中症予防サポーターの企業を登録して、その企業が顧客のところに訪問される時に暑さ指数とともに予防の啓発をしていただいたり、ケアマネジャーやヘルパーさん、民生児童委員さん向けの動画を作成して公開したり、子どもの時から危険性を学んでもらうということで子ども向けのワークショップをされている自治体もありました。LINE等のプッシュ型で予防の情報をお知らせする、高校野球の県大会などのCMで流す、テレビやラジオ、新聞を通して情報発信することは多くの自治体で実施されておりました。対象者をしっかり見極めて、高齢者や、地域によっては農作業の方に対してキャラバン隊を作り、啓発に出回るというようなところもございました。やはり住民一人一人の危機意識が高まる情報提供をしていかないと、なんとなく流していたのでは人々の心に届かないなということがすごく感じられましたし、そういった意味でもこのハイリスクの4つの特徴を申し上げましたけれども、こういった方に確実に届けられる予防啓発をしていく必要がある。そして、様々な垣根を越えて自治体だけではなく、民間企業あるいは大学や様々な皆さんの協力で全体で伝えていくということが必要かなというふうに思います。以上でございます。
 
大塚委員長
 はい、ありがとうございました。では続きまして、産業界の取組及びヒアリングについてでございます。資料3-4につきまして、国立環境研究所の岡室長からご説明をお願いいたします。
 
国立環境研究所(岡)
 ありがとうございます。それでは、ご発表させていただきます。国立環境研究所の岡と申します。次のページをお願いいたします。
 我々は研究所ということで、熱中症に係る研究等を行っております。例えば、熱中症リスクの現状分析および将来予測、あるいは様々な場所における暑さ指数(WBGT)の観測、こういった研究を行っているところでございます。一方で、研究にとどめるのみならず、我々としても熱中症対策の社会実装、これが非常に重要であると考えてございます。そういった意味で、地方公共団体の皆様、あるいは企業・団体の皆様とも連携をさせていただいているところでございます。本日はその事例を少しご紹介させていただければと思います。また本年6月に熱中症対策産官学連携コンソーシアムというものを立ち上げましたので、これについても併せてご説明させていただければと思います。次のページをお願いいたします。
 まず、地方公共団体との連携ということで、あくまでも1つの事例ではございますけれどもご紹介させていただきます。日本は非常に南北に長く、熱中症リスクも南と北を比較すると違いますので、今後有効な対策を進めていく際には、まずは地域の暑さに関する状況をしっかり把握することが重要になります。こういったことを目的に、今、地域の皆様、特に地域気候変動適応センター様になりますけれども、共同研究を進めているところでございます。具体的にどういうことを行っているかと申しますと、5点書いてございますが、一点目は、意見交換の場の設置ということで、いろいろな地域で同様の課題を抱えておられますので、そういった課題を皆さんで一緒に解決しましょうということで意見交換の場を設けてございます。二点目は気象学的観測ということで、一緒にWBGTの観測を行う、三点目は、地域におけるより粒度の高い熱中症救急搬送者データの収集および分析に取り組んでいます。四点目は、収集したデータを活用して暑熱リスク予測等にも取り組んでいるところでございます。また、五点目としまして、成果を受けて普及啓発といったところにも取り組んでおります。現在の参加機関として19機関が参加と書いてございますけれども、さらに3機関増える予定となっております。詳細につきましてはURLを資料に記載しておりますのでご確認いただければと思います。次のページをお願いいたします。
 自治体の皆様のみならず、先ほど申しましたように我々は企業・団体ともいろいろ連携させていただいてございます。その1つの事例としまして、2024年度の取組になりますけれども、内閣府BRIDGEの予算をいただきまして、「産官学連携による熱中症リスク低減のための先端的な暑さ指数計測技術の社会実装」という活動にも取り組んだところでございます。この中での社会実装といたしましては、暑さ指数の認知向上やその活動によって他人事ではなく自分事として受け止め、行動変容につなげていくための方策の社会実装を実現するための検討を行いました。具体的な検討内容としては数点書いてございますけれども、小型WBGT計の必要性とその活用の検討や、暑さ指数計の普及策の検討とその認知向上に向けた展開、あるいは熱中症予防行動の効果的な普及策の検討に取り組みました。これらについて、当該BRIDGEの中であくまでもFS(フィージビリティスタディ)という形で取り組んだということで、実際の何らかのプロダクトを開発したという状況ではございません。この取組につきましては、4ページに書いてございますように、いろいろな業界団体様、企業様にもご参加いただきながら有益なアイデア、知見をいただいたところでございます。しかし、先ほども申しましたように2024年度のみの取組となってございます。これでこの取組を止めてしまうのは非常にもったいないと考えたところもございます。こういった経緯に基づいて、熱中症対策産官学連携コンソーシアムというものを今年6月に立ち上げた次第でございます。次のページをお願いいたします。
 この熱中症対策産官学連携コンソーシアム、通称「HEC-Start」と呼びますけれども、どういったことを目標としているかと申しますと、熱中症リスクの低減を目的に、優れた熱中症対策に係るソリューションを持つ企業、行政、研究、そして熱中症に係る課題を抱える団体等を結びつける推進力となって、より実践的な熱中症対策の社会実装を加速していくことを目標に設立したところでございます。現時点での活動内容としては3点書いてございますけれども、熱中症対策の社会実装に向けた共同研究、熱中症対策の社会実装に向けた普及活動や情報発信、また、せっかく我が国にはいろいろな有望な熱中症対策に係る技術、ソリューションがございますので、こういったものの世界展開といったところを掲げて活動を進めているところでございます。次のページをお願いいたします。
 現状、関係機関、特に発起人機関といたしまして、ここに記載してございます企業・団体の皆様にご協力いただいて立ち上げたところでございます。まだ6月に立ち上がったばかりであり、目玉となる大きな取組はまだ進められておりませんけれども、1つの活動として今年6月10日に「産官学連携による熱中症対策促進に向けて」というタイトルでオンラインでのセミナー等を開始しました。今後も参画企業・団体等の皆様とも連携しながら、熱中症対策の社会実装に向けた取組を精力的に進めていきたいと考えているところでございます。
 最後になりますけれども、皆様にお伝えしたいことといたしまして、熱中症というのは「防げる影響」であるというところで、ここが自然災害と大きな違いかなと考えております。地震が明日起こるかどうか分からない一方で、熱中症については明日暑くなるという情報は既にある状況でございます。いかにこういった情報をうまく活用して日々の熱中症対策につなげていくか、またその先には、熱中症は防げる影響であることをきちんと皆様で理解いただきながら対策を進めていく必要があるのではないかと考えております。政府による取組等も進んでおりますので、こういった取組をきちんと活用しながら対策を引き続き進めていく必要があると考えているところでございます。また、冒頭でも少し申しましたように、やはり地域によって熱中症リスクは異なります。例えば同じ暑さ指数でも北海道と九州を比べれば人口当たりの熱中症救急搬送者数も異なっていきますので、やはり今後リスクを下げるためにはきめ細やかな対策というものが必要になると考えております。全国一律の対策というよりも地域特性を考慮した対策をいかに実装していけるか、また自治体の中にはなかなか人的リソース等が不足しているところもあるかと思いますので、そういった自治体とうまく伴走して熱中症対策を進めていくことができるか、こういったところが重要になると考えてございます。最後に、我々国立環境研究所といたしましては、もちろん研究機関でありますので研究を進めるとともに、熱中症対策の社会実装に向けた連携についても進めていければと考えてございます。以上でございます。
 
大塚委員長
 はい。ありがとうございました。それでは、ここまでの説明に対するご質問やご意見をお願いしたいと思います。今田委員、どうぞお願いします。
 
今田委員
 東京大学の今田です。ご説明ありがとうございました。豊田市と京都市の取組についての質問です。冒頭の環境省の説明で、クーリングシェルターの平時の活用が1つの課題だということをおっしゃっていましたが、それに対して豊田市と京都市はすでに対策というか取組を始められているということは素晴らしいなというふうに思いました。おそらく平時での利用はまだ義務化はされていないと思いますので、協力を要請するような形なのか、ある程度自治体内でルールを決めて運用されているのか、そういったところをお伺いしたいです。また、どれぐらいの割合のクーリングシェルター登録団体が平時利用に協力されているのかについても伺ってもよいでしょうか。
 
大塚委員長
 クーリングシェルターに関して私もちょっとお伺いしたかったのですが、豊田市と京都市について、京都市は大学やお寺、あるいは郵便局の協力が得られるようになってきたというお話をいただきましたが、クーリングシェルターに関する課題や検討していることがあれば、ぜひ経験談を教えていただきたいと思います。横堀委員、お願いします。
 
横堀委員
 日本医科大学の横堀です。ありがとうございます。永井委員のご発表、ありがとうございました。死亡例をしっかりと追跡してプロファイルし、次の死亡者の減少につなげるというのはすごく大事なことだと思いますが、実際、外因死として検死に至っていない症例というのは、大阪府ではどれぐらいあるのでしょうか。おそらく臨床課としては、熱中症は外因死ではなく病死として死亡診断書を書いている症例もあると考えており、死因の特定に至るギャップを埋めていくのが大事かなと考えています。大阪府の現状について、もし分かれば教えていただきたいと思います。以上です。
 
大塚委員長
 ありがとうございます。他にはいかがでしょうか。小野委員、お願いします。
 
小野委員
 豊田市と京都市の方でクーリングシェルターの設置の増加等は上がってきていますが、その中でも地域によって偏りがあるというようなお話もありました。1つ私がお聞きしたいのは、クーリングシェルターへの移動ですね。実際に自宅でエアコンをきっちり使えばよいというのはありますが、そういったことができないような方々について、さらには高齢者の件でクーリングシェルターはある一方で、そこをどのように活用していただくかですね。そのあたりのところ、何かお考えがありましたらお願いしたいと思います。
 
大塚委員長
 ありがとうございます。他にはよろしいですか。今田委員、お願いします。
 
今田委員
 度々すみません。国立環境研究所の岡室長に質問です。最初にお話しされていたBRIDGEという取組の中で、暑さ指数計測技術を向上させることを検討されたという話がありました。WBGTの計測がこれまで県単位とか市町村単位で空間的に平均された値だと、実態の把握には不十分じゃないかなということを常々感じており、気温だけではなくてその場その場の湿度や風が効いてくるわけなので、粒度を高く計測する必要があるのかなと思っていました。そういったところの方針が話し合われたというふうに理解してよいでしょうか。また、そういったデータを計測するだけではなくて、情報としては非常に重要なデータになると思いますので、そのデータを活用して今後の対策に生かしていくようなことまで検討されているのかというところを伺ってもよいでしょうか。
 
大塚委員長
 ご質問は以上でよろしいでしょうか。では、ご回答をお願いいたします。まず、豊田市からお願いしてよろしいでしょうか。
 
豊田市(浦野)
 豊田市でございます。ご質問ありがとうございます。まずクーリングシェルターの平時の活用についてです。豊田市においては、令和5年度に試行的に運用を開始した当時から、緊急時だけではなく平時からクールシェアの推進にもなるということで、平時からの開放を登録のお願い事項として進めているところでございます。
 2点目について、クーリングシェルターの困りごととしましては、委員のご発言の中にもございましたが、豊田市においてはやはり中山間地域まで含んでおりますので、そういったところにおいてはそもそも商業施設や公共施設の数が少ないという点がございます。また運用についても、クーリングシェルターで協力していただいている一部の方から、利用が多くなると水道光熱費の負担がかさむという声は、要望という形ではなく雑談の中で聞いている実情がございます。また飲食店の方にも登録していただいていますが、そういった施設の方からは用事もないところで飲食店にはちょっと入りにくいというようなリアクションをされているのではないかという声もございます。一部の飲食店の方ではクーリングシェルター専用メニューみたいなものも開発されて、入りやすい環境づくりにご協力をいただいているという実態はございます。
 最後にシェルターへの移動の問題につきましては、これは本当に難しい問題だなと思っております。自宅で熱中症になられて搬送されるという方も多く見えますので、そういった方々に対してはどこまで効果があるかは分からないのですが、今年度から「とよた涼活アクション」ということで、クールシェアと日傘とグリーンカーテンの普及をしようという取組に新たに取り組んでおります。こういったことから、身近で楽しみながら熱中症対策ができるような環境を整えていきたいと考えております。答えになっていないかもしれませんが、やはり移動の問題はなかなか難しいので、クーリングシェルターだけではなく総合的な暑さ対策で取り組んでいく必要があると考えております。以上です。
 
大塚委員長
 ありがとうございます。では京都市、お願いします。
 
京都市(本間)
 まず平時の活用につきましては、京都市ではコロナ前までは「クールスポット」ということで図書館や公共施設を平時開放していましたが、コロナになりましてそういったところは一旦中止ということになっておりました。クーリングシェルターを令和6年から開設しまして、最初はアラートが出た時だけの利用に限定して進めていましたけれども、翌年度から平時の活用というのを考えていかないといけないということで方針を変更して、協定を結ぶ際にそういった活用についても提供できるかどうかというのをお聞きして指定しているという形で、今はほとんどの施設が平時でも活用いただける形になっております。
 一方で施設の課題としましては、だいぶ数は増えてきましたが、1、2人ぐらいしかキャパシティがなかったり、場所も地域によって偏りがあったりという課題はあるかなと思っておりますけれども、まずは施設を増やしていくというのが第一かなと思っています。一方でクーリングシェルターを設置はしていますけれども、どこまで市民の方に周知が及んでいるのかなというところで、クーリングシェルターがあるということをまず認知していただくというのも大切かと考えております。
 シェルターまでの移動の問題につきましては、京都市の方でも移動をどうするかというのは特に今のところ具体策はないところですけれども、外出されている方が近場にあるシェルターを利用していただくという観点で考えておりまして、室内の方については自宅でエアコンを利かせていただいて自己予防していただくという形かなと。外出の際はどうしても自己予防が限定的になりますので、シェルターを活用いただくというのが一般的かなと思いますし、そういう考えで進めている形です。以上です。
 
大塚委員長
 ありがとうございます。では永井委員、恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
 
永井委員
 はい、ありがとうございます。正確な数値が手元にないのですが、2024年で大阪府の熱中症死亡者が人口10万人当たり3.3人と数字が公表されており、大阪府人口が880万人であることを勘案しますと、約290人の死亡者数かと考えられます。そのうちの87名が2024年は監察医事務所で死因を究明しております。ただ、この監察医事務所が対象なのが大阪市内で亡くなられた方だけが対象になっています。大阪府が設置をしておりますが大阪市民だけを対象としておりますので、全体880万人の府民がいて、大阪市民が約280万人です。そう考えると、市外での熱中症死亡者数も、おそらく同じ割合になると思われます。市外は監察医がおりませんので、警察医あるいは病院、救命救急センター等の臨床の医師が死因を特定しています。すなわち大阪市内87名以外の方は臨床での判断となっているかと思います。割合は計算すると同じような感じかなというふうに考えました。
 
大塚委員長
 はい、ありがとうございます。では、国立環境研究所の岡室長、お願いいたします。
 
国立環境研究所(岡)
 ご質問ありがとうございました。2つご質問いただきまして、まず暑さ指数の観測に係る空間的粒度についてのご質問かと思います。粒度については非常に重要な課題と我々も考えております。ただ空間的粒度を高めるというよりも、むしろ日常生活の中でリスクの高い場所の暑さ指数をどのようにうまく計測するかを中心に議論を行ったところでございます。その1つといたしまして、例えばポータブルな暑さ指数計についての開発可能性を検討したところでございます。すでにポータブルな暑さ指数計もありますけれども、さらに精度の良いものの開発可能性を考えたというのが1点です。2つ目といたしましては、ポータブルではなく据え置き型の暑さ指数計もございます。こういったものも、例えばリスクの高い場所として学校等がありますけれども、そこにどのように展開するか、その仕組みを検討しました。いずれにいたしましても空間的粒度あるいはリスクの高いところでの暑さ指数を、いかにうまく計測するか、こういったところの議論を行ったところでございます。
 2つ目のご質問について、計測したデータをどのように活用するかというところになりますけれども、これも我々の中で重要な課題として検討を行いました。そもそもBRIDGEの最終的な出口としては、いかにこういった取組を持続的に自走させることができるかが重要となってございます。そもそも暑さ指数計を置くのにコストがかかりますけれども、そういったコストをいかに相殺して持続的に計測することができるか、この仕組についても検討を行いました。以上が回答となります。ありがとうございます。
 
大塚委員長
 ご回答いただきましたけれども、ご質問された方はよろしいでしょうか。ありがとうございます。クーリングシェルターについてどう認知させるかというご指摘をいただきましたが、市によってはマップを作っているところもあるようですので、そのような取組をどうぞ進めていただければと思います。横堀委員、どうぞ。
 
横堀委員
 ご説明どうもありがとうございました。死亡例は多くても2,000人程度ということになっておりますので、今後しっかり調査というか、死亡例を全例調査するような取組も将来広がっていくといいなと思いました。ありがとうございました。
 
大塚委員長
 ありがとうございます。奥委員、どうぞ。
 
奥委員
 最後に駆け込み的で申し訳ございません。資料3-1の環境省からご説明いただいた資料の関連で、まだクーリングシェルターを設置していない市町村が存在しているということがありました。前回もお話がありましたけれども、なぜ設置されていないのかという理由のところを把握されているかどうかというのが1点です。それともう1点、先ほど大塚座長からもありましたけれども、クーリングシェルターをマップに落とし込んで視覚的に把握できるようにするという取組は自治体でも取り組んでいただいた方がよろしいかと思いますが、やはり全国的な指定状況全体を俯瞰できるように、環境省やA-PLATで全国的な指定状況をマップに落とし込んで分布がどのようになっているかを示していただけるとよいのではないかと思っております。以上の2点でございます。
 
大塚委員長
 はい、ありがとうございます。環境省に対してだと思いますので、何かコメントをいただけますか。
 
環境省(小笠原)
 まず1点目は、クーリングシェルターの施設数と指定市区町村数は伸びているものの未だ指定していない市区町村があるということで、その理由についてご質問いただいたと理解しています。指定されていない理由については様々あるものと存じますけれども、我々が把握している理由としては、例えば気候が涼しい地域にあるため指定の必要性を感じていないという自治体があることや、また予算等の理由があると聞いております。加えて、クーリングシェルターの認知度について先ほど自治体の方からもお話がありましたが、クーリングシェルターを指定していない理由として、制度そのものを十分認識していない自治体もありましたので、今いただいたご意見も踏まえて、環境省としても自治体への更なる周知・広報など、指定の促進に努めてまいりたいと考えております。
 続いて2点目ですけれども、クーリングシェルターのマッピングについてご質問いただいたと理解しています。クーリングシェルターのマッピングについては、それぞれの自治体において指定されているクーリングシェルターについてホームページ等で公表し、マッピングしていただいている例もあると承知しております。国においても、独立行政法人環境再生保全機構において、網羅的に登録できているわけではありませんがマッピング等を進めていただいていると承知しております。引き続きこういった取組を進めていただくとともに、多くの方々にご活用いただけるように取り組んでまいりたいと考えております。環境省からは以上です。
 
大塚委員長
 はい、ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 では、ここまで関係省庁、自治体、産業界の取組の観点からヒアリングをさせていただいたところでございますが、議題(1)で事務局からご説明がありました熱中症対策実行計画における目標のあり方につきまして、ご意見がございましたらこの場でよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。横堀委員、どうぞ。
 
横堀委員
 ありがとうございます。これから人口が減少していく中で、熱中症の数にこだわった指標だけではなく、例えばパーセンテージですとか、あるいは軽症患者が重症化しないとか、そういった副次的な目標も立てていくとよいのではないかなと思いました。以上です。
 
大塚委員長
 はい、ありがとうございます。他にはいかがでしょうか。永井委員、お願いします。
 
永井委員
 私も同じように思っております。「半減」というのがもちろん目指していくべき数ではありますが、残り数年で半減ということが本当に国民の皆さんにピンとくる値なのかを考えると、もう少し先ほど先生がおっしゃられたような、何か違う指標、あるいは目標値として見えやすい数を置いてもよいのではないかなと考えました。半減というのが大きすぎるというか、漠然としているような印象を受けております。以上です。
 
大塚委員長
 はい、ありがとうございます。今田委員、お願いします。
 
今田委員
 被害を減らすことが一番の目標なので、被害に根ざした数字というのは引き続き必要だとは思います。一方で、やはり井上研究員の前回のヒアリングでもあったとおり、人口が将来減少していく時に熱中症死亡者数も減っていくような要素もあるわけで、必ずしも気候変動や暑さだけが原因ではなく熱中症死亡者数は変わっていく可能性があります。そういった被害の数だけではなくて、重要なのはどういう対策を打ち、それをどうやって効果的に運用していくかというところだと思うので、対策を打ったことでどれぐらい認知度が広まったかとか、皆さんが対策するようになったかということが分かる指標も取り入れたらどうかと思います。
 
大塚委員長
 これまでの意見について、環境省から補足的なご説明はございますか。
 
環境省(小笠原)
 ありがとうございます。特に補足等の説明はございませんけれども、熱中症対策実行計画の次期目標については、今、先生方からいただいたご意見を含めて事務局の方でまた整理させていただきたいと考えてございます。
 
大塚委員長
 はい。他にはよろしいでしょうか。2030年までに半減という目標ですけれども、むしろ増えてきてしまっているというのが現状と思いますが、そうした中でどう目標を立てていくかという問題もございます。もちろん他の目標を作るということもございますけれども、現在の2030年まで半減という目標だけでよいかという問題もあるかもしれません。小野委員、どうぞお願いします。
 
小野委員
 2000年から2020年までの人口の動きを確認したところ、2020年代は昭和20年代前半ぐらいの生まれの方が55歳から59歳ぐらいになっており、高齢者人口数のピークになっていました。2020年以降をみると、今一番問題になっている高齢者の人口数はそれほど大きな減少がない状況でした。もちろん出生数はどんどん減っていますけれども、今の熱中症の一番リスクの高い高齢者等を考えた場合には、あまり人口の影響というのは大きく出ないのではないかと考えています。ですから、あまり人口変動の部分をメインに出す必要がないような感じを私は受けています。
 
大塚委員長
 はい、ありがとうございます。他にはよろしいでしょうか。では、今までいただいたご意見につきましては、事務局において整理をしていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 それでは次の議題に進めさせていただきたいと思います。
 
(4)熱中症警戒アラート等の情報発信のあり方について
 
大塚委員長
 議題(4)「熱中症警戒アラート等の情報発信のあり方について」、環境省から説明をお願いいたします。
 
環境省(小笠原)
 私から資料4を用いて、熱中症警戒アラート等の情報発信のあり方について説明いたします。次のスライドをお願いします。
 まず、暑さ指数についてです。暑さ指数(WBGT)は熱中症の発生リスクを示す指標であり、環境省ではこれをもとに熱中症警戒情報等を発表しています。全国841地点の情報を提供し、熱中症予防行動の促進に活用されています。
 続いて2ページをご覧ください。熱中症警戒情報についてです。一般名称は「熱中症警戒アラート」であり、気温が著しく高くなることにより、熱中症による人の健康に係る被害が生ずるおそれがある場合に発表されるものでございます。暑さへの気づきを呼びかけ、国民の熱中症予防行動を効果的に促すことを目的としております。
 続いて3ページをご覧ください。熱中症特別警戒情報についてです。一般名称は「熱中症特別警戒アラート」であり、気温が特に著しく高くなることにより、人の健康に係る重大な被害が生ずるおそれがある場合に発表するものでございます。左上にありますとおり、自助を原則として個々人が最大限の熱中症予防行動を実践するとともに、共助や公助として個々人が最大限の熱中症予防行動を実践できるように、国、地方公共団体、事業者等すべての主体において支援することを目的とするものでございます。
 続いて4ページをご覧ください。熱中症警戒アラート、熱中症特別警戒アラートの発表時のキーメッセージでございます。令和6年に有識者検討会において議論いただいた内容を踏まえたメッセージとなっており、この内容を環境省ウェブサイト等においても掲載・発信しております。
 続いて5ページをご覧ください。発表状況についてです。熱中症警戒アラートについて、令和7年度は発表回数が1,749回となり、過去最多を記録しました。令和8年度の発表回数について、9月4日時点の数値をオレンジ色の棒グラフで示しております。令和8年の7月は昨年に引き続き高い水準となりましたが、8月は昨年より少ない回数となっております。熱中症特別警戒アラートについては、これまでに発表された実績はございません。
 続いて6ページです。熱中症特別警戒情報の発表基準の見直しについては、第1回の会議において説明させていただきましたので、説明は省略させていただきます。
 最後に7ページです。熱中症警戒情報の情報発信についてです。スライド左上をご覧ください。環境省が運営する熱中症予防情報サイトへのアクセス数について、令和7年度は累計で約1億7,000万回の閲覧をいただいております。スライド右上をご覧ください。ウェブサイトに加えて、環境省ではLINEアカウント等のSNSやメールサービスを用いて、熱中症に関する情報を発信しているところです。スライド下部をご覧ください。こうした情報発信の結果としての国民の認知状況ですが、内閣府の世論調査によれば、熱中症警戒アラートの認知度は約96%である一方、その内容まで理解している方は約48%にとどまっております。環境省として、熱中症警戒アラートの情報発信だけでなく、実際に熱中症警戒アラートが発表された際に国民の皆様の行動変容につながるように、そういった観点からも引き続き普及啓発に取り組んでまいりたいと考えております。私からの説明は以上でございます。
 
大塚委員長
 はい、ありがとうございます。それでは、ただいまのご説明に対するご質問、ご意見をお願いいたします。横堀委員、どうぞ。
 
横堀委員
 はい、ありがとうございます。警戒情報を発出することによって行動変容を促すということがすごく大事ということを改めて感じております。実際の認知状況であると、内容まで理解しているという方が半数に満たないような状況ということもよくわかりました。実際に、アラートとその後の行動、こういった行動を取りましょうとか、あるいはこういう症状が出た時には積極的にこうしましょうみたいなインストラクションまで加えて発表できると、より使う方の行動変容につながるのではないかなと思いますので、この発信の仕方と発信の内容、これについても引き続き検討いただけるとよろしいかなと思いました。以上です。
 
大塚委員長
 はい。他にご意見はいかがでしょうか。寺川委員、どうぞお願いします。
 
寺川委員
 私は気象予報士として、熱中症警戒アラートですとか暑さ指数というのを日々伝えている立場にあり、常々、今日の暑さ指数そのものよりも、その暑さの経過を伝えることがすごく重要だなと思っております。先ほども梅雨明け直後、気象業界では「梅雨明け10日」と言いますが、梅雨明け直後の高温で搬送者数や死亡者数が増えるというデータを示していただきました。そういった暑さの経過や今後の見通しというのを踏まえて、その上で今日が暑さに関して注意が必要であると、理由まで伝えることがすごく重要になるというのを気象予報士として意識しているところです。
 その中で、熱中症予防情報サイトにある暑さ指数の実況や予測というのを使って、お住まいの地域の暑さが今どう推移しているのかというのが一目でわかるようになったらよいと思います。熱中症予防情報サイトの中で暑さ指数の実況と予測というのがありますが、それが一つの流れとして見られなくて、一つ一つクリックしていかないと見られない状況なので、もうちょっと一目で流れが直感的にわかるものがあればよいなと思います。それを踏まえて、先ほどの横堀先生の意見と重なりますが、グラフを見せた上で、だから何に注意が必要なのか、これまで暑さが長く続いているから体に負担になって注意が必要なのか、急激にこのタイミングで暑さがやってくるから注意が必要なのかとか、そういう注意喚起のところまで丁寧に示していただけるとすごく親切なのかなと思いました。ありがとうございます。
 
大塚委員長
 はい、ありがとうございます。他にはいかがでしょうか。では、環境省の方から何かご回答やコメントがありましたらお願いします。
 
環境省(小笠原)
 横堀先生、寺川先生、ご意見いただきましてありがとうございました。
 横堀委員からは、アラートとその後の行動まで加えて情報発信をしていくべきではないかというご意見をいただいたと理解しております。4ページにあるとおり、熱中症警戒アラート、特別警戒アラートについては、キーメッセージということで有識者検討会での議論を踏まえて設定させていただいたものをベースとして、環境省の熱中症予防情報サイトにおいても掲載・発信しているところでございます。こうした掲載内容に加えて、実際の行動変容にさらにつながっていくような発信のあり方についても、いただいたご意見を踏まえて引き続き検討してまいりたいと考えてございます。
 続いて寺川先生の方から、暑さの経過や今後の見通しをわかりやすく伝えることが重要ということで、お住まいの地域の暑さ指数がよりわかりやすい形で環境省の熱中症予防情報サイトにおいて掲載できるとよいのではないかというご意見をいただいたと理解しております。熱中症予防情報サイトにおいては、ご指摘のとおり暑さ指数の掲載・発信をしているところでございますけれども、よりわかりやすい発信となるよう改善を図ってまいります。予測値等の一部であれば熱中症予防情報サイトにおいても暑さ指数の推移を流れとして見られるようになっていると承知しておりますが、今いただいたご意見も踏まえて、引き続き国民の皆様により活用いただきやすいサイト運営を目指して可能な範囲で取り組んでまいりたいと考えております。環境省からは以上です。
 
3. 閉会
 
大塚委員長
 ありがとうございます。事務局におかれましては、これまで出た意見について整理を進めていただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは本日の議事は以上となりますけれども、その他ご意見などございましたら伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
 一言だけすみませんが、先ほど永井委員からご指摘いただいた梅雨明け後35℃超えのところが危ないというのは、それなりに重要な情報かなと個人的には思いましたので、WBGTを使っていただければよいだけのことかもしれませんが、そういった別の観点も国民一般にお知らせしてもよいことなのかなと思って伺いました。他にはいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。では、事務局におかれましては、これまでいただいたご意見の整理を進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。進行を事務局にお返しいたします。
 
環境省(高山)
 委員の先生方、本日は様々なご議論をいただきまして、ありがとうございました。
 本日ご議論いただいたことは議事録を作成いたしますが、その議事録は事務局にて取りまとめまして、先生方に後日ご確認をいただく予定としております。その上で、環境省のホームページに公開をさせていただく予定です。
 次回の熱中症対策小委員会でございますが、また改めて委員の先生方に日程調整などのご連絡をさせていただきます。
 それでは、これで本日の熱中症対策小委員会の議事を終了としたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
 
以上