第11回産業構造審議会製造産業分科会化学物質政策小委員会制度構築ワーキンググループ第3回中央環境審議会環境保健部会化学物質対策小委員会(第3回化審法見直し合同会合) 議事録

1.日時

平成28年12月27日(火)13:30~15:21

2.場所

航空会館 501・502会議室

3.議題

 1.今後の化学物質対策の在り方について

 2.その他

4.議事

○百瀬室長補佐 それでは時間が参りましたので、ただいまから第11回産業構造審議会製造産業分科会化学物質政策小委員会制度構築ワーキンググループ、第3回中央環境審議会環境保健部会化学物質対策小委員会の第3回合同会合を開催したいと思います。

 本合同会合の議事進行担当の事務局は、関係2省による持ち回りとさせていただいておりまして、本日は環境省が事務局を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 初めに、本日はいずれの審議会も開催に必要な定足数を満たしておりますので、それぞれの審議会は成立していることを御報告させていただきます。

 また、本会合には、オブザーバーとして厚労省様も参加していただいております。

 続きまして、資料の確認をさせていただきます。まず、議事次第でございます。また、資料1として委員名簿となっておりまして、続きまして資料2で、今回の報告書(案)となります今後の化学物質対策の在り方について(案)でございます。また、その別紙といたしまして、別紙1として化審法の施行状況検討会の報告書、別紙2といたしまして、これは前回の審議会でも出させていただきました2020年目標の具体化でございます。また、机上で先生方にお配りしておりますが、前回の審議会資料の参考資料2につきまして、差しかえがございましたので、配付させていただいております。こちらはADIの値が最新のものに差しかえて計算し直したものとなっております。審議の最終的な結論の結果には影響ないと考えております。

 以上でございます。過不足ございましたらお知らせいただければ幸いです。よろしいでしょうか。

 それでは、議論に移りたいと思います。本日は環境省が事務局を担当しておりますことから、本日の議事進行につきましては、中央環境審議会環境保健部会化学物質対策小委員会の新美委員長に進行をお願いいたします。

 それでは、新美委員長、お願いいたします。

○新美委員長 新美でございます。本日の進行役を務めさせていただきます。

 皆様、年の瀬のお忙しい中を今日も御参加いただきまして、大変ありがとうございます。この会合も第3回目ということになります。前回、前々回、熱心な御議論をいただきましたが、本日も変わらずに熱心に御議論いただきたくお願い申し上げます。

 議事に入ります前に、会議の公開ついてお諮りしたいと存じます。公開のルールはそれぞれございますけれども、この会議においては、公開することによって公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、または特定な者に不当な不利益、もしくは不利益をもたらすおそれがある場合など、当会議を非公開とするべき事情は見当たらず、非公開事由には該当しないと考えますので、公開することにすると判断しておりますが、よろしいでしょうか。

 御了解いただけましたので、本日の会議は公開といたします。なお、公開の会議の議事録は、後日、ホームページ等で公開されますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと思います。

 また、今日はカメラの撮影もございませんので、このまま早速、議事に入りたいと存じます。

 それでは、本論の第1でございますが、今後の化学物質対策の在り方についてでございます。事務局から、資料2に基づいて御説明をよろしくお願いします。

○百瀬室長補佐 それでは、環境省化学物質審査室の百瀬から、資料2について御説明させていただきたいと思います。

 まず、資料2でございますが、前回まで先生方に熱心に御議論いただいた内容を踏まえまして、その内容を文章化しまして、報告書としてまとめたものでございます。

 それでは、1枚おめくりいただきまして、まず2ページ目でございます。こちら目次となっておりまして、検討の背景、規制の合理化、毒性が非常に強い新規化学物質の管理、その他関連事項の4章構成になってございます。

 3ページ目をおめくりいただければと思います。まず、検討の背景でございますけれども、化審法は前回改正で5年見直しの規定がなされておりまして、それを踏まえて、昨年度化審法施行状況検討会というものを設置して、先生方に御議論いただいたところでございます。こちらの報告書については別紙1ということで、本日もお配りをさせていただいております。この施行状況検討会の議題のうち、法改正を伴う政策的な事項であり、緊急性の高い項目といたしまして、少量新規確認制度及び低生産量新規物質確認制度における全国単位の製造・輸入数量の上限見直しと、毒性が非常に強い新規化学物質の管理について、検討を行っていただきました。

 また、化審法施行状況検討会の報告書で挙げられておりますそのほかの課題もございますので、こちらにつきましては、今後それぞれの課題に応じた適切な場において、引き続き検討することが望まれるということで書かせていただいております。

 続きまして、4ページ目をお開きいただければと思います。4ページ目でございますけれども、こちらは少量新規化学物質確認制度及び低生産量新規化学物質確認制度の合理化についてまとめたものとなってございます。

 まず、1ポツ目でございますけれども、こちらは現行の制度の概要と課題といったことをまとめさせていただいております。まず1パラ目でございますが、こちらについては現行の化審法について原則として通常であれば新規化学物質におきましては、分解性、蓄積性、毒性に関して審査をして、化審法の規制の対象となる化学物質に該当するか否かということを判定して、その結果を当該新規に係る届出を行った者に通知するまでは、製造・輸入することはできないとなってございます。

 一方で、今回議論の対象となっております少量新規制度と低生産量新規制度の概要を2パラでまとめさせていただいております。また、3パラ目では「ただし、」ということで、今回の少量新規制度、低生産量新規制度で、数量調整というものがなされておりますけれども、その旨を書いてございます。また、このような全国上限値というのは、欧米にはない我が国独自のものであるということで書かせていただいております。

 4パラ目でございますが、一方で近年、我が国の化学産業が少量多品種の形態に移行しているということから、こちらの特例制度に基づく届出・申出を行う事業者が増加しております。こうした中で、同一の新規につきましては、複数の事業者から少量新規または低生産量新規確認制度による届出・申出がなされるというケースが増加している。こちらについては前回までの資料でもお示ししているところでございます。

 続きまして、5ページ目の一番上でございますけれども、これらをまとめまして、現行の少量新規確認制度及び低生産量新規確認制度におきまして、確認による数量調整というものが増加した結果、事業者が当初予定していた数量を確保できないことにより、事業者のビジネス機会が消滅し、損失が発生してしまうおそれが高まっているということで、課題をまとめさせていただきました。これを受けまして、合理化案ということで2ポツ目から書かせていただいております。これは前回の先生方にも熱心に御議論いただいた内容を踏まえたものとなってございます。

 まず、1パラ目でございますが、こちらについては全国上限値というものを、人の健康や生態系への安全性の確保を前提に製造・輸入予定数量から環境排出量に変更するということを検討する。「まず、」というところで、1トンの根拠について前回推計結果をお示ししておりますけれども、こちらの内容について改めて書いてございまして、結果として、ディルドリンが全国で年間1トン排出されたとしても、人の健康及び鳥類の繁殖に及ぼす影響について懸念がないということが推計されております。

 続きまして、3パラ目でございますが、こちらは10トンのほうでございますが、こちらも前回の審議会でお示しさせていただいた内容をまとめてございます。この結果ということで、最後の3行ですが、これらの物質が全国で年間10トン排出されたとしても、人の健康及び生活環境動植物の生息・生育への影響について懸念がないということが推計されてございます。

 4パラ目でございます。また、現行の化審法におきまして、リスク評価では化学物質の用途を考慮した上で、製造・輸入数量に比して環境排出量の割合がどの程度かを計算する排出係数というものを用いた手法というのが導入されてございます。現行の化審法では新規化学物質の事前審査や、一般化学物質のスクリーニング評価、優先評価化学物質のリスク評価などにこの手法が用いられてございます。このように環境排出量を踏まえた数量上限を設けることは、技術的に可能な状況にあり、化審法の体系に馴染むものであると書かせていただきました。

 次のパラでございますけれども、前回もかなり熱心に御議論いただいたところですが、排出係数にはスクリーニング評価用の排出係数とリスク評価に用いる排出係数の2種類がございまして、スクリーニング評価用の排出係数の数値というのは、リスク評価に用いる排出係数の数値を幾何平均した数値を足し上げて設定されているものです。このため、スクリーニング評価用の、次のページに行きますけれども、排出係数とリスク評価用排出係数は用途により差異が大きくなる場合がありますので、用途別の排出係数の用い方というのは、それぞれの制度の特徴に応じて、安全側に立った排出係数の設定・運用と、そういうことが求められている。なお、少量新規及び低生産量では、届出・申出された新規化学物質の構造からの類推等から、既に得られている知見などから判断いたしまして、強い有害性を有して、人の健康又は生活環境動植物の生息・生育に係る被害が生じるおそれがある場合には、確認を行わないということとなっております。

 これらを受けまして、今回の審議会での見解ということで、太字で書かせていただいております。これを踏まえると、我が国の化学産業が少量多品種の形態に移行しているということを受けた制度見直し案として、少量新規化学物質確認制度及び低生産量新規化学物質確認制度の確認の基準となる全国上限値を「製造・輸入予定数量」から、製造・輸入数量と用途に応じた排出係数から算出される「環境排出量」に変更し、個社上限値まで製造・輸入を行うことができる機会を増やすことで、これまでよりも環境への負荷を増大させずに、事業者の予見可能性を向上させることが可能である。

 なお、このような見直しに当たっては、少量新規化学物質確認制度及び低生産量新規化学物質確認制度の特徴に応じて、引き続き安全側に立った運用について、今後、それを議論する適切な場において、速やかに検討すべきである。例えば、用途別の排出係数の用い方は、安全側に立った排出係数の設定・運用とすべきである、とまとめさせていただきました。

 また、環境排出量を算出するに当たりましては、それぞれの特例制度の届出・申出に必要な事項である製造・輸入予定数量に、用途に応じて設定される排出係数というものを乗じて算出することになりますので、用途情報の重要性が増したことになります。したがって、用途情報の正確性を担保するためにも、少量新規化学物質確認制度及び低生産量新規化学物質確認制度の届出・申出に際し、事業者から追加情報を求めるなど、国が用途情報を厳密に把握できる体制の構築について検討すべきである、というふうにまとめさせていただきました。

 以上が合理化のお話でございます。

 続きまして、7ページ目からは毒性が非常に強い新規化学物資の管理について、まとめさせていただいております。

 まず1ポツ目は、合理化と同様ですが、現行制度の概要と課題ということをまとめさせていただいております。新規化学物質の事前審査で、製造・輸入予定数量及び毒性に関する知見などを踏まえまして、環境中での残留を経て、人の健康又は生活環境動植物の生息・生育に係る被害を生じさせるおそれがないと認められないため、そのおそれがあるかどうかについての評価を優先的に行う必要があると認められる化学物質は、優先評価化学物質として指定され、その名称が遅滞なく公示されるといった制度となっております。

 これらの現行制度を1パラ、2パラ、3パラでまとめてございますが、4パラ目でございますが、近年、新規化学物質の事前審査におきまして、これまでの化学物質には見られなかったような毒性が非常に強く環境中に排出される場合には、人の健康、生活環境動植物の生息・生育に係る被害を生ずるおそれがあるものの、相当広範な地域の環境中に相当程度残留している化学物質ではないため、第二種特定化学物質にも該当せず、また、環境排出量が非常に小さいために、優先評価化学物質にも指定されないものが確認されております。

 このような化学物質について、現行の制度では十分な対応を措置することができないということでございまして、最後のパラでございますが、そのためこのような毒性が非常に強い新規化学物質については、不用意に環境中に排出されないよう、事業者に適切な取扱いを促すための新たな措置を講ずることが必要であるとまとめさせていただきました。

 続きまして、8ページ目でございますけれども、こちらは毒性が非常に強いとみなされた新規化学物質に関する具体的な措置についてまとめてございます。太字の部分のところについて、読み上げさせていただきますと、まず、このような優先評価化学物質に関する措置を踏まえ、新規化学物質の事前審査において、毒性が非常に強いことが判明したものの、環境排出量が少ないために優先評価化学物質等に指定されない物質については、不用意に環境中に排出されないよう、事業者に適切な取扱いを促すため、以下の措置を講じてはどうか、ということで、前回の資料でも書かせていただいたものを文章にしたものでございます。

 一つは情報伝達の努力義務ということでございまして、特定新規化学物質による環境汚染を防止するためには、当該化学物質を取り扱う事業者が、次に書いております指導及び助言などの措置の対象となり得ることをあらかじめ認識しておくことは必要である。このため、ほかの事業者に対して当該化学物質を譲渡・提供するときに、その相手方に対して当該化学物質である旨の情報を伝達する努力義務を課す。

 また、指導及び助言でございますが、こちらも特に必要があると認められるときには、一定の汚染防止措置をとるように、国が当該化学物質を取り扱う事業者に対して、指導及び助言を行う。

 取扱いの状況に関する報告ということで、より適切な指導及び助言を行うために、国は特定新規化学物質を取り扱う事業者に対して、その取扱いの状況について報告を必要に応じて求める、ということを書かせていただいております。

 また、8ページの最後のところでございますが、なお、これらの特定新規化学物質に係る措置は、当該化学物質の名称が公示され―次のページに続きますが―一般化学物質となった後も、毒性が非常に強いということに変わりはないことから、継続することが必要である、ということでまとめさせていただきました。

 また、9ページ目のその他の関連事項でございますが、こちらも前回の資料でお示しさせていただいた内容をまとめたものでございますが、既存化学物質についても毒性が非常に強いということが判明した場合には、全ての事業者に毒性が強く取扱いに注意が必要な物質である旨を以下のような措置によって伝達し、取扱いの注意を促してはどうか、とまとめてございます。具体的には業界団体の皆様への周知や、ホームページ等での公表ということで書かせていただいております。

 続きまして、最後のページでございます。その他、関連事項といたしまして、前回の審議会でも御報告させていただきました2020年目標達成の具体的なイメージということで書かせていただいております。こちらにつきましては、平成28年度の10月28日に開催されました3省での合同会合におきまして、別紙2ということでWSSD2020年目標達成の具体的イメージとその具体的な方策について示されておりますので、その内容を書かせていただいております。

 以上、簡単でございますが、私の説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○新美委員長 どうもありがとうございました。

 それでは、事務局から説明のありました報告書(案)について、御意見を賜りたいと存じます。今回は前回提示の骨子案をベースに委員の皆様からいただいた御意見を踏まえまして、報告書(案)が事務局から示されたところでございます。9月から進めてまいりました化審法見直しの議論も一旦ここで終了ということを考えておりますので、ぜひ御活発な御議論をお願いしたいと思います。報告書(案)は、これまでの経緯、Iの検討の背景ということ、それからIIに少量新規化学物質確認制度及び低生産量新規化学物質確認制度の合理化、それからⅢ、毒性が非常に強い新規化学物質の管理、そしてⅣ、その他関連事項という形で、四つの項目に分かれております。この項目ごとに区切って御議論いただくのが便宜かと思いますので、そのような進め方をさせていただきたいと思います。

 まず、Iの検討の背景について、御意見、御質問がございましたら、御発言願いたいと思います。御発言を御希望の方は、名札を立ててお知らせくださるようにお願いいたします。

 それでは、どうぞよろしくお願いします。いかがでしょうか。格別の御意見はございませんでしょうか。

 特にないようでしたら、IIのほうに進めさせていただきたいと思います。それでは、IIの少量新規化学物質確認制度及び低生産量新規化学物質確認制度の見直し、ないしは合理化について、御意見がございましたらよろしくお願いいたします。

 それでは、小山先生お願いします。

○小山委員 6ページの太字で書いてある二つ目の丸の一番最後に、用途別の排出係数の用い方は、安全側に立った排出係数の設定・運用とすべきであるということですが、この安全側に立った設定・運用というのは、どういうことを指しているのか、ちょっと教えていただければありがたいです。

○新田化学物質審査室長 安全側に立った排出係数ということなんですけれども、これは前回の会合でも御議論ありましたように、今、スクリーニング評価、あるいはリスク評価で排出係数というのを使っているというものがございますけれども、その数値についてその設定をそのまま使うことがよろしいかどうか。安全側に立ったという設定で設定すべきではないかという御意見がございましたので、具体の内容は今後の検討になりますけれども、その検討の方針は前回からの御意見を踏まえまして、安全側、実際の排出量が過小評価にならないようにという趣旨だと思いますけれども、そういう意味で検討していくべきではないかというふうなことで、こういうふうな書き方にさせていただきました。

○新美委員長 よろしいでしょうか。

○小山委員 運用についてはいかがですか。設定というのは、実際の排出係数が妥当なのかということで、今のお話で理解できるんですけれども、運用については安全側に立った運用というのはどういうことをイメージされていらっしゃるんでしょうか。

○新田化学物質審査室長 そこはいろいろな意味があるかと思います。ちょっと具体的に想定しているものはありませんけれども、例えば前回の会合で、たしか用途の分類について、例えばもうちょっと見直したほうがいいのではないかという御意見等もありましたので、そういったものも含めて、こういうところで考えていくことになるのかなというふうに考えています。

○新美委員長 よろしいでしょうか。

 ほかに御質問、御意見ございましたらよろしくお願いします。

 それでは、鈴木さんお願いします。

○鈴木委員 この排出係数でやるというところ、確かにここには書かれていますが、スクリーニング評価以降がこの排出係数を使った排出量の推定値で行うということからすれば、一定の合意性を持つというのは、それは多分そうだろうというのは、一定合意いたしますが、今後の運用とかやり方につきまして、これも特段、報告書の内容はおよそこれでよろしいかと思いますけれども、一応確認でございます。

 少量新規・低生産量に関しては、これらの物質がこの少量新規・低生産の枠にとどまる限りは、以降のリスク評価を受ける機会は多分現実的には存在しないと、ここだけで管理がされることになると私は思いますので、そうであるならばそこで用いる排出係数はまさに安全側に立ったほうが私は安全だと考えますので、現在のスクリーニング評価、あるいはリスク評価における排出係数に捉われず、この少量新規、あるいは低生産の新規の化学物質の管理に、ここは決定的に役割を果たすということを意識した安全側の設定を今後検討していただくことを希望いたします。

○新美委員長 ありがとうございます。

 どうぞ、事務局のほうで御説明を。

○新田化学物質審査室長 そういった御意見も踏まえまして、ここに書いた安全側に立ったまさしく排出係数の設定・運用の検討というところで、そういった観点を前提に考えていくことになるというように思っています。

○新美委員長 よろしいでしょうか。ほかに御意見、御質問ございましたら。

 それでは、崎田さんお願いします。

○崎田委員 ありがとうございます。今回、この部分を拝見しまして、やはり少量新規、あるいは低生産量の化学物質を使いやすくするというところが産業界の皆さんからの御要望として大変強いということで検討してまいりまして、こういう方向性は私も賛成をしております。それで、今、6ページの終わりのところを見ているんですけれども、こういう背景の中で今後は環境への排出量を管理するために、用途と排出係数をしっかりと考えていくということが大事なんだと思います。この最後のところに国が用途情報を厳密に把握できる体制の構築について検討すべきであると、その一言で文章が終わっているんですけれども、しっかりと検討して、それを実施していくのが非常に大事なことであって、検討すべきである、で終わってしまうのではなく、どういうような流れで検討するのかとか、もう少し内容に踏み込むことはできないのかという印象を持っております。ある程度そういうふうにしておくことで、この後の検討というのが具体的に進むのではないかと思っております。

 なぜ、そう申し上げるかと言いますと、やはりこれまでもしっかりと取り組んでおられる事業者さんは、こういう新しい状況に対応してやっていただけるものと思いますけれども、こういうものの制度的に弱いところをついて事業をしようというお気持ちの事業者さんがいらっしゃったら困るのでそういうところをきちんと把握できるようにするのが制度として大事だと思いますので、どういうふうな形にするのがいいのか、やはり事業者さんも納得した上で、規制緩和に応じて、ある程度の情報をしっかり出すという負担をしていただく流れをきちんとつくっていくというのが大変重要なのではないかと思っております。

 ですから方向は賛成なんですが、検討すべきである、で終わってしまっていいのかという、そういう気持ちがしますので、発言させていただきました。よろしくお願いいたします。

○新美委員長 ありがとうございます。この点についてよろしくお願いします。

○新田化学物質審査室長 御指摘のとおり、環境排出量のために排出係数を使うということで、用途の確認が重要だということでございます。そのために、届出の際に用途を確認するというのが重要になるということで、その具体的な運用方法のところは、ちょっと今後の検討になるということになるんですけれども、その今後の検討の上ではこういった厳密に把握できる体制の構築について、検討すべきだという方向性を御指摘いただいているのかなというふうに考えております。

 具体的な方策、どういうものなのかということなんですけれども、今、考えていますのは、例えば事業者から追加情報を求める、申し出される化学物質が何に使われるかということを確認できるようなものが何か提出されれば、国としても確認、厳密に把握といったことにつながるのではないかというふうに考えています。具体的にどういったやり方がいいかというのはまたきちんと検討すべき、もちろん事業者さんがそういった情報で対応できるかとか、それでちゃんと確認できるかどうかとか、詳細なところを検討しなければいけませんので、まだはっきりしたことは今後の検討になりますけれども、今、例えばこんなことがあるのではないかというふうに事務局では考えておりまして、こういうふうな記載のほうになっているということでございます。

○新美委員長 今の崎田委員の話は、中身についての検討はわかるけれども、もう少し前向きの一歩の表現が必要ではないかという御趣旨だと思いますが、その辺はいかがでしょうか。

○新田化学物質審査室長 国が用途情報を厳密に把握できる体制ということで、そういった体制を構築すべきだということで、今後の検討を取り組んでいきたいというふうに思っておりますので、それで今までよりもやはり前向きというふうに考えております。

○新美委員長 その辺、もう少し何かございましたら。

○白石委員 検討すべきに2種類があって、速やかに検討すべきと、検討すべきなので、こちらも速やかに検討すべきなのかということをもう一度だけでございます。

 マイクを持ったので、私のほうから一つだけ。同じ6ページ目の2パラ目に、有害性のデータはないわけですけれども、有害性を有して被害が生ずるおそれがある場合には確認を行わないことにしていると。これは運用のところだと思うんですけれども、これについて2番目の丸で、少量新規・低生産量等の特徴に応じて、引き続き安全側に立った運用について、今後それを議論するということなんですけれども、このなお書きの部分もここの議論の中に含まれるのかどうかという質問です。

○新美委員長 よろしくお願いします。

○新田化学物質審査室長 まず最初の「速やかに」とおっしゃっていたところは、何か具体的な修文意見なんでしょうか。

○白石委員 いや、ただここでお話ししただけで、具体的な修正意見ではございません。

○新美委員長 検討してくださいという、御要望ということです。

○新田化学物質審査室長 今のお話でございますが、6ページ目の2パラにありますなお書きのところですね。現在の運用でも有害性があって、被害が生じるおそれがある場合は確認をしないというふうにしているところでございます。今後も引き続きこれを運用していく必要があるかというふうに思っております。今回は用途を確認して、環境排出量を算出するというふうに全国の数量調整のほうを見直すということになるんですが、その際でも、それによってそういう少量新規・低生産量の物質によって被害が生じるおそれがあれば確認をしないという現行の制度のもとで、それをどのように的確に運用していくかということは、これは引き続き運用していくべきですし、そういったことがきちんとできていくように適宜改善というか、見直しというか、そういったことはしていく必要があるのではないかというふうには思います。

○新美委員長 よろしいでしょうか。

 それでは、菅野さんよろしくお願いします。

○菅野委員 実は今の確認のところの質問でダブっていたものですから、おろしてしまったんですが、そうすると確認をというと、確認を行わないというのは意外と法律用語に近くて、素人からすると確認制度を適用しないという内容なんだろうなと思うので、一般的な用語に変えていただくと、国民にはわかりやすいのかなというコメントと、そうするとそれと次の議題ではあるんですが、毒性が非常に強い新規物質というのともある意味つながるわけですね、そこは。情報量が違うといえば違うんですけれども、概念としては似ているということになるんでしょうか。

○新美委員長 よろしくお願いします。

○新田化学物質審査室長 2パラ目のところの確認を行わないこととしているというのは、これは法律、今の条文のほうでこういう書き方になっていまして、申し出されたものについて、そういう被害が生じるものについては確認をしないというふうになっているのをそのまま書いたということでございますので、制度的に、ルールとしてどうのこうのということ、という意味というか、申し出されたものについて確認しないというふうに書いているのをそのまま書いているということでございます。

○菅野委員 その対象とする手続というのは、ある意味、3のほうの毒性が非常に強いというのを同定する手続と概念的には近いわけですね。それとも今までやってきたことなので、頭の中でつながっていかなったかもしれませんけれども、もし、全然つながっていないなら結構ですが、今後、つながるようなことがあるのかも含めて質問いたしました。もし何もなければ結構です。

○新田化学物質審査室長 少量新規・低生産は申出の際に、毒性の情報なしでもよろしいという中で、それでもし被害がわかった場合に確認しないという制度でございます。3ポツ以降のほうは、通常新規で、毒性データが出てきた上で、その中で毒性が強いというので、そこは別の制度ということで御理解いただきたいと思います。

○新美委員長 よろしいでしょうか。

 それでは、蒲生委員、その後、有田さんに回しますので、その順番でお願いします。

○蒲生委員 報告書に書かれているように、排出係数を用いて、環境排出量ベースで考えるのが、化審法の今の体系になじむものだというのは私も同感でして、大まかな方向性はいいかと思うんですけれども、排出係数だけが今後の検討の対象になっているというところが少し実は心配でして、有害性のデータがない状況で、有害性としてはある程度ワーストケースを想定せざるを得ない中で、例えばスクリーニング評価であるとか、リスク評価での判定のプロセスと、今回ここの恐らく1トン、10トンというものが整合的なのかどうかということを、やはりきちっと確認するべきではないかというふうに思います。

 現時点で、1トン、10トンのシミュレーションの例示がされていますが、これは私の理解では大きくこういう方向に舵を切っていいだろうかということの一つの確認であって、具体的な運用がこれによってお墨付きを得たというふうにはあまり思えないような計算ではないかという印象を受けております。それが1点。

 もう一つは、環境排出量ベースで、1トンでも10トンでも、あるいは検討の結果、違うトン数でもいいんですけれども、その上限を超えてしまった場合には、やはり数量調整を国の責任において行うということだと理解しているんですが、それがあまり明示されていないというのが少し気になりました。

 以上の2点です。

○新美委員長 ありがとうございました。それでは、事務局のほうからよろしくお願いします。

○新田化学物質審査室長 1点目のお話なんですけれども、これはそもそも少量新規・低生産量というものは、通常新規に対する特例の制度としてあったものでございまして、製造・輸入量が年間1トン、あるいは製造・輸入量が10トン以下のものについて、通常新規の手続は要しないということであった制度でございます。ですから、その特例制度の中で全国数量のやり方について見直すということでありますので、この特例制度の扱い、考え方といったことは、今までとは変わっていないではないかというふうに思っております。

 また、今回は全国の数量調整の基準値を製造・輸入量から環境排出量に変更するということでございますので、数量調整という意味かわかりませんけれども、とにかく上限値は環境排出量で、1トン、10トンの範囲内ということになりますので、数量調整を行わないというわけではなくて、全国上限値が環境排出量で、1トンなり10トンなりの範囲になるということでございます。

○新美委員長 よろしいでしょうか。

○蒲生委員 今の制度を前提にするわけですから、製造・輸入量が環境排出量に置きかわるだけですというのはまさにそのとおりだとは思うんですけれども、この文書は、ある意味報告書ということなので、中身は、国民が理解できるものであるというのがやはりいいと思うのです。そういう意味でいいますと、環境排出量として上限値を定めて、それを超えそうになればきちんとキャップをはめるんだということが明記されるほうがよろしいのではないかと思った次第であります。内容がどうこうでは必ずしもないです。

 最初のほうなんですけれども、従来の特例制度を前提にした見直しであるというのはわかるんですけれども、変な話、都合のいいところだけスクリーニング評価やリスク評価と整合的だからこういうふうに変えるんだというふうに聞こえなくもないです。整合性をより拡大していくということであれば、おのずと1トン、10トンというところも議論の俎上に上ってくるのではないかというふうに思った次第です。

○新美委員長 では、よろしくお願いします。

○新田化学物質審査室長 まず、最初のほうの環境排出量、具体的にどこか修文をしたほうがよろしいという意見でございましょうか。5ページの2ポツの合理化案のところの最初のパラに、少量新規と低生産量の全国上限値を人の健康や生態系への安全性の確保を前提に、製造・輸入予定数量から環境排出量に変更するというふうなことで、合理化案を示していることと理解しておりますが、この全国上限値におさまるように数量調整ということなので、全国上限値がそこに変更すれば、その範囲で数量調整するということも変わらないのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○蒲生委員 もちろん、内容的にはそのとおりだと思います。これで十分説明できているということであれば、必ずしもこだわらないんですが、これを読んだ人がこの合理化案によってリスクが増加することはないという印象を受ける方が良いと思いますので、数量調整は引き続き行うんだということが明示されてもいいのではないかなと思いました。内容的には変わらないので、それには及ばないという判断であれば、それはそれで結構でございます。

○新美委員長 よろしいでしょうか。

 それでは、次は有田さんお願いします。

○有田委員 今、蒲生委員が質問された部分、同じようなところを質問したいと思っていたので、回答で納得したというよりも自分の疑問が少しすっきりしました。ただ、確認させていただきたいのは、合理化案が悪いということよりも、例えば人の健康や生態系への安全性の確保を前提にと書かれているので、それをないがしろにして合理化する結果、環境や人の健康に害を与えるという方針ではないということは理解したうえで、やはり全国1トンという、そういう縛りをなくす合理化案が、まさにそうなると各社1トンであるのか、そういうはっきりしたところが回答からは読み取れないのです。もう一度、それを説明していただきたいと思います。合理化案に単純に反対しているということではないのですが、ですから、何人かの方がおっしゃったように、一般の人が読んでこれが決して人の健康や環境に影響を与えるような見直しではないということがもう少しわかるようにしていただければと考えます。もう一つはこれが国会の審議を経てということになると思うんですが、そのときに、この6ページの中にいろいろ書いてあります、これまでよりも環境の負荷を増大させずに、事業者の予見可能性を向上させることが可能ということのその可能性についての説明や、それから用途別の排出係数の用い方は、安全側に立った排出係数の設定・運用とすべき。それから一番下のところも含めて、国会に通す合理的な数値というか、考え方を提案する、国会に出す前にこういう検討すべきであることは、検討した結果、合理化をされるということで理解してよろしいんですよね。

 私の質問の意味がわからないかもしれないんですけれども。わかりますか。これはすぐに審議にかけるかどうかわかりませんけれども、検討すべき、その合理化案を出してから国が用途情報を厳密に把握できる体制の構築について検討し始めるということですか。そうすると、いやもうそれは必要ないというようなことにはならないのかなと、こういうことが前提で合理化してもいいのではないかと考えているのにもかかわらず、通した後に、いやこんなことやらなくてもいいという結果が出るということもあり得るのでしょうかということの質問です。

○新田化学物質審査室長 今回、制度の見直しの合理化案ということで、安全性の確保を前提にですとか、安全側に立った設定・運用とすべき、あるいは安全側に立った運用で、運用について検討すべきという御指示をいただいております。これとあわせて制度の見直しという形にはなるというふうに理解しております。したがいまして、こういった安全側に立った運用を検討することとセットで制度ということになりますけれども、具体な詳細なところはちょっと時間もかかりますので、そこはやりながらということはあるかと思いますけれども、今回、安全側に立った運用、安全側に立った設定といったことをやるということで、制度の見直しというふうな御指摘なので、それを伺った上で、制度の詳細については検討していきますし、制度の見直し、法改正といったこともやっていくというふうに考えているところでございます。

○新美委員長 よろしいでしょうか。

 大塚さん、どうぞ。

○大塚委員 内容的にはこれでいいと思っているんですが、先ほど蒲生委員が聞かれたところは、よく読めばわかるんですけれども、ちょっとわかりにくいかなという気もするのです。それでどうしてわかりにくいかなと若干思ったかというと、4ページの下から二つ目のパラグラフのところで、現在確認制度について書かれているところで、このような全国上限値や欧米にはない我が国独自のものであると、これも結構ニュートラルなんでしょうけれども、若干、ネガティブにも聞こえるような書き方なので、ここを変えるのかなというふうにちょっと思ってしまう人もいるかもしれないので、そうではないんだということでございますので、これは例えばなのでちょっと御検討いただければと思いますが、5ページの2の合理化案の最初のところで、例えばこの二つの確認制度の全国上限値におさまるように調整するという考え方は維持じつつというような言葉を一言入れると、ちょっとわかりやすいかなというふうには思いますので、内容的にはこれでいいと思っているので、単なる表現の問題かと思いますけれども、提案をちょっとさせていただきます。

○新美委員長 よろしいですか。どうぞ、今の件について。

○新田化学物質審査室長 今の御意見は、5ページの2ポツのところの最初のパラですね。少量新規化学物質確認制度及び低生産量新規化学物質確認制度の全国上限値におさまるよう……

○大塚委員 調整するという考え方を維持しつつというのは、例えばですけれども、そういうような言葉を入れてはいかがかという提案です。

○新田化学物質審査室長 もう一回繰り返します。少量新規化学物質確認制度及び低生産量新規化学物質確認制度の全国上限値におさまるよう調整するという考え方を維持しつつ、人の健康や生態系の安全性の……

○大塚委員 もうちょっとちゃんとすると、4ページの下から8行目のここの言葉をそのまま入れていただければと思います。全国上限値におさまるように、各申出者の製造・輸入予定数量を調整するという考え方を維持しつつというような、例えばそういうことかなと。

○山内化学物質管理課長 ありがとうございます。数量調整ということがここの場で相当話題になったので、数量調整をするんですか、しないんですかという議論になっているような感じがするんですけれども、正確には我々の法律に与えられたマンデートは、全国上限値を超えては確認しないとなっているので、それを数量調整と読むのかどうかというところなんですね。なので、全国上限値は維持する。それ以上は確認しないというのが多分一番正しい法律的な言い方になるのではないのかなと。

○大塚委員 そうすると、4ページのここに書いてある、これは現行法の説明ですよね。

○山内化学物質管理課長 そうなんですけれども、実際には数量調整をする制度にはなっていなくて、確認をしてはいけないので、結果的にそれぞれの申請者に公平に分配をしているというだけなので。

○大塚委員 もしそういうことでしたら、ここの(以下「数量調整」という)とか、この辺もこれでよろしいんでしょうか。

○山内化学物質管理課長 実際に今やっていることはこういうことなので。

○大塚委員 そこは変わらないんですよね。

○山内化学物質管理課長 そういう運用は変わらないと思いますけれども。なので、多分ここで一番皆様の御懸念になっているのは、全国上限値を超えて確認することはないんですよねと、それが環境に対しての負荷を増大させることにならないんですよねということだと思うので。

○大塚委員 でも、数量調整がなくなるわけでもないので、ちょっと今の御説明は私は完全に理解し切れないで申し訳ないんですけれども。

○菅野委員 恐らく今の御答弁は矛盾されているように聞こえます。というのは、ここの4ページのところで、(以下「数量調整」という)とした上で確認していると。このような上限値は欧米にはない我が国独自のものである。これもちょっと引っかかったので、これはぜひ直されたほうがいいと思います。これは大塚先生がおっしゃったとおりで、我が国独自のものであるというのは、これは国土がすごく狭くて密集しているからいい制度だったかもしれない。この流れだとよくない流れになっているので、そういう論議が起きてしまうから、ここでやるのはまずい。それで、数量調整はこの流れからいうと外すというふうなロジックで流れてきているように読めてしまう、表面上は。

○山内化学物質管理課長 すみません。記載ぶりについては考えたいと思います。申し上げられることはそういうことだと思っています。

○菅野委員 今後も確認しない。だけれども、今度は数量調整するとははっきり言わないというふうにとられてしまうと、後退したかのような印象を受けてしまうので。

○山内化学物質管理課長 了解しました。おっしゃっていることを理解していないわけではなくて、正確に言うとどういうことなのかという解説をしたかったということでございます。

○大塚委員 あまり数量調整っておっしゃいたくないのであれば、そこは現行制度の説明のところも同じにしていただいたほうがいいと思うし、さっきの御説明では変えるのだったら変えると言っていただかないと困るんですけれども、多分変えないんだけれども、表現をちょっと何か、申し訳ないんですけれども、ややオブラートに包もうとされているようにも聞こえるので、そこははっきりはさせていただいたほうがいいのではないかなという。

○山内化学物質管理課長 了解しました。ちょっとまた検討したいと思います。決して私が申し上げているのは、今の制度を後退させるということではなくて、上限値というものの考え方を排出量ということにしても環境上には影響は変わらないですよねと。逆に、排出量というものをしっかり把握できるようにしましょうねということを申し上げているだけ。

○大塚委員 そこはいいんですけれども、数量調整のほうはどうなんですか。

○山内化学物質管理課長 恐らくそれを超える場合には、何らかの今と同じような考え方が出てくるんだろうなとは思っていますけれども。

○大塚委員 ありがとうございました。

○新美委員長 よろしいでしょうか。

 それでは、菅野さんどうぞ。

○菅野委員 先ほど5ページの2ポツの2段落目、3段落目のところで、蒲生先生がコメントされた内容の延長線なんですけれども、これは1トン、10トンを決めた時点、特例を決めた時点では、排出係数という概念なし、今のような概念なしに設定したわけですよね。ディルドリンとか、トリクロロエチレンとか、今までの中で一番毒性が強そうなものをカテゴリーから選んできて逆算してみたらちゃんと、範囲に収まっていましたよという検算をしただけなのだと思います、ここは。今後、新しいものが出てきたときに、毒性情報はないので、蒲生先生もちょっとおっしゃった、原則的に一番危ないものを想定せざるを得ないだろうというときに、有害性がどの程度強いものを当てはめたときまでは、大丈夫なのか、そういう試算が国民向けには足りないのかなというふうにもとれるんですね。

 いかがでしょうか。

○新美委員長 よろしくお願いします。

○飛騨化学物質安全室長 御指摘のとおり、シミュレーションですので有害性をどんどん上げていけば懸念が出る場所が出るという可能性は確かにあると思います。ただ、この6ページ目の2パラで説明しているとおり、極めて有害性が高いということが想定される場合には、確認をしないということにしておりまして、どんな物質であっても必ず1トン、10トンを確認するというものではなくて、今、我々が持っている知見を最大限に利用して、有害性が懸念される場合にはそもそも確認しないという制度になっていますので、特に有害性が極めてきついものでシミュレーションをしてみるという必要性は今はないというふうに考えております。

○新美委員長 よろしいでしょうか。

 それでは、東海さんどうぞ。

○東海座長 ありがとうございます。今、御議論いただいたこと、大体私も理解したつもりでおります。先ほどの御意見の中で、排出係数の論点に依存し過ぎているのではないかというお話もございました。私、ちょっと観点は違うんですけれども、平成9年に大気汚染防止法の改定の中で、有害大気汚染物質に関して自主的な管理を導入するということが明示的に入ったという経緯がございますよね。今回のこの排出管理というところに一部この低生産量の化学物質の管理は委ねるということは、ある意味、業界側の情報提供に基づいて規制と自主管理のバランスを少し自主的な管理側に傾けるといいますか、しかし情報提供を、それも結局、規制の観点とセットで進めざるを得ないところであるということが合意ではないかと受け止めました。すなわち、これまでの化学物質対策、それから環境対策の中で既に行ってきた規制と自主管理をバランスよくさせながら物質を管理してきたというその考え方が、今回のこの低生産量・少量新規の管理を進める上で一部入っていると理解いたしました。間違っていればそれは捨てていただいていいんですけれども、そういう意味で排出係数の値をどう設定するかということのみならず、基本的に規制プラス業界側の用途情報に関する情報提供をさらにお願いするという、そういういわば連携でもって、すなわちこれまでの化審法の体系との整合性というものも維持しつつ、かつ環境法との連携も維持しつつ、一歩前に進む。そういう趣旨のものではないかと受け止めた次第です。

 以上です。

○新美委員長 ありがとうございます。

 何か事務局のほうでコメントありますか。今の御説明でごもっともですということでよろしいですか。

○新田化学物質審査室長 はい。おっしゃるとおりでございまして、用途情報を事前に確認しますので、その用途に従って使用していただくような形で事業者さんとはよく御理解、御協力を求めていきたいというふうに思っております。

○新美委員長 今の御指摘、大事だと思いますので、先ほど指摘のあった6ページの一番下のゴシックになっているところの表現ぶりをもう少し前向きにというところとつながりそうなので、その辺はぜひ最終的には検討していただきたいと思います。

 それでは、小山さんどうぞ。

○小山委員 6ページの2パラのところで、少量新規・低生産量新規では、基本的には有害性のデータは存在していないですね。ここで構造からの類推等の知見によって判断してというふうに書かれていますけれども、ここは非常にファジーで、我々QSARとかいろいろなことをやっていても必ずしも十分に有害性を評価できていないんですね。ここをどういうふうに類推していくのかという何かイメージのようなものは持っていらっしゃるんでしょうか。

○新田化学物質審査室長 これは今の法律にこのように書いてあるものをそのまま引いてきているものでございます。現時点でもそういうQSARというわけではないですが、構造から見て毒性が判断できるようなものがあれば、それは確認しないということはあり得ると思いますし、こういう既知見で判断できるところがどういったことがあるかというのは、今後さらに精査して見直していく必要はあるとは思っておりますので、今後随時見直しといったことも、将来の課題だというふうに考えて検討していきたいと思っています。

○新美委員長 どうぞよろしくお願いします。

 庄野委員、お願いします。

○庄野委員 ありがとうございます。今までの御議論の中で、東海先生からおっしゃられましたように、実は業界としてもやはりこの際に襟を正してというのはおかしいですけれども、別に過去悪いことしていたわけではないですので。いわゆる産官のミックスといいますか、いわゆるレギュラトリーな意味でもそうなんですけれども、ベストウェイはやはり我々も自主管理をかなり強化し、さらに規制とのベストミックスを図っていくという考え方だろうと思います。そういった意味での協力姿勢は我々としても考えておりますし、具体的には我々としても用途情報等、しっかりした情報提供をしていこうかなというふうに考えております。

 ただ、先ほどちょっと蒲生さんからもおっしゃられましたけれども、安全側の議論というのは、これ二択みたいな印象もあるんですけれども、本当はリスクの最小化を狙ったときにというようなことが一番大事なのではないかと思うんですね。だから、むしろ安全側というか、より安全なという考え方を使っていく必要がある。というのは、この少量新規の場合は量だけで議論されてしまいますよね。ただ、やはり化学物質というのは非常に多様でいろいろな化学物質がございますので、それを全部絡げてやったときに本当にそれでよかったのかどうかというのは実はよくわからない。そういう意味では構造活性相関とは申し上げませんけれども、ある程度の予測はどこかでしていかなければいけないかもしれないなと。顔を見ての判断というのは、ある程度必要かなという位置づけをしていく必要があると思います。QSAR自身、私も全部信じているわけではございませんけれども、必要な今後のテクノロジーの発展に伴って、ここはもう少しリスク自身の評価が進む方向に持っていくべきかなというふうに思います。

○新美委員長 ありがとうございます。

 高村さん、よろしくお願いします。

○高村委員 ありがとうございます。とはいえ、既に東海先生が御指摘になったところとほとんど同じでして、繰返しになってしまうかもしれませんけれども。

 今回、新しい制度に移っていくときに、前回の委員会でも議論になりましたように、数量と用途情報がきちんと提出されて、その正確さが確認をできるということが制度の前提として非常に大事だと。その旨、6ページのところに下から2段落目のところに書いてくださっていると思います。そういう意味では二つの点ですけれども、新しい制度に移っていくためには、そういう意味では環境排出量を出していくための排出係数と用途情報の仕組みを早く決めることが制度に移っていく前提だと思いますので、先ほど速やかにと入れるかどうかとありましたが、恐らく書くか書かないかはともかく、速やかに検討する。二つの事項をですね。排出係数と用途情報の把握というのは検討を急ぐということが必要なんだと思います。

 もう一つの点は、これはむしろ文言の問題かもしれませんけれども、6ページ目の一番最後の段落のところで、これは先ほど東海先生が確認されたところなので、文言としてできたら反映をしていただいたほうがいいのではないかなというふうに思いますのは、届出・申出の際、ここでは国が用途情報を厳密に把握できる体制の構築と、その中に恐らく含意していただいていると思うんですけれども、恐らく要素としては届出・申出の際にきちんと情報を出していただくということと同時に、それと実際の用途と使用量が確認ができるという二つの要素がこの中には必要なのだというふうに思います。むしろここに多分含意していただいているというふうには思うんですけれども、後者の趣旨をうまく反映をしていただくのがよいのではないかなというふうに思っております。

 以上です。

○新美委員長 ありがとうございます。

 それでは、どうぞ、永田委員お願いします。

○永田委員 今までの議論をお聞きするに、今回の二つの新しい制度の導入、少量新規の話と次の有害性の強い物質に対する処置という、二つの制度の改革のトピックだけが特出されているように読めてしまいます。本来であれば、化審法をより安心なものにしていくという改革の中での二つのトピックであることが見えにくくなっており、そのためにいろいろ疑念が出てきてしまうのではないかと思います。

 そういう意味で、東海先生のおっしゃったように、化審法のこれまでの歴史と今後つくっていく歴史の流れの中で、この二つのトピックがどのように位置づけられるかが、明確に書かれたほうが良い。一つ目のトピックは、リスクに応じた管理をしていくため、排出量とか、排出係数とかをきちっと評価していく。そのために、より精緻なデータが産業界からも出てくる、という動きの中で、この1個目の制度はつくられたと書かれていたほうが、制度の意味づけがわかるのではと思いました。

 2個目の有害性のトピックにつきましても、リスクと言いながらも有害性についてはやはり依然として気をつけなければならず、そっちのほうにも目を払う、という位置づけの話が書かれたほうがよいと思った次第です。

○新美委員長 ありがとうございます。今の御指摘を受けて、少し修文というか全体を構成し直すということになると思います。その辺、いかがですか。

○新田化学物質審査室長 まず、高村委員からの御指摘のところ、実際の用途等を確認というお話ですけれども、今、国が用途情報を厳密に把握できるという中で、そういったことも含まれ得るのかなとは思っておりますけれども、厳密に把握という中でそこはどこまでかということなのかと思いますが、何らか実際、実績みたいなものを把握すべきというふうな御趣旨でしょうか。御指摘のことは当然含めて厳密に把握できるというふうに考えているところなんですけれども。具体的にそれがどこまで把握できるか。実績のところは本当に使用者さんまで聞いて把握しなければいけないとかいろいろありますので、そこら辺は事業さんがどこまでできるというのを判断しながら検討する話なので、それは厳密に把握できればどこまでかという、今後の話の中でというふうに思っておるんですけれども、いかがでしょうか。

○高村委員 ありがとうございます。前回の委員会のときに、この用途情報の重要性というところでも、事務局のほうから今後検討していくけれども、やはり用途が最終的に例えば下流で実際にどういうふうに利用されているかというのが、場合によっては想定をしていたものと違う用途になっている可能性があり得るかもしれないということも、たしか言及があったというふうに理解をしていまして、その意味で、私の趣旨はここのところで、届出・申出の際にきちんと情報を把握する。それはもちろん必要な点で、もう一つ制度の検討事項として、詳細は私、想定をしていませんけれども、検討される過程の中で実際のやはり用途・使用量をどういうふうに把握をするか、確認をするかという点については、やはり制度構築の中で検討していただきたいという意味で、その点を反映していただけないかという趣旨でございます。具体的な制度については、今具体的な案を全く私持っておりません。

 ありがとうございます。

○新美委員長 よろしいですか。

○新田化学物質審査室長 では、そこのところは考えさせていただければと思います。

○新美委員長 大分時間も過ぎています。御発言を、浅見さんと赤渕さんに順々でいただいて、その後鈴木さん、最後に菅野さん、よろしくお願いします。4人続けてということになりますが、よろしくお願いします。

○浅見委員 申し訳ありません。排出係数のお話がありましたけれども、やはりこれが1,000倍も違ってしまうと、今までの量よりも1,000倍ぐらい大きいものを出してしまうとか、そういうこともありますので、そういう点でも非常に重要な判断かなと思います。そういった意味でもフィードバックをかけながら実際の用途等をこの制度を運用していく中で見直しをしながらできるようにする制度を組み込んでいただければというふうに思います。

 もう一つは、高村先生のお話をお伺いしておりまして、確認という言葉が何度も出てきているんですけれども、実際に把握をするという意味で使われている場合と、やはりこの文章の中では、生産・輸入を認めるという意味で使われている場合が非常に一般的な用語と混在しているような感じがいたしまして、もし可能であれば生産輸入を認める、認めないというような言葉に置きかえていただけると、一般的にも理解しやすいのではないかと思いました。

 以上です。

○新美委員長 それでは、赤渕さん続けてお願いします。

○赤渕委員 もう既に各先生方から御指摘されたことの重複となりまして恐縮でございます。

 まず一つ目は、先ほど菅野先生や大塚先生から御指摘がございました4ページ目の下から二つ目のパラグラフの一番最後の点、我が国にはない独自のものといったところでございます。これは恐らくは価値中立的にお書きになったのだろうとは理解いたしますが、やはりこの文脈、特に合理化の文脈からこのような記述がありますと、やや否定的に受け取られかねないのではないかと思っておりまして、この点は恐らく御修正いただいたほうがよいのではないかというふうに考えております。

 前回のこの会合でも指摘をさせていただきましたが、この制度につきましては、産業活動を阻害するというネガティブな点がある一方で、その環境保全上にはそれなりのやはり役割ないしは効果を果たしてきたのであろうという、肯定的に捉えられるべき点も恐らくは存在するものであろうというふうに考えております。

 二つ目といたしましては、先ほど来、用途情報の正確な把握といったことが議論のトピックとして挙がっておりましたが、その点の重要性を私も繰り返しておきたいと思いますとともに、特に当初に届けられた用途から変更があった場合、これは今、浅見先生も御指摘ございましたが、当初用途から排出係数が大きくなるような用途に変更されるような場合には、特に問題となり得るのでありましょうし、もしここの点が正確に把握できないということであれば、今回のこの制度の合理化の前提が崩れかねないというふうに理解しておりますので、この点はぜひとも前向きに御検討いただきたいというふうに考えております。

 これは関連いたしますことでございますが、当初用途で使用されること、当初の望ましい用途で使用されること、あるいは望ましくない用途で使用されないことのカクコウがやはり重要でございまして、もしそれが果たされない場合、すなわち当初用途と異なる用途で使用された場合の取扱いをどうするかといったことは、今後、恐らく御検討していただく必要があろうかと思います。

 あとは望ましい用途ないしは望ましくない用途がこの流通の過程において適切に伝達されていくことも、恐らくは重要であろうかと思いまして、この点につきましてはこの場で庄野委員とか、古橋委員とか、産業界の方々がおいでいただいておりますが、産業界の方々の取組も大変重要になろうかと思いますので、その点、ぜひとも期待させていただきたいというふうに考えております。

 以上でございます。ありがとうございます。

○新美委員長 ありがとうございます。

 それでは、鈴木委員お願いします。

○鈴木委員 特に新しいことではございませんが、ここにいる先生方に申し上げる必要はないと思いますが、毒性情報、毒性の強度は大体物質によりますが、5~6桁の幅は通常あると思いますし、ここで議論している排出係数、ここで議論しているものも多分少なくても5桁ぐらいの幅はあると思いますが、単純に計算すれば、10桁、11桁の幅がある数字を扱うというふうになるかと。もちろんそれはさすがに制度としては非現実的な扱いになりますので、多分、そこまで考えることはできないと思いますが、ここで今、私たちが議論している制度というものは、原理的には10桁ぐらいの幅があり得るというリスクの可能性に対して、現実に扱うかという課題だと私は思っておりますので、その中で特に少量新規とこの低生産量に関しては、ほかの区分に比べれば少なくとも間違いなく限定的な情報をもとに管理を行うということになりますから、それを踏まえて実際に、私は排出係数について随分申し上げましたが、制度上いじれるところは多分多くのところはここかなと思っておりますので、そこについて数字をどう入れるかというところが実際にこの制度のキーになりますので、この数字いかんによっては実はこの報告書とは違う結果を生むことだって現実的にはできるものになっていると思いますので、この数字を入れるところがキーだということを、ぜひ念頭に置いてこの次の検討を進めていただきたいと思います。

○新美委員長 ありがとうございます。

 それでは、菅野先生、どうぞ。

○菅野委員 ありがとうございます。6ページの2段落目の確認を行わないことという件で、先ほど飛騨室長のほうから、一種のシミュレーションしたときの安全弁としても考えられるというお話があったと思うんですが、そういうことを考えるとこの条文は今後さらに重要になってくる要素を持っているかなと思うんですね。その場合、この第2段落の2行目の右端に、試験等から判断してという、判断してという言葉が条文に書いてあるわけですけれども、これを下のゴシック体で書かれた文章のどこで受けているのでしょうか。ここの、判断して、というところの主体が今後どこになるのか、お教えいただけるとありがたいと思います。

○新美委員長 ありがとうございます。

 では、四方の意見等にあわせて、まとめてお答えいただけたらと思います。

○新田化学物質審査室長 まず、浅見先生のほうから排出係数等、フィードバックしてという話、これは具体的に安全側に立った運用という中でも読み取れる話だと思いますし、当然、引き続き必要な見直しを行っていくというふうに思っております。

 あと、確認という言葉の話ですが、すみません、今、どれがどれと確認するのは。ちょっとまた見直してみたいと思います。

 そして、赤渕先生から、4ページの下のところですかね。欧米にはない我が国の独自のものであるというところ、これは事実関係として、数量調整をやっているのがこうだということでありますので、特に見直しというふうな言葉を入れたらいいかなと思うんですが、具体的にどういうふうな趣旨で見直したらいいか、ちょっとあれなんですけれども、ここは今の制度を説明しているところの中で、数量の調整値というのは我が国独自だということが趣旨であるので、特段、今のところからの問題は必要ないかなというふうに思っておりますけれども。

 あと、御指摘のところは、実際の運用の中で見直していく話、鈴木先生からも排出係数の話等ございましたけれども、これは検討の中でやっていく話だと思います。

 また、菅野先生からは、6ページの2パラ目の確認を行わないところの話でございますが、被害が生じるおそれがある場合には確認しない。これは今の制度の中でもあるものでございますし、これを引き続きやっていかなければいけないということで、あえて太字のところでいいますと、二つ目の丸のところですか、このような見直しに当たっては、両制度の特徴に応じて、引き続き安全側に立った運用についてということでございますので、引き続きこれも含めて安全側に立った運用をしていこうというふうに思っているところでございます。

○新美委員長 ありがとうございます。この2の問題について、最後に古橋委員、よろしくお願いします。

○古橋委員 少量新規・低生産量新規の用途分類でいいますと、実は電気・電子材料がどちらも割合が多いということで、今回の制度改正に関しては私どもも非常に事業上で期待をしているところであります。先ほど用途の届出だけではなくて、使用上もということもありましたけれども、少なくとも私どもに関しましては、例えばスクリーニング評価用の排出係数を用いる場合であれば、電気・電子材料というところでくくられておりますので、私どもに渡った場合にそれ以外に使うことはまずないということは言えるのではないかと思います。

 それから、先ほど今回少量新規・低生産量新規、それから有害性が特に強い物質、これに関して、特出しされている感があるというお話がありましたけれども、やはりその前提としましてはリスクの最小化という大方針があると思いますので、その辺をもう少しやはり明記されてはいかがかなというふうに思います。

 以上です。

○新美委員長 ありがとうございます。

 ただいまのはコメントということですので、特に事務局からあればお願いします。

○新田化学物質審査室長 表現のところですか、リスクの最小化という話、永田先生からのコメントもあったところなので、検討してみます。

○新美委員長 わかりました。

 それでは、2の少量新規化学物質確認制度等の見直しにつきましては、以上にさせていただきたいと思います。

 続きまして、3の毒性が非常に強い新規化学物質の管理について、御議論いただきたいと思います。先ほど少し触れられた方もいらっしゃいましたが、改めて御意見賜りたいと思います。意見がおありの方は名札を立てていただきたいと思います。

 では、小山委員、よろしくお願いします。

○小山委員 ありがとうございます。まず一つは、毒性が非常に強いという物質の定義をまず教えていただきたいということ。それから8ページのところでゴシックで書かれている部分は、努力義務、指導・助言、それから必要に応じて報告を求めるということで、我々からするとこれが確実に運用されていくのかということが非常にファジーな部分が多いのではないかというふうに感じられるところです。それを確実に運用していくんだということがわかるような御説明がいただければありがたいと思います。

 以上です。

○新美委員長 では、事務局からお願いします。

○新田化学物質審査室長 1点目の毒性が強いものの定義といいますか、これは今の新規の審査の中で、スクリーニング毒性、生態毒性試験の結果から見て、毒性が強いものを指定していくということになるかと思いますが、どこからが基準かといったところは、ちょっとまた改めて審査の会合等でも議論いただく必要があるかと思います。判断はやはり通常新規で出てきた試験結果から見て判断していくものというふうに思っております。

 あと、指導・助言、あるいは取扱い状況の報告、これは国がそういったこともすることができるというふうな規定の形になりますので、実際、必ずやるというものではないんですけれども、もしそういう毒性が強いものについて、取扱いの状況で懸念される、用途がこういうふうになっているとか、あるいは排出量が増えているとか、そういうふうな何かしらの状況があったときには、そういったことも行うということもあり得るかと思いますけれども、それはそういう物質の状況に応じて判断して、実際にはやっていく形になるというか、そういうことが今度からはできるようになるというふうに思っているものでございます。

○新美委員長 従来はそういう法的な根拠がなかったのをここにということですね。

○新田化学物質審査室長 そうです。

○新美委員長 ほかに御質問、御意見ございましたら。

 それでは、浅見委員お願いします。

○浅見委員 すみません、たしか前回の資料で、この情報については成形をして、例えば最終的に消費者の使うものをつくるようなところには、特に伝達はされないというようなお話だったかと思うんですけれども、それについてはここの中に当該化学物質を取り扱う事業者に対して、国が指導及び助言を行うというようなことが書いてありますが、これはやはり最終的な成形品のものを含まないという理解でよろしいでしょうか。できれば、先ほども電子部品のお話とかもありましたけれども、やはり最終的には皆さんが使って社会に出てということがかなり想定されるような製品も多いと思いますので、なるべく広い情報の伝達の方法というのを考えていただければと思います。

○新美委員長 では、事務局お願いします。

○新田化学物質審査室長 これは化審法の制度の中での見直しということになります。化学物質の取扱いの事業者に対しての措置という形になりますので、今の浅見先生の御指摘であれば、そういう製品をつくる事業者さんまでがこれの対象になるということになります。製品としてどうなのかというのは、そういう化学物質を使用している事業者さんのほうで適切な管理がなされる。そういう情報を踏まえた上で適切な管理がなされることになるかと思いますので、そういう製品の自主的な管理の向上ということに役立つ制度だというふうに思っております。

○新美委員長 よろしいでしょうか。

 ほかに、ではどうぞ。

○崎田委員 今の情報の伝達に関する関連で、この化審法の範囲を超える話ですが、前回か前々回にも申し上げましたけれども、ライフサイクル全体、化学物質とその後の化学品を含め、ライフサイクル全体での管理の徹底によるリスクの低減が、今非常に大事なところですので、そういうことにも資するような流れに持っていくというところをやはりしっかりと押さえていただくのは、これから大事だと思っています。

 なお、前回、東海座長が技術的に情報をつなぐことはできるのではないか、運用の段階でうまく取り組むということも重要ではないかとコメントをいただいたように覚えているんですけれども、そういう意味でこの制度改正の次の段階の運用の段階で、やはりそういう視点をちゃんと持っていただくというのが大事なのではないかと思っておりますので、よろしくお願いします。

○新美委員長 では、どうぞよろしくお願いします。

○新田化学物質審査室長 おっしゃられますように、今回、こういう毒性が強い物質についての情報伝達の努力義務を設けることになって、メーカーさんからその化学物質を使用して製品を製造する事業者さんまで、この物質は毒性が強いということがわかるようになります。それによりまして、自主的な管理、製品を取り扱う事業さんの管理が進むといったことも期待できますので、そういう意味ではライフサイクル全体のこういう毒性が強い物質も、リスクの削減にも役立つものだと思っておりますし、ぜひそういった形でも活用していただけるよう、事業者さんのほうにもいろいろ御協力をお願いしていきたいというふうに思っております。

 あと、技術的に情報をつなぐという話、これも今回、こちらの制度のほうで取扱い事業者に対しての情報伝達が進みますので、それを活用した形でさらに広がるようなことは、これは事業者さんにもやはり御協力を求めていきたいというふうに思います。

○新美委員長 鈴木さんお願いします。

○鈴木委員 一応、確認というか、質問ですが、この情報伝達の内容というのは、具体的にはどういうようなことが、単に特定新規化学物質であるということだけが伝達されるのか、関連する附帯的な実際の情報が伝達されるのかというような事柄についてお尋ねしたいというのが1点。

 似たことですが、もし国が事業者に対して指導及び助言等を行った場合は、ある事業者さんが受けた指導及び助言というものの内容も同じように、それは状況によるかもしれませんが、下流側の事業者さんに対して、伝達を引継がれるものなのかどうかという点をお尋ねいたします。

○新美委員長 それでは、よろしくお願いします。

○新田化学物質審査室長 化審法の中での情報伝達は、これは毒性が強い物質なんですということになるかと思います。もちろんそれとあわせて、取扱い方法の注意などを情報伝達していただくよというのは、これは事業者にもいろいろお願いをしていかなければいけないことなのかなというふうに思っております。

 もう一点のほうなんですけれども、毒性が強いものということでありますので、そのフォローアップはしていくことになります。その指導及び助言なんですけれども、具体的には国から取扱い事業者のほうに伝達する話でございますので、それをほかに広めていくというのは、それは多分その状況に応じてだと思います。これは具体的には国からの措置ができるというふうな規定でありますので、その場その場でどういったものをやるかというのは、いろいろなものは想定され得るので、その内容を見て考えていくことになるんだというふうに思います。

○新美委員長 よろしいでしょうか。

○鈴木委員 今のお答えで一応あれしましたが、多分、状況に応じてだということは私も多分そうだろうと思いますが、状況に応じては適切な附帯的な情報も伝達できることについて御検討いただければと思いますので、よろしくお願いします。

○新美委員長 菅野さん、よろしくお願いします。

○菅野委員 今の御質問、コメントとちょっとかぶってしまうんですが、業界さんのほうに流れれば、それは特に電子部品などはしっかり最終の国外まで関係するe-wasteまで目が届くのであろうと思うのですが、国内での、化審法はここまでで、次は大気汚染防止法、水質汚濁防止法とか、いろいろ他法令がありますが、そちらのほうへの伝達というのはどうなっておりますでしょうか。例えば一特、二特だとある意味自動的に伝達が行くようになっていますよね。

○新田化学物質審査室長 それは政令で指定しますので。

○菅野委員 こちらの特定新規化学物質という情報は、それに類似したような形で、国がほかの委員会とか、関係する化学物質を扱っているところに、瞬時にとは言いませんけれども、きちんと伝わるようなことを考えておられますでしょうか。そういう情報の流れも多分重要なのではないかと思うのですけれども。

○新田化学物質審査室長 現時点では、即座にと想定しているとは思っていませんけれども、状況に応じてだと思います。具体的にはこれは環境排出量の小さいもの、優先評価物質にならない環境排出量の小さいものでありますので、即座にほかのところで対応が必要なものかという、当たる可能性としてはちょっと低いのかなと思います。環境排出量が多ければ優先評価化学物質ということで指定されて、そういうふうな管理がなされるものだと思いますので、それより小さい範囲のものでありますので、まず事業者のほうで管理してくださいということでございます。

○菅野委員 そういう回答は予測できるんだけれども、業界さんにお願いしたことと差が出てしまう、ライフサイクルまでというお願いを今ある意味したわけですが、それに対して国の内部での伝達のほうは「量が少ないから、多いから」で、流れ方が変わるというのはちょっとバランスが取れていないのかなと思った次第です。

○新田化学物質審査室長 これは新規化学物質を対象にしてと思っていますので、申出してきたメーカーのみが製造・輸入できる。そこから流れていくというものでありますので、申出されたメーカーを発信地として情報伝達していけば、ユーザーのほうにも広まっていって、それぞれのところで実質的な取扱いを進めていただければというふうに思っているものでございます。そこからさらに大気とか水質とかに連絡する必要があるかどうかというのは、よほど物質の性状が毒性が強いとか、あるいは大気とか水に流れやすいものとかというのはあり得るのかもしれませんけれども、今の時点でこういったものがそうだというふうに言える状況ではないんですね。そこは見ながら、そういう可能性があるというふうなことではないかと思います。

○菅野委員 ありがとうございます。実を言うと、その裏には一般物質になった後もという一文が書いてあって、これは非常にいいことだなと思っていたものだから、それとの関係でそれだったらさっさとお知らせしておいたほうがいいんじゃないのという、そういう面もあったんですけれども、そこは事情は了解しました。どこかで流す必要が出てくるのではないかということはありますよねという、そういうコメントです。

○新美委員長 ありがとうございます。

 それでは、庄野さん、よろしくお願いします。

○庄野委員 ありがとうございます。産業界として基本的に今回の毒性が非常に強い新規化学物質に関する具体的な措置については、一応基本的には同意した形でできるだけ協力し、さらに必要な情報を必要ないわゆるサプライチェーンに流していく工夫を、自主的努力でやっていこうというふうに考えています。

 我々もはっきり言いまして、新規でもしそんなリスクが出てきたら、それはユーザーさんに対してそれを全く伝えないというようなことは、道義上も責任上もできないので、それはどういう形でうまく適切にむしろ伝えていくことができるか、末端まで持っていけるか、そういうことを我々としては取り組んでいく必要があると考えています。

 ただ、既存に関しましては、既存の前に例を出していただいたときは、確か生態影響へのPNECの値で、かなりシビアなデータを出していただいておりますけれども、先ほどの小山先生の御質問にもあるんですが、いわゆる特定の化学物質の定義というのをある程度明確にしておく必要があるような気がします。特に前から出していただいているのは、例の点取り表というか、あの例でいきますと、クライテリアの毒性に関して人健康毒性はクライテリア2、それから生態影響はクライテリア1ぐらいのところが赤で囲まれていたというふうに思っていますけれども、我々のイメージとしてはそれか、あるいはそれ以上のところの毒性が出てきたものは、やはりそれなりの対処をしなければいけないと思っていますので、それをどう考えるかなんですけれども。ただ、既存化学物質の一部は、生態影響のデータが義務づけられていない時期のものもあると思うんですよね。だからその辺の運用とか、それから進め方、あるいはこういった物質の取り上げ方については今後進め方を十分我々としても相談させていただいて、ベストウェイを目指していただきたいというふうに思っています。

 以上です。

○新美委員長 ありがとうございます。

 何か事務局からありますか。

○新田化学物質審査室長 既存化学物質については、資料の9ページのところにありますように、毒性等を把握できているもの、強いもの、毒性が強いとわかっているものについて掲載して周知していくというような形になります。具体的には事業者さんにもよりよい管理などの御協力をいただいてというふうにしておりますけれども、その進め方、またいろいろ御相談させていただくというふうに思っています。

○新美委員長 ありがとうございます。

 大塚さんどうぞ。大塚さんはこのテーマについての最後の発言者にしておきます。

○大塚委員 先ほど来、浅見委員等がおっしゃったように、消費者のほうまで本当は行くような、情報が伝達できるような仕組みに法律上もしていただいたほうが本当はいいと思いますので、化審法の中でやるので改正するということですので、ちょっと限界があるということかと思いますけれども、水銀等もそういうことは現在、現にやっていますので、やれないことはないと思うので、将来的課題ですけれども、ぜひ御検討いただけるといいと思います。

 それから質問ですが、ちょっと基本的なことで恐縮ですけれども、情報伝達のその努力義務の情報伝達の内容ですけれども、これは基本的なことで恐縮ですが、SDSとの違いの情報は、環境影響のところが違うというふうに考えればいいんですか。追加する情報がどういうふうになるかということ、ちょっと関係をここで確認させてください。

○新美委員長 それでは、よろしくお願いします。

○新田化学物質審査室長 今の御質問の件でございますが、今、化審法の優先評価化学物質につきましては、取扱い事業者に渡すときにはこの物質が優先評価化学物質ですというふうなことを伝えるよう努力義務がある。それに準じ、これについてもこの物質がこの特定新規化学物質というふうに、毒性が強いものですと伝えていただくというふうな制度で考えております。

○大塚委員 それ以外はあまりSDSとあまり変わらないということなんですか。

○新田化学物質審査室長 そうですね。物質について、この物質が特定新規化学物質と伝えていただくという努力義務を設けようというものでございますので。

○新美委員長 よろしいでしょうか。

 それでは、項目の3については、以上にしておきたいと思います。次の御議論をいただきたいのは、第4項目のその他関連事項についてでございます。御意見ございましたらよろしくお願いします。よろしいでしょうか。

 それでは、菅野さんよろしくお願いします。

○菅野委員 本来は、第1のところでコメントすべきだったのかもしれないんですが、このメジャーな2点以外に、例えばナノマテリアルですね。これはどうしても積み残ってしまうのですけれども、ぜひ化審法でどう扱われるのか、何とかしていただけるといいのではないかと思います。2020年までにどうこうというのは無理なのかもしれないんですけれども、でも国際的には逃げて通れないような気がするもので。

○新田化学物質審査室長 それも含めまして、1ポツの3ページのところの下にありますように、昨年度の予備的な検討でいろいろな指摘事項が出されていますので、そういったものについて、引き続き検討していくというふうに思っておるところでございます。

○新美委員長 問題意識がないわけではないということですね。その点はできるだけ機会を捉えて議論をしていくということになろうかと思います。

 ほかに御質問、御意見ございましたらよろしくお願いします。

 どうぞ、庄野さんお願いします。

○庄野委員 先ほど2のところで、3のところも少しコメントしてしまったんですけれども、やはりちょっと先ほどからいろいろ御議論ありますけれども、この化審法とほかの法律との整合性みたいなことをやっぱりうまく組み合わせないと、本当の意味でのリスク管理、リスクの最小化にはつながらない。先ほどの御議論からあったと思いますけれども、やはり化審法というのは我々のイメージからすると、PCB、水俣病に端緒をなす一つの世界的にもあまり、私から言わせれば類を見ないタイプの化学物質の管理方法です。だからやはり、それは日本独自の中でこれをうまくほかの法律と組み合わせて対応していく必要があるような気がします。

 特に既存化学物質につきましては、この毒性が非常に強いという話でありますが、例えば人健康毒性で28日間で非常に低いものであれば、急性毒性とか、ほかにもかなりの影響が出ているはずですので、こういったものがほかの法律とある程度リンクされているのかどうか。ここで本当にそれをやらなければいけないのかどうかということも、改めてまた今後の議論とさせていただきたい。業界としても相談させていただきたいと思います。これは全般的な意味でのリスク管理をどうしていくかという御議論だと思います。

○新美委員長 今のは大変前向きな御指摘だと思います。今後化学物質を扱う場合には、非常に重要な視点だと思いますので、事務局としても肝に銘じておいていただきたいということだと思います。

 ほかに御意見、御質問ございましたら。

 それでは、どうぞ及川さん。

○及川委員 ありがとうございます。伝達された情報に従って適切に取り扱うべきことについて、事業者の自主的取組について、会員に周知徹底するように促すというふうに書いてございます。特に中小企業の団体の自主的な取組も進んでいるところでございます。特に小さな小規模事業者についての周知徹底について、私ども中小企業団体としても、これについて前向きに支援とあと周知をしていきたいというふうに思っております。

 以上です。

○新美委員長 どうもありがとうございます。これも中小企業等の観点からの御意見であるというふうに承っておきます。

 ほかに御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 では、項目の4につきましても、御議論いただいたということで、皆様から大変貴重な御意見を賜りました。

 本日いただいた御意見をもとに、必要な修正を行い、報告書(案)を取りまとめるということとさせていただきたいと存じます。なお、本日いただいた御意見をどのような形で本文に書き込むのかという点は、東海座長と私とにお任せいただき、事務局に作業をさせるということでいかがでしょうか。それでよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。それでは、そのような手順で作業を進めてまいりたいと思います。

 それでは、続きまして議題2、その他というところでございますが、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

○百瀬室長補佐 それでは、まず本日の配付資料につきまして、速やかに各省のホームページに掲載をします。また、議事録につきましても事務局でこれから原案を作成いたしまして、先生方に御確認をいただきました上で、同様にホームページに掲載をする予定でございます。

 また、次に今後の予定でございますけれども、本合同会合の報告書案につきましては、その内容について広く国民の皆様から意見や情報を募集する観点から、今後、座長に御確認いただいた上で、パブリックコメントを実施することとしたいと考えております。なお、パブリックコメント終了後の対応につきましては、座長、委員長と相談の上、決定させていただきたいと思います。皆様に事前に御相談させていただくこともあるかと思いますので、その際にはよろしくお願いいたします。いずれにしましても、スケジュールとしましては、最終的な報告書を年度内にまとめるべく、進めていきたいと考えているところでございます。

 事務局からは以上でございます。ありがとうございます。

○新美委員長 ただいま事務局から御説明がありましたように、今後の予定の進め方につきましては、皆様と相談することもあり得ますけれども、東海座長と私とにお任せをいただきたいというお願いでございますが、いかがでしょうか。

 必要があればもちろん皆様に御相談させていただきたいと考えておりますが、このような対応でよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○新美委員長 ありがとうございます。それではそのようにさせていただきたいと思います。

 本日の議題は以上でございます。今回が本会合の一段落ということになりますことから、経済産業省の佐藤製造産業局審議官、それから環境省の立川環境安全課長より、それぞれ御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○佐藤製造産業局審議官 経産省の佐藤です。今日は本当に長い時間、活発な御議論どうもありがとうございました。

 今回の委員会ですけれども、9月26日、そのときは私も出席させていただいたと思いますけれども、今日まで約3カ月ということで、いろいろ御指摘ありましたが、大きな流れの中で、今すぐにやらなければいけないことを中心に、御議論していただいたということでありまして、化審法の見直しに係る基本的な方向性を報告書でお示しいただいたのかなと思っております。本当に感謝申し上げたいと思います。

 そのときも申し上げましたけれども、実は化審法全体の見直しというのは、今年3月までの間で、ここにおられる多くの先生方に御参加していただきました総括的な報告書でまとめられたわけでございまして、それを見ながらそれを横にしながら、全体的な流れというものを踏まえて、御議論をいただこうという努力をさせていただいたつもりでございますけれども、今日いろいろまた御意見もいただきましたので、小委員長、それから座長と修正等についてはしっかりと御相談をさせていただきたいと思っているような次第でございます。

 報告書がまとまりましたら、政府部内の各省庁がしっかりと連携して、報告書に記載された事項について、これはきちんと検討、そして実施を進めていくこと、これはお約束をさせていただきたいと思いますし、また今日も御議論ありましたけれども、法律の改正が必要な部分については、これはこれからの国会等々の審議等も見ながら、関係者の理解を得られて、そして制度がしっかりと改善されるということになるように、私ども全力を尽くしてまいりたいと思うような次第でございます。

 また、御指摘いただきましたそのほかの3月の報告書等に書かれている課題についても、これは技術的な課題も含めて、これから私ども各省庁連携し、あるいは役割分担をして、委託調査などをして勉強を進めていきたいと、これも思っておりますし、そうした取組を通じて化審法が環境汚染を防止しつつ、化学物質に係る産業の発展にしっかりと関わるよう、両立がなされるよう、制度であり続けるよう、これからも見直しをしていきたいなと思うような次第でございます。そして最後に、この改善なされた点については、今日皆さんに本当に御指摘をいただきましたけれども、まずはしっかりと実施をして、それから国民の皆さんを含めて幅広く社会に周知をするということを、これもお約束しておきたいと思います。本当に今回は大変活発で、また非常に本質的な御議論をしていただきましたことを心から感謝申し上げます。

 どうもありがとうございました。

○立川環境安全課長 環境省の環境安全課長をしております立川と申します。本来であれば私どもの環境保健部長の梅田が一言御挨拶すべきところであったのですが、今日はあいにく福島県の県民健康調査の検討会に行っておりまして、私がかわりに先生方に本当にお世話になったということを伝えていただきたいということを仰せつかっております。

 先生方におかれましては、この化審法見直しの審議会でありますけれども、今年の9月から熱心に御議論いただいたところであります。また、それに先立つこと昨年の8月の末から経産省さんと一緒にこの時の検討会、施行状況検討会という名称でしたが、そういったものをやらせていただきまして、そこでも本当に活発に御議論いただきました。お陰様で本日、一定の方向性ということで、今後新規化学物質の審査特例制度におきます全国上限値を安全側に立った設定・運用を前提といたしまして、製造・輸入予定数量から環境排出量に変更するということ、そして毒性が非常に強い化学物質を取り扱う事業者に対する取扱いの注意を促す制度を導入するということで、一定の方向性をいただきました。

 化審法につきましては、これから今、佐藤審議官が御挨拶されたように、来年の通常国会へ向けていろいろな作業をさせていただくということになろうかと思います。そうした中でまた先生方にいろいろ御指導賜ること、多々出てくるかと思います。

 いずれにいたしましても、化学物質については今日は化審法について御審議いただいたところでございますけれども、サプライチェーンの中を動くという中で、安全性を確保しつつ便益を享受する。このためにどういうふうにやっていくかということで、まだまだいろいろ考えていかなければいけないことはあるんだと思っております。私どもといたしましては、経産省さん、それから厚労省さん、こうした関係府省と連携し、また業界の方々、それから学識者の方々、NPOの方々、そうしたいろいろな方々の御指導をいただきながら、化学物質による悪影響、これをちゃんと未然に防止して便益を享受すると、こういったことに力を入れてまいりたいと思っております。

 本日、いただきました御指導については、また両座長と相談させていただきまして、しっかり反映させてまいりたいと思います。

 本日は本当にありがとうございました。

○新美委員長 佐藤審議官、立川課長、御挨拶ありがとうございました。

 委員の皆様におかれましては、この3カ月間、化審法の見直しに関しまして積極的に御議論いただきまして、大変ありがとうございました。

 以上をもちまして、本日の第3回見直し会合をもって一区切りとさせていただきたいと思います。

 どうも長い間、ありがとうございました。