平成29年度第9回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会 平成29年度化学物質審議会第4回安全対策部会 第181回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会議事録

1.日時

平成30年1月19日(金)14:00~15:02

2.場所

中央合同庁舎5号館 12階 専用第15会議室

3.出席:(五十音順、敬称略)

薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会委員

石田 誠一     小川 久美子    菅野 純

鈴木 勇司     高橋 祐次     田中 博之

能美 健彦(座長) 平塚 明      平林 容子

広瀬 明彦     

化学物質審議会審査部会委員

浅野 哲      石井 一弥     大石 美奈子

亀屋 隆志     小林 剛      恒見 清孝

東海 明宏     原田 房枝     林 真(部会長)

中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会委員

青木 康展     石塚 真由美     菅野 純

日下 幸則     小山 次朗      白石 寛明(委員長)

鈴木 規之     田辺 信介      山本 裕史

吉岡 義正     和田 勝

事務局

厚生労働省  渕岡化学物質安全対策室長

経済産業省  飛騨化学物質安全室長

環境省  新田化学物質審査室長 他

4.議題

(1)優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価IIにおける評価等について

    審議物質①:-メチルカルバミン酸2-sec-ブチルフェニル(#158)

    審議物質②:-ジメチルホルムアミド(#27)

 (2)一般化学物質の優先判定について

 (3)中鎖塩素化パラフィンに副生している短鎖塩素化パラフィンの取扱いについて

 (4)その他

5.議事

○MHLW事務局 それでは、時間がまいりましたので、ただいまから「平成29年度第9回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会 平成29年度化学物質審議会第4回安全対策部会 第181回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会合同審議会」を開催したいと思います。

 本日は、いずれの審議会も開催に必要な定足数を満たしており、それぞれの審議会は成立していることを御報告いたします。

 本合同審議会は、第一部と第二部に分けて実施いたします。14時~15時30分までを第一部として優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価IIの審議等を公開で行います。終了後、休憩を挟みまして15時50分より第二部を行う予定としております。よろしくお願いいたします。

 続きまして、本合同審議会開始前に、厚生労働省事務局から所属委員に関して薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について御報をさせていただきます。

 同規程第11条におきまして、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定しております。

 今回、全ての委員の皆様より、同規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、その旨、御報告をさせていただいております。

 委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう何とぞよろしくお願いをいたします。

 それでは、まず最初にお配りしている資料の確認をさせていただきたいと思います。今回は、ペーパーレス化の観点から参考資料とさせていただいているものについてはパソコンに入れさせていただきまして、資料本体のほうについては紙でお配りをさせていただいております。お手元に配らせていただいている資料を御確認いただきますようお願いをいたします。

 まず、一番上に議事次第ということで、第一部の議事次第がございます。

 その下、配付資料といたしまして、議題1の審議物質マルイチに関する資料といたしまして、資料1-1と資料1-2、資料1の参考1と資料1の参考2につきましてはパソコンの中に電子媒体で保存をさせていただいております。

 続きまして、配付資料として議題1、審議物質マルニに関する資料といたしまして、資料2-1、資料2-2、資料2-2の参考1、参考2についてはやはり電子媒体にさせていただいております。

 続きまして、議題2の資料として資料3をお配りさせていただいておりまして、資料3別紙1につきましては電子媒体のほうに入れさせていただいております。

 引き続き、議題3に関する資料として資料4をお配りいたしておりまして、資料4の参考資料は電子媒体に送らせていただいております。

 最後に、全体の参考として参考資料1~参考資料3までございまして、委員名簿や議事ガイダンス等々まとめて電子媒体としてやはりパソコンの中に入れさせていただいております。

 資料のほうは過不足、パソコンが開けない等、問題がありましたら随時お知らせいただけますようよろしくお願いをいたします。よろしいでしょうか。

 それでは、これより議事に入らせていただきたいと思います。本日、全体の議事進行につきましては化学物質調査会の能美座長にお願いいたしたいと思います。

 能美座長、どうぞよろしくお願いいたします。

○能美座長 それでは、これより議題に移らせていただきます。

 初めに、本日の会議の公開の是非についてお諮りいたします。各審議会の公開につきましてはそれぞれ規定のあるところでございますが、「公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合又は特定な者に不当な益若しくは不利益をもたらすおそれがある場合」等、非公開とするべき場合には該当しないと考えますので、原則、公開といたしたいと思います。

 ただし、営業秘密等に該当する場合は秘匿することを認められていることといたしたいと思います。よろしいでしょうか。

(委員 異議なし)

○能美座長 ありがとうございます。それでは、本日の会議は公開といたします。

 議事録につきましては、後日ホームページ等で公開されますので、あらかじめ御承知おきください。

 それでは、まず、-メチルカルバミン酸2―sec―ブチルフェニルの評価、または158番の評価の生態影響の観点でのリスク評価IIの評価結果及び今後の対応について、事務局より説明をお願いいたします。

○METI事務局 それでは、まず資料1-2、リスク評価簡易版をごらんください。

 めくっていただいて1ページ目、評価対象物質は-メチルカルバミン酸2―sec―ブチルフェニルで、今後はフェノブカルブと呼ばせていただきます。その構造等が、まず記載されています。

 続きまして、暴露評価に用いました物理化学的性状、濃縮性及び分解性のデータでございます。これらは、平成29年9月11日の物化性状レビュー会議にて専門家の方々にレビューしていただき、了承された値でございます。

 特に述べておくとすれば1ページの一番下段、1-オクタノールと水との間の分配係数(logpow)ですが、2.67という値を今回は評価で用いております。

 続きまして、ページをめくっていただきまして3ページ目ですが、「排出源情報」でございます。化審法の製造輸入量の届け出につきましては図1に示しましたが、ここで平成24年度と25年度の間に波線が見られます。これは、平成25年度に、当該物質が優先評価化学物質に指定されましたので、それ以降は優先評価化学物質の届け出として、それ以前は一般化学物質の届け出を集計したものでございます。

 それから、表4でございますけれども、特に平成27年度を代表させまして、出荷数量と推計排出量及びどんな用途に使われているかということをまとめたものでございます。ごらんになってわかるように、用途としては殺生物剤、具体的にはシロアリ駆除剤でございます。

 次に4ページにいきまして、図にPRTR制度に基づく排出量等の経年変化を掲載しております。排出・移動量も化審法の届け出と同様に減少傾向が見られます。

 排出源情報としては、以上になります。

○MOE事務局 続きまして、有害性評価について御説明をいたします。

 先ほど経産省から説明がございましたとおり、オクタノール水分配係数は2.67でございますので、本物質に関しましては底質への移行等は行われないと考えまして、底生生物に関する有害性評価を行う物質には該当しませんで、水生生物のみを実施をしております。

 PNECwaterの導出に利用可能な毒性値といたしましては、表6にお示しをするとおりでございます。本表を見ていただきますとおり、栄養段階(生産者)、一次消費者に対する慢性毒性値のうち、小さな値である0.00030mg/Lがキースタディの候補となっております。

 本物質等、作用機作が同じで、急性毒性値も近似をしておりますカルバリル等の栄養段階間の毒性値の違い等を参照いたしまして、本物質に関しましては魚類の慢性影響に関するデータが得られておりませんけれども、通常ですと得られていない場合、種間差の「5」というものをとりますが、これらの比較の結果から、本物質が甲殻類に特に影響が強い物質であるということは明らかであるということを考えておりまして、種間差の「5」は用いないこととしております。

 その結果、慢性影響から得られた0.0003mg/Lと、二次消費者の急性毒性値9.78mg/LをACR急性慢性毒性比の「100」で除しました0.0978、これを比較いたしまして小さいほうの0.0003mg/Lを採用いたしました。

 さらに、室内から野外への外挿係数「10」で除しまして、フェノブカルブのPNECwaterといたしましては0.00003mg/L、0.03μg/Lとしております。

 有害性情報のまとめに関しましては、表7にお示しをするとおりでございます。

○METI事務局 続きまして6ページ、リスク推計結果になります。

 排出源ごとの暴露シナリオによる評価は、化審法の届け出情報、PRTR情報、それぞれで推計しておりますが、いずれの場合もリスク懸念箇所はありませんでした。

 その1例として、PRTR届け出情報を用いた場合のPRAS-NITEによる評価を行った結果を表8に示してあります。仮想的排出源が12に対して、リスク懸念箇所はゼロ箇所です。

 排出源ごとのシナリオについては、以上です。

○MOE事務局 続きまして、さまざまな排出源の影響を含めた暴露シナリオによる評価について御紹介いたします。

 PRTRの届け出外排出量推計を用いまして、さまざまな排出源の影響を含めた暴露シナリオによる推計モデル、G-CIEMSと申しますけれども、それにより水質濃度の計算を行いまして、水域における評価対象地点、3,705流域のリスク評価を行っております。推計結果は、以下の表9のとおりでございまして、PEC/PNECの比が1以上となるのは1,104流域ございました。

 1枚めくっていただきまして、なおフェノブカルブの排出量のうち、PRTR届け出外推計における農薬に関しましては化審法の適用範囲外であることから、こちらを除外した計算も行っております。

 これに関しまして、表の10にお示しするとおりでございまして、PECがPNECを上回った、1以上であった地点というのは683地点ございました。

 続きまして、「5-3 環境モニタリングデータによる評価」でございます。

 直近の5年及び過去10年のフェノブカルブの水質モニタリング濃度をもとに評価を行っております。結果は、表の11にお示しをするとおりでございます。直近10年でPEC/PNECが1以上となる地点に関しましては、過去10年では16地点、延べ数では45地点存在をしております。

 なお、本物質に関しましては冒頭に見ていただきましたとおり、経年変化が多少見られておりますので、年度別のPEC/PNEC1超過地点数についても表12にお示しをしているところでございます。

 1枚めくっていだきまして、「追加調査が必要となる不確実性事項等」ということで御紹介をいたします。

 本物質に関しましては、さまざまな排出源の影響を含めた暴露シナリオによる評価で、PECがPNECを超える地点が見られました。

 ただし、PRTRの届け出外データを用いておりますことから、排出源ごとの排出量及び位置については統計情報から割り振りを行って計算をしたものであるということでございます。

 また、環境モニタリングに関しましては、PNECを超過した地点が直近10年で16地点見られております。これらのモニタリング結果には、化審法の適用範囲外である農薬の影響が含まれると考えられます。

 また、化審法の適用対象とその他を分けてシミュレーションを行った結果、化審法適用対象の用途における当該物質の使用によりPNECを超える濃度になると予測された地点では環境モニタリングデータが十分に得られておりません。

 それでは、資料の1-1にお戻りください。評価結果について御紹介をいたします。

 フェノブカルブについて生態影響にかかる有害性評価といたしまして、既存の有害性データから水生生物に対するPNECwaterを導出いたしまして、暴露評価として化審法の届け出情報、PRTR情報等に基づく予測環境中濃度の計算、環境モニタリングによる実測濃度の収集整理を行いました。

 リスク評価としてこれらを比較した結果でございますけれども、環境モニタリングデータによるリスク推計結果及びさまざまな排出源の影響を含めた暴露シナリオによる評価で、PECがPNECを超える地点が見られております。

 また、製造輸入数量の経年変化は平成23年度以降ほぼ横ばいでございましたが、直近の年度では減少が見られております。

 このことから、現在推計される暴露濃度ではフェノブカルブによる環境の汚染により、広範な地域での生活環境動植物の生育、生息、もしくは生育にかかる被害を生ずるおそれがないとは言えないと考えられます。

 他方ですが、環境モニタリングについて、PECがPNECを超えた地点の多くは化審法適用除外用途である農薬の影響もあると考えられますので、要因の特定と化審法用途からの寄与分を把握するには至っていないと考えられます。

 また、農薬以外の化審法の適用用途由来によるPNECを超える濃度となると予測された地点では、環境モニタリングによる実測濃度が1データ得られているのみでございます。

 この1データに関しましては、PECがPNECを1は超えていないという状況となっております。

 このように、環境モニタリングデータに不確実性がございますので、評価2の判断の根拠に足る暴露評価結果が得られていないと判断いたしまして、化審法適用用途の寄与分を把握することが可能な環境モニタリング地点を選定した上で追加のモニタリングを行うことにより、当該地点による暴露状況を把握いたしまして、再度審議に諮ることとさせていただきたいと考えております。

 資料の1系統については、以上でございます。

○能美座長 御説明はこれでよろしいですか。

 ありがとうございます。それでは、今の事務局の説明について御質問、御意見がございましたら、お手元のネームプレートを立ててください。順次、指名させていただきます。また、会場が広いということがございまして、御発言の前に恐縮ですけれども、氏名を名乗っていただけますと議事録作成時に助かりますので、お手数をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、どなたか御質問あるいは御意見等がございましたらよろしくお願いします。

 どうぞ、石塚先生。

○石塚委員 北大の石塚です。

 フェノブカルブのモニタリングについてちょっとお尋ねしたいんですけれども、農薬由来だとかなり季節変動があると思うのですが、モニタリングのほうは一定の時期が決められたモニタリングになりますか。

○MOE事務局 夏と秋ごろのものがございまして、特に超過しているのは夏ごろのデータということになります。

○石塚委員 わかりました。ありがとうございました。

○能美座長 ほかにはどなたかございませんでしょうか。よろしいですか。

 吉岡先生、どうぞ。

○吉岡委員 法律上の区分において、農薬と、それから化審法の化学物質ということに分けて評価しているという形になります。

 でも、現実の環境中におきましては両方が当然混在するということがあり得るのですけれども、農薬でもオーケー、化審法でもオーケー、でも現実には影響が出るというような場合のコントロールの仕方といいますか、そうしたものはどのようにお考えでしょうか。

○MOE事務局 この結果につきましては、農薬の担当部局に伝達をすることとしております。それで、今後のモニタリングに関して、まずその農薬の部局と協力しつつ進めていって、その結果を見てどうあるべきかということを考えるということかと思います。

○能美座長 林先生、どうぞ。

○林部会長 林ですけれども、今の御質問に関してですが、やはりこの場合、農薬とそれ以外の化審法でコントロールされるべきものとの実際の暴露を本当にすみ分けて評価するというのは非常に難しいことだと思いますし、農薬のほうで一応これは認められて使用されているものなので、化審法との線引きが違うようなことになると、これは少し法的にも問題になるのではないかと思います。

 これまでも指摘はさせていただいているんですけれども、このようなものについてもう少し大局的な見地からの検討を進めていくのがいいのではないかと考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

○能美座長 小山先生。

○小山委員 この問題でひとつ大きいのは、化審法で言っているいわゆる無影響のPNEC、それと農薬取締法のほうで言っているPNECという言葉でいいのかどうかわかりませんが、そこにかなりの違いがあるのではないかと思われます。ですから、将来的にはこれを一元化するような方向で御検討いただければ幸いです。以上です。

○能美座長 恒見先生、よろしくお願いします。

○恒見委員 恒見です。

 モニタリングを今後行うということは、結論としては妥当だと思います。そのときに先ほども御指摘がありましたけれども季節変動、農薬だけじゃなくて、やはり殺虫剤も多分、季節的に使う時期と使わない状況というのもあると思いますので、そういう季節変動だとか、地点のほうは考慮されるということですけれども、やはり農薬の余り使われない地域、大都市なんでしょうか、そういうところでも地方と都市の違いというのも見ていただければいいのかなと思います。以上です。

○能美座長 よろしいでしょうか。

 それでは、基本的にはただいま事務局のほうから説明していただいた評価、対応というふうにさせていただきたいと思いますけれども、将来的な問題として農薬に由来する化学物質による環境に対する影響、それと一般化学物質による環境に対する影響、それをどういうふうにしてあわせて評価して安全な環境をつくっていくか。それは環境省が中心になるかと思いますけれども、今後の課題として十分に考えていただきたいと思います。特に、これはそういう意味では非常によいと言ったら言葉は悪いかもしれないですけれども、例になるのではないかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、続きましてN,N-ジメチルホルムアミド評価、または27番の評価の人健康影響の観点でのリスク評価IIの評価結果及び今後の対応について、事務局より説明をお願いいたします。

○METI事務局 それでは、資料2-2をごらんください。N,N-ジメチルホルムアミドのリスク評価書簡易版でございます。

 ページをめくっていただきまして1ページ目、今回の評価対象物質はジメチルホルムアミドです。その構造式等が記載されています。

 続きまして、2ページ目から3ページ目にかけて暴露評価に用いました物理化学的性状、濃縮性及び分解性のデータでございます。これらは、平成29年9月11日の物化性状レビュー会議において専門家の方々にレビューしていただき、了承をされた値でございます。

 続きまして4ページ目ですが、「排出源情報」でございます。このN,N-ジメチルホルムアミドですけれども、図1には化審法の製造、輸入数量の届け出の推移を示しています。製造輸入数量は、約2万トンから3万トンの間で変動しています。

 表4には、届け出のある用途及び出荷数量、推計排出量等を示してあります。この物質の排出に主に寄与しているのは、用途番号07番の工業用溶剤と推計されております。

 続きまして5ページ目、図2になりますけれども、PRTR制度に基づく排出量等の経年変化を掲載しております。排出・移動量は平成22年度以降、横ばいでございます。

 排出源情報といたしましては、以上となります。

○MHLW事務局 続きまして、有害性評価について御説明いたします。まず、資料の説明を始める前に一言、補足申し上げます。

 昨年の3月の審議会において、化審法に基づく優先評価化学物質のリスク評価の基本的な考え方及び優性評価化学物質のリスク評価の指標についての改定案について御審議いただきまして御了承いただいたところです。

 御了承いただきました概要といたしましては、今まで評価Ⅱの有害性評価については、エンドポイントごとに精査した有害性評価値を導出することとしておりましたが、それを有害性項目ごとに精査し、原則としてリスク評価に用います単一の有害性評価値を導出する方法に改めるものでございます。この御了承いただきました内容を踏まえまして、今年度からリスク評価について行っているところでございます。補足は、以上になります。

 続きまして資料2-2、6ページ目の4の「有害性評価」の部分について御説明いたします。

 N,N-ジメチルホルムアミドの有害性について、一般毒性、生殖発生毒性、発がん性の毒性データを比較検討した結果、肝臓への影響が最も低い用量から発現しておりまして、高用量では肝腫瘍の発生の増加が認められているところです。

 また、変異原性に関してでございますが、ほとんどの結果が陰性ということでありますので、発がん性の評価については変異原性を有さない発がん性物質として評価を行わせていただいております。

 以上を踏まえまして用量反応関係を検討したところ、経口経路では発がん性が、吸入経路では一般毒性が最も感受性の高い指標でございました。

 有害性評価値については表6を見ていただきたいのですが、経口経路の有害性評価値については、Ohbayashiらの2009年の文献でございます、雄ラットの104週間の飲水投与試験の結果をもとに、0.024mg/Kg/dayとしておりまして、吸入経路の有害性評価値についてはCirlaらの1984年の文献及びFioritoらの1997年の文献である職業暴露の疫学調査の結果をもとに0.051mg/m3としております。

 なお、本物質は暴露経路に依存せずに肝毒性が発現するため、リスク推計は経口経路及び経年経路のHQを合算することにより行うことが毒性学的に適切であると考えております。以上です。

○METI事務局 続きまして、7ページの5です。「リスク推計結果の概要」について、「5-1 排出源ごとの暴露シナリオによる評価」について述べさせていただきます。

 この評価は、化審法の届け出情報及びPRTR情報、それぞれを用いて推計しておりますが、本物質に関しましてはPRTR情報に基づくリスク推計結果のほうが、より実態を反映していると考えられることから、表7にその結果を示しております。

 リスク推計結果ですが、発がん性にかかる経口暴露で466カ所中0カ所、一般毒性にかかる吸入暴露で466カ所中2カ所のリスク懸念箇所が推計されました。

 なお、この排出源はPRTRの届け出事業所に加えて、移動先の下水道終末処理施設も排出源として考慮したものとなっております。

 排出源ごとのシナリオについては、以上です。

○MOE事務局 続きまして、さまざまな排出源の影響を含めた暴露シナリオによる評価でございます。

 PRTRの届け出情報及び届け出外排出量推計を用いまして、さまざまな排出源の影響を含めた暴露シナリオによる推計モデル、G-CIEMSにより大気中の濃度及び水質濃度を計算いたしまして、評価対象地点といたしました環境基準点を含む3,705地点のリスク評価を実施いたしました。推計結果は以下のとおりでございまして、ハザード比が1を超える地点は1以上となる地点はございませんでした。

 続きまして、「環境モニタリングデータによる評価」でございます。直近5年のN,N-ジメチルホルムアミドの大気及び水質のモニタリングデータをもとにリスク評価を実施いたしました。結果は、表9から表12にお示しをするとおりでございます。大気、水域、いずれにおきましてもハザード比が1以上となる地点はございませんでした。

 ただし、大規模な排出源のそばでのモニタリング結果は得られなかったということとなっております。

 結果については、以上です。

○METI事務局 それでは、今のリスク評価書簡易版の結果を踏まえて、資料2-1に戻っていただいて「評価結果及び今後の対応について」を述べさせていただきます。

 「○」の1つ目、ここまで述べてきたことの要約なのですが、さらに要約して述べますと、人の健康影響に係る有害性評価値を導出いたしましてリスク評価を行った結果、排出源ごとの暴露シナリオにおきまして暴露濃度が有害性評価値を超えた地点が数地点見られたというわけです。

 一方、さまざまな排出源の影響を含めた暴露シナリオ及び環境モニタリングによる評価では、暴露濃度及び摂取量が有害性評価値を超えた地点は確認されなかったということです。また、製造・輸入数量の経年変化は平成23年度以降、ほぼ横ばいでございました。

 次が結論ですけれども、現在推計される暴露濃度では、N,N-ジメチルホルムアミドによる環境の汚染により、広範な地域での人の健康に係る被害を生じるおそれがあるとは認められないと考えられます。

 ただ、次の「○」の部分ですが、排出源ごとの暴露シナリオに基づいて予測環境中濃度が有害性評価値を超えた地点が2地点、合算ですけれども確認されたことから、今後の対応といたしましては、PRTR情報における排出量上位事業者に対してこのリスク評価の結果を通知して自主的な取り組みを促し、排出状況の改善を確認した上で、化審法第十一条第二項ニに基づき優先評価化学物質の指定取り消しを行いたいと考えております。以上でございます。

○能美座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局の説明について御質問、御意見がございましたら、お手元のネームプレートをお立てください。順次、指名させていただきます。いかがでしょうか。

 では、鈴木先生。

○鈴木(規)委員 方針は大体よろしいかと思いましたが、最後の「○」の排出状況の改善の確認というのはどんな確認をされるイメージですか。

○METI事務局 有害性評価値と数理モデルの結果から、リスク懸念にならない排出量というのがおよそ逆算できますので、そのような排出量以下になっているかどうかというのを確認したいと考えております。

○能美座長 よろしいですか。

 それでは、ただいまの物質、N,N-ジメチルホルムアミドについては事務局から御説明いただいたとおりの評価及び対応とさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

 では、続きまして、資料3の「スクリーニング評価におけるデフォルトの有害性クラスを適用する一般化学物質と優先評価化学物質の判定案並びに今後の進め方について(案)」、事務局より説明をお願いいたします。

○MOE事務局 それでは、資料3に基づいて御説明をいたします。

 昨年の9月22日に開催いたしました3省合同審議会のほうで、有害性の情報が得られない物質といたしまして、資料3の別紙1のほうをごらんいただければと思うんですけれども、8物質ほどデフォルト適用候補物質ということでお示しをさせていただいております。

 これに関しまして、12月末ごろまでに試験の実施であるとか、有害性の提供についてお願いをしていたところでございますけれども、その結果、こちらに示すとおり、ナンバー7の物質に関しまして毒性値の提供があったというところでございます。

 そのため、冒頭の別紙1に書いてありますとおり、5番と6番の物質、または7番の物質に関しましては平成26年に評価単位の議論をした物質でございます。そういたしまして、5と6とあわせてポリオキシエチレンモノアルキル、またはアルケニルC16~18のエーテル云々という評価単位でできないかということで検討されておりましたことから、5番、6番、7番、これをあわせましてデフォルトの適用を保留ということにいたしたいと考えております。

 その他の1番、2番、3番、4番、8番に関しましては、デフォルトの有害性を適用し、今度の4月に優先の判定をしたいということでございます。

 資料3に関しましては、以上です。

○能美座長 ありがとうございます。

 ただいまの事務局の説明について御質問、御意見がございましたら、お手元のネームプレートを立ててください。順に指名させていただきます。よろしくお願いします。

 原田委員、どうぞ。

○原田委員 原田です。今の御説明で理解できました。

 1つ、追加で理解したいこととしては、事業者から情報提供があったものの信頼性だとか、今回保留になってはおりますけれども、そういったところの結果というのはどのような形でフィードバックされるのか、教えてください。そういった仕組みが明確になれば、事業者としてもデータを出しやすくなるものと考えた質問です。

○MOE事務局 御提供いただきました有害性情報に関しましては、来年度のスクリーニング評価のところで信頼性評価を行った結果について御報告をしたいと考えておりますけれども、もっと早く御提供したほうがもっとやる気が出るというようなことでございましたら、早目にお知らせすることも検討したいと考えております。

○原田委員 ありがとうございます。

○能美座長 ほかにはどなたか御質問等ございますでしょうか。よろしいですか。

 では、提供のない5物質については有害性ランクで1という形でよろしいでしょうか。

(委員 異議なし)

○能美座長 それでは、有害性の提供がなかった5物質についてはデフォルトの有害性ランク1を適用して、優先評価化学物質相当というふうに判断したいと考えます。ありがとうございました。

 それでは、続きまして資料4及び資料4参考の「中鎖塩素化パラフィンに副生している短鎖塩素化パラフィンの取扱いについて」、事務局より説明をお願いいたします。

○MOE事務局 それでは、事務局より御説明をさせていただきます。

 まず、資料4をごらんください。資料4は、「中鎖塩素化パラフィンに副生している短鎖塩素化パラフィンの取扱いについて」という資料になってございます。

 冒頭から御説明させていただきますが、「化審法」ではほかの化学物質を製造する際に副生する第一種特定化学物質について、利用可能な最良の技術(BAT)の原則を適用しまして「工業技術的・経済的に可能なレベル」まで低減するべきとの考え方をとっております。

 そのため、この下に書いてある「運用通知」と呼んでおりますけれども、この運用通知におきまして副生する第一種特定化学物質による環境汚染を通じた人の健康を損なうおそれ等がなく、その含有割合が工業技術的・経済的に可能なレベルまで低減していると認められるときには、当該副生物を第一種特定化学物質として取り扱わないということで運用してきております。

 昨年9月に御審議いただきましたとおり、第一種特定化学物質に指定することになった短鎖塩素化パラフィンについてなんですけれども、こちらはこれからSCCPと呼ばせていただきますが、SCCPにつきましては一部の中鎖塩素化パラフィン、こちらは略称でMCCPと呼ばせていただきますけれども、このMCCP中に副生するということが一般的に認識されております。

 そのため、このSCCPについて昨年4月にありましたストックホルム条約第8回締約国会議の決定文書におきましては、「1重量%以上の濃度で混合物中に存在する場合には副生物とみなさない」というふうに記載がされております。

 これらの背景を踏まえまして、我が国におきましても、SCCPを副生するMCCPにつきましてBATの原則に基づく管理を実施するということが必要であるとともに、国際的に副生物とみなされないとされているSCCPの濃度、1重量%未満で管理することが必要になります。

 この管理をするに当たってなんですけれども、この1重量%、ppmに換算しますと1万ppmでございますが、この値が妥当かどうかということを検討するためにリスク評価を行いました。

 続きまして、資料4の参考をごらんください。こちらが、そのリスク評価を行った結果をまとめている資料になります。概要は先ほどとかぶりますので省略させていただきますけれども、1ページ目の下のところに「上述の背景から」とありますように、平成29年9月22日の三省合同審議会におきましては、SCCPに対する環境リスク評価というものを行っておりましたので、その事例を踏まえてMCCP中にSCCPが一定濃度副生しているということを想定したリスク評価を行いました。

 2ページ目にいっていただきますと、今回のリスク評価の基本的な設定というものを記載させていただいております。基本的に9月の審議会と同様にしているんですけれども、2.5.の「MCCP中のSCCP副生濃度」というところで、こちらを追加してリスク評価をしておりまして、MCCP中のSCCP副生濃度というのはCOP8における決定を踏まえて一律、1重量%というふうに設定をしております。

 続きまして、3番のところで暴露評価及びリスク推計について御説明させていただきます。

 まず、3のところで3.1.の暴露評価の方法でございますけれども、こちらは環境中の濃度を予測するというところでは化審法の優先評価化学物質のリスク評価で用いられているG-CIEMSを用いております。

 続きまして、3ページをおめくりいただけますでしょうか。こちらは、G-CIEMSを用いてリスク評価を行った結果として、3.2.に「リスク推計結果」というものをお示ししております。

 図表3.1にありますとおり、高次捕食動物のリスク推計結果におきましては、2地点においてはリスク懸念があるということが示唆されました。

 この結果を踏まえまして、こちらはG-CIEMSを用いたシミュレーションを行っておりますので、実態がどうなっているかというところを4ページのほうに記載してございますけれども、実際に事業者に対するヒアリングというものを実施いたしました。

 その結果でございますけれども、図表4.1にございますとおり2地点、かなり大規模な金属加工事業者が密集している地域ではございましたけれども、どのエリアの事業所におきましてもMCCPを取り扱っている実態はないということが確認できましたので、当該2地点においてリスク懸念の可能性がないということが確認されました。

 5番のまとめにまいります。これらの結果を踏まえまして、現時点の知見では我が国においてMCCP中にSCCPが1重量%副生していたとしても、SCCPによる環境の汚染が生じて人の健康に係る被害、または生活環境動植物の生息もしくは生育に係る被害を生じるおそれは想定されないということが示唆されました。

 再度、資料4にお戻りいただけますでしょうか。一番下の段落でございますけれども、このリスク評価の結果を踏まえまして、1重量%、MCCP中にSCCPが副生していたとしても被害が生じるおそれはないということが示唆されたため、MCCP中に副生するSCCPにつきましては自主管理上限値を1重量%未満であって工業技術的・経済的に可能な範囲で低いレベルでの管理を行っていくこととするということにしたいと思っております。

 説明は、以上です。

○能美座長 ありがとうございます。

 それでは、ただいまの事務局の説明について御質問、御意見がございましたらお手元のネームプレートをお立てください。順次、指名させていただきます。

 林先生、どうぞ。

○林委員 林です。全体の内容に関しては、特に私は問題点を感じませんでした。

 ただ、1つこれは以前からも気になっているところなんですけれども、このG-CIEMSというモデルの扱いについて、今回も参考資料の4ページのところにありますように、モデルでリスク懸念が示唆されている地点において、実際にはこのものを使っている事業所はなかったというような表がございます。

 このように、G-CIEMSでのモデルと実態の違いというのが今回ちょっと示されたような状況なんですけれども、このG-CIEMSの扱いというか、そのバリデーションというか、その辺をひとつ宿題として検討をしてみてはいかがかと思います。これまでもこの部会ではG-CIEMSの値によっていろいろ物事を決めてきているので今さら感もあるんですけれども、やはりこの時点でそのモデルの検証ということも一度やっておく必要があるのではないかと感じた次第です。

 今回の議論の内容については、冒頭にも申しましたように、特に問題提起する点はございません。

○能美座長 事務局、いかがですか。どうぞ。

○MOE事務局 コメントいただき、ありがとうございます。今回、G-CIEMSの推計を用いているということなんですけれども、説明ではしょってしまって申しわけないのですが、資料の参考で3ページ目に記載させていただいていますけれども、3-3で今回COP対応ということがあるので急いで評価をしなければいけなかったというところがございますので、SCCP及びMCCPを使っている事業者というところの特定がなかなか難しかったというので、情報が非常に少なかったというところはあるかと思っております。

 一方、今回G-CIEMSでリスク評価を行うときに当然濃度を推定しているわけですけれども、少ないのですがSCCPのモニタリングデータがございましたので、そちらとの比較を行ったところ、一応モニタリングデータで出ているところとG-CIEMSの濃度というのはかなり近い値が出ているということがございましたので、推計結果としてはかなり精度は高いものができているかなと思いますけれども、今回、図表4-1でお示ししています2地点につきましては、事業者が密集していたり、そういう地点だったので、この2地点についてはリスク懸念が出てしまったのかなというところで、実態としてはヒアリング結果に基づいて問題ないということを確認できたかと思っておりますので、そこは補足で説明をさせていただきます。

○能美座長 ほかにはいかがですか。よろしいですか。

 鈴木先生、どうぞ。

○鈴木(規)委員 今のことに関連して質問ですけれども、参考の3-3に環境排出量は活動量に比例するとして工業統計等の統計情報、例えば何とかを用いて割り当てると書いてあるんですが、この数字には具体的な方法が多分あったのではないかと思うんですが、どのように割り当てたのか。すぐではなくてもいいですけれども、それは明確にされたほうがいいかなと思いました。

○MOE事務局 御質問いただき、ありがとうございます。この3-3に書かれているとおりではあるんですけれども、MCCPの製造・輸入数量があって、そこからSCCPの環境排出量というものをまず出しまして、それをどこの事業所で使っているかというのを基本的にはここに書かせていただいている工業統計の統計情報というのは基本的にはその従業員数で、メッシュごとに割り当てをしていってそこでの排出量が出て、それが川に流れていったときにどれぐらいのペックになるかというところを推定しているというやり方になっております。

○能美座長 どうぞ。

○鈴木(規)委員 ということは、今の説明だと世帯数ではなくて従業員数で配分したということですか。

○MOE事務局 そうですね。今回のMCCPにつきましては金属加工とか、企業のほうで使われる、工場のほうで使われるものになりますので、基本的には従業員数に沿って割り振りをしているということになっております。

○能美座長 恒見先生、どうぞ。

○恒見委員 恒見です。

 そのG-CIEMSの適用範囲などの議論も出たと思うんですけれども、やはりこの場合、結局どこの事業所でMCCPを使っているかというのがわからない。そういう中でどう使用量、排出量を配分するかという、そちらのいわゆるインプットの問題のほうが大きいですね。

 だから、G-CIEMSの適用性というよりも、こういう不明な排出量配分というのがわからない中で、果たしてそのG-CIEMSを使うのが本当にいいのか。もっと言えば、ある程度の事業者数を数だけ想定して、普通の一般的なマルチメディアモデルを使うというのも一つの手段だと思うんですね。

だから、今後はこういうインプット情報が特に配分というものが難しいときに、果たしてこういう非常に大がかりなG-CIEMSを使うほうがいいのか、それとももっと簡易なモデルを使ったほうがいいのかというのもちょっと検討していただくのがいいんじゃないかと思います。

○MOE事務局 その点に関しましては、いただいた課題も踏まえて検討してまいりたいと思います。

○能美座長 ほかにはいかがですか。

 では、どうぞ。

○亀屋委員 亀屋でございます。

 内容について異議はないんですけれども、ちょっとここで気になるのはBATレベルという言葉を整理しておかなければいけないのではないかと思ったものですから発言をさせていただきます。

 今回の1重量%というのは、厳密にはBATレベルではなくてリスク評価の結果であるというふうに認識をしているところですけれども、このリスク評価の結果がきちんと出ていればBATレベルを設定することなく管理するといったようなことの前例になっていくんじゃないかと思います。

 それで、通知の中にはその含有割合がBATレベルまで低減していると認められるときには一特とみなさないという文章があって、そのリスク評価の結果云々、それをどう使うかということは通知の中にも書かれていないわけですので、これを前例としてただ残せばいいのか、あるいは通知等で書きかえていただくのか。その辺の考え方の整理をどこかできちんとやっておいていただいたほうがいいのではないかなと思って発言させていただきました。

○能美座長 事務局のほうで、いかがですか。

○MOE事務局 御指摘いただき、ありがとうございます。おっしゃる点ですが、今回は工業技術的・経済的に可能なレベルというところを検討したものではなく、あくまでもリスク評価の結果というところではございます。

 ですから、引き続きこのMCCP、SCCPの技術的なところというのはこれからまだまだ検討していかなければいけないところではございますので、その点も含めて検討はしてまいりたいと思っております。

○能美座長 よろしいですか。

○亀屋委員 そうすると、これは次への前例にはならない。今回のケースは、次への前例にはならないという認識を今しておけばいいということでしょうか。

○MOE事務局 今までお知らせに記載させていただいている、例えばPCBですとかHCBとは違った経緯で設定していくものになります。

 ただ、POPs条約の対応としては、1%未満に抑えなければいけないというのは国際条約で決まってしまっているので、そこは最低限の担保をとっていくということはございますので、その点に関してはこれから運用上ではきちんと管理をしていくということは必要になるかなと思っております。

○能美座長 若干、特殊ケースというか。

○MOE事務局 そうですね。

○亀屋委員 次に出てきたときに、困らないように整理しておいていただければと思います。

○能美座長 ほかには何かございますでしょうか。よろしいですか。

 菅野先生、どうぞ。

○菅野委員 余り突っ込んでも仕方ないかもしれませんけれども、要するにCOPのほうでの1%も今みたいなことをやった結果なんじゃないんですか。どうなんですか。そこをどなたかは了解した上で、国際的な決まったものをうのみにできるとしてオーケーを出してこられたんですよね。

○MOE事務局 POPs条約上の1%につきましては、科学的な根拠というものは正直示されておりませんで、各国それぞれの意見がある中で出てきているので、明示的にどこかリスク評価を行った結果で1%ということが出てきているわけではないという状況ですけれども、そこは担保しなければいけないということで、日本としてはきちんと対応しますということでリスク評価を行って検討させていただいたというところでございます。

○菅野委員 そうすると、亀屋先生のあれとかみ合わなくなるんだけれども、要するに今回は1%のラインはクリアした。だけど、さらにBATでいくという線は残したということですよね。最後の低いレベルでの管理を行っていくこととするというのは、ここにまだBATが埋まっているわけですよね。

 だから、この件の場合はまだ情報が足りないという意味なのかなというふうにせざるを得ないのかなということでしょうか。

○MOE事務局 御質問ありがとうございます。今回、BATレベルとしての検討が十分にはまだできていないというのはおっしゃるとおりです。

 ただ、一方で、COPで決まった国内担保としてはやらなければいけないというところがあって、ちょっと急いでリスク評価を行わせていただいて、そこの1%未満というところを国内に担保していくというところは化審法の運用としてはやっていきたいということの御報告になります。

○能美座長 ほかにはいかがでしょうか。

 白石先生、どうぞ。

○白石委員長 白石でございます。

 どのように管理をしていくかということはまだわからないんですけれども、1%重量未満の管理をどのようにしていくか、分析は非常に難しいし、そこにコストがかかるものですから、例えば輸入品もありますよね。製造しているものもあると思いますけれども、それをどのように管理しようとなさっているのかというのを教えていただきたいと思います。

○MOE事務局 御質問ありがとうございます。管理についてなんですけれども、今SCCPに限らずですが、第一種特定化学物質で副生する場合には、事前に副生しているということで報告をしていただいております。その報告に基づいて内容を確認して、それが妥当であるかどうかというところを3省で確認しているという運用を行っておりまして、こちらのMCCP中のSCCPについても同様に対応していくということを考えておりますけれども、白石先生がおっしゃるとおり、まだSCCPの分析は分析方法自体が十分にでき上がっていないというところもありますので、そのあたりはまた3省でも検討しながらきちんと確認できる体制はとっていきたいと思っております。

○能美座長 ほかには何かございますでしょうか。よろしいですか。

 亀屋先生、よろしいですか。

○亀屋委員 余り言うと、文句ばかり言っているような感じになっちゃうんですが、その通知の最後のところはBATレベルまで低減していないと一特になってしまうというような文章で終わっているので、今回これをBATレベル以下だと言わないと一特扱いしなければいけなくなる。

 だけど、一特扱いしたくないのでリスク評価されたわけですが、それでいいんだということですね。一特扱いしないんだということをどこかで決めてあげないと、どういう根拠で一特じゃないという扱いをするのか。要は、根拠がないところで誰が決めたかわからないようなところでこれからずっとやらなければいけないというのは、やはりやり方としてまずいんじゃないかなと思った次第であります。

○能美座長 よろしいですか。

○MOE事務局 そのあたりは、整理をさせていただきたいと思います。

○菅野委員 私は、1%はクリアしたということだと読んだんですけれども、確かにそうは明記していないので、そこは多分そう読めるのであれば結構ですということだと思いました。

○能美座長 ありがとうございます。

 ほかには何かございますか。よろしいですか。

 それでは、ただいまの物質、中鎖塩素化パラフィンに副生している短鎖塩素化パラフィンの取り扱いについては、事務局から説明していただいたとおりの対応とさせていただきたいと思います。

 ただ、今いろいろな議論が出ましたので、モデルの内容ですとか、あるいはモデルの選択、あるいは分析法、それからほかの物質についての適用の仕方等については、環境省のほうで十分勘案した上で今後進めていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

 それでは、最後に議題4のその他に移りますけれども、御意見等何かございますでしょうか。

○東海委員 東海でございます。

 既に意見が出た話なんですけれども、今回の3つの事例を横に並べてみたときに、やはり暴露評価といいますか、そこの部分のデータの使い方ですとか、やり方というのが、これまでいろいろなケースの蓄積を踏まえて確認する、そのプロセスが必要な時期に差しかかったのではないかと思っております。

 環境省のほうでやる暴露解析のみならず、経産省でやられているPRAS-NITEによる暴露評価に関しましても幾つもの例が出てきたことを踏まえて、この事例の中でえられた気づきや成果を次に生かしていくということが、この審議会の場で議論するというのはちょっとふさわしくないかもわかりませんが、技術的な内容を検討するという場でぜひ継続的に議論される必要があるのではないかと思いました。以上でございます。

○能美座長 ありがとうございます。

 ほかに御意見等、よろしいでしょうか。

 それでは、事務局からそのほかに何かありますでしょうか。

○MHLW事務局 本会議におきまして、その他の案件はございません。

 最後に、第二部の審議について御説明をさせていただきます。委員の先生方の御協力で、一部は大分早く終わることができました。第二部は、ここにいらっしゃらない先生は追加でいらっしゃいますので、その先生がいらっしゃらない限り開始ができないところになっています。一応、現在30分目途でこちらに到着する予定と聞いておりますので、二部の開始は30分目途、先生がそろい次第というふうにさせていただきたいと思いますので、今から30分休憩を挟みまして、15時30分開始を目途といたしますので、御着席いただきますようお願いをいたします。

 なお、第二部からは化学物質審議会については審査部会として審議会を開催することといたします。事務局からは、以上でございます。

○能美座長 以上をもちまして、合同審議会第一部を終了いたします。

 なお、第二部につきましては、新規化学物質の審査等でございますので非公開とさせていただきます。傍聴者の方におかれましては、御退室をお願いいたします。

 第二部委員の皆様には、開始時間の15時30分までにお席にお戻りいただきますよう、お願いいたします。

 ありがとうございました。