平成29年度第7回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会 平成29年度化学物質審議会第3回安全対策部会 第179回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会 【第一部】議事録

1.日時

平成29年11月24日(金)13:00~14:59

2.場所

航空会館7階 大ホール

3.出席:(五十音順、敬称略)

薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会委員

石田 誠一     小川 久美子    菅野 純

鈴木 勇司     高橋 祐次     田中 博之

長尾 哲二     能美 健彦(座長) 平塚 明

平林 容子     広瀬 明彦     本間 正充

化学物質審議会安全対策部会委員

浅野 哲      石井 一弥     大石 美奈子

亀屋 隆志     小林 剛      恒見 清孝

東海 明宏     原田 房枝     林 真(部会長)

中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会委員

青木 康展     石塚 真由美     菅野 純

日下 幸則     小山 次朗      白石 寛明(委員長)

鈴木 規之     田辺 信介      山本 裕史

吉岡 義正     和田 勝

事務局

厚生労働省  渕岡化学物質安全対策室長

経済産業省  飛騨化学物質安全室長

環境省  新田化学物質審査室長 他

4.議題

<一般化学物質のスクリーニング評価について>

 1.1-デカナールの分解性の判定について

 2.一般化学物質のスクリーニング評価による優先評価化学物質の判定について

 3.優先評価化学物質の指定根拠外項目のスクリーニング評価による優先評価化学物質の判定について

 4.スクリーニング評価における既存の知見の収集範囲の一部拡大について

<優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価Ⅱ>

 5.優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価Ⅱにおける評価等について

   (審議物質:デカン-1-オール(#170))

<その他>

5.議事

○MOE事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまから平成29年度第7回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会、平成29年度化学物質審議会、第3回安全対策部会、第179回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会合同審議会を開催いたします。

 本日は、いずれの審議会も開催に必要な定足数を満たしており、それぞれの審議会は成立していることを御報告いたします。

 なお、本合同審議会では、第一部と第二部に分けまして実施をいたします。本日は1時から3時までを第一部といたしまして、化審法に基づく優先評価化学物質の判定、デカン-1-オールに関するリスク評価(一次)評価Ⅱ等について公開で審議を行います。第一部終了後、休憩を挟みまして、3時20分を目途に第二部を行いますので、よろしくお願いいたします。

○MHLW事務局 続きまして、本合同審議会を開始する前に厚生労働事務局より所属委員の薬事分科会規定第11条への適合状況の確認結果について報告させていただきます。

 前回も御説明させていただきましたが、薬事分科会規定第11条におきまして、委員、臨時委員または専門委員は、在任中に薬事に関する企業の役員、職員または当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には辞任しなければならないと規定しております。今回、全ての委員の皆様より同条に適合している旨御申告いただいておりますので、報告させていただきます。

 委員の皆様には、会議開催の都度書面で御提出いただいております。お手数をおかけいたしますが、引き続きよろしくお願いいたします。

 以上です。

○MOE事務局 それでは、資料について確認を行いたいと思います。

 今回はペーパーレス化の観点から、原則資料についてはパソコンに保存をしております。パソコンを御覧いただきまして、御審議をよろしくお願いいたします。

 それでは、議事次第に沿ってパソコンの格納資料を確認させていただきたいと思います。

 まず、議事次第でございます。その後に資料1、資料1別添1、資料1別添2-1、資料1別添2-2、資料1参考が格納されているかと思います。

 続きまして、資料2のシリーズですが、資料2-1、資料2-2別添、資料2-2、資料2-3、資料2-3の別添だけは委員の先生方限りということでお配りをしています。また、資料2-4、資料2-4別添、資料2-4参考、資料2-5、資料2-5別添、資料2-6、資料2-7、資料2-8が2のシリーズでございます。

 続きまして、資料3のシリーズですが、資料3-1、資料3-2、資料3-3、資料3-4、資料3-4別添、資料3-4参考、資料3-5、資料3-6となっております。

 また、資料4のシリーズですが、資料4-1、資料4-2でございます。資料5のシリーズが資料5-1、資料5-2、資料5-2参考1、資料5-2参考2となっております。

 また、参考資料といたしまして、参考1で委員名簿、参考2でスクリーニング評価の基本的な考え方、参考3で化審法におけるスクリーニング評価手法について、参考4-1で化審法における人健康に関する有害性データの信頼性評価等について、参考4-2で化審法における生態影響に関する有害性データの信頼性評価等についてとなってございます。もし過不足等ございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。

 では、続きまして、それでは、これより御審議を賜ればと存じます。本日の全体の議事進行につきましては、中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会の白石委員長にお願いしたいと思います。

 それでは、白石委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

○白石委員長 それでは、これより議事に移らせていただきます。

 初めに、本日の会議の公開の是非についてお諮りします。各審議会の公開につきましては、それぞれ規定のあるところでございますが、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合または特定なものに不当な益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合等、非公開とすべき場合には該当しないと考えますので、原則公開といたしたいと思います。ただし、営業秘密等に該当する場合は秘匿することを認めるということにいたしたいと思います。よろしいでしょうか。

 よろしいようですので、本日の会議は公開といたします。

 議事録につきましては、後日ホームページ等で公開されますので、あらかじめ御承知おき願います。

 また、本日は通常の優先評価化学物質の判定の審議のほかにデカン-1-オールのリスク評価(一次)評価Ⅱの結果についても御審議をいただくことになっております。後者の審議時間を20分ほど取りたいと思いますので、全体の効率的な審議に御協力いただきたいと思います。

 まず、議題1の1-デカナールの分解性の判定についての審議に入りたいと思います。

 まず初めに、資料1を用いて1-デカナールの分解性の判定案について御審議いただきます。

 それでは、事務局から説明をお願いします。

○METI事務局 それでは、資料1を御覧ください。1-デカナールの分解性の判定案についてでございます。

 1-デカナールは、炭素が10個からなります直鎖状のアルデヒドでございます。当該物質に関しましては、化審法上、分解性の判定はされておりませんが、ECHAの公表の登録情報といたしまして、302Cの試験から本質的分解性を、それから、301Fの試験から易分解性に資するようなデータが記載されております。しかしながら、化審法におきましては、良分解性という場合には、これらのデータのほか安定した変化物が存在しないということが必要なのですが、残念ながらECHAの公表情報の中には変化物に対する記載がございませんでしたので、変化物に関しましては、2ポツ以下でいわゆるリードアクロスによりまして、特に変化物の存在がないことを考えてみました。

 資料1別添1を御覧ください。これは通常のノルマルアルカンとかアルコールの微生物における代謝経路、これはヒトを含めてあらゆる生物がそうですけれども、基本的にはアルカンがございますと、最初はオキシゲナーゼ反応でアルコールが生成して、その後、デヒドロゲナーゼの反応があって、アルデヒド、カルボン酸という形で代謝が進みます。カルボン酸ができますと、あとはβ酸化の経路に入って、アセチルCoAができて、通常分解系ですと、呼吸系のTCAサイクルで水と二酸化炭素に無機化されるというシステムがとられております。

 その次、別添2-1が俯瞰したものなので、これを用いて御説明いたしますけれども、例えばアルコールの炭素鎖16のものというのが301C試験で実測されておりまして、これは良分解性と判定されております。先ほど言いました代謝系の観点からヘキサデカノール自体が、アルコール自体が良分解であるならば、当然この代謝系におけるヘキサデカノール、アルデヒドのタイプ、炭素鎖16のアルデヒドのタイプも良分解性であろうというふうに考えられます。また、実際にはノナナールと称する炭素9のアルデヒドに関しましては、やはり実測値で301Cの試験から良分解性であることが判定されておりますので、これで挟みまして、1-デカナールに関しても良分解性である可能性を示唆いたします。

 続きまして、さらに参考資料といたしまして、生分解性のQSARモデルによる推定も行いました。実際に用いたのはCATABOLと、それから、BIOWINの5と6についてでございますが、全て良分解性と推定されております。

 以上の結果から、判定案といたしまして良分解性といたしました。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○白石委員長 ありがとうございました。

 ただいまの内容につきまして御質問等ございましたら、お願いいたします。

 どうぞ。

○小林委員 本意見について賛成ですけれども、302C逆転法、通常判定に使われる逆転法でも確認できていますし、あと、分解経路を考えても問題ないであろうということで賛成いたしますということのコメントです。

○白石委員長 ありがとうございます。賛成の御意見をいただきました。

 ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。

 特段追加の御意見ございませんようで、1-デカナールの分解性につきましては良分解性と判定しますが、よろしいでしょうか。

 では、良分解性と判定させていただきます。ありがとうございました。

 次に、議題2の一般化学物質のスクリーニング評価による優先評価化学物質の判定についての審議に入ります。

 まず初めに、資料2-1、2-2を用いて平成29年度スクリーニング評価の進め方及び評価結果案などについて審議いただきます。

 それでは、事務局から説明をお願いします。

○METI事務局 それでは、平成29年度のスクリーニング評価の進め方及び評価結果案を御説明させていただきます。年に一回ということもあり、簡単に復習という意味も含めて御説明させていただきます。

 平成22年度から実施しております。今回8回目となり、若干対象は変わってきますけれども、基本的には同じ方法で実施させていただいております。既存化学物質を含む一般化学物質を対象に、リスクが十分低いと判断できない化学物質を絞り込み、優先評価化学物質に指定を行ってきておりますものです。ここで優先指定されたものは、段階的に精緻化したリスク評価を行っていくこととしております。スクリーニング評価では、事業者から届出のあった製造・輸入数量、用途別出荷量に基づいて推計した全国合計排出量に分解性を加味した暴露情報と、国において収集した有害性情報に基づいて、それぞれ暴露クラス、有害性クラスを付与した上で、図1に示す「高」となっている物質について優先評価化学物質相当として判定、審議していただくということになっております。また、「中」、「低」にあるものについても、エキスパートジャッジ物質として別途優先判定を審議していただくことになっております。

 1枚目をめくっていただきまして、表1でございますけれども、これが過去7年間で実施したスクリーニング評価の過去の実績でございます。その当初は二監・三監の判定根拠の物質について実施してまいりました。ここ数年は基本的に27年度、28年度を見ていただくとわかると思いますが、暴露クラス1から4のものについて有害性を付与して優先度判定を実施しているという形になっております。

 2ページめくっていただきまして、4ページでございますけれども、今回のスクリーニング評価の実施対象ということになります、平成27年度実績の製造・輸入数量の届出において製造・輸入数量が10トン超であったものの一般化学物質を対象としまして、基本的にはCAS番号が得られるものはCAS番号単位ごとに評価を行っております。また、公示前の判定済み新規化学物質についても一般化学物質と同様に、平成27年度実績製造・輸入数量の届出において、10トン以上あったものを評価の対象とします。

 その対象の結果が表2でございますけれども、10トン超7,673物質、これが評価の対象になります。10トン以下のものについては4,177物質ございました。

 今回のスクリーニング評価の基本方針でございますけれども、有害性クラス、暴露クラスが大きいと考えられる物質から優先的に付与するということで、有害性クラスの付与については基本的に暴露クラス1から4の物質について行うこととし、暴露クラス5または外の物質については、暴露クラスの付与をもってスクリーニング評価を実施したことといたします。

 5番の、スクリーニング評価の課題と対応ですが、化審法における2020年の目標の具体化について、科学的信頼性のある有害性を得られている物質については、スクリーニング評価を一通り終えることとしており、暴露クラス、有害性クラスが高いものに注力して評価することとしております。ただし、評価を行うためにデータが得られなかった物質については、評価の目処が立っていることを目標として、暴露クラスは高いが有害性情報が得られない、または有害性情報の信頼性の観点から評価することができなかったものの場合は、デフォルトの有害性を適用して優先化学物質の指定を実施してきております。

 さらに、その現状の届出情報のみで構造情報が得られない物質については、実際の製造・輸入されている構造が把握できるように、詳細な構造・成分情報の提出が可能となるような省令改正を行いまして、着実にスクリーニング評価ができるように進めていくこととしております。

 ここの6から後は、すみません、最後の判定結果があった後に説明させていただきます。続きまして、資料2-2を御覧ください。

 暴露クラスにつきましては、届出の際にCAS番号の付与をお願いしているところですけれども、基本的にはCAS番号を付与した単位で1から5までを抽出したものでございます。CAS番号単位以外に、旧二監・三監の物質につきましては、旧二監・三監の単位でも評価することになっておりますので、その単位で暴露クラスをつけております。そのほかにCAS番号がつけられていないものと新規化学物質由来のものについては、MITI番号単位で暴露クラスをつけております。これが24ページでございます。 最終ページでございますけれども、優先評価化学物質の指定の取り消しを行った物質についても、別途この優先の単位で評価することになっておりますので、取り消しを行った物質についても1から5のあるものについては暴露クラスを算出しております。そのほかに、潤滑油基油につきましては、通常の評価単位ではなく、DMSOの抽出の3%以上3%未満ということで評価単位を設定しそれぞれ暴露クラスを算出しております。

 以上でございます。

○白石委員長 ありがとうございました。

 では、ただいまの内容につきまして御質問等ございましたらお願いします。いかがでしょうか。

 では、よろしいようですので、事務局からあったとおりの対応といたします。

 では、次に、詳細評価なしで優先度「高」と判定される物質の審議を行います。人健康及び生態影響に関する優先度半提案について事務局から説明をお願いします。

○MHLW事務局 それでは、人健康影響の判定案について御説明させていただきます。

 まず、資料の説明を始める前に参考4-1「化審法における人健康影響に関する有害性データの信頼性評価等について」につきまして御説明をさせていただきたいと思います。

 こちらは昨年10月の審議会において改訂案について御審議いただきまして、その際に幾つか御意見をいただいていたところでございまして、それらを反映した改訂版ということになってございます。今年度のスクリーニング評価につきましては、こちらの内容に基づき先生方には確認していただいております。また、こちらの文書で用いている優先度マトリックスの図ですね。参考4-1の22ページにございますけれども、こちらにつきましては、参考3の化審法におけるスクリーニング評価について、こちらでも同様の図が用いられておりますことから、図の変更のみですけれども、こちらにつきましても改訂版ということとさせていただいております。どちらの文書につきましても、本日の審議会の日付を改訂日とさせていただいております。本来であれば、もっと早い時期に確定というふうにさせていただくべきでしたけれども、本日ということになってしまいまして、申し訳ございません。

 続きまして、資料2-5を御覧いただければと思います。

 化審法におけるスクリーニング評価では、優先度マトリックスにおいて優先度が「高」と区分される物質は優先評価化学物質と判定されております。

 こちら3ページ目のⅡの優先評価化学物質に選定する際の判断基準の項目を御覧いただければと思います。こちらの2つ目のパラグラフの中ほどになりますけれども、優先度「中」に分類された物質であっても、ある条件に該当する場合は優先評価化学物質に選定することを考慮することとされております。具体的な条件については、次の2の人の健康に係る選定の判断基準に記載がございまして、ア、イ、ウ、エの4つの条件を定めているところでございます。

 以上を踏まえまして、資料2-3の説明に入らせていただければと思います。資料2-3、紙でも御用意させていただいておりまして、お手元に配付させていただいているものはA3のものになってございます。

 こちらが今回スクリーニング評価におきまして有害性クラス、それから、優先度を付与しました物質の一覧となってございます。資料の構成といたしましては、資料にページ数を振っておらず大変申し訳ないのですけれども、1に今回新たに有害性クラスの付与を行う物質の候補をまとめまして、2枚めくっていただいた3枚目、全体としては5ページ目ということになりますけれども、こちらの2に平成22年から昨年28年度に有害性クラスの付与を行った物質をまとめております。また、表の並べ方の順番としましては、左側の真ん中ぐらいにございます優先度という列がございまして、優先度が「高」、「中」、「低」、「外」の順で並んでおります。

 まず最初に2枚の資料を御覧いただければと思います。

 今回新たに有害性クラスの付与を行う物質の候補でございます。こちらにつきましては、58物質ございます。このうちナンバー3の1-ブロモプロパンは以前に一度、有害性クラスを御評価いただいておりますけれども、新たな情報が入手できましたので、再度御評価いただくものでございます。また、6番の酸化クロムにつきましては、平成26年の審議会で継続評価することとされていたものになってございます。

 今回スクリーニング評価した結果、優先度「高」に該当する物質、つまり優先評価化学物質相当とする候補物質は3物質ございました。一番上の物質については、生殖発生毒性についてオーストラリアのNICNAS_IMPよりNOAELが24、そして、不確実係数が1,000、これは試験の質を10、種差を10、個体差を10で割りまして、有害性評価値0.024となりますので、有害性クラス3としております。

 続きまして、2番ですが、ドイツ学術振興会のMAKより一般毒性につきまして、NOALE0.02として、不確実係数100、これが種差を10、個体差を10で割りまして、有害性評価値が0.0002であることから、有害性クラスを2としております。

 そして、最後に3番ですけれども、こちらは一般毒性についてACGIHよりNOAELが0.2、不確実係数が100、種差を10、個体差を10で割りまして、有害性評価値0.002であることから、また、発がん性についてIARCで2Bに分類されていることなどから有害性クラス2としております。3番の1-ブロモプロパンですが、変異原性クラスが3または4というふうにさせていただいておりまして、先生方から複数の御意見をいただいて、こちらで1つにまとめられておりませんので、後ほど御意見いただければと思ってございます。

 なお、こちらの表の1枚目の裏側、2ページ目の20番の物質です。硫化(2,4,4-トリメチルペンテン)につきましては、一般毒性の有害性評価値が0.0003でありまして、先ほど御説明した優先度「中」に分類された物質であっても、優先評価化学物質に選定することを考慮する基準のイ、有害性評価値が非常に低いに該当する物質でありますけれども、暴露クラスの詳細な確認や専門家判断に当たって必要な情報の収集が事務局のほうで対応が今回できておりませんでしたので、こちらの物質については継続評価とさせていただければと思います。

 続きまして、3枚目以降、全体でいいますと5ページ目以降を御覧いただければと思います。

 2、平成22から28年度に有害性クラスの付与を行った物質でございます。大部分の物質につきましては、これまで御評価いただいた際より暴露クラスは上昇しておりません。11番の物質、ピペロナールについては前年度より暴露クラスが上昇しており、優先度は「低」から「中」になっています。その他、数物質について暴露クラスが上昇しておりますが、優先度に変更はございません。

 以上、こちらの表からは今回の暴露クラスにおいて見直した結果、優先度「高」となる物質はございませんでした。

 資料2-3の人健康影響に関する優先度判定案の資料の御説明は以上でございます。

 続きまして、資料2-3別添という資料を御覧いただければと思います。

 こちらは公表されていない企業秘密に関する事項が含まれておりますので、配付は委員の先生方限りとさせていただいております。また、当該資料につきましては、会議終了後に回収させていただきます。資料説明に際しては、物質名は具体的な名称ではなく割り振られた番号、「呼称、物質」と書かれているものですが、こちらで御説明させていただきます。委員の先生方におかれましても、御発言がある際には物質名につきましては割り振られた呼称の番号でお願いいたします。

 別添の資料は、公示前の新規化学物質につきましてスクリーニング評価を行ったものとなってございます。毒性の情報源につきましては、9物質いずれも新規審査における毒性の情報を用いて評価をしております。こちらの9物質については、結果はいずれも優先度「外」あるいは「低」となっております。また、背景となりました毒性情報は、それぞれのページの下の表のところにまとめてございます。資料2-3別添の御説明につきましては、以上でございます。

○MOE事務局 続きまして、資料2-4について御説明いたします。

 生態影響に関する優先度判定案の資料となっております。1ページ目からが今回新たに有害性クラスの付与を行う物質の候補ということでございまして、3ページ目からが過去に有害性クラスの付与を行った物質で今回暴露クラスをつけ直したものということになっております。

 資料の見方でございますけれども、CAS番号等ございまして、物質名、高分子、アミン類、有害性クラスがございまして、分解性反映の暴露クラスがついており、その横が優先度となっております。その横にまたPNECがございまして、根拠の毒性が右に続いているという状況でございます。

 1ページ目、今回新たに有害性クラスの付与を行う物質といたしましては、一番上になりますけれども、2-tert-ブチルシクロヘキサン-1-イル=アセタート、こちらが「高」判定となっております。その他、「高」判定になるものはございませんでした。

 また、3ページにいっていただきまして、過去に有害性クラスを付与いたしましたもので今回暴露クラスをつけ直した物質でございますけれども、一番上のデカナールにつきましては、先ほど資料1で御判定いただきまして、良分解という判定がなされておりますので、「中」という判定になっております。

 また、2番目の物質でございますけれども、2,2,4,4,6,6,8,8-オクタメチルシクロテトラシロキサンというような物質でございますけれども、こちらは有害性クラスが1、暴露クラスが4ということで「高」判定ということになるかと思いますけれども、こちらに関しましては、蓄積性の判定がまだなされておりませんので、こちらの判定を待って最終的な判定を行いたいというふうに考えております。ということで、今回の判定では「保留」とさせていただきたいと思います。

 また、3番目、4番目の物質でございますけれども、こちらに関しましては、有害性が非常に低いもの、「中」からのエキスパートの判定で「高」に上がるものというふうな基準に当てはまっているものでございますけれども、根拠のところのUFを御覧いただきたいんですけれども、1万ということでございまして、非常にデータ数が少ないというような状況となっております。ですので、こちらのCAS番号に該当するデータというのは、こちらの魚類のデータしかなかったわけなんですけれども、この物質は混合物でございまして、これらの混合物を構成する個別の物質のデータについてもよく見た上で判定をしたいということでございまして、こちらはエキスパートジャッジの判定に当てはまるんですけれども、今回は「保留」ということにさせていただきたいと思っております。

 なお、生態影響の観点でも未公示新規物質、また、公示済み新規物質に関しましても優先度の判定をしておりまして、その結果、今回、優先度「高」と判定される物質はございませんでした。

 以上でございます。

○白石委員長 ありがとうございました。

 今の事務局から説明にありましたが、公示前の判定済み新規化学物質に関する判定案などにつきましては、営業秘密等に該当する場合は秘匿することに該当しますので、本審議会においても取り扱い注意でお願いいたします。以後の審議についても同様とします。

 では、ただいまの判定案のうち優先度「高」の部分について、優先評価化学物質相当と判定することにつき御意見等ございますでしょうか。なお、優先度「中」、「低」の物質の詳細評価につきましては、後ほど御審議いただきます。今回は優先度「高」の物質についての御意見をお願いいたします。よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○原田委員 資料2-5についてちょっと1点確認させてください。

 先ほど御説明にあったのが資料の3ページ目からの優先度マトリックス「中」からのお話でしたけれども、1ページ目を見ますと、関連しているところがございます。こちらに関して今回の優先判定に係る部分がありましたら御説明を追加でお願いしたいと思います。

○MOE事務局 すみません。これはエキスパートジャッジの判定以外のところが終わった後に改めて説明をさせていただきます。

○原田委員 わかりました。ありがとうございます。

○白石委員長 後ほど御説明があるということで、ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 事務局からですか。何かございますか。

○MHLW事務局 すみません。優先度「高」の判定に直接は影響しないんですけれども、人健康のほうの1-ブロモプロパンにつきまして、変異原性の判定が3あるいは4というところで、どちらにするかよろしければこちらの会議で決めていただければと思いまして、時間もなかなかないので、もし先生方の御意見がまとまらない場合は、変異原性の専門の先生方に会議の後に御意見を頂戴してまとめさせていただいて、後日の会議で御報告させていただくというような対応をとらせていただければと思うんですけれども、よろしいでしょうか。

○能美座長 この物質については、Ames試験のほうが気相暴露をして陽性の結果が出ていて、あと、染色体異常、vitroの染色体異常の結果はないんですけれども、vitroのマウスリンフォーマ試験の結果で陽性というふうになっていますので、クラス3でよろしいのではないかというふうに思いますが、ほかの専門の方はいかがでしょうか。

○白石委員長 では、お願いします。

○本間委員 私のほうもクラス3が妥当かと思います。本剤はハロゲン化アルキル剤でありまして、明らかなこれは変異原性を持つと考えられます。そのためにAmes試験も陽性が出ますし、しかも、これは発がん性ですので、発がん性クラス2になっています。これを4にしますと、メカニズムとして変異原性というのが非常に不明瞭なものになっていますので、これはクラス3にして、本剤は変異原性のある発がん性物質として評価すべきと考えてクラス3が妥当かと思います。

○白石委員長 ほかはいかがですか。よろしいですか。

 ほかに御意見はないようですが、ここは変異原性クラス3ということにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 では、ここは変異原性クラス3ということでお願いいたします。

○MHLW事務局 そのように修正させていただきます。

○白石委員長 ほか、いかがでしょうか。

 では、特段ないようですので、ただいまの1-ブロモプロパンにつきましては、変異原性クラス3ということでよろしいですか、事務局。

 その他の点につきましては、事務局から説明いただいたとおりの対応といたしたいと思います。ありがとうございました。

 では、続きまして、詳細評価ですかね。専門的な知見から個別の判断、エキスパートジャッジによる詳細評価が必要な優先度「中」、「低」の物質の審議に移りたいと思います。

 それでは、資料2-5から2-8に従って事務局から説明をお願いします。

○MOE事務局 それでは、資料2-5について御説明させていただきたいと思います。

 先ほど「中」の区分から有害性の観点でエキスパートジャッジをするというものに関しましては既に御説明をしたところでございますけれども、前のほうの部分について御説明をしたいと思います。

 平成23年度より今回のスクリーニング評価における専門家による詳細評価と判断基準というものを作成しておりまして、それから何度か改訂をしております。今回、PRTRの排出量に暴露クラスの見直しのところで1点変更させていただきたいと考えているところがありますものですから、そちらについてよろしくお願いいたします。

 まず、1ページのⅠの1.PRTR排出量による暴露クラスの見直しでございますけれども、PRTRの排出量が得られている物質に関しましては、その排出量と化審法の製造・輸入数量に排出係数を掛けて得られた排出量によって得られた暴露クラスを比較いたしまして、PRTRの排出量のほうが大きかった場合には、そちらを優先して使うということをしております。それで、これまでにつきましては、PRTRの届出に限定した形で行ってまいりましたけれども、リスク評価におきましては、届出外のデータにつきましても、化審法の対象となる排出源につきましては組み込んで推計しておりまして、だんだんその辺りの状況も見えてきたということでございまして、ある一部の届出外に用途を持つものに関しましては、それも組み込んだ形で暴露クラスを付与したいということでございます。

 対象となる届出外排出源でございますけれども、少し飛びまして5ページに一覧表をお示ししております。黒の網かけをしたところは、他法令あるいは化審法の製造に当たらないというもので除外しているものでございまして、それ以外のものについて組み込んだ形で暴露クラスの見直しを行いたいという案でございます。

 続きまして、2ポツでございますけれども、環境中濃度による詳細評価でございます。

 こちらに関しましては、環境中濃度のモニタリングデータが得られる場合につきましては、PNEC値と直接比較を行いまして、それで判定をしていくということでございます。これに関しまして、詳細な方法というのは、2-5別添のほうにお示ししておりますので、後ほど御覧いただければと思います。

 3ポツでございます。3ポツに関しましては、生態影響に関しまして通常急性と慢性では慢性のほうが小さい値ということなのでございますけれども、その急性を急性慢性毒性比のACRで除した値が慢性毒性値よりも低かった場合といった場合には、もろもろ考慮いたしまして、急性のほうを採用することもあるということでございます。今回は、そういった事例はございませんでした。

 2-5につきましては以上です。

 続きまして、2-6の御説明をさせていただきたいと思います。

 2-6に関しましては、先ほど御説明いたしましたPRTR排出量による暴露クラスの見直しでございます。今回、PRTRの届出のみを使って評価をいたしました結果、特に逆転するものはなかった、「高」になるものはなかったということでございます。

 なお、2-5で御説明いたしました届出外を組み込むということについて御了承いただきました場合には、来年度より組み込んだ形でやってまいりたいというふうに考えておりますけれども、今年度に関しましても、届出外を入れて判定をいたしましても、逆転をする、「高」になるものはなかったということでございます。

 続きまして、すみません、駆け足ですけれども、2-7について御説明をいたします。

 これは環境中濃度による詳細評価ということでございます。過去5年間のモニタリング濃度を使いまして、HQ比やPEC/PNEC比を出して判定をしたというものでございます。このうち人健康影響に関しましては、優先相当になるものはございませんでしたけれども、生態影響に関しましては、ノニルフェノールという物質が優先相当ということになっているかと思います。ただし、こちらに関しましては、来年の1月にノニルフェノールエトキシレートという物質に関しましてリスク評価を予定しております。こちらの分解物ということで、ノニルフェノールにつきましては、詳細な評価を行う予定としておりまして、こちらで変化物としてリスク評価を行いますので、そちらの結果を見てから優先相当なのかどうかということを判定したいということで、こちらは優先相当とはしておりますけれども、「保留」ということにさせていただきたいと考えております。

 すみません、2-7までは以上です。

○白石委員長 では、エキスパートジャッジにつきまして、ただいま事務局より説明のありました資料2-5から2-7につきまして御質問、御意見等ございましたらお願いします。

○鈴木(規)委員 いただいた最初のPRTR排出量を用いたところの改訂部分の中の別添という表なんですが、ちょっと正確にどちらも記憶はないので、間違っていれば指摘していただければと思いますが、届出外の排出量の推定と適用除外になる法令の関係というのは、そんなにきれいにつくんでしょうか。つく場合もあるような気がするけれども、つかない場合もある、あるいは混ざるような場合もあるんじゃないかという気もするんじゃないかと思うんですが、これが正しければ、この表はあまり参考としてはいいかもしれませんけれども、これで完全に決定することができるようなものなんでしょうか。届出外の推定というのは、そういうことを考えてやっていないような気もしますので、どうなんでしょうか。

○MOE事務局 一部そういった部分がある可能性もあるんですけれども、おおよそこういったことだろうということで設定をしております。それで、7-2-2という7の洗浄剤のところに7-2中和剤とございますけれども、7-2-2というところに食品衛生法と化審法が混在というところ等もございまして、こういった形で混在しているところもございますので、物質、物質によって慎重に確認をしながら進めていきたいと考えております。

○鈴木(規)委員 ということは、この表に書いてあるけれども、ともかく前の文章のように対象外または適用除外かある種個別に判断をしていくという趣旨だということでよいですか。

○MOE事務局 原則はこちらの表に従ってとは思いますけれども、個別、個別に確認はするということでございます。

○白石委員長 鈴木委員、よろしいですか。この表はまとめてありますが、グレーのところは適用除外とするということで、例えば今御説明のあった衛生法と化審法が混在するというところはグレーになっていないですが、このところは個別に精査していくという意味でよろしいですか。そうでもないですか。

○鈴木(規)委員 正確に見る必要はありますが、グレーのところにも混在しているものがもしかしたらあるんじゃないだろうかと、そういう質問ですけれども。

○MOE事務局 具体的にこれというようなものはございますでしょうか。

○鈴木(規)委員 船舶とか自動車に書いてある幾つかのものは、これはもので推定をしていると思うので、そこに何かほかの物質が入っていたときに何であるかというのは一概にはわからない。対象である機械であるとか工程であるとかで推定をしているんだと思うので、そこに使っているものが自動的に化審法の適用の対象外になるかどうかというのは、何か一概にはわからないんじゃないかなと。多くはそうだろうと。農薬みたいなものは、それ自体の物質の対象がそうなっているので自動的に対応するんでしょうけれども、PRTRの対象は物質だけを基準にしているわけじゃなくてプロセスを基準に選ばれているような気がするので、PRTRの推定対象になっているカテゴリーとここで書かれている法令の関係というのは、完全に対応するんでしょうか。僕も不正確かもしれないですが、適用の推計手法をちょっと思い出して完全に見ないと自信を持って言えませんが。

○MOE事務局 わかりました。御指摘の趣旨を踏まえて確認はさせていただきたいと思います。自動車の排ガス系統のものに関しましては、燃え残りとその燃えかすというんですか、混ざっており、その辺りもちょっと不明瞭なところもございますので、またちょっと御意見を伺いながら精査をさせていただきたいと思います。

○白石委員長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○広瀬委員 資料2-7のこれは今回暴露評価をし直したというか、詳細にし直した結果という理解でよろしいんでしょうか、この人健康の部分のリストについて。

 下から2つ目に1-ブロモプロパンがあるんですけれども、先ほどの資料2-3では優先になって、こっちでは「外」になっているので、すり合わせが必要ではないかと思うんですけれども。

○MOE事務局 すみません。そうですね、調整の悪いところがあったので、厚労省さんとも相談して少し整理したいと思います。

○白石委員長 吉岡先生、どうぞ。

○吉岡委員 資料2-5の1ページの一番下の項目についてのちょっとした懸念です。いわゆる法律はある目的を持ってつくられますから、この物質はこの法律、この物質はこの法律というふうに分けられていくというのは理解できます。理解できますけれども、一度環境中に出た場合には、どの用途であれ結局環境生物に対する影響を与えるという意味では同じになります。その意味からすると、各法律間にまたがるような物質というものをどのように処理するのかという総合的な見地というものを持って対応する必要があるのではないかなと思っております。

 以上です。

○白石委員長 ありがとうございます。これは環境省に何かございますか。PRTRの全体を使ってリスク評価を今なさっているんですね。

○MOE事務局 今の白石先生の御指摘は、PRTRは届出と届出外の一部で、排出先媒体に関しましては大気と水域についてするということでございますけれども、吉岡先生の御指摘はもっと大きな話かと思いますので、当然重要な御指摘と思いますけれども、よくよく考えてまいりたいということです。

○白石委員長 化学物質の環境リスクを防止するためのお仕事をしているわけで、化審法だけではとどまらないことも当然あると思いますので、それを皆さん当然御理解の上でやっていると思います。ここは化審法のリスク評価のところをやっているので、こういったことになっていると思うんですけれども。

○林部会長 最近はあまりないですが、農薬で一部化審法の対象というようなものが出てくることがありますけれども、農薬というものは環境中にばらまくのがそもそもの使い方であるので、そういうときにどういうふうにまとめていくのかというのは、今後検討していかれる予定でしょうか。何かその辺、非常に難しいところだと思いますけれども、かなりの量がまかれることになるので、実際の暴露の状況を考えると、今の吉岡先生の御質問にもあるように、かなり考慮しないといけないのかなというふうに思っております。

○白石委員長 ありがとうございます。

 事務局からありますか。いいですか。特にコメントはよろしいですか。今、何か環境基本計画でも横串で対応をとりましょうというような計画が立ちつつあるようですので、そういったところにもインプットしていただいて、環境リスクを低減するような形で進めていきたいと思います。

 ほかの委員の方々からコメントはございますか。よろしいですか。

 ほか、御意見いかがでしょうか。

 資料2-5についてちょっと御意見はございましたが、排出の届出外の情報を使うということに関してはよろしいでしょうか。

 では、届出外の情報も使うということで、細かい化審法外の用途につきましては、個別に精査していただくということにしたいと思います。

 他はいかがでしょう。

 ないようでしたら、先ほどの1-ブロモプロパンの件の修正についてはよろしくお願いいたします。

 他、ないようでしたらば、事務局から説明のあったとおりの対応としたいと思いますが、いかがでしょうか。

 どうぞ。

○MHLW事務局 すみません、厚生労働省です。

 先ほど優先度「高」の物質のほうで人健康影響のほう「中」についてもまとめて誤って説明してしまったんですけれども、もう一度改めて御説明させていただきますと、人・生態影響のほうについては、優先度「中」の物質について専門家評価が必要な物質というものは特にございませんでした。

○白石委員長 では、そのような対応とさせていただきたいと思います。

 では、続きまして、優先評価化学物質の指定取り消しを行った物質のスクリーニング評価について事務局より説明をお願いします。

○METI事務局 資料2-8を御覧ください。優先評価化学物質のリスク評価Ⅱの結果指定取り消しを行ったスクリーニング評価についてです。

 評価Ⅱを実施し、優先取り消しを行った物質については、通常のスクリーニング評価の手法で実施した場合には、再び優先評価化学物質に指定される可能性が高いことになります。また、リスク評価で使用した情報や評価結果は、指定物質ごとに事情が異なるため、取り消し物質の特性に合ったスクリーニング評価が必要となります。そこで、今回、評価Ⅱで取り消しがされた対象物質3物質について、個別の方法で評価を実施致しました。

 表1を御覧ください。

 クロロエチレンについては、昨年度から再び評価を実施しております。1,2-エポキシプロパン及びアクリル酸n-ブチルについては、優先指定取り消し後、初めて一般化学物質の届出があり、今回、取り消し後初めて評価を行うものでございます。

 取り消し物質のスクリーニング評価については、個別の特性に応じて行うこととしますが、今後取り消し物質が増えることも鑑み、評価における類型化を行い、取り消し物質の評価の負担を減らすことも目指すことを考えております。

 それでは、クロロエチレンの評価でございますけれども、1枚めくってもらいまして2ページ目でございますけれども、クロロエチレンの評価に関しては昨年度実施しており、昨年度と同じ評価方法で経過を見ております。この物質は取り消し時の評価結果の今後の対応として、一般化学物質として製造・輸入を把握するとともに、PRTRの排出量、環境モニタリングを注視することとしております。これらを活用した評価を引き続き行うこととしており、下の記載の1の化審法の製造数量等の届出の用途分類及び暴露クラスを見ることとします。評価Ⅱの時点と比較して、排出量の増加が伴う新たな非点源用途があるか、非点源用途がある場合には評価シナリオが変わってきますので、新たな非点源用途が出てきた場合には再指定の検討も必要になってくる場合がございます。

 暴露量と有害性評価と比較して懸念地点がないか、環境モニタリングデータと有害性と比較してリスク懸念地点となる地点がないか、その結果、用途について新たな非点源用途はございませんでした。暴露クラスについても、いずれも2となり変化はございませんでした。モニタリングについても、リスク懸念となる地点はございませんでした。

 以上のことから、優先評価化学物質に再指定せずに、引き続きこれらのデータをモニタリングしていくということが重要かと考えております。

 続きまして、6ページ目でございますけれども、1,2-エポキシプロパンのリスク評価の結果でございますけれども、この物質については、評価の取り扱いとして1ポツですけれども、この物質についても化審法の用途、分類及び暴露クラスを見ました。評価Ⅱの時点と比較して排出量の増加を伴うような新たな非点源用途の届出があるか、評価Ⅱの時点と比較し暴露クラスが上がっていないかというものを見ました。

 そして、2ポツのPRTRの排出について、この物質はPRTR対象物質でございますので、PRTRの届出排出量から算出する暴露量とリスク評価Ⅱで算出した有害性評価値を比較してリスク評価懸念となる地点がないかを確認しました。

 リスク評価の結果として評価結果案でございますけれども、化審法の届出の用途及び暴露クラスについては、評価Ⅱの際に使用した平成25年度の実績と今回の平成27年度の実績のデータの化審法製造数量等の用途分類のデータを比較した結果、いずれも本物質については中間物、輸出用のみであり、新たな用途はございませんでした。また、クラスについてはいずれも3となり変化はございませんでした。

 PRTR排出量について、PRTRの排出量から算出した暴露量と有害性評価値を比較したところ、いずれもリスク懸念とする地点はございませんでした。

 以上のことから、今回のスクリーニング評価においては、優先化学物質に再指定は行わないというのが案でございます。

 今後の1,2-エポキシプロパンのスクリーニング評価については、化審法の届出情報、PRTRの届出排出量を用いて上記の観点で確認を行い、優先化学物質の再指定の必要性の評価を行うこととしていきたいと思っております。

 続きまして、アクリル酸n-ブチルでございますけれども、8ページ目になります。

 アクリル酸n-ブチルの評価結果及び今後の対応でございます。この物質も同様にスクリーニング評価をしました。化審法の届出情報及びPRTRの排出量の2点について以下の観点で確認して、優先評価化学物質の指定を含めた検討を行いました。

 1ポツでございますけれども、化審法の届出の用途分類及び暴露クラス、評価Ⅱの時点と比較して排出量の増加を伴うような新たな非点源用途の届出があるかないか、評価Ⅱの時点と比較して暴露クラスが上がってくることはないか。2ポツのPRTRの排出について、PRTRと同様に届出排出量から算出する暴露量とリスク評価Ⅱで算出した有害性評価値を比較してリスク懸念となる地点はないか。

 これを見たところ、1ポツの暴露クラスの変化及び新たな用途の届出でございますけれども、平成25年度における用途については中間物、プラスチック、接着剤、輸出用であったものに対し、平成27年度における用途は、同様に中間物、プラスチック、輸出用であり、新たな非点源の用途はございませんでした。暴露クラスについても、いずれも4となり変化はございませんでした。

 PRTR排出量について、PRTRの排出量から算出した暴露量と有害性評価値を比較したところ、排出地点は207カ所ございまして、その1地点においてはリスク懸念となる地点がございました。ただし、その懸念地点が限られているということから、リスク懸念があるものの地点数が限られており、再度優先指定を行い詳細なリスク評価を行う必要性はないという案にしております。

 今後のアクリル酸n-ブチルのスクリーニング評価について、化審法の届出及びPRTRの届出排出量を用いて上記の観点で確認を行い、リスク懸念地点が増加する場合については優先評価化学物質の再指定を検討するものとするということでございます。

 以上でございます。

○白石委員長 ありがとうございました。

 では、ただいまの内容について御質問、御意見ございましたらお願いします。よろしいでしょうか。

 青木委員から。

○青木委員 アクリル酸n-ブチルについては、この懸念地点が1点あったということで、ちょっと今後考えていく必要はあると思うんですけれども、これ全体としての今回の評価結果についてはこういう感じかなと、この内容については了解いたします。

 ただ、この物質それぞれを見てみると、随分状況が違っています。クロロエチレンに関しては暴露評価まで含めて非常に詳細なデータが得られているわけです。その理由というのは申し上げるまでもなく、大防法なり水濁法で指針値のようなものが決められていて、それに向かってそれを守ろうということで、いろいろな業界の方も含めて非常に努力がされているので、こういう結果になっているというのは、これ間違いない事実だと思います。ですから、詳細なデータが得られていると。

 その一方、ほかの1,2-エポキシプロパンと、あとアクリル酸n-ブチルに関して言うと、今後のことを考えたときに、PRTRデータだけを見ていて本当にいいのかということは非常に素朴な疑問としてございます。では、ここでモニタリングのメカニズムをつくれとかそういうことをこの瞬間に言うつもりはありませんが、積極的にいろいろ暴露に関するデータ、特に3つの物質のバランスというか、今後きちんとそれを暴露評価していくという観点から見たときにちょっとバランスが悪いなというところがあります。少しいろいろPRTRデータだけではなくて、いろんな情報収集には努めていただきたいなと思うところでございます。

 以上でございます。

○METI事務局 ありがとうございました。

○鈴木(規)委員 3つのものいずれも届出排出量から算出した暴露量と有害性評価値を比較というのが書いてあって、上の取り扱いというのと見比べると、これはリスク評価Ⅱで使った方法でやった暴露量と有害性評価値を比較したんだということになっているみたいですけれども、どちらが最終案になるのかわかりませんが、少なくとも届出排出量から暴露量が自動的には出てこないはずなので、書き方としては多分、暴露量と有害性評価値をどうやって比較したのかという意味では、リスク評価Ⅱの方法に従ってとかどこかに書かないと、そのほうがいいんじゃないかと。多分そうだと思いますが、それがまず第1点です。

 それからもう一つ、多分そうだろうと思ったんですが、アクリル酸n-ブチルについてはリスク懸念地点が1カ所出たということなんですが、これは取り消したときには1地点あったんでしたか、なかったんでしたか。これは懸念地点が増えてはいないのかというのが第2点の質問です。

○白石委員長 事務局から御回答をお願いします。

○METI事務局 取り消し時点ではゼロ地点でございました。

○鈴木(規)委員 そうすると、増えたところというのは、1地点になったのは何か原因が特定されているんでしょうか。

○METI事務局 これは完全にPRTRの届出排出量から逆算して計算していますから、届出排出量が多くなっている部分があったということになります。地点として1地点となります。

○白石委員長 具体的にリスク評価Ⅱの方法なんですよね。これ具体的にはどうやったんですか。

○METI事務局 PRTRの届出量が何キロ以上になると、PEC/PNECが1.0になるという数値が算出できるわけですけれども。その数値以上のものが1カ所あったという形になります。

○鈴木(規)委員 ちょっと先ほどの表現の問題が一つと、そこの計算の方法がトレースできるように何か附属資料がどこかにあるのかもしれませんが、何かの形で説明があったほうはいいんじゃないかなというのが第1点と、それから、増えた点について、PRTRの届出はどこかの事業者さんの排出量が増えたんですね。

○METI事務局 そうですね、1カ所。

○鈴木(規)委員 それがこの評価の結果を改めて見直すような必要があることなのかどうかということは、一瞬考えたほうがいいことのような気がしますが。

○METI事務局 優先評価化学物質というのは、いわゆる二特にするかどうかということを判定するために上げる物質だと思うんですけれども、要するに広範な地域という二特の定義から考えますと、1カ所でございますから、1カ所が悪いかどうかは別として、優先にするまではないという判断をしました。

○白石委員長 その判断ではなくて、具体的などういった内容だったのかということを聞いているんだと思うんですけれども。

○METI事務局 どういった内容といいますと、届出量が……

○白石委員長 だから、ここは1カ所オーバーしたわけですよね。ほかは今後どうなるかわかりませんが、どんどんオーバーしていったら2カ所、3カ所になっていくわけで、そういったことの懸念がないのかどうかということを説明していただければ。

○METI事務局 これは毎年やるものですから、今年より、最後のここに書いてありますけれども、リスク懸念地点が増加する場合には、優先化学物質の再指定の検討を行うということになると思います。1カ所出たからといって、優先にするまでもないのではないかということかと思っております。

○白石委員長 どうぞ。

○鈴木(規)委員 いずれにせよ、暴露クラスは上がっていないということなので、別に基本的な条件が変わっているわけではないんだろうというのは、それはそれで理解いたしますが、増えた地点がとりあえず1個であれ増えてしまったので、やっぱり少しは考察をして、考察というのは、多分どこかが恐らく報告されたんでしょうけれども、今回に関しては非常に大きな増加ではないということを簡単にでも考察された上でやったほうがいいんじゃないかなと僕は思います。

○METI事務局 改善した書き方にさせていただきます。

○白石委員長 では、そのように対応をお願いいたします。

 ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。

 この資料につきましては、今回はもう少し情報が必要でしょうかね。

○鈴木(規)委員 曖昧になっていますが、少し資料については文言の追加と、場合によっては多少の説明、補足的なことを追加していただいたほうが僕はよいと思います。計算の方法についてですね。

○METI事務局 わかりました。

○白石委員長 では、そのように対応を……

○METI事務局 対応いたします。

○白石委員長 お願いいたします。

 ほか、いかがでしょうか。

 結論的には優先評価、再指定しないということでよろしいでしょうか。

 では、議論も尽きましたので、事務局から説明いただいたとおりといたしますが、この資料2-8については若干追加、修正をよろしくお願いいたします。

 それでは、今回のスクリーニング評価結果について事務局から説明をお願いします。

○METI事務局 優先化学物質について御審議いただきました結果、ありがとうございました。

 優先度「高」の物質でございますが、最初の資料2-1の表3を参照しながら見ていただきたいと思います。優先度「高」の物質については5物質でございます。専門的な見地からの個別判断のエキスパートジャッジ物質については、今回ゼロ物質でございました。内訳としては、人健康影響物質が3物質、生態影響2物質の合計5物質が優先評価化学物質相当の判定対象となりました。また、優先化学物質の指定根拠外についても、人健康、生態影響を優先判定するものはございませんでした。注(実際は生態影響が1物質、合計4物質の誤りです。)

 それで、表3のところは今空欄になっていますが、そういう意味でいうと、人健康のところは3物質、生態のところは2物質入れていただければと思っております。

 先ほど説明をしませんでしたけれども、暴露クラスというのは、この1から4といういわゆる907物質を対象に人健康でやっておりまして、生態については617物質、それについて有害性のついているものが人健康で246物質、生態292物質有害性がついてあるというちょっと説明を先ほど飛ばしましたので、失礼いたしました。

 また、1ページめくっていただきまして、今後の方針でございますけれども、今回の審議結果を踏まえまして、優先化学物質と判定された化学物質については、優先化学物質に指定することとします。これについては、平成31年度に事業者等より平成30年度の実績、製造・輸入の届出が必要となる予定でございます。

 その際、優先化学物質と判定されたものについては、その範囲が他の優先化学物質と重複している場合やその取り扱い実態を踏まえると、より適切な評価単位があると考えられた場合については、今回のスクリーニング評価で用いた名称及び範囲にこだわらず、優先化学物質相当と判断された物質より広い範囲となる場合も含めて、より適切な優先化学物質の名称及び範囲となるように別途検討することといたします。また、優先化学物質として指定した後であっても、今後のリスク評価の実施を進める際に必要に応じて同様の検討を行うことといたします。

 以上でございます。

○白石委員長 ありがとうございました。

 優先評価化学物質の判定につきましては、以上となります。最終的に御確認いただきたいんですけれども、先ほど御審議いただきました優先度「高」の物質及び専門的な見地から個別の判断、エキスパートジャッジとした物質について優先評価化学物質相当と判定してよろしいでしょうか。

○原田委員 すみません。

○白石委員長 どうぞ。

○原田委員 生態毒性のところで物質の確認をさせてください。今、事務局から2物質ということでしたが、資料2-4の一番上、CASナンバー88-41-5、この優先度「高」はわかりました。もう一つは、具体的にはどこでしたでしょうか。

○METI事務局 失礼しました。これは良分解になりましたので、生態影響は1物質の誤りでございました。

○原田委員 わかりました。恐らく今、資料2-4のところの1番の1-デカナールのところは分解性が良分解性になったので優先度が「中」となり、合計として生態毒性に関しては、優先評価物質は1と。

○METI事務局 1ということでございます。大変失礼いたしました。

○原田委員 ありがとうございます。

○白石委員長 よろしいでしょうか。では、最終的に生態影響は1物質ということでよろしいでしょうか。

 では、そのように判定させていただきます。

 これをもちまして、資料2-1、平成29年度スクリーニング評価の進め方及び評価結果について御了承していただいたということでよろしいでしょうか。

 なお、資料2-1につきましては、5ページ目ですね、表3の優先評価化学物質相当の物質数を記入して、審議後の資料として公開することとなります。

 では、これをもちまして一般化学物質、優先評価化学物質の判定を終了いたします。

 続きまして、優先評価化学物質の指定根拠外項目の評価について事務局より説明いただけますか。

○METI事務局 優先化学物質の指定根拠外項目の評価と方法と実施についてでございますけれども、1ポツでございますが、スクリーニング評価については、一般化学物質ごとに人健康影響、生態影響に係る2通りで行うこととしているため、以下の3通りの優先評価化学物質が存在いたします。人健康のみが指定根拠の優先化学物質のもの、逆に生態影響のみが指定根拠の優先化学物質のもの、両方とも指定根拠の優先評価化学物質がございます。その結果、人健康のみが指定根拠の優先化学物質については、人健康影響のリスク評価のみが進められ、同様に生態については生態のリスク評価のみが進められています。しかし、優先化学物質の指定根拠でない項目についても、リスクがないとは認められるかどうかを評価するということが必要となっております。

 そこで、①と②が下にありますけれども、優先化学物質の指定根拠でない項目についても、最新の有害性情報及び最新の暴露クラスを用いまして、スクリーニング評価を実施し優先化学物質の指定根拠に追加することといたします。

 この参考でございます。すみません、ちょっと数字が逆転しておりまして、人健康のみが指定根拠の優先化学物質については今87物質でございます。生態影響のみが優先化学物質については82ではなくて81物質になります。失礼いたしました。

 評価の方法については、事業者の届出情報から推計した排出量に基づく暴露クラスと収集された有害性情報に基づく有害性クラスのマトリックス、これは一般化学物質と同様な方法で評価を行いまして、優先度「高」のものについて優先化学物質相当と判定しまして、優先化学物質の指定根拠としまして、また、優先度「中」、「低」についても同様にエキスパートジャッジという形で判断していただくという形になっております。

 暴露クラスの算出方法については、一般化学物質と全く同様な方法なので割愛させていただきます。

 今後の取り扱いでございますけれども、指定根拠でない項目での評価において優先化学物質相当と判定された物質については、新たに判定された項目を優先化学物質の指定根拠に追加し、リスク評価の対象とします。また、指定根拠ではない項目での評価において、優先化学物質相当と判定されなかった物質については、最新の暴露クラスを用いて毎年同様の評価を行うことといたします。今後についても、新たな有害性クラスの付与を行うことができた優先化学物質については、スクリーニング評価に準じた評価の対象として加えることといたします。

 引き続き資料3-2でございますけれども、その暴露クラスをつけたものと、今回新たに追加したのが評価状況を追加いたしました。

 1ページ目を見ていただきますと、1番から36番の物質については、ほぼ評価されておりまして、例えばこの優先評価というのは今優先評価化学物質でございます。リスク評価非優先というのは、その指定根拠外の評価をした結果、優先相当ではないと判定されたものでございます。4番のブタジエンの未評価というのは、まだ有害性がついていないというものでございまして、こういう未評価の部分を埋めていくということをここではやっております。

 資料3-1、3-2については以上でございます。

○白石委員長 以上でよろしいですか。

 それでは、ただいまの内容について何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。指定根拠を追加すると。

 何かございますか。

○MOE事務局 では、すみません。3-3から御説明をさせていただきたいと思います。

 いわゆる片側優先判定というものでございまして、生態のみで優先判定されているものにつきまして、今回人健康影響に関して新たに有害性をつけた物質はございませんでした。裏面に既に有害性を付与した物質については、一覧としてお示しをしております。

 続きまして、資料3-4でございますけれども、新たに有害性のクラスを付与した物質に関しましては、1枚目にお示ししておりまして、1,3,5-トリメチルベンゼン、ただし、こちらも有害性クラス2で暴露クラス外でございますので、「外」の判定となっております。

 裏面にいっていただきまして、既に有害性クラスをつけておりましたものに暴露クラスをつけ直したものということでございまして、一番上の過酢酸でございますけれども、こちらは暴露クラスが4、有害性クラスが1ということで「高」判定になっております。既に優先評価化学物質に判定をされておりますので、生態の面からも優先相当であるということでございます。

 続きまして、資料3-5でございますけれども、片側優先の物質に関しましても、PRTRの暴露クラスを使いましたエキスパートジャッジということをしておりまして、こちらに関しましては、下の表2でございますけれども、暴露クラスが若干上がっておりますけれども、優先度「高」になる物質はなかったということでございます。

 また、資料3-6でございますけれども、これにつきましても過去5年間のモニタリング濃度を使いましてエキスパートジャッジをした結果、特に「高」になるものはなかったということでございます。

 すみません、資料は以上でございます。

○白石委員長 ここは生態だけでよろしいですか。過酢酸を指定根拠に追加するということですね。いかがでしょうか。

 ただいまの内容につきまして、何か御意見ございましたらお願いします。

 特にないようですので、事務局から……出ますか、菅野先生。

○菅野委員 すみません。いつも有害性評価の側なものでちょっと教えていただきたいんですが、暴露クラス評価の増減とこのHQを超える、超えないというのは、点が増える、増えないというのはリンクしていますか。原理的にはしないと思うんですが、実際にはリンクしているんでしょうか。

○METI事務局 御説明いたします。

 優先度マトリックスは有害性クラス、暴露クラス複数ありますけれども、そこの優先度「高」というところにはまるかどうかというマトリックスをつくったときに、当時、二監・三監という、優先物質の先祖みたいな物質群について、その物質群のそれぞれの有害性評価値と化審法の届出の推計排出量またはPRTRの排出量を使って、ここで言う排出源ごとの暴露シナリオというものでリスク評価をやって、有害性の強さと総排出量がどのくらいのものだと複数の地点で懸念になるかというシミュレーションをもとに優先度「高」の領域をつくったと。

○菅野委員 いや、ですから、リンク……

○METI事務局 そういう形でリンクをしております。

○菅野委員 でも、実際に暴露クラスが上がったからといって現実的にはHQが1を超える地点が必ず増えるわけではないですよね。全く本来は別のものですよね。

○METI事務局 大まかにそういう傾向があるというところでつくってはあります。デジタルにきっちりというわけではありません。

○菅野委員 現実には業者さんとかがちゃんとやっていれば、幾ら暴露クラスが増えても……そうでもないのか。超えちゃうことがあるのか。

○METI事務局 製造・輸入数量とは、排出が実際にどのくらいあるかということとは計算上はリンクをいたします。

○菅野委員 伺った理由は先ほどの1点超えたときにどうするのという話があったものだから、今ここで改めて分母が増えたときに超える傾向が出てきちゃうのかどうかを確認したかったんですが、要するにあの物質の場合は分母がすごく少なかったわけですよね、3つ目の化合物。

○METI事務局 アクリル酸n-ブチル。優先度「高」になるかどうかは、その1地点が超える、超えないというよりは、その地点が多いかどうかで「高」、「中」、「低」と分けてあります。

○白石委員長 ありがとうございました。

 どうぞ。

○広瀬委員 ちょっと違う観点でお聞きしたいんですけれども、今回片側判定したものの相手側も評価するということですかね。環境で優先のついたものは、ついていなかったもの。ですよね。基本的には懸念がなかったから評価していないのに、反対側もするということについて、どうしてなるはずがないのにやるということを、要するに例えば人健康で優先がついていて、環境では未判定だったと。でも、それは優先度が高くないからまだ評価を後回しにした物質ということですよね。なのに、今優先物質の判定を早くこなそうといったときに、そういう片側判定をするというのは、仕事として優先度は後じゃないんでしょうか。それは全部ができた、優先物質が全部1から4終わってからこの作業をしたほうがいいんじゃないでしょうかと私は、単に作業の問題として、仕事の優先順位として少し後じゃないかと思っただけで、意見として言わせていただきました。

○白石委員長 いいですか。

○MOE事務局 大きな考え方としては、そういう御指摘のとおりと思うんですけれども、必ずしもデータが出てくる、出てこないが物質の毒性が高いものは今出ている、低いものは出ていなということにもなっていなくて、どこかの国で誰かが登録したということで有害性を得られることがありますので、必ずしも最初に評価した時点で有害性がなかったものが優先度の低いものだということではないかと考えておりまして、それなりに人で優先に上がっている、何か毒性のあるものだということですので、片側優先の判定というのは、それなりに優先度がそう低くはないものではないかなというふうに思っております。

○広瀬委員 2020年に向かって必要性はわかりますけれども、2020年に向かったときの優先順番としては、順位の低そうな作業は減らしたほうがいいのではないかと思いました。感想です。

○白石委員長 ほか、いかがでしょう。よろしいですか。

 特にないようですので、事務局から説明いただいた内容で進めたいと思います。よろしいでしょうか。

 では、続きまして、資料4-1、4-2に基づいて、スクリーニング評価における既存の知見の収集範囲の一部拡大について事務局よりお願いします。

○MOE事務局 それでは、資料4-1、4-2に基づきまして御説明をいたします。

 4-1は海産生物の有害性情報の収集につきましてでございまして、4-2につきましてはユスリカの有害性情報の収集の資料となっております。

 それでは、資料4-1から御説明をしたいと思います。

 1ポツ、背景でございますけれども、生態影響での観点でのスクリーニング評価につきましては、「化審法における生態影響に関する有害性データの信頼性評価等について」に基づきまして、化審法の試験法やOECDの試験法での推奨種に対する有害性情報を収集の対象としております。

 収集した有害性情報において信頼性ありと判定した情報が得られなかった場合というのはデフォルト判定をすることとなっておりまして、暴露クラスが4以上の場合には優先評価化学物質に指定されることとなっております。

 9月の審議会においてデフォルトの候補物質についてお示しをしたところだったんですけれども、そういった物質に関しまして、試行的に海域の海産生物のデータにつきまして収集したところ、幾つか海産生物のみの有害性であれば得られるという場合がございました。このような物質を例えばデフォルト有害性クラスを適用いたしまして候補としてお示しした場合に、事業者様のほうから海産生物のデータがあるではないかということで御提出いただいて、堂々巡りになってしまう可能性があるのではないかということがございます。

 そこで、今回スクリーニング評価における既存知見の収集範囲を一部拡大することを検討いたしました。既存知見の収集範囲の拡大要件でございますけれども、一般化学物質につきましては、たくさんの物質がございますので、全てについて海産生物のデータを収集するというのはなかなか適当でないということから、どの範囲について集めればいいかということを検討いたしました。

 ①でございます。海産生物に対する情報を収集する対象となる物質の要件でございますけれども、一般化学物質については用途情報が得られておりますので、この中の用途の分類番号17番に船底塗料用防汚剤、漁網用防汚剤がございます。こちらに関しましては、主に海域で使用されて排出されることが想定されるということでございます。また、リスク評価(一次)の評価Ⅰにおきましては、こちらの用途につきましては、船底塗料用防汚剤や漁網用防汚剤の長期使用段階における海域への排出を想定してシナリオも使っているところでございます。

 また、既にリスク評価のほうにおきましては、こういったデータも集めているということでございますので、収集する既存の知見の範囲といたしましては、リスク評価(一次)のⅡで対象としている試験法、こちらは別紙にお示しをしておりますけれども、こちらでリスク評価においては推奨種の同属種についても情報収集としておりますけれども、スクリーニング評価の効率性の観点から、試験法におきましては推奨種に限ることとさせていただきたいと考えております。

 既存の信頼性評価基準の見直し等の必要性でございますけれども、冒頭申し上げました信頼性評価の基準につきましては、原則生態影響に関する有害性データの取り扱い原則の中で、上記の原則によりがたい場合には、専門家により妥当性を判断するとされておりますので、特に文言の変更等を行わずに対応するということは可能と考えられるところでございますけれども、透明性の確保の観点から、今後、既存の評価手法の考え方を修正する、または環境省ホームページで公表する等を検討させていただきたいと考えております。

 資料4-1につきましては、以上です。

 続きまして、資料4-2でございます。一部用途におけるユスリカへの有害性情報の収集ということでございます。

 先ほど申し上げましたとおり、スクリーニング評価では基本的な考え方に基づいて化審法で規定している試験法の推奨種の有害性情報に基づきPNECを算出しております。一方、一部の殺虫剤のように、一部の用途に関しましては、推奨種以外の生物種の有害性が強い等、現行のスクリーニング評価では情報収集の対象としている生物種では水生生物への影響を的確に捉えることができない化学物質があることが判明しております。

 具体的な事例でございますけれども、水生生物への有害性が化審法の推奨種で捉えられない事例としては、一部の殺虫剤へのユスリカを用いた毒性試験結果について、農薬取締法のほうの水産動植物登録保留基準で追加の毒性情報の求めに関する考え方が出されたところでございます。こちらの考え方を参考にいたしまして、化審法のスクリーニング評価での収集範囲の拡大を検討いたしました。

 2でございますけれども、御紹介いたしました水産動植物の登録保留基準における必須データの追加に関しまして、昨年行われました中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会におきまして、こちらの農薬のテストガイドラインの推奨種を対象とした毒性データをもとに感受性を考慮して保留基準等が策定されておりますけれども、その中で甲殻類ではオオミジンコを用いた遊泳阻害データの提出が必須となっており、他の試験生物に関しては任意になっているということでございましたが、一部の農薬ではオオミジンコに比べて他の生物の感受性が非常に高いことがわかっておりまして、オオミジンコのみの評価では水生生物への影響を的確に捉えていないという課題が挙げられております。

 そこで、環境省では、農薬の作用機構分類・系統ごとに種の感受性差検討が行われまして、ネオニコチノイド系等の一部の殺虫剤では、オオミジンコにはあまり影響は出ず、ユスリカやコガタシマトビケラなどには影響が出やすいということが示されました。そして、今後新たに登録される殺虫剤では、オオミジンコよりユスリカに非常に高い感受性を有することが否定できないとして、新規に登録を受けようとする殺虫剤や登録済みのネオニコチノイド系の殺虫剤に関しまして、ユスリカを用いた毒性試験の提出を要求することとされております。

 これを受けまして、化審法のスクリーニング評価での既存知見収集範囲の一部拡大といたしまして、水産動植物登録保留基準におきまして、ユスリカの試験が必須とされました殺虫剤は農薬取締法の対象となる農薬でございますけれども、同一の化学物質が農薬以外の殺生物剤として届出をされれば、化審法でのスクリーニング評価の対象となっております。

 そこで、化審法のスクリーニング評価では、無脊椎動物としてオオミジンコとその近縁種のみの情報を用いておりますけれども、現行のスキームではユスリカの毒性情報は収集していないため、水産動植物登録保留基準の考え方を見れば、一部殺虫剤に関して、現行のスクリーニング評価では水生生物への影響を見逃す可能性が考えられます。そのため、スクリーニング評価においても、殺生物剤についてユスリカを用いた試験結果をオオミジンコと同等として扱うこととさせていただきたいと考えております。

 なお、リスク評価(一次)の評価Ⅱにおいては、当該データは既に収集対象となっておりますので、少し前倒しで集めていくということでございます。

 知見の収集範囲の拡大要件でございますけれども、ユスリカの有害性情報を収集する対象物質の要件でございますが、こちらはオオミジンコよりもユスリカでの感受性が高い殺虫剤は数種類の系統に及ぶことから、有害性情報の収集は18番から20番の殺生物剤の用途がある物質のうち、農薬取締法の農薬のリストを参照して重なるような物質に関して、今後収集をしていきたいと考えております。また、試験を収集する既存の知見の範囲でございますけれども、OECDのテストガイドライン235番、ユスリカの急性遊泳阻害の試験ということと、あと、こちらを参考にした農薬試験法ということを対象としたいと考えております。

 こちらに関しましても、先ほどの海産生物と同様でございますけれども、今後評価の透明性を確保するために評価手法について整理をいたしまして、既存の評価手法の考え方を修正することや、もしくは環境省ホームページで公表する等を検討させていただきたいと考えております。

 資料4-1、4-2に関しましては以上です。

○白石委員長 ありがとうございました。

 では、御意見、御質問ございましたらお願いします。

 どうぞ。

○恒見委員 2点質問です。まず、資料4-1のほうですけれども、推奨種以外の情報の収集を試行したというところで、海産生物への毒性試験結果が出てきたというのは、その17番の用途の事業者が主だったんでしょうか。それとも海岸に立地している事業者のそういう海域排出をされているような事業者さんのデータだったんでしょうか。もし後者だったら、17番の用途だけでいいのか、化審法のスキームからして難しいから今回は17番のみにするのか、その辺を教えていただければと思います。

 もう一つ、資料4-2のほうですが、ユスリカは水生生物としての扱いでしょうか、それとも底生生物としての扱いでしょうか。

○MOE事務局 まず、1つ目の御質問ですけれども、網羅的に調査したわけではないんですが、今回海産生物の情報だったらあったというのは、17番の用途があったものになります。海域への排出は確かに多くて、全ての物質にやればそれはいいじゃないかということかもしれないんですけれども、少しリスク評価の作業的な問題で、まずは17番のものからやってみて、もし拡大できるようであれば、そういった海域への排出が多いような物質に関して考えていくというような手順になるかと思います。

 2点目の御質問ですけれども、ユスリカに関しましては、こちらは水生生物としての遊泳阻害のデータということになっております。

○白石委員長 よろしいでしょうか、今の回答で。

○恒見委員 すみません。スクリーニングでしたら、ユスリカを水生生物として扱うのもいいと思うんですけれども、多分リスク評価段階になって同じ水生生物、河川中濃度と比較するというのはちょっと違うんじゃないかな。多分、底質中濃度との比較とかちょっとその辺も含めて御検討いただくほうがいいんじゃないかなとちょっと思いました。

○白石委員長 ありがとうございました。いいですか。具体的な評価方法につきましては、後日取りまとめられるということですから、今のはコメントとして受けたいと思いますが、ほかはいかがでしょうか。

 では、議論も尽きたようですので、スクリーニング評価における既存の知見の収集範囲の一部拡大については、事務局の案のとおり進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、時間が大分押してきましたが、デカン-1-オールの生態影響の観点のリスク評価Ⅱの評価結果及び今後の対応について事務局から説明をお願いします。

○METI事務局 デカン-1-オールでございます。

 この物質は、資料5-2でございます。表1を見ていただきますと、直鎖型のC10のアルコールという形でございます。平成26年4月1日に生態影響の観点で指定された物質でございます。

 2番目でございますけれども、モデル推計に採用した物理化学的性状データのまとめでございますけれども、これについては経産省主催の物理化学的性状、分解性、蓄積性等のレビュー会議で了承された値として、採用値として左側に載っている値を採用いたしております。

 表3の分解に係るデータのまとめでございますけれども、大気についてはOHラジカルとの反応で1日、水中の生分解について4日、土壌について4日、底質については、水中の生分解性の半減期の4倍と仮定して16日としております。

 1ページめくっていただきまして、3ページでございますが、排出源情報でございますけれども、この物質は優先化学物質になってからまだ届出は2回でございまして、平成26年度は約1万7,000トンの輸入がございました。平成27年度は半減しておりますけれども、7,435トンという形になっております。ここについては大幅に違いますから、届出データを比較して確認したところ、実は丸々、ほぼほぼですけれども、この26年度に輸入していた事業者から聞いたところ、単年度限りで出てきたので、通年はほとんど届出、輸入事業者さんはないということなので、27年度のデータのほうがより精緻に近いかなと思っております。

 この届出データに基づいて推計排出量を出したものが表4でございます。ほぼ中間物でございまして、出荷数量が5,500トンになりまして、推計排出量としては0.84トンとなっております。そのほかに水系洗浄剤、合成繊維、金属加工油という出荷数量がありますけれども、それぞれ推計排出量が0.2トン、0.005トン、0.005トンという感じになっております。合計としては1.1トンが推計排出量として出ております。

 この物質はPRTR、デシルアルコールという形でちょっと範囲は広いんですけれども、指定されておりまして、この物質についてPRTRの推移を見ましたところ、横ばいという形になっております。推計の非対象業種については、農薬等多いんですけれども、これは化審法の対象外の部分でございます。

 以上でございます。

○MOE事務局 続きまして、5ページ、有害性評価の御説明をいたします。

 本物質に関しましては、3種の慢性毒性試験結果が得られておりまして、キーデータは一次消費者、甲殻類の繁殖阻害に関する無影響濃度(NOEC)を使っております。不確実性係数積でございますけれども、3種の慢性がそろっておりますので、屋内から屋外へのUF10のみでございまして、PNEC値に関しましては0.0034mg/Lということとなっております。

 以上です。

○METI事務局 排出源ごとの暴露シナリオの評価、6ページ目でございますけれども、化審法の届出情報を用いた結果及びPRTRの届出情報を用いて、排出源ごとの暴露シナリオの推計モデルにより評価を行いました。PRTR対象物質のほうが物質の範囲は広いものの、PRTR届出情報に基づくリスク推計結果により実態を反映しているものと考え、PRTRの届出情報を用いてモデルをかけました。そうした結果、届出排出源については12カ所中ゼロカ所という形になっております。

 2ページめくっていただきますと、9ページでございますけれども、PRTRの届出情報とPEC/PNEC比というのが一番高いところで0.35という形になっております。

 以上でございます。

○MOE事務局 すみません。先ほどの有害性で説明をし忘れてしまったんですけれども、本物質はlog POW3以上となりますので、底生生物に関する評価もいたします。残念ながら底生生物に関する毒性情報は得られておりませんので、水生生物からの平衡分配法による換算値を用いておりまして、0.39mg/kg-dryということでございます。

 こちらを使いまして、6ページ、5-2でございますけれども、さまざまな排出源の影響を含めた暴露シナリオによる評価ということでございます。3,705地点に関しまして評価を行いまして、超過したのは水生生物の2地点ということでございました。底生生物に関しましては、次のページのとおりでございまして、PEC、PNECが1を超えた地点はなかったということでございます。

 続きまして、5-3の環境モニタリングデータによる評価でございます。こちらの物質に関しましては、5年あるいは過去10年のデカン-1-オールに関する水質モニタリングデータは得られなかったため、環境モニタリングデータによる評価は実施をしておりません。

 それでは、資料5-1に戻っていただきまして、リスクの評価結果につきまして御説明をいたします。

 まず、デカン-1-オールに関しましては、水生生物及び底生生物に関するPNECを導出いたしまして、暴露評価としてPRTR情報に基づく予測環境中濃度の計算を行いました。排出源ごとの暴露シナリオによるリスク評価結果では、PECがPNECを超えた地点はございませんでした。一方、さまざまな排出源の影響を含めた暴露シナリオによる評価では、PECがPNECを超える地点が2点見られたということでございます。また、製造・輸入数量に関しましては、平成26年度と比較しまして平成27年度は半減をしておりました。

 このことから、現在推計される暴露濃度では、デカン-1-オールによる環境汚染により広範な地域での生活環境動植物の生息もしくは生育に係る被害を生ずるおそれがあるとは認められないと考えられます。ただし、本物質に関しましては、環境モニタリングによる実測濃度が得られておりませんので、評価Ⅱの判断に至る暴露評価結果は得られていないと判断いたしまして、環境モニタリングによる実測データを収集することとさせていただきたいと思います。

 資料5シリーズに関しましては以上です。

○白石委員長 ありがとうございました。

 ちょっと大分時間が押しておりますので、ただいまの事務局の説明につきまして御質問、御意見がございましたら、お手元のネームプレートをお立ていただけますでしょうか。順次指名させていただきます。

○林部会長 簡単にお聞きします。丸の2つ目のところで、生育に係る被害を生ずるおそれがあるとは認められないと考えられるというふうに結論づけられているにもかかわらず、その一番最後のところでただし書きがあって、モニタリングによる実測データを収集することとするというこの部分は、本当に要るのでしょうか。確かにモニタリングでデータを稼いでいくということは重要なことだとは思いますけれども、その上で一応今回は認められないと考えられるという結論が出ているので、さらにこのただし書きが要るのかどうかというところに少し疑問を感じました。

○MOE事務局 御指摘ありがとうございます。

 2ポツ目ですけれども、冒頭のところで「このことから、現在推計される暴露濃度では」となっておりまして、これはシミュレーションに限定した結果ということでございます。ただし、御指摘のとおり、5-2のほうでPEC/PNEC比というところで、後ろのほうのページの11ページにございますけれども、PEC/PNEC比を超えたのは1.1ということでございます。このことから考えると、ただし書きが要るのかという御指摘はごもっともということかもしれないんですけれども、本物質はかなり過去の段階でモニタリングが行われまして、そのときにモニタリングはかなり高い地点、PEC、PNECが1に近いような地点が見られておりまして、また、今年度は黒本調査で既に測定をしているところでございまして、すぐ結果が得られるということもあったところ、このような書きぶりにさせていただいております。

○林部会長 いろいろ諸事情はあると思うんですけれども、製造・輸入数量もぐっと減っているというようなことも考え合わせると、わざわざここに書き込んで宿題にすることもないのかなというのが率直な感想でございます。

○MOE事務局 ぐっと減ったのも2年での比較ですので、もう少し長期なトレンドを見てみないと、長期のトレンドを見て例えば5年ぐらいで減ってきているということであればあれなんですけれども、2年ということで若干まだ不確実性はあるかなというふうに考えております。

○白石委員長 いかがですか、ほかの委員は。

 どうぞ。

○原田委員 ただいまの林部会長の意見に賛成いたします。これからリスク評価を加速していく上で、モニタリングのデータは非常に重要だということは認識しております。今、環境省さんからあったように、既にデータが出つつあるということであるのでしたら、そちらで大きなものが出てきたときにもう一度審査をするというような効率化も考えてもよろしいのではないかと思いました。以上はコメントでございます。

○白石委員長 ほかの委員、いかがですか。もう実際にデータが出つつあるというところで微妙なところなんですけれども。

 いかがでしょう。特段書く必要もないのではないかという意見が2つ出ましたが。

○MOE事務局 必ずやっぱりモニタリングをこれまでも得てきて、それで一応確認をして、今回は1.1とはいっても、PEC/PNEC比を超えているという状況でございますので、これはしっかり書き込んで再評価とさせていただきたいと考えております。

○白石委員長 超えている地点があるので、一応確認したいということであります。いかがでしょうか。

 どうぞ。

○鈴木(規)委員 文章的には推計されている濃度では認められないと考えているというのは、多分、部会長のおっしゃるとおりのことはあることはあるんですが、一応推計で超えている地点は少数ですが存在していて、そこに多分不確実性もあるので、既に動いているのであれば、とりあえず実測データを収集するということにしてもよいのかなと私は思います。

○白石委員長 いかがでしょうか。

 推計される濃度では確かに認められないんだけれども、実測値が過去にはあったということで、現在動いていることもあって、この文を載せておきたいということなんですが、いかがでしょうか。よろしいですか。

 意見は割れているんですが、これまでもオーバーしているところはモニタリングが必要だというような書きぶりだったんでしょうか。

○MOE事務局 はい、基本的にそのようにしております。

○白石委員長 過去もこのような例があったということなんですが、よろしいでしょうか。特段強い反対がなければこのままにしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

 では、デカン-1-オールにつきましては、事務局から説明のあったとおりの評価としますけれども、よろしいでしょうか。

 それでは、デカン-1-オールの評価につきましてはここで終了させていただきたいと思います。

 その他ございますでしょうか。

○原田委員 すみません、たびたび。先ほどの優先評価の数でございますが、事務局から水生生物1ということで修正がありました。しかしながら、過酢酸の話が片側ということから来ているので、数としては、生態影響は2というところでもう一回数字を戻すのでしょうか。私が今言っているのは、資料2-1の表3の扱いでございます。

○METI事務局 1のままで結構です。資料3-2、指定外根拠のところでございますので、そこの表3のところには、数字としては入らないということでよろしくお願いいたします。

○原田委員 ありがとうございます。

○白石委員長 スクリーニング評価としては3と1ということで、別の資料ということになるわけですね。

○METI事務局 よろしくお願いします。

○白石委員長 ほかはいかがでしょうか。

 ないようでしたら、事務局でほかに何かありますか。

○MOE事務局 それでは、事務連絡でございますけれども、合同審議会第二部の審議につきましては、休憩を挟みまして、予定どおり3時20分より開始したいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 なお、第二部からは化学物質審議会については、審査部会として審議会を開催することといたします。新規化学物質の審査等でございますので、非公開とさせていただきます。傍聴者の皆様におかれましては、御退室いただきますようお願い申し上げます。

 それでは、第二部、委員の皆様におかれましては、3時20分までにお席にお戻りいただきますようお願い申し上げます。

○白石委員長 では、以上をもちまして合同審議会第一部を終了します。御協力ありがとうございました。