平成28年度第6回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会 平成28年度化学物質審議会第2回安全対策部会 第168回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会【第一部】 議事録

1.日時

平成28年10月28日(金)13:00~15:00

2.場所

経済産業省別館1階101-2・103・105共用会議室

3.出席:(五十音順、敬称略)

薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会委員

小川 久美子    菅野 純    鈴木 勇司

高木 篤也     田中 博之   西川 秋佳(座長)

能美 健彦     平塚 明    広瀬 明彦

化学物質審議会安全対策部会委員

浅野 哲      大石 美奈子  小林 剛

近藤 元好(庄野委員代理) 恒見 清孝   東海 明宏

原田 房枝     林 真(部会長)

中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会委員

青木 康展     菅野 純    小山 次朗

白石 寛明(委員長)鈴木 規之   田中 嘉成

田辺 伸介     山本 裕史   吉岡 義正

和田 勝

事務局

厚生労働省  日下部化学物質安全対策室長

経済産業省  飛騨化学物質安全室長

環境省  新田化学物質審査室長 他

4.議題

 1.化学物質審査規制法に基づく優先評価化学物質の判定について
 2.化審法施行状況検討会で挙げられた課題について
 3.その他

5.議事

○METI事務局 定刻になりましたので、ただいまから「平成28年度第6回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会」、「平成28年度化学物質審議会第2回安全対策部会」、「第168回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会」の合同審議会を開催いたします。
本日は、吉岡委員が、ご到着が遅れると伺っております。また、庄野委員の代理で、日本化学工業協会の近藤部長に御出席いただいております。
本日は、いずれの審議会も開催に必要な定足数を満たしており、それぞれの審議会は成立していることを御報告いたします。
なお、本合同審議会は第一部と第二部に分けて実施いたします。13時から15時までを第一部として、化審法に基づく優先評価化学物質の判定、化審法施行状況検討会で挙げられた課題について公開で審議を行います。第一部終了後、休憩を挟みまして、15時20分をめどに第二部を行いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、資料について確認を行いたいと思います。
今回は、ペーパーレス化の観点から、原則資料につきましてiPadに保存しております。iPadを御覧いただいてご審議をよろしくお願いいたします。iPadですけれども、画面に資料の一覧のファイルが並んでいるかと思います。この資料をタッチしていただくとファイルが開きます。画面の左上に「完了」という青い文字が出ますけれども、そこで閉じていただくと資料の一覧に戻るようになっております。「完了」の文字がないときは、画面を軽くタッチしていただくと文字が出てまいります。もしiPadに不具合がございましたら、挙手いただくなどしてお知らせください。係の者が対応いたします。
ただし、資料4のシリーズ、6のシリーズ、具体的には資料4─1、4─1別添、4─2、4─2別添、資料6シリーズの6─2、6─2の参考は1と2がございます、6─3─1、6─3─2、資料6─3─2の参考、以上の9つのA3の横のデータ集一覧資料につきましては、紙でもご用意しておりますので、適宜御覧ください。また、資料4─1別添と6─2の参考2、資料6─3─2参考につきましては委員限りの資料となっております。よろしいでしょうか。
それでは、これよりご審議賜ればと思います。
本日の全体の議事進行につきましては、化学物質審議会安全対策部会の林部会長にお願いしたいと思います。林部会長、どうぞよろしくお願いいたします。

○林部会長 よろしくお願いします。
それでは、これより議事に移らせていただきます。
初めに、本日の会議の公開の是非についてお諮りいたします。
各審議会の公開につきましては、それぞれ規定のあるところでございますが、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合または特定な者に不当な益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合等、非公開とすべき場合には該当しないと考えますので、原則公開といたしたいと思います。ただし、営業秘密等に該当する部分は秘匿することを認めることといたしたいと思います。よろしいでしょうか。──御承認いただいたと認めます。それでは、本日の会議は公開といたします。
議事録につきましては、後日ホームページ等で公開されますので、あらかじめご承知おき願います。
また、本日は、通常の優先評価化学物質の判定の審議のほかに、化審法施行状況検討会で挙げられた課題についてもご審議いただくことになっております。後半の審議時間を30分ほど予定しているところですが、全体の審議時間は通常どおり2時間となっておりますので、迅速かつ効率的なご審議に協力をいただきたいと思います。
それでは、早速議事に入っていきたいと思います。議題の1番目として「化学物質審査規制法に基づく優先評価化学物質の判定について」でございます。
事務局のほうから説明をお願いいたします。

○METI事務局 資料1について御説明させていただきます。まず、資料1をタッチしていただけますでしょうか。よろしいでしょうか。資料1について御説明させていただきます。
まず、最初に1ページ目を御覧ください。
おさらいになりますけれども、化審法では平成21年度に改正し、リスクベースの評価手法が導入されました。また、平成23年度からはスクリーニング評価を実施し、リスクが十分に低いと判断できない物質を絞り込みまして、優先評価化学物質に指定した上で段階的にリスク評価を行うこととしております。スクリーニング評価の方法については、化審法の製造・輸入数量から全国排出量を推計し、それを暴露情報としまして暴露クラスを付与し、また、有害性については国において収集した情報に基づき、それに有害性クラスを付与しまして、図1にお示ししたように、「高」と書いてある部分ですけれども、「高」に当てはまると優先評価化学物質相当と判定しております。また、「中」と書いてあるところがございますけれども、これに当てはまる部分におきましても、必要に応じて専門家による詳細評価を行っていただき優先かどうかの判定を行うものがございます。
2ページ目でございますが、これまでのスクリーニング評価の変遷を記載しております。
続きまして、4ページ目3.のスクリーニング評価の実施対象ですが、昨年と同様に届け出実績から製造・輸入数量が10t超と10t以下を分けまして、10t超のものを評価対象としております。
続きまして4.のスクリーニング評価の対象範囲ですが、有害性クラスの付与につきましては、基本的には暴露クラス1から暴露クラス4までのものについて付与することとしております。また、暴露クラス5または外のものについては、基本的には暴露クラスの付与をもってスクリーニング評価を実施したこととしております。ただし、専門家による詳細評価対象物質や情報が得られている物質については通常の評価を実施しました。
続きまして5.のスクリーニング評価の課題の対応状況でございます。有害性情報の付与に当たって検討を必要とした物質について①に挙げられている有害性情報を入手することができなかった物質に関しては、昨年度デフォルトの有害性クラスを適用し、それに暴露クラスをあてはめ優先評価化学物質の指定を行いました。今年度も、昨年度と同様に、一定以上の暴露があるが情報が得られなかった物質につきましてはデフォルトの有害性クラスを適用していくことと考えております。
②でございます。石油由来の炭化水素類やポリオキシアルキレン類等の混合物につきましては、製造・輸入されている化学製品の実態や既に得られている有害性情報等を考慮し、評価単位を設定することとしております。今年度新たに1物質設定いたしました。実は混合物の範囲の設定について非常に時間がかかっているという現状がございます。原因としてはは現状の届出情報から構造情報が得られないために事業者に個別の照会を行うことに多大な時間がかかっております。この問題を解決するために、今後は届け出の省令等の所用の改正を行い、特定の物質群については構造情報等を記載してもらうことを検討してております。本件については、本日、後ほどの資料9で詳細を御報告する予定でございます。
6ページ目でございますが、今回のスクリーニング評価の結果ですが、表3のとおりとなっております。表の一番下は空欄になっておりますが、本日の審議が終わりましたら、ここの数字が入る予定となっております。
以上、資料1の御説明です。
次に、資料1の別添を御覧いただけますでしょうか。
資料1の別添は、今年度の優先評価化学物質の物質一覧を示したものでございます。後ほど個別の資料4シリーズ、6シリーズで御説明させていただく際に優先化学物質の全体を俯瞰するものとしてお使いいただければと思っております。
以上でございます。
続きまして資料2を御覧いただけますでしょうか。
一昨年優先評価化学物質の指定が解除されたクロロエチレンのスクリーニング評価について御説明させていただきます。
この物質は、通常のスクリーニング評価を実施しますと再び優先評価化学物質に指定される可能性が高いため、リスク評価IIで使用した情報を利用し、個別物質ごとのスクリーニング評価を実施する必要がある物質でございます。また、この物質は、取り消し時の評価結果において、今後の対応としてのPRTRの排出量、環境モニタリング情報を抽出することとなっております。それらを踏まえ、今回のスクリーニング評価では、PRTRの排出量、環境モニタリング、化審法の製造数量等の届け出における用途及び暴露クラスの3点の観点から優先評価化学物質の指定を含めた対応の検討を行うことといたしました。
1つ目でございますが、PRTRの排出量については、総量としてリスク評価IIにおける評価時は平成23年度のデータを使っておりますがこのデータと最新PRTR排出データと比較して増加していないか。増加している場合は、リスク評価IIにおける有害性評価を用いてモデル計算を行い、リスク懸念となる排出量を超える地点がないかをみることとしました。
2つ目でございます。環境モニタリングについてなのですが、リスク評価時のデータと
比較して、リスク評価II時以降の環境中濃度と比較して高くなる点はないか。3つ目、化審法の製造数量の届け出の用途分類及び暴露クラス、リスク評価IIにおける評価時点と比較して排出量の増加につながる新たな用途分類がないか。また、暴露クラスが上がっていることがないかを確認することといたしました。
そこでPRTRの排出リスク評価時に使用した平成23年度の実績データと比較しますと、表1でございますが、若干の増加がございます。そこで、排出源のリスク懸念点がないか、PRAS─NITEでモデル計算をしまして比較してみたところ、いずれも懸念地点となる地点はございませんでした。
続いて、環境モニタリングでございますが、環境モニタリングにつきましても、リスク評価時に使用したデータで最も高く検出された地点と比較し、評価時以降に測定されたデータと比較したところ、いずれも環境中濃度が高くなる地点はございませんでした。
また、化審法データにおいてもリスク評価時のものと比較したところ、新たに発生した用途はございませんでした。暴露クラスも2のまま変動はございませんでした。
以上のことから、今回のスクリーニング評価においては、本物質は優先評価化学物質に再指定せずに、一般化学物質として引き続き所要のデータを抽出していくことが適当であると考えております。
以上、資料2の説明でございます。
続きまして、資料3を御覧下さい。
これは、平成26年度に届け出情報からCAS番号単位のものと旧二監・三監の単位、新規由来の公示物質、CAS番号に関連づけないMETI番号の単位でまとめたものを、それぞれ製造・輸入数量から排出係数を掛けて暴露クラスをつけた一覧でございます。この暴露クラスの付与結果に有害性情報をあてはめ、優先度の判定を行うものが次に説明を行う資料4シリーズとなります。
以上、1から3までの説明でございます。

○林部会長 どうもありがとうございました。今、資料1から3までを事務局のほうから御説明いただきました。資料1については、これはこれまでも何度かみていただいている資料だと思いますので、おさらいというような意味も含みます。
一応順番に、御質問、あるかないかだけは聞いていきたいと思います。この資料1並びに別添について、何か御質問はございますか。──ないようでしたら、次の資料2のほうに進みたいと思います。
資料2の優先評価化学物質の指定取り消し物質、クロロエチレンの取り扱い、これは一応代表例というふうに考えてもいいかと思うのですけれども、一度優先から一般に移ったものについて、その後どういうふうに取り扱っていくのがいいかというところがキーになるかと思いますが、今、事務局のほうからお話のあったような方法でよろしいか、御意見、御質問等をいただければと思います。

○原田委員 御説明ありがとうございました。今回の措置に対して反対ではございません。今後のやり方としまして、PRTRデータ、あと化審法の製造数量届出といったものを使うということは合理的だと思われますが、このクロロエチレンに関しては、データをみてみますと、化審法の用途、製造・輸入量だけでも恐らく環境への多大な放出が変わっていないというような情報がとれるのではないかと感じました。行政の手間も省く、効率化を図るといった点で、PRTR、環境モニタリング、化審法の製造・輸入量、全てみる必要があるものと、特定の、例えば化審法の製造・輸入量だけで判断できるようなものということを、今後層別できるような仕組みもあってもよろしいかと思います。
以上です。

○林部会長 貴重な意見、ありがとうございました。今ここでの御提案御提案は、3つのものを同時に並行して進めていくということですが、今の御提案御提案は、その中でも重要度の高いというか、それも一つみれば大体わかってしまうというようなものがあれば、その順番で一つずつ片づけていって作業の効率化を図ってはいかがかというような御意見だったと思います。
そのほかにございませんか。どうぞ。

○菅野委員 ありがとうございます。合理化に関しては、ゆくゆくはそういう方法でいいとは思うのですけれども、まだ1年、スタートしてすぐであるという点と、あと、やはりこれは業界様の自主努力で頑張っておられるわけですけれども、この成果はそれがベースになっていると思います。ですけれども、やはり何らかの時点で新たな事業者が入る。
要するに、放出点が新たに明らかに変わるような場合もある意味想定されるわけですよね。
ですので、今のところは、この環境モニタリング、モニタリングする場所も含めて、一応当分はこれを堅持されたほうがいいのではないかというふうに私は思いました。
もう一つは、毎年これをやるのでしょうか。来年度も再来年度も。──ですね。見直ししていくわけですね。その場合は、やはり23年度を常に比較対象にしていくということとして理解してよろしいのでしょうか。

○林部会長 これは事務局から答えてもらったほうが良いですか。

○METI事務局 23年度のデータを使いまして詳細リスク評価しておりますので、これと比較して今どうなっているのかを見るのが一番適当かと思っております。

○林部会長 ちょっとつけ加えますと、一応この資料もクロロエチレンのというふうに一応限定がかかっていますので、またこれからも出てくるものはあると思うのですけれども、またその都度多少の考慮はなされるものと思います。
そのほかに何かございませんか。
──それでは、今いただいた点についてはここで何か決めるというわけではございませんので、事務局のほうでまたご検討いただければと思います。
それでは、その次に、資料3の一般化学物質への暴露クラス付与結果ということで、何か御質問等ありますでしょうか。これもほとんど報告事項だというふうにみているのですが。
──ないようでしたら、この資料3まで一応終わったということにさせていただきたいと思います。
それでは、続きまして、資料4からの御説明をお願いします。

○MHLW事務局 それでは、人健康影響の判定案について御説明させていただきます。
まず、資料4─1を御覧ください。資料4─1は紙でもご用意しておりまして、一番上のA3のものでございます。
こちらが今回スクリーニング評価におきまして有害性クラス、それから優先度を付与しました物質の一覧でございます。資料の構成といたしましては、1に今回新たに有害性クラスの付与を行う物質の候補をまとめ、3ページ後の2に、平成22年から27年度に有害性クラスの付与を行った物質をまとめております。
また、表の並べ方の順番としましては、左側の真ん中ぐらいにございます「優先度」という列がございまして、基本的に優先度が「高」「中」「低」「外」の順で並んでおります。
まず、1から3ページを御覧ください。
今回新たに有害性クラスの付与を行う物質の候補でございます。今回新たに有害性クラスの付与を行う物質候補につきましては、39物質ございます。今回スクリーニング評価した結果、優先度「高」に該当する物質、つまり優先評価化学物質相当とする候補物質は2物質ございました。
一番上の物質については、一般毒性についてCICADよりNOAEL0.025にUF100、これは期間を1、種差を10、個体差を10で割りまして、有害性評価値0.0025ですので、有害性クラス2といたしました。
その次の2番につきましては、NITE初期リスク・有害性評価より、一般毒性につきましてLOAEL30としてUF6,000、これは期間を6、種差を10、個体差を10、LOAEL差異を10で割りまして、有害性評価値0.005であることから有害性クラス2としております。
続きまして、3ページから13ページをよろしくお願いいたします。
2、平成22~27年度に有害性クラスの付与を行った物質でございます。こちらの表からは、今回の暴露クラスにおいて見直した結果、優先度「高」となる物質はございませんでした。
資料4─1の人健康影響に関する優先度判定案の資料の御説明は以上でございます。
続きまして、資料4─1別添という資料を御覧ください。
こちら、公表されていない企業秘密に関する事項が含まれておりますので、配付は委員の先生方限りとさせていただいております。また、当該資料につきましては会議終了後に回収させていただきます。資料説明に際しては、物質名は具体的な名称ではなく、割り振られた番号──呼称、物質と書かれているものですが──で御説明させていただきます。
委員の先生方におかれましても、ご発言がある際には物質名につきましては割り振られた呼称の番号でお願いいたします。
別添の資料は、工事前の新規化学物質につきましてスクリーニング評価を行ったものでございます。毒性の情報源につきましては、いずれも新規審査における毒性の情報を用いて評価をしております。今回対象とする3物質については、結果はいずれも優先度「外」あるいは「低」となっております。また、背景となりました毒性情報は下の表に示しております。
資料4─1別添の御説明につきましては以上でございます。

○MOE事務局 それでは、続きまして資料4─2について御説明いたします。紙でも配付しておりますこちらを御覧ください。
資料の構成といたしましては、人健康と同じく1ポツといたしまして今回新たに有害性クラスの付与を行う物質、3ページ目からは平成22年~27年度に有害性クラスの付与を行った物質、また、今回、一番最後のページでございますけれども、3ポツといたしまして評価単位を設定した有害性クラスの付与を行う物質ということで、評価単位を設定したものについても有害性を1・2・3と分けてお示しをしております。
まず、1ページに戻っていただきまして、今回新たに有害性クラスの付与を行う物質でございます。有害性クラスの付与を行った結果、優先度「高」となりました物質は上から2つの2物質となっております。また、後ほどの資料で御説明するのですけれども、その下に、3番目、硫化水素に米印がついておるかと思うのですけれども、これは通常のエキスパートジャッジ、有害性が非常に強いということで、エキスパートジャッジで優先に判定されるという目安に該当するものですけれども、これに関しましては今回エキスパートのさらにジャッジをいただきまして、今回は優先に指定しないということで整理をしております。
続きまして、3ページから、既に有害性クラスの付与を行った物質でございます。これにつきましては3物質を「高」と判定しております。これにつきましても、5番目、6番目の物質に米印がついておりますけれども、これにつきましても通常の有害性が強いものでエキスパートにかかるものですけれども、これも非常にUFが高いということであり、構造情報がまだはっきりしないということでございまして、これはエキスパートジャッジとして優先判定することはしておりません。
それでは、最後の3ポツ目でございますけれども、こちらの物質についても有害性を付与いたしまして、その結果、優先度は「高」と判定をされております。
こちらの評価に用いました有害性情報につきましては、4─2の別添で、QSARについても計算をできるものはしておりまして、それを4─2の参考ということでお示ししておりますので、後ほど御覧いただければと思います。
4─2につきましては以上です。

○林部会長 どうもありがとうございました。非常に大きなテーブルなので、追いかけるのが少し難しかったかとも思うのですけれども、何か御質問、コメント等はございませんでしょうか。
──ありませんか。もしなければ、ほかにも議論することがありますので、ここでは事務局案どおりとさせていただこうかと思うのですけれども、それでよろしいですか。
──それでは、この資料4─1、4─2に関しましては事務局案どおりということにさせていただきたいと思います。
続きまして、引き続き詳細評価を行う物質の審議ということで、資料5、それから資料6も一緒に御説明いただければと思います。御説明のほどよろしくお願いします。

○MOE事務局 それでは、資料5を御覧ください。
資料1で御説明をいたしましたとおり、スクリーニング評価につきましてはマトリックスで基本的には判定していくものでございますけれども、非常に、優先評価化学物質に指定するということがリスクのおそれがないとはいえないというものまで拾っていくということも鑑みまして、ある基準に基づいて、「中」であるもの、「低」であるものからも優先に判定していく基準について整理をさせていただいたものでございます。
まず、一つ目の観点でございますけれども、PRTR排出量による暴露クラスの見直しでございます。PRTR制度に基づきまして、ある一部の物質につきましては排出量が得られております。スクリーニング評価については、製造・輸入量に対して排出係数を乗じて排出量を推計しておりますけれども、それとPRTRの排出量、その場合は届け出のみを使いまして全国集計値を出しまして、それを比較いたしまして暴露クラスをつけ直すと。そうした結果、「高」になる物質があるようであれば、その判定を行うということでございます。
続きましては、1枚スライドしていただきまして、2ポツでございます。
続きましては、環境中濃度による詳細評価ということでございます。これにつきましても、一部の物質については環境中濃度が得られるということでございまして、環境中濃度によってスクリーニング評価で得られた有害性評価値、こちらを比較いたしまして、1を超える地点があるということでございますれば優先評価化学物質に指定していくということでございます。
3ポツは、少しちょっと毛色が異なりますけれども、生態影響につきまして慢性影響を優先して使っていくということでございますけれども、慢性と急性の毒性値をACR──慢性と急性の比でございますけれども、これで割ったものが慢性のほうが大きいということになった場合ですと、専門家に判断いただきまして、場合によっては急性毒性のほうを使うことがあるということでございます。
4ポツでございます。こちらは有害性についてのものでございまして、「中」「低」に該当するものの中でも非常に有害性が強い、あるいは重篤な症状が出るというようなものにつきましては優先に判定していこうということでございます。
3枚目でございますけれども、判定基準といたしましては、今までだと、説明をしてしまったところでございますけれども、3の真ん中より半分ぐらいのところに人の健康に係る選定の判断基準をお示ししております。
最後の4ページ目でございますけれども、こちらに生態影響に係る選定の基準、PNECが非常に低いと。0.0001mg/L以下というものについては優先判定をしていこうというものでございます。
続きまして、資料5の別添でございます。
これにつきましては、環境中濃度による詳細評価の方法について細かくお示ししたものでございますので、後ほど御覧いただければと思います。
続きまして、6─1、今説明いたしました専門家判断というところの中のPRTR排出量による暴露クラスの見直しでございます。資料はよろしいでしょうか。
2枚目に結果をお示ししておりまして、今年度につきましては逆転等は──暴露クラスは1段高くなるというケースはあったのですけれども、それによって判定が「高」になるというケースはございませんでした。
資料5と資料6─1につきましては以上でございます。

○林部会長 それでは、今御説明いただきましたけれども、エキスパートジャッジというものをどういうふうに今後も取り扱っていくかということですが、何か御質問、御意見はございませんでしょうか。──ありませんか。よろしいですか。

○西川座長 資料5の3ページの2ポツの(ア)発がん物質のところで、閾値のあることが知られていない発がん物質については優先的に考えるということですけれども、閾値があるとしてでも、大量暴露すれば人に対する有害性は懸念すべきだと思うのですが、このあたり、いかがでしょうか。

○林部会長 何か事務局のほうで御説明はありますでしょうか。

○MHLW事務局 ご指摘としては、発がん性に関して、閾値があった場合でもその評価を行うべきなのではないかというような、そういうような御意見でしょうか。

○西川座長 要するにそういうことですね。考慮する必要はないかということです。

○MHLW事務局 発がん性においては、スクリーニングの段階では基本的にはIARC等の評価書のクラスづけ、カテゴリー分けに従って行われているということで、なかなか閾値の問題を対象として答えるのがなかなかスクリーニングの段階では難しいという課題はあるかと思います。というのは、有害性評価値等を詳細に分析しないとなかなか比べられないということで、スクリーニングの段階でどのようにそれを考慮できるかということは今後検討させていただければと思います。

○西川座長 よろしくお願いしたいと思うのですけれども、IARCの評価は、別に遺伝毒性があるとかないとかあまり考慮していないんですね。したがって、そのあたりも総合的に判断していただければと思います。

○菅野委員 今の発がん性に関しては、「等」というところで読めるのかなとは思ったのですが、より広く読み取れるように、若干修文をお願いしたら良いのかなと思いました。
2ポツの環境中濃度ですが、これは先ほどのクロロエチレンのときのコメントとちょっと繋がるわけですけれども、恐らくこれ、環境の調査を行うときには、何らかのある種の情報があるのではないかと思うのですが。先ほどクロロエチレンのときに私が申し上げた真意は、事業所が大幅に移転するとか、そういう排出源が確実に移動することがわかった場合のモニタリングの場所の変更とか、そういう面も含めて、多分そういう情報をもとに何らかの新たなアクションを行政としては起こされるのだと思うものですから、そういう面も含めて、この2ポツに関しては、無駄に測定点をふやすわけにはいかない──無限にふやせるわけではないのは重々承知しているわけで、ですから、何らかの測定点を再吟味しなければいけないというインプットがあった場合には特にこういうのが大事なのではないかということで、効率的にこういうことを行っていただければありがたいというふうな要望をさせていただけたらと思います。
以上です。

○林部会長 ありがとうございました。

○近藤部長(庄野委員代理) 恐れ入ります。資料5のII.3.の、生態影響に係る選定の判断基準のところで御確認をさせていただきたいのですが、有害クラスのPNECが非常に低いものであって、なおかつ暴露クラスを勘案した場合に慎重な検討が必要と考えられる物質ということで判断基準が明記されておりますが、これはハザードだけで評価をして優先に指定するということではなくて、きちんと暴露クラスも考慮して判断を下すという理解でよろしいですよね。その点を御確認させていただきたく。

○林部会長 事務局のほうでよろしくお願いします。

○MOE事務局 御質問ありがとうございます。今回のこの中では、明記してありますとおり、ハザードのみではなく暴露クラスも含めての最終的な評価になろうかと思います。
ですので、そこは慎重に対応するということをさせていただきたいと考えております。

○林部会長 ありがとうございました。
そのほかに、御意見、コメントはございますでしょうか。
座長があまりこういう発言をするのは良くないのを承知の上で、ちょっと委員個人として発言させていただきたいのですけれども、エキスパートジャッジというのは、こういうガイダンスにはなじまなくて、本当にエキスパートが必要だと思ったときにジャッジするものだろうというふうに思っています。それで、ここでも資料5の一番冒頭のところに書いてありますように、その際の基準を可能な範囲で明確にするという、非常に大まかなところ、要するに原則論として、原則としては自由にエキスパートがジャッジしていただいていいのだけれども、こういうふうにわかるところはまとめましょうというふうにつくられた文章だと理解しております。エキスパートジャッジというのは、いつも言っていますけれども、その分野の専門の委員の方が専門の知識をもとに自己責任で評価をされる。しかし、その評価は前例とはならないというのがエキスパートジャッジの原則ではないかというふうに考えています。したがいまして、この資料5もこれを非常にリジッドに運用していくというよりかは、一つの目安というふうなことで考えれば良いのかと思うのですけれども、事務局としてそのような解釈でよろしいでしょうか。それでは、そういうことでこの資料は基準という形で、何かのいろいろな場面での参考にしていくということにしたいと考えます。

○小川委員 非常に小さなことで申し訳ないのですけれども、今の資料5の2ページの4ポツのところで、NOELと書いてあるのですけれども。1個目のポツのところで、NOEL等のと。ここはNOAELということでよろしかったですよね。一応確認のためです。

○MHLW事務局 今、人健康影響の評価については、原則としてNOAELでやっているところです。

○林部会長 では、ここはNOAELというふうに読んでください。そのほかに何かありますでしょうか。

○菅野委員 林座長のご指摘の点は非常に重要で、同感であるのですが、この資料5の冒頭の説明の文章自体は若干直したほうが宜しいのではないでしょうか。というのは、これがひとり歩きして、これでなければだめみたいになっても、後でやられる先生方が窮屈になるのはまずいと思うものです、そこは、座長にご一任でも構わないとは思うのですけれども。最後の文章は、「この判断の基準については」──「この」というところがどこにかかるかは非常に微妙なので、良心的に読めばこれはあくまでも補助的なもの、ですけれども、これに限定することはないという文章を足したほうがいいのかなと思います。英文の類似文書では「なおかつこれにリミットするものではない」と明記することが多いですよね。ですから、それに習ってやったほうが安全かなと思ったのですが。林先生の御意見も踏まえて対応していただけるとありがたいです。

○林部会長 ありがとうございます。実は私もそれが一番良かったのですけれども、ここで何とか読み込めるかなということで提案させていただいたのですけれども、これは事務局の皆さんにちょっとお伺いしたいのですけれども、ここの文章をもう少しリバイスするということは可能なことでしょうか。

○MOE事務局 冒頭に書いてありますとおり、改訂、改訂というふうになっておりますので、改訂していくことは可能と考えます。

○林部会長 わかりました。それでは東海委員どうぞ。

○東海委員 ありがとうございます。林委員長のご指摘の点にかかわることなのですけれども、4ページ目のところの、例えば生態影響に係る選定の判断基準というところで、何に対してエキスパートが判断するのかというところがもう少し明記されたほうがいいのではないかと思っております。例えば、先ほどの4─2の資料の中で、たまたま有害性のデータが一つしかないと。したがって、たまたまこの場合はUFが1万となってPNECが算出されている例でありますと、見方によっては、そもそもPNECを算出するときに使ったデータの質というところにも目がいった上で、ではどういうふうに、その値をみるべきか、そういう意味のエキスパートジャッジメントというものもあるのではないかと感じております。以上です。

○林部会長 ありがとうございました。それでは、この文章をその点も踏まえ改訂をしていくという方向で考えさせていただきたいと思います。
それで、一応これも3座長預かりということで、最終的な文言の詰めはさせていただいてよろしいですか。それでは、そのようにさせていただきます。ありがとうございました。
それでは、引き続いて資料6─2から御説明をお願いします。

○MOE事務局 それでは、資料6─2について御説明をいたします。
環境モニタリング濃度と有害性評価値を比較いたしまして「高」になるものがあるかというような資料となっております。上が人健康影響の資料、下が生態影響用の暴露クラスの資料ということとなっております。人健康影響につきましては、一番右にモニタリング濃度、真ん中に摂取量の内訳等を示しておりまして、その一つ左の集団にD値ということと、あとHQをお示ししております。その結果、人健康影響につきましては、モニタリングで逆転判定となるものはなかったということでございます。生態影響につきましては、右にモニタリング濃度、その隣にモニタリング評価に基づく評価、PNEC、PEC/PNEC比ということでお示しをしておりまして、これによりますと、チウラムにつきまして優先相当という判定がなされております。
また、本資料に関連いたしまして、専門家判断のための参考資料をおつけしております。
まず、6─2の参考1でございますけれども、モニタリング濃度の推移についてお示しをしております。また、裏面ですけれども、検出地点一覧、水質モニタリング濃度の年度別分布ということでお示しをしております。PEC/PNECは、55という数値が出たものにつきまして、平成24年度の測定結果から判定されたということでございます。
さらに、他の評価書でどういった評価がなされているかということでございますけれども、環境省の化学物質の生態リスク初期評価第2巻におきまして、淡水域でPEC/PNEC比が5,700ということになっておりますので、大きく評価が矛盾するものではないということでございます。
また、6─2の参考2ということで、こちらは委員限りでお配りしている資料でございますけれども、チウラムの製造・輸入量の推移ということでございまして、2ポツといたしましてPRTR排出量の推移、3ポツといたしましては、チウラムは農薬で使われているものでございまして、1の製造・輸入数量につきましては化審法の用途に限定しているものでございますけれども、農薬としてもそこそこ量はあるということでございますけれども、製造・輸入量と比較をしていただきますと、そう無視できるほどの量ではないということがおわかりいただけるかと思います。
資料6─2のシリーズにつきましては以上でございます。

○林部会長 本件に関して、御質問、コメント等をいただければと思います。何かございませんか。
ちょっと、座長から1点確認なのですけれども、こういうものはチウラムのように農薬としての使用がかなり大きい。多分大半を占めているのだろうと思うのですけれども、そういうふうなものは化審法としては一応対象外になるわけですよね。でも、この場合は別の用途があって、それがほかの体系では規制されないからここに入ってきているということだと思うのですけれども、そういう場合に、ほかの法体系で既に規制されているようなものをどういうふうな観点で、化審法でさらにそれをかぶせるような規制ができるのかどうか、その辺のところをもしわかれば教えていただきたいのですけれども。

○MOE事務局 基本的には、製造・輸入量の届け出のときに、化審法の対象となる用途について届け出をしていただいているということでございます。その他の、非常に農薬として、大多数が農薬だとかという場合には、それはいくら化審法のほうで対策をしてもそれは意味がないという判定であれば、それはそちらの法律にお任せするという判定もあるかもしれないのですけれども、この場合におきましては化審法の用途もかなりあるということでございますので、排出場所も基本的には事業所周辺になってくるということでございまして、そうなりますと化審法としても管理すべき対象ということがいえるのではないかと思います。

○林部会長 それはよくわかるのですけれども、農薬は環境中にばらまくものですよね。
だから、そうであれば、当然モニタリングでもすれば、そこで全部ひっかかってくるし、それが化審法の用途でばらまかれたものなのか、農薬の用途でばらまかれたものかは、なかなか判定するのは難しいと思います。本当にやり方、考え方次第なのかもしれませんけれども、農薬として使えなくなってしまうということがあっては、それも困ると思うので、その辺はどういうふうな切り分けというか、線引きをしていけばよろしいのでしょうか。

○MOE事務局 化審法の評価につきましては化審法の用途に限定するものでございますので、農薬の使用について何か言及するものではございませんので、それはそういう区切りかなというふうに思います。

○林部会長 ほか、何か御意見はございませんか。──なければ、今の事務局の御説明どおりの方向で進めたいと思いますが、よろしいですね。ありがとうございました。
それでは、次に移りたいと思います。御説明のほどよろしくお願いします。

○MHLW事務局 続きまして、資料6─3─1を御覧ください。
これらの資料は、今年度のスクリーニング評価において「中」「低」区分に分類された物質について、先ほどの資料5の「II.優先評価化学物質に選定する際の判断基準」のうち、2の「人の健康に係る選定の判断基準」として、(ア)発がん物質、(イ)有害性評価が非常に低い(0.005以下)の物質、(ウ)生殖細胞への変異原性のある物質などへ該当する可能性があるなど、検討が必要と考えられる物質を整理した資料になります。
今回収集した情報からは、(ア)から(ウ)に関して該当する物質はございませんでした。
以上でございます。

○MOE事務局 続きまして、6─3─2を御覧ください。
先ほど資料4─2でも少々ご紹介しておりますけれども、PNECが非常に低いという物質につきまして、有害性の観点から優先判定をしたいと考えております。その結果、4物質が今年度は該当をしております。
資料6─3─2の、続きまして参考でございます。
これら4物質につきまして、化審法の製造・輸入数量の推移をお示ししております。
また、裏面でございますけれども、PRTR排出量があるチウラム、リン酸トリトリルに関しましては、その推移をお示ししているところでございます。
資料6─3のシリーズにつきましては以上です。

○林部会長 ありがとうございました。今の御説明があったところで、何か御質問、コメントはありますでしょうか。
人健康のほうではエキスパートジャッジで上がったものはないということですけれども。

○近藤部長(庄野委員代理) 資料6─3─2のところにデータが集約されているかと思うのですが、選定の理由として、いわゆる有害性のデータを根拠にしていると思われます。暴露クラスからいきますと、5、優先度「中」ということから、総合的にエキスパートジャッジされたと推察いたしますが、エキスパートの方々が具体的にどのような評価されたか、概要がわかれば教えていただきたいのですが。

○林部会長 事務局、わかりますでしょうか。

○MOE事務局 基本的にはスクリーニング評価の中で有害性をつけていくと。信頼性評価をするということはほかの物質と同じくやっておりまして、その結果、PNECをみるということで、0.001未満の有害性のものを抽出するということをいたしております。そうした中で、それらをみて、例えば明らかに自然発生源の寄与が高いというようなものであるとか、UFが非常に高いものであって、かつ構造情報がはっきりしないと。構造情報がはっきりすることによって、類似の物質等からある程度これは高そうだとか高くなさそうだということが判定できるという場合には除きまして、残ったものがこちらということでございます。

○林部会長 よろしいでしょうか。

○近藤部長 そうしますと、先ほどの判断基準のところにもありましたが、暴露という面からして、その辺をどう考慮されているのでしょうか。

○MOE事務局 特に暴露については余り詳細な議論はしておりませんで、こちらは少なくとも全国の製造・輸入数量に対して排出係数を掛けたということで、かなり不確実性をもっているということがありますので、特段、専門家として暴露クラスに関して何か議論したということはございません。

○林部会長 よろしいですか。

○原田委員 今の御説明に関してなのですが、先ほどのエキスパートジャッジのところでも暴露クラスを勘案した上で慎重な検討という文言がついておりますので、もう少しわかりやすく説明していただければと思うのですが。

○林部会長 いかがでしょうか。我々、化審法はハザード評価からリスク評価のほうへ舵を切って、またさらにその次の改訂を迎えようとしているときなのですけれども、ハザードだけではなくて、暴露というものを加味した評価ということで今やってきていると思うのですけれども、その意味からも暴露との関連というのは重要になってくるかと考えますが、いかがでしょうか。

○MOE事務局 先ほど御説明しましたとおり、不確実性がかなり、スクリーニング評価の段階では暴露クラスをつけるときにもあるということでございますので、ある意味4までは今普通に「高」の対象になる可能性があるものでございますけれども、5についてもぎりぎりのところにあるということかと思います。

○林部会長 宜しいでしょうか。もしこれ以上なければ、議論も尽きたような感じもしますので、事務局から御説明いただいたとおりの対応とさせていただきたいと思いますが、よろしいですか。──それでは、一応御確認いただいたということで、次に進みたいと思います。
資料7のシリーズの御説明をお願いします。

○METI事務局 資料7について御説明させていただきます。
優先評価化学物質の指定根拠外の評価の方法について、これは人健康で優先されたものは生態影響で優先相当かどうか、逆に生態影響については人健康影響について優先かどうかというものを判定するものでございまして、方法としては通常のスクリーニングの方法と同一の方法で行います。同一の方法で資料7については暴露クラスを出しまして、資料7─3、7─4、7─5、7─6で、それぞれ通常の優先度判定、エキスパートジャッジの優先候補というものを調べてみましたところ、いずれも優先相当として挙げるものはなかったということでございます。なので、資料7─3、7─4、7─6について優先相当がであるものがなかったということで、説明については省略させていただきたいと思います。 以上でございます。

○林部会長 ありがとうございました。ただいまの件に関しまして、何か質問、コメント等はございませんでしょうか。──もしないようでしたら、次へ進みたいと思いますが、よろしいですか。特に御質問、コメントはないようですので、事務局から説明いただいたとおりの対応とさせていただきます。
それでは、続きまして、優先判定のまとめの説明をお願いします。

○METI事務局 優先化学物質についてご審議いただきました結果、優先度「高」のものについては8物質、専門的な見地からの個別判断のエキスパートジャッジ物質として4物質でございます。内訳としまして、人健康物質2物質、生態10物質の合計12物質が優先評価化学物質相当の判定となりました。また、優先評価化学物質の指定外根拠による優先判定するものについては今回はいずれもございませんでした。 以上でございます。

○林部会長 ありがとうございました。先ほどの資料1のところの空欄をきょうの審議をもとに埋めていただいたというところでございます。これについては、特に御報告というような形で受けておけばよろしいかと思います。
それでは、続きまして、「化審法における人健康影響に関する有害性データの信頼性評価と改訂について」ということで、資料8を使って御説明をお願いします。

○MHLW事務局 資料8について御説明させていただきます。
本年度のスクリーニング評価につきましては今まで御説明差し上げたとおりですが、スクリーニング評価につきましては、まだ評価すべき物質が多く残っておりまして、効率的にスクリーニング評価を進めるということが課題となっております。このたび資料8で事務局から人健康影響に関する有害性データの信頼性評価の改訂を提案させていただければと思います。
今までは、人健康影響に関する有害性データの信頼性評価につきましては、iPadにお配りしている参考資料4─1に従って行っていたところです。スクリーニング評価をしていく段階で、情報収集すべき情報源が非常に多岐にわたるほか、クラスづけの基準が明確でない部分もあったことなどの点が課題となっておりました。その結果、そのことから、スクリーニング評価の加速化に資するよう、各情報源の優先度の見直しや、可能と考えられる範囲でのクラス付与の基準を明確化するなどの改訂を提案するものです。
関係する厚労省の委員の先生方につきましては、事前に意見を頂戴しまして、その意見を一部反映させていただいているところです。
改訂後の案が、資料8の別紙で8─2になります。資料8のほうの1枚紙で主な改訂点を記載しておりますので、そちらに沿って主な改訂点を説明させていただければと思います。
1点目ですけれども、資料8-2の10ページ、別紙では10ページに当たりますが、こちら、OECDのテストガイドラインの改訂があったことから、それに合わせて修正を行いました。
2点目でございますが、11ページからになりますけれども、こちらにつきましては、各情報源の優先度の見直し等になります。従来優先度1とされておりました情報源につきまして、今回、優先度1─Aと1─Bに分け、国内外で環境由来の化学物質の基準値ですとか指針値、策定のために行われたリスク評価書及び化審法のもとで優先的に取り扱われている情報源につきまして、優先度1─Aとして優先的に扱うこととしまして、その優先度1─Aからの有害性データが得られた場合には、優先度1─Bとされた情報源につきましては、その1─Aの年次以降のデータのみ収集・整理することによって、合理性を保ちつつスクリーニング評価の効率化を行うことができると考えまして、修正を行うものです。
また、12ページに記載があるのですけれども、今までスクリーニング評価におきまして取り扱いが明確でなかったのですけれども、過去のスクリーニング評価実績としまして優先度1相当として取り扱っておりました経済産業省の安全性試験等の取り扱いを明確化したという修正を行っております。
資料8─1のほうで3ページになりますけれども、こちら資料8-2の本文では17ページになります。図表13と書いてあるものです。こちらは、その中で、文章で書かれております信頼性評価の手順をわかりやすくフロー図としたものなのですけれども、こちらは従来のフロー図はちょっと複雑でわかりづらいというご指摘をいただいていたということから、今まで御説明しましたような優先度分けの改訂とともに、わかりやすく修正を行ったものになります。
資料8─1の主な改訂点の4点目ですけれども、こちらは資料8-2のほうでは22ページになります。22ページ、別紙1というものです。
こちらにつきましては、優先度マトリックスについて、試験結果の取り扱いなどの明確化を行うものです。資料8─2の表面と裏面に、その主な改訂点を記載しております。
まず、全体的になのですけれども、こちらにつきましては「情報なし」の欄をつけました。
また、一般毒性につきまして、WHOのJECFAではADIが数値として示されず、“not limited”等とされる場合がございますが、こちらにつきましては特に毒性が懸念されるものではないと考えられることから、有害性クラス外として取り扱うということを明確化するものです。別紙1ですと、※7の右下の注釈に当たります。
また、資料8─1の裏面を御覧いただきまして、変異原性試験につきましては、今までin vivo試験の陽性であった場合の取り扱いが明確に規定されていなかったところでございます。どのように情報をクラスづけに反映させるかにつきましては、その都度専門の先生方の御意見を頂戴しながらクラスづけに反映させていたというところでございます。そのような手順がございましたので、スクリーニング評価を進める段階で非常に時間を頂戴していたところです。こちら、in vivo試験につきましては、動物への暴露等を反映したものというふうに考えられますので、基本的に陽性の場合にはクラス2とすることではいかがかというものです。
それと同時に、in vitro試験で強弱不明の陽性があった場合の取り扱いとしまして、今まではクラス2としていたところですけれども、実際のスクリーニング評価におきましては強弱の情報が評価書等から得られることが少なく、原文献に当たる必要がございまして、非常に手間を要するということで、効率化のため、そのようなものにつきましては通常の陽性として取り扱うことによってスクリーニング評価を加速化することができないかという御提案でございます。
がん原性につきまして、既に昨年度を含めましてIARCの3につきましては案を、「情報なし」として審議に諮るということで既に運用していたところでございますが、このたびの改訂に合わせて取り扱いを明確化するということを考えております。
IARC等の発がん性につきましては、それぞれの国際機関等の評価結果がカテゴリーですとかクラスとして分類されておるのですけれども、それに基づいて今までの手順としても発がん性クラスを付与することになっておりまして、評価書ですとか原文献の試験結果は利用をしないということになっております。IARCの3等につきましては、人に対する発がん性が分類できないなどとされていることから、クラスづけを行う根拠が不足していると評価されていると考えまして、「情報なし」としてはいかがかというものでございます。
ちょっと長くなりましたが、資料8─1に戻りまして、その他の文書の改訂ということなのですけれども、こちらは、今御説明差し上げました4点目の別紙1につきましては、スクリーニング評価の別の文書にも使用されているということでありますので、そちらの文書の改訂もあわせて行うこととしたいと思います。ご了承いただきましたら、今後こちらの手順で進めさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○林部会長 ありがとうございました。それでは、御質問、御意見、お願いいたします。

○原田委員 資料8─1の最後、その他の文書の改訂のところに関して確認をさせてください。今回、マトリックスに「情報なし」というカラムを入れるというのが変更点でしょうか。

○MHLW事務局 それとあと、注釈の、先ほど御説明差し上げました変異原性クラスの付与の仕方ですとか、IARCの発がん性のクラス付与の修正というものも含みます。

○原田委員 注釈に関しては特段、このままでよろしいかと思いますけれども、あくまでもこの優先度マトリックスは優先評価を選ぶためのマトリックスでございます。作業用としては「情報なし」というカラムは有用かもしれません。一方で、別紙1、化審法におけるスクリーニング評価手法については1からクラス外までとして、「情報なし」というカラムとか、分類基準だとか、そういったものの改訂はする必要がないと思います。

○MHLW事務局 「情報なし」の欄につきましては必要ないのではないかという御意見かと思いますが、なくてもその結果が変わるものではございませんので、ちょっと検討させていただいて修正を図りたいと思います。

○原田委員 はい。意図をわかっていただいてありがとうございます。資料というのは最小限の情報がわかるようにするのが混乱を招きませんので、ぜひ分けて検討ください。

○林部会長 ありがとうございます。

○西川座長 発がん性についての記載が1行とか2行で非常に簡単に書いてあるのですが、例えば情報源として、11ページに、一般毒性、生殖発生毒性、変異原性については、この表8にあるような評価書を参照するということですけれども、ここになぜ発がん性が入っていないのかについて教えていただきたいのですが。

○MHLW事務局 私が当初の文書をつくったときにかかわっていたわけではないので、ちょっとこれはあくまでも私の予想といいますか、考えなのですけれども、こちらの有害性クラスの付与におきましては、基本的に一般毒性と変異原性のクラスがあれば付与できるということになっていたと思います。したがって、発がん性のクラスについては、ちょっと詳細は、余りそこまで考えていなかったのかもしれません。ちょっと私、その経緯を十分に存じておりません。

○西川座長 そこの14ページに、表10として、この6つの評価書についてデータを収集するということなのですが、例えばJECFAなどでは発がん性とかも十分検討していますし、そのほかの表8にある評価書の中にも発がん性があるかないかを明記しているものは結構たくさんあると思うんですよね。したがって、できるだけそういうものも取り込んだほうがよいのかなと思いますけれども。

○林部会長 ありがとうございました。

○広瀬委員 発がん性のことについては、確かにおっしゃるとおり、いろいろなところで発がん性の評価は細かいレベルで入っていますけれども、スクリーニング評価を効率的にやるという観点で、評価書の文章まで細かくいっているととてもではないが時間がないので、ラベルということで、最終評価としてIARCが1とか、EPAがクラスグループ幾つとかということのところで、スクリーニングとしての作業はとりあえずそこでやめるという──やめるというか、それで先の判断をするという立場に立っています。幾つかの評価書をみていけば、どこかでは当たったり、どこかで外れたりしますけれども、最終的には詳細評価にいったときには全部の評価は全部、FSAも含めて、WHOのJECFAも含めてみますので、そういった観点からの、今回の効率の観点はそういうところも──この後の議題があるかはわかりませんけれども、2020年に向かってたくさん評価していくというところも考慮にしますと、ちょっとある程度の割り切りのところは必要かなというのが私の考え方です。

○西川座長 効率ということはわかりますけれども、やはりスクリーニングですから、ざるになってはいけないと思います。そのあたり、検討していただければと思います。

○広瀬委員 それは全くみないというわけではないですけれども、そういう観点ではアポートするということで、先ほどの信頼性評価1のところについてはある程度みるということはやっているところです。

○西川座長 発がん性についてもみるということですね。

○広瀬委員 はい。

○西川座長 であれば、それを記載すればいいのではないですか。

○広瀬委員 やっていないわけではありませんので。

○青木委員 今、西川先生のほうから、ざるになってはいけないというご指摘があったところでありますけれども、ちょっと、過去、具体的な問題で恐縮なのですけれども、このスクリーニングのための情報源、一つ、従来基準とか指針というものとの整合性を考えていくという観点で11ページの表をみてみたので、11ページ、12ページの優先順位1の情報源というのをちょっとみさせていただいたのですけれども、しばしば議論に、この場でも議論になるようなこともあると思うのですけれども、環境からの化学物質の暴露を考えるときに、いわゆる有害大気汚染物質の環境基準、それから指針というのはリスク評価としては非常に大きいものなのですが、その評価書になる中央環境審議会の答申が実はこの表の中にないということに今気がつきまして、それは入れていただいたほうがよろしいのではないでしょうか。

○MHLW事務局 基本的には国内法令等の基準値等を1─Aというふうにさせていただいているので、そちらに反映されているのかなというふうには思うのですけれども、そちらの情報も必要ということで……

○青木委員 私は別の体系だと理解していますけれども、具体的な評価書をここに列記しているわけですので、入れていただいたほうがいいのではないかと思うのですが。評価書のリストですよね、ここはあくまでも。評価書を決めるためのリストだから、ただ、その基準となるものとして入れていただいたほうがいいと思うのですけれども、いかかでございましょうか。

○MHLW事務局 その1─Aの中に、12ページの表の15番のところにそちらの内容も含まれているのかなと思います。

○青木委員 その中に全部入っている。失礼しました。ちょっとみにくかったので。申しわけない。では、それは了解しました。

○林部会長 よろしいですね。

○青木委員 基準値はそれを入れるという理解……。でも、指針値と一応入っている。
では、ちょっと確認だけさせてください。後で。反映されているということは了解しましたが、ちょっと具体的にどうなっているかということはもう一回確認させてください。

○菅野委員 済みません、確認させてください。17ページの図表13、これはもとの図がわかりづらかったのでというふうにおっしゃったのですけれども、全く同値ですか。それとも、どこか改造されていますか。もし改造されているのでしたら、対照表が必要だと思うのですが。

○MHLW事務局 わかりやすく改訂したというところにつきましては、主に情報源3の信頼性評価の部分になります。こちらにつきましては運用を変えるというものではございませんで、本文のほうは、そちらのところは修正がございませんので、本文とあわせてご利用いただければと思います。そちらをわかりやすく修正したというところに関しましては、運用を変えるものではございません。今回、1─A、1─Bと情報源1を分けたということで、分けたことに伴う修正につきましては、こちら、中に入れ込んでおります。

○菅野委員 繰り返しになりますけれども、1─Aと1─Bのところだけがこの図でいう新しい変更点で、それ以外のつながりは場所を移動しただけで全く変わっていないという認識でよろしいのですか。

○MHLW事務局 取り扱いを変えるものではございません。

○菅野委員 取り扱いを変える……。

○MHLW事務局 変えていないと御理解いただいて結構です。

○林部会長 先ほど吉岡委員の名札が上がったのではないかと思うのですけれども。

○吉岡委員 ちょっと門外漢なので質問をさせていただきたいと思ったのですが、よろしいですか。

○林部会長 どうぞ。

○吉岡委員 1─Aと1─Bとを分けた基準というのはどのように置かれたかということと、過去のものを資料を参照して、1─Aならばほぼカバーしているか、どの程度のカバー率であるのかということを、もしやっていらっしゃったらお知らせいただきたいのですが。

○MHLW事務局 1─Aと1─Bとの分類の考え方ですけれども、ちょっと先ほどと繰り返しになってしまうのですけれども、1─Aとしましては国内外で環境由来の化学物質の基準値ですとか指針値策定のために使われるようなリスク評価書で、化審法のもとで優先的に取り扱われている情報源、例えば化審法の審査データですとか、化管法の根拠データ、OECDのSIDSなどを1─Aとしております。こちらにつきましては、規制的要素が高いと思われるために、情報源に含まれますデータの数ですとか有害性項目、専門家の関与の程度が高いと考えております。

○吉岡委員 カバー率はどのくらいか。

○広瀬委員 補足します。1─Aは、簡単にいうとADI、TDI、不確実係数を専門家が判断して、評価書になって、数値としてなった値がメイン。プラス、実はOECDと化審法で審査しているところは、国内で、ここでもやっていますので、優先で1─A。それ以外の評価書でも、NOAELだけで終わっている場合、要するにUFを使った評価まで及んでいないものは基本的に1─B。優先評価のラベリングをするときには、ADI、TDIを優先しますので、そこで決まったら、最後の効率化を考えて後のほうをやらない。
これまでの──ちょっとカバー率まではわかりませんけれども、多くの場合、TDI、ADIを直接有害性評価の評価値に使っていましたので、そうすれば、実はもっと、この1─Aを全部みるというのは結構大変な作業なので、なるべく1─Aだけで済む物質であればそこで終わりたいという意味で、今回分けさせていただく提案をさせていただきます。

○吉岡委員 ありがとうございました。

○林部会長 そのほかに何かありませんか。よろしいですか。

○青木委員 これは、先ほどの発言の続きというわけではないのですけれども、先ほど国内法令の──ちょっと詳細には、何ページだろう、12ページですね。15番までが1─Aになっていて、次の16、17、18あたりは、これは結構国内でしっかりやっているリスク評価。3Nもそうですね。19番目あたりまでというのが、なぜこれが1─Bになっているかという。まさか国内だから1─Bだということはないと信じているのですが、具体的な何か理由というのはあるのでしょうか。

○広瀬委員 それは先ほどいいましたように、基準値に直接かかわっていないというだけでBにした。これに出ている物質の多くは上にもありますので。評価している物質の多くは。なかった場合には初めてBに来ますので。問題は、例えば環境で初期評価があったけれども、同じ物質が中環審であった場合は、中環審の値を優先するという意味でAとBを分けました。Aにない物質が初めて国内に来た場合は、Bをみます。だから、みる順番の優先順位がAとBになっているだけです。

○林部会長 今のようなことを何か説明文として書き込むほうがいいのではないかと今思ったのですけれども。

○MOE事務局 済みません、ちょっとこちらから質問させていただきます。そうすると、1 ─ A の中でも、例えば直接基準にかかわらないものとしてS I D S のInitial Assessment Report、これは直接基準にかかわるものではないと思いますし、6番のECETOCのレポートも違いそうな気もしますし、9番、カナダのInitial AssessmentReportも、これはいわゆる初期評価レベルだと承知しておりますので、何か国内でやったのと余りレベルは変わらないのではないかなという気がいたしました。

○広瀬委員 それは過去の優先物質をそれで評価して一義的にやったからという歴史なので、もし提案があれば、その物質はBにしてもいいとは思います。

○林部会長 ほかに何かありますか。
これも座長からいうことではないのかもわからないのですけれども、このIARCの評価が、3が「情報なし」ということなのですけれども、実際にIARCのモノグラフを御覧になったらわかるように、非常に多くの動物を使った発がん性のデータがあります。だから、情報がないということはなくて、人の発がん性を示すエビデンスがなかったというだけで、今、化審法でやっているような評価での情報というのは十分あるので、少なくともこれは「情報なし」というのはおかしいというふうに思います。だから、これまでどおりの、まだ「クラス外」のほうが実情を示していたのかなというふうに思います。

○MHLW事務局 そちらの考え方としましては、今までのやり方としまして、発がんの国際機関の評価のカテゴリー1ですとか2Aですとか、そちらの分類に基づいて発がん性クラスは付与することになっておりまして、原文献の評価ですとか、評価書の試験項目の各試験の試験結果を利用しないということになっておりましたので、スクリーニング評価においては、「情報なし」というのが、クラスづけができるような十分な情報がないということも含めて表現しておりますので、「情報なし」といったからといって何も情報がないと決めつけているわけではございません。また、それにつきましては、例えば今後のリスク評価のIですとかIIにつきまして、文献を収集しまして評価対象とするということにしております。
IARC3とすることが適切かどうかということですけれども、そちらにつきましては、IARC3の意味としまして、人に対する発がん性が分類できないということになっていると考えまして、そちらにつきましては将来2とか1に上がる可能性もあるかと思いますので、該当することが過小評価になってしまうのではないかと考えまして、「情報なし」とさせていただければと思います。

○林部会長 IARCの評価というのはあくまで人に対する評価なので、人の発がん性を示唆するプラスのデータがない限り、IARCは「情報なし」というふうにみてしまうんですよね。だから、そういう意味で、今の化審法の体系において我々がみているのは動物試験のデータも十分加味して評価しているわけなので、「なし」というのは、それはちょっとおかしいかなというふうに思っております。

○MHLW事務局 もちろん、全くないという意味で「情報なし」としているわけではございませんで、クラスづけを行う十分な情報がないという意味において「情報なし」としているだけです。

○林部会長 わかりました。では、その辺はそういうふうに、もう少しわかるように説明を書く必要があると思いますし、このマトリックスというのは、これは前回の化審法の改正から、我々はこれを基準にしてというか、これを一つのスタンダードとしていろいろ評価をしてきたものですから、これを変えるというのは、やはりそれなりに慎重であるべきだというふうに思います。
それとあと、きょうも色々御意見をいただきましたし、まだ色々書き込んで、もう少し読みやすくすることは可能だというふうに思いますので、方向性としては皆さんご了解いただいていると思うのですけれども、もう少し内容、それから表現ぶりを精査していただいて、次回、1月にもう一度見直すというようなことは可能でしょうか。

○MHLW事務局 では、こちら、やり方としまして、御提案でございますけれども、例えば委員の先生方から、ここはさすがに修正すべきであるとか、考え方がわからないというような御意見を頂戴しまして、それを事務局のほうで検討させていただいて、また今後の審議会で御提案させていただくということではいかがでしょうか。

○林部会長 私としては、きょうは十分皆さんの御意見をお伺いできたというふうに思っているのですけれども、それをまず中心にしてリバイスをかけていただければ、もういいのではないかと思いますが。

○MHLW事務局 わかりました。では、本日いただいた御意見をもとに修正を検討したいと思います。

○林部会長 ありがとうございます。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、最後の資料になります。資料9について御説明をお願いします。

○METI事務局 本議題は資料9を用います。
資料に入ります前に、背景を申し上げます。化審法の21年改正の施行から5年が経過しました昨年度、化審法施行状況検討会が立ち上げられまして、施行状況の点検や課題の整理などを行いました。その中で、既存化学物質のスクリーニング評価・リスク評価、新規化学物質の審査・確認、化学物質管理の3つの分野ごとに課題が整理され、対応の方向性が示されました。既存化学物質に関する課題への対応の方向性としましては、以下のようなものでした。化審法の枠組みにおいて2020年までに達成すべき具体的なイメージの明確化、目標が達成されるようリスク評価を加速化する具体的な方策の検討、非GLPデータやQSAR、カテゴリーアプローチを積極的に活用するための運用見直し、それらについて3省合同審議会で検討する必要があるといったものです。資料9は、その課題に対応するものとして、事務局案として整理したものです。
では、資料9を御覧ください。
1枚目ですけれども、化審法における2020年目標に関しまして、達成イメージを具体化する前提としまして、平成24年につくられました「化審法に基づく優先評価化学物質のリスク評価の基本的な考え方」という文書がございます。ここで一定の言及をしております。
そこに抜粋がありますけれども、2020年までは著しいリスクがあると認められるようなものを第二種特定化学物質に指定していく。そのためのスクリーニング評価、リスク評価を行っていく。そして、2020年以降は、著しいリスクがあると判明しなかったものについても引き続き評価をしていくといったように、2020年を境に注力する対象物質を書き分けております。この記述を踏まえまして今回具体化したものが下の囲みになります。2020年までに科学的な信頼性のある有害性データが得られている物質について、スクリーニング評価を一通り終え、人の健康または生活環境動植物への長期毒性を有し、かつ相当広範な地域でリスクが懸念される状況であると判明したものを第二種特定化学物質に指定する。これは、著しいリスクというものを化審法の枠組みの中では第二種特定化学物質に該当するものというふうに読みかえたものでございます。また、評価を行うためのデータが得られなかった物質については評価を行えるめどが立っている。たたき台としてこのようなものを設定いたしました。
この目標を達成するための方策を示したのが2枚目になります。右側に方策を例示として挙げております。前段の「有害性データが得られている物質について」という部分に関しましては、スクリーニング評価・リスク評価の合理化、加速化という点になるかと考えております。
ここで5つ方策を挙げておりまして、スクリーニング評価では、2020年までは、暴露クラス、有害性クラス、両者ともランクが高いものに注力していく。リスク評価の段階では、評価Iでは、第二種特定化学物質になりそうな物質をより絞り込んでいく。例えば、第二種特定化学物質の該当要件を明確化して、その該当しそうなものを選定するといったようなことが考えられると思っております。3つ目は、評価IIの段階におきましても、②と同様の観点でさらに精査する。④としまして、国内外で確立されたさまざまな知見を一層活用していく。⑤としまして、評価の手順を合理的な範囲で見直し、信頼性基準やガイダンスの改正、評価IIの評価書の合理化を行っていく。こういったことを組み合わせて、合理化、加速化を進めていきたいというふうに考えております。
下の段のほうですけれども、評価を行うためのデータが得られなかった物質というところですが、ここの部分で最もボトルネックになっていたと考えておりますのが、化学物質の評価の単位、物質の単位が決められない物質が多々あったと。複雑な混合物、ここで「UVCB物質」と記載しておりますけれども、既存化学物質名簿の中でかなりの物質がこういった物質に分類されまして、これらについては過去、平成25年度から化審法のスクリーニング評価に関する検討会というのを3省で立ち上げて、評価単位の検討を3年にわたって検討してまいりました。その結果、3年間で11回の検討会を行い、ポリオキシアルキレン類で2種、石油由来の化学物質で1種、あと脂肪酸由来の化学物質で1種、4種ほどの評価単位を決めてまいりましたけれども、そのスピードですと残っている物質を評価していくのが困難であるということで、今後は化学物質の同定情報を得られるような省令改正を考えているという部分になります。
7つ目は、優先評価化学物質のデータ補間にQSAR、カテゴリーアプローチの活用、ノンGLPデータの活用の検討を行い、また、10条1項による試験データの入手を進めていくというものでございます。
次のスライドですけれども、方策6についての詳細になります。省令改正等と申しましたけれども、2点考えております。化審法の中では、経済産業省令の中で毎年度一般化学物質、優先評価化学物質の製造数量等の届け出をしていただいております。届出では化学物質名称と化学物質の番号を記載していただいており、そこに、複雑な混合物等であった場合に構造や成分等の情報を添付していただくというような様式の変更を考えております。
もう一点は、有害性情報の報告に関する省令。これは、法律の41条の3項に由来する部分でして、現状、優先評価化学物質のさまざまな性状データを任意で国に報告していただくというところですけれども、その項目の一つに化学物質の組成や成分等という項目を追加するということを考えております。
4枚目のスライドは、さらに構造情報収集の仕組みについて記載したものになります。
先ほどいいましたように、製造数量等の届け出様式への添付を求める格好を考えております。例示としまして、下に2物質ほど例を挙げておりまが、物質に応じて添付いただく内容を特定して出していただくというような運用を考えております。
5枚目はロードマップになります。初めに申し上げましたように、2020年までは可能な範囲でさまざまな合理化、加速化を行っていく。それと、現状すぐに評価に手をつけられないものについては来年度にかけて省令の改正、そして周知期間を設けまして、現状の想定では、2019年からの新たな情報を得まして2020年からはそれらについても評価を行っていく体制にしていこうというふうに考えております。
資料につきましては以上でございます。

○林部会長 どうもありがとうございました。
少し時間が迫ってきているのですけれども、ただいまの御説明に対して、質問、コメント等をお願いいたします。

○原田委員 説明ありがとうございました。2ページ目のところの具体的なイメージの方策、これは方策の例でございますが、書きぶりについて確認をさせてください。
方策の一番下のところですが、優先評価化学物質のデータ補完でQSARを使うとか、カテゴリーアプローチ、非常にいい取り組みだと思っています。ただ、書きぶりで、「こういった活用の検討を行うとともに」と記載されており、同時並行型で10条1項の発出を進めるような書きぶりにみえます。実際は恐らくQSARとかカテゴリーアプローチとかをやって、その上でデータが無いものに絞り込んだ上で10条1項の発出というような手順になると思うのですが、そういう理解でよろしいでしょうかというのが1つ目です。

○林部会長 では、事務局のほう、ただいまの御質問に対して。

○METI事務局 今の点でございますけれども、既存化学物質につきましては届け出の事業者さんが複数おられて、その費用負担等の検討もございますので、可能な限り、ここにありましたようなデータの活用のもとで、必要な範囲で求めていくという手順を基本的には考えております。

○原田委員 ありがとうございます。
では、もう一つよろしいですか。その上の⑥のUVCB、こちらのデータの求めは必要なものだと思っています。ただし、例示のところ、4ページ目のところにちょっと具体的な例示を多分入れていただいておりますが、実際に必要な項目は使われる評価対象の化学物質によって大分変わってくると思います。様式等につきましては、今後運用面で少しお話をさせていただいたほうが、相互に必要なデータの絞り込みもできて、より効率化になるかと思います。今回、1個目の議題のところで優先評価物質相当というところで、生態毒性のところでも、界面活性剤等が挙げられております。アルキル鎖長がやや長い範囲になっているとかいった物質がございますので、そういったものに関しても実際に製造しているものの情報をお伝えすること、また用途をお伝えすることで、より適切な評価単位がつくれるかと思いますので、協力してまいりたいと思います。

○林部会長 ありがとうございました。何か事務局からありますか。

○METI事務局 ありがとうございます。対象となる物質の分野ごとに、詳細については産業界の方々に御相談していきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○東海委員 短いコメントとなります。1ページ目の具体的なイメージ、目標とロードマップに関する図なのですけれども、2つの優先といいますか、プライオリティーの高い課題を書かれておられて、このまとめ方に対して私は全く賛成いたします。そのことが最後のロードマップの整理にも反映されております。ただし、具体的なイメージと方策というところで、①から⑦の項目がありますけれども、これはちょっと、スクリーニングを迅速に進めるという話と、それから二特の評価をしっかりやるということに分けて説明されたほうがいいのではないかと思いました。やはりそれらはトーンが違いますよね。スクリーニング評価の場合は、ある程度不確実性を含めながらも評価しますけれども、二特にするかしないか、そしてその結果を踏まえて法に基づいて企業に求めるという段階では、やはりトーンが違いますよね。そういう意味で、タスクとしては分けて表現されたほうがわかりやすいのではないかということです。 以上です。

○林部会長 ありがとうございました。では、続いて近藤代理、お願いします。

○近藤代理 先ほど原田委員からも御意見がありましたが、産業界の立場でということで一つ要望させていただきます。
今回のこの改正点の御提案につきましては、より評価を進めるためということから考えますと、一つの手段としては理解できるものであると考えます。これを進めるに当たって、今後、具体的な様式とか記載内容等検討するにあたっては、より実効性の上がるものとなるよう進めていただければと思っております。ぜひ産業界とも調整をさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○林部会長 ちょっと私から質問なのですけれども、今の御意見は、特にこの資料を改訂するとかというようなことではないということですか。

○近藤代理 そうですね。

○林部会長 実効面できめ細かに運用をしていきたいという御意見ですね。わかりました。 ほかにありますでしょうか。

○青木委員 私も先ほどの東海委員の御意見に賛同するところでありまして、やはりスクリーニング評価と、その後のリスク評価、これはやはり分けて考えていく、お示しいただくほうがわかりやすいのではないか。実際考え方が違うわけですので、違う部分もございますので、そうしていただいたほうがいいのではないかと思います。
ただ、そういう考えてみたとき、今の資料9のこのパネルの中で、②③が非常に重要なポイントになってくるのではないかなと思います。そういう中で、これをちょっとみさせていただきまして、概念的には非常に理解できるところですし、賛同するところなのですが、ただ、ちょっと、その中で特に第二種特定化学物質の該当要件を明確化というところが結構ポイントになってくるのではないかというふうに私自身感想をもったのですけれども、要件を明確化と、具体的に何か、どういう形で明確化しようかとか、そういうイメージというか、お考えがもしあったら教えていただけたらと思うのですが。要件は今までもあったのではないかなと思うのですが。それを明確化するというのはどういうことなのかなということを教えていただけたらと思うのですが。

○METI事務局 もとになりますのは、条文の第二種特定化学物質の定義になるかと考えています。また、それに関する逐条解説での文言を分解して要素に分けて、それらに関して、その要素ごとに具体的に、もし数量があれば、その数量なり、あるいは環境中の残留量の上昇傾向とかという部分の要素もありますので、そういったものを組み合わせたものになるかというふうに想定をしております。

○青木委員 では、イメージというよりも、かなり具体的な、ある意味数値を出したような形になってくるということになるのでしょうか。残留量とか、量といわれたところが。
それとも、何か定量的な、定性的というよりも定量的なイメージをもっておられるのかなというふうに思ったのですけれども。

○METI事務局 そうですね。相当広範な地域でリスクが懸念されるというような意味合いが第二種特定化学物質の定義に含まれていると思いますので、可能な範囲で要素ごとに数値等を対応させることができる部分についてはできたらというふうに考えています。

○青木委員 ありがとうございます。では、具体的にはやはりそこは、基準というか、尺度というものについては少し議論させていただくことになるというふうに了解してよろしいでしょうか。ありがとうございます。

○林部会長 ありがとうございました。
それでは、ちょっとまだ御意見もあろうかと思いますが、時間もまいりましたので、一応このような、2020年目標に到達するための具体的な方策、ロードマップとしては、原則としてはお認めいただいたというふうに理解させていただきます。したがいまして、事務局から説明いただいたとおりの方向で進めていただければと思うのですが、幾つか意見が出ましたように、具体的な作業の場面では、またそれぞれの担当の方との御意見交換等、きめ細かな運用を図っていただければというふうに座長からもお願いしたいと思います。
それでは、どうも長い間ありがとうございました。
事務局のほうから、その他何かございますでしょうか。

○MOE事務局 最後に1点ですけれども、資料の参考5のところに、今年度デフォルトの有害性クラスを適用する一般化学物質の候補についてということで資料をご用意しております。こちらの一番最後のページに横表をつけておりまして、7物質ほど挙げております。こちらにつきましては、一定の期間内に試験計画、既存の有害性情報の提出を待ちました後、特段そういったものの提出なり応募がなかった場合には、1月の審議会におきまして優先の判定についてご検討をいただきたいと考えております。それで、有害性情報の提出に関しましては、昨年度と同様、経済産業省、環境省のホームページで詳細をお知らせさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

○林部会長 ありがとうございました。特に質問、ないですよね。
それでは、そのほかに何かありますか。よろしいですか。

○METI事務局 では、資料等の扱いにつきまして少し申し上げます。
紙配付をしております資料は、この後全て回収させていただきますので、机の上に置いておいていただければと思います。
また、合同審議会第二部の審議につきましては、休憩を挟みまして15時20分より開始したいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
また、第二部での化学物質審議会は、審査部会として審議会を開催することといたします。新規化学物質の審査でございますので、非公開とさせていただきます。傍聴者の方におかれましては、ご退室いただきますようよろしくお願いいたします。
第二部委員の皆様におかれましては、開始時間の15時20分までにお席にお戻りいただきますようよろしくお願いいたします。
以上です。

○林部会長 ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして合同審議会第一部を終了といたします。
第二部にも御出席の委員の皆様におかれましては、20分までにお席のほうにお戻りいただくようお願い申し上げます。
本日は、どうも長時間ありがとうございました。