平成27年度第9回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会 平成27年度化学物質審議会第4回安全対策部会 第161回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会 議事録

1.日時

平成28年1月22日(金)13:00~14:40

2.場所

中央合同庁舎5号館 18階 専用第22会議室

3.出席:(五十音順、敬称略)

薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会委員

小川 久美子    菅野 純    鈴木 勇司

高木 篤也     田中 博之   西川 秋佳(座長)

能美 健彦     平塚 明    本間 正充

化学物質審議会安全対策部会委員

大石 美奈子    亀屋 隆志   小林 剛

庄野 文章     恒見 清孝   東海 明宏

原田 房枝     林 真(部会長)

中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会委員

青木 康展     日下 幸則   小山 次朗

白石 寛明(委員長)田中 嘉成   田辺 信介

山本 裕史     吉岡 義正   和田 勝

事務局

厚生労働省  美上化学物質安全対策室長

経済産業省  飛騨化学物質安全室長

環 境 省  福島化学物質審査室長 他

4.議題

 1.優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価IIにおける評価について

 2.その他

5.議事

○MHLW事務局 それでは、時間がまいりましたので、ただいまから「平成27年度 第9回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会」「平成27年度化学物質審議会第4回安全対策部会」「第161回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会」の合同審議会を開催したいと思います。

 本日は、いずれの審議会も開催に必要な定足数を満たしており、それぞれの審議会は成立していることを御報告いたします。

 なお、本合同審議会は、第一部と第二部に分けて実施いたします。

 本日は、13時から15時までを第一部としまして、優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価IIの審議などを公開で行います。終了後、休憩を挟みまして、15時20分より第二部を行いますので、よろしくお願いいたします。

 議事に先立ちまして、本日は、参考人として、国立医薬品食品衛生研究所安全性予測評価部、広瀬明彦部長が出席いたしますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、お手元にお配りしました資料につきまして、確認を行いたいと思います。

 まず、一番上に議事次第、その下に資料1としてリスク評価IIの全体スケジュール。

 資料2-1としまして、リスク評価IIにおける1,3-ブタジエンの評価結果(案)。

 資料2-2としまして、1,3-ブタジエンのリスク評価IIに係る評価。

 その下に別添資料。

 資料3-1としまして、リスク評価IIにおける1,2-エポキシプロパンの評価結果(案)。

 資料3-2としまして、1,2-エポキシプロパンの評価書。

 その下に別添資料。

 資料4-1としまして、リスク評価IIにおけるアクリル酸-ブチルの評価結果(案)。

 資料4-2としまして、アクリル酸-ブチルの評価書。

 その下に別添資料。

 資料5-1としまして、リスク評価IIにおけるp-ジクロロベンゼンの評価結果(案)。

 資料5-2としまして、p-ジクロロベンゼンの評価書。

 その下に別添資料。

 資料6としまして、リスク評価IIの物質の数量監視の考え方(案)。

 資料7としまして、スクリーニング評価におけるデフォルトの判定案並びに今後の進め方(案)。

 資料8-1としまして、リスク評価書の簡易版の作成。

 資料8-2としまして、リスク評価書簡易版(案)(1,3-ブタジエンの例)。

 参考1としまして、1,3-ブタジエンの詳細資料。

 参考2としまして、1,3-ブタジエンの詳細資料。

 参考資料1としまして、委員名簿。

 参考資料2としまして、リスク評価の技術ガイダンス。これは、お手元のパソコンの中に入っております。

 以上でございます。過不足などありましたら、申し付けいただければと思います。

 よろしいでしょうか。

 それでは、これより議事に入らせていただきます。

 本日の全体の議事進行につきましては、化学物質安全対策部会化学物質調査会、西川座長にお願いいたします。

 西川座長、どうぞ、よろしくお願いいたします。

○西川座長 それでは、これより議事に移らせていただきます。

 初めに、本日の会議の公開の是非についてお諮りします。

 各審議会の公開につきましては、それぞれ規定のあるところでございますが、公開することにより、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、または特定な者に不当な益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合等、非公開とするべき場合には該当しないと考えますので、原則公開としたいと思います。

 ただし、営業秘密等に該当する場合は、秘匿することを認めることといたしたいと思います。

 よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○西川座長 ありがとうございます。

 それでは、本日の会議は、公開といたします。

 議事録につきましては、後日、ホームページ等で公開されますので、あらかじめ御承知おき願います。

 それでは、まず、議題1の優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価IIにおける評価につきまして、個別の物質の審議に入る前に、事務局からリスク評価II全体スケジュール、平成27年度から平成30年度について、説明をお願いいたします。

○METI事務局 それでは、資料1の方を御覧ください。

 これは、平成27年度以降の詳細評価を行うべき優先評価化学物質50物質のリスク評価II、全体のスケジュールでございます。

 今回の審議対象でございますが、平成27年度審議予定物質のうち、昨年度7月の審議会で審議いたしました、優先評価化学物質の通し番号で言いますと、49番の1,2,4-トリメチルベンゼン及び64番の2,6-ジ-tert-ブチル-4メチルフェノールを除く4物質、具体的には、1,3-ブタジエン、1,2-エポキシプロパン、アクリル酸-ブチル、p-ジクロロベンゼンでございます。

 アクリロニトリルにつきましては、次回、3月に行う予定で進めております。

 その他、変更点がございます。

 平成28年度審議予定物質ということになっておりましたベンゼンでございますが、これを平成29年度の方にスケジュール変更しております。

 また、昨年10月の審議会で報告いたしましたけれども、今年度の評価Iの結果、評価IIを行う物質群につきましては平成30年に評価を行う予定物質として追加しております。

 以上でございます。

○西川座長 ありがとうございます。

 それでは、ただいまの説明について、何か御質問等はございますでしょうか。

 ないようですので、次に移りたいと思います。

 本日は、リスク評価IIに進んでいる優先評価化学物質のうち、4物質の審議を行うことといたします。

 まずは、1,3-ブタジエンの評価の人健康影響の観点でのリスク評価IIの評価結果及び今後の対応について事務局より説明をお願いいたします。

○MHLW事務局 それでは、リスク評価(一次)評価IIにおける1,3-ブタジエンの評価結果につきまして、資料2-1及び資料2-2の両方を用いて御説明をさせていただきます。

 まず、資料2-1を御覧ください。

 最初の冒頭部分は、説明を飛ばさせていただきまして、まず、評価の概要についてというところから御説明したいと思います。

 まず、1ページ目に対象物質についてということで、表1において示しております。

 続きまして、2ページ目にいきまして、本物質、評価対象物質について記載をしております。

 (2)につきましては、物理化学的性状、濃縮性及び分解性についてまとめております。詳細につきましては、省略させていただきたいと思います。

 続きまして、3ページ目の表4に人健康影響に係る有害性評価値をまとめてございます。

 この部分につきましては、資料2-2でいいますと、第4章の22ページからを簡単にまとめておりますので、必要に応じて適宜参照いただければと思います。

 まず、一般毒性、生殖発生毒性、発がん性に関しまして、経口暴露による毒性データが得られなかったということから、これらの試験項目につきましては、吸入暴露のデータに基づいて、それぞれ評価を行っております。

 まず、一般毒性ですけれども、マウスの2年間吸入暴露試験におきまして、卵巣萎縮の発生頻度の増加に基づくLOAECが14.1 mg/m3であり、それを補正した値LOAEC2.52 mg/m3を根拠にしておりまして、この結果から経口のLOAEL4.2 mg/kg/dayを算出しております。

 さらに、半時計回りに御確認いただければと思いますが、不確実係数を1,000とし、有効性評価値4.2×10-3 mg/kg/dayを出しておりまして、また、注3のとおり、経口からの評価値を換算いたしまして、経口及び吸入のそれぞれの有害性評価値を算出しております。

 また、生殖発生毒性におきましては、マウスの発生毒性試験において、雄胎児の体重低値に基づくLOAEC 16.1 mg/ m3に基づきまして、同様に経口及び記入の有害性評価値を算出しております。

 続きまして、変異原性、遺伝毒性についてですが、こちらには、詳細は記載しておりませんので、資料2-2で御説明をしたいと思います。

 28ページからの記載になります。

 詳細な説明は、省略させていただきたいと思いますが、それぞれこちらのほうで評価をしておりまして、35ページに変異原性の評価としてまとめております。

 4-3-4の変異原性の評価という部分におきまして、in vitroin vivoの変異原性試験において、多くの試験で明確な陽性を示しているということから、この物質に関しましては、変異原性を有する物質と評価をしております。

 それでは、資料2-1の表4に戻っていただきまして、発がん性の評価について説明をさせていただきたいと思います。

 今の変異原性の結果をもちまして、変異原性を有する閾値のない発がん性物質として評価を行いました。職業暴露者を対象とした複数のコホート試験において、リンパ造血系の腫瘍の増加が認められているということから、近年、これらの疫学データに基づいて、リスクレベル10-5、実質安全量を算出しております。

 こちらの吸入のデータのとおり、中央環境審議会などで用いられたデータをもとに、2.5×10-3ということで、有害性評価値の部分の記載をしております。

 また、この値から経口の値を換算しまして、1.0×10-3としております。

 以上が、この有害性評価値のそれぞれの試験項目における説明になりますが、その下の部分にまとめておりまして、2行目からになりますが、一般毒性、生殖発生毒性及び発がん性の有害性評価項目のうち、最も感受性の高い指標となるのは、発がん性で白血病であったということになっております。

 それぞれの有害性評価項目は、暴露経路に依存せず、誘発される可能性が高いということから、この後の暴露推計におきましては、おのおのの経路における暴露推計量に基づいて、リスク比の合計値をもってリスク推計を行うことが、毒性学的に妥当であるとしております。

 以上、人健康影響に係る有害性の評価になります。

○METI事務局 次に、リスク推計結果の概要について説明させていただきます。

 推計結果の前に用いました化審法に基づく、製造等の届出数量とか、PRTRの情報につきまして、資料2-2を用いまして、説明させていただきたいと思います。

 まずは、13ページを御覧ください。

 図3-1に、化審法に基づく製造輸入数量を示しております。

 経年的には、100万トンから120万トンぐらいで、ほぼ横ばいの状況ということでございます。

 出荷数量の内訳でございますが、次ページの図3-2を御覧ください。

 主たる用途は、01-aということとなっておりまして、中間物でございます。この物質に関しては、家電製品の合成樹脂とか、自動車のタイヤの合成ゴムの原料などに使われております、基礎化学品でございます。

 これら、化審法の届出データ及び表3-2そこに示します現行ルールで定められた排出係数を用いまして、環境排出量を推計いたしました結果を16ページの、図3-3あるいは17ページの表3-3に示しております。

 届出情報を精査いたしました直近のデータ、平成25年度ですが、それに基づきますと、製造段階と中間物用途からの排出が半々ということで、2,400トン推計されました。

 一方、PRTRの情報でございますが、18ページを御覧ください。

 図3-4に示しますように、全体の排出・移動量というのは年々減少しておりまして、大気と環境への直接排出量も減ってきており、占める割合も非常に小さいものとなっております。

 平成25年度の排出量・移動量でございますが、推計による移動体からのものが主となりまして、約1,600トンとなっております。

 資料2-1の3ページの方に戻っていただきまして、排出源毎の暴露シナリオによるリスク評価の説明の方に移りたいと思います。

  排出源ごとの暴露シナリオとは、固定排出源に着目したものでございまして、その排出源の周辺に生活する一般住民が排出源から排出される化学物質に環境媒体を通じて暴露されるというシナリオでございます。

 リスク評価につきましては、暴露シナリオ推計モデルであります、PRAS-NITEというソフトウエアを用いまして実施いたしました。

 化審法の届出情報よりもより実態を反映したものと考えられるPRTRの届出情報に基づく推計の結果を4ページの表5から7に示してございます。

 いずれの種類の毒性におきましても、推計されるリスク懸念箇所はございませんでした。

 以上でございます。

○MOE事務局 続きまして、2番、さまざまな排出源の影響を含めた暴露シナリオより評価を御説明させていただきます。

 資料2-2ですと、82ページあたりからになりますけれども、ここでは、資料2-1を用いて説明させていただきます。

 こちらは、さまざまな排出源ということで、ここではPRTR届出情報及び届出外排出量推計を用いまして、G-CIEMSと呼ばれる推計モデルにより、環境中の濃度を推計いたしまして、そこから経口経路、吸入経路あるいは両方足したものにつきまして、それぞれの特性についてリスクを推計したものでございます。

 結果でございますけれども、リスクが懸念されるハザード・クォーシェント1以上となる地点は、表8のとおり、ございませんでした。

 続きまして、3番、環境モニタリングデータによる評価を御説明させていただきます。

 こちらは、直近年度、平成21年から25年までに得られております、大気及び水質のモニタリングデータをもとに評価を行ったものでございます。

 評価の結果は、大気が表の9、水質が表の10となっておりますけれども、こちらもハザード・クォーシェントが1以上となる地点はございませんでした。

 以上でございます。

○MHLW事務局 それでは、この結論といたしまして、資料2-1の概要版の冒頭部分について、御説明したいと思います。

 評価結果及び今後の対応についてという四角の中になります。本物質につきまして、人健康影響に係る有害性評価としまして、一般毒性、生殖発生毒性、発がん性の評価値を導出いたしました。

 また、暴露評価といたしまして、化審法の届出情報など、また、モニタリングなどの実測濃度を収集しまして、暴露濃度及び摂取量の推計を行いました。

 リスク評価としまして、これらの比較をしました結果、暴露濃度及び摂取量が有害性評価値を超えた地点というのは確認されなかったということでございます。

 また、製造輸入数量の経年変化につきましても、平成22年度以降、ほぼ横ばいであったとしております。

 このことから、2番目でございますけれども、本物質につきまして、第2種特定化学物質の要件でございます、環境の汚染により、広範な地域での人の健康に係る被害が生じるおそれがあるとは認められないとしております。

 また、3番目につきまして、生態影響については、まだ、スクリーニング評価を行っていないということがありますので、今後、有害性情報を収集するなどしまして、スクリーニング評価を実施するということとしたいと思います。

 以上で説明を終わらせていただきます。

○西川座長 ありがとうございました。

 それでは、今の事務局の説明について、御質問、御意見等がございましたら、お手元のネームプレートを立ててください。順に示させていただきます。

 では、林先生、どうぞ。

○林部会長 内容のことではないのですけれども、フォーマットのことで、少し御質問と、今後のお願いをしたいと思います。

 資料2-1というのが、我々が一番よく、これに基づいて評価をする。さらに細かいところは、資料2-2に基づくということになるのだろうと思うのですけれども、この資料2-1の中に、変異原のデータが一切記載されていない。

 それで、今も御説明があったように、資料2-2の35ページには、変異原のまとめも記載されているというような状況になっています。

 それで、化審法というのは、新規でもそうですけれども、この変異原というのは、非常に重要視されているエンドポイントでもありますので、ぜひ資料2-1にも何とか入れ込んでいただけないかなというのが、お願いでございます。

 テーブルを作ったりするのは、非常に大変だと思うのですけれども、別にテーブルを作らなくても、結論のところだけを文章として数行、ワンパラグラフ程度で入れていただくだけでも十分ではないかと思います。善処していただければと思います。

○西川座長 これまでは、変異原性の成績は書いてこなかったと、とはいえ、是非にという御意見ですけれども、事務局、いかがでしょうか。

○MHLW事務局 御指摘ありがとうございます。変異原性の記載のほうについても、今後、検討させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○西川座長 よろしくお願いします。

 ほかによろしいでしょうか。

 白石先生、どうぞ。

○白石委員長 結論的に何もないのですが、詳細版のほうの14ページ、用途が製造輸入数量は変わっていないのですけれども、用途が非常に変わっているように見えるのですね。

 平成25年度は用途を精査したとなっていますが、今後もこのような精査が必要なようなことが続くのかどうか、少し改善が見込まれるのかということを、まず、お伺いしたいです。

 というのは、16ページを御覧になっていただくように、今回の化審法の改正の最も重要なところ、用途が把握できるというところだったと思うのですけれども、排出係数の違いによって、ばらついてくるということがございますので、どのようなことにこの辺なっているのかというのを、まず、ちょっと教えていただきたいと思います。

○西川座長 事務局、よろしくお願いします。

○METI事務局 化審法の改正によってリスク評価が導入された当初は、用途を皆さんに出していただくということで、事業者に説明したのですが、なかなかその辺の出し方というか、用途の解釈の捉え方が、間違えられている方がおりまして、当初の年度は、結構誤解されたような届出が結構ありました。それで、初めのほうの22年度とかには、いろんな用途になってしまっているという状況が、正直言ってございます。

 ただし、毎年、毎年、事業者に対して、この辺の届出に関する説明をしておりまして、少しずつということもありますけれども、直ってきてはいますし、また、事務局の方でも、おかしなものはピックアップして、直していただくようには、個別にはお願いしている状況です。最近は、そこそこの精度には落ち着いてきていると思っています。

 また、評価のIIにおきましては、詳細評価を行うということですから、やはり、精緻化するということで、こういった物質に関しては、きっちりと、さらに見直すということをやっておりまして、そういう意味でも、25年度のものに関しては、かなり精度の高いものになっていると思っております。

 以上でございます。

○西川座長 ありがとうございました。

 ただいまの説明につきまして、白石先生、よろしいですか。

○白石委員長 できれば、精査しないでも、得られた数字で評価できるような形にしていただきたいと希望いたします。

○METI事務局 ありがとうございます。

○西川座長 そのほか、よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○恒見委員 1点確認なのですけれども、有害性の情報のところで、発がん性の有害性評価値で、評価書を見てみますと、動物試験、そして、疫学、両方の説明があるのですが、最終的に疫学のデータを有害性評価値として決めた理由を、もう少し具体的に聞ければと思っています。お願いします。

○西川座長 疫学データにおける白血病に一番重きを置いた理由について説明をお願いします。

○広瀬参考人 今すぐ確認できません。評価書の詳細版には、多分、理由が書いてあると思いますけれども、通常、人と動物のデータがあって、どちらも信頼性が高いといった場合は、第1選択としては、人のデータを使うということにしていますので、ただ、両方あっても、人のデータの場合、定量的に使えない場合とか、そういった場合には、その次の手段として動物を使って、一応、そういうポリシーで実施しています。

○恒見委員 ありがとうございます。

○西川座長 よろしいでしょうか。そのほか、何かございますか。

 もしもないようでしたら、議論は尽きたと見なします。ありがとうございました。

 それでは、1,3-ブタジエンについては、事務局から御説明いただいたとおりの評価及び対応といたします。ありがとうございました。

 続いて、1,2-エポキシプロパンの評価の人健康影響の観点でのリスク評価IIの評価結果及び今後の対応について、事務局より、説明をお願いいたします。

○MHLW事務局 それでは、リスク評価(一次)評価IIにおける1,2-エポキシプロパンの評価結果につきまして、資料3-1及び3-2の両方を用いて御説明させていただきます。

 まず、資料3-1を御覧ください。

 最初冒頭部分は、少し説明を飛ばさせていただきまして、まず、評価の概要についてというところから御説明をしたいと思います。

 1,2-エポキシプロパンの同定情報が記載をしております。

 続きまして、2ページ目になります。

 本評価対象物質について記載をして、物理化学的性状及び分解に係るデータをそれぞれ表2、表3としてまとめております。

 続きまして、3ページ目の表4に人健康影響に係る有害性評価値をまとめてございます。

 こちらのほうは、評価書の資料2-2の第4章の23ページからをまとめたものになります。

 一般毒性、生殖発生毒性につきましては、算出可能な経口暴露による毒性データが得られなかったということから、吸入暴露のデータに基づきまして、それぞれ評価を行っております。

 まず、一般毒性についてですが、ラットの123から124週の吸入暴露試験につきまして、鼻腔上皮の巣状陥入に基づくLOAECが12.7 mg/m3であったということを根拠に計算をしております。そこからLOAEL、経口投与の値を出しまして、不確実係数を1,000としまして、有害性評価値を導出しております。

 また、注3にございますとおり、経口投与の有害性評価値のその値をさらに吸入でも換算し、それぞれ算出をしているというところになります。

 生殖発生毒性につきましても、同様にラットの5から6週反復投与、生殖発生毒性試験の結果をもとにそこのLOAEL等の根拠にございますような所見が見られているというようなことから、NOAECを297 mg/m3としておりますが、このデータを基に、それぞれ有害性評価値を経口、吸入ともに計算をしているところになります。

 続きまして、変異原性、遺伝毒性につきましては、先ほど、御指摘がありましたが、こちらのほうに記載しておりませんので、評価書に基づいて御説明をしたいと思います。

 資料3-2の30ページからの記載になります。

 詳細な説明につきましては、省略させていただきたいと思いますが、33ページに変異原性の評価としまして、まとめております。

 さまざまデータが認められ、それぞれ各国で評価されているということがございまして、その状況を踏まえまして、本物質につきましては、変異原性を有する物質というふうに評価しております。

 それでは、資料3-1の表の4に戻っていただきまして、発がん性の説明をさせていただきたいと思います。

 発がん性の評価につきましては、変異原性を有する閾値のない発がん性物質としまして、評価を行っております。

 経口経路につきましては、ラットの113週の強制経口投与試験におきまして、前胃の扁平上皮がん等のデータが見られているということから、それぞれベンチマーク・ドーズ法に従って計算をいたしまして、10-5リスク相当量を求めて、有害性評価値ということにしております。

 また、吸入経路につきましても、ラットの103週の吸入試験がございまして、鼻腔の扁平上皮がんなどの所見が見られているということを踏まえまして、ユニットリスクを導出しておりまして、1.1×10-2というふうに最終的に有害性評価値を算出してございます。

 これらの試験項目の結果を踏まえまして、表4の下の中ほどにございます。これらの評価項目のうち、経口吸入暴露のいずれにおきましても、最も感受性の高い指標となるのは発がん性でございました。

 この発がん性につきましては、先ほど御説明しましたように、前胃と鼻腔ということで、暴露経路に依存した局所性のものであるということから、おのおのの経路における暴露推計量に基づきまして、リスク推計を行うことが毒性学的に妥当であるとしております。

 以上、人健康に係る有害性の評価の説明になります。

○METI事務局 (4)リスク推計結果の概要ということで、御説明させていただきます。

 推計結果の前に用いました化審法に基づく製造数量等のデータ、あとは、PRTRの情報につきまして、資料3-2を用いまして説明させていただきたいと思います。

 14ページを御覧ください。図3-1に化審法に基づく製造数量を示しております。

 経年的には、39万トンから45万トンで、ほぼ横ばいの状況となっております。

 出荷数量の内訳でございますが、次ページの図3-2を御覧ください。

 主たる用途は、01-aということで、中間物となります。そのほか、99-aという輸出分も占めていることが分かります。

 この物質に関しては、ポリウレタンとか、ポリエステルあるいは界面活性剤などの原料に使われておりこれも基礎化学品ということになります。

 これらの化審法のデータ及び16ページの表3-2に示します排出係数を用いて、環境排出量を推計しました結果を、17ページの図3-3及び18ページの表3-3に示しております。

 届出情報を精査しました直近のデータ、平成25年度になるわけですが、それに基づきますと、製造段階と、中間物の用途からの排出が、大体半々ぐらいで1,050トンと推定されております。

 一方、PRTRの情報でございますが、19ページを御覧ください。

 図3-4に示しますように、全体の排出・移動量は減少してきましたが、近年は横ばいという状況になっています。

 排出先といたしましては、大気とか、水域とか下水、廃棄から構成されておりまして、平成25年度の排出量・移動量でございますが、200トン弱となっております。

 資料3-1の3ページに戻りまして、排出源ごとの暴露シナリオによるリスク評価の説明に移りたいと思います。

 リスク評価につきましては、暴露シナリオ推計モデルであります、PRAS-NITEを用いて実施いたしました。これも化審法の届出情報よりも、実態を反映していると考えられますPRTRの情報に基づくリスク推計の結果を、次のページの表5から7に示しております。

 前回のブタジエンと同じように、こちらもどの種類の毒性を用いましても、リスク懸念箇所というものはございませんでした。

 以上でございます。

○MOE事務局 続きまして、2のさまざまな排出源の影響を含めた暴露シナリオによる評価について御説明をいたします。

 こちらにつきましても1,3-ブタジエン同様、PRTRの届出情報及び届出外排出量推計を用いまして、さまざまな排出源の影響を含めた暴露シナリオによる推計モデル、G-CIEMSと申しますけれども、それにより、大気中濃度、水質濃度の計算を行いまして、評価対象地点としました環境基準点を含む3,705地点のリスク推計を行いました。

 比較する有害性の情報は、最も厳しい評価値である発がん性の情報を用いました。

 その結果、表8にお示しをしているとおりでございますけれども、ハザード・クォーシェントが1以上となる地点はございませんでした。

 評価書のほうは、結果の詳細につきましては、66ページあたりにお示ししておりますので、適宜御覧いただければと思います。

 続きまして、3の環境モニタリングデータによる評価でございます。評価書のほうでは50ページからモニタリングの結果をお示ししておりまして、74ページから評価結果のをお示ししておりますので、適宜ごらんいただきたいと思います。

 直近年度、平成21年から25年度の1,2-エポキシプロパンの大気及び水質モニタリングデータをもとに評価を行いまして、比較する有害性評価値に関しましては、2で御説明いたしましたものと同様に発がん性のデータを用いました。

 直近年度の結果は、表9、表10にお示しをしておりまして、大気及び水質、いずれもハザード・クォーシェントが1以上になる地点はございませんでした。

○MHLW事務局 それでは、この結論といたしまして、資料3-1の冒頭部分、評価結果及び今後の対応について御説明いたします。

 1,2-エポキシプロパン、本物質につきましては、人健康影響に係る有害性の評価としまして、有害性評価値をそれぞれ導出いたしまして、また、暴露評価といたしまして、化審法届出情報などによる暴露濃度及び摂取量の推計を行いました。

 これらのリスク評価としまして、これらの比較した結果、暴露濃度及び摂取量が有害性評価値を超えた地点というのは、確認されませんでした。

 また、製造輸入数量の経年変化は、平成22年度以降、ほぼ横ばいであったとしております。

 また、2番目でございますけれども、現在、推計される暴露濃度では、本物質につきましては、第2種特定化学物質の定義でございます。環境汚染及び広範な地域での人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるとは認められないというふうにしております。

 また、3番目のところでございますけれども、本結果、また、生態影響につきましても、過去に優先評価化学物質相当ではないと判定をされていますから、化審法第11条2号2に基づき、優先評価化学物質の指定の取り消しを今後行い、一般化学物質として、製造輸入数量等を把握するということにしてはどうかと考えているところでございます。

 以上、説明を終わります。

○西川座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局からの御説明につきまして、御質問、御意見がございましたら、先ほどと同様にネームプレートをお立てください。

 白石先生、どうぞ。

○白石委員長 ちょっと御質問なのですけれども、評価書の21ページにPRTRの業種別、媒体別の内訳があって、そこに倉庫業というのがあるのですが、これは、化審法の届出では、どういった扱いになっているのでしょうか。

 例えば、排出係数の扱いなのですけれども、ライフステージの段階で、倉庫業とか、保管しているようなところの扱いというのは、どういうふうになっているのですか。

○METI事務局 倉庫業単独では、排出係数としては含まれておりません。

○白石委員長 これは、届出対象にもなっていないということなのでしょうか。

○METI事務局 そうです。化審法の届出は、製造輸入事業者ですので、その後の出荷先の用途として、物質の保管というのは、今、入っていない状況になっております。

○白石委員長 よくわからないのですが、製造輸入の範疇に含まれるということではなくて。

○METI事務局 製造輸入の総量としては入っています。

○白石委員長 その先のライフステージの用途の中では、考慮されていないということでよろしいのですか。

○METI事務局 はい。

○西川座長 よろしいでしょうか。

 そのほか、ございますか。

 ないようでしたら、議論は尽きたと判断いたします。

 そうしますと、1,2-エポキシプロパンについては、事務局から御説明いただいたとおりの評価及び対応といたします。ありがとうございました。

 続いて、アクリル酸n-ブチルの評価の生態影響の観点でのリスク評価IIの評価結果及び今後の対応について、事務局より、説明をお願いいたします。

○MOE事務局 それでは、資料4-1、4-2を用いて、アクリル酸n-ブチルの評価結果について御説明させていただきます。

 同じように、冒頭の部分は飛ばさせていただきまして、1ページの中ほど、評価の概要についてから御説明させていただきます。

 今回の評価対象物質でございますけれども、表1のとおり、アクリル酸n-ブチルでございます。

 また(2)物理化学的性状、濃縮性及び分解性につきましては、表2、表3にお示ししているとおりでございます。

 続きまして、(3)有害性評価(生態影響)について御説明させていただきます。

 まず、水生生物への影響でございますけれども、3種の生物群のデータがそろってございます。生産者、一次消費者、二次消費者となってございます。

 この中で、生産者の藻類の慢性影響のデータが一番厳しいデータとなっておりますので、このデータを用いまして、表4のとおり、キースタディ0.077 mg/Lに対して、不確実係数積を魚類の慢性試験の結果がございませんので、50というものを使いまして、PNEC値0.0015 mg/Lを得ております。

 また、2番にありますとおり、底生生物につきましては、今回、logPowが3未満であることから評価は行わないということにしております。

○METI事務局 続きまして、(4)ということで、リスク推計の結果の概要について説明させていただきます。

 推計の結果の説明に入る前に、化審法の届出の製造数量の届出数量とか、PRTRの情報につきまして、資料4-2を用いまして説明させていただきます。

 まず、8ページを御覧ください。

 図3-1に、製造数量等を示しております。経年的には、12万トンから14万トンで、ほぼ横ばいの状況でございます。

 出荷数量の内訳ですが、次のページの図3-2となります。

 用途は、これも01-aということで中間物でございまして、この物質は、接着剤とか、粘着剤とか、塗料のポリマーの原料といったものに使われている基礎化学品ということでございます。

 これら、化審法の届出情報と、あとは、次ページの表2というところにあります、排出係数を用いて環境排出量というのを推計した結果が、11ページの図3-3と、12ページの表3-3に示してございます。

 届出情報を精査いたしました直近のデータに基づきますと、中間物用途からの排出ということで、120トンの値が推定されます。

 一方、PRTRの情報でございますが、これは13ページを御覧ください。

 図の3-4に示しますように、全体の排出・移動量は横ばいとなっております。排出先としまして、主に大気廃棄ということとなっておりまして、平成25年度の排出量・移動量でございますが、250トン弱ということとなっております。

 資料4-1の4ページに戻っていただきまして、排出源ごとの暴露シナリオによるリスク評価の説明に移りたいと思います。

 排出源ごとの暴露シナリオとは、この場合は、固定排出源に着目したものでありまして、それらの排出源の周辺に生息する、生活環境動植物が排出源から排出される化学物質に環境媒体を通じて暴露されるというシナリオでございます。

 リスク評価につきましては、暴露シナリオ、推計モデルであります、PRAS-NITEを用いまして実施いたしました。

 化審法の届出情報よりも、この場合も同様なのですが、PRTRの情報が実態を反映したものと考えられますので、その結果を表5に示しております。

 推計されるリスク懸念箇所というのはございませんでした。

 以上でございます。

○MOE事務局 続きまして、2番、さまざまな排出源の影響を含めた暴露シナリオによる評価を説明させていただきますと、資料4-2ですと、34ページあたりからになっております。

 こちらは、同じようにPRTR届出情報及び届出外排出量推計を用いまして、G-CIEMSモデルにより水質濃度の計算を行いました。

 リスク推計の結果でありますけれども、PEC/PNEC比が1を超える流域ですけれども、3流域ございました。

 ただし、今回、このモデルの使用に当たっては、海域に排出されているPRTR届出情報も全て河川中に放流するような形で推計しておりまして、そういったところを精緻化するなどして、改めて推計を行いますと、PEC/PNEC比が1以上となるのは1流域でございました。

 続きまして、3番環境モニタリングデータによる評価を御説明させていただきます。

 こちら、モニタリングデータにつきましては、資料4-2ですと、5章の21ページ目あたり、また、評価につきましては、38ページ目あたりに記載されているところでございます。

 直近年度や、過去10年分の水質モニタリングにおける最大濃度をもとに評価を行いましたのが、表8のとおりとなっておりまして、モニタリングデータは、表8に記載されたような値が得られておりまして、こちら、PEC/PNEC比にしますと、1を下回るというような状況でございました。

 冒頭にお戻りいただきまして、評価結果及び今後の対応についてでございます。

 アクリル酸n-ブチルでございますけれども、生態影響に係る有害性評価を既存の水生生物に対する予測無影響濃度を導出しまして、また、暴露評価としましては、化審法の届出情報、PRTR情報等に基づく予測環境中濃度の計算、環境モニタリングによる実測濃度の収集整理等を行いました。

 これらの比較の結果でございますけれども、PNEC比を超えた地点が確認されたものの、地点数は限られていたというような状況でございます。

 こちら、脚注11となっておりますけれども、1でありまして、下側のところの説明を御覧ください。

 先ほど申し上げましたように、G-CIEMSによる暴露シナリオで3地点の1以上の地域が確認されておりますけれども、排出先を設置した結果、1地点でありまして、また、この1地点につきましては、既に環境モニタリングで同一の流域が測定されているところでございまして、そのあたりは不検出であったということでございまして、このことから、現在、推計される暴露濃度等では、アクリル酸n-ブチルによる環境汚染により、広範な地域での生活環境動植物の生息もしくは生育に係る被害を生ずるおそれがあるとは認められないと考えてございます。

 また、製造・輸入数量も平成22年度以降、ほぼ横ばいであったということでございまして、この結果、そして、また、人健康影響につきましては、優先評価化学物質に相当ではないと、過去に審議済みでございまして、化審法第1条2号に基づき、優先評価化学物質の指定の取り消しを行い、一般化学物質として製造輸入数量等を把握することとしたいと考えてございます。

 御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○西川座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局からの説明について、御質問、御意見等ございましたら、ネームプレートを立ててください。

 よろしいですか。

 どうぞ。

○能美委員 この物質について、格別の質問ではありませんけれども、今回、指定の取り消しを行った後に、環境での実態調査というのは継続されていくわけでしょうか。一度取り消して一般化学物質になって、再度、もう一度特定化学物質に戻ってくると、そういうシナリオといいますか、そういうことはあり得るのか、今後の取り扱いについて、ちょっと教えていただければと思います。

○MOE事務局 御質問ありがとうございます。

 今の評価結果及び今後の対応についての3パラグラフ目にありますように、一般化学物質と指定になった後も、製造輸入数量の実績報告というものは、事業者さんに義務づけがありますので、ここで製造輸入数量や用途の情報については、一般化学物質として情報が得られることになります。

 ですので、例えば、製造輸入数量が多くなっているとか、あるいは用途が変わっているとか、そういうことがわかって、また、リスクが懸念されるような状況になりましたら、優先化学物質にまた指定して、再度、このような評価を行うということ想定されますし、また、それ以外に異なるようなモニタリングデータが得られるとか、そういった状況があれば、それは、また、スクリーニング評価の場にお諮りして、優先化学物質に指定するなりするということでございますので、全く情報が得られなくなるということではないかと考えてございます。

○西川座長 能美先生、よろしいでしょうか。

○能美委員 はい、ありがとうございました。

○西川座長 そのほか、よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○吉岡委員 すみません、直接この化学物質には関係がないことかもしれませんが、御説明を聞いておりますと、PRTRの情報が正しくて、排出量の情報があまり信用できないということなので、PRTRのほうを使いたいということの説明がございました。

 確かに、資料4-2の12ページの表の4-3-3というのを見てみますと、年によって著しく排出量が違ってくる。いきなりゼロになったりするというようなケースも見られます。

 それで、PRTRのデータがあるのはよろしいのですが、これから、ないものも出てくる可能性がございます。

 そのときのために、どのような対応というものをとっていらっしゃるかどうかということをお尋ねしたい。

○西川座長 いかがでしょうか。

○METI事務局 御指摘のとおり、PRTRの届出データがないものは、今後出てまいります。

 この場合は、取り扱いの実態を調べる手段として、法律の42条に取扱いの状況に関する報告を求めることができるのでこういった手段を使い情報を入手し、詳細な評価を行っていくものと考えております。

○西川座長 よろしいでしょうか。そのほか、ございますか。

 ないようでございます。

 それでは、アクリル酸n-ブチルにつきましては、事務局から御説明いただいたとおりの評価及び対応といたします。

 続いて、p-ジクロロベンゼンの評価の生態影響の観点でのリスク評価IIの評価結果及び今後の対応について、事務局より説明をお願いいたします。

○MOE事務局 それでは、5-1、5-2に基づきまして、p-ジクロロベンゼンの評価結果について御説明をしたいと思います。

 冒頭の四角囲いは飛ばさせていただきまして、評価の概要についてから御説明をいたします。

 1枚めくっていただきまして、評価対象物質、p-ジクロロベンゼンは、表の1に示すとおりでございます。

 (2)物理化学的性状、濃縮性及び分解性につきましては、表2、表3にお示しするとおりでございまして、これにつきましては、後ほど御説明をいたしますモデルに用いていくということでございます。

 1点、l-オクタノールと水の間の分配係数が3.37になっておりますので、これに関しまして、底生生物の評価もいたします。

 続きまして、1枚めくっていただきまして、(3)の有害性評価(生態)でございます。

 1の水生生物に関しましては、3種の栄養段階の慢性毒性が得られますので、これについて、室内から屋外への外挿係数10で割りまして、PNECを求めてまいります。

 2に関しまして、底生生物でございますけれども、これに関しましては、信頼できる有害性情報は得られなかったことから、水生生物のPNECwaterからKoc等を用いまして、平衡分配法により求めております。

 有害性評価のまとめに関しましては、4ページの表6にお示しをしているとおりでございます。

 有害性評価までは、以上でございます。

○METI事務局 リスク推計の結果の概要説明に移らせていただきます。

 推計結果の前に、届出の情報に関して、資料5-2を用いまして説明させていただきたいと思います。

 まず、14ページの方を御覧ください。

 図3-1に化審法の製造数量を示しております。経年的には、45,000トン前後で、ほぼ横ばいの状況となっております。

 出荷数量の内訳ですが、次のページの図3-2というところにあります。

 事業者照会を行い、数量を精査いたました。直近の25年度の情報からは、主たる用途というのは、01-aの中間物ということでございまして、そのほか、22-cということで消臭剤とか、20-bの繊維用、紙用の防虫剤などというのがございました。

 これらは、化審法の届出データ及び、次の16ページでございますが、表3-2に示します排出係数を用いまして、環境排出量を推計した結果が、17ページの図3-3、18ページの表の3-3ということで示しております。

 直近のデータ、25年度の分なのですが、それに基づきますと、22-cの消臭剤とか、あとは、20-bの防虫剤用途からの排出の寄与が非常に大きくて、化審法のデータからは、8,500トンと推計されているということでございます。

 一方、PRTRの情報でございますが、19ページの図3-4に載せております。

 平成21年度以前は、p-ジクロロベンゼンとして届出がされていたのですが、化管法の政令改正がございまして、平成22年度以降は、異性体の区別のないジクロロベンゼンという形で届出がされており、データとしは不連続となっております。

 全体的に見ると、減少傾向となっておりますが、近年は少し横ばいの状況でございます。

 排出内容といたしましては、届出外推計の家庭用からの防虫剤あるいは消臭剤といった様な用途が主でございまして、平成25年度のジクロロベンゼンの排出量・移動量といたしましては、12,000トン強となっております。

 資料5-1に戻っていただきまして、5ページのですが、排出源毎の暴露シナリオのリスク評価の説明に移りますけれども、リスク評価につきましては、暴露シナリオ推計モデルにありますようなPRAS-NITEを用いて、実施したということでございます。

 この場合も、排出におきましては、PRTRの方がより実態を反映していると考えられますので、それを用いております。その結果が表7のところに示しております。

 このとき、投入したデータは、事業者照会を行ってp-ジクロロベンゼンのデータだけを割り出したものを投入して用いているということでございます。

 その結果は、リスク懸念箇所はございませんでした。

 以上です。

○MOE事務局 続きまして、5ページの2、さまざまな排出源の影響を含めた暴露シナリオによる評価について御説明いたします。

 これまで御説明いたしましたとおり、さまざまな排出源の影響を含めた暴露シナリオにおける推計モデル、G-CIEMSにより、PRTR届出及び届出外の排出量を用いまして、水質濃度及び底質濃度の計算を行いまして、水域における環境基準点を含む3,705流域のリスク推計を行いました。

 経済産業省から御説明がありましたとおり、PRTRデータに関しましては、現在のところ、ジクロロベンゼンの異性体ごとの量は把握できない状態となっておりますので、届出につきましては、御紹介がありましたとおり、聞き取りによって、pの分を特定いたしました。

 詳細につきましては、評価書の42ページを御覧いただきたいと思います。

 表の5-19でございますけれども、こちらに用いたデータを一覧でまとめております。

 今、御紹介いたしましたとおり、水域への届出の排出に関しましては、聞き取りによってp-を特定しております。

 大気に関しましては、水域への濃度に対しての影響が非常に小さいということが分かっておりますので、これに関しては、全量をp-体とみなしております。

 また、届出外でございますけれども、殺虫剤に関して、排出量の推計が行われておりますけれども、これに関しましては、化審法適用範囲外でございますので除外をしております。こういったことをいたしまして、G-CIEMSに用いたということをしております。

 そうしたところ、結果に関しましては、表8にお示ししているとおりでございまして、PEC/PNECが1を超える地点はなかったという状況でございます。

 続きまして、3、環境モニタリングデータによる評価でございます。

 結果につきましては、27ページからお示しをしております。

 これに関しましては、過去10年分のp-ジクロロベンゼンの水質モニタリングにおける最大濃度をもとに評価を行っておりまして、結果は、表の9のとおり、1年超過がございましてPEC/PNEC比が3ということになっております。

 直近5年では、PEC/PNEC比が1となる地点はなかったのですが、こちらの3となった地点に関しましては、直近の5年間の測定結果がないということから、不確実性があるということでございます。

 また、全国でかなり多くの地点で測定が行われているのですけれども、検出下限値は高めに設定されている地点が多く存在しております関係で不確実性があるということでございます。

 また、底質モニタリングに関しましては、直近5年、過去10年では行われていないため、こちらに関しても不確実性は大きいとしております。

 では、冒頭に戻っていただきたいと思います。

 これらの結果をもちまして、G-CIEMS、PRAS-NITEでは懸念がないといった状況でございますけれども、モニタリングにつきましては、超過地点が見られており、また、直近のデータもないということでございました。

 また、製造輸入量の変化は、ほぼ横ばいということでございます。

 このことから、二特要件であります、現在推計される暴露濃度では、p-ジクロロベンゼンによる環境の汚染により広範な地域での生活環境動植物の生息もしくは生育に係る被害を生ずるおそれがあるとは認められないと考えられるとしております。

 ただし、先ほど御紹介いたしましたとおり、モニタリングデータに不確実性がございますので、当該地点等の追加モニタリングを行うことによりまして、その地点における暴露状況を把握する。これらの結果につきましては、審議会に御報告をいたしまして、必要に応じて、再度審議に諮りたいと考えております。

 どうぞ、御審議をよろしくお願いいたします。

○西川座長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局からの説明につきまして、御質問、御意見等ございました、ネームプレートを立ててください。

 どうぞ。

○東海委員 コメントになります。(3)の有害性評価の生態のところで、このような有害性情報のもとでの不確実性係数の設定は10としている。これは、ガイドラインに沿ったものとして理解しておりまして、そのとおりだと思います。コメントといたしまして、本編の、資料5-2の後半部分、66ページ以降の生態影響に関する有害性評価IIに関する記載内容で、特に68ページあるいは69ページのあたりには、今回使用された有害性データ以外の情報もあるように見受けました。

 そういたしましたら、この不確実性係数の設定のガイドラインに沿うと、種の感受性分布解析の実施の可能性がでてくるように思われます。もしも、今後それが可能となるであれば、不確実係数10のみならず、ケース・バイ・ケースでの適用ということもあり得る判断と思われます。以上、コメントとして述べたいと思います。以上です。

○西川座長 ありがとうございます。

 ただいまのコメントに対して、何かございますか。

○MOE事務局 生態影響の評価におきましては、そういったほかの手法があるというようなことは承知しておりまして、そういったものが、どういう手法で、化審法に適用が可能なのかどうかというところにつきましては、今後、環境省のほうで検討会を設置するなどして、専門家の先生方の御意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。コメント、ありがとうございました。

○西川座長 ありがとうございました。

 そのほか、よろしいでしょうか。

 林先生、どうぞ。

○林部会長 これは、排出のところで、防虫剤だとか、芳香剤というようなものがかなりの割合を占めているようですけれども、先ほど環境省さんの説明では、少しそれを除外したというようなお話もあったのですけれども、こういうものの化審法としての取り扱いを、どういうふうに考えていけばいいのでしょうか。

 何か環境経由というよりかは、直接暴露しているというような印象を受けてしまうのですけれども。

○METI事務局 御指摘のとおりで、化審法は環境経由での、人の健康ですとか、生態系の影響というのを見ていますので、家庭の中における直接暴露というものは、現時点では対象になっていないと考えております。

○西川座長 よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○MOE事務局 もう一点、環境省から説明させていただいた点は、殺虫剤といいましても、いろいろな害虫であるとか、あるいはいろんな害虫がおりますけれども、化審法の対象になっているのは、不快害虫と言われる害虫でして、一方、旧薬事法でありますけれども、そういった法律では、例えば、衛生害虫であるとか、そういったものを標的にしておりまして、環境省のほうでは、PRTRの届出外推計ですと、例えば、そういうところはきれいに区分できるのではないかとか、そういったところをちょっと説明させていただいたということで、今、経産省から御説明があったとおり、環境系の暴露ということには、もちろん限定しているということでございます。

○西川座長 ありがとうございました。

 そのほか、どうぞ。

○原田委員 説明ありがとうございました。

 2点ございます。資料5-1に関しての結論については、異論がございません。相場観として知りたいのですけれども、追加モニタリングとは、どれぐらいの期間行えば結論が出るものなのでしょうかというのが1つ。

 もう一点は、資料5-2、43ページに誤植がございますので、最終化のときは、誤植修正をお願いします。以上です。

○西川座長 それでは、追加モニタリングをどの程度やられるのかについて、お答えいただきたいと思います。

○MOE事務局 ありがとうございます。

 追加モニタリングでございますけれども、やはり、まずは、1回やってみて、結果を見ながらということになるので、どれぐらいの期間ということは、なかなか申し上げにくいのですけれども、予算の範囲内で、できることをやっていこうというふうに考えております。

 一方、モニタリングも、今、環境省で実施しているものには、例えば、自治体の協力をいただいて実施するようなものもありますし、また、環境省のほうで予算を持ってやっているようなものもありまして、なかなかその辺が出しづらいところではありますけれども、今後、速やかにモニタリングを実施して、把握して、その結果をもとに、どういうふうにこの評価が結論を導けるのかということを検討していきたいと思っております。

○MOE事務局 補足いたしますと、モニタリングもどの局が持っている、どの制度を使うかというところから、ちょっと調整したいと思っているのですけれども、一番早いケースで来年度はかって、再来年以降データの利用が可能になるというのが最速のパターンだと思います。

 ただ、もっと準備を慎重にやらないといけないとか、ポイントを考えなければいけないとか、そういったプランニングが必要な場合は、さらに伸びてはかり始めるのが2年後になって、データ利用可能になるのが3年後になると思います。いろいろパターンはございます。

○原田委員 ありがとうございました。

○西川座長 よろしいでしょうか。43ページの誤植は「エラー!参照元が見つかりません。」を削除すればよろしいでしょうか、3カ所。

○MOE事務局 こちらにつきましては、ほかにも誤植とかがないかをよく確認させていただきまして、ホームページに審議会の資料として公表する前には、確認したものを出したいと考えておりますので、修正させていただくことをお許しいただければと思います。

○西川座長 よろしくお願いします。ありがとうございました。

 ほかによろしいでしょうか。

 どうぞ。

○METI事務局 補足の説明をさせていただいてよろしいでしょうか。

○西川座長 はい。

○METI事務局 1,2-エポキシプロパンで、白石先生から御質問いただいた倉庫業からの排出係数の件ですけれども、少し言葉足らずでしたので補足させていただきます。

 化審法の排出係数の中では、貯蔵だけを目的にしたライフサイクルステージは設けておりませんで、その部分単独の排出係数はないという意味でございます。製造と調合、工業的使用のそれぞれのライフステージでの貯蔵にかかわる排出は、各段階の排出係数に含まれているという格好になっております。以上です。

○西川座長 白石先生、よろしいでしょうか。

○白石委員長 はい。

○西川座長 ありがとうございました。

 ほかにないようでしたら、議論は尽きたものと考えます。

 そうしますと、p-ジクロロベンゼンにつきましては、事務局から御説明いただいたとおりの評価及び対応とさせていただきます。ありがとうございました。

 以上で、リスク評価IIに進んでいる優先評価化学物質のうち、4物質の審議が終了となります。

 次に、資料6のリスク評価IIの数量監視の考え方について(案)、事務局より説明をお願いたします。

○METI事務局 資料6を御覧ください。

 リスク評価II物質の数量監視の考え方について(案)ということで、製造輸入数量の全国合計値が10トン以下、または、全国推計排出量が1トン以下となる優先評価化学物質につきましては、新規化学物質の特例措置等の整合性を考慮して、評価IIには進まず、次年度以降に届けられる製造輸入数量や、推計排出量を監視するということとしておりまして、過去3年以上、これらの数量以下の状況が続いた場合には、優先評価化学物質の指定の取り消しに相当するものとされております。

 これは、資料の下のほう四角囲みのところに書いてありますが、こういったルールが審議会、パブリックコメントを経て確定しております。

 この数量監視の考え方につきましては、現状の運用の中では、評価Iやその準備段階にあります、優先評価化学物質についてのみ、適用されておりまして、一度評価IIに進んでしまった物質につきまして、適用されていないという状況になっております。

 一方、リスク評価の観点からは、優先的に評価する物質として、評価に進んだものを優先評価物質の指定後に製造数量の減少に伴って、全国推計排出量が減少し、1トン以下となってきてしまっているような物質も実際に見られてきているというような状況でございます。

 今後、評価IIに進んだ物質につきましても、整合性の観点から、数量監視の考え方というのを適用したいと思っておりまして、直ちに評価IIの評価を実施せずに、次年度以降に届けられる製造輸入数量とか、推計排出量を監視いたしまして、過去3年以上所定の数量以下の状況が続いた場合には、優先化学物質の指定の取り消しに相当するものとして取り扱いたいということでございます。

 別紙の方ということで、裏のページを御覧ください。

 整合性の観点を踏まえまして、評価IIのステータスにある物質につきましても、数量監視の考え方を適用しまして、製造数量等の監視のポスト、これは、この別紙の右上にあるのですが、二重囲みの四角の長方形のところに書いてあるのですが、その右斜め上のポストに至る階段状の矢印が書いてありますが、これを新設したいということでございます。

 以上でございます。

○西川座長 ありがとうございます。

 それでは、ただいまの内容につきまして、何か御意見等ございますか。よろしいですか。

 吉岡先生、どうぞ。

○吉岡委員 今さらながら御質問するのも何ですけれども、この優先評価化学物質の取り消しに際して、推計排出量が1トン以下という場合には、排出係数0.1というものが仮定されていると考えられます。排出係数0.1の仮定の根拠というのはございますか。

○METI事務局 この推計排出量1トンのところは、少量新規の1トンとの関係だというふうに、解釈しておりまして、そうすると、全量排出量という話になりますと、ちょうど1トンになるというところでの整合性というふうに認識しております。

○吉岡委員 わかりました。

○西川座長 よろしいでしょうか。ありがとうございました。

 そのほか、よろしいですか。

 どうぞ。

○白石委員長 同じ排出量のところで1トン以下になったということなのですけれども、排出係数が時々変わることがございますね。それも含めてということでよろしいですかね。用途情報も変わるというお話なので、その辺も精査が進んだ段階で下がっていくということがあるということ。

○METI事務局 はい。

○西川座長 ほかによろしいでしょうか。

 ないようですので、資料6につきましては、事務局案で御了承いただいたということにします。ありがとうございました。

 それでは、次に資料7について事務局より、説明をお願いいたします。

○METI事務局 資料7の方を御覧ください。

 スクリーニング評価におけるデフォルトの有害性クラスを適用する一般化学物質と、優先評価化学物質の判定案並びに今後の進め方について、御説明させていただきます。

 生態影響に係る有害性情報を入手することができなかった一般化学物質、これは、昨年の10月のスクリーニング評価のときに示しました物質、3物質でございますが、これにつきましては、有害性の情報提供依頼等を再度行って、それでも有害性の情報提供がない場合には、生態影響に係るデフォルトの有害性クラス、具体的には、有害性クラスIを適用して、スクリーニング評価を行って、平成27年度中に優先評価化学物質の判定の審議に諮るというふうにされたところでございます。

 今般、これを受けまして、ホームページから一定の期間を設けまして、有害性情報の提供依頼等を実際に行いました。

 その結果を、今回示すとともに、スクリーニング評価の結果、優先評価化学物質の判定案並びに今後の方針について御説明させていただきます。

 1.有害性情報の提供依頼等の結果について及び2.スクリーニング評価の結果と優先評価化学物質の判定案についてですが、裏の別紙の方を御覧ください。

 上の表の3物質のうち、No.1とNo.2につきましては、呼びかけに応じて有害性の情報の提供というのはございませんでした。

 しかしながら、No.3につきましては、提供があったという状況でございます。

 有害性情報の提供がなかったNo.1とNo.2につきましては、生態影響に係るデフォルト有害性クラス、有害性クラス1を適用してスクリーニング評価を行った結果が下の表にまとめております。

 いずれも優先度が高となりますことから、これらの化学物質につきましては、事務局といたしましては、優先評価化学物質相当としての判定案を提案させていただきたいと思います。

 なお、有害性情報の提供等がありました一般化学物質であるNo.3でございますが、今回のデフォルトの有害性クラスを適用するスクリーニング評価の対象から除外ということとしまして、平成28年度以降のスクリーニング評価の対象とさせていただきたいと思っています。

 前のページに戻りまして、資料7の「3.今後の方針」ということでございますが、今回の審議結果を踏まえまして、優先評価化学物質と判定された場合には、平成28年度の初めに優先評価化学物質への指定を進めたいと思っております。

 これにより、優先評価化学物質に指定された物質については、平成29年度には、平成28年度の実績の製造輸入数量等の届出が必要となる予定でございます。

 その際、優先評価化学物質相当と判定されたものについては、その範囲が、他の優先評価化学物質と重複しているとか、そのような取り扱いの実態を踏まえると、適切な評価単位が他にもあると考えられる場合等につきましては、今後、スクリーニング評価で用いました名称とか、範囲にこだわらず、優先評価化学物質相当と判定された物質への広い範囲となる場合を含めて、より適切な名称、範囲を検討することといたします。

 また、優先評価化学物質として指定した後であっても今後のリスク評価の実施を進める際に、必要に応じて同様の検討を行うとさせていただきたいと思います。

 以上でございます。

○西川座長 ありがとうございます。

 スクリーニング評価において、デフォルトの有害性クラスを適用することについての案を説明していただきました。

 御意見等ございましたら、お願いいたします。

 なければ、資料7につきましても、御説明いただいた内容の対応とすることにしたいと思います。ありがとうございました。

 続きまして、資料8-1と8-2のリスク評価書の簡易版の作成について、事務局より説明をお願いいたします。

○METI事務局 資料8-1を御覧ください。

 昨年の10月の審議会におきまして御説明した資料そのものが資料8でございますが、評価IIの評価結果の取りまとめにつきましては、加速化の観点から物質によっては、リスク評価書という既存の書式ではなくて、図表とか評価の結果の概要等からなる記載を簡略化した評価書のみを作成して、審議会へ報告するということで御了承いただきました。

 事務局といたしましては、次回以降の評価IIの審議会から、例えば、今回審議に諮りました1,3-ブタジエンのような懸念箇所がないというように考えられるケースなどから、本運用を開始していきたいと考えております。

 つきましては、リスク評価書簡易版の案として、見本を事務局で作成いたしましたので、御説明させていただきます。

 次回以降、御説明いたしますようなリスク評価書簡易版を用いて進めていきたいと考えております。

 資料8-2の方を御覧ください。

 この資料8-2のリスク評価書簡易版の案につきましては、今回の審議対象でございました1,3-ブタジエンの評価結果をもとに作成しておりますが、全体的な構成でございますけれども、リスク評価書簡易版という本体に、リスク評価に必要なデータの設定根拠につきまして、参考1あるいは参考2として、各担当の事務局にてまとめた資料を附属資料としてお付けしているというような構成でございます。

 参考1は、物理化学的性状、参考2は、有害性評価値について、専門家の判断を踏まえた設定根拠につき、詳細に説明したものでございます。

 このリスク評価書簡易版と、参考1、参考2の全体でもって評価IIで要求されるような評価内容、おおよそ評価IIの評価書の内容を網羅するようにしているものでございまして、評価書という1つの形式に仕上げる事務局の労力を省きまして、その分、加速化の方に充てていこうというものでございます。

 中心となりますリスク評価書簡易版につきまして、簡単に御説明させていただきます。

 1ページ目の1ということで、評価対象物質についてですが、これは、物質の同定情報が載っています。

 2の物理化学的性状、濃縮性、分解性につきましては、データを表形式にまとめております。

 次のページの上の方ですけれども、出典も記載してございます。

 さらに、ずっと行きまして、4ページのところですが、排出量情報ということですけれども、化審法の製造輸入数量の経年変化とか、用途とか、さらに次ページですが、PRTRの排出量の経年変化とか、あと、届出外推計の情報を掲載しております。

 さらに、6ページ、4の有害性評価につきましては、各種毒性値に基づき設定した有害性評価値を表形式にまとめてございます。

 さらに、7ページの5のリスク推計の結果の概要は、排出源ごとの暴露シナリオによる評価として、PRAS-NITEによる評価結果。

 次ページですが、さまざまな排出源の影響を含めた暴露シナリオによる評価としてG-CIEMSによる評価結果、また、さらに、環境モニタリングによる評価結果を簡潔にまとめております。

 6の追加調査が必要な不確実性事項等につきましては、不確実性が低くないと考えられる事実や評価結果につきまして、端的に記載するようにしたいなと考えております。

 7の付属資料以降のページでございますが、先ほど申しました1章から5章まで掲載した情報や評価結果についての詳細な内容、そういったものを、図表等をベースに記載しているというような状況でございます。

 また、最後の方でございますが、20ページ、21ページには、用いたデータの出典とか、そういったものを、ここにはまとめてございます。

 このような構成でございます。

 以上です。

○西川座長 ありがとうございました。

 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。

 これは、先ほど、林先生からコメントがありましたように、変異原性の成績が書いていないのですが、林先生、これは、必要とお考えですか。

○METI事務局 すみません、ここは、御指摘にあったところで、ちょっと抜けておりまして、事務局の中で相談して、載せる方向で検討ができればと思っています。

○西川座長 よろしくお願いいたします。

 原田先生、どうぞ。

○原田委員 リスク評価書簡易版、非常にいい試みだと思います。

 出典が明確になっていることが重要であり、文献等をしっかり書いていただきたいと思います。

 もう一つ、お願いしたいこととして、数理モデルを使った場合、数理モデルは、バージョンアップされることもありますので、どのバージョンを使ったのか、もしくは、例えば、一般に公開されているものと、モディファイされたものを使っている場合に関しては、そこのソース、そういったものが分かるようなトレーサビリティーがある書き方をお願いしたいと思います。

 あと、ちょっと脱字がありますので、また、それは、後で申し上げます。

 以上です。

○西川座長 ありがとうございました。

 よろしく御検討をお願いします。

 ほかによろしいでしょうか。

 能美先生、どうぞ。

○能美委員 これは、公開される場合には、簡易版と詳細版の両方を公開するような形になるのでしょうか。

○METI事務局 物質によっては、この簡易版のみで処理をしていきたいと思っています。

 ですので、先ほど申し上げましたけれども、どういう物質をこういう簡易版にするのかというところが、1つの論点としてあると思うのですが、まずは、今回、御審議させていただきました1,3-ブタジエンみたいな、一応、何も無かったという、事象として単純なものから、まずは導入していきたいと思っています。

 あと、その後の展開につきましては、また、事務局の検討させていただきまして、先生方の御意見などを踏まえて、進めていきたいと思っております。

○西川座長 よろしくお願いいたします。

 どうぞ、白石先生。

○白石委員長 簡易版の表4なのですけれども、4ページ目、他のところが全部年度の推移が書いてあるのですが、ここだけないのですが、何か理由があるのでしょうか。

 表の4、25年度分だけに抑えてあるのですけれども、これを直近のものだけにするという理由が少し分からないのですけれども。

○METI事務局 基本的には、用途が、なかなか急激に変わるということがあまりないということで、こういうふうに書かせていただいていますが、毎回チェックはしていますので、特に変わった用途が出てくるような場合には、特記はしたいと思っております。

○西川座長 ありがとうございました。

 その他、よろしいでしょうか。

 ないようですので、資料8-1と8-2につきましても、事務局の御提案どおりといたしたいと思います。ありがとうございました。

 ちょっと早く進行しておりますけれども、最後に、議題2のその他に移りたいと思います。何か御意見等ございましたら、お願いいたします。

 全体通して何か、どうぞ。

○大石委員 最初に、リスク評価II全体スケジュールとして資料1を出していただきましたが、平成27年度に審議した物質が7物質で、今後、28年度、29年、30年と多数予定されています。先程検討された簡易版作成でもよしとするならば、もしかしたら、予定通りのスケジュールで進む可能性があるのかもしれませんが、今後の進め方といいますか、実際にこれだけの数を審議できるのだろうかということが、気にはなっております。そのあたりの状況というのを、お聞きできればと思うのですけれども。

○西川座長 ぜひ、お願いします。

○METI事務局 これは加速化が必要ということで、資料8の議題で1つの手段としてお示しさせていただきました。

 一個一個フルの評価書を作っていたものを、簡易版にしてその労力を削るとか、あと、審議そのもののやり方を変えるというのも、もしかしたら、早めていく手段としてはあるかもしれません。その辺は、また、事務局で相談しながら、どうしたらもう少し早くなるのだろうかという点を、真剣に考えていきたいと思っています。

 そういった加速化のための御意見がありましたら、是非ともいただければと思っています。

 どうもありがとうございます。

○西川座長 ありがとうございました。

 他に、どうぞ、小林先生。

○小林委員 簡易版を作るのは、非常にいいことだと思うのですけれども、簡易版を作ることによって、予定の物質の評価が進めばいいのですが、予定の物質で、簡易版が作れそうなものと、そうではないものがあるかもしれません。場合によっては、次年度に予定した物質であっても、簡易に評価できてしまうものは前倒しにするとか、バランスも見ていただいて、簡易なものをどんどん先に審査してしまうというような観点もあってもいいのかなと感じました。

○METI事務局 スケジュールについては、毎年評価Iをやっておりまして、その中で評価のIIの物質を選定しておりまして、その順に計画的に着手しているという事務局の状況がございまして、それなっているのですが、先生がおっしゃるとおり、簡易処理ができる観点とか、他にもいろいろと寄せられている意見としては、もっと重要な物質を先にやるべきではないかとか、そういった意見もあったりとかします。

 それで、表の下の方に、情報の入手の状況により、本スケジュールを変更することがありますということで、変更は可能となっておりまして、その辺も加速化というか、やり方として進めていく上では、重要なことだと思いますので、事務局の中で検討させていただきたいと思っています。

 どうもありがとうございます。

○西川座長 ありがとうございました。そのほか、よろしいでしょうか。

 ありがとうございました。

 それでは、事務局から、その他何かございますか。

○MHLW事務局 特段ございませんが、第2部の審議につきましては、15時20分からという予定になっております。

 ちょっと、予定より早く終わって、休憩が長くなってしまうのですが、委員の先生方の、皆さん、お集まり次第、ちょっと早く始めさせていただくこともあるかもしれませんので、引き続き、よろしくお願いいたします。

 なお、第二部からは、化学物質審議会につきましては、審査部会として審議会を開催することといたしますので、よろしくお願いいたします。

○西川座長 以上をもちまして、合同審議会第一部を終了いたします。

 なお、第二部につきましては、新規化学物質の審査等でございますので、非公開とさせていただきます。傍聴者の方におかれましては、御退室いただきますよう、お願い申し上げます。

 第二部委員の皆様には、何時までにお集まりいただければいいですか。時間では3時20分となっておりますが、3時ごろに。

○MHLW事務局 そうですね、3時ごろぐらいを目途にお願いできればと思います。

○西川座長 3時ごろまでに御着席いただければと思います。

 どうもありがとうございました。