中央環境審議会 環境保健部会(第28回)議事録

日時

平成25年12月20日(金)10:00~11:59

場所

ホテルフロラシオン青山 1階 ふじの間

議題

【審議事項】
(1)
公害健康被害の補償等に関する法律の規定による障害補償標準給付基礎月額及び遺族補償標準給付基礎月額の改定について(諮問)
(2)
環境基本計画(化学物質分野)の点検について
【報告事項】
(1)
水銀に関する水俣条約外交会議の結果について
(2)
PRTR制度の施行状況について
(3)
熱中症対策について
(4)
化学物質審査規制法の施行状況等について
(5)
放射線に係る一般住民の健康管理対策等について
(6)
水俣病問題について
(7)
石綿による健康被害の救済に関する法律第三十七条第一項の一般拠出金率の改正について
【その他】

配布資料

資料1
中央環境審議会環境保健部会名簿
資料2
公害健康被害補償等に関する法律の規定による障害補償標準給付基礎月額及び遺族補償標準給付基礎月額の改定について(諮問)
資料3
環境基本計画(化学物質分野)の点検について
資料4
環境保健行政の現状について
参考資料
水俣病関係最高裁判決資料

議事録

午前10時00分開会

○菊池企画課長 おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから第28回中央環境審議会環境保健部会を開催をいたします。
 まず、すみません、私事でございますが、7月に早水の後任としまして環境保健部企画課長に就任をいたしました菊池でございます。よろしくお願いいたします。議事の開始まで進行を事務局として務めさせていただきます。
 この会議につきましては公開で開催をいたします。また、議事に入ります前の冒頭のみ、プレスのカメラ撮影許可をしております。
 また、本日、環境保健部会委員及び臨時委員26名のうち、本日は22名のご出席をいただいており、定足数に達しております。本部会は成立をしていることをまずご報告申し上げます。
 また、7月には環境保健部長の人事異動がございました。前任の佐藤にかわりまして、塚原が着任をしております。開会に当たりまして、塚原からご挨拶を申し上げるべきところでございますが、大変恐縮ですが、所用のため遅れてまいりますので、その点をまずお詫び申し上げます。
 また、ほかにも7月には環境保健部内で人事異動がございましたので、簡単にご紹介をさせていただきます。
 環境安全課の牧谷課長でございます。
 化学物質審査室長の木村でございます。
 それでは、続きまして、配付してあります資料の確認をさせていただきたいと思います。
 まず1枚、中央環境審議会環境保健部会の第28回議事次第がございます。次の紙として、資料1、中央環境審議会委員名簿がございます。それから、資料2として、石原環境大臣から中央環境審議会会長宛ての諮問文、それから、とじてある資料がございます。もう一つが、資料3といたしまして、「環境基本計画(化学物質分野)の点検について」という一連の資料がございます。次に、資料4といたしまして、「環境保健行政の現状について」という、これもとじた資料がございます。最後に、参考資料としまして、水俣病の認定に係る最高裁判所の判決についてという、1枚だけ、参考資料として配っております。
 不足の資料などはございませんでしょうか。もしございましたら、事務局のほうにお申しつけくださいませ。
 それでは、ここからは中杉部会長に議事進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○中杉部会長 おはようございます。本日は、年末のお忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。
 それでは、第28回環境保健部会の審議に入りたいと思います。
 まず議題の1番目の公健法に基づく給付額の改定でございます。
 例年のことでございますが、これにつきましては、資料2のとおり、中央環境審議会に意見を求める諮問が環境大臣から11月29日付で出されております。本諮問は、同じく11月29日付で環境保健部会に付議されましたので、本日、当部会で審議したいと思います。
 それでは、事務局から諮問の内容についてご説明をお願いいたします。

○近藤保健業務室長 保健業務室長の近藤でございます。
 資料2に基づきまして、説明をさせていただきます。座って失礼いたします。
 資料2の1ページ目、2ページ目、3ページ目は、今、中杉部会長からご説明のございました諮問書及び環境保健部会への付議書でございます。この障害補償並びに遺族補償の基礎月額の改定につきましては、毎年、中環審でのご審議をお願いしているところでございます。公健法では、原因者負担によります療養の給付、障害補償費、遺族補償費、療養手当、葬祭料等の給付がなされておりますけれども、この諮問につきましては、一定の障害を受けられた方の障害補償費、それから、指定疾病が原因となってお亡くなりになった患者さんのご遺族の方への遺族補償費の基礎月額に関するものでございます。
 2ページ目をご覧ください。2ページ目が今回諮問させていただきました改定案でございます。この改定案の算出方法につきましては、後ほど説明をさせていただきます。
 4ページ目をご覧ください。今申し上げました障害補償費並びに遺族補償費につきます公健法上の規定につきまして、こちらに記載をしております。
 障害補償費につきましては、公健法26条で、下線部分でございますけれども、労働者の賃金水準その他の事情を考慮して、中環審の意見を聴いて定める、となっております。遺族補償費の額につきましても、労働者の賃金、それから被認定者が死亡しなかったとすれば出される経費その他の事情を考慮して、中環審の意見を聴いて定める、とされております。公健法の施行令では、性別・年齢階層別に区分をして、毎年度定めるというふうに定められております。
 5ページをご覧ください。5ページは、昭和49年の中央公害対策審議会の答申でございます。基礎月額の算定の考え方につきまして、このようにまとめられております。
 (2)の下線部分でございますけれども、障害補償費にありましては、「賃金構造基本統計調査報告」、いわゆる賃金センサスでございますけれども、その障害補償費を80%、遺族補償費は70%とすることが適当とされております。
 (3)でございますが、基礎月額は毎年定めるとされておりまして、前年の賃金実績によることとすると。その基礎となるデータは、賃金センサスと春闘の賃上げ状況調査報告を用いるというふうにされております。
 6ページをご覧ください。実際に患者さんに給付されます障害補償費の額でございますけれども、特級、1級の方につきましては、基礎月額の100%、2級の方につきましては50%、3級の方につきましては基礎月額の30%が給付されております。
 遺族補償費につきましては、基礎月額に対して、指定疾病が起因した、起因の程度を考慮して、100%、75%、50%が給付されることとなっております。
 以上が、障害補償費並びに遺族補償費につきます考え方の基礎でございます。
 7ページ目及び8ページは、平成24年度の賃金センサスの結果をお示ししたものでございます。この数字を算定に当たりましての基礎としております。
 9ページ目は、春闘及び賃金センサスのアップ率の推移を示したものでございます。来年度ですと26年度の基礎月額を出しますので、賃金センサスの最新のものは、今ご覧いただきました平成24年度でございますので、前年度の賃金を考えるためには、24年度の賃金センサスに、24~25年度にどのぐらいアップするかというアップ率を推計をいたしまして掛け合わせる必要がございます。9ページにお示ししました春闘と賃金センサスの過去のアップ率から、24~25年度にかけてのアップ率を環境省のほうで推計するという手法をとっております。
 9ページで着目いただきたいのは賃金センサスアップ率の男女別の数字です。例年、この賃金センサスのアップ率につきましては、男女計のもののみをお示しをしておりました。今回は、緑色の男子のアップ率、それから紫色の女子のアップ率をお示しをしております。こうしてご覧いただきますと、男子のアップ率につきましては、男女計のアップ率とほぼ同様の動きをとっておりますけれども、女子につきましては、若干傾向が違うことがご覧いただけるかと思います。
 そこで10ページをご覧いただきまして、今年度の基礎月額の算出に当たりましては、1点、これまでの算定方法を修正させていただきたいと思っております。10ページの1が従来の算定方法でございます。これにつきましては、今までご説明を申し上げましたとおり、前々年の賃金センサスに障害補償は80%、遺族補償は70%といたしまして、さらに推計アップ率を乗じると。また、激変緩和措置といたしまして、平成14年度からは、統計的手法に基づきました補正、それから平成21年度からは、前年度に比べまして2%以上増減している性別年齢階層につきましては、2%以内に抑えるという激変緩和措置をとっております。この従来の方法を踏襲いたしまして、さらに今年度は、推計アップ率の算出に当たりまして、先ほどご覧いただきましたとおり、男女で傾向の違う面もあるということから、より現行の水準を反映させるために、男女それぞれの賃金センサスを用いて、男女別に賃金推計アップ率を算出するという手法をとらせていただきたいと思います。
 11ページにつきましては、賃構アップ率のトレンドのグラフでございまして、先ほど申し上げました統計的手法に基づく補正は、このように年齢階層別によりましては、前年大きく上がると次の年大きく下がるという傾向も見られることから取り入れたものでございます。
 12ページは、それを統計的に示したものでございます。
 13ページをご覧ください。こちらが今まで申し上げた方法に基づきまして算出をいたしました障害基礎月額の案でございます。左から4番目のカラムに24年度の賃金センサスの数字が出ております。これで増減率が平均から大きく乖離している黄色のカラムをつけた部分につきましては、統計的手法による補正を用いております。それから、一番右側の上下2%緩和措置ということで、前年に比べて2%以上の乖離をしているものにつきましては、2%以内に抑える補正を加えております。
 賃構によります推計のアップ率でございますけれども、一番右上のカラムをご覧ください。男子につきましては0.2%、女子につきましては0.5%という数字を、過去10年間の値から推計値として算出をしております。ご参考までですが、男女計の推計アップ率は0.2%というふうに見込んでおります。
 14ページ目は、これは遺族補償の基礎月額でございまして、考え方としましては、今説明した障害補償費と同様でございますが、賃金センサスに対して70%の数字で計算をしたものでございます。
 以上を踏まえまして、15ページのような数値を算出をしております。黄色に色づけしているところが、上下2%以内の激変緩和措置をとったところでございます。赤字の部分が統計的手法によります補正を行った部分でございます。全体といたしましては、賃金センサスにおいて前年度よりアップしていることも踏まえまして、男子が0.7%アップ、女子が1%アップといった数字になっております。
 以上、ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○中杉部会長 例年の審議事項でございますけども、今年度は昨年度と比べて若干、男女別に分けたという、アップ率のところですね、そういう改定を行いましたということでございます。
 ただいまのご説明に対して、何かご意見、ご質問等ございますでしょうか。

○浅野委員 例年の作業であり、例年どおりの考え方によって作業が行われたものと理解いたします。今年度の改定に際して新たな方針として、アップ率については男女別に算定する採用するということですが、このようにすることについても適切であると考えます。
 もともと、死亡の場合の逸失利益についての損害賠償の計算するときに、賃金の男女別の差が反映するという日本の裁判所が採用している伝統的な考え方については、疑問があって、私は、男女の差別を設けるべきではないと考えてきていましたけれども、この制度は最初から男女別々に、それぞれの賃金センサスで計算するという仕組みをとっているわけですから、そうであるならば、アップ率についても男女別のデータを反映させるのが筋道だろうと思います。今まであまり大きく影響がなかったので、このことに気がつかずにやっていたのかもしれませんが、今回こういうことにしたのもとの根っこのところがそうなっている以上はやむを得ないことでしょう。結果的には女性のほうがアップ率がやや高いという結果になっていますので、その点で、多少なりと男女の世の中の賃金の差というものを埋めることもできるかもしれませんから、これも適切な措置ではあろうと考えます。
 あとは、もう、認定患者さんの人数が少なくなってまいりましたので、今さらもうしようがないなと諦めていまして、ぜひとも改めるべきであると強く申し上げることはいたしませんが、一応議事録に残しておく必要があると思うことは、5ページにある昭和49年当時の中央公害対策審議会の答申が、いまだにずっと使われているわけです。この当時の我が国の年齢構成というものが、どういうものであったかは、すぐおわかりいただけると思います。今とはまるっきり人口ピラミッドが違うわけですね。この当時の(4)の「六五歳以上の者については、老齢化に伴う労働能力の減退をどう考えるかという問題はあるとしても一つのグループとして取り扱ってよい」と言っているのは、その当時の人口ピラミッドを前提に考えていますから、これでよかったわけですが、高齢化がずいぶん進んでもいる現在、果たして本当にこのままでいいのかという問題はずっと残っているはずです。
 過去にもずっと何度も何度も、これをどう改めていいかという議論をやってきたのですが、恐らくそのことによって大変大きな混乱が起こるというのであれば、実際に給付を受ける方がかつてに比べてかなり少なくなってしまっているという現状では、このままでいくこともやむを得ないのかなと思っています。
 ただ、今後とも、死亡給付等についても、結構問題が残っていますので、やはり超高齢年齢層についてどう扱うのかについて、制度運用の上で問題が残っていることだけは申し上げておきたいと思います。つまり、国民の平均余命を超えてご存命の方がお亡くなりになった場合に、それをどう考えるのかという問題があると思われます。しかし、これも今回の議題に直接かかわりがある話ではありませんので、記録に残すために発言しておきたいと思います。

○中杉部会長 どうもありがとうございました。後で、言われたことは課題として環境省のほうで検討をしていただくという事項だろうというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 どうぞ。

○藤井委員 今の浅野委員の中で、給付対象者が少なくなっているというお話がありましたが、この男子・女子別に、それぞれの遺族補償と障害補償のところで、年齢層別にどのぐらいの方々にこの議論をしているかという、その人数が今まで出ていないと思うんですが、経年的にどうなっているか。例えば、今年のこの私たちが議論している対象年齢では、どのぐらいの方たちが対象になっているかというのは、どこを見ればわかるでしょうか。それとも、そこはもう――それについて教えていただければと思います。

○近藤保健業務室長 今回の資料の中には入っておりませんけれども、年齢別で申し上げますと、ちょっと細かい数字になって申し訳……。

○藤井委員 今その数字をおっしゃらなくてもいいです。また資料でいただければ。

○近藤保健業務室長 はい、わかりました。

○藤井委員 そこがわかったほうがよろしいのではないかというふうに思います。

○近藤保健業務室長 はい、わかりました。

○中杉部会長 全体としては、環境白書の中で、もらっている人がどのぐらいいるかというのは、たしか載っていたと。年齢階層別には出ていないですけど、全体としてはそういうのが出ているだろうと思いますので、そこら辺のところをどういうふうに……。

○近藤保健業務室長 はい。把握はしておりますので、議論の際に参照できるようにお示しさせていただきます。

○中杉部会長 どうぞ、大塚先生。

○大塚委員 私、話を戻しますが、すみません、ちょっと風邪引いていて。遅れてきて申し訳ありませんでしたが。浅野先生がおっしゃったように、賃金の考え方として男女を完全に分けるのが、特に女子に関していいかどうかという問題はあることはあるんですけども、施行令でこういうふうに決まっておりますので、これに従っていくほかないと思いまして、今回は女子の賃金水準の変動が男子と大分違っていたので、こういう考え方をとるのが適当だろうと思います。
 ちょっとお伺いしておきたいのは、この10ページの2のところの新たな算定方針というのは、これは基本的には、また来年度は来年度考えるんでしょうけども、来年度も引き続きこういう考え方をとるという趣旨と考えてよろしいでしょうか。私は賛成ですけども。

○近藤保健業務室長 はい。来年度以降も基本的にはこの考え方で行きたいと思います。

○中杉部会長 一度変えたら、それでしばらく続けてみて、また問題があれば、今回みたいに変えていくという、そういう考え方だと。今年の特別措置ではないということですね。
 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。

○菅野委員 そこの10ページの算定法に関する技術的な確認なのですが、これを続けていった場合の平均値に対するバイアスは、この方法ではかからないという確認はされておられますでしょうか。

○近藤保健業務室長 先生が今ご指摘なのは、1のほうですか、2のほうですか。

○菅野委員 合計ですね。

○近藤保健業務室長 合計として。

○菅野委員 続けていくと、徐々に低目に出る傾向が出るとか、高目に出る傾向が出るとかいうことのご確認は。メソッドとして確認されているかどうか。もしされていないのであれば、グラフを常に参照して、それとの差を監視する必要が出てくるかもしれないと思ったものです。

○近藤保健業務室長 ご指摘ありがとうございます。例えば、今、前年のアップ率の上下増減2%以内に抑えるという措置をとっておりますけれども、例えば賃金が2%を超えるような伸びでずっと伸びていくようなケースがあれば、おっしゃるようなバイアスは生じると思いますので、そういった賃金の動きなども見ながら、先生ご指摘のようなバイアスが生じるかどうかは、結果としてどうだったかというのを踏まえていくようにしたいと思います。

○中杉部会長 これも環境省のほうで検討していただくことのご指摘だというふうに理解をします。
 ほかにいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
 特段、この改定案のやり方についてはいろいろ、こういう方向で少し検討をしたらいいのではないかというご指摘をいただきました。そこら辺は環境省で検討をしていただくとして、改定案自身について修正をすべしというご意見がなかったようでございますので、原案どおり、本日付で当部会から中央環境審議会会長に報告し、会長から環境大臣に答申するように手続を進めていただきたいと思います。
 よろしいでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

○中杉部会長 それでは、そのようにさせていただきます。ありがとうございました。
 続きまして、議題の二つ目でございます。環境基本計画のうち、化学物質分野の点検についてでございます。
 それでは、資料の説明を事務局のほうからお願いいたします。

○牧谷環境安全課長 環境安全課長の牧谷でございます。
 それでは、資料3をお願いいたします。本日、環境基本計画の点検についてということで、この資料を用意させていただいておりますが、まず1ページ目をご覧いただきますと、ここにはこれまでの経緯と、それから今後のスケジュールが書いてございます。まず、2013年のところを見ていただきますと、前回、6月28日の部会でございますが、ここで検討作業、それからスケジュールの確認をいただきました。それから、重点検討項目の検討をいただいたところでございます。これを踏まえまして、本日におきましては、この重点検討項目をさらにブレークダウンした、より詳細な点検すべき項目の内容についてお諮りをしたいと思います。
 資料の構成でございますが、まず、お開きいただきまして、別添1がございます。これは6月の部会でお出しした資料に若干の修正を加えたものでございます。
 それから、次のページ、別添2でございますが、これが本日ご議論いただきたい中心的な資料でございます。
 それから、別添3でございますが、重点検討項目案に関連する各省の主な取り組みというふうな題でございまして、これは別添2の参考的な資料となります。
 それから、ちょっとページが打ってないので恐縮でございますが、1枚開いていただいて別添4、これは第四次環境基本計画の点検の進め方についてでございまして、これは総合政策部会に既に出た資料をそのままつけております。
 それから、別添5がございまして、これは環境基本計画の化学物質の該当部分の抜粋でございまして、この中で特に今日は119ページをお開きいただきますと、中ほど下の辺りから、重点的取組事項というところがございまして、パラグラフごとに、A)、B)、C)を付しております。この辺りを用いましてご審議をいただきます。
 最後に、一番最後の紙でございますが、我が国の化学物質関係法体系ということで、前回ご指摘を踏まえまして、この我が国の化学物質対策の関連法令を整理したものを参考までにおつけをしております。
 以上が構成でございます。
 それでは、別添1をお願いいたします。重点検討項目の設定につきましては、既に前回ご審議をいただいておりまして、基本的には、1番にあります第四次環境基本計画の重点分野における重点取組事項をもとに、二つ、そこから選んで整理をするということでございます。重点取組事項というのは、2番にあります①~⑤がございまして、このうちで、3番にありますように、26年に行う点検におきましては、このうち、①の科学的なリスク評価の推進、それからライフサイクル全体のリスク削減を基本として、調査研究といったアプローチが主となる点で同様の取組である③未解明問題につきましては、①に含めて整理をすると、このような整理がなされております。
 最後の2行でございますが、なお書きで、28年の第2回の点検が予定をされているわけでございますけれども、この際には、同じ2項目について再度実施するということを基本としつつ、ここの書きぶりを若干変えております。浅野委員からご指摘で、28年ということになると、第五次の環境基本計画が目前に迫っているということもあるので、項目の追加について、そのような状況も踏まえて前向きに検討すべきであるというご指摘を踏まえて、文章としては若干変更しておりますけれども、そういったご意見を踏まえて項目の追加について検討することとすると、この部分を前回から変えております。
 これがいわば基本方針でございまして、本日はそれを踏まえて別添2をお開きをいただきたいのですが、重点検討項目ということで、この①、②、これのそれぞれにつきまして、より具体的に、どのような項目で点検を進めるかということについてお示しをしております。
 まず、重点検討項目の①といたしまして、科学的なリスク評価の推進等ということでございますけれども、検討内容の詳細の欄をご覧をいただきますと、科学的な環境リスク評価を効率的に推進するために、現行のリスク評価を推進するのみならず、リスク評価に係る新たな手法の検討等を行う。また、予防的取組方法の考え方に立って未解明の問題についての研究に積極的に取り組んでいくことが重要である、と。このような考え方に基づきまして、項目を三つ挙げております。
 一つ目がリスク評価の推進、目標値等の設定。二つ目が、リスク評価の効率化に向けた新たな手法の検討。三つ目が、予防的取組を踏まえた未解明の問題への対応、ということでございます。
 こういたしましたのは、先ほどご紹介しました別添5の119ページをご覧をいただければと思います。ここに、環境基本計画の重点的取組事項の部分でございまして、①といたしまして、科学的なリスク評価の推進。パラがA)~E)までございます。これを基本的に踏襲をしておりまして、一つ目の項目であるリスク評価の推進につきまして、これは、この①全体でありますけれども、特に関係とするところとしては、パラグラフのA)でございますね。化審法、農取法に基づくリスク評価。それからパラのC)、ばく露経路が明らかでないもの、非意図的に生成される物質等につきまして、化審法あるいは農取法でカバーできない物質については、初期的なリスク評価を実施する、というところがございます。
 それから、目標値の設定につきましては、パラグラフD)にありますように、有害大気汚染物質のうち環境目標値が設定されていない優先取組物質については、順次環境目標値の設定を行う、という記述がございます。また、水質環境基準、指針値についても、必要に応じ見直しを行う、ということがございます。
 このような記述を踏まえまして、一つ目といたしましては、リスク評価の推進、目標値等の設定としております。
 それから、同様にリスク評価の効率化に向けた新たな手法につきましては、パラグラフのB)でございまして、ここにQSARでありますとか、あるいはライフサイクル全体でのスクリーニング・リスク評価、海域におけるリスク評価手法等々が記述をされております。
 三つ目でございます予防的取組を踏まえた未解明の問題につきましては、これは121ページをお開きをいただきますと、ここに③としまして、パラA)~パラE)までございます。パラB)にございますような、胎児期から小児期にかけての調査等々が書いてございます。
 ということで、基本的にはこの環境基本計画にあります重点的取組事項に沿いまして、三つの項目を設定をしておりますけれども、より詳しいポイントといたしましては、別添3をお開きをいただきますと、これは今の3項目それぞれにつきまして、現在の関係省庁における取組を記述をしております。基本的には、これが一つのベースになるかと思います。これらの取組についての点検ということになると思いますけれども。一番左で見てみますと、リスク評価、目標値等の設定でございますと、ばく露状況の把握でありますとか、有害性情報の把握、それからリスク評価の推進という項目がございますし、それから目標値等の設定につきましては、環境基準等の設定が行われております。
 また、このほかの取組につきましても可能な範囲で見てまいりたいと思いますけれども、同様に、真ん中のB)につきましての取組状況については、リスク評価技術の効率化ということで、関係省庁での取組が行われております。
 それから、一番右の予防的取組を踏まえた未解明の問題への対応につきましても、疫学調査の実施でありますとか、評価技術の手法の検討等々の取組が現在進められております。
 次に、また別添2の裏のページに戻っていただきまして、重点検討項目の大きな二つ目でございます、ライフサイクル全体のリスクの削減というテーマでございます。これにつきましては、ライフサイクル全体のリスク削減のため、製造・輸入・使用・環境への排出・リサイクル・廃棄のあらゆる段階において、規制等適切な手法を組み合わせていくことでリスクの低減措置を一層推進し、化学物質のライフサイクル全体のリスクを削減していくことが重要である、このような考え方に基づき、以下の項目について検討を行う、としております。
 一つ目が、製造・輸入・使用段階での規制の適切な実施や、事業者の取組の促進。二つ目が、化学物質の環境への排出・廃棄・リサイクル段階での対策の実施。三つ目が、過去に製造された有害化学物質や汚染土壌・底質等の負の遺産への対応。四つ目が、事故時等での措置ということでございます。
 これも同様に、別添5の資料の120ページでございます。この重点的取組事項を基本的にはベースにしておりまして、パラグラフA)にありますのが、化審法、農取法に基づく規制でございます。
 それから、パラグラフB)でありますけれども、化管法、それから大防法、水濁法の規制の実施と、それからダイオキシン類につきましては、ダイオキシン対策特別措置法ということが書かれてございます。
 それから、パラC)につきましては、土壌汚染等の負の遺産についての対応が書かれております。
 また、パラD)につきましては、リスク評価の結果に基づいて、ライフサイクル各段階での管理手法についての整合を確保するということが書かれております。
 次のページに参りまして、パラE)でございますが、事故時の措置として、大防法、水濁法等による措置。
 それから、F)といたしまして、事業者による有害化学物質の使用・排出抑制やより安全な代替物質の転換等の取組、その参考となる指針の策定等でございます。
 基本的には、これらが点検の項目の基礎となるということでございまして、次に、別添3ですね、3につきまして、それぞれの取組が記述をしております。
 まず1項目めの製造・輸入・使用段階での適切な規制の実施、事業者の取組につきましては、化審法、農取法による規制。それから事業者の取組といたしまして、環境配慮型製品でありますとかレスポンシブル・ケア等でございます。
 また、二つ目の項目であります化学物質の環境への排出・廃棄・リサイクル段階での対策につきましては、化学物質排出把握管理促進法における排出量、移動量の把握・公表。それからダイオキシン類対策特別措置法、大防法、廃掃法、バーゼル条約に基づく輸入管理等が行われております。
 三つ目の項目の過去の負の遺産でございますけれども、土壌汚染対策法における取組、それからPCB特別措置法の取組、農用地汚染防止法による取組がございます。
 また、最後に、化学物質が環境へ出された場合の事故時でございますけれども、事故時の対応が大防法等で行われていることという状況がございます。また、関連事項としても、関連法としても消防法、コンビナート災害法等がございます。
 以上でございますが、また資料3の1ページ目に戻っていただければと思いますが、基本的には別添2にお示しをいたしました重点項目について、これでよろしいかということを本日決定をいただきまして、その後、年が明けましたら、1月~3月にアンケート、それから4月~6月、関係府省における自主点検、6月に環境保健部会ということで、その際に点検結果についてお出しをしていきたいと、このようなスケジュールでございます。その後、10月~12月にとりまとめ、パブリックコメントという、最後に報告書の閣議報告と、このようなスケジュールで今後進めてまいりたいと思います。
 説明は以上でございます。

○中杉部会長 ありがとうございました。
 ただいまご説明いただいた内容について、何かご意見・ご質問はございますでしょうか。6月の当部会において、重点検討項目の大筋をご了承いただきましたので、それを踏まえてブレークダウンしたものでございます。
 では、浅野委員、どうぞ。

○浅野委員 大体よく整理ができていると思いますし、ほかの項目の私の点検の経験に照らしてみると、こんなふうに計画をきちっと分析をして、これがこういうふうになるんだというふうに出していただけるのは大変いいことだと思います。ある部会では、全然現行計画を読まないで勝手なことを言う人がいて、いささか混乱をしたことがあるんで、そういうことがないようにという意味では、大変いいと思います。
 そこで、せっかくこのように整理をされてみますと、1点だけちょっと抜けているなと思ったのが、先ほど課長も読まれましたけども、121ページのF)の項目ですね。代替促進のための方策というところがなくて、技術開発がどうなっているかというところまでしか各省に対するヒアリングが行われないことになりそうなんですが、ちょっとこれ気になります。やはり、どういうふうに行政がそのための促進策を講じているのかとか、例えば日化協がよくやっておられるわけです。そういうところとの意思疎通をどうしているのかとか、こういったようなことは聞いていく必要があるだろうと思います。
 それで、それに気がついて、あわせてはっと気がついたことがあるんですが、実は、やっぱり保健部の所管の法律だけしか書いてないんですね。フロンをどうするんだろうという問題ですね。これは地球局がやっているから、もうそっちでやるんだということになるのかもしれませんが、今の文脈の話であると、どうも地球局のほうの今度の点検の中に盛り込むのはなかなか難しいような気がするんですね。
 向こうは多分、専ら温室効果ガスの話の全体政策の議論ばかりやるだろうと思うんですが、フロン法が改正されて、今、その作業が施行へ向けて準備が進んでいるいですけども、その中でかなり重要な要素が、代替なんですね。代替促進、それから代替物質をどう開発するか、こういうことについて、どこまでやるのかという議論を今、合同会議でも今後やりますけども、産構審で議論をしているところでありますので。ちょうど点検の段階では、その作業がほぼ目処がついたころに点検が出てきますので。
 少し現状追認的な取組になってしまうことを恐れていまして、2段階、3段階で次々に厳しくするということを一応経産省も内々は言っておられますけども、いきなり厳しいことを言えないという声が結構強いもんですから、この辺りのところは少しこちらのほうで積極的にやってくれということを言わないと、どうしてもスピードが遅くなってしまうおそれがあると思いますから、これは地球局と一度協議をしていただいて、フロンをどう扱うか。地球局は、今年の大きなコンテンツの中に入れるのであればそれでいいんですけども、しかし、恐らく作業の中身としては、こっちでやるほうがいいような中身じゃないかという気もするんですね。
 だから、部分的に切り分けてもいいかもしれませんけども、代替物質開発みたいなことはこっちでやる。いずれにせよ、一度ぜひこれは相談をしていただきたいと思います。

○中杉部会長 フロンについては、資料3の別添3のところに、関連事項でオゾン層保護法というのが、こっちで、この中で取り組むのか、あるいは地球のほうを点検しますから、どちらでやるのか、少し整理をしていただく必要があるんだろうと思いますけど。基本的には化管法のほうではオゾン層破壊物質を扱っていますので、こちらでやってもいいんではないか。環境基本計画の点検のところでは、同じ分野だと再掲ということをたびたび使っているので、同じ文章が別のところに載っていてもいいので、少し地球局のほうと相談をしていただいて、切り分けてもいいですし、どっちかがつくって両方に載せてもいいんではないかなというふうに思いますので、少し整理をしてください。
 ほかはいかがでしょうか。崎田先生。

○崎田委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 詳細にご説明いただいた大筋はもちろん結構なんですけれども、二つほど質問させていただきたいことがあります。
 今回、ライフサイクル、重点検討項目の2ということで、ライフサイクル全体のリスク削減ということが出てきました。ここのところを把握していくというのは、大変重要だというふうに思って、徹底していただきたいと思うんで、確認をしたいんですが。
 例えば、消費者の使用とか廃棄をどう徹底するかみたいなところのコミュニケーションのところは、今回この重点項目が次の段階の安全・安心のところに係るんじゃないかというふうに思いますが。事業者の方が、表示とか、消費者に対してどのような情報を出すかとか、そういうことは今回の点検の分野に入ってもいいんじゃないかというふうに思っておりますので、少しその辺がわかるような形で、表示とか、情報の伝達とか、何かそういう文言が少し入っていたほうが今後の展開、点検がしやすいんじゃないかというふうに思いました。それが一つ目です。
 二つ目は、今回、環境基本計画の点検に関して、化学物質分野に関わるということで今回のご説明がありましたが、先日の総合政策部会のときの分野の中に放射線の分野が次年度の点検分野にも入っております。それで、放射線分野ですと、こちらの部会では、いわゆる地域の方の健康管理や、それをどうお伝えするかとか、その辺の放射線に関するコミュニケーションの分野もこの部会は入っているというふうに思いますので、その辺もきちんと考慮に入れるというようなことがどこかに表示されていてもよろしいのではないかというふうに思いました。
 この2点、よろしくお願いします。

○中杉部会長 多分、放射線分野の話は、環境基本計画の化学物質のリスクのところには一切触れていないんです。ですから、それに対する点検ということであると、今回のほうには入らないんだろう。多分、総政部会で担当する災害放射線の部分で、来年度、これと同じようにやることになる、そちらのほうで担当していただくという整理のほうがいいんではないか。部分的にぽっと入ってくると、というふうな感じがいたします。

○崎田委員 わかりました。それでは、そちらのほうで、こちらの部会の関係のいろいろな情報がきちんと提示されて、そちらのほうで審議をされるという、そういう理解でよろしいでしょうか。

○中杉部会長 そのように……、よろしいですね、浅野先生。

○浅野委員 結構です。

○崎田委員 よろしくお願いします。

○中杉部会長 最初のほうの点についてはいかがですか。

○牧谷環境安全課長 例えば、消費者段階の表示の問題でございますが、崎田委員もおっしゃったように、やはり安全・安心とか、その辺に関わる分野がかなりかなと思います。リスク評価という切り口でどこまで書けるのか、それはちょっと検討させていただきたいと思います。

○中杉部会長 多分、廃掃法で、例えばそういうのを管理して、有害物質を管理するというときに、表記をどうしてくるかという話が絡んでくる。制度として、どこでどう仕組むか。化審法のほうでそういうものを仕組むのか、そういう、それぞれの中で制度を議論する中にそういう問題も含まれているというふうに、今回は解釈させていただければと思います。
 佐々木委員、どうぞ。

○佐々木委員 ありがとうございます。エコチル調査に関わった件で質問をさせていただければというふうに思います。エコチル調査に関わった予防的取組方法を踏まえた未解明の問題への対応ということで、この辺りで文科省との関わり、予測がありましたら、ちょっと教えていただければありがたいと思います。

○長坂環境リスク評価室長 エコチル調査における。文科省との関わりでございますが、現時点ではすごい関わりがあるという状況ではないですが、今、一番最初にリクルートしたお子さんが2歳半ぐらいになっています。小学生に入るときは6歳ということになりますので、あと3年後ぐらいからは小学校に入るということで、この小学校に入った際には、当然、小学校からいろいろなデータをいただきたいということを想定しておりますので、それを視野に入れて、今後、文科省と調整をしていきたいと考えているところでございます。

○佐々木委員 その点は、前回の私が質問した中身と同じでありまして、お答えも同じてありましてね、私は、将来的な予測に関してどんなことをお考えなのですかということを伺いたかったんです。一つでも何かありましたら。

○長坂環境リスク評価室長 予測といいますと。

○佐々木委員 具体的な文科省と環境省との関わりにおいて、学校現場に関わる中身について、どんな連携が予測されますかという、こういうことです。

○長坂環境リスク評価室長 小学校においては健康診断をやってございますので、こういったデータをいかにいただけるかということが重要になってくると考えております。

○佐々木委員 大変、役所的なお答えの仕方で、あまり具体的に私は響いてこないのですけれども、もうちょっとわかりやすい説明いただければ。今日は構いませんけれども。

○中杉部会長 今日はこのぐらいにさせていただいて、もし十分でなければ、点検のところで課題として挙げていくという話だろうと思います。

○佐々木委員 はい、わかりました。それで結構でございます。

○中杉部会長 はい。

○大塚委員 2点ありますけども、1点は、ちょっとさっき崎田委員がお話しになったことと関係してしまうんですが、ライフサイクル全体におけるリスクの削減ということを考えた場合に、この四つの段階に分けていただくのはいいんですけど、一方で、別添6にあるように、我が国の主な化学物質の関係法体系はこういうふうになっているので、化審法を考えるときも、ほかの法律でどういうふうになっているかということが、全体のリスクとの関係では結構大事になってくると思うんですが。
 ライフサイクル全体のリスクを削減と言いながら、こういうふうにそれぞれの法律を挙げてしまうと、消費者段階での法律が全く入っていない、まあ、農薬だけ入っていると思いますけど、とか、労働環境はもちろん入っていないですが、労働安全衛生法が関連情報としてちょっと入っていますけども、そういうのがちょっと目立つことは目立つので、もちろん全部同じようにやれるとは思いませんが、何らかの形で範囲の中に入れていかないと、やはり部分的な対応しかしてないということになってしまうんじゃないかなというのが、ちょっと一つ心配しているところでございます。
 それからもう一つは、b)のところ、やはり②のライフサイクル全体のリスクの削減の中のb)のところの化学物質の環境への排出・廃棄・リサイクル段階での対策の実施ですけども、これもこういう分け方でやっていただくのは大変ありがたいと思いますけど、これは本当に確認をさせていただくだけですけども、120ページのD)のところに出ているのは、「循環型社会形成推進基本計画を踏まえ、拡大生産者責任」とか、DfEの話が出ているので、そういう観点からぜひご検討をいただきたいということは、これは確認的に申し上げておくだけです。

○中杉部会長 環境省のほうから。

○牧谷環境安全課長 まず、消費段階、あるいは労働段階での部分が十分入っていないんではないかというご指摘と思いますが、環境基本計画の中でカバーし得るものというのは、やっぱり一定の限界がございまして、例えば、これがまたSAICMでありますと、もう少し幅広く取り上げておりますが、環境基本計画の場合、やはり環境関連法というところにどうしても点検の中心があるということになります。関係省庁と相談したいとは思いますが、その点、どうしても限界があるということでございます。
 ただ、またSAICMの国内実施計画の点検がまた今後出てまいりますので、そういった中でやっていくというのが一つのアイデアかなと、今の段階では考えるところでございます。
 それから、二つ目でございますが、おっしゃったのが、パラグラフの……。

○大塚委員 いや、EPRとかDfEとかのことを考えてというふうに書いてあるので、この別添3だけを見ているとあまりそういうふうには読めないものですから、ちょっとそれは確認的に、よろしくお願いしますと言っているだけで、二つ目のところは特にお答えいただかなくても結構です。ありがとうございます。

○牧谷環境安全課長 はい。

○中杉部会長 浅野先生。

○浅野委員 むしろ大塚委員の遠慮がちな発言をもっと厳しく言うと、120ページのD)のところの項目の読み方が不足だと私も思います。そう言われてみればですが。つまり、環境基本計画は決して環境省所管の法律だけを意識しているわけではなくて、閣議決定の計画ですから、ライフサイクルの各段階でのリスク管理方法についての整合性を確保というようなことを言っています。
 今日は、私も講義で使う表ですけど、法律の体系という資料が出ていて、この中にちゃんと法令名が出ているわけです。だったら、こういう資料を審議会に出す以上は、逃げてはいけません。少々きつくてもやらなくてはいけないのではありませんか。少なくとも、いろんな法律が、環境省の仕事の中ではぶつかってくるわけですね。
 例えば、食品衛生法というものは当然農用地土壌の環境基準の話をするときには必ず関係しますしね。いろいろあるわけですから、現状がどうなっているのかということをはっきり示しておくぐらいのことはやらなきゃいけないかもしれませんし、どういう仕組みでリスク管理がその分野では行っているのかということについて、やっぱり国民にちゃんとわかるように情報を提供するという意味では、点検報告の付録でも構わないんだけど、何かそういうことをやってもいいような気がする。少なくともD)の項目がある以上は、もうちょっと踏み込んでもいいと思いますので、大塚委員のご意見は、遠慮がちでしたたけれど、遠慮することなく、もっと強く言ってほしいなと思うので、もう一遍点検項目の中に上手にこれを入れ込むという工夫をしてほしいと思います。

○中杉部会長 多分、大塚先生の最初のご意見は、ライフサイクルという言葉が少しあるんでということなんですが、環境経由のばく露を、要するに環境に出るというところでライフサイクル全体、化学物質が製造・使用から廃棄に至るまでの全体でうまく整合をとってやらなきゃいけないということが念頭にあるので、消費段階でのばく露というのは、とりあえずここの中では無理だろうというふうに考えています。
 二つ目のご意見、浅野先生からもご指摘がありましたけども、この形では廃掃法の話のところに書いていますけども、廃掃法の中で、当然そういう話も取り組んでいくのかなと。現状ではそこでやらざるを得ない。多分そういうのが抜けてくるという話であれば、指摘の中で、ないじゃないかということを課題として指摘をしていただく、そういうふうな整理で、今やっていることを並べると、こんなぐらいしかないねというぐらいの話だろうと思います。
 そういう話で少し整理をさせていただく。ですから、いろいろご意見をいただいた部分について、ここが抜けているんじゃないかという話は、多分、今出しても拾えないところで、これ全体を見て、どう統合的に考えているのかというのは、どこもやっていないわけです。だから、どこかの部所でやれと言われてもできない話なんで、それはできてないじゃないかというのを点検の中で必ず書かせていただくというふうな形ではないかなというふうに思っています。

○大塚委員 ちょっと質問、いいですか。

○中杉部会長 はい。

○大塚委員 二つ目の点は、これはもうここに書いてあるので、まさにここでやらざるを得ないんですよね。このEPRとかDfEとかいった話も、廃棄物の話ですけど、多分、これはここでやらないと、向こうではやらないんじゃないかと思う。直接にはやらないんじゃないかと思うんですけども。

○中杉部会長 それは両方で、書かれたとしても両方で書いたらいいと思いますけども。

○大塚委員 一つ目のほうは先生がおっしゃるとおりで、ちょっと申し訳ないですが、ただ、化審法に全体の化学物質を統括するようなことを本当はやってほしいというのは、皆さんが思ってらっしゃることでもあるので、だんだんいろんな、環境経由だけじゃないものも含めていっていただきたいというのはあるんですけど、現状ではちょっとご無理だということでしょうか。

○中杉部会長 そこはどうなんですか。環境基本計画自体が、化審法の中では、少なくとも今の話では環境経由のばく露の話に限定をされていますし、それを拡大解釈するというのは、別な形で考えていかなきゃいけない。そういう意味では、課題として、環境経由だけやっていてもだめなので、実際にはナノマテリアルなんかということになりますと、多分、環境経由よりは使用段階でのばく露のほうがはるかに大きいだろうというふうに考えられるんで、そういう指摘もしていく必要はあるかなと思います。
 そういうふうなことで、実際に書き込むときにまたご意見をいただいて、課題として書き込んでいきたいと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。どうぞ、相澤委員。

○相澤委員 相澤でございます。
 化学物質は各省庁にわたるもので、横断的に環境省がこういう取組をされるということは大変すばらしいことだと思うのですけども、環境省のコンダクターになるんでしょうか、その役割と、それから各省庁の役割が別添3にあるわけですが。この読み方としては、左側にあるほうが主体になっていくというふうに理解していいのかどうかということが一つ、質問でございます。
 それから、平成26年度から始まるわけですので、予算がつく必要があると思うんですけども、これ各省庁で既にもうこういったことを取り組むということを確認されておられるかということと。
 もう一つ、少し細かいことですけども、科学的なリスク評価の推進のところで、予防的な取組の推移ですか、別添2の推移の未解明の問題の対応というところで、内分泌かく乱因子等が挙げられておりますけども、今まであまり大きな効果が上げられておりませんでした。しかし化学物質に対して非常に脆弱な、いわゆる化学物質過敏症というような状態があるわけですけども、それも一応その文章の中で読もうとすると読み切れるんですけども、そういったことも忘れずに取り組んでいただけるかどうかということを、確認させていただきたいと思います。
 よろしくお願いします。

○牧谷環境安全課長 まず、2点目、3点目でございますが、点検は、歴年で行いますので、平成26年1月からスタートするということになります。ここにある現状の取組は、予算が26年度つくかつかないか、多くはつくんだろうと思いますが、点検の期間でありますこの第四次環境基本計画の期間においての取組状況をまとめております。ですから、26年度の予算は、必ずしも現時点でもちろんはっきりしているわけではございませんけれども、評価対象期間における取組の評価をしてまいりたいと、そのような整理でございます。
 それから、化学物質過敏症など未解明の問題につきましても、今、環境保健部で研究など進めておりますので、必要な記述をしてまいりたいと思います。
 それから、ちょっと1点目、聞き漏らしたんでありますけれども、もう一度お願いできますでしょうか。

○相澤委員 点検ということでしたらよろしいのですが。

○浅野委員 少し補足的に説明をしたほうがいいと思うのですが、この点検は、作業として、さっきご説明もあったのですが、まず、こちらのほうで、こういうようなことについて何をやってらっしゃるんでしょうかという質問を各省に投げるわけです。それで、こちらの質問票に応じて、各省から、こういう施策をやりましたという報告が上がってきます。それを見ながら、ここで関係各省に来ていただいて、こちらからもご質問申し上げる。そのやりとりの中で、どういうことが各省で行われていて、そこがどういう点がまだ足りないか、これは評価できる、というようなことをこの部会で取りまとめた上で、最終的には総合政策部会に報告を持っていって、そこで中環審全体の報告書としてとりまとめる、こういう手順になるわけです。
 ですから、ここに名前に挙がっておりますのは、質問状を出す相手方が出ているだけです。ですから、順番は多分あいうえお順に並んでいるか、よく知りませんけども、別に重要度の順に並んでいるのではなくて、多分、原案を書いた人の思いついた順番に並んでいると見るのが正しいと思います。
 それから、予算のことは全然関係なくて、平成25年に行われた施策が何であったかということをお答えいただくということになります。それから、今後何をやろうとしているかということを、これは予算づけへの願望も含めて各省から言っていただくと、こういうことになりますので。この点検作業それ自体が予算に左右されるというものではありませんし、我々としては、これは大変いいことなのに予算がちょっと足りないじゃないか、もっとしっかりやれよと言ってあげれば、多分、各省としては喜んでくださって、ありがとうございましたと、こういうことになるだろうと思います。

○中杉部会長 浅野先生にご説明いただいたとおりでございまして、基本的には、どういうことをやっていますかということを聞くので、全くやっていないことについてやっていますかと聞いても回答は来ない話で、こういうことが必要だろうというふうなことに対して、回答が来なければ、当然それは課題の中に書き込んでいくと、そういう作業になります。まず第1弾ということでご理解をいただけると。
 小山先生。

○小山委員 事故時の対応についてお伺いいたします。この内容を見ますと、どちらかというと陸域の事故に対応するように見えるんですが、環境省はどういう事故を想定されてこれを書いていらっしゃるんでしょうか。

○牧谷環境安全課長 例えば化学工場、いわゆるコンビナートといったものの火災でありますと、大気への影響ということが考えられますし、あるいは、工場から川や海に化学物質が流出をするというケースもあったかと思います。ほかにもいろいろあるのかもしれませんが、大防法、水濁法で想定をしておりますのは、例えばそのような事例かと思っております。

○中杉部会長 多分、小山先生のあれを解釈すると、海防法で、海洋事故があって、これは化学物質に入るのかどうかというまた議論はありますけども、油が流れ出したとか、そういうようなものも含めて、もう少しあるんではないかと、ほかのものがあるんではないかというご指摘だと思います。確かにそこら辺は抜けているのかなというふうに思いますので。
 ちょっと爆発事故みたいなところで、今回の震災のあれを中心に考えていますけども、そういうふうなものもあるということで、少し修正をして、例えば海防法ですと、これ、どこがいいのか。環境省の海洋室のほうかもしれません。ちょっとそこら辺は、国交省も絡むかもしれません。そんなことも少しつけ加えていただければと思います。

○浅野委員 補足をさせていただきますと、今回の点検報告が今日閣議に報告をされて、そこで承認を受けるという段取りになっています。その中に、水環境について今年度は点検をしましたので、例の川に流れた件はかなり大きく取り上げて、こういうことに対する対応を今後もちゃんとしろというようなことが、勧告のような形で出ておりますので、この問題はとりあえず、今年度も既に取り上げてはおりますが、ということでございます。

○小山委員 一つ追加させていただきます。私が今年随分、東南アジアでですけれども、日本国内ではありませんけども、実は油流出がかなり何回も起こっているんですね。ナホトカの事故以降20年くらいたって、そろそろ気が緩んで、日本でも起こりはしないかと、そういう心配をしております。

○中杉部会長 これは、油だけではなくて、有害化学物質が流出したときに、日本の沿岸でどのぐらいリスクが、脆弱な場所はどのぐらいあるかというようなマップづくりもしています。だからそういうものも含めて、少し洗い出せば幾つか出てくるかなと思います。私も気がつかなかった分野でありますので、そういう意味で少し増やしていただければと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。浅見先生、どうぞ。

○浅見委員 ありがとうございます。4点申し上げます。
 1点目、全体の関係なんですけれども、化学物質によって健康にどのような問題が起こっているのかというののリスク評価の仕組みとか、手法については、今回レビューの対象になっているようなんですけれども、実際にどういう被害があったとか、そういうのにどのくらい把握されているかといったところが、ちょっとどういう形で出てくるのかなというのが若干わかりにくくて。先ほど相澤先生からもご指摘があったようなお話というのがどの辺に入るのか、また、過敏症だけではなくて、実際の胆のう癌のこともありましたし、化学物質の使用によってというふうなことをどのくらい把握できているのかといったところがどの辺に入るのかなというのが1点目でございます。
 2点目は、事故防止の関連なんですけれども、事故対応とは書いてあるんですが、防止に関していろいろ進めているところがあると思うので、防止の手法ですとか取組といったところを入れていただけるとありがたいと思います。
 3番目は農薬なんですけれども、農薬は取締法の範疇のことだけが書いてあるようなんですけれども、肥料ですとか、農業で使われる化学物質というのはいろんなものがあるんですが、その辺は入るのかどうでしょうか。できれば、例えば硝酸等は肥料として大変たくさん使われているものですけれども、環境汚染によって急性毒性が起こるようなもので、環境中からも非常に検出率が高いという問題がありますので、そういうものというのは、ここにできれば入れていただきたいなと思っております。
 あと最後は、小さい点なんですけれども、別添6のところで、いつも法体系で経産省さんのとかにも出ているんですけれども、私ども講義するときには、ここに水道法を入れて使うんですが、水道法もかなりいろんなところに関係がありまして、水の水質だけではなくて、そのばく露のデータが非常に多いということもあるんですけれども、もう一つは、給水栓ですとか、そういう生活に密着したところで使うものもあって、その関連のことも入っておりますので、ぜひこの中に入れていただけるとありがたいなと思います。

○中杉部会長 環境省のほうから。

○牧谷環境安全課長 まず1点目でありますが、環境汚染による健康影響などの被害の実態の把握がどうなっているかというご指摘ですが、環境基本計画の中では、環境汚染の状況とそれに関わる対策ということでございまして、必ずしも全て網羅的に環境被害、環境汚染による何らかの健康影響の実態を網羅的に把握しているという状況にはないと思っております。ちょっとそこは、今回の点検のスコープになかなか入れるのは難しいような気がしております。
 それから、二つ目でございますが、事故の防止ですか、事故が起きる未然防止の対策のようなことですか。これもなかなか環境法の中で捉えがたい部分があるのかなという気がいたします。もちろん、各省の各法律においては、事故の未然防止というのは図られているわけであり、環境基本計画の中では環境汚染の防止というところがございますが、未然防止というと非常に広うございますので、事故の未然防止全体をこの中で点検をしていくというのは、ややちょっと苦しいかなという感じがいたします。
 それから、3番目の肥料のお話、それから水道法でございますね。これにつきましては、ご意見を賜ったということで考えてまいりたいと思います。

○中杉部会長 ちょっと私のほうからあれですけども、未然防止の話は幾つか入ってくると思います。例えば水濁法で、地下水の汚染の防止のための構造基準をつくりました。これは明らかに未然防止、地下水汚染の未然防止の措置なので、そういう対応で、これは事故のほうに入るのか、化学物質の環境への排出・廃棄・リサイクル段階での対策のほうに入るのかですけども、それのほうで当然考えてくる話だろうというふうに思います。これはどっちへ切り分けるか、少し整理、考えたいと思います。
 あと、硝酸性窒素については、化学物質の定義というのは非常に難しくてあれなんですが、硝酸性窒素については、一応、水の分野のほうでライフサイクルといいますか、窒素のライフサイクルみたいな形で検討しなさいというふうなことで、私が申し上げて、そのようなことを書き込んであります。こちらのほうに入れるのかどうかというのは、少し議論があるかというふうに思います。
 それから水道は少し、多分、水道栓の話になると、どうなんでしょうか。ここで、この環境基本計画の中で議論するものなのかどうかですけども、これは厚労省の水道担当の部署に、この中で何か対策として書き込むものがあるかということで聞いていただければというふうに思いますけど。
 いかがでございましょう。あと、鈴木委員。

○鈴木委員 まず一つは、先ほどライフサイクルの全体について議論が出された点について、基本的に私は同感でございます。一つ、補足だけですけども。ライフサイクル全体のリスクの削減として、国際的に、私も幾つかの国際会議とか学会とかに出るときに、多分、今、中心的な議題と言っていいぐらい議論がされているところでありますので、消費段階を入れるという話は、あるいは行政的には難しいところがあるのかもしれませんがとは思いますが、非常に重要な課題、万が一この点検の範囲は外れたとしても、非常に重要な課題であるということは一応申し上げておきたいと思います。
 それからもう一つ、これは非常に細かい点ですが、別添3のところで、3の①のほうで、リスク評価、目標値等の設定、それからb)リスク評価の効率化に向けた手法、予防的取組と書いてあるんですけど、b)のところは、効率化というよりは「高度化」とでも書いたほうがいいんじゃないかという気がするので、一応申し上げます。というのは、B)の頭が「効率化」と書いてあるので、そろえてあるんじゃないかと思われますが、書いてあることを見ますと、必ずしも効率化という視点よりも、評価手法そのもののスコープの拡大であったり進化であったりということに関する取組も含まれていますので、そのほうが、3項目で評価を整理するのであれば、具体的に行われている事項が評価手法の高度化と、さらに予防的な取組というほうが、全体のスコープのカバーをしてきれいだという気がしますので、ひとつご検討いただければと思います。

○中杉部会長 今の後段のご指摘はそのとおりかなと思いますので、ちょっと直していただければ。

○牧谷環境安全課長 はい。効率化のほかにも高度化とかいろいろあるということであります。例えば、「効率化等について」ということで、少し広目に考えていきたいと思います。

○中杉部会長 そのほか、いかがでしょうか。
 私のほうから1点、「各種モニタリングの取り組み」のところに環境省だけしか挙がっていないというのは、これが現状を表しているように思うんですが、環境モニタリングって環境省だけがやっているわけじゃなくて、ほかの省庁もやっているんですね。そこら辺を全体に網羅していかないといけないんだろうというふうに思います。
 そこは、環境省しか出てこないというところが、環境モニタリングがばらばらにやられているということを裏で示しているような形になりますので、そこら辺のところを何とか統合して、無駄のないようにしていかなきゃいけない。効率的にそういうデータを使わなきゃいけないということですので、各省にも、具体的になくても、各種モニタリングの取組をやっているかどうか。やっていれば書いてくれという、その他の取組ということであるのかもしれませんけど、特に強調していただければというふうに思います。
 ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。はい。

○崎田委員 一言。先ほど、点検項目のライフサイクル全体のところの別添3のところの裏のページの最後の事故のところの、事故の対応だけではなくて、未然防止というご意見が随分あって、担当できるところと、できないところとがあるようなお話も伺った上で、この中に入れてほしいということがあったんですが。例えば、事故等への対応というときに、「未然防止策と対応」というふうにしておいて、いろんな状況を整理しておいていただければうれしいなと思いました。
 どういう意味かというと、数年前にEUのところの工場を取材をしたときに、やはり、どういうふうに事故が起こらないようにしているか努力していますが、もし事故が起こったときには、この工場はどういうふうにサイレンを鳴らすとか、公表をするので、近隣の住民はこう動いてほしいということを常にホームページで、明示しているという状態を見ました。やはり未然防止策と情報公開を徹底するというのはすごく大事だと思っておりますので、何かこういうところで、そういうような情報が少しでも出てくるということは大事と思いますので、よろしくお願いします。

○中杉部会長 多分、別添3の②のd)のところに、こういうふうに書いている中で読んでいただくしかないのかなと思いますけど。
 はい、大塚先生。

○大塚委員 今の崎田委員の話はそのとおりで、アメリカはもっとそれは厳しいんですけども、今回の原発事故みたいなことを考えても、そういうことは、化学物質ですから、もう少し規模は小さいかもしれませんが、ぜひやっておく必要はあることかなと思いますので、検討ぐらいはしていただけると大変ありがたいと思います。

○中杉部会長 そういう取組をしているかどうかというのを、今回は調べていただくということがまず第1段階ですので、そういう視点で少し、情報はありますか、取組はありますかという形で聞いていただければと思います。
 よろしいでしょうか。
 それでは、幾つかの修正のご意見がございました。本日のご意見を踏まえて、この場でこうしましょうというのもありましたけど、それらを含めて、私と事務局でご意見をいただいた先生に修正案をお送りしていただいて、確認をいただく形で進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

○中杉部会長 ありがとうございました。では、そのように進めさせていただきます。
 それでは、続きまして、議題の三つ目でございます。報告事項として環境保健行政の現状について事務局から報告していただき、先生方からのご意見、ご質問は、これは全部報告をいただいた後で、最後にまとめて伺いたいと思います。
 では、事務局でご説明をお願いいたします。

○牧谷環境安全課長 それでは、私のほうから①~③につきましてご説明をいたします。
 まず、水銀に関する水俣条約でございますが、2ページでありますけれども、今年の10月に、水銀に関する水俣条約外交会議が開催をされました。その状況が3ページから書いてございます。3ページの下のほうからございますように、10月の7、8日に準備会合、それから9日~11日まで外交会議が開かれました。9日に水俣で開会記念式典が開催をされまして、安倍総理からのメッセージ、また石原環境大臣から、途上国支援などを行う、あるいは水俣からの発信を継続的に行うという「MOYAIイニシアティブ」を表明したということでございました。また、各国からの参加者が慰霊碑への献花等を行いました。
 次に、10日でございますけれども、水俣条約の最終議定書の採択並びに署名ということが行われまして、92カ国の条約署名が行われました。なお、アメリカが93カ国目の署名並びに第1号の批准国となったという情報がございます。
 全体を通しまして、非常に多くの閣僚を含む参加者が参加をしていただきまして、92カ国でございますけれども、非常に強い関心が示されたというふうに考えております。
 評価のところにあるようなところでございますけれども、こういった高い関心を踏まえまして、我が国としても早期の条約発効に向けて取組をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 5ページ目に、その「MOYAIイニシアティブ」を書いてございます。途上国への取組・支援、それから水俣発の発信・交流と、この二つの柱で予算を確保しつつ進めてまいりたいと思っております。
 次に、時間の関係上ちょっと急いでおりますが、PRTRの実施状況でございますけれども、平成23年度の届出状況でございます。8ページ目にございますが、23年度につきましての届出排出量並びに移動量の状況でございます。
 届出排出量につきましては、17万4,000トンということで若干の減少。移動量につきましては、若干の増加という状況が見られております。その辺につきまして、9ページ、10ページをご覧をいただきますと、トレンドとしては、平成13年以来全体が減少しておりますが、平成22年度から、対象物質が462物質に拡大をしたということもあり、若干の増加している部分がございます。
 それから、10ページ目にありますように、物質で見ますと、トルエン、マンガン、キシレン等が上位の物質ということでございます。
 次に、14ページ、熱中症対策についても若干ご紹介をいたします。
 今年の夏は非常に猛暑でございまして、多くの急患搬送が出たわけでございますけれども、環境省の取組といたしましては、2番にありますような普及啓発の関係のマニュアルやリーフレットの作成を進めております。3番にありますような熱中症の講習会ということもありまして、今年度でいいますと、全国14カ所に、1,000名に対する講習を行いました。
 また、17ページにありますように、今年から対策の強化を図るということで、熱中症予防月間を7月に設定をいたしまして、各種のイベントによります普及啓発を強化している状況がございます。
 私のほうからは以上でございます。

○木村化学物質審査室長 続きまして、化学物質審査規制法の施行状況等について、ご説明させていただきたいと思います。資料の20ページからでございますが、おめくりいただきまして、22ページのところ、この本部会の下に設置されております化学物質審査小委員会の開催状況でございます。
 22ページ上段にありますように、この小委員会、本日の午後にも予定されているんですけれども、今年11回の合同開催を行っております。多くは、新規化学物質の審査を行っておりますけれども、6月の小委員会で新たなPOPs物質に条約上指定されたものについて、化審法の第一種特定化学物質への指定についての審議を行っております。
 それから、7月には優先評価化学物質についての審議を行っております。
 続きまして、少し飛ばさせていただきまして、25ページのところをご覧いただければと思いますけれども、たびたびご説明さしあげていると思いますが、化審法、平成21年改正によりまして、既存物質等につきまして、段階的なリスク評価を行っております。初めにスクリーニング評価をやって、優先評価化学物質の指定をする。さらに、優先評価化学物質に指定されたものについてはリスク評価を詳細にしていって、最終的には第二種特定化学物質に指定するという、そういう流れてございます。
 スクリーニング評価の状況でございますけれども、27ページの上段をご覧いただければと思いますが、今年の7月の小委員会で審議を行いまして、新たに40物質が優先評価化学物質相当となっております。27ページの下段にありますけれども、現時点で優先評価化学物質に指定されたものは160物質となっております。
 この160物質について、さらに詳細なリスク評価を、28ページにあるような形で進めておりまして、リスク評価も1次、2次と分かれておりまして、さらに1次も評価I、II、IIIと3段階の構成になってございます。リスク評価の1次の評価Iというのが今終わった物質が30ページの上にありますけれども、18物質と8物質ということで、合わせて25物質という状況でございます。これについて、今、リスク評価1次での評価IIという段階を進めているという状況でございます。この評価IIについて、今、鋭意作業を行っておりまして、できるだけ早期に小委員会のほうで議論をしたいと思っております。
 それから、最後になりますが、32ページのところをご覧いただければと思います。先ほど申し上げましたPOPs条約のほうで新たにPOPsに追加されたエンドスルファンとヘキサブロモシクロドデカンという2物質がございます。こちらについて、本年6月の小委員会で議論を行いまして、第一種特定化学物質に指定するという結論が得られたところでございまして、さらに10月の審議会におきまして、このヘキサブロモシクロドデカンを含む製品一部のもの、ここに挙げたものについて、化審法に基づく輸入禁止措置を講ずる必要があると、そういう結論が得られています。
 以上でございます。

○前田放射線健康管理担当参事官室補佐 続きまして、資料34ページ目からでございますが、⑤の放射線に係る一般住民の健康管理対策等につきまして、放射線健康管理担当参事官室よりご報告をさせていただきます。
 1枚おめくりいただきまして、資料、横になりまして大変恐縮でございますが、私どもから二つご報告させていただきたいと思います。
 一つ目は、健康管理進捗でございます。前回、6月の会合で枠組みをご案内をいたしましたが、半年経過をいたしましたので、その経過、ご報告をさせていただきます。健康管理自体は、福島県が実施主体でございますが、国は県民健康管理基金に必要な費用として782億円を交付するなど、金銭的、技術的な支援を行っておるものでございまして、具体的に実施しておりますものが、2ページめくっていただきまして、37ページ目でございますが、左側にございます線量を把握ということで、事故直後4カ月の外部被ばく線量を正確に把握をするということと、左下側に小さく記載をしておりますが、ホールボディカウンターや個人線量計による、これは内部被ばく、外部被ばくの値でございますが、こういうデータをしっかりとらせていただいて、まず住民の被ばく線量を把握をするということが一番肝要なものと考えてございます。
 それに伴いまして、健康影響ということで、事故時18歳以下の方々に対する甲状腺検査でございますとか、避難区域等の方々に対する健康診査、これは右側でございますが、そういった調査を実施しておるという現状でございます。
 さらに2枚おめくりをいただきまして、39ページ目、基本調査の回収状況ということで、先ほど申し上げました事故直後4カ月の外部被ばくということが被ばくの大きな割合を占めますので、そちらの調査を進めておるんですが、回収率といたしましては、右下側にございますとおり、23.6%、全県民で見ますと、そういう形になるんですけれども、実際、調査をさせていただいた方々の全数でいきますと、44万という数になるということと、あと、特に原子力発電所に近いような地域ですと、回収率5割、特にお子さまなんかは超えてきているということもございますので、個人個人のレベルで見ますと100%という形を目指していくものでございますが、全体像という話になってまいりますと、比較的いい形でご協力を賜っているという状況かというふうに思っております。
 結果につきましては、次のグラフでございますが、99.8%が4カ月で5mSv未満であったということと、10mSv未満という形で見ますと99.97%という形で、極めて大きな被ばくの方々か多数いるという状況ではないという状況でございます。
 もう一枚おめくりをいただきますと、41ページ目でございます、福島県におけるホールボディカウンターの測定状況ということで、これはホールボディカウンターという機械を用いまして内部被ばくを調べておりますが、月、大体7,000人ぐらい、結果が出てまいりますが、概ね全員、生涯預託実効線量で1mSv未満という結果になってございまして、これは食のコントロール等で新しい内部被ばくがないという状況であることをお示しをしているものだというふうに考えてございます。
 健康影響のほうですけれども、42ページ目から、甲状腺検査の結果についてございます。甲状腺検査の結果は後ろにございますが、この調査自体が、今年度中に1周目、1巡目を行うということで、18歳以下であった全県民36万人を対象に実施をしてございます。2周目に、来年度から入ってまいりますので、今は福島県のベースラインを見ているという状況でございます。
 1枚おめくりいただきまして、数でございますが、9月30日の時点で、対象者36万人のうち29万人を対象にやらせていただいて、受診率、大体8割ぐらいということでございまして、44ページ目のスライドに簡単に結果を示してございますが、要精密検査とされた方、B判定、C判定という方がスライドの真ん中辺りにございますが、パーセンテージで0.7%、人数にいたしまして1,500人ぐらいの方々が精密検査という形で二次検査を受けていただきまして、今のところ、検査終了された方から、がん及び疑いの方が59名出ているというものでございまして、専門家のご意見によると、事故による放射線によるものとは考えにくいとされておるものでございますが、繰り返しでございますが、今1巡目ということでございますので、2巡目、3巡目と調査を進めていって、ご評価していただくものだというふうに考えてございます。
 今申し上げましたのが県民健康管理調査の進捗でございますが、46ページ目から、専門家会議についてご案内をさせていただきたいと思います。
 今申し上げました県民健康管理調査の結果でございますとか、その他、周辺県、国際的な評価というものが、事故に伴う住民の健康影響というもので出てきておるということもございますので、環境省として改めてそういった今回の事故に伴う被ばく線量の評価に関することでございますとか、あるいは、健康影響に関すること、必要な医療の支援のあり方ということを、改めて専門家にご参集をいただきご議論をいただくというものでございまして、47ページ目に委員の先生方の一覧がございますが、下から5番目の長瀧重信先生に座長をお受けをいただきまして、先月11月11日に第1回の会合を開かせていただいたものでございます。
 そういう形で、我々、健康管理を進めていることもございまして、この会合を開かせていただいておりますが、50ページにございますとおり、子ども被災者支援法という法律、これは事故に伴う避難された方、あるいは自主避難された方々に対する支援方策、基本的な方向づけを示したものでございますが、その法律の中で、51ページ目が具体的な条文なんですけれども、国の責務として、放射線の被ばく線量の把握でございますとか、2番目に健康管理でございますとか、3番目に医療の支援のあり方という施策を考えるということがございますので、この専門家会合を通じて科学的な知見を頂戴をいたしまして、最終的に必要な施策ということを今後検討してまいりたいという状況でございます。
 私からは以上でございます。

○井口特殊疾病対策室長補佐 続きまして、水俣病問題につきまして、特殊疾病対策室からご報告申し上げます。
 資料の53ページをご覧くださいませ。こちらに水俣病問題への取組の水俣病対策の現状についてお示ししてございます。
 まず、水俣病問題への取組の現状でございますけれども、水俣病特措法が22年5月1日から救済措置の申請受付を開始しまして、24年の7月に申請受付を終了したところで、現在、対象者の判定を行っているところでございます。
 それから、救済以外のものでございますと、認定患者の方々、水俣病の被害者の方、ご家族の方が安心して暮らしていけるように、発生地域における医療福祉対策を引き続き推進していく。それから、発生地域の再生・融和(もやい直し)を推進していくということを進めてございます。なお、平成24年度から、特措法に基づく救済措置に申請されなかった方で健康不安を訴えられる方に対して、年に1度、医師による健康診断、こちら、具体的な内容は、ページでいいますと62ページにございますけれども、健診事業の提供を行っているところでございます。
 それから、53ページの2番、公健法に基づく認定申請者数等の状況についてでございますけれども、現在の未処分者数が622件でございます。熊本県、鹿児島県、新潟県・市での認定審査会の開催状況は、こちらにお示ししたとおりでございます。
 それから、訴訟でございますけれども、いわゆる国家賠償請求訴訟が新潟で1件、それから熊本で従前の1件と、6月に提訴されました1件が、現在係属してございます。
 それから、本年の4月16日に、認定審査に関する行政訴訟の最高裁判決が出まして、それに対する受け止めについては、参考資料のほうにお示ししてございます。
 水俣病に関しては以上でございます。

○神ノ田石綿健康被害対策室長 石綿健康被害対策室長の神ノ田でございます。
 私のほうからは、一般拠出金率の改定につきましてご報告を申し上げます。資料4の65ページをお開きいただければと思います。
 救済制度では、全国約260万の事業主から広く基金のほうに拠出をしていただいておりますが、この一般拠出金率は、各事業主にご負担いただく額を算定する際に用いる料率でございます。具体的には、各事業主には従業員に支払っている賃金総額に、この一般拠出金率を掛け合わせた額をご負担いただいておりまして、今回は基金の収支の均衡を図ることといたしまして、この一般拠出金率の引き下げを行うものでございます。
 背景・経緯をご覧いただければと思いますけれども、ご案内のとおり、救済法につきましては、18年2月に施行されておりますが、その施行後5年以内の検討・見直し規定に基づきまして、平成21年以降、この環境保健部会のもとに石綿健康被害救済小委員会を設けまして、順次、その制度の見直しに係る議論が進められてきたところであります。
 2ポツのところにありますように、その審議結果を踏まえまして、平成22年7月には指定疾病の追加、また、今年の6月には判定基準の見直しが行われたところでございます。これらの救済給付の支給額に影響を及ぼし得る見直しが一段落をしたこの機会に、今回、一般拠出金率を改定することとしたということでございます。
 収支の状況につきましては、67ページをご覧いただければと思います。ご覧のとおり、毎年60億~70億ぐらい基金に積み上がっている状況でございまして、24年度末現在で約700億円の基金残高がございます。今回の改定によりまして、この収支の均衡を図ることとしたものでございます。
 65ページにお戻りいただきまして、改正の内容でございますけれども、環境省告示の改正によりまして、一般拠出金率を現行の千分の0.05から千分の0.02に改定することとしております。既にこの告示改正につきましては、昨日公布されたところでございまして、今後の予定にありますように、来年の4月1日に施行予定でございます。66ページに告示改正の新旧対照表を載せておりますので、ご覧いただければと思います。
 説明は以上でございます。

○中杉部会長 全体をまとめてご説明をいただきました。ただいまのご説明について、何かご意見、ご質問等ございますでしょうか。いかがでございましょうか。
 では、井上委員からどうぞ。

○井上委員 電気事業連合会の井上でございます。
 水銀の水俣条約で1点、意見がございまして、ここにも記載のとおり、大気への排出につきましては、石炭火力発電所等の削減ということが記載されておりますが、日本の石炭火力、火力発電所につきましては、従来からの公害対策、世界最高レベルの脱硝装置、脱硫装置、ばいじん電気集じん機ということで、我々のモニタリング結果からも、石炭火力周辺の水銀濃度は十分低いということも確認されております。これから国内での担保措置、法的な追加施策が必要であるかどうかが検討されると思いますが、日本の大気の実態に照らして、モニタリング結果は十分低いという実態を踏まえて検討していただくよう、よろしくお願いします。
 以上です。

○中杉部会長 よろしいでしょうか。これは環境保健部がやるのか、大気のほうでやるのかでございますけど、そういうご意見、またそこの場でもご意見が出てくるかと思いますけど、踏まえた形での議論になるかと思います。
 ほか、いかがでしょうか。藤井委員から。

○藤井委員 水俣病問題について質問をいたします。
 前回、6月も申し上げましたが、この53ページの特措法の後の、今回も対象者の判定を行っているところ、全く文言はなしで、この間にどのように判定を行っていて、今どのような状況になっているかという、状況が全く見えないので、その辺りのことを一つ伺いたいことと。
 今日、最高裁の判決が出ているにもかかわらず、54ページからは物すごい古い資料しか出ていないんですよね。ですから、水銀条約などを含めて、その最高裁判決を含めて、この1枚ぺらの丸の二つ目に、総合的な検討を含む認定基準の運営について、より一層適切に取り組むというのであれば、そこについて、こんな膨大でなくてもいいですから、そこに向けてどういうふうに今、動きがあるかということだけでも載せていただきたい。もう、平成24年8月3日以降のこの前の資料はたびたび出てくる資料ですから、載せる必要はないというふうに思います。

○小林特殊疾病対策室長 ご指摘いただきありがとうございました。
 まず、特措法の対象者の判定でございますけれども、委員ご指摘のとおり、少々お時間をいただいております。こちら、対象者の判定については、迅速かつ丁寧にということで進めておりまして、現在の進捗状況について、まだちょっとお話しできる状況ではございませんけれども、迅速かつ丁寧に進めてまいります。
 それから、最高裁の判決を受けまして、総合的な検討の具体化の作業というのは、昨今、報道でもございますように、熊本県のご協力もいただきながら検討を進めているところでございます。その中で、やはり丁寧な検討と、それから、どうしても関係者との間での調整というものもございますので、それを真摯に進めていきたいと思ってございます。

○中杉部会長 また藤井委員からご意見が出るかと思いますけど、具体的には、報道で、熊本県の知事が環境省に物を申しているというようなこともありますね。そこら辺のところも、差し支えない範囲で、この場では、環境保健部会に絡む話ですから、水俣病の問題に関しての報告があるところは、もう少し最近の動きについては細かく書いていただく必要があるんではないだろうか。差し支えがあると、やっぱり問題がありますけども、ちょっとあまりにもそっけないなというふうな、私も、受けた印象ですので。今すぐにというわけにはいきませんけど、来年の多分、また6月ごろに次回があると思いますので、そのときに少し書き方を工夫をしていただければと思います。
 そういうことで、とりあえず今の段階ではよろしいでしょうか。もしあれでしたら……。

○藤井委員 ぜひ次は一歩上がっていてください。報告、よろしくお願いいたします。

○中杉部会長 大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 いろいろありますけど、1点だけ。全然別の点ですが、PRTRですけども。9ページのところで、先ほど、新規対象化学物質が出てきたのでということをおっしゃったんですけど、確かにそれはそうなんですけど、今まで減少――白い部分ですね、継続物質だけを見ただけでも、今までずっと減少してきたのが、平成23年からちょっと増えているように思いますが、これは震災の影響とかがあるんでしょうか。もし理由を分析されているのでしたら教えていただければと思います。

○牧谷環境安全課長 一つ変化した要因といたしまして、届出の移動量、廃棄物への移動量の部分が増加した部分があって、それが全体を押し上げているということがございます。具体的には、鉄鋼業から廃棄物への移動量が増加をしておりまして、これは鉄鋼スラグに含まれる化学物質につきまして、従来、再生資源ということで、廃棄物でないということで届出対象ではなかったわけでありますけれども、このうち一部につきましては、廃棄物として処理をされているということがありまして、それを踏まえて、廃棄物への移動のほうに算定がされてきたと。これが増加の要因でございます。

○中杉部会長 多分、10ページのところのマンガンが2番目に上がってきたというのは、マンガンの廃棄物移動量がぐっと増えたんで。これは、具体的に鋼スラグのリサイクルが減ったのか、あるいは算定方法を変えられたのか、ちょっと廃棄物の量というのは、少しそういう意味では変動が非常に大きいところですので。これは自主的に環境省でPRTR法で定めた方法で、いずれかで推計をしなさいというふうなことで事業者に推計方法は任されているわけですけども、若干そのフォローアップが必要じゃないかなというふうに思っています。
 ちょっともう時間もたちましたので、もう一回、全体にどういう推計方法をやって、どうなっているのかということを、調査をしてみてはどうでしょうか。ちょっとそういう意味では、単なる計算の方法を変えたからこんなに変わったという話になると、少し困るんだと思います。
 廃棄物のほうが増えるというのは、環境へ出すのが減って、その分だけ廃棄物にとどめたという解釈もできるので、この辺のところの解析も少ししていく必要があるかなと思いますけど。
 いかがでしょう。崎田委員、どうぞ。

○崎田委員 別件でいいですか。

○中杉部会長 はい、どうぞ。

○崎田委員 34ページからの福島の事故の後の放射線に関わる一般住民の健康管理対策についてご報告いただいたことに関してと、ちょっとコメントと質問含めて、大きく二つの点をお話を申し上げたいというふうに思います。
 私自身、コミュニケーションとか、そういう分野、関心を持って動いていて、この福島に関しては、再生事務所や福島県庁、あるいは市町村などとご相談しながら、そういう対話の場の設計とか、現場に入ったりやっていますが、その中で、今回のご発表いただいた健康管理とか、いろんなことに関して、実際におやりになるのは福島県だけれども、この資金を出しているというところでしっかりやっていただいている、この辺は大変ありがたいというふうに思っておりますが。
 一つ、現場でのいろいろな地域の方のご質問の中は、こういう福島県の調査結果と同じような年齢の日本のほかの地域の子どもたちはどういうデータなのか、とか、同じ福島で放射線の被ばくを受けているけれども、大人と子どもはどう違うのかとか、そういう比較によって今の状況を把握したいというお気持ちが大変多くて、そういう質問がかなり細かく出てきますので、そういうことにも対応できるような調査を、少しずつ広げておられると思っておりますが、そういうことを丁寧に情報も出していただければ大変ありがたいと思っております。
 次の点は、原子力規制庁などでも、今、帰還に関わる安心・安全に関するいろいろな情報提供とか、審議されたので、皆さんの中でお話が進んでいるとは思うんですけれども、現場にいろいろ入らせていただく経験から、少し線量が高いけれども避難しているところとか、これから避難指示解除で準備にいろいろな方が戻っておられるようなところでは、やはり身近に地域に住み込んで、身近な専門家が日々悩みに相談を受けてくださるような方が、信頼されているというか、そういう方がとっても今、重視されている思っています。
 いろいろ事例が出てくる方の様子を拝見していると、保健師さんとか、ある程度、今回のこの拠出の費用の中で動いておられるであろう方が、かなり地域にとって今後重要になってくるであろうなという感じがしております。
 ですから、その辺の予算配分とか、いろんなことを今やっておられると思いますが、かなり重要な今後の復興とか、信頼関係の再構築とか復興に大変重要なところだと思っておりますので、一層頑張っていただくというところが大事かなというふうに思っております。
 なお、こういう環境省の関連って、除染や復興のところだけではなくて、こういう部分、本当に頑張ってやっておられて、私は、そういうところをうまく情報をつないだり、発信していただいて、できるだけ現状把握と今後の復興につなげていただければ大変ありがたいなというふうに思っております。
 よろしくお願いします。

○中杉部会長 環境省からお答えいただけるといいますか、ご要望といいますか、コメントもありました。ご質問的なところもありましたので。

○前田放射線健康管理担当参事官室補佐 放射線健康管理担当参事官室でございます。
 二つご指摘をいただきましたので、簡単にご案内をさしあげたいと思います。
 一つ目は、福島の結果に対して、同じような年齢だと同じような方々で比較をするとどうだというところのご指摘があって、非常にご関心の高いところであろうというものでございますが。資料でいきますと44ページ目なんですけれども、これ、甲状腺の検査の結果でございまして、先ほども少しご報告をさせていただきましたが。
 これの右上のA判定のA2というところで、これはお子さまにエコーを当てますと、小さなしこりやのう胞というのは医学的にはよく見つかるそうなんですけれども、この40%という数字につきましては、本当にこれぐらい見つかるのが合理的なのかと、医学的に合理的なのかというところで、特に昨年ぐらいに非常に大きくご不安になられる方が多かったということがございまして、環境省のほうで、そういう現場のご意見をいただきまして、同じような検査を、青森、長崎、山梨県で実施をさせていただいて、ほぼ、年齢階級も、ちょっと若干、年が上の方とかいう状況でもあるんですけども、同じような方々を極力そろえさせていただいて、同じような検査をさせていただいて、小さなしこりやのう胞があるのは当たり前なんですが、同じような頻度で見つかるということを、結果を出させていただいて。それをご披露させていただくことで、大分そこに対するご不安の声を聞く頻度が減ってきたということがございますので、こういう健康って非常に皆さんご関心の高いところだと思いますので、そういうご不安の声を受け止めさせていただいて、そういう企画を組んでいきたいと思っております。
 帰還に向けて、あるいは、帰還前のリスクコミュニケーションでございますが、これは実はこの782億と別の予算になるんですけれども、そういう形で環境省も実施をさせていただいておりますし、帰還に向けては、こういう健康不安以外の生活再建みたいな要素もございますので、これは他省庁、復興庁とか、そういうところと連携して、そういうリスクコミュニケーションを進めていきたいと考えてございます。
 以上でございます。

○中杉部会長 ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ。

○藤井委員 今の福島関連ですが、質問というよりも、表現の仕方でちょっと、42ページ。調査目的の頭の1行目です。
 チェルノブイリ原発事故では事故後4~5年後小児甲状腺がんの発生が報告されたと、いつもこのおっしゃりようがあるんですが、実際は86年のチェコの後、ソビエト連邦の崩壊で調査がきっちりできていなくて、でき始めたのがこのぐらいだということですから、ここまで起きていなかったということではないということを認識していただきたいなというのが一つと。
 文字に、文言には表れていないんですが、先ほどご説明の中で、45ページの甲状腺のがんの59名について、専門家の意見では原発事故によるものではないというふうに断言された報告がありましたけれども、その言いようが今現時点でできるかということ、そこは少しあまり断言できない、していただきたくないなと思いますので、その指摘だけです。よろしくお願いします。

○中杉部会長 よろしいでしょうか。
 ほか、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 事務局においては、委員の皆様からいろいろご意見をいただきました、そのご意見を踏まえた上で、今後の行政を進めていただきたいと思います。
 本日の予定の議題はこれで終了いたします。
 それでは、事務局のほうにお返しいたします。

○菊池企画課長 議事録の扱いと次回の日程についてお伝えを申し上げます。
 本日の議事録は、原案を作成し、委員の皆様にご確認をいただいた後、環境省のホームページに掲載をする予定としておりますので、よろしくお願いいたします。
 それから、なお、本日のご出席者数は、最終的に23名となったことをご報告をいたします。
 次回の日程につきましては、ご審議をいただく議題の状況に応じまして、改めて調整をさせていただきます。
 それでは最後ですが、閉会に当たりまして、環境保健部長の塚原よりご挨拶を申し上げます。

○塚原環境保健部長 7月に環境保健部長に就任をいたしました塚原と申します。よろしくお願いをしたいと思います。
 本日ちょっと所用のために遅れての参加となってしまいましたことを、まずお詫びを申し上げたいと思います。
 委員の先生方におかれましては、年末の非常にお忙しい中お集まりをいただきまして、また、大変貴重なご発言をいただきまして、ご指摘をいただきまして、ありがとうございました。報告の中でもお聞きいただいたとおりでございまして、本年の環境保健行政につきましては、水俣条約の関係で、日本で非常に大きな条約が採択されたということで、非常に喜ばしいといいますか、大変いいことがあった年だったというふうに思いますが、一方では、何人かの委員からもご指摘いただきましたように、原発事故に伴う健康管理の問題ですとか、あるいは、水俣病など、新しい最高裁判決を受けた後の対応というようなことで、非常に難しい課題にも直面した1年であったというふうに考えております。
 今後とも、委員の先生方のお知恵をおかりしながら、よりよい環境保健行政を進めてまいりたいと考えておりますので、今後ともご指導方よろしくお願いしたいと考えております。
 本日はどうもありがとうございました。

○菊池企画課長 それでは、本日は活発なご審議をいただきましてありがとうございます。
 以上で、第28回中央環境審議会環境保健部会を終了いたしたいと思います。どうもありがとうございました。

午前11時59分閉会