第21回中央環境審議会環境保健部会議事録

1.日時

平成20年12月25日(木)13:00~15:00

2.場所

財務省三田共用会議所3階大会議室

3.議題

【審議事項】
 公害健康被害の補償等に関する法律の規定による「障害補償標準給付基礎月額」及び「遺族補償標準給付基礎月額」の改定について(諮問)
【報告事項】
(1)
化学物質審査規制法の見直しについて(答申)
(2)
特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律施行令の改正について
(3)
環境中の重金属対策に関する国際的な動きについて
(4)
平成20年度化学物質の環境リスクに関する国際シンポジウムについて
(5)
改正石綿救済法の施行について
(6)
石綿による健康被害に係る医学的事項に関する検討会の設置について

〈配布資料〉

資料1 中央環境審議会環境保健部会名簿
資料2 公害健康被害の補償等に関する法律の規定による「障害補償標準給付基礎月額」及び「遺族補償標準給付基礎月額」の改定について
資料3 報告事項について
参考資料1 平成21年度予算(案)の概要(環境保健部)
参考資料2 化学物質アドバイザーの追加募集について
参考資料3 「化学物質ファクトシート-2007年度版-」の作成・公表について
参考資料4 平成20年度化学物質の環境リスクに関する国際シンポジウム(リーフレット)
参考資料5 化学物質の環境リスクに関する国際シンポジウム(プログラム・アブストラクト集)
参考資料6 小児環境保健疫学調査に関する検討会及び分野別ワーキンググループ名簿
参考資料7 子どもの健康と環境に関する全国調査(パンフレット)

〈議事録〉

午後1時00分開会

○上野調査官 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第21回中央環境審議会環境保健部会を開催いたしたいと存じます。
 環境保健部会委員及び臨時委員38名のうち、本日25名のご出席をいただいており、過半数の方がご出席いただいておりますので、本部会は成立しておりますことをご報告申し上げたいと思います。
 まず、審議に先立ちまして、資料1をごらんいただきたいと思います。保健部会の名簿でございますが、委員の異動がございましたのでご紹介したいと思います。
 本年7月30日付で森永謙二氏が退任されました。それから9月4日付で平山孝信氏が退任されまして、泉正博氏が任命されております。
 なお、臨時委員を務めていただいておりました若林明子氏ですが、11月23日にご逝去されました。若林先生には平成13年2月に中央環境審議会環境保健部会の臨時委員にご就任いただきまして、8年間の長きにわたりまして、ご指導、ご教授をいただき、最近では化学物質審査小委員会、化学物質環境対策小委員会、化学物質評価専門委員会及びPRDR対象物質等専門委員会の臨時委員としてご多忙の折、積極的にご出席いただきまして活発な議論をいただきました。ここに感謝を申し上げるとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げたいと思います。
 それでは議事に先立ちまして、環境保健部長の原からごあいさつを申し上げます。

○原環境保健部長 環境保健部長の原でございます。
 先生方には年末のお忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本日の主な審議事項は、平成21年度から施行となります「障害補償標準基礎月額」及び「遺族補償標準給付基礎月額」の改定についてでございます。これは公健法に基づきまして、認定患者の方々への補償給付の中で中心的なものでございまして、一般的な賃金水準の動向等に応じて、毎年改定することとされております。
 環境省としましては、本日のこの部会の審議の結果を踏まえまして、平成21年度の補償給付水準につきまして、所要の改正手続を進めていくところでございます。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。
 このほか、報告事項といたしましては、昨今の環境保健行政の主な動向について、関係の課・室から報告をさせていただきます。これらの案件につきましても、ぜひ忌憚のないご意見をいただきまして、今後の行政の糧とさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 私からは以上でございます。

○上野調査官 続きまして、お手元にお配りしました資料の確認をさせていただきたいと存じます。
 資料1でございますが、先ほどの環境保健部会の名簿でございます。
 資料2としまして、公害健康被害の補償等に関する法律の規定による障害補償標準給付基礎月額及び遺族補償標準給付基礎月額についてという諮問文でございます。
 それから資料3ということでまとめてございますが、報告事項についてということでまとめたものが資料になってございます。なお、資料3につきましては、別途資料3の別紙1、2という形で、別紙のほうがついておるかと存じます。
 それからほかに参考資料といたしまして、1から7まで当方参考のためということで、資料をお配りしてございます。
 過不足等ございましたら、お声をかけていただければと存じます。
 それでは今後の議事につきましては、佐藤部会長、よろしくお願いいたします。

○佐藤部会長 皆さん、こんにちは。ご指名でございますので、暫時進行役を務めさせていただきたいと思います。
 本日は本当に年の瀬も押し迫ったところにお集まりいただきまして、ありがとうございます。議事を見ますと報告事項は結構たくさんあるようでございますけれども、十分な議論をするようにしつつも、できるだけ手際よく進行させていきたいと思っておりますので、ぜひご協力のほどをよろしくお願いいたします。
 この会議はいつもそうなんでございますけれども、公開で開催させていただきたいと思いますので、その点もご了承いただければというふうに思います。
 それでは早速審議に入りたいと思います。
 まず審議事項の公害健康被害の補償等に関する法律の規定による障害補償標準給付基礎月額及び遺族補償標準給付基礎月額の改定についてでございます。これにつきましては、資料2にございますように、中央環境審議会に意見を求める諮問が、環境大臣から12月15日付で出されております。本諮問は鈴木会長から環境保健部会に同日付で付議されましたので、本日、当部会で審議したいと思います。
 それでは事務局のほうから諮問の内容についてご説明ください。

○森口保健業務室長 それでは、資料2に沿いましてご説明させていただきます。ちょっと長くなりますので、座って失礼させていただきます。
 資料2をお願いいたします。1ページ目が今部会長がご説明いただきましたように、佐藤環境大臣から中央環境審議会への諮問書のコピーでございまして、障害補償標準給付基礎月額及び遺族補償標準給付基礎月額の改定について諮問する。貴審議会の意見を求めるというものでございます。
 1ページめくっていただきまして、裏面、別記でございますけれども表がついております。この表、障害補償標準給付基礎月額、それから遺族補償のほう、それぞれ年齢階層別の金額でございまして、この金額が改定案でございますけれども、この金額が適当かどうかということを、本日ご審議いただくということになります。
 3ページ目のほうでございますが、12月15日付で、鈴木会長のほうから環境保健部会佐藤部会長にあてて、環境保健部会に付議するということで付議書でございます。
 次の4ページ目からが具体的な資料の説明になってまいりますけれども、まず4ページ目のほうでございますが、公害健康被害補償等に関する法律の関係条文等を抜粋してございます。障害補償費とそれから遺族補償費についてでございますけれども、それぞれ第26条2項、それから第31条2項のほうに規定がございまして、障害補償標準給付基礎月額は労働者の賃金水準、その他の事情を考慮して、政令で定めるところにより環境大臣が中央環境審議会の意見を聞いて定めるということ。遺族補償費についても同じでございまして、審議会の意見を聞いて定めると。それからその下、法律の施行令、政令のほうでございますが、そちらのほうに基礎月額の算定方法が12条、それから17条という形で規定されておりまして、性別及び環境大臣の定める年齢階層別に区分して、毎年度定めると、こういうふうになってございます。
 ということで、毎年この時期に諮問いたしまして、ご審議いただいているということになってございます。
 続きまして5ページのほう、昭和49年の中央公害対策審議会の答申の写しでございますけれども、こちらのほうに算定方法の詳細を定めてございます。6の標準給付基礎月額の算定についてということで、(1)のところでございますけれども、障害補償費及び遺族補償費の標準給付基礎月額は、賃金構造基本統計調査法、ちょっと長いので、賃金センサスとか賃構とか、今後ちょっと略させていただくかもしれませんけれども、この統計、報告を用いて性別及び年齢階層別に区分して定めることが適当であると。
 それから(2)のほうで、給付水準は障害補償費にあっては、賃構の労働者の性別年齢階層別の平均賃金の80%、遺族補償費にあっては70%とすることが適当であるというふうな定めになっております。
 それから(3)のほうで、この基礎月額は毎年定めるべきであると。その場合、算定の基礎となる賃金は、前年の賃金実績によること。その基礎となるデータは、労働省の―当時は労働省、今は厚生労働省でございますけれども―賃構及び同省の春闘による賃金引上げ状況調査報告を用いるということになってございます。ここで、ちょっと小さい字で申しわけございませんが、下の注のところで2行目ぐらいからですか、その年度の障害補償費の算定の基礎たる障害給付基礎月額は、年度開始前に決定して告示して定めるということで、そのときに参照のできるのは、つまり21年の給付を行うに当たっては、21年の本当は水準を合わせなければいけないんでしょうけれども、それは前年に定めるということで無理なんで、前年の、例えば20年の賃金水準によるというようなことが書かれてございますが、実際には20年の賃構が発表されるのは、来年の6月か7月になるということで、賃構のほうは前々年の水準までしかデータがない。そのデータと、それから前年の春闘のデータをもとに定めていくということが、実際の手続になってまいります。
 それから次のページ、6ページをお願いいたします。基礎月額をこのような形で定めた場合に、実際の給付される障害補償費、それから遺族補償費等の算定のルールをご説明させていただきますが、障害補償費のほうですけれども、基礎月額が定まりますと、その障害の程度、現在は特級から1級、2級、3級、それから等級外、級外というのがございますけれども、障害の程度に応じまして、給付率、特級、1級であれば100%、掛ける1ですね。2級であれば50%、0.5、3級が0.3と。基礎月額にこの給付率を掛けた金額が、患者さんに毎月給付される金額になるという形になってございます。
 それから遺族補償費のほうにつきましても同様に、月額に対しまして遺族補償費、これは遺族、患者さんが主たる生計者であった場合に、その遺族に対して払っていくものでございますけれども、最大10年間、それから片や毎月の給付ではなくて、一時金でほしいという場合には、36カ月分を一時金で払う。その算定の根拠になるのが基礎月額になってございます。そういった形で、月額が定まりますと、障害補償費、それから遺族補償費、遺族補償一時金の金額が定まるという形になってございます。
 21年度の、では算定の数字でございますけれども、7ページのほうをお願いいたします。これがことし発表されました賃金構造統計基本調査報告の19年度の実績数字でございます。賃構と申しますのは、民間の事業所で10人以上の事業所の常用の労働者を対象とした調査でございまして、約130万事業所から7万8,000ぐらいの事業所を抽出して調査したものでございまして、現金支給額、決まって支給する現金給与額というのは、基本給とか通勤手当、家族手当等を含み、賞与等は含まない金額でございまして、19年度の額は33万600円と。対前年アップ率0.0%という金額になってございます。
 次の8ページのほうをごらんいただきたいと思います。こちらが19年度の賃構の対前年増減表でございますので、こちらのほうが推移がわかるかなというふうに思いますけれども、加重平均した男女計の平均はトータルは、マイナス300円。対前年アップ率はマイナス0.0%。男子のほうがマイナス0.1%、女子のほうはプラスの1.3%という形になってございます。
 現在、公害病患者、この給付の対象になっております第一種の大気汚染の公害病患者さんには、20歳未満の方はいらっしゃいませんので、上の2段をとってみますと、男子のほうではマイナスの改定になっているところでは3カ所、女子のほうではマイナスの改定になっているところは2カ所あるというような状況が、今回計算のベースになる19年度の賃構の実情でございます。
 では次に、この19年度の賃構のデータから、20年度、一体幾らぐらいになっているかという推計を掛けないといけないわけでございまして、それを賃構のデータと春闘のデータから掛けていきます。9ページをごらんいただきたいと思います。9ページで、この色のついた赤というか、茶色というか、細い線のほうが春闘の過去10年間というか、ことしのデータもついていますので、11年間のアップ率の推移でございます。黒い太い線のほうが、賃構の過去10年間のアップ率の推移でございます。
 まず賃構のほうを見ていただきますと、ここ5年間ほどは非常に低迷しているというか、ゼロに張りついている、接線にほとんど張りついている。過去2年間は0.0が続いていますし、その前が0.2、0.1、0.2。さらにその前はマイナスの1.2ということで、ほとんど上がっていないというか、むしろ最近ではマイナスが強いぐらいの感じになってございます。
 例年、過去10年間のこの賃構のデータの中位数、真ん中の5番目と6番目の数を、上からと下からと削っていってみますと、0.1と0.2が残ります。ただ、今回、春闘のほうはこれはご存じのとおり、大企業、資本金として10億円以上で、従業員1,000人以上の労働組合のある会社で、定期昇給を含んだ率ですので、1.何%、2%近い数字が並んでいますが、賃構のほうは、非常に低い数字が並んでおりまして、20年度の春闘の数字、1.99という数字は出ておりますので、この1.99が賃構では一体どのぐらいになるかという推計を考えてみますと、過去10年間の春闘のアップ率を賃構のアップ率で割ると、0.13という数字になりますし、過去10年間の賃構の平均も、0.13という数字になりますので、今回、20年度の賃構のアップ率、過去2年間0.0で来ていますので、ゼロの可能性も高いんではございますが、0.1を置くということにしたいと考えてございます。
 次の10ページをお願いいたします。次のページ、ちょっと線がごちゃごちゃしておりまして、またちょっと印刷をしましたところ、細い線がかすれておりまして、ちょっとなかなか見にくいんでございますが、賃構アップ率のばらつき具合をグラフにしたものでございます。
 真ん中あたりに太い黒い線がちょっと線の重なっているあたりにあると思いますが、これが年齢階層別全体の賃構のアップ率の推移で、その周りにある線が、年齢階層別の各アップ率を示したものでございます。年齢階層別に見ますと、賃構全体の平均から相当ずれて動いているものが見受けられる。特に例えば真ん中、16年の上のほうに黒い線がありますけれども、両側が下がっているとか、外れているというふうに、一度外れますと翌年は外れを取り戻すというように動くという傾向が、統計的に見受けられるということで、14年からこの改定に当たってそういった補正をかけるということをやっております。
 どういうやり方をするかというと、この中で外れ値を集めてきまして、回帰分析の手法により想定される推計のアップ率を出すということで、11ページのほうにその結果のグラフをかけてございますが、過去10年間のほうから外れ値、54をピックアップしてきまして、このグラフにプロットすると。線を引いた上で、そこからさらにまた外れているものを除くということを繰り返しやっていきますと、7回繰り返したのがこのグラフでございますが、このような回帰直線が引けると。これでもって推計を補正をするということを今回行っております。このやり方は、従来どおりの方法でございます。
 次のページ、12ページをお願いいたします。実際にこういった推計アップ率、それからこの補正をかけて一体基礎月額はどうなるかでございますが、グラフ上、男子、女子、年齢階層別に表示してございますが、今回、算定のベースになる19年の賃構の金額が、平成19年のところは、ちょっと見にくいんでございますが、青字の金額でございます。これに推計アップ率0.1を掛けて、障害補償費でございますが、0.1%を足して、それから障害補償費ですね、80%にした金額が、右から4番目の列、補正前の21年給付の金額になります。これが一応基本的な金額になりますけれども、外れ値の補正をかけるということで、増減率、単純平均しますと、マイナスの0.09%、賃構の増減率の単純平均が0.09%になりますので、それと2.5%以上乖離している金額、年齢階層のものについては、従来よりリバウンドするということで補正をかけておりますので、男子の65歳以上、女子の55歳から59歳以上のその4.6%と2.5%を下に持ってきまして、先ほどの回帰直線でアップ率を出し直すということで、補正した金額が補正後の欄にある金額になってございます。
 ということで、補正前のこの2カ所だけはこの補正後の金額ということで算定しているわけでございます。これを見ていただきますと、女子の給付額の増減額がやっぱり減額が一番大きいのが65歳の女性で、4,100円、率のほうもここが一番大きくて、2.5%の減という形になってございます。賃構のほうの増減額と増減率が左側のほう、平成19年の隣に書いてございますが、金額が賃構のほうは1,100円の減、0.5%の減であったのに比べて、給付額のほうがかなり金額、率とも大きくなってございます。これは昨年、この女子のところが外れ値として補正の対象になりました。ということで、2,900円、去年はマイナス幅を圧縮しておりまして、それがリバウンドするだろうという予想を立てておったわけでございますが、残念ながらリバウンドせずに、さらにマイナスになったということで、その分も上乗せになって減額、率ともに賃構より大きい金額になっていると。
 一方、65歳以上の男子、これも昨年補正の対象になったところでございますが、こちらのほうは去年減額を補正により6,500円圧縮したわけでございますけれども、今回、19年度の賃構の結果、それをはるかに超える1万1,800円の増額という額になったもんですから、去年圧縮した分を超えてプラスになったと。逆にさらにプラスになり過ぎたので、プラスを圧縮したというような、ことしは改定の計算になってございます。
 それから13ページは、同じようにして掲載しました遺族補償費の月額の計算結果でございます。
 ここまでが例年どおりの改定内容でございますけれども、今回、次のページ、14ページのほうをお願いいたします。計算方法について、今回、新たなルールを追加したいということで考えております。
 14ページ、1のほうでございます。これは今までご説明してまいりました基礎月額の算定方法を再度書いてございますが、前々年の賃金センサス、その80%と70%に、さらに1年分の前年にするための推計アップ率を掛けると。それから外れ値については、乖離している値については補正をかけるというところでございますが、今回、この計算をしていましたところ、65歳以上の女子について、3年連続の減と。15ページにちょっと折り込みのページがございますので、ちょっと伸ばしていただければその表と一緒に見比べながら、この14ページをごらんいただきたいと思います。
 65歳以上の女子は、15ページの表のほうで一番下の段になりますが、3年連続の減で、18年度からの合計で、障害補償費については1万3,000円、7.6%の減と。もともとの金額が少ないところに対して、さらにかなり大きい減が来ております。過去にこの表のほうを見ますと、赤字が減額改定のところでございますけれども、減額が続くところもありますが、単年減額が1,000円とか2,000円というところが非常にそういうところは多いんですけれども、今回、65歳女子のところは1,900円、7,000円、それからこの前ですと4,100円と、かなり大きい金額が続くというような状況になってございまして、被認定患者の生活の安定を図る観点から、何らかの緩和措置を考えたほうがいいのではないかというふうに考えまして、従来どおり、算定した結果、対前年比2.0%を超える改定、増減率になった年齢階層については、その上限を2.0%にすると。急激な緩和を抑えるというような提案を今回させていただくものでございます。
 上限、下限を2.0%と提案する理由は、過去10年間、これは15ページの表は過去10年分を表にしたものでございますけれども、2%以上の推移、変化が出ている事例は、ここで黄色く塗ったところ、プラスマイナスどちらも黄色く塗ってある枠でございますが、ちょうど全体の1割程度ということで、急激に変化を調整する。補正ですので少数な事例として適当ではないかなと。
 それから過去の賃金センサスの推移、先ほど前のほうにありましたけれども、1.何%というような年もございます。例えばここは水色で塗ったところは1.5%を超えているところでございますけれども、1.5%以上としますと、もう二十何%が対象になってしまうということで、それではちょっと大きいし、それから賃構が少し大きく振れたときには、もう全部が補正の対象になってしまうというようなこともあるのかなということから、2%ぐらいが適当ではないかなというふうに考えて、提案させていただくものでございます。
 今回、そうしますと対象になりますのが、15ページの表で一番右下ですか、65歳以上の女子の21年度のところですけれども、2%に限りますと、4,100円の減が3,300円の減、ちょっとだけですけれども、抑えられるというような形になります。この抑えた分が、今後どうなるかですけれども、先ほどから説明していますように、給付基礎月額は毎年、賃構からまずスタートして計算してまいります。ですので、積み残したというか、この抑えた圧縮した分について、翌年度以降、賃構が逆の方向に推移すれば、そのときに吸収されますし、賃構が2%以内の変異であっても、そこで吸収されていくということで、いずれは吸収される形になろうかというふうに考えております。
 それからあと、今回2%で提案させていただきますが、バブルのころは賃構自体が5%とか、毎年上がっていた時代がございまして、もしそういった経済情勢になれば、この2%という数字は適当ではないというような状態になりますので、その際にはまたどういうふうな生活の安定のために考えたらいいかということは、またご提案、ご審議いただきたいというふうに考えているところでございまして、当面、昨今の経済情勢を見ますと、2%で置いておいても大きな問題は生じないのかなというふうに考えているところでございます。
 次の16ページは、遺族補償費についても同様に表にしてまとめたものでございまして、やはり2%を超えております65歳以上の女子のところを圧縮するということを提案させていただくものでございます。
 17ページのほうが、以上の結果を踏まえて、最終的に2ページ目にありました表と同じ金額が並んでございますけれども、月額の改定、前年から比べて、今回21年度の金額、それからアップ率のほうでございまして、黄色く塗った枠が外れ値としての補正をかけたところ、それから茶色く塗ってあるところが2%の枠ということで修正をかけたところを示しているところでございます。
 以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○佐藤部会長 どうもありがとうございました。
 毎年のようにご審議いただいている件でございますけれども、ことしが若干、激変を緩和するために、新たな算定方式が入った年齢層もあるというようなことでございます。これも含めて、何かご説明いただいたことについて、ご質問あるいはご意見あれば伺いたいと思います。いかがでしょうか。
 ご意見ある方は、名札を立てていただければ。
 では、高橋委員、まずどうぞ。

○高橋(滋)委員 これは修正するということについて、これはおやりになるわけですよね。この今ご紹介いただいた算定方式、公表されるわけですよね。

○森口保健業務室長 金額が公表されるということですか。

○高橋(滋)委員 いや、この算定方法の修正についてというこの書類は。

○佐藤部会長 14ページの表と15ページの表ですか。

○高橋(滋)委員 14ページものは、これは当然関係者にはお焼きになるような資料だと。

○森口保健業務室長 はい。

○高橋(滋)委員 そうするとやっぱり透明の感ということは、やっぱりはっきりさせておいたほうがいいんではないでしょうか。今、ご説明いただいたように、ある種、昨今の経済状況の中で出てきた算定方式ですから、やはり新たな改定ルールはというところから、やっぱり透明の感ということをやっぱり、そういう趣旨のものだということをやっぱり関係者の方に理解しておいていただいたほうがいいように思います。

○森口保健業務室長 わかりました。そのようにいたします。

○佐藤部会長 どうもありがとうございました。大事な点だと思います。
 では続きまして、佐和委員どうぞ。

○佐和委員 14ページですけれども、修正について(案)というところですが、これ、言葉の使い方の問題として、1の1、2、3、4行目のところに、翌年そのずれを戻す傾向にあることが、統計学的に有意であったと。これstatistically significantということの日本語訳だと思うんですが、統計的に有意という、学はいりませんね。
 それからその次の行でも、統計学上の回帰分析手法を用いというのも、これも統計学上のというのをもうやめたほうがいいではないでしょうか。回帰分析手法を用いて補正してと。
 以上です。

○森口保健業務室長 ありがとうございます。失礼いたしました。

○佐藤部会長 どうもありがとうございました。確かにそうですね。
 ほかに何かご意見、あるいはご質問のある方、いらっしゃいませんでしょうか。
 よろしゅうございますか。特にご意見なければ、告示案、これ原案のとおり決めさせていただきたいというふうに思います。
 それからあと高橋委員からご指摘ありましたけれども、この新たな算定方針の14ページの2のところです。これについては、こういう状況だからだ、だからいつまで続くわけではないということがはっきりわかるような修正をしておきたいと思います。この会議は公開でございますので、資料も当然公開されるんだろうと思いますので、そういう形で世の中へ出ていきますので、そういうふうに変えていただいたほうがよろしいかと思います。
 それから1のほうも、今、佐和委員からご指摘がありましたように、ちょっと十分な表現でない部分があったので、それもまた修正させていただくということで、それも含めて告知案を原案どおりご了承いただいたということにさせていただきたいと思います。
 これを本日付で、当環境保健部会から鈴木会長に報告し、鈴木会長から斉藤環境大臣に答申するように手続を進めさせていただきたいと思います。よろしゅうございますか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

○佐藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして報告事項に移ります。これはいろいろあるようでございますけれども、資料3に基づいて、事務局からずっと続けてまとめて報告いただきたいと思います。
 委員の先生方からのご質問、ご意見は、全体の報告が終わった後に伺いたいと思います。
 それではよろしくお願いいたします。

○戸田化学物質審査室長 それでは、まず最初に、化学物質審査規制法の見直し等について、化学物質審査室よりご説明いたします。資料3の大きくとじたものではなくて、資料3別紙1というのが3ページほどのものがございます。またその資料3の別紙2というのが、「今後の化学物質環境対策の在り方について(答申)」という冊子でございます。この2つの資料をもって、ご説明をしたいと思います。
 この別になっておりますのは、この答申をいただいたのが12月22日ということで、ちょっと印刷が間に合いませんで、別になってしまったことをおわび申し上げます。
 それではまず資料3の別紙1のほうからご説明いたしますけれども、最初が「今後の化学物質環境対策の在り方について(答申)」についてということで、資料3別紙1の1.でございます。
 まず、審議の経緯でございますけれども、平成18年11月に今後の化学物質環境対策の在り方について諮問がございました。これに基づきまして、18年12月、第16回環境保健部会におきまして、化学物質環境対策小委員会が設置されたところでございまして、小委員会において審議をいただいてきたということでございます。
 まず最初の中間答申といたしまして、平成19年8月、化学物質排出把握管理促進法、PRTR法の見直しについて、中間答申をいただいたところでございます。その後、平成20年本年1月より、厚生科学審議会、産業構造審議会との合同委員会において、化学物質審査規制法、化審法に関する審議をいただいたということでございまして、この辺の事情につきましては前回の本年1月23日に開催されました第19回の環境保健部会におきましても、ご報告申し上げたところでございます。
 第1回の合同委員会が1月31日に開催されまして、その後、合同委員会3回、合同ワーキンググループを4回開催をいただきました。この委員会におきまして10月23日に報告書案が取りまとめられ、10月31日から1カ月間、パブリックコメントを実施し、意見の提出がありました。これらの意見を踏まえて、佐藤小委員長と相談いたしまして、12月22日に合同委員会報告書として取りまとめ、それをもちまして化学物質審査規制法の見直しに関する答申という形で、22日に答申をいただいたというところでございまして、この答申につきまして別紙2でございますけれども、ちょっとこれ詳細に入ります前に、この別紙1をざっとご説明申し上げたいと思いますので、引き続きまして細かい点でございますけれども、2ページ目の化学物質審査規制法の施行状況についてというところを、まずごらんいただきたいと思います。
 これにつきましては、同じくこの環境保健部会の下に設けられております化学物質審査小委員会、中杉先生に委員長をしていただいていますけれども、化学物質審査小委員会において、個別物質の審査をいただいているところでございまして、その設置についてというその部会の決議に基づきまして、その小委員会の決定は部会長の了承を得て部会の決議とするという形で、処理をさせていただいているものでございます。
 (1)の新規化学物質につきまして、延べ240件について審査を行いました。(2)にございますように、その既存化学物質については、延べ100件について審査を行ったということで、その辺の物質の内訳が表に書いてございます。これだけの物質について、監視化学物質相当であるといったような、またはそうでないというふうな判断、判定をいただいているというところでございます。
 3ページに行きまして、その中間物等の特例に関して事前確認ということで、その中間物、輸出専用品、閉鎖系用途といった特例につきましては事前確認、平成20年度におきましては、133件の事前確認。こういったものについては事後の監視といたしまして、平成20年度は30件の立入り検査をしているということでございまして、今後もできる限り多くの事業所に立入り検査を実施したいというふうに考えております。3)でございますけれども、規制対象物質の指定状況ということで、前回の環境保健部会以来、第一種監視化学物質の指定として1件しておるというところでございます。
 ここまでが化学物質審査規制法の施行状況でございまして、続きまして資料3別紙2の冊子でございます。この冊子でございますけれども、「今後の化学物質環境対策の在り方について(答申)―化学物質審査規制法の見直しについて―」ということでご説明いたします。
 表紙をおめくりいただきますと目次がございます。目次にございますように、このローマ数字II.2020年に向けた化審法の新体系というところがこの答申の本論でございまして、1.にございますように、WSSD目標を踏まえた化学物質管理、この辺については後ほどご説明をいたします。2.として化学物質の上市後の状況を踏まえたリスク評価体系の構築。3.といたしまして、リスクの観点を踏まえた新規化学物質の事前審査制度の高度化。4.といたしまして、厳格なリスク管理措置等の対象となる化学物質の取り扱い、こういった3点についてご審議をいただいたというところでございます。
 3枚ほどめくっていただきまして、3ページからが答申でございます。ごくかいつまんでご説明をしたいと思いますけれども、3ページの第2段落にございますように、最後から4行目あたりですけれども、その化学物質審査規制法というのは、これは一般的には化学工業品、化学品と呼ばれる一般の化学物質を対象とし、製造・輸入された化学物質が、環境を経由した後、人及び動植物に対して長期的な影響を及ぼすことの防止を目的としていると、こういう法律でございまして、その他、例えば農薬とか食品とか、そういったものにつきましては別の法律で規制をされているというところでございます。
 次の第3段落でございますけれども、化審法はPCBによる環境汚染問題を契機として制定された法律であるということで、第3段落の最後から6行目ぐらいですけれども、そのPCBに類似した性状を持つ化学物質による環境汚染の防止を目的として、昭和48年に制定されたものでありまして、化学物質の審査及び製造等の規制というものを内容としているということでございます。
 次の段落で、昭和61年及び平成15年に改正が行われているというところでありまして、4ページにまいりまして、4ページの第2段落にありますけれども、平成15年法の改正法の附則第6条において、一般に見直し規定と言われているものでございますけれども、法律の施行後5年を経過した場合において、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすると。この見直し年次が平成21年に来るというところを背景にいたしまして、化審法の見直しの審議をいただいたというところでございます。
 同じく4ページの[2]、化学物質関連の世界的な進展というところがございますけれども、先ほど申し上げました、WSSD、これはWorld Summit on Sustainable Developmentですが、持続可能な開発に関する世界首脳会議において、その2002年に開催されましたこのWSSDにおいて、[2]の第1段落の5行目ぐらいから書いてございます。予防的取組方法に留意しつつ、透明性のある科学的根拠に基づくリスク評価手順と、リスク管理手順を用いて、化学物質が人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化する方法で、使用・生産されることを2020年までに達成すると。いわゆるWSSD2020年目標と言われるこういう目標が首脳レベルで採択をされていると。これを化審法の見直しについて中心に置くべきであるということは、化審法の審議におきまして示されたということでございまして、次の5ページに行きますが、5ページの[3]の1つ上の段落ですが、WSSD目標に向けて、すべての化学物質についてリスクを評価した上でライフサイクルの全般を通じた一層の適正管理を実現するための取り組みといったようなものをその背景にしているというところでございます。
 その後、国際的な状況、また国内の状況についてレビューをいたしまして、9ページからがその化審法の見直しの内容ということでございます。
 9ページ、ローマ数字II.2020年に向けた化審法の新体系というところが本論でございますけれども、ここに1.に書いてございますように、その化審法の見直しの検討に当たっては、一義的にはWSSD目標を踏まえることといったことが基本的な考え方として示されておりまして、その3行後になりますけれども、これを言いかえると、化審法の制度を検討するに当たっては、2020年までに我が国で工業化学品として製造・輸入、または使用されている化学物質のリスクを評価し、リスクの程度に応じた管理を実現することを目指すべきであるといったことが、化審法における中心的な課題というふうに示されたわけでございます。この考え方に従って、先ほど申し上げました[1]の化学物質のリスク評価体系の構築、(2)といたしまして、新規化学物質事前審査制度の高度化、(3)といたしまして、そのリスク管理措置といった、こういう点についてそれぞれ結論をいただいたというところでありまして、まず第1の点、化学物質の上市後の状況を踏まえたリスク評価体系の構築、2.のところが今回の見直しの中心的なところでございます。
 10ページに移りまして、10ページの第3段落で、こうした中というところですけれども、化審法における規制措置の判断のためのリスク評価は国が責任を持って行い、そのための情報収集は基本的には事業者が行うということを基本的な考え方といたしまして、この同じ段落の最後の文ですけれども、ハザードの程度によって、リスク評価の対象となる化学物質を選定する現行の法体系を基本的にすべての上市された化学物質を、リスクに着目した評価の対象とする体系へと転換をするということでありまして、後ほどご説明いたしますけれども、具体的なイメージというのは別紙2を参照するということで、10ページの下から2行目に書いてございますけれども、これにつきましては後ほど参照いたしたいと思います。
 それでは、こういった基本的なリスク評価の考え方をどのように制度的に担保するかということでございますけれども、11ページ[1]の化学物質の上市後のばく露状況を把握する仕組みの構築。まず、ばく露状況を把握するために、[1]の第2段落の2行目からですが、まずは一定数量以上の化学物質を製造・輸入する事業者に対して、定期的にその製造・輸入数量等を国に届けさせる制度を創設する。これまでは監視化学物質に指定された約1,000物質について、こういった義務があったわけですけれども、これを約2万種類と言われる既存化学物質全体、またこれまで申請された新規化学物質にも適用するというのが第1点でございます。
 [2]、リスク評価の実施における優先順位等の判断ということでございまして、国は上記の届けられた情報によって、スクリーニング評価を行うべきであるということでございまして、11ページの最終行ですが、リスクが十分に低いと判断できず、さらにリスク評価を行う必要があるものというものを優先評価化学物質というふうに指定して公表する。この優先評価化学物質について、後ほどリスク評価を行うというのが、その13ページ以降にあるわけですけれども、これに伴いまして、12ページに戻ります。12ページのこれ第4段落になります。第4段落の、なお今般の見直しに伴いということでございますけれども、この4行目にございますように、第二種及び第三種監視化学物質という制度については、制度上廃止するということですけれども、その2行ぐらい後にございますように、当然、現在の第二種、第三種化学物質については、リスクが十分に低いと判断されなければ、優先化学物質に指定されるということで、これは当然その趣旨は残るということでございます。
 [3]がそのリスク評価の実施と情報収集への事業者の協力ということでございまして、この優先評価化学物質というものに指定された物質については、第1段落の最後の文にありますように、一定の法的な関与のもとで、ハザード情報、詳細用途情報などの収集を進めるということ、第3段落にありますように、そのハザード情報が不足している場合には、現行の有害性調査指示と同様に、その製造・輸入事業者に対して長期毒性試験の結果等の収集・提出を求めるということで、こういう法的な措置も含んでいるというやり方によって、そのリスク評価を実施していくということでございます。
 この辺をまとめて表に図示してみると、ちょっと後に行きますけれども、28ページ、29ページの図、これは別紙2と書いてございますけれども、改正後と現行法のイメージを書いてございます。個々にご説明すると非常に長くなってしまいますので、一つだけ大きく変わる点を申し上げれば、まず現行法29ページ、下のほうですが、現行法を見ていただきますと、新規化学物質については、これは事前審査をして、矢印、実線の矢印が出ておりまして、ここから第二種、第三種監視化学物質というものになるんですけれども、その既存化学物質や審査後の公示物質というものにつきましては、そのハザード評価、これ点線の矢印になっておりましてこれは国がその予算措置でもってハザード評価を行ってきて、順次、その評価をしてきたというものでございますけれども、これが改正後はその新規化学物質の事前審査は残すわけですけれども、既存の化学物質についても、まずはその製造・輸入数量と用途の届け出という形で、実線の矢印が出ております。既存の化学物質、約2万種類の既存の化学物質すべてを対象にして、まずはこういう義務をかけることによってリスク評価の対象に入れると。ここからスクリーニング評価をしていくことによって、優先評価化学物質というものを指定していく。これを段階的なリスク評価をして、第二種特定化学物質の指定につなげていくと、こういう仕組みをつくるというのが、今回の見直しの眼目だということが言えるかと思います。
 14ページに戻っていただきまして、その他、上市後のリスク評価における環境中への残留性の考慮ということで、難分解性の性状を有さない化学物質についてどうするか。またその[5]にございますように、適切なリスク評価のための手法の充実及び情報提供・伝達といったようなことについてもご審議をいただいたところでございます。
 15ページ、3.リスクの観点を踏まえた新規化学物質事前審査制度の高度化、これにつきましては、制度の運用面の対応というところが大きくなろうかと思いますけれども、幾つかの点につきまして、提言をいただいたところでございます。16ページ[1]の事前審査におけるリスク評価の実施ということで、新規化学物質の事前審査において、ハザードだけではなくてばく露の観点も考慮に入れるべきである。[2]の審査済み化学物質の名称公示のあり方ということで、これは正式な化学物質の名称が公示されてしまうと、後発事業者がその同じ物質を合成できるという問題があることから、現在においても有害性ハザードの観点から問題にならない物質につきましては、5年後の公示ということでやっているわけでございますけれども、この辺、どういうやり方がいいのかといったようなことについても、ご審議をいただきました。
 [3]のQSARやカテゴリーアプローチの活用ということで、QSARといいますのは、化学物質の構造上の特徴、または物理化学定数と生物学的活性(毒性等)の相関関係を定量的に示すためのモデル、こういった簡易なモデルを用いたその評価の実施でありますとか、18ページ、[4]少量であることにより、リスク懸念が低いと考えられる新規化学物質の事前審査、その少量新規化学物質といったようなものの特例について、どういうふうにあるべきか。[5]の低懸念ポリマーの確認制度ということで、高分子化合物の審査の合理化といったものがどうあるべきかというふうなことについて、ご審議をいただきました。
 20ページ、4.でございますけれども、厳格なリスク管理措置等の対象となる化学物質の取り扱い、リスク管理の部分でございますけれども、[1]第一種特定化学物質に関する国際整合化ということで、現在、第一種特定化学物質PCBなどの物質につきましては、そのPOPs条約、残留性有機汚染物質に関するストックフォルム条約というその世界的な条約によって規制がされておりまして、この担保法として化審法があるという関係になっておりますけれども、現在、そのPOPs条約において、新たな物質の追加が審議をされておりまして、これが条約への物質の追加があった場合には、これまでの物質は特に我が国で問題になるものはなかったわけですけれども、今後、追加される物質については、その代替不可能な用途を一定の条件のもとに例外的に許容するという仕組みが条約にはあるわけでございまして、こういった代替不可能であって、かつその条約等において、国際的に許容されている用途をその化審法においても、環境中への放出などが厳格に管理されているといった一定の条件のもとで許容できるようにするということを考えているところであります。
 21ページ、[2]の第一種監視化学物質に関する情報提供の強化。第一種監視化学物質というのは、難分解性・高蓄積性の性状を有するが、人または高次捕食動物への長期毒性の有無が明らかでない化学物質、これにつきましても[2]の第3段落にございますように、これを譲渡、または提供しようとする際に、その情報伝達を行わせる制度を導入すべきであるということ。[3]リスクが高いと懸念される化学物質に関するリスク低減措置ということでございますが、22ページの第2段落にございますように、段階的なリスク評価を実施した結果、リスクが高いと判断した化学物質を第二種特定化学物質に指定して、その第二種特定化学物質というその制度を用いて、そのリスク管理をしていくということでございます。
 さらに、加えて、同じ段落の4行目にございますけれども、第二種特定化学物質が使用されている製品についても、同等のリスク管理措置をすべきであるというふうにされているところでございます。
 ここまでが法律によって担保するべき事項でございますけれども、ローマ数字III.2020年に向けたスケジュールと、官民の役割分担などとありますけれども、23ページ、第2段落の1行目からですが、原則として新制度運用開始から1年を経た後に、製造・輸入量等の把握を行っていくということで、その後、スクリーニング評価を行っていって、23ページの最後の行になりますが、法に基づく厳格なリスク管理措置を講じることも含めて、2020年までにすべての対応を完了することを目指すべきであるというふうな結論をいただいたところでございます。
 [2]の化学物質管理に関する情報提供・公開のあり方ということで、ハザードデータや試験サマリーを公開していくべきである。また消費者への情報提供について、わかりやすいやり方で検討すべきであるということが書かれてございます。
 25ページの[3]でございますけれども、化学物質安全性情報に関する基盤整備のあり方ということで、第1段落において既存のデータベースについて、他法令に基づく安全性情報発信との協力・連携の検討も含めて、掲載情報のさらなる充実・強化を図っていくということ。25ページの最後の4行にございますように、こういった安全性情報について、化審法制度において収集される安全性情報については、他法令に関連する部分を関係部局に提供するといった対応によって、化学物質関連に係る情報の有効活用と、法律の相互連携をさらに高めていくべきであるということが提言をされております。
 26ページ、最後でございますけれども、今後の課題といたしまして、これは十分に審議され尽くしていない分野について、今後の審議、検討の必要があるというところが挙げられておりますけれども、まずはナノマテリアルについてございます。これにつきましては、第3段落にありますように、その厚生労働省及び環境省が検討会を設置し、ナノマテリアルの安全対策、環境中への放出の可能性について、その検討を行うというところであって、今後の科学的な知見の蓄積や国際的な動向を踏まえて、対応策について引き続き検討していくべきであるということがあります。
 最後の段落でございますけれども、その化審法を含む多くの法制度によって、化学物質管理がなされる状況について、これはわかりにくいというふうな指摘がありまして、当然、国はその化学物質管理の状況について、事業者及び国民にわかりやすく説明していくべきであるということと同時に、総合化学物質管理法制についての意見も表明されたところがございまして、今後の検討課題として認識するべきであるというふうな結論になってございます。
 答申は以上でございまして、その30ページの後、参考資料ということで、委員名簿、また審議会において使用いたしました国内外における化学物質管理施策の動向等をまとめた資料が参考資料としてついてございます。
 ちょっと長くなりましたが、以上でございます。

○木村環境安全課長 それでは次に報告事項2としまして、いわゆる化管法の法律施行令の改正についてでございます。
 これにつきましては、資料3の報告事項の資料の1ページをお開きいただきたいと思います。
 化管法の指定化学物質の見直しにつきましては、ことしの7月の前回のこの環境保健部会におきまして、鋭意ご議論を賜りまして答申をいただいたところでございます。私どもはその答申に基づきまして、その後の政令に向けての作業を行ってまいりました。そのご報告をさせていただきたいと思います。
 この化管法の指定、化学物質の見直しにつきましては、ちょっと復習になりますけれども、むしろ3ページのほうがわかりやすいので、3ページをお開きいただきたいと思います。ポイントは大きく分けまして2点ございまして、1点目はPRTR制度、MSDS制度の対象となる物質の見直しでございます。すなわちPRTR制度並びにMSDS制度の両方の対象となります第一種指定化学物質につきまして、これまで354物質であったものを、462物質に変更するということ、それからよりすそ切りが厳しい特定第一種指定化学物質につきましては、現行の12物質から15物質に変更するということ。そしてMSDS制度の対象とだけなります第二種指定化学物質につきましては、これまでの81物質から100物質に変更するという、この数量的なものでございます。
 それからもう一点は下にありますように、PRTR制度の対象となり得る業種への医療業の追加でございます。これまでは23のそこに掲げてございます業種を対象としておりましたけれども、このたび新たに医療業を追加するということでございます。ちなみにこの物質の改正後の数字でございますけれども、今、第一種が462と申しましたけれども、7月のご答申をいただいたときには1つ多くて、463でございました。これが1つ減りましたのは、内閣法制局とのその後の協議の中で、特に答申番号の254番の1-デカノールと、答申番号の443のイソデシルアルコールというのが類似しているということで、1つにまとめたデシルアルコールという形での政令番号にまとめたということでございまして、何か物質が出入りしているわけではございませんので、ご了承いただきたいと思います。
 そしてその後、これにつきまして、次の前の2ページのほうに戻っていただきたいと思うんですけれども、2ページの下のパブリックコメントのところでございますけれども、私どもの政令案につきまして、9月29日から1カ月間、一般国民に対しましてパブリックコメントを募集させていただいたところでございます。その結果、延べ意見数38、団体数にして25団体・個人から、ご意見がございました。それにつきましてはお手元の資料の4ページから8ページのほうに後ろに記載してございまして、詳しくはご説明は割愛させていただきますけれども、当審議会でご議論された範疇を超えているわけではございませんでしたので、その内容の整理で回答させていただいているところでございます。
 これを受けまして、その上の3のところでございますけれども、これ予定となっていますけれども、既に終わったことでございますけれども、11月18日にこの政令案が閣議決定されてございます。そして公布が11月21日、そして施行でございますけれども、21年10月1日からが施行ということで、まずMSDS制度の施行からされる形になってございます。
 なお、この経過処置としまして、PRTR制度に関しましては、改正後の対象物質の排出・移動量の把握は、平成22年度から、そしてその届け出は平成23年度から実施するという形になってございます。
 報告事項の2につきましては、以上でございます。
 次に報告事項3、環境中の重金属対策に関する国際的な動きについてでございます。これにつきましては、お手元の資料の9ページをお開きいただきたいと思います。特に重金属の中でも特に水銀について、これにつきましては前々回のことし1月の環境保健部会でご報告させていただいておりますけれども、国連のUNEPで、2001年より地球規模での水銀汚染に関連する活動、いわゆるUNEP水銀プログラムを開始してございますけれども、このような動きの中で、2007年2月、ナイロビで開催されました第24回UNEP管理理事会におきまして、水銀の世界的な需給と貿易に関する報告書などが提出され、議論の結果、水銀対策のための条約の制定の可能性も含めた対策強化の選択肢を検討するための作業グループ、いわゆるアドホック公開作業グループの設置等が決定されております。
 これを受けて、第1回目2007年の10月に、このアドホック作業グループが開催されてございますけれども、その中でいわゆる法的枠組みにするのか、それが必要なのか、必要ではないのか、またその法的枠組みとするならば、それが単独条約であるか、あるいはPOPs条約の新規議定書なのか、あるいはないのならば自主的な取り組みなのかと、こういったことがそれぞれ各国の意見などが話されているというのを、前々回の1月にご報告したところでございますけれども、その後、第2回目のこのアドホック作業グループがことしの10月に開催されましたので、そのご報告をさせていただきたいと思います。
 今回のアドホック会合におきましては、今後国際的に実施すべき対策としての包括的な枠組みに含まれる要素、すなわち、法的な枠組みにするかしないかに関わらず、水銀対策を実施するためのその枠組み、共通な要素の検討というものを、特に中心に話し合われてございます。具体的には水銀供給の削減ですとか、あるいは製品及び製造プロセスにおける水銀需要の削減などと、こういったものを後の後ろの参考の13ページのところに記載してございますようなリストアップはされたものでございますけれども、そのようなものについて話されております。そしてまた今後の包括的枠組みの選択として、新規の独立した条約の制定及び自主的取り組みの促進という2つに絞った形での議論になっており、その内容とそれぞれの得失について議論をされているところでございます。
 これらの議論をされ、まとまったことにつきましては、次の2月に開催される予定でございます第25回UNEP管理理事会に報告される予定となってございまして、この当管理理事会におきまして、報告に基づく決定がなされる予定となってございます。この流れの中で、我が国のスタンスでございますが、これにつきましては次のページをめくっていただきまして、下の段のところの(2)のところを見ていただければと思いますけれども、我が国のスタンスとしまして、水俣病の経験国として、世界各国における水銀対策の強化というものについては歓迎していく。しかしながら、水銀汚染はこれは世界的に広がっているということで、一国でも多くの国の参加の中で対策をしていくということが必要でございますので、多くの国の参加を可能とするような枠組みが必要であろうと。そして条約等におきます法的拘束力のある文書及び自主的な取り組みの選択、どちらかということについては、まず国際的な水銀管理のために必要な対策の内容を議論することが必要であって、その対策の内容が国際的な法的拘束力を必要とすると十分に認識されるのかどうかを審査して、それに合致するようなものであれば、やはりそれについては法的拘束をやっていくと。そうでないものについては自主的な取り組みで対応するということで、それぞれ相応の対応をとっていくということが必要ではないかというふうなスタンスをとるということでございます。
 しかしながら、その法的な枠組みをつくるということでは、やはり一定の文書の作成及び採択という過程が必要でございまして、これにはかなり時間が要すると考えられますので、現実的にはまず各国の自主的な取り組みによって、水銀使用の削減や途上国の技術的支援を進めながら、同時的、並行的に法的拘束力のある文書の検討というものをやっていく必要があるだろうと、これが我が国のスタンスでございます。
 ちなみに各国のスタンスでございますけれども、それは次の12ページ目のところにもありますように、欧州、アフリカ、中東欧、また小島しょ国などにおきましては、法的拘束力のある文書の策定というものを支持する立場で、一方、アメリカ、中国、インド、アルゼンチンなどは、自主的取組の推進というものを進めている状況でございます。詳しくは17ページに書いてございますので、よくご参照いただければと思います。
 それでは次に、3つ目の報告事項の平成20年度の化学物質の環境リスクに関する国際シンポジウムについてでございます。これにつきましては18ページをお開きいただきたいと思います。この化学物質の環境リスクに関する国際シンポジウムは、内分泌かく乱に関する国際シンポジウムと、小児・環境保健に関する国際シンポジウム合同で、近年開催してきてございますけれども、今回は小児・環境保健に関する内容について主にやるということで、テーマも「未来に翔く子どもたちのために」と称した公開シンポジウムを初めとして、12月14日、それから15日と2日間にわたりまして、東京のビックサイトにおきまして開催させていただいたところでございます。
 1日目の開会式におきましては、大臣のごあいさつのもとに始まりまして、総勢約800名強の方々のご参画を得たということで、アンケート調査もさせていただきましたけれども、概ね好評なものが多くて、今後ともこのような内容について対応していきたいという結果であったことをご報告させていただきたいと思います。
 報告事項の環境リスクに関する国際シンポジウムについては以上でございます。

○泉石綿健康被害対策室長 続きまして、石綿健康被害対策室のほうから、石綿救済法関連で2点ご報告させていただきたいと思います。
 資料は同じ資料の19ページでございます。まず一点目、改正石綿救済法施行に関する周知・広報の状況のご報告でございますが、石綿救済法につきましては判定部会の先生方のご協力も得まして、おかげさまで順調に認定作業は進んでおりまして、今、月3回から4回の医学的判定のための会議を行いまして、これまでに4,000を超える方の認定を行っているところでございます。
 この法改正につきましては、前回のこの部会のほうでご報告させていただきましたけれども、内容は次の20ページにございますので、後ほどごらんいただきたいと思いますが、12月1日に施行されました。これに向けての周知といたしまして、一つは施行通知につきまして、これは手続の詳細ですとか、診断書の改定などを示したものでございますが、これにつきまして、自治体とともに、それから医師会、病院団体などを通じた医師・病院関係者への広報を行ったところでございます。それから一般の国民の方々への広報でございますが、やはりこの制度を知らないために救済を受けられないという方がいらっしゃるというご指摘がございまして、非常に力を入れてきたところでございますが、そこにありますように、政府広報、それから環境再生保全機構での広報などを行ってまいりました。特に12月1日には機構のほうでフリーダイヤルを設けておりますが、200を超える問い合わせの電話があったということで、この期間にかなり集中して新聞広告とか、それから雑誌の広告などを出しましたので、先生方のお目に触れたこともあったかと思いますが、そのようにたくさんの問い合わせが寄せられました。
 また、この施行日をはさんで1カ月で、約2,000を超える電話があったということで、多くの方々のお目に触れたかなと思っております。
 続きまして、ご報告の2つ目でございますが、資料の22ページ、石綿による健康被害に係る医学的事項に関する検討会の設置についてでございます。この救済法の対象疾病につきましては、この制度が始まるときに、この中環審の答申もいただきまして、石綿関連疾患5つぐらい知られている中で、中皮腫と肺がんを対象にすると。その背景としては潜伏期間が非常に長いこととか、どこでばく露したかわからない、一方で非常に重篤で予後の悪い疾患であると、こういった特徴を踏まえて、この2疾患を対象にしたわけでございますが、ほかに労働衛生の世界では、この中皮腫、肺がん以外にも、石綿肺、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚という3つの病気がございます。これらの取り扱いにつきましては、この資料23ページの一番上に、中環審の当時の答申のその部分の抜き出しがございますが、この3つの疾患についても、引き続きその知見を収集して取り扱いを検討すべきであるという答申をいただいているところでございまして、これに基づいてこれらのほかの疾病の取り扱いについても検討しようということで、このたび10月にこの検討会を設置いたしました。
 概要は22ページにあるとおりでございますけれども、医学的な観点からの見直しということで進めております。主な検討事項といたしまして、この非腫瘍性石綿関連疾患、今申し上げた3つでございますが、これらについて整理をしていくと。特に石綿肺につきましては、これはじん肺の一種でございますので、たくさんの高濃度のばく露を受けた方に基本的に発生すると思われる病気であること、また中皮腫、肺がんと比べて、必ずしも全員が重症ではないことなど特殊な要因、それから特発性間質性肺炎といったほかの病気との鑑別が非常に難しいことなど、以前の中環審答申をいただいた時点でも問題となったような事項につきまして、改めてその後の知見の整理を踏まえて、医学的な検討をしていただくということで進めております。
 進捗状況でございますけれども、10月21日に第1回の会議を行いまして、その後症例検討をクローズドの形で行いました。今後、年度末にまた会議を行いまして、最終的には21年の秋ごろをめどに取りまとめてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○佐藤部会長 どうもありがとうございました。ただいまの報告事項の1から6について、ご説明いただきました。何か委員の先生方からご質問あるいはご意見ございましたら、伺いたいと思います。
 いかがでしょうか。
 では中杉委員どうぞ。

○中杉委員 水銀の話ですけれども、10ページのところの図1で、我が国における水銀のマテリアルフローというのがこれは出ていますけれども、この中で原油等について我が国に持ち込まれる原油に含まれているものが、我が国で生成される段階で水銀が除かれて出てくるというものがあるんだと思うんですけれども、海外から輸入する、日本に持ち込む前に、向こうで抜いている部分がかなりあるんではないかと思うんですが、その量というのはわかりますか。要は我が国のために持ち込むんだけれども、海外で水銀を残してくるというたぐいのものになってくるんで、そこら辺を含めて、国際的な取り組みという意味では、我が国は責務を果たしていかなければいけないかなと思いますので、もしおわかりになりましたら教えてください。

○木村環境安全課長 今のご質問についてでございますけれども、水銀について、この原因についてどのようになっていうかというのは私どもは承知をしておりませんけれども、世界的にもこのような流れについてはそれぞれ処理はしているんではないかというふうには推測はしてございますけれども、今のところはそれについて申し合わせございません。

○中杉委員 量はともかくとして、我が国で使うために、相当海外、輸入先に有害物質を残してくるということをしているんだということを十分踏まえた上で、国際的な取り組みに関わっていただきたいというふうなことを申し上げたつもりです。

○佐藤部会長 よろしいですか。

○木村環境安全課長 幾つかの企業におきましては、その内部基準がそれぞれありまして、それに応じて取り組みはしているということは、我々承知してございます。今後、そういうようなことも踏まえまして、これ今、委員がおっしゃったようなことについて、十分留意していきたいと思います。

○佐藤部会長 廃棄物であるとか、有害物質のこういう輸出というのは、これまでもいろいろ問題にされてはきたところですけれども、今、中杉委員からご指摘があったように、外国できれいにしてしまってから持ってきて、自分のところは知らないよというわけには、やはり今の国際的な状況でいかないと思いますので、その辺にも目配りが必要かなというふうに思います。
 こういうものは産地によって随分違うんですよね。ですからその辺のところを考えて、目配りしておく必要があるかと思います。重要なご指摘、ありがとうございました。
 ほかに。藤井委員どうぞ。

○藤井委員 24ページ、これは資料3の別紙2の24ページのところですが、化学物質については本当に消費者がわかりにくい分野でございまして、ここに安全性情報など、消費者にとってわかりやすい形で提供されることを含め云々あるところは、このとおりだと思います。そして後段のところでも製品に含まれる化学物質の安全性情報を、消費者などにわかりやすく提供する努力が必要である、いつもこう書かれているんですが、スピードを持ってぜひやっていただきたいなという関係で、同じ冊子の5ページのところで、この世界調和システム(GHS)、この化学品のハザード情報の分類及び表示方法について、国際的に調和されたシステムをつくることを目的としておりと、各国でもいろいろ進んでいると思うんですが、日本国内ではこの化学物質の対象として、工業製品と暮らしで使われる生活用品と分けて、GHSの表示が生活用品のところまでまだ入っていないのではないかと思われます。今、検討の中で、消費者にとっては一番近いところですから、そういうところの検討が、この議論の中でどういうふうに行われたかということがおわかりでしたら知りたいと思います。

○佐藤部会長 これは戸田室長のほうから。

○戸田化学物質審査室長 今回のその化審法の見直しの議論におきましては、その化審法の対象物質というのが、現状では消費者に行くような製品にはほとんど使われていない。トリクロロエチレンとか、本当に工業的に使われている物質ばかりでございますので、化審法のその表示制度、これはGHSのその表示でよいということになっているんですけれども、これはその消費者製品に入っていないということはご指摘のとおりかと思います。
 この辺は消費者製品に関するその法制度、例えば有害物質含有家庭用品規制法など、その厚生労働省関係の法律や、その他いろいろございますので、そういった法律における課題かなということでございますけれども、GHSの関係省庁が集まった場で議論はしているというところはございますけれども、この化審法の見直しにおいては、その辺はそこまで化審法で行くことは難しいというふうな議論になっているというところでございます。

○佐藤部会長 よろしゅうございますか。何かでき上がった製品というのが、やっぱりいろいろなものが混じっているので難しいというような点もあるんだろうと思いますけれども、しかしそれを上手にその消費者の方々にお伝えするというのも、また重要な問題だろうと思うんですけれども、その辺の工夫はこれからなんでしょうね。

○藤井委員 なかなか目に見える形で、こういうここで決められた幾つかのマークが、消費者の目に届くことがない。GHSのマーク、大変わかりやすいですので、ああいう形で入っていくと消費者にとって大変情報的に理解が進むのではないかと思われますので、これからの議論の中でもぜひそういう消費者に近いところでも、多分、PRTRとかほかのところで出てくると思うんですが、GHSとの関係でぜひ情報をここにあるようにわかりやすい形でということ、ぜひ進めていただきたいと思います。
 以上です。

○佐藤部会長 どうもご指摘、ありがとうございました。
 ほかに何かご意見、ご質問等ございますでしょうか。
 須藤委員どうぞ。

○須藤委員 資料3の化審法の改定の部分のところの中で、システムは実は大体理解をしておるんですが、リスク評価の中で、生体毒性というのを挙げられて、余りご説明もなかったんですが、事前評価でよろしいんですけれども、今までの要するに生体毒性というのは、生体ではなくて、一つの生物に対する毒性だけですよね。ミジンコをやるとか藻類をやるとか、コイをやるとかですね。本当の意味での生体毒性ですと、エコシステムについてのどういうふうに評価するかともかくとして、それをやらないといけないということで、保健部のほうからの担当のほうからも、環境研究技術開発費なんかのトップダウン研究の中にも、生体毒性の必要性等を伺ったことがあるんですが、こういう議論の中でその必要性とか今後の方向・課題の中で、生体毒性も始めたばっかりなので今程度でいいのか、本当にエコシステムまでのところをやっていく必要があるというような議論があったのかを伺いたいと思います。

○戸田化学物質審査室長 審議会におきましても、そういう生体毒性を含めて、化学物質の有害性の評価の手法の高度化ということは、これは技術的な検討は必要であるということは、再三ご指摘をいただいたところでございます。ただ、この見直しの小委員会は、どっちらかというと制度的な検討ということでございますので、そこでそれはむしろ今後技術的な検討の場というのが必要だというふうなことで、ご議論いただいたのかなと思います。
 おっしゃるとおり、現在の生体影響の評価方法というのは、幾つかの指標生物の毒性をもとにした割り切りでございますけれども、国際的に見てもなかなかこれ以上のやり方がないという中で、手法の開発や最新の情報の収集を進めていくべきであるということは、我々としても感じているところでございます。

○須藤委員 そうしますと、できればこれがもし可能であれば、そっちの方向に移行したいというか、その技術上の問題ということでよろしいんですか。

○戸田化学物質審査室長 そのように考えております。

○須藤委員 ありがとうございました。

○佐藤部会長 今、須藤委員のご指摘も大変重要だと思うんですけれども、なかなかエコシステム全体の評価となると、難しいのかなという気もいたしますけれども、そういう方向を目指していただければというふうに思います。
 ほかに何かご意見、ご質問ございませんでしょうか。
 よろしゅうございますか。
 それでは、きょうは比較的話題が多かったんですけれども、皆様方のご協力のおかげでスムーズに進めることができました。
 それではこれで本日の議事を終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

○上野調査官 どうもありがとうございました。次回の日程についてでございますけれども、後日、事務局のほうから調整させていただきたいと考えておりますので、またよろしくお願いいたします。
 また、本日の議事録についてでございますが、原案を作成しまして先生方にご確認をいただいた後、当環境省のホームページに掲載する予定ということにさせていただいておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、以上で第21回中央環境審議会環境保健部会を終了いたしたいと思います。
 どうもありがとうございました。

午後2時25分閉会