中央環境審議会 環境保健部会 石綿健康被害判定小委員会・審査分科会合同会議(第9回) 議事録

日時

令和3年11月11日(木)16:00~17:57

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、Web会議で開催された。

議題

(1)石綿健康被害判定小委員会の開催状況等について(公開)

(2)石綿健康被害判定業務のICT化推進事業について(公開)

(3)事例検討について(非公開)

議事録

○矢野医療専門官 それではお時間になりましたので開始させていただきます。

 会議の開始に先立ちまして、本日の会議の進行について、ご協力いただきたいことが何点かございます。

 本日の合同会議は、議題1、2は公開とさせていただいておりますが、議題3につきましては個別の症例に係る医学的資料を取り扱う部分がございますことから、非公開とさせていただいております。一般の傍聴の皆様には、議題の2終了後にWEB会議室からのご退席のご案内をいたしますので、速やかにご退席いただきますようお願いいたします。

 また、ご出席の委員の先生方にご連絡いたします。

 本日は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、WEB会議での開催とさせていただいております。会議中、音声が聞き取りにくい、不具合等がございましたら、事務局までお電話またはチャット機能でお知らせくださいますようお願いいたします。

 また、通信環境の負荷低減の観点から、カメラ機能はオフにしていただきますようご協力をお願いいたします。

 なお、ご発言の際には、お名前横にある挙手アイコンをクリックしていただくか、チャット機能にてご発言する旨をお知らせください。青色に変わりますと挙手した状態になりますので、ご発言の意思はこのマークで確認いたします。

 事務局からの指名後、マイクのミュートを解除し、お名前を名乗っていただいてご発言いただきますようお願いいたします。

 ご発言後は、挙手のアイコンを忘れずに再度クリックいただき、黒になるように操作をお願いいたします。

 挙手アイコンは事務局にてオンオフの操作ができないため、ご協力をお願いいたします。

 それでは、第9回中央環境審議会環境保健部会石綿健康被害判定小委員会・審査分科会合同会議を開催いたします。

 本日は、委員及び臨時委員の先生方3名と、専門委員の先生方35名、合わせて38名の先生方にご出席をいただいております。

 また、オブザーバーとして、環境再生保全機構の石綿健康被害救済部、村岡部長にご出席をいただいております。

 本日のご出席委員については、オンラインストレージに掲載しております委員名簿をもってご紹介に代えさせていただきます。

 ここで開催に当たりまして、環境省環境保健部長の神ノ田より御挨拶を申し上げます。

○神ノ田部長 皆様、こんにちは。環境保健部長の神ノ田でございます。9月14日付で田原前部長の後任として着任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

 本日はお忙しい中、第9回石綿健康被害判定小委員会・審査分科会合同会議に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。

 また、委員の皆様方におかれましては、日頃より石綿健康被害救済制度の運営、とりわけ医学的判定に、格別の御理解、御協力をいただいているところであります。この場をお借りしまして、厚く御礼を申し上げます。

 私は平成24年から26年までの2年間、石綿健康被害対策室長を務めておりましたが、本日御出席の委員の皆様方には、当時から御協力いただいている先生方も多く、大変心強く思っておりますし、また、本日に至るまで継続して御協力いただいていることに対しまして、重ねて感謝を申し上げます。

 本日の合同会議は、私が室長在任中の平成25年に第1回目を開催しております。判定小委員会と審査分科会の委員の皆様方が共通の認識の下で審査に当たっていただけるよう、相互に情報共有、意見交換をする場として開催することとしたものでございます。今回が第9回目ということで、大変感慨深いものがございます。

 判定小委員会及び審査分科会では、平成18年3月の制度創設以来、これまでに2万件を超える申請について、医学的判定をしていただいておりまして、また、申請件数は年々増加傾向にあります。

 昨年度は新型コロナの影響によりまして、審議会の開催を一部延期することになり、その結果、500件を超える滞留案件を抱えることとなりました。現在、その解消のために、審議会の開催回数を増やし、開催方式も大幅に変更するなど、委員の皆様方には大変な御負担をおかけしているところでございます。大変心苦しく思っているところですが、石綿健康被害者を長期にわたりお待たせすることはできませんので、ぜひ滞留案件の解消、審査期間の短縮に向けて、引き続き御協力いただきますようお願いいたします。

 本日の合同会議では、判定小委員会の開催状況等の報告のほか、石綿健康被害判定業務のICT化推進事業の取組状況の報告、判定困難事例の事例検討などを予定しております。

 限られた時間ではありますが、委員の皆様方には石綿健康被害救済制度の安定的かつ着実な運営のために、忌憚のない御意見、御助言を賜りますようお願いいたします。

 以上、簡単ではございますが、冒頭の挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○矢野医療専門官 ありがとうございました。

 以後の進行につきましては、判定小委員会の岸本委員長にお願いしたいと思います。岸本委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

○岸本委員長 皆さん、こんにちは。岸本です。それでは始めたいと思います。

 まず、事務局から配付資料の確認をお願いしたいと思います。

○矢野医療専門官 承知いたしました。では資料の確認をさせていただきます。

 資料は1から4までございます。資料1、中央環境審議会環境保健部会石綿健康被害判定小委員会の委員名簿。資料2、石綿健康被害判定小委員会の開催状況等について。資料3、石綿健康被害判定業務のICT化推進事業について。資料4、事例検討症例概要でございます。参考資料1、2は、環境省主催の講習会のリーフレットでございます。

 資料につきましては、オンラインストレージに掲載しております。画面の共有機能を使って画面上でもこちらで共有いたしますので、パソコンの画面上でもご確認いただけます。

 配付資料は以上でございます。

○岸本委員長 先生方、よろしいですか。特に欠失等はございませんですね。

 お返事がないようですから、今日は報告事項が2件ございますので、議題の1の報告事項から始めたいと思います。

 事務局、資料の説明をお願いしたいと思います。

 よろしいでしょうか、矢野さん。

○矢野医療専門官 承知いたしました。それでは、議題1の報告事項から開始させていただきます。

 では議題1、石綿健康被害判定小委員会の開催状況等について、ご報告させていただきます。

 資料2をご覧ください。

 今パワーポイントに出しております1枚目は、これまでの石綿判定小委員会及び審査分科会の開催状況と、令和3年4月から9月までの医学的判定の状況でございます。認定疾病と判定するもの、認定疾病でないと判定するものの件数をそれぞれ一覧にしております。

 資料2、2枚目をご覧ください。

 新型コロナウイルス禍における審議会の開催状況等でございます。

 令和2年2月から6月に一部審議会を延期しておりましたが、WEB会議システムを併用しまして、4月から6月にかけてそれぞれ審議会を開催していることを記載しております。

 未審査案件に対応するため、審議会開催数を月4回から5回に増加しております。

 今後の方針といたしましては、未審査案件への対応により、分科会1回当たりの審議件数の増加や、分科会の開催数の増加を予定しております。

 また、石綿健康被害判定業務のICT化システムの仮運用を令和4年3月頃から、本格運用は令和4年4月頃からの予定となっております。

 ICT化システムの詳細につきましては、次の議題2でご報告させていただきます。

 以上、簡単ではございますが、事務局からの報告事項は以上でございます。

○岸本委員長 どなたかご質問等はございませんでしょうか。あれば挙手かチャットでお願いしたいんですが、今のところはよろしいですね。

 ではありがとうございました。

 続きまして、議題2、これは今日のメインイベントかもしれませんが、事務局より石綿健康被害業務のICT化推進事業についてのご説明をお願いしたいと思います。

○山口主査 はい。ただいま資料をご準備いたします。少しお待ちください。

 今、画面に資料3を映しておりますが、皆様、ご確認いただけておりますでしょうか。

○岸本委員長 はい。確認できています。

○山口主査 ありがとうございます。

 では私のほうから、来年度より導入する予定の判定情報管理システムにつきまして、改めて説明をさせていただきます。

 まず、このシステムを導入することの目的ですが、審議会の運営に要する業務負担や経費を抑えつつ、1回の審議会で処理できる案件数を増加させることにあります。

 また、原則、ウェブ会議方式で審議会を開催することにより、今後発生するかもしれないコロナ禍の影響にあっても審議会を開催し、着実に判定業務を実施できるようにしていきたいと考えております。

 次に、本システムのカバー範囲についてご説明いたします。

 申請者の方及び本制度の政策実施機関である環境再生保全機構とのやり取りにつきましては、これまでと同様、書面でのやり取りとなります。ただ、それ以外の手続は、基本的に全て、今後は判定情報管理システムを通して実施することになります。

 本システムが機能する要件としては、審議会のスケジュール調整から始まりまして、CT画像やバーチャルスライドといったデータの保存機能、そしてWEB会議システム等を有しております。委員の皆様におかれましては、今後お配りする専用端末を通して審議資料の確認等を行っていただくこととなります。

 ご留意いただきたい点として、黄色の枠で囲っておりますが、今後はお配りする専用端末を通して審議会の資料を行わせていただくことになりますので、セキュリティーの観点上、委員の皆様ご自身がお持ちになっているPC等からは本システムにアクセスすることはできない設定となっております。そのため、今後は必ずお配りする専用端末にて資料をご確認いただきますよう、お願いいたします。

 次に、システムを用いた今後の判定業務の流れをご説明します。

 委員の皆様に直接関係する部分は、今回、赤枠で囲っております。

 今回、ICT化を導入するに当たって、基本的に審議の流れが大きく変わるということはございません。ただ、先ほども少しご説明させていただきましたように、環境再生保全機構から環境省への申出は全て電子化されます。そのため、委員の皆様にこれまでお配りしておりました紙媒体の資料、そして画像データが保存されておりますハードディスク等の送付は今後は行わず、全て専用端末を通してご確認いただくことになります。

 また、もしご意見書等の作成をしている案件がある場合は、先生方からシステムを通してアップロードを行っていただき、そのデータを審議会の資料として取り扱わせていただきます。

 次のスライドが実際の審議の開催の流れを示しているスライドになります。

 こちらにお示ししておりますとおり、審議会は一部の例外を除き、原則WEB開催となります。その審議の内容を踏まえまして、事務局が判定案を作成いたしまして、システム上で判定結果の共有を委員の皆様に行わせていただきます。その内容をご確認いただき、もし追加のコメントをいただける場合は事務局までお知らせいただければと考えております。

 今お示ししておりますスライドに、審議会の日程調整の流れを示しております。

 これまでは委員の皆様と個々にメールのやり取りを行わせていただいておりましたが、今後は、本システムを通して日程調整を行わせていただきます。委員の皆様には、ご出席可能な日時を入力していただき、システムに登録を行っていただきますようお願いいたします。

 なお、この日程調整機能にかかわらずですが、システムを通してお送りするメールは、このシステムだけではなく、システムにひもづけた、皆様が普段お使いのメールアドレスにも同時に配信されますので、もちろん毎日このシステムを立ち上げておくという必要はございません。

 ここからのスライドが、現在構築中のシステムのサンプル画像となっております。

 今回のシステムの設計に当たりまして、基本的に今まで皆様にご確認いただいておりました紙媒体の資料と同様のレイアウト構成にするように努めております。

 今お示ししておりますのが概要一覧の画面になります。審議の順番ごとにデータ表示がされるように設定できまして、進捗に応じてページ送りを行うことが可能です。

 続きまして、こちらは画像一覧になります。今サンプル画像に示しておりますCD1ですとか、こういった媒体の項目名をクリックしていただくと、媒体に保存されているデータが自動で読み込まれます。

 そして、こちらが病理標本一覧のサンプル画像になります。先ほどと同様に抗体名のところをクリックしていただくと、バーチャルスライド画像が自動的に読み込まれます。原則として、分科会はバーチャルスライド画像をご確認いただいた上で審議を行わせていただきたいと考えております。また、判定小委員会も原則はバーチャルスライドでの審議を予定していますが、実際に標本の検鏡が必要と判断された場合は参集形式に切り替えます。

 こちらにつきましては、また後ほど改めて詳細をご説明いたします。

 そして最後にお示ししておりますサンプル画像、こちらがご意見書の登録画面になります。

 ご意見書のご依頼をこちらから行わせていただくに当たりまして必要となる資料につきましても、このシステムを通して委員の皆様にお送りします。委員の皆様におかれましては、ご意見書を作成していただけましたらシステムにアップロード作業をお願いいたします。

 今お示ししているスライドが、これまでの審議会運営方法との相違点を改めて記載したものになります。

 一部繰り返しになりまして恐縮ですが、まず、一部の例外を除き、今後審議会はWEB会議方式となります。

 また、これまで皆様に郵送でお送りしておりました紙媒体の資料、画像データが保存されているハードディスクの送付は停止し、今後は全て専用端末から資料をご確認いただくことを予定しております。

 また同様に、これまでメール等によりやり取り行わせていただいておりましたご意見書につきましても、本システムを通して石綿室にお送りいただければと考えております。

 なお、補記として米印を入れさせていただいておりますが、専用端末は、基本的に審議会にご出席いただく臨床、病理、放射線、呼吸機能が専門の委員の先生にお配りします。

 また、病理の先生方にご意見書をご依頼する際にこれまでお送りしておりました病理標本、こちらはもちろんICT化システム運用後も、ご意見書依頼の際は病理標本等の現物を先生方に郵送でお送りさせていただきます。

 また、計数または個別ご意見書の先生方におかれましては、専用端末の配付は行いませんので、従来のやり方から変更という点は一切ございません。これまでと同様のやり方で行わせていただきます。

 そして、次にお示ししておりますスライドが、例外となる判定小委員会の病理の先生方の参集について説明しているものになります。

 病理の先生方には、小委員会案件となったバーチャルスライド画像をご確認いただきまして、検鏡が必要と判断された場合はもちろん参集していただくことが可能です。ただ、直接標本を検鏡する必要がなく、バーチャルスライドで判定可能と判断された場合は、WEB出席ももちろん行っていただけます。皆様同一でそろっての決定を行う必要はなく、各々の委員の先生方のご判断で参集か否かを決定していただいて全く問題ございません。

 下段、黒丸に、一応小委開催前月末までに参集か否かを決定すると記載しておりますが、小委開催おおよそ3日くらい前までに、こちらにもし参集の場合、ご連絡をいただければ、その時点で参集に切り替えるという対応が可能ですので、バーチャルスライド画像をご確認いただいた上で、やはり標本の検鏡が必要である案件があるということでしたら、事務局までお知らせいただければと思います。

 なお、病理医以外の委員の先生方におかれましては、原則WEB会議での出席を予定しております。

 そして、最後に今後のスケジュール予定をお話しさせていただきます。

 まず、来年2月の中旬に、専用端末を委員の先生方にお配りします。

 そして2月下旬に、委員の先生方に向けたシステム研修会の実施を予定しております。こちらはオンライン形式にて1回から2回の開催を予定しております。もちろん皆様、いろいろほかにもお忙しいことと思いますので、動画コンテンツも用意いたします。もし、オンライン形式による研修に出席が難しい場合は、動画コンテンツによって視聴していただくことも可能です。

 そして3月頃からシステムを用いた審議会運営、1か月間仮運用をさせていただきます。

 そしていよいよ4月からシステムの本格開始を予定しております。

 なお、スケジュールは現時点における想定のため、変更される可能性がございます。詳細なスケジュール等が確定しましたら、改めて委員の先生方には事務局からご案内させていただきます。

 では、以上で事務局からの説明を終わらせていただきます。

○岸本委員長 ありがとうございました。

 ただいまの説明の内容について、ご意見やご質問等があろうかと思いますが。

○髙橋委員 岸本先生、よろしいですか。高橋ですけれども。

○岸本委員長 はい。

○髙橋委員 今おっしゃっている専用端末というのは、これはモニターとPCをセットにしたものというふうに考えていいんでしょうか。

○岸本委員長 事務局、髙橋先生にご返答をお願いできますでしょうか。

○山口主査 はい。必ずしもセットになっているわけではございません。必須となるのは専用端末のノートPCとなります。こちらは基本的に委員の皆様全員にお配りさせていただきます。

 ただ、高精細モニターにつきましては、自分のデスクに大型のモニターがあるから要らないという先生もいらっしゃると思いますので、ただいまちょうど皆様にメールをお送りさせていただいているんですけれども、必要とご回答いただいた先生にのみモニターはお配りする予定です。

○髙橋委員 分かりました。僕も最初は必要だというふうに返事したんですけれども、自分の部屋の机の上に1台高精細のモニターがありますので、先日、不要だというふうにお返事を変えたんですけれども、それプラス、PCというのはノートパソコンが来るんですか。

○山口主査 はい、ノートPCを予定しております。私も一度現物を見てみたんですけれども、かなり小型のものとなっておりまして、それほど皆様の机のスペースを占有するということはないものと思っております。

○髙橋委員 分かりました。

 あと、これは普通のインターネット回線を使うということですね。

○山口主査 通常のインターネットにつながっているわけではありませんで、あくまでもこの判定情報システムに必要となる回線のみ用意されるという形です。

○髙橋委員 ああ、そうなんですか。

○岸本委員長 インターネットにつながると個人情報が漏れる可能性があるので、環境省が新たなネットを構築するというふうに、山口さん、考えていいですよね。

○山口主査 はい。先生のご認識で全く相違ございません。

○髙橋委員 分かりました。じゃあ接続の仕方とかはまた教えてください。

○山口主査 はい。

○岸本委員長 髙橋先生、よろしいですか、大体。

 井内先生が手を挙げておられますが、井内先生。

○井内委員 病理の井内です。質問させてください。

 ちょっと全体の流れがよく分からないんですけど、まず私は分科会にも小委員会にも出ていましたので、両方のつながりが分かっているつもりなんですけど、先ほどの説明だと、分科会でもバーチャルスライドを見るという話になっていましたよね。でも現実には分科会ではほとんど書面審議ですよね。それで実際の標本を見る必要がある症例をピックアップして小委員会に送るという作業をやっていますよね。

 だから、分科会の委員の場合はどうするんですか。今までと同じように自分のデスクのところで送られてきた資料をもってして、これは例えば中皮腫であるとかないとかいう判断だけすればよろしいんですか。ちょっとその辺からよく分からないんです。だから、バーチャルスライドを見るのは小委員会の病理の先生だけだということでしょうか。

○山口主査 はい、ありがとうございます。

 実は、分科会において、新規の申出の案件は、今井内先生がおっしゃっていただきましたように、基本的に書面審査のみのケースが多いんですけれども、2回目の分科会で再申出された際には標本が添付されるケースが非常に多くなっております。

 そのため、今、大体最近の分科会ですと、1回当たり20件ぐらいは分科会でも標本ありの中皮腫の案件がございますので、分科会の先生方にはその20件程度の案件をバーチャルスライドでご確認いただきまして、中皮腫かどうかの判定業務を行っていただきたいと考えております。

○井内委員 分かりました。

 それじゃあそのバーチャルスライドを見るのは、分科会の前にそれぞれの都合のよい時間にバーチャルで標本を見ておけばよいのでしょうか。

○山口主査 はい。お忙しいところ大変申し訳ありませんが、分科会の前にバーチャルスライド画像をご確認いただきまして、審議会においてそのご検討いただきました結果を所見として教えていただければと考えております。

○井内委員 分かりました。

 ではちょっと3点目の質問は、この送られてきた標本ですね、申請者から。それをバーチャルスライドにするのは、どこで誰がやるんでしょうか。

○山口主査 はい。バーチャルスライド化を行う主体は環境省となっております。ただ、バーチャルスライドの機器は、環境再生保全機構にちょうど昨日搬入されまして、環境省の職員が環境再生保全機構に出向いて標本のバーチャルスライド化データ作業を行わせていただく予定です。

○井内委員 分かりました。

 でも、標本の枚数が、例えばマッペ3枚といって、マッペ1枚に20枚入りますが、60枚とか80枚とかという症例があるんですね。かなり大変な作業量になる場合もあるので、そのときに私は現場でバーチャル化をしたりしているんですけれども、病理医が見て不必要なものは外すとかいうようなこともやっているんですが、そういう作業はやらないで、とにかく申請者が出してきたものは全てバーチャル化するんでしょうか。

○山口主査 はい。事務局では、今先生におっしゃっていただきましたように、どこが優位な所見の部分なのかということの判断はできませんので、出されたものは全てバーチャルスライド画像として審議会に上げさせていただくことを予定しております。

○井内委員 分かりました。

 以上です。ありがとうございました。

○岸本委員長 はい、ありがとうございます。

 ほかに、岡先生、チャットでそばにいなきゃいけないのかどうかというのを言われておりますが岡先生、よろしいですか。

○岡委員 はい。そこに書いたとおりです。つまり、端末が配られたその場所にいなければいけないのかと思いましたら、今はノートパソコンだというお話なので、ノートパソコンだと持っていくことができるので、例えば私の今の執務室ではなく別の場所でもできると考えてよろしいでしょうか。その点のご質問です。

○山口主査 はい、ありがとうございます。

 今まさしく岡先生のおっしゃっていただきましたように、パソコンの大きさ及び重さにつきましては、十分持ち運び可能なものとなっております。また、モバイルルーターも併せて皆様に配付させていただきますので、その専用端末とモバイルルーターをお持ちいただければ、場所が固定されるというものではございません。

○岸本委員長 岡先生、よろしいですか。

○岡委員 それで結構だと思います。私の質問に対してはそのお答えでいいんですが、端末を持って歩くということの危険性というんでしょうか、データの流出などということは、何か鍵をかけるとか、そういうやり方があるんでしょうか。

○山口主査 お配りするPCはシンクライアント端末となっておりますので、そのパソコンそのものに個人情報が残るということではございません。

 もちろんそのようなことがないよう十分ご配慮いただきたいんですけれども、もし万が一パソコンを紛失してしまったということであっても、そのPCから個人情報が流出するということはないというふうにお考えいただいて大丈夫です。

 また、機器設置用のワイヤーも併せてお送りしますので、なくすことがないように、そういったワイヤーを用いながら保管管理していっていただければと事務局としては考えております。

○岡委員 分かりました。ありがとうございます。それだけです。

○岸本委員長 ありがとうございました。

 ほかにどなたかございませんか。

○楠本委員 楠本です。手を挙げてます。

○岸本委員長 はい、楠本先生、よろしくお願いします。

○楠本委員 お借りするパソコンとルーターですけれども、いわゆる無線で接続するんだと思うんですが、私の部屋、実は現在でも無線環境があまりよくなくて、ビルの中ほどにあって、それは結構どこでもアクセスできるような強い電波が飛んでいるというか、そういうものなのでしょうか。非常に場所が制限されるようでしたら使い勝手が悪いと思うんですが、教えてください。

○山口主査 はい、ありがとうございます。

 電波の強さにつきましては、バーチャルスライド画像及び画像等をクラウド上から読み取ることを想定しております関係上、非常に強いものを業者さんには用意していただいているところでございます。

 ただ、今楠本先生におっしゃっていただきましたように、その場所そのものによって電波の入りが非常に悪いということですと、画像の読み込み等に時間がかかる影響が出る可能性がございますので、実際に想定されている場所でお使いいただいて、あまりにも資料の読み込みが遅いですとかそういったことがございましたら、大変恐縮ですが、少し別の場所に移っていただいて操作を行っていただくですとか、そういった対応をお願いしたいと考えております。

○楠本委員 なるほど。場所によっては速いところがあって、それで資料をそこに行って全部ダウンロードしておいて、それでも会議体のときにはやっぱりできるところじゃないと駄目ですよね。

○山口主査 そうですね。そして、実は先生におっしゃっていただいた、ダウンロードという機能はございません。常にクラウド上からご確認いただく形になっておりますので、データをどこか別の場所に退避しておくということは、それはできないという回答になるんですけれども。

○楠本委員 そうしたら、WEB会議のときに、もし今のこの私の部屋で電波状況が非常に悪ければ、WEB会議のためにどこか電波のいいところに移動して会議に参加しなければならないと考えてよろしいんでしょうか。

○山口主査 はい。今おっしゃっていただいたとおりです。ただ、繰り返しになりますが、基本的に非常に性能のいいものを用意しているつもりですので、よほど今、例えば今のスマホの電波状況が全く入らないですとかそういったことでない限りは、それほどの支障は出ないものと認識しております。

○楠本委員 分かりました。またそれじゃあ実際につながったときにまた状況を見てご相談させていただくかもしれません。

 ありがとうございました。

○山口主査 ありがとうございました。

○岸本委員長 次は加藤先生、手が挙がっておりますが。

○加藤委員 すみません、川崎医大総合医療センターの加藤ですけれども、高精細モニターのことでお伺いなんですが、高精細モニターは3メガのものを用意していただいていると思うんですけれども、審査するに当たって、先ほど自分でモニターを持っている人はいいという話があったんですけど、3メガ相当の高精細モニターをこちらで持っておく必要があるということですか。それとも、普通にパソコンの大きなモニターがあって、これで見られればいいというのでいいという、その辺りの基準があれば教えてください。

○山口主査 はい。基本的に普段委員の先生方が病院等の診断で用いているモニターであれば、今回ご用意する性能と大きな差があるとは考えておりません。

 今回ご用意させていただくモニターのレベルと呼んでよろしいのかちょっと分からないんですけれども、一般的な病院の診断で使われるレベルのものを満たすということで、今回、選定を行わせていただいておりますので、皆様が普段お使いのものであれば、それほど何か今回のモニターと違いが生じるということはないものと認識しております。

○加藤委員 皆さんは読影室で仕事を普段されていて、こういう会議というのは別の部屋に来る人のほうが多いと思うんですけど、読影室で使っているモニターは当然高精細なんですけど、自分の自室のモニターというのは普通のパソコンのモニターということになる方のほうが多いんじゃないかと思うんですけれども。

○山口主査 ありがとうございます。

 以前、加藤先生にもご協力をいただいていろいろ調べさせていただきまして、確かに一般のモニターと、今回お配りする高精細モニターでは、診断用の機能がいろいろ違うということも教えていただきました。そのため、今まさしく調整を行わせていただいている最中なんですけれども、もし今皆様が不要と答えていただいた委員の先生の方の中に、一般用のモニターでこれはちょっと使えないのではないかということでもしご懸念がありましたら、今から変更を行うことはもちろん可能ですので、その旨お伝えいただければ、こちらで想定しております高精細モニターを改めて配付させていただきますので、そのモニターを使って判定業務を行っていただければと思います。

○加藤委員 今自分のものが適しているかどうかの基準というのがある程度はっきりしたほうがいいと思うんですけど、じん肺とかだと3メガ以上のモニター推奨ということになっているかと思うんですけれども、通常の肺がん、中皮腫とかだったら、そこまで細かいというか、それで型決めするわけではないので、3メガは必要ないかなと思うんですけれども、その辺り何か。それか、私がやっている石綿肺とか、あちらのほうは、3メガ相当のモニターがないと駄目とか、何かそういうのはないでしょうか。

○岸本委員長 加藤先生、いいですか。

 石綿肺はじん肺法で対応しておりこの救済法もじん肺にのっとってやっていますので、でき得れば石・びの石綿肺を審査する先生方においては、3メガ以上の高精細のもので見て、なおかつ両側下肺に不整形陰影があるということを確認していただいたほうが矛盾しないし、いいのではないかなと私は思います。

 以上です。

○加藤委員 ということは、中皮腫・肺がんのほうだけだったらそこまでじゃなくて、普通に1メガ、2メガくらいで十分というか、そこまで高精細である必要はないという、そういう理解でいいですよね。

○岸本委員長 はい。確かに石綿肺がんも1型以上の石綿肺があって肺がんであれば認めていますけれども、今の現状から見ると、1型以上の石綿肺に合併した肺がんや中皮腫というのはほとんど0%に近いと思うんですが、石綿肺はそれ自体について請求が提出されていますので、別と考えておいたほうがいいというふうに思います。

 以上です。

○加藤委員 分かりました。どうもありがとうございました。

○岸本委員長 笠井先生が手が挙がっておりますが、笠井先生、よろしくお願いします。

○笠井委員 何点かお聞きしたいことがあります。

 まず1点は、配付していただくPCのほうで、まず診断するような、それぞれの、病理だったら病理のバーチャルスライド、放射線科だったら放射線科の画像ということで、それを見て診断をして、そういった所見をつけたものを記載するというふうなフォーマットはあるんでしょうか。というのは、一々またそれを手書きをして自分で持っておかなければいけないのかというところの問題もありますので、それがどうなのかということと、その使ったPCをつなげて実際のこういったような会議に参加するのか、それとも今までどおり自分のパソコンから会議に参加するのか、そういった選択も出てくるかとは思うんですけれども、その辺りはどうなのかということをお聞きします。

 あとは、バーチャルスライドで、今、呼吸器病学会のほうからいろいろ、実際に使って診断したりとかして、こういった多職種の先生方とディスカッションする場を設けているんですけれども、やはりそこで使っているバーチャルスライドを、2枚か3枚なんですけれども、結構やはり標本を見たときに質が悪かったりしたときに、なかなかそれをもう一度、例えば再購入してくれとか、もう一度取り込み直してくれというようなことがなかなか難しいことがあるんですけれども、実際そういうふうな不都合なことが起きたときにはどういう対応をしていただけるのかという点です。よろしくお願いします。

○山口主査 ありがとうございます。

 まず1点目のご質問、所見を記載するメモ欄があるのかどうかということでございますが、こちらは各申出一つの案件ごとに対して先生の所見を記載していただいて、保存できるメモ機能を有しておりますので、そちらをご利用いただくことが可能でございます。

 そして2点目、WEB会議のやり方になるんですけれども、これまではWebExを使用していたんですけれども、これからは、専用のPCの端末で必ずWEB会議を開催するという形になりますので、委員の先生方ご自身のPCからではなく、専用の端末からWEB会議に参加していただく形となります。そのため、ヘッドセット等も併せてこちらから皆様にお送りいたします。もちろんご自身のものがあるので不要という方はその旨お伝えいただければ、ご自身のものをご利用いただいても全く支障はございません。

 そして最後3点目、もしバーチャルスライドでピントが合わなかった場合どういった対応になるのかということなんですけれども、一応標本そのものはバーチャルスライド化したらすぐ医療機関に返却するですとかそういった対応はもちろん取らずに、審議が終わるまではこちらでしっかりと保管をさせていただきますので、現物がいつでも手元にある状態となっております。そのため、もし分科会において、この案件はバーチャルスライドではどうしても判定ができないものであるですとか、そういった難しい症例なのであれば、小委員会の先生方に病理標本の現物を検鏡していただくことができますので、それを基に判定結果を出していきたいと考えております。

○笠井委員 あと、やはりバーチャルスライドを何遍も出して見ていきますと、どうしてもコンピュータがかなりハイスペックなものじゃないと動きが悪かったりとか、途中で途切れたりすることが、二、三枚の検討をするときでも結構あったりするので、その辺りもやはり一度と言わず何度かやっていただいて、確認していただいたほうがいいんじゃないかなというふうに思いました。

○山口主査 ありがとうございます。

○岸本委員長 南先生から手が挙がっておりますが、南先生、よろしいでしょうか。

○南委員 はい、すみません、南です。

 細胞診だけの標本というのがあるんですけれども、それはバーチャルスライドで取り込むのは結構難しいと思うんですけど、大丈夫ですか。できますか。

○山口主査 はい。昨日、業者さんからいろいろな取扱い説明を受けてきたところでございまして、今回導入するバーチャルスライド機器、もちろん高性能のものを用意させていただいておりますので、細胞診標本であっても高さをしっかりと認識できるもので取り込むことが可能という説明は受けております。

 ただ、昨年度の合同会議の際も、細胞診標本はなかなかバーチャルスライドで見るのは難しい症例があるということでご意見はいただいているものと認識しております。

 細胞診標本の案件につきましては、これまでも行っている取組ではございますが、委員の先生から個別に意見書をいただいておりますので、その意見書とバーチャルスライドの画像を併せて、判定可能なものは分科会において判定を行っていただく、ただそれだけではやはりどうしても難しい症例であるという場合は、小委員会において標本を検鏡していただいた上で判定することを現在想定しております。

○南委員 分かりました。ありがとうございます。

○岸本委員長 ありがとうございます。

 大体予定した時間になりましたが、よろしいでしょうか。

○廣島委員 すみません、廣島ですが、一つ質問があります。

○岸本委員長 はい。廣島先生、どうぞ。よろしくお願いします。

○廣島委員 病理委員の場合は委員会前の鏡検時間として2時間分を含んだ委嘱状を、大体2週間くらい前に頂きます。これが委員会の直前にならないと参集するか、あるいはWEBで参加するか分からないと、予定を立てるのに困ります。私たちは数か月前に3か月分の予定を立てております。飛行機を利用する場合は飛行機を予約し、新幹線を利用する場合は新幹線を予約します。たとえ鏡検が1件であっても参集することになりますので、鏡検時間として2時間分を含んだ委嘱状をお願いいたします。

○山口主査 一応、皆様にご負担にならないように、こちらの準備としては2時間前にお越しいただくということを想定の上で手続は行わせていただきまして、その結果、もしお越しにならないということであれば、謝金等の支払いはないんですけれども、手続については臨機応変に対応できるように考えております。

○廣島委員 委嘱状は、2時間前の時間で書いていただけますね。

○山口主査 そうですね。2時間という形で一旦準備はさせていただきまして、その上で、もしお越しにならない場合は謝金の手続は、お支払いはしないというような形で取らせていただきます。

 また、原則、前月末までにこちらでお知らせはさせていただこうと考えておりますので、それを元に、都合がつけられるかどうかということもご検討の材料と一つしていただければと考えております、

○廣島委員 分かりました。ありがとうございます。

○岸本委員長 それでは、ほかの先生方、よろしいでしょうか。

○楠本委員 楠本先生です、すみません。

○岸本委員長 はい。楠本先生、もう一度どうぞ。

○楠本委員 ごめんなさい、実は今日、私、通信環境を非常に心配しているんですが、今のところモニターは要らないというふうに選択しております。自室の高精細モニターでやろうと思っているんですが、先ほど申し上げたように、実は来年の3月に、接続してみたらできなかったという場合が生じたときに、病院内でどこか接続できる場所を探さなければなりません。そのときには新たにモニターが必要になりますので、最初は要らないと今申請しているんですけれども、実は要るようになった状況は、年度を越えて来年でも、改めてモニターを再請求ということは可能でしょうか。

○山口主査 はい、もちろん増減が生じる可能性があるということはこちらも重々承知しておりますので、予備を含めて調達は行っておこうと考えておりますので、もし急遽必要になったということでしたら、その旨お伝えいただければ、速やかにお送りさせていただきます。

○楠本委員 分かりました。ありがとうございます。

○岸本委員長 よろしいですか。ほかの先生方。

 それではICT化推進事業の議題につきましては以上としたいと思います。

 一旦事務局にお返しします。よろしくお願いします。

 事務局、よろしいですか。

○矢野医療専門官 はい。

岸本委員長、ありがとうございました。

 それでは、これより議題3の事例検討に移ります。

 こちら、審議内容に個人情報を含みますので、以降は非公開の会議とさせていただきます。

 一般傍聴者の皆様には、WEB会議からのご退席をお願い申し上げます。

 こちらで傍聴の方の退席を確認いたしますので、委員の先生方は少々お待ちくださいませ。