中央環境審議会環境保健部会(第51回)議事録

議事録

午後2時00分開会
○東條環境保健企画管理課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第51回中央環境審議会環境保健部会を開催いたします。
環境保健部企画管理課長の東條でございます。議事の開始まで進行させていただきます。
委員の皆様におかれましては、ご多忙のところご出席いただき、誠にありがとうございます。
本日の環境部会は、会議室とWEB会議の併用で開催いたします。WEB会議でご参加の委員におかれましては、音声が聞き取りにくい不具合等がございましたら、事務局までお電話、またはWEB会議のチャット機能でお知らせいただければと思います。
本日の会議は、公開です。傍聴用のWEB会議システムを用意しており、事前登録があった方はどなたでも傍聴できるようにしております。
続きまして、委員の発言方法についてお知らせいたします。発言の意思のある委員におかれましては、会場にいらっしゃる委員の皆様には、お名前札を縦にしていただければと思います。WEB参加の委員におかれましては、お名前の横にある挙手アイコンをクリックしていただければと思います。部会長から指名を受けた後、それぞれご発言いただきます。WEB参加の委員の皆様におかれましては、マイクのミュートを解除してご発言いただき、ご発言後は再びミュートにするようお願いいたします。機器の不具合等によりご発言できなかった場合につきましては、お電話またはチャット機能でご意見いただければと思います。後日議事録に掲載させていただきます。
環境保健部会委員及び臨時委員24名のうち、本日、今現在、20名ご参加いただいております。21名の出席の予定でございますが、今現在、20名の方にご出席いただいておりますので、定足数に達しており、本部会は成立いたしておりますことをご報告申し上げます。
審議に先立ちまして、委員の任命についてご報告いたします。
まず、2月14日に開催されました中央環境審議会において、当環境部会の部会長に大塚直委員が指名されています。
次に、環境保健部会の審議等に多大な貢献をいただきました4名の委員の退任をご報告いたします。2月7日付で崎田裕子委員、松永和紀委員、田村猛夏委員が退任されております。また、8月7日付で、紀ノ岡幸次委員が退任されております。
次に、3名の新任の委員の方をご紹介いたします。3月17日付で小池英子委員が任命されております。3月31日付で堀口逸子委員、8月7日付で平石雅一委員が新たに任命されています。
また、2月8日付で、これまで専門委員会委員でいらした青江啓介委員が臨時委員に任命されたため、新たに当部会にご出席をいただいております。
次に、事務局に人事異動がございましたので、ご紹介いたします。大臣官房政策立案総括審議官の大森でございます。
○大森審議官 大森でございます。よろしくお願いいたします。
○東條環境保健企画管理課長 7月付で着任いたしました保健部企画管理課長の東條でございます。よろしくお願いいたします。
続きまして、環境安全課長の𠮷川でございます。
○𠮷川環境安全課長 𠮷川です。よろしくお願いいたします。
○東條環境保健企画管理課長 続きまして、特殊疾病対策室長の伊藤でございます。
○伊藤特殊疾病対策室長 伊藤です。よろしくお願いいたします。
○東條環境保健企画管理課長 化学物質審査室長の清丸でございます。
○清丸化学物質審査室長 清丸です。よろしくお願いいたします。
○東條環境保健企画管理課長 続きまして、資料の確認をいたします。
会場でご参加の委員におかれましては、お手元のiPadでご覧をいただけます。WEB参加の委員には、事前にメールでお送りしておりますので、ご確認いただければと思います。議事次第のほか、資料1から資料8までございます。説明に当たっては、事務局が画面上に資料を共有して進行いたします。傍聴されている方につきましては、環境省ホームページの環境保健部会のページにアップロードしておりますので、そちらの資料をご覧いただけますようお願いいたします。資料の不足等ございましたら、WEB参加の委員におかれましては、事前にお知らせした電話番号でご連絡いただければと思います。
ここで、事務局を代表いたしまして、環境保健部長の神ノ田からご挨拶を申し上げます。
○神ノ田環境保健部長 どうも皆様こんにちは。環境省環境保健部長の神ノ田でございます。
委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、第51回環境保健部会にご出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
前回の環境保健部会は1月に開催しておりますが、その後の大きな動きとして、先の通常国会において、熱中症対策を強化するための改正気候変動適応法が成立をいたしました。既に5月に公布をされており、全面施行は来年春を予定しておりますけれども、熱中症対策実行計画の部分につきましては、今夏の熱中症対策に間に合わせるために、既に6月に施行されたところでございます。委員の皆様方におかれましては、改正法について様々なご指導、ご助言をいただきました。改めて感謝を申し上げます。
報道等でご案内のとおり、今年の夏は全国的に猛暑が続いております。気象庁によると、東京都心の猛暑日は、統計開始以降、過去最多を記録しており、今年の夏の平均気温も過去最高を記録しております。政府としては、改正法に基づき熱中症対策の強化を図っていくこととしておりますけれども、気候変動の影響を受け、熱中症による健康被害はさらに深刻化していくことが懸念をされております。来年春の改正法の全面施行に向けまして、指定暑熱避難施設や熱中症対策普及団体などについて、万全を期して準備を進めてまいりたいと存じます。
さて、本日は審議事項を一つ予定しております。昨年度から、石綿健康被害救済小委員会において、石綿健康被害救済制度の今後の方向性等についてご審議をいただいておりましたけれども、本年6月に報告書を取りまとめていただいたことを受け、同小委員会の廃止についてお諮りをするものでございます。あわせて、同小委員会の取りまとめの概要につきましてもご報告をさせていただきます。このほか、最近の環境保健行政の動向として、7件のご報告を予定しております。この中で、改正気候変動適応法の全面施行に向けた検討状況についてもご報告をさせていただきます。
委員の皆様には、限られた時間ではございますけれども、ぜひ忌憚のないご意見をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
以上、簡単ではございますが、冒頭の挨拶とさせていただきます。
○東條環境保健企画管理課長 そうしましたら、ここからの議事進行は大塚部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○大塚部会長 先ほど事務局からご紹介がございましたように、2月の総会で環境保健部会長に再任されました大塚でございます。どうぞよろしくお願いいたします。一言だけ挨拶をさせていただきます。
保健部会のお仕事としては、先ほど来お話しいただいておりますように、熱中症とか石綿とか、様々なものがございますが、化学物質もその極めて重要な一つでございます。G7の会合では、三つの地球の危機として、そのうちの一つとして汚染化学物質が挙げられております。SAICMにおいても新しい動きが出ているところでございます。現在、第六次の環境基本計画が策定されつつあるところでございますけれども、その中でも化学物質の汚染が非常に重要な点でございます。汚染等につきましては、先人の方々と皆様のご努力によって対応が進んできておりますが、まだまだ課題は多く残されております。一つずつ解決していければというふうに思っているところでございます。
私の挨拶は、短いですが、これだけにさせていただきます。
部会長代理につきましては、引き続き、白石寛明委員にお願いしたいと思います。白石先生、どうぞよろしくお願いいたします。
○白石委員 はい、承りました。よろしくお願いします。
○大塚部会長 ありがとうございます。
それでは、議事に入りたいと思います。議題(1)「中央環境審議会環境保健部会の小委員会、専門委員会の設置について」の一部改訂につきまして、さらに、関連いたしますので、石綿健康被害小委員会の取りまとめの報告と併せて、事務局から説明をお願いいたします。
○木内石綿健康被害対策室長 石綿健康被害対策室からご説明します。関連でございますので、資料3-1の2ページ、右下に書いてある通し番号では8ページになります。こちらからご説明します。
平成18年より石綿健康被害救済法に基づきまして、健康被害者またはそのご家族の方への給付を行っています。そして、改正の歴史が書かれていますが、制度施行後も、支給対象期間の拡大、指定疾病の追加等、逐次の見直しが行われてきたところです。昨年、令和4年にも石綿健康被害救済法が改正され、特別遺族弔慰金等の請求期限が延長されています。
次のページをご覧ください。
この環境保健部会の下に設置されている石綿健康被害救済小委員会において、昨年6月から救済制度の施行状況に係る評価・検討を行ってまいりました。このことについては昨年7月の本部会でもご報告したところです。右側に検討の経過を記載していますが、救済小委員会では当事者の方を含む11名の方にヒアリングを行い、6回にわたって議論を重ね、本年6月に検討結果が取りまとめられました。
次のページに取りまとめの概要を掲げています。
一部のみ御説明します。まず、上から二つ目の黒丸のとおり、救済制度については、これまで、制度の基本的考え方に基づいて安定した制度運営が行われてきた、また累次にわたり制度の見直しも行われてきたところであり、検討の結果、制度の基本的考え方を直ちに変える状況にあるとは認められないとされたところです。
一方で、その下に記載のとおり、制度の周知やオンライン化も含めた申請手続の簡素化を進め、また、健康管理の在り方、中皮腫登録の充実について検討するようにと提言されています。
特に、下から三つ目の白丸のところですが、調査研究に関して、小委員会の議論の中では、救済給付の支給に充てるために設けられている救済基金について、残高に余剰があるので、その使途を変更、拡大して治療研究に用いるべきとの意見が出されました。
一方で、基金拠出の当初の目的と異なることに使用することに反対する意見、また、基金残高に余剰が生じる場合には事業者の一般拠出金率を下げるべきという意見もあり、基金の使途の変更、拡大は困難である、そして、引き続き基金の収支を注視しつつ、適切な一般拠出金率に基づく運用が必要であると結論されました。
今後、小委員会の取りまとめを踏まえ、環境省において必要な対応を講じるとともに、制度を安定的に運用し、被害者等の迅速な救済に努めてまいります。
戻りまして、資料2、通しページの4ページ目をご覧ください。
中央環境審議会の小委員会については、必要に応じて部会の下に設置することとされています。そして、審議に区切りのついた小委員会については都度廃止をされてきたところであり、今ご紹介した石綿健康被害救済小委員会についても、今般、取りまとめが終了したことから、廃止することとしたいと考えてお諮りするものです。よろしくお願いいたします。
○大塚部会長 ありがとうございました。それでは、ご質問、ご意見がございます方につきましては、会場の方は名札を立てていただき、WEB参加の方は挙手アイコンにてお知らせください。順次お名前をお呼びいたします。
WEB参加の方は、ご発言の際に、ミュートの解除を忘れずにお願いいたします。
では、岸本委員、お願いします。
○岸本委員 それでは、岸本から、石綿救済小委員会についてご意見を申し上げます。
私は、最初からこの委員会に出席をしておりました。対象疾病は悪性腫瘍である中皮腫と肺がんでありましたけれども、それと同じぐらい予後がよくない石綿肺、びまん性胸膜肥厚を追加をするという案も、この救済小委員会で取り上げられて、それを対象疾病としてまいりました。また、びまん性胸膜肥厚に関しましては、胸水を伴う例が非常に多く、石綿関連疾患で労災補償の対象となっているけれども救済法の対象となっていない疾患に、良性石綿胸水という病気がございます。この病気自体が中皮腫や肺がんと同じほど重症ではないということで対象としておりませんでしたけれども、びまん性胸膜肥厚の中に胸水を伴う例が多々ありますので、平成28年の委員会のときに、胸水を伴っていてもびまん性胸膜肥厚として認定できるというクライテリアを作って、実際に審査をしております。約8割がこの胸水を伴った症例であって、なおかつこのような症例を認定する機会が増えているというところまで参っております。
今回、令和4年から6回にわたって審議をしましたけれども、これ以上対象疾病を追加するということもなかなか難しいんじゃないかと思っています。現状の体制で十分であろうというふうに思います。今回の委員会では審議も尽くされているし、方向性も定まっているので、もうこれぐらいの審議でいいんじゃないかなということを発言させていただきました。
私は判定小委員会の委員長をやっておりますけれども、判定小委員会についても、対象疾病は4疾病で、今の基準については、今後新たな医学的な知見が出るたびに、対象疾病の基準を考えていくということにすれば、今回の救済委員会の使命は終わったのではないかというふうに思います。
以上です。
○大塚部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。WEB参加の先生方もございませんか。
では、事務局のほうから、ただいまの岸本委員のご発言に関しまして、何かコメントしていただけたらありがたく存じます。
○木内石綿健康被害対策室長 岸本委員から、ご発言ありがとうございます。先生からご紹介がありましたとおり、当初、救済制度の対象疾病は中皮腫と石綿による肺がんの二つであったところ、著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺及びびまん性胸膜肥厚の2疾病を追加し、また疾病の追加とは別に、良性石綿胸水のうち被包化されたものは、びまん性胸膜肥厚として認めるという、基準の運用を変更して、新たな知見に対応してきました。
取りまとめの中でも、現在指定疾病とされていない疾病についても、引き続き知見の収集に努めるべきとされていますので、事務局においても、注視をしてまいりたいと考えています。ありがとうございます。
○大塚部会長 赤渕委員から手が挙がっておりますので、どうぞよろしくお願いします。
○赤渕委員 ありがとうございます。赤渕でございます。
この小委員会の取りまとめの概要について、特に異存はございません。1点だけ、資料3-1の一番最後の概要の、一番最後にございます調査研究のところで、「基金の使途を変更、拡大し治療研究に使用することは困難」だという取りまとめのご結論が示されておりますが、これにつきまして、環境省のほうで、こうした医学的知見の充実を図るための、その調査研究に対する何か支援、援助みたいなことについては何かお考えでございましょうか。
以上でございます。
○大塚部会長 ほかにはございませんでしょうか。
では、ただいまのご質問につきまして、事務局から回答をお願いいたします。
○木内石綿健康被害対策室長 まず、資料3-1の4ページ目に書かれている「基金の使途を変更、拡大し治療研究に使用することは困難」については、これは石綿による健康被害は、原因者を特定して損害賠償を請求することが困難であること、また発症した場合には重篤であるという特殊性に鑑みまして、社会全体で拠出をして、被害者の方の経済的負担の軽減を図るという、基金の設立の目的などに鑑みまして、その使途を当初の目的と違うことに拡大していくことは困難として、このようにまとめられています。
一方で、ご指摘のありました治療研究については、厚生労働省において、研究の支援が行われており、これまでにも一定の成果が得られているところです。厚生労働省におきまして、今後についても、必要に応じた支援を進めるとされていまして、そのように報告書にも記載されています。
一方、環境省におきましては、救済制度に申請があった方が対象疾病に罹患されているかどうかの医学的判定をして認定していくということで、迅速かつ適切な医学的判定のための診断の研究を実施しています。石綿による健康被害の迅速な救済を更に促進するため、環境省において診断研究の更なる推進に努めるべきと提言されたところです。
私からは以上です。
○大塚部会長 ありがとうございました。さらにご意見がございませんでしたら、事務局案のとおり改定したいと思いますけれども、ご異議はございますでしょうか。
(異議なし)
○大塚部会長 ありがとうございました。
それでは、議題(2)の報告事項に入ります。
7件の報告がございますので、事務局からまとめて説明をお願いいたします。
○東條環境保健企画管理課長 最初に、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の附属書改正に係る化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく追加措置について報告をさせていただきますが、内容のご説明に先立ちまして、私、東條のほうから、委員の皆様に議事をご案内、最初にしたときに、この議題を実は報告事項ではなくて議事のほうに入れておりまして、それを途中で報告に変えた理由について、ちょっとご説明をさせていただきます。
この後ご説明をさせていただきますけれども、資料3-1に書いてございますとおり、今年の5月にストックホルム条約のCOP11というものにおきまして、附属書の改正が行われまして、三つの物質が、製造とか輸入が禁止される対象になる附属書Aというものに追加されました。これを踏まえまして、これを担保するために化学物質審査規制法の第一種特定化学物質に追加することについての意見を求める旨の諮問が7月に環境大臣から中央環境審議会の会長のほうにされまして、会長から環境保健部会のほうに付議されたという手続が進んでおりました。
環境保健部会においては、従来、部会に付議された案件を小委員会に付託するときに、部会で小委員会に付託しますという審議をしておったのですけれども、確認しましたところ、先ほどの石綿小委員会の資料の中にも、小委員会、専門委員会の設置について、という資料がございましたけれども、化学物質審査小委員会につきましては、今もうある委員会でございまして、その調査審議事項の中に含まれる付議事項であれば、1回1回部会で審議しなくても、そのまま小委員会で議論をすることができるという取扱いになっているということが分かりました。
今、ご覧いただいておりますように、化学物質小委員会の(2)が審議事項なんですけれども、後段のほうに、「その他同法に基づく」と記載があり、化学物質審査規制法に基づく個別の化学物質の審査及び規制に係る重要な事項に関する調査審議を行う、となってございまして、化学物質審査規制法の、今回は第2条第2項に規定する第一種特定化学物質の指定に係る政令を改正したいという趣旨で諮問をしておるのですけれども、その政令を定めるに当たっては、化学物質審査規制法の第56条第1項第1号で、定めるに当たっては審議会に諮問しなければならないと、諮問することが定められておりまして、そういう意味では、これは、この重要な事項にもちろん含まれるということで考えてまいったものでございますから、わざわざ、小委員会に付議することについて、部会で改めて審議する必要はなかったというふうに分かりましたので、本日、改めて整理をしまして、ご報告事項とさせていただいた次第でございます。
以上が説明になります。内容につきましては、担当室長の清丸室長よりご説明させていただきます。
○清丸化学物質審査室長 化学物質審査室の清丸と申します。私のほうからは2件、報告させていただきます。
一つ目が、POPs条約の附属書改正に係る化審法に基づく追加措置について、メトキシクロル、デクロランプラス、UV-328という、この三つです。資料は3-2-2で、通し番号でいきますと、14ページからスライドを使ってご説明申し上げます。
ただいまの東條課長の説明のとおりでありまして、既に一度、7月に化学物質審査小委員会でご議論いただいておりまして、本件につきましては報告という形で説明させていただきます。
スライド15でございます。
簡単なおさらいですけれども、ストックホルム条約、残留性有機汚染物質の頭文字を取ってPOPs条約について、毒性があり、分解しにくく、生物中に蓄積され、長距離を移動すると、こういった物質につきまして、国際的な取組、枠組みが必要ということでできた条約でございます。我が国としましては2002年8月に締結しまして、2004年5月に発効しているものです。この締約国会議は、概ね2年に1回開催されておりまして、今年の5月が直近ですけど、これまで11回開催されていると。あと、これと併せて専門的・技術的な事項を検討するものとしまして、COPの下に残留性有機汚染物質検討委員会、通称POPRCと呼んでおりますけども、このPOPRCで、まず技術的な事項について審議され、COPに上がっていくというふうになってございます。
次のスライドをお願いします。
POPs条約に基づいて各国が講ずべき対策ということで、非常に細かい文字で物質名が並んでおりますけれども、製造・使用を禁止するものですとか制限するもの、非意図的生成から生ずる放出を削減するものということで、各種の物質がこれまで附属書A、B、Cに定められてきたところでございます。今般のご報告は、この1.の最後に赤字で書いております3物質ということになります。これらの物質につきまして、3.の下の米印に書いてございますけれども、附属書の発効としましては、国連事務局が各締約国に通報してから、ちょうど1年後です。その1年後までに、国内各国で担保するための措置を講ずる必要があるというものになります。この物質につきましても、5月のCOPということで、恐らく年末にはその通報があると思いますので、そこから1年以内に何かしらの形で法的な措置を取る必要があるということになります。
次のスライドをお願いします。
直近のPOPRC及びCOPの状況でございまして、この3物質に関する説明となります。POPRC18及びその一つ前の17で、これらの物質についてそれぞれ議論されまして、締約国会議、COPに上げようということで、今年の5月、COP11になりますけれども、3物質を附属書Aに追加することが決定されたところでございます。
次、お願いします。
物質によりましては、その適用除外の規定というのがございまして、とにかく禁止というものもあれば、こういう用途のみ使ってもいいというものがございます。附属書Aの中では、順にいきますと、殺虫剤として使われておりますメトキシクロルについては、適用除外の規定はなしとなります。あとデクロランプラス、UV-328というそれぞれの物質につきましては、まだ前者でありましたら、航空宇宙ですとか防衛産業ですとか、あと後者でありましたら自動車部品にということで、適用除外の規定が適用されるというふうに条約上なってございます。米印、下で注釈ございますけども、この適用除外の規定につきましても、発効した日から5年を経過した時点で、個別に規定がある場合を除き、その効力というのは失われると、適用除外の規定は5年たつと自動的に消えてしまうというものになっております。
次、お願いします。
こうした国際的な動きを踏まえた国内の対応でございますけれども、受皿の一つとして、化学物質審査規制法、通称化審法と呼んでおりますけれども、ございます。この法律は昭和48年、PCBによる健康影響等々を背景にできた法律でございまして、当初、経済産業省、通産省と厚生省ですね、その所管ということでスタートした法律でございます。
目的は、人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息・生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質による環境の汚染を防止するということで、その手段としまして、新規の化学物質の製造・輸入に際しまして、事前に審査するという制度が柱の一つ。あともう一つは、化学物質の性状に応じて、製造であるとか輸入であるとか、さらには使用ですとか、そういったものについて必要な規制を行うという手段を持っている法律でございます。
具体的には、下の枠囲みにありますけれども、現在は厚労省・経産省・環境省の共管で、3省で運営してございまして、実務としましては、3省がそれぞれ持っております審議会の合同審議会、環境省の場合ですと化学物質審査小委員会でございますけれども、その合同の審議会で化学物質に関する実際の審査・リスク評価を行っているところでございます。
次のスライドをお願いします。
化審法に基づく担保措置ということで、一特と呼んでおります第一種特定化学物質につきまして、概ねPOPs条約で指定されている物質が当てはまるところですけれども、①から⑤のように、法律で使用の制限でありますとか、そういった規制措置を定めているところでございます。
次のスライドをお願いいたします。
今回この3物質について、今後の予定、これまでも含めての説明となりますけれども、上にございます令和5年7月ということで、まず、この条約での決定を受けまして、3物質に関して、化審法上の追加措置についての諮問、環境大臣から中央環境審議会への諮問、あと環境保健部会への付議というものが行われてございます。説明は本日省略しておりますけれども、諮問と付議につきましては、資料の3-2-1、通しで言うと11ページからになりますので、必要に応じてご参照いただければと思います。
7月以降ということで、3省の合同審議会、化学物質審査小委員会での審議が行われておりまして、先ほどのスライドでは①から⑤についてご審議いただきたいと書いてあったところですが、実際には、7月21日の小委員会で、まず1回目の審議を行っております。この7月21日の審議では、これら3物質につきまして、第一種特定化学物質の指定が適当という結論が得られたところでございます。これで終わりではなくて、今後、輸入禁止製品や特定の用途以外の使用制限についても、具体的に、この3省の合同審議会で検討するということを予定してございます。
さらに、下段のほうにいきますと、その後、ご審議いただき、何かしら答申がまとまった後には、TBT通報・パブリックコメントを経て、政令改正ということを予定してございます。
以上が、一つ目の報告でございます。
続きまして、二つ目の報告でございます。
資料3-2-3、通しで22ページになります。こちらはPOPs条約の附属書改正に係る化審法に基づく追加措置及び今後の予定ということで、PFOA関連物質、あとPFHxSまたはその塩の関係ということです。これらの物質につきましては、既に答申をいただいておりまして、その後の進捗についてのご説明となります。
スライドの23になります。まず、PFOA関連物質でございます。このPFOAにつきましては、令和元年以降、長きにわたってご議論いただいているものでございます。正確に言えば、PFOA又はその塩につきましては、既に第一種特定化学物質に政令改正で指定されておるのですけれども、PFOA関連物質、すなわち分解することによって結果的にPFOAになり得るという、そのもとの物質になるんですけれども、PFOA関連物質については引き続き議論を行っているというところでございます。その経緯がここのスライドに書いてございまして、まずスライドのないところからいきますと、令和元年度にご審議いただきまして、一次答申、二次答申をいただきました。一特に指定することが適当であり、こういう措置をすることが適当であると。その後、答申を受けましてパブコメを実施したところ、PFOA関連物質の指定する範囲でありますとかエッセンシャルユースの指定について追加の検討が必要であることが判明しまして、ここのスライドにあります令和3年以降も再審議という形で検討を続けてきているところでございます。その結果は、令和4年7月に第三次答申、第四次答申ということで答申をいただいたところでございます。
現時点ではというと、まだ対象物質の詳細について検討が必要な状況というところでございます。なぜかといいますと、現時点でPOPs条約事務局では、附属書Aに指定した後も、どの物質をPFOA関連物質として例示するのかということについて、現時点でもその検討が続けられている状況でございます。来月になりますけれども、今年10月の第19回のPOPRC、技術的な検討をする会議ですけれども、ここでもアジェンダの中にPFOA関連物質が挙げられておりまして、その詳細な情報がまだ手元には届いておりませんけれども、3省としましては、POPRC19の議論によっては、また対象物質についても変更があり得るのではないかというふうに考えてございます。こういったPOPRCの議論も見据えた上で国内法令を定める必要がありまして、現時点でも答申をいただいているんですけれども、まだその後の作業は進んでいないという状況となります。
今後の予定としましては、POPRCの傾向も踏まえてでありますけれども、政令改正に関するパブコメ、TBT、あと政令改正というふうに進めていきたいと考えているところでございます。
次のスライドをお願いします。
私からの最後の説明になりますけれども、PFHxSになります。こちらにつきましては、当初、48回目の部会、令和4年7月の環境保健部会でご審議いただきまして、その後、化学物質審査小委員会で、令和4年11月、あと今年の1月にご審議いただいたところです。その結果、今年の7月ですけれども、答申をいただきまして、報道発表してございます。現時点では今、TBT通報を行っているところでございまして、今後パブコメと、あと閣議決定で政令改正をするということで、でき得れば、1月の中旬には一特の指定まで持っていきたいというふうに考えているところでございます。
私からの説明は以上でございます。
○大塚部会長 どうぞ続けてください。伊藤室長、お願いします。
○伊藤特殊疾病対策室長 特対室長の伊藤です。
それでは、続きまして、脳磁計とMRI等を活用した水俣病の健康調査のあり方に関する研究公募の結果について、資料3-3により説明させていただきます。通し番号の26ページをご覧ください。
前回の第50回環境保健部会におきまして、脳磁計とMRIを用いてメチル水銀の脳への影響を客観的に評価するための研究結果の整理について報告したところでございますけれども、今回、これらを活用した健康調査のあり方の検討について研究公募手続を行い、1件の研究班が採択されたため、ご報告いたします。
研究課題名は、脳磁計とMRI等を活用した水俣病の健康調査研究の調査デザイン及びその技術的な課題整理を行うための研究で、研究予定期間は3年、令和5年度の研究費は167万円となっております。主任研究者は、宇都宮市保健所保健医療監で自治医科大学名誉教授の中村好一先生です。研究概要は、こちらに示しているとおりでございますけれども、水俣病特措法第37条第1項にある健康調査研究を行う上での技術的な課題や手法等について、公衆衛生学、生物統計学、脳神経内科学の観点を踏まえて、調査デザインの検討等を行うものとなっております。
以上で説明を終わります。
○大塚部会長 ありがとうございます。では、𠮷川課長、お願いします。
○𠮷川環境安全課長 続きまして、資料3-4にて、気候変動適応法の改正及び熱中症対策実行計画の策定についてご説明させていただきます。通し番号の27ページ、28ページをご覧ください。
28ページ、熱中症対策については、冒頭部長からも申し上げましたとおり、これまで保健部会においてご議論をいただいてきたところでございます。そして、先の第211回国会において、変動適応法及び独立行政法人環境再生保全機構法の一部を改正する法律が可決成立し、本年5月に公布されております。主な改正点4点、次のスライドからご説明いたします。
1点目は、政府による熱中症対策実行計画の策定についてです。これまで環境大臣が議長を務める熱中症対策推進会議において、法的な位置づけのない行動計画を策定していましたが、今般の改正により、熱中症対策実行計画として法定計画に格上げされました。これにより、関係府省庁間の連携を強化し、政府一体となった熱中症対策を推進することとしております。
次のページ。2点目は熱中症特別警戒情報についてです。
現在、環境省、気象庁において熱中症警戒アラートを運用しておりますが、これを熱中症警戒情報として法律に位置づけました。また、より深刻な健康被害が発生した場合に備え、一段上の熱中症特別警戒情報が創設されました。
次のスライドをお願いします。
こちら、参考までに、現行アラートの仕組みについてです。暑さへの気づきを呼びかけるための情報として、暑さ指数が33を超える予測地点があった場合に発表しております。
次、お願いします。
こちらが一段上の熱中症特別警戒情報についてですが、先週6日に開催した検討会において、一つの都道府県内の、全ての暑さ指数情報提供地点において、翌日の暑さ指数が35に達すると予測された場合に発表するということで、言葉の使い方など、ちょっと議論がありまして修正予定ですが、内容については了承いただきました。
次、お願いします。
こちら、例外基準について、今後検討をしてまいりたいと考えております。
次、お願いします。
3点目は、指定暑熱避難施設制度、いわゆるクーリングシェルターの創設についてです。今回の改正では、極端な高温時への対応として、市町村長が指定暑熱避難施設を指定できることとされました。
次のスライドで、これも先週の検討会でご議論いただいた基準でございますが、こちら、住民その他の者を滞在させるために必要かつ適切な規模のものということで、法定事項の冷房設備を有することということに加えて、省令で定める基準を議論していただいたのですが、こちら、地方自治体独自の判断を極力妨げないよう、最低限の基準ということでまとめていただいておりまして、実務上の参考となる情報のほうを、手引きの形で幅広く情報を盛り込んでまとめていく予定でございます。
次のページ、スライド、クーリングシェルターの国内外の事例をまとめたものです。
続きまして、4点目でございます。熱中症対策普及団体の指定についてです。熱中症対策においては、独居老人等の熱中症弱者に対する見守りや声かけが重要となっております。このため、市町村長が熱中症対策の普及啓発などに取り組む熱中症対策普及団体を指定できることとされました。
次のスライドが、熱中症対策に係る地域の民間団体の活動事例となっております。
続きまして、熱中症対策実行計画の策定についてです。改正法の全面施行は来週の予定ですが、それに先立ち、本年5月に改正法に基づく実行計画を閣議決定しております。この計画では、2030年に熱中症による死亡者数を現状から半減することを目指すとの高い目標を掲げ、熱中症対策の一層の強化を図ることとしております。
次のページ、お願いします。
こうして、関係府省庁で連携して取組を進めておりますが、今年の夏、冒頭、部長から申し上げましたとおり、非常に暑かったということで、こちら、気象庁の資料で観測された気温等の情報でございますが、この夏、北日本、東日本を中心に記録的な高温であったと。猛暑日の延べ地点数も2010年以降で最多となっておりまして、夏の日本の平均気温、都市化の影響を受けにくい15地点の平均気温で見てということですが、1898年の統計開始以来で最も高かったと聞いております。
続きまして、こちらは暑さ指数のほうです。東京や大阪など国内6都市における日最高暑さ指数のほう、このピンクの部分が例年より高かったという部分でございまして、今年度、全国における熱中症警戒アラートの発表回数も、本日までに、この表では1,182となっておりますが、本日までに1,200回を超えている状況という状況でございます。
続きまして、熱中症の搬送人員数ですが、これも5月から9月10日までの間に、今年、8万5,149人となってございまして、昨年の同期間を1万7,000人以上、上回っているという状況でございます。来年以降も、こうした厳しい暑さに見舞われる可能性がございます。熱中症対策の一層の推進のため、環境省では来春の改正法の全面施行に向けた検討を進めているところであり、円滑な施行に向けて引き続き取り組んでまいります。
続きまして、こちら、参考資料のほうは、後ほどご覧いただければと思います。
資料の3-5、花粉症に関する取組のほうをご説明させていただきます。
環境省では、花粉症に関する取組として、毎年NPO花粉情報協会の方々にご協力をいただき、また、林野庁のほうとも連携をいたしまして、スギ雄花の着花量を見る花芽調査と、それからスギ・ヒノキ花粉飛散量の実測調査というものを実施して、公表してまいっております。また、国民の皆様に向けた「花粉症環境保健マニュアル」を作成、公表してまいりました。環境省では、このような取組を実施してきたところですが、次のページに移っていただきまして、本年4月、花粉症について政府一体となって取り組むため、内閣官房長官を議長とし、農林水産大臣及び環境大臣を副議長とする、花粉症に関する関係閣僚会議が設置されたところです。
続きまして、こちらはちょっとビジーな図で恐縮ですが、本年5月に開催された関係閣僚会議のほうで、今後10年を視野に入れた政策というのも含めて、花粉症という社会問題を解決するための道筋を示すものとして、花粉症対策の全体像が取りまとめられております。当省においても、全体像に示された対策、飛散対策ですとか、あるいは環境保健マニュアルに基づく予防行動の情報発信、こういったものにしっかり取り組んでまいりたいと思います。
続きまして、資料3-6は、化学物質関係の主な国際会議についてでございます。
まず、化学物質関係の主な国際会議のスケジュールでございますが、環境全般の会議ということで、今年4月にG7気候・エネルギー・環境大臣会合が開催されております。また、化学物質管理全般に関する会議として、SAICMの次期枠組みの採択を予定した第5回国際化学物質管理会議が9月25日からドイツで開催されます。その他、化学物質・廃棄物の適正管理及び汚染の防止に貢献する科学・政策パネルの設置のプロセスが開始されております。条約関係では、バーゼル、ロッテルダム、ストックホルムの3条約締約国会議が今年5月に開催されたほか、水俣条約の締約国会議が今年10月末に開催されます。
次、個別の国際会議についてでございます。4月のG7気候・エネルギー・環境大臣会合では、成果文書であるG7コミュニケの汚染に関する章の中で、既存の国際交渉プロセスなどへの継続的な貢献のほか、地域的・世界的に鉛の汚染とばく露を最小化し、途上国支援を強化する点などが合意されております。
続きまして、国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ、通称SAICMの次期枠組み交渉につきましては、9月25日からの第5回国際化学物質管理会議、通称ICCM5を前に、新規枠組みの文書案を最終化すべく、今年2月から3月にかけて会議間プロセスの再開会合が開催され、主要なテーマについて議論がされました。これを経て、新規枠組みの文書、次のページでお示しする構成となっております。
こちら、いまだ議論が多いセクションとして、主に五つの戦略的目的案に向けたターゲットですとか資金確保の在り方が挙がっております。また、序文や原則、アプローチといった部分については、まだ参加者全体での議論が行われていない状況です。これらの点については、ICCM5の直前に、会期間プロセスIP4.3の再々開会合が開催され、合意に向けた交渉を行う予定です。
続きまして、スライド5のほう、こちらは新規枠組みの特徴ということで、現行のSAICMのマルチセクターアプローチをさらに前進させるというところが挙げられておりまして、様々なセクターの関与を強化するための方策が検討されている状況です。マルチステークホルダーというところに加え、それぞれのセクター、部門のステークホルダーが、化学物質と廃棄物の適正管理への関与を強化するための方策が検討されております。
次、お願いします。
続きまして、こちらは昨年2月にケニアで開催されたUNEA国連環境総会での決議事項に関連した進捗についてです。国連環境総会では、化学物質・廃棄物の適正管理及び汚染防止の分野で、独立した政府間科学・政策パネルの設置が決議され、今年の1月から2月にかけて第1回臨時公開作業部会が開催されました。人の健康と環境を保護するため、この分野における科学的知見と政策の連携を強化することが目的であり、スコープや機能はご覧いただいている資料のとおりです。パネルの具体的な設計を行うための第2回公開作業部会は今年の12月、第3回の2024年6月の設置交渉終了を目指して検討が進められております。
最後、こちらは今年5月に開催されたストックホルム条約の締約国会議に関する資料ですが、先ほどのご報告事項での説明と重複いたしますので、検討された事項のほう、資料をご参照いただければと思います。
以上です。
○大塚部会長 ありがとうございます。では、清水室長、お願いいたします。
○清水環境リスク評価室長 環境省リスク評価室の清水です。
私のほうからは資料3-7、エコチル調査基本計画の改定について説明させていただきます。
1枚進みます。エコチル調査は、もう何度も説明しておりますが、化学物質の環境要因が子どもの健康に与える影響を解明するために、2010年度から開始しております。当初は12歳までの基本計画を策定しておりましたが、検討会での議論を踏まえまして、13歳以降についても調査をするべきということになりまして、企画評価委員会のほうでご審議いただき、ご了解いただいて、令和5年3月30日に発表させていただいております。
もととなった検討会報告書については、昨年の7月の環境保健部会で既に説明させていただいておりますので割愛させていただきますが、延長は、12歳以降18歳に至るまで、17歳364日までというのか、18歳達するまでとなっております。それまでは、18歳以降は本人同意が必要となりますが、18歳に達するまでは、基本的には親御さんの了解、ご両親の同意で研究を進めていくこととなっております。
続きまして、2枚進みまして、資料63ページ、最後のページになります。
PFASに関する今後の対応の方向性ということで、こちらの資料についても私のほうから説明させていただきます。なお、これは水局が開催している会議でまとまったものでありまして、環境保健部主催ではないんですが、環境保健部からも幾つか関与する部分がありますので、その点は赤字にさせていただいております。そもそも、この対応の方向性とは何かといいますと、PFASの中の化学物の一つであるPFOS、PFOA等につきましては、人の健康の保護の観点から、今現在も科学的な議論が様々行われておりまして、POPs条約においても規制対象物質とされております。
ただ、これまで環境省や都道府県が実施した水質モニタリング調査、これは水課のほうの話なんですが、局地的に比較的高濃度のPFOS、PFOAが検出された地域の自治体、住民からは、その影響に関する不安の声が上がっておりまして、PFOS、PFOA以外についても含めて、それ以外についても、各国各機関において、現在議論されているところとなっております。
こうした状況を踏まえまして、専門会議におきまして、国内外の科学的知見及び国内での検出状況の収集・評価を行って、これらを踏まえた科学的知見に基づくPFASに対する総合対策について、4回にわたって検討が行われております。結果として、PFOS、PFOAとは何かについてまとめたQ&Aと、今後何をしていかなくてはいけないかということが書いてある今後の対応の方向性ができており、このポンチ絵、このスライドは、今後の対応の方向性についてまとめてあるものです。
保健部に関係していますのは、主に3点ありまして、一つ目ですが、管理の強化等、左側の上のほうにあります。PFOS、PFOAについては、まだ健康影響は必ずしも十分分かっていない部分がありますが、やはり新たな環境中への排出を防ぐことは、高蓄積性、難分解性といった特徴を踏まえると非常に重要でありますので、泡消火剤等の市中在庫量の把握ですとか、それのさらなる代替促進ということがうたわれております。右側の赤字でも書いてありますが、それ以外の、PFOS、PFOA以外のものについても、しっかり取り組むことが言われております。
二つ目ですが、化学物質の人ばく露モニタリング調査の本調査の実施に向けた検討という言葉が、左側の四角の一番下に書いてあるところです。現在、環境省では、POPs条約で規定されている非有効性評価のために、一般的な国民の皆様のばく露状況の経年変化を把握することを目的として、化学物質の血中濃度を測定しております。現在、課題整理のためのパイロット調査といいまして、どのようにすれば一般国民のばく露状況を知ることができるかといったことの課題を整理しておりまして、これについては本調査の実施に向けて検討を進めるべきというふうになっております。
最後、一番下にありますが、まだまだPFOS等については、PFOA等を含めて、PFASに関しては、知見が不足している状況なので、既存の知見の収集のみならず、国内でもしっかり関連する研究、例えばエコチル調査といったものを推進すべきとなっております。
私からは、以上のとおり報告させていただきます。
○大塚部会長 大変盛りだくさんでありましたけれども、報告をしていただきました。ありがとうございました。
それでは、ご質問、ご意見がある方につきましては、会場の方は名札を立てていただき、WEB参加の方は挙手アイコンでお知らせください。順次、お名前をお呼びいたします。WEB参加の方は、先ほどと同様、ご発言の際に、ミュート解除を忘れずにお願いいたします。では、よろしくお願いします。
どうぞ、お願いします。片山先生ですか、お願いします。
○片山委員 ありがとうございます。私から3点、意見させていただければと思います。
まず、熱中症対策ですが、今回の気候変動適応法の改正によって、政府においても対応が進んでいるということで、我々としてもさらなる実施、熱中症対策のさらなる実施というのを期待したいと思いますので、よろしくお願いします。とりわけ職場については、厚生労働省のほうから、「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」というのが呼びかけられておりますが、その実施要領についても指摘され、指南されているということですが、さらなる浸透が必要だというふうに感じておりますので、省庁連携の中で連携して対応できればと思いますので、よろしくお願いします。
次に、花粉症の取組ですが、資料の51ページの花粉症対策の全体像を見ていただくと、発生源対策のところに、林業の生産性向上と労働力の確保というのが入っておりますが、ここは一義的には農林水産省かと思いますが、やはり林業の生産性向上と労働力の確保というのは、かなり難しい問題であるし重要な課題だというふうに思っております。林業というのは、花粉症対策でなくCO2の吸収源としてもポテンシャルが期待されているところでありますので、人材の確保というのをきちんとできるように、処遇の改善につながるようなところをきちんと対応していただければと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
あと、最後にポストSAICMですが、資料57ページにもありましたが、マルチセクターアプローチというのが、この間、IPでの議論を通じてさらに高められたというふうに聞いておりますが、我が国でも、これに応じた国内実施計画の見直しに着手されるというふうに思いますが、労働組合も含めたマルチセクターの関与を図りながら、さらなる安全対策ですとか専門人材の育成につながるような取組を期待したいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
以上です。
○大塚部会長 ありがとうございます。では、川本委員、お願いします。
○川本委員 川本です。熱中症について2点申し上げます。
まず、私ども中央労働災害防止協会は、職域における熱中症対策のお手伝いをしておりますけれども、この度特別警戒情報が出されるとしますと、事業所では何らかの対応が必要な場合もあるかと考えます。ただ、まだ特別警戒情報については、あまり現場のほうでは知られていないようですので、屋外作業を中心とした事業所、あるいは事業所が対応を考える時間、対策を練る時間が取れますよう、できるだけ早く周知していただければと思います。
それから、二つ目ですけれども、クーリングシェルターについてお聞きします。クーリングシェルターは、時間がたちますと、避難者に帰宅していただくことになると思いますけれども、帰宅していただくときには、どういう条件とか、また案内をどうするかということを、お考えになっていらっしゃると思いますけれども、きちんと考えていただければと思います。
以上です。
○大塚部会長 ありがとうございます。では、鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員 ありがとうございます。私もこの科学・政策パネルについて、一応コメントを申し上げます。
これは私も、毎回、私の思い入れがあるので申し上げてございますが、ぜひお願いしますということでありますけれども、この化学物質に関する課題について、先ほど、マルチセクターアプローチとか、マルチステークホルダー、いろんなことがございます。この話は常にIPCCやIPBESと対比されるような話でありますけれども、私自身が自分の経験で理解する限り、科学・政策パネルは、たくさんのセクター、たくさんの関係者や機関が存在していまして、それぞれの方が立派に活動されているんですが、それらを何か、またぐようなと言うと語弊があるかもしれませんけれども、何か横断的に取り組まなければいけない課題になったときに、逆にそれが足かせになるということがあると、正直言って、私としては思っているところございます。この科学・政策パネルに何を期待するかというのは、いろんな、これから政府によって議論されるのだと思いますが、恐らくこの科学者の集団というものをうまく使うことによって、日本国内の政策も、より有効に、効率的に進めていく手段が、私は達成できると思っていますので、各国際機関のいろんな意見があるらしい噂は、実は、認識はしておりますけれども、ぜひ日本政府として有効に使っていただくような施策を、頭を練って、攻めていただければなということを、私としては期待いたします。
先ほど、PFASの話でも少しありましたが、PFASでもたしか申し上げておりましたが、そういう課題にも、恐らく基本的には関連し得るものだと私は思っておりますので、私の思いではありますが、一科学者としては間違った方法ではないと私は思っておりますので、一応、ぜひご検討いただきたいということで意見を申し上げます。
以上です。
○大塚部会長 ありがとうございます。そうしましたら、WEB参加の先生方のほうに移りますが、一政委員、お願いします。
○一政委員 自工会から一政が、エコチルについての質問と、それからPFASについてのコメント、二つをさせていただきたいと思います。
まず、エコチルでございますが、今まで12歳までの調査でしたけれども、今回13歳から40歳までと大幅に延長され、思春期から成人に罹患する疾病について、また遺伝的な要因も併せて調査されると理解します。エコチルは、大気汚染が胎児から12歳までの子どもに与える影響、これまではぜんそくが主な対象疾患だったと記憶しておりますけれども、大気汚染が低くなってきた現在、少し方向転換をしてきたのかなというふうに受け止めております。
ところで、13歳から40歳をターゲットとしている思春期に発症しやすい疾病や、40歳頃をピークとして発症するといわれている花粉症などのアレルギー疾患などがあるのだと勝手に思っておりますが、どんな疾患を対象に考えて13歳から40歳までの対象期間延長をしたのか、教えていただければと思います。
次に、PFASについてのコメントでございます。自動車メーカーは、多くの部品にPFASを使用しております。昨今、欧米の様子から早急に取り組むべき課題と判断され、今回の方向性の提示と理解しておりますが、自動車業界としては、まず代替品を探すこと、代替品が見つかったとしても、同様の耐久性や使い勝手など、細かいところまで調べるとなると、移行への猶予期間が長く求めたいところであり、慎重に対応していきたいと考えております。
以上で、私からの質問とコメントとさせていただきます。
○大塚部会長 ありがとうございました。では、奈良委員、お願いします。
○奈良委員 奈良です。どうもありがとうございます。
私からは、資料3-8のPFASに関する今後の対応の方向性について、一つは感想と、もう一つはお願いをしたいと思っております。
まず、感想です。PFASの問題というのは、一つには、これによって影響を受けるステークホルダーが多いこと、もう一つには、未知性が大きい・分からなさが大きいというリスク特性があること、この2点から、リスクコミュニケーションが必須の営みになってくると考えています。その意味から、今後の対応の中にリスクコミュニケーションが盛り込まれていることは大変よいと評価しながら見ておりました。まず、これが1点です。
その上で、次にお願いです。Q&A集について、不断に見直しをしていただきたいと思っております。このQ&A集を使う方々としては、市民に向けて説明を行う行政の担当者がいらっしゃるかもしれません。また、説明を受けた市民の側かもしれません。あるいはまた、事業者の方かもしれません。こういった様々な方がこのQ&A集を参照することになると思います。そういった方々から、説明は分かりやすかったかとか、どこが分かりにくかったかとか、さらに何が知りたいのかとか、そういった意見をぜひもらっていただいて、それをQ&A集にまた戻し入れて、さらによいQ&A集を、不断に、恒常的に更新していくということをしていただければと思っています。
その際、一つ前の資料でありましたエコチル調査では、一般の方にとっても分かりやすいリスコミ用のガイドブック、リーフレットを作っています。ぜひそちらも参考にしていただけるとよいのではと思った次第です。
私からは以上です。ありがとうございました。
○大塚部会長 ほかにはよろしいでしょうか。
すみません、私からも一つ、申し訳ありませんが、ちょっとお伺いしておきますが、このポストSAICMの動きですけれども、これは日本だけがやれることではないので、とても大変だと思いますが、生物多様性のほうの、昆明・モントリオールの生物多様性の枠組みの動きが進展していますけど、そちらの動きが結構、最近、進歩が激しいようなところがあるかなと思っていまして、30by30の話も出てきましたし、化学物質との関係でも、有害農薬とか化学物質についての汚染の削減、2030年までにリスク半減ということを生物多様性のほうから言っているわけです。生物多様性締約国会議のほうですけれども。それで、SAICMのほうは、2020年のSAICMの化学物質の生産使用に関して、人の健康とか環境への著しい影響を最小とするという目標を出しましたが、残念ながら達成していないということになると思いますけど、そもそも最小化とは何かというのがはっきりはしませんけども、これはそもそも各国の工業とかと関係するので、そんなに簡単ではないと思いながら申し上げているつもりではありますけども、生物多様性のほうの対応に比べると、ちょっと緩やかな感じはいたしますが、どんなふうに2030年の目標について立てていくかということについて、2020年の目標と同じことになるのかという辺りがちょっと気になりますけども、もし何かコメントをいただけたら大変ありがたいと思います。
ほかにはよろしいですか。では、高村先生、どうぞ。
○高村委員 大塚先生、どうもありがとうございます。資料の3-6の化学物質関係の主な国際会議についてに関わって、二、三点申し上げたいというふうに思っております。
1点目は、先ほど既に鈴木委員からご指摘のあったとおりでありますけれども、化学物質関連の、これは廃棄物や汚染も含めて、国際的な交渉や、あるいは国際的な専門家の会合を持たれていまして、ぜひエビデンスに基づく化学物質管理を進めるという観点からも、ぜひ日本としても力点を置いて、しっかり参加をしていっていただきたいというのが1点目です。これは鈴木委員が既におっしゃった点です。
二つ目が、ポストSAICMについて、資料、ご紹介をいただきました。この中で、やはり非常に重要だというふうに思っておりますのは、マルチセクターの関与の強化のところでも、バリューチェーンにわたった管理、あるいはデューデリの養成ということが、産業界のセクターの関与の強化という観点で触れられているという点であります。こちらは今、一つは、環境を含むサステナビリティ情報の企業の開示の中でも、当然こうした化学物質に関わる業態の企業には、こうしたディスクロージャーが求められてくるようになっているというふうに思いますし、既に国際統合基準やウォッシュの開示基準の中では、化学物質の特定はしていないものの、マテリアリティに応じた開示が求められるようになっていると思います。その点でしっかり、やはり、そうした企業の金融市場における価値をしっかり評価をしていただくための、開示のために必要な支援というものを考えていく必要があるというふうに思っています。特に、具体的には、化学物質管理でいきますと、こうした化学物質に関わるデータのシステム、特に、先ほど言いましたように、バリューチェーン全体をわたった把握、例えば企業でいきますと、連結の会社について、こうした情報を集めて開示をすることが求められるようになり得る、なってきているというふうに思っていまして、今、一つ情報基盤の強化という点でも、国としてどういう対応が可能かということについては検討いただきたいと思っているところであります。
3点目でありますけれども、今の点にも関わりますが、ちょうど今、総合政策部会を中心に、特に次の第六次の環境基本計画の議論を始めているところであります。大塚部会長もそのメンバーとして参加、出席をしてインプットしていただいておりますけれども、やはり化学物質管理、さらに言いますと、保健部会で扱っていらっしゃる議題というのは、まさに人の命と健康、Well-beingを向上させるという意味で、極めて重要な分野だというふうに思っていまして、特に、次の、第六次の環境基本計画は、30年頃を見越した政策を進めて検討していく、そういう基本計画の議論だと思っております。先ほど言いましたように、大塚部会長がメンバーですので、部会長を通じてということでもありますけれども、一度、ここ数年を見越した日本の保健部会が所管をしている領域の政策について議論をする、そういう機会を持ってもいいのではないかというふうに思っております。
以上です。ありがとうございました。
○大塚部会長 大変幅広いご指摘をいただきまして、ありがとうございます。
ほかにはよろしいですか。では、青木委員、お願いします。
○青木委員 ありがとうございます。いろいろな問題について、様々なご指摘があったところだと思うんですが、ちょっと細かいところなんですけれども、特にご指摘のなかった問題がありましたので、幾つか述べたいと思います。
一つが、熱中症対策について、これは資料の37ページのところにございますけれども、私もこれ、専門家というよりも、むしろ生活者としての感覚でございますが、やはり改正後という、ちょうど今カーソルを当てていただいているところですね。熱中症対策普及団体というのは非常に大きな力を持つことになるのではないかと思います。特に、そのような中で、地域それぞれ、地域によって異なった団体が関わってくることになると思いますので、そこは地域の実情に合わせた普及啓発活動でございますけれども、これはやはり、地域より、それができるような形で運用はしていただきたいなと思います。
それから、若干補足でございますけど、本年は様々な局面で、放送とかでも、熱中症対策については様々な呼びかけが行われたということは、現実に熱中症を防ぐという意味で、私の周りを見ていても大きな対策になっていたのではないかと思いまして、そこは本年の、特に気候の、今年暑かったということも含めて、非常に大きな効果があったのではないかと思っております。
それから、エコチルについて、ちょっとこれは先生からもご指摘があったところなんですけれど、やはり40歳までを視野に入れているというところ、やはり非常に大きゅうございますので、当然、実は、このことは日本の疾病の構造の将来を予測していく意味でも大きな調査になると思いますし、あと様々な場面で、10万人規模のコホートというのは国際的に見ても非常に誇れるコホートでございますので、やはり続けていただきたいと。ただそのときに、実際、調査でございますし、それがいろいろ広がっていくという面を考えますと、財政的に様々問題が起こってくると思いますので、その点はご配慮をいろいろいただけたらと思うところでございます。
それと、最後のところです。これはPFASに限らないことになってくると思うんですが、特にこの、対応についてというところの、左側の箱の一番下のところにあります化学物質、これは広い意味でというふうに解釈させていただきたいんですけれども、1人のばく露のモニタリング調査の本調査実施に向けた検討ということがございます。やはり、非常に現実的な化学物質のリスク評価を行うときに、ばく露のデータというのは、実は、教科書には有害性とばく露と書いてあるんです。その比較がリスク評価となるんですが、有害性については様々な公表データ、知見がありますので、それをきちんと丹念に読んでいけばよいということになるんですが、このばく露のところだけは、具体的に、ある地域なり、ここでは地域でどういうふうになっているか、そこを具体的に明らかにしていかなければいけない問題でございますので、そこはやはり大いに力を入れていただきたい。特に、これは正直申しまして、じゃあ我が国、国際的に見て、そこのところの取組は正直申しますと少し遅れているのではないかというところを心配しておりますので、ぜひよろしくお願いしたいところでございます。
以上でございます。
○大塚部会長 ほかにはよろしいでしょうか。
ありがとうございます。では、事務局のほうからご回答をお願いいたします。
○𠮷川環境安全課長 それでは、熱中症関係、それから化学物質関係について、環境安全課から回答させていただきます。
いろいろ、大変多岐にわたるご指摘をいただきまして、本当にありがとうございます。まず、片山委員からいただきました熱中症対策について、さらなる実証ということでエールをいただいたと受け止めております。職場について、厚労省での取組が展開されていること、さらなる浸透が必要とご指摘をいただきました。本当にご指摘のとおりで、川本委員からも、職域の熱中症対策をやっていく中で、特に、特別警報について現場で知られていないという問題点をご指摘いただきました。まさに、今年の9月6日に特別警報の基準案のほう、まずは基本的なところをまとめたばかりでございますが、これから秋、10月以降、自治体への説明会を経ながら、また関係の団体、業界などともきちんとコミュニケーションを取って、広めて、対策が進むようにやっていきたいと思っておりますので、ぜひ引き続きご指導いただければと考えております。
青木委員からは、この熱中症の関係で、普及団体が非常に大きな力を持つというご指摘をいただきました。まさにこれ、アウトリーチと申しますか、熱中症弱者への声かけというのが、死亡者を減らしていくということではご指摘のとおり非常に有効で、そこに力を持つのは普及団体ということで、もう既に幾つか見守りですとか声かけをやっている福祉の関係の方々との連携が行われている現場の事例なども把握しておりますが、やはり、これから全ての自治体でそういったものをやっていただけるように、環境再生保全機構での研修なども、福祉団体とも連携をしながらやっていきたいというふうに、現場の担当者たちも既に申しております。ぜひその辺をうまく使いながら、地域で実際の活動がちゃんと行われて、地域の実情に応じて普及啓発が回るように人を育てていきたいというように思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
それから、SAICMの関係、こちらについてもたくさんのご指摘をいただきました。ポストSAICMのマルチセクターアプローチのほうでは、まさに労働現場の参画というものもしっかり促していく必要があると指摘されていると聞いております。国内実施計画の策定におきましても、これまで化学物質の政策対話の中でも、労働組合の関係の先生方に入っていただいてご議論いただいてきたところでございますし、もともとこのマルチセクターの中で、労働者、労働組合というのは非常に重要なステークホルダーだということを認識しておりますので、ぜひ国内実施計画の策定にご協力、ご指導を賜れればと考えております。よろしくお願いいたします。
そして、化学物質のパネルのほうのご議論につきましても、現在、化学物質パネルの検討のほうに、日本政府からの資金的援助もさせていただいたりして、しっかりと取り組ませていただいております。これから議論がどういう分野での活動なのかといった辺りで深まっていくと思いますので、ぜひご指導いただきながら、しっかりとこの化学物質の分野の取組が進むような形で。大塚先生からも高村先生からもご指摘ありましたとおり、エビデンスに基づいた対策をしていくという意味では、まだまだ、例えばIPBESのほうで進んでいるリスクの半減というのは一体どうやって測るのかとか、いろいろと整理が必要な部分があるのかなと感じております。そういったところで、国際的な流れの中で対応できるところを検討し、日本としてもしっかり参画して活用していければと考えております。
それから、ポストSAICMの関係では、生物多様性に比べて動きが鈍いというか、進捗が緩やかなのではないかという指摘も部会長からいただきました。これについても、これからの議論という部分が大きゅうございますけれども、やはりこの分野、進捗管理というのが非常に難しかったといいますか、あまり進んでいないという部分がございまして、SAICMにおける進捗の報告というのは、特に報告様式とか何かが決まっているわけではなくて、さらには、進捗の報告をするかどうかというのもかなり自由度が高いといいますか、非常に報告率が低くて、世界全体でどうなっているのかという進捗の管理が的確にできていないというのが認識でございます。このため、今回の新しい枠組みの中では、日本から、オンラインツールの導入等によって、報告の煩雑さを下げて報告率を上げつつ、進捗を見える化するようなこと、これはIPBESでもまさに取り組まれているような、見える化、図化みたいなところ、ちょっと力を入れて主張して、まとめていければと考えております。
そういったところで、しっかりと、まずは進捗管理ができるようなところから取りかかっていければと考えているところでございます。
そして、高村先生からも、ポストSAICMの中での、マルチセクターの会議の中でのデューデリジェンスの件、それからバリューチェーンを通じた取組という部分で、特にサステナビリティ関係の企業の開示の中での対応が求められているというご指摘をいただきました。ここについては、化審室長の清丸のほうでやっていることとして、ESG金融の動きとも絡めて、いかにバリューチェーン全体を含めて、化学物質に起因する環境リスクを、こういう金融市場における開示とか、様々なツールを通じて下げていくのかというところも、開示の支援といったところをご示唆いただきましたけれども、そういうことも視野に入れながら、ぜひ検討を進めてまいりたいと考えております。こうした点、今後行われる環境基本計画の議論の中でもぜひ入れていければいいのかなと思っておりまして、この辺、ちょっとこれから、事務方としても案文を作る上で、有識者の先生方への意見を伺うような場も作っていければと思っておりますので、引き続きご指導いただければと思います。
それから、花粉の関係のところでは、林業のほう、花粉症のみならず吸収源としても大切ということで、人材の確保、処遇の改善をということでご指摘いただきました。こちら、いただいたご指摘、林野庁のほうにもぜひ伝えまして、これから花粉症対策の取組全体として強化していく流れがございますので、そういった政府全体の取組の中でしっかりと対応できるように進めてまいりたいと考えております。
以上でしょうか。何か取りこぼしていないといいなと思うんですが、そうですね、最後ありました。川本委員から、クーリングシェルターについて、時間がたつと避難者の帰宅をどう促していくかという問題。これも検討会でもご議論をいただいているところでございまして、手引集の中で、どのように対応していくのか、事例あるいは注意喚起としてまとめられればと思って、今ちょっと整理を試みているところでございます。ご指摘ありがとうございます。引き続き、検討してまいりたいと思います。
安全課関係は以上です。
○清水環境リスク評価室長 リスク室から、PFASとエコチルについて、先生方からご意見、ご感想等をいただきましたので、私のほうから回答させていただこうと思います。
一政委員のほうからご質問がありまして、これまで12歳までだったものが、13歳以降40歳程度に達するまで見ていくということで、どういった疾患が対象になっているかということですが、具体的に言いますと、精神神経疾患ですとか生活習慣病ですとか、不妊症というものが挙げられております。もちろん、不妊症も生活習慣病も、基本的にはそういった成人になってから発症してくることが多いというご指摘もありまして、精神神経疾患も、ADHDとか若年で出ますが、いわゆる統合失調症ですとかそういったものは、やはり12歳以降に出てくることも多いというような検討会でご意見がありましたので、それを踏まえて延長という形にさせていただいております。
また、エコチル調査とPFAS両方に関して奈良委員からご指摘があって、PFASについても結果が出ていけば、しっかりとそれを、今現在、分かりやすいパンフレットを作っていただいておりますので、そこを活用すべきということが、ありがとうございました。ガイドブックについては、いろんな方からポジティブなフィードバックをいただいておりまして、本日いらっしゃる堀口先生に、本当に多大なる尽力をいただいて、まとめていただいております。PFASについては、まだ実は論文が全然出ておらない状況なので、論文が出てないとなかなかまとめるのは難しいのであれなんですけど、しっかり出てきましたら、しっかり広報していくことは大事だと思っていますので、その点はご指摘のとおり、やらせていただこうと思っております。
エコチル調査について、青木委員からも、40歳までを視野に入れて予算のお話がありましたが、ご指摘のとおり、毎年60億ぐらいかかっている、すさまじいというか大規模な研究なんですよね。もうこれは、当然しっかり予算を確保できるようにやっていきたいと思います。もう十何年続いているので、単純に計算しても数百億ぐらいのお金が入っていて、さらにそれを続けるとなると、ちょっと予算確保は意外と大変ですので頑張っていきたいと思いますので、ご声援等があれば助かると思います。
奈良委員と青木委員のほうからPFASに関してご指摘があって、PFASにつきまして、その上でQ&Aについて不断の見直しをというご指摘がありました。それはまさにごもっとものとおりでありまして、しっかりと今後、科学的知見が得られましたら、適宜必要な見直しは、水課とともにしっかり協議していきながら行っていく予定です。
また、青木委員から、PFASについて、ばく露モニタリング調査ということがありまして、なかなか我が国での取組がほかの国と比較してどうなのかということもありまして、おっしゃるとおり、ヒューマンバイオモニタリングみたいな調査というのは、海外では、アメリカ、ドイツを含めてもう実際始まっているところがあるのはまさにそのとおりでありまして、韓国でも始まっています。しっかり今後、当面対応の方向性で、もうしっかり記述がありましたので、迅速に進められるように頑張りますということです。
私からは以上です。
○清丸化学物質審査室長 化審室から、一政委員からPFASに関するご指摘ということで、自動車にもPFAS製品が多く使われているというところについて、ご回答申し上げます。
PFASにつきましては、例えば欧州ですと総PFAS規制、フッ素原子が多く含まれている物質についてすべからく規制をするといったような動きも見られますけれども、結論としましては、そういう欧米の動きをアンテナ高く見ながら、適切に対応するというのがお答えになります。
例えば、よく言われておりますのはPFOS、これは泡消火薬剤に使われていたのですが、この代替物質がPFHxAという物質になります。これについては規制されてないのですが、これは紛れもなくPFASであると。それで、現時点でPFASを全部規制したらどうなるんだ、というような指摘は私も度々受けたりしております。PFASだから全てというところはさすがに難しいのですけれども、だったらその代替物質の状況、研究開発はどうなのかとか、そういったところは適切に見なきゃいけないかなというふうに考えております。
他方、総PFAS規制は対岸の火事でもありません。特に輸出企業にとっては、欧州が禁止するというのに作ったとしても、売れずにビジネスが成り立たないというような関係にございますので、引き続き諸外国の動きも見ながら、我が国の使用実態等々も勘案しながら、適切に意見を言うところは言っていかなければいけないというふうに考えております。
ちなみに、私のほうから申し上げましたPOPs条約での状況について、今ちょうどスライドが出ておりますけれども、POPs条約では総PFASというよりも個別で見ている状況でございます。これまでにPFOS、PFOA、そしてPFHxSということなんですけれども、このスライドでいくと右上の赤字のところです。物質群1ということで、現時点では、その次に控えておりますのが長鎖PFCAと呼ばれるものになります。PFOS、PFOAというのがオクタンなので、炭素の数が八つなんですけれども、炭素が九つ以上の物質をまとめてここでは長鎖PFCAと呼んでおりますけれども、これについても来月のPOPRCで議論される物質群の一つということになっております。こうした物質、個別に今後もやっていくのかとか、あるいはそういった欧州の動きがあるのかとか、またいろいろとPOPs条約などの国際交渉の場で動きがあると思いますので、そういったところについてはアンテナ高く注視してまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○東條環境保健企画管理課長 高村委員から、次期環境基本計画において、化学物質の分野が非常に重要じゃないかというご指摘があったことについてお答えいたします。
ご指摘いただきましたとおり、化学物質の観点は大変重要だと思ってございまして、今、事務局側でどういった化学物質に関する案文にしようかという検討をしておりまして、その過程では化学物質に関する有識者の方にもご意見をいただきながら検討したいと思っていまして、この環境保健部会に所属していただいている先生方のご意見もいただきながら、まず事務局でどういう文章がいいか考えたいと思ってございます。
その後、環境基本計画が、中央環境審議会、今は総合政策部会において議論されていると思いますけれども、その後、恐らく環境保健部会などでも議論をする機会が全体の中で出てくるのではないかと思っております。大塚部会長も今、総合政策部会の中で議論されておりますので、大塚部会長ともご相談しながら、高村委員からご指摘のあったことも勘案しながら、環境基本計画の中に化学物質の分野についての記載が入るように進めてまいりたいと思ってございます。
以上です。
○大塚部会長 ありがとうございました。
今の最後の点につきましては、高村先生のほうからもお話がございましたけれども、この数年を見越した化学物質の政策に関して、第六次環境基本計画との関係で、この環境保健部会でも議論ができる機会ができるといいというふうに思っているところでございます。
ほかにご質問、ご意見はございませんでしょうか。
では、赤渕委員、どうぞ。
○赤渕委員 ありがとうございます。大きく2点ございます。
一つが資料3-3の、水俣病の健康調査のあり方に関することでございます。これは、結局のところ、どういったことを行うのか。研究の概要を読みますと、調査デザインの検討等を行うということで、調査をするというわけではないようでございます。そういたしますと、水俣病患者の方々の高齢化が進んでいる中で、3年をかけて調査デザインの検討等を行うというのも、いささか悠長な気がしないでもないんですけれども、実際の健康調査をいつ頃から行うといったことを考えておいでなのかといったことをお尋ねしたいと思います。どこまで科学的、医学的に厳密、緻密に調査研究を行うかといったことにつきましては、救済法37条1項が、まさに「調査研究を積極的かつ速やかに行い」とうたっている点を踏まえますと、言わば分析まひに陥ることのないように、十二分に留意しつつ、迅速な取組が求められるのではないかと、このように考える次第でございます。
続きまして、資料3-4について、熱中症に関することでございます。これについて、細かいことが3点ございまして、最初に申し上げます2点がここでお尋ねするのが適切なのかはよく分からないのですが、ひとまず申し上げます。
まず、第一に、個人的な感覚といたしましては、暑さ指数の認知度というのがそれほど高くないような気が従来からしております。日頃の気象に関するニュースを見聞きいたしましても、それほど目にする機会が、今年ですと多少あったような気もいたしますが、あまり従来はなかったように思われるところでございます。これが環境省として取り組むべき事項なのかがよく分からないのですけれども、例えば暑さ指数の認知度を高めていくための取組ないし工夫として、どのようなことが行われているのかについてお尋ねしたいと思います。
細かい点の二つ目といたしましては、熱中症警戒アラートという名称が、一般市民にどの程度の深刻さ、あるいは切迫感を持って受け止められているかといったことでございます。この点、率直に申し上げますと、熱中症警戒アラートという名称が、やや軽いんですね。さほど深刻さを感じないような印象を受けているのでございますが、その名称の在りようが一般市民の行動変容にどれほど結びついているか、この点に関する社会心理学的な調査研究のようなものが行われているかご存じかをお尋ねしたいと思います。
この点、熱中症による死亡者だとか、あるいは重症者を本格的に減らそうとするのであれば、場合によっては一般市民の実際の行動変容をもたらすような名称の在り方についても再度検討する必要があるのではないかと、このような印象を持っております。
最後でございますが、特に今年の酷暑、これが気候変動、ひいては人為的な温室効果ガスの排出に主たる要因があるとするのでありますと、気候変動によって昨今の酷暑がもたらされているといったことを、例えばテレビにおける天気予報などを通じて広く国民に周知されるように、テレビ局、あるいは報道各社、民間の天気予報会社などと協力して進めることが必要なのではないかと思います。既に何らか取組が行われているかもしれず、この点、私が、存じ上げないだけなのかもしれませんが、こうした情報提供を通じて、国民の緩和に対する認識とか、あるいは緩和のための取組が広がることに何らか寄与するのではないかと思われますが、いかがでしょうか。以上、細かい意見を含めて4点のお尋ねでございます。
ありがとうございます。
○大塚部会長 重要なご指摘、ありがとうございます。では、ご回答をお願いします。
○伊藤特殊疾病対策室長 特殊対策室長の伊藤です。私から、水俣病の健康調査についてお答えしたいと思います。
健康調査につきましてはいつから開始するのかというような、具体的な期限につきましては、現時点では未定ではございますけれども、今回の研究班での研究の進捗状況を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。特措法が施行されてから健康調査までに時間がかかっているというようなご意見は多々いただいており、そこのところは重々こちらとしても理解しているところではありますけれども、私たちとしましても、この研究班の研究の進捗状況を見て検討してまいりたいと考えております。
○𠮷川環境安全課長 続きまして、熱中症関係、環境安全課長の𠮷川から回答させていただきます。
まず、暑さ指数の認知度が高くない、健康に関するニュースを見ても、見聞きする機会が低いというご指摘をいただきました。まだまだ普及啓発が足りていないということで、重要なご指摘をいただいたと思っております。認知度を高めていくという部分では、そのために熱中症警戒アラートというところも、メディアの方々と、どういう名称の在り方がいいのかとか、普及啓発、どのように工夫していくべきかというところを意見交換させていただきながら、気象庁と環境省で令和3年度からこの取組を始めさせていただいたというところがあるのですが、今年の夏、大分かなり幅広く呼びかけを、本当に報道機関の各メディアにおいても、これまでになく取り上げていただいたようには思っているのですが、まだまだ、おっしゃるとおり、現場に熱中症警戒アラートや、あるいは暑さ指数というものの内容、それから、どのように対応したらいいのかというところ、例えば施設管理者が何に留意したらいいのかとか、そういった具体的な行動も含めて伝わっているかというと、まだまだ浸透していないのかなというふうに考えておりますので、こちらについては引き続きメディアのご協力、それから民間企業や各種団体、そういったものとの連携も深めながら、認知度を高めていく取組を、裾野を広げていきたいと考えております。
環境省では今年、大塚製薬さんと包括連携協定を結びまして、熱中症対策アンバサダーみたいなものを広めていくような取組のほうも、大塚製薬さんから提案をいただいて講演をしているというようなところでございますが、こういったものが、どのようにしたら、さらに認知度を高めていけるのか、また、名称の在りようがどう行動変容をもたらすのか、社会心理学的な調査研究が必要というご指摘もいただきました。こちらについても、一部行動変容的なもののポスターの書きぶりで、どのように行動変容が期待できるかといったところの調査、やり始めているところではございますが、しっかりした社会心理学的な調査研究の設計というところになりますとこれからというところでございますので、ここについてもぜひ検討してまいりたいと考えております。
また、今年の酷暑と地球温暖化との関係ですね。やはり、こういったものを周知して、緩和に対する認識、取組にも寄与するのではというご指摘をいただきました。これは本当に、まさにご指摘のとおりで、我々、デコ活というものを環境省として、脱炭素に資する国民運動、行動変容を促すための取組ということで愛称を募集した上で取り組ませていただいておりますけれども、そのデコ活の一環として、この熱中症対策のほうも取組、位置づけられておりまして、省を挙げての脱炭素を目指す社会変革、行動変容の促しといった中で熱中症対策も取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
○大塚部会長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。今の点、今、図でここにありますけど、報道機関に対する周知とかのところは今回の改正で何か変わりますかね。変わらないですか、そこは。
○𠮷川環境安全課長 今回の改正で、厳密に言いますと、熱中症警戒情報と、それから特別警戒情報の発出主体、主語は環境大臣ということにはなるんですけれども、引き続き、法令の中でも気象庁のご協力をいただきながら発信をするというところは変わっておりません。そして、実務上も引き続き気象庁にもご協力いただいて、報道機関の方々にもご協力いただきながら発信をしていくということで、さらに取組を進めてまいりたいと考えております。
法令の条文のほうにも報道機関のご協力をいただく点についても記載をされているところでございます。
○大塚部会長 今、この図のところのここは別に変わらない、あんまりそこは変わらないということかなと思って、今伺いました。
○𠮷川環境安全課長 はい、そうです。
○大塚部会長 ありがとうございます。
○𠮷川環境安全課長 熱中症警戒アラート自体は、熱中症警戒情報がこれのまま位置づけられるという形です。
○大塚部会長 ありがとうございます。温暖化対策をすることに関しての国民の意識が、諸外国に比べて必ずしも高くないということが、実はアンケートがございますので、その周知、温暖化の問題と関係しているということの周知は、実は極めて重要ではないかと思います。
ありがとうございました。
では、さらにご質問、ご意見はないと思いますので、本日の議事は以上にしたいと。
どうぞ。すみません、じゃあ堀口委員、お願いします。
○堀口委員 すみません、堀口です。
いろいろなご報告ありがとうございました。私自身も幾つか関わっていることがあるので、勉強にもなりました。熱中症にしましても、化学物質にしても、エコチル調査にしても、やっぱり広報ってすごく重要だと認識しております。エコチル調査は戦略広報委員として関わっておりますが、私から役所の構造についていろいろ言うのはおかしいとは思っているんですけど、やはり広報の重要性を認識しているのであれば、今のエコチル調査の環境省のリスク室の体制からすると、1人の職員がすごいたくさんの業務を担っていて、ちょっと広報がおざなりになってしまうのではないかという、要するに、危機対応が難しいのではないかという、ちょっと懸念を持っております。なぜならば、今日、先生方のお話にありましたとおり、エコチル調査の結果は必ずしもみんながハッピーということにならない可能性があるものですから、ステークホルダーがたくさん社会の中にいます。一定の化学品に対してリスクが見つかったとか、結果が出ないとも限らない。それからすると、やはり情報をどうやって出していくのかというようなところが非常に重要になってくるかなと思っております。
それは、PFASに関するリスクコミュニケーション、63ページの部分ですけれども、今、Q&A集を活用した丁寧なリスクコミュニケーションの実施と書いてありますが、やはり、別に寝た子を起こすわけではございませんけれども、まずは平時のリスクコミュニケーションが、危機時、何かしらすごくセンセーショナルな情報が出たときに有効になってくるので、今の広報がすごく重要だと私自身は認識しております。とすれば、Q&A集だけでなく、様々な視点からの環境省からのメッセージを待っている人たちがいると思いますので、やはりそこを強化していくようにお願いしたいと思います。
以上です。
○大塚部会長 青木委員、何かございますか。
○青木委員 簡単に。
○大塚部会長 どうぞ。
○青木委員 先ほどの熱中症警戒アラートについてなんですけど、私は積極的に、小学校とか中学校で、これから法定化されるわけですから、教えるという方向でやれば、やっぱり結構、子どもの広報効果って、知っているということが大きいと思うので、例えばそういう取組、この計画全体には文科省さんも入っておられるようなので、そういうことを例えばちょっと提案されるとか。ただ、教育課程の中に入れるとまた難しいので、あくまでも任意の取組になると思うのですが、そういうことがあるのではないかなというふうに思います。
以上でございます。
○大塚部会長 では、ここでご質問、ご意見を打ち切りますが、よろしいですね。
では、さらにご回答をお願いできますか。
○清水環境リスク評価室長 リスク室の人員について、大変いろいろとご指摘ありがとうございます。そうですね、私も管理者として、ちょっとそこはしっかり心に受け止めて、人員を何とか増やすなりして、エコチル調査等もいろいろやっておりますので、大変な点がありますけど、何とかして職員の負担軽減につながるようなことはしていきたいと思いますし、PFOSに関しては、Q&A集の活用だけでは当然ないと思っておりまして、今後、知見が出てきたら、本当に、多分、皆様方にも相談させていただきながら、いろいろ発信していく方法は考えさせていただきます。ありがとうございました。
○𠮷川環境安全課長 ありがとうございます。熱中症について、学校現場での取組も、子どもたちに取り組んでもらうのも有用ではないかということで、まさにおっしゃっていただいたとおり、例えば熊谷市さんなどでは、中学生たちを、熱中症対策の、地域の熱中症声かけの要員みたいな形で位置づけて、熱中症について教えて、地域の弱者への取組部隊みたいな形で協力をしてもらっている例を聞いたことがございます。
また、あと小学校で、実際に気温と湿度を測って、暑さ指数がどのくらいというのを確認して、旗を出して、グラウンドの活動をどうするみたいなのをみんなで考える、保健委員会の活動に位置づけるみたいな事例もあるやに聞いておりますので、そういう優良な取組事例、ぜひ発掘をして、横展開を図っていければと思っております。
ご指摘ありがとうございます。
○大塚部会長 ありがとうございます。環境学習とか、学習要領に入れるとかという話が、その後、出てくるのかなというふうに思いますけれども、はい。
本日の議事は、では以上になります。事務局に進行をお返しいたします。
○東條環境保健企画管理課長 ありがとうございました。
本日は、多くのご意見、コメントをいただきまして、本当にありがとうございました。
本日の議事録は、原案を作成し、委員の皆様にご確認いただいた後、環境省ホームページに掲載いたします。
また、次回の環境保健部会の日程につきましては、改めてご連絡をいたします。
それでは、第51回中央環境審議会環境保健部会を終了いたします。どうもありがとうございました。
○大塚部会長 ありがとうございました。
午後3時53分閉会