令和4年度第5回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会 令和4年度化学物質審議会第2回安全対策部会 第227回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会【第一部】議事録

開催日時

令和4年9月16日(金)13時00分~13時45分

開催方式

ウェブ会議方式

出席:(五十音順、敬称略)

薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会委員
  稲見 圭子        小野 敦        北嶋 聡
  齋藤 文代        佐藤 薫        杉山 圭一
  頭金 正博        豊田 武士       平林 容子(座長)
  広瀬 明彦        北條 仁

化学物質審議会安全対策部会委員
  石川 百合子        小野 恭子      柏田 祥策
  北本 幸子         金原 和秀      金藤 博子
  東海 明宏(部会長)      永井 孝志       森田 健
  山根 雅之

中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会委員
  青木 康展           菅野 純       小山 次朗
  白石 寛明(小委員長)   鈴木 規之       山本 裕史
  吉岡 義正          和田 勝

事務局
厚生労働省 大久保化学物質安全対策室長
経済産業省 藤沢化学物質安全室長
環境省 久保化学物質審査室長                   他

議題

1.優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価Ⅱについて
2.その他
 

議事録

○厚労省事務局 それでは定刻になりましたので、ただいまから令和4年度第5回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会、令和4年度化学物質審議会第2回安全対策部会、第227回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会【第一部】を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。今回は新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、3省合同のウェブ会議形式での開催とさせていただきます。なお、本合同会議は第一部と第二部に分けて実施し、第一部は公開の会議であることから、ウェブ会議の様子をYouTubeにてオンライン配信しておりますので御了承お願いいたします。
なお、化学物質審議会安全対策部会に委員の改選があり、新たに北本委員が就任されました。
また、本日はいずれの審議会も開催に必要な定足数を満たしており、それぞれの審議会は成立していることを御報告いたします。また、各審議会から、本日の会合への具体的伝達手続はそれぞれの省により異なりますが、化審法第56条に基づく諮問が大臣よりなされている審議会もございますので、よろしくお願いいたします。
利益相反の確認です。本合同審議会を開始する前に、厚生労働省事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、全ての委員の皆様より薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいていますので、報告させていただきます。委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
本日の審議会の進め方に関しまして御案内いたします。午後1時から1時45分までを第一部として、「優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価Ⅱについて」の議事を公開にて審議を行います。第一部終了後、休憩を挟みまして午後2時を目途に第二部を開催する予定としております。円滑な議事進行に御協力いただきますよう、お願い申し上げます。
それでは第一部を始めるにあたり、お手元にお配りした資料について確認を行いたいと思います。画面に議事次第を表示しています。資料名の読上げは割愛させていただきますが、議事次第に沿って資料を確認いたします。
資料は議題順に、議題1関連として資料1-1~資料1-4があります。その他配布資料としては、参考資料1~4があります。過不足等ありましたら事務局までお申し付けください。
続きましてウェブ会議の説明をいたします。今回3省合同のウェブ開催としているため、スム-ズな審議を行うため、議事に先立ち、審議の進行方法等について事務局より説明させていただきます。
まず、御発言時以外はマイクをミュ-トにしていただきますよう、お願いいたします。御意見、御質問を頂く際は、Webexのチャット機能を活用し、御自身のお名前、所属する審議会の担当省名をご入力ください。座長から順に発言者を御指名いただきます。なお、チャットが使用できない委員におかれましては、発言前にマイクをオンにして所属する審議会の担当省名及びお名前をお知らせください。御発言のタイミングが重なったりした場合は、座長から順に発言者を御指名いただきます。
会議中、マイクの調子が悪かった場合などは、チャットに御発言内容を御記入いただくようお願いする場合がございます。システムの動作不良などがありましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡ください。また、もし事務局のサ-バ-がダウンするなどのトラブルが発生した場合は、事務局から一斉にメ-ルで御連絡いたしますので、御確認をお願いします。
それでは、これより議事に入ります。本日の全体の議事進行につきましては、薬事・食品衛生審議会化学物質調査会の平林座長にお願いいたします。平林座長、どうぞよろしくお願いいたします。
○平林座長 平林でございます。それではこれより議事に移らせていただきます。はじめに本日の会議の公開の是非についてお諮りいたします。各審議会の公開につきましては、それぞれの規定のあるところですが、「公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、又は特定な者に不当な益、もしくは不利益をもたらすおそれがある場合」等、非公開とするべき場合には該当しないと考えますので、原則、公開といたしたいと思います。ただし、営業秘密等に該当する場合は秘匿することを認めることとしたいと思います。よろしいでしょうか。
(了承を確認)
○平林座長 それでは、本日の会議は公開といたします。議事録につきましては、後日ホ-ムペ-ジ等で公開されますので、あらかじめ御承知おき願います。
では議題1、本日は1物質のリスク評価について審議を行います。まず審議物質、1,2-ジクロロエタンに係る評価として、「物理化学的性状等の詳細資料(案)」「有害性情報の詳細資料(案)」「リスク評価書(案)」「リスク評価結果及び今後の対応(案)」に関する審議をいたします。資料1シリ-ズについて、事務局より説明をお願いします。
○NITE それではまず資料1-1の1ペ-ジを御覧ください。表1-1に構造式を載せています。続きまして、2ペ-ジの表1-2に本物質のモデル推計に採用した物理化学的性状のまとめがあります。リスク評価に特に関係する4項目について、簡単に御説明していきます。
蒸気圧は8,500Paで20℃での測定値の平均となっています。水に対する溶解度は8,032mg/Lで、20℃での測定値です。1-オクタノ-ルと水との間の分配係数(logPow)は1.45で、こちらも測定値です。ヘンリ-係数は149Pa・m3/molで、20℃における測定値です。あとの項目については、表1-2に記載されているとおりです。
続きまして、4ペ-ジの表1-3に分解性のデ-タのまとめがございます。大気における半減期としては、OHラジカルとの反応として73日となっています。水中における半減期としましては、生分解の1万日、これは分解度試験のデ-タから生分解半減期へ換算したものとなっています。土壌の半減期についてはデ-タがないため、技術ガイダンスに従い水中と同様で1万日。底質の半減期についてもデ-タがないため、技術ガイダンスに従い水中の4倍の4万日としています。
ただいま御説明しました表1-2、1-3に係る全ての物化性状等については、令和元年度第3回優先評価化学物質のリスク評価に用いる物理化学的性状、分解性、蓄積性等のレビュ-会議におきまして了承された値となっています。以上となります。
○厚労省事務局 続きまして、資料1-2に基づきまして1,2-ジクロロエタンの人健康影響に係る有害性情報の詳細資料(案)について御説明いたします。
31ペ-ジを御覧ください。1,2-ジクロロエタンのヒト及び実験動物の毒性デ-タをレビュ-したところ、一般毒性の標的は肝臓、腎臓、中枢神経系などであったこと、生殖発生毒性については、1,2-ジクロロエタンによる明らかな毒性影響は認められなかったこと、変異原性試験では、in vivo試験系では明確な結論を出すことは難しいが、多くのin vitro試験系で陽性を示すこと、また、発がん性試験では、経口及び吸入経路ともにラット、マウスで発がん性が認められたことから、作用機序も考慮の上、1,2-ジクロロエタンは閾値のない遺伝毒性発がん物質として扱うこととしました。
経口経路に関しては、動物試験成績から有害性評価値を導出することとし、投与用量に依存した毒性プロファイル、NOAELが得られた試験をキ-スタディとして選択し、毒性項目ごとに導出しました。一般毒性については、ラットの経口投与試験を選択し、腎臓及び肝臓相対重量の増加、ヘモグロビン量、ヘマトクリット値の減少などの変化の見られない用量をNOAELとし、不確実係数で除した値を有害性評価値として導出しました。発がん性については、ラット及びマウスの経口投与発がん性試験結果から、最も低用量から誘発された雄ラットの血管肉腫(脾臓、肝臓、副腎、膵臓、胃、腹腔内)を選択することが適切であると考え、ベンチマ-クド-ス法の適用に関するガイダンスに従ってBMD法を適用して導出しました。
導出された2つの値のうち、より小さい値であり、重篤性の高い閾値のない発がん性を毒性エンドポイントとした発がん性に基づく0.93μg/㎏/dayを経口経路の有害性評価値としました。
吸入経路に関しては、ヒトにおける一般毒性について、1,2-ジクロロエタンを含む接着剤を取り扱う工場作業者の健康調査を選択し、神経系への影響、肝毒性が見られた濃度をLOAELとし、連続暴露変換した値を不確実係数で除した値を有害性評価値として導出しました。動物における一般毒性について、ラットの吸入暴露試験を選択し、ALT、尿酸値の上昇、コレステロ-ル値の減少などの変化が見られなかった濃度をNOAELとし、連続暴露換算及びヒト等価用量換算により導出された値を有害性評価値としました。発がん性については、ラット及びマウスの吸入暴露発がん性試験結果から、用量反応関係が明確な雌ラットの乳腺腫瘍を選択の上、雌ラットの乳腺腫瘍(乳腺腺腫、繊維腺腫及び腺がん)は、いずれも発生組織が同じで、発生機序も同様と考えられ、良性腫瘍が悪性腫瘍に移行する可能性があるため、全てのタイプ(腺がん+腺腫+線維腺腫)の担癌動物数を基に評価することが適切であると考え、ベンチマ-クド-ス法の適用に関するガイダンスに従ってBMD法を適用して導出しました。
導出された3つの値のうち、最も小さい値であり、重篤性の高い閾値の無い発がん性を毒性エンドポイントとした発がん性に基づく1.6μg/㎥(0.00039ppm)を、吸入経路の有害性評価値としました。なお、この値はヒト体重50kg、呼吸量20㎥/dayとしたときの1日摂取量に相当します。
本評価において導出された有害性評価値は、経口経路、吸入経路それぞれについて32ペ-ジの表15にまとめております。
また、1,2-ジクロロエタンは、体内に吸収された後、暴露経路や標的臓器にかかわらず同じメカニズムにより毒性(発がん性)が誘発される可能性が高いことから、経口及び吸入経路のハザ-ド比(HQ)を合算することにより、リスク推計を行うことが適切と考えられるとしています。有害性評価については以上です。
○NITE それでは、続きまして資料1-3の説明をいたします。評価対象物質について、物理化学的性状、濃縮性及び分解性につきましては、先ほど資料1-1を用いて御説明したとおりですので、説明を割愛いたします。
資料1-3の3、排出源情報について説明いたします。本物質は化審法及び化管法の対象物質となっています。図1に化審法の届出情報に基づく製造輸入数量の経年変化を載せています。製造輸入数量は平成27年度以降約51万トンから約32万トンの間で推移しています。
同じペ-ジの表4には、令和元年度実績の化審法の届出の様子を示しています。排出量が最も大きいものは101-aの合成原料、重合原料、プレポリマ-となっています。
続いて4ペ-ジを御覧ください。1,2-ジクロロエタンは化管法の対象物質でもありまして、図2に化管法のPRTR制度に基づく排出・移動量の経年変化を、表5にPRTRの届出外排出量の内訳を載せています。図2の経年変化を見ますと、届出では大気への排出が主なものとなっており、平成22年度以降は減少傾向になっています。表5の令和元年度のPRTR情報に基づく届出外排出量を見ますと、対象業種のすそ切り以下、及び下水処理施設について推計されています。排出源情報は以上です。
5ペ-ジ目は4、有害性評価になりますが、先ほど厚労省から資料1-2を用いて御説明があったとおりですので、割愛いたします。
続きまして7ペ-ジ5-1、排出源ごとの暴露シナリオによる評価を説明します。表7にはPRTRの届出情報に基づくPRAS-NITEによる推計結果を示しています。発がん性の吸入経路及び経口+吸入経路で、6か所のリスク懸念箇所が認められました。経口経路ではリスク懸念箇所はありませんでした。
○環境省事務局 続きまして5-2、様々な排出源の影響を含めた暴露シナリオによる評価を御説明します。令和元年度のPRTR届出情報と届出外推計を用いて、G-CIEMSによるモデル推計を行いました。大気中濃度と水質濃度のそれぞれについて、3,705地点につきましてリスク推計を行いました。その結果、HQ≧1となる地点はいずれの経路においてもありませんでした。
次に5-3、環境モニタリングデ-タによる評価を御説明します。平成27年度から令和元年度の直近の5年間の大気及び水質モニタリングデ-タをもとに、リスク評価を行いました。その結果、大気で1≦HQとなる地点が2地点ありました。また0.1≦HQ<1となる地点が252地点ありました。水質につきましては、多くの地点が検出下限値未満でして、1≦HQとなる地点はありませんでした。以上です。
○NITE 続きまして9ペ-ジ6、追加調査が必要となる不確実性事項等について説明します。PRTR届出情報を用いたPRAS-NITEによるモデル推計で、吸入経路の評価結果においてリスク懸念地点となった周辺で大気環境モニタリングの実測濃度が得られていないことが、今回の追加調査が必要となる不確実性事項となります。資料1-3については以上となります。
○厚労省事務局 続きまして資料1-4について御説明します。1,2-ジクロロエタンにつきましては、ヒト健康影響に係る有害性評価として、既存の有害性デ-タから発がん性の有害性評価値を導出し、暴露評価として化審法の届出情報、PRTR情報に基づく予測環境中濃度を計算、環境モニタリングによる実測濃度を収集し、暴露濃度及び摂取量の推計を行いました。リスク評価としてこれらを比較した結果、暴露濃度及び摂取量が有害性評価値を超えた地点が見られました。また、化審法の届出製造・輸入数量は平成27年度以降横ばい傾向にあり、PRTR排出量は減少傾向にあります。
このことから、現在得られる情報・知見の範囲では、環境の汚染によりヒトの健康に係る被害を生ずるおそれがないとはいえないと考えられます。
他方、本物質は、PRTR届出情報を用いた排出源ごとの暴露シナリオにおける吸入経路の評価結果でリスク懸念箇所となった周辺の環境モニタリングによる実測濃度が得られていないことから、実測デ-タ等評価Ⅱの判断の根拠に足る暴露評価結果が得られていないと判断します。予測環境中濃度が有害性評価値を超えた地点が確認されたことから、PRTR情報による排出量上位事業者に対してリスク評価の状況を周知しつつ、有害性評価値を超えた地点について、環境モニタリングによる実測デ-タ収集等を検討することとします。以上です。
○平林座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局の説明について御質問、御意見等ありますでしょうか。特にございませんでしょうか。いいですか。
○青木委員 環境省の青木ですけれども、有害性評価結果について、私はよろしいかと思うのですが、ちょっと確認したいことがあります。資料1-2の32ペ-ジの表15です。それから1,076行目なのですが、発がん性について経口暴露では血管肉腫をエンドポイントとして、吸入では乳腺腫瘍をエンドポイントとしているわけですけれども、エンドポイントが違うという暴露経路が違う状況なのですが、ただ、これを化審法のリスク評価の原則に従って合算できると考える根拠というのは、その1,076行目にある「暴露経路や標的臓器にかかわらず同じメカニズムにより発がん性が誘発される可能性があるから」というまとめになっているのです。一応合算できる根拠というのはこのメカニズムのところにあると理解してよろしいのですか。
これは確認みたいで恐縮なのですが、標的臓器というかエンドポイントが違うというところはやはり気になりますので、一応確認だけさせていただきたいのですが。
○平林座長 ありがとうございます。事務局ですかね。
○広瀬委員 厚労広瀬ですが、よろしいですか。そのとおりです。遺伝毒性、発がんのメカニズムであろうと両経路とも想定されるということで、そういたしました。もちろんすごく正確に言えばラットで臓器が違いますけれども、これは代謝の問題でありますし、もちろんヒトの場合はまた臓器が変わる可能性もなくはないということを考慮すると、総合的に合わせたほうがいいのではないかと思いました。
○平林座長 ありがとうございます。青木先生、よろしいでしょうか。
○青木委員 ありがとうございます。非常によく分かりました。
○平林座長 では次、山根先生お願いします。
○山根委員 ありがとうございます、石洗工の山根と申します。御説明いただきありがとうございました。資料1-4の24行目以降に関しましてちょっと質問があります。今後のリスク評価の進め方なのですが、この文章を読みますとPRTR情報による排出量上位事業者に対してうんぬんと書いてあるのですけれども、この排出量上位事業者についてモニタリングを行って、今後リスクの判断を行うという理解でよろしいでしょうか。
○平林座長 事務局ですかね、お願いします。
○環境省事務局 リスク懸念箇所となった排出量上位事業者の周辺につきまして、モニタリングを実施予定です。
○山根委員 分かりました。ここで、もし有害性評価値を超えなければ問題ないという方向で進むという理解でよろしいですか。
○環境省事務局 モニタリング結果が出ましたら、その結果を改めて審議会などで御報告しまして、御議論いただくということになるかと思います。
○山根委員 分かりました。それから上位事業者の周辺のモニタリングのやり方なのですけれども、恐らく濃度の日内変動とか場所とか、そういったところによっても濃度が結構変わってくるのかなと思うのですけれども、その辺の選定基準といいますか、選定場所とか測定回数、何ポイント何地点で取るのかとか、そういったことは考え方としては決まっているのでしょうか。
○環境省事務局 ちょっとまだそこまでの詳細な実施方法は決まっておりませんでして、そのために30行目の所に「検討する」ということで記載をしています。例えば、有害大気のモニタリングですと年12回測定するなど、いろいろ決まっていることがありますので、今回どの枠組みでモニタリングを実施するか等、これから調整をしていく中で回数ですとか地点ですとか、そういうところを詳細に詰めていきたいと思います。
○山根委員 了解です。リスク評価結果に関わってくることだと思いますので、是非御検討いただいて進めていただければと思いました。コメントですが、以上になります。
○平林座長 ありがとうございました。続きまして鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員 ありがとうございます。資料1-4につきまして全体の方針としては大体これで適切かと思いました。今、山根先生が御質問されたのと同じ所ですけれども、排出上位事業者に対してという論点と、有害性評価値を超えた地点と2つの地点はある程度接近しているのかなと想像しているのですけれども、その両方を視野に入れて、取りあえず、まず環境モニタリングでしっかり実測デ-タを取っていただきたいと思います。
評価の方法に関しては、これは私の意見ですが、やはりデ-タの採取と解釈というのはかなりの程度経験、知見を要するものですので、そこをしっかり考えていただいて、適切な扱いをするように検討していただくようお願いします。以上です。
○平林座長 ありがとうございました。事務局よろしいですか。ほかに何かございませんでしょうか。そうしましたら、議決をさせていただきたいと思います。御議論の結果、原案どおりリスク評価結果及び今後の対応が了承されました。活発な御議論ありがとうございました。
青木先生、何か御意見が。
○青木委員 すみません、1,2-ジクロロエタンのことではないのですが、第一部の審議ということなので非常に重要な課題が積み残されていると理解していますので、ちょっと発言させてください。
それはNPEのことです。本物質に関しては本年1月18日のこの審議会で評価Ⅲの進捗状況の報告というのがなされていました。評価Ⅲに当たるということは、二特指定を検討しつつリスク評価のための対策を行う、そういうことのためのリスク評価だと理解しているのですけれども、ただ、残念ながら、例えば1月のときの私の質問として、洗浄剤に由来する本物質NPEの環境への排出量がどの程度に当たるかということを伺ったのですが、ちょっとその回答がないということです。
ただ、この洗浄剤の問題というよりも、むしろ幅広に農薬等も含めてなのですが、開放系の用途における分析とそれに基づいた更なる対策が必要であるということが、このときの審議会の議事録を見ますと、一つのこの審議会の第一部での意思だったと思います。このことについてその後どうなったかということを、是非報告していただきたいのですが、いかがでしょうか。
○平林座長 これは経産省になりますか。事務局対応をお願いできますか。
○経産省事務局 経産省の藤沢です。今日の議題にない質問ですね。NPEの対策のほうは業界は、今までも進めてきたところでして、その後も、数社ですけれども代替を進めているといった話を伺っているところです。また、次に説明する機会の際に御説明させていただければと思っています。
○青木委員 青木です。説明する機会ということなのですが、やはりもう1月から大分経っています。これは至急お願いしたいのですが。
○経産省事務局 また、環境省、厚労省と議論しながら進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○平林座長 リスクがある状態のまま、対策がなかなか進まず時間が過ぎていくというのはやはりよろしくないと思いますので、できれば、来月というわけにはいかないでしょうから、11月ないしは今度委員の改選もありますので、遅くとも1月ぐらいまでには対策の検討結果を報告していただければと思います。よろしくお願いします。
○経産省事務局 努力させていただきます。
○平林座長 青木先生、それでよろしいですか。
○青木委員 努力ではなくてそうしてください。努力はもう十分これまでされてきたと思います。是非お願いします。
○経産省事務局 はい、そうですね。ちょっと行政的に議論しなければいけないことがまだありますので、そこが少しクリアになったときに説明させていただこうと思います。
○青木委員 ただ、ファクトだけは十分溜まっているはずですよね。ファクトの報告もないのはいかがなものかと思います。
○経産省事務局 分かりました。ファクトのほうは先ほど先生が言われたとおり、1月までには説明させていただければと思っています。
○青木委員 ついでにですが、行政的な課題を議論する場であるということは分かるのですが、少なくとも科学的根拠に基づいてどうするかということを議論するのはこの場だと理解していますので、ファクト、あるいはそれに基づいてどのように考えていくかということは、やはり先生方に議論していただかないと一歩も先に進まないと思いますので、是非お願いします。これは必須の課題だと考えています。
○平林座長 よろしゅうございますか。1月までに結論を出してほしいと申し上げているわけではありませんで、検討結果の経過報告を少なくともしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
よろしいでしょうか。では、次に議題2、その他として事務局から何かありますか。
○厚労省事務局 特段ございませんけれども、合同審議会第二部の審議につきましては、午後2時より開始したいと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。なお、第二部につきましては新規化学物質の審査等ですので、非公開とさせていただきまして、YouTubeによる配信は以上となります。
第二部委員の皆様には開始時刻の午後2時までにお席にお戻りいただきますよう、お願いします。
○平林座長 では、以上をもちまして合同審議会第一部を終了いたします。ありがとうございました。