令和4年度第4回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会 令和4年度化学物質審議会第1回安全対策部会 第226回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会【第一部】 議事録

開催日時

令和4年7月15日(金)13時00分~14時00分

開催方式

Web会議方式 

出席:(五十音順、敬称略)

薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会委員
稲見 圭子    小野 敦    北嶋 聡
齋藤 文代    佐藤 薫    杉山 圭一
頭金 正博    豊田 武士   平林 容子(座長)
広瀬 明彦    北條 仁    増村 健一
 
化学物質審議会安全対策部会委員
石川 百合子     小野 恭子    柏田 祥策
金原 和秀      金藤 博子    須方 督夫
東海 明宏(部会長) 永井 孝志    森田 健
山根 雅之
 
中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会委員
青木 康展   石塚 真由美      菅野 純
小山 次朗   白石 寛明(小委員長) 鈴木 規之
山本 裕史   吉岡 義正       和田 勝
 
事務局 
厚生労働省 大久保化学物質安全対策室長
経済産業省 藤沢化学物質安全室長
環境省 久保化学物質審査室長  他

議題

1.優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価Ⅲについて
2.「化審法に基づくスクリーニング評価の基本的な考え方」等の改訂について
3.その他

議事録

○経産省事務局 定刻になりましたので、ただいまから令和4年度第4回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会、令和4年度化学物質審議会第1回安全対策部会、第226回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会【第一部】を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
今回も新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、3省合同のウェブ会議形式での開催とさせていただきます。なお、本合同会議は第一部と第二部に分けて実施し、第一部は公開の会議であることから、ウェブ会議の様子をYouTubeにてオンライン配信しておりますので、御了承お願いいたします。
なお、化学物質安全対策部会に委員の改選があり、新たに須方委員が就任されました。
本日はいずれの審議会も開催に必要な定足数を満たしており、それぞれの審議会は成立していることを御報告いたします。また、各審議会から本日の会合への具体的伝達手続はそれぞれの省により異なりますが、化審法第56条に基づく諮問が大臣よりなされている審議会もございますので、よろしくお願いいたします。
本日、オンライン開催ではありますが、審議に先立ちまして、夏季の軽装についてお伝えいたします。地球温暖化防止、省エネルギーに資するため、政府全体として夏季の軽装に取り組んでいるところでございます。これを踏まえまして、軽装にて対応させていただいております。
○厚労省事務局 本合同審議会を開始する前に、厚生労働省事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告させていただきます。
薬事分科会規程第11条においては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定しております。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。委員の皆様には、会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○経産省事務局 本日の合同審議会の進め方に関しまして御案内いたします。13時から14時までを第一部といたしまして、優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価Ⅲについて、化審法に基づくスクリーニング評価の基本的な考え方等の改訂について、その他の議事を公開にて審議いたします。第一部終了後、休憩を挟みまして、14時15分をめどに第二部を開催する予定としております。
それでは、第一部を始めるに当たり、資料の確認を行いたいと思います。資料名の読み上げは割愛させていただきますが、議事次第に沿って資料を確認いたします。
資料は議題順に、議題1関連といたしまして、資料1-1、資料1-2、資料1-3、資料1参考1、2。議題2関連といたしまして、資料2-1、資料2-2、資料2-3、資料2-4、資料2-5、資料2参考1-1~2。最後に、その他配付資料といたしまして、参考資料1~4でございます。過不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。
続きまして、ウェブ会議参加方法とお願い事項についてお伝え申し上げます。
今回、3省合同のウェブ開催としておりますため、スムーズな審議を行うため、議事に先立ちまして、審議の進行方法等について、事務局より御説明させていただきます。まず御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますよう、お願いいたします。御意見、御質問をいただく際は、Webexのチャット機能を活用していただきまして、御自身のお名前、所属する審議会の担当省名を御入力ください。座長から順に発言者を御指名いただきます。なお、チャットが使用できない委員におかれましては、発言前にマイクをオンにして、所属する審議会の担当省名及びお名前をお知らせください。御発言のタイミングが重なったりした場合には、座長から順に発言者を御指名いただきます。会議中、マイクの調子が悪かった場合などはチャットに御発言内容を御記入いただくようお願いする場合がございます。システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしております事務局の電話番号まで御連絡ください。また、もし事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合には、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認をお願いいたします。
それでは、これより御審議賜れればと存じます。本日の全体の議事進行につきましては、化学物質審議会安全対策部会の東海部会長にお願いしたいと思います。東海部会長、よろしくお願いいたします。
○東海部会長 それでは、これより議事に移らせていただきます。
始めに本日の会議の公開の是非についてお諮りいたします。各審議会の公開につきましては、それぞれ規定のあるところでございますが、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、または特定な者に不当な益、もしくは不利益をもたらすおそれがある場合等、非公開とするべき場合には該当しないと考えますので、原則公開といたしたいと思います。ただし営業秘密等に該当する場合は秘匿することを認めることといたしたいと思います。よろしいでしょうか。――ありがとうございます。
それでは、本日の会議は公開といたします。議事録につきましては、後日ホームページ等で公開されますので、あらかじめ御承知おき願います。
それでは、議題1、優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価Ⅲに係る審議に移りたいと思います。
審議物質アクリル酸に係る評価として、これまでの審議会において物理化学的性状等の詳細資料を審議し、了承されましたので、本日は有害性情報の詳細資料及びリスク評価結果に関する審議をいたします。資料1シリーズについて、事務局より説明をお願いいたします。
○環境省事務局 それでは、環境省より有害性情報の詳細資料案につきまして、御説明いたします。
まず大前提としまして、こちらの物質、平成30年に評価Ⅱを行っておりまして、御審議いただいております。その時点から変更があった部分を中心に御説明してまいります。
資料1-1の1ページを御覧ください。こちらは、水生生物のPNECを導出するための毒性値として、表1-1にございます毒性値が、PNEC導出に利用可能と専門家による評価が行われております。現在、藻類、甲殻類、魚類の3種で慢性・急性毒性全てがそろっておりますが、平成30年当時は魚類の慢性毒性試験がございませんでした。これにより、当時はUFが50という値を採用しておりまして、キースタディが最も低い値である藻類の慢性毒性値をキースタディとして用いまして、当時、PNEC0.00032㎎/Lを算出しておりました。その後、事業者様から魚類の慢性毒性試験データの御提出がございました。それが魚類の一番上にございます慢性毒性試験でございます。こちらのデータの詳細は3ページ目にございます。104行目からが、こちらの試験の概要となっております。純度99.82%のアクリル酸を用いまして、OECD TG 210に準拠して、メダカ初期生活段階毒性試験が実施されております。流水式により対照区と5濃度区で試験が行われ、助剤は用いられておりません。この試験の結果、45日間のふ化、ふ化後生残、成長阻害について影響を見ましたところ、NOECが10.1以上という結果が得られております。
こちらの試験の追加により、評価Ⅲでは3種の栄養段階全ての慢性毒性試験がそろったこととなります。そのため、UFが50から10に変更になっております。
キースタディは、藻類の慢性毒性試験の値ということで変更はございません。
この結果をもちまして、評価の結果が4ページ目の1-4にございます。有害性評価Ⅲの結果、アクリル酸の水生生物に係るPNECは藻類の生長阻害に対するNOECの0.016㎎/LにUF10を考慮しまして、PNECは0.0016㎎/Lという値となっております。
また、前後して申し訳ありませんが、1ページ目に戻っていただきまして、50行目あたりからです。本物質はlog Powが0.46という3未満の値でありまして、このことから、水域では吸着や底質への移行等の可能性が低いため、底生生物のリスク評価は行っておりません。
有害性資料につきましての御説明は以上になります。
○NITE 引き続きまして、資料1-2の1ページ目を御覧ください。表1にアクリル酸の構造式を載せております。表2及び表3には、暴露評価等に用いた物理化学的性状、濃縮性、分解性について掲載しております。こちらの値につきましては、前回の審議会におきまして既に了承していただいた内容となっております。
続きまして、3ページ目の3、排出源情報について御説明いたします。まず図1に化審法届出情報に基づく製造・輸入数量の経年変化を載せております。製造・輸入数量は、約30万tから35万tの間で推移しております。同じページの下の表4には、化審法の届出に基づく用途情報等を示しております。ほとんどが中間物の用途として届けられております。
続きまして、4ページ目を御覧ください。上の図2に化管法PRTR制度に基づく排出・移動量の経年変化、そして同じページの表5にはPRTR届出外排出量の内訳を載せております。図2の経年変化を見ますと、大気への排出量に関しては横ばい、水域への排出量に関しては年々減少しているということが分かります。
排出源情報に関しては以上になります。
続きまして、5ページ目を御覧ください。5ページ目は4、有害性評価に当たりますけれども、先ほど環境省の方から、資料1-1を用いて御説明があったとおりになりますので、ここでは説明を割愛いたします。
続きまして、6ページ目、5、リスク推計結果の概要を御覧ください。5-1、排出源ごとの暴露シナリオによる評価について御説明いたします。表8には、PRAS-NITEを用いてリスク推計した結果を載せております。PRTRに基づく排出源235か所のうち、水生生物に対するリスク懸念箇所は1か所でございました。なお、補足になりますが、10ページ目を御覧ください。表15や表16というものがございます。こちらは排出源ごとの排出量とかリスク推計結果を載せているものになります。表15について、水域排出量と合計排出量の有効数字の桁数が統一されておりません。大変申し訳ございません。こちらは審議会後の確定版では有効数字の桁数をそろえるように修正させていただければと思います。
こちらからは以上になります。
○環境省事務局 続きまして、6ページに戻っていただきまして、5-2、様々な排出源の影響を含めた暴露シナリオによる評価を御説明いたします。こちら、令和元年度のPRTR排出量を用いまして、G-CIEMSという推計モデルを用いてリスク推計を行っております。G-CIEMSは昨年末にバージョンが更新されまして、今回、最新バージョンで推計を行っております。その結果、3,705流域中、2流域においてPECがPNECを超えるという結果になっております。ただ、この2流域につきましては、中身を見てみますと2㎞ほどのかなり近い距離にある地点でございまして、周辺状況などを確認しますと、同一の発生源の影響を受けていると考えられる地点でございました。
続きまして、5-3の環境モニタリングデータによる評価の御説明をいたします。こちらは令和2年から平成23年までの10年間の水質モニタリングデータを用いまして、リスク評価を行っております。延べ70地点のモニタリングを行っておりまして、PNECを超える地点は1地点という結果でございました。また、PEC/PNEC比が0.1以上1未満の箇所が40か所ございました。
最後に6の追加調査が必要な不確実性事項につきまして、今回のリスク評価によって、主な不確実性項目としましては、まず1つ目が7章の7-4にグラフをお示ししておりますが、全体的にG-CIEMS濃度推計よりも環境モニタリング濃度のほうが高く、未把握の発生源の存在が示唆されております。また、G-CIEMSモデル推計でリスク懸念となった2地点については、周辺の水質モニタリングデータが得られておりません。こちらの資料の御説明は以上になります。
○経産省事務局 資料1-3につきまして、経産省から説明させていただきます。こちらはリスク評価(一次)評価Ⅲにおけるアクリル酸の評価結果についてとなっております。評価結果及び今後の対応についてというところで、1つ目の丸ですけれども、アクリル酸は平成30年9月21日に審議されました、生態影響に係るアクリル酸のリスク評価(一次)評価Ⅱにおきまして、PRTR情報を用いたリスク推計の結果、排出源ごとの暴露シナリオに基づく予測環境中濃度(PEC)が有害性評価値(PNEC)を超えた地点が推計されたことから、PRTR情報による排出量上位事業者に対してリスク評価の状況を周知することとされました。
2つ目ですけれども、環境モニタリングによります実測濃度がPNECを超過した地点の一部に、上流またはその周辺に、水域に排出しているPRTR届出排出事業所が確認できない地点があり、未把握の発生源が原因の可能性があったことから、発生源について調査が必要とされました。
3点目ですけれども、さらに、排出源ごとの暴露シナリオ及び様々な排出源の影響を含めた暴露シナリオによる評価でPECがPNECを超えた地点につきまして、環境モニタリングが実施されていない点に不確実性があったことから、さらなる環境モニタリングの実施についても検討が必要とされました。
また、資料1-1にもありますけれども、これらの課題を踏まえて、今回リスク評価をしておりますが、それに当たりまして、有害性評価Ⅱのときには、アクリル酸の水生生物に係るPNECは0.00032㎎/Lでありましたが、有害性評価Ⅲでは、事業者提供データといたしまして、新たに魚類慢性試験結果が得られたことによりまして、PNEC導出に用いるUFが50から10となりまして、PNECは0.0016㎎/Lとなっております。
3つ目の丸ですけれども、上記の結果を受けまして、平成31年4月にPRTR届出排出量上位事業所にリスク評価の状況を周知いたしまして、排出抑制への協力を促したところ、各社におきまして、環境への排出の適正な管理が行われました。これを踏まえまして、令和元年度のPRTR情報等に基づく予測環境中濃度(PEC)の計算、及び環境モニタリングによります実測濃度の収集整理等を行ったところ、リスク評価としまして、これらを比較した結果、PECがPNECを超えた地点は限られていたという結果となっております。
また、令和元年度の環境モニタリング調査におきましては、未把握の発生源を検討するため、下水処理場の上下流の河川、一般廃棄物処理場の浸出水、放流水及び上下流の河川において測定されまして、全ての地点でPNECを下回ったという結論が出ております。
また、令和2年度に実施されました環境モニタリング調査では、日本全国47地点と広範囲に測定が行われまして、全ての地点でPNECを下回っております。ただし、平成26年度測定でPNECを超えた1地点については、再測定は行われておりません。
なお、様々な排出源の影響を含めた暴露シナリオによる濃度推計により、環境モニタリング濃度のほうが全体的に高く、依然未把握の発生源が示唆されているという結果が出ております。
また、化審法の届出製造・輸入数量は横ばいでありまして、PRTR届出に基づく大気への排出量は横ばい、水域への排出量は減少傾向となっております。
以上のことから、現状、得られます情報・知見の範囲では、本物質の現状の取扱い及び排出の状況が継続いたしましても、本物質による環境の汚染により広範な地域での生活環境動植物の生息、もしくは生育に係る被害を生ずるおそれがあるとは認められないと考えております。
ただし、PNECを超える濃度が推計された地点周辺のPRTR届出事業者等に対しましては、リスク評価の結果を周知し、必要に応じて自主的な取組を促すとともに、未把握の発生源が示唆されていることも踏まえまして、環境モニタリングで比較的高濃度でありました地点における再測定を行う等、PRTR排出量・環境モニタリングデータ等を注視することといたしたいと思います。
なお、アクリル酸は人健康影響の観点からは、リスク評価(一次)評価Ⅰが継続中でありますため、引き続き優先評価化学物質とします。
こちらからは以上です。
○東海部会長 ありがとうございました。
それでは、今の事務局の説明について、御質問、御意見等はございますでしょうか。よろしくお願いいたします。青木先生、お願いいたします。
○青木委員 今の資料1-3で、私、排出量把握のほうは詳細には分からない部分がございますので、非常に素直に読んだ感想なのですけれども、まず資料1-3の3つ目の丸で、平成31年4月にPRTR届出排出量上位の事業所に対して、「状況を周知し、排出抑制の協力を促したところ、各社において環境への排出量の適正な管理が行われた」ということがあります。その結果として低いレベルの、つまりPECが下がったというように理解してよろしいのでしょうか。この文章からだとそのように読めるのですけれども、まずその点、理解として教えていただきたいのです。
○東海部会長 事務局、お願いいたします。
○経産省事務局 ありがとうございます。事業者の適正な管理というところで、排出抑制が進んだことが効果を出していると考えております。
○青木委員 そういう認識でしたら、次に2ページ目に行って、未把握な発生源の問題は一応あるということは了解して、2ページ目の3つ目の丸です。「本物質の現状の取扱い及び排出の状況が継続しても」という意味は、そういう排出抑制策が維持している状態を継続してもという意味ですか。
○経産省事務局 おっしゃるとおりです。
○青木委員 そうすると、その次の丸なのですけれども、「自主的な取組を促す」というより、これは実施してもらわないと困るわけですよね。
要するに取組を継続してもらわなくては困ると思うのだけれども、この文章全体で、そういうトーンには読めないのですが、いかがなのでしょうか。1ページ目の3つ目の丸、排出抑制への取組が継続して初めて実現できる状態にあるということですよね。この文章全体の流れとして。そうすると、2ページ目の下から2つ目の丸のところは、これはさらっと書いてあるけれども、本当はこういう自主的取組を継続すべしということを書くべきなのではないでしょうか。もう少し強くと思うのですが、いかがなのでしょうか。「促す」というのは、文章としてはちょっと弱いなという印象を持ったのです。
だから、このリスクが取りあえず低いと言っていいかどうか分かりませんが、PECがPNEC以下にとどまっている状況というのは、自主的取組が継続されているから達成できているわけであって、ここは「促す」というよりも、そういう継続を求めるとか、そういう言い方のほうが正しいと思うのです。
○経産省事務局 経済産業省の藤沢ですが、最後から2つ目の丸のただし書きの部分は、PNECを超える濃度が推計された地点の事業者に対してのものでございます。要するにモニタリングで出たとかいうわけではないので、こういった書きぶりにしています。そこは、モニタリングで実際に高い値が出た場合は、もう少し積極的にお願いすべきだと思っております。
○青木委員 それは、はっきり書いたほうがいいのではないでしょうか。モニタリングするわけだし。
○経産省事務局 いや、モニタリングはしていないのです。
○青木委員 これからの取組として。
○経産省事務局 ですから、モニタリングをしていただいて、高い値が出るようであれば、そこはもうちょっと積極的にやるというのはありえると思います。
○青木委員 だから、それを文章として書いていただいたほうがいいのではないかと思うのです。
○経産省事務局 モニタリングで高い値が出たとしたら。
○青木委員 はい。当然のことかもしれないけれども、そこら辺のトーンが弱いのではないかというのを私は感じました。
○経産省事務局 ただ、今回はまだモデル推計の段階なので、御意見としてうけたまわります。
○青木委員 ほかの先生の意見も伺いたいところなのですが。
○東海部会長 そうしましたら、小山委員からも発言の希望がございますので、小山委員、お願いいたします。
○小山委員 ありがとうございます。環境委員の小山です。
ちょっと伺いますが、資料1-3の4つ目の丸です。モニタリング調査で47地点で全てPNECを下回ったということですが、これは資料には示されていなかったと思うのです。それで、まず一つ伺いたいのは、PNECを下回ったということですが、0.1から1.0未満の地点というのは何地点ぐらいあって、その中で0.5を超えるような地点はかなりあったのかどうかということをお聞きしたいと思います。
以上です。
○東海部会長 事務局、お願いいたします。
○環境省事務局 御質問ありがとうございます。モニタリング地点につきましては、PEC/PNEC比が0.1以上1未満の地点が40地点ございました。そのうち、PEC/PNEC比が0.5以上となる地点は約10地点という結果になっております。
○小山委員 ありがとうございます。1.0を下回ればよしということではないと私は思っておりまして、つまり、モニタリングするときというのは、ある一瞬間を切り取って測定しているわけですので、もしかしたら、次のサンプリングのときには1を上回る可能性もあるということが考えられると思います。これは、下から2つ目の丸のところで、再度環境モニタリングで監視するということが書かれているので、それは担保されているとは思いますが、ぜひ、この環境モニタリングを続けるということは、御確認いただければと思います。
以上です。ありがとうございました。
○東海部会長 ありがとうございました。鈴木委員、お願いいたします。
○鈴木委員 ありがとうございます。大体似たようなところなのですけれども、全体として、今、把握されている限りにおいては、PNEC比が1割を上回る地点というのは少数、ないしある程度少ないという点は承知いたしました。
ただ、その上で、表10に載っている水質モニタリングデータに基づくPEC/PNEC比のところは0.1から1の間という、何かよく分からない、微妙なところがかなり多数の割合を占めているということが気になるところでして、もう一つは、モデル推計の結果がモニタリングより高く出ているというのがやや不思議なところでありまして、これは、しょせんモデルはモデルですから、途中、どのようにでも外れると思いますけれども、過去の私の経験であったり、あるいはモデルをつくってきた感覚からすると、モデルのほうが大きいほうに外れるということはあまりないことのような、むしろ少ないことのような気がしていまして、やはりこの2つのことを合わせると、何だか分かりませんが、未把握な発生源があるということは心配なことだと思っております。ですので、未把握な発生源が示唆されているということを不確実性に挙げていただいたことは重要なことだと思いますし、多分、それを受けているのだと思いますが、環境モニタリングで比較的高濃度であった地点において、再測定等についてはしっかり進めていただきまして、未把握な発生源があるということは、その未把握な発生源の周辺で、今の時点で把握していない別な高濃度のケースがあるかもしれないということを意味していると思います。したがいまして、文章としてはこれで大体承知いたしましたが、再測定等、1を超える地点もありますが、1を超えていないところもしっかり見ていただいて、注視して、今後の動向を見ていっていただきたいと思っております。
以上です。
○東海部会長 ありがとうございました。
そのほか、御質問等ございませんでしょうか。須方委員、どうぞお願いします。
○須方委員 どうもありがとうございます。今の各委員の先生方からコメントがありましたところと関係する部分なのですが、比較的高濃度である地点、あるいはモニタリング等を注視するという、最後の、資料1-3の下から2つ目の丸の数行のところなのですけれども、例えば「比較的」とかという部分について、具体的なアイデアですとか、あるいはモニタリングの方法ですとか頻度ですとか季節ですとか、そういった部分について、何か現時点でお考えはあるのでしょうか。
○東海部会長 よろしくお願いします。
○環境省事務局 御質問ありがとうございます。比較的高濃度と今回お示ししているところは、先ほど小山先生などからも御発言がありましたとおり、今回のモニタリング結果で、1未満ではあったものの、0.9や0.8など、かなりPEC/PNEC比が高かった地点がございます。これらの地点については、再度測定の必要があるかと考えております。また、モニタリングの方法としましても、アクリル酸は要調査項目に指定されている物質でございますので、その枠組みなどを使いまして、今後、モニタリングをすることなどを考えております。
○東海部会長 ありがとうございました。須方委員、よろしゅうございますでしょうか。
○須方委員 「比較的」という部分の指標についてはよく理解できました。一方で、先ほどございました、基本的なモニタリングは1回でというのもございましたが、このような形で原因は分からないけれども、予測値とどうしても一致しないとか、そういった現状がある中で、そのあたりのやり方というのは、これまでのモニタリングと同じ方法を踏襲されるという理解でしょうか。
○東海部会長 お願いいたします。
○経産省事務局 経産省の藤沢です。
取りあえず、現時点ではそういう理解だと思いますが、また何か提案等があれば、いただければと思います。
○須方委員 ありがとうございます。
○東海部会長 追加の御意見等、事務局からございますでしょうか。よろしゅうございますか。
○青木委員 青木でございます。
基本的には、今の須方先生の御指摘、非常に適切な御指摘をいただいたものと思いますので、そのような方向でぜひモニタリングのほうをしっかり進めていただいて、その結果に従って、事業者のほうにいろいろと自主的取組といいましょうか、そういうものに従ってしていただく仕組みというか、そういう取組をしていただければ、それでよろしいのではないかと思います。
以上でございます。
○東海部会長 ありがとうございました。
それでは、活発な御質疑をいただきまして、ありがとうございました。今の御議論の中で、資料1-3のまとめ方につきましては、部分部分につきまして、強弱のつけ方というところで、受け止め方に若干分布はありますけれども、基本的にはまだ未把握の発生源が示唆されるというところが、実際の測定結果、それからG-CIEMS等の経験からも言えるということから、今後の課題としては、環境モニタリングデータ等を中心にしながら進めていくということで、事業者の方も、当然、こういう状況であるということは分かっておられることですから、2ページ目の下から2つ目の丸のところの「必要に応じて自主的な取組」ということに対する準備といいますか、そういうことも事業者の方は恐らく受け止めてくださっているのではないかと考えております。
そういたしましたら、モニタリング等の方法につきましては、これまでの経験を踏まえて、的確な、技術的なところも随時導入しながら進めるということで、この案につきましては了承いただいたといたします。軽微な文言上の修正が残っているところは事務局に御一任いただいた上で本審議会の議決と了承してよろしゅうございますでしょうか。――ありがとうございました。
以上で議題1は終了といたします。
続きまして、議題2に移ります。化審法に基づくスクリーニング評価の基本的な考え方等の改訂について、事務局より説明をお願いいたします。
○経産省事務局 資料2-1以降、経産省から説明させていただきます。
化審法に基づくスクリーニング調査の基本的な考え方等の改訂(案)というところなのですけれども、過去審議会において議論いただきました内容を基本文書のほうに反映させていただいたという内容になっております。
まず改訂の背景ですけれども、2021年9月に行われました3省合同審議会におきまして、化審法のスクリーニング評価、またはリスク評価におけますWSSDの2020年目標への取組が総括されまして、2020年目標の達成に向けました取組結果や今後の取組が取りまとめられたところです。また、この取組の一つといたしまして、真に優先的にリスク評価をすべきものというのに限定すべく、リスク懸念のない物質の機動的な優先取消しについて検討することとなりました。これを受けまして、2022年1月の3省合同審議会におきましては、優先評価化学物質の取消しの判断方法について審議が行われております。これらの審議会結果を踏まえまして、化審法に基づくスクリーニング評価及びリスク評価の実施に係る以下の文書の改訂を行いたいと考えております。①②③④とさせていただいております。
なお、WSSD2020年目標達成の具体化、並びに目標達成に向けた評価の合理化・加速化方策の一つとして位置づけられておりました「変異原性陽性で発がん性試験データのない物質のリスク評価手法等の課題への対応検討」につきましては、2018年11月の3省合同審議会の結果、この③と④の文書に「人健康の発がん性については、可能であれば、リスク評価Ⅰの段階から定量的な評価を行う」と記載されたところであります。さらにその後、特に発がん性試験データのない物質の評価手法につきまして追加検討を行いまして、「化審法における優先評価化学物質に関するリスク評価の技術ガイダンス」へ詳述したことから、この③④における関連箇所の記載を今回、整備することとしております。
主な改訂箇所をこちらに列記させていただいておりますので、映させていただきますが、2020年目標達成に関する記載を削除という点で、今、映し出しているのが資料2-2の化審法に基づくスクリーニング評価の基本的な考え方になります。例えばこちら、「2020年目標の達成」等の表記になっていたものを、「背景」とさせていただきましたり、「2020年目標の達成が期待できる」等の古い表現ぶりを削除させていただいております。
こちらは資料2-3ですけれども、現行にはない暴露評価対象区分、例えば第2種監視化学物質の話等は本文から落としまして、注釈のほうに記載させていただいたりしております。
そのほか、先ほど本文に書かせていただきましたけれども、リスク懸念のない物質の機動的な優先取消しの話というところで、資料2-4の12ページ、優先評価化学物質の取消しの条件として、(ア)から(ウ)等の話を追記させていただいております。
こちらに列記させていただいた修正箇所以外にも、最新の情報や、実態に合わせた修正、体裁等の軽微な改訂等も併せて行っています。例えばリスク評価の対象といたしまして、これまで文章中、中となっていたところに、今回、低も足しておりますけれども、既に優先度低のものもスクリーニング評価の対象となっているというところがございますので、現状の実態を踏まえた修正等も行っております。
戻りまして、また2-1ですけれども、参考といたしまして、技術ガイダンスの改訂というところで、前回(2019年3月)の基本文書の改訂、並びにその後の追加検討を踏まえまして、これらの下位文書であります技術ガイダンスについても所要の改訂を行いましたので、今回、関連箇所を参考資料として添付させていただいております。
資料2-1から2-5の関係では以上になります。
○東海部会長 ありがとうございました。
それでは、今の事務局の説明について、御質問、御意見等ございますでしょうか。金藤委員、お願いいたします。
○金藤委員 金藤です。よろしくお願いいたします。
1点だけ、細かいところですけれども、意見を述べさせていただきます。資料2-4、12ページの(3)のところ、「優先評価化学物質の取消し」の項なのですけれども、26行目の「具体的判断基準については」という、この一文です。この一文を、28行目からのただし書きの後、具体的には13ページの10行目の後に移動したほうが分かりやすいのではないかと思います。理由としては、ただし書きが長いためです。内容についてではなくて、表現方法の話ですけれども、御検討いただければと思います。
意見としては以上です。よろしくお願いします。
○経産省事務局 ありがとうございます。文章の並び、今回追加したところとの関係というところで、事務局にて検討させていただきます。ありがとうございます。
○東海部会長 続きまして、吉岡委員、お願いいたします。
○吉岡委員 環境の吉岡です。よろしくお願いいたします。
資料2-4の2ページの10行目から17行目の赤字の部分を主体に考えます。ここに書かれていることは、2020年に何をやったというようなことなのですけれども、ここの部分の表題は「リスク評価の目標」ということなので、過去に何をやったかというようなことならば、むしろ「背景」のほうに書かれるべきではないのかなというのが意見です。
もう一つ意見がございまして、細かいところなのですけれども、13ページの33行目、「推計精度」という言葉がございます。その後に、「(正解率、統計データ)」というようなことがありますけれども、QSAR等の場合に正解率というのはあまりないので、括弧内の言葉が本当に必要なのかどうかということを御検討いただけたらと思います。
以上です。
○経産省事務局 ありがとうございます。いただいた2か所につきまして、こちらも検討させていただきたいと思います。
○東海部会長 白石委員、お願いします。
○白石小委員長 環境の白石です。今、QSARの話が出たので。スクリーニング評価の基本的考え方と優先評価化学物質のリスク評価の基本的考え方と2つのペーパーが出ていて、今回の関係にはQSARは入っていないようなのですが、両方の基本的考え方に、QSARに関して全く同じことが書かれていて、それぞれスクリーニング評価、あるいは優先評価化学物質のリスク評価におけるQSARの活用に関する基本的考え方みたいにはなっていないように思いますので、なるべく整理して、それぞれに記載ぶりを考えていただきたいというコメントです。
以上です。
○経産省事務局 ありがとうございます。承知しました。
○東海部会長 そのほか、御指摘等ございませんでしょうか。
○経産省事務局 経済産業省の藤沢でございます。
白石先生、どうもありがとうございます。また先生ともちょっと相談させていただきながら、進めさせていただきたいと思いますので、書きぶりについてはまた引き続きよろしくお願いいたします。
○東海部会長 ありがとうございます。
そのほか、御意見等ございませんでしょうか。
それでは、技術的な修正箇所等が出てきた場合は、また先生方からの御意見等を改めて確認させていただくということも含めながら、事務局に一任させていただいた上で本審議会の議決として了承してよろしいでしょうか。――ありがとうございました。
以上をもちまして議題2は終了といたします。
次に議題3、その他として、事務局から何かございますか。
○経産省事務局 特段ございません。ありがとうございます。
なお、合同審議会【第二部】の審議につきましては、14時15分より開始したいと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。また第二部につきましては、新規化学物質の審査等でございますので、非公開とさせていただきまして、YouTubeによる配信は以上となります。
第二部委員の皆様におかれましては、開始時間の14時15分までにお席にお戻りいただきますようお願いいたします。
○東海部会長 以上をもちまして、合同審議会【第一部】を終了いたします。

――了――