産業構造審議会 産業技術環境分科会 廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルWG(第7回)中央環境審議会 循環型社会部会容器包装の3R推進に関する小委員会(第6回)第6回合同会合 議事録

日時

2013年12月19日(木)14:00~17:10

場所

ベルサール半蔵門 ホールA

議事録

○林課長 定刻になりましたので、ただいまから「産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループ」及び「中央環境審議会循環型社会部会容器包装の3R推進に関する小委員会」第6回合同会合を開催させていただきます。
 私、経済産業省リサイクル推進課長の林でございます。よろしくお願い致します。
 委員の皆様方には、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。本日の合同会合の事務局は、経済産業省が務めます。
 まず、産業構造審議会側の出席状況ですが、全委員数27名のうち現時点で18名の委員が御出席をされておりまして、定足数である過半数に達していることを御報告させていただきます。
 また、一般社団法人日本貿易会からの委員に交代がございまして、前回の合同会合より、常務理事の市村泰男様にかわりまして、企画グループ部長の砂田一彦様に御就任いただいておりますので、御報告致します。
 次に、中央環境審議会側の出席状況につきまして、環境省から報告をお願いします。

○庄子室長 環境省リサイクル推進室長の庄子でございます。
 中央環境審議会側の出席状況でございますが、全委員数27名のうち、現時点で17名の御出席をいただいてございます。定足数である過半数に達していることを御報告致します。
 以上でございます。

○林課長 それでは、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
 次の資料の確認と取り扱いについて御説明致します。
 議事次第、資料1~7をお配りしております。資料が不足している場合にはお申しつけください。
 本日の資料につきましては、これまでと同様、原則全て公開とさせていただきまして、合同会合終了後には発言者を示した議事録を各委員に御確認いただいた上で公開させていただきます。
 それでは、今後の議事進行につきましては、容器包装リサイクルワーキンググループの郡嶌座長にお願い致します。

○郡嶌座長 皆さん、こんにちは。それでは、本日の議題「容器包装リサイクル法関係者等からのヒアリング」に移らせていただきますが、ヒアリングの進め方は、恐縮でございますけれども、これまでと同様、説明時間は15分とし、説明後の10分を質疑の時間とさせていただきます。
 事務局から12分経過後に1鈴、14分経過後に2鈴、15分経過後に3鈴で合図をし、説明を打ち切らせていただきます。各説明者の皆様方におかれましては説明時間を厳守していただきますよう、よろしくお願いしたいと思います。
 質疑の時間も限られておりますので、質疑では委員としての御意見の表明は御遠慮いただき、質問は簡潔にお願いしたいと思います。お答えも同様でお願いをしたいと思います。質疑の終了時間になりましたら、1鈴で合図させていただき、質疑を全て終了させていただきます。
 また、本日のヒアリングが全て終了した後に、時間の余裕があるようでございましたら質疑の時間を設けたいと思いますので、よろしくお願いします。
 時間も限られておりますので、効率的な審議のため、皆様方の御協力をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、早速でございますけれども、ヒアリングを開始したいと思います。
 まずは資料2に基づきまして、日本チェーンストア協会執行理事統括部長の増田様から御説明をよろしくお願いしたいと思います。

○日本チェーンストア協会(百瀬) 皆さん、こんにちは。日本チェーンストア協会環境委員の百瀬と申します。
 最初に、私のほうから、チェーンストア協会会員企業から集めました意見と要望について、お話しさせていただきます。
 まず、チェーンストア協会は、この資料にありますように、広域に多店舗展開で商売をしている企業が集まっている協会です。特に本日は、主に食品を取り扱っているスーパーなどの会員からの意見と要望を述べさせていただきます。
 食品スーパーは、セルフサービスで販売をしています。ですから、お客様が御自分で棚や冷蔵庫、冷凍庫から商品を取り出し、かごに入れて精算するというシステムで、必ず商品が容器包装に入れられて販売するというシステムです。ですが、商品を家庭に持って帰られて使ったり食べたりした後の使用済み容器包装は、家庭ごみの容量の中で50%を占めると言われ、また、それらを適正処理する時にCO2の発生の大きな要因と言われています。
 その中でもプラスチック製の容器包装については、会員企業は使用量の抑制や、自主的なリサイクル回収など、環境負荷の低減に努めてまいりました。
 また、会員企業は容器包装リサイクル法に基づきまして、毎年使用量を申告し、少なくない金額を容器包装リサイクル協会にリサイクル委託料を支払っていますが、この委託料のほとんどが「その他プラスチック容器包装」です。従来は売上に比例して、その他プラスチック製容器包装であるレジ袋や食品トレイの使用量は増加していましたが、近年は「レジ袋無料配布中止」「食品トレイの薄肉化」などの自主努力により、使用量の削減が進んでいます。また、トレイやPETボトル、牛乳パック、アルミ缶などは店頭回収し、リサイクル製品をまた店で販売するといった、資源の有効活用も行ってきました。
 しかしながら、こうした努力は報われず、店頭回収などは自治体によっては認められていません。これらの経緯と要望につきまして、チェーンストア協会事務局の増田さんより発表していただきます。

○日本チェーンストア協会(増田) 改めましてチェーンストア協会の増田でございます。どうぞよろしくお願い致します。
 それでは、資料に沿ってお話をさせていただければと思います。
 2ページ、概要を入れてございます。後ほどお読みをいただければと思いますが、1つだけ、私共の協会の位置づけということでございますが、小売商業統計速報値というのがございまして、その売上高が134兆5,700億円ということで、私共2012年度の売上高は12兆でございますので、売上高費のカバー率でいきますと9.5%ということになってございます。そうした団体でございますが、今、百瀬さんからもお話がありましたが、そうした中でいろいろと取り組みをさせていただいておる訳であります。
 3ページ、前回の見直しの時に、それぞれのセクターがきっちりともう一度自分たちの役割をしていきましょうということがあった訳であります。私共の会員企業も、こちらにありますように直近の3年間でありますが、毎年重量を減らしてきている訳であります。これにはメーカーの皆様方に御努力いただきまして、トレイやレジ袋など、衛生面の確保や商品の持ち運び等、本来有する役割を果たすことを前提に、強度を保ちながら薄肉化、軽量化を進めていただいた訳でありますが、会員各社も自らいろいろ努力をさせていただいた訳でございます。
 そのほかにどんな取り組みをしてきたかということでございます。4ページ、私共の協会の中に「包装適正化推進要綱」というのをつくってございます。そのほかに青果物、塩干物、こうした改善要綱に基づいて会員各社、皆様方も私共の店頭で御存知かと思いますが、いろいろと包装材の減量に努めているということでございます。
 5ページ、重複をする訳でありますが、今お話をさせていただきました「包装適正化推進要綱」に基づきまして使用量の削減をしておりますし、野菜等を初め、ばら売り、こうしたものも展開をさせていただいたというところでございます。
 あわせて近年でありますが、右のところにありますけれども、畜産の売り場では、いわゆるノントレイの販売も実施をしていくということでございます。
 6ページ、我々はレジ袋を御提供させていただいている訳でありますが、こうした削減にも努めてきているところでございます。御案内のとおり、オリジナルマイバッグあるいはマイバスケットを御提供する、スタンプ・ポイントなどによる還元サービスなどをさせていただいている訳でありますが、いずれにしても、レジ袋を削減するには、地域の住民の皆様方の御理解と御協力、また地域の行政の皆様方の御協力もいただかないとなかなか進まないということであります。そうしたパートナーシップのもとに、現在、レジ袋の無料配布の中止も進めてきているところでございます。
 7ページ、協会でも何かを旗印にしなければいけないよねと、こういう会員の皆様方からのお話がございました。現在「マイバッグでお買い物~レジ袋一緒に減らしましょう~」というキャンペーンをずっと実施しておる訳でありますが、その実施にあたりまして、右のところにございますポスターあるいはレジ袋の御不要カードあるいは今有料化をしているところでは御入用カード、こういったものを私共の方で作成させていただいて、会員の皆様方に無料で配付をさせていただく。もちろん、会員各社独自で作成されているところもございますが、こうしたこともツールとして活用しているというところであります。
 そうしたキャンペーンを進めるに当たってやはり何か目標をつくらなければいけないよなと、こういうお話がございました。2007年に当時は事務局としては、レジ袋辞退率20%ぐらいでいかがでしょうかという話をさせていただいた訳でありますが、会員の皆様方から、それでは手ぬるいということで、当時30%という目標値をつくって今日に至っている訳であります。
 御存知のように、私共の会員企業の店舗、従業員の皆様方がいらっしゃる訳でありますが、この多くはパートさんあるいはアルバイトさんで、いわゆる地域の住民の方でもいらっしゃる訳であります。そこで、まずは従業員からマイバッグをというお話もございました。隣にいらっしゃいますユニーさんでは、全従業員の方にマイバッグを無償で提供して対応している。他の会員各社でもそうでございますが、いずれにしても、まず従業員から始めましょうといったことも進めてきた訳でございます。
 8ページ、一方、先ほどもお話をさせていただきましたが、レジ袋の無料配布の中止あるいはレジ袋を辞退されたお客様へのキャッシュバックというようなインセンティブを付与して対応してきている訳でありますが、この9月末でレジ袋無料配布中止につきましては38都道府県、30社で2,033店舗、キャッシュバッグにつきましては26都道府県、20社で1,231店舗でございます。もちろん、このほかに先ほどお話をさせていただきましたポイントだとかを含めて実施をしている訳でございますが、繰り返しになりますが、お客様の御理解と御協力をいただきながら、ここまで数を増やしているところでございます。
 9ページ、こうした運動を始めてからどのように推移をしたかということでございますが、開始当時は8.0%の辞退率であったものが、この9月にはおかげさまで47.87%まで来ておりますが、若干ここに来て数値の上げが少し弱くなっているなと感じている訳でございます。
 そのほか10ページ、リサイクルにつきましてもいろいろ御協力をさせていただいている訳でありますが、店頭で店頭回収を実施してございます。右の下にありますように、皆様方御存じのように、こうした回収ボックスを置いて店頭の回収を実施している訳でございます。
 11ページ、その店頭回収の実績でございます。2012年でありますが、牛乳パックで9,174トン、発泡スチロールトレイで1万328トン、アルミ缶4,849トン、スチール缶660トン、ガラスびんで471トン、ペットボトルで1万5,881トンというような店頭回収を実施してきております。
 12ページ、環境問題、どこの業界の皆様方もいろいろと対応している訳でありますが、私共も店頭にお客様と一緒にお子様がお見えになる訳でありますが、そうしたお子様にこうした問題を理解していただこうということで、こちらにあります環境クイズの冊子、動画、これは私共のホームページでご覧いただける訳でありますが、そのほかDVD、これも学校の先生方からお申し込みいただいた場合には無償で差し上げている訳でありますが、こうしたツールも御用意をさせていただいて対応している訳でございます。
 最後でございます。13ページ、容器リサイクル法見直しに向けて期待をすることということで3点ほど書かせていただいております。
 1つは、御案内のとおり、容リルート以外での効率的な回収手段として有効で環境負荷低減効果も期待されている店頭回収につきまして、その取り組みについて評価いただき、さらなる取り組みが促進されるような制度の御検討をいただければと思っております。
 具体的には、店頭回収の2つの課題に対する優遇措置を図っていただけませんかということでありますが、1つは御案内のとおり、店頭回収をするに当たって、その拠点の設置あるいは管理人件費等々ある訳であります。こうした見えないコストを見える化をして、制度として何らかの優遇措置を御検討いただけないかというお願い。
 もう一点は、店頭回収コストの負担軽減策を講じていただき、さらなる促進を図っていければいいなと思ってございます。
 2つ目でございますが、法律の目的とは異なるのかもしれませんが、今や温暖化対策というのは私共業界も含めて対応していかなければいけない訳でありますが、そうした取り組みがより推進されればいいなと思っておりますし、そうした意味で申し上げれば、環境に配慮したバイオマス素材のレジ袋あるいは再生トレイなどの使用をより推進するためにも、優遇措置の御検討をいただければと思っております。
 最後になりますが、先ほどお話をさせていただきましたレジ袋の削減につきましては、皆様方に御協力をいただきながら、その削減に努めてきている訳でございます。引き続き我々もその努力を進めていく訳でありますが、ここに来て、こうした活動にブレーキがかかってきている訳でございます。
 特にリージョナルで活動されておられる企業の皆様方、大分御苦労されている訳であります。地域や業種によっては、なかなか難しい問題でもあります。従いまして、レジ袋無料配布中止が推進されるような施策につきましても、ぜひ御検討いただければと思っております。
 以上でございます。どうもありがとうございました。

○郡嶌座長 どうもありがとうございました。
 それでは、質問のある方は机上の名札を立てていただけますようお願いしたいと思います。まず、まとめて質問を受けつけた上で、時間のある限りで説明者の方からまとめて回答をいただくようにしますので、よろしくお願いしたいと思います。
 大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 どうも恐れ入ります。最後のところで、環境に配慮した容器包装に対する再商品化委託料の軽減措置というのは私も大賛成ですけれども、もし具体的にお考えになっていることがあったら教えていただきたいのです。
 素材とか形とか、軽量であることとか、いろんなことがあると思うのですが、何かお考えがもしございましたら、この計算の仕方とか結構難しいかもしれませんので、教えていただければありがたいと思います。
 以上です。

○郡嶌座長 ありがとうございます。
 そうしたら、幸代理、どうぞ。

○幸代理 それでは、1つだけ。3Rの中のリユースの推進の取り組みについてはどのようにお考えかをお聞かせ願いたいと思います。

○郡嶌座長 では、織委員、どうぞ。

○織委員 レジ袋の削減が着々と進んでいるようで大変嬉しく伺いました。
 お話の中で、レジ袋削減に向けてマイナス面のお話がなかったのです。例えば万引きが増えたとか、そういった面で事務的な手続ですとかコスト面みたいな話があればお伺いしたい。それと関連して、最後の御提言のところでレジ袋無料配布中止の法制化という御提言が随分思い切ったという気が致しましたが、お話の中で中小企業とかローカルのところではなかなかいろんな意味で難しいから法制化という論理だったと思うのですけれども、伺っていると、むしろそういうローカルなところが難しいなら、そこが難しい理由を取り除いてあげると話がいくのが協会なのかなと思ったのです。そこでいきなり法制度というのは、逆に先ほどの話とも繋がるのですけれども、マイナス面は何で、中小企業などはそういうところが困っていて、それを解決する方法がないから法律という発想なのでしょうかということです。

○郡嶌座長 川村委員、どうぞ。

○川村委員 店頭回収の部分で10ページの内容の紙パックと書いている部分と11ページの牛乳パックと書いている内容は、内容は同じなのかもしれませんけれども、アルミつきの酒パックとか、あるいは果汁用の部分のこういう紙パック関係の店頭回収はどのようになっているのかということと、11ページのグラフを見ますと、牛乳パックはかなり最近右肩下がりになっているようですけれども、その辺の状況を教えていただければと思います。

○郡嶌座長 鬼沢委員、お願いします。

○鬼沢委員 まず、8ページのレジ袋の辞退された県別のデータがあるのですが、県によって非常に差があると思うのですが、ここはどういうように分析をされているのかということをお聞きしたいと思います。
 最後のページにあります②のトレイを再生して製造したトレイというのは、今でも黒いトレイなどにエコマークがついているのが再生したトレイではないかと思うのですが、そういったものが大体増えている割合がどの程度なのか、全体のどの程度の割合で再生トレイが使われているのかわかったら教えてください。

○郡嶌座長 ありがとうございます。
 佐々木委員、お願いします。

○佐々木委員 1点だけですが、バイオマスプラスチックを使っている使用状況と、普及させるために、多分コストの議論というのが大きいのだろうと思うのですが、コストについてどのようにお考えになっているのか、その2点でお願いします。

○郡嶌座長 篠木委員、どうぞ。

○篠木委員 レジ袋無料配布中止について私も伺いたいのですが、今までもらえていたものがもらえなくなったというのは、多分消費者にとって大きな変化であろうかと思います。その時に、先ほど織委員からもマイナス面のお話がありましたけれども、どのようなマイナス面あるいは、トラブルとかが起こっていないのか、そこについて少し具体的に伺えればと思います。
 あるいはなんらかの問題が起こっている時に、袋なしのような状況にスムーズに移行するためにどのような工夫をなさっているのか。その辺について、教えていただければと思います。

○郡嶌座長 そうしたら、砂田委員、お願いします。

○砂田委員 13ページですが、店頭回収をしている小売業者へのインセンティブですけれども、これはどこからどういうようなインセンティブを期待しておられるのか、もう少し具体的に教えていただければと思います。
 以上です。

○郡嶌座長 中井代理、どうぞ。

○中井代理 13ページで3点ほど質問させていただきます。
 店頭回収は非常に品質が良いと聞いているのですが、品質のレベルはどれぐらいと判断されているのかをお聞かせください。
 2点目ですが、全店頭で回収されている量は、販売量のどれぐらいの割合なのかを教えてください。
 3点目ですが、店頭回収が進んでいる店舗が多いと思いますが、最も優良な店舗はどこか教えてください。

○郡嶌座長 では、長谷川委員、どうぞ。

○長谷川委員 もう既に出ているのですけれども、同じく13ページのところですが、2つありまして、1つはレジ袋の無料配布中止の法制化と、突然法制化ということになって、ある特定の容器を制限するような形になるので、よほどの根拠が要るのではないかと思うのですけれども、その辺のお考えと、先ほど売上高で10%程度カバーしている、カバー率はそうだというのだと、残りの90%のところの取りまとめとか御意向調査みたいなのはどうなっているのかというのが1つです。
 もう一つは、同じく②のところで、例えばバイオマスプラスチックを使用したレジ袋をというインセンティブをという話ですが、今のバイオマスプラスチックは多分化学的にはそうではないものと全く区別つかないものができているはずですけれども、どういう手法でこれを分けるのか、そこを教えてほしいのです。

○郡嶌座長 宮田委員、どうぞ。

○宮田委員 ありがとうございます。同じく13ページのレジ袋無料配布中止ということで、冒頭の説明で、会員の事業者さんは、11店舗以上ということで、割と大手の会員で、そういう店では取り組みが進んでいるのは私共実感しているのですけれども、5店舗ぐらいしかない事業者さんの場合、レジ袋は自分でつくれてもマイバッグをオリジナルでつくるのは力がない訳ですね。そういうところに対してどうやって広めるかということで、単純に法制化以外にも何かアイデアがあってもいいなと思います。そういうところでこれまでの取り組みの中で提案があれば教えていただきたいと思います。

○郡嶌座長 柳田委員、お願いします。

○柳田委員 佐々木さんから出ていたのですが、バイオマスプラスチックを使用するに当たって、もちろんコストが上がると思うのですけれども、例えば委託料の大体これは何パーセントぐらいというのを想定されているのか教えていただきたいのです。

○郡嶌座長 山川委員、最後に。

○山川委員 ありがとうございます。5ページに野菜や素材のばら売りとございます。私の近所のスーパーでもばら売りしてらっしゃいますが、惣菜のばら売りをしたものをプラの容器に入れているということがあるのですが、それはトレイを使用しないということとどちらがいいのかなと単純に思いました。聞かせていただきたいと思います。
 9ページに、平成14年8%が平成25年には47.87%の辞退率。これが具体的にどれくらいの発生抑制になっているのか、数値でわかれば教えていただきたいと思います。

○郡嶌座長 ありがとうございました。
 たくさんの質問がありましたけれども、可能な限り時間内でお願いしたいと思います。

○日本チェーンストア協会(百瀬) では、皆様から御質問の一番多かったレジ袋の無料配布中止の法制化の要望につきまして、会員企業からの意見を申し上げます。
 レジ袋は、委託料のうちの約半分と考えています。そして、これはユニーという会社の例ですが、有料化を進めまして、辞退率が75%に上がった時点でレジ袋の枚数は3分の1弱になりました。当初、2006年に全く有料化をしなかった時には3億3,000万枚使っていたレジ袋を2012年、辞退率が75%に達した時点で約1億2,000万枚という数字です。そういったことから、レジ袋の無料配布を中止し、使用量を削減することによってレジ袋の使用枚数は抑制できます。
 また、レジ袋削減に関しましては、環境問題に関心の高い消費者からの「お買い物袋持参運動」の提案から始まりました。1980年代にレジ袋を使わないお買い物を推進する消費者団体の方たちの呼びかけが盛んに起きていましたが、その時点ではレジ袋を配らないとお客様がいらっしゃらないのではないかという危惧がありました。なかなか進まなかったのですが、2005年の愛知万博が始まったころ、丁度そのころに。

○郡嶌座長 ほかの質問にも答えていただきたいので、簡潔にお願いします。

○日本チェーンストア協会(百瀬) まずレジ袋からエコライフスタイルを始めるということを消費者の方と行政、そして小売業が一緒になって進めている環境活動になります。
 次に、レジ袋を有料化することによって何かデメリットがあったのではないかということですが、万引きが多くなったとおっしゃるところもありますが、具体的にどれくらい増えたのかということは数字が出ていません。ですから、これにつきましてもレジ袋を有料化にしたから万引きが増えたということは一概には言えません。
 また、トラブル、これはお客様からの苦情だと思いますが、これも地域で一緒に取り組んでいる場合にはほとんどございませんでした。ただ、地域の中で1店舗、2店舗だけ取り組んだところにつきましては、たしかに売り上げが下がったり、苦情があったりということが当初ありましたが、大体3カ月から半年でそういったものも減りまして、お客様と小売業と一体になった活動ということで、それほどのデメリットは感じていません。
 順不同で申し訳ありませんが、リユースの件につきましては、本来ガラス瓶のリユースは、大概どこのスーパーでも、レジのところにボトルというボタンがあり、ビール瓶・日本酒の一升瓶のデポジットはしています。ですから、一升瓶やビール瓶は回収する機能があるのですが、ただ、リユースに使われている商品が毎年減っていて、リユースの取り組みが衰退しているのが現状です。
 あと酒パックのことですが、酒パック、アルミが張ってあるような紙パックの回収も一部店舗ではしています。古紙の業者は一定の割合であれば、アルミ箔がついているものでも今の技術では回収することが可能だと聞いています。ですから、これも今後取り組んでいける課題ではないかと考えています。
 店頭回収のレベルです。これにつきましては、地域差があります。地域差の最も大きな理由が、自治体回収が盛んなところは店頭回収にそれほど消費者の方は期待していません。ただ、自治体が2週間に1回、10日に1回といったような回収の頻度が少ないところ、回収拠点にしか持っていけないような取り組みにつきましては、店頭はいつでも持っていける回収拠点ですので、そういったところを頼りにされてたくさん集まる地域もあります。
 どれくらいの回収率かといいますのは、販売した数と回収した数というデータが今手元にありませんし、そういうデータがそろえられるかどうかわかりませんので、今日はお答えできません。
 優秀な店舗というのも何が優秀かというのはわからないのですけれども、量が優秀な店舗であれば調べておけると思います。回収している品目につきましては地域によって違います。店頭回収した使用済み容器包装のリサイクルに業者が対応していただけるルートがある地域では実施しています。そういった事業者がない地域があります。そういったところでは、集めたものをリサイクルルートに乗せらないので回収が進んでいないという状況です。
 プラスチックケースで青果を販売するということにつきまして、青果につきましてはチェーンストア協会では、できるだけ、ばら売りをしています。ただ、このチェーンストア協会のルールにもあるのですけれども、いたみやすいような果物ですとかキノコ、豆類、そういったものはケースに入れて販売しています。
 また、トレイと透明トレイで売っている場合の環境負荷の違いというのは私共ではわかりませんので、これは専門家の方にお尋ねしたいと思います。
 バイオマスプラスチックをどれくらい扱っているかという数字も、会員企業が何トン使っているというような数字はございませんが、例えばスーパーマーケットでいえばイオンはレジ袋を100%バイオマスプラスチックにするということで進めております。また、弊社、ユニーでも有料レジ袋25%をバイオマスプラスチックに変えました。
 また卵パックですとかフルーツケース、サラダケースのバイオマスプラスチック化を、環境負荷低減を目的に進めています。その理由は、限りある資源である石油を使わないプラスチックの使用を今から始めないと、近い将来、プラスチック容器を使用したセルフサービスで商売がやっていけないのではないか。セルフサービスは、何らかの容器に入れて商品を販売するということが今のところ基本になっています。その商売をこれから先もずっと継続的に持続可能にやっていくためには、持続可能な素材でできた容器包装を今から使い始めるべきではないかということで、そのバイオマスプラスチックが低炭素社会に対してのCO2削減効果の望める素材であるということで使っています。
 先ほど先生がおっしゃいました、では石油由来のプラスチックとバイオマスプラスチックの違いは何かということですけれども、例えばバイオマスプラスチックでも石油由来のプラスチックでも全く同じ物質であれば、それは将来的には古紙の利用のように、リサイクル資材とバージン素材を混合して使えれば一番望ましいと思います。ただ、リサイクル法において別々に区分けして申告させていただき、なおかつ何らかの形でインセンティブがあるという時には、やはり使用量と回収量というのをきちんと量らなければいけないと思います。そのあたりの実験につきましては、今後検討したいと考えています。

○郡嶌座長 遅れて来られました石川先生、もしもありましたら、質問をお願いします。

○石川委員 店頭回収に手間とコストがかかっているというのは理解できますので、コストがどのぐらいかかっているか、教えていただければありがたいです。

○日本チェーンストア協会(増田) いわゆる食品スーパー系のところで年間で約2,000万程度、大きいところで1億、億単位で経費がかかっていると聞いております。

○郡嶌座長 先ほどの質問の中で、見直しに向けての小売業者への店頭回収のインセンティブの問題、そこのところの問題についてお答えがまだないようです。

○日本チェーンストア協会(増田) インセンティブというか、会員各社、他社さんでもそうですけれども、同じエリアで店舗を展開している訳でございます。今はそれぞれが回収したものをそれぞれが業者様と取引をしている訳でありますが、例えば同じエリアにA社のA店、B社のB店があれば一緒に回収をしていただくようなルートもつくっていただけると、もっと回収の量もふえるのではないかというようなことで考えております。

○郡嶌座長 ありがとうございます。どうもチェーンストア協会からありがとうございました。時間が過ぎたみたいで、申し訳ございません。
 続きまして、資料3に基づいて全清連プラスチック適正循環資源化協議会の代表の濱様から説明をお願いしたいと思います。

○全清連プラスチック適正循環資源化協議会(濱) 全清連プラスチック適正循環資源化協議会の濱と申します。よろしくお願いします。
 今日は実際にリサイクルしているというか再生資源を利用した製品も一緒に持ってきておりますので、後で御紹介したいと思います。
 時間もありませんので、ポイントだけを説明させていただきたいと思います。
 全清連プラスチック適正循環資源化協議会の概要につきましては3ページに記載のとおりでありまして、我々は材料リサイクル、容リ法が完全施行されました12年以降、リサイクル事業に携わってきて参りましたが、当初、容リ材は臭いとか、異物が多いとかということでかなり批判的でございまして、せいぜい擬木やパレットにしかならないとか、そういう声が多くございました。そこで我々は、きちんとした形でリサイクルすればいろいろなものに利用できますよということで、そういった研究開発と共に、容リの制度のもとで一般市民の方にきちんとそういった形でこういうことでリサイクルできますよという教育の機能もあわせ持つ必要があるということで、積極的に工場のほうを公開したりとかということを努めて参りました。
 そこで最近は、さらに一歩進めて、次のページに記載しておりますような、こういったペットボトルの回収箱ですとかうちわ、こういったものを共同でつくりまして、各地の環境フェアですとか、また近くの小学校や教育委員会ですとか、そういったところへ無料で配布してそういう活動を続けてきております。特にペットボトルの回収箱につきましては、関係のあるそういう市町村、エリアだけではなくて、全然違うところからもぜひ譲ってほしいとか、そういうことで非常に好評を得ているところであります。
 次に、プラスチックの再生、容リ材の現状につきまして、まず、マーケットの状況から説明させていただきたいと思います。
 7ページに、これは日本プラスチック工業連盟の資料から、プラスチック製品の関連のところを抜粋したものをグラフにしたものでございますが、容リ材が使用できる分野であるということで、赤で囲んでおります。これらの製品の樹脂は、次のページを開いていただきますと、日用雑貨等圧倒的にPP、ポリプロピレンが樹脂として使われているという市場でありまして、ということは、プラスチックの再生原料というのがPPの代替え材料として使うことにより、価値のある材料になるということであるということで、実際に容リ材が現在使われておりますマーケットの内訳を9ページに表しております。
 これは一応先ほどの製品を容リ協会の分類に沿った形で各分野に分け、実際に利用していただいている利用事業者の方、そこからの聞き取り等を加えまして、潜在需要というものを見込んでおります。これによりますと、見ていただければおわかりのように、日用雑貨、または農業園芸資材、こういった分野での需要がまだ非常に大きいということが言えるのではないかと思います。
 こういった需要マーケットの状況に対しまして、どういった材料が要求されるか、価値があると認められるかということで、利用事業者の方と情報交換等を通じまして、結局使いやすい材料というのは、安定した材料である、そういうものがまず必要な条件であるということで、ここ約3年間、実際にできた再生原料、ペレットの物性を調査して参りました。いろいろ安定させるための、方策といいますか、いろいろ研究しまして、最近では赤で囲んでおりますように、ブレが非常に少なくなりまして、安定した材料になってきたということで、次のページ、日用雑貨から農業、園芸、その他まで幅広い製品に利用されるようになってきております。
 さらに、現在取り組んでおりますのが、先ほど申し上げましたように、容リ材がPPの代替え材料としてそういう形で利用されるということで、そういった物性を上げると、要求に応えるためにコンパウンドの技術も開発して研究しております。現在、容リ材のPPとPEを主成分とする材料を製品として出している訳ですが、容器包装のそのほかの材料をコンパウンドすることによりまして、PPと同等の物性を有する、そういった製品につきましても開発し、現在、利用をし始めていただいているという状況にございます。
 また、意匠性を上げるということで、今、回覧していただいておると思うのですが、従来、容リ材の製品というのは黒とか濃い色にしかならないと、そういったイメージが定着しておりました。我々は、そういったイメージを払拭するためにいろいろ研究しまして、現在、そういった明るい色にもなってきている。そういった材料にこれから利用していただければ、またさらに日用雑貨等の分野にでも広がるであろうと考え、取り組んでおります。次のページに実際に利用していただいている製品の写真も載せているのですが、実際にきょう、持って参りました。
 これが従来のグレーの色で着色した材料で作った製品であります。そこで回していただいている色のエコベージュというカラフルな色に現在取り組んでいただいておりまして、これが出ればまたさらに利用分野は広がるであろうと考えております。
 こういった商品開発、製品の開発とともに、我々はただ再商品化すれば、再生すればいいというのではなくて、そもそも容リ法のもとでやる上においては、実際の生活者といいますか、市民の皆様、消費者の皆さんの意識というものを変えていただける、そういった活動というものをどうしても機能として持つ必要があると考えておりまして、さらに従来の取り組みから一歩進めまして、直接市民の皆さんと触れ合うことができる市町村と連携した形の活動を強化して参っているところであります。
 具体的な連携の内容につきましては、16ページ以降に載せております。
 まず、西宮市の事例で申しますと、職員の方というのが短期間で異動されますので、そういった方を対象に研修会に参加してもらったりとか、また神戸市におきましては、こういうクリーンステーションというかごみの集積所で容器包装プラスチックを原料としましてこういった製品を作っていただきまして普及啓発に役立てていただいている。
 また、先般、ヒアリングの発表がございました松山市、ここは大方10年近くになると思うのですが、実際に継続して我々が引き取っている市でありまして、つき合いの長いところであります。こういったところもずっと継続的に再生した商品と製品とを市民の方に公開して、リサイクルというものがどういう意味合いなのかというものが理解していただくという形の活動を継続してやっております。
 最後の姫路市におきましては、ここ4年、姫路市のほうで分別収集を開始された当初からずっと継続してお付き合いさせていただいているのですが、当初、非常に悪かったものが最近は非常に良くなってきているのです。実際にコミュニケーションを通じまして、Aランクをとるために汲々しているとか、ストックヤードというか選別所の問題点について一緒に解決できるかどうかということで、こういった中身の異物の調査をしたりとかというのをやって参りました。
  20ページ、ベール品質を異物という形で十把一からげに言うのではなくて、実際に中身は、どういったものが異物として多いのか、どういう障害があるのかということを、市町村のベールを定期的に異物の内容を調査してきました。こういったデータをフィードバックすることによって少しでも役に立てていただけたらということで行いました。この5カ月間のデータではありますが、紙製が非常に多いという結果となっております。また紙製の中をさらに分類しますと、こういったカップ麺のカップが非常に多くございますということで、こういった部分について後ほど役割を述べたいと思うのですが、表記の仕方ですとかそういったことに気をつけていただきたい。
 また、姫路市におきましては、実際に未選別のベールをそのまま試験的に流して引き取って中身のほうを調査しました。その結果、分別、収集したものをそのままベールにしても何ら遜色のない分別基準をクリアしたベールになってきている。これはそういう市町村のそういった普及啓発というか、そういった活動がこういった成果になってあらわれるのであろうということを実証した内容ではないかなと。一部にはすぎないのですが、こういった活動が重要であろうと考えております。
 そこで取りまとめとしまして、要望事項。
 まず、第1点目としまして、こういった潜在需要の大きさ、材料リサイクル、日用雑貨類への用途の拡大、供給確保と、農業資材関係への安定供給のため、ぜひとも材料リサイクル手法への量の拡大確保をお願いしたい。現在、非常に厳しい状況に置かれておりますので、ぜひともよろしくお願いしたい。
 また、市民の皆さんに最もわかりやすく実感できる手法でございますので、2Rの自主的な行動を促す有効な手段であるということを御理解いただきたいと思います。
 2番目としまして、先ほども申し上げましたように、市町村の普及啓発の提携したそういった活動が継続して実行できるように、長年継続してやりますと必ずや効果があらわれて参りますということで、できるだけ複数年の契約を実行していただきますようお願いしたい。
 3番目としまして、容リ制度参加の市町村がなかなか増えないという点もございますが、これも費用負担のほうから言えば、そもそものリサイクルの分別、リサイクルという行為そのものに、そういう普及啓発、再商品化の中にも普及啓発に係る費用というものが本来的に含まれているのが当たり前であろうと我々は考えております、ということで、そういった費用を現在の合理化拠出金と別枠で、そういった費用につきましても市町村のほうへ分配されてもいいのではないかということで御提案申し上げたい。また、委託料金の中にそういった費用も含む、そういうことがあってもいいのではないだろうかということで御提案申し上げたい。
 4番目に、市民にわかりやすい分別区分の表示を工夫していただきたい。先ほど紙製容器のほうで若干触れましたように、1つのカップのところに紙とプラと両方併記してあったり、また製品そのものが最近は従来がプラスチックであったものが紙製に変わっていると、消費者のほうにはそういったものがわかるような形で知らされていない。アンケートをとりましても、カップ麺のカップをこれは何製かと問えば、大体6割ぐらいの人がプラだというほうで解釈して、プラスチックのほうに分別されている。そういったものが実態であろうと思いますので、何らかのそういった工夫を検討していただきたいということでございます。
 以上でございます。

○郡嶌座長 ありがとうございます。
 御質問のある方、どうぞ札を立てていただけたらと思います。
 石川委員、お願いします。

○石川委員 例えば姫路市の例で実験的に90%が容器包装プラスチックだということを御発表いただきましたが、例えば姫路市のものをこのまま受け取ったとして、どの程度がマテリアルリサイクルされて、どの程度がいわゆる残渣となるのかを教えていただければと思います。

○郡嶌座長 ありがとうございます。
 大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 13ページのところで、材料リサイクルの品質向上の取り組みをされていて大変いいと思うのですが、この物性の向上とか意匠性の向上とかとの関係で、リサイクルのコストはどのくらい上がるということになるのかというのは一般的な質問で恐縮ですが、教えていただけるとありがたいと思います。

○郡嶌座長 それでは、川村委員、お願いします。

○川村委員 紙製容器の部分についてということで、私共は紙とプラの複合品については従来の識別マークを区分したらどうかというような話もしておりますが、具体的に識別マークをさらにわかりやすくということのアイデア等あれば教えていただきたいと思っています。我々もいろいろ考えておりますので、よろしくお願いします。

○郡嶌座長 鬼沢委員、お願いします。

○鬼沢委員 12ページ、13ページのところで、先ほどのお話では、多様な日用品が製造されているとおっしゃっていたのですが、この写真を見ると、とても多様な日用品とは私は思えません、このペレットから日用品になっている割合はどの程度なのか、むしろ日用雑貨ができている割合よりも建築廃材や土木資材のほうが割合的に多いのが、そこがわかりましたらお願い致します。
 13ページにあります日用雑貨のアースカラーはとても綺麗で良いなと思います。こういった製品ができると良いと思うのですが、現在の12ページの写真を見ると、どれもこういった色がまだなくて、これはこれからのことのようですけれども、材料リサイクル50%という枠があって、私たち消費者としては非常に材料リサイクルされるものの期待が大きかったのですけれども、今までこういうようなものができてこなかったことはどうしてなのか、教えていただけたらと思います。

○郡嶌座長 小寺委員、どうぞ。

○小寺委員 9ページと11ページから質問がありまして、9ページの上の赤いところ、容リ材潜在需要量、これの根拠なのですけれども、それを教えていただきたい。例えばペレットが安く提供できる、価格競争力があるとか、強度が十分この分野なら使えるかなという話であるとか、なぜこの数字が出せるのか根拠を伺いたい。
 11ページですけれども、非常にペレットの衝撃強度、曲げ弾性率が安定してきている、これは先ほどお話の原料の質の向上によるものか、あるいは例えば相溶化剤を検討したとか、製造プロセスの改善とか、そういったことによるのか、そういうことを教えていただければと思います。

○郡嶌座長 そうしたら、小林委員ですね。

○小林委員 御説明ありがとうございました。
 13ページ、今の小寺さんの御質問に関連はしているのですが、いわゆる材料リサイクル、容リ材のリサイクル品がいわゆる産廃のリサイクル品に近づくことがある意味高付加価値で、いろんな利用範囲を広げることの1つだと思うのです。今、これを見せていただきまして、容リの基本物性からコンパウンド化して、かなり物性の向上が図られているのですが、現在のところで産廃品のコンパウンドと容リのコンパウンドで一番改善が求められる内容というのはどこなのでしょうか。それによるためには、消費者を含めて、我々ができることは何なのかということを教えてください。

○郡嶌座長 酒巻委員、お願いします。

○酒巻委員 3ページ目のところで、再生並びに有効利用技術の共同研究と書いてありますけれども、非常に素晴らしいことをやっていらっしゃるとなると思うのですが、本来、容リ法では再商品化の義務があるのは、特定事業者ということだろうと思うのです。再商品化事業者の皆さん方はこういうことをやっているのは立派なことだと思うのですけれども、義務のある特定事業者との連携でどのようなことを行っているのかわかれば教えていただければと思います。

○郡嶌座長 ありがとうございました。
 佐々木委員、お願いします。

○佐々木委員 いわゆる残渣率の件ですが、平均でどのぐらいなのかということと、異物を除いた、いわゆる残渣として扱われるものはどういったものがあるのかという。また、製品プラについてどのようなお考えをお持ちなのかということ、以上でございます。

○郡嶌座長 中井代理、どうぞ。

○中井代理 8ページあたりですが、PPの利用率が非常に高いということが示されています。この使用割合を今後高めるとしたら、どの程度まで高められる可能性があるのか教えてください。

○郡嶌座長 長谷川委員、どうぞ。

○長谷川委員 同じく8ページ、9ページのところですけれども、8ページで分類が違うのですけれども、容器というところが真ん中に大きな物量があって、ここはポテンシャルがあるというお話でしたけれども、その下の9ページが現実の分類の実態ですね。この容器という部分が9ページのどこにどう結びついているのか教えてほしいのです。
 もう一点は、13ページ、先ほどから幾つか出ていますけれども、コンパウンドペレットは多分改質して希釈してというのか、増量してというのか、いろんな形で別のものを持ってきて精度を上げると思うのですが、逆に言いますと、そうすると、今の容リ材の基本物性、今できたものの容リプラスチックから作ったものだけの基本物性では、なかなか用途が限られるということと解釈してよろしいのでしょうか。そこを教えてください。

○郡嶌座長 花澤委員、お願いします。

○花澤委員 2つあって、1つは先ほどの12ページのリサイクル製品の事例ということで少ないとおっしゃった方もありますが、一方で、前回、容リ協会から出して説明を受けた資料によると、材料リサイクルにおける再商品化製品の利用用途ということで、今ここに書いてあるもの以外に全体の44.9%が再生樹脂というくくりになっていますね。再生樹脂ではよくわからないので、一体、皆様の立場から言うとどんなものに使われているのかということですね。この絵に描いてあるものは同数量が再生樹脂にほぼ当たるので教えてほしいというのが1点目です。
 2点目は、前回か前々回のヒアリングで高度マテリアルリサイクル推進協議会さんから、収率を今の50%から、目標として75%ぐらいに上げたらどうかというようなお話をいただきました。こちらの団体さんの会員さんは、収率を75に上げるということは、それだけマテリアルに特化することになるのだと思うのですが、この辺のお考えをお聞かせいただきたい。
 以上です。

○郡嶌座長 平尾委員、どうぞ。

○平尾委員 今までの御意見と重なるかもしれませんが、13ページのような形で高度な容リからの再生材をつくっていった時に良い成分しか使えなくなってしまうので残渣率が上がるのではないかというような感じがする。先ほど大塚委員がコストという面でお聞きになりましたけれども、こういう高度化をすることによって残渣にどのような影響があるかを教えていただきたいというのが1つです。
 さらに、その残渣について、どのような処理をするように協会などでは推進したり指導したりしていらっしゃるかということについても教えていただきたいと思います。

○郡嶌座長 三富委員、お願いします。

○三富委員 同じく13ページのところになるかと思いますけれども、このような高度再生処理をするための原料となる容リ材ですが、リユースとか機能性を目指した複合素材というのがございます。この辺が対応可能なのか、だめならばどの程度までの複合素材ならば許容できるのか、その辺のところのノウハウがあれば教えていただきたいと思います。

○郡嶌座長 椋田委員、お願いします。

○椋田委員 若干ダブるところもあるのですが、22ページで市民に最もわかりやすく実感できると書いてあるのですが、一方でどうしても材料リサイクルが非常に多くの残渣が出てしまうということについてどのように考えておられるのかということと、もう一点、3ポツの合理化拠出金と別枠で上乗せ加算配分と書いてあるのですが、合理化拠出金というのは制度に参加して品質向上した自治体に配られるものであるのに、上乗せをさらにすることによって、どうやって自治体が参加のほうに動いてくるのか、なぜこれが増加策になるのかということについて教えていただければと思います。

○郡嶌座長 山川委員、どうぞ。

○山川委員 ありがとうございます。15ページでごみの減量推進、ベール品質の向上のところで、市民に対しての3Rの意識を持たせたいということが書いてございますし、次のページとその次のページに各市町村との連携がございますが、そういった普及啓発のところで前回の見直しで制度化された3R推進マイスターという制度がありますが、そういった人たちが普及啓発に協力とか関与するという実績はありますでしょうか、それを聞きたいと思います。

○郡嶌座長 吉儀委員、どうぞ。

○吉儀委員 9ページです。先ほども出ましたけれども、例えば左から2番目に、医療廃棄物用容器というのがありまして、これは12ページの写真から見ると、多分感染性のものを入れるのだろうと思うのです。そうしますと、完全焼却されると思います。ということは、強度と密閉性が確保されれば100%容リ材でもいいような気がするのですけれども、この赤い部分の出し方ですが、先ほどは聞き取りで出されているというお話だったと思うのですけれども、もう少し補足説明いただけますでしょうか。

○郡嶌座長 ありがとうございます。
 質問のところで終わってしまいましたけれども、ベルが鳴りましたけれども、10分ほどの間で、可能な限り質問にお答えいただけたらと思います。また後でありましたら、答えられなかったものについてはさらに延長したいと思いますけれども、10分でお願いします。

○全清連プラスチック適正循環資源化協議会(濱) 冒頭の姫路市の件について御質問がございました。これの未選別のベールを流した場合の収率につきましては、通常のベールと同等の収率でございまして、おおむね50%が再生材料になっているということです。
 残渣という残渣率についての御質問でございましたが、通常、残渣、残渣と言われているのですが、前回の説明というか資料の中でも他工程利用プラスチックという形で、そういう表現にぜひとも変えていただきたいと思うのですが、これらにつきましては、容リ協の説明にもございましたように、有効利用をしております。RPFですとか、セメントの燃料化ですとか、そういった形で有効利用しております。残渣率、先ほど紙製容器について述べましたが、重量としては、量としての数は大したことがないのですが、重量は非常に重とうございまして、これらにつきましては燃料としてそのままセメントのほうで利用されているという状況でございます。率としては、大体水分等を抜いた段階で40%弱がそういった有効利用されているものになっているということでございます。
 物性を上げた場合のこういうリサイクルコストでございますが、再商品化事業者としてのコストというものは変わりません。あくまでも基本のペレットというものを出荷した後、それをコンパウンドする。コンパウンド業者のほうでそういった物性を上げるという形になりますので、リサイクルのコストは、何ら変わりはございません。一応安定したそういう材料を提供するということで、いろんな分野に利用できるということでございます。
 紙とプラの識別マークの表示の件についてですが、アイデアとしては、別に私共は持っておりません。そういったものを表記する場合に、消費者の意見を聞いてぜひとも考えていただきたいというのが我々の思いであって、ほとんど紙に変わってきている訳ですから、プラのマーク等はなくてもいいのではないかと、一応そういう考え方もあるのではないかなと思っております。
 多様な日用品が何パーセントかという現在の製品事例のほうでは、日用品が余り何パーセントもないかというようなことだったのですが、実際に我々の出荷している製品、また、最後のほうの質問で再生樹脂がということだったのですが、その用途等、私共がやっておりますのはあくまでも汎用性のあるそういった樹脂をつくるということで、特定の製品を我々が成形している訳ではなくて、いろんな業者の方に成形して利用していただきたいというところで再生樹脂を製造しているのですが、会員の我々のグループの中で調査しました結果、約50%弱がこういった日常雑貨であるとか、先ほどの容リ協さんのほうの分類でいきますと、医療用のこういったペール缶というものを一応日用雑貨その他ということで分類されておりますので、そちらのほうへ含めまして約50%という数字になっております。
 こういった色を、これまで黒ですとかそういったものが主流でなかなか取り組んでいただけなかったというところをここまでカラフルな色に変えることができますということで証明した訳で、今後、まだまだいろんな分野に利用していただける。こういった材料が供給されることによって、こういった明るい色の製品が世の中に出ることによって、供給がまた需要を生んでくる、そういうことを一応期待しておるところでございます。
 やはり容リ材、再生材で利用した製品というのは、食器類ですとかそういったものには利用できませんので、いろんな制約がございますから、用途は限られてくるとは思うのですが、中でもこういった色が変われば、まだまだ広がってくる。始めた当初は、それこそこういったものはなかった訳ですが、これも供給がこういった需要を生み、またさらに供給できるようにどんどん広がりを見せてきた結果であろうと思います。
 再商品化義務者との我々との提携の関係という質問もございましたが、直接的には、現在のところ、我々のほうから希望を出したりとか、そういう関係は今のところ持っておりません。ただ、そういった勉強会等にはできるだけ参加にするようにして、我々のほうの再商品化事業者としての意見は述べさせていただいているという状況でございます。
 いずれにせよ、再商品化義務者は法律上そういう特定事業者の皆様ということになっておる訳で、我々はそういった業務をお手伝いしているという立場ではございますが、いずれにしても、再商品化も容リ法のこういったもとで再商品化というものに携わる、それこそ市町村も含めて、やはり市民の皆さん一人一人の生活をする上において、もったいないという気持ちを持ってもらう、そういった方向であらゆる手法というものを進めていかなければいけないのではないかなと。それが本来の姿であろうと私共は思っていますし、そういった方向でぜひとも考えていきたい。
 収率の件につきまして、前回のこれまで78%まで可能であるということがございましたが、我々は冒頭言いましたように、市場が求めているものを、それでできるものをまずは提供する。受け入れられないようなそういうものを提供しても意味はない訳で、いろいろ実験はしているのですが、特に何パーセントまでできるとは申し上げることはできないのですが、さらに選別、精度を増せば、利用できる価値のある製品にしないと意味がない訳で、数パーセントは上げていくことは可能であろうと思うのですが、それはあくまでも価値のある材料になり得るかどうかということで判断すべきであろうと。もっとより有効にサーマルリカバリーのほうで利用していただくほうがコストの観点からいえば有効であろうと思います。

○郡嶌座長 どうもありがとうございました。
 まだ全体のあれはありますけれども、時間となりましたら、またよろしくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、次に資料4に基づきまして、日本環境保全協会の理事の安達様から説明をよろしくお願いしたいと思います。

○日本環境保全協会(安達) 日本環境保全協会でございます。本日は、大変貴重な機会を賜りまして感謝申し上げます。
 それでは、早速資料に基づいて御説明をさせていただきたいと思います。
 一般廃棄物処理業者、または材料リサイクルの再商品化事業者として、本日、容器包装リサイクル法における取り組みと課題、そして御要望ということで述べさせていただきたいと思います。
 2ページ、当協会は市町村からの委託、許可を受けて事業を営んでおります一般廃棄物処理業者の団体でございます。昭和36年設立から52年がたっております。市民の日常生活から出て参ります一般廃棄物のし尿やごみ、こういったものを適正処理するため日々活動しておるところでございます。
 3ページ、当協会の会員企業である一般廃棄物処理業者がより制度においてどのようにかかわっているかということでございまして、まず、この中の図の①の部分で、容器包装ごみの収集運搬、市町村からの委託を受けて我々はやらせていただいている。また②、市町村が所有されております施設の運営管理の委託運営ですとか、自社施設を持って民間施設での適合化処理の委託。
 あるいは③再商品化事業者としてリサイクルにかかわっている。このような形で現場に携わらせていただいております。
 4ページ、本日は、再商品化事業者として特にその他プラの材料リサイクルの現状というものから述べさせていただきたいと思います。
 この図は、各リサイクル手法の物質収支を簡単に示したものでして、以前の審議会資料等から抜粋してきたものですけれども、材料リサイクルの特徴としては、50%がプラスチック製品に再生利用されるということで、他の手法よりもプラからプラへのリサイクル率が最も高い、これが特徴かと思います。
 また、再商品化の工程で発生致します他工程利用プラ、以前は単に残渣と呼ばれておりましたが、これらも熱利用価値があるということ固形燃料化などによって有効利用されております。
 5ページ、材料リサイクルにつきまして、どのように技術的に高度化してきたかというような発展経緯というような話になりますが、再商品化工程におきましては、さまざまなリサイクル機器を組み合わせてラインを構成しておりまして、人間による手選別、あるいは機械選別の適切な役割分担によりまして選別精度の維持あるいは再生原料の品質向上といったものに取り組んでおります。
 こちらに示しておりますような手選別作業といいますと、主にいい材料を取り出すあるいは目的物を取り出すというイメージをお持ちの方が多いのではないかと思いますが、機械では選別できない異物をとったり、機械ではできない作業を行ったりという重要な役割を担っております。
 また、多種多様な形状や樹脂の種類、あるいはさまざまな異物への対応といった形で、あるいはそれらが季節や時代に応じても変化するといったことに対して、機械ではできないこと、こういったことを経験や学習によって対応できるというのも人間の手選別の特徴かと思います。ただし、大量かつ高速に選別するということが得意ではないために、そこを機械で補うということになります。
 6ページ、人間では不可能な高速かつ大量なさまざまプラスチック樹脂の判別を行うことができる機械として光学選別機というものがあります。これは1台当たり数千万円するというような非常に高額な機械でございますが、多くの再商品化事業者がこれを複数台工場内に導入致したりしまして、その他プラの中に混合されております様々な樹脂を選別するといったようなことを行っております。
 7ページ、厳しい塩素濃度基準というものが再商品化製品、我々のほうにはございまして、通常の湿式比重差選別よりも高精度の分離ができるというのが遠心分離機でございますが、これも1機当たり1億~2億ということでかなり高額な機械でございますけれども、塩素系樹脂の選別あるいは強力な洗浄効果が得られまして、再商品化製品の品質が向上するといった機械でございます。
 このように、今代表的な選別基準を紹介致しましたが、我々が当初ヨーロッパから導入したような処理ラインが、やはり日本独特の容器包装になかなか対応できずに、改造、造設あるいは調整といったものを繰り返し行ってきた結果、日本独自の容器包装に対応できる処理ラインができるようになったというような過去の経緯がございます。
 8ページに参ります。それらの再商品化製品の品質の向上と致しまして、ここにはそれを代表として挙げましたのが、容リ協会さんのほうで全国の我々材料リサイクル事業者からサンプルをとって公表されている分析結果の集計をとってまとめたものです。その他プラのように種々雑多の容器包装材が、こういった品質の高い再生原料が現在では得られるようになったということでございます。
 9ページ、こちらにプラスチックとしての物性のデータを示しておりますが、これは私のおりますリサイクルセンターでの実績値でございますが、このようなプラスチックとしての物性を定期的に調べて品質管理を行いまして、利用事業者でありますところの成形メーカーさんへ情報提供を行うかというようなことを行いまして、プラスチック再生原料としての品質の維持向上に努めておるところでございます。
 10ページ、品質向上に向けた取り組みというのは種々ある訳ですが、代表的な具体例をここに幾つか挙げております。中でも一番重要な取り組みとしてやっておりますのが、1つ目の自治体ごとの地域性あるいは季節変動によって入り口のベール性状が変化するということに対しまして、いかにそれを平準化して均一化し、再商品化製品、我々が作っておりますペレットといったようなものの品質安定を図るかということを非常に重要視して取り組んでおります。
 11ページ、我々のつくる再商品化製品の混合ペレットからつくられる様々な製品の一部を紹介しておりますが、この10年余りの間にペレットの品質向上ですとか品質管理、あるいは利用事業者との共同によりまして、さまざまな成形方法や製品にお使いいただけるようになってきております。
 この中には、いわゆる容リ材100%という製品もございますが、ほかの再生原料と配合してつくられているというものもございます。ちなみに、容リ材100%ではなくて配合するという時の目的というか使われ方ですが、やはり製品をつくられる成形メーカーさんの成形機での生産性や最終製品の物性などを製品ごとにある程度確保しようとする時に、原料としての成分調整が行われるということでございまして、必ずしも容リ材の物性が劣っているということではないと思っております。
 成分調整のための配合は、通常、容リ材以外の再生原料でも普通に行われているつくり方ですので、まずは我々が容リ材としての再生原料の品質の安定性を確保するという努力が必要でございまして、それが確保された上で、その特徴に応じて各成形メーカーさんが目的別に調整されているというのが実態かと思います。
 例えばですけれども、ある建築資材におきましては、もともとポリスチレンで作っておったものに対して、それだけでは釘を打つと割れてしまうということで、もともとオレフィン系材料の再生原料を使って配合して、そういった割れないという特性を得ていた。そこに我々容リ材を使っていただくようなことになりまして、いわば容リ材100%ではないけれども、そういった機能を確保できる製品ができた、こういった事例もございます。
 12ページ、このように利用用途の拡大を我々は行ってきておる中で、利用者である成形メーカーさんのほうからよくいただく代表的な要望、項目と、それに対する取り組みをここに挙げております。
 1番目にありますのが安定した品質と量で供給してほしいということでございまして、我々はそれに対して先ほどから申し上げておりますが、品質の安定化といったような取り組みをやっておるということでございます。
 13ページ、こちらの図は、利用分野別の再商品化製品に対する要求品質と利用量の関係を概念的に示したものです。縦軸が利用量、横軸が要求品質の高い低いということになっております。現状は、物流用パレットですとか再生樹脂といった分野での利用量が多い。これは公表されている数字をそのままイメージで示したものですが、日用雑貨品ですとか工業用製品というものの分野は、要求品質が高いものが多いのですけれども、利用量が少ないという状況かと思います。このような中でも、物流用パレットにおきましては原料の再商品化製品、我々のペレットの品質向上といったものに伴いまして、繰り返し使うリユーザブル化というものがもうある一定量進んでおりまして、また今後発展領域と致しまして、軽量化、薄肉化あるいは国際規格への対応といったものの取り組みが具体的に今も進められているということでございます。
 また、再生原料ですとか再生樹脂ですとか、工業製品分野におきましては、自動車部品や建築、自動車内装材、その工業製品への利用拡大というものが進められておりまして、今後も容リ材の利用分野というのは拡大していく状況にあるのではないかと思われます。
 既に我々のところの混合ペレットにつきましても、自動車関連メーカーさんに原料として通常にある一定量供給されておりまして、通常生産に載っておるものもございます。
 14ページ、他工程利用プラの有効利用というお話でして、他工程利用プラというのはこんなものだということをここに載せておりますが、簡単に申し上げますと、プラスチック再生原料として使いにくいもの、あるいは品質を低下させるようなものといったことになるかと思います。
 15ページ、このような他工程利用プラにおきましても熱利用価値があるということで、我々材料リサイクル事業者は制度上、ルールで単純焼却をしてはならないと決められておりまして、処理コスト的には上がる方向にはなるのですけれども、これらの有効利用を図っているということでございます。
 約半分が現在RPF、固形燃料化となっておりますが、近年、RPFもJIS化やエネルギー源としての利用が進んできておりまして、RPF利用もその品質管理が厳しくなっているという現状がございます。
 16ページ、我々再商品化事業者として大きな取り組みの1つが、市民の皆様への啓発活動や情報公開と考えております。特に小学生の見学は大変重要であると考えておりまして、社会科見学などは積極的に受け入れておるところですが、今、見学をしている小学生が十数年後には大人になって家事を行っていく、家事に入っていく世代になるという時に、何ら意識することなく、ごく当たり前に普通の生活スタイルとして分別を行うというようになっていくことが理想ではないかということで、積極的にこういった見学、啓発活動に取り組んでいる次第でございます。
 17ページ、それでは、我々再商品化事業者、材料リサイクルにおける課題ということであります。まずは再商品化コストの削減ということかと存じます。再商品化コスト、つまり、落札価格はベールの運送費とリサイクルにかかる処理費を足して、そこから製品の販売益を差し引いたものになっております。
 したがいまして、我々の処理費のコストダウンと、再商品化製品の販売益を上げるということが材料リサイクルとしての課題かと存じます。現在の入札制度によりまして、材料リサイクルの優先事業者の平均稼働率は今40%台になっております。そのため、自力でのコストダウンには当然取り組んではおりますものの、我々としましては、やはり稼働率を上げることで処理費の低減、あるいは再商品化製品の販売益増加を図りたいというところでございます。
 また、材料リサイクルの優先制度は、これまでに調整率、優先判定制度、総合評価制度の導入、あるいは優先枠と一般枠の50%ずつの割り振りですとか、優先枠に対する入札倍率の設定といった形で緻密な制度設計と厳格な運用がなされておりまして、かなり厳しい競争原理が既に導入されております。その結果として、年々我々の優先枠の落札価格は年数パーセントずつ下落しておりまして、全く落札できない事業者というものも毎年数社出てくるといった状況でございまして、撤退していく事業者も実際に出ているという状況でございます。
 18ページ、もう一つの課題と致しまして、再商品化技術の高度化ということで、ここ十数年の間にも容器包装材というものが入り口の段階で次々と商品開発がなされ、変化してきております。我々も再商品化段階での対応あるいは製品に生まれ変わる場合での利用段階での対応というものもしてきているということでございまして、今後もこれらの変化が続くことが予想されますので、対応し続ける必要があると考えております。
 それと同時に再商品化製品の利用方法も拡大してきておりますが、先ほどの図にもありましたように発展、拡大の方向性も見えておりますので、利用事業者との共同開発や協力体制を築きながら拡大を図りたいと思っております。
 容リ法見直しに関する要望と致しまして、大きく2点上げております。
 20ページ、まず1つが対象物の拡大ということでございまして、収集袋あるいは容器包装以外のプラスチック製品の対象化ということでございます。ここに挙げたものはプラスチック原料としては良品でございますので、コスト低減やリサイクル率向上につながることはこれまでの実証事業等でほぼ確認されておりますけれども、コスト負担や指定法人ルートでの運用方法などが問題、課題として残っているところかと存じます。
 また、これらの対象物拡大は、市民にとってわかりやすい分別、わかりやすいリサイクルにつながるかと思います。我々も一般市民や子供たちの見学の時に受ける質問の中に、なぜこれが容器包装でこちらはそうではないのかとか、なぜ同じようなプラスチックでこれはリサイクルの対象となってこれはならないのかといった質問を受けるのですが、なかなか我々としてはそういった質問に納得していただける答えが難しいなと現場では感じておるところでございます。
 21ページ、2つ目の要望と致しまして、現在の容リ制度の維持継続・発展と挙げております。容リ制度によりまして、ここに挙げますような大きな成果が今得られていると考えております。プラスチック原料としての再生原料としての国内資源循環の重要性を考えますと、2Rを最優先として、その後にどうしても発生する廃棄物循環資源は物から物へ繰り返し戻すことを原則として現制度の維持が必要ではないかと考えておるところです。
 また、これまでに培った技術あるいは制度的なものにつきましては、今後アジアへの展開も考えられるであろうというところで22ページに参りまして、最後、今後維持発展というものを望む中で自治体の参加率向上ですとか材料リサイクル手法の維持継続、育成発展というものを御要望させていただきたいと考えております。
 以上でございます。

○郡嶌座長 ありがとうございます。これまで御質問がなかった方から優先的に質問を受けつけたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。発言がございましたら。
 では、百瀬さんからまずいきましょうか。

○百瀬委員 ありがとうございます。すごく色々なことが述べられたのですけれども、11ページにあります材料リサイクルの現状の再商品化製品の利用拡大とあります。これはよく売れているのでしょうか。先ほどいかにコストを削減するかということと、売上と利益の拡大を図ることとおっしゃられていたのでお聞きしたいのですが、まず、容リのベールの購入費と、それを使って再製品化したものの売上と、それに関する利益がどれくらいあるのか。物をつくって、それが市場にきちんと受け入れられて売れるということが多分リサイクルの輪が回っていくことだと思うのです。だから、これが作れますとか、できましたということよりも、それを誰がどう使っていくのかということが多分売上の拡大につながると思います。そのあたり、どのような形で市場に対してPRしてらっしゃるのかというのも教えてください。
 収集する種類を増やす中に収集袋はごみ袋のことですね。特定事業者は誰なのですか。普通は自治体の収集袋は自治体が市民に対して販売されていると思うのですが、結構スーパーマーケットは委託されまして、これを販売したりもしています。このあたり、誰がつくって、誰が売って、どうするのかということにいてどうお考えなのかをお聞きしたいと思います。かなりな量だと思いますので、レジ袋の比ではないと思いますので、お願い致します。
 以上でございます。

○郡嶌座長 そうしたら、石川先生、どうぞ。

○石川委員 大変高価な設備を導入されて高度な処理をされているというお話だったので、設備の減価償却費の比率とか、人件費の比率、概略の数字でも教えていただければと思います。

○郡嶌座長 酒巻委員、どうぞ。

○酒巻委員 21ページに絵が描いてございますけれども、材料リサイクルの所で再生原料となっていますが、私が個人的に理解しているのは、容器包装のプラというのは複合素材でなくて複層の素材だと思っています。るしたがって、排出後の複合素材というは混ざったものと言えます。再生原料と確かになっているのかもしれませんけれども、水平リサイクルとは思っていないのです。先ほどリサイクルの再商品化技術の高度化等いろいろおやりになっているとのことでしたので、そのあたりまで今後おやりになるのかどうかがわかれば教えていただければと思います。

○郡嶌座長 ありがとうございます。
 砂田さん、お願いします。

○砂田委員 13ページの図の中の開発領域のところですが、これは今のところ、どこの辺まで開発が進んでいて、一番の問題点はどういうことなのか教えていただければと思います。

○郡嶌座長 花澤さん、お願いします。

○花澤委員 先ほどの17ページの説明をいただいた時に、稼働率が全国平均で40%程度だけれども、いろんな評価手法が導入されて、総合評価で65%程度で毎年落札できなくて退陣しているところもおありだというお話で、ということは、お答えにくいとは思いますが、一応評価制度はそれなりにいい事業者、いいリサイクルを目的とした制度としては評価できるとお考えでしょうか。
 以上です。

○郡嶌座長 織先生

○織委員 一貫して17ページのほうでは、量が確保できればビジネスとして成り立つという御主張だと思うのですけれども、本当に普通に考えたらプラスチック、その他、雑多なものが入っている中で、量さえ確保できれば今の容リのシステムというか、補助金というものをなくしたとしても普通にビジネスに載っていけるというものなのかどうか、そのあたりのお話をお伺いしたいと思います。

○郡嶌座長 小林さん、どうぞ。

○小林委員 先ほどいろいろ説明いただきまして、だいぶ高度化の中で品質も上がってきたということなのですが、いわゆるコンパウンドの方にお話を伺うと、容リ材の活用はどうですかと、最近はすごく良くなっているので利用いただけませんかとお話をすると、やはり心配されているのが品質の振れ、安定性がいま一つない。もう一つは臭いだというお話をされるので、容リ材のこういったものについては、いわゆる標準的なスペックをみんな業者さんの方々が御相談いただいて、自由なオープンのマーケットに外から買いに来るようなことを考えてはいらっしゃらないのかどうか、そこを教えていただきたいのです。

○郡嶌座長 西井さんで質問を打ち切りたいと思います。

○西井委員 5ページ、6ページ、7ページですけれども、先ほどから御説明があったように手選別がこの場合は多いということで5ページから説明があるのですけれども、6ページ、7ページで光学機械等々を活用されているけれども、普及というか前に進まないのだと。恐らくこういうのは欧米ではかなり進んだ手法とか機械とかがあると思うのですけれども、それが日本でなかなか進まないというのは、日本の製品に対する品質レベルが世界に比べて異質なものにあるのかなと思うのですけれども、その辺のところをもう少し教えていただきたいと思います。

○郡嶌座長 ありがとうございます。
 では、ただいまの御質問に対しましてお答えをよろしくお願いします。

○日本環境保全協会(安達) では、資料のページの若い順から順番になるべくいきたいと思います。
 まず、5ページ目、6ページ目、7ページ目で、欧米で進んだ機械があるのにというお話ですが、実際、ここにあります光学選別機は、基本的にドイツ、ヨーロッパの技術ですし、こちらにある遠心分離機はアメリカの技術を導入したものでございまして、日本の処理ラインに容器包装材として入ってくるものに適用された時に、そのままの調整では無理だったということで、日本の容リ材というものが複合素材であるとか形、あるいはフィルム、ボトルの比率であるとか、もともとの入り口段階で混合されているだとか、いろんな条件が欧米とは違っていたのであろうということで、こういった機械は、やはり非常に手選別を補う役割がありますので、我々のほうで調整して使う。やはり高額な機械ですので、それなりに体力のある事業者さんというものを多く導入されているというところが実態なのかなと思います。
 11ページでございますが、再商品化製品の利用拡大というものが行われているということで、これはよく売れているかというのは、まず少なくとも我々のペレットをお売りするという段階においては、今も足りないぐらいということで、本当はもっと幾らでも欲しいのだというところに我々は落札の上限が決まってしまっているので、実はこれ以上供給できないのですということで頭を下げているというのが実情でございます。製品としてはこういったものが普通に再生原料の一部として扱われていますので、そういったもので我々の原料に対する要望というのは非常に高い。まだまだ事業というものは存在しているというのが実感でございます。
 13ページでございますが、発展領域や開発領域がどの程度まで進んでいるかとか問題点はということなのですが、やはりどの程度まで進むかというのは技術開発、製品開発の話になってくるかと思いますけれども、どうしても我々は中小企業が多いものですから、どこかの補助金をもらったり補助事業であったり、メーカーさんと組んでやるというところを個別でやっていかないといけないというところで、そういったスピード感は若干遅いのかなというのが正直自分たちの反省点でもございます。
 ただ、こういったところに容リ材というものが使えるということが少しずつ実績として積み上がってきておりまして、どんどん使っていこうという流れがあるのは事実でございます。問題点としましては、品質の安定と量です。やはり量が足りないということでございますので、ぜひ量の拡大をお願いしたいというのが御要望の中に入れさせていただいたところでございます。
 17ページ、評価制度というものが実際どうなのかというところでございまして、かなりいろんな複雑な制度になっておりまして、多分これを説明するだけで半日終わってしまうのではないかぐらいの複雑な制度になっています。機能しているかという意味では非常に機能していると思います。実際の運用は、容器包装リサイクル協会さんがされている訳ですが、事業者のそういった評価の項目も多岐にわたっておりますし、単に品質だけではなくて取り組み姿勢ですとか、いろんな要素が総合評価の項目の中に入れ込んであります。それに応じて毎年判定をされておりますので、これはある一定の評価ができる制度にもなっているのではないかと考えております。
 実際に評価が悪い時があると、我々自身は個人的には非常に落ち込む訳ですけれども、機能はしておると考えております。
 あと量の問題で、では稼働率を上げれば成り立つのかという話ですが、実を言うと、もうその前段階の段階で、このくらいの稼働率の低さであるとまずはやはり稼働率を上げたいというのが実際の実感でございまして、量さえ確保できれば成り立つかというと、そこにおいては我々のまたさらにコストダウンであるとか、あるいは再商品化製品の販売益を上げていくという努力は並行して続けていくべきであろうと考えております。
 20ページ、収集袋の特定事業者というのは誰になるのかということなのですが、これは非常に難しい問題で、我々の立場として誰というのは言いづらい部分がございますが、ただ、1つ言えますのが容器包装というものを集めましょうという時に、集める媒体として必ずこの袋が必要である。では、この袋を必要として、誰が例えばコスト負担であるとか処理負担といったものが軽減されているのかというところが今後の負担者になってくるのではないかと思いますので、そういったあたりを、実を言うといろんな場で議論して、恐らく誰というのではなくて何パーセントずつかとか、そういったいろんな費用負担あるいは処理負担を分け合っていくようなことも考える必要があるのではないかと思っております。量的には、恐らく3~4%ぐらいがベールの中に含まれてくるような形になると思いますので、量的にもやはり若干一定量の増加が見込まれるのかと思っております。
 21ページですが、容器包装は複合ではなくて水平リサイクルができるのか、できないのかという、混ざったものですよねというお話ですが、やはりおっしゃるとおりでして、その他プラにつきましては、要するに一定の水平リサイクルができるような、例えば今はペットボトルですとボトルtoボトルということもできるようになってきたということですけれども、いわばそういったある一定の品質、素材のものが分けられないのでその他プラとひとくくりにされているのが現状ではないかと思いますので、その中で水平リサイクルはどう進めるのだと言われますと、やはり現実的にはとりあえずできるところからリサイクルしていって、物から物へ回していくルートをつくっていく。その中で水平リサイクルができるものがあれば、そこへ我々が今度発展領域として進んでいくと取り組んでいくべきものかなと思います。
 あと、減価償却、人件費というお話ですが、いろいろと言いづらい面もございまして、データも今持ち合わせていないものですから、また後日、何かでお伝えできればと思います。あと、最後はコンパウンドについて品質の振れや安定化、においというものが問題になっているのではないかということで、標準スペックをつくってはどうかということなのですけれども、今のところ、やはり容リ制度が始まって十数年、材料リサイクルという技術が今はまだ発展途上にある部分がございますので、今後そういったところを見据えて我々もやっていくべきということで御指摘をいただいたのかなと捉まえさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

○郡嶌座長 どうもありがとうございました。
 ここで5分間休憩をさせていただきます。55分あたりでまた再開をしたいと思います。よろしくお願いします。

(休憩)

○郡嶌座長 まだおそろいでないようでございますけれども、時間となりましたので再開をさせていただきたいと思います。
 それでは、資料5に基づきまして、一般社団法人日本鉄鋼連盟廃プラスチック等有効活用タスクフォース委員長の亀井様から御説明をよろしくお願いしたいと思います。

○日本鉄鋼連盟(亀井) 亀井でございます。日本鉄鋼連盟からの御報告の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
 それでは、早速御説明させていただきます。
 資料5「鉄鋼業におけるプラスチック製容器包装リサイクルの取り組み」について御説明致します。
 1ページ目「目次」をご覧ください。
 本日は、I~Vの5項目について御説明致します。
 2ページ「I.本日のご説明の要点と日本鉄鋼連盟の概要」について御説明致します。
 要点は、以下の3点です。
 1、我が国の鉄鋼業は、既に世界最高のエネルギー効率を達成しています。さらに、その向上を図り、地球温暖化対策として、廃プラスチック等の年間100万トン利用によるCO2削減300万トンを目指しています。これは60万世帯からの、すなわち人口約150万人程度の大都市、例えば神戸市のCO2年間排出量に相当致します。
 2、平成12年のプラスチック製容器包装の再商品化制度開始以来、13年続いてきた競争制限的な材料リサイクル優先の入札制度を抜本的に見直すべきと考えています。
 3、コークス炉化学原料化法等のケミカルリサイクルは、環境負荷や社会的コストの面で優れています。
 日本鉄鋼連盟の概要は、このページ下段の記述を御参照ください。会員は121社、6団体で、日本の鉄鋼生産量の97%をカバーしています。主な活動の1つとして、環境問題への対応もあります。活動事例は参考資料、18ページを御参照ください。
 3ページ「II.プラスチック製容器包装リサイクルの取り組み」として、まず国としての再生利用に関する取り組みを御説明致します。
 循環型社会形成推進基本法での再生利用の定義は、循環資源の全部、または一部を原材料として利用することであり、法律に定められた優先順位は、一「再使用」、二「再生利用」、三「熱回収」、四「処分」で、再生利用は、ケミカルリサイクルのコークス炉化学原料化法、高炉還元法も材料リサイクルも同列であることが、法律上明確に示されています。材料リサイクルを優先すべきとは国の法律ではなっていません。
 4ページ、前回の合同会合でのプラスチック製容器包装の再商品化手法及び入札制度のあり方にかかわる取りまとめでは、現状の材料リサイクル手法の優先的取り扱いを積極的に肯定する結果は得られてないものの、容リ法の次期見直しまでの間、材料リサイクル手法の優先的取り扱いは継続するとなっています。この際、一部の委員からは、材料リサイクルの優先的取り扱いの根拠が明確でない以上、優先的取り扱いを撤廃すべきであるとの異論もあったようです。このような過去の経緯もあり、ことし1月、安倍内閣のもとで設置された規制改革会議でも本件は取り上げられ議論されました。その結果、6月に示された答申内容は以下のものです。
 入札制度も含め、プラスチック製容器包装の再商品化のあり方を根本から再検討する。その際、材料リサイクルとケミカルリサイクル手法における1、環境負荷低減の効果、2、競争促進における経済コストの低下、3、再商品化製品の価値評価といった観点での検討が重要であると答申されております。
 5ページ「2.鉄鋼業における再生利用」について御説明致します。
 鉄鋼業での既存鉄鋼設備を活用した再生利用には、以下の利点があります。
 消費者、自治体、再商品化事業者の役割分担の中で、再商品化工程と生産設備を利用した利用事業者が同一企業、同一グループ内であることから、リサイクルフローがその企業内で完結しています。すなわち、プラスチックからつくられる鉄鋼製品、化学製品についても既存の品質、生産、コスト管理の仕組みの中できちんと管理されることです。また、鉄鋼設備で利用しやすいように再商品化工程の技術開発、改善が進むという利点もあります。
 6ページ、容器包装プラスチックはPE、PP、PS、PET、PVC等さまざまな種類がありますが、元素分析結果を見ますと、プラスチックも石炭もカーボン、水素が主体の有機物であり、コークス炉、高炉で熱分解し、原料としての利用が可能です。
 7ページ、容器包装プラスチックは、ポリ袋・ラップ類、ボトル・チューブ類、トレイ・パック類、カップ類等、多種多様ですが、特に食品の容器包装は食品の保護機能、すなわち外部と遮断し、内容物の安全性、品質を保証する機能が重要で、さらに軽量となるように複数の素材特性をうまく組み合わせ、最少の材料で容器包装を製造した複層構造のものが多いという特徴があります。また、食物残渣等の異物混入もあり、選別や精度の高い分別が難しいという課題があります。このため、材料リサイクルには向かず多量の残渣が発生致します。一方、ケミカルリサイクルは、高温熱分解であり、複層構造のプラスチックも再生利用も現状程度であれば食物付着等も問題なく対応可能でございます。
 8ページ、コークス炉化学原料化法の概要について御説明致します。
 まず、自治体で回収、圧縮梱包された容器包装プラスチックを受け入れ、開梱破袋、破砕、異物除去、減容成形し、造粒物を製造致します。
 次に、コークス炉の炭化室に石炭と造粒物を装入致します。造粒物の配合比率は約1%です。炭化室に装入された石炭、造粒物は、密閉かつ無酸素状態で加熱室からレンガ壁を介して伝わった熱で熱分解されます。最高温度約1,200℃で、約20時間程度の熱分解で炭化水素油、コークス、コークス炉ガスが製造されます。プラスチックはほぼ100%利用可能で残渣が出ないという利点があります。炭化水素油は、全体の約40%で、プラスチック原料となる軽質油、カーボンファイバーとなるタールです。コークスは全体の約20%で、製鉄原料として使用されます。コークス炉ガスは全体の約40%で、非常に高カロリーのガスで、40%以上の高効率発電用や水素、メタンが主成分であることから、将来的には水素だけ分離回収して利用することも期待されます。
 9ページ、リサイクル手法の評価として、まず環境負荷低減の効果について御説明致します。
 左の図は、日本容器包装リサイクル協会が整理したもので、横軸が二酸化炭素削減効果、縦軸が原油削減効果を示します。二酸化炭素削減効果は、コークス炉法、高炉法とも高く、コークス炉法は炭化水素油を製造することから原油削減効果も高くなっております。
 右の図は、手法別の処理量とCO2削減量を示すものです。材料リサイクルは、処理量約53%に対し、CO2削減は発生する残渣の利用を含めても約22%にとどまっています。コークス炉化学原料化法及び高炉還元法では、処理量約35%と少ないですが、CO2削減は約63%にも達しており、環境負荷低減効果については優位であるといえます。
 10ページ、次に競争促進による経済コストの低下について御説明致します。
 この図は、日本容器包装リサイクル協会が整理したもので、平成12年~25年までの年ごとの手法別契約量と落札単価の材料リサイクルとケミカルリサイクルの推移を示したものです。材料リサイクルとケミカルリサイクルの落札単価差が1トン当たり2万5,000円~3万円程度あり、経済コストの面でも明らかにケミカルリサイクルのほうが優位です。また、競争制限的な入札制度のひずみ、すなわち材料リサイクル優先落札は平成21年までの10年間は、落札基準を満足すれば全て材料リサイクル優先、平成22年からは優先落札枠上限50%に設定の影響もあり、平成21、22年以降、落札単価、契約量は停滞しています。限られた量の中で材料リサイクル優先枠という自由な事業競争を阻害するやり方が他のすぐれた手法の参入阻害や社会的コストの負担増を招いています。
 11ページ、最後に、再商品化製品の価値評価について御説明致します。
 材料リサイクルの最終製品はプラスチックでなくてもつくれる輸送用パレット、擬木、土木農業用資材等が主で、本来のプラスチックの特性である軽量で電気絶縁性、耐水性、耐薬品性、断熱保温性にすぐれる等の特徴を生かした用途がまだまだ少ないのが実態です。コークス炉化学原料化法、高炉還元法は、鉄鋼製品高効率発電のほか、コークス炉化学原料化法は容器包装用プラスチック原料やカーボンファイバー等の化学原料のように、消費者から身近な用途にも利用されております。
 12ページ「III.容器包装リサイクルの高度化・効率化に向けた取り組み」について御説明致します。
 鉄鋼業では、日本全国に事業拠点が展開されており、全国で発生する容器包装プラスチックへの対応が可能です。処理能力は年間約33万トンで、処理実績は年間約25万トンです。全国の容器包装プラスチック収集量の約4割を鉄鋼関連企業が受注していますが、全国に拠点があることで地産地消の役割を担うことも可能です。
 また、技術開発としても、コークス炉化学原料化法での処理量アップの課題はコークスの品質確保ですが、造粒物の高密度成形技術を適用することで改善されることが実証されております。
 高炉還元法についても、造粒物の粒径を1ミリメートル程度まで微細化することで、高炉での還元効率が向上することが実証され改善技術として導入済みです。
 13ページ「IV.容器包装リサイクル制度について評価する点」は、全員参加型の役割分担等々ということでございまして、この点については御参照ください。
 14ページ「V.容器包装リサイクル制度の課題と要望」について御説明致します。
 この図は、ケミカルリサイクルと材料リサイクルについて、平均的な再生利用率と処理フローの概略を整理したものです。容器包装プラスチックは分別回収され、異物除去、選別等が実施されますが、熱分解されるか、されないかがケミカルリサイクルと材料リサイクルの一番大きな違いです。コークス炉化学原料化法では、ナフサ相当、精製、軽質油を経てスチレンモノマー系となり、その一部がそのまま容器包装プラスチックに戻ります。約10%程度ではありますが、まさに容器包装プラスチックから容器包装プラスチックに戻る再生利用です。
 また、カーボンファイバー等の化学原料、塗料等のプラスチック原料にもなります。高炉還元法では、コークス、ガス利用、ガス化ではアンモニア製造もあり、ケミカルリサイクルの平均的な再生利用率は約85%です。一方、材料リサイクルでは、現状、主にパレット、車どめ、擬木、土木農業資材等に利用されていますが、再生利用率は約50%程度で、残りの50%は熱回収処分となっています。循環型社会形成推進基本法で優先される再生利用率を向上させるには、材料リサイクル優先の入札制度の見直しが必要と考えます。
 15ページ、左の図は、廃プラスチック排出量の構成を示すものです。平成23年の値ですが、全国のプラスチック排出量952万トンのうち、一般廃棄物系プラスチックは約465万トン、うち容器包装プラスチックの収集可能量は200万~300万トン程度と想定されますが、現状の収集量は約67万トンで停滞しております。資源のない日本であり、この対象量を拡大する制度の普及や改善が今後の課題と考えております。
 16ページ、最後に要望について御説明致します。
 日本には消費者の高い分別モラル、自治体の収集努力、鉄鋼業の世界一高いエネルギー効率という欧米にはない良さがあります。資源のない我が国でこの日本の良さを活かし、限りある資源を国内で有効活用すべきと考えます。そのため、以下の2点を要望致します。
 1、材料リサイクルを優遇する競争制限的な入札制度を維持してきましたが、制度開始から既に13年も経過しており、もはや抜本的に見直すべき材料リサイクル手法の優先的取り扱いの撤廃によって、環境負荷、社会コスト低減のため、自由な市場競争を促進すべきです。
 2、収集量アップによる再生利用のさらなる促進。ここ数年、約67万トンの集荷量で停滞していますが、まず、制度発足当時の収集目標100万トンを目指して、以下の視点での取り組みを要望致します。
 分別収集の参加自治体増への取り組みとして、材料リサイクルを基準とした過度の分別品質基準の見直しによる自治体の負荷低減。容器包装プラ以外のプラスチック混合収集、また、オフィス、商業系の事業系廃棄物も家庭系に準じた分別排出の実施。容器包装以外のプラスチック、例えば製品プラスチック等への対象拡大を要望致します。
 以上でございます。御清聴、ありがとうございました。

○郡嶌座長 どうもありがとうございました。
 それでは、御質問のある方、机上の札を上げていただけたらと思います。
 大塚委員、どうぞ。

○大塚委員 データの質問ですけれども、10ページのところでケミカルリサイクルの落札単価が平成23年から24年、25年と少しずつ上がっているのですけれども、これは前にも伺ったことがあるのですが、一番よく御存じだと思いますので、この理由を教えてください。

○郡嶌座長 織委員、どうぞ。

○織委員 非常にデータで御主張はよくわかるのですけれども、16ページの日本の良さの消費者の高い分別モラルを生かすということが、逆にケミカルで言ってしまうと、今までの努力というものをなきにしてしまうものにはならないのでしょうか。そのあたりの御検討というか、そのあたりはいかがなのでしょうか。

○郡嶌座長 鬼沢委員、どうぞ。

○鬼沢委員 8ページにあります表を見ますと、コークスが20%とかガスが40%となっているのですが、例えば投入するプラスチックが100としても、この割合は変わらず、こういうふうに製品として扱っていけるということでしょうか。
 もう一つ、今、織さんがおっしゃったように、なかなかこのケミカルリサイクルが消費者には余り理解されていなくて、鉄工所で燃やされていると思っている消費者が圧倒的に多いと思うのですが、これまで消費者向けにこのような広報はどんなふうにされてきたのか、そして今後これをよく理解していただくためには、どういう広報が必要と思っていらっしゃるか、お聞かせください。

○郡嶌座長 済みません、時間があれなので手短に。

○織委員 先ほどの分別のところなのですけれども、要はやはりきちんと分けてもらえれば、このケミカルリサイクルにおいてもより効率的なものになるのかどうか。そのあたりも少し教えてもらえればと思います。

○郡嶌座長 小寺委員、どうぞ。

○小寺委員  材料リサイクルとの厳密な比較には、物質収支がきちんとなされていないといけない。数値も必要です。例えば22ページ、スチレン系樹脂はベンゼンから与えられるのに、スキームが間違っています。軽質油から直接、染料成分が生成するのか。また、21ページを見ますと容リプラ由来の油分から軽質油を経てベンゼンができていますけれども、その収率はいくらか。また、タール分というのは容リプラからほとんどできないはずです。容リ分からできる物質と石炭からできる物質とがまざって記述されています。そうすると残りの物質、多分パラフィン類と思うのですけれども、主成分が何で、どれだけ与えているかという数字が欲しいです。
 また、容リからタール分ができないはずですけれども、22ページでタール分はフェノールを与えるとなっているのですが、容リプラからフェノールが生成することはないです。石炭から生じるものと、容リプラから生じるものをきちんと仕分けをする必要があります。
 もう一つ、コークスのガスのほうですけれども、普通はコークス炉の加熱室に燃料として加熱室に供給する、あるいは燃焼して炭化室に高温ガスとして供給する、残りは高炉に回っているはずです。残りのコークス炉ガスはほかのガスと一緒にされ発電に回されていると思うのですが、図に発電と水素ガス利用というのがあるのですけれども、コークス炉ガスの使い道の量的比率をもう少し丁寧にお答えいただければと思っています。

○郡嶌座長 小林委員、どうぞ。

○小林委員 ありがとうございます。
 14ページ、今回ケミカルのリサイクル手法について、非常に資源としての利用率が高いという御説明があったのですが、いわゆるこの資源としての価値をケミカルの場合、認めていただいて、さらに高炉に入れるまでの処理費用、設備の減価償却を含めても4万円台というコストがかかるものなのでしょうか。それとも減価償却がある程度なくなれば、もっと処理の費用が下がって、例えばとんとんになるとか、1万円、2万円で済むのか、その辺の見通しを教えていただけますか。

○郡嶌座長 酒巻委員、どうぞ。

○酒巻委員 小林委員の今の御質問に似ているのですが、先ほどの日本環境保全協会さんの説明でありました設備の稼働率が40%程度とあったのですけれども、実際にこのケミカルの事業者さんの稼働率が今、何パーセントくらいか、またその稼働率がどの程度上がればコストがどのくらいに下がるかといった想定をされていてわかれば教えていただきたいと思います。

○郡嶌座長 佐々木委員、どうぞ。

○佐々木委員 1点だけなのですが、ここに紹介されている、いわゆるケミカルリサイクルというのは非常にある意味では良いのですが、実質、先ほど鬼沢委員がおっしゃられた燃料として使われているようなケースもあるやに聞いておるのですが、その辺について今後どういうふうに考えておられるのか。自治体ではせっかく手間暇かけて、お金をかけてやって、実際には燃料のかわりに燃すのであれば、自治体の炉で燃して発電をしてもいいのではないか。そういうような意見もある訳ですが、その辺についての御見解を聞かせていただければと思います。

○郡嶌座長 中井代理、どうぞ。

○中井代理 今もあったと思いますが、回収のために高額なコストがかかっているというのがこれまでのヒアリングでもわかったことだと思います。単純な質問ですが、高炉還元をする上においてはこれまで石炭で代替されていたと思いますので、その石炭を買わなくて済むようになった金額は年間どれぐらいか、お聞かせください。

○郡嶌座長 本田オブザーバー、どうぞ。

○本田オブザーバー 8ページのところなのですけれども、コークス炉では塩素濃度の基準なく造粒物をつくれば利用できるということであれば、仮にカスケード利用として材料リサイクラーがこの造粒物を残渣からつくった場合は、有価物として引き取れるという理解でよろしいのでしょうかということが1点と、14ページなのですが、熱回収処分率というところでケミカルのところはいいのですが、材料リサイクルは前回、私も説明をさせていただいたとおり、処分率は平成20年以降は単純焼却禁止になっていまして、ケミカルは単純焼却は禁止されていないので、現状も単純焼却、残渣もされているかと思うので、このあたりの処分率など修正していただければと思います。
 ガス利用のところは小寺先生からもありましたように、100%水素、メタンがあるにもかかわらず、高炉の燃料、発電用ガスに使われているので、これはやはり熱回収として整理すべきではないかという点でございます。その辺についての見解を教えてください。

○郡嶌座長 花澤委員、どうぞ。

○花澤委員 16ページの要望の中で、これはほかの団体の方もおっしゃっていることに通じるのですが、確認したいのですけれども、容器包装以外のプラスチックへの対象拡大ということですが、これの費用負担はどうお考えなのでしょうか。

○郡嶌座長 平尾委員、どうぞ。

○平尾委員 先ほどの小寺委員の物質収支が大事というご意見はそのとおりだと思っています。また、先ほどコストについての質問がありましたが、プラスチックを入れることによって実際に石炭の消費が減っている量がわかるデータがあれば教えていただきたいと思います。

○郡嶌座長 椋田委員、どうぞ。

○椋田委員 ありがとうございます。
 12ページで現在の年間処理能力は33万トンと書いてありまして、今後100万トンを目指すと書いてあるのですが、能力増強というのはそう大きな障害はないという理解でよろしいでしょうか。

○郡嶌座長 百瀬委員、どうぞ。

○百瀬委員 ケミカルリサイクルで抽出したガスを再び容器包装の材料にできるのかどうか。また、その実例はあるのかどうかをお聞きしたいと思います。そして、材料として使った場合、従来の素材を使った容器包装とコストでどれぐらい違うのか、もしくは環境負荷が低減できるのかということを教えてください。また、水平リサイクルは可能かどうかということを教えてください。

○郡嶌座長 ありがとうございました。
 そうしたら回答のほう、よろしくお願い致します。

○日本鉄鋼連盟(亀井) 最初のケミカルリサイクルの落札単価が少し上がりぎみだという話ですが、やはり今の入札制度ですと材料リサイクル優先で入札します。結果的に我々は遠隔地に取りに行くものが非常に増えておりまして、例えば弊社の北九州の八幡、大分製鉄所なんかは近畿地区とか沖縄も取りに行っていますし、千葉県の君津製鉄所は北海道、東北の一部にも取りに行っている。そういった影響があると考えております。
 それから、分別モラルを生かす努力とか、きちんと分ければさらに効率的になるかでございますけれども、こういう制度をやっていただいたおかげで家庭から出てくるものがうまくリサイクルできていると感じておりまして、この制度はぜひ継続していただきたい。なお、現状で十分分別をしていただいておりますので、我々としては全く問題ないですし、もっと収集量が増えるのなら緩和していただいてもいいと思っています。塩ビ類だとか、あるいはアルミの蒸着だとか、そういったものも問題ございませんので、緩和していったほうがよりいいのではないかと思っています。
 8ページの表の40、20、40なのですけれども、これは造粒物を100にした場合の比率でございまして、まさにこのとおりでございます。100%利用できております。
 それから、ケミカルリサイクルを理解される努力なのですが、一番東京に近い君津製鉄所では、小学生も含めて相当見学に来ていただいていまして、大体人数にして2万人から3万人ぐらい。それから、それ以外の事業所にも、そこまでは及びませんけれども、見学のほうもさせていただいて、御理解いただいております。また、各地域での環境展といったところについても出展して、御説明するような対応を致しております。
 21ページの物質収支でございますけれども、特に油系、プラの油40となっておりますが、そのうち大体軽質油が15、タール分が25ぐらいでございまして、軽質油15のうちスチレンモノマー、ポリスチレン系の樹脂原料になるのが約10ぐらいでございます。これが容器包装材に戻るものでございます。
 タールの中での主なのがピッチコークス。これが25のうち12がピッチコークスで、黒鉛電極用の原料等々となっております。その下のカーボンブラックが10程度で炭素繊維等々として利用されています。それ以外のものがトルエンとかキシレンとかタールの残留油分といったものになっておりまして、それぞれ関連の用途で利用されております。
 さらに詳細の収率につきましてまだデータが頭の中にありませんので、また別途お答えします。

○郡嶌座長 また必要な時によろしくお願い致します。

○日本鉄鋼連盟(亀井) それから、コークス炉ガスの使い道なのですけれども、基本的にコークス炉に使うのは高炉ガスが主でございまして、あと若干カロリー調整用にコークス炉ガスを使いましす。コークス炉ガスというのはNm3当たり約5000キロカロリーという非常に高カロリーなガスでございまして、水素、メタンが主成分でございます。これはやはり効率のよい発電用として用いるのが一番良いのではないかということで、主はそちらでの利用となっております。
 またリサイクル原料としての価値、コストがトン4万円ぐらいということで、今後下がる見通しがあるのかということなのですけれども、輸送費は遠隔地に取りに行っており、削減はなかなか難しいかなと思っております。それ以外のコストにつきましては落札の結果でございますので、我々の方式としてはまだまだ競争力があると思っておりまして、それに応じてどんどん下げていけられると思っております。落札前でございますので、具体的な数値は控えさせていただきます。来年度の落札を控えておりますので。
 設備稼働率でございますけれども、これにつきましては鉄鋼業の能力が33万トンで、今、実績25万トンぐらいでございますので、大体能力に対する比率見合いということかなと思っております。さらに稼働率が上がるとコストが下がるかということなのですけれども、定期的に修繕しなければいけない時とか、あってはいけないのですけれども、事前処理設備のトラブルとか、そういった要因もあるので、そんなに大きくは下がらないと考えておりまして、主に固定費というよりも変動的なコストが主と考えております。
 ケミカルリサイクルとしては、コークス炉法はいいのだけれども、燃料として使用されるケースはないのかということなのですが、今日御説明しませんでしたけれども、鉄鋼業の中には高炉還元法というものがございます。これにつきましては鉄鉱石、鉄と酸素、酸化鉄でできているのですが、その酸素分をプラスチックのカーボン、水素で還元致します。それに使っておりまして、あと、高炉の場合は残りのガスも回収して利用しますし、高炉の炉頂部に非常にガスが出る時に圧力が高くて、3~4気圧ぐらいのガスでございますので、そのガスを利用して炉頂発電等もやっておりまして、そういった意味で発電で利用するような利用の仕方もあるということで、この辺が日本の鉄鋼業の非常に省エネといいますか、効率のいいところでございまして、そういった活用の仕方をしております。
 燃やすというのは誤解でございまして、燃やすというのは強制的に酸素とか空気を供給して、プラスチックのカーボンと水素を燃焼させるということでございます。

○郡嶌座長 終了のベルが鳴っていますので、もう少し手短に答えていただきたかったと思いますけれども、後でまた時間がございましたらよろしくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
 そうしますと、続きまして資料6に基づきまして昭和電工株式会社の川崎事業所の企画グループ長の平倉様から、御説明をよろしくお願いしたいと思います。

○昭和電工株式会社(平倉) 御紹介いただきました昭和電工の平倉でございます。
 本日はこのような機会を設けていただきまして、ありがとうございます。
 私ども昭和電工は、日本の化学会社で、資料の目次の次のページに事業概要を載せてございます。石油化学工業からエレクトロニクス材料等まで幅広くつくる化学工業会社です。
 同時に、私どもはプラスチック製容器包装の再商品化事業を2003年、ちょうど今から10年前に始めさせていただきました。神奈川県の川崎事業所がございまして、この川崎事業所の中で再商品化事業を行っております。
 プラスチック製容器包装の手法としてはガス化で、次のページに川崎事業所のマテリアルチェーンという図がございます。もともと昭和4年に川崎事業所は肥料工場で、肥料製造のためのアンモニア合成をすることからスタート致しました。昭和4年に国産技術で初めてアンモニア合成に成功し、以来、今日までアンモニア工業を中心として、ご覧のような各種の化学製品を作っている工場でございます。
 御案内の再商品化事業におきましては、この図の左下に青くアンモニア、炭酸ガスとございますけれども、このアンモニアをつくるための原料源として、ちょうど今から10年前にプラスチックを利用して、これを分解して合成ガスを得て、その合成ガス水素分からアンモニア、炭素分から液化炭酸ガス。こういう事業を行っておるということであります。
 昭和4年にアンモニア工業を始めた時に、この水素源につきましては水の電気分解、10年ちょっと前まではナフサ分解で行っておりましたけれども、この容器包装リサイクル法の成立とともに熱分解して合成ガスを得てアンモニアをつくる。こういうことで今日に至っております。ということで、私どもの目的はあくまでアンモニアを作ることで、アンモニアをつくるための原料ソースにこの事業を行っているということでございます。
 次のページに、私どもの再商品化事業としてのフローを載せてございます。いただいたベールを一旦破砕成形しまして、固形造粒物のRPFを製造致します。そのRPFをガス分解炉、つまり低温炉、高温炉と2本ありまして、順次熱分解致しまして、再商品化製品であります合成ガスを得る。この容リ法に基づく合成ガスは、水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガスという定義ですので、この水素と一酸化炭素を主成分としてアンモニア製造設備のほうに投入致します。このアンモニア製造設備が再商品化製品利用事業者の役割を果たしております。
 アンモニア製造設備と書いておりますけれども、厳密にはアンモニア及び炭酸ガス製造設備で、水素分はアンモニアに合成致します。空気中の窒素と合成してアンモニアを合成致します。
 炭酸ガスにつきましては、そのまま私どもは炭酸ガスメーカーでもありますので、液化炭酸ガスないしはドライアイスとして外販をしてございます。分別基準適合物として1日当たり195トンの処理能力がこのプロセスで、目的物のアンモニアを175トン日当たり製造できるというプロセスでございます。
 アンモニアをベースに考えますと、アンモニアは年間で約10万7,000トンの製造をしていまして、そのうちの約40%がこのプロセスから来る水素でつくる。残りの60%につきましてはナフサ及び都市ガスでつくるアンモニアということになります。
 次のページに私どもの再生処理量の推移を載せてございます。2003年からスタートしまして、処理能力を徐々に上げて参りまして、これは設備能力を増強したというよりは、同じ設備なのですが、実処理能力を徐々に上げてきまして、今年の見込みでは5万7,000トンを超える処理能力になろうかなと思います。
 次のページに、私どもの施設を見学に来ていただいた方々の、市民を中心とする方々のグラフを載せてございます。最近は少し下がりぎみですけれども、2,000~3,000人から、多い時では5,000人という年間の受け入れ数でございます。そのほか各自治体さんの要望に応えて出前授業などを多数行ってございます。
 次のページは再商品化製品を利用した最終製品例を載せてございます。再商品化製品は合成ガスでございますので、合成ガスからアンモニアを合成して液化アンモニアとして販売することもございますし、アンモニアから誘導品を製造致しまして、誘導品からご覧のようなアクリルナイロン等の合成繊維や農薬等になっています。
 炭酸ガスにつきましては、工業用途での利用もございますが、炭酸飲料やドライアイスとしての販売ということになります。
 次のページに、私どものガス化プロセスの特徴と書いています。プラスチックの種類を選ばず、塩ビ系の樹脂や複合素材についてもガス化炉で再利用が可能です。それから、合成ガスの物性、この容リ法のプラスチックから得られる合成ガスの物性は、従来のナフサ由来のアンモニア原料合成ガスと同等物質ですので、もちろん同等品質のアンモニア合成が可能ということ。また、製品としてアンモニア及び炭酸ガスを市場に供給しています。エコアンと書いてありますが、これはエコアンモニアという私どものアンモニアに商標をつけまして、エコアンモニアの略で市場に販売をしています。
 次のページに高度化・効率化の取り組みと載せました。これまでもいろんなことをやって参りましたが、これからの目標も含めて、まず1つ目に水素収率の向上を図って参りました。今後も熱量の向上を図っていって、収率を向上させていきたいと思っております。
 先ほどグラフでお示ししましたように、処理量自体を現在の5万7,000トンまで向上させて参りました。
 高温ガス化炉で出ます冷却熱というものがあるのですが、これの有効利用を図り、省エネ化を図っていきたいと思います。
 ここまでが私どもの再商品化事業の紹介ですが、容リ法についての評価ということでいろんなことが考えられるのですが、1つ書かせていただいたのは、一般廃棄物の資源化を進めた効果が大きい一方、何度かお話が出ておりますけれども、自治体さんの参加率が70%程度で頭打ちになってきている。これは容リ法を活用する自治体さんと、活用せずに、特に大都市部の自治体さんに多いと思われますけれども、エネルギー利用というふうに二極化した状態になっています。これをどういうふうに考えるかというのは今後の課題かと思います。
 具体的には自治体さんに対するインセンティブというものがなかなか難しくて、よい手が私も見つかってはいないのですが、こういったことを議論すべきかなと思います。
 次のページに課題を載せさせていただきました。やはりこれまでにも議論がありましたけれども、プラスチック製容器包装というのは複合品も含んだ多種多様なプラスチックを一括に回収して、一括リサイクルするシステムです。しかしながら、熱硬化性の樹脂、これは容リプラスチックの中にはほとんどないと思いますが、製品プラスチックには少なからずあるということで、熱硬化性の樹脂につきましては再成形できませんし、熱可塑性の樹脂でありましても、物性の低下から繰り返し再成形はできないという、プラスチックならではの素材特性がありまして、他素材の金属リサイクルとは大きくことなる点をベースに据えた議論をすべきではないかと考えます。
 この特性を踏まえた上で、分別コストを含めた経済合理性というのも非常に重要だろうと思いますので、合理性の高い仕組みを話し合いたいと思います。
 具体的な提言として4つばかり書かせていただきましたけれども、1つは再商品化手法区分の見直しということで、従来の物理的なリサイクルと化学的なリサイクルというような区分ではなくて、でき上がった再商品化製品の利用用途によって何か区分が考えられないかというふうにも考えております。何度か議論にはなっていると思うのですが、必ずしもプラからプラにこだわらず、物質から物質、もともとプラであったというお話が何回かあるのですけれども、もともとは水素と炭素ということですので、物質から物質になればどのような物質になっているかということを基軸に、もう一度その手法を区分見直ししてはどうかと考えております。
 その上で、入札におけます優先の考え方も再整理してはどうかと考えております。
 3つ目に、収率基準の見直し。重量ベースの収率基準に統一してと書かせていただきました。これはガス化手法特有なのですが、ガス化手法につきましては収率算定が熱量での評価になっています。基準が65%以上となっておりまして、この熱量での評価になりますと、CO2の分が評価されずに水素分のみでの収率基準になります。したがって、ガス化は収率が非常に低いというような誤解をよくいただくものですから、ぜひガス熱量からもう一度重量ベースの収率基準で統一していただけないかと考えております。
 最後に、これは入札の方法の1つですが、再商品化手法、事業者等を自治体さんによって指名できる、ないしは優先権を与えるというようなことを広報協力等を材料に、そういった手法も一考かと考えましたので、ここに書かせていただきました。
 ということで、簡単に御紹介させていただきましたが、今日の発表は昭和電工株式会社としての単独企業としての発表でございまして、私どものみプロセスと利用方法が異なりますので、昭和電工株式会社として今日は発表させていただきました。
 以上でございます。ありがとうございました。

○郡嶌座長 ありがとうございます。簡潔に説明していただき、ありがとうございました。
 質問のほうも簡潔にお願いしたいと思います。織委員、どうぞ。

○織委員 簡潔に、13ページの再商品化手法区分の見直し、利用方法による区分をというのが具体的なイメージがわかないので、どういうことを考えていらっしゃるのかと、その区分をすると、この容リの制度上、何が変わってくるのか、どこで効いてくるのかということを教えていただければと思います。

○郡嶌座長 鬼沢委員、どうぞ。

○鬼沢委員 ヨーロッパではケミカルリサイクルのガス化はやっていないと思うのですけれども、日本ではナフサからつくるのではなく、あえて容リ、プラから作るというところの意義があったら教えてください。

○郡嶌座長 小寺委員、どうぞ。

○小寺委員 3点あります。
 1点は重量ベースの水素の収率。もともとの容リプラのベールにある水素分からこの工程を経て、水蒸気添加もあるはずなのですけれども、どれだけの量がこのアンモニア中の水素として得られているのか。
 2点目が従来のナフサ等で分解による製造コストに比べこのプロセスの製造コストはどうなのか。
 3点目が、得られる水素の市場価格はいくらか。

○郡嶌座長 本田オブザーバー、どうぞ。

○本田オブザーバー 8ページですけれども、今回のガス化の唯一のプラスチックからプラスチックがアクリルニトリルということで書かれていると思うのですが、4ページにもありますようにプロピレンからアンモニアを合成してアクリルニトリルなのですけれども、容器包装由来のHについては水になってしまって、このアクリルニトリルには容器包装由来のプラスチックは含まれていないというふうに前回説明を受けたと理解しているのですが、それでよろしいでしょうか。

○郡嶌座長 水戸川委員、どうぞ。

○水戸川委員 アンモニア生成の原材料として、今は容リが40%、ナフサクラックが60%ということなのですが、これは容リのベールが入手できるのであれば、もっと増やすことは可能かということを御質問したいということと、製品プラにおいてもこれは特にアンモニアの原材料として使えるのかという、この2点を教えてください。

○郡嶌座長 柳田委員、どうぞ。

○柳田委員 このプロセスの環境性を教えていただきたいのですけれども、CO2をつくっているので、そのCO2は別にして、プロセスとしてのGHG量だとか、そういうところを教えていただきたいと思います。

○郡嶌座長 そうしたら、ただいまの御説明に対して御回答よろしくお願いします。

○昭和電工株式会社(平倉) まず最初、利用区分のお話ですけれども、イメージです。物理的か化学的かを問わずに原料、何の原料になって、何になるかという区分けができないかなと考えておりまして、1つがそれ。それ以外というのがあれば、それ以外、その他というような区分で考えられないかと考えております。それによって何が変わるかということなのですが、それによって2番に書かせていただいた優先の考え方に反映できるのではないかと考えております。
 2点目のヨーロッパではこのガス化による原料化というのはやっていないけれども、日本で昭和電工がやる意義は何かということなのですが、まさしくヨーロッパでももちろんアンモニアは製造しておるのですけれども、日本以外のところはほとんどが天然ガス由来でつくっておりまして、やはり天然ガスが非常に安くて大量に調達できるという利点がございまして、日本はむしろ逆でございまして、これをやることによってそういう日本ならではのリサイクルができる。リサイクルをやってコスト的にもそれなりのものになるという点でございます。
 これから得られる水素がアンモニア原料の40%になっていて、残り60%はこのプロセスの処理量をふやせばアンモニアが同じようにつくれるかという御質問がありましたが、まさしくそのとおりでございまして、残り60%の分ももちろん処理量をふやせば、同じようなアンモニアがつくれます。
 同じように製品プラは使えるかという御質問がございましたけれども、製品プラも全く同じでございまして、もちろん使用が可能です。袋類とかクリーニング袋とか市の指定袋とか、そういったものは問題なく使えると思います。一方、多少私が気にしているのは、やはりおもちゃとか、そういった外観はプラスチックだけれども、中身が金属とか、そういうものが非常に多くて、製品プラが何でもいいという、もちろん物性的には使えて、ガス化炉では使えるのですが、固形燃料として一旦成形する時の成形性、加工性の問題から少し疑念があるものもあるなと思っております。
 アンモニアからアクリルニトリルになって、その後、アクリル繊維になって、ご覧のような写真のセーターになっていくのですけれども、その過程の中で容リプラからやってくる水素は、アクリルのほうに水素としてくっついていかないではないかというお話がございました。事実としてはそのとおりでございまして、反応としてはそのとおりでございますが、アクリルニトリルをつくる時にアンモニアを利用するというのは間違いない事実でございますので、このように最終製品ということで挙げさせていただきました。

○昭和電工株式会社(豊増) 御質問の中で水素の重量収率という御質問がございました。実際のガス化炉の反応の中では今、御質問の中であったように水蒸気改質だとか、いろんな多岐にわたる反応が起こっております。基本的には水素も製品のほうに含まれるという考え方でおります。水蒸気を入れているような反応がありますので、そういう理解にということになります。
 製造コスト、水素の市場価値ということで御質問がございました。我々としては水素でアンモニアをつくる。一方で先ほど言った6割は都市ガスで作っているということで、基本的には都市ガス由来のものと同等の価値のものができているということで考えております。

○郡嶌座長 よろしゅうございますか。どうもありがとうございました。御協力いただきましてありがとうございます。
 それでは、最後になりますけれども、最後は資料7に基づきまして一般社団法人日本RPF工業会の事務局長の石谷さんから、御説明をよろしくお願いしたいと思います。

○日本RPF工業会(海田) 御挨拶だけ一言時間をいただきます。
 ただいま御紹介がありました、一般社団法人日本RPF工業会でございます。
 今年9月、当小委員会合同会合より、オブザーバーとして初めて参加させていただきました。今回第6回会合でヒアリングに参加できますこと、厚く御礼申し上げます。
 RPFは年間100万トンを超えて生産されています。安価な燃料として主に製紙業界で利用され、石炭、CO2の削減に役立っています。私どもはRPFの需要供給の安定した循環を目指しています。そのためにも安定した原料の確保が欠かせません。プラスチック製容器包装は魅力的な原料なのです。大幅な入札コストの削減は可能です。現在、さきの改正容器包装リサイクル法で認められた燃料化手法は、緊急避難的・補完的という付帯条件によって登録申請はされても入札には参加することもできません。ぜひ一般枠での入札に参加できますようお願い申し上げ、御挨拶にかえさせていただきます。
 なお、説明は事務局の石谷が行います。

○日本RPF工業会(石谷) 余り時間がございませんので、15分述べたいことがありますけれども、簡単に説明をさせていただきます。
 まず私ども工業会の概要につきましては、2年前に一般社団法人として設立致しまして、現在約79社、製造メーカーが44社と賛助会員が35社ということで全国的に広まっております。なお、産業廃棄物としては初めてJISをとりまして、Z7311ということで廃棄物由来の紙、プラスチックなどの固形化燃料として制定されておりまして、今、8社9工場がJISの工場として認定されて、稼働をさせていただいております。
 3ページがここに現在、私どもに入っていらっしゃいます会員さんの分布図でございます。
 続きましてRPFとはと書いてございますけれども、これは読んでいただければわかりますが、簡単に言いますと石炭の代替品ということで最初つくられたものでございまして、非常に発熱量を調整した高品質な固形燃料であります。RPFにつきましてはどのように製造されますかということにつきましては、ここに図にして書いてございますけれども、簡単に言いますと紙くず、木くず、廃プラスチックをカロリーに計算しまして、それを微細化したものを成形機で製造しているという形でございまして、これはペレットミルと言われる6ミリ、8ミリ、10ミリという小さいものから、30ミリまでのものが作られてございます。
 RPFの特徴としましては、利点としては非常に品質が安定しており、熱量コントロールが可能だということと、ボイラー等の焼却炉における排ガス対策が容易であるということと、他の燃料に比較して経済性が非常に高いということ。化石燃料削減に加え、CO2削減と温暖化防止にも寄与しているということでございまして、輸入一般炭を100とした場合には、RPFの場合にはCO2が67.4%ということで、約33%ぐらいの削減になります。
 なお、我々のつくっているものは、現在はほとんどが製紙会社で使用されておりまして、8ページに今、御利用いただいている製紙会社さんの工場があります。ただ、ここにつきましては非常に最近、品質基準が厳しくなってございまして、約3,000ppm以下でないと使用ができないということで厳しくなってございますけれども、先ほど御説明がありましたように、私どもRPF業者にはマテリアル業者さんの残渣の中の約半分強のものが私どもに来ております。これでつくりますと約6,000ppmぐらいまで塩素分が上がってしまう。これを逆に言いますと直接私どもが入札に参加できることによって3,000ppm以下に落とせるということが1つありますということと、実は8社9工場が入っておりますけれども、これは条件がございまして、洗浄機を持つということと、光学選別機を持つということで数千万のお金を皆さん、実は5年前にかけておりますけれども、指定法人に登録しても、一切入札に参加できないというのが現状でございます。
 この図を見ていただければわかりますように、非常に日本全国に使用できるボイラーがございますので、非常に地産地消ができるという形で輸送コストが削減できるということで有利になるということと、最近3~4年前からRPFの専焼ボイラーというものができ上がってきておりまして、これは製紙メーカーさんみたいに大きいボイラーではなくて、20トンから30トン、40トンという非常に小さいボイラーが今、でき上がってございまして、これに各中小企業さんが現在の燃料の高騰に加えて非常に大変だということで、このほうに変わってきてございまして、先ほど私どものほうから説明がありましたように、110万トンぐらいここ2年間の調査によりますと使われております。非常に使用する側からしますと165万トンから170万トンぐらい使える能力があります。
 また、我々メーカーからしますと同じく165万トンぐらいは許可上、つくることができるという現状でございますけれども、御存じのようにマテリアルと称しまして廃棄物につきましては中国とかインドとか東南アジアに年間190万トンのものが輸出されておりまして、非常にマテリアルしづらいものだけが日本に残っておりまして、それを我々がRPF化しているというのが現状でございます。
 RPFの特徴の2としましては、これはJIS化されたということで、容リ制度におきましても手法として認められておりますけれども、現在は全く入札に参加されていないというのが現状でございます。
 10ページ目がJISの規格でございまして、A、B、Cランクに分かれておりまして、これは塩素分で分かれてございます。それと、コークスの燃料ということでカロリーの高いものをつくっている。この4つがJISとされております。
 RPFの特徴3につきましては、先ほど申し上げたとおりでございまして、飛ばしていただきまして産業界の状況と致しましては、先ほども申し上げましたように2002年ごろから製紙業界が積極的にこのRPFを使うようになってございまして、当初は4,000キロカロリーくらいの非常にカロリーの少ないものから始まりまして、年間7,000トンぐらいしか使われていなかったということで、今では110万トンぐらいつくられているということでございますけれども、非常に現状としては原料の収集に我々は苦慮しているというのが現状でございます。
 18ページが先ほど申し上げましたように需要の予測でございまして、これぐらいのものが生産されてくるという形になります。私ども工業会としましては、製造メーカーさん並びに主要メーカーさんに工場に年に2回調査をしておりまして、そのお返事をいただいた結果が推定ではございますが、全てお答えいただいている訳ではございませんので、約年間110万トンぐらいが現在、生産されて消費されているというのが現状でございます。
 私共工業会のほうからお願いをしたいというか、提言としてお願いをしたいのは、地球温暖化対策に貢献する価値のある手法の行使をお願いしたいということで、特に地球温暖化対策に有効なRPFの早期実施を望みたいということでございまして、それと先ほど申し上げましたように、エネルギーの地産地消をこのRPFで進めていきたいということでございます。
 最後に、私どもとしましては現在、手法として認められておりますけれども、緊急避難的という言葉がどうしてもこれは入ってございまして、なかなか参加ができないということでございますので、ぜひこの会議で私どもが参加できるようにひとつお願いをしたいということで、一般枠での入札を希望したいと思います。
 現状、今の我々のメーカーのある場所並びにこれがもし認められるのであれば、各メーカーさん皆さん資格をとる形になると思いますので、そうしますと現状ここに価格が出ておりますけれども、これ以上に安い価格というか、安価な価格で対応ができるだろうと思いますし、できたものについては国内で全て消費ができるという形のものがとれるということは確信を持っておりますので、ぜひひとつよろしくお願いしたいと思います。
 大変申し訳ありません。時間があれなのでこれで終わります。

○郡嶌座長 ありがとうございました。
 それでは、御質問のある方よろしくお願いします。
 鬼沢委員、お願いします。

○鬼沢委員 非常に素人の質問だと思いますが、これにするのであれば容器包装のベール品がAランクである必要はないということなのでしょうか。

○郡嶌座長 中井代理、お願いします。

○中井代理 RPFは非常に熱収量が高いということが書かれていますが、RPFを燃やした場合と石油を火力発電で燃やした場合、収率はどのように違うのか教えてください。

○郡嶌座長 本田オブザーバー、どうぞ。

○本田オブザーバー 23ページにありますように、一般枠での入札ということで書かれている内容はそのとおりだと思うのですけれども、一般枠というのはあくまで優先枠を認めた上での一般枠という理解をしているので、20ページにある優先撤廃というのは矛盾するようなイメージがありますが、そのあたりはどういう理解をすればよろしいか教えてください。

○郡嶌座長 ありがとうございます。
 そうしたら、お答えよろしくお願いします。

○日本RPF工業会(石谷) まず最初のA品でなければならないかということでございますけれども、A品であったほうが望ましいということでございまして、極端に言うとC品であっても対応できる設備が皆さん整っております。
 収率については大変申し訳ございません。正確に申し上げられませんけれども、多分同等だと思います。石炭と同等だと考えていただければ結構かと思います。油で言いますと1万キロカロリーだと見てもらえれば、石炭で6,500なので、私どもが今、つくっているのは石炭の代替ということなので6,500でつくっていますけれども、コークス代用でつくれば8,000キロカロリーで作れます。
 優先権につきましては、これは矛盾しているということでございます。言いづらいのですけれども、マテリアル事業者さんからの残渣ということで、約半分強のものをいただいておりますので、極端に言いますと余りもめたくないというのが現状でございます。はっきり申し上げまして。

○郡嶌座長 ありがとうございます。
 ほかにございますでしょうか。追加的な形でこれはというのは。
 そうしたら、どうもありがとうございました。少し時間がオーバーしてしまいまして、タイムキープができませんで申し訳ございません。本日の容器包装リサイクル法関係者からのヒアリングは以上で終了であります。また、全て予定をしておりましたヒアリングはこれで終了になります。次回は事務局にこれまでの容リ法に関する内容でヒアリングを整理していただいたものを提出してもらい、それをもとに議論をすることにしたいと思います。
 それでは、事務局から連絡事項があればよろしくお願い致します。
 もう一つありますか。どうぞ。

○大塚委員 質問し損なった点があるのですけれども、メールか何かで質問させていただくことは可能でしょうか。追加的な質問をさせていただくことは。

○郡嶌座長 もしも今あれば、どの方に対して1つという形で片づけましょう。

○大塚委員 鉄鋼連盟さんに1つお伺いしたかったのですけれども、申し訳ありません。ケミカルに行く前に先にマテリアルリサイクルの事業者さんに対応していただいて、その残渣をケミカルリサイクルに回すという方法は一応あると思うのですけれども、鉄鋼さんはそういうやり方をすることに関しては対応可能かということをお伺いしておきたいのです。つまりマテリアルリサイクル事業者さんと連携をしてケミカルリサイクルのほうで対応してくださるということは可能かどうか、教えていただきたいのですけれども。

○郡嶌座長 では、その点につきまして。

○日本鉄鋼連盟(亀井) 技術的には問題ないのですけれども、そもそもこういう制度がどうかといった根本論にかかわる話だと思いますので、それはトータルで見てどういう特質があるかというのをきちんと整理した上で、制度として設計すべきではないかと考えております。技術的には全く問題ございません。

○大塚委員 体制として対応していただくことは可能だということなのでしょうか。

○日本鉄鋼連盟(亀井) 処理能力とか色々な問題もございますし、我々としては事前処理工程と利用工程を一貫で見て品質管理をするというのが非常に大きなポイントでございますので、それを阻害するようなものが横からぽこっと入ってくるというのは、余り歓迎しないというのが1つと、あとは経済的な問題。技術的には別に塩素系が入っても問題ないですし、プラ系であれば問題ないので対応はできます。そもそもこの容リの制度での優先順をどう考えるかといったところが、一番根本的な問題だと思っています。

○郡嶌座長 よろしゅうございますか。そうしたら連絡事項、よろしくお願い致します。

○林課長 長い時間お疲れ様でした。
 今回までで合計5回のヒアリングということで、関係者の皆様には多大な御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。環境省とあわせて代表して御礼を申し上げます。
 次回の開催時期ですけれども、年末年始を挟みますが、早ければ来年1月下旬の開催を予定しております。正式な日程につきましては改めて事務局から御連絡を致しますけれども、どうかよろしくお願い致します。
 以上です。

○郡嶌座長 それでは、以上をもちまして本日の合同会合を閉会したいと思います。本日は御多忙のところ、また、大分年の瀬の中で御出席をいただきましてまことにありがとうございました。
 それでは、よいお年を。