産業構造審議会 産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルWG(第5回)中央環境審議会 循環型社会部会容器包装の3R推進に関する小委員会(第4回)第4回合同会合 議事録

日時

平成25年11月19日(火)14:00~17:00

場所

フォーラム8 オリオンホール

議事次第

1 開会

2 議題

  1. (1) 容器包装リサイクル法関係者等からのヒアリング
  2. (2) その他

3 閉会

配付資料

資料1 産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループ、中央環境審議会循環型社会部会容器包装の3R推進に関する小委員会合同会合委員名簿
資料2 スチール缶リサイクル協会 資料
資料3 アルミ缶リサイクル協会 資料
資料4 ガラスびんリサイクル促進協議会 資料
資料5 段ボールリサイクル協議会 資料
資料6 飲料用紙容器リサイクル協議会 資料
資料7 紙製容器包装リサイクル推進協議会 資料

議事録

午後2時00分 開会

○庄子リサイクル推進室長 それでは、定刻になりましたので、まだお見えになっていない委員の方もいらっしゃいますが、ただいまから産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループ及び中央環境審議会循環型社会部会容器包装の3R推進に関する小委員会第4回合同会合を開催させていただきます。
 私、環境省リサイクル推進室長の庄子でございます。よろしくお願いいたします。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、本日もお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本合同会合の事務局でございますが、経済産業省と環境省が共同で務めております。本日は環境省が事務局を務めます。
 まず、本日の中央環境審議会循環型社会部会容器包装の3R推進に関する小委員会の出席状況でございますが、全委員数27名のうち現時点で14名の委員の方にご出席いただいてございまして、定足数である過半数に達していることをご報告させていただきます。
なお、改めて申すまでもございませんが、このように定足数を確認してご報告してございますのは、審議会の成立の要件といたしまして委員ご本人の出席状況を確認しているものでございまして、したがいまして、今後ともできるだけ委員ご本人の方にご出席いただければありがたく考えているところでございます。
 次に、産業構造審議会の出席状況につきまして、経済産業省から報告をお願いいたします。

○林課長 経済産業省リサイクル推進課長の林でございます。
 本日の産業構造審議会容器包装リサイクルワーキンググループの出席状況ですが、全委員数27名のうち現時点で17名の委員がご出席されておりまして、定足数である過半数に達していることをご報告いたします。
 また、ただいま環境省からお話がありました定足数の確認に関しましては、経済産業省といたしましても、環境省と同様、委員ご本人と代理の方はお立場がやはり異なるという、そういうお取り扱いのもとで審議会を運営してきておりまして、そういうふうに運営していく考えでございますので、委員ご本人がご多忙のこともあろうかと存じますけれども、容器包装リサイクルは多くの方々に影響を及ぼすテーマですので、今後ともできるだけ委員ご本人にご出席をいただきますようご理解をお願いいたします。
 以上でございます。

○庄子リサイクル推進室長 それでは、カメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
 次に、資料の確認と取り扱いについてご説明いたします。議事次第、それから、資料1から資料7までをお配りしております。
資料の不足がございます場合にはお申しつけいただければと思います。
 本日の資料につきましては、原則、全て公開とさせていただきたいと存じます。そして、合同会合終了後には発言者名を示した議事録を作成いたしまして、各委員に配付をしてご確認いただきました上で公開をさせていただきたいと存じます。
 それでは、本日、この後の議事進行につきましては、環境省が事務局となります今回は、中央環境審議会循環型社会部会容器包装3R推進に関する小委員会の永田座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○永田座長 どうも、皆さんこんにちは。お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、本日の議題であります容器包装リサイクル法関係者等からのヒアリングを実施させていただきます。
 ヒアリングの進め方に関しましては前回と同様でございまして、説明時間は15分、その後、質疑応答で10分間をとってございます。説明時間につきましては、事務局から12分経過しますと1鈴、14分経過で2鈴、15分経過で3鈴で合図をすることになっておりますので、3鈴が鳴りましたら説明を打ち切らせていただきます。
 なお、前回のヒアリングで説明時間を超過するケースもございまして、その後の質疑の時間が短くなったということでございます。そういうことで、説明者の方には説明時間を厳守していただくよう、お願い申し上げておきます。
 質疑の時間につきましても限られておりますので、質問はできるだけ短く、特にコメントよりもその場で回答者にお答えいただくような質問を中心にご発言願えればというふうに考えていますので、よろしくお願いいたします。質疑のほうも終了時間になりましたら1鈴で合図をさせていただきます。それで質疑は終了ということになります。
 なお、本日のヒアリングが全て終了した後に時間の余裕がございましたら、質疑の時間の中で回答いただけなかった項目につきまして、説明者のほうからお答えいただくという時間もとらせていただければというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。効率的な審議、皆様のご協力によりまして実現してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、まず、資料2に基づきまして、スチール缶リサイクル協会の酒巻委員からご説明いただきます。どうぞ。

○酒巻委員 
スチール缶リサイクル協会の酒巻でございます。まず、報告の機会を与えていただき、感謝申し上げます。
それでは、報告させていただきます。報告の内容は2ページに目次を設けてございます。大きく分けて六つございます。それでは、順に項目に従い報告させていただきます。
 資料、3ページをお開きください。まず、スチール缶リサイクル協会の概要をご紹介したいと思います。スチール缶リサイクル協会は、観光地における空き缶の散乱問題及び自治体の最終処分場逼迫問題が顕在化し始めた1970年代の初め、この問題をこのまま放置しては将来において必ず社会にとって禍根を残すことになると危惧いたしまして、スチール缶の素材と容器の製造並びに素材の物流に係る国内の大手の事業者が、社会貢献を目的に1973年4月に設立いたしました。常に将来を見据えて調査・研究・協力・支援等、啓発等も行ってきている任意団体でございます。現在、会員企業は12社でございます。
 資料、4ページをご覧ください。では、当協会の取組についてご紹介したいと思います。まず、スチール缶のリサイクルの状況でございますが、1970年代よりリサイクル推進に取り組んだ結果、徐々に成果を上げまして、回収率・再資源化率は上昇、2012年度におきましては過去最高の90.8%を記録しております。この要因は、消費者・自治体・事業者の連携・協力による分別排出・分別収集・再資源化の体制が構築されてきたことが挙げられます。また、再資源化のために、鉄鋼メーカーと容器製造メーカー自らが環境配慮設計を進め、スチール缶のスクラップの高品質化を図ってきたことにあろうかと思っております。
 資料、5ページをご覧ください。スチール缶のリデュース/軽量化の推進ということで、発生抑制でございますけども、資源の節約につながる発生抑制のため、スチール缶の軽量化や環境配慮設計に1970年代後半より取り組んできたことを紹介します。まず、スチール缶の軽量化につきましては、缶材の軽量化ということで、缶胴の薄肉化や蓋の縮経化の技術開発を行ってきております。ちなみに、缶の代表的缶種である200ミリリットル飲料缶では、約22%の軽量化を実現してきております。前回の容リ法見直しにおきまして、事業者による自主行動計画が公表されました。既に軽量化は限界に来ているという業界の中ではそういう認識でありましたけども、業界挙げて軽量化に再度チャレンジしようということで、スチール缶の軽量化推進委員会を立ち上げまして取り組んできております。結果、飲料業界の協力も得まして、1缶当たりの重量の軽量化、第二次自主目標では4%の軽量化を目指すということでございましたけど、今般、5%に上方修正いたしました。環境配慮設計では、従来、中身の保護に必須であったすずを使用していましたが、再資源化の際、質の劣化を招くということで、スチール缶スクラップを鉄鋼メーカーさんで使うのは嫌がられておりましたが、缶材の研究・開発を行い、「何にでも、何度でも」の質の高い資源循環を可能としてまいりました。また、CO2排出量、エネルギー使用量等削減に資する製造方法の開発等も行ってきております。
 資料、6ページをご覧ください。消費者が分別排出、自治体が分別収集しても、再資源化のための受け皿がないとシステムは完成いたしません。したがいまして、鉄鋼メーカーでは、自らスチール缶のスクラップの再資源化の研究・実験等を行い、規格化を図るとともに、受け皿としての購入体制を構築してまいりました。さらに、市況変動に対応すべく、自治体が分別収集したスチール缶のスクラップの有償もしくは無償による引き取り体制も用意いたしました。さらに、電炉業界の協力も得まして、物流でのCO2排出量・エネルギー使用量削減のため、最寄りの製鉄所で再商品化を行うことで体制を構築してきました。
 資料、7ページをご覧ください。消費者・国/自治体・事業者等の連携協力ということでございますけども、1970年代で先進的自治体の協力要請に基づきまして、連携協働して家庭ごみの分別排出・分別収集・再資源化に向けた調査研究・実験等を行い、システム構築に取り組んできました。また、資源化に取り組む先進的自治体には、物的支援や情報提供・指導等も行ってきております。また、環境教育も重要との観点に立ちまして、環境教育の実態調査や教育現場への情報提供あるいは支援等も行ってきています。当協会の設立理念に基づきまして、社会貢献する目的で、自治体や学校現場、市民団体などに情報提供・協力指導・支援等を現在も愚直に推進する活動として継続しておるところでございます。
 それでは、具体的な活動の主な事例をご紹介したいと思います。8ページをご覧ください。まず、一つ目は、主な取組の事例としまして、資源循環型社会構築のためにということで、まず、先進的自治体さんと一緒に協力しまして、いろいろ調査して研究した結果を「スチール缶リサイクリングマニュアル」と、一応名称ですけども、資源ごみのリサイクリングマニュアルということで、資源化編・分別収集編を作成しまして、後発の自治体さんへの教材用として全国に配布して活用していただいてきております。
 資料、9ページをご覧ください。さらに、自治体さんの施策推進・支援ということで、容器包装リサイクル法制定以前の1991年から、最終処分場逼迫問題緩和に寄与する分別排出・分別収集・再資源化を推進・普及するために、当協会が先進的自治体での分別収集・再資源化を推進しようとする全国の132の自治体に対して物的支援を行っております。このページでは、一応、物的支援を行った自治体さんの地図と、それからどういうものを支援したかということの内容が書いてございます。
 資料、10ページをご覧ください。前回の容リ法見直しにおきまして、多様な回収のシステムを推進すべきとの方向性が打ち出されましたが、それに先立ちまして、分別収集・再資源化の仕組みを社会に広めてきた当協会といたしまして、新たな社会的コストの最小化並びに国民の環境意識の向上に資する集団回収につきまして調査を行い、調査結果を取りまとめまして冊子として製作、全国の自治体さんに活用していただくべく配布してございます。また、その解説会を全国10都市で開催いたしました。また、種々のメリットがあることが判明したことによりまして、集団回収促進のための集団回収実施団体への支援も開始しているところでございます。
 資料、11ページをご覧ください。3R推進には学校での環境教育も重要という観点に立ちまして、全国の小中学校への環境教育促進のため支援を開始するとともに、副教材として活用していただくべく冊子を作成いたしまして、全国、小学校約2万3,000校、当時ですが、中学校約1万校に提供いたしました。活用していただいているところでございます。
 資料、12ページをご覧ください。全国の自治体さんの情報共有・相互連携ということで各種冊子、いろいろな3R推進に関わる情報を盛り込んだ冊子、あるいは3R推進のためのポスター等を作成して今も活用していただいております。それから、生徒・市民・自治体等の方々に事業者の環境活動を理解していただくために、事業所の施設見学会等も開催しております。
 それでは、主な活動の紹介はこれぐらいにしまして、今回の容リ法見直しについて述べたいと思います。まず、前回の2006年の改正容器包装リサイクル法では、基本的方向性として、循環型社会の構築、社会全体のコストの効率化、全ての主体の連携協働ということがうたわれました。具体的な主な概要としまして、容器包装の排出抑制の促進、質の高い分別収集・再商品化、公平性の確保、円滑な再商品化等が掲げられましたが、進展したのか否か、また、その後の課題として何が残ったかを検証していく必要があろうかと思っております。
1995年の容器包装リサイクル法施行、2006年の改正容器包装リサイクル法を経まして、2000年をピークに一般廃棄物の総排出量減少、一般廃棄物中の容器包装廃棄物の容積比も減少、最終処分場の残余年数の延命化も実現したことにより、容器包装リサイクル法は当協会としまして一定の成果を上げたものと評価しておるところでございます。
 資料、15ページをご覧ください。今回の見直しにおける課題認識ということでございますけれども、容器包装リサイクル法が一定の成果を上げてきたということから、社会全体のコスト最小化並びに環境負荷の低減に資する現行の役割分担は堅持するとともに、今後も各主体は深化した取組を行うと同時に主体間連携の取組も今後も拡充していく必要があろうかと思います。しかしながら、課題が残っていないわけではないと思っています。今後残った課題を検討していくに当たり、四つほど視点を取り上げています。各主体の公平性と社会的責任の担保、3R促進に資するインセンティブが作用する仕組み、最適な分別収集、再商品化手法のあり方、さらなる社会全体のコスト最小化、環境負荷の低減に資する多様な回収の仕組みの拡大等を観点に置いて、課題の見直しの検討を行うべきと思料いたしております。
 それでは、今回の容器包装リサイクル法の見直し審議に当たりまして、当協会からの提言を述べさせていただきます。まず、一つ目は、公平性と社会的責任の担保についてでありますが、消費者間の公平性を担保するため、排出者責任を明確にし、徹底した分別排出と家庭ごみの有料化を促進すべきということでございます。それから、事業者間の公平性を担保するため、より質の高い再商品化の促進と、市況変動に影響されない事業者の引き取りによる再資源化体制の枠組みを構築すること。また、事業者にとりましては小規模事業者もございますので、小規模事業者の責任も明確にすべきではないかと思っております。さらに、自治体さんにつきましては、社会的仕組みを担保するために、廃棄物会計を公表するようにしてはいかがと、こういうことでございます。
 資料、17ページをご覧ください。二つ目としまして、3Rを促進するインセンティブが作用する仕組みの構築ということでございますけど、排出抑制を促進するために、容器包装ごみについても有料化を検討していくべきではないだろうかということが1点。発生抑制を促進するために、全ての事業者が自主的取組の策定を行い、公表を行っていくべきだろうということでございます。それから、自治体・事業者等の先進的取組を促す仕組みも検討していくべきではないだろうかということです。4点目に、社会全体のコスト最小化のために、地域循環を考慮した上で広域処理を促す仕組みも検討すべきではないかということでございます。
 資料、18ページをご覧ください。三つ目として、容器包装素材ごとの最適なリサイクル手法の見直しについてでございますけれども、質の高いリサイクルを推進するために、現状の識別マークを見直すべきではないかということが第1点。また、大きな課題として指摘のある容器包装プラの再商品化のあり方につきましては、循環型社会形成推進基本計画にのっとり、大所高所に立って、製品プラの対象化も含めるか否か等も含めながら、社会全体のコスト最小化並びに環境負荷の低減に資するよう、見直しを行うよう検討をしてはいかがかということでございます。
 資料、19ページをお開きください。さらに、社会全体のコストの最小化のために環境負荷低減に資する各主体の連携協働の取組につきましては、多様な回収の仕組みである集団回収や店頭回収を促進する枠組みを検討すること。また、3Rの推進には、主体間の情報共有と相互理解が重要であります。各主体からの情報発信を促す枠組みを検討すること。
以上、容器包装リサイクル法見直しにおきまして、スチール缶リサイクル協会の取組と、容リ法施行後の評価並びに四つの柱の提言をさせていただきました。当協会としましては、容器包装の3R推進におきまして、今後も愚直に社会貢献していく所存でございます。
最後に、この合同会合でより高い視点と見識でもって、よりよい容器包装リサイクル法となるよう、見直しの審議を行っていただくようお願いいたしまして報告を終わります。
ご清聴ありがとうございました。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ご質問のある方は名札を立てていただいて、まとめてご質問を受けた後、それに対してご回答いただくと。時間の許す限り続けていきたいと思います。札はよろしいでしょうか。また、ばらばらに挙げられますと、質問時間に区切りがありますので、最後のほうではカットさせていただくことになるかもしれません。よろしいでしょうかね。とりあえず、今のところ4名挙げられて、どうぞ、大塚先生のほうから回します。

○大塚委員 確認の質問が2点です。1点は、ちょっと確認だけではないですが、簡単です。5ページの軽量化を目指す4%が5%になったというのは、これは何年にこの数値目標を達成するという目標かちょっと教えてください。
それから、9ページへの資源化施設への物的支援ですが、これはどのぐらいの規模かというのをちょっと教えていただきたいので、額で教えていただくと本当はいいですけど、ちょっと規模を教えていただきたいということです。
それから、17ページの最後の提言ですが、Ⅵの2の(1)のところのこれは、現在の容器包装リサイクル法ですと、容器包装ごみについては無料にすることによって容器包装ごみを出すことについてのインセンティブを与えるという考え方で基本的にはできていますので、それを変えたほうがいいということも含めておっしゃっているのかということをちょっと確認しておきたいと思います。
以上です。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 次、鬼沢さん。

○鬼沢委員 2点あります。17ページにあります。今、大塚先生もおっしゃったんですが、1番の容器包装のごみの有料化の検討とありますが、現在、容器包装のごみの袋の有料化をしているところはかなりあると思うんですけれども、それが排出抑制にかなり、それをもって広げることで効果があるということなんでしょうか。それとも別の有料化のことを意味していらっしゃるんでしょうか。
 それから、もう一つ、最後の質の高い水平リサイクル等を推進するために、識別マークの見直しとありますが、具体的に識別マークをどのように見直したらいいのか、お考えがありましたらお聞かせください。
 以上です。

○永田座長 小林さん。

○小林委員 18ページをお願いします。ご提言の3の2)、ここでプラスチック再商品化のところの内容を説明いただいているんですが、プラスチックにつきましては、今でもかなり難しい課題もたくさん含んで運営をしているわけでして、改めてここで、あえて製品プラの対象化ということも盛り込まれているので、この辺のご真意をお尋ねしたいと思います。

○永田座長 佐々木さん、どうぞ。

○佐々木委員 15ページのブルーのところで、各主体が深化した取組を行うとともにというところと、それから、連携の取組を拡大していくという。今までスチール缶の協会のほうで具体的にこういったことで何か取り組まれたものがあるかというのが質問でございます。
 それから、もう一つは、製品プラについて、対象とするべきなのか否かというのは、議論をして決めるということなんでしょうか。協会のご提言はどちらの立場で提言をされているのか、その2点をお聞かせいただければと思います。

○永田座長 代理でご出席の中井さんですか。

○中井説明員 スチール缶協会がこれまで環境配慮設計に取り組んでこられたということは、評価したいと思います。19ページの今後の審議に向けての提言の中に、店頭回収・資源化の促進へのインセンティブの導入とありますが、この法的規制の見直しを検討すべきという内容ですが、もちろん廃掃法のこともあると思いますが、私どもは店頭回収品も容リ法の対象の中に含めるほうがいいと考えています。、酒巻さんともこれまで市民案で意見交換をさせていただいたものですから、その辺についていかがかというご意見を伺いたいと思います。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 一渡り札を上げられた方にご発言いただいたんじゃないかと思いますので、ここで酒巻さんのほうに回答をお願いしたいと思います。

○酒巻委員 最初に、大塚先生からご質問ですけども、4%を5%に上げたというのは、まず、第二次自主行動計画が2015年度を最終年次としていますので、2015年度までに5%の目標を達成しようということで目指しているということでございます。
 それから、9ページの資源化、支援の規模ということなんですけども、例えばここ実際に支援をやった中では、例えば自選機とかフォークリフトとか、それから、施設の中で必要なものということで、これは自治体さんと話をしながら支援した内容でございますので、一応、各自治体さんとの話し合いでいろいろなものをやっていますので、その辺はご理解いただければと思います。
 それから、有料化の話は何点か皆さんから出たかと思うんですけども、一般廃棄物の有料化というのは進んでいます。そういう中で有料化そのもので、例えばごみ袋の問題というのは確かにありましたけども、容器包装廃棄物は一般廃棄物の内ですので、同じだけ上げるというのは、諸外国の状況を見て具合が悪いかもしれませんけれども、一定割合で多少格差をつけながら、そういうことも検討していったらどうでしょうかということでございます。
 それから、質の高い識別マークについての質問がございましたが、これは実際に、先ほど小林委員のほうからありましたけども、プラスチックの収集から再製品化というのは基本的には非常に難しい問題と捉えています。まず、プラスチックそのものがどういうものであるかということを共有認識した上で、その上で検討を行っていくべきかなというところからこういう問題提起をしているところでありまして、一つはそういうような中でこういう分け方して、こういう資源化するのがいいだろうと、そういうことがはっきり決まった時点でマークというのは選定されるべきかなというふうに思っています。マーク先にありきとは思っていません。
 それから、各主体の取組とか連携についてどうだったかということなんですけど、スチール缶リサイクル協会は先ほど言いましたけど、1970年代からいろいろ取組をして、まず、スチール缶がリサイクルしやすいように、すず錫をできるだけ使用しないようにすることと、こういうようなことをやって、実際に自治体さんには、缶には銅を使っていませんけども、銅は入らないようにお願いしたりとか、こういうことで相互理解を図りながら、行ってきたということでございます。
 それから、店頭回収につきましては、全国のスーパーさんでのいろいろな取組を見ていますと調査してきていますが、地域の自治体の廃掃法等の法的解釈が異なり、解釈次第で問題ないでしょうとの解釈で、スーパーさんが広域処理というか、広域で集めて処理やっているところもございますけれども、所によっては、自治体さんが“それはだめです”と言っているような非常に曖昧なところがありますので、その辺をはっきりさせて店頭回収を促進できるようにしてはいかがかなと思っています。
 それから、大事なことかもしれませんけど、製品プラの対象化も含めるか否かというのは、要は、プラスチックそのものがよくわかっていないでリサイクルの推進を行ったら、やはり間違ってしまうだろうということです。私自身も一応、化学をかつて学生時代に専攻していますのでプラというのはよくわかっているつもりでございます。そういう面では、今のプラの集め方自身というか、分別収集の仕方そのもの、ここからも見直しをしていく必要があろうかなということです。そういう面で問題提起をしたということでございます。
以上でよろしいでしょうか。

○永田座長 よろしいでしょうか。
 大塚先生の質問の中でも、支援していた、10年ぐらいありますけど、その間でどのくらい金銭的に支援対象で支出したかというのはわかりませんか。

○酒巻委員 132の自治体さんに支援しましたけども、直接、今その132自治体さんに支援した内容でいきますと、金額的にいくと1自治体さんが数百万から数千万。

○永田座長 合計で幾らとかというのは、協会のほうで集計されていないんですか。

○酒巻委員 一応ありますけど、あまり公表したくはありません。

○永田座長 いや、もう別に秘密にするわけじゃないでしょう。

○酒巻委員 物的な支援しただけでいくと、大体60億弱。

○永田座長 そうですか。

○酒巻委員 それ以外に支援前の調査がありますので専門の委員を設置していました。これらの選任委員の費用は全部出していただいたりとか、あるいは調査事業の費用とか、そういう費用がかかっていますので、そういうのは含めていませんので、何だかんだ入れると、やっぱり100億ぐらいかかっているかなと思っています。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
どうも、酒巻さん、ありがとうございました。それでは、次が2番目、資料3に基づきましてアルミ缶リサイクル協会の宇田川様から説明をしていただきます。

○宇田川氏 アルミ缶リサイクル協会の宇田川です。よろしくお願いいたします。
 では、資料3に基づいてご説明いたします。2ページ目ですが、協会の目的ですが、これは今、スチール缶リサイクル協会さんと同じで、ほとんど同じ時期に私どもも協会を設立しております。今年で40年ということになります。やはり当初はリサイクル、資源もさることながら、当時、空き缶公害と言われた時期があって、アルミ缶、スチール缶の飲料缶のポイ捨てが非常に問題になった時期があって、どちらかというと、そういった空き缶公害の防止のための措置をとるというようなところで協会が設立されているというようなところもあります。
 当時の協会の会員ですが、3ページ目ですが、星印がついている九つの会社が設立当時の発起人の会社であります。現在は31社になっておりまして、分野的にはアルミ缶の製造会社、アルミ缶材の製造会社、それから、そういった商品の取り扱い、あるいは原材料の取り扱い関係での商社の方、それから、中身の飲料メーカーの会社の会員の方、それから、再生地金の関係の方といったところで、非常に多様な会員の構成になっております。
 4ページ目ですが、アルミ缶はある意味非常に集めやすい容器かと存じます。現在、主に使われているアルミ缶は、私どもとしては通常缶とボトル缶ということで呼んでおります。通常缶は、缶の径が2種類、高さはご覧のとおりでさまざまなんですけれども、容量的には500ccから小型のものですと135ccというのが一番小さいのが、ここにはちょっと抜けちゃいましたけどございます。試飲缶のような形でよく使われております。それから、2000年からボトル形状のアルミ缶が出てきております。代表的なところで410cc、よく出ているところでは315cc、310ccといった、こういったタイプであります。
 アルミ缶の国内の消費状況ですが、当初は、統計をとり始めたのが1977年、協会の設立が73年ですので、少し遅れた形で統計は出ております。この5ページのグラフでご覧のとおり、1980年代、90年代が非常にアルミ缶の伸びがあるところでございます。ここ10年ほどは、缶の缶数でいきますと190億缶前後、重さでいきますと30万トン前後といったところで、ほぼ横ばいになっている状況であります。
それから、6ページ目ですが、3Rのための取組ということですが、いわゆるリユースにつきましては、缶はしておりません。できないと言ったほうがよろしいかと思います。したがいまして、あとの2Rということで、リデュースとリサイクルでございます。リデュースは、いわゆる環境配慮設計ということで最近は取り上げられますが、当時は、やはりコストダウンというようなことで、缶の製造メーカー、それから缶の使用者側、飲料メーカーさんのこの間でスペックの変更がいろいろと取り沙汰されて製品化されているという実態でございます。ちなみに、昨年度、2012年度の削減率としては、目標の3%に対して3.8%となっております。重量ベースでございます。それから、リサイクルにつきましては、2012年度のリサイクル率は95%弱ということで、ここのところ、ほぼコンスタントに90%はクリアできるような状況になってきました。これも、先ほども酒巻さんのほうからお話がありましたけれども、さまざまな市民・自治体との協力のもとに集団回収が進んだというところが大きいかと思います。それから、社会的コストの削減という面では、特にリサイクルに関しましては、自治体の負荷を減らすという面では、集団回収ということでボランティアないしは学校といったようなところで、収集された缶をリサイクラーのほうが直接買い取るといったようなことで、自治体を通さない、自治体の手をかけずに回収するというようなスタイルがほぼ確立されてきているという状況であります。それから、取組の中で、こういったリサイクルを円滑に進めるためということで、当初からアルミ缶の回収をする拠点につきまして、登録制度ということで声かけをして登録をしていただいているのと、それと学校、それから協力者の回収の実績をそれぞれ自薦・他薦で募りまして、その優秀な学校さん、あるいは協力者の方には表彰するといった制度、表彰制度を設けております。それから、環境教育という面での支援活動も実施しております。
それから、7ページ目ですが、アルミ缶のリデュースということでは、先ほどと重複しますが、ここ3年ほどのところでは、徐々に缶の重量の削減、進んできています。この缶の重量は塗膜重量、塗膜もついた状態での重量で、なおかつ、先ほど来ご説明を申し上げたように、缶の種類が500ccから小さい缶までさまざまですが、そういったものの平均ということですので、最もボリュームゾーンである350ccの缶からすると若干重目にはなっているかと思います。削減率的には、去年は3.8%まで来ましたが、この先、じゃあ、さらに下がるかということになるとなかなか微妙な問題がございまして、ボトル缶というのが比較的、350の缶と比較しても重目になっていくところもありますので、こういったところのサイズの構成によってはもとへ戻るということはないかもしれませんけど、停滞ぎみになるといったことは十分に予想されるかと思います。
それから、リデュースの手法として8ページ目ですが、これも鉄缶と似ておりますが、特に蓋を小さくして、なおかつ薄くするという小型・薄肉・軽量化をしております。それから、缶の胴も、これもミクロン台で本当にもう少しずつ削るような感じなんですけれども、2ミクロン、3ミクロンというような、そういう単位で徐々に、徐々に薄くしてきております。ただ、この缶の胴を薄くするに当たっては、充填設備ですとか製缶設備の技術開発が伴わないとできないというところがありまして、特に荷重、缶のクラッシングしないような低荷重での製缶、あるいは巻き締めと充填ということが、設備の改良が加わったことで初めて可能になったのと、それから、もう一つは窒素充填ですが、当初、アルミ缶は炭酸もの、炭酸ガスが入ったビールですとかコーラ系あるいはサイダー系しかなかったんですが、これも80年代に液体窒素を封入する技術開発が進みまして、今ではお茶系、スポーツドリンク系あるいはコーヒーといったところに広がってきています。こういったものも薄肉化をベースのところでは支えている技術であります。缶の底も板を薄くいたしますと、缶の内圧でバックリングをいたしますので、そういう面でも形状が少しずつ、やはり高強度なものに変化していくという状況です。こういった複合的なことで軽量化を図っているんですが、いずれにしても、こういった技術は使う側とつくる側の歩調が合いませんと進むということはございません。
それから、9ページ目ですが、これはリサイクル率になります。リサイクル率が大きく節目を迎えているのは1990年のところであります。80年から90年、停滞しているように見えますけれども、実際にはここで非常に缶が、製造量が増えていますので回収量が増えているんですけれども、率としてその分追いついていなかったというところはあります。90年以降、順調に伸び出したのは、一つは、先ほどの拠点を拡大したということにあります。当初はリサイクラーさんが主体だったんですが、90年代辺りから小売店、チェーン店といった小売のところでの拠点登録が増えたというようなこともありまして、それが結果的に集団回収を後押ししたというふうに見ております。なおかつ、やはり90年代以降、国の方針として、再資源化あるいは容器包装のリサイクル法といったものが制定されましたので、これでやはり国民的にそういった意識の醸成ができたということではないかと思います。
続きまして、10ページ目ですが、アルミ缶のほうの集団回収の仕組みということは、もうこれはやはり協会が発足した当時は全く何もない状態からのスタートでして、回収拠点を少しずつ増やして、その回収拠点の中から、さらに学校へのつながりをつけてといったところで、ここ40年間やってきました。現在、この表彰制度と拠点の登録制度の2本立てで回しているという状況であります。拠点が学校あるいは協力者の推薦をしていただくのと、逆に、自薦・他薦で学校協力者のところからの推薦があった場合には、拠点にそれを伝えて、拠点から推薦していただく。この繰り返しで拠点の確保をしてきた状況がございます。
現在、拠点の数としましては次のページのとおりですが、約1,700弱あるんですが、ほぼ半分で、資源回収業者と生協・スーパーさんのところが分け合っている状況であります。そのほかにボランティアの関係といったところであります。
それから、12ページですが、回収されたアルミ缶のフローですけれども、家庭系と事業系と大きく分けられますが、際立っているのは、やはり自治体の回収量、それと集団回収の回収量ほぼ二分しているというような状況であります。あと拠点、それから、事業系ではボトラーさんの関係がやはり回収量としては特徴的、数を集めていただいているという状況であります。
教育支援については、時間の関係でちょっと割愛させていただきます。
今回の容器包装リサイクル法の見直しに関しましてですが、この制度について評価する点ということでは3点ほど14ページに挙げました。一つは、リサイクル制度の中で役割分担を明確にしたことで、先ほどのリサイクル率の向上のところでご説明したとおり、やはり法ができてバックアップができたということで、リサイクル率の向上に確実につながっているというふうに思われます。それから、二つ目としては3Rという、これが社会的に認識が深化できたというのも今回の制度のお陰ではないかと思います。それから、あと関係主体間の協働が促されているということであります。結果的にそれで分別収集と集団回収につながっているという考えです。
それから、一方、この制度についての課題といいましょうか、アルミ缶の特にそういう回収の関係から見た目としては、やはり集団回収のルートが非常に活発化されているんですが、リサイクル制度という中で、こういったフローあるいはプロセスという観点から、制度的なものがもう少し法の中でもあってもいいのかなということであります。それから、もう一つは関係法令、特にアルミ缶は資源有効利用促進法の影響が多いかと思いますので、そういった法令ですとか廃棄物の処理法、こういったところと関連するような形での制度設計をしておくべきではないかというふうに考えます。
以上です。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、いかがでしょうか。ご質問、ご意見等ありましたら、また札を立てていただきますでしょうか。いかがでしょうか。
 それでは、西井さん、どうぞ。

○西井委員 大変興味深いお話もお伺いしたんですけど、ちょっと一つだけお伺いしたいんです。8ページにあります、軽量化についての技術的な取組がいろいろされていて、缶蓋、缶胴、缶底とあるんですけど、こういう日本での取組というのはちょっと教えていただきたいんですけど、世界的に見てかなり進んでいるというふうに見てよろしいのでしょうか。

○永田座長 ちょっと待ってくださいね。まとめて後で。
 平尾先生、どうぞ。

○平尾委員 ありがとうございました。ちょっとお話になかったことなのですけれども、このアルミ缶を容器として使っているもの、特に炭酸系のアルコール飲料などが多いと思うのですが、それを使うことによって他の素材、例えば、いい悪いは別としてびん製の飲料が減っていくということが起きています。あるいは6缶のパックをするのに紙のパッケージが使われていると思うのですけれども、あのパッケージが紙としてリサイクルしにくいというふうにお聞きしていています。そういうアルミ缶の利用による他の素材への影響についてどのようにお考えか、お考えがあれば教えていただきたいと思います。

○永田座長 大塚先生、どうぞ。

○大塚委員 ありがとうございます。最後の15ページのところで2点質問ですけど、一つは、集団回収ルートの位置づけというのは、法律における位置づけというのは重要な視点だと思うんですが、具体的には、集団回収ルートのものは再商品化の費用負担から除くとか、そういうお考えでしょうか。ちょっと具体的にどういうことをお考えか教えてください。
 それから、もう一つは、資源有効利用促進法との関係も非常に重要だと思うんですけど、これは再商品化率だけじゃなくて、再資源化率のようなことも考えるというようなことを例えばお考えでしょうか。ちょっとその辺を教えてください。

○永田座長 とりあえずよろしいでしょうか。
 それでは、宇田川さん、どうぞお答えいただけますか。

○宇田川氏 まず、軽量化の関係ですが、実際には、恐らく今一番軽量化が進んでいるのはアメリカだと思います。もともとアルミ缶の製造技術はアメリカからもたらされておるんですが、やはり軽量化についてもアメリカのほうが常に一歩先を行っているというところであります。決して大きく遅れをとっているとは思わないんですけれども、これも中身との関係、内圧をどれくらいに設定するかとか、あと、消費者が見て、さわって、そのさわり具合で缶の感触がどうかというような、そういったところもあるいは影響があるのかもしれませんけれども、今のところ、やはりまだアメリカが一歩進んでいるかなというところです。
 それから、缶を取り巻く他の素材への影響ですが、これにつきましては、ハンドリングの面で、必ずしもアルミ缶だからそうしないとだめだということではないと思うんですが、販売促進の面ですとか、流通段階でのハンドリング性、あるいはディスプレー性の面で、さまざまなパッケージングの形態というのが出てきておりますが、ちょっとこの辺については、私どもとしては、何とも申し上げかねるというところでございます。ある意味、裸の缶の状態では、ディスプレーで積み上げやすいように、先ほどの底の形状なんかもひところは積めなかったんですが、最近はほとんど一缶一缶積めるような状態の設計になっておりますが、これをもって環境配慮になっているかどうかはちょっと別といたしまして、そういった、やはり要望に応じて供給する側は設計を考えているという一例ではあります。
 それから、集団回収ルートの位置づけですけれども、これは今の容リ法の中では、アルミ缶をはじめ幾つかの素材については、再商品化の関係から外れておるので、直接的にこの集団回収ルートを位置づけるということと、イコール再商品化ということはつなげて考えてはおりません。意図としましては、容器包装リサイクルの、いわゆるリサイクルをどうするのかという枠組みの中では、さまざまなルートがあってよろしいのではないかと。特に合理的なルートがあってよろしいのではないかと思います。そのために5年ごとにこういった法の改正がなされるときには、現状どういうふうなスタイルがよく行われているのか、その辺を検証して法の改正のほうに反映していただければよろしいのではないかと思います。
 それから、再資源化率については、これはいわゆるリサイクル率と非常に密接な数値が、関係があるんですけれども、結局そういった何をもって資源あるいは3Rの指標とするかということですが、容リ法の中よりも、むしろそういう面では資源の関係の法律のほうで、こういった3Rの指標として適当なものがむしろあるのかもしれませんので、そういう面で現場的には、回収を進める現場としては、法律はともあれ、そういう指標をどういう形で達成していくかということが大事かと思いますので、その運用の面で法律の相互乗り入れなり、補完なりがしっかりわかるような、そういう運用をしていただければよろしいんじゃないかということであります。

○永田座長 ほかにはいかがでございましょうか。若干まだ時間あるのかな。よろしいでしょうか。お挙げになってらっしゃる方はいらっしゃらないようなので。
 どうぞ。

○百瀬委員 アルミ缶は資源として、街中で回収業者に有価で取引されています。回収拠点からアルミ缶がなくなってしまうことがあります。有価資源が持ち去られるという盗難です。要するに、拠点回収や店頭回収のアルミ缶を持ち去ったとしても、そのアルミ缶を資源回収業者に販売することができるのですね。これは拠点回収や店頭回収は市民が循環型社会に貢献する意欲を阻害してしまう、社会問題だと思えます。盗難を防ぐために、資源回収と、その売却についてルールを設けることは考えていないのでしょうか。例えばアルミ缶を大量に売却するときには、回収者の確認などのルールは必要だと思いますが、いかがでしょうか。
スーパーの店頭回収からの盗難は以前からよくあり、回収業者に行き着けばよいですが、そのまま廃棄されるようなことがあれば、それも社会問題だと思います。

○永田座長 何かコメントはありますか。

○宇田川氏 「シカク」というのは死んでいる角度ということですか。あるいは、今言われたのは。

○永田座長 いや、そうじゃない。

○宇田川氏 そうですね、持ち去りの件はほかにも、アルミ缶だけじゃなくて、古紙や何かでもよく伺うんですけれども、結局、保管の方法をどうするのかというところ、運用のところでは、そこが一つポイントになるのかなと思います。法的にどうこうというよりも、そういったものを有償で出して引き取ってもらうというところでの保管方法についてはちょっと一工夫要るかもしれないなというところと、それから、自治体のほうでも最近は有償ということで、入札で値をつけて売却するというようなことも広く行われてきておりますので、そういう面でも持ち去りのみならず、有価なものということでの認識が広まっていく中では、やはり保管方法については、お出しになる自治会なり、ボランティアのところでの管理というんでしょうかね、まず第一義的にはそこで管理いただければと思います。

○永田座長 よろしいでしょうか。
 ちょっと1点、拠点登録、表彰推薦という、この10ページ目の中の図で、この辺がかなり重要な対応策だという話をされましたけど、どのくらいのコストがかかっているんですかね、年間。

○宇田川氏 結局、直接的なコストは特にかけて、かけていないという言い方もおかしいですけれども、私どものリサイクル協会の年間の会費の中では、表彰制度の記念品、現金をお出しするんですけれども、これが一番大きいかもしれないですね。

○永田座長 大体どのくらいですか。

○宇田川氏 学校表彰のところだけでも、今年だと350万ぐらい出していますね。アルミ協会さんにも一部賛助いただきましたけれども。それから、大体同じくらいの金額が一般表彰、これから、今募集していますけども、一般拠点のところ、表彰に対して出るかなと思います。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、よろしいでしょうか。
 以上で宇田川さんのほうのご説明を終わりにさせていただきます。
 それでは、続きまして、資料4に基づきまして、ガラスびんリサイクル推進協議会の幸様から説明していただきます。

○幸説明員 ガラスびんリサイクル促進協議会の幸と申します。本日は発表の機会をいただきましてありがとうございます。それでは、資料4に基づきましてご説明をさせていただきます。
 まず、開いていただきまして目次があります。本日お話しする内容は、はじめに「ガラスびんリサイクル促進協議会の概要」、次に「3R推進の取組」、三つ目に「容器包装リサイクル制度についての評価と認識」、四つ目に「容リ制度について課題と考える点」ということで順次説明して参りたいと思います。
 それでは1ページは、「ガラスびんリサイクル促進協議会の概要」でございます。ガラスびんリサイクル促進協議会は、ガラスびんの3R、リデュース、リユース、リサイクルを効率的に推進するために広く事業を展開しているとご理解ください。会員は、下のほうにある通り、ガラスびんメーカー、ガラスびんを利用するボトラー、それと、びん商、カレット商ということで、賛助会員を加えまして117社で構成されています。
 次に2ページをお開きください。「3R推進の取組」でございます。まず、ガラスびんのリデュースの取組は、ガラスびんメーカーと中身メーカーが連携して積極的に取り進めておりますが、その結果をお示ししています。緑で書かれたラインが単純平均重量です。単純平均重量は、2004年を基準年にしたときに、基準年の192.3グラムから2011年は178.9グラムということで7%軽量化しています。単純平均に対しまして、びんの容量構成比の影響を除くため、加重平均で求めたものが上のブルーのラインです。2011年は188.5グラムということで、基準年対比で2%の軽量化であり、結果をフォローするに当たっては、単純平均と加重平均、両方でフォローをしているということをご理解ください。リデュースにつきましては、2015年に加重平均で基準年比2.8%の軽量化達成に向けて鋭意取組中であります。
 次が3ページ目でございます。ガラスびんのリユースの取組につきましては、まず①リターナブルびんのPRやモデル事業の推進です。環境省で行われている検討会への参画や、びんリユースの実証事業の取組に協力しております。加えまして、ウエブサイトで「リターナブルびんポータルサイト」を当協議会で運営しており、こちらで各地域での取組等を紹介して、活動の「見える化」を促進しているところでございます。ただし、②リターナブルびんの使用量実績は、残念ながら基準年2004年の183万トンから2011年では112万トンとなり、基準年比61.2%ということで、まだ下げ止まりができていないのが現実でございます。リターナブルびんは、家庭用宅配、業務用などのクローズド市場で何とか存続をしているのが現状です。③リターナブルびん存続に向けた取組では、2011年9月に「びんリユース推進全国協議会」を立ち上げ、そこに参画をいたしまして、地域型びんリユース推進体制の強化に協力をしているところでございます。びんリユースの存続には、消費者・自治体・事業者の連携した取組が必須であるという認識でございます。
 次のページをお開きください。次はリサイクルの取組でございます。リサイクル率は、基準年59.3%から2011年で69.6%まで伸長しており、基準年比でプラス10.3%となっています。。ただし、先ほど報告のありました缶の90%、あるいはペットと比べると、まだ低いレベルにあるというのも現実でございます。これは空きびんの収集段階で組成上特徴でもある細かく割れて残渣になってしまうところが問題であり、この残渣をどう減らせるかを課題として今取り組んでいるところでございます。リサイクルにつきましては、2015年に70%達成に向けて、現在取組推進中です。
 次に、5ページに、カレット利用率という指標がございます。カレット利用率につきましては、ガラスびんの製造業におけるカレット利用の促進を評価していくものでございます。こちらにつきましては、基準年2004年90.7%から2011年95.7%まで上がっています。。2009年から若干下がっている要因が、ご質問につながるかと思いますが、これは2009年から2010年にかけまして、ハイボールブームや食べるラー油ブームでガラスびんの出荷量が増えたときにカレットを集め切れず、カレットが不足した状態で若干下がっておりますけれども、2012年ということになりますと、また上がっておりますので、2009年からの低下傾向には大きな影響はないとご理解ください。
 6ページは、広報活動の取組を一部紹介しています。パンフレット、ポスター、リーフレット等の制作、ホームページでの情報発信、ポスターコンクールの実施、直接イベント活動など広報活動にも積極的に取り組んでおります。
 続きまして、7ページをお開きください。「容器包装リサイクル制度についての評価と認識」といった項目で六つほど挙げております。(1)役割分担を明確に定めた現行制度は、関係主体間の連携により資源循環と廃棄物削減に一定の成果が上がっており、世界に誇れる我が国固有のすぐれた制度と評価しております。社会的コストの効率化と環境負荷の低減に資する取組として、役割分担は堅持し、取組の徹底と深化を図るべきと考えております。
 (2)ガラスびんの3Rに関する事業者の取組は、自主行動計画を策定・公表し、各課題に対し着実に成果を上げ、毎年フォローアップを行い、関係主体として事業者の役割を果たしていると認識をしております。
 (3)ガラスびん容器製造業における「カレット利用率」は、先ほど申し上げたとおり伸長しており、高度なリサイクルである“びんtoびん”の水平リサイクルを維持し、国内資源循環・有効利用の手本になっていると認識しております。
 次のページを、お開きください。(4)「その他色のびん」の再商品化手法の確保については、前回の見直しのときにはその他の色のカレットの再商品化手法の確保といったところが課題として挙がったわけですけれども、現段階では、ガラスびんメーカーにおけるその他色カレットの利用促進技術の確立(エコロジーボトルなど)や他用途利用拡大により問題のない状況になっているということをご報告させていただきます。
(5)自治体によるガラスびん分別収集では、ガラスびん単独収集をしている自治体は、人口比率で66%にとどまっております。大都市では、缶・ペットなど他容器との混合収集を行っている自治体が多く、リサイクルの質の高度化のためにびん単独収集への転換が望まれるところであります。ガラスびん残渣を減らすといった観点からも、びん単独収集が課題ではないかと認識しております。
 (6)ガラスびんのリユース促進については、容器包装廃棄物の排出抑制に資するその意義を明確にした上で、消費者を核としたさらなる主体間連携が求められると認識しております。
 9ページをお開きください。「容リ制度について課題と考える点」については、第三次循環型社会形成推進基本計画で示された観点としての、2Rがより進む社会経済システムの構築、資源循環の高度利用と資源確保、地域循環圏の高度化に関して、容リ法「現行制度」の成果を踏まえつつ、「社会全体のコストの効率化」と「環境負荷の低減」を実現するためには、「事業者自らの取組推進」に加え、現行の役割分担のもと、さらなる「主体間連携の強化」が重要と考えております。
 それでは具体的に課題と考える点ということで、まず、びんリユース拡大・浸透のために、18条(自主回収)認定基準の緩和を挙げております。18条認定につきましては、回収方法が概ね90%を達成するために、適切な場合に主務大臣の認定を受けて、再商品化の義務の対象から外すことになるわけですけれども、25年9月現在で「リターナブルびん」では、71社216アイテムが認定されております。これにつきまして、まず一つ目は、個別事業者単位での共通びん使用・自主回収認定への緩和です。共通びんにつきましては、現状、特定容器ごとの認定を受けておりますが、これを地域ごとで共通びんを使ってリユースをする事業者がいたときには、事業者単位での認定をぜひ検討いただきたいということでございます。二つ目は認定基準となる回収率概ね90%の緩和です。一升びんの場合は、直近で回収率が81.3%まで落ちており、共通びんという観点からすると、おおむね90%が現実的にはかなり難しいところで、緩和を検討いただきたいということでございます。
 次に、びんリユース拡大・浸透のための「地域型びんリユースモデル」の構築と拡大への行政による支援です。各地域でのびんリユース推進協議会への行政、自治体の参画と自治体の取組宣言というような形で、各地域でリユースに取り組むときに自治体にもぜひご支援をいただきたいということでございます。それによりまして、消費者・行政・事業者が連携した地域型びんリユース推進体制の確立や、地域循環圏の高度化にも資する地域型びんリユースモデルの構築ができるのではないかと考えております。三つ目が、国、自治体によるびんリユース商品使用の率先垂範と、積極的購入です。会議あるいは公共施設、イベント等におきましてリユース容器商品の利用を促進していただきたいということでございます。
 次のページ、12ページをお開きください。リサイクルの観点で、ガラスびんリサイクルシステムの質の向上と資源確保(残渣減量)のために、まず一つ目が、「分別収集量」「再商品化量」「処理残渣量」の明確化をぜひお願いをしたいと考えております。環境省ホームページの掲載資料では、各市町村ごとの分別収集量と再商品化量が同量とお答えになっている、あるいは100%リサイクルしていると報告している自治体が約7割と多いのですが、実態は再商品化不可能な処理残渣が相当量存在しているはずであり、その数量の把握と改善により、質の高度化を図るべきと考えております。で、参考ながら、平成22年度の全国自治体のガラスびん再商品化量を、ただ何トンと示しただけではわかりにくいので、住民人口1人当たりで割り返した資料を作成いたしました。全国平均で言うと、ガラスびん再商品化量全体では1人当たり年間5.83キロとなります。右側のグラフに示した通り、住民1人当たりの年間再商品化量は1キロ以下から14キロを超えるといったところまで、自治体別にかなりのばらつきがございます。7キロ以下のところが236自治体ということで一番多くなっていますけれども、大幅な違いがあることがおわかりいただけると思います。収集方法あるいは選別方法の違いもあるのですが、こういった再商品化量の違いが大きく出ていることから、改善の余地がまだまだあるのではないかと考えております。ゆえに、分別収集方法改善とガラスびん単独収集の推進という課題では、ガラスびん処理残渣の減量、資源循環を高度化する分別収集方法への改善、あるいは他容器素材の品質向上にも資するガラスびん単独収集の推進といったところで、混合収集時にガラスびんが他容器、他資源の循環の質の低下を招いてしまうこともあるということでお話をさせていただきました。
 最後の13ページは、人口70万人以上の自治体の1人当たりの年間ガラスびん再商品化量の一覧表です。ここで見られるように、世田谷区の1人当たり9.22キロから神戸市の0.17キロまで大幅な違いがあるところがおわかりになると思います。黄色で示した新潟市は、平成20年にびん・缶混合収集からびん単独収集に切り換えた自治体です。非常に高い実績を上げておられまして、びん・缶混合収集時には残渣率が4割だったものが、びん単独収集に切り換え、残渣率は数%まで落ちていると、私どもで調査した結果で明らかになっています。基本的には収集車両がパッカー車の自治体は再商品化量が少ないといったところがおわかりいただけると思います。真ん中の5.83Kg/人が全国平均でございます。ガラスびんのリサイクルについては、残渣の減量のよる再資源化量の拡大が必要ではないかということでお示しをしました。
 ご清聴、どうもありがとうございました。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ご質問、ご意見をどうぞ、札を立ててください。
 宮田さん。

○宮田委員 どうもありがとうございます。8ページの(4)で、その他有色びん等のリサイクル、拡大して問題ない状況とあるんですが、1ページの最初のこの協議会の会員の構成からすると、こういったその他有色ガラス等のリサイクル業者さんが協議会に入っておられないようなんですけれども、その点は、今後のリサイクル全体的視野で検討する上で問題ないのでしょうかということです。
 以上です。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 ちょっと戻らせていただいて、柳田さん、どうぞ。

○柳田委員 3ページなんですけれども、リターナブルびんの使用実績がここに出ているんですが、これは、ここ経年でして、リユースの回数というんですかね、そういうのが伸びているというか、変わっているとかって、そういうことはないんでしょうか。結果的に出荷量は減っているんだけれども、リユースのトータルの回数で見たなら増えているというか、そういったようなコメントはないかということです。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 鬼沢さん、どうぞ。

○鬼沢委員 自治体の回収方法によって残渣が非常にたくさん出るというところで、そちらの促進協議会のほうから自治体に独自に回収方法を変えてほしいとかいう提案をされて、変わったところがあるんでしょうか。例えば新潟市などは、どういう経緯で変えられたのかを教えていただきたいと思います。

○永田座長 大塚先生、どうぞ。

○大塚委員 2点質問ですが、1点は簡単なところですけど、先ほどもご質問があった8ページの、有色カレットの話ですが、この利用促進技術の確立でエコロジーボトルなどというのはちょっとよくわからないので、これを教えていただければと思います。
 それから、もう一つは、一番大事な問題かもしれませんけど、3ページの、これも先ほどご指摘が多少ありましたが、リターナブルびんの使用量がやっぱり減っているので、それに対してどうしたらいいかというのは、まさにガラスびんのリサイクル協会さんとかがお考えになるところの一番大事なところだと思いますけど、その10ページから出ているびんリユースとか拡大とか、びんの利用の拡大とかの方法としてはちょっとまだ弱いような気もするので、何かもし、もうちょっと根本的なことをお考えになっておられればちょっと教えていただきたいということです。

○永田座長 どうぞ。百瀬さんと、そのお隣の村山さん。

○百瀬委員 はい。ガラスびんの店頭回収をみると、ワインやビールなど輸入製品が最近多くなったように思います。国内製のガラスびんと輸入品のガラスびんの回収量の比率はどのくらいあるのかということ。それから、そのガラスびんの生成分、内容が日本製と外国製というのは異なるのかどうか。異なるとしたら、リサイクル手法がまた別に考えなければいけないかどうかということで、外国製品のボトルについてお願いいたします。

○永田座長 村山さん、どうぞ。

○村山委員 8ページで、びん単独収集への転換が望まれるということですが、単独収集を行いますと、それは当然のことながら回収コストにはね上がってくると思います。混合収集にするとガラスびん残渣の回収が問題だとのことで、13ページの最後の参考資料で、びん単独で回収すると、新潟市の例でかなり高い再商品化量が出ていますよということを示しておられます。しかし、仙台市は混合収集でも平均をはるかに上回る8.27キロです。しかも手選別でやっておられてこういう高い数字ですが、選別方式を機械化すれば、今は選別の技術がかなり発達しておりますので、ガラスびんの残渣の問題もなくなり、質の向上にも大いに役立つのではないかなと考えますが、いかがでしょうか。

○永田座長 わかりました。
 中井さん。とりあえず、

○中井説明員 すみません。基本的な質問ですが、これまで「リユースびん」という言い方をしていた部分もあったと思うのですが、この資料の中では「リターナブルびん」というふうに統一されていますが、その辺をどのように整理されたのかお聞かせください。
 それから、もう一点ですが、13ページにそれぞれの自治体の収集の成果が挙がっていますが、17番の岡山市がコンテナ回収で平ボディー車で手選別にもかかわらず、3.91という非常に再商品化量が少ない理由を教えてください。

○永田座長 それじゃあ、ちょっとこの辺で切らせていただいて。
 どうぞ。

○幸説明員 ありがとうございます。それでは、最初のご質問から、お答えします。ガラスびん以外のその他用途のリサイクル事業者が会員に入っていないけれども大丈夫なのかというご質問につきましては、ガラスびんリサイクル全体は当協議会で国内マテリアルフローの実績を押さえている関係で、全体を把握しながら、その他用途の事業者さんとも、会員ではありませんけれども情報交換は密にして、事情等もよく情報収集をしております。その他用途のリサイクル事業者を会員に入れるかどうかといったところにつきましては、まだ検討段階ということとご理解ください。ただし、情報交換はして、しっかりと情報収集した上で、何が課題なのかといったところは押さえているところでございます。
 その他色の話で言うと、エコロジーボトルの意味がわからないというご質問がありましたが、エコロジーボトルとは、カレットを90%以上使ったガラスびんをエコロジーボトルと定義をして、それを拡大する対策を組んでいます。技術的には茶色のびんにその他色を加えていく技術など、ガラスびんメーカーのほうで、いろいろな技術開発のもとでその他色をどう使うかといったところが進んでいるということをご理解ください。
 次に、リユースの回数については、近年変わっていないと認識しております。現状、リユースが残っているところはクローズド市場が主で、回収率はほぼ100%、リユース回数で言うと、それぞれビールびんで言えば20回以上、牛乳びんで言えば40回以上というようなリユース回数を誇っており、回転数そのものが落ちているだとか、逆に上がっていることはないと認識をしています。
 自治体収集について、私どもの協議会から提案して自治体の分別収集方法が変わったところがあるかとの質問ですが、現実的に言うと、自治体さんからの情報に基づいて動いています。こちらからお話をかけても、自治体さん側の事情もございますし、自治体さん側からお話をいただいたところでいろいろと情報提供をしながら進めている事例は幾つかあります。ということで、お話をまずはいただくきっかけが欲しいといったところが課題でございます。
 新潟の分別収集方法が変わった理由は、市町村合併をしたときにいろいろな収集方法が混在している中で、どれを選択するかがきっかけとなって、その中で最終的にびん単独収集に切りかわった経緯があります。旧新潟市はびん・缶混合収集だったんですが、合併したほかの市町村でびん単独収集のところもあって、その中で最終的に単独収集に切りかわったということでございます。
 輸入びん製品と国産びん製品の比率はといいますと、輸入びん製品が大体20万トンと考えています。国内出荷が130万トンレベルでございますので、国産130万トンと輸入20万トンということでご理解いただければと思います。
 輸入びん製品と国産びん製品の材質は変わりません。輸入びんというとワインを筆頭とするその他の色が結構多く、そのリサイクル、入ってきたものをどう再資源化するかといったところが課題と認識をしております。
 リターナブルびんの対策が弱いというご指摘がありましたけれども、今取組んでおりますのは地域型のびんリユースモデルの構築です。推進体制をつくって、そこにしっかりとした事業者さん、自治体・消費者の方も入ってどうやるべきかといったところをしっかりと酌み上げながら成功事例をもう一度つくって、既存のシステムとは違う新たな次世代に向けたリユースの仕組みを何とかつくり上げたいと今取り組んでいるところでございます。
 選別方法を機械化すれば残さ発生を解消できるのではないかというご指摘については、私どもが調べた結果では、びんを機械選別した場合には、逆に残渣が増えてしまいます。。なぜかというと、パッカー車で混合収集してきたものを、中間処理の段階で機械選別まで行くまでにほとんど残渣になってしまうケースがほとんどです。機械選別による残渣減少というのは難しく、びん単独収集と手選別の組合せが一番、再資源化率が高いと認識しております。
 また、「リターナブルびん」の呼称につきましては、現段階では、私どもの促進協議会では「リターナブルびん」という言葉で、リユースを進めております。ビールメーカーをはじめ容器にもリターナブルびんの表示もしてあり、「リターナブルびん」をいきなり、「リユースびん」に切り換えを図ると逆に混乱してしまうということで、現段階では「リターナブルびん」という言葉を使っていることをご理解下さい。

○永田座長 もう時間が経過しているということを念頭に置いて。

○幸説明員 すみません、仙台市さんが混合収集でも再商品化量が多いではないかというご指摘ですけれども、混合収集ではあっても、パッカー車ではないのです。コンテナで平ボディトラックを使用し混合収集をしている関係でびんが割れていないのです。岡山市さんもまた特殊な理由でびん単独収集ではありますが、再商品化量が少ないと認識をしております。これで回答を終えます。

○永田座長 よろしいでしょうか。幸さんのご説明につきましては以上で終わりにさせていただきます。
 ちょうど時間的には予定どおりぐらいで進行しています。ご協力いただき、ありがとうございます。
 約5分ちょっとの休憩をここで挟ませていただきます。次の開始は35分からということにさせていただきまして、少し休憩します。

午後3時28分 休憩
午後3時35分 再開

○永田座長 再開させていただきます。
 それでは、資料の5に基づきまして、段ボールリサイクル協議会の西井委員のほうから説明をお願いいたします。

○西井委員 段ボールリサイクル協議会の西井でございます。本日は段ボールのリサイクルについて、説明する機会をいただきましてありがとうございます。それでは私から段ボールのリサイクルの現状と事業者の取組を説明し、最後にこの容器包装リサイクル法の見直しについての意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、1ページをご覧ください。まず私どもの段ボールリサイクル協議会の概要ですが、設立はここにありますように2000年3月で、八つの容器包装リサイクル団体の中では一番最後にできた団体であります。主な事業としては資料のとおりですので、省略させていただきます。
 2ページをご覧ください。これが段ボールリサイクル協議会の会員です。正会員としてはご覧の、段ボールの製造事業者が6団体、利用事業者が4団体です。準会員としては、実際に段ボールの回収に携わっている日本再生資源事業協同組合連合会、それから全国製紙原料商工組合連合会を含む、ご覧の4団体で構成されております。賛助会員は105社ありまして、これはほとんどが全国の段ボールの製造会社です。
 次に、3ページをご覧ください。段ボールのリサイクルの現状について、説明いたします。容リ法における段ボールの取り扱いとしては、段ボールは従来からリサイクル機構ができ上がっており、古紙回収事業者によって回収された段ボール古紙は有償で製紙メーカーに譲渡されているため、再商品化義務の適用除外となっています。
 容リ法における段ボールの定義というのは、波型に成形した中芯原紙の片面または両面にライナーを貼り合わせたものとなっています。簡単に申しますと、中芯やライナーという段ボール原紙、段ボール原紙を使っていて、かつ、段があれば段ボールということになります。
 4ページをご覧ください。段ボールのリサイクルにはご覧のように三つの大きな特徴があります。一つ目は回収される段ボールの90%以上がスーパーなどの事業者から排出され、片方で、家庭から排出されリサイクルされる段ボールは全体の8%程度ということであります。二つ目は輸送用、外装用という段ボールが大半で、他の容器包装と違って商品を直接入れるものが少なく、段ボールの中に他の容器包装が入る場合が多いという特徴を持っております。そして三つ目は、使い終わった段ボールは100%近く回収され、そのほとんどが再び段ボールにリサイクルされております。段ボールのリサイクルは段ボール・トゥー・段ボールの水平リサイクルが基本となっております。
次に、5ページをご覧ください。その段ボールのリサイクルの流れを説明いたします。矢印の太さが量的なものを表していますが、その矢印が循環しているのがおわかりいただけるかと思います。大きな流れとしては、まず下の製紙工場、下のほうの製紙工場で生産された段ボール原紙が段ボール工場に入り、その段ボール工場で生産された段ボール箱が食品メーカーや電機メーカー等の利用事業者に運ばれます。そして利用事業者で商品が詰められた段ボール箱がスーパー等の小売店に入り、そこで内容物を取り出して、不要になった段ボール箱が古紙回収業者に引き取られます。その後、製紙工場へ搬入されて、再び段ボール原紙になります。そして段ボール工場に運ばれ、後は同じ流れで循環しているわけです。
矢印の紫色が段ボールの原紙、オレンジ色が段ボール箱、それから水色が段ボール古紙の状況を表しています。オレンジ色で左上に輸入製品と輸出製品の矢印がありますが、これは輸出入製品をこん包した段ボールを示しております。
容リ法の対象となる家庭からのルートについては、次のページで説明します。
6ページをご覧ください。当協議会では家庭から排出される段ボールの調査を過去何回か実施いたしましたが、直近の2011年9月に行った調査によりますと、右の円グラフのとおり、全体の段ボール回収量は年間約1,000万トンで、そのうち約80万トンが家庭から排出され、回収されております。
家庭に搬入された経路、その理由を左の円グラフで示しております。約半分が小売店等で購入した商品用の段ボール、パソコンやプリンターの小型電気製品や、ビールや飲料のケース買い等がこれに該当すると思われます。次に、通信販売、贈答品など、人から送られたものがおのおの、それぞれ15%程度ございます。スーパーなどからの空箱ですね、段ボールの空箱持ち帰りも10%弱ありますが、これは本来、事業系で回収されるものが一旦家庭に入り、排出されているものであります。それから、引っ越し用の段ボールは3%ありますが、これは容リ法の対象外となっております。
次に、7ページをご覧ください。段ボールの事業者の取組についてご報告いたします。まず3R推進自主行動計画の数値目標の状況なんですけれども、まずリデュースは段ボールの一平方メートル当たりの重量の削減、それからリサイクルは回収率の向上、それから三つ目の識別表示の推進は、段ボールは自主表示ですが、段ボールのリサイクルマークの表示率の向上、この三つを目標に上げております。第1次計画は2010年が最終年度でしたが、この3項目とも目標を達成いたしました。引き続いての2015年を最終年度とする第2次計画では、リデュースは一平方メートル当たり重量比を2004年比5%の削減、リサイクル率は回収率95%以上を維持する。それからリサイクルマークの表示率は90%以上の維持、さらなる向上をするという目標になっております。2012年の実績は一番右側の表のとおりです。
8ページをご覧ください。この3項目の実績推移を時系列で表しております。まず回収率の推移はこのグラフのとおりです。2009年に100%を超えておりますが、これはリーマンショックの影響で発生した異常値でありまして、2008年と2009年の平均が実態だと思われます。段ボールはもともと回収システムができ上がっておりまして、高い回収率でしたが、容リ法施行後、さらにその回収率が高くなり、95%以上の、ほぼ限界に近い数字になっております。
次に、9ページをご覧ください。段ボールのリサイクルマークの表示促進の取組を説明したいと思います。段ボールについては表示義務がなく、自主表示となっておりますが、このマークを表示することを推進しています。このマークは当段ボールリサイクル協議会の会員である全国段ボール工業組合連合会が国際的な組織である国際段ボール協会に提案しまして、世界共通の段ボールのリサイクルマークとして採用されました。このマークは段ボールがリサイクル可能であるということを示すものであります。
段ボールは世界各国の輸出入製品に付随して国境を越えて移動し、それぞれの国で段ボール古紙として回収されリサイクルされています。日本の場合、2007年の第1回目の調査では30%未満でしたが、自主行動計画の目標として推進した結果、2010年以降90%以上の表示率となり、現在も90%以上の表示率を維持しております。
10ページをご覧ください。次に、リデュースの段ボールの軽量化の取組を報告いたします。段ボールの一平米当たりの重量は、このグラフのとおり着実に減少しております。これは主に競争によるコスト的な要因で段ボール原紙の薄物化が進み、その軽量化した段ボール原紙が採用されてきたものと思われます。2007年から2008年に一旦ペースダウンをいたしましたが、その後、再び従来のペースを上回る勢いで減少を続けております。これは先ほどのコスト要因だけではなくて、段ボールの製造事業者と利用事業者の双方にリデュース意識が高まってきたことと、地球温暖化問題への対応としてCO2削減の取組が影響していると考えております。
11ページをご覧ください。事業者の取組としてのリデュースや環境配慮設計の具体的事例を幾つか挙げましたので、それを紹介したいと思います。段ボール業界では2005年からリデュース、環境問題への対応を目的としてAフルート、フルートというのは段ボールの段のことなんですけれども、これを1ミリ、Aフルートを1ミリ厚みが薄いCフルートへ転換する取組が開始されました。わずか1ミリの違いですが、段ボールの中芯の消費量が約20%減量化されるため輸送効率が上がり、省資源・省エネルギーにつながり、CO2の排出削減にも寄与しております。Cフルートへの転換は、徐々にですが進んでおります。統計がありませんので正確にはわかりませんが、現在では10%以上は転換されていると思われます。
次に、12ページをご覧ください。これは日本包装技術協会が毎年実施している日本パッケージコンテスト、包装改善の入賞作品であります。これを紹介したいと思います。12ページは便器の便座の包装です。従来、外箱の中に内容品、商品を固定するための附属の包装が別にあったんですけれども、外箱のふたの部分、これをフラップといいますが、これを加工して、そのフラップに内容品の固定と緩衝機能を持たせたものであります。従来の包装形態に比べ、包装の材料面積を半分に削減できた例であります。
13ページをご覧ください。これは青果物用のトレーケースの箱で、包装材料面積を10%削減した例であります。メロンやブドウのトレーケースの箱は積み上げるために強度が必要なため、横の壁の部分が二重包装の形になっていますが、段ボールの目の方向を斜めに設計することで材料取りの効率がよくなり、必要な段ボールの面積が10%削減できた例であります。二つの箱の写真の下に図面が例示されていますので、おわかりいただけるかと思います。
14ページですが、これはノートパソコンの包装です。ノートパソコンには電源ケーブルや取扱説明書などのアクセサリが附属としてついておりますが、これを段ボール箱にまとめ、こん包時にこの箱を商品と一緒に中に入れ、クッション剤として兼用させる包装形態です。段ボール箱にはイラストでたたみ方が説明されており、廃棄時にたたみやすく、たたんだ後に一つにまとめて持ち運べる仕様になっております。
15ページ、これも小さくたたんで廃棄しやすいといった例で、調味料のギフト商品の例であります。このように設計上で廃棄時に廃棄しやすい設計を心がけた作品であります。
以上で四つの改善包装の紹介をしましたが、これらの事例を段ボールメーカーが常に念頭に置きながら段ボール箱を設計し、段ボール利用事業者に提案し、社会に発信しております。段ボール製造事業者も段ボール利用事業者もともにリサイクル、リデュースの意識が高まっていると思います。
16ページをご覧ください。事業者の取組の最後として、主体間連携の取組と普及・啓発について説明します。主体間連携の取組は3R推進団体連絡会によるフォーラム、セミナー等の開催。当協議会独自には、各自治体の科学館や環境関連施設への啓発物の提供等々のことをやっています。当協議会の会員である古紙再生促進センターには集団回収の表彰制度等があります。
最後に、17ページをご覧ください。以上、事業者の取組を説明してきましたが、最後に容器包装リサイクル法についての意見を述べさせていただきます。容リ法は市民の意識の向上、事業者の自主行動計画推進等、社会的責任意識の強化、拡大をもたらしました。現行の役割分担は効果的に機能しており、成果も上がっております。したがって段ボールとしては現行の役割分担を継続し、主体間の連携をより強化させていくことが最も有効な方法ではないかと考えております。事業者は自主行動計画に責任を持って取り組み、一定の成果を上げております。地球温暖化問題への対応等、事業者の社会的責任意識はますます強くなっております。今後も3R推進のための自主行動計画に継続して取り組んでまいります。段ボールは現状、特に大きな問題もなく、リサイクルシステムが十分機能しておりますので、ぜひ現在の役割分担を継続していただきたいと考えております。
少し伸びましたけど、以上で段ボールの説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、いかがでしょうか。札を上げていただけますか。
 それでは、織さんのほうから行かせていただきます。

○織委員 ありがとうございます。今のお話ですと、もう事業系が90%ということで、家庭系は8%ということなんですけれども、個人的に、生活をしていると、アマゾンですとかヤフーですと、通販で使って、非常に段ボールが多く使われているような印象があるんです。今後やはりライフスタイルが変わるにつれて個人の割合がもう少し増えるというような見通しですとか、それに対してどういうふうに対応していくかというお考えがあるのかということと、いわゆる一般家庭から出てくるのが増えるにつれて、事業系では考えられなかった禁忌品がまじってくるような可能性、例えば洗剤等、においが強いもの等、リサイクルできないものが入ってくる可能性みたいなものについては考えられる、あるいは本当に量が少なくてそこまで考える必要がないのかどうかという、その辺りと。
 それからもう1点、先ほどリデュースが非常に進んでいるという、いい事例を幾つも見せていただいたんですけれども、多分事業系ではそういったことは進んでいると思うんですが、先ほど話しました通販などを見ていますと、正直、私の印象としては、こんな小さなものにこれだけ大きな箱を使うのかというのが正直なところなんです。そこの辺りがまだ徹底されていないというか、そういう印象があるんですが、そこの辺り、率直にいかがでしょうか。
 以上です。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 酒井先生、どうぞ。

○酒井委員 今の織先生の、ちょっとフォローということも含めて、質問させていただきます。
 軽量化、原単位の減少がどんどん進んでいるというところはよく、時系列を含めてわかったんですが、段ボール全体のトータルの使用量の変化が時系列的にちょっとどうなっているのかというところの数字の紹介をしていただけませんでしょうか。これは家庭だけでなくて、事業系含めて、何万トン、10年前は使っていて今は幾らなのかというところの紹介が欲しいということであります。その利用量の産業別の内訳、どの産業がどの程度、どう使っているのかといった辺りのところの紹介もいただければありがたいと思います。
 ちょっと聞き逃したんだと思うんですが、Cフルートですね、AからCに変わっているというところですけれども、Cフルートの内訳というのは今、全体量の中の何%程度になっているのか。ちょっとその辺の基礎量を教えてください。

○永田座長 篠木さん。

○篠木委員 ありがとうございました。私もCフルートのところをもう少し詳しく伺いたいと思います。例えばAフルートからCフルートに変えるときに、それを促進するような工夫をどんなふうになさっているのか、その辺りについてももう少し詳しく教えていただければと思います。
 以上です。

○永田座長 馬場さん、どうぞ。

○馬場委員 ありがとうございます。私も同じくCフルートのところなんですけれど、海外はかなりCフルートが主流なのに日本では主流ではない、10%程度という、その理由をどのように見ていらっしゃるかというところですね。
あともう一つ、やはりほかの先生方のフォローというか、追加でお尋ねしたいんですけど、この事業者の取組、やはり私もすばらしいなと思って聞いていたんですが、いずれもTOTOさんですとかレンゴーさんとかソニーさんとか王子さんとか、大手のメーカーさんや、その大手の容器段ボールメーカーさんが絡んでいらっしゃる取組なので、ほかの中小の段ボール採用メーカーさんや段ボールの製造メーカーさんのほうでこういった取組が同じように進んでいるのか、そこはてこ入れが必要ではないのかといったところのお考えをお聞かせいただければと思います。

○永田委員 百瀬さん、どうぞ。

○百瀬委員 先ほど酒井先生がおっしゃったように、段ボールはどのぐらい市場に流通しているのかということをお聞きしたい。またその推移ですね。
 それからもう一つが、小売業では輸入商品のこん包材がほとんど段ボールです。そうしますと海外から段ボールが商品ごと入ってきて、それのリサイクルは国内でやっているわけですね。その辺りの数字がもしあれば教えてください。資料を見ますと、原紙の輸出入というのはあったと思いますがそれから商品ごと入ってくる段ボールの輸入というのもあると思います。ですからもし数字がわかれば、教えていただきたいと思います。

○永田座長 よろしいでしょうか。
 とりあえず、今のところで回答のほうをお願いしたいと思います。

○西井委員 いろいろいただきまして、ありがとうございます。
 織先生の、まず通販協会の話ですね。通販の箱の話。通販協会さんも理事会のメンバーで、交流をさせてもらっているんですけれども、ちょうど通販協会では今年の年初にその調査、オーバーパッケージじゃないかということで調査された結果があるようです。その結果を見ますと、ちょうど適正だというのが83%だったと。消費者のアンケートですよ。それから大き過ぎるというのが11%、あるいは過剰過ぎるというのが4%。逆に言えば、15%は過剰包装じゃないかというふうに見ているということであります。この辺は段リ協としてもやはり指摘しまして、その過剰包装についてはやっぱり、いろいろあると思うんです、包装のこん包の効率化とかコスト的な問題とか、あるいは中身を見せる商品の価値とか、それなりの理由があると思いますけれども、やはり過剰包装が15%あるというのはやっぱり厳正な事実なので、これについては我々としても啓発を促進していきたいというふうに考えております。
 それから通販物での、やはり家庭に入っていくのはやっぱり増加傾向にあります。これは事実です。段リ協としてもその辺のオーバーパッケージというところについては啓発していきたいなと。
それから禁忌品の問題が出ましたけども、段ボールの中で一番今困っているのが、においつきの段ボールということで、よくにおい移りする。最初はにおいがついていないんですけど、中身のにおいが漏れて段ボールに付着しまして、それが製紙工場に投入されて、においつきの段ボール原紙ができてしまうということになります。これは非常に困ったことで、いろんな機会を設けて、あるいは古紙問屋さんにもいろいろ啓発運動してもらって、それが入らないようにやっているところで、困っております。ぜひ、家庭の皆さんとしては、たまに入ってくるんですけど、その中身の洗剤そのものが入っちゃうことがあるんですね。これはちょっとやめていただきたいということで、分別のときにきちっとしていただきたいなと思います。
 それから、いろいろ出ましたけども、段ボール箱の生産量ですかね。2000年、135億平米ございました。これは、段ボールというのは平方メートルでずっと、世界的にもう生産量はカウントしているんですけれども、2000年で135億平米、年間です。去年が133億平米ということで、平米的にはあまり変わっておりません。だから箱数とか、そういうものについてはほとんど2000年当時から変わっていないと。ただ、先ほど説明しましたように、使っている段ボールの原紙はどんどん薄物化していますので、軽量化していっているということになろうかと思います。
 それから、Cフルートの率がありました。これは説明しましたように、現在、大体、転換率が10%以上。ちょっとこれは統計数字がないので恐縮なんですけど、大体推定で10%以上かなというふうに思っております。

○永田座長 10%というのは、さっきの話で、世界でどうのこうのという話も。

○西井委員 それもありますね。なぜ世界、日本でAからCなんだというんですけど、もともとが、世界的に見るとやっぱりCフルートが主流なんですよ。特にアメリカなんかはもうCフルート。逆にAフルートである日本がちょっと特異な位置づけだったんですけれども。それに今、着目したことになりますけど、Cフルートで行こうということで、それを推進しているようなことです。
 それから、輸出入貨物の話がありましたけれども、確かに段ボールというのは輸出入貨物に伴って、入ってきたり出ていったりするんですけれども、手元にある資料でいきますと、大体これはここ数年変わっていません。まず、入ってくる量、輸入される貨物と一緒に入ってきて、それが日本で開梱される量が大体年間230万トンという統計があります。これは統計数字なので、きちっとした統計じゃない、推定数値です。それから出ていっている、輸出貨物で出ていっている量が約80万トン。差引、入超で150万トンが日本にとどまっているという数字があります。これはここ四、五年の数字ですが、大体150万トン、同じような数字です。昨今の円安でこの数字が変わっているのかなというふうに、今年も見ているんですけど、意外や意外、同じような数字で、やっぱり年間150万トンぐらいのとどまり量というふうに把握しております。
 包装改善について、お話がありましたように大手ばっかりかということがありましたけども、やはりこれは段ボールの中では、競争社会ですので大手に限らず中小でもやっぱりそういう動きをしております。ちょっとその辺の具体的なことわかりませんけれども、これを抜きにしてなかなか段ボールの商売はできないというのも現状であります。
 大体、以上ですか。時間もあれですけど。

○永田座長 計量的な数値を言われたものは、何かそちらの、例えばホームページだとか何かを見ていけば出てきますか。

○西井委員 ホームページを見ていただければ出てきます。

○永田座長 酒井先生の質問にあった使用量の産業ベース、それは織さんの話とも関わってくるわけですけど。

○西井委員 それもホームページに出ております。

○永田座長 よろしいでしょうかね。そっちを見ていただくということで。
それからあと、先ほどちょっとアンケート調査の話がありましたね、通販の。これもどこかで見られますか。

○西井委員 これは通販協会さん。

○永田座長 通販協会に入ると。ちょっと確認しておいていただけますか。

○西井委員 はい。じゃあ、それだけ確認させていただきます。

○永田座長 よろしいでしょうか。
 それでは、段ボールのお話はここまでとさせていただきまして。どうも西井さん、ありがとうございました。
 それでは、続きまして、資料の6番目で、飲料用の紙容器リサイクル協議会の浜田様からお話をいただきます。

○浜田氏 飲料用紙容器リサイクル協議会の浜田と申します。本日はこのような機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。お手元の資料6に基づきまして、説明をさせていただきます。
紙パックのリサイクル推進活動は、全国牛乳容器環境協議会が中心となって行っております。その関係で、全国牛乳容器環境協議会との共同での提言となっております。
右下の資料ナンバー2、協議会の概要から、説明させていただきます。全国牛乳容器環境協議会は1992年、紙パックメーカーと乳業メーカーによって、牛乳などの紙容器環境問題の改善を目的としまして設立されております。その5年後の1997年、容リ法に対応するため、全国牛乳容器環境協議会と紙パックを利用する飲料メーカー、そして紙パックメーカーの団体で飲料用紙容器リサイクル協議会を設立し、紙パックのリサイクルに関する活動を行っております。
次の資料ナンバー3ですが、紙パックリサイクルについての概要をお示ししております。時間の関係で、今日は説明は省略させていただきます。
 次のページ、ナンバー4をご覧ください。紙パックの販売量推移を容量別に表しております。全容量で見ても、20万トン強が販売されているにすぎず、年度によって増減はありますが、横ばい、もしくは微減といったところであります。
次に容量別、飲料種類別の構成比を見てみたいと思います。次の資料ナンバー5をご覧ください。容量別では500ミリリットル以上、これはほとんどが1,000ミリリットル容器となりますが、77%のウエートを占めています。
飲料種類別では飲用牛乳が64%のウエートを占め、続いて果汁飲料、清涼飲料、アルコール飲料、発酵乳となっております。
続きまして、資料ナンバー6をご覧ください。紙パックのリサイクルを環境面から見たいと思います。まず紙パックの原料となるパルプは管理された森林の、しかも用材に不適な間伐材や端材などを主な原料としてつくられております。したがいまして、紙パックの原料は枯渇することのない循環資源であり、切り出された森林の木は無駄なく利用されていると言うことができます。また、樹皮などの副生物は原紙をつくる際の熱エネルギーに利用されております。バイオマス資源からつくられた紙パックは環境負荷が少なく、しかもリサイクルされるとさらに環境負荷は少なくなり、1,000ミリリットルの紙パックを一枚リサイクルすると23.4グラムのCO2排出量を削減することができます。また北米、北欧の主に針葉樹パルプを使用しているため繊維が長く、トイレットペーパーやティッシュペーパーなど、高品質な家庭紙などに生まれ変わります。
 続きまして、資料ナンバー7をお願いいたします。紙パックのリサイクルですが、1984年、子育てを考える主婦グループが使い捨て生活を見直し、子どもたちに物の大切さ、もったいないの心を伝えたいという思いから牛乳パックの回収を始めたのが原点であります。この市民の思いから社会システムとなった我が国の固有のシステムは、自治体だけでなくスーパーなどの店舗や自治会、PTAといった地域集団、NPOなどが回収の役割を担っています。洗って、開いて、乾かしてという一手間をかけたリサイクルは環境負荷の低減だけではなく、環境意識の醸成や環境保護活動に取り組むきっかけとなっている側面もあります。紙パックはさまざまなルートで集められており、家庭系の回収量と構成比は記載のとおりとなっております。
 また、紙パックの回収、手すきはがきづくりなどが福祉作業所の仕事として重要な役割を担っていることも大きな特徴であります。紙パックは紙の両面にポリエチレンがラミネートされていますので、雑誌、雑がみなど、他の紙と混合されるとリサイクルされるのは難しい上、資源価値が低下してしまいます。分別排出、単独回収されて初めて高品質資源となり得ます。
 次の資料ナンバー8の表は、使用済み紙パックの家庭系のルート別回収量推移を表しています。基本調査を開始した1994年度から集団回収は横ばい。市町村回収は2007年度まで微増、以降は横ばい。店頭回収は2009年度まで増加、以降は減少傾向となっていますが、それぞれの構成比に大きな変化はありません。
 資料ナンバー9の紙パックの回収率についてですが、紙パックの回収率は東日本大震災の影響を受けた2011年度を除き、毎年増加しています。2011年度の産業損紙を含めた紙パックの回収率は42.9%、使用済み紙パックの回収率は32.5%という結果でありました。なお、2012年度の数字については現在集計中であります。
右下にインターネットアンケート調査の結果を記載しております。アンケート結果から推計したリサイクル率は首都圏では59%、関西圏では57%となり、消費者がリサイクルしていると考えている数字は基本調査結果の32.5%とはかなり乖離して、高い数字となっています。また、他の古紙へ排出しているという排出率を推計すると、首都圏では11%、関西圏では6%という結果になりました。
資料ナンバー10の表ですが、紙パックの平均取引価格を年度別に表しています。2011年度の市町村回収分のキログラム当たりの取引価格は古紙回収業者引渡し7円10銭、古紙直納問屋渡し9円40銭、製紙メーカー渡し10円80銭となっており、経済動向の影響も少なく、比較的安定して推移しています。
資料ナンバー11は、学校給食牛乳の紙パック回収をフローで表しています。一番下にある回収量合計で見ますと、供給量1万1,800トンに対して回収量は9,200トンで、回収率は78.1%となっています。学校給食用牛乳容器については約75%が紙パックで供給され、残りはびんでの供給となっています。平成16年度の環境省調査から紙パックとびんの環境負荷はともに少なく、両容器の間に遜色はないと理解しております。
 資料ナンバー12は森林のライフサイクル、紙パックのリサイクルを表しています。森林では使う、植える、育てるのサイクルで森林が守られております。そして森林の木からつくられた紙パックは中身、飲料が消費された後、回収され、再生紙メーカーでリサイクル製品に生まれ変わり、これをまた購買、消費することによってリサイクルの輪が回っています。
 続きまして、資料ナンバー13をお願いいたします。海外の紙パックリサイクルの現状ですが、日本のように一手間かけたリサイクルは行われておりません。韓国では一手間なしの単独回収で、古紙品質は劣っております。EUのベルギーではプラボトル、金属缶、アルミつき紙パックとの混合回収となっており、同じく古紙品質は劣っております。
 次は、資料ナンバー14をお願いいたします。2006年度から2010年度を期間とするプラン2010の取組を記載しております。使用済み紙パックの回収率は26.4%から33%になりました。主な取組については、①から⑦に記載しているとおりであります。
 次のページ、資料ナンバー15をお願いいたします。2011年度から2015年度を期間とするプラン2015を作成し、現在、活動を行っております。環境負荷が少ない社会、一人一人が環境を考え、行動する社会の実現に向け、行動計画の目的を、紙パックの回収率を高め、紙パックの環境特性を正しく伝え、環境を考え行動する人々を増やすとし、2015年度の回収率目標を50%以上としています。そのために重点取組を、1.地域の回収率向上の場づくり。2.家庭系紙パックの回収促進。3.屋外や店舗で飲まれる紙パック回収促進。4.教育や学習の場における活動。5.リサイクルに向けたコミュニケーションの充実の五つとし、活動を行っております。
 次のページ、資料ナンバー17から22までは、今年度の代表的な活動実績と計画を記載しております。ご覧いただければと思います。
 続きまして、資料ナンバー23をお願いいたします。環境負荷削減の取組について、ご説明をしたいと思います。まず1.の紙パック原紙の軽量化ですが、1987年ごろから1990年にかけて、約5.4%の大幅軽量化を行っております。その後、2006年から海外原紙メーカーと軽量化の研究を開始し、2015年には500ミリリットルの牛乳パックで3%の軽量化を目指すとの目標を設定し、取組を行っております。2.ですが、我が国の紙パック古紙は多くがトイレットペーパーやティッシュペーパーに再生されます。ヨーロッパなどで採用されているリグニンを含んだ原紙は褐変化を起こすため、リグニンを含まない晒クラフトパルプ原紙使用を維持し、紙パック古紙の資源価値を維持することとしております。次の3.ですが、牛乳の容器は環境負荷を考慮して紙パックとガラスびんとし、ペット容器の採用には慎重をもって対応するということにしております。
最後に、法見直しに向けた要望と意見を申し上げたいと思います。現行の容リ制度はその目的に沿って一般廃棄物の減量や再生資源の利用が進んできていることや、3Rの推進について主体間の連携が促進されるなど、一定の成果を上げています。紙パックは回収されたものがほぼ100%再利用され、その回収率も容リ法の施行以来、着実に向上しております。ただ、このところ回収率の伸びが鈍化し、50%の目標達成が厳しい状況にあります。これは大都市への人口集中と大都市の分別収集の後退、また単身世帯の増加や高齢化の進行が紙パックの単独での排出を難しくしていることによるものと思われます。そこで、資料ナンバー24記載の1から5を要望意見とさせていただきます。
 次の資料ナンバー25から、この五つの要望について説明させていただきます。1.ですが、使用済み紙パックは有償または無償で取り引きされております。しかも経済動向の影響も少なく、取引価格は比較的安定して推移しています。したがいまして再商品化義務免除の継続をお願いいたします。
続きまして、2.です。紙パックの回収は多様なルートがあり、これら効率的な分別回収システムを阻害、後退させない配慮が望まれます。しかも市町村が回収しても改めて選別する必要はなく、各主体の連携により効率的な分別収集をさらに進展させることができます。したがいまして現行の市民、市町村、事業者の役割分担の堅持をお願いいたします。
 続きまして、資料ナンバー26をお願いいたします。3.ですが、紙パックの回収率向上には市民、消費者の紙パックの分別排出が極めて重要であります。市町村が実施している資源の分別排出の普及、啓発の役割は大きく、集団回収、店頭回収への影響も大きいものと考えます。市町村によっては紙パックが資源回収品目に指定されていなかったり、適正な分別排出法についての指導が不十分な自治体も見受けられます。したがいまして、ルールを守った単独での分別排出の普及啓発の強化をぜひお願いいたします。
続きまして、4.です。紙パックは全量を回収しても、その量は少なく、少量を分別収集するコスト計算方法もばらばらであり、不明確であります。コスト算出方法の見える化が必要であります。しかしそれ以上に重要なのは、コストのかからない回収、社会的コストを最小化する収集方法の採用を検討することであると思います。関係者が連携、協同し、分別収集コストの最小化に取り組めるよう、指導と支援をお願いいたします。
 資料ナンバー27をお願いいたします。全国牛乳容器環境協議会ではプラン2015を作成し、この計画に基づいて紙パックメーカー、中身飲料メーカーが主体となって取組を行っております。しかし、さらなる取組の推進のためには市民、消費者を初め、販売事業者、流通、回収事業者、市町村、再生紙メーカー、市民団体、福祉作業所等及び行政の支援と連携、協働が不可欠であります。各主体のさらなるご支援とご協力を得られますよう、お願いをいたします。
 以上をもちまして、紙パック回収率向上の取組と容リ法見直しに向けての提言について、説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 それじゃあ、いかがでしょうか。ご質問のある方、また、札を立てていただけますか。どなたか。
 じゃあ、石川先生から行きましょうか。どうぞ。

○石川委員 発表ありがとうございます。目標50%を目指して頑張るんだというのは大変チャレンジングでいいなと思うんですが、どういうルートを考えておられるのでしょうか。
それともう一つは、多様なルートで回収するということがキーワードだったんじゃないかと思うんですけれども、50%を目指して向上させていくときに、特にこれが有力とか、事業者サイドとしてはこういうふうにやっていきたいとかいうふうなアイデアとかお考えがございましたら、教えていただきたいと思います。

○永田座長 大塚先生、どうぞ。

○大塚委員 ちょっと聞き漏らしたかもしれないので申し訳ないんですが、13ページのところのEUのリサイクル目標とか、ベルギーが60%というのは、これは勧奨したものの中でのリサイクル目標ということだと思うんですけど、それを確認したいのと、先ほどおっしゃった話だと日本は回収率が3割程度ですけど、リサイクルのほうは100%というようなことかと思いますが、ちょっと確認させてください。

○永田座長 鬼沢さん、どうぞ。

○鬼沢委員 8ページにありますグラフを見ますと、やはり店頭回収がかなりの量を占めていて伸びていると思うんですけれども、回収コストのことが最後に、26ページに出てきたんですけれども、店頭回収については回収コストはどのようになって、かかっていないのではないかと私は思っていたんですが、そこがどういうふうになっているか教えてください。
 それから、9ページにあります回収率が32.5%なんですが、インターネット調査によるとかなり高くて開きがあると思うんですが、これはきっとインターネットに答えた方はちゃんと紙パックを出していると思って、リサイクルしているという回答をされているんだと思いますが、ここの大きな開きをどういうふうに分析されているのか、教えてください。

○永田座長 篠木さん、どうぞ。

○篠木委員 私も9ページのインターネットアンケート調査結果について教えてください。そもそもどのような質問をして、リサイクルをしているというふうに把握しているのか。その質問の具体的な内容を教えていただければと思います。

○永田座長 中井さん。

○中井説明員 2点あります。まず26ページですが、先ほど石川先生も話されましたが、コストのかからない回収、社会的コストを最小化する収集方法の採用を検討とありますが、これは誰しもが望んでいるものだと思いますので、具体的な案がありましたらぜひお聞かせください。
 それからもう1点ですが、11ページの学校給食牛乳の紙パック回収です。これを見ますと学校独自処理量の下に回収量と廃棄量があるのですが、隣の乳業メーカーの引き取り量に比べて廃棄量が非常に多くなっています。これは学校側がリサイクルに回さずにそのままごみにしている量というふうに捉えてもよろしいのかどうかを教えてください。

○永田座長 花澤さん。

○花澤委員 10ページの紙パック古紙の平均取引価格ですけれども、何か集団回収だけが5.2円とか5.9円ということでちょっと水準が違う感じがするんですけど、この理由を教えてください。

○永田座長 じゃあ、有田さん、どうぞ。

○有田委員 ありがとうございました。
 二つあります。一つは以前、私は1987年ぐらいから牛乳パックの回収の運動に関わっていまして、今は実はもうびん牛乳に変えております。長年、開いて乾かしたたんで回収に出すのが面倒になったというのが理由です。申し訳ないですが。ただし、やはり紙パックの牛乳は非常に持ち運びに便利です。利便性はいろいろあると思うのです。回収に取り組んでいたときに自主回収に市町村が補助金を出していたんですね。活動を行うも助かりました。その市町村の補助金の増減というのを把握されているんでしょうかということが一つ。
回収ボックスが2万ですかね、というふうにしていきたいということですが、例えばスーパーマーケットなどが回収ボックスを置いてくれていて、景気が悪くなってスーパーマーケットがそこから撤退したとか、そういう、この間の回収ボックスの増減などの経年変化というのがわかったら教えてください。

○永田座長 よろしいでしょうか。
 ちょっと私から追加で確認なんですが、9ページ目のところで紙パック回収率と使用済み、これはアフターコンシューマーの状況を下で言っていて、上の紙パック回収率の中には事業系というか、何か加工のときのくずだとか、そういうたぐいのものも入っているという理解でいいですか。
それに、質問としては、なぜ紙パック回収率に変更したんですか。従来の目標は下のほうにあったんじゃないかと思うんだけど。紙パック回収率50%という言い方をして、事業系のものも含めた形になっているのかなと思っていて、ついでにちょっと答えてくれませんか。

○飲料用紙容器リサイクル協議会(渡辺氏) 紙パックの回収率の目標については、事業系も含めて全ての紙パック用原紙として輸入したものや輸入紙パックを分母として、分子は国内の回収量を計算したものが回収率の目標になっています。ですから50%以上の目標に対する今の現状が42.9%というところです。
 あと、たくさんご質問をいただいて大変ありがとうございます。全部お答えできるかどうかはちょっと、自信がないんですけれどもお答えします。
まず石川先生からの多様なルートで回収するというところでは、これはご存じのとおり、非常に市民の方ですとか学校、自治会、それから福祉作業所を含めまして、いろんなところで回収をしていただいています。これからのところでは、今42.9%まで集計できしておりますが、どうも私どもの捉えているところから漏れている回収ルートがあると思っています。例えば製紙事業者、再生紙メーカーとか、それから回収事業者の方が独自に回収をされていて、我々が回収先というふうに捉えているところ以外の回収方法がかなり増えてきているというふうに見ております。その辺のところも今後どう捉えていくかということです。そのほかに事業系がかなり低いので、事業系の回収率をどう上げていくかというのが回収率アップのこれからのポイントとなります。それから古紙、その他の古紙に混入されて回収率に含め切れない紙パックというのが結構ありますので、これをどう把握していくかということです。
それともう一つ、これは容リ法とあまり直接関係なかったのですが、ただ50%ということでご質問いただきましたので申しますと、実は大きな問題として、紙パックは非常に利用価値が高いので、再活用をされております。特に多いのが台所周りでのまな板ですとか油入れとか、それから工作に学校で使われたり、スツールになったり、それから最近では理科の実験で発芽のポットですとか、いろんな形で再活用されています。これも、ウエブ調査の結果ですと、20%弱が再活用をしていると出ています。決してこれは悪いことではありませんが、残念ながらそのうち半分以下しか回収に回っていない実態なので、ここをやはり回収にどう向けていただけるかというところも大きなポイントだというふうに考えて、今取組を始めているところでございます。
 それと、店頭回収のコストの話でございましたけれども、これにつきましては特にスーパーマーケットの皆様方がCSRの観点から大変取組をいただいておりまして、非常に成果につなげていただいているというふうに感謝を申し上げているところでございますが、スーパーマーケット様の店舗の店数が若干伸びていないということもあるのかもわかりませんが、このところ、牛乳もなかなか売り上げが伸びていないというところもありまして、回収率、回収量が横ばいになっているということで、これはまさにスーパーマーケット様の社会的責任、CSRで取り組まれているということだろうと思っておりますので回収コストは把握しておりません。
 それと、あと回収ボックスはもう、20,000個の配付は一昨年に終わりまして、新型を今年からまた配付を始めておるところでございます。
それとウエブ調査との齟齬については、今50%の目標のところで説明をさせていただきましたけれども、市民の皆様はリサイクルをしているというふうに思っておられるのと、大体15ポイントぐらいの齟齬があるわけですけれども、このところがやはり、その他の古紙に入ってしまったり、それから再活用に回ってしまっていたりしているところと、それから新たなルート、私どもがまだ発見して集約されていないルートに入ってしまっているのではないかということで、洗って開いて乾かして頂いている消費者の方々に大変申し訳ないので、今一生懸命そこのところの掘り起こし調査をさせていただいているところでございます。
 それと学校給食のことについては、学校でもこのところ、洗って開いて乾かして資源化をしていただいている学校が増えてきておりまして、乳業メーカーが回収してリサイクルするよりも逆転をするような状況になってきておりますので、大変ありがたい状況だというふうに思っておるところでございます。
 リサイクルのために集めたものにつきましては再生紙を含めて、それからポリエチレンを含めまして100%リサイクルされております。これはほぼ間違いないという状況でございます。
 あとは、集団回収の補助金につきましては各市町村様が決められておりますけれども、今でも大体多いところでキロ当たり3円から6円というふうに認識をしております。
 あとは、コストのかからない回収について、私どもはそんなに難しいことを申し上げているのではなくて、例えばパッカー車で何でもかんでも一緒に古紙類を集めてしまうと後で大変なことになるので、大変ですが、ちょっと工夫をしていただくと、パッカー車の脇に紙パック用の箱なり、バスケットを置いていただいて、そこに分けて回収をしていただくと、ほとんど手間もかからず、お金もかからず回収できる。できれば平ボディー車で、各古紙の利用状況に対応できるような回収の仕方をしていただくとか、そういうような、本当に地道に工夫をして、または市民の皆さんと一緒に、金のかからない、コストのかからない回収と排出の方法について相談していただくと非常に成果は上がるのではないかというふうに思っているというところでございます。
 大体お答えでしょうか。

○永田座長 よろしいでしょうか。
 どうぞ。

○有田委員 すみません。牛乳パックのリサイクル業者ですが、以前、静岡などにあって、例えば地球釜などで有名だったリサイクル業者がもうやめてしまったというのを聞きました。そういう現状を教えていただきたい。

○飲料用紙容器リサイクル協議会(渡辺氏) 確かに地球釜のような、小さいところはだんだん少なく、毎年減っているようでございます。ただ、その数字については、申し訳ないんですけれども、私どもは把握しておりません。大体多くが家庭紙の再生紙メーカーに行くんですけれども、最近は必ずしも再生紙、要するに家庭紙にリサイクルされるだけではなくて、ほかの用途についても徐々にですが若干増えています。ただ、残念ながら紙パック古紙がたくさん集まらないので、それが広がらないのが現状です。それからトイレットペーパーやティッシュペーパーについてももっと広げたいのだけども、なかなか回収率が高くならない、回収量が多くならないし、トータルでも頑張っても20万トン行かないというところですので、紙パック古紙の再生紙メーカー数は増えていません。例えば全量の20万トンあっても十分に利用できるんですけれども、そこまで行かないというのが非常に残念なところでございます。また我々の力が足りないところだと思っております。

○永田座長 よろしいでしょうか。今のような話については調査中というふうに理解していていいですか。その中でおっしゃられたようなリサイクル業者の方々がどういう状態なのかというのもあわせて調べていただけると。

○飲料用紙容器リサイクル協議会(渡辺氏) それは我々としては非常に難しいので、再生紙メーカー様にお問い合わせはさせていただきます。

○永田座長 よろしいでしょうか。ちょっと後でまた言ってみてください。
 それでは以上で終わりにさせていただきまして。最後になるかと思いますが、今のは浜田様のお話だったんですが、最後に紙製容器リサイクル推進協議会、降矢さんから説明をお願いしたいと思います。

○降矢氏 ただいまご紹介を承りました紙製容器包装リサイクル推進協議会の降矢でございます。最後になりますけど、あと30分、お時間を頂戴して、この提言の内容について、機会をいただいたことを感謝申し上げたいと思います。詳細につきましては、委員を務めさせていただいております、かつ、専務理事を担当しております川村のほうから、内容について説明させていただきますのでよろしくお願いいたします。

○川村委員 それでは容器包装リサイクル制度の見直しに向けた提言について、説明させていただきたいと思います。
2ページに入りまして、紙製容器包装とは、商品の容器包装で主として紙製のものであります。紙箱、包装紙、紙袋等が代表的なものでございます。ただし、先ほどからご説明が続いております段ボールやアルミ使用飲料用紙容器、先ほどの牛乳パック等は紙製容器包装の対象外でございます。
当推進協の成り立ちといたしましては、容器包装リサイクル法の趣旨に基づき、その他紙製容器包装の3R推進を目的といたしまして、関連する業界団体及び事業者によって1998年に、16団体45企業で所属しております任意団体でございます。
 3ページに入りまして、紙製容器包装につきましては二つのリサイクルルートで資源化されております。1、紙製容器包装として分別収集する容リルートにつきましては、市町村で紙製容器包装識別マークのついたものを対象に集めております。主に製紙原料に利用され、製紙原料に向かないものは固形燃料等として利用されております。2、古紙としての分別収集する古紙ルート。主に製紙原料に向く紙製容器包装を集め、製紙原料に向かないプラスチックとの複合品やにおいのついた箱などが回収対象から除かれております。紙製容器包装は雑紙、その他の紙などの分類で紙小物類との混合で回収されております。
 4ページに入りまして、容リルート、古紙ルートのリサイクルフローが載っております。紙に適した部分のリサイクルと、それと紙のリサイクルの向かないものについては固形燃料としてリサイクル上、記しております。
 5ページに入りまして、市町村からの分別基準適合品の引き取り状況につきまして。平成15年まで回収量は増加いたしましたが、その後3万トン弱で横ばい状態になっております。平成17年に古紙の主要銘柄として雑紙が設けられたのも影響しております。これは容リ協会のデータでございます。
 続きまして、6ページに入りまして、再商品化製品販売量につきましては、市町村からの引き取り量の95%が再商品化製品として販売されております。また再商品化製品の内訳としましては製紙原料が94.1%、製紙原料以外の材料リサイクルが0.1%、古紙燃料、固形燃料として5.8%となっております。
続きまして、7ページにつきましては、再生処理事業者による落札単価の経年推移としまして、紙製容器包装は平成22年度より有償化となっております。紙の矢印のついたところが紙製容器包装のグラフでございます。
 続いて8ページに入りまして、回収量調査を私ども紙リサイクル推進協では実施しております。市町村で回収している紙製容器包装の回収方法、回収量の調査を行っており、人口10万人以上の295市区を対象に調査を行っております。全国回収量の算出といたしましては、拡大推計をして算出しております。回収量のアンケート調査における人口カバー率は約70%でございます。
続きまして、回収量の推移でございます。平成24年度の紙製容器包装の回収量は18万3,471トン、24年度の回収率としましては23.0%、行政収集では16.3%、集団回収では6.7%となっております。回収量、回収率につきましては右肩上がりで推移しております。
 続きまして、10ページに入りまして、紙製容器包装回収量の内訳でございます。こちら、古紙ルートでの回収が全体の86%、容リルートでの回収が約14%となっております。古紙ルートの内訳といたしましては、混合回収が約76%、雑誌・雑紙が48%、雑紙が22%となっております。紙製容器包装分類での古紙ルートでの単独回収は約10%となっております。
 続きまして、容器包装リサイクル制度の見直しに向けた提言について、説明させていただきたいと思います。紙製容器包装リサイクル法において、我々事業者は平成18年3月に、平成22年度を目標年度とした事業者による3R推進に向けた自主行動計画を発表し、紙製容器包装の薄肉化、軽量化、小型化などの包装材削減によりリデュースを推進し、また分別収集のしやすさ及び再商品化しやすさなどによりリサイクルを促進、削減率、回収率の目標を達成いたしました。紙製容器包装の収集においては指定法人ルート及び従来から実施されている古紙リサイクルルートの二つのルートがあり、両ルートの併用により回収量は増加しており、紙製容器包装の収集に一定の成果が表れております。
 12ページに入りまして、古紙ルートでは平成17年に古紙の主要銘柄として雑紙が設けられて以来、紙小物類、チラシ、パンフレット等と混合して紙製容器包装を収集している市町村が増加しております。この結果、雑紙、雑誌・雑紙分類で紙製容器包装が資源物として収集され、古紙ルートでの紙製容器包装回収量は平成24年度では15.8万トンとなっております。ただし、古紙ルートでは古紙取引状況により紙製容器包装が逆有償になり、資源物として収集されない場合が想定されること及び製紙原料に向かない複合容器包装が収集されていないことが懸念されます。容リルートではこの古紙ルートの状況に対応できることから、紙製容器包装の安定的収集には容リルートも有効であると考えております。当推進協議会は容リルート、古紙ルートを併用して紙製容器包装の回収量の増大を図るために、以下のとおり提言いたします。
 13ページに入りまして、提言1、紙製容器包装を収集する市町村の拡大を要望いたします。容リルート、紙製容器包装分類での収集及び古紙ルート、雑紙分類の収集を実施する市町村の拡大を要望いたします。紙製容器包装の収集においては容リルート及び古紙ルートの合計で回収量18万3,471トン、回収率23.0%となっております。容リルートでは紙製容器包装分類で、古紙ルートでは雑紙、雑誌・雑紙分類で収集されております。
 14ページをお願いします。古紙ルートでは紙製容器包装単独ではなく、他の紙との混合で収集されているため、一般消費者に紙製容器包装を意識してもらうには、紙製容器包装の含有量が多い分類が有効と考えております。雑紙分類では紙製容器包装が約40%含まれ、雑誌・雑紙分類では約10%含まれるという結果を得ております。したがって古紙ルートでは雑紙分類で収集することが、紙製容器包装の収集には有効であると考えております。雑紙分類での収集市区数は調査市区数の11.9%であり、平成24年度の容リルート、紙製容器包装の実施市町村数は全市町村数の8.3%と、両ルートとも実施市町村数が十分とは言えない状況にあります。したがって容リルート、紙製容器包装分類での収集及び古紙ルート、雑紙分類でのいずれかによる収集を実施する市町村の拡大を要望いたします。
 提言2、紙単体紙製容器包装と複合紙製容器包装の区別表示の設定を提言いたします。古紙ルート、雑紙分類で収集を実施する市町村の拡大及び紙製容器包装の回収量拡大のために、紙単体紙製容器包装と複合紙製容器包装の区別表示の設定を提言いたします。古紙ルートの雑紙分類では紙識別マークつき容器包装を全て回収しておらず、紙識別マークは紙製容器包装の収集に用いられておりません。区別表示の設定は表示と収集品の整合性を図ることであり、以下の効果が期待できます。これらの内容につきましては、特に自治体の方々からも要望の多い部分でございます。
 16ページに入りまして、1、市町村の分別排出しやすさの向上。紙単体と複合品に同じ紙識別マークがついているため、消費者はどの紙製容器包装が収集対象に相当するのかわかりにくく、分別排出が難しい。この部分については自治体関係のヒアリングでも同じような意見が多々あったというふうに思っております。市町村が収集対象としている紙単体と対象外としている複合品に区別表示を設定することで、消費者が対象の紙製容器包装を分別排出しやすくなり、市町村が紙製容器包装を資源物として分別収集する効率の向上が期待できます。
2、雑紙の品質向上。雑紙の分類では製紙原料向けの紙単体を主に収集し、複合品を対象外としているが、現在の紙識別マークは紙単体、複合品、両方についているため、混入が起こりやすいことも課題となっております。雑紙の品質向上をすることで雑紙収集を実施する市町村が拡大し、紙製容器包装の回収量の拡大が期待できます。
提言3、複合品の収集リサイクルの促進を提言いたします。複合品は家庭から排出される容リ法対象の紙製容器包装の約15%、12万トンを占め、固形燃料等の有効なリサイクル資源であるため、収集リサイクル促進を提言いたします。古紙ルートでは製紙原料向けとして紙単体の紙製容器包装を主として収集しており、原則として複合品は収集されておりません。
 18ページに入りまして、複合品の再商品化につきましては、容リルートにおいて古紙ルートでの収集対象外である複合品もRPF等の固形燃料や製紙原料として再商品化されており、複合品も有効な資源として利用されております。事業者としては複合品を収集しやすくするために、複合品としてのマークを新たに分けて付すことを、収集促進を支援していきたいと考えています。複合品再商品化の自主的取組。なお、アルミを使用しない飲料用紙パックと遜色なく製紙原料になる複合品、酒パック、アルミつきの飲料用紙パック等については、事業者の自主的取組により製紙原料へのリサイクルを行っているところでございます。複合品につきましても製紙原料へのリサイクル推進を研究、支援する所存でございます。
 19ページに入りまして、提言4、紙製容器包装の収集拡大のための啓発を要望いたします。紙製容器包装収集を実施する市町村を拡大するために、紙製容器包装が有効な資源であることを市町村に啓発することを要望いたします。
 提言5、今後の制度見直し。紙製容器包装全体のリサイクルシステムのあるべき姿の研究について、進めてまいります。
 20ページに入りまして、容器包装3R制度全体のあり方について。提言6、3者の役割分担を維持し、取組の深化を図ります。
 提言7、主体間連携の強化を図ります。これにつきましては、先の5団体と同様でございます。
 最後に、21ページに入りまして、区別表示に関する関係者の意見として、自治体、古紙問屋、製紙メーカー、NPO、有識者、事業者から、区別表示に対し、以下の意見が出されております。現状の識別マークは、容リルートを選択している自治体にとっては十分に機能しているが、古紙ルートでの回収を実施している自治体、雑紙の回収を行っている自治体の消費者には混乱を与えております。現状の容リルートとの融和を図りながら、消費者一般にとって利用しやすい識別マークのあり方を検討していく必要があると考えております。識別マークの変更については、製紙原料に向くものとそうでないものに区分する方策が有効であるということが、経済産業省紙業服飾品課の委員会ワーキングでもそういうような話が出ております。このため、紙製容器包装の消費者にとってわかりやすく、分別しやすいマークの制定に関する議論を本審議会においても進めていただきたいと考えております。
 以上、紙製容器包装のヒアリングのご説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 それではご質問、ご意見のある方、また札を立てていただけますでしょうか。
 鬼沢さん、どうぞ。

○鬼沢委員 では、お願いいたします。消費者がわかりやすいように紙製のマークと複合品のマークを区別するというのは、出す側からすると非常にわかりやすいんですが、その複合品もまたしっかり集めて再利用していくという提言があります。そうすると消費者はその二つを両方とも資源として別に出すということを想定されているんだと思いますが、そうなったときに、今でも紙の回収率が低いと思うんですが、その二つに区別されたときに消費者がどの程度、排出して、どの程度アップできるというふうにお考えなのか。そこをお聞かせいただきたいと思います。

○永田座長 あとはいらっしゃいませんか。
 中井さん。

○中井説明員 今のご意見とちょっと重なると思うのですが。消費者、が分けて出し、自治体がまた別途回収するというのは、効率的にも経費的にも問題があると思いますので、雑紙と一緒にしてしまうという方法が良いと思います。ご意見をお伺いします。

○永田座長 平尾先生、どうぞ。

○平尾委員 一つだけ教えていただきたいのですけれども、6ページ目のところで紙製容器包装として回収されたうち、製紙原料になる割合が94%と非常に高くて、予想したよりすごく高いなと思っているのですが。これは具体的にどういう紙製品になるのかというところを教えていただきたい。衛生用紙なのか、段ボールになるのかというようなことですね。もし衛生用紙になる場合に、先ほどの紙パックが衛生紙になるようなものと、先ほどあちらでは品質が高いと言っていたのですけれど、何か違いがあるのでしょうか。この回収率を上げていくとむしろ禁忌品が入って品質が下がっていってしまう可能性があるのかというような辺りのことで、もしおわかりの点があれば教えていただきたい。

○永田座長 よろしいでしょうか。ほかにご質問はないでしょうか。
 それじゃあ、どうぞ回答のほうをお願いします。

○川村委員 それでは、ご質問をどうもありがとうございます。
 まず最初に、鬼沢さんのほうからの、消費者が出すに当たってどうなのかということで。当然、消費者の手間が増えるという部分もありますが、先ほど自治体のほうから、あるいは古紙業界を含めて、一番は消費者の方から、今の紙製の識別マークがとてもわかりにくいと。容リルートでは識別マークに従って全ての紙製容器を集めるわけですけど、古紙ルートにおきましては複合品のある程度の部分は回収されないという中で、どうしても消費者から見ると識別マークでなくて、紙とあるいは複合品のマークが分かれて分別しやすくしてほしいという要望が強いと。そういう意味で、これについてはどちらかといったら事業者が進めたいというよりは、回収率をアップするためにそういう要望に対して応えていきたいというのがもともとの趣旨でございます。そういう意味で、なかなか手間が増える部分というのはなきにしもあらずですが、かえって出しやすくなるということで、手間が少なくなるということで回収率がアップするのではないかということを期待しております。複合品につきましてはなかなか実際に自治体がどういうふうに扱うかというのはこれからご相談という部分でありますが、複合品については従来の容リルートもしくは自主回収を含めた形、さらにどのような部分が今後適するかという部分につきましては、提言4の今後のあり方について検討していきたいと考えております。
 続きまして、中井さんのほうからのご質問ということで、分けて出すと経費はどうなのかということで。これにつきましては自治体等ともいろいろご相談を聞く中では、同じパッカー車の中で上手に集めればそれほどコストはかからないというような話もあります。そういう意味では複合品をどういうふうに集めるかというのは、当然、今後の課題ではありますが、当然、自治体の方で経費がよりかかるということになりますとなかなか集めないということになりますので、それについては収集運搬の部分でパッカー車、今も実際、古紙のリサイクルの場合は段ボール、新聞、雑誌、雑紙で、紙製容器と紙製容器包装以外の雑紙という形で集めているところもございますが、その辺をうまくパッカー車でやりくりしながら、されているのではないかということです。この辺につきましても、皆様のご要望が高いという部分を勘案してご協力したいというふうに考えております。
 それから平尾先生からのご質問につきまして、容リルートではございますが、私ども複合品、紙でリサイクルに向かない部分を含めて複合品として分別している部分は大体15%と計算しておりますが、実際、容リ協で収集した場合には94.1%ということで、実際の複合品の、ある意味かなりの部分を、実際には製紙にリサイクルされている部分があるのではないかと考えております。ただし古紙関係の基準でおきますと、「いや、これは紙のリサイクルに向くというふうに分別、分けてもいいんじゃないか」と言いますと、やっぱり厳しいので、「いや、これはちょっとだめだ」というふうに言われる場合があると。容リ協ではやっぱり紙主体にリサイクルしているので、その辺の我々の基準と容リの実際のリサイクルの数字の乖離が表れているのではないかと思っております。
具体的なリサイクルされるものにつきましては、紙製容器包装の場合、大半が段ボールもしくは紙製容器の紙箱等のネズミ色の板紙の部分、この辺にリサイクルされるのが大半でございますので、なかなか衛生用紙までにはリサイクルはされないということで。紙製容器包装もしくは雑紙というのは、古紙の中でも一番グレードの低い分類であると。そういう意味ではなかなか雑紙、紙製容器の高度利用というわけにはいきませんし、逆に雑誌と雑紙を分けることと容器包装とでは違いますが、雑紙・雑誌なんかがリサイクルの高度利用されるというような状況になるのではないかと思います。そういう意味では、どの道、紙製容器包装は、私はその団体の人間でありますからがんがん行きたいというふうに言いたいところではございますが、どうしても古紙全体の中の一部であるという位置づけはやむを得ないのではないかと考えております。さらに回収率をアップするために会長ともども努力したいと考えておりますので、皆様ご協力をよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
 降矢さん、どうもありがとうございました。
 以上をもちまして、今日予定いたしましたヒアリングは終了でございます。関係者の皆様方にはいろいろご協力いただきましてありがとうございました。
 事務局から連絡事項がありましたら、お願いしたいと思います。

○庄子リサイクル推進室長 本日も長時間にわたりましてご審議いただきまして、ありがとうございました。
 次回の合同会合でございますが、12月5日木曜日14時から、また3時間のお時間で予定してございます。場所は今回同様こちらの建物でございますが、次回の会場はこの上の7階の700ホールでございます。議題につきましては、今回に引き続き、容器包装リサイクル法関係者等からのヒアリングということで予定してございます。
 以上でございます。

○永田座長 どうもありがとうございました。
 長時間にわたり貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。これで散会といたします。どうもありがとうございました。

午後5時00分 閉会