産業構造審議会 産業技術環境分科会 廃棄物・リサイクル小委員会 自動車リサイクルWG 中央環境審議会 循環型社会部会 自動車リサイクル専門委員会 第32回合同会議 議事録

日時

平成26年8月21日(木曜日)13:30~15:38

場所

STANDARD会議室 神谷町店 6階ホール

議題

  1.     1.自動車リサイクル法の施行状況等について
  2.     2.自動車リサイクル制度の評価・検討について
  3.     3.その他

議事内容

○小松自動車課課長補佐  それでは、定刻でございますので、これより産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会 自動車リサイクルワーキンググループ及び中央環境審議会循環型社会部会自動車リサイクル専門委員会の第32回合同会議を開催いたします。

 なお、私は、平松の後任でまいりました経済産業省製造産業局自動車課の小松でございます。

 審議に入る前に事務局側よりご挨拶申し上げます。

○伊吹自動車課長  経済産業省の自動車課長を拝命しております伊吹と申します。

 私は、7月に自動車課に着任をしまして、リサイクルの話をまず担当から聞いたときに思ったことは、この仕組みを10年前につくられた方々はすごいなということを非常に強く思いました。本日もこれだけ多くの方がお暑い中、お集まりいただいて本当にありがとうございます。

 今回、法施行後10年の節目ということで、おおむねうまく執行されていると理解しておりますけれども、きっちり虚心坦懐に見直しをしていくことということですので、委員の先生方にいろいろな立場から積極的にご発言をいただいて、直すべきところがあればしっかり直していきたいと思いますので、皆様方からご意見をぜひよろしくお願いいたします。

 以上です。

○山本企画課長  環境省廃棄物リサイクル対策部企画課長の山本と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 この自動車リサイクルの分野、実は10年前、施行のときにちょうど環境省側の担当室長をやらせていただきまして、本当にこれだけの大がかりな仕組みが円滑に動くのかというのが非常に不安、緊張感をもって施行を迎えたことを思い出します。それ以降、10年間にわたりまして、これだけの仕組みをしっかりと運営してこられた本日、お集まりの関係者の皆様方の御努力に対して心から敬意を表したいと思います。

 今、自動車課長さんからもご挨拶がありましたように、10年目という大きな節目ということでございます。車自体も当時は考えられなかったぐらいハイブリッドだとか、電気自動車だとか、そういったものが普及したりとか、大きく変化もある中で、これだけりっぱな仕組みではありますが、さらに国民の目からみて、よりよい仕組み、進化するような形で見直しができたらいいなと思っておりますので、委員の皆様方からのいろんなご指導、ご鞭撻をどうぞよろしくお願いいたします。

○小松自動車課課長補佐  本日、委員の皆様方におかれましては、ご多忙にもかかわらずご出席いただきましてまことにありがとうございます。

本合同会議は、両審議会を合わせまして28名の委員で構成されております。本日のご出席の状況でございますが、現時点で25名の委員の皆様にご出席いただいております。産業構造審議会自動車リサイクルワーキンググループにつきましては、18名の委員の出席をいただいており、定足数である過半数に達していることをご報告させていただきます。

 なお、中央環境審議会自動車リサイクル専門委員会につきましては、定足数の規定はございません。

 続きまして委員の変更がございましたので報告をいたします。

 日刊工業新聞編集局第一産業部部長の赤穂啓子委員が着任されました。

 東洋大学法学部法律学科教授の大坂恵理委員が着任されました。

 東北大学大学院工学研究科准教授の松八重一代委員が着任されました。

 東京大学大学院工学系研究科准教授の村上進亮委員が着任されました。

 一般社団法人日本自動車工業会環境委員会委員長の奥平総一郎委員に代わりまして、同工業会環境委員会委員長の伊勢清貴委員が着任されましたが、本日はご欠席でございます。

 川崎市生活環境部廃棄物指導課長の片岡和男委員に代わりまして、同廃棄物指導課長の渋谷行雄委員が着任されました。

 全日本自治団体労働組合副執行委員長の澤田陽子委員に代わりまして、同副執行委員長の杣谷尚彦委員が着任されました。

 群馬県板倉町環境水道課長の鈴木渡委員に代わりまして、埼玉県滑川町環境課長の横田一己委員が着任されました。

 次に、冒頭にご挨拶いただきました者以外に事務局側にも変更がございましたのでご紹介させていただきます。

○金澤自動車リサイクル室長  経済産業省製造産業局自動車課自動車リサイクル室長の金澤でございます。私も先月より小野の後任として着任をいたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

○小松自動車課課長補佐  以上、紹介を終わります。

 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。

 なお、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。

 これ以降の議事進行につきましては、永田座長にお願いいたします。よろしくお願いします。

○永田座長  どうも皆さんこんにちは。

 お忙しい中、また、お暑い中、お集まりいただきましてありがとうございます。

 早速ですが、議事に入る前に、まず配布資料の確認を事務局からさせていただきます。

○小松自動車課課長補佐  それでは、配布資料の確認をいたします。

 お手元に資料1から資料8までと、参考資料として1から17をお配りしております。傍聴席には本体資料と参考資料をまとめてお配りしております。不足がございましたら事務局までお知らせください。

 以上です。

○永田座長  よろしいでしょうか。

 それでは、議事に入ります。

 資料1にございますように、本日の議題は大きく2つでございます。前半は自動車リサイクル法の施行状況等についてということで、平成25年度の施行状況を報告させていただきます。後半につきましては、自動車リサイクル制度の評価・検討についてということで、平成22年1月にとりまとめられました『自動車リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書』で、5年以内を目途に行うとされておりました見直しに関しまして、本日の合同会合から開始するということで、その資料について説明をしてご議論願えればと考えております。よろしくお願いいたします。

 それぞれ前半、後半とも約1時間をとって議論をいただければと思っています。質問あるいはコメントいただく時間は約その半分と思っております。

 それでは、まず議題の1番目、「自動車リサイクル法の施行状況」についてということで、資料3から資料5までございます。まず全部説明していただいた後に質疑応答という段取りで進めさせていただきます。

 まず資料3-1から3-2に基づきまして事務局、それから、資料3-3につきましては、一般社団法人自動車再資源化協力機構の柴田様より説明願います。それでは、どうぞ。

○小松自動車課課長補佐  それでは資料3-1に基づいて説明いたします。

 自動車リサイクル法の施行状況について、平成25年度の状況を中心に説明いたします。1ページ目に自動車リサイクル法の概念図、2ページ目に自動車リサイクル法の施行状況の概要がありますが、説明は3ページ目からさせていただきます。

 自動車メーカー等による再資源化等の実施状況として、自動車メーカー等はフロン類、エアバック類、シュレッダーダストを引き取り、これを確実にリサイクルする体制を整備しております。フロン類、エアバック類の処理については、自動車再資源化協力機構に委託し、シュレッダーダストについては、ART、THチーム、2チームにおいてリサイクルを実施しております。

 次のページをお願いいたします。使用済自動車、中古車の流通状況についてです。

 使用済自動車の引取台数、平均使用年数、中古車販売台数については、それぞれ前年並みの水準となっております。オークション流通台数及び中古車輸出台数については、それぞれ前年から20万台以上増加をしております。中古車輸出台数については、為替が円安に動いたことも影響しているものと考えられます。

 5ページ目、リサイクルの状況について説明いたします。

 自動車メーカー等のリサイクル率をごらんください。メーカーごとの公表値のため多少ばらつきがありますが、平成25年度のシュレッダーダストのリサイクル率は96%から97.7%、エアバック類は94%から95%と、それぞれ前年度から上昇しております。

 6ページ目、7ページ目は、シュレッダーダストの詳細な処理の状況です。重複する部分がありますので、7ページ目から説明いたします。

 (エ)自動車由来の最終処分量についてです。シュレッダーダストのリサイクル率が向上し、最終処分量及び1台当たりの最終処分量は減少をしております。平成25年度については、1台当たりの最終処分量が6kgとなり、法施行当時の10分の1の水準となっております。

 次に、(オ)全部利用による処理状況です。法31条に基づく認定全部利用及びガラ輸出等の非認定全部利用ともに前年度から増加をしております。

 8ページ目、自動車リサイクル法の事業者登録・許可及び執行の状況についてです。登録・許可の状況をごらんください。平成25年度末の事業者数については、6万1570社と前年度から横ばいの状況となっております。

 9ページ目、行政処分等の状況です。地方自治体は定期的に立入検査を行い、違法行為や不適正行為等に対し、指導、勧告を実施しております。勧告及び命令事案は、下の表でごらんいただけます通り、近年、減少傾向で推移をしております。具体的な事例については、をごらんください。

 11ページ目は、リサイクル料金の預託状況についてです。平成25年度末での預託台数及び預託金額の残高をごらんください。預託台数については7791万台、預託金額については8352億円となっております。

 12ページ目は、リサイクル料金の管理・払渡しの状況についてです。平成25年度の払渡しの状況ですが、払渡金額は350億円と前年度からほぼ横ばいの状況となっております。

 13ページ目、平成25年度の輸出返還の状況をごらんください。輸出による返還台数は、平成25年度は133万台、輸出返還金額の合計は161億円と、前年度から大きく増加をしております。

 14ページ目、平成25年度の特定再資源化預託金等の発生状況です。平成25年度は15億円と前年並みとなっております。

 平成25年度の特定再資源化預託金等の出えん状況をごらんください。離島支援事業や情報システム改修対応のため合計で3.4億円の出えんを特定再資源化預託金等から行っております。

 15ページ目、自動車リサイクルシステムの稼働状況についてです。平成25年度の障害件数については1件のみと安定稼働を継続しております。

 16ページ目は、電子マニフェストの実績報告についてです。その次のページのグラフで説明いたします。

17ページ目をごらんください。工程内平均処理日数についてです。こちらは、ほほ横ばいで推移をしております。

 次に遅延報告発生状況についてです。こちらは遅延発生率が0.77%と前年度から減少しております。

 18ページ目は、不法投棄・不適正保管の状況についてです。不法投棄・不適正保管の状況については、ストックは前年度から横ばいとなっておりますが、新規発生台数については減少しております。

 19ページ目、不法投棄等対策についてです。不法投棄に関しては、特定再資源化預託金等を活用して対策を行っております。特に中小規模案件の活用が懸案となっておりましたが、昨年7月には富山県滑川市において処理台数が1台という支援の実績がございました。

 20ページ目、離島対策の概要についてです。離島対策支援事業については、平成25年度は88市町村から申請があり、平成26年度は82市町村への支援を予定しております。

 かけ足になりましたが、資料3-1については以上です。

○山口リサイクル室長補佐  それでは、続きまして資料3-2の説明をさせていただきます。

 東日本大震災に伴って生じた被災自動車の処理状況等について報告させていただきます。

 1.被災自動車の処理状況でございますけれども、東日本大震災によって生じた被災自動車のうち、所有者が処理を行われないで放置されていたようなものがございまして、これまで地元の自治体が処理を行ってきたところでございますが、平成26年8月11日時点で、その処理が完了いたしましたので、その報告になります。

 岩手県、宮城県、福島県におかれては、これまで放置された自動車を仮置き場に移動していって処理を進めていただいておりました。その中には所有者がわかるもの、わからないものいろいろあったわけでございますが、累計で約7万1000台ありまして、これら全てが26年8月までに引取業者への引き渡しが全て完了したということでございます。表はその内訳でございます。

 続きまして2.番号不明自動車の処理に係る支援でございます。1.のとおり、被災車両の引き渡しを自治体のほうで進めていただいたわけでございますけれども、このうち車体番号やナンバープレート等が被災によって識別できないような車がございました。通常こういった車は、リサイクル料金を再度預託していただくわけでございますが、今回、被災地支援ということもございまして、自治体の負担が生じないよう、もともとリサイクル料金が預託されていたという前提のもと、特定再資源化預託金等を活用しまして、自治体を支援するスキームを構築し、合計約1万3000台、約1億8000万円を充て、被災自動車の処理支援を進めてきたところでございます。この支援制度でございますけれども、8月までに当初予定されていた申請を全て完了したことも合わせて報告させていただきます。

 資料3-2については以上でございます。

○永田座長  どうも。それでは、柴田さん、資料3-3につきまして。

○柴田(一般社団法人自動車再資源化協力機構)  それでは、自再協から、資料3-3に基づきまして、被災車両に関する自動車メーカー等の取り組みにつきましてご報告をさせていただきます。

 まず1ページ目、主な取組みにつきまして、自動車メーカー、インポーター及び私ども自再協といたしましては、震災発生後、被災地域の早期復旧及び関係事業者の皆様の負荷軽減の観点から、引取基準の緩和を実施し、モジュール状態での引取り及び引き渡されたモジュール品の分解作業に取り組んでまいりました。そのフローにつきまして2ページ目に記載させていただいておりますので、後ほどごらんください。

また、運用開始以降も、3ページ目に書かせていただいておりますが、再周知や回収ケースの追加製作等を追加で実施してまいりました。

その結果といたしまして4ページ目になりますけれども、本年6月末までに6003台、8376個のモジュール状態のエアバック類を引き取らせていただきました。グラフにもあるとおり、2013年11月以降は、その発生量も大幅に減少しており、5ページ目、こちらの2行目に書かせていただいておりますが、6月末現在で確認した時点で、自治体の保管場所に残存している台数といたしまして60台弱という状況まで減少しまして、収束に向かっているものと判断しております。

 この状況を受け、今後の対応方針といたしましては、3行目に書かせていただいておりますけれども、本年9月をもちまして、この緩和措置を終了させていただきたいと考えております。ただし、終了であっても、旧避難指示区域等から引き続き被災車両のモジュール品が引き渡される可能性も勘案いたしまして、それらについては柔軟に対応させていただこうと考えています。

 報告は以上になります。

○永田座長  どうもありがとうございました。

 それでは、続いて資料4-1については、一般社団法人日本自動車工業会の小西様より、また、資料4-2については、日本自動車輸入組合の小野寺様より説明していただきます。

○小西(一般社団法人日本自動車工業会)  自工会の小西のほうから「環境負荷物質削減に関する自主取り組み」の進捗状況について報告させていただきます。

 まず1.経緯でございますけれども、簡単にご説明いたします。

 98年から鉛の削減ということで自工会で自主取り組みを進めてきました。2002年に環境負荷物質の自主取り組みとして対象を鉛、水銀、六価クロム、カドミウムの4物質に拡大いたしまして、自主取り組みの削減目標を設定して削減に努めてまいりました。今回は2013年に発売しました新型車に対する実績のご報告をさせていただきます。

 2番目になります。2002年の削減目標の設定の考え方でございますが、ここも簡単にご説明させていただきます。

 まず(1)世界トップの厳しい自主目標を設定しております。

 (2)に関しては、鉛は従来と同じ、削減量のわかりやすい目標を設定しております。

 (3)では水銀、カドミウム、六価クロムの使用量をふやすことなく、時期を明示して使用禁止を出しております。

 (4)になりますけれども、対象は乗用車のみならず、EU指令では対象外の大型商用車等も含めておりますといった特徴がございます。

 こちらの表1になります。こちらが4物質の削減目標の実績でございます。

 表をみていただければわかりますように、昨年は乗用車15モデル、大型商用車、今回、対象はありません。15モデルの新型モデルでございましたけれども、15モデル全てで鉛、水銀、六価クロム、カドミウムの4物質の削減目標を達成しております。このうち水銀については既に2005年1月から使用を禁止しております。なお、一部の部品については代替が難しいため、適用部品除外部品としておりますが、水銀条約の規制値では自動車部品では規制値に達しないため対象外となります。ただし、2020年からの水銀条約施行も視野に入れて、これらの部品についても水銀フリー化に向けて各社で鋭意取り組んでいるという状況でございます。

 それぞれの物質につきましては裏ページでご説明してまいります。

 3の(1)の鉛の削減の取り組みと実績でございます。こちらの表をみていただければわかりますように、2006年以降、1台当たり100g前後で削減が推移しております。13年の新型乗用車の平均は、1台当たり76g程度になっております。あと残っているものとしては、はんだとか、合金中の鉛でございますけれども、そういったものについても削減に向けて関連業界等と継続して技術開発を進めているところでございます。

 (2)水銀、六価クロム、カドミウムの使用禁止状況でございます。

 先ほどご説明したように、六価クロム、カドミウム、水銀につきましては、除外部品を除いて2013年の新型車全モデルで目標達成をしております。特に水銀の除外物質でございますけれども、コンビネーションメーターについては、水銀フリーを全てのモデルで昨年は対応しております。あと残っているナビゲーションの液晶ディスプレイとか、ディスチャージランプといったものについても、できるものについては水銀フリー化をしてきておりまして、その採用車種も拡大してきております。

 最後になりますけれども4番目でございます。

 今後、自主取り組みの結果公表でございます。これは例年どおり、カタログ、ホームページ、環境報告書等さまざまな媒体を通じて情報公開を継続してまいっているところでございます。

 以上で私からのご説明は終わらせていただきます。

○小野寺(日本自動車輸入組合)  輸入車の環境負荷物質の対応につきまして、日本自動車輸入組合よりご報告させていただきます。資料4-2をごらんください。

 資料の上部、四角囲みの欄に書いておりますとおり、日本に輸入される欧州製造車、米国製造車及び韓国製造車は現時点でEU ELV指令の環境負荷物質要求に適合していることを確認しております。

 この環境負荷物質要求は、欄の下に小さな文字で書いております2000/53/ECと呼ばれるELV指令でございます。

 欧州の規制を簡単に申し上げますと、資料の四角囲みの欄の下に参考として書かせていただいております。2003年7月1日以降、市場に投入される車の材料、構成部品に鉛、六価クロム、水銀、カドミウムを含有させてはならない。ただし、下表の条件を除くということで、例外措置の表を下に記載させていただいております。また、参考までに、その例外措置の表、原文そのものを3枚目以降に添付しておりますので、必要によりご確認をお願いいたします。

 簡単ですが、以上でございます。

○永田座長  どうもありがとうございました。

 それでは、引き続きまして資料5に移らせていただきます。資料5-1については一般社団法人鉛蓄電池再資源化協会の石川様より、資料5-2については日本保安炎筒工業会、斉藤様より、資料5-3については一般社団法人日本自動車工業会、今田様、阿部様、両名にご説明をお願いします。どうぞ。

○石川(一般社団法人鉛蓄電池再資源化協会)  自動車用バッテリー・リサイクルシステムの運用状況につきまして、鉛蓄電池再資源化協会の石川から説明させていただきます。昨年説明したところは省略させていただきまして、システムの概要、それから、排出事業者の登録状況については省略させていただきたいと思います。

 3ページの運用実績からご説明させていただきたいと思います。

 運用実績でございますが、表にございますように、排出事業者登録数は、平成25年度末で7500強となり、前年度に比べて1200件ほど増加しております。

 また、バッテリーの処理重量は、電池の重さで約1万3000tとなり、前年と比較して2.5倍程度になっております。これは25年度がはじめて1年を通しての事業となったことが起因しているかと考えております。

 それから、次のページをみていただければと思います。

 排出事業者への周知でございますが、従来、販売店を中心に行ってきましたが、前回、この合同会議において、ごみの収集等を行っております自治体への周知、情報提供をご要請いただきました。調べてみますと、自治体では、基本的に使用済み鉛バッテリーは、処理困難物として取り扱われております。しかし、ごみなどとともに回収されることがあることから、当協会において自治体への周知のため、新たなパンフレットを作成し、都道府県及び市区町村に配布いたしました。この配布にあたりましては、環境省、経産省から多くの教示をいただき、この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 次に離島でございます。次のページをみていただきたいと思います。離島につきましては昨年度調査をいたしました。表にありますように、自治体、販売店ともに島外へ搬出して適正な処理を行っており、特段の問題は発生しておりませんでした。しかしながら、既に当協会の排出事業者登録が行われている離島がありますので、それにつきましては、いつ回収要請があっても対応できるように今具体的なルートの設定をしております。

 また、他の離島から排出事業者登録があれば、それにも対応していくことを今考えております。

 それから、最後でございますが、今後の取り組みにつきましては、現状の延長線上とはなりますが、廃棄物処理法の広域認定に基づき、適正な処理を実施していくとともに、継続的な改善を行いたいと考えております。

 簡単ではございますが、取り組み状況の報告は以上でございます。

○永田座長  どうもありがとうございました。

○斉藤(日本保安炎筒工業会)  日本保安炎筒工業会の斉藤です。資料5-2の廃発炎筒処理システムに沿って説明させていただきます。時間の関係で2013年度の実績と今後の取り組みを中心とした報告となりますのでご了承願います。

 本システムは、2012年8月に廃棄物処理法の特例である広域認定を受け、関係者、皆様のご協力のもと、2013年1月よりシステムを本格稼働させることができました。

 システムの概要は資料3ページのとおりです。

 次に運搬時の安全確保は、資料4ページに詳細をまとめておりますので、後ほどごらんください。

 資料5ページには全国の指定引き取り場所及び焼却施設の配置を示しております。また、各焼却システムでの処理フローを6ページにご案内しております。これらのシステムは開始当時と変更はございません。

 次にシステムを開始した2013年1月から3月までの3カ月間、及び昨年度2013年度1年間の実績について資料7ページにまとめております。

 昨年度の回収実績は、整備段階からの回収を含め、総回収本数は385万本でした。そのうち使用済自動車修理段階からの回収は21万本で、総回収本数に占める割合は約5%となりました。この回収率はまだ少ないため、今後は使用済自動車処理段階からの比率を上げていきたいと考えております。

 また、廃発炎筒の搬入方法につきましては、指定引き取り場所に持ち込む方法と宅配便の利用がありますが、総利用件数約6000件のうち、指定引き取り場所への持込みは1%未満で、宅配便の利用が圧倒的に多い結果となりました。

 回収後の処理方法ですが、安全のため、現在は全量焼却処分しています。このため、再資源化の方法としては、施設により若干の差はありますけれども、焼却時の熱回収を実施したほかに、焼却残渣の活用を進めております。

 最後に課題ですが、運用上の課題であり、今年度主に取り組むべき検討課題を資料8ページに、費用徴収方法に係る設計課題については資料9ページにまとめてあります。

 8ページの運用上の課題ですが、1つ目として使用済自動車処理段階からの廃発炎筒の回収促進です。昨年度は関係団体にご協力いただき、周知を行いました。ご協力をいただいた皆様ありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。

 これに加えまして、本年度は団体に加盟していない事業者に対しても周知活動を実施したいと考えております。

 また、2つ目としましては、処理時における再生利用率の向上があります。運搬や作業上の安全確保を最優先としつつも、運搬用の段ボール箱や製品のプラスチック製、外装容器の再資源化の実施可能性について、委託先、処理施設の意見を聞きながら具体策を検討してまいりたいと考えております。

 9ページ目の運用上の課題については、過去の廃棄にかかった費用を製品内部化する方法であるため、廃棄量と販売量がある程度一定である必要が求められますけれども、これにつきましては現在問題はありません。

 以上ありがとうございました。

○今田(一般社団法人日本自動車工業会)  それでは、お手元の資料5-3をごらんください。

 2ページの目次にありますとおり、この資料では次世代車普及見通し、及びELVの発生台数及び駆動用電池等の対応といたしまして、ニッケル水素電池及びリチウムイオン電池それぞれの対応につきまして、3つ目に新しい話題ですが、燃料電池車、FCVへの対応についてご説明申し上げたいと思います。

 ページをおめくりください。3ページにグラフが載っております。このグラフの上のほう、直線状の線が入っておりますが、これは次世代車の販売予想台数のそれぞれマックス値及びミニマム値でございます。この数値は「次世代自動車2010」の中から乗用車車種別普及目標のうち政府目標を取り上げまして、それぞれ2020年と2030年の値を計算しまして、2013年までの実績との間を直線で結んだものでございます。

 またこのグラフの下のほう、曲線状のものがありますが、これは次世代車のELVの発生予測台数のマックス値とミニマム値でございます。

 吹き出しにありますとおり、次世代車、ELVの本格な発生は大体2025年以降かなというふうに理解しております。まだまだ次世代車の廃車の発生は先なのかなと考えておりますが、自工会といたしましては、ハイブリッド車、電気自動車及びFCV、これらの市場投入前から先を見越しましていろいろな仕組みを構築し、また、日々見直しを実施しております。それらについて4ページ目以降でご説明いたします。

5ページをごらんくださいませ。

 使用済駆動用電池等の各社対応状況でございます。ニッケル水素電池、リチウムイオン電池につきましては、それぞれ搭載車を市場に投入しているメーカーにつきましては、既に回収スキームを構築済みでございます。

 ご参考までに2013年度の回収実績としましては、ニッケル水素電池が3083個、リチウムイオン電池がわずかでございますが35個です。ここでいえますのは、各社市場投入時に駆動用電池等の回収スキームを既に構築いたしまして、各関係事業者へご周知、並びに解体マニュアル等の情報を提供しておりますということでございます。

 これら回収スキームの一例といたしまして6ページをごらんください。

 トヨタの例でございますが、解体事業者及び販売店より電池を回収し、それをまた電池の材料に戻すというループを既に実現しております。

 次の7ページ目をごらんくださいませ。

 解体マニュアル等の情報提供でございますが、ここにあるように、各社とも回収及びリサイクルのマニュアルを作成し、公開いたしまして、しっかり解体業の皆様等へ情報を提供しております。

 8ページです。

 今回はじめてご紹介の内容ですが、使用済みニッケル水素電池のリユースでございます。これはトヨタの例でございますが、使用済みバッテリーをリユースした定置用蓄電システムを2013年より既に販売しております。これは車両販売店向けでございますが、既に実績がありまして、プリウスの使用済みバッテリーを使った世界初のシステムでございます。

 ページをおめくりくださいませ。

 同じくトヨタの例でございますが、バッテリーに含まれるニッケルのリサイクルということで、使用済みニッケル水素電池からニッケルを抽出して、またバッテリー材料に戻すというループが既に完成しております。

 同じく10ページでございますが、これはホンダの例でございます。

 同様に電池材料を使用済み電池から取り出し、また、バッテリー材料へ再利用するというループが完成しております。

 11ページをおめくりくださいませ。

 次はリチウムイオン電池のリユース状況でございます。日産の例でございますが、2020年からの二次利用商品の発売に向け現在、実証検証を実施中でございます。

 続きまして12ページです。

 使用済リチウムイオン電池の再資源化施設候補状況でございます。表中にありますように、電炉、製錬、焼却、セメント、そういったところを候補施設といたしまして、中には既に商業ベースで動いているところもございます。いずれにしても、まだ数は日本地図にプロットしたように少のうございますが、解体業の皆様等が困らない仕組みを実際に運用すべく候補を選定しているところでございます。

 13ページをごらんくださいませ。

 これらのリサイクルシステムの一例で、電炉を使った例でございます。電池を電気炉で溶融処理いたします。電池本体を解体、分別後に炉に投入するわけでございますが、電池の構成素材の一部は電力の削減効果及び還元剤、電炉として必要なものとして活用していただいております。

 続きまして14ページです。

 こちらのほうはセメント製造プロセスを使用する使用済リチウムイオン電池の再資源化例ということで、2社共同でやっていただいておりますが、セメントプロセス及び非鉄製錬における破砕選別技術を応用した金属資源再資源化リサイクルをただいま実証中でございまして、自工会としても試験用の電池をご提供するなどセメントに限らず、いろいろと全方位的にリサイクルについてはしっかりと取り組んでおります。

 ページをおめくりくださいませ。続きまして燃料電池車、FCVへの対応でございます。16ページをごらんください。

 今さらご説明の必要もないと思いますが、燃料電池車とは、水素と酸素を化学反応させて電気をつくる燃料電池を動力源とする車でございます。

 続きまして17ページをお願いいたします。

 これら燃料電池車への対応といたしまして、今までの車と違ったものとして水素のガスタンクを搭載しております。これら水素タンクの安全確実な取りはずし、及びクズ化の方法と再資源化方法をただいま検討中でございます。その検討の中で合わせてリサイクル設計、例えば取りはずし性ですとか、水素抜きの時間短縮といったリサイクル設計への反映をしているところでございます。

 また、これらの車の市場投入時には、解体事業者の皆様への周知と情報提供をすべく準備中でございます。これらの作業につきましては、ELV機構様と連携しながら進めております。その例といたしまして18ページをごらんくださいませ。

 これは今申し上げました水素タンクのクズ化とタンクの適正処理の実例でございます。

 上の写真でございますが、タンクのニブラによるクズ化でございます。ニブラというのは、写真中央に写っている解体業者の皆様がほとんどお持ちになっている重機でございます。これについては約5分で破砕し、クズ化することを実証しております。そのあと下の一連の写真でございますが、燃焼しがたいカーボン材の適正処理の実証といたしまして、電炉による適正処理試験も既に終了しております。

 なお、これらの事業は、環境省、行政とも連携して実証事業として自工会として進めております。

 最後になりますが19ページでございます。

 燃料電池車の再資源化の取り組み状況といたしまして、水素と酸素を反応させる燃料電池は処理困難物の使用がないことから、既存のインフラで処理が可能と考えております。技術については各社検討中でございます。燃料電池内には貴金属の触媒を使用しておりまして、これは従来からある廃棄触媒、これらと同様な扱いで有価での取引が可能だろうということで、したがって、既存インフラで回るだろうという判断でございます。

 いずれにしてもよりよい効率的な仕組みをつくっていくべく自工会として努力しております。

 以上でございます。

○永田座長  どうもありがとうございました。

 以上で前半のほうの資料の説明は終わりでございます。ご質問、ご意見等をお受けしたいと思いますので、申しわけございませんが、また名札を立てていただけますでしょうか。お手元のマイクをお使い願ってご発言いただきます。よろしいでしょうか。

○大塚(直)委員  簡単な質問を2点させていただきたいと思います。

 まず資料4-1で、自工会で環境負荷物質削減に懸命に取り組んでいただいていて大変ありがたいと思いますが、EU指令との関係としてお伺いしたいと思います。EUの廃車指令は2013年に新しくなっているようですが、2002年の目標のときに、EU廃車指令と整合させるということが書いてありますけれども、2013年の指令のほうにも適用されているのだと思うのですけれども、ちょっとそこを教えていただきたいということが1点です。

 もう1点ですけれども、資料5-1のところで鉛蓄電池についても懸命に取り組んでいただいていて大変ありがたいと思いますけれども、これは経済産業省さんとも関係すると思うのですけれども、この鉛蓄電池のリサイクルと資源有効利用促進法の関係というのはどういうふうになっているかというのを教えていただけるとありがたいと思います。行政指導とかされているのではないかと思うのですけれども、その辺今どうなっているかというのを教えてください。

 個別リサイクル法で一生懸命いろいろやっているのですけれども、リサイクルの横断的な仕組みというのは結構大事なものですから、それに関してお伺いしておきたいという一般的な質問です。おそれいります。

○永田座長  まとめてご質問をお受けして、あとお答えをお願いできればと思います。

○細田委員  それでは私も2点ご質問させていただきます。

 1点目は資料5-1の鉛蓄電池のリサイクルですけれども、回収されたものをこのようにリサイクルされているというのはよくわかるのですけれども、どうも日本国内で発生している使用済鉛バッテリーが相当海外に流れているらしい。多分3月の数字だと思うのですけれども、計算してみると最低3割は海外に流れている。基本的に多いのは韓国、中国にも流れはじめていて、それがリユースではなく、どうもほとんどがリサイクル目的である。これはちょっとシステムとしてまずいのではないか。回収をどう考えておられるのかということをご質問したいと思います。

 もう1点は自工会の資料5-3です。最後のフュエルセル、つまり燃料電池車なんですけれども、これはわかる範囲で結構なんですが、フュエルセルはどうしても電極とか触媒にプラチナをたくさん使われていて、その面では多分資源価値はあるのでしょうけれども、一方でタンクの処理、クズ化というのは恐らく相当コストがかかるのではないかと私は想像するのです。その辺の使用済車の電池とか、今コストがかかると思われるタンクの処理の経済面について、もし今わかる範囲で結構ですから、何か教えていただければ幸いです。

 以上です。

○永田座長  どうもありがとうございました。

 ほかにいかがですか。

○佐藤委員  私もバッテリーのリサイクルについて伺いたいと思います。

 鉛の蓄電池でございますが、広域認定で取り組みを広げていらっしゃるということは私も非常に評価したいと思います。ただし、鉛の電池の場合は有価であるというものと、廃棄物になっているものとの区別がよくわからないのですが、全体の規模として何%くらいが有価で、何%が廃棄物というふうに扱われているかについてもしご資料があれば教えていただきたいと思います。

○永田座長  ほかにいかがでしょうか。

 よろしければ一旦ここで切らせていただいて、今のご質問について回答をいただきましょうか。

○小西(一般社団法人日本自動車工業会)  ご質問ありがとうございます。

欧州指令に対して、どのように取り組んでいるのかとの事ですが、2013年5月から欧州指令の改定もありまして、日本としてはそこら辺の状況もかんがみて対応しております。特に欧州との違いという部分がございますが、欧州では部品、材料別の規制に対して、日本では総量規制という形を取っております。日本での取り組みは、決して欧州指令の規制内容に劣りがあるような自主取り組みは行ってないという状況でございます。宜しくお願い致します。

○永田座長  よろしいですか。あとFCの話は。

○加藤委員  FCVの処理については、技術開発中であり、現時点でコストは不明ですが、CNGのタンクもCFRP製のものがあり、高圧ガス容器検査所で、廃棄するタンクを引き取って処理する例もあり、埋立処分費も含め、タンク1本あたり1万円で引き取っていると聞いております。

水素タンクについては、自工会として、電炉での処理を含め、適正処理方法を開発中の段階。コストについては、もう少しお待ちいただきたい。

○永田座長  よろしいでしょうか。あとは鉛蓄電池。

○石川(一般社団法人鉛蓄電池再資源化協会)  鉛蓄電池につきまして、細田先生と佐藤先生についてお答えしたいと思います。

 まず佐藤先生からあったどの程度の規模かということでございますが、業界一般的にいわれている数字でみますと、当協会が集めているのは全体の5%程度というようにいわれております。残りの95%は有価として処理をされ、それが輸出に向かっているのではないかといわれていますが、そこについては私ども産業廃棄物としての取り扱い、それから、一般廃棄物としての取り扱いというものだけ扱っておりますので、輸出について云々ということについては何も触れずに処理をしておるのが現状でございます。よろしいでしょうか。

○小林自動車課課長補佐  では大塚先生からご指摘がありました3R法と鉛蓄電池の関係ですけれども、資源有効利用促進法では、自動車用の鉛バッテリーは対象外となっておりますので、別途こういった形でリサイクルシステムを構築していただいている状況でございます。

 以上です。

○永田座長  細田先生のお話はいいですか。

○細田委員  協会としては、回収という面でもう少し何かお考えになることはないのかということが質問の主旨なんですが。

○石川(一般社団法人鉛蓄電池再資源化協会)  回収につきましては、従来から産業廃棄物としての回収をメーンで行っておりまして、有価での回収ということは考えておりませんので、それについては別途もし必要であれば、行政等の支援でこのことを考えていただければと思っております。あくまでも当協会としては産業廃棄物としてのバッテリーの回収ということに徹しております。

○永田座長  よろしいでしょうか。

 ほかにご質問、ご意見等ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

 また最後にまとめてご意見をちょうだいしますので、そのときに何かありましたらここへ戻っていただくということにいたします。

 それでは議題の2番目のほう、「自動車リサイクル制度の評価・検討」に移ります。資料6、7、8でございますが、事務局よりまず説明していただきます。

○金澤自動車リサイクル室長  資料6「自動車リサイクル制度の評価・検討について」です。

 平成22年1月の合同会議の報告書では、「今回の検討から5年以内を目途に、改めて制度のあり方について検討を行うことが適当」と記載がございますので、今回、準備をさせていただいております。

まず検討のスケジュールですが、本日の合同会議が評価・検討のキックオフということで、全体の施行状況と高度化・効率化に向けた取組について説明をまずさせていただきます。次に、5年目の報告書で課題にのぼった事項についてのフォローアップ状況について説明をさせていただきます。

 それ以降の日程については、9月以降、関連事業者の方からのヒアリングを予定しております。

 論点整理については、ヒアリングの状況次第ですが、来年1月以降、報告書のとりまとめを考えております。

 また、検討の観点については、前回は法律施行後初めての見直しということもあり、法目的の達成度や、適切に履行されているかということの制度自体の点検が主な目的でしたが、時間とともに進んでいる点もございますので、毎年度の評価を踏まえつつ、大きく3つの観点でヒアリングと検討を行ってまいりたいと思います。

 1番目は、自動車における3Rの推進・質の向上。

 2番目は、制度の安定的かつ効率的な運用。

 3番目は、自動車リサイクル制度全体のあるべき姿ということを考えております。

 ヒアリング対象としては、前回同様でございますが、自動車製造業者等の方々、引取業者の方々、解体業者の方々、破砕業者等の関連事業者の方々、また自治体、指定法人の方々、おのおの力点はいろいろあろうかと思いますけれども、このような観点で進めてまいりたいと思います。

 以上でございます。

○永田座長  どうぞ資料7、8は、小松さんのほうから。

○小松自動車課課長補佐  それでは、資料7に基づきまして説明をさせていただきます。

 自動車リサイクル制度の執行状況と高度化・効率化に向けた取り組みについて説明いたします。

 まず目次で全体の流れを説明いたします。

 まず「0.自動車リサイクルを取り巻く周辺状況」につきまして、使用済自動車の発生台数や関連する制度等の改正について説明いたします。

 次に「1.法目的の達成状況」として、自動車リサイクル法の法目的である廃棄物の適切な処理、資源の有効利用の状況について説明いたします。

 次に「2.自動車リサイクルシステムの運用状況」として、使用済自動車の流通状況や取引価格、またリサイクル料金の預託状況等について説明いたします。

 最後に「自動車リサイクルシステムの高度化・効率化に向けて」として、法律に自動車製造業者や関連事業者の責務が記載されておりますが、その責務に対する取組の状況について説明させていただくとともに、自動車リサイクル制度の安定的・効率的な運用として、データをお示しさせていただきます。

 それでは、次のページから説明いたします。

まず自動車リサイクルを取り巻く周辺状況です。2ページ目、自動車販売台数の変化です。新車販売台数、中古車販売台数、輸入車新規登録台数ともに震災以降、増加傾向であることがグラフからおわかりになるかと思います。

 3ページ目、使用済自動車の発生台数の推移です。制度制定前には使用済自動車の発生台数を約400万台程度と想定しておりましたが、グラフの通り、現在は350万台程度で推移しております。

 4ページ目、中古車の輸出台数です。資料3-1でも説明いたしましたが、中古車の輸出台数については、リーマンショックや、ロシア等の主要輸出先国の関税引上げ等の影響もあり、一時減少しましたが、最近回復基調にあります。

 5ページ目、自動車リサイクル法に関連する制度改正などについて紹介をさせていただきます。まずは平成25年5月に閣議決定された第三次循環型社会形成推進基本計画についてです。本計画では、資源生産性をはじめとする物質フロー目標の一層の向上が図られたほか、質にも着目した循環型社会の形成を目指し、リデュース、リユースの取組の推進や、使用済製品からの有用金属の回収等のリサイクルの高度化が掲げられております。

 6ページ目、平成23年5月に施行された廃棄物処理法の改正についてです。こちらの改正については、罰金を3億円以下に引き上げる等の規制の強化が行われるとともに、優良な産業廃棄物処理業者の認定、優遇措置の創設など規制の緩和も併せて行うという形になっております。

 7ページ目、フロン回収・破壊法の改正についてです。本改正では、フロン類の生産抑制や、冷媒の低GWP化の促進等が盛り込まれております。

 次のページから法目的の達成状況に移ります。

 9ページ目、自動車リサイクル法の法目的です。使用済自動車に係る廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保等が記載されております。

次のページに使用済自動車の流れを記載されておりますので、適宜ご参照いただければと思います。説明は11ページ目から行います。

まず不適正保管・不法投棄の状況についてです。

法律の施行により、リサイクル料金は前払い制となり、不適正保管・不法投棄の発生抑制が進んだものと考えられます。下のグラフで新規発生台数と残存台数のグラフがありますが、ともに大幅に減少しております。

12ページ目、離島における不適正保管・不法投棄の状況についてです。こちらは豊島問題など法制定当時に大きな問題となっていた離島における不適正保管・不法投棄ですが、離島における支援事業の効果などもあり、大幅に減少していることがグラフからもおわかりになるかと思います。

13ページ目、不法投棄対策の支援制度についてです。自治体による不法投棄車両等の処理に対する支援制度として、自動車製造業者等の寄附による路上放棄車処理協力事業(路放協事業)と、法に基づく指定再資源化機関による不法投棄対策支援事業(支援事業)がありましたが、前者の路放協事業については平成22年に廃止され、現在は後者の支援事業に一本化されております。

支援事業においては、適用実績が少なく、また不法投棄事案の多くを占める中小規模事案への活用がなかったこともあり、平成24年度に事務手続の見直し等を行っております。資料3-1でも説明いたしましたが、昨年7月22日に富山県滑川市で処理台数1台という案件の実績が出てきました。

14ページ目、使用済自動車全体のリサイクル率です。シュレッダーダストのリサイクルの進展により、使用済自動車全体のリサイクル率は、制度制定前の平成12年度の約83%から、平成25年度には約99%まで向上をしております。

 次のページから詳細を説明いたします。

 ASRのリサイクルについてです。下のグラフをごらんいただきますと、法施行当初は約25%が埋め立てに回っておりましたが、現在は99%がリサイクル施設に投入されております。

 次のページにASRの処分状況がございますが、先ほどの紹介のとおり、大幅に減少しているということがご確認いただけると思います。

 17ページ目、ASRのリサイクル率についてです。資料3-1で説明いたしましたが、目標値を大幅に上回っている状況で、96%、97%といったところになっております。

 18ページ目、ASRの発生量についてです。1台当たりのASRの重量は赤い棒グラフですが、こちらについては車体の軽量化による樹脂の使用量増加などもあり、余り変わらず横ばいの状況となっていることがおわかりになると思います。

 19ページ目、産業廃棄物最終処分場の逼迫状況です。先ほども説明いたしましたが、ASRの処理が進んだことや、各種リサイクル制度の整備もあり、残余年数は増加傾向にあることがおわかりになるかと思います。

 20ページ目、認定全部利用の活用状況についてです。景気後退による粗鉱生産量の減少に伴い減少傾向にありましたが、近年、震災特需などもあり、粗鉱生産量の回復に伴って増加傾向にあることがおわかりになるかと思います。

 21ページ目、フロン類回収の状況についてです。フロン類は制度制定前からフロンの回収・破壊法により、その回収・破壊が求められておりましたが、法施行により、1台1台のトレーサビリティが確保されたということもあり、確実な回収・破壊が実施されております。

 22ページ目、フロン類の回収・破壊による地球温暖化対策への寄与について、データでお示しをしております。法の施行により、フロン類の回収が着実になされたことで、地球温暖化対策への寄与がありましたが、最近では温室効果の高いCFCの代替が進み、COの削減効果は減少傾向にあります。

 23ページ目、資源の有効な利用の確保に移ります。リサイクル部品の利用拡大として、リサイクル部品の市場規模の推移を下にグラフに載せておりますが、こちらは拡大傾向にあり、平成24年度には約2400億円弱の市場になっております。

 24ページ目、リサイクル部品を取り巻く周辺状況の紹介です。平成24年10月から自動車保険のノンフリート等級別料率制度が改定され、事故の有無によって保険料に差が生じることになり、軽微な事故の場合には保険を使わず自主修理を行うことが見込まれ、それに伴い、修理費用を抑えられるリサイクル部品の活用が期待されております。

 25ページ目、リサイクル部品における保証基準・品質検討基準の統一化についてです。リサイクル部品に対する信頼性を高め、一層の利用促進を図るため、日本自動車リサイクル部品協議会において、リサイクル部品の最低保証基準や品質検討基準の共通化が行われ、平成23年5月に公表されております。協議会に加盟しております12団体500社が中心となり取り組みが広がっております。

 26ページ目、経済産業省で開催をしておりますリサイクル部品の企画策定に関する研究会についてです。こちらは自動車ユーザー等が部品の状態を把握した上で利用選択をできるよう、平成26年1月より規格策定に向けた論点を整理しているところでございます。

 27ページ目、リサイクル部品の流通ネットワークについてです。こちらは下の図の通り、ネットワークがさまざまあり、その中でもシステムの相互運用が進んでいるということで、部品の流通がスムーズに行われているというご参考でございます。

 次のページから自動車リサイクルシステムの運用状況について説明いたします。

 29ページ目、使用済自動車の流通状況、取引価格についてです。制度制定前においては、ASRの埋め立て費用の高騰や、鉄スクラップ価格の低迷があり、使用済自動車の逆有償化が進んでおりました。左下、平成13年度調査時をごらんいただきますと、ディーラーから解体事業者、解体業者からシュレッダー業者、シュレッダー業者から最終処分業者へと処理費用を払うという形で使用済自動車が取引されていることがおわかりになるかと思います。法の施行により、サイクル料金が預託され、フロン類は約2300円、エアバックは約2400円、ASRの処理には約6700円がユーザーの負担となったため、右下の平成25年度の調査時をごらんいただくと、全体として有償で使用済自動車が取引されていることがおわかりになるかと思います。こういったこともありまして、逆有償化への対応というものが進んでいるかと思います。

 30ページ目、鉄スクラップ価格の推移についてです。鉄スクラップ価格は使用済自動車の価値を決める重要な要素の一つですが、リーマンショック前後、急激な変化がグラフにありますが、こうしたものを乗り越えて制度が維持されているということは、制度の強靱性を示しているのではないかと考えられます。

 31ページ目、ASR処理費用の推移についてでございます。法律の施行前は、ASRは安定型処分場の処分から管理型処分場での処分に変更されたということもあり、処理費用が大きく上昇しておりました。法の施行後については、リサイクル料金がASRの処理に充当されたこともあり、不法投棄のリスクが小さくなっている状況です。

 32ページ目、登録・許可の状況についてです。法律の制定により、引取業・フロン類回収業は自治体への登録を、解体業・破砕業は自治体による許可を受けることになりました。下の許可業者数の推移をごらんいただくと、許可解体業者数は推移とともに前後がありますが、電子マニフェスト上の移動報告のある解体事業者の事業者数はほぼ横ばいで推移しているところがおかりになるかと思います。緑色の線の破砕業者については、1000事業者強で推移をしております。

 33ページ目、経済産業省で昨年度実施した解体業者の経営実態調査の結果についてです。右下のグラフをごらんいただくと、平成22年度から平成24年度にかけて使用済自動車の発生台数は若干減少していますが、1事業者当たりの売上高は微増しているということもあり、解体事業者の経営力が高まっているということも観察できるのではないかと思われます。

 34ページ目が前ページの続きで、およそ7割の解体業者がリサイクル部品関連の事業に取り組んでおり、右下の売上高の構成をみていただくと、スクラップ販売が約3割、中古部品販売が約6割を占めるなど収益源の広がりがおわかりになるかと思います。

 35ページ目、自治体の行政処分の状況についてです。こちらは資料3-1で説明しましたとおり、行政処分の数は大幅に減少しております。

 36ページ目は、自治体と連携した取り組みの強化についてです。自治体をはじめとする関係者と連携した取組を進めるため、毎年、国主催で自動車リサイクル法関係行政連絡会議を開催しております。また、平成25年度には全国一斉立入検査を実施するなど取組の強化を進めております。

 37ページ目、リサイクル料金の預託の状況についてです。右下のグラフをごらんいただくと、平成19年度のところで預託割合は9割を超えている状況で、使用済自動車として排出される前の預託がおおむね達成されたものと考えられます。

 38ページ目、リサイクル料金の返還についてです。リサイクル料金の返還金額については、中古車の輸出の台数と連動して推移しているのがおわかりになるかと思います。

 次のページから「自動車リサイクルシステムの高度化・効率化に向けて」の説明に移ります。

 40ページ目、自動車製造業者等の責務についてです。自動車製造業者等の責務については、長期間使用できるように促進することや、再資源化等を容易にすること、再資源化に要する費用を低減すること、部品や原材料に関する情報共有などが盛り込まれております。こうした責務に対する取組の一例を次のページから説明いたします。

41ページ目、環境配慮設計の取組についてです。自動車製造業者各社はレアメタル等の使用量削減や代替技術、リサイクル技術の開発、導入を行っており、主な部品に含まれるレアメタルと対応技術については、下の表に記載があるように対応を行っているところです。

42ページ目、自動車製造業者等による情報提供の取組についてです。JARCのホームページにおいて、解体事業者を含む関係事業者にレアメタル関係の情報共有を平成24年より実施をしております。下のようなものがホームページに載っております。

43ページ目、使用済自動車の再資源化等に要する費用を低減させる取組についてです。こちらはシステムや施設の償却が進んだことや、処理の効率が進んだことにより、1台当たりのリサイクル料金が下がっていることがおわかりになるかと思います。

44ページ目、環境負荷物質削減の自主取組についてです。こちらは議題の1でも説明があったとおり、自主取組が進められております。

1枚おめくりいただきまして45ページ目です。環境省において、ASRに含まれる元素等の分析を行っており、こうした結果が自動車の設計に反映されるよう促すということを国において実施しております。

46ページ目、関連事業者の責務についてです。関連事業者の責務としては、知識及び能力の向上に努めること、引取業者の責務としては、料金その他の事項について使用者に周知を図ることなどが定められております。

47ページ目、解体業者による知識及び能力向上の取組についてです。日本ELVリサイクル機構では、関係機関の協力のもと、自動車リサイクル制度を平成25年度に開始しております。自動車リサイクルに関わるすべての関係事業者における自動車リサイクル法の正確な理解や、自動車リサイクルに関する知識、技術の習得を支援するため、その知識レベルの認定をこの自動車リサイクル士制度で行っております。下に開催実績がございますが、平成25年度は延べ930名の参加がありました。

48ページ目、自動車所有者の責務についてです。自動車の所有者の責務としては、長期間使用することや、自動車の修理にあたって再資源化により得られたものを使用することなどが定められております。

49ページ目、自動車の平均使用年数の推移についてです。こちらはグラフでおわかりになりますとおり、毎年大体0.5年程度ずつ伸びており、平成25年度は14.3年と長期使用の傾向にあることがおわかりになるかと思います。

50ページ目、国及び地方公共団体の責務についてです。国の責務としては、研究開発の推進とその成果の普及や、情報提供、広報活動などが定められております。また、地方公共団体の責務としては、当該地域の実情に応じた措置を講ずることとされております。

51ページ目、使用済自動車の再資源化等に関する研究開発の状況についてです。下の表で一例を示しておりますが、マテリアルリサイクルの高度化や、リユース品の利用の促進に加えて、レアメタルの回収・リサイクルの実証や、炭素繊維のリサイクルの調査等の次世代技術への対応など、さまざまな調査が行われております。以降のページで概要を示しておりますので、後ほどご参照いただければと思います。

57ページをごらんください。研究開発だけではなく、地方自治体が行う関連事業者への指導等に対する支援も行っております。平成24年度の環境省の事業では、近年増加している外国人解体業者に対する指導に苦慮しているという地方自治体の意見を受け、5カ国語で自動車リサイクル法の基本的な内容を説明するための注意喚起ポスターやチラシを作成し、自治体を通じて配布をするなどの事業も実施しております。

61ページ目、ユーザーの理解度向上のための取組についてです。下にJARCで行ったユーザーの理解度調査の結果がありますが、こうした調査結果を踏まえ、例えば若者への理解度向上のための教習所への広報を実施するなど、さまざまな広報活動を引き続き実施しております。

63ページ目、自動車リサイクル制度の安定的かつ効率的な運用についてです。安定的な運用については、主にシステムの運用状況の部分で触れましたので、主に効率的運用に向けた部分について説明いたします。

最初にリサイクルシステムの運用に係る費用についてです。下に平成25年度における資金の流れの概略図がありますが、左側にある所有者からフロン、エアバック、ASRの料金が支払われている流れが処理に直接かかる費用ですが、そのほかにも、右側にある情報管理、資金管理などシステムを支える部分でさまざまな費用がかかっていることがおわかりになるかと思います。また、法律の検討時の審議会の取決めにより、自動車製造業者等が情報管理業務、資金管理業務に係る費用の一部を負担することが定められております。

64ページ目、特定再資源化預託金等の発生状況についてです。特定再資源化預託金は毎年残高が増加しているという状況にあり、平成25年度末では利息も含めて100億円を超えております。特定再資源化預託金等の使途としては、離島対策支援事業や、情報管理業務の費用への充当などにしか使えないということで法律上限られておりますが、そうした使途の厳格なチェックと、余り残高がふえ過ぎないようにする、そういった双方の視点が重要になると思われます。

65ページ目、資金管理料金・情報管理料金の収支の状況についてです。資金管理料金・情報管理料金については、それぞれ一定期間内に収支が均衡するように料金設定が行われておりますが、その期間の半ばということもあり、それぞれ収支に黒字が出ている状況です。その黒字を充当する形で平成25年度より特定費用準備資金制度を活用して、情報システム刷新のための費用の一部をこの中で積み立てております。

66ページ目、メーカーのリサイクル料金の収支についてです。リサイクル料金の設定については、メーカーが車種ごとの処分時にかかる費用を推定し、設定をしております。施行当初は赤字傾向でありましたが、処理の効率化や、設備の償却が進んだということもあり、平成21年度以降は収支が黒字になっていることが、この緑のグラフでおわかりになるかと思います。将来的な設備の更新や、処理にかかる費用を勘案しながらも、リサイクル料金は引き下げられる傾向にあるということは先ほど説明をさせていただいたとおりです。

以上で、資料7について説明を終わります。

引き続きまして、資料8について説明いたします。

法施行後5年目の評価・検討の際の報告書に、個別課題への具体的な対策という項目がありましたので、その対応状況について説明いたします。資料7と重複する部分が多数ございますので、かいつまんで説明をさせていただきます。

1枚目の次、中古車と使用済自動車の取り扱いの明確化から説明いたします。

中古車流通や不適正保管の現場では、自動車の機能を損なった使用済自動車と考えられるような車両が存在しているという状況を踏まえ、検討事項として使用済自動車の判別のよりどころとなるガイドラインの策定が求められておりました。また、引取事業者及び解体事業者とオートオークション業界との間で認識の共有化をすることなどが検討すべき項目として求められておりました。

これに対する取組内容として、平成23年2月に使用済自動車判別ガイドラインに関する報告書をとりまとめ、引取業者からの必要な情報の提供や、オートオークション会場における使用済自動車と思われる車両の取り扱い等について、不法投棄や不適正保管の対応に向けた使用済自動車の判断基準をこの報告書の中でとりまとめております。

3ページ目、オートオークション業界と解体業者の意見交換の場の設置についてです。こちらは日本オートオークション協議会と日本ELVリサイクル機構の意見交換の場を設置しており、平成24年12月以降、継続的な開催を行っています。以降、それぞれございますが、後ほどごらんいただければと思います。

5ページ目のリユース部品の利用の促進については説明を割愛させていただいて、8ページ目をごらんください。発炎筒、タイヤ、鉛蓄電池の解体段階における回収スキームの構築についてです。

【参考1】各回収スキームの比較をごらんいただくと、議題1でも説明がありましたとおり、各工業会等が回収主体となり、解体段階での自主回収スキームの整備が前回5年目の評価・検討以降整備されております。

9ページ目、自動車リサイクルの高度化についてです。こちらは資料7で取組を紹介いたしましたので、レアメタルのリサイクルについて補足として説明いたします。

10ページ目のレアメタルのリサイクルに係る報告のとりまとめをごらんください。産業構造審議会と中央環境審議会の合同会合において、レアメタルリサイクルについて中間とりまとめを平成24年9月に実施しております。レアメタルを含む使用済み製品の排出が本格化してくる2010年代後半までの間を条件整備集中期間と位置づけ、回収量の確保や、効率性の向上、実証事業の実施、フォローアップの実施などを行うこととされております。

自動車の関係については、リチウムイオン電池等の事前回収物品化や、レアメタル等の回収・リサイクルの実証事業などを行っております。

12ページ目、不適正処理対策の推進についてです。こちらは13ページ目から説明いたします。

エアバック類車上動作処理業務監査方針の強化についてです。地方自治体と連携した合同監査の実施や、重大な違反があった場合にホームページで公表するなどの取組の強化を実施しております。

次に違法解体ヤード等への対策の強化についてです。平成25年2月12日付けで「使用済自動車の定義及び違法解体ヤード等対策の推進について」という事務連絡を発出し、自治体に対してヤードにおける違法解体が疑われる場合には、廃棄物処理法に基づく立入検査を積極的に行うことを要請しております。また、一部の地方自治体におきましては、条例による規制の強化なども行われております。

これ以降の15ページ目の不法投棄対策支援スキームの改善や、16ページ目の再資源化体制のさらなる効率化・役割分担、19ページ目の環境配慮設計の推進とその活用、最後に23ページ目の次世代自動車を含む新規技術への対応については、主に資料7で説明いたしましたので説明を割愛させていただきます。

かけ足となりましたが、資料8については以上です。

○永田座長  どうもありがとうございました。

それでは、後半の部分についてのご質問、ご意見等をちょうだいしたいと思いますので、また申しわけありませんけれども、名札を立てていただけますでしょうか。

○赤穂委員  まず直近でリサイクル率が99%に達しているということはやはりすばらしい結果であると思っております。預託金制度がリサイクルについて有効であるということがある程度実証されたのかなとも思っております。

 その中で預託金の今後の動向なんですが、今8000億円ぐらいということになっていますが、今後、これがさらにふえていく方向になっていくのかどうかというのを、方向がどうなっているのかというのがもしわかれば教えていただきたい。1台当たりの処理コストというのは下がってきていると聞いていますけれども、そうすると今後どんどん預託金が積み上がっていく可能性があるのかなとも思っています。

 それと特定再資源化等の預託金については、これは右肩上がりですごくふえてきていますけれども、今後これはまだまだふやしていく方向になるのか。それが適切なのかどうかということをもうちょっとみていきたいと思いますので、動向を知りたい。

 あとFCVに関しては、これから幾らのリサイクル料とかも設定されるかと思いますけれども、ここら辺どの程度の価格、料金設定になるのか。ある程度みえているのであれば伺いたいと思います。

 以上です。

○永田座長  どうも、あとでまとめて聞きますので。

○大塚(直)委員  資料7でご説明いただいたように、うまくいっているのだと思うのですけれども、ここに余り出てない問題で恐らく幾つかの問題があるのかなと思いますので、一応指摘させていただきたいと思います。2点と、あと1つはどうするかという話ですけれども。

 第1点としては、先ほど環境配慮設計との関係のところでお書きになっていただいたところがあったのですけれども、現在進んでいると思いますが、残念ながら自動車リサイクル法の仕組みが環境配慮設計に影響を与えているかというと、必ずしもそうはなっていないようなので、そこをどう考えるかという問題が一つはあるのかなと思います。

 各自動車の車種ごとの料金も基本的に重量との関係で設定されているので、環境配慮設計との関係が残念ながらインセンティブが出ていないのではないか。各メーカーで、環境配慮設計は自身でおやりになるからかまわないというお考えもあると思いますが、先ほどの法律の目的の中でも環境配慮設計のことが書いてあったので、値段の決め方のところに環境配慮設計の考え方を入れられないかという問題が一つあるのではないかということをまず指摘しておきたいと思います。これはもともとEPRというのは、メーカーさんの間でそういう環境配慮設計の競争していただくということなので、その観点は本来的にもあるはずですけれども、そこは余りやっていないことになってしまうのかというのが1つございます。

 それから、2つ目ですけれども、これも余り書いてないですが、関係者の方は皆さんよくご存じだと思いますが、現在、EPRの対象になっているのが3品目あるわけですけれども、このうちフロンに関しては減っていくということになりますし、エアバックも将来的にどうなるかというような状況もあるので、最終的にはASRだけが残るということに恐らくなっていくのではないかと思いますが、そこでASRのほうは、サーマルとか焼却処理とかになっていますので、ASRの処理の関係の法律というふうに位置づけないといけないことになっていってしまう可能性もあるものですから、そこをどう考えるかという問題です。EPRの対象品目を今後どうしていくかというのが2つ目の問題としてあるということです。

 それから、3つ目ですけれども、これはどうするか私自身が考え方を持っているわけではないのですけれども、事前回収物品が幾つかあると思いますけれども、これがふえると解体業者のほうは赤字になってしまう可能性があるのと、逆にユーザーの負担額が減るということになりますが、事前回収物品を今後どう位置づけていくのかというのが一つ問題となるのではないかと思います。

 あと1つだけ細かい話で恐縮ですが、先ほど資料8等の関係でレアメタルの話が10ページとかに出ていました。これは私もこの会議には参加させていただきましたし、ぜひリサイクルを進めていっていただきたいと思っていますけれども、他方でWTOが中国が違法な行為したことを認定しましたけれども、中国が輸出を今後また増加させると、レアメタルが安くなってしまうので、余りリサイクルを一生懸命やる気力がなくなってしまうかもしれないところがやや心配ですけれども、今後とも今回の事件のようないろんな事態に対応できるように、計画的な仕組みが重要だと思います。余りやり過ぎるというのはむしろ問題なのかもしれませんが、一定のレベルで続けていっていただくことをぜひご当局のほうにもお願いしたいということを申し上げたいと思います。

 以上です。

○鬼沢委員  今、大塚先生がおっしゃったことと非常に似た部分ですけれども、ユーザーがリサイクル料金を負担したということでリサイクルがかなり進んだというとてもいい結果の報告を受けましたけれども、3種類以外の部分がリサイクル法ができる前と今でどんなふうに大きく変わったのかというような大まかなものがわかったら教えていただきたいと思います。

 リサイクル料金をユーザーが負担したことに対して、社会でリサイクルが進んだのは非常にいいことだと思いますが、リサイクル料金をユーザーが負担しているということの自覚が余りないまま進んでいるということに対して、ユーザーへの還元というのか、情報だけでなく、どのような利益還元が実現できたと評価しているのかが課題なんではないかと思うので、その辺、何かもし結果がわかるものがあったら知りたいと思います。

○酒井委員  今回、資料7でリサイクル法の情報との関係で、特に目的とこの10年間の効果という文脈で整理をしていっていただいていることは極めて明確になっているという点で結構だろうと思います。特に法の目的との関係、廃棄物の適正処理と資源の有効な利用の確保ということの中では、廃棄物の適正処理の方法については放置車両等々に劇的な効果をもたらしたということは高く我々は評価していいのではないかと思います。その一方、後段の資源の有効な利用の確保というところが、今お示しいただいている指標で十分に測れているかということに関しては少し厳しく考えていったほうがいいのではないかということで、今後の議論の中で十分におつき合いをさせていただきたいと思います。

 すなわちASRのリサイクル率が当初目標を十分クリアしたからいいのだ、あるいはリサイクル部品の市場の規模が少しずつふえているからいいのだ、そういうふうに言い切れるかということはもう少しやはり厳しくとらえていきたいと思います。これがまず1点であります。

 それから、新型車の取り組みなんですが、きょう、前半でも自工会のほうからご紹介をいただいて、さまざまな取り組みをなされていることをよく理解をさせていただきました。ぜひよろしければ、あと加藤委員のほうから少しご意見をいただくのがいいのかもわからないと思っているのですが、これが今技術開発という視点のみで取り組まれている話なのか、あるいは自動車メーカーが大きな社会システムをつくって十分に回しきるという方向を模索されているのか、そのあたりに関して、この自動車リサイクル法との関わり方という点でも重要かと思いますので、今どうお考えになられているのか少しお聞きをしたいという気がしております。急な話で無理だということであれば結構でございますので、希望ということでお伝えします。

 前半の資料の中で電気自動車をELVと略語を使われたのですが、これはぜひ避けていただきたい。今世界的にはELVを End-of Life Vehicles、いわゆる使用済自動車をELVと呼ぶならわしがほぼ定着してきておりますので、今、日本が電気自動車をELVといいはじめたことは非常にややこしい話になるということは、これはお願いをしたいと思います(発言者註:資料5-3の3頁で、「次世代車ELV」との表記があり、これを次世代車=電気自動車=ELVと表記していると解釈し、電気自動車は、Electric Vehicles (EV)と表記すべきとの趣旨での発言でした。「次世代車ELV」とは「次世代のELV」の意味で、電気自動車、ハイブリッド自動車、および燃料電池自動車から発生する使用済み自動車との趣旨で「次世代車ELV」と称されていたとの説明を事務局より受けました。よって、電気自動車をELVと表記しているわけではないことを確認しましたので、このパラグラフの発言は取り下げることとさせていただきます。)。

 以上でございます。

○佐藤委員  自動車リサイクル法は、ほかのリサイクル法に比べて非常によくできていると私は思います。その理由は、今までの既存のパートナーを有効に利用している。そして最初に廃棄物のみなし規定をつくって、その中で順々に資源を有効利用していくという、その利用の仕方が非常に上手な法律だと私は思っております。

 しかし、当初はよくできた法律であっても、改めて考えますと、現在の第三次の環境の循環型社会形成推進基本計画に照らして、少し視野が狭くなっているのではないかと思います。

 具体的には循環資源の高度利用、それから資源の確保というのが今、日本においては非常に重要な課題になっているわけです。そうしますと、車の中にある資源というのは一体どこにあるのかというふうに1回視野を広げて考える時期にきているのではないかと思います。

 例えば先ほど鉛バッテリーのお話がありましたが、鉛が非常に重要な資源であるというふうにとらえれば、自動車のライフサイクル全体においてこの資源を有効に集めて、そしてそれを見える化するという、今、誰がどう扱っているかわからないという状況ではなくて、その総体をとらえて資源として管理する。それから、そこに含まれている鉛等の有害性、そういうものも同時に管理していくということで、資源性の管理と有害性の管理を同時にするという観点が必要ではないかと思います。

 それから、タイヤの問題も、確かに資源価値が上がっているということでありますが、やはり不透明な状態が続いているのではないかと思います。一時的に価格が上がって、またそれが下がったりしますと、安定的な資源の確保、そして有効利用というものができない状態だと思いますので、これについても全体像の把握と、不法投棄の防止、そして有効利用の確保、しかも安全で安定的な確保というものについての透明化が必要ではないかと思います。

 その意味では、自動車メーカーだけが責任を負うのではなくて、自動車に関連するさまざまなパートナーがそれぞれの役割を果たして、小売店や部品メーカーも含めて役割を果たしていくということが必要だと思います。

 もう1点は資源の利用量を減らすということですね、省資源とリサイクル品の利用の活用、これも非常に重要な課題ではないかと思います。EUでは省資源化、あるいはリサイクル部品、リユース品、あるいはリサイクル品の使用の率を高めるということを目標にしていると聞いております。同じように、こういうものについても目標値をもって達成していくということが今の循環型社会の中では必要ではないかと思います。

 以上です。

○永田座長  どうもありがとうございました。

○細田委員  それでは簡単に3点、1つはリサイクル率で何人の委員の方もおっしゃっていました。99%ということで、2015年に目標率は95%でしたか、これをはるかにクリアしていることはすばらしいことだと思います。欧州もたしか95%の目標でまだなかなか達成していないということで、これもすばらしいと思うのですが、もしわかれればでいいのですけれども、欧州の基準と日本は違いますね。その点を勘案した上で、なおかつ95%、欧州基準でも95をざっくりクリアしているのかどうなのか、もしわかれば教えていただきたいというのが第1点目です。

 第2点目は、これも今、佐藤委員がおっしゃいましたけれども、そろそろ潜在的な資源を確保するという意味で、リサイクルするのはいいけれども、どうやってそれを使いこなしていくかという発想が必要だと思います。現に欧州ではルノーあたりが先進的に2次資源を使っていこう、天然資源を節約していくという、そういうことをやっていると思うのですね、日本の自動車メーカー各社、どういう努力をこれからされようとしているのか、その辺を伺いたいと思います。

 第3点目、ちょっとこれはマニアックな質問で申しわけないですけれども、ASRのリサイクル率でこれも非常にうまくやっていてすばらしいと思うのです。多分今でも小名浜製錬を使っていると思うのですけれども、3・11のとき、かなり小名浜製錬はやられて、私はちょっと心配したのですが、ASRのリサイクル率が落ちてしまうのではないかと思ったのですが、この資料をみていますと、つつがなく2011年も、12年にかけても非常にクリアにASRのリサイクルをやっていらっしゃるので、この辺どうやって融通していったのか、どういう施設の使い回しをしていったのか、これは情報として教えていただければ幸いです。

 以上です。

○松八重委員  1点、資源性について少し質問といいますかコメントさせていただきます。

 自動車リサイクルの高度化というのを考えたときに、先ほど来、資源性という言葉が出ておりますが、確かにリサイクル率という意味では95%以上ということで非常にすばらしい値だと思います。ただし、例えば非常に重要なメタル、ニッケルですとか、マンガンですとか、そういった希少資源にターゲットにあてたときのリサイクル率というものが果たしてどれほど達成できているのかということについて私は少々疑問に思っております。特に鉄系合金元素に着目したときに、ELV由来のスクラップが冷鉄源として電炉に入れば、確かに鉄は鉄として循環しているかもしれませんが、ベースメタルに乗っかっている合金元素はスラグ、あるいは必要のない元素としてメタル中に介在しているというような場合、これは果たして資源が適切に循環しているといっていいのかというようなことですね。これまでは安定に他の環境中に影響をもたらさない形で自動車を処理するということが重要だという視点が主だったと思うのですが、今後その辺の資源循環のことをもう少しきめ細やかに考えていくということが必要なのではないかと考えております。

 その上で、例えばベースメタル中に含まれている元素を抽出するという観点と、抽出をしないまでも、それをうまく活かすという視点とでは少し考え方が違うと思います。例えば今いろんなものに使われていますニッケルやクロムについて、これらを抽出するというような観点になりますと、非鉄製錬にもっていって、それを純度の高いものとして回収、再資源化をするというようなことで、鉄系合金元素に関していうならばそれはあまりにも無駄の多いプロセスになります。他方、低純度でスクラップに存在している元素について、配慮をしなければ、あとはまぜてしまって溶かして、スラグにいくか、メタルに残るか、規格値以内に管理しておけば良いというのが主流となっています。両極端ではない、もう少し中間のカスケード利用のうまい方法というものを考える必要があるのではないかと思っております。そのための方法としてスクラップとベースメタル生産プロセスの合金別マッチングと、これを機能させるマーケットの仕組みづくり、それからインセンティブ付与、この3つが重要なことだと思っております。このあたりに着目しつつ、金属循環のもう少し高度な循環というものを考えていくことが今後必要なのではないかと思っております。

 以上です。

○武藤委員  電池について、3Rとの関係で意見というか質問なんですが、資料7の5ページ、第三次循環型の基本計画のところにも書いてありますが、リサイクルよりは優先順位が高い2R、リデュース・リユースの取り組みがより進むというのを目指すというふうに明確に書いてあるのですが、自動車に置き直してみますと、今非常に電池が着目されているわけで、このウエートがどんどん上がっていくと思いますが、これは車の中の単価が高いですね、これが中古車になったときに、使えなくなったらまた新しい電池を乗せるということになると相当高い中古車になって、なかなかこの流通はうまくいかない。やはり中古車として流通をするためには電池のリユース、これも考える必要があるのではないかと思います。これについては、例えばニッケルなりリチウムでもセルでできていて、400ぐらいあるセルのだめになった部分を変えるだけでまたリユースが可能だという話も聞いておりますので、できるだけ解体業界にそういった電池のリユースの情報をメーカーが出して、解体業界でそういう電池のリユースが可能になれば、中古部品の流通と同じように電池の流通も進んでいくのではないか。これは海外に電池自動車を輸出したら、海外の中古車にも日本から新品の電池を供給しなくてはいけないことになるということも考えると、やはり中古部品等の流通を海外でもやるし、日本でもやるということを考えなくてはいけないのではないかというのが私の意見です。

 以上です。

○村上委員  できるだけほかの方とかぶらないところでいきたいと思うのですが、そうはいっても、さっきからたくさん出ているとおりで、主に高度化のところなんだと思いますが、リサイクルの中身の質みたいな話をやはりフォローするような作業はぜひしていただきたい。具体的には中身でとても細かい例はさっきも松八重先生からいただいていましたけれども、そんな細かい話ではないとしても、例えば貴金属がちゃんととれているのかとか、その量はどう動いているのかというレベルでもかまわないと思うのですが、その辺のフォローをちゃんとしていただきたいなと思います。目標値を出せというのではなく、まずはフォローをしようというところかなと思います。

 それに関連して、やはりそこでインセンティブが働きにくいとか、仕組みによって危ないとかというご指摘がほかの委員の方からあったと思います。そういう意味で、何がしかのインセンティブを出せるのかどうかの検討はもし可能であればしていただきたいと思います。

多分それに関わるのだと思いますが、今の資料のご説明で、個別の事業としてさまざまな取り組みを国から補助金を出されるとかいう形でやっておられるというのは大変よろしいことだと思うのですが、基本的にはそれがやったことが定着しないと意味がないと思いますので、そのあとどういうふうに展開していっているのかというあたりのフォローアップもしていただければよろしいのかなと思います。

 あともう1つ質問なんですが、基本的に自動車リサイクル法は、中古自動車がどこかにいく分には関係ないのだとは思っているのですが、次世代自動車の中古車輸出が出ているのかどうかだけちょっと気になるので、もし数字があれば教えていただきたいですし、無理であればそのうち教えていただければと思います。現時点であの手のものが出ていくことというのは、既存の普通の内燃機関のガソリン自動車が出てくるのとはちょっとニュアンスがいろいろ違うのかなと思いますので、その辺、みるだけみておいたほうがよろしいのではないかなと思います。

○和田委員  私のほうから不適正処理の関連についてご質問させていただきます。

 資料の中には違法解体ヤードという対策強化ということで一例を示していただいてございます。自動車リサイクル法の施行、それから廃棄物処理法の規制強化ということで、従来のような極端な不適正な事案というのは随分と減りまして、私どもとしても一定の安心はしておるわけなんですけれども、なおごく一部の事業者に限るわけなんですけれども、やはり不適正な解体、あるいは破砕というふうな行為は残っておるという状況もございます。

 そういう中で、当然私ども自治体が頑張らなければいけないというところはもちろんなんですけれども、この資料の中には例えば自動車リサイクル士制度の開始というふうな教育的な取り組みもございます。それから、あと場合によっては罰則の強化というふうな部分もあろうかと思います。そういうふうな不適正な解体・破砕等をなくしていく取組の方向性につきまして、現在のところでお話できるところがあればご説明いただきたいと思います。

○永田座長  あとから何名かの方。

○河村(二)委員  資料の8番をみていただきたいのですが、この中で2の発炎筒の項目で記述がちょっと違うのではないかというところがありまして、みていただきたいのですが、発炎筒の回収スキーム、一番下のほうですね、日本炎筒工業会が中心となり、解体業者が発炎筒保管を云々とあるのですが、これは多分排出事業者となるのですね、解体事業者だけでなく、例えば販売でも、修理でも、車検時に発炎筒、使用期間がありますので交換することがあるのです。これは排出者、解体業者も排出者ですね、修理工場も排出者、関係者も排出者なんですね。その記述でないとここがちょっと違うかなと私は思います。よろしくお願いします。

○永田座長  発炎筒の排出、括弧で書いてある中身も煙でなくて炎で書かないといけないですね。さっき保安炎筒工業会のほうから説明がありましたので、いいですね、その話は、今の排出者という格好で書いてあったと思います。

○河村(二)委員  はい。

○河村(真)委員  資料7の38ページのリサイクル料金の返還のところで質問なのですが、当初は返還申請がなされないケースがあったと考えられるが、直近では輸出仮抹消台数と返還台数が近づいてきておりと書いてあるのですが、2009年から先、近づいてきておりという感じには余りみえなくて、グラフを読みとると、17万台とか20万台弱ぐらい、返還台数と中古車輸出台数の間に差がずっとあり続けているかなと読み取れて、これは、収集団体に預託金として集められたお金が当初の目的で使われずにそこに残っていくということだと思うので、この数字を近づけるための試みとか、そういうご努力とかがあるのなら、聞かせていただきたいと思いました。

○大石委員  2点だけ。

まず1点ですけれども、資料7の中にユーザーの理解度向上のための取り組みというのがあるのですけれども、私たち消費者は実際に車を持つ人もいますけれども、このごろはカーリースなどで車を持つのではなくて、使うだけという人も結構ふえています。特に都会ではそういう方が増えている中で、リサイクルについての認知度を高めるためには、そういうリースを行っている事業者へのいろいろな教育とか広報協力の取り組みも必要なのではないかなと思います。

 それから、もう1つ、これは参考資料のほうで、鉛のバッテリーの話はあったのですけれども、もう1つ消費者の目にみえてリサイクルで気になるのはタイヤです。タイヤは結構処理が進んでいて、しかもそれは有価で販売できるからだということでしたが、逆に今、廃タイヤの輸入がふえているというのが参考資料の15に書いてありました。廃タイヤがそれだけ日本に入ってきているということは、逆に日本の廃タイヤも有価で取引されて再資源化やサーマルで使われているということだと思います。その金額はどれくらいなのか、また、今後もっと廃輸入タイヤがふえてくると温暖化に対してはどうなるのだろうか、そこの辺りが気になりましたのでご説明いただければと思います。

○下平委員  私も資源の関係で質問といいましょうか、意見があるのですけれども、省資源という意味では、自動車は資源の塊ですね、自動車の長期使用というのが非常に大事ではないかと思うのですが、法の目的にも書いてございます。先ほどのご説明の中でも、自動車の長期使用化に向けた取り組みというようなご説明は余りなかったように思うのですけれども、確かに自動車の使用の長期化は今進んでいるのです。それは経済的な理由からやむを得ず古い車を乗っている。特に地方の方がそういう理由で乗っておられる。こういう現状なんです。ところが車の利用で非常に大きなインセンティブになる税制ですね、重量税とか自動車税、これは最近は環境という観点から、古い車には重い税を課すという重課、これがどんどん進んでおります。これが実はかなり古い車を早く廃棄するという方向に作用しているところがございまして、特に地方の人は経済的な理由から古い車に乗らざるを得ないのですけれども、それもできない。非常に難しくなっている。こういう事情がございますので、やはり車を大事に維持管理して使うということがいかに資源を有効に利用するのか、リサイクルの量を減らすかということをもっと社会に認知してもらえるような取り組み、そういうことも併せてしていく必要があるのではないかと思いました。

○渋谷委員  多少重複してしまう可能性もあるのですけれども、まず1点目が循環型社会形成推進基本法の中で、2Rというのは今取り組みを進めていく必要があるということであるのですけれども、さまざまリサイクル品ですとか、リビルト品みたいな形でメーカーさんなどがそういった形で取り組んでいただいているというところだと思いますが、なかなか一般ユーザーはそういったものがあるとかというのは、私も車を持っているのですけれども、実際にはそこまでメーカーさんとかディーラーさんがいってくれるまでわからないというのが何となく実態かなというふうに思っているのですけれども、そういった広報みたいな取り組みをしていらっしゃるのでしたら、そういった取り組みを引き続きお願いしたいということと。

 あと自動車リサイクル士という制度で研修等を行っていただいているところなんですけれども、解体業者さんから破砕業者さんにいくときに、車の燃料タンクの燃料がうまく抜けていなかったということで、破砕業者さんで破砕したときに火災が起きたりとかというような部分があったり、あと今回の資料の中にもありますように、欠格要件に該当して取消があるということで、自動車リサイクル法に違反したというよりも、廃棄物処理法に違反してという、そういったような形で、残念な形でせっかくとった許可が取り消されているような現状がありますので、そういった部分も含めて自動車リサイクル士制度の中で、そういった法の趣旨ですとか、欠格要件について再度説明をしていただければ、理解していただいて適正な廃棄物の処理をしていただくような形で進めていただきたいなと思っております。

 それとあと廃掃法の改正が平成22年、もっと前に12年、16年ですとか、そういった形で改正が行われて、欠格要件の見直しですとか、強化ですとかという形で行われてきたのですけれども、今回の自動車リサイクル法は、廃棄物処理法が平成12年施行当時の許可の基準でしたり、許可の取消の内容になっているというような形なので、その辺も含めて今後どうしていく予定があるのかどうかというのがもし今わかれば教えていただきたいなと思っております。

 以上です。

○永田座長  どうもありがとうございました。

 ひとわたりご意見をちょうだいしました。ご質問もあったかと思いますが、ちょっと終わりの時間に近づいておりまして、聞いていますと、これからの見直しの検討の方向性とか、あるいは視点とかというような形でいわれたもの、質問の中にもそういう視点もあったかなと思っていますので、そういう形で処理させていただくものと、それから、見直しの中で最初にヒアリングを関係者の方からさせていただく、その関係者のヒアリングの中で説明していただきたい内容もあったかなと思っていますので、今後の処理の仕方としましては、その分については今回、ここではもう取り上げさせていただかないという方向で対応していきたいと考えていますので、よろしいでしょうか。

 あと残った部分についてで、自工会に対する質問が結構多かった。あるいはご意見もあったかもしれません。委員で加藤さんが来ておりますので、何かあったらまずコメントいただけますか。

○加藤委員  余り時間もございませんけれども、何点か、大塚先生のほうからDfEの関係、ご意見がございましたけれども、リサイクル料金とDfEの関係では、フロンについて、脱フロン化を進めております。また、エアバッグは、JAMA方式からISO方式に移行させていくことで、輸入車も含めて同じツールで対応できたり、ツールを接続する先がOBDとなって一本化されること、展開済の記録が自動的に行われるなど、解体事業者の利便性が高まると考えており、秋口くらいにISO方式のツールを提供できるようにしたいと考えております。

 この他に、リサイクル料金には関係しませんが、易解体設計の導入、リサイクル材の利用、環境負荷物質の使用削減など、メーカーとして総合的な取り組みを行っているところです。
 それから、赤穂委員からFCVの価格設定はどうなるのかということですが、FCVのリサイクル料金は、今は申し上げられませんが、リサイクル料金は3品目を対象としているので、普通の車と大きく変わらないと考えております。
 預託金については、ご存知のとおり、預託金とリサイクルの際に支払われる金額は、一台一台紐付されている状況です。

 酒井委員からあった、メーカーのFCVに対する意気込みに関する質問については、駆動用電池を事前取外物品化した時と同じように、適正処理をするインフラの整備が必要と考えている。メーカーが直接行えない部分もあるが、メーカーとしても、効率的に適正処理ができるよう現在、技術開発を進めているところです。また、役割分担の議論も必要と考えております。

それから、細田委員からの質問ですが、東日本大震災のときには、小名浜製錬は7月には復旧できた。また、震災直後は、廃車自体が減ったこともあり、周辺の稼働していたASR処理施設に多く引き取ってもらうなどして、対応ができました。
 EU基準でのリサイクル率については、データが手元になく、答えられない。欧州には、サーマルキャップがある一方、日本はサーマルリサイクルが主流となっている状況です。
 鬼沢委員、松八重委員の発言にもあったが、リサイクル率のベースとなる83%の部分が、自動車リサイクル法でユーザーが3品目のリサイクル料金を負担することで、どう底上げされたか検証する必要があると思います。
 EUのサーマルキャップについては、自工会として欧州を視察しましたが、例えば、ドイツでは、岩塩を掘った穴をASRで埋めればマテリアルリサイクルになるという状況です。
 マテリアルリサイクルについては、社会的に有益ならば、メーカーとしても取り組む所存ですが、その際には、LCA、LCCの観点からの検証も必要と考えております。
 自工会への質問ということでほかに何か抜け漏れはございましたでしょうか。

○永田座長  さっき、簡単な話で、次世代車の中古車で海外輸出の例なんかあるのかという話をされていましたね。わからないですか。

○加藤委員  自工会の中では、今統計的に中古車輸出がどうなっているのかというのはとってございませんけれども、漏れ聞くところによると、ハイブリッド車なんかも外に出ていっているということは聞いております。

○永田座長  中古で。

○加藤委員  はい。

○永田座長  よろしいでしょうか。事務局サイドのほうで。

○小松自動車課課長補佐  ご質問、ご意見としていただいた点は、検討項目や、ヒアリングの中でも取り扱いさせていただければと思います。

 質問としていただいた点として、次世代車の中古車輸出の割合・台数については、データを調べて、出せるようであればお示ししたいと思います。

 先ほど河村委員からございました輸出返還についてですが、こちらグラフの中では輸出仮抹消の台数を記載しているのですが、実際には輸出本抹消があったあと返還をしておりますので、主にこの輸出仮抹消と本抹消の台数の差ということになると思いますが、そのあたりのデータも精査をさせていただければと思います。

 広報についてや、環境配慮設計・レアメタルリサイクルのインセンティブ等については検討の中で議論させていただければと思います。

 以上でございます。

○庄子室長  環境省の関係でいいますと、例えば不適正な処理でありますとか、あるいは廃掃法の欠格要件との関係といったご意見もちょうだいいたしましたが、そちらも今後の審議会のご議論の中でまた検討させていただければと思っております。

 以上でございます。

○永田座長  どうもありがとうございました。

 ということで、いろいろいただいた意見、十分に整理しきれないで次回に回してしまうような格好になりますが、いただいたご意見の中で質問の形をとったり、コメントの形をとっているのですけれども、先ほど大塚先生のいわれた自リ法とDFEの関係なんというのは、本当にそれが有効に機能していたのかどうか、あるいはそれをもう少しきちっと対応していかなくてはいけないのかどうか、そういう点を含めて検討課題になってくるのかなと思っていますので、現状がどうだったかという分析とともに、今後の見直しの課題としてもあげられる話かという気もいたします。

 それから、先ほどリサイクルの基準の話もありましたが、あれも施設活用率だとか、いろんな基準をつくりました。そういうのが適正なのかどうかというのはやはりもう一遍見直してみる必要はありそうかなと思っていますので、その中でEUとの関係とか、そういうものも調べていけるのではないかと思っています。

 それから、資金の話が出てきました。特預金もそうなんですけれども、特預金については、ほうっておいてどんどんたまる方向だけでいいのかという議論が前からありましたので、それは一つ大きな今後の対応の議論のシーズになってくるのかなと思っていますし、一方で自動車の販売台数が日本国内でどう変わっていくのかというのが、トータルの資金全体がどう動いているのということにかかってくるわけで、その辺はなかなかすぐに見通しが出てくるわけではないのですが、ただ、JARCのほうでそういう推計のことをシンクタンクに委託していますので、そういうのがまた出てきましたら、ここでも共有させていただきながら将来展望をみていって、安定的な運用が本当に可能なのかどうかというようなところをひとつ議論のネタにしていただければと思っております。

 それから、先ほど出てまいりました安定的でかつ強固なシステムかどうかという議論なんですけれども、そういう中でも台数の減少だとか、あるいは価格変動、いろんな価格変動があるかと思います。そういうものがどういうふうに影響して、あるいはどういうふうに吸収されて安定的なシステムになっているのかというような議論も少しいろいろやっていただけると、将来的にもこの制度はいいのだ、あるいはどこをいじっていけばさらに長期間安定的に運用できるのかというようなところもみえてくるのかもしれません。ですから、議論していただく内容として受け止めさせていただいたところが結構多いなと思っています。そういうことで処理をさせていただきます。

 ということで最後に、1と2の2つの議題があったわけですが、まとめてこれだけはいっておきたいとはいう話がありましたら最後にお聞きしますがいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、本日の議論はこれで終了させていただきます。次回は引取業者、それから、流通業者の4団体、名前は申し上げませんが、そこからヒアリングを実施したいと考えております。具体的なヒアリング項目につきましては、本日の議論を踏まえまして事務局でとりまとめるという形で対応させていただきます。

 ご多忙の中、お集まりいただいて貴重なご意見を賜り本当にありがとうございました。

 資料の取り扱い等については事務局から説明させていただきます。

○小松自動車課課長補佐  本日はどうもありがとうございました。

 本日の議事録につきましては、発言者を記名したものも後日、各委員に配布いたしまして、事前に各委員のご確認をいただいた上で公開をいたしますのでご了承ください。

 また、次回の開催日程につきましてですけれども、皆様に現在スケジュールをお伺いして調整させていただいているところでございますけれども、確定次第ご案内させていただきたいと思います。

 以上です。

○永田座長  どうもありがとうございました。

 それでは、これで終わりにさせていただきます。

――了――