中央環境審議会 循環型社会部会 廃棄物処理制度専門委員会(第6回) 議事録
日時
平成28年10月28日(木)10:00~13:00
場所
航空会館大ホール会議室
議事
- 開会
- 議題
(1)健全な資源循環の推進
(2)その他の廃棄物処理制度における論点
(3)その他 - 閉会
資料一覧
- 資料1
- 廃棄物処理制度における論点の検討 その2
- 資料2
- 廃棄物処理法とバーゼル法の「すきま」にまつわる雑品スクラップの取扱いの現状について
- 資料3
- 鳥取県使用済物品放置防止条例の制定過程と施行後の状況
- 参考資料1
- 廃棄物処理制度専門委員会(第6回)参考資料
- 参考資料2
- 廃棄物処理政策における論点整理(案)
- 参考資料3
- 中央環境審議会循環型社会部会廃棄物処理制度専門委員会 委員名簿
議事録
午前10時00分開会
○小野企画課長 おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから中央環境審議会循環型社会部会第6回廃棄物処理制度専門委員会を開催させていただきます。
委員の先生方におかれましては、ご多忙にもかかわらず御出席いただきまして、大変ありがとうございます。
なお、本日御欠席の山田委員の代理といたしまして、池田説明員に御出席をいただいております。よろしくお願いします。
それでは、カメラ撮りにつきましてはここまでということでご協力をお願いいたします。
次に、お手元の配付資料ですが、議事次第の下に資料一覧がございます。ご確認いただきまして、資料の不足等ございましたら事務局にお申しつけいただきますようお願いいたします。
専門委員会の資料ですが、原則、全て公開ということとさせていただきたいと思います。
また、専門委員会終了後に発言者名を示しました議事録を作成いたしまして、ご確認をいただきました上で、公開させていただきたいと考えております。
それでは、以降の進行につきましては大塚委員長にお願いしたいと存じます。それでは、よろしくお願いいたします。
○大塚委員長 委員長の大塚でございます。どうぞ本日もよろしくお願いいたします。
それでは、時間も限られておりますので、早速本日の議題に入りたいと思います。
本日は、前回に引き続きまして、個別の論点のうち、健全な資源循環の推進、その他について議論してまいりたいと思います。
まず、冒頭に資料1の廃棄物処理制度における論点の検討、その2のうち、論点7について事務局から説明をいただいた後、この論点に係る現状について有識者からお話をいただくとともに、資料中に紹介されている鳥取県の条例につきまして、鳥取県さんからご説明をいただきたいと思います。その後で、皆様からご質問を賜りたいと考えております。
さらに質疑応答の後、休憩を挟みまして、資料1の廃棄物処理制度における論点の検討、その2のうち、残りの論点につきまして事務局から説明をいただいた後で、また皆様から自由にご意見を賜って議論してまいりたいと考えております。
本日の終了は13時を予定しておりますので、どうぞよろしくご協力のほどをお願い申し上げます。
では、まず初めに、資料1、廃棄物処理制度における論点の検討、その2のうち、論点7について、事務局から説明をお願いいたします。
○相澤廃棄物・リサイクル制度企画室長 ありがとうございます。それでは、資料1をご覧いただければと思います。まず、1ページ目に検討すべき論点7ということで、以前まとめました論点整理の中で書いてある内容を四角囲みの中に書かせていただきまして、それをさらに深掘りしてご検討いただく内容については、その下のほうに丸をつけてポイントを記載させていただいております。
まず、これまでの論点のおさらいをさせていただきますけれども、廃棄物の越境移動の適正化に向けた取組としまして2点、アとイという内容を挙げております。
1点目、アというところですが、これはバーゼル法との「すきま」の解消と書かせていただいておりますが、ポイントとしましては、不適正な輸出入の取り締まりの実効性が十分確保できず、それによって海外でも環境汚染が生じているおそれがあることから、こうした「すきま」の解消する仕組みのあり方を検討していくべきではないかという話。
二つ目、イのところですが、バーゼル法と廃棄物処理法による輸出確認と、廃棄物の輸出確認が二重になっているのではないかと、それを迅速化すべきではないかという点。
3番目といたしまして、廃棄物等の健全な再生利用・排出抑制等の推進に向けた取組として記載してありますのは、これは論点整理ペーパーでは別のところに書いてありますけれども、こちらは国内的な観点から、スクラップヤードにおいて不適正に取り扱われることによった使用済の電気電子機器等が不適正に取り扱われることによって、こうした国内において人の健康又は、生活環境に係る影響が生ずるということとともに、適正なリサイクルが空洞化するおそれがあるのではないかということから、適正な管理の仕組みということを検討すべきではないかという点。
これら三つの点を一つにまとめまして、以下、深掘りのための材料を書かせていただいております。1ページ目の下からになりますけれども、近年、資源の、特に金属スクラップ(以下は「雑品スクラップ」)というふうに言いますけれども、そういったさまざまな金属が混在した形態によって輸出されていくということが非常に増えてきております。こうした使用済電気電子機器が輸出先で十分な技術を持たない方々によってリサイクルされることによって現地で悪影響が及んでいるのではないかという話、いわゆるE-waste問題として海外でもよく言われている問題でございます。
また、その途中におきまして、日本国内または船舶において火災が発生する事例とかもございます。火災が起きたり、またはスクラップヤードの中で保管や破砕をすることによって有害物質が周辺に飛散するというような懸念もございます。
こうした問題がありますということから、使用済の電気電子機器につきましては、リユースに適さないものについては、「特定家庭用機器再商品化法」、いわゆる家電リサイクル法でございます、こういった法律ですとか、「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律」、いわゆる小電リサイクル法によって適正なリサイクルルートが確保されているところでございますが、こうしたスクラップ等、雑品スクラップと呼ばれているものはそういったところをかいくぐるというか、そういったところをうまく通らずに輸出に至っている可能性があると、国内で汚染物質、有害物質の管理をしっかりやっているルートと、海外に行ってどう処理されているかわからないということで、正確な有害物質管理のためのコストが払われていないというルートのほうに流れているという、競争上も不公平ではないかという話も懸念されます。
こうしたことから、平成24年3月に使用済電気電子機器等の廃棄物該当性を明確化するための通知、「3.19通知」と呼ばれていますけれども、こういった通知を出して、リユースに適さない場合、又はその目的に適さない粗雑な取り扱いがなされている場合は、買い取られたもの、あるいは無料のものであっても廃棄物に該当すると判断して差し支えないという通知を環境省のほうでも出させていただいております。
ただ、こうした通知だけではなかなか実態上、有償取引されているものですとか、無償でやりとりされているものを含めて、取り締まることが困難であるというようなご指摘をいただいているところでございます。こうした状況がありますので、鳥取県では昨年12月に独自の条例を制定して、こうした特定の使用済物品等を保管する施設に対する届出制度を導入しているところでございます。
またこうした問題につきましては、環境省のほうで「廃棄物等の越境移動等の適正化に関する検討会」を開かせていただいて本年4月に取りまとめておりますけれども、この中でも問題提起がなされている状況でございます。
3ページ目の最初の丸になりますが、こうした背景がありますので、論点としましては、内部に有害物質が含まれた使用済電気電子機器等の使用済物品について、ぞんざいに取り扱われることで、環境保全上の支障が生ずる可能性があることから、適正な管理下に置くことが望ましいと考えられます。
こうしたことから、真ん中、中段後半にありますけれども、環境影響などの懸念も踏まえまして、スクラップヤードの所在地などの行政機関が把握することが出来るようにするとともに、こうした使用済物品をほかの金属スクラップ等と混合することを制限し、もって雑品スクラップに起因する生活環境への悪影響を防止するなど、有害特性を有する使用済物品の運搬や保管に対して処理基準の遵守を求めることができるようにするなど必要な措置を講ずるべきではないか。こうした行政庁が所在地などを確認するとか、あるいは運搬・保管ですとか、そういった物に対して、行為に対して何らか処理基準といったことを考えていくべきではないかということを論点として挙げております。
また、大きな論点として二重規制というか二重手続というところも挙げられていたと思いますけれども、これについても廃棄物処理法に基づく輸出確認とバーゼル法に基づく輸出確認との間の重複というのをなるべく減らすように、審査の簡素化といったことを考えていくべきではないか、ということを書かせているところでございます。 以上です。
○大塚委員長 有難う御座いました。
では、次に、国立研究開発法人国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター副センター長寺園様から、この論点に係る現状についてのお話をいただきたいと思います。
寺園様、どうもありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○寺園説明員 寺園です。本日はよろしくお願いいたします。
資料2をご覧いただきたいと思います。廃棄物処理法とバーゼル法の「すきま」にまつわる雑品スクラップの取扱いの現状について、ということでご説明させていただきます。
一つめくっていただきまして、雑品スクラップにつきまして、今、環境省よりご説明いただいたとおりなのですけれども、「未解体」「未選別」のスクラップでさまざまなところから集まっております。名前としましては、「金属スクラップ」「ミックスメタル」と称することもありますが、ここでは「雑品スクラップ」と読んだり、資料によっては「金属スクラップ」になったりしております。
下の写真にあるように、さまざまなものが混在しておりまして、廃エアコン等も見つかります。このエアコンのような家電4品目が見つかる場合もありますし、文章中段では「小型家電」というふうに書いておりますけれども、これは小型家電リサイクル法の対象という、つまり4品目以外の小型家電ということで、大きさとしては、携帯電話とか小さいものが集まっているというよりは、むしろ扇風機とか掃除機とか、それぐらいの中型と言ったりするものも集まっております。それが大量に中国に輸出され、解体・選別されているという状況であります。
3ページ目のほうに行っていただきまして、大体その2種類ぐらいの雑品が見受けられるということで、これは業界の方とも話をすることがあります。左側が「工業系」の雑品、配電盤・モーター・ケーブルなどが多くあります。右側が「家庭系」(または一般)雑品と称するものであり、洗濯機やエアコンなどが見受けられます。家電等がたくさん入っているものです。
4枚目ですけれども、廃棄物処理法とバーゼル法における、この雑品スクラップ、金属スクラップの位置づけをご説明します。
右側の図で、横軸が廃棄物か非廃棄物かの軸、縦軸が有害物か非有害物かの軸になります。横軸で廃棄物であれば廃棄物処理法の対象、縦軸で有害物であればバーゼル法の対象ということになるわけですけれども、どちらの軸においてもグレーな部分があります。また、金属スクラップ、雑品スクラップにつきましては、いろんなものが混合されているということで、これを一律に廃棄物・有害物ということが確認しにくいために、これはどちらの法律も適用を受けることなく雑品スクラップが輸出されているというような現状であります。特に廃棄物処理法の違反を問うということはなかなか簡単ではありませんで、2010年以降、幾つかの事例がありますけれども、雑品スクラップは基本的にどちらの法律にも係りにくいという現状をご説明しております。
5枚目のほうに行っていただきまして、雑品スクラップのフローのイメージです。これは環境省が事業者のヒアリングによって作成されたものでありますけれども、家庭または事業所から排出されたものが、中段、真ん中のさまざまな金属スクラップ業者で鉄・非鉄がとられた後、雑品、残りのものが輸出業者を通じて海外に行くケースがあると。あるいは直接、雑品輸出の目的で輸出されているという現状があります。
6枚目に行っていただきまして、これは私が撮影したさまざまな写真です。左側が大阪で、左下のほうでは冷蔵庫等が破砕されてフロンが出ているであろうというふうに思われるケースです。右側は、不法投棄厳禁というふうな看板の裏側でこのような洗濯機が大量に保管されているというような港湾があります。
7枚目に、行っていただきます。これも大阪なんですけれども、自治体の粗大ごみシールあるいは不用品回収のチラシ等がまざったような状態で、いろんなところから出てきているんであろうというふうな家電系の雑品です。7枚目、右側のほうで、エアコン、洗濯機、掃除機等々、私が中型と呼ぶような家電がたくさん見受けられます。
8枚目、これが中国での様子なんですけれど、2010年以降、現地業者で協力を得られるところがありませんで、ここ6年ほど、状況を調べられていないのですけれども、当時の状況としてはもう完全に手作業と。分別して、鉄・非鉄の業者に引き取られているという状況はありました。最近は機械化が進んでいるというふうに思われます。また、中国の輸入規制の運用で、いつでも取り締まりは厳しくできるという状況があります。
9枚目に、行っていただきます。この金属スクラップ、雑品スクラップの輸出量につきましてはなかなか把握することは難しいんですけれども、この表自体は貿易統計で、品目としては、鉄スクラップの中のその他という分類で、7204.49-900、真ん中ほどにあります、中国向け250万トンというのが2012年の統計でした。この中の大体半分ぐらいがこの雑品というふうに言われるものだというふうに考えております。実は2015年につきましては、この250万トンが160万トンに落ちていますので、雑品の量も落ちているというふうに考えられますけれど、いずれにしても大きい量が輸出されているということです。また、2015年1月から、この7204.49-900が非常に多くの量があるということで、その中からシュレッダースクラップを分離しましょうということで、環境省様、経済産業省様のご協力でシュレッダーくずが分離されたという統計の変更はありました。
10枚目に行っていただきまして、その傾向が示されております。7204.49-900と、この中のこの薄い赤の一番上のほうで300~400万トン程度で推移しているものです。この中の全体の量としては3分の1ほど、中国向けの量の半分ぐらいが雑品ではないかというふうに考えているんですけれど、2015年になりますと、シュレッダーくずの新設で少し、この49-900が入りまして、さらに中国の経済の状況の低下によって輸出の量は減っているというふうには思っているんですけれども、経済の変動のみで雑品が減るということだけで必ずしもよいというふうには考えておりませんし、我々としては手を打っておく必要があるかというふうに思っております。
11枚目が火災の写真です。海上保安庁様あるいは貝塚市様が撮られた写真があります。
12枚目に行っていただきまして、これらが火災が増えていますという海上保安庁様の増加傾向の図をお示ししております。私もこれと同じように、海上保安庁からもその情報はいただきながら自分のほうでも独自に調べておりまして、13枚目にその件数を書いております。港湾と船舶が主に海上保安庁の集計と似ているんですけれども、それ以外に陸上でも火事が起こっているということで、どちらも増加傾向にあるということをお示ししております。有名なものでは、2012年、尼崎、2013年、北九州、2015年、昨年の12月、船橋、あと先月の大阪ということで、非常に都市部の近いところでも火災が多く起こっております。
次のページ(14枚目)に行っていただきまして、尼崎の火災の様子です。写真ご覧になってわかるように、石油のタンクがそばにあって大災害になるおそれもあったというような危険な状況で丸一日以上燃えたという状況がありました。これは、私のほうでは港湾火災というふうにカウントしております。ただ、海上保安庁のほうでは消したのが消防ということのために、集計ではちょっと別になっております。
15枚目に行っていただきまして、こういった金属スクラップ火災の特徴をお示ししております。人災が現在のところほとんどない、経済影響はほとんどないと。直接の影響はないということで、なかなか防火のインセンティブが働かないというのがかえって問題になっております。しかしながら、多数の影響・リスクが顕在化しつつあるということで、交通障害、船が引き取られないまま放置されてしまった時期があるという問題、1,000世帯の停電、煙害も、小学校から子どもが帰せないというような北九州での状況もありました。それから、消火のコストとリスク等々あります。火災原因につきましては、通常不明で終わっております。衝撃発火あるいはバッテリーのショートなどが指摘される場合もあるんですけれども、最近は自然発火も増加しております。そういった火災発生の場合ですら、取り締まりは容易ではないという状況があります。
16枚目に行っていただきまして、考えられる自然発火以外の原因をお示ししております。バッテリーにつきましては、ショート、希硫酸漏れなどがあります。右側の写真で、現場で見つかるようなUPSを含むバッテリーがある場合もあります。リチウムイオン電池、これも火災爆発の危険性があるんですけども、昨年の2014年11月の名古屋の火災で初めて確認をいたしました。それから、金属全般としましては、作業中で発火するというような可能性もあります。
17枚目、当面の防止対策としまして、発火しやすいものを入れない。あと、延焼しやすいものを入れない。特にオイル、プラスチックは除くということはあるんですけれども、なかなか現状は難しいということがあります。現物保存し、発火原因の究明ということを提案してるんですけれど、なかなかそれも難しいということがあります。
18枚目に行っていただきます。右上のほうで、昨年度のバーセルの適正化に関する検討会の報告書の中で、赤い部分、輸出以降がバーゼル法の規制対象、それから青い部分、廃棄物処理法の規制対象の間に「すきま」があるというお話がありました。これを雑品の問題に置き換えて考えてみたスライドであります。例えばこういった雑品が陸上で収集され、港湾から船舶に積み込まれるという段階があります。輸出申告以降が大体輸出ということになるんですけれども、その前まではもう有価物であると、廃棄物ではありませんということで、この部分だけで実は廃棄物処理法の適用が可能だということにはなっているんですけれど、有価物ということではねられてしまうという現状があります。また、輸出以降は外に出てしまったら外貨ということで、そもそも調査が簡単ではないということがあります。また、バーゼル法の対象は、輸出申告以降ということになりますし、事前相談がないと、そのバーゼルの情報もないということで、国内にある間はバーゼル法での対応が難しい、予備罪・未遂罪もないと、情報もないということで難しいということになります。事前相談されて、輸出申告されたら、もう即数日、短い場合、二、三日ぐらいでもう輸出されてしまう。その短い間で迅速な判断と対応をしなければいけないということで、なかなか対応が難しいので収集・保管から輸出までの一連の流れを押さえる必要があるというふうに考えております。
19ページ以降につきましては、今のような問題で、家電が含まれていても廃棄物等の判断というのは長時間を要する。
あるいは20枚目のところでも、口頭注意でとどまってしまうと。
21枚目のところでも、シュレッダーから出てくる破砕物、シュレッダーの残渣などがあって、ようやく廃掃法違反というふうに言えるというようなことで、両法の適用をもう少しすき間なく迅速にすべきではないかというふうに考えております。
ありがとうございます。
○大塚委員長 はい、どうもありがとうございました。
では、次に鳥取県の条例につきまして、鳥取県生活環境部循環型社会推進課課長補佐でいらっしゃいます中西様からご説明を賜りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○鳥取県 鳥取県循環型社会推進課の課長補佐をしております、中西と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
1週間前に起きました、21日、鳥取県の中部地方を震源とした地震がございまして、政府を初め、関係の方々からのご支援、それと温かい励ましのお言葉をいただいておりまして厚く感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。家屋被害等を中心にたくさんの被害はございますけれども、観光地のほうは元気に営業しておりますので、ぜひその辺はご安心いただければという具合に思っております。では、座って、私の資料3のほうを、説明をさせていただきます。
1枚めくっていただきまして、2ページ、「はじめに」ということで、不用品の放置防止の観点で不用品回収業を規制する都道府県初の条例ということでございます。条例施行は本年4月で、まだ半年ということですので、成果を語るにはまだ早いわけですけども、効果も出ておりまして、その辺り後ほどご説明をさせていただきますが、初期の目的は果たしているのかなという具合に考えております。
3ページでございます。不適切な不用品回収業者に関する問題ということで、鳥取県、どういうものがあって、その条例ができたのかということなんですが、まず、鳥取市で起きた不用品回収業の空き地型回収に関しての問題なんですが、空地型回収を行う不用品回収業者が不要家電、あるいは自転車、鉄くず等ということで、各家庭にポスティングしたものに基づいて空空地の中に持ってきて下さいというアナウンスをしまして、その持ってきてもらったものを次のところに運ぶという業をやってたんですが、そこの業者に関しては、冷蔵庫に関しては集めないという具合にしてたんですけども、やはりそこに空地型で持って行ってもいいんだということで積まれていきますと、どうしてもそれが呼び水になりまして、集める対象ではなかった冷蔵庫を中心としてどんどん堆積が進みまして、業者のほうも始末に困ってそのまま逃げてしまって、結局、不法投棄事案として公費処理をしたというようなことがございました。
それと、4ページでございます。これは鳥取県のまさに震源地の中部地域でございますが、倉吉市の事例でして、不用品回収業者のヤードにいろいろ堆積がしてあります物からと思われる油流出がございまして、そんな大量にどろどろ流れるというわけではなかったんですけども、右側の写真を見ていただきますように、水田のあるようなところに油流出ということが起きましたので、職員のほうで吸着マットを付設するなど緊急対応を行ったというような、こういった生活環境上の問題が起こったというようなことがございました。
5ページから条例施行までの経緯ということでございますけども、まず、金属資源再生業界のほうから不適正事業者の取り締まりをきちんとしてほしいという要望をいただいておりました。大体、平成22年度ごろからこういったようなものがありまして、車でアナウンスして回っているような回収業者がいるけども、あれは廃棄物処理法違反ではないのかというような指摘をいただきまして、当然それの情報をいただきますと現場に職員が行きまして確認をするわけですけれど、これは有価物で取引をしているんだということを言われますと、その場で廃棄物処理法違反でということも問えないという実態がございます。そういった事業者の方からの情報提供が22年度ごろからあったということもありまして、不用品回収業者の実態を平成23年からずっと見てとっておりまして、23年から26年までの間、これは不用品回収業者が保管している場所の数になりますが、20の半ばから30に行かないぐらいまでの間で推移しており、平成27年に38カ所ということで増えているという実態がありまして、先程3ページ、4ページでお話をしました生活環境上の問題も出ているということもありまして、条例化について考えを進めてきたということでございます。
6ページです。議会のほうから問題提起がございました。その問題提起なんですけれども、3ページでご覧いただきました鳥取市の事案、結局、不用品回収業者を発端として不法投棄になって、それを公費処理するということに関して、未然防止をもっと何とかしなければならないのではないかというご指摘をいただき、検討に着手をしたということでございます。ただ、条例を制定するにしても立法事実、どういった問題が起きているのか、それに対してどう対応していくのかということが非常につくっていく上で課題でございまして、そこを内部で何度も議論をいたしました。最初のうちは、その円滑な資源再生ということも目的にしてはどうかというようなこともあったんですけれども、ただ、そこにそれを理由に規制を検討してかけていくのができるのかどうなのかという話もあり、生活環境保全上の問題から、とにかく不用品をそこに長いこと放置されて、先ほど言いましたような油が出たりとか、どんどんさびが出たりというようなことで生活環境上の悪化にならないようにするための条例というものをつくろうということで決着を見たということでございます。
条例手続の、条例制定するまでの一連の手続でありますパブリックコメント等を経まして、平成27年11月の定例県議会に附議しまして、全員一致で可決され、12月24日に公布されたということでございます。
8ページから条例の内容の話をさせていただきます。条例の狙いですが、左側に書いてございますように、不用品の屋外集積が長期間の放置・不法投棄に発展ということで、これが生活環境の悪化につながるものですから、ただ、現行の廃棄物処理法等でその放置の未然防止というのは、それをきちっと適正化するのは困難だということもありまして、そのために有価取引される不用品の回収行為を条例で把握、指導できる仕組みを導入したいということで、右側の五つの柱を書いてあります。まずはその使用済物品回収業という定義をしまして、その使用済物品回収業を営む場合には、県に事前に届け出をしていただいて行為を把握する。それと、その業をやっていく上で、運搬あるいは保管するときに基準を設けまして、それをきちんと遵守をしていただくという行為に基準を設定する。それと、異質な話なんですけれども、鳥取県のほうで放射性物質を含む廃棄物が投棄されていたという事案がありまして、実はそれもちょっと法の谷間になっていたものですから、それを含めて使用済物品の屋外放置というものを規範として、これはだめだという禁止規定を設けたということでございます。それと、四つ目の柱ですけども、そういった有価物の使用済物品に対して、それを行っている事業者に対する報告徴収、立入調査、指導・命令権というものの規定をいたしまして、それに違反した業者に対して罰則をかけるという、この五つの柱でこの条例を構成しております。
条例の特徴ということで、9ページに書かせていただいておりますけども、例えばタイヤの保管というようなことで、それの適正化を図るための条例というのは下の表に書いてありますように、山形県さんから福岡県さんまで四つの県にあったということなんですけれど、鳥取県の場合は、とにかく収集をして、収集・運搬を行うものを対象としておりまして、その不用品の放置防止ということを目的として明確に打ち出したという点で特徴があるという具合に考えております。
次の10ページでございます。今日の「すきま」という問題につながる部分になるかと思うんですけども、現場で法指導が難しいというものの説明資料になるかと思いますが、環境省様のほうから行政処分の指針ということで廃棄物の該当性の判断というのを五つの基準でもって示していただいておりますが、この物の性状から占有者の意思までということで、これを一個一個拾ってみると、確実にアウトだということが言いづらいところがございます。特に真ん中の通常の取引の形態のところで、市場が形成されているかどうかという点に関しては、現に物が動いて、経済的に物が動いているわけですから、その点に関しては間違いなく経済、市場は形成されているんだろうということもありまして、その物をもって廃棄物だということが現場のほうでは判断しづらいということがございます。そういったこともありまして、この条例では廃棄物ではない使用済物品を一度使用したものということにしておりますけれども、一度使用した使用済物品を対象としております。
11ページ、条例の内容ですが、先ほど申しましたように、この条例の対象物ですが、一度は使用されたものということで、特に不用品回収業者の回収実態に合わせて個別、具体的に定めをしております。1番の農機具から7番の、これはその他ということで金属、プラスチック、ゴム等の素材を用いたものということで、それを放置しておくと腐敗または火事等の原因になるようなものということで考えておりまして、そういった工具とか玩具とかということで個別に規則のほうで定めをしております。
規制対象となる業の定義なんですが、使用済物品を収集または運搬を行う事業ということで、ただ、廃棄物となったものを除くという具合にしておりまして、廃棄物を扱うときには、廃棄物処理法のほうで規制がかかりますし、そうでなければ、この条例の規制がかかるという形の構成にしております。ただ、使用済物品を運搬または使用するものを全て対象としますと、例えば運送業で中古のパソコンを運ぶというようなものまで規制がかかってしまいますので、そういったものは外すということで、貨物自動車運送事業、運搬する場合というのは外しております。それとリサイクルショップで店頭に並べて普通に売っているようなものも、条例の規制対象とするものではございませんので、そのまま、あるいは修理を行って本来の用途に供する販売のための収集は除外ということにしております。
12ページでございます。各者の責務ということですけども、一般的な規定のほかに、土地の所有者にもきちんと、例えば不用品回収業者の空地型回収というものに協力をするのはいいけども、きちんとそこは放置防止の責務があるといったことをこの中で定めをしております。
それと、実際の使用済物品回収業者の義務に関して、13ページに書いておりますが、開始の10日前までに届け出をしていただくということで、届け出の内容としては、何をどの程度運ぶのか、それと保管場所の土地の所有者は誰なのか、どこに取引をするのかといったようなこととをあわせまして、その事業に対して収支がきちんと取れるかどうかというような事業収支の見通しなども届け出をさせるということにしております。
基準についてですが、大体その設けている基準というのは、廃棄物処理法の保管基準を準用した格好で設けておりまして、例えば保管場所には周囲に囲いを設けることということを入れております。単に囲いも木枠でどんとやればいいということではなくて、鋼製で高さ1.8メートル以上というような基準も設けてやっているところでありまして、こういった比較的厳しい基準を設けることによって、生活環境上の悪化防止を防ぐということになりますし、もしそれをかなうことができなくて、事業採算性がとれないということであれば、後ほど申しますけども、事業撤退をされていく事業者さんもいらっしゃるということでございます。
14ページ、条例の内容の最後のところですが、罰則を設けておりまして、改善命令違反に対して20万円の罰金、刑事罰の他に、無届け等に関しては行政罰であります5万円以下の過料という規定を設けております。
15ページでございます。条例施行後の成果ということですが、上手な写真の撮り方でなくて申し訳ございませんが、ご覧のとおり、まず15ページでは、こういった格好で農機具であるとか、自転車の類いとかというのをざっと空地の中に堆積をしてたんですが、この条例施行後にこの周りには先程言いましたような囲いもありませんので、その囲いを設けるぐらいだったらやめるということで、きれいにされたということでございます。
それと、16ページですけれども、こちらのほうは堆積しているなというのがざっと見ていただけるかと思いますが、こういったものも割に合わないということで撤去されて、きれいになっているということでございます。
今の条例の届出の状況なんですか、9月末時点で81事業者があります。鳥取県の事業者が60、県外の事業者が21ということで、この届出というのは保管場所を設けているだけではなくて、運搬を行う場合、鳥取県に来て集めて、それを例えば岡山に降ろすというような事業者もこの届出の対象になりますので、そういった事業者さんなんかも含めて81ということでございます。
備考欄に書いておりますが、既存事業者、この条例施行までにおった事業者のうち8の事業者はこの条例を機会に撤退をなされたということでございます。
最後、18ページ、まとめということでございますが、条例検討の際、この条例が廃棄物処理法の抜け穴になることを私どもはちょっと心配をいたしました。といいますのが、自治法で罰則の上限というのが定まっておりまして、その上限までの罰則にもなってないんですが、罰金であれば100万円、過料であれば5万円という上限がございますので、一方、廃棄物処理法に関しては、ご存じのとおり、法人の不法投棄なんかであれば3億円というような罰金もあるわけでして、それと比べると、はるかに罰則としては非常に軽いということもあって、結局、使用済物品であれば、こっちのほうで届出をすれば違反を繰り返しても大丈夫ではないかというような、そういったバイパス的なことになりはしないかということを心配したんですけれども、そういったことはひとまずなくて、先程見ていただいたような、やはりこの条例の基準に合わなければ、事業者としてそれなりの判断をされて撤退をされているところもあるということでありまして、ひとまず、ほぼ一定の効果を発揮できているのではないかなという具合に思っているところでございます。
それと、この条例施行に当たりまして専属の指導担当の職員を配置したりとか、あるいは、広報も打ったりしまして、県民の意識を高めるというようなことをやったことも大きいとは思うんですけれども、この条例を後ろ盾として、職員がその現場に行って、きちんとその適正化の為の指導をするという権限を得たということも非常に大きかったのではないかという具合に思っています。
以上でございます。
○大塚委員長 はい、どうもありがとうございました。
では、今の寺園様と中西様のご説明、それから、論点7につきまして、ご質問、ご意見等ございましたらお願いしたいと思います。ご意見、ご質問がございます方は名札を立てていただきますようにお願いします。
はい、では、谷上委員。
○谷上委員 どうも説明いろいろありがとうございます。寺園説明員のほうで、ちょっとすみません、勉強不足で申し訳ないんですけど、8ページのところの、中国の輸入規制の運用で十分に取り締まり可能というのは、これは中国側の何か制度で取り締まりができるという意味なのかどうかというのを聞きたいのと。
○大塚委員長 はい、どうしようかな、それだけでよろしいですか。ほかには。
○谷上委員 あとちょっと、中西さんにも聞きたい。
○大塚委員長 はい。ちょっと一問一答をやっているのが適当かどうかという問題もありますが、はい、じゃあ一応そこで切るということですね。
じゃあ、寺園委員、お願いします。
○寺園説明員 有難うございます。中国の規制は、中国国内に入ってからの規制と、日本を出るときにも、実は当局の関連機関が船積み前検査をするなどの規制があります。中国はそうやって水際の出るところ、入るところの両方で規制をかけているんですけれども、実態としては相当運用に任しているというか緩いところがあります。したがって、2013年のグリーンフェンスと、これは一応、今も継続していることにはなっているんですけれども、急に中国の当局が厳しくするぞということになった場合は、もうその影響はすぐに出てくると。一応、基準としてはあるんですけれども、その運用を突然いろんな形で動かすことができるということで、そういった影響がいつでもあり得るということをお示ししているものです。
○谷上委員 どうも有難うございます。
○大塚委員長 はい。もう一つどうぞ。
○谷上委員 すみません、鳥取県の中西さん、どうもありがとうございます。非常に参考になったんですけど、一応、これ不用品の概念は有価取引されて廃棄物じゃないという定義で進めているということなんですけど、例えば収集運搬のほうで処理料金をもらっているような例の場合は、明らかに、例えば市民からもらっている一般廃棄物処理料の無許可営業に当たると思うんですけれど、そこら辺はどう解釈されているのかちょっと聞きたいんですけども。
○大塚委員長 はい、お願いします。
○鳥取県 ありがとうございます。それはまさにおっしゃるとおりでして、先日も情報提供がありまして、現場に行きましたら素直に処理料金を取っていたということを言った業者がありましたので、それは一般廃棄物の収集運搬の違反行為に当たりますから、許可を持ってませんでしたので、該当の市のほうに話をしまして、廃棄物処理法違反としての指導をしていただいたということでございます。
○谷上委員 それは、そういう場合はもう既に集められた先で有価物だと言い張ってたとしても、その収集運搬に関しては廃棄物処理法で取り締まるということでよろしいんでしょうか。
○鳥取県 そうですね。その料金を取っていたということであれば、それはもう明らかに廃棄物処理法違反を問えるケースだと思っておりますので、そこが明らかであれば、当然そちらのほうでやっていくことになります。
○大塚委員長 はい、よろしいですか。
では、池田説明員、どうぞ。
○池田説明員 ご説明ありがとうございました。今ご説明いただいたような案件を、どうにかしなければいけないという趣旨については理解をいたします。その一方、今後、具体的に廃掃法のなかで、どう規制していくのかについては大変気になります。論点ペーパーの3ページ目の1番目の丸について、「有害特性を有する使用済物品の運搬や保管に対して」とありますが、具体的にどのような物質を含む物品を想定しているのか。また、「ぞんざいに扱われる」という表現は、具体的にどういうことか、廃掃法との関係は、どう考えているのかについて、何か詰まっていることがあれば、お示しいただきたいと思います。これまでも廃掃法強化は、規制の仕方によっては思わぬ形でリサイクル推進の阻害要因になったり、動脈経済に悪影響を与えたりということがままございます。そのようなことがないよう、慎重な検討をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○大塚委員長 ただいまのはご質問ですか、環境省に対してですか。
○池田説明員 はい。
○大塚委員長 ここで議論するべきことだと思いますので、環境省に今お答えいただくことかどうかよくわかりませんが、何かお答えいただくことがあれば。
○相澤廃棄物・リサイクル制度企画室長 ありがとうございます。まさに大塚委員長がおっしゃったように、ご議論をまずいただいて、それを踏まえてと思ってはおりますが、論点ペーパーに書かせていただきましたように、まず、最も主眼となるのは、恐らく雑品のスクラップであろうという、物品に関して言えば思っております。ただ、それ以外にどういったものが必要なものがあるのかないのか、そういった点につきましても、ご議論をいただいた上で、さらに検討していきたいと思っております。リサイクルへの影響ですとか、ほかの影響ももちろん気にしないといけないところだとは思っておりますが、そもそも論点ペーパーの2ページ目の真ん中辺に書かせていただいたとおり、国内の適正なリサイクルに比べると不平等だという話もございますので、むしろ対策をしていくということが、そういうきちっとリサイクルをしているようなルートを活用していく形になるように考えていく必要があるだろうというふうに思っております。
○池田説明員 確認ですが、具体的にどう規制するのかというところまで、この専門委員会で議論をする、つまり、方向性だけではなく、どう定義づけるのかといったことも議論するということでよろしいでしょうか。
○大塚委員長 はい。そういう点についても、どうぞ議論していっていただければと思っております。
では、中杉委員、お願いします。
○中杉委員 ご説明どうもありがとうございました。お話を伺っていて、具体的に指摘されていることに加えて、環境汚染といいまますか、リスクの観点から考えると、もう少し考えておかなきゃいけない部分があるだろうと。細かいことでは必ずしもないと思うんですが、このストックヤードの話で保管をしているときに、保管したストックヤードの後がどうなるのか。具体的には土壌汚染みたいな話が後に残るだろうという話がありますのと、それから、火災なんかがあると、これ港湾で火災があると消防で水をかけます。当然、港湾ですと海に流れ出します。そうすると、そこら辺から有害物質が流れ出すという、これはスイスのバーゼルで化学倉庫の火災があって水をかけたためにライン川がずっと下流まで汚染してしまったという事例がございます。そういうリスクもあるんだということを少し考えておく必要があるだろうと。その上で、ストックヤードやスクラップヤードですね、これが運営している事業者の業種は何なんだろうか。というのは、廃掃法ではもちろん対象外なんですけれども、今申し上げたような話でいくと、土対法だとか、それから水濁法だとか、ほかの法律を使うこともできるわけですね。ほかの法律がそういうものの対象にするとすると、ある程度業種でどうのこうのという、水濁法なんかはそういうことをやりますけども、ここら辺で実際にスクラップヤードをやっている業種の方、業者の方というのは、どういう業種で、届けていなければもちろん何もないんだろうと思うんですが、どういう業種の方がそういうことをやっておられるんだろうか。このスクラップヤードというのは、そういう法律で見たときに何が該当するんだろうかというところが、どなたにお答えいただけばいいのかわかりませんけれども、おわかりであれば少し教えていただければ、わからなければ、そこで少しまた考えなきゃいけないねという話になるかと思います。
○大塚委員長 はい。寺園様、中西様、いかがでしょうか。
○寺園説明員 ありがとうございます。陸上のヤードの場合は、今、鳥取県の方からのご説明があったように、誰でもあまり目的なくというか、借りる人の目的、意図がわからないまま安くお貸ししているということで、その辺の認識はない一般の方が多いと思います。少し規模が大きくなってきて、また港に近くなってくると、自前の土地である場合もありますけれども、より港湾の場合ですと、一時的に港湾に保管されるようなときは、港湾にその輸出業者がそれぞれ土地を持っているか借りているかという場合があります。感覚として半分ぐらいかなと思いますけれども、例えば大阪府の港湾局の所有、そういった公的機関から貸している場合もあります。そういった場合でも、特段ここでは何をしてはいけないということは言いにくくて、数少ないケースとしては、貝塚市さんの場合が、ここにはそういったものを置いてはいけないということで独自のルールを強化して、雑品の業者をある程度の排除をすることになったという事例はあります。
○大塚委員長 中西さんも何かございますか。よろしいですか。
中杉委員、今、それでよろしいですか。
○中杉委員 はい。実態的には把握できていないという話だろうと思いますし、土壌汚染対策法からいくと、あとの汚染が残れば土地所有者がやらなきゃいけないというので、例えばさっきので言えば、貝塚市のほうはそれを対応してやっておられるけど、港湾を持っていて、そこを貸していると、その港湾の持っている、土地を持っている人が、今そこは対象になるかという捉え方は、対象にならないか、なるかというところの議論だろうというふうに思いますので、全くそこら辺のところはあんまり明確になっていないということが実態だろうということは理解できたというふうに思っています。
○大塚委員長 そうですね、はい。規制の対象にすれば、多分その貸すときにいろんな条件をつけることは当然出てくると思いますので、そういう影響があるかなと思います。
島村委員、どうぞお願いします。
○島村委員 ありがとうございます。同じような観点で、寺園先生と中西さんに伺いたいのですが、まず、寺園先生のスライド、18ページ目で「すきま」の問題を図解してくださいましたが、この問題に精通しておられる寺園先生から見て、廃掃法とバーゼル法と両方に「すきま」があるということなのですが、バーゼルはまた別の検討の機会が設けられていると理解しておりますが、廃掃法の側から、この「すきま」の問題にアプローチする必要があるかという点と、必要があるとすると廃掃法のどの部分を改正すればこの問題に一番うまくアプローチできるかという点、ご教示いただければというふうに思います。
重なる点なので、一遍に質問させていただきたいのですが、鳥取県の中西様から、条例の運用状況で廃止をされた業者さんも8業者おられたということをご紹介くださいました。それで、県外の業者さんで運搬だけ鳥取県内でやっている業者についても届出が係っているということなのですが、この条例は鳥取県で先行して制定された結果、例えば鳥取県内で集めて、それでもう鳥取県内でヤードをやるのは大変だから、お隣の島根でとか、兵庫でとかいうふうにスピルオーバーといいますか、条例で先駆的な取組をされると外に業者が逃げていくということが時々あると思うんですが、そういうご認識などがもしありましたら、これは例えば鳥取県で先行された条例をやるのでは不十分で、国レベルで同じようなものをしないと問題があるという話にもつながってくると思いますので、あわせてご教示いただければというふうに思います。
重なる点なので、一遍に質問させていただきたいんですが、鳥取県の中西様から、条例の運用状況で廃止をされた業者さんも8業者おられたということをご紹介くださいました。それで、県外の業者さんで運搬だけ鳥取県内でやっている業者についても届出が係っているということなんですが、この条例は鳥取県で先行して制定された結果、例えば鳥取県内で集めて、それでもう鳥取県内でヤードをやるのは大変だから、お隣の島根でとか、兵庫でとかいうふうにスピルオーバーといいますか、条例で先駆的な取組をされると外に業者が逃げていくということが時々あると思うんですが、そういうご認識などがもしありましたらご教示、これは例えば鳥取県で先行された条例をやるのでは不十分で、国レベルで同じようなものをしないと問題があるという話にもつながってくると思いますので、あわせてご教示いただければというふうに思います。
○大塚委員長 はい、お願いします。寺園様からどうぞ。
○寺園説明員 ご質問ありがとうございます。私も、必ずしもこのアプローチでいけば大丈夫というものを持っているわけではありませんけれども、先程申し上げたとおり、使用済物品の所有者のほうから、これは有価物であると、この雑品スクラップであっても、これは確かによく売れるわけですね。1,000トンの船に一つ積めば数千万円になって売れるので、多分、所有者、輸出業者の方から見るとお金にしか見えないだろうなというふうに思います。 しかしながら、申し上げたとおり、さまざまな問題点はありますので、その有価物という理由だけで廃棄物処理法での対応が困難になるという状況を少しでも改善する必要があるであろうというふうに思っておりまして、それが2012年の「3.19通知」で環境省から自治体様宛てに廃棄物処理法の適用をしていただいて結構ですというふうにされたんですけれども、まだ、その火災が起きたところを中心に自治体様にお話を伺っても、それだけではなかなか法的な根拠としては不十分であり、法律を変える必要、あるいは運用だけでやる必要と、やる可能性という両方あり得るけれども、現状ではなかなか適用しにくいということを言われる自治体様が多いです。そういったことで、今回、鳥取県様のような動きが出てきたのだと思いますので、それは自治体さんのご意見を聞いて、どのような形であれば廃棄物処理法あるいは別の形での、有価物ということだけで何も中が見られないというような状況を改善する必要があり得るかということはご議論いただきたいなと思います。正直申して、総合判断説というのはありますけれども、それを各自治体の担当者に委ねるというところは、まず難しいであろうというふうには考えております。
○大塚委員長 はい。中西様、いかがでしょうか。
○鳥取県 ご質問の点なんですけども、県外にたくさん出回っているかということに関しては、実際、定量的には全然把握はできておりませんが、ただ、届け出をしている事業者に聞いてみると、鳥取県はやりづらいということは率直におっしゃっていますので、その意味では、他県に流れていくことは、ように考えられるかなと思います。
それとあと、法で対応すべきかどうなのかというご質問もいただいたわけですけども、鳥取県が規制をしているのが県外へ流れていくからという面もあるかもしれませんが、それのことよりも、私が先程説明の中で申し上げましたとおり、この条例が抜け穴になってしまうことを一つ懸念するものですから、その意味で法律でやっていただくほうがより効果が高いのではないかなと私どもは思っております。
以上です。
○大塚委員長 ありがとうございます。
時間がなくなってきているのですが、大迫委員からどうぞお願いします。質問だけまとめて、後でまとめてお答えいただくことにしたいと思います。
○大迫委員 ありがとうございます。私も、この各県、都道府県で進められているような動きも聞いたこともありますけれども、ヤード条例みたいな言葉でよくご検討されていると思うんですが、そちらがこういった形で条例制定されたときにでも、他県のいろんな様子等もお調べになったかもしれません。環境省でもつかんでおられるかもしれませんが、どれぐらいのところで、このヤード条例を今検討されつつあるのかというところを、まず、これは質問をどなたかわかる方に、鳥取県の方がわかれば教えていただければと思うんですが。それから、もう一つは、やはり先ほど池田さんのほうからもあったように、これを廃掃法ということの中でどう扱うのかということ等は大変難しいし、国と都道府県との役割のところもあるかもしれませんが、今はもうご回答を鳥取県の方にいただいたと思っていて、国の法律の中で何かここまで網をどういうふうにかけるかというようなところに関して、やはり他県へ流れるとか、あるいは抜け穴にならないとかという面からは、国へのそういった何らかの位置づけみたいなことは期待があるというように理解しましたので、今の回答である程度、ご質問しようと思っていたところは理解いたしました。
以上です。
○大塚委員長 では、すみません、質問とかご意見を先にまとめてお伺いします。
では、新熊委員、お願いします。
○新熊委員 ご説明ありがとうございます。「すきま」の解消ということで二つの考え方について、それぞれご説明いただいたように思っています。
まず、寺園さんからの説明をお聞きしまして、たとえ有価物であっても雑品スクラップの一部なんかは廃棄物として認定する必要があるんだろうなというふうに思いました。そういう意味で、何をもってして雑品スクラップを廃棄物と認定するのかという条件づけ、あるいは定義づけの設定が非常に重要になってくるだろうと思います。一つの考え方ですが、私、個人的には、その雑品スクラップ全てが悪いというわけじゃもちろんありませんので、有害物質が入っていると、それが悪い原因になっているので、その有害物質の混入というのが、廃棄物として認定するための条件づけの一つのキーワードになるだろうと思います。仮に有害物質の混入をもって廃棄物と認定するとした場合、これは有害物質を分別する強いインセンティブを業者に与えますから、うまく機能するんだろうなというふうに想像するんですけれど、ただ、そういう指定される有害物質があまりにも多過ぎると、あるいは、少しでも入っていたらだめだということになってしまうと、今度は分別コストが非常に高騰しますので、結果として、もう雑品スクラップ全部が廃棄されて、先ほど池田説明員からも少し懸念がありましたけれども、適正なリサイクルが阻害されると、そういったことにもつながってまいります。ですから、どんな有害物質をどれだけの割合で含んでいたら雑品スクラップを廃棄物として認定するのかという条件づけを今後慎重に議論いただきたいなと思いました。
それで、もう一つのアプローチとして、鳥取県さんからこのご説明があったと思います。これは廃棄物の定義をさわらずに対処するアプローチかと思います。ストックヤードを届出制にするとか、そういったことですね。そこで、不用品回収業者が総じて悪いみたいな、そういう感じなんですけれども、ただ、一番悪いのは、リユースを偽装した不適正なスクラップ輸出を行う、そういった悪質な業者が悪いわけですね。今回、こうした届出制にした条例をつくったことによって、その17ページにその結果というのがまとめてありますけれども、二、三の不用品回収業者が撤退されたということがありますけども、この中身について教えていただきたいですね。つまりそのリユースを偽装した不適正なスクラップ輸出を行う悪質な不用品回収業者が撤退したのか。残りは撤退せずに残ったわけですね。どういう業者が出して、どういう業者が残ったのかと、そういう業者の違いが何か、ということについて教えていただきたいと思います。
以上です。
○大塚委員長 ありがとうございます。
では、田崎委員、お願いします。
○田崎委員 5点指摘させていただきます。まず、廃掃法とバーゼル法という大きな法律の間の「すきま」の問題なので、まずここにおける対応というのは必須だと考えております。
2点目は、先程池田委員と新熊委員から出された意見、市場の競争を阻まないか、適正なリサイクルを阻まないかという点なんですけど、私はこの規制はむしろ公平な市場競争を促す方向に行くものだと考えています。火災を起こすような管理をしているような業者と真っ当にリサイクルできちんとしたことをしているリサイクル業者が競争をしても、そういったきちんとした業者が競争に勝てるとは正直思えません。そういったことを考えますと、この規制というものは公平な市場競争、強いては健全なリサイクルの事業者の育成にも寄与するものだと思っております。
3点目としては、その規制の内容ですけれども、基本的に、行政が初動できる内容をきちんと入れるべきだと考えています。これが入れられないと状況は何も改善しません。スクラップヤードの所在地を把握する、それから混合することを防止する、この二つは非常に重要だと思っています。その意味でいいますと、混合されたものが保管されてないか、混合されたものが運搬されてないかという処理基準というものを明確に決めて、それを規制の初動のときのチェックの項目にするというのは必要なことだと思っています。
4点目は、資料で言いますと3ページ目の上から3行目の「有害物質が含まれた使用済電気電子機器等の使用済物品について」という、今回、「すきま」問題で何を対象に規制をしていくかという対象物、ここをもう少し丁寧に見ていく必要があると思っています。既に議論がありましたように、有害物質がある程度含まれているというものを対象にするということはある程度認識があるかと思いますけれども、実際の実務を考えると、ある程度の品目指定をした方がよいのではないかと思いまして、そこに何を入れていくのかという議論を丁寧にする必要があろうと思っています。
最後の5点目としては、これは寺園副センター長からの資料2、18ページで書いてあることですけど、火災が起きたものについては廃棄物として認めていいのではないかというところです。まずはその方向性で何が問題があるかをご検討いただければよいと思っています。
以上5点です。
○大塚委員長 では、辰巳委員、お願いします。
○辰巳委員 ありがとうございます。一つだけ鳥取県さんの取組に関して、県民の方の立場という感じでお聞きしたいなというふうに思って、非常に目的も明確で、生活環境がよくなるということは県民にとって喜ばしいことで、成果も出ているということはとてもうれしい、いいことだというふうに思っておりますが、「が」なんですけど、何かパブコメでは県民に対してやったわけじゃないんだというお話もあったり、あと、結果決まった後、何かテレビで、これは県民にだと思うんですけれども、そういう条例のことをご説明されたようなんですけれども、例えば具体的に県民の方たちにどういうことをして下さいということを、このテレビでお話しされたのか。例えばその事業者をチェックしろとか、よくわからないんですけれども、自分が便益を受けるんだけれども、自分のやるべきことというのがあるはずだというふうに思いますもので、その辺り具体的にあれば教えて下さい。
以上です。
○大塚委員長 ご意見も多かったと思いますけど、ご質問につきましてご回答いただければと思います。
では、寺園委員のほうからどうぞお願いします。
○寺園説明員 ありがとうございます。有害物の含有ということで、その辺り対象等をきっちりすべきということがありました。それは私も賛成というか反対ではないんですけれども、一個一個細かくこの物質が、鉛がどれだけ入っているかなというふうにやっていくと、またそれを確認するのも大変ですし、判断がつきやすいような物品のリストをつくっておくという、現場で適応可能な方法をお願いしたいなというふうに思います。
あとは、田崎委員から言われた公平な経済というところは私も同感でありますし、場所の特定や今後の防止等、少なくとも絶対何がだめということよりは、そこがどういう状態になっているかを自治体等、関係当局が確認できるような、住民の方も心配されているということで、自治体や関係当局がその中身を確認できるような形というのが私は望ましいなというふうに思います。火災が起きたら廃棄物というのは、私も常識的にはそうだと思うんですけれども、一方で、それは残ったものをどうするかという問題もありまして、結局、買っていってもらっていると助かっているというのがある種、火災が起きた場合であっても、そういった需要側の力というか、その経済に頼っている現状でありまして、本当はこれはもう廃棄物ですよというふうに言っても構わないかなというふうには思っております。
○大塚委員長 中西様、どうでしょうか。
○鳥取県 何点かご質問をいただいておりまして、もし漏れがありましたらご容赦いただきたいと思います。
最初に、ヤード条例、他県はどうかというお尋ねをいただきました。正直、集めて回っているのは一般廃棄物が中心という感じ、一般廃棄物というか一般廃棄物状のもので廃棄物じゃないという建前のものですので、どちらかというと規制を行うのは市町村かなと思っております。ですので、都道府県レベルで先ほどおっしゃいましたヤード条例も含めてやっているというのは、私自身は把握をしておりません。ただ、この条例ができた後に幾つかの県からお問い合わせはいただいてはおります。具体的になさるのかどうなのかというところまでは、そこまではつかんではおりませんけども、そういう問い合わせはありますが、ヤード条例としてやっているところはないのではないかというのがまず1点目、私のほうから申し上げさせていただきます。
それと、この撤退した事業者が8あるという中で、悪質なものだったのかどうなのかというようなご趣旨のことだったかと思います。なかなか行政側から悪質だったというレッテルを張るのは難しいところでございまして、そこはこの場ではなかなか申し上げにくいんですけども、ただ、見た目上、そのままリユースができる状態のものであったかどうかという点で言えば、それは難しいものであったというこということは言えると思いますので、こういう答えでよろしゅうございますでしょうか。
それと、最後に、県民にPRをした、その具体的な中身は一体何だったのかというご質問だったと思います。これは条例の中身というよりも、適正に処理をするためにはどうしたらいいのかと。一般的には、家電であれば家電リサイクル法を通じてきちんと出して下さいというようなこととか、或いはそれ以外のものに関しても、市町村の定めたルールによってやって下さいということをテレビでアナウンスを、かなりの回数をやったという感じでして、条例ができましたということも当然その中では言ってはいるんですけど、具体的に、ならどう出してくださいということを中心にPRをさせていただいたということでございます。
以上です。
○大塚委員長 よろしいでしょうか。どうも活発なご議論ありがとうございます。
時間が参りましたので、今日は3時間ですので、この辺で休憩を入れさせていただきたいと思います。
本日発表いただいたお二人の方には、どうも本当にありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。
シナリオだと10分休憩になってるんですけど、ちょっと時間がないので5分休憩をしたいと思いますので、11時20分に再開するということにさせていただきたいと思います。 どうぞよろしくお願いします。
(休憩)
○大塚委員長 では、次に、資料1の廃棄物処理制度における論点の検討、その2の残りの論点につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○相澤廃棄物・リサイクル制度企画室長 ありがとうございます。それでは、引き続き、論点8以降のご説明をさせていただきます。
その前に、前回の先程の議論のお話で、たしか条例は何件ぐらいあるのかというようなご質問があったと思います。環境省のほうで把握している情報を申し上げますと、平成27年度末にその違法な無料回収業者さん対策というようなものに関する条例があるかどうかということを、廃掃法の都道府県政令市に一応確認をしまして、115自治体にお伺いしたときに、そういうものがあるとお答えされた自治体が5件でございます。
続きまして、論点の8のほうに戻ってご説明をさせていただきます。これから一通りの論点を、論点13までざっとご説明をさせていただきます。
論点8、優良な循環産業の更なる育成、資料1の3ページ目でございます。四角囲みのところは、ご説明を飛ばさせていただきまして、その下にある丸からご説明させていただきます。優良産廃処理業者認定制度でございますけれども、これは通常の許可よりも厳格な要件を課しておりまして、優良な事業者に優遇措置を付与するというようなことで、そういった事業者を、排出事業者に選んでいただけるような環境を整備していこうということを考えております。平成28年8月末迄7,541件の認定を行っているという状況でございます。
こうした状況ではありますけれども、いろいろなご意見もいただいているところでございます。まず、「一方で」というところの行をご覧いただければと思います。まず要件に適合しない場合に途中に陥ってしまう場合というような話がありまして、そういった場合には、まずそれを申告させるといったこと、または排出事業者ですとか都道府県のほうが、そういった状況になるということを通常の取引や立入検査等の場合に把握することがあり得ると思いますので、そういったことによって、まず事実を把握するとともに、その事実を排出事業者や都道府県等の間で共有していくという措置を行っていくということで、認定業者の信頼性の向上を図っていく必要があるのではないかという点。
また、こういった事業者さんがより選ばれて、排出事業者さんにより選ばれていくというような観点から、処理状況に関する情報の排出事業者への提供、又はインターネットを通じた公開等に関する要件或は財務要件等の見直しを含めて、認定基準について必要な検討を行うべきではないかと。より透明性の向上を図るですとか、そういったところを要件として考えていくべきではないかという点が提起されていると思っております。
同時に、メリットという言葉を使ってご指摘いただいたりもしておりますけれども、こういった認定基準の見直し・強化とあわせて処理業者の負担を軽減するというような優遇措置を講ずることができないかと考えていくべきではないかというところはございます。
もう一点、「加えて」というところに書いてございますけれども、排出事業者に優先的にこういった処理業者が選ばれていくということにするために、国、産業廃棄物処理業者、あと事業団体等の関係者が連携した自主的な取組によって措置を講じていくことを検討すべきではないか。より選ばれるような何らかの行動を関係者がそれぞれ起こしていくべきではないかといったところでございます。
また、人材の育成についてもご指摘をいただいているところでございまして、こちら廃棄物処理業界の将来のことを考えますと、さまざまな廃棄物処理に関する優良な人材育成に向けた取組というのを推進すべきではないか、というのが一つ目の丸でございます。
二つ目は、さらに具体的に「特に」として書かせていただいておりますけれども、産業廃棄物処理業における人材育成の方策について、業界団体等による、より実効的な研修や講習の実施等、職員の能力・知識の向上を一層推進するための取組について必要な検討を行っていくべきではないかといったところを挙げさせていただいております。
続きまして、論点の9のご説明をさせていただきます。こちらは3R、廃棄物等の健全な再生利用・排出抑制の推進に向けた取組という論点でございます。こちらも四角囲みのほうは飛ばしてご説明をさせていただきます。再生利用指定制度のさらなる活用という大きな固まりとしてここに挙げさせていただいておりますのは、具体的にコンクリート塊または建設汚泥とも言われておりますが、建設等のインフラが更新時期を迎えるですとか、オリンピックですとか、またはリニア中央新幹線といったような話もございますけれども、そういったインフラの更新時期、若しくは大型インフラの投資時期というものがあるという状況ではございます。他方で、利用先というところが限られているというところもございます。さらに、建設汚泥については、来年4月から海洋投入処分の扱いがさらに厳しくなるといったことがありますので、こういったものの、再生利用を充実していくためには、都道府県間の越境も含めた広域的な流通を実現することが必要になっているという指摘がございます。
ただし、特に汚泥がわかりやすい例ではございますけれども、こういった汚泥については、過去、土砂ですとか土壌改良ですとか、そういった名目で不適正処理がされたというような事案もございまして、広域移動については慎重な自治体も多いと思っております。
3番目の丸になりますけれども、こういった事情がございますので、不適正な処理を防止しつつ広域的な流通を実現するということが大事になると思います。このため、再生利用認定制度の活用や再生利用指定制度等について、複数の都道府県にわたって建設汚泥等の個別指定の申請があった場合に、関係する都道府県間での連携を図るといったことが重要になるというふうに考えておりまして、例えば、モデル事業の実施等の必要な措置を検討するべきではないかといったことを挙げさせていただいております。
次、4番目の丸は、廃棄物処理法からは少し離れてしまうところがあるとは思うんですけれども、もともとこういったリサイクル体制ができているものをちゃんと使っていくということがそもそも重要だというふうに思っておりまして、こういった商品を使っていただけるように国等による積極的な情報提供やグリーン購入等を促すための措置を検討するべきではないかということを挙げさせていただいております。
続きまして、5ページの下、もう一つ、もうちょっと大きなふわっとした話になりますけれども、資源効率性の向上に向けた対応としまして、今後排出量の増加が見込まれるものについての対応を検討することが重要である、例えば、具体的に挙げさせていただいておりますのは、これは循環部会のほうでもご指摘いただいたりもしているものでございますけれども、太陽光パネル等について、引き続き3Rの高度化についての検討を行うべきではないかといったことを挙げさせていただいておりま。
また、本委員会でご指摘いただいていることとしまして、3R推進の観点から、「選別」という行為の位置づけについて、選別と称した不適正処理が行われないよう留意しつつ、その位置づけについて検討すべきではないかという点についてご指摘いただいていると思います。
また、再生利用認定、さきに挙げました広域認定制度ですとか、そういった国のレベルでの認定制度がございますけれども、こういったものについて、きちっと監督体制の徹底等の措置を図りながら見直しを検討していくということが必要ではないかといった点を挙げさせていただいております。
引き続きまして、論点10のご説明に移らせていただきます。こちらからは過去の論点整理のペーパーですと「その他」と書かれていたところの論点でございます。
まず、温暖化対策でございます。こちらにつきましては、廃棄物処理法を超えたようなところの議論もあるとは思いますけれども、ご承知のとおり、昨年12月に「パリ協定」が採択されまして、今年の5月には「地球温暖化対策計画」というものを策定しております。ですから、廃棄物分野についても温暖化対策というのは一層強化していく必要があるというふうに考えております。このため、一般廃棄物分野につきましては、ごみ焼却施設を中心とする地域の廃棄物エネルギー利用のポテンシャルが非常に高いということもございますので、昨今の災害という話もございますけれども、災害を含めた自立型・分散型のエネルギー拠点としての役割が期待できるために、当該廃熱利用のさらなる拡大のための必要な措置を検討するべきではないかといった点がございます。
産業廃棄物分野におきましても、高効率な熱回収の整備に加えまして、収集運搬車の低炭素化等の措置についても考えていくべきではないかというところを書かせていただいております。
また、そもそも3R、リユース・リサイクルというのを適正に行っていくということで低炭素化というのが図られていくというところもございますので、さらなる低炭素型の3R技術の社会実装に向けた実証や導入促進の拡大等の必要な方策を検討するべきではないかといった点を挙げさせていただいております。
続きまして、論点の11のほうに移らせていただきます。廃棄物処理法に基づく各種規制措置等の見直しというところで、大きく三つの固まりで書かせていただいております。 一つ目が親子会社間における「自ら処理」の拡大というところでございます。近年、経営環境、経営の効率化の観点から会社が分社化されるということがございます。排出事業者として、一つの会社であれば産業廃棄物業の許可なく「自ら処理」という形で処理ができるところではありますが、分社化してしまうと法人がかわってしまうということがあり、「自ら処理」ができなくなるという事態が発生しております。
そこで、7ページ目の真ん中ら辺のポツでございますけど、こういった状況を見ますと、分社化の後、会社の実態はほとんど変わらず、排出実態が変わらないにもかかわらず、許可が必要になってしまうというような事態が発生する。このため、例えば、親子、親が子会社に対する十分な支配力を有しており、従来そうであったように、子会社があたかも親会社の一部門のような関係にある等一定の要件に適合する場合には、親会社と子会社を一体のものとしてと取り扱うための措置を検討するべきではないか。
また、3番目の丸でございますけれども、ただし、こういった一体として取り扱うというものについては、さまざまな法的な検討も必要だと思っておりまして、当該、親子会社間における排出事業者責任を共有することや、親子の会社の内外の廃棄物について明確化する等の措置が必要ではないかということが考えられます。
続きまして、電子申請等の負担軽減や合理化といったところでございます。こちらもいろいろなご要望をいただいておりまして、電子申請については、さまざまなメリットがございまして、政府全体で推進しているところでございます。基本的に大きな方針としては推進していく必要があるというところはございますが、他方で、8ページの上のほうにありますけれども、申請者と行政が事前相談を重ねながら申請書を作成するような手続においては、電子申請によることがかえって非効率になる場合もありますので、そういった点は留意しながら電子化を進めていくということが重要であろうと思います。
まず、「そのため」というふうに次の丸にございますけれど、国において広域認定等、国も申請を受け付けておりますので、そういった国においても可能なものから手続の電子化等をきちっと進めていくといったところと、また、都道府県及び申請者の双方において効率的で効果的に対応が可能な手続から段階的に進めていくようなことを含めて、国から都道府県への働きかけを行うべきではないかという点でございます。
また、電子申請につきましては、将来的には電子マニフェストの連携ですとか、いろいろなIT技術の活用による効率的・効果的な廃棄物処理制度というものを考えていく、潜在的な可能性のものがあるというふうに思っております。こういったIT技術の活用による将来の廃棄物処理制度というものは、循環型社会形成推進基本計画、次、今もう見直しの話を進めているところでございますけれども、そういった見直しの検討も踏まえつつ、そのあり方について検討していくべきではないかというふうに考えております。
また、様式の統一というところも、様々な方々からご意見をいただいているところでございますけれども、こういった様式につきまして、地域の実情に応じた都道府県の適正な審査という観点もあるからというところはあるんですけれども、そういったところを確保しつつ、申請者の事務を軽減するという観点から、収集運搬業の許可の申請書、その添付書類の様式或はマニフェストの交付状況の報告書といったものについて、様式の統一を進めていくべきではないかというところを書かせていただいております。
また、更新許可の申請の際にも、同一の型の設備でないと更新許可で業務申請書類が軽減されないというようなことがあるとか、そういったことを聞いておりますので、例えば、環境負荷が低減する場合の手続の簡素化を検討する、というように、更新許可を、手続を円滑化していくような必要な措置を講ずるべきではないかというところを挙げさせていただいております。
続きまして、いわゆる欠格要件と呼ばれているものでございます。廃棄物処理法で、指摘されているのは、業務とは関係のない法律違反をして当該の法人役員が欠格要件に該当すると至った場合に、当該法人も一律に欠格要件に該当してしまうというので許可取り消しというふうな話になるようなことは厳しいのではないかというご指摘がございますし、また、「法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準じる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者」の該当性というところがわかりにくく、明文化すべきではないかというご意見もいただいているところでございます。
他方で、こういった検討には専門家のご議論も必要ではないかというご指摘もいただいていると思っておりまして、欠格要件のあり方について、引き続き慎重な検討を行っていくべきではないかというところを挙げさせていただいております。
続きまして、論点の12、地方公共団体の運用、9ページでございますけれども、こちらについては、実質的な地方公共団体の独自な流入規制ですとか実質的な住民同意というものがあるというところで、こういったところに対しては、廃棄物の円滑で適正な処理を阻害するおそれがあるということを周知していくといった必要な措置を講じるべきではないかという点を挙げさせていただいております。
2番目の丸でございますけれども、品目の判断が自治体によって異なるときがあるというような話もご指摘をいただいているところでございます。こういった運用で広域的な議論が必要なところについては、適正処理の担保に留意が必要ですが、他方で、負担の軽減ということを考える観点から、国、地方公共団体、排出事業者、産業廃棄物処理業者等の関係者による意見交換の場の設定等、必要な改善が必要になるように、まず意見交換の場のあり方ですとか、その参加者も含めて検討していくべきではないかといったところを挙げさせていただいております。
続きまして、論点13、少子高齢化・人口減少社会を見据えた対応でございます。こちらも大きな流れとして、今後の少子高齢化・人口減少社会というものが予見される中で、どのような廃棄物処理の絵姿を描いていくかというところを議論すべきではないかというご意見をいただいていると思っております。そのため、このポイントでは大きく二つの具体的な話を書かせていただいております。2番目の丸でございますけれども、将来にわたり適正処理・3Rが確保されるよう、より適正な規模での効率的で高度化された循環システムの構築を目指し、これまで既に論点で述べています人材育成ですとか、広域認定制度の活用、または流入規制の改善といったところを進めていくべきとしております。
また、先程のITの話でも同様ではございますけれども、少子高齢化・人口減少社会を見据えた対応というのも循環基本計画の中で非常に大事な検討要素となってくると思いますので、そういった循環基本計画の見直しの検討も踏まえつつ、中長期的な視点での対応についても検討していくべきではないかといった点を挙げさせていただいております。
以上でございます。
○大塚委員長 はい、どうも要領よくやっていただいてありがとうございました。
では、ただいまの事務局からの説明を踏まえまして、委員の皆様からご意見、ご質問を頂戴したいと思います。事務局からの説明のとおり、資料の1の項目に沿ってご意見をいただきまして、最後に全体についてのご質問、ご意見をいただくということにしたいと思います。
では、まず論点8から論点10につきまして、ご意見、ご質問がございましたら名札を立てていただきますようお願いします。
では、大迫委員からお願いします。
○大迫委員 ありがとうございます。まず、論点9でございます。いろいろな、これまで廃棄物なのか、あるいはリサイクル物なのかとかいうところでの曖昧な中での不法投棄まがいの事案等も発生してきた経緯等がございますけれども、その廃棄物を卒業したリサイクル物とか製品に関して、廃掃法の中では、もちろんそこまで取り組むことが難しいところではございますが、その基準の考え方とか、或はリスクに基づいた合理的な判断基準みたいなものがあまり統一的な議論がされていないというか、行政上の所管の「すきま」にも落ちているところでございまして、そこが逆に出口が曖昧だから、少しその前のところの運用面でいろいろなほころびも出ているような気がしています。そういう意味で、課題としては、この用途ごとに、きちっとした有効利用の基準等を議論していくということはいずれ必要ではないかというふうに思っておりますし、都道府県がそれぞれリサイクル認定制度とかつくっておりますが、その判断基準もばらばらでございまして、そういったところなんかも、今回というよりは、将来課題としてきちっと議論していくべきかなというふうに思っています。これが論点9でございます。
それから、論点10につきましてですが、この温暖化対策から見た廃棄物分野での強化ということは、今まさに求められているところでございます。ここの中で廃熱利用というところが強調して書かれておりますので若干申し上げますと、やはり一般廃棄物の処理施設等で熱を回収利用していくことは進めていくべきなんですけれども、いろいろと他の論点でも出てくる、例えば、人口減少で施設規模がどんどん過大になって、地域的に過大になってしまうとか、そうしますと、どうしても熱回収効率が落ちてしまいます。そういう広域的な観点の中で、或は災害対策ということも含めて、このエネルギーの問題に関して、いかに合理的な考え方をつくっていくかというところがあって初めて、やはりこの熱回収、廃熱利用の拡大というところがあるのだと思いますので、ここもきめ細かく今後検討していくべきですし、さらに、大事なのは、この需要とのマッチングをいかに図るかという、やっぱりどこにどう用途に使っていくのかというところの議論や、そこを推進する取組があってこそ生きてくるということになりますので、立地の問題とかも含めて、いろんなものが複雑に絡み合う課題でもございますので、丁寧に議論していくべきかなというふうに思います。
以上です。
○大塚委員長 では、少しまとめでご意見をいただいてから環境省のほうに何かお話をいただけたらと思いますけれども、鬼沢委員、お願いします。
○鬼沢委員 9、10のところですね、はい。やはり3Rを推進して新しい3Rのビジネスを創出していくということから考えますと、廃棄物であるのか資源であるのかというところの自治体の判断がやはりさまざまじゃないかなというのがありまして、それは最後のもう12のところには係るんですけれども、今まで廃棄物として処理していたものを資源として有効に利用するといったことを考えると、この広域認定の部分が認定がおりるまでに時間がかかったりということもありますし、その辺りをもう少し、どういうものをちゃんと資源として使っていくというのを明確にしていく必要があるんじゃないかと思います。
それとあと、やはり再生されてきた製品も廃棄物ではないというところの証明をもう少し明確にしていく必要があるんじゃないかと思いますし、今まで燃やされていたものをちゃんと資源として有効に使っていくということが、やはりそれは物によっていろいろ違っていくので、その辺りを明確にしていくことが大切なんじゃないかなと思います。
○大塚委員長 ありがとうございます。
では、新熊委員、お願いします。
○新熊委員 私のほうからは、優良産廃処理業者認定制度につきまして二つほどコメントさせていただきたいと思います。
まず、違反があった場合の、この認定取り消しというのは、都道府県が許可更新のときに判断されているということなんですけれども、取り消し件数と、そういった実態を環境省としても把握しておくべきじゃないかと思うわけですね。この取得件数については、かなり把握されておられるようですけれども、この取り消し件数というのもちゃんと把握しておくべきではないかと思います。というのは、そこの認定取り消しというのはこの制度の肝でございますので、どうしても必要、重要だと思います。
もう一つですけれども、この廃棄物処理業者からしますと、この制度の取得のメリットが小さいと。つまりこれは排出事業者に優良業者を選択的に、それと選択的にこの契約するインセンティブが小さいということだと思うんですけれども、排出事業者が何をもってして、この廃棄物処理業者が優良だと言っているんだろうと、そういうふうに疑問を持たれるようでは非常に問題なわけですね。つまり、この排出事業者が納得できるような内容に、この認定要件というのを、経団連とこの排出事業者と対話をしながら今後見直しを進めていくべきではないかと思います。
以上です。
○大塚委員長 ありがとうございました。
では、環境省、お願いしてよろしいですか。
○相澤廃棄物・リサイクル制度企画室長 ありがとうございます。幾つかの委員からの、まずそのリスクに基づいた判断基準ですとか、何をしたらリサイクル物となるのかというようなところの基準というようなお話もいただいているかと思います。これまでも個別に建設汚泥の通知を出したりですとか、そういった一定の判断基準というのは出させていただいているところではございますけれども、そういったところを物を見ながらしっかり判断していくということをさせていただくところかなと思っております。
また、重要なのは、廃棄物の世界から見ると、どうしたらリサイクル物になるのかという視点になるのですけれども、他方で、リサイクル物というのは実際に使われていくということが大事なので、使っていく側の方々がこうしたら使えますよというふうな基準をつくっていただくということをやっていただくと、そうすると、そういったものは使えるんだということで、非常にそうした判断がやりやすくなってくるということがございますので、これはリサイクルしたものを使っていただく側のほうからも是非そういった活動をしていただくことを進めていくということが大事ではないかということを考えております。
また、新熊先生からのご指摘の取り消しの件数ですけれども、参考資料の1、そこの28ページをご覧いただければと思います。こちらのほうに優良産廃処理業者の不利益処分の状況ということで、施行後、平成23年4月以降の累計の値を書かせていただいております。事業停止命令が7件あるというところでございます。また、許可の取り消しというものに至ったものは、その下の注釈書きのところにありますけれども、2件ございます。これは優良産廃処理業者全体の0.2%でございます。比較としまして、産廃処理業者全体での許可取り消しの件数というのを書かせていただいています。これが955件という件数でして、処理業者全体では0.8%というところでございまして、0.2と0.8ということで、許可の取り消し件数をこうして比較してみますと、優良の方々のほうが、やはり許可の取り消しの割合は少ないといった実態があります。
また、優良産業廃棄物処理業者を選ぶメリットというか排出事業者がメリットを感じていただけるというところを是非ご議論いただいて、メリットのあるようなものに移行していければということを思っております。
また、大迫先生がおっしゃっておられた温暖化の話も、今後の検討の資料につきまして、もう少し丁寧に書かせていただくというところというふうに思っております。ご意見ありがとうございます。
○大塚委員長 私から伺っては申し訳ないんですが、大迫委員のご発言との関係では、EUのほうで廃棄物の卒業とかについての議論がありますが、その辺について、もし何か、日本で今すぐやるのはなかなか難しいということかもしれませんけれども、もしコメントいただけるとありがたいです。申し訳ないですけど。
○相澤廃棄物・リサイクル制度企画室長 ありがとうございます。一番日本の廃棄物処理制度は、これまで築いてきたものもございますので、具体的なものを見ながら、こういったものについては、実際にリサイクル物としてみなせるかどうかが困っているといったものについて、まず取り組んでいくというほうがいいのではないかと思っております。ここに書かせていただいておりました建設汚泥ですとか、コンクリート塊といったものについては、まさにこれから工事等に伴って大量に出てくることは予見されているけれども、どうしたらリサイクル先がちゃんと確保してそこに使っていただけるかという議論が活発になってきている分野だと思いますので、この中で、考えさせていただくという形かなと思っております。
○大塚委員長 ありがとうございました。
では、田崎委員、お願いします。
○田崎委員 論点9について、2点指摘があります。まず、1点目は、その前半の建設系の廃棄物のことです。グリーン購入等を促すということですけれども、やはりここは国交省ないしは県の建設部局の調達部門との密接な連携を図っていただきたいと思っております。今、先ほど廃棄物の卒業基準という話がありましたけれども、何よりも使っていただくという点では、利用先の利用条件をきちんと見ていくということが大切で、そこを遵守していただきたいと思っています。
もう一点目が、論点9の後半の太陽光パネルなどの今後排出の増加が見込まれるものについての対応・検討というところなんですけれども、ここの具体的内容がわからないという文面になっているというのが正直な感想です。当然ながらリサイクルシステムの構築は考えていくのですけれども、私がもう一点強調したいところは、リサイクルしやすいもの、リサイクル困難なものをつくらないという、製造段階での製品設計のところのことをしっかり考えていただきたいと思います。その点でいいますと、廃掃法の第3条の2のところの内容をしっかり運用していただきたいということがあります。どういった内容が書かれているかといいますと、事業者は自らが扱ったものが廃棄物となった場合における処理困難性についてあらかじめ評価して製品等の開発を行うこと。それから、適切な処理の方法について情報提供すること。この処理についてはリサイクルも含まれているわけですけれども、この条文は1991年の法改正で入っているもので、その前の87年には自己評価のためのガイドラインがつくられ、各業界いろいろ努力をしたというのが当時の話だったと思うんですけれども、今、どれだけ自己評価が行われて、廃棄段階ないしはリサイクルのことを考えて製品設計ができているのか。何%そういった製品があるのか。それは行政自身、把握しているのか。廃掃法の第3条の2の運用というものが、このところおろそかになっているのではないかと感じておりますので、そこはきちんと運用していただきたいと思っております。
以上2点です。
○大塚委員長 はい。特に2点目についてはとても重要だと思いますので、後でよろしくお願いします。
では、辰巳委員、お願いします。
○辰巳委員 後から札を上げたのに先にすみません。まさに田崎先生がおっしゃった内容と同じ2ポイントだったんです。一つは、「再生利用指定制度等の」と書いてある5ページのところの論点なんですけれども、もう少し申し上げますと、廃棄物を利用した製品の基準を明確にとかというご意見もあったりしたんですけれども、せっかく国というか環境省のほうでグリーン購入法とか進めておられるので、そういうもののもっと認知度を上げていただくとか、あるいはもう一つ考えられるのは、今、グリーン購入法は国が対象で、地方公共団体は頑張ってください、さらにそのもっとランクが下がったところに事業者頑張ってくださいになっているので、そのところをもう少し引き上げて、きちんと取り組んでほしいというふうに、そこら辺の拡大というものもお持ちの法律の中で検討していただけるとすごくいいかなというふうに思った次第です。
もう一つ、太陽光発電のことがとても気になりまして、今回ここにわざわざ取り上げられているということで、別のエネ庁等の再生可能エネルギーを増やすことに取り組むような委員会にも属しております関係上、常にブレーキがかかってしまうんですね、この太陽光発電の。今回いただいた資料の、参考資料の44ページにも書かれていて、2039年にはかなりですよね。この6%という比率が大きいので、こういうのがブレーキかかるとすごく悲しいなと思っておりまして、もっと促進して、リサイクルに取り組んでいただきたいというふうに思っております。それで、そういうことを別の場所で発言しますと、リサイクルに取り組もうとされているという状況がなかなか伝わっていない。だから、どういう現在研究がなされていて、どういう可能性があるのかとか、そういう進捗状況がもう少し広くわかるようにしていただきたいなというのが一つ。
それから、もう一つ、先ほど出ておりました有害物の関係で、パネルからは有害物が出るんだというふうに言って結構責められることもありますもので、その辺りも明確にしていただきたいなというふうに思っております。
以上です。
○大塚委員長 重要なご指摘だと思います。
では、谷上委員、お願いします。
○谷上委員 すみません。論点8の優良処理業者認定制度の件です。実は東京都も同じような優良認定の独自の制度を持っているんですけれど、大体250業者ぐらいということで、同じように、やっぱり取ったはいいけど、メリットがないと。例えば、契約の段階で有利性といいますか、優遇してもらうようなことはできないかというのを働きかけているんですけど、数が少ないとかということもあって、もう少しその全体の数を増やしていくのが必要なんではないかというような問題意識は持っているんですけど、処理業者さんが取ってもらう、認定してもらうために、取ることによっていろんなメリット、また手続的な廃掃法上の緩和制度だとか、そういうのも必要ではないかとは思っています。
それから、もう一個が、排出事業者さん側にも優先的に、例えばこの優良認定を持っているので、ぜひ使いたいというようなところのメリットも、ぜひ必要だと思っておりまして、例えば法律的な話の中の関連でいけば、排出事業者さんに課している処理責任の幾つかを、こういう優良業者さんを選ぶことによって一部解除できるようなことも、かなり難しいというご意見、例えばそれを都道府県のレベルでの運用でもできないかみたいなところを考えていただければなというふうには思っております。
それから、論点9の再生利用の関係なんですけれど、資源循環のサイクルの中で、廃棄物処理法はその最後の一部でしかないんで、廃掃法の中でその再生利用をどうやってやっていくかというのは非常に限られていく中だとは思うんですが、実は建設汚泥の改良土につきましては、去年、東京都はモデル事業を行っております。再生利用を行うには、二つ論点があるのかなと思って、一つは、その品質の問題をどうクリアするかという、その再生資源、廃棄物由来であっても普通の天然素材と同じような品質であると。それから、もう一個はどういう使われ方をしているかというところが、廃掃法で大きな問題になってくるのかなと考えておりまして、少なくとも去年の東京都のモデル事業に関して言えば、品質は十分使ってみてほかの天然由来のものとは遜色がないということなんですけれど、問題はその品質だけで卒業させた場合に、どういう使われ方をされていくのかと。当然、再生材として十分使っていただければいいんですけれど、そうではなくて放置されている場合もあって、いわゆる処分と同じような状況になってしまうと困るというところもあるんで、いわゆる需要を喚起するといいますか、廃掃法だけではなくてもリサイクル法も、我々のグリーン購入の問題もあるんですけれど、その努力義務ではなくて、ある程度その再生資源を使うような義務化みたいなものをあわせて進めていくのが必要ではないかというふうに考えております。
以上です。
○大塚委員長 お三人になりましたので、環境省さん、お願いします。
○相澤廃棄物・リサイクル制度企画室長 ありがとうございます。幾つかの委員から、まさにグリーン購入で使う側との連携というのが大事と、幾つかの委員というか皆さんから、3委員全員から言われたというふうに思っておりますけれども、それについては、廃棄物処理法を超えてしまうところが実際ございますけれども、ただ、ここにも書かせていただいておりますとおり、省内では話をしているところでございますので、ご指摘いただきまして、中のほうで相談をさせていただければと思います。中というのは、環境省の中というのもありますけれども、グリーン購入、ご承知のとおり対象品目ですとか、そういったものは他省庁にまたがって、省内の関係部署を経まして関係省庁との連携というところになってきますので、話をしておきたいと思います。
また、太陽光パネルの話もご指摘をいただいていまして、しっかりやっていく必要があるだろうと思っております。
また、田崎委員のほうから、特に廃棄物処理法の3条のところを挙げて、こういったシステムというリサイクルの受け皿というところよりは、むしろリサイクルしやすいですとか、処理しやすい製品づくりみたいなところも考えていくべきではないかという点が指摘されたというふうに思っております。こちらについても、現在の論点には書いておりませんので、もしご同意いただけるものであれば、次回に向けて何か書かせていただければと思っております。
あと、有害物質の話もご指摘いただいていると思いますが、こちらについても先ほどの雑品スクラップといいましょうか、使用済の有害物質が入ったような金属スクラップの問題にもかかわってきますし、前回の論点のところにも有害物質関係がございます。そういったところとの関係もありますので、有害物質というものをどう明確化していくか、あるいはその情報をちゃんと伝わっていくようにするといったところにつきまして、前回のご議論も踏まえつつ、次回に向けて反映させていただきたいと思っております。
優良についてのメリットの話も谷上委員のほうからご指摘をいただいているところでございますので、処理業者側のメリット、排出事業者側へのメリットと両方考える必要があるのではないかといったところがございまして、やはりこういったところもご議論をいただければと思っております。排出事業者責任について少し軽くするようなところもできれば、排出事業者のメリットになるんだろうというところもございますけれども、法技術的になかなか難しいところがある可能性はあるかなというふうに思っておりますが、そういったところも含めて、まずご議論いただいた上で、考えてまいりたいと思っております。
○大塚委員長 ありがとうございます。太陽光パネルについては、大量に廃棄されるのはもう少し後だというふうに、あるいはお考えになってらっしゃるかもしれませんが、先程から出ているように、その製品の設計という観点からは今すぐ対応していただく必要がございますのと、倒産してしまって、後から制度をつくっても何かもういなくなってらっしゃるような生産者もおいでに、輸出業者とかも、輸入業者ですかね、いらっしゃるかと思いますので、その辺も含めて、どうぞ早目の対応をお願いしたいところでございます。
では、中杉委員、お願いします。
○中杉委員 まず、論点9ですけども、建設汚泥の問題は大きな問題だろうと思うんですが、それから、建設汚泥の再生利用というと競合するものはたくさんあるわけですよね。いわゆる全く無害な建設発生土というものが一つあるのと、それから、土対法のほうで今もう一つ問題があるのは、いわゆる自然起源の汚染土について少し取り扱いを変えようではないかという議論をしているはずなんですけれども、そこら辺が競合することになりますので、そちらとのにらみ合いといいますか、整合をとっていく必要があるんではないかと、そこも議論する必要があるんではないかというふうに思います。
それから、論点10のほうですけれども、廃掃法の議論ですのでちょっと難しいかと思うんですけれども、ここで廃棄物処理分野、いわゆる廃棄物としてなって廃掃法の世界に入ってきたものについて地球温暖化対策を強化していくという話なんですが、その外でも廃掃法に入ってこない部分があるんですよね。そういうものも含めて、全体に地球温暖化にどういうふうにして取り組んでいくかという話が重要だろうと思っています。私も正確に把握はしていないんですが、固形の燃料を使った発電については部分的に制約をされるというふうな話も聞いています。それは、逆に言えば廃棄物にして廃棄物処理施設で燃やせば制約がないというようなことがあるようにも聞いているものですから、そういうところも含めて少し情報を集めていただければというふうに思います。
○大塚委員長 ありがとうございます。
永井委員、お願いします。
○永井委員 ありがとうございます。まず最初に、論点8の優良処理業者認定制度の見直しについて2点、意見を申し上げたいと思います。
1点目は、優良認定制度の見直しに当たっては、優良認定のハードルを高くするばかりでなく、優良認定業者を増やすことも十分に検討するべきだと思います。優良認定業者を増やすための優遇措置として、例えば保管基準や再委託禁止の緩和などが考えられます。そのほか、連合会の要望事項にアイデアを盛り込んでいるので、ぜひ前向きに検討していただきたいと、お願いいたします。一方、優良認定基準を見直すとするならば、行政や地域住民等の信頼を確保するために、産廃処理業者による安全衛生面も含めた人材育成の取組を評価する観点も重要でないかと考えております。
2点目といたしまして、優良認定基準の強化として、企業名を含めた取引情報の公表を基準化することは、処理業者の競争上の観点から行き過ぎだと考えております。真摯に取り組んでいる処理業者であっても、仮に取引先まで公表するとなると、ビジネスに支障が生じかねないと危惧する事業者もいます。優良認定のハードルとして高過ぎ、非常に問題であると考えております。もちろん処理業者によっては公表できる場合もあり、個々の排出業者との契約によって進めていただければよいかなというふうに考えております。
続きまして、意見としまして、論点9の5ページの再生利用認定制度のさらなる活用についてでございます。
当連合会は、行政、排出業者、処理業者の3者の連携による建設汚泥再生品及び再生砕石の利用促進の提案を今月取りまとめたところでございます。今回の論点の検討では、建設汚泥の再生利用の推進を図るため、モデル事業が取り上げられており、これをぜひ実施いただきたいと思っております。
続きまして、意見としまして、論点11、7ページの親子会社間における「自ら処理」の拡大についてでございます。
○大塚委員長 そこまででいいですか。
○永井委員 はい。すみません。
○大塚委員長 今、10までですので、すみません。よろしいですか。
○永井委員 申し訳ございません。そこで、建設汚泥のことに関しまして、先程から、卒業基準等のような問題がありましたけども、連合会といたしましては一定の要件をクリアした再生資材を一廃資材と同一に扱うことを提案しており、我々は、この要件を廃棄物の卒業基準、あるいは終了基準と呼んでおります。この基準の要件としては、例えば再生利用指定制度において、個別指定された建設汚泥再生品や再生砕石については、当該資材の製造、流通、利用先、利用先における利用用途が明確化され、さらに、利用用途に応じた品質確保がされることなどがあります。
このような基準を設定した上で、しかるべき手続があることを想定しています。詳細はわかりませんが、欧州においても、二次資源の循環のための、この廃棄物の終了基準の制度があると耳にしております。ぜひ、我が国においても検討をしていただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○大塚委員長 はい。池田説明員、お願いします。
○池田説明員 大塚先生からご指名いただきましたので、発言させていただきたいと思います。
優良産廃処理業者の認定制度の改善に関しまして、先般の意見陳述においても、排出事業者が、そういった優良産廃処理業者へ委託するインセンティブを設定してほしいというお願いをしております。例えば、優良産廃処理業者に委託した場合には、実地確認に関する努力義務を見直すなど、前向きに検討をいただければありがたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○大塚委員長 はい、失礼しました。
では、米谷委員、お願いします。
○米谷委員 論点8と9について、コメントさせていただきます。
論点8につきましては、先ほど来、優良認定事業者にメリットがないというお話がありますけれども、あくまで私個人の動きとしては、例えば、これまで、その品目はほとんど出ることがないけれども、たまたまこの地域でこういう品目が出ることになった、さあ、じゃあどこの業者を選ぼうかといったようなときには、真っ先に産廃情報ネットさんを拝見しておりまして、優良認定を受けているところ、或は優良認定は受けていなくても情報公開をしっかり行っているところ、そういうところを選んでいるということは、申し上げておきたいと思います。
あと、論点9ですけれども、こちらは非常に大きな部分です。コンクリート塊や建設汚泥等の発生量ということで、建設廃棄物について取り上げていただきまして、大変ありがとうございます。我々としても、特に建設汚泥について非常に大きな問題であるというふうに認識をしております。
先ほど来、いろいろな委員の方々から、廃棄物該当性の判断の話も出ております。私自身は、先程、前半であったバーゼルとの「すきま」の話、そもそも発生したもの自体を廃棄物とみなす必要があるのかどうかという話というのと、一旦廃棄物になったものが、じゃあそれを卒業したのかどうかという話、その2つは極めて類似した話であるというふうに考えております。そのどちらの側面においても、廃棄物かどうか非常に悩ましいものが存在するのが実情です。一つ、非常に大胆な提案をさせていただきたいんですけれども、そういったもの、発生時点にせよ、処理した後にせよ、そこで非常に悩ましいものについては、一くくりにしての何らかの品目指定などをしていただきまして、そこに汚泥処理土も入るし、廃製品ですか、そういったものも含むというような形での品目指定というのをしていただいた上で、その次のステップとして、物として廃棄物かどうかということを見ていこうとすると、際限なく基準をつくっていかなければいけない話になってしまいまして、非常に困難なのではないかなというふうにも思っております。
ある程度の最低ラインの基準みたいなものを設けることは必要かもしれませんけれども、物について、そこまでぎちぎちと詰めていくのではないラインを引く。その上で、問題は、それを扱う業者がどれぐらい信頼できるかというところに尽きるというふうに、私自身は、これまでの経験上、思っております。個々のものではなく、結局、業者さんを判断するという部分が大事だと思っておりまして、それぞれの施設、汚泥でいえば中間処理施設ですけれども、であったり、スクラップであればヤードということになるんでしょうか、そういったところ、施設ごとに、そこがきちっとした運営がなされているか、そこが過去に扱った中で、特に大きな問題を起こしていないか、或は、持って行き先として確実に利用がされているかといったようなこと、そこは個別に自治体で判断をしていただいて、その中で認められるというふうに考えられるところについては、何らか、従来から私が出している言葉でいえば、再生事業者登録という制度でもいいんですけれども、何らかそういう、ここであれば大丈夫だということを、その施設単位で自治体に見ていただくということをすれば、それについて毎年定期的に状況確認をしていって、合致しなくなったと考えれば、それは取り下げるというような、そういったような考え方というのはどうなのかなということを、ご提案をさせていただきたいと思います。
先ほど、谷上委員からもお話がありましたように、東京都さんが実施してくださいましたモデル事業で、私ども日建連として応募をしまして、建設汚泥処理物について、しっかりした中間処理業者さんだけを選定して、そこが製造したものについて現場で使うということをやりました。先ほどもお話がありましたように、非常に品質面ではいいという評価でした。正直言いまして、残土と違って、異物というものが入る余地がございません。締め固めもいいということで、非常に高評価でした。
ただ、残念ながら、それを有価で買うというところまでは、なかなか現場の立場でいかない。なぜなら先ほど中杉委員がおっしゃったように、残土というものがお金を出さなくても使える状況にあるからなんですね。
先程の「すきま」の話は、有価で売れるけれども問題があるという話でした。この汚泥処理物に関しては、有価では売れないけれども、品質的には非常にいいというものなんですね。そういう両方の側面があって、それらを個別に判断をしていくという考え方、ということをご提案をさせていただきたいと思います。
以上です。
○大塚委員長 よろしいですか。
では環境省さん、お願いします。
○相澤廃棄物・リサイクル制度企画室長 ご意見ありがとうございました。
優良認定、論点8のところは、永井委員のほうからいろいろアイデアを出していただいていると思っております。そのメリットの話で、保管基準とか委託基準、また、要件で人材育成みたいなところも考えてはどうかといったところがございますので、そういったところを、ご指摘を踏まえ、考えさせていただければと思っております。
池田委員のほうからも、排出事業者のメリットということで、ヒアリングの際にも出していただいている現地確認の義務のところをいただいているかと思います。そういったのも考えさせていただければと思っておりますが、先程申し上げましたとおり、排出事業者責任のところについては、法技術的に難しい可能性があるというのが1点目と、もう一点は、前回の論点で、排出事業者責任の徹底といった論点があったかと思います。そういったところのバランスで、どこまで排出事業者の現地確認義務を軽くすることがメリットとして考え得るのかといったところのご議論にもなってくるのかなと思っておりまして、そういったところも含めて、検討させていただければというふうに思っております。
論点9のほうですけれども、永井委員、米谷委員のほうから、実際に、今、かなり突っ込んだご検討をされているような状況なども出していただいたというふうに思っております。
先程来から、いわゆる卒業と呼ばれております、廃棄物ではなくてリサイクル物としてどこに線を引くかというご議論が随分出ているかと思います。建設汚泥等がまさに実際に差し迫ったものですし、事例として、しかも実際に基準もつくってお考えになって動いていこうとされているようなご提案もあるようですので、まさにこういったものが、今後考えていくための具体的な例として、最もよいのではないかと思いますので、論点のほうに書かせていただいておりますモデル事業みたいなものをやっていくと、どうやったら汚泥というものが、廃棄物ではなくて、実際に使っていただけるようなものというふうに判断できて、なおかつ、それが実際に使っていっていただけるように物が流れていくようにできるのかといったところが、いろいろ考えていけるのではないかというふうに思っております。
そういった中で、行政判断的な、どこからがリサイクル物かという判断もありますし、中杉委員がおっしゃった、競合先が多くて実際に売り先を見つけていくのが大変といった話も、モデル事業のそういったものの中で、実際にどうしたら使っていただけるかを考えていただくとか、そういったところもあわせて考えていけるのではないかと思っております。
どういったモデル事業ができるのかといったところは、さらなる検討が必要な部分だとは思いますけれども、そういったモデル時業の中で反映できていくのではないかと考えております。ありがとうございます。
○大塚委員長 ありがとうございました。
では、次に、論点11から13についてお伺いしたいと思います。ご意見、ご質問がございましたら、札を立てていただければと思います。
では中杉委員、お願いします。
○中杉委員 論点12なんですけれども、廃棄物処理をするという立場からいうと非常に厄介なことだろうというふうに思うので、確かにこういう要望が出てくるんだろうと思うんですが、受ける側からいうと、廃棄物処理施設を受け入れてどれだけ地元にメリットがあるんだろうか、社会全体としてはメリットはあるけど、地元に対してどれだけメリットがあるんだろうかという観点がどうしても出てくるんだろうと思うんですね。
そういう最たるものに原発があるわけですけれども、原発自体についてはそれなりに地元にお金が大分戻ってくる、そういうところでも、今はそういうものは断るというふうな風潮になりつつあるわけですね。
そういうことを考えると、廃棄物処理施設をどうしてもあんたのところで引き受けなさいということを強制するということはかなり難しいんだろう。日本国のためだから、あんたのところは我慢しなさいというふうな言い方にはならないように、十分注意をしないといけないと思います。
全体の方向としては、どうしてもこういうことをやらなきゃいけないんだろうとは思うんですけど、そういう意味では個々の自治体が、うちの県はそういうものではなくてよい環境を保つのだということを、県の方針として出すというのは、ありであろうというふうに思いますので、この辺のところは十分注意をして扱っていただく必要があるかなというふうに思います。
○大塚委員長 永井委員、お願いします。
○永井委員 ありがとうございます。まず、論点11から。1点目といたしましては、日本経済団体連合会の要望で、企業が分社化した場合の取り扱いであります。分社化に限定される要望だと、この件に関しては理解しております。一方、論点の検討の本文においては、「分社化等」や「親子会社間における自ら処理の拡大」などと記載されており、必ずしも分社化に限定されないような印象を受けます。そこで、例えば「分社化等」を「分社化」に本文を改めるなど、分社化に限定した検討事項であることを明確にしていただきたい。
2点目といたしまして、仮に分社化による親子会社の業許可を不要とされる場合、本来、別法人であるからには処理業の許可を取得することが原則であることから、原則に対する特例との位置づけを明確にすべきであるし、都道府県はその事業者の状況を把握できる仕組みが必要ではないかと考えております。また、既に業許可を取得している当該親子会社については、特例の対象としないなどの限定的な措置をとるべきだというふうに考えます。
3点目といたしまして、分社化による親会社が事業環境の変化等によって、その親子会社の関係がなくなった等の場合には、処理業の許可の取得を義務づけるなど、当該特別措置の執行の取り扱いを明確にすべきというふうに考えております。
最後ですが、本文三つ目の丸の「親子会社内外の廃棄物について明確化する等の措置」とは具体的にどのような措置を想定されているか、教えていただきたいと考えております。
続きまして、欠格要件についてですけれども、「欠格要件の在り方について、引き続き慎重に検討」とされているが、この趣旨は、本専門委員会の後に、別途欠格要件のあり方を検討するための場を設定されることというふうに理解してよろしいかとの質問です。
続きまして、論点12、9ページの地方公共団体の運用についてでございます。
意見交換等の場の設定は、ぜひ実現していただきたい。また、廃棄物処理法の運用に係る問題だけでなく、条例、要綱などの地方公共団体の独自ルールも意見交換のテーマに加えていただきたいと考えております。
以上でございます。
○大塚委員長 池田説明員、どうぞお願いします。
○池田説明員 ありがとうございます。論点11について、2点、意見を述べさせていただきます。
まず最初に、7ページの親子会社間における「自ら処理」の拡大についてでございます。
本件については、経団連の意見を盛り込んでいただきまして、ありがたいと思っております。
親会社と子会社を一体として取り扱う場合というのは、その会社の間で排出事業者責任を共有することは当然ですし、親子会社内外の廃棄物の明確化が必要だということも当然のことだと思っています。それを担保し、前提とした上で、具体的にどういう制度にしていくのかについて、産業界における近年の経営実態等も踏まえて、検討を深められればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
2点目は、8ページ目の電子化についてでございます。IT技術の活用による効率的・効果的な廃棄物処理制度について検討していくべきことを盛り込んでいただきまして、ありがとうございます。電子申請と情報管理、電子マニフェストとの連携、許可情報の電子化を行い一覧性を高めるということも含めて、電子システムを構築できれば、排出事業者責任を全うする環境整備が進むと思いますし、不適正処理の撲滅にもつながると思います。また、行政事務の効率化にもつながるのではないかと思っております。この検討は、別途、検討会等をつくって進めていただきたいと思っております。これは簡単なことではないと思いますので、循環型社会を効率的・効果的に築いていくためには、本来あるべき姿はどうなのかということも描いた上で、「こういうステップでここから進めていこう」といったような検討が必要ではないかと思っております。ぜひ、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○大塚委員長 では環境省さん、お願いします。
○相澤廃棄物・リサイクル制度企画室長 ご意見ありがとうございました。
まず11のほうからで、各種規制措置の見直しというところで、「自ら処理」については、まず、永井委員のほうからいろいろご質問をいただいたきました。「分社化等」の言葉については精査させていただければというふうに思っております。親子とか、持ち株会社とか、さまざまな形態の会社が分かれる形と思っておりますので、そういったものがどこまで、どういう単語で整理できるのか、またはどこまで対象にするのかみたいなところの法律的な議論も必要な分野だと理解しております。
また、明確化、7ページの一番最後の三つ目の丸ですが、親子会社内外の廃棄物について明確化する等の措置がどういうものなのか、とのご質問いただいたと思います。ご議論いただく内容の一部だとは思いますけれども、例えば、マニフェスト的な情報の連絡の仕組みを会社内でつくっていただくというような形も、一つは考えられるのではないかというふうに考えております。
また、池田委員のほうからは、電子申請の話で、さらに循環型社会の絵姿を描いて、その上でこういったことを考えていくべきと、ご指摘いただいたと思っておりまして、それはまさに、大変な作業だとは思いますけれども、確かにやっていく必要がある分野だとは思います。循環型社会形成推進基本計画の中でも、関係してくるとは思いますので、電子マニフェストの検討ですとか、個別の検討もございますし、そういった大きな検討の中でも、こういった要素をちゃんと意識しながら、今後、検討させていただくような話かなというふうに思っております。
欠格要件につきまして、永井委員のほうから、検討の場所の設置をしていくということでしょうかというご質問をいただいたというふうに思っております。検討を行っていくべきではないかというところで書かせていただいておりますので、検討を行っていくべき、ということであれば、何らかの検討の場所を設けて検討をさせていただくという形にまとめさせていただくというふうに思っております。
論点12のほうでございますけれども、中杉先生のほうから、地元でそういった施設を受け入れることでメリットがあるかどうかという、そういう施設は、地元の事情もあるので、強制的には難しくて、慎重な検討が必要な分野ではないかというご指摘をいただいたかと思っております。まさにそういったところであると思っておりますし、自治体が率先して受け入れて、例えば、エコタウンはまさにそういった、自分たちで率先して受け入れることで、その自治体が、それをPRして、循環型産業を自らの自治体の目玉にしているところもございますので、そういったところの状況とも関係してくるのかなというふうに思っております。
また、運用について、意見交換の場のあり方について、永井委員のほうから独自ルールも加えていくべきという話がありました。そういったさまざまなご議論をいただく可能性がある場所だというふうには思っております。他方で、議論する内容がどうなのかですとか、またはどういった参加者を入れていくのかといったところは、ここに書いてありますように検討が必要かなというふうに思っております。例えば、もしこういう場所を設置するとなれば、参加する方々も、それぞれ何か議論したい内容があるかどうかといったところも予めお伺いした上で設置していくというようなことが必要になるのではないかと思っておりまして、そういった場のあり方ですとか、参加者のあり方については、ぜひご議論をいただくとともに、事務局のほうでも検討をさせていただければというふうに思っております。
○大塚委員長 ありがとうございます。
では辰巳委員、お願いします。
○辰巳委員 ありがとうございます。今、相澤さんのほうからお返事があったところに関して、やっぱり非常に難しい議論の場の設定という、運営の仕方がとても難しいというふうに思っております。ここに書かれている文章だけを読むと、要するに、効率的に処理を進める、廃棄物のね、廃棄物を「効率的に」とか、地方公共団体ごとに異なる現状を「改善する」というふうに書いてあったり、何か住民の側からすると、単語が何となく住民無視だなというふうに受け取れる書き方になっていると思います。
もっとあります。「廃棄物処理業者等の負担の軽減を図る観点」とかですね。そういう単語がこういうふうに並んでくるということ自身が、対話の場の運営の仕方に反映してくるように、私は気になりますもので、文章的にもし残るんであれば、もう少しバランスのとれた書き方をお願いしたいということと、それから、12のところの丸、二つ目の丸の真ん中ら辺ですけれども、「国、地方公共団体、排出事業者、産廃事業者等の関係者による」と書いてあるところに、必ず、「住民」という単語を入れていただきたいなというふうに思った次第です。
以上です。
○大塚委員長 はい。田崎委員、お願いします。
○田崎委員 論点11のところについて指摘させていただきます。ここの方針については、基本的に、私は消極的であります。ただ、池田委員、ないしは経団連の意向で、ビジネスの変化があまりにも大きく、行政の許可を取得するという期間がとてもビジネスの速さに追随できないというところもあろうかと思うので、このようなことを特例として認めるという永井委員の意見と同じように、特例で認めるということはあり得るのではないかと思っています。一定の要件で適合する場合に認めていくというのも同意できるところであります。
それでもまだ同意できないというところは、一定の要件をずっと経年的にどう担保していくのか、誰がチェックしていくのかというところです。今の文章ですと、特に無期限で、いつまでも認められるという状況に読めます。廃棄物の処理業者の許可業者においても、更新の年限があります。そういった更新年限も、ここで決めるべきなのではないか。更新の年限というタイミングがあるからこそ、県の方々がしっかり、今の状態がどうなのかという確認をとることができる。そういったことを考えると、このような、一定要件に適合する分社化のときに「自ら処理」の範囲を拡大するというのは、あくまでも時限的に認めるべきではないのかというのが当方の考えであります。今後のご検討に入れていただければと思います。
以上です。
○大塚委員長 ありがとうございます。
島村委員、お願いします。
○島村委員 ありがとうございます。論点11について、私も田崎委員と同じ意見を持っておりました。確認とか、届け出とか、申請とかというものによって特例を仮に認めるとすると、そこは、期限のようなものがあったほうがいいのではないか。
あと、これは書かれていることですので、念のためということですが、親子会社、或は持ち株会社間で、行政上の責任、あるいは刑事罰については、両方にかかるというようにしておくほうがいいのではないか。
同時に、親子会社についての特例を認めると、条文を想像しますと、すごく複雑な条文になるのではないかというふうに想像します。欠格要件なども、正確性を期すために、迷宮のような条文に欠格要件はなっています。アセス法の特例なんかもそうなんですけれども、正確性と両立するのは難しいとは思うんですけれども、市民や普通の事業者さんにもわかりやすいように、法制局と法務官僚との間の自己満足的な条文にならないように、お願いしたいと思います。
論点12については、流入規制と住民同意については、法的な意味は多分違うので、同列に扱わないほうがいいのではないかと思います。流入規制は、ある程度、国と地方の関係の中で、条例でやる合理性がある場面もあると思うのですが、住民同意については、基本的にはやってはいけないというふうに法的には整理されていると思います。この論点は、環境省はこれまでも整理されたりしていると思いますが、そこは分けて整理をしていただくほうがよいと思います。それから、例えば三重県などでは住民同意制が、条例上、位置づけられているのではないかと思います。そういうところを国の側として、名古屋高裁の判例があったと思いますが、国のほうとしてどう見るのかということもあわせてご検討されるといいのではないかと思いました。
以上です。
○大塚委員長 ありがとうございます。
では鬼沢委員、お願いします。
○鬼沢委員 論点12の部分なんですけれども、地方自治体の運用に、廃棄物であるのか、資源であるのかというところの運用にばらつきがあるという意見を、時々、よくお聞きするんですね。隣の県ではオーケーなのに、こちらではだめというふうに聞かれるんですが、それに関して、平成25年6月28日付で環境省さんのほうから事務連絡が出ているところには、輸送費のことは書かれているんですけれども、これが多分解釈がまちまちなんじゃないかなと思うんですけれど、この中に、「経済合理性がなく」という言葉があるんですが、じゃあどういうものだったら経済合理性があるみたいなことを、もう少し明確にしたほうが、その自治体の運用がばらばらじゃなくて、もっとわかりやすくなるんじゃないかなと思いますので、これを、事務連絡をもう少し明確にして、何か通達みたいにできるんであれば、そういうふうにして示したほうが、地方自治体にとっては非常に判断がしやすいんじゃないかなと思います。
以上です。
○大塚委員長 では、米谷委員、お願いします。
○米谷委員 論点11の電子化に関してですけれども、先ほどの池田委員と基本的に同じですけれども、申請の電子化、電子申請と、あと電子マニフェストの連携等までやるというのは、今の時代、当然のことだと思いますので、ぜひこれは強力に推し進めていただきたいと思います。
この文章の中に、「事前相談を重ねながら申請書を作成するような手続では、電子申請によることがかえって非効率となる場合もある等」というふうに書かれているんですけれども、これは、申請という行為のみに着目した、非常に近視眼的な表現のように思えております。電子申請によるメリットというのは、その後もデータとして扱い、そのデータを誰もが見られるような状態にするとか、そういったことまで含めての効率性ですので、この表現はいかがなものかなというふうに思っております。
ちなみに、こちらの参考資料のほうの66ページで、「電子化への対応が難しい理由」というところで、圧倒的多数の自治体が、「受付システムがない」ということを挙げております。これは、当然、各自治体でこんなシステムをつくるということほど非効率なことはございませんので、国としてぜひそういうシステムをつくっていただければというふうに思います。
あわせて、8ページの上から三つ目の丸で、様式の統一化ということが入っておりますが、電子申請ということになれば、それは全て解決される話だろうと思っております。中でも、「産業廃棄物管理票交付等状況報告書についても、様式の統一を進めるべき」ということで書かれていますけれども、私自身は、この管理票交付等状況報告につきましては廃止をしていただきたいというふうに思っております。あまりあれが使われているものであるという実感はしておりません。排出事業者にとっては、非常に大きな負担でありますけれども、使われていないように思えておりますので、廃止を含めてご検討をいただければと思います。
以上です。
○大塚委員長 具体的な要望も出てまいりましたが、では環境省さん、お願いします。
○相澤廃棄物・リサイクル制度企画室長 ご意見、いろいろありがとうございました。
まず、分社化について、いろいろ慎重なご意見もいただいたというふうに思っております。そうしたご意見も、更新期限ですとか、そういった話ですとか、あと、親子の両方に責任をかけるべきではないかといったところですとか、いただいたご意見は、まさに条文の見やすさというか、そういうところも含めて、法技術的な検討も必要なところがあるかと思っております。個人的には、私も、7月までアセスの部局にいて、都市計画の条文がすごいわかりにくいというところから、廃棄物のほうにやってきて、またわかりにくい条文を見ているので、そわかりにくい条文と言うことをご指摘されると、そうだろうというふうに理解はするところではあります。ただ、制度化する際の条文の書き方については、いろいろな検討が必要な分野だというところは、いずれにせよ思っておりますので、検討させていただければというふうに思っております。
また、電子のところも、米谷委員も含めまして、このご時世ですので、申請とリンクしていくというのはやっていくべきというご指摘をいただいたと思っています。電子申請に対応していない自治体も実際多いところと思いますが、例えば、浜松市だったと思いますけれども、電子申請率が半分を超えているような自治体もあるというふうな情報もありますので、そういった、進んだ自治体の例などもお伺いしながら、どういったことができるのかというのを考えていかせていただければというふうに思っております。
また、様式の統一ですとか廃止についても、ご意見を踏まえまして、検討させていただければと思います。
あと、地方自治体の運用についても、流入規制と住民同意というのは分けて考えるべきではないかといったところは、まさにそうだと思っております。もうちょっと書き分けをしっかりさせていただければというふうに思っております。
住民同意につきましては、特に裁判ですとか、そういったところでも争点になっているところで、住民同意の法的な位置づけのところについては、ある程度、はっきりしてきているところがあると思いますし、我々も、行政不服審査として出てきたりとかもしているところでございますので、分けて書いていくところをしっかりさせていただければと思います。
経済合理性のところをもう少し明確化すべきではないかというご指摘も、鬼沢委員のほうからいただいているかと思っております。そういったところも、通知か、又は何らかの自治体への周知といったところ、あるいは、具体的な事例が出てきた場合に、そういうことを言っていくとか、いろいろやり方があるかと思いますけれども、そういった、より明確化をして周知をしていくというところを考えさせていただければと思います。
以上です。
○大塚委員長 ありがとうございます。
どうぞ。
○池田説明員 自ら処理や電子化について、補足説明をさせていただきます。
廃掃法は非常に厳格ですので、排出事業者責任を共有することは、非常に重いことと思っております。そういう意味で、経団連として提案している案も、届出など一定の手続を経た場合に限って、自ら処理とみなしていただく例外的措置としております。どう範囲を決めていくかについては、これから議論させていただきたいと思っております。排出事業者責任を共有することは、非常に重いことである点は、ぜひご理解いただきたいと思っております。
電子化について、あくまで手続を電子化、効率化をするという話でして、ここの議論では許可要件を緩和するという話ではなく、紙から電子にすることによって、紙資源の有効活用ということにもつながりますし、例えば許可情報が一覧化することによって、排出事業者にとってのミスがなくなるとか、場合によっては優良事業者を選定しやすくなるというようなメリットが派生的に生じてくるのではないかと思っています。そこのところを、ご理解いただければと思っております。
○大塚委員長 よろしいですか。
では、全体について、最後に、ご意見、ご質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
谷上委員、どうぞ。
○谷上委員 すみません、最初の論点7のところで意見を言い忘れてしまったので。
バーゼル法との「すきま」の解消で議論されている対象物につきまして、不適正事案を取り扱っている自治体からすれば、ぜひとも、限定的でも構いませんので、廃棄物としてみなしていただくような形でご検討をいただければと思います。
それと、不適正な事案をうまく摘発した例を見ますと、やっぱり国と都道府県と市町村と、あと警察と、税関がうまく連携して進めたというのがありますので、そこら辺もあわせて、国のほうで連携体制のあり方とか、あるいは考え方、あるいは役割分担について、はっきり考え方を示して、同時に示していただければと思いますので、よろしくお願いします。
以上です。
○大塚委員長 その「すきま」のところのお話については、廃棄物とみなすというご意見は、3ページに書いてあるところは、必ずしも、みなすところまでは行かない考え方を多分示しているんだと思うんですけれども、この一つ目の丸ですが、そうではなくて、廃棄物みなしのほうがいいというご趣旨ですか。はい。
では島村委員、お願いします。
○島村委員 時間がないところを、すみません。
谷上委員のお話と関係するのですが、廃棄物とみなすとなると、一廃か産廃かとかという話もちょっと出てくるかなというふうに思いました。それが、評価は別としてということですが。
それから、これが廃掃法で扱う話なのかという、そもそも論の話を先ほど発言し忘れましたので申し上げますと、これは、先ほどの寺園先生からの発表にもありましたが、雑品スクラップが海外に出ていって、そこで環境に悪影響を与えているとなると、これはバーゼル条約上の問題でもございまして、そのバーゼル条約の国内担保として、それを国内法として廃掃法で受けるのか、バーゼルで受けるのかという話がございます。廃棄物でないものを廃掃法で規制するという、疑い物とかはそうかもしれませんし、放射能だったら特措法のほうでやっているので、例がないわけではないと思うのですが、放射性物質とか、疑い物とは大分違う、規制対象物をここで廃掃法で受けるということになります。
それはやっていけないことではないと思うのですが、それがいいのか、それとも、これは基本的に海外に出ていくものが国内で環境汚染をまき散らしているという話なのだとしたら、バーゼル法のほうで受けるのがいいのかという根本的な問題があると思います。それは、そういう廃棄物じゃないものをこの法律に入れ込むことに、あるいは廃棄物とみなすことによる廃掃法の体系の問題ですね、規制対象をどこまで広げるのかという問題、将来的な問題にはね返ってくる話なので、継ぎはぎで、今、その問題だけにフォーカスをして廃掃法で受けるのがいいのか、それとも廃棄物のまさに定義の問題、この委員会では棚上げになっているかもしれませんが、そこに関係する問題なので、「すきま」をどちらで受けるのかというところも、委員の間での、ある種コンセンサスがあるほうがいいかなというふうに思いました。
以上です。
○大塚委員長 廃棄物とみなしてしまえば、多分、あまり今の問題は出てきませんが、みなすというところまで行かない場合に、廃棄物と疑いのあるものとか、それに似たような概念を廃掃法で受けるかどうかという問題は法的にはあると思いますけども、環境省さん、何か。
○相澤廃棄物・リサイクル制度企画室長 ありがとうございます。廃棄物とみなすというところについては、どういう形が考えられるかも含めて、中でも検討をさせていただければというふうに思っております。ただ、確かにおっしゃるとおり、みなしだと産廃、一廃、どっちなのかという話もございます。他方で、廃棄物処理法は疑い物の規定もございますので、実際の事案を見ても、廃棄物かどうか非常に迷うようなものが現場で起きていて、立入りしたら廃棄物もあったという話もありますし、廃棄物ではないところでも、環境汚染が生じていたというような事案も、前半に議論されていたと思います。
重要なことは、環境省としましては、環境保全をしっかり図っていくということなので、そういったのが廃掃法の中できちっと位置づけられるかどうかというところについては、法技術的なところも含めて、検討させていただければと思っております。
バーゼル法との関係でございますけれども、バーゼル法のほうも専門委員会を立ち上げまして、来週月曜日に、経済産業省と合同で、第1回会合を開催させていただく予定になっております。そういったところでご議論いただけるかどうかも含めまして、経済産業省ともご相談とは思っておりますけれども、環境省としましては、まず、廃棄物処理法のほうでどういったことができるのかというのを、この場所でご議論いただければというふうに考えております。バーゼル法は、バーゼル条約上の、その担保がきちっとできているかどうかというところも含めて、場合によっては外務省も含めてご議論いただく必要があるような分野だというふうにも思っておりまして、そういったところもバーゼル法の委員会のほうでご議論をいただければと思っております。
いずれにしましても、バーゼル法、廃掃法、又は他の法令、いずれかの形できちっと環境保全を図っていくということが必要だというふうに思っておりますので、ここでは廃掃法のところをご議論いただきまして、どういった対応ができるかということを考えさせていただければと思っております。
○大塚委員長 ありがとうございました。バーゼル条約は国内で、先ほどの「すきま」の点について本当に担保されているかという問題もあるかと思いますけれども、バーゼル国内法のほうで対応しようとすると、今までバーゼル国内法は水際のところを扱ってきているので、本当の国内の問題に関して扱えるかどうかという問題もあると思います。その辺を含めながら廃掃法のほうでどうするかということを検討していければと思います。
ほかにはいかがでしょうか。
1点確認しておきますけど、さっき島村さんが論点12に関して流入規制と住民同意の違いの話をされました。環境省のペーパーで、割とこの二つは今までセットで扱ってきているので、どっちも憲法との関係の問題はあり得ると思いますけども、島村さんのお考えをここで言っておいていただくとありがたいんですけど。違いの明確な理由があれば。
○島村委員 住民同意は、絶対的な拒否権を住民に与えるというのは憲法違反であるという考え方が憲法学者や行政法学者の中では大宗を占めています。
流入規制に関しては、自分のところ以外のごみを受け入れることについて、或は、それを制限、規制することについて、それは条例制定権の範囲だというふうに考えられていることが多いと思いますので、それは法的には大分違いがあるのではないかというふうに考えております。
○大塚委員長 あと、流入規制のほうは、廃掃法との関係はあることはありますよね。法律上はどういうふうに考えているかという問題があることはあると思いますけども、営業の自由との関係は、流入規制は多少問題になると思いますけど、その辺はいかがですか。
○島村委員 はい。程度問題ということはあるんですけれども、住民同意は基本はだめというふうに、多くの法学者は思っていると思います。他方、流入規制については程度の問題もありますし、廃掃法との抵触というところは両方あり得ると思いますが、廃掃法の趣旨の解釈として、およそそういう流入規制は一切だめなんだというところまで国が決定しているか、それとも、そこは自治体の条例制定権の範囲に委ねているかというところは、それは条例制定権をどれぐらい尊重するかということに帰すると思います。
○大塚委員長 営業の自由のほうは憲法の問題だけど、そこはどうですか。流入規制のほうは。
○島村委員 営業の自由との関係も、そこはもう、定性的にはそうですけれども、流入規制が一切営業の自由との関係で許されないというふうにはならないと思います。
○大塚委員長 はい。だから、どちらも、廃掃法の問題も憲法の問題もありますけども、程度が違うということかと思います。
ほかにはいかがでしょうか。
はい、どうぞ。
○相澤廃棄物・リサイクル制度企画室長 すみません。先程、そういえば論点12のところで、辰巳委員からのご指摘の対話の場のバランスのところの話も検討させていただきますので、補足させていただきます。失礼しました。
○大塚委員長 ほかにはよろしいですか。
はい。ではありがとうございました。本日の資料1の自由討議はこの辺で終わりにしたいと思います。
さまざまな論点につきまして、熱心にご審議いただきまして、誠にありがとうございました。
事務局におかれましては、これまでの議論を踏まえて、次回に報告書についての議論ができるように、必要となる資料の作成等について作業をよろしくお願いいたします。
それでは、今後の予定につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○小野企画課長 どうも長時間にわたりましてご議論をいただきまして、ありがとうございます。
次回の専門委員会でございますけれども、委員長からございましたように、報告書について議論ができるようにということで、準備をさせていただきたいと思っております。日程については、調整をさせていただきまして、決まり次第、改めてご連絡をさせていただきますので、ぜひご出席をお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
○大塚委員長 それでは、本日の専門委員会はこれで終了します。皆様、どうもありがとうございました。
午後0時56分閉会