食料・農業・農村政策審議会食料産業部会 第5回食品リサイクル小委員会 中央環境審議会循環型社会部会 第3回食品リサイクル専門委員会 第3回合同会合議事録

議事内容

○農林水産省長野室長 定刻になりましたので、ただいまから「食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会」及び「中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会」の第3回の「合同会合」を開催いたします。
 私は、農林水産省食品産業環境対策室長の長野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 委員の皆様方には、お忙しい中、またお集まりいただきましてありがとうございます。若干暑くございますけれども、若干の冷房を入れておりますので。クールビズが始まっておりますので、よろしければ上着等をおとりいただければと思います。
 きょうの合同会合の事務局、議事進行は農林水産省の方で務めさせていただきます。
 本日の委員の皆様の出席状況でございますが、両審議会の委員数は合わせて25名となっておりますが、現在11名の委員の方に御出席いただいております。若干、3名の委員の方がおくれているところかと思います。食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会につきましては、委員数14名のうち9名の御出席をいただいております。
 続きまして、中央環境審議会循環型社会部会につきまして、環境省からお願いいたします。

○環境省永島室長 中央環境審議会循環型社会部会食品リサイクル専門委員会の委員の出席状況でございますけれども、16名中、若干おくれておられる方がいらっしゃいますけれども、8名の御出席をいただく予定でございます。

○農林水産省長野室長 今回の座長につきましては、食料・農業・農村政策審議会食料産業部会食品リサイクル小委員会の座長でございます牛久保先生にお願いいたします。
 すみません、冒頭のカメラ撮りはこちらまでということで、よろしくお願いいたします。
 それでは、これ以降の議事進行を牛久保座長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○牛久保座長 皆さんこんにちは。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず、お手元に配付資料がございますので、事務局から資料の確認とその取り扱いについて御説明を願います。よろしくお願いします。

○農林水産省長野室長 お手元の資料を御確認願います。
 議事次第、合同委員会の委員名簿、そして食品リサイクル法関係者ヒアリングの進め方になります資料1、各ヒアリング先の皆様の説明資料となります資料2-1から2、3、4、2-4までをお配りしてございます。
 また、後ほど御説明いただく予定でございますが、前回の日本フランチャイズチェーン協会の片山委員の御説明資料のうち、差しかえ資料を配付しておりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、前回の議事録につきましては、ちょっとおくれていてすみませんけれども、これから各委員の皆様、ヒアリング対象の皆様に御確認いただくこととしておりますので、次回以降に配付させていただきたいと思います。
 このほか、お手元に前回までの資料をつづったハードカバーのファイルを置かせていただいております。委員の皆様のお名前も入れさせていただいておりますので、適宜、御参照いただければと思います。
 資料の不足等がございましたら、事務局までお申しつけください。
 なお、本日の資料につきましては、原則、全て公開とさせていただきたいと存じます。また、合同会議終了後には、発言者名を示しました議事録を作成いたしまして、各委員及び本日説明されるヒアリング先の御担当者様に配付いたしまして、御確認、御了解をいただいた上で公開させていただきたいと存じます。
 すみません、片山委員の差しかえの資料につきまして、ハードカバーのほうの前回のヒアリング資料のほうに差しかえたもののほうをとじてございますので、そちらを御参照いただければと思います。
 先生、よろしくお願いします。

○牛久保座長 御確認いただけましたでしょうか。
 それでは、前回の日本フランチャイズ協会の提出資料につきまして、私のほうから、提案させていただきました件につきまして、片山委員より、お手元の差しかえ資料に基づき補足説明をよろしくお願いいたします。資料につきましては、御説明ありましたように、この厚い保存ファイルにとじてあることですので、そちらをごらんいただければと。

○農林水産省長野室長 第2回の資料3になります。

○片山委員 日本フランチャイズチェーン協会の片山でございます。
 前回、食品リサイクル法の現状と課題ということで、こちらのファイルの「資料3【差換え】」と書いてあるところでございますけれども、この資料に基づきまして説明させていただきました。
 2枚めくっていただきまして、最後、7のところの別紙で、現状の登録再生利用事業者の各都道府県別の数と私どもコンビニエンスストアのリサイクルの実態ということで数字を記載しておりましたけれども、20.2%では、リサイクルが進んでいないというように見えてしまうこともございましたので、この前のページの6のところで1枚資料を追加させていただきました。
 このページで説明しているのが、リサイクルを進めるためには何が課題かということで、3点ほど上げさせていただいています。まず1つは、この資料にもあるとおりで、そもそも近隣に施設がない、というところでございます。また、施設はあるけれども、いわゆるコンビニから排出される食品循環資源、事業系一般廃棄物ですけれども、これは受け入れられません、というようなお話がございます。理由として、1つは、内容物、成分のところで、施設が製造する肥料・飼料には向かない。また、コンビニから出る場合、容器包装が付随するケースが多いのですが、これが処理できないので受け入れができません、ということです。つまり、施設はあるけれども、コンビニからのものは受け入れていただけないケースがあるということです。3番目として、受け入れは可能ですが、非常に高いということです。受け入れ価格が高くなり、焼却と比べたときに相当な負担額になるということで、加盟店の理解が得られません。
 こういう状況の中で20.2%という結果になっています。一方、コンビニは店内でフライヤーを使った商材をつくっておりますけれども、産業廃棄物である廃食用油につきましては、47都道府県の中で3万7,176店舗がリサイクルを実施しているということもございます。今回の御提案というのは、この3つの課題に対してぜひ御検討いただければということで、資料を追加させていただいた次第でございます。
 前回の補足をさせていただきましてありがとうございました。

○牛久保座長 ただいまの御説明につきまして、何かさらに御質問、御意見等ございましたらお願いできればと思いますが。
 よろしいでしょうか。特段ないようでしたら、表に、誤解を招かないようにということでさらに追加、補足をしていただいたということで、この件につきましては以上の形で進めさせていただきます。

○片山委員 ありがとうございました。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。
 それでは、議事に入りたいと存じます。今回は、前回に引き続き、食品リサイクル法関係者からのヒアリングを進めていきたいと思っております。
 本日のヒアリング先につきましては、お手元の資料1に記載がございますように、中部有機リサイクル株式会社、株式会社開成、全国食品リサイクル登録再生利用事業者事務連絡会、バイオガス事業推進協議会を予定いたしております。
 ヒアリング先につきましては、20分以内にプレゼンテーションを行っていただき、事務局から、その際の17分経過いたしましたところで1鈴、20分後に2鈴を合図として鳴らしていただきますので、時間厳守のほど、よろしくお願い申し上げます。
 それでは最初に、中部有機リサイクル株式会社からお願い申し上げます。

○前川代表取締役社長 皆様こんにちは。中部有機リサイクルの前川と言います。
 本日は、お手元の資料2-1という資料がございまして、この資料にのっとって御説明させていただきます。
 まず、私どもは、愛知県名古屋市で日量36トンの原料を受け入れしておりまして、平成21年9月より稼働しております。
 私事ではございますけれども、私は、平成13年5月に食品リサイクル法ができまして、同年10月から横浜市のほうで横浜市有機リサイクル協同組合で飼料化をやっておりました。そのときに思ったのは、やはり飼料化というのは一番難しいなということで、いかに飼料の成分を安定的につくる、そういう技術をどういうふうにやるかというようなテーマに対しまして研究開発をしてやってきたと。
 この中部有機リサイクルは、後ほど説明いたしますけれども、ある程度原料を分けて、それを配合して餌にするという技術を持ちました。それを、まず食品リサイクル法の現状と課題の中で、取り組み状況という中で御説明させていただきたいと思います。
 今回もテーマがいろいろとありますけれども、私どもは飼料化なものでして、2ページ目の課題についてというところで、再生利用等の取り組み状況、再生利用、飼料化による再生利用の取り組み、分別等の実施、民間リサイクラーと自治体との連携、2番目といたしまして、登録再生利用事業者制度・再生利用事業計画制度の活用状況ということを御説明させていただきます。
 それでは、3ページ目をお願いいたします。まず、再生利用 飼料化による再生利用の取組ということで、これは皆さん御承知かと思いますけれども、まず、飼料化施設に受け入れる食品循環資源の種類ということで、単一原料、主に産業廃棄物から出るものと、複数原料、我々は一般廃棄物、スーパー、コンビニ、デパート、そういうところから出るものが複数原料と考えております。
 飼料化の方式といたしましては、私どもがやっている乾燥方式、これは、乾燥した後に、脱水・脱脂とありますけれども、私どもの特徴は、乾燥した後に油を搾るということをやっております。その油の成分が豚肉の脂質に非常に大きな影響を与えるということで、その脱脂というところが非常に大きな特徴になっております。あとはリキッド方式、サイレージ方式ということで、よくこのリサイクル法ができてから、いろいろな事業者の方が飼料化をやろうということで取り組んでおりますけれども、どうも、いいさしの入った豚をつくりたいとか、そういうお話が多いのですね。
 私どもは、そうではなくて、養豚農家が要求するものは何かということになりますと、まず、生産コストの5割から7割ぐらいが飼料費ですから、そこの削減をするに当たっての安い飼料を提供しようと。それと、飼料成分が均一で安定した飼料。単味のものでやれば非常に安定的なものができますけれども、複数原料において安定した飼料ができないかなと。また、そういうものを要求しているということですね。それと、増体が変わってしまったら困ります。肉質・脂質に影響があっては困るということで、安くても悪い飼料はやはり使わないというのが、養豚農家の要求するエコフィードだと思っております。私どもはいろいろな養豚農家さんとおつき合いしておりますけれども、まずは、今ある育てる豚に対して、安い飼料であってもその肉質が変わらない、成長の比率も変わらない、そういう餌を供給してくれというのが、まず第1になっております。
 その下に、飼料安全法の中で公定規格を取っているところがどれぐらいあるかということですけれども、登録再生利用事業者の47社のうち5社、もう1社あるかもしれないのですけれども、ちょっとあれですが、その中で2つの方式で、私どものやっている蒸気間接加熱乾燥プラス脱脂、これが中部有機リサイクルと横浜市有機リサイクルで、油温減圧式乾燥・脱水が3社。俗に言うフライドミールというところですね。47社のうち5社しか飼料安全法の中の公定規格を取っていないということで、この下にもエコフィードの認証というものがありますけれども、やはりやる事業者側としては、そのような動物実験をきちんとやって、そのような飼料安全法にのっとったものをつくるということが、まだまだ足りないのかなと実感しております。
 続きまして、次のページでございまして、飼料化による再生利用の取組。まず、1としまして乾燥飼料製造プラント。これは私どもがやっているプラントですけれども、乾燥工程において加熱するために、病原微生物等が滅菌されます。製品含水率が少ないため、配合飼料原料として広域的な利用が可能。畜産農家における既存給餌設備で使用できるというのがありますけれども、この食品循環資源の中で水分を多く伴ったものが非常に多いわけですね。リキッドの場合はその水分が問題なく使えますけれども、やはりドライにするということで熱を加えてやっていくということです。ただ、熱を加えることによって、病原微生物も死滅するということで、そこあたりの安全性の確保をどういうふうにするかと。例えば、配合飼料をつくるのであっても、トウモロコシ、大豆、小麦というものは全てドライですね。ですので、私どもも配合飼料の原料が何かというところから発想していまして、まずは、水分の多いものは乾燥しましょうと。その中で、ある程度滅菌をして安全性のあるものをつくろうということでやっております。
 あとは、その下にリキッド飼料製造プラントというものがありまして、そこに書いてあるとおりでございます。
 続きまして、5ページ目をお願いいたします。こちらが私どもの施設でございます。まず、左の上が建物の外形ですね。敷地面積が約800坪ぐらいのところでやっておりまして、この中には3つの施設が入っております。最初は原料貯留・配合室ということで、トレー収集車が入ってきまして計量を行う。計量を行った後にリサイクルカートに入ってきますから、それを反転装置で反転して、私どもの特徴というのは、後ほど御説明しますけれども、原料を排出時点で分けてもらうということですね。原料区分と配合割合というのが我々の基本なので、そこあたりも排出事業者様にお願いしまして、例えばパンだけとか、野菜だけとか、そういうふうに分かれてきたものをこの原料貯留槽に入れる。これは今6種類、私どもは持っております。その6種類の中に原料を入れまして、次に、機械室のほうに乾燥機がありまして、蒸気間接加熱乾燥機が2基あります。1基当たり、最大能力、1時間当たり750キロ乾燥できますので、これが2基あって、24時間稼働しますと日量36トンの処理施設になっております。
 私ども、その次に、乾燥した後に油を脱脂するということで油を絞っています。これは、やはり豚肉の脂質に影響があるとか、例えば乾燥した後であっても、油が多いと酸化したりしまして、この飼料のエコフィードという商品が非常にすぐ酸化して使えなくなってしまう。ですので、まず油を搾りましょう。大体6%以下に絞っています。
 ちなみに、配合飼料というのは大体5%ぐらい添加していると思いますので、我々は、油の多いところから油を絞って、これもA重油の原料としてこれも買っていただいています。A重油の原料というのは、ほとんどA重油というのは船舶用の燃料ですね。そういうところでも使ってもらっているというふうになっております。
 油を搾った後に、今度は分析をしまして、製品の保管、出荷に、製品を保管すると。これも建物で囲っております。今はやっている鳥インフルエンザ等がありますけれども、製品サイロ自体も建物の中に入っておりますので、そのような病原微生物のインフルエンザですね、そういう対策も行っております。
 また、乾燥時、油を搾ったとき、そういうときにはやはりにおいが出ます。私どもは、脱臭炉といいまして、これは燃焼式の脱臭炉でして、約350度の温度帯で臭気成分を酸化分解するというようなものも用意しております。
 あと、排水に関しましては、pH処理装置、また油水分離槽を使いまして、水質の一定な排出を行っているということをやっています。
 私どもの処理能力は、フル稼働しますと年間1万3,000トンの食品循環資源を受け入れまして、飼料製造が約2,500トンで、動植物油の脱脂、A重油の原料ですね、これが1,500トンということでございまして、今現在の稼働率としましては約8割、この数字の8割ぐらいを稼働しております。
 続きまして、6ページ目をお願いいたします。飼料化による再生利用の取組1-4ということで、私どもは、平成15年12月、ケツト科学という会社と共同で卓上型の分析装置を研究開発して開発したということで、分析項目は、水分、たんぱく、脂肪、繊維、この4点です。この近赤外線分析計は、基本的にはお米のたんぱくをはかる分析計だったのですね。その中で我々が必要な、まず脂肪分をはかりたいということで脂肪をはかれるようにしました。ですので、水分、たんぱく、脂肪、繊維、この4点がある程度均一であれば大丈夫だなということで、この近赤外線の卓上型の分析計は、再生利用事業者登録を行っている、飼料化をやっているところでも数社に使ってもらっているようになっております。
 私どもの大きな特徴は、それの延長型といいまして、オンライン型の近赤外線分析装置ということで、飼料をつくっている最中、油を搾った後に製品を精製して、その後に冷却をするのですけれども、その間にこのオンライン型の近赤外線分析計を用意しています。これの特徴というのは、水分、たんぱく、脂肪、繊維に対して、各項目に対してHとL、上限、加減の設定ができます。例えばたんぱく21をつくるということになれば、上限をたんぱく22、加減を20としますと、そのどちらかの数値が出ますと、この後に切りかえダンパーがありまして、もう全部排出してしまいます。ですので、ある程度、バンド幅の非常に少ない均一な飼料ができるようなプラントにしております。多分この装置は、こういう飼料化では、まだ私どもしか持っていないと思っております。
 分析をするということは、私どもはこれを連続でやっていますから、1日に1回とかではなくて、もう連続型ですから、稼働している間は常時データが出てくるということでありまして、つくるだけではなくて、品質管理をどうやるかということが非常に重要だと思っております。
 続きまして、7ページ目をお願いいたします。こちらは飼料の公定規格ということで、私どもの特徴は、製造方法及び製造工程という項目がありまして、食品副産物を原料区分に分類、配合というところがまず第1ですね。蒸気間接型乾燥装置で間接加熱乾燥煮沸乾燥し、ふるい機にて夾雑物を除去し、脱脂機にて脂肪分を脱脂し、粉砕機にて粒状(粉状)に粉砕し、製品精製異物装置で異物の除去及び製品の粒の均一化を行うというようなものでして、ここのところが非常に我々の開発してきたところです。
 続きまして、8ページ目、我々は公定規格も持っておりますけれども、エコフィードの認証制度ということで、平成22年2月に、プラントができたのが平成21年9月ですから、そこから申請しまして、第6号でしたけれども、これも取得しております。こういう取得をすることによって、排出事業者さん、それから生産農家ですね、リサイクルループをやる中でも、こういうエコフィード認証制度、そのような家畜物、そういうところにも我々が協力できるということで認証を取っております。
 9ページ目をお願いいたします。この絵が我々の分類をお願いしているところです。排出事業者において、私どもが指定する原料区分、それからふたつきの専用リサイクルカートで保管ということをお願いしております。「原料区分と配合割合を確立する事により成分が均一な飼料製品を製造」と書いてありますけれども、まさにこの絵を見ていただきますと、コンビニエンスストアの売り場を思い出してもらうと、全く同じなのですね。また、そこのそれぞれの担当者がいます。ですので、例えば売り場に行きますと、担当者が、野菜が足りなければ野菜を持ってくる、時間になれば、廃棄するのであればその担当者が廃棄するということで、いろいろな御担当の方がいますから、その方がリサイクルカートに入れてくれれば原料区分は単純にできるということですね。
 先ほどコンビニのお弁当のお話がちょっと出ていましたけれども、私どもは破砕装置というものがありまして、それで容器ごとの受け入れが可能です。破砕装置で中身と外身を分けまして、ただ、若干、やはり異物が入ります。ですので、私どもは、乾燥した後にふるい機にかけて、またその異物をとるということで、これは非常によくとれているというような評価ももらっております。ですので、コンビニはコンビニで調理加工品というような形にするのですけれども、これを乾燥機の能力が1時間当たり750キロですから、750キロの中で、最初から野菜が何キロ、果物が何キロ、パンが何キロ、麺類、調理加工品が何キロということを数字、重量で確立しています。それで、乾燥することによって均一化が図れるという仕組みをつくっております。
 また、そのようなものをつくりながらやっていきますと、例えばアミノ酸、そういうものもこういうような食品循環資源由来のものが均一にできるということで、ある養豚農家さんでは、我々、リジンが0.98ぐらいありますので、普通の配合飼料の倍ぐらい入っています。大体肥育が少し早くなったなというようなことも実際に結果が出ておりますので、そこあたりは、肥育が早い分だけ餌代が下がるということで喜ばれております。
 続きまして、10ページ目、民間リサイクラーと自治体の連携。
 私どもは愛知県名古屋市でやっておりまして、実は、平成18年に設置許可をもうもらっておりました。ただ、その当時、名古屋市がバイオマスタウン構想を策定するということで、非常にその当時、その下にありますけれども、地域バイオマスの利活用交付金というものがありまして、これを使うには、バイオマスタウン構想をやって、それを経由して申請するということですから、そういう資金が、私どもに1億3,600万円おりています。ですので、我々が施設をつくるには、このような資金を活用しないと、将来、返却が難しいということで、これを使わせてもらったということです。
 ちょっともう時間がないもので次に行きますけれども、11ページ目、これは再生利用事業計画ですけれども、きょう委員でおられますユニーの百瀬さんと私ども中部有機リサイクル、小久保畜産、これが平成23年11月10日に再生利用事業の認定をしています。また、平成24年4月、ちょうど今ですけれども、スーパーホテルと私どもと大場養豚場というところで申請中でして、これも多分ビジネスホテルで初めての取り組みになるかと思いますけれども、これも早く審査をしていただいて、なるべく早く取らせていただきたいと思っています。
 続きまして、食品リサイクル法の見直しに向けた意見ということで、13ページ目をお願いしたいのですけれども、これもさっき出ていましたけれども、やはり一番我々が強調したいのは、事業側として、飼料化技術の確立ということで、均一・安定化した飼料の製造技術、品質管理等の基本マニュアルの作成。いろいろなところに行きますけれども、こういうものを置いていないところがまだ非常に多いということですね。
 次、14ページ目ですけれども、登録再生利用事業者、この中に、現行法では、特例措置でありますけれども、私どもがちょっと気になっているのが、例えば私どもの飼料化というのは保冷車を使います。保冷車を、例えばA市、B市、C市とありまして、私どもは再生利用事業者登録を持っていますから、排出地の許可があれば持ってこられる。ただし、車両に関しましては、1台の車両はほかの市をまたげないのですね。ですので、できましたら、1台の車両で、許可があれば許可があったところをずっと回れるとか、そういうところの定義がちょっと不足しているのかなと。リサイクルループを取ればそれは別だということですけれども、非常にそこあたりが、何台も車を買って収集運搬をしなければいけないとか、非効率ですね。そういうところは、ぜひ環境省さんに検討をお願いしたいと思っております。
 あとは、やはり一般廃棄物の市町村の処分料金の検討依頼ですね。私ども、名古屋市は20円で処分をやっていますけれども、後ほど出ますけれども、名古屋市は34円かかっているのですね。そのうちの20円が事業者負担、10円が税負担。これは16ページ目にありますけれども、こういうところでして、最後に16ページ目をお願いしたいのですけれども、我々もまたこういう処理施設をつくりたいと思っていますけれども、愛知県のある自治体では、5トン以上の設置は許可しないということを言われています。これは、リサイクル法もあるがゆえに、我々はやりたいのですけれども、なぜ自治体が設置の許可をしないかということですね。そこらあたりも非常に指導していただきたいと思っています。
 また、ともかく我々が困っているというか、今、都会でやっているものは原料をある程度の単価でもらえますけれども、地方に行くともうゼロ円というところがあります。そういうところは、やはりこういうリサイクル法をやっていくということであれば、ある程度全国均一とか、何か補助金を出すとか、そういうことをお願いしたいというのが我々の希望であります。例えば再生エネルギーの買い取り制度なんかがありますけれども、こういうものが食品リサイクル法であっても、こういうエコフィードをやるとか、それに対しましては何か補助金を出してもらうとか、我々もエコフィードの緊急増産対策事業費などもいただいていますけれども、これも3年間で終わってしまったとかありますので、ぜひそういうところも、今後、継続した補助金の新設をお願いしたいということを切に希望する次第であります。
 以上です。

○牛久保座長 前川さん、どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関しまして委員各位から御意見または御質問を承りたいと思いますが、よろしくお願いします。

○鹿股委員 ブライトピックの鹿股と申します。
 本会議の前の前の会議で資料の御説明をいただいたとき、再生利用事業者登録はふえているけれども、全体として再生利用率は決してふえていない、ということがありました。そのことを考えますと、結局、再生利用の登録事業者、リサイクラー、トライする会社、やってみようという会社はいろいろあるのだけれども、事業を維持したり拡大したりすることはかなりいろいろな困難が伴うからそういう結果になったのではないかと推測されるわけです。
 ところで、前川さんのところは、横浜市から名古屋市に事業として新規参入されたわけですね。ここに事業環境としていろいろ問題点のあることが御説明されておりますけれども、それ以外に事業を遂行していく上でいろいろ御苦労があるのではないかと思いますけれども、その辺のところをちょっと伺わせていただきたいと思います。

○前川代表取締役社長 先ほどの説明の中で、私どもは、まず、飼料化技術をつくりましたので、実は昨年、岐阜県の橋本という会社がありまして、これは収集運搬をやっております。そこが、やはり岐阜県の中に飼料化施設がないということで、全国あちこち見まして、私どもに来まして、確立した技術を持っているということで業務提携しました。それで、我々と全く同じ日量36トンのプラントを今つくっています。
 これは、業務提携というのは、まず飼料化のノウハウを教えますよと。それと、プラントも全く同じにつくりますので、私どもに今、社員が3人ぐらい常時来ていまして、プラントができるまでに飼料化のノウハウ、それから廃棄物はどういうものである、それから、プラントの運営管理ですね。機械がいっぱいありますから、そういうものも全て自分たちで直せるものは直しましょうということで、全て教えるということですね。
 その間に営業もかけますけれども、プラントができ上がるのはことしの12月です。12月には、運転する人間はもうそれでノウハウがわかっていますので、原料があればすぐ同じものができるということですね。その同じものができる、それでは、何で管理するかという分析や何かがありますから、それも一緒につけますので、本当に素人が、原料さえ別々に入れれば、ボタンを押せば、全部数字上で配合していってできるという仕組みにしております。
 やはり我々のランニングコストというものが、例えば電気が1キロ当たり3円かかります。1キロ処理するのに。ガスが6円なのですね。ただ、6円といいましても、乾燥機が2基、それのボイラーの燃料ですね、それプラス脱臭なのですね。脱臭するのも入れて6円というのは、非常に安いコストだと思っています。そういう実際のランニングを全部見せて、それで新規参入の方に、この金額だったらば、この地域で幾らの処理料金をもらうようになればできますよと。
 私が思っているのは、日量36トンの規模であれば、日量20トン入れて、処理単価を20円いただければ、これは確実にいけると。ただし、岐阜市みたいにゼロ円というところがありますので、これは困ってしまいますね。そういうところは、やはり環境省のほうからちょっと地方行政に対して、ゼロ円はないでしょうと。やはりかかるものはかかるのですね。だから、リキッドもそうだと思いますけれども、電気を使ったり、いろいろなことがありますので、最低限、安全を担保するためにどのぐらいかかるのだと、そこを処分単価にまず入れてもらわないとちょっとやりづらいかなと。おかげさまで、名古屋市が20円ということで、周りの市町村も大分同じように上がってきていますので、我々としてはどうにかこうにか採算は合っているということです。

○鹿股委員 ありがとうございました。

○牛久保座長 百瀬委員、どうぞよろしくお願いします。

○百瀬委員 2つ質問があります。1つは、この再生利用製品のエコフィードは、農業生産者にとってどんなメリットがあるかということについて。それから、食品関連事業者が未利用食品を排出し、ループを組んでその最終製品であるお肉を販売するところにとってのメリットもお聞きしたいと思います。
 2番目の質問に関しては。今お話になりましたように、名古屋市に施設があるということなので、先ほどのコンビニエンスストアの状況を見てみたところ、愛知県でもコンビニエンスストアの実施率が37.9%、それから、鹿股委員のところのブライトピックさんの千葉県は何と5.2%、それから、横浜市有機リサイクルのある神奈川県も30.1%ということで非常に低いのですね。それで、この御説明をお聞きしていますと、容器入りのお弁当や惣菜もリサイクルされているようですが、だったらコンビニエンスストアの食品残渣をみんな持っていって飼料にしてもいいのではいかと思うのですけれども、何かそうではない理由というものがあるのでしょうか。お願いいたします。

○前川代表取締役社長 まず、最初の排出事業者さんとか養豚農家さんのメリットなのですけれども、私どもの餌というのは、つくったらすぐ、3日、4日の間には、実は今、日本配合飼料というところが去年やっていまして、ことしから日本農産工業知多工場に全量入っています。そこでブレンドをして、愛知県の養豚農家、36農家、やまびこ会というところで全部使ってもらっています。まだまだ餌は足りない状況なのですけれども、やはり1キロ当たり、我々は運搬費を抜いて20円、1キロ20円で買ってもらっています。となりますと、配合飼料の価格から見ますと大体半分以下ですね。基金があって四十五、六円ですか、その基金もだんだんなくなってくるということになりますから、我々としては、入り口のほうである程度処分費をもらえれば、そこの部分は安い価格で供給ができるのではないかと思っております。
 また、今後、今の情勢で電気代が高くなるとか、ガス代が高くなるとなってきたときにどういうふうに対応するかというのはありますけれども、今では養豚農家さんに関しましては20円ということで非常に安いということと、安定しているという評価もありますので、肉質が、脂質が変わらない、またおいしいものができるというような評価ももらっています。先ほど言ったように肥育期間が1週間から10日ぐらい縮まっているということで、非常にいい評価をもらっています。
 また、排出事業者さんとリサイクルループをつくるに当たってのメリットというのは、やはり豚肉価格が、生産者というのはなるべく高く売りたいよというのがありますけれども、ある程度安定的に買ってもらえるのであればというのがありますね。私がずっと思ってきたのは、エコフィードをやるという方は、ほとんどはいい肉をつくろうなんていうことを言っていますけれども、ちょっとそれはできないのではないかと思いますね。今の安定した肉質だけで十分だと思うのですね。それで安い価格でやる。もし高いものをつくりたいのであれば、本当に特化したものをつくるということは、単味のものでやる非常に難しい技術だと思っています。ですので、そこのところで販売の側の思惑とどういうふうにマッチングするかということで、多分、私どもは今回、昨年ですか、ユニーさんと取らせてもらったりもしていますけれども、非常にそこあたりでは、排出事業者と我々エコフィードをつくる側と、それから養豚農家、売る側が、これは非常にマッチングしている例だと思っております。
 あともう一点は、コンビニエンスストアのお弁当の件ですけれども、私どもは、お弁当の中身というのは、御飯があって、惣菜があって、いろいろなことがあって、特に油分と塩分が高いのですね。そこあたりの油をとるとか、塩分をどういうふうに配合するということが非常に難しいなというところを結構聞きます。
 我々は、調理加工品という分類の中にしていますので、それを乾燥するときに、配合するときに、コンビニエンスストアのものは少し少なくしているのですね。要するに調理加工品と。要するに塩分を2%以下に抑えるとかというふうにしています。ですので、ある程度それは配合すれば、いろいろなことができると思います。
 コストに関しましては、私どもは1キロ20円で普通の分別されているものは受け入れをしております。ただ、コンビニエンスストアさんに対しては35円の価格の提示をしています。これは、いろいろな市町村によって、いいか悪いかというところもあるのですけれども、我々の名古屋市は受け入れは大丈夫ですよということで、それは、排出事業者から専用の車で再生利用情報登録に入ると。そこで計量して、何キロ入りましたという、産業廃棄物のマニフェストではないですけれども、そのようなことを一般廃棄物もやっておりますので、数量はきちんと確保して、どこへも行かないということであれば受け入れてもいいでしょうと。
 やはり我々としては、今度、破砕して、分けて出たその中身は飼料化でやりますけれども、外身に関しては、私どもは排出事業者として、今度は焼却処分をするわけですね。ですので、その破砕する金額、機械設備の焼却とか、それから、私どもが排出事業者としてマニフェスト伝票を切って、その外身を焼却してもらう、サーマルリサイクルをやってもらうというところなので、地域によってはできないところもあるかもしれませんけれども、私どもはそれでやっております。

○百瀬委員 ありがとうございました。

○牛久保座長 規定の時間が参りましたので、ほかに御質問があればですけれども、特段なければ、次に移りたいと思いましがよろしいでしょうか。
 どうも御説明ありがとうございました。
 では次に、株式会社開成から御説明をお願いいたします。

○遠山代表取締役 皆様こんにちは。ただいま御紹介いただきました株式会社開成の遠山と申します。私は、農業者の立場できょうはお話しさせていただきたいと思います。
 資料2-2をごらんいただきたいと思います。
 当社、株式会社開成は、農産加工品の販売、卸、あとは、今回のこのバイオマス発電を利用した農業関係の事業のコンサル、企画、建設、施工、全部やっております。私は、もう一社、カイセイ農研株式会社という農業法人を持っておりまして、ページで言いますと、3ページ目に会社概要の真ん中のほうですね、関連会社、農業生産法人カイセイ農研株式会社、こちらの代表もしております。
 後で出てきますが、5ページにありますが、カイセイ農研株式会社のほうは、稲作30ヘクタール、畑作50アールで、温室ハウス、南国果樹ですが15アール栽培しております。小規模でございますけれども。そういうことで、私は農業法人の代表者でもありますので、農業生産者として、きょうは、どちらかというとそちら寄りのお話をさせていただきたいと思います。
 当社の施設は、4ページにありますように日量4.9トンの一般廃棄物と産業廃棄物を扱う施設として許認可をいただいております。この4.9トンというのは、今もお話があったように、一般廃棄物の中では、5トン以上になりますと設置許可が必要になります。5トン以上になると、その設置許可があるために非常に許可に時間がかかるということで、それで私どもは4.9トンという位置づけで申請させていただいたという流れがあります。実際は、オーダーメードですので何トン処理でも可能なのですけれども、その前に、私どもはこの事業を今、全国展開しておりまして、いわゆる循環型農業、メタン発酵発電を利用した循環型農業を全国で、できれば農業者にやってもらいたという気持ちで私は進めておりまして、その中で、いわゆる早く許認可を取って事業を早くスタートさせるためには4.9トンというベースが必要だということで、当初は4.9トンで施設を建設し、現在運営しております。
 処理方法は、乾式メタン発酵です。国内は湿式が多い中で、当社は乾式メタン発酵を採用しております。これは、建設コストとかいろいろな部分でメリットがあるために、乾式メタン発酵で実際運営しております。
 発電量は、これは資源によって変わりますが、日量600キロワットアワーから、最大で3,000キロワットアワーまで可能です。これは国内の事例からするとかなりの発電量になると思うのですが、先ほどの方もおっしゃっていましたが、処理単価とかが、これは食品リサイクルの中でもいろいろ差があるのですが、一般廃棄物になりますから非常に安い処理単価になっております。それを考えますと、メタン発酵発電施設となりますと、発電機が結構高額になるということもありまして、いわゆる一般廃棄物の処理単価では、ペイするのがかなり難しいというのが過去の現状でした。
 当社は、そのことをクリアするために、できるだけ発電効率を上げるために今まで先行投資してきておりまして、大体このくらいのめどが立ってきております。多分もう少し上がるのではないかと今現在も研究を進めておりまして、かなりの発電効率にはなってきております。
 収入源は、ここに書いてありますように、廃棄物の処理収益、売電収益、肥料販売収益、この3つの収益源になります。ですので、一般廃棄物の、当社が今、全国各地で進めている中で、安いところですとキロ2円とか、下手すると1.何円とかというところがあるのですが、そこでもぎりぎり採算は合います。
 ライセンスはドイツのライセンスを使っておりますが、大半は当社独自の施工ノウハウとかがありまして、それで効率を上げるシステムになっております。
 次のページをごらんいただきまして、5ページはさっき説明したとおりでございまして、6ページ目、下のほう、メタン発酵プラントの外観、見た感じは、プラントというよりも倉庫みたいな感じでして、基本的に、メタン発酵というのは自然界の中でも当たり前に起こっていることを、私どもは機械化しただけで、そんなに難しくないです。基本的には本当にシンプルな施設になっております。
 下の左の写真の施設正面というところの一番左側にちょっと温室ハウスが見えると思いますが、これが当社のバイオマスプラント、発電プラントのすぐ左に230坪のハウスを2棟建設しております。そこで発電したときに生まれる温熱で南国果樹を栽培しております。当時はここ、新潟県村上市というところは、新潟県の一番上のほうの山形県寄りです。日本海のすぐそばなのですけれども、最低気温で大体マイナス5度行くか行かないかで、そんなに低くはならないのですが、真冬は結構、日本海のすごい荒波とすごい風が毎日吹きまして、昨年度は、12月で最大瞬間風速45メートルという風が吹くところです。1月、2月は、大体平均風速で20メートル前後の風が吹いております。そういう過酷な条件でも、このメタン発酵プラントは何らもなく稼働しておりますし、そこでも温室ハウスの中では南国果樹が生産されております。現在は、東京の日本で一番高級なフルーツ店と取引しております。それだけ、新潟のかなり厳しい条件でも生産が可能だということを御理解いただきたいと思います。
 次のページをごらんいただきまして、7ページ目ですね。こういうふうに海のすぐそばに温室ハウスがございます。視察に来た方は、一瞬信じられない顔をする人が多いです。本当に、「何でこんなところに建設するのですか」とよく質問されますが、これはいろいろ理由がございまして、先ほど申し上げましたように、当社は最初から全国展開するためにこの施設をここで建設しております。そのためには、できるだけ悪条件でもできるということを証明するために、このような、普通だと、こんなところに建てると気違いではないかと言われるのですけれども、そういうところで建設をして、最大瞬間風速45メートルぐらいも去年記録したのですけれども、そんなところで運営が実際可能になっております。ですので、年間、今1,000名前後の方々が純粋に視察だけでいらっしゃっているのですが、ほとんどの方が、これを見ると「自分の市でもできますね」と言ってくださいます。それぐらい条件は非常に悪いところでやっております。
 下の8ページ目の地域資源の処理状況で、当社は、バイオマス資源は下水汚泥ですね、脱水された下水汚泥、これを産廃物として受け入れております。食品残渣、これは通常は一般廃棄物になるのですが、当社は有価物として買い取っております。近くに瀬波温泉という温泉街がございまして、昔だとドラマでよくロケ地になったりしたところなのですが、今は余りないですけれども、そういうところが半径1キロ以内にございまして、そこから全部資源を受け入れております。有価物として買い取っております。
 基本的には、その温泉街と連携しまして、いわゆる環境にいいことをやっている温泉街という触れ込みも若干ありまして、温泉街の方々には、そのかわり分別してくださいというお願いをしておりまして、全量分別されたものが当社に届きます。それを軽く目視しまして発酵槽に入れていくという流れになっております。
 下の波及効果としては、視察者の方が訪れておりまして、特に、3.11の震災以降、物すごい問い合わせが入っておりまして、いらっしゃる方々は、私はできるだけ農業者の方に来ていただきたいのですが、農業者の方はまだ残念ながら3分の1で、あとは建設関係とか、いわゆるこれから消費税が上がったときに厳しくなる業界の方々が、新規事業として考えている方が多いですね。あと、自治体の方々も最近ふえてきております。
 次のページの9ページをごらんいただきまして、これが当社の瀬波バイオマスエネルギープラントのシステムフローということで、左上の地域資源、今申しましたように、下水汚泥と一般廃棄物で、一番下に「一般家庭」と書いておりますが、これは自治体さんの協力を得られなかったので、今は下水汚泥を産廃物としてと瀬波温泉から出る食品残渣を有価物として買い取っている流れです。これを投入、ホッパーに入れまして、大体20から30日で発酵させまして、中温発酵を採用しております。そこからガスを取り出して硫化水素を脱硫しまして、発電機、ディーゼルエンジンのコージェネレーションで発電しまして、電気は全量売電しております。同時に生まれる温熱を隣の南国フルーツ園、瀬波南国フルーツ園という名称なのですけれども、そこで、温室ハウスで南国フルーツを栽培しております。全部で15種類ぐらい栽培しておりますが、パッションフルーツというフルーツの需要がまだ足りない状況ですので、少しずつそのパッションフルーツに移行している現状です。
 ここに、機械類はこんな感じで本当にシンプルでして、攪拌モーターで中を攪拌したり、循環ポンプで循環したり、あと熱交換、メタン発酵はみずから熱を生みませんので、周りから温めてやる必要があります。当社は熱効率が非常にいいですので、発電機で生まれた温熱を温室ハウスで使ってもまだ熱が余っていますから、その余った熱で発酵槽を温めております。
 10ページ目がバイオマス発電の系統連系ですね。左上の黄緑色のものが、これがディーゼルエンジンの発電機です。当社は、まだ計画自体はちょっと、補助金が利用できなかったこともありまして全部自己資金でやっているものですから、25キロの小型の発電機から導入しております。ただ、ガス効率が非常にいいために、実際は、これから増設手続に入らせていただいて増設する予定になっております。現在は東北電力さんに売電して、あとは、メタン発酵ガス発電では、当社が国内の1号認定をいただいております。
 そして、次のページをごらんいただきまして、これが実際の全国展開している中の形成モデルということで打ち出しておりまして、現在当社がやっている流れです。さっき説明させていただいたシステムフローと同じなのですけれども、右下の温室効果ガスの排出権取引、これだけが現在まだやっておりません。4月から制度も変わりましたし、今のところは、そこは余り当社の事業に影響しないということもありまして採用しておりません。ほぼこういう流れで現在やっておりまして、いわゆる食品リサイクルループだと思うのですね。まだ私の勉強不足もありまして、食品リサイクルループの制度のほうを申請しておりませんが、これから申請させていただく予定で計画しております。
 あと、この下の12ページの、ある程度のエネルギーと農業生産の自給自足が可能ということで、最終的にはこのモデルを全国に推し進めたいというのが考えなのですが、実際ここにはいろいろな法の壁がありまして、それは私どもだけではどうにもならないことでありますが、何とかこれを実現させていきたいと考えております。
 これを実現させるためには、やはり本来のリサイクラーといいますか、そこは、本当は農業者が核となったほうが私はいいと思っております。実際、これは私がやってみた感想です。ただ、農業者の立場というのは意外と結構弱い立場だったりとか、知識が余りなかったりとかということもございまして、これは啓蒙活動が即必要だなと考えております。
 13ページ目をごらんいただきたいと思います。これがメタン発酵の消化液、いわゆる液肥の農業利用です。当社は液肥として肥料登録が取れております。この液肥を、この写真にあるようにバキューム車で運びまして稲作のほうで使用しております。ただ、もちろんですが、新潟県では当社しかやっておりませんし、全国的にもまだこの液肥料というのは、ほとんどまだ普及していないというのが現状でして、いわゆるどういうことが起こるかといいますと、うちは肥料登録して、廃掃法にもきちんとのっとってやっているのですが、見た人が、バキューム車が田んぼの真ん中にいますと結構目立つのですね。それで、要は産廃をまいている人がいると通報する人がいます。今はまだ2回ぐらいしか通報されていませんが、市役所の方々はうちがやっている事業を全部理解していただいておりますので、一応こういう連絡がありましたみたいな程度で教えてくださるのですが、ここはやはり啓蒙活動が必要だと思っております。やはりそこの啓蒙活動にもすごくお金がかかりますので、ぜひ、これは国のほうでそういう啓蒙活動をしていただきたいと考えております。
 実際に、私どもは30ヘクタール、今までは全て化学肥料に依存しておりました。昨年からこの事業を進めてきまして、ことしからはほとんど、若干足りない成分は足して化学肥料を使うときもあるのですが、ほとんど液肥で対応しておりますので、今まで捨てられた地域資源から肥料を生んで、全部地元で消費しているということが可能になっております。
 下の14ページのほうが、これが稲作の直播栽培です。ことしは酒米から何から全部液肥で栽培しております。昨年、これはこしいぶき、新潟県が今、こしいぶきという品種を結構推奨しておりまして、ここの液肥栽培で、大体直播栽培ですと収量がちょっと落ちるのですが、液肥栽培でやったところは、平均すると10アール当たり1俵ふえています。この背景は、液肥はすごくコントロールしやすいのですね。化学肥料は、元肥何キロで、本肥え何キロとやっていきますが、液肥の場合は少しずつ足していくことができます。追肥、追肥で少しずつ稲姿を見ながらやっていくことができますので非常にコントロールしやすいです。それで平均収量を上げることに成功したという流れです。
 次のページをごらんいただきまして、15ページです。寒冷地で実るパッションフルーツということで、これが先ほど申しました、需要があるのですけれども、供給がなかなか少なくてやっているフルーツです。実際この写真で見る、大体野球ボールをちょっと大きくしたぐらいの大きさなのですけれども、例えば都内だと、大丸さんあたりでも、これは1個1,000円以上です。それだけ高級品なのですね。高い理由は、やはりまだ需要と供給のバランスが、需要もありますけれども、供給が少ないのが現状です。大田市場では結構取引されていますけれども、実際、まだメジャーではない果物ですので栽培体系が確立されておりません。いわゆる栽培ノウハウの指針みたいなものがありませんから非常にばらつきがあるということで、バイヤーさんの中では結構クレームの多い品種だと言われております。その中でも、当社はこの技術を再生可能エネルギーを使って確立することによって、いわゆる糖度なんかは平均、一般市場に出ているものの糖度が12度ぐらいなのですが、当社は平均18度まで達成することができておりまして、これも再生可能エネルギーを使うからできることなのですね。
 よく、「何で南国フルーツなのですか」と聞かれるのは、これも先ほど申しましたように、これだけ過酷な条件で、しかも新潟では一番難しい南国のフルーツを成功させることによって、例えばトマトだったり、イチゴだったりとかがそんなに難しくないのですね。それを訴えるために私どもは南国フルーツを選びました。
 あと、再生可能エネルギーを使っているとはいえ、真冬にもし何らかの事情で施設が停止した場合、いわゆる熱エネルギーが行かなかった場合、枯れてしまいます。そうなるとビジネスモデルとしてはナンセンスですので、この南国フルーツを一応マイナス5度まで耐えられるように品種改良ができております。ですので、北海道とかのマイナス20度とかになるところは別ですけれども、いわゆるマイナス5度ぐらいまでのところでしたら、温熱がとまっても植物が枯れないところまで確立できております。
 実際のところ、トマトとかのほうが非常にやりやすいですし、トマトも結構収益性がいいですから、私はそっちでもいいと思うのですけれども、一応、当社の目的は、やはり全国展開ということを目的にしておりまして、それを証明するためにこういうフルーツを栽培しております。
 下のほうは、ドラゴンフルーツとかスターフルーツ、あと右下にジャポチカバとありますけれども、これは結構寒さに弱い品種ですが、毎年なっております。
 次のページをごらんいただきまして、まず、この事業の意義と効果ですけれども、1番目に、行政における財政削減効果です。これは、一般廃棄物はほとんど焼却処理されているのが現状だと思いますが、当社がこの4.9トン処理という小さいメタン発酵ですけれども、それを導入するだけで、これは、地域とか建設予定地によっても違いますが、いわゆる重油代とか、もろもろの経費を引きますと大体500万円前後の削減効果があると試算されております。
 そして、2番目は、循環型社会に貢献するということですね。
 ちょっと時間がなくなってきたので、すみません、19ページ目、最後のページをちょっとごらんいただきたいと思います。まず、当社がこの事業の過程で感じた点です。いわゆる事業計画においては、実際この事業は平成18年から取り組み始めております。ですのでちょっと時間がかかり過ぎた面もあるのですが、まず、循環型社会推進基本法、そして食品リサイクル法、これを推し進めることをすごく意識して事業計画をつくってきました。ただ、実際、自治体さんの対応は、正直、ほとんどその法律の重要性を感じていないのではないかと私ども民間の立場で感じることが大半でした。現在、全国各地でいろいろ許認可も進めているのですが、非常に温度差があります。一生懸命な自治体さんは非常に一生懸命です。でも、正直、そうでない自治体さんもいっぱいあります。民間としては、やはり先行投資でやっていることなのに、あと、これらの法律もきちんとあるのに、なかなかこれと全く真逆のことを言われたりとか、それが現状で実際あります。
 あと、2番目の食品リサイクルループの制度は評価できますけれども、これも同じように、自治体さんによって取り組む姿勢がまちまちであります。正直、全く興味ないところもあります。ひどいところは、私どもの担当者が行くと、何か面倒くさいのが来たなという態度を見せる自治体さんもあります。でも、これが、実際国で推し進めようとしていても、各市町村の温度差が非常にあると私は感じております。再生可能エネルギーの分野にしてもそうだと思うのですけれども。
 あと、3番目のメタン発酵発電の、この農業利用事例というのはまだまだ本当に少ないのが現状ですので、これは、私どもの勝手な要望なのですが、メタン発酵発電施設が、今度農地でもし建設が可能になれば、いわゆる肥料も製造しますので、私は農業施設だと思って、この事業に取り組む一番の目的は、本当は農業施設という位置づけでやってきました。私どもがやり始めたときは、再生可能エネルギー法も、そういうことは全くなかったですし、そのころから発電して、温室ハウスで収益を上げてという農業モデルで、一応肥料製造が当初の目的だったんです。ところが、再生可能エネルギーの法律ができて、そういう買い取り制度ができまして、そして、投資効果もすごくよくなったのですね。それはもう現実として非常にありがたかったのですけれども、その中で、実際、本当は農地でこういうメタン発酵発電建設が可能になれば、かなり普及が進みます。
 最後、4番目は、民間事業者として廃棄物処理法と食品リサイクル法が、正直、すみません、これも私の勝手な自分たちがやってきての感想ですけれども、余りリンクしないところが多いですよね。食品リサイクル法と、すごくいい制度なのですけれども、廃棄物処理法は、悪徳業者を締めつけるにはすごく効果があると思います。でも、私どものようにリサイクルを推し進めようとする人たちも規制されて、それが壁になっていることも現実だということを皆さんには御理解いただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に関しまして委員のほうから御質問、御意見をいただきます。鬼沢委員、よろしくお願いします。

○鬼沢委員 どうもありがとうございました。12ページのスライドにあるように、本当にこれがとても理想的だと思いますし、本当は、農家の方にもっと関心を持っていただきたいと思いますが、発表いただいた中にも、農家の方の視察が一番少ないとおっしゃっているのですが、農業をされている方たちがもっと関心を持っていただくために、今は余り関心がないのは、資金面とかそういうことがやはりネックなのでしょうか。

○遠山代表取締役 一番は、やはり資金面だと思います。私どもも、このプラントを建設するのにもやはり億単位になりますので、今、小型のプラントも技術的には確立できてきているのです。これから実証に入りまして、1億円以下のプラントも考えております。ただ、経済効果とか地域に対する効果を考えますと、当社が今やっているプラントがちょうどいいサイズなのです。市町村に例えば1個とか2個とか、そういうふうに設置できますので。それは、やはり農業者の意識にもかかわるところだと思いますし、あと、やはり農業者というのは基本的に補助金になれていますので、補助金がないとできないという考えがあるのです。実際は、うちは補助金なくてやっていますので可能なのですけれども、それも啓蒙活動が必要だと思っております。

○鬼沢委員 同じ新潟県の中で、近くだったということから、やはりやってみたいというところはふえなかったのですか。

○遠山代表取締役 今のところ3社しかないですね。

○牛久保座長 それでは、犬伏委員、どうぞ。

○犬伏委員 利用される温泉街から出てくるものというのは、ある程度周年変化があるかもしれないですけれども、ほぼコンスタントと考えてよろしいのですか。

○遠山代表取締役 そうですね。

○犬伏委員 一方、使う側で、農地が考えられていたのですけれども、ハウスのほうは周年栽培されているのですか。

○遠山代表取締役 そうです。

○犬伏委員 そうすると、稲作だと、多分追肥とかのタイミングがあると思うので使う時期が限られてくると思うのですけれども、ハウスのほうでは年間コンスタントに使えているということですか。

○遠山代表取締役 使えます。

○犬伏委員 それからもう一つは、バイオガスの発酵過程で、食品の中に塩分とかがかなり多いと思うのですが、それは問題にはなっていないのですか。

○遠山代表取締役 基本的には問題ないです。

○犬伏委員 あと、ちょっと順序が逆になりましたけれども、その稲作というのは、この法人の中で使われているのか、自己完結的に、それとも周辺の農地も巻き込んでやっていらっしゃるのですか。

○遠山代表取締役 肥料の使い方ですか。

○犬伏委員 液肥のほうですね。

○遠山代表取締役 実際、当社だけでも足りない量でして、全部自社といいますか、農業法人カイセイ農研のほうで全部使っております。ただ、やっていて、やはりいい結果を周りの農家の方々が結構見ていまして、分けてくれという要望が最近ふえています。実際、分けるものがないというのが現状です。

○犬伏委員 ありがとうございました。

○牛久保座長 それでは、百瀬委員、どうぞ。

○百瀬委員 3つあります。1つは、御説明の中に下水汚泥が入っているというのを伺いました。私ども小売業としては、下水汚泥をお使いになっている堆肥が農作物に使われているというのは、ちょっと不安を感じるのですね。この発酵槽の中の発酵温度と、それから、その下水汚泥のどういった夾雑物、例えば重金属や化学物質、それから、ないとは思いますが、病原菌や何かが除去されているかというのを教えてください。
 2つ目に、温泉街から買っているとおっしゃいましたよね。ということは、これは、一般廃棄物として搬入できないから購入しているということですか。

○遠山代表取締役 はい、そうです。

○百瀬委員 わかりました。
 3つ目ですが、このつくられている堆肥や液肥は、全て使われているかどうかを教えてください。
 以上でございます。

○遠山代表取締役 まず、最初の下水汚泥の、おっしゃるとおり、下水汚泥は、やはり重金属のことを一番気をつけなければならないです。これは常に監視が必要です。ですので定期的に検査をしておりますし、実際は、工業製品を製造している工場があるところの下水汚泥は、ちょっと危険ですので、うちはたまたまみんな住宅系、あと温泉街の下水汚泥です。ですので、それは、当社は村上市から受け入れしているわけですけれども、村上市からも提示いただいている中でも大丈夫ですし、基本的に肥料登録が取れるということは、その下水汚泥の重金属をクリアしないと取れませんから、そこは問題ないです。
 ただ、下水汚泥を利用することによるいわゆるイメージが非常に悪いことは事実です。下水汚泥は、例えば農作物とか微生物から見ると本当は最高の餌なのですね。人間から見ると何か汚いというイメージがありますけれども、これは、どこを視点にして見るかなのです。本当は、農作物から見ると、下水汚泥に入っているミネラル分は非常にいい肥料になりますから、化学肥料にはない肥料がこの液肥でできるのですね。これは下水汚泥を使うからできるのです。当社はそこが一番ありましたから、わざと下水汚泥を入れています。ただ、全量下水汚泥ではございませんので、そこの啓蒙活動はやはり必要だと認識しております。
 病原菌のことに関しましては、メタン発酵は嫌気発酵ですので、病原菌は、基本的に人間に悪さする病原菌は死にます。ただ、死なない部分は、消化液を出してきたときに曝気して、今度は好気発酵するんです。そこで温度を上げて病原菌を死滅させます。ただ、これも監視が必要ですので定期的に検査をします。そこまでしないと、やはり、例えばどこかから何かつつかれたりとか、関連で何か問題が起こったときとか、自社はこうですよと提示できませんから、そこまで徹底してやる必要があります。
 次は何でしたか。すみません。

○百瀬委員 全部使っていますか。

○遠山代表取締役 そうですね、全部使っております。

○百瀬委員 ありがとうございました。

○牛久保座長 お待たせしました、片山委員、どうぞ。

○片山委員 ありがとうございました。8ページのところで、受け入れられている下水汚泥と、あと食品残渣というものがあるのですけれども、これは大体どれくらいの率で受け入れられているのでしょうか。

○遠山代表取締役 これは、下水汚泥が2に対して食品残渣は1です。これの比率はほとんど問題ないです。例えば逆転しても問題ないですし。比率が変わったときに変えるのは、運転方法を変えるだけなのですね。これは一応全部ノウハウとして持っております。

○片山委員 ありがとうございました。8ページのところで、受け入れられている下水汚泥と食品残渣とがありますけれども、これは大体どれくらいの比率で受け入れられているのでしょうか。

○遠山代表取締役 これは、下水汚泥が2に対して食品残渣は1です。これの比率はほとんど問題ないです。例えば逆転しても問題ないですし。比率が変わったときに変えるのは、運転方法を変えるだけなのですね。これは一応全部ノウハウとして持っております。

○片山委員 これは、やはり食品残渣も入れるということが非常に重要なのでしょうか。

○遠山代表取締役 基本的には重要です。当社は、本当は食品残渣が2、下水汚泥を1にしたいのですが、当社のプラントを建設した会社が構造計算ミスをしまして、今、全量稼働できない状態なのですね。それで、食品残渣を出したいというメーカーさんがいっぱいいらっしゃるのですが、お断りしなければいけない状況になっていまして、それが理由としてあります。本当は食品残渣をもっと多く受け入れたいのが現状です。
 その理由は、食品残渣のほうが、下水汚泥は1回発酵しているのでガスはそんなに出ないのですね。食品残渣はカロリーがありますから非常にガスが出ます。いわゆる発電のほうに回せるということですね。そういう理由です。

○片山委員 ありがとうございました。

○牛久保座長 川島委員、どうぞ。

○川島委員 先ほど補助金がなくて、それから1億円ぐらいの初期投資ですね、それが回収できるということですけれども、ここで、4ページのところに収益源として3つに分けてありますね。廃棄物処理収益と売電と肥料と。よろしかったら、概略でもいいから数字を入れていただきたいのですが、どんな感じでしょうか。

○遠山代表取締役 この数字は、やはりその地域によって、いわゆる一般廃棄物の単価で全然変わってしまうのですよ。ちなみに、当社の、1億円ではなくて、実際ハウスも入れると3億円ぐらいかかります。プラントだけですと、いわゆる受け入れる資源によって発電機の容量が変わりますので、そこによって変動がありますから、大体2億から2億5,000万円ぐらいと見ます。それで、あとは一般廃棄物の処理単価とかによりまして、最大で5年ぐらいで回収できます。悪くて10年ぐらいです。非常に悪いところで12年です。

○川島委員 それは、どれが大きいのですか。

○遠山代表取締役 売電が一番大きいです。

○川島委員 割合で言うとどんな感じの、売電が七、八割ですか。

○遠山代表取締役 いや、売電が6割か7割ぐらいですか。

○川島委員 六、七割。肥料はどのくらいですか。

○遠山代表取締役 肥料は多分1割ぐらい。余り、肥料はついでで見ていますので。

○川島委員 あとは、廃棄物を処理するということでいただくお金。

○遠山代表取締役 そうです。今後は、私どもが考えているのは、ちょっと話がずれるかもしれませんが、いわゆる農地でいろいろ、トウモロコシを栽培したりとかしてエネルギー原料つくって、そして発電だけで収益を上げるモデルはほぼ完成しているのですが、ちょっとやはり許認可の関係が。

○川島委員 この売電の価格は、今キロワット、例えば太陽光だと42から38円に下げましたよね。この場合は、今幾らになっているのですか。

○遠山代表取締役 今は40.95円です。

○川島委員 これは、今のところ見直しとか、そういう話の対象には余りなっていないわけですか。

○遠山代表取締役 なっていないようです。多分、認定された施設は、メタン発酵発電は、昨年度はうちと北海道の何社かしかありませんでしたから。ことしが多分何件か認定されると思いますので、そうなると下がってくると思います。ただ、採算ベースはキロワット15円で採算がとれますので。ただ、ちょっと投資回収が長くなるだけです。

○川島委員 投資回収が長くなるのですか。そういうイメージですか。わかりました。どうもありがとうございました。

○牛久保座長 それでは、時間が参りましたので、どうも御説明ありがとうございました。
 では次に、全国食品リサイクル登録再生利用事業者事務連絡会から御説明のほうをよろしくお願いしたいと思います。

○高橋常任理事 では、全国食品リサイクル登録再生利用事業者事務連絡会議ということで、私は小田急フードエコロジーセンターの高橋と申します。
 事務局の松岡でございます。よろしくお願いします。
 まず、資料2-3のほうの内容で今回、御説明をしていきたいと思っております。
 この事業者事務連絡会というものの内容をちょっと先に御説明したいのですけれども、これは、食品リサイクル法の中で、御存じのように登録再生利用事業者ということで、いわゆるリサイクル施設を環境省、農林水産省さんのほうで認定していただいているところが、今百七、八十ぐらいあるかと思うのですけれども、その中の、今、我々のほうで正会員として39社、賛助会員ということで、その登録再生を目指している会社さんですとか、それを支えているプラントメーカーさんとか、そういったところが29社、会わせて68社が集まりまして、この食品リサイクルを推進していくために、今、課題は何なのか、現状どういう問題点があって、これからどういったことをやるべきなのか、こういった話し合いを継続的に4年前から進めてきてやっているという任意団体になっております。
 その中で、現在、全国では、自治体も、仕組みも違いますし、また、地方によってはいろいろ事例も違いますので、5つのブロックに分かれましてそれぞれ議論を進めている中で、今回皆さんのほうにお配りした資料は、我々の連絡会の組織だけではなくて、登録再生のいろいろな方々にアンケート調査をしたりとか、また、排出事業者の方々とか、こういった方々とも話し合いをした中で、どういったところを今後改善していくべきなのかといったことを、一応ポイントを絞り込んだ末の内容だと御理解いただければと思います。
 この内容につきまして、早速ですけれども、事務局の松岡から御説明していきたいと思います。

○松岡事務局長 事務局長の松岡力雄と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですが、政策提言、提案という形で、ぜひ委員の先生の皆様に聞いていただければと思います。廃棄物現場からの政策提言という立場での内容でございます。
 まず、1つ目に、一般廃棄物における食品リサイクルの越境問題について。先ほどから出ている話ですね。
 市町村の越境移動について、環境省から、ガイドラインの作成や通知を出してほしい。また、ガイドラインの通知だけでは、市町村に対する強制力が働かないので、廃棄物処理法第7条の一般廃棄物処理業の許可に省令明記すべきではないでしょうかと。
 具体的には、食品リサイクル法第11条に規定されている登録再生利用事業者(1日の処理能力が5トン以上を超えるに限る)に持ち込む一般廃棄物収集運搬業者に当たっては、積み荷の許可を取得していれば、積みおろしの許可が不要とされている。しかし、自治体の担当者によっては、これを認めないケースもしばし見受けられる。
 廃棄物処理法第7条ただし書き(一般廃棄物収集運搬業の許可を要しない者)において、家電リサイクル法など個別リサイクル法で許可不要の特例措置を定めているのに対し、食品リサイクル法第11条の登録再生利用事業者に持ち込む場合の積みおろし許可不要については、廃棄物処理法上省令で規定されていない。このことが、市町村担当者の恣意的判断により越境を認めず、食品リサイクル法の特例措置(越境移動)を阻害している実態がある。よって、他の個別リサイクル法の除外規定と同様、食品リサイクル法第11条の登録再生利用事業者の積みおろし許可不要について、廃棄物処理法第7条ただし書き条項(省令第2条)に平等に規定すべきであるというのが1つです。
 続きまして、次のページです。これも先ほどから市町村と官民共同でやるべきが、官民が競合し合っているという、そこの矛盾を改正していただきたい。
 地方自治体における食品リサイクル推進強化。
 1)市町村責務の明確化。
 市町村は、廃棄物処理法上の一般廃棄物に対する処理責任を負っているが、食品リサイクル法では、市町村の食品リサイクル推進については、国の施策に協力するにとどめている。次期改正では、食品リサイクル法の中で、食品リサイクル推進に対する市町村の役割や責任を明確にし、市町村による食品リサイクル計画の策定や、食品リサイクル目標値の設定など、市町村責務を具体的に明確に明記すべきである。
 2)地方自治体における環境会計導入と情報公開、焼却手数料の是正。
 食品リサイクルが進まない最も大きな要因として、各地方自治体の焼却手数料が低価格であることが指摘されている。食品リサイクル法で食品関連事業者にリサイクル義務がある食品循環資源は、家庭系ごみとは明確に区別し、事業系一般廃棄物であっても、自治体が税金を投入して焼却処理することを禁止させる方策を誘導すべき。1キログラムの焼却にかかる処理原価は40円から50円とも言われるので、その価格帯を排出事業者へ負担してもらう施策をお願いしたい。また、自治体に環境会計を導入し、焼却コストに係る情報をきちんと国民に公表すべきである。
 続きまして、3つ目、食品関連事業者への規制強化等と優遇措置。
 1)罰則対象者の拡大。
 2001年に食品リサイクル法が制定されてから12年目を迎えるが、取り組み低調な多量排出事業者に対する勧告・公表・罰則の実行がなされていない。また、食品リサイクル法を知らない食品関連事業者もあり、コスト優先主義から、安価焼却に傾く排出事業者も多く見受けられる。排出事業者への指導や罰則強化など規制強化を実行し、適正に食品リサイクルに取り組むよう指導してもらいたい。具体的には、罰則対象を年間100トン以上だけではなく、5年ごとに、50トン、30トンと段階的に引き下げ、罰則対象者を拡大させる必要がある。
 2)食品関連事業者の定義の見直し。
 現行法では、食品関連事業者の定義の中に、学校給食センターや刑務所等の食堂、行政機関の食堂などが食品関連事業者に規定されていない。民間は全て対象となっているのに対し、行政機関関連施設が食品リサイクル法の適用除外となっていることは、不平等である。行政機関や教育機関こそが、食育の観点から見ても、率先して食品リサイクルに取り組むことが社会的に求められている。
 3)優良な食品関連事業者に対する優遇措置。
 食品関連事業者の中で、安価焼却を避け、リサイクルのコストを負担し、まじめに取り組む排出事業者には、何かしらのメリットを付与すべきである。(処理費の一部公比負担または減税策、エコポイント付与、行政による表彰制度など。)
 続きまして、右側のページに行きまして、4、再生可能エネルギー推進による弊害対策。
 脱原発に国民の関心が広がる中、再生可能エネルギー固定価格買取制度の施行影響を受け、メタン発電などの推進が広がることが予見される。今日まで、農業生産や食の自給に貢献してきた肥料化施設や国内飼料自給率向上に貢献してきた飼料化施設など、既存の食品リサイクル業者との市場競合が避けられない。
 食品リサイクルの再生利用方法について、明確な優先順位をつけて、しっかりとした「すみわけ」を法案や施策の中に盛り込んでもらいたい。特に、今後、自治体が進めるであろう多額な税金投入によるバイオマスメタン発電施設の建設は、その地域社会にある既存の民間の食品リサイクル施設と共同処理が進めていけるよう、官民協働をテーマにしたインフラ整備計画を国が政策のイニシアチブを持って策定すべきである。
 また、木くずなど木質系バイオマス資源の不足が懸念される。おが粉など木くずは、堆肥の貴重な原料となるため、エネルギー化推進から過度なバイオマス資源の争奪激化も予測される。我々が既存の法律の中で十数年試行し、苦労して現状つくり上げた地域循環システムを破壊しないよう強く配慮を求める。また、過度な食品廃棄物の有価買い取りや価格競争により、食品リサイクル業界の不法投棄や不適正処理が拡大しないよう、排出現場とリサイクル現場の両方の監視指導を強化すべきである。
 5、その他の要望。
 [1]廃棄物処理業の許可については、緩める必要はなく、厳格な運用を維持させ、厳格な許可を得た登録再生利用事業者には、食品リサイクルが促進されるよう、規制緩和策を拡大すべき。(越境移動のスムース化。積みかえ保管の自由化など)。
 [2]FR認証やエコフィード認証等、食品リサイクルを推進するための施策が、消費者に対し余り浸透していない。国が主導した制度でもあり、もっと啓発・普及に力を入れるべきである。
 最後、附則という形で、顧客である搬出事業者からのヒアリング結果を常任理事の高橋からお話しさせていただきます。

○高橋常任理事 最後の附則というところは、リサイクル施設だけではなくて、やはり排出事業者側である方々との懇談会的なものや研究会的なもので勉強会を広げている中で、大手のリサイクルに熱心なファーストフードさんとかコーヒーチェーン店さんなんかからも要望をいろいろ受けておりまして、この辺について少し御紹介したいと思っております。
 [1]店舗は全国的に多く存在するものの、産業廃棄物にくくられるような他の業態と比べると拠点当たりの排出規模は少量であるために回収効率も悪い。食品リサイクルを進めることは、現行の処理負担からのコスト負担感が大きくなり、リサイクル地域の拡大を阻害している一因となっている。
 [2]一般廃棄物のために自治体の権限が大きく、また、各自治体で温度差があり、広域的な店舗で効率よくリサイクルするための仕組みが構築しづらい。廃棄物処理法の条件などの制限があるために「試験研究」として、関連機関に申請を継続しながら一定期間食品リサイクルを進めている事例もありますけれども、なかなか難しいというのが実態だということが挙げられます。
 [3]排出事業者の努力だけでは一定の限界があり、現行制度の活用を前提として、新たな追加的措置が現段階では必要である。例として、食品廃棄物については、再生特例物として捉え、一般廃棄物・産業廃棄物の扱い処置から外すなどの緩和措置ということで、一生懸命やっても、なかなか法律の枠の中で、実際これ以上はやりたくてもできないということが課題として挙げられているというのが、一番大きなポイントになっております。
 そういった中で、再生利用事業計画認定案件については、例えば一般廃棄物処理施設のみへの搬入となっていますけれども、産業廃棄物処理施設への搬入の選択肢も広げるとか、広域的なチェーンというのは、その社会的効果から、現行法制度の可能な限りでもう少し弾力的な措置を講じるように、事例等を交えて国から関連自治体への通知とか周知、こういう形で、大きなチェーン店が広域的・効率的にリサイクルを行うように実現できると、実際の実施率の数値的な向上というだけではなくて、やはり国内資源の循環活用の土台形成において、将来的な門戸を開くものと予測されるということで、熱心な外食産業さんでも、今、外食産業さんが一番おくれていると言われていますけれども、やはりこの規制が余りにも多過ぎて、もう少し柔軟に対応していただけないかというのが、排出事業者側からも、リサイクル側からも挙げられているということが一番ポイントかなと考えておりますので、この辺も含めて、この委員会の中で御審議いただければと思っております。
 以上でございます。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして何か御意見、または御質問がございましたらお願いしたいと思います。それでは、川島委員、どうぞよろしくお願いします。

○川島委員 この2のところに書いてある、要するに焼却処理で引き取ってもらうとそれが安いということが、このことの根本だと思うのですね。それで、環境会計をきちんと導入しなさいというのはごもっともな御指摘で、今1キロの焼却にかかる費用は40円から50円と。それをですから、恐らく20円とかそういうところで引き受けてしまうので回らない、そういうことをおっしゃりたいわけですね。これは、各自治体によってかなりばらばらなのですか。御存じの限りにおいては。引き取る費用。

○高橋常任理事 そうですね、御存じの方も多いかと思いますけれども、この関東近辺で言えば、例えば、この東京の23区内というのは今14.5円なのですけれども、ところが、三多摩地域に行きますと、例えば調布市なんかは49円、稲城市も47円、狛江市も47円という形で、八王子市が25円。例えば三多摩地域なんかは、例のダイオキシン問題とかでなかなか焼却炉がつくりづらい。それをほかの市町村に、一緒に共同で運営しているみたいなところについては、非常に処理単価が高い。こういったところは、正直、リサイクルがかなり進んでいるのですね。逆に23区なんかは、正直、外食産業なんかが多いというのもありますけれども、リサイクルが進んでいない地域だと私は認識しているのですけれども、こういったところがポイントとしてあるのではないかと思っています。

○川島委員 素人質問になりますが、つくってしまったところはもう14円とか、例えば東京地域ですね。それは、昔からそうなので変えられないという事情が大きいわけですね。この食リ法には全然影響されていない、そういう認識でいいわけですね。

○高橋常任理事 ただ、例えば、この23区も、たしか9月か10月にことしも値上げをするということもありますし、やはりほかのどこの自治体も、今、年々値上げをしている方向にあります。恐らく自治体も今、財政が厳しい状況の中で、やはり値上げをしていくということであれば、特に食品のように水分の多いものを焼却炉で燃やすということは、それだけ負荷がかかっておりますので、例えば食品については、同じ一般廃棄物の中でも金額帯を変えるとか、こういったことは、自治体にとっても、リサイクルする側にとってもメリットの多いことになると思いますので、こういったことを少し施策に盛り込めないのかなというのが考えているところでございます。

○川島委員 ありがとうございました。

○牛久保座長 では、百瀬委員から、どうぞよろしくお願いします。

○百瀬委員 3つあります。1つは、再生利用事業者の団体だとおっしゃられましたが、その会員の実績について、実は、排出者側として食品関連事業者は知りたいのですね。総搬入量、再生品の製造量、それからその後、農業生産者に対してどのように販売もしくは提供して使われているかという実績が知りたいです。なぜかといいますと、私ども食品関連事業者は、どこと組んだらいいのかという判断材料が今のところ余りないのです。たくさん御紹介が寄せられるのですが、そういったことの基準ですとか指標がわからないので、どこに私どもが出す、未利用食品を預けたらいいのかというのがわからないというところがあります。ぜひ教えてください。
 それから、2番目に、先ほど再生利用方法の優先順位を確立すべきではないかという御提案がありましたが、どのようにお考えかというのをお聞きしたいです。
 3つ目に、消費者に対する啓発活動というのがありましたが、これは、リサイクルのシステムに対する啓発活動なのか、それとも最終製品である農畜産物を「もっとみんなで食べましょう」というような啓発活動であるのか、そのあたりのことを教えてください。

○高橋常任理事 そうしたら、まず1つ目の実績について、これは今すぐ、データを持っているわけではありませんので、逆に我々としましてもぜひ、正直、リサイクル施設側は、排出事業者さんから大体毎年の定期報告において、ユニーさんなんかは優秀なので独自でデータをお持ちですけれども、正直、ほとんどが排出事業者側から言われて、我々がデータを出して、それをもとに排出事業者側が報告を出しているというのが実態ですので、そういった形では、我々のほうから逆にそういうような実績とかいろいろなデータを明確に出すことによって、分析の一つの指標になるのかなと思いますので、この辺は早急にまとめて、こういったものを御提案できるようにしていきたいと思っております。
 逆に、今の百瀬さんのお話の中で、リサイクル施設も、正直、登録再生を受けている施設の中でも温度差というか格差がございます。やはり、御存じのように今、リサイクル施設の中でも、毎月1件ぐらいずつ登録ができている中で、毎月1件ぐらいずつ倒産したりとか廃業したりとかというのが現状ですし、実際的に、臭気の問題とか、でき上がった製品が不良でなかなかうまくいっていないというものもございますので、我々としては、今、逆に優良な制度を登録再生とはまた別枠で、排出事業者の方々とか行政の方々と一緒に、優良な食品リサイクル施設の評価制度みたいなものをつくりたいということで、内部では今、動いているところでもございますので、こういったものを我々だけではなくて、いろいろな排出事業者とか広い、大学の先生の方々と一緒に評価制度みたいなものをつくって、逆に、排出事業者が選びやすいような仕組みを構築していきたいと考えているところが1つございます。
 それから、再生利用の順位については、これは、あくまでも全体ではないのですけれども、やはり登録再生のほとんどが、堆肥化が多い形なのですね。国のリサイクル法の中では、まず飼料化が第1位ということで、正直、この飼料化が1位というのは、食料自給率の観点からも、我々もリサイクルアシストの総意としては、1位は飼料化でいいのではないかと。2位は、正直、やはり堆肥化でもいいのではないかと考えています。要するに、メタンというのは、やはり分別がなかなかできないものとか、油分が多くて飼料にも堆肥にも向いていないものをメタン発酵にして、おくれている外食産業とかこういったところをより広く取り込んでいくといったことが求められているものだと思っていますので、その辺は逆に明記しても、リサイクル推進については、むしろ効率的にカスケード利用していくという意味ではポイントになるのではないかと考えています。
 最後に、3番目の優遇措置というのは、これは、逆に排出事業者側にもポイント制度とかいろいろなものがあってもいいと思いますし、先ほど言っていたFR認証とかエコフィード認証を消費者の方々に広く認知させるという意味でも、逆にそういう製品にエコポイント的なものを付与して、消費者の方々がこの豚肉を買ったらエコポイントがとれるとか、今はいろいろなポイント制度なんかがありますけれども、こういったポイントを活用して、この商品を、リサイクル製品を買ったら、そのポイントがアップして、そのポイント分を国が多少サポートするとか、こういった仕組みがよりリサイクルを進めていく上では必要ではないかと考えています。
 以上です。

○百瀬委員 ありがとうございました。

○牛久保座長 それでは、片山委員、どうぞ。

○片山委員 ありがとうございました。2点ありまして、まず1点が、2番目の地方自治体における食品リサイクル推進強化の1)のところで、市町村に対してきちんと具体的な役割を明確にすべき、これは非常にいいことだと思います。一方でよくありがちなのが、実態を把握するために各事業者に対して報告書制度を始めます、というものです。事業者の負担は相当あるのだけれども、結果としてリサイクルは進まないのではないか、というところがありますので、そのような方向には行かないようにして欲しい、というのが1つ目の感想です。
 あとは、2)のところで、自治体の焼却コストというのは相当差があると思っていまして、1つは、地域の中に焼却施設があるかないか、また、例えば収集運搬を民間に委託しているか自前でやっているか。ですから、コストを削減する余地というのは多分まだあるのではないかと思っていますし、一方で、大阪市のように、今、大幅な見直しが入っているところもございます。事業系一般廃棄物は全てリサイクルすべし、としたときには、エリアによっては、それぞれ合理的な方法というのはきっとあるでしょうし、必ずしもリサイクルするよりは焼却で熱回収したほうがいいというところもあると思います。何が何でもリサイクルをやるべきなのかどうなのか、そのあたりのお考えを聞かせていただければと思います。

○松岡事務局長 今のところですが、地域事情によって、この食品リサイクル計画というものを市町村が立てていただいて、出てくる有機資源の発生量、これが、先ほどおっしゃられましたように、リサイクルに向くものがあれば、そういう設備を導入すればいいと思うし、それがリサイクルになかなか向かないようなものばかり発生する地域では、また距離が遠いとか、そういうところであれば、自治体は、やはり焼却で熱回収をやるとか、そういう判断基準があっていいと思うのですが、今そういうものがなくて計画が推し進められている点がほとんどなものでから、なので、市町村の役割や責任を、先ほどおっしゃった1)を明確にすれば、おかしなリサイクルシステムができないのではないかと思います。ありがとうございます。

○牛久保座長 どうぞ、八村委員。

○八村委員 食品リサイクルを実際にやっていた経験のある者からすると、非常に気持ちのすっきりする内容で快く聞かせていただいたのですが、外食産業のような少量の廃棄物を出すようなところまで規制を強化していこうとしたときに、収集運搬の仕組みというものを自治体がみずからかなり強化していかないといけない。そのあたりが重要ではないかと思うのですが、そのあたりについてご意見があればお聞かせいただけますか。

○松岡事務局長 これは、登録再生事業者の会員の中でも温度差があるところであります。1つは、一般廃棄物の許可を持っているところは、市町村の焼却炉にどうしても市町村が持っていけというような形になると、幾らそこでリサイクル設備を構えても、自治体がそっちに持ってこいということになるもですから、そこは税金投入の中で、税金が入った中での安定的な事業というものの委託を受けられて運べると思うのです。
 しかし、それを民間のリサイクル施設に運ぶとなったときに、1回目でお話しされた前川さんが、A、B、Cを1つの車両でぐるっと回収しないと、排出事業者にとってもリサイクル業者にとってもコストが合わない。こういったところを合理化するためには、収集運搬許可制度のほうを見ないで、我々のこの登録再生利用事業者の基準をはっきりさせれば、それは一廃であろうが産廃であろうが、効率的に自由度を持った形での運搬形態というものをもう少し自由にしていいのではないかと思うのです。
 それは、中間処理場が適正処理やリサイクルできちんとした堆肥なり飼料なりのものをつくる、これは、それこそ今、基準がないわけですね。基準づくりというのは、我々業界としてのこれからの課題なのですけれども、こういうものを我々も高めていきながら前進させていきたいという考え方として事務局としては思っております。
 高橋さん、いかがですか。

○高橋常任理事 そのとおりですね。

○松岡事務局長 同じだそうです。

○牛久保座長 ほかにございますか。一応規定時間が参りましたが、鬼沢委員、よろしくお願いします。

○鬼沢委員 先ほど百瀬さんの質問にもあって、お答えいただいたのですが、消費者に対して余り浸透していないというのは本当にそうだと思うのですけれども、皆さんのように、登録事業者の皆さんと消費者って、なかなか直接結びつくことが非常に難しいと思います。それで、やはり消費者に浸透していくために、先ほど、具体的にはエコポイントをつけるとかとありましたけれども、今、何をすることが一番消費者に浸透していくと思われますか。

○高橋常任理事 1つは、やはり税金を使って食品がこれだけ燃やされているということ自体を消費者の方が知らないという部分がございますので、こういった部分については、ちなみに、私どもは小田急の施設については、正直、毎週のように消費者の方々が今、バスで見学会に来ているのですけれども、例えばこういったところに対して積極的に、そういった見学会とか、そういう消費者普及に対しては、ある程度補助を出したりしながら、啓発普及を国のほうも推進していったりとか、リサイクル施設も、見学してもらうことによって、よりレベルの高いリサイクルをしていこうという意識も高まりますので、そういうような消費者に対しての啓発は必要かなと思っています。
 あと、もう一つは、さっき言った学校給食なんかは特にポイントになるかなと思っているのですけれども、やはり学校給食もリサイクルされていないようなところがまだまだあるのですけれども、学校給食なんかでもリサイクルを推進することによって、やはり地元のPTAとか教育委員会とか、食育に絡んでいる方々とか、いろいろな方々を広く巻き込んでいけるのではないかと。食育なんかは今、非常に熱心にいろいろなところがNPO的なもので活動していったりしていますけれども、そういった方々と連携して、この食品のリサイクルもあわせて取り組んでいただけるような仕組みが今後必要なのかなと思っています。

○牛久保座長 では、時間が来ておりますけれども、環境省のほうから。

○環境省永島室長 廃棄物処理法の条文の規定について補足で御説明させていただきます。
 廃棄物処理法の特例について、どのような形でそれを記載するかという点についてですけれども、基本的には、各個別リサイクル法において特例を記載するということになっておりまして、例えば、ことし4月から施行されました小型家電リサイクル法についても、特例措置については小型家電リサイクル法に書いてあります。それから、ここで例示されております家電リサイクル法上の廃棄物処理法の特例については家電リサイクル法に書いてありまして、他のリサイクル法の特例措置が全てこの廃棄物処理法の規則に書いてあるというわけではありません。
 しかし、実際にこういう誤解を生じているということですので、そういう話があった場合には、環境省のほうに言っていただければ、しっかりと自治体のほうに説明していくようにいたします。

○牛久保座長 時間が参りましたので、どうもありがとうございました。
 それでは次に、本日最後になりますが、バイオマス事業推進協議会から、御説明のほうをよろしくお願いしたいと思います。

○岡庭バイオマスチームリーダー バイオガス事業推進協議会の岡庭と申します。一連の説明は私からさせていただいて、きょうは、一緒に協議会のほうから鹿追町の城石さんにも来ていただいているので、畜ふん関係は城石さんに説明してもらうことと、あと小川という者も来ていますので、質問は3人で対応させていただきたいと思っております。
 本日の内容ですが、資料にございますように、バイオガス事業推進協議会とは何だということと、2番目に、バイオガス施設というのはどういうものなのだろうかという全体像と、それから、食品リサイクル推進に向けた提言という3部構成で説明をさせていただきたいと思っています。
 2ページ目でございますが、事業推進協議会の成り立ちを書いてございます。2番目のところに書いてございますように、「わが国における合理的・効果的・継続的な有機性資源のバイオガス事業の発展に努め、持続可能な資源循環型社会の構築と地球温暖化の防止に資する事を目的に、事業者、学識経験者及び関係者により設立」ということで、下に構成が書いてございますが、会員としては、京都府南丹市の佐々木市長を会長として、市町村会員が13、あと、会員を含めまして合計80ぐらいの会員構成になっています。
 これまでメタン発酵の事業性改善ということをこの協議会の中ではやってきておりまして、昨年、価格が決まりましたけれども、FITの電力買い取りに関するヒアリングですとか、また、継続的に液肥利用推進といったような活動をしております。
 3ページ目に参りますが、メタン発酵が日本全体でどのぐらいあるのかというのをまとめています。日本におけるメタン発酵施設の設置状況ということで、施設数としては600ぐらい、多いのは消化槽を持つ下水処理場です。食品工場排水とか食品廃棄物を対象としたもので100ぐらいの数が上がっていますが、この統計がないので、実態はもう少し多いと思っています。
 一方、その表の中にありますように、2011年予想のドイツのメタン発酵施設というのは7,100カ所ございまして、ドイツは今、再生可能エネルギーの関係、メタン発酵というものの施設をどんどんふやしているという状況にあります。
 右側の地図は、施設の位置を示していますけれども、日本の廃棄物バイオマスによる発電ポテンシャルというのは、今164万キロワットぐらいあると我々試算しておりまして、それに対して、ドイツでは270万キロワットぐらいを7,100カ所の施設で発電しているということでございます。ドイツの場合は、メタン発酵施設でガスをとった後に大量に残る発酵液というものを農業利用しているという実態がございます。
 そういうふうな実態を踏まえて、4ページ目にはメタン発酵施設の類型という表を載せましたけれども、メタン発酵施設は、原料に何を持ってくるか、それから規模感によって事業性が大きく変わってきます。生ごみを主体としたものがA類型、それから、混合系と書いてございますが、例えば下水汚泥とかごみを混合したものがB、それから畜産のふん尿を主としたものがCという類型に分けますと、よく聞くような施設は、そんなようなカテゴリーに入ってきます。
 この中で、水色で印をつけた施設に関しては、前回の委員会で八村委員さんが紹介していると思いますので、今回は、ダイダイ色の印をつけました京丹後市、長岡市、それから福岡県の大木町、それから北海道の鹿追町というカテゴリーが違う4つの施設を紹介しながら、メタン発酵の事業性という観点で話を聞いていただければと思っています。
 いずれにしても、原料の規模の違い、それから発酵液の水処理をする、しないによって事業性が大きく変わってきますので、その辺の状況を聞いていただいた上で、最後の提言に入っていきたいと思います。
 次にバイオガス施設の概要と利用ということで例を上げています。
 6ページのスライドをお開きください。これは、北海道の鹿追町の環境保全センターの施設の全景図、それから、下のほうには発電機ですとか液体肥料をまいていくための大きいバキュームカーが写っています。鹿追町は、家畜ふん尿134トン、それから生ごみ2トン、それから浄化槽汚泥1.5トン、そのような原料を受け入れています。
 北海道の特徴としては、やはり圃場の面積が非常に広いこと。北海道の場合は、メタン発酵消化液を全量液肥にしているところがほとんどです。ただし、本州以南にこういう施設をつくろうとすると、なかなか液肥を使っていくことが困難なことが課題です。
 7ページを見ていただきますと、先ほどの134トンのうちの94.8トンをメタン発酵いたしまして、ガスは発電、それから発酵液のほうはスラリーストアというところにためて、圃場に散布していくというのが鹿追町の施設です。
 8ページを見ていただきますと、鹿追町のバイオガスプラントの稼動状況をまとめておりますが、平成24年においては、牛糞尿等の原料を対象にして、総発電量が190万キロワットアワー、そのうちの半分ぐらいを売電することができています。
 それから、消化液というのはどういう性状なのかというのが書いてありまして、窒素、リン、カリウムは表に載せてあるようなパーセンテージで、液としては比較的高濃度なのですけれども、これを圃場に必要な肥料成分をまこうとすると、かなり大量のものをまいていかなければいけないという特徴があります。
 消化液の年度別散布状況ということで書いてございますのは、鹿追町の場合は、平成24年ですと約848ヘクタールに2万8,000トンの消化液をまいているということで、ヘクタール当たり33トンぐらいをまいているという計算になります。
 収支ですけれども、平成24年度を見ていただくと、収入と支出はほぼ拮抗しています。25年度からは、いわゆるFITの中での売電ができますので、かなり収入はふえますが、施設の減価償却を行うまでには至らないという状況になります。
 鹿追町においても、9ページで見ていただきますように、いわゆる廃棄物系バイオマス、例えば生ごみですとか、乳業製品の廃棄物、それからBDFの残渣といったようなガス発生量の大きいものを入れて、ガス発生量をふやして発電量もふやしていくという取り組みをされています。バイオガスは、町で利用したり、余剰熱を温室で使ったりしています。
 10ページ目でございますが、これは、長岡市の生ごみバイオガス化事業の完成予想図です。水処理に問題があるということの解決法の一つとして、長岡市の場合は、下水処理施設、それから焼却施設の隣に生ごみバイオガス化施設をつくっておりまして、下のフローシートにございますように、生ごみ65トンを受け入れて、その中で発酵不適物というものをはじきます。これが10トン。この10トンというのは焼却工場で燃やします。それから、右の下のほうに書いてございますが、発酵消化液は、脱水した後に、脱水汚泥のほうはバイオマス燃料にし、排水は下水道放流してそこで処理をするということで、地域のインフラと連携しながら効率化を図るということを長岡市はやっております。
 もう一つ、12ページに参りまして、これは京丹後市です。京丹後市は、NEDOのマイクログリッドの実証施設として建設されたものですが、2009年にNEDOから京丹後市へ施設が移管されています。この京丹後市の運転の基本は、フローシートにもありますように、発酵液は水処理をする施設でございますが、ここにかなりのコストがかかるということで、現在、水処理にかかるコストを削減するべく、液肥として利用可能な量に見合った処理量に調整することを今やっているところです。
 それから、福岡県の大木町の例を13ページ以降に書いてございますが、ここは生ごみをし尿処理に利用しているという施設です。ここでは、し尿とか浄化槽汚泥を主原料をメタン発酵した消化液を液肥として使っている。そういう意味で先進的だと思っておりまして、下の[3]に書いてございますが、消化液を液肥として活用し、メリットが倍増し、かつ資源化の促進であるとか水処理経費の削減ができている。
 こういう施設をつくっていくと、建設の効果として、生ごみの資源化で焼却量が半減しているですとか、可燃ごみ、不燃ごみ、生ごみ、し尿の処理費及び各収集運搬費用の削減効果はトータルで15%ぐらい削減でき、地方自治体の費用削減につながっています。
 次の14ページは、そういうシステムがどうやって動かされているかというと、廃棄物の循環の輪ができていて、消化液でつくった「環のめぐみ」という特別栽培米については、学校給食で使うなどして、いわゆる食の循環ができています。
 15ページに参りまして、メタン発酵施設の課題としてA、B、Cの類型についてまとめています。いずれにしても、下のほうにもバイオガス発生量の概略のイメージを描いていますけれども、メタン発酵に関しては、食品廃棄物を入れることでガス発生量が増大します。したがって、事業採算性を上げるためには、なるべく多くの生ごみを原料としてガス量をふやし、発電量もふやしたいところです。ただし、水処理のコストをかけられないということでは、液肥利用が課題だということが書いてございます。
 最後に、3番目ですが、16ページ目に参りまして、食品リサイクル推進に向けた提言ということでまとめております。
 最初に書いてあるのが全般的な認識ですが、東日本大震災や原発事故を踏まえ、太陽光や風力に加えて、安定的な再生可能エネルギーである生ごみなどの有機性資源を用いたバイオガス発電の促進が、我が国におけるエネルギー政策と廃棄物リサイクル政策の重要課題になっております。こうした状況にあって、7府省による「バイオマス事業化戦略」が策定されたわけですが、この戦略を強力に加速化するために、国は、地域特性を踏まえて、以下のような観点でバイオガス施設の整備促進を検討していっていただきたいというのが総合的な認識でございます。
 いわゆるバイオガスで何を原料にするかについては、(1)で書いてありますように、都市モデルと農村モデル、もしくは事業系生ごみモデルとか家庭系生ごみモデルといったようなものを考えていく必要があると考えてございます。(2)に書いてあるのは、自治体や民間事業者が生ごみを焼却処理するのではなく、バイオガス化施設の整備と生ごみリサイクルの事業化が推進されるよう、食品リサイクル法の見直しですとか廃棄物処理法上の運用通知の見直しということを図っていっていただきたいということが書いてございます。
 17ページに進んでいただきまして、いわゆる提言です。最初に、(1)として書いてございますのは、現況の改善に係る提言ということで、地方自治体の生ごみ処理料金の見直しということで、民間のメタン発酵施設の平均受入単価と自治体の事業系一般廃棄物の受入単価が大きく異なります。したがって、民間の再生事業促進のために、地方自治体の処理料金を適正価格に見直すですとか、または民間施設への差額の補塡などの支援を検討する必要があると考えています。
 2番目に、生ごみのメタン化処理に伴う一般廃棄物処分業許可取得の円滑化ということで、先ほどの御説明の中に詳細に触れられていましたが、いわゆる民間事業者さんがメタン発酵事業を行うときに、市町村さんの処分業許可に係る取り扱いがかなりばらばらであるという実態があります。運用を明確にするとともに、生ごみメタン化事業に対して、リサイクルループがつくられているなど適正処理が確実であり、処理の継続性が認められる場合には、基本的に許可が受けられるよう、国は文書で市町村等を指導願いたいということが書いてございます。
 それから、3番目でございますが、一般廃棄物処理中の生ごみ資源化を行う自治体への支援ということで、地域特性に応じた家庭系や事業系生ごみの資源化、その仕組みづくりや分別を行う場合のバケツ収集の導入などに対して、自治体向けの国の支援を要望するということを書いています。食品残渣を分別してメタン発酵することにより、リサイクル率の向上とともに焼却ごみの減量という効果が期待できことが書いてございます。
 18ページに参ります。これは施設整備に係る提言ということで、施設の建設・改修費に関する補助制度の充実のことが書いてございます。いわゆる施設整備に対して助成してほしいということなのですが、改修費に対しても支援が必要ではないかと思います。事業の継続性を考えたときには、施設の耐用年数は15年とか言われていますから、ところどころで基幹整備的なものが必要になってきます。例えば環境省でかつてありました「高効率原燃料回収施設」に対する支援のような、ある一定の効率的なものに対しては支援する制度ができてもいいのではないかと思っています。
 それから、施設の減価償却までをやっていくということは、市町村に関しては無理な面がございまして、そういう意味では、廃棄物処理を効果的に促進する側面から、やはり起債措置というものを考えてほしいところです。
 それから、混合メタン発酵ということで、いわゆる下水汚泥と生ごみの場合の国土交通省と環境省といったような、また一廃と産廃の場合の市町村と県といったような役割分担がありますけれども、促進するために合理的な処理を行う事業者に対しては、窓口の一本化、それから、ある程度効率的なものに対しては補助メニューの充実、補助率アップというものを検討してほしいところです。
 最後の19ページに行きまして、リサイクルループの構築に係る提言です。
 メタン発酵消化液を液肥利用するという観点では、液肥利用の課題として、下に1、2、3と書いてございますが、まず、液肥の肥料効果というものが明確でないために農家がなかなか使用してくれないというのがあります。それから、効果的な散布方法ということで、大量のものを散布するために、どうやってまいたら効率的なのかというところは今、研究段階ですし、何らかの指針が欲しいところです。それから、3で書いてあるのは、やはり使う側の理解を醸成していく必要があるということを書いています。それらの課題への支援を希望します。
 それから、[2]ですが、食品リサイクルループの形成促進に向けたデータベース作成への国の支援が必要と考えます。我々の団体にも、食品事業者さんから、リサイクルしたいのだけれども、どういうところに頼めばいいのかという相談の電話なんかもあります。そういう意味では、右側に「メタン発酵ありせば」というループの模式図を描いてございますが、そのループ全体に対して食品事業者さんがそれを参考にすることでリサイクルを考えやすくなる情報データベースの作成、それから、そのデータベースを継続的に運営するための支援が必要ではないかと思っております。
 説明は以上でございます。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。
 では、ただいまの御説明に関しまして、御質問、御意見を受けたいと思いますが、いかがでしょうか。八村委員、よろしくお願いします。

○八村委員 長岡市の事例を見せていただいて、下水処理場の消化槽で生ごみを受け入れる場合の消化液を下水処理場で処理するという事例は幾つもあると思うのですけれども、生ごみを処理しているというメタン発酵槽から出てくる廃液を下水処理場で直接受け入れるという事例は、ここが私の知っている限り初めてなのですが、ここで希釈槽というものがあって、希釈している理由というのは、どういった理由なのかわかったら教えてください。

○岡庭バイオマスチームリーダー 詳細について確実なことを私もわかっていないのですけれども、いわゆる下水道放流基準というものがございますね。メタン発酵消化液自身は、脱水処理をして、ろ液をとって、それの窒素濃度なんかはかなりの高濃度になってきますので、そういう濃度調整のために下水の処理水を使うということをやっていらっしゃると思います。
 その量的な関係とかに関しては、私はちょっと詳細をわかっていません。

○八村委員 わかりました。そうすると、もしかしたら下水道放流基準の緩和のようなものがあれば、希釈しないで直接放流できる可能性もあるということですね。

○岡庭バイオマスチームリーダー おっしゃるとおりだと思いますが。なかなか下水道法というか、そちらのほうの改正になってくるのかなと思いますけれども。

○八村委員 わかりました。

○牛久保座長 百瀬委員、どうぞ。

○百瀬委員 2つあります。1つは、それぞれがすごく大規模な施設なのですけれども、イニシャルコスト、設備投資がどのくらいかかったか教えてください。それからランニングコストが随分かかっているようですが、それも教えてください。毎月ごとで結構です。それから、FITが維持できることがどうも前提のような経営と私は聞いてしまったのですね。それは本当なのでしょうか。それが1つ目です。
 2つ目は、私は、リサイクルというのは環境負荷をふやしてはいけないと思うのですね。ですから、のようにリサイクル資源をきちんとリサイクル製品にしたら、それを全部使い切ってそこからは再び廃棄されるものは出さない。特にリサイクルループというのは、できた製品を排出者が全部使うことによって回るものです。よもやリサイクルで発生した排水を希釈して流すようなことはしていないと思いますが、ここで環境負荷がふえてしまうようなことがあると、これはちょっと私の地域では嫌だなと思ってしまいました。それで、再生品が余ってしまったら、必ずそれはごみなのですね。ですから、リサイクルループで一番気をつけなくてはいけないのは、必ず再生品を誰が使うのかというのをきちんと決めてからそれをつくらなくてはいけないと思っています。そして、つくられたものは全部使い切らなかったら、ごみでごみをつくることにならないかとちょっと心配しているのですが、そのあたりはいかがでしょうか。

○岡庭バイオマスチームリーダー 非常に難しい御質問かと思うのですけれども、ちょっとイニシャルコスト、ランニングコスト、それからFITとの関係に関しましては、先ほど類型をお示ししましたが、事業ごとにかなりの違いがあります。そういう意味で、鹿追町の例をちょっとお示ししましたけれども、その辺は後で城石さんから。

○城石係長 イニシャルコストですけれども、鹿追町環境保全センターバイオガスプラントは建設費8億4,000万円ほどかかっております。ランニングコストですけれども、8ページに掲載してございます。平成19年から稼働しておりまして、昨年度、平成24年度の歳入と歳出をこちらのほうに記載させていただいております。
 私どもの施設は、平成19年から始めたものですから、RPS法でまず余剰分を売電しておりました。昨年12月にFITで設備認定を受けまして、ことしの4月1日から、FITでの売電を行う予定でおります。

○岡庭バイオマスチームリーダー あと、環境負荷等とリサイクルループとの関係ですけれども、非常に難しい御質問だと思うのですけれども、リサイクルの順位づけみたいなものがあるのではないかと思っています。そのまま全量使えるのか。でも、例えば、今、市町村が処理している事業系一廃ですとか家庭系の生ごみ、これは今、リサイクル法の対象ではないと思いますけれども、そういうものについて、やはりそれはごみであることに間違いないと思うのですね。そこから、いわゆる分別をして、利用できるものは利用すると。どうしても利用できないものは、ベースがごみなのでどうしても出てくる。それは、先ほどの長岡市の例でもありましたけれども、焼却に回さざるを得ないという部分がどうしても出てくるのかなというのが1つです。
 それから、環境負荷という側面では、メタン発酵施設というのは、いわゆるガスをとって、それを発電利用なりができるわけですね。そういう意味でのCO2削減効果などは高い技術と考えられておりますし、例えばその液肥、今度、液が余るわけですけれども、それを農地利用できた場合には、例えば化成肥料ですか、化学肥料をつくるところで消費している例えば電力ですとか熱ですとか、そういうものを削減できるとか、はたまた、利用していく中で、そのできたものについてはまたリサイクルに回せるという、いわゆる質の悪い生ごみに対するリサイクルループをつくるという意味ではところどころで何か出ていくものがあるのは、やむを得ない部分があるのかなとは感じています。

○百瀬委員 お聞きしたかったのは、やむを得ず燃やす場合と、それからメタン発酵する場合で、環境負荷はどっちが少ないのかということを聞きたかったのです。燃やしたときの環境負荷は検証されていますが、排水を下水処理するときに、もしかしたら随分環境負荷がかかっているのではないかと考え、お聞きしたいのです。
 それからあと、先ほどの費用はわかったのですけれども、さっき言葉の中で、この設備費の回収は難しいとおっしゃられたので、それは、市町村が税金を投入して建設していいのかと思ってしまったのです。
 以上でございます。

○岡庭バイオマスチームリーダー 市町村がという意味で、鹿追町さんなんかがやっていらっしゃるのは農業振興の側面が大きいと思いますし、それからほかの、生ごみを対象にしているような市町村は、施設だけを見たら、減価償却が難しいということになってくると思うのですけれども、一般廃棄物というのは市町村の責務になっているわけで、そういうための経費が必ずかかっているわけですから、その経費を削減するという意味合いで効果が高いと考えます。
 先ほどの大木町の例はそういう例としてお示ししたつもりです。

○牛久保座長 なかなか難しい議論ですが、もう時間なので短目によろしくお願いします。

○鬼沢委員 長岡市のこの事業化は、16ページにあります都市モデルに当たるのでしょうか。それともう一つ、これは、たまたまこの清掃工場の施設があったからここにバイオガスの施設ができたのか、何かそういうことも計画してこういう用地を取得していたものなのですか。

○岡庭バイオマスチームリーダー 小川さん、わかりますか。

○小川主席技師 今の御質問ですが、正確な回答は、この施設そのものについて詳しいわけではありませんのでお答えできないのですけれども、バイオガス化施設は、実は当初から計画されていたということよりも、清掃工場の場合には建てかえが必要になりますので、そういう土地がもともと用意されていたと思われます。それで、そのときに、同じように清掃工場をつくるのか、それともこのバイオガスにするのかという、これは市のほうの考え方だと思います。それで、長岡市の場合には、バイオガスでやろうということで立地を計画したということでございます。
 もともとこの計画地は、清掃工場とか下水処理場とかというものがあるような施設ですので、生ごみのメタンを採用しやすい、先ほどの残渣を焼却するなり、それから水処理をするということに関しては、非常に適応しやすい土地であったということが言えると思います。

○牛久保座長 よろしいでしょうか。
 それでは、時間が参りました。どうも御説明ありがとうございました。
 以上で本日予定しておりましたヒアリングは全て終了いたしました。本日のヒアリングを以上で終了させていただきますけれども、本日は、ヒアリング先の皆様からは、内容の濃い御説明と、委員の皆様から大変有意義な御意見を多数いただきましてどうもありがとうございました。
 最後に、それでは、事務局より連絡事項があればお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○農林水産省長野室長 本日は、大変貴重な意見をヒアリング先の皆様、ありがとうございました。
 次回会合の日程でございますけれども、また、すぐで恐縮ですけれども、5月17日、来週金曜日の3時からということで、今回と同様に食品リサイクル法関係者様からのヒアリングを予定しております。場所は全国町村会館を予定しておりまして、また、委員の皆様にはメール等で御連絡をしたいと思いますし、傍聴の方々には、また1週間ぐらい前にホームページで公表したいと。1週間前はきょうですね。もうしたのでしたか。

○事務局 今はされています。

○農林水産省長野室長 今しました。すみません。そういうことでございますので、よろしくお願いします。
 ちょっと環境省のほうから1つ御連絡がございます。

○環境省永島室長 環境省リサイクル推進室長の永島ですけれども、突然ですけれども、内示がありまして、あした付で福島の中間貯蔵施設の件を担当せよということになりました。本当に皆さんには申しわけない思いでいっぱいで、私もこれからまさにリサイクル法の見直しをしたいと思っておりましたので残念なのですけれども、また、見直しにかけるエネルギーを別のところにつぎ込んでいきたいと思っております。
 後任はしっかりした者が参りますので、申しわけございませんけれども、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

○牛久保座長 どうもありがとうございました。
 それでは、合同会合を閉じさせていただきます。どうもありがとうございました。